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28回国会衆議院1958/03/28

運輸委員会 第16号

発言数
180
登壇者
14
会派数
2
開催日
1958/03/28

会議録

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 これより会議を開きます。  陸運及び海運に関して調査を進めます。質疑の通告がありますから、順次これを許します。中原君。

中原健次日本社会党

○中原委員 まず最初に、運輸委員長並びに運輸委員の各位に、わざわざ時間をいただきましたことを厚く感謝いたします。私は御便宜をいただきましたこの機会に、国鉄当局、運輸省当局並びに警察当局に対して、以下の質問をしてみたいと考えます。その質問申し上げるに先立ちまして、そういう問題の提起されて参りました経緯を、簡単に申し上げておきたいと思うのであります。  このことは、さきに国鉄労働組合岡山地方本部が監理局当局に対しまして、具体的に申し上げますと、一月の昇給期において本部、本社間の昇給協定に基き、七月期の昇給において、欠格者として昇給のできなかった、いわゆるかっての論告者の復活調整を行うようにということが第一点であります。第二点は、当局から分区長補佐の助役制度策定に伴いまして、線路の工事補充員としての賃金人夫二十六名の補充をやめ、解職するとの当局からの申し入れに対して、協定通りにこれを継続、存置するようにという要求の、以上二つの問題を団体交渉に移しまして、それが繰り返し継続されておったというのがいわゆる問題の原因であります。そのことに関連いたしまして、組合側は具体的に団体交渉を重ねて参りまして、最初は二月の十二日に始まっておるようであります。自来数次にわたりまして団体交渉を重ねましたが、監理局当局の方ではその団体交渉を顧みようとしないで、いわば無視するかのような態度がその間繰り返されて参ったわけであります。そういう事態の中から、組合側といたしましては、広島地方の調停委員会にこの問題を持ち出しまして、事態の円満解決をはかろうとして努力をいたしたわけであります。これに対しまして、調停委員会といたしましては、労使双方の言い分を聴取いたしまして、その言い分の調査の上に基きまして問題を前進させ、そして自主的に解決するように団体交渉を再開してもらいたい、こういう勧告を持ち出して参ったのであります。従いまして、以来さらにその勧告に基きまして団体交渉を繰り返し続けて参ったというのが、その当時の実情であります。さらに二月の二十六日に至りまして、調停委員会は監理局と長並びに組合の委員長を招請いたしまして事情の聴取を行い、さらにその問題の前進をさせようとして、団体交渉をもって問題の解決をはかるようにということを、いわば再通告を発しておる。こういう手の込んだ経過がその中にあったわけであります。もとよりこのことは国鉄当局におかれて十分承知しておいでになるはずなのでありまして、別に今さら私が申し上げる必要はないと思いますけれども、一応この問題を再認識する必要があるかと考えるために申し上げるわけであります。  そういうような関係で再度の団交が始まったわけでありますが、監理局当局はいろいろな表現を用いまして、その団体交渉に誠意を示さなかった。たまたまそういうような経過の中から、三月十一日に広島の調停委員長がわざわざ岡山まで出向いてお見えになられたわけであります。そこで調停委員長の岡山での御出張の機を機会に、労働組合側としてはどうしてもこの問題を確認してもらいたい、了承してもらいたい、解決してもらいたいというような意味で、当時当日非番の組合員諸君が多数そこに詰めかけて参った、こういう現象が起きたわけであります。そこで現場とはつまり管理川の構内、庭でありますが、その監理局の構内に詰めかけて参った。そうして聞くところによりますと、詰めかけて参りました組合員側は、そのとき問題になっている要点を三つの幕に明記いたしまして、それを掲揚した。従ってその掲揚いたしました三つののぼりを守るという必要は当然あるわけであります。従って、そういうような関係で、いわゆるすわり込みという形が発生したかと聞いておるわけであります。ところがその詰めかけて参りました状態を見るや、監理局長は直ちに警察官の動員を要請した。それだけではなくて、公安官を動員した。こういう一つの拮抗情勢が生まれてきた。これは私が一応承知しております経過を申し上げたわけですが、その経過に対しまして、幸い吾孫子さんもおられるので、一応あなたの方で摂取しておいでになる情報と私の申し上げたのと違うかどうか、この点を確認しておきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 お答え申し上げます。私ちょっと遅刻いたしましたので、一番最初におっしゃった点はお答え漏れするかと思いますが、岡山の監理局で職員の昇給問題その他若干要員問題等もございまして、それらの問題が労使の間で話がまとまらないで、かなり前からもめておったことは事実でございます。そうしてまたそれがまだ今日においても完全に片づいたというところまで参っておりません。それでただいま先生がお話しになりましたように、特に昇給問題につきまして組合側が調停の申請をいたしました。この問題が発生いたしましたのは、先ほど三月十一日とおっしゃいましたが、十日でございましたのですけれども、その当時は広島の調停委員長としてはまだ正式に調停を受理するという形はとっておいでになりませんでしたが、とにかく調停委員長があっせんの労をとる、こういうことで、二月の二十五日に岡山の局長が広島の調停委員会に出頭して、その際もいろいろお話を申し上げ、さらにその翌日の二十六日にも今度は委員会の方で関係者をお呼び出しになるという形で、またいろいろあっせんの労をおとり下さったことはその通りでございまして、三月の十日に、それでは現地であっせんしよう、こういうことで委員長が岡山に来られることになったわけであります。それでその日に組合側としては、調停委員長の現地あっせんに対して、いわゆるデモンストレーションという意味もあったと思いますが、その日の朝早くから局の庁舎の付近並びに一部の組合員が屋上に上りまして、そうして盤上から要求事項のスローガンを掲げた懸垂幕をたらし、赤旗を振り、相当気勢を上げたということも、これも今先生もちょっとお触れになりましたが、そういうような状況であったわけでございます。それで局側といたしましては、かなりそのデモンストレーションの勢いというものは激しいものでございましたので、早朝から何回も口頭によりあるいはまた放送によりあるいはまた書面によって、局の庁舎の中へ入ってきて騒いでおるその状態をやめてほしいというにとは、何回も警告を発しておったわけでございますが、なかなか言うことを聞いてもらえない。そこで、むろん最初は局庁舎におりまする守衛等によってその喧騒の状態を取り静めたいということで、あとは口頭の申し入れや放送等によって早く正常な状態に戻ってほしいということを言っておったのでありますが、とうていそれでは力及ばないということで、八時二十分ごろに公安職員を二十七名ほど局に呼んできた。それで公安職員の手で事態を取り辞めるつもりでおったのでございますけれども、なかなか勢いが激しくてそれではおさまらないということから、やむを得ず最後に十二時を過ぎまして、十二時五分ごろに局長から県の警察本部長に対し——警察の出動を求めましたのは朝求めたというわけではございませんので、十二時五分ごろでございます。十二時五分ごろに電話でもって監理局長から県の警察本部長に対して警察官の出動を依頼し、また営業部長も同時に電話で、これは所轄の岡山の西警察署の方にやはり警察官の出動を要請した。それで警察の方もこの要請に基きまして出動をいたしまして、それが現場の付近の局の庁舎の西側の道路上に最初来て集結したわけでありますが、その時間は十三時二十五分ごろでございまして、その後さらに何度も組合との間で早く穏便に解放してもらわないと、警察官の実力行使ということもやむを得なくなるからということは話し合いがあったわけでございまして、最後に警察官が実力行使を行いましたのは、十六時二分から十六時六分くらいの間でございまして、ただいまこういうふうな事態になりますまでの経過について、いろいろ先生がお調べになりました事柄の大筋は大体その通りなんでございますが、警察との関係は朝から呼んだというのではないのでございまして、ただいま申し上げたような段取りになっておるわけであります。

兼松學日本国有鉄道参与(職員局長)

○兼松説明員 ただいま第一項の昇給の問題についての先生からのお話につきましてだけお答えいたします。昇給の処置につきましては本社、本部間では協定はいたしております。その本文は本日はここに持って参っておりませんでしたが、要するに七月期の問題をどうするとかいうようなことは何ら協定にございません。訓告その他のものを局長の自由裁量の中に入れたということでございまして、七月期をどうするというようなことの問題は何ら本社、本部間の協定にはございません。以上でございます。

中原健次日本社会党

○中原委員 経緯の中の給与の関係その他のことについて今日は触れません。それで議論をするとすればこれは相当時間がほしいわけでして、もちろん議論になります。特に訓告の処分の人までがその中へ取り扱われた等についてもかなり議論があるわけです。これは今日申し上げません。ただその経過として申し上げただけです。  そこで問題は警察官の動員のことですが、動員された警察官は何でも七十名くらいおった由であります。ここで私は大事だと思いますことは、当局は、つまり労使の関係の中で話せばわかるはずのことなのです。話し合いができないはずはない。それはまとまるとかこわれるとかいうことは別です。しかしながら何とかまとまるところにまとまり得る可能性はあるわけです。それがないと前提して話を進める性質のものではないと考えております。従ってそういう場合に第三者の警察官をわざわざ動員せしめて、空気を険悪化ならしめていくということが解決になるであろうか。これは解決になるどころでなくて、かえって紛争は混乱に陥る、そのときの状況はますます危険性をはらんでくるということを私は思うわけです。この点は、副総裁もおいでになることですが、吾孫子さんは特に常時このことを管掌しておいでになる立場から、十分心に銘じてほんとうに御理解願いたいのです。警察官では事は片づきません。警察官というものは——ちょっとこれは言い過ぎになるような表現になるかもしれませんけれども、警察官の持っておる武器、これは使いようによれば凶器になるのです。この点は十分理解しなければいかぬです。武器には違いないです。正当に行使すれば警察権の行使なのです。ところがそれが一つ脱却しますると凶器に化するわけなのです。従って暴力になるわけです。その間の判断はなかなかこれはむずかしいですね。ちょっとの瞬間に暴力化す、そういう危険をはらんだ装備を持った警察官、あるいは任務を持った警察官、この人が労使の中へ介入し——介入という言葉は適当でないまでも、その中へ入ってくるということ自体が、やはり問題を解決することではない、私はそう思うてやみません。従ってこのことは当局に特にお願いをいたしておきたい、今後問題のあることですから。ひとりこれは岡山だけではないのですね。まだ不当労働行為その他各種のいわゆる行き過ぎの労働対策といいますか、当局の労働対策については各所各地にこれは起っておることです。そういう場合に特にこれは心を用いて考えていただかなければならぬし、もちろん組合側としても当然十二分に考えなければなりませんし、われわれとしても国民の立場から十二分に考えなければならぬことは言うまでもないのです。ただ問題は警察官のそうした動員の態勢が、解決を促すであろうかということなのです。この点について副総裁に一つ、いかがにお考えになるか……。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 国鉄の労働関係につきましては私どもも常々深い関心を持ち、努めていたずらな紛議が起らないように注意をいたして参っておるのでございます。ただ何分にも全国に事業場が数千ございまするし、組合員の数も四十五万になんなんとしておりまするので、いろいろ場所々々におきまして特別の問題がちょいちょい起るということは、実は十分関心を持ちながらも免れない問題でございます。冒頭に申し上げましたように、労働問題につきましては、正常化を保ちつつ、いたずらなトラブルは避けていきたいということでございまして、こういう立場から申しましても、みだりに警察の力をたよるということは差し控えるべき問題だと思います。ただ本件のように、数時間にわたりまして業務を運営している庁舎に労働組合員が多数入って参りまして、懸垂幕をおろすというような違法とせられている行為をして、再三退去を請求いたしましたにもかかわらず、なかなか退去しないというふうな場合には、あるいは秩序を維持しなければならぬというふうなそのときの判断におきまして、警察官を要請するというのも場合によりまして必要であったと考えるのでございまするが、大局的に申しますれば、労働問題につきましてはできるだけ話し合いによって穏やかに、円満に物事を処理していきたいというのは、先生のおっしゃるまでもなく私どももそういうふうに考えておる次第でございます。

中原健次日本社会党

○中原委員 ただいま懸垂幕のお話が幾たびも出ておりますので、一応懸垂幕の内容だけははっきりしておきたいと思うのです。何も危険なことが書いてあるように私は感じませんでしたので。いやむしろここに岡山監理局当局の態度の、好意的ならざるものがあるということを語っておるのじゃないか、そう思いますので、一応申し上げておきます。一つの懸垂幕は「ストもだめ、順法もいけない、調停は聞かず、団交もしない、どうしろというのか」、これが一つの質問的なものですね。第二は「二十六人の臨時人夫首切り反対である、業務量に見合う委員を配置せよ、年度末手当をもらいたい、賃金の引き上げをやってもらいたい」、こういうことなんで、別にどうも危険性があるようにも感じません。むしろ当局の、そういう問題を中心としての団交の場の中で誠意が足りないのじゃないか。そこでこう言わざるを得なくなったのじゃないかというふうに私は想像し得るわけです。これはおそらく他の委員諸君におかれても御理解願えるだろうと私は思いまするし、もちろん当局におかれても何とかもう少しこの問題について、団交に対する折衝の態度が必要であったのじゃないかという問題がこれは残ると思うのです。  あともう一つ申し上げたいことは、岡山監理局の構内というのは、実は一般に関係はありません。全くありません。非常に広い庭でありまして、その広い庭の中でのこれは話の模様なんでありまして、別にそれが第三者に何ほども妨害を与えるものじゃない。それから屋上の場合はもちろんこれはいつも取りっぱなしになっておるところです。別にこの屋上がとりわけ困るというほどの問題でもない。従って公けの秩序にどうこうということは毛頭ない。あるいは職務の執行にじゃまになるかといえば、絶対にない。これは監理局の職員諸君は自由に出入りもするし仕事もできる、これは何も関係ない。もちろん言うまでもなくこれは汽車がとまるわけでも何でもない、そういう環境の中で行われている団交なんですから、もう少し穏やかに私は話の取扱いがなし得るものではないか、そういうふうにやはり強く感じてやみません。従って今度のできごとというものは、何だかわざとそういうできごとを作り上げる条件を作ったのじゃないかというふうに感じられるわけです。しかもそういうような経過の中で、警察官が実力行使を二回やっているのです。最初はまだ話し合いをしている最中に、何か話し合いがうまくいかないというような空気を見たら、さっとやってしまった。話し合いがうまくいかないから警察官が実力行使をもって、そこに動員されている国鉄の職員諸君、しかも非番の職員諸君をやっつけなければならぬという理由があるだろうか。これはどう考えても了承できないのです。そういうことではなしに——しかもこの場では先ほど二十七名とおっしゃったが、公安官は大体四十名と聞いております。私は数をせんさくしようというのではありませんが、四十名と聞いております。その四十名の公安官が出ているわけでもある。そういうようないきさつの中で、最初の話し合いがうまくいかなかったという情報を聞くや、すぐに警察官が実力行使にかかった。もちろんそのことは当局側が要請したというところに導因があったと釈明されているようであります。それがちょっとうなずけない。一体何ということだろう、そういうような空気を作らなくてもよくはないかということなんです。空気から申しますと、その日はまあ巻きずしでも持ってきて、ぼつぼつ巻きずしでも食べながら、いわば花見のような気分で少々陽春めいた感じの中で、みなが気づかいながら団交の結論を待っておった。こういう空気であったといわれている。ですから何もそこで驚くべき情勢が起るべきはずは毛頭ない。いわんや実力などは全然行われておらない。むしろ行われたのは警察官の方であったということがいわれているわけなんです。なおその日逐一その情勢を目撃している人々に、報道関係の新聞記者の諸君が多数あったそうです。新聞記者の諸君から直接私聞きました。新聞記者の諸君がこれはもう見るにたえない、やはりこれではけんかは当局が売った形になる。だから一番最初の日の新聞の記事はかなり当局批判がきびしかった。これはとてもとても当局側としては、皆さんがごらんになったらびっくりなさるだろうと思う。とてもきびしかった。ひとり地元の岡山の新聞だけではない。岡山に通信部を置いている各新聞がこれをにぎやかに報道している。この際の当局の仕打ち並びに警察官の実力行使のなされ方に対しては、今後のこともあることだからきびしく批判するということが出ておったということを聞いておりますが、いずれにしましてもどうもそこで警察官を動員することには至らなかったのじゃないか。そういうことと関連しまして、警察官の行動にかなりあっせんをした者は、あるいはいろいろな配慮をなされたのは八木基君です。八木基営業部長です。この人がずいぶんやった。これはもうだれも知っております。八木基営業部長のいわばさしがねでそういう情勢が激発された、こういうふうにいわれているわけであります。しかもさっきから申しますように警察官の実力行使は二回にわたっているというところに問題があるのです。二四にわたっている。しかも最後の分は、最後の実力行使に際しましては、二階にいる諸君を引きずり落した。引きずり落した関係でけが人ができた。中には、小林何がしという、たしか組織部長をしている人と思いますが、小林君のごときは腕を折られてしまった。腕が折れた。そのとき腕が折れて大騒動になりましたから、直ちに鉄道の病院にかつぎ込んだ。その病院にかつぎ込んだときに診察したお医者の診断の意思表示は、これは骨が折れた、左骨折、左の骨が折れた、治療は二カ月かかる、こういうことで表明しているわけです。ところがそのことを聞いて当局の力ではあわてられたのかどうか、どういうことか知りませんが、もう一ぺん診察をして、今度は診断書を書きかえてしまった。そのときには十日間でなおるということを書いておる。だいぶ通っておりましたが、まだなおっておりません。そうすると医師の診断ははなはだ奇妙なものになってくる。悪くいえば疑わざるを得なくなってくる。その批判がここでは焦点じゃありませんが、そういう経過があった。そういう経過の中に骨を折られ、二十数名がけがをしておるというような事件が激発されておるのでありますから、これは当局におかれましてもほんとうに真剣に人の基本権を尊重する立場から、お考え願わなければならないのじゃないかと私は考えるのです。いかがですか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 庁舎は直接に輸送に関係いたしませんでも、いろいろ局長以下の者が業務上仕事をする重要な建物でございまして、これにつきましては監理局長が全部の管理権を掌握している次第であります。それで本件につきましては、多数の労組員が午前八時ごろでございますか、庁舎に侵入しようとした。この場合に局長はこれを拒絶したにもかかわらず入って参りました。やはりこれは不当侵入になる次第でありまして、管理権を犯しておるということでございます。それからまた屋上はあいているというお話でございましたが、しかし盤上を占拠して扉を閉じたということは、やはり管理者として捨てておかれないことでございますし、また懸垂幕の字句は別といたしましても、懸垂幕を建物に懸垂いたしますには、やはり管理者の許諾が必要でありますのに、それも得ないで懸垂幕をおろした。こういうふうなことにつきましては、あるいは先生と私ども管理者との見解の相違ではあるかもしれませんですが、その建物を管理する責任者である局長としては、やはり拒絶するのが当然ではないか、こう私は考える次第であります。しかもこの問題でいろいろ折衝いたしまして、退去すればこういう問題が起らなかったのでございますが、午前中半日説得に費して、なおかつ退去してもらえなかった。こういうことをまず前提に置いてお考え願いまして、決して入ったからすぐに警察官を呼んだわけでもなく、無警告に退去を強要したわけでもございませんで、それまでには尽すべき温和な手段は時間的にも、また口頭でも再三申し入れておる次第でございまして、どうしてもその建物の秩序維持が困難であるということで実力を行使したのでありまして、労組の力でも、実はその前に実力行使で建物に侵入しておりまして、多分その際でありますか、入った際に守衛がそれを阻止いたしましたのを押し倒して入った。そのために守衛が胸部打撲傷を負いまして、これは一〇月で、今回の負傷者のうちで最も重いけがをいたしておる次第でございます。また労組の方の腕が折れたということについてのいろいろな見方がございますが、私どもは医師の診断を信用いたしまして考てみますと、非常な重傷というようなことではございませんで、むしろ守衛の方がひどいけがをいたしておるような次第でございます。そういうことを全般を通じて見ますと、決して管理者側の方で不法に弾圧したとか、あるいは故意に激発させたというようなことは、私どもいろいろ反省いたしましたけれども出て参らないのでありますが、冒頭申し上げましたように、できるだけ労働問題は紛争の起らないように、また双方とも話し合いで済ませて、実力行使はなるべく避けていくというふうなことは、今後とも続けて参りたい、こう考えております。

