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28回国会衆議院1958/04/10

運輸委員会 第20号

発言数
54
登壇者
10
会派数
2
開催日
1958/04/10

会議録

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 これより会議を開きます。  陸運及び海軍に関して調査を進めます。質疑の通告がありますから、これを許します。正木君。

正木清日本社会党

○正木委員 私はこの機会に簡単に国鉄の経理状態についてお尋ねしたいと思うのです。  まず第一にお尋ねしたいことは、昭和三十二年度も終って新年度に入ったわけでございますが、最終的な損益勘定はもちろん明らかになっておらないと思いますが、三十二年度の損益決算の見込みについては、国鉄としては大体見通しがついておると思いますので、この機会に国鉄としての三十二年度の損益勘定の決算見込みについて数字を明らかにしてもらいたい、こう思います。

久保亀夫日本国有鉄道常務理事

○久保説明員 大体の数字を申し上げます。もちろん決算は確定いたしておりませんので、ごく概数でありますが、まず収入の面は大体四十億ほど予算に対して減収になる見込みでございます。それから経費の面では御承知の退職手当とか、あるいは石炭の値上りその他いろいろございまして、一方相当節約をいたしたのでございますけれども、差引約六十億ほかより上回るということで、約六十億ばかり資本勘定への繰り入れを減額するということを、これは先般前年度内に運輸省、大蔵省の政府の承認を受けて経費を流用したような結果になっております。それともう一つは、これは損益勘定と直接は関係ございませんが、財政投融資の百億繰り延べのうち四十三億は御承知のように財政投融資を戻していただきまして、差引五十七億がその面では繰り延べになっておる。この三つが、こまかい内容は別といたしまして、それに関連する大きな決算の見込みでございます。

正木清日本社会党

○正木委員 もちろん決算見込みでございますから、お互いに正確な数字はここで議論の対象になりませんが、当初予算から見ますと、営業収入の面で四十億の減ということが答弁で明らかになったわけですが、この四十億収入減ということになりますと、国鉄の五カ年計画その他を勘案してみても、私は少い数字だとは思っておりません。そこでこの四十億は、貨物収入の面と旅客収入の面で当初予算と比較いたしまして、一体どのような数字と比率になっておるか。それからもう一点、やはりこの機会に明らかにしておきたいと思いますことは、三十二年度の事業計画をお立てになるときに、国鉄のあなた方が立てた事業計画と、実際に予算折衝をいたします場合、大蔵省との事務折衝の場合において大蔵省があなた方の意見を押えて、神武景気というものを前提として、私どもの言葉でいう水増し収入をあなた方に押しつけたのではなかったか、こういう点について、私はやはり今後の経済事情の見通し等もありますので、忌憚のない答弁をこの機会にしておいてもらいたいと思います。

久保亀夫日本国有鉄道常務理事

○久保説明員 第一の御質問の点は、四十億の貨物、旅客の区別でございますが、これも概数でございますが、貨物が三十億弱、それから旅客が十億強と、貨物の減収の方がやや多い、こういうことでございます。  それから第二の点でございますが、この点はいろいろ当時の折衝の経過もございますが、私ども初めに三十二年度の予算を提出いたしましたのは、御承知のようにおととしの八月ごろでございまして、そのころ神武景気がどんどん上り坂ということでございましたので、その辺の見通しはいろいろ議論がございましたが、最終的にきまりましたのは——その間二、三度途中で変動いたしておるのでありますが、私どもの当初出しましたよりも約八十億、きまりました予算と申しますか、国会へ出しました予算は収入で多いということでございます。それは水増しということにもなるかもしれませんが、当時最終にきまりましたのは十二月から一月に入ってのことでございまして、そのころは神武景気の絶頂期でございますから、相当強気に見るという見方もあったわけでございまして、私ども大蔵省あるいは運輸省との調整と申しますか、査定に同意したわけでございます。それでそれか非常な水増しであったかどうかと申しますと、必ずしもそうも申せませんで、実は収入状態が悪くなりましたのはことしに入ってからでございまして、去年の十二月一ぱいまではちょうど予算程度の収入を上げておったわけでございます。この一月に入りまして比較的急角度に悪くなりまして、それが四十億近い減収になったおもな原因でございます。そういう結果から見ますと四十億減りましたけれども、当初のわれわれの見込みから見ますと逆に四十億多いということになるのでございますが、その辺の情勢の変化ということでございまして、水増しを極端にしたとも考えておりませんが、ことに本年度になって状況が悪くなったのか減収の原因だ、こういうことになっております。

正木清日本社会党

○正木委員 予算委員会ではございませんから、私はこの問題でこれ以上お尋ねしようとは思いませんが、そうしますと、三十三年度衆参両院を通過いたしました国鉄関係の予算の収入の組み立て方は、どこに基礎を置いて予算をお組みになったか。事業収入の組み立て方の基礎ですね、これを一つここで説明してもらいたい。

久保亀夫日本国有鉄道常務理事

○久保説明員 最終的にきまりました収入の立て方は、昨年の十二月からこの一月にかけてきめたわけでございますが、十一月までの実績をもとにしまして——これは急激に減って参りましたが、十一月までの実績をもとにしまして、根本の考え方といたしましては、経済企画庁の立てられました経済計画の年度計画をもとにいたしまして、たとえば旅客収入で数字的に申しますと、三十一年度対三十二年度の個人消費支出の増加が八%、つまり三十二年度ある収入が上りました、その基礎となります個人消費支出の増加がかりに八%ある。ところがちょうどそれに相当する場合の国鉄の旅客収入はどれだけふえておるかというと、五・二%ふえておる。つまり八%消費支出がふえれば旅客収入は五・二%の割合でふえた。これは一つの実績でございます。そういうふうにリンクしてふえて参る。こういうふうな考え方をもとにしまして、今度は三十二年度対三十三年度、つまり本年度の個人消費支出の増加率は、ただいま出し上げました経済企画庁の年度計画でこれが五%ということに相なっております。その五%に対して旅客収入が八%と五・二%のリンクの割合でふえていく、つまり五%かける八分の五・二三という割合でふえると考えたのが、本年度の旅客収入の見方でございます。その結果三・三%という数字が出たわけでございます。貨物につきましても同様に、やはり経済企画庁の年度計画をもとにしまして、鉱工業生産品は四・五%ふえる、生産量のふえただけは輸送量がふえる。従来の実績からそういう傾向がございますので、四・五%増と見込む、それから農林水産品については生産量の増加が一・四%だ、その割合でふえるということではじき出したのが貨物収入でございます。要は全体の経済の推移に応じて、輸送量がある率で増加して参るという考え方をいたしたわけでございまして、それと、かたがた私ども過去の国鉄の輸送自体の計数も一応頭に入れまして結論を出した次第でございます。

正木清日本社会党

○正木委員 三十三年度の営業収入については、経済企画庁が立てました長期経済計画を基礎にしてお立てになったということでございますが、私は理論としてはこれは一応成り立つと思います。しかもその理論の上に立って国鉄としてはいろいろ今日までの事業上から見た経験を基礎にして立てた、こうおっしゃいまするから、私は一応安心はいたしますけれども、この経済企画庁が立てた、いわゆる政府の立てた新長期経済計画なるものは、あくまでも努力目標なのです。そこで金融政策なり財政策でいろいろの手を打ってはおりますけれども、世界経済に極度に支配される日本経済の今後の見通し等から勘案してみて、国鉄当局としては、議会を通過した予定の営業収入が今年度においては大きな変化がなくて実行できるという自信に満ちた見通しをお持ちになっておるかどうか、この一点だけを伺っておけば私はけっこうでございます。皆さん方に自信がおありになるのかどうか。昭和三十二年度のように、決算期に来て四十億も収入減を来たすということになりますと、今年度は予算の操作、事業の繰り延べ等でどうにかつじつまを合わしていくことができますが、三十四年度になりますと、国鉄というからだは相当衰弱して参りますから、衰弱をさせないためにば三十三年度の営業収入に対しては、相当自信の持てる見通しをお持ちになるということが一番大切ではないかと思いますので、この見通しについて確たる御答弁を願いたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 国鉄の収支につきましていろいろ御心配をいただきますことを、厚く感謝いたす次第でございます。国鉄の収入と申しますのは、やはり国力の状況によって大きな波があるのは当然でございます。われわれ増収について努力もいたしますが、それ以上国鉄収入を左右する大きな因子と申しますか、ファクターは、やはり経済界の動きというものでございます。それでこの国力の動向と申しますか、これは私どもではわかりません。そこには海外の情勢もございましょうし、輸出入の情勢もございましょうし、金融の操作もございましょう。そういうことによりまして国力の発展の消長の度合いがきまることが非常に多いと思います。従いまして、私どもはそういうデータをもって国力を判定せられる企画庁の数字をもとにして、予算を策定いたさなければならないのでございます。言いかえますれば、企画庁が国力の判定として示された数字と違う国鉄独自の数字で収入の予定を立てますれば、これは独走になりまして、かえってこの点各方面のおしかりを受ける原因となるであろうと考えますので、最近のように国家経済の変動の激しいときには、やはり国家のきめられたデータによって収入をはじくより道がない、またそれが一番当然のことである、こう考えておるわけでございます。従いまして先ほど申し上げましたように、企画庁の策定された数字を根拠にして三十三年度の収入の予定を出したのでございますが、これについてほんとうに自信があるかどうかというお話でございますれば、これはやはり国家経済の動向によるのであって、私どもが自信を持つ持たぬという問題ではないように考えます。ただいま企画庁の数字は努力目標が入っているのだ、こういう仰せでございますが、三十二年度の国鉄予算についても努力目標は入れてございます。私どもが収入支出を立てます場合には、やはりそこに努力というファクターを入れて、収入についてはできるだけいろいろな工夫をして増収をはかり、経費についてはいろいろ工夫をして節約をする、こういう意図をもって組んでございます。その努力目標がけたはずれに大きければ、われわれ微力で追いつけませんが、予算としては努力目標が必ず入ってくるのが当然だと考えております。従いまして三十三年度におきましても、一たんお引き受けした以上は管理者の責任でございますので、査定の過程にいろいろなことがございましても、国会に提出した以上は、多少の困難がありましてもぜひ達成して参りたい、またそうでなければならぬと覚悟いたしております。国鉄の収入は長い期間で見なければなりませんので、わずかな期間で一喜一憂するのはおかしいと思いますが、この年度を越えて貨物の収入は大した伸びがございませんが、旅客については対前年度よりも相当伸びて参りますので、そういう点も勘案して何とかこの収入を確保するため努力するつもりでございます。

