決算委員会 第22号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1958/04/04
会議録
○神近委員長代理 これより会議を開きます。 本日は委員長が不在でございますので、理事であります私が指名により委員長の職務を行います。 昭和三十年度決算並びに三十一年度決算を一括して議題に供します。 本日は、右両年度決算中、日本国有鉄道関係につきまして前会に引き続き質疑を行います。発言の通告がありますので順次これを許します。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 小倉副総裁に、前会御提出の資料に基きまして若干御質問申し上げたいと思います。 千代田工事株式会社設立の経緯について、同会社は、経営の合理化を期するために会社規模を縮小し分離して設立された日本電設工業株式会社の分身のようにこの資料には書いてあります。これは一体、商法的にはどの規定で分離されたのでありますか。商法には分離ということはないように思いますが、どういう手続をされたのでしょうか。
○小倉説明員 これは、会社が自発的に縮小いたしまして別会社が設立せられたのでございます。
○淡谷委員 別会社となりますと、形式上は千代田工事株式会社と日本電設工業株式会社との間には有機的な連係あるいは継続がないと認めてよろしいのではないでしょうか。
○小倉説明員 資本的関係は全然ございませんです。従いまして、有機的な関係は全然ございません。
○淡谷委員 これは前会にも質問いたしましたが、そういたしますと、資格の確認申請に実績二カ年という権利の継承ができないはずなのですが、実際別個の新設会社と見るべきこの千代田工事株式会社に、実績二カ年の資格の特免をした事情というのは何でございますか。
○小倉説明員 この前も申し上げましたように、こちらに工事請負申込者資格その他取扱規程というものがございまして、この第八条には「局所長は、確認書の交付を受けた者について、その営業の譲渡、会社の合併、会社組織の変更、会社代表者の変更等があったときは、その旨を届出させるものとする。この場合、資格確認の継続については、調査の上、これを許否することができる。」——許否と申しますのは許すといなという許否でございまして、これを許可するかしないかということを調査して資格を確認しまたは確認しないということでございます。これは営業の一部譲渡というふうに考えて、審査委員会に付議いたしましたところ、委員会におきましても、これはこの規程で許可して差しつかえないものだというふうな御意見で、資格を認められた次第でございます。
○淡谷委員 そうすると、千代田工事株式会社は日本電設から営業の譲渡を受けた、単なる分離じゃない、こういうふうに見てよろしいのですね。営業の譲渡は、やはり手続が要ると思いますが、千代田工事株式会社は、どういう商法上の手続をしておるのか。譲渡の手続をはっきり完了したかどうか。
○小倉説明員 ただいま申し上げましたように、この千代田工事株式会社は、独自の手続によりまして新会社を設立いたしましたので、その前に譲渡関係はございませんが、この規程の趣旨は、とにかく知識経験があるものというものについては資格を認めてもよいという意味合いで、そういう方面で委員会がお取り上げになった趣旨だと解します。先生のおっしゃいますように、会社の設立前に譲渡ということはあるべきではございません。譲渡ではないと思いますが、趣旨といたしましては、その知識経験が新会社に移った、こういう点で委員会がお取り上げになったもの、こう解釈いたしております。
○淡谷委員 実際は譲渡じゃなくて分離したものを、内容をどの程度把握されておるか知りませんけれども、これを譲渡と認めるという態度は私はどうも認められない。分離なら分離でいいじゃないですか。完全に分離したものとして新会社を対象にすればいい。会社が分離しているのに、国鉄側の方でしいてこれを譲渡と考えて一切の権限をこれに付与するということは、会計検査院から指摘される原因を作るもとになると思う。この御提出の資料の中にも、設立発起人総代依藤義登氏から総裁に対して趣意書を送っている。その中には詳しくその内容を訴えている。「新会社の要員は大部分日本電設従業員中より新規採用しこれに民間より有能者を経営陣に加えて充実いたしますので御社工事に対する技能及び経験に於ては充分の御信頼を戴けるものと確信致します。其他工事施行上必要なる諸建物並に工具等も新会社設立と同時にその大部分を整備することが出来ますので設立直後より御社の御用命に応じたいと念願いたして居る次第でございます。右の通りの事情でございますので四月中には新会社設立の上改めて御願い申し上げますが何卒特別の御考慮をもちまして工事確認書の御下附を戴けます様懇願申し上げます。」という書類が昭和三十二年三月二十三日に出ている。そうすると、この「特別の御考慮」をもって工事確認書の御下付をしたわけでございますか。会社は分離だという。あなたの方は譲渡だという。会社の本質に合わないような確認までやって工事確認書を出したということは、どうも私はこの手続上、はなはだルーズだと思いますが、あなたはこれを普通だと思っておりますか。
○小倉説明員 前にも申しました通りに、この会社は日本電設の技術者を引き受けております。でございますから、実体的に見ますれば、この知識経験が、会社としては別でございますが、実質的な意味におきましては、すべてベテランが日本電設から分離して組織しておりまするので、知識経験につきましては、欠けるところがないのでございます。ただいま先生から御指摘がございましたその願書も、実はこの会社が別に資格委員会に資格申請をいたしまして、委員会は諸種のその会社の事情を詳細に聴取し、その上で委員会として御決定になったのでございます。そこでその特別の詮議という言葉でございますが、実はいろいろな請願、陳情等につきましては、大体特別の御詮議ということは、始終、特別の詮議でなくとも書くのが常例でございまして、特にその言葉についておこだわり願わないようにお願いいたしたい、こう存じます。
○淡谷委員 特別の御詮議をしたような会社が、千代田工事以外にも例がございますか。会社の譲渡によって資格を付与した会社はほかにありますか。これ一つでしょう。
○小倉説明員 そのときにもう一社、やはり特別のものがございまして、委員会に一緒にかかっております。その方も委員会で認められたのでございます。
○淡谷委員 何という会社で、どこから分離したものですか。
○関説明員 お答え申し上げます。この会社は土木工事の会社でございまして、ちょっと名前は失念いたしております。後ほど調べて御報告申し上げます。
○淡谷委員 副総裁、名前がわからない会社では、どうもこれは審議のしようがないのですがね。他に例があるというので聞いてみたのですが、一つならばすぐわかるのじゃないですか。
○関説明員 お手元にこの前差し上げました資料の十四ページに実はございますが、昭和三十二年十月十一日、第二十一回の請負業者資格及び指名中央審議会にかけたわけでございますが、このときに、千代田工事と一緒に土木関係の会社がかけられたわけであります。ただ名前もわからないような小さな会社という意味の御質問と思いますが、実は土木関係は支社別の業者まで中央審議会にかかりますために、私ども名前も知らないような会社が中央審議会にかかる可能性があるわけでございます。