中原健次日本社会党

○中原委員 実を申しますと小倉さんはヒューマニストという言葉が当っておるかどうか知りませんが、非常にヒューマニスティックな人だと私は尊敬しております。その小倉さんがいわば自分の部下ですか、職員の負傷に対して、もう少し思いやりのある考えをもって、この問題に触れた説明があるべきではないか。守衛の力の負傷のことももちろんでありますが、その真相は私よく存じませんけれども、直接自分の下僚の受けた骨折の傷害に対して、はなはだどうも冷淡に聞える、これは単に聞えるだけではないと思います。実際は何かあなたの立場、当局の立場を擁護するために、職員を全くはねのけてものを言うという感じがいたしてならぬ。それではいかぬと思うのです。今私が申し上げておるのはこの労使間の今起っておる賃金あるいは処分の問題、取扱いの問題についての理非曲直のことを議論しておるのとは違うのです。そのことはもちろんいたしますが、これは別にいたします。しかしそのことじゃなくて、その問題に関連してではあるが、起ったあの現象はあれでよかったのかどうかということを申し上げておるのです。ああいうとんでもない、いわば正常ならぬ状態を作り上げたということ自体に——もちろん組合側にも全く責任ないなどと申すのではありません。しかしながらそこまでいかなくても方法があったのではないか、あるじゃないか。その方法のあるということは、いわゆる団体交渉に対する熱度の問題なんです。局長はこの団体交渉に対して、ほんとうに真実を吐露して切々と話れさたかどうか。そうじゃなくてむしろこれを拒否するように拒否するように、軽視するように、無視するように扱うておいでになるという経緯があるのです。そのことを申し上げておるのです。それらがこの混乱を醸成しておるのです。そうであってみればもう少し真実職員に対する愛情をもって、この問題は御答弁を願いたいのです。そうでないとどうも私は了承できない。  なお医師の診断書というお話が今ありました。医師の診断書は残念ながら当っておりません。まだなおっておりません。私は現実にその男に会いましたがなおってはおりません。十日間でなおると書いてあるが、十日間はまつかなうそです。そういうとんでもない、真実とは違った診断書を書くような医者ということになれば、これは特に国鉄の鉄道病院の医者なんですが、これはお医者さんの責任にもなると思う。そのような診断書では困ると思うこれは政治性がある、ためにする診断書といわれても仕方がない。これは現実になおっておらないのですから、そこには政治性があるということを言われても仕方がない。そうでないこととを期待しますが、そういわれても仕方がない。なおっておるじゃないかといわれるならわかりますが、実はなおっておりません。そのことを今とやかく言おうとは思いませんが、いずれにしてもそういうおしなべての態度の中に、問題の解決がわれわれの期待せざる方向へ追い込まれておるのではなかろうか、こういうことなんです。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 職員が負傷されましたことにつきましては、その原因のいかんを問わずまことにお気の毒であるし、そういう点に深い関心を持つのでございまして、決して冷淡に考えておる次第ではございません。繰り返して申し上げる次第でございますが、今後の労働問題につきましても実力行使というような段階にまで行かずに、できるだけ話し合いで円満に協調して参りたいと念願しておりますことを重ねて申し上げておきます。

中原健次日本社会党

○中原委員 そこで二度目の警察官の実力行使の場ですが、何でも十五時三十分ごろから発して十六時二十分くらいまでの間のできごとらしいのです。その時間はちょうど藤井執行委員長と畑中書記長とが、局長といわゆる話し合いをしている最中らしいのです。その話し合いをしている最中に、八木基君が警察官をまた促した。それで警察官は、やってしまって早く解散したいという意思に燃えておったそうです。これは裏話だからどうでもいいですが、腹が減ってかなわぬ、そこで適当なところでやってしまって解散したいというような気持も手伝っておると言うておる人もおるそうですから、おそらくそうでしょう。そういうことはどうでもよろしいとしても、そういうふまじめな話がそこに介在している。そこで実力行使に移ったということです。そうすると、八木営業部長というものはそれでよかったのかどうか、これに対する御見解はいかがでしょう。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 ただいまお話にございました通り、屋上の組合員をばおろしますために、公安職員や警察官の方方が屋上に上られたのは十五時四十分ごろでございます。それで早くおりてもらいませんと実力の激突が起るというおそれは十分あったわけでございまして、そういう状況でございましたので、局長は今お話にございました通り、局長室で藤井委員長や畑中書記長に対して、早くおりるようにしてくれ、そうしないとけが人を出す心配があるからということを強く促しておったわけであります。そういう勧告をしております最中に八木営業部長が局長に対して、もうこういう状態をいつまでも続けておるわけにいかぬからと判断したのだと思いますが、実力行使をしようと思うがいかがですかということで意見を求めて、局長はそれに対してよろしいという返事をしております。そして営業応長に対しては、ここまでくれば実力行使やむを得ない、よろしいという返事を一方で与えながら、組合側の委員長に対しては、もう実力行使も始まろうとしておるから、一刻も早く退去してほしいということをさらに強く要望しておるわけでございまして、この間八木営業部長が自分勝手な考えで実力行使を促進させたのだというような事実はなかった、私どもの調べたところではそういうふうに判断いたしております。

中原健次日本社会党

○中原委員 そこがちょっと食い違うのですね。私の考えといたしましては、営業部長が独断でやった、局長の了解でやったということはどちらでも同じです。とにかく双方が話し合いをしておる、ことにそのときの話の焦点は、何でも警察も引いてくれ、公安官も引け、わしらも引く、それで活は平常に戻してということになっておったと開いております。この点が、どういうふうに御理解になったのか知りませんけれども、違ったのでは困るのです。そこなんです。しかも話の結論が出ようとしておる寸前に、よろしい、やりなさいということは局長がけしからぬと思うのです。問題が平穏に解決し得る条件が作られておるにかかわらず、そのことを無視しておる。むしろ実力でやってしまえということの方へ焦点を置いておるということになると思うのです。そうではなくて、なぜ話し合いに焦点を置かなかったか。大体労働問題はそうでしょう。話し合いというのはいつの場合でも非常に重要なんです。労働問題解決の中心点は団体交渉なんです。その団体交渉の話し合いをするということが大事なんです。これはやったらいいと思うのです。またやろうとしておったと思うのです。なぜそれをほんとうにやり遂げなかったか。その途中によろしい、やってしまいなさいというようなばかなことがあるでしょうか。これはやはり認定自身が間違っておると思う。大体認定の問題というのは実にけしからぬですね。もう少し客観的な条件を考慮に入れて、ほんとうにスムーズに問題を解決するという熱意と真心から私は認定してもらいたいと思う。認定というと妙に排他的になってしまう。そういうことではほんとうの結論が出ぬのではないかと思うのです。とにかく八木営業部長がそういう操作を行なったということになれば、これは責任があると思うのです。もし彼に責任がないとすれば局長にある。いすれにしましても局長にある。この責任はおとりにならぬのですか。それでよろしいとお思いになるのかどうか。副総裁いかがですか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 先ほども申し上げましたが、局長は同庁舎の秩序維持に当っております責任者でございます。それで本件につきましては再三再四労組の委員長に反省を求めまして、事が荒立つ前に退去してほしいということを繰り返して言っておりますし、また組合員が庁舎に侵入しましたのが、八時でございまして、退去したのは四時ごろでございまして、その間繰り返し退去を申し入れたにもかかわらず退去しなかった。それからまた最後の段階におきましても、局長が、実力行使をするから諸君の方でも引いてくれと言いましても、なお委員長がすぐその手段をとらなかった。もしそれをとってくれればかようなことに至らなかったというふうな事実を全都勘案いたしますれば、私としては管理音に責任はなかったことというふうに考えております。

中原健次日本社会党

○中原委員 そうすると警察官の実力行使の時間は何時であったのですか。三度目のですよ。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 二度目とおっしゃいますのは、全部をおろしたときのことだと思います。それは十六時二分ごろから十六時六分ごろの間でございます。

中原健次日本社会党

○中原委員 そこなんですね。今の副総裁のお話は、副総裁の立場からだけ目をつぶって答弁をしておいでになると思うのです。それでは困ると思う月をつぶらないでそういう現状を見てもらいたいと思うのです。そのときにすでに双方引かそう、警察官も公女官も組合員も引かそう、こういうことになったのです。これは実にその瞬間なんですね。それがかりに三分先であろうが五分先であろうが、もうそこまで話がきておる。そのときにやってしまえということは、やはり暴力をもって威嚇するということにすぎないと私は思うのです。そういうことで解決がつくと思ったら間違いであって、暴力では解決つかないのです。やはり誠実な話し合いということでなくては、ほんとうの解決はつかないのじゃないか。ことに国鉄の問題は天下の大問題なんです。それだけによほど慎重にやらなければならないと私は思うのです。幸い運輸大臣がお見えなんですが、運輸大臣の人格に——ちょっと質問するのもどうかという気がしますけれども、この問題についてはやはりそういうふうに御協力いただきたいのです。実際問題として、力でやる、ひじを張ってやっては、これは片づきませんよ。労働者階級にとっては、給与の問題、就職の問題は命がけです。実際生きるか死ぬるかの境目なんです。これは皆さん自身が考えればわかるのです。人間というものは生活の安定が第一条件です。その安定が脅かされておるのが現状です。その議論はいたしませんけれども、そういう状況なんです。そういうときの問題なんですから、もう少しけんかがまえじゃなくて、誠実をもって話し合いを進める——なるほどそこまで当局が努力せられたのにかかわらずいけなければ、これは当局に旗が上りますよ。それでなしにすぐに腕でもってやってしまえという態勢では、ほんとうの解決はつかないのじゃないか。これは運輸大臣にお伺いいたします。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 岡山の事件のことにつきましては、私も国鉄から報告を受けております。しかし今仰せになりましたように、力でもって圧迫すべきものじゃないのでありまして、労使の正常化をはかるためには話し合いをし、適当な時期を見て解決するということでございまして、この点におきましては労使間の正常化と国鉄運輸の安全、この二つの建前を私は守っていただくことを希望しておるのでありまして、暴力をもってするということは、双方ともよほど慎しまなければならぬというふうに考えておる次第でございます。

中原健次日本社会党

○中原委員 本来労働組合というものは——申し上げる必要ないのですが、自分のいわゆるエゴイズムをもってやり抜くということは、労働組合の組織論からいけば間違いなんです。そんなことは理論上許されないのです。やはり労働組合の行為というものは、大衆に理解され、大衆に肯定され、あるいは積極的な支持を受けるというとこへ労働組合の方針というものはマッチしていかなければならないのです。従って今大臣が言われたように、暴力をもってということは、労働組合自身も非常にこれを忌避いたしております。そういう意味で互いに円満な解決をはかることはもちろん可能であるということを私は信じて疑わぬのです。  なお今の警察官の実力行使の問題と関連するのですが、公安員は何時間おったのですか。これは大へんな問題ですね。一体公安員はほかには用がなかったのかという問題も出てくると思うのです。しかも四十名ですよ。二十七名だとおっしゃったけれども、四十名だと私は聞いております。これは違えば現実を調べなければなりませんが、いずれにしても何時間もおったのです。相当長くおったと思うのです。それでは他の本来の任務が果されないのじゃないか。これはどう思いますか。

橋本錬太郎日本国有鉄道参与(公安本部長)

○橋本説明員 ただいまの御質問にお答えいたしたいと思います。八時二十分から三十分くらいまでの間に、公安職員が二十七名監理局庁舎に出動いたしております。その後擾乱の傾向がございましたので、公安職員を増加いたしまして、最後の段階では四十名くらいに相なった、こういうことでございます。それから仕事の方はそれでいいかというような御質問だったと思いますが、当日監理局侵入の事件が起りましたのが八時十分ころからでございますので、公安職員といたしましては、前日から引き続きまして勤務しておりました現場の公安職員の大都分の者をそのまま引き続いて勤務いたさせまして、当日出勤の者と前日から引き続きまして勤務に服した者と両方合せまして、四十名の人員を確保したということでございまして、当日といたしましては、できるだけ現場の方の業務に支障のないようにということで、最大の要員の操作を行なって仕事に当った次第でございます。

