農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/11/02
会議録
○笹山委員長代理 これより会議を開 きます。 会期の初めに当り、まず国政調査承認要求についてお諮りいたします。本会期中におきましても、農林水産関係の種々の問題を調査するため、この際議長に国政調査承認要求の申し出を行いたいと存じます。つきましては、その調査する事項は、従前の通り、食糧に関する事項、肥料に関する事項、畜産に関する事項、蚕糸に関する事項、農地に関する事項、林野に関する事項、漁業制度に関する事項、公海漁業、沿岸及び内水面漁業に関する件、漁港及び漁船に関する事項、農林業団体及び水産業団体に関する事項、農業災害及び漁業災害に関する事項、農林水産金融に関する事項とし、その他の衆議院規則第九十四条に規定する事項につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり」〕
○笹山委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、委員各位の座席は、ただいま一員会御着席の通りといたしますが、必要に応じ委員長において適宜変更いたしますので、御了承願いたいと存じます。
○笹山委員長代理 さきに農林省事務当局より来年度予算の概算要求について説明を聴取いたしたのでありますが、これと関連しましてこの際農林大臣より農林水産関係の基本施策について、大臣の所見を求めることにいたします。赤城農林大臣。
○赤城国務大臣 農林水産行政全般につきまして、私の考えておりますところを率直に申し述べ、各位の御批判と御協力を得たいと存じます。 農林省におきまして、さきに農林水産政策要綱を発表いたしたのでありますが、これは今後の農林水産政策の基本についてその考え方を表明したものでありまして、その目標といたしますところは、第一にはここ両三年打ち続いた豊作が最近の国際収支の推移に照し、いかに国民経済に寄与するところが大であったかが明らかでありますように、堅実な基礎の上に均衡のとれた経済の成長をはかって参るため、国内農林水産資源を開発し、国民の消費需要の趨勢に即応して、食糧の総合的自給力を向上させることであります。 第二には、最近における重工業等の著しい発展に比べ、農林水産業が立ちおくれる傾向を示し、所得の不均衡や就業人口の劣弱化が進む傾向にありますので、今後は農林水産業の生産性を向上させることに意を注ま、コストの引き下げ、労働生産性の向上と相まつ録第号て、農林水産業所得を増大して、安定した農漁家を育成強化し、農山漁村の振興をはかることにあります。従いまして、このような観点に立って今後適切な農林水産施策を着実に講じて参りたい所存であります。 そこで施策の重点について私の考えを申し上げますと、その第一点は、農林水産業のよって立つ生産基盤を強化し確立することであります。これを農地について見ますならば、今後の土地改良等、農地開発に残された地域はこれを計画的に開発改良して参ることが必要であることは申すまでもありません。従いまして土地改良につきましては、今後土地改良を要する約六百四十力町歩の耕地面積にわたりその完全実施を目途として事業を年次別に計画的に実施して参り、これがため特定土地改良工事特別会計による工事の推進をはかるとともに基幹事業に関連する県實団体営事業について工事の急速な完了を目途として経済効果の早期発生をはかって参りたいと思います。また地域の特性に応じて小規模土地改良、農地集団化、地元増反等を総合的に実地させるよう考慮いたしております。特に畑地土地改良事業については、畑地の集約度を高めるため畑地灌漑、田畑輪換、排水事業や農地保全事業を積極的に推進して参りたい所存でありま〕。開墾干拓につきましても、耕地の毅廃等による生産の減退に備え、さしめたりその適地と考えられる約百十万町歩について年次別に計画的に実施する目標のもとに、開墾については建設工事の促進と機械開墾方式の導入を行うほか、地元増反をも推進し、干拓については特別会計による国営事業に加え補助干拓事業を進めて参る考えであります。 次に漁港につきましては、漁業の発展、漁船の大型化等に即応して漁港整備計画の早期完遂を期するとともに、改良工事及び海岸保全事業をも推進して参りたいのであります。 