正木清日本社会党

○正木委員 小倉副総裁から、一たんお引き受けした限り自分たちの責任において予定収入は上げるのだというかたい御決意の批瀝がありましたから、事三十三年度の見通しでございますので、私はこれ以上御質問を申し上げようとは思っておりません。ただ私は、この機会に三十三年度の見通しについてお尋ねしたのは、かりに三十二年度の決算に現われたような大きな収入減を来たすことがあるとすれば、来年から国鉄の五カ年計画に大きな支障をそろそろ来たすのではないか、こういう心配の余りです。今小倉副総裁が述べられたように、予定の収入を上げるためのせっかくの御努力が望ましい、こう私は考える。  そこで次にお尋ねいたします。六十億の予算の操作でございますが、これは退職金の問題、石炭値上りの問題その他ございます。この六十億は具体的に言うと、物件費の中で操作されたと想像いたしますが、物件費の中のどの点から操作されたのか。

久保亀夫日本国有鉄道常務理事

○久保説明員 ただいま私の御説明が不十分であったかと思いますが、この六十億は、はっきり申しますと経営費が予算のほかにはみ出まして、資本勘定へ繰り入れる資金を食った、すなわち工事費の財源を食った、こういうことでございまして、経営費が予算プラス六十億ということに実行上相なったということでございます。一方、もう一つ問題といたしますのは、たとえば期末手当二しかないのを二・五五出す。こういったものは物件費の節約等で出しておるということで、全体としては六十億赤字が出た、こういうことでございます。

正木清日本社会党

○正木委員 そうすると三十二年度は四十億か収入減、これは動かしがたい事実です。そこへ六十億食い込んだとすると、百億です。三十二年度で議会を通過いたしました公債の繰り延べが現実には五十七億ございます。そうすると、三十二年度の国鉄全体の予算経理の中で、四十億プラス六十億プラス五十七億でございますから、百五十七億というものが三十三年度へしわ寄せになった、こう常識上考えて差しつかえないと思いますが、いかがでありますか。

久保亀夫日本国有鉄道常務理事

○久保説明員 ある意味では確かに先生のおっしゃる通りでございます。私どもとしましては、できるだけ工事の工程は延ばしたくないということで、その百五十七億のうち百億近くは一応工程を延べざるを得ぬということになっておりますが、その他につきましては極力一時資金、運転資金の運用でしのいでいく。たとえば未払いというものは若干ふえる、しかし工程としては影響させない、将来来年度かあるいはさらに次年度にわたるかもしれませんが、資金の好転次第これはやっていく、工程にはできるだけ支障を来たさないというような努力なり手段は講じておるわけでございますが、単に数字の点で申しますと、今先生のおっしゃったことも、ある意味では当っておるかと思います。

正木清日本社会党

○正木委員 工事計画については支障を来たさないためのあらゆる努力を払う、こうおっしゃることは、それは小倉さんの言葉ではございませんが、一たんお引き受けしたあなた方の事業計画なんですから、その努力を払うことは当然だと思うのです。従って未払い勘定等も出てくることでしょう。これは当然なので、そのことを私は質問しているのではなくて、現実に決算書の中に具体的に出てくるものは、常識から言うと百五十七億というものはいやであろうといやでなかろうと現実には三十三年度へ食い込んでくるのだ。そうすると今支払い勘定その他で操作をしておりましても、よほど三十三年度の営業収入等において予定以上の収入が上ってきませんと、たとい国鉄のような大きな事業勘定を抱いておる事業であったとしても、百数十億からの操作をすることはなかなか困難になってくる。それが私は、残念ながら三十四年度になって端的に表面にそのしわ寄せが露骨に現われてきはしないか、こういう心配がありますので実はお尋ねをしたわけです。いずれにしてもここで明確になったことは、百五十七億というものはいろいろの意味で国鉄の財政に非常なしわ寄せを来たしておるという事実が明らかになりましたので、私はこの問題はこれで打ち切りたいと思います。  その次にお尋ねしたいのは、これは運輸省の方に聞きたいと思うのですが、東海道新幹線の建設については、国鉄の中には何か新幹線のこれらの調査研究のための特別の機関ができて、そうしてこれの調査研究をやって、しかもすでに具体的な青写真が完成したと新聞は報道いたしております。東京—大阪間の高速列車のための新幹線の建設を促進して、輸送の飛躍的増強をはかるのだ、こういうことが新聞でも報道されておりますし、当委員会でもこのことか大きく皆さん方から構想が述べられたのですが、この東京—大阪の高速列車による新幹線の建設というものは、具体的にはどの程度まで進んでおるのか、これをお伺いしたいと思います。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田政府委員 こちらからお答えいたしたいと存じますが、ただいま御質問の点は、実は私どもの運輸省に日本国有鉄道幹線調査会というのを設けまして、これが昨年の秋でございます。これは部外の各方面の権威者をわずらわしましてこのメンバーになっていただきまして、これがずっと会議をしていただいております。実はこの幹線調査会に、日本国有鉄道東海道本線及びこれに関連する主要幹線の輸送力増強並びに近代化の基本的方策いかんということで、諮問を大臣からいたしたわけであります。自来慎重に御審議の結果、昨年の暮れに中間答申が出ました。この中間答申は、輸送需要なり、鉄道以外の他のいろいろな交通機関、たとえば自動車とか内航船舶とか航空機等々の長期輸送計画も審議せられました結果、大体輸送の行き詰まりの時期を推定されて、東海道に新規路線を建設する必要がある、こういう結論をいただいたわけでありますが、その結果なおこの調査会におかれまして、第一分科会と第二分科会というのを分けて作りまして、この第一分科会の方で、その線路の形態その他技術的な両も審議し、第二分科会の方で建設の所要資金、収支の見通し、資金の問題、こういう実行方法の問題を検討されまして、ただいまの段階では、第一分科会としての本調査会に対する報告事案、第二分科会の本調査会に対する報告草案程度まで進行しております。従いまして近くこの分科会がそれぞれ調査会にその草案を出して、これを総会で審議いたします。こういうのが経過の大体の概要でございます。その実際の実行段階には実はまだ入りかねておるわけでございまして、私どもとしてもいろいろ貴重な資料をいただいておりますので、この結果に基いて本年度はとりあえずこういう線をも勘案しつつ、これの本格的な調査と申しますか、いろいろな調査に入りたい、こういうのが現在までの過程でございます。