○淡谷委員 調べたらわかると思いますから、この土木会社がどういう会社から分離して、どういう性格のものか、やはり資料としてお出し願いたいと思います。私は、やはりこの日本電設株式会社の業態というものは、国鉄の電気工事をほとんど独占に近いほどやっておりまして、それがまた年々会計検査院等から指摘されまするので、見様によっては、こういう規定によって保護されております日本電設の独占形態というものは、独占禁止法にも違反するように考えられます。それをカムフラージュするために、千代田工事という会社を分離さして、実質上、いわゆる日本電設と同じ資格確認を得、同じ性格の事業をやっているという疑いが非常に濃厚なのです。ですから、画然と分離したものをやらなければならぬ。ただ名前だけは変更しているが、実質的にはつながっておるものである。こういう点などは、単なる国鉄事務の監査でなくて、独占禁止法の上からいっても非常に大きな問題を起す。他にこういう例があるならばこれを示してもらいたいというのが、私の今の質問なのですが、名前が出ないなら何ですから、資料が出ましてからお尋ねしますが、もしこれがかりに完全に譲渡された会社としましても、資格確認の申請には納税証明書をつけることになっております。一体この新設会社としての千代田工事に、納税証明書がつけられましたか。
○小倉説明員 前段の御質問に対してお答えいたします。実は独占禁止法というふうなお話がございましたが、私どもは日本電設に非常に工事が集中するということにつきまして、非常な御非難を受けておりますので、これを何とか改善したい、こういうふうなほんとうに改善の意図をもって——私の方でしたわけじゃありませんが、会社が自発的にいたしたのでございまして、実は業界の改善に非常に資するものだ、かえって逆にそう思いまして、これを認めた次第でございます。 それから次に納税の点でございまするが、これは資格審査委員会におかれまして、そういうふうな諸般のいろいろなことも勘案せられましたと思いまするが、しかし、とにかく日本電設に工事が集中しているのが、これが別に競争相手ができて、そこでフェアーな競争の余地がふえるというような趣旨をおくみになりまして、総合的な御判断の上で指名を許可せられた、こう解釈いたしております。
○淡谷委員 非常に危険な傾向だと思うのです。独占の傾向が多分にできてきた場合に、それをこのくらいのルーズな分離の仕方で、分離したという名目で譲渡を認められる。その譲渡に関連して確認資格その他の便宜を全部与えられるならば、幾らでもできるじゃないですか。独占禁止法に触れそうになった場合は、勝手にこれを分離譲渡して、ずるずるっと工事の実績をもらってやっていくとしたならば、表面は分離して競合する相手でも、まるで談合入札みたいなもの、妥協的ななれ合い的な競争になってしまうと見えるわけです。この点感じませんか。新設の会社ならば新設の会社のように扱えばよろしい。内容を見てごらんなさい。全然千代田というものと縁が切れたというふうに考えておるかしれませんが、縁は切れてない。日本電設の専務取締役が発起人になっておるし、それからこれに常務取締役がやはり入っておる。それでは、名前は違っておりますけれども、実質的には日本電設のほんとうの分身ですね。分店みたいなものですね。これに対してまことにずさんな仕方で確認書を与えたということに、どうも私は割り切れないものを感ずるのです。一番新設の会社が困っておるのは、確認書を得られないから困っておるのです。他の新設会社には国鉄の仕事二カ年の実績というものを資格確認の要素として要求するなら、この千代田工事のような、独占形態を分離するという会社だけに与えるということでは実際の競争にならぬじゃないですか。もしあなたがほんとうに競争相手をほしいというならば、この資格確認の規定をもっと緩和して、だれでも自由な競争のできるような仕組みにした方がよほど競争にはなると思う。お手盛りの競争相手を作っておいて、お手盛りの競争相手だけで競争するならば、実質的に何ら実効がないのです。そうお考えになりませんか。
○小倉説明員 この会社は、昭和三十三年二月十八日に東京都建築局から登録の証明書をいただいております。その内容といたしましても、たびたび申し上げましたが、知識、経験の豊富なものがやっておりますので、そういう点を総合的な判断で委員会が認められたものと存じます。 それで今、問題は、日本電設工業が何ゆえに分離したかという点でございますが、御承知のように会社が事業を縮小するということは非常につらいことでございまして、普通の場合には、なかなか考え得られないことでございます。戦後財閥がいろいろ分割いたしました場合でも、非常なトラブルがあったように承知いたしておりますが、この日本電設につきましても、好んで事業を縮小し、分離するといったことは常識ではとうてい考えられませんが、しかし業界、いろいろな多方面の御批判もあるので、それだけの犠牲はどうしても払わなければならぬという立場に立ちまして、こういうふうな結果になりまして、結局私はこういうことはやはり各方面の御非難に対してこたえる一つの方法だ、こう逆に考える次第でございます。この資格につきましては、そういう大局的な立場から分離いたしまして、そうして仕事が一つもなければこれはつぶれるばかりでございまして、そういう点もございますし、委員会がこういうことはやはり日本電設の集中を排除するに適当である、これが世間の非難にこたえる道だというふうに、総合的な御判断になったもの、こう考えております。
○淡谷委員 副総裁は審議会に非常に逃げて答弁をされておりますが、審議会の性質というのは決定機関なのですか。諮問機関なのですか。私は審議会は諮問機関であって、決定機関ではないと思う。最後の決定はやはり総裁にあると思う。それを、審議会が何もかにも全部責任を負って決定の責任まで審議会がとるということになれば、少し筋道が違っておると思うのです。最後の決定権は総裁が持っておるのじゃありませんか。
○小倉説明員 もちろん諮問機関でございます。しかし諮問機関で国鉄総裁が依嘱いたします以上、やはり委員会は、決定機関ではございませんが、それの意見は十分尊重して実施に移すべき筋合いのものだ、こう考えます。
○淡谷委員 これは諮問機関である以上は尊重しなければなりませんが、お答えになるときはこの諮問機関にあまり逃げないで、最後に決定した総裁の責任としてお答え願いたいと思うのであります。 この日本電設の独占形態を分離し、世間の非難を避けるためになされたこと自体が、大へんに違っておるじゃないかと思うのです。あなたの方から御提出になりました千代田工事株式会社についての資料の十ページを見てごらんなさい。ここには何と書いてありますか。「特別詮議願」というものがあるのです。これはさっきあなたの御答弁にありましたが、いかなる会社も資格をもらうときには特別詮議願なんていうものをつけますか
