P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
27回国会参議院1957/11/08

法務委員会 第3号

発言数
125
登壇者
11
会派数
3
開催日
1957/11/08

会議録

青山正一自由民主党

○委員長(青山正一君) ただいまから委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。十一月八日付田畑金光君解任、亀田得治君選任。  以上であります。     —————————————

青山正一自由民主党

○委員長(青山正一君) それでは本日の議題に入ります。売春防止法の施行運営に関する件について、前回に続き調査を行います。御質疑のお方は御発言を願います。なお、念のために申し上げておきますが、本日は唐澤法務大臣、竹内刑事局長、福原保護局長それから横川政務次官、皆さんお見えになっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 売春防止法の問題に関連して起きておりまする例の売春汚職の問題、この点について若干法務大臣以下に御質問いたしたいと思いますが、最初に私ちょっとお断わりしておきますが、この事件は現在検察庁当局でお調べ中です。従って、私の方もそういう点は考慮に入れて質問をいたしたいと思います。ただ捜査中だということだけで、必要以上に私の質問に対してぼやかしていくというふうなことのないように実はお願いしたいんです。まあ具体的な点等になれば、あるいは見解の相違が若干あるかもしれませんが、できるだけ私はやはりこういう問題こそ可能な範囲において正規の機関を通じて当局の材料なり、あるいは見解等を明らかにしていくということは、国民が待望しておると思うんですね、そういう趣旨で、一つできるだけの御答弁をお願いしたいと思います。問題点等については、すでに衆参両院におきまして、各専門家の方から相当論議されたごとでありますから、若干私としても重複するようなところがあるかもしれませんが、そういう点等も、これは質問の順序といたしまして、若干御了承願っておきます。  最初にお聞きしたい点は、売春という問題に対する法務大臣の基本的な考え方です。そんなこといまごろとっぴなことを言うなというおしかりを受けるかもしれませんが、しかし、私は現在できておるこの売春防止法、これができる過程等を見ておりますと、これはいろいろな思想、人生観というものが織りまざってこれはできておるわけです。そうしてまたその考え方の違いというものが、法案成立後にもいろいろな形で表われておるわけです。これは、そういう考え方の基本をどこに置くかということによって、私は、大きなこの扱いの違いがあらゆる面で出てくることを、実は心配しております。そういう意味で、わかりきったようなことでありますが、私は新しくこの問題の処理の最高の責任者となられた唐澤さんに、その点についての一つざっくばらんなお気持ですね、こういう点をまずお聞きしたいと思います。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 売春そのものに対する私の基本的の考えを申せということでございますが、私といたしましては、売春そのものは社会悪の一つとして、どうしてもこれは追放していかなければならない行為であると考えております。もとより売春そのものの発生いたします原因は、ただいまお言葉にもありました通り、非常に複雑また深いものもございまして、従来の為政者がこれを掃除することに非常に苦労して参ったことも御存じの通りでありまするし、また業者は別といたしまして、婦女子自身には実に同情に値するような原因からそういうような行為をするようになっておる者も多々あると思いまするから、この点は普通の犯罪とは違うのでございますけれども、しかし、社会悪という点から考えていきまして、どうしてもこれは徹底的に追放しなければいけないものである、かように考えておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 社会悪であることは当然でありまして、問題になることは、社会悪であるが必要性があるのだ、まあ大まかにいってそういう考え方が相当あるわけですね。これは特にあなたの所属の自民党内の方々でそういう御意見を吐かれた方も相当あるわけです。そういう点についての見解ですね。これはどうでしょうか。必要性がだいぶ説かれておるわけですね、それがありますと、一方では社会悪々々々と言っておっても、どうしてもこれがぼけてくるわけです。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 必要性についてどういう議論があるか詳しく私は存じませんけれども、必要性の有無を超越いたしまして、これはどうしても掃除をし、追放しなければならない社会悪と考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 社会悪であっても必要性があるということになれば、どうしても追放しなければならぬということには実際問題としてなってこないです。必要性云々にかかわらず、社会悪だから追放しなければならないと、直ちにそこまで行くものじゃ私はないと思うのですね。実際に問題になっておるのはその点なんですから……。で、私はこういう問題が社会の大きな問題として出ておるときの法務大臣の第一の資格というものは、そういう点についてのはっきりとしたやはり考え方を持った人でなければ、実は適格、不適格の問題まで真剣に考えた場合、私はあるのじゃないか、それくらいに思うのですね。こういう問題が過ぎ去った後の法務大臣であれば、それは一般の検察行政、そういうことに適任者であっていいと思うのです。現実にこれは出ている問題ですから、私はそれを聞くわけですが、その必要性のあるなしにかかわらずというような趣旨のことをおっしゃったのですが、実際はそうじゃないので、業者なり、あるいはそれを残そうという人たちのいろいろ理論づけというものは、そこにその必要性、まあそういうふうな趣旨での強調というものは相当なされておる。私はそれを認めてかかる以上は、どうしたって、これは法律があったって死文に帰するし、あらゆる対策というものは全部だめになる。たとえば予算措置等についても、それは予算獲得に対する熱意というものもこれはできてこぬでしょうし、そういう意味でその点を……。いわゆる世の中にはそういう議論が相当あるわけですね、現実にあるわけです。この議論をあなたは無視するわけにいかないのですから、この問題については。だから、そういう議論に対して、あなたは断固としていやそれは違う、私はそうじゃないというふうに言い切れるお気持であるのかどうか、その点をお聞きしたい。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 必要性の問題でございますが、局部的に考えましたならば、あるいはこの存在の必要を認めるような議論が立つかもしれません。しかしながら、私といたしましてはどうしてもこれは立法措置によって、そうしてこの社会悪を追放し、すでに立法措置ができておりまする今日でございますから、この防止法を十分に活用いたしまして、そうしてこれを清掃し、追放しなければならぬと考えております。それを阻止するような必要性は絶対にないと考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大事なところですから念を押しておきますが、そうすると、世間の一部にある必要な社会悪という考え方については賛同しないと、こういうわけですね。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 大体においてさように存じております。まあ一言で言えばさようでございますけれども、先ほども申しました通り、いろいろ理論を立てれば、理論は成立するでございましょう。しかしながら、この立法を阻止するような必要性、あるいはすでに立法ができました今日、この防止法はその必要性があるからその適用に手心をしなければならないというような必要性を認めることは、これは絶対にできません。この法律はきわめて時宜に適した法律と考えておりまするし、すでに今日この法がありまする以上は、この法の精神を十分活用いたしまして、そうしてこの売春行為の絶滅を期したいと考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 若干その点で私少し物足らない感じを実は受けておるわけですが、まあそういう議論をしておりましても時間をとりますから先へ進みますが、大体私の気持と法務大臣のお考えと、そんなに隔たりがないように感じました。それで、ある程度安心はするわけですが、そうなりますと、今起きておるこの売春汚職事件ですね、これについての扱い、これが非常に大事だと思うのです。で、何か一つの大きな政治問題になり社会問題等が浮び上ってきた場合に、それに関連した一つの具体的な何か事件が起る、この場合だけじゃございません、どんな場合でもそんなことがある。結局その問題の解決のかぎは、そこに具体的に起きている事件の処理いかんによってこれはさまってくるわけですね、実際は。その処理に対する政府の態度なりそういうことによって、私はもう大きくこれは影響してくると思うのです。社会の人がこの売春汚職事件に対して非常に注目をしておるのは、内容自体に対して、はなはだきたない事件だ、汚職の中でも最たるものだという、そのこと自体と同時に、売春防止法の運命自体というものもみんなが考えている、そういう意味でこれは重要視しておるわけです。先ほど法務大臣がおっしゃったような見解からいきますれば、私はこの事件というものは徹底的に正しく追及されなければならぬものだと思っております。そこで、あなたの部内ではこの事件に対してどういうふうに扱うようにあなた自身としては具体的な指示をされておるのか。この点をお聞きしたいと思います。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 売春汚職の問題が今世上の疑惑の中心になっておりますること、またこの売春汚職の問題を法務当局がいかに処理していくかということが、世間の注視の的になっておるということは、お話の通りと存じます。これに対しましては、私といたしまして終始一貫法務当局検察当局に対しまして、疑わしき証拠のあるところは徹底的にこれを追及して捜査を遂行して、事態をどこまでも明白にするようにということを指示いたしております。御承知のように岸総理も汚職の追放ということを強く主張しておられます。また、売春汚職の問題が喧伝せられるに至りまして、私にもこの問題について徹底的に追及をして事態を明らかにするようにお話がございました。また、総理からそういうお話があるなしにかかわらず、私といたしましては検察当局に対しまして、政治的の結果がどういうふうになろうかというようなことは絶対的に顧慮する必要がない、証拠を追ってどこまでも疑わしきものは究明するようにということを指示いたしておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大体の態度がわかりましたが、これは法務大臣が直接検事総長に会ってそういう御指示をされておることだと思いますが、何回くらいそういう御指示をされておるのか、あるいはただ指示だけじゃなしに、どうなっているかというふうに、指示をした以上は、聞かなければこれはほんとうに指示しておるということには、これだけの問題になっているんですから、私はならないと思いますが、その点はどういうものでしょうか。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) これは事務の内容に関することでございまするから、私が検事総長に対してこの問題は徹底的に追及するように、事態を明らかにするようにということを指示しておると申し上げておりまするから、どうぞ私を御信用願いたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そこで私が当初実はお願いしたわけでありまして、法務大臣が徹底的におやりになる、そういう指示をしておると、これは了承いたします。ところが、やはり私どもの聞きたいのは、ほんとうに熱心にその問題に取っ組んでいくという場合には、何回でも検事総長にみずから会って、まだこの程度かとかこういうふうにいっておるがこれはおかしいじゃないかとか、こういうことがあるのが私は普通だと思うのです。だから、そのときの話の内容までを一々全部聞くということになると、これは捜査の秘密云々で逃げられますから、そこまで私は聞いているのじゃない。何回くらい検事総長にこの問題で会ったというふうなことは、質問があった以上は、あなたの方から御回答願って、法務大臣としてはここまでやっておるのだということを、むしろ明らかにしてもらう場を私は作って上げておるくらいに思っておる。だからそういう事務的なことはどんどん差しつかえない程度にお答えを願いたいと思うのです。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 私から検事総長には一切ならず指示をいたしております。しかしながら、私は検察当局を絶対に信頼をいたしております。その正義性、またその能力、この双方について私は絶対に信頼をいたしておりまするし、ことに検事総長はこの検察事務のエキスパートでございます。子供でございませんから一々私が手を取って指図するような必要はございません。大体の方針を指図すれば十分であると私は考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 相当検察庁からも詳細な報告はすでに受けておると、こちらは解釈していいわけですか。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 検察当局といたしまして法務大臣に報告する必要ありと考えた場合に、時々報告を受け取っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その内容等について若干私後ほど、少し差しつかえないと思われるような点お聞きしたいのですが、その前に、こういう事態になっておる際ですから、すでにこの問題に手をつけて時間も経過しておる、世間は注目しておる、こういうわけですから、法務大臣としてこの問題に対する中間発表を正式にしていく、事態はどういうふうになっておるのだと、これくらいの積極的な態度というものをとってもいいのじゃないか、私はこう思うのですが、そういうふうには参らないのでしょうか。たとえばこの速記録等を拝見いたしましても、これは十月十五日ですかに、私どもの同僚の岡田議員がここの委員会で尋ねておる。捜査の段階だからということで詳細な答弁はございません。しかし、適当の時期において報告をすると、こういう趣旨の刑事局長の答弁で結ばれている。私はもう適当な時期だと思うのですがね。ある程度公式の発表を、こちらの質問を待つまでもなくしていくと、こういう態度を——私はこの事件だけじゃなくていいと思う、ほんとうに世間の人が心配している場合には、その心配にこたえていくというのが、これは民主的な政治なんですから、そういうふうにむしろこれはやってもらうべき問題だと思うのですが、どうでしょうか。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 亀田委員が非常に激励のお考えをもって特に御発言あったものと考えまして、感謝をいたすのでございます。私ども適当な時期にはこの熱意におこたえをいたしまして、国民の前に公表いたしますことは必要であると考えております。しかしながら、捜査はただいま進行中でございまして、ただいま適当な時期だとは考えられないのでございます。そこできわめて御不満かとは思いますが、十五日以後の状況をこの委員会でも去る二日、三日でございましたか、御説明をしたのでございます。これは非常にデリケートな問題でございまして、熱心のあまりやいやい申しますことが、必ずしも激励をする結果にならないことは、経験に徴しましても明らかでございまして、今は信頼して見守っておるというのが一番激励のよい方法ではないかとも実は考えるのでございます。