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28回国会衆議院1958/03/29

決算委員会 第21号

発言数
668
登壇者
15
会派数
2
開催日
1958/03/29

会議録

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 これより会議を開きます。  歳入歳出の実況に関する件につきまして、前会に引き続き調査を進めます。本日はお手元に配付いたしております通り証人三名と参考人一名を予定しておりますが、花井忠参考人より、重要捜査関係のため出席いたしかねる旨の申し出があります。本日は出席いたしておりません。なおかわりに最高検察庁総務部長検事田中万一君は参考人として出席できる旨申し出がありました。この取扱いにつきましては、後刻打ち合せの上決定いたしたいと存じますので、御了承願います。それではまず証人より証言を求めた後、参考人の問題を御相談申し上げることといたしますので、御了承願います。  それでは証人尋問に入ります。御出頭になりました証人の方々は、立川正三君、勝間敏雄君、藤岡芳蔵君ですね。——相違なきものと認めます。あらかじめ文書で御通知いたしておきました通り、ただいまから歳入歳出の実況に関する件につきまして証言を求めたいと存じますが、証言を求める前に各証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。  では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。  立川正三君、勝間敏雄君、藤岡芳蔵君の順にそれぞれ宣誓書の御朗読をお願いいたします。     〔証人立川正三君朗読〕    宣誓書   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓い  ます。           立川 正三     〔証人勝間敏雄君朗読〕    宜誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓いま  す。           勝間 敏雄     〔証人藤岡芳蔵君朗読〕    宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓いま  す。           藤岡 芳蔵

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 それでは、宣誓書に署名捺印して下さい。     〔証人宣誓書に署名捺印〕

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証言を求める順序は藤岡芳蔵君、勝間敏雄君、立川正三君の順序でございます。まず委員長から概括的に証言を求め、次いで各委員から証言を求めることになりますので、御了承下さい。それでは藤岡君以外の方は元の控室でお待ちを願います。  それでは委員長から藤岡証人に概括的にお尋ねをいたしまして、あとで各委員からお尋ねがあると思います。  第一にお聞きいたしたいのは、現在藤岡証人の御職業は何でございますか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 私は金山炭鉱株式会社の取締役社長をいたしております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 次に立川研究所との関係はございますかどうか。ございましたならば、いつからいつまで御関係されておったか、その点をお伺いいたします。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 私はもと電気事業をずっとやっておりまして、その関係上、日本電力の関係で、立川正三君の兄さんの正直という人が、よく知り合いで、立川君の事業の優秀のものであることをよく申されておりました。しかるに、これが事業化するには容易でないから、大いに援助してもらいたいという申し出に対して、調べた結果、よほど優秀のものであるということがわかりまして、いろいろ相談の相手になっておりました。それは昭和二十八年の春でした。それ以来ずっと相談を受けておりましたが、別に重役でもありませず、向うの相談相手になっておったというだけの関係であります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 いつからいつまで。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 二十八年の春ごろから、別に具体的にどうということもないのですが、そのつどの相談を受けたのですから、昨年の春ごろまででしたかと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 ただいまの説明で大体わかりましたが、そういたしますと、藤岡証人は二十八年春ごろから三十二年春ごろまで御関係があったようですが、資格というのは、研究所の理事とか、あるいは顧問とか、あるいは嘱託とか、こういうような資格がありましたかどうか、ありましたならばお述べ願います。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 お答えいたします。私はそういう意味でなしに、将来事業化するのが容易でないが、事業化した後には、私に取締役社長になってもらいたいという相談を受けておったものですから、顧問でも、相談役でもなしに、そのつど重要なことだけに相談に乗ったわけでして、事務の問題には一切関係をしておりませんでした。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 次にお尋ねいたしますが、昭和三十年に立川研究所が台湾の東方貿易行に新虎木綿の特許の権利を供与して、その対価として砂糖を輸入する契約をしたことがありますか、その点について御存じありますか、御相談を受けられたことがありますかどうか。その点をお伺いいたします。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは今立川正三氏が社長でおる京都化繊製造所という会社が六千万円の払込済みの会社であります。優秀な事業であるけれども、相当な資本が要るので、少くとも五億円ぐらいの資本を持たなければ事業化しないということで、資本の問題でいろいろ相談を受けておりました。その後あちこちに、外国にも特許を出願し、またベルギーなどにもその実施権を売っておりますが、台湾にその特許権の交渉をしたということは、ずっと後に聞きました。であるから、私はその問題の交渉には直接何ら関係しておりません。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 ずっと後にお聞きになったと申しますと、いつごろお聞きになりましたのでしょうか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 ちょうど三十年——二十九年の末だったと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 この契約ができて、大蔵省に対して役務及び決済に関する許可を立川研究所が申請しておりますが、その点について御存じありませんか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは出したあとで聞きました。そして書類が出してあるし、事業が有効であるということに対して許可の促進に、さき申した将来の事業の関係もあって、当局に事業の優秀なものであることを、ちょうどその当時が外貨の獲得及び輸出奨励の国策に沿う最も有力な仕事であると考えまして、私も陳情の仲間に入って、立川研究所のために援助したことはあります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 その促進について努力された際に、どのような人にお会いになりましたか。その人名がわかったら、御説明を願いたいと思います。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 各次官なり大臣、課長なりにはお目にかかりましたが、名前は覚えておりません。始終変られますものですから。とにかく役の人に対して陳情をして促進方をお願いした仲間に入ったにすぎぬのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 さらにお聞きしますが、大臣とか次官とか課長でなくて、その官庁以外の方について本件の促進について面会されたことはありませんか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 ありませんです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 私の尋問は一応これで終ります。  それでは委員各位より証人に対して証言を求めることといたします。発言の順序がありますので、順次これを許します。山本猛夫君。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 藤岡証人にお尋ねいたしますが、あなたは今当委員長の総括質問にお答えになりまして、事業化するのは、容易でないかと言われたのでございますが、どういう点が容易でないということでございますか、具体的に伺っておきたい。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは技術は非常に優秀のものでありますが、御承知の、特許を実際化するのはなかなか骨の折れるものでありましたのと、ことに化繊界には、きょうまでに相当有力な会社がみな仕事を進めておるときに、今度相当の資本を求めて事業化すということは容易でないという意味なんでございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 あなたはドミニカ糖の輸入を基本線に乗せて、これを正式な国内輸入品として取り扱われるように、大蔵省あるいは通産省においでになったことがございますか、どうでございますか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは主体は立川でありましたが、そのつど立川の技術的の説明をさせ、そうしてもってこの立川研究所の増資の金に充てたいという希望を達成させたいという意味において、陳情の仲間に入っておじゃまをしたことはあります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 当委員会で、その当時通産省の通商局長の職責にあった者の発言によりますと、あなたが主役を演ぜられて、これを許可するようにという強い要請に見えられたという意味のことを発言をせられております。ただいま承わりますと、あなたは単なるバック・アップをするという建前の程度に伺うのでございますが、どちらがほんとうでございますか、さらに伺いたいと思います。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 その通りでございます。私は会社の取締役でもなければ代表者でもない。増資ができた後の会社の社長、代表になって事業化するという意味においての援助をしたわけです。事業そのものが、国策上これを政府が援助してもやらすべきものであるという考えを私は持っておりました。この意味において、申請のおじゃまをするたびごとにその説明をし、許可の早からんことをお願いしたにすぎぬのであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それはあなたが強い要請に通産省の通商局に見られた場合は、もうすでに砂糖の問題に関しては立川研究所が放棄したあとでございます。時期的に全く違いますが、その点は時期的に全く違って、立川研究所が台湾にこの契約をしたこの契約というものを、全く放棄してしまったといわれておるそのあとでございます。そのあとにそれではどういうような意味合いでおいでになったのであるか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それはどうも私はこまかいことは知りませんが、やはり継続してこの仕事をやらしたいという意味があって話しておるわけでして、手続上のことをどういう話しをしておったか覚えておりません。その意味において話したわけです。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それはもう全く縁切りになってしまった、しかも役所のでは、台湾の東方貿易行と役務関係その他の立川の特許権を台湾へ入れようとする問題と、それの代価として一万トンの台湾糖を入れるという問題等のこと等を含めて、全く縁切りになって、関係がなくなって、立川も、お断わりをいたします、砂糖に関してはもう因果関係はありません、こういうふうに全く因果関係がなくなってしまってから、ドミニカ糖が横浜の港へ着きました。そして保税倉庫に入れられてしまったあとで、全然関係がないのです。あなたのお話を伺っておりますと、立川の研究所の相談、あるいはその経営の伸達のために助力をしようというあなたのお考えでおやりになっていたというのでございますが、それとこれとは全く関係がなくなってしまいましてから、ドミニカ糖が横浜の貿易港に入って参りました。そしてもう全然この立川の問題とは切り離された特別な問題といたしまして、砂糖が陸揚げをせられました。その砂糖の問題についてあなたがおいでになっているのです。これはこの記録に明確でございまして、毎日こうして速記が発言を記録いたしております。この記録で明らかでございますから、その点の事柄を伺っておきたいのです。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それはいろいろの事情で品物の到着はおくれて、一回延期を願いまして、なお重ねて延期をお願いするという申請をしておった時分でありまして、立川の方が断わったということは、今初めて聞いたわけですから、そういう点にどういう行き違いがあったか知りませんが、重ねて三回の許可を得て、実際問題としてもう一回願うという意味で、話を進めておったわけであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それは延期の願いをお出しになったことも、ここに記録をされてございます。しかし再度、再三にわたって延期願いをされましたその問題は、もう全く切り離されてしまった、全く切り離されて無関係になったあと、おいでになっているのはどういう意味かと、こう伺っているのでございます。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは私は無関係では話をしておりません。それから東方貿易行の方の代理してきた周からも言わしめ、立川研究所からも、砂糖を引き渡すような交渉もさせました結果、もう少し待ってくれ、必ず円満に手続するようにいたしますということを、役所に数回電報も打ち、立川研究所にも電報も来ておったようであります。であるから、その意味において私は話をしたので、全然無関係になったということがはっきりしたときには、私ももうそれから手を引いて、一切関係しておりません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 証人に伺いますが、東方貿易行の台湾における登録せられました資本金はどれくらいでございますか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 私はそういう点は知りません。立川研究所が実際やっておりますから、そういう交渉及びその他の内容については、立川研究所から話を聞いて知ったにすぎぬのでありまして、直接関係しておりません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 東方貿易行の代表者に、証人はお会いになったことがございますかどうか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 あります。周という男が、ちょうどたまたま私が立川研究所に行っておるときに来ました。日本人の通訳を連れて来まして、砂糖がついたから砂糖を引き取ってくれ、砂糖の代金をくれないかということを言うておりましたが、そのときに、立川正三君がおられません、私にかわって話をしてくれということで、私はそのときに初めて会うたわけです。それに対しては、立川研究所は特許と砂糖と交換すべき意味であって、砂糖を買うて金を払う砂糖商ではない。それは話が違うから、砂糖代金は東方貿易行からもらいなさいと私が答えた。そのときに初めて周その人を知ったわけです。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 あなたのお会いになりましたその周というのは、先般来当委員会でも問題になりました、日本でなくなられたシュウカチンという人でございますか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 はい、さようでございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 そうすると、このシュウカチンという人と東方貿易行というのは何も関係がないのでございます。私の伺っておるのは、この東方貿易行に関係のないシュウカチンというような人ではなく、東方貿易行の代表者にお会いになったことがありますかどうか、ということを伺っているのでございます。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それはありません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 あなたは、立川研究所の御関係でいろいろ御尽力をされたと承わるのでございますが、この東方貿易行と立川研究所が契約を締結いたしておりますが、その契約書等につきましては御承知でございましょうか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 あとで私に示しましたもので、その契約を締結する当時には何ら私は知りません。相談にもあずかりませんでした。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 伺っておりますと、あまり深い御関係のようでもないのでございますけれども、このドミニカ糖の輸入をめぐって世上伝えられるところによりますと、あなたは相当な役割をお果しになった、こういうふうに伺うのでございますが、どちらがほんとうでありますか。念のため伺っておきたいと思います。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは人の見方によります。今申したように、私は役員でもなければ、ただ増資ができて五億の会社ができたならば、私が経営責任を負うということを言うておったものですから、その意味において相談を受けて、できるだけの、今申したように事業そのものが、国家的に非常にやらしたい仕事であるということを信じてやったにすぎないのであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 立ち入った伺いの仕方で大へん恐縮でございますが、あなたは日本倶楽部を中心にしまして、財界、政界、ことに政界には相当にお顔の知られた方であると承わっておりますが、当問題につきまして、政界のどういう人たちにお会いになりましたか。またどういう人たちに協力を求められましたか。さようなことがございますなら、お聞かせをいただきたいと思います。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 今日本倶楽部のお話が出ておりますが、私は日本倶楽部には古く会員としております。それから私は電気事業に四十年関係して、発送電の創立後やはりあそこの参与理事をして、最後には役員をしております。政界には古い友人もあればいろいろ先輩もあります。この問題に対してだれにも相談をしておりません。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 藤岡証人に二、三点お伺いしたいのですが、あなたは立川研究所とは相当深い関係があるようでございますが、一体今度立川研究所と東方貿易行との間に取り結ばれました貿易と申しましょうか、この契約の中に、百万ドルの代償を要求しております権利というのはどういう内容のものでございますか。お知りになっておればお聞かせ願いたい。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 私はあまり技術者でないものですから、立川正三君が技術の関係においては一切やっておりますし、事務の方にも私は一切関係がありません。さきに申したように、増資成立後において、私は社長になってくれという相談において、仕事の性質からいっても、何とかこれは国家的に援助してやるべきものだと信じておる関係上、骨を折ったにすぎないのであります。詳しいことは知りません。相当な価値のあるものだと信じております。ほかの例から見ましても、そう申し上げることができると思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたは大きな仕事をしておられますから百万ドルくらいは大したものじゃないかもしれませんが、少くとも百万ドルという代価を要求する権利は、あなたがその間に立っていろいろあっせんされるには相当自信のある御理解もあったろうと思います。一体何が対象でこの百万ドルを要求されておったか、それを御存じありませんか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 私はそれは知りません。契約には、今申したように一切関係しておりません。ほかの、ベルギーなどは、それの十倍にも当る価値を認められて、今盛んに事業をやっておるようですが、であるから、相手によって価値は認める場合もありましょうし、さまざまと思いますから、そのためにそういう契約が締結されたものと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっきあなたは、たしかこの立川研究所の業績が大へん優秀なものだということを御証言になったようでございますが、この優秀なものだということを立証するためには、どういう具体的な事実がございましたか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 私が証明するのでなくて、そういうことは技術研究所において十分研究されておるようでございます。ことに私はこの話を、力を入れて相談を受ける前に、十分その点を聞きました。また京都の研究所の会社にも行き、実際に説明も聞いたわけです。その意味からいいまして、今現在できておる品から見ましても、ちょうどエジプト綿と同じ以上の品であって、半値くらいな値段で生産ができるということでありまして、輸入の方にも非常に有益であり、また輸出も奨励できるという意味に考えておったわけでありますから、その価値の問題は相手によるわけでして、私はそれがあるかないかは、しろうとですから、その点は私から申し上げるわけにいきませんし、当事者においてそれが価値ありとして契約が締結されたものと信じております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたは東方貿易行と立川研究所との間の取引について各方面に折衝されたようですが、この東方貿易行と立川研究所との間に結ばれました特許権に関する契約が実効があるものという御認識をどの点から得られましたか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 私は一切立川研究所と東方貿易行との間の契約問題については携わっておりません。その点は立川の方で相手方を調べもしたでしょうし、役所の方でも十分、許可されるときには慎重に御研究になり、調べをされたものと信じております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それであなたはいろいろ動かれましたというのは、結局砂糖が入ってきてからの処置でございますか。砂糖を入れるまでの手続について動かれたのですか、どっちなんですか。すでにこの特許権に関する百万ドルの契約には関係してない。そうしますと立川のだれかしれませんが、言ったことを信じて砂糖を入荷させる便宜を与えるようにあなたが動かれたのかどうか、確めておきたいと思います。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは契約ができて書類も出し、申請書も出してあって、無為替輸入ということに対して書類も出してあるから、どうか早く許可になるようにということで、事業そのものの性質をよく説明さして促進運動の仲間に入ったにすぎぬのであります。その点は混同されぬようにお願いいたします。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 無為替輸入というのは異例の処置でありまして、なかなか許されない、これを許すためには相当確たる根拠がなければならないのですが、この根拠もあなたはおつかみになっておらないのですか。立川の言うままに動かれたと、こういうのですか、その点はどうでしょう。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 事業そのものはしろうとでありまするが、技術研究所において優秀なものであるということと、でき上った品物においてりっぱなものであるということと、それから百番手以下の細糸の製造において非常に成功していることと、すべての点において、国際繊維界あるいは綿などの製造、すべての実情からいって、相当の値打のあるものと思うから、私は会社が成立後においては責任を負って、その事業をやることに骨を折ろうということの約束のもとにやったわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうしますと、あなたのお話から、今回問題になっております人造繊維の製造等に関する特許を受ける権利は、あなたは大した御理解もなく、その他の事業から類推して、立川研究所の仕事を信頼し、この無為替輸入百万ドルの砂糖についての輸入をあっせんされた、このように理解してよろしいのですか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 私は技術の方はさきに申したようにしろうとでありますから、立川氏の技術を信用して、なお立川だけでなしに、技術研究所の試験の結果もわかりましたし、いろいろな点において、信じて間違いのないものとして話を進めたわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この東方貿易行と立川研究所との間の契約は、いかなるものであったということをあなたは確かめられなかったわけですね。これはこの問題の重点でございますが、この点については、あなたは何かお確かめになったことがございますか。それともただ無条件に立川の言うことを信じて動かれましたか。その点を確めておきたいと思います。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは私は、立川をして十分に研究もさせ、なお役所の方にもその点も台湾のことだから、十分役所同士でも確めてもらいたいという話をしたことはあります。であるから、でき上ったものは役所の方でも研究され、立川氏も十分研究したものであるとして、私は相談を受けておりましたから、信じてやった仕事であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 無為替輸入は最初からあなたはあっせんされておりましたか。それとも最初無為替輸入の許可があってから、この延期のために動かれたのですか。どっちなんですか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 無為替輸入の許可をとるために、促進するために、私は中に入って援助したわけです。無為替輸入の申請は私に相談をする前にすでに書類は出してあったようです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたは勝間敏雄という人を御存じですか。もし御存じならば、どういう関係でお知り合いになったか、お聞かせを願いたい。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 知っております。それは今の立川研究所の関係で勝間敏雄君を知ったわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 京都化繊という会社があるそうでありますが、これはどういう会社でありますか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それはやはりその事業を事業化するためにできた会社です。六千万円の払い込み済みの資本でもって、立川氏が社長になって、現在も会社がありまして、京都でその研究をしておる会社であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この京都化繊の現在の業績はどうなっておりますか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは私は知りません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この勝間敏雄という人が、無為替輸入の砂糖がうまく手に入った場合には、この京都化繊の重役になる予定であったということを聞いておりますが、その点に関しまして、何かあなたと勝間氏との間に話し合いがなされましたか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは立川君との間の話でしょう。私はまだなっておらぬわけですから、骨を折って立川研究所として相当な役割を果す人間と見て話をしておったということは聞いております。私とではありません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 どうも伺っておりますと、無為替輸入の砂糖についてのあなたのあっせんはあったようですが、その前の立川研究所に対するあなたの御認識、あるいは東方貿易行とのさまざまな契約に対するあなたのお考え方、あるいは勝間敏雄という人に対するあなたの考え方は、まことにぼうばくとしておる。もしそれ以前に何らかこの事件の不明朗な発端になるようなことがあった場合に、あなたは全然これにはタッチしていないということを確言できますか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 どういう点か知りませんが、そういうことを思っておりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 かりに東方貿易行というこの貿易商社が、あなたの信じ切っておられるような百万ドルの特許権を受けるに値しないような貿易会社であり、またこの砂糖の問題が、この特許権を得ることよりも、むしろ砂糖を引っぱる方に重点を置かれた事件であるように、われわれ考えられる節がございますが、そういう点はこれまで一ぺんもお疑いになったことはございませんか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それはありません。もしそういう疑念があれば、私は関係しません。信じて進んだわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もしもそれがあった場合は、あなたはやはり立川によってだまされておったとわれわれ考えてよろしいでしょうか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 どうも立川もあらゆる手を尽して調査もし、信じてやったことと思います。私はそういう間違いの起きることと思わずに、信じ切って、実は役所にも頼みもしたわけでありまして、その点は今申したような意味において疑念を持ったものでないことを申し上げます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 よろしゅうございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 山田長司君。

山田長司日本社会党

○山田委員 勝間さんと立川さんと藤岡さんと三人で通産省においでになったそうですが、お会いになったのはどなたでございますか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 私はいろいろと会いますけれども、役所の人の名前もあまり聞きませんし、課長なら課長に会い、すでに書類が出してあったようですから、立川をして説明さして、どうぞよろしく速急に願いますという意味で、課長とか係長という人には会いましたが、名前は忘れておりました。始終かわりますから……。どこもそういう行き方をしております。

山田長司日本社会党

○山田委員 始終かわると申しますけれども、やはり通産省でこのことに中心になって動いてくれた方があるはずですが、当時の通商政策課長だった今井博という方を御存じですか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 知っております。これは私は電気屋でしたから、電気の関係で知っておる程度でございます。それから役があるいはそういうときには関係があったかしらぬから、そういうことも話しております。説明はずっとして回ったのです。各課長なり局長にもお目にかかりして、促進運動を私は援助したにすぎぬのであります。

山田長司日本社会党

○山田委員 この課長があなた方に、無為替輸入のことについては大蔵省へ訪ねるのには大蔵省のだれを訪ねたらいいと教えましたか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 それは忘れましたが、役所にも行きましてお願いしたと同時に、大蔵省ではその当時やはり通産省と協議の上でということを聞いたように思います。であるから大蔵省及び通産省の協議の結果、十分確かめて許可されたものと信じております。

山田長司日本社会党

○山田委員 通産省へ訪ねたときには、通産省では生駒という課長があなたとお会いになったと思いますが、生駒課長でなかったですか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 いや、名前は覚えておりません。ただ課長さんとしてお目にかかったにすぎぬのであります。

山田長司日本社会党

○山田委員 農林省の方としては許可をしたくないという方針だったようですが、大蔵省でそのときにどうあなた方に言われたか、順序を追って一つそのときのいきさつを教えていただきたいと思います。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 忘れましたが、とにかくよく調査した上で考えようということにあったように思います。

山田長司日本社会党

○山田委員 課長が判を押したことによってとんとん拍子に話が進んだと思うのですが、その点はいかがでございましたか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 その方はどうも——内部のことは私はよく知りません。それから今農林省の話が出ましたが、農林省には一切私は顔を出したことはありません。

山田長司日本社会党

○山田委員 大蔵省の方では、通産省の水産課と相談しろということで、当時の今井課長と生駒課長とがたびよび会合をやっておるようですが、この点についてあなた方はたびたび訪問して前後の事情を伺っていると思うのですけれども、どういうふうにその当時の話はなっておったのですか。これは知らないでは済まないと思いますけれどもいかがですか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 一切知りません。私どもにそういう役人同士の内部の話は聞かしておりませんし、聞いてもおりません。

山田長司日本社会党

○山田委員 先ほど委員長から伺ったときに、あなたの前歴の中に、日発の理事をしていたと言われたことがございますが、日発の理事をしておられる当時からあなたは今井課長と親しかったと思うのですけれども、その点いかがですか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 日発には関係なかったと思います。日発ではありません。日発はずっと後のことであります。その当時は今井君は知りませんでした。

山田長司日本社会党

○山田委員 あなたは今度の事件で今井課長のところへ訪問して知ったのではないはずですが、その点いかがですか。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 今度の事件という問題ではありませんが、今井氏個人としては知っておる程度です。電気の関係で知っておりますが、何ら相談したこともありません。また年も私からいって、まだ非常に若いし、発送電時代には何ら関係ありませんし、私は会うたこともなかったのであります。

山田長司日本社会党

○山田委員 今井課長がこのことのあなたとの相談で、大体前後の事情を次次と進めていったとわれわれ思うのです。きょうあなたが証人に呼ばれることを知ってか知らずでか、夕べの九時の日本航空の飛行機でアメリカにこの方は立っております。今度は事業局の参事官という立場になっておられて、おそらく電源開発のことか何かで行かれて、来月二十日にお帰りになるのだと思うのでありますが、今度の事件は水産と輸入の仕事に属して、大体通産局の関係では調べられているわけですけれども、大体これは通産省の政策の衝に当っておられる今井課長のところにあなたが行って、大体許可をもらうもらい方についての打ち合せをされているわけなんですが、もう少しその点のいきさつが明らかになってしかるべきなのですが、前から今井課長を知っておられて、この勝間、立川両氏をあなたが連れて行かれて、許可をもらう順序、方法、それからさらに日比野課長と連絡をとったということのいきさつをもう少し明らかに一つお教え願いたいと思うのですが……。

藤岡芳蔵

○藤岡証人 今井君は個人的に知っておるからむしろ今井君の方から、よほど大事を踏んで下さいという注意をしたにすぎないのでありまして、係がやはり水産課でもあり、輸入課でもあるから、その方に今井君はあまり干渉しておりません。その点、今のお話では、今井君が逃げたようなことを言われるけれども、そうではない。私は会いませんけれども、そういうことがあるとは信じておりません。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 証人に対する尋問は以上をもちまして一応終ります。御苦労ですが、控室でお待ち願いたいと思います。  次に勝間証人より証言を求めることといたします。  まず委員長から証人にお尋ねいたしますが、勝間証人に先般三月の十七日にここに出頭願いまして、お尋ねいたしたわけでありますが、その際にお答え願った中に、立川研究所と東方貿易行との間の特許権譲渡に伴う砂糖輸入に関する契約書類、往復文書等の写しが検察庁の方からお手元に返っておると思いますが、その間の事情をお聞きしたい。

勝間敏雄

○勝間証人 この砂糖が処分されました直後に検察庁の方から私お呼び出しを受けまして、大蔵省並びに通産省に許可をもらったいきさつについて関係書類を全部提出しろということを言われまして、書類を持って説明に上ったのでありますが、そのときに再度聞きたいときがあれば呼び出すから、それまで一応書類を預けておけ、こういうことを言われて書類を置いておったのであります。そして一昨日地検の方から再度呼び出しがございまして、出頭いたしまして、書類を一応かりに渡すからということで、仮受取書でございますか、そういうものをいただいて参りまして、ただいま手元に持って参っておるわけでございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 その書類は何と何か、できたらお示しを願いたいと思います。