○小倉説明員 先ほども申し上げましたが、規程の第八条に、「営業の譲渡、会社の合併、会社組織の変更、会社代表者の変更等」——「等」と書いてありますので、こういう例示以外のこの種の会社の変更につきましては、特にその旨を届出させて特別の詮議をする、こういうことに相なっております。
○淡谷委員 これは法文の規定の解釈になりますから確認しておきたいのですが、確認書の交付を受けたものについて「その営業の譲渡、会社の合併、会社組織の変更、会社代表者の変更等があったとき」の「等」というものは、これ以外の「等」ですか、これらのものを総合した「等」という意味ですか。この「等」ということでいかなる場合も包含するというならば、これは外に延びますよ、どこまでも延びますよ。分離にしても、分店にしても、みんな「等」にいってしまう。これでは全然規定の意味がないじゃありませんか。前に乗っけてある譲渡、あるいは合併、変更、会社代表者の変更というものを引っくるめて、これを「等」という言葉で包含したといたしますならば、外の方に延ばした意味の「等」なんですか。これは、はっきりしておいてもらいたい。
○小倉説明員 これだけの場合ということでありますれば、この「等」という字は要らないと思います。しかし世の中の事情はいろいろな予測しがたいこともありますし、また例示で尽されないものもございますので、決して非常に広く拡張解釈をするという意味ではございませんが、これらの条件に類似する、あるいはこれと同等に考えてもいいというようなものが他に起りますれば、やはりこの「等」の中に含めて考慮すべきものだ、こういう趣旨だと考えております。
○淡谷委員 それならば、私はむしろこの規定はお直し願いたいと思うのです。これくらいルーズな、これくらい不審きわまりない規定はないですよ。社会が変化するままにいろいろな事象が起ってくる。その変化のままにどこまでも延びることができるような規定ではゴムの規定ですよ。もうそういう意味だったならば、むしろ「その他」とした方がいい。「その他」をつけたらどこまでも延びます。あなたは今、日本電設株式会社の独占的な傾向に対して、会計検査院だけでなしに、世間一般の非難にこたえるために分離さしたと申しますが、この独占的傾向を生んだのは、実績二カ年という特別規定があるからなんです。非常に矛盾をはらんだ、新しい事業者が参加できないような規定を作っておるから競争が起ってこない。そういう独占の原因をあなた自身が作っておる。これをどこまでも温存するがごとき解釈ができる規定を設けておくこと自体が、今日の事態に非常に重大な原因をなしておるものと私は思うのです。これには、はっきりあなたが解釈するように、譲渡というならばこの特別詮議の中に書けばよろしい。「さて今般諸種の事情によりまして弊社は日本電設工業株式会社から分離して新たに千代田工事株式会社を設立いたしました。」とある。これは特別詮議願で書いておるのですから、あくまでも分離なら分離として新設会社の措置をすればよろしい。それをあまりに詳しく内容を知っており、まるで国鉄の副総裁のものやら、日本電設会社の顧問のものやらわからないような観点で、内容に立ち入って、つぶしたのではないとか、世間の非難を隠してやるとかいう気持を持たれること自体が、こういう事案を発生することに非常に重大な関係があると思う。あなたはあくまでも国鉄の副総裁です。電設会社は、内容はどうあろうとも、完全な民間団体であります。それとあまりに密着した仕事をするから国鉄が非常に非難を受けておる。これはどう思われますか。もっとはっきりした規定は作れませんか。
○小倉説明員 この日本電設がたびたび検査院の御指摘を受けたということにつきましては、私ども国鉄の側といたしましてまことに遺憾にたえない次第でございまして、前にも申し上げましたように、日本電設につきましては、十分戒めるべきは戒め、改めさせるべきものは改めさして参ったのですが、先生の御指摘の通りに、従来の国鉄のやり方におきましても、種々再検討を加えるべきことを痛感いたしまして、実は先般指名委員会にお集まりを願いまして、この種々の取扱方につきまして再検討をお願いいたした次第でございます。その一、二を申し上げますると、もっと広く国鉄の電気工事を一般の業者に協力していただきたいという意味合いから、全国業者というものを特にふやしまして、たとえば東京で工事能力のある人が北海道では点数がないというようなことがなく、やはりその機動力を尊重いたしまして、全国的に電気工事に協力をしていただくような道を開きましたこと、それから特異工事、これも問題になったのですが、鉄道の特異工事につきましては今まで三つの条件がございました。それを一つの条件にしぼりまして、できるだけ特異工事の範囲を、万やむを得ざるものだけにしぼりまして、他は業界に開放するというようなこともお願いいたしております。それから先生がただいま御指摘のような、二年間という過去の経験を一つの条件といたしますことは、これは建築業法にもございまして、それをモデルにとったのでございまするが、その過去二年間の経験というのは、国鉄だけでしぼるということは、やはり先生の御指摘の通りにおもしろくないということで、これは私鉄について経験がありましても国鉄の経験と同じように認めるということに御改正願いたい。そういうふうな種々の角度から検討いたしまして、電気関係の請負工事を徹底的に改善いたしていきたいということで、目下努力中でございます。
○淡谷委員 私は、この国鉄の退職職員の大多数が、こういう国鉄に協力する意味の会社でもって誠実に働いているという形態はこのままでけっこうだとは思うのです。ただ、その場合に心配するのは、率直に申し上げまして、国鉄をやめた上部の諸君が、国鉄との間に特別な関係を結んで多大な国損を招くようなことになりますと、これは国民の名において許すべからざることだと私は思う。もしも小倉副総裁が、ほんとうに独占的形態を排して自由競争のいいところを取り入れて、国鉄の利益をはかろうというならば、このように日本電設、千代田工事の経営その他について御心配になる前に、やはり今言われた、他の業者が正当な競争をしようと思ってもできなくされている資格確認のこの事項を、速急にお改め願った方が、もっとよき改革になると思う。 なお、この千代田工事株式会社というのは、貸借対照表を見ましても、どこにも株式の記載がないのですが、これをごらんになったのですか。
○小倉説明員 株主関係につきましては、詳細には承知いたしておりませんですが、分離いたしますときに、とりあえず資本を持たなければならないということで、社員が大多数の株を持ったということを聞いております。他にあるいは二、三出資者があったのかしりませんが、先ほど申しましたように、日本電設関係から流れておることは絶対にございません。
