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28回国会衆議院1958/04/22

決算委員会 第25号

発言数
93
登壇者
6
会派数
2
開催日
1958/04/22

会議録

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 これより会議を開きます。  昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十一年度特別会計予備費使用総調書(その2)、昭和三十一年度特別会計予算総則第十条に基く使用総調書、昭和三十一年度特別会計予算総則第十一条に基く使用総調書、昭和三十二年度一般会計予備費使用総調書(その1)、昭和三十二年度特別会計予備費使用総調書(その1)、昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基く使用総調書、以上七件につき承諾を求めるの件を議題といたします。  右件につきましては、数回にわたりまして質疑を行なって参ったのでありますか、以上をもちまして質疑を終了することといたします。  それではこれより討論に入るのでありますが、別に通告がありませんので、討論はこれを行わないで、直ちに採決に入りますか、關谷勝利君より以上七件の議決について発言を求められておりますので、この際これを許します。關谷勝利君。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 動議を提出いたします。すなわち昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)外六件につきましては、いずれも承諾を与うべきものと議決あらんことを望みます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 それでは採決いたします。昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(その2)外六件につき承諾を求めるの件につきましては、關谷勝利君より提出されました動議の通り承諾を与うべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 起立総員。よって、以上七件はいずれも承諾を与うべきものと決しました。  この際お諮りいたしますが、以上七件に関しまする委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。     ―――――――――――――

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 次に、昭和二十九年度、三十年度及び三十一年度の国有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十九年度、三十年度及び三十一年度の国有財産無償貸付状況総計算書、以上六件を一括して議題に供し、前会に引き続き質疑を行います。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これはだいぶ古い事件でございますが、青森県の三本木町――現在、十和田市になっております。そこの太田文吉という人が昭和二十四年の三月十二日、特許第一七八一二五号、滋養食品製造法の新規発明をいたしまして、特許権を与えられたのであります。ところが昭和二十四年の七月七日に、それからまた二十七年の五月十六日の両回にわたりまして、三本木の税務署長駒嶺誠丸という人と署員の玉懸謙一外二名が太田文吉の研究所を差し押え処分にしたのです。これに対しまして太田文吉氏が訴訟を提起しました。青森地方裁判所では勝ち、第二審の仙台高等裁判所におきましては請求が棄却になりました。上告したのでありまするが、事件は国税庁に関するものだから民事ではいかぬというので、棄却になっております。自来九年間争いまして、特許期間の十五年が余すところ六年しか残っていない。この事件について何かお知りになっていることがございましたら、私の方からも伺っておきたいと思います。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 ただいまの件につきましては、特許庁といたしましては、単に特許権の方のことだけを扱っております。今の問題が特許権の差し押えということになっておりますれば私の方に関連がございますが、単に研究所だけの差し押えでございますと、これは国税庁の関係であると存ずるのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 まず、この事件が特許庁あるいは国税庁の方に請願とか何かで出たことがありますかどうか。私が本人に聞いたことが、もし明らかに誤まっているならば質問をやめたいと思うのです。この事件が、これまで請願その他でもってあなたの方に連絡かありましたかどうか、その点、伺っておきたい。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 私の記憶では、参っていないようでございますが、さらに詳しいデータをいただきまして、調査して御返事申し上げたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ところが、三十三年二月二十二日に、特許庁長官の井上尚一さんあてに特許権に関する疑義についてという上申書が太田文吉君から出ておるのであります。これについては再々督促をお願い申し上げておるのですが、さっぱり返事が来てないというこ本人が言っておるのです。これは行っておりませんか。ただしかし、たくさんある申請書ですから、そのままほうっておいたのかどうか。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 どういう意味の上申書か、ちょっと見当がつかないのでございますが、私の方で審査中の出願の事件につきましては、審査進行状況につきまして上申書が出されることがあるわけであります。それによりまして、なるべく出願人の便宜になるように、できるだけの措置をすることにいたしておりますが、すでに権利になりましたものにつきまして特に上申書が参っておるということは、ちょっと了解に苦しむのでありますが、いかがな内容の上申書でございましょうか。それを伺いたい……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私も内容は見ておりませんが、要するに特許庁で出した特許法に基いた製品が酒税法違反であげられておるという事件なんです。特許を出しておいた方法で作ったものが酒税法に引つがかるようなものであれば、すみやかに取り消さるべきものだと思いますが、取り消しもされていないし、引き続きありまして、大体この事件のために警察で差押えしたり、いろいろなことをしましたのが相当の数に上っておるのです。数百名です。この点はちょっとわからないから、どういうのかという上申書のように聞いておりますが……。