外務委員会 第18号
- 発言数
- 228 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/04/02
会議録
○床次委員長 これより会議を開きます。 本日は国際情勢等に関する件を議題として質疑を許します。菊池義郎君。
○菊池委員 岸総理の親書が、台湾政権の蒋介石総統にもたらされたそうでありますが、これに対する総統の意見が、各新聞にまちまちに載っております。あるいは了解したといい、あるいはまだ怒っておるといい、まちまちでありますが、どれが真相でございますか、政府の入手した情報をお聞かせ願いたい。
○藤山国務大臣 堀内大使の帰任に当りまして、総理の親書を託されまして、堀内大使は蒋介石総統に会われて、親書を出されました。蒋介石総統はこれに対して、日華両国の過去における友好関係、また現在、今後とも友好関係を続けていくという趣旨から見て、日本政府としてできるだけその精神を尊重することを一つ希望するということを言われたのでありまして、それ以上に特に何らの意思表示はございません。
○菊池委員 中共との民間交渉はありましたが、国旗の掲揚について、日本の政府と向うとの折衝はあったのでありましょうか、どうでしょうか。国交が回復されてないにしても、そうした折衝は自由自在にできるわけでありましょうが、どうでしょう。
○藤山国務大臣 中共政府と日本の政府とは、何らの折衝はございません。
○菊池委員 この国旗の掲揚は、蒋介石総統を憤慨させるくらいに台湾の心証を害しておるのですから、政府としては、すべからく国旗掲揚を祝祭日にとどめるとかなんとかいうように折衝してもらいたいと思うのでございますが、それはいかがでございましょうか。これは自由自在にできることでございましょうが、なぜやらないのですか。
○藤山国務大臣 政府といたしましては、一応三団体からの申し出がありますので、三団体に対して政府の意のあるところを回答いたすということであります。現在までむろん折衝もいたしておりませんし、何らの話し合いもございません。
○菊池委員 それはぜひ政府として折衝してもらいたいと思う。よしんばそれが中共にいれられるにしてもいれられないにしても、一応折衝して、その上で台湾に親書を送られることが、われわれは道理にかなった順序であると考えます。その折衝をしないで台湾に親書を送ったところで、蒋介石はおそらくこれを了承することはなかろうと思うのでございますが、政府の意向はいかがでございましょうか。
○藤山国務大臣 先般沈大使を通じて蒋介石総統から総理に対して親書が参りましたので、堀内大使帰任の際に親書を持たせて差し出したわけであります。これは儀礼としても当然行わるべきことだと思います。従ってそういう意味におきまして、蒋介石に対して総理のあいさつをしたわけであります。同時に申し上げております通り、日本の政府としては三団体に対してまだ意思表示をしておりませんので、意思表示をしない前に中共政府と折衝するということは、当然あり得ないことでもあり、また中共政府と今後この問題について直接折衝するということは、現在の段階においては承認しておらない政府のことでありますから、考えておらぬわけであります。
○菊池委員 国交が回復されない前においても、たとえば吉田内閣のときなんかは、サンフランシスコ条約がまだ締結されない前において、領事館にかわるところのいろいろな在外事務所をたくさん方々の国に設けた。そこは自由自在にできることになっておるわけでございます。政府としてはこういうことについては何かの手を打つべきであろうと思う。できるできないにかかわらず、それが台湾に対するところの一つの礼儀でもあると私は考えておるのであります。やるべきであろうと思うのでございますが、いかがでございますか。
○藤山国務大臣 現在の段階において、政府としてはその点をまだ考えておりません。
○菊池委員 ソ連の一方的な核実験停止の宣言が出て、世界に非常なショックを与えておるのであります。原爆の被害国であります日本としては、こういう機会を逸しないで、時を移さず急速に米英にも申し入れて、日本の熱望をはっきりさせるべきであると思うのであります。ソ連の方では、自分たちが停止しても、米英の方で停止しなければ、またやるかもしれぬといったようなことを言外にほのめかしておるわけでありますから、米英に対してこういう停止を申し入れることは急速を要することで、ほとんどそれは間髪を入れずしてこれは申し入れるべきである。じんぜん時を移すべきでないと私は考えておりますが、いかがでございますか。
○藤山国務大臣 ソ連の今回の処置に対しましては、日本としての態度を今後はっきりさしていくことは当然のことだと思います。従いましてとりあえず、総理から本日の記者会見の席上において声明をいたしたわけであります。われわれといたしましては、今後政府のとるべき態度につきまして種々現在考慮をいたしております。
○菊池委員 米英に対して停止を申し入れるということは、これは当然な日本の態度でなければならぬ。よしんばそれができるにしてもできないにしても、日本国民の意思は全世界に表示をしておきたい、これがわれわれの希望でありますが、それは政府としてやっていただけるでありましょうか、どうでありましようか。
○藤山国務大臣 今日まででも、英米に対する核実験の停止という問題については、抗議をいたしておるわけであります。従いましてこういう事態になって、われわれがさらにどういうことを言っていくかという問題については、十分考慮した上で処置をとっていきたい、こう考えております。
○菊池委員 今までと違いまして、新しい事実が現われましたのでありまして、日本としては乗ずべき絶好の機会であると思うのであります。こういう機会に沈黙しておったのでは、今までの米英に対する申し入れが果して真剣であったかどうか、世界は疑うでありましょう。日本の国民といたしましても、政府の態度は信用しないでありましょう。これはわれわれの選挙対策としても、どうしてもやらなければならぬと思いますが、どうでありましょうか。
○藤山国務大臣 むろん今回のソ連のこの問題に対する発表及び態度というものは、それはいろいろな憶測をいたしますれば原因もあったかと思います。しかしながら、とにかくソ連がこういう核実験の禁止をやるという声明をいたしましたことは、非常に大きな事態であるということは私どもも十分承知いたしております。従ってそれに基いて、今後とるべき方策というものは、われわれは慎重に検討した上で、核実験の禁止並びに将来の軍縮問題等についての一貫した態度を定めて進んで参る必要があると思うのでありまして、そういう点についてはわれわれは慎重に今後とるべき処置を考えていきたい、こう考えておるわけであります。
○菊池委員 私はソ連の意図が何にあろうと、そんなことは全く日本として何も考える必要はなかろうと思う。平和攻勢の戦術として、彼らがそういうことを宣言したとしても、そういうことは何もこちらで深入りしてせんさくする必要はない。表面に現われた事実だけをとらえて、もってこれをたてとして米英に突っ込むべきであろうと思うのであります。こういう点についてどうお考えになりますか。
○藤山国務大臣 私は先日も申し上げましたように、これを手がかりとして、日本が今後の問題に処していくということは当然のことだと思うのであります。従ってそういう場面を今後どういうふうにして生かしていくかという問題について、慎重に考慮しながら、本問題に対する処置を決定すべきが当然だと考えております。
○菊池委員 それから日ソ漁業交渉が行き詰まったような形でありますが、向うが平和条約とからんで解決しようとかかっておるようであります。日本はこれを分離して交渉しようとしておるのでありますが、そういたしますと、向うがどうしても一括して解決しなければ相談に応じないというような場合は、これをそのまま延引するわけでありますから、漁業者の迷惑というものは相当深刻であると思うのでありますが、どうなりますか。
○藤山国務大臣 日ソ漁業条約によります委員会の交渉は、赤城農林大臣が行かれまして、せっかく今三回にわたって交渉を続けておられます。さらにイシコフ漁業相が今回の異動においても、閣僚の席を引き続き占めておられますので、引き続きその折衝を続けていかれるのだと思うのでありまして、そういう意味において、今後の十分な結論を得るような折衝を期待いたしております。 それから暫定的な近海における安全操業の問題につきましては、ソ連から先般回答がありました。しかしながらこの問題は、全然別個に気長く私どもはソ連と折衝をしていくのが適当だと考えておるのでありまして、御承知のように日本が二月十八日かに出しましたのが、ソ連の回答が一カ月かかっておるのであります。必ずしもソ連との折衝が、きょう出したものに対する回答があした来るというようなわけでもないわけでありまして、そういう意味においてもソ連との折衝はやはり気長く——漁業条約による委員会の問題が結論がつきましても、気長く折衝をしていくということが必要であろう、こう考えております。
○菊池委員 そうしますと、平和条約と切り離すとなると、平和条約を締結するということをどうも日本の方からきらっておるようでありますが、いつになったら有利な情勢が出てくるか。その有利な情勢というのは、たとえばどういうことであるか、それが国民はさっぱりわからないのです。疑念を持っておるのです。この点について一つ大臣の御意見を承われれば幸いです。
○藤山国務大臣 ソ連との平和条約の問題につきましては、日本の考え方は一貫しておるのでありまして、日ソ共共同宣言締結後、両国の友好親善関係を進めていくために、両国間の関係をできるだけ友好的に進めていこう、そのために通商協定も作ったわけでありますし、またその両国の友好関係を保持し、進展するためには、いろいろ問題になっております近海安全操業の問題も暫定的に取りきめをして、そうして両国の関係が相互の理解を積み重ねていくという結果、終局において領土問題等も相互理解の上に立って話し合いがせられて、日本の主張についても十分ソ連が納得し得る状態のもとに平和条約を締結しよう、この態度は一貫いたしておるわけであります。
○菊池委員 向うの方では、もう全部、歯舞、色丹までもソ連の領土であるとして、一昨年われわれが行ったときには地図を塗り変えてしまっておるのです。よほどの交換条件がない限り、彼らが南千島を返すなんということは、おそらく考えないと思うのです。友好関係、友好関係ということをみんな口癖のように言いますけれども、共産国家と自由主義国家とは水と油のようなもので、いつまでたっても、とうていこれが融和できるはずのものではない。敵は敵、味方は味方、これははっきりしておる。向うの方ははっきりと割り切って敵味方を分けておるにかかわらず、日本だけはこれを混合して考えるようなふうがある。これは私は甘いと思うのです。それですべからくこの領土問題についても強硬に突っぱって、せっかく今日アメリカの支持なんぞあるわけでありますから、アメリカの幾たびかの宣言も、これをたてにとって南千島の領土権を主張すること、これは強硬にやるべきである。それがどうしてもできなければ、これは仕方がない、歯舞、色丹だけでも早く手に入れる。そうして漁業者の利便に供すべきであると思うのでございますが、いかがでありますか。
○藤山国務大臣 歯舞、色丹につきましては、共同宣言にすでにうたわれておるわけであります。問題は国後、択捉の問題だと思うのであります。御説のように、敵は敵、味方は味方というような考え方で国際関係を律していきますことは、私どもは適当でないと思うのでありまして、やはり人と人との関係と同じように、あの人は善人だ、あの人は悪人だという簡単な概念で割り切りますよりは、やはり絶えず友好親善関係を続けるように相互の理解を深めていくということは、私は国際関係において必要なことではないか、敵とか味方とかというふうにすぐに割り切ることは適当でない、こう考えております。
○菊池委員 向うの方ではっきりと割り切って考えているのです。それを日本が友好関係を主張したところで、向うはちっともそういうふうに考えておらぬのであります。それはどちらでもいいといたしまして、それから別の問題でありますが、韓国は竹島を占領し、季ラインを引いて横暴の限りをきわめておりますが、このことについて韓国の作り主であります米国に、必ず今までも何回も折衝せられて米国の力をかりて、この李ラインを撤廃するとか、竹島から撤退するとかいうようなことを頼んだはずでありますが、それはどうでありましょうか。その折衝はこれまで何回かしておられますか。
○藤山国務大臣 竹島の問題はまことに残念な問題でありますが、しかしそれだからといって、現在アメリカにこの問題を何らかの形で解決を要請したことはございません。
○床次委員長 菊池君、予定の時間になりましたから、簡潔に願います。
○菊池委員 これはアメリカにすべからく折衝して、アメリカから言わすべきであり、また一方においては国連を利用し、そうして国連からして制肘せしめるべきであろうと思いますが、この点についてはいかがですか。
○藤山国務大臣 この問題については、当然日本としてはあらゆる機会に問題を提起して参らなければならぬわけであります。しかし同時にこの問題が解決するような時期を選ぶことも、これまた必要なんでありまして、そういう意味において政府としては今後とも最大の努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
○菊池委員 これで終ります。
○床次委員長 次は戸叶君。
