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27回国会衆議院1957/11/06

農林水産委員会 第4号

発言数
27
登壇者
4
会派数
2
開催日
1957/11/06

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 これより会議を開きます。  農林水産業の基本施策について調査を進めます。質疑を続行いたします。質疑の通告がございますのでこれを許します。細田綱吉君。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 実はきのう本名政務次官から懇切丁寧な御答弁を願ったのでございますが、時間の都合で途中端折ってしまったので、さらに大臣に一つ御質問申し上げたいと思うのであります。  最近、御承知のように農林省が農林白書を発表された。この農林白書を拝見してみると、何だか大事なところのくぎが一本抜けておる。なお本委員会において農林水産政策についての大臣の基本的なお考えも伺ったのでございますが、この中の余剰農産物の点は別といたしましても、何だか基本的なものを逸脱しているように私は考える。というのは、たとえて申しますと、農林白書で五つの赤信号を出しておられますが、その五つの赤信号は、農家所得の低さ、食糧供給力の低さ、あるいは国際競争力の低さ、あるいは兼業農家が増加しておる、農業収入構造の劣弱化というようにあげてあります。もちろん白書ですから現在の農村の農業のあり方をそのまま発表して注意を促すというねらいでございますから、それでこういうものかもしれません。けれどもこうしなくちゃならぬ、これを克服するには農林省は従来こういう手を打っているけれども、どうもついてこない、あるいは将来こういう手が必要だということが、白書のねいらではないかもしれませんが、私に言わせるとその点が一つ欠けておるのではないかと思うのです。  そこできのうも伺ったのですが、さらに大臣に一点だけ伺っておきたいのですが、なぜ農家所得が低いのか、食糧の供給力も、国際競争力も低いのか、兼業農家がなぜ増加するかということは、その根本的なものはたくさんございましょうけれども、私の乏しい頭脳によりますと、やはり耕地が狭いということ、それから営農方式がきわめて原始的だということ、農村の金融がほとんどなおざりにされておるということ、こういう点に私はあると思うのです。そこで今五つの赤信号を出されておりますけれども、これを通覧して、耕地が狭過ぎるということ、これは大臣もよく御存じだと思う。御承知のように平均するなら大体九反くらいのところに日本の農家は置かれておるかと思うのですが、きのうも本名次官がいろいろデンマークのことなんかを一つの設例にされておったように記憶しておりまするけれども、デンマークにしたってスエーデンにしたってあるいはドイツにしたって耕作反別の広さが違う。最近中共に行ってきた人たちの話を聞いてみますると、中共の耕作面積は一億町だ、こういうのですが、これは正確かどうか私知りませんけれども、一億町だというと十倍くらい、しかも人口は日本の五、六倍だということでございまするから、これもまた広さが違う。日本の農家が何といっても零細農業にくぎづけされておるところに日本の農業の低さがあり、農林省の白書による赤信号の掲載が出てくる。そこでこれを何とかならないかということに抜本的な考えをいたされないと、同じところをぐるぐる回って、この日本の現在の耕作面積はもうしょうがないのだ、もう日本は国土が狭隘なんでしょうがないのだというカテゴリーの中に入ってものを考え、施策を案ずるならば、これは一つの限度がある。そこで考えることは、私の記憶に誤まりがないとするならば、昭和二十四年でございました、農林省が開墾可能地を調査してたしか五百数十万町歩あると発表されておる、これを手をつけずして、零細農家の規模を引き上げずして、私は日本の農業の抜本的な解決策はないと思う。国際競争力に打ち勝つ方法もない。この点について、なるほど農林省は開墾、干拓、開拓はやってはおると思うが、実に低調きわまるものです。大臣のこれに対する御所見と将来の御決意を伺いたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農家所得の低さについては種々の原因があると思いますが、御指摘のように、日本の農業は耕地が非常に狭いということが非常な大きな原因であると思います。従って、これにつきましては、先般申し上げましたように、いろいろ対策を考えておるのであります。何にいたせ工業等と違いまして、収穫が年に一度、多くて二度のところもありますが、そういう点も影響しておりますので、米の増産ということには、もちろん力を入れなくちゃなりませんが、同時に手をつけるのが非常におくれておった畑地農業といいますか、畑作振興というものにさらに力を入れ、同時に畜産酪農というようなことの振興もはかっていって、集約的な土地の高度利用という方向へ力を入れていきたい、こう考えております。同時に今お話のように、耕地の狭少ということもありまするし、既成の耕地につきましても、相当進めておるわけですが、土地改良等がまだ行われておりません。十分とは言えません。全然手をつけていないというわけでもありませんで、ことしからかかるのでも、愛知用水など三万町歩あるいは八郎潟一万五千町歩の干拓というようなこともあるわけであります。その他ずいぶん全国的に手をつけておりますが、非常に進捗度がおそいという傾向もありますので、これを進めていくということも考えております。同時に今お話がありましたように、土地を新たに造成するということは、依然として、あるいはまたより以上に考えなくちゃならぬことでありますから、土地改良、開墾、干拓ということにつきましては、これはまた進めていきたい、こういうふうに考えております。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 けっこうなお考えですが、大臣のお立場からいって、それ以上のことはどうもしようがないかもしれないが、耕地の造成ということが、畑地灌漑その他いわゆる大臣の集約農業を高度化するということは、けっこうですけれども、私は世界的な標準からいって、日本農業の反当収穫というものは低くはない。もちろん、だから現在の耕地はこれでいいということにはなりません。御承知のようにひどいところもありますし、これは十分に農地改良の必要はありまするけれども、平均して反当収穫を見るなら、世界農業の水準を出ておる。問題はやはり耕地の狭さです。これが御承知のように、一年に大体ですが二千億というような輸入に待って、そのために御承知のように神武景気なんかも、食糧の輸入だけで吹っ飛んじゃうわけじゃないけれども、輸入の大宗は食糧もその一つです。それで神武景気がたちまち吹っ飛んでしまう、こういうようなことになっておるので、何といっても、国策の上から農地の造成、どれだけあるかは別としまして、農林省が一応の調査によった開墾可能地というものを、何とか手をつけなかったら、永久に二千億の食糧の輸入を背負っていたら、日本民族がたまったものじゃない。日本の国家もどうにもならぬ。何といっても食糧の自給度を高めることは、大臣のいわゆる集約農業に力を尽すことも一つでございますが、大体五百万町歩ないし五百五十万町歩というものがかりに開墾できたとするならば、日本の農業はまさに倍の規模を持てるわけです。わずか九反のところへくぎづけておいて、ああでもない、こうでもないと言うのは限度がある。やはり農林省が農林省だけの規模に立てこもってやられるならば、これは知れたものである。もちろんわれわれはかつて農地解放をやったような方法、価格で山林の解放をやれというようなむちゃなことを考えるわけではない。もうすでに終戦後でないといわれているような平和時に、ああいう方法が現行政治情勢で再び可能だとは考えていないけれども、それはもっと価格を引き上げても方法は幾らでもあるわけです。