正木清日本社会党

○正木委員 東京—大阪間の新幹線の促進については、本年度は本格的な調査に入りたい、仰せの通りだと思います。すでに予算でも三億が計上されておる、こう心得てよろしいと思うのです。本年度から本格的な調査に巨額の予算をもって入るわけですが、私がこの機会に大臣にちょっとお聞きしておきたいと思いますことは、この東海道新幹線の建設促進と関連して、現内閣の中でも非常に発言力の強いといわれる河野経済企画庁長官は、しばしば新聞記者との会見の席上で、自分としては東京—大阪間の輸送その他の隘路を打開するためには、すでに議会を通過した縦貫高速自動車道路をこの東海道に回すことが最も適当である、こう自己の意見を発表しておるわけです。そこで、運輸省としてはすでに三億の予算もつけて本格的な調査を今年度から始めるわけですから、これは政府の方針である、こう心得て差しつかえないと思うのですが、企画庁長官の河野さんのこの談話と合せて考えますことは、閣議その他で河野さんから具体的にこういう発言がなされたのかどうか。せっかく運輸省及び国鉄が三億の予算をもって本格的な調査を今年度から始めて、そして具体的に実施段階に入って待ったをかけられるようなことになったのでは、非常に一大事でございます。実は内心私はそれについて若干心配があるわけなんです。一体閣議等で河野さんからそういう具体的な発言があったのかどうか。要するにこの東海道の新幹線の建設というものは、私どもは政府の国策として、たとい内閣がかわっても微動だもしないのだ、こういうものの考え方の上に立っておりますが、この点について大臣からお聞かせ願いたい。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 中央道ということは法律できまっておるのでございまして、私どもはこれは動かすべからざるものであると思います。現に建設大臣も衆議院での御質問に対して、動かすものではないということを申しております。私もその通りでございます。ただ企画庁長官が個人的に新聞等においておっしゃっておるようなお話でございますけれども、閣議におきましても、またこの間第一回をやりました交通関係閣僚協議会の席でも、正式にそういうことを言ってはおりません。これは私から申し上げておきます。それから東海道の新幹線は、ただいま監督局長から申しましたように、いずれ正式に調査会から答申が出てくるだろうと思います。今の傾向を見てみますと広軌別線という答申がくるのではないかと思います。これを実現する場合には一千七百億円要るように計算されておりまして、この資金をいかにして得るかということも将来大きな問題でございまして、私もその答申の内容を見まして今後努力をしなければならぬと思っております。中央道のことは法律通りに実行していきたい、こういうふうに考えております。

正木清日本社会党

○正木委員 大臣から一つの政府の方針として、この東海道新幹線の建設については心配は要らないのだという所信の表明がありましたので、一応私も安心をいたしました。  それからこれに要する一千七百億というのは、これは監督局長にお尋ねするわけですが、これは建設関係の資金でございましょうか、この建設関係以外の所要資金を含めたものが全体として一千七百億と心得ていいのか、この点をお尋ねいたします。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田政府委員 ただいまの段階では純粋の工事費といたしまして、これは車両費をも含んでおりますが、約一千七百二十五億の見込みでございます。かりにこの工事期間を五カ年といたしますと、その間に建設勘定的な利子の負担がございますので、その利子負担がおおむね二百億くらい、従って純粋工事費か千七百二十五億くらいという試算でございます。

正木清日本社会党

○正木委員 その二百億は、利子負担の額だけが二百億でございますか。その点がはっきりしなかったのですが……

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田政府委員 いま少し説明が足りませんでしたが、車両費を含めました工費が大約千七百二十五億、これをかりに五カ年間でいたしますと、完了まではその利子が経費になりませんで、かりに建設勘定的なものに負担させるといたしますと、各年度に工費をそれぞれ投資いたしまして、完了までのその利子が約二百億という、こういう意味でございます。完了後は経費で回す、こういたしますとそうなる、こういうわけでございます。

正木清日本社会党

○正木委員 そこでもう一つ、簡単にお答えを願ってけっこうなんですが、国鉄の大事業としては、津軽海峡の隧道、それから本土—四国海峡鉄道の建設促進、この二つがございますね。この二つについて、津軽海峡隧道の工事費その他の概略と、それから本土—四国海峡鉄道の建設促進の工事費その他の概略の金額がおわかりだと思いますので、御説明願いたい。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田政府委員 ただいま御質問の津軽海峡の海峡鉄道と、本土と四国との連絡鉄道につきましては、これはすでによく御存じのように、建設審議会で調査をするようにというお指図がございますので、かねて国鉄をして調査をさせておりました。これはすでに御報告いたしましたように、技術的に見れば可能の段階まで調査か進んでおります。私どもといたしましては、なおこれの調査を本格的に進めますために、本年度の建設費におきまして、津軽海峡においてはいろいろな準備に入りたい。たとえばいろいろなさく岩機の機械の準備でありますとか、あるいはさく岩動力としてのディーゼル発電機でありますとか、そういうものの準備をして着工調査に当りたい。また本土—四国の連絡鉄道につきましても、ボーリングでありますとか、あるいは弾性波の試験でありますとか、さらにそれに要する機械、こういうもので着工の本格的な調査に当りたい。ただいま大体建設費で考えておりますのは、その調査費としておおむね二億程度を本年度これに充当したらいかがか、こういう大体の目途でおるわけでございます。

正木清日本社会党

○正木委員 わかりました。     —————————————

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 大へん恐縮ですけれども、途中でこれをはさましていただきます。  この際生田宏一君より発言を求められておりますのでこれを許します。

生田宏一自由民主党

○生田委員 私は自由民主党並びに社会党の本委員会全員の共同提案として、国内旅客船緊急整備に関する件の決議案を出したいと存じまするので、提案理由の説明をいたします。  まず決議案の案文は、    国内旅客船緊急整備に関する件   国内旅客船の現状を見るに、約十万総トンのうち半数以上は緊急改造更新を要する老齢船である。最近、瀕々たる旅客船事故により、貴重な人命が多数失われつつあるは痛恨極りなきことであり、最も適切にして効率的な対策によつて海難事故の絶滅を計らなければならぬことは当然である。   しかるに現在の実状はこれらの旅客船を運航する事業者は、大部分が個人経営又はこれに近い中小企業者であるため、船舶の改造更新を自らの資金に期待でき得ないことは勿論、融資の対象にすらなり得ないものが多数である。   かかる実情にかんがみ、政府は、抜本的かつ計画的に、これら老齢船の代替建造、船体構造の改良を推進せしむるべく船舶保有公社のごときものを設けることについて検討を加え、早急にこれを実現せしめるよう努力を傾注すべきである。  右決議する。  なお、この決議案に対する説明をいたしますが、最近四、五年の間に洞爺丸、紫雲丸あるいは昨年の第五北川丸、本年の南海丸等、海難事故によって数百名の人命を失っておるわけでございますが、これらはこの旅客船が過半数老齢化しておりまするために、海難事故を起したのではないか。その例は第五北川丸のようなものでございますし、また新造船でありましても、船体の構造が不十分であって設計技術の上に難点があるのではないかと考えられるものに、洞爺丸とか紫雲丸あるいは南海丸等がございます。そこで国内旅客船につきましては、どうしても老朽船の代替建造をするものと、また設計技術上の再検討を加うべき旅客船と両方あると思いますので、これらはぜひ緊急対策として代替建造を行い、あるいは船体の構造の改良を行わねばなりません。しかしながら資金的に見て代替建造がきわめてむずかしい状態にあることは皆さん御承知の通りでございまするので、このような問題については政府が積極的に施策を行うべきである、こういう考えでございます。それで、たとえばこの決議案に載せておりまするような船舶保有公社のごときものは、あるいは政府が財政資金等からその会社の大半の資金を出して、そして新造船を建造して、これを民間会社に貸与、運航せしめるとか、あるいはまた船体構造の改良を命ずるとか、そういう措置に出てはどうかという趣旨でございます。もしこういう趣旨のもの以上に、いい案が運輸省の方にございますならば、それは検討の上善処していただきたい、こういう希望を有するものでございますので、ここに提案の理由を説明して決議案を提出いたしたいと思います。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 討論の通告がありますからこれを許します。小山君。