まあしかしながら、先ほど大臣から御答弁のありましたように、検察側におきましても大臣の熱心なる激励に対しまして、必要なものは逐次報告をしてきておるのでございまして、事情はある程度わかっておるのでございますが、今はその時期でないというふうに判断をされますので御宥恕願いたいと、かように考えるのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 国民の知りたいのはそういうこまかいことではございません。たとえば具体的に、ある人物が金を受け取って、そうしてその金が、法律的に正確に言って、どういう意味のもので、それが刑法の該当条項に的確に当てはまるとか当てはまらぬとか、そういうことではない。国民の知りたいのは、また検察庁の大事なのは、そういう点だろうと思うのですね、だからそういうこまかいことに触れないで、そうしてこの事件の全貌というものを発表する方法が十分あるわけです。そういうことを私は求めておるわけなんです。それはあちこちの新聞にも出ておることだし、いろいろな記事等にもあるから、大体御想像したらいいじゃないかと言えばそれきり、しかしそうばかりもいかぬわけですね、正式の発表がないから、こんどいろいろなうわさも立つ、そういうわけなんです。だから私の求めておるのは、たくさんの専門家を動員してお調べになっておるわけですから、この売春汚職事件の中心の団体であるたとえばこの全国性病予防自治会、全性と言っておるこういう団体の性格ですね、こういうことは当然基本的な捜査の基礎的調査としておやりになっておるだろうと思うし、これは資料もつかんでおられると思う、そんなことも国民の知りたい一つです。それからその組織はどういうのか。ちょっと竹内さんそこにつけておいて下さい、答えられる程度のことは答えていただきたい。組織はどうなっておるのか、新聞等にはいろいろ出ますよ、出ますけれども、これはほんとうに押収した記録によるものでもないのだし、あるいはその組織の中には役員とか顧問、こういうものはたくさんおるわけです、その顧問等についてもいろいろなうわさが流れておるわけですがね、そういうものがうわさとしておかないで、真実ありのまま明確にしていいわけなんですね、これは決して刑事事件としての追及を国民が求めるというよりも、むしろ社会的な道義、政治的な道義としての判断をしたい、その材料というものでこれは注目しておる、だからそういうことは当然民主的な検察庁であれば、これは答えるべき、私は要求であると思う。それから第二に、やはりみんなが知りたがっておるのは、いわゆるこの非常対策費ですね、全性の通常会計ではない。この非常対策費、これは現実に全国の一万何千という業者から集めていった事実は、末端ではみんなあちらこちらのうわさで知っておるわけですから、ああいうものを集める場合の性格として、ある人だけから集めるということは絶対ないものです、そうすると国民は、ずっとあの人から千円、二千円出した、そうすると全国の業者がこれだけあるからこれだけ集まったはずだ、こういう計算をします、だからこれは当然あなたの方でもそういうところは目をつけておやりになっておると思う、そんな金はどれだけ集まったのか、それだけじゃもちろん犯罪にはなりません、だからそういう程度のことは知らしてやるべきではないかと思うのです、知らしたって何も捜査の妨害にはなりません。  それから次に知りたいことは、非常対策費の使途ですね、使い道ですよ、これはだいぶきわどい問題になっていくでしょう、しかし、これもある程度は差しつかえないのじゃないか、だれか使っておるわけですから。だから大まかに、そういう間違った政治運動に使ったという項目とか、あるいは集めたのを通常会計でないから、ごまかして使ってしまったとか、そういうものもあるかもしれない、その辺の大まかなところどんなものだろう、一人々々の起訴をするには、きちっと金額というものを確定していかなければならぬ、そういうことを知りたいわけなんですね。何も世間の人はね、どの代議士が憎くてどうするとか、そんなことじゃないのです。こういうことでしょう、国会という民主的制度自体というものをやはり心配するわけですね、そこに私は答えてやってほしい、そういうふうにほんとうに検察庁がやってくれれば、それだけ熱心に法務省自体がやるならば、私の方で知っているこういう材料もある、これをやりましょうということで、投書も集まってくるかしれない、それからいろいろなうわさがありますが、いわゆる業者と業者でない立場の方と、何人くらい今まで調べたのか、若干の逮捕された、起訴されたというのはわかっておりますが——この点は若干まあ触れにくいところがあるかしれませんが、しかし、人数等はやはり発表されていいと思う。どうせこういう事件ですかち、検察当局は相当人を動員して、たくさんの関係者を熱心にやっているだろうと、こうみんなが想像しております。この通りだと、調べた人数、それからできればその内訳、業者側、それからその反対側という程度の内訳は、つけてお出しになる。大体まあ以上組織とか非常対策費、あるいはその使途、人数、こういうふうに分けて、若干私の意見もつけ加えて申し上げるわけですが、こういうものは一つ御発表になっても、ちっとも捜査上の障害には私はならないと確信しておるのです、これは。私もそっちの方の専門家ですから、こんなものを発表したからといって、法務大臣が先ほどおっしゃったように、信頼されておる有能な検察庁が、そのために支障が起きたなんていうことは、私は絶対に起らぬと思う。どうでしょうかこれは。大まかなところですから、大臣がそれはまあその程度ならいいじゃないかと言わなけりゃ、刑事局長としてはどうにもちょっと答弁しにくいだろうと思いますから、まず法務大臣にこんな程度のことは差しつかえないのじゃないかという点、どういうふうにお考えでしょうか、まず先にお聞きしたい。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 法務省においてはっきりわかっておることのうちで、これを申し上げても捜査の遂行に支障を来たさないというものでありまするならば、それは申し上げても差しつかえないと、かように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大臣の今おっしゃったような答弁ですから、この四つについて、一つ竹内さんの方でつかんでいる限り発表して下さい。もし発表できないということなら、それがなぜ捜査に差しつかえあるか、具体的に一つ説明して下さい。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 亀田委員もよく御承知のように、検察庁の捜査と申しますのは、証拠を追って判断をしていくというやり方でございまして、大まかな判断とか、あるいは推測とかいうようなことは発表という形においてはなかなかしにくいのでございます。従って、全性連の性格、組織、役員、顧問といったようなものも——まあ役員、顧問のようなのはともかくとしまして、性格ということになりますると、これはなかなか……。一応の形は、全国性病予防自治会でございます、性病予防のためのものであろうということは一応言えるわけでございますが、今、亀田委員の聞きたいとおっしゃるのは、それはそういう意味の文字通りのものかどうか、検察庁で調べた性格をどういうふうに判断しているかということを言えということに相なろうかと思うのでございますが、これらは証拠をもって言うということになりますると、捜査の結果明らかになった全部の事実に基いて、この性格を判断する以外には、ほんとうの性格を描き出すわけにはいかないのじゃなかろうかというふうに思うのでございまして、これも捜査と直接の関係のある事柄に相なるのでございます。それからまた非常対策費の金額につきましては、なるほど仰せのように何も隠す必要はないじゃないかという御議論もあろうかと思います。で、全性におきましては、昭和三十年、三十一年の両年にわたりまして非常対策費というものを相当多額に集めておる事実がございますし、また、転業資金という名義で昭和三十一年中並びに本年にかけまして、これまた相当多額の金額を集めておるということは判明いたしております。この金額が幾らかということは言ってもいいではないかという御意見でございますが、この売春汚職の捜査は、これらの金がどういうふうに使われたかということを解明することにかかっておるのでございます。この金額を幾ら幾らかということは解明と相待ってきまってくることでございまして、これまた正確に証拠をもってお答えする段階ではないと思っておるのでございます。この使途につきましては、もちろん犯罪性のない使途もございましょうし、あるいは単なる業務横領といったようなものになるような犯罪性がありましても、政治工作費というようなもののみではないと思うのでございますが、そういうことが本件の捜査の解明の目標になろうと思うのでございまして、その使途をここで一々申し上げることは、これは現在の捜査段階では秘匿すべきことだというのではなくて、まだ解明が中途にあるというふうに御理解を願わなければならぬと思うのでございます。  それからまた、何人ぐらい調べたかということでございますが、これは一見述べてもいい事項のようにも見えるのでございますが、これによって捜査の手のうちを見せることにも相なるのでございまして、捜査段階におきましては、これは秘匿すべき事項であろうというふうに思っておるのでございます。  なお、この解明の過程におきまして、全性の理事長鈴木明、副幹事長長谷川康、専務理事山口富三郎らは共謀して衆議院議員眞鍋儀十氏に対しまして三十万円を、法務委員及び売春対策審議会委員の職務に関して贈賄している容疑が発生して、鈴木、長谷川両氏は十月十二日に、山口は十六日に、それぞれ逮捕いたして取調べを進めております。なおその間に全性の事務員の山田博一の証拠隠滅の容疑も生じて、これまた逮捕しております。これは十月二十二日でございます。取調べを進めておるのでありますが、一方眞鍋議員の容疑も逐次濃厚となって参りましたので、去る十月三十日に同議員を取調べの上逮捕いたしております。さらに三十一日には勾留して調べる必要があるということで、勾留請求をいたし、裁判所も勾留の決定をいたしておるのでございます。一方さらに鈴木、長谷川両氏につきましては、十一月一日勾留満期になるのでございますが、その間に眞鍋議員に対する別口の十万円の贈賄の容疑事実が発生いたしましたために、それによって再逮捕、新たに逮捕をいたされました。さらに山口につきましても同様再逮捕をいたしまして、目下鋭意捜査を進めておる段階でございます。いずれただいま御質疑の諸点につきましても、時期を見て御説明ができることを期待しておるのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 四つに分けて御説明がありましたが、いずれも納得があまりいかない。で、たとえば何名ぐらい調べたのか。これは私は最小限度の質問として出したのですが、どうもそういうことをやると手のうちを見られるとおっしゃるのですが、そうじゃないので、だれそれが調べられたと言えば、その嫌疑のかかっている側にはやはり法律専門家もついているし、これはみんなすぐ連絡がついているわけなのです。だからそんな程度のことを発表したから、検察庁が手のうちを見られて不利になる、そういう自信のない態度では、ちょっとこっちの方が心配しますよ。もっと堂々と一つ発表して、もっといろいろ材料があったら送ってくれぬか、このくらいの態度に私は出るべきだと思うのです。大体こういう全国民に関連したような事件ですから、警察や検察庁が国民から何か遊離されて、どうせまたそのうちおかしくなるのではないかというような、そういうような感じを与えればこれは遊離しますよ。そういう状態じゃほんとうの究明はできませんよ。だから思い切って、私も若干検討してみて、この四つぐらいは堂々と発表してもらえると思って言ったのだが、どうもそうじゃない。だからたとえば眞鍋代議士が今逮捕された、国民は、どうせ法案の問題ですから、代議士が一人ということは絶対あり得ない、これは常識ですよ。一人で法案はどうにもならないのですから、だからそこですよ、あなたの方がほんとうにやる気であれば、中間報告ぐらいして、そうして一つみんなの協力を求めるような態度でいってほしい。だからこの四つのことにもっと具体的に、きっちり答えることがむしろ共鳴者が出てくるわけです。そういう意味なんですから、これは大体今あげられたような名前だけで、事件というものが進行しているわけじゃないでしょうから、もう一つこれは再考されてお答えを願いたいと思います。  それからこの非常対策費を、三十一年、三十二年と相当集められた。これは検察庁としては、その金額等はつかんでおられるわけですか。つかんでおるけれども発表をはばかるというのか、どっちなんですか。この点再度お聞きします。  それからもう一つ、組織の関係等、これは検察庁で全証拠をずっと調べて、その上で検討してみないといかぬということですが、そうこれは固く考えないでも、全性連というものが、この売春防止法等の問題についてどういう動きをしたか、そういう立場での性格判断を大まかにやってもらったらいいわけでして、私の言っているのは、そう正確なことを求めているのじゃありません。しかし間違ったことを発表してもらう必要はありません。間違わないけれども、大体これで正確だ、国民の知りたいことに答えられるという線というものがあるはずなんです。そういう点です。それから非常対策費の使途の内容ですね、これは私も非常に言いにくい点だと思いますから、そうはこだわりませんが、以上の三つの点については、これはもっとはっきり御答弁を願いたいと思います。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 非常対策費または転業資金の金額は、検察庁においては取調べをして、集計もいたしておりますが、先ほど申しましたような理由で、今しばらく時期を見て発表の機会を待ちたい、こういうふうに考えておるのでございます。それから全性連の組織等につきましては、これも先ほど申しましたように、捜査が進みまして、ここにいわゆる性格と組織とがまた相関連して規定されることだと思います。形式的な組織をいわれるのか、ここにいわゆるある性格がこういう性格のものであるということに伴った組織ということになりますると、これまた証拠とともに判断をしていかなければならないことでございまして、こういうものも先ほど示しましたような理由で、もう少し時期を待って御説明の機会を得たいというふうに考えておるのでございます。なおしかしながら、福田委員の意のあるところはよく私どもにも理解されますので慎重に検討してみたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 金融は大体つかんでおられるようですから、そういう程度のことはやはり発表してもらいたいと思うのです。これは集めた方は知っておるわけですから、何もあなたの方が発表したからといって、業者の方にそれが有利になるというわけじゃないと思うのです。正確に知らぬのは国民だけです。そんなことはちっとも差しつかえない、法務大臣も捜査に差しつかえない以上は答えていいと言っていたのですから。それから人数のことについてはお答えにならなかったのですが、これもちっとも差しつかえないと思うのです。さっき法務大臣から最初に概括的に心がまえの答弁があったわけですから、私どもは大体そういうことを正確に知ることによって、皆さんの方の決意なりそういうものが間接的にこれはなるほどそうだというふうに判断できるわけなんです。発表して下さい。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) これは一つ金額等、発表できますかどうか、なお検討さしていただきまして、次の機会に意見を述べさしていただくことにいたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと法務大臣にお聞きしますが、法務大臣は、最初捜査に差しつかえない以上は答えていいとおっしゃったわけですね、今、刑事局長がああいうふうなことを言っておるのですが、あなたの方針とちょっと食い違いがあるように思うのですがね。必要以上に何か答えないというような感じがするのですが、どんな捜査の差しつかえがあるのでしょう。集めた諸君が対象なんですから、それは知っておるわけなんです、集めた人は。国民はいろいろなデマが飛ぶから知りたいというだけです。