勝間敏雄

○勝間証人 それは大蔵省並びに通産省に出しました役務に関する契約及び決済に関する許可申請書に関しました添付書類の全部であります。非常にたくさんございますので、やはり一々申し上げた方がよろしいのでございましょうか。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 ちょっと見せて下さい。その書類は閉じてあるその一冊だけでございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 さようであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 委員長がお願いしますが、証人はあとでその書類を見せていただくわけには参りませんか。少しお借りしたいのです。

勝間敏雄

○勝間証人 その点につきましては、私はかりに預けるからということで、一札地検の有安事務官殿に出しておりますので、了解なしに渡していいのかどうかは私わからないのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 しかしあなたのものには違いないんだから、見せてもらうのには差しつかえないと思うんだが、いかがですか。

勝間敏雄

○勝間証人 見ていただくことはけっこうだと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 それでは委員各位より証人に対して証言を求めることといたします。発言の通告がありますので、順次これを許します。山本猛夫君。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 証人に伺いますが、東方貿易行の代表者にお会いになったことはございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 代表者には会ったことはございません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 東方貿易行と立川研究所と契約をされましたその契約書を御承知でございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 このつづりの中に全部できております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 大蔵省へ役務関係等の申請をされる書類の中にその契約書がついておりますが、それを御承知でございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 承知しております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 大蔵省に御呈示になりましたその契約書と、あとで何か本契約を結ばれるのに作られました契約書との間に変更がございませんか。

勝間敏雄

○勝間証人 今本契約書とさされましたのは、周さんの持ってきたことに対しまして私がサインしたことを言われたのかどうかということをもう一度お尋ねしたいと思いますが……。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 周とはシュウカチンのことでございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 周、名前は私ははっきり存じませんが、東方貿易行の委任状を持って参りました周のことを言っておるのでございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それではお尋ねいたしますが、日本でなくなられた周という人のことでございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 なくなられた周さんであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 東方貿易行と周さんとはどういう関係でございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 私はその関係は深く知りませんが、周さんが東方貿易行のこの砂糖積み出しに対する委任状を持ってきておりました。その範囲内しか私どもはわからないのであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 東方貿易行の台湾政府に登録をしておりまする資本金の額を伺いたい。

勝間敏雄

○勝間証人 その当時私も興信録のようなもので調べたのでありますが、資本金の額ははっきり今記憶しておらないのであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 大体どれくらいの資本金だというふうに御解釈でございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 非常にうかつでありますが、私相当前のことでありますので、資本金のことをちょっと今のところ思い出せないのであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 両三日前に台湾からの回答によりますというと、公称資本金二十万元でございます。お思い出しになりませんか。

勝間敏雄

○勝間証人 その程度であったかもわかりません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 台湾の貨幣で二十万元と申しますと、日本の円に直しましてどれくらいになりますか、お聞かせいただきたい。

勝間敏雄

○勝間証人 私はその当時のなには、むしろ構成メンバーに主力を置いて調査をしたと思うのであります。そのときに世界書局という書籍屋さんの経営者の方が関係しておられたということをその興信録のようなもので見ております。世界書局なるものを中国にいた人に聞きますと、非常に強力な、りっぱな、有名な会社のように聞いておりましたので、私の方には全然この取引に対してリスクというものがないものでありますから、極端にそういう資本金や何かということを考えなかったのであります。今おっしゃいました元が今の円にしてどのくらいになっておりますかということも、ずいぶん私も遠ざかっておりますので、ちょっとわからないのでありますが。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 いずれにいたしましても公称資本金が二十万元でございます。それでこの契約書によりますと、この特許権を台湾で受けられるということに関する権利金が米ドルで百万ドル、こういうのでございます。それでさらに承わっておきますが、東方貿易行は、そういうものをたとい役務関係にしろ受けられるという会社の目的、あなたも興信録その他でお調べになったとおっしゃっておられますからおわかりかと思いますが、目的ですね。日本でも、株式会社法によりまして目的を明確にいたしませんければ登録ができません。そこで登録をせられております定款、目的の中には、こういうことができるかどうか、その目的の中にございますかどうか、それを承わっておきたい。

勝間敏雄

○勝間証人 私は向うの方は貿易商の形でありますし、また向うの法律がどういうふうになっておりますのか、向うからの書類による以外に全然判断するなには私にもなかったのであります。従ってこの特許をどういうふうに処理するかということは、ここにきております手紙の内部によって判断した程度であります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 私はあなたが立川研究所と御一緒になってお取引をなさろうとしたことを、とやかく立ち入って申し上げるわけではありませんけれども、とにかく米ドルにいたしまして百万ドルという膨大な取引でございますから、会社の内容あるいは目的、こういうような程度くらいのことはお知りになっての上と判定される、推定されるのでございますが、この目的の中にはこういうものをやってよろしいということはございません。これは向うから直接の回答によるものでございますが、この目的にそういうものをやってよろしいということが定款の中に明示されておらないのであります。貿易貿易とおっしゃいますけれども、定款の中にそういう目的を果すということにはなっておらない。これが明確な一点でございます。  もう一つは、これは公称資本金二十万元です。そうしてこれは単なる貿易を主眼といたします会社でございまして、その特許権を台湾でとりましてそれを実施する工場等もこの定款の中にはうたわれてございません、こういうのでございますが、そういうものを対象とされてかような御契約を結び、そうしてこの百万ドルというものをお受け取りになろううとしたのであるか、これがまず一つであります。  それからもう一つは、何にいたせ、とにかく資本金二十万元と申しますと、高級自動車一台も買えない。高級自動車は二十万元や三十万元では買えないのでございます。すると自動車一台も買えないような資本金のところで、百万米ドルでございますから、こういう実際に膨大な巨額な取引の対象になるとお考えになっておやりになったのでございますか。大へん失礼に聞こえるお尋ねで恐縮でございますが、お聞かせをいただきたい。

勝間敏雄

○勝間証人 中国人の会社からいろいろ虎木綿の問題について、東方貿易行からそういう申し入れがくるまでに、二、三の人がやって来たりしたこともあるのでございます。そういう場合に、中国人の会社の信用状況というものは、私らの常識としては資本金ではわからないものじゃないかと私らは思っておったのであります。非常に小さな資本金でも、ずいぶん大きな金を動かすということが間々あったように私どもも聞いておりますし、そういう判断が、私と今の先生の御意見との観点の相違ではないかと思うのであります。もっとも向うから一々謄本を取ったり、向うの政府の方に問い合せてみたりということをあえてしなかったことは、非常に乱暴なやり方であったかもわかりませんが、一応通産省の市場第二課——第二課か第三課かわかりませんけれども、その方でも、十分こちらの方で調べるからとおっしゃっていただいたのでありますから、私どもそういう点については、リスクが向う側にあって、こちら側にない。品物がこちら側に来てか、完全にその引き渡しが済んでから、特許権のサインをして——契約書を見ていただくとわかりますが、そういうことでやっておりますが、すべてのことは日本国の法律に準ずるということが書いてあります関係上、私としてはあえて中国のわからない面まで立ち入って調べようとしなかったのであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それではもう一点だけ伺いますが、この東方貿易行の台湾国政府に登録をいたしました、日本で申し上げますならば株式会社法による登録の面で、さような仕事はできない、さような仕事をするという定款にはなっておらないということがおわかりにならないでおやりになったわけでございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 そういう点は夢にも想像しておりませんでした。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは、どうもまことにお聞き苦しい言葉かもしれませんが、あなたが立川研究所を代弁されてその衝に当られたとするならば、この東方貿易行にあなたは一ぱいやられた、言いかえますならば、あなたはだまされた、そういうお感じでございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 だまされたと申しますのはどういう点であるかわかりませんですが、私の方は日本側の許可を始終考えておったのであります。東方貿易行が持っておりますその特許を、よしんば台湾政府の非常な、何と言いますか、法律に触れるような問題になっておりまして、これが実現できないというような場合が起っても、われわれの方に対しては、これだけの砂糖が入って、三億六千万円という金が入って、それで企業化ができるということを主に考えておりましたから、そんな点については、全然私の方で心配もしておりませんでしたし、またよしんばそういうことになっても、われわれに対してはちっとも影響はないと思うのであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは日本政府もだましてよろしいとお考えになったわけでございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 日本政府をだますということはどういう意味で言われるのかわかりませんですが、あらゆる書類を持っていって、通産省の方にも、大蔵省の方にも、添付書類というものは、向うから来た手紙も何もつけたのであります。従って、だますという意向は全然ないのでございます。ただ台湾に行ってから、その会社の定款にそういうことをうたってないじゃないかということになったことの責任までは、日本政府としてもわからないじゃないかと思うのであります。あるいは特許をとったときに、そういうことを定款に追加するというようなこともあり得るんじゃないかということも、今ちょっと考えられるのでございますけれども。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それではいずれにしても、東方貿易行というものの実体がまことに不明確のままに御契約を結び、不明確のままに日本政府にあなたはその手続を進めていった、こういうことでございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 大体向うに会社が現存しているという程度の確認と、それから構成メンバーの中に、上海にいた友人なんかに聞いてみましても、その会社のメンバーであれば大丈夫だろうというような程度のことによりまして、あとは全部こちらに危険のないように十分こちらは処置を考えて申請をしたのであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 その台湾でお調べになりました、御依頼をされました先をお聞かせいただきたい。

勝間敏雄

○勝間証人 私の友だち連中でだれに聞きましても、世界書局という名前を知っておったのであります。私は、上海におりました友だちというとずいぶんございまして、今だれと、具体的に例をあげると、名前はだれかというと、延原というような友人にも聞いたことがございますし、あるいは山本という友人にも聞いたことがございます。しかし、だれとだれとに聞いたかといわれると、ちょっと記憶はないのであります。大体上海を知っている友だちには一応聞いてみたのであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 何しろ米ドルで百万ドルでございますから、私も多少の仕事をいたしておりますけれども、こういう膨大なものをおやりになるのでございますから、十分な調査をされたであろうと、私どもは常識上考えますので伺っておるわけでございますが、東方貿易行を知っている人が著名な人である、何であると申しましたところで、私も中国の事情を多少わからないわけでもございません。ことに私は幼少のころ台湾で育ちましたから、台湾の風俗習慣等につきましても——今日でも台湾に友人もたくさんおります。また香港のことも多少わかっております。ですから私どもは、疑惑と申し上げてはあなたには大へん失礼であり、お聞き苦しいことでありますけれども、どうもその疑惑が解明されない。私どもが個人として疑惑を解明されないということではなくて、こういうようなものが歳入歳出の実況の中で行われているのだということでございましたならば、どうしても国民の疑惑の焦点と相なって参ります。そこで当委員会がこれを解明したいと思いますけれども、通産省のその当時交渉に当られた方たちをお呼びしてもわからない、大蔵省の当局であった方々をここへおいでを願って伺ってもわからない、実際の衝に当っておやりになったあなたに伺ってもなおかつ解明されないということになりますと、これは全く解明されずじまい、わからずじまいということになりますので、われわれは自分の調査機関を動員し、そして直接台湾からも聞いておるのであります。ただいま申し上げておりまする資本金の事柄、あるいは定款の中の目的というようなことは、両三日前に日本へ到着いたしました正確なるデータであります。なお引き続いて詳しいことを私どもで努力して調べております。それによりますと、いずれにいたしましてもこの米ドル百万ドルの対象にはならない。ところがならないといってあなたをきめつけようとか追及しようとか、そういうようなことは何も考えておりません。ことに私どもはあなたに対しては何らの恩怨もありません。ただ国民の疑惑を解きたいという一点にあるのでございますから、今御記憶にもない程度のことでございますということでありますれば、いずれかの機会でもけっこうでございますからお聞かせいただきたい。  それではもう一点。これでやめますが、全くそれでは東方貿易行というものを明確にお調べにならないでこの事柄は始められた、こういうことでございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 私は調査をしてないと言われますると非常に困るのでありますが、名前も忘れたのでありますが、この程度の厚さの興信録のようなものを私は見たことがあるのであります。それに見たものによって得た知識——むろん当時でございますが、その程度でございまして、あとは、役所のことを私は言うようでございますが、通産省の方でも十分調べるとおっしゃっておったような関係もございましたので、そういう点はあまり深く感じなかったのであります。今も商売のことをおっしゃいましたのですが、事実私らの場合でも、非常に資本金の少いというような会社でも、結局向うの方から先に現金を持ってくる、先に品物を持ってくるというふうな場合には、商売をするのはこれは商売人の常識じゃないかと思うのであります。そのために私は、その契約書を見ていただいてもわかりますが、あるいは役所に提出している向うの手紙を見ていただいてもわかりますが、絶対こちらの方に遺漏のないようにしておりましたので、今先生もいろいろ質問されまして、国民の前にもう少し明確にしなければいけないという御意見はよくわかるのでございますが、ほんとうにそういう程度の気持でやっておったのでございますから、あしからず一つお願いいたしたいと思うのでございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 委員長から河井刑事課長にお伺いいたします。ただいま勝間証人が持参しております、有安事務官から仮領収書か何か作ってきたというのですが、これは押収書類ですか、任意書類ですか。

河井信太郎検事(刑事局刑事課長)

○河井説明員 任意提出になったものをお返ししたのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 勝間証人に伺います。この契約書の写しですが、これは大蔵省の資料から写したわけですか、あなたが持っておられるところの立川研究所と東方貿易行との契約書とこれと同じですか、どうですか。ちょっと見ていただけませんか。

勝間敏雄

○勝間証人 これはその通りであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 シュウカチンという中国人と初めてお会いになったのはいつですか。

勝間敏雄

○勝間証人 日にちをはっきり忘れましたが、ライセンスの最終の許可の切れるという十日くらい前だったと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと許可が切れるのは三十年の十月二十三日が最終のように思いますが、そういうふうに政府の提出の資料にはなっておりますが……。

勝間敏雄

○勝間証人 そのくらいのときだったと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 周が東方貿易行の委任状を持ってきました。その契約書にあなたが御署名になったのはそのときですか、もっと後ですか。

勝間敏雄

○勝間証人 その契約書に私がサインいたしましたのは、最初に会ってから半月くらいたってからではなかったかと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 周が持ってきた契約書に署名をなさったのは、ただいま写しを見られたこの契約書とは違いますか。その書類を見せてもらえませんか。任意に提出なさったという書類ならいかがですか。見せていただけますか。読んでいただかなくても一覧すればわかります。

勝間敏雄

○勝間証人 見ていただくことはけっこうです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ちょっと見せて下さい。このほかにいま一つ契約書があって、それに署名なさったのとは違いますか。これは周の名前は全然ないのですが、いま一つ契約書があって、それに署名したのとは違いますか。あなたの署名はこの中にないのです。

勝間敏雄

○勝間証人 その分はライセンスをとる基準になっている分でございまして、それは周との契約ではないのであります。周は砂糖を東方貿易行の代理人として持って参りまして、その引き取り方についてサインをしろと言われて作ったやつがあるわけでございますが、これは私どもの方に残っておらないわけでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 わかりました。あなたは今委員長が示した契約書の写し、これと同一の内容のものに署名した、それは周が持ってきたものに対して署名した、こうおっしゃるので、この契約書を通覧すると、あなたの名前が全然載っておらぬ……。

勝間敏雄

○勝間証人 私そういうことを申し上げたことはございませんです。それと同じ契約書に周との引き取り方について署名したということは絶対今言っておりませんです。今お示しになった分と全然同じでありますということを言ったのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは要するに内容が同じであって、そしてこの署名人が、これには立川正三となっておるが、それではないというのですか。そのほかになおあなたの名前を書いたというのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは内容が同じではないのであります。それは東方貿易行との特許の譲り渡しに対する最初の契約書でございまして、周氏は東方貿易行の委任状を持って、砂糖を持ってきたわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 伺うのは、写しを見せて、これと同じ趣旨の契約書にあなたが署名したとおっしゃるから、契約書を見ても署名はない、それならば署名人を除いたそのほかは同じなのか、こういうことについて聞かなくちゃならぬ。それはどうなんですか、違うのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは全然違うのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 違うなら、これとは違った契約書に署名した、こういうことが事実なんじゃないですか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは砂糖を引き取る手段であります。周の持ってきた砂糖の引き取り手段に関する書類、これにサインしろということを言われたわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 砂糖を引き取る手段の書類にあなたは署名した、その内容は何が書いてあるのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 その内容は、私が覚えております範囲内では東方貿易行のライセンス・ナンバーが入っておりまして、東方貿易行のかわりとして今日本に砂糖を持ってきた、それを私たちの方に引き取れという、こちらが受け取るということに対して私がそれにサインをしたわけなんであります。これに対して東方貿易行と周との間にいろいろトラブルがあったようにそのときは聞いておったのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 要するに、ここに示された契約書と同一の内容のものだという今の御説明は、そうにあらずということになるんじゃありませんか。別にこの内容の契約書にあなたがサインしたのでもなんでもないわけです。今の御説明によりますと……。ところがさっき委員長の示したのは、この写しと同じ内容のものにあなたはサインした、こうおっしゃるのでありますが、この内容のものに署名した事実はなし、砂糖を引き取る手段として別に作った書類に署名した、こういうことになるんじゃないですか。

勝間敏雄

○勝間証人 今同じ内容のものに署名したということを私が言ったとおっしゃるのでございますけれども、それは委員長の御質問に答えて私が言ったことを言われるのでございましょうか。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたは、ここで聞いておれば、委員長がこれを示して、あなたが見せないようなことを言っていたから、この内容と同じなのか、違うのかという質問に対して、あなたの所持している契約書はこの内容と同じですとおっしゃるから、私はそれを見せていただいて、両方比較点検してみたわけです。

勝間敏雄

○勝間証人 その通りであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 委員長が示したのは、この契約書は、大蔵省から持ってきた写しですから、この書類とその書類の中にある契約書とは同じかどうかということを聞いたら、それは同じだ、こういうわけです。証人がサインしたというのは違うわけです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それではこちらの方の誤解になります。失礼しました。そうすると所持しておる契約書、それから提出した契約書は、ここに示したのと同じである。それから周が持ってきて署名した書類はこれと同じかと問うたら、内容は同じだと私に答えた。これは委員長の問いに対する答えとは違うのです。私の問いは、周が持ってきた契約書にあなたは署名したと言うから、東方貿易行の委任状を持ってきたというから、その内容は今所持なさるこれと同じかと言えば同じだと言う。同じだと言うから見てみたところ違う。あなたの名前はちっともない。それで違うほかの内容の書面にあなたは署名したのじゃないかと言ったら、どうもそうらしい、あとの方がほんとうですね。

勝間敏雄

○勝間証人 私も今ちょっと御質問の要旨がのみ込めなかったわけでありますから、あれでございますが、実質は同じ契約ではないのであります。砂糖の引取方に対するなにに署名したわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 この契約書は一九五四年になっております。つまり昭和二十九年であります。そうするとライセンスの出る以前の契約でございますね。そこで周が持参してきたのは、昭和三十年十月二十三日、つまり有効期限が失効するその日の十日ほど前だったらしい。それから署名したのは、その後間もなくであった、こういう御趣旨に聞えます。そうすると、それは昭和三十年の十月ごろと思います。結局これは別の書類であるということは間違いない。そうなりますと、あなたの署名なすった、周が持参して署名したというその内容をもう一度述べてもらいたい。要するにどういう趣旨の書面にあなたは署名なすったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 周氏はこのライセンスに基いて持ってきたのでありますが、その当時は保証が要りまして、どうしても保証ができないという状態に追い込まれておったのであります。しかしわれわれとしては、国家の予算の範囲内で百万ドルの砂糖というものが準備されておるものでございますから、何としてもこの砂糖は取らなければいけないというふうに私は考えておったのであります。ところが代理人である周氏が委任状を持って参りましたときに、東方貿易行と周氏との間にその決済の条件についてかなりのごたごたがあったように思うのであります。これは当時通産省に周氏が、その品物をわれわれに無条件に渡せないと言った、当時東方貿易行の本社から通産省の方に電報か何か入っておったようなことを聞いておったのであります。従って、これは私の想像でありますが、周氏が東方貿易行から依頼を受けまして、一応自分でドルを立てかえてこの砂糖を持ってきたのではないかと思うのであります。そうしてそれをこちらに持ってきて私たちの保証金を押えておいて、それから東方貿易行から決済をつけさせる、こういう考えを持っておったのではないかという感じを持ったのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたは、その署名するときに、立川研究所の代理人とか代表者とかいう趣旨をお書きになっておるのか、あなた個人なのか、また立川の委任状でも添付しておるのか、その点いかがですか。

勝間敏雄

○勝間証人 私はその当時は委任状をいただいておったのであります。その委任状の内容は、私今はっきり覚えていないのであります。全部それは立川さんの方に回収されましたものですから、自分は控えを持っておりませんですが、そのときには立川の代理人という考え方で周さんは私と話をしておったと思うのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 周さんの立場ではなく、あなた御自身は、あなた本人ではなしに、立川の代理人の立場で署名なさったのか。その署名を立川の代理人としてなさっておったのか、あるいは委任状でもつけたのか。その辺はどうかというのであります。

勝間敏雄

○勝間証人 私の、委任状のコピーであったか本書であったか、つけてやっておると思います。従って私自体も、私の気持でございますけれども、立川の委任を受けて、委任状に基いてやったという考えでしたのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 気持や考え方ではなしに、具体的事実として、あなたが署名したのはあなた個人なのか、あるいは立川の代表者とか代理人とか書いておったのかどうか。いずれもこういう重要な契約書ですから、その資格はきちっと書くはずであります。そこを一つお確かめしたいのです。

勝間敏雄

○勝間証人 そのときには私はたしか委任状を渡して、個人でサインをしたように覚えているのでありますが、私の手元に何がございませんので、ちょっとその点……。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうすると、確かに委任状を渡してあなたの名前を書いたように思う。それから従来も東方貿易行の委任状をつけておったのですか。そして周も同じく代理人とか代表者の資格でその署名をしたのか。その点どうなんですか。

勝間敏雄

○勝間証人 あのときには私が委任状を持ってきておりまして、今まで手紙が来ておりましたサインと照らし合せまして、絶対間違いないということがわかったものでございますから、その委任状を私はとらなかったわけでございますけれども、一応私の方が受け取る立場であったものでございますから、私はサインをここにしろといわれてサインをしたような形になっておるわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 その契約書はあなたが受け取ってあなたが所持しておったのか、立川に渡したのか、それはどうですか。

勝間敏雄

○勝間証人 その問題は、私がそういう話をいたしましたときに、立川としては期限も切れておるし、あなたの方には委任状も何も渡さないからということで、私はそのときに初めて立川からこの問題についての権限を剥奪されたといいますか、処理をまかされておったことを取り消されたようになりまして、結局それでその契約は破棄してしまったわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 その契約書なるものに輸入のライセンスが添付してあったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは私の方のライセンスの写真のコピーが東方貿易行にいっておりますから、そのナンバーが全部入って、そのナンバーに基いてこれを持ってきたんだということが書いてあったのであります。ライセンス・ナンバーは全部入っていましたが、ライセンスのコピーはついておりませんでした。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、これは有効期限失効後であるから、すでに技術輸出はできないことになりますね。あらためて大蔵省の許可がなければできない。従って、この特許の輸出ということもすでに時期が済んでしまった、状況が一変しておる。あなたの方は、砂糖だけを受け取って、何を対価として相手に渡そうというつもりだったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 このライセンスの延期の問題でございますね。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 延期の問題ではない、契約の内容……。

勝間敏雄

○勝間証人 ちょっとお聞き下さい。延期の問題が重要な問題であるのでありまして、一度目延期をいたしましたときに、これ以上延ばすことはできない、しかしながら向うが砂糖を積み出した場合には延期をしてもいいということを通産省は言っておられたわけであります。従ってその当時これの延期をしてもらいたいということを頼みに絶えず日参しておったことは事実なんであります。だから私は何を対象にということを言われると非常に困るのでありますが、当然延期をしてもらえるものだと思っておったのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたのようにこんな重大な契約に参加なさる人が、すでに失効したものを延期するというのはこれまたどういうことですか。筋が通らない。新規に許可を受けるということならばいざ知らず——新規の許可ならまた大蔵省、通産省全部一新になりますね。許可とか承認全部新たにしなければならない。失効してしまったものを延期もくそもないじゃないですか。その辺の手続上の効力の関係は十分御承知だと思います。延期ということは、すでに従来調べたけれども、もう失効しているのですからね。失効しているのになぜ今後の延期ということを——これは架空のこととかしろうとの場合は別といたしまして、何もかも知っておられるあなたが延期ということはどうも考えられないですね。

勝間敏雄

○勝間証人 延期の場合、しろうとの場合はわからないとおっしゃいましたが、延期ができるということは砂糖の業界のどなたに聞いても言っておられたわけです。くろうとが大ていそういうことをおっしゃっておられたわけです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 積み出しておったらもう一ぺん延期がきく、期限が切れて失効後でもさらに効力が回復するということは、一体通産省、業界のだれがそんなことを言ったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 私も期日のことをはっきり覚えておりませんが、ライセンスが切れてから向うを積み出しているでしょうか、もう一度その何を調べていただきたいと思うのであります。少くとも積み出しの何は一日や二日の差はあったかもわかりませんですが、ライセンスの有効期間中にすべての手続は行われていると思います。こちらに着いたのがおくれたのではないかと思うのです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 その点はやや微妙な前後の関係があるわけです。有効期間の切れましたのは十月二十三、四日で切れてしまった。それの翌日アリストテレス号は一万トンの砂糖を積んで横浜に入港しております。従ってドミニカ出港は有効期間中であった。しかも失効は失効ですよ。期限が切れて、もうなくなっているわけです。なくなっているのになおこれが延期ができるというようなことはどうも観念上おかしい。そういう重大な契約に署名するのならば、まずもって有効かどうか、受け取れるかどうかをきちんと確認をしなくてはならぬ。それもしないというようなことは——ともかくあなたのそのときの処置は非常にずさんきわまると思うのでございますがね。

勝間敏雄

○勝間証人 その当時は毎日のように私は通産省に嘆願に参りまして、通産省の中でも延期ができるだろうという空気を私は感じておったのであります。それと、今までの慣例上積み出した場合には延期ができるということを言ったのは砂糖の業者の各商社でございます。そういうような輸出入をやっている砂糖のセクションの連中にも私は聞いたのであります。そういう方々も、もし入らなければ困るのであるから、もう計画に乗っているのでありますから、延期をするということに対しては認めてもらえるだろうということを絶えず言っておったのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 通産省ないしは業界におきましても、積み出しているから延期ができるようなことを明確に言ったようなことを言っているのですが、今聞けば通産省の空気をあなたは感じたということを言っている。空気を感じたというようなそういうたよりない根拠で、受け取るという承認でしょう、受け取ってもらいたいという要請であるし、対価は百万ドルであります。技術輸出ができなかったら百万ドルじゃなしに砂糖相当額を支払わなくてはならぬ。支払う手段はまた別に考えなくてはならぬ、大へんなことであります。