中原健次日本社会党

○中原委員 公安員の任務の遂行の問題に関しましては、いろいろ支障が出ると思います。長時間にわたって当日勤務を含めてじんぜん時間を費し、しかも効果どころか、かえって逆効果を来たしたということを思えば、当局の労働対策というものが感心したものかどうか、私は疑問があると思う。しかも実力が内包されており、実力をもって事がきめられるという考え方の中には、労働問題に対する正常な考え方がないといえると思う。これは今後とも一そう御研究を願いたい。それでいいだろうということは大きな問題なんです。次から次へと実力をもって事が片つけられるかのごとく考えられる方針が出てくるということになって参りますれば、これはただならぬことになります。そういうことを激発した責任はどちらにあるかということになってくるわけです。これは単に国鉄労働組合岡山だけの問題ではないのです。いわんや国鉄だけの問題ではない、これは全面的な問題になってきます。従ってこのことはもう少し御検討を願って、真実に問題の禍根をかなぐり捨てることのできるように御配慮を願いたい。当日そういう経過の中で、いわゆる実力行使のあとで負傷まで出したというときに、局長はみんなの前に出られて、手違いを認め、かつ陳謝しておいでになる。そのことによってみんなが気持をないだわけです。局長がそう言っておるのならいいだろうということで、事がおさまったというふうに聞いているのですが、いずれにしましてもその手違いの確認は、局長自身がしておいでになるわけです。そうなると、この問題はどういうふうに考えたらいいでしょうか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 この点についても私ども局長からもよく話を聞いたのでございますが、局長としては、委員長と話し合いをいたしておりまして、委員長に、早く行ってみんなおろしてもらいたい、そうすればけが人も出ないで済むのだからということを強く勧めておった。そのときに、委員長がすぐさっと席を立って行ってくれれば間に合ったわけなんでございますが、委員長が立ち上って屋上を占拠しておる諸君に話しに行く時期がおくれましたために、委各員長が屋上に上ったときにはすでに実力行使が行われてしまったあとであった。このことについて局長としては、屋上の現場の状況をもっとよく知っておれば、早く話を打ち切って、さあ早く行けということをなし得たのに、その状況の把握に不十分な点があったために、その時期を失した、というふうに局長自身が判断をいたしまして、一方組合の委員長からは、自分が行ってみたらもうだれもいないという状態だった。これでは自分がいかにもその場所を逃げておったような格好にもなるし、みんなの前で釈明してほしいと言われて、それではということで庁舎の外へおりた職員のところへ出ていって話をした。その話というのは、自分としては早く退去してほしいということを再三言ったのに、すぐにそれを聞いてくれなかったからこういうような結果になったので、まことに遺憾である、今後は絶対こういうことのないようにしてほしい。しかし最後の段階で自分の状況把握ということが不十分で、こういう結果になったということは、部内連絡に不十分な点があったと思うので遺憾であるということを申した、そういうふうに聞いておるわけでございます。客観的な情勢から私ども判断いたしますと、先ほど来申し上げましたように、その日はもう朝から何度も口頭により、文書により、放送により、早く退去してほしいということを申しておったわけでございますし、それからまた警察官が現場に到着してから実際に実力行使されまする間には、三時間近い時間もたっておりまするし、このままいけば当然警察官が実力を行使するであろうという状況は、客観的に見ても十分みんながわかる状況にあったというふうに思われまするし、また先ほどお尋ねのございました公安支部長である営業部長が実力行使について指図をする前には、一局長にちゃんと連絡もしており、局長の承認を得て指図もしておるわけでございますから、客観的に見て部内連絡に不十分な点があったというようには私どもは考えておりません。

中原健次日本社会党

○中原委員 考えておいでにならなくても、局長は手続の不十分さは認めておるのです。それは一人の前で言ったのではない。国鉄の当事者の前だけで言ったのとは違うのです。第三者が聞いているのだから、事情もはっきりしているのです。それをあとで問題をしかるべく片づけようという意味で表現を訂正されてもこれは通らぬです。その論はいいとして、問題を解決するためになぜもう少し本気にならぬかということを言わなければならぬ。これは国際問題です。先般共同視察団ですかが見えて、日本で一番大きい問題として取り上げたのは何かと言えば国鉄の問題です。国鉄の裁定なり調停なりの問題がスムーズに行ってない、そんなことでは困るじゃないか、もう少し労働問題に対して本気になれという批判を下しておることは御存じだと思う。これは直接日本だけの問題じゃないと思うのです。国際問題の舞台に上げられてしまっておるのです。しかもこのことが関連しまして、いわゆる労働権という問題が非常にやかましくなっている。そして現在では日本の国際的恥辱になりつつある。これは今さら私が議論しなくてもおわかりであると思う。そこまで目を転じてもらわなければならぬ。今起っている国鉄の紛争の基本線は、経済問題である。ここに国鉄の考えるべき点があるのではないか。国鉄が貧乏だとは言わせませんよ。これは幾ら説明してもだめですよ。国鉄の次から次へのいわゆる財力行便を見ればわかるのです。これはもう少し考えてもらわぬと困る。しかも今私が廊下で聞いたのですけれども、機労に対して団交を拒否するという方針を持っておいでになるらしい。これは機労の話ですけれども、それも一つの関連がある。このことに対しては学説もあるし、いろいろ議論がありますから、それはよろしいですが、さらにかてて加えて小倉副総裁の名で一二四九号ですか、一つの依命通達を出している。一切がっさい今後は取り上げてはならぬ。全部峻拒せよ、こういうようなとんでもない方針まで出しておいでになる。これは問題があると思う。いずれ他の委員から御質問があると思いますから、私は申しませんけれども、一から百までそういう態度で対処しておいでになるのでは問題は解決いたしません。結論は残念ながら血が流れます。もうすでに岡山で血が流れました。血を流したとすれば、——たとえばそうでしょう。自動車に衝突しても、交通違反をやっている者がけがをしたときに一体どうなるか。交通違反だからけがをしたのはお前の自業自得だと済ましてしまうでしょうか。これでは片づかないのです。やはりけがをさせた方が問題を追及されるほどに人の生命財産は大切です。要するにそれと似ております。そしてこれはそのことと経済問題との関連なのですから、よほど本格的に考えていただかぬと、ただその場の答弁を上手に済ましておけばいい。中原はやかましいから適当に答弁でごまかしておけというのでは、この場は済むとしても、あとが済まない。そのことを憂えるから申し上げておるのです。われわれとしてはこういう不穏なことにならないようにするために、言わなくてもいいことまで言わざるを得ないことになっているわけです。そのことを申し上げているわけです。ですから局長と部長の責任はやはりそれだけの釈明だけでは事が済まぬと思うのであります。これは十二分に御検討が願いたい。時間もないようでありますから、結論がつかないままに終らねばなりませんので残念でありますが、一応宿題として残しておきます。今労使間に起った雇用問題を含めた経済問題を、もう少し真剣に考えてもらわなくてはならぬのではないか、同時にこの問題の団交の経過において起った事象については、やはりその場を言いのがれるというのではなく、責任者はその責任をおうべきである。なぜ責任を追及なさらぬのか、これは重要なことです。真相の不十分な点があればこれからもそうしていただきたいと思いますが、現地を視察すべきです。現地を調査して話を聞けば十分にわかる。そのことを申し入れておきます。  それから警察庁から警備部長がお見えになっておりますので、ちょっと一言だけ触れておきますが、先ほどからの話で考えられることは、警察官の実力行使です。私はいつも思うのですが、この実力行使というのは実にすれすれなんですね。実力行使をちょっとしくじると暴力になるのです。これだけは一つ御理解願いたい。警察というものはそういうものです。一つ間違えば暴力になる。適正に行使すれば公安の維持に役立つでしょう。そういう危険な条件を具備した警察官が、かりに当局の要請があったにしろ、動員された以上は、よほど慎しんでもらいたい。実情を見ますと、中にはおもしろがってやるという者がおりますけれども、これはまことにけしからぬ。こういうことをしばしば見るのです。警察当局としてよほど慎重に考えていただかないと、ややもすればそれですぐに公務執行妨害、暴力行為等処罰ニ関スル法律に抵触云々という措置で片づけてしまう。しかもその暴力行為等処罰ニ関スル法律が提案されたときの当時の司法大臣はどう言っているか。これをもって労働運動や農民運動を妨害しない、弾圧しないとまで明言しておるのです。ところが今日ではややもすればこれが労働運動を弾圧する具に供されておるのです。これはいかがですか。もう少し慎重に行使してもらいたい。あの場でもそうでしょう、わずかな時間です。もうほんとうに十分か十五分の差で事は無事に解決しておる。何もきょうとやかく申し上げる必要はないほどに解決がついておるはずなんです。それを不祥な事件まで引き起さしめたのは、警察権の実力行使にあったのです。責任はもちろん当局にあると私は思います。けれども自分の持てる警察権の行使に対しては、もっと責任を持ってもらいたいと考えるのです。これは一つ警備部長にお願いしておきます。これは答弁は要りません。お願いしておきます。まことに長い時間失礼しました。応打ち切ります。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 山口君。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は最近の交通関係の労働問題につきまして、運輸大臣並びに労働省関係の方々に質問をいたしたいと思います。また国鉄関関係にも触れますので、国鉄関係も御答弁をいただきたいと思います。  私が緊急にこの質問をいたそうとしますまず第一の重点は、最近の私鉄の賃上げ要求に関する事態についてであります。御承知の通り私鉄は毎年春賃上げ闘争を行なっております。本年もこの賃上げ要求に参加しているものは百二十二組合ありまして、このうち今までの賃金、ベースを他に比べますと、大手十三社にこれを加重平均をしてみますと一万八千七百九十三円、従業員五百名以上の中企業のベースは一万七千四百六円、こういうのが昨年末までの貸金ベースの実績であります。これは私は他の基幹産業等にこれを比較いたしますると、決して高いものではないと思うのであります。しかも毎年いろいろの批判を浴びつつ私鉄が賃上げ要求をしておる、これについては私は一面原因を探求しなければならぬというふうに思うわけです。そこでこの原因の主たるものは終戦以来今日までほとんどの会社が定期昇給制度というものは実行しておりません。組合が要求をして初めて昇給を行う、組合が要求をしなければ何年たっても賃金の改訂は行われない。しかも資格は上りましても賃金はそのままであります。ただ適用されまするのは、その資格の上昇に基きまして退職の際の退職金等がその職階に当てはまるべースに従って支給される、これにすぎないのであります。こういうことは監督官署として今までにどういう指導をされたのか、一応その原因探求の意味からお答えを願いたい。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 運輸省は私鉄は監督いたしております。しかしその経営あるいは新しい事業をするという場合については認可をしておりまするが、賃金問題につきましては使用者と労働組合が団体交渉によって解決をしていくのが当然だと思います。国鉄は定期昇給があるのですが、私鉄には定期昇給がない、そういうことによって労働者側の主張がここに強く叫ばれてくるということは、これは団体交渉にによって御解決を願うほかはないと思っております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 監督官省として常識的に考えましても、定期昇給を行うのも団体交渉においてやれという今の大臣の答弁では、全く野放しであります。少くともそれらの基準についてはこれを指導することが監督官署として私は当然のことだと思う。これについて、民鉄部長も見えておりますから、今まで岡本部長はどういう指導をされておったか、また労働省も見えておるのでありますから、これについて労働省ははどういう所見をもって臨まれたのか、私はまず原因の点からこれを究明したいと思いますから、忌憚のない御答弁を願います。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局民営鉄道部長)

○岡本説明員 定期昇給制度につきましては、すでに御承知のように今回の私鉄争議に関しますいわゆる中山あっせん案の第三に、定期昇給制度とは明確に申しておりませんが、それを意味した問題につきまして相互に研究機関を作れということを提案しておられます。私といたしましてはやはりこの定期昇給制度が確立されて、そのつど賃金値上げについて紛争が起きるということを回避していただくことが最も望ましいように思っておりますので、今後はこういった制度の研究につきましては、所管官庁といたしましても十分協力していきたいと思っております。従来は必ずしも積極的にやっておりません。と申しますのは、労使の間において定期昇給制度について、必ずしも思想的に歩み寄りができていないというふうに私は聞いております。定期昇給の幅あるいは配分につきまして相互に思想的に相当距離がある。そういうことでもう少し歩み寄りがなければ、ここで所管官庁が、本来自主的に解決されるべき問題にかれこれ積極的に介入するということは、おもしろくないのじゃないかというふうに感じておった次第でございます。

亀井光労働事務官(労政局長)

○亀井政府委員 民間の企業におきまする賃金のあり方に対しまして労働省の考え方を申し上げますと、民間企業におきまする賃金のあり方は労使双方の自主的な話し合いによって、その体系にしましても、あるいはその内容にいたしましても、きめられていくという原則を貫いておりまして、これに対して労働省が支配介入するという建前はとっていないのでございます。ただ労働省としまして、労働教育の方面で、諸外国の賃金体系の問題あるいはそのあり方等の問題につきまして、いろいろ資料を作って素材として労使に渡していく。しかしその中からどういう制度、どういう内容のものをとるかということは、労使の自主的判断にまかせるという立場をとっている次第であります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 今大臣、岡本部長、労働省の三者ともに、定期昇給の問題については介入しない、任意に労使で問題を解決してもらいたい、こういうのであります。私は額その他について何も言っているわけではない。少くともこのような紛争の原因は、この制度そのものが野放しにされている結果、労働者としては毎年定期昇給にかわってそれを要求せざるを得ない。そして御承知だと思いますけれども、すでに今までに私鉄だけではありません、各産業に対しまして——私も労働委員を三期も四期も努めてきたのですが、この労働委員会は国家の公機関として再三にわたりましてあっせんをし、あるいは調停案を提示した。その場合には必ずそういう勧告がついておるのであります。同家の公機関がすでにこういう問題を恒常化するための勧告をなしておる。しからばその勧告に基いて監督官署はこれを実現に移すという誠意があってしかるべきなんです。それを野放しにしておいて、経営者の方がなかなか言うことを聞かない。紛争の起る原因を作っておいて、紛争が起るたびにそのつど政策でとやかくの批判をする。こういうことは行政官庁として許さるべき問題ではないと思う。いわば行政官庁の怠慢に原因するとも言わざるを得ないのです。労働大臣がお見えでございませんが、これを高い政治性から考えましても、放任しておいて事態の起きたときのみ批判しかつ介入しないと言いながら実質上介入して、しかも容易ならざる事態を惹起させるがごときは、私は責任政治としてあるべき姿ではないと思う。この点について、大臣どうお考えになりますか。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 むしろ運輸省がそういう不当な介入をしない方が、責任が確立されるのであります。運輸省としては慎重な態度をとっていかなければならぬのでありまして、この点運輸省としての態度は一線を画されているのでございますから、明白であると思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 そういう都合の悪いところは逃げて、都会のよいところだけをとって自己宣伝するということでは、私は、納得できない。今の私鉄だけではなく、公企業といわず私企業といわず、今日各炭業に労働問題が毎年繰り返されるおもな原因がそういうところにある。今日政府では、最低賃金制そのものにすら国会においても熱意を示していない。こういうことではただ単なる政治的宣伝にすぎないのであって、政府の責任はきわめて重大である。同時にこれは政府の怠慢と受け取らざるを得ないのです。この点は何と言われようと、私は今の答弁では承服できない。政府の怠慢を強く反省するよう私は要求しておきたいと思う。  次に、私はこの問題についてお尋ねいたします。経営者もあるいは政府も、労働者に対する安定した諸制度はほおかむりをしておって、あっせん案、調停案が出ると一方的に自分の有利なように解釈する。そうして紛争の種をまく。これは私は責任政治のあり方かと言いたいのであります。今度もその通りでありまして、私鉄の要求は十二月二十日に提出されておる。そして一月の十日に回答を受けて、不満としてこれを調停に付しておるのであります。ところが調停は不調に終って、中山あっせん案なるものが三月二十二日に提示されている。ところがこの中山あっせん案にもいろいろと批判もあり、賛否の意見もありましょうしかしこのあっせん案は一千円を基準とするものであることは御承知の通りです。ここで会社は受諾いたしましたけれども、組合は受諾しない。その理由として、経済状態も他の産業もあまり大きな変りを示しておらぬ、しかも本年後期において経済事情は上昇の傾向を持つ、こう政府も言明しておる。それならば、それに対応して生活を維持せんとすれば、当然昨年並み以上のものが出されてしかるべきだというのも私は一理あると思う。そういう先の見通しを持ちますために、組合は拒否した。その拒否した組合は直ちに私鉄経協に対して交渉を申し入れている。組合は、ただ単に組合交渉だけにとどまることなく、会社側がこの事態を収拾するため誠意をもって話し合いをしようというのであれば、単独交渉にも応じてやる、こういうことで東急、京浜あるいは名古屋鉄道等において単独交渉が行われた。現在まで単独交渉の行われているのは約二十社であります。しかるに大手だけはどうしても単独交渉に応じない。単独交渉に応じた会社にも外部からの圧力によって自由な交渉をさせない、こういうような事態にある。従っていたずらに紛争を長引かす結果になっているのでありますが、これに対して運輸大臣はどういうようにお考えになりますか。また民鉄部長はどういうように指導されておりますか。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 私の力から別に外部から圧力を加えていることは何もないと思います。私はその調停なりあっせんですか、経営者と組合側が円満に妥結せられるように希望する以外ないのでありまして、それに対して今干渉したり圧力を加えたりいたしておりません。運輸省は冷静な態度をとっているのであります。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局民営鉄道部長)