これを国会に持ち込んで、一つ大きな政治力をバックに行うなら、とにかく御承知の神武景気が一瞬にして吹っ飛んだというような輸入をいかに防遏するかということについては、やはり食糧の自給度を高めるということを考えざるを得ないので、こういう点からも国策のまず第一の一つであるということで大きな政治力をバックにするならば、私は山林所有者もその国家的な要請あるいは国の施策というものを了解してもらえると思う。ちょっと脱線して恐縮でございますが、たとえていうなら、きのう農林省が米の予想高、麦の実収高を発表した。国会開会中にもかかわらず、国会農林委員会に何も報告しなくてパッとやるというようなことも、農林省自身の行政だけを考えているから、あなたの方からああいうことをやられたと思うのだけれども、国の政治力を大きく盛り上げながら、この大きな国策に沿っていくということが、私は日本農業の重点でなくちゃならぬと思う。この点はきのう本名さんに、大臣お留守中でしたから、いろいろ伺いましたので、この程度にしておきます。  さらに私は、大臣もおっしゃったから、これも多くは必要ないかもしれませんが、農業の改良です。農業の改良は、言いかえれば営農方法の改良と農地の改良とに大別することができると思うのですが、もっと災害——まあ限られた予算ですから、あれもこれもというわけにはいかないかもしれないが、しかし災害を何とか防止する方法を考えることは、これもまた大きな国策だと思う。というのは、大蔵省の発表している「日本の財政」という小冊子を拝見すると、年々の災害が大体二千七百億だというのです。二千七百億も風水害その他によって損害を受けておるということであるならば、これは国がよほど予算をつぎ込んでも私はいいと思う。これはもちろん農林省の管轄だけではないでしょうが、これにはやはり山林の造成など、よほど力を入れて、国が予算をつぎ込んでも、私は国家的見地から計算が合ってくると思う。二千七百億も年々災害のために損害が生ずると推算されると大蔵省自身が発表しておる。こういうことを見ても、今申し上げましたように、山林の造成—山林といっても開墾可能地における山林を申し上げるわけじゃない。要するに水害の基礎をなすほんとうに高いところの山林は当然ですが、いま一つは私は多目的ダムだと思う。御承知のようにアメリカのある川は、日本のように必ずしもそのままというわけにはいきませんが、どんな雨が降っても、一滴の水も流さないで、その水がたまって、これが平素灌漑用水になる、あるいは水力電気になるということを着々実行されておると聞いておりますが、御承知のように、日本は雨が降ると水害だ、天気になると旱害だ、こんなばかな知恵のない話というか、政治のない国は珍しいのじゃないか。一滴の水も流さない、それがふだん電力不足になりすぐ旱害になるところの灌漑用水になるということについて、農林省も一、二はやっているけれども、全国的に見るならばやっていない。そして二千七百億の損害を年々出しておるということは——旱天なんかにはほんとうにちょっとの雨も慈雨と言われているように、水というものは国の宝です。ちょっと雨が降ると水害だ、決壊だ、天気が続くと早害だ、水騒動だ、こういう損害を年々出しているのだから、多目的ダムなんかにもっと力を入れていいんじゃないか、もっと大蔵省を押していいんじゃないかと考えるわけであります。これに対する大臣の御所見を伺いたいのでございます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 多目的ダムをやっておるところを私実地にも見てきましたが、お説の通り非常に有効であり、また災害を防ぎ食糧増産のためにもなりますので、強く進めていきたいと考えております。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 さらに第三点としまして、日本の農村金融です。大臣ももうすでに御承知のように、東洋経済新報社で発行しておる「農業読本」を見てみますると、これは二十六年か七年ですからちょっと古いが、私はこの統計が現在も通用すると信じて質問するわけです。これによると、日本の金融機関の貸出総額は一兆四千億円である。そこで工業へは五二・七%、約五三%、商業へは二三%、農業へは驚くなかれ一・七%です。これでは農家の方が何をしようにもできないわけです。そのときの年度で、一兆四千億という膨大な貸出の中で、真の農村の金融はわずか二百二十一億、一・七%、これでは日本の農村はどうにもならぬ。また営農方法を近代化するにしても、これは動力一つ買うといっても方法がないわけです。これに対してどうお考えになっておるか。  さらに私は、きょうは時間もございませんからほかの時期に御質問したいと思うが、農林中金なんかの貸出をほんとうに詳細に調べてみると、これはむしろ重工業、大工業の方へ相当額流れていると私は聞いておる。こんな農村の実情を見ながら、農民から集めた金をそんな方へ、かりに全体のパーセンテージからいえば少いにしてもやられておるとすれば、たまったものではない。もしそういうことがあるならば、私は農林省の監督の不行届だと思う。農業協同組合の窓口を通じてもっと農民に金が行き渡るように配慮しない限り日本の農業は改良の方向へ進むことは資金の制約を受けてできない。こういう状態について大臣はどういうふうにお考えになるか、この点を一つ。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 御存じの通り、工業の成長率が非常に強いので、金融の面においても工業方面に非常に行き渡っておって、農業の方に少いのは私どもも残念に思っております。そこで、農林金融としての制度もあり、その方面から極力農業の再生産その他に金を回すように指導しておるわけであります。今お話のありました中金の方から工業方面に行っているというようなことはないと思います。ただ、最近調査してみますと、県信連の金が普通銀行へ相当預け入れられておる、こういう傾向があって、これはまことに遺憾千万だ、農業者の零細な金で、当然農業の再生産その他に使わるべきものを普通銀行の方へ相当額回わしておる信連なんかが県によってあります。でありますので、そういうやり方に対しましては、私の方といたしましても、農業関係の金は農業関係に使うような制度であり、そういう考え方でなければいかぬじゃないか、そういうことをしないようにと警告を発しておりますし、なおそういうことにつきまして詳細に調査しております。全く御趣旨の通りにやらなければいかぬ、と私どもも考えております。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 これは大臣の方がとくに御存じでございますが、二十六年から三十一年までの統計を見ますと、都市の所得は六〇%増大であるのに、農村の所得増は二二%、三分の一なんです。大臣のおっしゃるように、工業の方は雨が降ったって工場でどんどん生産し、トラックで材料を運び、製品もまた運び出す。ところが、天候に支配され、どんなにやったって年に一回ないし二回しか物の生産ができない。自然の制約はどうやったって受けておる農業に対して、よほど国がこういう問題を考えながら保護するような気持を強く持っていただかないと、対抗できないのは当りまえである。そこで、これは冒頭の耕作反別の点にまた戻るようになりますけれども、農林省が白書に出されておるように、兼業農家が非常に多いのは、一面金融がほしいというときにどうにもならぬからです。いわんや病気でもしたら、病気はちょっと待ってくれというわけにいきませんから、いやが応でも少い田畑を手放すということになる。この農村金融に対してよほど力を入れていただかないと、たださえ商工業に対抗のできない農業というものがもっと凋落の一途をたどって、いわゆる兼業農家が増大し、ついにはまた小作百姓に転落し、日本の農業の生産力をもっともっと落していくような結果が考えられるのでございます。大臣も同一意見でございますから、この問題に対する質問はこの程度にしまして、ちょっと申し上げまするが、農村金融と関連して、たとえば最近とみに問題になってきたのは、御承知のようにタバコの耕作組合等の提案によって、これが農業協同組合、言いかえれば農村の経済活動をややもすると分断しようとする動きが強い。