文教委員会 第3号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/11/07
会議録
○委員長(秋山長造君) これより文教委員会を開催いたします。 委員の異動について御報告いたします。昨日左藤義詮君が辞任され、その補欠として森田豊壽君が選任されました。また本日森田豊壽君が辞任され、左藤義詮君が選任されました。 本日の理事会において高田委員から要求のありました宇都宮市第二操縦学校周辺各学校の騒音問題につき、現地調査の件を協議しましたが、本件は後日適当な機会に譲ることにいたしまして、とりあえず本日の委員会において高田委員から政府当川に対して質問を願うことにいたしました。 なお、先般来懸案となっております岸総理大臣の出席につきましては委員長並びに与党理事においてさらに努力中でありますから、いましばらく御猶予をお願いいたします。 それでは前回に引き続いてまず教職員の勤務評定に関する件を議題といたします。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○矢嶋三義君 大臣にまずお伺いしますが、よく大臣は教育の官僚交配、官僚文政あるいは教育の中央集権というものは、毛頭考えていないということを委員会においても、あるいは委員会外においても、常にそういうことを述べられているのでございますが、私はかねてその大臣の御決意に相違はないかどうかということを承わります。
○国務大臣(松永東君) 重ねての御質問でありますが、相違ありません。これからなかなか私が就任いたしましてからすぐすべてのことをそう是正していくというわけには参りません。口を追うて自己の所信に向って邁進していく決心でおります。
○矢嶋三義君 第二十四回国会において院内外を通じて大論議をかもし、その結果通過、成立、公布、施行されております、いわゆる地方教育行政の組織及び運営に関する法律、この法施行後における日本の教育行政が非常に中央棄権化して参った。あの法案を審議したときに懸念されたところの事実が次次と現われつつあるということについて、大臣はどういう考えを持っておられますか。これを是正する考えを持っておられるかどうか。さらにこの法施行後、あなたでなくて、文部事務当局が事をなすに当って、常に戦前の教育の中央集権化、あるいは文部官僚の独善性、官僚文政を支配的になさんとする傾向がきわめて顧著になって参ったということは識者のひとしく認めるところです。具体的例をあげれば幾つでもあげることができます。こういう点について、大臣はどういうようなお考えに立っておられるか、あるいは、またいかにこれを是正されようとしておられるか、私の第一の質問に対する大臣の答弁がありましたので、私はその具体的大臣の考え方を承わりたいと思います。
○国務大臣(松永東君) 幾ら私が民主化をはかろうといたしましても、やはりそれに違反するわけではございませんが、厳として法律が存しておりまする以上、その法律に準拠していかなければならぬことは論を待ちません。しかしながら、おただしのような問題については、できるだけ民主化をはかり、できるだけ地方分権を実施していく、こういうふうに私は考えております。 ただしかし、申し上げておかなければならぬことは、やはり文部省として存在いたしておりまする以上、やはり地力のそれぞれの関係に、各官庁との間に何らかのつながりだけはやはり法律で認められておることであります、それはやはり守っていかなければならぬ。しかし、さればといって、それに基いて、そうして中央棄権をやる、官僚政治をやっていこうというようなことは全然考えておりません。
○矢嶋三義君 私はこの点について文部大臣に重大なる関心を喚起いたしたい。もちろん法律というものは、法の運用に私は意義があると思います。法の運用次第だと思います。従って、その法案が審議される過程において論じられたることをよくかみしみて適正なる運用をするということは、私は行政官のとるべき態度だと思います。ところが、最近の文部事務当局において行われている法の運用ぶりを見るというと、私どもが法案を審議するときに最も懸念された面が最も露骨に出てきつつある。こういう点については、一部の人を除いて、日本の有識者はひとしく心配をされているところであって、大臣がその教育の中央集権を期待しているのではない、また官僚文政を夢にも考えていないという信念に立たれるなばらば、現状をよく検討されて、その是正に私は勇断を振っていただきたいことを強く要望する。 次に、私は具体的に伺いますが、私ども委員会を通じて大臣の所見を承わりましても、また、個人的に大臣のけいがいに接して感ずることは、大臣の考えられているところの文教政策と事務当局が考えられている点に相当のギャップがある。この点を非常に強く感じております。これはゆゆしき事態だと思うのです。私は綱紀の粛正という立場から見ましても、この公務員の服務規律の立場から申しましても、いやしくも一国の文教政策というものは、最高責任者である文部大臣を頂点とするところの文部省の意思というものが、意図というものが、統一されて、そうして行政というものが行われなくちゃならぬと思うのです。ところが、事務当局の考えられ、またなされていることと、最高責任者であるあなたのそれとは相当の懸隔がある、この点に大臣はお気づきになっておられるかどうか、また、その点がありとするならば、あなたは文政の最高責任者として、いかにそれを是正されようとするか、それをなし得なかったならば、文部大臣松永さんの責任というものは、私はきわめて重大であると言わざるを得ないと思うのです。私はこの点を重大な関心をもってお伺い申し上げます。
○国務大臣(松永東君) 見方によってはいろいろな見方もなさることができるかもしれませんけれども、現在の程度においては、私の所見と私の下僚のなしましたこととの間に、さほどにギャップがあるとは私は思いません。やはり私の意を体して皆やってくれている、こういうふうに私は考えております。
○矢嶋三義君 私は公開の席上でお伺いすることは忍びないことでありますけれども、しかし、私は今後のことを考えて、この際私は明確に承わっておくことがいいと思いますので、あえて内藤局長に伺いますが、内藤局長は国家公務員、それから初中局長という大戦に補せられているわけでありますが、あなたは文部大臣の文教政策に対するところの方針を受けて、そうして忠実な公僕として事をせられるという考え方を堅持されているかどうか、それとも、あなたとは申し上げませんが、中には大臣というものはどうせ政変ごとにかわるものだ、大臣というのはシャッポであって、実際はわれわれ事務当局が握っているのだというような心がけで、事を処せられるようなことはないかどうか、私はこれは明らかに言っていいと思うのですが、われわれの社会党の同志諸君の間では、大臣を比較的に無視する風習のある行政官庁は厚生省が第一番だということなんです、その次は文部省だ、こういうささやきがわれわれの党内においては行われる。それは、この半年あるいは一年に限らない、ここ数カ年間の経過を見て、そういう傾向が厚生省と文部省に一番強い、こういうことをだれ言うとなくささやく。これはあなた方としては胸に手を当ててしかるべきではないかと思うのですが、あえて国の公務員として業務をつかさどるに当っての基本的な信念と心がけというものを、私はこの際承わっておきたいと思います。
○説明員(内藤譽三郎君) 私ども公務員といたしまして、文教行政の最高の責任者は文部大臣でございます。いつも文部大臣の意を体して行政の執行にあやまちなきを期しておるのであります。もし私どもが勝手な考えをするなら、これは私は綱紀の著しい紊乱であると思います。いかなる場合にも大臣の意向を体して私どもは行政の運営に当っておる、これだけお伝えいたします。
○矢嶋三義君 やや具体的に承わりますが、私はきのう文部大臣と日教組の会見に行きがかり上立ち会ったわけでありますが、たとえば愛媛県の勤務評定にいたしましても、事務当局では愛媛で堂々とやっているじゃないか、だから何も反対することはない、あの通りに各県ともやればいいじゃないか、こういうようなことを公言されます。また強力なる指導はしていないと言われますけれども、木田地方課長を通じて、この木田地方課長はあなたの指示を受けてやっていることに間違いはない、強力なる指導をしたということは間違いない。これは愛媛県出身の湯山委員がはっきりと握っていることです。何らの指導をしていない、単なる自発的なものだ、これは言葉でいえばそうかもしれませんが、事実はそうではない。ところが、大臣はきのうの会見においてもこれは非常にむずかしいことで、文部省から一方的に押しつけるような流し方をしようとは思わない、広く識者の意向も聞こう、また現場の教師の意見も聞きたい、ともかくどういう事態であるか自分もよく知らないから、国会が終ったら出かけていって一つ様子を見たいと思う。これほどまでに文部大臣は言われている。私はまことにりっぱなお考え方だと思う。この文部大臣の方針とあなた方事務当局が実際に行い、あるいはやっていることとは非常な隔たりがあると思う。これは一つの例です。それから私はきのうの事態というものは決して喜ばしいことじゃないと思うのです。これに若干触れて参りますけれども、あなた方が教職員組合、それは長短がありましょう。欠点がありましょう。私は全部完璧とは申しません。ある面に欠点があることは認めます。しかし非常にこの対立意識を過剰に持って挑戦的な行為をとられ、全国の教師に文部省の皆様方を信頼させないような言動をあなた方がとることがまず問題だと思う。たとえば佐賀の問題についても何ら指導、助言はしていない、佐賀は自主的にやっているのだと、こういうようなことを言うけれども、私ははっきり知っていますよ、私は佐賀の教育委員長並びに教育長に会って聞いたのだから。最初あの事態が起ったときに教師は三、三、四割で休んだ、だからこれは怠業であるから地公法二十八条で適当な処分をしたいと思う、こう言われておった。二十七条で処分すれば警察権の発動というものはないわけなんです。ところが木田課長の方から二十七条はやはりなにだというので、三十九条をヒントを与えて、暗示を与えてそれを指導された結果、佐賀県の教育委員会は最初の方針を改めて三十九条に切りかえた。ということは、そのときにあなた方としては佐賀の教育委員会が佐賀県のあの三、三、四割の休み、こういう事態が雇ったということは、原因についてはともかくとして遺憾なことであったでしょう。しかしそれを三十九条を適用して、あとは警察権、検察権が佐賀県の教育界に入ってくるという見通しに対して期待を持って指導をされている。その結果は、あとで警察権が入ってきて、第六十一条が発動になって、逮捕になって、起訴という段階になったでしょう。しかもそのあとで私は佐賀県の教育委員会の方に、教育長に意見を伺った。鍋島知事にもお伺いした。三十九条で停職処分にしてあるから、今後二重処分という形でさらに休職処分のことはやりたくないということを言われておった。ところがある方面からの意見を聞くと、はっきり言った。内藤局長は厳として三十九条で停職処分しておっても起訴されたのだからさらに二重処分としてこれを休職処分をしようと、強力なる指導をしたじゃないですか。絶対間違いないですよ、内藤さん。その結果というものは佐賀県の四十人の先生については、あの中島副委員長なんて気の毒なほどいろいろと思い悩んでおられますよ。りっぱな先生です。あの行動をとられたその人に起訴という事態と停職というのと休職というのとこういう三重処分をしているじゃありませんか。そして佐賀県の教育界に検察権、警察権を入れてきた。それはあなた方のお考えでしょう。松永文部大臣のお考え方じゃないと思うのです。そして表面では何ら指導していない云々たと言っておるが、それに指導して、こういう事態を私は知っておるから、こういうことを言わざるを得ない。だから、全国の教師諸君がそういう文部省のあなた方の言動を知っているから信頼できない。そこに文部省と日教組との対立が出てくるわけです。私はまことに遺徳なことだと思う。きのう警察官が文部省に入ってもみ合ったということは私は涙が出るほど残念だと思う。そういう事態を、文部省の中に警察権を入れることについて大臣は午後三時まで知らなかったというではないか。それであなた方は何ですか、自分の務めは果しておると思いますか。一国の文教の府に教師諸君が陳情に行った。その行き方がどういう状況であったかはともかくとして、警察権が入って、そして場合によればもみ合いが起るというような事態というものはまさに非常な事態です。なぜ大臣の指示を仰がないか。それを一刻も早く大臣に報告しないか。 私は大臣と局長の所見を一諸に伺いますが、さらに一言私はつけ加えますが、私は文部省で何か争いが起っているというので自動車を飛ばした。そうしたところが、大臣室の前にはもう人影がありませんでした。警官がどやどや入って行くから何事かと思った。初中局へ入って行くらしいというので入って行った。初中局に行ってみましたところが、地方から来た先生方は局長にお目にかかりたいといって二十人ばかり中におられました。そのときは静粛なものであった。そして入口に警官が約八十人ほど待機しておった。だから、またここでトラブルを起してはこれはまことに悲しいことだと思って調停に入った、あっせんに入ったわけです。だから、あの責任者に荒っぽいことをしないで待って下さい。課長を通じて局長なり大臣に連絡をとらせるといって、向う側に連絡してやっておった。そして詳しいことは申し上げませんが、平静におさまるようにとやっておったが、木田課長は、今日はおいでになっておりませんが、木田課長はわれわれは国会議員に向って、あなた方も警官によってつまみ出してもらわんというばかりの言葉を述べた。あなた方も退場してもらいたい。荒木参議院議員が、僕も含めてですかと言うと、あなたも含めて出てもらいたい。僕は会計参事官室に連絡に行って、そして木田課長は上に上ったというから様子を、局長、大臣との連絡はどうだろうかと思って、伺おうと思って走って行った。そうしたら荒木議員、相馬議員と木田課長がものすごいけんまくで、議員はおとなしいが、木田課長は剣もほろろのあいさつ。そこで僕は事情がわからないので、木田さんちょっと待って下さい、どういうことですかといって隣の部屋まで追っかけて行って木田課長に事情を聞いて、あとの処理をしたいと思って参りましたところが、木田課長は、振り向いて、私が呼びかけるのを振り切って行った。どこへ行ったかというと、会計参事官室へ行った。で、参事官室には警視庁の責任者が来ておったが、会計参事官室に会いに行ったら――争いは起らないように撤去さすべきものは撤去させようとわれわれは自主的に撤去させようということを警官と約束してあるのに、木田課長はあなたの命令だと言った。はっきり聞いたんですよ。それは国会議員を含めて退去命令だと、局長の意思だといって木田課長は参事官室に行って警視庁との間の連絡をとった。こういう態度というものがありますか。しかもそういう事態を午後三時までも文部大臣に報脅しないで文部大臣は知らなかった。こういうことで一体大臣、何ですか、よろしいですか。私は、まず大臣のお答えをいただきたいのです。いやしくも警官を私は文部省に入れるに当っては大臣あたりは承知していなくてはならぬです。またそういう事態が起ったら即刻大臣には知らせるべきだ、それを午後三時まで大臣は知らなかった、そういうことでよろしいと思いますか。まず大臣のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(松永東君) きのうは私は役所に寄らなかったのです。ちょうど私どうしても急に会わなければならぬというある地方長官がおりましてそうしてそれでは東京都庁で会おうということで東京都庁で会う約束をしました。そこで東京都庁に行っておりました。ところが、すでに衆議院の文教委員会が始まるというので、私はあたふたかけつけて来まして、そうして文教委員会に入りました。ちょうど予算委員会も開かれたということでありましたけれども、それは予算委員会は午後になったということで、午前中の衆議院の文教委員会でいろいろ質疑応答が終りまして、出てきてそうしてその事情をよく詳しく聞きました。しかし来たときに、だれからでありましたか知りませんけれども、今かくかくの事情でスクラムを組んで二百人以上三百人ばかりの人が文部省に入って来ている、そして大臣室並びに次官筆に幕を張ってそうしてみんなあそこですわり込みをやっている、こういうことを聞きました。それは困ったことだなと言っておりましたところが、その午前中の右申し上げる衆議院文教委員会が終えましてからあなた方の、すなわち矢嶋参議院議員、櫻井衆議院議員あたりのお骨折りで解決がきれいにできまして皆さん引き取られた、こういうことを聞きました。そのときでありましたか、実はどうにも退去してくれぬので仕方がなく警視庁に顧み、そうして退去してもらったということは聞いておりました。だけれども、それまではそうこまかくは聞いておりません。こまかいことは聞く時間がなかったのであります。その点よろしくお願いいたします。
○矢嶋三義君 大臣に重ねてお伺いしますが、ああいう問題が起ったときに、国会議員があっせんすることによって、文部省にいる教職員と警官の衝突を、いざこざが起ることを回避するように国会議員があっせんすることをあなたは望みますか、拒否しますか。
○国務大臣(松永東君) 法律上の権限があるとかないとかじゃありません。事実上そういう問題についてやはり国会議員の方々がお骨折りを願って事をスムーズに運んでいくというお取りなしについては、私は今後もなるべくならそういうことを期待したいというふうに考えております。
○矢嶋三義君 じゃあ次に大臣に伺いますが、きのうの木田課長の行動をあなたはどう考えますか。木田課長はこちらの話かけを振り切って、そうして彼は明らかに国会議員を警官の手によって外に退去させようという彼は言動をとったわけです。局長の意向がこうこうだから、だから矢嶋さん、こうして出してくれというようなことを一言でも言えば話はわかりますよ。私はあのときに文部省の二階と三階、あの間を四へんも五へんも安嶋さん、それから齋藤総務参事官、それから会計参事官と地方課長と会うべく三べんも四へんもぐるぐるしてやっと木田課長と会えて、木田さんどういう事情ですかというのに一言も話さんで、そして警官の実力行使を要請に行くという、こういう行動、そういうものを、何んですか、文部省の課長として適当な行動とお考えになられますかどうですか。あなたの部下ですから私はこの際承わりたいと思います。
○国務大臣(松永東君) 何せ若い者ですからね。そうした二百人も三百人もスクラムを組んでどかどかと押しかけて来たというので、非常な焦燥を感じて恐怖心を抱いたか何ですか、そこは知りませんけれども、少し行き過ぎた点があったかもしれません。しかしそれはあのくらいの若い人あたりに対して毎日行われることでもない、ああいう突発的なことが起ったのだから、多少の行き過ぎな点があったか、処置を誤まったかしりませんけれども、私はそう大したあやまちじゃない。これはやはりあすこの、私がおらぬ間はその留守をあずかっているやはり責任者として、木田という人が責任者かどうか知りませんけれども、とにかく万全の処置と思って本人はとったのではないかと思っております。けれども、あなた方に対して御無礼の処置があったとは私は考えておりません。御無礼の処置があったとすればお許しを願いたいと思います。
○矢嶋三義君 私は多くの文部省の課長を知っております。課長の中には言動、処置を誤まらないりっぱな課長さんがたくさんおります。しかしきのうの木田課長の言動は、言うことをお許し願うならば地方課長の職務にたえられぬと思った。だからどうしようとは思いません。勤務評定したら落第ですよ、これは地方課長あたり務める人が、若くて血気にはやって事をしくじるようなことでどうします。もし私どもがあのときに行って、すぐあなた方出た方がいいでしょうと言って出した私たちを入れなかったら、初中局で警官とあの先生方がもみ合いをしておったかもしれません。その結果は、先生方も批判されるでしょうし、文部省も批判されるでしょう、一番迷惑をこうむるのはだれか、国民と子供ですよ。そこに思いを至さなければならないと思うのです。そういう配慮は、私はお互いに談論をしてもお互いが持っていなければならぬと思うのです。 あと二点だけで私質問を終ります。次に伺いたい点は、私は少し荒っぽい声を出しているようですが、心はやさしいわけですから、そのつもりで内藤さんお聞きを願いたいと思うのですが、この前も高田さんが指摘されておったのですけれども、最近のことだけとはいいませんよ。文部省の公務員の方々の中には、自分たちの考えが最良、最高だ、だから自分らの思う通りに全国の教育界をさせなくてはやまないというような意図、意思、自信、これが私は非常に強いように思うのですがね。これは、あなた方は戦前、戦時中文部省ではぐくまれた戦前派の文部官僚だから私はそういうふうになっているのかと思うのですが、戦前、戦時中の文部省のお役人さんの気心と少しも私は変っていないと思う。少くとも新憲法下、教育基本法が制定されて、行われている戦後の日本の民主教育、この日本の教育行政をつかさどる文部省の公務員としては、戦前、戦時中の心がけを変えなければならぬと思う。最近は私は非常に変ってきたと思う。この前から議論された教育研究集会の問題にしてもそうです。また勤務評定の問題にしましても何らの形でやられているが、それではどうも適当でない、教育委員会が自主的にいろいろ考えているだろうが、それでは不十分だ、われわれはこういう案を持っている、だからこういう案で全国一律にやってもらわぬといかぬ、それがベストだ、ぜひそういうように指導と助言力をもってさせようという、そのよしあしというか、その自信と意志というものは強烈だ。これを言葉をかえていえば官僚独善だということになると思うのですね。そういう語論は日本の日刊新聞の社説でもずいぶん出ているわけなんですが、こういう点について少し私は考え直す必要があるのじゃないかと思うのですけれども、あなたはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、その点に限ってお答え願いたいと思います。