○岡本説明員 私といたしましても、その点についは全然介入すべきではない、また介入する意図も持っておりません。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 あなたはここで介入する意図はない、こういうように言われますけれども、私の従来からの体験から見て全然介入していないとは言えませんよ、私はちゃんと身をもって体験しておるのですから。そんなことを言われるなら、それではどんな事態が起きても監督官庁は自由放任しておかれるのですか。事態収拾について、国民の中にどんな混乱が起きようと監督官庁はほうっておくつもりですか。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 事態はまたほかの方において解決をせらるべきでありまして、運輸省といたしましては労使双方に対して今私の力でどうするということはすべきでない、むしろ労働法上に認める機関によってやっていただくというのほかにはないのであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 介入の事実はあとから教えてあげます。  そこで私は尋ねたいのでありますが、このような事態によってますます事態は悪化しつつあります。このことについては岡本民鉄部長どうですか、確認せられますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局民営鉄道部長)

○岡本説明員 私といたしましては、一日も早くこの事態が円満に解決せられることを希望しております。ただいま大臣もお話しいたしましたように、積極的にこれに介入するということはいけないのでありまして、ひたすら労使の協調によって、一日も早く円満解決をいたすということを望むよりほかはないというように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は何も介入せいと言っておるのではないのですよ。悪いとも言っておるのではないのですよ。けれどもあなた方は実質上介入しておいて、ほったらかしておるというようなことを言って表面を糊塗しようとしておるから、私は追及するだけなんです。一面から言えば、国民はそんな無責任な運輸省ならない方がいいと言いますよ。私もない方がいいと思うそんな無責任な運輸省や労働省なら、そんなものはない方がいいのです。何のための行政機関です。そんなものはない方がいいじゃないですか。もったいない、大臣の高い給料を払って——大臣以下職員は仕事をしてもらっておるのですよ。われわれの方からいえば、国民の税金じゃないですか。運輸省に行ったらこういうことを言いますよ。大臣、よく開いておいて下さい。私が言ったら、私は国民を代表して、国民から委託されておる行政官ですから、こういうことを言っておる。この言葉はどうです。その言葉と今のあなたの答弁と、どうなるのですか。一致しますか。自分の都合のいいときにはそう言ってうそぼけるし、自分の都合の悪いときにはヒョウタンナマズのように、ぬるぬる逃げる。そんなばかげた行政官がどこにありますか。そんな責任政治を大臣はお考えになっておるのですか。私はその点について不可解でならないのです。  さらに私は言いますが、この個別交渉によって、東急、名古屋鉄道、これは二十六日に妥結しておる。そのほか引き続いて現在までの間に六十六社が妥結をした、こう報告されておる。しかもこの東急の解決は、昨年をさらに上回る千四百十円の金額で妥結しておるのです。それだけならまだ矛盾しないのでありますけれども、この六十六社の解決しておる中には、未解決の大手の傍系会社がことごとく解決している。少くともこの大手の親会社の傍系会社が昨年より上回る賃金というものをすでに認めて、六十六社もが解決しておるということは、一体これをどうお考えになりますか。これでもなお親会社の言っていることがあなたは妥当性ありというようにお考えになりますか。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 各社労使の間において自主的に解決できたことはけっこうであります。これがひいては大会社、大手筋においても解決せられるように、私は期待をするだけであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 労働省はこれについてどういうお考えでありますか。

亀井光労働事務官(労政局長)

○亀井政府委員 ただいま運輸大臣からお話のございましたように、各子会社におきましてそういう自主解決ができているとしますれば、親会社におきましてもそういう実例の上に立ちまして自主交渉がさらに突っ込んで行われ、解決への道に運んでいくのではないかという期待はしておりますが、さればと申しまして労働省が積極的にこれに対して介入するという考えはありません。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 あなたの方の態度はわかりましたが、私はなお疑問に思うのであります。このようにして順調に——実は個別交渉をやれば妥結の方に進んでいるのです。私もこの二十六日の夜というものは経営者側に会いまして、いろいろ開いてみた。ところが各社に当ってみれば、解決をしたい、もちろん昨年通りの理解がつけばそれでも解決します、こう言ってあの二十六日の七時三十分かに始まって、十一時半に突然休憩になった。その休憩前は、交渉に入るまでは、これは解決いたしましょう、組合が個別交渉を行ってまあ昨年程度のことで理解がいくというならそれで解決してよろしい、こういう組合が、まだ解決しておりませんから私は名をあげませんけれども、多数あるのです。この十一組合のうち半数以上あるのですよ。それでこの二十六日のそういうような交渉で、全面解決ができると私は非常に明るい希望を持っておった、そして私どもも努力をした。ところがどうです。突然二十六日の午後十一時半からの交渉をやる、こういうときに態度ががらりと変った、豹変してきておる。そうしてついにこの三十七日のストライキというものは——これは交渉をやって、二十七日の午後五時ごろに休憩を宣したままで今日もなお交渉が行われない、そうして実質上今日も七割以上の改集札のストライキが行われておる、これは一体何に原因するものですか。監督官庁としては介入しないとしても、それについては何に原因するものということぐらいは調査されておると思うのですが、これは民鉄部長どうですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局民営鉄道部長)

○岡本説明員 今山口委員がおっしゃいましたことにつきましては、私全然存じません。それまでは大体妥結の腹を持っておったものが急変したということにつきましては、何にも存じません。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 民鉄部長自身としてはそう答えられるのかもしれませんけれども、それを知らないはずはないのです。大臣、どう思いますか。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 民鉄部長は正直に知らないと言っておるのでありますから、私はあなたに対して別にうその答弁はしておらぬのであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 ぼつぼつ教えてあげます。大臣、三月二十七日の産業経済の新聞をごらんになりましたか。民鉄部長これを見られましたか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局民営鉄道部長)

○岡本説明員 見ておりませんです。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 都合の悪いところだけは見ないで、都合のいいところだけを見てあなた方は暮らしておられるというのが、それが行政官の、いや運輸大臣の態度であるということだけははっきり確認しておきます。こういうありさまです。そこでこの新聞紙上に報ずるところにもありますように、この全く態度の豹変したのは、私鉄経営者協会の態度が硬化したのは、政府与党幹部がまず前日に妥結した東急の五島社長を呼んで、けしからぬ、こういうことは春闘相場を高めるものだ、こういうことをするなら君のところが今申請をしておる運賃値上げはやらない、会社の起債ワクも与えない、こういうことを言っておとしておる事実がある。ちゃんとここに出ているのですから、もし違えば新聞を告発したらいいのですよ。知らぬのなら教えてあげますから。その後に別所安次郎という私鉄経営者協会の常務理事がおる、これと有力会社の社長を呼びつけて、そして同様のことを言っておるのであります。その内容は、今言ったようにこの経営者協会が、社長会議がきめた中央交渉の線を守ること、そして中山あっせん案はあくまでもこれを固守すること、もしこれを破る会社があれば運賃の値上げを申請しておる会社の運賃値上げは認めない、企業に対する起債のワクはこれを承認したい、こういうことを言って圧力をかけておる。知るも知らぬもないじゃないですか。あなた方はいかにヒョウタンナマズ式に逃げようとされても、われわれはちゃんとここに証拠書類を持っておる。知らぬ存ぜぬでは済まされない。国民に迷惑をかけておるものは監督官署である、与党であると言わざるを得ない。われわれは一日も早く、事態を解決したい。夜の目も寝ずに努力しておる。しかるに一方においては権力をたてにして、起債は許してやらないぞ、運賃値上げは許さないぞ、このような恐喝によってまで——言い過ぎかもわからぬが、恐喝的な言辞まで弄して、そうして大衆に迷惑をかけることが責任政治家としてあることかどうか。不見識きわまりないじゃないか。一体これについてどういうような見解を有せられるか、大臣の所見を開きたい。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 その産業経済の記事に中村運輸大臣とか民鉄部長とありますか。ありますまい。私どもはさようなことを言ったことはございません。またさような無責任なことは不肖ながりになるのが当然じゃないでしょうか。あるいは労働大臣もそうです。それを責任のない者がやっておる、責任のある者が困っておる。あなたは議会に対しても十分な責任を持っておいでになる。労働大臣も運輸大臣も、国民全体に対して責任を持つのだ。しかるにその大臣以外の、何も責任を持たない人が、強い圧力を加えてこの争議を長引かせているという事実がもしはっきりわかった場合——あなたはその事実がわからぬとおっしゃった。これは私はだんだん申し上げて事実をはっきりわからせますが、わかった場合、それに対して適当な処置をおとりになるのが当然じゃないでしょうか。それを伺いたい

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 その御指摘になった人たちに対しては、別に職権を持ってどうするということは、これは私としてはできません。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 それならあなたは、大臣なんか何のためにあるのかわからぬですよ。大臣は、運輸省に対しても、昨年来とってこられた態度というものは、官僚主義は排するのだ、すべてのことについて一切私は国民の前に責任を持たなければならない、国民の前に責任を持たなければならないから、代行決裁は一切これを認めない、こう言って気骨のあるところを示された。まことに責任政治家として、私はあなたの気骨を買っていた。買っていたのですよ。信頼していたのですよ。ところがきょうあなたのその御意見を拝聴しておれば、それは一体どういうことなんですか。ちょっと精神分裂症みたいな格好じゃないですか。一体いつあなたはそういうような態度に変られたのです。あなたは常に権力々々ということが頭にあるようです。介入々々とあなたは勝手にきめつけておられるけれども、介入ということになれば権力を伴うかもしれませんよ。しかし行政官庁として権力を伴って介入するということではいけないとしても——私は介入ということは、これは皆さんのおっしゃるように反対です。介入ということは反対であるけれども、やはり行政官庁の責任において、労使間に正常なる事態を招来するためにこれに対して労をとるということは、当然の話じゃないですか。労をとるということと介入するということとは違う。いきなり警管が拳銃を引き抜いて、そして権力を持って群衆に接するというなら、これは権力の介入かもしれませんよ。逮捕状を持っていくというなら、それは権力の介入です、平たく言えば。あるいはいやだと言う者にむやみやたらに、私はこれだけのものを持っているのだからということで介入すれば、権力であるかもしれない。けれども私の言っているのはそうじゃありませんよ。行政官庁としてその労をとるということは当然な話だこう言っている。その労をとるということを、あなたは介入と解されるのですか。これはきわめて不親切、無責任、盲従といわざるを得ないのじゃないですか。これはどうですか。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 山口委員、発言中に精神分裂症という言葉が出ておりますけれども、少し言葉を注意して御質問願います。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 私はさっきも申し上げましたごとく、私どもとしてそういう労使の問題には、やはり法律によってその解決——調停、あっせんとあるのでございます。労をとるといって、なかなかあなたはうまい言葉を、おっしゃっておりますが、へまに労をとれば、あなた方からまた介入だと言われる。それだから私は、冷静にかまえていると申し上げておるのです。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 それは権力的にものが運べば介入になるでしょう。しかし労をとるという建前に立ってやれば、それをも責任を責めるということは、常識上考えられぬじゃありませんか。私も一通りの常識人としての常識だけは持っておるわけです。でありますから、そういうような言いのがれというような誤解を招くようなことはこの際やめられて、もう少し誠意のあることを私は言ってもらいたいと思う。  そこで私は大臣に尋ねますが、これはきょうの新聞にも載っております。日経連の私鉄争議に対する態度、それと河野経審長官の申されている態度、それと今までの運輸大臣が平生言っておられましたこの私鉄運賃をめぐる大臣の言明及びその態度、これとは一致するのですよ。これは一体どういうふうにお考えになります。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 今御指摘になったことの話は、私は新聞に載っておったように記憶いたしますが、値上げ問題と今度の問題とは、これは関係はございません。私はまたそれをひっからめていくというようなことはいたしません。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 あなたはそれが関係がないとおっしゃるけれども、しかし今までやっておられることは、全都関係しておるのですよ。そうして、しかもあなたは本委員会においても、私の任期中には、おそらく大手各社の運賃値上げは行いません、行われないでしょう、速記録によればこういう御答弁をなさっておるのです。ところがたまたまこの事態に直面をして、そうして自民党の労働対策あるいは政調会等においてとられております態度は、中山あっせん案を守らせて、他の産業に影響を与えないということを強く経営者にてこ入れをして、そうして今持っておる弱点、すなわち私鉄の経営者が輸送力増強に関する運輸省の指示によって、もちろんまたいろいろの勧告等もあったのでしょうが、そういうような指導によって、どんどん工事をやっておる。ところが運賃の値上げはやれない、金融は引き締められておる、だから大臣も御承知のように、増資をしておるところではむちゃな増資をやっておる。それだけに弱点を持っておる。その弱点につけ込んで、経営者に有利に解決するために、ストライキを使嗾しておると言われても仕方がないのですよ。そうして、しかも政審会であるとか労働部会の事で、これは正式な機関でしょう、しかも河野経審長官ですらそういうことをほのめかすということになると、これは天下の公党たる自民党も、共産党と同じくストライキの扇動者、こういうふうに言われてもいたし方ないと思う。ここで大臣が、そういうことはない、もしありとすれば、私の責任においても党内ではそういうことは慎しむようにいたします、という御答弁をなさるならば、私はそれでいいと思う。ところが先ほどからの御答弁では、知らぬ存ぜぬの一点張り、逆に私にかみついたぐらいのことが関の山で、これではここに聞いている皆さんでもだれが得心しますか。あなた自身だって納得できないじゃないですか。しかもこれが交換条件でありとすれば、この私鉄争議を見て、他の産業に及ぼす影響等も考えて、ただ単なる資本利潤の維持のために、正常なる労使の慣行ということを表面には掲げながら、実はその裏はいわゆるこのような大衆の犠牲においてストライキをやらして、大衆に犠牲をしいておって、その資本の損失の穴埋めは運賃値上げによってカバーをする、だからやれ、言いかえると、こういうことになるのですよ。これはあなたの今までの態度、私はそういうことは知りません、存じませんで済まされるものでもないし、済まされてはいられないだろうと私は信頼しておる、どうですか。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 しばしば申し上げます通り、今回の紛争の問題と運賃の値上げとか値下げとかいう経営問題とは、全然関係がないのです。私は日経連がどういうことを言っておるのか存じません。また知る必要もござりません、私としては。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 最後に私は申し上げておきます。こういうことを言っておるのですよ。「経営者側にテコ入れ」自民党の某幹部筋は二十六日の交渉開始前、私鉄経協の別所常務理事はじめ有力会社の社長を招き、経営者が社長会議の申合せの線を守り、あっせん案以上に組合側に譲歩しないようクギをさしたといわれる。これは私鉄の大手各社が今後に運賃値上げを予定しているため与党としては将来の運賃値上げを承認することをほのめかし、経営者の結束強化にテコ入れしたものとみられる。」そしてこれをやった人はちゃんと知っておるのですけれども、大臣をそう私は追い込もうと思ってないから、だから名前は後日に譲りますけれども、ちゃんとこういうふうに出ておる。これを言いかえますと、私のいう通りになる。よしお前らストライキいつまでやらせい、組合がへたばるまでやらせい、企業が損失をこうむるようになったら、これは運賃値上げでカバーしてやる、起債のワクを認めてやる、それで一時の金融ができるじゃないか、そのうちに運賃値上げで収入増になれば、それでカバ一できるじゃないか、安心してやりなさい、こういうことですよ。どうなさいます。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 私はそれらの外部の方々から言われましても、私は私の所信を守っていきたいと思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私はさっきから言うように、閣僚も、経審長官もと言っておるのですよ。これだけ名前をあげておきますけれども、そうすると閣僚でしょう、あれは。大臣はどういうふうな処置をとられるかということをちっとも具体的におっしゃってない。どうもおかしいじゃないですか。どうもあなたの答弁というものはちっともはっきりしてない。こんなことで国民は信頼し  それから、労働省に一つお尋ねしますけれども、こういうように日経連も非常に強い態度をとっていることは御承知の通りだと思うのですよ。いつまでも強い態度で両方突っぱり合いしておれば、それでいいかもしれませんけれども、国民は困りますよ。でありますから、私は哀訴嘆願するのでも何でもない。やはり国民の信頼を得た、委託を受けた、信任を受けた行政官庁としての存在からいえば、しかもそうして労働問題ということになれば、このような外部からの干渉、圧力というものは、排除するように努力していくということが当然の話だと思う。運輸省も労働省も省議にかけて、このような——私らに言わせれば、こういうことは不謹慎だと思う。こんな不謹慎なことをして国民に迷惑をかけることについては、これは十分に一つ省議の結論に基、いて、私は適宜の措置をとって、もらいたいと思うが、どうですか。

