地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/11/08
会議録
○門司委員長 これより会議を開きます。 本日は地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めることといたします。まず最初に国民健康保険の実態調査について、小林財政局長から御説明願いたいと思います。
○小林政府委員 大へんおくれましたが、一応まとまりましたものを御報告申し上げます。なおもっとこまかいものを作っておるのですが、統計局の統計の関係でまだまとまっておりませんので、でき上ったものだけ、大体これで問題点がわかるはずだと思っております。 三ページに概要ということがありますが、これ以下に問題点を要約してございます。現況はよろしゅうございましょうが、次の決算の概況で、昭和三十一年度の国民健康保険事業の決算の状況は、歳入三百十五億、歳出三百十一億、総体として形式上は一応三億五千二百万円の黒字となっているが、支払い繰り延べ及び事業繰り越しをも考慮すると六億四千八百万円の赤字、なお実質赤字団体は九百三十団体で、その実質赤字額は十八億円である。しかしながら一般会計からの純繰入金をも考慮すると、国民健康保険事業の実施全市町村二千六百六十三のうち、二千二百三十六市町村が実質赤字団体、実質赤字額は四十一億四千八百万円である。一般会計からの純繰入金は、昭和二十七年度十億円、昭和二十八年度十一億円、昭和二十九年度二十五億円、昭和三十年度三十一億円、昭和三十一年度三十三億円で、累年繰入額が増加を続けており、昭和二十七年度から累計すると百十一億円になります。ちなみに昭和三十年度末の全市町村の普通会計の実質赤字額は二百七十九億円でありますので、このうちで国保会計への繰入額がその重要な一因をなしているのではないか、こういうふうに考えられます。 それからその次のページに、この以下のこまかい資料から分折いたしました結果、まとまったわれわれの方の所見をここにまとめてございます。こまかい資料の説明は全部やめまして、問題点を一応説明申し上げておきたいと思います。この問題点を拾ってみますと、一つは国庫補助金でございます。その一つは、事務費に対する補助、事務費については全額国庫補助が建前となっているが、現実にはおおむね六割程度の補助にすぎない。すなわち昭和三十一年度の決算における被保険者一人当り事務費の平均額は百十二円であるが、国庫補助の単価は被保険者一人につき六十八円であり、総額においては事務費三十三億に対して国庫補助金は十九億、差し引き十三億八千五百万円が不足し、国保財政の赤字の大きな原因となっている。昭和三十二年度においては、国庫補助単価が被保険者一人当り八十五円に引き上げられたが、御承知の通り去年は給与改訂等のため、さらに事務費が増高いたしておりますので、相変らず国民健康保険会計としては事務費が不足する。補助単価については、少くとも百十五円以上に引き上げる必要があるのではないかというふうに考えております。 それから療養給付費に対する補助が問題の第二点でございまして、その一つは二重加入者の療養給付費に対する補助であります。療養給付費に対しては、その総額の二割に相当する国庫補助金が交付されることとなっていますが、生活保護法もしくは結核予防法の規定による公費負担を受ける者、または他の社会保険の保険給付を受ける者等のいわゆる二重加入者については、公費負担または他の社会保険により給付される額は、国庫補助の対象となる療養給付費に含めない取扱いになっています。その金額は昭和三十一年度においては約四十億、普通の一般加入者ならば当然この給付費について国庫補助が交付されるのでして、その計算をしますと約八億円が交付されていない計算で、これは国保会計にとっては一つの圧迫となっておるのでございます。こういうものにつきましては二重加入を禁止するということも一つの考え方ですが、二重加入を禁止することとするなら格別で、これを国保に入れておく以上は、むしろ二重加入者なるがゆえに補助金を減額するということは、私は理由がないと考えられるのでございます。この問題につきまして、補助の対象として特に取り上げる必要が大きい公費負担分、つまり生活保護法の適用を受けておる者は担税力がないので保険税の納入が困難だし、結核予防法の適用を受けておる者は療養の給付費が非常に多くて保険会計に重圧が大きい。こういう者につきましてはむしろ保険会計の立場からいえば特別に考えてやる必要さえあるものでございますのを、逆に補助の対象になっていない。これは大きな問題点だろうと思うのでございます。 (ロ)は国庫補助金の交付時期の遅延。国庫補助金の交付時期が遅延し、昭和三十年度分については約十億円、三十一年度分については約十六億円がそれぞれ翌年度に繰り越されております。これがため市町村においてはその立てかえ支弁のために借入金を行わざるを得ず、従って一時借入金の利子も多額に上っておる。その早期交付という問題が一つの問題点だろうと存じます。 次は一部負担金でございます。療養給付費については原則として五割を被保険者に負担させることとなっているが、現実にはこの一部負担金の収納額は五割を著しく下回っている実情であります。すなわち昭和三十一年度の保険者徴収にかかる一部負担金について見ると、療養給付費五十八億円の五割の額二十九億円に対し、一部負担金の収納額は二十一億、収納割合は七四%にとどまり、七億五千六百万の歳入不足となっています。これは一部負担金の徴収が完全に行われていないか、または低額所得者についてその減免が行われていることに基くものと考えられます。一部負担金についてはその支払い方法について検討を加えるとともに、保険者徴収の場合にはその徴収を確保するために一そうの努力をする必要がある。御承知の通りこの一部負担金は組合自体がとる場合が一つと、それから医者に直接払う場合が一つございまして、組合自体がとる場合においては、こういうふうに半額の徴収が十分にいっておるわけです。それが全部組合の負担になっておる、そういう問題であります。そこで支払い方法の問題とともに徴収確保という問題を考えなかったらこれは解決にならない。 それから保険税でございます。昭和三十一年度の保険税の現年度分の収納額は百三十四億となっており、療養給付費三百七十九億に対する割合は三五%にとどまっています。保険税は療養給付費の増加に対応して措置する建前となっておるが、療養給付費は受診率の上昇、高価薬の使用等、給付内容の向上により増加が著しいにもかかわらず、これに対応して保険税の増収がなされていない。