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28回国会衆議院1958/04/25

議院運営委員会 第34号

発言数
47
登壇者
12
会派数
2
開催日
1958/04/25

会議録

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 それでは、これより会議を開きます。  各位にはすでに御承知の通り、昨日淺沼稻次郎君外四名から、成規の賛成を得て、当委員会を通じて議長までに岸内閣不信任決議案が提出され、その取扱いにつきましては、昨夕当委員会において協議いたし、本決議案はこれを本日の本会議の劈頭に上程することに決定しておりますが、その際、佐々木委員及び池田委員から特に御発言の次第もありまして、本決議案の取扱いにつきましては、過般の両党首会談の精神にのっとり、かつまた今後における話し合いによる解散の場合のよき、しかも筋の通った慣行を作り上げるためにも、あらためて本日の委員会において、その取り運び方について慎重かつ十分に御議論を願うことに相なった次第であります。つきましては、各党より御意見の御開陳を願います。自由民主党。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員 私は、本案の趣旨弁明の後に、政府より申し出があれば、その所信表明を許さなくてはならないと思うのであります。提出者は、この決議案の趣旨弁明において、内閣不信任の理由を御説明になり、その考えているところをその弁明において逐次なされると思います。国会を通じて国民の前に明らかにされることでありますので、これに対し、政府もおのずから国会を通じて国民にその意思を表明すべきである、こう思うのであります。すなわち、憲法第六十三条において、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。」という規定があります。帝国議会以来の先例において、内閣不信任決議案について政府が所信を表明した事例が多いのでありまして、このことを見ましても、この憲法の精神は尊重しなければならないものと考えるのであります。またかりに政府が、内閣信任決議案を国会に提出したとすれば、政府はその趣旨弁明をなすことができるものと考えるのであります。野党から御提出になったこの不信任決議案に対し、政府は反対の意見を表明することは許されなければならないものと申さなければなりません。しこういたしまして、政府の意見を聞いた後に本案に対する討論を開始するのが望ましいことであると思うのであります。ましてこのたびの解散は、いわゆる話し合い解散でありますので、与野党の双方の了解の基盤に立って信を国民に問うものでありまして、わが国憲政史上最初の事例であります。社会党は、趣旨弁明を通じて内閣不信任の理由を国民に訴え、政府もまた、その立場についての所信を国会を通じて国民に訴えることこそ、議会の権威を高めるところでありまして、以上の理由によって、この際政府に、不信任決議案上程の際には、その所信を表明する機会を与えるよう、新しいしかもりっぱな前例を作りたいと考えておる次第でございます。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 日本社会党。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 荒船君のただいまの御発言でありますが、これは過去に前例なしとしないということも聞いております。しかし内閣の不信任案が出されたときに、総理大臣がその所信を表明するということは、私は平仄が合わないと思う。よき慣行であるならば、私はあえて慣例にこだわることなく応じてもよろしい。しかし、それは国会が召集された場合に、政府が進んで国民の前に所信を明らかにする場合においては異論はございませんが、わが党が不信任案を提出して、現内閣を認めず、現内閣を信任せずということを堂々と公けの機関を通じまして上程をいたしたのでありまするから、当然私は、この論議を行なって、しかる後に解散をする、これが当然の道ではなかろうかと思う。いわんや去る十八日、これはきわめてまれな事態でありまするが、岸自民党総裁とわが党の鈴木委員長が会談をいたしました。そうしてこの両党首会談においては、この所信表明のことは、社会党といたしては受諾いたしがたい。従って、過去のルールに従って、慣例に従って、趣旨弁明、それに対する与党の反対討論、社会党の賛成討論、しかる後に解散を行う、堂々と尽すべきは尽して、しかる後に解散を行いたいということは、両党首会談におけるところのこれは公約であります。従って私は、今日突如とは申しませんけれども、自由民主党の方で早くから要望されておりましたけれども、社会党は、総理大臣の所信表明ということにつきましては、同意いたすわけには参りませんので、今回は前例に従って、趣旨弁明を行い、与党の反対討論を行い、社会党の賛成討論を行い、しかる後に堂々と解散を行なって、そうして本会議をこれによって進めていただきたい、こういうことが社会党の主張でございますので、私どもはさように申し上げる次第であります。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 私どももむずかしい理屈でなく、あなた方の方から出てきたやつが、要するに不信任決議案であって、不信任決議案だということになれば、私は、不信任案というものは内閣の更迭を意味しはしないが、解散決議案とそこに意味の相違がありはせぬか、こういうふうに私たちは考えております。従って、先ほどの荒舩さんの主張というものは、当然これは確保しなければならない、こういうふうに考えているわけであります。そこで、すなわち首相のはっきりした所信の表明というものは当然必要ではないか、こういうふうに考えますが、その点はどうでしょうか。

