社会労働委員会 第6号
- 発言数
- 35 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/11/12
会議録
○委員長(阿具根登君) 開会いたします。 委員の異動を報告いたします。十一月十二日付をもって、藤原道子君が辞任され、その補欠として坂木昭君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(阿具根登君) 次に、請願についてお諮りいたします。本委員会に付託せられた請願は七十五件でございます。その審査については、委員長及び理事において下審査を行いまして、五十二件を採択し、二十三件は保留することに協議いたしました。保留いたしましたのは、第三百九十号、第三百九十一号、第三百九十二号、五百八号、五百五十号、三十三号、四百六十八号、三百九十三号、三百九十四号、五百四十八号、五百四十九号、四百九十五号、五百四十五号、五十六号、十六、三十一号、五十五号、百八十四号、二百八十三号、三百九十五号、三百九十六号、三百九十七号、五百十号でございまして、その他は採択といたしました。 ただいまの委員長及び理事において下審査いたしました通り、当委員会の決定とすることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。それでは、さよう決定いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(阿具根登君) 次に、閉会中継続審査調査承認要求に関する件について、お諮りいたします。現在当委員会に付託中の法律案十三件でありますが、その全部及び調査事件二件は、いずれも今期国会開会中には審査調査を完了することが困難でございますので、継続審査調査要求書を議長あて提出することとし、その手続等は委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(阿具根登君) なお、調査事件が議長の承認あった場合の閉会中における委員派遣については、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿具根登君) 御異議ないと認めます。よって委員長は、理事と協議して進めることといたします。 ―――――――――――――
○委員長(阿具根登君) 次に、社会保障制度に関する調査の一環として、昭和三十三年度厚生省関係予算に関する件を議題といたします。 質疑を願います。
○中山福藏君 本日は厚生大臣がお見えになりましたから、私、引揚問題に関連する事項について、御質問申し上げたいと存じます。 厚生大臣すでに御承知の通りに、この昭和三十二年八月の引揚者の状況を見てみまするというと、引揚人員が二百十九名、これは昭和三十二年八月の分でありますが、そのうちに朝鮮人が三十三世帯、百二十五名というのがおります。それからなお、昭和三十二年十月の二十日の分を見てみますというと、このうちに朝鮮人というのが、二百三十九名朝鮮籍の人がおるようでございます。それで、こういうふうないわゆる第三国人が日本に簡単に入国できるということになりますというと、結局、法務省における入国管理局の仕事というものが、このために非常に何と申しますか、除外例というものが入国について認めるような結果になるのじゃないか、こう考えられまするが、この入国を簡単にお許しになったのは、単に同情して、あるいは世界人権宣言の第二条というような条項の精神に基いてやられたのか、その辺、どういう気持でこんな簡単な手続を内地人とともにとられたか。あるいは私が考えますと、戦前日本人であったというような立場から、そういうことになったのか。この点、一つ明確に方針をお示しを願いたいと思うのです。
○国務大臣(堀木鎌三君) 今おあげになりましたのは、いずれも樺太からの引き揚げの問題でございますが、率直に申しまして、これらの朝鮮人と日本の婦人が結婚をいたしておって、そして日本に引き揚げて参るというふうな情勢で、船を回しますときに、これを引き離して処理することは、全体として考えますときに、よほど、何と申しますか、人道的に考えましても、引き離すというようなことは考えられないのじゃなかろうかというので、ソ連からこちらに引き揚げて参ります場合に、これらの朝鮮人の夫たるものが、同時に入って参る。ただ、最近の実例で見ますと、何と申しますか、いかにも割合が、朝鮮人の割合というものが非常に多くなっております。これらの問題については、なお将来私どもとしてとくと方針をきめなければならぬ。なお、樺太に残留いたしております日本人が、まだ相当ある見込みでございます。これらの問題について政府として考えてみなければなるまいということは考えておりますが、ともかくも私どもとしては、日本婦人が日本に帰国いたしたいということに対して、私どもが何と申しますか、一つのルールをきめて、それでもって結果的に非常に人道に反することはいたしがたいという考え方から、こういう問題をそのまま認めておりますような次第でございます。