○戸叶委員 ただいまの核実験停止の問題についての菊池委員と藤山外務大臣の質疑応答を伺っておりましたが、藤山外務大臣は、ソ連のこうした態度に対しては、非常にいいことだとして認めておられますけれども、それでは一体それに対して日本の政府はどういうふうにするかということに対しては、なおよく慎重に今後とるべき態度を考えるというふうな、非常に消極的な、今までと少しも変らない答弁をしていられるわけでございます。今まででしたらばそういう答弁でもいいかもしれませんけれども、今までの、核実験を禁止してほしいという願望から、具体的に今度は一方で禁止するのだということを言ってきているのですから、それに対して、日本の政府がこの機会をこそつかまえて、私は何らかの意思表示をはっきり世界に向ってするというより、むしろ核兵器を持っている、原水爆実験をするその国に向って私ははっきり訴えるべきだと思うのです。そういう意味から申しまして、米英に対して、近く核実験をしようとしているそれらの国に対して、すぐにでも私は意思表示をすべきだと思いますけれども、もう一度外相の態度を伺いたいと思います。
○藤山国務大臣 今回のソ連の声明というものが、非常に重要であるということは私も認めておりますし、また先ほど来申し上げておりますように、日本の核実験禁止の問題を取り上げるのに、これが一つの大きな新しい手がかりになったということも私は率直に認めておるわけでありまして、その上に立ってどういう今後手段をとっていくか。そうして一日も早く核実験が停止されるということを日本の念願といたしております。方法について今慎重に考慮しているということを申し上げたわけであります。
○戸叶委員 慎重に考慮しておるというが、今までも慎重に考慮していたために、その時期を失った場合がずいぶんあると思うのです。今度は慎重に考慮していることが許されないときだと思います。それはなぜかと申しますと、四月五日からアメリカはエニウエトクで原水爆の実験をしようというふうな態度を示しておるわけであって、それがされないようにするためにも、この機にはっきりした原水爆実験禁止のソ連の態度に対する、賛成の意思表示というものをし、なおこれに対する協力ということをアメリカなりイギリスなりに言うべきだと思うのですけれども、いつごろまで慎重に考慮をなさっておるつもりでございますか。
○藤山国務大臣 ソ連のこの問題に対する態度は、大体日本側としても総理の声明にあります通り、われわれとしてはその真意のいかんにかかわらず、これが一つの手がかりになり、今後英米などに対しても十分な反省を求めて、そしてともども核実験の禁止という線に向うことを希望しているということは、先ほどからたびたび申し上げた通りであります。従ってこういう新しい事態に対処しまして、従来政府が持っております通り、核実験の禁止というものに対する今後の処置というものを考えていくわけでありまして、これらの問題につきましては、慎重はけしからぬと言われますけれども、やはり最終的にいろいろな抗議をし、何をするという場合には、適当な考慮と慎重な考慮とをして参らなければならぬわけでありまして、そういう意味において申し上げておるわけであります。
○戸叶委員 それではもう少し具体的に伺います。四月五日からアメリカがエニウエトクで原水爆の実験をやろうとしておるわけですけれども、これに対して事態が今日のような——と申しますのは、ソ連がこういう声明を出しておりますので、それと相呼応して、もう一度原水爆の実験をやめてもらうようにというようなことを、アメリカに向って抗議を申し込む御意思がおありになるかどうかを伺います。
○藤山国務大臣 エニウエトクの核実験の問題については、先ほども申し上げましたように、今日までも日本は抗議をいたしておるわけであります。従ってこういう新しい事態に対しても、われわれはそういう線に沿ってどういうふうにしていくかということを、今考慮しておるということであります。
○戸叶委員 きょうは二日なんです。五日から実験しようとしておるわけです。大臣の慎重に考慮するということもわからないではないのですけれども、そんなことをしておるとどんどんやられてしまうのですから、日本としてもエニウエトクの原水爆の実験に対しては、反対をしておるわけですから、もう一度そういうふうなことを申し入れてほしいと思いますけれども、この点に対してはいかがでしょうか。もう一度伺いたいと思います。これはしつこいようですけれどもはっきりさしていただきたいと思うのです。 もう一つ、岸さんのソ連の原水爆実験停止声明についての談話が、きょう発表されたわけでございますけれども、その中で、「他の原水爆所有国も速かに実験を停止することを要望するものである。」ということをここに書いているわけです。そうであるとするならば、国内だけにこんなことを言ってみたところで始まらないのであって、これは当然海外に対する要望だろうと思います。そうであるとするならば、当然この線に沿うて海外に向っての要望をする、何らかの具体的な方法が講ぜられてしかるべきであり、講ぜられなければこの談話というものの価値がない、こういうふうに考えますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○藤山国務大臣 次の御質問からお答えした方が適当であろうと思います。総理がこう言われましたことは、ただ国内のコンサンプションのために声明されたわけではないのでありまして、やはり広く国際的に総理の声明として出されておるわけであります。従ってこの趣旨と精神に沿いまして、また今日までの問題に対して、われわれは適当な措置をとっていくつもりでおるわけであります。その点を慎重に考慮しているんだということを申し上げれば、第一問に対する御質問の回答にもなると思います。
○戸叶委員 それでは、この趣旨に沿って、国内だけでなくして、関係国に要望するということを了承いたしました。 そこで、きのう藤山外務大臣はたしかマッカーサー大使にお会いになっていらっしゃると思うのですけれども、そのときに、ソ連の原水爆実験禁止の声明なり、あるいはまたアメリカが近く行おうとしている原水爆実験の問題なりについてお話をなさいましたでしょうか、いかがでしょうか。
○藤山国務大臣 私は昨日マッカーサー大使に会ったということを申し上げません。しかしその問題が出たということはございません。
○戸叶委員 今の言葉がわからないのですけれども、会ったということを申し上げませんというのは、お会いにならなかったんでしょうか、お会いになったんでしょうか。
○藤山国務大臣 私としてはだれに会ったかだれに会わないかということを申し上げることはできないと思います。従ってその点について触れることを避けたいと思います。しかしながらアメリカ側からこの問題について何らの意思表示があったことはございません。
○戸叶委員 ちょっとその答弁はおかしいと思うのです。お会いになったんだけれども、お会いになったともならぬとも言えないということなんで、まあ会ったんだけれども、内容は秘密なんだから言えないというんだったら、外交上のことですから私もそれ以上のことはあまり追及もしませんけれども、会ったか会わぬか言えないということはちょっとおかしいと思うのです。お会いになっても、言えないことだから言えないというふうな答弁の方がすっきりするんじゃないかと思うのです。ですからそういうふうに今後直していただきたいと思います。そうでないと、私頭が悪いものですから、そういう日本語はわからないのです。 まあ核実験の問題に対しましては今もう国民が全部、この機会をつかまえて、日本がぜひとも効果を上げてほしい、つまり世界の核兵器を持っている国に原水爆実験はやめてほしいということをイニシアをとっても何でもやって、そして成功してほしいということをみんなで願っているわけですから、どうぞその悲願を今度こそ達成するように御努力願いたいと思います。 その次にお伺いしたいことは、先ほども触れられましたけれども、菊池委員が質問されていたときに、ちょっと質問の内容がわかりませんでしたので、私もう一度確かめたいと思いますのは、堀内大使が台湾に帰られまして、親書を台湾の蒋総統におやりになった、それで第四次貿易協定の問題をある程度説明されただろうと思いますけれども、けさのラジオ等によりましても、蒋氏との間になかなか話し合いがつかなかったというようなことが報道されているわけでございますけれども、どんなふうな情報が外務省には入ってきているのでしょうか。
○藤山国務大臣 ただいま菊池委員の御質問に対してお答えいたしました通り、堀内大使は蒋総統に対して、先般岸総理にあてたメッセージに対する答礼の意味をもちまして、岸総理の親書を出されたわけであります。従って堀内大使はそれを伝達するとともに、日本の中共貿易に対する現状及び希望については相当述べたと思いますが、別段蒋総統と交渉をいたしたとか、あるいはそういう話し合いを具体的にいたしたとかいうわけではございません。
○戸叶委員 中共貿易に対する現状について堀内大使がお話しした、その結果について何か外務省に入っておりますか。
○藤山国務大臣 従ってただいま申し上げましたように、交渉をしたとか、あるいは話し合いをしたとかいうわけでございませんので、結論等は何もついておりません。
○戸叶委員 そうすると、堀内大使と蒋総統との間の話し合いに関係なく、第四次貿易協定に対する正式態度というものは日本の政府で決定して、そうしてこれを正式に三団体に発表する、こういうふうに了承していいわけでございますか。
○藤山国務大臣 中共貿易に対する日本の政府の態度というものは、当然日本政府自身がきめるべき問題でありまして、三団体に対する態度等も当然日本政府として発表する考えであります。
○戸叶委員 そうしますと、一応今私どもが考えておりますのは、台湾政府の方で、中共貿易について第四次貿易協定の内容がなかなかはっきりしない、自分の方にはっきりしない面があるために、いろいろ言われているから、日本の政府が第四次貿易協定に対する正式な態度を発表していないというふうに了承していたわけなんですけれども、台湾の政府の態度にはこだわらずに、第四次貿易協定に対しての日本の態度は発表する、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
○藤山国務大臣 日本政府としては、日本政府自身の考え方でこの回答をいたすつもりであります。
○戸叶委員 そうしますと、第四次貿易協定に対する正式態度をまだ表明しておらない理由は、どこにあるのでしょうか。
○藤山国務大臣 先般お話しいたしましたように、三団体からの書類によります政府に対する話というものは、一週間ほど前に出てきております。従って政府としてはただいまそれを検討いたしておるのでありまして、最近の機会にそれに対する態度を示していきたい、こう考えております。
○戸叶委員 中共貿易に対して保護そして促進をはかるという政府の態度からすれば、当然もう、この第四次貿易協定が結ばれてずいぶん日がたっているのですから、正式態度が発表されていいと思うのですけれども、まだ相当長くかかるのでしょうか。
○藤山国務大臣 できるだけ早い機会に政府の態度を発表したい、こう思っております。
○戸叶委員 一月ほど前に、日本と台湾との間の貿易協定を結ぶために、関係各省の人たちが行っているということが新聞に出ていたわけですけれども、その人たちが、貿易協定が結ばれないで仕事がはかどらないで因る、何にもすることがないということを、私聞いているのですけれども、それは一体どういう理由によるものですか。
○藤山国務大臣 毎年やります貿易協定について、今回は台湾でやろう——向うから来る年もあります。東京でやる場合と台北でやるのと交互にございます。ことしは日本から関係各省の人が数名行っております。しかしその会談がただいま停頓しておることは事実であります。
○戸叶委員 停頓しておるのは事実で、その理由はどこにあるのでしょうか。
○藤山国務大臣 まあこれは推測でありますけれども、台湾側としては、中共貿易に対する日本の民間貿易その他に対して若干の、そういう意味における異議があるのではないかというふうに推測されております。
○戸叶委員 そうしますと、一応そういう人たちが引き揚げてきて、あとからまた、ほとぼりのさめたころ行くということはお考えになりませんですか。仕事がはかどらなくても、協定を結ばれるまでそのまま継続してそこに用いてもらうというふうな態度をもって臨まれるわけですか。
○藤山国務大臣 各国との貿易協定が非常にスムーズにいく場合もありますし、また相当時間を要する場合もあるわけでありまして、台湾との協定につきましても、昨年度あたりは相当長期にかかったわけでありまして、今回の場合でも長期にわたる場合もありましょうし、あるいは短期に解決する場合もあろうかと思うのであります。協議そのものが長期にかかりますれば、ときに帰国するという場合もあり得ると思います。
○戸叶委員 そうしますと、そのまま継続して話がまとまるまでいる、こういうふうな御答弁のように思うわけです。それで、私はここで外務大臣に要望したいと思うこと、もう大へんいろいろもめましたけれども、結局第四次貿易協定というものが結ばれ、それが日本にとってプラスであるということは、だれでも認めているわけでございます。そしてまた中国の方としても、いつまでも日本の政府が態度を表明しないということに対してはいろいろな疑惑の念も持ちましょうし、また友好関係もうまくいかないということも考えられますので、今のような大臣の御答弁を総合いたしますならば、一日も早く正式態度を表明してほしいということを私は要望いたします。 それから次にもう一つ伺いたいことは、いずれあとから同僚議員からも質問があると思うのでございますが、けさの朝日に、ソ連が日本に航空協定を三月の半ばごろ申し入れたとということが出ているわけでございますけれども、こういうふうな事実とそれから内容がおわかりだったら御説明願いたいと思います。