野原覺日本社会党

○野原委員 私は、所信の表明ができるとかできないとか、先例にあるとかないとか、そういう議論をしようとは思わない。私どもが申し上げますことは、荒船君が発言された中にありましたように、この不信任案上程に伴う解散というものは、いわみる話し合いによる解散である、こういうお言葉があったと思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)その通りなんですね。その話し合いによる解散というものは何かといえば、両党首の話し合いによる解散だ。両党首の話し合いによる下書きをだれが作ったかといえば、やはり両党を代表した、社会党の淺沼書記長と、それから自由民主党の川島幹事長との間でこれはできておるのです。従って、その席上でどういうことが話し合われたかと申しますれば、私どもの書記長から、これははっきり私聞いておることだけれども、この不信任案を上程したならば、提案趣旨の説明をやって、それから賛否の討論を堂々とやろう。もちろん川島氏は、最初はそれを承認しなかった。内閣の所信表明をやらしてもらいたいということであった。けれども、内閣の所信表明については社会党は反対だ。反対であればやむを得ません。それでは承知しました。ということで自民党の幹事長は帰っておる。両党を代表した人々の話し合いによって、四月の十八日からこの二十五日まで一週間の国会運営が衆参両院においてなされてきておるのだ。今になって、その所信表明ができるとか、法的にこれを拒否できないとか、それからさせるのが妥当であるとかいうような、そういう難題を持ち出して横車を押そうということは、私は、ここ一週間の国会運営を認めておきながら、これは承服できない。だから、話し合いによる解散だから、両党首の話し合いの線に沿って、私どもはそれを確認して、内閣不信任案について本日社会党が趣旨弁明をいたしますから、池田君が申されたように、賛否の討論を国民の前に堂々とやって、政府が解散をしたいのなら解散をしたらよろしい。そのように運んでもらいたい。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 ですから、別に私はあなたの意見をどうこういう意味ではないのです。いずれにしても、われわれは総理がどういうふうな考え方を言ったか知らぬけれども、われわれは将来の議院運営というものによりよい慣行を残さなければならぬ。従って、今度の国会というものは、御承知のように、社会党とわれわれ自由民主党というものが、ほんとうに二大政党というものの誕生とともにこの国会が行われたことは御承知の通りであるので、今後この種のものは、この次からのわれわれの国会では当然常に行われることであるから、よりよい慣行を残したい、こういうことであなた方に御相談を申し上げておるのであって、あなた方の御意見と相違するところもあろうけれども、よりよい慣行を残したいというのがわれわれの意見であります。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 野原君の今の御発言に対して私は申し上げますが、十八日の会合では、総理の所信表明ということは、一応こちらの方から申し込んで話をしたのですが、社会党の方ではそれはいけないということを聞いてはおるのです。しかし、総理にやらせないというようなことにきまったということは聞いておりません。これはいまだに未解決のままだろうと私は思うのです。先ほど池田君からいろいろな前例、慣例を指摘いたしましたが、不信任案に対しては、全然趣旨説明も討論もしないで解散した先例もある。あるいは、討論をやって、途中でやったこともあります。しかし、そういうことは旧憲法下における慣例でありまして、われわれはここに新しい慣行を作ろう、こういう考え方であります。御承知の通り、今度は両党首が会って話し合いで解散をしようということは、前例のない解散なんであります。そこで、前例にこだわらない新しい慣行を作ろうとするならば、私から申し上げるならば。社会党自体も党首、いわゆる委員長みずから陣頭に立って、わが岸内閣の不信任に対する趣旨を堂々と説明なさって、それに対して、またわが党の党首が堂々と国民の前にそれに対する反駁をやられて、そうしてフェアにやるというのならば、やはりそんなものにこだわらないで、私どもの方も党首がやるから、あなたの方も党首がやりなさい。そこでお互いの考えを国民の前に明らかにして解散することが、いわゆるよき慣例であり、よき慣行である。国民もなるほどと納得するのではないか、こういうことを私は申し上げて、一つ皆さんの御賛同を得たい。こういうのでありまして、約束したとかしないとかいうことは——約束がまだはっきりしていないから、今日ここで議論がなされておるのであります。もうはっきりこれができておるならば、今日こんな議論をする必要はないのでありまして、野原君は、こういう約束をされておると言うが、われわれは聞いていないのでありまして、また約束をしたならば、これは第一線にあるわれわれに対して、こういうふうにきまっておるからということで、議論の必要はない。その点を一つよくお考え願って、いい慣行を作ってもらいたい。

