内閣委員会 第11号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/12/13
会議録
○相川委員長 これより会議を開きます。 国の防衛に関する件及び公務員の制度及び給与に関する件について質疑の通告があります。この際順次これを許します。床次徳二君。
○床次委員 私は自衛隊の演習揚の設置の問題について質問をいたしたいと思うのであります。とかく米軍の演習場あるいは自衛隊の演習場等、基地の設置あるいは演習場の設置に関しましては、地元の反対が多いのでありまするが、往々にして単に防衛のために演習場を置くということこのことだけでもって反対するものも少くないのであります。従って演習場を設置しようという場合におきましては、十分地元の方との連絡協調をはかり、納得を得てこの手続にかかっていただくべきものと考えおるのでありますが、ただいま鹿児島県の日置郡吹上町前面におきまして、飛行機の射撃演習のために海面を使用しよう、新しく演習場を設置しようという動きがあるのであります。約一万メートルの距離のように伺っておるのでありますが、それは扇形に開いた海面でありまして、これに関係するものは約二市十四カ町村の漁業者が利害関係を持っておるのであります。直接いわゆる沿岸漁業といたしまして漁業に従事すると同時に、その場所におきましてえさをとりまして、そのえさを持って遠くに出漁するという遠洋漁業の基盤になるという両種類の性格があるのであります。近時李承晩ラインその他によりまして、いわゆる日本海方面、あるいは西方海面におきまするところの漁場の縮小、さらに米軍の演習場、鳥島基地等の問題によりまして、西方各地方におきましては漁場の縮小に悩んでおる際であったのでありますが、再びこういうものができるということに対して漁業者はかなりの脅威を感じておるのであります。今日のところ、一応地元に対しまして演習場設置のことに対する意見を聞いておるという状態でありまするが、その程度におきましても、すでに関係漁業者は非常な懸念を起しまして、すでに事情を知らずに反対運動に着手する、またそれぞれの関係団体と申しますか、後援団体等がいち早く反対期成同盟等を組織するというような形になっておるのでありまして、この点はむしろある意味におきましては、国の防衛を正確に理解せしむる点におきましても、あるいは遺憾な点があるのではないかとさえも感ずるのであります。 右吹上町前面の演習場設置に関しまして、地元に対しましても、また十分な具体的な当局の見解もわかっておらないようで、当局といたしましてもむしろこれを設置する第一の前提の交渉のようにも承わるのでありますが、今日までこの演習場を設置せんとする手続、また交渉の過程がどのようになっておりまするか、御説明をいただきたいと思うのであります。
○門叶説明員 ただいま床次委員から御質問がありました、鹿児島県吹上浜の高射砲陣地の問題について、現在防衛庁が考えておりますところを御説明を申し上げ、御了承を得たいと思います。御承知の通り、今日防衛庁として高射砲部隊を持っておりますのは、北海道に一カ所、本州に二カ所、計三つでございまして、九州に一カ所高射砲陣地を持ちたいというふうに考えておりまして、候補地をよりより物色しておるのが今日の段階でございます。ただいまお話にございました吹上浜の問題につきましては、航路の関係あるいは航空機の関係等から考慮いたしまして、相当有望な場所として考えておるわけでございますが、御指摘の通り漁場もございますし、関係の漁民の数も相当たくさんありますので、これらの点を考え合せまして、地元と円満なる御連絡、協調を得られればこの地に設置いたしたいと考えておるのであります。まだ防衛庁として正式に地元に交渉する段階には至っておりません。県庁方面と連絡をとっておるというのが今日の段階でございます。御指摘の漁業補償——あるいはもしそこを選ぶとすれば漁業補償その他地元の関係の方々と十分御相談をして、御納得を得た上でやりたいと考えておる次第でございます。
○床次委員 演習場の設置の一つの候補地として、今日下調査に当っておられるような段階のようでありまするが、防衛庁の方から県庁の方へ照会があった。その照会において、県の方では大体の意思を地元の関係市町村団体等へ意向を問い合せているという段階だと思います。従って防衛庁の意図というものが明瞭でありませんと、それが地元へ参りまするまでの間において、いろいろと臆測の余地が出て参るのであります。地元といたしましては正確なる判断を得にくい。従って相当大きな被害が出ることを予想しての反対論もむしろあり得るのじゃないかということをおそれておるのでありまして、むしろ防衛庁自体が考えられておることをもっと細目にわたりまして地元に説明をされることが必要なのではないかと思っておりますが、この点いかがですか。
○門叶説明員 ただいま床次委員の御指摘の点、まことにごもっともな点と考えておりますので、私の方の計画がはっきりいたしますれば、御指摘の線に沿いまして地元の方とも十分お話し合いをいたしたい、こう考えております。
○床次委員 今示されておりますことにおいて問題となりますのは、大体五百名くらいの部隊が来る、そうして駐留するのは六十日、事実上において海面を使用するのが二十日以内というワクが示されておるにとどまるのであります。同時にこれが飛行機射撃のために使われるという前提でもってものが考えられておるのでありますが、なかなか地元といたしましてはこれだけの条件では、あらゆる場合を想定いたしまして懸念が多いというところに問題がひそんでおるのだと思います。この点はできる限り詳細な説明を地元に加えられることが必要であると思うのであります。一、二伺っておきたいと思うのでありますが、第一に、飛行機射撃によりまする結果、漁業に対してどういう影響があったかということは、各地方の演習場の状況でもわかるのではないかと思うのであります。あるいは爆撃演習場、あるいは実弾射撃場のものもありますが、この吹上の状態は飛行機射撃、高射砲が上で爆発して破片が海面に落下するというわけでありますが、当海面は大体二十メートルくらいの水深である。従って破片が落下いたしますと、ここの魚つきといたしましては非常に影響を受ける、回遊も減ってくるというような懸念をいたしておるのでありますが、今までの各演習場の状況におきまして魚群の状態、回遊魚に対する影響並びに地についております魚に対する影響がどの程度にあったかといういろいろの例を調査しておられると思うのでありますが、その点はいかように考えておられますか。
○門叶説明員 ただいまの御質問にお答えいたします前に、大体防衛庁として今の吹上浜について考えております——これは全くまだ未決定の段階でございますが、大体のところを申し上げますと、使用する部隊は、九州にございます四管の久留米、八混の熊本のそれぞれ一個大隊、二個大隊の高射砲演習に使いたいということでございます。なお、そこを使用するといたしますれば、陸地に高射砲座の地域、照射地域として海岸線に数万坪の地域を必要といたします。海面におきましては、射界九十度、距離一万から一万二千メートルの扇形の範囲が必要になろうかと存ずるわけであります。なお、年間の使用の期間はまだこれまた明確にいたしておりませんが、大体四十日以内くらいに限定されるのではなかろうかと目下のところ考えておる次第であります。 なお従来使用いたしておりますこの種射撃場の影響の問題でございますが、操業については制限を設けることはやむを得ないところでございますが、魚族に相当の影響を与えるというふうには、目下のところ考えておりません。
○床次委員 魚族にいかなる影響があるかどうかということは、実は地元の者としては最大のものでありまして、先ほども申し上げましたように、沿岸漁業者として、特に規模の小さいものといたしましては、日常の生活のかてであり、同時にここでとれますものが、えさとして遠く各地において使用される。非常に広範な——二市十四カ町村と申し上げましたが、この水産業者がそれぞれこれをえさとしてとりまして、各地において使用するというようなことに影響があるのであります。だから直接操業制限によるところの支障のみならず、間接に受ける影響が大きい。また同時に今の飼料も大体回遊魚でありますので、砲声に驚く、あるいは演習場使用のために回遊がとまるということになりましたならば、これは本質的な大きな損害である、かような意味において大きな懸念を巻き起しているというわけでありまして、この点につきましても、十分当局といたしましては、水産業の関係について、各地の経験もすでに持っておられるものもあろうと思うのでありますが、必要な調査を綿密にやられまして、将来考慮せられんことを要望するのであります。 次に第二の問題といたしまして、ここにきまる前に九州の各地に当ってみて、ほかで断わられてまた来たのだというようなこともいわれておるのでありますが、非常にやっかいもので、他の地方でもって迷惑をしたというので、思ったより損害が大きいんじゃないかということもいっておりますが、この点はいかがでございましょうか。
○門叶説明員 ただいま御指摘になりました、ほかの地域を相当当ってみて、ほかで断わられてこちらへ来たということにつきましては、防衛庁としては承知いたしておりません。あるいは内々そういうふうな交渉をしたことがあるかもしれませんが……。
○床次委員 次に、ただいまの御答弁によりましても私察せられることは、使用期間の問題でありますが、私ども地元で聞きましたのは、六十日間駐留いたしまして、実際に射撃に使用するのは二十日というふうに聞いておったのであります。地元で心配しておりますのは、この二十日の使用というのが果してそれにとどまるかどうかということについての懸念も少くなかったのであります。ただいまの御説明でありますと四十日以内ということになっておるのでありまして、使用期間が最初の話より非常に長くなっている。かようなことが今後——と申しますか、問題の解決をさらに紛糾せしめるゆえんじゃないかと思うのでありまして、交渉に当りましては、十分最初からはっきりした態度を示してもらって、地元の方によけいな憶測をする余地を与えないように処理していただきたいと思うのでありますが、すでにこの点において地元にある報道よりも多少期限が延びているというのは、これはどういうわけでありますか、はなはだ遺憾であると思うのでありますが、こういうことが一つの問題を作る種だと思うのであります。大体この使用期間というのは将来延びる可能性があるものかどうか、大体今日予定されているのは幾日かということを明らかにしていただきたい。
○門叶説明員 おそらく地元におきましては、先ほども申し上げました通り、直接地元にお話し申し上げておりませんので、県庁と話し合った内容が漏れ伝わったことと思うのであります。現在私どもの考えておりますのは、先ほども申し上げました通り、九州にあります二個大隊の演習場として考えているのでありまして、年間を通じて四十日以内というふうに考えておる次第であります。
○床次委員 県庁を通じて内々の交渉であるからというふうに言われるのでありますが、県の方は、交渉を受けますれば、これは先ほど申し上げましたように、関係団体の意見を聞くということが当然予想されるのでありまして、交渉の内容が外へ出ることは初めから予想すべきものじゃないか、さような意味を考えますと、交渉に当ってはもっと慎重にやられた方がいいんじゃないか、あるいは初めから誤解を起さぬようにされるのがいいんじゃないかと思います。この点は地元で聞かされておりますものとは日にちが違っている、こういうことは一つの問題を大きくするゆえんであるという点を指摘して注意を促しておきたいと思うのであります。なお今度の演習場等に対しましては、駐留軍その他の演習場等におきまして代用できるものがあるかどうか、他に全然ないからこれに充てるかどうかという問題でございますが、この点はいかがですか。
○門叶説明員 駐留軍、ことに地上部隊が撤退したあとにおきましても、九州地区において適当な場所が今日のところございません。そういったような関係で一応吹上浜が候補地になった次第であります。 なお先ほど来御指摘のありました点につきましては、今後十分留意いたしまして、われわれの考えておりますところが的確に地元民に伝わるように十分注意をいたして参りたいと思う次第であります。
○床次委員 ただいまの御答弁によりますると、まだ当局といたしましても十分に具体的な対案をお持ちにならぬようでありますが、地元といたしましては、先ほど申し上げましたようなばく然たる線において、すでに論議せられておって、漁業者の立場から申しますると、これが非常な影響を受けるという意味において反対運動に着手しておるわけであります。すでにある意味において火の手が上っているとみてよろしいと思うのであります。従って今後の折衝につきましては、もう少し当局といたしましても、十分な綿密な調査をされまして、具体的にある程度までの意見をきめて、そして地元の人を納得せしむるに足るだけの努力をされる必要があるのではないか、また私自身といたしましては、まだ地元の関係者といたしましては、具体的に最終的な意見を言う段階には達しておらぬように見受けておるのであります。しかし一応漁業者といたしましては非常な迷惑であるし、これが生活に影響を受けるということは明らかなことであるのであります。特に最近のごとく、日本海漁業その他漁場の縮小をみております際におきまする影響を考えますと、従来のような漁場の損失というものと違うのであります。この点は十分に当局としても考えられる必要がある。なお、一面におきましては、従来からむしろ地元といたしましては各地の演習場の解放を主張しておる、そういう時期にこういうものが出てくるということも考慮に入れるべきだと思うのであります。なお、当局におきましては、ただいま申し上げましたような事柄を考慮せられまして、研究を進められて、交渉に当られるということを特に要望いたしたいのであります。 なお、今後の措置につきましては、必要がありますならばまたあらためて質問いたしたいと思うのでありますが、どうか一つもう少し具体的に地元の疑義を起さぬということを考慮せられ、着手せらるべきものと思うのであります。 なお、補償に関して伺っておきまするが、今まで各地でそれぞれ相当の実例があると思うのでありますが、この点に関しましてはどういう態度をもって地元に交渉するという旨を明らかにしておられるかどうか、承わりたいのであります。
○門叶説明員 先ほど来申し上げた次第でありまするが、当吹上浜においては関係の漁業者もたくさんおりますし、漁業組合もございます。なお、御指摘の通り、漁場としても非常に大事なところでありますので、十分補償につきましては地元民と折衝した上で御納得のいくところできめて参りたいと考えておる次第であります。
○床次委員 補償の問題まで進めば非常にけっこうなことだ、適当な補償額で話がついて承知するということができれば、これは確かに当局の予定の行動でありましてけっこうなことだ、円満にいけばけっこうなことだと思うのでありますが、補償までなかなか今日話がいかない状態であろうと思うのですが、大体この演習場を求められるに当りまして、当局といたしましては従来の漁業に与えるところの損害がどれくらいであるか、あるいは損害の有無その他に対しまして、専門家その他の意見をあらかじめ聞いて、この手続に着手せられておるかどうかということを承わりたいのであります。
○門叶説明員 ただいま御指摘の通り、まだ補償の段階に行くには数段手前の段階でありまして、従いまして、防衛庁としてもここを一応の候補地として考えるべく内々資料を収集しておるという段階でございます。話がもう少し具体的になりまして、それらの点をあわせて考えて参りたい、こういうように考えております。
○床次委員 候補地として事実を調査しておられるという程度でありますならば、今後手続を慎重にせられまして、つまらない反対運動と申しますか、無益な摩擦を起さないようにということを十分考えていただきたい。地元の漁民といたしましては、これが死活問題であるというふうにも考えておりまして、今日非常な強い決意を固めつつある状態であります。もしも単なる調査でもって済むのでありますならば、無用な刺戟を与えないことは当然でありまして、この点も十分慎重に考慮せられまして処置に当ってもらいたい。今日の段階におきましては。当局におきましてもきわめて消極的な段階のようでありますので、この漁業に及ぼす影響がある場合におきましては、特に最も損害の少いところを選ぶべきである。またでき得るならば、これは他の場所を選ぶべきではないかということを申し上げまして、一応私の質疑はこの程度で打ち切ります。今後一つ当局の十分な遺憾のない処置を要望いたしまして、質疑を終る次第であります。
○相川委員長 茜ケ久保君。
○茜ケ久保委員 私は調達庁と大蔵省にお伺いしたいと思います。最初に調達庁にお伺いしたいのでありますが、最近アメリカ軍の撤退がだいぶ行なわれておるという新聞などの報道でありまして、国民はもうすでに陸上部隊などはほとんど全面的に帰ったのではないかという印象を持っておるようであります。これは私どもが年来主張しておる点でありまして、まことにけっこうなことでありますが、現在までに日本内地の基地から引き揚げた陸上部隊を中心とした部隊の様子と、さらにその人員あるいは引き揚げた地区の状態がわかりましたならば、わかる範囲内において御説明を願いたいと思います。
○上村説明員 現在までに岸・アイク声明以来陸の地上部隊は引き揚げを大体完了したと思っておるのであります。ただし陸軍全般というわけではありませんで、陸軍のうち約二万二千は残留をいたしております。これは海軍、空軍に対する補給の業務を扱っております部隊が主でございまして、現在米軍の部隊は合計いたしまして約八万二千、陸軍に属する補給部隊が二万二千、海軍が約二万、空軍が約四万二千という数字になっております。岸、アイク声明以来引き揚げ減少いたしました数字は、今手元ではっきり承知いたしておりませんが、大体二万程度であろうと思っております。
○茜ケ久保委員 引き揚げた部隊並びに残留した部隊の概数はわかりましたが、引き揚げました部隊の駐留しておりました基地、演習場の、こまかいことはあとでまた表でもいただけばけっこうでありますが、大きな演習場の場所と地名がわかっておれば、それを一つ御説明願いたいと思います。
○上村説明員 資料をもちまして後ほど詳細に、所在地と坪数、その土地の国有、民公有の別はお手元に差し上げることになっておりますが、今日までに演習場で返還になりましたもののおもなものは、北海道の千歳、恵庭、岡山県の日本原、大阪の信太山、大分県の日出生台森、十文字演習場並びに饗庭野演習場等、これが約八千四百万坪でございます。なお近い将来に返還が予定されておりますものは、宮城県の王城寺原、群馬県の相馬ケ原、山口県の大田、京都の宇治、千葉県の豊海など、約三千万坪でございます。これ以外の残りますおもな演習場は北海道の演習場、これは島松付近の一帯でございますが、そのほか本州におきましては東、北富士、これを統計いたしまして約一億一千二百万坪ということになっております。これらにつきましては現在のところ、アメリカから返還の時期を明らかにされておらないのでございます。
○茜ケ久保委員 大体最初空軍、海軍の施設が陸上部隊の撤退に伴って、むしろ強化されるという見通しがあったのであります。ことに鳩山内閣の末期等における内閣の責任者の答弁等によりましても、陸上部隊の早期撤退は考えられるが、空軍、海軍はむしろ強化される方向にあるという答弁が、大体一致したのであります。しかるに最近、防衛庁長官が見えてからお尋ねする件もございますが、そういったことに反して空軍、海軍も逐次減るんではないかという見通しが出たようであります。こういった点は具体的に、陸上部隊以外の海軍、空軍の基地なり、あるいは人員等の減少がすでに現われておるかどうか、この点調達庁で御承知になっておられましたら御説明を承わりたい。
○上村説明員 空軍と海軍につきましては、強化をされているということはございません。海軍におきましては、呉におりました陸戦隊関係の航空機部隊でございますが、これが縮小をされております。それから空軍につきましては、先般発表になりましたが、千歳の戦闘機部隊が引き揚げております。また小牧におきましても、小牧の戦闘機部隊の一個中隊が他に転換配置になっております。それ以外におきましては、今までのところ大きな異動はないようでございます。
○茜ケ久保委員 小牧の基地は、御承知のように立川、横田等の五つの拡張される飛行場の中に入っておるわけであります。そうして調達庁方面でもかなり強硬な態度で接収に当っておられたわけでありますが、ただいま長官の御説明にありましたように、一部の部隊でありますけれども配置転換したという事実もありますし、現地におけるその後の拡張の状態等は、何か停頓しておるかに見られるのであります。具体的に小牧基地が三十年の四月当初五つの飛行場の拡張としてアメリカから提示されました当時の状況と現在と、一部の部隊が転換したというだけでなくて、小牧飛行場拡張に対する基本的な点が変ってきておるのではないかと思われる点があるのでありますが、これに対する調達庁で関知される限りの情報を御説明をお願いできたらと思います。
○上村説明員 小牧の飛行場につきましては、ただいま返還その他の話は全然ございません。ただアメリカ空軍の予算の縮小に伴いまして、飛行場拡張計画の中の末端の部分の一部分が、設計変更あるいは縮小を見るかもしれないというような話は出ております。その程度でございまして、一個中隊が引き揚げました以外は、引き続き米軍は使用するようでございます。
○茜ケ久保委員 使用するということは一応了解できますが、先ほども指摘しましたように、三十年四月アメリカ軍から非常に強力な要請をされました五つの飛行場の中で、やや完成に近いものは横田の基地だけだと思うのであります。立川はああいう事件を起しながら、現在の飛行場における民有地の測量はああいうふうに終りましたけれども、新しく拡張する面の測量等は、依然として停頓しておると思う。あとの新潟あるいは木更津に至っては、全然手がついておりません。すでに丸三年を経過しようとしておるのであります。しかもこれはここで指摘するまでもなく、戦略的な様相が非常に変って参っております。従って最近のアメリカの五つの飛行場に対する要請の程度と申しますか、あるいはこれを拡張する意思と申しますか、こういったものは当然変ってきておると思うのであります。その証拠には、立川にしてもああいう騒動があったとはいえ、その後何らの手も打っておりませんし、新潟、木更津に至っては全然手が触れてない。非常な勢いで臨んだ小牧も、使用はしておるけれども、拡張に対しては以前と違った様相が出ておるのでありますが、こういったことに対する、戦略上のことは別として、五つの飛行場に対するアメリカ当局の日本側への要請について、最近の情報を御説明願いたい。
○上村説明員 在日米軍の五飛行場に対する拡張というものにつきましては、現在のところ何ら変更の通知に接しておりません。日本側といたしましても、飛行場を拡張するという基本方針を目下のところ変更をするつもりはない次第でございます。