○説明員(内藤譽三郎君) その点に限ってというお尋ねがございしましたけれども、実は佐賀の問題と愛媛の問題が出ましたので、これも合せて答えさせていただきたいと思います。 愛媛につきましては、昨年来愛媛県が実施しておりまして、私どもは必要な助言と援助はいつでも惜しまないつもりでおります。またそうすることが私ども国民の公僕としての務めだと思っております。ですから、私どもの意図に従わないからと言って、部道府県の教育委員会を責めるわけにはならぬと思います。しかし愛媛県が昨年実施され、そして本年の当初において周桑郡の一部が残ったときに、組合とも話し合って勤務評定をやるという線はきまっておったわけでございます。ですから今年もおやりになったと思うのです。これについて私どもも必要な助言と援助はもちろんしますけれども、愛媛県教育委員会がみずからおやりになるごとに対して、私どもとやかく言う筋合いのものではないと思います。 それから佐賀県の事例を出されましたけれども、佐賀県については文部省当局の考えは、これは前の灘尾大臣のときでございまいますけれども、はっきり三十七条違反だという線を私どもは出しております。ですから、別に私どもが事務的に三十七条違反ということを言っているわけではないのです。関係官庁、あるいは文部大臣、当然文部大臣としても三十七条違反だと、こういうような御見解であった。それを私どもはお伝えしたにすぎないわけであります。 それから、あとの休職処分の問題が出ましたけれども、これは私どもとしては一応刑事上の問題になっている場合には、教壇に私どもは立つことは差し控えた方がいい、休職にするのが慣例になっている、こういう法の運用、曲った指導を私どもはしてはならない、私どもはそう考えております。 それから今のお尋ねでございますが、私どもは決して官僚独善を夢みているわけではない。しかし一部の団体がおっしゃるようにすることが私は国民の幸福かどうか、これも疑問だと思います。私どもは国民八千万の皆さんの立場を考えて、十分にこれが妥当であるかどうかという点に絶えず、反省に反省を加えておるのです。国会でも皆さん方の御意見も率直に承わり、またあるいは文部省内でいろいろな審議会がございますので、審議会の委員の先生方の意見も十分承わってそして私どもが独善にならぬように、できるだけの努力を払っておるのでありまして、私どもの行き方に対して独善の点がありましたら、御指摘いただければ私どももそのつど反省いたしたいと考えております。
○矢嶋三義君 最後に文部大臣に二点伺います。 その第一点は、教育委員の任命制を公選制にする意思はないかということです。都道府県教育委員の任命制を公選制にする意思はないか、こういうことは、今内藤さんが、われわれは独善的になる考えもないし、そういうことはないと言われますけれども、任命制になって以来、都道府県教育委員会というのは、私かなりの自信をもって言いますが、骨抜きになっている、自主性も何もないのです。予算も取れなくなったし、その県の文教行政についても全く自信をなくして、ひどく言えば有名無実という都道府県教育委員会がかなりあります。そしておどり出たのは教育長です。教育長が五人の教育委員を合せた力よりも強い力を持ってきた。この教育長は文部大臣の承認権を持ってきましたから、一切教育長は昔の学務部長とか、都道府県知事みたいに文部省のかいらいになってきた。そして一々教育長は文部省にお伺いを立てるわけです。だから文部省の一言半句というのは、承認権を持っておりますから、教育長については半ば行政的、至上命令的にいってしまうわけです。そして都道府県教育委員は、任命制になって骨抜きになっているから、ここに完全に都道府県教育行政というのは、中央集権的官僚統制というものがすでに既成事実となっておるわけです。ですから具体的にAという局長の意見は、それが独善的な意見の場合は、そのまま一人の意見が全国に施行されるということになる。そこに官僚による教育の独善化というものが生まれてくる。これはあの法案を審議するときに非常に論ぜられたところでありますが、私が心配した通りの事実が、現にたくさん出てきたわけなんです。従って私は、将来の日本の教育を考える場合に、教育委員の任命制というものは、公選制に帰すのが至当である。かように考えているわけで、これは私一人のみの意見ではないと思います。従って大臣の所見を私はこの際伺うわけです。 第二点としては、昨日日教組の代表と大臣の会見されたときの言葉ですが、この雰囲気は、私は傍聴しておってほんとうにうれしく思いました。感心しました。きわめてなごやかに双方の意見の開陳がなされて、お互いの考え方というものが話し合いの中にわかるということは、私は非常にけっこうなことだと思ったわけですが、あのときの大臣の言葉の中に、決してその勤務評定を押しつけたりする考えはない。それから、実施するに当っては、先生方の意見も開くし、協議をする。だから現に行われている愛媛の問題については、自分は三、四人の人から聞いたが、その人はうまくいっているということだったが、しかし他の方から聞くと非常に愛媛の教育に支障を来たしていると聞くから、まあ臨時国会でも終ったならば、どういう実情か自分で行って様子を見たい。こういうふうに発言されておりましたが、そのことは間違いないかどうか、私はこの大臣の発言は非常に適切なる発言で、あの十八人来ておった代表も大臣のけいがいに接して、きわめて平静に退所し、気持よくお別れされたように私は拝見されるわけでございますので、それだけ伺っておきたいと思うのです。
○国務大臣(松永東君) 第一に、公選制に復元する考えはないかというお尋ねであります。矢嶋委員御承知の通り、私はもう選挙でずっと暮してきた人間ですから、何よりかにより公選制が好きなんです。しかし、公選が好きですけれども、その公選にいろいろな弊害があるというのでしょう、とにかく任命制にかわったばかりなのであります。従ってよくまたこれは一つ私は研究してみたい。しかし今のところでは、せっかくかわった任命制をそれをかえなければならぬというふうには考えておりません。 それからその次の日教組との会見、これはまあ、あなたがお立ち会いになっておりましたから、その通りです。できるだけ一つそういういがみ合って、まあ日教組といえばすぐ闘争とこういう言葉が出ますが、闘争とか何とかいうことを言わぬでいいじゃないか、お互い腹を割って次の時代をになう青年を、学童を、りっぱな人格者に育て上げようとする気持に変りはないのである。しかも日教組の方々も、皆さん相当教育を受けられた良識に富んでおられる人々と認められるから、お互い一つゆっくり腹を割って話し合おうじゃないか。従ってあなた方の御意見も承わります。また承わっております。私はそうして各地方々々からたくさんの意見や陳情がきておるのです、それも一々私は自分で封を切って読んでおります。その中には思考するに足る理論もあります。私は一々読んでおる。従って先般来から申し上げる通り、この問題は重要な問題であるから私は研究を続けておりますということを申し上げておるのです。現に研究を続けております。 なお時間が許し、からだの都合がつけば、愛媛の方にも参りましてよく実情を調査してみたいと思っております。あなたに申し上げた、すなわち五、六の人が私には勤務評定はうまくいっている、県民もあれでなければいかぬと、こういうことを口をそろえて言っているということをあなたに申し上げたところが、いや大臣それはそうじゃないんだ、あれは全然違うんだ、それはそういう人たちの意見ばかり聞いたんじゃあ間違っておるという話をあなたから聞きました。なるほどそうであるかもしれませんというので、事情が許す限り行って一つ調べてみたい、そうしてよく真相を確かめたいというふうに考えております。
○高田なほ子君 矢嶋委員の質問と関連して一点だけ聞きたいんです。内藤局長は、独善の点があれば指摘してもらいたい――大へん大上段から振りかぶっておられるようです。従いまして、けさの新聞記事から見ましてお尋ねしたいんですが、大体この文部大臣は先ほどから御答弁のように、勤務評定は十分話し合ってですね、納得ずくでやっていこうと、無理をしないでいこうと、これはもうじゅんじゅんとして今までの御主張の通りであります。ところがけさほどのこの「激突する勤務評定問題」という中で、文部省側の見解として、こう出ております。多分これは内藤局長あたりの見解ではないかと思いますが、「文部省側は、日教組の行き過ぎ行為で、臨時国会後の十二月初めには文部省案の強行実施をはかる、という考え」である、こういうふうな見解が発表されている。これは文部大臣のかねてからの主張と、それから文部省側の意向としてのこの新聞発表というものは非常な食い違いがありますが、今私が読み上げた新聞記事は、これはでたらめな記事を朝日新聞が書いたはずはないのでありますが、一体文部省側の見解といもうのはどっちなんです。 〔説明員(内藤譽三郎君)発言の許可を求む〕
○高田なほ子君 ちょっと待って下さい。私は大臣に伺っている。
○説明員(内藤譽三郎君) 私のことなんだから私が申し上げた方が……私のことを先に申し上げて、あとから大臣からお答えをいただいた方がいいと思います。と申しますのは、私朝日新聞の記者がお見えになったときに、私はそういうことを申した覚えはありません。ですから十二月初旬に出すというようなことを私は申したことはございません。これだけは申し上げておきます。
○高田なほ子君 この点についてもう一度、大へんしつこいようでありますが、伺いたい。なぜならば、この勤務評定については、文部省の官僚がいろいろなことを言っているようです。たとえば先般の日本教育新聞なんかでは、稻田事務次官が、勤務評定は必要であるがと、点数制をなくしたい、序列をつけるということについてはなお検討をしなければならないというようなことを言ってみたり、まことにその意見がまちまちであります。私が尋ねたいことは、十二月初旬に云々ということは言ったことはないと言いますが、それじゃどういうところからこういうものが出てくるのか、こういうことが非常に日教組あたりの勤務評定について――実施される側であります。実施される側から見ればこういうようなことがいろいろの見解として流されるのが総合されて、非常に不安になってくる。その不安がどうしても大臣に会い、かつまた局長にも会って十分にこの意向をただしたいとする、そういう気持に変ってくるのが当然だと思うわけです。従ってこの際は文部省の官僚の方々が、非常にいろいろ勝手なことを言わないで、文部大臣の御主張一本に統一されて、統一した見解というものからはずれないようにするのが私は当然ではないかと思う。従ってこの際ぜひ大臣の本問題に対する統一した見解というものを再度表明していただきたい。
○国務大臣(松永東君) これはもう私は繰り返し申し上げておることで、まだ研究を重ねております。非常な重要な問題でありますので、衆目の見るところ、衆指の指さすところ、無理ないなというようにりっぱな案をこさえるように研究をいたして参りたい。これには今もって間違いありません。従って新聞にいろいろなものが出ましょうけれども、それは決して私の意見ではございません。ただいま内藤局長から申し上げた通り、十二月に断行するとかなんとかいう考えは現在寸毫も持っておりません。それだけは御了承願いたい。
○高田なほ子君 もう一つ。それでわかりました。十二月に断行する、しないということについてそれはわかりました。 もう一つの見解は、これは一昨日当委員会で私質問して気分が悪くなって保留した問題に属するのですが、文部省はこの勤務評定を全国に統一的にやらせる権限を持っているというような答弁があった。で、その法的な根拠はどういう根拠だというふうに尋ねたら、地方公務員法の四十条、それから地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第四十六条を読み上げて、あたかも法的根拠であるかのような答弁に終始されたと思う。文部大臣は法務大臣にも擬せられたほどの法律の専門家でありますから、こういう拡大解釈というものは法的に果して妥当なものであるかどうかということについて、相当私は研究しなければならないのじゃないかと思うわけです。この四十条並びに四十六条の中には文部省がこれを強行、画一的にやってもいいというような、そういうような法的な精神はいささかも載っていない。いささかも載っていない。にもかかわらず、内藤局長はこの官僚独善の気持、これを強行して統一的にやりたいという、しかもそれは法的に許されているのであるというような、そういう解釈をされているようでありますが、文部省が参考資料として研究しているということと、全国一本に統一した勤務評定をやらせる権限を持つということとは内容が非常に似て非なるものがある。根本的な考え方に非常に非なるものがあります。一体大臣はどういうふうにこの法文を解釈しているのか。文部省にそういう強行を実施させるような権能が果してあるというふうに考えているのか、それとも指導、助言のそのワク内であるというふうに考えておるのか。この点の見解が局長と大臣との間に非常な食い違いがあるように思う。ここを明確にお答え願いたい。
○説明員(内藤譽三郎君) 私が何かこの勤務評定を実施するということについて全国画一的に文部省がやらせると、こういうふうに私用言いたしたことはただの一度もございません。私どもは法の執行をあずかるものでございますから、各教育委員会が勤務評定をやっていきたい、そのために必要があれば参考案を流すと、こういうふうに申し上げているのです。全国一斉に画一的にやらせるなんということを私は申したことは一度もございません。
○国務大臣(松永東君) 大体もう内藤局長の今の弁明でおわかりだと思いますが、この文部省は権限を持っておるとは私は思わない。けだしその主導性を持っているのは都道府県でありまして、文部省は今あなたの仰せられた通り、指導、助言そうしたまあ力を持っておるだけであります。従ってその指導のうちに参考資料を流すというやつが入るかもしれませんけれども、しかしそれは断固として全国的にやらせるという権限を持っておるとは私は思っておりません。しかし指導、助言、そうしたことは法律に書いてありますから、それはできると信じております。
○高田なほ子君 ちょっともう一問。大へんくどいようですが、内藤さんはときどき言葉をかえておる。しかし本心はどうしてもこれは画一的にやらせたいという考え方をお持ちになっているからそういう誤解が出てくるのじゃないか。なるほど画一にやらせますということは、如才のないあなたのことだから、そうはおっしゃっておりませんが、速記録をずっと調べてみても、法律違反についての措置要求ができる、それからどこからか意見を聞かれておるからその参考資料として出さなけれ、はならないと、こういうふうに言っておるわけです。じゃ、どこからそういう意見を聞かれているのか、データを出して下さいと言うと、まだデータは出ておらぬというふうに、実につべこべとうまくお逃げになっていらっしゃる。私はそういうその場限りのような、われわれを適当に押えておいてその場をのがれるというのではなくて、やはり文部大臣と考え方を一にして、あくまで地方の自主性にまかせるというこの基本的な考え方というものから一歩も出るべきではない。また、ほんとうに順法精神を持つ文部省であれば、冒頭から言うように、地方分権のためにこの勤務評定というものがどういう形で行われるべきものであるかという、こういう観点からはずすべきものではないのであって、いろいろの会合を聞いて陰に陽にちくりちくりと統一的な方向に持っていこうとするようなやり方については、今後十分に御研究と、それから再度の御検討を願いたい。あえて私は、あなたは言わない、言わないと言うけれども、言外に言っているということを申し上げておきます。
○説明員(内藤譽三郎君) 私どもとしては、もちろん大臣の意見を体してやっておるのであります。ただ、私どもとしては、すでに法律が制定されてから数カ年を経過しておりますので、教職員に勤務評定がなるべく早く施行されるように念願しておるのであります。ただ、そのために必要があれば私どもはいつでも参考案を出せるように検討しておりますと、こういうことを申し上げたのです。もちろん、画一的に、全国的にやらせるという権限も私はないと思う。あくまでも指導、助言の範囲でございます。
○野本品吉君 昨日文部省の中で起りました教員組合の諸君と文部省の役人それから警察官、これらの相互間に起りました事態というものは、私ども、皆さんと同様、きわめて遺憾、遺憾を通り越して痛恨事であると私は考えております。このことが、単にそれぞれの関係者のみでなしに、国民全部、ことに心づきました幾千万の子供及びその子供の父兄に与えました影響というものは、非常に大きいものがあると思います。おそらく全国の父兄は、この事態が自分の子供の教育育成とどういうふうなつながりを持つのであるかということにつきまして、心痛めておるであろうと思う。けさの朝日新聞の論説を見ますというと、この問題の相当重要な点に触れておるように私は思う。事柄の是非の問題は別の問題といたしまして、それぞれのあり方、それから、それぞれの相互関係をどういうふうにすることが円滑な教育行政の運営の上において必要であるかということを、それぞれの当事者の反省を求めておのるでありますが、私どもは、当事者の反省を求めると同時に、客観的にこの事態の真相を理解いたしまして、私ども教育行政に関係いたしておる者といたしましては、真相をしっかり知ることによって判断の公平と適正を期したい。公正な、そして適正な判断の結論によって、われわれは政治的な角度からそれぞれのあり方及びその相互間の調整による円滑な行政の運営をはかりたいと、かようにしみじみ考えさせられておるわけです。 そこで、私は、かような意味におきまして、私どもの判断の公正を期するために、先ほどある部分につきましては矢嶋委員の御発言等によりまして一応わかりましたけれども、この際昨日の事態の推移につきまして詳細な御説明を願いたい。たとえば、それぞれの関係者及びその数、それから行動の態様――形、状態、それからして最終的にどういうふうにおさまったか、これらのことにつきまして、時間的に、数的に私どもの判断の資料として十分なものを与えていただきたいと思います。
○説明員(内藤譽三郎君) 実は、十一月の二日の日に文部大臣が日教組の小林委員長と高教組の軽石委員長にお会いになったのです。そのときに、勤務評定の話が出たわけであります。臨時国会中は忙しいからまあ国会終了後ゆっくり検討してまたお目にかかろうということで了解ができていると、こういう話を私どもは聞いておったのです。ところが、十一月の六日に勤務評定とベース・アップと年末手当について地方代表四十六名と中執一名と四十七名で大臣に会ってほしいという文書の申し入れがあった。そこでこの申し入れにつきまして私どもは大臣にお取次しましたところ、大臣は、実は十一月の二日に小林委員長及び軽石委員長、このお二人に会って臨時国会中は忙しいから、国会が済んでから適当なときにまた会おうということになっておるから、少し話が違うじゃないかというお尋ねでございました。そのことを向うにお伝えするようにというお言葉がございましたので、小林委員長にその旨をお伝えしたわけであります。ところが、すでに日教組は、これより前に、文書でか、いろいろな方法によって、私どもの知り得た範囲では、都教組約一千名、地方代表三百名、官公労五百名、その他約五十名が文部省に集団陳情を行うという別に情報が入っておった。そこで、私どもとしては、昨日は早朝より多少警戒をしておった。ところが、八時半ころ中島政治部長が地方課に申し入れがありまして、大臣の昨日の回答は、勤務評定についての両委員長との話し合いに関連したことであって、今回の申し入れは、勤務評定のほかに一律二千円のベース・アップの問題と年末手当二カ月と、この三項について話をしたいので、新しい申し入れだから取り次いでほしいと、こういう希望が八時半ころあった。しかし、そのときすでに相当数の者がもぐり込んでおったようでございます。八時四十五分ころになって約五十名が実力によって正門より突入して、三階の大臣室、秘書官室、次官室前にまん幕を張り回し、すわり込みを開始した。続いて潜入者は漸次増加して百五十名くらいに八時四十五分ころなった。なお、同時刻ころ、地方課に約十五名が入った。九時ころに地方課長が中島政治部長に申し入れて、会見の申し込みはあらためて大臣に取り次ぐ、回答は日教組本部に電話でお伝えする、ただし、現在本省内におる多数については直ちに引き取っていただきたい、こういうことを申し入れたわけであります。九時五分になって退去する様子もないので、数回にわたって放送により退去の通告をしました。九時十五分、文部大臣御房会計参半官より、庁舎の管理上直ちに退去して下さいという警告文を張り出した。九時二十五分ころ、麹町署に侵入者の排除を要請したわけであります。さらにマイク等を通じて繰り返し撤去を要求しましたが応じないので、九時四十七分、秘書官室前の約百五十名に対し実力を行使し、庁舎外に排除した。その際宮之原副委員長と平垣書記長が検挙された。九時二十五分ころ、初中局長室に約二十名が侵入した。これに対して初中局長は直ちに退去を要求した後、国会に出席した。九時四十五分に地方課におりました約本名は、退去要求により部屋を出て初中局長室の二十名に合流した。十時十五分、初中局長室の三十名に対して地方課長が退去を要求し十時三十二分退去した。その際、相馬参議院議員と矢嶋参議院議員及び荒木参議院議員等のあっせんがあったのはこの時刻でございます。十二時過ぎに矢嶋参議院議員のあっせんで、大臣は一時までの間に代表数名に政府委員室でお目にかかろうと矢嶋委員から日教組に連絡をおとりになった。文部省の方からも日教組本部に連絡をとりましたが、これは代表者が昼食等においでになって分散しておるので、実は面会ができなかった。あらためて国会終了後に政府委員室でお目にかかろうということで、昨日四時半ころ政府委員室で大臣と私が日教組の小林委員長以下約二十名の方々と会見をいたしたのであります。そうして一応五時半ころに終了した、こういう経過でございます。