勝間敏雄

○勝間証人 今百万ドルを支払わなければならないということをおっしゃいましたが、そんな必要は全然ないのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 百万ドルと申しましたのは要するに百万ドルの価値相当のものとして砂糖は供給されるのでありますから、あなたの方も向うの持ってきたものが何ほどであるかは別といたしまして、いずれにしても相当価格の支払いをしなければならない、さもなければ技術輸出をしなければならぬ。技術輸出ができないときは代価を支払わなければいけないことになります。数字はそういう観点から観察して申し上げたにすぎませんが、いずれにしてもそこは大へんな矛盾じゃないかと思うのであります。矛盾なり無理がある。その署名にしたところが、期限が切れてしまって失効してしまった後に有効なものとして署名する、しかもライセンスのコッピーが添付してあるというようなことで、もう失効しておるものにそんなコッピーを添付するということは意味のないことであります。業界が言った、通産省の空気で感じたというようなことを言うけれども、どうもそこらが——これが一円とか百円の品物なら別ですよ。いずれにしましても大へんな価格のものであります。契約の実行上相当な障害がなければならぬと思うのです。それをあなたは慢然と署名しておるので、どうもこの辺がおかしい、私には理解できないので、あなたにその理由を聞いておる。いかにも矛盾しておるじゃありませんかというのです。業界がどう言ったとか、通産省の空気がどうあっても、失効は失効ですよ。失効後に署名しておるのだから、あなたの方は失効以前の状態での技術供給はできないのです。そうですね。新たに許可をとらなければどうにもならぬ状態です。そういう無理をしておるのですから、これはどういう理由だろうかということを究明しようというのです。

勝間敏雄

○勝間証人 この延期はそのとき初めての問題ではなかったのであります。二度延期したのでありますが、一度目の延期のときも、われわれが想像するよりももう——砂糖もそのときはまだ全然動いていないわけなのであります。保証の問題でごたごたしているから、もう一回延期してもらえないかということで、非常に簡単に延期をしてもらったわけなのであります。従って私は、もちろんこういうことについての経験は初めてでございますし、延期というものは実際に輸入計画に入っているものの物資でありますから、これを延期するのは当然でないかというような考え方をしておったわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたはあとで、署名した契約書は立川の方へ渡したのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは周さんが持って来まして、これは延期ができないものですから、非常にやきもきしておった当時のあれで、これにサインをしろということを言われて、半ば私は強制的にサインさせられたような形になっておるのです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 強制的なサインかどうかはともかくといたしまして、そのサインをした書類は立川に渡したのかと聞いておる。

勝間敏雄

○勝間証人 これはメモ的なものでございまして、私の方には別にサインをしたものをとってないのであります。私がサインをして渡したのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたがサインして周に渡した、そこで契約は有効期限が切れておる事実が明らかである、そのとき以後、立川はあなたに委任状を渡さないようなことで、あなたとの間は離反したらしい、そんならあなたは周から取り戻さなかったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 その前後か同じころだったと思うのですが、これは絶対延長しないということを通産省からはっきり申し渡されたのがその前後だったと思うのであります。それから周さんは私に対してもちろん会おうともいたしませんし、新しい何かの形に処分すべく、いろいろ狂奔しておられたように私は思うのでありますが、それから連絡は全然ないのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 立川が委任状を添付して、立川が義務を負う、そういう契約書に署名して、一万トンの砂糖を受け取らなければならぬという義務を負うことになって、その契約書を取り戻しもせぬで、それからタッチせぬということはこれまたおかしいことではないですか。

勝間敏雄

○勝間証人 それはあくまでライセンスが的確になっての前提条件になっておるはずであります。延長がきかなかった場合は、この砂糖は一応通関も何もない外国の貨物でありますから、私の方はさほど責任を感じる必要はないと思うのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 立川におきましては、あなた御自身が第一物産その他の商社へ保証の依頼をされたと、いつの日かこの委員会でお述べになっておりましたね。それはいつごろですか。

勝間敏雄

○勝間証人 それはライセンスをもらう、通産省のライセンスが最初に出た前後でございます。それは保証書が入って初めて通産省がライセンスを切ったのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうすると、あなたが周が持ってきたものに署名するときは、立川との事前の相談はどの程度にいたしておりましたか。

勝間敏雄

○勝間証人 当時は立川氏はたしか本社の研究所の方におったと思うのであります。従って私としては円満にこれを取るということについては——立川氏は現在はどうか知りませんが、その当時は全面的に私にまかしておったわけであります。だからそういう了解といいますか、基礎の事項は特許を渡すことに最後はなるわけでありますから、それに逸脱したやり方に対してはもちろんいけないわけでありますが、それ以外のことであれば何も相談をする必要はなかったわけであります。特に立川氏は砂糖ということは全然わからない人でありますから、そういうことに対してできるだけタッチもしなかった状態でありますから、あえてそういう相談をしなければならないという状態ではなかったわけでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 砂糖があなたの方へ何らかの手段で支払いができて、取れたらそれでもいい、結局はそういうことになったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 もう一度相済みませんが……。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 技術輸出の問題は別にいたしまして、ともかく砂糖が入ってきた、あるいは入ることになった。そうすると砂糖さえ取れれば、その支払い方法は別に講ずるとして、せっかくのことだから、大きな金額のことでもあるし、多少の利益もあるだろうし、砂糖を取ればいい、こういうことに結局はなったわけでありますか。

勝間敏雄

○勝間証人 私はライセンスが切れるまでの間は絶えず——ここに証人にお立ちになっていました日比野農水産課長や何かから、あれをどうするのだということで、砂糖を取ることについては非常に責任を感じておったわけであります。どんなことをしても砂糖を取らなければいけない。それは私は十分責任を感じておったわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたが国家の予算の範囲内で一万トンの砂糖を用意されたというようなことを言われておりましたが、周の側、東方貿易行の側において、台湾の側においてという意味なんですか。

勝間敏雄

○勝間証人 私が国家の予算でと申し上げましたのは、その年次に当然政府が輸入すべき砂糖のドルのワク内の砂糖として、これの許可を受けたわけであります。従ってこれだけ特許を売ったのだから、特別これを輸入してもよろしいという許可ではないのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたはその後周の代理人もしくは周の本人、だれかから、支払い方の請求をあなたもしくは立川へ受けたということを知っておりますか。

勝間敏雄

○勝間証人 私自体には全然ございませんが、立川に対して損害賠償を要求するとかなんとかいうようなことを盛んに言っておられた方がいるように聞いております。その当時は立川氏も通産省も周も、全部私に対して非難が集中しておりまして、私は意識的に全部から排除されたのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 非難が集中する理由は何にあるというふうにあなたは思っておりましたか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは、先ほど御質問にありました砂糖に対して、自分が必ず延期してくれ、そのライセンスは延期するということを言っておきながら、延期ができなかったということに対する非難だと私は解釈しておるわけなんです、周の場合は。それから立川の場合は、とにかくごたごた周とかそういう人たちがうるさく言ってくる、そういうことに対しても、こんなめんどうなことをどうして勝間はスムーズにやれないのだといって、結局私に対する反感が非常に強くなったのだと思うのであります。通産省の場合は、通産省の態度は、期限が切れたあとにもかかわらず、この砂糖をもって何とかこれをしなければならないということに対して、こういう原因を作った勝間という者に対する御立腹が原因だったと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは一体どこの砂糖が来るということに、最初は予定されておったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは、その今の書類を全部見ていただくとわかりますのですが、いわゆるキューバ糖の形になっております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 キューバ糖を東方貿易行が買い付けて、そして日本へ入れる、立川へ渡す、こういうような趣旨になるのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 そこの点を、大蔵省、通産省が盛んに御心配になった点なのでありますが、それに対する説明書類が、向うから来た手紙の写真のコピーがそれについておるのでありますが、非常に長くなりますが、それを一度読んでいただくと非常に明確にわかると思うのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたの方は商社でもなし、メーカーでもなし、実需者でもないのです。砂糖の輸入ということについては普通の例じゃないのです。これは他人が、いずれかの者が非難するがごとく、あなたとしてはこれが確実に入るということについての十分な用意も少し欠けておったかと思うのですが、その点についてはさっきも多少の御答弁があったのでありますけれども、こういういずれも関係のないような研究の機関が砂糖を輸入するということについて、かえって通産省なり政府当局は危ぶんで、契約が不履行になったり、いろいろなクレームがついたりするような、そういうようなことが起ってはというようなことは、最初から懸念もすべきだろうと思うのですが、その辺についてはそうであろうと普通考えられるのですが、そこはどうだったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 そういう問題については、関係当局の担当者の方は非常に危ぶんでおられたことは事実であります。しかしながら、それに対して向うからいろいろな電報が来、いろいろなことをやってみて、結局踏み切ってもらったんじゃないかと私は考えるのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 結局あなたの方が受け取れなかったのは、三菱商事等の商社が保証をしてくれなかったことに直接起因するというように私は前に理解しておったのですが、やはり今でもそういうふうに理解すべきでないかと思うのですが、その点どうですか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは、ライセンスがずるずると期間内に入ってこなかった、どうしても品物がライセンスの期間内に入ってこなかったということは、事実その通りなんであります。今の保証が原因したことは、もうはっきりした原因なんであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 契約によれば、何も保証ということが前提にないわけでありますが、契約によれば、向うから、あなたがおっしゃるがごときとするならば、まず引き渡しをして、あなたの方がそれに対して技術輸出の手続をすればいいのであって、何も保証は要らないと思うのです。その辺も、実際の契約と表に現われたものと相当食い違いがあったんじゃないだろうか。要するに、これはそういう不確実ないろいろな要素があるにかかわらず、無為替輸入を許可しているというところにも少し無理があったのじゃないだろうか、こういうふうに思うのですが、その点はどうですか。

勝間敏雄

○勝間証人 保証の問題につきましては、電報が向うから参りまして、その契約の内部に私の方の義務はもちろん出ておるわけなんです。その義務に対してどういう保証方法をとるかということを電報でいってきたわけなのであります。その電報は、通産省の為替課のところへ持っていきまして、それからいろいろ問題が起って、一流商社の保証ということになったわけなのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 最後に聞いておきますが、あなたの方でこれを輸入しようとするときには、やはりしろうとの研究所であるし、あなた自身も大した経験もないように言っておりまするので、やはり砂糖の輸入については、経験のある商社とかメーカーとか、その他の実需者とか、そういったものへも相当相談をかけてやられたのと違いますか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは、最初は砂糖じゃなくて、そこには砂糖という形になっておりますが、それまでに書類が出ておるわけであります。そこに書いておりますが、最初は米とか塩という形になっております。それで、その砂糖にきまってから、一流商社が四社保証してくれたわけでありますが、その保証してくれたときは、砂糖の方は全部相談したことは事実なのであります。だからわれわれの知識は、今の商社の砂糖のセクションの者、それから精糖工業会の人たち、そういう人たちに砂糖の知識は聞いておったのであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ですから、結局あなたの方では砂糖の輸入ということに相当力こぶを入れていたことは偽わらぬところだろうと思うのです。砂糖を輸入し入手することについて、商社その他におんぶしておったら何とか処理がつく、こういうところに相当力こぶを入れておられたんじゃないかと思うのです。そこで、この問題につきまして、あなたの方の技術輸出の点につきましても、どうも明確を欠きまするし、また期限延長等についてのいろいろな食い違い、あるいはあなたの錯覚、誤解、そういうこともあって、期限が切れてから契約書に署名するというような、まことにしろうとくさいようなこともしでかしておる。こういうことになっておるが、これは要するところ、この問題が紛糾するに至りました紛糾の意味は、入ってきてからあとでいろいろ問題が起っておりまするので、その問題が起きておりますのは、やはりあなた御自身の方の手落ちもあろうが、これを扱う通産当局、大蔵当局におきましても、前後の事情に相当慎重を欠いたということは、すでに相当明白になっておるのであります。あなたと立川との間がうまくいかなくなったという事情も、われわれはちょっと想像されるのでありますが、あなたは、立川と縁切れになりまして以来この問題に関与しなかった、こういうことを言っておりましたですね。その通りなんですね。

勝間敏雄

○勝間証人 その通りであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 勝間証人に対して、前回のあなたの証言と参照して若干確かめておきたい。どうも私にはあなたの証言されることに納得のいかないことが大へん多いのです。東方貿易行に売る約束をしました特許権を、本来立川が喜ばなかったと言っておる。立川は欧州の方を喜んで、中国とかこういうところはいやがっておったということをあなたは言っておられる。そうしてもったいないから、何とかこれを許可をとってやっていったらいいじゃないかというので、極力進めたのは私なんです、こう言っておる。そうすると、あなたがやはり百万ドルの大きな特許権の技術輸出といいますか、これを売らせたのはあなたということになってくるのですが、そのときあなたは、今の吉田委員の質問に対してお答えになっているところを聞きましても、また山本委員の質問に対して言っておられることも、相手方の東方貿易行がどういう商社であるか、どういう実力を持っておるのか、百万ドルの権利を買えるような会社であるかどうか、この認識が不確かなように私は考えるが、その点はどうなんです。百万ドルの現金なりあるいはその代償の品物なりを十分に支払えるような能力がある会社と思ってこれを勧めたのかどうか、その点をもう少しはっきりさせておきたいと思うのであります。

勝間敏雄

○勝間証人 私も先ほど申し上げた通り、中国人というものは資本金とかそういうことではちょっとわからない性格があるということを前から聞いておりますし、事実その立川研究所に中国人が買いに来たのも、東方貿易行だけではないのであります。そのほかにフィリピンにおる中国人からも一、二問題がございましたし、いろいろなこともあったのでございますが、そのつど立川さんは、大体中国人に対しては非常につかみにくいから、よした方がいいのではないかということを盛んに言っておったことをこの前申し上げたのであります。しかし私は、中国人であろうと何であろうと、一応許可がとれればできるだけ早く特許を外地に売って、その金で日本において企業化するということが一番早い企業化の何にもなるし、国家のあれにもなるのだから、そういうことを言わずに、こういうふうに言ってきたらもったいない話なんだから、とにかく受けて立とうじゃないかということを私が慫慂したことは事実であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 その際あなたは相手方の東方貿易行の実態というものをお確かめにならなかったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 その実態を確かめたというのは、向うの何か古い興信録のような感じのものだったと思うのですが、それで見た程度でございまして、あとは通産省、大蔵省に行って、通産省の方でもこういう中国の商社はわからないから、おれの方で徹底的に調べるとおっしゃっておりましたから、私の方はむしろそれにおんぶしてしまったような形になったわけなんであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この特許権が現金百万ドルで支払われた場合には、あなたの立川における立場というものはどうなりますか。ほとんど用がなくなるのじゃないですか。何かかわりの品物が入ってくるのであなたの働く場面ができてくるのであって、現金取引で行われるならば、あなたは全然働く場所がなくなる、こう理解されますがどうですか。

勝間敏雄

○勝間証人 そういうことを言われますと、私の立場は、私がそれをやるために何か雇われてきたように解釈されているように思われるのでございますけれども、私と立川はそんな短いつき合いではないのであります。同じ京都におりまして、家も近く、立川は旭ベンベルグをやめて研究所を始めますとき、あるいは大日本セルロイドという会社をやりましたときにも、いろいろな点で私はつき合いをしておったのであります。だからこれだけにとらわれて判断されると、私と立川の関係が非常に説明しにくいことになるのでございますけれども、あるいは百万ドル来ましても、私の能力を買われておるかもわからないのであります。従って京都化繊という会社に私は役員になっているはずなんでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そこであなたは、前回この砂糖の問題の失敗があなたの京都化繊に重役として入ることを妨げた、こういうふうに理解してよろしいですかという私の質問に対して、この問題はちょっとデリケートなものですから、私はわからないのですが、こう言っている。「ただ私としては立川とけんか別れのような形になっていますから、別にその条件があろうとなかろうと、当然私はやめさせられただろうと思うのでございます。」それほどあなたを信頼しておった立川が、あなたとけんか別れをするようになったのは、砂糖輸入に関してあなたが失敗したからか、あるいはまたあなたが検察庁に呼ばれましていろいろ調べられたので、あなたを敬遠するという水くさい仲になったのですか、どっちですか。

勝間敏雄

○勝間証人 砂糖の引取方が円満にいかなかった。そうして周さんという方がよく立川研究所などにどなり込んできたというような、非常にうるさい事実がございました。そういうようなことに対して、立川氏はやはり僕に対して、気分的に非常に感情が離れたのだと思うのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたは特許権が現金で入ってきた場合には、それでもよいと思っていらっしゃるようですが、そうしますと、砂糖をひっぱることが目的でなくて、やはり特許権を向うへ売ることがあなたにとっても立川と同じように共通の目的であった、このように理解してよろしいですか。

勝間敏雄

○勝間証人 全くその通りであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そこで私がわからないのは、周さんという人は東方貿易行の代表者としてきて、あなたと契約しておる。この周さんが砂糖を持ってきた場合に、もし東方貿易行があなた方の特許権を受け取るならば、金の請求はあまり問題にならぬのではないですか。それを全然特許権のことに触れないで、ただ砂糖の実体の価格だけであなたが苦しんでおられた。これは一体どういうわけなのですか。初めからこの特許権というものは東方貿易行も受け取る意思がなかったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 今のような御質問が当時の通産省にも盛んにございまして、一応そのつづりを全部見ていただきますと、どういうような事情でこういうような形になってきたかが全部わかると思うのであります。一度これをゆっくり見ていただきまして、その上で御不審の点を聞いていただきたいと思うのでございますけれども、ただ、もう一つ私申し上げたいのは、私は台湾にいるわけでもございませんし、外国の為替管理の方がどうなっておるか、予備知識的なことはわかっておっても、どういうドル操作をするのか、そういうことは私の方では関知しない問題であったのであります。要は、日本のライセンスにきっちりと合って現物が入ってきて、その通りに処理ができるならば、私は事は終れりという考え方をしておったわけなのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 書類はあとでなければ調べられませんから……。またあなたに聞きたいのは、周氏があなたに要求したのは、特許権を渡せということなのですか、あるいは砂糖の代金を払えということなのですか、どっちだったのです。

勝間敏雄

○勝間証人 東方貿易行の話がつくまで、砂糖の代金を自分の管理下に置けと言ったわけなのです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 周という人は東方貿易行の代表者じゃないのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 東方貿易行の委任状を持ってきておりました。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 前回、あなたは綱島正興君の質問に答えまして、法律的にいえば、東方貿易行の代表者周と契約した、それは間違いございませんかという綱島氏の質問に対して、それは間違いございません、その通りでございます、こう言っておる。そうするならば、周氏が東方貿易行との間に別な関係があって、その話し合いがつくまではというのはおかしいじゃありませんか。これはあくまでも周という人は代表者という名前で来たにしても、実質は東方貿易行とは違う人格というのが現在のあなたの考え方なのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 現在の考え方は、東方貿易行が依頼した男であって、東方貿易行の委任状を持っておるのですから、ある権限に対してはそれは代理をしておるかもしれませんが、代表者でないことははっきりしておるのであります。そのときは綱島さんの御質問に対して、私はそういうふうに答えたかもしれませんが、それは取り消したいと思います。代表者ではありません。委任状を持っておったのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうすると、周という人は、砂糖を売って代金さえ取れば、あとは特許権はどうなろうとかまわぬという態度ですか。立場はどうなのです。

勝間敏雄

○勝間証人 今から考えると、周はそういうような感じだったと思うのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうすると、この入りましたアリストテレス号の砂糖は、立川研究所が売ろうとする特許権とは別個に日本に砂糖を売りつけるために持ってこられたものと理解してよろしいのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは若干誤解があると思うのであります。これはあくまで東方貿易行と周との関係でございまして、日本側のわれわれは何も関係がないわけなのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 二回も延期をして砂糖が入ってこない。これは何か東方貿易行があなた方の特許権を要らなくなったということになったのじゃないですか。

勝間敏雄

○勝間証人 そういう点は全然ないのであります。先ほど申し上げましたように、保証が途中において引き下げられたということによって非常にやりにくくなりまして、向うの方も苦慮したことは間違いないのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それならば周と東方貿易行との間に話し合いがつくはずじゃないですか。何も日本から非常な無理をして代金を支払わせなくても、特許権さえ渡してしまえばその特許権の代償は東方貿易行から周に払われるというのは当りまえじゃないですか。

勝間敏雄

○勝間証人 私も先ほど申し上げたのはその通りのことを言っておるのであります。東方貿易行から完全に周の方にそういう決済が済めばいいわけなんでございます。その点については私らの方でわからないのであります。私たちとしては砂糖を受け取って、そうして特許権を東方貿易行に渡すということ以外に方法はないわけなんであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 周氏が来られてからこの砂糖の措置について大へんあなたが苦労して、そのために最後には大へん他の方からも悪くいわれまして、けんか別れになった例がたくさん出てくるようでありますが、一体この周氏にしても、ほんとうに東方貿易行との間に話し合いができて、最後にはあなた方の特許権でこの砂糖の代償が支払われるべきものであるならば、何もけんか別れをするほどけんかする必要はないと思うのですがね。あなた方にかかるよりは、東方貿易行との間の契約の履行を迫った方が早道と思うのですが、どうもこれから見ますと、東方貿易行というものはただ砂糖を日本に入れるために利用されたのじゃないかと思われる。こういう疑いは持ちませんか。

勝間敏雄

○勝間証人 そういう利用されたとかなんとかいうことは、これは御判断でございまして、われわれはそういうような相手じゃないと思ってやっておるわけなのであります。ただ周と東方貿易行との間の向うの事情というものは、われわれでははかれない問題である。この手紙なんかを見ていただきましても、非常に判断に苦しむようなところも間々あるのでございますけれども、向うの国情がそういうことかなと思ってこちらの方は考えているだけなのであります。今そういう点について、私にそういうことであるかどうかということをいわれても、私としては全然受け答えができないのであります。向うの事情に関しては私はわからないのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 二回までも——私立川に対してもあるいは東方貿易行に対しても全く無知でございます。わかりません。これから調べたいと思っています。しかしこれらの現在までの当委員会の審議を通してみたところでは、立川研究所というものの本体と、東方貿易行というものの本体が、私は簡単に百万ドルの権利の売買をするような実態のあるものとは思いません。そういうものに対して百万ドルに相当する無為替輸入の砂糖の許可を与え、またこれを二回までも延期した通産省が、最後にあなたが言っている通り、「許可をとるまで私は関係をしておりまして、そうしてとっていよいよ処分するときから、藤岡さんも立川さんも、どういう関係か通産省の方たちも、僕というものはもうくそみそにやられたわけなんです」と言っておられる。この急激に通産省の態度が変り、あるいは立川あるいは藤岡という人の態度があなたに対して変ったということはどうも私は納得いかない。特に通産省が前二回も延期し、またこの許可、これはやはり立川とかあるいは東方貿易行というものの本体をつかまずに、何かだまされたような感じがしてたまらないのですが、あなたはそういうことを感じませんでしたか。再三通産省へ行かれたようですが、通産省自体もだまされたのじゃないですか。あるいはだまされないまでも、何か藤岡さんなんかの強い政治力が発揮されて許可を出したというふうにはお考えになりませんか。

勝間敏雄

○勝間証人 大体この前の御質問もそうなんでございますが、この虎木綿の立川研究所なるものは非常にインチキなものじゃないかというふうなお考えが非常にお強いように思うのでございます。百万ドル特許を売るというようなことは、何だか知らないけれども非常に大げさなように聞えておるように思うわけでございますが、ちょうど私新聞なんかも持って参りましたから、見ていただきたいと思うのでございますけれども、これは朝日新聞のベルギーに売ったときの記事なんでございます。こういうものも一応参考までに委員長まで出しておきますが、これなんかは一応特許の総額が十億円になっておるわけなんです。従ってこの特許そのものを、あるいはこれを日本では何か全然やったことがないのじゃないかというようなお考えでございますと、これはもう少し根本的に調べてもらいたいと思うのでございます。極端な話は、この前も特許なんかとれていないのじゃないかということをおっしゃった方がいらっしゃったのですが、どういうところからそういうことをお調べになったのか、私には不可解なんです。番号まで出ているのでございますから。ですからもう少しわれわれの立場というものを理解していただいて、いろいろな点を御究明願いたいと思うのです。お前の方はインチキではないかという突っ込み方をされると、答弁の仕方が非常にむずかしくなるわけです。十分通産省もそういう点で不安もございましたでしょうし、いろいろな点でこういう書類ああいう書類というものを要求されまして、いろいろなものを持っていってできたものでございますから、そういう点は役所のお気持というものは役所のおっしゃっておられた通りでしょうし、藤岡さんがどうして私に急に態度を変えたか、立川さんがどうして態度を変えたかということは、本人に直接に気持を聞いてもらいたいと思うのでございます。私どもといたしましてはそういうようにきらわれた方なんですから、どういう事情できらわれているのか、ちょっと説明がしにくいと思うのでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたのおっしゃる通り、この虎木綿というものはりっぱなものであってインチキがないとするならば、この東方貿易行という会社の方がまたしっかりしたものであって、約束の通り砂糖を送るとか、あるいは代金を払うとかこういう形になれば、今のような混乱はないと思う。たくさんの人に迷惑をかけるようなこともないと思う。ところがこれはそこまで追い詰めて参りますというと、何かあなた方の方はこの東方貿易行からペテンにかかっちゃって、砂糖を食っていくために、あなた方の方の特許権を誘ったというふうにもとられるのですが、これも思いませんか。あなたの方で一切向うにやろうという人造繊維製造法というものは、この虎木綿だけに限ったものなんで、これをどうでも東方貿易行が得なければならないという何か必然的なものがあったかどうか。

