逓信委員会 第5号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/11/14
会議録
○森本委員長代理 これより会議を開きます。 まず請願の審査を行います。 本日の請願日程第一より第一八まで十八件を一括議として採決いたします。本日の請願日程中、第一ないし第一〇、第一二ないし第一八の各請願は、いずれもその趣旨が妥当なものと思われますので、これを採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森本委員長代理 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 なお残余の請願についての態度は保留いたします。 次に陳情書につきましては、近畿地方教育テレビ放送実現に関する陳情外二件が本委員会に参考送付されておりますので、御報告申し上げます。 なお、ただいま議決いたしました請願の報告書作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森本委員長代理 御異議なければ、さよう取り計らいます。 暫時休憩いたします。 午前十一時四分休憩 ――――◇――――― 午後三時二十六分開議
○松井委員長 体感的に引き続き会議を開きます。 郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。 発言の申し出がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 午前中の委員会で大臣に質問たしたいと思いましたが、ちょうど参議院その他へ行かれておった関係で、時間がおそくなりましたが、これは重要な問題でありますので、納得のいくまで質問をしたいと思いますので、その点大臣はあらがじめご了承を願いたいと思います。 それでまず最初にお聞きしたいわけなんですが、私たちが新聞で見ておりまして、非常に不可解に感ずることで、ありまするが、今回のNHKの会長の後任問題であります。これは永田会長がなくなられまして、まだその葬儀も終了しておられない、こういうときからすでに新聞紙上においては、このことについては岸総理が全権を委任をしてもらいたいたいというようなことを郵政大臣に言った、そして候補者はこれこれである、こういうふうなことが載っておるわけでありまするが、この点については放送法の建前からいたしましても、非常にわれわれとしては不可解に考えるわけでありますが、大臣としてこの点についてどうお考えになっておるか、また担当大臣としてこの問題についてどういうことになっておるか、その説明をお願いしたいと思います。
○田中国務大臣 お答えいたします。新聞にはいろいろなことが報道せられておるようでありますが、御承知の通り放送法の規定によりまして、協会の会長は経営委員会がこれを任命する、こういうことに明確になっておりますので、いろいろなことが報道せられておりますが、法律の通り経営委員会が任命することであります。私もそれに対して異論を差しはさんでおるのではありません。ただいまの御発言にもありましたが、総理大臣云々ということがありましたが、そのような事実は毛頭ありません。
○森本委員 そうすると、過日各紙に報道されまして、気の早い新聞、では、野村秀雄氏NHK会長にきまるということで人物評論にまで出ておったようでありますが、これはすべての新附がそういう報道をしておったようであります。あのあらゆる新聞の報道はすべて事実無根で、ある、こういうふうな解釈を大臣としてはする、こういうことですか。
○田中国務大臣 新聞が全部事実無根というふうには私は断定はいたしませんが、あの新聞の中にでておりますいろいろな方々に対して私は全然関知しておらない。また私と委員長との会談におきましても、全然出なかった人の名前もたくさん出ておりますから、どういうふうにして報道されたかわかりませんが、新聞に出ておる全部のものに対して私に責任を負えとか、全部承知しておるものではあるません。
○森本委員 そうすると新聞のうちで一部事実があるというのは、どういう点が新聞のうちの一部事実でありますか。
○松井委員長 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○松井委員長 速記を始めて。
○森本委員 大臣の先ほどの答弁からいきまして、今速記を中止したあと大臣がいろいろ内容をお答えになったことについては私は触れませんけれども、ただ放送法の建前からいって、現在の内閣並びに郵政大臣が何か思い違いをしているのじゃないかという点が非常に懸念せられるわわけであります。そもそもNHKの会長というものと経営委員というものは、おのずから任命方法が別側になっているわけです。そこで内閣並びに政党、郵政大臣のそういう権限がこのNHKの会長任命について入るということを放送法は排除しているわけです。それがために経営委員の任命については第十六条にもありまするように、公正な判断をすることができて、広い経験と知識といって、それからさらにそれぞれの分野からこれを選ぶ、こういうことになっておりまして、さらにこの経営委員が任命をせられることについては、政党の役員あるいはその他についても非常な制限があるわけであります。一般の役職員と違って非常な制限がある。そうして経営委員は一たび内閣総理大臣が国会の両院議院の同意を得て任命せられますと、あとはすべて経営委員の自主的な判断によってNHKの運営がなされていく、こういうことが建前です。そうしてこの経営委員は、一たびなった以外は、委員に職務上の義務違反もしくは著しい非行があった場合でなければ、内閣総理大臣といえどもこれを罷免することができないわけです。それだけの経営委員を別個に置いて、今度は会長の任命については経営委員会が当る。その経営委員会が当る場合には、今申したように政党とか時の政権とかに左右せられずに、経営委員会が自主的にこれを任命するということが、NHKの公共放送という建前からして放送法にはっきりときめられておるわけです。廻般の放送法の改正の答申案が出された場合にも、政府としてはこの点をさらに強力に改正しようという意図が出て参って、これは全国の新聞あるいはまた世論というものから集中的な襲撃を受けて、放送法の改正の原案は一応退却を余儀なくせられた、こういう経路をたどっているわけです。そういう点でありますので、このNHKの会長の任命等については、時の政府並びに与党の諸君がこれに介入することは絶対にまかりならぬわけです。これはあくまでも経営委員会の自主的な判断によって、継承委員会が決定すべき問題である。その点を現在の大臣は若干誤解をしておるのではないか。経営委員は内閣が任命するものであるから云々ということによって誤解をせられておるのではないか。こういうように私は考えて、これは追及しておかなければ、今後ゆゆしき問題あると考えて、私は特に本日この問題についての質問たしておるわけであります。そこで大臣から明快に答弁を願いたいのは、こういう問題については内閣総理大臣がどうとか、郵政大臣がどうとか、与党がどうとかいうことはあり得ない。あくまでも経営委員会に一切まかしてふる。そうして経営委員会は経営委員会の自主的な判断において、会長を選任するのだという形をとっておる。こういうことを私はこの際、これは法律で明らかになっておるわけでありますけれども、こういう情勢でありますので、大臣は特にその点を明確にしておいてもらいたいと考えるわけです。
