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28回国会衆議院1958/02/06

外務委員会 第1号

発言数
109
登壇者
9
会派数
2
開催日
1958/02/06

会議録

床次徳二自由民主党

○床次委員長 ただいまより外務委員会を開会いたします。  この際私から一言ごあいさつを申し上げます。  今回はからずも私が当外務委員会の委員長の重責をになうことになりました。私は微力非才でありますが、委員各位の御協力、御援助によりましてこの重責を果したいと考えておる次第であります。何とぞ各位の絶大なる御支援をお願いいたす次第であります。  以上はなはだ簡単でありますがごあいさつにかえる次第であります。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 慣例によりまして、野党を代表して歓迎のごあいさつを申し上げます。  経験を積んでおられる委員長のことですから、よけいなことになりますけれども、外務委員会は、従来から非常に円満に運営がされてきておる。今回、すでに外務政務次官もやられ、しかも委員長の経験もあられる優秀な委員長をお迎えして、私どもとしても大いに意を強うしておる次第であります。われわれもできるだけの協力をして、そして委員会の運営が円滑にいくように努力したいと思います。委員長におかせられましても、今さら言うまでもないことでございますけれども、十分に発言の機会を与えられるように、公平な運営を期していただくように特にお願いをいたしまして、歓迎のごあいさつといたします。     —————————————

床次徳二自由民主党

○床次委員長 それでは、この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。理事高岡大輔君より理事を辞任いたしたい旨の申し出がありますので、これを許可するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 御異議がございませんので、同君の理事辞任につきましては、これを許可するに決しました。  なお、理事穗積七郎君が去る一月二十八日委員を辞任されましたので、ただいま二名の理事が欠員となっております。この際理事の補欠選任を行いたいと思いますが、慣例によりまして、委員長において指名いたすに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 御異議がございませんので、櫻内義雄君、戸叶里子君を理事に指名いたします。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。本委員会といたしましては、前国会同様、国際情勢に関する事項、国交回復に関する事項、国際経済に関する事項、及び賠償に関する事項の四項目につきまして調査をいたしたいと思いますので、この旨議長に承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

床次徳二自由民主党

○床次委員長 御異議がございませんのでさよう取り計らいます。     —————————————

床次徳二自由民主党

○床次委員長 これより国際情勢に関しまして質疑に入りますが、質疑の通告がありますから、順次これを許します。松本俊一君。

松本俊一自由民主党

○松本(俊)委員 このたび藤山外務大臣が初めて外務大臣として当院で外交方針の演説をされたのでありますが、その基本のお考えは、従来岸総理が外務大臣を兼任されておりました時代からの方針を踏襲されまして、いわゆる外交三原則ということを言っておられるのであります。すなわち国連中心主義、それから自由諸国家と協調をする、それから第三に、しかしながら日本はアジアの一国であるからして、そのアジアの一国であるという立場を堅持する、こういう三原則に基いて岸兼任外相以来日本の外交は運営されてきたのでございますが、私の見ますところでは、その方針に基いて、岸総理は昨年は二回にわたって東南アジアの各国を歴訪されてきた。それからまたワシントンに行かれまして、アイゼンハワー大統領とも会見されたのであります。それからまた藤山外務大臣は親しく国際連合総会に出席されまして国際連合がどういうふうに動いておるかということを実際に体験されたのであります。また近くは、藤山外務大臣は、インドネシアの平和条約、賠償協定に調印のために、インドネシアに行かれまして、その行く道でシンガポールで英国の総理大臣のマクミランにも会われました。その前藤山外務大臣はニューヨークの帰途ロンドンに行かれまして、英国の総理のマクミラン、外務大臣のロイド等と懇談をされたのであります。こういうふうにこの外交の三原則に基く実際の動きというものについて岸総理並びに藤山外務大臣はいろいろの体験をされ、また具体的の交渉もされたのでありますが、その結論として過般の本会議で岸首相並びに藤山外務大臣は、今度は自信を持って外交三原則を叫ばれたことと思うのであります。  しかしながら私の見るところによりますと、この外交の三原則の国連中心主義ということにつきましても、私は日本の立場としまして、ややこれを明確ならしめたいと思う点がありますが、まず第一にお伺いしたいと思いますのは、外交三原則のうちの自由諸国と協調を保つという立場と、アジアの一国である日本がアジア諸国と深い提携をしていき、その立場を堅持する、この二つの原則がややもすると矛盾するのではないかというような論をなす人があるのでありまして、この点については私は、本日は岸総理は御出席でありませんから、藤山外務大臣から政府の明確なる解説と申しますか、明確なる態度と申しますか、はっきりさしていただきたいと思うのであります。  それは何ゆえかと申しますと、自由諸国、その中には英国でありますとか、フランスでありますとか、オランダでありますとか、かつてのアジア諸国の戦後独立しました各国を植民地として支配しておった国があるのでありまして、アメリカを別としますと——アメリカもかつてはフィリピンを領有しておったのでありますが、とにかくアメリカの問題は別としましても、英仏、オランダ等、この新しいアジアの諸国家を多年の間領有してこれを支配しておった国と日本は協調していかなければならぬという立場があるのであります。従ってアジア諸国との間の関係、ことにアジア諸国は長年の間、英仏等に向って植民地主義、帝国主義はけしからぬといって排撃をしておりました。そのほとぼりは今日でもなおさめていないのでありまして最近のインドネシアに起りましたいろいろな事件ごときも、その現われのまだ余じんがおさまらない一つの現象であります。そこで日本といたしましては、外交三原則の中の重要なるこの二つの立場をいかに調和されていくか、またこれについてどういう考え方をするかということは、あらゆる機会にまた明確にしておく必要があるだろうと思うのであります、これはアメリカを初め自由主義国家に誤解を与えないということもありますし、またアジアの諸国家に対して、日本が決して水くさい立場をとっているのでないということを明確ならしめる点からも必要だと思うのであります。こういう点につきまして国連にも行かれ、また最近はインドネシアにも行かれました藤山外務大臣から、外務大臣自身並びに政府の明確なる外交理念の上の御説明を承わることができれば非常に仕合せだと思います。まず私はその点をお伺いしたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 ただいま松本委員からの御質問は、自由陣営の一員としてあると同時に、日本はアジアの一員としての立場を堅持する、それについて矛盾はないかという御質問だと思うのであります。私は、結論から申せば、矛盾はないと考えておるわけであります。日本が、地理的に見ましても、人種的に見ても、また経済的な関連においても、アジアの一員であるという立場は、これは世界も認めておるのであります。日本人がアジア人でないとはアメリカ人も考えておりません。また思考の方法論として、日本がアジア人的思考を持っておること、西欧の思考と違っておるということは、これは西欧の人のみな認めておるところであります。従いまして日本がアジア人としての立場をとるということは当然のことだと思います。同時に日本は自由主義をもって政治的信条として立っております。従いまして自由主義の哲学的あるいは政治的理念のもとに行動していくということもこれまた当然であります。従って共産主義以外の自由主義陣営の中にあるという立場をとりますこともまたこれ当然だと思うのであります。むろん国際社会におきますいろいろのつながりによるそれぞれの国々の立場というものは、いろいろあるわけであります。従ってアジアの各国にしても、それぞれ過去の歴史的立場を持っております。あるいは自由主義陣営の中においても、それぞれ歴史的立場を持っておるのであります。インドが英連邦の一国である、一員であるという立場も歴史的の立場だと思います。戦後における日本が、アメリカと安保条約その他においてつながっておるということも、歴史的な意味からいっての立場であります。それぞれアジアの国におきましても、過去の歴史的な事実から見まして、西欧の陣営あるいは自由主義陣営の中につながっておることも事実であります。ただアジアの共通の問題として打ち出される問題は、ただいま御指摘のありましたような反植民地主義だと思います。日本は反植民地主義というものに対して、その心持も了解できます。また植民地主義時代が終ったということも認めて参らなければならぬことだと思います。私ども率直な考え方からすれば、西欧各国が、自分が植民地として育てた子供たちがりっぱな一人前になって独立をしていけるようになったことを西欧各国の人は喜んで、その一人前になる道を開いてやるのが適当だと思うわけであります。従ってそれは植民地アジアの各国と、西欧の諸国との間に穏健に話し合いをしながら、お互いに、りっぱな成年国家になった、りっぱに自立しておいでなさいということで話し合いをしていくことを希望するのであります。過激な手段によってやることよりも、お互いに気持よくそういうふうにいくことを私としては念願をいたすわけであります。そういう意味において、植民地の独立というものに対しては心から支持しますと同時に、それが過激な手段によらないで、両者合意の上すみやかにりっぱな成果を上げますように、日本といたしましても努めて参りたい、こう考えております。経済その他諸般の問題につきまして、西欧と自由主義陣営の中でアジアが特に反発を感ずべきものはないと思います。むろんアメリカを含めました西欧とアジアとの間には、経済協力関係がなければならぬ。それがひもつきであるということを西欧諸国も必ずしも望んでおらないのであります。また政治的な搾取が終って、経済的搾取をしようという考え方にはわれわれも同感はできません。しかしまた西欧としても、そういう考え方を貫いていくということだけではない。そういう気持は必ずしも十分にあるとは思っておりません。従ってこれらの問題につきましても、アジアの一員としてあるいは自由主義のメンバーとして矛盾を感ずるべき問題ではない。ただ冒頭に申し上げましたように、全体として思想的あるいは従来の慣習その他いろいろな違いがありますので、その面において相互理解が深まって参らなければならぬのでありますから、そういう意味においては日本がアジアの一員として、西欧自由主義国家の間に十分アジアの立場を説明し得る立場にあると思うのであります。それが世界平和につながる一つの大きな道だと思います。従ってアジアの一員であるということが、アメリカと協調をしていく立場に少しも私はじゃまになるとは思っておりません。またアジアの一員であるという自覚を持ってアメリカと話し合ってこそ、アメリカも世界平和を念願する立場から大きく日本と協調していけるのではないかというふうに考えておるのであります。

