国土総合開発特別委員会 第5号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/03/19
会議録
○亘委員長 これより会議を開きます。 国土総合開発に関する件について議事を進めます。竹谷委員より発言を求められております。これを許します。竹谷委員。
○竹谷委員 二月の二十一日の仙台で発行されている河北新報、これは東北全般に配られておる、地方紙としては大きな新聞でありますが、これの第一面の記事に、「社党知事に協力せず」、「自民党開発委で表明」、それは宮城県知事、福島県知事等には協力をしないという内容でございます。ということは、宮城県知事は社会党公認の党員知事であり、福島県知事もまた推薦を受けて当選した、こういう社会党員あるいは社会党推薦の知事には協力をしないということを自民党の東北開発特別委員会で決議ないしは申し合せをして、これを天下に表明をした。ことにわれわれが見のがすことのできないことは、こういう意見あるいは申し合せを自民党の東北開発特別委員会がして、「すでに関係国会議員は各省庁に対して態度表明を伝えており、両県とも今後の中央折衝などが相当困難になるようだ。」、こういうふうにこの新聞記事は結論をしておるのです。これは、自民党の東北開発特別委員会でどのような決議もしくは申し合せをなすかということが、直接府県知事の仕事なり、あるいは自治体そのものの仕事に直ちに影響があるとはわれわれも考えるわけではありませんが、何といっても、与党の、現実に政府の政策を推進し、またこれを決定させる実力のある政党の政策のための委員会が、このような態度を表明するということは、政治的に非常に大きな影響がある。しかも関係の各省庁、経済企画庁なりあるいは大蔵省なり、あるいは建設省、農林省なり、そういう各官庁にその意見を伝えて、いわゆる圧力団体のような形になって、官庁の仕事がそれに左右されるおそれがあるということになりましては、いずれの政党の知事を自治体の長に持っているかということによって、その自治体に非常に大きな利害関係が起ってくるということになると、これは捨ておけない問題である。これは政府の各機関に関係があるのでありますが、自治庁は財政的に全体的なめんどうを見ておる、自治体の指導援護に当っておる官庁であり、しかも地方交付税交付金というような莫大な予算を持っておる。また自治庁の意見によって他の省庁も相当の影響を受けるということになりますと、自治庁長官の御意見を聞くのが一番妥当ではないかと思うのでありますが、まず第一に、そのような自民党の特別開発委員会の意見を自治庁長官は、あるいは自治庁長官の部下は、意思表明を受けているかどうか、それをお尋ねしたい。
○郡国務大臣 私の手元へはそのような表明はございません。また、ただいま東北開発等を主管いたしまする課長を帯同いたしておりまするが、課長もそのような連絡のありましたことを全然承知しておらないそうであります。
○竹谷委員 憲法の第十四条によると、すべての国民は差別を受けないと書いてある。そのすべての国民の中に、個人はもとより法人も入ると私は考える。県なり市町村なりという自治体もまた法人でありまするが、こういう法人は、憲法第十四条にいわれるすべての国民という国民に入るかどうか。私は入ると思うが、この点は法律論は別といたしまして、個人であろうと、会社、法人であろうと、公共団体であろうと、差別を絶対につけてはならないことは、論を待たないところでございます。そこで、政府はたとい自民党の東北開発特別委員会からそのような申し入れがあっても、それに動かされるようなことは万なかろうと私は思うのだが、自治庁長官の意見をお聞きしたい。
○郡国務大臣 行政、財政は最も効率的に、最も公平に行われるべきものでありまするし、また現にそのように行われておりまするから、従いまして、党派のいかん等によって左右されるというようなことは全くございません。
○竹谷委員 それで多少安心をするわけですが、それは自治体としては差別されないけれども、しからば、社会党の党籍を持つ知事もしくは市町村長個人といいますか、自治体そのものではなくて、自治体の代表者であるその知事あるいは市町村長、そういう人に対しても、自治体に対すると同じように、全く差別をしない、こういうお考えであるかどうか、あわせてこの点も承わりたい。
○郡国務大臣 そういう場合に全く差別はございませんし、また差別をすることができませんことも、竹谷委員御承知の通りだと思います。ただ、むしろこれは余談かもしれませんが、知事の中で、党派のいかんによって、なかなかこちらの正しい指令にも従つてくれぬで、自分の立場を言われる方がありまして、それはおかしいですよ、ということを私の方からむしろ御忠告申し上げる場合もありますので、どうか受け入れる方の知事、市町村長においても、きわめて虚心に国策に協力されることを御希望いたします。
○竹谷委員 どうも逆襲してきたようでありますが、しかし、そのようにもし強く政府に向って出てくる知事が革新派の知事であるとすれば、それはやはり差別されているので、そうやらざるを得ないのじゃないのですか。そうだとすれば、これはどうも逆襲にはならないと思う。ことに国家公務員法あるいは地方公務員法等にも明らかに公務員が――これは知事や市町村長も特別職でありますが、公務員だと思う。この公務員が、政治的意見の相違あるいは政党の所属によって絶対に差別されないということも明記してある。そういう意味から、たびたび郡長官から言明もありましたが、地方自治体としても、また自治体の代表者である知事、市町村長としても、絶対にどんな意味でも政府としては何らの差別をしない、こういうお考えであるとすれば、多少安心をするのでありますけれども、しかし、これはこういう政党の意見によって、大臣はそういう気持でも、部下の者がとかく脅される危険がある。この点厳に今後も、地方自治体の権利の擁護者である自治庁長官としては、自治庁の内部はもちろんのこと、政府全体としても、自治体の権利が十分に擁護され、差別されないように、御高配をぜひお願いしたいと思うのです。 極端に言うと、どうしてこんなことが起きたかといえば、だれか自民党の国会議員が、先般行われた仙台市長の選挙の際に、街頭演説で、知事が社会党だ、これでは補助金やその他政府の援助はもらえない、それだから、今度の仙台市長も自民党から出さなければならぬ、というような意味の演説をした。こういうことを知事の職務執行上非常に困る。そこで大沼宮城県知事は、知事の立場にありますので、街頭演説などには立ちたくないと考えていたらしいのでありますが、そこは弁明しておかなければならぬという気持から、街頭に数回立って、自分は社会党の知事としてすでに二年近くもやっているが、何ら差しつかえないし、差別されない、東北開発のために、あるいはその他多くの事業補助金等、十二分に政府からもらうべきものはもらってきている、ということを明らかにしたわけです。これがよほどかんにさわったのかもしれません。しかし、これは当然の弁明であるのです。しかし、こういうことは県民なり市町村民には政治的には非常な影響があるのです。だから、ばかばかしい話のようでありますが、政治的には大きな意味があるのでございまして、もし自民党の諸君が言うように、政府が自民党であれば、知事も市町村長も全部自民党でなければ、その自治体は非常に損をするというようなことになったのでは、これはファッショ政治であって、民主政治の現憲法下においては許すべからざることなのである。これはばかばかしいようでありますが、影響するところ非常に甚大であり、また全国的な問題なんです。現にここに北海道選出の国会議員も多数おられますが、戦後十数年にわたって北海道は社会党知事なんです。社会党知事のせいでもあるまいが、おかげで北海道は非常に開発が進められて、ひと一倍たくさんの予算をもらってやっておる。そういう事情でありますので、自治体の地方自治の発展のために日夜努力せられる郡長官はもちろん、政府全体としても、この点、このような新聞記事に出ているような仕事は実際はしてないと私も確信しております。