○淡谷委員 そうなりますと、どうもおかしいのです。ほんとうの意味において資本構成にならないのです。資本も分離し、系統もついておるし、役員が共通のものであるし、ただ看板だけは違っておりますが、実質的にはどこも違っていないと思う。しかもその資格確認の継承まであるとなってくるとすれば、これは世間をごまかすに過ぎないのですよ。千代田と日本電設との関係は、日本電設が独占しておった工事を千代田という別の看板でやっておるという、外部にはただ仕事が分散したように見せかけるだけで、資本構成においても、重役においても、しかも従業員においてまでも、渾然として今までの系統を持っておるというのがこの事案なんです。これをあまりにもルーズに取り扱ってやってきたということの責任は、これは何といっても、のがれないと思うのです。一体この責任は、だれが感ずるのですか。まさか、これを諮問機関である審査会にかぶせようとはされないでしょう。この審査会の答申書を読んでごらんなさい。しきりにあなたはそう言いますけれども、中央審議会の(3)の項に、川島委員の発言として、「特に国鉄として助成する方が国鉄の利益になるような会社については認めてやるべきで、そのつど事情によりきめてやればいい」ということを言っておりますが、一体会計検査院によってその工事の不適格性を、あるいはその他の不当事項を数年にわたって連続して指摘されたような会社の分身を、特別な資格を与えてまで確認してやることが国鉄の利益になるという認識に立って、あなた、国鉄副総裁の役をやっておられるのですか。
○小倉説明員 この会社につきましては、いろいろ解釈はございましょうが、ただいま国鉄といたしましては、五カ年計画をいたしておりまして、その主要なる部分は電化工事であります。電化の工事が非常に張っておりまするし、また高度の技術を要しまするので、何とか業界一般に協力をしていただきたいということが、ただいまの念願でございます。従いまして国鉄としては、国鉄の電化に関係する電気業者は、できるだけ広い意味で全部助成していきたい、こう考えておるのでございまして、必ずしもこの会社を特段に助成するというような気持はございません。それでカムフラージュではないかというようなことを前々からいろいろ御指摘がございますが、率直に申しまして、私は実はそうは思っておりませんで、やはり会社というものは、会社が単位になるものでございますから、たとえば分離を受けましても、あるいは特に資本的なつながりがありましたとしても、そこには会社の独自の立場から競争意識がわいてくるものでありまして、現にこの千代田と日本電設は各所で非常な競争をいたしております。決してツーツーのようなことはございません。それからまた過去の例をとりましても、私の知る限りにおきましては、戦後大企業が分散いたしましたときに、これはやはりつながるのではないかという懸念を持った方もあったと思いまするが、現実の面では全く独自の会社として、お互いに競争しておるという実情だと考えます。日本電設と千代田も、もとは一つかまの人間であったかもしれませんが、会社というものをこしらえた以上は、今後は会社本位でお互いに競争をして参るものだ、こう考えております。
○淡谷委員 どうも私は、小倉副総裁の現実に対する把握の仕方が甘いと思うのです。この二つの会社が完全に分離した競争相手だという観点に立つならば、競争入札等においてまことに危険な状態を呈するだろうと思う。株主に対する認識がはっきり立っていない。今日の常識をもってすれば、無条件で黙ってものをくれてやるものはありませんよ。日本電設なら日本電設が、ただ国鉄副総裁の指摘があったからといって、事業を無条件で譲渡するなんてばかなことはない。だから、分離といっているのです。これは譲渡じゃない。譲渡ならば、日本電設と全然関係のない別な個人にやればよろしい。譲渡するが、人もついていけ、株主もついていけ。それでは一つの株主を二つに切って、看板を別にしてやったにすぎない。一体株主になった千代田工事の社員というのは、かつての電設の株主でしょう。一体どこに分離の実態が見えるのですか。しかも国鉄の入札の跡を見ますと、予定価額が高過ぎて、指弾を受けている事項が非常に多いのです。これは、あなたはくろうとですから、よくおわかりでしょうけれども、入札の場合に一番関心を持つのは予定価額ですよ。予定価額がわかっておれば、どんな談合入札でもできるのです。また表面は一回、二回競争らしく見さしておいて、最後にはぴしゃっと予定価額に持っていくいき方もあるのです。指弾が多く行われます。これは防衛庁の調達の形を見ましても、現われてきている傾向なんです。それが、国鉄のかっての上級職員が千代田にも、あるいは日本電設にもおって、非常に深い関係を持っておられれば、予定価額をめぐって私は非常に不明朗なものを感ずるのです。いつも予定価額に関して指摘されているのです。大体これは、国鉄の方では各会社から見積りをとって、それによって適当な予定価額を作るのじゃないのですか。これは、はっきり国鉄は独自の立場から、ちゃんと勘案して予定価額を作っておりますか。むしろ、日本電設とか千代田工事というものは、国鉄以上に工事に詳しいから、そっちの方にまかして、予定価額の参考書を出させるのではないか、どうも私にはそう思われるのですが。
○小倉説明員 厳格に、国鉄限りで作っております。
○淡谷委員 それはやはり国鉄の予定価額が高過ぎたということは、国鉄自体の責任ですね、よく指摘されますが。
○小倉説明員 高過ぎた場合は国鉄の責任でございます。
○淡谷委員 もう一つ新生電業という会社がありますが、これはどこから分離したものですか。あるいはこの創設はどういうふうになっておりますか。
○関説明員 新生電業の成り立ちにつきましては、戦争直後に朝鮮鉄道関係においた方々が集まりまして作った会社でございます。それで、ちょうど上越線の電化工事をやっておる最中に、たしか朝鮮から引き揚げた方が三十五、六名で作ったのが初まりで、今日に至っております。
○淡谷委員 現在、日本電設と千代田工事と新生電業と、国鉄に密接な関係がある会社として、これは世間の指弾を招くのですが、この三つの会社を総合して受け取っております事業は何%ありますか。
○関説明員 過日申し上げたと思いますが、私の記憶では大体四十二、三億程度じゃないかと考えております。
○淡谷委員 全工事の分量からいうと何%になりますか。
○関説明員 全工事が大体六十七億でございますから、およそ六五—六%であります。
○淡谷委員 小倉副総裁に御注意願いたいのは実際国鉄に関係あるものの六七—八%、まあ七〇%と見ていいでしょう。三分の二です。しかもそれが、直されると言いますが、従来、国鉄工事に二カ年という実績で縛られてやってきた。保護するのは保護してもよろしいのですが、結果はよくない。こういう場合には、やはり仕事は仕事として、警告すべきは警告すべきであります。成績不良もしくは不正の行為があり、または信用、技術を欠くものに対しては、支社長の承認を受けて、その確認を取り消しまたはその効力を停止させるものとすると明記してあるのですが、これは一回でも警告したことがありますか。
○小倉説明員 これは十分に指導いたしておりますし、ことにこの問題が起りましてから十分な監督をいたしておりまして、この前も御説明申し上げましたように、昨年の十二月に非常に厳重な通達をいたしましたので、それからあとは格段の改善が起っております。ただいま日本電設と新生と千代田だけを総合するのは、私としては少し言いにくいのでございますが、三十二年の十月から十二月まではこの三社の指名回数が五十三件、その他が六十二件というふうな割合でございましたが、厳重な指導をいたしましたその後の指名回数を見ますと、この三社の指名回数は四十一回に対しまして、その他が百四十七回、落札件数につきましても大体そのような傾向で、この三社の指名あるいは落札の回数が格段に減りまして、その他の一般会社の指名回数、落札件数がふえております。かように今後とも私どもは現場を指導して参りたいと思っております。
