外務委員会 第3号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/11/08
会議録
○委員長(寺本広作君) それではただいまから委員会を開きます。 前回に引き続き在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行います。質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
○曾祢益君 このソ連大使館の在勤俸のきめ方について伺ったところによると、変える原因は、要するに為替レートが対米一ドル四ルーブルから対米一ドル十ルーブルに変更された。その結果非常にレートがよくなったわけですね。その結果、結局在米大使館の在勤俸の約一・三ないし一・四五倍に当る額が適当との結論に達した。これがどうもどういう論理なのかよくわからないのですが、為替レートの倍数からいけば非常な大きな差益が出るはずなんです。それがいきなり今度アメリカの在勤俸との比較で十一倍とか丁四五倍とか、その結果は従来に比べて大体二割の減額をするのがいいと、この数の論理が一つもわからないんですが、ちょっと御説明願いたいと思います。
○政府委員(松本瀧藏君) これは非常に専門にわたりますので会計課長に答弁させます。
○説明員(中川進君) お答え申し上げます。御指摘の点ごもっともでございますが、実は当初にソ連の在勤俸を決定いたしました場合におきまして、この正当な額がいかほどが正当であるか、すなわち、ワシントンの在勤俸に比べまして果して何倍にすれば正当であるかということが実はよくわからなかったのでございます。それで外務側といたしましては三・五倍くらいをもらいたいということを大蔵側に折衝いたしまして、大蔵側はそれは多過ぎるということで、いろいろ折衝いたしました結果、一・六ないし二・〇倍という為替レート切り下げ前の在勤俸が決定せられましたのでありますが、何分開設早々のことでありまして資料その他わからないから、これはそういうものがよく整った上で、将来改正するという含みをもって暫定的に決定になったものでございます。当然これをもっと引き上げるということが私どもとしては宿題になっておったのでございます。ところがそういう事態のもとにおきまして、この三月の三十一日に急にソ連の方で、今曾祢委員御指摘の通り、一ドル四ルーブルから一ドル十ルーブルに切り下げと申しますか、実際的に切り下げであります、正式には切り下げではございませんが、そういう為替レートの切り下げがありました結果、この問題がまた元に戻りまして、従来のレートが果して正当なレートであるかどうかということとともに、新しい事態のもとにおきまして果してどれだけのレートにしたらよいかということを、従来のレートと新しいレートとの関連が二・五倍になる、三・五分の一になるということと離れて考えることになりまして、それでは一体ソ連の現在のルーブルの実勢力というものがどれくらいであるかということ、これは私どもが先ほどの三・五倍を要求いたしましたときに、いろいろ調べましたところ、大体一ドル約一四・五ルーブル見当じゃないかというところでそういう資料要求をしたのでございましたが、その後ソ連に対してわが方から御承知の経済使節団が参りました。外務省のみならず通産、大蔵町当局からも専門家が行く、それから国会の方もおいでになられたというようなことで、だんだんソ連のルーブルの実勢力というものに対する評価が固まって参りました。その結果、ソ連のルーブルの評価を一応形式的には十ルーブルであるが、実勢力は十五ルーブルくらいに見るのが正当じゃなかろうかという結論になったのであります。そこでソ連という国に在勤いたしますと、そのルーブルだけでは必ずしも生活できませんで、やはり必要物資の購入、あるいはお医者にかかるとかいろいろなことでドルにディベンドしていく生活が相当ある。これを一体どれだけ見るかというのもこれまた水かけ論でございますが、結局の判断の根拠になりましたものは、百もらううちの三分の一、すなわち三十一というものはこれはドルで使う。だからそれはそのままおいて置く。それからあと残りました六十七というものにつきましては、ルーブルの実勢力が一ドルに対して十五と認められますのに、形式的には十ルーブルである。そこで六十七掛ける十分の十五というものを出しまして、それに三十三を足しまして、そうすると二三三・五という基準が出ましたのでございます。それでこれをまず大体中心に置きまして、二等書記官の上くらいのところに置きまして、大使をずっと汁ずりずっと下の方をふやす。一・三ないし一・四五という数字はそういうような基礎に基いて出てきたものでございます。
