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28回国会衆議院1958/04/22

運輸委員会観光に関する小委員会 第1号

発言数
6
登壇者
3
会派数
1
開催日
1958/04/22

会議録

中嶋太郎自由民主党

○中嶋小委員長 これより会議を開きます。  観光に関して調査を進めます。質疑の通告がありますからこれを許します。濱野委員。

濱野清吾自由民主党

○濱野小委員 観光局長にお伺いいたしますが、最近の国際関係が非常にこまやかにもなり、また忙しくなった諸般の事情にかんがみて、それらの客に対する受け入れ態勢の点につきましては、先般来より本委員会においていろいろ御議論のあったことは御承知の通りと思います。さきにはこれに関連しました意見も、この委員会から政府に対し申し入れをしているわけでもありますし、さらにまた運輸大臣からもこの問題の解決について大蔵大臣と相当突っ込んだ話もあるやに聞いておりますが、しかしまだ具体的にはその緒についていないように拝承しております。これは日本の今日の国際的な立場、率直に言えば現実に照合してまことに不自由なことでもあるし、さらにまた日本が西欧のスイスのように国際観光の国であると自他ともに許していながら、これが漫然と放置されることはまことに遺憾なことであると存じます。ことに私どもが大きく考慮しなければならないことは、日本の経済が貿易に依存しなければならないという、これが前提としての考え方であります。時によれば出血輸出をしてまでも外国との収支関係のバランスをとらなければならないというこの点、貿易外ドルやポンドを獲得するということが外国に比べて重要なことであろうと思います。この点につきまして、今日新しく就任されました局長はどういうふうにお考えになっておりますか。もはや抽象的な単純な御意見は前任者からも、さらにまた大臣からもお伺いしているところでありますから、具体的にこうやるならは国策にマッチして、そうして観光日本を作り上げ、あるいは貿易外ドルの獲得にも便宜であり、きわめて有効であるという、そういう御意見があるはずであります。この点につきましてお伺いしたいと存じます。

細田吉藏運輸事務官(観光局長)

○細田政府委員 ただいま演野先生から御説がありましたが、外貨の事情が、日本としましては、平素から悪いのでございますが、特に最近は非常に悪い状態でございまして、輸出の振興を大いにはからなければならぬと同時に、見えざる輸出と申しますか、貿易外の収入の獲得には、政府としまして全力を上げなければならぬということを考えております。特に私どもの担当しております観光の仕事でございますが、これはいろいろな点で私は非常に好条件に恵まれておると思うのであります。あまり抽象論は長く申し上げる必要はないかと思いますが、非常なたくさんの独特の観光資源を持っております上に、戦後の状況といたしましては、日本に対する欧米あるいはアジアの各国の関心が非常に強まっておりまして、いわば日本ブームといってもいい状態が現出いたしているわけであります。こういった状況でございますので、観光は非常に大きな希望が持てるという状況にあると思うのでありまして、この点私どもはできるだけの努力をして外客を引っぱってくるということが必要であろうと考えるのでございます。  観光事業の隘路と申しますか、いろいろやらなければならぬことは実際非常にたくさんあるのでございますが、特に私どもでいろいろな調査その他の結果から痛感いたしておりますことは、日本の場合は道路の不備な点と、それからホテル、旅館等の宿泊設備の不足、このほかにも実はいろいろあるのでございしますが、この二点は特に大きいものと考えておるのであります。  実は話が余談になって御質問からはずれるかもしれませんが、道路につきましては御承知のように本年度がら特別会計を設けまして、大々的にやることになっておりまして、私どもの方と建設省との間に主要観光ルートの道路につきましては、特別に、いわゆる産業道路の問題とあわせまして、観光的見地から取り上げて重点的に施行するということで、具体的にいろいろ話し合いをいたしておるわけであります。従いましてたとえば府県道でございましても、観光の主要なるルートにつきましては、特に建設省では国道並みにいろいろ考えようというようなことで、これが具体的に一つ一つ路線を拾って話し合いをしているわけでございます。  ホテル、旅館の問題でございますが、これも一般論は省略させていただきますが、具体的な例で申し上げてみますと、実は今観光客の最高のシーズンでございます。先般周遊船のカロニア号が横浜で事故を起しまして、横須賀のドックに入っているわけでございます。お客さんの一部の方は航空機でお帰りになったようでありますが、まだ相当部分残っておられるのでございます。もちろんこれは経済的な事情もあるかと思いますが、こちらの事情からもホテルにお泊めすることはできないという、時期が一番悪いといいますか、いいといいますか、一番いい観光シーズンでございますために、そういう状況でございます。それからこれも具体的な例で申し上げますと、ことしは例年に比べまして非常に旅館、ホテルに対する苦情が多いのでございます。これは先般もホテル関係の人あるいは交通公社の連中とも話したのでございますが、結局非常に込むために平素使わない部屋まで使うというようなこと、それからちょっとした変更ができない、もうぎっしり一ぱいになっているということから、非常に背情が多いようでございます。これは申し上げるまでもございませんが、ホテル、あるいは外人の泊れる日本旅館を通じまして、非常に足りない。一九六四年にオリンピックを持ってこようというようなことで、実は今年はオリンピックの委員会会が東京でアジア・オリンピック大会と前後してあるということでございますが、今の状況でございますと、とてもオリンピックを迎えましても、ピーク時には、先ほど申し上げたような例で、今現実に困っている状況でございますので、いかなることになるか、これはまだ六年も先でございますので、来ることにきまれば、これはどうしても準備しなければなりませんからよくなるかと思うのでございますが、きまる前に、日本の今の状態では困るのだということできまらなくなると、これは大へんなことになるのではないかと、実は非常に心配をいたしているわけでございます。競技場その他につきましては、私も準備委員会に出ておりますが、着々準備が進められているようでございまして、ことしのアジア・オリンピック大会も一つの国際オリンピックの前哨戦というか、そういうことになるのではないかと思うのでございますが、この宿泊設備一点のためにオリピックを日本に持ってこられないということになりますと、これは非常に大きな事態ではないかと思うのでございまして、実は私ども非常に心配をいたしているような状況でございます。  そこで実はホテルにつきましていろいろな問題がございます。御承知の国際観光ホテル整備法というもので保護したりいろいろしておりますが、何と申しましても当面いたします一番の問題は融資の問題でございまして、大臣もお見えになりましたが、実はごく最近に政府の融資の方針、政府関係の金融機関、開発銀行あるいは中小企業金融公庫等の、政府関係の息のかかりました金融機関からの融資の方針を政府が毎年きめておりますが、これはごく最近にきめることになっておる。私どもとしましてはその際に、わが運輸省では計画造船の問題は一つはっきりうたってありますし、これらの額もいろいろ予算の際に御議論があるわけでございますが、そこまではいかぬまでも、ぜひ柱を立てたい。現在は明確に頭を出しておりません。しかし私どもは外貨を獲得するという意味におきまして、ぜひともこれは考えてみたいということでせっかく今努力しておりまして、まずそれが第一歩ではないかというふうに考えております。もういよいよ次官会議、閣議というところまできております。まだなかなか事務的にはわれわれの趣旨が通っておりませんが、具体的にはそういう運びになっておりますことを今御報告しておきます。なお現実の融資の問題でございますが、これにつきましては三十一年度は四億ほど開銀の融資を見ております。三十二年度は少しく上りまして、大体五億弱、最終的にまだ決定しておりませんが、五億弱の開銀融資を見ることになっております。私どもとしましては、四億や五億ではまだまだいかんともしがたいというふうに考えております。  いろいろ非常に広範な御質問でございまして、まだ申し上げ足りないところがたくさんあろうかと思いますが、一応お答えしまして、足りない点はまた補足させていただきたいと思います。