○田中国務大臣 NHK会長の任命は経営委員会の権限で、この権限を侵そうなどという考えは毛頭ありません。会長の任命に関しては放送法の建前通りごうまつも侵してはならないという原則は、私も賛成でありますし、そういう原則を堅持しておるのであります。ただどうしてこういう問題が出たかというと、新聞で非常にはっきりと政府が態度をきめたというふうに表現をせられた記事が載ったので、非常に深刻な問題になったと思いますが、いずれにしても政府とNHKとの間には、政府がきめて、正式にそれを申し込んだ、推薦したということはないのであります。先ほど速記を除いて申し上げたような事情でありまして、お互いの間で対談のうちにいろいろなNHKの問題に関して出たというだけの話であります。なおどうしてそういう話が出たかというのは、NHKの後任会長の問題について非常にもめた例がありますから、今度は、もましてもらいたくないという考えと、現在NHK三十三年度の予算、しかもこれは年度予算ではなくて、民放の早期予備免許交付によって非常に状態が変っております。そういう意味で第一次五カ年計画の第一年次ともいうべき非常に重要な予算の折衝中でもありますし、私もNHKの前会長と阿部さんと三人一体になって一つ予算を片づけよう、こういうことを折衝中でありましたし、当時マイクロウェーブ計画を繰り上げて約七百九十億の三十三年度電電公社予算に四十億をプラスしますというような具体的な数字が出ておったときでありますので、経営委員会でもぜひ一つ円満に早くおまとめ願いたいということで、私はこの会長の任命の権限に政府が介入するとか、郵政大臣がどうとかいう考えでは全然なかったのであります。 もう一言つけ加えさせていただけば、電波の問題にたいしては非常に将来を下すべき重要な時間だから、私たちも郵政省としょっちゅう会うことが、郵政省から監督を受け介入を受けるなどというような考えではなく、NHKとしてほんとうにこの難局を切り抜けて新しい出発をするには、経営委員会、理事者、政府当局が一つになって、一つ国会の了解工作をしなければならぬということで、百日にわたって非常に緊密な連絡をとっておった間柄でありますから、そういう関係において後任会長を急いでもらいたい、こういうことが自動的に出たのであって、これを政府が介入の意思があったとか、そういうふうにおとりにならぬようにお願いしたい。
○森本委員 大体その経緯はわかりまするけれども、この問題が出るときにいつも問題になるわけでありまして、特にこの会長の任命とかいう問題については、時の与党あるいは政府がその予算審議の問題というようなことからして、人事の問題も容喙するということがなきにしもあらずであります。現にNHKの顧問に実際問題として郵政省をやめられた古い方が行かれるということにもなるわけであって、これは現実にはNHKにすれば受けたくないのだろうと思いますけれども、しかしやはり泣く子と地頭には勝てぬということで、おそらく受けざるを得ないということで受けるということになると思うわけでありますが、そういう問題は別にいたしまして、そこでもとに戻りましてこの会長の任命については、大臣がそういうふうにおっしゃるけれども、何かはたから見るとやはり政府なり与党なりが干渉しそうな気配があるということで、私は特に注意を喚起したわけであります。そこでもう一問聞いておきますが、ある新聞で岸総理が云々、それから郵政大臣が云々ということについては、これはうそであるということになるわけですか。
○田中国務大臣 新聞はいろいろ出ておりますが、その中で最も明確に書いておりますのは、岸総理大臣がこの任命は総理大臣にまかしていただきたい、こう郵政大臣に要求したということが芹いてありますが、そういう下火はありません。私から公けの立場でNHKの後任会長のことに関して、経営委員会に正式に申し出たというような事実はありません。
○森本委員 私はこの問題についてはまたさらに追及したいと思いますけれども、最終日でもありますし、時間がありませんので次の問題に移りたいと思います。 それは特定局制度調査会の結論については、十一月中には出したいということを大臣はしばしば当委員会において言明せられたわけでありますが、私の仄聞するところによりますと、この制度調査会の結論というのはなかなか出そうもないというふうなことを聞いておりますが、一体これは現在どうなっておりますか。
○田中国務大臣 特定郵便局制度調査会は閣議決定によって設けられたものでありまして、この設置期間は六カ月であります。よって十一月二十八日でありますかに切れるはずでございますが、調査の状況を聞いてみましたら年末までには無理なような状況でありまして、一カ月ないし一カ月半程度慎重締歳のために調査期間がほしいという会長の正式な申し出がありましたので、明日の閣議で一月二十八日まで二カ用間設置期間を延長する予定であります。
○森本委員 大臣はしばしば十一月に結論を出したい、こう言っておりましたが、これは調査会のことでありますから、大臣が言うようにはそうは参らなかったということであろうかと思います。そこで私はこの制度調査会に関連いたしまして、この前の委員会で質問をいたしましたように、特定局から普通局に昇格をしていくということについては、この制度調査会の結論とは別個に現在の段階においては進めていく、こういうことになって、そうして現に五十何局大臣が決裁をせられて進められておると思います。ところが私が聞いておるとこでは、制度調査会の方から何か異議が出て、そうして今後調査会の結論が出るまでは一切これをやらない、こういうことに郵政省の方としてはなったやに聞いておりますが、その真偽はどうですか。
○田中国務大臣 私は調査会の結論と全然別個に、特定郵便局の種別改訂を行うということも明確にはいたしておりません。おりませんが、特定郵便局制度調査会の結論を待ってからやろうというような気持もきめておりません。いずれにしても本省に進達せられてきたものに対して個々のケースを個々に決裁をしておるのが実際の状況であります。先日までは五十局出ておりましたが、そのうち四十八局種別改訂をいたしました。あとの二局に対してはまだ調査中でありますので決裁をしておりませんが、いずれにしてもそのほとんどを決裁しております。なお余のものについて特定郵便局制度調査会から横やりが出たというような御発言でありましたが、そのような事実はありません。
○森本委員 そうするとこれが各郵政局から上ってぐるということについては、そういうものを上げてくる必要はないという通達を出していない、それから各郵政局から自余の問題が普通局昇格の問題について上ってくるということになれば、本名は本名としてそれについては個々に検討して、そうして現在でも昇格してよろしいというものについてはこれは決裁を下す、こういう方針であるということなんですね。
○田中国務大臣 その通りであります。
○森本委員 それでこれに関連をいたしまして、さらに特定郵便局長の任用の件でありますが、これは私は個々の問題がどうだとかこうだとかいうことは申しません。これは与野党の理事会あたりでも私はちょいちょい発言をしたことがありますが、ともかくこの問題については私は大臣に特に要望しておきたいと思いまするし、また意見も聞いておきたいと思いますが、このごろ大臣が大尉になられてこういううわきがあるわけであります。現在私は的確な資料をまだ手元に持っておりませんが、ちょっと聞いてもらいたいわけであります。大臣が大臣に就任をせられてからというものは、特定郵便局長の任用については、与党の代議士がひもをつけて持ってきたものは一切任命をする、しかし全逓の組合なりあるいは社会党系の者がいってきたものについては一切だめだ、こういう大原則を立てて、そしてそういう方針に従って現在任命をしておるというふうなうわさがあるわけであります。的確な資料が私は手元にないが、そういううわさだということでありますが、この点は大臣どうですか。
○田中国務大臣 私は政党出身の大臣でありますが、いやしくも特定郵便局長の任命に当って、政党の色彩を持って採用いたすというような事実は絶対ありません。将来もありません。