小山亮日本社会党

○小山(亮)委員 討論に当って、運輸当局に対してはいろいろ注文がございますが、これはもうすでに運輸省は相当承知しておいでになることと思いまして、特に大蔵省の関係者の御出席を願いましたのは、でき得るならば私どものこの決議について大蔵当局に十分な理解を持っていただきたいということが第一の主眼であります。私は主として大蔵当局に向って理解を深めていただきたいために、少し詳細に事実についてお話し申し上げ、そして討論にかえたいと思います。  日本の海難は、昭和二十五年から昭和三十年に至るまでの統計を見ますと、年々ふえております。年々船質がよくなって技術が向上し、いろいろな航路設備ができまして、海難事故が少くならなければなりません。しかるに年々いろいろな設備をするに従ってふえておるというのはどういうわけか。船のトン数がただにふえたばかりでなくて、その間に何か欠陥がありはしないか。これが非常に大きな問題でありまして、ほとんど一カ年に約三千隻の船が遭難しております。トン数から申しますと百五十五万トン、損害は大体二十億円、これか平均です。  私、こまかい数字を申し上げることは省きますが、この原因はどこにあるかといいますと、船舶の運航技術というものが欠けておる、非常に誤まった運航技術をやった場合が一つ。それから船の船体、機関の構造上の欠陥、これは昔はよかったけれども、非常に古くなってだめになったとか、あるいは作ったときから構造上の欠陥があった、こういうようなことが含まれておりますが、これが第二の原因。第三の原因は、海事行政上の欠陥、それから海上の施設の欠陥、たとえば暗礁に標識を置かなければならない、ブイがビーコンを立てておかなければならぬのを、国家の予算がないために、設置しようという計画はあったけれども設置しなかった。従ってそれを知らずに船をぶつけてしまったというようなことがあります。それから船の行政上の指導が足りない、それがために起った海難の事実もございます。第四の点は、経営、運航管理の欠陥、これはたとえばこの前の国有鉄道の洞爺丸、紫雲丸の事故が起きましたように、船の実情を考慮しないで、運航の時間をきめたならばどんなことがあってもその時間中に目的地へ到達しなければいかぬというような、一種のノルマのような制度をやった。あれをその後実情に即したように改正してから、現在では国鉄連絡船の海上事故がないのですが、ああいうようなこと、つまり国鉄の所有船舶が起しました事故なんというものは、多分にそういう運航管理の欠陥ということが原因だった。第五の不可抗力、これはいつの時代でもやむを得ない。しかし不可抗力というのはごくわずかです。全体の五%くらいです。ですから、従来までの海上事故を見ますと、天災だと言いますけれども、天災じゃない、人災なんです。人間がこういう災難を起したもの、あるいは当然国家として処置しなければならぬことを怠ったために起った災難、これは官災です。人災かもしくは官災です。これが海上事故の原因であった。今までの海事審判というものは、ただ運航する技術者だけを取り締り、それに対する処分を決定する。そのほかのどういうわけでこういう事故が起ったかということは問題にせずに、いちずに運航技術が拙劣だった、あるいは不注意だったということで、船の乗組員だけが取り締られておった。ところが最近の海事審判はそうでなくて、広い一般の面までされることになりまして、船体構造の欠陥であるとか運航上の欠陥であるということを審判所ではっきり判別することができるようになりました。従って最近の例から申しますと、私が今まで申し上げましたようなことがきわめて明瞭になっております。ことに戦争後旅客船の被害——漁船であるとか貨物船であるとかいうのは枚挙にいとまありませんが、私どもが最も痛恨事に考えますことは、旅客船の事故なんです。  観光日本とかなんとか宣伝しながら、外客まで招致しなければならぬ日本——ことに世界の楽園ともいわれ、比類なき観光地といわれるのは瀬戸内海の風物です。これは世界じゅうどこを旅行しても、瀬戸内海のようなああした自然の海上の大景観は、他国の追随を許さない、どこにもあんなりっぱなところはない。またこれを十分に観光に活用することによって、どれだけ外客を誘致するかわからないと思いますが、その瀬戸内海における——戦争前も非常に多かったのですが、戦争後の事件だけあげましても、二十年の十一月には、瀬戸内海の伯方島沖で第十東予丸が沈没した、これは百六十一トンの船でありますが、死んだ人が四百十五名。二十三年の一月に岡山県の牛窓港外で女王丸が沈没しまして、百九十九人死亡。二十四年の六月には、瀬戸内海姫島沖で青葉丸が沈没した、これは、この間の南海丸のように船体の上部が非常に重くて、復原力がなくてひっくり返ったものですが、これが百三十一人死亡。二十九年の九月には洞爺丸、これは千百三十二人死んでおる。これは船体構造上の欠陥であることは明らかなんです。これは当時は船体構造上の欠陥はございませんと運輸当局は答弁されましたが、その後すっかり改造されまして、今度代替船の十和田丸ができました。そうして船尾の方から波の打ち込んでくるのを防ぐために、電気じかけの水密のとびらをつけるようになった。これでその船はどんな暴風の中でも、海難に遭遇しても大丈夫だという結論になりまして、日本海を一周し船体の試験までやりましたが、きわめて安全だということが立証された。それから考えてみましても、以前の洞爺丸というのは、非常に構造上の欠陥があったということは明瞭でありますが、これは実に千百三十二人死亡した。第十一青函丸、十勝丸、北見丸、日高丸、それから三十年五月の紫雲丸、これなんかも百五十八名死亡。三十二年の四月に瀬戸内海の三原沖で第五北川丸、これも多数の死亡者がございました。これなんかを見まして、どこに原因があるか、この原因を研究し尽しまして、私どもは原因をこの五つにしぼってこれが対策を立てておるわけなんです。  今日海国日本において、しかも造船技術がこれだけ進歩し、これだけいろいろな航路設備ができておるにもかかわらず、なおかかる海難が絶えないということは、まことに世界各国に対しても恥かしいと思う。これらの事故を絶滅さしたい、それがために、運輸当局とも協力しましてこの対策を立てておるわけなんです。しかるになかなか大蔵省の方から費用が出ない。国家の財政の状態から考えまして、多額の費用を出してもらって船体の整備をしたり改善をするということは許さないのであるから、できるだけ国の費用を使わないで、船舶の運営をする人が自分の資金で十分な整備をするようにさせたい、こう私は考えておる。元来私は補助金を国からたくさんに出させるという政策には賛成しておらない。なるべく補助をもらわないで、ただもらうというようなことをやらないで、やるなら自分で借りてやる、借りた金は返す、そういう建前でこの整備をしなければならぬという考え方から、当委員会で協議をした結果、この決議案を出したわけなんです。すでに前の国会でこれを協議しまして運輸当局から立案したのでありますが、不幸にして大蔵省の方からこれに対する理解をしてもらえない。  この五つの条項の中で、海事行政、海上施設の不備というのは、これは今海運当局が力を入れておりますから、何とかして整備はできると思います。それから経営、運航管理の欠陥、これも十分に改善をさせておりますから、これもできると思う。それから運航技術の面においては、船舶局長の方から、商船教育というものを再検討しなければならない、商船教育を再検討して、運航技術の面を向上させるように、学校から考え直さなければならぬということを言っておりますから、これも根本的対策が立っております。ただ問題となるのは、船体及び機関の構造上の欠陥なんです。たとえば、長くなりますが、この間南海丸が沈没した、あれは新しい船なんです。たった三年しかたってない。しかしどうして沈んだかといえば、あまりに欲ばってお客さんを多数乗せるような設備をしまして、そしてあの五百トンにも足らない船を、十三マイル半というような高速力の船にするために、船体をうんと細く、やせさせて作っている。四百九十五トンの船に四百四十四人のお客さんを乗せるのですから、ほとんど一トンについて一人のお客を乗せるというような、乱暴な設計をやってお客さんを乗せるようにしましたために、入れものをうんと大きくしたわけです。だから船体の水の中に入っている部分は非常に小さく、細くしぼっておいて、水から外に出ている部分のところをうんと広げましたから、トップ・ヘビーの頭の大きいぐらぐらする船なんですね。それですからできたときからもう無理な船なのです。その船に対して、船舶局では船底に何の役に立たない石ころを十五トンも積ませている。そしてうしろの飲料水を入れるタンクのところには水を一ぱい入れる。ここには二十三トンの水を張り切りに張っておけ、いつでも入れておけ、そして前の方のタンクにも十一トンの水を入れておけと命じてある。そしてようやく船の安全を保っている。するとせっかく船を作っても、四百九十五トンの船に対して、石ころ十五トンに水が二十三トンに十一トンですから、約五十トン近く不必要なものを積んで船足を重くしている。これは何の役にも立たない。ただ船を重くして燃料をよけい使って、行ったり来たりしておるだけで、国家経済からいえば非常に苦心をしてよけいな油を消費して、むだな費消をやっているわけなんです。  これを防止させようとしたところで、所有者が自由に作るのですから、検査するといっても目が届かない。こういうわけで、安全性のある船を作らせるにはどうしても運輸当局の言うことを聞かせるようにしなくちゃならぬので、罰則の規定のない行政措置だけではなかなか言うことを聞かないから、どうしたら国家の方針に適合するような船ができるかといえば、やはり国家の力で造船資金のあっせんをしてやるとかなんとかしてやらないといけない。それでは金のあっせんをしてやる、設計書を持ってこい、こういう設計だ、それではいけない、こういうふうに直せば金のあっせんをしてやる、従って安全性のあるものには資金のあっせんをしてやるということになりますと、ただ欲ばって目先の金もうけだけのために、安全性のない船を作るということをやらなくなる。そこに権力による取締り以上に非常に妙味がある指導ができるわけで、それがために特殊な公社のような機関を作ってもらいたい。これはもとの船舶公団というものの考え方からこの構想が考えられておるのですけれども、これは会社のために国家から多くの金を出せというのじゃないので、一番最初の会社設立資金として一億ないし二億ぐらいの金が必要でしょう。あるいはもっと出せればいいが、各地にその調査機関なんかを置くようになればさらに増額するようになりましょうけれども、しかしこれはこの決議案にもありますように、定期船の所有者というものが現在では非常に資金的に微力で、中小企業以下の人もおりますから、安全性のあるように船の改善をしたい、したいけれども改善する金がない、貸してくれるとなると担保の対象がありませんから貸してくれない、そこで今の公社のようなものが共同で引受人になって金を借りてやって、そうして船の改造等をやらせる。その引受人になった以上はこれに対する返済の責任もあるわけですから、やはり運航の管理その他に関して進んで指導することができるわけです。この指導を、指示した言う通りに従わなければ資金のあっせんをしてやらぬ、その引き受けをしてやらぬということになりますから、従って船質はいやおうなしによくなる。運航の面もよくなる。船員その他に対するところの監督も、これを通じてやれば思うようにできるのじゃないかとこう思うのです。  現在日本では非常に多くの老朽船を持っております。簡単な調査でありますが、現在整備を必要とするところの船舶は、平水航路——川であるとか湖水であるとかというところを運航している二十トン以上から二千トンくらいまでの船が二百十一隻あります。平水航路というのは港内も含まれております。それから沿海及び近海におきましては、三十トンから二千トンまでで四十七隻、計二百五十八隻、トン数にしますと十万トン足らずです。だから十万トン足らずの船舶の整備をすれば、日本じゅうの船が老朽船でなくなってしまって、しかも非常に強く安全性を持った船ができるわけなんです。しかも政府の金を今離島航路とかなんとかいう意味で補助金をたくさん出すということになりますと、これはいろいろ理屈をつければ幾らでも補助金を出さなければならなくなりまして、補助金はふえるということはありますが、減るということはありませんから、どんどんふえるばかりであります。そうすると、国の財政の将来を考えた場合に、それよりも今の私のこういうような案で、自主的に国の補助金のようなものを必要としない貸金で船体の整備ができるというようにすることの方が、最も適切じゃないかと思うのです。この点について特に運輸省というよりも、大蔵省の方の御配慮をお願いしたい。これ以上申す必要もないと思いますが、老齢船の定期旅客船というものは、二十トンから百トンまでの船で、平水航路——海でないところを運航しているのが、二十年以上の木船が百八十七隻、それから鉄船が三十年以上のが十四隻、それから百トンから二千トンまでのものが木船は三隻、それから鉄船が七隻、平水航路全部で二百十一隻だけです。沿海及び近海の方が二十トンから百トンまでの木船が三十隻であって、鉄船が五隻、それから沿海、近海の百トン以上二千トン未満のものが木船が一隻であって、鉄船が十一隻、これが両方合せて四十七隻ですから、日本全部の木船は二十年以上、鉄船は三十年以上、こういうほんとうのいわゆる老齢船と見られるものを全部合せて二百五十八隻、この二百五十八隻というのを改造するか、あるいはできるだけ早く新しくするか、これをやることによって、日本じゅうの船というものは安心して私どもが乗れるような船になるのです。これをやるには五年くらいの期間内に急速にこれを整備したいというのが、私ども運輸委員会全体の希望なんです。しかもこれは過去しばしば起りました洞爺丸、紫雲丸、北川丸、南海丸というようなあの悲惨な事件を通じまして、あらゆる調査をいたしました結果、どうしてもこれをやらなければならぬ、これによってのみ、この船体の整備がなし得るという結論に達した。現在の予算については各方面から非常にいろいろ非難をされております。しかし私はその非難をされておる中にも、あるいは文部省の育英資金の増額案であるとかというような案を見ますと、多少とも良心的な案がある。運輸委員会において私はこの案を、この議会に議案として出せなかったことを実に遺憾と思っております。私はこの国内旅客船の共有公社案を一つだけこの議会に通しただけでも、運輸行政としては最も意義があったのじゃないかと思うのですが、はなはだ残念ながらこれがこの議会に出し得なかった。しかしながら私どもはまだ次の議会かございますから、新しい議会においても一番にこれを取り上げていただきたい。特に大蔵省の方はこの大切な問題に対して熱意をもって御調査を願いたい。  しばしば起る旅客船の事故防止の問題につきまして、運輸省においても熱心に対策を検討しております。その結果、運輸省から対策の具体的案ができまして、それが当委員会に出ておりますが、海運局の関係の第一に、老朽船の代替建造による船質の改善というのをあげております。これが第一であります。開銀とか中小企業金融公庫に対し財政資金の融資のあっせん方を折衝するとともに、老朽船の代替建造を促進せしめる制度を検討する。これは大蔵省から金を渡せ、補助金を出せというのじゃないので、財政資金融資のあっせん方を折衝するための特別の機関を作る、そしてその制度を検討するというのです。現に北海道においては、北海道庁が主体となりまして、離島航路整備会社というものを作っております。私は離島航路を持っておる東京都も、聞くところによれば、大蔵省は当てにならないから、最近においては、伊豆七島のような島に対する離島航路の補助及び船質の改善については特別な考えをしなければならぬということを研究議題としておるそうでありますが、これは明らかに海事に理解のない大蔵省に対する不信任だと私は思う。私は海運問題に対して、この程度のことがわかっていただかなければ、日本の海運の整備発展は望めないと思います。この点につきましては、私の説明が長くなりましたが、この際特に御考慮を願いたい。大蔵省の関係の方々のこの決議案に対するお考えも伺いたい。また当然運輸大臣の御所管でありますから、運輸大臣の御決意も伺いたい。これで私の討論を終ります。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 それではお諮りいたします。ただいまの生田君の動議のごとく、国内旅客船緊急整備に関する件を本委員会の決議とするに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお本件の取扱い等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 それではさよう取り計らいます。  この際、政府より発言を求められておりますので、これを許します。中村運輸大臣。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 最近旅客船の事故によりまして貴重な人命が多数失われ、まことに遺憾と存じますが、一方旅客船の現況及びその運航事業者の現状を見まするに、ただいまお話のありました通りでございまして、以前から運輸省といたしましても、その対策に心を砕き、あるいは行政指導により、あるいは融資あっせんにより、または航路補助額の増額等によりまして、老齢船の代替建造並びにサービスの改善に努力して参ったのであります。ところが最近の第五北川丸、南海丸等の海難事故を見まして、さらに積極的にサービスの向上並びに人命安全のため、抜本的かっ計画的に対策を講ずる必要があることを痛感いたしますので、ただいま御決議をいただきました旅客船保有公社のごときものを内部的には検討をいたしていたわけでございますが、幸い当委員会におかれましてそれにより一そう努力するようにとの御決議にあずかり、いよいよその検討に努力を重ね、早急に実施できるよう関係の向きとも折衝の上、ただいまの御決議の趣旨に沿って努力いたして参りたいと存ずる次第でございます。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 坊大蔵政務次官。