青山正一自由民主党

○委員長(青山正一君) 一応刑事局長から……

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) この金額を申し上げますことは、使途との関係において、私は今発表する時期ではないというふうに判断をいたすのでございます。使途か明確になりますならば、この金の金額がどういうふうに配分されてどういうふうに使われたかということと関連して、この金額は国風に十分理解されると思うのでございますが、使途が明確でないのに、この金額のみを発表いたしますことはいたずらに揣摩憶測を生み、いろいろなまた疑惑をも発生するのでございまして、不要な破紋を投げる結果になるのじゃないか、むしろ私はその点を考慮いたしまして、今後使途の明確になりますこの段階におきまして発表するのが適切であろうというふうに考えるのであります。御了承願いたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その辺が非常に法律専門家の立場にとらわれ過ぎておると私思うのです。国民から見れば、こういうお金については、これは全額けしからぬ、こう思うのですよ、大体において。これは常識です。その内訳が、これが法律上贈賄になるかならぬかとか、あるいはこの部分は集めたやつがごまかしたから横領だとか、あれは横領したといっておるけれども、実際はほかにやったのだろうとか、いろいろな想像をしています。そんな内訳よりも、大体あんな運動をやるのにどのくらい金を集めたのか、これを知りたいのが希望です。私たちもそれを知りたい。個々の人の問題じゃない。差しつかえないと思うのです。ほんとうに違法な部分だけというのならば、きわめてわずかの金額になるでしょう、おそらく。それじゃ国民が知りたいという真相とやはり遠ざかるわけですよ。あなたはつかんでおられるのですから発表して下さい。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 関連質問。今の亀田委員のおっしゃられたことは非常に私大事なポイントだと思うのでございます。この前の二十二国会のときに、これは売春防止法が延期になりましたその当日の国会の状況はよく御承知かと思うのでございますが、私どもも非常に緊張いたしまして、衆議院の傍聴に出かけた際、衆議院の廊下で業者らしき人がささやいているのを私は確かに開いたのでございます。私もう少し近寄ってはっきり聞けばよかったと思うのでございますけれども、あの先生には三十万円渡してある。あの先生には三十万円渡してるとささやいているのを、廊下で私は一確かにはっきりいておるのですから、この国会方面及び当時これを扱うその委員の方々には、若干の金が流れているということは事実でございます。ですから、今言われるように、だれに何ぼというその人名はむずかしゅうございましょう。御発表なさるのはむずかしゅうございましょうけれども、大体国会対策費と申しましょうか、これのもみ消し費用にどのくらい使われたか。これは大体のことはつかめると思うのでございますが、その程度でも御発表願えればお願いいたしたいと思います。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 御質疑は、対策費というのはすべて政界工作費だという前提のような意味におきましての御質問でございますが、その点は先ほど申しますように、これらの金の使い道を明らかにいたしませんと——私どもはそれの全部が工作費だなどとは考えていないのでございまして、そういう意味からいきましても、やはり使途の解明と相待ってこの金額は発表されるのが相当だというふうに考えるのでございますが、なお検察当局ともよく捜査に支障がないかどうかという点等も協議いたしまして、発表ができますならば発表させていただくということにして、私の意見としてはそういうことになるのでございますが、御了承願いたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 後ほど、ほかの問題に若干移るわけですから、その間に検察庁の方と打ち合せをしてもらいたいと思うのです。そんなになずかしいことを私ども求めているのじゃないつもりです。  それから人数の問題、これもなかなかおっしゃらないわけですが、こういう点はどうでしょうか。具体的に今逮捕されておるのは眞鍋代議士一人ですが収賄側は一人ですが、常識としてこんなものは一人ではあり得ないというふうにこれは見込みをつけておられると思うのです、はっきりと。法務大臣は数回検事総長ともお会いになっておられるようですから、その辺のところ、これは抽象的でいいですから、どんな程度にお考えになっておるのか、ざっくばらんなところ。これはそんなことを言うたってちっとも捜査に差しつかえないですよ。もらったものは、自分でわかっておるのですから、自己防衛の道は自分で適当にやっているでしょう。そんなことをあなたが言うたからといって、うろたえるような人は初めからそんなものはもらいませんよ。だから一つそんな程度のことははっきり言って下さいよ。どういうふうにその辺を見ておられるのですか。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) いわゆる売春汚職につきましてどういうような見込みをもって進んでおるかというお尋ねかと思いますけれども、この点を今調べておるのでございまして、これが証拠によってどれだけの人に犯罪ありと断定するかということが今捜査しておる中心でございますから、私としてやたらに予断を持つということもできませんし、そういうことは申し上げかねるのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 こういう問題というものは、ある程度の見込みをつけて——予断じゃもちろんいけませんよ。しかし、合理的な見込みというものはつけられるわけです。法案というものが具体的にあるわけですから、その法案に関連した委員会あるいは審議会、いろいろあるわけです。一概に言うと、おれは関係ないぞというておしかりを受ける方ももちろんあるでしょうけれども、私はその辺の見込みをどういうふうにつけて一生懸命に努力なさっておるか、その辺を大まかなところだけちょっと……。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 何度も申し上げますように捜査は科学的に証拠に基いて一歩々々進めていくのでございまして、証拠上認め得ないものにつきまして、証拠上合理的に判断し得ないものにつきまして、みだりに見込みを申し上げるというようなことは、こういう席上で申し上げる筋ではないというふうに私は考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういうことでは、やはり日本の検察行政というものは国民から遊離しますね。やはりこれだけ検察当局ですでに手をつけておられるわけですから、もう大体の全貌と見込みというものは私はついておると思う。で、その見込みはついても結局最後に刑事事件として起訴できるのはあるいは狭まるかもしれません。国民の関心はその最後のところじゃないのですよ。全貌についてのやはり社会的な批判が出ているのでね。それはちっとも関係者に対する名誉棄損でも何でもないと思うのですよ。その辺の見込みを、こういう見込みでやっている、しかしこれは全部法律的には押えられぬかもしらぬと、そういうふうにはっきり発表したらいいじゃないですか。見込みはこうだが、しかし法律的には証拠というものは明確にならなければならぬから、最後の段階はわからぬ。それでもいいですよ。そうせぬと一人だけを逮捕して、あとはちっとも伸びがない。今こんな印象を与えておりますよ。これじゃ納得できないですよ。だからともかく人数だけくらいは発表しなさいよ、それは。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 発表のできる段階になりましたならば、この席で発表させていただくつもりでございますが、もう少し捜査の結果を見ることにいたしたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それは大体いつごろになる見込みでしょう。再三そういうことをおっしゃるわけですがね。国民は待望しておるわけです。そうしてちょうど国会開会中ですしね、非常に私は時期を得ておると思うのです。こういう国会中で正式に発表する熱意があれば、一つ検察当局と御相談願う。たとえば月曜日にはさらに法務委員会があるわけですから、そこで私はやはり先ほどから何回も繰り返しておるような程度のことは発表してほしい。そうして法務大臣の決意もそこへ織り込んで、やはり国民の協力を求めるような締めくくりの文章にして発表してほしい。証拠等があればもっとみんな出してほしい。こういうふうに思う。そういうふうにおやりになれば、それはもう検察の予算等もこれはふえますよ、実際に。今のところは遊離しているのが実際ですよ。あす、あさってとあるわけですが、月曜日までにはその打ち合せはできないですか。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 捜査につきましては、眞鍋議員の逮捕が国会を真近に控えた三十日にしなければならぬというようなことに運びましたのも、そういう時期を検察側が選んだのではなくして、証拠を追って捜査を進めて参りますと、そういう時期にたまたま際会してしまったのでございまして、不本意ながら逮捕せざるを得なかったという次第でございます。それを見ましても御理解をいただけると思いますが、一般の行政事務のように、一定分量を一日に幾らやるというふうにして捜査解明ができるものではないのでございまして、全力をあげて捜査に鋭意当っておりますが、そういう中間発表的に申し上げるといったような時期が、月曜日にその時期が到来するというふうにも、今予測ができない次第でございますので、事柄の性質がそういうことであります点に御理解を願いましてお許しを願いたいというふうに思います。もちろんこれは故意に伏せておるのでも何でもございません。そういう時期が参りましたならば、この席を悟りまして発表さしていただくつもりでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 どうもはなはだ納得のいかない結論で終りそうで残念ですが、法務大臣にもう一度お聞きしておきますが、私が先ほど刑事局長に盛んに要求していること、これは無理なことだとあなたはお考えですか。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) だんだんと御要求がございまして、これをむげにお断わりするということも、まことに不本意でございますが、しかしながら私といたしましては、一番大きな任務は何であるかと申し上げますと、この事件を徹底的に究明していく。この究明の途上において捜査の支障になるような心配のあることは、まず遠慮していただく。こういうことを中心としまして、徹底的に捜査を遂行したいと、かように考えておるわけでございます。そこで、だんだんと御意見の通り、検察当局が国民から遊離してもなりません。また、国民はこの問題を非常に今注目いたしておることは、お示しの通りでございます。で、私どもといたしましては、国民の疑惑を解くために、お指図のように、いろいろ早く申し上げたいことはやまやまでございますけれども、しかし、捜査との関係は非常に微妙でございまするから、もし一日、二日その発表を早まったために、捜査に万一支障でも来たしましたならば、これは本筋を誤ることになりまするから、国民のそういう期待、要望もあるかもしれません、また亀田さんからも、たっての御要求ではございまするけれども、いましばらくの間捜査を進行するという方面に御同情をお持ち下さって、御猶予を願いたい。私も端的に申しますれば、法廷に立ったこともないのでございます。捜査をいたしたこともございません。従いまして、今お尋ねの一々のことが、果してそれが直接に捜査に支障を来たすかどうかということの判断は、私よりも検察の実務に長年当っておった人たちの判断に信頼したいと考えております。どうもこの問題は非常に微妙でございまするから、しばらく検察当局にお預けをいただきまして、捜査の進行に支障のあるような心配のあることは、いましばらく発表を見合せるようにお許しを願いたいと思う次第であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 私は、この事件は、ともかく新聞等でいろいろ書かれました。世論はそれを支持している。実際はこういうことにささえられて進んでおるのが実態だと思います。だから、もしそういう面の支持をさらに受けるようなことにならなければ、結局はもう何かしり切れトンボになるおそれも、これは十分にごさいますよ。再度こういう問題でそういうことになれば、これは無関心になってしまうのですね。こういう事件について国民は、それを非常におそれるのですよ。だからわれわれが口をすっぱく何回も言っているように、たとえばせんだって、あなたの方では、公安調査庁が中心でしたか、けさの新聞を見ると、共産党の新しい党章草案を批判する何か白書を出しておりましたね。ああいうことばかりじゃなしに、現在ではむしろこの問題について関心が深いわけですから、こういう問題についても白書なり、考えを出して、そうして協力を求める資料——材料の問題なんですから、必ずこれは地方の婦人団体なり、そういうところで材料は多少にぎっておるのですよ。ところがその材料が生きるということになれば勇気を出して出してきますよ。ところが生きるか生きぬかわからぬ。出してみて、お前いらぬことをするなと言うておこられたり、いじめられたりする。大体そういうものを警察へ持っていっても親切じゃないですよ。協力して持って行く場合は、これは一般の検察行政の問題で、また別個にしなければなりませんが、私はこういう事件こそほんとうに国民全体で調べ上げていく、その態度になれば、これは簡単なんです。これはもちろん有能な検察官でしょうが、そこだけで幾ら知恵をしぼっても及びません。ですからぜひこれはそういう点を若干御反省いただいて、できるだけ早い機会に、やはり私が申したような意味での見解といういうものを出してほしいと思いますね。  そこでこれに関連するのですが、これは検事総長の方がよかったかもしれませんが、こういう汚職事件等では、職務に関連するかどうか、こういう点がいつも非常に問題になるわけですね。検察庁の方でこのことを証明しなければならぬという今立場になっておるわけです。で、こういう点の検討をどうされておるか。これはあっせん収賄罪とは別んであります。普通の収賄罪自体について困難なむずかしい問題にいつも検察当局はぶつかるわけです。たとえばイギリスの一九〇六年の汚職防止法、この法律によりますと、公務員が現金などをもらったという客観的な事実があれば、それはわいろとして受け取ったものとみなす、こういう規定を置いております。これだったらいわゆる金の趣旨やそんなことの説明は要らぬわけです。それくらいに思い切ってやらないと問題なんじゃないですか。あっせん収賄罪というのは、これはほかの職務に云々という、ほかの間接の問題ですが、本人自体のやつがいつもごじゃごじゃしておるわけでしょう。こういう点はどう検討されておるのか。イギリスの場合ですと、みなされるけれども、しかし、もらった人がそれは趣旨が違うと言うならば、もらった人が反証をあげて説明せよ。その立証がつけば無罪にしてやる。その確実な立証がなければわいろとしてもらったものとみなす。それでいいように思うのです。役人が何かやっておるか金を持ってくるので、 何もやっていないものなら何も持ってくるわけがない。そういう点の検討をこういう事件等にかんがみても、されたことがあるのかどうか、関連してちょっとお尋ねしておきたい。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 御指摘のように刑法第百九十七条の収賄罪の適用に当りまして、公務員の職務に関してということの問題が非常に問題になるわけでございます。なお百九十七条といたしましては、職務に関するということのほかに、それが職務に関して出される——報酬として出される金であるということの趣旨を了として取ったかどうかということも、裁判上非常に問題になるのでございます。これらの点につきまして、イギリスのわいろ性の推定というようなことも御意見がございましたのでございますが、日本の刑法は英米法の刑法体系ではなくて、むしろ大陸法の刑法体系でございまして、推定規定を置いておりますのは三百三十条ノ二の戦後できました新しい規定に若干そういうことが出ておりますが、大部分は、犯意に至りますまで、すべて原告側の検察官がこれを立証するという建前をとっておりますために、非常に捜査に難渋をしておりますことは御指摘の通りでございます。で、この問題につきましては、刑事訴訟法との関連におきまして考慮しなければならないのでごさいますが、ただいま法務省におきましては、刑事法の改正準備会というものを設けまして、鋭意研究を進めておるのでございますが、その研究の中にも、刑事訴訟法との立証技術との関係におきまして、挙証責任の転換という問題も実体法の中に、取り入れるかどうかということも、研究の対象といたして研究を進めておるのでございますが、まだ確定的な結論を得るに至っていないのが現状でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは、ともかく大陸系であろうが英米系であろうが、いいものはどんどん摂取したらいいと思うのです。イギリスのやはり制度で、選挙運動に関しては非常にきびしい制度を持っておる。それから、やはりイギリスの政治家に対して、こういうきつい汚職防止法、挙証責任を全部政治家に負わす、こういうものが、やはり——まあ、それだけが違うわけでもないでしょう、それはもっと基本的な教養という問題もあるのでしょうが、やはりこういうことも、もう少し検討してみなけりゃいかぬのじゃないかという気を持っておるので、一つこれは法務大臣に、その点どうでしょうか。事務的には若干そういう検討がなされておるようですが、普通の汚職事件について、ともかく客観的的金が渡ったということなら、これはもう汚職だ、いやそれは違うというなら、政治家の方で反証をあげる、こういう問題については、法務大臣どうお考えでしょう。イギリスはそういう制度をもってやっておるのです。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) ただいまおあげになりました点は、刑法の改正の問題といたしましてはきわめて大切な重要な問題であるかと考えます。今のような推定性の問題は、たたそればかりでなく、ほかのことについても、やはり研究を要する場合があるかと思うのでありまして、元来、刑法法典は、国民の自由に関するきわめて大事な法典でありまするから、法務省におきましても、法制憲議会を中心として、そのほか朝野の学者にお願いをして、今各般の点について調査を進めております。今国会で問題になっておりまするあっせん収賄罪等につきましても、従来からだんだんと調べをしていただいております。今おあげになりました点等も論議の的になっておるようなことでございまして、今の御意見もありましたから、十分この点は調査を進めていきたいと、かように考えております。