○金山政府委員 去る三月の二十二日にアデルハーエフ参事官が私のところにノートを持って参りました。そのノートの内容は、アエロフロートと申しますソビエトの航空会社が、日本との間に直接の航空路を開きたい、ハバロフスクと東京、あるいは他の日本の地点を結ぶ航空協定を結びたい、それについて、東京あるいはモスクワにおいて、アエロフロートと日本の航空関係者との間に会議を開きたい、いろいろな技術的な問題に関する会議を開きたいということを申し入れてこられました。現在その技術的な問題に関しまして、運輸省の航空局に検討を依頼している次第でございます。
○戸叶委員 そうすると、これに対しての態度は、大体賛成して、近いうちに会議を開く運びになる、こういうふうに了承してよろしゅうございますか。
○金山政府委員 まだいろいろ技術的な問題もございますし、また日本航空の商業上のいろいろな問題もございましょう。そういう問題を国内でまとめた上で、そういう交渉に応じ得るかどうかということを検討いたしたいと思っております。
○床次委員長 大体時間でありますから……。
○戸叶委員 大体見通しとして、いつごろ具体的な結論が出てくるのですか。
○藤山国務大臣 そういう問題については、できるだけ急いで結論を出しましていきたいと思っております。
○戸叶委員 もう一つ、先ほどもちょっと触れられましたけれども、赤城農林大臣が日ソ間の漁業交渉を進めておられるわけですが、大体のめどとしって、四月十日ごろには何とか結論をつけて帰ってきたいというふうなことを、政府もたびたび言っているようでございますけれども、そのくらいの見通しがおつきになりましょうか。それからまた見通しがつかない場合には、一応帰ってくるというようなことも考えられるでしょうか、どうでしょうか。この点を伺いたいと思います。
○藤山国務大臣 交渉のことでありますから、いつごろまでに見通しをつけるかということは非常に現在困難だと思います。赤城農林大臣は、現在まで二回にわたって長いときは七時間、短かいときでも五時間程度話をしておられるのですが、相当両者の意思というものはお互いに通じ合ってきているように思います。ただ最終的にどう決定するか、またいつまでということは、現在の段階ではまだ申し上げかねますが、おそらく先ほど申し上げましたように、交渉の当事者でありますイシコフ漁業相がかわられませんでしたから、今明日中にはさらに会っておられるのじゃないか、こういうふうに考えますので、その進行を期待しているわけでございます。
○床次委員長 高岡大輔君。
○高岡委員 三点についてお伺いしてみるのですが、きょうは厚生大臣が何かの御都合で御出席がないようでございますので、その点は厚生省の局長から一つお聞きしたいと思うのであります。 最初にお伺いしたいことは、藤山外務大臣も御承知のように、最近沖縄で立法院議員の選挙が行われました。その結果は社大党が第一位で九名、次が無所属であり、民主党である。それで民連といいましょうか、人民戦線派と社会党の方が合計五人当選しております。これを考えますのに過般の瀬長那覇市長に対するアメリカの強硬態度から、続いて来たるアメリカに対する反対的空気、すなわち反米空気がその後非常に盛り上ってきたのでありますけれども、今度の立法院議員の選挙の結果を見ますと、ここで一応反米一本でいったんでは沖縄全体の幸福を得るゆえんではない、繁栄を求めるゆえんではないという一つの考え方に変ったと私は見るのであります。すなわち中道を歩むといいましょうか、アメリカと話し合いの上で問題を解決していこうという政治勢力が増したという結果から見まして、私はそういうことが言えるのではないかと思うのであります。しかし沖縄における問題は決してここで解決したものではございません。沖縄問題で一番大きなものは土地問題であり、さらにこれを掘り下げていいますれば、土地に対する一括払いの問題であります。しかもこの一括払いに対するものは、これは私の想像でございますけれども、アメリカのペンタゴンからいわせればおそらく必要土地全体を一括払いにして、半永久的にその使用権を確保しようというだけの予算をとったがために、この予算を来たる六月末日までに全部これを使用してしまえというのが、私はアメリカ側の腹だろうと思うのであります。従って最近は非常な強硬といいましょうか、広範囲にわたる土地の一括払いを強行しております。はなはだしいことは軍事的目的でない、言葉をかえていいますれば、しかもこれを具体的にいいますれば、石油会社のカルテックス会社の社員の住宅地にまで一括払いで強行しようとしております。こういう状態から考えますときに、立法院議員の選挙に現われたアメリカと話し合いで事を解決していこうというせっかくのこの空気に対して、私は非常に遺憾の意を表せざるを得ぬのであります。従いまして私は、この際政府としてはアメリカに対して、一応今の一括払いの強硬態度を中止してもらいたい、中止した上で何とか一つ話し合いで今後の問題を処理していったらどうかという申し入れを、日本政府からアメリカ政府に申し入れるべき時期ではないか、かように考えます。しかもアメリカが、政府としては依然として従来の態度をとっておるか知りませんが、アメリカの民間側の意向とでもいいましょうか、ないしは国会議員の間における諸君の意向というものは、その後急速に変っております。私が昨年の暮れにアメリカに参りました当時から見ましても、非常な思想的といいましょうか、ものの考え方が変ってきております。端的にいいまして、アメリカの大体の世論とでもいいましようか、各有力新聞社の社説を見て参りますと、共同管理にしなければいけない。すなわち軍事はアメリカに、行政は日本にやって、そうして沖縄に対するものは日米の共同管理にすべきであるという論が非常に出て参りました。さらに最近アメリカの上院議員の有力な方がその意見を発表していられます。こういう事態を考えて参りますときに、日本としてはこの際アメリカに今の一括払いに対する強硬態度を一時中止をして、それぞれの機関を通した話し合いによって、今後の問題を処理していくべきだという観点に立っていただけないものか。そこで外務大臣に私が質問というよりは御意向をお伺いすることは、この際アメリカに対してきぜんとした態度で、一括払い強行の態度を中止するよう申し入れなさる御意思がありやなしやということであります。
○藤山国務大臣 沖縄の土地の問題につきましては、大体私といたしましても高岡委員と同じ考え方を持っておるのでありまして、この際アメリカ側が強硬にあれを続けますことは、せっかく新しい政治情勢になってきました沖縄に、さらに不安を倍加するというふうに考えております。従ってアメリカに対して、とにかく一時そういう問題をやめて、そうして今後の問題として新しい解決方法を考えていく必要があるのじゃないかということを申し出すことについて、私は高岡委員と同じ考え方でおるのであります。
○高岡委員 はなはだ恐縮でございましてあれでありますが、ただ私の申し上げた考え方をもう一度申し上げますと、アメリカと沖縄側の両者の間のそごしております点、意思の疎通を欠いておる点は、アメリカ側のいいますのは、土地を借りるということは地主対アメリカであって、これは単なる経済的の賃貸借の問題だといっておりますのに対して、われわれも同様でありますが、沖縄の県民八十万の諸君は、これは政治問題だといっているところに、見方といいましようか、ものの考え方に相違がございます。さらにアメリカの方では、土地の所有権は取るのでないのだ。昨年一月四日に当時の極東最高司令官でありましたレムニッツアー大将が声明されたのでありますが、その一月四日のレムニッツアー声明によって、土地の所有権は取らないのだ、こう言われるのでありますけれども、また一面アイゼンハワーとかあるいはダレスというアメリカの最高首脳部の方が、半永久的に沖縄に軍事基地を置くのだということを言われましたこと、これを二つ合せますと、そこに沖縄側の感じというものは、これは決して期限付の賃貸借ではないのであって、半永久的に使用されるのだ。しかもその使用料はわずか十六年半分の金でもって半永久的に使われるのだ、ここに沖縄側としては忍び得ない経済的の苦痛を感じ、将来に対する生活の不安を感じてくると私は思うのであります。 さらにもう一つの問題は、向うの方では沖縄に対する問題はすべて国会から派遣をしたといいましょうか、一つの調査機関を派遣して、しかもこれはあっちこっちで公聴会を開き、あらゆる民主的な手段をやりながら一切の機関を通して決定したものであって、すなわちアメリカで最高機関によって決定したものであるから、この沖縄に対する方針というものは不変である、変えることはできないのだということをいうのに対して、いかなるものでありましても、事態の進展、歴史の進展とともに改廃をすべきものだ、また改廃をするのがほんとうだ。私は両者の間にこういう感覚、感じと申しましょうか、ものの見方の相違があると思うのであります。しかも私は、今申し上げました沖縄側の考え方というものに対しては、全幅の同意といいましょうか、全く同感であります。私がアメリカに参りまして、国防省へ参りますれば、それは国会がきめたのだからというようなことを言われますし、また国会の方へ行きますと、もうすでに大統領がきめたのだからというようなことで、でんでんめぐりとでもいいましょうか、責任のなすり合いというとはなはだ言葉が悪いのでありますけれども、われわれは何らの資格がなくして参ったから、そういうことで次々と、何といいましょうか、結論を得ることができないで、与えられないで帰ったかもしれないのでありますけれども、この際は、そういう意味からしましても、一つ外務大臣から正式に駐日大使を通すなり、ないしはアメリカにおる日本の在外公館のアメリカ大使である朝海大使をして、アメリカ政府に直接にこの問題についての話し合いを一つしていただきたい。その要点は、さっきから申し上げますように、一時この際中止をして、そうして話し合いで今後の問題の解決に当りたい、話し合いをしたいということに一つ外務大臣からこの際決意をしていただきたいと思うのでありますが、果して東京におられますマッカーサー大使、あるいはワシントンにおられます朝海大使を通して、アメリカ側にこの話を開始していただける御意思がありやいなやということを、もう一度重ねてお伺いいたします。
○藤山国務大臣 先ほど申し上げました通り、沖縄問題はいろいろな角度から検討して解決して参らなければならぬわけでありますけれども、当面今お話しのように、やはり土地の一括払いの問題が重要な問題でありまして、しかもそれがこの際引き続き強行されているということは、私はアメリカ側の措置として適当ではないと思うのであります。従ってただいまお話のような趣旨を体していくつもりでおります。
○高岡委員 それなら私は、一時この問題の今の強硬態度を中止するように厳重な——厳重なといいましょうか、真剣になってこの問題を一つ御折衝願いたいと思います。と言いますことは、もしもこれが失敗しますと、このたびの立法院議員に当選されました方々がこれでもう両手をあげるようなことになりますと、沖縄は完全に共産党の拠点になるだろう。現に日本共産党は沖縄に手を伸ばしております。組織さえできております。そういう面から考えましても、十分この点を一つ念頭に置かれましてアメリカ側と十分な御折衝を願いたいと思います。 次にお伺いいたしたいことは、これは北方問題でありますが、過般の委員会で私が質問いたしました際に、厚生省の当局では御承知の例の五百億の海外引揚者の財産補償の意味に対する政治的考慮から出た見舞金、この見舞金のワク内で南千島から内地に引き揚げておいでになった方々にも処理されるような答弁があったのでありますけれども、この点はもしも国後、択捉、歯舞、色丹から引き揚げておいでになった方々にこのワク内で処理されるということは、日本としては領土を放棄したということに解釈されてもいたし方がないのではないか、先ほど同僚菊池委員が、ソ連の方ではもう国後、択捉は向うの色に地図を塗りかえているぞというようなお話がございましたが、それは先様の勝手なのであって、こっちも依然として国後、択捉、歯舞、色丹は固有の領土だと言っているのでありますから、結論を言えばまだ未解決であります。未解決であるにもかかわらず、あたかも日本が一方的に解決したかのごとく、それらの島々を日本の領土でないかのごとき態度をとるということは、私ははなはだおかしなことではないかという気がするのであります。しかも南千島から引き揚げてこられた方々は、私どもはそういう向きの陳情はないことはございませんが、そういう金を下さるというても受け取るわけには参りません。われわれはあくまでも国後、択捉、歯舞、色丹というものは、われわれの先祖がそこに育ってきて、われわれの歴史があるのです、先祖の墓があるのですということを言っているにもかかわらず、厚生省のお考えというものは少しどうかと思うのでありますけれども、この速記録を見ましても、その点がはっきりいたしませんが、私はこの際大臣にお伺いすることは、先ほど菊池委員の言われました通り、ソ連としてはなるほどこのところにソ連式の色で塗りつぶしているかしりませんけれども、私はこの問題はまだ未解決だという考え方をするのでありますが、大臣の御意見はいかがでしょうか。
○藤山国務大臣 領土問題につきましてはソ連がいかように地図を塗っておりますか存じませんけれども、日本としてはまだ未解決だ。従って平和条約もできていない。共同宣言になったのだというふうに承知をしております。
