文教委員会 第5号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/11/14
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 まず文教行政に関する調査を進めます。この際、去る十一日の委員会における高津委員の発言に対し、政務次官より調査結果の報告をいたしたいとのことでございます。これを許します。臼井政務次官。
○臼井政府委員 前回の当委員会におきまして、高津委員から近代美術館の内部の問題等につきましていろいろ御質疑があったようでございます。その中で、特に政務次官のことに関しまして、何か政務次官がかわるごとに近代美術館の方からつけ届けがあるやの御質問があったそうでありますが、私どもで調べましたが、政務次官のかわるごとに物品を送った、こういうようなことはないようでございます。また私自身といたしましても、かわった際に何らの物品等を近代美術館並びにその関係者から贈られた事実はございませんので、このことだけをはっきりとお答え申し上げる次第でございます。 なお、その他の自余の問題に関しましては、調査いたしました結果を担当の局長の方からお答え申し上げることにいたさせますから、御了承いただきたいと思います。
○高津委員 関連してちょっとだけ伺いますが、ただいま臼井政務次官から、文部省の政務次官がかわるたびごとに国立近代美術館からつけ届けがあるやに質問があったそうだ、質問の中にそうあったそうだが、そのようなことはございませんと言われたが、それはあなたの答弁の前提が違っております。私は、かわるたびごとにと言ったのではないのです。速記録にも明らかであるし、そういうことは非常に大事だから申し上げるが、私は帰ってそこを読んだくらいですが、絶対にかわるたびごとにとは言っていない。そういうことが一回あったのを、私がはっきり証人をもって知っておるからそれは申したので、あなたでないことはもちろん明言できます。だから一回あったのを否定されるかどうか、その答弁を承わりたい。
○臼井政府委員 政務次官としてそういうようなものを受け取ったというようなことは私の調査においてはございませんから、その点ははっきり申し上げられると思います。
○高津委員 政務次官になられたときに贈りものがきたということは、それは政務次官としてではないので、そうしたら何とか個人という意味で受け取った事実はある、こういう意味でしょうか。
○臼井政府委員 次官として就任したのを機会に物品を贈られた、こういうことはどなたもないようでございます。ただしかし何かほかの関係で、酒の一升かそこらを贈られたというようなことは必ずしもなかったわけではないようなふうにも仄聞いたしておりますが、次官であるからというので、かわって贈られたという者は一回もないように私の方の調査ではなっております。
○高津委員 それは私のとは違いますが、きょうここでは申しません。福田局長の報告があるそうですが、それはゆっくり聞きとれるように言って下さい。
○福田説明員 先般の当委員会におきまして、高津委員から近代美術館のことに関しましていろいろ御発言がありました。それらの点につきまして御報告申し上げたいと思います。 近代美術館につきましては、かって何か問題があるかのごとくに申す向きもありましたので、文部省といたしましては近代美術館につきまして特に二回にわたりまして慎重に調査をいたし、内部監査を厳重に実施しております。ところでその結果につきましても、経理の執行につきまして不当と認められる点はないということははっきりいたしております。この前の高津委員の御質疑の点につきまして以下明らかにいたしたいと思います。 最初に超過勤務手当の支出等に関します問題でございますが、近代美術館の給与の支出は現在月二回これを行なっておりますが、超過勤務手当の支給に不当なものは認められないし、さらに関係諸帳簿等の整備も完備いたしております。 また施設を私的集会等に利用の有無についても御指摘のようなことはございません。特にマージャン等のことについてお尋ねがございましたので、近代美術館関係官について再調査をいたしましたが、御質問のように官費をもって弁当料を支出するというようなことは全く事実無根と思います。館内でマージャンを行うというようなことは固く禁じられておるところでございます。 次に石炭の購入の問題でございますが、近代美術館の開館以来購入いたしました石炭は、昭和二十八年度におきまして五十トン、昭和二十九年度におきまして五十トン、昭和三十年度に六十トン、昭和三十一年度に五十トンという工合になっておりまして、御指摘のような点については事実無根であります。何かの間違いではないかと思います。 それから原庶務課長の旅費の問題でございますが、北海道でこの夏三十二年度の全国博物館大会がございましたが、これに庶務課長が参加いたしましたことにつきましては、近代美術館は博物館相当施設として認められておりますので、関係者が出席するのは当然でございます。従ってもちろん参加についての招請も近代美術館は受けております。かつ全国の美術館協会からのその大会に出すべき決議、要請を携さえて庶務課長は出席したのであります。そういったわけでありますので何ら不当の出張ではございません。 次に会計の実地監査に関します問題でありますが、実地監査は本省によって本年七月十一日と十二日にわたりまして詳密に調査されたのでありますが、この二日間の監査中におきまして、たまたま昼食時になるとかあるいは少し長くなりまして夕食時になるというような場合におきまして、昼の弁当を出すとか、あるいはまた夕食にかかりまして、もよりの食堂におきまして夕食を一回提供したというようなことはございますけれども、それはいずれも金額も軽微なものでございまして、高津委員の御指摘のような金額ではもちろんございません。 それから次に館の経費をもって各方面に贈答いたような御発言があったやに記憶いたしておりますが、そのようなことは全くございません。 次に館長、次長の出勤状態につきましてお尋ねがあったのでありますが、館長は週に一回、次長が週に二回程度しか出てこないというようなお尋ねがあったように一記憶いたしておりますが、そういうような出勤状態ではもちろんございません。祭日とか日曜とかあるいはまたその他特別のことがない限りにおきましては毎日出勤いたす建前になっております。ただし館長、次長は御承知のように一般の職員と違いまして、対外折衝あるいは関係会議への出席というような、館の中での執務以外の職務がかなりありますので、従って必ずしも拘束時間中に館内において勤務していないというような、いわば外に出かけてやっておるというようなことも相当多うございます。その点は御了承をいただきたいと思います。 それから次に近代美術館次長の兼業の問題でございますが、お尋ねのように法政大学に週一回、跡見学園短大に週一回講義に出ておりますが、これは事実であります。ところでこれは近代美術館の次長として就任される以前から関係された仕事でございまして、美術館の仕事に支障のない限りにおきまして、館長の了解を得てこれは継続しておる次第でございます。 以上お答えいたしました通り、先般御指摘になりました点につきましては調査の結果以上の点が明らかになっております。今後文部省といたしましては、こういった点については十分注意をいたしたいと思いますが、平素から近代美術館の事業運営につきましては遺憾のないように、文部省としては十分注意をいたしておる次第であります。今後もただいま申し上げましたように、世上の誤解を受けないように一そうの注意をいたします。館内の官紀粛正等につきましては十分注意いたさせまして、万全を期したい、かように考えております。以上でございます。
○齋藤説明員 先般のお尋ねの中の、日本書道院と文部事務官金田吉尾君との問題につきましてお答えいたします。日本書道院は昭和二十七年の一月に任意団体として発足した団体でありまして、当時会長は馬場恒吾氏、総務に田内詳翠、野本白堂、長谷川耕南、お話に出ました三室金羊という方がなって発足したものでございます。この団体は昭和二十七年から二十九年まで三回の展覧会におきまして、文部大臣賞とかあるいは東京都知事賞という名を無断で、関係官庁の了解を得る手続もなしに賞の一種として借用しておったということは事実のようでございます。しかしこのことは文部省とは全然関係のないことであります。この展覧会が三十年の第四回の展覧会になりましてだんだん盛大になって参りまして、文部大臣賞を授与するのには成規の手続を要するということが内部で話が出たようでございまして、昭和三十年の四月二十日会長名をもって文部大臣奨励賞の交付の申請がなされました。文部省においてその団体の役員、審査員等を調べましたところ、他の奨励賞状を出しておる書道団体に比べて遜色ないということで、同年の五月十七日に奨励賞状を交付すべきことを許可いたしたのでございます。ところが東京都の関係庁から二十七年以来先ほど申し上げましたような賞状授与のことがあるので、文部大臣奨励賞状を与えるについて疑義のある旨の話が伝えられて参りましたので、文部省の担当官は田内総務を呼びまして事情を聴取したところ、以上のような二十七年から二十九年までの状況がわかりましたので、厳重に注意を与えました。その結果この団体からは大臣賞状をもらうことを辞退する旨の届が出されたのであります。従いまして文部省が正式に試可を与えた賞状を授与したことはないのでございます。 この法人の設立でございますが、社団法人の設立許可申請が昭和三十一年の十二月一日付をもって東京都教育委員会を経由いたしまして文部省に申請されたのであります。東京都教育委員会からは同年の十二月二十七日に審査したところ、適当であると認められる旨の申達を付して文部省に送付して参りました。この団体は先ほど申し上げましたような賞状授与に関し遺憾な点があったのでございますが、審査の結果法人設立の要件を具備しておりますし、かつその団体が自粛し、三十年以後再び同じようなあやまちを犯しておらなかった事実並びに東京都教育委員会からも適当であるという申達もあったので、文部省といたしまして審査の結果、公益法人として適当と認め許可したのであります。 なお御質問にありました金田事務官との関係でございますが、金田事務官は大臣官房におきまして賞状とか式辞とかの揮毫を担当いたしております事務官でございまして、個人といたしましては心画院という書道団体の重鎮である書家であります。しかしながら本件の日本書道院とは全く関係はございません。本人に聞きましたところ、日本書道院の田内氏と金田事務官とはともに豊島区の住人でございまして、豊島区の肝いりで豊島区書道会というものが結成された際に、頼まれて田内氏が会長に、金田氏が副会長に就任され、そのために面識があったので、大臣賞の授与申請の手続を聞かれたので担当官に紹介したということだけでございます。金田事務官は先ほど申し上げましたように書家で、揮毫だけを仕事としておりますので、賞状授与の事務あるいは法人許可の事務ということには全く関係のない仕事をしております。 以上でございます。
○高津委員 今日は他の質問者もあるので、私はほんの少しの時間だけ申し上げますが、齋藤参事官の今の御答弁では、二十七、二十八、二十九の三カ年の間は文部大臣賞は本省として出していないのに向うが勝手に使ったものである、こういうことを正直にお認めになったので、その点は私は非常に喜ぶです。そうしてこのような経歴のあることは本省においてはよく知っておられるのに、東京都の方から、これは法人団体として適当であると申達が来たからこれを許可したと言われるけれども、そういう悪質な経歴があった場合には、都に対してこれは考えてはどうかと言われるべきが至当であると私は思います。ことに都の係とあなた方との関係はあうんの呼吸が全くよく合っておるので、都が言ってきたのでわれわれの方には責任がないと言われるが、都はあなた方の言われるままに動くような状態にある事実を私は知っておるのであります。
