運輸委員会 第21号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/04/17
会議録
○赤澤委員長 これより会議を開きます。 この際陸軍に関する小委員長有田喜一君より小委員会における交通行政、特に神風タクシー問題の調査の経過等について報告をいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。有田喜一君。
○有田委員 ただいまより運輸委員会陸運に関する小委員会における調査の経過並びに結果について御報告申し上げます。 本小委員会は三月十二日設置せられ、翌十三日、三月十九日、四月十日及び四月十七日の四回にわたり開会いたしまして、交通行政、特に神風タクシー問題について調査を進めたのであります。すなわち運輸大臣を初め関係各当局の出席を求め、内閣の交通事故対策本部自動車部会、自動車の現況、交通事故の状況、運転手の労働条件、都内の交通対策等について説明を聴取いたしました後、委員各位と関係当局との間に熱心な質疑応答がかわされたのでありますが、詳細は会議録によって御承知願うこととし、そのおもなるものを要約して申し上げます。 まず交通事故対策本部の仕事が自動車部会に向けられているが、交通事故防止については運輸省自動車局が中心となり、真相を把握して適切な方策を立てるべきではないかという質疑に対しては、運輸大臣より、事故対策という総合的な立場において関係各省の意見や対策を聞くことは運輸省として幅の広い態度と思うが、運輸行政を中心とする事故対策は、運輸省が全責任を負うてやらなければならないとの答弁があり、また事故増加の原因が、単に運転者の給与問題にあるかのように、その点だけに対策を集中することは不当で、その原因はむしろ道路と道路の上を通っているすべての交通機関あるいは通行人との関係にあるのであって、これを解決することが一番ではないかという質疑に対しては、運輸大臣より道路も問題ではあるが、神風タクシーを中心とする問題から考えれば、運転者の給与問題が心理的影響を、及ぼし、事故の一つの原因となっていることは否定しがたいとの答弁がありました。 次に、自動車事故自体は、この四年間増加しているが、ハイヤー、タクシーの事故は、減少している、事故の原因、増加に対しどれほどの認識を持つかという質疑に対しては、運輸当局より、自動車事故は自動車台数に正比例するが、ハイヤー、タクシーは最近増車されていないので、台数増加による事故はない。自家用車と営業車とは走行キロは違うが、自動車一台当りの事故からいえば自家用車の六倍くらいの増加となっているとの答弁があり、また自動車の走行キロと事故との関係はどうなっているかという質疑に対しては、警察庁当局より、走行キロが多ければ事故の起る可能性も多いが、調査は容易ではない、タクシーの事故は非常にきびしい稼働率のもとに起って、いる。いわば自動車の動き方にきわめて特色を持っている、走行キロの問題とは別にそういう性格を持った車が比較的高い率の事故を起しているという点から対策をする必要があるとの答弁がありました。 次に、事故の原因中大きな問題は、ノルマからくる疲労によると思うが、事故対策の一環としてどう考えるか、運転者の労働条件の改善について何らかの処置をとったかという質疑に対しては、労働省当局より、現在タクシー等で行われている歩合給は、経営危険まで労働者に課する好ましくない制度である、保障給の割合は大体六割程度が正しいのではないかという観点から、東京都内の基準局で業界を指導したことがあるが、基準法上きめ手がないので十分な成果は上げられなかったとの答弁があり、また、運転者の素質の向上について指導しているかという質疑に対しては、警察庁当局より、各警察本部において種々方策を講ずるとともに、交通安全協会を通じ交通道徳の意識高揚に努力しているが、事業主の指導育成に期待しているとの答弁があり、さらに、運転者の適性検査を厳重にやっているか、軽自動車、三輪車の場合はどうかという質疑に対しては、警察庁当局より、現在では施設、方法の点で不十分であるとの答弁がありました。 