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28回国会衆議院1958/01/22

決算委員会 第4号

発言数
44
登壇者
5
会派数
2
開催日
1958/01/22

会議録

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 これより会議を開きます。  昭和三十年度決算を議題といたします。本日は右件中総理府所管防衛庁関係につきまして前会に引き続き質疑を行います。吉田委員。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 前会の資料要求に対しまして、乙型警備艦の「いなづま」についての製造原価に関する資料が参っております。そこで武内調本部長に伺いたいのですが、「いかづち」の製造会社に対しては、このような趣旨の製造原価に対する質疑——三井と製造原価が二億円も違っている理由、そういうことについて質問したのですか、どうですか。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 川崎重工業に対しましては、三井と同じような程度には照会をいたしておりません。しかしながらこの資料にも書いてございますが、われわれの方はこの原価につきまして検討いたしたわけでございます。その際に三井造船に対してなぜ質問書を出したかということにつきましては、この比較におきまして三井造船が非常に多くの一般管理費利益を出しているという点がありますから出したのでありますが、ただその際にも川崎重工業につきましては、われわれは造船会社から出されたデータに基いてのわれわれの要求する方向に向っての原価のやり直しというものをやってはございます。その意味におきましては、ある程度のデータはわかっております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 予定価格に近い川崎に対しては詳細な質疑をせず、安い原価で同一品質、性能の船ができた方に対しては厳重な質疑をする、これは少し合点がいかない。やるのならやるで、両方とも同趣旨もしくは詳細な質疑をして、そして何ゆえにこれが両者二億円も差額ができたかということは、公平に検討をしなければならぬ。同一の程度の質疑をすることが私は当然だろうと思う。この点については、質疑をすべきかどうかということをあなたの方の内部で検討をしなかったのですか。——ちょっと待って下さい。今長官が見えましたが、こういう点を伺っておるのであります。  「いかづち」と「いなづま」の艦船建造費について、予定価格七億七千余万円のものが、二つの会社の間で二億円も違っておるという点について過般いろいろ御質疑しましたに対して要求資料について三井の「いなづま」についての資料は届けられておるのであります。三井だけに重要な質疑を発するということは片手落ちではないか。二億円高かった方に対しても同様、もっと詳細な質疑をどうしてしなかったのか、こういうことを伺っておるのであります。  しからば、武内部長に伺いますが、内部でそういう点について、むしろ高くついた方に対して同一もしくはもっと詳細な質疑をするということの方が、国の予算を使う者の立場としては当然でないか。なぜならば、今後もし三井の方が妥当な製造原価であった、そうして川崎の方が妥当でなかった、こういうことになるとするならば、今後の発注の上につきまして妥当な参考になるわけでありますから、むしろ高い方に対して厳重な問い合せをするのが筋ではないかと思う。高い方に対してはあまりしないで、安い方に対してなぜ安くしたのか、場合によっては値切らなくちゃならぬかわからぬからということをあと添えに書いておる。内部でそういう相談をしたのか、しないのか。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 内部で相談をいたしております。なぜ三井にまず質問を発したかと申しますと……。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ちょっと待って下さい。あなたの長官が時間を急いでおられるので、私の問うたことに対してだけ答えて下さい。