大川光三自由民主党

○大川光三君 先ほどの亀田委員の質問に関連するのでありますが、大体今日までに取り調べた人の人数は言えない、これは、私はごもっともだと思いますが、ただ先ほど竹内局長からも御説明がございました通りに、全性側の鈴木理事長、山口専務理事あるいは長谷川副幹事長というような者は、すでに二十日という長期の勾留期間が満了で、さらに再逮捕をされておる。その再逮捕された理由は、眞鍋議員に対する容疑だけで再逮捕されたのか、それともその他の収賄者にも関係があるというお見込で再逮捕をされているかという点が一つと、それと人数は言えないでしようが、一体眞鍋議員以外の収賄容疑者についてお取調べが始まっているのかどうかということを伺いたい。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 鈴木、長谷川、山口三氏に対する再逮捕の理由は、前二者の鈴木、長谷川両氏につきましては、眞鍋議員にさらに別口の十万円を贈賄したという容疑でございます。それから山口氏につきましては、眞鍋議員が逮捕されました三十万円の贈賄と、それから別口の十万円、この両者につきまして再逮捕を受けているのでございます。で、逮捕状に記載してあります容疑事実はそうなっておりますので、私どもとしてはさらにどのような容疑の含みがあるかどうかということはわからないのでございます。  それからもう一つのは……。

大川光三自由民主党

○大川光三君 眞鍋議員以外の収賄者側の容疑者のお取調べが始まっているのかどうか。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 眞鍋議員以外の収賄者の取調べということにつきましては、まだ何ら報告を受けておりませんので、事情はわかっておりません。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 私、重ねて法務大臣に強く要望いたしておきたいと思うのです。それは、売春汚職に対しまして、今衆議院の法務委員会で非常に問題になっているのでございますが、最近の事情をちょっと伺ってみますと、何か衆議院の法務委員会の開会がこじれている。そのこじれた原因が、法務大臣の属していらっしゃいます党派の方々が、この問題に対して何か防戦的な態度におでましになって、それが原因で法務委員会が開かれないというような事情を、同僚議員から開いているのですが、非常に私これは社会の疑惑を一そう深めるような事態だと思うのでございまして、どうぞ法務大臣の属していらっしゃいます政党のいろいろな動きに左右されず、ほんとうに堂々と早くお開き下さいますようにお願いいたしたいと思うし、またそういう動きに対して、どうぞ曲げられずに、この売春汚職の追及をはっきりなすっていただきたいということを、強く要望いたしたい次第でございます。  なお、これはつけたりでごさいますけれども、先ほど亀田委員がおっしゃいましたように、こういう赤線地帯の存在ということが、必要悪というふうな解釈がまだまだ社会に広いこともよくわかっておりますけれども、その端的な現われといたしまして、九月中旬でござ一いましたが、長野放送討論会があった際に、非常に自民党のある代議士が、ちょっと言うこともはばかるようなオオカミ論をおっしゃいまして、その討論会を聞きました社会の良識ある者はあぜんとして聞いておったような事実がございます。私もそれを問いておりましたのですが、今なお、こういう時期にこういう公開の討論会で、自民党の代議士がそういうことをおっしゃる、こういうこの事実ですね、私はほんとうにこれは許されないことだと思うのですけれども、しかし、それがなおあるというこの現状は、ほんとうに私は悲しいことだと思うのでございます。そういう世論を持っていらっしゃる法務大臣の属していらっしゃる政党の中にそういう世論がまだあるということを、はっきりあれは社会に暴露したと思うのでございますけれども、ほんとうに私は自民党のために惜しむ、遺憾だと思っているわけでございます。どうぞそういう動き、また最近の衆議院の法務委員会が開かれないそういう動きに対しまして、どうぞ法務大臣がそれに屈することなく、この汚職の追及に強い態度を示していただきたい、重ね重ね要望申し上げる次第でございます。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) ただいま赤松委員からの御発言よく承わりました。ただ、私はもとより委員会の内部がどうなっておるかは存じません。私が表面的に承わっておりまするところでは、この売春汚職につきましては、衆議院の法務委員会もきわめて活発的に論議を展開しておられるように見受けるのでございます。今朝も委員会がございまして、そうして本会議が大体一時という予定でありましたのにもかかわらず、十二時半過ぎまで御論議がございまして、社会党の議員の方もお二人ばかり御発言もございました。私どもの所属しておる党からの委員の発言もございましたが、もう異口同音にこの汚職だけは徹底的に捜査をして事態を明らかにせよと、こういう御要望でございます。私といたしましては、かねがね申し上げてあります通り、すべて証拠によることではございますけれども、検察ファッショに陥ってはいけませんけれども、いやしくも疑わしい証拠が出て参りましたからには、それを捜査した結果が政治的にどういう波紋を描きましょうとも、そういうことには顧慮することなく、徹底的に追及いたしまして、事態を明らかにしたい、かように考えておりまするから、御了承を願います。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 私、矯正局長にちょっとお尋ねしてみたいと思うのでございますが、売春防止法が出まして以来、売春婦の数をより少くするということがわれわれの責任でもあるし、また、政府当局の責任であると思うのでございますけれども、最近大へん悲しい事実が新聞紙上に報道されておりました。それは岐阜の笠松刑務所、これは女子刑務所でございますが、その刑余婦人を売春婦に売り飛ばした保護司がいらっしゃる。これは十月二十九日の毎日新聞に出ておりまして見出しが「女売り込む保護司」となっておるのです。ほんとうにこれが事実であれば——事実であるから逮捕されたということになるわけでございますけれども、ほんとうにこの女の人を少くしていく、更生させていく、もう雇い入れもさせないというふうにしておるやさきに、刑が満ちた女子収容者を売春婦に売り込んでいる、こういう事実を報道されまして、ほんとうに私は心寒い思いがしたのでございますが、これは一体あなたの方にはどういう報告が出ているのでございましょうか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

渡部善信法務省矯正局長

○説明員(渡部善信君) 売春問題がやかましいこの時期に、新聞紙上に笠松刑務所を出所いたしました君たちに対しまして、保護会の方に収容された者が売春婦に売り飛ばされたという記事が出ましたことは、はなはだ私は遺憾に存じておるわけでございます。この保護会の方につきましては、あとから保護局長の方から詳細御報告があることと存じます。矯正局の方では、施設から出しますまではわれわれの方で十分手を尽すわけでございますが、なお出ましてからも保護局関係の機関とは十分連絡をとって 本人の更生に効力はいたしておるのでございますが、保護会の方の内容につきまして、保護局長の方からおそらく詳細の御説明があると存じますのでございます。大体の状況を申し上げますと、笠松の刑務所は、ただいま赤松議員の仰せのごとく、女子の受刑者をあそこで矯正教育を施しておるわけでございます。あの笠松の刑務所はちょっとほかの刑務所とは行き方を異にいたしておるのでございまして、東洋産業株式会社という会社があそこで織物をやっておるのでございます。その方面に女子の刑務所の受刑者が現在約百四十四名ばかり出役いたしております。なおそのほかこの笠松刑務所では理容の職業訓練もいたしております。この方面に約二十名ばかり出ております。そのほかのこの刑務所の内部のいろいろ経理事務に従事しておる君たちがおるわけでございますが、総数で現在約二百十名ばかりの者がおるわけでございますが。これらが出所いたしました暁、大体理容方面に出ました者はそれぞれ技能を持って出ますので、就職には事欠かない状態でごさいまするが、そのほかの作業に従事いたしております者の中には、さしずめ出ましてもすぐ職業にありつけないものがあるわけでございます。なお保護者が十分整っております者は、それぞれ保護者の所に引き、取られて参りますけれども、保護者のいない者は行く場所がないわけでございます。そういう者は、ただいま問題になっておりまする笠松女子興風寮の方に預けまして、そこから就職をあっせんしていただくことにいたしておるのでございます。この興風寮の方に収容いたしました君たちが、これは刑務所の方で、ただいまも申しましたような出所後の帰住先それから就職状況等を保護関係の帰住先の観察所等とよく連絡をとりまして、行先の十分な者はそこへ帰させますが、ない者につきましてはこれを興風寮に引き渡しておるのでございます。この人員は大体年間一十名ないし五十名くらい委託いたしておるのでございまして、今年の一月から十月までの間の状況を見ますると、仮釈放いたしました者のうち、二十名がこの興風寮のごやっかいになっております。なお満期釈放になりました者が十六名、合計三十六名の者がこの笠松女子興風寮に収容されておるのでございます。これらは興風寮の方で一応泊めていただきまして、それぞれの就職先をあっせんしていただくことに相なっておるのでございます。それから後の補導面につきましては、興風寮の方を管轄しております保護局長の方から詳しい御答弁があるかと思いますので、私からそのくらいで……。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 後ほど詳しく保護局長の方から伺うことにいたしますが、私も二、三そういう所は見学しておりますのですが、こういうふうに落ちていく、落ちていくということよりも、これは寮長さんだったわけですね。保護司の興風寮の寮長さんだったわけですが、寮長さんがこういうふうなことを平気でなさるということは、ほんとうに常識上考えられないことなんでございますが、その辺の監督というものが実は手抜かりであったとも見られるのでございますが、それが一つと、そういうこの寮長などの人選あるいは寮長のお仕事というものに対しての指導というものが徹底していなかったからだと思うのですが、その辺のこともどうしておいでになるかお伺いしたいと思います。それからいろいろ授産をしておるのも私ども拝見さしていただいておりまして、ことに私は笠松は非常にうまくいっているものだとむしろ私感心をしていたくらいなんです。それすらがこういうふうに行き先がなくて身売りさせられるというようなことになりますと、よその麓だとかあるいは栃木などの事後の対策というものが、非常に私不安でならないのでございますが、そういうことについて、最近どういうような御指導をなさっていらっしゃるのでございましょうか、お伺いしたいと思います。私、寮長だったということが非常に問題だと思うのでございまして、もう一度そういう辺の指導、監督はどうしておいでになるのでございましょうか、授産の種類ですね、いろいろ手の込み入った授産もしておいででございますけれども、そういう技術を身につけていない人がこういうふうに簡単に売られていくということになると、これはもう問題だと思うのでございまして、その辺のところをちょっとお聞かせ下さいませ。