次に、交通事故を起した場合、行政罰と刑事罰と二重処分になっているが、一つにならぬかという質疑に対しては、警察庁当局より、運転者の責めに帰すべき死傷事件については刑事上の責任を持つことになるが、行政上の処分は運転免許の停止をもって足れりとする考えはなく、法規、技術両面で再教育しているとの答弁があり、また信号の機械化によって交通の円滑な流れが阻害されていないかという質疑に対しては、警察庁より、交通の実情に即して系統式に流れるようにしたい、大きな国道については新施設について十分研究するとの答弁があり、さらに、国道建設に際し適当な照明を設計すべきではないかという質疑に対しては、建設省当局より、現在道路の照明は義務制になっていない、橋梁、隧道、特殊構造物については施設しているとの答弁がありました。 次に、政府の業者に対する監査、指導の面が弱い、業界の協力態勢もできていない、この二つが相待って今日の混乱を来たしている、業界の協力態勢強化に対する考え方はどうか、道路運送法を改正して一元化をはかるか、中小企業団体法によるかという質疑に対しては、運輸大臣及び運輸当局より、自動車業界、特にハイヤー、タクシーの業界は全国的な組織になっていない、統一を要請したが機が熟さないという段階である、団結は団体法による方がいいとの答弁がありました。 また、健全なる労働組合を育成することによって、事故防止対策が公正に運営できると思うが、タクシー業界には組合の結成を阻止している者がある、運輸省が主導してこの弊害を除去すべきではないかという質疑に対しては運輸大臣より、各社に組合が結成されて縦横の連絡をとり、給与問題のごときは団交でやるべきである、この問題は労働省と連絡をさしておるとの答弁がありました。 次に、免許基準として労働条件を考えているかという質疑に対しては、運輸大臣より、新規免許に対しては、できる限り労働条件あるいは就業規則等を標準としているとの答弁がありました。なお以上の質疑応答のほか、満四十才以上で十年間以上の経験を持ち、無事故で通した運転者に対しては、個人営業を許すことによって、運転者をして将来に対する希望を持たせ、それが反面事故防止の一翼になってくるという意見があり、これに対し運輸大臣より、個人営業一両持ちに対しては、趣旨には賛成である、ただし大都市では研究を要する旨の答弁がありましたが、かかる零細な企業を許すことはかえって混乱を来たすおそれがあり、所期の事故防止対策にはならないという意見が多数ありましたことを申し添えておきます。 右質疑応答並びに小委員各位の意見に基き、小委員会といたしましては一応次のような結論を得たのであります。 自動車事故防止対策に関する件 自動車事故防止を図り、交通の安全を期することは緊急の要務である。之が対策としては所云神風タクシーの無謀な運転の防止に努むべきは素よりであるが、単に之が是正のみに局限すべきではなく、広く自動車事故を誘発する諸原因を探求し之を徹底的に除去すべきである。依って先づ第一に恒久策として (イ)我国特有の劣悪な道路の現状に鑑み道路の建設、改良を急ぎ一般財源投入の率を更に高めること。 (ロ)道路上における他の交通機関例えば三輪車、自家用乗用車、トラック等の運行状態につき検討を加え運行の安全と歩行の安全を期し得るよう適切な交通規制の方途を講ずること。 (ハ)駐車場の設置、道路標識及び信号の整備を行い雑然として施行される地下埋設物工事については厳重な統制を加えること。 第二に当面の問題たる神風タクシーによる事故防止のためには (イ)タクシー事業における企業の健全化、輸送と車輌数との需給の調整、公課負担の軽減及び金融の円滑化について特段の考慮を払うこと。 (ロ)運転者の素質の同上(心理、生理的診断等適性検査を含む)を期すると共に勤務制度、給与制度、厚生施設等労働条件の改善合理化を行い更に健全なる労働組合の育成を図ること。そのためには特に 左の事項につき留意すべきこと。 (1)固定給の大幅引上げを図り、刺戟的な給与制を廃止すること (2)労働基準法違反及び不当労働行為については充分な監督を行い根絶を期すると共に日雇運転者の雇傭をさけ、長期運転者の取扱いを是正すること。なお事業所休養施設を改良し、充分な休養をとらしめること (3)労働組合の組織化については無理解な経営者に自覚反省を求めるよう指導すること なお之等は概ね業者と運転者の自覚と反省によって解決すべきであるが、官庁側においても強力な行政指導を行うと共に悪質な者に対しては行政処分を以て臨むこと。 以上をもって運輸委員会陸運に関する小委員会の報告を終ります。