勝間敏雄

○勝間証人 その契約なんかを見ていただきますとわかりますが、向うがその企業化をするまでの間は、日本ではその当時は東洋紡が取り上げようとしておったのでありますが、虎木綿に関する限りは台湾、中共それから香港におけるソール・エージエントを向うの特許権を取ったものが獲得できることになっております。これは結果においては、こういう問題がごたごたして結局東洋紡ができたのかどうかわかりませんですが、もし日本でこの虎木綿が企業化されておりました場合には、相当な収益が僕は特許権を買った方に入ってくるということは言えるのじゃないかと思うのであります。それはかなり大きな利益だと思うのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 いや私の言うのは、東方貿易行があなた方の売ろうという特許権をすぐに金でも払ってくれないし、砂糖もまた周氏を通して代金を要求するというような工合に、結局は特許権というものは浮かんでしまって、砂糖の輸入だけが問題になっちゃった。それが初めからの一つのコースでなかったかという疑いをわれわれは持つ。もしも砂糖は第二の方であって、第一が特許権の貿易であるとしたならば、周氏にしても少くとも東方貿易行の代表者という委任状を持ってくるならば、この特許権の引き渡しを要求することはわかりますけれども、砂糖の販売代金を要求するというのはどうも私は納得いかない。これは一体周氏と東方貿易行との関係をあなたはどういうふうに考えられておったか。特にあなたは、死んだ人ではありますけれども、周氏ともやはりけんかをしておられて、あなたのところに立ち寄らなくなっちゃった。何もあなたは周氏から寄られないことはないと思うのです。周さんがむしろこの特許権を払おうとしないで、砂糖の代金を要求したということに対して、あなたの方で腹を立てるのが当りまえであって、向うから腹を立てられて、国際信義の問題まで触れられてくるようなことはないと思うのですが、その点の関係は一体どうなっておりますか。

勝間敏雄

○勝間証人 私もその国際信義の問題で文句を言われる筋合いはちっともないと思うのであります。ただ、私がそういうことをだましたじゃないかとかなんとか、皆で私に言っていられる方たちが、どうしてそういうことが国際信義に触れると言うのか、私は疑問だと思っておるのです。お前は善良なる中国人をだましたじゃないかというようなことを私は通産省でも言われたのです。それはどなたがおっしゃったか知りませんが、一応あらゆる方面から私がだました加害者であるというふうに言われておったわけなんです。今も先生がおっしゃったように、東方が怒られるというのなら筋がわかるのでありますけれども、私としては今先生に言っていただいたことと同感のことを今でも感じておるわけなんです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これ一つで私はとめますけれども、あなたのおっしゃることを通してみますと、あなたは加害者ではなくて被害者である、加害者は東方貿易行だ、こういうふうに今の段階ではとられますが、あなたの証言からそのように考えてよろしいですか。

勝間敏雄

○勝間証人 私が加害者は東方貿易行であるというのは、周対東方貿易行のことを言っておるのでありまして、周が東方貿易行に被害について要求するのがほんとうじゃないかと私は思うのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 立川研究所と東方貿易行との契約が履行されなかったということは一体どこに原因があるのです。実際に今までは履行されていないのでしょう。特許権も出ていないだろうし、その代償の金も受け取っていないでしょう。あるいはまたこの砂糖の売上代金をあなた方は取りましたか、この点はどうです。

勝間敏雄

○勝間証人 履行はもちろんできておらないわけなんであります。ということは、砂糖は全然受け取っておらないし、物資を全然受け取っておらないからもちろんできないわけなんであります。また受け取る方法が、ライセンスがイクスパイアした関係上、これは全然できなくなりまして、立川研究所というものは完全に手を引いてしまったわけであります。従いまして、あとでどういうふうに処分されたか私もわかりませんし、それに対して一銭の利益もわれわれはもちろんいただけないあれなんであります。これが関連性を持って処分された砂糖であれば、われわれとしても一年間経費を使ってやってきたことに対して若干の分け前をもらいたいくらいに思うわけなんですが、しかし関連性が全然ないのだ、これはお前たちのライセンスで来たのではないのだという断定のもとに処理されたのではないかと思っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうしますと、結局当初の目的であった人造繊維製造法の百万ドルというものは取引不能に陥ってしまった、これを契機に派生したこの一万トンの砂糖だけが日本に入って、この砂糖をめぐって今日まで混乱を続けた、当初の人造繊維製造法というような特許権はどこかへ吹っ飛んでしまって、派生的に入ってきた砂糖の問題だけが発展したのだ、こういうふうな結論になったことは事実だと思うのですが、これに対しては一体立川研究所が責任をとるべきなのか、あるいは東方貿易行が責任をとるべきなのか、この破棄された契約の跡始末は一体どうなっておるのか、そのままうやむやに投げておるのでございますか。

勝間敏雄

○勝間証人 この人造繊維の特許が渡されずに、結果としては一万トンの砂糖が入ってきたのだということをおっしゃいましたのですが、一万トンの砂糖は全然通関もされないのであって、横浜に着いただけであります。これは通関の許可が出なければそのままで終ってしまう砂糖なのであります。その後それが何で通関されたのかということについては私はわからないのであります。ですから、砂糖はまだ国内で受け取っていないのですから、私たちは特許を渡さない、また渡す方法がないのだ、技術的に渡せないのだということになるのです。私が受け取って、そして渡していないのならトラブルも起るのですが、まだ国内には砂糖も何も入っていないわけでありまして、一応横浜に着いたという状態なんであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 私が聞きたいのは、当初の人造繊維製造法というものの特許権を契約によって東方貿易行に渡す、この契約を破棄した責任は立川研究所にあるのか、あるいは東方貿易にあるのか、どっちにあるのかということを聞いているのです。

勝間敏雄

○勝間証人 これは結局、虎木綿に対しては保証ができないということが一番大きな原因であります。あえて責任ということを言えば、やはり保証のできないわれわれ側にあるのではないかと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 勝間証人に対する尋問は以上をもちまして一応終ります。御苦労ですが控室でしばらくお待ちを願います。  午後二時より再開して次の証人尋問に移ることにいたしまして、この際暫時休憩いたします。     午後一時二十五分休憩      ————◇—————     午後二時三十三分開議