たとえば地方交付税交付金等につきましても、普通交付税交付金と、それから特別交付金があり、特別交付金は多少自由裁量の余地もあろうかと思う。しかし、これについては交付税法には明らかに公平に配分をしろということが特に厳重にうたってある。これに背反するならば、これは自治庁が法律違反を犯しておることになる。法律の精神を犯し、また背任的な行為になるのであって、そういうことは万ないと私は思いまするが、今後十分の御留意をお願いしておきたいのであります。 次に、これは経済企画庁長官と一緒のところで尋ねたいのでございまして、むしろ主管は自治庁よりも開発庁の方でありますが、昨年の通常国会が東北開発促進法が通過いたしまして実施されておる。東北開発のために、この東北開発促進法と、それから東北開発会社というものを東北興業を改組して作った。もう一つは北海道開発公庫を拡張して、東北も含めるということになったのでありますが、何といっても東北開発促進法は基本的な法律として一番重大であると考えておりますけれども、中を見ると、大したことはない。結局実のあるのは、その第十二条の、東北に対しては、重要事業に対して普通よりも二割多く補助をするという規定が唯一の中身だといってもよろしい。これについては、法案審議の際に裏表から討論されたところでありますが、さて、この第十二条ができた結果、一体どれだけ東北地方により多く補助金が来るようになったのか、これは事務当局からでいいから、一つ御答弁を願いたい。
○長野説明員 東北開発促進法ができました結果、東北各県に対しまするところの補助金の差額が引き上げになりましたのは、昭和三十二年度におきまして、補助事業におきまして、差額だけを申しますと、お手元に資料をお配りしておいたと思いますが、一億一千二百万円、直轄事業におきまして八千百万円であります。
○竹谷委員 ところで、促進法第十二条第二項によると、財政再建団体に対しては、指定事業のうち自治庁長官と経済企画庁長官が協議して定めた重要なものについては、二〇%だけ普通の国の負担割合よりも多く国庫は支出する、こう書いてある。これは非常にまぎらわしいのです。「通常の国の負担割合の百分の百二十」とある。ところが、通常の国の負担割合というのは、財政再建団体として二〇%多く補助せられるのに加えないで百分の百二十であるのか、あるいは財政再建団体として二〇%増額せられるのと重複するのであるかという問題であります。通常の国の負担割合というのは、財政再建団体としての補助増額を含まないものの百分の百二十だということになりますると、これは何もプラスするものがないという結論になるわけです。それで、何にもならぬじゃないかということをわれわれはこの法案審議のときに議論してきたのでありますが、しかし多少はプラスになるということであった。今事務当局の答弁によると、補助事業が一億一千万円、直轄事業八千百万円、合せて一億九千万円くらいが、この東北開発促進法第十二条第二項によって東北七県においてよそよりは多く補助金がもらえる、こういう三十二年度の実績であるようでございます。ところが東北七県全体の予算総額が何ぼくらいになりますか、たしか二千億くらいだろうと思う。そうしますと、二千億に対して二億足らず、東北開発促進法という法律ができたおかげで、予算総額に対して千分の一だけ東北開発のために多く補助金が出たというにすぎない。これはほとんど焼け石に水です。この一億九千万円東北開発促進法による補助金が増額になった。それも、財政再建団体としての補助増額百分の百二十というのが、従来の基準年度である昭和二十七年から二十九年度までの平均の事業量よりもふえた部分について、財政再建団体としての補助率が少し減った、それをカバーするという程度のものを東北開発促進法でやったにすぎない、こういうことなんです。一体昭和二十七年から二十九年というのは、ずっと景気の悪い時代なんです。三十年、三十一年あたりで大きく膨張しました。しかも東北開発のために、府県の事業も国の事業も非常にふえている、過去の実績を基準として、それを越えた部分については、財政再建団体としての補助が減る、その減る分を少しカバーするにすぎない効果しかこの東北開発促進法は持っていない、こういうことになるのであります。一体昭和二十七年、二十八年ごろのその財政規模、また公共事業で東北開発の促進なんというものはできるものじゃない。しかも大部分は赤字要再建団体なんです。そういう府県を対象にして、このような東北開発促進法では、東北開発のためにプラスするものはほとんどゼロなんです。そういうことに私はなるのじゃないかと思う。 そうしますと、一体地方財政再建促進特別措置法でいうところの、基準年度を超過する部分については増額してやらぬとか、あるいは増額を減額するということ自体に自治庁の方に問題がありますし、ことにこの問題は、東北のような、今まで経済活動また地方自治体の活動というものにおいて非常に程度の低かったところを、どうにか普通水準に引き上げようという、この東北開発を要するものに基準年度を設けて押えてしまうということ自体に、非常に問題がある。こうなってくると、この財政的にかわいそうな東北地方に対して、特に東北開発促進法を作って何とかしようということは、ほとんど、意味をなさなくなるように思う。地方自治体の財政を預かり、ことに画期的な開発をやろうという東北の各県自治体等の状況を見て、自治庁長官はどうこの東北開発促進法をお考えになるか、御意見をお聞きしたいと思う。
○郡国務大臣 私といたしましても、地方の再建団体が、一方で財政の再建をしながら、その行政水準を高めて重要な公共事業はやって参りたい、この両方を調和いたしますことを、常に一番重点として考えておるのであります。お話の中にもございましたが、再建団体の促進法では、事業量が多くなれば国の負担割合の引き上げ率が変って参ることになっておりますから、財政再建促進法でいけば、二割増しの場合もあり、一割増しの場合もあり、そこまでいかない場合も起って参ります。ところが東北開発促進法では、これは国会の皆様の非常な御尽力によりまして、重要事業については、事業量のいかんを問わず、二割に引き上げることになりました。従いまして、たとえば道路改良を例にとってみますと、七割五分は普通の補助があり、その七割五分に東北は二割をかけたものを補助する、そうすると七割五分の二割でありますから、一割と五分であります。本来の七割五分の補助と、一割五分の増加分を寄せますと、東北開発の重要事業、たとえば道路改良について見ますと、九割まで補助をいたされておる。その残りの一割の負担につきまして、起債とかその他の自己財源を与えていく。補助といたしましては、九割というのは私は極限だと思います。そこまで東北開発は国が助成をいたすことに相なっておりますから、これで東北開発が従来よりも活発に行えるものと考えております。
