議院運営委員会 第16号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/03/19
会議録
○山村委員長 それでは、これより会議を開きます。 決議案の取扱いについてでございますが、きのう日本社会党の淺沼稻次郎君外五名より、国際労働条約第八十七号批准に関する決議案が提出されております。この取扱いをいかがいたしますか、御協議願います。 なお、本件に関しまして質疑がございますれば、岸内閣総理大臣、石田労働大臣が御出席になっておりますので、この際お願いいたします。
○池田(禎)委員 昨日社会党から、国際労働条約第八十七号批准に関する決議案を国会に提出いたしました。そこでこの際、総理大臣と労働大臣に、二、三の点についてお尋ねいたしたいと思うのです。 まず総理大臣に伺いたい。昭和二十七年の六月十八日、衆議院は全会一致をもって、国際労働条約批准促進に関する決議案を院議をもって可決しております。ILOの精神というものは、労働条件の改善を期して、そしてこれを国際的な機構において、万国の人々に平等の恵みを与えようとする趣旨であることは、申すまでもありません。そこで私どもは、当然院議をもって決議されたるもの、これが実現をされないということにつきましては多大な不満を持っておりますものでありますが、総理大臣は岸内閣の責任者として、この問題をどういうふうにお考えになっておるのでありましょうか、この際総理大臣、政府としての責任ある態度を御表明願いたいと思います。
○岸国務大臣 ILOの憲章に示されておる労働条件を改善して、社会正義と恒久平和の実現を期するという、この崇高な考え方に対しては、もちろん政府としましてもこれを尊重し、その精神に従ってこれに加盟し、今日まで努力をしてきておるわけであります。しこうして、これにおいて採択された条約案や勧告等につきましても、日本の国情から見て、できますものについては、すでに二十数個のものにはこれが批准をいたしております。しかし、なお日本に関係のあるもので批准を見ておらないものにつきましても、それぞれ政府としては真剣に検討を続けてきておるのでありまして、根本の考え方につきましては、院議できめられておりますILOの条約や勧告等に対して、批准を促進するという根本の考えは従来もとってきておりますし、今後も真剣にそれは続けていくつもりでおります。
○池田(禎)委員 わが党の提出しておりますこの決議案につきまして、また政府の所信につきまして、私は具体的な項目につきましては、後ほど労働大臣にお尋ねいたしたいのであります。この際、岸総理大臣の御出席を願ったのでありまするから、一言私から最近の国会のあり方につきましてお尋ねをいたしたいと思います。 今日この国会は、政府提出案件も、通例の国会に比べると数が少いと思う。けれども、その審議の過程におきまして、本会議はもとより、各種委員会におきましても、きわめて議員の出席率が悪いのであります。ほとんど定足を構成するような委員会はまれであります。この数日間の例を見ましても、大体運輸委員会を見ましても、商工委員会を見ましても、大蔵委員会を見ましても、いずれも、社会党は六人か七人出ておるわけでありますが、与党の方では、二人とか三人とかいう委員会はざらであります。こういうことは、私が言うまでもありませんが、これはいつ解散があるかわからぬというところの議員心理から、どうしても議員というものが国政審議の大権を放棄して、国会審議の大権を放棄して、それぞれの選挙区に帰っておる。これはおおうことのできない事実であります。そうすると、そのもとをなすものは何であるかというと、解散権を持っておる総理大臣が、いつ解散をやるかということを明示しておらない、このことが、ひいては議員の心理に動揺を与えておることは、これは私は、理論ではなく、現実の問題としては否定することができないことであろうと思うのであります。現に本会議のごとき、これは定数足をもし野党が求めますならば、失礼でございますけれども、今までの本会議で成立した法案というものは、重大な疑義がある。どういうことかと申しますと、違法となるおそれがある本会議はたくさんあるのであります。こういうことははなはだ遺憾でありますが、この根源を作るものは、総理大臣がいついかなる場合に解散をするか、その決意を表明しないということが、こういうことになっておる。私は、それは政府の大権であろうと、あなたが自由民主党の総裁として、内閣総理大臣として、あなたの所信を伺って、それによって、もし政府自身の考え方が解散を早期にやるのだ、予算が両院を通過し、これに伴うところのある程度の法案の通過を見たならば解散をしてもかまわない、それが国会の意思であるというようなお考え方であるならば、あなたはそれをなさろうとする意思があるかどうか、この際これをお尋ねいたしておきたいのであります。