○茜ケ久保委員 アメリカも日本も変更する意思はないとおっしゃるが、とにかく、あなたの在任される以前でありますけれども、アメリカが五つの飛行場を拡張しようとしたときの情勢というものは、決してあなたが今答弁されるような、ただ単に変更しないというようなことではないのでございますよ。これはあらゆる犠牲を押し切って、場合によっては他の二十幾つ、三十に達する飛行場に返還してもいいから、この五つだけは絶対に拡張するのだという、まことにすさまじい勢いで対処してきたわけであります。それに対応して、日本の政府もこれは相当な犠牲を払ってもという決意をもって当った次第であります。しかし三年の時日を経過し、その間客観的ないろいろな情勢も変って参りましたこともありましょうし、現在では、私どもが当時のことを考えあわせると、これは御変更にはならぬであろうけれども、具体的には何ら手が打たれていない、また打とうとするような意思もないように感じるのであります。そこでざっくばらんに聞くのでありますが、そんなしゃくし定木な答弁をなさらずに、いわゆる変更になってないとしても、最近全然あなたの方に、早くしろとか、あるいは小牧はもっとどうしろとか、立川も一つ思い切って測量しろとかいう要請がなければ、基本方針は変らぬでも大体変ったと同じだと思う。従ってアメリカ側が最近この五つの飛行場の拡張に対してどのような再要請をしてきたかどうか、また全然そんな要請をしてないかどうか、この点をお伺いします。
○上村説明員 これらの飛行場につきましては、米側は常に私どもに対してなるべく早く拡張してもらいたいという希望を申しております。立川につきましては、御承知の通り裁判が進行中でございますので、この裁判の結末を見なければ、私どもといたしましても工事に着手するとか、あるいは測量するということはできませんので、現在実際に動いておりませんけれども、しかし米側の飛行場拡張の要求につきましては、依然として私どもに対して、何とか早くしてくれということを要請いたしております。小牧につきましては、予算の米国側における削減によりまして、一部の設計変更はございましたが、これも現在工事を施行中でございます。木更津その他につきましても、調査、測量 その他地元側との具体的の交渉を始めます時期については別でございますが、既定方針に変更は現在のところございません。
○茜ケ久保委員 その件についてはまたあらためてお尋ねしますが、次に大蔵省の管財局長にお尋ねするのですが、ただいまお聞きのように、アメリカの演習場が、大きなところも相当含めて返還される予定でございますし、また地元の諸君はこれを非常に期待しております。もちろん演習場の中には民有地もありますし、国有地もあります。さらにまた民有地を強制的に接収した分も相当含まれております。そこで問題になりますのは、今後の日本の基地問題というものは拡張に対する反対というよりも、返還されるこの演習場の事後処理の問題が大きく浮かんでくると思うのであります。従いまして全般的な問題としては、返還される民有地は当然もとの所有者に返りますけれども、民有地を強制的に買い上げた土地ないしはもともと国有地であった土地 こういったものに対する問題が中心になると思う。大蔵省の態度として返還された演習場をどのように処理される方針であるか。一部にはアメリカ軍の撤退したあとに自衛隊がそのまま横すべりで入りたいという意向もあるようでありますし、また場所によっては地元の村民の意向をじゅうりんして、町会等でいわゆる自衛隊の誘致等の決議をしているところもあるようであります。こういった点に対して、基本的な態度として大蔵省は返還されたアメリカの演習場をどのように処置される方針であるか、その方針が決定しておりましたならば御説明を願いたい。
○賀屋説明員 在日米軍に提供しておりました国有財産が返還されて参りました場合の処理の方針でございますが、基本的な方向といたしましては、もとよりその返って参ります財産の利用価値というものを根本に考えまして、何に適するかということを考えるのが当然でございますが、何方にも利用価値の大きい財産でございますので、いろいろな方面からこれを利用したいという御要望があるわけでございます。この点につきまして、私どものただいま持っております基本的な考え方といたしましては、多くが従来演習場に使われておりましたような関係もございまして、また国有財産でもありますので、まず自衛隊その他学校でありますとか、そういった政府関係の機関において必要があります場合には、なるべくこれを優先するという考えでございますが、しかしながら地方の地元の御要望等も考えまして、その間に調整をいたしまして、残りました土地につきましてはできるだけ民生の安定、それから産業経済に役立たせるような観点も考慮に入れまして、たとえば住宅の建設の用地として使うとか、あるいはその地方の産業を振興させるために大企業を誘致いたしますための工場用地として使いますとか、そういったこともあわせて考えておる次第でありまして、また最近におきましては駐留軍の労務者が多量に職を失われまして、自活の道がなくなるということから、これは内閣におきましても特段の力を注いでおられるのでございますが、こうした方々が職を離れたあと新しく国有財産を利用して自活の道を開いていくというお考えのあります場合には、これに対しましてもできるだけの考慮をいたす、大体こういった考えでもって、財産が返りました場合の具体的な処理を進めていく考えでございます。
○茜ケ久保委員 賀屋局長の御説明、なかなか当を得た御説明と思うのであります。たしかに大蔵省当局の見解として示されました今の局長の御説明には一応納得できる面もあるのでありますが、しかし具体的な問題が起りますと、なかなか局長の御説明のようには行かぬと思う。そこで具体的な事例をあげて一々お尋ねしたいと思うのでありますが、相馬ケ原等におきましては、御承知のように七百四十万坪の演習場の中で約五百万坪がもと国有財産並びに御料林といったことで、あと二百五十万坪が民有地を強制的に買い上げたという実情もございまして、かなり農耕地に適した面が多いのであります。ジラード事件でなくなられた坂井なかさんなども一町に達する農耕地を取られた被害者であります。従って現地に参りますと農耕地としてさらに開墾したいという熱望が強いわけであります。今賀屋局長の御説明の中には、自衛隊にも転換しなければならないということもございましたが、そういう地元のいわゆる住民の諸君は農耕地として開墾したいという熱望を多分に持っておる反面、残念ながら先ほども指摘しましたように桃井村の村会では自衛隊の誘致を決議しておる。そして防衛庁に陳情しておる向きもある。今賀屋局長の御説明をそのまま聞いておると、まことにごもっともな御説明でありますけれども、こういう具体的な例が出てきますと、大蔵省としてはどうなるか。片一方の多くの住民は農耕地として開墾したいという熱望がある。反面村当局は二十数名の村会議員がどういうことでやったか知らないけれども、自衛隊の誘致を決議しておる。こうした形の中でこの問題をどう処理するかというと、これは今のあなたの御説明では解決できないと思うのです。いつでしたか政府の御説明を聞いておると、地元の意向というものは、村長とか村会の決議を地元の意向としてこの委員会において取り扱うという御説明があった。そうなりますとこれは地元の意向ではなくて誤まれる決議としか思えない。二十数名の村会議員の決議が地元の意向となって参りますとこれは問題でございます。そこで私が今わざわざ相馬ケ原の具体的な例を出しましたのは、私自身最近ずっと現地に参りまして、あらゆる面から地元住民と懇談会を開いて意向を聞いておりますので、一番出しやすい例でありますから提示したのでありますが、こういった場合に大蔵省当局ではどちらの意向を重要視して処置をされるか。これは今後起るあらゆる軍事基地の事後処理の基本的な問題でありますから、一つ今後訂正しない確固たる御答弁をお願いしたいと思います。
○賀屋説明員 具体的な相馬ケ原の例についてのお尋ねでございますが、先ほど調達庁から御答弁がございましたように、まだはっきりといつ返ってくるという見込みが立っておりませんので、私ども具体的にどう使うかという点についてのまだ最終的な結論を出しておりませんが、お話を伺いますと、いろいろ地元のお考えと村長さん、村会議員さんたちのお考えとの間に食い違いがあるようなお話でもございますが、私どもといたしましては、できるだけ地元における御意向が一本化するように努力をお願いいたしまして、その一本化した御意見に基きまして、できるだけこれを尊重して処理をいたしたいと考えておるのでございます。この地区におきましては、今度返って参ります財産の上で現に農耕しておられる土地も幾坪かあるように聞いておるのでございます。そうした方々の従来の農耕をされます根拠等につきましても、いろいろ調べておりますが、必ずしもはっきりとした了解が与えられておるというふうには思えないのでございますが、そうした事実があるということも、しかし全然無視していいとは考えられませんので、できるだけ農耕地に使われるという点も頭に置きまして、関係省であります農林省と防衛庁との間の円満なお話し合い等につきましても、それが円滑に行われまして、自衛隊の御希望もあることではありますが、それと現地の御要望とが両立いたしますような処理方針を考えていきたい、かように考えておる次第であります。
○辻委員 関連して。今の茜ケ久保君の質問に関連しまして、一つの具体的な例をお示しいたします。それは石川県の小松にある飛行場であります。小松飛行場は米軍が使っておりましたが、今度要らなくなって返還をすることになった。一昨年私はこの問題について米軍の空軍司令官に直接話をしまして、約二十万坪使用しないところの土地の農耕を許してもらったのであります。そうして現にそこでタバコを作り、イモを作っております。それが返還になるときには原状復帰というので、今までせっかく耕作を許しておったのを取り上げて許さないことにして、大蔵省に返還をすることになった。これは事務上の手続だそうであります。そこで地元の農民は二年間肥やしを入れて来年の春は何をまこうといろいろ計画しておるのに、返還する事務的形式上の手続で、許したものを没収して取り上げて返さなければ大蔵省は承知をしないのだ、こういうことになっております。地元の農民は非常に困っておりますが、大蔵省は最終決定をするまでは既得権益として農耕を引き続いて許すべきものと思うのですが、いかがでありますか。
○賀屋説明員 お尋ねの石川県の小松飛行場の件につきましては、まだ私詳細に事情を聞いておりませんので、具体的に御答弁いたしかねますが、手続としては今御質問がありましたように、国が使用許可をしない間は、これは国有財産としてはそういった関係のないきれいな土地として返していただいて、あらためてそれをどういうふうに利用するかということを決定するという順序になろうかと思うのでありますが、具体的なケースが起りました場合に、事情の許す限りどのような手段でその従来の農耕を認めるかという点を研究いたしまして、もし適当な措置をとり得る道がありといたしますならば、それによりましてできるだけ摩擦が生じないようにいたしたいと思います。
○辻委員 これはあなた方の事務の処理が非常におそいが、農民は来年の春何をまくか、肥やしをやるなり打ち返すなりしてその準備をしなければならぬ。ほんとうに貸すのか、貸さぬのか。今まで借りておる。現に耕作しておるのです。それをあなたの方で許すか、許さぬかわからない。形式的には取り上げたということになっておるので、非常にたくさんの農民は困り抜いている。そうして金沢の財務局に行っても本省との連絡がさっぱりない。あなた方の事務のおそい原因が農民の明春の農耕計画に非常な迷惑を及ぼしておるのだから、今までのものはそのまま継続するようにということはちょっと電話一本かければできることだ。最終決定がされて取り上げるのはまた別問題だ。耕作を引き続いて許すというようなことは、電話一本でできるはずであります。それをなぜやらぬか。
○賀屋説明員 事務の処理がおそい点についてのおしかりでございますが、今後は十分迅速に処理いたすように心がけて参りたいと考えます。ただ電話一本で農耕地としての使用を認めるということは、手続としては必ずしも十分な手続とは考えられませんので、よく財務局で調査をいたしまして、現地の御希望等も承わりまして、できるだけ早く処理いたしたいと考えます。
○辻委員 ちょっとふに落ちません。今さら改めて大蔵省が耕作権を認めろというのではない。米軍との了解のもとに耕作しておる。だから最終決定がなされるまでは現状通りでよろしいということで理屈はいいわけであります。今さら審議の必要はない。最終決定を国がするまでは現在の通りやってよろしいということがなぜ違法なんです。
○賀屋説明員 提供しております財産は、提供いたしたのでありますから米軍が使うのが本来の趣旨でございます。それをごく一部ではあろうかと思いますが、農耕に日本人が使用するということは、本来提供いたしました趣旨に反するわけでございます。しかしながら提供財産について自衛隊がお使いになる場合がたくさんございます。またそのほか民間で使う場合もあろうかと思いますが、そういった場合には手続といたしましては合同委員会の方へ持ち出しまして、その了解を得て使うということになっておるのでございまして、私も詳しい事情は存じませんが、今小松の飛行場で農耕地として使っておられるのは、あるいはその正式な手続を踏まないで事実上お使いになっておるのではなかろうかと思うのでございますが、それはいわば不法にお使いになっておるということも言えると思うのでございます。従いましてそれを政府が公けに追認するということは——やはり合同委員会に持ち出しまして、その了解を得た上でなければ、政府としては正式にこれを追認するということはできないのではないかと考えます。
○辻委員 これは合同委員会に出して三年間ほどもんだが、日本側は主張し得ないから決定できない。そこで私がわざわざ米軍司令官と参謀長に三回ほど談判に行って、ようやく二十万坪というものをおととしから耕作を許してもらった。その間の事情は上村君が一番よく知っている。そこでこの機会に自衛隊をそこへ持っていこうとして——今許すと取り上げにくいから、なれ合いで耕作を許さぬような形式上の手続でやるのはとんでもない間違いである。合同委員会が強力にやれば、私が出しゃばる必要はない。またできない。二十万坪が草ぼうぼうで遊んでおる。そこにイモを植え、タバコを作ったのがなぜ悪いか。それを今さら、来年決定をするまでは、来年の春は使わさずにおけ、あの広い二十万坪を草ぼうぼうでほって置くのか。それでよいのか。決定したらそれに従うから、決定されるまでは今まで通りでよい、その一事がなぜはっきりきめられないのか。
○賀屋説明員 この飛行場も近く返還になるようでございますが、まだその後の処置につきましては最終的な結論を得ておりませんが、返って参りました場合に、これをどういうふうに使うかということとも関連するのではなかろうかと思うのでございまして、その際防衛庁の御希望も伺いますが、もしこれを農耕地として使用するのが適当であるということになりますれば、これはいずれば農地として利用されるのでありますから、従来お使いになっておったのをそのまま黙認するということもあるいは考えられると思いますが、この辺ももう少し調査いたしまして、できるだけ農民の方々が今後どういうふうにしてそれを使われるかということについて、処置に困るということのないようにいたしたいと考えます。
○茜ケ久保委員 管財局長の御答弁で了解される点も多いのでありますが、ただ今触れましたように、アメリカの演習場をいつの間にか自衛隊が共同使用しておる、これも問題がありますけれども、現に使用しておるわけです。そこで、地元ではアメリカ軍が完全撤退したあと何らの処置もなされないで、国有財産であるということから地元民の意向を全然無視して大蔵省と防衛庁の中で——これはやみ取引ではなかろうけれども、一応事務上の手続だけで、いつの間にかアメリカの演習場が自衛隊の演習場に転換されたという姿が生まれるのではなかろうかという不安が非常に多いわけなんです。これは現に各地にある、そこで、ここではっきり大蔵省の態度を御明示願って、一応アメリカが撤退したあとは大蔵省にはっきりと返還されて、返還されたあと、先ほど管財局長も言われたように、自衛隊が使うのかあるいはその他が使うのかということを、国民の知らない間に自衛隊と話し合って使うのではなくて、公然たる姿の中で地元民も納得できる形でやるんだということを、私は御明言できると思うのですよ。そういった点はここで一つはっきりしておいていただきたいと思う。かように思うのです。
○賀屋説明員 返って参りました財産の利用につきまして、自衛隊、防衛庁の方で御利用になる計画が多いのでございますが、決して私どもといたしましては、地元の意向を全然無視して、防衛庁と大蔵省との間だけの話し合いでこれを決定するというようなことは、従来もいたしておらなかったと思うのでございますが、今後もそういうことはいたさないつもりでおりまして、地元の御要望等につきましては十分承わりまして、いずれに使うが是か非かということを関係庁、また農耕地でありますれば農林省の意見も十分聞く考えでおります。それからさらに具体的に処理方針をきめます場合には、御承知かと思いますが、国有財産法に基く国有財産審議会というのがございまして、これが地方におきましては各財務局単位に設けられておりまして、この審議会の委員には地元の意向を反映する立場にあられる委員もお加わりになっているのでございますから、この審議会の機能を十分活用いたしまして、決して一方的に大蔵省と防衛庁だけで事を決するというようなことはいたさないつもりでございます。
○茜ケ久保委員 大体今の御答弁で一応納得できます。先般の当委員会における津島防衛庁長官の御答弁の中にも、防衛庁としては、アメリカの使っておった演習場を引き続いて使いたい意思はあるけれども、あくまでも地元の意向を重視して、地元民の納得のいかない場合には無理をしないという御答弁があったようであります。そういった津島防衛庁長官の御答弁と、ただいまの大蔵省の御意向とを一応ここで信頼いたしますならば、アメリカの撤退後における演習場の周辺における問題が、私はかなりスムーズに解決するのではなかろうかと思うのでありますが、ただ問題は具体的な事例として、今東富士演習場、北富士演習場、相馬原と、この三つの大きな演習場において、すでに地元において返還後の措置についての要望が大きく出て参っております。これについてお伺いしたい点もありますが、きょう時間もあまりございませんので、これは一つ来国会に譲っていろいろと具体的な要望の事例等も出して参りますから、大蔵当局でもあらかじめそういった点を含んでおられて、ぜひ具体的な問題の処理についてのお熱意をお示し願いたい、かように思うのであります。さらにもう一点は、先ほど管財局長から、総務会の決定と地元民の意向との相違の点については、あくまでも調整をしたいという話でありましたが、これは私どもいわゆる地元民と関係のあるものも調整には努力いたします。従って従前政府がとって参りました地元の意思というものが必ずしも桃井村の村会決議だけが地元の意思であるというふうにお考え願っては困る。私どもあえて地元民を指導して政府の意向に対して故意の反対等のことはもちろんいたしません。あくまでもわれわれも地元民の意向を重視してやりますから、その点も、そういったいわゆる従前政府のとって参りました態度でなくて、地元民の意向を十二分にくむという点を大いに考えていっていただきたい、こういう点を要望いたして、大蔵省に対する質問を打ち切ります。 続いて、防衛庁長官が見えたようでありますから、長官に対する質問をいたしたいと思います。 先般北海道方面に当委員会から派遣されまして、自衛隊の調査をして参ったのでありますが、それについて具体的な事例についてお尋ねしたいのでありますけれども、その前に一、二一般的な問題について長官にお尋ねをしたいと思うのです。 第二十六国会から引き続いて休会中の委員会、そうしてまた二十七臨時国会の当委員会並びに参議院の内閣委員会等における防衛問題についての政府の御答弁を速記録を拝見して参りますと、どうも納得のいかぬ点があるのであります。それは岸総理も津島防衛庁長官もたびたび答弁をしていらっしゃるようでありますが、日本の自衛体制がいわゆるミサイル、人工衛星の出現した今日も依然として変更する意思はない、必要はないという御答弁をなさっておられる。ところがどういう観点から変更する必要がないのか、その説明がなされていないのであります。国民の多くも、私どもがいろいろ接触して参ります点からいたしましても、従前は自衛のためには自衛隊が必要であるということを考え、主張しておった、その国民諸君の中にも最近のこういったいわゆる科学兵器の非常に大きな発達に際会して、今さら日本の防衛体制というものはこんなものでは意味がないんでないかという議論が強くなっています。従いましてただ単にこういう時代になっても日本の防衛体制はこのままでいいんだというだけの答弁でなくして、私はやはり国民の納得できるような説明を防衛庁長官からなされる必要がある、かように存じまして、これは前の質問答弁と重複するような感もございますけれども、私はここで重ねて一つ国民の納得できるような親切な御説明をお願いしたい、かように存ずる次第でございます。
○津島国務大臣 ただいまの御質問は、最近の世界諸情勢、軍備ことに科学技術の進歩に伴う新兵器の出現、こういった事態に応じてわが国の防衛をどうするか、この点については、去る国会等において岸総理並びに私からも御答弁申し上げたところにおいては、これによって方針の変更はないというような意味で十分納得がいかなかった、こういう点でございます。前国会におきましても、十分とは申し上げませんがその趣旨とするところは申し上げたつもりでございます。 その要領は、重ねて申し上げますと、わが防衛体制をどうするかという問題についての基本的の問題としては、国防会議で決定いたしましたわが防衛の基本方針、これは変える必要はないだろう、また第二には一応その基本方針をもととして三十五年度にわたりきめられた防衛整備目標というものがある。この目標については今のところ変更を加えないで整備の方向に進むべきであろうと思う。この点をまずはっきりとわれわれは申し上げたつもりでございます。 しからばこの整備目標といったような、そういった目標の実行方法について全然今日の変化した事態を考慮に入れないで、かつてそれをきめる当時に考えておったことをそのままに実行するかという実行の問題といったものがここにあると思います。この点については、私どもは、科学技術の進歩によって新装備が行われた時代には、それに即応してこの部面に非常な強化をしなければならない。また自衛隊の今日の整備編成においてもこれに即応して改善を加え、その強化をはかる、こういう点においては十分施策するところがあるであろう、こういう点が第二点であったと思うのであります。 第三点は、質問応答の過程においていろいろあったと思いまするが、たとえば人工衛星あるいはICBM等の出現によってわが国の自衛隊の、今日あるいは将来これに整備さるべき自衛隊というものが、ほとんど用をなさなくなるといったようないろいろな御意見もあったと思いますが、これに対しては、私どもは、そうではないのである、その理由は、ICBMその他のいわゆる長距離弾道弾の出現によって、またそういったような新科学兵器の進歩によって、むしろこれは戦争を抑制する方向に向うのでなかろうか、全面戦争がだんだん困難になり、兵器の発達に反比例してむしろ無制限核使用の全面戦争というものが困難になる傾向にあるものと判断される、こういう予測のもとに、しかしながら今後の国際情勢その他の状態からいって、むしろ局地的あるいは制限的の核使用戦争というものの公算は考慮されるものである、こういう予測のもとに、そういったような情勢のもとにおいてわが自衛隊が直ちに、人工衛星が飛んだから、わが防衛はもう必要ないとか言うのは、少し飛躍した議論ではあるまいか、こういう所見を述べて、私どもは現在の自衛隊の増強あるいは整備という目標に向って、先ほど申しました二点について考慮を加えて、その質的改善、科学技術の利用といったもので新しい事態にも適応し得るような自衛隊の強化、防衛の体制をとっていこう、こういうことを申し上げたと思うのでございます。これは結局は具体的の施策がどうであるかという問題でございまするので、まだそういう点にまでこまかく答弁中に申し上げる機会はなかったのでありまするが、ここに新しい事態において即時、飛躍的に、今日のような、いわゆる在来兵器と申しますか通常兵器の防衛体制というものはもはや価値がないものであると言うのは、どうも飛躍した議論でなかろうか。たとえば東南アジア諸国を初めアジア諸国においても、きわめて例外の国以外は全部在来兵器によって装備され、そして陸上部隊のごときは非常な数を持っておるのでございます。また核兵器を持った国においても在来兵器——もちろん改善、強化された質的の強化はありますが、そういったような軍隊を持って、そうして防衛に当っておるというのは、これは英、米その他西欧諸国はもちろん、あるいはソ連の衛星諸国においても同様であります。こういうものが廃止の傾向にあり、もう無用のものであるという結論は、どこの国にも出ておらぬわけでございます。アメリカの陸軍の最高首悩部も、これはそういったような宇宙兵器をもってしても従来型の在来兵器——もちろんこれは従来通りという意味ではございませんが、そういったような見解が各国において述べられておる事態を考えますると、わが国は自国の防衛ということだけを念としておるものである、それに必要な程度の増強というか整備はやるべきであるというような考え方であるのでございます。これをもってまだ十分とは申し上げかねると思いまするが、大体の考え方がそうであるということを御了承願いたいと思います。