○曾祢益君 そうすると、前のあれは暫定的なものであったが、結局ルーブルの大体実際の対ドル比価をいろいろな方面から算定して、一ドル十五ルーブルとこう大体見たわけですね。そこに一ドル十ルーブルでもらうが、それは三分の二しか使えないからあとの三分の一はドルで払わなければならない。それを考慮してみると、一三三・五というのは全部ルーブルとするよりも一二三・五だけさらにもらわないと実際は工合が悪いと、こういうわけです
○説明員(中川進君) 御指摘の通りでございます。
○曾祢益君 わかりました。それからもう一つ同じく在勤俸なんですが、この内容の説明書の三ぺ−ジの終りから五行目くらいの所に書いてありましたね。要するにスエーデン、オーストリア、ユーゴの大使館昇格に伴う在勤俸の問題ですが、「従来の公使の在勤俸の額をそのまま大使の在勤俸の額とし、公使の在勤俸の額は、大使のそれを一号俸との中間に定めました。一号俸以下は、従来どおりで変更はありません。」これはこの土地のスエーデン、オーストリア、ユーゴについての公使の在勤俸の額をその−まま大使の在勤俸の額としたということが一つと、それとさらに公使をつける場合にはその公使の在勤俸は大使のそれと一号俸との中岡に定める、こういう意味ですか。ちょっとこの点の説明よくわからないのですが。
○説明員(中川進君) 曾祢委員御指摘の通りでございまして、初めの公使の在勤俸と申しますのは、つまり新しい形の大使の在勤俸は、従来館長であった公使の−在勤俸をそのまま横すべりさせたのでございます。その次の公使と申しますのはこれはほとんど考えられない場合でありますが、とにかくオーストリア、ユーゴ、スエーデンという国の館長でない公使が来た場合、参事官の一番上の在勤俸と、それから館長たる大使の在勤俸と足して二で割りまして、その中間に、一種のフィクションでございますが、在勤俸を定めた次第でございます。
○曾祢益君 一号俸というのは、公使の一号俸という意味ですか。
○説明員(中川進君) 違います。一号俸と申しますのは、これは一般職の給与でございまして、大使、公使は特別職でございます、
○曾祢益君 もう一つ続けて在勤俸のことてすが、ポーラント、チェコスロバキアの在勤俸ですが、これは開館に当って至急やる関係で、とりあえずソ連と同じということにきめたということは、これは便宜の措置としてよくわかるのですが、その後若干の日にちもたっているので、政令でやっておいて今度法律化する前に、また今度はさらにここに書いてあるように、今後さらに慎重調査検討の上、改正すべき場合は改正するというよりも、今までに当然に大体の目安というものはついでなければならぬと思うのですが、多少これはどうも便宜的に至急開館したから−、政令でとりあえずソ連の在勤俸と同じにしておいて、今度政令を法律としなければならぬ。これは法律の要請で、次の国会に出される場合にまた同じものを出しておくというような、少しどうも便宜に過ぎると思うのです。それほどこれまで実情の調査が困難だというような事情があるのかどうか、その点を明らかにしていただきたい。
○政府委員(田付景一君) 御指摘の通りわれわれとしてはすでにチェコ、ポーランド等にも人は参りましてある程度物価その他のレートの点についても研究はしておるのでございますが、何分向うに生活いたしまして、あるいはサーボアントの俸給とか、あるいはその家を借りた場合の借料とか、そういうものがまだ十分につかめておりませんので、一応ソビエトに与えた額と同じような率にしまして、そうして今度参りまして、向うに大使館が開設されますので、その連中から十分な資料を取りましてその結果来年の三月三十一日までに、あらためて別のチェコなり、ポーランドなりのレートをきめたい、こういうふうに考えております。それで、できたらば通常議会にそのもう一ぺん改訂しました率を出したい、こういうふうに考えておるのであって、曾祢委員の御指摘の通りに、二重の手間にはなるのでございます。けれども、法律の上において、やはり政令を出しましたら最も近い機会の国会にそれを法律にしろという規定がございますので、一応今度の場合チェコとポーランドは非常に暫定的なものでございますけれども、今国会に提出したような次第でございます。