○竹谷委員 今、自治庁長官は、国道に関する補助の問題を取り上げたようです。これは国道ですから、国が全額負担してやってもらうより仕方がない。これだけはおっしゃった通りです。しかし、その他の河川や土地改良の事業になりますと、そうは参りません。 そこで、今経済企画庁の政務次官が見えたのでお尋ねしたいんだが、東北開発促進法の第十二条について今自治庁長官と話しておるわけですけれども、結局東北はほとんど財政再建団体であって、その結果、東北開発促進法ができて、一体補助がどれだけ多くもらえたかというと、先ほど三十二年度の実績によると、二十二億の補助金が二十四億になった。一億九千万円だけこの東北開発促進法第十二条によって多くもらえたという結果になっております。声を大にして叫んで、大騒ぎで通したこの東北開発促進法、画期的な法律だというこの法律によって、東北は一億九千万円だけ補助金が多くもらえたにすぎない。この一億九千万円という金は、東北七県の総予算の千分の一くらにしか当らないのです。こんなことでは――どんどん仕事をやっていかなければならぬ東北、ことにそれらは経済的に豊かでありませんので、地方の財政収入も非常に貧弱である。しかも、たくさんの仕事をしなければならぬ。国道のような国の経営すべき公共事業でさえも、一割以上の負担をしなければならぬ。その他のあらゆる県の事業あるいは国の直轄事業にしても、大部分府県が何がしかの金を負担しなければ、公共事業はやれないのです。その一割でも二割でもの府県負担の金が出せないというのが、今日の東北の実情なんです。その実情にかんがみて、東北地方に対する補助率を増額するというのが、この東北開発促進法の精神なんです。そういう大きな精神で生まれたこの法律による利益というものは、今言ったように総予算額に対して千分の一にすぎない。声は大きいけれども、一カ年でただの一億九千万円だけなんです。これでは東北開発にはほんの微々たるもので、何百年かやっていったら、多少の効果はあるだろうけれども、五年や十年では何にもならない。こんな中途半端なことではだめなんで、もっと北海道のように積極的に、あるものは全額国庫でやる、あるいは今まで地方費負担が五〇%のものは三〇%に、三〇%のものは一〇%に減らすという画期的な措置を講じなければ、この東北開発促進法の第十二条という現在の規定は、ただかけ声だけであって、名義的な涙金にすぎないということになると思う。政務次官はどうお考えですか。東北開発促進法で一体東北開発が基本的に促進されて、公共事業がたくさん行われ、交通、運輸の開発がどんどん進むとお考えになりますか。一億九千万円ばかり補助金が多くなったからといって、赤字に苦しむ東北各県の画期的な東北開発、公共事業の拡大推進なんというものは私はできないと思います。そこで経済企画庁としては、東北開発のために、東北開発促進法を改正して、このような羊頭狗肉の法律ではなく、実質的に中身のあるような規定に改正する御意向はないかどうか、政務次官にお伺いしたい。
○鹿野政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。御趣旨については私も非常に賛成する点が多々あります。しかし実際の問題については、いろいろな関係上なかなか困難な問題ですが、ただ東北開発促進法が生まれたことによって、公共事業の面については約二億弱のものでございますけれども、そのほか会社の事業とか、その他のことについて、全般的には東北開発について相当いろいろな役割を果してきておるのではないかと考えるわけでございます。ただいま御質問の、促進法を改正する意思がないかどうかということでございますが、これはいろいろな関係もございますので、十分御趣旨に沿って研究してみたいと考えるものでございます。
○竹谷委員 今政務次官から、東北開発会社もしくは北海道東北開発公庫というものができて、金融面あるいは事業面で東北の開発が大いに推進され、それらと促進法をあわせて東北が大いに伸びているのじゃないかという御意見ですが、これは全然皮相な観察である。東北開発株式会社が従来の東北興業としてやってきた事業に少し金をつぎ込んで、木友炭鉱の坑道を掘るとか、福島のカーバイド工場をどうするとか、東北船渠の休んでおったものを動かすとか、その他多少そういうことはやっておる。しかしこれは、一部分の企業の眠っておったのが少し元気よくなったという程度にすぎない。北海道東北開発公庫に至りましては、これはあとで質問したいと思いますが、われわれは一千万円以下の資本金の中小企業であっても、東北開発のためになるものには勇敢に金を出せということを注文して、付帯決議もやっておるのに、全然これをやっておらない。そこで、その統計について昭和三十二年度の貸し出しの金額等を北海道東北開発公庫で出してもらいましたが、どういう会社であるか名前は書いてありませんけれども、大部分は大資本の会社であり、またそういうところは北海道東北開発公庫から金を出さなくとも、普通の地方銀行でも十分に喜んで貸してくれる会社なんです。そうして東北開発を特に奨励しなければならないようなところは、押しつけられて借りられないという現状なんです。そういう東北開発株式会社の仕事、あるいは北海道東北開発公庫の仕事の状況であり、そこへ持ってきて今の一億九千万円ばかりの涙金を出したくらいでは、何ら東北開発にプラスにならないので、一つ画期的なことをぜひ経済企画庁として考えてもらいたいと思います。きょうは大臣が見えませんし、あとの渡邊君の質問の都合がありますから、一応保留いたしまして、この程度にしておきます。
○亘委員長 渡邊委員。
○渡辺(惣)委員 竹谷さんが質問していらっしゃる時間を拝借して恐縮ですが、十一時半から外務委員会で藤山外務大臣に質問することになっておりますので、その前に、石井長官に御出席いただきましたから、質問いたしたいと思います。 実は国土開発委員会は諸般の事情で議事が停滞しておりまして、今提出されております北海道地下資源開発株式会社法案の審議に入らなければならない時期が参っておりますので、与党の理事諸君とも話し合いをいたしておるわけであります。今まで二日間一般質問をやりましたので、きょうは締めくくりをつけまして、できれば一つ北海道地下資源開発株式会社法案に入りたいと思っておったのでありますが、法案の審議に入ります前に、一般質問の締めくくりと申しましょうか、この機会に一言石井さんに質問をし、自余の法案に関連いたした問題については、それぞれ法案審議の質疑の中でやりたいと思っております。私、ここで石井大臣にお伺いいたしたいのは、実はいよいよ国会の解散が間近に迫っておるわけです。少くともこの国会をもっていずれかの時期に解散されるということは、副総理であります石井さんは十分胸底に抱いていらっしゃると思います。従って、私ども在任三年数カ月の間この委員会で協議して参りました諸問題の締めくくりをつけるということは、お互いに、政府であろうと、与党であろうと、野党であろうと、当然の責務であると思うわけであります。 そこで、お尋ねを申し上げたいのは、実はこの委員会には昭和三十一年の五月に提出をされた法律案で、二十四国会から今日の国会まで、五国会にわたりまして継続審議になっております案件が二つあります。一つは北海道開発法を廃して、北海道開発庁設置に関する法律案が出ておるわけであります。もう一つの石炭手当免税措置に関する法律案も出て、この二つの案件は実に五国会の長期にわたりまして、提案理由の説明が行われただけで、質疑も行われなければ、討論も行われておらないという、前代未聞の現象を呈しておるわけであります。このことは、少なくとも政府の責任でありますとともに国会審議の威信にかかわる重大問題である、こう理解するわけであります。元来、この北海道開発庁設置法なる法律案は、鳩山内閣の初期におきまして、全面的な国の行政機構を改革しようという波に乗って登場した法律案であります。この鳩山内閣における行政機構改革の基本になっておりました法律案は、御存じの内政省設置法であります。従いまして、北海道開発庁設置法案というものも、当然内政省設置法の法案の内容と、至るところに関連を持った部分があるわけであります。 そこで、石井副総理は先般内閣委員会におきまして、わが党の石橋政嗣議員の質疑の過程におきまして、鳩山内閣以来、これも五国会継続されてたなざらしになっておった内政省設置法案を撤回をする意思表明をせられたわけであります。