○高岡委員 今、外務大臣がこの問題は未解決だということになって参りますと、私も全くそう考えるのですが、もしもそうでございますれば、私は厚生省の援護局長のこの前の御答弁をもう一度はっきりこの点について御説明を願いたいと思うのであります。それは、なぜこんなことを私がしつこくお伺いするかといいますと、幸いまだ法案が通ったかどうか、今審議中だと思うのでありますけれども、今までの南方連絡事務局に北方班なるものができて、そこでこの南千島の問題についていろいろとお世話して下さるというようなことを聞いておりますので、せっかくそういうところまできたにもかかわらず、厚生省の方でこれは情深い御処置か知りませんけれども、私はそういうことを処置をなさることは少し早まっているのではないかというような感じがしますし、また五百億の金を使うにしても別個の扱いであり、別個の意味からこれをなさるというものであるかどうか、その点一つこれは実際には大臣から政治的な御答弁を願いたかったのでございますけれども、事務的でけっこうでございますから、援護局長からこの点をお伺いしておきます。
○河野政府委員 領土問題につきましては、ただいま外務大臣からお答えがございましたところとわれわれ全く同じ考え方を持っておるわけであります。ただ引揚者給付金等支給法においてどういうふうな扱い方をしたかという点が御質問の趣旨であろうかとも思いますが、法律といたしましては歯舞、色丹等はむしろ本邦に含まれる。もしも本邦に含まれないのだというふうなことであるならば、この法律の適用に関しては本邦に含まれないものとするというふうな規定はむしろ要らないわけです。むしろ本邦に含まれるというような考え方をとっておるから、かえってそういうふうな特別の条文を置く必要が起ってくる、こういうふうに考えられるわけであります。あくまでこの法律を作ります際には、対象になる人々の実情に着目いたしましてその範囲をきめるわけであります。歯舞、色丹等の人たちが北海道等に引き揚げて来ておられるわけです。本来日本の領土内から移転があったということであるならば、引揚者給付金というようなものを差し上げることは妥当でないというふうな意見もあり得るわけでございますが、現実の実情から申しますと、ほかの地域から引き揚げて来られた正真正銘の引揚者といいますか、そういうような人たちと同じような状態に当面置かれておるわけです。やはり生活の本拠を無理やりに追い出されておるというような実態がある。その実態に着目いたしまして、ほかの引揚者と同じような給付金等の支給対象にするということが現実に即して必要な措置ではないかというふうな立場から、法律の対象に取り入れたわけです。従いまして法律の対象に取り入れたということが領土問題に触れるということは、私どもとしては毛頭考えておらないわけです。
○床次委員長 時間が参りましたから簡潔にお願いいたします。
○高岡委員 それではこの問題はもう少しお聞きしたいのでありますが、せっかく今度は北方班ができるのでありますから、この問題は十分検討して御処理を願いたいと思うのであります。 それでは第三点としてお伺いしたいことは、これも厚生省に関係があるのでありますが、実は何とも時期を失したような感じがするのでありますが、いつまでもほっておくわけには参りませんので、この際お伺いいたしたいと思うのであります。それは過般の大東亜戦争の際にインドの独立を念願されて立ち上った人にスバス・チャンドラ・ボースという人があったことは御承知の通りであります。ところがこの方は昭和二十年八月十八日と思いますが、台湾の飛行場で飛行機事故で墜落をされたのが午前十時前後、それで非常なけがをされまして、ただちに病院に収容して手当を与えたのですが、その日の夕刻五時ごろなくなられました。この事実はまことにはっきりしておるのでありますけれども、これは終戦前後のああいう非常な混乱の際でありましたのではっきりしておらなかったわけであります。これは日本側ははっきりしておるのでありますけれども、インド側ははっきりしていなかったのであります。当時はいろいろなデマが飛びました。ところが私が昭和三十年にインドに参りましたときにインドでこの話が出ました。私はこの問題に関連しておった人物であったので、私がインドに行ったことについてこの問題が出ました。そこで時間もございませんから簡単に申し上げますが、向うでは日印両国で合同調査をして結論を得たいと思うというような話がありました。もっともデリーでは、当時鉄道政務次官をしておったボンスレー、これはインド独立軍の第一師団長をしておった男でありますが、この人が、今デリーではあなたはこの話をしないで、カルカッタへ行ってから一つ十分話し合いをしてもらいたいということで、カルカッタで私はこの話し合いをしたのでありますが、そのときに今申し上げたような話が出ました。ところが向うではその後国会においてこの問題についての質疑をしましたのに対して、ネール総理大臣は答えていわく、近く日本に調査団を派遣しようということで、翌年昭和三十一年に今度は向うから調査団が参りました。シャー・ナワーズ・カーンという、これは参謀長をしておった男であります。そのシャー・ナワーズ・カーンが団長として三人で日本に来たのでありますが、この際日本では各方面から協力をされたはずであります。ところがその結果ボースさんの兄さんである方が、これはインド人としてはあり得ることなのでありますけれども、八卦を置いたところ、まだまだスバス・チャンドラ・ボースは死んでない、しかも一九五七年にはインドには非常に大きな事件が起きて、その際ボース氏はこつ然として姿を現わすのだという八卦が出たものだから、これは死んでないというようなことをまた言い出しました。そんなようなことから、シャー・ナワーズ・カーンがこの報告書に署名までしたのでありますけれども、ボースさんが署名されないままに今日になっております。ところが過般ネールさんが日本に来られました場合に、蓮光寺に今ボースさんの遺骨はあるのでありますが、そこへ参詣されまして、しかも骨がめを開いて骨を手にとってまで見ていられます。こういうのが今までのいきさつでございますが、過般ボースさんの一番兄さんであるサラット・チャンドラ・ボースという人の長男が来られまして、いろいろ話をしておられたのでありますが、私どもが考えますのに、かつての大東亜戦争の際にいやしくも日本の同盟国として、しかも当時日本軍が占領しておりましたアンダマン、ニコバル諸島に対してチャンドラ・ボースが支配権まで持っていた、この同盟国の元首であります。そのスバス・チャンドラ・ボース氏の遺骨が今なお日本の民間に安置されてあるということは、私は敬を失するものではないかという感じがしますので、この際蓮光寺にございますそのボースさんの御遺骨、これを日一本の政府が管理し、しかもさらに一歩を進めまして、インド側に対してこの御遺骨をいかに処理したらいいかの話し合いを進めるべきではないか。もちろんインドにおきましては、なくなりました場合にはこれを荼毘に付してガンジス川にその灰を捨てます。これはインド式にいいますれば、ガンジス川は天の川に続いているので、天に上るのだという宗教的な考え方なのでありますけれども、これはインドの宗教儀式であります。日本はこれを荼毘に付して、その御遺骨を土中に埋葬するのが日本の仏式のやり方でありますが、それぞれの国においてその式は違いましょうけれども、一応日本としては日本の礼を尽し、インドに対してその御遺骨の引き取り方といいましょうか、そういうことをもうそろそろ申し上げてもいい時期ではないか。これについて時間がありますれば、インドのこれにまつわる政治的ないろいろ問題がございますけれども、それらを申し上げる時間がございませんから、端的に結論だけを申し上げまして、外務大臣の御意向をお伺いしたいと思います。
○藤山国務大臣 ただいま高岡委員のお話しになりましたスバス・チャンドラ・ボースの遺骨につきまして、私も詳しい経緯を今日まで知っておりませんでした。お話のような問題がありますれば調査をいたしまして、適当に考えて参りたい、こう思っております。
○床次委員長 岡田君。大臣の時間の関係がありますので、きわめて簡潔にお願いいたします。
○岡田委員 さっき戸叶さんが取り上げたのですけれども、きょうの岸総理大臣の談話を見ると、全体として見る感じは、国民はこれは非常に消極的な談話だという感じを受けている。特にさっきお話のあった、岸談話が発表される前にマッカーサー大使に会って談話の内容を打ち合せて発表するのだというので、きのう発表する談話をけさまでおくらせている事情を見ると、何かこの談話がアメリカ方面に遠慮をして出されているのじゃないか。自由諸国との協力という外交三原則のその一つだけを考えているものだから、こういう談話についてはきわめて消極的な態度をとることによって、国民の希望している核実験の禁止ということについては、政府は本気じゃないのじゃないか、こういう感じがするのです。こういう点から見て、それじゃほんとうに核実験の禁止を、あらゆる機会において本気で努力されるおつもりがあるのかどうか、この点からまず伺いたい。
○藤山国務大臣 ただいまお話のように、この問題につきましてアメリカ側から何か意思表示があったり、われわれが相談したことは全然ございません。総理はかねて言われております通り、核実験の禁止については非常に熱意を持ってやっておられるのでありまして、この問題についてのきょうの表現が消極的であるか積極的であるかという問題は、意見の相違だと思います。
○岡田委員 それでは太平洋の今度の四月五日からの実験については、アメリカが実験を継続するというような意思表示が、公式かあるいは非公式にありましたか。
○藤山国務大臣 公式にも非公式にも全然ございません。
○岡田委員 きのうのワシントンのホワイトというスポークスマンの談話によりますと、四月五日にはやはり継続してやる、ソビエトの提案があってもこれはやるということを言っておりますが、そうすると日本政府に対してはそういう意思表示はなくても、アメリカ自身としては、こういう談話があったとするならば継続して四月五日に行われるということになると思うのですが、この点はいかがですか。
○藤山国務大臣 アメリカが今日この問題についてどう考えておるかということについては、はっきりしたことは承知いたしておりません。ただおそらくわれわれも推測しておりますように、ソ連は二月以降一連の核実験をやったわけでありまして、これは日本でも十分探知できておったところであります。従ってアメリカとすれば、ソ連がやっておいてこれから一年ぐらいはやらなくてもいいのに、そういうことを声明したのじゃないかという疑いを持ちますことは、あるいはアメリカ側としては当然なことかと私は思います。しかしながらわれわれとしてはそのいかんにかかわらず、将来世界がそういう方に向っていくことを希望してやまないわけであります。
○岡田委員 それでは四月五日から行われる実験については、あらゆる方法で阻止する努力をされる、こういうお考えは変りはないのでありますか。
○藤山国務大臣 エニウエトクの核実験につきまして、すでに日本政府としても抗議を申し込んでおるわけであります。
○岡田委員 しかしあの抗議の内容を見ると、藤山さんも御存じのように、去年もこれは問題になったのですが、どうしても禁止してもらいたいという抗議をすると同時に、どうしても禁止ができないものならば補償してくれという二枚看板で行っているのです。そんなことをすれば、日本政府の態度など、腹をすっかり見られてしまう。やめてもらいたい、それでもやめないのなら補償してくれ、それではやってもいいのじゃないかということになることはわかり切っている。こんな抗議の声明をしたって意味がないことはわかり切っている。
○藤山国務大臣 やめてもらいたいという抗議をしたのに対して、アメリカ政府としてはそういうことがやめられないと言ってきましたので、やめられないのなら少くとも損害は賠償してくれなくちゃならぬということの意思表示をしたわけであります。
○岡田委員 やめられないと向うで言ってきたときにはソビエトも実験しているのだからやめられないということで、それでやめられないのなら補償してくれと政府が言ったわけである。ところが今度はソビエトはやめたのだと言っているときに、やめられないというそういう事態については、ソビエトがやめたんだからあなたやめなさいと抗議するのは、当りまえじゃないですか。
○藤山国務大臣 この問題については、むろんわれわれは英米が今後実験をやめてくれることを希望し、またその上に立って、ソ連と永久にやめられることの話し合いができることを希望いたしております。
○岡田委員 この文書を見ると、先ほど戸叶さんも取り上げたように、これは要望するということだけで、これじゃ国内の日本国民に対する選挙運動のあれで、日本政府も反対しておりますぞと言っておるだけで、米英両国に対してどういうように抗議するとか、やめてくれという要求をするなんて全然書いてないのですが、これは抗議するのですか、しないのですか。
○藤山国務大臣 この問題については、総理が日本政府の考え方を申し述べて声明をしたわけでありまして、今後の問題については、先ほど申し上げましたように、慎重に考慮をいたしておるという段階でございます。
○岡田委員 慎重に考慮はいいのだけれども、さっき言ったように四月五日に実験する。——慎重に考慮しつつ、四月五日になったらそれで終りということではいかぬじゃないか、とわれわれはさっきから言っておるわけです。じゃあ、岸総理の談話以外に、今度の実験禁止について新たな別な声明でもお出しになるような用意があるやに聞いておるのですが、声明をお出しになるお考えがあるのですか。
○藤山国務大臣 現在、これ以外に声明を出すか出さないかということを今申し上げかねます。