○中山福藏君 それでは、さらに重ねて厚生大臣並びに入国管理局の方々にお伺いしますが、いかなる法律に基いてこの入国というものをお許しになったのか。単に情実関係、同情関係からお許しになるということになりますと非常にれんびんの情禁ずるあたわざるような状況が朝鮮以外の国に対して起った場合においては、同様な立場というものをとられるという一つの先例というものを作るということになる。だから、この場合これの規定となっておるところのいわゆる入国を許可したところの適用された法律ですね、それをやはりこういう場合においては、国家としては一応はっきりした点をお示し下さっておかなければ、これは非常な影響があると思う。今日すでに朝鮮は独立しておる。独立しておるが、戦前の関係だけを考慮する、あるいは内縁関係を考慮する。しかし法律上その籍は朝鮮にある。これはもちろん朝鮮の法律というものが、夫婦関係には、平等の立場からいえば別といたしまして、適用されるというのが本来からのしきたりじゃないかと実は考えるのです。それを同情という建前だけに立って簡単におやりになるということは、これは私は非常な弊害というものをかもすのじゃないかと思う。たとえば、現在御承知の通り、船底にたくさん三十人も一緒に入りまして、山口県とか福岡県の海岸に着陸をして上って来る、こういう人が相当あるのです。あるいは愛媛県に上る。こういう苦難をなめずに、内地人と結婚の形さえとれば、いつでも日本にいわゆる入国ができる、こういう先例というのが開かれるのじゃないかと思うのですが、一つまずもってその法律の、どういう法律に基いてこういうお手続をなすったか、それを承わっておきたい。 それは、入国管理局の人は特に法律にはやかましいのです。一人、それが上陸しても非常にやかましく文句をおつけになって、相当あちらこちらの開港場では混乱が生じておるということはすでに御承知の通りでありますが、これは厚生大臣にお聞きするのは少し無理かと考えますから、一つ本職の方から御答弁をお願いいたします。
○説明員(田村坂雄君) 樺太からの日本人の引き揚げに同伴した朝鮮人の入国については、実は従来の引き揚げは日赤等三団体がその衝に当って行なっておりますが、過般の樺太引き揚げにつきましては、一応ソ連側から外務省の方に、日本人の相当数の帰国を希望しておる者と、その日本人と結婚しております家族の者についての、日本への渡航を日本側が認めてくれるかどうかというような、あらかじめソ連側からの申し出がございました。従いまして、従来は民間ベースで行なっておりましたものが、国交回復後におきまして、政府間の話し合いで引き揚げが始まった。樺太の引き揚げはそれが最初のものである。こういうように解釈いたしておるのでございますが、それにつきまして、日本人と結婚しております朝鮮人の夫並びにその間にできました子供の本邦への入国について、どういうように扱うかということで考えましたが、結局これら朝鮮人は日本人の家族であるという前提のもとに、日本側がソ連側に対し日本人の帰国を促進しておりまする立場から、一応この結婚を現地で引き離して、日本人だけ受け取るというのは、非常に人道上の見地から好ましくない。従って、日本人の家族でありまする夫並びにそのほかの子供は一応受け取る、そういうように回答をした次第でございます。従いまして、朝鮮人の夫、子供につきましては、あらかじめ入国の許可を一応与えたわけでございます。従って、そういう日本人の家族であるという家族関係を上陸に当って審査をいたしまして、それに間違いはなかった場合には旧樺太領におった、日本人の家族だという二点を確かめまして、上陸の許可を与えたような次第でございます。
○中山福藏君 ただいま入国管理局の御答弁を承わりますというと、一応家族関係を調べたとおっしゃいますけれども、国際私法の関係になっていると見るのですが、樺太に存在して、ソ連の樺太における戸籍の問題は法律上どうなっていますか、それを一つお答え願いたい。樺太では、ソ連の戸籍法というものはどうなっていますか。いわゆる向うで扱うとすれば、向うの法律というものは樺太在住の間は適用されるわけなんです。それで日本人といわゆる朝鮮人と結婚すれば、その戸籍に対するところの法律の適用はどこの国の法律を適用したか、そういう点についでお調べになっておるでしょうか、お答えを願いたい。
○説明員(田村坂雄君) その点につきましては、日本人の女と朝鮮人の夫と樺太地区において結婚しておったということを、本人から一応証言をさせまして、その家族関係を認めた次第でございます。
○中山福藏君 そういう簡単なことで入国をあっさりと許されるということになりますれば、たとえば日本にある人間が来て、日本人と結婚する。支那人がまず来て、日本人と結婚して子供が二人ある。これは私、現実に知っておりますが、その亭主となった人間は日本人との内縁関係があり、すでに戸籍というものからその家内がはずれて支那の籍に入っていても、あなた方は退去命令を食らわしておるという実例があるのですよ。それくらい厳格な取扱いなんですよ。それを、本人がそういうことを言った。現在どういうふうなことが行われているかといえば、日本に入国がかなえば、二十万円あるいは三十万円取っているブローカーもいるわけです。だから、そういう金を出して、お前さんの籍へ入れてくれぬか、お前さんと夫婦関係があるということにしてくれぬか。そうすればお前さんに十万円、二十万円お礼をするということに、よくしばしばなっている実情を私は知っている。それで、あなたがその日本人からそのことをちょっと聞いたから、証明されたから、それを日本に入れた、こうおっしゃるわけですがね。それは一々あなた方は証明書をソ連の手を通じてお取りになっているんですか、入国管理局は。それでしたら、見せていただきたいということを私は要求するわけですがね。そういうことがあってもいいんですか。そういうことが行われているんですか。
