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28回国会衆議院1958/02/13

科学技術振興対策特別委員会 第5号

発言数
33
登壇者
6
会派数
2
開催日
1958/02/13

会議録

齋藤憲三自由民主党

○齋藤委員長 これより会議を開きます。  科学技術行政に関する件につきまして、調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。  岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡委員 これは大臣にお尋ねをしたい点でありますが、有澤先生の御所見を御教示願いたい点が残されておりますので、お願いいたします。実は昨日先生に御所見を承わりました。それは科学技術振興、科学技術振興というかけ声のもとに、なるほど科学技術が振興されても、主としてそれを応用化し、実用化し、工業化し得るものは、日本の大企業にすぎないという現状である。旋盤でも戦争中のものを動かしておる工場さえまだたくさんある。しかも日本の経済構造では、ほとんど九〇%をこえておるこの中小零細企業に進歩した技術あるいはまた近代化された設備というものを導入する顧慮がなくては、結局大経営の犠牲になるという状態が起りつつあるし、将来ますますその格差を激しくするであろうと思うのであります。もう一つは、雇用問題についても先生の御所見を承わりました。先生の御所見の結果としては、結局、日本が科学技術振興を進める上においては、やはり自主的な努力というものが必要であるということを強く最後に仰せになったと思われます。なるほどILOの昨年の年報なんかを見ましても、完全雇用の国をいわば例にあげて、オートメーションというようなものが非常に関連産業の範囲を拡大をし、いろいろな形において雇用の増加を招き、賃金の上昇を招来しておるというような事実も指摘しておられますけれども、日本では現実はなかなかそういっておりません。私は数字をあげて一つ先生の御所見を承わりたいのです。それはたとえば昭和二十九年から昭和三十二年までの技術援助契約による外国為替の収支の内訳であります。昭和二十九年には差引支払い超過額が千三百四十六万ドルです。これが昭和三十一年度——これは若干の推定も入っておりますが、昨年十二月限りですでに二千八百万ドル出ておるので、現在外資導入法による申請等のうち許可し得るであろうものの推定も含めまして三千八百五十三万ドルになりまして、四年の間に三倍になっておるわけです。こういう形で日本の大経営が——国際的にはおそらく零細経営に属するかもしれませんが、それが国際的な大経営との間にいわば盲目的な形で技術提携をやっておる。ノー・ハウを買い込んでおる。こういうような状態を放任するということになりますと、御承知のようにこうしてロイアルティなりノー・ハウヘの支払いというものが——また多くの場合、その製品は東南アジアに出してはならないというふうな強い制約を受けている製品もたくさんあります。しかも、テレビにしたところで、一台ごとにやはりロイアルティを支払わなければならぬということになれば、日本の消費者も非常に困るという状態が起っておるわけです。こういうような形で、原子力以外の外国の技術援助に対する差引支払い超過がこうして四年の間に三倍にもなっておる。こういう状態を放任するということになると、先生の仰せられたいわゆる自主的な科学技術振興というものは、ほとんどこの数字の中ではわれわれは見ることができない。これが原子力産業ということになりますと、いよいよますます技術提携という方向に走る傾向を現に私は現地で見ております。一体こういうものを原子力委員会として放任していいのかどうか。これに対して、やはり日本の自主的な発展ということを大きく中心に置いたコントロールというものに原子力委員会としても無関心ではあり得ないと思う。これは原子力委員会設置法第二条の使命の一つにも数えていいと思う。こういう点、原子力委員会としてはどういうふうにお考えになっておるか、今後の御方針について先生個人の御所見でもけっこうですが承わりたいと思います。