○曾祢益君 やむを得ないこともあると思いますが、果してソ連と一緒にするのが妥当なのかどうかということも問題がありはせぬかと思うのですが、たとえば外国の例、これは右へならえする意味ではないけれども、外国の例なんかでは一体どうなっているのですか。ソ連と同じになっているのですか。チェコやポーランドの在勤俸は。
○説明員(中川進君) ただいま御指摘の点でございますが、ちょっと資料を持ってきておりませんので、正確な数字は後刻御報告申し上げますが、若干違っております。しかし大体共産圏におきますところ、の外国の給与の実態というものはいろいろ調査しておるのでございますけれども、なかなかつかめないのでございます。と申しますのは国によりましていわゆる特殊レート、そのレートがまたどれだけのレートをとっているのかもなかなか明らかにいたしません。たとえばソ連が従来四ルーブルであったのを、ある国はドルが十何ルーブルぐらいのレートでやっている。チェコの場合には、一ドル七クローネルが公定レートでございますが、それを十何クローネル出しておるらしい。大体もらっておるということは、その当該の国の係官が口頭で申すのでございます。正確に何十何ということ、それから在勤俸のプロポーションのうち何パーセントがそうであるか。それから今度は向うの金にかえた場合に、それをまたもとのかたい金に返す自由があるのかないのかということ。それからまたもっと大きな問題は、宿舎というもの、現物支給があるかないか。それから食糧その他のものを本国からどんどんただでやっておる、それから若干の手数料をとってやっておる。いろいろな例がございまして、正確に日本のように全部金だけで渡しまして——公館主は別でございます——御承知のように館員に関する限りは、全く金でやりまして、あとは国としても何らのめんどうを見ておらない国はむしろ少うございまして、その点におきまして比較はなかなかむずかしゅうございますが、しかし、御指摘の通り若干モスコーの在勤に比較いたしまして、チェッコ、ポーランドの一方は少しその率が下じゃないかという印象を持っております。だからこの点は、実際に公館を開きまして、ポーランド、チェッコの中で生活してみました結果、教育施設はどうなのか、お医者さんはどの・くらい金がかかるか、果して、その中で学校へ行くのにどこかやはりスイスなりどこか近くの国へ行くとすれば、実際に金がかかるというようなこともございます。そういう点がはっきりいたしました上で、あらためて今、官房長が申し上げましたように、通常国会のできれば会期中に改訂いたしましたものを提出したいと、こう考えておるのでございます。
○加藤シヅエ君 在外公館を設ける場合に、兼摂と申しますか、お一人の公使あるいは大使がニカ国の公使、大使を兼摂しておるというような場合があるようにも思うのでございますが、現在どことどこがそういうふうになっておりますか聞かしていただきたい。
○政府委員(松本瀧藏君) 二十一ございますが、こまかい国は一つ政府委員からお答えいたさせます。
○政府委員(田付景一君) 大体兼摂いたしております国は大使館外は二つございまして、ラオス、ネパール、それから公使館ではノールウエー、コスタ・リカ、ルクセンブルグ、それからホンジュラス、 エル・サルパドル、パナマそれからイスラエル、グアテマラ、ニカラグア、ハイチ、エクア、ドール、サウジアラビア、ヨルダン、スーダン、イエメン、大体そういうところでございます。
○加藤シヅエ君 そういうような場合には在勤俸はどういうことになりますか。
○政府委員(田付景一君) 夜勤俸はその在勤しております。土地の作動をもらうのでありまして、幾つか兼轄いたしておりましても同じ在勤俸しかもらえません。ただ旅行をする、つまり管轄地域に旅行をいたしますので、その旅費の場合にはそういう公館によけいに出していただくということはございます。
○加藤シヅエ君 そういうような兼摂で間に合していらっしゃるというのには何か基準があって、こういうような事情のもとでは兼摂でいいとか、あるいはここに公使大使を、置かなければならないというようなことは、どんなような基準でおきめになるのでしょうか。
○政府委員(田付景一君) 実はわれわれからいたしますと、大体多数の国に置きたいと考えておるのでございますが、一つは財政上の問題もございまして、やはり各国に大使館なり公使館を設けますと、それだけまあそこに費用がかかるわけでございまして全体の費用から申しましてやはり全部に置くわけにいかないものでございますから、ある程度、まあ日本とあまり関係が少い所、あるいは経済的にあまり関係がない国というような所は、自然重要な国の方に本館を置きまして、そこが別のその近くの国を兼轄する、こういう方法をとっておるわけでございます。従って、今の二十一カ国ございますが、そのうちの数カ国は来年の通常国会で大使館なり公使館なりをぜひ設けたいとこう考えておりますので、徐々にそういう兼轄の国を減らしていきたい、こう考えております。