つまり健康保険税と国庫補助によって国民健康保険をまかなう建前になっておりまして、保険税は療養給付費の七割をとるという建前になっておるのでございます。しかしながら療養給付費は、ここに書いてありますように、受診率の上昇あるいは高価薬の使用等、給付内容が向上して漸次増加しとありますけれども、保険税をこれに見合って増収するということは実際問題としてなかなかうまくいっていない。ここに一つの問題点がございます。これは年度当初に賦課総額を決定する際に、国民健康保険法の建前による必要額を十分に見込んで賦課していない団体が少くないと認められること、いま一つは保険税の徴収歩合が逐年向上してきているが、滞納分についてはいまだ低率にとどまっていること等の事情もあるが、なお低額所得者または少額資産所有者が多く、さりとてこれらの階層の負担分をすべて他の所得または資産のある階層に転嫁することは、療養給付費との関連及び租税負担の実情から困難である等の事情も少くない。従って市町村としても保険税の賦課方法に検討を加え、適正な保険税の徴収をはかり、滞納の整理を強化する等の努力をする必要があるが、なお保険税の負担困難な者の多い市町村に対して、その補てん措置を特別に講ずる必要があるように思われるのであります。なお保険税の徴収を合理化するために市町村税との合同徴収についても研究の要があろう。ここに書いてあります通り、税の総額を必ずしも給付内容に伴ってふやしていないという問題が一つ、さりとて総額を一応そうしましてでも、住民に転嫁する場合に、応能的に分ける場合と応益的に分ける場合とがございますが、低額所得盾とか、資産の少い者の多い貧乏な町村においては、その部分を資産のある者に転嫁しなければならぬ。しかし転嫁にはおのずから限度がある。また実際そうたくさんするわけにいかぬので、そういう者の多い場合においては、保険税の補てんを何か特別に考えなかったら、健全な財政の運営ができないという事実が認められるのでございます。それとともに保険税の徴収自体につきましても、なるべく事務費を軽減するために、一般の市町村税と共同徴収する等の徴税費の節減の方法も検討の必要があろうと思うのでございます。 大体以上が大きな問題点でございまして、結語として、国民皆保険の実施に関連して給付率を現行の五割から七割に引き上げること、一点単価を引き上げること等を同時に実施するような主張が一部にございます。しかしすでに述べたような状況にある国保財政の基礎を確立することなくこのままにしておいて、これらの措置を一挙に断行することは、そうでなくても困難をきわめる国保会計を混乱せしめるのみである。すなわちもし同時に給付率を七割に引き上げるものとすれば、昭和三十三年度において国庫補助が三割に引き上げられるとしても、なお地方の純負担は百億円前後増加し、一点単価が一割程度引き上げられるものとすれば、さらに地方負担が増加することとなり、問題はいよいよ大きくなって国保会計健全化の見通しは、一そう立たなくなるであろう。従ってこの際は上に述べたような問題点について、すみやかに恒久的対策を樹立し、漫性化のおそれのある国保会計の赤字の原因を断ち、将来における国保財政の健全化の基礎を確立するとともに、既発生赤字については、計画的解消をはかることが緊要であるといわなければならぬ。これが大体要約したところでございます。 そのあと以下はそれぞれの現況を一応数字的に分析してございますので、ごらんを願いたいと思います。これから一応大きな問題を拾い上げればこういうことになりはせぬかと思ったものを、右にまとめた次第でございます。 その次に、十二ページに参考表として総括一覧表がございますから、これをごらん願います。三十一年度の歳入と歳出、それぞれ見合った金額を書き、備考に問題点を書いてございます。大体今まとめましたようなことがこの数字からも類推されるのでございます。今まで調べました結果は大体こういうことでございます。一応御報告申し上げておきます。この資料は各省にも配りまして、これに基いて来年度の措置を考えてもらいたい。そして国保会計の皆保険が円滑な発足を見るような基礎条件だけは、ぜひ整備をしてもらいたいというのが自治庁の考え方でございます。
○門司委員長 それでは質疑の通告がございますので、これを許します。中島君。
○中島(巖)委員 私は公営企業の特別会計に対して自治庁の方針を御尋ねしたいと思うのであります。地方公営企業法によりますと、第二条において水道事業、軌道事業、自動車運送事業、地方鉄道事業、電気事業、ガス事業などを列挙してあるわけであります。それから地方財政法の施行令だと思いましたが、その十二条に水道事業などを特別会計にせねばならぬということが明示してあり、十二条の一項には独立採算制によるところの企業、それから第二項には独立採算制ではなくても、特別会計にせねばならぬということが規定されているわけであります。そこで公営企業法の第二条においては職員の人数なんかを書いてありますが、この施行令の十二条の第一項によるところは四つの事業を独立採算制にせねばならぬというようになっているわけであります。 そこでお尋ねする第一点は、第二条に指定されたものは公営企業であるけれども、公営企業法の適用を受けないところの公営企業として解釈しているのであるか、あるいは十二条に規定されてあるところの独立採算制をとるべき公営事業もやはり公営企業法が準用されるものであるかどうか、まずお尋ねいたしたいと思います。
○小林政府委員 公営企業法の適用はもっぱら公営企業に対することになっておりまして、第二条の一項のものは法律上当然なります。それから二項のものは地方公共団体の条例で定めることによって、それぞれ公営企業法を適用するかしないかという扱いをなすことにいたしておりますので、地方財政法施行令で特別会計を設けるからといって、必ずしも公営企業法が適用になるわけではないのでございまして、公営企業法の適用があるか、この条文に基いてその規定を全部または一部を適用することを定めた場合にだけこの企業法の適用があることになるわけであります。
○中島(巖)委員 それから施行令の十二条にもありますし、公営企業法にもありますが、水道事業というものは上水道のみと解釈するのであるか、下水道も含めて解釈しているのであるか、その点をお伺いしたい。
○小林政府委員 公営企業法二条などに掲げております水道事業というのは、上水道を考えているのでございます。