有澤廣巳原子力委員

○有澤説明員 ただいまの御質問は今まで特に終戦後におきまして、わが国の外国からの技術の導入による対外の支払いが非常にふえている、今後原子力産業の推進を行うに当りましては、一そうそういうふうな傾向が助長されるようになりはしないか、それに対してどういうふうに私たちが考えているかという御質問であったと思いますが、この問題は大へん重要な問題でありますので、委員会ではその方面の検討を目下進めております。ある程度方針が回まってきておるようでありますが、まだ委員会の決定はありませんので、きょうは私の個人の考えを申し上げてみたいと思います。  外国の技術が日本に入ってきて、そのための支払いがふえる。これは要するに、昨日も申し上げましたように、日本における技術の自主的な研究開発が、行われていないとまでは申しませんけれども、はなはだ不十分であるというところに帰着しておると思います。なぜ技術の自主的な開発が日本では不十分であるか、このことにつきましては私もいろいろ取り調べておりますが、二つの点があるのではないかと思います。一つの点は、技術の研究開発につきましては、おそらく今日の技術につきましては、基礎研究をまずやる、そしてこの基礎研究に基いて得た構想といいましょうか、あるいは新しい発見といってもいいでしょうが、その新しい発見の応用化、応用研究、この段階に移りまして、さらに応用研究の後に開発ということに進むかと思います。最近の技術関係は、十九世紀の時代とは全く異なっておりまして、基礎研究それから応用研究、開発、この三段階をたどらなくては、新しい技術研究が生産力化いたしません。つまり工業化ができないという形になっております。ところが、基礎研究、応用研究、開発ということになりますと、いろんな数字がありますけれども、大体基礎研究に二といたしますならば、応用研究にはその倍の四、さらにそれを開発するということになりますとその倍の八というふうな、何と申しましょうか、幾何級数的な経費の増加になるのであります。でありますから、この基礎研究から開発まで持っていくということのためには、つまり研究投資が非常に巨額に上るということになりまして、これはなかなかそう容易にどの会社でもこれだけの研究投資をすることができるとは思いません。それで、アメリカならアメリカという国の会社を見てみましても、非常に巨大な企業において初めて自己の資金をもってこの研究投資を進めることができるのでありまして、基礎研究から開発までの期間も、たとえばナイロンのようなものでありますと、およそ十年から十三年かかっておるようでありまして、大体十年ぐらいは基礎研究から開発までにかかるだろう、こういうふうに申されております。日本の場合におきましても、かなり大きな会社がありますけれども、その会社が売上金のまず二%程度あるいは多ければ三%程度、売上金の二、三%程度を研究開発に投資する、それで相当の規模の研究開発が行われ得るならば、日本の企業でもある程度の研究開発が行われると思いますが、それがためには売上金がおそらく何百億円という会社、それだけの売上金を持っておる会社でなければ、ちょっと研究投資をやるだけの財政的基礎がない、こういうふうになろうかと思います。そういたしますと、それより小さいような会社、しかし日本ではかなり大きな企業でありましょうが、そういう企業では、結局研究開発まではやらないで、外国のパテントと申しましょうかノー・ハウと申しましょうか、そういうようなものをロイアルティを払って、パテント料を払って導入して、それで生産をするという、安易なと申しましょうか、資金的にはそういうことしかできないわけでしょうが、これも国際競争上そういう安易な道にたよらざるを得ない、こういう結果になっておるのでなかろうかと私は考えております。 従って、個々の相当大きな規模の会社でも、とても自分の手では研究開発をやれないというのでありますならば、やはりこの研究開発の事業、これは国民経済的に申しますと、今日の技術革新の時代においては、わが国なんかにとりましては、これも昨日申し上げましたように、雇用の問題からいっても、最も重要なこの研究開発事業というものは、やはり国家がそのかなり大きな部分を負担しなければならないのじゃないかと私は考えております。それで、外国でも、民間の企業ばかりじゃなく、そういう重要な研究開発につきましては、国家の資金がかなり巨額に投ぜられておるのであります。原子力の技術研究開発ということになりますと、これはもうまだなかなか産業として、いわゆるコマーシャル・ベースに乗るか乗らぬかというふうな段階にある。むろん将来は原子力時代が来るということはもう何人も疑わないところでありますから、それに向って研究投資をする。これはむろんできる会社もありますが、アメリカやイギリスではある程度そういう自分の資力をもって研究開発を進めている会社もあるのでありますが、日本の企業にとりましては、先ほど申しましたように、相当の巨額の研究投資をするということになりますと、財政的な用意という関係上、これもまた場合によりましては、おそらくほうって置けばそうなるだろうと思うのですが、外国の原子力関係の技術を導入する、その安易な方向に向うのではなかろうかと考えます。それで私はこの原子力技術の研究開発につきましては、やはり資力は、国家の資金を投じて、この新しい時代を迎えるための研究開発の準備をしなければならぬ。これはこの原子力委員会が設置されて以来の私たちの考え方でもありましょうし、またおそらく政府の考え方でもあろうと私は考えております。  