○齋藤説明員 私が先ほど申し上げましたのは、都が適当と申達したから文部省は許可したのだと申し上げたのではございません。先ほども説明いたした通り、過去においてその団体が賞状授与に関して遺憾な点があったということはございました。しかし社団法人の許可をすべきかどうか、私たちが審査いたす基準という財産の問題あるいは社員の問題その他の要件に照らしまして、他の書道関係のいろいろな法人がございますが、その団体との権衡等も十分文部省自体として検討した結果適当である。それじゃ過去にそういうあやまちのあった団体をなぜ認めたかということでございますけれども、過去にあったことは私たちは認めております。しかしその後文部省の厳重な注意によってあやまちを起していない、過去にあったからすべてその団体がいけないのだというふうにまでは考えなくていいのではないか、かように思っております。なお団体の役員その他につきましても現在とその当時とはかなり異動がある、組織等の改正もいたしておるようでございますので、文部省自体の責任といたしまして適当なものと認めて設立を許可したわけでございます。
○高津委員 その御答弁ではまだ了承ができませんけれども、次に福田局長の御答弁の中に、館長も次長も出勤は私の言うのとは違うということでありましたが、私は証拠を持っておるのです。何せ警視庁の警部補を勤めた人間が守衛をやっておるので、あまりひどいといって一年間の記録をとって持っておるのでありますが、あなたのお調べの結果どういう出勤率になっておりますか。外部折衝もあろうから時間についてまでは言いませんけれども、一週問に平均何日出ておりますか。
○福田説明員 ただいまの館長、次長の出勤率の問題でありますが、私どもの調べました帳簿によりますと、もちろん祭日とか日曜とかいうものは別といたしまして、あるいは出張とかいうものを除きまして、多少の欠勤もあるけれども、大体週毎日出ておりますのが帳簿上はっきりしております。
○高津委員 何か監査のようなことがある前にはべたべたみんな押してしまって、——その分の帳簿の話ではない、ほんとうの出勤した日を私は聞いているのですよ。まるで公休をとる日にちもないようにみんな押してしまうという。そういうようなことがあっていいのですかね。守衛の分が確かですよ、来る来ないはちゃんと見ておりますから。
○福田説明員 これは人事院規則にもよりまして、職員の出勤状態というものは単にそのときだけでなしに、ときどきそういった調査をいたしますので、それによりましてもそういう事実はございません。
○高津委員 経理の上に不当がないとか、マージャンに対する答弁も私はとうてい了承することができないのであります。私がこの問題を提起する以上は、私も責任があるわけだし、証拠、証人を持って申しておるのでありますから、黒白を明らかにするために、次の国会において証人喚問をしていただくように要求したいのであります。しかし、きょうは最終日でありますから、それはできませんから、次の国会においては——今の答弁は大いに違っておる、こういう意思表示をして私の質問を終ります。 —————————————
○長谷川委員長 この際、文教行政に関する質疑は後ほど行うこととし、へき地教育振興法の一部を改正する法律案を議題とし、まず発議者より提案理由の趣旨説明を聴取いたします。矢嶋三義君。
○矢嶋参議院議員 ただいま議題となりましたへき地教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表いたしまして、提案の理由を御説明申し上げます。 へき地教育振興法は、憲法に規定されております教育の機会均等の趣旨にかんがみまして、はなはだしくその発展を阻止されておりまする僻地における教育を振興する目的をもつて積極的な対策を講ずるために制定されたのであります。しかるに本法施行以来すでに三年有余を経過いたしましたが、僻地におきましては、小規模の学校が多く、依然としてその施設、設備の整備等は不十分であり、しかも教職員を確保することも容易でないという現状であります。去る第十九国会における僻地教育振興法成立の際、本院文部委員会は、僻地教育に対する総合的、恒久的振興策を樹立することの附帯決議をいたしております。この趣旨に基き、今回、国の地方公共団体に対する補助の対象を拡大するとともに、僻地学校に勤務する教員及び職員の特殊勤務手当の増額、その他の措置を講じて、僻地における教育の振興をはかることが必要であると考えまして、ここにこの法律案を提出いたした次第であります。 次に、本法律案の内容のおもな点について御説明申し上げます。 まず第一点は、「へき地学校」の定義であります。すなわち現行法におきましては、「交通困難で自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない山間地、離島、その他の地域に所在する公立の小学校及び中学校をいう。」とあり、交通条件という大前提のもとに自然的、経済的、文化的、僻地性を形成している各要素がその条件となつておりますため、僻地学校が交通機関からの距離によつて決定されている現況でありますが、このことは必ずしも実態に沿わないものでありますので、僻地性を形成している諸条件と交通条件とを同列にするよう改めたことでございます。 第二点は、市町村の任務として、僻地学校の健康管理及び通学改善につき義務規定を設けるとともに、僻地教育の振興をはかるための事務について都道府県の任務を明確にしたことでございます。 第三点は、僻地学校指定基準を文部省令で定め、新たに僻地手当の支給に関する規定を設けるとともに、その僻地手当支給についての都道府県がよるべき基準を定めたことでございます。 第四点は、市町村及び都道府県が行う事務に要する経費について、国の補助率を明確に二分の一と定めたことでございます。 なお附則において所要の経過規定を設けました。 以上がこの法律案の提案理由とその内容の概要でございます。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛同賜わりますようお願い申し上げます。 —————————————
○長谷川委員長 次に、教育公務員特例法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。小牧君。
○小牧委員 提案者に一言お伺いをいたしてみたいことがあるわけでありますが、先日、ただいま議題となっております教育公務員特例法の一部改正について提案理由の説明があったわけでありまして、私どももそれを承わったわけでありますが、いろいろ承わってみますと、賛成するところが非常に多いのであります。現在、この問題は、御承知の通り非常に大きな教育問題となって、全国的に波乱を起しておる大きな問題であります。十分慎重に内容を検討しなければならない問題であると私は考えておりますが、実は本日でこの臨時国会は終るわけでございます。従って私どもといたしましては、先般提案者の提案理由の説明をお聞きいたしただけでございまして、今日まで全然審議をしておらない、こういう状態にあるわけであります。国会が終りましてから、わが文教委員会からも、問題の重要性にかんがみまして、今問題となっている愛媛県の勤務評定の実施状況について、坂田、樫井両議員が派遣されることに決定を見ているくらいに非常に重要な問題となっているわけであります。そこで提案者にお伺いいたしたいのでありますが、審議を全然しておらない、会期も本日で終る、こういう状況下において、当然この問題についてわれわれは継続して審議を進めて参らなければならない問題であろうかと考えておりますが、この継続審議について提案者はどのようにお考えでございますか、この際一言お伺いをいたしておきたいと存じます。
○矢嶋参議院議員 小牧委員の御質問に対しまして提案者が考えており、また当委員会にお願い申し上げたい点お聞き取りいただきたいと思う次第です。この勤務評定の実施いかんがわが国の教育に及ぼす影響というものは、きわめて大きいと私ども考えております。そうしてただいま質問者が指摘いたしましたように、教職員の勤務評定の問題については、教育界はもちろんのこと、わが国の言論界におきましても相当論議されている実情でございまして、これらに対するところの審議調査は、われわれ立法府におる者といたしましては、早急にこれをなし、何らかの結論に達する必要があると考えまして、きわめて短期間の国会でございましたけれども、本国会に上程をいたし、第一院である皆様方にあえて予備審査をお願い申し上げた次第でございます。しかしながらいろいろの審議調査案件がありまして、本日まで十分審議することの機会がなかったことを非常に残念に思っておる次第でございますが、短期国会でございましたので、これはやむを得なかったことと提案者といたしましても了承いたしておる次第でございます。一方質問者が指摘いたしましたように、衆議院におかれましても閉会後愛媛県に現地調査に議員派遣をされるそうでございまするし、私ども参議院におきましても三個班に別れまして、もちろん勤務評定だけではございません。僻地教育とかあるいは大学の視察も含まれておりますけれども、三個班に別れまして勤務評定の実施状況について議員派遣することを決定いたしておりまするし、なおこの勤務評定の問題につきましては、第三者的な有識者の意見も十分われわれ立法府に席をおくものとして聞いてみる必要があるという立場から、来たる第二十八通常国会の冒頭におきまして、しかも文部省が何らかの結論を出す以前に参考人の意見を聴取しようということを、私ども参議院の文教委員会では決定をいたしておる次第でございます。こういうことをあわせ考えまするときに、本日審議を結了するということは御無理でございまするので、ぜひとも継続審議調査ができるように本委員会においてお取り計らいいただきますよう、特にお願い申し上げる次第であります。 なお、ただいま特例法関係に御質疑があったわけでありますが、先ほど提案さしていただきました僻地教育振興法につきましても、実はこの法案を提案するにいたしましては、私ども参議院の文教委員会で他会派と協議したわけでございます。そのときに趣旨といたしましては自民党さんも全く賛成だ、しかし予算を伴う法律案を議員立法として出すことは党として遠慮することになっているから、提案者にはなれないが、とにかく社会党の方で出してもらいたい、趣旨には賛成だ、こういうような御了解をいただいて提出いたした次第でございますが、これまた非常に短期国会でございましたので、審議するところの時間を持つことができませんでした。私どもといたしましては非常に要望も強い問題ございまするし、また提案理由に述べていますように必要性がございまするので、実は昭和三十三年の四月一日から施行と規定をいたしておりまするので、予算の編成権を持っている内閣が来年度の予算の編成をなす前にこの臨時国会で議了いたしたいという念願のもとに出したわけでございまするけれども、時間的関係で審議することができませんでした。従いまして、これもあわせてこの際本委員会にお願い申し上げたい点は、ぜひとも継続審議として引き続き将来御審議いただけますようにお取り計らい下さいますよう、お願い申し上げて答弁といたす次第でございます。
○小牧委員 ただいま提案者のお気持を承わりまして、私はごもっともなことだと思うのでありますが、なお委員長にこの際お願いをいたしておきたいと存じます。前からこの問題については、当委員会においてたびたび大臣その他に質疑がなされまして、非常に重要な問題とされているわけでありますが、大臣の答弁の中にも、この問題はなかなか重大な問題であり、大臣としても慎重にこの問題は考慮するということをたびたびこの席上で表明をしておられるいきさつから考えましても、この際短期国会で十分審議を尽すことができないということはわれわれも十分了承いたしたわけでありますから、理事会その他にお諮りになって、できるだけこういう問題は継続して閉会中も審議ができるようにお取り計らい下さるようにこの際お願いを申し上げまして、質問を終ります。