○森本委員 そこでこの問題については、後日私は具体的な資料が出て参りました場合に、その具体的な資料によって、今の大臣の言明ともし違っておった場合には、これは一つ大臣も十分にお考え願わなければならぬ、点もあると思います。これを今とやかくここで言うべき筋合いではないのでありますが、大臣が今最後に言われたこの任命方針については、あくまでも政党政派にとらわれずに、これは従来通り、原則としてはこれは部内者を任用していく、万やむを得ず部内者がないという場合において部外者を任用することがあり得るということは、これは郵政省部内の……(発言者あり)おれの言うことを一々ヤジる必要はないじゃないか。 〔発言する者あり〕
○松井委員長 お静かに願います。
○森本委員 今までのここの委員会における私と前の大臣、その前の大臣との間における質疑応答の間においては、そういうふうなことを大臣が答弁もしておるわけです。そうでないと言うけれども、前の平井大臣、それから村上、松田大臣においても、これは速記録に載っておるわけでありますが、原則としては部内者を優先的に任用したいということはやはり考えていく、しかしそれが画一的にいかない、こういう答弁をしておるわけであります。前の三大臣ともそういう方針をここで言われておるわけであります。そういう原則というものは、やはり大臣としてはお認めになって、その上においていろいろ事情があって、それぞれの個々の問題については違うということにはなってこようと思いますが、その点についての大臣の考え方はどうですか。
○田中国務大臣 特定郵便局制度の上から見ましても、特定郵便局長に部内者を任用しなければならないというふうには厳密には考えておりません。しかし部内者からも非常に熾列な要求もありますし、またできれば部内者で優秀な、しかも相当経験年数を経た人を特定郵便局長に任用してくれ、またしたいという意見も多数出ておることを承知しております。しかし画一的にこういう原則を立てるのだというわけにもいかないので、個々のケースによって任用処分をしていくことになるわけであります。ただ私が今まで考えてみましたのは、特定郵便局制度調査会の結論がどう出るかわかりませんが、特定郵便局制度調査会の結論を待たないで、現在のままで任用していくということになりますと――この間一つの例がありましたが、これは部内の課長さんが特定郵便局長になりたい。もう一つの対立候補は第三者がなりたい、こういうのがありました。もう一つは全逓の諸君で優秀な諸君がなりたいという例もありましたが、第一候補である課長そのものは、現在課長の重責にあるのでありますし、しかもまだ定年になっておるわけじゃないし、十分重要な地位にあるのだから、あえて特定局に今すぐ出なくてもいいじゃないか、こういうふうな調査をいたしまして、別な人を任用しようというふうにいたした例もございます。部内者からの登用は、できれば定年になった人とか、家庭の事情でもって、転勤を命ぜられても転勤ができないので、特定局庁舎を提供して、自分が出生地の場合などでありますが、そこで特に特定郵便局長をやりたいというようないろいろな例がありますが、私としては個々のケースを十分見て、最も特定局長にふさわしいという判定が行われたときにそれを任用する、こういう建前をとっておりますので、原則はどうかというようなことよりも、個々のケースで十分考えて、特定局長として最もふさわしい、そしてその人を任命することによって、他に及ぼす影響は非常に少いということを目標に選考しておるわけであります。
○森本委員 大臣が一つ例をあげら、れたわけでありますが、その例については私も承知をしておる例でありまして、これは私はいいのじゃないかと思いますけれども、その逆の例がたくさんあるわけであります。大飯はなかなかかけ引きのうまい人であるかどうか知りませんけれども、十を取って一を与えるというふうな方法では、これはなかなかむずかしい問題でありまして、このことによって、これはまたいろいろの今後の事業運営というものが正常にいかないということになったら、われわれも非常に心配になりまするし、この特定郵便局長任用ということについては、前の委員会以来、原則としてはなるべく部内者を佐川したい、しかしそういうことは画一的にいかない場合もある、こういうことで三大臣とも言われているわけであります。大臣としては、私はこの考え方については反対ではなかろうと思う。だから、原則的には部内者をなるべくなら任用したい、特に勤続年数が相当の年数があって、そうして特定局の問題についても非常に経験の深いものであるというふうな部内者がある場合は、部内者をなるべくなら優先的に採用したい、しかしこれはその土地の事情その他によって画一的にいかない場合もあり得ると、こういうふうな答弁を今までしておるわけです。その方針については私は大臣としても反対ではなかろう、こういうことを私は開いているわけです。
○田中国務大臣 ただいま申し上げた通り部内者でも、ただ組合から推されるから出たいという人、それからもう老齢に近く――老齢というよりも定年に近く、任地もしくは自分の出生地で特定郵便局長になりたいという人、それから誤長のような職にありながら、ちょうど自分の任地が出生地であるので、これから転任をするよりもここでなりたいという三つのケースと、部外者を自由任用する、こういう問題がありますが、それは国庫で局舎を建てる場合、敷地を提供せしめるとか、敷地及び局舎を借り上げる場合というようないろいろな問題がありますので、画一的には、言えない。言えないのですが、いずれにしてもその置局計画に最も条件の合った人を任用していこう、こういうことでありますが、それによって、摩擦が起きないことを前提にしておりますから、円満に、何人も認めるというような者を優先的に認めて任用していくということを申し上げておるわけであります。
○森本委員 局舎の問題と言われますけれども、局舎の問題でひっかかるところは、今日ほとんどないわけであります。現在の郵政省の局舎の借上料でまかなえば、全国的にほとんど借り上げられないところがないような状態であります。ただ、問題になりますのは、東京とか大阪とか、そういうところの無集配局の敷地、難物の問題でありますけれども、大体通常県庁の所在地あたりの無集配局になると、現在の借上料でも普通の民家を貸してくれる場合が多いわけであって、局舎の問題はそれが昔のような格好になっておるということはもうほとんどないわけでありまして、その点は大臣も一つ認識を新たにしてもらいたいと思うわけであります。いずれにいたしましてもこの問題については、本日は非常にヤジも多くて、わからないようなヤジも言われますので、日をあらためて徹底的に、そういう人がおらぬ場合にまじめに、真剣に質疑応答を行なっていきたい、こう考えておりますので、この問題についての質疑は私は本日は打ち切ります。 最後に、きょうが臨時国会の最後でありますので大臣に聞いておきたいと思いますが、この間じゅうからいろいろ、次の通常国会に郵政省として提案をする法案についての断片的な説明があったわけでありますけれども、次の通常国会に対しまして郵政省として法案を用意をしておる問題については、どういう法案があるかということをこの際一つ明確にしておいてもらいたい。われわれといたしましても、この問題について十分野党的な立場からも審議をして、さらにその内容等についても研究をしておきたい、こう考えておりまするので、この次の通常国会に提案をせられる法案の説明を――説明でなしに項目的でもけっこうですが、この際最後に一つ明らかにしておいてもらいたい、こう思うわけです。