○赤澤委員長 お諮りいたします。ただいま御提案のありました自動車事故防止対策に関する件につきましては、小委員長提案の通り、本委員会の決議とするに御異議ございませんか。
○赤澤委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 なお本件の取扱い等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
○赤澤委員長 それではさよう取り計らいます。 この際政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。中村運輸大臣。
○中村国務大臣 ただいまの御決議につきましては、これに準拠して、事故防止を徹底的にはかりたい考えでございます。これは還輸省といたしましては、従来からも重大関心を持っておりますし、現在におきましても東京陸運同等において、最近全業者に対して監査を行う等、御趣旨に沿うことをやっております。また将来努力をいたしまして、御指摘のいわゆる神風タクシーのごとき問題が起らないように努力をいたしたいと考えております。 —————————————
○赤澤委員長 次に、昨日付託になりました地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案を議題とし、まず提案理由の説明を聴取いたします。中村運輸大臣。 —————————————
○中村国務大臣 ただいま議題となりました地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 地方鉄道軌道整備法は昭和二十八年施行以来、天然資源の開発、産業の振興上重要な新線及び運輸が継続されなければ国民生活に著しい障害を生ずるおそれのある地方鉄道に対し補助金を交付して、民生の安定に寄与して参りました。 次にこの法律案の改正点を申し上げます。毎年わが国は暴風、大雨その他の異常な天然現象による甚大な災害が発生しております。このため地方鉄道もまた毎年甚大な災害を受けておりますが、これらの地方鉄道のうち、自己資力で早急に復旧することが困難であり、かつその地方鉄道の運輸の休止等により民生の安定に著しく障害を来たすような場合、復旧に要する費用の一部を補助して災害復旧の促進をはかる必要がありますので、所要の改正を行わんとするものでございます。 以上この法律案につきまして概略御説明申し上げました。なお法律案の提出がおくれまして恐縮でございますが、災害の発生は予測することができませんので、今回この改正を行い、もって万全の措置を講じておきたいと考えておる次第でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○赤澤委員長 これより質疑に入ります。質疑はございませんか。——質疑がなければ、これより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もございませんので、直ちに採決したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤澤委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。 地方鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○赤澤委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決いたしました。 なおただいま可決されました本案の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤澤委員長 それではさよう決定いたしました。 —————————————
○赤澤委員長 次に陸運に関して調査を進めます。質疑の通告がありますから、これを許します。古井君。
○古井委員 大臣おいでの機会にごく簡単に一つ二つのお尋ねを申し上げたいと思います。一つの点は国鉄の建設審議会の開催の問題でありますが、例年四月ごろには建設審議会が開かれておるように承知いたしておりますが、ことしはこういう特殊な政治情勢でもありましたし、いろいろな点もあるかもしれませんけれども、新しい着工線とかないしは新しい調査線とか、これはやはりすみやかに御決定になることが予算の執行上適当であろうとも思いますけれども、まさかことしは新しい着工線は一つもやらぬとか、調査線はことしは全然やらぬとかいうお考えで審議会をお開きになっておらぬ意味でもなかろうと思いますけれども、審議会の開催についてどうお考えでありましょうか、お尋ねを申し上げたいと思います。