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 私の方の特許法上特許をいたします技術は、それが国の他の法律によって一般の製造ないし活用を禁止されておるような技術でございましても、特許権といたしましてはこれを認めるのでございます。たとえば、たばこは今専売になっておりまして、一般ではこれを製造することは禁止されておりますが、たばこの製造の技術その他に関する特許も一般に認めております。特に、法律で禁止されておるものについて特許を認めないという措置は、特許法上とっておりません。従って、特許になりました技術も一般的な法律の規制を受けまして、それが活用できたり、できなかったりするわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは、その上申書に対しては、何ともあなたの方からは返事が出ていないのですね。非常に困っておるらしいのですが……。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 私の記憶ではその上申書を見ておりませんので、もしそういう意味の上申書でございましたら、至急調査いたしまして、その方がお困りにならないように、早く正しいことを通知して差し上げたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 国税庁の方では、何かこの事件についてお聞きになったことはございますか。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 淡谷委員に申し上げますが、国税庁はまだ見えておりませんが……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それではしばらく特許庁の方にお聞きしたい。特許法のただいまの御説明に関してですが、何か特許を与えるについて、公けの秩序を乱すとか、制限をしている条項があると思いますが、あれには別段酒税法との関係はないのですか。たとえば密造酒みたいなやり方で、脱税するようなおそれがある場合には、それでもやはり特許だけは出しますか。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 特許法第三条によりまして不特許事由とされておりますものは四つでございます。第一は「飲食物又ハ嗜好物」に関するもの、第二は「医薬又ハ其ノ調合法」、第三は「化学方法ニ依り製造スヘキ物質」、第四は「秩序若ハ風俗ヲ紊リ又ハ衛生ヲ害スルノ虞レアルモノ」、これだけが不特許事由となっております。私の方の審査に当りましては、これの解釈によりまして特許、不特許を決定しておるわけでございます。密造酒に用いられる方法――酒そのものは嗜好物でございまして、特許になりません。特許します場合には、酒を作る方法が特許になるわけでございます。密造酒を作る方法と申しましても、それに使われる方法が、正しく税を納めて使えば正しい使い方ができるというようなものにつきましては、これを密造酒を作るおそれがあるから特許しないというような方法は講じておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それから製造法の特許を与えた場合、その製造法によってものを作るので、この製造法の特許を受けた者は、それによってものを製造する権利を与えられたように考えていいか、これはどんなものでしょうか。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 さようでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうしますと、特許をとった製造法をもって作ったものが、この事件とは違いますけれども、酒などのような場合には、特許を受けた以外に酒を製造する許可をとらなければならぬ、こういうことになりますね。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 それは酒税法の許可が要ることは当然でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この国税庁の行き方は、大体百七十九名に対して研究所と製造場、事務所あるいは住宅などの内部に立ち入りまして自由にこれを押えてしまった。押えたのは製造過程にあるものなんです。製造過程にある製品を押えた。そうして密造酒の嫌疑があるというので刑事問題にもなりましたが、これは嫌疑なしというので不起訴になっております。自来毎年この製造を押えて、九年にわたっている。ですから、国税庁の御答弁を聞かなければはっきりした線は出ませんが、十五年間の期間で与えられた特許を九年間も争っているという事案は非常に珍しいと私は思うのです。その間に国税庁の方でも、ちっとも御承知がないとなってくれば、本人ののんきさにもあきれるのですが、この申立書なども一蹴されておるとすれば、これは少し不親切じゃないかと私は思うのです。もっとはっきり御答弁が与えられていれば、この無用の争いはしないで済んだのじゃないかと思うのです。私は本人に会いましたが、非常に正直なおじいさんで、もう年とって、家産なんかも訴訟で使ってしまって、ひどく疲れている、それから関係者も。この間もまた、そういうふうな製造品を押えているのです。押えていますのは、こうじ製造だという形で押えている。こうじ製造で、もし押えるならば、あなたの方では、こうじという一つのすでにできたもの、用いられておるものに対する特許を与えられるはずがないというような本人の言い分なんですが、これはどんなことになりますか。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 特許の内容は非常にこまかくなりますので、今の特許がどの点について与えられたものであるのか、単に製造方法と申しましても、方法の中のどの点が特許になっておるのか、その辺がわかりませんので、はっきりお答えはできませんが、警察において嫌疑なし、こう申されたところを見ると、酒税法上の犯罪にはならない、こういうように考えられる。そうしますと、何も税務署が差し押えになる点はないと存ずるのであります。もし特許の侵害の問題でありましたら、これは特許権者と侵害者との個人的な関係でございまして、裁判によらずに差し押えるというようなことはないわけでございますから、その辺がおそらく特許の関係ではないのではないかと私は想像いたすのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 特許権の侵害は、同じ方法を特許なしで使う場合もあるでしょうが、今度の事案は、特許を受けて、その方法によって製造しておる過程を税務署の署員が行ってこれを押えてしまったというのですから、国家の機関が特許権を侵害した形になるのですね。それか訴訟になりまして、最高裁では、相手が国家なんだから行政訴訟でいくべきだというので、却下されてきて、今またやっているのです。その基本的なものを明らかにしなければ、私はいたずらに良民を苦しめる結果になると思う。