○矢嶋三義君 今の内藤局長の発言の中で一つ重大な食い違いがある。委員長以下都道府県の代表四十七人が文部大臣に会見を申し入れた。それに対して文部大臣が十一月二日小林君と軽石君に会っているので会う必要がない、臨時国会後にしよう、こういうふうに文部大臣が言われたので、その旨伝えたと、こういう局長の発言でありますが、きのう私は文部大臣と日教組の代表者と話し合いに立ち会ったところでは、文部大臣、自分は断わったことはない、このたびのは自分は知らなかった、おらなかったからああいうことになったのだ、こういうふうに文部大臣は発言されておりました。従って私はこのたび大臣に会いたいということは、あなた方は大臣に伝えてないで、あなた方の方で断わった、かようにきのうの会見から聞きとったのですが、大臣いかがですか、あなた承知しておったのですか。きのうの発言と非常な食い違いですよ、これは。
○国務大臣(松永東君) それは一番初めのことです。大ぜいくるから、面会を申し込んでくるから、前日のことだと思うのです、きのう、おとといですね。そこで、それはもういいじゃないか、軽石委員長と、それから小林委員長と私とちゃんと約束をしておって、みんな了解をして、それでは臨時国会終了後わしも研究して、そうしてあなた方二人とまた会おうじゃないか、それではそうしようということで笑いながら別れているから、みんな承知しているはずだ。そこでもう会わぬでもいいじゃないか、予算委員会もあれば、参議院、衆議院の文教委員会もあるから、会わないでもいいじゃないかということを私は前日に話している、それを伝えてくれということを私は頼んでおきました、それの話だろうと思います。いつでも会おうということはきのうの話です。私は決して面会を避けるのでない。面会を避けるのでないけれども、前日の話は勤務評定という話だから勤務評定の話ならすでにこういう話になっているから会わないでもいいんじゃないかという話をした。ところから勤務評定ばかりではないのだ、ベース・アップの問題もあるし、年末手当の問題もあるからという話です。それなら会う理由があるからいつでも会いましょう、こういう話です。
○野本品吉君 さらにお伺いいたしたいのですが、実はわれわれは、かつて参議院にある問題の紛糾から警察権の導入を見たことを非常に残念に思って、今でもかような事態が二度と繰り返されないようにということで、各会派におきましてきわめて慎重に冷静に話し合いを進めまして、ある程度の結論が得られたことを喜んでいるのであります。この考え方は、同様に日本の官公庁の中に警察権が発動する、導入される、警察力が……。これもそれとほとんど私は同じ程度に非常に悲しいことだと思っております。 そこで、この点に関しまして、次のことをお伺いいたしたいと思います。文部省が、日本教職員組合その他の団体との話し合いあるいは交渉の段階において、今まで警察権を導入したことがあったかどうか、これが一つ。 それから、これはあなた方は知らないといえばそれまでだかしりませんが、他の省庁、政府機関の他の省庁で、この種の事態において警察権を発動されたことが、例が他にあるかないか、この点……。
○説明員(内藤譽三郎君) 文部省内にこういう事件があったことは大へん遺憾でございますけれども、かってもございました。 他の省庁につきましても、やはり一、二の省庁においては、そういう事態がありました。
○野本品吉君 文部省にかってあったといいますが、何回ぐらい、いつどういう場合にありましたか。
○説明員(内藤譽三郎君) いつどこという正確な時間については、後ほど調査いたしまして御報告したいと思います。
○野本品吉君 それから、この問題につきまして私どもが一番こまかに知らなければならぬ点は、文部省が大ぜいの方々の退去をしてもらうために警察に連絡したその直前の状態がどういう状態であったか。警察権によらなければ退去の目的を達することができない状態であったとするならば、その状態を詳細に聞きたい。
○説明員(齋藤正君) 私実は当日朝役所におりましたけれども、こういう状況でいろいろな場所を歩いてみましたので全部詳細には知りません。庁舎の管理は御存じのように会計課の所掌事務でございますが、私も会計課長から若干聞きましたことにつきましてその当時の状況を申し上げます。 まず、今回のことで非常に特異な点が私二、三あると思います。それは前もってまあ、これは話でありますが、約一千五百人になんなんとするような集団陳情があるという、この情報があるわけであります。でありますから、文部省といたしましては、このいろいろ日教組との面会についても、代表者その他のものとお会いすることはあろうと思いますけれども、一挙に千人に上るような方々が庁舎に現われましては、これは公務に支障を来たすのでありますから、でありますから、文部省といたしましては、あらかじめ受け付けを出しまして、面会の、まあ、面会者には用紙に書き込んでもらって、面会の手続をとるという措置を請じました。 それからもう一つ特異なことは、八時、大体勤務時間が八時半でございますが、八時には数名の方がすでに要所についておられるのじゃないかと思われる節がございます。なお、前夜にも若干情勢を探っておられたような状況があるのではないかと思われるのでございます。(「変なことを言いなさんな、前夜に何の情勢を探ったのだ」と呼ぶ者あり)それは、前夜に守衛等のところに来て様子を聞いたという話を私聞いたのでございます。それから、とにかくそう早く実はいろいろ急に大ぜいの方が現われるということは、今までは、私も長い間組合の関係の連絡役をやっておりましたけれども、非常にまれなことであったと記憶しております。 それから、もう一つは、実力によって退去させざるを得なかったのは、先ほど初中岡長が申し述べましたように、約五十名、その数は私見ておりませんからわかりません、守衛の制止も聞かず、実力をもって侵入いたしました。それからその三階に、まあ各方面の門から上ってこられた方は、大臣室の前、秘書官室の前から事務次官室の前の廊下に、だいぶそこに集まっておられまして、そうして事務次官室から秘書官室にかけまして大きくまん幕が張りめぐらされておりました。それから私の方の会計課員の警告に対しましては、これも私直接聞いておりませんが、やはり歌をうたったりなんかしておるような状況でございますので、これは私ども当時中におりましたものといたしまして、その状況は、庁舎の管理、あるいは公務の遂行上支障があると判断したわけでございます。
○野本品吉君 今のお話によりますと、千名以上の者が動員された(「それが間違いだ」と呼ぶ者あり)との情報でありますが、私はここで明らかにしておきたいと思いますことは、先日集まられました大ぜいの方、この大ぜいの方は、いわゆる組合の業務に従うための専従の職員であるか、すべてが専従の職員であったかどうか。これは非常に問題を検討する上において重要なポイントだと思う。それについて何かの御判断がありましたら……。
○説明員(齋藤正君) 私たちは、実は日教組の中央執行委員の方はかねてからお知り合いがありますから、こられている方はわかります。当日も平垣書記長と廊下で立ち話しておりました。地方の方は私実は知り合いの方がないので、果して専従の方であるかどうか、専従でないか、その点は私たちにはわからないわけであります。
○野本品吉君 これは、ああいう大ぜいの混乱のときでありますから、一々専従であるかないかの確認はきわめて困難であろうと思う。困難であろうと思いますけれども、この点につきましは、一応今後わかる範囲でお調べを願ってお聞かせを願いたい。 次にお伺いいたしますことは、昨日は主として大臣や局長その他の首脳部の留守中をあずかっていて、組合の諸君と、木田地方課長が接触をされておったように今まで伺ったわけでありますが、そうでございますか。
○説明員(内藤譽三郎君) 建物管理は会計課長でございますから、会計参事官と諸般の連絡で総務参事官、それからあと初中局の課長諸君であります。
○野本品吉君 その初中局の課長諸君は、上局のものの留守中、庁舎の保全、その他管理等につきましての責任を負うべき立場におられた方ですか。
○説明員(内藤譽三郎君) 庁舎の管理の責任は、文部省全体は会計参事官が持っております。会計参事官の指揮を仰いで初中局の課長諸君が連絡をとって行動をしたはずであります。
○野本品吉君 庁舎の管理が会計課長にある。そこで会計課長の指揮を仰ぎながら連絡をとってやったということになりますと、与えられた権限の範囲におきまする当然の職務を、これらの課長諸君はとられたのであって、その課長諸君のとられたいろいろな措置に対しましては、これはやはり文部省の上局、最上局として大臣が責任をとるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松永東君) お説の通り、私が責任をすべて負わなければならぬと存じております。
○野本品吉君 いろいろ御心配下さる方もありまして、最終的には国会の政府委員室で、大臣と組合の代表の諸君との間できわめてなごやかなお話し合いが進められたと、ただいままで聞いておりますが、お差しつかえなければ、そのときの状況につきまして、それからお話し合いの内容につきまして、一応差しつかえない範囲でお聞かせ願いたい。
○国務大臣(松永東君) 大体先ほどもちょっと触れておりましたが、矢嶋さんあたりのお骨折りによって、二十名でありましたか、おいで願って政府委員室で話しをいたしました。そのときの話には、結局まあいろいろ問題がありましたけれども、要するに、私が繰り返し言っている通りであります。私どもがこの問題については研究していると、最善の道を尽したいと思って一生懸命やっているんだと、従ってその案がいかにできるかということは、まだでき上っておらぬから、今お話しをするわけにはいかない。しかしこの前も話した通り、自分も臨時国会終了後に少しからだのひまができれば、ゆっくり一つ研究して、一つの成案を得たい。そのときにはまたあなた方が来さえすれば、いつでも私はこう思っているということをお聞かせしてもよろしい、こういうことを、これはいつもと同じことなんです。ただ変ったことは、からだの自由が少しでもできれば、愛媛に行って、そうして真相を調べてみたい。私のところに四、五人愛媛から来ました人は、非常に、まあまあうまくいっておりますと、こういう報告を受けております。矢嶋参議院議員のお話によると、それはとんでもない話だと、こういう相反する二つの情報があるものですから、実は一つ行って真相を確かめて、私の最後の判断をしたい、こういうことを言ったのが新らしい、問題です。それ以外は、もう大体みんなこれまでに話しているようなことです。 私、申し上げておきますが、何回も申し上げた通り、教べんをとっておられる方は、教育を受けられたりっぱな先生方ですから、しこうしてその最後の目的はやはり次代をになう子供たちを、りっぱな人格者として育て上げたいという気持を持っておられることは私らと同様であろうと思うのであります。でありますから、そんなに何もけんかずくでやらんでも、いがみ合ってやらんでも話しがっくのじゃないか、こういうことを私は思っているために、そのことを申し上げておきました。 もう一百申し上げておきますが、この日教組の団体は、これは交渉団体ではないのであります。これは、各地方地方の団体は、都道府県の当局者と交渉をする団体でございますけれども、日教組はその連合体でありますから、いわゆる交渉をする団体とは法律上認めておらぬのです。しかしそんなことはどうでもようございます。私はそういう人々の意見を聞き、陳情も聞いて善処したい、その気持にはいまもって寸毫も変りはございません。
○野本品吉君 大体今までの答弁によりまして、当日の状態につきましてのアウトラインはわかりました。それからいろいろな、大臣の教育行政の最高責任者としての御心境もわかりました。私は最初、冒頭に申し上げましたように、昨日の事態は全国の心あるもの、なかんずく観たちの胸を痛める非常に深刻な問題であると思いますので、大臣のただいまの御心境と、また教職員組合、その他の方々の良識とによりまして、再び幾千万の子供のまゆをひそめさせるようなことなく、またその父兄たちに胸を痛めさせるような事態が起らないようにということを心から念願し希望いたしまして質問を終ります。
○加賀山之雄君 関連して。今の野本委員の御質問で大体昨日の様子がよくわかりました。最後は大臣とそれから日教組並びに高教組の委員長の間で非常に穏やかに話ができて、これはまあ矢嶋委員やその他の方のごあっせんによるものだということで大へんこの点はけっこうだったと思うのですが、今野本委員が最後に言われましたことの保証と申しますか、一体今後こういうことが起きないようにするというには一体どうしたらいいのか、今大臣が言われるいわゆる日教組が正式の労働組合という性質を持たないで従って団体交渉というものではない。この点が非常にいわゆる一方文部省とそれから教組といったものの間の話し合いのやり方というものをむずかしくしていると私は思うのです。これが正式の労働組合法による団体交渉であるならば、これはまあそこにおのずから一つのワクというものが出てくると思いますが、それがないために非常にまあそこが何といいますか、もやもやとした話し合いになってしまった。そこでその行動についてはきわめていい慣行を作っていただかなければならぬ、これは根本だと思うのです。話し合いの仕方というものを考えていただく一方、文部省は、私は先ほどからお話が出ているように、これは権力を持つことよりもむしろ権威というものが大事な私は政府の機関だと思う。一方日教組はああした全体の組合の連合したような形の団体でございますから、これはどうしてもそこの半面には力というものがあるわけです。これが対決ということでぶつかるというのが現状だと思いますが、この権威とそれからそうした教員に非常な大きな指導力を持つ教組というものは常に円満に話し合って、いつでも意思を通じていっていただかなければならぬが、その話し合いの場、あるいは慣行が私はよくできていないのが従来のこういうことが起るもとじゃないか。そういういい慣行を立てることに対して大臣は一体どういうように考えて努力されようとするか、その点をまず大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松永東君) これは、そのやり方についてはいろいろありましょう。非常にむずかしい問題でございます。しかしまあ二言目にはすぐ日教組、いや闘争だ、先鋭化している、こういう外観ですらそういう言葉を使ってやられることは私は非常に嘆かわしいことだと思うのです。でき得るならばせっかくりっぱな団体ができておる日教組は、やはり文部省の外郭団体とまでいかぬでも一体をなして、そうして協力して教育行政に円満な運用ができるように私はやってもらうことが望ましいことだと思います。ですから、何も私は初めからけんかしようとか何とかいうことは、これは繰り返して申し上げますが、ちっともない。ただしかしこれを、ここまできている問題をどう両者の間をうまくやっていくかということが、これはなかなか至難でありましょうが、しかし私は努めてみたいというふうに考えております。
○加賀山之雄君 教育というものはこれは目的が、一つあるわけではないので、これはだれが考えても一致していかなければならぬ。この手段方法というようなものについていろいろ議論もあり得るだろうと思うのですが、そこでまあいつも手段方法というようなことについていつでも対決というような考えが起っていることは、私日本の教育にとって一番不幸だと思う。これを何とかして解消しなければならぬということだと思うのですが、まず今の大臣の御答弁で私まだ今後こういうことが絶対起り得ないということがどうしても考えられないので、こういうようなことに今度はたまたま矢嶋さんその他の御努力、ごあっせんが非常によかったということはございますが、これは矢嶋委員に御答弁を伺うわけではないが、こういうことになる前に、もっとどうしてお骨折り願えなかったか、あるいは骨を折ったけれども、こういうことになったのだと言われるかもしれないが、せっかくお骨を折られるなら、こういうことになる前にもう少し国会議員たるものは――われわれは知らないのです。そういうことを全然知らない。しかし矢嶋さんなんかにはよくわかっているだろうと思うので、そういうことをしっかりやってもらわぬと、ただ現象的に起きて、その場に行って何とか言われても、私は今後起きないという保証にはなるまい、ぜひ一つどういうような考え方で今後こういうことが絶対起きないかどうか、教育のことは教育の場で解決するという大串な習慣を立てていただくように大臣に大いに努力を願いたいと思います。
○国務大臣(松永東君) 御注意まことにありがとうございます。実はそうしたふうに持っていきたいというふうに思って苦慮いたしております。ただどうしてあんなふうになごやかに話がついて別れられるものが、文部省になだれを打ってスクラムを組んで入るようになって、そうして警察まで入るような不詳事を起すようになったか、こういうことにつきましてはなるほど私もさっきからのいろいろお話し合い、問答を聞いておりますうちに、ははあこういう点が悪かったなあという点もある。それは私は小林委員長と軽石委員長と会って話をしたときに、臨時国会が終ったらからだも少しひまになるから、そこでゆっくり私も研究してあなた方とまた会いましょうよ、そうしましょうよと言って別れた二、三日後のことなのです。だからあのときに小林委員長と軽石委員長にちゃんと了解を得ているし、だから会う必要もないじゃないか、向うもちゃんと了解しているじゃないかといってそのことを言ってくれと私は係の人に話しました。それを実はそれ以外にベース・アップの問題もあれば、年末手当の問題もあるからということはきのう聞いたのです。ただもう最も代表的言葉が勤務評定、勤務評定になっていたからじゃろうと思うのですが、それならばもうちゃんと話してあるじゃないかと言ったことが悪かったとするならば、初めから会ってよくお話し合いをすればあんなこと起らんでなごやかに話ができたのじゃないか、今私はそう考えております。そのことだけをちょっと申し上げておきます。
○矢嶋三義君 このざっくばらんに話が出ているところですから、齋藤参事官の状況報告は私もやはりつぶさに見ていますので、一方的な報告では皆さん誤まってとられるおそれがありますから、私も責任と自信を持って申し上げたいと思うのです。それは千人集まったというのは、私もかつて教師をしたことがあって、群団の数を把握することにはある程度の経験実績があると思うのです。群団の群の字は群れという字ですよ。軍隊の軍の字じゃない。文部省から出ましてそしてどうしても会わなければ帰れぬからと言って向うの舗道上に全部残っておりました。それでともかく会っていただいて一刻も早く解散してもらいたいというので国会の車を飛ばしたわけです。そのときに私はつぶさに見ておりますが、幾ら過大にこの数を見ましても五百とはない。大体四百から四百五十人。千人という数はございません。それから不法に入ったと言われますが、私も責任上あの入口にいる麹町署の署員にどうなんだと言ったところが、やはり面会手続はとって入ったようです、たくさん入ったけれども、合法的に面会手続だけはとって入ったようです。こういうことを、私が尋ねた麹町署員も言っております。ただ内藤さんの部屋のところへ入っていいですかと言って、内藤さんがオーケーと言って入ったか、オーケーがなくて入ったか、それは私は知りませんが、門前におる警察官は入るのは相当数入りましたけれども、違法に入ったものではない、こういうことを私の質問に対しては答えております。齋藤さんは先ほど偵察にきたとかいうような言葉をもって非常に大へんな報告をしておるようですが、私はこれは責任と自信をもって申し上げますよ。それは私はきのうあの事態が起ってから非常に嘆かわしい事態にならないようにと思って関係局、部課長の部屋を飛び回った、とにかく関係局部課長は一切おらない。これはどういうわけですか。私がつぶさに今までの経過からあの日の状況を考えた場合に、この日教組をよりよく導びいていく、間違いがあったら画してもらう、そうして手を取り合っていくという、こういう気持は私は文部省のお役人になくちゃならぬと思う。ところが、それはあるかもしらんが、微々たるものでほとんどない。そして対決という意識に文部省の皆さん方は燃え盛っておる、関係者だけですよ、文部省勤務者の全体がそうだと私は言いません。それで対決をして、そして日教組を抹殺してしまおうという戦闘意識といいますか、築いことではないですよ、内藤さん、あなたがその最たる者だ、私はそう思っておる。確かにそうですよ。われわれが行って円満におさまりさえすればというのではなくて、大部分の人は衆議院の文教委員会があることをいいことにしてみなその中に入っている。さらに裏を返して言えば、これは私はあなたが言い過ぎたというのならばあれですが、自信をもって言います。私の判断では衝突を避けておさめようという考えより、大臣よく聞いておいて下さいよ、あなたの部下は警察権の実力行使をさして、問題を徹底的にクローズアップした方が今後のためいいというような、いつ警察権の実力行使があるかという期待感をもって時間の経過を待っているといっても間違いないですよ。ここに私は問題があると思う。その点私はかっては日教組におった者です。あの人たちとは先輩、後輩の関係かもしれません、同僚の関係かもしれませんしかし私は日教組の言うことすることすべてを支持するわけではない。部外者ですから組合に対して制約はできないけれども、私はときには参考意見は言っておりますが、同心一体ではございません。