○茜ケ久保委員 ただいまの御説明は重大な御説明でございますが、ただそれだけではわれわれは納得できないのでございます。と申しますのは、今防衛庁長官は、在来兵器でも持たなければならぬ、それはたとえば東南アジアの諸国も持っておるし、ミサイルや人工衛星を持っておるソ連やアメリカでも持っておるのだ、従ってやはり当然日本としても持って、局地戦ないしは国内の治安維持に当るのだ、こうおっしゃいますが、国民の納得のいかぬ点はそこであります。これはあなたも御承知だと思いますが、日本はいわゆる日清、日露の戦争を通じてあの膨大な陸海軍を持っておった、そのままのものが現に残っておるのなら、今のあなたの説明でもこれまたわからぬことはない。ところが一度完全に武装放棄をして何も持たなかった日本が、あらためて今持っているわけなのです。今持とうとしている。現在は持っておりますが、これは僕に言わせるとアメリカの完全ないわゆる古物であり、アメリカの使い古しを日本の若者がアメリカ式の服を着てかついだり、引っぱったりしている、これは国民はよく知っております。これは今幾らあなたが御説明なさっても、日本の国民は現在の自衛隊の実体を知っております。従って在来から東南アジア諸国も持っておるし、また持っている国は、新しい時代が来たからといって、これを今すぐなくすことはなかなか困難であります。これは容易ではございません。従ってもてあましながら持っているという実例もございますが、日本は新しく作ろうとしておるのでありますから、そこに考える余地がある。何も今さら日本が苦しんでそういうものを持たなくちゃならぬ必要はないのじゃなかろうかという疑問が多分にある。防衛庁長官が、自衛隊かできて警察予備隊からするともう数年余りたっているから、日本の自衛隊がその他の国と同じようにりっぱな軍であるとおっしゃれば別でありますが、しかし国民もわれわれも、またあなた方も、いわゆる自衛隊自衛隊とおっしゃって、国防軍ともあるいは自衛軍ともおっしゃらないように、まだほんとうの軍隊ではないはずであります。従って日本の現状からすれば、客観的情勢の変化あるいは科学的兵器の極度の発達に従って、今あなたの指摘されたように、全面的戦争もないという状態が予想されます今日において、私はやはりこのときこそ日本は思い切ってそういったものをなくする方向へ——まあこれはここで直ちにあしたから防衛庁、自衛隊がなくなるとは考えませんが、いわゆる強化される方向へ進むよりも、もっと別な考え方が私はあることの方が正しいのではないか、かように思うのでありますが、やはりあなたの御答弁は、今までたびたび御答弁されたことと何ら変りないかどうか。これはくどく御説明の必要はありません。変りないかあるかだけでけっこうでございますから、一つ……。
○津島国務大臣 御意見のあるところは十分了承いたします。しかし自衛隊の整備につきましては、先ほど申し上げました通り、質的改善を加え、また新しい科学の利用によって一そうその力を増していくという方向で、わが国の防衛体制を確立したいと思います。もっともこれについては、わが国独力ではなかなか完璧を期することができないのが現状であろうと思います。従っていわゆる共同防衛というか、集団防衛の体制というか、そういったことも十分に考慮に入れてわが国の防衛を全うしたい、こういう考え方で、イエス、ノーで言えば、従来申し上げたその意見でございます。
○茜ケ久保委員 防衛庁長官も、おそらくミサイル、人工衛星の出現に対しては、客観的な情勢の変化というふうにはお考えでございましょう。いかがでしょう。客観的な情勢の変化というふうにお考えかどうか、防衛の立場からどうですか。
○津島国務大臣 新兵器としてのミサイルが防衛力の強化ということには非常に貢献するものだと思っております。これについては十分検討しなければならぬと思っている次第でございます。
○茜ケ久保委員 この六月十四日でございますかの国防会議で、先ほどおっしゃった整備目標の基本的なものが出ましたね。これは整備の目標だから、当然そのときの情勢によって変更されるものだと思いますが、そういった情勢になりましても、この国防会議で決定された整備目標が具体的に変更されるというようなことは、現段階においてはやはりないと確信されますかどうか。たとえばミサイルを研究されるとおっしゃる、このミサイルの研究ということは——ミサイルを日本の防衛体制の中に繰り入れてやるということは基本方針の中にないわけでございますが、そうなりますとミサイルを新しく研究されることは、一応将来自衛隊の中にミサイルを組み入れる意図があるものと考えますが、このことは六月十四日の国防会議における整備目標の変更にはならないかどうか、この点に対して御所信を伺いたい。
○津島国務大臣 六月の国防会議の防衛の基本方針並びに整備目標の策定といったその当時においても、内外の情勢の推移等に応じて新核兵器の研究開発について大いに促進しようということは明瞭にされておるのであります。なおまた同時に編成装備等においても改善を加えていこうという方針が当時きめられておるわけであります。その意味において、いわゆる誘導核兵器という問題は全然別でございます。それについては技術研究所等においてもすでにその研究を進めておりますが、こういった事態においてはその研究開発ということを促進しなければならぬと思いまして、来年度の予算要求等にもこの点についての増額を要求しておる次第でございます。わが自衛隊そのものにそういうミサイルを装備するかどうか、その段階にはまだ研究も進んでおらぬわけであります。しかしながらこの問題は今後の情勢に応じて考慮すべき問題であると思っております。まだそれを決定はいたしておりません。そういった今日の段階でございます。
○茜ケ久保委員 ミサイルの研究をされるということは、整備目標の新しい科学兵器の研究をするということと同一でありましょうが、整備目標の中に、当然研究された過程を通じて出てくる問題でありましょうから、やはりミサイルを研究され——どのくらいの期間研究されるかこれは明瞭でありませんが、そう長い期間を要するとは考えません。そうするとやはり整備目標の期間内において自衛隊がミサイルを何とかマスターする過程が出てくるとしますと、この整備目標が当然変ってこなければならぬという見解を持つのでありますが、そういったことは今の自衛隊では全然考えておられない、整備目標は整備目標で進めながら、ミサイルはこれまた別個に研究していくのだということになると、やはり防衛目標の中にいろいろな異なった性格が出てくるのではないかと私は思うのですが、その点はいかようにお考えですか。
○津島国務大臣 国防会議での基本方針並びに整備目標等を決定するときに当っても、すでにミサイル研究についてはエリコンの購入、それによってのいわゆる誘導兵器、その研究はもう考慮されておった問題でございます。従ってそれは具体的な一例でありますが、そういった方向に研究開発を進めていこうという方針は、国防会議基本方針の決定等の時期においても予測されておったものでございますから、そういった項目を新たにどう変更しようかという事態は今日はないのでございます。そういったことをきめておるわけでございますから、今日の事態においてその方針を変更するという必要はなく、あとは実行の問題である、こう思うのであります。
○茜ケ久保委員 観点を変えて質問いたしますが、先般の日米安保委員会において、アメリカ側が陸上部隊の早期撤退は当然考えられておりましたが、突如航空部隊のかなり早期大量の撤退が明示されたかに聞くのであります。これに対して防衛庁長官は非常にあわてふためかれたような報道も承知しているのでありますが、いわゆる日本の防衛計画は、先ほど来御指摘のように、アメリカとの共同防衛の立場から計画がされておる。といたしますと、アメリカ空軍が相当長期にわたって駐留するという意図のもとになされた防衛計画は、空軍が早期にしかも相当大量に撤退するとなりますと、これは当然その面から日本の航空自衛隊の整備目標が変更されるべきであると思うのでありますが、これに対するアメリカ側の、内示したかに伺います米国の空軍部隊の撤退の様相、並びにこれと関連した日本の航空自衛隊の整備目標との関連はいかようになっておるか、御説明願います。
○津島国務大臣 先般の日米安保委員会において、航空防衛の問題が意見交換されたことは、すでに御承知の通りでございます。米国空軍の撤退という問題は、これは岸・アイゼンハワー声明においても、陸については陸上戦闘隊はすみやかに全部を撤退するということがありますが、同時にその他の部隊についても自衛隊の増強に伴なって縮減する計画を持っておる、これが岸・アイゼンハワー共同声明の文章でございます。従って海空についてはとにかく自衛隊の増強に応じて縮減するという計画を持っておるという意図でございます。現実の問題として、空軍の部隊においても、先方の予算の関係等もあると承知しておりますが、縮減の方向に向いておるのは事実でございます。飛行基地の返還といったようなことも行われつつあり、また今後そういうことが期待されるのでございます。そういった場合に、これはいわゆる航空自衛隊の増強と申しますか、整備強化というものと見合ってやるということが国家の防衛上の安全を保つために必要だろう、こういう見解がお互いにかわされたわけです。その意味においては、従来と全然違ったことが会談の目的になったのでなくて、陸の問題、あるいは空の問題、海の問題、これはいろいろ問題が将来もあると思いますが、航空の問題につきましては自衛隊の航窒部隊の増強と見合って、防空に不安感のないような方法で逐次縮減をはかる、こういう意図が明瞭にされ、またそういった点に合致を見たと思うのでございます。そういった意味でございまして、別に突発的にそういった縮減という問題が行われるわけではない、こういうわけでございますから、さよう御承知願います。 なお御質問のうちにもありましたが、航空自衛隊の今後の整備増強の方針は変更がないかという御質問だったと思います。これも先ほど申しました航空自衛隊の整備目標はすでに国防会議できまっておるわけでございまして、これを達成するように、各年に応じて、財政と見合ってやっていこう、こういう方針でございます。
○茜ケ久保委員 アメリカの空軍部隊が日本の航空自衛隊の拡充と並行して帰るということ、これは当然でありましょうが、大体拡充の目標では航空自衛隊が千三百機でございますが、これにはもちろんいろいろな機種がありましょうけれども、現在の航空機の状態ではジェット機が中心であることはもちろんでありましょう。今の状態で進んで参りまして、ジェット機を中心とした——このジェット機についてはあと幾つか御質問申し上げますが、千三百機の拡充目標ができるという見通しと、さらにそのジェット機を完全に操作し得る航空自衛隊の乗員の養成が完全にできるという見通しができておるかどうか、この点について御説明を願います。
○津島国務大臣 今お尋ねになりました航空自衛隊の将来の整備目標千三百機、これの完成は三十七年になるわけであります。あるものは三十五年で着手するものを加えて千三百機ということに相なっております。そこで今日までのジェット機についての操縦士の養成というものが予定通りにいっておるかと申しますと、はなはだ遺憾でございまするが、当初の予定よりは幾分おくれておりまして、航空操縦士というものの訓練が予定通りにいってないということを遺憾と思っております。その原因いかんということにつきまして特に研究いたしまして、今年は実地の検査、あるいはすべての原因の綿密な調査等をいたしまして、それに対して一つ重点的に、あるいは事故防止、訓練を充実する、操縦士の待遇の問題であるとか、その他の点についての対策を、完全のものを十月に作り上げたわけでございます。従って来年度においては私どもはどうしてもこの航空関係の今までのおくれを取り返す、また将来りっぱな操縦士が養成できるような組織を立てていこうということで、格別の、相当多額の予算の要求をいたしておるわけです。そういった意味において、これはまあなんというか、中期と申しますか、五年の計画になりますが、今後の整備目標の、つまり機体の数、またそれを動かす操縦士の数その他がすべて適合していくようにやっていきたい、こう考えてせっかくあらゆる施策を講じ、また講じつつあるわけであります。本年度内においてもすでに本委員会でお誓えしたと思いまするが、約七、八億になると思いますが、既定の予算の中で航空関係へそういった原因に即応した対策を講ずる毛のを臨機に措置したわけでございます。来年度においては私どもはこれに対して非常に重点を置いてやりたい、こう思うわけでございまして、今日の状態よりこの全体の整備目標達成に沿う訓練の部面、これも御懸念のないようにせっかく努力いたしたいと思う次第でございます。
○茜ケ久保委員 そのせっかくの御努力は御努力でけっこうでございましょうが、大体自衛隊でお使いになるジェット機の種類の決定が非常に問題があるようであります。現在お使いになっているのはT33とF86Fでありますが、これはすでに練習機の域を出ないと思うのであります。なお問題になっているのはF100、F104の問題でありますが、さらに新しいものができましょう。当面としてはF100とF104のいずれを航空自衛隊のいわゆる正式な機種とするかについて、これは自民党の内部にも問題があるようですし、防衛庁内部にも問題があるようであります。この問題のある点については巷間いろんな忌まわしいうわさ等も出ておりますが、それはそれとして、現在航空自衛隊で意見の統一がなされて、いわゆるT33、F86等でジェット・パイロットとしての腕をみがいた者が、真に戦闘に役立つジェット機として、どれをお使いになる方針であるか、その点は明確に決定したのかどうか、御答弁をお願いしたいと思います。
○津島国務大臣 このF86に次ぐべき新機種の選定の問題は、これはいろいろな事情、また性能、今後の装備の関係その他の条件を考慮いたしまして、まだこれが最善であるという結論には達しておらぬわけであります。しかし三十五年には現在の国産でやっておりまするF86もその完成を見るわけでございますから、もう急ぐことはもちろんその必要を認めておると同時に、またその三十五年から先何年かにわたって作る機種をどうするかということでございます。一たんきめた以上は諸種の計画上途中で変更することは非常な不経済で、国家財政の上からいっても非常に不利でございます。その意味において今日まで慎重研究を続けて参ったわけでございます。今のところまだ最終結論に達しておりませんが、これはあらゆる角度からさらに一そう検討してみまして、適当の機会にこれを決定するという運びに持っていきたいと思います。その時期については今ここで申し上げるということはちょっと差し控えたい、こう思う次第でございます。
○茜ケ久保委員 それについてでありますが、一応新聞紙等ではF100、F104の性能その他の長所短所が出ておりますけれども、一つ自衛隊として今問題になっておるF100、F104に対するそれぞれの長所短所、あるいは自衛隊で考えているいろいろなこれに対する見解等をここで明確にしてもらいたいと思う。
○加藤説明員 ただいま大臣がお話しになりましたが、現在F86Fの生産をやっておりますけれども、これは三十五年の三月で終るわけであります。前回の委員会でも申し上げたと思いますが、大体飛行機の生産に着手いたしましてから第一機ができて参りますまでに二年くらいの期間がかかるというふうな見当でございまして、なるべく早くF86に次ぐべき機種の決定をしたいのであります。ただ機種の決定につきましては大体の事情は御了解願えると思うのでございますが、飛行機の機種の組み合せというものを考えなければいけない。現在はF86Fでございます。しかしそのほかにいろいろC46等がございまして、それとの関連において、どういう任務を持ったものを作るかということが一つございます。それからレーダーとか地上設備との関係におきまして、最も迅速に動く機種を考えなければいけない、そういう関係、また二年後から第一機ができて参るのでありますから、その後数年間経済的にできるだけ長い期間使えるような飛行機にしたい。その間には、飛行機に対しましても改良できるような機種を選びたいということもあるわけでございます。またその当時におきまして速力の点、上昇限度の点等におきまして、最も有効に任務を達成し得るような飛行機を選ばなければいけないということもございます。それから上昇限度の問題、あるいは航続距離の問題、離着陸の距離の問題、武装の問題、また日本のような天候のよくないところにおきましては、なるべくオール・ウェザーの機種にしたい、また金のかからないものにしたい、それから整備及び補給が簡単なものにしたい、それから生産自体も容易なものにしたい、またパイロットの安全性の点も考慮しなければならない、こういういろいろな要素が伏在いたしておりまして、これらを総合いたしまして最後の結論に持っていくわけでございます。ただいまのところはF100、F104のみならず、その他の機種につきましても対象にいたしまして検討しておる状態でございます。今私が申しましたような点についても、これについてはこの点はいい、この点は悪い、あるいはこれは困るというふうに、いろいろ一長一短があるのでございまして、なお慎重な検討をいたしていきたいと思っておる状態でございます。
○茜ケ久保委員 そのF100、F104を検討されたのですから、今の段階においてはF100はこういう点が利点であるとか、F104はこういう点が悪いということ、今あなたのおっしゃったことはわかりますけれども、具体的に検討したF100、F104の自衛隊の方から見た長短について御説明願いたい。調査なされたはずですから……。
○加藤説明員 二つの機種に限ってお尋ねがございましたが、F100という飛行機は、御承知でございましょうが、日本にも来ておりまして、実用されておる飛行機でございます。F104は実験の段階の大部分が終っておるのでございますけれども、最終の段階の実験を終った飛行機ではない。あとからできてきます飛行機でございますから、スピードの点等におきましてはF104の方がすぐれております。しかしその他の操縦性の問題とか着陸距離の問題 滞空時間の問題、そういう点につきまして一方的にこれだけ取り上げてこの点がいいか悪いかということは、これははなはだ言いにくいのでございます。今ありまする飛行機と次に出てきます飛行機との間におきましては、そういうふうな点においてなお検討を要する問題があるのでございます。
○茜ケ久保委員 私が聞いておりますのは、いいか悪いかではなくて、あなた方が検討なさった結果出たデータです。たとえばF100はのろいけれども滞空時間が長いとか、それが幾らであるとか、F104は非常に早い、時速幾ら出るが滞空時間は少い、こういったデータがあるはずです。それは私どもは新聞紙等を通じては知っておりますけれども、一応あなた方が具体的に調査され、特に先般は防衛庁からアメリカに調査団を出してやっておられる。そういった研究を国民の前に明示しなければならぬと思う。いよいよとる場合にはいろいろ問題はありましょう。たとえば経費の問題でもF104は幾らかかるとか、わざわざアメリカまで調査団を派遣してやっておられる、また防衛庁でも検討されておる結果を何も私は秘密にすることはないと思う。一般国民はただ新聞紙の報道を通じてしか知らない。幸いこういう機会があるのだから、当委員会を通じて防衛庁が真剣に検討した結果を簡明にデータによって発表願いたいと言っておる。
○加藤説明員 この点につきましては、飛行機の主要な性能につきましてはいろいろな推定がございます。ただしかし、今ある飛行機につきましても同様でございますが、できつつあります飛行機につきましては、会社の方で極力秘密にしておるのでございまして、はっきりこうだということを公の権威をもって証明することは、今ここで私の判断ですぐしていいかどうかちょっと疑問に思っておりますが、差しつかえない限度について御説明申し上げますと、生産費はF100の方はわれわれの推定によりますと大体二億六千万、F104の方は三億六千万であります。最高速度はF100の方が一・三マッハ、F104の方は二マッハでございます。
○茜ケ久保委員 それに対する離着陸のいわゆる滑走路の距離、それから航続距離、そういう点はわかっておるのでしょうが、それは飛んでいるんだから秘密ではないと思うのです。現にF104が離着陸するのには幾らくらいの滑走路が要るか、F100は幾ら、こういったことは新聞には出ておるわけです。新聞には一応出ておるけれども、やはり私が言ったように、新聞に出ている以上は防衛庁でも出ているに違いない。新聞には発表したけれども国会では説明できないことはないと思う。従ってそういったことはわかっておるんでしょう、またわからぬでは機種の選定はできませんよ。その程度のことはわかっておるに違いないのだから、それを発表することは当然でしょう、それをはっきり出しなさいよ。
○加藤説明員 これは米国政府なり日本政府として発表したものは私はないと思っております。ただいろいろな推測なりなんなりで出ておるものはございますけれども、公の権威ある立場においてこの飛行機の性能がどうだという発表はないと思います。概数について御説明申し上げることをお許し願いたい。離着陸の距離につきましてはF100、F104とも大体七千から八千フィートでございます。滞空時間の調べはちょっとございませんが、行動半径等につきましてはF100の方がF104よりか相当長い。F100の方は大体二百のノーチカル・マイル、F104の方は百数十ノーチカルマイルという程度でございます。