そこで、この原子力の技術研究の開発、技術開発を進めていくにつきましては、国家の相当の研究投資を必要とする結果が出てくるのでありますが、他方におきまして、民間の企業がそれでは外国の企業と提携する、技術導入をするというこの問題については、どういうふうに考えていくべきであるか、この点でありますが、この点につきましては、今のところは日本の原子力産業の需要というものもまだそう大きなものとは考えられない。また急に大きくなるとも考えられない。むしろ今のところは基礎研究と応用研究の段階に立っておるように思います。それですから、個々の企業がそうあせって急いで外国のパテントを互いに競争して導入をするというふうなことになりますと、これはかえって日本の基礎研究から応用研究、それから開発という段階を追って進む原子力技術の発展にとりまして、混乱を来たすようなことにもなりかねない。またむろん原子力技術も、いわゆる自主的な開発を混乱に陥れるというふうなことにもなろうかと思いますので、できればわが国の企業が、これこれの技術を導入するということにつきましても、この導入も、技術を導入した方が日本の技術の発展のために非常に促進的であるというふうな基礎研究とかあるいは応用研究の技術につきましては、これを導入するという場合におきましても、全体個々の企業が何かの結合を作って、何と申しますか、グループというよりも、お互いに協力態勢を整えて、その協力態勢のもとに導入をする、こういうふうな方向に当分のうちは持っていかなければならないのじゃないかと、こういうふうに考えておるわけであります。日本の原子力に関する基礎研究も、かなり急速に進んできておるようであります。その応用研究につきましても、一年々々と見るべき成果を上げておるように思いますので、この自主的な基礎研究から応用研究、開発という段階を今後一そう推し進めなければならないのでありますが、その場合におきましても、外国の技術導入につきましては、まず最初の当分の間、日本の基礎研究、応用研究の基盤ができるまでは、各会社の協力的な態勢のもとに外国の技術を導入するような方針をとっていかなければならないじゃないか、こういうふうに考えておるのであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 では、正力国務大臣が来られましたので、お尋ねしますが、実は今有澤原子力委員にお尋ねしたのは、数日前の委員会で、正力国務大臣にお尋ねしたと同様な趣旨のことをお尋ねしたわけです。そのときに、私はこの四年の間に日本の各経営が外国に技術導入の形で特許料を払った金額は二倍になっておる。こういうような形をこのままに放任しておくことになると、特に新しい原子力の分野で日本のメーカーがどんどんこの調子でやられた日には、日本の基礎的な研究というものが全くお留守になるのではないか、どうしたものでしょうかということを実は有澤さんにお尋ねをしたわけです。問題は、一般的な問題として、当時正力国務大臣としては、日本もおくれておるのであるから、若干の支払いをしても外国の技術を一つできるだけ取り入れた方がよかろう、従って、外国への特許料等の支払いが相当ふえるということもやむを得ないという御答弁でございました。私は重ねて、それに対して何らかの規制を加える必要があるということを申し上げておったわけです。特に今これを原子力の分野にもう一ぺんしぼって考えますと、特に原子力の分野は新しい分野である。そこで外国のいろいろな技術に学ばねばならぬものがたくさんあることは、私も承知をしております。従って、必要欠くべからざるものは、原子力研究所あたりが技術について学ぶ、若干の支払いをすることもいいと思います。しかし現状では、そうではない姿が出ておる。私どもがアメリカに行って原子炉の見学をいたしますと、ウエスティング・ハウス、ゼネラル・エレクトリック、ノース・アメリカンが競争しております。私のところこそ一番だ、私のところこそ最も安全ですということを宣伝これ努めておる。実に競争しておる。そしてこれらの会社というものはやはりそれぞれ日本の大メーカーとの間に結びつきがある。そういう形で技術提携というものがそれらの会社の間に進められておる。そこでPWを入れるのかBWを入れるのかというときに、そういう外国からのひもつきの圧力が原子力委員会に加わってくるということは、原子力のまともな発展のためにも私は好ましくないし、同時に原子力の基礎、また基礎的な応用の研究分野においても、これを飛び越えてしまう危険性があって、非常に遺憾な事態が起ると思う。原子力基本法は自主的に研究するということをはっきりうたっておる。従って、原子力委員会はそのいわば番人でなければならない。番人としては、そうした外国の大きなビック・メーカと結びついた日本のいわば財閥的な資本の系列によって一応財閥的な形に復活をしておるものの動きによって、原子力委員会がその圧力によって左右されことがあるということならば、私は重大な問題だと思います。そういう意味で、一つ正力国務大臣としては、原子力の基礎的な応用の研究を自主的に進めるという基本法の精神を尊重し、原子力委員会はあくまでもその原則に沿う立場から、具体的には外国との原子力の技術等に対する提携については、日本のメーカーに対してはよほどのコントロールをするという強い決意を持っていただくこと、これが一つ。  もう一つは、現在横行しておるような、外国の大きな原子力メーカーと日本のちっぽけな、ものの数にもならないようなものがいわば結託をして日本の新しいこれからという原子力の開発に対して、これらのものの圧力なんかは断固排除する、これだけの御決意はあってしかるべきだと私は思う。その点を承わりたい。