松本俊一自由民主党

○松本(俊)委員 ただいまの問題に関連いたしまして、もう一つお尋ねしたいのでありますが、それは、日本がアジアの一国であり、そうしてアジアの諸国と相提携していくという、そういう状態のもとにおきまして、アジアにおいて起りました各種の紛争を一々国連に持ち込んでニューヨークで解決するということが、ある場合には不適当な場合があり、ある場合にはそれではかえって紛争が激化するようなこともありはしないかと私は思うのであります。最近藤山外務大臣は、インドネシアの賠償協定調印の際に、インドネシアの外務大臣のスバンドリオ氏と話をされまして、アジアにおける外務大臣の会合というようなアイデアを打ち出されまして、新聞で私も拝見したのでありますが、それはまだ必ずしも私は非常にコンプリートなものだとは考えておりませんが、しかし何かアジアの問題でアジア人——もちろんアジアに関係のあるほかの国も入って一向差しつかえありませんが、そういう地方的の問題を地方的に処理する、これは国連憲章ももちろん認めておるのでありますから、そういう考えをある場合には持って、日本も進んでその労を買って出るというようなことも考えていい段階になったのではないかと思いますが、その点につきまして藤山外務大臣はどういうお考えをお持ちでございましょうか、御意見をお伺いしたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 私ども国連中心で外交をやっていくということを申しておるわけであります。国連中心と申しましたことは、将来の世界の平和を国連をもってできるだけ維持し、発展させていくようにして参りたい。従って諸般の紛争の問題があれば、できるだけ国連のワク内において片づけていく、戦争等の手段を用いないで片づけていく、こういう考え方なのであります。しかしながら、アジアに位している国の中の二国間の紛争あるいはアジアと西欧との間の国の中の紛争は、国連に持ち込みませんで解決できるものはできるだけ関係当事国で話し合いをして円満に解決することがいいので、何でも全部を国連に一々持ち込むということは国連憲章においても、今御指摘のようにうたっておらぬわけであります。従いましてアジアの中の問題あるいはアジアと西欧との紛争の問題につきましても、できるだけ当事国で解決するようにして参るのが適当であろうかと考えております。そのために日本が貢献し得ることでありましたならば、今後日本としてはできるだけ力を尽しまして、そういう問題の解決にも尽して参りたい、こう思っております。先般インドネシアに参りましたときに、スベンドリオ外相とそういう問題について話をしましたときに、私は、アジアの外務大臣が寄って、アジア内の共通の問題なり、あるいはアジアと西欧との関係などのいろいろな問題について、一ぺんそれぞれの国の立場をよく話し合ってみたら、そのアジア諸国の中でも相互理解が深まるのではないか、それが一つの解決の大きなめどになる場合もあるであろう、またアジア間の二国の間の問題も、アジアの各国の批判を受けてその解決の道を見出すということもあり得るのではないか、そういう意味におきまして、アジアの外務大臣が適当の機会に適当な場所に集まって、それぞれ自分たちの立場、また問題を話し合ってみるということは、将来にわたって有益であろうという話をスバンドリオ外相と話したわけであります。私といたしましては、今後そういうような考え方で、できるだけアジアの問題につきましても、十分に日本がアジアの諸国を理解するよう努めて参りたいと思っております。また西欧とアジアとの問題につきましても、日本は十分理解を強めて、何らかの解決の道に貢献し得るものならして参りたい、こう考えております。