亀井光労働事務官(労政局長)

○亀井政府委員 私も新聞等で拝見をいたしただけでございまして、その内容につきましては全然知らないのでございまするが、そういうことが争議解決への大きな妨げになるというような判断になれば、これはわれわれとして考えて、実態につきましてはわれわれも調査してみたいと思っております。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 関連して。先ほど大臣は、私がそれを言ったのでないから、私としては何ら関知することではない、こういう御答弁だったと思うのです。しかしこれが争議の解決に重大な支障を与えておると考えるならば、大臣はどういうような御処置をとられるか。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 与えておるか与えておらないか、私はわからぬと思います。そしてこの問題については、私はさっきもお答え申し上げましたごとく、政調会長とかあるいは総務会長からのお話ならば、私が応じてやったというならば、それは御非難も受けなければならないが、私はそれらの人々のどうであるということは存じません。またそれらの人々がやっておられるということについては、これは党の最高責任者との話し合いがどこまであるのか、これは私は不幸にして存じません。そうでございますから、私は知らぬと、ほんとうに知りませんから申し上げておるのでございます。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 昨日並びにきょうの新聞に、河野経審長官が東急の社長を呼んで、そうしてお話しなさるようであります。同時に私鉄社長会議は、単独で解決をした東急の社長をスキャップとして糾弾をする、こう言っておる。そうするならば、この解決に当って、この種の運動が行われ、あるいは言明が行われておるということは、明らかに争議解決のじゃまをしておる、妨害をしておるということは、これは火を見るより明らかなんです。それを大臣が、私は妨害になっておるかおらないかわからないから、私はそういうことは何とも言えない、こういう御答弁は、私はまことに不可解な御答弁だと言わなければなりません。そこでもし大臣がその判断が十分できないのなら、ここで私たちは党の総裁に証人として来てもらわなければなりません。同時に、私鉄経営者協会に申し入れられたその人方、同時に私鉄経営者協会の専務理事である別所氏並びに社長に、ここに参考人として来てもらわなければならぬ。この点、委員長の取り計らいを願いたいと思います。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 理事会で協議いたします。  午前の会議はこの程度にいたし、本会議散会後再開いたします。  暫時休憩いたします。     午後二時四分休憩      ————◇—————     午後四時三十五分開議

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。下平君。

下平正一日本社会党

○下平委員 この前の委員会で御質問申し上げました静岡の監理局に起った事件について、当時の委員会で解明ができなかった点の報告書を当日いただいたわけでありますが、このいただきました報告書に基いて若干の質問をいたしたいと思います。  まずまっ先にお伺いしたい点は、この回答書に書かれてある事項については、国鉄として責任を持たれる内容だと思いますが、この点はいかがですか。内容について明確に責任を持って御提出願った文書と理解していますが、この点はどうですか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 そのつもりでおります。

下平正一日本社会党

○下平委員 それではこの報告書に基いて二、三お伺いいたしたいと思います。  まず第一項にありまするところの管外出張の件についてでありまするが、私はこの報告書を見てまず第一に考えましたことは、この報告書が非常にずさんな報告書ではないか、誠意のない報告書ではないかということを一番先に気がついたわけであります。まず第一番に、管外出張の問題の、(1)の項十月二十一日より三日間営総第一四〇号の通達により東鉄管内云々と書かれておりますが、営総第一四〇号という通達がないのです。これは間違いじゃないのですか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 今その通達をここに持っておりませんけれども、間違いなくこういう通達が出ているはずでございます。

下平正一日本社会党

○下平委員 この前の御答弁を通じても言えることでありまするが、国鉄当局のこの問題の取り上げ方について、極端なことを言うと、国会を侮辱しているような形が考えられるのです。この前にも答弁のときに、資料がない、調査をします、こういうことでありました。当然この報告書に基いての資料なんかは、総裁なり吾孫子さんなり、用意をされてきて当りまえじゃないか。いまだにあなたの手元にはこういう報告書がないのですか。営総第一四〇号という通達は、全然別の通達です。何にもこれに関係ないのです。御答弁をいただきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 この通達を私がただいま持って参りませんでしたのは、まことに気がつきませんでした。常総第一四〇号という通達は後ほど取り寄せることにいたします。

下平正一日本社会党

○下平委員 取り寄せていただく必要はないのです。私は追及する意味ではないのです。少くともあなた方が責任を持って出される、国会に対する責任ある文書に全然間違ったことが書かれてあるということは、私は不見識だと思う。これは吾孫子さん、営総二六七号です。だから私最初お伺いしたのは、私たちの質問とか、いろいろなことに対して甘く見ていると——言えば語弊がありますが、国会なんかどうでもいいのだ、簡単に過せばいいのだというような印象を強く受けるのです。この前の職員局長の兼松さんの答弁のときにもそういう強い印象を受けたので、念を押しておいたのです。私は誤解があれば私も誤解を解きます、だから的確に正直なところを御調査して報告をしていただきたい、こういうことを、この前の速記録にもある通り念を押してお願いしておいたのです。ところが先ほど聞きましたように、あなたの方で責任をもって出されたという文書は全然違います。この営総一四〇号という達は、全然なかった達なんです。これはあえて追及しようとは思いませんけれども、国会に対する資料、私たちの質問についてはもっと真剣に扱ってもらいたいと思うのです。見ようによると、われわれに対する侮辱ですよ。参考までに申し上げますが、ここにあります営総第一四〇号という達なんです。これはあとで別な角度からお伺いするとして、内容についてお聞きしたいと思います。  この前は副総裁もそれから吾孫子さんもお見えでありませんでしたので、質問の内容がおわかりにならない点があると思いますので、若干重複しますが、質問をいたします。私の質問した問題点というものは、第二組合の結成のために動いている人間、第二組合の運動をしている人間に当局が出張旅費を出しているが、この点は不当労働行為ではないか、こういう質問でありました。これを見ますると、十月二十一日付の達で、東鉄管内の駅務見学を目的として命令を出した、こういう報告書になっております。行った人間は、庄司栄一外四名、第二項にいきまして「上記職員に対し各箇所長は、出張を命ずる際、東鉄管内の何処でもよいから駅務の参考となると思われるところを見学して来るように申し渡した。」こういうあなた方の報告書になっております。そこで、旅費といえば公金であります。これを出して出張させるのにどこでもいいから勝手に見てこい、こういう出張のさせ方というのはあり得るのですか。私はもっと出張というものに対して、少くとも国鉄が金を使って見学をさせるのですから、本人の希望があるならその希望を現場長が聞くなら聞くでもいいのですが、少くとも一定の目的、一定の場所というようなものを指定して、そうして十分参考になる見学をしてくるというのが当りまえだと思うのですが、今報告書に書かれたような、どこでもいいから勝手に見てきなさいという形の出張が通例とられていることなんですか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 こういう場合というのは非常にまれな場合であろうと思います。目的並びに場所を指定するのが通例であると思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 そうするとここにありますのは、駅務の参考となる、こういうところを見てこいというわけですね。その駅務の範囲というのは、どういう範囲ですか。たとえば極端にいいますと、乗客掛をやっている諸君は、旅客からいろいろなことで質問を受けます。どこそこの桜はもう咲いたかとか、いろいろな質問を受けるのですが、たとえば駅務の関係ということは、相撲を見に行っても駅務に関係があるから、これは駅務の関係だ、こんなふうに拡大解釈をするものですか。駅務の参考というのは、一体どの程度のことをあなた方はお考えになっているのですか、これを一つ伺いたい。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 一般の駅務ということになりますれば、通常の場合は運転なり輸送なりに直接関連したこと、あるいは営業の事務に関連したことというのが通常考えられることでございます。相撲を見るというようなことは、これは常識の程度をはずれたことであるともちろん思いますけれども、常識的に考えまして、昨今労働問題等が職員の間の非常に大きな問題になっておることでございますから、労働関係についていろいろ勉強するというようなことは、これは駅の仕事に深い関係があるということは申し得るのではなかろうか、そういうふうに思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 ちょっと最後の方が聞き取れなかったのですが、駅務の参考というこの駅務の中には、労働問題とかそういうことも含まれているという御答弁なんですか。この前の御答弁とは大へん違うのです。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 駅における業務の遂行ということに、やはり労働関係の問題というものが、現実にいろいろ問題もあるわけでございますから、労働問題についていろいろ研究するということも、これはやはり駅の仕事に関係がある。それは相撲を見に行くのとはおのずから違うということでございます。

下平正一日本社会党

○下平委員 実はこの前あなたがおいでになりませんでしたので、この点について私は質問をして責任ある兼松さんの答弁として聞いておるわけでございますが、それと大へん違うわけです。労働問題が業務に直接関係のあるというのは、これは労働問題を職務として扱っている職員じゃないですか。それ以外の職員については、労働問題というのは、自分の職務を遂行するために面接必要事項ではないと思うのです。たとえばここに出ております沼津駅操車掛兼運転掛庄司栄一君は、なぜ労働問題のことを知らなければ操車掛ができないということがありますか。私は今吾孫子さんの云う業務を遂行するために労働問題も必要だという立場の人、それが労働課の諸君だとか、職員局の諸君だとか、そういう諸君はそういうことが言えると思います。だからそういう諸君の出張に国鉄が金を出すということについては、私は別に文句を言わないのです。ただここに現実に出ておるのは、静岡駅の信号係の吉田術というこの信用掛が、リールを引いて列車を通す、あるいは入れかえの転轍を扱うというのに、どうして短期労働大学の講座が必要ですか。信号掛が短期労働講座を受けることが、あなたの言う駅務の必要な条件、金を出してもこれをやらなければならぬということになるのか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 駅務と申しますと、駅の中のいろいろな職務によりまして内容も違って参りましょうが、鉄道はいろいろ広範囲な業務をやっておりますために、相互の関係が非常に広いのでありまして、直接的には、たとえば操車掛は車を操車するということでありますし、庶務関係のものは庶務の取扱いということが直接でございまして、先生のおっしゃったこれが第一次的な職務内容で、この職務に関連、いわばその範囲でありますが、いささかその内容を広く考えまして、たとえば上に立つ者が、下の者を人間的なつながりから管理するというような場合もございまして、そういう場合にはやはり上の者は下の者をいろいろな立場で、労働問題に関連しましていろいろな指導もし、あるいは質問も受け、その他のこともございますから、広く常識的に申しましては、やはり鉄道の職員としては一応心得ておかなければならない問題だ、かように考えます。

下平正一日本社会党

○下平委員 今管理の職にある、指導の職にあると言われましたが、あなたの方の報告書にありますところでは、この五人の人は管理職じゃありませんね。指導の責任も全然ない人ですね。だから僕は言うのです。労務を管理する立場にあるとか、直接労働行政を扱っておる諸君に対して、その職務遂行上必要な労働組合、あるいはいろいろな知識を与えるために、出張旅費を出して見学させるということについては何も私は言っていないのです。そういう立場でない人に金を出して、出張旅費をくれて、直接業務と関係のないことをやる、これがいいか悪いかということを音っておる。今副総裁の答弁を聞いても、非常に苦しい答弁のように聞えますが、駅の信号掛を、ほんとうにそう考えておりますか。駅の信号掛が、短期労働大学をやらせなければ駅務がやっていけない、操車掛が旗を振れない、信号掛が信号を引けない、こんなふうに考えているのですか。実はさっきの小倉さんの答弁と前の国鉄の答弁とは違うのです。職員局長は明らかにこういう答弁をしているのです。少くとも直接業務に関連をする業務の視察なり見学なりという形が、あなた方が金を出してやらせるところの管外視察のほんとうの使命じゃないかと思うのですが、どうですか。先生のおっしゃる通りであります。こうお答えになっているのです。これはこのお答えの方が正しいのじゃないですか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 でありますから、先ほど申しましたように、第一次的な直接的なことにつきましてはその通りでございまして、また出張を命令いたします場合にも、信号掛は信号の見学、あるいは操車ならヤードの見学、これが第一の目的でございますが、私もよく記憶しておりますには、たとえばいなかの駅の駅長に見学出張ということもさせることがございまして、そういう場合には東京へ行って、まあ東京鉄道局というのは仕事の上から言いましても一番量も多いし、また新しい操作方法もやっておりまするので、見学といえば大体東京でございますが、そういう場合に駅長に対して東京へ行って見学をしてこいということで、広い範囲の意味の許可を与える例もなきにしもあらずでございます。ただいま御指摘のようにこの人々は職責として管理職でなく、形式的には部下を持っておりませんが、しかしこういう人たちが一緒の仕事をグループでしております場合には、やはりいろいろな最近の労働問題についての知識ということもこれは必要になって参りますので、実はただいまのようなこういう労働問題につきましては、全職員が労働に対する正しい知識というものを持つことはやはり職員として必要なことではないか、こういうように考えております。

下平正一日本社会党

○下平委員 そうすると、副総裁の意見をこう理解して間違いないですね。私ども仲裁委員会に提訴をいたしますから重大な問題になると思いますので、明確にお答えをしていただきたいと思うのですが、国鉄の職員が、たとえば具体的に短期労働大学へ行って労働の問題、あるいは第二組合とかいろいろな問題もその中にはあったのでしょうけれども、そういう労働問題の知識を得る、こういうことについて当局の業務命令で資金を給付して出すことはあり得るし、やってもいいことなんだ、こういうふうな答弁に聞きますが、それは間違いありませんか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 私はそう考えております。

下平正一日本社会党

○下平委員 念を押しますが、これは直接職務が労働担当とか労務管理の職にない人ですよ。もちろん操車掛とか転轍手とか、具体的にはこの五人をさしているのでありますが、こういう諸君に当局が旅費をくれて、そうしてこの組合のこういう問題に出席をさせて、短期労働大学に出させる、これは国鉄の当局がやってもいいことだと思うし、やらせていいことだ、こういうふうに理解をしてよろしいですね。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 副総裁がお答えになった通りだと思うのでございますが、私どもとしましては最近には必ずしも形式的ないわゆる管理職ということで、なくとも、特に先輩、古参の職員等で、実質的に何人かの職員を指導する立場にあるというような諸君に対しては、特に労働関係一般についての常識というようなものも備えてほしいということは常々考えておりますので、今までのところではごく限られた数の人しかまだこのような例はございませんけれども、一般的な労働関係のいろいろな問題についての良識を持たせるということは、全職員にとっても大切なことだと考えておりますので、こういうような目的で出張するということも国鉄として決して非常識なことと考えておりません。むしろ当りまえじゃないかというふうに考えております。

下平正一日本社会党

○下平委員 この問題はあとで追及したり、論争する機会も別にあると思いますので、あなた方のお考えだけお伺いしておけば、それでけっこうであります。  この五人を見ると、ほとんどが第二組合の結成に尽力をし、第二組合の指導的な立場をとった諸君ですね。この五人をどういう形でピック・アップしたのですか。普通私どもが承知しております管外出張というものは、たとえば静岡駅なら静岡駅の操車掛連結手、転轍手、毎日こういう仕事をやっておる連中が、お互いの連係の中で他の駅区の業務を見てくる、こういう形でございますので、通常の菅外出張、視察出張という場合には、一駅から一つのグループを選ぶのです。これが慣例です。また当然業務の視察ということになれば、それが常識的に考えられる方法です。ところが今回の営総の二六七号でやっておるのは、沼津一人、静岡一人、浜松一人、豊橋一人、こういうように全然関係のないところからピック・アップしておるのです。これは局で選定したと思います。しかもこの人たちを見ると、ほとんどみんな第二組合へ行って、第二組合の運動積極的に進めておる諸君です。どうして従来のそういう形、常識的に考えられる管外出張の編成の仕方でなくて、この場合に限ってピック・アップしてやったか。だれがこれをピック・アップしたのですか

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 この出張者の選定をしたのは、むろん監理局長が選定したと思います。これは若干想像が入って恐縮でございますが、おそらくなるべく一カ所に固まらないように、公平に各業務、各職種の人に同じような機会を与えるという気持でやったのではないかというふうに考えるのであります。