野原覺日本社会党

○野原委員 よい慣行を作るために私も発言をしておる。長谷川君も佐々木君もよき慣行、よき先例を作りたいということで繰り返し主張されましたけれども、この国会の会期末、あるいはこの解散を間近に控えた国会の運営、これは今後においても相当波乱混乱をきわめるわけであります。そういった波乱混乱をきわめるから両党の党首が出て来て話し合いをした。その話し合いをお互いに尊重しなければならぬというので、野党の社会党は、ここ一週間の国会運営に、相当不満もあるし、法案審議についても意見があったけれども、実はその話し合いというものは尊重しようじゃないかということできておる。よき慣行とは、両党首の話し合いを尊重するということだ。これを尊重しない慣行がもしこの議運において、議運では決定権があるから、その話し合いをひっくり返す、こういうことになると、今後の国会運営というものはできないと思う。それでこれは今佐々木君は、川島幹事長から十分確認をしていないようですが……(「いや、しておる」と呼ぶ者あり)どうも確認していないようだ、これははっきり確認してもらいたい。僕は書記長から確認してきておる。だからあくまでも所信表明はあなた方の方が主張されて、これに社会党が反対した。それではやむを得ませんというので、やはりこれは賛否の討論をやるということになっておるのですよ。だから、この話し合いというものは尊重してもらいたい。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 それならば私は、こう聞いたとか聞ないとか、約束したとか約束しないとかいうようなことを議論しておるなら、これはもう仕方がない。どこまでいっても果てしがないのであります。われわれの方は聞いていない。それからわれわれの党の人——私だけならば、あるいは聞いていないとか、間違いということがありますが、一人残らず聞いていないのであって、そういう話はあったということです。そういう話はありましたけれども、この不信任案の取扱いをどうこう、ああしてこうしてというような、ちゃんと演出ができたというようなことはないのです。ないからこそ先ほど理事会においても、今日までその取扱いについていろいろ御相談も申し上げ、どうしたらよき慣行が作れるかということの話し合いをしておるのであって、きまつておるのなら、今日ここでこうして委員会を開いて議論する必要も何もない。もちろん両党の間ではっきり約束ができておるのなら、われわれは十分尊重します。それをくつがえすというようなことは、これは信義に反することですから。しかし、それはきまっていないということを聞いておるのです。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 自由民主党の方で、幹事長がそういう約束をしておらないと申されるならば、この両党首会談におけるところの最初の話し合いというものは、両党の話し合いによって解散の順序をきめる。もう一つの付帯事項としては、すみやかな法案の審議については野党の協力を求めるということがあったのであります。従って、社会党といたしましては、両院において、この与党の申し入れを、政府の申し入れというものを両党首会談において了承し、これをそれぞれの機関に移すということになったのであります。従って、両党の対策委員長会談というものが開かれ、わが党は昨日までの間、また本日も参議院におきましては、政府の提出法案に対しては十分の協力をいたしております。そういう取るべきものはさらっと取って、そうして両党首会談におけるところの申し合せというものは、もう何も社会党に譲ってもらう必要がないということになると、所信表明をやらしてくれというのは、これは両党首会談の意義というものをじゅうりんするものでありまして、私どもとしてはとうてい承認することはできません。のみならず、私どもの方は、最初川島幹事長を通じて両党首会談の申し入れがあったときに、中央執 行委員会は、総理大臣の所信表明というようなものを条件とするならば党首会談に応ずる必要はなし、それは両党書記長、幹事長会談をもって足りる。従って、そのものは除こうということで党首会談になったわけでありまするから、このことを今日川島幹事長が知らぬ存ぜぬと言っても、私どもは中央執行委員会にまで持ち出してこのことを承認して、しかる後に、この条件を付するということで党首会談をやったのでありますから、これは本日、自民党としては、私ども社会党が趣旨弁明をやり、自由民主党が反対討論をやり、社会党が賛成討論をやったのでは、二対一ということであるから、従って、総理大臣に発言させて国民の前にアピールするというお気持はわからないことはありませんけれども、これは社会党といたしましても、また従来のルールからいたしましても、とうていこういう異例の措置は許すわけには参りません。ただし、佐々木君が申されましたけれども、過去の前例は幾つもあります。不信任案が出たとたんに、趣旨弁明を許さずに解散を行なったこともあります。趣旨弁明後に解散をしたこともあります。賛否両論討論をやった後に解散した例もあります。こういうことは幾つも例がありますので、私は必ずしもその例にこだわるものではありませんけれども、総理大臣の所信表明というような、少くとも内閣を不信任しておる総理大臣の所信を聞くということは、野党の何人もこういうものを要求しておる者はございません。むしろ拒否しておるのでありますから、これは厳として党の方針であることを御了承願いたいのであります。