○中村国務大臣 鉄道建設審議会は、前例によりますると四月ごろ開かれておるようであります。またこれは予算が通過した後やることでございますから適当であると思いますが、古井さんも今御指摘のような政情でございますので、これをしばらく延ばしたい、こういうふうに考えておりまするが、しかし調査線その他の新線につきましてはすでに腹案は持っておるのでございまして、これを審議会にかけて御決定を願う。ことに新線建設の予算も通過をしておるわけでございますから、しばらくは御猶予を願いまして、いずれのときに建設審議会を開いて決定をして、そして着工すべきものは着工する、また将来やるべきものにつきましても、これを私は公開していいと思います。別に隠してやるべきものでないのでございまして、そして日本の産業経済の発展に地方の鉄道が貢献するようにいたしたいと考えておるのでございます。
○古井委員 今審議会の開催についてのお考えのほどは伺いましたし、こういう政治事情でありますから、時期なども慎重にお考えの辺もわからないわけでもないのであります。 そこで次にお伺いいたしたいと思いますのは、先般、たしか三月七日の本委員会でありましたか、新線建設の問題について中居委員と大臣あるいは監督局長との間に質問応答がありまして、その際に、監督局長が、この調査線の候補調査、候補路線というものについて幾つか、こういうものは原案の研究という意味で検討しておる、その中にこういうのは相当いい線ではないかという意味で例示されたと承知しております。幾つかの線を例示されたように思っています。そこでむろん例示でありますから、それ以外にはないというわけのものでもなかろうし、きちんと網羅的にはっきりしたものと考える必要もないかもしれぬと思いますけれども、あの例示の中に掲げられたものと同等ないしは場合によったらそれ以上緊要性というか、重要性のあるものも漏れて起るような気もするのであります。そこでそのものの一つとして、実はちょうど数日来関係者でいろいろその問題について論が起っておりますのでお尋ねしたいのであります。 その一つの問題として、ちょうど数日来関係地区の町村長、議長あるいは県会議員など二十数名が集まって、非常に熱心に調査線にというので要望しており、かつ国会の皆さんも関係地区の方が、ちょうど一昨日でありましたか、十数名衆参の方がお集まりになったりして、非常に関心を持っておった一つの線として、智頭——上郡線というものがあったのであります。つまり因美線の鳥取県の智頭町から岡山県の大原町を経て、そうして兵庫県の上郡、すなわち山陽本線につなぐ路線の問題でございますけれども、この問題について、関係の人などから沿線地区の産業文化の発展のためにも非常に熱望が強いのみならず、山陰地方というものと関西、京阪神地方とを直結する動脈のような線であるという意味で、山陰地方全体あげてこれは関心を深くしておるのでございます。その線のごときが例示の中から漏れておるというわけであります。そこでいよいよ原案というか、当局の御案を御研究になるときには、その辺は御如才もありますまいけれども、そういう重要と考えるような線については、御考慮があり得ると確信はいたしておりますけれども、ちょうど昨今のことでもありましたもので、この機会に、この例示をされた以外であってもお考えになるかどうか。その辺またその他にも同等あるいはそれ以上と思われるような例を、たとえば今の智上線のごときものもあります。ことにこの智上線の問題などにいてはどういう見方をなさっておるか、先般の例示と関連いたしまして、御所見を伺いたいと思います。こういうような具体的な、いわば地方的な問題についてお尋ねするというのはあまり好まないのでありますけれども、たまたまああいうふうな先般御発言もあったりしましたので、この機会に御所見を伺ってみたい、かように思います。