○淡谷委員 日本電設並びに千代田工事、新生等の独占的傾向並びに国鉄との特殊なる関係等については、副総裁も十分おわかりになってきたと思うのですが、先般、私、御質問申し上げまして、まだ的確な御答弁を得なかったこれらの会社の非常にたくさんの請負事業の下請の関係の問題です。これは千代田工事であるとか、あるいは電設工業でなければできない仕事だなどと言っておりますが、一人当りの工事量を見ますと、他の国鉄の外郭会社に対して非常に多いのが新生電業なんです。これは十億円に対して六百七十二人、一人当り年間百四十九万円。これに対して東邦電気が一億八百万円に対して百二十人、一人当り年間九十万円です。一人当りの事業量が非常に多いということは、やはり会社の実際の仕事の上に手伝いをする下請ができてくる可能性が多分にある証拠なんです。日本電設は四十億九千七百万円に対して二千二百八十五人、一人当り百七十万円です。これはただ能率がいい会社だというだけにとどまらないと思うのです。この下請関係について、何かお調べになったことはございませんか。
○小倉説明員 かっては一括下請というようなこともあったやに承知しておりますが、一括下請はこの日本電設に限らず、すべての請負工事で一括請負ということは厳禁するという厳重な通達をいたしておりますので、現在では、隠れてやる場合は知りませんが、表面的には一括請負ということは全然影をひそめております。ただ部分的に、たとえば特殊な機械をメーカーに下請でこしらえさせるとかというような、特殊な場合に限って下請関係が出て参りまして、この日本電設につきましても、下請関係は特に厳重に注意いたしておりますが、現在のところでは大体金額にして二〇%程度の下請しかいたしておりませんので、このくらいのことは請負業者としてありがちのことだ、かように考えております。
○淡谷委員 もちろん下請ということは禁止さるべきことなんで、もし下請をさせるような状態にあるならば、それに対して直接に国鉄が契約した方が確かにいいのです。マージンなしに下請をさせる会社はありませんから、日本電設といえども下請に出しておることは絶対秘密にしておるでしょう。しかし二割の下請ということをどういう点で把握されたか知りませんが、これは、しろうとではないからわかるでしょうけれども、下請を出すには、いろいろ方法があるのです。たとえば入札をする場合でも、仕事を分散いたしまして、お前の方でこれをとれというような命令を、日本電設が大体額もきめて出しておいて、合意の上で下請をやらせており、表面上は直接契約にしておいて、実際においては下請関係に立っておって、マージンをかせぐということもあり得るのです。あるかどうか知りませんが、現に、これはうわさかもしれないけれども、山加電業の社長に加山という人がある。この人と日本電設の前専務の川瀬丑治という人の間には非常にじっこんな関係があるように聞いております。つまり加山と川瀬という人の関係で下請関係も発展していっているということも聞いておりますが、そういう事実は聞いたことはありませんか。
○関説明員 ただいま前段の、請負工事が職員一人当りに対して金額が非常に多いじゃないかというお話でございますが、実は建設省で出しております登録業者の資料の一番先に書いてある一例でございますが、東北電気工事の電気関係の配管工事が五億二千九百万円に対して職員数が百七十六人、一人当り約三百万円、それから大阪の栗原工業さんの電気関係の配管工事が七億二千四百八十九万八千円に対して職員数が百十五名、一人当り約七百万円近くというようなことになっております。実は電気工事と申しますのは、おそらく淡谷さんもよく御存じと思いますが、たとえば送電線の工事などでは部分的な作業、たとえば鉄塔の組み立てとか、運搬とかというものを下請に出すという部分的な下請はあり得ると私どもは考えております。しかし日本電設については、創立当時からできるだけ直営でやるという建前をとりましたために、人数が割に多くて直営の割合が多いという結果になっております。ただし二、三年前に会計検査院からも御指摘を受けまして、その中には小さな工事でありますが、一括下請を全面的にやったということで御指摘を受けたこともありますので、この点については厳重に注意をしております。ただいま申し上げましたように、部分的な下請を総合して一つの工事をまとめ上げるという技術は、やはり尊重さるべきで、全面的な一括下請でない限り、ある程度はやむを得ないのじゃないかと思います。しかし電設の場合には、それを直営にするということが必要以上に強化されておる。ただ二、三年前に指摘されましたから、厳重に監督いたしておりますが、ないしょでやっておるものもあるかもしれませんが、しかし大体において改善されておるのじゃないか、と私は考えております。
○淡谷委員 今あなたの御指摘になった一人当りの年間の事業量は、高い方の例ですか。これは高い方だけでなくて、その表に基く日本電設あるいは新生電業、そういうものの率と、低い方の率と、三つ出してもらわなければ、どうも納得できません。
○関説明員 ただいまのは、ちょうど大口の総合点数が東北電気工事のものと日本電設の百五十六点と同じものですから出しましたのですが、この登録の方の日本電設工業は三十九億三千万円で千七百十二人ということになっておりまして、これは一人当り二百二、三十万円ということになります。それから点数の低い方で申しますと、四国電気土木というのが総合点数九十二点でありますが、これは二千四百七十六万円を三十一人でやっておりまして、一人当り八十万円くらいになります。そういうようなことになっております。
○淡谷委員 そこにはやはり事業のいろいろな特殊性もありましょうが、これは副総裁に御注意願いたいのでありますが、一つのヒントとして、十分にこの下請関係の責任追及をやらなければ、これはガート下の問題と同じことになりますよ。一括して事業を引き受けて、しかもその事業を小刻みに下請させて利益をはかるということでは、大へんなことになってしまう。なお、うわさを聞きますと、国鉄の職員なども現場で使っておるのだということも聞いております。これは非常に独占的な傾向の強い会社ですから、そういうふうなことをやって、要らざる紛争を起さないように十分に御注意願いたいと思います。 なお、さっきお答えがなかったのですが、さまざまな指摘事項がございましたが、これに対して何回くらい警告を出しておりますか。日本電設その他に対して一体どれくらい警告を出しておりますか。
○小倉説明員 三十二年二月十六日に警告書を出し、三十二年九月十八日に警告書を出しております。実はいろいろ御非難を受けましたのは二十九年、三十年、三十一年でございまして、国鉄としまして、どうしても国鉄の電気請負に関する事務をもっともっと徹底的に改善しなければならぬということで、はっきりスタートいたしましたのは三十二年でございます。かってはいろいろ御批判を受けるだけのこともございましたが、今後につきましては、ほんとうに誠心誠意、改善して参ったつもりでございます。第二回の警告書を渡します場合も、会社の社長以下幹部を私の部屋に招致いたしまして、私から警告書を手渡し、口頭をもってそれを敷衍して厳重に警告いたした次第でございます。