坊秀男自由民主党大蔵政務次官

○坊政府委員 ただいま御決議になりました国内旅客船緊急整備に関する件を拝承いたしましたが、御趣旨は非常にごもっともだと存じます。つきましては最近のひんぴんたる旅客船の事故等の事実からかんがみまして、海難の絶無を期していくということは非常に大事なことであろうと思います。大蔵省といたしましてもこの御決議の趣旨を尊重いたしまして、今後その実現の内容方法等につきましては慎重に検討を重ねつつ、運輸省当局とも御協議の上御趣旨に沿うように持って参りたいと存ずる次第でございます。     —————————————

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 陸運及び海運に関して調査を続行いたします。正木君。

正木清日本社会党

○正木委員 私の質問を継続いたします。運輸省にお尋ねいたしますが、津軽海峡の隧道工事でございますが、総工事費及び車両費等全体を含めて総額どれくらいの見込みを立てておられるか。それから本土—四国海峡の鉄道の建設についても総額どれくらいの見込みを立てておられるか、それをお伺いいたします。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田政府委員 ただいまお尋ねの北海道—本州間または本州—四国間海峡鉄道につきましての工事費でございますが、この工事費につきましては、先ほど東海道新幹線でお答えいたしましたようなこまかい積み上げによる工事費は実はまだでき上っておりません。今までの調査の結果ではおおむねの目途としての概数で立てておりますが、大約北海道—本州間におきまして六百億ないし七百億、それから本州—四国間の海峡鉄道につきまして四百億ないし五百億、両方合せて千億ないし千二百億見当の目途でございます。これについては本年度もさらに調査を続行いたしまして、なお精細に調査をいたしたいと存じております。

正木清日本社会党

○正木委員 かりにこれを直ちに実行に移すとすれば、年度はやはり五カ年計画くらいの目標でございますか、その点一つ……。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田政府委員 これも実はそこまで調査が精細に進行しておりませんが、概略の工事期間につきましてはおおむね七年前後で技術的には可能でないかというのがただいまの調査の段階でございまして、これについてもなお一そう調査を本格的にいたしてみたいと思っております。

正木清日本社会党

○正木委員 さらにお尋ねしたいのは、この国土開発、産業振興、輸送の効率化の総合見地から、鉄道新線の建設を現に行なっておるわけでございますが、私の知っているところでは現に十五線が着工計画中であり、さらに着工する線が十一線ございますが、これらに要する建設費、車両費等をも含めて、年度割りにして大体平均一カ年どれくらいの予算を必要とするかの見通しについてお答えを願いたい。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田政府委員 ただいま建設線についておりますのは、御指摘の通りに在来から継続しておりますものが、昭和二十七年以降三十一線ございましたが、十六線がすでにでき上りましたので、今十五線残っております。それからまた今御指摘のように、これから着工いたしますものが約十三線ございます。これらの今後の建設費の所要見込みでございますが、大体これもいろいろやり方によって違いますが、従来の継続線十五線で一切を含めまして三百四、五十億と見ております。それから新規着工線につきましては、これは一切を含めて大き目に見ますと、八百億見当と見受けられます。およそこれで約千百億でございます。従いまして、今本年度の予算が九十億でございますので、これを今私どもが立てております計画では、この線々によってそれぞれ事情が違いますので、これを全部完成するには昭和四十一年度くらいまで技術的にかかると思います。従いましてまだあと十年くらいどうしても技術的にかかりますので、ならしますればこれらについては約百億ないし百十億はかかりますが、それぞれその線における技術的な問題あるいは経済速度の問題がございますので、線別に割り振って考えてみますると、大体三十四、五年におきまして工事の最盛期が来ると思いますので、その工事の最盛期のときには百五、六十億かかるのではないか。工事の最盛期を済めば、これが七、八十億で済みますが、ならしますと今申し上げたようなめどになるのではないかという計画を立てております。