こまかいことはまた聞きますから……。どうして川崎に対して同じ趣旨の質問をしなかったか、これに答えて下さい。内部で相談をしたのか。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 内部では相談をいたしました。それはこの前にも申し上げましたように、この船舶の契約に関する覚書の適用に関して著しく値段が不当である、共通の事実としてそういう事実があったならば、両者価格の増減について相談する、こういう覚書がありますから、この覚書を適用することについて共通の事実がないことはわかった。しかしながら著しい価格の差異があったかどうかということについてまず三井を検討いたしたのであります。その結果、十二月二十二日に、一応の方法としてはわれわれの是認するレポートがきたのであります。川崎について見ますと、やはり川崎につきましても、本艦については五%の社外工を使っており、平均は二〇%の社外工を使っておる。会社全体としては二〇%の社外工を使っておるのであります。「いかづち」につきましては五%の社外工を使っておる。従って詳しく申し上げますと、社内一般につきましては八〇対二〇の比率で社内対社外を使っており、本艦につきましては九五対五の比率をもちまして社内、社外の工員を使っておる。そういたしますと、川崎もやはり第一次の発注におきましては平均の賃率で計算して出してきております。従いましてさらにこの「いかづち」の詳しい原価を追究いたしていきますと、むしろ製造原価がふえて利益が減るという結果になりましてこの表につけてございます川崎重工は、この船につきまして九・九%の本艦一般管理費利益は出ておりますが、これよりもさらに減って参ります。われわれの試算におきましては、間接費の調整をいたしただけでも九・一%に減ってきます。さらに四百万円というものがよけいかかったというようなことになりまして、利益率は川崎についてはさらに下る。従って著しいという点からいけばまさに反対の方向でありますので、まず三井に聞いてみようということであります。しかしながら先ほど吉田委員のお示しになりました点は、各造船所はどういう実際の原価で作っておられるかということは、将来のわれわれの船の発注につきまして非常に有益なる参考資料になります。三井は、御承知のように昨年の十二月二十二日に三井とやりとりしておって、一つしっかり調べればあとの会社との交渉はやりやすいのでありますから、また将来の発注に非常な参考になりますので、私は川崎ばかりでなく、他のものにつきましてもかようなるデータを将来のために一つ研究してみたい、かように考えます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 長官に伺いますが、七億七千万円の予定価格について、二億円安い方だけを十分に調べれば将来参考になる、高くかかった方は社外工をむしろ普通よりも一五%少く使って、従ってさらに利益が減る、しかしてその利益率は普通よりも低い、こういうようなことでは、そんな説明だけでは、われわれは何も得るところはないのであります。両方調べねばいずれが妥当かということはわからぬ。一体あなたの方では、予定価格というものがそんなに絶対的な権威あるものだというようなお考えで臨んでおられるのであるか。それなら、予定価格に最も近似しておる「いかづち」の方が妥当であって予定価格よりも二億円安く作った方に何かあるのではないかとか、場合によっては値下げをする、それは予定価格というものが動かすことのできない権威あるものという前提に立っておるのではないだろうか。そういうふうにあなたの方ではお考えになっておるのかどうか。これはやはり軍艦建造につきまして根本の問題だろうと私は思うのです。長官はやはり全体を主宰しておられるのでありますから、こまかいことはいいとは思いますけれども、一体どういう考えで予定価格をお考えになっておるか。予定価格に近いから間違いない、予定価格よりずっと安いから何か手抜きがあるのではないか、手抜きというよりも何かそこに不合理があるのではないか、何かそこに実質的に批難すべきことがあるのではないかというような考え方は、はなはだしく片寄ったことであります。どういうふうにお考えになっておるのですか。

