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27回国会参議院1957/11/11

商工委員会 第6号

発言数
104
登壇者
12
会派数
3
開催日
1957/11/11

会議録

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) これより委員会を開会いたします。  まず委員の異動について御報告いたします。本日高橋衛君が辞任され、後任に中原善一君が委員に選任されました。     —————————————

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) それではこれより議事に入ります。  前回に引き続き中小企業団体法案、中小企業団体法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案及び中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 団体法に関連しまして若干の疑問を質問いたしたいと思います。第一は、五十五条に関連します認証の点でありますが、昨日もこの点に関して質疑応答が繰り返されたのであります。重要な問題でありますので、この際明確な御答弁をわずらわしたいと存じます。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 認証の先般の御質問に、あるいはあいまいな点があると悪いので、はっきり認証の定義についてお話し申げます。加入に支障があるというのは、本人の主観的判断で支障を感じておる状態でありまするが、認証と申しますのは、加入に支障があるという本人の意思表示を受けまして、加入に支障があるという状態を確認する行為であります。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 次に、商店街組合についてお伺いいたします。先般私、岸総理にも伺ったのでありますが、この点は通産大臣の御答弁に待つことにしたのであります。私のお伺いいたしまする点は、商店街組合は現在きわめて多数あるのでありまするが、第九条の関連において第九条の適用を受ける商店街組合というものは、一体どの程度ある見通しであるか、全国的に見まするとむずかしいかもわかりませんから、たとえば東京都というのに限定してもけっこうでありまするけれども、どういう見通しを大臣が持っておられるか、この点をお答えを願いたい。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 御承知のように、商店街組合は現在共同経済事業を中心として発展してきております。しかし、この商工組合に該当いたしますためには、不況要件に該当しなければならぬ。おそらく私の予想するところでは、もよりの百貨店の販売競争というようなこと、あるいはもよりの百貨店の圧力で同じ区域の中にも商店街組合につきましては同業者も相当あるのであります。それらが非常に過当な競争をするという場合に、組合を作ることに相なっておるのであります。そのおそらく調整事業といたしましては、商品の品質を必ず表示させるとか、容量をごまかさないとか、あるいは売り出し方法の統一をはかる、あるいは商店街全体として調整事業を実施する必要がある場合に起ると思うのであります。その数はただいまのところは予想はできません。百貨店の非常な圧力を受けるというようなところで、百貨店に対して組合交渉をするというような場合に、自然発生的に出てくるというふうに考えているのであります。もちろん、現在におきましても、営業時間をきめるとか、あるいは休日を設けるというようなことは、特段の調整事業で過怠金を取ってまでやる必要もございませんので、これは広範囲に行われていることでありましょうが、こういう調整事業をやりますと、そういうのも一つの内容になってくるのじゃないかというふうに考えているのでありまして、ただいまのところ、数はこれこれという予想はつきませんが、あるいは相当数できる可能性があるのではないか、かように思っております。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 大臣の御答弁では、相当数できる可能性があるという御答弁であります。一応その御答弁でその通りに了承しておきますけれども、申すまでもなく、本法によります組合は、強制加入を反面において伴います非常に強力なものであります。従って九条の条件、比較的たやすく考えますれば、ほとんどすべての商店街に及ぶと、大臣の言われたような相当数に及ぶということになるのであります。しかしながら、厳正に九条を考えますると、常識的にはそうそう商店街の、こときものが、本法による団体としては生まれ得ないと、こういうふうに常識的に考えられるのでありますが、結局問題は九条をどう考えるかということに帰着するわけでありますけれども、この際としては、大臣の言われる相当数実現するという御答弁をそのまま聞きとっておくことにいたします。  それから商店街組合に関連をするのでありますが、九条の解釈問題であります。解釈問題で質問することは、はなはだ恐縮でありますけれども、九条には一定の地域内において一定の業種云々とあるのであります。この一定の業種というものをどういうふうに解釈するか。普通の常識で申しますると、一定の業種というのは、一定の業種であって、商店街のごとく各種各様の業種の集まっておるものを一定の業種とは言い得ないのではないかと私は思うのであります。一定の業種という表現で商店街のごとき業種まで包含せしめるということは、法律の表現としては多大の疑義を存すると、従ってもし商店街の組合を九条の対象にするのであれば、それに相応した表現をやはり法律上すべきじゃないか、一定の業種という言葉の中でそこまで取り入れてしまうということは、立法技術としてもやや粗雑に過ぎるという印象を多分に受けるのでありますけれども、大臣の一つ御解釈を伺いたい。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) この一定の種類の事業を営む中小企業者、これは仰せの通り、原則としましては、やはり一業種というものが中心と考えられております。しかしながら、やはり複数の場合もありまして、その複数の業種につきましては、この一定の定められました業種について、やはり該当するものと私どもは考えておりまして、言葉は若干足りませんかもしれませんが、これで私どもの方としましては商店街の組合も成り立つかという、ふうに考えております。(「言葉が全然足らない」と呼ぶ者あり)

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 一定の業種で多種多様の業種を包含せしめることはできないわけではありませんけれども、そうだとすると、そういう多種多様のものを含める場合においてもその処理をする、一定の中に入れるという一つの法律的な扱い方がないと、ただ抽象的にそれは入るのだということは、私立法としてははなはだ不備だと思うのであります。もう一度一つお答え願いたい。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) 先ほども申し上げましたように、複数の場合も私どもの方は考えておる、一定の業種というものは複数の場合も考えておるということを申し上げまして、従いまして商店街については複数の業種でありますので、そういう商店街の組合もでき得るというふうに考えておる次第であります。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 関連して……。川上さんね、それはいわゆる官僚的な御答弁なんだよ。私の方はそういうふうに考えておりますという押しつけなんです。一般の社会の通念が、一定の業種というと、魚屋さんなら魚屋さん、八百屋さんなら八百屋さんということを指していることは常識ですよ。だからね、これは常識をはずれた一つの法律用語になるのだから、私の方は百歩譲って、こういう不自然な用語によって処理するということは、将来再検討をいたしますということであるならい。いんだよ。再検討をする余地はありませんか。こういう不自然な用語によって商店街の多種多様の業種を一定の業種として包含していることに対して、再検討する御意思はありませんか。(「修正したらいい」「表現不備だよ」と呼ぶ者あり)

小笠公韶自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(小笠公韶君) 一定の業種と書きまして、複数のものが入るということが、用語上不適当ではないか、不十分ではないか、こういうお説でございますが、私はあるいはそうかもしれぬと思います。従来の組合制度におきましては、同一業種とか何とかという業種という言葉を使っているものが多いのであります。ただ、この組合におきましては、業種別の組合を作るにいたしましても、呉服屋と糸屋というものは二つ一緒になる場合を考えて一定業種というような考え方もいたさなければならぬ場合もあろうかと思うのであります。同じ業種別組合にいたしましても、また商店街組合におきましては、その観念を広げて一定業種という中に、いわゆる多種多様の中小企業者が入り得るというふうに実は解釈いたしたのであります。それで、この点は不十分な表現という仰せになりますれば、あるいはそうかもしれぬと私は考えますが、ともかく立法に際しましては、そういうつもりでいたしたのであります。十分考えて適当な時期に考えてみたいと思いますが、意図はそういう趣旨であります。(「修正したらいい」と呼ぶ者あり)