○田中国務大臣 通常国会に提案します予定にしておりますものは、郵政省の設置法の一部を改正する法律案、これは前回も申し上げた通り省名を逓信省にいたしたい。それから官房長制度を設けたい。電気通信監理局を設ける。官房にある人事、資材、建築を職員局、資材局、建築局というふうにみんな局にしたい。それから電波監理局に部制を設けたい。それから各部に大体一ないし二名の次長を置きたい、こういう問題があります。 それから郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正いたしたい。これは手数料を社会内情勢の変化に応じて引き上げたい、こういう問題でございます。 第三には、お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一部を改正いたしたいということであります。これは現在はがきは四円とす、しかし社会福祉のために一円の寄付金をつけることができるということになっておりますが、これはいずれを見ても四円か五一にしなければ窓口事務が非常に煩雑になりますので、この問題を解決し、それとともにただ社会福祉というようなものでなく、いろいろな限定をした事業に継続的に投資できるように改正をいたしたい、こういうものが主眼でございます。 そのほかは郵便為替法の一部を改正する法律案、これは通達によりまして証書受取人に送達をしなければ、また一受取人本人が持ってこないと当日現金化せないというような事情がございます。これはいなか等においては非常に困難でもありますし、現金の払い渡しに対してスピード化をはかろうという意味で、現金を届けるという制度を一つ設けたら、どうかというような問題を今研究中でございます。 それから郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を第六に考えております。これは今までの振替貯金の小切手払いにつきましては、郵便局から地方貯金局に対して口座の現在高を照会してでなければ払い戻しはしないということでありましたが、これも一つもつと簡素化してもらいたい、こういうことでごいさいます。 第七には、郵便貯金の旧預金者等に対する旧大蔵省預金部資金に属する運用資産の増加額の分配に関し、大蔵省預金部等損失特別処理法第四条の特例を定める法律、これはこの委員会からも申し出ておりますが、旧預金者の切り捨て分に対して補てんをいたしたい。これは総額二億三千五百万円でございます。 それから第八には、簡易生命保険法の一部を改正する法律案であります。これは現在の保険金最高制限額二十万円を三十万円に引き上げたい。これは三十五万円が原案、でありましたが、貯金法が先日御可決を願いましたので、これと平灰を合せる意味において原案を三十万円に引き上げるということにいたしたいと思います。 第九には、公衆電気通信法の一部を改正いたしたいと思います。これは現在施行印の加入電話テレックス制度の規定がありませんので、これを公衆電気通信法に織り込みたい、こういうものでございます。 その次には十でありますが、地域団体加入電話に関する法律案でございます。これは農山漁村等電話の普及が困難と認められます地域におきまして、団体加入によって電話加入を認めようといたすものでごごいます。 それから第十一には、電話加入質権に関する臨時特例法を作りたい。というのは、中小企業者の金融難緩和の目的をもって、一定の条件のもとに、特例的に電話加入権を質権の目的とすることを認めようというものでございます。 十二番目には、電波法の一部を改正する法律案でございますが、これは今現行電波法各条章にわたっての検討をいたしておるわけでございます。 このほかにも電電公社法の一部を改正しなければならぬと思いますし、その他もまだ二、三ございますので、十六、七の法律案の審議をわずらわすことになると思うのであります。提案の上はよろしくお願いいたしたいと思います。
○森本委員 それでちょっと聞いておきたいことがありまするが、放送法の改正については、通常国会に提案する意思があるかどうか聞いておきたいと思います。もし改正する意思があるとするならば、その内容は大体どういう輪郭を持つものか。
○田中国務大臣 その他のものの中に放送法も大体含ませておるつもりで発言を申し上げたのでありますが、放送法に対しましては改正の方向が二つございます。この二つを織り込んで放送法及び電波法を改正できるかどうかということになりますと、事務的な問題もありますし、また内容そのものに対して慎重を期さなければならぬということで、両力一緒に抜本的に改正案が提出できるかどうかにははなはだ疑問がありますが、いずれにしてもその一つは通常国会においてどうしても改正を願わなければならぬことがございます。その一つというと、全く事務的なものでございます。それは理事が現在三名でございますが、七名から十名くらいにしたい、こういう考えでございます。これは当然の改正であります。どういうことかといいますと、ラジオばかりの時代に作られた放送法でありまして、現在三名ということになっておりますが、テレビができ、しかもFM放送の免許を行い、全面的に教育放送を行わしめるということになったならば、当然事業量が非常にふえてくるのでありますし、理事の人員を変えなければならない、こういうことが起きておるわけであります。 もう一つは資金的な面でありますが、これは大ざっぱに申しげますと、ラジオの普及が非常にはなはだしいので、これを全面的に近代設備に改良するには、大体年間五十億、五カ年間二百五十億くらいになるものと思います。それに、民間放送業者にテレビジョンの予備免許を与えましたので、当然NHKの五カ年計画も二年次くらい繰り上げなければならないという問題があります。放送法上当然民放に先行して、あまねくテレビジョン放送をしなければならぬというNHKの性格上から考えましても、最低に見積っても五カ年間に約三百億という設備資金を必要とするわけでございます。合わせると大体四百億ないし五百億というものが必要でありますから、これに対して外部資金を入れる場合の政府保証の道をどうするか、資金運用部資金を入れる場合の規定をどうするかというような問題に対して、一つ明確に法制上の処置を行わなければならないというのが、どうしても通常国会で改正しなければならない最小限の目標であります。 その次は民間放送とNHKをどう調和せしめるか、NHKの性格そのものを変える必要があるかないか、公共放送の定義をどうするかという問題であります。これは参議院の逓信委員会等でも非常に問題になっておりますが、民間放送がここまで発達してきたときに、同じ権限を持ち、同じ放送をしておるならば、ただに放送法の全国あまねく放送しなければならないという条項をたてにとるだけによって、六十何円という聴取料を認める根拠はないじゃないか。ゴールデンアワーでもとにかく許して、聴取料をやめた方がいいじゃないかという議論もございます。だから聴取料をなぜ取るのだ、特に値上げをしなければならないというような問題にぶつかると、当然民間放送とNNKの違うところが、明確に法律上出てこなければならないわけでありますから、こういう問題に対して手を触れなければならない。また触れられるかという大きな問題があるわけであります。これに対しては御承知の通り、放送法改正審議会の答申もありますし、それからまた民間業者に対してテレビジョン局の予備免許等を与えた新しい事態も起きておりますし、前提条件も変ってはおりますが、いずれにしてもNHKに対しては相当程度の定義を明確にしなければならない、権利及び責任、義務の条項、を明確にしなければならぬことは当然であります。もう一つは、今度の予備免許に当って、いろいろな条件というようなものを付しております。これは一面からいいますと、申請する者が自発的に出したということになっておりますが、いずれにしても免許者と被免許者との間に協定を行なって書類を整備したにすぎないのでありますから、こういう不明確なことをしておるよりも、官が付帯条件をつける場合には、どういう根拠法によって、どういう権限をもってつけられるのかということは、法改正の場合には当然明確にしなければなりませんので、これら二つを合せて、通常国会にどのような形態で出し得るかということを、事務的に検討いたしておる段階でございます。