山本幸一日本社会党

○山本(幸)委員 さっきからいろいろ聞いておると、いわゆるへぼ理屈が多過ぎるように思う。それは、要するに池田君がるる述べたように、今までにいろいろな慣例はある、あるけれども、少くとも戦後の慣例で、不信任案の上程に際して総理大臣の所信表明というものは一つもない。それがまず第一点。それから第二は、先ほどから述べておるように、党首会談をやらせるについてはぜん立てをやって、書記長、幹事長会談で、結局は所信表明をやらせない。その裏をひっくり返せば、そのかわり社会党も、反対賛成は別にして重要案件について審議を促進してもらいたい、促進しましょうという、裏をひっくり返した言葉がちゃんとある。ようございますか。そこで、そういうような経過を踏んだことは、これはわれわればかりでないと思うのだ。新聞、ラジオ、テレビジョン、一切のものがこの点を確認して報道しているのですよ。これはもう間違いない。その当時の新聞を見てもその通りだ。そういう公党と公党の、しかも代表者の約束を——それはよき慣例を作るとか、よき慣行を作るとか、そんな慣行や慣例みたいなものは、お互いの主観的な立場でどうにでもなることで、そういうことは別にして、少くともそういう約束をされたということ自体が、話し合いによるこういう事態を作ったということで、そのこと自体がいい慣行だと思う。従って今、この際、もしそういうようなあなた方の議論で、議運は議運で独自にやるのだということになれば、もはや党首会談も、あるいは両党の代表者会談も、今後の国会において開く必要はないということになる危険性もあると思うのです。そうなると、われわれとしてはきょう限りの国会であるけれども、今後やはり選挙後の国会を継続するについて、僕はそれでは運営上困るのではないか、またそういうことはやるべきでないと考える。もしそれをもあえてやるとするならば、議運は解散のことをここで議論すべきではない。いつ解散に持っていこうかは政府の意思で、解散権は政府が持っておるので、われわれがタッチすべきではない。われわれがここできめるのは、不信任案の趣旨弁明と賛否両論の討論と、採決をきめたらいい。それは議運の国会運営に対する当然のルールです。従って採決をきめるまでやりなさい、そんな途中のことをきめる必要はない。政府は政府で独自に解散権を持つのだから、それをわれわれがとやかく言うべきではない。こういうことが正しいと思います。