○加藤シヅエ君 在外公館がたくさん任地の−ある中で、特に気候があまりよくないという所が相当たくさんあると思うのでございますけれども、そういうような所は何か避暑とかあるいは避寒でございますか、いろいろの名目である一定の時期はその土地を離れて気候のいい所へ行って少し保養をしなきゃならない必要があるというような土地があると思うのでございますが、そういうような所に対してどういうような名目のどういうような特別の手当を今お出しになっていらっしゃるか、あるいは出していらっしゃらないのか、そこを聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(松本瀧藏君) ただいまの御質問、実にわれわれといたしましては十分なる答弁のできないことを残念に思うのでありまするが、要するに問題は予算措置でございまして、外国の例にならいまして、たとえば非常に気候の悪い所にいる公務員、大使、公使等あたりに長期の休暇を与えるとか、転地というようなこともぜひしたいのでございますが、御承知のごとく日本の外務省の予算は率から申しますると、アメリカ合衆国に次ぎまして一番少いパーセンテージでございます。もちろんアメリカ合衆国の場合はパーセンテージは少うございまするが、額というものが非常に大きいものでございまするから、あるのでございまするが、〇・七%に達しないほど実に貧弱な予算でございますので、今後一つ努力いたしましてこういう問題も解決できるように処置していきたいと考えております。
○加藤シヅエ君 そういたしますと、現在は何も特別の手当はない。
○政府委員(松本瀧藏君) これといって別に取りきめているものはございません。ただできるだけ早く他のもっと気候のいい所に転勤さすということも考えておりまするが、しかし、かと申しましてやはり天候の、悪い所におきましても、大使館、公使館としては重要な地点もございますので一年、二年ですぐかわるというわけにいかない場合もございますので、はなはだ残念に思っております。
○加藤シヅエ君 これは外務省の−予算をおとりになるときに十分に考慮なさらなきやならない点じゃないかと思うのでございます。どうも気候の悪い所には誰でもあまり長くいたくない。しかも日本との関係で非常に重要な土地が相当たくさんあると思います。ことに日本の外交が今後アジア、アフリカというような所に非常に重点を重く考えなきゃならないような場合に、そういう気候の悪い所がたくさんある。しかもほかの豊かな国の大使公使は避暑だの避寒だのといっていろいろの土地に転地をなさるときに、日本の大使公使はおつき合いができないというようなことではやはり非常にまずいことだと思いますが、そうかといって健康が悪くなられることも非常にお気の毒だと思いますから、こういうことは十分今度予算の点で、あるいはやはり何か一つ−のそこに基準を定めてちゃんと名目で一つの予算をおとりになるというようなことをこの次の予算に考えていらっしやるでしょうか。
○政府委員(松本瀧藏君) 絶えず考えてこれを出すのでございまするが、残念ながら意のままに進んでおれ一ません。
○加藤シヅエ君 意のままに進まないとおっしるのはどこで進まないのでございますか。
○政府委員(松本瀧藏君) 結局削られるのであります。
○加藤シヅエ君 どこで削られるのでありますか。
○政府委員(松本瀧藏君) いろいろと査定をしておりますので、これはいかぬ、あれはいかぬという工合で、いつもやはり意のままこれ進まない。ぜひ今後一つ皆様たちの御助力を得まして、もう少し、予算が獲得できるようにお願いしたいと思います。
○森元治郎君 このごろの外務省の人は銭金の話をあまりしなくなったの・だが、近ごろの世界の各地の生活水準からいって、この在勤俸で食えるようになったのか、外人のお客さんをして、二、三度ぐらいでもやれる余裕があるのか、若干の貯金ぐらいもできるのか、その辺を一つ官房長最近帰ってきたのだが伺いたい。