○森本委員 今の大臣の答弁の中には、非常に重要な問題がたくさん含まれておるわけでありまして、この問題については、簡単に十分や二十分の質疑応答では明らかにならぬわけであります。大臣は坦々として、今説明いたしましたけれども、その説明というものは、日本の放送界における非常に重大な問題でありまして、なかなか軽々に考えるべき問題ではないというふうに私は考えておりますし、大臣もそれは同様の考え方であろうと思いますが、これは日を改めて、内容を逐一質疑応答していかなければ明かにならぬことでありますので、私はこの程度に質問をおいておきたいと思いますが、最後の放送法の改正問題については、これは非常に重要な問題であるし、また放送法改正の比券議会における答申案におきましても、多数意見、少数意見というものも出ておりますし、なお当委員会においても、この問題についてはかなり詳細な質疑応答を行なっておるわけでありますので、この問題についての大臣としての取扱いは、非常に慎重に、しかもこういう問題については与党的な色彩の濃い方向で出すというようなことがないように、これはあくまでも公共放送の立場を擁護していくという、現存の放送法の建前というものはくずさないというふうな方向において、十分慎重に考慮せられる、ように私は要望しておいて、本日は時間がございませんので、私の質問を打ち切ります。
○松井委員長 原茂君。
○原(茂)委員 時間がないですから、簡潔に私もお伺いしますが、大臣も簡潔にお答え願います。五点お伺いします。 第一点は、おとといの委員会で、切手それから印紙の手数料について、板野さんからたしか御答弁があったのですが、その内容をお聞きになったすか。
○田中国務大臣 聞いております。
○原(茂)委員 聞いておられて、要するに私の要望したことも御了承になっている、こう解釈してよろしいですか。
○田中国務大臣 質問と板野局長の答弁を聞いておりませんが、この切手売りさばき所の問題に対しては、省議に諮りまして、私が金額をもっと上げられないかとか、いろいろな問題を指示したり、調整をした立場において承知をいたしておるということでございます。
○原(茂)委員 時間がないようですから、繰り返さないことにします。板野さんにおととい私が質問をし、お答えを願い、要望しておいた点をあとでよくお聞き願って、その通り実現できるように御考慮願いたい。 それから第二点、今放送協会の会長の問題で質疑応答を聞いておりますと、大臣あるいは政府当局としては、何ら圧力も干渉も加えていない。こういう御答弁だったのですが、少くとも経常委員長に対して、お通夜の晩か何か知りませんが、そのときに、十名の名前を大臣の方から出して、そしてそれを俎上にして、とにかくこれはどうだ、あれはどうだ、急がなければいけないがと言って話をされたということは、大臣が今答弁になりました。そういうことが実はある種の圧力になる。大臣という立場がある以上は、ある極の干渉とも言えるわけです。大臣自身は、個人的に決してその気はなかったといっても、やはり大臣の肩書を持って、経営委員長に急がなければいけないが、こんな人間はどうだと言って十名の名前を出せば、これはある種の圧力になるというのが常識です。あるいは干渉とも言えます。しかしこれは大臣がそういう気持がなくておやりになったらしいから、私はとにかく軽率だったと思うのです。そういう意図はなかったにしても、今の段階で、私どももそれから一般も一番神経を病んでいるのは、今論議されている放送法の改正が、どうも岸さんが総理だと、かっての情報局を復活するような方向に、岸さんの意思はあると私ども考えておりますから、そういうふうな岸総理のもとにおけるこの放送法の改正というものに対しては、非常に注目しているわけです。私どもも関心を持っているわけです。こういう段階においてはなおさら、今の会長の任命等に関して、大臣が大臣の立場で、何かこちらから十名なり何名なりの名前を出して話をするということが、やはりそれと一連の関連を持って、ひがみではないが、何かこう圧力をかけているというふうにとれやすいものですから、そういうことは今後おやりにならない方がいいのではないか、こう思う。この点一つ……。
○田中国務大臣 これは確かにそう言われればそうでありますが、私は圧力をかけたとかなんとか何も考えておりません。私自身が毎日百人からの陳情を聞いて、全然圧力を感じませんので、自分の気持で、圧力を感じないと申し上げてもいいのでありますが、いずれにしても公けの問題、特に非常に微妙な段階にあるとき、私がそういうことを言ったことは、大衆的な感覚からいってもまずいではないかという議論が起きることは承知をいたします。しかし岸総理の前歴云々から、岸内閣において放送法が改正されることは非常に危険だということは、これは全く逆であります。御承知の通り岸総理も、総理御就任以来前歴だけを言われますので、特にあつものにこりてなますを吹いているというか、そういうのが各閣僚にも全部通じておりますし、私自身自由主義者でありますから、そういう御懸念はないことを明らかにしておきます。
○原(茂)委員 その点は、大臣の方は信用ができて岸さんの方は信用できない。これは立場の相違だからやむを得ないのですが、とにかく放送法の改正が来国会に出るとしますと、そこでそういう間違いの起きないように審議する以外にないと思います。 次に今の特定郵便局の問題ですが、これは何か非常にややこしく、答弁を逃げておるように私は感じたのですが、ざっくばらんに言って、たとえば郵政内部においてもしある種の重要なポストが欠になる。これを補充しようというときに、外部から持ってくるのが原則か、やはりずっとやってきた部内者をそこへ持っていこうとするのが原則かということになれば、特定郵便局で一生懸命働いた人間を、局長に欠がある場合には、できるだけ部内から持ってきょうと思う、こういうふうに大臣は答弁されることが私は当然だと思うのですが、そういう御答弁がなかった。そういうふうに答弁してしかるべきだと思うのですが、どうですか。
○田中国務大臣 これは私からお願いをしますと、今の段階において、この特定郵便局長任免の基準の問題に対して、私はあまり触れたくないから、ああいう答弁をしているのです。それはどういうことかといいますと、今森本さん及びあなたが言われた論法からいいますと、これは私の答弁を待たなくとも、常識があれば当然そういう結論になるのです。しかしその論法だけでは、特定郵便局長には当てはまらないという実情もあることは御承知の通りであります。次官がかわるときに、適当な人がないから部外から持ってくるというようなことは、これはあり得るものではないのであって、もし部外から登用しなければならないときには、これは必要やむを得ない状態において最小限にとどまるべきであるということは常識上当然の話であります。それが特定郵便局長に対しては、どうしてそういう原則が確立できないのかというのは、長い特定郵便局制度の自由任用制という問題、それから局舎の提供、また非常に安い借家料でもって使っておる。それから実際前局長がやめて、局舎及び敷地は什器とも前局長の所有であっても、これを安い借料でもって、次の人が借りなければならぬというような、いろいろな特殊な問題があるわけであります。自動的にスライドしていって、だれに貸すのも同じだ、入札しても貸せるのだというような状況にもないのです。だから前局長が自分のむすこを任用してもらえなくとも、あの人には貸せませんぞというような状態もあります。