特に一つの例を申し上げてみますと、茨城県の境の例を申し上げますと、任意組合ではありまするが、タバコ耕作組合が預金部というものを持っている。農業協同組合にお前預けたら来年からタバコなんか作らせない、これが所長の農民に対する言明です。そしてそのタバコ耕作組合はどこへその集めた金を預金するかというと、常陽銀行へ預金する。こういうふうにやれタバコを作ったらまた銀行へ入ってしまう、花類を作ったらまた銀行へ入ってしまう、牛を飼ったら酪農でまた銀行へ入ってしまう。こういうことになったら農業協同組合は半身不随になってしまう。農業協同組合の半身不随だけではなくて、農民が全く金融の枯渇状態に陥れられてしまう。そこでわれわれも寄り寄りこの問題に対しては対策を講じておりますけれども、タバコ耕作組合というものを法制化し、さらにこれを強くして農業協同組合を分断するという傾向は必至になってきておりまするが、大臣はこの点どうお考えでございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 タバコ耕作組合が事実としてありますので、これを法人化しようということについては、私ども別に異議がありません。しかし今お話しのように協同組合という農業生産者の一つの団体があるので、そこで資材の共同購入あるいは販売もやっているわけです。タバコ耕作組合におきまして、資材の共同購入等によって協同組合と競合し、協同組合の本来の分野にまで侵害するといいますか、手を伸ばしていくということになって、協同組合と摩擦を起すということは、私どもそれを阻止するというか、そういうことのないようにさせなくてはいけないと思っております。また本質的に考えますと、実はタバコ耕作組合はやはり作物の生産の方は農業一般なのですから、このタバコ耕作組合も一つの協同組合として農林省で扱うということが本来の姿だと私は考えておるのであります。しかし沿革的な事情もありますので、にわかにそういうふうに持っていくということは困難だと思いますけれども、ほんとうは収納といいますか葉タバコを売る方は大蔵省でもけっこうですが、生産等の指導あるいはまた生産に伴う資材の問題などにつきましては、農林省が一つの特殊協同組合といいますか、総合協同組合でやってもいいでしょうけれども、そういう形が筋としては通った筋じゃないかというふうに私ども考えております。沿革的に今までの事情もありますので、先ほど申しましたように、急にどうこうということはなかなかむずかしいかと思います。しかし、今継続審議になっていますか、たばこ耕作組合法案などを見ましても、ちょっと筋が通らないような点があるのじゃないか。というのは、タバコ耕作組合の設立、認可あるいは監督等につきまして、専売公社が監督するというような件があるのであります。どうもこれは行政庁としての大蔵省ならまだ少し話がわかると思うのですが、専売公社が設立、認可あるいは監督というようなことまで権限があるものかどうか、法制上非常に疑問があるのじゃないか、研究しておるわけであります。ほんとうからいえば、現在の法案でも大蔵省、農林省の共管というような形が、筋としては通った筋じゃないか、こう考えております。今のところなおそういうのは法制上いいのかどうか——例として塩業のことなどもあるようであります。例があったとしても、筋の通ったものかどうかということを、今検討しております。なお法律家の細田さんはそういう点は詳しいだろうと思いますから、御研究の上、いろいろ知恵をかしていただきたいと思います。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 私はタバコ耕作組合というものが、大臣のおっしゃる通り、法制化もいいかもしれませんが、これ以上強くなってどうするかということです。御承知のように、茨城県石岡において、単なる単位耕作組合の専務理事が三千万円横領して東京に待合を持ち、めかけを持っておっても知らないという、そんなに強いものなんです。ちょいちょい茨城県の例をとって恐縮でありますが、猿島郡の生子菅村にタバコ収納所ができた。これは完全に専売公社の予算でできた。ところが四百万円も、反当二百円でしたか百円でしたかづつ農民からとって、それがちっとも決算が行われていない。竣工したら竣工したで、もち米を出せ、白米を出せという。これというのは、タバコ耕作組合が非常に強いからです。大臣のおっしゃるいわゆる総合協同組合とでも申しますか、そういうものになっておればいいが、現在継続審議になっておりまするたばこ耕作組合法からいけば、これはいやが応でも、大臣の意図とは別個に、専売公社の管轄下に置かれて、そうして農業協同組合と先鋭に対立する形が出てくる、これは必然だと思う。そうして、先ほども申し上げましたように、その強い法律のバックによって役員処分も、総代会という少数の人が集まって、そうしてそれで理事の処分をやる。勝手ほうだいのことをやる。農民はどうもしょうがない。これは私は資料を一、二申し上げてもいいが、時間もありませんから申し上げませんが、何一つタバコ耕作組合で安く供給しているものはない。肥料、石炭、こういうものは全部高い。それでもなおタバコ耕作組合が強いものだから、おれはそんなお前の方から買わないのだ、農業協同組合から買うという農民は一人もいないです、できない。これは大臣のおっしゃる通り、タバコそれ自身というものは純粋な農作物です。そうして高い材料が要る。何のかんのといって、何があった、かにがあったといってとられるだけでなくて、普通収穫高、反別、人頭割、この三つの標準によって反当二千円の組合費をとられている。こういう高い組合費をとっておいて、おまけに何かあるというと、今例をあげたように、何のかんのといってまたとられる。これでは現在のタバコ耕作組合ができたら、これは次にまた酪農なら酪農が、同じ農林省の管轄にしても、われわれは農業協同組合の制約を受けない、別個なものだといって出たって、これはどうにもならない。まずタバコ耕作組合を、大臣のお考えのように、今にして大蔵。農林の共管あるいは総合協同組合としての形をとらせるとか、どうにかしなかったら、大臣も今御心配になっておるような点がちっとも法律案の上に出ていないから、必然的に農業協同組合を割って、そして強いものが専売公社の管轄下に農村へ押し出すということは必至です。農林省はこれに対して現在どういう手を打っておられるか、この点をさらに伺いたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 法案が継続審議中でありますので、私どもとしてはこの法案について農林省の意見は申し述べておるわけであります。そこでこの進行過程において修正やら考え方をなお強く申し述べて協議しなくてはならぬことがまだたくさんあると思います。御承知の通り、まだ継続審議ということで進めておる段階でありますので、もう少し進めばこの点あの点ということで私どもの意見を申し述べたいと思います。その意見は、先ほど申しましたように、タバコ耕作組合が資材の共同販売ということについては非常に競合する点にありますから、そういう点をこの法案を通すということならばどういうふうに直していくか、あるいはまた今の監督権でありますか、こういう点につきましても農林省がこれにタッチできないというような形は筋が通らない、そういう点につきまして私どもの方から申し入れをしたり協議をしたりする点があると思います。その他条文等につきましても、農林省としての意見を強く打ち出して協議を進めていきたい、こう思っております。ただタバコ耕作組合を否認するといいますか、これはやはり沿革もありますのでちょっとできないと思いますが、御趣旨の点は私どもの方といたしましても考えておりますので、法案の審議過程におきまして強く申し入れたり協議する、こういう考えであります。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 もう一つ大臣に伺いたいのですが、農林省は補助金をなかなかたくさんかかえておって、補助金政策によっているのだとすらいわれるくらい補助金が多い。その補助金の内容を過般決算委員会で資料をちょうだいしてみると、ずいぶん噴飯に値するような補助金もそのまま数年おいてあるというようなのがある。