○政府委員(田付景一君) われわれといたしましては今の在勤俸で一応やっていけると考えておりますが、各人の趣味の問題もございましょうし、ある場合には非常に足りないところもあるかと思いますが、まあ事実われわれといたしましては、これは決して十分だとは考えておりませんけれども、そう何と申しますか、日本の外交官が外にいて外国人の方から見て非常に品位が劣っているというようなことはないように考えております。
○加藤シヅエ君 なお私もう少し続けて伺いたいことは、在外公館に経済専門の経済アタッシェというようなものは現在あるのでございますか、どうでございますか。
○政府委員(松本瀧藏君) こまかいことにつきましては、また政府委員から答弁していただくことにいたしまして、経済外交を推進する上におきましても、ぜひこれは必要な機関でございまして、できるだけ経済問題に通じておる者を配置するように努力しております。いろいろと他の省との関係等あたりにおきましてございますけれども、もし数字等あたりが必要でございましたならば、政府委員から説明させます。
○政府委員(田付景一君) ただいま定員といたしまして各省から来ておりますのは九十二人でございます。そのうちで経済関係と申しますか、通産省が約三十人、大蔵省の人が約十七人、農林省の人が十四人、大体海外に出ております。
○加藤シヅエ君 通産省や他の省から在外公館に勤務されていらっしゃる場合には移動なさるのでございますか。一定の所に派遣されて相当長期間そこにに滞在して経済的な調査かなんかなさるのでございますか。
○政府委員(田付景一君) 大体同じ所に、二年ないし三年半ぐらいおりまして調査やそれから事務をとっております。
○加藤シヅエ君 藤山外務大臣は非常に経済外交というようなことに重点をお置きになるようなことを、いろいろ方々で御発言なさっていらっしゃるように伺うのでございますが、私どもも外交の、面において経済が非常に大切であることは、もとよりこれは申すまでもないことだと思うのでございますけれども、そうかといって経済だけが主になって、いわゆるほんとうの外交ということが従になるというようなことは、何のために外交官というものがあるのか本末転倒のようなことにもなるおそれがあると思うのでございます。その経済外交が非常に必要だというようなことを言われるというのは、やはり在外公館にしっかりした経済を担当する方がいつもいて必要な経済的な調査報告というようなものが十分にあるというようなことで、その上に外交が立てられる、そのため・にはどうしても経済担当をなさる方がもっともっと十分に各地に配置されるというようなことが必要だと思うのでございます。方々各地の在外公館の中を回っていろいろお話を伺ってみますと、方々の・大公使がいつもそういうことを言っておられるように私も承わっておるのでございますが、年度が変りますときには、やはりそういうような所にもう少し力をお入れになるような今御計画をなさっていらっしゃるでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(松本瀧藏君) お説の通りでございまして、その方面に力を注ぎつつございます。
○委員長(寺本広作君) 他に御質疑はございませんか。
○森元治郎君 外務大臣代理の政務次官に思い付きですが、ちょっと申し上げてみたいと思うのだが、私はこの共産圏の外交について従来は外交官試験を通ってきたキャリアの外交団だけが、国際情勢から経済情勢を報告しておったのですが、これは特殊な国なので、ちょうどアメリカがジョージ・ケナンを出したと同様な趣旨で若い篤学の士、ことにマルクス・レーニン主義の研究の深い人、こういうのを大使館の三等官くらい、あるいは二等官ぐらいの資格で駐在させて、そうして現地でとっくりと勉強させるということは外交に非常にプラスになるのじゃないか。こう思うのですが、意見かたがた申し上げておきます。
○政府委員(松本瀧藏君) 森委員のおっしゃる通りでございまして、省内にもきわめて優秀なそれを専門に研究する事務官がおりますので、これを先ほどおっしゃいますような地区に配置いたしまして、十分研究させておりますが、なお今後も一つこの問題を推進していきたいと思っております。
○森元治郎君 その方は外交官試験を通った方がおやりになるのですか。
○政府委員(松本瀧藏君) 主としてそうでございまするが、もちろん人材を広く集めましてできるだけ一つ強化していきたいと思っております。鹿島守之助君ずっと昔のことですけれどもわれわれが外務省におりましたときに、若い官補のうちからロシアの専門家を募集しまして、ちょうど前に死んだ西独大使の加瀬君、それからトルコ大使の上村君、あの二人が応募しまして、リガとオデッサで当時のロシアの事情を研究させておりましたのですが、今そういう制度はありませんですか、ああいう特殊な制度は。