○岡田委員 というのは、外務大臣、御存じないから言えないのか、それともあるのだけれども、まだ用意ができてないという意味ですか。ともかくこの声明を四月五日以前に出さなければ、日本の態度は明らかにならないと思うのですが、四月五日以前に米英両国、特に米国に対して何らかの措置をおとりになる御意思がありますかどうですか。
○藤山国務大臣 先ほどからお答えしておりますように、慎重に検討をいたしております。
○岡田委員 それでは、こういう声明は歓迎するものであるというようなことが書いてあるのですが、具体的にこういう場合はどうですか。アジア諸国、たとえばインドとか、中ソを含めたアジア諸国が、こういうアメリカの実験に対して、やめましょう、というような提案があった場合に、日本政府としては、この声明の趣旨に沿って、これは歓迎するのですから、当然そういう提案があった場合に、これに賛成されるだろうと思うのですが、この点はいかがですか。
○藤山国務大臣 むろん、原水爆実験を禁止するということは日本の方針でありますので、そういうような提案がありましたときには、その内容において適当と思いますれば、賛成することは当然であります。
○岡田委員 だって、実験禁止で内容がいろいろあるなんということはないでしょう。まあその点はいいです。 時間がありませんから進みますけれども、具体的に伺いますが、この間予算委員会で、私の質問に答えて高橋条約局長は——そこにおられますが、エニウエトクの実験というものは、法律上からいえば、これは信託統治制度違反になるという——全面的な禁止の建前からいって、特に信託統治という見地から考えて、趣旨としては好ましくない、こういうようにはっきり言っております。この点については、条約局長はそう答えているのですから、藤山外務大臣は違う御意見はないと思うのですが、いかがでございましょう。
○藤山国務大臣 原水爆の実験を禁止するという問題については、信託統治であろうとなかろうと、われわれは適当でない、こう考えております。
○岡田委員 私の伺っているのは、ここでは信託統治制度については、当然これは統治制度という国連憲章の趣旨に沿って好ましくないという答弁をしているのですよ。ですから、これは当然国連憲章との関係において好ましくないということを、条約局長は答弁しているのです。
○藤山国務大臣 むろん、国連憲章によります信託統治の法制的な問題については、十分検討を要するわけでありまして、信託統治の地点だからいいとか悪いとかいう——原水爆の実験禁止そのものをどこででもやってもらいたくないということが、日本の希望であることは当然であります。
○岡田委員 日本の希望というよりも、この間岸総理大臣も答えているのですが、これは日本も安保理事国になっているのですね。安保理事国になっておるとするならば、エニウエトクの信託統治、あの地域は戦略信託統治であるから、当然安保理事会がこれを取り上げることになるのですよ。安保理事会の一国である日本の国が、あの問題について取り上げないということは、安保理事国としての資格に対して怠慢だと思う、なぜ取り上げないのですかという話をしたら、岸総理大臣が、この点については「決してそれを怠るとかそれをしないとかいう意味で申し上げておるのではありません。十分にそれを研究して至急に処置を考えます。」このように、処置することを考えるということを答弁しておられるのですが、あれからもうすでに一週間たっておりますが、その処置についてはどうなりますか。安保理事国としてこれを取り上げることが、四月五日以前に行われなければ、あらゆる努力をするということにならないじゃありませんか。
○藤山国務大臣 その意味において、問題が提起されて以来、われわれが研究いたしておることは事実であります。
○岡田委員 安保理事国として取り上げますか。
○藤山国務大臣 取り上げるか取り上げないかをただいま研究いたしておるわけです。
○岡田委員 じゃあいつまでにそれがきまります。
○藤山国務大臣 研究をいたしておることですから、いつまでということも今申し上げるわけに参りません。
○岡田委員 それでは四月五日以後になるかもしれないのですね。
○藤山国務大臣 以後になるか以前になるか申し上げるわけに参りません。
○岡田委員 それが無責任な態度だというのです。四月五日に実験になるのに、以後になるかわからぬというのは、取り上げないと同じじゃありませんか。実際実験禁止を日本がやっていないということが、そういう点からはっきりしておるのじゃないか。 それでは話を変えて伺いますが、ラパッキーの提案に対して、ポーランド政府から一月の末、日本政府に対して申し入れがあったはずですが、なぜこれを回答されないのですか。
○藤山国務大臣 これは回答を要すべき文書というよりは、こういうものを出したというむしろコピーをいただいたわけです。
○岡田委員 その趣旨には、御賛成ですか、反対ですか。
○藤山国務大臣 核非武装地帯の問題につきまして、今にわかに全体的な核武装の禁止から見ましても適当であるかいなかということは、私ども疑問に思います。
○岡田委員 しかし趣旨は、賛成しなければならぬでしょう。そういうことは、効力があるかどうかは別として、非武装地帯を作るということには反対なんでございますか。
○藤山国務大臣 日本といたしましては、核武装そのものを一日も早くやめてもらいたいという立場を持っておるわけでありまして、果して核非武装地帯を作ることが、それに一歩前進するか、あるいはむしろ逆の効果を与えるかどうかについては、十分われわれ考えていかなければならぬと思います。
○岡田委員 ソビエトに対する回答は、この間行われたのですが、あれは三カ月たって、十二月十日のブルガーニン書簡に対する回答なんですね。三カ月もかかったのはともかくとして、一月初めにもう一度ソビエトから提案があったが、これを回答してないのはどういう意味です。
○藤山国務大臣 こういう問題につきましては、やっぱり十分慎重に検討した上で、多少時間はかかりましても、われわれとしては慎重な態度でもってやっていくのが適当だと考えております。
○岡田委員 それではいずれ回答されるわけですね。
○藤山国務大臣 ただいま検討いたしております。
○岡田委員 回答されないということも検討ですか。回答されないということは非礼になるじゃないか。最初の手紙には回答するが、あとの手紙には返答するかどうかわからない。それを検討するなんていうことは、ソビエトに対して失礼じゃないですか。回答しないのですか。
○藤山国務大臣 しないともするとも申しておらぬのであります。
○岡田委員 それは失礼な話ですよ。それでは時間がまだあと六分ありますから続いてやりますが、するともしないともというお話ですが、しかしそんなことを日本の外務大臣が言っておるならば、こういう談話を出したって、談話の趣旨なんか本気でやるかやらないかわからぬということになりはしませんか。日本の国だけがするかしないかわからない。大体アメリカでもソビエトの書簡を受け取って、もう五回往復しておる。日本だけは回答しないでもいいようにお考えになるのですか。回答しなければならないのは礼儀でしょう。回答する必要がないという回答をするにしても、それは回答になると思うのですが、その点はいかがですか。
○金山政府委員 ブルガーニン書簡と申しますか、日本に対して送ってきたものは、ノートの形で送ってきております。これに対して回答を送っている国は、そうたくさんはないのであります。ですから、ソビエトとしてもこれに対して回答を要求しているかどうか、第一書簡に対しても同じことが言えると思いますが、特に第二の書簡に対して、大筋において第一書簡において私どもはカバーしていると思うのですが、第二書簡に対して少くもこれに答えなくちゃいかぬというものではないように事務当局としては考えておるのです。
○岡田委員 事務当局としては回答する意思はない、こういうことですか。
○金山政府委員 これは政治的にそれを回答する必要があるという上司の御命令があれば、それはまた別でありますが、事務当局としては、各国の回答ぶりなどを勘案して、必ずしもこれに答える必要はないのじゃないかというふうに考えております。
○岡田委員 しかし日本の国が隣国のソビエトからそういう書簡をもらっているのに、ほかのアメリカやイギリスやフランスや、そればかりではない、イタリアもこれに対する回答をしているのです。それなのに——これは大臣に伺いましょう。大臣は十二月十日の、三カ月も前の手紙に、三カ月もたってから手紙の回答をしておいて、一月になってからの手紙に対する回答をするかしないかわからないというなら、日本政府というものも全くだらしのない政府であるというように国民は思いませんか。世界的にもそう思いますよ。慎重ということでそういうことをごまかしていたらだめですよ。そういう点をもっとはっきり、回答はできないという回答をしたって、回答です。なぜ回答なさらないのですか。
○藤山国務大臣 回答できないという回答をするなら、非常に簡単であります。しかしわれわれとしては、やはり回答する場合には、十分内容を検討して、それに対して適切な回答をするのがまたわれわれの礼儀だと思うのであります。十分慎重に研究いたします。
○岡田委員 回答しなければなお礼儀にならないのですよ。だからこれは回答を進めてもらいたい。 ところで新聞等によると、日米加漁業条約についてアメリカから申し入れがあったというように伝えられておりますが、その事実はございますか。
○藤山国務大臣 日米加漁業条約につきましては、アメリカからこの問題について会議を開きたいという申し入れがございました。
○岡田委員 いつありましたか。
○森(治)政府委員 御承知の通りに、昨年十一月にシアトルで日米加三国漁業委員会の開催のときに、すでにアメリカ側から、暫定抑止線の変更を検討し、委員会の設定及びそれの実現を見るまでの中旬措置に関して話し合いたいという申し出がありまして、その線に沿ってさらに日米間で話し合いたいという申し入れがあった次第でございます。
○岡田委員 近いうちにそういう関係官がアメリカから来るというように伝えられておりますが、それについても申し入れがありましたか。
○森(治)政府委員 そういう申し出はございません。
○岡田委員 その申し入れに対して日本政府はどういうようにするのですか。
○森(治)政府委員 ただいまこの回答の趣旨について検討中でございます。
○岡田委員 オホーツク海の漁獲禁止の問題については、これは公海自由の原則に反する、こういう意味で反対しておられるように聞いたのですが、日米加漁業条約に基いて西経百七十五度の線から東の方へ行くことを禁止するということは、公海自由の原則に反することになりませんか。
○藤山国務大臣 漁業の問題は、御承知のように種族保存と申しますか、将来にわたって漁獲量を十分に確保するという意味において魚族の保存をしていくというのが建前であります。従って公海自由の原則はわれわれとして堅持はいたしておりますけれども、実際問題の取扱いとして、ソ連ともやはり漁獲量その他とのつり合いにおいて検討もいたしておるわけでありまして、そういう意味で実際的な取扱いをする場合があり得ると思います。
○岡田委員 そんなことを聞いているのじゃないのです。オホーツク海の漁獲禁止が公海自由の原則に反するというあなたの御趣旨ならば、日米加漁業条約に基く西経百七十五度の線から東に行くということを禁止することは、これは公海自由の原則に反するのじゃないか、こう伺っておるのです。
○藤山国務大臣 ただいま申し上げましたように、日本としては公海自由の原則をとっておるわけであります。しかし実際の話し合いとして、種族保存のような場合で実際に科学的にそういうことが起り得れば、そういう取扱いをする場合がかえって漁業のためにいいんだという建前からいっております。
○岡田委員 それはどういう意味ですか。私の聞いておるのは、公海自由の原則に反するかどうかということを聞いておるのです。魚がどうであるか、こうであるかということを私は聞いているんじゃありません。この規定自身が公海自由の原則に反するという立場を日本政府がとるのじゃないかということと、もう一つは、日米加漁業条約というのは、これは講和発効前の書簡に基いているのです。吉田総理大臣という男がいて、この吉田総理大臣という男が、ダレスに対して、昭和二十七年の二月に、これは自発的に禁止しますなんというようなつまらない書簡を出したから、こういうことになったのです。ソビエトに対して、けしからぬ、けしからぬと言っておきながら、アメリカに対して、けしからなくない、これは当りまえでございますというのが、日本政府の態度なんですかということです。
○藤山国務大臣 ソビエトに対して、けしからぬ、アメリカに対して、けしからなくないというようなことをわれわれは申しているわけでないのでありまして、この漁業の問題についてはどの国に対しても、公海自由の原則の上に立って、われわれとしては主張すべきところは主張しているわけであります。ただ先ほど申し上げましたように、実際問題として、魚族の保護のために、永久に漁獲量が安定していくというためには、話し合いによりまして、合意によってその点を進めていく。ですから、その点については遠慮をしないでどこにも言っていることで、ソ連にだけ抗議をしているわけでもないのであります。