その数は、ここにおられる山田委員も当時一緒に審議しておられるが、とにかく膨大な種類、数を擁しておるのです。これはもちろん必要なものはさらに増額も必要でございましょうし、また奨励も必要でございましょうが、今断固とした再検討を要する時期になっているのじゃないかと思うのですが、この点はいかがですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 先ほどから細田委員からもお話ございましたが、農林水産業というものは他産業に比べまして非常に不利な状態である、国がこれに対して補助育成をすべきである、私どもそう考えておりますので、従いましてそういう関係からどうしても農林関係には補助金といいますか、補助が多くなっているのはもう私から申し上げるまでもないと思います。しかし補助金というものは、やはりそれが有効に使われるというか、有効に実を結ぶというか、ためになることが必要だろうと思います。でありますので、補助金の中にはあるいはあまり効果がないというふうに見られるのもあるかもしれませんですが、やはり今までの農林行政をやってきた関係から申し上げると、相当有効には働いておる面がある。ただ末端にいきますと、それが非常に少額になりますので、その少額のものがより以上に効果的に働き得ない、使い得ないという面があることは御指摘の通りだと思います。農林省として補助金をなくすということあるいは減らすということは考えておりません。大蔵当局などほこれを非常に減らさせようとしております。その使い方でありますが、たとえば新農村建設というような形で末端においていろいろな補助がまとまって有効に使えるような方法、総合的に使えるような方法、こういうことにつきましては指導もし、そういう方向に進んでいきたい、こう考えております。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 補助金の総合的運営といいますか、そういうことは大臣非常にけっこうなんですが、予算措置の上において、果してそれの手が打たれておるか。これは大臣の方が私以上に御存じだと思いますが、農林省から出ても末端ではそんなもの何も知らない、何か途中で消えてしまう、こういうことはずいぶんある。それはあまりちびちびと補助金を出すから途中で消えてしまうということが、これは往々にしてあり得るわけであります。それで三十三年度予算については、こういう点を相当具体的に手を打っておられるか、この点を一つ伺いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 そういう方針で総合的に下に行くような方法でやっておりますが、予算の措置については、財政当局に要求中でありますので、なるべくいろいろな点をまとめた総合的な補助にはしていますが、大部分はやはり従来の形で財政当局と折衝中であります。それがきまった上におきましては、流れる過程におきまして御趣旨のようなことに極力やっていきたい、こう考えております。

細田綱吉日本社会党

○細田委員 そこですよ。農林省の補助金がたとえば経済局なら経済局からまとめて出す、何々村には何が幾ら、何が幾らと、いくときには一つにする、こうしないと、やれ農地局、やれ畜産局、やれ蚕糸局というようにいっていますから、末端には通じなくなってしまう。この具体的な措置を講じないと——農林省も手を焼いておられる一番大口の共済組合だってそうです。必ずしも公平に末端にいっておられないということは、私なんかよりも農林省がよく知っておる。だから一口に本年度は何々村には農林省からこれだけきて、中身はこうだということになると、金額の総額が全村民にわかる、だからこうされなくちゃならぬというおのずからの制約が理事者には出てくる。ところがいつくるのだか、幾らくるのだかさっぱりわからないから、農民の関心も薄いし、また途中でスキャンダルも起きるということになるわけであります。その点をさらに百尺竿頭一歩を進めて、一番農民の事情を知り、農村の事情に明るい赤城農林大臣は、さらに一つこの補助金の問題についてお考えを願いたいと思いますが、その決意を一つ聞かしていただきたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 非常にけっこうなことでありまするし、私もそうしたいと思います。  なおつけ加えて申し述べておきますが、農林政策につきましても、あまりばらばらでないように、実は官房等で総合的にまとめていく、こういう考え方で進めております。補助金等につきましても、末端へこういうふうな補助金がいくのだ、だからこれはこういうふうに使ってもらいたいという御趣旨につきましては、私も賛成であります。そういう方向へ進みたいと思います。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 久保田君に申し上げますが、時間の都合がございますので、きょうは一つ総論的になるべく簡潔にお願いをします。久保田君。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 この機会に一つ農林大臣にお伺いいたしたいと思うのでありますが、ただいま細田委員から指摘がありましたように、今回は赤城さんが農林大臣になられて、農林省としては初めての農林白書というものを作られた。これは農林省としての今の日本農業に対しまする診断書だと思うのであります。さらにその診断書に基いて農林政策要綱という要するに長期農林政策というものを立てられた。それに基いて今年の農林施策なり予算を組まれた。こういう構えについては今までかってないことでありまして、さすがにこれは農政に通じられた赤城さんのやられたことであり、そういうことについて農林省のすべての点に意識の統一ができたということにつきましては私ども敬意を表するわけであります。またこの農林白書を貫くいろいろな問題や、これを土台にして作られたいわば長期農林政策要綱、このことにつきましても、その上に立てられた本年度の農林施策についても従来には見られないいろいろの施策がたくさん見られまする点は、私どもこれまた敬意を表し賛成を惜しまないものであります。しかし問題点は相当たくさん実は私どもの立場からはあるわけであります。  そこで白書なりあるいは政策要綱あるいは本年度の施策を通じて貫いておりまする基本的な問題について三点ばかり特にお伺いをいたしたい。それはさっきも言いましたように、白書におきましては五つの問題点、危機をあげて、それの出てきた根本原因は日本の農業の生産力、特に労働の生産性というものが非常に低い、ここにすべての問題があるのだから、今後はこの問題を総合的な見地から解決していく、こういう思想に貫かれておると思うのであります。ただしかし私ども見るところでは、これだけではまだ不十分ではないかと思うのであります。なぜ日本の農業生産力、特に労働の生産性というものが低いかということを、もう一歩突っ込んで検討してみなければ、ほんとうのいわゆる良薬は出てこないわけであります。こういう点でまだ隔靴掻痒の感といいますか、私どもはこの白書につきましても、その後の農業政策要綱につきましても、今後の農林施策についても非常に大きな不満をこの面で持つわけであります。  なぜ日本の農業生産力が低いかという点についてはいろいろ意見があります。しかし私どもは大きく現在の段階で見ると三つに帰すると思うのであります。この点を今後農林当局なり歴代の農林大臣の皆さんがはっきり認識をしていただいて、この農林行政というものを進めていただきませんと、せっかくいろいろりっぱな政策を並べられましても実行が不可能になったり、あるいは結果はかえって農民の不幸なことになろうかと思うのであります。その三つの原因というのは私は次のようなものだと思うのです。  一つはさっきも細田委員から指摘のありましたような日本の農業経営の零細性ということであります。これは歴史的なものを持っておるわけであります。また地勢的ないろいろなものを持っておるわけであります。しかしながら今後まだ解決をすれば解決の余地の全然ないものではございません。