正力松太郎自由民主党国務大臣

○正カ国務大臣 先ほど有澤委員からも御答弁したことですが、どうしても自主的にいくという原子力基本法の原則には、どこまでも沿うておるつもりであります。外国からいろいろなものが来ますけれども、この前申し上げた通り、だいぶおくれておるものだからして、これは一部分だけでありまして、勝手に入れさせておりません。現にメーカーは私のところにもたくさん会いに来ておりますけれども、それはただ会っておるだけであって、外貨を特に入れておることはありません。しかし、何分立ちおくれておりますから、どうしてもこれだけは仕方がないというものは入れております。それから原子炉規制法等がありますことですから、これが外国の圧力によって左右されるようなことは絶体ありません。

岡良一日本社会党

○岡委員 外国の圧力よりも、これは昔から長いおつき合いのために、ほかの分野で技術提携を結んでおるわけですね。それがまた新しく原子力分野で技術提携を結んで持ち込んでくる。現に私、ロンドンの最近の情報を得ておるのです。私は英国の四つの産業グループというものは、非常にとにかく英国らしきフェアな態度であったと思うのです。ロンドンで四つの産業グループの代表者と私ども会いました。そのときにはやはりバブコック・アンド・ウィルコックスというものを中心にして、他の産業グループが日本へ動力炉を出しても、遺憾のないようなものをお送りすることに協力するということで、ちゃんと限度をきめておりました。ところが今のロンドンの状態は、コールダーホール改良型といえば、日本のメーカーが、そのバブコック・アンド・ウィルコックス会社とは別に、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしておる。英国の方があきれておる現状を、私は情報として聞いているわけです。あきれかえって、日本のメーカーがそれに行ったけれども、手を引いておるということが実際ある。私は特定の名前を申し上げませんけれども、そういう状態であれば、正力国務大臣の善意にもかかわらず、現場では買手としての有利な立場というものは、全く売手としての有利な立場と交換した状態で話を急いでおられるというような状況があるのです。こういうようなことになると、私は日本の原子力行政というものも、原子力の開発というものも、非常に遺憾なつまづきが起ってくると思うのです。ですから、あなたもそういう事態があるのかどうか、私がロンドンで得ておる情報が誤まりであるのかどうかということも、ぜひよくお取調べ願って、先ほど有澤先生がおっしゃったように、日本の原子力産業グループが正しき構成のものであるかどうかということも、原子力委員会としてはよく御検討を願いたい。その上で、やはり秩序ある態勢で相手方に対しては——やはり原子力発電会社が炉の購入ということになると、政府機関の監督をかなり離れてくる、離れてもいいですよ、逸脱してもらっちゃ困るのです。そこのところを十分コントロールしていただきたいということを、私この機会に希望しておきたいと思います。  それから、最初のこの国会の委員会で、私は科学技術振興の御所信についてお尋ねをいたしました。われわれの同僚委員もいろいろお尋ねをいたしました。その中でただいま有澤先生の一般的な科学技術振興そのものにかかわる御発言もあったわけであります。私はこれまでの質疑応答を集約した形で、ほんの若干だけをはっきりと再確認をしておきたいと思います。この基礎研究を進めなければならぬ、原子力の分野はもとよりであるが、日本の基礎研究というものは、今後非常に力こぶを入れなければならぬ。特に国が大きく国家資金を投じてやるというところまで持っていかなければならぬ。そこで私は科学技術の振興を担当せられる大臣の立場から、あなたに申し上げるのは、若干筋は違いますが、しかし重大な関心事でなければならないという二、三点を申し上げて、ぜひ一つこの際今度の会期中にでも、予算等について、必要ならば修正するぐらいのことをしていただかなければならぬと思うのであります。それは、一つは、何と申しましても、科学技術の振興といえば、国民全体の科学的の認識を高めなければならぬ。そうなってくると、現実にはもう中学の卒業生、高等学校の卒業生は、戦前のわれわれに比べて数学では二年か三年下だといわれております。その原因はどこにあるか、文部大臣の所管ではあろうけれども、やはり科学技術振興ということを所信において明確にうたわれておる大臣としては、重大な関心を持ってやらなければならない。時間が少いこともありましょうし、先生の質が悪いこともありましょう、実験等の施設がないこともありましょう、こういう点は小学、中学、高等学校を通じたやはり一貫した計画された体系において、数学や物理や化学の教科課程の内容の改善から、教師の質を上げることから、授業時間の配置の問題等十分考えてもらいたい。  その次は大学の、特に基礎の部面の先生の現在の状態です。情ないことだが、助教授でアルバイトをしている人を私の友だちに二、三持っている。有澤先生は長く教授をしておられるからよく御存じだと思いますが、たとえば現在一番権威のある東京大学において、理学部の講座は四十八、工学部は九十、合計百三十八ですよ。定員は一講座当り教授を含めて四名である。これだけでまとまった研究ができるのか、基礎の研究はだんだん分化されているときであり、その重要性は非常に高いものがある。ところが現在の定員は四名しかおらない。これは助手を勤めたって食っていけないという事情があるわけなんですね。この間日本の大学の先生が団体でソ連へ行かれて、ソ連の基礎科学者の処遇がどういうものであるかということを、はっきり数字で言っておりました。向うは十八万円、こちらは五万四千円の手取りだ。これはそうといたしましても、研究費の問題は、今なるほど二百何十億というものが大学運営費として出ている。そこで一講座当りはことしは二〇%上げられて百二十一万円。ところが実際教授が自由に研究のために使われる金というものは十七万円しかない。文部本省で一〇%、大学本部で五〇%取っております。ずっとおりてくると、理工科系統で十七万、文科系統はもっと低いと思います。こういうことでは、せっかく、生活の問題を抜きにしても、歯を食いしばって基礎研究をやっている人に、十分な研究の成果が上らぬと思う。こういうことは文部大臣に申し上げるべきことでしょう。また私は申し上げるつもりではおりますが、参考までに、科学技術振興というものをうたわれる以上、こういう基礎の研究、国民全体の理工科のあるいは数学の知識の向上については、十分な関心を持って部下を督励して、していただく。科学技術会議などが設けられたらもう五カ年個計画——そこであらためてお尋ねします。そういう問題をも含めてこの国民的な水準を上げる。そして基礎研究を高める。それには人の問題、ものの問題、予算の問題も解決をしてやる。基礎研究は実際の応用化なり、工業化の試験をやるなら、科研に三億三千万円くらいの出資では足りません。昔の理化学研究所をいやまさるものを作ってやる、こういうものをやはり年次計画で立ててもらいたい。アメリカは年次計画で立てると言いました。奨学金と学校の先生の優遇、施設の補助だけでも二億七千万ドルの予算の要求をしております。ソ連邦も、イギリスも、中共までもこの基礎科学の背景については、みんな五カ年計画をやっておる。そういう状態でありますから、科学の振興は人の問題であり、人はきょうの問題であります。適当な人を求めるといったって、なかなか適当な人が見当らない。今からやっていこうというのですから、五カ年計画で総合的な科学技術振興計画を立てていただきたい。こういう御所信を私は持っていただきたいと思う。いかがでしょう。

正力松太郎自由民主党国務大臣

○正カ国務大臣 ただいまの御質疑の点はまことにごもっともなことでありまして、たびたび申し上げていますけれども、科学教育ということの振興をはかることと、科学者の待遇問題、さらに研究費を増額する、これはどうしても要点であります。しかし、実は科学技術庁長官としてはなかなかまだそこまで及ばぬ点があります。科学技術会議というものを設置しようとしておりますのはその意味でありまして、これによってほんとうに——今政府でも科学技術は最高政策にとっているのでありますからして、総理を一つ議長にしてその科学技術会議を作って、御趣意に沿うようにしたいと存ずる次第であります。

岡良一日本社会党

○岡委員 ところが、その表看板は看板倒れになっているということを私は一番最初の質問に申し上げた。なるほど科学技術振興はトップの政策だ、そう言われますけれども、予算をごらんなさい。政府予算は二百十六億でしょう。絶対額の予算の数字を申さないとしても、科学技術及びその研究というものは、自然界にあるものを、政策的にいえば人間の有用な資材に作り直すということなんです。その手段です。その手段のための研究ですよ。だから国民がどの程度それに投資しておるかということは、私はこれを比較してみたことがあるんです。日本は残念ながらおくれたものです。そういう形から統計をはじいてみますと、絶対数はソ連の五十分の一とか、あるいはアメリカの二、三十分の一とか比較にならないとしても、熱意の仕方はどの程度だということは、私は一番最初に申し上げた、統計でいいますと、日本はわずかに〇・五九%です。うんとひいき目にそろばんをはじいてみてそうです。それに比べては、ソ連邦や、アメリカや、英国や、西ドイツというのは、三%、四%、五%です。そこで本年度予算でいかに重点施策だと言われたところで、とにかく科学技術という手段、その手段に対してつぎ込もうとする研究の基礎的な投資というものは、実に弱体ですよ。でありますから、この点はいつもあなた個人の独断で、科学立国だということでみずからを慰められることなく、ぜひ一つ年次計画を立てる必要な予算を出す。ことし出してもらわなければ困るんですよ。今さっき申し上げたような状態をほっておいてもらっては、もう二年か三年後に他国と比べて危ぶまれる状態が起ってくるのですから、一つぜひともうたい文句ではなしに、予算的努力、まじめな御努力をお願いをしたい。そこで原子力平和利用関係の予算が残されておりますので、この点をあと若干時間を拝借してお尋ねしたい。  そこで次に、有澤委員もおられますので、私お尋ねをいたしたいこと、私が手元にいただいておりますこの資料によりますと、「動力炉試験炉導入の概要」というものがあるわけです。これは十二月二十三日に原子力委員会が御決定になったものと私は承知しておりますが、その通りでございますか。