小牧次生日本社会党

○小牧委員 話し合いによる解散が確かにいい前例だ、これは私どももわかるのです。また議運がその取扱いについていろいろ論議をして、さらによき慣行を作ろう、そういう努力もよくわかります。しかし、今山本さんが言われた通り、趣旨弁明をやって、賛成、反対の討論をやったあとに首相が所信を表明するということが、果して今あなたの言われるようなよい慣行であるかどうか、これはいろいろ論議があると思う。また首相も、あえて所信表明にはこだわらないということも言っておるのだから、われわれが議運のよい慣行を作ろうという努力でそこまでやらなければならぬかどうかということは、僕は疑問があると思う。だから僕は、今言われた通り、堂々と趣旨弁明と賛成、反対の討論をやって解散、ということが一番いいと思う。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 われわれが不信任案の取扱いに対して、それほどよき慣行を作る努力をする必要があるかないかというお話ですが、それは国会議員として大いにあるのです。これを議運できめるということは、よき慣行にもなり、きめ方によっては悪い慣行にもなるのです。私の言うのは、今度はフェアで、しかも堂々と話し合いで解散しようというのだから、野党の党首が出て不信任の趣旨説明をする、わが党の党首が出てそれに反駁するということは、不信任にからんでおるので、何もこだわることはないじゃないですか。同時に、こういうことも言えるのですよ。不信任というのは、たとえば今の岸内閣ではだめだ、信任がないからやめろという不信任で、解散決議案とは違うのですよ。そうして一たんその爼上に上された人は、たとい懲罰の動議が出ても一身上の弁明というものは許しておるのですよ。それならその議論を進めていけば、内閣自体の一身上の弁明を許さないで、出した方だけの勝手なことを言って解散するということが、果していいか悪いかというような議論にもなるでしょう。そこであなた方にしたって、われわれ国会議員にしたって、お互いにいい慣行を作るということで努力することは、一幹部のみではない、われわれ一国会議員も、進んでそのいい慣行を作ることに努力すべきことは当りまえだと思う。

小牧次生日本社会党

○小牧委員 佐々木さん、今の話ですが、議運がよき慣行を作ることに努力をしないとかするとか、そういうことを僕は言っているのではないので、所信を表明させるということがいい慣行であるかどうか、それには大いに論議がある、こう言っているのです。それは誤解しないで下さい。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 たとえば今佐々木君が言った通り、一身上の弁明の機会を与える。こういうことも、考え方によっては成り立つと思うのだ。しかし今回は、場合が違うと思うのです。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 いつだって同じだ。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 ちょっと待って ……。それはなぜ僕がそういうことを言うかというと、そういうことを党首会談において話し合いが進められて、そして与党の方で、岸さんの方ではこれを主張した、川島さんの方では主張した。しかしそれは工合が悪い、それの善悪はいろいろ批判があろうが、そういうことになって、それではしようがありませんということで話がついた以上は、今回はその問題についての観点が違っておるけれども、われわれの方は、そのときにそういうことで話がついたということで、われわれは議を進めているわけだ。そうなると、その話がついた内容でここでもって議事の段取りをきめていく、これ以外にはないと思うのだよ。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 これは、言った言わないで議論したって仕方がありません。そうすると私が申し上げたいのは、ここにまた当事者を呼んで、お前言ったか言わないかと聞く、そんな不見識なこともできませんから、われわれとしては十分真偽を確かめます。あなた方も、もう一ぺん真偽を確かめて下さい、ここで一たん休憩して下さい。