国税庁と特許庁はもう少し話し合いを進められていいと思うのです。  国税庁の方が見えたようですから、私はあらためてお伺いしたいのです。今、特許庁の方にいろいろ伺っておりましたか、事件は青森県の三本木町の、現在は十和田市になりますか、太田文吉という人が滋養食品の特許権を持っておるわけです。これは昭和二十四年に得た特許権です。それを三本木の税務署ですか、この署員が差し押えをやりまして、製造を不可能にさせておる事件です。百数十人の関係者も製造場を全部押えられておる。九年間争っております。その理由は、こうじを作ったという理由なんです。こういう事件ですから、警察の方でも手を入れまして調べた結果、嫌疑なしというので、不起訴になっておる。しかも、この差し押えの方は依然としてやまないで、年々やりまして九年間続いておる。これはなにかお調べになったことがございますか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 ただいまお尋ねの点は、私どもも承知いたしております。本件は特許法に基きまして、強力祖糖という滋養食品の製造の免許を得たということを言っておられるようでありますが、これを酒税法の立場から見ますと、酒税法の第八条では、もろみの製造を行う場合には、税務署長の免許を得なければならないということになっておるわけでございます。その免許を受けずに製造したということから、もろみの無免許製造で、臨検、捜索、差し押えを行なったように聞いておる次第であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それは一体、最近はいつ差し押えしておりますか。二十四年から始めていますが、現在までまだやっているというじゃないですか、その差し押えは。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 最近の状態につきましては、仙台の国税局の方から報告がありませんが、二十四年にそういう特許を得まして、二十五年にわたりまして、そういう差し押えをするというような事件が発生して、その後事件は裁判所の方に、差し押えまして、無免許で製造したということで告発したわけであります。その告発に対しまして、ところによっては、検察官の方におきまして、犯罪の嫌疑がない、あるいはもろみであるということの観念をしておらなかったというようなことで、不起訴処分、あるいは起訴中止になったのもあるわけでございますが、ところによっては、検察官が起訴いたした事例も出ておるようでございます。従いまして、その後も、報告を確かめなければなりませんけれども、差し押えをしている事例は、ところによって生じておるのではないかというふうに考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 製造法に基いて製造しておる。この製造法は特許を得ておる。それが、様子を聞いてみますと、その製品が完成する前に、こうじの製造があれば、あなたのおっしゃるもろみの製造だといって押えちゃっているらしいんですね。製造の過程です。こうじを買ってきて何かやりましても、どぶろくを作った場合とほんとうの酒を作った場合とでは、酒税法違反になるかならないか、違うと思います。特許を受けた製造法に基いて製品ができ上る前に、これは犯罪であるといって検挙して、しかも青森、秋田、岩手、宮城の各県にわたっている。百八十名です。最近、またやっているのです。そうすると国税庁の考え方は、これは酒税法で押えているもろみであるという。特許法としては滋養食品として許可を与えている。警察も、あるところは有罪、あるところは無罪、こうなっては、国家機関の間における意思統一が全然ないのじゃないか。ずいぶんある例だと思いますが、あなたの方のデータを、きょう急にといっては無理でしょうが、できるだけ早く、解散になる前にお出し願いたいと思う。  それからもう一つは、でき上ったものが酒じゃなくとも、酒じゃないものを作る過程において酒税法で押えるというのは、こうじに関してじゃないのですか。あるいはこうじから作ったもろみ、こういう形になるのじゃないですか。これはお調べになりましたか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 お尋ねのように、製品のあるいは途中であったかもしれないのでありますが、差し押えた当時におきましては、こうじを作っておる段階でございまして、こうじを作るにつきましては、やはり税務署長の免許がなければならないということになっておりますので、その免許を得ずに作ったということの嫌疑をもちまして差し押えをしたということでございます。お話のように、この件は、特許法上は強力粗糖と申しますか、そういうものとしての特許を得ておるわけでございますが、酒税法上にいうこうじそのものであることは間違いないように思われますので、そういう差し押えをしたというふうに聞いております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これはあくまでも本人はこうじじゃなくて、滋養食品を作るのだと言っています。しかも乾燥したものは酒精分を持っていない、こういうふうに言っているんですね。いろいろ製品上の争いもあるのですが、それを特許を得た製造法によって製造しているものを、国税庁が一方的な認定によってこれを断定するということは、少し行き過ぎのきらいがあるように思いますか、この点はどうですか。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 特許法上の特許は、それが名称は滋養食品となっておりましても、その実体が酒税法その他の法律に規定しているものと同一であるという認定かされますれば、その酒税法なり他の法律の分野の中に入るわけでございます。特許法は単にその技術が発明として新規であるということだけを考えて特許しておるのでございまして、特許した範囲におきましても、これがほかの法律で、その方法を使うことあるいはそのものを作ることが禁止されることはあり得るのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私は今国税庁に答弁を求めておるわけなんですが、国税庁は一体どういう見解でこれをこうじと認定されたか。特許の方では滋養食品として出しているものです。製造目的はやはり滋養食品なんですが、それをこうじと認定された基礎はどこにあるのか、製品と見られたのですか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 酒税法八条におきましては、こうじを製造しようとする者は税務署長の免許を受けなければならないということであります。ここでこうじと申しますのは、穀類その他のものにかび類が繁殖したものであって澱粉質の糖化酵素剤として利用できるものをいうということになっておりますので、なるほど特許の面におきましては、栄養剤として特許の方は受けられておるかもしれませんけれども、その製品がこうじとしての性質を持っておりまして、こうじとして製造する場合には、税務署長の免許を受けるということが必要要件になっております。