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28回国会衆議院1958/03/28

決算委員会 第20号

発言数
118
登壇者
9
会派数
2
開催日
1958/03/28

会議録

神近市子日本社会党

○神近委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が所用のため不在でございますので、理事であります私が、指名によりまして委員長の職務を行います。  歳入歳出の実況に関する件につきまして、前会に引き続き調査を進めます。  本日は右件につきましてお手元に配付いたしてあります通り、四名の参考人を予定いたしておりますので、ただいまより参考人各位から事情を聴取することといたします。  参考人各位には御多用中のところを当委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございました。  それではこれから参考人各位に対しまして、質疑応答の形式で実情を聴取することといたします。発言の通告がありますので順次これを許します。なお平田参考人は午後用務があるとのことでありますので、平田参考人に対する御質疑があればなるべく先にお願いいたします。吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 参考人の方々はすでにその職を去っておられますので、あるいはお忘れになっておる事項があるかと思いますけれども、当委員会において今取り上げられております問題は、財団法人立川研究所と台湾の東方貿易行との間で、台湾が、繊維の製造についての特許権譲渡の対価として、百万ドルの代金にかえて砂糖の給付をするという案件をめぐりまして、それから発展してドミニカ糖が日本に入港して参ったという案件になっております。かようなことで、皆さんの当時のお立場がそれぞれの主管長官あるいは次官、局長等々でおられましたので、そういう関係で御関与になった範囲につき数項の点をお伺いする、こういう次第なのであります。  そこで板垣参考人に伺いまするが、あなたは昭和三十年の三月ごろないしは三十一年の年末ごろにかけてのことでありまするが、今申しました売買の件につきまして、台湾から百万ドル相当の砂糖の原糖を日本に輸入することについて、無為替輸入の承認をお与えになっておる事実がございますのですが、これは御承知と思いますが、いかがでありますか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 承知しております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 その概要を御記憶の範囲でお述べ願いたい。どういう趣旨でこの承認をされましたか、それをお答えいただきたい。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 私当時通産省の通商局長に在職しておりまして、はっきりした時日は覚えておりませんが、昭和三十年一月に、この申請書が出ました前後に、最初に立川研究所の所長である立川博士の代理と称されまして藤岡芳蔵氏がおいでになりました。その後一回立川所長と藤岡芳蔵氏もおいでになりまして、ただいまお話のありました件について通産省の許可をしていただきたいという申し出がありました。当時すでに担当の課の方には別の方面から連絡があって検討を進めておったようでありますが、私もすぐ担当の課長等を呼びまして研究を命じました。これにつきましては、通常の無為替輸入と違いましていろいろな問題点がございます。第一には、輸出をいたしまする俗称新虎木綿の技術が果して信用できるものかどうかという点が一つ、それからそれを輸出いたしまする対価として、これが現金でなく物であるという点も非常に問題であります。それからその物が当時非常に問題でありました砂糖であるという点、こういうような点でいろいろ問題がございましたので、これにつきまして慎重に研究を命じたのであります。結局、いろいろ検討しました結果、技術の点につきましては、すでに当委員会でも他の面から御説明があったと思いまするが、すでにベルギーに対価三十万ドルで輸出されておったということもございましたし、それからそれより数年前に、立川研究所から工業化につきまして開銀に融資を申請されました際の、科学技術審議会のりっぱな報告書がございまして、この技術そのものは非常にりっぱなものであるということはわれわれ通産省といたしましても確認をいたした次第でございます。  それから対価である物の点につきましては、無為替輸入になるわけでありますが、どうしてもほかに適当な物資がない、それから現金決済も、台湾側の外貨不足その他の理由によって不可能であるということでありましたので、やはりキューバ糖以外にないだろうそこで通産省といたしましては慎重検討の結果、ともかく技術輸出ができるし、その対価として、現金ではないけれども、キューバ糖が普通の台湾糖より安い値段で入るということで、これは全体の取引の関係からいいまして、国家としても有利ではないかという総合的判断が最後に出ましたので、許可をいたした次第であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 無為林輸入を一般的に許可するには何かの基準があるのですか。その辺の御説明を願いたい。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 一般的に、無為替輸入につきましては、定型的なものにつきましては基準がございまして、局長まで参りませんで課長限りで決済をしております。しかしただいま問題になっておりまするような点につきましては、これは非常に特異なケースでございますので、特に私も課長等に検討を命じ、その総合判断の結果は次官にも報告をいたしまして、決済を得た次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 大体どういう基準で無為替輸入の承認をするのか、それを聞きたいのです。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 私、その詳細につきましては記憶がございませんので、当時の担当官から御説明をさせたいと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ただいまの問題が、特に対価が物、砂糖であるので重視して、課長限りの決済にせず、あなたの方で慎重に検討して次官にも報告した、こういうことになっておる。だから大体どういう基準で無為替輸入というものが許されるのかということは御承知であろうと思う。課長でなくて、あなた当然御承知であろうと思う。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 普通の無為替輸入は、商品見本であるとか、あるいは親戚からの贈与であるとか、商業的目的、慈善等の目的のためにするというような場合は、定型的なものでございますから、一定の基準がございまして、一応審査はいたしますけれども、その形式が整ったものは許可されておるわけであります。しかしながらただいまのように技術を輸出する点、その対価として物を無為替で輸入をするという点は、今までの基準になかったために上層部の方でも取り上げたということになっておる次第であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 技術の輸出を受ける方の台湾の東方貿易行、これは一体どういう商社なのか、何を目的として、どのくらいの資力を持って、この虎木綿をどこでどういうふうに実施しようとしたのですか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 その点も当時一応調査をしたのでございますが、調査の結果によりますと、あまり大きな商社じゃない、資本金なども小さいということは当時わかりました。しかしながら一応通産省の当時の行政のやり方といたしまして、一々相手方の点まで役所が介入して、これは不適当じゃないかということは通常やっておりません。これはやはり当事者が十分調べまして、当事者の責任でやるべきことであります。それから今の資本の小さいという問題につきましては、もちろん資本の大きいりっぱな商社を相手方とすることは望ましいのでありますが、東南アジアにつきましては、御承知の通り台湾あるいは香港も、非常に小さな商社で実は大きな仕事をやっているというような実情でございますので、その点は危険があるといえばあるのでありますけれども、通産省といたしましては、当時ともかく東南アジアと商取引をする場合には、十分相手方の信用を調査してやるべきだと一般的警告は常に発しておりますが、しかし個々のケースについて一々そこまで調査いたしまして、行政官庁が介入いたしますことは、非常に煩雑でもありまするし、実際上不可能であるという点で、本件につきましても当事者である立川研究所が信頼をして責任を持ってやるという以上は、それ以上役所としましては干渉しない態度をとった次第であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 立川研究所の責任者の御説明によると、台湾に実際に行ったこともない、単に郵便で照会があって、そこで契約をするということになったらしいのです。そうしますと、台湾におきまして東方貿易行がどの程度の実力を持って受け入れるのか、また砂糖の手当を確実にするのかどうかについても、どうも私どもははっきりしないのであります。やはりそこはこういう重要な技術の輸出でもあるし、あるいは重要な物資の輸入でもあるし、そういう当事者でもありまするから、ある程度は政府においても相当自信を持って相手方を確認するというふうにしないと、後日クレームが起ったり、こういういろいろな問題が起る原因が生ずるのでないかと思うのであります。相手かまわずということになれば、インドネシアのいろいろな問題が起ってみたり——インドネシアの問題を引き合いに出すのは適当でないと思いますけれども、いずれにしましても東南アジア地域における貿易の対象としましては、特にこの場合は一般のケースと違いますから、あなたの方が厳重にというか慎重に検討なさる対象になるべき点だろう、こう思うのですがどうでざいますか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 その点は実は結果から見ますると、確かに御指摘の点があったのでございまするが、当初におきましては、先ほど申しました立場で処理した次第でございます。しかしながらあとになりまして、やはり台湾東方貿易行が持っておる、あるいは獲得しようとした砂糖の行方につきまして、はっきりしない状態がだいぶ政府の方でわかりました。それが再延長を許さなかった原因にも実はなったのであります。しかしながらさらにその点を離れて考えてみますと、ともかくこちらは受け取る側にありますので、かりに信用度が少し薄いとしましても、現物の砂糖を受け取るのでありますから、来なければ成立しないわけでありますから、その点についてはこちらとしては、何といいますかある意味においては安全性があったというふうに考えている次第であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それは少し筋が通らぬ御議論ですよ。物を受け取るならば、受け取ることの確実性がなければなるまいと思います。それからまた輸出するものは、向うから見れば対価ですから、それの確実性がなければならぬと思う。お互いの確実性がなければ、ただ砂糖が入ってくるんだから入ってくれば別に損にならぬ、だから代金を払わなくてもいい、外貨を使わなくてもいいんだからというような考えで、一体こういう重要な無為替輸入の許可をするんですか。それが一体通産省の当時の方針だったんですか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 今最後の点はただいまつけたりで申し上げたので、何でもかんでも無責任でやったわけではありません。当時といたしましては、さっきも申しましたように、少くとも通商局では数カ月を費しまして慎重検討いたしました。ただ役所といたしまして、先ほど申しました相手方の信用状態、そこまで十分調査をするということは、ほんとうはやるべきだと思いますが、しかし無為替輸入だけでも毎年数千件、輸出その他を合せますと何万件という件数を処理しておりますので、これは言いわけのつもりではありませんが、そこまで行政官庁ではやれないという実情にあるわけです。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたはこの問題に対しまして誠意が十分ではないと思います。無為替輸入の件数が何万か知りませんけれども、このぐらい大量な砂糖を輸入する無為替輸入の前例はあるのですか。