松本俊一自由民主党

○松本(俊)委員 大体外務大臣のお考えは私と同様だと了解されますが、日本が自由主義国家の一員であり、かつアジアの一国であるというこの二つの立場からしまして、私はアジアにおける将来の最大の問題が中共問題であるということは明らかだろうと思うのであります。中共問題、ことに中共承認問題、中共との政治関係の問題につきましては、岸総理も藤山外務大臣も政府の立場を明確にしておられますので、私はその点をあえてこの際ただそうとはいたしませんが、まず第一に、目下停頓状態と申しますか、中断しておりまする中共との間の貿易交渉の問題につきましては、いかなる時期にこれを再開され、またいかなる方針で進まれるかということにつきましては、国民も非常な関心を持っておるように考えられますので、その点について外務大臣から御答弁願えれば非常に仕合せだと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 中共との関係でありますが、政府は現在の国際情勢の中で、政治的に中共を承認することはいたしておりませんが、しかしながら経済の問題につきましては、できるだけ日本の立場からいいましても、中共と貿易を進めていくことは、その必要を感ずるわけであります。わが国が経済、貿易に依存しております限り当然のことだと思うのであります。従いまして、今日まで政府としては、チンコムの解消の方向に進めて参っております。ただ外交関係を持っておりませんので、これらの問題の点については、民間有識者の話し合いを期待しておるわけであります。先般第四次協定に有力な民間の方々が行かれまして金額、数量等につきまして御協議がととのったように思うのでありますが、あの線につきましては異存はないように考えられるわけであります。ただ代表部の人数等について意見が合わないで、話し合いがつかなかったということを承知しております。私は、さらに民間の有力な方々がこの問題の解決に当っておられますので、近き将来それらの問題が円満に解決するように期待をいたしておるわけであります。なお経済、貿易の関係が進んで参ります。と、郵政その他の関係、技術的な面についての関係も改善をしていかなければならぬかと考えます。これらの技術的な面について政府が手をかしますことは、国際情勢とにらみ合せながら必要であろうかと考えます。

松本俊一自由民主党

○松本(俊)委員 時間の関係もありますので、その問題は今私もお伺いしようと思っておったのでありますが、外務大臣が、郵便協定その他技術的の問題については、政府間においてもあえて話し合いをすることを拒まないという態度をとっておられるということに了解いたしまして、その問題は一応打ち切りたいと思います。  次に私がお伺いしたいと思いますのは、本年は日本はどうしても三十一億五千万ドルの輸出を確保しなければなぬということが日本の経済の基調になっておりまして、申すまでもないことでありますが、経済外交と申しますカ、通商の振興ということが絶対の要請になっておるのであります。その点におきまして最近外務当局が、豪州あるいはソ連あるいはインドと通商に関する協定を結ばれたことは、非常に喜ばしいことと思うのでありますが、日本の通商外交上最も障害となっておりますのは、何と申しましても、日本はガットに入っておりながら、まだ三十五条の適用を主張する国が非常に多いという事実であるだろうと思うのであります。この問題はその後どういうふうな発展をいたしておるでありましょうか。また最近日本と通商協定をやりました豪州、インド等は、この問題について好意的の考慮をしておるということを新聞で拝見したのでありますが、その点につきまして外務大臣から、これらの国の態度並びに英国の態度等をお伺いできれば仕合せだと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 貿易の増進ということは、日本の経済外交の上において非常に重要な点だと思います。今日の事情から申しますと、自由主義国においても、何らかの形で政府が若干関与している場合もありますので、従って外交の面におきましても、政府対政府で相当に話し合いをして、輸入制限なりあるいは関税問題なりを解決して参らなければならぬと考え、それらに努力をいたしておりますが、ガット三十五条の援用問題につきましては、さきにブラジルがこの問題についてまず援用を将来撤回するという意向を表明しております。その後インドとの今回の交渉においても、インドは将来にわたってガット三十五条の援用を考慮するということを書簡の交換によって確認しております。私どもといたしましては、これは英連邦内の一国として画期的なことだと思うのでありまして、今後通商の障害を一般的に除去して参ると同時に、ガット三十五条の問題についてはさらにこれらの国々の例も出て参りましたので努力して参りたい、こう考えております。

松本俊一自由民主党

○松本(俊)委員 次に私がお伺いしたいと思いますのは、日ソ関係についてであります。日ソの平和条約は私もその交渉に当りまして領土問題で結局平和条約を締結することができませんでしたのですが、しかしながら日ソ共同宣言の条項に基きまして、過般通商交渉が成立しましたことは非常に喜ばしいことであります。また漁業交渉は目下モスクワで行われておるのでありますが、もう一つ私が交渉中、ソ連側が、日本とソ連の間に文化協定を締結したいという申し出をしたのであります。これにつきましては、当時実際上措置するという可能性があるのと、それから時期が早いということで、日本側としましてはこのソ連の申し出を拒否したいきさつがあるのであります。ところが最近米国がソ連と交渉しまして、人物交流その他文化の交流につきましてやや広範な取りきめをしたのであります。もとより私はアメリカがやったからといってこれをすぐ追随してまねする必要は全然ないと思いますが、しかしながらソ連も、私の交渉当時感じたところによりますと、この文化交流については相当な熱意を持っておりますし、現に日本にもソ連のボリショイのバレー団初め芸術家はずいぶん参っておるのであります。これを単なる民間だけの交流にまかしておくか、政府が乗り出して協定をやって、その基礎のもとにおいてやるかという問題は、少くとも私は日本としても真剣に考慮すべき段階に到達しておると思うのでありましてその点に関する外務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 各国が親善関係を持って進んで参りまする上に、文化交流が外交上一つの大きな基礎をなすものであるということは、私も十分承知しております。従いまして今日まで十一カ国と文化協定を結んでおりますし、今後もそれぞれの国の希望によって文化協定をできるだけ締結して参りたい。現にブラジルとは文化協定を進めておる次第であります。従ってソ連との間にも将来文化的協定を作っていくというようなことについて十分研究をしている次第であります。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 できるだけ一つ簡潔に……。