できるならば、この人に貸してくれれば、借家料は現行のままでもいいというようないろいろなケースがあるわけです。これは特定局に対しては、一つのケースごとに、全部条件が違うわけであります。だからそういう問題を何かすぱっと割り切るために、何らかの形で特定局制度の結論を出したいというお互いの考えが、現在の特定局制度調査会になっているわけです。ですから私も特定局制度の問題、任用の問題等は、種別改訂の問題も含めて、個人的には特定局制度調査会の結論を待つべきだということでありましたが、そうばかりもいかないので、事情に沿った裁量をしておるわけであります。だから特定局制度調面会の結論が、特定局の廃止か、もしくは強化という、いずれの線か結論が出ますと、任用基準の問題も非常に明確になりますが、現在のところは、やはり一つ一つのケースでもってやらなければならぬので、私がここでもってこういうことを基本としてやりますということは、あとに尾を引く問題でありますので、特に時期的にも慎重に答弁をしておるということでありまして、どうも回りくどく、特に何か腹の中に持っておって答弁をしておるのではないのでありますから、一つこの問題はもう少し時期を待って、いずれにしてもお互いの力で明確な基準を作りたいという考えでございます。
○原(茂)委員 大臣の私の知っている性格、あるいは委員会に出ての今までの各種の答弁、そういうたぐいのものと比較してみると、とにかくこれだけは少しく大臣らしくない、何か違った人間が出てきたような、そういう印象を率直にいって受けているのです。もう一度同じこととを言うようですが、原則といいますか、気持の上では、とにかく長年やってきた部内者をやりたいと思う、しかしいろいろなケースがあるなら、ケースに応じて考慮しなければいけないだろう、こういうような答弁でも大臣がして、同じことになるのじゃないかと思うのですが、それができないと、ちょっと疑ぐりたくなる。今のところできそうにもない。ですから、もうこれ以上聞きませんが、とにかく少しく、大臣は何もないのだとおっしゃっても、何か奥歯にものがはさまっている、今までの大臣らしくない答弁をしている、こういう印象を正直にいって受けていますから、あらためて森本委員からもまたきっといろいろと質疑するだろうと思いますが、私もこれには重大な関心を持っております。 それから次に、これは一つきょう直接どうこうという問題じゃないのですけれども、ソ連の人工衛生の問題に関連して、非常に日本の朝野をあげて、大へんなソ連の科学技術の進歩に注目しているわけです。その反面どうかというと、アメリカのこの種の科学技術、IRBMにしても、ICBMにしても、こういうものの科学技術というものは、どうもソ連より格段に劣っているのではないか、こういう印象は口には出さないが、どうも一般に持たれている。私はこういう大きな宣伝がされていても、アメリカの科学技術というものは、そうソ連に劣るものでないというふうに考えている。かつて太平洋戦争のときにパール・ハーバーで日本がやっつけた。そのやっつけられた状況をアメリカ政府はアメリカの国民に全部正直に知らしている。日本は負けておっても勝った、勝ったと言っておった。知らされたアメリカの国民というものは、やはりパール・ハーバーを忘れるなというので、あの短時日の間で、もっと強大な艦隊を再建してきて、これでまたぐっと盛り返して、私どもあのみじめな目にあったわけです。こういうように国民がその国家の実情、あるいは自分たちの持つ力のほんとうの姿というものを、よく知れば、相当思い切った力が出てくる。ソ連は、よく知りませんが、ほんとうのソ連の実情というものは、われわれが知らないと同じように、ソ連の国民ですら、ある種の知らされないものをたくさん持っているのではないか、こういうふうに私もただいま一応考えている。アメリカの場合はあまりそういうことを隠さない、やはりパール・ハーバーの経験じゃないけれども、今おくれていても、急速に追いついてくるというのがアメリカの実情であって、ソ連とアメリカと比較して、そんなにアメリカが落ちていることはないというような印象を私は持っているわけです。そこで今度日本の場合ですが、この人工衛星が打ち上げられてから、一番私ども特に国会に関係する者として寒心にたえなかったのは、人工衛星とは何か、もちろん知らないし、一体誘導弾とは何なのか、あるいは原子をつけた弾道弾というものは一体どんなものかということを全然わからない。もっと突っ込んでいうと、天体そのものの理解すら全国民はほとんど持っていない。こういうことでは、幾ら岸さんが日本の科学技術振興ということを強くうたっても、実際には国民全体のレベルが下の方でぐっと科学技術に対する知識が上ってこなければ、ほんとうに日本の国力としての科学技術の振興というものは不可能だ。こういう観点から、私はここで、今度はこの委員会に関係のある問題に入るのですが、私はやはり今日本で国民にほんとうに科学技術を啓蒙振興させようとするなら、どういう手段が必要か。これは科学技術庁あるいは政府が日本の科学の実態というものを白書を通じて知らせる、あるいは小学校、中学校におる科学教育というものを今から徹底的にやっていく、これもいいでしょう。しかし現段階で急速に必要な問題とすれば、私は今持っている日本のテレビあるいはラジオ、これをNHKばかりでなくして、民間放送も全部動員して思い切って、政府の責任において国民全体を科学的なレベル・アップをさせるような一つ思い切った施策をしなければ、ほんとうの日本の科学技術振興は不可能だ。単に一、二の特定の勉強をした学者だけがいかにこれを研究しても、地力ある、国の底力としての科学技術の振興は不可能だ。それではいつまでも何十年という差を米ソにつけられたままで、日本は常にうしろについていくという状況になるのです。岸さんもやはりこの非常に関心を持って、科学技術の振興にたまたま言葉を出すわけです。そういうことになると、一番手っとり早く直接に国民を指導できる手段としては、小中学校における教育、これはある意味では迂遠な方法。それから経済白書と同じような科学白書を出しても、これは特定の人間しか見ない。やはりあらゆるとき耳から目から入れるためには、今の日本のラジオ、テレビ、を動員することを政府が思い切って決意して、特に民間放送も動員して、必要があれば思い切った予算を取って、そうしてラジオ、テレビを通じての国民の科学技術振興に力を入れないと、ほんとうに私は人工衛星が何だかわかないままの日本、非常に貧弱な悲しい日本というものがいつまでも続くのではないかと思う。こういう観点から特に大臣にお願いしたいのは、きょうも正力さんに私、特にお願いしておったのですが、正力さんも、非常に賛成だ、やりますと言っていましたから、どうか日本のラジオ、テレビ等を通じて、しかも今回のテレビの割当などを通じて、あるいは来たるべき国会を通じて教育放送に対するはっきりした一つの方針を立てつつある大臣ですから、この点、閣議の問題にすると正力さんははっきり言明してくれましたから、閣議等の問題になったときには、ぜひこれは、非常に大きな啓蒙宣伝の手段を監督指導する立場の大臣として、科学技術振興に対する一つ思い切った協力をしていただきたい。いろいろの方法があると思うのですが、私は民間放送あるいは普通テレビ、こういうようなものを使うとしても、これはスポンサーの立場に政府がなり、思い切って予算を取って金を使うということになりますし、事いやしくも公共放送の中の教育放送というほんとうに国家的な必要からやる、もし政府がこの種の決意をした事業がありとすれば、これに対しては特別に民放も考慮をする、普通のスポンサーと同じように料金をコマーシャル・ベースに乗せて取るというようなことでいいのかどうか、これに対するある程度のディスカウントができるような扱いはできないのでしょうか。話し合いができるものかどうかというような御研究をなさった上で、閣議でとにかく少しでも安く、予算をより有効に使う方法を考慮して思い切ってやるべきじゃないか、こういったような点に対して大臣からも発言をして、協力をお願いしたいと思うのであります。この点はお願いになりますが、大臣から一つおやりになるならなるという決意を示していただきたいと思います。