それはどうですか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 こういう類似のケースは今までなかったのでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そんならば、これは最初のことでございます。従って数千件であろうと、数万件であろうと、無為替輸入のケースには関係なく、これは独立して慎重に御検討になってしかるべきだと思う。ずいぶんと扱っているからということは何の説明の根拠にもならぬ。この場合は私はそう思う。一体東方貿易行というのは最終に至るまで契約の相手方であったのですか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 最終まで東方貿易行が契約の相手と私は承知しております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 無為替輸入その他について、物がたくさんに入ってくるのだから損がないじゃないかということで、簡単と言っては語弊がありますけれども、相手もよく調べずにあなたの方は許しておられる、結局は無為替輸入にならなかった、こういうことになるのですね。だからそれぞれの普通一般の外貨による支払いをしなければならないことに立ち至っているのであります。  そこで何ですか、台湾糖を当時入れるということではなかったのですか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 この問題は、私当時は知らなかったのでありますが、あとで承知したことによりますと、すでに昭和二十九年の秋ごろから話があったわけです。そのころ通商局の事務当局といたしましても、まず現金決済ができるかどうか、物についても台湾産物資の物がないかどうかということで、いろいろな物資を検討したわけであります。そのとき台湾糖の話も出たと思いますが、結局その物資が不適当あるいは不可能ということでありまして、申請が出たときにはすでにキューバ糖を無為替輸入するということになって申請が出ております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そうしますと、これは何ですか。キューバ糖を台湾で割安で手に入れることができるという場合、やはりキューバ糖は台湾としましては代金を支払って入れなければならぬのでございますね。台湾の買い手の東方貿易行はそうでございますね。そういたしますと、東方貿易行は日本の、おっしゃる新虎木綿の特許を受ける権利を取得して、そうして代金を支払ってキューバ糖を入れて、それを日本の立川に給付する、こういうことになるのですか。そうしますと、これは理屈の推定でありますけれども、東方貿易行というのは、やはり外国から砂糖を買い入れて日本の立川へ渡す、こういうことになるわけですか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 その点につきましては、私は詳細に記憶しておりませんが、おそらくすぐその場で金を払うということではなくて、すでに東方貿易行が関係しておった商社が、もうすでに手持ちのキューバ糖を東南アジアのどこかで——私は当時はシーガポールにあると聞いておりましたが、そういう砂糖はすでに手当済みのものであると了承しておりました。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 最後まで何ですね、東方貿易行が契約の相手方である、そういたしますると、この点はあなたに伺ってもわからぬと思うのですが、立川と東方貿易行との間には当初契約ができておりまして、それからさらに、やはり中国人でありまするが、シュウカシンという人と立川との間に再び同じといいまするか、砂糖を買うという点においては同じでありまするが、そういう契約ができておるということは、この委員会で証言する人が二、三あるのであります。また勝間という立川の代表者として活躍した人も明らかにそれを認めておるのであります。あるいは綱島代議士もその点を証言しております。そういたしますると、それは真実であろうと思うのだが、さすれば東方貿易行と立川との間の当初の契約がある、それから周と立川との間にはさらに契約ができておる、こういうふうにも受け取られるのです。あなたの今のお説によりますと、最後まで東方貿易行が契約の相手方だったというのですが、その点はどういうことになります。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 私が最後まで契約の相手方と信じておりますと申しますのは、その後御承知のように延長の申請がありまして、再延長の許可を通産省としては認めませんでした。その前後に立川研究所から通産省に対しまして、本件についてはもう断念をしたということを申してきました。そこまでを最後的にと言うのでございまして、それ以後のことにつきましては私自身も全然存じません。ことに周という名前は今度の新聞に出まして初めて知ったことであって、会ったこともないし全然名前も存じておりません。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなたの御説明によりますると、当初東方貿易行と立川との間には売買の契約ができて、無為替輸入の有効期限が切れて、失効の暁には東方貿易行はもう当事者ではなくなっている、その意味において最後までというようにあなたの方では理解しておった、こういうことになるわけですね。それならば新虎木綿の技術を輸出するということは、無為替輸入失効後はそれはなくなって、そして新たに独立して砂糖だけを輸入する目的の契約が別途進行していた、こういうことになるのじゃないでしょうか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 私が先ほど申し上げましたように、立川研究所から、断念して契約はもうやめたということを申してきたときに、すべて問題は終ったと私は理解しております。それで技術輸出の点は残念ながらだめになったと了解しております。その後のことにつきましては、実は通産省の知らぬことでございまするが、御指摘の通りと思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 通産省におきましてはやはり砂糖の輸入計画で、当初台湾から入ってくるべき砂糖の十七万トンについて、これの引き当てに一万トンが保留されておるような御説明が、当時の農水産課長からあったのです。今のお説によれば、無為替輸入期限失効後は関知しないということになるようですが、この点私自身もしろうとなんですが、一体立川研究所というものが技術を輸出するということ、これはわかります。その代価を金でなくて物で受け取るという話、これもわかりますが、立川研究所はこういう技術の研究をすることがその目的である財団法人で、砂糖の商社でもなければ、また実需者でもなく、何でもない。関係がないものであります。ところがそれが外国人、ことにまた周という人をあなたも知らなかった、この人が登場してきてそれが売買の当事者になって、それで輸入するということが平気で行われる、そういうことは実際上非常に理解のしにくい点であります。それはうしろに商社がおって、そしてそれぞれ引き受けるということになるのかもしれませんけれども、現実の問題としましては、三菱商事その他四社が保証金を出してくれることを拒んだというような結果、立川は契約を履行することもできなかったようなこともここには現われてきたのであります。そういうふうに、常識から考えても当然と思われるほどに砂糖には縁もゆかりもないような一財団法人の研究所なるものが、莫大なこういう砂糖の輸入の買付の契約をするということが実際あったのです。あり得るかという問いは当らぬと思うのですが、あったのであります。こういったところから貿易秩序のはなはだしき混乱に陥るおそれもあると思うのですが、こういうことはあり得ることなんでしょうか、それは一体どういうふうにお考えになりましょうか、この点を一つ伺っておきたい。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 そういうことは今まであまりありませんし、できるだけ通産省としてはそういう例は避けたいわけであります。しかし先ほど申しましたように、これは異例のケースということにいたしまして、日本の技術輸出の対価として砂糖を受け取る手段として、特例としてこの立川研究所に貨物で代金を受け取るということを許可した次第でございます。お話しのように立川研究所は砂糖を研究することも研究所自体輸入することもできませんから、輸入の代行商社を通産省の指示によってきめまして、それが輸入できた場合には立川研究所の技術の輸出の代価である三億六千万円だけ受け取らす、こういう措置をとった次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それは話が前後しておりまして、そういう措置をとられたのは前の段階のことで、東方貿易行との間にできた契約について通産省のとらんとした態度であって、私の言うのは、失効した後は立川と東方貿易行との関係は断ち切られてしまった、第三者のあたの方で名前も知らないような中国人が現われて、しかもそれはれっきとした立川との間に砂糖に関する売買契約ができておるのであります。もし技術輸出の点も同種内容の一つの契約であるとするならば、やはりこれはあなたの方の無為替輸入の対象になるべきものであったかもしれない。しかしそういうことはもう通り越してしまって、ともかくいろいろな人が暗躍しましてここに契約ができたということは、どうも明らからしいのです。そんならば書類をお出しなさいと言ったところが、何か検察庁に引き上げられたとか言って、勝間という人は出さぬのです。しかしそういう契約書ができたこと、調印したことには間違いないということは、前段私が申しましたように相当明らかで信憑性があるわけであります。今あなたの方が三億六千万円を立川に与えて、それ以外は通産省で指示するということは、これは前の段階の話で、今私があとで指摘しましたこととは関係ないのであります。ですからあとで指摘した点については、はなはだしく一種の混乱状態に陥って、相当普通の軌道でない方面へ発展したように思われるのであります。むしろこの点は、反面からは当時の清井食糧庁長官も相当詳しく御承知だったらしいことが、稻富君の問題その他から推してわかるのでありますが、食糧庁といたしましてはその問題はどういうふうにごらんになっておりましたでしょうね。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 ただいまの御質問の点でございますが、私食糧庁の長官在任当時のことでございますが、いつであったかはっきり記憶はいたしませんが、三十一年の初めでございましたでしょうか、私の方の食糧庁の内部の係がどこかから聞いたんじゃないかと記憶しておりますけれども、要するに役所関係、通産省、農林省も全然知らない砂糖が一万トンばかり日本へ着いておる、横浜の保税の上屋に上ってきて、それを特別に政府が外貨を割当して入れてくれ、こういう関係者の陳情があるという話を聞いたことがあります。この問題につきましては、後ほど御質問があるかもしれませんけれども、当時も正式に砂糖の輸入計画がきまっておりまして、正式のルートを通じて輸入がされておるのであります。そのほかに、全然役人が知らない砂糖が一万トンも横浜に着いていること自体が事務的にも納得できない点でもあった。そこでそういうものをついて、役所が特別に外貨を割当して通常のルートにして入れることはいけないという判断を私はしたのであります。従ってその後陳情の方に対しましても終始同様な態度で私はやって参った、こういうような事情である次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これは大蔵省が技術輸出の契約について許可を与えておられるので、平田さんに伺ってみますが、あなた方きょうの参考人は、みな共通してこの種の問題に精通しておられる方のみでありますけれども、あなたのお立場から一つ当時の御判断等を聞いてみたいと思うのです。  この一万トンの砂糖を日本に輸入する、これは政府の計画等にも沿っておらぬものであって、陳情者が殺到してきて、これを目がけて暗躍する。これは国際相場の上下によって違ってくるのですが、砂糖は甘い、ずいぶんもうけがあるというので、特にこれが問題になったものでありましょうが、その後通産省は全然関知しておられないのであります。もうけがあるといっても、これは三十一年になってきますので、その当時の国際相場から見てどのくらいのもうけになるか、私はしろうとのことでよくわかりませんが、ともかく実績を得るということ以外に、これを獲得するべく、中小メーカーその他の商社がずいぶんとこれを目がけて暗躍したということは想像にかたくないのでありますが、要するに常識的にはずいぶんもうかるものであるので、このようにアリがたかるようになるというのが、当時の砂糖をめぐる経済の実情であったのでありましょうか、その点はどうなんでしょうかね。抽象的御質問で恐縮ですが……。

