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28回国会衆議院1958/02/12

科学技術振興対策特別委員会 第4号

発言数
7
登壇者
3
会派数
2
開催日
1958/02/12

会議録

齋藤憲三自由民主党

○齋藤委員長 これより会議を開きます。  原子力行政に関する件につきまして、調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡委員 せっかく有澤先生がお見えでございますので、先生に若干お教えを願いたいと思います。  科学技術振興ということがまず政府の重点施策ともなり、国際的に非常に大きな旗じるしとなって、各国とも予算的努力を顕著にいたしておることは、私から申し上げるまでもありません。そこで、私は非常に疑問に思う特に日本の現実の中で非常に注意しなければならない問題、それが未解決のままに残されていると思うのです。それは先生御専門の統計で調べた結果を申し上げますと、日本の重要産業、特に技術革新あるいはオートメーションが導入されてきたために、鉄鋼、造船、化繊、電気について調査をしていただいた——これは政府の提供した統計でありますが、鉄鋼については一九五一年を一〇〇といたしまして生産指数を見ますと、一九五七年には二七四という数字になっております。そこで雇用指数をあわせて調べてみますと、雇用指数は一九五二年を一〇〇とした統計しかありません。しかし大体趨勢はうかがえると思いますが、雇用指数は一二一であります、生産は二七四ですから、大体二倍半以上になっております。雇用は二割一分の増となっております。それから造船で見ますと、生産指数は一九五七年が三六一、雇用指数が一二五となっております。化繊では生産指数が四七一、雇用指数が一一九。電力は生産指数が一八二、ところが雇用指数は一一五と、いずれも生産指数が非常に飛躍的に伸びて、多いものは五倍近くにもなるというような状態でありますが、雇用の伸びというものはせいぜいが二割五分、おおむね一割をやや上向るという状態であります。科学技術振興ということをかけ声のように急ぎながら、一方ではこういう状態が起っておるということに私は一つの問題があると思う。従って、先生にお尋ねをいたしたいことは、こうして年々八十万、九十万という新しい労働力がふえてくる。労働力化率を先生の論文で拝見いたしましても、いわば第三次産業の方へ、しかも経営規模では小さいところに流れ込み、しかもサービス業のようなところに非常に飛躍的ななだれ込み「がある。一方国の方の基幹的な産業、あるいは技術革新が導入されている産業の中では、雇用が伸びないということは、こういう技術革新がどんどん導入されて、イノヴェーションが進められてくる職場の中で、一体今後の労働問題というものは、どういう解決の道を見出すものであろうかということが、一つの問題であると思います。もう一つは、日本全体の雇用構造の中でこういう状態がどんどん起ってくるというようなことになりますと、日本の雇用構造というものに非常に大きなひずみが起ってくる。これは一体どうすればいいのか。科学技術革新ということを歌声のようにうたいながら、こういうところに一つの問題が空白のままにされておるということでは、私ども国会の立場からは非常に遺憾にたえないのです。もう一つは、御存じのように、日本の経済構造の中における過多な中小企業、零細企業、しかも過当競争の中に放任されておる中小企業、零細企業、これは大経営が資本をもって新しい技術を入れ、設備を入れて、そうしていい品物をたくさん安く売るという状態になれば、ますますここに大きな障害が起る。そのことは、ここになだれ込んでおる労働力そのものにまた大きな問題を起してくる。こういう残されておる問題、技術革新、科学技術振興といいながら、この問題をこのまま残して進んでいくということになると、わが国の産業構造にも雇用構造にも非常に大きなひずみが起る。これはどうしたらいいのかということが私の実は心配の種になっているわけなんです。一つ先生の御見解を聞かせていただきたいと思います。