正木清日本社会党

○正木委員 そうしますと、今運輸省所管、特に国鉄の大きな事業の中で、実施に入った五カ年計画を別にいたしまして、まず第一に東海道の幹線をやるためには、五カ年計画で利子の二百億を除外いたしたとしても、総額一千七百二十五億かかる。それから津軽海峡を七カ年計画と見ても六百億から七百億かかる。本土—四国海峡の鉄道建設についても七カ年計画で四百億から五百億かかる。新線建設について大体四十一年度をめどとしても大ざっぱに見て年間百十億かかる、こういう数字が実は初めてここで具体的になって参りました。そうしますと、これらのことは国家の至上命令としてどうしてもやらなければならないのだ、こういうことになるわけですが、さてしからば、これらの膨大に上る資金手当をどうする、原資の手当をどうするのだ、こういう問題にいやでもおうでもぶっつかりますね。だれが常識的に考えても、絵にかいたぼたもちであったのではいけないのですから……。さて、ではこれだけの膨大に上っておる原資の手当について、国鉄当局は、一たん引き受けた限りにおいてはという、非常なすばらしいたんかを小倉さんはこの席上で切られたのだから、えらい勇気をきょうはお出しになったのだが、一たん引き受けた限りは、この事業計画に対する原資の手当について、一体運輸省とどういう話し合いがついておるか。それから政府部内でもどういう話し合いがついておるか。それとも一たん引き受けた限りにおいて、今の国鉄の経理の中で、これだけのことを自まかないでやっていける自信があるのかないのか、この点を明らかにしていただかない限り、今日まで国会に出された運輸省の重要施策といい、すべてのものが御破算になる危険性があるので、この際明らかにしておいてもらいたい。いかがですか。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 始終いろいろの計画は結局資金であり、その計画の実現であると思います。そこで三、四千億のものを、一挙にやることはできませんで、今のところは修正五年計画、これはどうしても老朽施設の改善をやらなければならぬ。その次は日本の大動脈と申しますか、東海道の広軌別線、かりにそういう答申で決議になりますならば、それをやらなければならぬ。そこで東海道のごときもの、そのほかについては、私は国家の財政投融資において、国家の援助も必要でありますが、これは今後広く民間資金を募っていく、その形式は鉄道債券でございますが、そういうふうにして、国鉄というものがこういう事業において民間ともっと接触していく、こういういうことが必要であると思っております。しからば今日の金融情勢からいって、不可能ではないかとおっしゃるかもしれませんが、これは今後日本の経済が成長し、貿易が発展して参りまするならば、いわゆる長期経済計画を見ましても、日本の資力というものは充実してくるのでございますから、前途必ずしも悲観する必要はないと思います。今の青函、本土—四国にいたしましても、先だっものは金でありますが、これを外債でまかなうということは今日むずかしい。できればインパクト・ローンなども考えられますけれども、これはしばらくおきまして、私は国家の財政投融資によるものと、民間資金の援助によってやっていく。今までは一般金融界と国鉄の資金というものが接触がなさ過ぎた。これは今後日本の経済の発展、金融の緩和によりまして、逐次その方向にやっていかなければならぬと思いますが、いずれにいたしましてもこの資金の獲得ということは、よほど努力をしなければならない、また苦心をして実現しなければならぬと思うのでありまして、これが絵にかいたもちにならないように、資金計画は立てていかなければならぬと思います。あるいはたとえば東海道幹線のごときも、一つの独立会計としてやっていく方法もあると思いますので、こういう点も今答申によって努力いたしたいと思っております。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 ただいま、みえを切ったではないか、引き受けたのかというお話でございましたので、その範囲につきまして御答弁申し上げます。実は先ほどの問題は三十三年度の収入見込みが重点でございまして、これについては企画庁の数字を根拠としてきめましたのですか、しかしこの決定せられました以上は管理者の責任でありますので、いろいろ困難な点はありますが、極力努力して目的を達したい、こう申し上げたのでございまして、実はこの東海道新線及び海峡連絡につきましては、ただいま大臣からもお話がございましたが、私どもは現在調査の段階でございますので、その結果を見ましてからいろいろ関係方面に指示を仰がなければならぬ、こう思っておりますし、また新線建設につきましては建設審議会もございますので、そういう御意向に従おうということでございまして、全部をひっくるめてお引き受けいたしたということで答弁を申し上げたことではございませんので、いろいろ今後関係方面の御意向も承わって努力していくつもりでございますので、そう御了承願いたいと思います。

正木清日本社会党

○正木委員 ただいま大臣の答弁の中で民間資金を吸収する御意見がありましたが、国鉄として民間資金を吸い上げるとすれば、御承知のようにまず法律改正から始めなければならぬですね。今の法律では民間資金は使えない建前になっているのです。そのことをまず頭へ入れておいてもらわなければいけない。それから現実の問題として企画庁の新長期経済計画からいうと、東海道に関する限りにおいては、急速に調査を完成して工事に着手をしなければ、この新長期経済計画は順調に軌道に乗っていかない。今の大臣の抽象的な答弁程度では、現実の問題として昭和三十四年度からは納まりがつかなくなってくるのではないか。そこで幸いきょうは大蔵省の主計官も出ているので、主計官は予算関係を専門に担当されていると思うのですが、お若いし、頭もすぐれているし、十分御勉強になっていると思うので、それで私が主計官にお尋ねしたいことは、私の持っている新長期経済計画、昭和三十二年十二月十七日、経済企画庁から出ているもの、これの六十ページ、六十一ページを見ますと、非常に抽象的ですが、「国鉄については、輸送需要の増大に応じて主要幹線を重点的に整備するとともに、輸送の近代化をはかるため、電化、ディーゼル化を行うものとする。」大臣、これは実は二行とちょっとしか使われていないのです。しかもこの資金手当につきましては、国鉄については五千三百億から六千七百億円程度の数字が得られる、これだけなんです。私はこの委員会ですから何も長期経済計画の論争をここでやろうとは思っておりませんが、今度企画庁の出したこの経済計画書を見ても、元来計画書というものはこういうものであろうとは存ずるのですが、政府が一応出した重点施策についての事業の裏づけとなるべき資金計画というものは、当然私は計画の中へ具体的に現われて、たとい政府がかわっても、これは保守党の政府が社会党にかわったのであれば別として、首班がかわったとしても、保守党の政権が持続される限りにおいて、この新経済計画に対する資金手当、これの計画というものがこの計画書についてこない限り、残念ながらこれはまじめな議論の対象にはならないと思うのです。当委員会において私の意見が常に抽象的になるのはこれなんです。肝心かなめの資金計画の裏づけというものがないものですから、議論の対象にならないのです。主計官がこの計画書を立案されたときに、直接あなたがこれに参画しないとしても、もしこういう資金計画等に対してお耳に入っているようなことがあれば、たとえば東海道の新線に対してはこういう資金計画の裏打ちをするのだとか、政府の方針として津軽海峡の隧道をやるのだ、そのためにはこういう裏打ちをするのだとか、本土—四国海峡の鉄道建設をやるためにはこういう資金の裏打ちをするのだということが、かりに事務当局間において話が出たとするならば、答弁でなくて参考でけっこうですから聞かしてもらいたい。それでないと東海道線はやるのだ、津軽海峡の隧道はやるのだ、淡路島と本土との陸橋というのですか、何か世界一の観光地帯にするのだと言ったって、お互いにまじめに議論をしても、今の大臣のような答弁の限りにおいては、われわれはこれ以上疲れて議論したくなくなるのです。その点、あるとすれば一つお聞かせ願いたい。夢なら夢でけっこうですが、ことし五億食っているのですから……。

鹿野義夫大蔵技官(主計官)