○中村国務大臣 去る三月七日と記憶いたします。中居委員から新線等について御質疑がございました。また調査線などにつきましても、当時監督局長から具体的に申し上げたと思います。そうしてそのほか例示したものもございます。そこで今の御指摘の線につきましては、あるいはその他につきましては、鉄道監督局長より書類を持っておりますから御説明申し上げます。そうしてこれがやがて建設審議会の原案の原案になると思いますので、私はここに公開申し上げても差しつかえないものと思っております。どうぞ説明をお聞きを願いたいと思います。
○權田政府委員 前会御説明申し上げましたが、再度ここであらためて御説明申し上げます。前会御説明申し上げましたように、これは例示でございまして、これが特に調査線になるという意味で御説明したのではないのであります。鉄道建設線につきましては、すでに、御案内のように、第二十回の鉄道建設審議会で、十一線が着工線となりまして、現在建設工事を継続しております十五線と合せて、この十一線が本年度から新規着工になるわけでありますが、これ以外に同じく第二十回の建設審議会において、十六線が調査線になったわけでございます。建設費につきましても、そのときの建設審議会で、鉄道建設費の規模は、さきに本審議会の決議により、当分の間国家財政その他から毎年六十五億円程度を維持すべきであることを答申したが、わが国の資源の開発、産業の振興等をさらに促進し、国力の増進をはかるためには、可能な限りすみやかに鉄道網の整備拡充を達成することが緊要である。よって今後の鉄道建設費の規模はさきの答申にかかわらず、さしあたり百三十億円程度として、さらに将来には自後の建設規模は、逐年わが国経済の発展に対応せしめるよう措置することを適当と認めるというような御建議があったのでございますが、三十三年度はすでに予算で御審議願いましたように、これを国家財政の見地から九十億にとどめざるを得なかったのであります。そのとき調査線十六線が入りましたのは、この予算の規模及びすでに着工中の路線の進歩状況等に応じて、調査を開始すべき新路線として十六線をあげる、こういうことになったのです。この調査十六線をあげまするときに、実は四十数線について、いろいろその経済上の問題、国民生活上の問題、輸送の交通経路の形成、資源の開発というような点から吟味されたのでありますが、その四十数線から十六線選ばれましたので、その当時の表からは二十数線残ったのであります。その二十数線残りましたものは、この間例示でお示ししたにとどまるのでありまして、従って今回この調査線をどう考えるか、これは前回のお考えの場合には、この四十数線に限らず、たといこの四十数線以外でも敷設表別表にある中に重要なものはないかということも御審議されたのでありまして、その結果この十六線が選ばれたのであります。従いまして今後、この調査線が問題になりますれば、やはりすでに着工中の路線の進み工合、並びに今後の予算の規模の見通し、これと相応じて御選定に相なるかと思うのでありますが、今私どもの手元には先ほど申し上げました十六線が選ばれた際に提出いたしました路線の残と、それ以外にさらに図上調査を加えましたもので、四十数線のいわば調査候補路線というようなものの概要を図上で調査いたしております。さらに実は調査候補路線に編入すべく図上調査を要望して参られておる線が、これ以外にも四十六線ばかりございます。従いまして、現在としては私どものところへ各般の御要望をいただいております線は、合せますと七十線ないし八十線くらいに及んでおるわけでございます。今後鉄道建設審議会が開かれました際には、当然この調査路線の問題が議題となると存じますが、その際にはこれらの線の中から、またこれらの線以外でも、敷設表別表で特に重要なものがありますれば、これを一応全部御審議になるという審議経過になると私どもは心得ております。 ただたいま御指摘になりました智頭—上部間の線は、私どもの図上調査の候補路線には入っております。この線は山陽本線上郡駅から姫新線佐用駅を通りまして因美線の智頭駅に連絡いたします鉄道敷設表の別表予定線であります。これは陰陽の短絡線を形成いたしまして、阪神地域と山陰地方の経済開発に非常に役立ちますし、木材資源もございます。工事としては途中中国山脈を横断いたしますために、地形がやや急峻でございまして、ただいまの図上調査の段階では延長は約五十七キロ、五十二億程度の建設費を要する。隧道が十四カ所、相当ございます。従いましてこれらの線も今申し上げました各線の中にあわせて、鉄道建設審議会が開かれますれば、その調査線についての御審議を煩わしたいと事務当局は考えておるわけであります。従いましてこの予算規模とにらみ合せまして、今後の建設審議会で調査線を入れるか入れないかということを御議論、御審議になると心得ておる次第であります。今までの経過をあらためて御説明いたした次第でございます。