○中島(巖)委員 そこで私きょうは具体的な問題に触れまいと思っておりましたけれども、時間もありませんし、時間をかけることは他の委員諸君にも大へん御迷惑と思いますので、具体的な問題をいろいろあげてお尋ねした方がいい、こう考えるわけであります。 実は私長野県の飯田市なのですが、飯田市は上水道はもう二十数年前から設備して使っておるわけでありますが、最近になりまして下水道の工事にかかっておるわけであります。ところがこの七月の二十幾日かに災害がありまして、この災害復旧に約二千万円、それから浄化装置に二千万円。しかし上水道に対するところの補助起債がないということで、水道料の大幅の値上げをしたわけであります。結局大口消費者が八割程度の値上げになったわけで、非常に市が混乱しております。そこでだんだん調べてみると、水道の災害被害が約二千万というのが、約六百万くらいしかない。それから上水道に対するところの起債というものは、大体全額認められまして、相当長い月日の起債が認められる。そして過去におきまして、毎年約三割くらいの自然増収になっておるから、十分自然増収においてこれらの起債をまかなえる、こういう見通しが出ましたので、水道条例の改正を行いまして、すでに三カ月にわたって約八割くらい高い水道料の徴収をしておったのを、市民が非常に騒ぎ出しておるわけであります。そして現在になって市当局は、現在架設中の上水道へその金を回さねばならぬ。上水道も下水道も一本の会計でできるということを、県の地方課並びに自治庁では言っておる。こういうような問題で紛糾しておるわけであります。そこで地方財政法の施行令の十二条の第一項第二項にも、今財政局長の説明によりますと、これは上水道である、こういうはっきりした答弁がある以上は、この第一項にも第二項にも、下水道というものはあてはまらぬわけであります。これはまあ財政局長の説明があるまでもなく、上水道は水道法により、下水道は下水道法による。それから所管の官庁も違っておるのだから、あなたの解釈が私は正しいと思いますが、こういうような場合に下水道と上水道とを一本の特別会計にすることができるかどうか。この問題について政府の御方針をお尋ねいたしたい。
○小林政府委員 飯田市の問題はよく知りませんが、法律論だけを申し上げますというと、二条の一項の水道には、今の話の通り上水道だけで下水道は入っておりません。しかしこの二項がございまして、地方公共団体は、地方公共団体の条例で定めるところによって、今列挙されたような企業以外の企業に、この法律の規定の全部または一部を適用することができるという規定がございまして、この規定を適用いたしまして、今おっしゃいましたここに入らぬ下水事業というものは、公営企業法を適用するという建前は、法律上可能だと思います。そこで今度は、それが可能だとして、それならばそれと上水道とを一本の会計でやっていいか悪いかという問題になりますというと、十七条の特別会計に関する規定の解釈問題でありまして、十七条ただし書きをごらん願いますと、「二以上経営する地方公共団体においては、議会の議決を経て二以上の事業を通じて一の特別会計を設けることができる。」こういう法律になっておりまして、この規定をも適用するような扱いを二条によってすれば、当然この規定も働きまして、これに基いて議会が、上下水道を一本でやった方がよかろうというところは、一本の特別会計を設けて経営することも法律上可能だという解釈でございます。
○中島(巖)委員 そこで今お話しのあった十七条は、「地方公営企業の経理は、第二条第、項に掲げる事業ごとに特別会計を設けて行い、その経費は、当該事業の経営に伴う収入をもって充てなければならない。」その次にただいま御説明のありました、「但し、同条同項に掲げる事業を二以上経営する地方公共団体においては、議会の議決を経て二以上の事業を通じて一の特別会計を設けることができる。」こういうことになっておるわけです。そこで「第二条第一項に掲げる事業ごと、」これが前提じゃないかと思うのです。ただいまのような具体的な問題に対して、下水道というものが全然条例においても収入を見ておらないし、それから現実に今建設中であるもの、こういうものを一つの公営企業とみなして、そして上水道の公営企業と二つを一つにして、一本の特別会計でできるかどうか、この点について御所見を伺いたい。
○小林政府委員 お話しの通り、十七条は「第二条第一項に掲げる事業ごと」、こう書いてございますが、第二項によって、たとえば下水道にしても公営企業法を適用する、こういうことになれば、その公営企業につきましても、ひっくるめて特別会計を設けられるというように、十七条の規定は広く動く、そう解釈すべきものだとわれわれは考えております。それでございますから、下水道につきましても、一本の特別会計にすることは法律論として可能だと思います。そこで問題はそれがいいのか悪いのか、今お話しの通り、下水道の使用料も取っておらぬのにおかしいじゃないかという御議論は、私はあり得そうな気がします。下水道につきましては、たいてい特別会計でやっておるところは、下水道につきましても使用料を取っております。ただ下水道の使用料という取り方が、下水道プロパーでは、取れないものだから、水の使い方を基準にして、上水道使用の分量によって、下水道の料金も算定をする、こういう仕組みにしておるのが多いだろうと思います。そういう意味で、下水道につきましても普及をはかるためには、とても一般会計だけでは動きがつかぬので、使用料を取ったりあるいは受益者からの負担金を取ったりなどをいたしまして、公営企業としてむしろ下水道を伸ばそうという考え方が私は十分成り立つと思うのでございまして、特に上水道と関連しながら仕事をやろうという考え方も、私は十分に成り立つとは思っております。 ただ建設段階から、もうすでにそういうことをやれるのかという御議論が、もう一つ出てくるのでありますが、私はやろうとすれば建設段階から一本で考えざるを得ないとは思います。ただいまのお話だと、下水道についてちっとも使用料も何も取らずに、全部上水道の財源でまかなうために特別会計に入れたんだということになると、少しやり方に多少検討を要する問題があるかもしれません。自治庁といたしましては一応特別会計一本でやっていいが、二つの事業をあわせるときには、それぞれ各事業の成績をはっきりさした方がよかろうというので、特別会計の中におきましては、なるべくそれぞれの事業の筋が立つように経理を分けてやって、最後の収支はもちろん一つの特別会計で一本にやるような、そういう意味の指導をいたしておるのでございます。