津島壽一自由民主党防衛庁長官

○津島国務大臣 予定価格は防衛庁内の技術者またはその他が、経済的の観点を加えて適正と認めるものをきめるものだと思います。また当時の予算というものも考慮に入れなければならぬと思います。これは絶対のものであるかということになりますと、新しい関係のごときにつきましては、それは初めての経験の造艦ということもございまして、絶対的のものだということは、これは多年の経験によって盛り上げたものとは多少の違いがあろうかとも思います。しかしながら、これは防衛庁としては適正であると認めた価格でございます。それを基準にしてきめるということは、行政上適当な措置である、こう私は思うのであります。これにあるいは実績において近くなり、またその間に大きな差額が生じたという場合においては、十分に調査する必要がここに起るということは判断せらるるわけでございます。その意味において今回問題になっておりまする「いなづま」が、会社側からの提出された実際の価格というものが非常に低かったという事実に対しては、まずもって精細なる検討をするということに相なったのだ、こう私は承知しております。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これはすでに前回当委員会において取り上げて問題にしたのでありますから、あなたの就任前のことであろうと思いますけれども、もっとやはり具体的に真剣にお考え願わなくちゃいかぬのであります。二十八年の建造計画でありますから、最初のことであります。最初のことであるし、技術陣また充実していないということは、これは公知の質実であります。だから長年の経験もなかろうし、技術者の総合した意見によってそれを積算したということも、われわれとしては幾らかそれが検討されなければならぬと思う。予定価格七億七千万円立てたということを、あるいはまずまっ先に検討しなくちゃならぬのじゃないだろうか、それと近似しておるものもまっ先に検討しなければならぬのじゃないか。安くしておるもの、それは前回にも武内部長も言っておりましたごとくに、三井の——前回言ったかどうかちょっと忘れましたが、三井の優秀な施設というものは、これまた相当業者間で明らかであります。それならば予定価格というものについてまず顧みて検討する、それに近いものについてもやはり同じように、ここに資料を出しておるがごとくに十分に検討していくということが当然じゃないか。今の武内部長のようにお考えになっておると、予定価格が相当であり妥当である。あなたのようにかりに絶対の権威がないとしても、最初の経験だから、まず顧みて予定価格を検討するという工合に進むのがものの順序じゃないかと思う。これが行われていない。ここに出された資料は、「いなづま」はどうしてこんなに安くできたのか、二億円安くできたのはどういうわけか、場合によったら値引きしなくちゃならぬのじゃないか、こういうような質問を発しておる。高いものに対しては何らしていない。後日それがどの程度に参考にされたかわからぬ。こういうようなことでは、建造経費というものに対してどの程度真剣にまじめにお考えになっておるかわからぬと思う。大へんな問題であります。七億七千万円のうち二億円も違ったということは、きわめて重大視すべき問題であります。一方的だけにこの船価を調べるということに終っておるのです。そうして高い方に対してほとんど調べていない。資料がきていない。あなたの方は資料を出していない、こういう状態なんですよ。だから予定価格があなたが今おっしゃるように——あなたはそれは答弁のために答弁しておる、今のこの予定価格の権威さは。これは初めてなんですよ。初めてなんだから謙虚に顧みる段階でなければいかぬ。それが今日に至るまで何ら、これが実質的に、数学的に、具体的に重要な参考にされておらぬから私は問題にしたい。だからまずもって高い方、この予定価格そのものを顧みて検討するということをどうしてしなかったか。長官答えて下さい。

津島壽一自由民主党防衛庁長官

○津島国務大臣 御趣旨の点はよくわかりました。本件の場合に、三井の造船に関しての価格についての資料が出ておるが、一方、予定価格に近かったというか、実価がそれよりも高かったものについての資料は出ていない、これについては調査をするかどうか、またその資料を出すか、こういうことでございます。さしあたり事務的には、まず著しく利益が上っただろうというような計数の提示があったものについて十分調査をいたしまして、資料を提出したわけでございます。今御指摘の点についても調査をいたしまして、できる限りの資料を出したい、こう思う次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 この問題は、すでに船を引き取って相当な年月も経て、そうしてまただんだんほかの軍艦の製造もやり、発注もしておるのでございます。今ごろこれから研究するということは実に間の抜けたことなんです。どうして調査をしどうして研究をしなかったかと私は言うておるのです。それでもう一ぺん聞きますが、一体予定価格を立てるときに、詳細な工数の積算の基礎というところまであなたの方では具体的材料をおそろえになっておったのかどうか、答えて下さい。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 その前に、予定価格という意味がはっきりしなかったのでございますが、今の質問の予定価格は、防衛庁で契約前に積算する予定価格でございますか。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それではちょっと順序を変えましょう。長官が急ぐようでありますから、長官に対する質問を先にやってしまうことにいたします。  艦船建造費というものが、当初立てた予定価格が妥当であるかどうかということは、その後の艦船建造の予算の執行の上できわめて重大な影響のあることは申し上げるまでもありません。そこで関連するのてこの点は聞いておかなくちゃならぬのですが、あなたの方では三十一年度の中型警備艦二隻はもう建造契約をしておりますが、この契約はどこで、どういう方式で、いつしたのですか。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 三十一年度艦につきましては、これは二隻、お示しの通り昨年の暮れに契約をいたしました。相手方は三菱長崎造船所、もう一艦は石川島造船所であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 契約方式は。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 契約方式は随意契約であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 予定価格が正確であり、妥当であるという前提に立つならば、それほど予定価格の権威を信じ、また自信を持ってやるのならば、全国にずいぶんだくさんのりっぱな実績を持った技術者のおる造船所がたくさんあるのだが、どうして競争入札をさせないのか。七億七千万円の船で二億円も建造費が違うほどに——何がどこでこまかく違ってくるかは別ですけれども、それほどに造船界に違う実情がある限り、どうしてこれを指名競争入札にしないか。随契というものは、これは例外でなければならぬ。この点について基本方針を聞きたい。