○古井委員 ただいまの大臣と局長の御説明で大体了解いたしました。そこで私が特にあの線をあげてお尋ねいたしましたのも、先ほど申しましたように関係地区、衆参両院の議員の方十数名が集まっての総意を代表してお尋ねをしたようなことでもありまして、その辺の事情はすでに御承知と思いますけれども、今後の取扱いについては特別なる御考慮をわずらわしたいと、この希望を申し上げて質問を終りたいと思います。
○赤澤委員長 松原君。
○松原委員 先ほど陸運に関する小委員会の報告を小委員長からされたのでありまするが、これに直接関係はございませんけれども、ある意味では関係のある事柄について、ごく簡単に一つ大臣及び自動車局長にお伺いをしておきたいと思うのであります。 それはあの小委員会の結論にもありましたように、現在自動車事故を防止するためにも、その他運輸省の自動車行政に対してそれが適正に行われるかどうかについて相当大きな関係を持っておるものは、やはり業界の協力態勢であると思うのであります。この協力態勢が、結論にもありましたように必ずしも万全ではない、こういうふうな現状であるのでございまするが、私どもはこの自動車事故の問題を見るにつけましても、この自動車業界の運輸行政に対する協力態勢を一つ強化しなければならないのではないか、かように考えておるわけでございまするが、自動車業界の態勢がどういうふうな状態になっておるかということについて、一つ簡単にお伺いをしておきたいのであります。
○中村国務大臣 タクシー等の事故防止問題につきましては、去る三月十日、ことに御指摘にありましたいわゆる神風タクシーの問題につきまして、協会の代表者を招きまして懇談をいたしました。その空気は大体協力的でございます。また今日こういうふうに世論がやかましくなり、また衆参両院におかれましても、運輸委員会において非常な御努力をもって事故対策防止の具体策をお示しになっておるのでございまするから、私は国会並びに世論の動向をよく察知して、業界が従っていかなければ、業界そのものの健全なる発達は不可能であり、また国会並びに世論から指弾される結果になると思うのでございまして、この点は私の察知するところによりますると、協会等におきましては非常に悟るところがあって、対策を具体化しておる向きもあるようでございます。もとより私は紙の上の調査でございまするけれども、中にはいいのもございますがずいぶん悪いものもございまして、この点は私たちも先ほど申し上げましたように、会社全体に対しまして監査を始めておる次第でございまして、協会が二つに割れておるように聞いておりまするが、これらは一つになっていただくということが望ましいことだと私は思うております。詳細は自動車局長よりも御質問によってお答え申し上げたいと存じます。
○山内(公)政府委員 御指摘の通りあらゆるタクシ—の問題につきまして、私どもが強力な行政指導をするということはもちろん必要でございますが、それを受け入れる業界が強力であれば、やはり末端にまで行政の施策あるいは業界全体の意思が浸透するわけでございます。その点につきましては、ただいま大臣がお答えいたしましたように全国的には二つの協会があり、東京においては三つの協会があるということは御承知の通りでございまして、運輸省といたしましては特に全国的な協会が二つあるということはやはりいろいろ問題が多いし、この業界の健全な発達のためにも望ましくないということで、一本になるようにしばしば勧告をいたしております。特にいわゆる神風タクシーというような問題を解決いたしますためには、われわれも強力な行政指導をしなければならないことはもちろんでございますが、業界自体として自治的にこれを解決されていくことが最も望ましいことでございまして、そのためには現在あります東京の三団体、あるいは全国的な二団体が統一をされ、十分本日の当委員会の御趣旨も体しまして、今後事故のないタクシー界を作り、また明朗なタクシー界を作るという意味におきましてもわれわれは必要であると思いまして、今後ともその点につきましては万全の努力をいたしたいと存じます。幸い最近におきまして両協会が相当歩み寄って、一つになろうという空気も濃厚なのでございまして、われわれといたしましてもそういった協会の統合につきましては十分協力をし、その目的を達するように努力をいたしたいと思います。