有澤廣巳原子力委員

○有澤説明員 日取りは今確実に覚えておりませんが、昨年末きめたものであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 実は私はしゅうとめ根性でものを申し上げるのではないのですが、この文書には、こういうことが書いてある。「此の動力炉試験炉はベルギーに建設中の加圧水型軽水減速発電炉BR—III(電気出力十一・五キロワット)の改良型である。」云々、そして「此の炉は適当な附属装置と簡単な改装を行う事により沸騰水型の動力炉として特定の実験を行う事も可能である」というような言葉が書いてあるわけです。私はこの文書で、一応PWRをお求めになると承知しておりました。ただ私は技術的な専門的な知見がありませんので、そのいずれが是か非かという判断を申すのではありません。ただ、原子力委員会はこう御決定になっておられる。なお今度私どもに提出されました予算を見ましても、この炉を買うという前提に立って国庫の債務負担なり、とりあえずの契約のための費用として一億というものが計上されておるわけです。ところがその後原子力局の、公式に私が意見を求めたのではありませんが、若干の人たちに懇談的にお話を承わっておりますと、これは決定したのではなく、承認をしたのだ、従ってPWRにするかBWRにするかは今後の調査に待つのだ、こういうことを言っておられる方があるのです。私は、原子力委員会の決定というものはきわめて権威あるものでなければならないと思う。下僚がそういう勝手なことをわれわれに言えるということでは、まことに驚くべき官僚の干渉といわなければならぬ。いわんやこの動力炉の導入は、日本原子力研究所においても、導入する動力炉のためにわざわざ委員会を設けて、自分たちの研究所が何を入れたら一番いいだろうかということで、専門的に研究された結論なのです。ところがそれがPWにするかBWにするか、こういうようなことを言っておられるので、私は非常に遺憾に感じたわけです。そこで重ねて確認をいたしておきますが、これはやはり予算に計上されておるPWRをお買いになる、このことを原子力委員会としては再確認をしていただかねばならないと思います。いかがでしょう。

正力松太郎自由民主党国務大臣

○正カ国務大臣 この前も御答弁申し上げたと思いますが、今のところでは、PW型を考えております。しかしなお一応よく調査団をやりまして、そのことをもう一ぺん確かめるつもりでおります。

岡良一日本社会党

○岡委員 ワンマン正力さんはそれでいいかもしれませんが、国の予算はそうはいかぬと思うのです。一体この積算の基礎は、これはアメリカからベルギーに売ろうとして引き合いをした数字が積算の基礎であるということです。「BR—III(電気出力十一・五キロワット)」これが大蔵省に対して予算を要求されたときの基礎ですよ。もしこれがBになるかもしれないというならば、まさか正力さんが交渉されたのではないが、原子力の事務当局の諸君は大蔵省をだましたことになるのみならず、それで一億を契約金としてこの国会に予算の要求をしておられる。今後PにするかBにするかを調査するのであれば、調査費で計上すべきではありませんか。PWRを買うという前提のもとに契約金として今度の国会に一億の要求をしておる。ところがふたを開けてみたら、PかBかこれから調査をする、これでは国会の予算の審議権というものをあなた方は全く無視しておるではありませんか。こういうことでいいのですか。