この免許を受けていただかなければ、たとい特許法上は新規の考案として特許を得られましても、酒税法としては酒税法違反になるという関係であります。なるほどその製品の途中の段階で、こうじであって、その段階を経ればこうじでないかどうかという点につきましては、差し押えた当時がこうじの状態でありまして、その後の経過をたどっておりませんのでわかりかねますけれども、途中でありましても、こうじであるということが確認できれば、やはり酒税法八条違反といわざるを得ないと考える次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この特許を受けた明細書によりますと、発明の特色として特許を請求した範囲は、「ヒエ、大麦、小麦その他穀類及び雑穀類を脱脂乳に浸漬して蒸炊し、種こうじを加えて製麺し、これを乾燥したものまたはでき上りのままのものに牛乳と酵母を加えたる液を吸収せしめ、乾燥粉末とすることを特色とする滋養食品製造法」こうしてあるのですが、種こうじというのは買っておるのです、作っているのでなくて。種こうじを加えて、ヒエその他のものにまぜて発酵すると、全部こうじ製造になりますか。種こうじは作ってない種こうじは買っておるのです。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 そういった場合も、こうじの製造になるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もろみというのは、結局種こうじを加えて、どんなものでもいろいろ発酵させると、全部もろみというふうに断定されるわけですか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 穀類にカビ類が繁殖して、糖化に利用できるものはすべてこうじということになっておりますので、お話のような場合もこうじということになるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 よく、いなかではどぶろくにしないで、甘がゆを作って食べさしておるところがありますけれども、あれも全部酒税法でひっくくりますか。同じやり方になりますがね。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 甘酒の場合におきましては、糖化作用だけを利用するのでありまして、アルコール発酵を起させない関係からいたしまして、これは別に酒税法上、甘酒について云々ということは起らないわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この特許請求の明細書には酒精発酵というのは入ってないのですが、実際作ったものは酒精発酵さしておったんですか。これは確認されましたか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 さようでございます。特許製造法の上におきまして酒精分が出るということについて、はっきりした点が出ておらなかったのでございますが、実際製造されておるものを見ますと、それがこうじであることがはっきりいたしましたので、そういうわけで差し押えしたということになっておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そこに食い違いかあるのです。特許庁の方では酒精分が出てこないというので特許した。片方では酒精分が出る実態をつかまえた。そうすると特許庁が間違っておるということになりますか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 こうじの段階ではもちろんアルコール分は出てこないわけでございますから、こうじだけで云々というわけではないのであります。こうじを作って、それを使って糖化作用を起さして酒類の原料になるというところにこうじの製造が免許を要するということになっておるわけでございまして、そういう意味で無免許製造として差し押えしたということになっておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 争点はそこにあるのです。こうじを作って酒を作る場合に取り締られるのはやむを得ないが、酒を作るんじゃない。滋養食品を製造する場合に、こうじの段階で差し押えたのはどうも納得がいかないということです。これは酒精発酵のための製造じゃないのです。種こうじを買ってきて、この滋養食品を製造するための操作なんです。その操作の過程で、酒を作るだろうという認定をされて訴えられたんじゃ、新しい発明はたまらぬと思うのです。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 この点は、特許の問題と酒税法上の免許の問題とがからんでおりまして、かなり複雑な問題になっておるわけであります。それからまたお話のように、検察庁の方面におきましても、地域により取扱いが違っておったりなんかいたしまして、その間特許権者である太田文吉さんを初め、関係者が相当多数おられまして、お話の点、法律問題としてもかなり問題のあることとは思うのでございますが、私どもといたしましては、つけもののこうじを作る場合におきましても、やはりこうじを製造する場合におきましては税務署長の免許が要るという建前になっております。なるほど太田さんの場合におきましては、太田さん自身は一貫して酒まで作らなかったということではあろうと思いますけれども、それを酵素といわれておるようでありますが、それを材料として酒を作れというところに、やはり免許を得ずしてそういう酒類の原料になるこうじを作ったというところに、酒税法八条違反という疑いがあるわけであります。現に裁判所におきまして係属中になっておる一部には、有罪判決のあった点もあるわけでございます。従って、私どもといたしましては、国の機関の間におきましていろいろ連絡不十分なところがあったのではないかという淡谷委員のお話につきましては、非常に遺憾に存じておりまして、今後こういう点につきましては関係機関の間で十分連絡をとるようにいたしたいとは考えておりますけれども、すでに裁判所に係属している事件でございますので、やはり裁判の結果を見まして行政機関としての態度をきめざるを得ない、かように考えるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうも私はあなたの御答弁に納得がいかないんです。このこうじ製造を禁止するのは、酒の密造を取り締るためのものだと思う。特許を受けた製造法で、明らかに製品か酒でないというものが出ているのに、しかも種こうじを購入して、牛乳なんかまでぶち込んで、従来のこうじ製造とは全然違ったような形で出ておるものを、まだ一回の製品も見ぬ前に押えてしまうということは、少し疑い過ぎるのではないかと思う。あなたは、裁判が決定してからきめるといいますが、十五年間受けた特許を九年間も、こんな各官庁間に、警察の間にも意見が統一しないままに差し押えを続けてきて、本人は数億円の財産を蕩尽してしまっておる。