○岸国務大臣 解散の問題につきましては、しばしば国会でも質問が向けられてきております。現に一月には、社会党の提案されました解散決議案というものが、多数をもって否決された事実もございます。世間ではずいぶん一月解散というようなことがいわれておりましたが、私は来年度、三十三年度の予算を成立せしむることが、国民経済にとって、また国民の生活安定の上から見て、絶対に必要であるという信念に立ってこの国会においてわれわれが提案する予算案並びに重要法律案というものは、ぜひこれを成立せしめることが内閣の使命である、従って、解散ということは考えておらないということを申し上げて、今日までいろいろ御審議をいただいておるのであります。私の心境を率直に言えとおっしゃるならば、私は依然として同じ考えを持っておるのであります。何か最近、いろいろ四月解散であるとか、あるいは五月解散であるとかいうようなことが取りざたされておることも、私は承知いたしておりますが、私の心境から申しますと、一月に国民の前に私の信念を申し述べ、またわが党としてこの解散決議案を否決した際に述べましたところの信念というものが、国民にはっきりと申し上げておるところの考えでありましては、今日も、ちっとも変っておらないということを申し上げるほかはないと思います。
○池田(禎)委員 総理大臣は、あなたの立場として、そう言わざるを得ない。これはまさに院議をもって——社会党は、すみやかに解散をすべしというところの決議案を出しておる。これは残念ながら多数をもって否決された。そうであるとすれば、これは院議でありますから、悪法なりといえども、決定すれば、これに従わざるを得ないのであります。従って、あなたが院議を無視するようなことを言えないということは、私は十分了解できる。しかし現実の問題としては、あなたの言っておることと逆な姿である。現に、ある程度法案が通ったら解散をするであろうということは必至だ。それゆえに議員はよろめいて、自分の十分な職責も果し得ない。もし依然としてあなたがそういうことをおっしゃるなら、将来われわれは、本会議においても、委員会においても、所定の定数に達せざる限り審議に応じられない、こういうような態度に出ることも、野党としては考えられます。従って、そういう形式論でなく、実質問題としては、政府は予算をすみやかに通過して、これに伴う若干の最小限の法案を通したら解散をやるのだ、それには院議をもってこういうことをしたのだから、政府そのものが大上段にものをかまえてやれないが、そこは二大政党でございますから、両党において十分話し合いを進めて、そうして相矛盾せざるところの姿を出す、こういうことは政党政治のもとにおいて、ちっとも不思議なことではないのですから、そういう点で、両党のそれぞれの責任ある立場の人々が、やはり国会の運営と、国家経済の前途というものを大きく見るなら、そういう点において話し合いを進めていって、円満にものを進めていくという、そういうお考え方を総理自身はお抱きになることはできませんでしょうか、どうでしょうか。
○岸国務大臣 解散の問題に関して、昨年の暮れでありましたか、本年の初めでありましたか、鈴木委員長が退院をされまして——御病気が本復されて、そして退院された機会に、お尋ねを受けたことがございました。その際にも、一月解散とか、いろいろなことがうわさされており、二大政党であるから、両党の党首その他において、そういうことを話し合ってきめたらどうだというようなことも、実は座談に出たのであります。しかし実際問題は、そういうことをすればますます審議はできないだろう、いわゆる事前運動というものをなくするということよりも、むしろ、それを奨励する結果になりはせぬかというようなことも、その際に話が出たのであります。 今お話のように、この際の時期において、両党の間において、いつ解散するとか、どういうふうにするとかいうようなことが、かりに話がきまったとして、それで一体重要案件やその他の審議がスムーズにいくものであるかどうかということにつきましては、私はどうもいろいろな観点から考えて見て、懸念があると思う。それよりも、とにかく私どもが先ほど言っておるのは、それはお前は政府としてそう言わざるを得ないだろうが、もう少し打ちあけて、やる時期をはっきりしたらいい、それをきめるには両党で話し合いをしたらいいではないかというようなお話でございますが、私はやはり、われわれが置かれておる政府だけじゃなしに、議員としましても、わが党といたしましても、この国会に提案されており、またそれが国民経済の上に、あるいは国民生活の上に重大な影響を持っておる重要な案件というものの成立に全力をあげるということが、われわれの国民から与えられておる負託の最大なものだから、その点に関して、一そう政府といたしましても、あるいは党の総裁といたしましても、わが党の人々に十分に徹底して、その審議を十分に尽さしめるようにすることこそ、私の任務だと思います。