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  それでは立川証人より証言を求めることといたします。  まず委員長より立川証人に二、三お聞きをいたします。今お手元に差し上げました契約書は大蔵省における資料の写しでございますが、立川研究所と東方貿易行との間に取りかわされた契約書の写しでありますが、お手元に持っておられるものは実際上契約された契約書と同じであるかどうか、その点をお確めいたします。もし相違したところがありましたら、その点をお述べ願いたいと思います。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 これは同じものであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 次に去る三月十一日参考人として当委員会にお述べになりました中に、勝間敏雄氏は立川研究所の所員ではなく、無給嘱託であるとのことでしたが、去る十七日勝間証人に聞きましたところ、勝間証人は無報酬ではあったが、立川研究所の企画部長ということで関係していた、こういうふうに述べておりまするが、その点いずれが正しいかお聞きいたします。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 これはこの前に申したのが正しいのでありまして、企画部長云云ということは、本件の特許実施権が入金した場合に、われわれがかねて特許製品を作る、パイロット・プラントを作ることを計画をしておったのでありますから、その計画の一端であるから、その企画を扱うという意味で彼が企画部という意味であったのであって、立川研究所はその当時も現在も企画部というものはなかったのです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 次にこの立川研究所には東京在住者はない、こういう点を述べられておりますが、磯野維石という方と下村孝次、この両名は立川研究所の理事であって、在東京渉外と文部省かどっかに提出された書類にありますが、この両名は在東京渉外となっておりますが、どういう関係にあったか、東京に在住していたかどうか、この点をお聞きいたします。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私の研究所では東京に在住しておる理事または所員はおらないのでありまして、わずかにタイピストとかそういうものはおりましたが、正式の所員といいますか、研究所員とか理事というものはおらないのでありまして、そのかわり東京における渉外事務、そういうものの一切をやるためにおおむね全部京都に在住しておる理事がたれかかわるがわる、たとえば一週間とか十日とかの期間を切りまして東京に来まして、事務所に寝泊りをしてこれを執行しておったわけなんです。そうして今お話の磯野とか下村という理事はかわるがわる交代に東京に来て渉外事務を担当しておりましたが、その渉外事務たるや、渉外部というものはなくて、それぞれ個々の仕事について理事が監督並びに折衝するために東京に出張しておるわけなんです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 それでは各委員よりの御質問をお願いいたします。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 前会あなたに御出頭願いましていろいろ伺ったのでありますが、他の幾多の参考人、証人などに聞きました結果、なお若干補充的に疑問点を明らかにしていただきたいと思いますので、いま一度お尋ね申し上げる次第であります。あなたの方で東方貿易行と虎木綿についての技術輸出、これに対する百万ドル相当の砂糖を輸入するという契約を取りかわされたのは二十九年の何月何日でございましたか、契約書には月日が全然記載されておらないのです。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 この契約の話を始めたのは二十九年の五月初めでありまして、それからいろいろ折衝した結果、日付は載っておりませんのは日付を書くことができなかったので、本年中にきまるだろう、およそ契約実施の見通しがつくだろうというので、一九五四年と打っただけであります。けれども実際締結したのは、日は今ちょっといついつかということは覚えませんが、たしか二十九年の秋から暮れにかけてだったと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 その契約によって、あなたの方は東方貿易行にあてて技術輸出を確実にするという御意思はあったのでしょう。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 技術輸出を確実にするという意思はありました。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 技術輸出を確実にするためには、相手方に対してこれを履行する上に、何かと障害になるような事情が発生しましたら、それについては立研の責任者のあなたとしては、相当深い注意を払いつついかれたと思いますが、それはそういうふうに理解していいでしょうね。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 今の御質問の点、いろいろな障害が起るであろうということは予想しておりましたけれども、それは日本政府の官庁の許可があった範囲において実行する以外の障害は想像しておりませんし、またわれわれはそれに対して責任も何も感じないで進めたわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 日本政府の許可というのは、大蔵省において最初に許可したのは二月一日付になっておるようでありますが、その後数回延長の承認がされておるようでありますが、最後はいつであったか覚えておりますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは前もってお断わりいたしますが、たしか私の記憶によると、今仰せの二月の初めというのは、通産省の承認及び指示であったように思います。それから大蔵省の許可は三月一日だったと思います。そうして一回の許可期限、通産省の方の期限は七月二十幾日までだったと思います。それから大蔵省の方は三カ月、そしてそれを期限に至って延長したことはあります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ただいまのは私が誤解しておりまして、二月一日は許可申請をせられた日、そして大蔵大臣の許可は三月一日であった。そこで無為替輸入の承認がされたのは三十年三月二十三日、これが七月二十三日までの期限で、さらに十月二十三日まで延長が認められておるのですが、これは御承知でございましょうね。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 承知しております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そこで十月二十三日以後はもう許されなくなって失効したことを知っておられましたか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 知っております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ところが十月二十三日、輸入承認の有効期限が失効いたしまして後に、砂糖一万トンをなおあなたの立研の方に受け入れるという趣旨の契約書にあなたの代理人の勝間さんが署名しておる、こういうことになっておりますが、これはどういうゆえんでありますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 かねて申したように、通産省、大蔵省の指示承認事項以外の、あるいはそれ以外に出るという行動に対する委任をした覚えはありませんし、またその委任によって起る彼らのいろいろな行動に対しては、私は責任を持たぬし、また責任を持つことをさせないという誓約書を勝間からとっております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、十月二十三日で失効した以後に、勝間氏が周という中国人との間に契約書に署名して、なお一万トンの砂糖の受け入れをするという趣旨の承認をしておるというのは、あなたはそのつもりじゃなかったというのですが、それはまたおかしいのでありますが、非常に重大なことを一切まかして、ずいぶんと御信頼になっておったように思うのですが、そういう人がこのような失効によって技術輸出ができなくなったにもかかわらず、なおかつ砂糖だけは受け入れるということはどうも理解しにくい。そういう信頼しておった人がそんな書面に署名するのはどういう事情かということが理解しにくい。これはどういうことにあなたは答弁なさるのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 今も申したように、私はその署名した事実をその当時は知らなかったのであります。それからそういうことに対する相談も受けたことはなし、またそれに対してもちろんわれわれの意思は入っておらぬわけです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 その当時署名をしたことを知らなくて、いつ知ったのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それはその翌年の一月に契約を解除する前後に藤岡氏から聞いたと記憶しております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 翌年の一月ということになると二、三カ月後になりますが、三カ月後まであなたに報告がなかったというのは、ちょっとこれまたわれわれの理解しにくいことですが、報告があったとすれば、失効後そういう契約書に署名捺印するのは、それはいかぬといってすぐとめなければならぬし、またあなたが誠実に技術輸出をするという意思があったならば、そういうことはあり得べからざることである。しかしそうでなしに、技術輸出するということは名目だけで、砂糖だけ取り入れたらいいのだという、そんな意図がほかのだれかにあって、それに乗っていたとすれば別です。誠実に契約をお互いに履行しようというならば、数カ月たって知るということがわからないのです。これはどういうわけです。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 周ということを聞きましたが、周という人の存在を私は知らなかったのです。また彼が代理人であるということも知らなかったのです。従ってそれ及びその関係者に対する勝間氏の行動は、私が委任した事項以外については私は知らなかったのです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたも後には勝間氏との間には円満な関係があるいはなくなったかのように思われるのですけれども、やはり当時は最も重大な仕事、契約の事務をあなたにかわってやる人でありますから、あなたも相当な信頼をしておったと思うのだが、それが周との間に契約を結んだことを知らない。周は東方貿易行の委任状を持ってきて、そうしてあなたの方の勝間君の署名したものを持ち帰っておるという事実がここで明らかになるのですが、勝間氏も明白にこれは認めておられるのですが、こういう契約をどういうわけでされるのか。あなたのまかせた範囲以外のことをやっておるというので、今日では勝間の行為に対して不満というか、それは認めないという態度かもしれませんけれども、どうもこういう重大な契約書——一種の契約書ですが、砂糖を引き取るという契約書ですから、それに署名することをあなたの信頼する勝間氏がやって、数カ月後に知って、権限を逸脱しておるとか知りませんということは、どうもその辺が責任のなすり合いのように理屈の上で考えられるのですが、それはどういうことなんでしょうか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 お話の通りごもっともであります。それで私がそれをいつ聞いたかということは、後になって解約を政府の方に申し出る前後に聞いたのですが、それよりも前に、そういった経過期限の切れた、砂糖輸入許可の期限の切れたものが一部入ったということを聞いたのですが、その間に期限の切れた許可事項に対して一部入っておったということを聞きました。従ってそのものについて、かねてかなりの不明朗なうわさを聞いたことはあります。従って私は三カ月ほうっておいたと申し上げますけれども、事実十二月になりましたけれども、十二月の二十日に勝間に委任した事項を正式に解除しております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 いろいろと不明朗なうわさを聞かれたというのは、実際具体的にはどういうことでありますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは、立川研究所に許可を受けて入るべき砂糖が許可が切れた。つまり許可期限を経過してから入ったことについては、もちろん研究所はこれに手を出すこともできず、出す意思もありませんが、しかし入った事実に対して、砂糖の販売とか、そういった処置に対して、たくさんの人がこれに対していろいろ運動しておるということを聞いたんです。その結果、私は想像したのですが、これは結果において不明朗なことになるおそれがあるから、私は委任事項を正式に解いて、そして立川研究所はこれに対して手を引くと言ったことを実行したわけです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そのいろいろの運動というのは何ですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 運動と申しましたのは、砂糖を商社が買いたいという運動だと解釈いたします。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 業者が砂糖を買いたいということは別に不明朗でもなし、外貨の割当があるものは、それぞれ成規の手続によって支払いをすれば買えるのでありまするから、なおあなたの方が無為替輸入の許可を受けて砂糖を引き取るのも何ら変りないと思いますが、どうしてそれが不明朗なんです。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私はそれをこう解釈したのです。それは、本件はそもそも私の方の特許譲渡に関して行われた物資の輸入でありまするから、それが許可が切れて、すなわち許可がなくなるあとに入ったものの処置はすべて不明朗になると考えております。私は法律とか何とかはしろうとでありますから、従って研究所としましては、そういうものにはタッチしないという建前をとって、実行したのは翌々月の十二月二十日になりましたけれども、その間にそれを決心したわけです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 しかし、入ったのが失効後、失効の翌日になっておりますね。つまり失効するのは三十年十月二十三日限りであって、二十四日に横浜に入港しておりますね。さすれば、まだ失効しないうちに船は横浜の方へ向って砂糖を積んできておるわけですね。そうすると、あなたの方としては、何かやはりそれをとる、そして技術を輸出する、そういうことに努力するというのがほんとうじゃないですか、逆にいえば。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 あとから聞いたんですけれども、その今お話の、入ったという事実は、これは一部入ったと聞いておりました。私の方は、一万トンを全部そろえてからこれを処置するということを建前としてやっております。従って一部入っても、これは税関の方にも何もしない。全部そろうまで待つという態度をとって、私はそういう方針でやっておったのです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 われわれが税関関係について調べたり、ないしはいろいろと政府資料によって知るところによりましても、一万トンは一万トンと見なしてよい数量は入っております。これは若干切れます。九千何百トンになりますけれども、一部ではない。それをあなたがどういうので錯覚しているのか知りませんけれども、ともかくそういうことになっておる。そうすると、あなたの方としては、技術輸出の意思があって、それを向うが受け答えて砂糖を送ってきたというのであれば、あなたの方としては、やはり何とかこれをとらねばならぬ、そうして技術を輸出せねばならぬという努力をすべきだと思うのですが、砂糖が入った、それはわしの方は知らないというようなことは、これは少しどうかと、また別な角度から私ども理解しにくいのです。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは、私どもの方の立場としましては、許可期限が切れてから入ったものはどうにもなりませんので、実は三回の延長を願い出たわけです。従ってわれわれが願い出た事実からいっても、これは何とか責任を全うしたい、譲渡したいという意思があくまであったことは事実ですけれども、許可にならぬ事項に対しては、われわれ何ともいたし方ないから……。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それならば、周という外人と契約して、あなたの代理の勝間君が調印した書類はすみやかに取り戻して、あときちっと整理するというのは、私はあと始末の当然の措置だろうと思うのだが、それもすることなしに、だんだんとあなたの方へ損害賠償とかないしは代金の請求をした。こういうことさえここで言う人も実はあるのであります。そういうふうになっておるわけであります。あとは顧みないというのであれば、契約書も取り戻し、ないしはあなたの方としては一切のあと始末といいますか、あとそのもつれのないような措置が当然だろうと思うのだが、これもしていない。これもしていないで知らぬ顔をしておるというのは、ちょっとおかしいと思う。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 その点ごもっともなので、私はそれを考えておりましたからこそ、勝間の解任と同時に、藤岡芳蔵をして、あとの始末と申しますか、今の意味のことの始末を合理的に完全に、国際的の体面を保つようにするべく処置することを委任したわけです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 国際的体面を保つというのは、どういうことになれば体面が保たれるのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは先方にどういう都合があったか知りませんが、ずいぶん長い間許可を受けた通報を受けてから先方は砂糖の輸入をおくらした。おくらしたけれども、これは決して非合法的な砂糖の輸入ではないのですから、それは時期がおくれたという点はいけませんが、その点においてはすべて合法的にやっていることであるからこそ、国際的な体面というのはそれを言うているわけでありまして、日本の立場上、これが来たということについて、もう時期が切れた、許可がないから、おれは知らぬというのでは、国際的の体面を全うするゆえんではないと思うたから、それらの点を円満かつ確実にしたいという意味です。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 勝間君が期限が切れてから調印をしたのは、何ゆえにそういうことをしたのだというふうにあなたは御判断になりましたか。勝間君があなたを代理して、有効期限が切れてしまってから、失効してから後に、重大な砂糖引き取りの契約書にあなたにかわって調印をするというようなことは、どうしてそういう大それたことをしたのだとあなたは御判断になるのか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それはどういう意味でやったか、私にはちょっと想像つかぬですね。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 想像はつかぬだろうけれども、科学者のあなただから、推理されるとわかるだろうが、どういうわけでしょう。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私から想像を申し上げるようですけれども、これは今申したように、言葉は適当かどうか知りませんけれども、国際的な体面ということを善処するための行為かと私は想像するのです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これはただいまの何か意見にすぎないのであって、その点についての疑問は、なおこれは解消の手は出ておりません。そこでこの点は繰り返すつもりはありません。せっかくあなたもきょうは証人に来ておられるのだし、前回もだんだんとお述べ願ったのだから、繰り返すことはありません。ただ一、二伺っておきたいことは、当時の最初の契約をしたときは、かなり国際糖価が安いときであったというふうにも聞くのであります。ところがその後相当高くなった。向うが持ってきたときには高くなっていたというふうにも聞くのですが、その辺の相場の変動というものがこの問題の解決をおくらす、もしくは障害になるような原因になっている個所はないのでしょうか。あなたは商売人じゃないからどうかと思いますけれども、しかし、かりにも一万トンの砂糖を受けとるのですから、国際相場の砂糖の事情は十分御調査になっておると思うのだが、その辺はどうです。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは私もしろうとながら聞き及んでおりますけれども、相場はその当時下ったかもしれませんが、相場が下ってもわれわれは百万米ドルというものを獲得することさえできれば、あとのことはわれわれが関知しないところなんです。これは通産省の指示及び制限事項にもあるように、制限を受けておるのだから、われわれ研究所としては、その価格が百万ドル割るようなことがあったら関心を持たなければならぬが、下ってもそれだけの話だと思っておりました。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたの方では技術を輸出したら、先方はこれをどういうふうに実行するというふうにお考えになっておりましたか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは、一年とか一年半とかあるきわめて短かい期間、われわれが向うでの完成を保証してくれということを申請してきたわけです。その保証と申しますのは、ある完成の期間を置いて、果してそれが実施できるかどうか、成果を持つかどうかということについての承認を与えたということは、私どもで全責任を持って、そこで成果の完成を見るということも考えてやった、こういうことです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたの方の技術輸出といい、あるいは砂糖の輸入といい、むしろ重点は当時の国内における砂糖の利益が非常に大きかったということが一つの魅力であった。そこで砂糖が入ってくるということには、あなたの方の立場を相当支持後援する商社もあって、それが大きな魅力でこの契約が進められて、技術輸出が向うでどの程度受け入れ態勢ができておるか、ないしは砂糖の手配が国際相場の変動によってできるかできないかということについての見通しなどはあまりせずに、契約をしていかれた。それで大蔵省なり通産省の方に極力運動せられた結果、無為替輸入の許可になった、こういういきさつがあるのじゃないかというふうにわれわれは考えるのですが、どうですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 ちょっと御質疑の要旨がつかみにくいところがありますけれども、極力運動したというお話が中心なのか、どういう点かもう一度お願いしたいと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 つまりこれを要約してみるというと、相手の信用、これを実施する設備、受け入れ態勢ないしは砂糖を買い取る実力、手配その他についてあなたの方も十分にこれを把握しておらぬ。しかしながら国内におきましては砂糖は、二十九年当時は相当なもうけがあって、三日時代の絶頂でないかと思いましたが、そういうことでありますから、国際商品として国内におきましては大きな魅力の対象であったと思いますが、そういうことは相当商社その他が後援をしてくれる誘因になっているのではないだろうか、従ってあなたの方が技術輸出をしても、先方でこれをどの程度にどう消化してどうするかということはあまり考えられずに、ともかく砂糖が入ってくれば、みなそれぞれうしろに控えている商社が大喜びであるというような点が、ついこの問題を無為替輸入に持ち込んでいって、努力して、そうして無為替輸入の承認を得ることになった、こういうことがほんとうのいきさつの重点的な問題点であったのではないか、こういうふうに私どもは推測しているのですが、それをお伺いしておる。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私どもの方では、許可期限が切れるまでは今お話のような考え方を決してとっておらなかったのであります。やはり他の外国と同じように、特許実施権を与えて、そうして完全に正規に特許を実施をするという建前をとっておったのです。従って今御質疑の、当時の砂糖の外貨がどうであったということと、それからその妙味といいますか、そういうものについて商社がわれわれを著しく後援したということが事実であっても、私どもがその後援力を利用したことはあるかもしれませんが、しかしそれについてわれわれは何らの利益を保証したわけでもなければ、われわれが関知したことでもないのであります。ただ繰り返して申し上げますが、本件特許を向うが完全に買った場合、われわれが完全に向うに実施する用意と十分な準備を持っておったわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 その完全に実施するとか、完全に受け入れるとかというようなことについては前回も聞いたのですが、どうもあなた御自身が直接関与せずに、勝間まかせになり、勝間が現地にも行ったという事実もなしに、郵便一本が契約の手続順序になっておるので、やはりこれは御説明に帰するので、これを客観的に証明するものは出てこないわけであります。あなたの方はこれはどこの砂糖がくるというようにお考えになっておったのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 当初は台湾です。それからキューバに変ることを承認を得たわけです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 台湾の砂糖がキューバに変る、これは何ゆえにそういうふうに変るのです。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは向うの都合でそういうふうにしたと考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、台湾の砂糖を今度はキューバの砂糖に変えたいということは、先方からあなたに申し出があってこれを承諾したということになるわけですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私が承諾したというよりも、私が取り次いでその承認を通産省に求めたわけです。通産省はそれでもよろしいというので、私の方はどこの砂糖でも、あるいは砂糖でなくてもよかったのです。従って要するに、われわれの方はライセンスをもらえればいいという建前で一貫しておったわけです。もう一回言いますが、承認を与えた云々の話は、私どもは取り次いだだけであって、こういうことを先方が言ってきた、よろしいかどうか、それを通産省に伝えて、承認を与えたのは通産省です。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 結局キューバの砂糖も入らず、またドミニカの砂糖に変ってしまった。しかして到着したのは失効後に到着しておる。そして、失効後に受け取るということの承認の調印までこちらがやっておる。あなたはその後彼を信用しなくなったと言うけれども、当時はあなたの代理人として十分に責任を負うべき地位にあった勝間君が実際にやった行為である。しかし今日はその責任がとやかく批判にはなっておるのだけれども、当時はそれには間違いなかった。でなければ資格のない人が文書を偽造したことになるので、まさかそういう御主張はなかろうと思うのであります。こういうわけでありますので、向うがそういうふうに間違ってきたものの、失効後なおこれに未練を捨てず進んでおるというところがどうしても私どもには納得できません。ないしはいろいろと数個の不確実な事柄がありはすけれども、これは前回からだんだん聞いておりますから大体いいと思います。いずれにいたしましても最初の無為替輸入の許可をするに至ったところに相当な無理があったということはいなみがたいと思うのでありますが、これは今日どういうふうに御弁解になりましても、いろいろな経過にかんがみてわれわれはそう思うのであります。これは意見の開陳になりまして、あなたと意見の交換も今日はするつもりはございませんけれども、ともかくあとなお砂糖を追求していっておられるというところにも、私どもはあまりは何といいますか、常識をはずれた態度が見えるのであります。ついに最後には放棄したということになっておりますけれども、放棄も単純な放棄でなくして、背後の保証ができないので放棄したという趣旨さえ勝間君はお述べになっているのであります。保証があるならばなお砂糖をとっていこう、砂糖をとるということは、同時に、その場合は技術輸出を断念し、砂糖をとること一本に集中することになっておりますので、当初の目的はあとから見れば形が変ってしまっておる、こういうことにもなるのでありまして、そんなら最初から技術輸出なんて考えておらなかったのかという、ここまで、あなたに対しては少し酷かもしれませんけれども、われわれとしては推測をしていかなければならぬということになってくるのであります。しかし、これは私の意見にすぎませんから、しいてあなたに答弁を求めません。私はこういうふうに判断をしておるのであります。御意見がありましたら伺っておきたいと思います。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 今のお話にちょっと私として申し添えておきたいことがあるのです。それは、技術輸出を離れて砂糖をとるという意思も全然なければ、そういうことの行為もやらなかったのです。かりにそれが許可期限が切れてこれを取り入れるという行動をしたということがある場合も、必ずそれは技術輸出と交換であるということは、少くともわれわれの研究所に関しては言わなければならないし、また言えるわけなんです。技術輸出とかけ離れた砂糖の輸入ということについては、われわれは決して意思もなければ、考えてもおりません。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 山本猛夫君。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 証人にお尋ねをいたします。松平という人を御承知であるというふうに前回伺っておりましたが、もう一度御関係を、簡単に、かいつまんででけっこうでございます。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 松平という人は、私は全然知りません。会ったこともなければ、何も知らないのです。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 そういたしますと、今だんだんと吉田委員からお尋ねを申し上げましたように、実際に入って参りましたドミニカ糖と、あなたが御企画になりました台湾に対する技術輸出とは全く別個のものであるというふうに解釈してよろしゅうございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 そう解釈していただくのが至当だと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 これで全く明確になった。と申しますことは、横浜へ到着いたしました、当委員会で問題になっております一万トンのドミニカ糖と、あなたの海外に対します技術輸出の問題とは全く別個のものである、大へん重ねてお尋ね申し上げて恐縮でありますが、それを御確認なさいますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 許可期限が切れてから後は無関係であります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 そこで、重ねてお尋ねの結果、あなたの海外に対する技術輸出の関係と一万トン輸入せられましたドミニカ糖とは全く無関係だということがわかって参りましたが、それでは立川研究所ないしは立川研究所に関連性のあった方をも含めて、この全く関係のないドミニカ糖の処分に関しまして因果関係をお持ちになろうとした事実がございますかどうか伺っておきます。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 因果関係という意味はよくわかりませんが、私は関係がないのです。けれども、先ほど申したように、本件は、そもそも特許の実施権と交換に入るべきものであったから、時期を失してからでも、これは決してやみの砂糖でも何でもないのだから、国際的な立場を明らかにするように、明瞭にするようにという立場から、私は円満に処置したいという気持を持っていたわけです。これは無関係でおれば知らぬということは承知でありますが、この処置は、そもそもわれわれから発生したものであるから、国際間の不始末がないようにうまくこれをおさめることの必要は認めておりました。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 藤岡芳蔵さんとの御関係はどういう御関係でございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは相当前から、私は直接知らなくて、私の兄貴の友達、知己という意味から知り合いがあったので、具体的に私自身が彼といろいろ交遊しだしたのは昭和二十八年の例の私の方の——本件とはちょっと関係ありませんけれども、本件特許の実施をやるため、パイロット・プラントをやるために京都化繊製造所というものを作って後二年ほどたってから、彼が中心になってその仕事をやりたい、やってよろしいという承認を与えて、そういう関係でいっておったところへ、たまたまこの台湾の砂糖による特許実施権の購入問題があったから、これをうまく始末して、もし立川にそれだけの現金が入ったときにはいち早くこのパイロット・プラントができるという関係において、彼と関係があったのです。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 そういたしますと、あなたの海外に対する技術輸出と全く無関係であった。ドミニカ糖の輸入に関連して藤岡さんは動いたのだ、こういうふうに先刻当委員会で御発言になりましたが、それは御承知でございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 この砂糖の許可並びにその処置ということの一部に対して、彼がわれわれからたのまれて動いていた事実はあります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 せっかくわかりかけたのがまたわからなくなってしまうのです。あなたはただいま、あなたの海外に輸出をする技術関係の事柄と実際に入って参ったドミニカ糖とは全く別個のものだとおっしゃってわれわれややわかりかけて参ったのですが、今のそういうお話を伺うと、また元へ戻ってわからなくなってしまうのですが、そういう点をもう一ぺんお聞かせ願いたい。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 ちょっと私の言い方が前後したのですけれども、動いたということは、その許可を受けて、許可の期限が切れるまでの動きを言うているのであって、それから緑が切れたと私が申したドミニカ糖の輸入に関してではありません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それではあなたの御関係になった以外の、全く無関係の一万トンのドミニカ糖に関しては関知しない、こうおっしゃるわけでございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私に関しては、私が手放したときは、彼が対官庁に国際的に面子が立つようにするということ以外には関知していないわけです。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは立川研究所のお知り合いであるといいますか、御相談相手であるといいますか、顧問をなすっておられたといいますかは知りませんけれども、いずれにいたしましても、立川研究所に関連して、この藤岡さんがドミニカ糖の輸入問題に関連したということは全くない、こういうことでございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 今ドミニカ糖と言われますが、ドミニカであろうがキューバであろうが、結局特許の売り渡し料に代替すべき砂糖の輸入許可並びにその実施というか、換金について、米貨百万ドルに相当した円に還元して、立研がこれを収受する前の動きを助けてもらったという事実はあります。それ以外の、立研が砂糖と手が切れてから後の砂糖のことに関しては、彼は動いておらぬと私は考えます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 先刻ここで藤岡さんは、動いたことをお認めになりました。同時にまたきのうでございますか、当委員会に出頭されましたその当時の通産省の通商局長その他の参考人の発言によりますと、藤岡さんが交渉に見えられて、そういう形の記憶違いでございますれば別でございますけれども、いずれにいたしましても、そういうことをおっしゃっておられますので、伺ったわけでございます。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 もう一度それを繰り返しますが、藤岡氏の動いた範囲というか、路線は、われわれ立川研究所が関連する限りにおいて動いたと考えております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 ますますわからなくなって参りますが、あなたのおっしゃっておられることは、海外にあなたの技術輸出をするということに関連した砂糖の問題と、実際に横浜へ入って参りました一万トンのドミニカの砂糖とは全く別個なものだ、こうおっしゃっておられるのです。あなたは再度のお尋ねに対して、明確に別個なものだとお答えになったわけなんです。それなのに全く別個なこのドミニカ糖の問題で藤岡さんが動かれたということは、また関連性があるのでございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 前に申し上げたように、それは立川研究所の特許売買ということには関係ないのですが、本件は繰り返して申し上げますように、決してやみの行為の砂糖でない限りにおいては、相手が持ってくることはおくれたけれども、これをうまく処置して面目の立つようにするという範囲内で、彼が動くことはできるわけです。そういう意味で申し上げたわけです。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは、そのあとから実際に輸入されました砂糖に藤岡さんが動いておられたことを、あなたは御承知なのでございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 承知しています。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それではお動きにはなったけれども、技術輸出の問題とは何ら関係がない、こういうわけでございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 そうであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 東方貿易行の代表者にあなたがお会いになったことがございますかどうか。前回もお尋ねしたようにも思われますけれども、さらに証人としてお答えをいただきたい。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私は東方貿易行の代表者としては会ったことはありません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 そうしますと、あなたの名前で、東方貿易行との間に、いわゆるいうところの技術輸出に関する契約書をお作りになっておりますが、これはあなたが署名、捺印されたのでありますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私が署名、捺印いたしました。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 このときの契約の相手方は何という人でございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 この契約に書いてある名前で、名前をちょっと記憶しておりませんが、ここに持っております、これであります。これは当時正副二つありまして、向うが押してきたものに対して、私にも署名、捺印してくれということで、署名、捺印して、一部を送って、一部をもらったわけです。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 そうすれば東方貿易行の代表者にお会いになっておらないとお答えになっておるのでございますが、この契約をいたしますときには、全く契約当事者は面接をされない、お会いにならないで、文書のやりとりだけで契約された、こういうことでございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私と先方の代表者の間は文書をもって契約を取りかわしをしたことになっております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それは全く何人も間に立たないで、結局郵便のやりとりでございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 これらの契約を持ってき、これを郵送したり何かしたりする事務その他一切勝間君がやっておりまして、私はこれに署名、捺印をしただけであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 そうすると何でございますか、あなたとの間を取りなしたのは勝間君である。それは全く向うの東方貿易行の代表者にもお会いになったことはない。東方貿易行の代表者ならずといえども、代弁者にもお会いになったことはない。勝間君一人だけでやりとりをしたのだ、こういう解釈でよろしゅうございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 代弁者というのはどういう意味か知りませんが、使いにきた者は、私は名前は覚えませんが、勝間君が連れてきて会ったことはございます。しかしそれは委任状とかなんとかいうものは持っていないと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 あなたは、学者であるといいますればそれまでのことでありますけれども、いわゆる米ドル百万ドルの数字をもってする巨額な御契約でございます。これは不用意なと申しては大へん失礼な言い方かもしれませんけれども、どうも不用意に行われるにしては数字があまりにも大き過ぎる。そこで委任状は持ってこないけれども、だれかに会ったような記憶がする、こうおっしゃるのですが、別にあなたをお困らせしようとして申し上げておるではありません。国民の疑惑を解明したいという一心からお尋ねを申し上げておるのでございますが、もう少し国民の納得のいくような御説明がおできになりましたならば、もう一度一つお答えをしていただきたい。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 巨額な特許料だと申されますが、私はこれは巨額であるとは思うておらぬのでありまして、普通こういう程度で取引すべきものであって、たまたま台湾が高いとか安いというように考えておらなかったのです。従ってそういうものを今お話があったような意味に私はとっておりませんし、そうかといって軽々しく考えたわけではもちろんないのであって、それに対する金銭授受の暁は特許を渡して、これを実施する責任の重大は、もちろん勘定に入れてわれわれやっておるわけです。その間私として説明すべき何もないのです。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 お言葉を返すようで恐縮でございますが、私の申し上げておる巨額というのは、社会通念上の数字として申し上げておるのです。銀座あたりのおもちゃ屋でおもちゃを買います額と、あなたの権威ある特許権の実施権、あるいは実施権を行使するための台湾国における特許権の許可をとる権利の価格。それはあなたの権威ある特許権の実施権を行うところの、台湾国内において許可をとるというようなものは、米ドル百万ドルで、あるいはさしたる額ではないかもしれません。けれども私が巨額と申し上げる意味合いのものは、灰ざら一個買う価格と比べる場合、これは極端な申し分かもしれません。あるいはラジオ、テレビ一台買う価格の場合、この数字の社会通念上で巨額とこう申し上げておるわけでございます。相当大きな数字である。米ドル百万ドルと申しますと、邦貨に換算にして二億六千万円、三億六千万円と申しますとこれは決して少額に失するものではないのでありまして、そういう意味で巨額とこう申し上げたわけでございます。従って私どもの通念上考えまする三億六千万に該当する米ドルをもってする百万ドルというものは巨額である。この巨額な数字の取扱いに対して入ってきたらいいんだといったようなことでは、これはあなたはそう単純にお考えになっておりましても、事実上国民の疑惑を解くことができない。国民の疑惑を解かなければならないという責任の上に立って私どもは日夜こうしてこの問題と取り組んで参ったわけでございますけれども、当委員会に御出頭願いますことは御迷惑千万でございますので、今回限りをもって御出頭いただかないようにしようという与野党両党の話し合いからいたしまして、きょうお出ましをいただいたわけでございます。従って今回限りで国民の納得のいくような御回答がいただけませんければ、われわれも国会議員としての職責を果し得ない、こういうことなのでございます。そこで申し上げます。三億六千万という巨額なものをお取扱いになったのに、そう簡単に考えてお取扱いになったのだということをお答えいただきましても、国民はこれを納得することができない、そう思うのでございます。聞きますければ、東方貿易行は公称資本金二十万元でございまして、あなたの数字に対するお考えをもっていたしますると、アメリカの高級車一台も買えない、こういうような特許権の実施権どころではない、自動車一台も買えないといったような公称資本金でやっている会社でございます。またこの東方貿易行の台湾政府に登録をいたしました会社運営の規定すなわち定款、その中にもこの技術の輸入輸出をするという項目はございません。これは人から聞き及んだことではございませんので、私が直接台湾に手を差し伸べまして、両三日中に私の手元に到着いたしました明確なる資料によってお話を申し上げておるのでございます。そこでどうしても国民の疑惑を解かなければなりません。ということは、そのようにして邦貨に直しまして三億六千万円という巨額な取引数字をもってしてお取引になった、それを中心としましたこの御契約の相手が、代理の者も来なかった。と申しますことは、委任状を持った代理も来なかったのである。当事者同士お会いにもなっておらない。単なる勝間君、承わりますと顧問でもない、何でもない、ただ嘱託であるというようなあなたの言葉をもってする勝間君におゆだねになって、これをお取りかわしになったというところに国民の疑惑が集まっておるわけでございます。でございますから、もう少しわれわれに対して親切なお気持をお持ちになって、どうか納得のいくようなことを一つお聞かせいただきたいのでございます。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 いや御趣旨はよくわかりました。いかにして納得のいくようにするかはわれわれは全力を尽したいと思いますけれども、ただ私の方の側で申しますと、そう仰せられるように幾分——幾分どころではない、大部分の本件の契約を執行していく段階において、不用意な点がわれわれの方にあったことは私も認めます。けれども私としては、あの場合中国の状況に対して、私は買う人があったら、その特許を買う人は事実それがブローカーであっても、一応外貨を持ってくれば売るという建前をとっておったから、そこに多少の不用意があったかもしれません、またそれが疑惑の焦点になっておるのは非常に遺憾だと思います。また私どもとしても多少落度があったことは認めます。けれども、それはその通りの事実を申し上げただけであって、その事実を曲げて粉飾して私は申し上げる意思もなければ、そういう何も持っておらぬわけです。あるいはまた軽い意味に嘱託した勝間君に、その重大なことを委嘱したことは常識を逸するというおとがめがあっても、事実私は一研究所長であって、営業とかあるいは販売とか、いわんや砂糖というようなむずかしいものに対しては、われわれは初めからタッチすることがかなわぬ、こわいということから、これは全部おれが引き受けてやるということで、身分が確立せぬうちに勝間君に頼んだことが、今日こういう紛糾になれば私の落度であったことは私は認めます。けれども事実を証言する上においては、これより以外に申し上げることもできない。また個々についていろいろと落度があったら何なりとお答えいたしますけれども、その点についてまたそういうことだと私は説明いたしたいと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは今日になってお考えになってみて、これは妙な橋渡しをする人たちに利用されたのだ、あるいはそうでないにいたしましても、そんなようなにおいのあったやつだなというふうなお考えでございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 その個人のにおいがあったかどうかまで私の方でははっきり申し上げませんが、私の感覚で申しますると、これはあとになりまして、つまり具体的に申しますと、昭和三十年の末になりまして、はっきり、これはわれわれが関与するのにはきわめて明朗を欠くものだという意識を持ったわけです。しかしそれに至ったことのとがめはむろん私は甘受する、私においても非常な手落ちがあったということは認めるのです。研究所としては本件がそこまで大問題を起しながら、この人間がたまたまわれわれの特許を実施する、それが架空であろうが事実であろうが、事実そうであったということは、私の責任を痛感しておることでありますが、この点は私は疑惑を解くために、これに対してまず謝意を表して、しかる後にあらゆる説明を行いたいと考えておるわけです。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 実は当委員会で述べられました参考人の言葉にもありますように、当時の食糧庁長官清井君が、これには多くのスキャンダルを含むから、あなたは手を引くべきでしょうというような意味合いのことを言われた中間に立った国会議員もあるのでございます。ことほどさように、不可解千万と極論いたしませんでも、不明快な事態でありましたことは明らかでございます。そしてわれわれも当委員会でこれを取り上げなければならないという事態になりましたことは、台湾の政府関係にも陳情の経緯に不純なものがあると伝え聞きましたし、また日本の大蔵省、通産省等に対する本件の陳情に関してもまことに不明快なものがある、言いかえますならば、台湾の政府の、日本政府の関連するところの一つの疑獄事件であるというふうにも世上伝えられました結果が、これを解明しなければならないということで当委員会へ取り上げられたものでございます。われわれは事を好んでこれを取り上げたわけではございません。従ってそういう疑惑は、歳入歳出の実況に関する不明快なものは、当委員会の責任におきましてこれを解明して国民に安心を願わなければならない、こういうことから始まったわけでございます。ところがその当時の大蔵当局の関係者をここに呼んでみましても、また通産省当局の関係者を呼んでみましても、それから本日再びあなたに御出頭をいただきましたところで、どうもこれは失策であった、どうも片手落ちであったというようなお答えだけでございまして、疑惑を解こうとする糸口はどうしても出て参りません。そこでこれ以上お尋ねを申し上げることは何かお責めするというような形にもなりますので、差し控えますけれども、あなたと東方貿易行との契約書まで取りかわされたものでございますから、もう少し私どもは国民の疑惑を解くようなお話を伺えればということで、本日は証人として御出頭いただいたわけでございます。ただいま伺いますと、どうもあとになって考えてみて不明朗なところがある、不純なところもうかがえるのでおよしになったというようなことで、ややこれで国民が、この事件が立川研究所は不解明な点においては関係がないのじゃないかというふうになって参ろうというような印象は受けるのでございますけれども、あとも多分他の委員からお尋ねがあることでございましょうが、どうか一つ、できるだけ国民の疑惑を解明するということを基準にお考えいただきまして、お答えをいただきますようにお願いを申し上げて、私のお尋ねはこれで終了いたしておきます。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 関連して。その前に伺っておくのですが、当然調べておかなければならぬのですが、あなたの方の資本金は幾らですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私の方というのは、財団法人立川研究所のことですか。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 その資本金、寄付行為は幾らですか。財団法人でしたら寄付行為ですから、いわゆる株式会社における資本金のようなものがあるでしょう。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それはバランスに載っている一千万円の基本金でやっております。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 東方貿易行が二千万元ですね、あなたの方は一千万円、そこで三億六千万円の取引をした。いろいろ御事情は今山本委員にお話になったから、あなたの方の御事情はそうであったかもしれません。しかし通産省も農林省も、簡単でもないでしょう。御不審になったのでしょうが、結局そういうことをよく知って結果においてはのんだ、こういうわけなんですね。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 そういうことを知ってという、そういうことというのは、どういうことですか。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 そういうことというのは、あなたの方が寄付行為一千万円、それから東方貿易行は二十万元、山本委員の御説明を拝借すれば、一台の自動車も買うことのできない資本金、そういうところの双方の取引で三億六千万円の無為替輸入を許したか、こういうことを聞いている。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは資本金もさることながら、本件特許の支払いとして許すものであって、資本金と直接は関係はない。