また国土保全上荒廃林地の復旧は特に重要と考えておりますのでありまして、また木材需要の著しい増加傾向に対応して里山の過伐を是正し、未開発林の開発を促進するため、林道網の整備拡充を行うとともに、植伐均衡を回復し、林力の増強と産業基盤の確保をはかるため人工造林を長期計画に基いて拡大することに努力をいたし、これがため造林の方式についても改善工夫を加え、山持ちと資金提供による造林希望者を結びつけた分収造林の方法についても考慮いたしまして、植林の促進をはかる等国土緑化の施策を強力に推一し進めて参りたいと考えております。第二には、農林水産業の経営を改善し発展させるため、生産様式を多様化し、適地適産を助長するとともに、経宮の集約化、高度化を積極的に推進することであります。特に農業につきましては、食糧消費の態様の高度化に伴一い、蛋白、脂肪の需要が顕著に増加していく傾向にありますので、これに対応して穀類のみならず、畜産物、油糧作物等を増産して、食糧全体として自給力向上の増産対策を講ずる必要があると考えるのであります。このため水田経営の改善をはかって主食を増産して参りますことはもちろんでありますが、この際生産力の劣った畑作につきましては、その後進性を打破し、土地改良等の基礎的面から作付体系等営農の改善、流通の合理化等、一貫した振興策を積極的に講じて参りたいと考えまして、これに必要な試験研究の充実、営農試験地、営農改善等の指導普及組織の整備、家畜及び機械の国有貸付等による導入、飼料自給化の増大等の措置をとり、これとともに有畜農家の創設事業や中小農に対する農業協同組合の家畜預託事業を拡充し、また草地改良事業を推進して、畜産の振興策を進めて参りたいと思います。そしていわば日本農業全体として体質改善への方向に努力を重ねて参りたい所存であります。 由来出本農業は南北に長く、自然的条件が多様でありますので、特に畑作については立地条件に応じて適地適作を進めて参るべきはもちろんでありますが、地理的条件により、あるいは急傾斜地帯、特殊土壌地帯とか湿田単作地帯とか、あるいは積雪寒冷地帯とか、それぞれの特殊農業地帯に対応して、各種の施策を今後とも進めて参るべきものと考えております。 水産業につきましては、蛋白資源の確保と輸出振興の重要性にかんがみ、遠洋漁業の拡充と漁場の確保をはかるため、水産資源等の調査を実施するとともに、積極的な開発をはかり、特に沿岸、内水面漁業について資源の維持、増殖施設の拡充、漁場の集約的利用をはかってその振興を推進するとともに、これと並行して漁業制度についても再検討を加えて参りたいと考えております。 以上の施策を実施して参りますためには、農漁家が安んじて生産にはげみ、経営の安定を得られますよう、農林水産物の販路の拡大、流通の合理化及び価格の安定のための措置を講ずる必要があることは申すまでもありません。 牛乳、乳製品につきましては、さきに本委員会において当面の需給調整策につきまして御説明したところでありますが、今後五年間消費を倍増する目標のもとに増産をはかる一面、学童給食に振り向ける等消費を拡大するとともに、酪農振興基金を設けて価格の安定をはかって参り、酪農振興の経済的条件を整備して参りたいと存じます。 また原料農産物の加工製造業はその経営的、技術的基礎が脆弱であることにかんがみましてこれを積極的に育成強化することに努め、特に澱粉については結晶ブドウ糖工業の育成等、新規用途の開拓をはかって参り、イモ作経営の安定に資したい考えであります。 これに関連して国内の甘味資源としては結晶ブドウ糖のほかテンサイの増産には今後大いに努め、砂糖の国内自給力の強化に資していくべきであると考えるのであります。 また農林水産物は外貨取得率が高いので、生糸を初め輸出振興策について特別の措置をとりたいと考えております。 言うまでもなく、農林漁業の振興は、農山漁村民の自主的活動により、創意と工夫が発揮されて初めて可能になることは言うまでもありませんので、新農山漁村の建設事業は以上に述べました方向にのっとって、かっとかく画一的になりやすい農林施策の総合性を発揮できるよう積極的に推進して参りたいと存ずるのであります。 