濱野清吾自由民主党

○濱野小委員 観光局長のお答えを承わりますと、本委員会がかねがね論議しておりましたことと一致するようでございます。そこで私は付言しておきたいのでありますが、観光局長は、来たるべきオリンピックのみを対象としておるようでありますが、われわれは同僚とともにこの問題を急がなければならぬという考えで、過般も同僚委員が関西方面に出張しまして、それぞれの実地の調査をして参っております。その大きな理由は、もとよりオリンピックに対する受け入れ態勢には関連しておりますが、それよりもっと現実的に困っている事実がいろいろな方面から証明されております。昨年豪州から相当の客が日本に参りましたが、その客の大半は、ドル、ポンドの不足のゆえに、上陸して日本を十分観光するということができなかったというだけではなくて、むしろ単純な理由であります。すなわちホテル関係の受け入れ態勢がなくて、船の中に寝泊りせざるを得なかった。上陸が可能であり、しかも陸上で宿泊できた者はわずかに千数百人のうち三百人内外であったというような事実さえも出ておるのでございます。ことに運輸省の関係におきましては、いろいろな面から見て外客誘致のPR運動というものが、大した金ではありませんけれども国から相当支出されて、そして観光日本の宣伝をしておるわけであります。さらにまた日本のJLのごときは、直接の任務ではございませんけれども、日本誘致のこの運動に参加して、アメリカその他におきましてはずいぶん活動されておるわけでございます。金を使い、その機関を動かしてPRをして、お客をいよいよ引こうというときには、内地においてはホテルが不足して、残念ながらお断わりを申し上げるというのか現実の今の姿でございます。これは過般専門家の平山孝君の本委員会における意見としても開陳されておりまして、委員会におきましてはそれらの意見を見、現実を直視して、急速にこの受け入れ態勢を行うことによって、観光日本を建設することが可能であり、その反面においてはドル、ポンドの収支を改善することも可能である。こういうような見地から実は急いでおるわけであります。ひとりオリンピックの問題ばかりではありません。日本におきましては国際的な見本市もどんどん開かれておりますし、さらに国際会議が、アジアにおきましては日本を中心として再三行われておるのでありますが、そのたびごとに関係方面の方々が非常に苦労されておるということは局長も御存じのことと存じます。  かれこれ今までの委員会の活動並びに前任者の局長以来のこうした引き続いたこの問題につきまして、私はあらためて一つの決議案を提案したいと思います。まず決議案の案文を朗読いたします。    決議案   最近相次ぐ豪華観光船の来訪、大規模な国際会議の開催等によりわが国へ訪れる外客の数は急激に増加しつつある。特に三年後のジエツト機の就航による国際輸送力の増強並びに東京におけるオリンピツク大会の開催等を考えるとき、増加する来訪外客のため受入体制の整備は焦眉の急務である。  よって、政府は、わが国観光事業の飛躍的振興のため次の措置を強力に推進すべきである。  一、ホテル建設のため立地条件の恵まれたる国有及びこれに準ずる土地を積極的に開   放すること。  二、ホテル建設及び増改築を促進するため金融上並びに税制上の助成措置を講ずるこ   と。  右決議する。  こまかい御説明はすでに委員会においては再三論議されたところでありますから省略いたしますが、この決議案につきまして皆様方の御賛成をお願いしたいと存じます。

中嶋太郎自由民主党

○中嶋小委員長 お諮りいたします。ただいま濱野君より御提案いたしました国際観光旅客受入体制整備に関する件につきまして、これを本委員会に報告し、決議を行われるよう申し入れたいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中嶋太郎自由民主党

○中嶋小委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決定いたしました。  本日はこれでこの小委員会を散会いたします。     午前十一時十八分散会

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