松本俊一自由民主党

○松本(俊)委員 時間の関係もありますので、あとは簡単に質問を申し上げて、簡単に御答弁をお願いしたいと思います。  その次の私のお聞きしたいことは、日韓問題についてであります。日韓問題は旧臘抑留者の相互釈放ということについて話し合いがまとまったのであります。三月一日から今度の交渉が始まるわけでありますが、この交渉に当って私は最も重大なる点は、財産権の問題だと思います。財産権につきましては、日韓の覚書におきましても、アメリカの解釈に従ってあの問題をお互いに了解するというような趣旨が表われておると思うのでありますが、これらの点につきまして、もう少し具体的かと思いますが、外務大臣から御答弁を願いたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 先般日韓間に抑留者の相互釈放に関する協定ができたわけであります。三月一日からその協定に明示されておりますように、日韓の正式会談を開くことになっております。その際財産権の問題が相当中心議題になることも事実だと思います。これらにつきましてアメリカの財産権問題に対する解釈等を基本として問題の解決をはかっていくというつもりでおるわけであります。両者その点につきまして合意に達しております。ただ日韓の関係は相当デリケートでありまして、私どもからとかくの言説をこの際申しますことは、将来の会談の支障にもなることでありますし、またアメリカの解釈というものについては、適当の機会に発表をするという両者の話し合いもできておりますので、その時期までお待ちを願いたい、こう考えております。

松本俊一自由民主党

○松本(俊)委員 もう二点ばかり簡単に御質問申し上げます。一つはインドネシア賠償、この協定につきましては、詳細本委員会でも討議があると思うのでありますが、その一番政治的の合みを持った焦点は、何といっても焦げつき債権の棒引き問題であると思います。あの性質等については、私は政府の見解を明らかにしておかれることが、あの賠償問題を国民が理解する上からも必要だと思います。その点を一つ署名をされた外務大臣から明確に御説明をお願いしたいと思うのであります。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 インドネシアの賠償は、賠償協定で調印いたしましたように二億二千三百八万ドルであります。インドネシアにある貿易焦げつき債権を消却いたしたことにつきましては、賠償協定もできましたし、また平和条約も締結されたのであります。これからインドネシアと新しい友好親善の政治、経済関係の第一ページを書いていく、そういう状態のもとに焦げつき債権はこの際消却をして解決するのが適当だということの意味でありまして、実行をいたしたわけであります。何ら賠償とは関係ございません。

松本俊一自由民主党

○松本(俊)委員 もう一つ私がお伺いしたいことは、最近領海、公海等の問題について、いろいろな問題が出ております。あるいはピョートル湾の問題がありますし、李承晩ラインの問題もそうであります。アラフラ海の問題もありますし、インドネシアの領海十二海里の宣言の問題もあります。いろいろな問題がありまして、すべてこれが日本の漁業権に関係してくるのであります。ところが本月国連が主催しまして海洋法に関する会議が開かれるのであります。この会議におきまして、政府といたしましては相当明確に日本の見解を披瀝される必要があると思うのでありますが、それについていかなるお考えを持っておられますか、御答弁をお願いしたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 この問題はまことに日本にとりまして重大な問題でありますが、日本は過去から今日まで領海三海里説を主張いたしておりまして現在でもその主張を変えておりません。来たるべき国連主催によりますジュネーヴの海洋法の会議についても有力な代表団を出しまして、そうして領海三海里説を主張して参るつもりでおります。