河野謙三緑風会

○河野謙三君 今、政務次官の御答弁は相当巾のある御答弁でありますから、私は大体了承するのですが、糸屋さんと、呉服屋さんならいいけれども、坊主とそれから何ですかお医者さん、これを一緒に一定の業種というようなことで、これを扱うのは、これはかけ離れているでしょう。そういうような意味において、いわゆる巾のある御答弁をいただきまして、時期を見て検討しょうということでありますから、私は梶原さんの御質問になっている関連質問ですから、私は了承いたします。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 今、一定というのは、一体どういう意味かの問題が残るわけでありますけれども、将来も検討するということであれば、この際はそれでいいかと思います。  次に私は、団体交渉と強制加入の問題の関連を聞きたい。今回の団体法の一つの大きな眼目は、団体交渉権と申しますか、組合交渉の道が設けられたことだと思います。このことは私は非常に意味のある、またこれが公正に活用されれば、中小企業のために非常にいいことだと思うのであります。ただ、この案におきましては、団体交渉をする先が大企業の場合であれば、相手方は誠意をもってこれに対して対処しなければならない、また必要によって、政府当局が適当な勧告をする道も開かれている、これは私、立法として適当であろうと思う。ところが、同じく中小企業者の中において組合に入らない人がある。これに対して、もちろん組合交渉、団体交渉の道が開かれておるのでありますけれども、別段それに対して、その場合に誠意をもって対処することを要求もしていなければ、また、政府はこれに対して勧告をすることも考えられておらない。ことごとく、これそんたくしますれば、強制加入で片づけるという考え方のように思われるのであります。まず、大企業者その他と団体交渉するならけっこうでありますけれども、同じく中小企業者であって、同じ仕事をしておる立場の者に対して、まずでき得る限りこの団体交渉の道を活用して話し合いをする、総理も大臣も、しばしば話し合いによる、話し合いによるということを強調せられ、なぜこの場合に強調されないか、従って私は、強制加入の命令を出す前に、少くともそういう員外者に対して、まず第一に組合交渉の方法によって話をする、それをして、しかも解決し得ない場合に、初めて強制加入の方法を講ずるということで、順序としてもいいのじゃないかと思う、そういうお考えがあるかないか、一つお伺いしたい。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) この組会交渉の場合におきましては、取引関係のある、すなわち同業者でない関係の場合でありますので、こうした規定を設けております。同業者の場合におきましては、再三申し上げておりますように自主的調整もありますので、もちろん員外者に対して、いろいろ実際上組合の連中とも話し合いもし、組合に入ってもらうという交渉が行われると思います。また、それが望ましいと思います。どうしてもいけないという場合に、初めてこういう問題が起る、こう法文上は書いてありませんが、実際問題としては私当然そういうふうに行われるべきだというふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ちょっと待って下さい。委員の異動がありますから。ただいま小沢久太郎君が委員を辞任されて、後任に小柳牧衞君が選任されました。以上御報告いたします。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 団体交渉は取引関係のある場合に行われることも、もちろんありますけれども、たとえば組合で価格協定をする、そのときに員外者にもその価格協定に参加してもらう、あるいは組合員の資格のない者に対しても、同じ仕事をやっている場合においては参加してもらうということは、当然私はあり得ると思う。それがやはり安定法より一歩進めて団体交渉の道が開かれた私は一つの趣旨であろうと思う。大臣のお答えけっこうでありますけれども、強制加入命令を出す前には、最善を尽して中小企業者に対しても、団体交渉の道及び団体協約の方法によって処理するように御協力願いたいと思います。  それから次に強制加入に関する点でありますが、これはあるいは衆議院における両党間の修正に関連するので、御出席の小平代議士にお伺いした方がいいかもしれません。五十五条で強制加入に対して認証による除外例の道が設けられておる、このことは私非常にけっこうだと思うのであります。ただ、これは命令が出される場合において、そのときに営業をしている者を対象にしておるのであります。しかしながら、一たびこの命令が出まするというと、それ以後において新しく営業を始める者はことごとく当然加入になるのであります。御承知のように中小企業、ことに零細な流通面における企業のごときは常に新陳があり、新しく仕事を開業をする者があるのであります。これが実態であります。従って一たび命令が出れば、そののち開業した者は、いやでもおうでも、組合に加入しなければいけない。もともとこの認証の除外例ができましたのは、でき得る限り個人の自由を尊重する、公共の福祉との関連において、慎重に個人の自由というものを尊重するという建前であったと思います。もしそうだとすれば、それが必ずしも命令が出るときの業者だけに限らないのであって、あとから仕事をやる者に対しても、そういう道があっていいんじゃないか、そういう道が開かれていいんじゃないか、おそらく説明としてはあとで仕事をする者は、もうすでにその組合が存在しておって、そういう命令で出ているという前提であるから、これは当然入っていいというのが御説明でありましょうけれども、しかし、認証の除外例を設けていく以上は、やはりそういう人に対しても認証の道をあわせて設ける方が、均衡からいってもいいんじゃないか、こう思うのでありますが、なぜそういうことが考えられなかったか。あるいはいきさつになるかもわかりませんけれども、与えまする影響がきわめて大きい問題でありまするだけに、この際御説明を伺っておきたいと思います。

小平久雄自由民主党

○衆議院議員(小平久雄君) 御説ごもっともでありますが、命令の出た後における新規の加入者につきましては、五十五条の第二項によりまして、実施日から二十日を経過した日に、その組合の組合員となる、当然加入するという規定に相なってきますので、認証の手続をなし得るという道を考慮いたさなかったわけであります。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 お話しのように原案はなっておるのですけれども、何がゆえにそのとき営業をしておった人は除外の道があり、しばらくおくれて営業を開始したものは、いやでもおうでも、その開業した日に当然に組合員になってしまう。なぜその点についての考慮を払わなかったのか、こういうことであります。

小平久雄自由民主党

○衆議院議員(小平久雄君) 実はその点まで衆議院の段階で、自民党と社会党の話し合いの際に、話題に上らなかったように実は私は記憶するのであります。従いまして今私が両党でこういう話があったということは、ちょっと御答弁申し上げかねますが、一面また、すでにそういう事態にあるということを承知の上で新規に開業なさる、こういうことでありまするからして、あらためてその人に、また入らぬでもよろしい、認証すれば入らぬでもよろしいというほどの道を開く必要もあるいはないのじゃないかという気持も実は今するのでありますが、のみならず、衆議院の段階におきましては、御承知の通り、むしろ新規の、すでに調整事業の行われている際に、新規の開業というものは、場合によってはある程度むしろ押えるべきじゃないか。現在の中小企業の安定法においてもそういう規定がありますので、それをむしろ政府原案に加えるべきだという意見が強くありました。その点も衆議院で修正をしたようなわけであります。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 関連して。今梶原委員によって提起されている問題は、五十五条の四項の認証の問題についての解釈でございますが、新規業者は当然命令の発せられている事情を知っていて、しかる後においてその業を開いたのであるから、ここで認証というような特段な規定を設けて五十五条から除いてやる必要がない、こういうふうな意味の御答弁のようでありまするけれども、真に四項というものが、五十五条を無理であるという建前に立って、五十五条をベターなものとするために、ここに一つの不完全ではあるけれども逃げ道を作ったのであるとするならば、新規業者も当然ここに加えなければならないのではないか、かように思うのですが、衆議院段階においてさようなる話し合いはなかったと申しまするけれども、これについての政府における答弁を、私はお聞きしたいというのが一点。  それから第二点は、小平代議士にお尋ねしたいのですが、四項の規定は、新規業者の開業を歓迎しないというような、積極的な意味を含めてのことであるとするならば、問題は新たなる発展をして、きわめて重大であると思うのですが、しかとさようでございますか、念を押しておきたいと思うのです。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) われわれは、新規業者はこういう組合ができ、また加入命令の出ておるというような状態を知りながら、新規に開業しようというのでありまするから、当然組合に入っていただくのが自然の姿でないかと、かように考え、また、解釈をいたしておるのであります。