下平正一日本社会党

○下平委員 もう一つお伺いをしますが、こういう職種の違った諸君が見学に行くということになれば、当然これは庶務掛は庶務掛としての立場から、庶務掛の職場を視察する。信号掛は信号掛という立場でやる。こういうように見学する場所も違ってくるのでありますが、この諸君の行動を見ると、全部同一行動をとっておる。全く申し合せたように同一行動をとって、寝食をともにして、三日間下落合に行っておる。こういうことはちょっと私想像に苦しむのです。この五人を選んだのは、局区長であり、方々に公平に配った、そこまでは理解ができるのでありますが、なぜ一体職種の違った諸君が、共同で行動して、しかも現場の業務には直接関係のない短期労働講座に出張しておるのか。この五人の共同行動については、だれが一体指示したのですか、その点を一お伺いいたしたい。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 出張命令を出しておるのは局長でございますから、局長が同じ時期に一緒に出張することを命じたと思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 この問題についてはそれくらいの質問にしておきますけれども、少くとも出張個所なり出張の目標等を与えずして出張させることは、これは私取扱い方としてはやや不親切なやり方で、管理者としては監督上からもあまり芳ばしくない出張の命令の仕方だろうと思いますが、その点はどうですか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 やはり出張を命じます場合には、もう少し具体的にはっきりと命令を出すということの方が、より適切であると考えます。

下平正一日本社会党

○下平委員 そうすると現場長は、この出張の諸君が帰ってきて報告をするまでは全然知らなかったように、この報告書ではなっております。私が調査をしてみますと、そうではないのです。この報告書で見ると、その後本人の報告を聞いてみたら、労働問題が大切だと思ったから大半へ行った、こう言っておりますが、私が聞きただしたのによりますと、そうではない。今度の出張は、下落合の短期労働大学へ行くための出張だ、こういうふうに現場長から念を押されて、私どもはこれこれ、これこれの人間が行くということで、五人そろってそこへ行くように出張の命令を受けておりました、こういう事実を私たちに申し立てているのです。この間はこの報告書と間違いありませんか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 これはこの前お尋ねのございました後、さらに静岡の監理局の力も取り調べまして、それに基いて御報告を申し上げておるわけでございますから、間違いはないものと思っております。

下平正一日本社会党

○下平委員 時間もないそうでありますから少し飛ばしていきますけれども、第二項の「静岡駅指導助役興津善作の行為について」というところで、事故防止のための座談会を開いた。ところがこの報告書によりますと、私が指摘をした通り通常は座談会とが研究会というものは、駅の講習室なりあるいはその他の施設を使ってやるのですが、このときの座談会は一体なぜ個人の私宅でやったのでありますか。わざわざ個人の私宅でやっているのですね。どういう理由でわざわざ個人の私宅へ持っていったのですか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 この報告書に書いてございます通り、静岡駅指導助役の興津善作か、運転事故防止のための座談会を二十一、二十二の二日間開きたいと言いうので、駅長はそれに承認を与えた、こういうことでございますが、たまたま当日非常に寒い日であって、それに出席する者は非番者であるので、中にかぜぎみの者もおり、講習室は暖房の設備もなく、気の毒だと思っておった際に、石原運転掛が自分の宿舎を使用してはどうかということを申し出ましたので、それじゃお前のところでやろう、こういうことになって運転の宿舎でこの会を開催するようになったということでございます。

下平正一日本社会党

○下平委員 ちょっと妙な話を吾孫子さんにお伺いしますけれども、「たまたま寒気が厳しく」こう書いてありますけれども、寒気がきびしいとは一体どういう状況なのてすか。私は実はこの当日静岡にいたのですが、非常に暖かい日だったのです。私はこの報告書を見ると「たまたま寒気が厳しく」こうありますので、実は静岡駅へも、駅日誌にちゃんと温度が書いてありますので、問い合せてみました。それでも実はまた不安でありますので、気象庁へ昭和三十三年一月二十一日、二十二日の静岡地方における気象状況を問い合せたところが、これが来たのです。そうしますと気象庁の報告では、私が調査した報告とあまり違わない六度七分から九度二分、夜半には十度七分なのです。この状態がどうして寒気がきびしい状態といえますか。きょうの今の温度は何度か吾孫子さんわかっていますか。気象庁の報告によりますと、きのうの東京の温度は八度九分であります。そうしますとこの静岡の気象庁言っておるところの一月の二十一日の気温は、午前中は三度二分くらいでちょっと低かったのですが、少くとも七度から八度なのです。この状態がなぜ寒気きびしいという形なのですか。この寒気のきびしいというあなた方の表現はどこからとってきたか、どういう状態が寒気がきびしい状態なのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 私はあまり敏感でございませんので聞違ったことを申し上げるかもしれませんが、本日あたりの感じは、建物の中におりますとそう寒いと思いませんですが、こちらへ参ります途中、あるいは通勤の途中、外では私ども、相当寒く感じております。このときの状態につきまして、先生がお調べになったように詳しい調べを正、直に申し上げますが、持っておらないのでございますけれども、その前後がどんな天候でございましたかも実は存じませんが、おそらく静岡地方としては、この日は寒く感ぜられるような日であったのではないか。局の方を取り調べました報告がこういうことでございますので、あの地方の人としてはおそらくその日を寒く感じておったのじゃないかというふうに想像いたします。

下平正一日本社会党

○下平委員 吾孫子さん、冒頭に私が申し上げました通り、この間兼松さんにもこのことを言つたのでありますが、何かこの事実を隠そうとか、何とか口先でやっていこうという形になれば、私も勢い徹底的にやります。きょうも冒頭にそう言ったのです。あなた方の文章を見ると、何かこの国会をごまかして通せばいいのだという印象を強く受ける。まだこのほかにもたくさんあるのですよ。およそ常識で考えて、きのう、きょうあたりの気候は寒気きびしいと言えますか。静岡あたりでは寒く感じただろうなんて言いますが、普通寒気がきびしいといえば、少くともマイナスになって若干氷が残るくらいの状態でなければ言いませんよ。これはもう常議論です。しかも当日の風連は〇・九メートルですよ。〇・九メートルというのは、風があるかないかわからぬような状態なのです。屋外では寒く感じたと言いますが、この研究会は屋内なんです。どう考えてみたって、「寒気が厳しく」こういうあなた方の表現は間違いでしょう。あるいは意識的に国会の私たちをごまかすつもりで書いたのですか。ですから私は冒頭から言っているのです。この文章にあなた方責任を持てますか。私がずっと通読すれば五カ所も六カ所も実に欺瞞だらけ、うそだらけなんです。この前の委員会でも特に私は兼松さんに言った。この問題については、誤解があれば誤解を解きますから、正直に言ってお互いに直すところは直していきましょう、そういう立場で問題を取り上げていくから、今度の調査は一つ慎重にやってほしい、なるべくあからさまな姿をわれわれに知らせてほしいということを特に注文した。そこで出てきた文章を見れば、気温は六度七分、風連〇・五メートルないし〇・六メートルという状態なのに「寒気が厳しく」という、こんなでたらめな表現なんですよ。しかもこんなでたらめな表現について私が質問すれば、静岡あたりでは寒かったでしょうとか、きょうは相当寒いですよとか、何です吾孫子さん、少し委員会を侮辱していはしませんか、なめ切っていはしませんか。もう少しこの問題についてあなた方の誠意ある答弁を私開きたいと思います。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 委員会を侮辱したのではないかということで御発言がございましたが、これはそういう意図は毛頭ございませんでしたけれども、先生のお調べと食い違いがあるとすれば、私どもも重大な責任がございますから、なお先生の御調査のような調査を重ねていたしてみますが、ただこれも言い抜けじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、講習室がどのくらいの大きさであるか。そういうところに小人数集まりますれば、少し寒いから、自宅の方がなお楽であるといったような気持があったのかもしれませんですけれども、ただ講習室がそれほど寒かったかどうかということにつきましては、今先生の詳しい温度のお調べもございますので、そういう点は私どももう一回現地に人をつかわしまして、さらに詳しい調査をいたすつもりであります。

下平正一日本社会党

○下平委員 これも小倉さん、最初に出ていなかったから知らないようでありますが、仲裁委員会で不当労働行為を仲裁するような、裁判所的な役割りをするつもりはないということは、冒頭に申し上げております。きょうだってそうです。裁判所的なことを言って白黒をつけようということじゃないのです。ただなぜそういうことを言うかというと、このあとの報告書に出て参りますように、実は小野田運転掛ないしは石原運転掛の宅で行なった業務研究会というものの内容は、明らかに業務研究じゃないのです。この内容は、全部つまびらかになってきておりますが、出た問題は第二組合をどうしようか。近々に迫った第二組合の結成をどうしようか。第二組合をどう確立していこうか、こういう話が中心だった。興津指導助役の発言の内容は、お前たちが第二組合に協力しなければ、将来予備助役にも出ていけぬぞ。将来の昇進については云々、こういうことが中心問題で、論議をされているのです。しかもその最中には、酒が出て酒を飲んでいるのです。今私が、あなた方の報告書をとって見ると、そのお酒は、正月であるから会食しようということになり、一人当り百二十円の会費で会食をした、この文章はつくろっております。しかし内容はそうじゃないのです。明らかに第二組合の謀議だ。第二組合の結成に参加したり、組合にも入らない、いわゆる非組合員の指導助役興津善作という人が、普通の駅でやったのでは都合が悪いから、第二組合を推進しようとしているところの運転掛の自宅に持っていって、業務研究会、事故防止、座談会に各をかりてやったのが真実なんです。そういうことを私が知っているからあえて言っておるのです。今副総裁が、講習室は広いと言いいましたが、なるほど静岡の講習室は広い。それでそういう寒いときにはすぐ横に畳を敷いた休養室があるので、いつもここでやっているのです。休養室でやるならば、五人、十人の者でも結局暖くしてできる。静岡の駅は、行って見ても火鉢も炭もあるからけっこうできるのです。だから、なぜそういうことを追及するかというと、裁判所的なやり方でなく、あなた方がこういう真実を知っておるか知らないかということなんです。非組合員で、公労法によって禁ぜられている人が中心になって、その人の命令で集めてきた。名前は業務研究会、内容は第二組合の結成の準備会。業務研究会なら当然講習室が寒ければ、畳を敷いた休養室で今まで行なっている。その場所をやめて、これも熱心な小野山、石原運転掛宅でやっている。しかもその内容たるや、酒食を出して、会費といって書いてありますが、酒食を出して、第二組合の運動をやっている。ここに問題があるのです。形式的な問題よりも、こういう問題をあなた方が知っているかどうかということを強く聞きたいのです。単に形式上の問題としてでなくて、実際この小野田宅、石原宅でやられた会合の内容というものは、正確に把握されておりますか。正確に把握するような調査をしましだか。この点をちょっと聞かして下さい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 私、この調査書の面だけでございまして、今のような内容は承知いたしておりませんですが、そういうことでございましたら、さらに私の責任において調査いたしてみようかと考えております。

下平正一日本社会党

○下平委員 それからこの会議には、第二組合の会議でありながら、当局が金を支出しております。超過勤務手当三時間分を支給しています。静岡の駅には一体操車掛が何名いるのですか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 何名かということは、ここには数字を持ってきておりませんので、ただいま申し上げられません。

下平正一日本社会党

○下平委員 当局の業務研究会ということになると、大体操車掛なら操車掛の全員、一名や二名は欠けるでしょうが、二日に日を分けても、ほとんど全員が参加するのが業務研究会です。私の想像では三十人近く、二十七、八人くらいの操車掛がおると思うのです。ところがこの業務研究会に参加したのはたった九名しかいない。しかもこの九名に超過勤務手当を出している。第二組合をやらせて……。ちょっと体裁が悪いからというので、参加しないその他の諸君にも超過勤務を出しているのです。参加していない人に対して超過勤務手当がちゃんと支給されている、こういう事実をお調べになりましたか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 参加していない者に超過勤務手当を支給しているというお話でございますが、そのことは実は私は承知しておりません。もしそういうことが事実といたしますれば、これは聞違ったことでございますので、改めなければならないと思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 三十六条協定には業務研究ということに当然なっておりますが、この内容からいくと明らかに三十六条協定違反でありますが、そう認定できませんか。九名が参加したこの会議というものは、明らかに三十六条協定違反だと思いますが、その点の見解はどうなんですか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 その点は一応この座談会は業務研究のために座談会ということになっておりますから、別に協定違反というようなことにはならないのではなかろうかと思いますけれども、ただいまのお話のように出ておらない者を超過勤務の取扱いをしておったというようなことは、これは重々不都合だと思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 三十六条協定違反ですよ、吾孫子さん。会議の内容は全然業務研究会ではないのです。しかも業務研究会であるというなら、当然大半の操車掛が参加すべきものが、特定の人間しか参加していないのです。九名の人間は特定の人間です。もっとはっきり言ったら第二組合に行く人間だけなんです。定員は二十数名だと思いますが、業務研究会であるならば当然それらの諸君全部が——病気だとかあるいは慰労休暇とか、こういう諸君は別としても、少くとも大半が参加してやられているべきものであります。内容は全然第二組合の準備、集まった人間は第二組合に行く人間だけ、しかもそれは操車掛の半分にも満たない人間である。これがどうして業務研究会と言えますか。これがどうして三十六条協定に協定された内容だと言えますか。どう考えたって三十六条協定違反だと考えますが、そうお考えになりませんか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 この事実の内容の取調べにまだ不十分な点があるということをただいま痛感しているわけでございます。もし先生の言われようなことのみが対象で、しかも限定された数の者だけがそういう取扱いを受けたということであるといたしますと、まことに不都合なことであると思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 時間があまりありませんので、私はまだ質問をしたい事項がたくさんありますけれども、これはまた別の機会に譲りたいと思いますが、この前の委員会の質問を通じ、今回の委員会の質問を通じてみても、あなた方は真剣に調査されていないと思うのです。この前私が言った事項は、明確に三項目に分けて正確な調査をしてくれという要求をしたのでありますが、今度の報告書を見るとまだ調査漏れのところがある。私が調査してもすぐわかるのですよ。あなた方は職制を持っておられるでしょう。調査をしようと思えば簡単に調査ができます。少くとも九名ですね。私でさえ出た人間はだれとだれか簡単に調査できるのです。しかも定員が何者あるかくらいは簡単に調査できる。ですからそういうところを調査してないということは、どう考えてみても了解に苦しむのです。私はこの問題につきましては、いい悪いは別として、あなた方の答弁で満足ができる、了解がいきさえすれば私はこれ以上この問題をしいて掘り下げていくという気持はなかったのでありますが、きょうのこの報告書を見ると、全くばかにされたというような感じがします。内容についてもかなりの相違がある。たとえばだれでも目につくような通達の番号がまるっきり違っている。これは正確にいえば、一四〇号というのは静岡駅の吉田君の帳簿の整理番号なんです。国会に対して正確な報告をすべき責任あるそういう報告書さえも、あまりにもずさんな点が多い。こういうことを非常に私は遺憾に思うのです。  私はもっと質問したいのでありますが、時間がないから、この前に要求いたしましたが、じかに担当者の諸君をここに呼んでいただいて、もう少しこの問題を確かめてみたいと思うのです。これは何も事を荒立てるという意味でなく、こういう問題が現場にあるということは、ひいてはいろいろな問題に波及していくのです。非常に強い影響力を持つものであります。だからこれは一つぜひ今度は副総裁にも御協力いただいて、私の方で呼んでいただく人間を示しますから、その方々にぜひ出てきていただいて、事態を明白にしていただきたい、こう思うわけであります。  最後に私お伺いしたいことは、一応これらの問題は、たとえば個人の私宅で業務研究会を開くというようなことは、常識的に判断してもあまりよくないことなんですね。これは兼松さんもいけないと言いました。あるいはまたこの出張旅費の点についても、あなた方はこの文書を出せば、この文書にこだわってこじつけられるでしょうが、常識的にいえば直接影響のある見学の個所というものを指示して出すのが当りまえの出張だと思うのです。こういう問題については、さっそくあなた方が局長なり現場長なりに通達して、自後こういう間違いを起さないように処置をとるのが当然だと思います。この問題が起きてからずいぶん日がたっております。これらの問題に対する、現場の局長ないしはそれ以外の者に対するあなた方の意思の表明、措置はどういう措置がとられているか。そのとられた措置をちょっとお聞きしておきたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 この前の御質問の直後に、特に静岡の局に対しては即刻事実の内容等について報告を求めておりましたし、またその際今いろいろ御指摘のありましたような点の取扱い方法につきましては、十分注意を与えたのでございます。ただまだ特別の通達というようなことはやっておらないと思います。