しかし私はそういう事態にならないようにと思って心配しておるにかかわらず、いやしくも何ですよ、文教の府に勤めている人が警察権の実力行使が一刻も早くあればいいというような期待感をもって時間の経過を待っているというような心がけは断じて私は許すことができない。これは私は自信を持って言うのです。最近の動きからなぜあの関係部局課長はああいう事態が起っておるのにおらないのですか、二へんも三べんも私は二階三階をぐるぐる回ってもだれもおらない。事務次官の部屋はかぎをかけて入らせない。大臣は国会におる。こういう態度というものは私は許すことができないと思うのだが。だから率直に言いますが、私は皆さん方のやることをほんとうに信頼できないのだ。大臣は非常に信頼しています。もう少し信頼できるような公務員になっていただけませんか。私は信頼できんと同時に、笑いことではないですよ、内藤さん、全国の教職員の方々が私はあなた方文部百僚の一部の人を信頼していないのじゃないか。その点私は声を大きくして申し上げておきます。加賀山委員はさすが国鉄総裁をされただけきわめて私は適切なる御意見と思うのですが、よりよき慣行を作ることが大事だということは私はりっぱな御意見だと思うのです。それにからんで矢嶋云々と言われましたが、先ほど申し上げましたように、私は元関係があったかもしらぬが、今は何らの根拠をもった影響力を与え得る立場にないわけですから、きのうの事態でも、文部省で事件が起っているということを初めて知って自転車を飛ばしたわけですから、加賀山さんは何か私が一緒に計画をやったようなあれですが、迷惑千万です。私どもと日教組はそんな関係じゃない。組合というものはそんなものじゃないということを知っていただかなければならん。日教組だけじゃない、他の組合だってそうですよ。組合の自主意識というのはきわめて強固なもので、元役員だから何だったからというのでなくて、これは大会に祝辞を述べさせるのが精一ぱいであって、なかなか影響力を持つことはできません。私は民主団体というのはそうでなければならぬと思うのです。都道府県の教育委員会もそうでなければならぬ。それが私は団体の自主性だと思うわけです。 そこで最後に今のに関連して承わりますが、加賀山さんの御意見、私は非常に適切な意見だと思うのですが、文部大臣どうですか、団体交渉権を与えられた方がいいのじゃないですか。さっき任意団体だから相手にしないとかというような、これは私は刺激すると思うのです。だから、会われるという文部大臣の心がけはけっこうだと思うのです。私は団体交渉権というものを認めて、認められたら共通の広場で話し合っていくという慣行を作ることも大事だと思う。私の知っている範囲内でも、フランスとか、イタリアは教育公務員に争議権を与えられているが、争議権などというものは乱用いたしません。しかしながら、働く教育勤労者としてそういう国の教育公務員は争議権すら付与されている。そしてよりよき慣行によって運営されていっているわけですが、そういう争議権は曲用すべきものじゃないと思う。私はそういう国にならって、教育公務員に対しても、働く人の権利として、憲法に与えられた権利として、争議権を付与し、強力な団体交渉権を与える、こういう私は考え方が加賀山委員の質問を承わっておって必然と出てくるのではないかと思うのですが、そういうことに対する大臣の御見解はいかがです。
○国務大臣(松永東君) 法律にはちゃんと私がさっき申し上げた通りできておりまして、そこで法律に従って私はやっておるわけです。しかし、法律、法律とそんなことばかり言うよりも、今後組合とお互い腹を割って話し合っていこうという初めからの主張の通り私はやっていきたいと、こういうふうに考えております。
○説明員(齋藤正君) 先ほどの私のあれについてちょっと……。 私、矢嶋先生の御議論ですが、一千名いたというふうに申し上げたわけではございません。これは、実は前夜来私たちは一千名以上、一千名以上の方が集団陳情にこられるということを聞いておったということを申し上げたのであります。これはまあ一千名でありましても、かりに半分の五百名でありましても、文部省の管理としてはやはりそういう情勢にあるということは重大なことでございます、管理上重要なことでありますから、私たちとしては所要の準備をせざるを得ないわけであります。 それから私が、これは局長の説明の八時四十五分ごろの侵入が実力でなくて全部面会証によるものだということでごさいましたけれども、これにつきましては、私は見ておりませんけれども、四十五分ごろの状況は先ほど初中局長から申し上げた通りの状況のようでございます。 それから第三の、幹部が部屋にいなかった――それはああいう状況になりますれば、私たちも一カ所にすわってはとても省内の取締りはできません。私自身も実際地方課長の部屋とか、それぞれ飛び回っておって、途中で廊下で先生にお目にかかったような状況でございます。 なお事務次官は、これは出張してけさ帰ってきたような状況でございます。従いまして不在中かぎをかけたのでございまいます。 それから初中局長は、実は十時から衆議院の文教委員会が始まるということでございますので、私督促して出ていただいたような事情でございます。その点は御了承を願いたいと思います。これはなお、私の関係でいろいろな団体の方、教育関係の団体の方の面会、陳情等もいろいろ話をしておりますけれども、私たち教育関係の団体、あるいは教職員の関係の団体というのはたくさんございますけれども、私たちが特に組合の団体の方の面会を数を減らすというがごときは、こういう実情はございません。相当の回数お会いになっていらっしやるのじゃないかと思います。ほかの団体も同様でございますけれども、私たちが特にある団体についてできるだけ幹部にお会いしないようにするとか、この団体だけはするとかというようなことは毛頭考えておりません。実際上考えておりませんので、その点は一つ誤解のないように御了承願いたいと思います。
○湯山勇君 簡単に大臣にお伺いいたしたいと思います。私はただいままでのいろいろな質疑応答を聞いて非常にやはり遺憾に存じます。それは文部省側の御答弁を聞いてみましても、たとえば八時四十五分侵入した、その前夜からもぐり込んでおる、五百人も来るのならば対抗の準備をしなければならない、これでは昔の天保水滸伝のような格好になりまして、まるっきり私は教員と文部省の関係というような言葉じゃないと思うのです。まことにこのことは遺憾だと思うし、そういう考えでやっておられること自体に私は問題があると思います。で、前夜からもぐり込んでおったとか、それから一方の力では私服がちゃんと用意しておった大臣、こういうことは一体どうなんでしょうか、その当面の事態よりも心がまえが違っておるのじゃないかと私は思うのです。で、大臣によく聞いていただきたいことは、私はイタリアへ先般参りましたときに、イタリアの農民がブドウの買い上げ値段のやはり同じような集団陳情で農林省に押しかけておりました。私はちょうどそのときにイタリアの農業の事情について局長と話をしておったのです。ところが局長はちょっと待って下さいと、農民がたくさん押しかけてきておりますからといって、おりていって会ってきますといって、私どもと話ししておったのを一時中断して、来ておるのは公衆の道路です。公けの道路、そこに集まっておる農民に局長がおりていって、そして一生懸命に話をしている、まことに気軽に、そして農民の方もわいわい言っておりましたけれども、とにかくそれで一応帰って参りました。で、今の四百五十人来ようが、千人来ようが、万人来ようが私は受けとめる側の態度が、今のような侵入だとか、対抗して警戒するとか、そういうことでなくて、もっと大臣の言われるような気持でいられるならば、今のような事態はないのじゃないかということを一つ感じます。 第二の点は、警官の問題ですけれども、今のお話しで聞きましてもやはり警官出動の要請を早くから用意はしておったと、大臣がそういうことを知らないのに文部省に警官が入って、教員を引っぱるというようなことは、私は決して軽い問題ではないと思います。かつて私が聞いておりますし、見た問題では、田中文部大信のときにも、大臣室へたくさん入り込んで、まあ大臣のいすをゆすぶったようなこともあったようですし、それ以後特に有名なのは天野文部大臣の当時に、大臣室へも入るし、暁に夜明けに大臣の私邸へ大ぜい押しかけた、警察の方が心配して、自主的に警戒の態勢をとったそうですが、しかし文部大臣は、警官の出動をさせてはいかぬということで、それをとめて、教員に警官が一切さわってはいかぬと言って、大臣が出てきて、何か話をして、ちゃんとそれで終った。これはいまだに私ども印象に残っております。よきこういう文部大臣は、文部省へは警官は入れない、よほどのことでなければ警官なんか入れないのだ。文部省へ来た教職員にそういうことで警官と対抗させるというようなことはさせない。これは私は、従来の良識ある文部大臣のとってきた非常にいい慣行だと思います。そういう中では教員諸君だって自重せざるを得ない。現に今の松永文部大臣の前で不遜な態度をしたり、むちゃなことをしたような例は一つも聞きません。それは大臣の態度が昨日お会いになったときにもそうであったように、現在までとってきた御態度がそうであったように、そういうやはり信頼を受けると思うのです。言ったことを聞いてもらえる、聞いてもらえないは別ですが、聞きいれられる聞きいられないは別ですが、とにかく話し合いはできる、ところが昨日のように、ただビラを張って……、マイクを通じて警告する、聞かなければもうこれで警官を出す口実はできたというので、あらかじめ用意しておった警官の出動要請をして対抗手段をとる、それは私は、かつての天野文部大臣や田中文部大臣、安倍文部大臣、そういう人たちのとられた態度と、今度のことは大臣が御存じなかったことですから、大臣にどうこう申し上げるわけではありませんけれども、ともかくも警官の出動をさせるというようなことを、大臣の知らないところでやらせるようなそういう性質のものではないと思います。そうして今申し上げましたように、それは大ぜい来て困るならば、文部省の中に広場もありますし、それから前の道だってじゃまにならないところもあるわけです。それを面会することを断わって、それで入ったからといって警官を出す、こういうようなことは決して私はいいことでもない、大臣の本意でもないと思います。また今後こういうことがあってはならないと思いますので、私はいろいろ申し上げましたけれども、そういう点について本日の使われた言葉にしても、全くやくざのけんかのような言葉しか使われていない。文部省側の方がこういうことで一体いいかどうか、私は現象の事いかんでなく、根本的な問題があると思いますので、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(松永東君) 湯山さんの御質問はまことにごもっともでございます。こういう問題について先ほどから申し上げておるように、わしは闘争とか侵入とかいう言葉すらわしはいやなんです。使いたくない。しかしながら、その言葉を使わんければならぬような行動に出られたことも、これはどうも遺憾なことだ。しかも人の子供を預かって人格者に育て上げて下さる責任を負うておって、教べんをとっておられる先生方でありますから、これはどっちも反省しなければならぬ、わしはこう考える。従ってお説のようなことのないように、わしはこれから大いに一つ努めたいと思います。 ただ先ほど来、話がるる出ておりましたが、あれだけの役所にだれもいなかったじゃないか、全くどうもいなかったことは、次官は旅行しておられましたが、次官ばかりでありません、だれもほんとうはいなかったのかもしれません。腰抜けばかりおったものだというようにわしは考えておりますが、びっくりしていなくなったのじゃないかと考えております。しかしわしはびっくりして逃げたのじゃありません。しかし、そうしたスクラム組んで堂堂侵入することのないようにしなければならぬ。多少は恐怖感を感ずることはそれは無理からぬ話である。お互いこういうことはないように一つ協力しなければならぬというふうに考えております。
○湯山勇君 大臣、簡単ですから……。大臣の今おっしゃったことはよくわかりますが、問題は警官の出動というようなことは、文部省の中に警官を入れるというようなことについては、大臣の許可も得ないで、ただ残っておる者だけが簡単に処理するような問題ではない。やはりそういうときには大臣の許可を得て、大臣が、それは当然警官の出動を要請すべきだ、こういうときにこそすべきであって、かつて部下の力からは警官の出動という要請があっても、天野文部大臣は断固としてこれを退けたというような事態もありますししますから、警官の出動というようなことについては、大臣の知らない問にそういうことがあるというようなことのないようにすべきじゃないかということを重ねてお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(松永東君) それは私はあとから聞いたことですけれども、しかし、そうした問題の起るときには、えてして、私、大臣の命令を仰ぐとか、意見を聞くとかいう間がない事情があったろうと思うのです。ですから、これはやむを得なかったことと御了承をお願いしたい。とにかく、いずれにいたしましてもあの役所を守っております、管理しておりまする責任者が、これはやはり警官に頼まんけりゃならぬと考えてやったことと私は存じております。 それからさらに、さっき申し上げた、肝っ玉のない腰抜けがおったから逃げた人もあるだろうと私は申しました。それは全部というわけじゃありませんよ。中にはそういう人もあったかもしれぬということを申し上げた。ですから、私の部下が全部さように小胆な、さように肝っ玉のない人間ばかりではないということは、それは私は今あらためて申し上げます。
○湯山勇君 大臣は、昨日の行動について、まあ部下を擁護する立場で、きのうはこうだと、やむを得なかったというような御答弁がありましたけれども、今後の問題を私は言っておるわけです。きのうだって、じゃあのときに警官が来なかったら、文部省の器具がこわれてけが人が出るというような事態でなかったことは、今齋藤参事官の説明でよくわかるところです。そして、大臣がどこかにおいでになっておれは、次官もおったことですから、大臣だって東京から遠方へ行っておるわけじゃなくて、電話でこうこうと言えばその連絡のとれない事態でもないわけなんですから、そういう警官出動というような事態は、よほどのときにしかも、大臣に連絡とれるならば大臣の許可を得るべきだと、私、それが部下としてすべき当然だと思うんですが、それは、きのうの問題をとやかく言うんじゃなくて、今後の問題として大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(松永東君) こういう問題については、将来大いに注意して、こういうことがどっちも再び繰り返さないようにしたいと存じております。
○左藤義詮君 先ほど矢嶋委員の御質問に対して齋藤参事官から、責任の局課長がその席にいなかったということは、連絡のためにあちらこちら走り回ったので一定の部屋におらなかった、こういう御説明だったのですが、それに対して、大臣の言葉じりをつかまえるようですが、恐怖感でおった者が全部じゃないとおっしゃいましたが、私は、一人でもおったとすれば、これは責任あるあなたの部下として大へんなことでありまして、ことに、腰抜けという者が一人でももしおりますれば、私はこれは重大なことだと思うのでありますが、この点につきましては、大臣として部下に対してただいまのお言葉は私は少し行き過ぎじゃないかと思うのでありますが、御所見を承わりたい。
○国務大臣(松永東君) まさに行き過ぎです。それは、私の部下にはそんな者はおらぬと思うておりますけれども、ひょっとすれば五百人もどかどか押しかけて来たから恐怖感に襲われた人もおったかもしれぬということを申し上げた。私は、私の部下にはそういう人がおらぬということを信じております。
○高田なほ子君 私は、この問題を非常に重要に考えているわけなんです。これはもう日本の文教政策の根本問題に触れる問題だと思う。時間もありませんから、くどくは申しませんが、私が伺いたいことは、諸般の所要の準備をしたと、前にそういう情勢があったから所要の準備をしたと、こういうふうに言っていますが、所要の準備ということは警官を配備するということではないかという疑問がある。私は、きのう熱があったために、病床でもって電話で聞いて非常に驚きまして、その後いろいろ情報を伺うたのでありますが、何も、先生方がわあわあ騒いで入るとか入らないとかの前に、すでに警官があちらこちらに配備されておった、ういうことであれば、一体文部省は所要の準備をするということは、警官を配備して、これに対抗して挑発してやらうという、そういう戦闘意識を持ってやっておるんじゃないかというようなことになってくると、これは私はまさにゆゆしい問題だと思う。一体文部省が所要の準備をするというその準備の内容はどういうものか、それから先生方の陳情に際しては、四百人であれ三百人であれ、常に警官が配備されておったものかどういうものか、これからもそういうことをするのか、この点について私は詳しく説明を聞きたい。同時に、文部大臣は、警官の問題についてあまり重要にお考えになっておられないようであります。しかし、事少くとも教育の最高責任である文部省、その文部省内に警官が一歩たりとも踏み入れるべき性格のものじゃ私はないと思う。話し合いで解決がつくならば、話し合いで解決をする努力をしなきゃならない。大臣はしきりに話し合い話し合いと言っておられますが、私の仄聞するところによると、日教組は面会をしたいということをすでに文書で申し入れているにかかわらず、文部省はこれに対して、ちゃんと会うとか会わんとかいう正確な返事をされなかったように聞いている。そこにこの問題の発端があったのではないかと私は思う。私は、どっちが悪い、こっちが悪いということを言うのじゃありませんが、少くとも教職員組合が文書をもってお会いしたいという内容を伝えているならば、こういう事態の起る前にこそ文部省は正式な回答をすきべで、会えないなら会えない理由をはっきりすべきであるにかかわらず、黙っておいて、日教組の出方を待って、前の晩に千人くらい来そうだとなると所要の準備ということですぐさま警官を動員してその席に着かせて一網打尽にやってしまおうというような野蛮な考え方はやめるべきであって、これは断じてわれわれ教育を守る者の考え力として許される所要の準備ではない。一体所要の準備というのはどういうことなのか。それから面会を求めたその文書に対してどういうようなルートを通って正式に回答しているのか。もし文部大臣がこういうことを知らないとするならば、どこのセクションでこういうことを押えているのか。パイプを詰めているのはだれかというのです。挑発者はだれかというのです。文部省の中には挑発者がいるパイプを止めていつでも問題を起すようなのがどこかにおる。私はそのことを聞きたい。
○説明員(内藤譽三郎君) 所要の準備といいますのは、実は面会を求めてきたときに、先ほど大臣がお話しのように、すでに小林、軽石両委員長に会って、両委員長とも了解しているから、会う必要はないのじゃなかろうか、こういうことを向こうに伝えろということですから、私の方から日教組の本部にその旨を伝えたわけであります。それから返事がなかった。そこで、今の集団陳情の問題は、これはすでに前から計画されておる、別個に計画されておると私は情報を持っておる。それで、当日――昨日約一千名の者が動員されるということは前から伺っておった。そこで、私どもの方としては、一千名も来られたら、これは公務に支障があるし、これが文部省の中に入られた場合、廊下その他ですわり込みされても、私どもとしては、一般の地方からの陳情者もありますし、所用の方でたくさんお見えになるのだから、大臣、次官の所を全部廊下を占領されちゃ困る。そういう意味から、門衛を強化して、いつもの守衛がおりそうな所を数人ににして、そうして名前を伺うなり別件を伺うなりしてその警備を強化したわけです。ところが、今お話しのように警官があらかじめ来ておったら、そんなに五十人も百人も一ぺんに集団的になだれ込むことはなかった。ですから、私どもは、集団的になだれ込まれたので、これで警官を要請したわけであります。ですから、この点は、私違うと思う。私どもとしては、前日から私どものきめた方針としては、できるだけ代表者にお目にかかるようにと、こういう意味で、玄関でもみ合いをしたらできるだけ代表者を中に入れるようにということでお伝えしておったところ、そんな状態でない。一ぺんにスクラムを組んで入り込まれてしまってどうにも処置がなかった、私どもとしては面会を拒否することは毛頭考えておりませんでした。代表者には大臣にお会いできるように態勢を整えておった。大臣がお留守なら私どもかわってお会いするところだった。時間がたまたま国会の時間であったために、予定は多分どこかで葉会されて午後に見えるだろうというふうに考えておりました。まさか八時に見えるとは私は考えていなかった。ですから、そこにも手違いがあったのかもしれません。私どもは決して初めから面会を拒否するというような考えは毛頭なかった、この点は御了解願います。
○委員長(秋山長造君) 休憩します。 午後は二時に再開いたします。 午後一時一分休憩 ――――・―――― 午後二時三十四分開会