今お話のように、そういうことは言うても、実際問題としてはなかなかそうでないじゃないかと言われる池田委員のお考えも、現在の審議の状況の実態からのお話であると思います。私はその状態は遺憾である、それを直すのは、今申しましたように、私は党の総裁とし、政府の首班として、私自身がさらに努力をする、そして十分に審議が尽され、重要案件が成立するように、この上とも全力をあげるということをお誓いする以外には道がない。それを何か解散の時期をきめる。私は今の政治の運営から申しますと、なかなかそういう時期ではないというのが、私の実は偽わらない心持でございます。
○池田(禎)委員 総理の立場でそう言われるのは、私は無理でないと思いますが、そうすると、私の方で開き直れば、この国会は五月十八日まで会期がございます。そうすると政府の方で、ないし与党の方で、えらい審議を急がれても、五月十八日まで会期があるのだというような気持になる。そうすれば、どうしても法案の審議を急がれるということとは矛盾する、こういうことが当然出てくるのではないか。そこで、あなたは総裁とし、総理大臣としての責任において、あくまでもこれを否定なさるなら、少くとも表裏一体をなす与党としては、与党の議員が国会の重大な国政審議の大任を放棄して、それぞれの選挙区に帰って選挙運動に狂奔しておるというような姿、これは許しがたいと思う。こういうことこそ私は国民の前に公開して、こういう疑義をこそ断じて国民は信用せぬということを出さなければならぬ。これが民主政治であり、国民から選ばれた代表たるの道にこたえなければならぬ、こう思うのでありますから、あくまでも総理大臣がそういうお考えであるとするならば、将来十分な数をそろえて、ほんとうに選挙をこの国会中にやらないということを御言明なさって、その上において十分な審議を尽す、こういうことをあなたは厳重に党内に対して徹底し、かつまた遺憾なからしむるようになさろうとする決意でございましょうか、もう一度その点をお尋ねしたい、かように思います。
○岸国務大臣 ただいまの池田委員のお話は、全く私も同感であります。私、政府の首班として、それから与党の総裁といたしまして、十分一つ重要案件の審議が促進されるような態勢を、この上とも徹底することに全力をあげて努力をいたします。
○野原委員 先ほど池田君からILO条約の第八十七号批准について総理に質問があり、総理からも尊重するという御答弁があったのです。尊重するということは、これは当然なことなんです。日本は、御承知のようにILOの常任理事国でありますから、一国の総理が、尊重しないなどという答弁ができる筋合いのものではない。ところが現実には、総理の御承知のように、この条約が出されてから今日まで、日本政府は履行していないわけですね。その日本政府が今日まで履行しない、しかも常任理事国でありながら履行しないということが、実は国際的にも非常に問題になってきておるわけなんです。実は私は、きょうのニュースも聞いております。三十八カ国がこれを履行すべきであるということを決定し、そうして反対は一人もなく、日本だけが保留した、実は数日前の理事国の会議で、そういうことになったということも聞いておるのです。だから、この点について、国内だけでなしに、国際的にも、日本政府がこれを履行しないということは、きわめて問題がある。問題にされておられることを、尊重されると言われるのは、総理としてはどのようなお考えなのでございますか、もう度承わっておきたいと思います。
○岸国務大臣 私、先ほど申し上げましたことは、このILOで採択された条約案、もしくは勧告案の全部についての私の考え方を申し上げたわけであります。具体的には、今御指摘になっております団結権に関する条約案の問題であろうと思いますが、その問題に関しましては、御承知のように昨年政府といたしましても、これを国内法との関係も検討し、あらゆる面から慎重な検討を加えております。労働問題懇談会でこれが小委員会を設けて、特に慎重な御審議を願っておるという今の段階でございます。従いまして、個々の問題で、これをどうするのだ、これをどうするのだというお話でありますと、それには、いろいろな検討をしなければならない問題が含まれておるものがございますので、そういうふうな態度をとっておるわけであります。今直ちにこれに対する政府としての結論を申し上げることは、その意味においてはむずかしいと思います。