従いまして、この内政省設置法と軌を一にし、鳩山内閣の遺産であります、しかも五国会の長期にわたってたなざらしにされておりますこの法案というものを、この際五国会通してたなざらしにしておいて、そして議会が解散になったということで、自然廃案ということに処理をせられるのか、それとも、そういうような国会審議を非常に軽視するもの、また政府が自信もなく、行政機構全般に関連を持つきわめて重大な内容を持つ法案を、五国会の長期にわたって一つの質疑もなされずにたなざらしにしておったという、こういういわくつきの法案というものは、国会の解散によって自然消滅に立ち至らしめるというような、無責任な措置をとることなしに、一つ政治の公明を期するために、国会の審議に権威を持たすために、この際国会が解散になる以前に、少くとも政府は、石井副総理は、内政省設置法案については、非常にすっきりとした建前をもちましてこれを撤回されたのでありますから、この場合、北海道開発庁設置法案も、きれいさっぱりと撤回せられまして、そして、もし北海道開発に関する機構を大きくしようとするならば、また政府が行政機構の簡素化をはかるといったことならば、そのことは非常に必要なことでありますし、私どもはそのことは、方法論は別といたしまして、原則的に大いに賛成し、協力しなければならぬところでありますので……。しかし、政府が現に鳩山内閣の当時、十分に検討もせられずに、当時の情勢で提出をせられたもので、三年の長きにわたって放置されたものを、今ここであなたの方であらためてここへこれを上程し、論議をして――この国会で論争する用意もおそらくありますまいと思いまするし、提出をせられた、三年前の北海道分県論であるとか、あるいは北海道総局長官を設置するとか、あるいは通産省を初め運輸省、建設省あるいは自治庁等の関連しておる機構を一挙にここで統合しようという案は、今日はもはや全くそれぞれの関係者も忘れ果てておるというような問題でもあります。しかも政府は、北海道開発庁設置法案を出した以後において、北海道東北開発公庫法等を提出された。しかも政府が現に北海道開発庁設置法案を出しておきながら、その法案を審議しないものですから、結局もとの古い方の北海道開発法の一部修正をして、これを補わなければならない。でありますから、今日現在北海道東北開発公庫が出現して、その監督権の問題について、当然これは今出されております北海道開発庁設置法というものを、なおやられるということであるならば――北海道開発庁設置法の中には、依然として北海道開発公庫の監督というだけになっておって、法案自身がすでに客観的な情勢から見ましても、死滅しておる現状なんです。にもかかわりませず、この法案をこういうふしだらなままで、これを解散にまで持ち続け、そうしてこれを国会の審議かけることなしに廃案にするということが正しいかどうか。石井さんは非常に公明な政治家でありますから、こういうような措置が、どういう経過であろうと、正しいかどうかということも重大な問題でありますし、すでに法案の内容が客観的に死滅をしております現状におきまして、ここで一ついさぎよく、この法案は内政省法案との関連もあることですから、この際一つ撤回をなさいまして、国会の審議のあり方をお示しになることが最善の道だと私は考えるわけであります。従いまして、お互いに総選挙に臨むのでありますから、この際政治的の責任においてこの点を明らかにしていただきたいと思います。所信をお伺いするわけであります。
○石井国務大臣 ただいま渡邊君のお話の、北海道開発庁設置法の改正案、この内容は、当時、提案のときには熱意を持ってこれを提出したのは当然だと思うのでございますが、その後の情勢もいろいろ変り、また私が昨年しばらく北海道開発庁の長官代理をしておりましたときも、この問題は国会に一時ちょっと話の種になったことがあるのでございますけれども、私あまりこれには興味を持たない、これは非常に大きな立場から北海道の開発という点から見て、それほどプラスにはならない、もっと違う角度から考えるべきではないか、これは私の私見だということを申し上げたと覚えておるのでありますが、そのままの状態で今日になっておるのは御承知の通りでございます。これは今、渡邊君の御提案と申しますか、示唆に従いまして、この法案は撤回するようにいたしたい、こういうふうに思っております。そういう手続をとりたいと思います。
○渡辺(惣)委員 大へん公正な御所信で感謝いたします。 なお継続いたしまして質疑をいたすところでございますけれども、私の外務大臣に対する質問の時間が参りますので、あとは私は、すなおに次の法案の地下資源開発法の審議の際にそういう発言を申し上げることにいたしまして、終ります。
○竹谷委員 これは経済企画庁にお尋ねしたいのですが、今度の国会に道路整備緊急措置法案、道路整備特別会計法案、この二つの法案が出ております。これは五ヵ年計画をもって、大規模に日本の一級、二級の国道あるいは高速自動車道等の新設、改築等をやる、こういう法案であります。これはむろん建設大臣の所管であり、一部運輸大臣と協議をするというような規定でございますが、これについて私は経済企画庁の長官の意見を聞きたいのでありますけれども、きょうは差しつかえがあるそうでありますから、政務次官がかわって御答弁を願いたいのです。 飛行機や自動車の発達でもって、世界中の交通というものは非常に革命期にきている。日本も非常な勢いで自動車が増加しているから、まず自動車道なりの整備をする、また一般の国道、重要地方道等についても整備しなければならぬことは契緊の仕事でありまして、こういう方向に道路政策を持っていくということについては私も賛成です。ところが、この道路整備の計画について、この法案の中の第二条、第三条等に計画、財源等のことが述べてあります。ところが、この第二条によりますと、道路の計画の案を建設大臣が作って閣議の決定を求めて、これを実施する、こういうことになっておる。これに私は非常な不満を持つものであります。と申しますのは、日本全体が自然発生的に道路ができ、発達してきて、あるものは国道となり、あるいは府県道となり、市町村道となった。現在の日本の経済産業の状態あるいは人口の配置、また今後の国土計画というようなものは全然考慮されてないでできているのが、今日の道路の状況であろうと思う。この道路の計画を作るに当りましては、画期的な国土計画の線に沿って道路計画は立案されなければならないと思うのです。建設省だけで、単に人や物資を輸送する、現在の交通上の隘路を打開するというような狭い観点でこの道路政策を作ったのでは百年の悔いを残すことになるであろう。イギリスは道路が大体三十万キロあるそうでありますが、それが百パーセント舗装されておる。日本はまだ一万キロか一万数千キロしか舗装されておりません。ところが、この道路の舗装の完備したイギリスにおいて、今日世界中で一番完備した道路を持っておりながら、その道路の不便さに非常に困っておる。と申すのは、自動車専用道路が全然ない。かつてロータリーという人が発明したのかどうか知らないが、ロータリーというものを交差点に作った。これは道路の革命といわれたそうでありますが、そのロータリーが至るところにあって、あるところは百キロなり百五十キロで走って行くが、すぐ一キロも行かないうちにロータリーにぶつかってしまって、そこで自動車をとめたり、あるいは徐行したりしなければならぬ。自動車のスピードが全体として落ちて、非常な不便なものになっておる。そこで専用の自動車道路を作って、この隘路を打開しなければならぬのであるが、すでに道路に対する莫大な投資が行われており、その上にまた二重投資をするということは、今日では老大国になったイギリスの財政としてはなかなか困難である、土地もつぶれるというようなことで、非常な悩みになっておるそうでございます。 その点、幸か不幸か、日本はまだそういう意味で道路が完備されておらない。これから作ればいい。このときに、将来のあらゆる面から総合的に計画された国土計画に沿うところの、およそ一国の産業経済あるいは人口の配置等から見て、生産財の基盤であるこれをしっかり作らなければ、国土開発もできない。ことに東北あるいは北海道は未開発地が多いのであって、縦横に新しい道路を作ることができる。こういう点を、従来ある国道を広げたり、あるいは曲っておるところをまっすぐにするというようなことで、お茶を濁してはならない。画期的な道路計画を作らなければならぬ。こういうときに、経済企画庁は国土計画なり、あるいは日本の経済計画を担当しておるのでありますが、この道路計画を傍観しておるようなことでは私はだめだと思う。ことに北海道や東北に関しては、何もないところへ新しい路線を作れる。