逓信委員会 第1号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/11/02
会議録
○松井委員長 これより会議を開きます。 まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。今国会も本委員会の主管事項について議長の承認を得て国政に関する調査を行いたいと思います。つきましては郵政事業、郵政監察及び郵政省所管行政事務の改善をはかるため、前国会の通り郵政事業に関する事項、郵政監察に関する事項、電気通信に関する事項、電波監理及び放送に関する事項、以上の各事項について調査を進めることにいたし、その他衆議院規則第九十四条に規定する事項につきまして、委員長に御一任願って議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○松井委員長 次にお諮りいたします。さきの閉会中、本委員会におきましては、議長の承認を得まして、実情調査のため各地方に委員を派遣いたしたのでありますが、その報告書が委員長の手元に提出されております。これをすべて本委員会会議録に掲載するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井委員長 御異議ないものと認め、さよう取り計らうことにいたします。 —————————————
○松井委員長 次に郵政大臣より所管事項について説明を聴取いたします。田中郵政大臣。
○田中国務大臣 第二十七臨時国会の当初に当り、私から所管事項につきまして概略御説明申し上げます。 まず郵便事業について申し上げます。郵便事業の運営は依然として順調に進んでおりまして、これを取扱い物数の面から見ますと、本年四月から九月までの実績は二十三億八千万通で、昨年の同期に比して約六・六%の増加を示しておるのでございます。従いまして収入の面におきましてもおおむね好成績を上げているような現状であります。一方業務の運行につきましても、ほほ順調な歩みを続けておりまして、社会の要請に対応するようサービスの向上を目ざして努力をいたしております。 次に去る八月十四日から十月三日までカナダ国のオタワにおいて開催されました第十四回万国郵便連合大会議には、わが国からも代表団を派遣いたしまして新条約及び諸約定に署名いたしました。これらの条約案等の取扱いにつきましては、後日国会の御承認を得るよう目下準備中でございます。なお本大会議において連合の常任理事国ともいうべき実施連絡委員国に再度当選し、かつその副議長に選ばれたのであります。 次に郵便貯金について申し上げます。本年度の郵便貯金は、ただいままでのところ純増実績五百七十低円を上げまして、目標額千百五十億円に対し五〇%を示しておるのでありますが、これを前年同期の増加実績に比べますとその八八%にとどまり、幾分不振であります。貯金現在高は、去る十月十八日に七千億円を突破し、十月三十一日現在において七千十七億円を算する現況であります。本年度は八月に入ってにわかに増勢が鈍り、九月は月間増加高が赤字を示すという近来にない不調を呈しましたが、これには今春来の金融引き締めの影響や家計の消費支出の増大、あるいは本年七月に実施されました民間金融機関預貯金の利子引き上げ等の諸要因が考えられるのでありまして、今後の増勢につきましては楽観を許さないものがあると存ずるのであります。しかしながら本年度は特に国際収支を改善し、経済の正常な発展を期するために、国内消費の節約と貯蓄の増強が重点国策の一環として取り上げられている現状でもありますので、郵便貯金の増強には今後一段の努力を重ねたい所存であります。その具体的な施策の一端といたしまして、国民貯蓄の増強に資するため、郵便貯金の総額制限額及び定額郵便貯金の利率をそれぞれ引き上げることを内容とした郵便貯金法の一部を改正する法律案をこの国会に提出いたした次第でありますが、よろしく御審議の上、御賛成をいただきますようお願い申し上げる次第であります。 次に簡易生命保険および郵便年金について申し上げます。簡易生命保険および郵便年金両事業ともおおむね順調な歩みをたどっております。昭和三十二年九月末日現在の簡易保険契約高は四千三百万件で、保険金額にして一兆四千四百万円となり、郵便年金契約高は百三十五万件で、年金額三十一億三千万円となりました。また運用状況は、本年度運用総額八百二十億円の一〇・五%に当る九十四億円の実績でございます。 次に労働問題について申し上げます。全逓は去る十月十六日から十八日まで三日間、東京都内において第十五回中央委員会を開催し、十項目にわたる秋季年末闘争の目標を決定し、これが解決のための闘争戦術としては、全国大会決定に基く定時出退庁戦術、休暇戦術及び職場大会の三戦術を実施することを決定いたしました。かくて全逓本部は十月二十八日当局に対し、右中央委員会決定に基く新賃金二千四百円、年末手当二カ月分支給等十項目にわたる要求書を提出し、以後団体交渉を続けておりますが、これらに対しましては、問題解決のため最善の努力を払い、組合に対しても良識ある行動をとるようその自重を切望し、もって国民生活に影響を及ぼすがごとき不祥事態を生ぜしめないよう万全の努力をいたす所存でございます。 次に郵政監察関係について御説明申し上げます。郵政関係の犯罪は、昭和三十一年度におきましては前年度に比べてかなりの減少を示しております。