渡部善信法務省矯正局長

○説明員(渡部善信君) 刑務所に収容されております者が出所後十分ななりわいの道を持たないということは、結局は矯正教育が徹底してないということのおしかりを受ける問題だと存ずるわけでございます。まことにその点行き届かない面がありますることをおわび申し上げる次第でございます。この点われわれといたしましては、中に入って参ります者に、出るまでに何とかさような道を付けさせてやりたいということでいろいろと努力はいたしておるのでさいまして、入りますと同時に、入ってきます者の個人的な適性検査を十一分にいたしまして、それぞれ適する道進めてやるということに力を入れてるのでございます。しかしながら実は中に入って参ります者の中で、いろいろ手は尽くすのでございますけれども、知能の点その他からいたしまして、どうも理容の道とかあるいは洋裁の道とか、いろいろつけさせてやりたいのですが、これにはやはり一応の条件が要るわけでございまして、その条件にのってこないものが相当におるのでございます。こういうふうなものはどうも刑務所におる間に十二分に職を与えることができかねるわけでございまして、何とかしまして少くとも入っておる間に勤労の精神だけでもつけてやりたいというふうな趣旨から、いろいろと努力はいたしておるのでございます。なお笠松の方では、ただいま赤松委員の仰せのごとく、東洋産業の方と連繋を持っておりますので、東洋産業の方へ引き続き入る者もおるわけでございます。さような面で相当努力はいたしておるのでございますが、何分刑務所は御承知のように閉ざされました塀の中のことでございまして、社会の事情にはなかなか通じ得ない面があるわけであります。これは保護関係の保護観察所の方と十二分に連絡をとりまして、出所後、仮釈放特等の条件にもやはり出所後の帰住先というもの、就職の状況というものをよくにらみ合していたしておるのでございますが、そういう面では、観察所の方の手を通じまして、保護司の方々の御協力によりまして、出所後の問題を解決させるように取り計らっておるわけでございます。なお今後とも出所後、なりわいの道に迷うようなことのないように、今後とも努力をいたしまして、職業補導の面をさらに活発にいたしますと同時に、十二分にその点を考慮いしたしていきたいと存じておるわけでございます。  なお興風寮の方のこの寮を主監しておられる方に間違いがあったようでございますが、この点あとから御説明があると思いますが、最初寮の主監になられるにつきましては、それまで笠松の刑務所の東洋産業の方からの職員としてめんどうを見られまして、相当成績もあげ、十二分に信用のある方だというところでおそらく主監になられたことと存ずるわけでございます。この点はあとから一つ詳しく保護局長の方からお話があると思います。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 保護局長さん御出席でございましょうか。ただいま御質問申しましたことをお聞きでいらっしゃいましょうかと思いますが、直接あなた様が御担当のところのようでございますが、この問題について御報告があったのか、あるいはお調べになっていらっしゃるのか、その辺をどうぞ御答弁下さいませ。

福原忠男法務省保護局長

○政府委員(福原忠男君) ただいま渡辺矯正局長に御質問があったようで、その際、渡辺局長の方から大へん適切な御返事をいただき、私にかわっておわびしていただいたようなわけでございまして、はなはだ恐縮でございます。実は、事柄は私の方の所管でございますし、このことが新聞に出ましたときに、まことにショックを受けまして、直ちに調査したのでございますが、事は直ちに警察の事件となっておりまするし、それから保護すると並行して検察庁の捜査の対象になっておりますので、犯罪事実そのものにつきましては、実は的確な報告を、検察庁から刑事局に対しまする報告以外のものを受けておりません。しかし、何分にも事柄事柄なので、われわれの方といたしましては、できるだけの情報と申しましょうか、調べられることは調べたのでございます。何にしましても、実は保護局というのは、今度の問題につきましてはいわば被告といいましょうか、あるいは少くとも弁護人側の方でございますから、私どもの方の調べにつきましては、多少弁解がましいことも申し上げるかと思いますが、逐次御質問に応じましてお答え申し上げたいと思います。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 今大体申し上げましたわけですが、この方は寮長さんであったわけでございますようですが、この御採用が的確であったのかどうか、これがさかのぼって問題になると思うのでございますが、それはいつごろ御採用なさり、どうして的確だと御判断なすったのでございましょうか。

福原忠男法務省保護局長

○政府委員(福原忠男君) 記録によりますると、今の問題になつております人は武馬光次郎という方ですが、その人がこの興風寮の現在主監と申しますか、それらの世話その他経営一切の責任任者となっております。そうしてこの人が主監になりましたのは、一々かような職員の選任につきましては、法務省の監督権がございまして、それに、認可事項になっております。その認可の書類は、二十七年九月十九日付で認可しております。これによりますると先ほど渡辺局長からもちょっとお話があったようですが、この笠松の刑務所と特殊の関係にございまする東洋産業株式会社のこの人は職員であって、しかも当時技師長、昭和二十四年の三月から技師長として使われておった人であって、そうしてそこでいろいろと司法保護の、当時は司法保護委員という制度がありまして、現在の保護司の前身でございますが、いろいろとこの対象はさっき申し上げたような刑務所を出所した人のめんどうを見るというような役柄でありまする司法保護委員に、二十四年の十二月からなっております。そしてこの人を二十七年に、その東洋産業の社長が特に推薦状を出しておりまして、非常にいい社員であって優良な保護委員であるから、この人を、前任者が年とったのでしょう、やめるに際して、この人を充てたいという推薦状がきておりますので、これを認可した次第でございます。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 本人を、別にお呼びになって人物をごらんになったというわけではなくて、その東洋産業の方だけの御推薦をお信じになったのでございましょうか。そういう場合にはどういうふうな御採用の状況なんでございましょうか。よそのそういう保護寮の職員及びその単なる職員ではなくて、こういう大事な寮長などの御採用は、一片のそういう推薦状だけでやるものでしょうか、いかがでございましょうか。人物をお呼びになるのでしょうか。

福原忠男法務省保護局長

○政府委員(福原忠男君) 実はそのような面接等はいたしておりません。実はさっき申し上げたように、ちょっと弁解的なことを申し上げて恐縮なんでございますが、更生保護会と申しますものは、実は国が認可してそのような事業をしていただくのですが、その経費のほとんど大部分は、その経営に当る方々のいわば博愛的なお気持でこういうことの設営に当られておるわけでございます。それで、国からこれに対しまする補助金といいましても、大体の、この問題になりまして直ちに調べたところによりますと、やはり十分の一程度の金が国の補助金として出ている程度なんでございます。従いまして、実は保護会というものに対しましては、かなりその自主性と申しますか、それを尊重しなければならない立場でございます。そしてこの場合も、やはりこの興風寮というものが建ちましたのは、東洋産業の社長などの多大なる出費をもって成り立っているところでございます。しかも、先ほどもお話があったようですが、笠松の女子刑務所というのは、かなり成績を上げているところで、その成績を上げているところのかなりの分野が、この東洋産業の、何と申しましょうか、指導というようなことが、やはり大きな役割をしていることは御存じだと思います。そのようなところのいわば技師長というような人が、この東洋産業で刑務所に入っておる人だけの世話をするのではなくて、出てからの人までも世話をしたいといって、保護会を設けてくれた、そしてその保護会に技師長に当る人を充てて、その寮の主監として一切のめんどうを見る、こういうふうなことになりますると、これを呼びつけまして一々その従来のあれとまではちょっといたしかねる実情にございますので、どうぞ御了承願いたいと思います。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 私、やはりそこに何か一貫性がないと思うのでございますが、まあこれを突き詰めていえば、そういう個々のアフター・ケアの施設まで国がめんどうを見るというようなことが一貫的に行われていればいいと思うのでございますけれども、やはりそれは経費の問題でそこからぽこっと折れて、木に竹を継いたようなことになるものですから、そこから芽が出せなくなっているというようなことになっている。そこにも問題があると思うのでございます。けれども、一応は法務省の監督下にある施設なんでございましょう、その辺はどうなんでございましょうか、監督指導は法務省にあるのでございましょう。経営は東洋産業にあっても、そういう職員の監督、この出た人のいろいろ将来に対する芽を出すというようなところまでは、法務省が見ておいでになるのでございましょうか。そこらをはっきりお聞きしたいと思います。

福原忠男法務省保護局長

○政府委員(福原忠男君) 保護会の経営全般に関します責任は、法務省があげて監督権を持っておりますのでございます。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 監督権がおありになれば、その人事のことについて、もう少し責任あるやはり監督ということをなさる必要があるのではないでしょうか。何かそこが中途半端であって、こういう醜いことが起きたのではないでしょうか。将来その辺のことをどうお考えでございましょうか。

福原忠男法務省保護局長

○政府委員(福原忠男君) まことにお言葉の通りであって、その点何とも申しわけありません。さっき弁解がましいことを申し上げましたが、とにかく更生保護会という私たちの方の監督をいたしておりますのは、刑務所を出たり、あるいは検察庁の方で起訴猶予されました者の身の振り方のない者のお世話をするということでございまして、今でこそ刑事政策的に大へん価値のあることで、法務省においても力を入れなければならないということが、近時叫ばれてきておるのでありますが、実は十年か二十年前には、ほとんど世の中の片すみで問題にされなかったような事案なんでございます。従って、これは最も篤志な方がそのような御自分の出費をもって、御自分の全負担をもってやっているというのを、このごろになってどうやら十分の一程度でも国が補助金を出せるという実情になっておるわけでございます。それで、実は監督の手といいましても、そういうところにやはり多少十分に行きかねるところがあったことは、卒直に申し上げますが、あると思います。この監督と申しますのは、実は法務省でいいますと、本省には保護局がございます。そして昔の各控訴院といいますか、高等裁判所所在地には委員会というものがございまして、その下に、各府県に保護観察所というのがございます。その保護観察所が直接の監督をするわけでございます。それでこの際、その監督がどの程度に行われているのかというので、昭和三十年以降の監督のことを見ますと、もっぱらやはり管理状況が非常にむずかしくて困っているというようなことだけが監督の表面に出ておりまして、そして収容者をどのように待遇したかというような点につきましては、あまり出ておりません。確かにその点手落ちだと思いますので、何とも申しわけありません。しかして今後のことと申しますならば、実は従来から笠松の関係は非常に成績がいいということで、私たちもあるいは多少の手落ちがあったということは率直に認めざるを得ないのですが、この機会に十分に監督権の発動ということも、今後は——こういうことがあったからという理由で、今まではとにかく事件がございませんから、それに対してあまりに国が力を用いるというような、監督権を持つといいながらも、それだけのことをしていないのじゃないかということで、こちらの方も多少の手心をせざるを得なかったのですが、かようなことがあって、社会的な問題になりますならば、決して許容できない事態になりますので、疑わしい所に対しましては十分の監督をしたい、こう考えております。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 最後にもう一つ。これによりますと、こういうふうに出てます。新聞で報じられております身売りされた婦人の数は十三人でございます。けれども県の警察本部ではこの武馬さんは本職が周旋人みたいであった。保護寮の寮長さんというお仕事よりも、そういう周旋をする方が本職のようであったと県の警察で言っておるわけですが、被害者も県の警察の見込みでは、三十人にも及んでいる。こういうふうに、短時間でこういうことができたという問題ではございませんで、就職なすって以来、二十七年ですか、それ以来こういうふうなことをずっと続けてやっていましたということが、法務省本庁に知られなかったというところに問題もあると思うのでございますね。どうぞこういう方面にももっと一貫性をもってこういう刑を受けている人の将来まで目を通していくということにまで、どうぞ今後も法務省がもっと意を用いて、改革なすっていただきたいとお願い申し上げておきます。