○政府委員(松本瀧藏君) 今特にその制度を採用しているということはないようでございまするが、一人だけ今モスクワに派遣しておりますのは、その制度の人材でございます。
○鹿島守之助君 派遣しているだけでなくて希望者を募興して、特にそういうのをそこのスペッシャリストみたいなふうに育成するということはないのですか。
○政府委員(松本瀧藏君) ただいまのところそういう制度は設けておりませんが、今後やっぱり育成する意味におきましてやらなければいかぬ、こう考えます。
○鹿島守之助君 前の時代にありましたあれは、どうせ官庁のことですから−何か勅令か法令かあるでしょうが、それは死んでしまったのですか。
○政府委員(田付景一君) あれは特に政令とか法令というものじゃなかったようで、外務省内規でやっておったように思いますが、ごく最近までやっておりましたのですが、ソビエトに行かれなくなりまして、そのまま立ち消えになったわけですが、最近国交が回復いたしましたので、むしろ若いイギリスなりフランスなりアメリカなりに行っている官補連中から選択してソビエトに送ったわけであります。これからまたそれを復活させたいと思っております。
○佐藤尚武君 簡単に最後にお尋ねしたいと思いますが、それは各委員の質問に関連したことになるのですが、在外公館にいろいろな専門の方面にわたっての館員を派遣しておるというお話ですが、大へんけっこうなことだと思うのですけれども、戦前の例によりますると、純外務省系統の者とそうでない他省から来た人との間に、とかく連関を欠いていたというような実例もあったように聞いておるのですが、そうして各個運動をやっておったというようなことになっております。たとえばある公館の所在地において陳列会を開いて、そのためにその公館に担当の人がおって、そしてそれが当時の商工省なりあるいはよその省からきておる人がその任に当っているというような場合に、館内の統一がとれなくていろいろ結果からいっておもしろくない事態が起きたように聞いておるのです。戦前においては公館に陸海空の武官がおりました。その人たちはとかく大公使の命令に服さないでそして単独運動をとりがちであったので、いろいろなそこに弊害が起きたわけでありますが、現在では陸海空の士官というものはいなくなったからして、そういう点の不都合はなくなったのでありまするけれども、しかし先ほど来のお話で六、七十人もの純外務省出でない、他省からの人たちが配属されているというような場合、現在の世界情勢からいいまするならば、活動の範囲が非常に戦前に比べて広くなっております関係上、昔ながらのそんな狭苦しい考え方にとらわれるというようなことは万あり得ないだろうとは思いまするけれども、しかし一つの公館において館長がすべてを統一してやっていくというのでなければ、いろいろそこに弊害が起きてくるだろうと思うのであります。ことにこのワシントンのような大きな大使館になりますると、他省からきた人たちの人数もずいぶん多いようでありまするし、これがうまく統一されていくのでなければいろいろな弊害が生じやしないかということをおそれるのであります。万そういうことはあるまいとは思いまするが、現在の外務省としてはどういうふうにそういう点をお考えになっておるか、念のためにお飼いしておきたいと思います。
○政府委員(松本瀧藏君) ただいまお説のようなことがかつてあったということを私ども知っております。しかし最近に至りましては、館長を中心といたしまして大蔵省から参っておりまする館員、あるいは農林省、通産省一体になってやっております。もちろんこのセクショナリズムが皆無であるということは私は言えないと思いますけれども、非常にこれが改善されまして特に先ほど御指摘のありましたワシントンのごときは、大使を中心といたしましてみな非常に一体になって努力しておりますので、たびたび参りましても不便を感じておりません。なお十分注意を払いましてセクショナリズムのないように今後とも一つ努力して参ります。
○曾祢益君 もう一点、この在外公館に派遣される各省の、まあ一種のアタッシェの中で防衛庁から現在も派遣されるような傾向にあるんじゃないかと思いますが、防衛官の派遣の問題はどうなっているのか、一体、すでに派遣されたというような話も聞いておりますが、どういう計画を持っておられるものか。それからそれが同一うに派遣された場合には防衛アタッシェというんですか、外交官の資格の問題ですね。