これは前年度以来考査実施率の向上と現業局における管理面の指導強化を二大項目として実施いたして参ったのでありますが、この効果も少くないと考えられますので、引き続き本年度もこの面に全力を注ぎまして、さらに犯罪の防遏の実を上げるよう努力いたしている次第であります。 次に特定郵便局制度につきましては、さきに特定郵便局制度調査会に諮問をいたし、目下同調査会におきまして熱心に審議が進められておりますが、答申があり次第それを尊重して、すみやかに善処いたしたいと考えております。 次に電波関係について申し上げます。まず放送関係について申し上げますと、標準放送局は総数二百八十二局で、このうち日本放送協会のもの第一放送百七局、第二放送八十九局、計百九十六局であり、一方一般放送事業者による放送は三十九社八十六局であります。その普及状況を申し上げますと、本年十月末現在における全国受信契約者数は約千四百三十六万となっており、これは全国総世帯数の約七九・九%に当っておりまして、一年前に比べますと約六十九万余の増加となっておるのであります。 次にテレビジョン放送について申し上げますと、懸案でありました周波数の割当計画は、去る五月二十一日基本方針を決定するとともに、六月十九日具体的割当計画表を決定し、さらに九月十七日その一部を修正いたしましたことは御存じの通りであります。この計画に基いて、各地に申請れていたテレビジョン放送局の免許処分について慎重に審議をした結果、去る十月二十二日付をもって、日本放送協会七局、一般放送事業者三十四社三十六局に予備免許を与えました。これで日本放送協会については微少電力の局を除いて本年度の計画については全部処分を完了し、また一般放送事業者については、いわゆる親局に対しては処分を終了したわけであります。この結果、すでに放送中のもの及びさきに予備免許を与えたものを含めますと、合計七十局、その内訳は日本放送協会二十五局、一般放送事業者四十三社四十五局となりますが、わが国のテレビジョン放送の全国普及が早期かつ能率的に行われるため、今後さらに日本放送協会の置局計画を促進させ、また日本電信電話公社のマイクロウェーブ回線の建設を促進させる等、適切な措置を講じたい所存であります。またテレビジョン放送は、国民文化の向上に重大な役割をなすものでありますから、その公共的使命を果し、かおり高いテレビ文化が作り上げられるよう十分見守り、かつ健全に育て上げていきたいと考えておる次第であります。なおテレビジョンの受信契約者数は、十月末六十六万一千となっており、一年前に比し約三十七万四千の増となっております。この増加状況はきわめて順調でありまして、受信事情等より当初予期していたところよりむしろ上回る傾向にあります。 放送関係といたしましては、以上のほか、カラー・テレビジョン放送あるいはFM放送等もございますが、前者につきましては、昨年十二月から日本放送協会において実験放送を実施しており、またFM放送につきましては、諸外国における実施状況あるいは技術的諸問題等について鋭意研究調査いたしているところで、なるべく早い機会に成案を得、時代の進運におくれないよう努力いたしたい所存であります。 次に国内電信電話関係について申し上げます。まず日本電電公社電信電話拡充五カ年一計画の遂行につきましては、本年度はその最終の年となっておりますので、一応この際今年度分予想を含めその実績の概要を申し上げますと、比較的順調に進捗いたしました結果、この五カ年間に百三方の加入電話と、二百十万キロメートルの市外電話回線が増設され、また本邦を縦断するマイクロウェーブ幹線も完成されまして、ここに電話の自動化、即時化等、通話サービスも相当の向上を見たのであります。しかもなお加入電話の需給状況は緩和するに至らず、市外通話サービスの改善も不十分であり、町村合併対策、無電話部落の解消もその緒についたばかりの状態であります。またテレビ中継網の整備等に対する一般の要望もきわめて強いものがありますので、今後も引き続き長期計画を必要とするものでありますが、さしあたって三十三年度を初年度とする第二次五カ年計画が考慮されたものであります。公社の第二次五カ年計画は資金総額四千百億円を必要とするものでありますが、これを財源といたしまして、百三十五万の加入電話、四百三十万キロメートルの市外電話回線の増設、全国にわたるテレビ中継網の整備等を計画し、一般の電話需要に応じ、また通話の自動化、即時化等サービスの向上をはかるものであります。またこのほか町村合併対策、無電話部落の解消も一応完了することとなっております。この第一次五カ年計画は、国民経済、文化の向上にその緊要性が認められますので、当局としても十分これに協力していく所存であります。 次に有線電気通信の規律監督につきましては、基本法たる有線電気通信法によるのほか、さきに施行されました有線放送電話に関する法律によりまして規律することとなったのでありますが、有線放送電話業務の許可につきましては目下鋭意取り運び中であります。 次に国際電信電話関係について申し上げます。国際電信電話株式会社は本年四月で設立後満四年を経過し、好調な収益を続けておりましたが、最近に至り貿易の影響を受けまして収益の伸張がやや鈍化の傾向にあるようであります。