○中島(巖)委員 今財政局長のお答えになったその考え方が、僕は根本的に間違っておると思うのです。それはなぜかと申しますと、上水道というものは、ある特定なものがそれを利用しておる。従って特定なものがその利用に対しまして料金を払う、これはバスであろうと、あるいは公営企業の電車であろうと同じことだと思う。ところが下水道の方は特定なものも使用しておるけれども、それ以外に公園だとか住宅の雨水を排水するとか、あるいはそれがために、道路や河川なんというような、いわゆる公共土木施設的の面を多分に持っておるのです。従いまして、結局特定なものにも料金を払わせるけれども、いわゆる河川や道路と同じ性質のものを持っておるんだから、一般財源からも出さして、そうして上水道の、特定のものだけを負担するものに、さらにそういう公共土木施設的なものに対して負担をかけることはいけないと思うのです。そこで、あなたの方でそういう指導をしておるから、ただいま起ったような大きな間違いが私は起ると思う。従ってこれはまあ下水道関係の建設省、それから上水道関係の厚生省、それからあなた方が中心になって、その指導方針を一貫していただかぬと、とんでもない間違いが起って、片方下水道は工事をどんどんやる、財源がないために上水道と下水道を一本の特別会計にして、倍額にも上げてしまうというような、そういうむちゃなことが起るんじゃないか、こういうように思うのですが、今のというと下水道と、全然性格の違うという点についてお認めなのかどうか、この点一つお伺いしたい。
○小林政府委員 中島委員のおっしゃいました通り、下水道はその通りの性格を持っておると思います。要するに、下水道には二様の性格があって、公共水路として天然の雨水や何か流れておる、こういうものは、当然道路や河川と一緒に一般会計で負担すべき分だと思います。それとともに、個人の使用する水も流れていくのですから、それはどれだけの割合になるか、これは建設省の方で技術的にいろいろ数字を検討いたしておるようでございます。 そこで、個人の利用に当る部分につきましては、下水道の使用料をとるということは、十分考えられるのでございまして、そういう前例も各都市にあるわけでございます。その使用料のとり方を、使った上水の量で測定をする、こういう考え方を基礎にいたしまして、上水道の使用料にプラスをして、一部下水道のその部分の使用料を測定をするという仕組みをやっておるのだと思うのであります。そういうわけでございまして、使用料で一〇〇%まかなうというような建前をとることは、これは私も間違いだと思います。ですから、公共的な一般的なものにつきましては、当然その部分は一般会計で補てんをすることは考えてしかるべし、個人的な部分につきましては、そういう形で個人も負担をする、こういう、財源につきましての両方の配分の筋を立てまして、そうしてこの下水道事業の普及をはかっていくということがわれわれも必要じゃないか、特に建設省の方でも、下水道事業というものの整備が緊急でございますから、緊急に整備するためには、下水道の財源配分の方式をやはりきめてもらって、一般会計で持つものにつきましては、一部国の補助の問題もありましょうし、あるいは、むしろ起債の問題が基本的になるわけでございますから、個人が負担するもの、一般が負担するもの、そこらのけじめをつけて、下水道財源の方式を確立をして、これを強力に推進する必要があろう、これがわれわれの基本的な考え方でございます。
○中島(巖)委員 どうもやはり政府なり地方庁が、一貫した方針がないために、いろいろなトラブルが起るわけなんですが、今のお話のところからいけば、運用のよろしきを得てやっていくというようなお話でありますが、これがまた非常に問題の起る原因なんです。だから下水道は下水道でこういうふうにやるべきだ、上水道は上水道でこういうふうにやるべきだという、やはり政府の方にも一貫した方針を持っていただかないと困ると思う。たとえば起債の問題でありましても、上水道の方の設備に対しては、一〇〇%償還の見通しが十分ありますから、あなたの方で一〇〇%の起債をつける。それから下水道に対しましては、現在までの状況から見てわずか二〇%足らずの起債しか許しておらぬ。こういうような状況で、下水道と上水道とはあなたの方で取り扱うことも起債の方法についても全然根本から違っておる、それを上水道と下水道と一緒にして、上水道の値を上げて下水道をやらせるというようなあいまいなことでは、われわれとしては非常に納得できないのです。 そこで公営企業法の料金について、公営企業法の第七条ですか「地方公営企業を経営する地方公共団体に、当該地方公共団体の長の指揮監督の下に地方公営企業の業務を執行させるため、第二条第一項の事業ごとに管理者を置く。」こうなっておりまして、これはやはりその事業ごとに独立採算制のことをうたってあるのですが、それからさらに第二十一条の二項においてこの公営企業の料金のことを書いてある。「前項の料金は、公正妥当なものでなければならず、」こうなっておるのですが、この公正妥当な料金というのは、どういう料金が公正妥当なんですか。具体的に公正妥当な料金のはじき方に対して、自治庁はどういう方針を持っておるかをお聞きしたい。
○小林政府委員 公営企業につきましては、御承知の通りそれぞれたいてい事業法規がございまして、事業法規に基いて主管官庁がみな料金その他のコントロールを実はしておるのが実情でございます。公営企業法そのものによってずばりと値段がきまるよりも、それぞれ主管官庁の承認によってきまっておるのがもとでございまして、この公営企業法に書いてありますのは、そこの抽象的な一般原則を書いたものでございます。そこで公正妥当という意味は、一つはやはり公営企業の建設運営についての原価と申しますか、作ったものが収支動きがつくようなことを考えなくちゃいかぬ。原価主義と申しますか、そういう問題も当然ありましょうし、それからそれぞれの個人の利用者の受益というものが、また基礎になることは明白でありまして、受益の度をはずれたような料金を作るわけにもいかぬだろうと思います。そういうものをからみ合せて総合的に考えるより仕方がない、こういうふうに考えております。今お話の通り下水道につきましては、一般会計で当然持つべき部分があるのでありまして、そういうものを全部使用者に転嫁するというようなことは私は適当だとは思いません。一般の公共水路と同様に扱って、一般会計で見るべきものは一般会計からの繰り入れを前提にして、そうではなしに個人で負担してしかるべきというようなものにつきまして、それぞれ適正な料金を定める、こういうことになるだろうと思うのでございます。