○淡谷委員 資格取り消しなどを条件にして警告を発したことがございますか。幾ら警告されても、資格さえ持っておれば一向平気だという考え方もございましょうけれども、これは万一改悛の情がなく、資格取り消しがされた場合、国鉄が非常に大きな支障を来たすだろうということから、安易に警告を受け取っているような形ではございませんか。
○小倉説明員 ただいま申し上げました警告の第二回、九月十八日に出したものにつきましては、内容的にいろいろ示しましたので全文は省略いたしますが、好ましくない工事実績が反復して発生していることは真に遺憾であり、貴社の誠意のほどを疑わざるを得ません。このような事例が今後再び繰り返されるならば、諸法規に基き、貴社自体に対し厳重な処置を講ぜざるを得ないことを重ねて警告いたします。この意味は、実は会計検査院の指摘事項につきましては、その件名ごとに国鉄の責任者は処分いたし、日本電設工業に対して会社としてはどういう方法で改善するかということを詰問いたしまして、会社は会社自体で専務も引責しましたし、支店長その他につきましてもそれぞれ処分を受けておるのでございます。しかしただいま申し上げました、貴社自体について厳重な処置を講ぜざるを得ないということは、部分的な処分では今後は済まされない、全体として当方で考えざるを得ないという警告でございまして、従来これほどの激しい警告書を出したことは、私はかって覚えておりません。
○淡谷委員 だいぶ会社の内容については御注意願っているようですが、さっきもちょっと申し上げたけれども、資料の千代田工事株式会社の貸借対照表、これはどうも私にはわからないことが多いのです。たとえば創立当時の貸借対照表を見ましても、資産の部に二千三百十万円の流動資産を盛ってありますし、現金、預金も二千百十万円盛ってあります。貸方の方を見ますと、資本の部に資本金として三千万円はありますが、株式会社だというのに株式の口数もなければ何もない。これで一体会社の貸借対照表として、完全なものと認められるでしょうか。
○小倉説明員 私、会社会計は詳しくございませんが、貸借対照表としては株式の口数等はあげないで、資本金であげておるのが例と思います。株式関係につきましては、別に株主名簿というものがございまして、株主の名前及び持株数というものは別冊にして、はっきりいたしておるのが例と思いますので、もし御要求でありますれば、株主名簿をお届けいたすことにいたします。
○淡谷委員 おそらくは、この資本金の中に株式が含まれているだろうと思いますが、これは資産表等があるのがほんとうなんですがね。問題は、千代田工事というのは、ほんとうに分離された新設の会社であるか、日本電設が独占的な傾向にあると非難されることをのがれるための一時的便法としてかりに作った会社であるか、これに重点が置かれて資格認定されなければならない。それを株主の共通性とか、あるいは資本の共通性とかを考えないで、特別の処置をしたというところに、私は今回の非常に複雑なかつ怪奇な事態が発生したと思うのですが、そういう関係は、今までこの会社を検討する場合も度もおやりになっていないのですか。
○小倉説明員 たびたび申しますように、この千代田を分離いたしましたことは、何とか改善をいたしたいということで犠牲を払い、また私どもも業界がよくなるという確信でいたしましたので、先生がおっしゃられますような奇奇怪々のことでは絶対ない、こう考えております。それで、前々申し上げましたように、資本的なつながりは二社の間に全然ございません。ただ人間が日本電設から分れて千代田に行ったという事実だけでございまして、それは人間といたしましては、やはり顔見知りであることは当然でございまするが、人間として、事業家として、やはり会社を預かれば、元の会社よりも自分の会社が一番大切でございますから、そこに十分企業意欲がわき、競争意織が出てくる、こういうふうに確信いたしております。
○淡谷委員 この問題では、だいぶいろいろ質疑応答がかわされましたので、これ以上は追及いたしませんが、最後の結論として、要点をまとめて二、三副総裁のはっきりした御決意を伺っておきたいと思います。 最初は、さっきもございましたが、国鉄の実績を二カ年持たなければ入札資格を持たせないという規制上の問題は、さっきの御明言の通り、国鉄に限らず、私鉄の事業でも実績として認めるというふうに改訂されるということは、御確認できますか。
○小倉説明員 そういうふうに委員会にお願いしておりますので、必ずそうなると思います。
○淡谷委員 現在の段階では、日本電設あるいはその他の会社で資格を取り消されるような会社は、今ぐらいの不当事項でないという点も、やはりお気持は変らないのですね。資格はそのままで付与していく、譴責だけでよろしいのだ、こういうふうに考えるのですか。あまりに不当事項が多いから資格を取り上げるといったような気持は、お持ちになっておりませんか。
○小倉説明員 先ほども申し上げましたように、厳重な警告をいたしましたので、今後の推移を見たい、こう考えております。
○淡谷委員 それからこの新生電業並びに千代田工事、日本電設、この三社に共通な性格ですね。かっての国鉄の幹部が重役になっているという点と、それから国鉄従業員の退職者が多数を占めておるという点、いろいろな共通な点がある。三つの会社の独占的傾向というものを漸次払拭して、一般の民間業者からも、正常なる競争の線に沿うて、業者を受け入れていくというこの方針も確立できますか。
○小倉説明員 先ほど申しましたように、諸規程も改正いたしまして、取扱い手続も改正いたしまして、できるだけ広い業者に国鉄の電化その他の電力工事の協力を受けていきたい、こう考ております。
○淡谷委員 これはだいぶ当委員会で問題になりましたから、新しい国鉄に対して、私は大いに期待をいたしますが、万一できなかった場合は、やはり会社のみならず、副総裁自体もはっきりした責任をおとりになって、国鉄の郭清のために、もう必死にやろうという一つ御決意を伺いたいと私は思うのです。これは、去年以来、大へん言いにくいことですけれども、国民の財産である国鉄の、特に外郭団体に関しては、非常に言いづらいことを言って参りました。何も副総裁に対して悪気があるわけではありませんが、非常に国民の疑惑を招いております国鉄の事業に対して、もっと一日も早く明朗な姿に返したいという微意にほかならないのです。まあ二カ年間も続いた問題ですから、一つ総裁も非常なる御決意は持っておられると思いますので、その点の決意も明確に御披瀝を願いたいと思います。
○小倉説明員 これもたびたび申し上げましたが、この日本電設の問題につきましては、実は私みずから事に当りまして、会社の幹部を警告いたします場合も、私から警告しておるような次第でございます。それで過去におきましては、いろいろ批難事項もございましたが、今後この機会から改善して参ると思います。なおこのことにつきましては私が十分、全く私の責任と考えまして、今後処置して参りたい、こう思っております。