有澤廣巳原子力委員

○有澤説明員 ちょっと私から御説明申し上げますが、ただいま岡委員のお読み上げになりました資料は、今、私がそうだと申しましたけれども、それは原研から委員会に提出された資料でございます。つまり実験用の動力原子炉を置きたい。その実験用の原子炉は、一方では通産省が動力用の原子力船といいましょうか、船舶用の原子炉、これの実験にも役立て得るような条件をなるべく備えたものにしたい、こういうふうな意向もありまして、原研で一応いろいろとりまとめたわけであります。従って、一方ではPWR型と他方ではBWR型とこれが両方にどっちでも使えるというふうな形の炉であります。しかしそういうことではどうもはっきりしない。それで果してそういうふうなうまい炉ができるかどうかということもまだ十分確認されないのであります。それで委員会の方で承認いたしましたのはPWR、これは今日におきましては、濃縮ウランの炉といたしましては一等データもよく出ておりますし、それから技術的な面におきましてもはっきりいたしております。別の言葉で申しますと、濃縮ウランの炉といたしましては一等進んだ型の炉ではなかろうか、こういう考えでございます。それで原子力研究所に置く実験用の原子炉といたしましては、PWR型のものがよかろう、こういう結論になりました。しかし先ほど申しましたように、他方におきましては、運輸省の船舶用の炉の研究にも役に立つような条件をなるべくPWR型に盛り込むようにしたい。型としましてはPWR型になりましょうが、条件はいろいろの条件をもっとできるだけ盛り込むようにいたしたい、こういう趣旨で今回の予算は組まれておると考えます。PWR型にいたしましても、型としては一応そういう型ができましょうが、今申しましたような条件を入れるということになりますと、そこにいろいろの技術上の問題も出てくるかと思いますので、予算の範囲内でそういう条件をPWR型に盛り得るようにどうしたならばできるだろうかという問題につきましては、ただいま大臣がお答えいたしましたように、アメリカの方に調査団を出して、その調査の結果に基いて注文の型をきめたい、こういうことでございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 有澤先生のお話と私が申し上げたところに若干の食い違いもあるわけです。私が第一段に読み上げましたものについては、原子力研究所としても、これについては船舶用の動力炉の研究も兼ねるのであるからこれを選んだ、こう申しております。ですから当然兼ねられるわけでありますし、それから船舶用動力炉について先般佐々木局長も動力試験炉の導入については将来における船舶用動力炉の開発という観点を十分考慮しなければならぬと言っております。そこで私は、船舶用動力炉として、今日本が試験用の動力炉を入れるには何が適当であるか、国際的にどういう情勢なのかということを若干調べてみました。そうしますと、やはり結論はPWRということになっております。私が調べた資料でも、ノーチラス号はPWR、二カ年半の間世界を二万五千マイル以上も航海して、何ら故障を出しておりません。しかも技術者がその結果を綿密に検討して、これはあっぱれだという賛辞さえ呈しております。それからアメリカのAECにしても、シッピングポートに初めて相当予算的なてこ入れをして、あの動力試験炉を建設するにも、ノーチラス号の経験があずかって力があるということをAECの内部の人が言っております。そういうようなことで、今アメリカ海軍としても建造の計画、すでに契約を了した等、大体十五隻の艦艇の建造は全部PWRです。SPRはわずかにシーウルフのNAAだけです。全部今PWRにかえつつあるというのが現状です。従ってわれわれがかりに一般協定の中で、きのうもお話があったが、舶用動力炉についても、貨客船用やタンカー等についてっは、ある程度のインフォメーションが得られる見込みがあるということも外務省筋で言っておられる。そうしてみれば、PWRというものが、やはり一番現在舶用動力炉の研究をやるということについては選ぶべきではないか。私どもは船舶用の動力炉の研究といわれるならば、そう結論をせざるを得ません。もちろん原子力船調査会では今度新しく小委員会を設けられまして、あるいは沸騰水型なり均質炉なり有機質均質炉なりいろいろなものを研究はせられますが、実用化としては現在やはりPWRというものが一番の上位にある。アメリカは、国が作る海軍艦艇はPWRにしぼっておる。アメリカの原子力委員会、原子炉開発部長デヴィスは、はっきり去年のフォーラムの会議で言っているのです。比較的短期間に技術的進歩を達成するのに最も見込みのある型はPWR型である、こういうふうに言っておる。船舶用の動力炉の試験をやろうとするならば、これは常識で考えても、私どもの狭い文献からはPWRがよかろう。内容は知りません。よPWRとBWRが専門的、具体的、物理学的にどういうものか知りませんが、政策的にはわれわれはこういうような資料からそう判断せざるを得ません。従って、先生のおっしゃる舶用動力炉としてPWRでいくべきかどうか、検討の余地があるという理由は、私が若干調べた情報を基礎にしては成り立たないと思うのです。この点が一つ。  もう一つは、原子力委員会のあり方をもう少し私はこの際検討をしなければならぬと思うのです。一口に申しますと、少しよろめいておるのではないか。確かによろめいておられるのですね。原子力委員会という最も高度な科学性を要求されてくる委員会がよろめかれて、われわれ精神病の医者の方にころがり込んでこられてもかなわぬと思うのですが、いずれにしても少しよろめかれておる。私はさっき申し上げましたように、やはり原子力開発の民主的を運用をはかり、その番人であるという権威はやはり保持していただきたいと思う。そうすれば、原子力研究所設置法第二十二条とか二十五条、一々法律を読まないが、原子力研究所が動力炉を入れるということで一生懸命専門の学者を集めて、二十三日に原子力委員会が御決定になった費料を今お出しになってきておるのですが、原子力委員会とすれば、舶用動力炉については、私が今申し上げた以外に、どうしてもBWRに傾かなければならないといった確実な根拠が原子力委員会にはあったのか、あったら見せてもらいたい。私どものわからないことで、いわば原子力委員会が方針を左右される、これは原子力委員会としての権威のために惜しまざるを得ないのです。そういう点で、原子力委員会の、今、有澤先生の御報告の通りであるとするならば、その御処置には納得ができません。  なお国会に予算を提出されるということになれば、また私ごとき者に申されるまでもなく、憲法に規定された重要な内閣の責任なんですから、従って、大蔵省との間には、厳密な積算の基礎に基く折衝があったはずです。ここへ大蔵省担当官来ておられますか。来ておられなかったら呼んでもらいたい。折衝の経緯を少し聞きたい。  来られるまで少しあとの問題をお尋ねいたします。調査費の予算が計上されておるわけですが、この調査費はアジア諸国の調査機能を総合したような、もっと大規模なものにしてはどうか、太平洋でどんどんやられておるのだから、日本がイニシアチーブをとってやってはどうかということまで、委員会で申し上げたこともあるわけです。国連科学委員会の結論が新聞に伝えたような程度のもので、私ども非常に不満足だが、国連というものには一つの限界があるわけですね。国連の持つ政治的な限界というものが、科学者の良心を押える危険性があることは、国際原子力機関の運用を見ればはっきりわかるのです。ですからそういうことも考えて、核兵器の実験について、そのフォール・アウトを中心とする調査というものは、技術的にも高いものを日本は持っておるのだから、一つ大いに予算的にも努力をしてもらわなければならぬと思うのですが、今度の調査費の、実際この予算を執行される内訳は、どういうことになっておりますか。

鈴木嘉一総理府技官(科学技術庁原子力局アイソトープ課長)

○鈴木説明員 放射能調査関係の経費を分類いたしますと、大学の国立試験研究機関で使用いたします分と、地方の衛生研究所に委託いたしまして、研究、調査いたします分とございますが、まず国立試験研究機関の分は、これは気象庁あるいは気象研究所を初めといたしまして、農作物関係の方で、農林省関係の試験場、それから海洋の方の問題といたしましては、水産研究所あるいは海上保安庁の水路部等がございますが、明年度から新しく予算として計上いたしましたのは、骨の中にどの程度ストロンチウムのようなものが入っていくであろうかということを、主として家畜の牛を使う協定でございますが、家畜の骨を使用いたしまして調査いたします経費、これが新たに加わっております。以上合計いたしまして二千八百八十五万八千円ということになっております。

岡良一日本社会党

○岡委員 気象台はどうですか。

鈴木嘉一総理府技官(科学技術庁原子力局アイソトープ課長)