有澤廣巳原子力委員

○有澤説明員 ただいまの岡委員の御質問は、日本でイノヴェーションあるいはオートメーションが導入されて、これがますます盛んになった場合に、日本の雇用問題にいろいろの重大な問題が起ってくるようでありますが、これについてどういうふうに考えるかという御質問だったと思います。この問題は、実はわれわれ経済学をやっている者も大へん重要視いたしまして、ずっと前からいろいろ検討しておる次第でありますが、御質問に対するお答えといたしましては、第一の工場内といいますか、あるいは企業内においてオートメーションを採用した場合に、労働構成をどういうふうにすべきかという御質問であります。これにつきましては、私実は方々のオートメーション化の実施されました工場を調べました。今までのところによりますと、大体配置転換で工場内におきましては問題が処理されておるようであります。たとえば、石油精製工業なんかは、今、岡さんが統計をあげましたように、実は生産が一倍になっても、現在の雇用を一人もふやす必要はない、こういうふうな生産能力が新しい設備によりまして作り出されております。その点では、石油精製工場内での雇用の問題は、配置転換によってこれを一応片づけておる、こういうことでありまして、工場内での労働構成の問題は、そういうふうに処理していくしかないんじゃないかと私どもも考えております。  第二の日本の経済全体としての雇用問題、これが私は最も重要な問題で、実はオートメーション化と雇用の関係を一つの工場内、あるいは一つの企業内で解決するということは、いつでもうまくいくというふうには実はなかなか考えられない。日本の経済全体として雇用の問題は解決されるように持っていかなければならないというふうに考えるのであります。その場合に、今御指摘のありましたように、一方では生産が二倍、三倍、多いときには五倍も伸びておるにかかわらず、雇用の方は二割くらいしかふえていないじゃないか、これは確かに統計が示す通りだろうと思います。もっとも、この統計につきましては、こまかいことを申し上げますと若干問題があります。と申しますのは、雇用指数の中に、臨時工の数がほとんど入っていないということです。ですから、現実には、臨時工も入れて考えますと、もう少し雇用はふえている。ただし、これは臨時工という形態での雇用でございますから、満足すべき雇用増加とは申せませんけれども、これはこまかい問題ですからここでは省略いたしますが、日本における雇用構造あるいは雇用の増加ということを国全体として考える場合において、私最も重要に考えますのは、技術革新が採用されるということになりますと、一般的に申しますならば、その生産増加と比較しましては取るに足らない程度の雇用しかふえない、こういうふうに考えられがちであります。しかし、その場合によくよく検討を加えて参りますと、たとえばアメリカならアメリカでは、なるほど生産が二倍になると、大工場といいますか、大企業におきましても、雇用がある程度ふえております。それがちょうど二倍というふうにはむろんふえませんが、しかし三割とか四割というふうにふえております。現にヨーロッパの諸国では、労働力が不足をするというような事態に達しております。日本においてなぜそれが達成できないかという問題は、おそらく一方においては労働の供給が非常に多いということもありましょうが、これは私の考えでございますけれども、他方におきましては、日本における技術革新なり、あるいはオートメーションというものが日本の技術で行われていないということじゃないかと思うのです。あるいはもっと適切な言い方で申しますならば、技術革新が日本においては自主的に行われていないということじゃないかと思います。ですから、もしこの技術革新が日本において自主的に行われる、別の言葉で申しますならば、この技術革新に伴って生ずるところの新しい需要、たとえば計器なら計器、これはたくさん計器が要るのですから、計器産業に対する需要は非常にふえるはずであります。あるいは工作機械なら工作機械、そういったものも需要としてはうんとふえてくるはずであります。従って、そういう直接オートメーションが施行された工場における労働力はそれほどふえないということでありましても、関連している工業において雇用需要が大いにふえてくるはずであります。またそうでなければならぬのです。そういうことが行われないのはなぜかということを考えますならば、結局オートメーションに要するいろいろな装置、機械というもの、あるいは技術というものが外国から輸入されておる。外国からそういうものを輸入してオートメーション化をはかるということになれば、雇用を節約する効果だけが国内に残りまして、雇用を増加する面がことごとく外国にとられる、外国に与える、こういう結果をもたらしていると思うのです。