○説明員(田村坂雄君) 今の結婚の云云の問題でございますれども、実は本邦に入るに先だちまして、そういう日本人の、日本婦人の夫であるという関係を了承しまして、そうして一応事前に、そういうものならば入国を許可しようということを事前に先方に連絡してございますので、ただいまのこちらへ事前の許可なくして入って来た者と、そこは多少取扱いが違ってくると了解いたす次第でございます。
○中山福藏君 どうもあなたの御答弁ははっきりしないのですがね。日本人の婦人と結婚すれば当然日本の籍に入る、というようなまああなたの御答弁のように承わるわけですがね。まあ現在の戸籍法では、どっちの名前でもいい規則になっているから、現在の戸籍法の精神から、あなたは答弁をしておられると思うんですが、そこがですね、これはやはりソ連の樺太におれば、国際私法の建前から、一応そのどこの法律をその樺太に在住しておられるときには適用するかということを、一応聞いて、この法律に基いて夫婦関係ができた。それで、確かにこれは日本人という証明がつかなければ、幾らあなた方は官吏だといったって、入国管理局が簡単に、われわれの知らない間にさっさとおやりになるということは、非常に悪例を残すことになるのじゃないかと実は考えるのであります。これは前もってあなたに、こういうことが前例になるのじゃないかという例をあげて申しておきましたから、重ねて申し上げませんがね。非常に尾を引く問題だと思います。 御承知の通りに、現在朝鮮の人は、逮捕された人の何ですね、日本の漁夫なんかも帰さぬというような非常に厳重な立場をとり、日本人だけがさっさと、おいそれと、ソ連さんが言われたからそういたしましょうという簡単なことでは、私は国の権威に関すると思います。同情するという立場からいえば、人間ですから、お互いに同情するのは当然でしょう。しかしながら、私はもう少し法律というものをちゃんとたてにとって、そうしてこういうわけだからこういうふうにして入れる。単に日本人と内縁関係を結んだから入れたんだというようなことでは、あまりに軽率じゃないがという気がするのですがね。どうでしょう、その辺は。 一つ、厚生大臣、あなたもよく聞いておいて、常識的な答弁でもけっこうですから、一つその点を言っていただきたいのです。これは入国管理局も、法務大臣がおられなくて、責任ある答弁はできないと思いますが、非常にこれまでの取扱いというものは粗雑であり、かつ軽率であるという感じを持っておるのですがね。これは厚生省が、ことにこの引揚問題には当面の主体でありますから、一つあなたからもその点についてお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(堀木鎌三君) 私もこの問題、実は率直に申しますと、厚生省は従来中共からの関係は、三団体を通じましていろいろ交渉しておるわけでございます。これは申し上げるまでもなく、国交が回復していないものですから、そういう変態な形式をとっておるわけですが、日ソ関係におきましては、外交関係を通じてそういう問題がきめられまして、紀船が行われるという状況になっております。今お話しのような点は、外務、私ども、及び管理局等の間で、十分打ち合せをいたしてしなければならぬ問題かと思いますので、なおよく研究いたしたいと思います。しかし、事は外交関係自体から起っておる問題であるということだけは、御了承いただきたいと思います。
○中山福藏君 外交関係だから、私はやかましく言うのです。国の権威の保持のためにです。近ごろは、日本というものは少し圧力を加えれば何でも聞くというような感じを、世界各国に与ておるのではないかと私は考えるのです。それで、漁夫の問題がことにその顕著なるものです。そこで、外交関係ということをおっしゃいますが、外交関係だから遠慮しなければならぬということはないと思う。私どもは政治のために、あるいは権利のために、明確にそこに一つの線というものを打ち出しておかなければ、日本の外交というものは、今後外務省はあってもなくてもいいということになる、情実関係に流れてですね。私はそこを一つはっきりさしてもらいたいと思う。 だから、今の入国管理局の方のお言葉でも、外交関係の結果ソ連との話し合いでそうなった。しかしながら、ソ連は、朝鮮人という国籍人に対しては、絶対的な力はないはずなのです。ソ連にとっては、朝鮮人というものは外国人です。その外国人を、第三国人を、日本とソ連というものが相談して、自由勝手に取り扱うことができるかどうか、これは厳格にいえばそうなってくるわけです。しかし、今日の私のお尋ねしておるのは、そこまで拡大していくわけじゃない。単に日本人と結婚したということであれば、幾らでもこういう名目はつけられる。たとえば南米に日本人が渡航しようという場合に、養子関係というもがあれば渡航できることになって、三カ月ばかりある戸籍に入った、そういうことが行われるということになると、朝鮮民族共通の性格を私は知っておるのですから、どういうことをやるということになるか。これは悪くは言いませんが、他国人ですから。民族の共通性というものがある。だから、そういうことを利用されて、そうしてせっかく入国管理令というものを作っておきながら、その穴をあけてあると。日本に入国する突破口というものを、あなた方がお作りになっているような気がする。そうしてソ連と北鮮とは、これは同じ共産党でありますから、いつでも自由に交通できる。樺太とか千島に行って、日本人と形式的な結婚をやり、簡単に入国ができるということになりますと、私は非常に影響というものが大きいのじゃないか。だから、法律に基かず、単に情実で入国を許したとこういうことでいいのですか。もしそれでいいとおっしゃるならば、私はあらためて本会議で質問してみたいと思う。一つはっきりした御答弁をいただきたい。