小平久雄自由民主党

○衆議院議員(小平久雄君) 私が先ほど申しましたのは、第五十八条の関係を私は申し上げたのです。安定法にもあるので、今度の団体法にもこれを入れるべきであろう、こういう意見で五十八条を入れたということを申し上げます。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 新しく開業するときは、事態がそうなっておるから、そういうことを考える必要はないという御答弁以外に、私おそらく答弁されることがないであろうと思う。しかしながら、実質的に考えますならば、認証の除外例が設けられた趣旨からすれば、その趣旨において開業するものについても当然その道が開かれるべきだと私は思うのであります。今後の一つ御検討に待ちたいと思います。  それから次は、やはり五十五条に関連するのでありますが、言うまでもなく強制加入命令は、第九条の条件を前提にして不況克服のためのやむを得ざる手段であります。従ってこれは性質上臨時的であり、応急的のものだと思うのであります。従ってこの強制加入命令は当然に期限なり期間なりが付せられるべきものと考えるのでありますけれども、いかが考えられておりますか、お答えをいただきたい。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 御趣旨の通りでありまして、従って、強制加入命令につきましては「政令の定めるところにより」という政令をすでに内容をお知らせいたしておりますが、それに期限を付さなければならぬということになっております。そうして現在中小企業安定法では一年ということに、大体そういうような期限をつけるということになると思います。もちろん、その不況要件がはずれますと、これは取り消しをやりますから、一年以内という短期に終るものと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 関連して。認証の問題で一昨晩おそくまで大臣にお伺いしたのですが、その前に、もう会期もあと三十数時間になったわけです。しかし、私どもは百十何条の法文でございまするし、内容が相当不明確な点もございますので、十分論議して、りっぱな法律を作って中小企業の安定をはかりたいというように考えておるわけですが、ところが、新聞論調でも御承知の通り朝日、毎日、読売から始まって、五大新聞あるいはまた北海道の北海道新聞とか、中部日本あるいは西日本新聞、こういう大きな新聞から小さい新聞まで、十分審議してりっぱな法律を作るようと、こういう社説なり論説があるわけであります。従いまして通産大臣はこの法を施行される当事者でございまするから、やはりりっぱな法律を作るというのが御趣旨かと思います。そういう点で、直ちに一カ月も待たずして通常国会が開かれまするから、そこで十分論議して、りっぱな法律を作るというお考えはないかどうか、この点についてお伺いいたします。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) その問題につきましては、先般来から繰り返し申し上げておりまするように、現在の中小企業安定法が事実問題としてうまくいかない組合がある、そしてそれは地域組合の内部に入ってもらって、そうしてともどもに調整事業をやっていくということがぜひ必要だというこの要望は、相当広範囲に、また数年来の要望だと私は考えております。従ってこの法律の中心としております生命は、この加入命令の問題、また、事業の範囲を広げ、るというようなことが中心になっておるのであります。今春以来いろいろ御批判も受け、また、御審議も願っておるのであります。これは私新聞のいろいろな論調もありましょうが、私、中小企業者全般の要望というふうにも考えております。ぜひとも今国会で成立さしていただきますことを、強くお願いする次第であります。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 私、次に五十五条、五十六条の関連をお伺いしたい。五十五条と五十六条が重複して行われるという場合があり得るかないか、この点が一つであります。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 重複して起る場合はないのであります。片一方の方の加入命令の場合には、この組合に自主的調整の能力ありと認める場合、自主的調整の能力がないという場合におきましては、国の規制命令によるわけでございます。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 条文を見ますると、実はこうなっておる場合と、そうなっていない場合とあるのがあります。条文を正直に読めば、両方が重複して行われる場合があり得るのであります。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) ただいま申し上げました自主的調整がない場合と申し上げましたが、それ以外の場合に、自主的調整の能力がある場合におきましても、大企業がこれに対して組合の調整事業を妨げておるという場合におきましては、規制命令でいくことができるようになっております。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 今の大臣のあとの御答弁のように、五十五条が一度発令されあとで大企業の過当競争、あるいは初めは非常に自主的な調整能力がその組合にあったとしても、時間の経過によってその統制力を失う場合が当然出てくるのです。従ってその場合は五十六条が当然に発動されるのであって、両方の条項は重複して行われるということがあり得るわけであります。大臣もお認めになったわけです。そのときに、お伺いしたいのは、すでに五十五条によって強制加入の命令が出ておって、あと五十六条の規定する事情なり、私はこれは五十七条の場合もそうだと思いますが、それが発動する場合に、その場合においては五十五条の強制加入命令というものは当然解除されるものと解釈されるのでありますが、どうですか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) おっしゃるように、五十五条によって自主的能力がありと認めていまして、また、それが事実あったのにかかわらず、次第に今度自主的調整能力がなくなったということになれば、五十六条ということに相なると思います。もちろん、その場合には五十五条の方がはずされるということになると思いますが、しかし、われわれとしましては五十五条によった方がより効果的だというふうに考えておるのでありまして、これがこういってなおかつ調整規程がうまくいかないというような場合は、率直に言いますと手のつけようがないのじゃないかというような感じもいたしておるのであります。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 手のつけようがないというわけはないのでありまして、五十五条で強制加入命令を出してやっていく、その場合は組合自体にそれだけの能力がもちろんあることが前提であります。そういうことであっても、五十六条では中小企業者以外の大企業者等の競争から起りまして、全体的の調整を国自体の責任において命ずる必要が起ってくるのであります。そう規程が書いてある、そういう場合。それから先ほど言いました、初めは非常によかったけれども、あともんちゃくが起ってやりきれないという場合も当然起ってくる。そういう場合においては、五十五条による強制加入命令というものは当然解除されなければならぬ、大臣もそれはそのように言われるけれども、それは本来私は法律上はっきりそのことを規定しておく必要があるのじゃないかと、かように思うのでありますけれども、どうなんですか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) ただいまのお話、よくわかりました。まさにその通りでありまして、大企業者のためにその原因があるということがはっきりすれば、五十六条でいくべきだと思います。従ってその際におきましては事情が変っておるのでありますから、一方の五十五条は解除ということになります。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 私の言うのは、当然解除される性質のものである。しかし、そのことは法律上はっきりと規定をすべきものじゃないか、かように申し上げておるのでありますが、何か政令その他で、その点がはっきりできることがあれば、それもけっこうであります。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) これは六十二条において、今おっしゃいましたような措置をとることにいたしております。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 私、最後に一つ将来についての大臣の御見解を伺いたい。今回の団体法は、九条によって発動のすべてが支配されておるのでありますが、九条は御承知のように不況要件、すなわち不況カルテルというものを基盤にするこれは団体法制であります。考え方によりますと非常に消極的であります。一般の中小企業者が期待しておるのは、必ずしもこういう消極的な、不況要件というものを克服することを、こういう強力な団体によって期待するというわけでもあるまいと私は思うのでありますが、それはそれといたしまして、現在の情勢及び今後の日本の産業の情勢を見ますると、かかる消極的な態度からくる団体法制ではなくて、あるいは不況カルテル一点張りではなくて、むしろ生産性向上のためのカルテル、企業合理化のためのカルテル、輸出増進のためのカルテル、品質を向上し商品を確保していくためのカルテル、こういうふうな積極的な一つのカルテルを基調にして団体活動を期待するということが、私はより適切ではないかと思う。その点からいいますと、最近できました西独のカルテル関係の法制は、いろいろの意味で示唆を与えておると思うのでありますけれども、今後そういう点について通産大臣としてどういうふうなお考えをお持ちになっているかどうか、これを最後に伺いたい。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 確かに、お話しの通りに、これは不況打開といいますか、非常に消極的なものであります。しかし、積極面としましては、御承知のように、共同経済事業を営む協同組合というものが従来からあるので、それを中心としてやっていかなければなりませんし、また、員外者の関係をかまわずにいきますならば、合理化カルテルというものもやれるわけであります。従ってまたこの実態に入りまして、われわれとしても、従来以上に共同経済事業の、協同組合のさらに強化促進といいますか、また、この調整事業をやり得るということで、一面におきまして協同組合の事業もさらに強化される面もありますので、それらの点も考え、さらに積極的な中小企業者の安定ということにつきましても極力指導もし、努力もいたしたい、かように考えております。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 最後に大臣がお触れになりましたので、御質問するのでありますが、協同組合との関連であります。私、強制加入の点について多大の疑問を持ちます一つの原因は、大臣今、お話しになりました共同経済事業との関連であります。共同経済事業というものは、やはり加入、脱退自由の団体において私は健全な発達ができるのである。そうあるべきであると思う。ところが、今回の団体は調整事業が論議になっておりますけれども、同時に経済事業ができる。経済事業には申すまでもなく危険が伴うのであります。現在の農業協同組合も一つの例でありますけれども、経済事業をやります以上は赤字も伴う。その例も現在の中小企業等協同組合においてもあるのであります。ところが、強制加入命令が調整事業の関係において出る。そうすればいやでもおうでも組合員になる。組合員になった以上は、その経済事業についての責任をやはり分担しなければいけない。もちろん出資をしないという道もあります。しかしながら、経費の賦課は依然かかるのであります。そういう組合が、組合が生じた欠損に対し経費の割当をしてくれば、これは負担せざるを得ない。そういう何といいますか、強制加入の制度のもとで大いに経済的な活動をやらすという考え方は、従来の協同組合の考え方からいたしますれば、考え得ない点でありまして、組合の経営者からいえば、あるいは便利かもわからない。しかし、そういう考え方では、現在あります中小企業等協同組合法による協同組合の理念というものは、私全く失われると思う。一体将来通産大臣は協同組合というものについて、どういう指導理念をお持ちになるのか、それを一つお教え願いたいと思う。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 協同組合がまあ赤字を作るというようなことでありましては、協同組合自体の使命も達成できません。また、その商工組合自体が赤字を出しているというなら、私は自主的調整能力がありというふうにもみない場合が多いと思います。従って加入命令の際におきましては、出資を伴わない組合員として入っていただくのが妥当だろうと思っております。協同組合につきまして、今後の育成指導ということになりますと、これは農協についてもいろいろ問題があることは、われわれも重々承知しておりますが、結局共同施設あるいは共同購入その他のやり方が適切でないということでありますので、それらにつきましては、今後いろいろ企業診断等をやります際につきましても十分考えながら、できるだけ適切な共同施設あるいは経済協力というものをやらせるように努力いたしたいと、かように考えます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 認証というのが問題になったわけですが、認証ということを、昨晩大臣の答弁のございました通り、届出ということに解釈したといたします。そうしますると、ただいままで政府委員あるいはまた、衆議院からおいでになっております小平先生等のお話し通り解釈して、強制加入、この条項については認証によって組合員でなくなるというような説明を肯定いたしまして質問するわけですが、これは小平先生にお尋ねいたします。ところが、この認証によって商工組合員でなくなりますね、そうしますると、なくなった組合員から、これは第五項ですが、「前項の規定により認証を受けた者は、その商工組合の行う調整事業に係る制限に従わなければならない。」こうございますね。組合員でないものが、そういうことで、これは完全に前項が生きておるかどうかということなんですね。組合員ではなくなったけれども調整事業に従わなければならぬと、こういうのは明治、大正、昭和三代の法律を見てもございません。世界中の法律、こういうのを見てもございません。小平先生がもし知っておれば教えていただきたい。こういうべらぼうな法律の解釈、自分のところの組合員でない者にワクをかける、これはとんでもない話だと私は思うのですが、この点は衆議院ではどのような話し合いでこういう結論を出されたのですか、その点をまず一つお伺いいたします。