○長谷川委員長 小牧君に申し上げます。ただいまの御意見取り上げまして、後ほど理事会を開きまして、お諮りいたすことにいたします。
○高村委員 関連質問。これは参議院の方に継続している案件ですけれども、参議院の方で継続審議になるかならぬかわからぬ問題で、こちらは予備審査ですから、こちらの方でもそれを問題にすること自体が私はおかしいと思います。議案の性質からここで理事会を開くとかなんとかいうことにならない案件じゃございませんか。
○長谷川委員長 高村君に申し上げますが、この問題につきましては昨日来両党間で話し合いをしておりまして、今朝十時に社会党の書記長に対しまして自民党の方から何らかの御返事があったはずであります。そのことをまだ承わっておりませんが、そのことも承わりまして、ただいまの小牧委員の御要望がございますので、後ほどお諮りいたしまして善処したいと考えます。御了承を願います。 —————————————
○長谷川委員長 これより先ほどの文教行政に関する質疑を進めます。河野正君。
○河野(正)委員 大臣はスポーツ大臣としていろいろ御専念されておりますことは、私ども全く御同慶の至りでございます。国民体力の育成強化の必要ということは、これは言を待たない事実でございまして、私どもがいまさらいろいろ申し上げるまでもないのでございますが、この国民のスポーツ振興をどうしたらよいのかというようなことで、スポーツ振興審議会もすでに総理大臣に答申を行なったということでございます。なおまた昭和三十九年はぜひとも東京にオリンピックを招致するのだということで、このことにつきましても、すでに各界の代表者をお集め願って対策懇談会が発足したということでもございます。こういうようにスポーツというものが今後国民の保健体育その他に対しまして非常に大きな使命を持っておるということで、そういったいろいろな対策が進められておるものと考えるのでございます。ところが、そういった重大な使命を持っておりますスポーツ振興といえども、やはりいろいろな条件が整っていかなければ、私は決して健全なるスポーツの振興になるものでないということを考えて参るわけでございます。私どもも文教行政に携わる一人でございますから、そういった文教の建前からながめて、このスポーツという問題が、ことにまた学生スポーツという問題がきわめて重要なる意義を持って参るわけでございますので、スポーツのあり方と申しますか、そういったものに対しまする大臣の御所見をまず承わっておきたい、かように考えるのでございます。
○松永国務大臣 御説の通りスポーツは非常に国民生活に重要な案件であります。従って青年層にはもちろんのこと、老若男女を問わずスポーツを国民の末端まで浸透させ、国民の保健衛生に資したいというふうに考えております。従って先般もちょっと閣議のときにも申していたことでありますが、全国一斉に体育デーというのをこさえ、そして全国どこでも、あるところの小学校、中学校の運動場を全国民が授業に差しつかえない範囲において使うようにしたらどうだろうかということも実は提案いたしまして、それも研究いたしております。申すまでもなく、われわれ民族が何としても振興せんければならぬ問題は、まず徳育、知徳、体育というふうに私どもは考えております。この体育方面も何としてでも振興せしめたいというふうに一生懸命努力を重ねていきたいと存じております。
○河野(正)委員 ただいま大臣から今後のスポーツのあり方についての御所見を承わったのでございますが、その中でことに集約的に申されましたことは、今後民族のためにも、徳育、知育、体育ということを重点にして考えていきたい、なるほどもっともな事柄でございます。 そこで私は、そういった大臣の御所見をまず承わったのでございますが、それに関連いたしましてさらに次の質問に移って参りたいと思うのでございます。それは御承知のように、一年の中で秋がおとずれますとともに、毎年好況あるいは不景気と申しますか、不況と申しますか、そういったものを反映いたしまして、就職試験というものがだんだん行われて参ります。今日大会社のごときは、大体六、七十人から百人に一人の採用率であるということでございます。ところが週刊誌の報ずるところによりますと、もうすでに有名選手はそれぞれ売り切れたというようなことが報道されておるわけでございまして、このようにスポーツの一流選手というものは有能無能は別として、ほとんどすでに今日就職が決定しておる。もちろん就職決定するということについてば異論はございませんけれども、その背後にございますいろいろの誘惑と申しますか、いろいろな醜聞と申しますか、そのことがきわめて重要であるわけでございますが、いずれにいたしましても、学窓にございます一流選手の諸君は、有能無能は別として、ほとんどすべて売り切れ状態であるというようなことが週刊誌その他において強く報道されておる、これが今日の現状でございます。 そこで私がお尋ね申し上げたいと思うのでありますが、それはことしの就職試験というものは、いわゆる来年卒業いたします学生の就職試験というものは、文部省あるいはまた大学当局あるいは採用いたします採用会社、こういったおもな三者の話し合いで、あまり早々とそういったいろいろなさそいの手をのべておりますと、学習意欲も損じますし、なおまた一部有名選手等が特権的な立場をとって参りますから、一つの勤労意欲というものも損じられるというようなことで、さき申しますように、文部省、大学、あるいはまた採用いたします大会社、こういった代表者の方々が集まられて、そうしてこういった就職試験というものは十月十日ごろまでにやってはいけない、そういったような申し合せをして粛清をやっていこうじゃないかというようなことが、大体とりきめられたというようなことが私ども仄聞いたしておるのでございますけれども、先ほどから私が一、二申し上げましたように、今日学窓にございます運動選手というものは、全く別格というような無協約状態にあるというのが今日の実情でございます。文教の行政の最高責任者でございます大臣が、こういった点についてどのようにお考えになっておりますのか、その点の御所感を一つ承わっておきたいと思います。
○松永国務大臣 御指摘になりました点は、私も実はそういうことを承わりまして、苦々しいことだと考えておるのであります。しかしながらこれを取り締る方法もありません。一方は商売でありますから、りっぱな将来性を持った選手を抜擢して、そのチームの強力をいやが上にも増すように企てておるのであります。どうもこれは何とも方法はありませんけれども、しかし、とにかく学窓にある者をそうした契約をして、聞くところによりますと、いや、百万円とか何とかいって、うそかほんとうかしりませんが、(「何千万円だよ」と呼ぶ者あり)そうですか、少しけたが違ってきましたが、(笑声)そのことは苦々しいことだとお説の通り考えておるのであります。さらにまた先ほど来前提として仰せになりました今の就職試験です。この就職試験も何とか考えなければならないのではないかということは、結局せんじ詰めて参りますと、せっかく苦心して三年なり四年なりの大学を卒業はするけれども、さて就職口がない、学窓におる間は、まあおやじのすねをかじって、下宿代は払えるけれども、まさか学校を出てからおやじのやっかいになるわけにいかないというので、学生諸君は青くなって就職問題にかけずり回っておるということは、涙なくしては見られないような状況なんです。私は非常に同情を禁じ得ない。ほんとうに私らの学生時代と違って、今日の学生は就職難で困っておられる。いわゆる下世話に言う天高くして馬肥え、燈火親しむべきだというこの時節に、燈火親しむどころではない、どうすれば就職にありつけるかというので一生懸命に飛び回っておる。まことに気の毒だと思って、それであなた方にも御心配をわずらわしておるような科学技術教育の振興というものはどうしてもやらなければならないというので提案いたしておるような次第でございます。かたがた御注意によりまして、今のスポーツ問題の就職等についても何か方法はないかと考えております。研究を重ねてみたいと存じます。
○河野(正)委員 ただいま大臣がいろいろと就職問題につきまして学生諸君に非常に愛情ある御見解を示されたことにつきましては、心から敬意を表したいと思います。しかしわれわれがなお考えなければならないのは、今日の実情をながめて参りますと、あるいは大会社が一つの宣伝的な政策としてねらっておるのか、あるいはまた運動選手でございますならば、心身が健全であるというような美点があるという考えを持っておるのか、そういった求人側、採用いたしまする側の考え方は別といたしましても、今日有名選手が在学しておるということが、これは官学、私学を問わず、一つ学校としての広告、宣伝の意味で非常に重要視しておるという傾向があるのではなかろうか、こういったことは、いろいろ報道されます記事を読んで参りましても明らかに察知されることでありまして、こういった点を考えて参りますと、どうも今日の学校そのものが、あるいは経営政策の面からかはわかりませんけれども、今日の学校自体というものが一種の企業というふうな考えを持っておるところの風潮があるのではなかろうかというようなことを私ども残念でございますけれども強く感ずるわけでございます。こういったように学校自身が、あるいはまた採用いたします会社側が利用するのかしりませんけれども、少くとも学校自身もやはりそういった有名選手を抱えておった方がいいのだ、そうした方が学校の宣伝にもなるし、学校の広告にもなるし、というふうな非常な企業的な考え方を持っておるのではなかろうかというようなことを私ども強く感じて参るわけであります。ところが、こういったことは最近特に強く現われて参った現象でもございますけれども、それが今日まで長い間そういった傾向をたどっておったのでございます。そこで私は当局にお尋ね申し上げたいと思いますのは、こういった学校の企業的な、これはあるいは言い過ぎかもわかりませんけれども、私どもの判断するところによりますと、一つの企業的な考えを持っておるのではなかろうかという疑惑を持つわけでございますが、そういった学校の考え方あるいは風潮に対しまして、今日まで文部省当局はどういう指導方針をとって参られたか、その辺の事情を一つお漏らし願いたいと思います。
○福田説明員 ただいまの御質問のような学校、特に大学の企業的な傾向でございますが、これにつきましては野球選手の引き抜きというようなことでなしに、一般的に私立学校等に対しましては極力公益的な法人としてその経営が企業化さないような注意は従来とも文部省としては特にやっておるわけであります。しかしながら法的にこれをどうということは現在のところできません。今御質問のような野球等につきましては、やはり大学当局関係者の自粛によってそういった企業的あるいは営業的な傾向を払拭する以外に方法はなかろうと思っております。