○淡谷委員 ちょっと問題を変えて、なおついでに二、三点伺っておきたいのですが、前回お出し願いましたガード下の使用者調べでございますが、私はこの御説明を少し願いたいと思うのです。この資料を見ますと、使用者の名前はわかりますが、二十九年度改訂料金という項があり、補正料金という項があり、減額した額が載っております。これは、減額を、いわば国鉄から借りてまた貸しをしている人に対してなされると、減額の意味がないのです。この使用者というのは、実際の使用者ですか、請負みたいにして貸している人ですか、どっちなのです。
○安田説明員 申し上げます。差し上げました表の使用者は、国鉄から使用承認を受けているもの、中には一部御指摘のようなまた借りもあると思います。
○淡谷委員 また借りのものを、一つチェックしていただけませんか。
○安田説明員 今手元にそれをチェックした資料がございませんのですが…。
○淡谷委員 これは、減額をしましても、また貸しをしておるものに減額をしたのでは、目的が逆なのです。また貸しをしているものは非常に安く借りておって、高く貸しているわけですから、できるだけ直接使用にかえるということが、当委員会の決定だったのですがね。それをまた貸しの事実があるままで減額をしたのでは、全くこれは目的が違ってしまいますから、その点は十分に御注意願わなければならない。なお、このまた貸しをまだ現在やっている率はどれくらいありますか。
○安田説明員 さきに現在また貸しという格好になっているものを御説明申し上げます。いわゆるまた貸しでございますが、高架下をそのまま通り抜けで貸しておるというような格好のものが約七十件ほどございます。それからそのほかに、高架下にまた建物を建てまして、その建物を貸しておる——これは普通のまた貸しとちょっと意味が違いまして、いろいろな事情でそういう格好も出てくるわけでございますが、そういうものが約百五十件ほどございます。それから前段にお話がございましたまた貸しのものについて減額することは至当でないというようなお話は、まことに御指摘の通りでございまして、この当時減額をいたしましたのは、二十九年度から三十一年度にかけまして、一時的な非常な値上げを計画いたしました。それが非常な抵抗にあって、当時そういうやむを得ざる処理をいたしたのでございますが、その後使用料の値上げの問題、同時にそういったまた貸し的な使用形態の整理を鋭意進めております。また、先ごろこの委員でも御指摘がございまして、高架下の正常化ということで、高架下管理刷新委員会を設けまして、その御審議の方向に、現在極力進めておる次第でございます。
○淡谷委員 どうも今の御説明は、私ちょっとわからなくなってしまったのですが、値上げをしようというのに抵抗を受けたというのですが、補正料金を適用した高架下使用者調というものを見ますと、補正料金の方が安くなってておるのですが、値下げをしたのでしょう。値上げができなかったばかりか、値下げをしたというのは、どういうわけですか。
○安田説明員 経過をかいつまんで申し上げますと、二十九年度に国鉄の固定財産の使用料が安いという世論、あるいは国会方面の御指摘を受けまして、一挙に大幅の値上げを計画をしたわけでございます。そこでそのときに、特に東京の高架下で非常な抵抗がございまして、不払同盟というような格好で、二十九年度に計画いたしましたのが、三十年度から三十一年度をこえましてなお解決がつかずに紛争しておる。そこでこれをいかように処理するかということで、東京地方の評価委員会にも諮問いたしまして、約三割くらいを限度にして補正するのが至当であるというのが、お手元に差し上げた表でございます。大幅の値上げに対しまして、それを三割ぐらい値引きをして解決をするのが至当であるということで、お手元に差し上げてあります二十九年度改訂料金というのは、すなわちこっちが値上げをしようとする額でございます。補正料金は、それをこの補正の料金によってやろう。そうしますと減額した料金、これがすなわち割引額になるわけでございます。そういうわけでございます。
○淡谷委員 二十九年度の改訂料金というものは実収にならなかったわけでございますか。これを実収を見ようと思ったのだが見られなかったので、減額した額を差し引いたもので実収をはかった、という意味になりますか。
○安田説明員 お話の通りでございます。二十九年度の改訂料金はこれを改訂しようと企図した料金で、実際に実施されましたのは補正をいたしまして、すなわち減額された料金でございます。
○淡谷委員 そこで私の最初に質問したことが重要な意味を持ってくるのです。——この使用者が、実際この補正料金をこのままで払ったかどうかという問題です。おそらくは反対したといっても、直接使っている人ではなくして、また貸しをしている人たちの反対がかなり大きかったと聞いている。ですから、それをなしにして、直接の貸付であれば、むしろこれほどの補正をしなくとも承認を得られたのではないかと思われる節があります。それで実は私は、また貸しの関係をもっと確かめておきたかったのです。その点はどうなっておりますか。パーセンテージをお聞きしたい。
○安田説明員 お話のようにまた貸しというものがあったわけでございますが、当時はそういうものを、かれこれを同時に整理することができませんでしたので、要するに国鉄から使用を承認している者に対する料金をこういうことで整理をいたしまして、その後そういった貸付の形態の整理に努力をして参った、こういうことでございます。
○淡谷委員 そうすると、この表によります使用者の名前は、国鉄と直接に契約を結んでいる人たちと見てかまわないわけですか。
○安田説明員 その通りでございます。
○淡谷委員 この表を、あとでかまいませんから、実際に使っている人と、使っていないで使用者の名前を出している人とに分けてお出しを願いたいと思います。 それから二十九年の改訂料金と補正料金との比較表というものを出してもらっておりますが、これは使用者の数が二十九年度から三十一年度までで変化はございません。二百七十五人、この中でまた貸しの土地が七十件、建物が百五十件とありましたが、この二百七十五人の中には、報告のありました土地七十件と建物百五十件は入っておるのですか。
○安田説明員 この表は、先ほど申し上げましたように、補正というものを適用した人々の表でございます。それからまた貸しをしておるというような人々とは食い違っております。必ずしもひとしくございません。食い違っております。
○淡谷委員 高架下管理刷新委員会委員名簿並びに経過について、という資料を出してもらっておりますが、第三十一回から第三十四回には答申案についての審議があった、これで終っておりますが、具体的な答申案はできておりますか。
○安田説明員 これはそのときまでの経過でございまして、もう間もなく、きわめて最近に答申が出る運びになっております。
○淡谷委員 それじゃ小倉副総裁に伺います。また貸しを整理するお約束も、この前の委員会であなたから明確にとってありますが、具体的に整理は進捗しておりますか。