そういう意味合いにおいて、全国的な国土開発計画はもちろんのこと、北海道や東北の開発から見ましても、こういう問題は、むしろ経済企画庁が中心となって、経済の根本的な生産基盤になるところのこの道路の問題を突っ込んで考えてもらわなくちゃいかぬと思う。現に、たとえば運輸省においては広軌の複々線を作ろうとしておる。一方において昨年の国会で法律となりました国土開発縦貫自動車道法においては、自動車専用道路を作って、名古屋から分れて岐阜県、長野県、山梨県を通って関東に行く、こういうものがある。こういうときに三本の自動車道、中央自動車道、それから東海道を通したいというのが建設省の事務当局の考えです。そこへ運輸省の広軌の鉄道複々線、これはいずれもみなあることに越したことはありませんが、財政的な観点から、また狭い国土をやたらに道路にみな使ってしまうという土地の問題等からも、これは最も効率的な、将来の国土計画から妥当なところにこれからの路線を選ばなければならないという問題もあります。そういう点からして、建設省は、従来の古い道路という観念、人間や物資があるから、そこに道路を作ってやるというだけに立てこもった封建的な考えではなしに、新しい経済企画の観点から、この道路政策を推進しなければならぬと私は思う。これについて先般の新聞に、何か道路政策の閣僚懇談会というようなものができたということが載っていたのでありますが、企画庁としてこの問題には非常に怠慢である、十分の熱意を示さないのは一体どういうわけか、この点承わりたいのであります。
○鹿野政府委員 ただいまの竹谷委員の御質問については、確かにごもっともでありまして、私もそういうふうに考えております。近代的な交通方法としては道路が主体にならなければならない。特に日本が、狭い国土にたくさんの人間が生活して国の経済の自立をはかっていくためには、竹谷委員のような考え方が基本にならなければならないと思います。企画庁におきましても、五ヵ年計画などの長期計画に盛られた考え方は、やはりそうしたことが非常に多く考え方の基礎になっておることは事実でございます。ただいま現実の問題について企画庁が怠慢であるとのおしかりを受けましたが、なお一そう現実の政策面にそうした企画庁の考え方が織り込まれるように各省間と連絡をとりまして、努力をいたしたいと考えます。
○竹谷委員 お考えの方向だけはわかったけれども、現実には何か連絡がついておるのですか。当時この法案の審議等に企画庁は参加したのかどうか。全然タッチさせられなかったのかどうか。あるいは道路政策の閣僚懇談会というものができたという新聞記事があったのですが、そういう閣僚懇談会ができたのかどうか、それに対して企画庁として一体どんな発言をしようとしておるのか、具体的に御答弁願いたい。
○鹿野政府委員 道路政策の閣僚懇談会の問題については、きょうは大臣が留守でございますので、また具体的にあらためて答弁の機会を得たいと思うのでございますが、少くとも企画庁としては、ただいま私が申しましたように、近代的な交通関係に対する感覚を持って道路政策に臨んでおるということは間違いございませんので、なお一そう現実の問題に対して企画庁の考え方が及びますように努力いたしますことをお答えするわけでございます。
○竹谷委員 どうもこれは政務次官には無理なようで、また大臣に対する質問をこの点に関して留保しておきたいと思います。 次に、北海道東北開発公庫のことについてお尋ねしたいのであります。きょうは開発公庫の理事者が見えていませんので、これはあとで理事者も呼んでお聞きしたいと思いますが、きょうは概括的なことをお尋ねしたい。昭和三十二年度の現実の予算では百六十一億かでありましたが、現実にはだいぶ削減をしたようでありますけれども、一体実際は昭和三十二年度はどれくらいになるのであるか、お答えをいただきたい。
○伊東政府委員 北海道東北開発公庫の融資の問題でございますが、東北分につきましては三十二年度は四十五億ということでスタートいたしております。それで現実に現在までに融資の約束をしましたのは大体三十九億くらいございまして、金が出ておりますのは、三十一億ばかり出ております。それで御承知のように来年度への繰り延べ五十億がございましたので、この分を幾ら公庫が持つかということは最終的にはきまっておりませんが、われわれといたしましては、融資の承諾は最初の通り四十五億いたしまして、それになるべく近い数字のものを実際の金として払うというようなことで進んで参りたいと思います。二月末では、実績が大体今申し上げましたように三十一億ばかり出ております。
○竹谷委員 北海道の方は……。
○中平政府委員 北海道におきましては、二月末までの金額は七十一億でございまして、三月末までにどのくらい出るかということは、今のところちょっとはっきりしておりませんが、大体八十五、六億程度を見ておるわけでございます。
○竹谷委員 そうすると、三十二年度の貸付の予定はどれくらになりますか。両方合せますと百三十五億ですか。
○桑原説明員 お答えいたします。三十二年度の貸付予定額は百十九億と相なっております。
○竹谷委員 そうすると、予算は百六十九億だった。五十億は圧縮した形になる。その五十億は、三十三年度において三十三年度の予算と合せて貸し出しをやることになるかどうか、その点をお尋ねしたい。
○桑原説明員 その点は大蔵省の最終的な意見をなお確かめておりませんが、われわれの解釈では、百六十九億のうち五十億は繰り延べだ。三十三年度に持ち越されるわけでございますから、百四十一億円の明年度の予算が決定しておりますが、百四十一億円のうち五十億円は三十二年度の繰り延べ分を含んだもの、こういうように解釈しております。
○竹谷委員 そうしますと、三十三年度要求額の百四十一億円プラス繰り越し額五十億ではなくて、繰り越した五十億を加えた百四十一億ということになって、三十二年度の計画に比して結局二十八億減ということになる、こう理解してよろしいかどうか。
○桑原説明員 その点はこういうように私らは解釈しておるのです。現実に来年度は百四十一億円の金が現金として全部昭和三十三年度には交付される予定になっております。本年度の現金交付額は、昭和三十二年度の三月末で百十九億でございますが、現実においては二十二億円の増加、こういうように解釈しております。
○竹谷委員 それで昭和三十二年度の貸付予定額は、北海道は八十五億、東北は四十億くらい、こういうのであります。三十三年度には、現実に百四十一億の現金が交付される、こういうことであるが、それは大体どんなふうに北海道、東北に分けるか、またそれらの貸付予定額はどういう事業に貸し付けるような予定であるか、お答え願いたい。
○桑原説明員 ただいまの点でございますが、昭和三十二年二月末現在におきまして、公庫に現実に申し込みをし、公庫が聞き取り書をとっておる段階におきましては、大体の数字でございますが、北海道分百十億、東北分百七億、こういう段階になっております。それで現実に新年度に入りまして、七月ごろになりますと、さらに資金の申し込み状況は五十億見当ふえるのではないか。そうしますと、大体昭和三十三年度における北海道、東北分の資金需要は二百七十億円見当でございます。これに対しまする現金交付額は、ただいま申しましたように百四十一億円でございますが、なお北海道、東北分の振り合いをいかが相するかというような問題については、検討をすべき問題が残っておりますので、資金配分の需要額あるいは利用先決定額は、多少おくれる見込みでございます。
○竹谷委員 本年度は大体北海道と東北分と予定して分けたはずだが、三十三年度は分けられるのですか。両方の申し込みをとって、ごっちゃにして、北海道、東北はそういう地域的の区別は全然頭に置かないでやるのか、それとも大体の方向をきめるのか、それをお尋ねしておきます。