小平久雄自由民主党

○衆議院議員(小平久雄君) 第五項の関係だと思いますが、認証を受けて、どうしても入ることに支障がある、こういう者は入らぬでもよろしい、認証を受ければよろしい、こういうことになっておるのですが、しかし、それはたとえ外部にありましても、調整事業の制限にはやはり従ってもらうことが、全体のために必要であろう、こういう趣旨からこの第五項が出た、実例等につきましては、当局から一つお伺い願いたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、これがないよりまだ悪いということになりますね。組合員ではなくなったということは認めますよ、しかし、組合員でない者がですね、当然商工組合員として発言権がない、総会へ出ることはできないから。しかしやらなければならぬ責務というやつはとにかくきせられ、組合員としての権利は主張できないけれども、義務だけ履行させられる、こういうことについて矛盾だとお考えになりませんか。

小平久雄自由民主党

○衆議院議員(小平久雄君) 元来この加入命令を出さなければならないような事態、つまり臨時的な、非常に業界全部が困っておる場合でありますから、本来ならば一緒に自主的に加入の上でやってもらいたいというのが、大体この法案の建前になっておると思う。どうしてもいやだという者を無理に入れることはどうか、これはいろいろむずかしく憲法論その他ありましょうが、実際問題からしても、そういうことは非常に好ましくないというので、この認証の制度を衆議院段階で入れたわけでありますが、さればといって、そういう人は全然自由でよろしいのだ、こういうことにはいきませんので、なるほど外部にいなきやならぬという事情があるならば、それもやむを得なかろう。しかし、この調整事業等にはその規程等は一つ守っていただくということが、臨時の処置としては必要であろう、こういうところであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますると、小平先生の学説は、認証というのは幽霊みたいな枯尾花であって、何ら役に立たないのだという結論になります。  その次に六項にこういうことが書いてあります。「商工組合は、前項の規定の適用を受ける者に対し、その商工組合の調整規程で定める例に従い、その調整事業に係る制限を実施するため必要な限度において、検査を行い、手数料、経費及び過怠金を課することができる。」そうすると、認証によって組合員でない者に対して過怠金を取ったり、経費を取る、手数料を取る、検査を行う、こういうことになると、ますますむちゃくちゃじゃないですか、それはどういうことでこういうことをきめたか。そうすると認証はしてもらったけれども、一切がっさいとにかくワクをかけてしまって、とんでもないことになる、こういうふうに思うのですがね。

小平久雄自由民主党

○衆議院議員(小平久雄君) それはただいま申し上げたのと同じ趣旨によるわけでありますが、まあ、何と申しても、同一の業種の人と申しましても、どうしてもその商工組合に入るのはいやだ、いろいろいやな理由もこれはたくさんございましょうが、組合の方が悪いから入らぬという人もありましょう。しかし場合によっては、ときには入らないことが、むしろいわゆる何といいますか、俗な言葉で言うあまのじゃくというか、じゃじゃ馬というか、そういったむしろ入らぬことについて、一般的にむしろ入らない方が不当だとみられる場合もあると思います。原因はいずれにいたしましても、どうも入りたくないという場合には、認証を受けるわけでありますが、先ほど申しました通り、しからばといってその人を全部自由な活動を認めておくということであっては、これはその業界全体のために困る、こういう場合には臨時の期間この程度の制限を受けるということは、大きな目的を達するためには必要であろう、こういう趣旨であります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、今小平先生のおっしゃった、へそ曲りか鼻曲りかわかりませんが、そういうのがいるからといって、四項でそれを認めたわけですね。そういういやな人があったら、その組合長がいやだという人があるかもしれないし、その組合の気風がいやだという人があるかもしれないし、われわれはそういう組合を作らぬでもいいという人があるかもしれない。そういう人のためにその四項で認める。しかも五項、六項でぴたりと押えてしまうということになれば、法律としてまことにめちゃくちゃな法律であって、そうなるととにかくこの四項以降がない方が、かえって、法律のよしあしは別ですよ、四項以降がない方が、法律として筋が通っておる、こういうことになりはしませんか。かえってつまらないことをつけたことによって、法律としてはさっぱり筋道が通らぬことになって、何を書いておるかわからぬ。一方ではこれは認めますよ、一方では認めません、罰金も取りましょう、手数料も取りましょう、検査もやりましょうということになったら、全然筋が通らぬ法律だと私は思うのですがね。