○委員長(秋山長造君) 午前に引き続き委員会を再開いたします。 教職員の勤務評定に関する件を議題といたします。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○安部清美君 私は十月の文教委員打合会の際にも勤務評定の問題について三、四の質問をいたしたわけでありますが、その際に、私は特にこの勤務評定の問題が過去昭和二十五年から、法が制定されておるにもかかわらず、八年間の長い間その当面の責任者である地方の教育委員会がそれをやろうとしなかった、やらなかった。それには理由があるはずである。こういう点について検討されたことがあるかどうかというような問題について御質問をいたしましたわけであります。その際に、私は長い間、法が制定されておるにもかかわらず、やってこなかった問題を、突如として今回文部省が取り上げて、しかも強力なこれに対する指導を加えようとする考え方が、一面において労働攻勢と機を同じゅうして、こういう勤務評定というような問題をもって校長の権限を非常に強化して、しかもそれを組合員から除外する、一種の組合員に対しての一つの文部省の対策ではないかというようなにおいがするすじやないかというようなことを私は質問いたしました。ところがその際においては、そういうことは毛頭ないというような答弁でありましたが、私はその後の三集会における、校長集会、あるいは教育長集会、あるいは教育委員長の会合あたりにおける局長のそれに対するいろいろの説明、指導の内容等を考えまして、そういう点が私の心配だけではなかったというような感じを強く持ったのであります。で、局長は、勤務評定の問題について強く指導、助言をされたのみならず、それとともに、校長の組合員であることがおもしろくないといったようなことを強く言っておられるようでありますが、私は突如としてこういう問題を取り上げ、しかも非常に強力な指導を加えようとされるそういうふうな意図がそういうふうに解釈せらるるということは、まことに残念ななことだと思うのであります。そうあってはならぬ。もちろんこういう純粋なる教育問題を、政党政略の具に供せられるようなことがあってはならぬということは、これはだれが考えてもそういうことでございますけれども、そういうふうな臭気が今回の勤務評定については感ぜられる。この点について私は非常に遺憾に思っておるのであります。ですからその際において、八年間勤務評定をやってこなかったということについて、文部省としてはその間の指導、助言をどういう形でやってこられたのか、先般のいろいろの集会でのあれを見てみまするというと、あるいは先ほどの局長の答弁などを聞いてみまするというと、過去の教育委員会の制度と、新しい教育委員会の制度とが違ってきております。だから文部省は指導、助言を強力にやると同時に、違反に対しては、一昨日の委員会の場合においては、局長はこれに対する措置要求、いわゆる伝家の宝刀をもってやれるといったような言葉さえもってこれに説明しておられる。私はこういうふうな、過去の教育委員会においては指導ができなかった、十分指導をされなかった、今側の新しい教育委員制度になって、そういうふうな強力な指導をやってこられるというようなことはまことにおかしなことだと私は思う。ですからまず、過去八年間における文部省の勤務評定に対する態度及びそれに関してどういう指導、助言を加えてこられたか、この問題をまず局長にお伺いしたい。
○説明員(内藤譽三郎君) 勤務評定につきましては御承知の通り、すでに国家公務員については実施いたしております。文部省みずから実施し、また国立学校につきましても実施するようにいたしております。こういうような準備を進めて、地方の教職員についても、地方公務員法に定められております、また地方教育行政の組織及び運営に関する法律でもきまっておりますので、できるだけ一日も早く勤務評定を実施し、法律違反の事態が起きないように、文部省は強く念願しておるのであります。これは別に教育委員会法が改正になろうとなるまいと変らぬ態度でございます。で、文部省が法律違反の事態を放任していることが、私はかえって国民のために相済まぬと思う。法の執行をあずかる当局としては、法が守られるように指導もし、助言もするのが私は当然の責務ではないかと考えております。
○安部清美君 私が質問しておりますのはそういう点だけではなくて、八年間の間そうした意味での文部省の責任が一応あるとするならは、どういう指導と助言を今までやってこられたか、それを承わりたい。
○説明員(内藤譽三郎君) 今まで国立学校の勤務評定を制定いたしまして、地方にもこれに、こういうものを参考にされるようには流しております。しかしながらなかなか地方の教育委員会でやむを得ない御事情もあったのではないか、今日までやれなかったということは、私は一つは文部当局の怠慢も責められてもいたし方ないと思います。私どもとしては、法律に規定されたことが一日も早く実施されるように強く希望しておるだけでございます。
○安部清美君 その間において地方の教育委員会からこの問題に関して文部省に指導を依頼してきたという事実がありましたらお示しを願いたい。
○説明員(内藤譽三郎君) すでに県立学校では静岡その他七、八県が実施しております。もちろん文部省に御相談がある場合もあります。小、中学校の場合には愛媛で実施しております。昨年実施されたものについて文部省の意見をお聞き下されば、私は喜んで御指導もいたします。なお、教育長会議は、これは昨年来ずっとこの問題についていろいろ研究もしていただいて、私ども人事管理上にどうしたらいいかということが教育長会議でやはり非常に問題になり、教育長会議で昨年の会議でも勤務評定をやって、人事管理の適正を期すべきだという意見が非常に強かったわけであります。私どもとしてもできるだけの御援助はいたしたい、かように申しておったのであります。特に最近の教育長会談あたりでは特にこの問題を大きく取り上げて検討を進めて、第三部会を中心に検討を進めているようでございます。
○安部清美君 いや、私が言っているのは新教育法になってからのあなた方の態度というのはおおむねわかるのです。しかしこの法が制定された二十五年から、旧教育委員会法によっても、これは当然やらなければならないものとあなたのお考えでいくと考えられる。その間において、ことに法が生まれた当初において地力教育委員会――いわゆる当面の責任者である地方教育委員会から文部省に対して、これに対する指導、あるいは助言を求めたことがあるかどうか、それを承わりたい。
○説明員(内藤譽三郎君) もちろん前の教育委員会制度のことでございますので、私も詳細に記憶しているわけではございませんが、すでにこの新教育委員会になる前から実施しておる県が相当ございますので、それについては文部省にも御相談があったことと思います。
○安部清美君 答弁には少し不満でありますけれども、まあそういうふうにお考えであればそれでいいとしまして、その間において地方のいわゆる勤務評定の当面の責任者である教育委員会からそうした積極的な指導と助言を求めない。なおそれについてはほとんど勤務評定をやった県はなかった。こういう状態にあって急速に最近になってそういう指導をあなた方の方でやろうとなさり、その過去においてそういう実態であったという原因をどういうふうに分析しておられるのかどうかということをはっきり承わりたいと思います。
○説明員(内藤譽三郎君) 一つは、今も教職員の諸君が――組合が反対していますように前から教職員組合は勤務評定には反対しておることは私は聞いております。これがやはり一番大きな原因ではなかったかと思います。
○安部清美君 地方の教育委員会の制度が新教育委員会の制度に変ってきた。同時に、過去においては教員組合の圧力が強かった。だからそういうことができなかった。こういうふうにお考えになっておると私は今の答弁では感ずるのでありますが、私はそういうふうな分析ではこの勤務評定というものがなぜ今日までやられなかったか、ということには私は適当でないと思う。それは、私どももその当時の責任者でありますが、勤務評定をやらなかった、あるいはやれなかったということには、それぞれ各県において事由があってのはずである。そういうものをはっきり今回文部省は分析して、把握して、そうして新しい教育委員会法による、しかもそうした勤務評定というものを積極的に指導なさろうとするならば、そういう腹がまえをなさらねばならぬのではないかと私はまず感ずるのであります。 次にお伺いしたいのは、この文部省がお考えになっているような勤務評定がなければ十分なる人事管理はできない。先般の局長の言葉をもってすれば、勘と情実の人事しかできないというふうにおっしゃっているようでありますが、じゃ過去における各県における教育委員会の人事はそういう形において行われたとお考えになっているのかどうか、承わりたいと思います。
○説明員(内藤譽三郎君) 私どもは人事管理を適正ならしめるためにはできるだけ科学的な資料が必要であると考えているのであります。科学的な資料というのは、結局法律に定められているところの勤務評定を実施することが最善の道である、かように思うのであります。もし勤務評定が、それじゃないならばどうするかというお尋ねでございますが、この場合にはやはり形式的な基準を作らざるを得ないと思います。たとえば年令で制限するとか、あるいは収入で夫婦共かせぎ四万五千円とか、こういうような形式的な基準を作るとか、あるいは勘と情実、あるいは記憶というようなことになりがちだと思うのであります。私は過去の人事が全部まずかったとは思いませんけれども、しかしそういうような不合理な人事行政はできるだけ避けていき、合理的なより科学的な人事行政にもっていきたい、こういう念願をしているのであります。
○安部清美君 私は先般もこの問題について一、二私の所見を述べておいたのでありますが、過去における人事管理が、今日文部省で考えている内容というものがはっきりわかりませんけれども、おそらく先般出されました文部本省の勤務評定規程、ああいうものに類するものを描いておられるのじゃないかと思うのでありますが、ああいう種類の勤務評定――科学的なものだと称せられる勤務評定によってやられる人事と、過去においてやりましたいろいろの人下等に私はそう大きな差等はないのじゃないかと感ずるのであります。というのは、大臣もしばしば先般来御答弁においておっしゃられておりますように、人間評定のむずかしさというものは、これはいろいろ分析して、それを総合して、そうして平均点を出したものが、それが人物の評価である、こういったような考え方では人間評価というものは容易にできるものではないと私は思うのであります。たとえば大臣が文部省の川課長、あるいは文部省のたくさんの人々を一応評定をなさるといたします。私はおそらく大臣が、あなた方は、局部課長を、今度出されました文部本省の勤務評定規程によってああいうものさしで評定はなさっておられないと思います。おそらくは毎日のそれぞれの行動、あるいはそれぞれに起ってくるいろいろの問題を総合されて、こういう人物である、こういう成績であるということを考えられているのじゃないかと思うのであります。この点については私は大臣、実際やっておられるかどうか知りませんけれども、そういうふうな考えを私は持っている。で、人物評定というものの非常にむずかしい点はここにあると、等観的資料の少いもので人物を評定するということは非常に困難な問題があると思う。それを科学的なああした資料だけで分析して、そうして点数をつけて、これを合せて平均して、この人物はこういう成績であるといったようなことが、果してその人間全体を評価するものであるかどうかということについては、私は疑問があると思うのであります。ですから過去においてやって参りました人事管理というものは、おそらく私は一学校の校長がその学校の十名、二十名の職員を評定しておらないということは言えないと思う。校長は毎日職員を評定しておる、評価しておる、評価しなければ学校経営はできない。その毎日評価しておる、文書に書けない一つの総合されたものというのが、これが私は今までの一つの評価であり、評定であったと考えるのであります。これをいろいろの面で分析して科学的だと称せられるものであることが人事管理をよりりっぱなものにするということについては、私はどうも賛成できない点があるのであります。この点についてなお大胆の一つ御所見、並びに局長の御所見を聞きたい。
○国務大臣(松永東君) これはもう毎度申し上げている通り、あなたの御説の通り人物評定というものは非常にむずかしい、看貫にかけて目方を表わすというわけにはなかなかいかぬ、非常にむずかしいことであるということは、毎度申し上げているわけであります。むずかしいということはわかっておりますけれども、すでに法律で規定してあります。従って当局者といたしましては、それをやらんけりやなりません。やらんけりゃならぬのであるが、その内容、その基準、それをどうするかということについて、研究に研究を重ねて今日に至っているということは、毎度申し上げている通りでございます。その点御了承いただきたいと思います。
○説明員(内藤譽三郎君) 安部委員のお話を伺ってみましても、私どもは何らかの形のエバリュエーシヨンは必要だ、人間社会に住んでいる限り、必ず評価というものは私はあると思う。この点はあなたもお認めになっていらっしゃると思う。結局どういう評定の仕方がいいか、私どもが科学的、合理的と申しているものと、あなたのお考えのものが一致すればいいのではなかろうかと私は思うのです。で、国立学校の例を出されたけれども、あれも一つの例でございます。私ども決してあれが満足なものとは考えていないのでございますが、ですから何らかの形でより合理的な、そうしておっしゃるような意味の全体を把握できるような勤務評定、こういうものができれば私一番いいと思うのです。それを私どもどうしたらいいかということで非常に苦慮しておるわけなんです。何か形式的な画一的なものさしだけでやろうとは考えていないのであります。できるだけその教職員の現場の実態に即応したよりよいものさしを作りたい、この点が一番私どもが悩んでおるところなのであります。
○安部清美君 私が言っておりますのは、そういうふうなものさしを、あるいはそういうふうな記録を固定さしたものにして、そうしてそれで人の、あるいは先ほどのあなたの御説からいいますと、人事管理どか、極端に言いますと人事移動、あるいは昇給、昇格とかというようなものにそれを使うとするならば、私はそれは非常に危険性があるということを感じているのであります。ですから特に御承知のように、教育の評価というものは、短かい目でこれは評価できるものではない、先生の値打ちというものは、私がここで申し上げるまでもありませんが、極端に言いますと、卒業いたしました生徒が、過去の先生のわれわれにいろいろ教育をしてくれたその実績を振り返ってみて、初めてその先生の真の評価というものはできるのじゃないかと私は思うのです。短かい期間に、しかも単一なものさしで教師を評価するということは、問題が教育であるだけに非常な危険性があるというふうに私は感ずるのであります。ですから私は、極端に申しますと、法は定めておりますが、八年間も法が実施できなかった現実を考えて、この法は修正すべきである、勤務評定は必要はない、いわゆる文庫に書いた、固定した勤務評定は必要はないのだというような私は考えを持っているのであります。で、この点については、なおいろいろの問題点があるだろうと思いますけれども、私はそういうふうに勤務評定のこのむずかしさから、またいろいろ御検討になっているということですけれども、われわれが見せていただいてこれはけっこうだというような勤務評定というものは、私はおそらく出てこぬのじゃないかというふうに感ずるのであります。この点について私は、勤務評定を長い間やっていないのですから、やってこなかったという事実に立って、法の修正でもやるべきであるというふうな考えを持っておるのでありますが、この点についてはどうでありますか。
○説明員(内藤譽三郎君) 私どもは勤務評定というものはやった方が職場の能率を上げると思うのです。たとえば学校の先生が子供の評価をされる場合に、ほんとうにいい先生は、子供を評価して、それのいい面を伸ばし、悪い面を矯正していくという点にあると思う。この点は人事管理の上でも私同じだと思うのです。役所の行政でも、私どもが部下の職員についてそれぞれ勤務評定いたして、悪い点を直させ、いい点を助長させていく、こういうふうにして指導していくことが必要ではないかと思うのです。ですからこれは私は、教職員といえども例外ではない、同じだと思います。そのことが職場の能率を増進させるゆえんだと思うのです。ただ御指摘の点はものさしの問題だと思うのです。そのものさしをなるべく教育の現場に即応したものにする、ここに問題があると思うのです。勤務評定自体が不必要だという議論は非常に行き過ぎじゃなかろうか、もしかりに勤務評定を全然しないというならば、六十万の教員の人事を一体どうして扱われるのか、非常に私どもはかえって不安と焦燥にかられると思う。かえって教育の現場が混乱すると私どもは考えます。
○安部清美君 勤務評定をしないと人事が混乱するであろうというお話でありますが、じゃあ過去八年間勤務評定をしなくてもやはり人事管理もやってきておる。私は福岡県の教育委員長をしておりましたが、われわれは勤務評定なしでそう下都合な人事をやったとは思っておりません。ですからそういうことをやることについての教育界の混乱といいますか、マイナスといいますか、教育界における一つの特殊性からいった問題点があるということから、私は先ほど言ったように、こういう法については修正をしてもいいのじゃないかということを言っておるのであります。その問題はしかし一応、水かけ論でありますからこの程度にして、もう一点だけ伺いたい。 文部省は先に文部本省の職員の勤務評定の規程を出されて、すでに国立学校でもこれを実施しておるのですが、局長は先般来この評定については自分としても不満を持っておる、こういう御答弁だったと思うのであります。昨日田中参半官のお話を聞きますと、この評定は文部省の省議にかかって大臣の決裁を経てやられた、何時にその際においては、これは評定としてはよろしいということで出されたということが、矢嶋委員かの質問に対しての田中参事官の答弁であったと思うのです。そういたしますと局長は、その省議にもお加わりになっておるはずでありますし、適当だと思って国立学校においては実施されておる。だのに、この評定については自分は不満を持っておるという先般の答弁でありましたが、この間どうもわれわれにわからぬ点がある。文部省内における一つの、各それぞれの分担でおやりになるにしても、一応省議にかけて、大臣の決裁を経て、まことにりっぱなものとして出したものを、また他の面の局長が、おれは不満であるとおっしゃるということについては、どうも私どもにわからぬ、またはなはだけしからぬことだとも思う。 なおまた、さらにもう一点伺いたいのは、これは不満な点があるとおっしゃるのですけれども、私ども規程を一応読ませてもらいましたが、どういう点が局長は不満と思っておられるのか。これでは物足らぬ、これでは行き過ぎだ、こういう点はやりにくいとお思いになっている点をあげて御説明を願いたい。
○説明員(内藤譽三郎君) 何か私がそのものは必ずしも満足しないからといって、けしからんとおっしゃるのは、かえって私はおかしいと思うのです。人間の作ったことですから、私、どんなものでも最善ということはあり得ないと思う。ただ国立学校についてはすでに実施しているのです。十項目で実施しておる。非常にこれが厄介でかなわぬという現場の意見が強かったのであります。それでこれを簡素化しようというのが今度の改正案です。しかも期日が九月一日から実施するという、期日が迫られておる。きまっておる。こういうような情勢下においては、私は最善であったと思っているのです。しかしこれが勤務評定として最高であり、最善のものだと私は考えていない。ですから、将来これを直すときに私ども今地方の教職員についてやっているから、もっといいものができたらまた直そうという約束のもとに、まあその当時の状況として私どもは適当であると、かように考えたのであります。これが最善だという意味じゃない。こういう意味でございます。
○安部清美君 どうも、答弁としては、私の方からいってもおかしいと、省議にかかってですよ、そうして最善と思われたのでしょう。最善と思われた。そのときはこれが最善のものであるということで認められて、大臣の決裁を得ておやりになった。そうじゃありませんか。私はそういう考えのもとに立って、あなたの前に御発言なさったように、自分としては不満な点がある、まだ満足すべきものではないというようなことの発言は、私はどうもおかしいと思うのですよ。少くとも今度いろいろ問題になっている勤務評定は、当面の企画の責任君は教育委員会ですね。それに対する文部省の指導、助言、国立の分については一応文部省が主体になっておやりになる責任者なんですね。それが最善と思わないものを、物足りないとか、あるいはどうも自分としては満足のいかないものというもので実施される。実施した上で不備な点があったら、逐次価していこうといったような、私は、考え方では、これはいかんのじゃないかというふうに思っている。ことに大臣の決裁を経て、もう現在実施しておる状況でありますが、私はそういう考え方で勤務評定というものを、もしそういうものをお作りになって実施されるにしても、やられるということについては非常に問題点があるというふうに考えるのであります。この点についてなお……。
○説明員(内藤譽三郎君) もちろんこの点は省議でもずいぶん検討したのです。検討した結果、まあこれで落ちついたわけです。しかし私どもとしてはこれがその当時としては適当であると、まあ前のものより数歩前進して、改善された、こう思っております。しかしながら初めて作る勤務評定じゃない。あまりに現場の実情というものに急激な変化を与えて現場を混乱させることは、これは私はよくないと思う。ですから、頭に描いた理想案と現実に実施する場合の案とは、私はそこに違いがあると思う。あるのが当りまえだと思う。で、地方公務員特に教職員については今度新たにさら地に作るわけです。ですからその場合にこうもしたい、ああもしたいという、今までのいろいろ研究の成果があるわけです。ところが国立学校の方においてはすでに実施したのをさらに改善するという前提があるのです。この前提下において私はこの国立学校の分が前提が違うのです。(「そこの前提が違うのですよ」と呼ぶ者あり)前提が違うから国立学校の分についてはそれが適当だと……、地方公務員についてはこれは全然新しいものを作るからその点が違ってくる、こういうことです。