これらをどう今後の農政に組み入れていくかということが私は一つの基本的な問題点であると考えます。これが一つであります。  その次にもっと大きい問題はやはり外国の農業といいますか、農産物の圧迫ということが非常に大きな要素になっておると思うのであります。これは今の段階では、日本では国内で食糧自給ができないのですから、外国の農産物を入れなければならぬ。特にアメリカを中心として御承知のような農産物がたくさん入ってきておる。大体食糧のほぼ三分の一までないまでも、少くとも二割四、五分というものは外国から食糧を入れなければならぬ。相当膨大な数を占める。これが御承知の通りいろいろな事情で非常に日本の農産物よりも格安であります。しかも私どもの見るところでは、特にアメリカとの関係においては、これはまた別な機会に詳しく御意見を聞かしていただきたいと思いますが、不当にといいますか、不必要によけい入っておるように思うのであります。こういうものが入ってくる関係からまず第一に、日本のおもな農業生産であります米の政府の買い入れ価格、これが間接の圧迫を受けております。ヤミ価格がこれによってほとんど解消しておるというような事実であります。さらに一番ひどい影響を受けておるものが麦でありましょう。麦については農林省で今盛んに悩まれておるそうであります。これはまさに外国の麦作といいますか、特にアメリカ産の小麦その他の圧迫によりまして、日本の麦作がほとんど成り立たないという状況になってきておる、こういう状態であります。この麦作が崩壊するということになりますれば、日本の農業というものはあらゆる面において非常な植民地化されてきて、いわゆる崩壊とはいいませんけれども、非常な危機にぶつかることは明らかであります。河野さんのいわれ出した適地適作による換金作物の奨励、これはどこでも生産過剰で、少しいいものを一生懸命作ればただみたいになってしまう。こういうことで農業生産並びに農家経済そのものが非常に不安定になっておることは事実であります。このよって来たる原因は、外国の農産物、特にアメリカを中心とする外国農産物の不必要な過剰輸入ということが根本原因だと思う。同時にこれに対しまする政府の施策が必ずしも当を得ておらないところに根本の原因があると思うのであります。この結果、農家の手元には御承知の通り現在では農業資本の蓄積がほとんど困難であります。こういうふうでもって農業生産力が発展するはずがありません。こういうことが第二の大きな原因だと思う。  第三の原因は、これに便乗する日本の大資本の農業に対します経済上の収奪といいますか、圧迫といいますか、これまたひどいと思うのであります。特に最近においてはその傾向がひどい。この白書にも指摘してあります通り、二十八年ごろまでは大体において農家の受取価格と支払い価格とは、むしろ受取価格の方が支払い価格よりは優位を保っておった。これは食糧危機がしからしめる一つの現象だろうと思う。ところがその後の経過はどうかというと、いわゆる工業の生産力が非常な発達をしまして、その上にこの工業の生産物の大部分は独占資本がこれを握って、不当な高価でもって農村に売りつける、農家に押しつける。従って肥料にいたしましても、あるいは飼料にいたしましても、多少の価格の下落はありますけれども、そのテンポというものは非常に低い。そして終戦後の農業の生産力もかなり発達をしましたが、その中においてこういう農業資材の使用の程度というものは非常によけいになってきておる。従って少しばかり肥料が落ちても、あるいは農薬が多少安くなっても、農機具が多少安くなっても、そういうものはほとんど農家経営というものにプラスにならない。ところが農産物価格の方については、これも御承知の通り米については政府の買い上げ生産者米価、これまたある程度生産費を切っておる。あるいはその他のものにつきましても、タバコとかそのほか二、三のものについてはよろしい、どうやら均衡がとれるが、それ以外のものについてはいつの機会でも大資本に買いたたかれる。さらにその上に税金、諸負担がいろいろな形において、最近はどんどん農村にかかってきておる。その上に政府のいわゆる農林施策というものは、農林省予算に限りましても、二十八年度をピークにして半分になっておる。金融関係の方についても引き締められてきておる。こういう過程から、つまり外国の農業の圧迫に便乗する日本の独占資本の農業収奪、こういうことから終戦直後は御承知の通り現在の価格に換算して約四千億と見られる小作料がほとんどただになったということ、これは農家のいわゆる資本蓄積の大きなあれになったということ、食糧危機を乗り切るための政府の施策が非常に積極的であって、その方から流れるいろいろな資金やあるいはその他のものが非常に多かったということ、さらに食糧危機の一つの派生的な結果として出てきたいわゆる農産物のやみ価格といいますか自由価格、こういうものが割高であったというような関係から、農家の手元にも、見せかけでありますけれども、相当ないわゆる資本蓄積ができた。この資本蓄積が農機具のいろいろなあれになって現われ、あるいは土地改良になって現われた。そのほかいろいろな面についても生産力の発展になって現われてきておるのであります。ところが最近二、三年の状況は、これが逆になって、農産物は漸次低落の傾向を強くしてきておる。しかも外国農業の圧迫を間接的に受けて、非常に不安定になってきておる。しかもこれに対しまする政府の施策なり何なりがだんだん後退をしてきておる。こういう中では農家の手元に対する資本力というか、資金力の蓄積は非常に困難だ。年々農協の預金等はふえておりますが、しかしこれは見せかけであります。しかもそれらの農協等の預金が農業に還元されるかというと、これまた独占金融資本のいろいろな操作でもってほとんど農村には還元されないような事態に今なりつつある。こういうところに日本の農業の生産力の低位性の根本原因があると私は思うのであります。これは白書におきましても、経済施策においても、政策要綱においても、今後の農政においても、この点を明確に農林省当局が把握をされて、すべての農政に立ち向うということでなければ、せっかくこれだけりっぱな、私どもが考えてもよくこれだけ御勉強になったと思うような、歴代の農相の農林施策等に比べて私どもから見ても非常に感心するような要素がこの中にはたくさんございます。この点はその御努力に対しましても、これを生んだ赤城さんの卓見についても私どもは感心するのでありますが、これを抽象的な農業生産力の低位ということにすべて還元をしてしまう。この低位が何によって今日もたらされておるかということをさらに一歩踏み込んで一これは私の意見でありますが、これは大方の学者もそうだと思うのであります。おそらく専門家の皆さんも、農林省の皆さんも、このことは考えておると思う。しかしながら今のいろいろな政治事情でこういうことははっきり言えないと思う。だからかくなれば言うことは不必要でありますが、ぜひこの三点、特にこの一点については、これは大きくは農地の今後の問題、特に山林の問題やその他にひっかかってくる問題でありまして、これまた大きな施策を必要とするわけであります。二点、三点についてもはっきり一つ認識を持たれて、今後農林施策を進められることが私はぜひ必要だと思うのでありますが、これらの点について赤城農相の御所見を一つお伺いいたしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 非常に透徹した御意見と拝聴いたします。第一の点でありますが、お話のように日本の零細農業というものが、運命的なようでありまするけれども、しかし零細農なるがゆえにそれを捨てて置くというわけにはいきませんので、零細なれば零細のままに労働の生産性を上げるということに努力しなくちゃならぬと思いますが、それにはやはり今の前提といたしまして、土地の生産性といいますか、零細ではあるがその土地が非常に多角的に使われるというか、土地改良等が進みまするならば、田が畑としてまた畑も田と同じように使うというような土地改良を進めるということが必要だと思いますので、労働の生産性の前提として、土地の生産力を上げるということのために、土地改良とか開墾、干拓ということをさらに具体的に進めていきたいと考えておるわけであります。