平田敬一郎元大蔵事務次官

○平田参考人 最初に私申し上げますが、私は昭和三十年の七月の十九日か二十日だったと思います。その当時大蔵事務次官に就任を命じられまして、それから退任しましたのが昨年の五月一ぱいでございまして、実は本件でお呼び出しがございましたので、どういう関係があるかということは調べてきたのでございますが、最初の許可の際は私、次官でございませんでした。それから一度目の延長のときも次官でございませんでした。三度目の延長のときは、たしか私次官になりましてから十日目くらいになっていたかと思います。その上に、実は先般もあるいは河野元次官が御説明申し上げたかと思いますが、本件のようなケースは、大蔵省省議で事前に決定をいたしまして、個々の行政ケースにつきましては局長限りの許可に委任する、こういう決定をとりまして委任しております。これは為替局ができました直後にやっておるようでありまして、従いまして私次官の在職中に本問題については実は一つも認識がございません。全然知識がございません。そのことは最初に申し上げておきたいと存じます。従いまして、本件に関しまして私お呼び出しを受けまして、何か参考になることがあるだろうかということを考えてみたのでございますが、どうもはなはだ遺憾ながらあまりございません。今の問題につきましても、これは主として砂糖行政の問題でございまして、ちょっと私から答えますのは少しいかがであろうか、こう存ずる次第でございますが、御了承願います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 学者の参考意見を聞くのとは違って、職務に当っておられた方について伺うというような趣旨でありますから、そういうことであれば、なおほかの方から伺うことにいたします。  そこで板垣さんに聞きたいのですが、最初の無為替輸入の許可というものが、相手も確かめず、砂糖が入るかどうかの十分な見きわめもしないで、ただ、入ってくれば損にならぬ、代金も払わずに一万トンの砂糖が入れば、日本の経済から見ても損にはならぬ、こういうような非常に安易な考え方が支配をして、無為替輸入の承認をされたというところに、そもそも問題の起る原因があったんじゃないだろうか、どうもそういう気が、なお私は去らぬのであります。それで、わけもわからぬ、無国籍と一般に称しておったその無国籍の砂糖が一万トン横浜に上っておるというので、アリのように業者が殺到していったらしいのですね。無国籍のものが一万トン横浜の上屋にあるという、こういう事態になって、そうしてきょうの段階ではまだ十分に明らかになっておりません、なっておりませんけれども、ともかく不明朗な事実が相当あったことは、これはもう間違いないのであります。あなたの方で、当初に無為替輸入の承認は、過去の事例に徴してまれなケースであるから、相手方においても、もしくはあなたの方の手が届いても届かないでも、あらゆる角度から東方貿易行の信用、あるいはほんとうに買うのかどうか、砂糖の手配ができるのかどうか、こういうことをほんとうにやはり十分責任を持って検討しておかなければいかぬと私は思うのです。なるほどそれは入らなんだんだから仕方がないじゃないかといえばそれまでですけれども、私に言わせれば、少くとも一万トンの輸入は、これは計画にそごを来たしたのではないかとさえ考えるのです。そう言えると思うのです。なぜなら台湾から一万トン入ってくるものを、これが入ってくるというので保留していたというのですから。ところが入ってこないのです。入ってこなくて遠く中米のドミニカから入ってくるということになりましたから、政府の行政事務の、少くとも計画実現についての確実にして正確に実現する観点から、一つのそごを来たしたことは間違いないと思います。その原因は何かというと、相手も調べずに、立川の立場についても十分に検討せずに、ただ少し極論するならば、技術輸出を漫然と認めて、そしてベルギーに三十万ドルですか、二十万ドルと私は聞いておったのですが、二、三十万ドルの先契約があったということによって、技術輸出の契約を大蔵省は許可をして、それに乗ってあなたの方はまた輸入を承認しておる。しかし私は数回繰り返しておったのです。いかにもこれは見れば不確実な要素の多過ぎる契約でありましたというのです。その不確実な要素をあなたの方でつかむことなしに、これを許されたことにもとの原因があったと私は思うのです。こんな調子で、もし一万トンの砂糖よろしい、五万トンの砂糖よろしい、十万トンの砂糖よろしい、そんなことで、代金を払わなくてもいいのですからというようなことで、国際的に暗躍するブローカーが走り歩いて、そして契約する。ただ入ってくるのならけっこうじゃないか。どこどこにある権利、技術を輸出する。それで砂糖が十万トンも入ってくれば、こんなに外貨が不足するときにけっこうじゃないか。そんな調子でやられてはたまりません。国の貿易政策ないしは砂糖輸入の計画、こういうものはすぐれてしまうと思う。一体そんなずさんなことでいいのだろうかというところに私は疑念を持っておる。やはりこの無為替輸入の承認は慎重を欠いておったということはどうもいなみがたい、私はこう思うのであります。あなたのお説を聞いても、前の次官の御説明を開きましても、どうも納得できない。大蔵省の御説明を聞きましてもはっきりしない。結局この無為替輸入というものがまれな例で、まれな例であるなら、もっと慎重にやるべきであったにかかわらず、手が届かないから、いや東南アジアの貿易であるから、もっと入ってくるならどんどん入れてというような調子になったら、いろいろなクレームが結局国損になりますよ。私はそういうことにならざるを得ないと思うのです。これは一つの例でありますよ。ですから、その点はあなたの方で慎重を欠いておったということは、今日は言わざるを得ないと思う。あなたは今その地位を去られておりますから、これは今後のためにも、ここを明らかにしておいてもらいたいと思う。それともあなたの方は何の非難されるべき理由はないと、こういうことにやっぱり言い切りなさるのだろうか、どうだろうか。私はやはりこういうような問題が起りましたときには、よって来たる原因を十分に究明するということが官庁の職務の当然のあり方だと思うのです。あなたの方はどうなったかわけがわからぬというようなことで、わけがわからぬためにいろいろないざこざが国内でできておるのです。できておりますことは私どもはある程度までわかってきております。ここはそれを一切をぶちまけて調べる時間も方法もありませんので、見のがしておりますけれども、そういう推定をしておるのであります。あなたの過去になさった無為替輸入につきまして、今日はどういうふうにお考えになっておりますか。一つこれは率直に述べておいてもらいたい。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 私ども当初許可をいたします際には、先ほど申しましたように、通産局の行政能力の許す範囲内において最善の慎重な検討をいたした次第でございますが、御指摘のように、技術輸出が出ればいい、それから見返りの砂糖が入っても入らなくても国のために大して損にはならぬというような非常に安易な気持でやったわけではございません。当時としましては、慎重な検討を経て許可をいたした次第でございますが、結果から見ますと、ごたごたな状態が出たことにつきましては、私当時を顧みまして、確かに本件無為替許可に当りまして、もう少し慎重にやるべきであったと考えて責任を感じておりますし、今後の通産行政のあり方につきまして、やはり深い反省を加える必要があろうというふうに、ただいま感じております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これはやはり大臣の御説明がなければいかぬ点でありますが、一体無為替輸入というものにつきまして、もっと国民が納得し、またこういう重大な無為替輸入が許されるというときには、それ相当今後においても許すとか、あるいは今後においてもひとり糖砂のみならんやで、あらゆるものに許すべきものであるとかなんとか、国民の前に、もっと率直に納得できるような、そういう基準を私は明確にしておかなければならぬものと考えるのであります。あなたは定型的なものの数個の例をお上げになりました。やはりこの御説明を聞いても、ほかの方もそういうふうにお言いになる。そうしますと、ここは無為替輸入につきましては経済的な利益があるというような考え方以外に、やはり貿易の損益、貿易の政策、秩序、そういう面から見まして、何か相当高い視野からする基準が必要であると私も考えるのですが、そういう基準はその後できたのでありましょうか。それとも、やはりあなたの今おっしゃるような、出たとこ勝負で、慎重にするというようなことになるのだろうか、その点はどういうことになっておりましょうか。きょうはその地位を去っておられるから、ちょっと適当でないかもしれませんが、もしあなたが御答弁願えれば一つしてもらいたい。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 いわゆる無為替輸入につきましての基準というべきものは、先ほど申しましたように定型的なものに限るべきであり、現在におきましてもその方針で通産行政が行われておると思います。従ってその他のものにつきましては全然認めないというのが基準だろうと思います。しかしながら絶対にそれ以外の例は認めないということで、果していけるか、非常に特殊な事例も出るのじゃないか。この技術輸出の点なども一つの例と思いますが、その場合に、初めから全然これを認めないという方針でいくか、あるいはほんとうにそういう特殊なものが出た場合には、それにつきまして一応検討をするということはあり得るのではないかというふうに考えます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 私これをお伺いするゆえんは、かりに立川の新虎木綿の特許の権利がどのくらいの経済的価値、客観的価値があるのか知りません。しかし、もしここにある非常に不道徳な人があるといたしまして、そうしてみずから特殊な、外国では安く買えるが、日本では高く売れるというような、ある物資の無為替輸入を計画して、そうして架空といったら、これも語弊がありますけれども、何らかの技術とか権利を、かりに一万円のものを一億ドルといって吹いても、相手は計画に乗って、ともに共謀して入れるなら、これはちっとも外へはわかりせんですね。別にこれが公定価格があるわけでもない場合は、もしそういうようなことが行われましたら、かりに私なら私が悪意をもって一万円の価値のないものを一億ドルに売るという契約をして、そうして相手と相談をして内地に持ってくれば、うんともうかるというような物を持ち込んでくるというようなことが、もしできるならば、これは私は大へんだろうと思うのです。これについて思い出すことは、ノリがあります。あなたの方も去年か一昨年の商工委員会でも問題になったはずであります。何でも朝鮮から入るのは一枚一円とか、われわれ銀座に行って買えば一枚十円します。高いのは十六円します。一体だれがその利益をとったのかと考えてみると、何でもやはり陸揚げして上屋に積んでおって、それで処分せられて、処分せられたやつがいつの間にやら流れてくる、いつもそういう入関手続しないノリがたくさん倉庫にあるということを私はある業者から聞いたのであります。そういうことも確かめてみたのであります。どうもそうらしい。こういうことが、どういう動機から行われるかわかりませんけれども、為替管理法並びに輸入についてのあらゆる法律政令をくぐって、脱法的にこういうようなことが行われるならば、正規の貿易を誠実にやるということは、ばかの骨頂であります。そんなことをいたしまして、一体日本の貿易立国ができますか、こういうような結論さえ、私はこういうところから考えられてくるのであります。今あなたがおっしゃるように、原則として認めない、それはもっともであります。それならば、原則的に認めないものを例外的に認めるというときには、相当厳重な検討の上で万遺憾なきを期して、相互履行もでき、日本に国損もない——あなたの方は何の損もないとおっしゃるかもしれませんが、少くとも貿易官庁だけではないでしょう、大蔵省にしてもこれによって要らぬ手続をしていますよ。あげくの果ては通常の為替輸入で入ってきたのですから、何のことはない、政府の行政事務もそれだけ浪費しておりますよ。そんなことを考えましたならば、やはり無為替輸入というものについて、もっと慎重な態度をもって、相当な基準で検討していくことが当然されなければならぬ。しかるに今なお従来と同じことだというのでは、ちょっと私はいかがかと思うのです。それならば、三十年から今日にかけて継続三年になっておりまするが、無為替輸入の問題について、政府がもっと何らか大きな角度から、行政的に反省をしてみなければならぬ、検討してみなければならぬ問題があるのではないかということを、どうも私どもは感じるのであります。この案件を通じてそういう示唆を受けるのであります。どうもあなたのお説を聞きましても、やはり原則として認めないということやら、従前の方式を踏襲しているということやら、何かここに一つの盲点がある。無為替輸入という制度を通じまして、一つの盲点がいまだに解決せられないままにある。これは私は大へんなことだと思うのです。去年ここで全購連事件を扱いました。全購連の積み上げている裏金というものは、これまた砂糖の差益を不当にふところに入れて、嫁の名前で銀行に預金して、その金をばらまいておったということがここで暴露されておるのであります。そんなこともあるのであります。だからだんだん広がっていくと、大きな社会問題をかもし出してくるのであります。そういうことになりますならば、無為替輸入の制度というものは、相当検討してしかるべきだと思う。あなたの答弁におきまして、これはいささか慎重性を欠いておったということを、私は率直に言ってはばからないのであります。若干議論にわたって恐縮しますけれども、今あなたの御説によりましても、どうも私はこれをくつがえすに足らない、こう思うのであります。これは意見にわたりましたけれども、やはりこの無為替輸入の制度につきましては、何らかの措置を新たに考えていくべきでないか、こう思うのですが、きょうは現職であられない方ばかりだから、その方にそんな話をしてもちょっとやむを得ないと思いまするが、きょうは通産省の方が見えているようですから、それでは参事官に、これは省へお帰りになったら、こういう意見も出ているということを、一つ十分御参考になさって、省議にもかけるというふうにでもなさってはどうか。少くともこの問題はもう一度検討してみるということが必要でないかと、私は考えるのであります。あなたの所見を率直にこの際聞いておきましょう。

