予算委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/12/19
会議録
○委員長(泉山三六君) ただいまから委員会を開きます。 まず、委員の異動について申し上げます。十一月十二日奥むめお君及び佐多忠隆君が辞任せられ、その補欠として豊田雅孝君及び占部秀男君が選任せられました。また十二月十八日占部秀男君が辞任せられ、その補欠として佐多忠隆君が選任せられました。 —————————————
○委員長(泉山三六君) これより派遣委員の報告を議題といたします。 まず関東班から御報告を願います。
○千田正君 このたび予算委員会から派遣されました関東班の御報告を申し上げます。 関東班は本多市郎君、内村清次君及び私千田正の三名で、十一月二十五日から三十日までの六日間、茨城県、栃木県及び群馬県の地方財政、新農村建設の現況、漁港及び道路の整備状況等について調査を行い、また、桐生市において懇談会を開いて、中小企業者の実情について調査を行なって参りました。三県とも地方健全財政の確立のために種々要望がありまして、さらにまた、新農村建設あるいは道路の整備、中小企業の振興等につきまして、われわれに対しまして熱烈なる要望がありましたが、これらにつきましては、詳細を会議録に譲りまして、御報告にかえたいと思います。 何とぞわれわれの報告につきましては、会議録において十分御了承を願いたいと思います。以上御報告申し上げます。
○委員長(泉山三六君) 次は四国班の御報告を願います。
○伊能芳雄君 第二班は、森理事、松浦委員及び私の三名でありまして、十一月二十六日から一週間の日程をもって、高知県及び徳島県の二県につきまして、一般経済産業の現況並びに地方財政の状況等を調査して参りました。 高知、徳島両県とも、いずれもまず県当局から資料に基いて詳細な説明を聴取した後、商工、金融、農林、水産、各業界の代表者たちと懇談会を開きまして、民間の忌憚のない意見や要望等を十分に聴取いたし、なおまた、地盤沈下、護岸工事、漁港整備、工業地帯造成等の現場をも実地に視察いたしました。 詳細は別に報告書にまとめてございますので、以下きわめて簡単に、概括的な要点だけを申し上げるにとどめたいと存じます。 高知県では、温暖な土地柄に珍しく、本年九月冷害がございまして、水稲二期作の穀倉地帯である香長平野を中心として、冷害による米作の相当な減収がありましたため、全国的には三年続きの豊作と言われておるにもかかわらず、本県は平年作を下回っているのであります。本県は高温多雨のため米の二期作が可能でありますけれども、二期作は土地にも労力にも無理がいき、その収穫量も一期作の二倍というわけには参らないようであります。それでも無理をして二期作を行うのは、耕地面積が少いのと、台風の被害を分散するためであります。本年は台風の被害が少かったかわりに、冷害をこうむったわけでありまして、県としては天災法による融資その他によって救済の手段を講ずべく、せっかく努力中でありました。 気候が農業生産に適しているため、水稲の二期作のみならず、三、四毛作にも及ぶ促成並びに抑制園芸が盛んで、蔬菜類を大量に阪神等の都会地に出荷しており、現在年間七、八億にも上るそうでありまして、キュウリ、トマトが鉄道輸送されておりますが、宇高の貨車輸送が非常な隘路となっており、この隘路さえなければ、優に十億円は出荷できるはずであるということであります。蔬菜類に限らず、本県産物の県外搬出について鉄道輸送はきわめて重大な問題でありまして、現地としては国鉄輸送力の増強、ことに宇高連絡船の強化を強く要望いたしております。高知県の場合には、貨物を送り出すだけで返り荷のない片道輸送で、しかもそれが夏季に集中するという難点もありますけれども、宇高の隘路のため四国全般に滞貨が多いのは否定できない事実でありますから、さしあたり宇高連絡を強化するとともに、なるべくすみやかに明石、鳴門経由の本土、四国連絡鉄道の実現を促進することが、四国の産業開発のためにきわめて望ましいと思われるのであります。 高知県、徳島県、いずれも南海震災による地盤沈下のため、米作地が被害をこうむっております。また、徳島県の山間地帯では地すべりが頻発し、この被害を受ける耕地面積は、全耕地面積の一割に近い四千町歩にわたっておりまして、これが復旧並びに防止については、根本的な対策が必要の呼期に来ておると思われるのであります。 水産業につきましては、高知、徳島両県とも、いずれも有利な条件に恵まれておるのでありますが、戦後漁民の増加と魚族の乱獲とにより、沿岸漁業は全く行き詰まりの状態にありますので、今後は浅海増殖事業と遠洋漁業に向って活路を見出そうといたしております。従いまして、浅海増殖事業に対する国庫補助金について、現行の三分の一の補助率を二分の一に引ぎ上げてもらいたい、また、カツオ、マグロの漁場が遠隔化するに伴い、どうしても南太平洋に基地を設定する必要があるので、早急にその実現方を考慮願いたい、また、遠洋漁船が遭難した場合、救助能力のある千トン級の巡視船が配属されておらないので、人命救助体制を確立するため、すみやかに大型巡視船を配備せられたいということを、両県とも一致して強く要望いたしておりました。 