それからもう一つは畜産等も入れまして集約的に土地の高度利用ということを考えておるわけであります。  第二のお話の外国農産物が日本の零細農を——大農的な根拠にもよりましょうけれども、外国の農産物の価格の圧迫が日本の農産物に及んでくると思います。そこで今もお話になりましたように、私どもとしましては、しいて外国食糧を輸入しようという考えはないのでありますけれども、今お話の通り、現在の日本の食糧の自給度からいいますと、輸入しなければ日本の食糧事情が不安になるといいますか、まかなっていけない状態でありますので、やむを得ず最小限度輸入をしようという計画をして、それに沿うて輸入をしておるわけであります。しかしこの点につきましても、お話のように極力輸入を減らしていくという考え方で進めておることは、申すまでもありませんし、また同時に国内の食糧の自給度を高めていこう、外国の小麦等が安いからそれを入れた方がそろばん上得じゃないかという考え方は、私どもは持っていないのであります。必要なものだけは入れざるを得ないけれども、日本の農産物のコストが、生産費がかかるといたしましても、国内の自給度を高めていくのが私どものとるべき道だと考えておるわけであります。そこで自給度を高めること、生産費を低くすること、こういうことに力を入れていくために、今度の政策の中でも、米につきましては相当研究技術も進んでおりますが、畑の方において劣っておるところがありますので、これを進めていくこと、あるいは畜産をなお奨励していく、こういうことを考えておるわけであります。  第三の点でありますが、これも四、五年前までは農産物価格その他につきましても、あるいは農業所得、農家の消費水準等につきましても、白書にありますように農業の方が幾らか進んでおったのでありますが、四、五年来から工業と比較しまして伸びが落ちてきて較差が出てきておるようなわけであります。そういうわけでありますので、生産資材であるところの肥料、飼料、農薬の点につきましても、資材は安いほどいいのでありますから、飼料や肥料、農薬等につきまして価格を低めるという方向へ進めていきたいと考えております。農産物価格がそれに比較してなかなか生産費を補償するというわけにいかないじゃないかというお話でありますが、その点につきましてもいろいろ研究を進めております。しかし御承知の通り価格支持政策をとっておる価格安定作物につきましては、割合に圧迫と申しますか価格の面においてあおられる面が少いと思うのであります。そういう点につきまして米につきましても食糧管理制度をやめて自由販売というような形にするという相当強い意見も聞かないではありませんけれども、私どもとしましては食糧管理制度というこの制度だけは置いて、生産者のためにも消費者のためにもこの制度を維持していきたい、その他価格の保持あるいは安定等につきましてなお熱心に真剣に検討していきたいと思っております。  それから余談でございますが、農林水産行政というものの効果の現われが非常におそいものでありまして、私どもも残念に思っておるのでありますが、ことしの豊作の原因などにつきましても、いろいろ議論はおありだと思いますが、天候を見ますると、気象についてもあるいはまた日照等を調べてみましても、決して豊作時の気象とか日照ではなかったようであります。やはり今御指摘があったような点、土地の生産力といいますか、耕地の改良、あるいは拡大、耕地造成というような面で土壌が非常に改良されてきたというような点、あるいはまた東北地方の折衷苗しろの普及とか西南暖地の九州方面の風水害に対するこれを避けるための早期栽培その他農業技術なども非常に力があったと思うのであります。  それからさっき資材の点で御指摘がありましたが、農薬であります。農薬なども昭和二十五年ごろでしたか、二十六億くらいでありましたか、ことしあたり百六十数億使っておるようであります。ことしの被害面積は非常に昨年あたりよりも多いのであります。被害面積は多いが、農薬等につきまして被害の量といいますか、面積ではなく、被害そのものは非常に少い、こういうような面もあります。こういうような結果を見ましても、これはもちろん農民の努力によるのでありますが、私どももこのことしの結果等をなお考えてみまして、すぐに効果が現われないといたしましても、こういう政策を持続して行なっていくということになりまするならば、日本の農業としての非常な不利なところもだんだんに克服できていけるんじゃないかというふうに考えております。ことに第二の外国農産物の輸入による圧迫、こういうことにつきましては、十分に考えをめぐらしまして、自給度を高めるとともに、そういうことがないように政策を進めていきたい、こう考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 やはり大臣に白書や政策要綱や本年度の今後の農政を貫く一つの基本的な問題としてお伺いいたしておきたいのですが、今度の政策によると、農業の生産力を増す、従って農産物のコストを下げる、従って農産物の単位当りに含まれるところの労力をできるだけ少くするということだろうと思うのです。しかも一方においては、つまり集約化なり、高度化によって年間を通じての労働力がいわゆる自家労賃化される機会をできるだけ多くするということに帰すると思うのであります。そこで、この問題に連関して、これが下手にいきますと、コスト引き下げということだけが問題になりますと、問題が非常に出てくる。そこでこれに対しまする農林省の基本的なめどというものをどこに置くかということをお聞きしたいのであります。もっと具体的に言いますと、大体農家がいろいろなものを生産をしてほんとうに受け取るものというのは自家労賃だけであります。御承知の通り、日本の農家では利潤の追求ということはほとんど不可能であります。従ってほとんどが自家労賃、肥料なりその他の生産資材なり、その他のものは消費したものを取り返すだけであって、何らプラスになっておらないと考える。従って農家の経営なりあるいは生活を安定させようという基本の要素となるものは、すべての農産物に集約された農家の自家労賃をどう見るかということであります。これは御承知の通り、米価の決定の問題についても一番基本の問題になるわけであります。ところがこれにつきまして、こういう労働生産性を高めるという以上は、あらゆる農産物について、これは非常にむずかしいことですが、どこらをめどにして農林省は今後研究し、政策を実行されるかということがやはり根本の問題だろうと思うのであります。これはやはり政府の調査によりますと、三十年度あたりで、製造工業の職工の平均賃金というものは、大体一時間当りが八十二円くらい、ところが農家の方は、この計算はちょっと危ないと思うのだけれども、とにかく一応四十七円という線が出ております。こういうふうな大きな格差のあるところに、農家の生産力が一つも増さない、あるいは農家経営がだんだんいびつになり、農家の生活が苦しくなる根本があるわけです。この点について政府としてはどこを目安にして今後おやりになっていくつもりか、この点をお伺いしたい。もっと端的に言えば、反当所得を幾らに見ているかということであります。昨年度あたりの全体の実績から言いますと、農家の粗収入が一兆五千億くらいです。これを大体についていいますと、一反歩当りが全国平均で、いいところも悪いところもありましょうが、二万円ちょっとであります。これでは実際によくなるはずがありません。これをどの程度まで引き上げていくかということです。これを農林省としてはやはりはっきり腹へ入れておいていただきませんと、いつの論議でも、これはおそらく農林省の方たちも腹じゃわかっているだろうと思うが、政治上のいろいろな理由から、こういう自家労賃をどうするかという問題になるとうやむやになってしまう。政治的にもやもやとさして、そしてその場限りでもって逃げるということになってしまうわけです。これでは困る。特に長期農林政策をお立てになって、しかもこの中にはとにかく六百四十万町歩の全耕地について土地改良その他を全面実施をするのだというくらい大きな理想を掲げておられる。