その資本金のうちから支払うことにきまったわけでもないし、また私の方は受け入れ側として、寄付行為の金が百万円でも千万円でも特許の価格は特許の価格として売るという点から許可を得たと思います。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 それはあなたの方はいいかもしれない。特許の実施権とでもいいますか、これはいいかもしれない。けれども砂糖は台湾ではない、ドミニカですよ。そうすると、二十万元の資本金で果して一万トンの砂糖が手に入らないというようなことは、これはちょっとしろうと的にも見られるわけです。そうすると、もう最初から東方貿易行とあなたの立川研究所と組んで、そうして何かその裏にそういう二十万元の資本金で一万トンの砂糖を輸入する仕組みができていない、ちょっと幾らしろうとであっても、自分のポケット・マネーじゃなくて、国民の金だから損してもかまわぬというような、万一の場合を予想しても、ちょっと役人にしてもこれはそう簡単じゃないと思うのだが、当時はそういうことは別に問題にならなかったのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 そういうことももちろん問題になりませんし、そういうことを私らとしては考えておらなかったわけです。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 聞いたことはない……。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 聞いたこともないし、また私自身も考えておらなかった。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 けっこうです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 委員長から一点お聞きしますが、あなたは東方貿易行と契約を締結される際に、この内容についてはどういうふうにして検討されましたか。あなただけで検討したのですか。これをこういうふうな内容の契約をしようと起案し、相手方と話し合いをしたのはだれがやりましたですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私がおもにやりました。相手方と勝間を通してその話をさせたわけです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 これだけの内容の契約をやる相手方は東方貿易行です。その東方貿易行の方と立川研究所と話し合いをしたのはだれですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 勝間君がやりました。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 勝間君はあなたの代理ですね。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 そうです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 相手方の代理はだれですか、それとも代表者の本人が来ましたか、その点いかがですりか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 相手方は代表者としては来なかったように聞いていますが、しかし使いと称して二、三の中国人と勝間君とが折衝したあげくできたと考えております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 これだけの重要な契約をされるに際して、あなたは立川研究所の代表者として相手方の名前も知らずに、ただ勝間君と話した中国人だと、そういうようなことだけで、相手方がこの契約の履行をできるというようなことまで信頼して、この契約を締結されましたか、どうですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは勝間君の説明を聞きますと、信頼していいという十分なる説明があったものですから、われわれはそれを信じたわけです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 もう一点聞きますが、勝間君の説明というと、単にこれでいいからというだけで、勝間君の言うことだけをあなたは信頼して、それではこの契約をされたかどうか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 勝間君の言うことに信頼の中心を置いて、これを締結したわけです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 さらにお聞きしますが、あなたの方も寄付行為がわずか一千万円の財団法人ですね。相手方はただいまお聞きのように二十万元ですから、四百五十万円のこれは小さい貿易商です。それに対して百万ドルの履行の契約をやる場合において、果してこれが履行できるかどうかということについて勝間君の説明だけで信用するというのは、あなたは立川研究所の責任者としてあまりに軽薄だというふうに社会観念上考えられると思うのですが、その点いかがですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 その点について証言しますが、それは契約というものの事実その契約の内容に示したように、本件は先方が代価を払ったときにこの契約を実行するのであって、払うまでは特許権も譲らなければ、申請もしない。すなわち取引がないといったような契約でありまするから、その金銭、つまり代価を調達し、われわれの方に持ち込むまではこの契約で私は十分だと考えたわけです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 それがわれわれが一番常識上考えて、対価を持ってきて初めてこっちが履行するというのですが、しかしそういう契約であっても、契約をやる以上は、これを履行するという自信と確信がなければいかぬ。ただ金を払ったときに契約を履行すればいい、それだけではあまりに軽薄である。だから砂糖一万トンを輸入するための手段として、単に形式上の契約を作ったんじゃないかという疑いがここに出るわけです。あなたはそういうところまで考えなかったのですか、どうですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 そういう点まで考えなかったですね。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたの方の研究所の技師に高松栄太郎、藤井秀次郎、音野彦五郎という三人がおるはずですが、まだ現在おりますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 現在おります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この人は昭和二十九年の夏ですか、ドイツへ派遣されて、そこで問題の虎木綿の糸でございますか、あるいは強力スフでございますか、大へん向うで評判がよくて、何かこれを工業化するためにあなたの方に特許権料として十億円の支払いがなされる見込みだということが新聞記事になっていますが、これは実現いたしましたか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 その新聞記事は私承知しておりますが、十億円ということは荒唐無稽でありまして、私の方から説明した資料ではないのでありまして、新聞社の方で自由に書いたものである。しかしながらその成果は着々結んでおって、現にその一部は入金しつつあります。けれども繰り返して申し上げますが、十億円ということは新聞で勝手に書いたことで、私の方は関知いたしません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 現在はどれくらい特許権料として入っておりますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 現在は二十五万ないし三十万ドルのものはすでに入っておりますが、将来は確実に入るだろうと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 なおこの新聞によりますと、ベルギー外ドイツ、オランダ、オーストリアの三ヵ国の四つの会社とも同じような仮契約が結ばれたとしてありますが、この方はどうなっておりますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 そのうちでフランスとスイスはすでに契約を結んでしまった。オーストリア、ドイツは今契約の協議中であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それから英国ではカタン糸を作りたいということ、また木綿の全需要をこれで満たしたいというインド、並びに今回問題になりました砂糖と交換で特許を買おうという台湾と書いてありますが、これはどの程度まで事実と合っておりますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは台湾の方は、今まで申し上げたような問題ですが、他の国もそういう工合にカタン糸のことも英国の方から具体的なお話があって、それを買おうとしておりますが、現在ではまだ買ったという契約をすでに終っておるわけではないのです。交渉中であります。しかしカタン糸に使い得るということの試験はもうすでに着着進んでおりますし、かたがたインドその他においても、そこに書いてあるような意味は実行しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この新聞は昭和二十九年の十一月二十三日の朝日新聞であります。しかもトップに出ておる大きな記事です。「外国で大モテ」『ニッポン製「強力スフ」』「技術指導に各国へ」という題で「民間の一研究所特許権料も十億円」ということなんですが、特にサブタイトルで書いてある。しかもこの新聞のことをあなたの方から出されましたビスコース人造繊維製造法、すなわち今回百万ドルで台湾へ売りつけようという、この特許権に関する説明書の中に、また海外においても広く認められていることは、昭和二十九年の十一月二十三日付朝日新聞紙上にも大々的に報道された通りとしてあるのですが、そうしますと、あなたが今これは新聞が誤まり伝えたんだろうと言っておりますこのことは、何らの訂正もされずに宣伝材料になっている。これをもって海外に対するあなた方の特許というものが非常に大きな力を持ったものだという考えを与えましたのは、私は天下の大新聞である朝日新聞が、あなたの方のことを特に大々的に伝えるはずがないと思う。その後の手口を見ますと、新聞社自体に対しても、あなた方自体がうそを言ってだましたんじゃないかという疑いも生ずる。この新聞記事に対して一回でも訂正の申し込みをしたことがありますか。しかも特許権十億円というのは現在聞いてみますと、幾らでもない。この訂正を申し込まれたことがございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 訂正を申し込んだことはありません。しかしその十億円というのは一回の相手に対して取る金ではなくて、数ヵ国にわたって取れば十億円はおろか、十五億円にもなるということは考えられます。従って訂正の必要もなければ私から申した数字でないから、その数字の訂正は申し込まなかったです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 しかしたった今あなたはこの新聞記事は誤まりだと、こう言っているのです。けれども、誤まりでも都合がよければ黙って使ったということがはっきりするのです。なおあなたは三月十一日の当委員会における証言の中に、こういうことを言っております。「台湾における特許の権利を与えるというのではなしに、台湾の特許の権利はわれわれが持っているわけでありまして、その特許実施権を譲渡することに対する話合いをしました。」そうしますと、特許を受ける権利であるというのは、あなた方が受ける権利になってしまうのですね、あなた方が持つのですから。あなた方が持つ権利を向うから百万ドルを要求し向うに譲り渡しをするということは、一体どういうことなんです。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは二十九年の五月から始まった話であって、われわれはその話が始まった当初においては、台湾の特許権の申請はなかったんです。そのときの話としては、先方及びいろいろな人は台湾で特許をとる権利を譲渡するという建前を一応とった。けれども、それから申請をして五月二十七日に台湾特許局の認可を得た。得てしまった以後は、われわれの特許権譲渡から、その台湾の特許権の台湾における実施権を与えるということに変更しただけであって、実態はちっとも変っておらぬです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この虎木綿の特許というものは台湾では受けてしまってあるのですね。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 とってあります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうしますとこの契約書の第三条「前条第二項の場合に於いては本特許譲渡の登録は本物資が正規手続きに於いて甲がこれを収納したる後実行される」とあります。受けてしまった特許権は譲渡する必要があると思いますが、これは現在あなたがまだ手元に持っていますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 現在持っています。そしてもしその契約が実行せられる場合は、台湾における特許権の実施権を付与してもいいし、特許権そのものを譲渡してもいいが、特許権譲渡でも特許の実施権でも同じ金額でやるということは私が常に申しております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたが今現在台湾で持っております虎木綿の特許を東方貿易行が現在でも希望するならば、その実施権を百万ドルに売るんだ、こう理解してかまわないのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 現在でも百万ドルで買うなら売っていいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この虎木綿の工業化は日本あるいは外国で実際に行われている例がございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 これは日本では行われつつあるが、現在まだ製品は出ておりません。けれどもそれより早く、具体的に申しますと三、四年前から西ヨーロッパ、ベルギー、フランス、オーストリア及びスイスでもって一部または大量実行している事実があります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 台湾における特許権は、特許権だけでまだ実施されていないわけですね。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 御承知のように台湾の実施は台湾人がやらなければちょっとやれない事情でありますから、実施はもちろんされておらない。特許権はわれわれが持っております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたの方で東方貿易行との間に取りかわされた文書があります。一九五四年九月九日、これで東方貿易行からあなたの方に出された書類の中に、「一般的に申し上げて台湾政府は次の理由により此の計画全体に対して好意的でないのであります」と書いてあります。その項目の中に「新虎木綿は製造工程は完了しているが、その大量生産については更に必要な改良、調査は尚行われるものと思はれる、其の工業化実現以前(特に現在の情勢の下に就ては)特許権買取は賢明ではない。」こういう一項がはっきり書かれてあります。その二項に「名目上、特許権等譲渡が、中国本土、香港、台湾の地域に及んでいるが中国本土で実現化する事は極めて遠い将来の事であろうし、又香港地域については台湾政府としては余り関心を持っていない。台湾に於てすら台湾の繊維工業能力が非常に制限されている関係上、この特許権譲受が将来非常に値打ちのあるものかどうか、誰も確信が持てない。」第三項は「台湾は日本と至近距離にある関係上、日本の如何なる特許譲受の契約をしても製造採算上引合ふものと考へる事は出来ない。」こううたわれてある。これについてあなた方の方から何らか特別な働きかけをして、台湾における特許権の認可を受けたのかどうか。どういう過程でこういう好意を持ってない台湾政府に特許の許可を得るような運びをしたか、一つお話を願いたい。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 台湾政府の許可を受けることについては私は関知せないし、また事実示唆も与えなかったのです。先方の東方貿易行において受けてくるという責任を持っておるものと考えておったわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この特許権の許可の申請をしたのはどこですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 台湾政府に対する許可の申請は、もちろん東方貿易行だと考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 東方貿易行はあなた方から特許を受ける権利の譲渡を百万ドルで受けようというのですね。これが不調に終っているのです。何の権利があってあなた方のこの権利を東方貿易行がやったのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 御趣旨をちょっとはき違えたのですけれども……。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 ちょっとそれじゃ私から……。あなたの説明は私はこう聞いたのです。台湾における特許権は東方貿易行がやったんだろう、さっきの御説明では、あなたの方で台湾における特許権を持っている。台湾政府はこの通りあなた方に対しては好意的でない。あなた方がもし受けたならばどういう運動によって受けたのか。東方貿易行が受けたのならば、あなた方が譲り渡ししなければ持ってないはずです。特許権を受ける権利をどうして東方貿易行が受けたかという問題です。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私は誤解しまして……。特許権を受けるということは、日本でいえば特許局ですね、向うでは基準局と申しますが、そこで許可するのです。その許可に対する申請並びに応答は私がやったのです。しかし私がさきほどちょっと誤解したのは、御質問の要点が特許権じゃなしに特許権を買うことの許可を台湾政府がしたことについての申請、了解運動その他は東方貿易行がやったものだろう、こう申し上げたわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたが持っておられる台湾の特許権の番号並びに許可の日をお知らせ願いたい。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 漢字で書いてありますが、「台専字第三六二号、比須科人造繊維製造法」、登録年月日は一九五四年五月二十七日。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなた方がこの東方貿易行とこの話を始めたのはいつになります。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 昭和二十九年五月初めです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 昭和二十九年五月初めといたしますと、この特許権を受けた日とどっちが早いですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 特許登録の年月日、五月二十七日の方がおそいと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうするとあなたの方で東方貿易行と話を始めたころにはまだ取っていなかったのですね。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 取っていなかったというより、許可がおりていなかったという方がいいですね。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これまでしばしば当委員会では、あなたの方が百万ドルの対価としたのは特許権を受ける権利としてわれわれ信じてきたのです。この特許権を受ける権利はもう消失してしまった。そこでこの百万ドルの取引というものが非常におかしくなってくる。これは一体どうなんですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 先ほども申したように、特許権申請の許可がまだない以前に話を始めた場合は、特許を受ける権利を譲渡する。こちらに対してもう政府が許可した場合は、その特許権を譲渡または実施権を譲渡するということですから、ちっとも変らないです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 特許を受けたあとには実施権とこの契約書にはございませんね。あなたの方はちっとも変らぬと言っておりますが、百万ドルを出して受ける方では、これは変らないと言って承認したのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 これは向うが了解したと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 了解したものがなぜ二回も延期をして、それでもなおその延期の期限が切れるまで砂糖を送らなかったのです。それはどういうわけなんです。どうも私はのみ込めない。あなたは非常に世界的に有名な発明をし、向うでも特許を受けておる、向うの申し入れによって百万ドルは払うという、それが許可権がなくなるほど長く履行されなかったという真意はどこにあるのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 その真意は私にもはっきりわからないのですけれども、私の想像では、おそらく一万トンの砂糖が台湾で調達できないから、キューバとかその他の方に買付その他をやっているものと考えて、それでおくれているものと考えております。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたは最初中国大陸や台湾などとの取引を希望されなかったということを聞いておりますが、ほんとうですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 台湾との取引を希望しなかったという事実はないと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 勝間証人は二度にわたって立川研究所は欲しなかった、しかし私が勧めて東方貿易行との契約が結ばれたということを当委員会で証言しているのですが、どっちがほんとうですか。証人ですから重大です。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 欲したとか欲しないとかいうことは、そのときの気分でありまして、事実私はどこでも買いたいという勧誘がありましたら、それに乗るだけのゆとりは持っております。従って売らぬ方針とか売る方針とか、確定的のものがなかったことはもとよりであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 さっきも私は勝間証人に確かめましたが、勝間証人は三月十七日に、立川は非常に欧州を喜びまして中国とかそういうところはいやがっておったのでございますけれども、そんなことをせずに、もったいないから何とかこれを一つ許可をとってやっていったらいいじゃないかというので極力勧めたのは私なんです、しかし書類が最初にきているのは、立川の京都の本社あてにきております、こういう証言をしているのです。これを極力勧めたというのはうそなんですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 極力勧めたことは事実なんです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは二人の証人の間に違いがございますから確かめておきたいのですが、極力勧められなければならないほどあなたは希望しておらなかった、こう見られるのですが、あなたが希望しておられるならば、勝間証人から極力勧められなくてもこの取引は始めたと思うのですが、この点はどうですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 その特許を買いにくる人に対して、売ることを希望するとかせぬとかいうことは、決定的の問題じゃないのです。従って、道を通して買いにき通を通して売るのならば、私はどこへでも売るつもりでおります。ことごとく支那はきらいだとかなんとかいうことは、そういうことは話としてはしても、方針としては持つべきものではない、私はそういうふうに考えておったのです。勧められたら、そうかそれじゃ売ってもいい、こういうことです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この事件のほかにも、あなた方の特許権の譲渡に対する代償として、現金ではなく、何か別な物資で支払いをしたという例はございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 現在のところ、他の物資でもって支払ったという事実はございません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 勝間証人は、あなたの方の顧問ですか、嘱託ですか、本人は企画部長といっておりますが、企画部長として入ったのは、この砂糖が入るということから初めて起ったのか。その以前から、あなたの方では勝間氏をお雇いになったのか。その関係はどうですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 その以前と申しますか、昭和二十九年より以前の年に、すでに藤岡芳蔵氏を相手として、この新パイロット・プラントの計画を話し合ったことがございますときに、勝間氏はたまたま藤岡氏の方に出入りしておったことがあったので、その計画の話を聞き、かつ自分を入れてほしいという意図のもとに始めておったことはあります。従って時期的にいえば、二十九年にこの話が始まる以前から、勝間との間は、このパイロット・プラントをやることの努力をしようという話し合いのもとに、その関係はありました。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そのパイロット・プラントというのは京都化繊のことでございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 そうでございます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 京都化繊は、現在どのようになっておりますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 京都化繊はその当時そういう計画をやったけれども、資金及びそのスケールの点において、なかなかうまくまとまらなかったから、そのまま持続して現在に及んでおる。従って、本来の会社設立の目的事業をまだ遂行しておらぬ。しからば現在どうしているか。現在は財団法人立川研究所に、その工場の一部を貸しておるという実態であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 勝間氏が京都化繊の重役に入ったのは何年何月ですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 現在何年何月ということを私ちょっと記憶しておりません。書類も今ないのです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この京都化繊が資本的にうまくいくというのは、あなた方の虎木綿の代償百万ドルが東方貿易行から入ることを大体予想してこの計画が進められたものだと思いますが、それと相前後して勝間氏が重役になったのかどうか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 その台湾問題と関係のないずっと以前から設立された会社なんです。昭和二十五年に設立された。たしか二十五年か六年にできたと思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 台湾のこの百万ドルが入ってこなくとも、事業を遂行するような計画はあったのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 台湾の問題と関係なく事業を遂行したいという意図のもとに計画を進めたわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 勝間氏が重役になったのは関係がないとしても、重役をやめさせられたのはこの事件と関係はございませんか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 勝間氏は、本件が成功したら私はこの京都化繊の虎木綿、パイロット・プラントの仕事にあずかりたい、それは承認するということだったが、それを解除し、だめだと契約を破棄したときに、彼自身もその意思を失ったし、私自身もそういう承認を取り消しておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 それでは結局勝間氏は台湾における百万ドルを当てとして京都化繊の重役になっておると思われますが、その通りですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それが成功したら化繊に行き仕事が始まる。仕事が始まれば今までの功績に対して、自分はその営業部面を担当したいというから、それに対して承認を与えたことは事実であります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたは、シュウカチンが東方貿易行の代表者として砂糖を積んできたときに、その砂糖を引き取ることを断わっておる。たった一日の許可期限の切れたことで断わっておるのですが、本来ならばこれは正常に引き取って、その期間の延長を願うのが道だと思います。それをしないであえて断わったのはどこに理由があったのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 第二回の延長の期限がたしか十月二十三日でしたか、そうなっておりますが、それより約半月ほど前から、さらにもう一つ延長することの必要を認めて、そうして延長許可の願いをしたのです。けれどもそれに対してはもう今後は一切許可はせぬという決定的な話を官庁から聞いたものですから、従ってこれはもう私どもはやらない、こう決心したわけであります。従って周という人からでもどこからでも、この問題は立川研究所に関する限りは関与できない、こういう工合に解釈したのであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 当委員会で調べたところによりますと、シュウカチンが砂糖を積んで出港しましたのが二十四日です。しかもその出港は、あなた方との間に前からあった無為替許可の問題、これを根拠にして出港しておるのです。もしもその前にあなた方の方で引き取らないということがきまっておったならば、なぜ東方貿易行にその旨を通知しなかったのですか。国際信義を旨とするならば、そういうことが一番大きな国際信義の問題じゃないかと思います。契約はもうできなくなったから、砂糖を送るのはやめてくれということを一言断わってやるのが正しい道じゃありませんか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それはお説の通りであります。従ってわれわれは、そういう事務的なことは勝間君をして適当な処置はできておるものと考えておりました。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 勝間氏に全権を委任しておったといっても、入ってきた砂糖に対してあなたはさらに断わっておきながら、藤岡氏を通じてその砂糖の売りさばきその他に奔走しておられる、これはどういう関係があるのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは先ほど申したように、これが国際信義の上においてもとらないという始末をつけるべく、本件がそもそもやみの砂糖でも何でもない善意でもって入ってきたものと解釈したから、従って時期がおくれたし、立川研究所ではいかんとも手が下せない、これの処置そのほかについては完全にやってくれということで藤岡氏に委任したわけであります。従ってわれわれの意図としては、国際信義の上において完全にきれいに処置するようなことを願っておりましたが、しかし立研としては特許を売るという事項についてはきめたわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 東方貿易行にもう砂糖を引き取る意思がないからという通知を出さなかったのは勝間氏の失態だとあなたはおっしゃったわけであります。そうすると、その結果入ってきた砂糖を国際信義上何とか片をつけてやろうという勝間氏のとるべき責任を、代表者としてあなたが継承したというように見られるのですが、そうではないのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 勝間の責任あるいは体面を代表者としてよくしようというのではなしに、本件が国際間の取引であり、しかも正常ルートの取引の形をとってきながら、本件の基因である特許権の受け渡しができないならば、これは砂糖物資として適当に取扱って、善後処置をしてやってほしいということは、私がつけ加えて、私からあらためて藤岡芳蔵のところに頼んだわけなんです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 無為替輸入の期限が切れたものが正規のルートに乗って入ったというあなたの認識はどうなんです。無為替輸入の期限が切れても、一たん出した許可なんだから、それによって送られた砂糖は正規のルートであるというふうにお考えになったのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは期限が切れても正規だと申し上げているわけではなしに、本件の経過が、正当なものが時期を失しただけの不始末だから、これを何とか合法的に処置してやることが国際信義に沿うのじゃないか、こう考えたわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この砂糖の代価を要求されておりますが、この砂糖輸入の本来の性質は、砂糖の代価を要求さるべきものじゃないのではないですか。その点はどうお考えになりましたか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは仰せの通り、代価を請求せらるべきものではないから、私の方はそれを聞きもせず受け付けてもおりません。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 聞きもせず、受け付けもしなかったのを、なぜ跡始末の心配をするのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは先ほどからたびたび言うように、国際信義上始末をしてやる方がいいと私は考えたわけで、特許を売る、売らぬということは——切れているのですから、単にそういう処置をした方がいい、しなければならぬ。なぜならば、くどいようですが、私の方の特許の売り買いということから起った事件であるからには、そういう点から道徳的正義をもって処置すべきだと考えておったわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 国際信義というのは、こっちも守らなければならないが、相手も守らなければならない。両方とも守って初めて国際信義が成り立つのです。東方貿易行がこれだけ長く期間を延ばして、しかも期限が切れたあとで砂糖を輸入した。しかもその砂糖の代価を請求する。これは明らかに東方貿易行の不信行為じゃないのですか。あなた一回でもこれを責めましたか。あなたがほんとうにあなたの特許権のりっぱさを信じ、これを百万ドルにかえて国策に尽そうという熱意があるならば、まず責められるべきは、あなたの国際的不信でもなくて、東方貿易行の国際的不信ではないのですか。どういうふうに理解されましたか。あなたはりっぱな工業家だそうでございますが、その点はどうも国際常識からはずれておると私は思うのですが、どうですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 周という人が向うの代表者であるということは、私は知らなかったのです。従って、周であろうが何であろうが、そのものは切れたが——その国際信義を破ったのは向うだとおっしゃいますが、私の方は破ったわけではもちろんない。しかし好意的にそれを収拾してやるのが国際上の信義だと考えたわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 無責任もいいかげんになさい。一文も俸給を与えず、役も与えないような勝間に全権を委任したようなことが一体許されますか。少くともあなたはちゃんとした法律上の代表取締役です。理事長です。それが、便宜なときばかり勝間に預けて、そしてふだんの待遇は全然考えないのだ。一体こんな無責任なことが許されますか。国際信義の問題じゃない、国内の信義の問題です。一体勝間のあなたの研究所に対する地位というものはどうしてとられるのですか。全権を委任したり、ときには勝手に首を切ったり、まかしてしまってあとの始末は知らぬと言ったり、どれがほんとうですか。私は、あなたの国際信義の観念もそうですが、こういう人道上の信義の点も疑わしくなってくる。勝間とあなたの研究所の正確な関係を私は伺いたい。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは、私の方から勝間に対しては、本件事項に関する実行行動だけの委任をしただけで、あくまでそれで終始したわけです。従って、委任事項範囲から逸脱した行為は、私どもは責任はもちろんのこと関係しない、委任内部の行為は私が責任を持つ、こういうはっきりした区切りをつけて委任、念書、請書を契約して実行に入ったわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 勝間に対する委任状の内容はどうなっておりますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 ここにありますから、ごらん下さい。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この委任状によりますと、「昭和三十年三月一日付大蔵省の許可及び同年三月二十三日付通商産業省の承認及び指示の趣旨に従い、砂糖無為替輸入に関し、輸入業者その他の業者との交渉及びこれに伴う契約手続等に関する一切の件」としてあります。そうすると、大蔵省の許可が出る前の事項は、あなたは委任してなかったのですね。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 そういう委任はしたことがないのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 ちょっと関連して委員長から聞きますが、あなたは、さっき委員長がこの契約書の交渉はだれがやったかとお聞きした際に、勝間が一切これをやった。それから東方貿易行の代理というか、使者というか、中国人が来た。それも全部勝間が会った。この契約の内容その他の交渉は全部勝間がやった、そういう御証言をなさっておられたのです。今あなたは委任していないとおっしゃったのですが、さっきの証言と今の証言が食い違いますが、いかがですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 先ほどの証言が正しいのです。そういうものは全部勝間にまかしたわけです。その委任状はそこに書いてあるように、本件物資は砂糖で、無為替輸入物資である。この取扱いは立川研究所はできない。する人がいないし、またわからないというわけで、特に委任をしたわけです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 そうすると重ねてお聞きしますが、今あなたは、勝間に対しては砂糖の無為替輸入その他の手続一切について委任したという委任状があるわけですね。ところがその前にこの契約ができておるわけです。この契約は勝間に委任したとおっしゃったが、この委任は委任状があるのですかどうですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 契約を委任したということは言い誤まりであって、そういう事務的な処置を取次をするということはしておりましたが、契約そのものはもちろん私がやっのです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 重ねてお聞きしますが、さっき委員長がお聞きしたときには、この契約書の内容その他の交渉は全部勝間にやらせた、こうおっしゃったのです。契約書の成立のときはもちろんあなたが判を押したのでしょうが、ここに書いてある第一条から第七条までの契約がこうきまったという——これは証拠なんですね。それにあなたは判を押された。その交渉はあなたが直接やられたかどうか。あなたは東方貿易行の人間はだれも知らない、勝間が全部交渉したと言う。だからどうもそこがふに落ちないから、ふに落ちるように御説明願いたい。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私の言い方が下手なんですが、そういう交渉——交渉といいますか、そういうものは全部勝間にさせました。そうしてでき上ったものについて、これでいいかあれでいいかということについてわれわれに相談があったから、これはこういうようにせい、ああいうようにせいという指示は与えたが、交渉そのものはやってきて、結果においてそういうものを持ってきたから、これでよろしいと私どもが承認したわけです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 さらにお聞きしますが、勝間氏に指示をして交渉させたその相手方の人間も知らずに、ただ東方貿易行というだけで、使者に来たような中国人と勝間が話しただけで、この重要な契約の内容が果してほんとうに成立したとあなたは思っておるのですか。あなたは相手方も知らずに、会ったこともなしに、この契約は成立した、そういう考えですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それはただ言葉を信じているだけではなしに、そのつど勝間が東方貿易行と文書でもって交信した内容を一々見、聞き、そしてその話の結末について了承を与えたわけです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 重ねて聞きますが、その契約の過程において、文書、原稿その他もあるでしょう。そういう書類をあなたはお持ちですかどうですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 全部そろえて持っているかどうか知りませんけれども、飛び飛びに現在持っております。一部はもちろん勝間が持っております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 さらにお聞きしますが、相手方から文書その他のものをよこしたものは、東方貿易行の責任ある者からきた文書としてあなたは取り扱われたかどうか、またその真偽を確かめられたかどうか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 東方貿易の代表者がサインしておりますから、真実だと考えておりました。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 今のあなたの証言をもう少し確かめたいのです。この無為替の輸入許可についてはあなたは勝間君に委任状を出している。東方貿易行との契約は、これはどういう資格であなたは勝間になされたのか。究極の責任の帰着点はどこにあるか、その点を明らかにしていただきたい。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 究極の責任は立川研究所の代表者たる私にあります。それを交渉しでっち上げるまでの事務的あるいは交渉的なことは勝間をしてやらしめた。けれどもできた契約に対する責任はこちらの方は私にあります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 この契約は実際において破棄されております。破棄された原因は、向うが対価である砂糖の発送をおくらせたこと、またおくれた砂糖を持ってきたシュウカチンが特許権の譲渡請求をするかわりに現金決済を請求した。この契約の破棄の責任はどっちにありますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 契約破棄の責任は私の方にはないです。なぜなら、私の方にないことを申し上げますと、許可の期限の切れたものは私どもは実行不可能になります。従って私どもの方には責任がない。あるとすれば先方だと考えます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 東方貿易行に責任があるならば、どの点で責任がありますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 時期がおくれて持ってきたことに責任があると考えます。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたはこの砂糖の発送について東方貿易行に請求をしたことがありますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 この発送のみならず、着荷がおくれる傾向にあるということはわかっておったから、これをおくらせないようにせいということは再三督促をしたことはあります。にもかかわらずおくれたのです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 督促に対する向うの返事はありましたか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それはもうすぐ送れる、もうすぐ送れるということにすぎない返事でありました。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 台湾の政府があなたの方の特許に対して好意的でないという書類は九月九日に入っております。この場合にもしもあなたの方で現金決済を固執するならば、これはこの文書通りに申しますと、「上記の理由により来年七月十日付」——これは何かの間違いでしょう。「弊社書簡にて申し上げました当方の意図は撤回する外御座ゐません。又斯様な場合でも我々と致しましては尚かつ台湾及び中国本土以外の地域に就て嬉んで御話致し度いと存じます。」こういうふうに書いてある。その次に「然し乍らその場合は貴方が日本に於て規則的生産完了時又はその后に於てのみ話合ひ出来ると言ふことを御銘記下され度く存じます。」これはあなたが全責任を持たれるならばどういう意味のことなんです。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 よく意味がわかりませんが、それはドルで決済できないという意味にとっておったわけです。つまりドルでもって払ってない——払ってくれということは私の方の当初からの主張なんです。それを満足させ得られないから、それじゃ困るというのが私の方の言い分であって、それにもかかわらず物資でやってくれというのが向うの言い分であったから、それじゃ許可があればやってもいいということであったわけであります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 「然し乍らその場合は貴方が日本に於て規則的生産完了時又はその后に於てのみ話合ひ出来ると言ふことを御銘記下され度く存じます。」これはどういう意味ですか。ドルと関係ないでしょう。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それはおそらく私が想像するに、現在日本で大工業化しておらぬから、大工業化した後であればあるいはドルでもって買うことができるかもしれないというふうにとったわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 あなたの非常に口にされます国際信義の上から、こういうふうな大きな問題を東方貿易行の責任で破棄したというならば、そのいきさつをわれわれはもう少しお聞きしたい。東方貿易行とあなたの研究所の間に取りかわされた文書は保存されてあるはずでございますがございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 あると思います。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 これは一つ資料として御提出を願うように委員長からお計らい願いたいと思います。  最後に二点ほど聞いておきたいのですが、あなたは最後には勝間氏と何か非常におもしろくない感情になって勝間氏を罷免したように聞いております。ここにもはっきり罷免の内容証明の郵便がある。勝間氏と長い間一緒に仕事されたようですが、「貴殿に対し私が昭和三十年四月一日附を以て委任せる左記事項を去る十二月二十日附解除する旨口頭申入れましたが茲に重ねて文書を以て右委任解除を通告致します。」という書類で「昭和三十年三月一日付大蔵省の許可及び同年三月二十三日付通商産業省の承認及び指示の趣旨に従ひ、砂糖無為替輸入に関し、輸入業者その他の業者との交渉及びこれに伴う契約締結等に関する一切の件」ということがございますが、これは何か無為替輸入許可あるいは砂糖の他の業者との間の交渉に解任しなければならない大きな理由があったかどうか、率直にお話を願いたいと思います。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは事実はこうなんです。仲違いというのではないのですが、好意を持っておらないようになったということに対しての説明を申し上げますが、昭和三十年の十月以後十二月末日に至る期間において、たまたまこれとは全然別個な事柄が一つあったのです。何でもない仕事なんです。それはどういう仕事かということを申し上げますと、ちょっとくどいようですけれども、内地における企業の目論見がある名古屋の会社から発案せられた。それをあっせんしたのが勝間であって、それをさらに東京銀行あたりでもあと押ししようという条件でそれを進めていったらしいのです。当時昭和三十年七月から十月末までは私はドイツにおって、帰ってくるまではそれを知らなかった。帰ってきたとたんにその話を持ち込まれて、折衝してあまりおもしろくない話であったから、私が帰ってきてから破棄したわけです。そういう事実から勝間君はその問題で私に対して多少おもしろくない考えを持っておったということは事実です。これはお聞きになってもわかりますが、それがたまたま三十年の末であったから、そういう工合に反映しているのではないかと思います。従ってこの砂糖の事件について仲たがいをしたとか反目をするとかいうような事実は何もなかったのです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 他の事件で解任するならば、その仕事をやめさせればいいのであって、せっかくあなたに対して今まで忠誠を励んできた勝間氏を、この無為替輸入の件まで書いて委任を解除するというのは——この問題についてはちっとも遺憾な点はなかったのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 これは私もそう思いましたし、当時藤岡芳蔵氏が解除をした方が立川研究所としてはいいという忠告もありまして、私は勝間君にそういう名古屋の問題があったけれども、それは解除することは解除しますが、早く解除しておかなければ、この問題は先ほど申したように多少不明朗なことを仄聞したことがありましたので、これを早急に解決したい、こう決意して十二月の二十日に解除をしたわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 多少不明朗というのはどういう点です。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 先ほど申したように私の方から起った輸入砂糖だけれども、すでに期限が切れてあとにきたものの処置はこれはきわめて不明朗なものだと私は考えたのです。たとえばこれを返すわけにいかない、取るわけにはいかない、この砂糖というものを処分すると非常に利益の多いものだ、従ってこれに関与すると非常に疑惑を招くおそれがあるのじゃないかということがあって、財団法人の担当者としてはこれは非常に明朗を欠くものだと考えたわけです。従ってこれに関連するものはすべてこれをきれいにやめなきゃいかぬ、こう考えたわけです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 特許権の譲渡の契約が全然だめになった、これに対するあなたの勝間氏に対する不信任はなかったのですか。あなたは砂糖のことは非常に敏感ですが、この百万ドル相当の特許権の譲渡に対してはまことに冷淡だ、どうも納得できない。少くとも事業家が百万ドルという対価を求める特許権がむざむざ契約破棄になった場合、何とも思わぬということはどうも常識では判断できない。勝間氏に対してもその点は少しも追及しなかったのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 もちろん勝間氏にも追及していました。こういうふうなことでは困るじゃないか、非常な損害だし、われわれが多年努力してきたのに、こういう結果では困るじゃないかということを、勝間氏をして先方にもかけ合わしめた事実はあります。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 そうすると、やはりこの契約破棄に陥らした当面の責任者は、あなたじゃなくて勝間氏なんですね。さっきはあなたは全責任をとるといって、今度はその責任追及を勝間氏にやる、こういうふうに不明朗な契約を結んだあなた自体が責めらるべきじゃないですか。どうもあなたの証言はばらばらです。もしも言い開きができなければそれはいいのですが、私はどうもあなたの証言の中に首尾一貫せざるものを見る、それが最も不明朗です、これはどうなんです。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 どうも私の証言がへたかもしれませんが、先ほど説明したように、繰り返しますが、この契約書の内容を作り上げるまでは勝間をしてやらしめたが、契約の最後の内容に対しては私が点検して私が締結したのだから、私に責任がある、従ってそれを破棄したからというて、その破棄した原因が期限の切れたことから起っているならば、これは勝間を責めるわけにいかぬということで終ったのです。