○桑原説明員 確かに昭和三十二年度におきましては、資金配分がはっきりしておりましたが、本年度はまだ資金配分をきめる段階に至っておりませんので、さらに公庫に集まりました調書あるいは開発庁、経済企画庁に集まりました要望書等を参考にいたしまして、適正な配分を考えたい、こういうように考えております。
○竹谷委員 事業については、どういうものに貸し付ける方向ですか。
○桑原説明員 その点は、業務方法書に定められております石炭、天然ガス以下の五業種について、これを適正に配分していきたいというように考えております。
○竹谷委員 昭和三十二年度から東北が加わって、北海道、東北を一緒にやるようになりましたが、その北海道開発公庫法を改正するときに、本委員会は付帯決議をつけて、業務方法書に書いてある一千万円以上のいわゆる大企業だけに公庫の金を貸すのではいけない、それ以下の中小企業でも、東北開発のためのものには貸し出すべきである、こういう付帯決議をつけたのでありますが、その後業務方法書が改正になったのか、改正をしなくとも、それは原則であって、例外も認めるのだ、こういうような答弁でもあったのであるか。その例外というか、一千万円以下の中小企業にも三十二年度には貸し出しがなされた例があるかどうか、お答え願いたい。
○桑原説明員 一千万円を割っているというものには貸しているのはございませんが、三千万円以下につきますと、三十三年の一月末で、会社数にして、札幌支店関係で三十一社、仙台支店関係で八社、計三十九社、そして総貸付の会社数に対する比率は三五%を占めております。
○竹谷委員 そうしますと、一千万円以下の資本金の会社からは全然申し込みがなかったのか、それとも貸し出し申し込みがあったが、拒否をしたのであるか。すなわち一千万円以下でも場合によっては貸し出すという、その例外の場合が一体考慮されたかどうか。これは実務者に聞かねばならぬかもしれませんが、説明員でわかればお答え願いたい。
○桑原説明員 その点は、詳しくは公庫から聞いておりませんが、私が仄聞いたしましたところでは、業務方法書の趣旨が徹底いたしておりますので、大体一千万円以下の会社は公庫に対して申し込みをしてきておらぬ。ただし一千万円の会社にして申し込んできている例はございます。
○竹谷委員 この経済企画庁からもらった公庫の実績表というものを見ますと、確かに一千万円未満のものは貸し出しがないようである。一千万円から三千万円、三千万円から五千万円と分けてありますが、この実績表を見ますると、三千万円以下の会社に対しては、ただの十七億しか出ておりませんね。三千万円以上、大資本のものには残り百数十億が出ております。大部分は大企業のためにこれは出ている。北海道、東北、各道府県のどのような法人に貸し出されたかという、具体的に私は名前を承知いたしておりませんが、私の知っている範囲だけを見ましても、それらの会社、法人は、一流の都市銀行からも借りられる資格のものが大部分であり、また貸し出すであろう、そういう法人であります。また地方銀行等はなかなか中小企業には貸し出しを渋っておるのでありまするが、これに貸し出されておるような一千万円以上くらいの比較的小さいところでも、地方銀行にとっては喜んで貸す対象であります。国の資金をもって貸付をして、東北開発に資するために作ったこの公庫から特に貸し出さなければ、借りられないような対象ではないのです。あるいは中小企業金融公庫なり、あるいは北海道東北開発公庫なりが、特に国家の資金をつぎ込んで、東北、北海道の開発をはかろうという趣旨の資金として活用されたと認められるべきものは、私の知っている十か二十の貸し出し先を見ましても、全然見当りません。これでは、この公庫をせっかく東北、北海道開発のために作ったという意味をなしていないと思う。会社の規模別に見た貸し出しがら見てもそうでありまするし、数から見てもそうでありますし、実質各貸し出しを受けている会社、法人を具体的に、ピックアップでありまするが、見ただけでも、そういうことははっきりしておる。これでは、この公庫を作った意味の大半が没却されておる。結局大資本家が北海道や東北で事業をやるのに便利なようにしたにすぎない。しかもそういう大資本家の北海道、東北での事業を助成してやるということは、北海道、東北の開発にはむろんなるのでありまするが、そうせぬでも、自力でどこからでも金融をつけ、必要があれば仕事ができる人たちである。だから、その人たちに便宜を与えるにすぎないような営業方針、それが今日の公庫のあり方のように思われる。この点に関しては、経済企画庁あるいは北海道開発庁では、これで満足して、実際これあるがゆえに、なければ起きない企業が起きたのだということを確信をもって答弁ができるかどうか。またこの公庫があるがゆえに、公庫がなければ発展をしなかった事業が、このように新たに創業された、あるいはその事業が非常な拡張を見たというような例があれば、一つお示しを願いたいと思う
○鹿野政府委員 ただいまの竹谷委員の御質問に対してお答えいたします。一千万円以下の資本金のところには一応原則として、これは中小企業金融公庫などが担当することになっておりますが、附帯決議として、一千万円以下のところにも北海道東北開発公庫から出し得ることにもなっておるわけでございますけれども、実際問題として今までは出ておらない、こういうことでございます。ただ問題といたしまして、北海道、東北開発に非常な役割を占めるというような企業が、一千万円という問題と、中小企業の配列に入る三百人以下の事業場というような問題と関連いたしまして、大体のめどを立てて、北海道東北開発公庫の負担分と中小企業金融公庫などの負担分とに区分けいたしまして、今までやって参りましたわけでございますが、ただいまのようなことで、一千万円以下のところでも大いにやらなければならぬようなことがはっきりいたしたところの事業に対しては、これは今後融資が行われる。このように考えて、開発公庫の方にもその相談をいたしておる事情でございます。
○竹谷委員 なお具体的に公庫の理事者あるいは東北開発の理事者等も加えてお尋ねをいたしたい。なお経済企画庁長官に対する質問も留保してありますから、それは次の機会に委員長においてしかるべくお取り計らいを願いたい。
○松田(鐵)委員 僕は、ただいまの竹谷君の質問に対して一つ同じ点があるのでございます。先日企画庁長官から非常なおしかりをこうむった。それは何のために北海道東北開発公庫はああいう大きな会社にのみ融資をすることを考えておるのか、何のためにあの公庫を作ったのか、要するに東北であろうと、北海道であろうと、ほんとうに北海道を開発し、東北を開発するというのは大企業ばかりじゃないんだ、今までの金融べースにも乗らなかったものが、長期の資金を出してやることによってのみ初めて企業が円滑化されていくのである、こういう点に対してどうしてああいう大会社にばかり融資をしなければならないのか、これはほかに長期信用銀行もあるだろうし、開発銀行もあるだろうし、また一流の会社もあることであろう、何を一体君らはぐずぐずしているんだ、こういうおしかりをこうむった。そこで僕は非常に答弁に困った。これは北海道開発庁長官でも同じことだろうと思う。この間も小さな問題があった。一つの例をたとえるならば、帯広のガス会社、これは当然公益性もあることだから、長官に対して陳情があった。長官は、こういう公益性のあるものに対しては出してやらなければいけないじゃないかと言って、公庫に指示した。それにもかかわらず、非常な難関にぶつかったというのです。ようやくきのうその社長が来て、公庫と話し合って、一千万円融資してくれというのが、八百万にきまったというのです。 どうもそういうことから総合してみると、この委員会では一々個々の問題を取り上げるわけにもいきませんが、河野長官がどこからか聞いてきた話と、石井長官がせっかくそうして指示をしたのに、非常に長い時間を費しておる、その点、竹谷委員がただいま指摘されたようなことが公庫の性格であるとするならば、公庫そのものの性格を改めるように、この国会でもう一度考えなければならないのじゃないかという考え方を持つ者でございます。