○鹿野説明員 長期計画の作成のときに私も参画ということではございませんが、予算担当者の一人としていろいろ連絡を受け、部分的には御相談に乗ったことがございます。おっしゃられました国鉄、電電あるいは道路、それぞれ重要なものだけの、しかも相当大きな幅の、国鉄で言いますと五千三百から六千七百ですか、千四百くらいの幅を持った資金需要が必要だろうというような想定を立てております。それぞれの想定は、当時の議論といたしましてはほとんどいわゆるマクロ的といいますか、巨視的に国民総生産あるいは国民総所得の伸びとの相関的な関係から、五カ年の想定をいたしております。それの基本的な考え方は、やはり貿易の収支の問題と国内投資活動をどの程度の押え方をしていくと安定的な発展が望まれるかというような、基本的な観点に立って作業が進められておりますので、全体といたしましては、投資活動全体がどのくらいのオーダーのものであるべきかという議論に終始しているわけです。その内容を一応の裏づけとして、それも非常に大きな、いわゆる国の経済基盤のバツク・ボーンになるようなものだけを取り上げて議論をしておりますので、その他のこまかいものはほとんど議論をいたしておりません。ただしそれは一応どの程度のものが考えられ得るであろうか、それらを集計した場合に安定的な発展をしていく上での投資活動のワクを突破しはせぬか、あるいはそれに十分余裕があるかというような試算の上で、個々の投資活動の規模を考えております。たとえて言いますと、今の国鉄、電電あるいは道路等の、いわば大きい方の幅の形で集計しますと、優にはずれてしまうような形で、国鉄の場合も五千三百ないし六千七百という問題が出ましたときに、現在の国鉄がやっていらっしゃる五カ年整備計画の問題が中心になって入っていたのですが、そのときに東海道あるいは青函その他の問題があるというようなお話が、たしか国鉄あるいは運輸省の方がら企画庁の方にもいろいろあったわけなんです。事実実際問題として作業能力その他の面から言いましても——これは私の個人的な感想なり意見であるというふうにおとりになっていただきたいのですが、当時の企画庁としても、なかなか個々の具体的な計画を積み上げての——いわゆる上からマクロ的に見て、大きな幅を考えたので、下からずっと積み上げて、一つの計画体系に持っていかなかったために、また持っていくことについては、企画庁の陣容からいってもあるいは時間的な点からいっても、なかなかできない。そこで国鉄の場合はそういう東海道の問題あるいは青函の問題が出てきたのですが、それを一つずつ織り込んでいくということになると、それでは電電ではマイクロウェーブの計画がどうなっているかとか、道路なら道路で新しい高速道路がどうなっているかということを一つずつ織り込んでの護論になりますと、なかなか時間的にも人間の能力からいっても、ようそこまで十分まとめ切れないのではないか。計画から言いますと、上かりマクロ的に大きな姿を出し、また下から積み上げて、両方の食い違いというものを全部調整して、初めて一つの完成された計画になるのではないかと私は思うのでありますが、下からの積み上げというものは非常に膨大な作業になる。それをまた積み上げていくのでは、経済企画庁独自の立場でなかなかやれなくて、各省の御意見がみんな入りますから、いわば極端に言いますと五カ年間全部の予算折衝みたいなことになってしまうので、なかなか時間的にもとてもまとめ切れぬということ、がありまして、むしろマクロ的に見た計画でも十分そこに意義かあるのではないか、大体の幅はどの程度の考えで進んでいかなければならぬかという一つの日安というものが得られるのではないか、そういったような計画に終っているというふうに私は考えております。

正木清日本社会党

○正木委員 大臣でなくて監督局長並びに小倉副総裁にお尋ねするのですが、運輸省の事務当局として、これだけの大事業を国鉄をして行わせるという限りにおいて、事務当局としてこの原資の手当について構想がございませんか。それからまた国鉄としてもこの原資の手当について何か構想がございませんか。あればここで一つ明らかにしておいてもらいたいと思います。

權田良彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田政府委員 そのお答えをいたす前に、私からも新長期経済計画を作るときに、この数字の問題でございますが、これはお話のように、国鉄については云々とございまして、五千三百億ないし六千七百億円程度の数字が得られるというふうな表現にしておりますのは、実はこの折衝の過程において、今鹿野主計官から申しましたようなことが事実あったのでございます。これはいろいろな議論がありまして、結局巨視的方法といういわゆるマクロの方法で、これは車両キロ当りの原単位の必要資産額を求めまして、これをかけまして、上から見たワクが全体の長期計画の中で、どうおさまるかということを見たにとどまりまして、いわゆる積み上げ計画によるところの内容別積み上げの計画というものはやっておりません。これは輸送量の見方についても同じであります。従って輸送量についてもここで御指摘になりましたような点がありますので、この長期経済計画自体においても、そのことを認めておる表現がございますが、これはなお一そうこの投資計画についても言えることであります。私どもとしてもさらにこの経済計画を裏から積み上げて、先ほど御指摘のような、国鉄の改良計画あるいは建設計画、東海道新幹線の問題あるいは海峡、本州——四国隧道の積み上げの問題の資料も一応提出いたしたのでありますが、この計画自体の目的がそこまで積み上げをやりませんもので、そこはそこでとまったのであります。従って全体の原単位についても非常に意見が分れるところでありまして、ここに書いてあります通りに、原単位のとり方によって相当な幅が生ずるということを、計画自体が認めておるのであります。従いましてこの点についてはなお別途にわれわれも検討いたしておるのでありますが、先ほど来申し上げておりますよ)に、国鉄についてはしなければならぬことか、いわゆる五カ年計画の改良費を主体とする問題、それから先ほども御説明いたしました建設線の重点的な施行の問題、それに東海の新幹線並びに海峡、四国の連絡鉄道の問題かあるわけであります。特に東海道につきましては、先ほども申し上げましたように、近く幹線調査会の方から御結論も出ると思いますが、実は第二分科会でも資金問題について議論が非常に深く慎重に行われておるわけであります。結局考えられます資金は、自己資金と政府出資と、それから財政投融資と鉄道債の発行におきます民門資金と外債という問題があるわけであります。これらについて、これは資金全体でございますので、先ほど申しましたような資金をこの計画とどうマッチさせていくか。御案内のように、計画期間が違うわけで、国鉄五ヵ年計画は一応三十六年度を目標といたしておりまして、三十七年度以降の第二次五カ年計画をどうするかという問題は、これから慎重に考えなければならぬ問題であります。一方建設線は、先ほど申し上げましたように、少くとも十年以上の長期計画を立てているわけでありますので、その食い違いの部面がございます。さらに東海道と連絡鉄道になりますと、それぞれ計画の期間が違いますので、年度別組み合せということは非常にむずかしい問題になって参ります。またそれを立てた上において、今正木先生の御指摘になりましたように、私どもとしては実行計画的なものに積み上げてみる必要を痛感急しておりますし、またそうしたい。実は本年度調査をいたします目的も、主眼はそこにあるわけであります。従いまして一応概算で申し上げましたような計画を年度計画についてどう持っていくかということについて、実は東海道と海峡鉄道に関する限りは、具体的な実行計画はまだでき上っていないわけであります。これを私どもは、いろいろ輸送の状況の逼迫なりその重要性にかんがみまして、早急に作り上げなければならない。御質問にもございましたように、これが三十四年度においては非常に重大な予算編成上の問題とからみ合ってくるのでございます。従いましてそれに間に合うように、これらの計画の運輸省としての実行計画、これを実は努力してみたいというのが今の段階でございまして、きょうただいまの段階では、そこまでの計画は実はまだできておりません。これを本年度の調査その他においていろいろ国鉄とも協議の上、十分練り上げてみたいというのが現在の事務の段階でございます。