○茜ケ久保委員 私がお尋ねしているのは、いわゆるそうした性能がわからぬうちにおきめになる、たとえばF86Fは相当現在使えずに困っているという現状でございますね。F86Fだって一億ぐらいで買っているのでしょう、そんな莫大な金を使う飛行機をおきめになって、さて作ったら乗れぬ、乗ってみたら非常に故障が多いというのでは、これは国民に対して申しわけない。F86なりT33が一機落ちたら一億なのです。今まだ十二年前の戦争によって被害を受けた戦災住宅、トタン屋根の住宅がたくさんある、この人たちに十万か十五万で戦災住宅を作ってやったら住める、一機落ちたらその人たちが一ぺんに千人くらい住めるような住宅が建つ、こういうことがひんぱんに起っておる。さらに今聞くとF104は三億何千万、こういうものを簡単におきめになって作られて、作ったら乗れない、飛んだら落ちたというのでは、これは防衛どころではない、防衛以前の問題なのです。従ってあなた方はもちろん真剣に検討しておられるだろうけれども、検討した結果はやはり国民にはっきり知らせる必要があると思うのだ。国民が納得のいかないものをやるから問題が起る。いろいろ資料を見ると、F86だって相当問題がある。先般などはほとんど飛んでいない、これは欠陥があるからです。五十万、百万どころじゃない、一億から一億数千万するこんな飛行機をたなざらしにしている。こんなことでは先ほど言うように、これは防衛以前の問題なのです。これでははなはだ相済まぬと思う。これは今防衛庁長官もおっしゃるように、いずれかをきめなければならぬ時期が来ておる、きめるに当ってはなるたけそういった性能を国民の前にはっきりなさって、こういう実態であるからこれにきまるのだということがなければならぬと思う。でなければ一部自民党あたりの議員から、たとえば新三菱だ、片方は川崎だといっているいわゆるメーカーを中心に機種が決定されるようなことが宣伝されるのですよ。私はおそらく防衛庁としてはそんなことはないと信じたい。しかし巷間にはそんなうわさが飛んでいる。いいからきめるのでなくて、こちらの方にきめればだれかが陰でいろいろな利益があるからきまるようなことが言われている、これはあなた方も非常に不本意であると思うのだ。従って私が申し上げるのは、そんなことがないように、国民がもっともだという納得のできるようなきめ方をすべきであると思うのだが、それにはやはり一応、専門家以外にわからぬことは別として、われわれが聞けばわかる程度のことは明示されることの方が賢明ではないか、かように存ずるのであります。
○加藤説明員 私はただいまの茜ケ久保委員の御質問の趣旨はよくわかるのであります。いずれ決定いたします際にはそういうことについてある程度御説明できるようにしなければいけないと思います。ただきょうはこの点は発表していいのかどうかという点について十分なる打ち合せが済んでおりませんので、自分自身としてどこまで発表していいのかということにつきまして確信がございませんので、蓋然たるお答えを申し上げておるようなわけでございまして、やはりどういうことでどういう機種を選んだということは、所見等を明らかにすべきものであろうと私は考えております。
○稻村委員 ちょっと飛行機のことについて関連質問をしたいのですが、非常に私不安なんです。むろん私は飛行機のことなんか何も知らない。ところがアメリカでは余った武器を無責任に方々に売りつける傾向があるのです。これは当然なんです。もう時代おくれの武器でも、いろいろな軍需工場の関係でこれをどこかに売りつけるところがなければ転換できないアメリカ経済の事情がある。そこでずいぶん無責任な押売りをやっているわけですね。そういう点、日本の防衛庁では最近の軍事科学に対する知識が欠除しているんじゃないかと思うのです。それでいろいろなおかしなものを買ってきたり、作ったりしているんじゃないかと、こう私は考えるのですが、これはあり得ることなんです。そこで私聞きたいんです。私も知らないんですからね。一体今問題になっているF86Fというのは何機ありますか。はっきりした数字でなくてもいい。大体どのくらいあるのですか。
○加藤説明員 三十二年度末、来年三月末におきまして、二百五十八機の予定でございます。
○稻村委員 それはまだどんどん作る予定ですか。作っていますか。
○加藤説明員 これは三十五年の三月までに国産といたしまして三百機、そのほかにアメリカから供与を受けましたものが百七十機でございます。
○稻村委員 それでパイロットは一体どのくらいあるのですか。今あるのと三十五年までに予想でどれだけあるのですか。
○加藤説明員 操縦者は三十一年の十一月現在におきまして五十四名、学生が四十三名、合計九十七名でございます。三十二年度末になりますと、このうち学生が毎月数名ずつ出て参りますので、百一名の操縦者の保有可能数になります。年度末における在隊の学生数が六十五名でございます。三十三年になりますと、二百七名、学生数が八十名、三十四年度末になりますと、パイロットが三百三十八名、学生が九十二名、三十五年度末で四首八十七名のパイロット、学生八十三名というふうに計画は立てております。
○稻村委員 そこで飛行機の数にパイロットが相応しないんですよ。飛行機はどんどんできているのにパイロットは足りないのです。これはずっと続きます。それで一体F86Fはどれだけの性能を持っているのですか。時速どれだけですか。私は全然しろうとですから、笑われるようなことを聞くかもしれませんが、音速とどのような程度なんですか。
○加藤説明員 F86Fについての資料をただいま持ち合せておりませんが、F86D、これはオール・ウェザーでございます。F86Fをオール・ウェザーに改装したものがF86Dで両者の性能はあまり変りません。F86Dは最大速度が一時間につき千百八十キロメートル、音速で申しますと、温度と気象の条件で違うのでありますが、大体摂氏十五度におきまして千二百キロメートルであります。音速に近いけれども、ちょっと足りないという状態でございます。
○稻村委員 それは全く混迷した計画だと思うのですね。F86Fの。パイロットすらもなかなかできない。飛行機の機数に足りないのだ。それに何でまたF100とかF104なんというものを作る計画をやるのですか、やっているのですか、やろうとしているのですか、これはどうなんです。パイロットも何もないのに飛行機だけ作る計画を立てたってどうなります。私はパイロットを養成することに反対しません。パイロットは幾らでも作ったらいい。軍事的には必要なくなって、旅客機になるのだからパイロットを作っておくことはかまわない。パイロットもないのにまた別の飛行機を作る計画は必要ない。これはやっているのですか。
○加藤説明員 先ほども申し上げましたごとく、三十五年度末におきましては、今の計画通りにいきますると、パイロットの数が四百八十七名、学生が八十三名、これに対しまして、三十五年度末におきまする保有機数は三百五十六機でございます。
○稻村委員 そのときの飛行機の数はどのくらいですか。
○加藤説明員 四百八十七名のパイロットができて、学生数が八十三名のときに持っておると予想されます飛行機の数が三百五十六機でございます。計画通りに参りますると三十五年度末におきまして若干の不足を生ずる、三十六年度以降にはその不足が多くなります。これに新しい機種の飛行機を作って、訓練とマッチさせようという計画でございます。
○稻村委員 それで四百八十七人のパイロットができたときには三百五十六機の飛行機ができる。こういうわけですね。号てれなら話はわかるんです。そこでF100とかF104というのは今やる計画があるのですか、その点はっきりしていなかった。そういう計画はまだきまっていないのですか、それを聞かせてもらえばそれでいいのです。
○加藤説明員 これは先ほど大臣もおっしゃいましたごとく、F86Fの生産は三十五年三月で終ります。そしてその三十五年度末の保有機数が三百五十六機になります。それでF86Fの生産は終りますので、その後に新しい飛行機を作らなければならぬ。その新しい飛行機をどれにしようかということをただいま検討しておる最中でございます。
○相川委員長 午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 ————◇————— 午後一時四十四分開議
○相川委員長 休憩前に引き続き質疑を続行いたします。茜ケ久保君。
○茜ケ久保委員 次に、防衛庁長官に、先般の北海道方面訓練調査に関する件につきまして、二、三点お伺いしたいと思います。 質問に入る前に、防衛庁長官は、長官として二十万に余る自衛隊員を指揮統率されておるわけでありますが、具体的に自衛隊の訓練その他を遂行されるに当りまして、自衛隊員個々の基本的な人権に対して、どのような所信をもっていわゆる自衛隊員の基本的人権の尊重に当っておられるか、これをお伺いしたい。ということは、昔の軍隊というものは、御承知のように、非常に個人の人権を無視しておったわけであります。新しい自衛隊は、新憲法のもと、基本的人権が尊重されるようになっておりますが、訓練その他に当って、これが新憲法の精神を具体的に表明していかれる過程において、個々の問題で人権が無視されるようなことがあるのではないか。広島における死の行軍等は別といたしましても、日常の場合においてそういうことがあるのではないか。これに対して長官としてはどのような信念のもとにやっておられるか、お伺いしたいと思います。
○津島国務大臣 ただいまの御質問でございますが、二十余万人に及んでおります自衛隊員は、各部隊とも全部募集によってその隊を編成しておるわけでございます。そういった理由だけじゃありませんが、隊員の訓練に当ってはもちろん規律を厳正にするということは当然のことであります。しかし課程、訓練においては十分人権というものを尊重し、またそれに無理がいかないまうに十分の安息と申しますか、そういった時間を与えるように訓練並びに学科の課程を組んでおるわけであります。そういった点においては、私は、従来のこういったような部隊の訓練また課程の教養等においては、十分隊員の基本的の人権を尊重するということをかねがね念願し、またこのことは十分部隊の幹部は了承して日常の計画を進めておる、こういうようにいたしておると思っております。
○茜ケ久保委員 そのようにお考えであろうとは存じますけれども、私は具体的な事例によって長官のそういったものを御釈明願いたいと思います。先般北部方面総監部以下五つ六つの駐留部隊を調査して参りましたが、その中で私が非常に意外に感じ、さらに自衛隊員自身も非常な不安を感じ、またこれが不安解消について強い熱望を持っておりました点があるのです。その第一点は医官の問題でございます。私の調査しましたところによりますと、隊員の保健衛生状況につきまして、北部方面隊の実際について考えてみますと、非常に病人が多いようであります。病人が多いと申しますのは、例を申し上げますならば、昭和三十年度、三十一年度ともに北海道は全国平均をやや下回ってはおりますけれども、本年度においては全国的なインフルエンザ等の関係もありまして、非常に上昇しておる。北部方面隊の患者について見ますと、軽症者は毎月約七千名に達しておるのであります。入院患者は約六百名、入院の患者を主として収容している札幌地区病院では、三百床しかベッドがない。その他各部隊に休息所はございますが、これは非常に不完全であります。旧軍隊のいわゆる入室患者といったような程度でありますが、これらの病院設備が非常に不完全であるとともに、さらに驚いたことは、医官が非常に少いことであります。おそらくこれは私がここに御説明申し上げませんでも、防衛庁当局ではりっぱな統計があるのでありますから、御承知とは存じますが、かりにここに指摘して参りますならば、北部方面隊で申し上げますと、医官の定員が二百二十四名、現在員は三十二名であります。この充足率は一四%。その内訳を見ますと、直轄部隊が定員百十一名の中で現在員が二十一名、これは一九%。第二管区に至りましては、定員四十二名に対して現在員五名、これは一一%。第五管区におきましては、四十五名のところ現在五名であります。これは一一%であります。第七混成団に至っては全く論外でございまして、定員二十二名のところが現在一名の四・五%。これは普通医官です。歯科医につきましては、北部方面隊として定員が五十名のところ、現在十五名でありまして、これはやや三〇%に達しております。一々内訳は申しませんけれども、このように医官の数が非常に少いということは、私の調査によりますと、隊員が非常にこの点に対して不安を持っておる。といたしますと、せっかく防衛庁長官は個人の人権を尊重するとおっしゃいますけれども、具体的にこういった事例によりますと、私に言わせると、防衛庁としては重大な欠陥を持っておる。個人の人権の尊重が、この面から見ますと完全に無視をされておるといろ状態であります。これは今起ったことではなくて、防衛庁発足当時からの問題でございますが、とれに対して防衛庁長官はどのような見解をお持ちになり、さらにこれをどのようにして早急に解決される確信がおありになるか、この点を明確に御説明願いたいと思う。
○津島国務大臣 ただいまの御質問は、医官の充足状況が非常に悪いために、各駐屯地においても困惑しておる、こういうととは隊員の保健衛生の上において、非常に憂慮すべきことじゃないか、それについてどう対策をすべきかということについての御質問だったと思います。仰せの通りです。私も防衛庁に参りまして、特に隊員の保健衛生部面についてどういった状況であるかということを詳細に調べました。また特に各部隊に参りましても・部隊の幹部の話を聞きますと、どうも医官の充足が少くて、ただいま御指摘のような計数は、おそらく各地における実際の計数だと私は拝承するのでありますが、特に北海道においても各部隊で、どういった点が私には強調されたのでございます。従来といえどもこの問題は、防衛当局としては非常な重大な問題として施策されたのでありますが、今日までまだその実績が十分上ってないということは、まことに遺憾でございます。これには研究いたしますといろいろ事情がございまして、すでに医官として採用されました者が、諸種の事情によって辞職するというような者が相当あったために、現実に充足の度が少くなっておるものもあり、また新規募集というか、採用についても相当の困難があったようでございます。要点は、どうしてもああいう専門的の技術を持っておられる方は、将来のために非常な研究ということが何としても必要でもあり、またこれらの方々からいえば熱望するところでございます。地方部隊においてはそういう研究の組織がないわけであります。ただ単純に医療に従事するというようなことでは、とうてい技術の向上、将来に対する発展が期せられないものでございますから、現実に志望者が非常に少いわけでございます。それが大きな原因であったということを、われわれは承知しておるのでございます。それでこの問題は、当面は地方の病院あるいはまた地方の開業をされておる医師というものの協力によって、部隊の保健衛生の欠陥のないように努めておる次第でございますが、これは本筋ではございません。その意味において今後の対策は、あるいは医官に対しては、これは経済的の面でございますが、特殊の報酬と申しますか、給与の体系も別に考えざるを得ないであろう。また研究の機会を与える。従って医官として採用すべき方には、中央または地方にもございますが、中央病院というようなところで研究の機会を与える。現にそういうことをやろうということで、もう発足いたしております。また海外へ出張してその技術なり学識をさらに深めるということにも、従来以上の便宜を与えるというようなことも一つ必要でありましょう。それからまた中央等において、あるいは地方においても、そこに医科大学なりそういう設備、便宜のあるところでは、便宜通勤の余暇を与えて、見学とともに研究心をさらに一そう向上さす、こういういろいろな問題を一応検討いたしました結果をもちまして、その制度に一応切りかえる。そういう場合に、充足するまでに多少のギャップがあるわけであります。しかし長い目から見て、こういった制度の力によって将来充足するところの基礎ができる。こういうことで来年度の予算におきましても、私はいろいろ検討を加えた結果、こういうことにしようということで要求も出しておるわけです。こういった部面においてすぐ来年からどうということの効果は上げられないまでも、そういう制度の切りかえは、おそらく応募される医師の方々に、そこに大きな何と申しますか、吸引力ができるものと思っておる次第でございます。 なおそれでは現在の自衛隊員の健康状態はどうであるか、これも私は非常に検討を加えまして、過日も各医官、地方の者までも入れまして集めまして、保健衛生の関係の者と会議をした機会があったのでございますが、これは一般の国民、あるいはそういった労務に当っておる、非常に過激な仕事をされておる方というものをとりまして、自衛隊員のいわゆる健康状態と申しますか、それが特に悪いということはないという報告も承わったのであります。非常に各医官の努力に対しては私多としたのでありますが、仰せの点は非常に大事な点であります。自衛隊員のごときは健康が非常な宝でございますから、今後この施策に対して一つ十分に、今申し上げましたような点もその施策の一でございまするが、そういった方向に施策を進めたい、こう思っておる次第でございます。
○茜ケ久保委員 御答弁の要旨はわかりますが、たとえば給与の点につきましては、国家公務員の給与の法令がございましてそう簡単に解決できぬと思う。研究その他については、やろうという熱意があればできましょう。しかし私の調査によりましても、長官が今指摘されたように、一方において給与の面、片方において研究の面と二つある。研究の面においては自衛隊独自で特殊な方策をお講じになればできましょうが、肝心の給与の面はそう簡単にいくとは考えられませんが、給与に対して、来年度予算の上で具体的にどのようにお考えになっておるか、あるいは研究その他についてお考えになっておるか、これは経理局長から一つ具体的に来年度要求に対してお答え願いたい。そうでなければ、幾ら長官がここで概念的に、やりますとか、熱意を持っているとおっしゃっても、これは当然予算を伴う問題でありますから、とても納得できません。熱意は了承しますが、具体的に来年度予算にどのように今の長官の御答弁内容が盛られておるか、経理局長から御答弁願います。
○津島国務大臣 ちょっと私からも先に簡単に申し上げます。ただいまの給与という言葉は、あるいは俸給だけというような意味でなくて研究費でございます。この医師の方々は非常に研究の金か要る。今非常に少いようでございます。それを給与というか、研究費として与える。これは私は医師としての将来の向上のためにも非常に有利なものだという意味で、研究費を増額するように、これも非常にわずかなものが出ているらしいのですが、それを一つ増額せよ、こういうことを言うつもりだったわけでございますが、御了承願います。
○山本説明員 待遇改善の問題が今出たわけでございますが、これは今長官からお話がございましたように、俸給そのものの問題ももちろんございます。しかしそのほかにいろいろな研究費でございますとか、あるいは時間外にも、若干家族を診療するというようなケースも、へんぴな駐屯地においてはあるわけでありまして、そういったいろいろの部隊に特に配置されておるところの医官に対する給与というものについては、ひとり本俸そのものばかりではいけないのでありまして、そういうことを総合的に考えてあげなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。本俸につきましては、できるだけこういう特殊の業務に従事する人たちでありますから、なるべく多く手当などをつけるということが望ましいのでありまして、われわれとしましては、いわゆる医官手当といったようなものをつけたいという希望を持っておるわけであります。なお特別昇給というものもございまして、これなどは全体の数に対しまして五%なら五%というワクがあるわけでございますが、その五%のワク内におきまして、特別にこうした医官の人たちを優先的にできるだけ考えていくという方途も考えておるわけであります。あるいはまた、ただいまお話がございましたような研究費の面におきましても、来年度といたしましては、五百八十四万円ほどを要求いたしておるというようなわけでありまして、これなども実行といたしましては、なるべく多くわれわれといたしましてはできるだけ配慮していくのが望ましいと、かように考えている次第でございます。そのほか北海道のような非常な不便な駐屯地におきましては、駐屯地の付近に住んでおります家族の診療なともしなければならぬというようなこともございまして、これらに対しましても適当な報酬を共済組合その他の方法で考慮いたしまして給与をいたしたい、かように考えておる次第であります。
○茜ケ久保委員 端的にお伺いしますが、来年度昭和三十三年度で、この低い平均全国で二〇%内外の医官の充足をどのくらいなされる余裕があるか、これは私は全国の隊員が非常に心配していると思う。従ってただ単にここで御熱意を示しただけでは解決いたしません。今具体的にされました研究費その他いろいろな優遇措置を講じて、昭和三十三年度に大体何名ぐらいの医官を確実に補充できる用意があるかどうか、この点をお答え願いたい。
○津島国務大臣 ちょっと資料を持っておりませんで、来年度はこれだけ充実するというパーセンテージなり、人数は今はっきりと記憶いたしてはおりません。先ほど申し上げましたように、そういったような制度によって新しく採用し得る者を極力増加しよう、それからまたいろいろの制度の改革によって、従来やめるべき者を、これはとめることもできるだろうし、また中央で研究さすというその期間は、あるいは地方において実際の診療に当られないということもあると思いますが、制度全体にわたっていろいろ実行した結果、ここ二、三年後になればその時分には十分に医官の充実が——ちょっとその間のキャップがあるかもわかりませんが、ここ二、三年で十分満足した状態になり得る、こういう大きな目標を立てております。その中途の期間において何人であるかということは、ちょっと記憶しておりませんから、また政府委員なりまた事務担当の者からお答えすることにいたしたいと思います。