金融引き締め以前における三十一年度下半期の結果を見ますと、海外通信の需要は引き続き好調で、昨年十一月電報料金約一割の引き下げを実施したのでありますが、その営業収益は二十八億六百万円で、前期及び前年同期に比べそれぞれ増加しており、また営業費用の面におきましても二十二億九千三百万円で、前期に比べ若干の増加を示しておりまして、業績はまず順調な経過をたどったものと言えるのであります。当期利益金の五億七百万円と前期繰り越し利益剰余金二億八千七百万円と合せますと七億九千四百万円となりますが、このうち株主配当金に一億三千二百万円、納税引当金に二億六千五百万円等充当いたしまして、残りの三億一千七百万円は利益剰余金として繰り越すことになりました。なお本年四月以降におけるおもな業績について簡単に申し上げますと、期間内においては、モスクワおよびテヘランとの間にそれぞれ直通無線電話連絡業務を開設し、これら地域との間に初めて電話通信の道を開くとともに、またモントリオールとの間における直通無線電信連絡業務の新規開設によって、日本—カナダ間電報料金を二割方低減することができました。一方ハンブルグ及びアムステルダムとの間には、テレックス通信連絡を開設し、これを利用してわが国とドイツ外七カ国の欧州主要国との間に、初めてテレックス業務の開始を見ることができたのでありますが、これによりましてわが国の対欧電気通信サービスは画期的改善を見たわけであります。 次に電気通信分野の国際協力の関係について概況を申し上げます。わが国の電気通信の実情に関する認識が深まるにつれまして、最近は相当具体的な協力問題を持って、東南アジア、中近東などの各国政府の電気通信関係高級職員の来訪が相次ぎ、またコロンボ・プラン等による研修生の数も近時ますます増加の一途をたどっている現状であります。当省といたしましては、今後もこれらの国々に対しましては、国内関係諸機関とも連絡を密にして、積極的に援助協力をいたす所存であります。またビルマ、フィリピン及び近く解決が予想されるインドネシア等との賠償計画につきましても、電気通信分野面でも協力いたしたいと考えております。 なおエカフエにおける電気通信の問題につき簡単に申し上げます。本年のエカフエの会議におきましては、地域内の電気通信の緊要な問題につきまして、今後の具体的な活動方針をきめるため、国際電気通信連合と合同して特別会議を開催すること等の決議を行なったのでありますが、わが国といたしましても地域内の経済開発と重大な関係を有するこの問題につきましては、当初から強い関心を有しており、今後とも本件会議の東京招請その他実質的な推進の役割を果し得るよう、エカフエ事務局とも密接に連絡してその方法を検討中であります。 以上まことに簡単でございますが、一応私の報告を終りたいと思います。なお詳細の点につきましては、御質問をいただきましてお答え申し上げたいと存じます。
○松井委員長 なおただいまの説明についての質疑は後日に譲ることにいたします。 —————————————
○松井委員長 次に昨一日付託せられました郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題とし審査を行います。まずその趣旨説明を聴取いたします。田中郵政大臣。
○田中国務大臣 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 この法律案は、現在のわが国の経済事情のもとにおきまして、国際収支の改善、消費の節約並びに物価の安定をはかることがきわめて緊要でありますので、その政策の一環としまして、国民貯蓄の増強に資するため、郵便貯金の貯金総額の制限額及び定額郵便貯金の利率を引き上げようとするものであります。 その改正の要点について申し上げます。 第一点は郵便貯金の一の預金者の貯金総額の制限額を引き上げることであります。御承知の通り郵便貯金の一の預金者の貯金総額の制限額は、昭和三十年六月以来二十万円に据え置かれているのでありますが、この額は国民一人当りの郵便貯金の現在高、現在の物価、国民所得の水準等から見まして低きに過ぎるのであります。また郵便貯金は本来貯蓄性預金でありますが、現行の二十万円程度の貯金総額では日常の生活資金としても十分なものとは言えないのであります。従いましてこの総額制限額の引き上げにつきましては、従来預金者から強い要望もあり、また郵便貯金として吸収された資金の使途の公共性などの見地からしまして、現存の二十万円を三十万円に改正いたしたいと存ずるのであります。 第二点は定額郵便貯金の利率の引き上げでありますが、現行の定額郵便貯金の利率は、昭和二十七年四月、預入期間の長短に応じて年四分二厘ないし年人分と定められたのでありますが、との定額郵便貯金に対応する民間の定期預金の利子につきまして、去る七月一日から三厘ないし五厘の引き上げが行われましたのに伴いまして、定額郵便貯金の預入期間二年以下のものにつきまして、一厘ないし三厘引き上げることにいたしたいと存ずるのであります。 第三点は貯金総額の制限額の引き上げに伴いまして、積立郵便貯金の一回の預入金額の最高額を八千円から一万二千円に引き上げることにいたしたいと存じます。 以上がこの法律案の提案の理由でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げる次第であります。
○松井委員長 本案についての質疑は後日に譲ります。 次会は明後四日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時九分散会