百八十戸、千名近いその製造法に基いてやろうという家族が非常な困難をしておる。その場合に官庁間の意思がまちまちだという形だったら、警察の取締りの方針も一致しないというままですごすならば、これは少し国民に対して親切心がないのじゃないかと思う。もしまたこうじ製造に許可を与えることができるものであれば、九年間も悩んでなくとも、これは国税庁で許可をとる方法を教えてやれば済むことなんです。しかも、そのこうじを製造して密造酒でも作ったならば、これはどんどんやってもかまわないんですが、自分が苦心して発明したものを作るというのに許可を与えてやるくらいの親切心があれば、これは九年間も国民を苦しめなくとも、十分目的が達成されたと思うのですが、そういう指導をされましたか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 お話の点でございますが、損害賠償の件も青森地方裁判所の請求棄却の判決がありまして、それからさらに昨年十月に仙台高等裁判所に控訴されておる事情にあるわけで、その民訴の方は訴訟係属中であるわけでございます。そういう関係からいたしまして、私どもはそういう民事、刑事双方の訴訟の経緯を見た上で、とこう考えておるわけでございますが、それにいたしましても、もちろん行政的には淡谷委員のおっしゃる通り、今日までかような状態になっておるということにつきましては、私どもとしましてもなお尽すべき余地があったのではないかとは反省いたしております。従いまして、そういったことにつきましては、現地当局とも十分連絡をはかった上で処理して参りたい、かように思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは太田文吉君が滋養食品を製造する過程において作っておるものが、こうじであるかこうじでないかは、学者が数回、中に入ってこれを調べてみた結果があるらしいんですが、それはどういう結論が出ているんですか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 これにつきましては、いろいろ酒の関係の技官なんかが調べまして、こうじであるという結論になりまして、裁判所におきましてもこうじであるという証言をいたした事実がございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そういう場合に、最終目的が酒でないのですが、こうじ製造に対して許可申請はどこになすべきものなんですか。国税庁ですか、あるいは地方の税務署でかまわないのですか。どっちなんですか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 免許申請は地方の税務署長でいいわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 従来こうじ製造の許可を求めて、許可した例がたくさんありますか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 その事例はたくさんございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その場合にこうじの数量なんか限定して、限定した範囲内における許可と思っておりますが、こうじ製造者が相当数量以上にこうじを作っておる事例はございませんか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 数量制限はいたしておらないはずでございます。ただ免許当初の場合だけ、多少制限をいたしますが、その後は数量制限をいたさない建前になっております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 数量を制限しないならば、新しい請願に対しても許可は無条件で出るはずですね。これは理由なく拒むことはできませんね。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 酒税法上その免許を受ける資格要件が規定されておりまして、その一定の資格要件がないと免許を与えることはできないことになっておりますが、資格要件さえございますれば、むげに断ることはございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 酒税法上はそうでしょうが、新しい発明品に対して、最後には酒じゃないですが、酒税法上からあなた方は押えておる。酒税法によらないでこうじの製造をした――あるいはお菓子なんかを作る場合でも免許は要るのですか。どうしても酒を作らなければこうじの製造というのは許さないのですか。これはどうなんです。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 こうじの免許が酒税法に規定されているからといいましても、酒を作るこうじについてだけ免許を要するんだというわけではないのでありまして、およそこうじを製造する場合におきましては、それがかりにみそ、しょうゆ用の場合でありましても、酒税法八条によって免許を要するという建前になっておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 太田文吉君は、こうじ製造の申請を一回もやったことはございませんか。あるいはまたあなたの方から、こんな無益な争いをやるよりは、こうじの免許をとった方がいいという親切な忠告をしたことがございますか。九年間にわたっているのですから。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 私は現地の税務署長は、当然そんな無益な争いをするよりは免許をとればいいじゃないかという指導をすべきはずのものと思いますが、手元にあります資料ではそういうことがはっきりいたしておりませんので、その点につきまして現地に照会いたしまして、確認をいたした上でお答えいたしたい、かように考えます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは現在の自由民主党の衆議院議員黒金泰美さんが、仙台の国税局長時代にできた事件なんです。これに対して現十和田市三本木の税務署長から、滋養食品の特許権を持つ者がこうじを作っておるから取締りについてどうしたらいいかという措置方法について稟申があったわけです。これに対して仙台では国税庁の方に指令を求めておる。国税庁からは、滋養食品については十分調査の上遺漏のない処置をするようにと指令を出しておるが、滋養食品の最後の段階については一つも調査していない。おそらくこの十分調査の上遺漏のない処置をというのを、この三本木税務署長の駒嶺誠丸、この人がはき違えて、がたがたと差し押えをしたのじゃないかと思われる節があるのです。もし親切にやるならば、逃げも隠れもしない人なんですから、製造過程を最後まで見きわめて、これを作るならばこういうふうな手続をしなさいといって、新しい発明を助けてやるような方法をとったならば、今日のような事態を招かなかったんじゃないかと思うのです。