あなた方政府とすれば、ただいま竹谷君の質問に答えた通り、また私が直接河野長官から言われたように、政府はただいま私が前段で申し上げたような考え方を持って開発公庫というものを作ったと思う。ところが公庫の理事者というものは、そういう考え方を持っていないように思われる。どこかあなた方の監督がいけないのじゃないか。あなた方のこの公庫を作った趣旨が公庫に徹底しておるかどうかという問題は、国会で論議しなければならない問題だと僕は思う。もっとも有能でない理事者であったら、かえってもらわなければならぬ。政府の意見の通りに、政策の通りに行く者でなかったならば、それがその人によって運営されるんだったら、人をかえなければならない。理事長は大蔵省の先輩であるから、私どもはあの総裁が就任されるというときにおいて――大蔵省はややもすれば、まるで小じゅうとのような考え方を持つから、先輩である松田令輔氏が最適任者であろうという政府の意見と、私どもの意見は一致したものである。人事に対してとやかく言うわけに行かぬが、相談があったとき、松田令輔は先輩であるからいいことだろう、最も適任であろうというわれわれの意見もあったんです。ところが、やってみると、ただいま竹谷君の御意見を聞いてみても、河野大臣の意見を聞いてみても、石井大臣の意見を聞いてみても、われわれをしかりつけたところで何にもならぬのです。まず政府みずからが公庫に対して、この公庫を立てた趣旨はどうであるのかということをよく徹底させなければならない。また松田令輔そのものが国会の審議というものを知らぬのだ。公庫を立てたときには彼は出ていない。あとからきまったものだ。東北を入れたときは本人がおったんだけれども、出てこなかった。だから、もう少し国会として、この公庫というものをどういう意味で作ったのかということを考えなければならない。あした僕は石井長官にもこの話をしようと思っているんだ。今地下資源の開発会社を作っても、これと同様のことになるのだったら、作らない方がいい。僕はあした石井大臣に対してもこの点を質問して、意見を聞こうと思っている。開発公庫と、それから今提案されておる地下資源開発株式会社というものはどういうことになっておるのか。改めてもらわなければならない。改められないというのであったならば、政府の意見を聞かないというのであったならば、その理事者は、有能な理事者とかえていかなければならない。私どもはそれだけの考え方を持っているが、政府はどういう考え方を持っておるか、ここではっきり御答弁を願っておかなければならない。あしたの石井大臣に対する質問の要旨も大体今言うたようなことだが、もっと強く言うことと、強く言わないこととあるが、まず両政務次官がおいでになっておるのだから、あなた方の御意見を聞いておかなければならない。
○福井(順)政府委員 御指摘の、開発公庫の融資が大企業に偏向的に行われているじゃないか、そして中小企業にどうも冷淡じゃないかというようなことでございますが、公庫の設立の趣旨から申しますと、決して大企業にのみ偏向的に融資をするというようなことはないわけでございますけれども、実際に融資をする段階になりますと、これはやはり公庫の責任者といたしましては、なかなか技術的にむずかしい問題があろうと私は思うわけでございます。これはなかなかそこに苦心の存するところであろうと思うわけでございまして、たとえば、これが完全に返済されるかどうかということにおきましては、中小企業ではなかなかそういう要件がそろいにくいというようなことから、責任者としては非常に苦心があるだろう、こう考えるわけでございます。そういう点から、どうしても大企業に偏向的に融資が行われたという結果に現在ではなっておる、残念ながらこう思うわけでございます。しかしながら公庫設立の趣旨から申しましても、決して大企業にのみ優生的に融資をするというような趣旨ではないのでございますから、東北、北海道の開発のためになる会社ならば、どんな中小企業に対してでも融資をするというのが建前でございますので、公庫の理事者ともその点につきましては十分に検討をいたしまして、今後やっていきたい、また今後そういう方針で監督をしていきたいと考えておる次第であります。
○鹿野政府委員 経済企画庁としましても、今松田委員の言われましたような考え方に沿いまして、今までそうでない点がありましたならば、できる限りそうした方向に参りますように、公庫の理事者とも相談をして、そのような方向に差し向けていくようにしていきたい、こう思っております。
○松田(鐵)委員 福井君は知らぬのだ。私どもがこの開発公庫を作った場合の思想というものは、かつては北海道拓殖銀行というものが特殊銀行としてあった。この銀行は北海道開発のために非常な貢献をなした銀行なんだ。終戦後GHQの指示によって、一般の商業銀行になってしまったのだ。そういうために、北海道における特殊な事情から、北海道を開発するための必要な開発公庫というものを作ろうということで、作ったものなんだ。根本がそれなんだ。そういうことで北海道拓殖銀行というものは、非常に北海道開発のために努力をされた、貢献をなした。今は商業銀行となっておる。ところでもってわれわれは北海道開発公庫というものを、もしただいま君が言うように貸し出しに対して回収のできないようなことがあるならば、北海道として二度と再び政府が長期の資金を融資するなんということは将来でき得ないことであろうというのだ。よって開発公庫というもので、かつての北海道拓殖銀行のように、北海道開発のために長期の資金を出させるように政府の金融機関を作ろうということなのだ。今僕はそんな事務的なことを言うておるのじゃないんだ。 ところでもって何よりも一番大事なことは、協調融資をさせなければならないということによって、それが割り切れるだろうということなんだ。普通商業銀行というものは預金者の金を集めて、それでもって融資をするのは御承知の通りだ。開発公庫というものは国の金、政府の金でもって北海道なり東北なりを開発しようとするための融資をしようということなのだ。どっちが一体金に対する重みがあるかということからいったならば、政府の金は国民の血税であるから重いことであろう、預金者の金はそれよりもっと重いことであろう、どうだ、この議論は。ペーパーは同じだ。しかし思想において預金者の金を集めて、それを集結して、銀行は銀行の営業をやりながら、回収のできないようなところへは出さないであろう。北海道を開発するためには、銀行のべースよりももっと楽でなければならないのだ。そういうことによって、開発ということを目的として出そうということであったならば、どっちが重いとか軽いとかいうことはないが、政府が作ったその思想、政策に準じて事をしていかなければならないということです。どうだ、現在のやり方は。協調銀行が出しておるのに対して、六カ月も八カ月もかかるというようなべらぼうな話はないはずです。スタッフが足りないのか、理事者が無能なのか、この点だ。あなた方の政府の思想というものは一貫しておるものと思う。福井君のような答弁では満足できない。そんなことでもって、この開発公庫についての答弁は大臣なら言いやしないと思う。これは北海道にしても東北にしても重大な問題です。スタッフが足りないなら、スタッフを入れるように努力しようじゃありませんか。理事者が無能であったら、あなた方の責任においてかえなければならないだろう。こういう点、論議していかなければならないと思う。普通銀行が協調融資をしようということになっておるのに、また開発公庫がどういうところを調べるんだ。北海道でスタッフが何人おりますか。
○桑原説明員 五十五人です。