○河野(正)委員 ただいまの局長の御答弁を承わって参りますと、今日まで強く指導をしたのだということでございますけれども、しかし現状というものは、当局が指導されたかどうかわかりませんけれども、だんだんそういった傾向を強化しておる、そういった傾向がだんだん露骨化されておるというのが、率直に申し上げまして今日の実情ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。もちろんスポーツ選手の長所というのは、あるいは明朗であるとかあるいは協調的であるとか、あるいは礼儀正しいとか規律正しいとか、いろいろな美点もございます。ところが一方におきましては野球部とかあるいはその他の運動部で下級生に対して集団リンチをやったというふうなこと、あるいは有名選手が酒を飲んで暴行を働いたとか、いい面あるいは悪い面があるということは、これまた御承知の通りでございます。いずれにいたしましても、そういった運動選手諸君は学内において一つの特権的な存在である。たとえば有名選手でございますれば、授業をさぼって練習に出かけましても学校当局は文句を言わない、あるいは欠席いたしましても文句を言わない、あるいはまた長い間学校を休んで遠征とかに参りましても学校はそれを等閑に付しておるというような、一つの特権的な存在であるというのが今日の実情ではなかろうか。特に今日世間で問題になっておるのはプロ野球だと思いますが、こういったプロ野球の熱がだんだん世間でも高まって参りますると、そういった傾向がだんだん強くなる。一方においては当局は今日まで非常に指導したとおっしゃいますけれども、現状は必ずしもそうではなく、むしろ露骨にそういったことが行われておるというのが今日の状態でございますし、このような事態が今後見のがされますと、純真な学生諸君というものはだんだん学習意欲がなくなってくるのではないか。一方におきましてはスポーツ選手であるがために学校はさぼる、あるいは遠征に出かけるというようなことでは、私は純真な学生諸君の学習意欲をだんだんそいでいくのではないかということを強く考えるわけでございます。この点学校当局も反省しなければならぬし、また社会も大いに反省しなければならぬ問題だと思うのでございますが、さっき申し上げますように、局長は今日まで指導してこられたというけれども、実際においてはその実績というものが上っておらないというのが実情でございます。もちろん法的に取り締まるという根拠はないのでございますけれども、しかし今日まで文部大臣も強調されますように、スポーツという中にはいろいろ大きな使命があるわけでございまするし、なおまた今日の学生に対しては徳育教育も強調されておるし、また一方においては今日まで問題になっておりますような勤務評定の問題も出て参りますし、いろいろ徳育あるいは健全なる学生のあり方等については強調されて参るわけでございます。しかしこういった面が今日なおだんだん露骨になって現われてきておる。そのことについては今日までいろいろ御指導は願ったであろうけれども、さらに私は強い指導が必要ではなかろうかということを考えるわけでございますが、そういった私の説明に対しまして、さらに一つ御所見を承わっておきたいと存ずるのでございます。
○福田説明員 ただいま御質問のような事柄が、あるいはまた一部にはそういった傾向もあるかとも存じます。ただそれらの各運動部あるいは野球部等のやり方につきましては、各大学その他におきましても相当気を使って最近はやっているのじゃないかと考えております。従って各大学自体のそういった運動部あるいは運動選手の扱い方というものについて、私どもは十分善処をお願いしたい、こういうように考えるわけでございます。私ども、一般的に申しますならば、アマチュア・スポーツとプロ・スポーツの限界をはっきり区別いたしまして、アマチュア・スポーツはアマチュア・スポーツとして、学生らしいスポーツをやっていただきたい、こういう観点から今後もお説のようなことがございますならば十分指導していきたいと考えております。
○河野(正)委員 一般的に申し上げますならば、大体そういったことだろうと思うのでございます。しかし今日のいろいろな状況を私どもが承知いたしますると、非常に極端な実例が行われておる。たとえば、御承知と思いますけれども、今日一番問題になっておりますのは、いよいよ来年卒業いたしまする六大学選手の行方、こういった人々が今後どういう方向に送り込まれていくのかというようなことは、世間でもあるいは学窓でも、あるいはまたプロ野球団でもいろいろ重大な関心を持っておるわけでございます。ところが、そういった行方がいろいろ関心を持たれまするとともに、一方におきましては、映画ではございませんけれども、「あなた買います」というようなことで、非常に派手な誘いの手が伸べられておる。例をあげて恐縮でございまするけれども、たとえば六大学でホームランの新記録を作りますと、たちまちその選手の株が上って、長嶋選手はすでに五千万円の契約金だというふうなうわさも飛んで参っております。そのほか関大の難波選手が大体一千万円程度だというふうに、いろいろ具体的な事実があげられて報道されておるわけでございますが、もちろんそういった人が社会に出てそういった契約をとるということは私ども異存はございませんけれども、少くとも学窓にございまする学生諸君が金銭上の問題でスキャンダルをまき散らす、あるいはスキャンダルの陰にはいろいろまた複雑な事情もあるようでございますが、そういった問題。また一方におきましては高校生が二重契約をしてコミッショナーから提訴をされるというふうな、学生の徳義上からながめて参りましても、まことに私ども承知しがたい実情が次々に報道されて参っておる。スポーツ選手でございますから、技能をみがくためにはある程度の犠牲もやむを得ぬということもわれわれ考えぬでもないのでございます。ところが今日の学生有名選手と、ことにプロ野球界との関係はきわめて大きな醜状が現われておるということを、私ども残念でございまするけれども御指摘申し上げなければならぬ。しかもさっき申し上げますように、二重契約をして提訴されるというようなことに至りましては、全く学生の身分といたしましては捨て置けない実情ではなかろうかということを考えるわけでございまして、そういった点を考えて参りますると、学生の学内の自主性という点を抑圧されることにつきましては異論ございまするけれども、極端な例については何らかの処置が当然必要ではなかろうか。また一面におきましてはそういった有名選手諸君が信義を守らぬと申しますか、徳義を無視すると申しますか、そういったことから今日の有名選手というものはちょうどウナギのようなものだ、そのウナギはつかんだと思いましたところがいつの間にかぬるぬると逃げていく、結局かば焼にしてみないとほんとうにその人の最後の態度がわからぬ、かば焼にしてみて初めてこの選手がどこに入ったということが決定づけられるのだといった、まことに学生としては忌まわしいような表現が使われておるというのが今日の実情でございます。そこで、先ほどから私が御指摘申し上げますように、また御答弁願いましたように、今日までいろいろ御善処は願っておるのではございますけれども、そういった極端な例については、もう少し何らかの強い処置というものが必要ではなかろうか、この点については一つ大臣からも御答弁をお願いいたしておきたいと思います。
○松永国務大臣 実は御指摘になりましたような点は、もうすでに今から十年ばかり前にそうした問題がありました。これは社会の世論の声で大体学校当局者も反省をして参りまして、大そう是正されてきたと私ら考えておりました。ところが仰せの通り、一つは企業化したような面もありますので、自然またそういうふうによりが戻ったかもしれません。けれども私の聞いております範囲内においては、私も早慶戦なんかよく見に行くのですが、このごろはあまりうまくないものだから、ははあ、これは例の手を用いて選手の引っぱり合いをやっていないなと思って当局者に聞いてみたところが、一切そんなことはやっておりませんよ、だから弱くてしょうがないんですよというようなことを言っておりました。そういうようなことで、多少安心もしておったのですが、しかし御指摘のような点もないとは思いません、今後そういう点は非常に注意するつもりです。というのは、そうしたアマチュアがいろいろ企業化していくということだけは、これは特に学校として慎しまなければならぬ問題だと思います。一つこれは研究を重ねて、何とか善処したいというふうに考えております。
○福田説明員 ただいま大臣から申し上げた通りでございますが、本日は所管の局長が見えておりませんので、所管の局長の方にはただいまの先生の御趣旨は十分よく伝えまして、善処してもらいたいと思いますが、私の所管の関係につきましては、十分研究いたしまして、必要なことにつきましてば善処いたしたいと考えます。
○長谷川委員長 河野君にちょっと申し上げますが、大臣は余儀ない事情で十二時に退席したいということでありますし、他に大臣への質疑の通告をしている方がおりますので、なるべく簡潔にお願いいたします。
○河野(正)委員 今まで大臣からも所管の局長からもいろいろ御答弁をお願いいたしまして、今後それぞれこういった悪現象に対しまする御善処をいただけるものと私ども期待をいたしておるわけでございますが、時間もないようでございますから、結論的なことでお話を進めて参りたいと思います。 今日いろいろ文教委員会でも問題となっておりますように、道徳問題をどうすればいいのかあるいはまた勤務評定等の問題もいろいろありますが、いずれにいたしましてもこういった問題が今度の臨時国会におきます文教委員会の焦点だったということは、これは争えないと思うのであります。ところか先ほど私からいろいろ御指摘申し上げましたように、一方におきましてはそういったことと全く反対に、社会的にきわめて悪影響を及ぼすような事態というものが次々と発生しておる。この点はスポーツ道徳という点、あるいはまた一方におきましては学習意欲に燃えております純心な学生諸君の心情を阻害するというような、きわめて道徳教育というものが強調されながら、一方におきましてはこういった露骨な現象というものが着々と生じて参っておる。このことは私はまことに残念なことといわなければならぬと思うのでありますが、いずれにいたしましても、そういった事態が——大臣もそういう心配をしておったけれども、必ずしもそうじゃないというような表現もあったようでありますけれども、しかしながらそれぞれ今日の社会の声を承わって参りますと、そういったことがきわめて露骨だという声の方がむしろ強いのではないかというふうに私は思うわけでございまして、単に道徳教育というようなことをいろいろ強調するだけではなくて、むしろこういった今日学校内において一つの重大な問題点となっておりますようなことをまず処理する、当面そういった問題を処理するということの方が、私はむしろ賢明ではなかろうかというようなことを考えるわけでございまして、この点につきましては今後とも十分なる善処——善処と申し上げますよりも、むしろさらに強い善処というものが必要ではなかろうかというふうに考えるわけでございまして、時間もございませんから、そういった総まとめにいたしました私どもの所見に対しまする最後の大臣の御所見を承わって私の質問を終りたい、かように存ずる次第でございます。
○松永国務大臣 御指摘のような問題については、御質問の趣旨にありましたことを体得いたしまして、今後強く善処いたしたいということを申し上げておきます。
○長谷川委員長 関連して平田ヒデ君。簡潔に願います。
○平田委員 大臣にお伺いいたしますが、ただいまの河野委員の御質問に関連いたしまして、女子大学卒業生の就職の門戸がはばまれております。はばまれておるだけではなくて、全然試験さえも受けさせてもらえない実情でございますが、この点についてどうお考えになっていらっしゃいますか、お伺いいたしたいと思います。文部大臣は会社の重役さんでもございませんし、そういったことについて責任を持ってお答えになるということはおできにならぬと思いますけれども、その門戸を閉ざされているということについてちょっと御意見をお伺いいたしたいと思います。私二、三分の時間しか与えられておりませんので、これ以上御質問できないことを大へん残念に思いますが、大臣の御答弁は別に時間の制限はございませんと思いますから、なるべく親切に御答弁をお願いいたしたいと思います。
○松永国務大臣 御指摘になりました点もこのごろ耳にいたしております。私どもは、去年あたりまでは男子より女子の方が就職率が非常にいいというので、女子は女子としての使い道がやはり多方面にあるということを聞いて喜んでおったのですが、しかし本年ごろあたりは、御指摘のように、新聞あたりを見ましても、女子の就職がきわめてはばまれておるというようなことを承わりまして、これは何とかして善処せんければならぬというふうに考えております。しかしまだ具体的にどういうふうにするかということは考え出しておりません。これは局長連中ともよく相談いたしまして、何とか一つそういうことのないように打開策を講じてみたいというふうに考えております。