○松原委員 実はこの問題につきましては先ごろ申し上げたかと思いまするが、前々あるいはもう一つ前の大臣でありましたか、三木武夫君が運輸大臣の際に私どもいささか携わりまして、そうして業界が分裂をして事ごとに衝突をやっておるというようなことでは、これは公けにもまた私的にも非常におもしろくない結果を来たすので、業界の健全なる発達及び運輸行政の徹底のために、一つぜひ全国的な団体も一つになりなさい、東京の団体も一つになりなさい、こういうことを三木運輸大臣から強く要望がございまして、私自身も業界がそうあることを実は業界を代表して約束をした、そういう経過があるのでございまするけれども、その後なかなか業界はその約束を実行することができなくて今日に及んでおるわけであります。幸いにも山内自動車局長のお話では、東京において一つになれるような機運がきざしておるというお話であり、かつそれについては運輸省も協力をして指導をしておるというふうなお話でありますので、まことにけっこうであり、その目的が一日もすみやかに達せられるように私もお祈りをするわけでございます。しかし全国の二つを一つにするということは、実は分裂した場合も東京が分裂したから全国が分裂したのであって、東京が一つにならなければ全国は一つにならない、こういう情勢であるのでございます。しかもなぜ二つに分れなければならないかという点については、筋の通った理由はないわけでありまして、どうしても公的な立場から申しても、あるいは業界自体の立場から申しても、この際機運があるならば一挙に一日も早く一つになって、全国団体も従って一つにして、そうして今日問題になっておるような点、あるいはその他の点について、業界の健全な発達のためにこの一本化、統合化ということが行われなければならないと私は信じておるわけでございます。従って運輸省としては、これはもう約束もあることでありますから、いわゆる業界に対する干渉などというようなそしりは決して受けない経過と事情があるのでございますから、一つこの際運輸大臣におかれても、思い切ってその促進をお願いしたい、かように考えるのでありますが、これに対する大臣の御所見をお伺いしたいのであります。
○中村国務大臣 仰せのことは私もまことにそういうふうに考えます。ことに事故防止対策、いわゆる神風問題等に関連いたしまして、業界に対する国会並びに世論の注目というものはずいぶん強くなっております。こういう機会をとらえて円満な解決をはかるということは私どもも考えております。問題はただ人的構成をどうするという、これはなかなかむずかしいと思いますが、これも当局なり私なりが、干渉がましいことは私は好みませんが、行政的な懇談によってその目的が達せられますように考えておる次第でございます。
○松原委員 陸運小委員会を開いておりました節に、業界の団体としては、中小企業団体法による団体を作ればどうだというような御意見がちらっと出ておったようでありますけれども、御承知の中小企業団体組織に関する法律というもので作り得る団体は、これは不景気であって業界が非常に変っておる際、あるいはそのおそれがある際に限ってこれは作ることになっておりますので、従って自動車業界にはおそらく当てはまらないと思うのであります。その点について業界にも多少の誤解があるのでありますから、そうでなくて現在まであったような団体をとりあえず統合、統一せしめるという方針で臨んでいただきたい。なお中村さんがあまり干渉がましいことは云々という御態度は非常にけっこうでございまするけれども、先ほど私が申し上げたように、何代も前の運輸大臣にさえ業界が約束しておる事柄であってその約束を守らないということは、これは幾らでも運輸当局からなじることができるほどのいきさつになっておるのでありますから、あまり遠慮しないで相当強力に指導してもらいませんと、なかなかむずかしい業界でありますから、その点は一つ腹をくくって自動車局長も当っていただいて、この際絶好の機会でありますから、ぜひ年来のガンを解消してもらうように私は要望しておきたいと思います。