○茜ケ久保委員 時間もないようでありますから、長官のおっしゃる三年くらいで充足するという具体的な予算の措置なり、あるいはその方策について、来国会の召集までに一つ文書をもって報告されることを要望します。 次に、これは先々国会で辻委員から指摘された点でありますが、住宅問題であります。北海道に参りまして調査したところによりますと、いわゆる営外居住の住宅が非常に少い。しかもその少いのは私どもの立場から申しますと下級職員に極端に少い。幹部と申しますか、上級職員には、これも満足ではありませんけれども、やや充足の形が出ておりますが、下級職員、いわゆる陸曹と称せられる一番中心となって自衛隊で働いている諸君の住宅は非常に少い。これはまた医官の充足状況に比較してさらに悪いのであります。これを、くどくは申しませんが、一、二の数字を申し上げますと、北海道の方面隊で申しますと、入居資格者が三千七百四十八名、そのうち宿舎は千九百六十七戸、この充足率は五二%、陸曹の場合は入居資格者が二千七百八十三名の中で百三十五戸、この充足率は四・八%であります。私どもが調査しました部隊の内訳を見ますと、札幌地区の場合幹部の入居資格者が九百八十二名のところ宿舎が四百六十五戸であります。これは相当な数で四七%、陸曹の場合には五百七十一名に対して十六戸、この充足率はたった二・八%、これを各地区で調べて参りましたが、これは省略いたしますけれども、大体今申し上げた数と大差ありません。そうなりますと、昔の将校という階級に類する幹部職員は五〇%ないし五二、三%ということでありますが、一番苦労して一番隊の中心になって働く陸曹と称される下級職員には、今申しますように、ひどいところは二・何%という充足率であります。従ってこの人たちが多く自費によって営外に住居を求めて、非常に高い家賃に苦しんでいる。これは私は全部には会いませんが、何人かの諸君に会って聞きますと、その苦痛を訴える度が非常に強いのであります。そのことは逆に現在の自衛隊の運営方針に対する最高幹部への不信ともなって現われてくる。自衛隊をやめれば今さしあたってほかに仕事もない。食うにも困るからがまんしておるけれども、こういった状態ではとてもやっていけないという声が強い。私は当然だと思う。これも私は先ほど言ったように、あなたは基本的人権を無視しないとおっしゃるけれども、この事実は明らかに隊員の基本的人権を無視した姿だと思う。しかもこれは前々国会において辻君が指摘したように当時から続いておる。何ら改善の実績が見られない。これに対して長官は、おそらく私ども参ります前に北海道方面を調査されておると思うからおわかりと思うが、この具体的な解決をする方策を持っておられるかどうか、これでいいのか。悪ければどのように具体的に解決される用意があるか、承わりたい。
○津島国務大臣 非常にごもっともな御所見だと拝聴したのであります。今のお話は宿舎の方でございましたが、私も各地方の部隊を見て参りました。北海道にも参りました。いわゆる宿舎の欠乏ということについての皆さんからの希望が出まして、ああいう気候のところでございますから、非常に設備も大事であり、また借りる場合に非常に高いということで困苦しておるように見たのでございます。それでだんだんと充足の傾向にはなっておりまして、来年度の予算で宿舎の建築五、六千のものを立てておるわけでございます。何分全体としては予算の制約がございまして、まず営舎と申しますか、隊舎を一応整えていこうという方針で宿舎の方がおくれておるわけでございます。今お話のありました陸曹——これは海、空についても同様でございまして、陸曹は大体建前は営内居住という建前になっておるわけであります。それでありますからまず営内に居住される場合は今のような問題はないと思いますが、だんだん家族を持ち、営内居住ということもできない場合の宿舎の問題でございまして、今日の状態においてはまことにそれが十分であるどころでなく相当欠乏を見、従って仮屋に住まうということで、充足ができないことをまことに残念に思っております。これは年々全体の予算を見まして、ある地域においては特にそういった宿舎の設営を増加して参っております。来年度においてもそういった点を考慮いたしておりますが、何分にも建前が陸曹の方々は、非常に家計の上においてもお気の毒だと思いますが、営内居住を建前とし、海曹、空曹においても同様にそういう隊内生活をするという建前になっておるものですから、今日まで自然それがおくれて参っておると思うのでございます。この問題は御説のように予算、財政全体とも関連がある問題で、極力そういったことを早く処理するように努めたいと思いますが、一挙に全体の解決ということは予算全体から見ましてそう十分なことはできないことは非常に遺憾なことでございますが、御説の趣旨に従ってさらに一そう努力したいと思っております。
○茜ケ久保委員 人事局長、来年度予算においてこういう問題が具体的に解決できる数字がありましたらお示し願いたい。
○津島国務大臣 先ほどの問題もありましたから、あわせて次の機会に申し上げます。
○茜ケ久保委員 最後に隊舎をずっと拝見してみたのでありますが、新しい鉄筋の隊舎もだいぶできて参りました。その中をずっと調査しますと、非常に窮屈な建て方で、今あなたがおっしゃるように隊内居住を原則とした一般の陸士と申しますか、陸曹も含めて、昔の軍隊と違って酒保に匹敵するPXといったものはありますけれども、ほんの小さいものでありまして、ほとんどが隊舎を利用しておるのでありますが、この隊舎の中はまことに狭くて手紙を書くための机もない。従って隊員が隊務を終ったあとに休息するPXはありますけれども、今申しますように、ごく小さいものでありまして、千数百人から二千人収容しておる隊では、皆が一時に休息することはできない。従って大部分の者は自分の隊内で休息するのでありますが、休息する場所もない。まことに窮屈千万であります。これも私に言わせると、あまりにも隊員のいわゆる個人の生活をじゅうりんしたような感が多分にあるのでありますが、あなたもごらんになってあれでいいとはお考えにならぬと思う。聞きますと、何か隊舎の一人当りの坪数の関係もあるそうでありますけれども、それはあっても改正のできないものではございませんから、当然改正をして、ある程度隊員が隊内において、いわゆる人間的な余裕のある居住ができるように努力してほしいと思う。もちろん欲を言えばきりがありませんが、隊員の希望としては、せめて居住舎内に机なりいすがあって故郷へのたよりくらいは安んじて書ける程度のものをほしいと言っておる。これは当然であります。そういった点に対しまして、現在の規制された隊舎の規模等について改正する意思を持っていらっしゃるかどうか。それに対して大蔵当局に対しまして財政的な裏づけを強力に要請される用意があるかどうか。
○津島国務大臣 まことにごもっともな御意見でございまして、隊員の隊舎内における生活環境を改善していくことは必要なことだと思います。それである部隊においては、新しい隊舎ができましてその環境を改善するのみならず、寝室における設備も整い、あるいは机、いすを置き十分休養をとり、そこで勉強もできるようなものがちゃんと整ったものもございます。そうかといって一方では非常な古い隊舎の中で二重にベッドを作って、いすもなければ手紙を書くこともできないというところもあるようであります。これは全体の隊舎の改築というか、設営をするのには、全区にわたってのことでありますから、予算の関係で十分全部を整えてやることはできないわけであります。そこで逐次計画的に次はどこ、次はどこということで今やりまして、逐次改善の歩を進めているというのが現状でございます。ただしお説の通り、これはわれわれだけのことではなくて、自衛隊を見にこられる方々が、昨年のごときは百万もあるわけでございます。そういった方々がごらんになっても、非常にこれはお気の毒だという感想を漏らされ、また私どもも出まして、これは何とか一般隊員の環境改善をやろうという決心をしているわけであります。御承知のように、操縦士関係、航空関係は今年度の中の予算を繰りかえまして、生活環境、寝室の状況の改善を加えました。しかし一般部隊に対しては、年々幾らかの金はありますが、三十三年度は現年度の倍額の要求をいたしております。これがどのように最終決定になるか、八億数千万円を実はこのために使って、そういった不合理というか、ちぐはぐを是正したい、こういうような考えでございます。どうぞこれにて御了承願います。
○茜ケ久保委員 私が今御質問しましたのは、これは御承知のように、われわれは自衛隊の存在を是認しておりませんけれども、現在ありまする二十数万の隊員は、日本人として基本的な人権を尊重していただかぬことには、これは問題であります。従いまして、移管の問題、住宅の問題、あるいは隊舎の問題、これは現在あなた方がお作りになっていらっしゃる以上は、あくまでも隊員のそういった面を重視して、今後ともできるだけの努力を払って、この問題を処理していただくように強く要望して、私の質問を終ります。
○淡谷委員 お急ぎのようですから簡単に質問しますが、そのかわり大臣もはっきり御答弁を願いたいと思います。 さっきからいろいろ各委員の質問にお答えになりました点で、米国の地上軍のみならず、空軍もあるいは海軍も、自衛隊の増強に比例して逐次撤退するのだというお話がございましたが、そうなりますと、自衛隊が増強される内容、性格、装備等が、従来日本に駐留しておりました米国の地上軍あるいは海軍、空軍と同じ量に達しなければ、撤退はできないというのでございましょうか。その点を明らかにしていただきたいと思います。
○津島国務大臣 それは一般の情勢判断でございまして、ただ現在おる米駐留軍と同じ装備、同じ人数ができた時分に初めて引くのだ、こういうように機械的に考えるわけにいかないだろうと思います。この共同防衛の関係上、あるいは今日の速度の関係その他から申しまして、万一のことがあった場合に、共同防衛に支障がないようにというような見地も考慮しまして、これならばということをわれわれも考え、また駐留軍側も考えたときにそういうことが行われるのだと思います。そういった具体的の問題は、そのときの事情、そのときの情勢と見合うということも考慮に入れて、増強の度合とはかって適当にこれが処理される、こういうように考える次第でございます。
○淡谷委員 長官の御答弁にあります共同防衛の点で、私は大へんな不安を感ずるのであります。さっきから、日本のこれからの自衛隊の装備につきましても、人工衛星、ミサイル等の取り入れから、他の国の軍隊と比較していろいろ御答弁なすっておりますが、日本の自衛隊と他の国の軍際というものは、基本的な性格において画然と変っておるべきものだと思います。それを共同防衛という名前で同じ性格を持ったものにしなければならぬといったような構想が、あなたの御答弁の中からうかがわれるのでありますが、そうしましたならば、日本の自衛隊というものは基本的に性格を一新しなければ、これ以上の発展は望まれないことは明らかであります。これはたびたび論議が重ねられておりますが、日本の憲法上非常にゆゆしき問題でございますから、やはり他国の軍隊並みに日本の自衛隊も近代装備をし、他国の軍隊並みにこれを持たなければ用をなさぬという長官のお考えであるかどうか、その点をはっきり御答弁を願います。
○津島国務大臣 先ほど申し上げた点についてあるいは十分でなかった点があるかと思いますが、日本の防衛体制は自衛権の発動として自分を守るということを主体として、それならば現実の防衛力がどれだけ要るかということでやっている次第であります。でありまするから、先ほどほかの国と同じだと言った意味は、その基本観念は大いに違うのでございます。単純に自衛権だけでというような意味を考えてない国もあるかもわかりません。わが国は全然そうじゃございません。そこでその比較を言ったのは、いわゆる通常兵器による装備を持った防衛力も非常に多い現状である。それが役立たないということはないんだろうということを申し上げたのでございまして、何も外国と同じレベルに日本の防衛というか、整備の目標を置く趣旨ではございません。ですからそこはあるいは私の言ったことが足りなかった点であると思いますが、日本は独自の見地からこの程度の防衛力を持って、そうして直接侵略その他に対処するという計画で、必要な程度のものを整備しよう、こういう考え方でございます。
○淡谷委員 自衛権の発動による国の防衛、それから一般的な国の防衛という考え、この基本的な区別はどこに求められるか、つまり日本の軍隊を持つことを禁止されておる憲法下における自衛隊と、一般の軍隊との相違点は、これまで数次論議されましたけれども明らかでない。呼称等におきましても、たとえば陸佐、空佐、海佐という言葉の通り、中に軍という言葉を入れますと、これは陸軍大佐か、海軍大佐か、空軍大佐かになる。軍隊を何か陰に隠しておいたような構想が日本の自衛隊にもひそんでおるかのごとき疑念をしばしば他国に対しても与えておるようでありますが、そこで長官がおいでですから一言だけ私はっきりお答えを願いたいのでありますが、軍隊としての装備、軍隊としての性格を禁止されておる国の自衛力というものと、禁止されていない国の防衛力、この基本的な区別が一体あるのかないのか、限界がはっきりしているかいないのか、これを一つごまかしなくお答え願いたい。もしそのためにどうも日本の憲法は不自由だというお話であれば、これはまた御答弁の通り承りますし、日本の憲法下においてこの自衛隊の性格はこれ以上変えないというのであれば、それでもよろしいし、いずれともはっきり御答弁を願っておきませんと、この次の国会におけるわれわれの論議の方向もきまらないのでございますから、その点長官からはっきりした御答弁を願っておきたいと思います。
○津島国務大臣 現在の自衛隊は、自衛隊法の規定するところに従って編成され、またその任務もはっきりいたしておるわけであります。自衛隊は防御的のものでございまして、外部からの直接または間接の侵略に対して日本を防衛していこう、こういう建前でございまして、憲法の条章と何らそごすることなく、またこれによって自衛隊の組織というものがその範囲内においてできておる、こういう次第でございまして、あるいはほかの国のいわゆる軍隊、そういったものの考え方と、基本の観念において違うところがあるだろうということは、そういったところからきている次第でございまして、その制約というものが自衛隊法にも書いてあるわけでございます。そういう意味においての自衛隊をわれわれは今日育成しつつある、こういう状態でございます。
○茜ケ久保委員 法務大臣に二、三の点についてお伺いいたします。 第一点については、実は当面の責任者である検事総長の出席を求めてその御意見を聞きたかったのでありますが、所用のため出席されませんので、法務大臣にお尋ねいたしたいと思います。 先般相馬ケ原事件でジラードの公判がございまして、国民の非常な期待を裏切るというか、国民に非常な不信を与えるような判決が下ったわけでございます。判決の内容については私ども別にとやかく申しませんけれども、まあ判決は判決として、これは当然検事控訴があるであろうという国民のいわゆる期待——これは全く期待ですが、これまた裏切って、検察庁は事件の最後の控訴期日である今月の三日についに控訴しないことに決定をされたのでありますが、今申しましたように、国民の多く、また私ども当事者として、ジラードに何も非常に重い刑を科することを希望はいたしませんにいたしましても、日本人が基地内であったといえども、白昼公然と同胞の前で明らかに射殺されたという事態を目にして、あの判決はあまりにも軽過ぎる、これは日本人をあまりにも無視したことだという声がちまたにあふれていることも法務大臣御承知と思う。こういった中で、いかなる理由で控訴されなかったのか、国民は今もってこの点に対して非常な不満と不信を持っておる次第であります。どうか簡明率直に、しかも国民に納得のいける控訴されなかった理由についての御解明をお願いしたいと思うのであります。
○唐澤国務大臣 ジラード裁判についてのお尋ねでございますが、あの判決につきましては、ただいまお話のありましたように、世上課刑が軽過ぎはしないか、ことに執行猶予を付した点において特に軽過ぎはせぬかという声のあることは仰せの通りでございます。もっともその間あの程度の判決が適当であるという声もございます。ともかくこの判決は世上いろいろ批判をされておるのでございます。これに対して、検察当局はどういうふうに考えて検事控訴を差し控えたかというお尋ねでございますが、この事件は、御承知のように、当初日米間の裁判の管轄権についての争いがございました。検察当局といたしましては、この行為は公務執行中の作為とは認められない、従ってわが国に裁判権ありという立場をとって参ったのでございますが、この裁判におきまして弁護の側の主張するところは、これは公務執行中の作為であるから日本には裁判権がないという主張をとっておったのでございます。検察当局といたしましては、裁判権あるのみならず、あの行為は傷害をする意思を持っておるからして傷害罪である、しかもその結果において死をいたしたからして傷害致死罪であるとしてこれを起訴いたしたのでございますが、弁護側の主張するところは、かりに日本に裁判権ありといたしましても、あれは公務執行中の作為であるからして、正当の業務に属する、従ってわが国の刑法に照らして処断いたしましても、これは刑法第三十五条でございますか、これこれの正当の業務に属する行為であるからして違法性を阻却する、従って全く罪を形成せぬ、無罪とすべきであるという主張であったのでございます。その間に立って裁判所はあの判決を下したわけでございますが、あの判決と検察当局との主張を比較いたしてみますると、まず事実の認定におきましては大体検察当局の主張を承認をいたしておるのでございます。裁判の管轄権があることはこれはもちろん当然認めておるのでございますが、さらに進んで公務執行中の作為とは認めがたいからして、従って正当の業務とは言えない、しかもあの間殺害する意思はなかったのであるけれども、傷害する意思はあったと認めなければならないということで、傷害致死という事実を認定いたしたのでございます。なお、付属の一、二点につきましては、事実の認定について検察当局の主張と判決との間に多少の開きはございますが、大体事実の認定につきましては、裁判所は検察当局の主張を認められているようでございます。ただ、そういう認識の上に立って下した判決が軽いのではないかという御批判でございますが、なるほど検察当局から見ましても、この課刑は軽きに失しはしないかという考えを持っておるのでございます。しからば、何ゆえに検事控訴をして二審で争われなかったかという御疑問だろうと思うのでございますが、検察当局におきましては、慎重にこれを考慮いたしました結果、まず判決の基本である事実の認定については検察当局の主張を認めている、ただ課刑の点においてやや軽きに失している、しかしながら従来の傷害致死で起訴せられました事案を見ましても、執行猶予の判決を受けた者がそうまれではないのでございまして、世上あるいは日本人ならば実刑を課せられる、米兵であるために免れたというようなふうの批評をする人もあるのでございますが、日本人の場合におきましても、傷害致死罪で起訴せられて、結局起訴猶予になった者がそう少くはないのでございます。相当数ございます。しかし、この場合検察当局としてはやはりあの判決は刑がやや軽きに失しているという考えは持っております。しからば、これを控訴をして二審で争うかどうかということでございますが、どこまでも検察当局の考えを主張いたしまして、そうして二審でどういう判決が下るかは別として、どこまでも控訴をしていくという考え方も一つでございます。しかしながら、果して検察当局の考えに基いてこれを控訴しまして、検察当局の希望するような結果を得られるかどうかということを考えてみましたときに、検察当局としては、どうも一審ですでにあれだけの判決が下っておるから、二審でわれわれの希望するような結果を得られるかどうかということについて確信を持つことはできないのでございます。かれこれ考えまして、今われわれの期待するような判決を得られるという確信がないのに、さらに多少倉見が違うからというて、検事控訴をしていくということは、その間だけこの事案を未確定の状態に置く、これは妥当ではなかろう、こういう考えに達しまして、慎重研究の結果、検事側の控訴はとりやめる、こういうふうに決した次第でございます。 ありていに申しまして、経過は以上のようでございますから、どうぞ御了承を願いたいと思います。
○茜ケ久保委員 法務委員会でありませんので、個々の内容についての論議は避けますけれども、私裁判を終始傍聴しておりまして、検事の論告文もここにございますが、検事側の論告等もやや適正なものであるし、特に傷害致死——私どもは殺人と断定したのでございますが、検事側は傷害致死とされました。この点につきましては、一応百歩を譲って了承いたしましても、明らかにジラードは坂井なかさんをねらい撃ちをしたという強い主張を検事側はされておる。ところが判決の前文をずっと聞いておりましたし、さらにここに原文もございますが、これを見ますと、今法務大臣のおっしゃるように前文にはほとんど検事側の主張を全面的に入れたような判定を下しておきながら、肝心なねらい撃ちをしたという点でこれは大きな違いがあるわけです。裁判長はねらい撃ちではないという判定を下しておる。私はここが一番大きな論点だろうと思う。さらにいろいろありますけれども、一番大事な点は、検事側のねらい撃ちをしておるという、証拠をそろえての断定と、裁判所側の、結果としては死んだけれども、これは殺人でもなければ全然ねらい撃ちをしたのでもないという判定、しかも私どもが非常にふに落ちないのはこれは射殺であるということを主張した根拠として坂井なかさんの撃たれた場所とジラードの撃った場所の距離について私が一番最初に行って調査したときに、約七、八メートルの距離を認定した。その後裁判の続行のいろいろな過程を通じてジラード自身は二十数メートルと主張し、証人の小野関英治君は七、八メートル、ニクル証人は十六メートルという主張をして、これは距離が非常に問題になったのでありますが、裁判所はこれに対して十メートル内外という、一番近い距離に合せた判定をされた。しかも現地検証の結果はジラードが腰に当てて空に向って撃ったというのに対して、ニクル証人の証言は明らかにねらい撃ちをしたという証言をしておる。そのことから考えまして、ねらい撃ちをしたということが明らかに判明しておりながら、判定の結果を見ると、ねらい撃ちでないことになっている。そこに執行猶予のあと私どもに言わせると、非常にこじつけた情状酌量があったと思うのであります。特にその点を一つ例をあげますと、調達庁長官もおられますが、裁判所が補償の問題を特に大きく主張しておる。従って被害者の豪族がこれを受けるならば、アメリカ側は相当多額に達する補償を用意しているということまで言っておられる。私の調査したところによると、今六十何万という補償は、特に坂井なかさんの死に対して裁判所が相当額のというような表現をする額では決してないと私は思う。これはいわゆる行政協定十八条による補償の限界にしか過ぎません。従ってそういうことまで言って執行猶予にしなければならぬ理由はなかったと思うのでありますが、執行猶予の有無の論でなくて、ねらい撃ちをしたという検事側の主張に対して、ねらい撃ちでないという判定、さらに私が不可解に思うのは、前橋検察庁の検事正も、さらに次席の杉本検事等も裁判の続行中において、公式声明ではございませんけれども、われわれは絶対に実刑を確信している、従ってもし万一執行猶予となるならば、猶予することなく控訴すべきであるということを言っておられた。これは私自身だけでなく新聞記者その他の諸君も常に聞いておった。ところが私は偶然杉本次席検事が判決があった翌々日に法務省あるいは最高検察庁に参るときに一緒になったのでありますが、杉本検事も言外にこの打ち合せのことを言っておられた。従ってそういった点をあげ、さらにくどく申しませんけれども、あなた方の控訴をしないという認定が、それほどはっきりした線が出たならば、私は今月三日の最後のぎりぎりまで持っていかぬでも、もっと早くこれは出せたと思う。それをぎりぎりの、しかも最後の日まで持ち越したところに国民にとっては政治的な圧力のあったにおいを感じる。これは私はどういう理由があったにしろ、やむを得ないと思う。私もそう思う。今法務大臣のおっしゃったように、それほど簡単にこの結論が出るものならば、私はあんなに長く置かぬでも——二週間という長い期間を置かぬでも、一週間なり十日の間に決定をして控訴しないということを表明すればよかったと思う。なぜに最後のぎりぎりの三日までお延ばしになったか、もしそれほど長い間検討しなければならぬほど、この判決とあなた方の主張されたいわゆる傷害致死による五年の求刑の中に、法律的な疑問があったならば、私はむしろ控訴する方をとるべきではないかと思います。そういった点について、やはり私どもは先ほどから言うように、今の法務大臣の御答弁では納得のいかぬ部分があるのでございますが、これ以上の御釈明はできぬものでございましょうか。