○岡田委員 さっきから聞いている点がどうもはっきりしない。公海自由の原則に反するということをはっきりされるなら、それは別です。そこの点をはっきりされることと、第一ソビエトにまだ誤まりを日本政府は犯している。ソビエトの場合には、制限しても、相互主義で同じ数量を陸と海とにおいてとらせるという制限なんです。日米加漁業条約の場合には、日本の船には全然とらせない。ところがカナダとアメリカに対しては、ある程度の制限はあるけれども、とらせる。ゼロと幾つかということなんです。これはもう外交の相互主義からいっても反するものです。こんなことを吉田・ダレス書簡をそのまま残しておいていいかどうか。この点、発効前の吉田・ダレス書簡については、このまま継続されるという御意思かどうか、この点だけ今答弁がなかったわけですから、この点についてははっきり御答弁願っておきたいと思います。 第二点は、イシコフ・赤城会談の間におきましても、日米加漁業条約についてこういう話があるんじゃないかという話が出ておるということですが、そういう点は公文としてあなたの方に赤城さんの方から連絡があったと思いますが、こういう事実がありますかどうか。
○藤山国務大臣 むろん第一点につきましては、日米加の間の漁業に関する条約にいたしましても、情勢の変化その他に応じてこれを改訂していくということは当然のことでありまして、できるだけいいものを将来にわたって作っていく、適切なものにしていくということについて、むろん政府が努力することは当然なことだと思います。 赤城・イシコフ会談についてこういう問題に触れたかどうかということでありますが、ソ連は若干この問題を言い出しているように公電ではありますが、内容は詳しいことは出ておりません。
○床次委員長 それでは大臣に対しては、時間の関係上これで質疑を打ち切っていただきます。 大西君。
○大西委員 日韓問題についてでありますが、一向日韓問題が進まないようですが、やはり政府は抑留者の相互釈放を完了してから全面会談に入るという、これまでとってきた方針には変りはありませんか。
○松本政府委員 それを建前としております。
○大西委員 建前というと、それ以外の場合もあり得るというのですか、かなり切迫しておるのですから、建前は建前として、今この問題の解決をはかるためにどういう手を打つかということです。新聞の報ずるところによりますと、柳公使の話では、岸親書によって李大統領は大へん御満悦で、それから全面会談の一環として残った抑留者の問題も解決できるであろう、こういうことをいって、今度は期日まで明示しているというふうな報道がなされておるのでありますが、こういうふうな具体的ないろいろな動きがありますから、建前は建前として、今どういうふうに話を進めておられるかという問題についてお伺いしたい。
○松本政府委員 まだ向うからのそういった事柄につきまする正式の折衝はございませんので、新聞報道による程度でございますので、これに基いてはっきりした見解をここに述べることはできませんが、ただ申し上げたいことは、正しくこれをまとめたいというのが政府の腹でございます。先ほど建前と申しましたことは、もしここにはっきりした期日を明示いたしまして、釜山に抑留されておる漁夫が必ず帰れるという見通しがつけば、そのときの事態によりましてまとめるということが原則でございまして、あるいはいろいろと参酌するような点が出てくるかもしれませんが、これはただ仮定に基いての私の説明でございますので、建前はやはり全部帰してもらうことを前提といたします。
○大西委員 それでは釜山におる残りの四百五十名かの抑留者を帰す話は、その後具体化しておらないのですか。
○松本政府委員 まだ正式には何ら具体化しておりません。
○大西委員 どうもこの問題に対する政府の努力が私は足りないように思うのです。そうしますと、この間柳公使の言明といって新聞に発表されましたのは、これは岸書簡に基いてそういうふうな向うの態度がきまったというふうに言っておるのですが、岸書簡にはまず全面会談の一環として抑留者の釈放でもよろしいというふうな意味の内容が盛られてあったのではないかと私は思うのでありますが、その点はいかがでしよう。
○松本政府委員 岸総理大臣が李承晩大統領に送りました親書でございますので、その内容をわれわれ申し上げるわけにいきません。
○大西委員 親書ですからその内容は言われないにしても、しかしややもすると、これまで外交的な話し合いと何かそごするというか、だしぬけというか、話の延長ではなくして、方向を変えて話をしていくというようなことが今日までの外交においてたびたびあります。インドネシアとの賠償のまぎわでも、せっかく行った移動大使の従来の方針に若干の方向転換がなされておる。また日ソ間の問題だってそういうことがあったのであります。どうも韓国側の言明を見ますと、私が心配するような、従来の外交折衝とは別個に、何かそこに国内の総選挙というような緊迫した問題ともからみ合って、ここに密約——と申しては少し言い過ぎでありますが、そういうものがあったのじゃないかということを私は懸念をする。そうでなければ、あのような言明がされるということは私には信じられない。そういう意味で外交の従来の折衝と岸親書の内容なるものは、それではいささかの食い違いもないものか、こういうことを一応聞いておきたい。
○松本政府委員 親書の内容につきましては、先ほど申し上げましたごとく、われわれが発表する筋でもないと思うのでありますが、こういう親書を大統領の誕生日の祝福を兼ねまして送るということは、とりもなおさず対立しておりました空気を打開することに、大いに役立つであろうというようなことも考えて送られたのであろうと思うのでありますが、事実は新聞報道によりますと、李承晩大統領もこの親書を非常に多としておられる。従いまして雰囲気が相当やわらいできたということは事実だと考えます。
○大西委員 それでは向うが言っておる、あれは五日から七日まで、この間にいよいよ全面会談の話をする、こういうことはこちらとしてはその準備を進めておるのですか。
○松本政府委員 まだ正式には向うからは言ってきていないように解しております。
○大西委員 あなたも新聞を読まれたと思うのでありますけれども、単なる解説記事みたいなものではないので、かなり信憑性のあるような記事であると私は思う。そういたしますとこちらからも一応そういうことについての打診をしてみる必要もあると思うのです。それで問題は抑留者を帰さないという理由、それはわかったようですが、なぜ今日までそれが停頓しておるかということをもう一回お伺いいたします。
○松本政府委員 何回も委員会において繰り返されましたごとく、一応二月十四日まで全部双方におきまして釈放してこれを帰すという前提に立ちまして会議を開こうということであったのであります。最初は三月の十五日から全面会議を開こうではないかという申し合せであったのでありますが、先方の篤なる希望によりまして、そうまで待たなくても二月十四日までには全部帰せるからという前提におきまして三月一日に繰り上げたのであります。ところが御承知の通りなかなか全部帰りませんでした。二月二十八日に二回目の送還があったのでありますが、なお四百二十二名残っておりますので、委員会におきまして外務大臣も答弁いたしましたごとく、これが全部帰らなければ全面会談を開くことはできない。ただし二、三日のことはいろいろ技術的の問題があるであろうからかまわないけれども、とにかくいつ何日には帰すというようなはっきりした言明がないとやはり全面会談に入るわけにはいかない、こういう建前からいたしまして先方と対立いたしましてこれが途絶した次第でございます。
○大西委員 筋道はわかりましたけれども、それでは帰すためにその後どういう努力が払われておるのですか。私の知っておる範囲では何もやっていないように思うのです。親書というものがそういう問題に関連してその打開のために行われた親書ならば意味がありますが、李大統領の誕生日を祝うというようなものであったならば、いやしくも外交の問題としてこの切迫した問題と無関係にそういうことだけやられたのは、むしろ本末転倒しておると私は思うのです。やって悪いと言うのではありませんよ。しかしその後の送還のそういう努力がされておるのですか。これは政府の責任としてかなり追及しなければならぬ問題だと思います。
○松本政府委員 ただ腕を組んで見ておったというわけではございません。何回となく局長等あたり、先方との折衝もございました。そうしてできる限り一つの打開しようじゃないかという努力は払われてきたのでありますが、たまたま李承晩大統領の誕生日にこの親書を向うに渡すことによりまして、幾分か空気が緩和されて友好な雰囲気をかもすことができたならば、その雰囲気にのっとって話がもう一度軌道に乗るのではないか、そこまで参りますについても相当な努力が払われておったということは事実でございます。なおいろいろなチャンネルを通じましていろいろな折衝をやってきておることも事実でございますが、これを一々申し上げることはちょっと困りますので、遠慮さしていただきたいと思います。
○大西委員 いろいろ熱意があり、努力はされておるようですが、どうもらちがあかないということは、ひっきょう政府の外交の無能であり、その責任をはっきりと痛感されなければならぬと思います。新聞が書き立てたから政府の責任が急に重くなったのではないのであって、この問題はもう昨年の中ほどから政府は責任をもって解決する解決すると期限を切って言っておる。いつも言うように、これは政府の責任のみとは言いません、相手が相手であるから。しかし相手が相手であるからまた手の打ちようもあると思う。ところがこれは完全にほんろうされているような形になっていると思う。あなたのお答えを裏返せば、いろいろ手を尽して努力はしておるけれども、これ以上はできませなんだということであれば、これはもう政府の無能を表明されたことであって、政府の責任だということをはっきり認めていかなければならぬと思う。私はこの前に会談が中絶されたときに、こういう形で中絶されると、あのラインを侵犯したという理由でもって日本の漁船が拿捕されるのではないか、そういうことがだんだんきつくなるのではないか、こういうことを言ったのです。その後日本の漁夫が拿捕されたのがあるはずでありますが、どの程度の状況ですか。
○松本政府委員 的確な数字をちょっと私は記憶しておりませんが、数回にわたって拿捕されていることは事実でございます。そのたびごとにわれわれは厳重な抗議を申し入れております。
○大西委員 数回ですか。もう少し的確な資料は今わかりませんか。
○松本政府委員 政府委員がちょっとおりませんので、後ほど調べて的確な数字をお示しいたします。
○大西委員 それは一つお願いいたします。 日韓問題はこれは一つ岸さんのおひざ元であるし、石井さんのおひざ元であるし、選挙にも響きますし、そういう問題だけではなしに、これは大へんな問題であるから、もう少し熱を入れて一つ打開の策を講じてもらいたいと思います。 それからきょうの新聞記者に対するソ連の原水爆実験禁止の声明ですが、初めにあります「ソ連の真の意図は必しも明かでないが、」こういっていますが、これは政府は、ソ連の真意が何であるかということは明らかでないのですか。えらい言葉じりをとらえるようですが、声明ですし、初めから二行目に書いてあるのでかなり目につくのですが、真意ははっきりしないのですか、いかがですか。
○松本政府委員 真意がまだはっきりしないという意味は、ただ表面現われておりますことだけでなくして、その背後にはいろいろな政治的の意図があるのではないであろうかというようなことを加味して書かれたのではないかと想像するのでありますが、けさの新聞の論調の中にも、ソ連は食い逃げしてこういうものを出すのはちょっとおかしいではないかというような記事も出ておりました。そういう工合にいろいろとただ正真正銘の禁止でなくして、たとえばもし米英がこれに同調しなかったならば再びこの実験をやる権利を留保するというようなこともありますし、あるいは一連の実験をやりまして、その資料を全部開放して研究するのには少くともあと一年間はかかるであろう。従ってその一年だけを意味しておるのかというようなことなんかも、いろいろ各新聞等も論じておりますように、多少まだはっきりしない点もございます。ただし禁止の問題そのものに対しましては、先ほどから何回となく外務大臣が繰り返して御答弁いたしましたように、われわれは双手をあげて賛成すべきであると思います。
○大西委員 あなたが言われた二、三の問題ですけれども、そういうことはよく新聞にも出ておりますし、よくわかりますが、そうじゃないのです。ソ連の真の意図というのです。意図というのですよ。ですから、そのねらいということなんです。食い逃げというようなことはねらいではないのです。その意図は何だということなんです。もし米国が万が一にもこういう措置をとったときには、おそらく政府は米国政府を信頼しておるから、そういうところをそんたくする必要はないというようなことを言うかもしれませんが、こういう奥歯にもののはさまったと言いましょうか、考えようによっては失礼だと思うのですが、こういうふうなことは私はおそらく言わないと思う。そこでこの真の意図は、ダレスがさっそくしゃべっておりますが、ソ連の中止は単なる宣伝だ、こういうことを言いたいのではないかということを私は言いたいのです。日本政府もそうだとはちょっと言い切れないが、やはりそこらにあるのではないかと思うのですが、これが宣伝的な意図を多く持っておるというような意味なのか、そういうことなんです。とにかくあとからまた米英が実験を中止しなかったらおれもやるというのは当りまえのことなんです。私がソ連なら当然言いますよ、相手がそう言っておるのだから。あとからまた自分ら再びやると言っても、とにかく中止を言ったことは事実なんです。だから私どもはあまり悪意に考えて、イデオロギーを先に立ててものを考えるのではなくて、率直に私どもは考えたいと思うのですが、ここにこういう文句が出ておるから、私はダレスの言うようにソ連の意図は宣伝である、中止は宣伝である、こういうふうな気持があるのかということを聞いておるのです。