○野原委員 このことは、実は一国の総理としても、日本としても、やはり明確にしておく必要があろうと思いますから、重ねてお尋ねいたします。現在の政府がILO条約の批准についてて検討を加えておられる、こういう御答弁でございますが、この条約の批准について、つまり団結権の擁護というような点については、私は日本としてはこれを守らなければならない義務と責任があると思います。それは、現実にこれを履行するには、いろいろ問題がある、国内法の整備をしなければならない。そういう角度で検討はされましょうけれども、日本はこれを順守すべき義務と責任を有すると私どもは考えておるのでございますが、この点についてはいかがですか。
○岸国務大臣 今申しましたように、これを尊重して検討しておることは事実でございますが、ただ国内において受け入れ態勢というものが十分にできておらないのにこれを批准して、国内法との間の矛盾があってはならぬこと言うを待ちません。しかし、この条約に批准したから、国内の事情いかんにかかわらず、これに合うようにすべての法制を直ちに調整できるかというような問題に関しましても、責任ある立場から言うと、私はそう簡単に考えるわけにはいかぬと思います。そういう点を十分に、この精神は尊重しながら検討しておるというのが現段階であるから、私は、それ以上のことについて政府として責任ある意見を申し述べることは、現在のところではできないということを申し上げておるわけであります。
○野原委員 これは総理、私は原則論を聞いておるわけですよ。だから、これは守らなければならない義務と責任があるから、国内法の検討をやっておるのでしょう。私は、義務と責任がなければ、国内法の検討をやられる必要はなかろうと思う。あなたは、ただいま尊重するということを言われた。そうして、そう言われて、なおかつ国内法の検討もやっておるのだということを言われた。この二つから考えられることは、ILOのこの条約批准というものは、これは当然日本としては守らなければならない義務と責任があるのだ。ILOに参加しておる常任理事国としては、これは当然なことではないですか。この原則を御承認なさるかいなかということで、私どもは決議案を出したのでありますから、一応総理の見解を聞いておきたい。この原則も御承認なさいませんかどうですか、はっきりと御答弁を願いたい。
○岸国務大臣 これはILOの機構におきまして論議され、採択されたところのものについて、加盟国がこれを尊重していくということは当然だと思います。しかし、同時にこれに加盟しておる国々の自主性と申しますか、その国の特殊性であるとか、その国の実情というものを全然無視してここで採択すれば、直ちに各国をそれでもって拘束するという性質のものでないことも、言うを待たないのであります。従いまして、政府としては、尊重するという趣旨において、真剣にあらゆる面を検討しておるということで、御了承願いたいと思います。
○石田国務大臣 ちょっと委員長、補足して……。ILOの精神を尊重し、その条約をでき得る限り多く批准していかなければならない。それに対して、今までの政府の措置について、これは完全であったとは申せない点もございます。大体条約は百幾つかできておりまして、そのうちで、わが国が批准を終っておりますものが二十数件であります。そのほか、わが国と関係のないものその他を取り除きまして、約五十件未批准のまま残っておるわけであります。しかし、その中には、わが国の法制とそれから条約との間に法律の立て方が違う、実質の上ではどちらが労働者のためになるか、これは議論がありますが、実質は別として、法律の立て方が違うというために、批准がおくれておるものもございます。それから、今八十七号条約のことをおっしゃいましたが、この八十七号条約については、先ほどから総理がお答えを申し上げております通り、内閣改造直後におきまして、これをそのまま放置すべきものではないと存じましたので、労働問題懇談会に付議いたしまして、関係法律との調整その他について御研究を願い、今、労働問題懇談会で小委員会を作って審議していただいておるわけであります。しかし、公務員及び公務員に準ずる人々を除いた部分につきましては、わが国の法制も八十七号条約の精神に沿うようになっておりますることは御承知の通りでございます。公務員につきましては、憲法の二十何条でございますかの規定もございますし、現在の公務員に関するわが国の国内法の関係もあります。