○田中国務大臣 科学技術の振興は、私も個人的に非常に興味を持っておりますし、特に私は理化学研究所の出身でありますから、こういうものに対しては、個人的にも好きな立場をとっておるわけです。それで電子一工学というものに対しては、総合的研究所を作りたいというような案を作りまして、エレクトロニックス協議会とも連絡をしながら、どういう形態でもっていつごろから作るか、これに初年度幾ら金を出せばいいか、出すとすれば原子炉に投じたくらいの金、すなわち初年度三十億ないし五十億、十年間五百億かければ、世界の先進国に劣らないくらいの自信があるとも各科学技術者が言っておるのでありますから、それであるならば、ぜひこれは何らかの形で、片づけなければいかぬということで、今研究しております。これに対しては御承知の通り通産省から横やりが入っております。所管争いというものであります。所管争いやセクショナリズムで科学の発展を阻害されるということでは困るので、科学技術庁及び郵政省、通産省等と連絡会議を開いて、何らかの形でもって一つこれを軌道に乗せたいという考えを持っております。 それからもう一つは、この間も閣議でもって松永文部大臣から話がありまして、大体そういうことしにしようじゃないかということをきめましたのは、法文系万能主義の大学を含めた各教育機関に対して、一つ技術、特に科学技術というものが非常に不足をしておる実情でありますし、電波技術の技術屋の養成ということをもう少し積極的に、――場合によっては私学校に対して、補助をする場合に、科学技術に限ってもっと大幅なものを出すということを考えたならばいいじゃないかという教育面の問題が一つございます。それからもう一つは、電子工学に対する補助金を出したらどうかという問題でございます。これは出すとすれば当然郵政省であります。電波監理局及び電気通信監理局を設けるというところにはそういう私自身の考えがあります。できれば、せひ補助金制度を作りたいという熱意を持っております。 郵政省が今直ちにもやれるものというは、電波を使っての国民教育、または国民の科学思想の芽ばえをもっと伸ばしてやろうということに対しては、ラジオ、テレビジョンを使うということが一番いいことであります。そういう意味でVHFに対しては、民放に対して親局を免許すると同時に、民放に先打してVHFの残り二十七波ございますが、この局も早急に免許して、第一次五カ年計画を二年繰り上げて、昭和三十四年の暮れまでにはNHK、民放とも全部波を出さなければいかぬ。同町に、出すということだけではなく、教育、教養特に技術、産業教育面に大きくプラスをするように考えよう。その意味で民放の親局に対して処置をしないと野放し免許ということになるわけでありますが、あえて野放し免許を考えておるわけではありません。きょうも質問がございましたように、FM放送、カラー・テレビジョン、UHFのチャンネル・プランを早急にきめてやったらどうかというお話がありましたが、これこそ教育放送その他の面から考えて非常に重要なプランでありますから、少くとも通常国会に放送法――というとまた問題になるわけでありますが、放送法というもので明確に公共放送をどうするか、一般テレビジョン放送局で公共放送をしなければならないものをどういうふうに規律をするか、しかもそれが自主的な番組を侵さないという調和点をどこに見出すかということは、これはどうしても事実の問題として通常国会にはやらなければならぬ問題であります。普通からいいますと、免許をしない前に準拠法が整備されておらなければならないのでありましたが、準拠法は放送法が昭和二十五年制定のものであって、今日これだけのテレビ局を免許するということになると、一面野放し放送ということになるのでありますから、そういう面も一つ放送法の持つ精神を侵さないようにしながら、調和点を見出して準拠法を整備しよう、整備をするまでは、FM、カラー、UHFに対しては免許を与えない、免許を与えて混乱することのないようりに配慮をしておるのでありますから、いずれにしても三十三年度の予算編成に対しては、こういう問題の基調をしっかり把握して、第一次五カ年計画の初年一皮予算の線を貫きたいという考えを持っておるわけでございます。
○原(茂)委員 今の御答弁の中で二つ、ちょっと私の意見を申し上げてお答えをいただきたいと思うのですが、一つは何か電子の研究に対する助成をするという話が閣議でも出た。しかしその場合は当然郵政省がその助成に当るのだ、こういうお言葉があった。どうもこれは通産省が横やりを入れていると同じことに通ずる危険があるので、今日もう科学技術庁を科学技術省にしなければならぬ。それでなければ日本の科学技術の振興は問題にならないということは、国会全体の議論になりつつある。従って科学技術庁の中に電子局を置いてとにかく電子を専門にやる、こういうような意向を私は持っておるわけです。きょうもそのことを強く主張したのですが、そういう状態の中で、大臣が言われたように通産省が横やりを入れた、確かにおっしゃる通りです。ところがやはり郵政省にも横やりを入れそうなくさみが今の片言の中に出てくる。私はもっとフランクな気持で日本の科学技術振興のために、大臣は非常にさっぱりしておるのですから、もう少しこの点は、そういう考えはな、いのかもしれませんが、吟味していただきたいと思います。 それから第二点は、今の御答弁で私が申し上げたのに関連して、だから通常国会における放送法改正にも多少関連してくるから、その改正等を通じて教育放送の内容あるいはそれに何か規制というか、注文をつけられるかどうかを考慮したいのだというお話があった。私の申し上げた真意は、放送法改正に今ひっからめてもらいたくない。放送法改正は重大な問題ですから、これは別個に考えてもらいたいと思う。これにひっからめていくのは少しずるいと思う。そうでなくて、やはり教育放送を専門にやる免許を与えたり、あるいは一般民間テレビ等に関しても、教育放送を何割かやらなけれ、ばならぬという条件をすでにおつけになっておる。そのことを考慮させるようにしむけておる、指導されておる。従ってそれを実現しようとする場合の民放は、教育放送をやるのにスポンサーを求めるのが実は困難なんです。従って一般の彼らが今やっておるようなコマーシャル・ベースで、一時間幾らという金をもらって教育放送をするということはなかなかむずかしいというのが実際の現状だと思う。そのむずかしいのをほうっておくと、やらなければいかぬという条件はつけても、それは何かの形で逃げられてしまって、もう教養放送どころか、名前はどうあっても、非常に不教養な放送をやることになるかもしれない。商売ですから、苦しまぎれにやるかもしれない。むしろそういうことを今から心配しているくらいですから、教育放送、教養放送をやれと言ってそのことをやりますと言っているのでありますから、実際にむずかしそうなことに対して、ちょうどいいから、政府はこの科学技術振興の建前から当然やるべきだし、一番手っとり早いのだから、政府がスポンサーになって、そのかわりディスカウントさせるということでやっていけばいい。これはほんとうの取引でやっていけ、はいい。放送法改正を今ひっからめて御答弁になったのはよろしくない。