○政府委員(松本瀧藏君) アメリカとソ連に防衛官を派遣していることは事実でございます。資格、任務等につきましては一応政府委−員から説明いたさせます。
○政府委員(田付景一君) 大体の防衛官が行っております所は、外務省の事務官になって出ておりますし、同時に防衛官という名前で大体ディフェンス・アヌッシェということになっております。防衛官ということであります。向うとしてはやはり一応外交官として扱っております。
○曾祢益君 それは大体どのくらいのスタッフ、ただ一人ですか。
○政府委員(田付景一君) これは今行っておりますのがソビエトとアメリカとフランスと行っておりますが、ワシントンには四人行っております。あとフランスが一人、ソビエト一人ということでございます。
○曾祢益君 ワシントンの防衛官というのはどういうクラスの人が行っておるのですか。
○政府委員(田付景一君) 大体一佐連中でありまして陸海空と分れております。そのほかに一人文官出ですか、つまり元内務省系統の方が一人行っておられるわけです。これは参事官ですが、あと一等書記官、二等書記官の方。
○曾祢益君 そうすると、たとえばワシントンの例を典型的にすれば、陸海空から一佐が一人ずつ、その補佐官みたいな者がいない、あとはシビリアンが一人、これも防衛官ですか、それともこっちは参事官ですか。
○政府委員(田付景一君) この文官で行っておられる方は海原さんですが、これは参事官になって打っておられます。
○曾祢益君 そうすると四人ではなく三人で、その人は参事官でしょう、それはやはり防衛官の資格と両方持っている・のですか、どうですか。
○政府委員(田付景一君) はっきり覚えておりませんが、調べまして御返事申し上げます。
○曾祢益君 それで今後やはり相当各国にたくさん、たくさんと言ってはおかしいが、徐々に戦前にあったような相当重要な国に防衛官を送ることになっておるのですか、その点はどうですか。
○政府委員(田付景一君) あとイギリスに送るというお話が今外務省と防衛庁の間にございますが、そのほかにあまり聞いておりません。
○森元治郎君 今の曾祢委員のお話に関連するのですが、それはディフエンス・アタッシェというのは向うに通告するのですか、しないのですか。
○政府委員(田付景一君) 通告いたします。
○森元治郎君 先ほど政務次官から御返事があったポーランド、チェコとか共産衛星国にも外務省の方から優秀なソ連研究家を派遣したい、非常にけっこうだと思うのですが、それはかつて外務省のイルクーツクとかチタとか小さい領事官あたり・に参謀本部の将校が外務書記生の肩書でほおかぶりして入ってきたおそれもあるので、この外務省で養成している人の中には旧軍人というかソ連通というか、旧軍人がなかなかたくさんおるのですから、そういう者も含んでおるのかどうか。ということは外務省内でも確かに背広を着て昔軍人であった方が仕事をしておることは私どもも見ております。そういう旧専門参謀本部将校、軍令部あるいは陸海軍の・正規将校が派遣されるようなことが優秀なるソ連通という中に含まれるか、その点をお伺いします。
○政府委員(松本瀧藏君) 確かに二名ばかり元軍人であったのが事務官として勤務しておりまするが、今後ソ連通であるから特に軍人から選ばなくちゃいかぬという気持は持っておりません。
○委員長(寺本広作君) 他に御発言がございませんようですから、質疑は終局したものと認めて御異ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○加藤シヅエ君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま問題になっております在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案に賛成いたしたいと思います。特にこの法律が、去る八月二十一日に独立いたしましたマラヤ連邦に大使館を設置するというようなことを含んでおりますことに、非常に意義があると思うのでございます。ただいま日本の外交がアジア諸国と密接な連係をとつて立てていかなければならないという基本方針が定まっておりますときに、このマラヤ連邦は人口わずか六百万かそこらで、そういう小さい所に大使館を置くというようなことは、これは戦争前だったらとても考えられないことでございますけれども、外交上これは非常に重要なことでごさいますから、当然大使がここに行かれまして十分にマラヤ連邦と日本との親善関係ということについて善処していただかなければならないと思います。