淡谷悠藏日本社会党

○淡谷委員 もうこれ以上私は質問いたしませんが、あとで速記録を読めばわかる通り、あなたの答弁はまるで支離滅裂なんです。同じ席上で答えておることが、先とあとでは食い違っておる。私はこの問題は非常に困難な問題ですが、もう少し根本に立ち至って追及したい。これはやはり日本の砂糖行政の上からいっても、いわゆる国際的なあなたの信義にまつわる問題としても、もう少し実態の根本を突き詰めて調べる必要があると思います。さっき私が請求しました東方貿易行と立川研究所との間に取りかわされました契約に関する文書は即刻提出されるよう、委員長からお取り計らいを願いたいと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 立川さんにお伺いしますが、ただいまの文書は決算委員会にお貸しいただいてよろしゅうございますか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私どもの方にある材料は全部お貸しいたしましょう。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 小川豊明君。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 同僚の委員によってほとんど聞き尽されましたので、一、二点だけお聞きしておきたいと思います。  この特許の使用権を譲渡するということは当然これは向うに行って設備をやり、技術者も派遣しなければならない、技術輸出が当然伴ってくると思うわけですが、そうするとこれは半年なり一年なり当然時期的にはかかると思う。そうするとあなたの方では砂糖が入りさえすればそれはやってやるのだ、こういうことだと思うのですが、今度一方砂糖を輸出する方からいえば、百万ドルといって、これは三億六千万円くらいではなく、これはあなたの方の特許に対する対価であって、実際価格というのは六億も七億もあるはずです。そういうものをあなたの方に引き渡して、特許の方の実施は一年なり二年、半年か一年かかるかわかりませんが、そういうふうにかかってくると、相手方でもこれは非常に危惧せざるを得ないわけです。あなたの方では自信満々たるものですが、知らない台湾の方からいえば、砂糖は引き渡したけれども、それが果してどうなるものかということは当然出てくると思いますが、契約書で見ると、砂糖を引き渡した後にあなたの方で実行されることになっておるが、それはいいと思いますが、その間の交渉といいますか、そういうことは当然この点は交渉の中に触れてこなければならないはずですが、どういう交渉の経過がありましたか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それはこの契約の面には載っておりませんが、保証ということは、今御質疑の点は一年なり一年半はかかる、なるほどそれくらいはかかりましょう。その間の保証は、いわば立川研究所に対価として渡す百万ドルの金を保証としてそのままにある保管のもとに置いてほしい、そういう口頭の了解はあったわけです。従ってその問題が最初われわれが通産省の承認を受けたときに、通産省の方の側に向って、当時の四つ、五つの砂糖業者が寄って、その保証の問題は、立川研究所と私の方で解決しますからと言うような話合いのもとで、承認許可になったと思っております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 そうするとこれは当然向うでも心配した、従ってその百万ドル相当のものは保証として残しておいてもらいたい、それに対する保証というのは砂糖業者が立ち会ってその責任を負う、こういうことであった、こう解釈していいですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 そう解釈していただいていいと思います。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 それからもう一点。これは外国では今非常に好評であるということですが、これほど外国であなたの方の考案というものがどんどん採用されておるならば、日本の業界でも、紡績業界でも、これはいち早く採用しなければならないじゃないか、こう考えておるが、日本ではこれをまだ実施してないというふうに先般伺ったんですが、これはあなたにお聞きするのは無理かもしれぬが、外国では実施しているにもかかわらず、日本の考案を日本の業者が実施しなかったのはどういうわけですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは私の方から説明するのはおかしな話ですけれども、私からざっくばらんに申し上げたら、私は技術者ですからよくわかりませんが、日本では今、われわれ技術者の通念として、日本でできている発明、特許についてはあまりこまかい関心を持たない、外国で実行せられ成功しているようなものは、いいか悪いかは別として、関心を持っている、そういう通念がわれわれにもあるのです。それが一つと、もう一つは、内地の化繊市場が今まではかなり甘かった。ところが西ヨーロッパ、アメリカの一部なんかでは非常にシヴィアな市場であるという二つから、時期的に早く向うがピック・アップをしたのだと考えております。けれども内地でも、事実そういうことを経過してきた今日では、もうこれが着目せられておるわけでして、現在では東洋紡績その他——東洋紡績はすでに契約が済んだけれども、あとの一、二カ所は目下契約交渉中でありますから、そういうことから、内地でもおくればせながらこれを実施する機運になっております。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 それから、この問題で非常にわれわれに疑惑を持たせる点が出てくるのですが、それは勝間氏といい藤岡さんといい、ことに勝間氏の場合は、非常に重大な問題を折衝させ、契約させているわけなので、あなたの研究所にとってもこれは非常に重大な問題だと思うのです。ところが勝間氏に聞くと、この期間中一銭も給料をもらっていなかったというのですが、どうしてこういう重大な、あなたにかわって折衝させる人に一銭も給与を払わなかったのですか。われわれにはちょっと考えられないことですが、どういうことなんですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 私の研究所は、大体商売の部面はちっともないのでして、全員が研究に没頭している。私自身もそういう状態です。そこで、できた特許は買ってもらわなければならぬ、使ってもらう以上はこれを保証しなければならぬという渉外的な部面が起ったけれども、それに専任の人を置くほどの余裕がないわけです。従って、そういう個々の場合のことが起ったときに、それに適切な人がありましたら、その事件だけを委嘱して、その指示及び結末はもちろんわれわれが責任を持ってやるけれども、その時々の折衝というようなことはそれに委嘱してやる、ということは外国でもあるし日本でもやっておるわけです。これは別に経費を始末したわけじゃないが、事実はそういうところからきているわけです。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 問題はそこだと思うのです。こういう重大な問題に対して、給与も経費も払わずにさしていく。そして顧問とか、あるいは勝間氏が企画部長という名称をつけていることはあなたの方も認めたと思うのです。そういう名称を個々に与えながら、給与等は一銭もやらずに——これは商事会社等なら、あるいは利害関係等からいって、ただ使ったらいいということがあるが、あなたの方は財団法人で、そういう必要はない。これによってあなたの研究所もよくなるのだから、当然これは払わなければならぬ。払うのが当りまえだと私は思っている。そこで、今までお聞きしておると、所長であるあなたの御答弁が非常にあいまいな感じをわれわれに与えるのは、一切は勝間にやらしておったのだ、だから私はそのことについては知らないのだというのが、あなたのこの前からの御答弁だった。ところがきょうになってくると、勝間にこの点だけは委任した、そして勝間から時々その折衝に対する報告は受けておって、私が決裁したのだという。きょうの御答弁はそうなっているのですがね。そうすると何か非常に重大なことをさせながら、あなたは、ある場合には一切勝間にやらして、今度は問い詰められてくると、それは私が時々聞いておって指示し決裁を与えたのだ……。この点の不明朗さというか明確を欠いている点が、この事件に対して勝間とあなたの果した役割に何か割り切れないものを感じさせるのですが、この前の答弁ときょうの御答弁との違いをもう一度明確にしてくれませんか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 御質疑は一応ごもっともなんですけれども、しばしば申したように、私の方ではそういう交渉事務に当る人がおらぬのと、最も不得意な事柄でもあるので、その方をやらしたのであって、その結末、たとえばこの契約をするとか、この条件ならいかぬとかいったようなことは、もちろん委任をしたところで、彼らが独裁でできるものではないから、その点だけをわれわれが決裁し、指示をするということだけであって、他の一切の事務交渉はまかしたという意味でありました。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 もう一点お尋ねしますが、これはあなたが理事長なんですが、理事長がある限りは理事も何人かおられたと思うが、こういう重要な交渉をし取引をなさるときは、当然理事会の議を経なければならないものだと思うのです。そうすると藤岡、勝間氏に対してそういう委任をしたり、解約したり、あるいはあなたが指示を与えるなり、時々刻々の変化というものは理事会等に報告をし、その承認を経られてこれをやられておるのですか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 一々理事会の決議を残している場合もあるし、ない場合もあるが、事実は理事の協議のもとでわれわれがそれを実行しているわけです。私が独断でやっているわけではない。

小川豊明日本社会党

○小川(豊)委員 あなたが独断でやっているということでなく、勝間氏を頼む場合、藤岡氏を頼む場合、そうしてこういう権限を委任する場合、交渉の経過を聞く場合、それに対する指示を与える場合、解約する場合等、これは理事会の決議があっておやりになっておるのかどうか、こういうことをお伺いしておるのです。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 この件に対しては、概括的な理事会の決議はあります。しかし個々の折衝の指示とかあるいは決裁とかいうことは、私と他の一、二の理事がその相談をして一々決定しているわけです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 委員長からちょっとお伺いいたしますが、一九五四年の立川研究所と東方貿易行との契約ですね、これは日にちが入れてないのですが……。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは先ほど申しましたような場合には、年末中に入るだろうということで、特に入れなくて交換したわけです。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 そこでこの契約を締結されるについて、この契約内容を理事会に諮られたかどうか。なおこの契約にあなたが調印しておられますが、調印後理事会にこの契約書を諮られたかどうか、その点を伺いたい。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 これはもちろん理事とよく相談して、理事会を開いて、一々報告をし承認をいただいております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 それはちゃんと記録に残っておりますかどうか。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 その個々の議題については残っておらぬかもしれないが、砂糖その他の輸入に関するということで残っておろうかと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 さらにお聞きしますが、この契約書ですが、一九五四年で月日が入っておりませんが、財団法人立川研究所と東方貿易行の代表者儲祥ですか、この人との契約が成立後、理事会にかけてやられたことが記録か何かに残っておるかどうか。それからその前に、第一条から第七条までの契約内容について理事会の承認を受けたかどうか。これは理事会の記録があるかどうか、この二点をお伺いします。

立川正三財団法人立川研究所理事長

○立川証人 それは理事会の記録はないかもしれませんが、理事会は開いて、その都度理事会として協議をし、決定しております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 立川証人に対する尋問は以上をもって終ります。藤岡、勝間証人を入れて下さい。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 勝間さん、ちょっとあなたにお確かめしておきますが、十月二十三日で期限が失効いたしました後に、通産省その他の役所に対しまして、有効期限延長方を陳情その他要請はいたしましたか。

勝間敏雄

○勝間証人 十月二十三日以前から、切れる可能性がございましたから、絶えずそういう延長の申請に私どもは通っておりました。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それは農林省の協力は求めなかったのですか。

勝間敏雄

○勝間証人 農林省関係は、農水産課が全部やっておられまして、われわれの方は、そういうことをやる必要がなかったわけでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうすると、通商局農水産課で、農林省関係は、何かの形で連絡その他、農林省へ行ったのと同じような効果がある、こういう判断だったのですね。

勝間敏雄

○勝間証人 農林省関係は、最初からこの問題については、私は一度も行ったことはございませんし、またそういう必要は当時はなかったのじゃないかと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 委員長から勝間証人に聞きますが、この財団法人立川研究所と東方貿易行との契約書ですね。この契約の衝は全部あなたが当ったと、立川氏の証言がありましたが、相手方はどういう者とこの契約の交渉はされましたか。

勝間敏雄

○勝間証人 それは、最初から手紙が来たのでありまして、手紙に対してのやりとりになっております。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 そうしますと、この東方貿易行の正式の代理人とか、そういうような者と直接交渉したのでなくして、すべて手紙によるところの書面の交渉でこの契約が成立した、こういうことになるわけですか。

勝間敏雄

○勝間証人 その間に、契約書を締結してからあとだと思いますけれども、徐という人がこちらの方に参りました。この前、証言のときに申し上げた通りであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 その徐という人を立川正三さんに紹介されましたかどうか。

勝間敏雄

○勝間証人 その当時立川さんがこちらにおられましたかどうか知りませんが、おそらく立川さんは全部私にまかしておりましたから、御紹介も申し上げていなかったのではないかと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 以上をもって各証人に対する尋問を終ります。  各証人には長時間御苦労でございました。退席されてけっこうです。  次に吉田委員の発言を許します。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ちょっとこの機会に伺っておきたいのであります。農林省並びに通産省に対して伺います。  まず通産省に伺いますが、無為替輸入を承認いたしました経緯、それから前の通産次官平井氏の御答弁によりますと、代金を払わないで砂糖の入ることが望ましい、こういう角度から、相当好意を持っておられたようであります。さすれば、この砂糖輸入の行政の角度から見ましても、ないしは外貨制度、あるいは輸入調整の角度から見ても、もし砂糖が給付せられ、それから技術輸出が履行せられるのであるならば、さらに第三回の有効期限の延長をしても、かえってこれは通産省の考えられた行政の目的を達するように思うのですが、今証人の述べるところによりますと、関係各省に向って三度も延長方の申請をしたようでありますが、この点はどうして許す——というよりも、再度の許可及び承認をするという手続に出るか、何らかの方法で目的を達するように協力すべきであったのじゃないかと思うのですが、この点はいかがでございますか。

安福数夫通商産業事務官

○安福説明員 そのことにつきましては、これまでもたびたび御答弁申し上げているわけでありますが、無為替輸入の許可それ自体が一つの異例な措置であります。無為替輸入を、有効期間をさらに延長するという事例は、あまりないわけであります。その間にシッパーと申しますか、荷主が二転、三転をしているわけでありまして、その無為替輸入の許可をさらに延長いたしましても、この砂糖の輸入が滞りなくやれるかどうかということにつきまして、通産省といたしまして十分な自信がない。そういった結果、再度の延長は認めなかった、こういうふうにわれわれは了解しているわけであります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 きょうは長官は差しつかえて来ておらぬが、食糧庁第二部長は見えておりますね。あなたの方の所管事項ではないけれども、しかし砂糖は主要食糧として、重要な食糧庁の管理物資であろうと思いますが、このように一たん無為替輸入を、たとい例外であるにしても許したのであれば、今のような条件の場合に、何らかやはり横の連絡を各省間とって、それならいま一度方法はないかというような、協議があってしかるべきだと思うのだが、この点について何もしなかったのはどういう事情によりますか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 無為替輸入が許可になりますまでに、その前だったと記憶しておりますが、通産省の方から協議があったのでございます。それは、もしこの無為替輸入の砂糖が輸入された場合は、台湾糖の割当方式で割り当ててはどうであろうか、そういうような協議があったように聞いております。これに対しましては、農林省としては通常の割当方式に従ってやることについては異議はない、こういう回答を与えていると聞いております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 いずれにいたしましても、失効後の回復は簡単ではないこともわかりますけれども、しかし首尾一貫しないというところに、一応の疑念を私どもははさむのであります。そこで少し伺っておきたいことは、農林省といたしましては、農水産課に農林省から出向といいまするか、そういう方式で農林省の職員が通産省の職員になるという制度になっておるのでありますね。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 通産省の農水産課には、農林省の人が相当出向あるいは向うの身分にかわって出ております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 今のような場合、たとえばドミニカ糖の場合、農林省としましてこの砂糖を管理の対象にするのはどの段階からになるのでございますか

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 通常の場合と比較して申し上げますとおわかりいいかと存じますが、通常の場合でありますと、輸入計画が立ちまして、それに基いて外貨資金の割当を行いますときから、通産省の方から農林省に協議があるわけでございます。ところが無為替輸入の場合でありますと、外貨資金の割当ということがないのでございます。従って外貨資金の割当がないが、この砂糖が入ってきた場合は、どういうふうに国内の関係方面に配分するか、こういう問題が出て参りますので、先ほど申し上げましたような、通常の外貨資金があった場合と同じような台湾糖の割当方式に従って割り当てたいという協議が通産省から参りまして、それに対して異議がないという答えをしておるわけでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ただいまの一万トンのドミニカ糖の場合、農林省が関与するのはどの段階からでありますか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 今の協議からでございます。通産省から協議がありましてから農林省が関与するわけでございますが、この点につきましては、たしか平川元農林次官がそういうように答えておられるかと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 砂糖の行政につきまして、テンサイ糖が相当量買い上げられておるようでありまするが、テンサイ糖の政府に買い上げる予算及び大体の決算の額でいいですが、これは輸入原糖の総量と比較して何パーセントくらいに当っておりますか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 数量の方か申し上げますが、北海道のテンサイ糖を買い上げております数量は、本年におきましては大体八万五、六千トンくらいでございます。輸入される砂糖につきましては、これは年によって若干違っておりますけれども、大体百万トン前後、この数年そういうことになっておりますので、一〇%足らず、そのくらいの割合になっております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 金額は。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 食品課長からお答えいたします。

筒井敬一農林事務官(食糧庁業務第二部食品課長)

○筒井説明員 テンサイ糖の買い入れ、売り渡しは昭和二十八年から実施されております。昭和三十二年の売却でございますが、全部終了いたしておりませんので、ほぼ大体のところを申し上げますと、当初の予算額は六十一億九千万円。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 三十年と三十一年は。

筒井敬一農林事務官(食糧庁業務第二部食品課長)

○筒井説明員 三十年と三十一年を申し上げますと、三十年度の予算額は四十億九千四百六十六万七千円。これは歳入でございますが、三十一年度は四十八億八千四百四十一万七千円、三十二年が今申し上げました六十一億九千八十八万五千円、こういうことになっております。それから歳出でございますが、三十年は四十二億百八十八万一千円、三十一年が四十四億六千九百四十二万九千円、本年度が、つまり三十二年度が五十九億九千八百九十二万四千円。従いましてテンサイ糖の買い入れの当初の予算でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 テンサイ糖の買い入れ価格と輸入総量についての代金の割合はどのくらいになっておりましょうか。この比較をするゆえんのものは、テンサイ糖は、できるだけ外国産砂糖の輸入を防いで国内産で補充したいというのが行政上の目的であろうと思いますので、かく伺ってみたいのですが、大体どうなっておりましょうか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 昨年買い入れましたテンサイ糖の価格は一斤当り四十六円五十銭でございます。これに対して輸入されます砂糖のこれと同じ段階の値段を申し上げますが、これは毎日変動しておるのでございますが、この一、二カ月の動きを申し上げますと、大体平均して四十二円から四十四、五円のところでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 斤が四十四、五円とおっしゃるのですが、これは輸入原糖のことですか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 そうでございます。これは消費税を含んでおりません。テンサイ糖の場合も含んでおりません。これは東京における取引所の価格で申し上げたわけでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 私の伺うのは原糖の輸入価格を聞きたいということであります。輸入関税あるいは積みおろしの諸経費を含まない以前の段階です。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 大体一月に通関して輸入されました輸入原糖の価格は平均百十四ドルでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 昨年及び一昨年の最高最低はどのくらいになっておりますか。

筒井敬一農林事務官(食糧庁業務第二部食品課長)