○田中国務大臣 助成機関の問題に対しては、けさの新聞にもあるように、科学技術庁で電子局を作ろう、こういうことになっております。きょうは私はこの問題に対しては、正力さんが入院されなければ十分連絡をとろうという考えでおったのですが、通産省はいろいろな問題を出しております。郵政省もまた人工衛星は当省の所管である、こういうふうに言っておるわけです。これはセクショナリズムによって郵政省ががんばるというのではありません。私も科学技術庁設置の急先鋒でありましたから、そういう考えはないのでありますが、ただ現在ある科学研究所とか、通産省関係の技術試験所とか、各大学に分属しておるもの、こういうものを一体どうするか、これを全部ひっくるめてやろうじゃないかという端的な意見が学者の間にあるものですから、それをひっくるめるならば、通産省にひっくるめてもらいたい、科学技術庁に設くべきだということで少し議論があるようですが、世は人工衛星の時代でありますので、こんなことをやっておるのでは話にならないので、これは私の方でなくて科学技術庁であるというのなら、譲るのに一向やぶさかではありません。そういう意味で申し上げているのではないのです。だれもやらないから一つやろう、こういう考えです。特に電波、電気、通信という非常に微妙なものに対して監督をし、実施をしておる関係官庁でありますから、電子に関しても当然ものを考えたい、こういうことを申し上げたわけです。 それから教育放送に関しては、教育放送というものを定義、つけるために、放送法を改正しなければならないという考えを私は持っておりますが、この放送法を改正してもらっては困るという御意見もわかるのですが、教育放送としては、特に局間一般放送事業者に国が料金を払ってやらせればいいじゃないかという議論、これ、よりも合理的なのは、理論の上では別でありますが、実際面から考えますと、NHKをしてやらしめるのが一番合理的であります。ですから私は先ほど申し上げた通り、VHFにおいて現行の波においてNHKに全面的に第二波を与える、こういう計画を今持っておりますし、しかもそれは早急に行いたい。そうしますと当然値上げをするか、もしくは政府が金を出すか、外資を入れる場合には補償制度をどうするかという問題が当然出てきますので、それをやるにはどうしても放送法を改正しなければやれないのです。ですからそういう面の事務的なものは当然改正をしなければならない、こういうことを言っておるのでありまして、それにひっかけて放送法を右旋回させようなどという気持はごうまつもありません。そうでなく、今までわれわれが行政指導をやっておる方式そのものでも、実際ペイ・ラインに乗らないという場合には、これも教養だ、これも教育だ、しかも田中が歌った浪花節も教養だ、こういうふうにやゆされている現状でありますから、実際何割と書いても法律の根拠がないのだから、やれなくたってしょうがないじゃないか、やれば損するのだから、国家補てんの道を開いてくれなければ、やらないのではなくやれないのだという疑問も半面あるわけであります。でありますからそういうものに対しては、電波税を取ったらどうかという議論もあり、広告税を取るべぎだという議論もあるわけです。ですからそういうものを全部勘案してみましても、いずれにしても現在の民法に直ちに教育放送を完全に法律でやるということはむずかしいようですが、国が行政指導で教育放送のやれる範囲を幾らか規制をしていかなければならぬのじゃないかというふうに考えておるだけでありまして、教育放送にひっかけて放送法を抜本的に改正して、言論の自主性を侵そうなどという考えはほんとうにございませんから、御了解を願います。
○原(茂)委員 私の言っているのも、放送法の改正は絶対いかぬという意味ではないのです。変えなければいけない部分があったら、横訂した結果これを変えるにやぶさかではない、放送法を絶対に変えてはいかぬ、こういう私の意思はございません。ものによっては、必要があれば変えなければいけないものもあるかもしれません。しかし現在の科学技術の振興という問題とひっくるめて放送法を改正しなければならぬといったような、そういう持って行き方は、私は先ほど岸さんのことを言ったこと等も含めて、私の立場からやめてもらいたい、こういう意味です。 それからNHKを中心にやろうということは大原則です。しかし急ぎますから民放も使う。そのわかり民放に対する教養番組を何割かやれといったことに対する一つの大きな援助になるので、はないか、そういう意味でこれは一つの案でありますから、大臣のお考えによって日本の科学技術の振興に御協力を願えればいいわけです。そういう意味において民放の助成にもできることはやってもらいたい、こういうことなんです。 そこで最後の第五点としてお伺いしたいのは、一つあるのですが、通常国会に何かお出しになるのを今御説明願った中に、どうも私忘れてしまったのですが、書留の郵便物か何かを紛失したときに、あとで、いろいろ問題になって、その後の処置がどうなっているかまだ私はっきり聞いてないのですが、おそらく板野さんは御存じだろうと思いますが、この、問題に関連して何かやはり郵政省として、法の改正か何かを考慮しなければいけない問題が一つあったように記憶するのですが、そういう問題はないでしょうか。
○田中国務大臣 法律改正をやらなければならないようなことはないようであります。現行法で十分補てんの道は講じられております。
○原(茂)委員 書留が紛失した、これは困ったというときに、書留をもう一度書留にしたらよいじゃないかというようなことをやっているのではないですか。なくなっては困るようなものは普通の書留のほかに、その書留をもう一ぺん書類にするような制度をやっているようなことはないのですか。
○田中国務大臣 そういうことはありませんそうです。あるとすればおかしい制度で、すからそういうことはないでしょう。
○原(茂)委員 何かそれに類するおかしなことが一つ記憶に残っておる、一つ考えてみて下さい。
○田中国務大臣 事例がございましたら、一つお示しを願って報告願います。
○原(茂)委員 それは調べてもらえませんから、私の方で調べましょう。 最後の問題は今の部落有線放送です。これの指導あるいは所管というものは農林省でやっておる。農村の有線放送です。農林省で予算を取り、そうしてこれに対する所管省として仕事をしているわけです。これを実際にこのまますっと続けていくことが、どうも何か矛盾があるのではないか。現実の問題としてはこまかいものがたくさんあるわけです。そこで、時間がありませんからこまかい例は御存じだと思いますから言いませんが、これをどんどん発させ、利用させる、そうして高度に利用の道を開くという意味から言っても、あるいは技術的なほんとうの仕事が満足にいくという点から言っても、一応にしろどうも農林省の所管にしておくことが矛盾であり、まずいのではないかという気がするのですが、こういう点次の通常国会では考慮されないのですが。
○田中国務大臣 有線放送は御承知の通り現行法律上として公布されておりますので、そういう面からも、電気通信監理局を設けたいという一つの要因になっているわけであります。今年度の農林省の有線放送電話の割り振りにつきましては、補助金等の関係で幾らか連絡が不円滑であったようでありますが、その最終的な調整段階においては、両省大臣が話し合いをしまして、事務次官協定でありますか、局長協定でありますか、協定書を一つ取りかわしなさい、そうしてその協定書の内容は、昭和三十三年度から地力で有線放送の申請をする場合には、地方電波監理局の議を経てお互いが技術的によろしいという段階になったときだけ一つ出してもらいたい、最後の段階においては、郵政省と協議をしていただきたいということで両省了解をいたしておりますので、法案改正という荒っぽいことをやらないで、もう少し時期を見たい、こういう考えております。
○松井委員長 本日は今国会最終日でありますので、この際暫時休憩をいたします。 午後四時四十九分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は開会に至らなかった〕