そういうことにつきましての調整、それから同時に、それについて特別に設けられた法律のできた当時の背景、そういうものとの調整もやらなければなりませんので、そういうことをあわせて今検討をいたしておるような次第でございます。しかし、このままの状態では——そのままでほうっておいていいというものではございませんし、社会党の方から、あるいは社会労働委員会における御質問、あるいは非公式な党の幹部の方のお話し合いの中で、このILO条約の全部の処理について、何か特別の機関を作ったらどうかというようなお話もございます。それについては、すでに私どもの方の役所で、今検討を命じておるのでございますが、これも残っております五十件のうちで、直接的に労働省の所管に属するものは三十件ばかり、あと二十件は厚生省関係、あるいは運輸省関係のものが多いのであります。もっとも運輸省関係のものは、これは広義の労働問題でございます。従って、そういう機関をどういう形で作るか、これは御相談を申し上げたいとも存じますし、その中でこういう問題を処理して参りたい、こう考えております。
○山村委員長 それでは、専門的な問題になりましたので、労働大臣を残しまして、岸総理大臣は、お約束の時間もございますから、この辺で御退席を願います。
○野原委員 委員長、ちょっと一言だけ……。解散問題につきまして池田君から質問をしたわけですが、委員会の審議が全く浮き足立って、法案の審議が遅々として進まない。実は審議ができない。私どもは定足数をやかましく言うならば、ほとんどの委員会が成立いたしません。そういう状態にあるわけです。このことについて、総理としては、総裁という立場もあるから努力いたしましょう、こういうことでございましたが、どういう努力をしても、この浮き足をとめることができないと私は見ておるのです。まあ私どもも法案審議をやっておるわけでございますけれども、国会運営の責任のある議運という立場から考えても、この問題は実は重大だと考える。それで、どういう具体的な御努力をこれからなさいますか。私はこの浮き足をとめる手はただ一つあると思う。これは総理も御承知なんです。それをおっしゃらない。おっしゃらないところに、ますます浮き足が立つということも現実の問題です。この点についていかがですか、どうお考えになりますか。(「言えば一瀉千里だ」と呼ぶ者あり、笑声)
○岸国務大臣 その問題は、これは私、議員の心理も一方ほんとうに考えながら、この問題の扱いは実にむずかしいのです。(笑声、「議員の心理を楽しんでおる」と呼ぶ者あり)いや、楽しんでおるというようなことではない。決してそういうことではございません。そうして、これは、言うまでもなく解散という問題は、非常に重大な政治的の意義を持っておる問題でございますし、そうして国会におきましてもしばしば論議になり、私がはっきりと私の心境を申し上げておるのでありますが、そんなら絶対にいつまではやらないという言質を与えろとかいうことは、これは実際どなたが私の地位に立たれたとしましても、できないことなんです。で、私はとにかく、従来とも、できるだけその範囲を明確にしようというつもりで、一月もこれをやらないということを言って、審議に全力をあげるんだ、こう口をいかにすくするほど申しましても、なかなか議員心理というものは微妙で、私も閉口しておるのですが、具体案としても非常な名案があるわけではございません。どうぞ一つ……。
○山村委員長 それでは、どうも御苦労さまでした、御退席願います。
○佐々木(秀)委員 これから労働大臣に御質問があるようですが、この取扱いなんかは、当委員会はやはり議運ですから、できるだけ専門的なことは社会労働委員会でやっていただくことにいたしまして、その程度の御質問をお願いしたいと思います。
○野原委員 その点は理事会でも問題になって、よく了解しております。私どもはこの批准決議案を出しておるわけで、この批准決議案をめぐって質問をいたしますから、そういう点で……。
○池田(禎)委員 実は、きょうは井堀、多賀谷両君にも、この委員会に来ていただいておりまして、それぞれ御質問があろうかと思いますが、労働大臣の先ほどのお話を聞いておりますと、私は、政府としての考え方を腹蔵なく一つ——こういう決議案について、社会党は出しておるが、このうちこれとこれとは賛同できるが、こういう点については政府はどうだという心境を一つざっくばらんに先に申し述べていただくわけにはいきませんか。
○山中委員 委員長、それは決議案を出しておいて、そうしてそれの内容について具体的に大体政府の意向をあらかじめ聞いておくという取扱い、これは今までのこの議運においては、そういう取扱いはなかったと私は思う。