小平久雄自由民主党

○衆議院議員(小平久雄君) あるいはそういうふうにも解釈されるかもしれませんが、根本は、要するに加入の強制をしっぱなしということは、いかにもこれは何と申しますか、多少の疑義もありますし、しますので、こういう道を開いてやることがやはり現在の法律のもとにおいてはよろしかろう、こういうことに落ちついたわけであります。つまり、加入させることと、調整事業で規制をするということと別個に考えて、こういう書きぶりになったわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 これは、小平先生、全然別個だと私思いませんですね。こういう道を講じてあげたとおっしゃるけれども、しかし、そういう道になっておらぬというのが私の考え方ですよ。この法文通り正しく解釈していけば、そういうことにこれは当然なるわけですよ。かえって逆にこれを適用することによって、商工組合に対する発言権や、その他の議決権はなくなるけれども、やられることは同じことをやられるのじゃないかということで、この四項目から八項目まであることが、かえっておかしくなるという私の考え方ですから、衆議院の段階で、どういうお気持で、どういう御議論で、どういうことでこういう結論が出たかと、こういうことなんです。

小平久雄自由民主党

○衆議院議員(小平久雄君) まあ、衆議院の段階では、なるべくもう加入命令などなくても、なるべく業界の非常の場合ですから、全部が加入してやっていただくということを一番強く望んでおるわけです。それから、なおかつしかしながら、どうしてもいやだ、入らないというものがある場合に、それが非常に妨げになっている場合には、命令することもやむを得ぬだろう。しかし一面また、それを命令のしっぱなしで、どこまでも中に入れていくということもどうか。もし命令によって入っていただきますならば、この七項によって新たに入った人の意思、発言の機会も与える。それによってあらためてこの調整事業を検討し直す、そういうこともしなければいかぬということも加えて、要するになるべく入っていただきたい、こういう気持でこれをやったのであります。(「議事進行」と呼ぶ者あり)

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 今の阿部君の質問に関連して、私は川上長官にお尋ねしておきたいと思うのですが、阿部君が疑問としておりますように、五十五条の規定がかなり窮屈なものであるからして、そこで幾分逃げ道を作るというので、四項に規定するような方法で、認証という段階を設けて逃がしておく。そうすると、また同時に、次に五、六において厳重に縛っておる。これはですね、よい、悪いということでなくて、意見の相違の問題でなくて、法の建前として私どもは疑問があるというのです。率直に申しますと、内容のよしあしは別といたしまして、政府原案ならば筋は立っていたが、衆議院の修正によってこの法律が繁雑に書きかえられ、しかもこの法解釈がかなりむずかしいものになると、いわば立法技術的にいうても、かなり問題がある。こういう点で阿部委員がついているのでございまするが、政府の、特に事務当局としては、この問題についてどのような所見をお持ちですか。これは政府の事務当局のあなたが、衆議院において満場一致議決された法律について、とやかく言うべき筋でないということも一応わかりまするけれども、この法を執行する立場にある者といたしまして、その責任上、やはり法解釈はあなたたちの説を、私どもは十分聞いておきたいのでありまして、その建前から御答弁をわずらわしたいと思います。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) 私の方としましても、この問題につきましては、いろいろと検討をいたしたのでありますが、ただいま小平議員の方から話がありましたように、別に法律構成としては、これで差しつかえないというふうに考えておりますし、また、現実に認証を受けて、入らない人でありましても、どうしても調整事業に従ってもらわなければなりませんし、それが公共の福祉に私どもの方としましては、必要だというふうに考えますので、今お話がありましたような、小平先生の意見と同様に私の方といたしましても考えております。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 私どもが昨日認証の問題につきまして質問いたしました際に、政府の答弁は統一されていなかったと思うのです。本日梶原委員の質問によりまして、認証について前尾大臣の答弁がなされたのでございまするが、いまだ昨日の不統一が明確になっておりませんので、重ねてこの点をお尋ねいたします。まずお尋ねしたいと思いますることは、認証というのは、意思表示をなされたものを確認する行為と、かように述べておりまするけれども、そういたしますと、この確認という、政府がなされる行為の中には、取捨選択ないしは確認しないという内容も含まれているのでございますか、どうですか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) これは形式行為でありますから、何ら自由裁量の余地はありません。その点を確認すればいいのでありまするし、それ以上に出ることはないのであります。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 そういたしますと、加入することに支障あるもの、というその支障という内容は、支障ありと感じた当事者が、主観的に判断すれば足りるという小笠次官の説明もあり、ただいまの大臣の、認証という中には、自由裁量の余地はないと、こういうふうに考えますると、修正するかしないかは別といたしまして、認証というものは、法律用語としてあらゆる届出と同断であると、かように解釈して差しつかえございませんか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 届出という言葉は、届け出る方からの行為を称しているのでありまして、行政官庁の側から言いますと、それを確認する行為であります。表現といいますか、事柄の裏表になっているわけであります。その間自由裁量もありません。また、加入に支障があるということは、小笠政務次官の説明している通りに、主観的な問題だという考え方を有するものであります。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 いま一点、重ねていま一点……。昨日の質問に関連して疑問の点を質しておきたいと思います。今言ったように、私どもはこの認証の問題について、不審の点をただしたのでありまするが、ただいまの大臣の答弁で大体了解ができました。ただ、ここで重ねてお尋ねしなければならないことは、第一項の規定による命令があったその瞬間から次に支障があると判断して、認証を求めたものが認証をされた、その瞬間までのその間は、一体命令を受けたものは組合員なのですか、それとも除外されているのですか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) それは組合員ではありません。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 そうしますと、全く四項によって、単に支障ありと思われるものが届出をする。それで組合員というものはときほごされていると確認をして差しつかえありませんか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) ときほごすと言いますより、そのときまで組合員でありませんでしたし、また、その後においても組合員でないということになります。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 昨日からそういうふうに首尾一貫した答弁であれば、私どもは了解するのであって、認証ということがやっとわかりましたので、これは速記に残して、認証ということはしかとさように判断すると、私どもは確認してこの質問をやめます。

島清日本社会党

○島清君 相馬君はそういう工合に了解をするかもしれませんが、私は了解をするわけにはいきません。(「社会党分裂」と呼ぶ者あり)それは何も相馬君と私たちはこの問題について党議を開いたわけではありませんから、今個人的な発言でありますから分裂じゃない。むしろ、分裂はそちらさんの方で、今議会運営をやっているわけじゃない、法案の審議をやっておるわけです。議会運営の形でわれわれの審議権をあまり圧迫しないように……。今、支障を認定するものは、それは届出をするところの本人である、さらに確認をしなければならない、こういう言葉をお使いになった。もちろん支障というのは主観的なものであります。しかしながら、認証というものは客観的なものでございます。そこで認証という客観性を帯びるのには、調査もしなければならないでしょう。届出は主観的で済みます。いやだと言えば済む、僕は仕事をやめるかもしれないから支障があるからいやだというときに、単純な主観的な考え方で届出をすることができる。しかしながら、認証ということになると、客観的な問題でありますから、客観性を帯びてくる。だから認証という、届出という言葉と、確認するという言葉は二律相反するのですね。届出なければいかんのです。どういうふうに御解釈でございますか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) いやだという意思表示を片一方が一するわけです。

島清日本社会党

○島清君 主観的な……。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) そうです。それを確認するのですから、組合員でないということを、また組合員になることを欲しないということがはっきりするわけです。意思表示が出まして、それが客観的なものに公認されるわけです。公認というか証明されるわけです。だから何もそのものの自由裁量とか何とかということでなしに、意思表示そのものが客観的なものになる、こういうことです。(「了解」と呼ぶ者あり)

島清日本社会党

○島清君 わかりました。(「ほらわかったろう」と呼ぶ者あり)そうすると届出をすることによって、効力は自動的に発生をする、こういうことでございますね。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 認証によって効力を発します。しかしそれは要するに意思表示があれば必然的に認証しなければいかん、それは一体的なものになるわけでございます。