○安部清美君 おかしな答弁だと思うのです。ですが、いろいろ問題点はまたあとで問題にされると思いますが、国立学校の中、小学校ですね、高等学校、中、小学校それと公立の中、小、高等学校、これは大体教育の画については大体同じなんですね。ですから同じ勤務評定を――教育の実態というものは私は同じだと思う。そういう面からいって考え方についておかしな点があると私は思う。今の勤務評定の問題につきましても、一方は今までやっているから、こういうことで、一方は新しくやるのだからこうだといったような考え方は、私はおかしいと思うのです。ですが、まあこの問題については私はなおあなたのお考えになっている国立学校の、今度お出しになった評定の、どうも自分としてはおもしろくないと思われる点をお出しいただいて、そうしてそれについていろいろ私ども検討してみたいというような考えを持っておったのですけれども、今の御答弁ではそういう点についてはお出しになる意図もないようでありますから、私は率直に、先般来議員の各位からいろいろお話があるようでありますし、また大臣からも慎重に検討している、各方面の意見を聞いて慎重に検討しているというお話でありますが、私は率直にこういう問題についてはこういうふうな過程を跡んで今こういう状態にあるのだ、私はこう思っているというあなた方の考え方を、現在はっきりお出しになって、そうしてそれをいろいろ検討し、意見を加えてやっていくことが大切なことだと考える。何だかずっと伏せておいて、そしてそれをでき上ったらぱっと出してしまうといったような印象を非常に強く受ける。私はそういうことであってはならんと思うのです。この点については先般来も松永委員からいろいろ質問があり、大臣からも答弁になっていたようでありますが、私はこの点については、さらに大臣がお考えになっているような各層の意見を十分お聞きになって、そうして前もってよくわれわれともお打ち合せになってお出しになる必要があると思うのであります。この問題については、さきにもいろいろ論議されましたから、私は一応この程度で質疑を打ち切りたいと思います。
○湯山勇君 大臣にお尋ねいたしたいと思います。私は専門的な言葉はわかりませんけれども、法律の中にはあたたかい法律と冷たい法律と、そういうものがあるのではないかと思います。勤務評定というものは大臣が昨日私に対してお答えいただきましたように、信賞必罰の中では信賞の方である。その中には必罰というようなものは含んでいないのだ。そういう精神は含んでいないのだ、こういう御答弁をいただきました。確かに法律の中を読んで見ましても、国家公務員法第七十二条におきましても優秀な者に対する表彰、それから不良な者に対する矯正、こういうことがちゃんと書かれてございます。そうして能率の向上をはかっていく。これはたとえて言えば教職員に対する健康管理、健康診断のようなもので、体の弱い者はたとえば要注意、注意をせよ、そして早く元気になれ、それ以上悪い者は一定の期間休養させる、あるいは休職させる、こういうふうなあたたかい措置をとられるための、この勤務評定というものである。この中には決して昇給させないとか、これによって首を切るとか、そういう要素は含んでいないというように考えておりますが、大臣のお考えを重ねて承わりたいと思います。
○国務大臣(松永東君) 私も湯山委員と同じような考えを持っております。従ってこの勤務評定によって不良であるとか、これはどうしても職務にたえられないというような者は、御説の通りさらに研究を重ねさせる、研修を積ませる、あるいは御説の通り不健康な人は病院に入れてからだをなおす、こういうふうにしなければならぬのじゃないかと思います。さらにその不良な者についての必罰の規定は、この規定以外の一般規定にあると私は心得ております。従ってわれわれの目ざすところの勤務評定は、すなわち優秀な成績を上げた人、りっぱな人格者、そういう人をなまけておる人と同列に置いて、同列に昇給させる、同列に給与させるということはこれは不平等じゃないか。であるからその実績に暴いて平等な取扱いをするということが勤務評定であるというふうに心得ております。
○湯山勇君 大臣の御答弁は私は全く満足できます。私の考えておることと全く一致しておると思います。ところが、内藤局長の昨日の答弁はこれをもって信賞必罰、必罰にも使うということをはっきり言っておりますし、大臣が今おしやったように、これによって昇給させないとかどうとかいう別の規定があります、確かに。それは地公法の二十八条にしても、あるいはこれは国家公務員法じゃなくて、給与法の第八条の6に明らかに勤務成績の悪い者は昇給させない、成績の悪い者を昇給させたら、よくない者を昇給させたら、これは法律違反だという別な規定がございます。だから私は大臣のお考えの通りだと思うのですが、にもかかわらず昨日内藤局長は、勤務評定をやらないから一律昇給が行われている、はっきり言っております。そして本日の新聞の中には悪平等だというようなことを言っておるし、昨日局長の発言の中には勤務評定をやらないからそこで夫婦共かせぎのものはやめるとか、一定の年令になったらやめさすというようなことがあるので、勤務評定をやればそういう夫婦共かせぎとか、一定の収入とか、あるいは一定の年令とかのものはやめさすのじゃなくて、やはり勤務評定によってやめさすものを作るのだということを言外に含めた発言をしております。これは勤務評定の精神を全く没却した答弁であって、大臣のお考えと局長のお考えとは非常に違っておるということを、私は昨日から指摘して参ったのは今の点でございます。大臣は明らかに今の昇給させないとか、あるいはやめさすとかいうことは別な法律の規定があるのだ、この法律は健康診断と同じような意味で、からだの悪い者は保養所に入れる、入院させる、あるいは宿直を免除する、そして一日も早く元気にする、こういうあたたかい法律である、局長の言うのは今のような点が非常にしばしば見える。必罰というのは言いそこないじゃなくて、局長の言っていること、考えていることの中にはそういう要素が多分にある。これが問題だということを指摘して参ったのでございますが、大臣、昨日からの局長の答弁をお聞きになって、そういうことはお感じになりませんでしょうか。(矢嶋三義君「どっちがほんとうかはっきりしてもらいたい」と呼ぶ)どちらがほんとうか……。
○国務大臣(松永東君) 私は今、湯山さんの仰せになりました、御質問のうちにあった、要するに不良でどうしても使い道にならぬとか、あるいはもっと研究をさせんけりゃならぬというのは、これはやはりこの勤務評定の中で研修の方法を講じたり、それから健康診断によって悪い人を病院に入れたりする道もこの勤務評定の中で講じられると思います。それと、必罰という意味はこれに加罰をするという意味でなく、やはりそうした、今言ったような研修をさせるとか、あるいは研究をさせるとか、ことさらに悪いのは昇給させないという法律は別にもありますからして、やはりそうした意味のことを局長が言ったのじゃないかと思います。私の言う意見と局長の言う意見とは違わないと思うのですが、私はそういう考えで申し上げておる。局長の意見は私と同じ意見だと思うのです。
○湯山勇君 それでは大臣にお尋ねいたしますが、この勤務評定によって昇給させない者ができる、こういうことがございますか。
○国務大臣(松永東君) そういう点を研究しておるのですよ。それは、今そうした細則にわたっての問題をどうするかというので相当研究しております。しかし大体においてこの勤務評定では、私どもは今申し上げた通り、相当実績を上げたりっぱな先生を引き上げるのはどうするかということが重点になっておる、こういうふうに私は考えております。
○湯山勇君 大臣よくおわかりになっておるようでちょっとわからぬところがあります。それは特別昇給の場合はいいと思います。しかし一般昇給ははっきりほかの法律できめられております。そこでその中には良好な成績で勤務した者でなければ一般昇給させてはならないと、こういう規定がございます。従って現在まででも、今日ただいままででも勤務成績の良好でない者は昇給さしてないはずです。もし文部省で勤務成績の良好でない者を昇給さしておるとすれば、それはそのことが法律違反です。ところが今出されておる、八月十三日に通達して出されておる国家公務員のこの勤務評定では、もし勤務成績が良好でない者を昇給させないということにすれば、つまりこの勤務評定を一般昇給に使うとすれば、勤務成績の良好でない岩は六〇%以上になります。これは法律の建前が全然違うからなので、おそらく文部省においても国立大学においても昇給に勤務評定――評定という言葉は悪いですが――昇給のための勤務の評定と、それからこの能率向上の勤務評定とは別個なものでなければならないと思いますが、別個の勤務評定をしていなければならないと思うのです。これについては人事参事官はどういうふうにしておられますか。
○説明員(田中彰君) 特別昇給につきましては、御承知の通り勤務評定がAまたはBでなければならんということは明瞭にうたわれておるわけでございます。定期昇給につきましては、特別に勤務評定そのものとの直接関係は給与法上はございません。勤務成績良好なる旨の証明をつけることによって定期昇給を実施しておるわけです。この場合の考え方としては、勤務評定は人事院規則にもうたっておりますように、公正な人事の基礎資料の一つということでありまするから、きわめて重要な参考資料になるということはあろうかと存じます。
○湯山勇君 ですから、この評定で定期昇給をやることはできないわけでございましょう。田中さんに……。
○説明員(田中彰君) ただいま申し上げたように、この勤務評定それ自体と、定期昇給とは直接関係はない。しかし勤務成績が良好という証明が得られませんければ定期昇給は行い得ないと、しかもその場合に勤務評定が重要な人事行政の基礎資料の一つになるということでは、あるいは関係が出てくるのではないかと考えております。
○湯山勇君 そういういいかげんなことで濁さないで、物事をはっきりしなければならないと思うのです。それは、一般昇給の場合の勤務成績良好であるという証明は、これとは別の観点でやらなければならない。別な評語がつくわけでしょう。ですから、大臣お聞きのように、この勤務評定は、能率をよくするための勤務評定で、昇給のための勤務評定という言葉は使えないにしても、そのためには、やはり監督者は別な勤務成績を評定しなければなりません。そうしないと、成績良好という証明ができないのです。機械的にどれでも良好というわけじゃなくて、やはりこれは勤務成績良好であるという証明を監督者がしなければできない。これは別な法律でちゃんと規定してあるのです。そうすれば、この勤務評定で、悪平等だとか、一律昇給を防止するというようなことは、これはあり得ない。ですから、今大臣がこれをどう使うかというようなことでなくて、それとこれとは別だ。一般昇給の勤務成績良好か良好でないかをきめるその立場と、それからこの勤務評定、能率向上のためのこの勤務評定とは立場を異にしているということを大臣がお認めいただければいいと思うのですが、いかがなものでございましょう。
○国務大臣(松永東君) 私は、この勤務評定は、そう別個に幾つもこさえるものじゃないと思う。その勤務評定によって能率向上にも資することができれば、昇給等にもそれによってやることができる。従って、勤務評定そのものが、直ちに昇給になる、あるいは直ちに給料を増すとかいうことじゃありますまいけれども、一般規定にやはりそれが影響を受けることは間違いないと思います。
○湯山勇君 常識論じゃなくて、これは大臣に対してえらい失礼ですけれども法律論で今私が申し上げておるわけです。勤務評定に二通りもないのだから、勤務の評定というものは一つで行くんだということになって、今の国立大学に文部省の中で行われているのをそのまま昇給に使ったとすれば、勤務が勤務評定で普通と言われたものは、もう普通昇給の資格はありません。勤務成績が良好な者とはっきり書いてあるから、給与法には。そうすると、普通というのは、良好でないわけですから、これは昇給の資格はないわけになります。法律でそうなっておりますから。そういたしますと、文部省の役人の中でも、国立学校の教職員の中でも、この勤務評定がそのまま使われるとすれば、大割は昇給の資格がなくなります。イ、ロが四割以上でありますから、イは特にすぐれている、ロはすぐれている。ですからこれは良好と認めなければなりません。その次は、普通ですから普通は良好でない、論理的には普通という証明は昇給の対象にはならないのです。そうなって参りますと、これは非常に問題になってきますし、そして、給与法第八条のと著しく背反して参ります。これは大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(松永東君) 私の考え方は、今申し上げたように、勤務評定で一応勤務が評定される。それをやはり一般規定の上で参酌して、そうしてやはり能率もしくは昇給等にも判定の資料に差し上げられる。こういうふうに私は考えております。今仰せになりました普通という判定を受けた者はずっと昇進することができないじゃないかというような仰せですけれども、普通でも、やはり六ヵ月とか一年とかいう年期々々に昇給をするのですから、そういう場合には、やはり普通は、良好なら良好と同様に取り扱えるのじゃないかと考えます。なお、その点について、詳しい今日までの例を知っておられるのは内藤局長であると思いますから、内藤局長から答弁をいたさせます。
○説明員(内藤譽三郎君) これはきめ方だと思うのです。お話のように、勤務評定では、科学的な資料を出すだけでございます。その資料の使い方は、先ほど来議論されておりますように、一般法規の方でいくわけです。この場合、お話のように、一定の期間勤務成績が良好なる者に対し予算の範囲内で昇給させることができる、こういうふうにあるわけです。ですから、勤務成績良好という判定をどの辺でするかという場合に、その普通という、普通というからには良好と見る、こう見れば私は差しつかえないと思うのです。そのための基礎資料だというふうにお考えいただきたい。
○湯山勇君 違うのですよ、内藤さん、あなたの言うことは。やや劣っているというのはどうですか。この勤務評定でやや劣っているという者はどうなりますか。それがまさか良好とは言えないでしょう。
○説明員(内藤譽三郎君) ですから、これは先ほどから申し上げているように、基礎資料の一つだと、もちろんほかの要素もあると思う。昇給の場合の重要なる基礎資料にする、こういう意味ですから、やや劣る。予算の点も見合せて、やや劣るという程度のものなら、その劣り方にもよると思うのですけれども、この辺のものは救おうというならそれは救ったってよいのではないかと思います。
○湯山勇君 実に恐るべき論理です。あなたは給与法をよく読んで下さい。勤務成績良好であるという証明がなければできないとちゃんと書いてある。任命権者が勝手にやって、劣っていると書いてあるけれども、これは良好と認めよう、これは認めまいと、そういうものじゃありませんよ、法律というものは。法律に従ってやる。法律にあったから勤務評定をやるということを終始言っておりながら、今そう法律を無視したような発言をされるということは、私は心外です。文部省では、お伺いいたしますけれども、この勤務評定と別個のものが、昇給のときの成績はできておるのでしょう。これとおんなじものを出しておるのですか。昇給のときの勤務の成績、は、別か同じか、ちょっとそれだけ伺います。
○説明員(内藤譽三郎君) お話が、私の発言に関連しましたからちょっと申し上げますけれども、勤務評定は必ず私五段階でなければならぬとも考えていない。今お話を聞いていますと、五段階をとった場合に、A、B、C、D、Eと、こういうお考えなんです。これは、必ず五段階をとるかの、あるいは三段階で、いいものと普通と悪いものと、こうするか、これは別にきまっているわけじゃないと思う。どういう形をとるかということは、今後研究していい問題だと私は思うのです。その場合に、今お話の……(「人事院規則に書いてある」と呼ぶ者あり)いや人事院規則は知っていますよ。三段階にするか、五段階にするかというのは検討する余地が私はあると思う。そういう意味で、今お話の五段階にしたら、なるほど劣るというのが出てくるわけですよ。やや劣るのが。それから五段階でも、いいものと悪いものと、まん中を三つに分ける手もあると思う。まん中の普通の中の上、中、下と分ける手もあると思う。だから、普通のものは、この辺までは良好と見てよかろうじゃないかと、こういう判定も私つくと思う。今のお尋ねの五段階のは、人事院か定めたのを基礎にしたお話なんですか、私どもとしては、今のやり方が最善だとも考えていない。
○湯山勇君 何の答弁をされたのかわからないような答弁ですがね。私が今開いているのは、国立学校に実施しておる文部省の案で言っておるのです。側にも人事院のことを言っておりはしません。それにはちゃんとそういうふりに書いて、それからすぐれている、符にすぐれているというのは四割を越えちゃならない、こうなっている、それを申しておるので、それから大臣の常識論ではなくて、私は今言う通り文部省だってこの勤務評定と別個に、昇給のときの評定はしておると思います。そうしなければ良好だという証明はできないのです。だから昇給のための勤務成績はこうこうだ、人事院でもちゃんとそれに対する通牒も出ている。これこれ以外は良好だ、こういうのが出ています。ですからそれとこれとは別なんです。これがなければ昇給ができないというようなものではないと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(松永東君) それはお説の通り、その勤務評定がなければ昇給がさせられぬとか何とかということはないと思う。しかし、よりょく判定させるために、今の勤務評定をこしらえて、そしてそれを参考にするのだというふうにわしは承知しております。
○湯山勇君 これは表現が非常にむずかしくて、私も大臣に納得のいくように説明がここでできないのは非常に残念ですけれども、局長や人事参事官はよくわかっておられて変な答弁をしておられると思います。それは勤務成績が良好であるという証明がなければ昇給さしてはならない。これはもう法律で明記されておることです。だから、やや劣っているが、勤務成績良好の証明にかわるのだというようなことは、そういう性質のものではありません。はっきりこれは良好だという証明がなければできないのですから、そういう任命権者が勝手な選択は、そのことに関する限りはできないのです。そうして文部省へお出しになるのも、おそらく普通という人の分も、やや劣っているのも、ときには勤務評定で劣っているとなっているのでも昇給のときには良好ということで出しているはずです。おわかりでしょうか、大臣。だからこれとそれとの関連は、評定者はどちらにしても校長ですから、昇給のときに見る見方と、このときに見る見方とが、そんなに違うものではないと思います。そういう点における共通点はあるにしても、法律の条文と、それから規定そのものの性質の上からのつながりはないはずです。そういうことにならないために、私は最初大臣にあたたかい法律、冷たい法律、こういう意味で大臣に基本的な考えをただしてお聞きしているのはその点なんです。おわかりいただけたと思うのですが。
○説明員(内藤譽三郎君) ちょっと感じましたのですが、今のお尋ねは基礎資料なんで、先ほど大臣も、それをそのまま使うのじゃない。つまり、かりにA、B、C、D、Eとあった場合に、Dをすぐにそのまま、これをもって昇給に使うのではなくて、昇給する場合に、あなたのお話のように、良好な成績で、一定の期間勤めたかどうかという証明をするわけです。その証明をするときに、一方に作った基礎資料を見ながら、これは昇給させるためには大体良好である、こういう判定をするわけなんです。ですから、これはあくまでも参考にするという意味なんでございます。その勤務成績の評定をそのまま用いるというものではないと思います。この点が少し誤解があるのじゃないかと私は思っております。
○矢嶋三義君 質疑応答を聞いておって、事務当局の見解は、こういうことを考えているのじゃないかと思うんですが、それは、間違いか間違いでないか、その考え方がいいか悪いかは湯山委員のお考えにまかせますが、承わっていますと、こういう感じがするのですね。勤務評定は昇給昇格と今後関連づけて運用していくという大前提に立っておる。それから十四点、十五点十点、九点はC、あとD、Eとある一がこの法律におけるこの用語の概念規定が、それぞれ法律によって違うから、だから国家公務員の場合も、地方公務員の場合でも予算が許した場合はこれまでを給与法上の良好という解釈をする。それからまた予算があった場合は、さらにこれまでを給与法上の良好というような解釈をして、総合的に解釈して逆用していこう。だから要するに、勤務評定と昇給というものを関連づけて、ある場合によったら特別昇給でここだけを上げたり、あるいは場合によったらここだけを一般昇給させたり、さらにこのところだけはまま子扱いしよう、こういうふうにしてやっていこうという方針じゃないかというように私はとれるのですが、当っているか当っていないか、大臣並びに局長の答弁を開きたいと思います。
○国務大臣(松永東君) 今の矢嶋委員のお話ですが、私はこの勤務評定は、これが即、昇給昇格になるものではない。それは昇給昇格の参考資料になる。こういうふうにわしは考えておる。ですから今仰せになりました通り昇給昇格と関連はあるでしょう、それを参考にするのですから。関連はありましょうけれども、それが即、昇給昇格の基準じゃない。こういうふうにわしは考えております。
○湯山勇君 今の大臣の答弁、それから局長のさっきの答弁から一応こういうことは確認できると思います。この勤務評定は昇給昇格とは直接関係はない。こう言い切れると思いますが……。