下平正一日本社会党

○下平委員 いいです。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 関連。吾孫子さんにお尋ねしますが、実はこの間の委員会で下平君が兼松さんにこの質問をした後、静岡の監理局の方では、こういうものをだれが下平に渡したのだということで、非常に一生懸命になって探しておいでになるということを私は聞きました。そうしてもしそれがわかればそのわかった人間を処分する、こういうようなおどかしを書いておるということを聞いておるのであります。これは大へんなことだと思う。国会議員が事実の調査をしようとして調べたことについて、自分の局員が被害をこうむるということになると、私たちも調べたくても調べることができません。個人的には私たちだれが憎くてだれがかわいいということではないのですから、みんな一生懸命やっていただいておる方ばかりですから、かりに間違いがあったとしても同情を持って見ておるわけです。それを今度は逆に、これを下平に渡したのはだれだ、こういうことでやってくれたりすると、私たちは正しい国政の審議というものはできないと思うのですが、この点はどういうようにお考えになりますか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 そういうことはないと思いますし、またあってはならぬことだと思います。この調査につきまして先ほども申し上げましたが、下平先生のお調べとだいぶ違っておる点がございます。ことにどういうわけで間違ったのかわかりませんが、通達の番号が間違っておるということであれば、粗漏のおしかりもやむを得ないと思いますのでこれは私自身行って調べるわけにも参りませんですが、相当な者を派するかあるいは向うから出張を命ずるかいたしまして、さらに正確な調書を作りますが、そういう際に先生の御注意のようなことは、さらに厳重に通達いたすことにいたします。  それで敷衍いたしますが、私どもいろいろ現在国鉄の部内に労働組合が三つも四つもできましたのと、もう一つは、いろいろ非常に複雑な分野を形勢いたしておりますし、また相当きびしい部外の御批判にもさらされておりますので、努めて公正に、それから不当なことが起らぬようにということで私どもも注意いたしておりますし、下にもそういう趣旨のことを流してございますが、今後ともそういう方針で進んで参るつもりでございます。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 私は今の副総裁のお言葉を一応信頼をいたします。ただ問題は、ややすれば親の心子知らずというので、下の方ではいばりたい人間がおることだけは間違いないのです。これは実は私が関係した問題ですが、大阪である国鉄の土地を不良占領しておる、いわゆる無断占領をしておる。そこの土地を町会が借りたら、そのかわりにこちらにかえてやろう、占領しておる人に家を建ててちゃんとしてやろう、こういう話であったものですから、私自身で国鉄の方に行って、こういう話があるが国鉄の方で何か御相談をなさっていただいたらどうですか、こう言ったら、直ちにその現場のところに圧力がかかってきた。そのためにその人は私のところに、このことであなたのために大へん迷惑をこうむりましたと言ってこられました。あなたは何でそういうことをするのですか、こう言うから、私は何もしない、今申し上げたようなことをした。こういうように話をすると、えてして下の方では、いわゆるこの機会にという気持の人がないとも限らないのですから、この点は十分御注意をいただきたいと思います。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 多賀谷君。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 先般私は公労法第四条三項の問題をめぐって解釈を聞いたわけでありますが、その解釈について、労働省と国鉄当局、との意見が違っておったということがわかりました。そこで問題を保留しておいたわけでありますが、これについて労働省並びに国鉄当高から意見を承わりたいと思います。  もう一皮論点を明らかにいたしますと、公労法第四条三項というのは、公労法の労働組合の資格要件ではない。それは昭和三十一年に改正になるときに、労働組合法の適用との関係において、労働組合法第二条及び第五条の二項並びに公労法第四条一項の規定のみが資格要件であって、そのほかは書いていない、であるから四条三項の規定は資格要件でないから、現在紛争中であります機関車労組の性格は公労法上の組合と思うがどうかという質問に対して、労働省は公労法上の組合と思うという話があった。ところがその後運輸委員会において質問をいたしておりますると、いや公労法上の組合でなくて憲法上の組合である、こういう話があったわけであります。そこでその統一的見解についてその後の調整をお願いしたわけですが、まず労働省からその意見の開陳を願いたい。

辻英雄労働事務官(労政局労働法規課長)

○辻説明員 お答えいたします。現在の法規の建前では、先生のお話のように四条三項は労働組合であることの資格要件とはなっておりません。ただ公労法上の組合というふうにお話がございましたが、現在の労組法と公労法との関係におきましては、公労法の職員の結成する組合は特殊な加重の制限を受けておるのでございまして、機関車労働組合は四条三項、職員でなければ役員または組合員となれないという規定に触れておる労働組合であるということはございまするけれども、労組法にいうところの労働組合であるという点につきましては先生の御意見の通りでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 この前の言と違うことをおっしゃったのですが、この前は労組法上の組合という話は、少なくとも衆議院の社会労働委員会においては一言半句も出なかった。しかも労働法上の組合ということをおっしゃるけれども、まあ論議をすれば別でありますけれども、労組法上の組合と公労法上の組合というものが果たして別であるかどうかは別にして、公労法においては同じ仲裁を受ける場合におきましても、労組法のほかに公労方二十条第二項及び二十五条の五に規定する手続きという別の規定もある。しかも資格要件が違う。少くとも別に付加された資格要件があるすなわち公労方四条一項である。ですからこれらのものは厳密に言うと別かもしれませんけれども、少くとも公労法上の組合である、こう申していいのではないか、そのことをあなたの方は是認されたはずであります。私の方から公労法上の組合ですかと聞きましたところが、公労法上の組合だ、そのときは労組法上の組合という話は出なかったのですが、いつ変更されたか、これを重ねて伺いたい。

辻英雄労働事務官(労政局労働法規課長)

○辻説明員 俗に申しますと公労法上の組合という概念があるように考えておりますが、先ほど先生のお話のございましたように、労働組合たる資格要件というものは労働組合法の規定するところでございまして、私厳密に法律的に申し上げたわけでございます。公労方の三条では労組法の労働組合の基礎になる部分はそのままに一応適用いたしまして、その上に公労法の職員の結成する労働組合につきまして、加重的な制限を加えておるという法律構成になっておるということを申し上げたわけであります。俗には公労法上の組合という言葉を使っておりますけれども、法律上公労法上の組合という別のワクがあるものでないということを申し上げたわけでございます。その考え方は従来からとっておる考えでございまして、せんだっての衆議院の社会労働委員会における御質問のあとで変えたというようなことは決してございません。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 俗に公労法上の組合といって、厳密にいえば労組法上の組合だ、こう言われますけれども、労組法上でいう一般の労働組合とは資格要件を異にしておる。異にしておる関係においてはやはり別個の資格要件が要るのですから、その別個の資格要件にも適合した組合である、こういうことが言えると思いますがどうですか。

辻英雄労働事務官(労政局労働法規課長)

○辻説明員 組合としての資格要件につきましては先生のお話の通りでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そういたしますと、公労法が要求しておる組合としての資格要件には適合しておる、こう考えてよろしいのですか。

辻英雄労働事務官(労政局労働法規課長)

○辻説明員 その通りでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そこで国鉄当局にお尋ねいたしますが、お聞き及びの通りでございまして、先般そういう組合でなくて憲法上の組合である、いわゆる実定法上の組合ではない、こういうことでいわば架空の組合といえば別でありますが、そういうお話がありました。そこでこの点は一つ調整をしてもらいたい。ことに運輸大臣が御存じのように出席されておりましたから、運輸大臣は監督官庁としてはどういう解釈に従うのかと言いましたところが、それは閣内統一でありますから、労働省は公労法の管轄を持っておりますので、労働省の意見に従います、こういう話でありました。今国鉄当局は労働省がおっしゃったように、公労法が要求しておる資格要件を備える労組法上の組合である、こう理解されておるかどうか、これをお聞かせ願いたい。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 労働省の法規課長と同じ考えでございます。ただ組合の資格要件というものに四条三項がなっておらないということは御説明のあった通りと考えておりますが、ただ同時に四条三項に違反した組合であるという事実も否定できないという点に問題があるというふうに考えておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そういたしますと、先般の公労法が要求しておる資格要件を備えた組合でないということは撤回されますね。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 この前私が申し上げました、言葉の中には不適当なものがあったかと思います。そういう点は訂正いたしたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そこで私質問をいたしますけれども、機関車労組なり国鉄労組の分会なりあるいは支部、こういう単位が団体交渉をするという場合には、その分会なりあるいは支部には当然団体交渉権というものがあると考えますが、その点についてどういう見解であるか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 機関車労働組合の場合、これが労働組合法上の労働組合であるということはもう先ほどお話が出た通りでございますが、同時に公労法の適用のある組合でございますから、この公労法に現在違反した状態にあって適法な代表者を欠いておる、こういう状態の組合に対して団体交渉を拒否しても、それは不当ではないという考え方に立ちまして、団体交渉を拒否しておるわけでございます。ただ今のお話は組合の下部機構にも触れたお話のようでもございましたが、機関車労働組合という労働組合は、これは下部機関も含まった一体をなした組合であるというふうに私ども考えておりますので、団体交渉に関する限りは公労法四条三項違反という事実がある以上、これを拒否しても正当であるというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 当局は私が質問した通りお答えにならないで、つけ足してお答えになりますから問題が非常にこんがらかるわけです。私は筋を立ててお尋ねいたしますから、なるべく質問した限度において答えてもらいたい、かように思います。  そこで公労法の団体交渉——もっとも八条はかなり制限がありますが、九条なら九条をとらえてもいいのですが、これと労働組合法六条との相違は、労働組合の代表者は同じだけれども「労働組合の委任を受けた者」、こういうものがないという点にしかこの条文の差異はないとかねてから労働省では説明があった。これは法規課長がずっと説明しておりますが、その通りであると了承してよろしいでしょうか。これは労働省にお尋ねいたします。

辻英雄労働事務官(労政局労働法規課長)

○辻説明員 非常にばく然とした御質問でありますが、労組法の六条と公方法の九条というものは、言っておることがやや意味の違ったことをさしておると思いますが、実際問題としての常識的な違いといいますのは、今先生の御指摘になりましたように、六条の方では委任を受けた者が組合を代表する、または委任を受けた者が団体交渉をするというふうに言っておりまするし、公労法の九条の方は組合を代表する交渉委員が団体交渉を行うといっておることが一番の違いであると私も考えます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そういたしますと、労働省にお尋ねいたしますが、労組法で団体交渉の権限を持っておる者は——委任その他の問題は別にいたしまして、団体交渉の当事者資格を持っておるのは、単位組合はもちろんですが、さらに支部、分会、上部組織、こういうものも回時に団体交渉権限を持っておるということは、判例並びに学説の一致した点であると考えますが、その点どうですか。

辻英雄労働事務官(労政局労働法規課長)

○辻説明員 支部、分会、上部組織というふうに非常に抽象的にお話がございましたが、一般的に申しますと、労働組合法にいう労働組合は団体交渉権を持っておる、こういうふうに申した方が正確であろうかと思います。単位組合の下部機関というものがどういう立場にあるかということは、個々の組合の規約の定めるところによるというふうに考えるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 規約の問題はあります。あるいはまた上部組織において団体交渉の範囲を制限した場合は別です。しかし一般的に言いまして、支部、分会、そういう名称にこだわらずに、団体交渉の当事者になる。それは締結する権限の範囲内においてというのはもちろんそうでしょう。これはなり得ると解釈してよろしいですか。

辻英雄労働事務官(労政局労働法規課長)

○辻説明員 組合の規約の立て方がいろいろあるかと思いますが、支部、分会と申しますものが、労組法にいう単位組合であります場合と、そうでない単位組合の全くの下部機関であります場合と、現実には二通りあると私どもは考えております。労組法にいいますところの単位組合ないし連合体でありますならば、団体交渉権を固有に持っておるというふうに考えます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 基準法でいう労働組合というのは、当然団体交渉権を持つ、あるいは労働協約終結の能力を持つ組合である、こういうふうに解釈しますがその通りですか。

辻英雄労働事務官(労政局労働法規課長)

○辻説明員 基準法は私の所管でございませんので、私からお答えすることはいかがかと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 労働省の法規課長が——あなたは労政だけでなく、所属はなるほど労政局ですけれども、いやしくも法規課でありますから、当然労働者全体としての意見を述べてもらいたい。少くとも基準法で労働組合をさしており、しかも監督的な行政において協定の当事者能力があるのですから、これは当然団体交渉の能力がなければならぬ。ないものがするというのはおかしいのです。当然なければならぬと考えますが、どうですか。

辻英雄労働事務官(労政局労働法規課長)