○唐澤国務大臣 一々ごもっともな御疑問と思うのでございます。あまりくどくは申しませんけれども、この問題につきましては先ほどお答えいたしました通り、検察当局としては、この判決は少し軽きに失しているという感じを持っておりますから、どこまでもこれを争っていきたいという考えも成り立つわけでございます。それと同時に、しかしこれを争って果して第二審で自分たちの希望しているような結果を持ち来たし得るかどうかということを考えてみますと、どうもその確信が持てないということでいろいろ考えて参ったわけでございます。最終のぎりぎりまで決定し得なかったではないかというお話でございますが、これは世上注目の的となっている事件でもございますし、またこれは控訴すべきものであるとか、すべからざるものであるというほど、そうはっきりはいたしておりません。さればこそ、検察当局におきましても、最後までこれを慎重に研究いたした次第でございまして、研究に研究を重ねました結果、やはりこの際は控訴を差し控えた方がよろしいという結論に達したのでございまして、最後の日まで研究を続けたというふうに御了承願いたいのでございます。これが最後の日まで続いたということで、何か外部から圧迫でもあったような御疑念もおありかと思いますが、さようなことは絶対にございません。私の関する限りさような外部からの発言は何も受けておりません。これは一つ御了承願いたいと思うのでございます。
○茜ケ久保委員 検察当局でいろいろと御検討になっている過程において、アメリカ側がたとえば巣鴨におけるB、C戦犯を釈放するといったようなことを発表してみたり、またこれは裁判の途中でございましたが、アメリカの下院に、ある議員が一万五千ドルの見舞金をやる法律案を出してみたり、アメリカ側で非常にいろいろなゼスチュアと思えることが多々あると思うのであります。国民に対してもこの裁判をこのままで打ち切れば、アメリカもそれに対してこういったようなことをという、私どもに言わせれば、どうしてもすなおに受け取れぬ点が多々あったわけであります。そういったことが表面に出た一、二でありますけれども、そういうことがありますと、私は何か今法務大臣の言葉をそのまままともに受け取りたいとは思いますけれども、やはりまだまだ尾をひいて——たとえば、先般北海道から帰る途中に偶然乗り合せた一職人でありますが、熊谷でおりましたから私どもは全然知らぬ人であります。聞いておりますと、幾らか酒が入っておりましたが、こういうことを言っておりました。アメリカ兵は日本人を殺しても無罪同様の執行猶予であるが、おれがアメリカ兵を殺したらどうなるのか。またその人が言うには、幾ら酒を飲んでおったにしろ日本人を殺して起訴もされない。もっと激しい言葉で言っておりましたが、そういったことを言っておりましたら、その周囲におる乗客ががぜん活発になって、この問題について論議を始めましたが、ほとんど全員がやはり非常な不満を持っておる。決して故意に反米的な感情を露出したとは思いませんけれども、日本人として素朴な感情から多分にきている、私のところにもたくさん投書も来ておりますし、何か河内裁判長にも相当ひどい投書もいっておるようでありますが、それはそれとして、問題はすでに終ったのでありますからとやかく言うわけではありませんけれども、やはり、法務当局としてはこの問題に対して、また何らかの機会に国民のそういった感情が払拭できるような具体的な何らかの処置をぜひお願いしたい。これはもう済んだことでありますから、これ以上何も申し上げませんけれども、そういったことをいたしませんと、むしろ裁判権が日本にきたことは、裏から見ますと不幸な事態を招来することも考えられる。たとえばあまり刑が軽いので——一時アメリカであれほど騒いだのは、日本で裁判されたらジラードが死刑にされるか、非常に重い刑に処せられてどうにもならぬ状態がくるのではないかという危惧があったのではないか。幸いにわれわれの主張が入れられて日本で裁判はしたけれども、結果的には非常に軽く、しかも彼は奥さんを連れてアメリカに帰った。日本内地におれば執行猶予という一つの制約がありますけれども、アメリカに帰ればそんなことは何も問題ないということになりますと、無罪も同様だ。そうなりますとまだアメリカ軍は日本に相当残っておりますから、彼らに逆の効果を与える。最初はこれはうっかりすると日本で裁判されるという一つの危惧を持ったけれども、裁判してもらったらまるで軽い裁判で、これではわれわれ何も痛痒を感じないということになりますと、かえって逆効果で、いよいよ彼らは自信を持って日本人に乱暴する結果にならぬとも限らぬと思う。この点は法務大臣非常に重要だと思う。従ってそうなりますと、日本の裁判は具体的に裁判はしたけれども、結果的にはみずから裁判権を放棄したと同じ結果を招いたといっても過言ではなかろうと思う。なおかえって悪い結果を招いたということが考え得られますが、この点に対して今後そういうことのないように、よほど注意していただかぬと、私が今申し上げた心配が出てくると思う。この辺に対する大臣の御所見を承わって、この御質問は打ち切ります。
○唐澤国務大臣 このたびのジラード裁判の判決があまりに軽いというので、今日駐留しておる米兵が誤まって将来何をやってもこわくはないというような感じを持って犯罪を犯すようになっては大へんだという御注意であります。いかにもごもっともだと存じます。将来のことにつきましては十分善処していきたいと考えております。
○茜ケ久保委員 次にこれは十月八日の当委員会において竹内刑事局長にお尋ねした件に関して、法務大臣の御所見をお聞きしたいと思いますが、東富士演習場における根上きぬえさんの傷害事件でございますが、これはおそらく法務大臣は報告を受けていらっしゃると思う。私どもは竹内局長に調査した結果を申し上げて、あれは公務外の事件であるし、生命こそ落してないけれども、坂井なかさんと同じ性質の事案であるので、これは当然日本側が裁判すべき事件であったと思うし、またそうあるべきであったのだか、遺憾ながら当時起訴もしてないし、アメリカ軍が一方的に無罪を宣告して事件をうやむやのうちに葬り去った、これはもう一ぺん政府は犯人を日本に召還して、あらためて起訴し、これを日本において裁判すべきものと思うが、一つ政府の見解をまとめて、次の機会に答弁してもらいたいという要望をしておいたのであります。この点に関しまして、その後の経過と法務省当局の御処置をお伺いしたいと思います。
○唐澤国務大臣 前回の委員会におきまして、茜ケ久保さんから東富士演習場の事件につきまして御批判があり、また御要求があったことはよく承わっております。これにつきまして法務省といたしましても十分調査をいたしました。しかしやはり前回刑事局長からお答え申し上げてあります通り、この事件につきましてはすでに検察当局から起訴猶予の処分をいたしまして、そしてその処分を米軍当局に通達いたしております。そうなりますと行政協定の解釈から、日本には裁判権がなくなるのでございまして、現に被疑者はアメリカへ今帰っておるわけでございます。再びこれを日本へ呼び戻して、そうして捜査をやり直してはどうかという御要求であったと承わっておりますが、以上のような事情でございまして、日本にはもうすでに裁判権がない、かような事態になっておりますから、今日それをやろうとしても事実上できないような建前になっております。しかしこの事案は処理の経過におきましていろいろと御批判があった通りでございますから、将来におきましては十分慎重に考慮して批判を受けないような処置をいたしたいと考えておりますが、すでに起訴猶予の通告をいたしまして、その結果裁判権を持っておりませんから、どうも御要求の通りにはいたしかねるのでございます。
○茜ケ久保委員 起訴猶予とおっしゃるのですが、この事件は私どもが関知した限りにおいてはそういった手続がなされてなかったはずでございます。全然日本の警察当局はこれに手を触れてない、捜査もしてないというのが実情であって、今法務大臣のおっしゃるように、調べて、そして事件を起訴猶予処分にしたということは私ども全然関知しないのであります。それはちょっとまた新しい事実でありますが、刑事局長その点のいきさつを御説明願いたい。
○竹内説明員 十月八日の当委員会で、私もその経過の中でその趣旨は御説明をいたしたつもりでございます。本件が中央の問題になりまして、いよいよ被疑者の引き渡しを求めて現地静岡地方検察庁から現地米軍当局にその旨の申し入れをいたしましたときには、すでに被疑者はアメリカに帰っておったのでございます。しかしながら日本側の関係者の中で日本側で尽すべき捜査をいたしておりますので、さらにまた日本側の関係からして、果してトルジェク——被疑者の名前はトルジェクでございますが、このトルジェクの行為が公務の遂行中になされたものであるか、あるいはジラード事件と同じように、そうではなくして全く公務を離れた行為であるかというような点等も、若干現地両当局の交渉の過程におきましては疑問があったようでございますけれども、何と申しましてもジラードと同じように、から薬莢を撃ったのでございまして、そのような行為が公務であろうはずがないという観点に立ちまして、検察当局はこれは公務中の行為ではないという判断をいたしまして、わが方に裁判権はあるという観点のもとに正式に米軍当局に手続をいたしまして引き渡しを求めたのでございますが、すでに帰っておりますし、なお調査してみますれば、この前も申し上げましたように、米軍ではこのトルジェクを裁判しておるという事実も明らかになって参ったのでございます。そこでこの前三つか四つ起訴猶予になりました理由をここであげましたが、あのような理由によりまして起訴猶予処分にいたしたのでございます。
○茜ケ久保委員 起訴猶予処分を決定された日時はいつでございますか。
○竹内説明員 本年の五月十八日起訴猶予の処分にいたしております。
○茜ケ久保委員 アメリカが無罪の判決をしたのはいつですか。
○竹内説明員 昭和三十一年十月二十六日、中富士キャンプで開廷されました米軍特別軍事裁判所におきまして同日無罪の判決を言い渡しております。
○茜ケ久保委員 私どもに言わせますと、先般来申し上げたように、この事案はまことに遺憾な事態でありまして、今法務大臣もおっしゃられるように、起訴猶予処分をして裁判権がもうないとおっしゃるのでございますが、私どももこれを関知しておったのでございまするけれども、これなども私などはまことに、何といいますか、日本の立場を日本自体が無視した結果を招来しておるものでありまして、実を申しますと、もう少しこれは問題にしたいところでございますけれども、ジラード事件もああいうふうに解決しましたし、今後こういったことのないようによほど検察庁当局の一つ、何と申しますか、厳然たる態度を要望したいと思うのであります。だんだん駐留軍も帰りますけれども、まだ十万近い軍隊も残っておりますし、相当期間まだ残る実態もありますので、今後とも一つこういった案件の処理に対しましては早急に、しかも的確な御処置を強く要望しまして、一応法務省に対する質問を終ります。 次に調達庁に伺いますが、根上きぬえさんの補償について先般勝間田委員からいろいろ申し上げたのでありますが、その後何かこの件に関して具体的な進展の事情がありますかどうか。さらに私が先般参りまして調査したところによりますと、地元の国立病院の診断によれば、あと三カ月ぐらいの療養期間が必要であって、それに対する相当の経費も要るかに聞いておるのでありますが、その間の事情と、その後のこれに対する当局の状態をお聞かせ願いたいと思います。
○上村説明員 根上きぬえさんに対する補償は仰せの通り、入院先の病院、あるいは特に国立病院の診断書、その他御殿場市役所の所得金額の証明書等を集めまして詳細に検討いたしまして、かつ補償金の支給基準に従ってはおりまするが、できるだけ被害者の方に有利に査定いたしたつもりでございます。金額といたしましては前回よりもやや増しておると思うのでございますが、合計七万九千六百十七円ということでお受け取りをいただきたいということをお願い申し上げておる次第でございます。
○茜ケ久保委員 今申し上げた地元の国立病院の診断の結果、三カ月ぐらいはどうしても療養を要するという決定が出たようでありますが、それに対する具体的な書類による申請はまだ出ておりませんか。
○上村説明員 お話の三カ月間療養を要すという診断が出ているようでございまして、この問題につきましてはまたもう一度検討をいたしたいと思います。
○茜ケ久保委員 私もきょうそれに対する資料を持っておりませんので、出したのでしたら至急御検討願って、今法務当局にもあれいたしましたが、あまりこれ以上申しませんから、その結果御決定なすってできるだけのことをぜひ一つやっていただきたいと思います。 さらにもう一点、坂井なかさんの件ですが、ただいまの六十三万幾らの御決定をいただいているのですが、まあ遺族も金額の多少にはあまり重さを置いておりませんけれども、ああいう経過をたどってきまして、やはりあのままではなかなか容易でないようであります。と同時に、これは小瀧長官、今井長官時代に私どもの方からも強い要望をしておったのでありますが、行政協定による補償は補償として、ああいう事案であるからこれはアメリカ当局が当然その誠意を示して、見舞金と申しますか弔慰金と申しますか、そういった形、いわゆる久保山方式による補償が当然要望されるのだが、これに対して政府は誠意を持ってアメリカ当局に折衝すべきであるという要望に対して、小瀧、今井両長官は、もっともであるから政府としてはその趣旨に従ってアメリカと折衝を重ねるという言明をせられておるのでありますが、その点に対して果してそのような折衝がなされたことがあるかどうか、またなされたならどういう結果が出ておるか。さらに先ほど触れましたアメリカ下院における一万五千ドルという見舞金云々の事柄がそういうことと関連しておるのかどうか、こういう点について上村長官おわかりになっていることだけを御説明願いたいと思います。
○上村説明員 私どもといたしましては、小瀧前長官の答弁がありました趣旨に沿いまして米国側と折衝をいたしておるのでございます。しかしこの件は一応裁判になりまして法律上の問題になりましたので、アメリカといたしましては今正式に持ち上るものは、十八条関係による金額を持ち上るということだけでございまして、その他のことにつきましては米側から何ら話を聞いておりません。また一万何千ドルの米国の国会におきまする提案につきましては、私どもの方から米国側に話すということとは関係がないようであります。
○茜ケ久保委員 裁判も今アメリカ側が非常に満足の行く結果が出たようであります。私どもまことに不満でありますけれども、アメリカでは非常に満足しているようでございますし、むしろ一部では感謝しているような点もあるのであります。従いまして裁判の結果が軽かったという意味ではなくて、私はやはりこういう問題に対しては、今も申しますように国民感情もございますし、また坂井なかさんの遺族のいろいろな点もございますから、さらに重ねて日本政府としてアメリカへその間の事情を特に御連結願って、何らかの形で、久保山方式の、額の多少は問いませんから一つぜひ六十何万の行政協定による補償のほかに、向うの気持を通ずるような方途を講じていただくことを重ねて御要望したいと思いますので、一つ上村長官も政府の当事者とも御相談の上できるだけの御努力を願いたいと思うのでありますが、これを一つ御要望としてお願い申し上げておきます。 人事院総裁は欠席だそうでありますので入江人事官にお尋ねします。これはだいぶ前のほかの委員の質問等ともあるいはダブる点もあるかと思いますが、実は先般北海道へ調査に参りまして、具体的に現場の長なりあるいは実際に給与を受けておる諸君と話をし、その調査に従って向うの要望もありますので、重複する点もあるかと思いますが、一応お尋ねしますのでお答え願いたいと思います。 なるたけ簡潔に申し上げますが、第一は石炭手当の件であります。これについては臨時国会でも横路君その他からだいぶあったのでありますが、私が調査した点に対しまして非常に現地の要望が強いので、あらためてここでお尋ねするのでありますが、向うに行きまして調査しましたところによりますと、国家公務員の石炭手当は一番低いのでございます。郵政職員のは今度改正になりましたけれども、民間その他を調べましても非常に低い。そこで現在の三トンという数量は、人事院としては現在の北海道の石炭手当として妥当なものであるという確信を今もお持ちかどうか、あるいはまた三トンでは少いのだけれども、いろいろな財政その他の点を考えてこれ以上は無理であるから三トンということになっておるのか、さらに金額につきましても、国家公務員のトン当りの金額は非常に低いのであります。こういった点についても現在どのようにお考えであるか、低ければ低いで次にはもっと高い勧告をされるつもりがあるのか、こういった点についてお伺いしたいと思います。
○入江説明員 ただいまお話の石炭手当の問題でありますが、トン数の問題とカロリーと申しますか、価格の問題になるわけでありますが、御承知の通り価格につきましては、大体カロリーが北海道の官公庁首長会議の調べでございますが、六千五百カロリーになっておるわけでございます。人事院はこれに対しまして六千三百五十カロリーになっておりまして、その関係で御指摘の価格が違って参っておるわけでございます。との問題は大体どちらも北海道内におきます十五都市の販売量を調査いたしまして、それに基いて出しておるのでございます。先般御調査に行かれまして御存じの通り、北海道首長会議その他の調べは、公務員その他の勤労者の使用状況を基礎にいたしまして、いわゆる低位炭と申しますか、粉炭その他の低位にあります石炭を除外いたしましてカロリーを出しまして、それによりまして書きかえておるようなわけであります。人事院の調査としましては、御存じの現在の石炭手当に関する法律が、公定小売価格と申しますか、現在の一般使用価格の平均ということで出ておりますので、その関係上公務員その他の使用状況だけでございませんで、やはり道内における十五都市の一般の販売量を基礎にいたしておりますので、そこに差ができておるわけでございます。法律の建前なり公務員の給与の状況から申しまして、人事院といたしましては、先般勧告いたしました約六千四百カロリー、七千百五十円というところが適当と思っておるわけであります。次にトン数の、問題でございますが、トン数の問題についても大体それに似た問題がございまして、北海道で御調査になりましておそらく御存じの、首長会議あるいは人事委員会の三・五トンという線でございます。これは北海道の消費実態調査によりまして、大体暖房用の使用石炭の量を四トン程度と見まして、それから厨房用を〇・五トン程度引きまして、それで三・五トンというように出しておるようでありますが、人事院といたしましては、北海道は五級地になっておりますので、寒冷地手当の中にも暖房費というものは含んでおるという一つの基礎に立ちまして、現在三トン程度が適当じゃないか、これについては御存じの通り国会で定められました法律によって三トンということが定められておりまして、人事院はその支給方法及び支給時期について勧告する権限が与えられておるわけであります。しかし一般給与問題として重要な問題でございますから、もちろん関心は持っておるわけでございますが、今申し上げたような事情によりまして、現在の段階におきましては法律で定められておりますところの三トン程度で適当ではございませんでしょうか。ただ今御指摘のように、先般の仲裁裁定によりまして、郵政では三・三トンというふうにきめられたわけです。この仲裁裁定の内容は、郵政職員の特殊事情ということを基礎にして、一般職公務員よりも少し高く裁定されたようであります。その関係につきましてはどういう特殊事情がありますものか、なおさらに検討してみたいと思っておりますけれども、現在の段階におきましては三トン程度で適当じゃないかと考えておる次第であります。
○茜ケ久保委員 法律に定めたことでありますからその通りになりますけれども、やはり人事院でいろいろな給与のあれを調べて勧告等もなさるので、われわれといたしましても法律をきめる立場にありますけれども、あなた方がいろいろ調査されました結果によって、科学的な基礎によって、これを増すべきであるという結論が出たならば、これは当然改正されなければなりませんし、私の調べたところによりますと、郵政職員は別といたしましても、全部三トン以上、三トン半、四トン——まあ五トンというところは別でありますけれども、相当高いのでありまして、これはできればカロリーとともに実際トン数も半トンくらいの増加は必要なように感じてきたのであります。これについてはなお御検討願いたいと思います。 さらに現在国家公務員の場合には世帯主と非世帯主の二つに分れておりますが、今度の仲裁裁定では準世帯主というものができて、三段階か四段階に分れておるし、さらに一般の民間の企業体を調査いたしますと、大体三段階、多いところは四段階に分れていわゆる準世帯主といったようなものが含まれてきておりますが、現地で調査いたしますと、こうした民間、あるいは今度の郵政職員の仲裁裁定にも出ましたように、準世帯主といったような形が生まれることが非常に望ましいし、現地の要望等も強くこれを反映しているようでありますが、これに対する人事院の御見解はいかようなものでありますか。
○入江説明員 これも御指摘の通り、他の場合におきましては地域別に三段階になっておりましたり、あるいは準世帯主というものも含まれておるわけでありますが、この問題はごもっともでございまして、準世帯主というものをこの際新しくそこに設けた方がよろしいかどうか、あるいはあの石炭手当の額を三段階に設けたらよろしいかどうかということは、われわれの一つの研究題目になっておるのでありますが、これが大体平均三トン程度ということを基礎にしてできております関係で、実際問題としてこれをそういうふうに区分いたしますときに、現在の公務員が、これは表面上の理屈になりませんにしても、それを合理化しましたために、現在の支給を受けておるよりも金額が減りますこともどうかと考えたりいたしまして、既得権というわけでもございませんが、現在の支給状況より少なくなったり多くなったりすることの起り得る問題につきましては、寒冷地手当が北海道全部五給地でございまして、国鉄など御存じの通り寒冷地手当と石炭手当を合せて甲乙丙となっておりますので、そういうことと関連いたしまして、寒冷地手当の合理化問題とからんで研究いたしたいということで研究いたしております。これは決して現在で完璧だとは思っておりませんから、今後の研究を待って結論を得たいと思っております。
○茜ケ久保委員 今申しました準世帯主ですか、これを作ってそのためにほかのものが減ることはないと思いますから、私はこの準世帯主というものを作ることは、いわゆる今一トンしか受けていない世帯主以外の者がよくなるんでありますから、これは当然すぐにでも考えてしかるべきだと思うのでありますが、これに対する政府側の御意見はどうでございますか。