○長谷川委員長 安平鹿一君。
○安平委員 私は専門家ではございませんが、御承知のように今愛媛県におきましては勤務評定問題を中心にいたしまして非常な混乱を起しております。従いまして私は県民である立場と同時に父兄の立場からも、これを松永文部大臣にただしておきたい、こういうふうに考えて、あえて質問をいたすわけであります。もちろんこの問題は重大な問題でございますので、おそらく同僚各委員からしばしば質問されたので、あるいは重複する点があるかもしれませんが、その点はお許しを願いたいと思います。 まず第一に私が大臣にお尋ね申し上げたいことは、勤務評定問題が今急に積極的な問題になっておる、しかも新聞紙上でも多くの識者、関係者、父兄、これらの人々が反対しておる記事がたくさん出ております。にもかかわらずこれを押し切ろう、こういう態度、ことにこの法案ができましたことは、御承知のように昭和二十四年でございまして、今日まで八年の歳月が流れております。この八年の長い間放任しておいたということは、この勤務評定の内容がいかにむずかしいものであるかということのために、延び延びになっておったので、決して当局の怠慢でもなければ何でもない、こういうふうに考えております。ことに松永大臣は、私どもがかって東京市会議員当時から一緒にやっておって、よく気質を知っておるのです。この温厚な、慎重に事をかまえる松永大臣が、今急に積極的にこの問題を施行しようとすることが、どういう動機から出たものか、こういう点をまず第一にお尋ねしたいのです。聞くところによりますと、何か大臣は慎重に考えておったんだけれども、自民党の総務会に呼び出されて圧力を加えられた、そのために急にこういうことを積極的に考え出したんだという説もあるので、その点もあわせて御答弁願いたい。
○松永国務大臣 御指摘の勤務評定問題については、実はこの臨時国会が開かれる前から、文教委員会では衆参両院でしょっちゅうおただしをいただいておるのであります。今仰せになりました点も、実はこの委員会でも毎日毎日繰り返しておった問題であります。しかも安平委員の言われる通り、あなたの御生国の愛媛県で現に非常な紛争を来たしておるということも承知いたしております。この問題について反対があることも、私承知いたしております。強い反対があることも承知いたしております。しこうして私のところに陳情書とか上申書とかいうことで、大よそ千を数えるくらいなたくさんの陳情書も参っております。しかしその反面において、ぜひやってくれという賛成の意見も相当参っております。ですから、これは相当研究せなければならぬ大きな問題で、ことにお互い政治家だけの反対だ賛成だという討論でなしに、その影響するところは、次代をになう青少年に大きな影響をもたらす問題でありますから、慎重に慎重を重ねなければならぬと私は考えております。しかしこれがいろいろな状況から、御指摘のように、すでにこの法律が施行せられてから八年間なおざりにされておったという点も、私よく承知いたしております。しかしながら、私が就任いたしましたときには、この問題は断行せんければならぬという前任者の考え方から、いろいろ計画を進めておられたことも事実なんであります。従ってこの計画を実行せんければならぬと法律に規定してあります以上、私の立場に立ちますと、どうしても法律をわれわれは順守していかなければならぬというふうな考え方から、今その実行を進めておる次第でございます。しかしながら、さっき安平委員の言われた通り、私の説が自民党の圧力に基いて硬化したなんということは絶対にございません。この問題について自民党で話し合いをしたことすら、私はありません。ですからほんとうの私の責任感から、どうしても当局といたしまして、法律があり、その法律をほったらかして放置しておくというわけにはいかぬというので、すでに進行しつつあったその過程において、その進行を進めておるというのにすぎないのであります。その点を御了承置き願いたい。さらに今もって、どういうふうな内容にするかということについて、私はいろいろな意見をとりまとめて研究を続けておる次第で、御了承置き願いたい。
○長谷川委員長 安平委員にちょっと申し上げますが、先ほど申し上げましたように、文部大臣は総理の代理として中国の文部大臣と十二時から会食することになっておりますので、なるべく簡潔にお願いいたします。
○安平委員 ただいまの大臣の御答弁の中に、非常に反対意見も強いけれども、しかし賛成意見も相当ある、こういう事実を見ましても、いかに困難かということがおわかりになると思う。それをあえてしようとする動機というものをお答えにならぬ。また大臣は、先行者が断行しようとする意思を受け継いで、こういうお考えですけれども、やはり大臣は大臣としての独自の考え方もあると思う。ただ前任者が断行しようとする意思を受け継いでこれを断行する、こういうような御答弁では満足できないのです。もっとほかに何か動機があるに違いない、こういうふうに考えるのですが、それをまず御答弁願いたい。
○松永国務大臣 他に別段改まった動機というものではないのであります。ただ、だれが考えてみましても、やはり勤務評定はすべての仕事にあるのです。国家公務員でも、あるいは地方公務員、あるいは会社でも銀行でも、すべてやはり勤務評定が行われているのじゃなかろうか。ことにこれは参議院の文教委員会の問題であったのですが、あなたの党派の人々も、勤務評定は現に教職員の間にも実行しておるのだという御意見もあった。そのくらいで、勤務評定なしに人事管理ができようはずがございません。でありますから、勤務評定が今日までもあったことは事実だと思います。すなわち精励恪勤に勤めた人が昇給昇格をして、あまりに野放図で、杜漏で、そうして子供の教育に不熱心なような人が、やはりそれと同一に昇給昇格をするということは、これは私は悪平等、不平等だというふうにも考えております。でありますから、やはり勤務評定はやらなければならぬというふうに私自身は考えております。しかし御指摘になりましたように、これは非常にむずかしい問題です。これは何回も私も答弁申し上げてるんですが、なかなか何貫目というふうにはかりにかけるわけにいきはしない。その点が相当むずかしい点だと思いまして、現に研究を続けておるという過程でございます。その点御了承置きを願いたい。
○安平委員 なかなか松永大臣も慎重性、穏健性を欠いて挑戦的になっております。私はこの問題は政治的ないろいろな観点から考察してみまして、あなたの何べんもお答えになるように、非常に困難だということを知りながら、あえてやろうとするところは、むしろ非常に大きな政治的な意図というものがあるように、あなたの困難だという言葉の裏に隠されておる、こういうふうに思うのです。その理由は愛媛県において今問題になっております勤務評定、この問題の裏を見ましても、明らかに組合の弾圧、こういう点に重点が置かれている事実がたくさんあるのです。そういう点について、もしも教組を何らか政治的の意図のもとに弾圧し、あるいは分裂させるというような、そういう意図のもとになされるとするならば、これは重大な問題だと思うのです。きょうの新聞にも、ラジオにも出ておりましたように、群馬県でもすでに勤務量の調査を校長会として拒否しております、それから山梨県におきましても、校長会の決議として勤務評定反対ということが決議されております。こういうことを関連的にずっと考えてみますると、これは明らかに——まあ松永さんも政党人ですから自民党と縁がないわけではないが、(笑声)しかしそういう意図のもとにやられているということはもはや明らかではないか、私はこういうふうに考えるのです。そういう点についての松永さんの御答弁を求めたいと思うのです。
○松永国務大臣 もちろん御説の通り自民党と縁がないどころではありません。(笑声)これはもう自民党の党員であります。しかしながらさればと申しまして、組合を弾圧するとかなんとか、そういう意図は私に関する限りは寸毫も持っておりません。ただ要は法律の実行者として、何とかしてこれは法律が現存しておりまする限りやらんければならぬ。ただしかし御指摘になりました通り、その標準、基準、内容等が非常にむずかしい問題だというので研究を重ねておる、こういうことを御了承おき願いたい。
○安平委員 その点は幾ら質問してものれんに腕押しだからしてやめまして、現実の問題といたしまして、愛媛県でこの勤務評定を強行するために実はえらい問題が起っております。これはおそらく前にだれか委員が御質問になったかもしれませんけれども、この問題をめぐりまして、実は愛媛県当局では各校長に勤務評定を提出する期日を九日までにと指定しておりました。そこで地方事務所長が校長を呼びつけて、しかも八日の夜半、いわゆる二時、三時ですね、三時から九日の未明まで、しかもちびりちびりと酒を飲みながら愉快そうに威嚇し、そして校長をカン詰め同様にして強要した、こういう事実があるという報告を私は聞いております。この点についてその責任をどう考えるか、これが事実とすればどう考えるか、この点もあわせてお伺いしておきます。
○松永国務大臣 私の耳に入っておるのは、お説とはあべこべの事実が耳に入っております。しかしこういう問題はやはりじっくり調査して、そうして真相を確かめた上に善処しなければならぬと心得ております。今その真相を確かめるべくいろいろな手段をとっておるところである、その点御了承おき願っておきます。
○安平委員 いずれこの点では櫻井君とその他の諸君が調査に行かれるそうでありますから、その結果——私は松永文部大臣とは正反対にこういう事実が事実として存在するという確信を持っております。従いまして、私も文部委員という資格で行けるかどうかわかりませんけれども、両君におともをして、県の問題ですから行ってみたいと思いますが、これが事実であった場合、文部大臣はどういう御処置をなさるか、その点をお聞きしておきます。
○松永国務大臣 事実がありましたということがはっきりしました上で責任については考えてみたいと存じます。
○安平委員 時間がありませんので、大臣に答弁を願うのはこれ以上無理でしょうが、私は今の御答弁では残念ながら納得がいきません。従って私は事実を事実として調べた上であらためて大臣と対決というわけではないが、(笑声)お話し申し上げることにいたしたいと思いますから、これ以上申し上げませんが、先ほど申し上げましたように、山梨、群馬あるいは愛媛、佐賀、こういうところにおいてこの問題を中心に大きな問題になっておりまして、もしこれを強行する場合には全国的に、ただ各県が別々な問題として取り上げておるのではなくて、全国的に組合でも取り上げられ、全国的な大混乱を起す危険が含まれている、私は実に心配しておるのです。従いまして、もしそういう無謀をあえて断行しよう——大臣のお言葉によれば断行しようとされておるが、すれば全国的な混乱はあげて文部省当局の責任であるということを申し上げて、質問はこれで打ち切ります。
○長谷川委員長 安平君に申し上げますが、まだ初中局長はおりますから、何か御必要があれば……。
○安平委員 いや、もうけっこうです。
○長谷川委員長 野原覺君。
○野原委員 文部当局にお尋ねをいたしますが、全国の教員諸君の厚生費の問題についてであります。国家公務員並びに地方公務員に対しましては年額六百円の厚生費の計上がなされておるけれども、教育公務員については今日まで一文も計上されていない。もっと詳しく言えば、地方交付税の交付金に関する算定並びに積算について計上されていないために、この六百円の厚生費というものが不当に差別をされておる。この点について文部当局はどういう見解を持っておるのか。聞くところによると、自治庁と相当本気になって交渉をしておるやにも承わるわけでございますが、それらの点についての御説明をお願いしたい。