商工業につきましては、両県とも、そのほとんど全部が中小企業であり、五月以来の金融引き締め政策の影響は、都会地のように直接にはあまり強く現われておりませんが、しかし間接的に、かつ徐々に浸透しつつある現状であります。すなわち、最近は銀行、農協、郵便局等、いずれも預貯金の伸びが悪く、一方貸し出しは、地元銀行を初め政府関係中小企業金融機関においても、極力資金需要に応ずる態度をとってはおりますものの、回収に警戒を要するのと資金ワクに制約されて、地場中小企業の資金繰りは相当窮屈化しておる模様であります。このように金融引き締めの影響が漸次浸透するにつれて、借り入れ需要は銀行よりも相互銀行、信用金庫、政府関係中小企業金融機関などの方に強く現われてきておりますので、県当局並びに商工会議所等では、国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金等の資金ワクの増大、通産省関係の中小企業振興資金の増額を強く要望しております。 最後に、地方財政でありますが、高知県と徳島県とは、その人口並びに財政規模においてほぼ同じくらいであるにもかかわらず、財政収支の状態は全く正反対で、高知県の黒字財政とは対照的に徳島県は非常な赤字財政で、財政再建法の適用を受け、しかも、その再建期間は十五カ年という長期にわたるものであります。同じような人口と財政規模でありながら、なぜこのように違うかと申しますと、その原因はいろいろありましょうが、その最も大きな原因として、過去における公共事業の事業量の相違を指摘することができるのであります。高知県では、一般公共事業を十億円程度しかやっていなかったときに、徳島県では十五億円ないし二十億円も行うといった工合で、公共事業が多かったのであります。この点について県当局は次のように説明しております。すなわち、本県の事業量は、他の類似県に比較すると若干多いと言われているが、公共事業の必要量は、人口あるいは面積に必ずしも比例せず、本県のように河川が多く、海岸線が長く、しかも地盤沈下や地すべりの多いところでは、河川海岸、港湾関係事業に特に多額の経費を必要とするのであるというのであります。しこうして、これら公共事業の県負担分の財源は、主として起債に仰がざるを得なかったため、地方債は累増して七十五億円となっておるのであります。このため公債費の負担は、本年度において十億五千万円になっておりますが、これに対して県税収入はどのくらいあるかと申しますと、わずかに八億三千万円にすぎないのであります。もちろん本県の財政は、財政再建計画により一応再建のめどはついておるわけでありますけれども、しかし、この再建計画には多くの問題点が残されており、なかんずく収支のつじつまを合せるために、投資的経費をきわめて大幅に削減しておりますことは、最も問題の点であります。今も申し上げましたように、本県は以前は公共事業費を二十億円も使っておったのでありますが、再建計画上は昭和三十三年度以降十億円、三十五年度以降九億円、三十七年度以降七億八千万円と激減しており、こういうことで果して必要な行政水準を維持することができるかどうか、はなはだ疑問と言わざるを得ないのであります。 黒字財政の高知県でも、公債費の問題はやはりきわめて重大な問題となっておるのであります。高知県の地方債現債額は六十六億円でありますが、そのうち四割強は災害復旧債であり、本県の場合は、災害が地方債膨張の最大要因であることを示しております。いずれにいたしましても、このため公債費の負担が多く、明年度には九億九百万円となり、県税収入を上回るようになっております。 従いまして、高知県でも徳島県でも、公債費対策につきましては、最も重大な関心を持ち、明年度も本年度に引き続いて公債費対策を講じてもらいたいというのが、最も切実な要望となっているのであります。 大体以上の通りでありますが、最初に申し述べましたように、詳細は報告書にまとめてございますので、先例により、報告書を会議録に掲載していただくよう、委員長にお願いいたしまして、私の報告を終ります。
○委員長(泉山三六君) これにて派遣委員の報告は終了いたしました。 —————————————
○委員長(泉山三六君) この際お諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査につきましては、調査未了の旨、議長あて報告書を提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(泉山三六君) 御異議ないと認めます。 なお、報告書の内容及び手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(泉山三六君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時三十四分散会 ————・————