○国務大臣(松永東君) お説の通りです、私の考えておりますところは。
○湯山勇君 局長はいかがですか。
○説明員(内藤譽三郎君) さように考えております。
○湯山勇君 そこで、これを参考にするしないということは、昇給のときの成績良好の証明は監督者がやるわけですから、そうするとそれを参考にする、しないは監督者の任意である。参考にしなければならないということではないと思いますが、この点いかがですか。
○国務大臣(松永東君) これはどう考えてもそうでしょう。勤務評定ができます以上はやはりこれは参考にせぬければならぬのじゃないでしょうか。参考にすべきであると、こう考えております。しかしさらに進んで、参考にしなかったらどんな科罰があるかということはわしはまだ考えておりませんが、しかし参考にすべきであるというように考えております。
○湯山勇君 そこが問題なので、参考にするとか、しないとかということは、たとえばこういうことになります。義務教育諸学校の教職員の勤務評定は県教委へ行っております、出したものは。それから勤務成績の良好かどうかという証明はまず学校長においてします。地教委でします。ですから結局どうなったかということはわからないし、それから同じ人がそこでやるのに、したかしないかという判定は全然違うのですから、これは何にも拘束力をもったものではないのであって、前のときどう出したろうかということを必ず見なければできないというものでもなければ、見なければならないというようなものでもないと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永東君) これはどうしても参考にせっかくできた勤務評定ですから参考に……せっかくできた勤務評定ですから参考にせぬけりゃいかぬのじゃないかと思っております。しかしいろいろな御指摘のような点もありますので、これからの問題については真剣に研究をやはり重ねてはおるのです。
○湯山勇君 それでは勤務評定をしないから昇給はさせないということは、今の大臣の考えから面接関係がないものです。それから昇給に必要な勤務の成績の証明はしてあります。そういう場合に勤務評定をやらないから昇給させないというようなことは、これは著しく法の精神に反すると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松永東君) この勤務評定がなくても今までもやはり昇給はされておる。しかし特別の昇給をさせる――やはり非常に優秀である、りっぱな人格者である、衆目の見るところりっぱな人だというような人に対する特別昇給というのには、やはり勤務評定が必要だと思います。
○湯山勇君 特別昇給じゃなくして一般昇給です。直接関係のないこの勤務評定がなされなければ、一般昇給をやらないということをかりに言ったとすれば、それは間違いだと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(松永東君) お説の通りだと思います。
○湯山勇君 愛媛県では、昨年現にそういうことを行いましたし、それから今やろうとしておるのも、同じような、本年の四月以降の昇給は、この勤務評定です。それをやらなければ、一般昇給をやらないというので、今大へん問題を起しておりますが、大臣が、今私の申しましたことを、そういうことは不当だとお認めになられましたので、今愛媛県でやられておる、やられようとしていることは不当だということになると思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(松永東君) これは、御承知の通り、文部省が主導性を持ってやるのではありませんで、やはり都道府県が主導性を持ってやることで、従ってその都道府県で予算がないために給与ができないというときには、その予算とのにらみ合せで、自然昇給が鈍ることも、これはあり得ると思うのであります。それは、やはり地方が主導権を持っておる手前やむを得んじゃなかろうかと存じております。
○湯山勇君 予算がないのではなくして、その問題は別でございます。理由とするところは、これは局長もよく御存じのように、勤務評定をやらなければ昇給昇格はさせない、こういうことできておるのです、今日の問題は。そこで、そういうものについては、今大臣が言われましたように、それはどうも工合が悪いということであれば……、これは予算はことしはあるのです。しかも特別昇給でなくて一般昇給です。それを今勤務評定をやらないと昇給昇格はさせないというので問題になっておるのですが、こういうのに対しては、文部省は、特に大臣はそういう考えは違うんだということを御指導になってしかるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松永東君) 私の承知いたしておりまする範囲では、実は予算の問題だと、予算がないので昇給するのに非常に困っておる。それでやむを得ぬだったということを聞いております。しかしながら、御指摘のような点は、よく一つ研究いたしてみます。
○湯山勇君 大へんしつこいようですけれども、今の点について、私が申しましたようなことが事実であれば、文部大臣は、それに対して善処していただけますか。
○国務大臣(松永東君) 地方の財政状態その他をにらみ合して一つ研究してみます。
○湯山勇君 では、財政の問題は抜きにして、昨年の出発は確かに大臣のおっしゃる通りだったと思いますけれども、今は、もう財政の問題ではなくて、勤務評定をやらなければ昇給昇格はやらない、今年度はかなり昇給予算を組んでございます、どの県でも昨年にこりまして。にもかかわらずそういうことをやっておるというのが実態でございますから、ぜひ御調査の上で一つ御善処願いたいと思います。これはお約束願えますでしょうか。
○国務大臣(松永東君) よく一つ、私研究してみます。
○湯山勇君 もう一つ問題がありますが、それは、勤務評定で適当なる尺度を作るということを、大臣もそれから局長もお答えになっておりますが、尺度になるかならないかの問題です。これも文部省がおやりになった、これで申しますと、去年と同じような勤務をして、昨年はこれは大体普通であると見られておったような人が、ほかの人がよくなったために悪くなる、こういう操作をしなければならないようにこの評定はなつております。そうすると、こんな尺度でやると、その年その年その教員の状態によって、同じ目盛りに当った者が、ある年には三尺と見られ、ある年には一尺に見られる。こんなような評定のやり方ですけれども、基準になるならないと言っても、ものさしではかって同じ長さのものが、あるときには三尺になり、あるときには一尺になる。これが果して妥当な勤務評定でしょうか。大臣はその点いかがお考えになりますか。
○国務大臣(松永東君) その勤務評定の基準問題については、私はなかなかむずかしい問題だと口をすくして申している。従って今御指摘になりまました問題については、内藤局長がよくこれに関係いたしておりますから、内藤局長から答弁させるといたします。
○説明員(内藤譽三郎君) このものさしは従来からあったものを簡素にした、こういう意味でございますので、別にこれによって非常に支障があるとも考えておりません。
○湯山勇君 私は、そんなことじゃなくて、もっとまじめな御答弁を要求しています。支障があるのですよ。あるから反対が出ています。これは福島大学ですが、ちゃんとこれをやられる大学から抗議が出ています。御存じでしょう。それから大臣は今国立学校についてやったのを決裁して、昨日ちょっと触れましたけれども、大臣が決裁してやらしているのです。ものさしを作ると、ものさしというものはだれがどこではかっても三尺のものは三尺、こうであってこそ初めてものさしです。ところが、大臣が先般決裁しておやりになったこの基準では、三尺のものと一尺のものと同じくらいの数にしなくちゃならないというようなことがありますから、ことし三尺であって喜んでおっても、来年は二尺になる。同じ勤務成績の者が、ほかとの関係で変ってきます。あるときは一尺になったり……、これが今大臣が決裁されて、国立学校にやらしている勤務評定です。大臣は御存じないと言っても、省議できまり、昨日の参事官の答弁にありましたように、大臣の決裁を得てやっておられるとすれば、知らぬというわけにもいくまいと思うのですが、こういう点については大臣、どうも工合悪いということをお感じになりませんか。
○国務大臣(松永東君) 私は局長あたりから承わっているところによると、要するに今日まで施行いたしておった勤務評定を、その内容を簡素化するのであるからということは承わっております。まさに簡素化されるものと心得て決裁したと、記憶には今ありませんが、思います。そこでこの問題についてはよくもう一ぺん一つ研究してみます。
○湯山勇君 最後に、今のような点、確かに是正しなくちゃならない。ものさしである以上は三尺のものは三尺、二尺のものは二尺とはかれて初めて基準になり得ると思います。ところが、今のこの評定はそうなっておりません。人事院のであれば幾らかなります。人事院のなまのままならばなり得ると思いますけれども、これじゃなれないのです。こういう点はどうしたって考えて直さなくちゃならないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松永東君) 今申し上げた通り、よく一つ研究しまして、合理的にいくようにやっていきたいと思います。
○湯山勇君 じゃ一応これで……。 ―――――――――――――
○委員長(秋山長造君) 次に、宇都宮第二操縦学校における騒音防止の件を議題といたします。 本件に関しては防衛庁経理局長、文部省管理局長が出席しております。……ちょっと申し上げます。防衛庁経理局長は差しつかえのため、施設課長大森君がかわって出席されております。訂正しておきます。
○高田なほ子君 宇都宮郊外の横川地区に第二操縦学校の開設されるに伴いまして宇都宮市民並びにその周辺地区の方々が非常な反対を続けてきたわけですが、ついに操縦学校が設立されて昼夜を分たぬ猛訓練の結果、本地区の周辺の教育環境が非常に阻害されている。爆音のために全く授業ができない。それだけではなく、周辺の宇都宮にある肺結核療養所の患者が宏瀞療養を欠く。さらに鶏が産卵をしなくなる、牛が十分な乳を出さなくなるというような諸般の事情が起ったために大へん住民が困られて、これを何とかして解決しなければならないという声が高まりつつある。本問題については当文教委員会としても慎重にお取り上げいただきまして、昨日来理事会等において近いうちに現地調査をして解決をしていただけるような運びになっているわけでありますが、この爆音問題は単にこれは宇都宮だけの問題ではなく、日本全国至るところにある飛行機の基地のいわゆる爆音問題として事新しい問題ではございませんが、具体的にこの問題は一つの解決しなければならない早急の問題として取り上げまして、以下御質問申し上げたいと思います。 まず第一は、文部省当局として基地周辺にある騒音の問題について根本的にどういうような対策をお立てになり、また今後この対策をどういうふうに拡大していったらいいか、基本的な問題になりますが、これをまず大臣からお答えいただきたいと思うし、具体的な数字をあげての御説明は所管局長からお尋ねしていきたいと思います。
○国務大臣(松永東君) 御指摘になりましたように、宇都宮でも相当騒音のために学校教育について支障を来たしておるということを承わっております。さらに、これらはまたお話の通り、ここばかりじゃございません。全国各地にこうした問題の起っておることを承わっております。従って、これは教育に関する大きな問題として具体案をこしらえたいと思いまして、今省内においても協議を重ねつつあるところであります。
○説明員(小林行雄君) 宇都宮の航空自衛隊の第二操縦学校の問題でございますが、実はただいま問題になりました宇都宮の操縦学校につきましては、つい最近まで、私どもはうかつでありますが、知らなかったわけであります。と申しますのは、昨年基地周辺の学校の騒音対策について大蔵省に予算を要求いたしましたときにもこの問題はまだ出ておりませんでした。その後も私どもの方へは栃木県も、また宇都宮市の方からも連絡がなかったわけでございます。最近になりましてそういったことが問題になっているということを聞きましたので、防衛庁の方へ御連絡を申し上げましたところ、防衛庁の方には地元の方から陳情が出ておったようでございます。私どもといたしましてはできるだけ早くこの地元の自衛隊なり、防衛庁の方で騒音の頻度並びに強度を測定していただきまして、その結果がわかり次第できるだけ早くその飛行場周辺の学校の防音対策をやっていただきたいということをお願い申し上げている状況でございます。なお操縦学校の飛行訓練、これはただいまも御指摘がございましたように、自衛隊関係でございまして、自衛隊関係につきましては、駐留軍の基地の問題とは違って必ずしも基礎法があるわけではございませんけれども、従来も防衛庁のお骨折りによりまして駐留軍の基地と同様な防音対策を行うということでやっていただいております。前に問題になりました宮城県の矢本小学校は移転改築をいたしました。また鹿児島県の鹿屋市の野里小学校も防音装置をやっていただいておりますので、この宇都宮の第二操縦学校の付近の小、中学校にも当然それと同様な防音対策がとられるものと私どもは期待いたしておるものでございます。 なおこの具体的な問題を離れまして、基地周辺の学校の騒音対策の問題でございますが、御承知のように特損法に基く防音対策につきましては、その基礎になりますところの騒音の強度及び頻度というものがございます。ただ最近は非常に飛行機の機種が変って参りまして、従来に比べて非常に強い騒音を出す。また頻度も相当従来に比べれば多くなっておるという実情でございますので、私どもは従来の基準でやった防音装置では必ずしも十分でないということを考えまして、この基準の改正についていろいろ研究をいたしまして、ただいま調達庁の方へ新たな基準を設けてもらいたいということをお願いしておる状況でございます。特に一番問題になりますのは、九州の板付の飛行場でございますが、この周辺にたくさんの小学校、中学校がございまして、非常に騒音のために悩まされておるという実情でございますので、これを文部省と調達庁の方の係官が共同で騒音の測定をし、調査をいたしました結果、その結果を持ち寄ってただいま基準の改訂について話し合いを進めておるのでございます。私どもといたしましては、従来学校の移転のできるものについては移転をする。しかし移転のできないようなものについては一学級当りの生徒数を減らす措置を考えてもらいたい。なおそれもむずかしいような場合、たとえば非常に騒音の強度が強い、また頻度も頻繁であるというようなものにつきましては、鉄筋で改築をしておる。改築をして、しかも防音装置をするというようなことを考えてもらいたいということで話し合いをいたしております。なお板付地区につきましては、その付近の小学校で馬出小学校というのがございますが、これにつきましては調達庁の方で試験的に鉄筋改築をし、しかも防音工事をするということでただいま工事を実施しておる状況でございます。私どもといたしましては、最近の飛行機の発達に応じた基準を作って、それに基いて防音対策をやっていきたいというように考えておる次第でございます。
○高田なほ子君 ただいまだんだんの御説明がありましたが、従来までの防音装置ではあまり効を奏さないので、現在の飛行機の発達に応じた基準改正を考慮中である、研究中である、こういうような御答弁であったと思いますが、宇都宮のこの操縦学校は、資料も各委員のお手元にお配りしてあると思いますが、いずれも今文部省側からの御説明はきわめて消極的な部面の改善策であったように思います。これは大臣ちょっとごらんいただきたいのですが、こういう工合に滑走路を囲んでここは飛行機がぶんぶん飛んで回る、練習する上空らしいのですが、ここのところに小学校、中学校が合せて十三くらい密集しておる。こういうようなところになぜ住民が反対するのに滑走路を持ってき、その滑走路をまた拡大して、聞くところによると、これを今まではプロペラだからとにかく一時間に七十何回もこの学校あたりは悩まされておるというのです。一時間に七十回も飛行機が往復して、授業ができないというのに、今度は防衛庁の方ではジェット機の練習をするのだというふうに発表をしておられると聞きますが、プロペラ飛行機の防音装置と、ジェット機の防音装置というのは、これは私どもしろうとでわかりませんが、全然これは装置を違わさなければこの爆音を防ぐことができないと言われておるのですが、なぜこのような学校の密集している、いわゆる教育環境ともいわれるような大都市郊外ですね、そういうものをなぜもってこなければならなかったか。防衛庁は、今文部省の説明によれば、飛行機の発達に伴う防音装置を文部省とともに研究中のようでありますが、果してこの爆音を防ぎ得るという確信がございますか。 もう一つは、近々これはジェット機の練習場にするというふうに言われ、秘密裏に滑走路が拡張されていると聞いておりますが、ここはジェット機の基地になるのでしょうか。この二点について防衛庁の方からお答えいただくとともに、文部省からは、ジェット機の練習の場合に、どういうふうにしてこの爆音を防ぐかということが早急に具体的にできるかどうかということの確信を私は持ち得ないのですが、確信のある御答弁をいただきたいのです。
○説明員(大森頼雄君) ただいまの、防衛庁が宇都宮のあの基地を将来ジェット基地にするかというお話でございましたが、そういうことは何も今きまっておりません。それは多分こういうところから出た話ではないかと思うのでございますが、ただいまお話しのように、長さを少し延ばす工事をやっておりますが、あれは防衛庁で、あそこにございます富士工業でございますか、あれにジェット練習機の試作機をただいま作らせておるのがございます。それがもしできた場合には、あそこで一度試作のやつを飛ばしてみるということのために、あれの長さが足らないということのために延ばしていることはございます。そのジェット試作機がうまく予定通り参りますかどうかわかりませんですが、それが実際にできますのは二、三年先のように、私も担当でございませんが聞いておりますが、従ってあれはそのために今延ばしておるのでございまして、あれを将来そういった飛行機ができた場合の基地にするということは、今全然防衛庁ではきまっておりません。それからもう一つ御質問の、防衛庁は今までのような爆音を防ぐところの施設をやっていてそれで自信があるかという御質問でございますが、これは今までやったのは非常に数が少いのでございますけれども、調達庁でやりましたその標準に準じてやっておりますので、それで大体防ぎ得る、そういうふうに考えております。今宇都宮で作っておるジェット機と申しましたのも、そういった練習機の小型のやつでございますので、今まで飛んでおりますジェット機よりさらに大きいとか何とかいうことはございませんので、今までのやり方で防げると思っております。
○説明員(小林行雄君) 御承知のように、従来は、ジェット機の来る前の状況で、大体木造校舎につきましては、窓を二軍にし、教室内のいろいろな材料を吸音材料を使うということでやっておったわけでございますが、この木造の防音工事では、現在のようなジェット機の騒音対策には非常にむずかしいのじゃないか、こう考えます。それで先ほどちょっとお答えの中に申しましたように、学校がもし移転することができるならば移転して、かなり飛行場から距離を離すことができれば、これは一番いいと思いますが、しかし小、中学校は義務制でございまして、通学区の関係もございまして、この移転ということは、移転ができる学校は非常に数が少いわけでございます。従ってやむを得ない処置として、その場所に鉄筋コンクリートで改築する、あるいはさらに鉄筋コンクリート構造にしてしかも防音工事を行うという方法を調達庁の方でとっておられるわけでございまして、この今の試験工事の結果が私は相当期待できるのじゃないかと実は思っております。と申しますのは、これも御承知かと思いますが、九州大学で法文系の教室をそういったコンクリート作りの防音工事をやっております。これはかなり私どもとしては成果を上げていると思いますので、この板付の場合の馬出小学校の例を私どもは非常に期待しているわけであります。
○高田なほ子君 防衛庁の今の御答弁で私ちょっと食い足りないのですが、これは十月二十日の朝日新聞の発表でありますが、これは佐薙空幕長が十八日に談話として発表しているのですが、今申し上げた所が、近く同基地からジェット機が飛ぶ可能性があるというふうに、ジェット機の基地としての可能性を発表しておられるし、今のお話によると、試作飛行機を飛ばすのだという御答弁ですが、試作機を飛ばすために滑走路を広げたならば、それはその飛行機一台だけでおしまいにするというのでは意味がないので、やはりこれをジェット機の基地にする、練習基地になるという可能性が十分にあると考えられるので、今この席でそういうことが確定として御発表になることはできないにしても、そういう可能性が十分にあるとするならば、その可能性の上に立っての対策というものが当然考究されなければならないはずです。 もう一つは、防衛庁の方の御答弁の中に、現在までの防音装置でもって大体防ぎ得るというような御答弁があったのですが、それは非常に不親切な答弁ではないかと思う。今の文部省の御答弁の中でもはっきりしている通りに、木造の建築に防音装置を施した場合にはあまり効果がないと言っている。あまり効果がないと言っているわけです。また浜松の飛行基地のデータから拝見いたしましても、木造の防音装置の場合に、ほとんど功を奏しておらない。根本的な子供の教育に支障のないという最低限度ぎりぎりの防音装置の基礎になるものは、やはり鉄筋改築でなければならないということは、今の文部省のお話の中でもおわかりになっているのではないかと思うのですが、こういうような点について、文部当局と防衛庁当局はもう少し緊密な話し合いをして、子供の環境を守ってやるという親心は担当の文部省だけではなくして、直接関係のある防衛庁の当局にもこれは負っていただかなければならないと思いますが、先ほどの御答弁の中ではなはだしく不満な――防ぎ得るというのはどういうものか防ぎ得るのですか。文部省のお考え方と若干食い違いを持っているのではないかと考えられますが、もう一度親切な御答弁をわずらわしたいと思います。