○中島(巖)委員 そこで公正妥当という意味なんですが、これは私の考えるところは、やはり独立採算制の建前の公営企業といたしまして、いわゆる設備費並びに維持管理にかかる費用を使用者から徴収するのが、公正妥当な料金だ、僕はこういうふうに解釈するわけであります。二十年前の物価の非常に低い時分に設備した上水道と、今日設備する上水道とは設備費が非常に違いますから、料金の上にも相当の差が出てくるだろうと思う。かりに料金の上にそういう差が出てきましても、基本的の原則は結局設備費、建設費、それからあと維持管理の費用等を使用者にかけるのが、公正妥当なというこの法律にあるところの料金じゃないか、こういうように考えるのですが、自治庁のお考えはどうですか。
○小林政府委員 今おっしゃいましたような考え方が、基本的な考え方だと申し上げて私はいいと思います。問題はその後の改良拡張の問題をどう考えるかということが関連して考えられますけれども、基本的には中島委員のおっしゃったようにわれわれも考えております。
○中島(巖)委員 そこであらゆる面から見表して、この特別会計を下水道と上水道と一本にする指導というものは、これは非常な矛盾がくるものであって、この点については御考慮願っていただいた方がいいというふうに考えるのですが、財政局長としてのお考えはどうです。
○小林政府委員 この下水道、上水道をどうするかというのはいろいろむずかしい議論もあるし、実例もありまして、各都市を見ましても一緒にしてみたりはずしてみたり、従来の歴史から考えても、そういうことを繰り返しておる例がございます。それからもう一つは、下水道の形態にもよりまして、大都市のように屎尿から何からみな下水に放流して始末するような施設のあるところと、そうでなしに主として雨水が中心になって、道の水はけが中心になるような下水道のところもございます。そこらはなかなか一ぺんに簡単にはいかぬと思いますが、私は大都市のようにもう一切の排水をそこで浄化して、結局下水で始末をするというような、またそういうような形でこの下水道を通させなければ動きがつかぬのだろうと思います。そういうところは存外上水道と相関連をしてやらした方がいい面もあるんじゃないか。またそういう方が合理性があるということも考えられるのではないかという気もいたすのでございます。しかしそれでございますから、これを抽象的に別がいいとかはずした方がいいとかいうわけにもいかぬ。それぞれのやはり都市の実情によって考えをきめるよりしょうがないのではないか、こういうふうに考えておるのでございます。
○中島(巖)委員 何かほかの方にも大へんどうもだめ押しみたいになって恐縮なんですが、ただいま具体的な問題として、最近町村合併をいたしまして六カ村が一つになった、従って地勢の関係で上水道は非常に——たとえばしょうゆ屋さんだとかなにか非常に使うのです。ところが下水道はどうしても使わない。こういうようなちぐはぐしたところ、上水道は非常に使うけれども、下水道は全然使わないから、実際問題として設備するわけにいかぬ。そういうようなところで上水道と下水道を一本にして特別会計を作る。そうして下水道の建設費を全部水道料金にぶっかけたというところに、倍額にもなるところの水道料を徴収しなければならぬ、こういう事態が起ってきておるわけです。そこで先ほども申し上げてくどいようでありますけれども、この下水道の方は、いわゆる公共土木施設的のかなり人家街の雨水の処理とか、公園の雨水の処理だとか、道路の保全だとかいうような性格を非常に持っておるものであります。だから政府の方の指導方針が一貫していただかぬと、ただいま局長の御答弁のような状態だと、どこでもこれは問題になると思うのです。たとえば下水道は下水道として使用料は徴収する。それにプラスして一般会計を入れるというような、そういうような特別会計の方針に持っていき、それから上水道は上水道として独立採算制の特別会計に持っていく。ごうすればいかに市街地であろうと、どこであろうと、はっきりした措置ができるのじゃないか、こういうように考えるわけであります。 それから行政局の方へお伺いいたします。今の問題に関連するわけでありますが、下水、上水道の大口消費者が非常に騒いでおるわけであります。しかし市議会の方ではそれを決定したのだから、一たん決定したやつを改正するということはできぬということで、けっておるわけであります。そこで市民としては、大口消費者がどういう方法をとるかというようなことで騒いでおるわけでありますけれども、この地方自治法によりますと、二百四十六条の二でありますが、適正な事務処理の確保措置において、都道府県知事が地方公共団体に対しては事務の処理、事務の管理、それから執行に関するものに対してみずから適当な措置を講ずるというようなことがあるわけであります。結局この項によってそれらのものが地方行政庁の長に対して訴願と申しますか、申請と申しますか、そういう方法をとれるものであるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○藤井説明員 ただいま問題になっておりまする水道料金のきめ方自体ということにつきましては、これはただいま財政局長の方からお話がございましたように、そのこと自体が直ちに二百四十六条の二の適用対象になるかどうかということは、この場において言明の限りではないというふうに考えるわけであります。われわれも若干のニュースは得ておりまするけれども、まだ実態についてよく承知をいたしておりませんので、従ってその点については財政当局なり、その他の所管官庁と相談をして結論を下さなければならぬという問題だろうと思いますので、料金のきめ方自体についてとやかくということは、この際は申し上げる機会でもないと思いますが、二百四十六条の二自体の規定は、今お示しいただきましたように「内閣総理大臣は、普通地方公共団体の事務の処理又はその長の事務の管理及び執行が法令の規定に違反していると認めるとき、又は確保すべき収入を不当に確保せず、不当に経費を支出し、若しくは不当に財産を処分する等著しく事務の適正な執行を欠き、且つ、明らかに公益を害しているものがあると認めるときは、「是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる。」こういうことになっておるわけでございます。そうしてその二項には、「内閣総理大臣の前項の規定による措置は、市町村の事務の処理又はその長の事務の管理及び執行に係るものについては、都道府県知事をして行わせるものとする。」従ってかりにある事件がございまして、その事件が二百四十六条の二の第一項に掲げておりまする規定に該当するというふうに認めました場合におきましては、市町村の場合は都道府県知事がこの権限を発動する、かようになるわけでございます。従いまして市の住民各位からこの規定を援用いたしまして、別に申請とかそういうような手続はありませんけれども、こういうような事態があるから、この権限の発動を一つ求めるというようなことは、事実上の問題としてあり得ることだろうと思います。