松本俊一自由民主党

○松本(俊)委員 それでは私の質問を終ります。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 福田昌子君。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 近ごろ日米安保委員会で日本の防衛問題及びアメリカの在日空軍の減少問題というふうなものが非常に討議されておるようですが、在日米軍の撤退状況及び現在米軍の勢力、そういう点についての詳細な御報告をいただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 日本におきます米陸海空軍の兵力その他につきましては、正確な答弁は防衛庁長官にお願いいたしたいと思います。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 ではその点保留にさせていただきます。次の機会に防衛庁長官の詳細な御説明をいただきたいと思います。  これに関連いたしますが、防衛分担金の削減に関しまして外務大臣もきっと米軍の現在兵力の内容については多少は御存じのことと思うのでありますが、防衛分担金削減を中心にしての点について御存じの範囲の御説明をいただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 御承知のように防衛分担金は、日本の防衛予算が前年度の防衛予算からふえた額の半額を減らすという一定の方式ができまして昨年度から実行されておるわけであります。岸・アイゼンハワー会談の結果として日本におきます米陸上軍の大幅の撤退を見たわけでありますが、その正確な数等については防衛庁長官からお答えを願うことが適当と思うのであります。そういう事態に当面しまして、この新しい事態を十分防衛費の分担に対しても加味してもらいたい、考慮に入れてもらいたいということが、日本政府のアメリカに対する要求でありましたが、幸いにして一定方式によります減額プラス三十億の減額を見ることに相なりました。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 在日米軍の兵力あるいはまた日本の自衛隊の今後の増員計画というようなことにつきましてお尋ね申し上げたいと思いましたが、防衛庁長官がお見えになりませんのでこの点は折を見てまたお尋ねさせていただきたいと思います。  この際特にお伺いさせていただきたいことは、御承知のようにICBMやIRBMの時代になっておりますが、こういう時代に日本の防衛というものはどういうふうにあるべきか、この点についての外務大臣の基本的な構想をまず伺わせていただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 国際間の友好関係を樹立し、戦争がないというような状態に持っていきますことが一番大事な基本的な問題である、ことに外務大臣としてそれに努力すべきことが必要だと思います。私はその信念のもとに外交を担当いたしておるつもりでございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 それはだれしも考える理想的なまた必要な、希望的な考え方でありますが、外務大臣として具体的にどういうふうな措置をおとりになるお考えであるか、その点を重ねてお伺いいたします。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 お互いのそれぞれの国の立場、それぞれの国の間の理解を深めていく、そうして話し合いをしていく。また国連を通じて、軍縮問題その他に対して十分実際的に問題を解決し得るような方向に進めていくということが必要なのでありまして、そういう意味において私どもは、国連でも軍縮委員会の人数等については相当考慮しておる提案をいたしたようなわけであります。それらの問題について今後とも具体的に軍縮が達成できるような方途を、単に理想論だけ叫ばないで進めて参りたい、こう思っております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 外務大臣の御構想で今後も国連を中心にして軍縮問題を積極的に御行動願うということは、私ども大へん喜んでいる点でありますが、そういう御発言をなさりながら、新聞情報によりますと、日本の自衛隊は三十五年度にはミサイル装備の完全体制に入るというようなことが出ておりますが、藤山外相とされて、そういう日本の防衛計画、ミサイル体制に入るそういう防衛装備というものに対して御賛成であるのかどうか、この点を伺いたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 日本の少くも自衛的な防衛力をふやして参りますこと、停略的でない自衛力を充実していくこと、これは当然なことだと思います。ただ、ミサイルという言葉がはなはだ誤解を招いているようでありましてミサイル全部が核弾頭をつけておりません。総理もあるいは防衛庁長官も言明されておりますように、核兵器を持ち込まないということであるわけであります。現在持っております兵器は、自衛のために改善していくことはしかるべきことだと考えております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 日本の防衛力の増強とも関連いたしますが、アメリカ側の防衛増強の御計画、御趣旨の一部には、共産圏の侵略に対して局地戦もあり得るから防衛力の増強は必要だということがいわれておりますが、藤山外相も共産圏のそういう進出あるいはまた教唆あるいは共産圏関係のそういった働きかけによる局地戦というようなものがあり得るとお考えになられますかどうか、この点を伺いたい。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 局地戦という言葉でありますけれども、私は、これは共産圏の使蕨とか1使蕨でなくとも自由主義陣営の中同士でも局地戦というものが、ほうっておきますればまだ絶無だとは申しかねる状態にあると思っております。従いましてそれぞれ自衛的な防衛をし、また局地戦のないように国連等で努めて問題の解決をはかっていかなければならぬと思っております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 局地戦がないようにしていきたい、または局地戦があったとしてもそれを極力小さな範囲で食いとめたいというようなお考えであれば、今日いろいろな角度からいわれております共同防衛体制というものとむしろ矛盾するような感じを持ち得る点もあるのでありますが、局地戦に対するお考えと共同防衛体制に対するお考えとにおいて、外務大臣の基本的な御構想を伺いたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 局地戦を解決していくという問題と共同防衛体制というものが必ずしもお話のように矛盾しておるとも思っておりません。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 先ほど外務大臣は、アジアの一員としての日本の立場というものを強調して、アジア善隣外交に努めるという御発言がございましたが、これは当然のことでございますが、こういう立場から、今後アジアにおける二つの分裂した国、かつての朝鮮やヴェトナム、こういった国に対しまする統一問題について、アジアの一員として、外務大臣はこれに積極的にお働きかけになる御構想があるかどうか、この点を伺います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 アジアの一員としてアジアにおける分裂国家の統一ということを念願いたしております。アジア以外の地域における分裂国家もなるべく統一されることをこれまた希望しておる次第であります。