津島壽一自由民主党防衛庁長官

○津島国務大臣 原則としては艦船の建造にはほかの船舶と違って非常に特殊の性能装備というものがあるのでございます。従って御承知のように過去においても随意契約ということが認められ、それによって調達されたというような事例を今日まで続けてきておるわけでございます。三十一年度艦につきましても種々の事情、条件を考慮いたしましてこの際最も適正な方法として随意契約ということに相なった次第でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 あなた事情がよくわからぬので、よく調べた上で随契にした理由をあとで答弁するのなら別ですよ。しかしよく御承知でなしに今御答弁になっておるきらいがある。過去において随契が認められたとか、当時の具体的事情で適切であったとか、そんなことを聞いているのではないのです。防衛庁が立てた予定価格というものが正確にして妥当であって、自信があって権威があるという以上は、造船所の設備の内容あるいは工員の技能、その他等々についてすでに今日は相当な実績を把握されているのです。それならばどうして競争入札にしないかというのです。その理由を聞いている。

津島壽一自由民主党防衛庁長官

○津島国務大臣 ただいまの具体的のことにつきましては、調本部長からお答えいたさせますので、御承知願います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 調本部長は実施担当官であろうけれども、二十六国会において例のアメリカからの域外調達の駆逐艦二隻の問題につきましては、これは随契にするか、あるいは競争入札にするかということについて、私は前の長官との間に相当議論をしたのであります。そこでこの問題は、契約の方式といたしまして重要な問題であるのみならず、ひいては予定価格とかあるいは建造費の内容とか、今のこのような具体的な大きな食い違いができた問題とか、あるいは随契に伴うところのあらゆる弊害であるとか、そういう幾多の関連を持っておりまするので、これは基本的な方針として相当明らかにしてもらわなければいかぬのです。随契にしたならば随契にした理由を一々明確にしてもらわねばならぬのであります。長官に伺いますが、現に三十二年度の警備艦についての契約もまだできていないのでしょう。できないゆえんのものは、やはり防衛庁自身において十分にこれに対する用意ができていないからなのです。三十二年の会計年度はもうあと二月で終るのです。ところがまだその契約もできない、予算の実施ができないのです。あなたの用意ができないのだから。そういう実情にかんがみてしばしば警告するにかかわらず、三十一年度はまた随契をやっている、こういうことをやっているから防衛庁には幾多の予算執行の乱脈が暴露するのです。だからこれはそういう言いのがれだけじゃなしに、長官ももっと自信のある答弁をしてもらわなければいかぬのです。お忙しいだろうけれども、一つもっとしゃんとした答弁をして下さい。