○鈴木説明員 気象台関係は六百三十三万円で、気象研究所が気象台関係の中心機関でございますので、この気象研究所に一千百十四万円、こういうことになっております。そのほか七百三十九万一千円ばかりが地方の衛生研究所に委託する分であります。たとえば微気圧計を整備いたしますとか、高層地帯が問題でございますので、そういうところに上げますゾンデに関する費用でございますとか、それから一般的に申しますと、従来は単なるカウント数というような調査を出ないようなところはこの際分析いたしまして含まれております。各種の決定をするような面に重点を置いてございます。以上合計いたしまして三千六百二十四万九千円でございます。そのほかに科学技術庁においてとりまとめます経費といたしまして、五十一万円ばかりの事務費が別についております。  以上でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員 昨年フォール・アウトの調査というものを、これは日本では原子力委員会が責任を持ってやるべきだということを申し上げて、そのようにやるということも原子力委員会で御決定になって、藤岡さんがその中心の責任者になられたということになっておるのです。その後この機構はどういうことになっているのか、あちこちの国立大学の教室も発表しておる、それぞれの測候所もカウントを発表しておるというような格好にもなっておりますし、また骨の分析もやっておる。それらがやはり一つの体系立てられた組織として運営されておるのか、僕はもう少しまとめられた形でやるべきではないかと思う。この間のシンポジュームなんかを見ておりますと、特にそういう感を深くするのです。熱心にやっておる者の非常にいい成績が、そのままやみからやみに消えていくということになったのでは、これは非常に残念しごくだと思いますので、ことしはそういうことに遺憾なくやられるだけの準備があるのかという点をお聞かせ願いたいと思います。

鈴木嘉一総理府技官(科学技術庁原子力局アイソトープ課長)

○鈴木説明員 機構的なことを申しますと、中心というか最高機関は原子力委員会でございまして、その下に専門委員会といたしまして放射能調査専門部会というのが設けられております。それに関係官庁の、たとえば気象台で申し上げれば和達気象庁長官がお入りになっておる。そういうようなメンバーで組織されておりまして、またそれと対応した形におきまして、科学技術庁に関係各省の放射能調査の連絡会というのが設けられております。それでさらにまたその下部機構と申しますか、下の方にこういう測定をいたします基準の統一をはかる必要がございますので、そういうものの基準を定めます小委員会というようなものも設けられております。現にカウント数をはかります場合の測定基準というものを定めまして、一冊のパンフレットにまとめましてこれを関係方面にすべて流しておりまして、これですべてやってもらっております。目下は分析方法の基準を統一する作業をやっております。そういうふうに進んでおります。

岡良一日本社会党

○岡委員 いずれにいたしましても、結局国連の科学委員会のああいう結論が出て参りました。これはいずれ日本の代表者がお帰りになってから聞きたいと思うのですが、これまでの経過から察するところ、やはり今御指摘の分析の方法、これが国際的に確立されておらない。それには一体最大許容量というものが概念としてどういうものなのか、そして事実においてどの程度のものであるかということ、これが論戦となって、結局多数決というような形で——科学的な論争は多数決であってはならないと思うのですが、一応多数決的な形における合意ということになって、うやむやになってしまう。ここに日本が一番大きな国際的な義務があるとも言えるししますから、ぜひともこの予算の執行に当っては、この分析の方法、許容度の探究、それらについては医学的にもあるいは海洋学的にもあるいは気象学的にもあらゆる点で一つ総合的に、必要とあらば予備費を繰り出してでもやっていただきたい。このことは単に原水爆をやめさせるための政治的な手段であるばかりではないわけです。この許容度をきめるとか、この分析方法を国際的にこれならというものを確立するということは、将来における放射線医学の重大な目途でございますから、そういうこともあわせてぜひお願いしたいと思います。  大蔵省の海堀さんが来られましたから若干お聞きをいたしますが、今私どもが問題にいたしておりますのは、今度の予算で一億のお金が計上されておる。その説明によれば、これはPWRという試験用の動力炉を購入するために計上されたものである、これは契約金というような形で一応予算に要求をしたものである、こういう説明を原子力委員会から私は聞いております。そこで試験用動力炉の購入に関する予算についての事務的折衝というものを御承認になった積算の基礎、またこの科学技術庁要求の試験用動力炉に関する要求予算というものは、いつ査定になって交付すべきものとして計上されることになったのですか。主計官としてのあなたが御担当だから、この点を一つ明らかにしていただきたい。

海堀洋平大蔵事務官(主計局主計官)

○海堀説明員 試験用動力炉につきましては、当初の概算要求のときから御要求がございました。そのときは、タイプといたしましてはPWRもしくはBWRという御要求で、しかし金額といたしましてはほぼ同和度のものであ、る。要求の内訳は歳出予算として四億、国庫債務負掛行為としては、今ちょっと正確に記憶しておりませんが、二十一億七千万という御要求でございます。復活要求の過程におきましてこの動力炉を購入することを認めることになりまして、歳出予算として一億円、その三億円分を国庫債務負担行為に回しまして、二十四億七千万円を、あるいは多少数字の異動があろうかと思いますが、国庫債務負担行為に計上して、この要求を認めることといたしております。

岡良一日本社会党

○岡委員 事務的折衝でそれを決定されたのはいつですか。

海堀洋平大蔵事務官(主計局主計官)

○海堀説明員 決定いたしましたのは、今私正確に記憶はございませんが、一月十八日で、第三閣議の直前であったと思います。

岡良一日本社会党

○岡委員 そうすると、大蔵省ではPWかBWかということについては別に決定をされておらない状態において、一億円は一応契約の金、二十四億七千万円は国庫債務負担金として計上することをお認めになったわけですか。

海堀洋平大蔵事務官(主計局主計官)