○石田国務大臣 いや、ちょっとほかのことを私は申上しげたいと思うのです。そういう取扱いでなくて……。こういう公開の場所でなくて——公開の場所で申し上げますと、私もいろいろ責任を生ずるわけでございますから、そういうことでなくて、関係者の方とこの問題について腹蔵ないお話をするということなら、私は申し上げてみたいと思っております。
○山村委員長 それでは、本会議の時間もございますから、簡単に願います。
○井堀委員 先ほどの御答弁の中で、条約批准に関する手続を政府はいたしておらないのは、国内法に何か抵触するものがあるかのごとき御答弁でございましたが、そういうものは具体的に言うとどういうものでしょうか。
○石田国務大臣 八十七号条約でございますと、いつも問題になりますのは、公労法の四条三項の規定、それから公務員法、あるいは法律の名前は覚えておりませんが、消防夫とか、あるいは刑務所の職員とか、そういうものの団結権を禁じておる条項、そういうものがあると思っております。
○荒舩委員 実は、ここは議運ですから、内容にわたるようなただいまの御質問は、社会労働委員会でやってもらう、こういうことで、きょうはこの程度でどうでしょうか。
○野原委員 いや、この決議案に関係がある。
○山中委員 それは幾らでも関係はある。
○多賀谷委員 内容は言いませんが、実は本年の三月十一日から十五日まで開かれましたILOの百三十八回の理事会の決定事項があった。それは「理事会は未批准のすべての政府に対し、結社の自由及び団結権の擁護に関する条約並びに団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約を批准し、適用することを可能ならしめる必要な措置をとるよう、特別かつ緊急に要請したい。」こういうことが議題になった。この議題に対しては……、「社労でやれ」と呼ぶ者あり)社労の問題ではない。大きいのだ。それで賛成が三十八で、反対はなしなんだ。保留が一つ、この保留は日本国政府だ。これについて、どういうようにお考えであるか。それから、これは普通の一般の労働条約よりも非常に国際的な問題になっておる、そしていろいろ批准をしていない条約があるのですけれども、特にこの二つの条約が問題になっておるのです。もっともその一つは、日本はもう批准済みでありますから、問題ないわけでありますが、今申しましたように、結社の自由及び団結権の擁護に関する事項というものが、昨年のILO総会でも問題になっておる。そうして本年の理事会、さらに本年の六月から開かれる総会でもこれは当然問題になるわけです。それで保留々々という……。
○山村委員長 どうでしょうか、議運では……。本会議の開会時間もございますから、簡潔に願います。要点だけについて……。
○荒舩委員 これは一つ社労でやって下さい。
○山中委員 決議案を出しておいて、あらかじめ質疑応答をしなければならぬという、そんな前例は今までないと思う。
○多賀谷委員 それでは一つだけ……。国内法が整備されていないから、批准できないと言うけれども、これを批准して、さらに協力をして……(「整備じゃない、ちゃんと独立国の法律があるのだ」と呼ぶ者あり)何だ、発言中だ。(「そういう間違った発言をするなと言っておるのだ、議運における発言としては間違いだ」と呼ぶ者あり)これを批准して、その後十二カ月後に効力を発生するわけです。ですから国内法の整備ということは条件にならぬ。その点、二点です。
○山村委員長 それでは、簡単に御答弁願います。
○石田国務大臣 ただいま御指摘の、決議に対する日本政府の態度は、これは訓令事項にございませんので、どういう態度をとったか、まだ公式に報告を承わっておりません。なお、日本の政府代表は、明日帰国をいたしますから、明日帰国いたしましたときに、事情を聞いてみたいと思っておりますが、今の……(発言する者あり)ちょっと私、その説明を申し上げておるのです。今の日本政府の立場といたしましては、保留せざるを得ないものだと思っております。その保留せざるを得ない理由は、先ほどから繰り返し申しておる通りであります。 それから、いま一つの国内法との関係が、十二カ月の猶予期間があるとおっしゃいましたが、十二カ月の猶予期間だけで処理のつくものと、そうでないものとございます。
○荒舩委員 委員長、どうでしょう。きょうは本会議の時間の問題もあるしするので、ただいまの多賀谷君の御質問、まことにりっぱですが、(笑声)これはちょっと前例のないことですから、一つ社労で十分おやりいただく、こういうふうにお願いしたいと思います。 なお、続いてきょう、淺沼稻次郎君外五名提出の、国際労働条約第八十七号批准に関する決議案、これについて当局の方といたしましてもいろいろ相談がございますから、本日は保留をしていただきまして、暫時時間をかしていただきたいと思います。