津島壽一自由民主党防衛庁長官

○津島国務大臣 三十二年度の造艦につきましては会検討中てございまして、まだ決定いたしておりません。  それから三十一年度の造艦についての先ほどの御質問でございましたが、随意契約をするのがいいか、競争入札その他の指名競争によるのがいいかということは、いろいろ観点の相違が出てくるのは、その発注する艦の性質ということも考える必要があると思うのでございます。これが従来にすでに同型の製造があるといったような場合においては指名競争が適当てないかと考えておるのでございます。その意味において今回の三十一年度艦については随意契約による方が、技術の進歩、価格の低廉といったようなことに貢献するだろう、こういう観点から昨年末に随意契約によって発注するという手続をとった次第でございます。なお詳細の点につきましては調本部長からさらに追加的のお答えをさしていただきたいと存じます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 長官に対しましてはなお後日にこの問題は保留しておきます。そして調本部長だけにまかせるのではなしに、あなたは責任をもってこういう根本問題に取り組んで答弁してもらわなければいかぬと思う。長官は何か渉外関係で急いでおるようでありますから……。  そこで調本部長に伺います。今の予定価格の問題ですが、これはあなたの方で契約に際しまして予定価格表なるものを作って、あなたの方の発注の原価をきめておるわけであります。それをお作りになりまするときには、たとえば工数の詳細な積算の基礎なんかも全部そろえて、そしてこういうような数字が出たものと思うのですが、それは間違いないですか。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 ただいまの点は予定価格の積算上非常に大切な問題でございます。この二十八年度の計画艦につきましては、終戦後初めての艦艇の発注でございまして会社側も防衛庁の方もしっかりとした工数についてのデータを持ち合せなかったのであります。そこでわれわれが積算いたしました方法をフランクに申し上げますと、戦前におきますところの軍艦、商船等の一トン当りの工数・単価というものはよくわかっております。戦後におきましては商船の一トン当りの工数ないし単価はわかっておりますけれども、艦艇は初めてであるというところから、どういうふうにいたしましたかと申しますと、大体戦前における軍艦と商船のトン当りの工数ないし単価を一つのグラフに書きまして、戦後におきましては例の計画造船でございますから、これについての商船のトン当りのグラフを書く。そしてこの二十八年度に計画しました警備艦は、大体かつての軍艦で申しますと駆逐艦に相当するものでございます。千五百トンとか千トンというのです。戦前における軍艦をとったのは、もちろん総工数をとっております。それによりまして大体のカーブをとりましてそしてそれに基いたのでありますが、さらにそれを修正いたしております。それはどうかと言いますと、戦前におきましては造船はリベッティングで、びょう打ち作業で船舶を作っております。ところが最近の艦艇の製造方法はびょう打ちはごく一部分でございまして、ウエルディングでやっております。従ってびょう打ちよりもウエルディングの方が工数が節減できるのであります。従いましてわれわれはどの程度工数の節減ができるかということを想定いたしまして会社と工数の折衝をいたしたのでありますが、この辺に関する会社とわが方との意見が相当違いを見せまして、工数に関しては最後まで一致しなかったのであります。従いまして工数について著しく差があった場合におきましては、両者協議することの覚書すら交換したということになっております。しかしながらこの二十八年度艦の工数の実績が出ましてから、三十年度にやはりDDKという船を四隻発注いたしました。千六百トンでありますが、この発注の際における工数の把握というものは、二十八年度の実績からお互いに理解した関係上、発注に際しましての工数のディスカッションにおきましては、あまり紛争はなかった、こういうような実情でございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 それはやっぱり答弁にならぬ。戦前の軍艦の建造費を想定したり、あるいは商船との比較をしたりするようなことは抽象論であります。私が聞くゆえんのものは、予定価格というものが要するにそんなに権威のないものだということなら率直に認めていただきたい。そうなればやはり現在の実情に合うんじゃないか、こう思うのであります。でありますので、予定価格がそんなに権威があるとするならば、権威のあるべき理由、根拠についてこれを伺おうとするのでありまして、今工数について会社の見積りと大きな開きがあるとおっしゃいましたけれども、要するにこれは根本の積算の基礎が明確でないことに起因するものであると言わなければならないと思います。それでありまするので、そういうふうであるから、結局あなたの方では何ほどが適正で妥当かということに対する自信がないのではないだろうか、こういうふうに私どもは疑わざるを得ないのであります。  そこで、それならばなお聞いてみたいのだが、もしあなたの方で会社との間に工費、建造費についてお互いに自信を持って商議する、こういうようなことであるとするならば、やはりあなたの方はいっときも早く随契を抜けなければいけまいと、こう思うのであります。もっとほかに要素はあります。理論の根拠についてはいろいろほかの要素も伴わなければなりませんけれども、そういうところが依然として改められるところがないのであります。そうするとこれを推論しましたならば、予定価格に自信がない、相手まかせである、随契である、何ぼもうかっているかわからぬ。三割九分利益を上げたんが妥当やら、九分の利益が妥当やらそれもよくわからない、戦前と比較する、商船の十倍の建造費が一応妥当な線だというようなことでやっておりましては、これはやはり造船会社の今日のように熾烈な競争のあとが断たぬのであります。