○説明員(大森頼雄君) 先ほどお答えいたしましたのは、ジェット機でなくて普通のプロペラ飛行機のことを私はお話ししたのでございますが、ジェット機については先ほどからお話ありましたように、文部省とも十分連絡をとりまして、私の方も善処いたしていきたいと存じております。 それから先ほどのジェット基地にする云々というお話でございましたが、私の方でも試作機を飛ばせることそのことにつきましても、あそこでそういうものを飛ばしていいかというようなことは相当部内では研究いたし、従ってお話のように、ああいう所にただ試作機を飛ばせるだけでも問題でございますが、ジェット基地にするというようなことがああいう都市の周辺では非常にむずかしい問題であるということは私どもの方でも常に研究いたしております。
○野本品吉君 高田委員から航空基地における騒音防止の問題でいろいろと御発言があったのでありますが、私も私の地元に直接そういう関係がありますのでそれを通していろいろ考えさせられている問題がありますので、この際、文部省の十分な御研究と御考慮をわずらわしたい、かような意味できわめて簡単に申し上げたいと思います。 私の郷里は群馬県の太田で、旧中島飛行機製作所及びそれに付属いたしておりました飛行場が現在米軍に接収されて使用されております。その飛行場の一部にこれは飛行機でなしに、ヘリコプターの米軍部隊があるわけであります。それが練習したり、あるいは各地から到着し、また離陸いたしておるわけですが、そこでその騒音に悩まされました大泉町というところにある県立の農業高等学校で、どうしても授業に支障があるというので調達庁その他に申し入れまして、金が最近交付されまして防音装置の工事が始められるようになりました。ところが、農学校で大騒ぎをしましたところが、今度はヘリコプターの航空路といいますか、通り道を変更したわけなんです。変更しましたところが、それが中学校、小学校の上を飛ぶようになってしまって、そして今、中小学校が騒音に悩まされております。私は先般現地へ参りまして、その実情を見たり聞いたりして、相当の頻度で相当の騒音がある。これはやはり近いうちに当然問題化するであろうと思うのですが、一局地的なそういう事実を通しまして考えられますことは、将来日本の航空事業というものが非常に発進して、ローカル線その他ができてきわめて頻繁に飛行機が飛び回るといったような事態も一応予想して、飛行場の設置あるいは学校の設置等も考える必要があるのじゃないか。それからもう一つは、先ほど来のお話で木造建築はどうもうまくいかない、鉄筋コンクリートの建物ならば相当程度防音の効果がある、こういうお話でございますが、それもやはり私の考えておりました一つの点ですが、将来、地方の学校の建築を木造から鉄筋コンクリートの建築へ移す、切りかえる、こういう方針で学校建築に対する行政というものが進められることが必要なんじゃないか、こういうふうに考えますので、一応大臣の御考慮をわずらわすと同時に、お考えを承わっておきたい。
○国務大臣(松永東君) お説の通り、これはもう文部省の考え方としてはやはりそろばんをとってみるというと、木造より鉄筋の方が永久の計算でいえば得なのであります。何とかして一つ将来は鉄筋にしたい、こういうふうに考えてわれわれ一生懸命予算を一つ取ろうというので努力しようと考えております。
○高田なほ子君 防衛庁に重ねてお尋ねいたしますが、陳情を受けられてからどういう研究をされましたでしょうか。
○説明員(大森頼雄君) 第二操縦学校の方に命じまして、今の騒音頻度、それから継続の度合いというような調査をさせております。
○高田なほ子君 その調査は今続行中でございますか。もし調査の結果、はなはだしくこれは教育環境上よろしくないという結論が出た場合に、防衛庁としてはどういうような具体策をとるつもりですか。この二点について。
○説明員(大森頼雄君) 調査をいたしまして、その結果が出ますれば、大蔵省、文部省等関係の省の方にもよくお話をいたしまして、善処していきたいと思っております。
○高田なほ子君 こうした場合は、単に横川地区だけの問題ではなくて、全国にもずいぶんあるようでございますが、こういう問題は全国的に調査されて、本年度の防衛庁の予算の中にこうした問題を解消するための予算措置というものが組まれておるものですか、それともどんなふうにしてこれを解決するつもりですか。予算的な措置について……。
○説明員(大森頼雄君) 本年度の予算を組む当初におきましては、どことどこというようなまだはっきりした調査ができておりませんでしたために、幾らをどれだけ予算に組んであるかということははっきり存じませんが、まあ大蔵省と前からの話では、そういうどうしてもやらなくちゃいけないということが出てきた場合には、そのつどよく話し合って、そうして防衛庁の一般の補償の方の金から見ていこうというような話し合いになっておりましたので、現在でもみなその他のやつも調査いたしまして、一番度合いのはなはだしいものから処理していきたい、こういうふうに考えております。
○高田なほ子君 防衛庁は読んで字のごとく防衛庁でありますから、防衛のことだけを専任にお考えになるでありましょうが、しかしながら教育問題は、単にこれは文部省の独占事業ではなく、防衛庁自体もこうした学校の稠密しているような場所にジェット機の練習をさせるというようなことがいやしくも考えられておる限りにおいては、相当これが対策に苦心されるのが良心的な私は考え方ではないかと思うのでありますが、たまたまそういう点が若干欠けているところに、この板付基地の問題その他の防音問題が出ておるのではないかと思うのです。私は文部大臣にお願いしたいことは、この防音対策については消極的な面だけではなくて、学校の密集しているこの周辺には危険度があり、しかも学習上の非常な阻害を来たすようなジェット基地などについては、これはもう持ってこないように国策として、教育の基本方針としてわが国の教育方針の中に、この教育環境を守るために防衛庁なら防衛庁に絶えず文部省の考えている趣旨というものを私は申し入れる必要があるのではないかと思う。あるいはまた国有財産である土地が防衛庁に譲り渡され、そうしてそこに基地ができるようなこともあり得るでしょう。こういうような場合に、この大蔵省の管財局等に対しても未然に教育環境を守るためにかくあってほしいというような趣旨は当然徹底させるような積極策が講じられなければならないというふうに考えられますが、こういう考え方について大臣はどういうふうにおとりになっておられますか。もしこういうような具体策がすでにできておるのだとすれば、これについても御説明を賜わりたいと思います。
○国務大臣(松永東君) 御指摘のような場合には、お話のような問題について努力してみたいというふうに考えております。しかし今のところではまだそうした問題について予算を取るとか何とかというところまではまだ行っておりません。将来できる問題については、それを承知いたしましたときには必ず御指摘のような問題について努力してみたいと存じております。
○高田なほ子君 もう一点。大へん心もとない実は御答弁をいただいて不安でございます。この図でも見る通りに、十二、三校の学校の密集している中で行われるジェット機の訓練どころではなくて、プロペラ飛行機の訓練、これは騒音のみならず、はなはだしく場合によっては危険を伴う性格のものであります。防衛庁は御答弁の中にもあったように、ここをジェット基地にするかしないかということについては研究中である。またジェット基地にするかしないかというふらふらしている時期のような答弁がある。そういうふらふらしているときにこそ文部大臣は腹をきめられて、ここはジェット基地にしてはいかぬ、こんな所には持ってきてはいかぬという確然とした御態度を示されて、むしろ積極的な手をお打ちになることはこれは非常に大切なことではないか。こういうことに対して防衛庁が、それはけしからぬといってそこにまた持ってくるようなことがあれば、これは明らかに国民が審判を下す。教育は、私は国民全般が責任をもって守るべきものだという見地に立ったときに、この際文部大臣は強腰に子供たちを守るというそういう御主張をされて、消極的には予算の獲得、学校の移転、改築、防音装置の研究、こういうことをしていただくとともに、全般の中で子供の教育環境を守るために確然たる御方針というものをこの際再検討していただきたい、確固たる御信念の上に立ってやっていただきたい。これを要黒いたします。防衛庁はどうもお答えがあやふやの点がありますが、栃木県民があげてこの場所に、しかも宇都宮に幾らも離れていない所に、人口稠密の所にジェット基地を持ってくるというような不見識のことをしないで、もう少し十分な研究をされて、ともに子供や住民のために良識ある裁断を下されるように予算措置とともに善処してもらいたい。私は近い将来に、ほんとうに近い将来に文部当局と、それから防衛庁当局が本問題について話し合いされ、双方大蔵省にも強力に折衝せられてぎりぎりの線までの解決を、願わくは来春の四月新学期前にこの問題が解決して、子供たちが安心して新学期を迎えられるようにしていただきたいと思いますが、こういう方法が具体的にとれる見通しがありますかどうですか、これだけをお伺いして質問を終ります。
○国務大臣(松永東君) 私の今申上げたのは、これから将来できるところの飛行基地に対しての話であります。それは承知いたしますればすぐそれに対して私は善処しますということを申し上げました。今あなたの一番初めから御要望になっておりまするこの横川基地の問題については、先ほど来局長から御説明申し上げました通り、すでに交渉を重ねている。従ってこれは御指摘のように、さようなことのないように善処したい、こう言っているのであります。
○矢嶋三義君 関連して一言伺いますが、それは先般安部委員から板付の騒音問題が提起されて、委員長が報告されたように、閉会後当文教委員会から視察に行くことになったのですが、今高田委員から横川基地の騒音問題が提起されたわけであります。思い起すわけですが、二十六国会に横浜地区のお母さん方が本委員会に陳情に押しかけてこられて、そして実際調査してみたところが、騒音の頻度といい、強度といい、これは調達庁の費用で早急に防音装置をしなければならぬという結果が出て、それで解決したわけですね。そのときに、私は管理局長に陳情書でお願いに来たら取り上げるということではいけない、全国の都道府県の騒音問題の起っている所はどこどこであるかを報告を求めて全般的に文部省把握しておかなければいけないということをそのとき私は要請しておいたわけです。ところがただいまの話では、横川のは宇都宮市の教育委員会も、県の教育委員会からも何らの報告がない。おそらく野本委員から提示された太田市の方もあなたの方には何も来ていないだろうと思うのですね。そこに防衛庁と文部省の連絡不十分であるとともに、私は文部省の努力がちょっと足りないのではないかと思うのですがね。防衛庁は騒音の問題に関心は持っているだろうが、騒音を防止しようというようなそういう文化性を持つ余裕は私は持っていないと思う。できるだけほおかぶりして行きたいところだろうと思う。だからそこらはやはり文部省の方で全国的にどこどこに問題があるというようにはっきり資料として持たれて、そうして防衛庁、さらに調達庁と連絡をとって、そうしてこの解決をして行く、こういう私は態度でなくちゃならぬと思う。報告しない市の教育委員会だとか、県の教育委員会はぼんやりしていると思うのですが、だからそういうぼんやりしている委員会もあるわけなんだから、あなたの方でもこの前も私は横浜のときに要望しておいたのですが、早急にその点各都道府県に問題のある所ですね、それを報告させてそうしてその騒音の頻度、強度というものを調査して、かくかく解決しなければならぬというふうに進んでもらいたいと思うのです。実際狭い日本の国にたくさんの人が住んでおって、空中といい、地上といい、海上といい、騒音防止の問題というのは非常に私は大きな問題と思うのですよ。全般的に解決しなくても、せめて他の委員からも指摘されたように、教育環境の問題だけは一刻も早く最大限の努力を払って処理をすべきだと思いますが、それにはやはり文部省として資料を持っていなければ、幸いにして横川は高田先生から提起されて来たからいいけれども、あれが日本の片すみで、だれも国会議員も知らないなんという所で、どうしたらいいかも知らないで騒音に悩まれている所があるかもしれない。きっとあると思う。それでは私は無責任だと思うのですよ。この前も横浜の問題のときにあなたに強く要望して、そういたしましょうということだったのですが、また板付が出、横川が出、さらに太田が出というのでは全く忍びないものがあるので、早急に指示を出して調査をし、資料を集めていただきたい。よろしゅうございますね。
○説明員(小林行雄君) 先ほどお答えの中にも申しましたように、予算に関連して昨年も実は全国調査をいたしました。不幸にしてその調査の中には宇都宮の横川飛行場についての数字が出ておりませんが、先ほどお尋ねのございました太田の大泉飛行場に関しましてはすでは調査が出ております。大泉の農業高校につきましては調達庁の方で三十二年度にこれらの防音工事をやるというようなことになっております。確かにお話のように、それ以外にもまだあるかもしれませんので、文部省としてもできるだけ調達庁なり、防衛庁とも連絡をいたしまして、全国の騒音対策の状況をより的確に把握するように努力したいと思います。
○安部清美君 この前板付の問題についてはいろいろ私どもからもお願いしておいたのですが、私この機会に一つお尋ねをし、かつお願いをしたいと思うのですが、先ほどもお話しになりましたように、ジェット機の機種が変って爆音が非常にいわゆる噴射爆音というものが強烈なものになって来た。先ほど野本先生からお話がありましたが、それから九大あたりから、非常にやかましくなりますと、ずっと立って行きまする方角が始終変って来る。そうすると今まで被害のなかった学校が被害のあるような状態になって来るのです。現在なっているのです。この点は地域事情を早急に調査していただいて、そうして早急に手当をしてほしいと思うのです。それで一つお願いしたいのは、今お話しになったように、馬出の小学校を鉄筋にして試験をしているということですが、これはすでに九大の中で、そうした鉄筋による防音の装置というものは非常に効果的であるということはわかっているのです。わかっているのだから、一日も早く私はそういう措置を講じてもらいたい。調査中であるとか、話し合い中であるとか、研究中であるとか、少し挙動がおそいのです。毎日子供が困っているのです。ずいぶん悩まされているのですから、早急に措置をしてもらいたいということが一つと、もう一つは、十八校の私のところの被害学校のうちに、市立の高等学校があるのですが、それはまあ移転を決定しておる。ところが、そういうものに対して、私はこれは当然全額賠償の建前から、調達庁で全額措置してもらうべきものだと思うのですが、市の方が相当負担しなければ、そういう措置が講じられないというような状況ですが、これはどういうわけなんでございましょうか、これを一つお伺いして、なお全額措置を請じてもらうように私は希望いたしたいのであります。
○説明員(小林行雄君) 先ほどお話のございました九大の法文系の実験工事は、これは御承知のように調達庁といろいろ実験的な意味で一昨年、昨年かかりまして一応完成した。今もこの教室の中で講義をする場合の、いろいろな先生の講義についての実情を調べておるような状況でございます。これはまだ一つの実験の段階でございまして、これで完全であるということは私どもまだ言えないんじゃなかろうかと思います。調達庁の方も、確かにこの九大の法文系の実験工事はございまするけれども、小、中学の場合それをそのままやるのがいいかどうかということにまだ疑問を持っておられて、前橋小学校については九教室のとにかく実験工事をする。その結果を見て、さらにそれ以外の学校にも順次手をつけていきたいというふうに考えておられるようであります。私どもといたしましては、確かにお話しのように早急に頻度のひどいものから解決していかなければならないと思いますので、その点は常々調達庁の方に御連絡をして、お願いをしておる状況でございます。 なお、市立の高等学校の移転、具体的な話は私直接まだ聞いておりませんが、義務制の場合とそれ以外の場合とは、調達庁でも多少考えを違えているのじゃなかろうかという考えであります。大体義務制の場合につきましては、この移転工率をやります場合にも、大体調達庁の方で国費で見るということになっておるようでございます。ただ場合によっては、移転して鉄筋工事をするというような場合に、多少地元で負担していただくというような例もございますが、その点につきましては、福岡の市立高校の場合の例を私どもの方でも早急に調べたいと思います。
○委員長(秋山長造君) 私から二、三点お伺いしたいのですが、今回題になっている横川基地、それから群馬の基地、それから板付の基地、その他これはもう全国およそ基地、特に飛行基地についてはもう全部問題がくすぶっているわけですが、こういう問題に対する対策を立てる場合の統一した根拠法というものは現在ないのですね。ただ何か地元からやかましく言われた場合に、文部省あたりであわてて防衛庁へかけ合って、あるいは調進庁へかけ合って、何か弥縫策を講じて当面を糊塗してしまう、こういう実情だと思うのですが、先ほど横川の基地にしてもジェット機をそう近いうちに飛ばせるという計画はないと思うとおっしゃったけれども、しかしこれは間違いなんで、防衛庁の防衛計画なんかを見ましても、これはもう軍用機は早晩の機会に全部ジェット機に切りかえていくという方針ははっきりしていると思うのです。それから民間機にしても、これは近い将来どんどんジェット機に切りかえていかれるということは、これは天下の大勢なんだから、もう先は見えているわけなんです。それからしかも今までの米軍基地の問題が主として中心になって問題が起きておったのだけれども、これはある程度減っていって、そうして米軍基地が今度は防衛庁の飛行場に切りかえていかれるということは、ほぼ見通しが立っておることです。そういたしますと、やはりこれは個々にこの問題が起ったときに初めて、あわててあとから追っかけていって弥縫策をやって、しりぬぐいを何とかやってごまかすということでなしに、政府自身としても、米軍基地たると、防衛庁の基地たると、あるいは民間航空の基地たるとを問わず、こういう飛行場の周辺の騒音対策というものについて、はっきりした一本の根拠法というものをこれは持たれる必要があるのじゃないかと思うのですが、その点について文部大臣の御意向をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松永東君) なるほどお説の通りです。これは私も防音装置を何とかしてくれといって陳情を受けて、直接に受けておるところもあるのであります。ですから、今仰せの通り、何かこれに対する法律でも一つ作って、そうして将来に備えるということが必要じゃないかというふうに考えてはおるのであります。一つ研究しまして、そうして閣議等で持ち出してみるということも一つ考えてみたいと思います。
○委員長(秋山長造君) ちょうど文部省の方でも、今度の通常国会に義務教育諸学校の施設費国庫負担に関する単独の立法をやって、そうして学校施設費の補助金、負担金というようなものを一本に統一されるという御計画があるようであります。私どもはそれは非常にけっこうだと思っておりますが、ちょうどそういう機運が出ておるときですから、この機会に速急に文部省の方で防衛庁、調達庁その他と十分協議をされて、そうしてこの対策に対する根拠法というものを一つぜひお作りになるべきだ、作っていただきたいということを重ねて申し上げておきます。 それからもう一つは、不幸にして今の横川基地のような場合、地元のいろいろな反対にもかかわらず、防衛庁がいわば独走してどんどん、しっかり予算を持っておるわけですから、金にあかしてやってしまったというようなことになって、こういう結果になっておるのですが、そういう場合にどうなんですか、政府の部内で、こういういろいろな教育面、その他いろいろな方面に深刻な影響を持つこういうような基地の決定というような問題を、ただ防衛庁だけで、しかも防衛庁の中の一担当部局だけで勝手にどんどん進めてしまったというやり方は、私は政府の態度としても非常に不統一だと思うのです。こういう問題はもう少し事前に関係各省に十分相談をかけて、そうして十分にいろいろな方面の意見を聞き、いろいろな事情を参酌して、そうして慎重に最後の結論を出して、そうして担当部局として防衛庁の方で実施に移していく、こういう筋目をきちっと確立されるべきじゃないかと思う。今の話を聞くと、全く文部省の、特に担当の小林局長だって、あとから知ったというようなことで、私は政府全体として非常にこれは不見識な結果になっていると思うのですがね。その点も一つ文部大臣において特に考慮されて、閣議その他において、こういう問題は必ず事前に関係各省なら各省の間において十分協議をして、しかも閣議にでもかけて、慎重に今後取りかかるという、こういう原則を一つ打ち立てるように努力していただきたい。大臣の御答弁を願います。
○国務大臣(松永東君) お説の通り、ごもっともだと思いますので、何とかして一つ善処していきたいと思います。
○委員長(秋山長造君) 御質問がなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十九分散会