○海堀説明員 私の方は概算要求をもとといたしまして、小型の試験動力炉を現在において購入することが必要かどうかの判定をいたしたわけでございまして、その型はPWRがいいのかBWRがいいのかということは、そのことを判断される科学技術庁原子力局なり原子力委員会なりの判断すべきことでありまして、その技術的な判断までは主計局はいたしたわけではございません。

岡良一日本社会党

○岡委員 そこで科学技術庁が一応PWRとして予算の要求をされた。あなたはやはりわれわれ国民の税金を扱っているのだが、小型の動力炉としていずれの型がいいのか悪いのかということについては、積算の基礎ということになれば、私は説明があると思うのですよ。そうでしょう。小型動力炉二十四億七千万円という予算が出たって、あなたの方ではそれが是か非かということはわからないじゃないですか。そういうずさんな査定をなさるのですか。そうすれば、その小型動力炉についてはやはりこれこれというなにがあるのじゃないですか。全体を総合して、どういう型ということについては、あなた方も積算の基礎としてやはりはっきりしたことを見定めておかるべきでしょう。その手続は私は当然とっておられると思うのです。その基礎をお示し願いたいのです。

海堀洋平大蔵事務官(主計局主計官)

○海堀説明員 現在発電会社が入れよう、あるいは入れることを大体前提とするといいますか、調査に行っておりますのは、英国のコールダーホール型の原子力発電炉でございます。それに対しまして、将来の動力としての原子力の利用につきましては、もう少し天然ウランの型ではない動力炉の研究を進めていく必要があるということが今度の話の本質だろうと思います。その場合に濃縮ウランを使う動力炉としまして、PWRがいいのかBWRがいいのかという問題は、その濃縮ウラン型で進めていくということの判断のさらに細密な技術的な判断の問題であろうと思います。従いまして、ほぼ同規模のものでございますし、私の方としましてはそういう濃縮ウラン型の試験動力炉を現段階において原子力研究所に設置しまして、これの研究を進めることが必要であるという判断のもとに、しかも金額もほぼ同程度であるということの判断で予算を査定いたしております。

岡良一日本社会党

○岡委員 だから僕は海堀君に、Pがいいか、Bがいいかということを大蔵省に判断してくれと言っておるのじゃないですよ。ただ、あなたは科学技術庁関係要求予算の査定官として、やはりその要求予算の積算の基礎というものは一応御承知になっておられる。その善悪の批判は私はどれをどうしたからあなたがいいか悪いかということを申し上げるのじゃないのです。そこで、あなた方の方に伝えられておることは、単に動力試験炉としてこの小型のものを入れたい、そうすれば一体その数字はどういうものであったかということなんですよ。私どもが原子力局から現在得ておる資料によれば、結局動力試験炉は、ベルギーに建設中の加圧水型の原子力発電炉で、そうして要求予算は原子力炉プラントが十六億五千万円、炉心製作費が三億四千万円云々、これよりも若干下回った二十五億七千万円ということになっておるのですよ。この数字があなた方は全然——ただ二十五億七千万円、こう出てきているはずはないと私は思うのです。そこまで進んで、そこまでの説明がなければ——あなたはやはり予算の配分上それだけの資料ぐらいはあってもいいでしょう。また当然そこまでおろして説明をお聞きになって、そこで全体としての動力試験炉の予算というものを御認定になると私は思う。これらの二十五億七千万円という数字は、PWであったと私は承知しておるのです。科学技術庁はBWの予算というものは持っておらない。そうすれば、それを今度はもし、海堀さんにお尋ねするのだが、あなたとけんかするわけじゃないですよ。経過は大体わかりましたが、そこでこれはBにするかもしれない、今度はその調査をしようということなんです。そうならばあらかじめそういうことをあなたがおわかりであれば、予算としては調査費を私は計上すべきじゃないかと思うのですよ。これは建屋をまぜて五十億の金がかかるのですよ。そうすれば、そういう大枚な国民の血税を有効に使用するためには、やはりはっきりした資料が必要だ。その資料、データをこれから調査しようというなら、調査費用として要求されるならば、それが私は妥当な筋道じゃないか、何も予算を削れるという立場で私はものを申し上げておるのではありません。ただ予算として、原子炉だ、何でもよさそうなものだということで軽率に大枚な予算要求をされるということでなくて、これらを調べる調査費というのが妥当なのではないでしょうか。あなた方が査定しておられる経験からいってどうなんですか。

海堀洋平大蔵事務官(主計局主計官)

○海堀説明員 試験動力炉の問題は、現在すでに実用動力炉を購入するための調査を行なっている段階においては、やはり非常に急を要する問題であろうと思います。従いまして、もちろんその購入までには十分な調査とか、そういうことは必要だと思いますが、しかし現在原子力局あるいは研究所の予算には外国旅費その他が相当計上されておりまして、そういう事前調査は十分三十三年度一ぱいかかれば行い得るというふうに判断をいたしまして、従いまして、契約に入るのは三十三年度の終りになるであろうということを前提といたしまして、特に歳出予算としてはわずかに一億円、あとは全部国庫債務負担行為といたしまして当年度の財政負担に待ったわけであります。

岡良一日本社会党

○岡委員 まあ、こまかいことだから、もうよします。

齋藤憲三自由民主党

○齋藤委員長 本日の質疑は、この程度にとどめます。     —————————————

齋藤憲三自由民主党

○齋藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。すなわち、原子力行政の一環として、核融合反応に関する問題につきまして、来たる二月十九日午前十時より参考人の出頭を求め、その意見を聴取することとし、参考人の人選等につきましては、先ほどの理事会の申し合せの趣旨に従いまして、委員長において決定いたしたいと思います。以上について御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

齋藤憲三自由民主党

○齋藤委員長 御異議なければ、さように決定いたします。  次会は、来たる二月十九日、午前十時より開会することとし、ただいま決定しました参考人より、核融合反応に関する問題について、意見を聴取することといたします。  これにて散会いたします。     午後三時一分散会

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