○筒井説明員 ニューヨークの現物相場で比較さしていただく方が便利だと思いますので申し上げますと、三十二年度におきましては御存じのように三十一年の暮れからスエズの動乱で騰貴いたしましたような関係で、月平均いたしましての最高のときは、ポンド当り六セント十一というのがほぼ最高に近いものではなかったか、かように考えております。それから三十一年におきましては十一月、十二月がかなり高うございまして、十二月が四セント七十六というのが、平均のニューヨークの相場になっておりますので、三十一年の最高は四セントから、五セントくらいのところではなかろうか、三十二年は申し上げましたように六セントをこえておる、こういうときが三十二年度の最も高い水準ではなかったか、さように考えます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 最近は差益は国家へ献上という事実はないのでしょうか。そういうことについてはどういうことになっておりましょうか。政府はどういうふうに考えておるのでしょうか。前年砂糖差益吸い上げ法案が国会に提出されまして、ついにそれが廃案でしたかになったはずでありまするが、その後記憶するところによれば、三十億円を精糖工業会でありましたか、有力なメーカーなどが国へ寄付をした事実があったと承わっておりますが、その後そのような事実があるのかないのか、それについて御所見を聞いておきたい、こういうことであります。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 ただいまお話のございましたように、三十年の国会に、差益徴収法案が提案されたのでございますが、審議未了に終りまして、その後行政措置といたしまして、三十億円に相当する金額を精糖メーカーの方から自発的に寄付していただくという形で出していただいたのであります。しかしながらその後、この措置にかわりまして三十一年の四月一日に関税を上げまして、この供出をやめることにいたしたのであります。同時に——同時と申し上げるのは適当でないかと思いますが、その後輸入量もふえるような措置をとりまして、できるだけ国内において輸入価格との差益を生じないようにする措置をとられておるのでございます。実際には三十二年度におきましては当初は相当な輸入計画を組んだのでありますけれども、下期におきまして国際収支が急速に悪化いたしましたために、必ずしも当初通りの輸入はできなかったのでございますが、できるだけ輸入量は適正な量を確保いたしまして、需要に見合った供給をいたしたい、かように措置いたしておるのでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ところで、輸入砂糖をめぐってとかく汚職があり、あるいは今の立川証人のいわくには輸入砂糖を買い入れることが非常に利益があるので、相当不明朗な事情があったとはっきり申しておりますし、あるいはほかの参考人の意見によりますと、清井長官も、汚職などのあるようなところへなるべく介入せられない方がいいだろうと、人に勧めたとかいうようなことさえここで陳述されておるのでありますから、これはやはり輸入砂糖を扱うことが相当利益があるということになるのではないかというふうに思われのでありまするが、果してそうであるとするならば、一体それは概していえばどういうところに原因があるのでありましようか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 砂糖関係につきましては、いろいろと疑惑を起しておるような実情もございまして、まことに遺憾でございますが、その原因いかんということになりますと、この前ももとの清井長官からお話がございましたが、やはり根本は何と申しましても需要に対して供給がマッチするということが肝要であろうかと存じます。それに対しましては、現在外貨の割当——外貨予算を組みまして、それに基いて外貨割当をやるわけでございますが、この外貨の組み方が十分に完全に需要と供給がマッチするところまでいきますれば、おそらくこういった差益の発生とか、それに伴う不祥な事態、そういうことはなくなって参る、かように存じますけれども、今のところは何と申しましても、外貨も十分でなく、どうしても外貨割当制度を必要とするというような状態でありますので、そこに輸入の時期的なズレとか、あるいは外貨割当と実際の需要の時期とのズレとか、そういうことからどうしても差益を生ずる可能性が出て参るのでございます。そういう点でそこにそのズレとかそういったことからどうしても若干差益を生ずる可能性があるということは、私どももしいて否定するわけには参らぬ、かように存じます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 関連質問……。二部長、今あなたは外貨の割当が少い、その結果そういうふうな国内相場がつり上ったりなんかするという印象をお与えになるようなお答えをされておりますが、スリッページはどうなるのです。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 スリッページは外貨を割り当てましてから、その期間の外貨の割当があった後に、外国において買い付けられましたけれども、まだ到着してないものをスリップと称しておるわけでございますが、これはやはり商社の買付の方法によって、安い時期をねらって買うとか、あるいは外貨の割当の時期的なズレによってそういう結果を生ずる、そういったことからもスリップが生じておりますので、必ずしもスリップ自体が差益の発生の原因になるというようには考えていないのでございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 あなたはそういうことを言って精糖工業会の味方になって御答弁になっておること自体が国民の疑惑を買うわけなんです。同時にまたスリッページはスリッページでほったらかしておいて、そうしてまた入れたやつをさらに売らない、今来ている砂糖は御承知の通り粗糖々々といいますけれども、そのまま売れるような精製糖に近いものが来ているのです。あなたはもう二部長におなりになってから相当日数がおたちになっておるし、食品課長も相当日数たっておるわけですから、知らない、存ぜないんだ、わからないんだ、前任者から引き継がないんだ、今まで在来のことは調べていないんだというような期間はもうお過ぎになったわけです。今いわゆる粗糖々々というのは名前だけは粗糖で、実際においてはそのまま売られているのです。そのまま使えるやつが大半輸入されておるわけなんです。ですから溶糖しないで、つまり精糖工場の生産機構の中へ原糖、粗糖を入れないで、そのまま売れるものが来ているわけです。それを倉へ積み重ねておいて、そうして値段をつり上げるようにスリッページする。自主調整などというのは看板だけで、スリッページをこしらえて外貨を十分に使わないで、また入れられたものはスリッページをこしらえながら、少額に入れられたものが今度はそれを倉の中に積んでおいて売り出さない、工場へ回っていって精製なんて必要のない、そのまま売られるようなものがたくさん入ってきているわけです。そういう結果が国内の相場が上って、世界で一番高い、こういうことはおわかりの通りです。ですから、吉田委員に実態のままに御説明になって——これはあなた方をお責めしようというのでないのであります。あなた方は精糖工業会の番頭さんでもなければ、手代でもないわけなのですから、実態を国民の前に、こうです、こういうことに砂糖行政運営の誤まりがありますから、われわれは第二部長として、食品課長として、全責任を持って国民の要望にこたえるであろうというお答えがどうしてできませんか。もう少し親切に吉田さんにお答えなさい。砂糖のことを知っているやつもいるのですよ。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 先ほど吉田委員から基本的な点をというお話でございましたので、輸入量の問題を申し上げたのでございます。  それからただいまスリップについては私の説明が少し足りなかったと存じますが、私どもが計画策定上スリップあるいはスリッページと称しておりますものは、これは米でも小麦でもすべての輸入にあるのでございます。実際買い付けたものが計画年度内に入らないとき、これはズレとしてスリッページと称しておるのであります。今山本委員から御指摘のありました点は、自主調整の問題であろうと思います。これは私どもといたしましては、三十一年でありますか、食糧庁長官の通達によりまして、糖価の安定をはかる措置といたしまして——関税の引き上げ等もあったのでございますが、措置といたしまして、一定の在庫及びスリッページを保持しつつ計画的に溶糖をやってほしいということを精糖メーカーに対して通達をいたしております。これはやはり糖価の安定ということからそういう措置をとったのであります。それに基いて世上言われておる自主調整というものが行われておると存じますが、行き過ぎがありまして、これが明瞭に糖価のつり上げというような目的で行われておるといたしますならば、これは私どもといたしまして厳重に注意すべきことである、かように考えております。実際に昨年末におきまして急騰した例がございますが、これに対しましては警告を発しまして、その翌日から糖価は下っておるのでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 私は砂糖界の詳しい事情を知りませんので、あるいは肯綮に当らないかもしれませんが、差益が生じ、もしくは国家に無償寄付しなければならぬような業種もあり、またそれを関税で幾らか締めてもなおかつ相当の差益が問題になる、こういうことは、反面からしますると、少くとも差益なるものは、国内の需給調整の上から見れば、国民にできるだけ安く配給するというような終局の目的に向っていろいろと手が打たれねばならぬ、こう思うのであります。その点は国民がよく知らないし、また国民にこたえるような方法が出てこないので、いつまでも不明朗なものが砂糖行政の上にあるのじゃないかということを実は感じておるわけであります。やはり今の数次にわたるドミニカ糖をめぐっての証人とか、参考人とか、政府当局の御説明、答弁等々に徴してみましても、一万トンのドミニカ糖が横浜に仮陸揚げせられたというや、どうも何とはなしにこれに殺到するかのごとき暗い陰が見えるのでありまして、これは相当な利益があるのだろうというふうにわれわれは直感するのであります。そういうようなこともありまするので、ここはやはり何が原因であるか、どうすればよいのかということを明らかにすることは、反面から見たら、国民にできる安い砂糖を、できるだけ公平に分配し得るゆえんであって、それがまた砂糖行政もしくは砂糖管理の目的に沿うのでないか、こういう角度から伺おうとするのであります。  そこで、今ちょっとお触れになっておりましたが、相場安定ということも、価格安定ということも、これはやはり必要なことと思います。おそらくは価格の暴騰などが契約の履行を不可能ならしめたようなことも、この調査の過程におきましてやはり見てきたことであります。また暴騰、暴落によって、もうけたり、ないしはもうけが少くなるということも何かと見てきたことでありまするが、やはりその点につきましては、何らかの対策が砂糖行政の上で講ぜられねばならぬと私は思うのであります。きょうは長官が見えておらぬのが残念でありますけれども、二、三日前、おとといでありましたか、きのうであったか、日経の記事にもやはり砂糖行政全体につきまして相当具体的な記事も出ておりました。これは新聞記事でありまするから、皆さんによってどの程度までこういったことが裏書きされるのかそれはわかりませんけれども、いずれにしても、少くとも方向を示唆し、あるいは問題点が相当国民の前にでてきておりますので、これはやはりあなたの方においても相当具体的な過去の案であろうと、あるいは現在の懸案であろうと、ないしは考え方の方向であろうと、何であろうと、この際少し出して、そうしてわれわれが疑問とする一面を解明するということに協力をしてもらう必要があると私は思うのです。そういうことも含みまして、今の一定量を在庫さすとかその他の手段によりまして、持ち越しの量でありましたか、そういう手で何か輸入調整の措置をとって、価格安定の対策に資したいような手を打とうとされたようでありますが、その辺について少し具体的な食糧庁の考えを述べておいてもらいたい。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 これはただいま吉田先生からもお話がございました通り、私から申し上げるのはちょっと適切でないと存じます。先日新聞に出ました記事につきましては、これはもちろんおそらく新聞記者の人があっちこっちの意見を聞いてまとめたものと存じますが、先般来決算委員会でもいろいろ御指摘があり、問題として提示されました点につきまして、私どもの方で今せっかく検討をいたしております。なおこの委員会でも取り上げられましたが、従来から問題となっております自主調整の問題、あるいは実需者割当等の問題につきましては、いろいろな角度からただいま研究中でございまして、何らかの案を出したいと思い、いろいろ具体的に議論もやっておるのでございますが、まだ一つの構想とまで実はまとめていないのでございます。ここで御披露申し上げるのはまだちょっと早いかと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それならば、たとえばその他の主要食糧におきまして政府は手持ちのものを相当用意して、そうして需給の調整に資するという手もあるようで、これは長年の間の食糧行政上の通常の手段なっておるのでありますが、そういうことも当然この際は考えるべきでないか、こう思うのでありますが、それはいかがでありますか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 今お話のありましたのは、確かに一つの案ではないかと存じます。これは一時政府部内においても案として相当具体的なところまで研究されたこともあります。われわれといたしましても、この案につきましては、今日においてもまだ捨てるべき案ではない、かように考えて検討を加えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 百万トンの輸入があって、どのくらいのものを政府は所持すれば需給調整に資するという数字が出るのでありましょうか。そこらについて、まあきょうはあなたは長官でないのだから、そのつもりで聞いておきますから、そのつもりで何かお考えを述べておいて下さい。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 政府が手持ちしまして、糖価安定の操作をしますとするならば、大体一月分、多くても二月分も手持ちすれば、その目的は一応達せられるのではないか、かように考えております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 かりに十万トン手持ちをするとなると、それは原価はどのくらいの予算を要するのですか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 三、四十億くらいの金が要ると思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは今の食糧管理特別会計によっては、あるいは食糧管理法によっては、政令には砂糖は入っておるように思いますが、あれは立法手続なしにこの場合はできるのではないですか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 食糧管理法の上での主要食糧には入っておりません。テンサイ糖の方はてん菜生産振興臨時措置法によって入っております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 さすれば、やはりその場合は当然相当な立法措置が必要かと存じますが、そういうようなことは米とか麦とかと違った性質のものですから、相当困難な面も伴うかと思いますが、そういう構想はともかく練ったことはあるというのですね。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 お話のありました通り、一応案として研究いたしましたことはございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それからよく問題になる実需者割当、あれが何の基準でできるのかさっぱりわれわれにはわかりませんですが、だいぶお菓子屋さんもあるし、物を作る会社もあるし、パン屋さんもあるし、サイダー、ジュース製造業者もあるしして、いろいろなものが、あの資料によったら出ておるようでありますが、これも新聞を材料にして質問するのはちょっと私も心苦しいのですけれども、実需者割当がかりになくなるとすればどうなるのだろうというふうに考えてみたのですが、どうも聞くところによりますと、いわゆる実需者は年間五、六十万トンか七十万トンぐらいは需要しておるようでありますが、実際の割当量は二、三万トン——二万五千トンですか、百万トンといたしまして、二%差し引いて、残りの八割をメーカーに、残りの二割を商社に、その商社のうちからということになっておる。こういうふうに私は理解しておるのですが、二万トンか三万トンのように思いますが、そういうふうなものであると、これは利弊どういうふうになるのであろうか、かりに七万トンも実需者の消費がある、六十万トン、七十万トン消費があって、二万トンやそこいらしか需要がないというなら、一切廃止してしまって、価格安定をしてそうしてそれらの業者に一つの計画性を持たして、そうして需給調整は政府が乗り出していく、こういうふうになった方が、たとえば中小企業の立場から見ましても、つまり明治、森永のような大きなメーカーにつながっていない中小企業の立場から見ましても、そういうふうにして目的を達し得るのならば、つまり価格安定の目的、あるいは確実に比較的安定した価格で砂糖が入手できるということになるならば、そういうことも確かに案ではないかとも実は考えるのですが、しかし一方から見ると、かりにそれは理屈に流れて、やはり割当配給するという方が実際に実績を確保する上において、日本の社会においては確実性がありまして、つまり激しい競争の中でということになると、価格安定といっても肥料と同じようで、なかなか目的を達しないという面もあるので、このところ私もよく研究もしておらぬので、自信をもってこういう質問もできないのですけれども、何かそこに今のようにふらふらで全く安定しない立場に置かれているよりも、そこに抜本的な対策が考えらるべきではないかというふうにも思うのであります。またもう一つの問題点はどうも先般からいろいろ伺っておりますと、これは行政措置としてやられておる。行所措置としてメーカーに八割、商社に二割、二万トン余りが実需者にというようなことは、これまたいろいろと利害が伴う。圧力のあるところに押えられていく、しょせんは行政の当局の弱い立場がもしこういう圧力を受けることになりますと、よほど利害が伴ってくると思うのであります。最近私どもは法務委員会において、あっせん収賄罪を審議しておるのでありますが、あっせん収賄罪なんか審議しておるときに、いろいろ感ずることは、やはり他の公職があって、その公職の圧力を他の職務の範囲に属する事項に加えて、そうしてなすべきことをなさしめず、なしては悪いことをなさしむるというようなことが今法務省の法律案に出ておりますが、私どもがやはりこういうような法律を作らなければならぬゆえんのものは、客観的に、何かそういうような政治に対する圧力が加わるということもあるのじゃないかと思いますので、こういうようなものを行政措置でやるというところに根本的な欠陥があるのではないだろうか。法律的に何かはっきりとあるものを確保し、保護し、そうして価格の安定もする、そうしてそういう食糧保管政策、行政あるいは需給調整の対策というようなものも、従ってそれから流れ出て行政的にこうしろ、こういうふうにしていかねばならぬものじゃないかというふうに、原則的に大まかな考えを実は持っておるわけなんでありますが、こういう点についても、きょうはあなたの御意見を参考に聞かしておいてもらいたいと思いますが、どういうことでしょうかね。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 僣越でございますが、率直に申し上げます。ただいま数々御指摘になりました点は、確かに私はそういう面があると存じます。やはり根本は糖価の安定をはかる、これは実需者であろうと、消費者であろうと、すべての人に安定した値段で砂糖を供給する態勢を作るというのが根本であることは、私が申し上げるまでもないと存じます。そのためには、ほとんど輸入に依存しておるのでございますから、輸入相場の変動をできるだけ避けるというようなこと、及び外貨の不足からくる、何と申しますか、一種の独占利益のようなものの発生を防止するために、ある程度の政府の管理のような方式がございますならば、その目的は相当程度達し得るのではないかと存ずるのでございます。一方、実需者割当につきましては、できました当初の考え方は参議院の農林委員会等の申し入れもございましたのですが非常に砂糖価格が暴騰いたしまして実需者——菓子業者でありますとか、砂糖を大量に大口に消費します産業の関係の人に対して相当価格を抑制する意味で、一方で精糖業者関係の売手独占ではなくて、買手の方にも選択権を与えるというような意味で、実需者割当というものが考案されたのではないか、かように私理解しておりますが、ただその制度につきましては、今吉田先生が御指摘になりましたように、法律にも基かず、行政措置として、しかも非常に運用のむずかしい制度でございます。なかなか基準が立てがたいというところに、非常に私どもとして運用上苦心を要する点があるのでございます。制度が不完全だから運用はどうでもいいというようなことは全然ございませんから、もちろん最善の努力はいたしておるのでございますけれども、とにかく制度としてもう少しこれに基準を与えていく必要がある。しかし第一段のような砂糖価格の安定措置として、相当なりっぱな制度ができますならば、もう実需者割当制度というようなものはとらなくても、一般消費者も実需者も、同様に安定した価格で取得できるということになるわけでございますから、実需者割当という制度はむしろ次善の策であって、根本はやはりどういうふうに安定をはかるか、制度を作ることは非常に困難なことでございますが、私どもとしては事務的にはそういうようなことを考えておるわけでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 もう一点だけ。国際砂糖協定というものがあるそうでありますが、こういう国際的な協定などは、最近あまり効果がないというのが常識になっておりまするが、しかし今も砂糖の価格をお問いすればニューヨークの相場を御説明になりましたごとくに、やはり国内において決定するのじゃなしに、国際相場が日本の相場を決定する以上は、国際砂糖協定などを積極的に活用するというような方面に一段の努力をすることも、また徒事でないというふうにも私ども考えるのでありますが、この点についてはどういうことでございましょうか。これらはいずれもやはり農林大臣か食糧庁長官に伺わぬと、事務の方に伺うことはちょっと国会としてはどうかと思いますけれども、この機会であるので、ついでに聞いておきたいのですが、そういうようなことも、やはり農林省としては積極的に考えるべきでないかと思うのですが、これはどういうものでしょうか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 国際砂糖協定につきましては、現行の協定は本年一ぱいで失効するのでございますが、来年につきましては目下協議中でございます。ただこれは輸出国、輸入国それぞれ利害が異なっておりまして、これがなかなかうまく調整されないのでございます。現行の協定につきましては、どちらかといえば輸出国側に都合がいいような感じがする協定でございますけれども、とにかく小麦の協定にいたしましても砂糖協定にいたしましても、同じ輸出国の中でも利害がずいぶん違っておりますので、全世界の貿易市場における砂糖の価格の安定をはかるというようなことは、理想論としては望みたいところでございますが、そこまではなかなか参りがたいと私どもは考えております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 通産省関係は特需課長だけですか。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 特需課長に、資料的にちょっと……。大へんお待たせ申しました。特需課長おられますか。あなたにちょっと伺いたいのですが、一つ資料を要求したいのであります。こういう趣旨でありますので、何らか御発言願って資料の御用意を願っておきたいと思うのであります。  砂糖問題を調査して参りますと、どうも一つは外貨の割当にぶつかっていきます。外貨の使用あるいは割当制度、この運用にこんがらがっておりまして、従ってよろしきを得ませなんだら、その結果は国民の被害のみならず政府の行政上の浪費、そういうものも甚大になるというような感じがいたされます。そこであなたの方に伺いたいことは、外人用のホテル用品、これを輸入することを目的にいたしまして一定数の外人が泊るホテルに対して、これは私の方の調べで七十三ホテルとなっております。帝国ホテルその他が年間多いときは二百四、五十万ドル、最近は相当減っておるようでありまするけれども、これがどういうふうな何を目的にしたのであるか、つまりホテルは営業することを目的にしてものを入れるのであるか、あるいはホテルをパイプにして一般の市場に流すのであるか、この辺がどうもはっきりいたしませんので、ただいま申しました外貨の割当につきまして大体のその構造と、そうして外貨予算の金額、おもなホテルとかあるいは品目とか、こういうような最近の趨勢について、一つ詳細に資料を出していただきたい。資料を出していただくために、一応何らか構造などを御説明願っておきたいとこう思うのであります。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 ちょっと関連して資料を……。通産省でも農林省でもいいのですが、砂糖の日本の価格と国際価格、これを一つ傾射線というか線をこう引いて、それをこしらえて当委員会に御提出を願いたい。ニューヨーク相場でもどこでもいいですが、国際標準価格はこういっておる。ところが日本はこういっておる。これを表にして一つ御提出を願いたいと思います。

伊東隆清通商産業事務官(企業局特需課長)

○伊東説明員 さっきの資料の点について吉田先生にお答えいたします。通産省で観光ホテルに対する外貨の割当を、先生のおっしゃるように多いときは二百万もございましたのですが、現在は先生のおっしゃるように七十万から八十万程度に削減されております。この目的は、外客を優遇する、外人が来て日本にドルを落していきますので、しかもその外人は——主として品物は食糧でございますから、食べ物は嗜好性がございまして、日本のものでは口に合わない、そうして食事がまずいと従ってお客さんが少くなる、それでなるべく外国から来るお客さんには愉快な食事をしていただくというような関係上で、その特殊な外人向けの品物、たとえばバターだ、チーズだというようなものをやっておるわけでございます。で、二期に分れますから、半期三十七、八万程度で——三十一万のこともございますが、そういうふうにしてやっております。そのホテルは現在六十六社でございまして、これは国際観光ホテル整備法という法律が運輸省にございますが、この法律に基いて指定されたホテルで、今先生のおっしゃる通り、等々ございます。それで先生のおっしゃるような資料をさっそく作成してお出しいたします。各ホテルごとに幾ら受けたかを出せばよろしいのでございますか。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 三年くらい。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 それでは細田委員からの資料は……。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 ただいまの御要求の資料は、ニューヨークの標準相場と国内の糖価との比較表として作らせていただきます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 まず第一点としてお尋ねしておきます。通産省からだれでもけっこうですが、砂糖の年間輸入に対しまする外貨の割当は、三十二年度ではどれくらい、それから、まだきまりませんでしょうが、三十三年度はどのくらいになっておりますか。

安福数夫通商産業事務官

○安福説明員 三十二年度は九十万トン、三十一年度は百四十万トン、そういう数字になっております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 二部長にお尋ねをいたします。吉田委員は、お砂糖のことにはあまり詳しくないとみずからおっしゃっておられますからやむを得ませんけれども、あなたは二部長として責任ある担当官であり、しかもその責任の中心をなしておいでになる職責でございますことは、私から申し上げるまでもないのであります。さいぜん吉田委員がおっしゃったのは三月二十八日の日本経済新聞に掲げられました、農林省の砂糖行政に関する考え方というのを載せましたものをさしておっしゃっておるものと思います。これはどぎつい言葉を使っては恐縮しごくに存じますが、もしかような案をほんとうにお考えになっているとしたならば、天下を愚弄するもはなはだしきものである、この一語に尽きるのでございます。まさかこういうふまじめな、天下を瞞着し、愚弄するような案は、刷新という看板に隠れたにしても、良心ある日本の役人としてはお考えになるはずがありませんから、私はこういうものは事実無根である、こういうふうに考えますが、もしあるといたしますればとんでもないことであります。これはどこから持ってきて、どこへ何を持っていって、この溶糖設備を持っている中小企業である砂糖を取り扱う工場の安定策も考えるのであるか、どこから数字を持ってくるのであるか、現在実需者割当の数字の中で、からくりをしようとする案以外の何ものでもないとするならば、天下を愚弄するもはなはだしきものであると言わざるを得ない。お書きになりました日本経済新聞の記者が、これをどういうところでお取り扱いになったか、取材はどういうところでなすったかはわかりません。経済新聞としては国民が信頼を置くりっぱな新聞社でありますから、取材なしではお書きになったはずがありません。従ってもしこういうものが、農林省の内部において、食糧庁によって、あるいは食品課の部内によって取材をせられたものであるとすれば、これは日本経済新聞の記者をあやまたせるゆゆしき問題である。従ってこういうばかげたことは架空の事実である。 こういう刷新案は、うそにもせよ、想像にもせよ、夢物語にもせよ、あり得べからざるものであります。  それから実態について申し上げますが、あなた方はたった十六社の精糖工業会、これを保護しようという政策のもとに、二十九年六月をもってする食糧庁長官通達というものをお出しになった。憲法上の疑義のあるようなこういう通達をお出しになっておる。そうしてそれに外貨が偏重しておる。全割当の九割以上が精糖工業会に割り当てられておる。その偏重の結果、日本の全中小企業を苦しめておる。ひいてはまた国民の生活経済に影響を与えておる。一例をもっていたしますならば、現在の精糖工業会に所属の工場で二次製品を作っておる。だからたとえば氷糖工場であるとか、角糖工場であるとか、その他の二次製品の工場をつぶそうといたしますならば、朝飯前のことである。自分のところではもうかってもうかって仕方がない砂糖を製造しておる。でありますから、たとえ糖界の現状などは食品課長はよくおわかりのはずですが、三越その他のデパートで売られておる一ポンドの角砂糖、これはどう考えましても生産原価八十四円はかかるのです。ないしはそれ以上にかかる。それが幾らに売られておると思いますか、二部長も御承知であろうし、食品課長も御承知であろうけれども、これが七十円にしか売れないのです。それはどうしてそういう安値にしか売れないかというと、膨大な設備を持って、五十万の資本が二、三年にして十二、三億の授権資本になっております。膨大な機構、膨大な利益、巨大なマンモス状態の経営、そうしてそれに付随するところのたくさんの付帯した事業、何々商事、何々乳業、二次製品、三次製品、こういう言葉を使わなければならないほど、ことほどさようにマンモス状態にふくれ上っておって、一つの中小企業がその付近にできると、よろしい、あれをつぶしてしまえ、三月でも半年でも一年でもどんどん二次製品の価格を下げていく、こういうようなことが実情でありますことは、あなた方御両人はよく御承知のはずであります。これらに対する陳情が各地の中小メーカーから、あるいは各種の中小企業から、あなた方の手元に毎日参っておるはずであります。こういうような実情であって、砂糖の価格を安定さしたところで、そういうようなことがどうしてあなたお二人の権力をもってしてとめることができますか、これはできないのです。これはあなたをお責めしようとして話しをしておるのではありませんが、もしできるとするならば、その案を伺っておきたい。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 先ほど来吉田先生の御質問に対して申し上げましたのは、もちろん私どもから申し上げる筋合いのことではなくても、むしろ私見にわたるような点まで率直に申し上げたのでございますが、今山本委員からお話の点につきましては、中小メーカーに対しまする措置といたしまして、もちろん三十年以降におきましても、たとえば割当の面において中小メーカーというものが商社側の割当の分を獲得しがたいというような要素を含めて、そのための外貨割当を増加する、あるいは当委員会において問題になりました実需者割当において若干の考慮を加える、そういうような措置をとりつつ、中小メーカーのためにも種々の措置を講じておるのでございます。御指摘ありました点については今後も十分注意いたしまして、遺憾のないようにして参りたいと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 大へん強いようなことを申し上げて、あなた方にはお気の毒でありますけれども、現在のままでは中小企業というものは片っ端からつぶれるのです。それと反対に——今精糖工業会のメンバーは、私の記憶が間違っておりませんければ十六社でございますか、何社でありますか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 十七社でございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 この十七社の一つ一つをあげるということは御迷惑しごくでございますからあげませんけれども、今新聞に書かれている捜査線に乗った面から見ただけでも日新製糖は二億の利益の隠し場に困った。それから二十六日のこれも日本経済新聞にしかもトップ記事としてあげられております東洋精糖の大騒動、この乗っ取り——経営権の移譲とかいうような非常に美化された言葉で二部長がきのうでしたかにお話になったようですが、これは明らかに乗っ取りなんです。乗っ取った中には、横井といいますから、これは名古屋精糖の横井さんでしょう。それから五島慶太といいますからこれは多分人違いでなければ東京急行関係の五島慶太さんでしょう。そういうような、今はふくれ上った——もとは横井さんなんか単なるあめ屋さんだったのでしょうが、五十万から十何億、そして政府出資も十何億と使っているんですから、今は天下の大御所です。そういうような巨大な資本力を持って、この東洋精糖といえば、私の調べが間違っておりませんければ、年間四億くらいもうかっているのです。もうかっているものに、こういう魔の手、魔の手と言ってはしかられるかもわかりませんが、何の手かわからぬが、とにかく手を差し伸ばして、もうかるものは片っ端から巨大な資本力を持っている人たちに吸収されていく。吸収という言葉すら使いたくないほどの見にくいものであると私は思う。乗っ取られていく。そしてだんだんに資本力の巨大なものだけが大きくなっていく。今あなたは十七社とおっしゃったのでありますが、その十七社の工場だけがその食糖庁長官の通達によって保護されていく。そのしわ寄せが中小企業の倒壊、こういうふうになっていくということになったら——何年も何年もあなたの手元へその陳情が各中小企業家から累積されているはずです。それにもかかわらず吉田委員の指摘されましたこの二十八日の日本経済の、農林省、砂糖行政を全面的に刷新という記事なんです。これを拝見いたしますと、あぜんたらざるを得ない。この実需者割当制を廃止して、二万五千トン以外にどこからもっと数字を持っておいでになって、こういう刷新案をお作りになりますか、それを伺っておきたい。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 ただいま御指摘になりました新聞記事は、先ほど申し上げましたように、おそらく新聞の人たちがあちこちの意見や話を聞いて、私どもの方にも決算委員会で問題になりました点などは聞かれたことはありますが、そういうことでまとめられたものであろうと思います。そこにございます、たとえば溶糖指示制などということは、事実はその記事が出るまで私どもいまだかつて考えたことはないのでございます。実需者割当につきましても、その内容を見ますと、確かに決算委員会で御指摘のありました点は上っておりますが、それに対する対策というものは、私ども目下勉強中でございまして、何らの成案を得ていないのでございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 時間もおそくなりましたし、こういうことはあなたをお苦しめするような結果にもなるようでありますから、これ以上のことは申し上げませんけれども、要はまじめに、かほどに決算委員会が歳入歳出の実況に関して、これは非であるということを指摘する結果になって、そこでいろいろ派生的なものがそれにこたえるかのように飛び出して参ったりなどいたしまして、もう決算委員会でこの問題に対して御質問を申し上げ、あなたもそれをお聞きになることはあきあきなすっていられるだろうと思います。事ほどさようにこの問題に関してはお尋ねを申し上げたのでございますが、われわれはあなた方をお責めしようというのが目的ではございません。現行の砂糖行政運営というものは全くだれのためにもならない、たった十七社の精糖工業会所属の工場のためだけにしかならないということが、当委員会の審議の経過によっても明らかになって参った次第でありますから、どうか責任ある第二部長、食品課長——食糧庁長官と言いましたところで、結局精糖の問題は第二部長であり、食品課長等であるのに相違ないはずでありますから、お二人は責任を持って早急に刷新案をお作りになるなり、あるいはその是正をする根拠を築き上げることなどいたしまして、一つ国民の要望にこたえられるように努力されたいのでございます。  何と申しましても、外貨の割当は一方に偏重いたします関係で、せっかくとりますところの百万トン内外の外貨が、この十七社だけに一方づけられている。半分というならまだしも、三分の二ではなく、全く全部といってもいいくらい一方に偏するなどということは考えられない。しかもそれはもうからないということでありますならばともかく、だれが考えたって大へんだと思うはずであります。しばしば例にあげられました個々の工場名等は、しいて私も好んでお出ししているのではありません。けれどもあまりひど過ぎる。それがあくまで国民の経済生活に影響してくる。零細な家庭生活の人にも、あるいはまた国の補助を受けなければ生きていけないような人でも、砂糖というものは口にしなければならない。事ほどさように重要性を持っている食品でありますから、国民ことごとくの生活経済に影響し、そのしわ寄せによって十七社の利益だけが巨大に寄せられていく、こういうようなことはだれが考えても許されないことでございますから、どうかその点に関しまして十分なる御検討をお願いいたしまして、きょうはこれでやめておきます。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十一分散会

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