○説明員(田村坂雄君) 樺太からの引き揚げにつきましては、一応日本人は日本人の帰国として扱いまして、これらの家族である朝鮮人につきましては、一応これを入れていいか悪いかということは、ただいま厚生大臣のおっしゃられました通り、外務、厚生、法務等関係機関で協議をいたしまして、その結果一応これら朝鮮人の日本への渡航は認める、こういうことに相なりましたので、その結果一応仮入国の許可を与えまして、そういう旨を外務省からソ連側に通報しまして、その結果に基きましてわれわれの方は入国の審査業務に当りまして、それぞれに外国人としての待遇、資格を与えて上陸を許可したような次第でございます。
○中山福藏君 これ以上質問しても同じことを繰り返すことになりますから、申し上げませんが、私どもは政府の方針というものを、入国管理局の窓を通じてしばしば承わっておる。それで、最も厳格に入国の事項というものをお取り扱いになっておるあなた方が、こういう問題で非常に、何と申しますか、私の個人の考え方からすると、実にだらしないやり方だという感じを受けるのです。それで、こういうふうにお取扱いになればなるように、公平の原則からいって、すべての人間に対して同じような取扱いをすればいいと、こう思っておるのですがね。しかし、こういうふうな特殊な事項に関して、非常にあなた方は何と申しますか、無責任じゃないかという感じがするのですがね。一応これはまた一つあらためてお尋ねする機会を作りたいと思いますから、あなた方の方も十分一つ御研究になっておいていただきたい。 それで、日本人の家族であった、そういうお言葉がしばしば出るのですがね。これは家族であるかどうかはわかりませんよ。あなた方はきょうはほんとうは証拠を持ってきて、この通りだといって私どもに呈示いただく方が最も正確たと思っておりますのですけれども、そういうひまもないのですが、それはないだろうと私は考える。あなた方の手元にはなくて、あな方はお茶を濁すためにそうおっしゃっておると私は思うのですが、一つ責任ある態度をおとりになって、十分御研究になって、法務大臣と打ち合せを済まして、法律上の根拠というものを、国際関係においては、やはりこの引き揚げの問題についても、一応対外的にはお取り上げにならぬと、とんでもない間違いが将来生ずるということだけを私は申し上げて、私の質疑を終ります。
○山下義信君 私はこの際一点だけ伺いたいことがあるのです。これは質疑というよりは、むしろ大臣の御説明を承わりたいことなのですが、実はこの九月ごろの資料しか持っていないのですが、世上、堀木厚生大臣の一つの新たな構想として、全国にいわゆる保健福祉地区の組織をやる、こういう御構想でおありになると思うのですが、私の拝見しました厚生省のいわゆる当初予算の要求なさる予算書、古いですから、最近はお組みかえになったかとも思いますが、九月ごろの厚生省のお考えでは、いわゆる地区衛生福祉組織として約一億三千三百三十三万四千円の費用を、これは大蔵省に要求しようとしておる。これはまあこういう数字は動いたかもしれませんが、要するところ保健福祉地区組織でありますか、そういう御構想を持っておいでになる。これがだんだん民間の方の各種団体に伝わって参りまして、いわゆる従来の社会福祉運動の組織と、それからいろいろ公衆衛生の国民運動の何といいますか、運動と申しますか、そういうふうな民間の動き、これを二つ一緒にして組織をやろうじゃないかというような御構想のように、世間のうわさを開いたのであります。これは非常に私は重大である。 一つには、現在の社会福祉の関係の組織というものは、申すまでもありませんが、数年前に当委員会が中心になりまして、現在の社会福祉事業法という法作って、それに民間の、当初民間でありましたが、公私とも通じての社会福祉事業の組織の再編成をやったわけであります。それでまあやって今日に及んできている。そういうまあ組織の再検討をする時期に当面しておると私も思いますが、今日やっておるわけです。それから民間の公衆衛生関係の推進といいますか、運動関係は、昔は衛生組合がやって、今はどうなっているか知りませんが、これまたこれで公衆の衛生という特殊の分野で従来発達しておるし、まあいろいろな団体もあるのでしょう。推進団体もあるでしょう。これも一緒にするというものの考え方は、いかにも新しい。一緒にするということにおいての利便もあるでしょう。そういう考え方の特徴も私ども認めるにやぶさかでありませんが、一体これをどうしようとするのか、どう処理しようとするのかということの御構想を承わりたい。 それで、まあ卒爾として考えますと、こういう大きな、一つは社会福祉の分野、一つは大きな公衆衛生の分野、関係はないとは言いませんが、この大分野というものを一緒にすることによって得るところの便と、失うところの混乱というものと、つまり結局は両者の主体性というものをそれぞれ失うてしまうという一つの杞憂というものを、よほど私は深く考察してそれらの考え方を練っていかないというと、あるいはマイナスの面が出てくるのじゃないかということを非常におそれる。この種のことは単なる思いつきではいけないのであって、よほどあなたの方でも構想をお練りになり、御研究、御検討になったことであろうと思いますが、関係する分野が非常に私は大きいと思う。下の方からいきますと、保健所を中心としての各種の公衆衛生の活動、それがだんだん、だんだん上に上ってきてのいわゆる公衆衛生の行政、社会福祉の行政というものの上にさかのぼってくるという、大きな関係を持ってくる。この二大行政というものの分野というものは、今日すでにその弱体化というか、混乱性というか、何というか、いろいろ批判をされておる今日の段階でありますから、下の方の民間の団体の組織あるいはいわゆる地区住民組織というものの行き方も、これはよほど深い考察と各種の見通しを持って私は打ち立てていかなきゃならぬだろうと思うのです。深く存じませんので、この際大臣のお持ちになっておる御構想を御説明をわずらわしたいと、こう思うのです。