以上に述べました考え方を実施するため、目下経済企画庁を中心として策定中の経済五カ年計画の中にも織り込むよういたすとともに、来年度の農林予算及び財政投融資についての所要額を財政当局に要求いたしておりますので、皆様の御理解と御支援とを期待する次第であります。 なお右のほか最近当面いたしております二、三の農林水産問題についてこの機会に申し上げてみたいと存じます。 第四次余剰農産物協定につきましては、従来と同様の考え方により、わが国の食糧需給上必要な輸入量を確保し、かつ見返り資金の農林漁業べの投資を確保する意味合いにおきまして、関係省と協議いたしました結果、政府といたしましてこれを受け入れることを決定し、アメリカに申し入れたことはすでに御承知の通りであります。これが交渉につきましてはさきに日米関係官がワシントンにおいて協議いたしたのでありますが、資金ワクに対し申込量が多い等、米国側に種々困難な事情があるのであります。わが方といたしましては従来の経緯にかんがみ、その実現について要請を重ねておるのでありますが、資金上あるいは輸入農産物その他につきまして意見の一致を見ない点が相当多いのであります。この点につきましてはなお交渉の推移を待ってこれに対処いたしたいと考えております。 また北海道周辺における漁業の安全操業につきましては、本年六月三日ソ連邦に申し入れを行い、先方の交渉受諾の回答を受けまして以来、その交渉の進捗につき種々手段を講じているのであります。ソ連側がこの問題について検討を進めておることは、交渉の過程においてうかがわれるのでありますが、当方の提案に対する見解を開示するに至っていないのであります。政府といたしましては、本件が北海道沿岸の多数の零細な漁民にとって緊急な利害につながる問題でありますので、今後さらに本問題解決のため格段の努力をいたしたい所存であります。 さらに日ソ漁業条約については、明年一月からモスクワで開かれる日ソ漁業委員会第二回会議においては、本年の第一回会議における交渉経過にもかんがみまして、問題の各般にわたり遺漏なく準備をととのえ、北洋におけるわが国漁業の確保に万全を期したい所存であります。今年の第一回委員会において科学的調査のために研究者を交換調査させることを両国政府に勧告することを決議したのでありまして、これに基き日本は六月に七、八月カムチャッカを視察したい旨を申し入れたのでありますが、最近これに対し、ことしは樺太及び沿海州を調査させる旨回答があったのであります。しかしすでに時期を逸し、また当方の希望地域を除外されましたのでことしの調査を見合わせることになりましたことは残念に存ずる次第であります。 なお韓国に抑留されております漁夫、漁船につきましては、日韓交渉の経緯にもかんがみましてその援護対策に万全を期する所存であります。
○中村(時)委員 ただいま農林大臣の方針といいますか趣旨といいますか、そういうことをお聞きしておりますとまことにけっこうづくめで、この前に発表されております農林水産政策要綱と同様なものかと思いますると、中でやはり大同小異ではあるけれども違っている意見も多々あるようでありますし、在来農林大臣のこういう趣旨に関しましては、その前に資料としてわれわれの手元に配付されておったのでありますが、まあ事務当局の苦心の作かあるいは御自身のお考えかわかりませんけれども、一切そういうものはないわけなのです。そこで今農林大臣の御発表になりました農業政策一般に対する考え方、これに伴う資料を即刻配付していただきたい。これが第一点。ということは、私たちとして、これから行われるであろういろいろな農林政策一般に関する質疑応答の中に、一昨々百品聞きました予算の問題と関連いたしますといろいろな食い違いが出てくるのじゃないか、このように考えられるわけであります。考え方は考え方として思考されるものは思考されるものとして、一応われわれとしては目鼻をつけなければならぬ、こういう立場に立って今農林大臣の読み上げられました、というよりもお考えになられましたその問題を、一応プリントにして至急に配付をしていただきたい、できれは本日中に配付をしていただきたい、このように思いますから、この点農林大臣にお答えを願いたいと思います。
○赤城国務大臣 御趣旨に沿いたいと思います。
○笹山委員長代理 それでは本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十六分散会