マラヤ連邦と日本との貿易の関係を見て参りますときに、まあ日本は非常にたくさんの物をマラヤから買っておりますが、ただ物を上手に買っていさえすればいいということではないと思うのでございます。ことに私はこの八月号十一日のマラヤ連邦が独立をいたしましたその日に、アメリカのマキノ局のMRA国際大会に出席いたしておりました。この大会にマラヤ連邦から約二十人の方々がやはりその大会に出席しておられまして、その中にはクワラルムブールでございますか、そこの−市長さんとか国会議員とか労働組合の委員長とか、いろいろな各方面の方々がそこにおられたのでございます。マラヤ連邦は民族も一様ではなくて、マラヤの方やあるいは華僑の方あるいはインド系の方と、たくさんの民族が一緒になって連邦をお作りになっていらっしゃる関係上、まあそこにいろいろ複雑した事情があると思いますけれども、やはり日本が国際連合でいろいろな働きをなさるときに対して、マラヤ連邦がやはり日本というものをよく理解して日本と親善関係を打ち立てて協力していただく、アジアの平和のために非常にお互いに力になり合うというような関係を作っていかなければならない、そういう点で非常に重要だと思うのでございます。この八月三十一日の独立祭にたまたまこのマラヤ連邦の方々と一緒におりましたので、その方々から率直ないわゆる外交辞令でない言葉をそこでたくさん吐かれたことは、私ども日本人にとって非常に参考になったことでございます。その中で言われた言葉の中に、私特に印象を強く受けましたことは、第二次世界大戦で日本軍があそこに侵略して参りましたときに、マラヤの方々は今まで英国の支配下にあって非常に、白人の支配のもとに苦しんでいて、今度はアジアの一員であるところの日本人がここへ来て自分たちを助けてくれたというふうに一時は非常に喜んだ。ところがその同じアジア人の日本人の支配下に入ってみたら、英国人の支配下にあるよりももっと圧政であって、またあるときには残虐行為さえ行われたというので、ほとほと自分たちは苦しんだ、そうして戦争が済んでまた英国人が来て、今度はまた自分たちを解放してくれたんだ、自分たちは英国の支配下にあり、あるいは日本の支配下にあって長年苦労して、やっと今度は自分たちの民族的な独立ができたから、その喜びはとてもほかの人には考えられないほどの深い喜びであるということを述べられましたけれども、そのときに英国が無血革命と申しますか、いわゆる血を流す戦争によらないでマラヤ連邦を独立させたということに、非常に深い感謝を表したいというような言葉があったのでございます。私どもが、ただアジアの一員であればみんな日本人の味方を簡単にしてくれるものだというような簡単な考え方を持ちましたら、非常に将来の外交は試まるでございましょうし、そうでなくてほんとうに過去に犯した日本人のこういうようなことに対して、十分責任を痛感した上で親善関係を打ち立てるというようなことについて深く考慮していただきましたときに、ここに特に大使館を設置されるということの意義は十分に認められるであろうということを考えまして、こういう私のささやかな経験をもちょっとつけ加えさしていただきまして、この法律が成立いたしますことに賛意を表するものでございます。
○委員長(寺本広作君) ほかに御発言ございませんか。……他に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺本広作君) 御異議ないものと認めます。 それではこれより採決に入ります。在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の御起立をお願いいたします。 〔賛成者起立〕
○委員長(寺本広作君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認めます。 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされる方は順次御署名をお願いいたします。 多数意見者署名 鶴見 祐輔 井上 精一 笹森 順造 鹿島守之助 井野 碩哉 森 元治郎 佐藤 尚武 石黒 忠 黒川 武雄 野村吉三郎 竹中 勝男 加藤シヅエ 曾祢 益
○委員長(寺本広作君) それでは本日の委員会はこれにて散会いたします。 午前十一時四十九分散会