野原覺日本社会党

○野原委員 ちょっと休憩の前に委員長にお尋ねいたしますが、この議運は……。     〔発言する者多し〕

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 静粛に願います。

野原覺日本社会党

○野原委員 社会党から出した岸内閣不信任案の上程を論議する議運だと思う。私どもは、解散についての論議はしていないのだ。社会党が不信任案を出したのだから、その不信任案の取扱いをどうするのか。だからこの取扱いというものは、慣例に従って時間をきめて、趣旨弁明があって、賛否の討論をやるのだ。解散するかどうかは政府がしたらいいのだ。採決までをきめる。だから、そのことだけを議運できめたらいいのだ。山本君が言うように、解散をするかどうかということは政府の権限なんだ。だから、その間に政府がどう出るかということまで、われわれ議運としてはタッチすべきでないと思う。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 それなら不信任のことだけきめればいいのだということになれば、今度のは、両党首の間で解散のことまで話し合った不信任じゃないですか。解散を二十五日にしようという、その解散を含めた不信任の取扱いを論議しているのでしょう。解散のことに触れない不信任なら別です。解散を含めた不信任案だから、ただの不信任案の扱いではあまりもおかしい。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 先ほど来の話を伺っておると、私は、立法府というものと行政府というものを混同した議論をやっていると思う。今社会党が提出しておる岸内閣不信任案は、この院の意思を私どもは問わんとしておるのです。衆議院の意思を問わんとしておるものであります。従って、ここで総理大臣が所信を表明することは、立法府と行政府とのあまりにも混淆の事態を招くことであって、そういうことは明らかに好むべき事柄ではございません。先ほど例をとって、懲罰に付せられた者といえども一身上の弁明を許すと言われるが、わが党の提出いたしましたこの岸内閣不信任案は、院の意思を問わんとするものであります。従って、行政府は意思表示をすべきにあらずというのが私どもの国会のルールであります。従って、この点を間違えないように考えていただきたい。国会というものは院の意思を御決定になればいい。院の意思を決定するに当りましては、二大政党でありますから、あなたの方も堂々と反対討論の代表者をお立てになって、そして社会党の趣旨弁明に対して反駁なさるんなら、与党を代表する方がおやりになる。承わるところによると、三木武夫さんがおやりになるそうでありますが、堂々と自由民主党の立場を披瀝する、これが二大政党下におけるところの公論でありますから、この点を紛淆しないように願いたい。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川(四)委員 ちょっと山本君、あなたのお話によると、趣旨弁明をやって、反対、賛成の討論をやって採決をする。そうして採決をしておいて、その後に今度は総理がその所信を表明をする、こういうので、そうなってくるとそれでいいわけだな。

山本幸一日本社会党

○山本(幸)委員 そんなことは言いませんよ。私の言ったのは、約束があるとかないとか、話し合いをしたとかせぬとか、おれは聞いておらぬとか、こういう議論をされるから、少くともそのことについては客観的にすでに確認事実になっておる。新聞でも、ラジオでも確認事実になっておる。もしそれがいけなければ、さっき栗原君が言ったように、両党の幹事長、書記長を呼んで聞いていただくほかにないと思うが、それもできないということになれば、結局そういう話し合いを否定するという立場になる。それでは今後の選 挙後における国会の運営に支障を来たすのではないか。従って両党の約束については、これを守っていくという慣習を特に守ってもらいたい。しかも、それもできないというなら、われわれは解散の問題をここで議論すべきではない。その話し合いすら否定的な態度 なら、解散の問題はすでに議論すべきにあらず、議運は議運として、不信任案の扱い方についてだけここで検討すればよろしい。そのためには戦後の慣例としては、不信任案の趣旨弁明あるいは討論の途中に、総理大臣が所信を表明した慣例はございません。従って、戦後の従来の慣例通りに、やはり趣旨弁明をやり、そこで両党の討論をやり、そしてなお採決まできめたらいいと思うのです。それ以外にここでやる必要はないという本筋の議論に今度は戻るというのです。約束をしてないとか、話し合いを聞いていないということをおっしゃるなら、そういう本筋の議論に戻すべきだ、こう申し上げているのです。その点を区別してもらわないと……。