島清日本社会党

○島清君 だから届出ることによって、自動的にその人の支障というものが効力を発生するならば、届出をした人の支障がそのままに客観的に効力を発生するということになる。ところが認証という言葉を使いまするというと、届出を受理した人が確認をしなければならない、承認をしなければならぬ、しかし書類が不備である、判こが上の方を向いている、字が抹消していないなんていうことが必ず発生してくる、そういう言葉に初めて承認という客観的な言葉が生れてくるのです。片一方は客観性を要求し、片一方は主観的でよろしい、自主的でよろしいというふうな、どちらかにしなければならぬ。ですから届出ることによって、自動的にその法律的効果が発生するとするならば、確認も何も要らない、そうでしょう。判こをどこに押していようと、その人が意思表示をする、それで足りる。その意思表示が文書であろうと、口頭であろうとかまわないわけです、そうでしょう。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 自分はいやだといって、自分の家で申しておりましても、これはわからぬわけでございます。

島清日本社会党

○島清君 わからないというのはどういうわけです。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) それは役所に行って意思表示を明示してもらわなければなりません。従って手続としては、書類を出してもらい、それに対して確認の判を押すという手続になると思います。しかしその間に形式的に、あるいはただいまのところを考えますと、期限内にその意思表示がされていればいいのですが、期限をおくれますと、それは、意思表示はされておらぬわけです。期限内に意思表示をされていることも、確認によってはっきりするわけであります。でありますから、自由裁量ではありませんが、何らかの行政行為は必要になってくる。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 議事進行について……。事務局を通じて質疑打ち切りの動議を、賛成者を得て委員長の方へ出しているはずでございますので、それを一つお諮りを願いたいと思います。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 動議が出ていることは、私も承知しております。現在質疑はまだ続けられておりますから、後日しばらくたってから善処いたします。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 後日というと、あすになってしまう。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) それはあとで……。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 どうぞ動議の性質から見で、すみやかに一つ。

島清日本社会党

○島清君 あなたたちは、総理大臣が来られて答弁することができなかった、私たちはできるのを待っているのです。それもできないで、していないじゃないですか、しておりませんよ。そういうことをあなたたちは承知しているはずです。それにもかかわらず質疑を打ち切るということは、失礼千万ですよ、そうでしょう。(「同じような質問だ」と呼ぶ者あり)同じような質問じゃないですよ、答弁できなかったじゃないですか。それじゃ岸さん呼びなさい、総理大臣を呼びなさい。総理大臣が来られて僕の質問に対して答えることができない、後日法制局と相談をして答えさせますというような、未回答もあるわけなんです。そういうことを承知しておるはずなんです。じゃ総理大臣呼んで、そうして答弁さして下さい。(「必要なし」と呼ぶ者あり)必要ない……、先般総理大臣が来られて、大体この法案には、業者の諸君には団体交渉をやらして、労働組合が団体交渉するがごとくに、中小企業者の組織をもって、団体交渉で不況の克服をはかるのだ、こういうようなPRがなされておる、しかしながら、この案の中には、団体交渉権というのは名目だけであって、実質を伴わないのではないか、そればかりでなくして、さらにこの大企業の下請けをやっている諸君と仕事を始めまするときに、団体交渉はしないという契約をいたしました場合には、これは民法契約自由の原則に基いて、この契約も必ずしも無効とは言わないが、これとこれと競合した場合に、どちらの方が優先をするかということを、私はお尋ねをいたしました。お尋ねをいたしましたときに、総理大臣は答弁をすることができなかった、通産大臣も同席でございましたが、そうして法制局と相談をしてお答えをしましょうということになっております。その点、法制局の長官来ておられますか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 私から御答弁申し上げます。これは法制局とも打ち合せた上でありますので……。この団体交渉に応じなければならぬという義務は、法律上の義務であります。この法律に定めた義務を果されないという契約は、民法の九十一条の公序良俗に反する契約でありまして、無効であります。従って優先するとかしないとかというのではなしに、全然無効なんです。

島清日本社会党

○島清君 無効であるかどうか、私は存じません。しかしながら、民法九十一条の公序良俗に反するから無効であるということは、私は言えないと思います。どこが公序良俗に反しておりますか、その契約が公序良俗に反するということは、たとえば赤線地域において働く、そうして、お前には幾らの報酬を与えようなどというような、こういったような公序に反するというような契約をした場合には、無効である、こういう判例がありましょう。しかしながら団体交渉はよくないという契約が、今も現になされておる、公序良俗に反するということで無効であるというのは了解できません。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 法律上の義務でありますので、法律の義務に従わぬという契約は、これは私は公序に反するものである、従って民法九十一条によって無効である、かように考えております。

島清日本社会党

○島清君 かりに、それがこの法律が施行される前に契約されていたらどうなりますか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) その点は前後を問いません。法律に従わぬという契約はできない……。

島清日本社会党

○島清君 そういうことはあとで研究をして、そしてまた再質問をすることにいたしますが、一体それではその契約は無効である、そうすると、この二十九条の条文が生きて参ります。二十九条の条文が生きて参りまするけれども、しかしながら、この二十九条によりますというと、私は内閣総理大臣に対してこれが何がしかの成果を期待をしておるわけであります。何がしかの成果を期待をしておりますけれども、しかしながら、これに対しては制裁規定というものがない。組合員には強制加入という憲法の疑義を犯してまで組合に加入させておいて、団体交渉に大企業が応じないという場合には、何らの制裁規定もない。そこで、それに対しては、罰則規定があってしかるべきではないかという質問をいたしました場合に、総理大臣は、交渉の成立するかしないかは、わからないのであるから罰則規定を設けるわけにはいかないと、こういう御答弁でございました。この点については、通産大臣も同意見だと思いますが、いかがでございますか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 交渉しないという場合におきましては、政府も勧告ができますので、政府の勧告によって目的を達し得るものと、かように考えますので、必ずしも組合員外の人に対して罰則を設けなければいけないというふうには考えておりません。

島清日本社会党

○島清君 あなたは政府の勧告とおっしゃいまするけれども、私たちは先日来から強制加入をし、さらに調整命令をお出しになると、二重の命令は不必要じゃないか、一つでよろしいじゃないかと言うて質問いたしましたときに、さらに万全を期するためには、この二事項が必要であると、こういうことを御答弁になった。ところが、今度は政府の勧告だけでよろしいで、非常に矛盾しやしませんか。どう思われます。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 中小企業者の内部といいますか、組合員の問題、また、中小企業者同士の問題、またしかも、それが一定の地域に一定の事業を営んでおる場合、ただいまのように組合交渉をする場合のように全然業種の違いますもの、あるいは全然中小企業者でない大企業の場合とは、これは別個に考えていくべきものだと思うのであります。

島清日本社会党

○島清君 それは僕は大臣が立っておられる基盤からすれば、大体そういうところだろうと思うのです。なぜなれば、一体団体交渉で困るのは大企業なんです。それで、これの成功を保障、団体交渉の保障というものが条文化されるというと、困りますのは大企業です。そこで、大企業に対しては、あるいは誠意をもって応じなさいと言っても応じないかもしれない。しかしながら、この大企業に対しては政府の勧告だけでその効果が期待されると言われておりますその大臣が、その不況克服のために協力をしなければ、業者に対しては、そうしてその個人的な事業のいかんにかかわらず強制命令をされるというのです。片方においては勧告で足りると言う、片方においては命令を二重にしなければその事業の目的を遂行することができないと、こうおっしゃる。このことについては私の頭が悪いから理解できないというのではなくして、私はどういう工合にあなたが答弁をされようとも、この矛盾を私は納得せしむることができないと思うのです。片方においてはあなたたちと、たとえばそれはあなたの方の内閣である場合にはいいかもしれません。勧告で聞くかもしれませんが、それなら社会党内閣の場合にはどうなります。社会党内閣の場合にはわれわれと親戚関係にない。だから勧告だけでは聞かない。二大政党の今日でありますからして、皆さんが行き詰まって、もう行き詰まっておりますけれども、政権を投げ出されます場合には、社会党内閣になる。そうすれば社会党内閣はこういう法律のもとにおいては、政府が勧告をしてこの法律がその団体交渉に応ずるという保障は何も持ち得ない、この点いかがでございますか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 中小企業者内部の同業者によってこの組合を作って、調整事業をやるという場合、全然それと関係のない関連の取引関係の業者、あるいはまた大企業者でむしろ中小企業者の内部に入ってもらったのでは、中小企業者の自主性が失われるというものとの間には、おのずから限界があると思うのです。従ってお互いに組合交渉によって話し合いをし、妥当な結果を得られる、さらに政府がそのものに対しては勧告をするということでありますので、これはまたその限界を守っていかなければ、ある業種団体のために、すべて関連の団体を縛っていかなければならぬということになりましては、これはむしろ非常な大問題だと思います。私はこれによって十分効果が上げ得ると、かように考えておりますので、この際はこれをもって十分であり、また必要であるとかように考えております。(「委員長」と呼ぶ者あり)