福原忠男法務省保護局長

○政府委員(福原忠男君) 周旋がもっぱらの業のようであったという点について、これまた弁解がましいことでございますが、一応御参考までに申し上けたいのでございますが、実は当初新聞に出ておりました女性の点なんでございますが、仮出獄します——刑務所を仮出獄というのは、これは成績がいいと三分の一の刑期以上たちますと、これは私どもの監督下にあります委員会で審査して、仮出獄ということをさせるのでありますが、ところが仮出獄させながらも、実は帰るべき家がないという者が相当多いのです。そして問題の保護会というのは、そのような帰るべき家のない人を預かる所なんです。それで、ことに女性であってしかも帰るべき家族関係その他がないというのは、よほどのことだと思いますが、そのような人を笠松の興風寮は預かっているのです。その人数はどのくらいかと申しますと、昭和二十七年からこの九月までの総計が約千人でございます。千人のうちでどのくらいの人を泊めているかというと、一人が何回も泊っておりますが、大体二万回泊まっておりますから、一人当りでいいますと、二十回くらいずつ泊っておる関係になります。実はかような行く家のない対象君は、こういう保護会で預かる場合には、法律では六カ月間は預かれることになっておりますが、しかし、国の実行予算から申しますと、十五日しか予算がない。従って十五日たちまして帰るべき所がないと、何としてもこれを出さなければならないというところにかなり無理があって、どうしても帰れないときには、寮長などの責任でもって適当な就職口を探してやるというようなことが、かなり行われておるわけです。この場合も、それですから職業の周旋を業とするということになりますと、多少言葉が過ぎるかと思いますが、かなりさようなことも寮長の義務の一端としてやらなければならない場合があるのだと思います。しかし、そうかといってこのようなことになったというととは、何とも弁解のしようがございませんが、少くとも千人程度の人を預かっていて、むずかしい仕事を昼夜この人も努力して、かなりの成績を上げていると従来聞いていたものでありますから、そういう点、私たちの間違いが起きたわけであります。  弁解がましいことだけ申し上げて恐縮でございますが……。

青山正一自由民主党

○委員長(青山正一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

青山正一自由民主党

○委員長(青山正一君) 速記を始めて。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 法務大臣にちょっとお伺いいたしまけけれども、売春防止法の完全実施が来年の四月一日からされるというわけで、この五条違反についての処罰規定でございますね、これが売春対策審議会ではもうでき上って、今法務省で最後の立案もでき上っているだろうと思っておりますけれども、この臨時国会に出てこないというので、私は大へん心配しておりますが、いずれ通常国会のまあ劈頭に出るかと思っておりますけれども、それで四月一日から施設なんかどういうことになりましょか。それから職員の編成、大事な職員の編成などはどうな今ましょうかということを大へん私心配しておりますので、その点をちょっと伺いたいと思っております。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) ごもっともな御心配でございまして、法務当局におきましてもその点非常に心配をいたしておったのでございまして、できればこの臨時国会にも提案いたしたいと、こういうふうにも考えたのでございますが、いろいろの関係がありまして、通常国会ということになりました。もうすでに法案も大体準備を完了して、今、内閣の法制局で最後の仕上げをいたしております。でありまするから、これは来国会の休会明け劈頭にでも出したいというふうに考えております。それで、設備あるいは職員という問題もございますが、設備はこの前もちょっと申し上げまして、あるいは宮城委員の御満足を得られなかったような記憶もございますが、すぐ新築するというても間に会いませんですから、今の女子少年院その他で多少施設のあいておる所がございまするから、とりあえずはそこで収容をする。それもたびたびご注意がございまするから、同じ敷地内でございましても、十分にこれを隔離するような施設をいたしまして、とりあえずはそこで収容してまかなって参る。職員の点は、それまでの間に十分準備をして、そして開所とともに勢ぞろいのできるようにいたしたい、かように考えてやっております。なお、この点くわしいことは、あるいは御要求によりまして関係局長から御説明申し上げたいと思います。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 もう一点だけ気になります点は、予算措置はどういうことになっておりますか。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 今大蔵省にそれを要求いたしておりまして、大体これはどういう査定を受けるかわかりませんけれども、新案予算といたしましては、全国に七ヵ所ばかり配置をしようというようなつもりで、およそ年間千人くらい——六ヵ月の期間になっておりますから、まず五百人くらいが年に千人にタブるという計算で、予算の要求をいたしておりますけれども、今のところ予算がまだ確定しておりません。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 はなはだ妙なことをお願いしますけれども、売春婦を入れますところは、今までこれは外国にはございますけれども、日本には完全と言わなくてもそういう施設がまだございませんから、それで、またああいう種類の婦人には特別のことを考えなくちゃならないので、一つ大体の構想がおできになりましたら、私ども婦人議員たちに御相談願いたいと、私かねがね思っておりますが、それをお願い申し上げます。  それと、どうも予算措置の問題でございますけれども、そうでなくても軽視されがちなこの問題でございますから、どうかその点を十分に大臣の方で御考慮下さいまして、まあ相当の施設ができて、そして何と申しましょうか、新らしくできるのでございますから、あまり場当りのことでないように、一つ特別の御配慮を願いたいというように考えております。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 了承いたしました。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 例のあっせん収賄罪は、これは法務大臣も来国会にはぜひ出すと、こういうふうに従来お答えになっておりますが、内部の事務的な運びですね、これがどこまできているか、具体的に一つ御説明を承わらないしと、また来国会に出ないんじゃないか、こういう感じがするのですが、どうなんでしょう。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) あっせん収賄罪に関する法律案は、必ず来国会、しかも劈頭とまでは申しませんけれども、早い機会に出すつもりで、今準備を進めております。内容は、これはなかなか簡単な条文のごとくにしていろいろと論議のある条文でございまいして、今すぐ条文を作れといえばすぐにでもできますけれども、慎重に慎重を期して、今準備中でございます。それから、この問題は長い間刑法学者の間の宿題でもあったようでございまして、刑法学者の間もいろいろ意見がございます。これも慎重に聞いております。それから、御承知のように法務省には刑法法典の改正ということで法制審議会がございます。この意見も徴さなければいけません。そういうようないろいろの段取りがございますから、今いつということを確約申し上げることはちょっと差し控えたいと思いますけれども、来国会なるべく早い機会に提案をして、そして御審議をいただきたいと、かように存じておりますから、御了承願います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 法制審議会にかけて、そして国会に出すと、こういうことのようですが、法制審議会にかける前に、法務省としての意見等をきめなければならのですね、ところが、法制審議会に持っていく前に、法務省の意見をきめる際には、閣議なり与党の意見というものが確定しなければだめなんですか。ともかく従来私ども聞いておるのは、法務省ではいろいろ案が出ておる、最終決定をしようとすると、自民党の内部の部会でなかなかうまくいかない、横槍が入ってくる、こういうことでもたもたしておるように聞いておるのですが、そういうことをやっておったのでは、いつまでたってもだめなんで、その辺の手続はどうなんでしょうか。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) ただいまのお話のありましたとおり、法務省といたしましては、内部的には一方法制審議会の意見を徴さなければならぬと考えております。また党の政務調査会の方にも意見がございますから、この方の調節もとらなければなりません。そうして最後の案を決定して提案をして、御審議を願う段取りでございますが、すでに法務省の案ができておる、それにもかかわらず他の方の意見があって停頓しておるというようなお疑いでございますと、それはございません。まだ法務省といたしまして、それではどんな案が最善かということを今研究いたしておるところでございまして、だんだんと案が固まりつつあると、こういうように御了承願いたいと思います。それで冒頭にお話のありましたように、あちらにかける、こちらにかける、そうして審議に手間取ったから提案できなかったと、そういうようなことは絶対にいいたしませんから、御了承願いたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは条文にしてみれば一ヵ条しかないわけですが、どこが一体そんなにもめておる場所なんでしょうか、端的に一つ御説明願いたい。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) この条文は御承知のように従来からいろいろ論議のあった条文でございまして、昭和十六年、旧憲法時代の帝国議会でございますが、その当時政府から提案をされまして、そうして当時の貴族院では他の条文とともに可決されましたのでございますが、衆議院に参りまして否決され、その当時の論議もございます。その当時の論議でもわかりますように、この条文は非常に内容のむずかしい条文のようでございます。今いわゆるあっせん収賄罪ということで想像されまする社会悪、これだけは犯罪として取り締りたいというその悪性行為、これをまた取り締るために、条文の書き方によりましては善意の者が思わざる災いを受ける、あるいはこういう条文ができたために、たとえば国会議員の生活をしておる人たちが、この条文があるがために、完全な議員活動ができないと、こういうようなおそれもあるということが論議の的になっておりまして、どの程度にこれを書くかということが非常にむずかしいようでございます。すでに社会党提案の法律案もございまして、これは衆議院で継続中でございます。これは御承知の通りでございますが、今政府が考えておりまするのは、これとはまた別の案でございます。その内容はまだ確定いたしませんから申し上げる時期ではないと思いますが、内容は実にむずかしいもののようでございまして、要は、一方においてあっせん収賄罪として取り締りたいと思うような行為が取り締れて、そうしてそれがしかも何らの副作用がなくて、極端にいえば検察ファッションになるというようなおそれもなければ、そういうような危険性を感じて善意の人の活動が阻害されるというようなこともないというような案を得られれば、これは理想的でございまして、まあこれはなかなかめんどうのようでございますが、その間にあって、でき得る限りよい案を作りたい、かように考えて今研究いたしておるところでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大体その程度の御説明はまにあっているわけですが、具体的に言いますと、あっせん収賄罪の主体ですね、これは全公務員を含むんだろうと思います、それでそれが職務に関してなした事柄、そしてそれがあっせん行為、このまあ三つぐらいだと思うんですが、問題になる要件は、その中のあっせんということが問題になっているんでしょう。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) あっせんということも問題になっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 あっせんという二字に表わさないで、これをもっと具体的にいろいろな項目を並べよう、こういうことで議論が固まらないわけでしょうか、どうなんでしょうか。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) 案といたしましては抽象的に書くという案もございまするし、あるいは事項をあげた方が明瞭ではないかという意見の人もあるようでございまして、今いろいろ案ができておるわけでございます。

青山正一自由民主党

○委員長(青山正一君) 厚生大臣が非常にお急ぎのようでございますから……。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ではちょっと中断しておきます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 厚生大臣お忙がしいところをおそれ入ります。私きょうは佐世保の西海国立公園株式会社のあの問題についてちょっとお伺いいたしたいと思いますが、その前に、私は一般的なことをお伺いしたいのでございます。一体に岡立公園に対しての事業認可をなさるというのは、厚生大臣でございますようでございますが、あの今度の西海国立公園株式会社を認可なさったというんでございますが、それは一体大臣は内容を御存じだったんでございますか。その書類にただ印判をお押しになっただけなんでございましょうか。

堀木鎌三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(堀木鎌三君) 宮城さん、まことに申しわけないんでございますが、私が厚生大臣になる前にこの会社に対し認可は行われておるんでございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 それでは前大臣のときでございますか。

堀木鎌三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(堀木鎌三君) そうでございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 それで、私の尊敬しておる大臣でございますが、これは御就任になって後に内容についてお聞きになったことございませんですか。

堀木鎌三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(堀木鎌三君) むろんこの問題は御承知の通りに当時の法律によりますと特許といっているようでございますが、私がなります前、五月八日に特許をいたしたようでございます。ただその後、実際の工事について、いろいろ施設の設計というふうな問題が出て参っております。そういう関係から……、と同時に、この問題については問題がありますので、私は実際に設計は見ましたわけでございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 その設計をごらんになつて、これ少し変じゃないかというようにお感じにならなかったんでごさいましょうか。もし大臣がそのときのその責任大臣でいらっしても許可なすったでしょうかどうでしょうか。

堀木鎌三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(堀木鎌三君) 実はこの工事認可申請の前に、一番最初の特許のときにでございますね、風俗営業及びこれに類する行為をしてはいけないという条件がついております。それから工事の施行認可に当っても、非常にめんどうな条件をつけております。たとえば、設計は開放的で大衆的でなくちゃいけない、トルコぶろだとかそういうふうな小さな浴室は設けてはいけない、そのほかいろいろな個室はいけないとか、あるいは公衆浴場法に反するような状他心はいけないとか、あるいは浴場自身の設計につきましても大きな浴場を男女別に作る、その他の条件がついて、長崎県知事に、何と申しますか、よく指導するようにということは出ております。で、主として大衆的な、何と申しますか、利用に供するというふうなことを主目的でやるようにしておりますので、まずこれならば、特段——業者自身からくるいろいろな疑いもあったのでございますが——これならばそういう心配もないんじゃなかろうか、こういうふうに考えておるような次第でございます。  なおこういう問題につきましては、この西海国立の問題以外につきましても、実はそういう点は非常にいろいろ心配しておるのでございますが、業者の転廃業につきまして、いろいろな目をもって見られるような状況でごさいますので、それらについては今後十分地方庁と連絡をとって、いやしくも疑いを持たれるようなことがないようにいたしたい、こういうふうに考えておるような次第でございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 この転廃業いたしますときに、業者と女と一緒にするということについては、大臣のお考えいかがでございましょうか。これはこの西海国立公園の問題を抜きにしましても、業者と女とがぐるになって転業するという問題でございます。