○松本政府委員 ダレスの声明は実は私まだ読んでおりませんが、しかしたとえば今度巨頭会談、サミット・ミーティングをやろうというようなことがしきりに言われております。それに対するところの事前工作であるかもしれません。あるいは実際においてソ連はやれといっても、今から一年間は絶対にできないような状況に軍事的にあるのかもしれませんが、そういったようなことを明らかにいたしませんので、従ってその意図がよくわからないということをうたっておる、こういう工合に解しております。
○大西委員 そうするとソ連のこの中止は、宣伝的な意味を持つというふうには解さないということですか。その具体的の点についてはどういうふうにお考えになりますか。
○松本政府委員 これも十分検討してみませんと、ここに即答するわけにはいかないと思うのですが、いかなる声明においても若干の宣伝めいたことがあるだろうということは想像にかたくありません。
○大西委員 それで、これまでその内容を見ますと、いろいろ国際管理を伴う云々とか、国連でどうこうというようなことを言っておるのですが、これまで国連で原水爆実験の禁止の提案をした日本の提案のやり方は、前の発言者も言っておったように、国民の意思とかなり違ったものであります。むしろソ連の提案のごときは非常にわれわれにぴったりするような提案をしましたが、それに対しましては反対したり棄権したりしておるのです。私はこの際、今申しましたような宣伝的要素もあり、それは国内事情もあったかもしれない。後にはまた再開をやるかもしれないけれども、とにかくそれが宣伝であっても、こういうことを内外に声明をして、そうして禁止をやると言った以上、これを一つの契機として従来の日本の核実験禁止に対する態度というものを検討すべきではないかと思うのです。すなわちこれまでは軍縮の一環として、軍縮とともにこの問題を取り上げる、こういう態度をとってきたと思いますが、私はこの機会にやはりこれは核実験の禁止のみを切り離して、そうしてとにかく国際連合でも、国際的なこういう場で禁止に一つ踏み切っていく、こういう方向が私はいいのではないかと思うのですが、これは従来の行きがかりにとらわれずに、政府が核実験禁止というものをほんとうに心底から念願しているなれば、私はそういうことが一つの契機だと思うのですが、いかがでしょう。
○松本政府委員 この声明の趣旨に関しましては、先ほどから外務大臣も申しましたごとく、賛成するものであります。ただここに核爆発あるいは核兵器禁止だけをうたいまして、あとのコンヴェンショナルな、通常兵器の縮小ということを考えないで、そのまま放置しておくということは、果してすべての事態を解決する道であるかどうかということにつきましては、なお疑問を持つものであります。従いまして、先般日本が国連において提出いたしましたあの決議案というものは、当時は一般の予想以上に、ことにAAグループの間においては支持があったのであります。その後におきましても、あの日本の案というものはよかったではないかというような空気が、だんだんと高まってきておるのであります。従いまして、われわれはやはり核兵器の禁止と同時に、一般の軍縮というものもやって、戦争のない世界に持っていってもらいたい。この念願に立脚いたしまして、今後も進んでいきたい、こういうように考えております。
○大西委員 これは、あなたその程度のことしか言えないのかもしれませんけれども、この声明でも、原爆の被害をこうむった国民として、この禁止を世界に訴えることは、日本の道徳的義務である、こういうことを言っておるのですよ。それは当然軍縮の問題と総合的に解決するということが究極の目的でしょうけれども、やはりわれわれの直載的な一つの願いというものは、まず原爆の何だけをなくしようということ、これが一番緊急の問題なんです。これが政府だってわからないはずはない。日本が世界の軍縮の問題に対して発言するといったって、それは望ましいことであっても、その力は知れたものです。それよりも、原爆だけは再び許すまいという、このことだけは——おのずから前後あり、軽重あり、順序があると私は思う。そういう意味から、従来から国連に提案してきたああいうものは、アメリカとの間にいろいろな折衝がされたもので、純粋な国民の、純粋な日本政府の独自な提案でなかったということが言われている。ところが果せるかな、この声明にも、原爆の被害をこうむった国民としてこの問題を云々という考え方の基底がここにあるのですよ。ですから、私はいつまでもそういうことを言うよりも、この際、二大国の一方が即時禁止をやろうということに対して、もう一方の国に対してそれを言うべく政府が立ち上るということは、私は何も無理のない、当然のことだと思いますけれども、なお固執されますか。あなた御自身の見解でもよろしい。政府の態度でわからなかったら、個人的な政務次官の良心のあるところをひらめかして下さい。
○松本政府委員 原水爆の被害の問題に関しましては、皆さんよりも私が、広島出身といたしまして一番感じております。従いまして世界の情勢からいたしまして、何とかして、ただ原水爆のみならず、戦争のないような世界を作りたいという気持におきまして、私個人といたしましては、ずいぶん東奔西走いたしました。その意味におきまして、できることなら、ただ単にこれが政治的の意図であるとかそういうことでなくて、ほんとに戦争のない、しかもわれわれが自由の生活のできるような世界を作っていきたいというのが、私の一つの念願でございます。 そこで、先ほど申しましたことにちょっと誤解があったかもしれませんが、もちろん実験の禁止ということをまずやりまして、そこまででピリオドを打つ、あるいは線を引きまして、それ以上進まないということは、好ましいことではないのであります。従いまして、一歩々々でもかまいません。これをいたしまして、そうして後にコンヴェンショナルな軍縮にも進んでいきたいというのが、岸総理あたりの気持ではなかったろうかと推察しております。
○大西委員 あなたが広島御出身である、そのことについては、私忘れておりましておそれ入りました。しかし、やはり私どもは政治的に、今まで歩んできた政府のこの問題に対する経過を見ますと、これは本物じゃないように思うのです。そこで私は、もう一回国連に、この問題だけを切り離して、ソ連の声明を受けて、一つの新しい態度で核実験の禁止を提案する意思なしや。そのことも一つ考えてみよう、それが望ましいというような答弁があれば、私は非常に満足するのでありますが、いかがですか。
○松本政府委員 もちろん実験を中止いたしまして、その上で、われわれはさらに軍縮を進めるべきだ、こう考えます。
○大西委員 それじゃ、国連にこの問題に対する提案をやりますか。いいチャンスですよ。その準備がありますか。
○松本政府委員 先ほど外務大臣が答えました通りでございます。
○大西委員 何と答えたのですか。声が小さくて、私は聞えなかったのです。
○松本政府委員 外務大臣は、検討中だと申しました。
○大西委員 それから、海洋法会議がずっと続けられておりまして、大陸だなの問題や領海の問題などがあるようでありますが、その経過についても、関連のある問題でよろしいですから、聞きたいと思います。特に、最後の、ソ連が提案いたしました、公海における核実験についての禁止提案、これの問題がどうなっているかということを、一つ聞かしていただきたい。
○高橋政府委員 お答え申し上げます。領海の問題も大陸だなの問題も、今審議中でございますし、盛んにいろいろな案が出て、動いておる状況でございますので、こうやって御説明申し上げている間にも、いろいろ電報が入ってくると思いますが、中間的な御報告として簡単に申し上げますと、領海の問題につきましては、実はわが方は三海里をあくまで主張していっております。しかし、これもいろいろな主張がございまして、この三海里をどこまで主張し通せるかということは、非常に困難の問題でございますが、われわれとしましては、あくまで三海里を主張していきたい。ただ領海の問題につきましては、各国が一般的なあれをやっておりますけれども、まだ具体的な提案をやっているという状況ではないようでございますので、このまま事態を注視していきたいと思っております。 それから大陸だなの問題は、実はこれは委員会で五十カ国以上の多数によって可決されたところでございます。これははなはだ遺憾に考えておりますけれども、わが方としては、大陸だなというような主張はどうしても認めることができませんので、とにかくこれにつきましては、あくまでまた反対を続けていきたい。すなわち今委員会での投票でございますが、本会議の投票もございますし、それから、これが全体としてでき上るかということに関連がございますので、わが方といたしましては、大陸だなは、委員会では一応あのような結果になったようでございますけれども、これに対しては反対を続けていきたい、こういうふうに考えております。 それから核実験の問題につきましては、いろいろ経過がありましたが、結局インドが提案いたしまして、「公海の自由を侵害する核実験について多数国の間に重大な憂慮が存することを認め、またこの禁止の問題が国連総会によって検討されておることにかんがみ、海洋法会議は国連総会に対し本問題の適当な措置を一任することを決定する。」というような案が出されたようでございます。これに対しましては、実はこの趣旨、すなわち国連で審議するということは、問題ないところでございます。しかし、これが通るということは、結局、核問題が海洋法会議の問題外にされるというおそれがありましたので、わが方はこれに反対いたしました。ところが、これに引き続いて、今度はインドが、ソ連の例の案に対しましては、表決に付さないということを言ってきております。そこで、この問題を議題にすることはわが方として賛成であり、わが方の主張でございますから、わが国はこれに反対投票をしたわけでございます。従って議題にのせるというふうに主張をしたわけでございます。
○大西委員 結局議題にすることに賛成したのですか、反対したのですか。
○高橋政府委員 結局議題にすることに賛成したのです。インド案は議題にしない。インド案をよく見ますと、結局国連に持っていくという案でございますので、これに対しては反対した。ところがインドは、これが採決になったものでございますから、従ってこれは国連に持っていくのだという建前のもとに、今度はソ連案については管轄外にしようという提案をしたわけでございます。そこでわれわれは、それは管轄内にする、議題にのせるという主張をしたわけでございます。
○大西委員 ソ連案の骨子を言って下さい。
○高橋政府委員 ソ連案は、各国は公海における核実験について抑制する義務があるものとする、こういう案でございます。それに賛成するかせぬかというよりも、その審議に入る前に、これを提案する、議題にするということが、まず問題にされたわけでございます。それに対しては、われわれは議題にすると言ったわけです。それからあと、ポーランド案やユーゴ案などいろいろありますが、これも今審議になるということです。
○大西委員 議題にすることに賛成をされたのでありますが、この議案は今どの程度の審議の状況でありますか。
○高橋政府委員 それが否決になったわけです。ボート・ダウンされたわけです。
○大西委員 そのときの議題にするという提案が否決になったのですか。議案とすることにならなかったのですか。
○高橋政府委員 そういうことです。議題にならなかったわけです。われわれは議題にすると言ったわけですね。そうしたらやはり五十カ国以上の投票によってそれが否決されたのです。
○大西委員 これは否決されてやれやれというところですね。
○床次委員長 だいぶ時間も経過しましたから、適当に終っていただきたいと思います。
○大西委員 そうすると、国連でインド案が取り上げられるということですね、そういうことですね。
○高橋政府委員 そうです。
○大西委員 そのインド案の内容はどういうものですか。
○高橋政府委員 ちょっと読み上げます。「公海の自由を侵害する核実験について多数国の間に重大な憂慮が存することを認め、またこの禁止の問題が国連総会によって検討されておることにかんがみ、海洋法会議は国連総会に対し本問題の適当な措置を一任することを決定する。」というのであります。
○大西委員 これは国連の問題に移ったわけですから、国連の舞台においてつ私が前に申しましたような立場で大いに検討していただきたいと思います。
○岡田委員 ちょっと関連して。その点は高橋さん、ちょっと勘違いしていませんか。それはあなたの今言ったのは、七十七条の「公海の自由」の原則のところにそれを入れるかどうかということが議論になったので、「公海の汚濁」ということは四十八条にあるわけです。公海の汚濁についてはどうするかということです。だからいきさつから言うとこういうことなんです。海洋法国際会議の中で、四十八条の条文に公海の汚濁、原子力によるところの放射能の被害の規定があるのです。それだけでは弱いというので、ソビエト、インドが公海自由の原則の方に入れようとした、それについて議題にするかしないかということをあなたが今答弁したので、うしろの四十八条については賛成したか反対したかというのです。その点はどうなんです。
○高橋政府委員 まだその点は問題になっておりません。
○岡田委員 日本はどうするのですか。
○高橋政府委員 日本はあの趣旨には賛成でございます。公海の汚濁にはただちょっとリダクションに問題がありますので、もう少し検討させていただきたいと思いますが、あの趣旨には賛成です。
○岡田委員 結局海洋法国際会議においても、公海汚濁の問題はやはり取り上げられるのです。国連においてもさっきの部分に関しては取り上げられる。しかし海洋法の国際会議においても、公海の汚濁に関する放射能の被害については取り上げられることだけは間違いはない、その点ははっきりしておかないと、国際会議では取り上げられないで、国連だけで取り上げられるのだという印象を与えるのはちょっとよくない。