長橋尚通商産業事務官(通商局通商参事官)

○長橋説明員 お答え申し上げます。無為替輸入の許可基準につきましては、立川研究所問題が起りました当時におきましても、基準はあったわけでありますが、ただそれは商品見本とか、あるいは修繕のための部品の輸入とか、あるいは個人用品の無為替輸入、あるいは贈与に基く無為替輸入、あるいは慈善目的のために、教会その他に海外の教会から贈与されるというような無為替輸入というふうなものと考えられます。ケースをあげまして基準が設けられておりまして、その後そのつどできるだけ基準を精確なものにしていくという努力は続けて参っております。ただ基準といたしましては、その性質上どうしても抽象的になるので、できるだけそれを具体的なものに、前例が積み重なるに従いまして直す努力をいたしておりますが、なお抽象的なものにとどまらざるを得ないというところに、この問題のむずかしさを自覚しておるわけでございます。なお今後ともこの問題につきましては、省内におきましてこの機会にさらに慎重な研究を加えたいと存じております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 やはり官庁行政は、あるケースによって何か教えられるところがあれば、あくる日直ちにどう改善するかという努力をしなければ——ここでやっていることは、皆さんは答弁しておしまいということではなしに、ぜひしてもらいたいと思うのであります。皆相当忙しい中を、何回か時間を繰り合わして、質疑しまた答弁もしていただいておりまするゆえんのものは、やはり議員が相当無為替輸入というものに、何かしらぬけれども、一つの盲点を感知しておりまするので、さて具体的にそれならどうあるべきか、どうすることが国家のためになるかということは、今後の課題でありますけれども、少くともこの重大な案件も、これによって示唆を受けて、いろいろと御検討になることは、私は当然だろうと思うのです。これはやはり通産省にでもはっきりした御所見を伺わなければならぬ次第でありますけれども、きょうはそうでないから、その点はとどめておきます。とどめておきますけれども、参事官が幸いにそういうお説でありましたならば、一つ具体的に無為替輸入制度の改革の方向、改革の内容、そういうものを十分に御検討になってしかるべきで、もし一万トンであろうと五万トンであろうと、無為替輸入を許すということが、それがあるときには必要であるということならば、それはそれなりに一つの制度として確立してもらって、そうして一つの貿易の方式のあり方としまして、行政上そごのないようにしてもらいたい、私どもはこう思うのであります。  そこで清井さんに伺いますが、あなたの方は食糧庁として、これを管理なさる重要な立場である、また輸入自体につきましてもあなたの方の責任である、このように私は推定をしておるのでありますが、とかくどうも砂糖問題は、何かしらぬけれども、汚職的なものがよく続出するのでありますが、これは一体どういうわけでありましょう。こう抽象的な質問ではお答えにお困りになるかもしれませんけれども、米よりもどうも砂糖の方が多いような気がするのであります。今統計を持っておりませんけれども、どうも砂糖というものには汚職的なものがつきまといやすいように思うのですが、これらの点につきまして、あなたはたまたま長らく食糧庁におられました最高の責任者でおありになったのだから、この点についてはどういうふうな御感想を持っておられましょうか。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 私も食糧庁におりましたときには、その方の責任の立場に立って仕事をしておったのでありますが、その間にただいま問題になっておりますような事件がありましたことにつきましては、私といたしまして非常に遺憾に感じでおるのであります。ただ、ただいまの御質問の問題でございますが、御承知の通り、砂糖は必需品ではございまするけれども、その九割以上のものは外国に依存するということでございますので、やはり輸入に依存する関係上、数量並びに価格というものがほとんど外国の状態に支配されておるというような非常に弱い基盤に立っておることは申すまでもないのであります。そこで私どもといたしましても、毎年需給計画を立てますときには、国内の需要増を見まして、それにごく二部でございまするけれども、国内で生産される砂糖を引きました残りを輸入計画として立てまして、通産省の方のわが国全体の外貨事情とにらみ合せまして輸入計画を立て、それに基いて期別の輸入をするということでやって参ってきておりまするが、外国の糖価と、これが国内に入りまして精製業者にわたりまして精製されて、卸、小売を通じて消費者に売り渡されまする過程におきましては、国内価格においての関係がいろいろと今まであったわけであります。国内糖価につきましては取引所等もございまするが、ときどき価格に非常な変動があったようなことがあります。従ってこれは供給力との関係もありますが、おのずからそこに問題があるわけでありまして、輸入糖価と国内糖価の差額というものが実際問題として相当あるというような時代もありましたし、あるいは国内の糖価に対しまして外国の糖価が比較的高い場合には、この問題がそれほど問題になってこないというふうに記憶いたしておるのでございます。私どもといたしましては、消費者に適正な価格で、安定した価格の砂糖を供給するという立場にあるのでございまするから、国内の糖価につきましては常に注意を払いまして、国内の糖価が高いときにはなるたけ供給力を多くするというようなことによりまして、できるだけ価格の安定をはかりたいという考え方で参ってきておるのでありまするが、御承知の通り九割も輸入に依存するものでございますし、またその輸入も必要なときにすぐ入って参るというわけにはなかなかいかぬのでございまして、契約から輸送からそのときの外貨事情あるいは産地の在庫高等を見ますると、なかなか思うようなときに思うように砂糖が入ってこないというような事情もあったように考えておるのであります。そういうように国内の需要数量とそれに応ずる供給の数量と価格、それからそれのもととなる外国の数量と価格というようなことがうまくバランスがとれますると、非常にいいのでございまするけれども、そこにアンバランスが起りましたときにいろいろ問題があるというふうに私ども理解をいたしまして、ただいま私が申し上げたような方向で指導に努めて参ったのでございまするけれども、やはり御指摘の問題等も、そういうような輸入糖価と国内糖価との間にいろいろバランスを失する場合において、そこに非常に問題が起り得たというのではなかろうかというふうに私は考えておる次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 メーカー、それは大メーカーと中小メーカーと違うのでしょうけれども、メーカーが原糖を加工する、精白にしまする加工賃は、平均一斤にするとどのくらいということが通常政府で把握しておる加工賃かわかりませんか。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 私ちょっとどのくらいになっておりますか存じておりません。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それならば平田さんにちょっと一点伺っておきます。これも税関のことであります。あなたが税関の方を御承知かどうかはっきりしません、私もいかがかと思いますが、税関を通さずして、入関手続の前に八カ月もドミニカ糖が上屋に放置されておった。ここにも一つ問題があるだろうと思うのです。八カ月であろうと十カ月であろうと、一年であろうと放置するのは一体どういうものであろうか。税関関部長の御説明なんかを聞きますと、収納処分して公売すると、諸経費を差引して残金を荷主、所有者に渡してやらなければならぬから、事実上輸入を認めるということになって、かえって結果は予期しない結果を来たすので収納処分をしない。普通は十五日くらいで収納処分をするのだけれども、この種の場合にはしない、こういう御説明で、かつまたそういうことを大蔵省から税関の方へ指示しておる通牒がいっておるということは、前税関部長の証言であったわけです。一体わけも目的もわからず日本の領土内で倉庫へ揚げて、そうして膨大な量のものが何カ月でも何年でも放置されておるというような制度、これは一体どういうものであろうか。ここにまた一つの盲点があるのじゃないか、ここに脱法的な密輸入が行われるのじゃないか、いろいろと法律をくぐるところの、経済秩序を混乱さすものがこれを利用するのじゃないだろうか、こういうことにも考えるのでありまするが、一体これはどうしてもっとそういうことのないように適切な措置をするというふうに大蔵省はしないのであろうか。あなたはきょうはそれでないのでありますけれども、大蔵省としてのこういう問題に対する扱い方の根本的な考え方、ないしはあなたの在任中起されておるこの問題に対する理解をどういうふうにしておられたか、一つ聞いておきたいのです。