○松田(鐵)委員 それくらいの人間でもって銀行が――拓殖銀行なら何千という職員がおります。北海道中を網の目のようにして、あそこのネコはどこのネコの子であって、ゆうべどこのへいを越えてネズミを何匹取ったかまで拓殖銀行はわかっておる。そのスタッフを使わずに、自分だけの職員でもって、五十人や三十人の者でもって――一番やさしいのは、製紙会社なり、パルプ会社なり、どこなりにやることが一番簡単だ。 しかも、それより、福井君に言うが、北海道を開発するためには、必要な事業であったならば、投資までしなければならないという法律なんだ。投資をして一体商業ベースに合いますか。この金を投資して会社に出資をして、それが商業べースに合いますか。商業べースに合うための公庫じゃないんだ、これは。あの公庫が特定の会社に投資をして、商業べースに合うようなことであったならば、これはあんた大へんなことだ。今は利益がないが、将来北海道の開発のために、東北の開発のために利益の生まれることであろうという会社に対しては、投資までしようというんだ。できることならば五百万円の会社、一千万円の会社にしなければならないというなら、二百万円投資してごらんなさい。そうしたら、公庫が投資したんだから、もっとその投資をあとの民間もすることは容易なんだ。しかも公庫が投資した場合はその会社は会計検査院の検査を受けるようになる。そうしたならば、今まで大体東北や北海道の企業家というものはルーズなんだが、会計検査院の検査を受けるようになったら、はっきりした会社になっていくのだ。僕らはそういう思想を持っている。たとい百万円でもいいから、公庫が投資すべきでだと思う。そうしていったならば、会計検査院の検査を受けるようになったら、りっぱになっていくんじゃないか。何も五十人や三十人のスタッフでもって、ああでもない、こうでもないというようにして、八ヵ月も一年もかかるようなあり方はないと思う。せっかく政府が作った公庫なんだ。今どういうことになっているか。もう少しこれを真剣に調査をしていただかなければならない。私は、あしたから論議されるこの地下資源開発会社ですか、この法案、これができて、今の開発公庫と同じようなやり方になることをおそれるから、まずもって開発公庫をきちっとしてしまわなかったら、この法案を審議して、通してしまったわ、作ってしまったわ、また同じことになってしまったわ、ということでは大へんなことになると思う。僕は委員長にお願いするのですが、あとから理事会でもって諮りたいと思いますけれども、明日は開発公庫をまず呼んで、そうしてあなた方の意見をよく聞いて、政府はどういう考え方で――先ほどのような御答弁じゃ僕は満足いたしませんよ。それによってすっきりしたことになって、初めて開発公庫が改善される。今竹谷君であろうと、われわれであろうと、みんな不満を持っている。これがすっきりしたものにならなかったら、それと類をともにされるような地下資源開発会社であったならば、とてもごめんこうむりたいと思う。まずあなた方の方から、あしたは一つわれわれは呼びたいのだが、きょうのうちによく意見を調整しておいて、われわれの満足するような機構の改革をするなり、理事者の交代をするなり、スタッフをもっとよけいやるなり、そういうことをはっきりして、明日は御答弁願いたいと思う。それを私は希望しておきます。
○福井(順)政府委員 松田委員の仰せの通りで、北海道東北開発公庫は市中銀行とはおのずから趣旨が違いますので、十分その点については考慮をしているわけでありますが、先ほど私が申し上げましたように、これは融資の段階になりますと、技術的にはやはり相当慎重を要するものもあろうかと思います。しかし、これは市中銀行とは違いますから、設立当初の趣旨にのっとって運営をしていかなければならないという点は、松田委員の仰せの通りだと私も考えるところです。しかし、どうも人員が不足で調査不十分だとか、調査にひまがかかるとか、あるいは理事者が有能であるとか無能であるとかいう問題は、また別個の問題として考えらるべき問題でありましょうが、たとえば先ほど御指摘の地下資源開発会社の問題につきましても、これは採算ベースに乗らないから、新しい有望な地帯の試掘をしないというようなことでは、松田委員の仰せの通りに、地下資源開発会社設立の趣旨にも合わないことでありますから、その点は多少危険性があっても、有望な地帯であれば、試掘をするというような考えを開発庁としては持っておるわけでありまして、そういう点から言いましても、公庫の今後の融資のあり方につきましてはやはり十分考えなければならないものがあるであろう、こう思います。松田委員の御趣旨は十分くみ取りまして、今後は運営していくようにいたしたい、こう考えておる次第であります。
○松田(鐵)委員 どうも福井君の答弁は、俗に言う国会答弁なんです。おざなりのことを言っている。こっちは真剣に言っているのだ。そんなあやふやなことでは困る。政府はどういう考え方を持っているから、どういうふうに注意をして、どういうふうに機構を改めるのだ、僕が言うた趣旨に基いてやるならやる、こういうことで、けっこうなんだ。金融べースにどうだの、こうだの、そんなことを今聞いているわけじゃないのだ。僕は協調融資というものは、こういう工合に商業銀行がやっているじゃないかということを指摘している。そこをはっきりしなければだめですよ。その点が一番大事なんです。政府がそういう考え方を持っておるから、公庫がのさばるのだ。何も回収ができるとか、できないとかいう問題じゃないのだ。投資までしなければならない公庫なんだ。われわれはそれを回収しなくてもいいんだなんて、かつての復金のような考え方を持ているんじゃない。もし北海道において回収ができないようなことがあったならば、二度と再び政府の金は開発公庫に融資することができないであろうというのだ。それほどまでに真剣にものを考えてやっておるのだ。それだから協調融資というものが必要だというのだ。個人々々の小さな預金を集めてきたその金をもって銀行はどう運営するかということには、君らよりももっともっと責任を持ってやります。君だって預金しているだろう。銀行はちゃんとそういう考え方を持ってやっているじゃないですか。君だって銀行の重役じゃないか。そういうようになっていくものだ。それほど確実なものは僕はないと思う。そして、それをうのみにせいというものじゃないけれども、もっともっと金融機関というものを信用してやっていかなければならないことでないか、こう言うのだ。何もあなた二年か三年でかわる理事者じゃないか。それをそんなにまでおかしな考え方をもってやる必要はないじゃないですか。そこで三十三年度の百四十億全部貸しっぱなしで、将来一銭も回収不可能であったと仮定しよう、それがために、北海道であろうと、東北であろうと、その何ぞう倍という収益を上げることができたとしたならば、これでもって満足しなければならぬのが開発公庫の役目じゃないか。それだけ国が富めるじゃないか。そういう考え方でいかなければ、とてもいけないということです。何のために協調銀行がついているか。これは単に協調銀行から市中の金を集めて補てんしようというのじゃないんだ。五割なり六割なり七割なり公庫が出したならば、それに二割なり三割なりを協調銀行が出す。それで三十人や五十人のスタッフで何がわかるか。あなた方の東北の銀行だって、すみからすみまでわかっておりましょう。そういうような銀行のスタッフを活用して、その地方を開発しろというのがこの役目だ。今理事会にお願いして、あした僕は呼んでもらおうと思うのだが、それまでの間にあなた方政府は公庫を呼び出して、竹谷君の意見――川村君がそうだそうだと言っている。ここの委員会の意見をよく公庫とお話し合いおきを願って、そして明日の委員会にはっきりした態度で臨んでもらう責任は政府にあるだろう、こう言うのです。答弁のせりふまで話をするとおかしいけれども、その通りでありますと言えば、いいじゃないですか。
○鹿野政府委員 ただいまの松田委員の御意見、大いにごもっともな点もありますので、北海道庁、また公庫、企画庁それぞれ十分相談をいたしまして、また明日お答えをいたしたいと思います。 ―――――――――――――
○亘委員長 次に、北海道地下資源開発株式会社法案を議題として質疑に入りますが、質疑者がお見えになりませんので、この際暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