○国務大臣(堀木鎌三君) これは、まず第一に、私の考え方の基本は、行政そのものと関係から直接には起ってこなかったのでありますが、御承知の通りの、鳩山第一次内閣のときでございましたか、新生活運動というのが一つ考えられて、しかも民間の自主的活動にこれを期待する。いわゆる官製的な上から下へ行くような活動ではないというふうな基本線があったのでありますが、私自身も、今度の地域社会活動自身につきましては、官製的なものは作るつもりは全然ないのであります。民間の自主的な活動、それが発展して参るということが、実はわれわれのやっております厚生行政、なかんずく社会福祉、公衆衛生関係の仕事に、そちらからはね返って参りまして、非常にわれわれの方の行政が円満に施行されるような状態になるのではなかろうか。また役所の方で、今度は行政組織の上から見ますと、そういうものの民間の活動の自主的な活動ができて参りましたときに、始めてわれわれの福祉活動なりあるいは衛生関係の仕事が、ほんとうに国民の生活に取り入れられるのでなかろうか。ただ官庁行政的なやり方だけでは、どうもこの面についての、国民生活に、かえって国民の福祉を向上する点に欠くるところがあるのじゃなかろうか。 御承知の通り、厚生省におきましても従来、蚊とハエあるいは、ネズミ等の問題に関しまして、地区々々的に相当活動がございました。また一方民間の活動を見ておりますと、これらの蚊とハエのほかに、回虫駆除であるとか、あるいは衛生関係のいろんな部面にわたって活動をしておられる。こういうすでに民間にそういう活動が起っているならば、それが一村落にとまっておるところは、隣の村落にも及んでいくべきであろうし、そういう活動が起るであろう。その活動が起らないとすれば、一体どこに欠陥があるのだろうかというふうな点を考えなければなるまいと思います。私どもの方の栄養関係と農林省の食生活の関係も、新生活運動の観点から、民間から相当取り上げられております。 要するに官庁自身のもの、行政部門別あるいは官庁間の同じような問題が、帰一するところは国民の生活の向上であり、福祉の増進である。そういう観点から、これらの問題が民間においてどんどん活発に取り上げられて参れば、いわゆる私どものやる仕事は、そういう民間の自主的な活動に対して、われわれの行政部面で障害になるような部門があるならば、それは取り上げて参りたいという、また民間の方からこういうことはやるべきであるという指示があれば、それに即応してやりたい。そして参りまするならば、国民の環境衛生的なもの、あるいはさらに進んで健康の増進にもなる、一家の幸福にもなる。またそれが社会福祉関係におきまして、いろいろな家庭を対象として問題を考えている。御相談にあずかっている。あるいは御承知の通りに、非常にある村は、自分たちの力が貧乏なのは、多産ということによってなかなか貧乏から抜け出すことができない。すでにそれらについて家族計画が進んでいる。それならば、それに対しまして、自主的な活動に即応した、われわれの活動をすべきではなかろうか。従いまして、地方々々の特徴によって、こういう社会福祉の面から考えましても、あるいは保健衛生の面から考えましても、非常なそういう民間の自主的な活動に対して、われわれが障害になることを除去し、あるいは希望に従った活動をする、こういうことであって、全国的に画一的な組織を官製的に作り上げるという考え方は当方としては持っていないわけでございます。
○山下義信君 抽象的な御方針、お考えとしてはその通りでしょう。それは現在の各種の行政を国民に浸透させようとする方針だということの現状と同じでありまして、要するに、最後にお述べになりましたこれらの希望を達成するためには、官製の団体は作らぬのだ、民間の自主的な活動に待つのだというところが肝心なのであります。つまりそういたしますと、何も一つの組織的な団体を作る、いわゆる新たな組織を作る考えはないのだと、こういうことであります。また既存の団体を何か利用するというお考えはおありですか。端的にいうと、現存の社会福祉協議会という組織がある。この社会福祉協議会という組織を活用して、ここに公衆衛生活動を持ち込んでやらせたらどうかという考えでもおありになるのでしょうか、どうでしょうか。つまり具体的にいえば、そういったような社会福祉なり公衆衛生の面がある。それらを活発に強化していくためには団体がなくちゃできないわけです。既存の団体を使うか、あるいは自主的な団体が生まれることを期待するか、天下りの官製の団体を作らないけれども、団体なしでこれを希望するということは現状と一つも違わぬので、新構想でもなければ新方策でもないのですから、そういう動くための団体とか人とかいうことは、どう考えておられるかということを承わっておるのです。