これはお考えはどうですか。今さらしようがありませんけれども、これからでもやる方法があると思います。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 それはお話の通り、酒税法上の免許を受けていただけばいいわけであります。そして免許は別段制限しておりませんから、免許を受けていただけば当然認められるわけであります。私どもの承知いたしておるところでは、この太田文吉氏も、そういっては語弊がございますけれども、かなりえこじな人で、特許を得たということを主張して、特許を得れば酒税法上の免許は要らないのだという見解を強く持っておられる。その点につきましては、あくまで裁判で争うのだというようなお気持のように承わっておるのでございます。従って、かりに税務署長がそういう指導をいたしましたとしても、なかなか御本人に受け入れていただけなかったのではないかというふうに想像するわけでございます。しかし、かようなことをやっていますのは、まことに無益なことでございますので、できれば免許を得て、きちんとしていただければこれにこしたことはない、かように考えておるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この製品がこうじであるかないかについて、国税庁と特許庁との間に何か話し合いをしたことはございますか。一回でもございますか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 今、私詳細を承知しておらなかったのでございますが、裁判の段階になりまして、初めて国税庁と特許庁の方と相談したという事例があるようでございますが、裁判になる前には、まだ相談しておらなかったようでございます。はなはだ遺憾に存じております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは特許庁の方にお伺いしますが、これはこうじだという認定を国税庁はされております。同じこうじを作るならば、前に製造法があるのであれば、特許は出せないと思うのですが、これは特許を出したのはこうじ製造にあったのか、あるいはその他の、そのあとの段階における滋養食品にあったのか。

鮫島正蔵通商産業事務官(特許庁総務部長)

○鮫島説明員 製品は同じものでございましても、そのやり方が違いますれば、新しい方法として特許いたしますので、おそらくこの場合にもその作り方の違いに特許があったのではないかと私は存じております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 国税庁が現在押えておる品物というものはずいぶんたくさんあるんですか。四県にまたがるものですからね。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 先ほど申し上げましたように、現在どの程度差し押えをしておるかということは、報告書類上は明らかでございませんが、関係者が相当多数おられますので、差し押えいたしました件数も相当多量に上っておるだろうということは想像されます。なお現地に照会いたしまして、調査いたしたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この太田文吉君が発明した疲労回復剤ビタミネトーゲンというのを販売しまして、防衛庁衛生課で試験済みのもので、推奨しているわけですが、材料はここにあります。この国の官庁が推奨しているようなものを製造しておるものを、片っ端から差し押えられたのであっては、非常に各官庁間の連絡がおかしいのですがね。陸幕衛生課研究班からパンフレットが出ております。推奨しておるのですがね。そうすると、いろいろ取扱い上のあれもありましょうけれども、特許庁が特許を与え、明らかに酒を製造するのではないことはわかっておったものを、その過程において酒税法に触れるおそれがあるからといって、ただ法律で一方的に差し押えるという態度は、どうも私は受け取れない。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 これはこうじの製造免許を受けてさえいただけば問題はないのでございまして、しかも免許は与えると申しておるのでございますから、免許を受ける手続さえとっていただければ何ら問題はないのでございます。そういう意味におきまして、私どもの方といたしましては、その太田氏の態度を非常に遺憾に存じておる次第でございます。お話のように酒の製造用ではないかもしれませんけれども、酒税法の八条においては、こうじといえば必ずしも酒の製造用に使わない場合におきましてもこうじの製造は免許を要するということを規定しておるわけでございます。もちろんその酒税法八条の規定が果していいかどうかという問題は別にあろうかと存じますけれども、現在の酒税法八条がそうなっておる限りにおきましては、やはり酒を作るためのこうじでないにいたしましても免許を得ていただきたい、かように考えるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 こうじを作るということの考え方ですが種こうじを作って醗酵させたなら別ですが、種こうじを買ってきて、これを別なものにまぜて、別個な製品に持っていこうという段階のものをこうじと言いましょうか。こうじ製造というものは、やはりこうじ特有の醗酵をさせるのじゃないですか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 種こうじを製造する者は全国におきまして四軒ほどしかないのでございまして、あと全国で相当多数にありますのは、すべてこうじの製造免許になっておるわけでございます。酒税法によるこうじは種こうじを言うのであるかどうかという点につきましては、いろいろ意見はあるようでありますけれども、現行法におきましては、酒税法上のこうじはいわゆる種こうじだけではない、種こうじ以外のこうじも酒税法八条のこうじであるというふうに私どもは解釈いたしておりますし、裁判所におきましてもそういう解釈をされておる事例があるわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは本人に対する見解か、あなたと私と違っておるのですが、最近の太田というのはおそろしく人のいいおじいさんになっております。私も最近知ったのです。実は裁判をやっても、もう非常な困難を押してやっておるのです。前とはだいぶ心境は変ってきておるだろうと思うし、せっかくの発明品をここでむだにしてやって、これは決して国家の利益にはならぬと思います。争いも出てきますし、従ってここまできたらおそらく訴訟も取り下げないでやっていきましょうが、訴訟係属中でもこの製造を継続させてやりたいと、私はほんとうは思うのです。訴訟係属中でもこうじの免許を受ける場合に、あなたの方で変にこじれないでしような、感情的に。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 先ほど申し上げましたように、こうじの製造免許には酒税法違反を犯したことがないということが一つの条件になっております。