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 先ほど私は委員長に議事進行で動議を出しておりまして、先ほどから阿部さんの関連質問だから、私もやむを得ないと思ってしたのですから、私たちも書面をもって提出してあるのですから、適当にお諮り願いたいと思うのですがね。(「もう二、三点」と呼ぶ者あり)

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) もう二、三点だそうですからお許し下さい。

島清日本社会党

○島清君 大臣どうですかね。これは法文にはないのですけれども、あなたは期待するとおっしゃるわけですね。期待されるのもよろしいでしょう。しかしどうですか、一歩を進めて、もしこの組合交渉が成立をしない場合に、組合協約を希望するこの中小企業者の団体は、何らかの事後処置といたしまして、その審議会の方へ団体交渉に応ずるようにといって提訴をするという権利、提訴権ですね、こういうような一歩を進めて保障されるような考え方はございませんか。それならば私は、最後には提訴してどうしても応じなければならないという条文が待ちかまえておりますから、政府の善意によりますところの勧告によって、組合交渉の成立を期待することが可能であると思うのです。しかしながら、そういうものがないのにかかわらず、大臣の頭の先だけで、それは勧告だけで可能であると思うなんということは、立法者としてはなかなかそれは了解しにくい。そこで一歩を進めて、私はあなたがその中小企業者に対して団体交渉に応じない場合には提訴をするという提訴権というものをお考えになる御意思はないかどうか、お聞きしたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 組合員の内部の人に対しては全然……、これは外部の場合でありますので、おのずからそこに違いがあると思います。しかも交渉に応じないということになれば、政府が勧告することができるのでありますから、勧告によって十分提訴と同じような効果が得られるものと、私はそう思っております。

島清日本社会党

○島清君 今の大臣の答弁の中には、非常に重要なミスの答弁があるのですね。それは内部の問題だからこうだ、外部だからこうだとおっしゃる。内部と外部に分けて御説明になった。ところが、この法律案の強制加入は少しきつすぎるのではないかと私たちが質問申し上げたときに、あなたは公共の福祉のため、国民経済の発展のためにと言うて、外部的要素をもってこられて、強制加入の理論的妥当性を強調された。ところが、今はそうじゃない、内部と外部と比較されて、これは内部に法律は適用するのだから、外部に対してあまりきついことをしちゃいかんとこういうことをおっしゃる、そうでしょう。あなたが強制加入の必要性を力説された、その理論的な根拠というものは外部的要因ですよ、公共の福祉、国民経済の発達、これはみんな外部的な要因、中小企業から見れば……。今はそうではない、外部的要因を持ってきてきついことはできないとおっしゃる、この関連においてはいかがでございますか。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 加入命令を出します場合には、これは自主的調整の可能な組合でありまして、いわばごく少数の内部的な、当然入るべき人が入らないという場合であります。これは万般の外部の関連した事業ということになりまして、そこまで発展いたしますと、これはむしろ公共の福祉という抽象的な概念に、非常に広範囲の意味におきましては該当するにしましても、おのずからそこには段階があるのでありまして、どれもこれも一緒にするという考えで私は処理すべきではないと、かように考えております。

島清日本社会党

○島清君 どうも大臣の答弁として、あまり主観的すぎるのですよ。やはり御答弁というものは客観性を帯びなければいけません、いただけませんよそれは。あれをもってするにはこういう説法をもってする、これを説明するにはこの例をもってくるというような形では、私はこれはその説明にはならないと思う。説明というものは、やはりその普遍妥当とまではいきませんけれども、やはり客観性を持たないといかんと思います。それはそうとしまして、小平議員がみえておられますので、御退屈でもございましょうし、また聞きたいと思っておりましたので、御説明をいただきたいと思いますが、私たちは議会の閉会中にあなたにお越しをいただいたときに、私たちの考え方としましては、どういうようなPRがなされていようとも、この法案だけによって中小企業者が救われるということの結論は出ない、これと相待つて、ほんとうに国家の施策として中小企業者の安定と発展をはかろうとするのには、それに付随するところの三法が備わらなければならない、すなわち小売商業者に対してはどうするか、さらに大企業の圧迫であくせくしておりますところの中小企業、また、なかんずく零細企業に対してはどうするかという、産業分野をどうするかという問題と相並行して行われなければ、これは片ちんばになっちゃうのだと、こういうことを申し上げたのです。そのときに今あなたのところの委員会の方に停滞しておりまする、日本社会党から提案をいたしておりまするところのその関連の法案について、もっと良心的にこれを取り上げていただいて、この法案と同時に成立せしめるように、御熱意を一つ傾けていただきたいという御要求を申し上げました。そのときに小平さんはそれはもっともであるということで、一つ委員会の方に持ち帰って、相談をして趣旨に沿いましょうというような御返事をいただいたと思っておりますが、その間の経過について御説明をいただきたいと思います。

小平久雄自由民主党

○衆議院議員(小平久雄君) 御指摘の通り、休会中の当委員会において、島先生から今お話しの通りのお話がございました。そこで、私はあの際御答弁申し上げました通り、直ちに衆議院の商工委員長にも、参議院の段階でこういう話があったので、こういう答弁をしておいた、しかるべく御善処願いたいということを直ちに私は連絡いたしておきました。次いで、この臨時国会に入りましてからの運営は、衆議院の方の商工委員会の運営は、理事会等にお諮りいたした上で相談の進むに従って今日までずっとやっておる次第でございますが、実は私も理事の一人なのでありますが、やむを得ぬ事情がありまして、私は理事会そのものには実は臨むことができなかったのであります。そこで、理事会の打ち合せの模様を今詳細にここで申し上げるわけにはいきませんが、委員長には先ほど申しました通り、臨時国会前から私は直ちに御連絡を申し上げておきましたし、社会党の理事さんの方からも、あるいはそういう御要求があったのかないのか、私も実はよく存じません。いずれにいたしましても理事会の決定に従って運営が行われておるわけでありまして、そこでは、まだいかんながら社会党の御提案になっておられる、継続審議になっておられる法案の審議にまではお入りになっておられないようで、ございます。ありのままに私は申し上げておきます。(「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり)

島清日本社会党

○島清君 それははなはだ、われわれと約束されまして、その熱意のほどはまあ努力されたでございましょうけれども、お約束をされて、私たちが期待を申し上げたほどの成果を上げてないようでありますが、社会党側の方からはどうなんですか。春日さん一つ、あなたも僕らの方の要求を、非常に、善処しようと言って、同時成立を私は約束されたと思っておったのですよ。そういうような私は意味を含めて、意思を含めて、そこで御質問申し上げたわけなんですよ。もしそこに、そごがあったとするならば、届出を認証というものが、確認というものが、非常にそごをするのと同じですよ。私の言い放しで、問題がそこに効果が発生するならそれはよろしいわけなんです。しかし、僕が要求し、あなたが合意をして、さらにそれが具体的に事実が作られなければ、ここに姿というものは出てこないわけですから、それだけ違うわけです。認証という問題は、届出と確認ということをそれだけ違うわけです。ですから春日さんにも、一体僕らの要求に対して、一体商工委員会の方で、どの程度の熱意をもって審議されておるかいつごろ一体参議院の方に送っていただけるか、ちょっと御説明いただきたいと思う。