そういうことについて努力いたしたいと考えております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 希望されるだけでは、外務大臣としては少し消極的ではないかと思うのでありますが、これに対して積極的に、具体的にどういう処置をおとりになろうとしておるか、また従来とられたことがあるかどうか、この点、具体的に御説明いただきたい。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 私どもとしては、こういう国際紛争と国内的な紛争の分れ方の問題もありますし、日本が押しつけてこうやれというわけにはいかないのじゃないかと私は思うのであります。従いまして、各国とともに問題を共同的に解決する方法をとって参らなければならぬ、こういう意味において今日までもいろいろ国連等で話し合いをいたしましたし、今後ともそういう場において話し合いを続けていきたい、こう思っております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 まあ簡単に申し上げますと、ただいまの御答弁は、成り行きにまかせて傍観するというような御趣旨であると思いますが、さように了解してよろしゅうございますか。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 成り行きにまかせるわけではございませんけれども、努力をするつもりではございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 どういう御努力をなさるのでしょうか。私ども抽象的ではよく了解できないのでございますが、まずどういうことをなさろうとしておられるか、一、二具体策を示していただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 こういう問題につきましては、そのときの情勢その他によって具体策もいろいろ変ってくるわけでありまして、今日確定的な具体策でやるのだということは申し上げかねます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 私ども藤山外務大臣に期待するところ非常に大でございまして、従って民主的な外相として、またアジアの一員を強調される日本の外相とされまして、当然そういうことにも積極的に乗り出され、これは国連の舞台におきましても、あるいはまたアジアのいろいろな会議の舞台におきましても、何らかの具体策をひっさげてお立ちになる御意思があるのかと思っておりましたが、この点の御発表がなかったことは非常に遺憾でございます。この点についてはまた折を見てお尋ねさしていただきたいと思います。  また逆戻りいたしますが、日米安保委員会では、沖縄の防備につきまして、多少これが議題になることがあるのでございましょうか。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 日米安保委員会におきましては、沖縄の防備については議題になっておりません。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 全然議題にならないのでございますね。聞くところによりますと、沖縄の防備の体制というものは、蒋介石とは絶えず相談をしてやっておる。それで沖縄の米軍の兵力の減少に対しては、蒋介石の了解なしにはやらないということが伝えられておりますが、蒋介石と相談をしても日本政府との了解がないということに対しまして藤山外相はこの点、日本政府の立場とされまして、おかしくお考えになりませんか。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 アメリカが蒋介石政府とそういう問題について了解を得なければやれるとかやれないとかいう問題については、関知いたしておりません。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 それでは将来そういう点を取り上げられまして、沖縄の米軍の兵力の内容につきましても、日米安保委員会におきまして議題になるくらいの積極的な交渉をアメリカ側となさる御意思があるかどうか、この点、伺います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 御承知のように日米安保委員会は安全保障条約の問題に関する諸般の問題について検討をいたしていく委員会でありまして、その決定は政府によって取り行われることになっております。沖縄の問題については触れて参らないのであります。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 今のお話ちっともわからないのでございますけれども、沖縄の問題につきましては今後アメリカ側に交渉を進められる御意思があるかどうか。それからこの日米安保委員会そのものは、これが設立の当初においては、岸総理は行政協定の改廃問題を中心にして、それが第一主目的で作られた委員会であるというような御説明であったのでありますが、そういう点が今日では全く影をひそめてしまっております。岸総理は国民の耳に煙幕を張るためにそういう発言をされたのかどうかは存じませんけれども、そういう悪意がなければ岸総理の安保委員会に対する設立当初の御説明と今日の事態というものは非常にかけ離れた事態になっておると思うのであります。従いましてこの点に対する御説明を一つ伺いたいことと、この現実の安保委員会が私たちが考えておる内容とは非常に違って、むしろ日本の防衛強化のアメリカ側の説明を聞く、押しつけられた委員会であるという印象を受けておりますが、こういう内容のものに対して、このあり方についての反省をアメリカ側に求めまして、日本国民が要望しております行政協定の改廃あるいは安保条約の内容の検討というようなもの、さらにはまたアジア地域を含む極東米車の軍事力などに対する日本政府の発言の強化、そういうようなものを今後この委員会に持ち込んでお話しなさる御意思があるかどうか、どういう方向で、具体的にはどういうことでやっていこうとお考えになっておるか、こういう点を第二点としてお伺いさせていただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 お話がありました安保委員会は、沖縄の問題については論議を議題に載せる範囲ではございません。それから安保委員会の運営につきましては、ただいまお話のありました通りの気持で私ども運営をいたしております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 お気持というものがそういうお気持でありながら、不思議なことには新聞で記事として出ます場合におきましても、日本政府の態度というものはまことに受け身であって、聞き役に回っておる。アメリカから一方的に押しつけられるその防衛体制の強化に唯々諾々として従っておるという印象しか受けないのであります。そういう点はただいまの外務大臣の御発言からいたしますれば、外務大臣の御意思とは矛盾しておるのではないかという懸念さえいたすのでありますが、もし私の受ける感じが間違いであれば幸いでありますが、どうもそういう印象を受けますので、それほどの強腰をもって日本独自の意思というものをこの日米安保委員会に盛り込めるお気持があれば、もう少し強力な態度と発言をもって臨んでいただきたいということをお願い申し上げておきます。  次に、お尋ねさしていただきたいのは、ことしも外交問題では、まあ言うところの招待外交というものを大いに推進なさりたいという御意向に承わっておりますが、本年度の大体当面の御計画はどのようなことであるか、この点伺いたいと思います。あわせて予算的な問題、その招待の内容、こういうことも伺いたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 招待外交は非常に結果がいいと思いますので、引き続きやって参りたいと思いますが、その内容については、事務当局から御説明いたさせます。