○国務大臣(堀木鎌三君) 現在各地方に活発に行われている実践活動の組織体、それはある場所では何と申しますか、今申し上げました、蚊とハエの撲滅に対する活動が行われている、あるいは結核に対する健康診断が非常によく行われている。それを行うために民間の活動体がある。それ自体はそれ自体でけっこうと、こう思っておるのです。ただ何と申しますか、一例をあげますと、片一方ではたとえば健康診断を一生態命にやる、片一方には結核関係についていろいろな活動があるとすれば、これは相互に連絡歩調を取りながらやることが一番有効な民間の団体として働くのじゃないか。縦の系統は相当ございますが、それらに対して一つの欠点を見出し、その活動しておる人自体から見て、相手の活動体に、こういうことをやってもらうと自分たちの流動がほんとうはいいんじゃないかというような、相互間の活動に対しまして一つの刺激を与えて参るということが必要なんではなかろうか、こういうふうに考えておるわけであります。今おあげになりました社会福祉協議会をどうするか、実は社会福祉協議会の地力組織におきましては、福祉関係の仕事と衛生関係の仕事を相当強く取り上げておるところもございますし、あるいは福祉関係の活動にのみ専念しておるというふうな動きをしておるものもございます。それらにつきましては、やはり全体として、私どもとしては社会福祉との関連において、公衆衛生関係の仕事にまで発展して下されば非常にけっこうだし、また民間のそういう実践団体の相互調整にも当っていただければ非常にけっこうだ。要は何と申しますか、官製になりますと、一つの標準を示して、一つの事柄が全国的に取り上げられるような形式化するのでございますが、私どもの今意図しておりますところは、そういう形式的な活動と、官製的な活動というものは全然考えておりません。だから地区々々によって取り上げる問題が相当異なったものがあっても一向差しつかえない。そこにその問題に熱意をもって、その地域社会をよくしようとしておる活動体自身に対して、これを少しでも弱めるというような考え方は全然ないわけであります。画一することによって官製化し、そうして実際の活動をしておられる人の活動体が弱まって形式化する、こういうことは全然考えていないわけであります。
○山下義信君 お気持はよくわかるのでありますが、私は厚生省のお考えが、率直に申し上げまして、もっと整って具体化したときにもう一度適当な機会に御意見を承わることにしたいと思いますが、そのお気持を表わすために、政府が費用を使って事業を行うということになれば、事業をやらせる一つの団体が対象となってくることは言うまでもないのであります。それで十分一つ御考慮をお願いしたいと、この際お願いをしておきたいと思いますことは、今、大臣の言われましたように、おのおの必要なそれぞれの活動の団体があって、それらに大いに助成をさせるのだといういき方ならば、私は少しも疑義はないと思います。しかしながら一つの団体にそれらの連絡調整の機関、中心的な任務を一つ与えて、従来行なったことのない新しい事業をその団体に加えさせる、そうしてその地域におけるいわゆる社会福祉なり公衆衛生の諸活動の一つの元締め的役割を持たせるということになってくると、その団体の主体性は、一体社会福祉か公衆衛生かということになって、一応はお考えにもつともと思われる節もありますが、どのように金を与えても、どのように団体を強化しても、その事業という目的に主体性がない。どっちが一体その団体は仕事を主にするかということがなくなってしまうということは、強化したように見えておって、私の憂慮するのは、むしろ非常に弱化するものがあるように憂慮するのです。それで、ことに御検討願いたいと思うことは、社会福祉協議会には法律できめました任務がある。あなたの方では天下りにこういう運動をさせ、組織をさせる思いはないということでありますから、そのことは裏を返して言えば、運動に必要な措置はとらないということと同じです。衆議院から地区衛生組織の育成に関する法律案でありますか、というものがあなたの方の与党から出ておりますが、そういうものと関係があるかどうか存じませんけれども、この運動についての立法措置をとらぬということになると、既存の団体を利用するということになる。もし現在の社会福祉協議会というものを、そういった団体を使うということになれば、この団体にはちゃんと事業目的が法律の上に明記されておる。法律のしに明記されていないような仕事を取扱うということになってくるというと、法律を改める必要がそこに生ずると思います。そういうような法律関係を別といたしましても、この大きな分野、いわゆる二大分野、私は社会福祉と公衆衛生とは無関係とは言いません。非常に密接な関係にあるでしょう。しかしおのずとその行政なりその分野の目的なり、活動範囲なりというものは、いろいろ人においても必要な知識、必要な諸般のいろいろの施策においてもおのずから実は二大分野になっておる。ほんとうを言うならば、公衆衛生の方にうんと強力な団体を作り、あるいはそういう団体の生ずることを期待して、そうして両団体があることがきわめてふさわしい。これを一つにするということは、何も事務の簡素化でもなければ、団体の統合にもならぬし、この両方の事業を何にも調整したことにもならぬし、その地域の住民がこの一業に熱意を持ち、大いに努力をやるという抽象的な狙いはいいけれども、そういうことを推進していく一つの組織なり団体ということになってくると、今のようにこの二大分野を団体として一つにするのか、主体性はどうないていくのか、そういうことにおいて公衆衛生の国民運動というものが強化されるのか、これは従来の民主委員のような知識ではいけないので、生活保護はかりでトレーニングされてきた民主委員に衛生知識を与えるかどうかしていかなければならぬ。