堀木鎌三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(堀木鎌三君) 私一般的な問題としての行政方針としては、業者として実際に今まで売春業に従事していた婦女というものとが一体になってという心配に対しては、私どもも心配しておるんですが、しかし率直に申せば、これだけ世論が……、第一何と申しますか、事業をやって——今までのような事業というものをやっていかないとすれば、相当現存の婦女子自身が継続して仕事をしていかないだろうということも考えられます。またある地域では、ともかく前借を棒引きにして解放——一ぺん何と申しますか、いわゆる雇用契約を解除してしまうというふうな情勢から見ると、実際問題としては、相当継続して他の事業に、転業した事業に従事していく人間は少くなるだろうということは推定できますし、それから一般のこの際の世間の注視の的になりあるいは同業者のいろいろな的になりますような状態から見ますと、そう甘い考えが業者には許されないだろうということも十分察知できます。なお今後の取締りの状態というものによって、相当問題が解決されていく問題ではなかろうかということは考えます。まあ率直に崩しますと、この間実はそういう心配もありましたので、婦人相談所やその他現場をちょっと見て回った、そうしてそこに従来の婦女子でもって解放された人を預かっている状況を見て参ったのでありますが、いろいろ問題は残ると思いますが、要は社会的な新しいモラルの監視の目というものが相当鋭く、業者自身が、まあそう言っちゃ悪いのですが、あるいは甘く考えられておる業者自身が考えられるよりは、はるかにきびしい世評の的になっておる。私は漸次よくなるのじゃなかろうかというふうに考えます。しかしながら、問題は結局今後の世判と私どもの行政方針というものが相伴ってよくなるのではなかろうかということを考えておりますので、われわれとしても十分その点は努力していかなければならないと、こういうふうに考えております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 厚生大臣が実地にごらんになったようなお話がございましたけれども、私もだいぶ歩いて実地に見ておりますのですけれども、その結果、私は厚生大臣と見解を異にいたしました。厚生大臣はあまり甘過ぎやしないかと思う。私なかなかこれは心配の点が多い。ということは、宿屋、あるいは下宿屋というのに女とともに転業しておるということは、みんなインチキのようじゃございませんか。それでいつかも申しましたけれども、東京の下宿屋がだんだんふえて、そしてそこに女とともにというものができますというと、私は地方から子供を出すなんということはお母さんが非常に警戒をしなければならないのじゃないかと、その点をまず私心配しておるのでございますが、別府なんか、あのけわしい売春婦の状態がだんだん宿屋になったなったという、その宿屋というのは、非常に小さい宿屋になっている。まあ女中二人置いてというような、その女中がみんな売春婦なんです。それで、形から見れば転業したようでございますけれども、実は非常にたちが悪くなっている。そこで、私は病気の心配なんかも非常に起るのじゃないか、こういうふうに思っておりますけれども、そういうことについて、私は厚生省が病気の問題とあわせて少し取締りの問題を研究していただきたいというように願っておきます。  そこで、私は根本問題としては、転廃業について業者と女と一緒にすることは、これはよくよく安心のできる問題は別といたしまして、原則的には許されないという一つ原則を立てていただくわけにいくまいかという私の意見でもありお願いでもございます。それからいま一つは、転廃業に対して政府が資金を出すようなことを業者は言っておりますが、この前法務大臣からも、おそらく厚生大臣も、転廃業に対する資金は政府の持ち合せがないということをおっしゃったと思いますが、もう一ぺん念を押して伺いたい。

堀木鎌三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(堀木鎌三君) 私決して甘く見ているわけでございませんで、この転廃業についての方向については、私どもの風俗営業の取締りに当る分については、非常に問題点が残りますので、取締り、当局と打ち合せておるわけでございます。それから東海地区等は率先してやるのじゃないかと思いますから、その実情についてもよくはっきりと見きわめをつけたいと、そういう点で実は事務的には相当打ち合せをいたしております。従いまして、むろん何と申しますか、今おっしゃったような擬装転業的なことは、私どもとして取り締って参らなければならぬ。これは厚生省でなくて、やはり警察当局が取り締っていただかなければならぬと思います。  それから転廃業に関して資金的なものの問題でございますが、これはもうはっきり私が就任いたしますと同時に、閣議で決定いたしております。ですから私はもう初めからあの法律の通り、それから閣議決定の通りやって参るつもりでございますから、その点については御心配要らないのじゃなかろうかと思います。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 そこで、この西海国立公園株式会社の問題になりますけれども、この間その視察の報告がございましたときに、私は別な意見を持っておりますから、それに加わらなかったのでございます。と申しますことは、原則的にいいましても、あれだけの集団転業といって、モデル・ケースだと言われておりますけれども、そのモデル・ケースはたくさんの婦人を連れて、そしてしかも資金がなしに、政府から二億八千六百万円の金を出してほしいという、しかもそのあっせんを私に頼んできておりますから、間違いございません。資金もないのに女を連れて、そしてモデル・ケースであるとして転業し、りっぱなつまり国立公園の一部を使って、えらい仕事をしようというその事柄に対して、私はこれは擬装転業であろう、つまり女とともにあるということだけでも、私は擬装転業だというように断定したいのでございます。だが実際を見てからでなければ、その私の断定も確信を持って言うことはできないと思っておりましたが、果せるかな、私はその渡された書類を持って実際を見ましたところが、まず一日に四百人を入れますという公衆風呂と称するつまりこれに要ります資金が五千万円、これをやっぱり政府から出してもらうつもりで案を立てているのでございますが、その五千万円を使って四百人を一日に入れるというその風呂は、トルコ風呂とは言っておりませんが、実際はトルコ風呂に結果はなるのじゃないかと私は心配しているのですけれども、それの場所を見ていただきたいと、この前公園部長に申しておきましたが、厚生省はそれを実地を一体調査なさったのでございましょうか、その後いかがでございましょうか。私は参りました、参って実地に見ますところによりますと、佐世保の中心地からざっと自動車で三十分近く乗って参りました山の中で、その辺には人家は一軒もございません。ただボートをやっておりますボート・ハウスが一軒ございますくらいな所で、ここに私は一日四百人も入る風呂だといって、一体だれが入るのか、果せるかな、そこには宿屋を建て、ホテルを建て、そしてその風呂に働くところの者は、今まで業者とともに稼いでいた淫売婦がそこに行って、そこで稼いで、淫売婦の寝る所はどこだと言いましたら、それは淫売婦をやめて転業しても、その風呂屋のいろいろな手伝いの人ですけれども、それの泊る特別な家を作ると言うのですが、一体それはどういう業態でしょうか。私は疑わないでいられないわけです。まず厚生省から、私お願いしておりました視察は済みましたでしょうか、どうでしょうか。

大山正厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(大山正君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。鹿子前の地区につきましては、厚生省で西海国立公園の集団施設地区を計画するために係官が現地につきまして視察を行いまして、十分調査をしているわけであります。  それからただいまお話のありました施設でございますが、公衆浴場は男女おのおの一つずつの大浴場がございまして、一つずつの大きさでございますが、浴室の大きさが約四十三坪というようなことになっております。小さな浴場は一切作っておりません。それから休憩室につきましても大きな広間でございまして、二階に七十畳の大広間がございます。別に六十四畳、四十五畳、三十二畳という三つの広間が付設されておりますが、これをふすまで間仕切りをしました場合にも、私どもの方の指導によりまして、十五畳以下には間仕切りできないという設備にいたしておりますので、私どもといたしましては、そういう疑いはないと、かように考えております。  それからただいま御指摘ありましたように、現在はその付近にはあまり施設はないのでございますが、西海国立公園の集団施設地区、すなわちいろいろな利用施設を集団的に施設する地区を私どもの方で計画しておりますが、ただいまお話の出ておりました、鹿子前の地区は、そういう集団的に施設する地区ということに計画しているのでございます。現在年間を通じまして十万人ほどの利用者がございますが、将来は急速に増加するというように考えているのであります。大体お話にありましたような船による遊覧、その他野外的なリクリエーションが主たる利用の形態になるかと思いますが、多数の人が観光バスで参りまして、日帰りで帰るというようなお客が多いかと思うのでありますが、そういう人たちのために公衆浴場を施設して、そこでお風呂に入ったあとでゆっくり遊んで帰るというような公衆浴場施設もまた必要な施設であると、かような考えで特許をしたわけであります。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 それは伺えば伺うほどけしからぬことじゃございませんか。そういう一般の人は、もしお話のようにあんな所に——場所をごらんになりましたら、山の上にあんな景色のいい所がございますのに、特別あんな山の下の陰のような所にそういう施設を設けて、そこへ一般の人を入れて、一般の人を迎えて、しかもそれを経営するのは業者で、その業者の一番の会社の社長はいかなる人物かということを研究なさったのでございましょうね、そうしてそこへ女を連れて行って、今まで業者と女で仕事をしておったものが、そのままそっくり行ってやるというのですが、一体一般の人を厚生省が大体主になって呼ぶというのはどういうわけですか。その場所をほんとうにごらんになったでしょうか、あそこの山の中のつぼのような所を……。あなたがいらっしゃいましたか。

大山正厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(大山正君) 私自身は見ておりませんが、係官が十分調べまして、承知しているのでございます。なお位置につきましては、全体の計画を睨み合わせまして、私どもの方で適当な位置だろうということで、むしろ指導して定めた位置でございます。  それから従業婦につきましては、私ども承知いたしておりますところでは、売店の従業員、それから事務員として使用するということになっているのでございます。もちろん今後の国立公園事業等の運営として適正な運営をするように、私どもとしては十分監督する考えでございますし、また、そういう適当でないことが行われる疑いがございますれば、当然これに改善の命令を出し、また必要があれば特許を取り消すということも考えられると思うのでございますが、ただいまのところ私どもとしてはそういう疑いはないとかように考えております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 私ども全体を見て歩きましたけれども、実に景色のいい山の上の方なんかもございますが、何を好きこのんで遊園地とするのにあんな山の谷底へ持っていかなきゃならぬか、私はそれを一つ疑うことと、しかもこの社長は、今はおそらく検察庁に行っておりますか、刑務所に入っておりますか、ほかの事件で今つながれているそうですが、そういう人たちが仕事をしようという、あの暗い所にそれを現にごらんになってそれでいいということは、一体どういうことなんでしょう。それはますます私は心配になって参ります。  それから、私どもずっと歩いて見ますというと、部屋なんか設計いたしますときは、この間説明なさったときは、一番大きい部屋は十畳だとおっしゃったのですが、きょうは十八畳とおっしゃった。  仕切れば何か小さい部屋に仕切られるというのですが、あの富士山の近所にある、ことに山中湖あたりにも、その部屋が広いといえばいいようですがそれは何で一体仕切られて醜態が演じられておるとお思いでしょうか。ほんとうにカーテンでも、部屋のすみからすみまで行き渡るカーテンで部屋を仕切るというならとにかくですが、まったく部屋のまん中の方にぴらぴらとカーテンが下っておって一部屋を四つに仕切っておる、そこでみんな狂態が行われておる、何という哀れなことかと、実際山中湖畔のあの現状を見てきたのでございます。その私から言えば、部屋の大きいなんということは、やり方によったらどんなことでもできる。そこまで一体厚生省は考えていらっしゃるかどうか。

大山正厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(大山正君) 前回おそらく十二畳ということで御説明したと思いますのが、これは特許に当りまして県から指導するように申しましたのは、最低十二畳ということで指導しておりましたが、実際に出て参りました設計はこれを上回って十五畳となっておるということで、十五畳と御説明申し上げたのでございます。  それから、ただいまのような不適正な使用がございましたら、これは私どもといたしまして、これを取り消すことになることはもちろんでございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 私はたくさんここに問題を持ってきておりますけれども、厚生大臣がお急ぎのようでございますから、きょうはこれだけにいたしますけれども、厚生大臣にお願い申しておきます。この問題はもう少し大臣は責任を持って一つ研究してみて下さいませんか、お願い申します。私も、国会が休みになりましたら、自分で一人で行ってもう一ぺん研究してきますが、何もあんな山の中のつぼみたいな所に、見るからにほんとうに気持の悪い所へ、こんな施設を作る必要はないです。もっと国立公園の景色のいい所に客を呼んで下さいませ。そして、堂々とお風呂を建てて下さいませ。今日ですから、どんな施設でも、山の中腹でもできますから、これは一つ厚生大臣、ほんとうに研究してみて下さいませ。これは大きい問題だと思っております。もともと言えば、この間現地をごらんになりましたかと私言ったんですが、まだごらんにならぬうちに許可していらっしゃるんです。ですから、大きなものを作り上げてから、何もかも配置されてからじゃ、まためんどうなことが起りますから、一つ研究してみていただきたいのですが、この間の報告を聞きますと、何か八月ごろまでに大体公衆浴場だけはできるようなことになっておりますが、まだほんとうはできないでしょう。あの資金はどうしました。資金を、二億八千六百万円を政府から出すようにといって、これをぜひ取ってくれといって私のところに書類を持ってきておるんです。これに対して地元はゼロですから、みな政府から出させようとしている。でございますから、これは厚生大臣、責任を持って一つやって下さいませ。