造船会社の熾烈の競争のあとが断たぬということになってきますと、そこにやはりいろいろの問題を生む可能性があるわけであります。そこでそういうものを一掃してしまうゆえんのものは、当初建てるべき建造船価はあなたの方で自信を持つところまで進んでいくのでなければ、問題は解決しない。ほんとうにあなたの方が自信を持っておるならば、それは結果において随契であろうと指名競争であろうと、大きな弊害も生じないで済むかわからぬが、今のような状態でありましたならば、自信がないままに進んでおられるのではないかと思うのであります。他の幾多の事情も伴っておりますけれども、三十二年度の契約がまだできない。三十一年の契約がやっと三十二年の年末に及んでできた。予算は組んだけれども使わない。年々二百億円以上の使い残りが出て世の指弾を受けておるというような結果を来たすのでありまするから、弊害の及ぼすところまことに重大といわなければならぬのであります。でありまするので、要するに率直に言えば、やはり予定価格を立てる上におきましても、今日はまだ十分にあなたの方としては自信を持つだけの材料を整えるだけに内部的に一切の、たとえば設計とか計算等々について陣容を充実していない、こういうふうに判断して誤まりがないと思うのだが、その点はいかがですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山説明員 艦艇の発注の方式、前前から吉田先生の御意見を伺っておりますが、三十二年度艦は大体二隻作りますが、一隻はDDKと言いまして、対潜を主体とした船であります。これは三十年度艦と大体同型でございます。もう一つはDDKと申しまして、三十一年度艦と大体同型のものてございます。前に発注した経験等もございまして、設計、積算その他につきまして、大体誤まりなきを期せようというような意味におきまして、競争的要素を入れまして数社で見積り合せをやって、こういう方法で調達していこうというような考えでおります。ただこれがおくれております理由は、初めはDDCという司令艦を作る予定でございましたが、DDKが入りまして、これが司令艦の役を果しますので、DDKにかえることにいたしました。その関係上相当予算のワクが足りませんのて、今回の予算折衝でその増額を求めまして大体設備いたしましたので、価格の見当がつきました上でやろうということで、現在まで三十二年度艦の契約ができないということであります。  一般的に随契がいいか競争入札がいいかということは、いろいろ問題がございますが、大体経験を積みまして、見当のつくものは少くとも競争要素を入れて、入札その他でやって参りたい、こういう方針であります。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 そういう答弁は何べんも聞いておるのでありまして、あなたの方が予定価格を立てる上においてほんとうに自信のあるところまで充実してきたかということを私は聞きたかったのであります。一般論を聞くことは必要はないのであります。そこで委員長に、先に長官も言っておりましたし、なお本部長もその点を明らかにしておりませんので、やはり「いかづち」についての資料は十分にここへ出してもらわなければいかぬのであります。そうしてあなたの方の、「いなづま」に対する所見、「いなづま」の安く上ったその原因に対するあなたの方の認識、そういうものは「いかづち」と並べてやはり検討してもらわなければいかぬのであります。当初の予定価格なるものを移動させる必要があるのかないのか、そういうことも必要でありますから、あわせて資料は一つ出してもらわなければいかぬと思います。それを一つお願いいたします。出ましてから伺いたいと思います。今の「いかづち」、「いなづま」の問題は、やはり根本に触れた幾多の問題を持っておりますので、私はやはり依然としてこの問題は追及する必要があると思います。資料が出ましてからやります。  この機会に伺っておきます。スイスのエリコン誘導弾、あれを買っておるはずでありますが、これは幾らの契約で幾ら払って入手はどうしたか、この点について本部長答弁して下さい。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 エリコン社と誘導弾につきまして契約をしておるのは事実であります。その金額は約三億六千万円であります。納期が多少おくれまして大体この一月中に検査が終って納まるという予定でございまして……。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 この一月ですか。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 その予定でございましたが、最近エリコン社から通知がありまして、いろいろな事情で、たとえばあの誘導弾の電気部品あたりは、フランスに注文したり、あるいは一部ドイツに注文したり、あるいはイギリスに注文したりというようなことで、それらの外国に注文した部品が入手がおくれるので、大体三月末ごろにはFOBで渡せるということになっております。これはたしか一部前払い金をいたしております。ただいまのを正確に申し上げますと、エリコン誘導弾飛翔体装置、契約金額三億七千八百万でございます。さようなわけでございまして、近く船積みされると思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 幾ら代金を支払ったのですか。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 ただいま正確なデータがございませんが、七割前払いをしておると思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 いつ払いました。