平田敬一郎元大蔵事務次官

○平田参考人 この問題につきましては、実は、私在任中に当該ケースについては全然認識がございませんで、税関長限りの措置としてまかしておるのであります。それにつきましても直接申し上げることは実はございません。今お話の点につきましては、速記録をちょっと拝見してきたのですが、今泉税関長が相当詳細に説明しておるようでございまして、大体あの説明で尽きておるのではなかろうかと考えます。今のお話の保税上屋の問題、これは別の問題で、意見と申しますか、ものの考え方になるかと思いますが、この点につきましては、あまり厳重にしますと、貿易を阻害するという非難を受けて参りました。そういうために、税関制度では特に御承知の通り保税上屋の制度あるいは保税倉庫という制度がございまして、そこに入れておる間は、まだ正式の輸入貨物にならないで置いておくという制度がございまして、一種の潤滑油的な役割を果しておるわけでございます。その穴を全部ふさいでしまうということは、一つの考え方でございますけれども、少しあるいは行き過ぎではなかろうか。もちろん弊害の生ずる点につきましては、できるだけないように努めながらやっていくというのが要点ではなかろうかと感じます。ただし、これは本件に関しまする直接の私の調査に基く御説明ではないことを御了承願います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 今泉税関長の御説明は、私が今申しましたような趣旨であったのであります。あなたもごらんになったからおわかりになったと思います。私の聞くのは、それはその通りであろう、事実はその通りであろうと思う。しかしながらやはり税関を預かっておるのは大蔵大臣でもあるし、大蔵省でもある。またそこに一つの盲点があるとすれば、検討しなくちゃいかぬのではないか。現在貿易の潤滑油の役割をしておる穴をふさいだら、かえって結果はよくないだろうというのも、そういう見方もあるかもしれませんけれども、どうもここにやはり問題があるんじゃないか。だからこの問題は大蔵省として何とか考えるべきでなかったのであろうか。当時この問題を詳しく御承知でないあなたが、直接これに手をかけなかったことも無理ないことだと思いますけれども、やはり税関長は指示がきて、通牒がきておるから、その通り守る以外に何もできないのです。大蔵行政は、次官、大臣がこれをやるのです。次官、大臣がこの問題について適切な指導措置をとらないということが盲点をいつまでも存在させておる。潤滑油であるか、盲腸であるか、それはわかりません。このような問題が起っておるのも、やはりこのドミニカ糖について論議しておるさなかに、はしなくもこの問題がわれわれの爼上に上ってきたのであります。結局大蔵大臣は、こういう問題ともっと真剣に取り組んで、これが指導対策、改善あるいは改革を行われないということを不思議に実は思っておったのです。で、それをあなたに聞くのでありますが、あなたはそれを知らなかったということであれば、もうこれ以上聞いてもしょうがないということに実はなるのでありますけれども、やはり大蔵省の官僚は、もっとこういう重大なことについてはどしどしと、いけないことはいけないとして、何か問題があるなら、その問題を究明するようにやってもらわぬと私はいかぬと思うのです。もし、これが八カ月だったらいいですけれども、三年だったらどうします。そしてこれは支払いにおきましては、為替管理法違反の疑いがあります。このことは明らかに言っておられるのであります。こういうこともあるのであります。こんなことも脱法的に行われておるのです。そういうこともありますから、こういうようなことが悪用されてはちょっと困ると思う。だから問題は一つだけじゃない。無為替輸入の問題があったし、こういうような妙な制度がありまするので、上屋の制度があって、そこでいつまでも待機しておるというようなこともあって、その後無籍物がどっとちまたに大きな反響を呼んで、いろいろな問題がここに起った。起ったけれども、世間はその後知らぬ顔をして今日まできた。こういうことになりまするので、これも議論になるからよしますけれども、やはりそういう点は、十分に次官、大臣などは御検討願ってしかるべきだと思います。今はその職を去っておられますけれども、日本の官庁制度としまして、職を去っても、やはり相当な責任をもって、去ったあとも自己の在官中の事務は御責任を感じていただくということにならないと私はいかぬと思うそうしないと、綱紀は粛正されないと思いますので、あなたもいやだけれども、こういう意見がましいことを御質問して、あなたの知らないことを聞いたような結果になったのですけれども、そういう意味で伺った次第であります。

神近市子日本社会党

○神近委員長代理 それでは平田参考人は御退席されてけっこうでございます。長時間どうもありがとうございました。山本猛夫君。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 清井参考人にお尋ねをいたします。アリストテレス号に積載された、いわゆるドミニカから参った一万トンの砂糖の商社割当、これはどういう基準でやったんでしょうおわかりになっておりましたら……。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 ドミニカ糖についての御質問でございましたように伺っておりますが、ドミニカ糖につきましては、私ちょっと先ほども申し上げましたけれども、積極的な政府側の特別措置というのはいたさなかったのでございましたが、三十一年度のたしか三十九万トンくらいでありましたかの第一回を割り当てるときに、あとで農林省の関係者から聞いたことがあるのであります。従いまして、それがどういうふうに割り当てられたかということになりますと、三十九万トンを割当いたしますときに、国内で割当基準をきめてございましたから、その方式に従ってそれぞれの業者に割り当てられたのじゃないか、こういうふうに私は考えている次第であります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 あなたは食糧庁の長官という大きな立場におられたのでありますから、砂糖だけをお取扱いになったんではございませんから、こまかいところは御承知ないということも御無理じゃないだろうと思いますが、これはやはり重要な問題になりますので、第三部長、ちょっとあなたもおわかりにならないでしょうが、あとで資料を一つ御提出を願うために、ちょっとこれを聞いておいていただきたい。今清井参考人にお尋ねをいたしました、いわゆるドミニカ糖の一万トンの商社割当というものは、われわれにどうしても納得がいかない。と申しますことは、木下商店の横浜それから川崎、両方合せまして千八百四十九トン何がし、それなのに砂糖の取扱い数量では、あなたが一番御承知なように、木下商店などよりは問題にならないほど多数の数量を取り扱っておる第一物産は五百七十九トン何がし、それからこれも砂糖では天下の安部幸といわれますることほどさように大商社である安部幸、これが四百十一トン何がし、これがどうも納得がいきませんので、一つ第二部長、今おわかりになっていたらお答えをいただきますし、おわかりになっておりませんければ、この割当の基準、割り当てられたこの数字の出て参りました基準を伺っておきたい。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 ただいま御指摘になりました数字は、確かに一般の常識から言いまして少しおかしいじゃないかと仰せられるのはごもっともだと思うのでございますが、ただこれは、今清井さんからもお話がありましたように、三十一年度の上半期の三十九万トンの外貨の割当がありましたもののうちから、商社が商業ベースで引き取ったもので、このドミニカ糖のために特に政府側として外貨の割当をしなかった、さように私承知いたしております。従って数字は、必ずしも割当に基いて引き取られた数量ではなくて、商業ベースによって、それぞれの商社の都合なり採算によって取られた、こう理解してよいのではないかと存じます。なお商社の点につきましては、あるいは通産省の方から別な御説明があるかもしれませんが、私の方ではそういうふうに承知しております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは当時の通産省通商局長さんでもけっこうですし、次長さんでもけっこうでございますから、御承知でございましたらお聞かせ願いたい。

樋詰誠明元通商産業省通商局次長

○樋詰参考人 ただいま食糧庁の方からお答えを申し上げたと全然同じでございまして、私の方では三十九万トンを今までの実績によって割り当てたので、ドミニカ糖の割当ということはしておりません。従いまして一万トンが全体のワクの中で非常にでこぼこがあるというのは、むしろ割り当てなかったからそうなったのじゃないかと思っておるわけで、われわれの方としましては、三十九万トンを割り当てたので、それはどこの砂糖ということを指定しておりませんから、よそから持ってきた方が有利だと思った商社は、遠く現地に買いに行く、あるいは横浜に来ているものを引き取った方がいいと思ったものはそれで引き取ったという工合に、コマーシャル・ベースで片づけられたのではないか、そういうふうに思っております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 これはどうも納得がいかないのじゃないか。ことほどさように、実績主義でありますとかなんとかと言っておられる問題を、ことにこれは当時の農水産課長の日比野君がここで参考人あるいは証人として述べられた記録によりますと、これは全く別途のもので、ワク外のものなんです。そのワク外のものといたしまするならば、やはりその割当の基準がなければならない。もし今のお答えのようであるといたしまするならば、全くこの問題に関してはいいかげんな、と言っては聞き苦しい言葉になるかわかりませんけれども、いいかげんな措置をやっておられたように解釈せざるを得ない。これは樋詰参考人も板垣参考人もこういう具体的なものまで実際の衝に当ったのじゃないのだとすればそれまでのことでございますけれども、何か基準があって——全く別ワクとして横浜に到着していたやつを認めたのでありますから、それは実績主義であるとかあるいは特例をもってこういうふうにやったんだとか、何かそこに公式があって当然であるというふうに私ども考えるのです。もう一度一つお聞かせいただきたい。

樋詰誠明元通商産業省通商局次長

○樋詰参考人 私、当初のころはまだ次長でございませんでしたので、あとから承知したのでございますが、今先生のお話の一万トン別ワクだったということを日比野前課長が申し上げたというようなお話でございましたが、あるいはそもそも一番最初に無為替輸入を許可するとき、台湾から入れる予定だった十六万トン、そのうちから一万トンはこの技術輸出の見返りで入る砂糖に保留するから、台湾に割り当てるのは十六万トンのうちから一万引いた十五万になるという意味で、別ワクといったようなことをあるいは言ったのじゃないかと思うのでありまして、現物が着きましたころには、すでに無為替輸入の話はわれわれ通産省といたしましてはすっかり消えているもの、こういうふうに考えておりましたために、その後はただこれは勝手に持ってきた砂糖というふうに扱っておりますので、その段階におきまして別ワクということは全然ございません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 これは先刻板垣参考人もお述べになっておりますように、台湾の立川研究所の特許権を対象としたものは終ってしまって、そうして天から降ったか地からわいたかというような調子で入って参った砂糖なのでありますから、それに全く無関心であった、全体のワクの中でやったんだといったようなことはあり得ない。そこに国民の疑惑があるわけでありますから、もう少し明確なお答えが一ついただきたい。

樋詰誠明元通商産業省通商局次長

○樋詰参考人 われわれの方といたしましては、これはもう技術輸出とは全然縁の切れた砂糖が勝手に入ってきた、そういうふうに思ったわけてございますが、一度もう無為替輸入は断念しましたということを十月の下旬にはっきり明言しておきながら、その現物が入ってきたら、またあたかも技術輸出の対価である砂糖が着いたんであるというようなことを当事者の方から言ってきたりしまして、その際にわれわれが、これは一度やめたと言っておいてまた今になって砂糖が入ったから何とかしてくれというのはとんでもない話だというので、役所としては峻拒したわけでございます。従いましてわれわれの方としては、もうこれは最初と全然関係のない砂糖ということで、特に考慮というようなことは全然一顧も与える必要はないという態度で終始したわけでございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 どうもちょっとくどいようでありますけれども、どうしてもますますわからなくなってしまいますので、もう一言だけお尋ねをいたしておきます。あなたのお話を伺っておりますと、全くこれは別個なものである、別個のものなら、なぜこの問題の基準をきめておやりにならなかったか、確かにその基準をきめておやりになったはずだろうとわれわれは考えるわけでございます。あなたの今のお答えではますます疑惑が深まるばかりでございまして、当委員会ではこの問題をできるだけ解明して国民の疑惑を解きたい、こういうのでございますから、ますます疑惑が深まるようなお答えでなしに、もう少し私どもが納得のできるような御説明をいただきたい。

