運輸委員会陸運に関する小委員会 第4号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/04/17
会議録
○有田小委員長 これより会議を開きます。 前会に引き続き陸運、特に神風タクシー問題について調査を進めます。御質疑はございませんか。——なければ本件に対する質疑は本日で打ち切ることといたします。 それでは前回の小委員会で御一任いただき、小委員長のもとで作成いたしました自動車事故防止対策に関する件についての結論を朗読いたします。 自動車事故防止対策に関する件 自動車事故防止を図り、交通の安全を期することは緊急の要務である。之が対策としてはいわゆる神風タクシーの無謀な運転の防止に努むべきは素よりであるが、単に之が是正のみに局限すべきではなく、広く自動車事故を誘発する諸原因を探求し之を徹底的に除去すべきである。 依って先ず第一に恒久対策として(イ)我国特有の劣悪な道路の現状に鑑み道路の建設、改良を急ぎ一般財源投入の率を更に高めること。(ロ)道路上上における他の交通機関例えば三輪車、自家用乗用車、トラック等の運行状態につき検討を加え運行の安全と歩行の安全を期し得るよう適切な交通規制の方途を講ずること。(ハ)駐車場の設置、道路標識及び信号の整備を行い雑然として施行される地下埋設物工事については厳重な統制を加えること。 第二に当面の問題たる神風タクシーによる事故防止のためには(イ)タクシー事業における企業の健全化、輸送と車輌数との需給の調整、公課負担の軽減及び金融の円滑化について特段の考慮を払うこと。(ロ)運転者の素質の向上(心理、生理的診断等適性検査を含む)を期すると共に勤務制度、給与制度、厚生施設等労働条件の改善合理化を行い更に健全なる労働組合の育成を図ること。そのためには持に左の事項につき留意すべきこと。(1)固定給の大幅の引上げを図り、刺戟的な給与制を廃止すること。(2)労働基準法違反及び不当労働行為については充分な監督を行い根絶を期すると共に日雇運転者の雇傭をさけ、長期臨時運転若の取扱いを是正すること。なお事業所休養施設を改良し、充分なる休養をとらしめること。(3)労働組合の組織化については無理解な経営者に自覚反省を求めるよう指導すること。 なお之等は概ね業者と運転者の自覚と反省によって解決すべきであるが、官庁側においても強力な行政指導を行うと共に悪質な者に対しては行政処分を以つて臨むこと。 以上の通りでございますが、本件について御意見があれば発言を許します。
○松原小委員 一つだけ。その中で心理的、生理的適性検査をも含んだ運転者の素質の向上という件が入っておるのでありますけれども、これは適性検査につきましてはなお権威ある方法がわが国において決定していない、こういうふうに聞いておりますし、また一面においては、各営業者にそういう検査の設備を備えしめる等のことはおよそ不可能かと思いますので、この点については将来、たとえば二種免許を下付する際等において、この適性検査を完全にできるような設備を官庁側において整えること、ただしそれも先ほど申したように、権威ある方法というものがいまだ確定しておらぬということでありまするから、あらかじめそういう方法に関する真剣な研究を、運輸省においてやってもらうということが前提ではないか。そのためには、たとえば警察関係、あるいは東京においてならば警察庁関係、警視庁関係等、その筋の詳しい人たちを集めて、運輸省内でとりあえずこれに対する研究を進める。そのために委員会を作る等の措置をしてもらったら、そういう適性検査の適当な設備も確定いたしまするし、確定すればそれを実行する、こういうふうな段取りに進んでいただくことが非常に必要ではないか、私はかように考えておるわけでございまするが、これについては、もちろん将来は予算も伴うことであろうが、一つ運輸省ではその予算獲得に努めて、そうしてこの事故の排除に万全の措置をとってもらいたい。このことをその項目につけ加えて私は要望しておきたいのであります。
○有田小委員長 今の松原委員の発言ばごもっともと思います。私といたしましても、政府側にその点を強く要望いたします。自動車局長がおりますが、今の問題について何か御発言がありますか。
○山内(公)政府委員 その点につきましては、現在第二種免許の際に、警察庁におきまして検査をする建前になっておりますが、まだその点に対する研究は必要であろうと思います。ただ仕事の性質上、警察庁でやっていただきまして、もちろん運輸省もそれに協力するという態勢が必要ではないかと思いますが、ここに内海警ら課長が来られておりますので、警察庁の御意見を拝聴するのがよろしいのではないかと思います。
○内海説明員 ただいまの心理的または生理的適性検査の件に関しましては、私どもも先生と全く同様の見解を、持っております。適性検査は、厳重にかつ的確にやらなければならない、そのために、さきに免許制度を改正いたしました際に、第二種運転免許の交付につきましては、適性検査を厳格に行うようにという方針のもとに、この改正もあわせ行なったものであります。ただ遺憾なことは、お説の通りこういう面に関しまする、官庁側はもとより、学界におきましても、特に運転免許に関する基準となるような適性基準と申しますか、そういうものがいまだ必ずしも明確になっておりません。そういう意味におきまして、私どもの方におきましても、応用心理学会及び精神病理学関係の権威ある人々と屡次会談を持ちまして、目下検討をいたしております。おおむねのそういう基準を示し得るような成案を得つつありますので、そのための適性検査器具なども用意をいたすように努力をいたしておりますので、遠からずこれにつきましては、その適性基準並びにその実施が可能になろうがと考えております。そういうふうな意味におきまして、もちろん特に旅客運転の問題は大事でございますので、運輸省その他労働省等、関係官庁とも密接に連絡を維持いたしまして、さらに的確に行い得るような方途を講じたい、かように考えております。
○有田小委員長 ほかに御意見もないようでございますから、御発言がなければこの際お諮りいたします。自動車事故防止対策に関する件について、ただいま朗読いたしました案を小委員会案として本委員会に報告し決議を行うよう申し入れたいと存じますが、御異議ございませんか。
○有田小委員長 それではさよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時六分散会