○増子説明員 ただいま御質問の準世帯主の問題は、先ほど入江人事官からお答えいたしましたように、現在の制度の中での支給方法としては一応考え得る問題でございますが、私どもまだ人事官からお答えいたしましたような立場で、すなわち現在職員は世帯主か、あるいはその他のものかどちらかに分けてあるわけでございますが、その中に中間の準世帯主というものを設けました場合に、いわゆる非世帯主になっておる者だけがそちらに参りますならば、現在よりも下ることはないと思うのでございますけれども、取扱い上世帯主の方に入っておった者が厳密な査定といいますか、認定の結果、準世帯主という扱いになりますると、今までもらっておったものより下るという問題が出てくるわけでございます。そういう意味で従来のいわば期待権といいますか、それを失わないようにするということになりますと、その辺の取扱いが複雑になってくるという問題もあります。そういう意味で人事官からも申し上げられましたように、いわゆる寒冷地におきますいろいろな給与、石炭手当、寒冷地手当あるいは北海道以外の薪炭手当等の関連も考慮いたしまして、全体としての適正化ということを考えるべきではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。
○茜ケ久保委員 世帯主の者が準世帯主になるおそれがあるということもわかりますけれども、そこは運営においていかようにもなるのでありますから、現在の二木立が必ずしも適切でないということであるなら、これは当然私は三木立に変更して、一部の者に世帯主から準世帯主になるものがあったと仮定しましても、現在の世帯主以外に、当然準世帯主として扱うべきものが相当ある場合には、行政の面でやるべきだと思う。そうあるべきだという御趣旨でありますから、一つ早急に御検討願いたい。特に郵政職員等は現にこれを実施しておるのでありますから、ぜひ一つ早急にこれを実施願いたいと思います。 さらに地域の点ですが、地域の点は、これはなかなか簡単にいかぬようです。道北、道南、道東というように地域を三段階に分ける点ですが、これは現地の諸君も相当微妙なものがあるようです。しかしこれは理論的には当然道南地区と道北地区については変ってしかるべきだと思うのでありますが、しかし今申しますように、現在道南地区の諸君がもし三段階に分けると、今あなたが指摘されたように少くなるという点があるというので、微妙であります。既得権を侵害しないという見地から、現地の三トンが北海道全体を考えて必ずしも多くないということならば、三トン半ということになった部面が、いわゆる特にひどいところに均霑されるということもあり得ますので、これは私は今言ったような立場から強くは申しませんが、この点も御研究になって、世帯を三つに分けるとともに、支給地域に対する御検討も願ってしかるべきでないかと思うのでありますが、この点に対して人事院なり政府当局は現在どのようにお考えであるか、一応承わっておきたいと思います。
○入江説明員 地域の段階についても確かにこれを合理的にいたしますためには、三段階にいたす方が合理的なんでございますけれども、やはり不権衡ができて参るおそれもございますので、寒冷地手当が全部一律に五級地になっておりますので、それとの関連において考えてみたいと思っております。
○増子説明員 政府としましては、この具体的な支給方法と支給地域等につきましては人事院の勧告に基いてということになっておりますので、そういう意味で人事院の御検討の結果を待って処置いたしたいと思っております。
○相川委員長 もう時間もだいぶたっておりますので、この辺でどうですか。
○茜ケ久保委員 委員長がだいぶ時間を気にしていらっしゃるようでありますから、はしょってやりますけれども、現地の諸君の非常に強い要望の点ですから、要望の点だけは言っておきませんといけませんから、一つもうしばらくごしんぼう願います。 私が一番不合理を感じましたことは、支給期日でございます。現在八月三十一日をきめていらっしゃる。これは行って調べてみますと、私が行ったのは十月でございましたが、八月三十一日以後に転勤して参った諸君が、非常に困惑しておる。従って支給期日、これはいろいろたくさん資料を持っておりますが、時間を省くために申し上げませんけれども、支給期日について、たとえば郵政職員の裁定にもございますが、一応八月三十一日でお切りになるのもけっこうでありましょう。しかしその後、いわゆる降雪期に転任して参ります者の何らかの措置について、現在お考えになっているかどうか。考えているとすれば、どのような処置をするように考えていらっしゃるか。またこれでいいんだ、八月三十一日で切って、これ以後来た者は、その人は貧乏くじだということであるかどうか。これは私はこの中で一番強く感じましたし、また現地の現場長の諸君もこれで非常に因っておりました。従って何とかこれは御処置願いたいという御要望が非常に強かったのでありますが、この点に対して、人事院ではどのようにお考えでありますか。
○入江説明員 御指摘の点もごもっともでございます。ただ、新しい転入者のことを考えますと同時に、転出者のことを考えなければなりません。ところが石炭というものは一度に購入いたします関係上、九月以降に転出いたしました者から戻させることも非常に困難でございます。また分割払いにいたしますことは、これは石炭の購入上、非常に不便でございますし、そこのところをどういうふうにいたしたらいいものかむずかしい問題でございますが、さっきの準世帯主の問題と同時に、この問題も十分検討してみたいと思います。
○茜ケ久保委員 これは私は検討だけではいかぬと思うのです。現に北海道は苦しんでいるのです。これは九月の三日、四日、十日ごろに転任したのは一冬ですからえらい負担になるわけです。これはまた次の年度に補給していただけばいいのですけれどもできないのでしょう。——従ってこれはもちろん石炭を買って、その後に内地なりあるいは石炭手当のないところに転任する者もありましょう。これは当然あります。ありますけれども、それはそれで一応それにはそのままくれっぱなしということにもなりますけれども、これは一応いいとしても、あとから来た者に対してはどうしてもこのままではいかぬと思う。何とか一つ方法を講じてもらいたいと思うし、これは現場長がその点で一番苦しんでおる、ほっておけない問題だといっているのです。御検討もけっこうでしょうが、一つ公務員室長、今人事院の方では実情はわかるけれども、帰っていく者もあるので、帰っていく者の金はとれぬとおっしゃるんだが、これは政府の行政面で何とでもなる。政府としては当然私は親心を示して、石炭手当をもらってから内地に転任する人は非常に喜んでいくおけですから、あなた方の御処置に対して満腔の敬意と感謝を持っていくわけですから、これは非常にりっぱなことですが、反面今言ったように、新しく来て全く乏しい財政から、寒い北海道に半年近く雪ごもりするのはこれは耐えられぬことです。これに対して思い切った処置をなさる誠意があるかどうか、これは一つ公務員室長、北海道何万の公務員がこの答弁に対しては非常な期待を持っているのです。北海道はもうすでに雪が降って、だいぶ寒い思いをしておりますが、この諸君が暖い思いのできるような御答弁を期待するのですがいかがでしょうか。
○増子説明員 この問題は、私どもとしましても非常に困ったことだとは一応考えておるわけでございますが、先ほどこれも人事官から御指摘になりましたように、石炭手当の支給を受けてすぐに転出いたします者につきまして、それを茜ケ久保さんの御意見では、それはやりっぱなしでいいじゃないかという御意見のようでございますけれども、均衡というような点からいいますれば、これはやはり戻してもらうということになるわけでございます。その点と関連いたしますので、現在は実際上の運用といたしまして、人事の異動はできるだけ八月末までにやってもらう。それからやむを得ない場合でその後になった場合には、いわゆる転出者の方におきまして、その買った石炭はそのままあとへ入ってきた者に置いていくというような、そうした慣行を大体とっておるようでございます。現在におきましてはその程度の運用といいますか、ということで考えるほかはないのじゃなかろうかというふうに思っておるわけでございますが、なお御意見等の点につきましては、さらに何らかの方法がございますればと考えておるわけでございます。
○茜ケ久保委員 人事院なり公務員調査室では——郵政職員の場合には区分しておりますが——新しく入って来た者と出た者に対して、これに対して御検討になったのでありますか、あの方法はいかがなものでございましょうか。あれは非常にこまかくは切ってありますが、御承知と思いますから、ここには申し上げません。こういった方法も当然やれるものだと思いますが、出ていく人には一応これはお気の毒な点もありますけれども、しかしそれは一応もらって、暖い方へ行くのでありますから、来た者よりもまだいいと思うのです。しかし新しく入った者は寒いところへ来てどうにもならぬ状態に当面するのでありますから、私はむしろ出ていく人たちよりも、入ってきた人に重点を置いて考えていくべきでないかと思うのでありますが、幸いに郵政職員のことがございますので、これに対する御見解を両者から御表明願いたいと思います。
○入江説明員 先般の仲裁裁定の郵政の例についてもわれわれは研究いたしておるのでございますが、やはり運用面につきまして、戻させるということについてもなかなか困難な問題もありまして、そういういろいろな問題をあわせて今後十分検討いたします。
○茜ケ久保委員 くどく申しませんが、これはあなた方はここで慎重な検討ということで済みますけれども、現地の諸君は容易じゃない。私には実は現場長の諸君から強い要望で、ぜひ十月でなくて一月か二月の雪の降っている間に国会から調査に来てもらいたい。これはわれわれが実際雪の中に埋まって苦しむ状態を国会ではぜひ具体的に見てもらいたいという要望であったのでありますが、これはごもっともと思います。私どもも、できれば機会を得て、そういった時期に北海道の公務員の状態を調査したいと思っておりますが、全くこれは東京で御無理ごもっとも、検討しますだけでは済まぬ問題であります。従って次の国会の適当な時期あたりには、何か一つ見通しのつくようなくらいの御検討を願わぬと、御質問するたびに御検討々々々では、これはもうだめだと思う。従ってきょうはこれ以上あまり強く申しませんから、次の機会にはこういう処置をしたという具体的な処置ができるくらいの一つ検討と実施の方法をぜひ考えておいていただきたいと思います。 最後に、もう一点は旅費関係でございます。と申しますのは、七級職の職員が今度七等級になって、二等の旅費をもらっておった者が三等の旅費しかもらえぬということなんです。これもくどくは申しません。わかっておるのですから……。これも現場長の皆さんが今の石炭の支給期日と同様に非常に苦心をされておるのでありますが、今度の給与制度の改正によって、七級職の職員が七等級に格づけされて、その結果、今まで二等の旅費をもらっておったものが、もらえぬということになった。ただし何か三等級以上の人に随行した場合には二等がもらえるけれども、単独にはもらえぬということがあるようであります。この点もくどく申しません。これはいわゆる三等級以上の者に随行した以外には、単独ではもらえぬのであります。もらえるならば、どういう基準でもらえるのか、この点をはっきりお答え願いたい。
○増子説明員 ただいま御質問の旅費の関係は、これは大蔵省の所管でございますので、大蔵省から正確なことをお答えいただくべきでございますが、私承知しておりますところでは、ただいまお話しのように、二等の汽車賃の出ます者に随行して参ります場合、大体それに準じた場合には、運用上二等を支給するというふうに大蔵省で現在定めておるようでございます。この扱いにつきましては、全般的にいかなる場合でもそのようにするということは、ちょっと困難のようでございますので、ただいま言った趣旨の運用上におきまして、できるだけ従来と不均衡がないようにしたいというふうに考えておると私承知いたしておるわけでございます。
○茜ケ久保委員 ちょっと答弁が私おかしいと思う。付帯決議において、現行の給与を絶対下回らぬという決議をしておる。従って旅費についてもその精神が生きている。こういうことになりますと、いわゆる随行する場合にはいいとしても、単独で出張する場合には、あなたのおっしゃる通りに二等旅費がもらえぬということになると、付帯決議の趣旨に反しているということになるのですが、この点のお取扱いはどういうふうになるか。
○増子説明員 付帯決議の御趣旨は、主管省としての大蔵省におきましてかねてから検討を願っておるわけでございますが、その結果に基きまして、ただいま申し上げたような措置が一応とられておるというふうに承知しておるわけでございます。
○茜ケ久保委員 そういう随行した場合には出すけれども、単独出張の場合には出さぬということが決定された。それはいわゆる現在の給与を下回らぬという付帯決議を尊重してやった結果がそういうふうになったということでございますか。そうだとおかしいと思うんですがね。付帯決議の精神は全くじゅうりんしていると思うのですが、いかがですか。
○増子説明員 最初に申し上げました通り、この件につきましては、大蔵省におきまして付帯決議の趣旨に沿うべく努力しているわけでございまして、私の承知しているところでは、その一つの方法として先ほど申し上げたような措置がとられておるというふうに私は承知いたしているわけでございます。この点につきましては大蔵省から詳しくお聞きいただけば幸いだと思います。
○相川委員長 どうですか、次の国会の際にお聞きになったら……。
○茜ケ久保委員 給与局長から……。
○瀧本説明員 国会で給与法が改正になりますときに付帯決議がついていることは私も承知いたしております。現在旅費の関係は大蔵省の所管になっており、給与法の運用は人事院になっておりまして、この間に多少主管者が違いますので、完全な連絡がうまく行っておらぬ点があるんじゃなかろうかと思いますが、今の問題はむしろ大蔵省の問題でございますので、われわれからは何ともお答え申し上げかねるのであります。
○相川委員長 受田新吉君。なるべく簡潔にお願いします。
○受田委員 私は、きょうは年の瀬もおし迫って、委員長お説の通り心あわただしいものがあると思いますので、特にきょうの質問の最後を承わりまして、問題に大きく取り上げられている教職員関係の問題、特にごく最近において報道機関で大きく取り上げられている、文部省が小中学校——もちろん高等学校を含むこれらの学校長、教頭制を強化して、この人々に対して管理職手当を支給しようという計画を私たちは伺っております。この問題は、特に学校の先生の場合には、従来超過勤務手当という制度も作られていない——その勤務の特殊性から、管理職手当の前身ともいうべき超過勤務手当さえないという職種です。その職種に対して、超過勤務手当の変形とも見られる管理職手当を特に校長と教頭に限って支給しようとする魂胆はどこにあるか、これに対しては全国民に大きな一つの問題を投げかけているのですが、この間の文部省の意向を、きょうはせっかくお見えいただいておる臼井政務次官から大臣にかわって御答弁願いたいと思います。
○臼井説明員 ただいま受田委員の御質問の、高等学校、それから小中学校、この校長に管理職の手当を出したいという理由、こういうことでございますが、これは管理職でありますから、やはりその管理をする職務に対して何らかの手当を出すのが至当じゃないか、こう私ども考えます。従来、今日までに大学の学長、部長、これは管理職手当が出ております。従って今度高等学校、小学校、中学校にも、校長さんに同様な意味で支給したい、かように考えております。
○受田委員 政務次官はいとも簡単に御答弁になりましたけれども、学長及び部長に管理職手当が支給されているのは、ついこの間の俸給の特別調整額の改正において人事院が追加してやったばかりです。しかもその額は、丙額という一番下の額に指定されているわけです。しかもこの国立学校には、国立学校設置法で商船高等学校及び電波高等学校がありますが、その高等学校の校長にはそのいわゆる管理職手当制度を適用していない。いわんや、国立学校には教頭制というものはないのです。こういうことを考えてみると、何だか勤務評定と関連して校長、教頭だけを特権的な地位に祭り上げて、しかも超過勤務手当制度すらない教職員の特別の立場を無視して、ここに管理職手当を支給してその間の開きを一そう大きくしようというような印象を国民に与えていると思うのです。この問題は、国立大学の学長、部長を丙額で特に最近追加して入れたばかりのこの規定と、それから高等学校は全然従来除外されておるということから考えて、特に小中学校にまでこれを及ぼそうとする考え方には何らかそこに不純なものがある。しかもその考え方がまことに突如として年末差し迫った現段階において出されたというところに、愛媛県の勤務評定表提出問題とからんだ思惑があると私は判断せざるを得ないのでございますが、この点いかが御答弁いただきますでしょうか。
○臼井説明員 文部省としては、決して別に特に今お話のように校長と他の職員との間をどうしようこうしようというのではございませんが、やはり責任ある管理職という仕事を遂行してもらう以上は、それに対応する手当というものも当然考えてしかるべきであろう、かように考えまして、今度手当を支給するように考えておる次第でございます。 なお、教頭につきましては、お説のように、従来ございませんが、これは学校の施行規則の省令でできる問題でございまして、法律でなくてできますので、特にこの際そういう職を設けまして、これが校長を助けて校務を整理する、こういう関係でやはり当然管理職の仕事をやりますので、これにも同様な意味で手当を支給すべきであろう、かように考えて目下立案中でございます。
○受田委員 校長、教頭の数は著しく多数にわたっておるわけであります。しかも学校によっては五人、六人という少数の職員しかいない学校もある。そういうところの校長、教頭に普通の職員と違った手当を支給するということは、そこに何か新しい意図があるのではないかという危惧を国民に抱かしておるわけです。なぜかと申しますと、大体今まで人事院は、人事院規則をもって俸給の特別調整額というものをきめて、そしてそれに該当する職種及びその官職をこれに羅列しておるわけであります。その中に、従来の行き方から見ると、十一級職という相当高い地位にある、地方におきましても研究所の所長の地位のところより上の職種に対して管理職手当が出されておった。中央においては、局長、課長という、特にいわゆる公務員のうちの上級職員に、しかもそれが管理監督の地位にある公務員に対して特別な立場で出されておった。それが教員に超過勤務手当というものがない。そこに一つの問題があるのであって、従来管理職手当の出されていた人々は、超過勤務手当の変形として、夜勤手当とか休日給あるいは日宿直手当というようなものにかわって調整額が出されておったのでございますから、性格からいったならば、超勤制度のあるところの管理職にこれを支給するという形になっていたわけです。それを教員に、特に一般の教員には超勤手当を出さないで、校長と教頭だけに管理職手当を出すということには片手落ちがありはしませんか。
○臼井説明員 超勤手当の問題についてはまた別個に考えなくちゃならぬかと思うのでありますが、この管理職というのは、こういう特別また加重された責任ある仕事でございますので、これに対してはやはり手当も支給してしかるべきである。やはり同様な趣旨で、国立学校の大学学長、部長にも支給されておるのでありまして、従ってこの大学の学部長にも超勤手当というものは出ていないように私承知いたしておりますが、それはまた別の観点から考えなくちゃならぬ問題だ、かように考えております。
○受田委員 政務次官から、超勤手当制度は教員には別途に考えたいという今非常に意義のある発言があったわけであります。超過勤務手当制度が従来なかったものを、新たに教員にも創設されるということになるならば、これはきわめて意義のある問題だと思います。ところが現実に教職員の超過勤務を測定する基準ははなはだ困難である。従って教員にはその俸給を超過勤務手当の部分に対してある程度の考慮が払われておるというような理由もあるし、あるいは長期の休業等もあって、この問題をある程度考えるとかいうような議論も過去においてされました。そういうようなことが今後は全部解消されて、教職員にも超過勤務手当が支給されるということになれば、これは画期的な改革であると私は思います。さよう考えることにつきまして人事院の御見解とあわせて政務次官よりもう一度お答え願いたいと思います。
○臼井説明員 ただいま私の申しました管理職手当と超勤手当はまた別個の観点から考えなければならぬということを申し上げたのでありますが、それが何か別個に考えている、これを支給すべく用意があるというふうにでももしおとりになったのだとすると、これはちょっと私の言葉が足りないのかもしれませんが、そうでなくて、性質上別の観点で意味があるのであって、管理職は超勤手当が支給されておるされてないという観点と別に、管理職として支給すべきものである、かように考えて用意いたした。従って現在のところ超勤手当を支給すべきであるとか、これを用意してあるというところまでは至っておりませんので、ちょっと念のために申し上げておきます。
○受田委員 そうしますと、教職員の超勤手当制度は現在のところ考えていないということでございますか。
○臼井説明員 まだそれを支給する用意はいたしていないということを申し上げておきます。
○受田委員 支給する構想は持っているが、それを直ちに支給する用意はまだしてないということに了解してよろしゅうございますか。
○臼井説明員 まだ構想までにも達しておらないのであります。
○受田委員 これは相当重大な問題だと思うのです。超過勤務手当制度の変形として、昭和二十七年に給与法の改正のときに、との俸給の特別調整額というものが生まれておる。これは特殊の管理監督の地位にある人に対するある別の要素が多少含まれてはおりましても、超勤手当その他を中心とした変形の手当であるということは、これは当時の国会の論議を中心にして考えても、もう一般の通念化しておる問題です。その方の超勤制度はそのままにしておいて、管理職手当の方だけをぽっこり浮び上らすということは片手落ちではないかとお尋ねしておるわけであります。まず人事院の御見解をおただし申し上げまして、重ねて政務次官より御答弁願いたいと思います。
○入江説明員 現在のいわゆる管理職手当の沿革と申しますものは、御指摘の通り、超勤手当からだんだん発展していったものであることは事実であります。しかしながら大学の学長あるいは学部長につきましては、御指摘の通り、多少超勤手当の変形というものをこえて、管理職の特殊性に応じて手当を出しておるわけであります。一般の、ただいま論議になっております高等学校あるいは中小学校の管理職手当をどうするかということは、これは一つの文教上の問題であると存じますので、文部省から御協議を受けまして検討いたしたいと思います。
○受田委員 文教上の問題だというお言葉がありましたが、文教上の政策的な問題だということでございますか。