おそらくその決意をお持ちになっておるだろうと思うが、その前提になる農民の立場を考えた場合は、一番問題は自家労賃で、これはすべての農産物その他について、いろいろ外国農産物の関係もありましょうし、あるいはその他のいろいろな施策の中心になる問題でありますから、自家労賃をどのくらいに見るか、もっと具体的に言えば、反当の所得をどのくらいまで上げるかということを基準にして大体において施策を進められるか、こういう観点に基本点というものを置いて今後お進めになっていただくことが、私は必要じゃないかと思う。この点について具体的にどんなふうにお考えになっておるか、この点をお伺いしたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農家の所得を上げるということにいたしますならば、結論といたしましては、やはり自家労力が現在の農家においては多いのでありますから、自家労賃がどれだけ上るか、またどれだけ上げるかということに帰するだろうと思うのであります。そこでそういうことから反当所得はどれくらいにしたらいいか、その他どれくらいまで所得を上げて行くかということについての具体的な方法を示せということでありますが、これにつきましては、さしあたり五カ年計画を立てておりまして、こまかい計算のもとに計画を今立案しておりますので、それについて御説明する機会があるだろうと思いますので、そのときに譲りたいと思います。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 もう一点だけひとつ基本的な問題をお伺いしておきます。今度の政策要綱なり、それに基く当面の本年度の政策ですね。これらを通じて見ますと、やはり生産基盤の拡充強化という問題、それから営農改善、特に酪農を取り入れた営農改善というような問題が一番重点になっているようであります。さらにそれに流通機構の合理化とか価格安定ということがくっついておるわけです。しかしこういう施策を通じて思われることはこういう問題であります。こういう考え方によっていきますと、日本の農家の約半数を占める五反百姓といいますか、五反以下の農民、あるいはいわゆる第二種兼業農家、こういう人たちはほとんど農政の外においてけぼりを食う危険があるわけであります、実際問題としましては。御承知の通り、今日の経済事情のもとでは、一般の場合五反以下の農家もしくは単作地帯においては一町以下の農家では、農業だけでは生計は立てられません。そういうところから兼業農家がどんどんふえているわけであります。その結果として農業に従事する者が女子供や老人ということになって、白書に御指摘のような結果になっておるのであります。しかしながら農業生産力の拡充ということがここに示されたような方策で果してこれらの五反百姓なり、あるいは第二種兼業農家がこれにとっつけるかどうかということであります。こまかく私はいろいろ検討してみましたけれども、これはいずれまたあとで詳しく検討させていただきたいと思うのでありますが、こういう人たちはほとんどとっつけない。経済的についていけない。五反百姓を中心にして、あるいは第二種兼業農家が経営の高度化をやれ、集約化をやれといってみたところで、実際にはその余地というものはほとんどありはしません、ざっくばらんに言って。また同時にこれらに対してはそう熱意を示さないでしょう。示さないというのは、単に気持がそうだというのじゃなくて、そういう経済的な余裕がないというのがほんとうだろうと思うのであります。こういう観点からいたしますと、今度の政策を実行する過程におきまして、従来の米価等においては三割農政ということが言われ、あるいは近くは一割農政ということも言われた。大きな農家だけはこの政策によってあるいはある程度政府の意図に沿うかもしれない。またそれによって恩恵を受けていくかもしれませんが、中以下の農家の大多数は、かえってこれによって恩恵を受けるどころではない、その負担でひょろひょろになってしまいやしないかという危険もあるわけであります。たとえば土地改良そのものを一つとってみましても、やはり相当に負担がかかるわけであります。そういう負担で果して実際五反百姓なり、あるいは第二種兼業農家がやっていけるかということであります。牛を飼えといっても五反百姓では普通の状況ではなかなか入れられません、飯米農家では。これらについてはどういうふうにおやりになるのか。実はこういう点についてはほとんど触れられておりません。この点をどんなふうに考えて具体的にどうやられるのか。今までいろいろの施策をおやりになってきておりますけれども、その結果はどうかというと、いわゆる上層農家といいますか、大農家といいますか、こういう人たちがほとんど恩恵を受けております。たとえば自作農創設資金なども普通の状態のもとでは農村では——私は静岡県でありますが、一町以下の農家では実際問題としてほとんど借りられません。返還能力がないとか、再建計画が立たぬとかいうことで、一町歩以上の人たちの実は農業に必要でない金によって自作農創設資金が借りられている場合が多い。金額は少いのですが、そういう場合が多い。そのほかあらゆる政府の金融等が、多くの場合におきまして末端にいきますとほとんど上層農家、こういう人たちだけに恩恵があって、むしろそれが上層の農家が下層の農家なりそういったものを経済的に圧迫する一つの道具になっているような場合も必ずしもなきにしもあらずであります。こういうところからこの政策を農林省が実行される場合に、不用意におやりになると、農村における階層分化といいますか、貧富の差はますますひどくなってきて、せっかく安定をしておる日本の農村をますます今後不安定な状態に置く危険性がある。これらに対しては白書におきましてもほとんど分析が——この問題にはおそらく故意に触れられなかったと思いますが、触れておりません。また政策要綱においても、先日お話を聞きました大臣の施政方針の中にも、こういう問題についてはお触れになっておりません。今ここで私はすぐ具体的にこうやったらいい、ああやったらいいということをお伺いをしようとは考えておりせん。しかしながらこれは日本の農村にとっては、大多数の零細中の零細な農民の問題であります。それを忘れてこういう政策を実行されますことは、日本農業の進歩であるがごとくして、かえって実際は全体として進歩にならない場合が多い。この点を十分留意されて、この政策を実行されるようにしてもらいたいと思うのですが、こういう点に対する大臣のお考えなりあるいは御所存をお伺いしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 零細中の零細農家あるいは第二種兼業に対しての政策は、御指摘のように非常にむずかしい問題であります。ただ考え方として、私どもが安定農家を育成すると、こうよく書いておりますので、それは上層だけの安定したものを育成するのじゃないかという誤解が出ておるようでありますけれども、安定農家へ持っていくためにということで、小さい農家を切り捨てるという考えは持っておらないわけであります。そこで今の五反百姓というようなものに対してどういう具体的の政策を持っておるかということでありますが、これはこの政策ならばこれでいいという、一つでもってやっていくきめ手はなかなかむずかしかろうと思います。今お話がありましたが、やはり土地の生産性を高める、基盤を強めるというようなことで、土地改良をいたしまするということになれば、五反百姓も一人で自分の力ではできないでありましょうけれども、土地改良区の中に入り、あるいはまた国営でも県営でも団体営でもその中に入っていきますならば、やれないこともないと思います。ただ負担金という問題もあります。今もお話のようになかなかこれは問題だろうとは思いますけれども、そういう中に組み入れて、共同体の中においてこれの育成をはかっていけるという方法はないわけじゃない、こう考えております。また自作農維持資金等につきましても今のお話のように小さい農家には貸し出しが少い、また借りられない場合も多いということでありますが、こういう方面なども私どもは考えて、土地を造成し、あるいは土地を取得してもっと大きく耕作面積を広げよう、こういう者に対する貸付などもなお強力に進めていきたいということで、自作農維持資金等のワクの拡大も今はかっております。また手続等が非常に煩瑣でありますので、めんどうくさいというようなことで、これを避ける傾きもありますので、そういう点も改めていきたいと思います。あるいはまた零細農でありますので、非常に所得が少いのでありますから、集約化といいますか、やっぱり作物のバラエティなどにつきましても、作付計画なども指導して、できるだけ現金収入といいますか、そういう収入を多くしたい。これは静岡県なども非常に進んでおりますが、たとえば香川県なども段々畑で耕地が非常に少いのであります。非常に気の毒なところでありますけれども、そういうところだけに、集約化といいますか、そういう点も広い耕地を持っておるところよりも進んでおるような状態もありますので、いろいろな方面から零細な農家について育成していくといいますか、指導していく方法も力強くやっていきたい、こう考えております。