樋詰誠明元通商産業省通商局次長

○樋詰参考人 どうも毎回同じようなことばかり申し上げてはなはだ恐縮でございますが、これは事実なのでこう申し上げるほかないわけでございまして、実はこれよりも少し前に、商社は忘れましたがやはり外商が砂糖を持ってきた、ところがいつまでも置いておけないので、時価よりも安く売ったといったような例も聞いたのでありますが、われわれの方といたしまして、あまり好ましいこととはもちろん思いませんが、先ほど平田さんからもお答えいたしましたように、間々正式の外貨割当を受ける前に品物が保税地域にまで到着するということがあるわけでございますが、それを関税線を越えて国内に入れるためには外貨割当が必要である、あるいは無為替輸入の承認が必要であるということになるわけでございますが、その関税線の向うに、まだ保税地域の中に入っているというもの、これについては政府としては何ら引き取らなければならないといったようなことは関しないわけでございますので、そこでその荷主が外割りを持っている人に、一般の外割りを使用するよりも安くても売るということになれば、その荷物はあるいは通関できるかもしれない。しかしそれをいつまでも一定の条件を固執するというのであれば、これは引き取れないであろうといったようなわけでございます。私当時もこんな勝手に持ってきた砂糖を政府の方で引き取る義務は全然ないんだから、どうしても引き取ってくれというなら朝鮮へでも積み出すか、あるいは積み出す費用が惜しいのなら値引きして売ったらどうだ、それ以上のことは役所の方では何らめんどうを見る必要はないのだということを当事者にも答えたわけでございまして、それがいかにして引き取られたかということは、実は私どもの方も全然承知しておりません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それではもう一度だけでけっこうでございますが、板垣、樋詰参考人は、ただいまお話のように関知せざるものであったということは、両参考人が御在任中にはただいまお話されておりました線と全く違った、容認されるということはなかったのでございますか。よそにおかわりになってからのことでございますか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 私はたまたまこのドミニカ糖が期限が切れた後に入りましたころは、アルゼンチンに出張しておりましたので、その間の事情は承知しておらないのでありますが、その後帰りまして次長から報告を受けました。通産省といたしましてはもう期限が切れたあとの砂糖だから、技術輸出とは全然関係のない、普通の、ときどき起ります見越し輸入の砂糖がたまたま横浜にあったということで処置しておりまして、私の在任中はその報告は変っておりません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 この問題につきまして長橋参事官にお尋ねいたしておきますが、これは多くの関係者が動いて、ことに先般あなたはここに御出席しておわかりのように、綱島代議士その他等の参考人から述べられましたように、百方狂奔したにもかかわらず解決を見ることはできなかった、こう言っている。ところがその後綱島代議士やその他のこれに狂奔いたしました人たちが手を引いてしまった、退いてしまったあと、あっという間にこれが容認せられることになっている。あなたも本件の問題に関しては当初からここに御出席なのでございますから、十分にお調べになっておられると思いますが、その間の経緯をお聞かせ願いたいと思います。

長橋尚通商産業事務官(通商局通商参事官)

○長橋説明員 当時の事実関係につきましては、ただいま両参考人から述べられた通り私も確認いたしております。ただいま本件砂糖が役所において容認されたというふうな言葉がございましたが、政府といたしまして、この問題を容認すべきとか、容認する対象というふうなことは全然考えなかったわけでございますが、結果において引き取られましたということは、荷主と日本側の外貨の割当を受けた輸入資格者との間のコマーシャル・べースの話し合いがついたものと私どもは了解しておる次第でございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 どうも納得がいかないのです。あなたをお責めするわけじゃありませんけれども、これは綱島代議士などはこの案件を弁護士として受けられて、そうして百方手を尽した。そのときには絶対にこれは容認すべからざるものである、今樋詰参考人の言われましたお話でもおわかりになりますように、こういう種類の案件は絶対に容認すべからざるものであるということを明確にされていましたにもかかわらず、なぜそれが容認をされて陸揚げが行われたか。あなたの御説明ではどうも納得がいかない。

長橋尚通商産業事務官(通商局通商参事官)

○長橋説明員 ただいまの山本委員の容認というお言葉につきまして、政府として、この横浜の保税上屋に着いている一万トンのドミニカ糖の引き取りのために、たとえば外貨予算を一万トン追加するとか、あるいは特別に引き取ってやれという行政的な措置を講ずるというふうなことをいたしたといたしますれば、それが政府として容認したことになるというふうな意味合いに了解いたしまして、ただいまの通りお答え申し上げたわけでございまして、特別な措置は、この一万トンの引き取りについて、政府として何ら講ずべきものでないというふうな考え方で終始いたしたということでございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 さっきからお話を伺っておりますと、これは安くたたき売りするか何かで始末をつけるのだ、こういうのでございますけれども、しかしこれはあべこべに世界相場より高く商社が買っているのです。そこに疑惑があるのでございますが、こういうことを押し問答しても仕方がありませんから、これでは国民のだれも納得せじまいで、この問題は解明されない、こういうことになるのでございますから、もう少しよくお調べおきを願いたい。  清井参考人にお尋ねしますが、このドミニカ糖の問題とちょっと離れますけれども、清井参考人は昭和二十九年の六月現在ごろ食糧庁長官に御在任でございましたかどうか。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 私が食糧庁に参りましたのは昭和二十九年十二月の終りでございますので、当時は長官ではございません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それでは二部長に伺いますが、砂糖の割当を受けております精糖工業会のメンバーで、もし脱税その他の不法行為がありました場合には、割当方式を対象として何か罰則がありますか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 脱税におきましても、消費税の脱税の場合と、法人税の脱税といろいろ税種がございますから、取扱いは異なると考えます。ただ消費税の場合におきましては、これは私の方の溶糖実績の計算上虚偽の申告がされたというような場合に該当いたすようなことになります回ば、砂糖の割当上何らかの措置を考慮しなければならないかと存じます。しかしながら現在の割当方式そのものにそういった罰則は用意されていないのでございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 たとえば現在警視庁及びその他の検察当局において捜査中の日新製糖の場合には、ただいまのところ捜査中でありますから、明確な事実は公的にはわからないということに相なるかもしれませんけれども、相当な不法行為をやっております。こういうような場合には、割当をそのままにしておかれるつもりなのか、こういう不法行為をする割当を対象としたメーカーに対しては何らか考慮されなければならないとお考えになっておるかどうか、それを伺っておきたい。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 私から事務的に申し上げるのは、あるいは妥当でないかと存じますが、現在問題になっております日新製糖の問題は、なお捜査中でございまして、これはもちろん書類も私の方では見ることができませんし、また検査権もございませんので、今とやかく申し上げるわけには参らぬのでございますが、もしも新聞に伝えられておるような砂糖のやみで外へ出した、工場外に出した、あるいはそれによって消費税の脱税があるというようなことが事実であることが判明いたしましたならば、これはかなりの問題ではないかと思います。やはりそれに対しては砂糖の割当上考慮いたしますか、あるいは何らかほかの方法でやりますか、それらの点については、まだ明確に申し上げられませんけれども、何らかの措置は講ずべきではないか、かように考えております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 清井参考人にお尋ねいたしますが、清井参考人は、食糧庁長官御在任中にこういうケースがおありになりましたかどうか。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 はなはだ恐縮でございますが、ちょっと私記憶がございませんので、何とも申し上げかねる次第でございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 二部長にもう一度お尋ねを申し上げますが、今東洋製糖は分解作用を起すような状態に陥っておりますが、東洋製糖の現状を御承知でございますか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 新聞紙上で東洋製糖の経営権の移譲の問題があるということを実は承知いたしたのでございます。その内容につきましては、ただいま調査中でございまして、まだ詳しいことは存じておりません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 これは五島慶太という人が暗躍をされて、この経営権をめぐって種々伝えられておりますことは、製糖工場を特別な保護政策をもって保護しておられる食糧庁の第三部として重大な関心事であろうと思います。あなたがこれに関心をお持ちになっておられるのは当然でありますが、これは推移によりましては、その関心を具体的にお持ちになりますか。