板垣修外務事務官(アジア局長)

○板垣政府委員 地域ごとに申し上げますと、アジア関係におきましては、ただいま来日を予定されておりますのは、本年の五月ごろセイロンのパンダラナイケ首相を招待する予定をいたしております。そのほかにおきましてマラヤのラーマン首相あるいはフィリピンの大統領、まだ日にちはきまっておりませんが、そういう方々が来日を予定されておりまして、本年中の適当な時期に来日されることになろうと思います。これに要しまする費用につきましては一応の予算的な用意はいたしてございます。

金山政英外務事務官(欧亜局長)

○金山政府委員 欧亜局関係では、たとえばイランの七年計画庁の長官以下イランの経済開発に重要な使命を持っておる専門家を数人今後二、三ヵ月のうちに招待するつもりでおります。またほかにもそういう意味において招待を要するものがアフガニスタン、イラク、エジプト等にもありますので、今後もそういう方面に進めていきたいと思います。またトルコの首相、イランの皇帝、そういった政府の代表者の招待も経済技術協力の面において非常に役立つと思いますので、その中にはすでに決定したものもありますし、将来もそういう方向に進めていきたいと考えております。そういう予算的な措置もすでにとっております。

田中弘人外務参事官

○田中説明員 ブラジルの政府及び立法府の首脳部を招待する計画がありますが、これはまだ固まっておりません。その他若干の計画を研究中でございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 予算的にもう少し具体的に伺いたいことが一つ、それと、招待されて、どの国にはどういうものを中心にしてどこに招待の主点を置くかというようなことも伺いたいと思ったのですが、簡単にそういう点を御説明いただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 日本に招待して来られます方々に対して従来日本の名所旧跡等を御案内するのが例でありましたが、われわれとしましてはできるだけ最近の日本の産業施設、その他進んでおります技術等について御研究を願い、また調査をしていただきたい、こういうふうに思っております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 予算的な内容なんか伺いたいと思ったのですけれども、まあそれは一緒に御説明いただくとして、ことしの初頭シンガポールでマクミラン首相とお会いいただいたお話、先ほど松本先生の御質問にもございましたが、マクミラン首相と、非公式ではおありになったようですが、御会談されました内容について少し御発表いただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 インドネシアに参ります途次たまたま英国の首相マクミラン氏が同地に一泊をされた機会をつかまえまして同氏と会見をいたしたわけであります。全くの私的会談でありまして、内容を申し上げるわけにはいきませんけれども、私としましては、今後のアジア外交を推進して参ります上において、イギリスの意見というものを十分聞いておきますことが日本のために有益ではないかということを考えておりますので、そういう意味において会談をいたし、またそういう点に触れて話し合いをいたしたわけであります。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 少しも具体的なお話を伺えませんので残念ですが、米ソの相互不信による冷戦に対しまして、御承知の東西両首脳会談というものが非常に促進される機運にありますが、こういう情勢に対してお話し合いをされたかとうか、この点重ねてお伺いいたします。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 ただいま申し上げましたようなことを主として話したのでありますけれども、むろんマクミラン首相がイギリスを立たれます前に、ラジオ等においてサミット会談あるいは不侵略条約というようなものについて放送をされた、それらについても十分お考えを伺いました。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 それに対してマクミラン首相はどういうお考えであったか、もしお漏らし願える点があればお話しいただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 先ほど申し上げましたように、全くの私的会談でありますので、内容を申し上げるわけには参りません。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 では、そういう私的会談の内容をお尋ねをすることは失礼かと思いますから差し控えますが、現実の日本の外務大臣としまして、こういう東西両首脳の会談を促進させるために、具体的にはどういう措置、行動をとりたい——どういう具体策をお持ちになっておるか、この点を今度ばかりは具体的に一つ御説明いただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 私ども平和を念願しております。従いましてサミット会談が開かれますことも、世界の平和の促進のために、この時期においては非常に有効ではないかと考えております。ただこれにつきましては、各国それぞれの立場で、御承知のようにいろいろの議論がございます。外務大臣の会議を最初にやったらいい、あるいはそれなくしてやったらいい、あるいは首脳者会談にしましても、ごく少数の三国首脳者でなくて、もう少し多くの総理が集まったらいいというような、いろいろな考え方がございます。これらの考え方を十分私どもは聞きまして、そうして一番適切な方法でもって今後そういう考えている国と協力していくことが必要ではないか、こう思っております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 そういうのはお聞きしなくても当りまえのことでございまして、そういうことをお聞きしているのではないのであります。具体的に、まず当面の問題として、どういう行動をとろうとしておられるか、その点を具体的にお伺いしたいのでありまして、ただいま御答弁いただいたようなことはお伺いしなくてもわかっておることなのでございますから、もっと具体的にお答えいただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 今後とも具体的にものを運びます場合に、各国の意向も聞かないで、日本だけがひとりよがりで何かを主張してもならぬのでありまして、そういう意味において、私どもは実際に有効に問題を解決する方向に何か日本が発言していくということであれば、十分国際情勢も分析し、またそれぞれの意見も分析してみなければならぬ、こう考えております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 ではそういう点につきまして今後もっと積極的に御行動いただくことをお願い申し上げます。  次にお尋ねさせていただきたいのは、ブルガーニン首相の書簡をだいぶ外務省は無視しておられたようですが、なぜあの発表を押えておられたのか、これに対する回答はすでに出されたのかどうか、この点をお伺いいたします。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 ブルガーニン書簡を特に秘したわけではないのでありますが、日本に参りましたものは、御承知のようにNATO諸国に出しましたもののコピーであります。それに表紙をつけてきたわけであります。NATO諸国その他の諸国も大体回答の返書を出しますときに公表をしておりますので、われわれとしても、特に秘したわけではない、がしかしまた特に公表してもいけない問題でもないのでありますから公表したわけであります。飛行機の関係で二番目のものは二十六日——ロシヤ語の翻訳をしなければならぬ、正確な翻訳をいたさなければならぬということで、若干発表に手間取ったことは事実でございます。現在それに対して検討をいたしております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 まだそれではソ連にお返事は出しておられないわけですね。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 出しておりません。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 ただいま御検討中であるというお話でありますが、外務大臣とされましては、このブルガ一ニン書簡に対してどういう御意見を持っておられるか、この点あわせてお聞きいたしたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 返事を出します前にとかくの議論をいたしますこともいかがかと思いますので、差し控えさしていただきたいと思います。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 いつごろこのお返事をお出しになる御意思であるか、この点をお伺いいたしたい。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 できるだけ早い機会に出したいと思います。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 そのできるだけ早いということは、今月中という意味でございましょうか。それともこのできるだけというのは、もっと幅が広い期間でございましょうか。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 できるだけというのは、できるだけ早くなのでございますが、しかし今年中というようなことも考えておりませんので、やはりこれを通じて世界の平和確立、あるいはサミット会談等に対する意思表示も、日本としてする必要もあろうかと思いますので、適当な機会になるべく早く出したいと思っております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 あまりくどいようで恐縮なのですが、適当な機会というのは、大体二、三ヵ月以内というくらいに解釈してよろしゅうございますか。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 そうお考えいただければありがたい次第であります。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 インドネシアの賠償問題に調印できましたことは、非常に喜ばしいことですが、この焦げつき債権の一億七千六百万ドル余というものを棒引きいたしたという、その点についてでございます。これはいろいろ問題にもなっておりますが、この一億十千六百万ドル余の焦げつき債権というものの性格は、どういうものでございますか。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 御承知のように焦げつき債権というのは、日本がインドネシアに対して輸出をいたしまして、インドネシア側からの支払が未納になっておりましたものが焦げつき債権でございます。これは今回賠償と平和条約ができましたので、別個の立場に立って、将来の日・インドネシア間の友好関係の上に寄与し、また貿易増進のための新しい第一ページとして、こういう措置をとったわけでございます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 この貿易上の支払いの焦げつきの内容につきまして、もう少し御説明いただきたいのでございます。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 この問題につきましては経済局長から…。

牛場信彦外務事務官(経済局長)