○小倉説明員 高架下の整理は、この委員会の御答申に待たなければ処置ができないものにつきましては別でございまして、その他の部分につきましては鋭意努力して、成果を上げておるのでございますが、具体的のことにつきましては管財部長からお答えいたします。
○安田説明員 譲渡、転貸、いわゆる高架下をはだかのままで通り抜けで貸しておるというものが、東京付近で三十四件ほどございます。このうち二十二件処理が済みまして、あと十二件なお現在処理の過程にございます。それから建物を高架下に建てて、その建物を人に売ってしまったというようなことで、結局高架下がまた借り式なことになって、国鉄が使用を承認した名義人と違った者が実際その建物を使っておる。こういうものが三十二件ほどございましたが、そのうち約二十件ほどは処理が進みました。それからこれが一番ややこしいのでございますが、建物を建てましてそれを人に貸しておる。こういう形態が百五十件ほどございまして、このうち九件ほど処理いたしましたが、この形態のものを一体どう処理するのが妥当であるかということが、高架下管理刷新委員会の一番中心の題目でございます。これは答申の出るのを待って処理をいたしたいということで、実態の方の調査をくまなく進めて参ったわけでございます。先ほど申し上げました、通り抜けの転貸というようなものは、一応簡単に処理ができるように思われるのですが、実情はなかなかこれは複雑でございまして、ある者は、その人間が収監中であるとか、あるいは遠方におる、あるいはその間の譲渡ということに、金の決済で両者の言い分が食い違っておるというようなことで、実情はなかなか複雑でございまして、今申し上げるように若干残っておるものがございます。
○淡谷委員 その未整理の分についての資料等もお出しを願いたいと思います。なお一点だけで私の質問を終りますが、三十一年度の決算検査報告書の二三一ページに一一一七号があります。ここで駅舎の散布用剤として「フヂサイドのほかガンマー乳剤、強力ネオヂクロン等が同等品として選ばれたが、強力ネオヂクロンについてはベンゾール等の含有量が多く毒性が強いため取扱上不適当である」云々ということで、最後にフヂサイドをとった。そのことについて検査院の方の試験の数値とは非常に変って、非常に思わしくないという報告が出ておりますが、これについても事件が検察庁の手に渡ったという話も聞いておりますけれども、そういうことはございませんか。
○久保説明員 この殺虫剤に関連してのお話でございますが、刑事事件というのは、たしかこの会社の納入した別の洗剤の関係で、先般申しわけない事件があったのでございますが、この納入品についてではございません。
○淡谷委員 その事件というのはどういう事件ですか、洗剤関係の……。
○久保説明員 私の記憶いたしますところでは、洗剤の購入に関連して業者と取引があったというような容疑で取調べを受けた、こういうことであったかと思います。
○淡谷委員 だれが取調べを受けたのですか。
○久保説明員 正確に覚えておりませんが、たしか東京鉄道局の課員であったと記憶いたしております。
○淡谷委員 厚生局に浅見という人がおったはずですが、この人は呼ばれませんか。
○久保説明員 たしか関連があったと記憶いたしております。
○淡谷委員 もう事件が検査院の手を離れて、そういう刑事事件になったとすれば、もう少し私、詳しく聞いておきたいのですが、おわかりになりませんか。何か漠然とした御説明で、納得できません。
○久保説明員 繰り返して申し上げますと、この検査院の御指摘を受けた問題とは全然無関係でございまして、たまたま信興産業が今申し上げた刑事事件に関連しておったということがあったのでございまして、その刑事事件の内容については、私はただいま資料を持っておりませんけれども、詳しい調書もできておりますので、もし御要求がございましたら、別途提出いたしたいと思います。
○淡谷委員 その資料の御提出を願いたいと思います。なおそれに関係がないとするならば、この消毒剤のいきさつについてのいろいろな御説明を願いたいと思います。
○久保説明員 殺虫剤につきましては、従来DDTを使っておったわけですが、これは非常に高価につきますために、いろいろ研究いたしまして、いろいろな種類の殺虫剤を十数種にわたりまして、いろいろと比較、検討、研究試験をいたしたわけでございます。これは殺菌と殺虫を両方かねるわけでございまして、殺虫、殺菌の力はどうであるか、あるいは金属を腐食する点はどうだとか、あるいはいろいろな角度から試験いたしまして、また毒性が強いかどうかというような点も、これは大きな題目になっておりましたが、この検査院が指摘された毒性が少いという点と、それから私どもが毒性が強いという判断をいたしましたのとは、むずかしいことを申し上げるようですが、ちょっと毒性の意味が違っておりまして、私どもの判断、当時の試験のときの判断では、ベンゾールの含有量が非常に多い。ここで指摘を受けておりますこのネオヂクロンでございますが、この対象として選ばれておるこれについては、ベンゾールが三〇%も入っておる。これは非常に揮発性で、毒性が強い。そういう面で毒性が多いという結論が出たために、その面から不適当であるという一つの結論が出たわけでございます。会計検査院の指摘せられる毒性が少いというのはこれはまた別に、ネズミに注射をいたしまして、そういった試験も別にいたしたわけで、その面からいうと、むしろネオヂクロンの方が毒性が少いということであったのでございますが、当時の見解では、今のベンゾールを三〇%も含む揮発性の多い、つまり人間が吸い込む、こういったものは困るのではないか、そういう判断で、今のフヂサイドを最終的に採用した。そのほかにいろいろ比較検討いたしておりますが、そういった点もあわせてこれを採用した、こういうことになったわけでございます。
○淡谷委員 国鉄の方の見方と会計検査院の方の見方が違って、違った観点に立って報告書が書かれたとすれば、これはちょっと問題であります。上村第五局長からその点についての御見解を承わりたい。
○上村会計検査院説明員 私の方でこの報告書を作成するためにいろいろ調査したわけでございますが、国鉄におきましてこれらのものを採用される場合に、いろいろの薬品について試験しておられるわけです。試験せられた結果につきましては、資料として別にあるわけであります。それによりますと、このフヂサイドよりほかのものの方が毒性が少いということになっておりますし、それからいろいろの試験せられたデータがあるわけですが、その結果におきましても、総合点数におきまして必ずしも採用されたものと劣っていないというような観点に立ちまして、この案を書いておるわけでございます。
○淡谷委員 これは化学的な問題ですから、ただ国鉄だけじゃなくて、やはり一般の消毒剤あるいは殺虫剤として影響するところ大きいと思います。しかし、きょうは何か腹がすいたとかで、やめるように言いますから、これでやめておきますから、出されました資料について、日をあらためて、もう一ぺんじっくりこの問題を検討したいと思います。きょうはこれで私の質問を終ります。
○神近委員長代理 本日の質疑は以上をもって終ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもって御通知いたします。 午後零時十五分散会