でありますから、技術革新の今日の時代におきまして、この技術革新を自主的にというか、日本の国の基盤において促進していくように持っていかなければ、雇用の問題は非常に今御心配になりましたような問題を引き起してくる、こう思うのであります。私は今回政府が特に科学技術振興、技術革新の飛躍的な発展をはかるという政策を打ち出しましたのは、おそらくこの科学技術上の革新を、国の基盤において、つまり自主的に行い得るような道を開くという点にあろうか、そういうふうに実は考えております。ですから問題は、この技術革新自体が、今までは確かに技術の導入で行われておった。今後は、むろん技術の導入を全然やらぬというわけじゃないでしょうけれども、広範な技術導入はなるべく自主的に国内の技術を展開することによって行うようにしなければ、雇用の問題というのはなかなか解決していかない。もしそういうふうにいきますならば、一方では技術革新が進むとともに、他方においてはそれの関連の産業において雇用が増加する、こういうふうに考えております。  それから第三の点は、技術革新が広く取り入れられる産業の分野と申しますか、企業におきましては、これは大体がマス・プロができるよりは大企業だと思うのですが、そういう大企業の製品が、原料とか中間品といたしまして、加工完成する中小企業の方に流れていくわけです。ですから、技術革新を行なって、そういうマス・プロの生産がいよいよ新しい技術の上に開始される、そうすれば私は相当値段は安くなるべきものだと思うのです。つまり原料あるいは中間製品の価格が安くて安定する、そういう安くて安定した原料あるいは中間品が、それを精製加工するというか、加工完成する中小企業に流れていくように持っていかなければならないのじゃないか、この点は中小企業の問題と大企業の関係の問題になります。これは今まで中小企業の組織を作るとかいろいろの方法で考えられておりますけれども、その点は十分今後考えて、この中小企業の確立と申しましょうか、基盤を作っていくように持っていかなければ、日本の雇用問題はなかなかむずかしい。と申しますのは、日本において今日雇用を最も大きくかかえておりますのは、中小企業だと思うのです。その中小企業はもう私から申し上げることもないことですが、賃金から申しますと格差がますます開いていく、生産性の上からいっても格差がますます開いていく、こういう状況であります。こういう状況では、やはり一方においては比較的高賃金をもらっている労働者がおる、他方においては貧しい賃金しかもらっていない労働者がおる。しかもそういう低賃金の労働者がふえる、こういうことになっては、どうも日本の社会としては健全な社会とは申しがたいのでありますから、そういうふうに持っていかないようにする必要があります。このためにはやはり中小企業についてもっと生産性を高める、そういう方向に政策を押し進めなければならぬ。大ざっぱな議論ですが、実はそういうふうに考えておる次第です。     —————————————

齋藤憲三自由民主党

○齋藤委員長 次に、英国及び米国との原子力一般協定の締結に関し、まず外務省国際協力局松井課長より交渉経過の説明を聴取することといたします。  原子力一般協定に関しましては、現に交渉中の外交問題でありますので、この際委員会を秘密会といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

齋藤憲三自由民主党

○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、秘密会とすることに決定いたします。  議員及び所管の政府関係者並びに委員会の事務を担当する職員以外の方々の退場を願います。  これより秘密会に入ります。      ————◇—————     〔午前十時五十六分秘密会に入る〕     〔午後一時十七分秘密会を終る〕      ————◇—————

齋藤憲三自由民主党

○齋藤委員長 この際、お諮りいたします。ただいまの秘密会の記録につきましては、協定に関する部分は特に秘密を要するものとし、衆議院規則第六十三条ただし書きの規定によりまして、これを印刷配付しないことといたしますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

齋藤憲三自由民主党

○齋藤委員長 御異議なければ、さように決定いたします。  本日はこの程度にとどめ、明十三日午後一時より開会いたします。  これにて散会いたします。     午後一時十八分散会

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