○内藤説明員 教職員の福利厚生の問題は、実は管理局長の所管でございますので、財源措置の点について私からお答えをいたすべきではないのでありますが、御説のように国家公務員につきましては厚生費として六百円の予算を組んでおります。地方公務員につきまして教職員だけがこれが落ちておるとすればはなはだ遺憾に思います。厚生費が地方財政計画の中ではっきりと財源措置ができるようにぜひいたしたいと考えております。
○野原委員 そうしますと、来年の四月一日からはこの六百円の問題は解決する、今日まですでに解決されていないのが不思議なくらいでありますから、来年度においては解決できると期待をしてよろしいかどうか、承わりたい。
○内藤説明員 今御説のように教職員だけがそういう事実でございますならば、これははなはだ遺憾だと思いますので、自治庁と折衝をいたしまして、そういうことのないように最善の努力をいたします。
○野原委員 自治庁は文部当局に対してはどういうことを言っておりますか。あなた方の最善の努力に対して自治庁は今日どういう答弁をしておるのか、承わりたい。
○内藤説明員 これは来年度の財政計画に全部これから持ち込むわけでございますので、自治庁と十分協議を遂げたいと思っております。
○野原委員 この問題は、ぜひとも実現できるように自治庁に働きかけて、努力されるように私から重ねて要望をいたしておくわけであります。あと一点。これは内藤局長にお尋ねをいたしますが、この日本教育新聞の十一月一日付によりますと、中学校の十周年記念式典に、内藤局長あいさつと書いておりますが、読んでみると訓辞ですね。いつの間にこういう訓辞が出せるようになったのかは、寡聞にして私は知らないけれども、世の中も変ったものだと思って、あなたのあいさつ要旨を書かれたものをずっと読んでみたのであります。その中にこういう一節がある。今中学校には、一つは進学する生徒、一つは就職する生徒の二つの悩みを持っていると思う。そこで、中学三年では、進度適性に応じた弾力性を持たせたい、つまり生きていく手段をつかませること、食える教育をすることが人間に自信を持たせることだ。また進学する者には、それに応じたカリキュラムを組まねばならない。こういう訓辞を十周年の記念式典で、あるいは訓辞かあいさつか知りませんが、なさったのかどうか。これからまず開きたい。
○内藤説明員 中学校十周年記念に、私に早稲田大学の講堂に来てほしいという切なる御要望がございました。私は訓辞という意思は毛頭ないのですが、私の所懐の一端を述べることをぜひ希望されましたので申し上げました。
○野原委員 あなたの所感を述べてくれということであれば、所感を述べるということは自由であります。自由であるけれども、所感を述べるに当って、あなたは内藤初等中等教育局長でありますから、よほど私は慎重にあなたの今日置かれておる立場の上に立って話をしてもらわなければならぬかと思う。私が今指摘しておるのは、中学校三年は進学のコースと就職コースの二つに分ける、こういうことをあなたはここではっきり言っておる。これは文部省できまっておるのか。進学コース、就職コースに分けるということは、あなたがこの種の会合に出向かれて、そして高い壇上から全国の中学校の代表者諸君に所見として述べる限りにおいては、これは文部省でいつきまったのか。私どもはさまったとはまだ聞いていない。進学コース、就職コースの問題は、今日は検討中の段階だと私どもは知っておるのだが、あなたはさまったようなふうに話しをしておるということはいささか穏当を欠く。これは一体どういうことなのか承わりたい。
○内藤説明員 この点については、文部省としては、ただいまお述べになったような方針で教育課程審議会に諮問をしておるのであります。その方針については、すでに大臣の了承を得て諮問しております。教育課程審議会も、先般同様な中間報告として答申をされておるのであります。
○野原委員 諮問機関に諮問しておるところのものを、あなたは初等中等教育局長という事務的には事実上の権限を持っておる人なんですが、その者が、進学コースと就職コースに二つに分けることが最も正しいのだ、こういうような見解を述べることは、ちと行き過ぎじゃないか、こうあなたはお考えになりませんか。それを聞いておるのです。
○内藤説明員 私どもは、私どもの考えを率直にお述べすることが必要だと思うのです。もちろんそれは要旨でございますので、ただいまこういう問題について教育課程審議会に諮問しておる、こういうことをはっきり言うております。諮問の内容について私が答えたわけであります。
○野原委員 これは速記によるところの記録でないから、あなたがどういうことを言ったのか知らぬけれども、この新聞に書かれておるところによると、はっきり、中学三年では進度適性に応じた弾力性を持たしたい。これは明らかにあなたの所見だ。ところが中学三年は、学校教育法によれば、義務教育だ、一体そういった教科の単位を二十単位くらいに押えて、そうしてある者は就職コース、ある者は進学コース、こういう区別したような教育をすることが、義務教育課程として、今日の法制的な見地からいっても、果して妥当であるかどうかは議論の余地がある。それはなるほど間に合った職業人はできるかもしれない。そういう近視眼的な物の見方でなしに、義務教育は、人間を作る教育、基礎陶冶なんだから、基礎陶冶の段階においては、ある者は上級学校に行くんだ、そうしてこの人間は中学校でしまいだから、たとえば、農村においては農業の実習をうんとやるとか、町では商業の実習をうんとやるとか、そういうようなことをやることが、義務教育課程において正しいのか正しくないのかということは、今日非常に論議をされておることなのです。まだ文部省でもきまってないはずだ。きまってないでしょう、今諮問しているんだから。態度がきまっておって諮問しておるとすると、諮問機関を侮辱するもはなはだしいと思う。しかも諮問しておる当事者はあなたです。自分は進学コースと就職コースは正しいのだ、あなたがそんな話しをすれば、文部省は諮問をしておるけれども、これは文部省の省議として決定しておるかのような受け取り方をして中学の諸君は帰っておる。中学の校長が現に私に質問に来ておる。文部省は進学コースと就職コースをやるんですか、こう言っておる。その話しの仕方、発表のされ方を、常に勤務評定においても、道徳教育においても、あるいは過去の教育委員会の問題にも、教科書でも、ことごとくあなたはこういうようなやり方で今日教育界を混乱さしてきておる。それは十分反省されておるのかどうか疑わしいのです。だから、省議としてきまるまでは、こういうことはやはりあなたはあいさつすべきじゃないと僕は思う。私の所見ということでそういうことを言うたというけれども、あなたば内藤個人にあらずして、文部省を代表する初等中学教育局長なんです。内藤誉三郎で招かれたんじゃない。初等中等教育局長だからこの十周年大会に来てくれ、しかもその席上で進学コースをやるんだ、こういうことになれば、非常に混乱するのは当然じゃないか。このことはどう思いますか。混乱するような受け取り方をしておるのが間違いだ、こういう考えをあなたは今も持っておるのかどうか、これをお聞きしておきたい。
○内藤説明員 これについては、先ほど来私が申し上げておるように、文部省の方針として決定して、一応教育課程審議会に諮問しております。ですから、諮問の仕方は、包括的に何か適当にやっていただきたいという諮問の仕方もあると思うし、こういう問題について御審議願いたいという諮問の仕方もあると思いまする。本件については、あとの方で、進度適性に応じた教育課程を組む必要があると私どもは考えますがいかがでしょうか。すでにこのことは新聞紙上でも、教育課程審議会に諮問するときに発表しておるわけでありまして、文部省の方針としてこういうふうに考えておるということは、新聞紙上に発表しておるわけであります。ですから、私は文部省の方針として今こういう問題を教育課程審議会に諮問しておるというふうに申し上げたのであります。で、教育課程審議会も、この点については同様な意見をお持ちになって、文部省にすでに中間答申として答申されておるし、また中央教育審議会でも、科学技術教育に関する問題として、同様の意見の御答申をすでにいただいておる。これを今後実施する段階になれば、あらためて検討する必要はあるかと思いますけれども、私どもはこういう観点に立って諮問しておるということを申し上げることは、一向差しつかえないと思うのであります。
○野原委員 一向差しつかえない。大いに差しつかえある。あなたが諮問された教育課程審議会が、これは望ましいことでない、義務教育の課程においては進学、就職のコースはやはり分けるべきではない——なるほど、あなたの考えておるような答申が二十六日に出たようだ。僕は新聞で拝見した。しかし分けるべきではないという答申が出た場合にはどうするのか。文部省は、諮問された者がいかなる答申をしようとも、最初の所見はやはり通す、参考のために諮問したのだ、こういう態度で今日まで諮問機関に臨んでおるのかどうか、お聞きしておきたい。
○内藤説明員 もちろんそれは諮問する以上、できるだけ諮問機関の意見を尊重するのが建前だと思います。ただこの問題については、教育課程審議会でもすでに相当論議されておったし、また中央教育審議会の中間報告の出る前から、この問題は論議されておった。大体私どもとしては両審議会の意向というものを十分承知しておったわけでございます。ただ形式的に出たのは、お話のように最近でございます。
○野原委員 だから、諮問機関の答申というものは尊重しなければならぬということであれば、それは諮問機関がはっきり答申を出すまでは、文部省の見解というようなものを対外的に発表するということは行き過ぎじゃないか、諮問機関がまだ意見を発表しない前に——なるほど、諮問はしただろうけれども、諮問機関の意見を聞いてから、文部省でなお内容その他についても十分検討をして、進学コース、就職コースの二つに分けるのだ、こういう発表をするならばよろしい。しかしながら、自分は最初からそういう見解を持っておるのだ、諮問機関がどう答申しようとも、おれはそういう考えを持っておるのだから、外に向って発表して何ら差しつかえないというならば、あくまで諮問機関無視ではないか、この点あなたはどう思うか。
○内藤説明員 何か少し誤解があるのじゃないかと思うのですが、私どもはこういう見解で教育課程審議会へ諮問しておるという諮問の内容を申し上げたのです。こうするのだということを私は言ってないのですから、その点はよく速記録を見ていただきたいと思います。
○野原委員 速記録がないから僕の質問に迫力がないかもしれないが、これは新聞で言っている。あなたにそれだけの確信があれば、速記録を見てからまた質問しよう。しかしながら、私はどうもいろいろな今日までの問題の経過を考えてみると、諮問機関なんというものはどうでもおれの自由になるのだ、こういった諮問機関をほんろうするような考え方で臨んでおるような印象を私は受ける。諮問機関というものはそんなものじゃなかろうと思う。中教審だって何だってそうです。やはり諮問する限りは、諮問機関の意見、答申を十分待って、その答申を慎重に検討した上で対外的に発表するというところの注意がやはり望ましいのである。しかしながら、あなたはそういうことを言ったことがないそうだが、この新聞によればそう受け取れることが書いてある。だからその速記を見た上でこの問題をあらためてまたお尋ねしたいと思うのであります。 なお同時に、進学、就職コースの問題についてもう一つお尋ねしておきたいことは、これはどうしてもやはりやるのか。二十六日に答申があったから、やはり来年の四月一日から進学コース、就職コースに中学三年を分ける、こういうように最終的にきまったのかどうか、これをお聞きしておきましょう。
○内藤説明員 まだ答申案の一部でございますので、全体の答申が出た上で検討したいと思います。もちろんこれだけを私ども諮問しておるわけではないのです。先般来問題になった道徳教育の問題もあり、科学技術教育の振興の問題もありますし、さらに各教科間の重複をどう調整するか、あるいは各学校間の連係をどういうようにするか、いろいろ問題点を指摘して諮問しておりますので、そういう諮問が全部まとまったときに、私どもはそれについての態度をきめたいと考えております。