○牛場政府委員 これは今から大体七、八年前からの問題でありまして、その当時の輸出の内容は主として繊維品が多かったのでございます。それでその当時貿易協定を作りまして支払いの約束をしたわけなのでございますが、その後それが実行されなかったというために、これだけたまったわけでございます。しかし、ここ三年くらいの間は、この焦げつきをふやさないために政府としてあらゆる手段をとって参ったわけでありまして、現在この間棒引きになりました債権の額というものは、約三年くらい前のものであったわけであります。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 だいぶ時間がきましたから、あと御質問があれば、簡潔に願います。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 焦げつきの棒引きをいたしますことは、結局現金賠償との関連問題として考えられると思うのでありますが、こういう賠償のあり方というものに対しまして、フィリピンやビルマの賠償問題と思い合せて、ビルマやフィリピンからこれに対する何らかの意思表示があったかどうか、この点を伺いたいと存じます。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 先ほど申しましたように、これは賠償ではないのであります。賠償は一億二千三百八万ドルであります。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 表向きは賠償ではないわけでございますけれども、結局こういう焦げつき債権の棒引き、しかも賠償と同じ時期にこの棒引きをいたしたということは、賠償と関係がないとは言いがたいと思うのであります。従いましてこの点が将来、すでに結んだ賠償協定にも影響するであろうし、今後また考えられる賠償にも影響が起ってくると思うのでありますが、この点に対して絶対影響がないと言明できるかどうか、この点重ねて御意見をお伺いしたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 ただいま申し上げましたように、賠償ではないのであります。将来のインドネシアと日本との関係を友好的にするために日本としてとった措置なのであります。従いまして、この問題で絶対にということは、国際間に若干の誤解も起る場合がありましようから、申し上げかねるかもしれませんが、この点は各国がそういうあれをとるとは思っておりません。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 アジア開発基金の御構想がやっとまとまったようでございますが、日本の予算は五十億というお話を伺っております。これに対して米側の援助というものも非常に御期待のようでありますが、これに対しますアメリカ側の援助額というようなものに対しての御交渉をしておられるかどうか、アメリカ側がこれに対してどういう意向を持っておるか、こういう点についてただいまアメリカ側と交渉しておられる点についての御説明をいただきたいと思います。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 アジア開発基金につきましては、最初アメリカ側の反応は必ずしも日本の提案を理解しておらなかった点もあろうかと思いますが、最近ではこの種のマテリアルな経済援助機関が必要だというようなことに考えが変ってきているように思います。たとえばイタリアが提唱しておりました中近東の共同開発基金の問題につきましてのアメリカの反応を見ましてもそうであります。私どもとしましても、今日まで東南アジアの各国の意向等もアメリカに伝え、アメリカの理解を深めるように努力をしております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 アメリカの予算教書に盛られております来年度の対外援助四十億ドルの中から、このアジア開発基金の側にも幾ばくかは回せるかもしれないというような記事を新聞で読みましたが、こういう点について政府と今日何か御交渉があったか、重ねてお伺いいたします。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 アメリカの予算の内容を指摘してものを申すことは、差し控えておるわけであります。日本の希望として、できるだけの金額をアジア開発のために協力してもらいたいという意向は、絶えず伝えております。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 昨年来米国におきまして、日本商品の輸入阻止、ボイコット問題が起っておりますが、これに対しまして藤山外務大臣とされてはどういう措置を今日までとっておられるか、また今後どうされようとするか。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 この問題は、日本にとりましても非常に重大な問題でありますので、ワシントンの大使館を通じて絶えずアメリカの商務省、国務省等にも連絡をとっておるわけであります。また一方民間方面の各種団体にも呼びかけまして、それぞれ当該のアメリカの団体等にも連絡をとり、日本品輸出問題について理解を深めるように運動をしてもらっておるわけであります。また事実具体的な、たとえば織物の制限の場合等については、大使を通じて交渉をいたしておるわけであります。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 福田昌子君、予定の時間が迫っておりますから、簡単に一つ……。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 せんだってアメリカにおいでになりましたとき、この点につきましてどういうお話し合いをなさったか、この点が一つ、それから民間にお働きかけになっていただいておりますが、その方法、具体的にどういうふうに働きかけておられるか、こういう点、それとこういうお働きかけによりまして、アメリカの日本商品の輸入阻止運動というものが、多少は緩和される傾向にあるのかどうか、成功しておるのかどうか、この点……。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 アメリカにおいては、御承知のように本年は互恵通商条約の改訂期にもなっております。従って日本商品ばかりでなく、一般的にこういう問題について相当の議論のあるところでありまして、われわれとしては、政府間において話し合いますと同時に、先ほど申し上げましたように、民間有力団体、商工会議所、日本貿易会等の首脳者とも話し合って、それらの方々も最近では向う側の業者と協議的な話し合いの機関を作ってみようというような動きにもなっておられます。またニューヨークにおきます総領事を中心にして、各方面の財界人、同地の日本人商工会議所等にも連絡をとりまして努力をいたしておるわけであります。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 沖縄の問題につきまして、御承知のように沖縄七十万島民の日本国べの施政権の返還、せめて教育だけでもその権利を日本に返還してもらいたいという要望が非常に強いのでございますが、こういう点につきまして、外務大臣の御努力はいただいていると思うのでありますが、私どもからいたしますと、もっとより以上の積極的な御努力をいただきたいと思うのであります。従いまして、そういう島民の要望とあわせて、もう一つは、沖縄の米軍の装備に対しましても、日本政府は何ら知らないというようなことは、私ども非常に遺憾に思うのでございます。沖縄島民の生活を圧迫する根源になっておる軍備の問題に対して、日本政府が何らその状態を知らないということは非常に遺憾でございます。これは別にある意味をもっての意見じゃなくして、日本政府として虚心たんかいに沖縄の現状、あわせて沖縄における米軍の実態を知ることは必要なことじゃないかと思うのでありますが、こういう点について、ただいままでの政府の御努力ではまだ十分でないように感じます。従ってこういう点について、どういうふうな御努力を具体的になさろうとするのか、施政権返還の問題にいたしましても、また米軍の装備の問題にいたしましても、今までと同じような態度をとるということは、私は日本国民として非常に遺憾に存じますから、もっと積極的に具体的にどういう態度をとろうとしておられるか、この点を一つ御説明していただきたいと思うのでございます。なおあわせまして、こういう政策を推し進めていただくということであれば、沖縄の現状を知るということも必要でございますから、外務大臣といたされましては、日本に潜在主権のある沖縄にまず一番最初にお行きになる必要があろうと思うのでありますが、沖縄においでになりまして沖縄の現状をつぶさに御調査なさる御意思があるかどうか、この点重ねてお伺いさせていただきます。

藤山愛一郎外務大臣

○藤山国務大臣 沖縄の問題につきましては、政府も十分関心を持って、施政権の問題等については、今日まででもアメリカ政府に対して十分な連絡をして参っておるわけであります。今日の沖縄のいろいろな情勢において最近でもワシントンの駐在大使を通じてアメリカ政府に日本側の意向を伝えてあるわけであります。その意味において努力をいたしております。私が沖縄に行くか行かないかということですが、行かなくても努力をすることに変りはないのであります。しかし旅行することは私は別に不精ではございませんから、適当な機会があれば行きます。

福田昌子日本社会党

○福田(昌)委員 もう一点だけ要望いたしておきます。沖縄においでにならないでもないという御発言でございましたから、どうかその発言を生かされまして、東南アジアに行かれる時間があれば、ぜひ沖縄はまず最初においでになって現地の情勢を十分知っておいていただきたい問題でございます。現地を見ることによりまして、アメリカに対する日本政府の御交渉の能度がまた大いに違ってくると思います。沖縄七十万島民の今日のあの悲惨な状況というものは、これはまた内地における日本人九千万の国民がこぞって考え、援助していかなければならない問題であろうかと思いますので、重ねてお願いいたしますが、ぜひ沖縄に外務大臣としておいでになって、現地の事情を十分御調査いただくことをお願いいたします。

床次徳二自由民主党

○床次委員長 暫時休憩いたします。予算委員会の都合によりまして、大臣の出席ができますれば、そのときに再開いたします。     午後零時二十七分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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