松岡亮農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○松岡説明員 私が承知いたしておりますのは、経営権の言葉は適当でないかと思いますが、経営権に新しい人が介入してきたということで、それによっていろいろな問題が出たということでございます。そのことが、直ちに現在わかっておりますことから申し上げるならば、すぐ砂糖行政に響く問題であるか、そこまでは私どもは実はまだ考えていないのでございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 清井参考人にお尋ねいたしますが、あなたが食糧庁長官として御就任の少し前に、すなわち昭和二十九年の六月八日をもって食糧庁長官通達というものが出ております。要するに製糖工場設備に対する取扱いについてという命題で出されましたこの食糧庁長官通達、これを御承知でございますか。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 ちょっと内容をはっきり私もいたしてないのでございますが、設備か何かの関係の通達ですか。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 保護政策です。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 さようでありますれば、私在任当時、前長官時代にそういう通達を出したということを覚えております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 これはどういう法律の根拠に基いておやりになったものでありますか。あなたの御在任中この通達は厳固として残っていたわけであります。現在もこの通達は残っておりますので、御承知のはずでありますから、お聞かせいただきたい。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 法律的の根拠ということは、私もはっきりいたしません。というよりも、むしろ法律に基いた措置ではございませんので、砂糖の割当をいたしております関係上、行政的な一つの指導と申しますか、そういうふうな行政権の発動として、そういう通達を出したのじゃないかと私は記憶しておりますが、たしかそういうことではないかと思います。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 清井参考人にお尋ねいたします。これは物資需給調整法というものは、姿を消してしまっているにもかかわらず、いかにも物資需給調整法があるかのごとき風体でといいますか、そういったような格好でおやりになった通達とお考えになりませんか。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 その通達もはっきり私内容を承知しておりませんが、設備の基準に関する通達であるといたしますれば、私がただいま御説明申し上げたような砂糖の割当を一方にいたしておりまする関係上、そういうこととの関連もありますので、行政権の発動といたしまして、業界に通達いたしたもの、こういうふうに理解いたすわけでございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 この食糧庁長官通達というものは、考えようによりましては企業の自由を拘束する、企業の自由というものを認めない、憲法違反の疑いもあるというふうにわれわれは解釈いたしております。こういう重要な関心事でありまするこの食糧庁長官通達というものは、あなたは関心を持ってお考えになっておらなかったのですか、伺っておきます。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 むろん食糧庁長官から出されました通達でございますから、十分関心を持っており、またその後も持っておった次第でございますが、ただいま根拠についての御質問でございましたので、私の考えといたしましては、行政上の権限に基いて業界に出したものというふうに了解をいたしておるような次第であります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 これは全く特定のたった十六の会社の、保護という穏当な言葉で申しておきましょう。そういうことを対象とした食糧庁長官通達というものでありまして、これは国民全般から見ました場合には、迷惑千万な食糧庁長官通達でございます。従ってあなたは在任中非常にりっぱな食糧庁長官として名声を博せられた方でございますから、これはことほどさように御関心がないわけはないのでございまして、私はしばしば当委員会においてこの問題を当局から伺っておりますけれども、いまだ明快なるお答えが出ておりません。言いかえますならば、しばしばここで申したことを繰り返すようでありますけれども、要するに百二十万トンの熔糖量を必要とするというのに、年間の熔糖量の百十万トンをこの通達によって精糖工業会に与えている。ところがその精糖工業会は自主調整という美名に隠れて輸入を制限している。百十万トンの外貨の割当を受け、そして百十万トンの輸入をして、国民の需要にこたえるべきものであるものを、しかも輸入をせられたもののうち七万トンなり八万トンの熔糖をことさらに避けておる。従ってその結果、国内の砂糖の価格というものは、全世界に類例を見ないほど高値を呼んで参っておることは、あなたが一番よく御承知のはずでございます。そうしてそのしわ寄せはどこへ行くかと申しますと、これも一番わかりやすくお聞き願えるだろうと思いますことは、砂糖といえば甘いもの、甘いものといえばお菓子、こういうことになりましたならば、お酒を飲む男性と違いまして、砂糖を食べるのは婦人であり、あるいは年少国民である。極論いたしますならば、婦人、年少国民、こういう人たちの零細な生活経済の犠牲において、——これもしばしば述べたのでありますけれども、私は十六社全部の名前は申し上げておりません。特定の一、二社について申し上げたのでございますけれども、きょうもほかの新しい会社、今まで述べない会社の例は申し上げることはあえて遠慮いたしますが、たとえば今警視庁において捜査中の日新製糖のごとき、四百五十万円の資本金をもってやりましたものが、またたく間に一億五千万円の授権資本の会社になっておる。もっと極端なのは、たった五十万円の資本金で始まった名古屋精糖が、二、三年ならずして十二億という巨大なる授権資本の会社になって、たくさんの子会社ができて、十億あるいは十数億という政府資金を借りておる。先刻第二部長にお尋ねをいたしました東洋精糖の経営権をめぐっての暗躍の中にも、五島慶太という人以外に、名古屋精糖の経営者の名前もちらほら出ておる。こういうようなマンモス状態になっていく。それにもかかわらず、今日当委員会が口をきわめて反省を促し、当局の誤てる考えを是正しようと努力いたしておりますが、何ら明快なお答えが出て参らない。あなたの食糧庁御在任中に、こういうふうにして国民の中の零細な生活経済を守りおおせなければならないような、年少国民、婦人の生活経済、その犠牲において、保護政策の美名に隠れてこういうようなことをやっておるということは、是正しようとはあなたはお考えになりませんでしたか、いかがでございましたか、参考に伺っておきたいと思います。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 砂糖の重要な点につきましては、ただいま山本先生のお話の通りでございます。これはある意味において生活必需品でございます。従いまして私ども食糧庁の仕事をお預かり申し上げておりましたときにも、砂糖を比較的安定した価格でこれを消費者に供給するために努めなければならないということで、私ども及ばずながら努力をして参ったつもりではあります。従いまして大部分が輸入に依存する関係上、輸入数量、輸入価格、あるいは入りました砂糖の配分等につきまして、またあるいは国内における卸売価格、小売価格につきましても、いろいろ私ども常々注意を払いまして、国内の価格に浮動がありましたときには、それに対する措置を打つような努力もいたしたつもりでございます。ただ先ほど申し上げました通り、大部分のものを外国に依存する関係上、外国の砂糖の数量、価格あるいは外貨事情等に非常な依存をいたしますので、なかなか適切な手を打つことはできないのでありまして、この点は私どもとしても十分相談をいたして参りましたが、思うようにいかなかった点もあるのでございます。その点ははなはだ残念でありますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げた通りできるだけ安定した価格で消費者の方に砂糖が手に入るようにということで行政をやって参らなければならないという考え方で、思うようにはいきませんでしたけれども、そういうつもりで私はやってきたことでございます。いろいろ今日も問題を起しまして、私ども非常に残念に思い、恐縮に考えているのでございますが、私自身といたしましてはそういうような考え方で努力した次第でございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 これはあなたが食糧庁長官に御在任前後のことでございましょう。すなわち二十九年の十一月限り砂糖のリンク制というものは廃止になったはずでございます。この間の経緯を、簡単でよろしゅうございますから御説明を願いたい。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 砂糖のリンク制につきましては、そもそもはプラント類の輸出振興という目的からやったのでございますが、何と申しましても当時砂糖の輸入量が非常に少かったため、価格も非常な問題を生じましたために、私が通産省の通商局長に就任いたしましたころから、輸出振興の問題もありますけれども、できるだけ早くこういう制度はやめるべきであるという方針を私立てまして、いかにして経過期間を経ながらこれをやめていくかという方向に移りました。ただいま御指摘のように、多少の経過期間を置きまして二十九年末にはこれを廃止するに至ったような次第でございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 参考人のどなたからでもけっこうですが、もう一つ伺っておきます。政府では特殊物資納付金処理特別会計というものの新設を企図されて、砂糖が膨大にもうかるから吸い上げをしてやろうということを考えられた。そこで年間六十億の吸い上げを企図されれたのでありまするけれども、この六十億が完全に吸い上げられておりましたかどうか、伺っておきます。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 ただいま申し上げましたように、砂糖につきましては非常に輸入数量が少いために、価格が非常に動揺し、また砂糖を輸入する者は超過利潤があるのだというような状況でございますので、通産省といたしましては、ただいま農林省からもお話がございましたように、何とかして価格の安定措置をとるということを考えたわけでございます。通産省といたしましては、一番いい解決策はやはり砂糖の輸入をうんとふやすことだという考えを持っておりましたけれども、これについてはお説の通り一つは外貨の面におきまして、一つは農産物との関連におきまして、これを無制限に許すわけにはいかない。どうしてもある程度の輸入量にしぼらざるを得ない。そうしますと、どうしても多少の超過利潤が出るということで、通産省といたしましては当時砂糖の価格安定に関する法律案を用意いたしまして、ただいま御指摘のようなことを企図すべく、国会に法律案を提出いたしましたが、遺憾ながらこの法律案は審議未了になってしまったという経緯になっております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 その六十億はそれでは全然吸い上げられなかった、六十億は一つも顧みられなかった、こういうことでございますか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 ただいま申し上げましたように法案が国会で審議未了になりましたので、法的措置はとりませんでしたが、しかしそのままの現状で放置するわけにも参りませんので、通産省といたしましては閣議決定を経まして、何らか価格安定のために行政措置をやろうではないかという考えに立ちまして、精糖業者その他につきまして寄付金の形でこの差益を徴収するという措置を引き続きとりまして、三十億円ばかりの寄付金を徴収いたしました。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 清井参考人にお考えを伺っておきますが、当委員会がこの砂糖行政運営の誤まれることを指摘をいたして以来、あなたも御承知の通り砂糖の市場価格が一斤当り八十三、四円いたしておりましたものが、今日七十円そこそこというようなことになりまして、約二割も下ったという現象を呈しております。いかに全国民があなたの言われるように砂糖の需要に関して重大な関心を持ち、同時に微妙な反響が及ぶものであるということの証左がここに現われたものと私どもは考えているのでございます。あなたは現在の砂糖行政運営をこのままでよろしいと思っておられるか、今はもうその立場からお退きになったのでございますから、フリーな立場であなたの御意見を拝聴さしていただきたい。

清井正元食糧庁長官

○清井参考人 砂糖の問題についての行政上の態度ということにつきましては、先ほどの御質問に私、お答えいたしたのでございますが、本日のごとき問題が砂糖に関連して起りましたということは、私ども在任中のことでございますし、まことに恐縮に考えているのでございます。  ただいまのお話のごとく、砂糖の価格が非常に鋭敏に動いたということについての問題でございますが、砂糖行政と申しますものは、いわゆる国民の必需品という意味におきまして非常に重要であると同時に、これが大部分を外国に依存するという特殊性があるわけでございます。その点につきましてはただいま板垣参考人からもお話がありました通りでございまして、外貨事情と、それからあまり値段に差が起きますと、国内の澱粉その他の問題にも影響するというような関係がございますので、いろいろ勘案しながら需要に応ずる輸入計画を立てて輸入をいたすことによって処置をいたして参ったのでございます。なお輸入された砂糖が精製業者の手に入りまして、精製される過程においていろいろ利益があるのではないか、あるいは超過利潤が起ったのではないかという御引例もあったのであります。なるほどそういう点も確かにあったと思うのであります。私どもといたしましては、先ほど申し上げました通り、大部分を輸入に依存するものでございますから、国内の価格の浮動を生じ、あるいは相場が非常に上りましたときに、すぐ供給をふやすという手が打ちにくい、打とうと思いましても外貨の関係上なかなかそういうことができない。かりに砂糖がありましても外貨がない、あるいは輸送の関係で適時適切な手が打てないというようなことがございまして、非常に国内の砂糖の価格の安定のために苦心をいたした経験もあるような次第でございますが、何と申しましても砂糖のような必需品は、できるだけ安定した価格において供給するという立場からすべて行政をいたしていかなければならない非常に困難な事情にあるものでございますので、そういうような観点からすべて行政を行うべきである。従って輸入から精糖、消費の間においていやしくも疑問の起るようなことのないような流通過程、精製過程におきましてもきわめて公平な処理が行われなければならないのだ、こういうような考え方をただいま持っている次第でございます。