動員される国民の分野も違いまするし、それの持っておるところの経験、技能、そういったような知識等も違うのであって、いろいろそういう世話をするものを新たにそれに衛生知識を吹き込むか、あるいは衛生分野のものには社会福祉の知識を吹き込むか、やはり組織と人というものがなければ目的は達成されないのでありますので、この種の御構想に対しましては、十分あらゆる角度から、ひいてはずっと一線の関係行政をさかのぼりますというと、本省のあなたの方の厚生行政の基本的あり方というものと縦横無尽に御検討に相なって、私はせっかくの御構想でありまするならば、ぜひ落ちのないように、疑義のないように御検討相なることを私はこの際希望を申し上げておきたいのであります。この予算をお組みになるのでしょうし、通常国会になりますというと、それが具現してくるのでありますから、事前に十分に私は各分野の関係者の意見もお出しになって、これでわが国の公衆衛生の強化にこれがなるのだ、公衆衛生関係の従来の先輩諸君または民問の諸君も、その局に当る諸君もこのやり方でよろしい、もしそういうことを一つの民間の組織としてやっていくということをすでにもろもろの意見が出ておりますように、社会福祉事務所と保健所を一緒にしてしまえ、児童相談所を福祉事務所も一緒にしてしまえ、何もかも一緒にしてしまえというようないろいろなことが起きて参りまして、その部分の強化推進という従来きぜんとして持っておりまする厚生省なり、われわれ社労委員会の持っておりまする大きな目標にいろいろと私は影響がある、かように考えますので、大臣におかせられましては、せっかくな御構想でありますから、十分にお練りになりまして、万遺漏のないように処置を願いたい。ただ、現在の社会福祉協議会を強化する、ただそれに金をやって、そしてこれを十分仕事をさせるというようなことではもとよりないはずでありますが、新生生活運動にお乗りかえになりますという狙いもけっこうでありますが、直ちに公衆衛生の分野を社会福祉の分野に待ち込んで、それでよろしいかどうかということは、一つ十分御検討をわずらわしたいと思いますが、御所見いかがでございますか。
○国務大臣(堀木鎌三君) 今おっしゃいますこと、私の今までの考え方が、まだまだ推敲して参らなければならぬことは私認めております。こういう問題でございますから、常に反省と、そうして努力というものが必要であります。そうして将来に、りっぱなものが国民運動として自然にでき上ってくるということが必要だと思いますが、今おっしゃいましたような縦の活動体を一つに形式的に統合いたしまして、そうしてそういうものを、同じようなものを形式的に全国の地域々々に押しつけようというふうな考え方は全然ないのでございます。まあそう言っちゃ何ですが、私史は新生活運動のときに相当御相談にあずかったわけでございますが、要するに民間に現に活動していろいろんな活動体があるわけでございます。そういう活動体がだんだんとこう隣村から隣村にいくようにしていくことが大切なんであって、官製的に作り上げる必要はない。また隣の村がやっておる仕事に、別な仕事が住民の希望によってもっと熱烈に取り上げられなければならぬところも地域々々の特質で起ってきておりますので、そういうふうな点は自由に住民の満票によって取り上げられていくようにすべきであって、官製的なものは厳に避けたい、形式的、画一的なものは厳に避けたい。こういうようなことが基本線で、また予算等も決して何と申しますか、官製的な組織が要るから考えるというふうな考え方で予算を盛ろうと思って、おりません。ただ各方面に起っております地域社会活動自身を御紹介するということはやはり必要でなかろうか、こういう村ではこういう活動が起って、こういう幸福を住民にもたらしておる、しかもそれが自主的に非常によくいっておるというところがあれば、それらの問題をご紹介することは必要であろう、またある種の問題がこういう点に欠点があって伸び悩んでおる、しかし他方ではそういう欠点がなくて、うまく発展しておるというふうなことをお互いに知り合う機会を持つ。それで中央において一つの組織の中枢部があるような考え方よりは、むしろ現場々々において現実に国民の生活から痛切に感ぜられ、取り上げられる問題が活発に発展して参ればいいのであると、こういうふうに考えておるのであります。それで現にある種の地域活動として取り上げられた社会問題というものが、こういう公衆衛生なり、あるいは福祉関係の仕事で取り上げられておる活動体そのものに対して一種の制約を与えるというような、画一的、統一的なために制約を与えて、その活動的な活発さをなくするというふうなことは全然やるべきでない、こういうのが私の考え方でございます。 それで、従いまして予算もごくわずかでございますし、一つの役所の機構を動かすようなことは考えておりません。ただ地域活動の結果、役所の現場機関がこういう点は不都合である、こういう点は直すべきであるという要望が自分たちに起りまして、それが直されなければ自分たちの活動が非常に阻害されておるというふうな問題があれば、逆にその方面から行政組織が再検討をむしろされるというふうになればけっこうだと、こういうふうに考えております。御注意の点は私どももぜひ頭に入れまして、この運動を推進いたしたいと思っておりますので、なおいろいろと現実に行なっていく上におきまして、御意見なり御批判をちょうだいいたしたいと考えておる次第でございます。