武内征平防衛庁事務官(調達実施本部長)

○武内説明員 これは契約と同時でございまして、契約がたしか昨年、三十二年の三月であったと思います。あとで正確に調べておきます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 これはライセンスをあなたの方では買っておらず、民間会社が買うということになって閣僚懇談会でも先般問題になっておったようでありますが、そのいきさつはどうでありますか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山説明員 ライセンスを三菱電機が向うと契約をいたしまして、大蔵大臣、通産大臣に技術提携の申請をいたしまして、外資委員会で今審議中でございます。まだ閣僚懇談会とかというところで話になっておることは聞いておりません。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 外国の実例は、むしろライセンスを買って製造するということが通常のようにも聞いております。すでに七割、三億七千八百万円の七割の金を支払ってライセンスを買わない。従ってそういう場合に将来これを使って修理するということも困難でないかというふうに専門家は見ておるようでありまするが、そういうことについて内部的には意見は出ないのですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山説明員 このエリコン誘導弾を買いますときには、まず実物をもって勉強しよう、エリコンそのものを今後量産したりするかどうかは今後の問題でございまして、いろいろ実物について勉強しようという趣旨で買っていただいたことになったようでございます。その際ライセンスの問題につきましては、向うとの話し合いでも、ライセンスが外なのか中なのかということが実はあまりはっきりしていなかったようでございますが、その後ライセンスは別なのだということがはっきりいたしまして実物についていろいろ研究を進めて参りますについても、ライセンスがあった方が便利とは思いますが、そのものを量産するためということがきまっておりませんので、ライセンスがなくても研究、開発はできるという判断のもとに実物を買ったわけでございます。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ライセンスをもし民間会社が買ってしまって修理をするときには困るというようなことになると、数億円の金を使って誘導弾は買ったけれども、十分に研究の用を足さないというようなことになる危険はないのですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山説明員 ライセンスの問題が起りまして、そういう点を向うにもいろいろ確かめたわけでございますが、訓練し、研究をし、撃ってみるというようなことについては十分向うは技術提携をする、しかし物を作る、量産するというような点についてはライセンスがなければだめだ、こういっておるわけでございまして、かりに将来全部あるいは部分的にでもエリコンそのものの物を量産するということになります際には、あるいはライセンス問題を片づけなければいけない、こういうことになると思います。

吉田賢一日本社会党

○吉田(賢)委員 ずいぶん高いものをつかまされて防衛庁だけがばかをみているというような民間のうわさも出ているのですが、そういう点についてはあなたの方として十分に検討の余地はないのですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山説明員 全然むだなものを買ったということは考えておりません。

坂本泰良日本社会党

○坂本委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十分散会

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