春日一幸日本社会党

○衆議院議員(春日一幸君) 党の決定は御承知を願っておりまする通り、プラスアルファの成果を期して成立をはかるということと、第二項目に、現在の中小企業が当面いたしておりまする経済事情の中においては、ただひとりこの法律案の成立のみをもってしては、その成果を期しがたいので、従いまして御指摘、また本日本委員会に強い主張のありました、すなわち他の二法案、中小企業の産業分野の確保に関する法律、それからもう一つは、商業調整法、政府からのは小売商振興特別措置法でありますか、この法案の同成立をはかる、こういう案件が党の方針として決定されておりますので、従いましてこの党の決定に基きまして、衆議院段階においても御要請の通りの努力が続けられておるものと、理解をいたしております。

島清日本社会党

○島清君 強制加入の問題と関連をいたしまして、今までは全然私は聞いておりません、聞こうと思いながら聞いていない問題がたくさんあるわけでありますが、ここで一ぺん、まずその一つの例といたしましてお聞きしたいのは、公共の福祉のためにという抽象的な名詞によって自由意思が尊重されないで、強制加入の処置がとられる。それは中小企業者であるがゆえにそういうようにとられるわけであります。ところが、中小企業者というものは、ただ単に経営者だけではございません。中小企業者のもとには労働者がいるわけでございます。そこで、労働者は労働組合を作ることが憲法によって認められている。それは国鉄におきましても、日教組におきましても、どこにおいてもそれは官民たる……、労働組合は憲法の基本的な権利として認められているのであります。ところがその組合におきましては、第二組合というようなものが非常に奨励をされて作られるような傾向にあるのです。たとえばその中小企業者の労働者が、これは一つの労働組合を作るかもしりません。あるいはまた、分裂したところのたくさんの組合になるのかもしりません。私がここでお聞きしたいのは、中小企業といいましても、中小企業者の生産……、鉱工業生産業者でございまするならば、その製品を販売する。しかし、その中小企業の中におりまするところの労働者は、その労働力を売って、さらにその対価を得るわけであります。これは、中小企業といいまする場合には、一つの中小企業の企業体の中にあるわけであります。しかしながら、この組合の、労働組合に対しましては、第二組合を作ろうと、たくさんの組合を作ろうと、これは勝手だということになる。ところが、中小企業者だけではそれは第二組合も、アウトサイダーも許さぬと言うのです。この矛盾したことについては、どうもやはり私たちは理解することができないのですが、われわれが理解できるように、大臣の説明を願いたいと思うのであります。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 中小企業者の団体と、労働組合の団体は非常に違うと思います。一つは、中小企業者二はお互いに競争して、過度の競争をやっているという現実であります。労働組合、あるいは労働組合員というものの中には、私はそういう意味の競争はないのであります。その過度の競争によって非常に安定を欠いているというのが両者の非常な違いだと私は思います。

島清日本社会党

○島清君 それはもちろんそうです。過度の競争をやっているのであるから、で消極的にこういう法律が必要性を帯びて参りまして、過度の競争を防止して、そうして中小企業の安定をはかっていこうというのが、この法律の目的のはずでございます。これがその法律の表面でございまする消極性の意味するものでございます。ところが、あなたたちは、その強制加入と関連をいたしまして、そうしてその積極的な強制加入というその国家意思を発動されておられる。そこで私たちの考え方からいたしまするならば、強制加入の問題にいたしましても、中小企業者の諸君は過度の競争で倒産が続出している。すなわち不況要件が発生をして、これでは困るのであるから、こういうふうに救済しなければならないと言う。ところが、それに反対、この法案に反対される諸君は、いわゆる消費者の方々は、こういう法律ができると困ると言っておられる。困ると言っておられるのであるが一私たちは、しかしながら人が今倒産しようという場合には、あなたたちが困るからと言うて、そうしてその中小企業者を見殺しにするということは、同じ日本人として隣人愛に欠けるものがあるからして、もう少し隣人愛を一つ発揚してもらって、そうして中小企業者が成り立っていくようにということを私たちは説明をして、納得を願おうとして努力をいたしているわけであります。そこに、大臣が院外に目を向けられますならば、先刻阿部君が申されましたように、すなわちきのうも朝日新聞や、毎日新聞が社説に取り上げて、さらに慎重でなければならぬと、強制加入のごときはこれは行き過ぎである。しかもまた、けさの新聞におきましては、ここに消費者の方々が、環境衛生法が通ってきたおかげでこういうふうに物価が上ったと言うて、新聞にちゃんと物価の指数まで出ておるのであります。こういう方々に対しましても、私たちはこうしなければ、こういう法律を制定しなければ、すなわち中小企業の諸君は倒産をして、不況要件ができたときには、これはかわいそうであるから、隣人愛を発動して、それで法律の制定はやはりこれは必要じゃないかと申し上げておるのです。こういうことを申し上げているのです。ところがあなたの場合は、強制加入の場合には非常な積極的な意思をここに表明をされる。ところが変って、また消極的な説明をされるのです。よしんばあなたの方がその強制加入妥当なりと、今院の外における世論を無視して、強制加入だ、この法律を通さなきゃならぬという考え方でございまするならば、これもやはりその理論は、先ほどから申し上げておりまする通り、公共の福祉という一つの抽象的名詞である。ところが、その中小企業の中に働いておりまするのは、必ずしも経営者だけじゃない。労働者もそうなんです。その労働者は労働組合を幾つ作ってもよろしい。むしろ政府の方はそれを奨励をしておる、幾つ作ってもよろしい。しかし、中小企業者はたった一つのものでなきゃいかんと強制をしておるのですね。そこにお分れるところの理屈は、一つはそれは自分の力を売るものである。それからまた一つは、その力を利用して、わずかばかりの資本を投じて製品を作って、それを売るということに段階的なものは分れておりまするけれども、私はその選ぶところのものは別々じゃないと考えておるのです。今大臣からせっかく御答弁がございましたけれども、その程度の御答弁では私は納得がいかないと思うのです。だから憲法に保障された労働組合を、分裂政策を慫慂されておりまするところのあなたのところの政党が、なぜこの中小企業のこの組織については、いやがるところの業者にまで、いやがる業者にまで国家意思で強制しようという加入条項に固執されるかということなんです。その異質のものじゃない、同質のものが、形が変ってある場合にはこういう説明がされている。ある場合には否定的な説明、ある場合には肯定的な説明、ここに一つ一貫したところの説明かなされていない。この一貫した説明、いついかなる場合でもこういうふうなものさしをもって、このものさしではかっていくのだ、こういったような一定のものさしがなけりゃならぬはずである。このものさし的な説明ですね、これが欠けておりまするので、どうも理解できないのですが、もう一ぺん、一つわずらわしいことでございましょうけれども、御説明を願いたい。

前尾繁三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(前尾繁三郎君) 労働組合と中小企業の組合というものは、先ほど来申しておりますように、全く私は異質のものだと思います。過度の競争をやっていくのが自然の姿の中小企業者の組合、過度の競争が起る心配のない労働組合と、私は全然別個にして考えていかなきゃならぬと思います。と申しまして、過度の競争が行われますにつきましても、加入命令のごときはもうごく限局して、どうしてもこれをやらなければ中小企業者全体は救われないのだ、こういうときに初めて発動しておるのであります。また今度は関連の取引の業者との関係といいましても、これはいずれも今度は同業者同士とは非常に違うもので、それでお互いに違ったものは、その異質の程度に応じて、別個の制度を作っていかなければ実効が上らぬことは、もう私が申し上げるほどのこともないので、大体において島先生の御質問の中に、御回答が中に含まれておると私は思うのであります。(「うまいこと言うな」と呼ぶ者あり)

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 島君、ちょっとまだ御質疑中ですけれども、ちょっと先ほど高橋君から御発言がありました動議の件につきまして、その取扱い方協議のため、暫時休憩いたしますと    午後三時四十分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・—————

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