○中島(巖)委員 それでこの二百四十六条の二のまた二項を見ますと、「措置を行うことができる。」ということであって、住民がこれに対して申請できるとかできぬとかいうようなことはここに規定されておらないのですが、そういうような例が過去においてあったかどうか、この点一つお伺いしたいと思います。
○藤井説明員 実はこの規定は昨年の地方自治法の改正で挿入されたものでございます。実は従来までは地方自治の建前というものを強く貫きます原則が打ち立てられて、それが非常に強く出ておりましたものでございますので、地方団体自体に対する一般的な行政監督というような規定は認められておらなかったわけでございます。特に国の機関委任事務につきましては、これは国の意思というものを地方の機関の手を通じて行われます場合に、その執行を確保するということが、普通の地方団体のいわゆる固有事務、団体事務というものの執行よりもその必要性が大でございますので、その点につきましては地方自治法の百五十条なりあるいは百四十六条なりというような規定を設けまして、事務が適正に執行せられることを確保する措置を講じておったわけでありますが、団体の事務自体につきましては一般的なそういう是正措置というものは認められておらなかったのであります。それがその後の情勢の変化あるいは地方行政運営の実態等から見まして、法令違反等の事由があります場合においては、やはり上級官庁として国ないし都道府県というものが、その是正のための措置を求めるという規定を設ける方が適当ではないかということで昨年認められたものでございます。その規定の運用につきましては私の手元にある資料では、この権限の発動があった例をただいままでのところでは聞いておりません。
○中島(巖)委員 いろいろお話すると非常にいろいろな問題があるのです。住民としては不当支出の問題もあるのですが、結局今問題になっております二百四十六条の二の三で提訴を行うかあるいは二百四十三条の二にもそういうことがうたってありますが、どちらをとった方が適当であるかどうかというこの点を、一つ御所信を承わりたい。
○藤井説明員 住民自体がその趣旨を貫徹をいたしますためにやりまする手段というものはいろいろございます。ただいまお示しになりましたような二つの方法もございますし、その他監査委員に対して監査の請求をやる、いわゆる直接請求の規定もございます。そのいずれをとるのが適当であるかと申しますと、これはそれぞれの事態によっておのおの違ってくると思うのであります。直接請求の場合はそれぞれ署名を集めたりというような、そういう煩瑣な手続も要りますし、従って費用もかかるというような点もございます。二百四十三条の二というものにつきましては、ここにございますように違法または不当な支出あるいは浪費等の事実がある場合に、これに対して住民側の方から主導権をとりましてそれの是正を求めるための道が開かれておるのであります。二百四十六条の二の方は先刻申し上げましたように、これ自体の問題は、この権限を発動いたします者は内閣総理大臣なり都道府県知事でありまして、住民が直接これに対して申請をするというようなことはございません。しかし事実上の問題としてこういうような事態があるからして、この権限の発動についてしかるべき考慮をしてくれ、そのためによく調査もしてもらいたい、そういう事実上の意思表示がなされることはあり得ると思うのであります。それぞれの事態に従いまして違って参りますので、どれを用いるのがいいかということは、一がいに申し上げかねるのではないかと思っております。
○中島(巖)委員 それからもう一つ財政局長にだめ押しのようだがお尋ねしておきますが、先ほど財政局長の答弁からいきますと、地方財政法の施行令の十二条の一項にある項目、二項にある項目でもその他のものであっても、議会で議決さえすれば二つも三つもの企業が一本の会計でできる、こういうような御解釈のように承わったのでありますけれども、これは法の精神からも僕は非常に違うと思うのです。こういうように法でもって公営企業をはっきりとして、そうしてその独立採算制をうたってあるのに、議会の議決さえあればどんなものでも、収入の全然ないものでも一つの公営企業として、他の収入のあるものに不当な料金を課してその方が埋められるということは、これは大へんな問題だと思うのですが、これに対する御所見を承わりたい。
○小林政府委員 今中島委員がおっしゃいましたが、私の方でもそういう議会の議決さえあればどんなものでもごったにしてやってもいい、こういうような考え方は持っておりません。これはやはり縁の近いものを中心に考えるべきでありまして、縁もゆかりもない各個別の企業をただ一本だと見るようなことは、私は必ずしも適当だとは思いません。だから、今の問題は上水道と下水道の問題でございまして、これは私は必ずしも無縁だとも言えない。考え方にはいろいろあるだろうと思いますが、結局使った方と今度は流すあとの始末の方、それを一貫的に考えるという考え方は私は成り立ち得ると思うのであります。そういうものと全然関係のないホテルを一緒にするとかなんとかということになれば、これはむしろ企業法の精神を逸脱いたしまして、企業そのものを合理的に運営していくというためから見て、これは私は適当じゃない、こういうふうに考えております。
○中島(巖)委員 今局長のおっしゃられたのは、社会通念から考えて、水道という名前がついておるので上水道と下水道と縁がある、こういうふうにあなたはおっしゃる。あなたも法律的根拠に立たれて局長をされておるのですから、やはり法律的根拠においてなされなければならぬのです。この十二条の一項におきましては交通事業、電気事業、ガス事業、水道事業を公営企業とするということをうたってある。それから二項においては、「法第六条第二項の地方公共団体が行う事業のうち政令で定めるものは、左の各号に掲げるものとする。一 簡易水道事業、二 港湾整備事業、三 病院、四 市場、五 と畜場、六 観光施設」、こういうふうにうたってある。下水道のことをうたってないじゃありませんか。これに対してお伺いをいたします。