○赤澤委員長 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○赤澤委員長 では速記を始めて下さい。
○小山(亮)委員 議事進行につきまして大臣にお伺いしたいのですが、先般大臣は当委員会において、南海丸の沈没事件に対して政府としては特に須田部長を調査にやっておる。あの事件に対しては議員が質問するだけであって、政府からはこれに対する調査事項等の詳細な報告がないという委員からの意見に対しまして、大臣は、進んで運輸省から調査にやった人等も当委員会に出席さして、その調査事項の全部を委員会に報告するということを言われた。私はいつその時期が来るかと思って待っておったが、いまだにそういうような報告がない。議会は御承知のようにもう総選挙が近づいておるのでありますから、その前に私たちは詳細な報告を聞いて、なおそれに対しての質問をしたい、こう思います。この点に対して大臣は、前回において約束されたことをいつ御実行になるか、これを伺いたい。
○中村国務大臣 正木君からの御質疑に関連いたしまして、私は須田水路部長を派遣いたしましたことにつきまして、その調査結果はいつでも御報告申し上げるということを申し上げておきました。従って御要求によって水路部長をここへ出席せしめまして、報告をいたさせます。ただし御了承を願いたいことは、海難審判庁の理事官も行っておるのでございまして、この理事官の中間報告はこれは御容赦を願いたいと思います。しかし須田水路部長の報告は、私も聞いたのでございます。私も聞きましてそれを私だけでしまっておくのは——相当あの人も熱心に研究いたしておりますから、こういうことは各方面からの調査を御報告申し上げて、それを一つお考え願って総合的に判断をしていただくということは、私は海難審判を待つまでもなく、政治的に当然やるべきことであり、またやるつもりでございますから、いつでも御要求をお願いいたしたいと思います。
○小山(亮)委員 当時の速記録によりますと、大臣の御答弁の中に、「参議院の運輸委員会では委員の方々の中には、海難審判しないうちに、そういうことを言ってはどうかというような意見もございますが、運輸省では次官が法務省にこういうことを言ったのかどうかということを確めておるはずであります。私は事原因に関する問題でございますから、一応確めてみることを考えております。そしてこれは海難審判庁の審判を待つまでもなく、私どもはあらゆる方面から調べたことをここで公開で御報告する、これは私は考えております。それでございますから、私はここへ報告したと思うのでございますが、海上保安庁の須田部長を派遣いたしました。私は読売新聞であの人の意見を見て、君がそういう意見を新聞に発行なさるならばいらっしゃいというので、私は派遣いたしました。私はこの報告をある程度聞いたのでございますが、委員会には言わなかったかどうか、これはもし機会があったら私は報告するようにさせます。もとよりあの人の見たところは、海上保安庁のいろいろの方面の情報、ことにあの当時には運隆丸とか喜志丸とか、あるいは大きな貨物船も通っておる。そういうものについても海上保安庁は調べておるはずでございます。それでございますから、これをもって決定的だという御判断はどうかしていただかないことにして、一つの見方であるというふうにしてお聞き取り下さいますならば、私はこの次にでも、今でも須田部長を呼んで、あの人のまじめな報告でございますから、これは皆さまに申し上げてよろしい、」こういうことを言っておられる。ですからそのときでもいい。この次に呼んでくる、こう言われたので、その次にお呼び出しになることだろうと思って待っておった。もとより正木君の質問は社会党としての質問でありますから、私も相談をして重複しないように質問をしている。あなたがこの次にでも須田部長を呼んでまじめな報告をさせるということをおっしゃっている。でありますから、そのおっしゃっていることがほんとうなら、私の方から要求をせぬでも、あなたの方から報告をさせる、こういうことを言っているのですから実行していただきたい。
○中村国務大臣 それは実行いたします。どうぞ須田部長の調査の報告をお聞き願いたいと思います。
○赤澤委員長 本日はこの程度にいたし、これにて散会いたします。 午後零時五分散会 ————◇—————