○大西委員 日中貿易ですが、今戸叶さんとのお話し合いを聞いておったのですが、何だかぐずぐず言っておるようでわからないのですが、こういうことなのですか、民間二団体の調印をしてきたあの基本線をくずさずに、政府はそれに支持と協力を与えるというのですか。台湾政府の方からいろいろの申し入れその他がありましたが、そういうことには目もくれずに、そういうことに何も関係なく、第四次貿易協定のあれに政府は支持と協力を与える、この方針には変りはない、こういう今の大臣の答えであったのですが、そうですか。
○松本政府委員 あの文面に表われております通りのことではちょっと困るのであります。と申しますのは、旗を上げる権利を認めるというような条項は、ただ単に台湾のみならず、台湾で国民政府間に問題になります以前から、これは問題になっておった点でございます。従いまして私どものものの考え方といたしましては、たとえばドイツと取引を中共はやっております。レバノンとも取引をやっております。レバノンあるいはドイツのごとき承認をしていない国ともやっておるのでありますが、一応これは通商代表部を設けるという交渉もございまして、旗を上げさせてくれという交渉もございましたが、ドイツではこれをけりました。従ってドイツとの——これはしかもオープン・アカウントであります。ドイツとの取引におきましては、旗を上げなくてもできるのに、日本ではどうして旗を上げる権利を認めなければ取引ができないか、ここにいろいろな政治問題があるわけであります。承認をすることはできないという建前からいたしまして、外堀を埋められ、内堀を埋められるようなことはやはり困る、こういう態度は維持してきておりますので、決して国民政府がどうこう言ったからというのでわれわれはこの気持をまた強化し、あるいはいろいろ変えておるのではありません。従いましてこれはなお十分一つ検討いたしまして、正しい民間貿易であればその方向にあくまでも支持していきたい、こういう気持で目下検討中でございます。
○大西委員 そうしますと、旗を上げさせないということは従来の政府の方針である。ですからそれはあくまで貫いていくのであって、旗を上げさせないという台湾政府からの申し入れによって旗を上げさせないでおこうかどうかというような、そういうようによろめいておるのではない、こういうことですね。政府の方針は旗を上げさせないのだ、こういうことは前から堅持した方針だ、こういうふうに言われるのですね。
○松本政府委員 旗を上げないで一つ取引をしてくれということを言っておるのであります。権利を認めるとか、あるいは旗を絶対に上げさせないということは、これまた国内法の問題にいろいろ抵触するでありましょう。さらにもしこれを上げる権利というようなことになりますれば、いろいろ政治解釈、あるいは法律解釈はございましょうが、刑法の九十二条あたり等を適用するようなことになりますと、非常な問題を後に残しますので、たとえばデパートに中共の旗を掲げても、これをおろせということはできません。あるいは中共の旗を掲げて某大使館の前でデモをいたしましても、その旗を巻けということは申されません。こういう工合に旗を上げさせないということではなくして、上げないで一つ正常な取引をしてもらいたいというのが、われわれの立場です。
○大西委員 それが紛争を起す原因になると私は思うのです。旗を上げないでくれというようなことで、初めから上げるであろうという予想が立つ、そういう状況において旗を上げないでくれというような、わけのわからぬ一方的な申し出みたいなことで事をおさめると、結局それが後にいよいよ旗を上げたときにどうなるか、問題はこういうことになるのです。話が飛躍するようだけれども、そうなんですよ。千島の放棄についても、千島というのは、普通の常識だったら南千島も入るのですよ。それを談話でもって択捉、国後は違うなどと言うから、これはあとの紛争になる。なぜ政府はその紛争の種になるようなことをここであいまいにしておくのですか。私はそこが言いたいのです。こういうことでは、総選挙だけは切り抜けられるかもしれませんよ。しかしそれは、そのあとで実際代表部に旗を上げることはきまっておる。向うは旗を上げさせろと言っておるんだから……。それを上げさせるというか、上げさせないというか、上げさせる場合はこういうんだというふうに何らかのはっきりした取りきめをしておかないで、こちらが一方的に旗を上げないでくれと言うことは——私はあなたのように外交官じゃないから、外交の具体的なことは知らないけれども、私どものしろうと考えからいうと、そういうところにかえって問題の種をまいているじゃないですか。ですから、そこはおそらく国民もわれわれのような頭を持っておるんだから、そして心配しておるんですから、上げないでくれというならくれというわれわれの意思を相手に確認させるかどうかということが必要でしょう。しかしそれは台湾との関係でできないということならば、それはそれとはっきり言ってもらいたい。しかし台湾の申し入れに何らよろめいているんじゃないと言われるならば、何がゆえにこの問題についてはっきりされないのですか。それがもし中共政府の承認ということになるならば、承認はあくまで反対だという政府の立場ならば、堂々とこれはこういう建前でできないんだということを明らかにして、そして中共承認の問題等は抜本的に問題を返してから話を始めなければならぬと私は思う。ですからそこのところをはっきりして下さい。
○松本政府委員 先ほど申し上げましたごとく、国民政府からいろいろ異議の申し立てがあります前から、この旗の問題は相当紛糾を来たしておりました。種は日本政府がまいたのではなくして、正常のいわゆる民間ベースにおけるところの取引をいたしますのに、旗を上げる権利を認めなければいかぬというところにいろいろ問題を起したのであります。先ほど申しましたごとく、ドイツとの取引の場合には旗を上げないでできるのに、日本の場合には旗を上げる権利を認めなければ取引ができないということは、われわれ普通の常識ではちょっと考えられないのであります。そういう意味におきまして、紛糾を来たさないように、とにかくスムーズに取引がいくようにしてもらいたいというのがわれわれの方針でございます。
○大西委員 別な観点から聞きますが、代表部が来まして旗を上げたときにはどういうふうにしますか。それは将来の問題だからわからぬと言われるかもしらぬが、上げないでほしいというこちらの気持から、いよいよ旗を上げたときにどういう事態が起き、政府はこれに対してどういうふうに対処しようとしておられるか、こういう面から一つ明らかにしてもらいたい。
○松本政府委員 ただいまこの問題に関しましては、いろいろと内部におきまして折衝中であり、いろいろと工作をしておりますので、今ここではっきり申し上げることは遠慮をさしていただきたいと思います。ただし私個人の意見としてお聞きになるのでしたら別でございます。
○大西委員 政務次官個人の見解を聞かしていただきたい。
○松本政府委員 先般から申しましたごとく、国内法といたしましては、旗を上げた場合にこれをおろせということは言えないのであります。デパートにおけるところの飾りであるとか、あるいは見本市における旗と同様でございまして、ただし上げることによっていろいろな問題を起しました場合に、刑法九十二条を適用されることは困る、これだけははっきり言えると思います。
○大西委員 台湾政府の申し入れば旗の問題だけですか。ほかにまだ問題がありますか。
○松本政府委員 ほかにもこまかい問題はあるようでございますが、要するに旗の問題が相当刺激しておるようでございます。
○大西委員 旗を上げさせれば商取引をやめるとかなんとか言っているのですが、それも新聞に書かれている程度のことで、私ははっきりしないのでございますが、どういう申し入れになっておりますか。もし旗を上げさせるなれば国民政府はどういうふうな措置をとる、こういうふうに言っているのですか。また現にとりつつある面もあるようでありますが、この点も政府の正確なる報告を一つ聞きたい。
○松本政府委員 日本にとりましては、もちろん国民政府というものが承認している国でありますのと同時に、世界の四十六カ国がこれを承認しており、しかも国連の常任理事国でもあります。中共の場合におきましては、日本はこれを承認しないという建前をとっております。さらに中共の場合は世界の三十二カ国、しかも共産圏を入れまして三十二カ国の少数がこれを承認しているような事態でございますが、朝鮮の問題が起ります前に承認した国がほとんどでございます。こういうふうな観点からいたしまして、われわれは世界の趨勢からいたしましても、二者択一ということになれば、もちろんこの台湾の方にわれわれはいろいろと思いを配らなければならないのでありますが、民間貿易の問題に関しましては、一応われわれはこれを拡大したいという気持をもって考えております。この問題につきましては、この民間貿易を拡大していきたいという気持は、国民政府も早くから承知しておりました。そこで一時、これはいろいろな問題で紛議はいたしましたが、目下のところ堀内大使等あたりを通じまして、いろいろと説明を加えて、できるだけ一つ了解してもらいたい、そしてこれを穏便に済ませたいという努力を継続しております。
○大西委員 旗の問題は、私は当然国民政府からはこういうふうな申し入れがある、これはしろうとでも考えられるのですが、政府は国民政府から申し入れしたからどうだこうだということは何ら関係ないと言っているから別問題でしょうが、事実はやっぱりああいう申し入れがあったから問題にしているんだと私は思うのです。私は、あの民間の貿易協定をやる場合に、政府がこれに支持と協力を与えるという態度をとるとすれば、当然台湾政府からこういう申し入れがあるということは予想できると思うのですが、そういう予想はしなかったですか。
○松本政府委員 予想をしないことでもなかったのですが、もちろんこれは国民政府といたしましては、好ましいことではないというような意思表示はちょいちょいございました。くどいようでありますが、旗の問題に関しましては、国民政府の問題が起ります前に、速記録をごらんになればわかりますが、本委員会におきましてこの問題を、私は先ほど申し上げましたような趣旨で答弁しております。
○大西委員 もう一つ、沖縄の問題ですけれども、これは沖縄の現在の地位というものは、この前参考人を呼んでいろいろ聞きましたが、信託統治の提案をする、そしてこれが可決されるまでの暫定的な措置だ、こういうことなんであります。ところがその過渡的な暫定的な措置が十年も続いている、こういうことは正常な形じゃない、こういうことになったのです。そこでそれならば、むしろ信託統治の提案をさせるべきだ、ところがしない、しないで、こういう過渡的な措置で非常に基本的な条件を拘束されているし、住民が不利益をこうむっている、それは何とかしなければならぬ、こういうことになっているのですが、この問題に関連して、沖縄返還の問題は、岸・アイク共同宣言の中に——私は文句を今正確には覚えておりませんけれども、極東に脅威と緊張が存在する限り、沖縄の返還は考えられない、こういう趣旨のことであったと思いますが、そうすると、これは平和条約第三条の、今の国連に信託統治の提案をするまでの過渡的な措置だという、このことは、当然信託統治にするというこういう一つの目的があるわけです。ところが一方、脅威と緊張が存在する限りこれを放さぬ、こういう考え方との間に私は矛盾があるように感ずるのです。そうしますと、脅威と緊張が続けばいつまでたってもこれを返さぬということになる。返さぬということになれば、これは信託統治にするという目的はどうなるのですか。私はそういう意味からいって、あの共同宣言というものが、平和条約第三条の趣旨とは矛盾するとは言わぬが、非常に食い違うものがあるのではないか。なぜこういうことを言うかというと、とにかく早く返したいという立場からいいますと、どうもここに一方は政治的な判断だし、一方は条約的な取りきめであるけれども、そこに矛盾があるように思うのです。ここの両者の関係についてどういうふうにお考えですか。
○高橋政府委員 その点、この前のお話では、やはり沖縄の統治は暫定的なものである、ただ沖縄を信託統治に持っていくかどうかということは、一応条約の書き方の上では自由ということになっております。これは御承知の通りです。自由であって、義務というような、アメリカが信託統治に持っていかなければならないというような義務的な書き方にはなっていない。しかしそれだからといって、それじゃアメリカがいつまでたっても現在の状態で持っていていいかどうかということになりますと、これはそういうわけにはいかない。これは暫定的措置であるから、信託統治に持っていくか、それとも日本に復帰させるか、いずれかの措置をとらなければいけないし、いつまでも現在の状態を続けていくわけにはいかない。この前のあれは結論的に申し上げますと、こういうふうな御趣旨ではなかったかと思います。そこで、この共同宣言には、そういうふうな「脅威と緊張の状態が極東に存在する限り、」ということがございますが、これは何と申しますか、条約文では一応そういうふうになっておりますからそういう法律的解釈はできますけれども、これはやはり共同宣言でございますから、共同宣言でその政治的な考え方として、一応こういうことを述べられたのじゃないか、こういうふうに考えております。
○床次委員長 次会はいずれ公報をもって通知いたします。 本日はこれで散会いたします。 午後一時十三分散会