○野原委員 その態度をきめる時期は、あなた方としてはいつごろに目安を置いておりますか。いつごろまでにそういったものに対して総合的に態度をきめるのか。これは計画のないようなことはないと思うのです。文部行政は手当りばったりじゃなかろうと思う。だからそういったスケジュールをお示し願いたい。
○内藤説明員 教育内容全般については、来年の三月までに大体御答申をいただきたい。そのころに私どもは教育課程の全般についての態度をきめたいと考えております。それから学習指導要領については、来年の八月までに大体発表できるように準備をいたしたい、かように考えております。
○野原委員 来年の三月ごろまでにきめたいということであれば、やはり四月一日から実施をするということになる。たとえば道徳教育については新聞が発表しておる。これは修身科の復活は反対だというものだから、最初は修身復活というようなことが、このごろは、私はよくわからぬのだが、文部当局は民主道徳というような言葉を使っていらっしゃる。親孝行だとか国を愛するということだけのものじゃないのだ——これはあなたが使っているわけじゃない。文部大臣がしょっちゅう民主道徳を言っている。だからそういったようなことで、中学校と小学校においては来年の四月一日から、手引きかなんかを教員に持たせて、そうして特設時間で道徳教育をやる、これが本ぎまりにきまったと新聞は発表しておりますが、どうなりましたか。
○内藤説明員 これは審議会の答申では、時間を特設してどういう方法でやるというような方針は一応出ておるわけであります。これに対し私どもとしては、まだ実施の問題についてはもう少し検討いたしまして、道徳教育についてできるものは三十三年度からできるだけ実施したい、完全でなくてもできるところから始めたい、こういう考えです。
○野原委員 できるものは三十三年度からというが、そのできるものはということは、具体的にはどういうことですか。
○内藤説明員 他の教科の問題になりますと、これは教科書の問題がついてくるわけであります。ですから三十三年の八月に指導要領ができても、教科書の編集に時間がかかりますので、教科書の検定が三十四年になると思います。ですから採択が三十五年で、使用するのが三十六年になりますが、これが教科書のある教科についてはもっと早いと思います。教科書のない教科については、ことに道徳教育については今教科書を予想しておりませんので、三十三年度からでも、もちろん完全な形とは言えませんけれども、ある程度できると私は思います。
○野原委員 それじゃ、できるものはということは要らぬじゃないか。あなたは、できるものということの具体的内容を開いたら、教科書の話を持ち出してきた。ところがその次に道徳教育のようなものは教科書は要らぬから、こういうことであれば、僕の質問した、できるものはという内容については、答弁になっていないのです。だから、できるものは三十三年四月から実施する、教科書は要らぬのだということであれば、これはできるものはということは余分な答弁であって、道徳教育については特設時間で三十三年四月一日からやる、こういうことにきまったのか、それをお聞きしておる。
○内藤説明員 大体私が申しましたのは、道徳教育についても完全な形において実施することは私は無理だと思う。と申しますのは、先ほど来私が申し上げているように、三十三年八月にならないと指導要領の完全なものができかねる。ですから、大体の方向が三月までにできるだろうと思いますので、それば手引き書かなんかの形で、不完全ではありますけれども、できる範囲でやっていきたい、こういう希望です。まだ正式にきめたわけではございません。
○野原委員 どうもその点が僕は納得できないのですがね。不完全なものでもやらせるのだ——あと六カ月待てば完全なものができるのに、ほんとうに確信の持てる指導要領ができるのに、それをあわてて四月一日からやらなければならぬくらい緊急性があるのか、それをお聞きしたいのです。あなた方は今日まで学習指導要領というものに非常にウエートを置いてきている。現場の教師に対しては学習指導要領にそむくような教育は許していないはずです。これは学習指導要領ができもしないものをあわくったように四月一日から手引書だけで間に合してやらせなければならぬという理由、やらせなければならない客観的なそういった必要性、そういうものを教えて下さい。私はよくわからぬのです。
○内藤説明員 もちろん指導要領ができる前に、その指導要領の根底となるような事項は全部討議済みです。ですから指導要領という形の整ったものは八月にかかる。またそれまでにおそらく三月までには大体の学年別の指導の方向なり、方法というものは十分検討されるだろうと思います。こう私どもは期待しておるわけであります。ですから四月からやるものと八月の指導要領ができてからやるものとは、その中身に食い違いがあるはずはないと思います。そこで今仰せの点は、それじゃ指導要領ができてからやったらいいじゃないか、こういうお尋ねでございますけれども、私どもとしては、学年の中途でやるよりは学年の初めにやった方がいい。現在も生活指導なり、特別教育活動の時間でやっておるところが非常に多いのです。そのやっておるものをよりできるだけ完全なものにしたい、こういう念願なんであって、現在何もやっていないというわけじゃないのであります。やっておるものをもう少し組織的系統的にして、そうしてより十全なものにしていきたい。私どもは一日でも早くよりいいものに努力するのが当然の責務ではないかと思っております。
○野原委員 現在の生活指導を僕はとやかくは言っていません。生活指導ということは私は必要だと思う。徳育のない教育もあり得ない。私どもはそれは今日社会科を中心とし、あるいは全教科その他が子供の生活を通してのいわゆる品性の陶冶、あるいはしつけの問題の解決はできるじゃないか、御承知のようにそういう見解をもって見ておるわけです。だから従来のように徳目をたくさん並べて、寛大だ、やれ忍耐だとか克己だとか、博愛だとか、そういうような徳目をずっと並べて、そうしてそれを組織的、系統的にきょうは寛大を教えるのだ。あしたは忍耐を教えるのだ。こういうような行き方ではほんとうの徳育というものはできやしない。私どもはほんとうの道徳教育の立場から実は今日まであなたに質問してきておるのです。だから現実に生活指導云々というようなことをいわれると、これは私は十分やらなければならぬと思うのです。ただ問題は組織的、系統的にやるのだ、こういうことについてはいろいろ意見があるから、あなたの考えておる組織的、系統的、こういっても、それは教育学者の間にはずいぶん反論を出されておる。けさの新聞にも書いてある通り、日本教育学会あたりは出しておる。あなたはどっかの放送討論会か何かに行かれて、そうしてある学者と議論をしたのかどうかしらないけれども、あなたの方が勝ったのか負けたのか僕は知らぬが、おれはもうこれで自信ができたといって自動車の中で胸をたたいたといううわさも広がっておる。そういったような官僚的なものの考え方で、こういう道徳教育というものを料理されてはたまらぬです。だからして、この点は議論になるから僕はやめるけれども、とにかく私はあわてて来年の四月一日から手引を作ってやる必要はない。学年の中途で困るというなら再来年からしなさい。来年一年は全国に道徳教育の組織的、系統的な徳育とはいかにあるべきかということを大いに全教育界にあるいは全日本人の間に世論を巻き起したらいい。それをお互いに議論を戦かわしたらいいと思う。そして再来年ごろからその議論の帰趨のおもむくところに従ってやっていく、これが私はむしろ望ましいのではないかと思う。そういうことをほんとうに僕はまじめに考えてもらいたいのです。どうも何だか知らぬあわてて、そうして何かやらなければ事は済まぬのだというように押しつけるやり方、なるほど道徳教育の必要というものはたくさん国民の間からも出ております。私もその必要は感じております。私も子供を四人持っておるのだから知っておる。今日の新しい教育の欠点ということも私は身をもって感じております。だからそういう点についても、それはいろいろな人の意見があるわけだから、議論を戦わしてやるというくらいの配慮はあってしかるべきではないか。これは勤務評定についても言えるのであります。どうしてもそれをがんとしてきかぬのが内藤氏であるということは、今や天下のすべての人が指摘しておる。あなたはそう言われると、おれもたいしたものだと思って、また胸を張られるかもしれぬが、僕があなたとやると、内藤株が上って、文部省では喜んでおる者もあるように聞くのだが、とんでもないことなんだ。私はあなたが責任者だからあなたの一挙一動、あなたの言動というものはよほど慎重に考えてもらわなければならぬ、このように思うのです。
○長谷川委員長 小林信一君。
○小林(信)委員 今のお話のことに関連して一つだけ聞いて、それからまた一つ特別なものをお聞きしたい。この中学校のコースの問題ですが、二つのコースを持つという場合には、おのずからその教科内容というものは変るわけだと思うのですがね。それで今非常に心配しているのは音楽の先生なんですね。就職コースの音楽を減らすとか、大へんな心配をしておるわけなんです。そういうことまでおそらく審議会に答申を求めているのじゃないかと思うのですが、そのいい悪いはとにかくとして、局長として希望しておるものはどんな内容なんです。
○内藤説明員 この点は私非常にむずかしいと思うのです。先ほど野原委員からお話のように、義務教育の段階でそういうものを分ける方がいいかどうかという、これはおそらく議論のあるところだと思う。ただ中央教育審議会及び教育課程審議会では、義務教育は年限の義務であって、内容が同じものをやらねばならぬかどうかという点については非常にまた御批判もあるわけであります。そこで中央教育審議会の科学技術教育という点では、少くとも中学校の三年では、進路、特性に応じた教育をすべきであるという御答申を文部大臣に先般されたわけでございます。それから教育課程の方でも、この点は現実に今進学組の方は毎日補習教育をやっておる、こういう実情でございますので、その補習教育の実態をどうするかということと、それから半数の者が社会へ出てしまう、百万人の者がそのまま出るということが一体いいかどうか。私どもも中学校の段階で非常に専門的な職業教育をしようという考えじゃないのですけれども、しかしその職業教育の基礎になる技術教育なり、工作なり、そういうものをもっと強化すべきではなかろうかというのが一般の意見でございます。そこで就職する者に対しては、基礎的な技術教育を強化しようというのがねらいなのでございます。そこでこれも一律に全部そういうふうにするということを言っているのじゃなく、そういうこともし得るように、教育課程に弾力性を持たしたらどうかというのが今の諮問の内容であり、答申された内容だと思うのです。そこでどういう教科にそれがしわ寄せがいくかということになると、一つは結局進学の場合に、外国語、数学、理科、こういうようなものをおそらく減らすことはできないだろうというのが一般の意見、それから技術教育の面ですと、工作、技術、こういう時間が相当ふえるだろうと思うのです。そうでないものがまん中に入る。そうすると、国語とか社会あるいは芸能諸学科、こういうものが対象になると思う。それをどういうふうにされるかということは今後の御検討を待つということでございます。私どもはこれについて意見はさしはさんでおりません。