○辻説明員 所管外でありますので、私見としてしかお答えできませんが、私見でよろしければお答えいたします。私の個人的な考えで申しまして、基準法の労働組合というのは、労組法上の労働組合をさしておると考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 私見と言われますけれども、大体今までの官庁の扱い方、さらに、学説、判例、その通りであります。私東京地裁の連中が書いております書物あるいはまた学者の書物もずっと一通り見たわけですが、異説がありません。同じような学説を出しております。  そこで私は質問いたしたいのですが、なぜ団体交渉を拒否されておるか。ことに支部等において——、代表者が解雇されて第四条第三項に違反しておるというものは、これは今紛争中であり、非常に問題になっておりますから私はあえて申し上げません。しかし支部あるいは地方本部等においてその代表者が解雇されていない、こういうものについてまで団体交渉を拒否されておるというのはどういう根拠に立っておられるのか、これを国鉄からお聞かせ願いたい。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 私どもが現在機関車労組という組合に対して団体交渉を拒否しておりますのは、再々申し上げますように四条三項違反だということで拒否しておるわけでございますが、この四条三項違反の状態を改めてほしいということは何度も言っておりますし、また改めていただき得る機会もあったと思うのでございますが、その機会に——機関車労組は少くとも一体をなした組合でございまして、下部機関を含めた代表者が全部意思決定に参加して四条三項の違反の状態をきめておる、そういう状態にございますので、組合全体がいわば一つの単一体として四条三項違反の組合である、こういう考えに立ちまして、公労法上の団体交渉については拒否するという処置をとっておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 ばく然とした話をされますけれども、国鉄当局が主張しておるというのは、訴訟に出された点が割合に正確であろう、訴訟等に対してあなたの方が答弁をされた点が法律的には最も正確であると考えられる。そこで私は、あなた方は第二審についてはやはり第一審と同じような立場で考えておる、すなわち資格要件については備えた組合である、しかし団体協約の締結をする場合に、その代表者が解雇されておって締結できないから拒否するのだ、こうおっしゃっておる。これは訴訟でそう主張され、第二審でもあなたの方の弁護士の言うところによると、その通りである、こういうふうに承わっておりますから、その通りでいかれるのだと思います。そこでばくとした話をなさいますと、非常にデリケートな問題でありますから、論点がわからなくなるわけですから、よくしぼってお答え願いたいと思います。  そこで機関車労組の団体交渉を拒否しておる理由は、労働協約を締結する代表者を欠いておる、こういうお話をなさっておる。そうすると、支部等で団体交渉する場合には協約の締結者は欠いてないわけです。これは役員が解雇されている支部があれば別ですけれども、それ以外のものは適格能力を欠いていない。こういったものまでも拒否されておるということは不当じゃないですか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 機関車労組という組合に対して、公労法上の団体交渉はしない、こう言っておるのでありますから、それの部分である下部機関に対して同じように臨むことが少しもおかしくはない、かように考えます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 三十六条協定も二十四条協定も労働協約で時間外協定をする場合がある、すなわち労働組合と時間外協定をする場合は労働協約、あるいはまた二十四条の場合に賃金控除の問題について労働組合とやる場合には労働協約、これは基準法施行規則の十六条を見ても明白であります。そこで労働協約が締結できるのに——これは支部ですよ、労働協約締結の能力があるのに団体交渉を拒否されておる、しかも組合全般だとおっしゃるけれども、今申しましたように労組法からいきましても、また公労法からいきましても、その関連において支部その他は独自の団体交渉権限を持っておる。それはもちろん締結をし得る権限内においてです。その独自の団体交渉権限を拒否される、認めない、こういったことは、これはどうも納得いかないのですが、もう一度説明を願いたい。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 先ほど私の申し上げた言葉に足らない点があったことを今気がつきました。基準法の三十六条協定あるいは二十四条協定のことを今おっしゃいましたが、基準法上の協定につきましては、私どもとしては、公労法第八条にいうところの団体交渉事項とは分けて区別して考えております。それで基準法上の協定につきましては、基準法の労働組合というものは、必ずしも公労法の適用を受ける労働組合というものを前提にしてはおらないと解釈されますので、基準法上の協定については、これは下部機関であるところの支部等と協定を結んでも差しつかえないと考え、現に結んでおるところもあるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 支部、分会は労組法上団体交渉権限を持つのですよ、公労法上も。あなたの方は、機関車労組といのものは団体交渉権限を持たないとはおっしゃっていない、協約締結能力がないから、あるいは協約を締結する場合の代表者がないから協約が結べませんから、団体交渉を拒否しても正当な理由になるのだと、こうおっしゃった。ところが協約締結の能力がある、また協約締結の代表がおる場合において拒否されるのはどういうわけか、これをお尋ねしておるわけです。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 基準法上の協定につきましては、必ずしも拒否しておりませんです。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 基準法は一例に例示的にあげたわけですが、基準法の問題に入るとさらにいろいろ問題がありますからあとからいきたいと思いますが、そこで支部、分会を拒否されておる、しかもその支部の代表者はこれは被解雇者でない、こういう場合においてすら拒否されておるというのはどういうわけか。これを訴訟等であなたの方の主張をはっきり出されておる。法律的に一つ解明願いたい。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 この点は先ほども申し上げましたように、私どもとしては、現在の機関車労組の違法な状態というものを、早く適法な状態に改めてほしいということを強く要望いたしておりますので、その要望いたします一つの方法として団体交渉は拒否する、公労法上の団体交渉はしないのだという線を強く出しておるわけであります。従いましてこの態度というものは、機関車労働組合というものは一つの単一の組合であり、しかもこの違法な状態を決定するに際しては、下部機関も全部含まれた状態でその意思決定が行われておる、そういう状態にある組合に対しては、私どもとしては団体交渉を拒否する正当な理由があるというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 団体交渉権というのは憲法に保障された権利ですよ。この拒否を戦術に使っては困る。反省を要望しておる、その一つの手段として団体交渉を拒否しておる、これはもってのほかですよ。団体交渉の拒否を戦術に使ってたまるものじゃありません。団体交渉権限というものはそんなものじゃないのですよ。少くとも団体交渉を拒否する正当な理由がなければ、不当労働行為になる。団体交渉拒否を一つの反省の戦術に使っておるなんということは、言語道断ですよ。団体交渉というものはそういうものでない。団体交渉の権限を戦術に使うなんということは、許されないことなんだ。正当な理由なく拒否すれば、これは不当労働行為になるんですからね。一つの手段としてやっておる、手段というものは戦術です。反省を要望する一つの手段として拒否しておる、これはもってのほかである。一体どういうお考えですか。問題にしますよ、速記録を見て。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 機関車労働組合というものが四条三項に違反した状態でありますから、それに対して団体交渉を拒否するのには、正当な理由があるというふうに私ども考えておるわけであります。その態度を今後も続けていくつもりでおります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 その四条三項の瑕疵については、法律上どういう点に団体交渉の拒否の理由になるかといえば、それは労働協約締結に際して労働協約締結の代表者がいないからという理由でしょう、あなたの方は。そんなばく然としたことは法理論として通りませんよ。労働協約締結の代表者がいないということが拒否の理由になっておる、ところが今おっしゃるのはばくとした四条三項の瑕疵がある組合だから、こういうお話をなさっておるが、裁判であなたの方が筋を通してお話しになっておることと違いますが、それでよろしいのですか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 訴訟のこまかいことは、実は私自身あまり詳しく存じませんですが。公労法に違反した状態にある限り、公労法に定められた団体交渉をしないということは、少しもおかしなことではないと思っております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 おかしなことじゃない、こう言われます。そして公労法に違反した違反したとおっしゃいますけれども、公労法上の組合なんですよ。資格要件には違反していない。しかも団体交渉なんというものを拒否するというのが、戦術に使えない、これは基本的な権利ですからね。基本的な権利を戦術に使っておるところに、問題をこんがらがす間違いがある。一方がいわば平和条項を違反したからこれは反対だ、団体交渉というものはこういう性質のものじゃない。四条三項に違反しておるから団体交渉の拒否ができますか、できないですよ。しかもこれは組合としては、今申しましたように公労法で要求しておる組合の資格を備えておる。その資格を備えておる組合が、たとえば支部であろうと独自な団体交渉権限を持っておる。しかもその独自な範囲において団体交渉を請求した場合、全般的な公労法上四条の違反があるからといって、それは拒否の理由になりません。ですから一つ法律的にお答え願いたい。感情や戦術じゃないですよ。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 機関車労働組合という組合は、これは単一の組合だと考えております。従いましてその組合が四条三項に違反したということは、協約、協定を結ぶ相手方、代表者がない状態だ、だから交渉を拒否しても正当であるのだ、こういう考え方に立っておりますので、これは機関車労働組合の本都についても、下部機関についても、すべて単一体の部分のことでありますから、拒否することが正当だというふうに私どもは考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 違反している組合とこうおつしゃいますが、四条三項に違反している組合であるけれども、その組合は公労法の要求する資格を備えた組合なんですね。四条二項違反が公労法上の資格であって、しかも公労法が要求する資格組合でないといえば別ですよ。しかるに四条三項は資格要件と言わないというのですから、りっぱな組合です。ただ四条三項に抵触する部分があるというだけです。そこで団体交渉の拒否は、厳格におっしゃいますと四条三項に違反しておるから、団体交渉の拒否というのじゃないのです。あなたの方が主張されておるのはそういうことじゃない。今吾孫子さんはそういうお話をされておりますが、理論的にはそういうことではない。それは労働協約締結の代表者がいないから、団体交渉をしても意味がないから団体交渉を拒否するという。しからば支部その他は団体交渉の独自な権限を持っており、その支部の役員は、代表者は解雇されていないという場合において、それを拒否する正当な理由は見当らないじゃないか、こう話しておるわけですがね。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 どうも頭が悪くて、先生の御質問にきちんとお答えできないのを申しわけなく思いますが、機関車労働組合というものは、四条三項に違反しておる。そして四条三項に違反しておるということは、今先生のおっしゃった通り、適法な代表者を欠く原因になっておるのだ。それで団体交渉しても無意味であるから、協約、協定の締結ができないから拒否しておるということは、これは先生のおっしゃった通りであると思っておりますが、そういう状態を認めておる根底は、下部機関も何も全部含めた機関車労働組合がその意思を決定している。従ってこれに対して団体交渉を拒否しても、正当な理由があるというふうに考えているわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 団体交渉権限というものは三権の一であって、最も大きな権利でしょう。その権利を、報復的な手段に使うということ自体が間違っているのです。団体交渉の拒否というのは戦術に使えないのです。これは戦術じゃないのですよ。これは正当な理由がなければ、刑罰法規を伴うものですよ。それを何か瑕疵があることを理由にして拒否されておるけれども、それは団体交渉拒否の理由になる瑕疵ではありません。それはあえて言うならば、今申しましたように労働協約締結の代表者がいないということならば、一応あなた方の主張に立って私が考えれば、それもあなた方の今までの主張等が一応真理であるとするならば、それでいいでしょう。しかしそれは争われておるのですから私は申し上げませんけれども、支部は団体交渉の権限を、独自の決定する権限の範囲内において持っておるわけです。その持っておる支部が代表者を欠いていないという場合において、拒否するという理由にはならない。どう考えてもならない。これは一つ労政局長が見えておりますから、労働省から見解を聞きたい。

亀井光労働事務官(労政局長)

○亀井政府委員 今の御質問は、機関車労組の支部がそれぞれ解雇者をもって幹部が構成されていないので、団体交渉権があるのではないか、また独立の機関であるから、というふうな御趣旨だと考えるのでございます。機労の違法性、機労の組合が四条三項に違反しておる状態のことにつきましては、すでに法規課長から説明があったと思いますが、この違反の状態というものは、すでに臨時大会あるいは中央委員会等で是正をする機会が何回でも実はあったわけでございます。しかるにその機会を逸しまして、今日に至りましても三役というものは被解雇者をもって占められているというのが、機関車労働組合の実態であろうと思います。解雇されましたものの、三役が選ばれる機会におきましては、やはり地方の支部はそれぞれ代表者、代議員あるいは中央委員を出しまして、これらの被解雇者を選ぶ選挙に参加をいたしておるわけであります。従いまして機労という一つの組織、これは支部を含めましての一つの組織の中におきまして、みずからがやはりその違法な状態を是正する措置をとらずして被解雇者を選挙しておるということ自体は、私は支部にも機労というものが現在違法な状態にあるということについての大きな責任があるのじゃないかという気がするわけでございます。従いましてこの支部自体と団体交渉をするということはそこに無理がある。これを拒否しましても正当な理由があるのじゃないか。団体交渉というものにつきましては私としてはそういうふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 今までの労働省の見解とは違うじゃないですか。あるいはまた国鉄当局が裁判所で主張している主張点とは違いますよ。主張点を先ほどからずっと話をしておるのです。国鉄当局側に立って私は話をしているのですが、その主張点は、労働協約の締結の際に、その代表者がいないから、団体交渉をしてもむだであるから、団体交渉を拒否しておる、それが団体交渉締結の正当な理由になる、こういう主張です。一つの組合の意思決定が行われたから、その意思決定が不法であるから、団体交渉を拒否しておるというのではありませんよ。ですから協約の締結の代表者を欠いておるということが理由であるならば、欠いていないじゃないか、こういうことを言っておるわけです。

亀井光労働事務官(労政局長)

○亀井政府委員 この問題は、この前も社会労働委員会で私説明申しましたように、公労委の不当労働行為事件として上っておる問題でございます。従いまして、それにつきましてわれわれが最終的な結論を申し上げるわけには参らぬと思いまするが、しかし先ほど申し上げましたように、そういう違法な状態にある機関車労働組合というもの、またそれを是正し得る機会があるにかかわらず、今日までそれを是正してこなかったという事実、こういうふうなものを、国鉄の当局がおそらく対抗手段として、そこに団体交渉の拒否を持ってこられておると思います。私が今申し上げておりますのは、あくまでも正式な団体交渉、公労法上の団体交渉を言っておるわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 団体交渉の拒否が戦術で用いられますか。団体交渉なんというものはそういうものじゃないです。いやしくも労政局長が、団体交渉の拒否を戦術にして、それが正当、不正当の根拠にするなんてことは、もってのほかである。団体交渉というのは憲法で定められた権限ですよ。しかもこれは公労法上の資格組合です。公労法上の資格組合というのが、悪ければ、公労法が要求する条件が備った労働法上の労働組合です。問題ならば、資格要件のところが問題になる。団体交渉の権利の保障というものは、正当な組合として認めておいて、しかも団体交渉の際に戦術に用いて拒否するというような問題じゃないです。団体交渉の権利の保障というものは、憲法によって与えられたものである。でありますから、それを侵害する場合には、それ相当のやはり法律に基くものがなくちゃならない。法理論的にあるものがなくちゃならぬ。単に団体交渉の拒否を戦術に使うなんていうことは、私はもってのほかだと思う。

辻英雄労働事務官(労政局労働法規課長)

○辻説明員 法律的御議論でございますので、私から答えさせていただきます。労働組合の団体交渉権というのはあくまでも保障された権利であるということは当然先生のお話の通りでございますが、これに対して相手方が応ずる義務がいかなる場合に生ずるか、というよりも、どういう場合には正当に拒否し得るかということは、組合の団骨交渉権そのものがあるから、いかなる場合でも相手はこれを拒否できないということではなくして、御承知のように正当な理由があれば拒否し得る、かように書いておるわけでございます。従いましてただいまお話の出ました国鉄当局の団体交渉の拒否が、正当な理由があるものかどうかという問題になるかと思いますが、先ほど局長も申しましたように、ある相手方が法律を極端に無視をするというような事態が生じましたときに、双方の信義、誠実関係を前提にした団体交渉ということを、極端に一方の側が信義、誠実の原則を破りました場合には、これに対する対抗措置として団体交渉拒否の正当理由があり得るという一般論は法律的に間違っておらないと思います。具体的な場合の認定につきましては、先ほど局長が申しましたように、本年の一月九日付で公労委に対して不当労働行為の申し立てがなされておりまして、現在公労委に提訴中でありますので、具体的な事実について正当理由になり得るか、なり得ないかという判断を私どもがすることは差し控えるべきかと考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 そうすると、国鉄は今度第二審の裁判においてはそういうように主張しなさい。今おっしゃったように主張されればけっこうだ。ところが今までそういう主張はなさっていないですよ。そういう主張はなさっていなくて、労働協約締結の代表者がいないから、団体交渉は拒否してもそれは正当な理由になるのだ、こういうことをおっしゃっておる。報復的な手段として、戦術として団体交渉を拒否しておる。こういうように訴訟し直しなさい。これを国鉄はされますか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 第二審の訴訟につきましては、原告の方からまだ何も申し立てがなされておらないということでありまして、その申し立てを見て、それに対応した理論を私どもは申し上げることになるのだと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 労働省の見解と国鉄の見解が違うということは当を得ない。ですから労働省の見解通りあなたの方は今後されるかどうか。いやしくもこの問題はもう衆議院あるいは参議院においてかなり論争され、しかも意見の開陳がしばしばあったところでありますから、この席でそういう見解を述べられた以上はそういうように必ずされるか、一つ確約してもらいたい。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 国鉄としては訴訟の当事者の立場にあります。それで今お話の出ました点につきましては、十分今後検討いたしたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 国鉄はもう少し同じ理論を立ててもらいたいと思います。労働省と意見は違わないといいますけれども、最初は労働省の意見通りだった。そのうちに下級審で判例が出たら、今度は憲法組合だという。本日はまた労働省通りの組合である、労働省の言う通りの見解だ、こう何回も変られてはこっちも困りますよ。しかも聞くところによると、第二審では国鉄当局の弁護士は同じ主張をするといいます。しかるに今言うように団交拒否の理由は四条三項に違反したものであり、しかも四条三項の違反状態を解消する機会は何度もあったにかかわらず、多くの組合の意思によってそれがされなかった、であるから戦術として団体交渉を拒否するというのですから、そういうようにあなたの方は主張されますか、こう聞いているのです。裁判で言うこととわれわれのところに言う主張が違うということは許されませんよ。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 その点につきましては十分検討いたしたいと思います。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 検討じゃいけません。どっちかはっきりしなさい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 いろいろ法律のきわめてデリケートなむずかしい論点でございますので、帰りまして十分検討いたします。しかし私は前にも述べました通りに、公共企業体といたしましては、政府の見解が権威あるものとしてその線に沿うべきだ、こう考えております。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 政府の見解が正しいものであり、その線に沿うと言われますが、この前の訴訟をされるときに、政府の見解であり、そうして労働省と話し合ったと、こうおっしゃっておるのです。ですからきょう聞きますと、その論点が違っておる。論点が違っておりますから、私は当局がとられておる訴訟における論点を中心にしてお話を申し上げたのですが、その点については何らの解明がなかった。今度は別の答弁をされた。だからおそらく変ったものであると判定をいたしますから、変ったものであるということになれば、変った形で答弁をされますか。訴訟において主張されますか。これをお聞かせ願いたい、こう言っておるのです。しかしこれは本日審議している重大なポイントですよ。これが変るということになりますと、私の突っ込んでいく質問の点は変っていかなければならない。ですからどちらをやられるのか、この際はっきりしてもらいたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 変っているとはっきりおっしゃいますが、この法律の解釈につきましては、いろいろな表現のニュアンスはございますが、そう根本的に変っているとも私は考えておりません。しかしそういうお話もございますので、十分これからさらに検討いたしたい、こうお答えを申し上げている次第であります。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 重ねて申し上げておきますが、あなたの方から下部に副総裁名で出された通牒において「労働組合の取扱い方について」という依命通牒を昭和三十二年八月五日に出されておる。その中に——当時は国鉄労働組合の方においても同じ状態であったのでしょう。「国鉄労働組合、機関車労働組合ともに公労法上、適法な代表者を欠くに至っており、このため労働協約を締結することができない。従って協約を締結した各組合を相手として団体交渉を行うことは不可能となった」こういう論点で主張されておるわけです。でありますから、この点が改められたら改められたということで私は質問を展開していきたい。もしも改められていないというならば、その意見は取り消してもらいたい。これをはっきりしてもらいたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 今御指摘のありました通達は、七七五号という通達のことだと思いますが、この七七五号の通達の取扱いにつきましては、昨年の十二月二十日に出しました一二四九号という通達で、重ねて七七五号の考え方はその通りであるということを下部に通達いたしておりまして、これを改める必要があるとは私ども考えておりません。

多賀谷真稔日本社会党

○多賀谷委員 改める必要がないということになりますと——通達前を言っておるわけじゃないのです。私は今読みました論点を聞いておるわけですが、先ほどの論点と違います。そこで一つ、どちらにされるのか。本日が無理ならばよく相談をして答弁をしてもらいたい。そこで時間もだいぶんかかりましたので、まず結論から論点が違いますから、これ以上質問をしてもむだである、かように考えますから、本日は質問を保留したいと思いますが、それでどちらにされるのか。今までの訴訟で主張された点は取り消されるのか、あるいは通牒で主張された点は取り消されるのかどうか。この点を明確にして次の機会に答弁願いたいと思います。

赤澤正道自由民主党

○赤澤委員長 残余の質疑は次会に行うこととし、本日はこれにて散会いたします。  次会は三十一日午前十時より理事会、十時半より委員会を開会いたします。     午後六時三十一分散会

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