酒税法違反をしてから三年を経過するということが一つの要件になっておりますが、そういった点から、多少、今すぐ免許を与えるかどうかということにつきましては疑義がありますが、太田さんがそういうふうにお気持がお変りになるということでありますれば、私の方も慎重に考慮いたしたいと考えます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは委員長にも御考慮願いたいと思いますが、この間国鉄の問題をやった場合、請負の問題で、実績二年持たなければ請負工事者の指定をする資格を与えないというのがありまして、これは非常に隘路を感じたので、国鉄は大胆にこれを取り去ってしまったのです。今聞きますと、太田さんが特許を受けたのが二十四年三月、三本木署がこれを差し押えしたのはその七月ですよ。そしてあなたが幾らチェックしても、酒税法違反をやったことがないものという段階になってくれば、これはとうていやりようがないのです。これはまだ本人の争いがあって係属しておる。ですから、酒税法違反を犯したかどうかということがまだ問題があると思います。この場合、もし本人の意思が酒を作ることにあれば別でしようけれども、国家的に非常に利益のある発明をしているのですから、私は彼の老後、この純粋な発明の精神家の老後を何とか慰めてやる必要を、ほんとうの話、正直に言って感じますよ。これはやはり訴訟を係属して、あるいは取り消すなら取り消すとして、こうじの製造の許可を申請したら、これはむしろ許可してやって、何とか決着をつけてやった方が、国家としても本人としても、非常によいのじゃないかと私は思うのですが、御見解はどうですか。これはもう意地になっておりますから、地方の税務署は、おそらく出してもいかぬということにやりますよ。そうして押えれば、これはこうじを密造してでもやります。そうするとまた押えるということで、堂々めぐりして、これは六年間たってしまうのです。そうして非常な訴訟係属の上の悲劇を起しますよ。そういったことに関するあなた方の御見解を伺っておきたいと思うのです。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 淡谷委員のおっしゃること、まことにごもっともと思うのでございますが、今申し上げましたように、この適格要件の関係がございますので、そのほかの点を調査いたしませんと、今直ちにそういった場合にすぐ免許を差し上げるということをお約束することはできかねますけれども、そういうふうに太田氏の心境が変られたという点を尊重いたしまして、私の方としましては十分慎重に考慮しまして善処いたしたい、かように考えます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 まあ、きょうは突然の質問で、いろいろ資料もまだ十分お調べになっていないと思いますので、解散も間近いようですから、一つ早急に、現在押えているものはどの範囲であるか、これをお調べを願いたいのです。私の方でもあるいは次第によっては、太田本人の本委員会への召喚も委員長にお願いしまして、この奇怪な事件を何とかして明らかな解決をしたいと思いますから、きょうはこれだけで保留しておきます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 委員長から一つ聞きますけれども、今の酒税法違反をした場合の適格要件ですな、これは罰金以上全部ですか。それからこの要件は、法定要件として必ず必要か、あるいは自由裁量の要件になっておるか、その点をお伺いいたします。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 これは罰金の刑以上の刑をいうわけでございますし、それからまた三年ということは、そういうものにつきましては免許を与えないことができるという規定でございまして、免許を与えてはいけないという規定ではございませんので、必ずしも三年を経過しない者に免許を与えたということが違法になるというわけではございません。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 そこで、そういう規定はいろいろあるけれども、これは自由裁量の要件であって、絶対の要件じゃないと思うのです。従って、本件のような、今、淡谷委員の御質問のようなものは、確信を持って酒税法違反でない。こういうふうに争っているような関係ですから、こういう関係にあるものはそういう要件をあまり絶対の要件にすべきものじゃないと思うのですが、その点についての御見解はいかがですか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 お話の点はそうでございます。ただ免許の要件はそれ以外の点もいろいろございますので、そう申し上げただけでございまして、その点はお話の通りで、これは絶対的要件と考えるべきものとは思っておりません。ただ、それ以外の免許の要件につきましてまだ調査しておりませんので、その点を調査しました上でということを申し上げたわけでございまして、別段それほどこの点にこだわっているわけではございません。御了承いただきたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もう一点だけ。この人はまだ酒税法違反では処罰されていないでしょう。これはもう不起訴になっていますね、酒税法違反にあらずということで。この点はどうですか。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 太田氏御本人はまだ刑事事件としての判決を受けられたことはないようでございます。太田氏から権利の譲り渡しを受けられた人がそういうことになったようでございますけれども、太田氏自身につきましては、酒税法上の点は、なお調査しませんとわかりませんけれども、罰則の適用を受けたということははっきりいたしておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私の方からはっきり申し上げますが、三本木の検察庁で調べまして、嫌疑なしというので不起訴になっております。不起訴になっておるので、あなた方の差し押えが不当だというので、仮差し押えの異議申し立てが今の訴訟なんです。酒税法違反の控訴じゃない。あなた方の仮差し押えに対する解除の訴訟なんです。そうすると。ますますこの問題は疑わしくなってくるのですね。まあこれだけ申し上げまして、私はきょうは保留しておきます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 それでは委員長から大蔵当局にお伺いしますが、国有財産の増減及び現在額報告書は、国有財産台帳に基いて作成されるのであるのに、その台帳整理が完全でなく、従って今議題になっておりまする報告書には幾多の欠陥があるということは、毎年度決算検査報告書などに記載されておりますが、これについて大蔵当局において対策を実施中ということを聞いておりますが、そうでありましたら、その概要の御説明を願い、さらに何年度から正しい報告書になる見込みであるか、その点をお伺いいたします。