○小林政府委員 これは財政法の方の例示にはうたってございません。財政法の方は単に特別会計でやるかやらぬかという建前で、収益的な事業をやるべきものとして特定するものをここに書いたものでございます。今の問題はそうではなしに、公営企業法を適用するかしないかという問題でございますので、公営企業法にのっとって今やれるかやれぬか、やった方が適当かどうか、こういうことで判断をするより仕方がないのじゃないかと思うのでございます。その意味におきましては公営企業法の解釈なり運用なりといたしまして、下水道は下水道の形態のいかんによっては公営企業としてやって、そうしてそれをさらに公営企業法を動かしまして、上水道と一本でやるということは、私は十分に法律上可能だ、こういうふうに存じております。
○中島(巖)委員 これは押し問答しておってもしようがありませんが、公営企業法においても、下水道のことについては何にも載ってないのであります。従って、ただ関係がある関係があると言ったところで、結局下水道は上水道から出たものを利用するには利用しますけれども、いわゆる特定の使用者は料金を払って、それにプラスして——ただいま言ったような公共土木施設というような面が多分にありますから、やはりそれは一般会計で補って、そこでもって独立採算の方式をとるべきものであって、水道事業と一緒にして水道使用者という特定な者に、公共土木施設の性格を持っておるものの費用まで負担きせるべきではない、こういうのが私の論旨であります。ほかにも質問者がおるようでありますので、大へん御迷惑でありますから、以上をもって私の質問を打ち切ることにいたします。
○門司委員長 川村君。
○川村(継)委員 私初め税務局長にお尋ねしておきたいと思います。お尋ねすることが少し多いですから、時間もありませんし、またこの次の機会に数点の問題は譲らなければならぬと思いますが、今度の給与改訂等で自然増収が非常に多いとか何とか言われておりますが、地方税の自然増収の見込みは一体どういうふうになってくるのか、その辺のところを一つお聞きしたいのです。財政計画によると、たしか昨年に比べて六百二十何億というような増収が見込まれておったようでありますが、計画外にどれくらい伸びてくるのか、普通税だけでもいいですから、そういうことでおわかりになっておる点をお示しいただきたい。
○奧野説明員 三十二年度の地方税の増収見込みのお尋ねだと思います。いわゆる神武景気ということが言われたような問題もございまして、法人の収益状況を見て参りますと、三月決算における増収はかなり多いようであります。九月決算から頭打ちになってきているようでございますので、今後どのような推移をたどるかによりまして、見方はかなり違うと思います。しかし年度当初におきます増収がかなり大きいものですから、地方財政計画よりも相当な増収になることは間違いはございません。大体大ざっぱな見方をしまして、私たち三百億円内外の増収は得られるんじゃないかというふうに思っております。
○川村(継)委員 その見込みはずっと先にならぬとはっきりはしないと思うのですが、できたら次の通常国会あたりまでわかっただけを——正確な最後の数字はわからぬと思いますけれども、一つ早い機会にお知らせ願いたい。それが一つであります。 それからさきの国会において地方税の改正、その中の市町村民税の改正があったわけですが、どうもわれわれがあちらこちらで聞いたところによりましても、改正通りに市町村民税特に所得割の徴収が行われていない。いろいろ聞いてみますと、県の地方課においてあの改正された第二方式、第三方式の三十二年度のやり方、三十三年度のやり方というものがあったようでありますが、あの通りにやらぬでいいんだというような指導がなされておる。あるいはこのことが結局所得割の第二、第三方式によって改正通りにやれば、財政計画の上に出ておった数字は四十八億だったと思うのですが、そういうような減収になる。この減収をおそれるがために——これは市町村としては非常に困ったことは事実ですね。そこで、改正法通りにやればそういう減収が出てくる。それをのがれるためにそれはやらない。それを地方課あたりがそのようにそれでいいんだというような指導をしてるというような面があるようです。これは自治庁がそういうような何か指示をしたのか、あるいは何かそういう黙契を与えたのか、そういう点に私は非常に大きな疑問を持っているわけです。あるいは改正税法通りにやれば、昨年に比べて七〇%程度しか取れない、あるいは六三%であるとか、ひどいところになりますと半分程度にしかならぬというようなところがあるようでありますが、そういうものを防ぐために、実際改正法通りに市町村がやっていない。これが非常に多いようでありますが、自治庁はそういうようなことを指示したとは、おそらく言わないでしょうけれども、地方課あたりがどうしてそういうことを市町村に指示しておるのか。そこらの事情があなたの方でわかっておりますか。また自治庁としては、市町村でいわゆる改正法に準じて条例を作って実施しておるところが一体幾つあるのか、実施しなかったところが幾つあるのか、そういう点わかっておりますか。
○奧野説明員 市町村民税法人所得割につきまして準拠税率を法定いたしたわけであります。その結果第二課税方式のただし書きを採用しておりました市町村におきまして、この準拠税率に合わした、あるいは税率引き下げを行なったそういう団体が、市町村数で申し上げますと、約半数になっております。あとの半数はなおそこまでは至っていないわけでございます。なお準拠税率を法定いたしました際に、二つの極端な意見がございまして、一つは、国が準拠税率を法定したんだから、何が何でも準拠税率を採用するんだ、その結果非常な減収が生ずるけれども、国がそういう措置をとったのだから、全額国でその補てんがなされるのだ、こういうような意見がございました。もう一つはまた、準拠税率だから、御指摘のように、何もそんなことにかまう必要はないのだという意見がございました。私たちはどちらも極端な意見だということで指導に努めて参っておるわけでありまして、準拠税率だから何が何でもそれがよろしいんだというようなことを主張する意思はない。市町村によりまして所得段階ごとの員数というものは非常に違うわけでございます。法律で一応所得段階ごとに税率を示しておりますけれども、その一、二の段階に該当する人はおるけれども、それ以外の人は皆無だというような市町村もたくさんあるわけでございます。