○入江説明員 政策的な問題ではございませんで、結局国立学校につきまして学長あるいは学部長に出しておりますと同様に、一般の高等学校あるいは中小学校に管理職を出しますことは、やはり教育行政とも関係のある問題でございますから、文部省の御見解も伺って検討いたしたいと思います。
○受田委員 人事官は、俸給の特別調整額の規則をお出しになるときに、大学の学長と部長だけを取り上げて、国立高等学校の校長その他をなぜ無視されたのか、その間の消息を明らかにしていただきたいと思います。
○入江説明員 特別調整額につきましては、最初超勤のかわりとして認めまして、漸次その後各所管庁の実情に応じまして、これを手直しして参ったわけでございます。現在の段階におきましては、学長及び学部長に支給しておるわけであります。今後の問題をいかにするかということは、さらに実情に応じて検討したいと思っておりますが、そこに今御指摘の通り、高等学校の問題が起っておるわけでありまして、これはやはり文部省の御見解も十分われわれとしては伺いたいと思っておりますので、その結果によって結論を出したいと思います。
○受田委員 ついこの間九月の規則制定の際に——まだ日が浅い二カ月か三カ月かたっておらない、あまりにもなまなましい最近の問題ですが、この規則をお出しになられるときに、あなたの方で学長と部長だけ入れて、なぜ高等学校の校長を落されたか。二カ月か三カ月したばかりのときに、突如として今度高等学校、中小学校の校長に管理職手当を出すというような突然変異が行われるということは、私は問題だと思うのです。九月の規則制定をされたときに高等学校の問題が起っておるなら、当然そのときにおやりになるべきじゃないか。そこに二、三カ月で突如として人事院が作られた規則と変ったものが叫ばれるということは、あまりにも政策的な文部省の考え方ではないかと思うのですが、あなたの方では、その当時は高等学校は必要ないという御判断をされておったわけですね。
○入江説明員 実は二、三カ月前ではございません。昨年七月、この問題は一応大学の方をきめたわけでございますが、やはり国立関係の学校につきましては、研究職その他の機関の管理者との関係もございますし、われわれ一応昨年そういうふうな結論に到達したわけであります。今回の問題につきましては、新しい問題としてなお研究いたしたいと思います。
○受田委員 この俸給の特別調整額の最終的な改正は、三十二年の九月二十一日となっております。従ってこの改正のときにこれを取り扱わないで、一カ月や二カ月たってこの問題が持ち上っておるということを私は申し上げたのであります。このことをお聞きしたい。昨年大学の学長、部長をやって、そしてことしというのでなくて、この間改正されたばかりです。そのときになぜやらなかったかをお尋ねしているわけです。
○入江説明員 先般の給与法の改正が、御指摘の通り二、三カ月前に判定されましたことは事実でございますが、今回の改正におきましては大体において現在の状況を引き継ぎまして、いわゆる等級その他の改正に中心を置きまして改正いたしましたので、いわゆる管理職その他の問題については、昨年の方針を踏襲したわけでございます。従って今回の新しい問題に即応してどういうふうにいたしますかということは、先ほど申し上げました通り、文部省の御協議を得まして結論を出したいと思っております。
○受田委員 文部省は、九月二十一日に人事院規則で俸給の特別調整額の最終の案が制定されたわけですが、そのときにはみじんも交渉の対象にしなかったものを、一カ月か二カ月たたぬうちに突如として校長と教頭の管理職手当を創設されようとされる考え方には、何かそこに勤務評定の提出の問題などとかね合わせて、ここに反動文教政策と申しますか、そういうようなものを強力に押し出すという、政策的なものがあったのではないか。じっくり落ちついて研究するならいいけれども、来年度の予算にすぐ間に合うように今からやろうということになるならば、九月二十一日の最終の規則を作る前に御相談が行われるべき筋合いのものじゃなかったでしょうか。政務次官いかがですか。
○臼井説明員 私も七月に就任いたしましたが、九月当時のいきさつはよく存じておりません。ただ今受田委員のお説のように、大学学部長に支給される、こうなりますると、やはり文部省としては当然高等学校の校長にもそれを支給するような考えにするのが自然じゃないか、かように考えまして目下人事院の方と、高等学校の校長並びに教頭につきまして管理職手当を支給したいということで折衝いたしておるのであります。なお小学校、中学校につきましては、教育公務員特例法の第二十五条の五に、「公立学校の教育公務員の給与の種数及びその額は、当分の間、国立学校の教育公務員の給与の種類及びその額を基準として定める」こういう法律がございまするので、高等学校の校長にこれが適用されれば、小中学校についても右へならえして、この法律に基いて支給するのが当然である、かように考えて高等学校、小学校、中学校にも支給したい、かように考えております。
○受田委員 それはその通りなんです。けれども現在の改正をしたばかりの俸給の特別調整額を、それを今あなたの方がやられようとされることを実施しようとすれば、当然人事院規則の九−一七を変えなければならぬ。一カ月二カ月ですぐ改正しなければならぬ。そういうような何か策謀的なものがあるような印象を与えないで、もう少し落ちついて、ついこの間改正したばかりのときにこの問題は当然取り上げられておらなければならぬ問題だと思います。それがこの一、二カ月の急激な変遷などということはあり得ぬのです。それほど世の情勢は変っておりません。従ってここに校長、教頭の管理職手当を出すというところに、何かわれわれは了解に苦しむ問題点があるわけです。そこをお尋ねしておる。そうすると人事院としては、今次官の言われる通りになりますると、さっそく人事院規則の九−一七を変えなければならぬわけですね。
○入江説明員 これは結論によりまして人事院規則の改正は要すると思います。
○受田委員 あなたの方で昨年学長と部長に——一般の高等学校等にこれを適用することなく、学長と部長だけを抜き出して、丙額の管理職手当を支給した根拠をお示し願いたい。
○入江説明員 詳細な点は政府委員からお答え申し上げさしていただきますが、やはり研究所でありますとか、そういうものとの関連においてそういうふうにいたしたわけであります。
○瀧本説明員 特別調整額の問題でございますが、御指摘のように、最初はこれは超過勤務手当の打ち切り支給というようなことで発足したことは御存じの通りでございます。その後国家公務員の範囲内におきまして、超過勤務手当がついておるつき方、予算上のつき方というものに多少アンバランスがあった点があるのではなかろうかというような問題もございましたし、また国家公務員の上級職になりますと、定時の時間内の仕事以外のものがあるわけでございます。そういう点からバランスを考えてみますと、研究所の所長さんにも、これはやはり従来超過勤務手当の予算がなかったことがむしろおかしいのじゃなかろうかというような問題もございまして、この権衡から研究所の所長につけるということになりました。またそれとのバランスで大学関係におきましても、学長、学部長につけるということに相なって、漸次この特別調整額の適用範囲が広がっておるわけでございますが、ただ国の場合におきましては、御承知のように、まず一般行政官庁におきましては、現在のところは出先官庁の長というくらいのところまでしかついておりません。これは動いていっておるものでありますから、どこまでが適当であるということはなかなか言いがたいのでありますが、現在のところはそういうことであります。そういう観点から見ますならば、学部長、学長というあたりには、これはバランス上つける必要があるであろうけれども、高等学校の長という者のところまで及ぼす必要があるかどうか、その辺は去年の七月の時点におきましては、まだバランス上考える必要がないのではなかろうかということを考えまして、そのときにはつけなかった。ただその後におきまして、自然科学系統の研究機関につきましては、これはわれわれ大蔵省へも要望しておったのでありますが、部長あるいは課長というところまで特別調整額をつける予算がついたのであります。これは今御指摘の改正のときにこれを入れたわけであります。そうなりますと、その次には、これは科学関係におきましては、自然科学系統のみならず、人文科学系統にも同様に考える必要があるのではなかろうかということで、やはり多少範囲を広げなければならないという問題は現在あるわけでございます。昨年の七月現在におきましては、これは国家公務員につきましては、学校関係は大学の学長、学部長というあたりまでは適当であろう、このように判断いたしたわけであります。
○受田委員 人事院は教職員に超過勤務手当支給をしなかった理由はどこへ置いておられますか、御説明いただきます。
○瀧本説明員 これは人事院が給与を所管いたします前に、大蔵省に給与局というものがございまして、そとで給与を所管しておったのでありますが、教職員の勤務状況というものはなかなか時間で計測することがむずかしいというような観点から——しかしながらとれはやはり一般職でございますので、一応想定を置きまして、勤務時間というものを考えなければならぬ、しかしこの教員につきましては事実上PTAの会合でありますとか、いろいろなことがございますが、これを一々計測することにむずかしいというような観点から、教員の給与上の水準差というものを設けるのが適当であろう、そのかわり事実上超過勤務手当というものが計測しがたい場合におきましては、これはそういう場合が多いのでございますが、一般的なそういう場合には・これはやはり水準差の問題で解決するのがよかろうということから、現在教職員の俸給表が一般の俸給表に比べまして水準差の高い俸給表になっております。ただ教職員におきましても、特例的に試験の答案を審査いたします場合、多少の超勤手当はついている。計測し得る時間については多少超勤手当はついている。私の申し上げますことは、すべて国家公務員たる教職員のことでございますが、そのような状況になっております。
○受田委員 自治庁では地方公務員たる教員に何らかの形で超過勤務手当というものがついていると了承されておりますか。
○今枝説明員 公立学校の教職員の給与につきましては、国家公務員の給与を基準としてそれぞれ条例で定めているわけでございます。超過勤務手当につきましては、一般的には人事院の給与局長からお話のありました通りで、ごくまれな例として試験の際に超勤をつけている実例も聞いております。しかし一般的には超過勤務手当の予算等を計上しているところはきわめてまれでございます。
○受田委員 きわめてまれとおっしゃったが、つけているところがあるわけですか。
○今枝説明員 あります。
○受田委員 それは府県でいいましたら、どういうところがやっていますか。
○今枝説明員 私の承知しているところでは、大阪府ではそういう予算を計上しております。
○受田委員 その超勤手当はどういう形の——たとえば今お説の試験の際における特例のような場合ですか。
○今枝説明員 教員に超過勤務を支給しているのは、入学試験の採点の場合のみに限って支給いたしております。
○受田委員 それらは超過勤務手当と銘打ってここで指摘されるほどの問題ではありません。今局長のお説も課長のお説も、これは教員に超勤制度がついているのだという説明にはなりません。そうした特殊の場合におけるある特例だけで超勤制度があるような誤解を受けるような発言があることは、これは非常に重大であると思いますので、これは教員全体の問題としての超勤制度そのものに対する国民の誤解を招くことにもなるので、十分御研究を願いたいと思う。 私は大学の学長、部長に出しているから校長は小中高全部出してもいいという判断を下された文部省の一部の方々の御見解をさらにおただし申し上げます。人事院は従来高等学校以下の学校には超勤制度もないことだし、また管理職手当を出す必要はない、こういう見解に立ってきた。ところが今回それを是正されて、文部省がこの管理職手当を出すに至った理由というものの中に、最近において特に管理監督の立場が非常に濃化したとか、あるいは対外折衝その他において重要な任務を持つに至ったとかいう新しい事情が発生したのでしょうか。
○臼井説明員 別段最近にそういう事態が発生したというのではございませんで、管理職であると、こういう建前からすれば、これはごく自然に、管理職手当というものを支給するのは当然じゃないか、こういうことで支給するようにした方がよい、こう考えていたしたわけであります。なお先ほどのもう少し慎重に考えてというお話もまことにごもっともかと思うのであります。しかし今のように特別に深い理由のない問題でございますので、私ども教職員について俸給等もできるだけふやしたい、そういう観点からして、全般ではございませんが、特に管理職にある校長には管理職としての手当を支給したらよかろう、そういう単純な理由でありますので、別に今後深く研究するとか何とかいう問題を含んでおりません。従って今お説のように、まだ大学学部長に支給されて間もないときかもしれませんけれども、善は急げで、一つ早くやりたいと考えております。
○受田委員 ここで一つ皮肉な考え方かもしれませんが、勤務評定票を提出する権限を校長に付与させる、特に全国的に勤務評定を出させる段階にきたこの際に、勤務評定を出させる必要から、校長、教頭に管理職手当を出して、管理者であるということをはっきりさせる、職員にもそれを印象づけるという因果関係があると見られても仕方がないと思いますが、その点はいかようにお考えでありますか。
○臼井説明員 物は見ようでありますから、あるいは時期的にそういう問題が勤務評定の愛媛の問題等でだいぶトラブルがあった。そこにたまたまこういう問題が出てきましたので、とりようによるとそういうふうにとれる向きがあるかもしれませんが、決してそういうことを考えておるのではございませんで、ことに愛媛の問題等も、あれほどの激しい問題が起るとも私どもの方では実は予測をいたしておりませんでした。おそらく愛媛の教育委員会でもそうであったろうと思います。従ってこの問題はあのごたごたが起ってからにわかにという意味ではございませんで、今やりませんと来年度の予算等の関係もありますので、そういう一環として交渉をし、予算等においても考えておる次第でございます。たまたまそれが新聞等に出ましたので、あるいはそういうお疑いを受けたかと思うのであります。
○受田委員 人事院当局は今ここに急にこういう制度を作ることを良心的に考えて適当でないとお考えですか、公平な立場でお答え願いたい。
○入江説明員 もとより人事院といたしましては、どこまでもこれを給与問題として取り上げたいと思っております。しかしながらただいま論議になっております主として地方公務員の高等学校以下の校長その他に管理職手当を支給するということが国立の学校にどういう影響を及ぼすか、あいるはまた人事院として国立学校にもそれに準じて支給するかということは、まだ十分文部省からもお話を承わっておらないような状況でございまして、もちろん純粋給与問題として考えるわけでありますが、文部省の御協議を受けまして結論を申し上げたいと思っております。
○受田委員 人事院の独立制というものは失われてくると思います。人事院はもっと公正にながめて各省にまたがる給与の適正を期する、人事の公正を期するというところにあなたの立場がある。文部省とよく相談して、文部省がこう言えばああ言う、そんなだらしのない人事院ならもうとっくに必要はないと思います。われわれは非常に努力して人事院の存立に努めてきたが、文部省と相談してどちらにもいきます、風にそよぐアシのようにいたしましょうというような、よろめく人事院では存在意義がない。そういうところに最近人事院が政治的に堕落しておることを私はきょうこの機会に人事官から御答弁いただいたような気がして非常にさびしいのです。超勤制度のないところに管理職手当だけ出すということによって、部下職員と校長、教頭の間にどれくらい給与の開きがありますか。五千円、一万円という大きな開きができることは、教育を担当しておる末端の小さな学校などでは非常に問題ですよ。校長になることをあせり、教頭になることをあせって、おべっかな教員ができるという欠点もできるではありませんか。むしろ末端ではみんなが譲り合い、助け合ってやっていく、道徳的なつながりをもっていくというところに地方の美しい実情があるのです。五入か六人しかわずかしかおらぬところを基準にしておるようでありますが、教頭を置いて、しかもそれを職制化してりっぱな管理職手当を出すという形に持っていこうというきびしい現実は、従来の美しい地方色の中にりっぱな存在としてきておった教職員の方々に対してとるべきものでございましょうか。私はここにあまりにも階級的な職権乱用の傾向が最近の政府の文教政策の中に出てきていることを心配しておる。だれが見ても露骨な政策ではないか。今政務次官は、はっきりとそういうふうに見られるおそれがあるかもしれないが、しかしそういうわけでもないのだと言われておる。そういうときに厳たる存在機関である人事院は、断固たる態度をもって文部省が曲ったことを言ってくるならこれを退けなさい。あなたの方で規則を出さなければこういうことになるのです。あなたの方が規則制定権がある。文部省の指図で制定権をあなた方にゆだねておるのではない。こういう重大な段階になってからこれほどよろめいている人事院であるならば、もう存在意義がない。この間の国会からお互いはずいぶん奮励努力して人事院の存立のために貢献をしてきたのですが、しかし制定権まで文部省によってゆがめられようというに至っては、非常に慨嘆これを久しゅうするのでありますが、人事官、私が今申し上げたことがおわかりですか。
○入江説明員 人事院としては国立学校の問題について考えるのが職責でございますが、国立学校につきましては、やはり大学の学部長あるいは学長も超勤の有無にかかわらず、一つの勤務の状況からこれに対していわゆる管理職手当をつけているわけでありますから、これを拡張することが絶対にいけないとも言えないと思います。その点を文部省の全体の地方公務員に対する方針とあわせて考えたいと申しておるのでありますから、その点御了承願います。
○受田委員 そうすればなぜ九月に改められなかったか。今一、二カ月でまた改める。そうすれば国立高等学校の教頭制もちゃんとしがなければならぬ問題です。これは文部省の仕事になるわけです。国立高等学校に教頭を置くことを考えなければならない。今教務長とかなんとかいう一応変な名がついておるわけです。そういうものをみなどんどん認めていかれる、末端にまで管理職手当を出す校長、教頭をつけるというならば、なぜ九月の改正のときにおやりにならなかったか。私は純粋な教育の場として考える場合と、管理、監督の立場を考える場合と二様の考え方から教員の立場を考えたいと思いますが、教育という純粋の立場でものを考えようという立場からは、校長、教頭がいまさら管理、監督の権利を強く振り回すことについては問題があると思う。従って事務的な校長、権力乱用の校長とか教頭とかいう形ではなくて、もっと美しいつながりのある給与差があまりない形で末端の学校の先生とつながりを与えておくべきではないか。こういうことになれば、あなたは文教政策に対して理解がないということにもなるわけです。文部省は時の政府の考え方によってどちらにもいくということになると、文部省も教育の中立性を失うことになる。自民党の政策をこれは露骨に現わすということは、われわれは教育の中立性という点において大へん悲しいことだと思う。私は良識ある政務次官を信頼してかくあるべしであると期待しておったわけであります。臼井さんも松永さんもその点は良心的な政治家だと思っております。この際この無謀な国民に誤解されるような考え方を改められて、もう少し落ちついて、時期はまだ延ばしてもいいのですから、ゆっくり検討されるという幅をお持ちになりませんか。国民に疑惑を与えるときに、李下に冠を正さずという立場から、そういうときにわざわざことさらに出されるということをもう一度帰って御検討して、超勤制度もないような教育界にいまさら管理職手当を出させるのは問題があるぞというところでがんばっていただけないか。いかがですか。
○臼井説明員 受田委員のいつもながら御親切ないろいろな御指示はよく了承いたしておりますが、私どもとしては単純にそう考えて——実は御承知のように私も文教政策の方はしろうとであります。高等学校にしても、中学校にしても、教頭が管理職である、こういうことがわかって、給与のときに管理職手当が支給されてないということを聞きまして、そういう責任だけ課しておいて何もしないというのはおかしいじゃないか、こう私自身も考えたわけです。なお調べてみると、国立の大学の学部長には支給されている。同じ文教の学校教育に従事されている公立高校の校長にはない、こういうことで、これはやはり高等学校の校長さんにも支給されているのがあたりまえではないか、こう自然に考えて出しただけであります。別にほかに他意はありません。従って今これを再考してどうとかいうことは考えておりません。ただ予算の問題がなかなかむずかしいものを控えておりますので、この際何とか予算をこれに盛りたいと思って、実は努力いたしておる際なのでございます。そういう観点で一つ誤解をお解きいただいて、やはり先生の給与の上ることですから、何とか御協力をいただきたい、かように考えます。
○受田委員 そうなれば、超勤制度もおしきになるという方向へ向くべきでなかったか。このことは大事なことです。先生の給与が上るということは、校長、教頭だけを上げて、他の人との段階を開かせるということになるのだから、超勤制度を当然付加すべきであるという考え方でお進めになりますか。いいかげんな政策ではこれはだめですよ、はっきりしたものにしておかないと……。
○臼井説明員 いろいろ御高説を伺ったので、私も十分研究いたしてみますが、しかし従来は超勤手当が学校の先生方には出ないということは、さっき人事院の方もおっしゃったように、やはり教育の特殊性といいますか、そういう観点から、特別に超勤手当を出すより、号俸でかげんして、全部でその中に見る、こういう方が適当だと考えて、他の公務員よりそとで手かげんをして、幾らか上っている、こういうふうに考えるのでございまして、従って今すぐさらにそれを再考して超勤制度を支給すべきであるというところまでちょっと了解いたしかねますので、その点は一そう私として勉強いたしてみますから、御了解願います。
○受田委員 もう一つあなたの方で問題が残されておるのは、校長、教頭と限っておるが、定時制高等学校の主事というような立場の人もいるのです。こういう人たちがいろいろあるので、校長、教頭、それらの人も管理監督の地位に多少でもあるというものは漏れなく含むという考え方、絶対に漏らしてはならぬという考え方でやっておられるのかどうか。
○臼井説明員 これは予算等の問題もございますけれども、予算が許せば、これはやはり同等に扱うべきものである、そういうお説の通りの方針で参りたい、かように考えております。
○受田委員 これで終りました。私はきょうは管理職手当一本にしぼってお尋ねしたので、ほかの方には全然触れなかったので、文部省及び人事院、自治庁等の間において、まだ十分連絡もとれておらぬようでございますが、さらに検討を加えて、将来に誤りが残らないように十分注意をしていただきたい。かように考えております。私の質問を終ります。
○相川委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十五分散会