賀屋正雄大蔵事務官(管財局長)

○賀屋政府委員 お答え申し上げます。国有財産の台帳の整理が完全でないということは、たびたび御指摘になったところでございまして、行政管理庁におきましても指摘されましたし、あるいは会計検査院においても指摘されたところでございまして、まあこれにはいろいろな理由はあろうかと存ずるのでございますが、御承知のように、終戦後旧軍が持っておりました膨大な財産が大蔵省の所管となりましたし、また財産税の物納制度によりまして、非常に膨大な財産が物納せられました等のために、大蔵省の国有財産の管理における事務が非常に錯綜いたしましたために、そういったことに相なったのでございまして、まことに遺憾の点が多かったと思うのでございます。しかしながらお話のように、この台帳そのものがしっかりしておらないということでありますれば、いかに国有財産の管理処分を適正にやろうといたしましても、根本が整っておらないということでは、とうていそれを期し得ないわけでございますので、私どもといたしましては、この台帳の整備をいたしますために、国有財産の実態調査ということを企画いたした次第でございます。これは御承知の国有財産中央審議会というのが、一昨年閣議決定でできまして、昨年法律に基く審議会に切りかえられました。これの昨年三日の御答申にも、その必要性を説かれておるのでございまして、それを尊重いたしまして、昭和三十二年、昨年度からおおむね三カ年計画をもって国有財産の実態調査をいたすことにいたしたわけでございます。  しからばその実態調査をいたします財産の対象がどれくらいであるかという点でございますが、実態不明の普通財産全部を調査すれば、それにこしたことはないわけでございますが、何分予算、人手にも制約があります関係上、私どもといたしましては実態の明らかでないものの中でも比較的経済価値の高いもの、あるいは利用度の多いものを優先して取り上げるということにいたしまして、土地でありますれば、宅地あるいは宅地に準ずる土地等を対象といたしたわけでございます。全体の数字を申し上げますと、三カ年計画といたしまして、土地につきましては約六万一千件、数量は三千五百万坪、価格にいたしまして百八十五億円、これだけのものを対象といたしております。それから建物につきましては一万八千六百件、数量で申しますと、約百三十二万坪、価格九十九億円、これだけのものを調査の対象といたしたのでございます。三カ年計画と申し上げましても、この年度の区分でございますが、第一年度であります昨昭和三十二年度におきましては、原則として六大都市と財務局所在の都市を調査地区といたしまして、この実行計画といたしましては、土地一万五千六百一件、建物は二千五百八十一件、これだけの件数を対象といたしました。予算も一億一千万円を計上して実行をいたしたわけでございます。今年度つまり三十三年度におきましては、この調査地域を拡張いたしまして、原則として財務部所在都市、財務部と申しますのは財務局の下部機関で、財務局のない県庁所在都市に置かれておるわけでございますが、財務部所在都市と出張所所在都市その他地方の重要都市の一部を調査対象の地区といたしまして、件数を申しますと、土地は約一万五千件、建物五千件、これだけのものを調査いたすことにいたしました。大体私どもの推計では、実態不明のものの中で、先ほど申し上げました重要度、経済価値の高いものといたしまして取り上げました全体の数字が、土地におきまして約六万件でございますので、三カ年計画と申しましても、この一、二年で大半を完了する予定にいたしておる次第でございます。  それでは今まで調査いたしました結果どういうことがわかったかという点でございますが、これは集計の都合で、昨年末つまり三十二年十二月末現在の実態調査の結果が出ておるのでごいますが、土地につきまして調査いたしました件数は全体で七千六百件あるのでございますが、そのうち十件を除きましては財産の確認ができた、つまり財産が確かにあったということで、確認できなかったものは十件あるわけでございます。それから約六千件が何らかの形で使用されておるというものでございます。それから約二百四十件が未利用のままで残っておるものでございます。残りの一千三百件が土地区画整理事業地区に編入されたり、あるいは処分がすでに済んでおりながら台帳の整理が未済であるといったようなものでございます。建物については、調査件数が千二百五十件のうち約一千件がいろいろな形で使用されております。五件が天災によって滅失しております。残りの約百五十件がすでに処分をされたものでありながら台帳が整理されずに残っておる、こういった結果に相なっておるのでございます。このような実態調査の結果、無断で使用されておるといったような状況も明らかになって参りまして、実態調査をやっただけの効果は少くなかったわけでございます。また半面、台帳整理の未済等遺憾な点も発見されたのでございまして、台帳整理の未済につきましては、できるだけすみやかに是正することにいたしました。また公共の用に供されているもの、たとえば道路敷になっておるようなものもございますが、そういったものは地方公共団体に譲与あるいは無償貸付といったような処理をいたしたいと考えております。それから無断使用のものにつきましては、その無断使用に至りました経緯についていろいろな態様があるわけでございますが、それに応じまして、あるいは退去をしていただく、あるいは売り払い、貸付等といったような合法的な処理をするといったような管理処分の正常化に努める考えでございます。  大体以上が、この国有財産の台帳と実態とを完全に区分をさせる意味におきまして、私どもが三十二年度から三カ年の計画をもちまして開始いたしました実態調査の計画の実行状況と、その結果でございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 それでは、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書につきましては、以上をもちまして質疑を終了いたします。  これより討論に入るのでありますが、別に通告がございませんので、右両件に関しまする討論はこれを行わないで、直ちに採決に入ります。  これより昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の二件を一括して採決いたします。両件はいずれも是認すべきものと議決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 起立総員。よって右向件は、いずれも是認するものと決しました。  なおお諮りいたしますが、右両件に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございせんまか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時二分散会      ――――◇―――――

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