大山正厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(大山正君) 工事につきましては、先ほど大臣から御説明申し上げましたように、五月の八日に特許になりまして、その後実際の施工の認可申請は八月の二十三日に提出になり、県を経由して私どもの方に参りまして、九月三十日付で施工の認可になりましたが、まだ着工いたしておりません。  それから資金につきましては、先ほど宮城委員のお話の中にありましたように、この公衆浴場関係は五千万円でございます。五千万円の資金につきまして、申請人から商工組合中央金庫の方に資金の融資について申し出ております。商工組合中央金庫からさらに中小企業庁を経まして私どもの方に、これは一体どういう性質の事業であるか、融資をすることが適当かどうかという照会が参りました。私どもの方といたしましては、国立公園事業全般について、常に公私金融機関についてあっせんをするようにしておりますので、これも一つのケースといたしまして、国立公園事業として適当なものと思うので、融資あっせん方御配意願いたいと、こういうことを中小企業庁の方に回答いたしております。話に聞くところによりますと、ただいまお話にありましたように、自己資金が少いというような点につきまして、さらに商工組合中央金庫の申請人との間にいろいろ折衝が行われておるように承知いたしております。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 ただいまの資金の問題に関連いたしまして、私のところにこういうことがきているわけでございます。それは、去る九月八日に、売春問題を非常に研究していらっしゃいます神崎清さんという方がいらっしゃいまして、評論家でいらっしゃいますが、この方が、やはり現地に視察にいらっしゃいました。それで、資金の問題につきまして、現地の業者の副会長の話によりますと、この会社は、御承知のように、佐世保の業者が集まりまして、さっき宮城委員がおっしゃいましたように、その社長というのは今恐喝事件で起訴中の方でございますね。そういう団体の副会長がこういうことを言っておられるようでございます。いよいよ来年四月から売春防止法が実施される、その非常対策、ここでもまた非常対策をしておられるようでございまして、非常対策費として従業婦から三百円を醵出をして、そうしてすでにさっきおっしゃいました五千万円——商工中金及び中小企業金融公庫から五千万円を融資するその実現の運動費として、この従業婦から取り立てた金をすでに六百三十万円使って、そうして運動費としている、こういうふうなことを副会長が神崎清氏に言っておられるのであります。こういうふうなことが一体厚生省にわかっているのかどうなのか、あるいはそういう動きというものを一体知っておられるのかどうでしょうか。資金の面のこういう陰の工作があるということ、しかも従業婦から取り立てて非常対策費としているということがお耳に入っているか、いかがでしょうか。

大山正厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(大山正君) ただいまお話のありました資金あっせんについての運動費については、私どもは一切承知いたしておりません。私ども承知いたしておりますのは、先ほどお答え申しましたように、中小企業庁から照会がありまして、そちらに回答したというだけであります。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 私、やはり厚生省がおやりになるからには、こういうことまでほんとうに調べてもらいたいと思うのでございますよ。こういうことを一つ私聞いたことといたしまして申し上げておきますから、事実があるのかどうかよくお調べ下さいませ。それから今申しますように、今申請している団体の性格、その中心に集まっている人々の従来の前歴、社長の経歴というようなものをよくお調べになっていただますというと、ただ書類だけの上でそろっているからということだけで簡単に判を押すとか、あるいは今後もこういう資金のあっせんを簡単になさるとうことは、非常に私は厚生省としてはお考えにならないといけないと思うのであります。ただ書類がそろっておるからということで、ほんとうにその裏に隠さていることは、表面だけできれいになっているということだけでは済まされないことが次々に起きると思うのでございますので、こういうことを一つ……。私のところにきておりますのですから、一応お調べ下さいまして、この資金の融通については事実こういうことをして、六百三十万円も使っているというようなことが、地元では流れているのですね。こういう事実もごさいますことを、どうぞお調べになって御報告下さいますように。  それからも一つ、これは厚生当局に。きょう実は自治庁の財政局長をお呼びしてお聞きしておきたいという事実もございまして、これも一応お耳に入れておきますけれども、この五千万円の融資に対して、国にそういうふうなことをこの団体が言っている一方、また商工中金にも、まああなたの方で許可があればいいというので、そちらの許可を得るわけでしょうが、商工中金はこういうふうに言っておられるのですね、五千万円の融資に対しては、長崎県が一千万円、佐世保市が二千万円、計三千万円の長期預託があれば五千万円を融資するということである。これは私大へんな問題だと思うのですよ。県及び市の、その公金を長期預託すればこういう融資をしよう、その融資が今言われるように非常に問題がある。このほんとに暗い影がつきまとう、将来心配な種をまくことにこういう公金が長期預託されて行われるということは、私捨てておけないことだと思うのでありまして、これまた自治庁にもお聞きしたいと思のでありますが、すでに現地ではこういうことも非常にうわさになっておるのでございますね。こういうこともよく総合的にお調べ下さいまして、非常に慎重にしてもらいたいと思うわけです。ちょっとこのことについて……。

大山正厚生大臣官房国立公園部長

○説明員(大山正君) ただいま御指摘のありましたような点につきまして、私どもとしましては十分調査いたしてみたいと思います。

堀木鎌三自由民主党厚生大臣

○国務大臣(堀木鎌三君) 西海国立公園に関して、いろいろ御注意を受けたいのですが、非常に私むずかしい問題がたくさんあると思うのであります。こういう事実に従事した婦女子を保護更生をはかって、そして実際の仕事に当らしていくようにしなければならない、それは業者を転廃業せしめることについてのやはわ促進方を、私どもとしてはぜひ考えていかなければならぬ。それから実際に転廃業をいたします業種によっては、いろいろな問題が起るだろうということも考え、それらを総合いたしまして、まあ私としてはできるだけのことをいたしたい、こういうふうに考えておりますような次第でございます。ずっと今では、要するに売春防止法の完全実施を目ざして努力して参りました。大体の趨勢はもうきまったのじゃなかろうか、こういうふうに考えますと、今後、今御注意を受けるようなたくさんの問題が起っておる。西海国立公園の問題も、現地に行かれました議員団の御報告もよく拝見いたしましたし、また宮城さんのような御心配をされる方もずいぶんあるのだろうということも考えますが、要は今後の行政運用の問題である。そしてそれに対して、私ども内閣がしっかりした足取りで参れば、所期の目的を達成するんじゃなかろうかということで、せっかく努力いたしておる次第でございます。ただ何と申しますか、きわどいじゃないか、きわどいじゃないかという御心配のある場合もあると思います。しかし大きな目的を達成して参らなければならないということもお考えを願って、しかも実際に法に触れるような状態になりましたら、断固とした態度を持して参りたい、こういうふうな情勢から推移すれば、私どもの行政方針が適切に指導して参れば、所期の目的を達成するんじゃなかろうか、せっかく努力いたしたい、こういうふうに考えておりますので、御了承を願いたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 厚生大臣の関係でちょっと中断したんですが、先ほどのあっせん収賄罪に関する法務省内の案ですね、刑事局長からでも一つ具体的に御説明願いたいと思います。どういう案が出ておるか。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 具体的に案を示せということでございますが、これは一応の案を私どもが作りまして、それを法制審議会にかけました上でいわゆる政府案というものができるるわけでございまして、まだ法制審議会にも諮っておりませんので、ちょっと発表をまだ差し控えておる段階でございますので、御了承を願いたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 要するにあっせん行為というような表現でいくのか、あるいはあっせん行為というものをもっと内容を分けていろいろ書くのか、そういうところが問題点になっておると解釈していいですか。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) そういう議論もずいぶんいたしましたが、問題点はわかりのいい案というのがねらいでございます。わかりのいいと申しますのは、十六年案におきまして、その地位を利用しというような言葉が非常にあいまいでありますために、議論が百出いたしましたことは御承知の通りでございますが、その使用いたします概念も、法律に全然載っていない新しい概念を持ってくるとかいうことにいたしますと、疑問の余地が次から次へと発生いたしますので、できるだけ既存の概念を使い、すでにわかっておる概念を使い、それから不明確な用語を避けるというようなことで、先ほど大臣の仰せられましたような趣旨の貫徹のできるような案だということがねらいでございまして、そういうところにあるのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 たとえば、今、その地位を利用しという点の御指摘があったのですが、これはたとえば昭和十八年の戦時刑事特別法のときに用いられた概念ですね。何かこれは実際上非常に弊害があって、裁判上困ったしいうふうな現実の事態でもあったわけですか。

竹内寿平法務省刑事局長

○説明員(竹内寿平君) 戦時刑事特別法は、非常な必要を叫ばれて立案されたものと聞いておりますが、実際に適用を見ました案件はほとんどないようでございます。その資料等は消滅してしまっておりまして、証拠をもって申し上げるわけにはいかないのでございますけれども、適用がほとんどなかったと聞いておるのでございます。従いまして、その地位を利用しということがどの程度に問題になったかということも、裁判上も争われた実例がございませんし、わからないのでございますが、十六年案のときには、貴衆両院、最後には両院の協議会まで持ち出されまして論議をされたのでございまして、そのときの論議を見ますると、地位を利用しということが非常に不明確でありますために、その点において法案が死命を制せられたというふうにも見れるのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これはいずれあっせん収賄罪が出てきたときに十分議論していいかと思うのですが、ただこういう点は一つ法務当局等にやはり考えてもらいたい点ですね。あっせん収賄罪が非常に政治家に対して恐怖感を与えておるということは事実なんです。だから実際問題として皆さんの方で法制審議会にいろいろかけてしましても、やはり政治家の方からいろいろな文句が出てくる、その根源ですね、これをどういうふうにお考えになっているか。これは検察ファッショをやっているのじゃないか、そういうふうに思わせておる。やはり検察庁の今までの行動、この辺の問題についての反省がないと、この法案はなかなかうまくいかぬと思うのですよ、率直に言って。だから悪いことは悪いとして、ほんとうに政治というものは大事なことですから、政治家に対して非常にきびしい一つのおきてを持ってくるということは、私は政治をよくするためにあっていいと思います。ところが、それを使う方ですね。使う方に対する信頼がありませんと、この法案というものはなかなか提案自体が問題になってくるのじゃないかと見ておるのですよ。だから、そういうふうに見ると非難さるべきことが実際いろいろありますね。この間の読売の記者等の問題等もあるし、たくさんありますよ。こんな問題はまた別に検討してみることですが、その問題と議論がからんで、あっせん収賄罪自体というものに対して、法務大臣等が何か弱気になってしまったら、これは私は法案はもうだめになると思うのです。これは、大体地位を利用して云々というようなことは、ほかの犯罪にはないことですから、新しい概念が出てくるのは私は当りまえだと思うのです。従来の概念を用いたところで、概念は概念ですから、具体的な事態に適用しようとすれば、やはり広くなったり狭くなったりするわけです。ですからその辺の問題等を、法務大臣はどういうふうにお考えになっておるか、御見解を一つ聞いておきたい。

唐澤俊樹自由民主党法務大臣

○国務大臣(唐澤俊樹君) ただいまの御意見と申しますか、御注意はまことにもっともなことだと思います。政治家の側から見ますれば、条文がどんなにりっぱにできておっても、それを逸脱して、いわゆる検察ファッショになったらば危なくて仕方がない。だからそのような条文を削ろうというような心理が動きますことは、これは当然なことでございますから、もし検察当局においてそういうような、恐怖心を起させるような行動がございますれば、自然そういうような反対の動きも出てくるだろうと思うのでございまして、この点は検察当局、深く省みて、あやまちがあったならば直していかなければならぬと思っております。しかし、いずれにいたしましても私といたしましては、あっせん収賄罪は次の国会におきまして何とかして御審議を願って成立をさせたいと、かように念願をいたしておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大体一つそういう方針で間違いなく今度はやってもらいたいことを希望して、時間も大へんおそくなりましたし、ことに私はほかの場合でも実は説明するんですが、こういうものが出たら検察ファッショになるのじゃないかと、その議論をし出したら、ともかく売春防止法にしたって何にしたってみんなできなくなってくるんです。だからその点はやはり検察庁あるいは警察自体に今までに問題があるのです。これは別個な一つ問題としてでも、またいろいろ御意見等も申し上げたいと思うのですが、その点はやはり区別をして、そうして法は法としてまっすぐに、早く具体化していくというふうに希望しておきます。

青山正一自由民主党

○委員長(青山正一君) 本日は、これにて散会いたします。    午後四時二十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