第二課税方式で所得段階ごとに応じた税率を市町村に適宜きめきせる方式を採用しておりますのも、市町村の納税者の所得状況に応じた刻み方をして、納得のいく負担をしてもらうのが正しい、こういうふうなことからあのような措置もとっておるわけでございますので、やはり市町村の納税者の担税力の状況といいましょうか、そういうところで実態に合った刻み方をやったらいい、こういうことを申しておるわけであります。その場合準拠税率は第一方式の場合との均衡のとれた税率なのだから、それを頭に置いて、実態に合った税率の刻み方をしなさい。しかしまた固定資産税におきましても、あるいは市町村民税の第一課税方式におきましても、標準税率を示しておりまして、市町村の財政状況に応じまして若干の増税等も行なっておるわけで、増税を行えばそれだけ施設も他よりよろしくなければいけないと思っております。そういうことでありますから、やはり町村の状況に応じてはあるいは準拠税率を若干上回ることがあってもやむを得ない。しかしながら従来のようなはなはだしい増税はぜひやめてもらわなければいけない。またそれをやめてもらうためには自治庁としても準拠税率採用の結果起ってくる減収については、この程度特別交付税で補てんする考え方を持っておるのだ、こういうことも示して参ってきておるわけでございます。たまたま法律の制定が若干おくれましたし、また市町村といたしましても、今後地方交付税がどのくらいの増額になってくるかというような見通しもまだはっきりいたしませんので、準拠税率に近づけることについての勇気は私たち若干不足しておるだろうという見方はしております。しかしながら今申し上げましたように、市町村の半数がそのような措置をとって参っておりますし、なお今後一そうそういう方向にいくものと思っておりますので、市町村民税負担の均衡化には非常な前進を見ることになった、またなりつつある、こういうふうに考えておるわけでございます。
○川村(継)委員 お話のように税法の解釈からいけば、そういうことにもなると思うのですけれども、やはり第二、第三方式の税率の調整をやった場合には、これは申し上げるまでもなく第一方式との開きがあまりにも大きいというようなことで、あの税率改正がなされたと思うのです。ところが実際はその改正の税率に準じて市町村がやってくれれば、これは住民それぞれの負担というものはある程度軽減される。これは政府のとっておるいわゆる減税政策の一つの趣旨にも沿うわけです。ところが実際は全然そういうことをやっていないところが非常に多い。今局長は半数くらい、こういうことでありますが、私はどうもそれ以上ではないかというような見方をしておるわけです。しかも昨年に比べて負担が非常に大きい。そういう結果が出てきておるから、おそらく昨年通りの刻み方をもってやっておるのではないかと思われる市町村もたくさんあるわけです。こうなりますと、せっかく税率改正をやりました趣旨を全然没却しておることだし、これについてはやはり自治庁なり県なりの指導上相当な問題が残ってくるのではないか、こうして税率は作ったけれども、これはもう準拠するのだから、お前たちがいいようにやれということでないにしても、そういうようなことが軽々しくやられておるということは、結局法律改正の趣旨にも合わない。そこで自治庁としてはあらゆる手を尽してこの税率に近い、いわゆる準拠した、それによって所得割が課せられるように持っていってもらうことが当然のことじゃないかと、こういう考え方をしておるわけです。前の長官であります田中さんの話でも、あるいは自治庁当局の答弁でも、いわゆる調整税率の適用によってマイナスになったところは特別交付税等で補うのだ、こういうふうにたびたび言明しておられました。ところが市町村では、真意を聞いてみますと、自治庁ではそういうことを言ったでしょうけれども、特別交付税なんていってもどうも当てにならない、こういう何かしらぬ信用されていないような言葉が吐かれまして、結局うっかりああいう税率に準拠してやれば、大きなマイナスを来たしてとんでもないことになるから、特別交付税などを当てにしておってはやれない、こういうような気持が、あの私が申し上げておるような状況になっておるのではないか、こういうふうに思っておるわけです。この点は次の三十三年度のことを考える上におきましても、私は大きな関連があると思うのです。実は時間があればいろいろその点をこまかにお聞きしたいのですけれども、次の機会に譲ります。そのなるべく早い機会と申し上げますのは、次の通常国会あたりに今の市町村の税率適用の状況をできるだけ一つ詳しく調べてお示しが願いたいと思うのです。これを一つお願いしておきます。 それから次官がおいでになっておりますが、今私が申し上げましたように、自治庁の地方に対する指導と申しますか、そういうものをもう少しすっきりさせていただきたいという気持が強いわけです。たとえば今税率のことで一言申し上げましたが、こういうような指導は割にお手やわらかと申しますか、悪い言葉でいうとルーズというか、そうきびきびやっていない。ところが一方金をとったり、あるいはこの前問題になりましたような、この前の委員会でもおそらく同僚委員から問題にしたと思いますが、給与改訂等に伴う給与表の適用について、一号上げるとか、二号上げるというようなことは、財政再建計画等にからんで非常にきびしい指導がなされ、あるいは干渉がなされておるといっても言い過ぎでないほどの強い指導をなされておるわけです。そういう点ではどうも私たちとしては納得のいかない気持を持っているわけです。それでやはり一つの法律があるわけですから、税のとり方についても国民の負担が重くならぬようにするには、そのねらいを通していくというようなことでやっていただきたいと思うのですが、何か次官としてそういう点についてお考えはございますか、一つお気持をお聞かせいただきたい。大臣のお気持もお聞きしたいのですが、大臣がおられませんから一つ次官のお考えをこの際お漏らし願いたい。
○中島政府委員 川村さんのお話しごくごもっともでございまして、私どもよく同じような御意見を耳にするわけでございます。今後そういうことのないように、極力指導して参りたいと思っております。
○川村(継)委員 きょうは定刻から本会議も始まるようですし、いろいろ各党で議員総会等が行われるようですから、実はあと特別交付税の問題あるいは再建計画の問題等をお聞きしなければならぬと思っておりますが、大へんなんでございますが、次の機会に譲らしていただきたいと思います。
○門司委員長 本日はこれにて散会いたします。次会は公報でお知らせいたします。 午後零時二十八分散会