神近市子日本社会党

○神近委員長代理 この際、私から板垣参考人に伺いたいことがございます。この問題をほとんど数週にわたって調査してみまして、問題は時期的に二つに分れていると思うのです。  第一には立川研究所の申請に基いての動き、それからその期限が切れましてからのドミニカ糖をめぐる動き、こう三つに分れると思うのです。この間ある参考人が、弁護士さんですけれども、綱島参考人がここへ御出席になったときには、立川研究所の問題なんかほとんど御存じなかったんです。立川研究所がどういうものであるかということは私は知らない、ただ入っている砂糖をどう始末をするかということしか知らないという御発言があり、そして私どもが全体として伺っていると、あなたが通産省の通商局長でおいでになったときにお出しになった許可というものが、もうすべての混乱のもとのように私どもには考えられるのです。今伺っておりますと、あなたは三点ほど許可を出した理由としておあげになりました。一点は、技術輸出ということに御関心があったということ、虎木綿の製作考案が非常に優秀なものであったということが一つ、それから砂糖をドルなしで入れるということの国家経済に対する利益、こういうことをおっしゃった。ところが、たとえば立川研究所の所長は、アジアにはこれを輸出する考え方はあまり希望していなかったということ、それから一方から言えば虎木綿の製造考案がまだ日本の特許表に載っていなかったということ、そういうことを考えますと、もっと変った動機が必ずそこには伏在するんじゃないか。立川所長の話では、勝間敏雄という方と藤岡というような方がしきりに望んだということだった。その人たちが通産省に行って非常に運動したというようなことがわかるんですけれども、今のあなたの方でお出しになっている許可書、それには積出地もあるいは産地も記入してないのです。それは記入なしということになっている。そしてあなたが今おっしゃったのに、初めは米や塩を考えたけれども、それができなかったので台湾の砂糖原糖ということに決定した。ところがあなたはさっきキューバ糖を予定していたようにおっしゃった。当時台湾には砂糖はたくさんあったということを私どもは聞いております。ほとんど始末につかないほど過剰生産に陥っていると聞いている。それが、さっきおっしゃったのは台湾糖という制限がない、そしておそらくそれを予定されていたかなというような許可書が出ている。しかも東方貿易行というものは、途中からどこに行ったか、だれが責任者であるかわからないように姿を消してしまっている。そしてトレーディング・カンパニーとか、オリエンタルとかいうようなところが出ている。そこらが私どもはいろいろ説明を伺っても、どうも現われている動機は微弱であって、何かしきりにせがまれてお出しになったということが伺われるのです。私どもの疑惑はそこでございます。一体どういうことでこういう厄介な問題に発展する可能性があるものを、そこつにもお出しになったか。そしてさっきから伺っていれば、もしこれがよい成績を上げ、こういういろいろの混乱した状態にならなければ、前例となって行われるかもしれない一例を出してみた、こういうふうにおっしゃっている。そういうところに、これはやってみたけれども失敗したというような点で済まされないようなものがあるんですけれども、そこらは今どういうふうにお感じになっているか、ちょっと伺わしていただきたい。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 まず第一に技術輸出につきまして、立川博士自身が東南アジア方面には出したくないという意向の表明の話があったということは、実はただいま伺って初耳でございます。私のところに最初は藤岡さんが参られたのでありますが、続いて立川博士も参られましたが、そういう話は全然ございませんでした。やはり台湾との話し合いがついたからぜひ出したいというお話であったので、われわれといたしましてはそれを前例といたしまして、技術輸出の虎木綿技術の信憑性について調査を開始した次第であります。  それから今の砂糖の点につきましては、申請が出る前におきまして、すでに通産省の当局との間でいろいろ立川研究所の代理の方と話があったものと思いますが、その際先ほど申しましたように現金決済が可能かどうか、あるいは台湾物資が可能かどうかというような点につきましては、ずいぶん通産省としましても究明をしたわけでありますが、当時通産省で知り得ました限度におきましては、東方貿易行と立川研究所の話し合いでは、どうしても台湾としても適当な物資がない、キューバ糖しかないということで、私の手元に参りましたときにはキューバ糖ということで参ったのであります。そこでキューバ糖を無為替輸入することがいいかどうかという点につきましては、先ほど申しましたように慎重検討した結果、ともかく台湾から入れますと、十六万トンのワク内で処置し得るならば、結局安い砂糖が入るということで、国家経済上も不利ではないのではないかという結論に達した次第であります。  輸入許可書の中に積出地とかそういうものがないのは、これはキューバ糖などにつきましては、書いてもいいわけですが、通常書かないことになっております。積出地まではっきり書きますのは、たとえばイギリスとの日英協定におきまして、イギリスの綿製品を買うというような場合には、イギリスから積み出すというふうに書きますが、キューバ糖のように、どこからでも買えるようなものにつきましては、積出地までは記入しないことになっております。  それから確かに御指摘のような事情も相当あると思いますが、結果から見ますと、確かに当時、許可を与える際におきまして、私どもの調査に不十分な点があったことは、当時を振り返りまして痛感をいたしております。

神近市子日本社会党

○神近委員長代理 もう一点。ほかの場合に、今あなたもお触れになったけれども、台湾糖十六万トンというこのワクがあって、その中の一万トンをこれに充てるということははっきりしていたのですね。それでキューバ糖と台湾糖とのこういうワクというものはやったりとったり自由にできることになっているのですか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 台湾から当時十六万トンの輸入計画をしておりましたのは、日本側の内部の輸入計画でございますから、台湾側に対しては別に協定上の義務はございません。従いまして当時の情勢としましては、外貨事情からいいまして、ドルを払ってキューバ糖を買うということはできるだけ制限する方向でございました。台湾の方でオープン・アカウントで買えるものをできるだけ買おうという方針でありました。従って今の台湾の十六万トンの中に入れましても、ドルで払うのなら問題でございますけれども、無為替輸入ということで日本政府としては処理し得るのではないかということでやったわけであります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 板垣参考人に、あなたの言葉じりをとらえてということではございませんけれども、一、二点伺っておきたい。あなたは立川研究所のこの虎木綿の特許権というものは、非常に権威のあるものと認定して取り扱った、こうおっしゃっておられる。権威あるものであれば、日本のどこの工場でこの特許権を実施しているか、ここでは他からも伺いましたけれども、当時この関係の衝に当られた責任者としてのあなたのお言葉を伺っておきたい。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 その点は実は私、立川博士にお目にかかったときも藤岡さんにお目にかかったときにも疑問があったものですから、なぜ日本でおやりにならないかということをお聞きしました。藤岡さんの御説明では、日本でやりたいんだがどうしても資金の手当がつかない、立川博士は学者はだの人で人とのつき合いもよくないし、繊維業界ともあまりわたりがつかない。事業家的手腕があまりないので、まだ日本では企業化するまでの段取りに至っていないんだという話があったことを記憶いたしております。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 あなたのお言葉の中に出ました藤岡芳蔵というのはどういう人物でございますか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 私は当時よく存じておりませんでした。立川博士の代理ということでおいでになってお目にかかった次第であります。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 日本の工場でそれが実施されていないということはあなたのお言葉によって明確になりましたが、あなたはベルギーに売られたということをさいぜん重要なる参考資料として取り扱われたようにお述べになっております。それではベルギーの何という会社のどこにある工場で実施をされましたか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 その点は遺憾ながら私記憶いたしておりません。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 それじゃあなたはいいかげんじゃありませんか。何ということです。それじゃあなたは何を対象にして本件を取り扱われたのでありますか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 当時立川博士の話もありましたし、ベルギーへ輸出したということ、それ以外に先ほど申しましたように日本における科学技術審査委員会の審査報告から、技術そのものは優秀であるという確認をいたした次第でございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 どういう点で優秀ですか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 私は全然そういう方面の技術的知識はございませんので、どの点が優秀か、判断の能力は全然なかったわけでありますが、科学技術審査委員会の内田俊一博士の報告等によりまして、これはりっぱなものであるということを当時の通産省の繊維局なり私の通商局の部下からも報告がありまして、それを信じた次第でございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 あなたはその職をお退きになりまして、われわれは強く申し上げることはお気の毒にたえませんけれども、本件はそれでは解明できません。国民の疑惑を解くことはできません。この立川研究所の特許権なるものには権威がある権威があるといいますけれども、どこにもそれを裏づけする実体が現われておらないのです。ベルギーのどういう会社のどういう工場で実施されておるかさえもあなたはおわかりにならない。事ほどさようにこの特許権の権威ある裏づけは世界中どこにもないのです。これは今あなたをお責めするわけじゃありません、お責めいたしましたところでいたし方のないことでございますが、当委員会の目的は国民の疑惑を解こうというところにある。ところがこれでは本件に関する限りとうてい国民の疑惑を解くことができない。どなたにここにおいでいただいてお聞きしても、その案件を解明できないということでございましたならば、これはまことに悲しいきわみでございます。  もう一つ東方貿易行というのは、われわれの調査によると、新橋とか神田の周辺とか日本橋のすみっこによくありますような、一つの机を借り、小さな表札をかけておく程度の全くその実態のあるかないかのような形態のものでございまして、それが最後まで、あなたの言葉によりますと、本件の進展に対する対象になっていた、こういうようなものもあなたの責任を持っておられたこの衝に実際携わった方たちは調査をしなかったのでございますか。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 先ほど申し上げましたように、一応の調査はしておるのでありまして、その当時少し小さい会社であるということもわかっておりましたが、東南アジアにはよくそういう会社で大きなことをやりますものもありますのと、それから、そこまで立ち入ってこういう相手方とやるのはいかぬというところまで行政権で干渉する必要もないと感じましたために、許可をいたした次第でございますが、確かに御趣旨の通り特にこういう異例なケースを許可するに当りましてはもう少し慎重であるべきであったということにつきましては、私今当時を顧みまして深く感じておる次第でございます。

山本猛夫自由民主党

○山本(猛)委員 これは当委員会でしばしば申し上げたことでありますが、これは全く当初からでっち上げられたサル芝居である。無から有を生じたといえば大へん聞えがいいのでありますけれども、最初から仕組まれたブローカーのサル芝居である、私はあえてこういう言葉を使っていいか悪いかということすらも考えなければならない、事ほどさように本件は国民の疑惑の焦点になっておるわけであります。この問題を取り上げてこれだけで当局をお責めするというのじゃありません。こういうことが行われて、そのために行政運営というものはいいかげんなものだということになったら、国民は安心して日本政府に行政運営をゆだねることができるかどうかという問題なのでございます。東方貿易行というものは全くあるかないかのもので、しかも台湾に売られるであろう、また買ってもらえるであろうという立川研究所の特許権なるものは、特許権を売るのではない。われわれは最初特許権を売るのだと思っていたのです。べらぼうに高い特許権、三億六千万円という法外なものだ、そういうことでありましたところ、いや特許権じゃないのだ、実施権だということを聞いて、われわれは驚いたのであります。ところがだんだん追及して参りますと、いやそれは実施権でもないのだ、この立川研究所の日本で与えられた特許権を台湾で取るのだ、その取る権利としての代償が砂糖一万トンだ、こういうことを聞いてわれわれは再度ぎょうてんせざるを得なかったということなのであります。しかもそういう巨額のものを取り扱う対象であります東方貿易行とは何ぞや、尋ねてみてもわからぬような形態であった。あなたは今率直に調査の疎漏は遺憾であったとお認めになったわけでございますけれども、これはゆゆしい一大事でございまして、われわれはどうしても歳入歳出に関する実況の面でこれを解明し、国民の疑惑を解かなければならないということで当委員会が始まったわけでございます。あなたは今日は参考人としておいでになって、御用意の十分な点を欠いておられるということをお認めになりますならば、さらに一つ御調査の上あなたが再び当委各員会においでにならないでもけっこうでございますから、ただいまその衝に当っておられる長橋参事官なりどなたかなりにおゆだねいただいて、もう少し国民が納得できるような資料をできたら御提出を願いたい。

板垣修元通商産業省通商局長

○板垣参考人 御趣旨のように取り計らいます。

神近市子日本社会党

○神近委員長代理 以上をもちまして、参考人各位よりの実情聴取は終りました。  参考人各位には、御多用中のところを長時間、当委員会の調査に御協力いただきましてまことにありがとうございました。退席されてけっこうでございます。  本日はこの程度にて散会いたします。次会は明二十九日午前十時より開会いたします。     午後一時散会

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