○山村委員長 それでは、本決議案は本日のところ保留するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。それでは本決議案は、本日のところこれを留保いたします。 —————————————
○山村委員長 次に、まず議員請暇の件についてでございますが、赤城宗徳君から、漁業問題交渉における日本政府代表として訪ソのため、本日から四月十三日までの二十六日間、請暇の申し出があります。これを許可することとし、本日の本会議において決定するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○山村委員長 次に、日本社会党の田中稔男君より提出されました「当面の日ソ、日中、日韓間の外交交渉に関する緊急質問」の取扱いについてでございます。本件につきましては、先般の委員会において協議いたし、留保になっておりましたが、先刻の理事会での話し合いの通り、本緊急質問は、本日の本会議において行うこととするに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 つきましては、本緊急質問の発言時間は、大体十五分程度とするに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○山村委員長 次に、内閣提出法律案撤回の件についてでございます。本件は、先般の委員会において協議いたし、留保になっておりましたが、いかがいたしますか、御協議願います。 なお、愛知内閣官房長官が出席されておりますので、御質疑があれば、簡単にお願いいたします。
○野原委員 この案件につきましては、先日官房長官に御出席を願って、いろいろ質問をいたしたのであります。それで私ども協議も、いたしております。その後、実は、本日の国土総合開発特別委員会において、北海道開発庁設置法の一部改正を、突如またその撤回を石井副総理が申し出ておられるのでございます。これは事実でございますか、まずその点からお尋ねいたします。——官房長官、待っておりますから、至急調査をして下さい。その点は重大事項ですから、正確な答弁を私は要求いたします。
○愛知政府委員 ただいまの御質問でございますが、少くとも閣議の決定は、さようなことはいたしておりません。ただいま私の承知しておることを正直に申し上げておきます。
○野原委員 このことは、実は本日委員会に出席したわが党の委員から報告がきております。私は先般もあなたに申し上げましたように、実は内政省設置法案の撤回だけじゃないのだ。国家公務員法の一部改正につきましても、人事院の問題があるじゃないか。人事院を廃止するという法案を出しておきながら、人事院を強化するような内容のものをまた片一方で出しておる。これも矛盾があるじゃないか。それから経済企画庁設置法の一部改正につきましても、公取の問題、その他をめぐって、幾多の矛盾の個所が出ておるわけであります。だから、これらを政府は検討されて——本日石井さんがそういう発言をされたとすれば、私は事重大だろうと思う。私の指摘した通りになりつつあるわけだ。だから総括的に、撤回すべき案件はこれこれだ、こういうように議運に示さなければならない。そのつど出まかせに、実は検討もしないで法案を出す。委員会は案件が山ほどあるのに審議をさせて、いたずらに時間を空費させて、行き詰まると撤回をする。こういうぐうたらなやり方は、全く国会軽視だと思う。だから、その点許しがたいから、全部検討してやってもらいたい。採決は保留。
○佐々木(秀)委員 ただいま官房長官の、閣議決定は今お話の通りだから、委員会で、もしそういうことがあるとするならば、十分調査しなくてはなりませんので、本日のところは留保して、明白に持ち越していただきたいと思います。
○山村委員長 それでは、本件は本日のところ留保することにいたします。 —————————————
○山村委員長 次に、趣旨説明を聴取する議案についてでありますが、刑法の一部を改正する法律案につきましては、先刻の理事会での話し合いの通り、明日の本会議においてその趣旨説明を聴取するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、右案の趣旨説明に対しまして、自由民主党の高橋禎一君及び日本社会党の田中幾三郎君から質疑の申し出があります。先刻の理事会での話し合いの通り、これを許可することとし、その質疑時間はおのおの大体十五分程度とするに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○山村委員長 次に、議員の海外派遣に関する件についてでございますが、先般の理事会におきまして、今月二十五日から三十日までの間、スイスのジュネーヴにおいて開催される列国議会同盟春季会議に、本院より代表二名を派遣することに意見の一致を見ております。この会議には、自由民主党よりは園田直君、日本社会党よりは八木昇君が、それぞれ御推薦に相なっております。よって、本委員会としては、右両君の派遣を決定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○山村委員長 次に、本日の議事についてでございますが、事務総長より御説明を願います。