佐々木秀世自由民主党

○佐々木(秀)委員 こっちの方の党首が、不信任にからんで自分たちの立場を国民の前に表明することを拒否なさるということが、いい慣行だと私は思わないですよ。

佐々木良作日本社会党

○佐々木(良)委員 今の佐々木さんのお話で、よき慣行であると思いなさらぬのだと言われても、われわれの方で思いなされば仕方がない。そうすれば、これまでの筋の通った一番普通の運営より仕方がないと思います。今の佐々木さんのお話によると、提案理由を社会党がやるなら、社会党の方も党首で堂々とやり、私どもの方も所信表明を党首で堂々とやってと言われますけれども、やるかやらぬかも、おのおのの党首を出すか出さぬかも、こっちの勝手であって、われわれの方では、必ずしも党首が出るか出ないかわからない。それがいい慣行であるかないかというのは、おのおのの判断ですから、ここで佐々木さんの言われることが一番いい慣行だということで、全員一致してやはりそれがよかろうということになれば、新しい問題が生れるでしょう。しかしながら、半分以上の者が、やはりこれはよくないことであると思えば、そのこと自身がよくないことにならざるを得なくなると思う。そのときはやはり原則論に立ち返って、どういった約束があったなしという問題を抜きにして、普通の議案の取扱い方で、提案者が提案の説明をして、賛否両論が行われるという筋に戻るより仕方がない。その上のことをやるんなら、また両党首が相談してもらえば別ですが……。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員 だいぶ社会党さんの方のお考えは飛躍したお考えのようです。飛躍をし過ぎて、どうも考えが違っておるように思われます。そこで、せっかくこの議会は円満にきたことでもありますから、社会党さんも一つ党内でよく御相談して、その両党首会談の様子をよくお聞きになってきていただく、われわれもまた党へ帰って、一つ幹事長及び党首と話し合いをして参りますから、その問暫時休憩をしていただきたいと思います。

野原覺日本社会党

○野原委員 その前に、今休憩の動議を荒船君が出しておりますが、これはお互いに聞いても、現に二人の者がここに出席をして皆さんの前で証言をしてもらわなければ、片っ方はそう言っていない、片っ方はそう言っておるということなら、これまたおかしいこと になるのだ。だから私は、荒船君の動議に反対はしません。私ども、もう一度その真意を確かめてみます。しかし、どうしても話し合いが一致しなければ、場合によっては、この議運の委員会に書記長、幹事長に出席してもらうこともあり得るということを確認した上で、休憩してもらいたい。

荒舩清十郎自由民主党

○荒舩委員 そういうことを確認する前に、議会は議会として、そういう議論であれば採決をするということになります。そういうことはいやですから、休憩する問にちょっと話し合って下さいということです。

八木昇日本社会党

○八木(昇)委員 先ほど来いろいろ議論が出まして、場合によっては休憩してもいいと思いますが、ただ私どもの納得がいかない点は、どうも不信任案が出ておるのに政府の所信の表明をさせないということは、いかにも議会としては不親切なような感じがする、そういうようなお考えがあるようですね。ところが、過去の例を見てみますと、われわれが内閣不信任案というものを出した、ところが不信任案の趣旨弁明も全然やらせないで政府が解散を断行したということもあるわけです。ですから、そういうように不信任という考えを持っておる者の意見というものを、国会を通して国民に知らせなかったという、きわめて非民主的なやり方の場合もあったのですから、一切はやはり過去の慣例を基準とし、さらに両党首会談の話し合いの結果を基とし進めていただくよりほかありませんよ。