正木清日本社会党

○正木委員 運輸当局としての実行計画をお立てにならない限り、責任ある具体的な答弁ができないことは私も承知しておるわけです、が、ただ私の心配します点は、小倉さん、ここにあるのです。三十二年度の決算で、現実的には四十億、六十億、五十七億と、すなわち百五十七億というものは実際問題として三十三年度の中へ食い込んできているのです。何ぼあなた方が答弁技術で答弁をなさっても、現実的には食い込んできておるのです。そこで三十三年度の鉄道収入の総収入の予算の組み方は、この企画庁のきめた長期経済計画を基礎にして立てたということも理屈としては成り立つのですが、さて経済は非常な水ものでございますから、これがよほど順調にいって、予算を上回るところの収入増になれば、私の心配というものはある程度解消されるわけですが、かりに三十三年度の実際の鉄道収入が予算の通りであったとすると、三十二年度のあらゆる苦しいやりくりをしたものは、そのまま三十四年度、三十五年度へいやでもおうでもしわ寄せをしていく。あなた方は責任上五カ年計画はどんな苦しい思いをしても予定通り実行していかなければならない。こうなってくると、現実の問題としてまず東海道の幹線、沖軽海峡、本土——四国海峡の鉄道建設はさておいたとしても、新線建設が、平均にならしたこの百十億ですら、自己資金でまかなうことが非常に困難なときがきはせぬか。もうこの私の心配は三十四年度できはせぬか。私はこの新線建設のこの予算について、自己資金でどの程度までやれるかということすら大きな疑問になってくるのですから、従ってこれだけの大企業をやるために、おそらく国鉄の現在の自己資金の中から捻出をして、どのような形であろうともこれだけの事業を完成するということは非常に困難ではないか、こういう見通しは私は一応立つわけです。たとえば政府の財政投融資を思い切って、鹿野さん、国鉄に下されば別ですよ。こういうことも見通しの中に立てて、一体実行計画資金手当をどうするかということが、現実の問題として三十四年度に出てきはせぬかということを私は心配しておる。いいですか。たとえば鉄道債にしても、私は主計官に残っていただいたのは、あなたにいやなことを言うわけではありませんが、ことしも大蔵省の態度は、鉄道公債を利用債で八十二億もこの苦しい国鉄経営の中へかぶせておるじゃないですか。こういうことを勘案すると、三十四年度で少くとも新線建設の百十億とその他のものについては、当然これは政府出資でやるべきだ、こういう私自身の意見になってくるわけですが、いかがです、小倉さん、あなた自身はどういう考えですか。小倉さんでなくてもいいですよ。主計官、債接見ておられるのですから、あなたでもいいですよ。あなたもお若いのだし、あなたでもいい。これはりあなた笑いごとじゃないですよ。国鉄としては笑いごとじゃないですよ。それは大臣などは大きくこうやっておるだけですがね、中村さん、あな笑いごとじゃないですよ。もういいです。小倉さんでも主計官でもいい、何かしら考えなければならぬ。私の計算からいうと、三十四年度で自己資金の中から百十億出すと、それからことしのように新線、東海道の本格的調査だというので、工事費の中から三億取る。それから津経海峡の隧道の調査費といって一億取る。本土—四国海峡の鉄道建設といって一億取る。ありはしないところから五億を取られて使われる。こういうことをやっておったら、ごらんなさい、三十四年中には、鉄道の内容というものはとんだところへ追い詰められる。相当決意を新たにしなければならぬ段階にきていると思うのですよ。ほんとうにざっくばらんに聞かしてもらいたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 先ほども申し上げましたが、ほんとうに真剣に国鉄の財政につきまして御検討を加えていただいているので、厚く感謝いたします。それで御答弁申し上げますと、実際五カ年計画は基本的な輸送力の組持として、どうしても私ども達成いたしたい、こう考えております。しかしながらそのほかの東海道新線、あるいは海峡連絡線、あるいは従来のいわゆる新線建設、こういうものはすべて同家の輸送力増強として必要であるということで計画か立てられておるのでございます。ことにそのうちで五カ年計画と新線建設は、従来国鉄として扱っておったのでございますが、東海道線、あるいは海峡連絡線というものは、新たに付加せられました大きな問題でございまして、こういうものの資金手当ということは、新しい見地から見て策定いたさなければなりませのんで、私ども、先ほど運輸大臣かお話しになった通りに考えております。またただいまの鉄道監督局長の答弁の通りに考えております。と申しますのは、この五カ年計画につきまして膨大な予算が必要であります上に、東海道新線、あるいは海峡連絡線というものも非常に大規模な工事でございますが、これは先ほども申し上げましたように調査をして、はっきりしたプランが立てられるまでは、計画も相対的にはっきりはいたしかねる点もございます。それでいろいろな資金調達のルートがございますが、そのいずれもいろいろな難点があることは承知しております。外債にいたしましても、国家の投融資にいたしましても、自己資本にいたしましても、民間資本の吸収にいたしましても、それぞれの難点がございます。そういう点が今後に残された研究課題でございまして、いろいろ十分な、慎重な研究を市ねて、何とか資金の手当をいたして参りたい、また関係方面の御協力を願いたい、こう考えております。  それで国鉄自身の財政でございますが、昨年幸い運賃値上げをお許し願ったので、現在の段階におきましては、従来不十分でございました減価償却もフルにいたしまして、その上に資本勘定に繰り入れる余裕もできておるのでございます。しかしながら一方、いろいろな点で経営費が増高して参るという傾向にございますので、この点は先生のおっしゃるまでもなく、私ども非常に心配して、いろいろ節約の手を打っておるのでございます。人間の面、あるいは物資の面、あるいは組織の面、いろいろな点を勘案しまして、極力経営費の節約をはかって参りたい、そうして少くとも減価償却も入れまして、赤を出さないという努力は今後続けて参りたいと存じます。しかしながら工事関係につきましては、先生のおっしゃるように自己資本を今後も増していくということは、非常に困難でございまして、それからまた鉄道の性質から見ましても償却、老朽施設の取りかえ及び若干の利益を生まない施設につきましては、これは自己資本でやって参らなければなりませんが、それ以外の設備につきましては、これは借入金でいたすことは当然でございまして、こういう点につきましては、今後とも各方面にお願いいたしまして、必要な工事を遂行するに必要最小限度の借入金はぜひいたして参りたい、こう考えております。ただこの五カ年計画につきましては、繰り返して申し上げますか、何としても達成をいたさなければならないと考えておりますが、ただいま御指摘のように三十二年及び三十三年度におきまして多少の不足はございましたけれども、何はさて五カ年計画の初年度、第二年度におきまして最終的なものを見通した、できるできないというようなことは、今はっきり申し上げる段階にも至っておりませんので、この五カ年にもまだ三年余しておりますし、実行といたしましては初年度をようやく済ましただけの問題でありまして、将来長いのでございますから、今後努力を重ね、今まで施設的にマイナスがてきたことははっきりいたしておりますので、後年度におきましてできるだけ回復をして参りたい。現在の段階におきましては五カ年計画の最終まで見通して云々申し上げるまでには至っておらない、こう考えております。

正木清日本社会党

○正木委員 国鉄の経理局と長にお尋ねしますが、事業債の消化、これは順調に進んでおりますか。各支社は相当てこずっておりますね。現実の問題として、この事業債の八十二億ですら消化するのはなかなか困難だ、相当無理をしておるという現状ですが、今の消化の見通しをお答え願いたい。

久保亀夫日本国有鉄道常務理事

○久保説明員 確かに先生のおっしゃるように、今度急激に事業債がふえましたので、その消化と申しますか、工事の進行にはもちろん努方いたしたいと思います。ただしその八十億の中で約三十億は既定の計画、たとえば大阪の環状線でございますとか、名古屋の中央線の高架とか、約三十億は既定の計画で問題はございませんので、あとの五十億につきまして、電化とかディーゼルとか、そういうものを中心にして、今支社を中心にいたしまして、地元の公共団体その他といろいろ連絡しておりますが、まだ年度が始まったばかりでございまして、結論は出ているわけではございませんが、最近の見通しでは、電化その他につきまして条件その他相当進んでおる状況でございまして、もちろん簡単には参らぬと思いますが、私どもの今の感じでは何とかめど、かっくのではないかという強い期待は持っておるような現状でございます。

正木清日本社会党

○正木委員 最後に私は私の意見を述べさしてもらいたいと思うのですが、われわれの、特に私自身の議員としての資格ももう問もなくでございますが、私はあらためて出てくる自信をもって、実は三十四年度の運輸省及び国鉄の事業計画、従って予算案を楽しみにしておるわけですが、私はこういう私なりの考え方を持っておるのです。今の小倉さんの言うように、国鉄の事業全体について借入金だけで押し適すのだという考え方は非常に甘いのじゃないか。私は少くとも新線建設、本土—四国、津軽海峡、それから東海道線の新しい幹線といいますか、こういうものに対する国家的な大きな事業に対しては、政府出資という基本的な考え方に立って、国鉄としては運輸省に非常に強い折衝を重ねるというこのものの考え方だけは立てておかないと、借入金だけではとうていまかない切れないときがきはしないか、こういうように考えております。これは全く私の意見ですが、また今の法律を改正して民間資金を大幅に吸収する、どのような形であろうとも借入金をする、そうすると国鉄の経営の内容から見て、国及び民問の借入金に対する利子支払いが粘一ぱいの時代がまたきわしないか。それからもう一点は、私はようやく国民の協力による運賃値上げに伴って五カ年計画の一縦について、非常な努力で今五カ年計画を遂行中でございますが、その最終年度が三十六年度で、しかも経済企画庁の長期新経済計画とにらみ合せていきますと、三十七年度からさらに第二次五カ年計画を立てて、よほど強力に推し進めていかないと、国鉄はまた取り残される危険性があるのではないか、国民からのごうごうたる非難を受けるときがくるのではないか。だからあなた方が出されたこの五カ年計画というものを私が大さっぱに見て、これはどこまでも緊急措置だ、私はそう見ているのです。ほんとうの応急手当だ。そこでこの五カ年計画が終ってから、少しゆとりを持って、第二次五カ年計画に本格的に取り組むのが、今の日本の国有鉄道のあり方なんだ、そして日本の経済成長率とにらみ合せたあり方なんだ。間違いであるかどうかは別として、私はこう考えているのです、そうなってくるととても自己資金でやっていけない。当然今のようなことではなくて、思い切ってここで大きなものを政府出資に切りかえてやらないと、国鉄自信が行き詰まるときがくるというのが私の見通しであり、意見でございます。ですから、いずれ私の見通しにあやまちがあるか、あやまちがなかったか、大体においてその現われは三十四年度からちょっとずつ出てくる、私はこういう見方をしております。以上で私の質問を終ります。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後一時四分散会

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