久保田豊日本社会党

○久保田(豊)委員 きょうは時間を制限されておりますので、実は政策要綱や本年度の大臣の政策についても具体的な点についてお伺いしたいのですが、時間がありませんから次の機会に譲りまして、きょうの質問の最後に一点だけお伺いします。  せんだって御説明をいただきました通り本年度は農林省の全体の予算が千七百四十五億、こういうことで昨年度に比べると相当大きい。そのほかにまだいろいろの未提出のものがありまして、これが加わるとさらに二百億近くのものが加わる。あるいはそれに食管会計の赤字というものが加わると、二千億を突破する、こう思うのです。私どもがいつも心配するのは、こういうふうに今度は特にかつてないようなおぜん立てをされまして積み上げられました本年度の要求予算でありますが、過去の実績を見ますると、予算編成前にはいつでも食糧需給何カ年計画というものが出て、何十億というような計画が出るわけです。それとは少し構想が違いますけれども、多くはやはり食糧自給を中心とした土地改良とか、あるいは耕地改善とかいうふうなことに重点を置かれた計画が五カ年計画として何年出ても、おそらく二年と持ったためしがない。もう最初の年からくずれてしまうのであります。そして予算編成が終えてしまえば、五カ年計画も、増産計画も結局農林省のお役人さんだけがお持ちになった資料にすぎない。農政の実態はそういうこととは関係なしに、そのときそのときの風の吹き回しで、あっちを向いたりこっちを向いたりしてやっていくというのが、今までの、少くとも私どもが過去六年間ここで拝見をしておりました農政の行き方であります。この点については、赤城農相は農業の事情の末端にお詳しい方だけに、相当の決意をお持ちではないかと私は思います。それだけに本年度は白書からこういうふうに政策要綱、それから本年度の政策というふうに秩序立って、堂々の陣を張られたことと思うのであります。そこで今後どんなにきれいなことを言っても、なにしましても、結局政府が金を出さなければ、すべては絵にかいたもちであります。ところが最近の傾向は、予算全体の中で農政というものが論ぜられて、一歩々々後退になっておる。農林省はそのたびに、これは後退ではない、なにはこうだとか、あれはああだとかいろいろ言っておりますけれども、結局だれが見ても、部分的には進歩もありますが、これは農政の後退以外には考えられない。  そこで本年度は、一体大臣の御決意は——現在の千七百四十五億と、さらにそれに追加されたいろいろなものが加わると二千億の余にもなろうかと思うが、それらに対してどういう覚悟で大蔵省なり内閣の中で立ち向かわれるか、もっと端的に言うと、この政策要綱なるものは内閣の承認を得たものかどうか、農林省限りのものかどうか、内閣としてはっきりこれをやるという確認のもとにやられておるのかどうか、この点をはっきりお伺いしたい。それでないと、また政変でもあって大臣がかわると、せっかく努力された農林省の皆さんの御努力も水泡になってしまう。そこでまた次の大臣にかわって、いろいろ優秀なお考えを盛り込まれておやりになるということになると、農政はいつもほんとうの筋が立たぬことになってしまいます。この点についての経過と大臣としての御決意をお伺いしたい。  それから今から水をさす必要はございませんけれども、今の諸情勢から見て、二千億になんなんとする農林省の予算の確保はなかなか困難ではないかと思います。私ども予算を確保するには、与党の皆さんにも大臣にも御協力を申し上げることにやぶさかではありません。やぶさかではありませんけれども、相当困難ではないかと思います。そういう場合に、ここに幾つかの政策の重点が述べられておりまして、それに沿うたような予算が組んでありますが、このうちのどれに重点を置いておやりになるのか。どれもこれも重点だといったらみな重点でしょう。しかしながら、予算がある程度押えられるという段階において、どれを減らすかという問題です。ここにやはり農政の基本があると私は思う。農林省の部局からいえば、どこの部局も店を張っておりますから、自分の予算が少くなれば仕事がなくなって困るから、とにかく通すということでしょうが、これでは末端へ行きますと、農政というものが何が何だかわからなくなってしまう。そこで大臣としては、これらの約二千億の予算の全部が通らない場合、特に重点を置かれる項目はどの予算項目であるかという点です。この点を明らかにしていただきたいことと、かりに予算がある程度思うようにいかなかった場合においては、政府の融資なりあるいはその他金融面でどういう措置をおとりになるつもりか、こういう三点について、私はこの際大臣のお考えなり御決意なりを一つ御表明いただいておきたい、こう思うのであります。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 農林予算がだんだんと減ってきた傾向につきましては、私もお話の通りまことに残念に思っております。そこでそれに対しては強力に予算をとるようにやるべきじゃないか、従って、農林水産政策等について閣議の了承を得ておるのかどうかというお尋ねでありましたが、これは閣議の了承は得ておりません。得ておりませんが、機会あるごとに、実は私といたしましても、どうも農林水産政策に対して少しウエートを置かないような傾向に対しましては、警告を発し、注意を促しておるわけであります。そこで今要求しておりまする予算につきまして、これが実現ができなかったときに、最後に政策の重点をどこに置いて踏みとどまってやるかというふうな御質問と考えておりますが、これは今まで御指摘がございましたように、私の考え方としては、三つの段階を考えております。第一は、生産基盤でありまするから、土地につきましても、漁港等海につきましても、あるいはまた林野等につきましても、生産基盤の強化という点が一つの重点であります。それからまた営農ということ、これは所得の増加ということにも関連しておりますので、作付転換等営農関係につきましての改善、これはやはり第二番目の重点に置くわけであります。第三番目——これは段階ではありませんが、第三番目といたしましては、やはり流通、加工方面による価格の安定ということに重点を置いておりますので、その点に関係する施設と予算について特に力を入れたい。大体重点経費といたしまして今申し上げたことを七つくらいに分けておりますが、内容は今申し上げた通りであります。  それからまたそういうせっかくいい政策を掲げ、またそういうことに進んでおるのに、その裏づけがないような結果に陥ったときどうするかということでありますが、この点は、今予算の折衝その他に努力中でありますので、先のことはまたそのときに申し上げたいと思います。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 質疑はこの程度にとどめます。  本委員会の散会後、林業の小委員会を行います。時間がだいぶおくれておりますが、林業小委員の方はお残りを願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時二十分散会

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