山本幸一日本社会党

○山本(幸)委員 荒船君と佐々木君の言ったいわゆる休憩動議……。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 そうかどばらないで……。

山本幸一日本社会党

○山本(幸)委員 これは、動議として扱うのはよそう、もう少しやわらかくいこう。そういう要求、それに対して野原君の言ったようなことを含めて——条件じゃないですよ、そういう意見も含めて両方で相談をする、そういう意味において賛成します。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 それではお諮り申し上げます。荒船君から、しばらく休憩のお話が出ておりますし、野原君からも一つの希望条件が出ておりますが、これを参考にしまして、一応しばらく休憩することにして、なるべく早い機会に再開をして結論を得たいと思いますから、暫時休憩いたします。     午後三時五十七分休憩      ————◇—————     午後四時二十三分開議

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 休憩前に引き続き会議を再開いたします。  先ほど来、種々御協議を願って参りましたが、遺憾ながら両党の間において意見の一致を見ることができないようでございます。意見の一致を見ない以上、これらの点につきましては、委員会としては規則の建前等もあることでございますから、採決をもっていずれにか決定することはいかがかと存ぜられるのでございますが、ただ今回の解散は、二大政党下の新しいケースとして両党首の話し合いに基くものでありまして、双方公平に、堂々と解散を行うべきことが、話し合いの基盤となった精神であることにかんがみ、その特殊事情を考慮して、両党の立場を公平にする建前から、解散権を行使される内閣に対し、当委員会としては不信任決議案の上程に際し、話し合い解散の性質から見まして、両党の代表が平等かつ公平に発言を行われるまでは少くとも政府において解散を行わないように要望いたしておきたいと思うのでございますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」「異議あり」と呼び、その他発言する者多し〕

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 異議があるそうでございますから、この際やむなく採決をいたします。

野原覺日本社会党

○野原委員 提案がはっきりしない。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 ちょっと待って下さい。委員長のただいまの御発言によりますると、両党公平にと申しますが、私どもは、この不信任案の取扱いというものは、すでに通告をいたしておりますように、わが党は河上顧問が趣旨弁明をいたしまして、与党は三木武夫さんが反対の討論をされるやに聞いております。さらに私の党は、勝間田清一君がこれに対する賛成の討論をいたします。これをもってすべてを終了するものなり、かような観点に私は立っておるわけでありますが、この点の了承なり保証をいただけるのでありましょうか。

園田直自由民主党

○園田委員 委員長から、話し合い解散の建前上、両党から公平にかつ平等に発言をさせた上で解散をするよう要望するという意見でありますが、それについて社会党は、平等公平とは、趣旨弁明、続いて与党の反対討論、続いて社会党の賛成討論を含むものかという意味でございますけれども、解散は政府の持っておる独自の権限であって、与党としてのわれわれは、できるだけ公平にやれと要望はいたしますけれども、そこまで到達した結論には参りません。

野原覺日本社会党

○野原委員 委員長、それなら反対。

池田禎治日本社会党

○池田(禎)委員 ただいま園田君の御発言であります。なるほど解散権は政府固有のものであります。私は、これを認めるにやぶさかでありませんけれども、今日政党政治であり、党政治のもとにおいて二大政党が相対立しておるのであります。従って、自由民主党内閣でありますから、政府に解散権ありといえども、与党が責任を持つならば、政府をしてさようあらしむることは当然の措置であると考えますので、この点は与党において責任を持ってもらわなければならぬ。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 御意見の食い違いがございますが、ただいま私が申し上げました要望を政府に要望するに賛成の諸君の起立を求めます。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 起立多数。     〔「横暴々々」と呼び、その他発言する者多し〕

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 よって、さよう決定いたしました。  なお、本会議は午後五時より開会することとし、討論時間は三十分程度とするに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十八分散会

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