○鈴木事務総長 本日の議事順序について御説明申し上げます。まず第一に、議員請暇の件をお願いいたしまして、次に先ほどの理事会での御決定に従いまして、日程に入りまして、日程第一から第四までは一括議題といたしまして、内閣委員長の福永さんか御報告に相なりまして、これは全会一致でございます。日程第五も全会一致でございまして、これは科学技術特別委員長の斎藤さんが御報告に相なる予定でございます。また、日程第六も全会一致でございまして、これは建設委員長の西村さんが御報告に相なります。日程第七は、これも全会一致でございまして、これは運輸委員会理事の畠山さんが御報告に相なることになっております。日程が終りまして、今度緊急質問に入りまして、この要求大臣は総理、外務、通産、農林、大蔵、それから経企長官にもございますが、これは今、東京においでになりませんので、他日の機会に御答弁をお願いすることにいたしたいと思います。
○山村委員長 それでは、きょうの本会議は一時半に……。
○山中委員 私は、きょうの社会党の田中稔男君の緊急質問について、いろいろの過程を経てきたことでありますから、賛成ということをまず初めに申し上げておきますが、ただ緊急質問というものについて、今後もまたあり得ることでありますから、われわれの今まで守ってきた慣行、あるいはそれに対する基本的な考え方というものを、もう一ぺん私はここで確認をしておく必要があるのではないかと思う節がございます。というのは、緊急質問は、今日までの私どもの話し合いの基準は、天災地変、その他非常に緊急な問題が起って、そうしてこれを院において緊急に質問をして、政府の意思を、国会を通じて国民に知らせることによって、いわゆる国会としての政治的な効果を緊急かつ最大に期待するということが、話し合いのおおむねの基準であったと思うのであります。だから今回の場合においても、日ソ、日中、日韓と、非常に広範で、あるいは多岐にわたっておりますし、私はそういう意味で、緊急質問の価値がないとは言わない。ただ、しかしながら、時期的に、赤城代表が出発したのがきのうだし、きょうやるわけでありますが、まだ向うにその代表の飛行機は着いていないというような時期にやるべきものであるかどうか。それが緊急質問の形で、本会議で論議されるものであるかどうか等について、私としては一種の疑問を持ったわけです。しかし、それゆえに両党で、まあ原稿等も荒筋だけはごらんになったそうでありますけれども、そういうような配慮がなされればやむを得ないと思いますが、今後は、われわれの今まで持ち来たった考え方というものを、なるべく緊急質問らしいものをお互いが認め合っていくということに、またもとに戻りたい。これがどうだということは、今回は申しませんが、そういうふうに流れていくことをやめようじゃないか、これだけはお互いに両党として認め合っておきたいと思います。
○野原委員 緊急の場合に緊急質問をするという山中君の発言に全く同感であります。実は、赤城農林大臣がまだソビエトに飛行機で着いていないような緊急事態でございますから、私はこの質問をする価値があると思う。山中君に全く賛成であります。
○山中委員 これは、今度の問題について言っておるのではないので、そういう受け取り方をされると困る。赤城代表が出発して、まだモスクワに着いていないような緊急な場合だから緊急質問が必要だ。これは冗談でもいいが、そういうことをなくしようと言うのだ。だから、今回のことについては、私はどうだということは言わない。
○山村委員長 山中君の御意見は、満場一致御承認下さったものと思います。 それでは、きょうの本会議は、一時二十分予鈴、一時半開会といたします。 次に、次回の本会議の件についてでございますが、次回の本会議は、明日は定例日でもございますので、定刻から開会することにいたします。 次回の委員会は、明日午前十一時から理事会、理事会散会後に委員会を開会することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十三分散会