○坂本昭君 ちょっと厚生大臣にお伺いいたしたい。先般委員会で三十三年度の重要施策についての御説明をいただきまして、堀木厚生行政の目標とするところを的確につかむことができたのであります。ところがその中で三つの柱、国民皆保険、低所得層対策、結核対策と、この三つの柱が大きなテーマになっている。そう思うのであります。ただ内容を見ますというと、低所得層対策など、また順を追ってお尋ねしたいと思いますが、内容的には、これはほとんど大したことはない。それからまた結核対策もこれまた順を追ってこまかい点お聞きしますが、これも実はあまり大したことはない。特に国民皆保険との連関において結核対策というものが十分作られていないということをこの予算面で発見しまして、私は力を入れて大いに政府攻撃をこれからやろうと決意をしたわけでございます。 ところで大臣自身に特に最初にお願いしたいことは、この前のときも各種の審議会の調整をはかれという声が委員の中から出ておりました。が、私は各省の審議会よりも、厚生省の中の局と局との調整をはかってもらいたい。つまり省内の調整、さらに各省間の調整、こういう点について、たとえばこの低所得層対策の中で住宅問題にもふれています。しかしなら、この住宅問題については建設省との間の調整がまだまだ不十分であります。そういう点で大臣の大臣たるゆえんの一番大事な義務がどうもおろそかになっているということを、これは特に自覚をしていただきたいと思うのであります。で、まずこの国民皆保険ということからお尋ねしたいのでございますが、国民皆保険ということは、これは私たちは同じように念願しているものでございます。そうして国民皆保険になった場合は国民健康保険、さらに生活保護、こういったものが全部保険医という形で、今現にも行われていますが、将来も行われるたとえば保険医という言葉は、保険医の険は健康保険の険ですが、同時に健康の健でもあるわけです。すべての医師が保険医であるとともに、健康を保つところの保健医でもあるわけです。そうしますと、一番の問題はこの医師法の第一条に、一体医師の任務はどういうことかということが書かれてあります。それを今日の保険医にそのまま当てはめることができる。その第一条に害かれてあることは「医師は、医療及び保険指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。」と書いてある。これは同時に現在の保険医ですね、保険医にもそのまま当てはまることなのです。もちろんこの医師法の中では第二章では免許のこと、第三章では試験のこと、第四章では業務のことが規定してありますが、私はこれこそそのままに今皆さんの考えておられる保険医に当てはまる。この前の委員会でも国民皆保険ができた場合に一体大臣は、政府はこの皆保険ができ上ったときの保険医というものをどういうふうに考えるか、こういう質問をいたしました。また日本の医療というものはこれは国営であるか、国家管理であるか、こういう質問をいたしました。時間もないようでありますから一点……。保険医というものについて新しい立法をすべきときではないか、すなわち保険医というものの身分の保障、生活の保障を規定するようなことも考えられなければならないのじゃないか、私はそういう点で厚生省が考慮を払っているかということをまず一つお聞き申し上げたい。
○国務大臣(堀木鎌三君) 医師法第一条をおあげになりまして、お医者さんの使命というものについて御説明なり御質問がございましたが、予防衛生の面につきましてお医者さんの力を借りるということは、私は非常に必要なことだと思う。その問題を考える場合に先ほどの質問のありました地域社会活動にも、実はお医者さんの協力は私としては大切ではなかろうかというふうに考えておるわけであります。協力と申しますか、むしろある意味においては、その方面の指導を住民の間に行うことが国民の健康を増進する、現にある村ではお医者さんと婦人団体が中心になって回虫駆除をやっておられるとか、いろいろな地域社会活動があることも、そうして国民の福祉を増進しているということもよく存じておるのであります。ただ一番主たる御質問の保険医について国家が生活費を保障し、と同時に一つの統制的なものにお医者さんの仕事が入ってくるというふうな問題につきましては、実は私はただ解決を自分自身ではいたしておりません。と申しますのは、お医者さんの白川ということがやはり学問の進歩というものを非常に促進するのではなかろうか、医術の進歩を促進するのではなかろうか、そういうものと、一つの何と申しますか、保険制度のような国家的な一つの体制に入った医療というものをどう調和するか、こういう問題は実は私の常に頭に往来しているところなんでありますが、それらにつきまして、もう少し根本的な対策を別に考えたいということで、今いろいろな観点から考えてはいるのでありますが、まだまとまっていません。
○委員長(阿具根登君) ちょっと速記を落して。 〔速記中止〕
○委員長(阿具根登君) 速記を起して下さい。
○中山福藏君 ちょっと厚生大臣にお尋ねいたしますが、あなたはきのうの新聞で東南アジアに対する医療交流をやるとおっしゃいましたが、これは三十三年度の予算にその経費を組み入れられるのかどうかということですが。
○国務大臣(堀木鎌三君) 実はこの問題の経緯をお話ししますと、早く予算に間に合わしたいと思いまして、最初こっちから医療調査団をやりたいと思ったのです。そうして向うと打ち合わせさしたい、ところが率直に申していろいろな意見がございますのと、これは速記を……。
○委員長(阿具根登君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(阿具根登君) 速記を起して。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十八分散会