○小林(信)委員 そういう御答弁であれば、それだけで私はおきたいと思うのですが、私が特にお願いしたいのは、これは初中局長でなくて、かえって局長とすれば社会教育局長ですが、できるなら文部大臣にお尋ねしたいのですが、総理大臣が施政方針演説に教育という問題を考えた場合青年を対象にした問題を、毎回ですが、今回は特に言葉をあらためて言われたのです。それから地方の各演説会等でも青年問題を取り上げておるのですが、おそらく政府の施政方針がそこにあるとするならば、関係する官庁としては文部省なのですが、青年対策に対してああいうことが国民に強く強調されておるとするならば、文部省ではおそらくいろいろな計画というようなものがあると思います。あなたは当面の局長でないわけですが、しかし実力も自他ともに許す立場にある局長が——文部省としてのこれに対する対策、ことに来年度あたりの予算要求にもその点がきわめて顕著に現われるのではないかと思うのですが、その点もいつかお聞きしようと思ったのですが、もう臨時国会も終るし、ほかにだれもおりませんから、一つ局長からその点お述べになっていただきたい。ことに局長は社会教育を前にやられたし、その立場で、また諸外国にも旅行されておりますのですから、相当エキスパートだと思いますので、その点一つお述べ願いたい。
○内藤説明員 お話の点、青少年に期待するものが非常に多いという点で相当広範に青少年対策を考えているわけですが、私ども学校教育、社会教育を通じて、特に学校教育の面では青少年に希望の持てるようにしたい。実は一つは義務教育の水準の向上、父兄負担の軽減という問題にからんでくるわけですが、できるだけ義務教育の水準を上げたいというわけで、特にすし詰め学級の解消、この点は定数の確保、そしてできるだけ科学教育、道徳教育が徹底しやすいような教育環境をまず作りたいというのが第一点でございます。 それから科学教育、技術教育を進めていく、そして特に勤労青少年が安心して生活のできるような確信を持たせることが必要ではなかろうかというので、実は特に学校教育の面におきましては百万人のこの人たちにどういうふうな対策を講ずるか。一つは定時制、通信教育の拡充の問題、一つは工業高等学校の増設の問題、それからいわゆる職業高等学校に短期速成の産業科を新設したい。これは昼間ですと一年、夜間ですと二年の課程で、できるだけ技術者の養成をはかってみたい。さらに今検討しておりますことは、大企業で技能者養成をやっておりますので、この技能者養成と定時制、通信教育をうまく連係いたしまして、そして技能者教育のやっている分を高等学校の単位に認定する方法を今検討しておるのであります。こういうことによって大量に技術者、特に中堅技術者の養成をはかって参りたい。それから社会教育の面におきましては青年学級と同時に、もう一つは総合的な職業訓練所を設けたい。青年学級の充実と関連して、総合的職業訓練所の整備を中心に今考えておるのであります。 さらに青少年の貧乏で学校に行けない者につきましては、中学の三年のときに育英資金の予約募集を約一万人ほどいたしたい、そして高等学校あるいは将来大学に進み得るように希望を持たしていく。ですから優秀で生活貧困な者に対しては育英資金の予約によってこの救済をしていきたい。高等学校に行かないような者については、先ほど申したような勤労青年対策、さらに広範な社会教育施設で青少年の諸活動を従来やっておりましたのをさらに推進していく。スポーツと音楽、 レクリエーション等に一そうの努力を進めて参りたい、かような見地で予算要求をいたしております。
○小林(信)委員 非常に広範囲に、しかもそれぞれ相当な内容を持ってお話願ったわけですが、そうするとやはり学校教育というものを主体にして文部省としては考えていくというようなお考えのようにお聞きするわけですが、それも今お述べになった非常な画期的なものもあるわけです。相当青少年諸君も救われると思うのですが、しかし今までの大体そういうものについての文部省の施策を考えてみたときに、定時制、通信教育、こういうようなものは、今の教育機関としては相当これは重視されておる問題ですが、これに対する文部省の予算等の措置はきわめて少いわけなんです。かえって最近の地方財政等の事情から考えれば、定時制というふうなものは順次減らされていくような運命にあるわけです。それだから充実できない。文部省としてはその対策が果してできるかどうか。これはかなり疑問に考えるわけです。青年学級等も今文部省においてはいろいろ考えておるかもしれませんが、地方の実態というものは、青年学級といえば青年諸君が集まってレクリエーションをするぐらいがせいぜいであって、もうほんとうにこれが青少年の指導育成の機関だというような機関がないわけなんです。しかしその青年を見、また青年自身のこれに対する希望というものは、ただ一つの自分たちの教育機関だということで要望するものが多いわけですが、しかし年々数百万を対象にするこれらの者に対する国の考えというものは、わずかに数千万円ぐらいしか計上されていない。こんなことで果して大きいことが言えるかどうか。まあ今までもそう私たちは考えるわけですが、おそらく総理がああいうふうな広言を切られておる以上は、これらに対する施策というものは私は相当なされると思うのです。しかしそういうものだけでは現在国が考えている青少年対策というようなものはまだ不満足だと思うのです。もっと大きい視野に立つならば、今の社会事情というふうなものは青年を怠惰にし、青年を堕落させ、青年に希望を持たせないという社会事情があると思うのです。政界の汚職が常に続いておるというようなことも、これは青少年を対象にして大きく政策に打ち上げんとするならば、こういう問題をどうするかというようなこともなされなければ、私はほんとうに広言を切るところまでいかないと思うのです。あるいは農村の青年なんかは一応勤労青年として青年学級はある、あるいは定時制学校があると申しましても、青年諸君がほんとうに技術の面で、あるいは仕事をすることから、精神的な鍛練をするというような事実を考えてみたときに、青年学級はレクリエーションにすぎない。定時制学校は単に何か単位を獲得するだけの問題である。一番の農村の青年なんかがほしいものは、自分たちに技術を指導してくれる者、これがほしいのです。三百年来のいささかも発展しない農業技術というようなものを何も指導される機会が与えられないから、悩みつつも、やはり昔ながらの農民で終っていくような姿を見るときに、こういうような者に対してこそもっと画期的な施策がなされなければならぬ。私は農村の青年諸君と常に接しておるわけですが、自分たちが今の経営の方法を変えようというような場合に、一番たよりにするのは改良普及事務所の人たちなんです。何カ村かを対象にして、二、三人の改良普及事務所の所員がいるわけなんですが、こういう人たちを毎晩引っぱってきて、おれば今度は麦作を果樹に転換しようと思う、果樹に転換しようというときに、どういう果樹がいいかとか、あるいはいろいろな作物の場合にも、こういう方法はどうだ、こういうことに対するところの考慮というものは、何ら文部省から出ておらぬと言っても差しつかえないと思う。社会教育というふうな面で、何か補っていると言うかもしれませんが、各府県に駐在する社会教育の指導主事というものは二人か三人しかおらぬ。この人たちが出ていったときに、大がい抽象的な精神的な面だけで終っておるわけなんです。こういう問題をああいうふうに政府が大きく掲げんとするならば、こういうものに対してどういうふうな考えを持っておるのかということが、私たちの最も期待するところだったわけですが、やはりそういう点にはお触れになっていただくことができなかったということは残念ですが、そういう点も考慮しておられるかどうか。そういうことは大臣に私はお聞きして、大臣のほんとうの決意をお聞きしたいのですが、おそらく大臣等も、そういう実情には接しておられない。かえって局長なんかの力が専門的にお考えになっておられると思うのです。そういうふうな面でどんなお考えがあるか。先ごろ社会教育指導主事の全国の組織があって、その会議の結果というふうなものが新聞に大きく出たのですが、その中で四つの希望というのが述べられておるわけです。その指導主事連中が希望することは、できるならば学校の先生が——中小学校、高等学校を含めた先生たちが、社会教育の方に出ていただければいいということが出ておったのですが、実際今学校の先生たちあたりも、こんなに何でもかんでも学校だ、先生だというふうに負担が大きくなるし、しかも担任するものは相当な児童数であるし、それにもってきてややこしい勤務評定だとか、新しい道徳教育もどうだというふうなことになれば、社会教育というふうな面に出ていくことはできないのですが、しかし指導主事あたりは、非常にこれを要望しておるわけです。こういうふうな問題をどういうふうに見ておられるか、あまり窮屈に先生たちを義務的に働かせるというようなことでなくて、子供たちの教育はその環境の整備もその一つだというようなことで、全村教育というふうな立場に立たせるとするならば、そんなにしゃくし定木で規定された形でなくて、先生方の自覚、責任というようなことで教育されることに、大きな成果があるのじゃないか、青少年の問題を重視するならば、そういうふうな面にも先生たちを十分活躍できるようにしなければならぬと思うのですが、そういう点はどういうふうに考えておられるか疑問だと思うのです。そうしてそう社会教育指導主事あたりが言うこと、これはおそらくわれわれの考えもそうなんですが、社会教育をする場合に、今の局長のお話は、科学技術というようなことを根底にしての青少年対策なんですが、もっと精神面の問題が非常に多いのです。この指導主事あたりが憲法というふうなもの、あるいは政治的な基礎教育というふうなものをしようとして、憲法に忠実であり、正しい政治的な知識を与えようとすれば、すぐ赤だと呼ばれる。従って私たちの行き方も非常に自分自身偏向教育をしなければならぬような形になるというような悩みを訴えておる。そういう点でも、今度は指導する者の立場から大きな問題が出てくるわけなんですが、こういう点も、やるとするならば十分考えてほしいと私は思うのです。 以上きわめて雑駁に申し上げたのですが、問題はきわめて多いということなんです。文部省はこれに対して、相当な度量をもって対策を講じてほしいと私は要望しておるわけなんですが、これから予算を要求する立場に立って、しかもこういうふうな問題を国民にきわめて大きく訴えておる政府とするならば、これに対してほんとうに熱意をもって当っていただけるかどうか、当っていただきたい、こういうことを考えておるわけなんですが、一言御答弁願って、終りにしたいと思います。
○内藤説明員 小林委員のお説まことにごもっともだと思います。私どもも全面的に同感でございます。先ほど来お述べになった農業高等学校が中心になってその地域の農業改良——特に私どもは、農林省の農業改良局と一緒になって、高等学校がセンターという形で、地域の農業改良に格段の努力をされるように指導もいたしておりまするし、またそれに必要な補助費も出しております。産業教育振興費の充実によりまして、そういう面が画期的に今後増進されるように予算も要求しておるのであります。特に産業教育の特殊設備として、今お述べになったような産業界の実情に即するような設備を要求しておるのであります。教職員が地域の中で特に社会教育の面でお働きになることは、私ども切に希望をし、またその力がなければ社会教育は振興しないと思います。こういう点においても、できるだけ学校の事情の許す限り、教職員が積極的に御参加になって、御指導願うように希望しておるのであります。 なお憲法及び教育基本法の問題が出ましたけれども、私どもは技術を身につけることが先ほど来御指摘の通り大事だと思うのです。同時にやはりそこに徳性と申しますか、人間の生き方、あるいは道徳と申しますか、そういうものがしっかりと植えつけられるように、この道徳は憲法及び教育基本法の線に沿って、人間形成に重要な地位を占めると思います。こういう点についても積極的な指導と助言をいたして参りたいと考えております。
○長谷川委員長 この際暫時休憩いたします。 午後一時八分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