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27回国会衆議院1957/12/12

大蔵委員会 第9号

発言数
199
登壇者
12
会派数
2
開催日
1957/12/12

会議録

山本幸一日本社会党

○山本委員長 これより会議を開きます。  この際、専売事業に関する小委員長より、たばこ耕作組合法案に関する同小委員会における審査の経過報告について発言を求められておりますので、これを許します。専売事業に関する小委員長内藤友明君。

内藤友明自由民主党

○内藤委員 たばこ耕作組合法に関する小委員会の審議経過につきましては、去る十月十日の大蔵委員会において、一応中間報告をいたしたのでございますが、その後十月二十五日、十一月二日及び十二月十日の三回にわたり小委員会を開き、さらに慎重審議を続けたのであります。  小委員会の審議過程におきまして問題となりました諸点は、さきの中間報告においても概略申し述べたところでありますが、これらの問題点についてその後慎重に作業を続けました結果、別紙お手元に配付してありまするような修正案要綱を作成いたしました  この修正案の概要は、一、第三条の「組合の地区は、地区たばこ耕作組合にあっては日本専売公社の定める区域、」となっておりまするのを、「組合の地区は、地区たばこ耕作組合にあっては政令で定める区域、」と改めることにいたしておるのであります。  二、次に第八条、組合の行う事業についてでありますが、同条第一項第五号「災害により葉たばこの生産に関し組合員の受けた損害に対する共済」とありまするのを「災害により葉たばこの生産に関し組合を直接又は間接に構成する者の受けた損害に対する相互救済」に改めました。  同項第十一号「組合員又は会員の経済的地位の改善のためにする団体協約の締結」の規定を削ることといたしております。これに伴い同条第二項から第四項までを削り、そのかわり第二項「前項第三号の事業については、組合と農業協同組合、農業協同組合連合会又は農業協同組合中央会とは、関係者間において相互に協調を保つように努めなければならない。」という規定に改め、第三項には「大蔵大臣及び農林大臣は、協議の上、第一項第三号の事業につき組合と農業協同組合等との調整を図る必要があると認めるときは、これらの団体に対し、その調整に関し、あっせん若しくは調停を行い、又は必要な勧告をすることができる。この場合においては、大蔵大臣及び農林大臣は、あらかじめ、公社及び農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十八条に規定する行政庁たる主務大臣又は都道府県知事の意見をきかなければならない。」という規定を置くことといたしました。これは、たばこ耕作組合と農業協同組合との事業上の摩擦をなくしようという配慮からこうした条文を加えたのであります。  三、第十七条、役員の選挙について、同条第五項から第七項までを削り、指名推薦の方法により役員の選挙を行うことをやめることにいたしました。  以上が本修正案の概要でありますが、小委員会におきまして最も問題になりました点は、第八条第一項第三号の「葉たばこの生産上必要な肥料その他の資材の共同購入」という規定でありまして、これについて社会党側より、共同購入は、あっせんという字句に修正するとの強い主張がありました。しかしいろいろ紆余曲折を経まして、特に一面農業団体の意見を考慮しながら、本法律案を軌道に乗せようとの党派を越えた委員一同の配慮によりまして、さきに述べました第二項、第三項の作成に御協力をいただき、完全な意見の一致を見た次第であります。この点、私からあらためて委員の皆様に深甚の感謝を申し上げる次第であります。  以上、この法案の審議の経過を申し上げたのでありますが、委員長におかれましてよろしくお取りなし方をお願いする次第であります。山本委員長は、その人格の円満、透徹した御見識、ことに議事運営につきましては、まことに見上げた御手腕を持たれ、私どもは名委員長と考えておりますので、特に六月以来難航を重ね、よろめきながらここまで至りましたこの経過を一つ御尊重いただきまして、どうぞこの法律案のお取りなし方を、よろしくお願い申し上げる次第であります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 次に、ただいまの小委員長の報告に対しまして、神田委員より補足して発言を求められております。これを許します。神田大作君。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 たばこ耕作組合法案の審議経過につきまして内藤小委員長より御報告がありましたが、われわれといたしましていささか補足しなければならない点がありますので、申し上げます。  内藤小委員長の非常なる御努力は、われわれそれを多とするものでございます。しかし、今内藤委員長の報告中において一番問題になりました、第八条中のいわゆる共同購入の点であります。この点につきましては、たばこ耕作組合は出資を持っておらない、またたばこ耕作組合は指導事業を主体とするものであるというような観点からいたしまして、これに経済行為を認めさせると今後非常に問題を残しますので、われわれはあくまでも共同購入のあっせんということにするという強い意見を持っておりますことを、御報告申し上げておく次第であります。  なお、監督権の問題が第四十条以下に出ておりますけれども、監督権を事業をしている専売公社に持たせることは非常な疑義を持つ。行政官庁である大蔵省あるいは農林省がこれを監督するというのであれば筋が通りますけれども、事業を主体としております専売公社がこういう組合の監督をすることに対しまして非常な疑義がありますので、この点についても、われわれは今後検討を重ねていくことを保留いたすものであります。  なお、役員の選挙は総会外においてするということでございますけれども、総会外においていかなる方法をもって選挙するかということが不明確であります。われわれは、もし総会外においてこれを選挙するというならば、公職選挙法に基き選挙をすべきである、こういうように考えているのでありまして、役員の選挙は、あくまでも総会において選挙するという筋を通すべきであろうと思われます。  なお区域の点につきまして内藤小委員長より報告がありましたが、少くともわれわれは、総会に集まり得られる人数を限度とするところの区域とすべきである。提案者の報告のように、何千人の組合員を一区域とする組合ということになりますと、総会を開催するに当りましてこれらの人たちが一堂に会することができないそういうような区域にすべきではない。少くとも一堂に会し得られるような人数における組合の区域にすべきであるという意見があります。この点も、われわれは内藤小委員長の意見に補足いたしまして、われわれの意見といたしまして御報告申し上げておく次第であります。  以上簡単ではありますが、特にわれわれは第八条の事業中における経済行為についての問題につきまして、農村内における農業協同組合並びにたばこ耕作組合の事業というものは円満に遂行されなければならないというような観点に立ちまして、特に第八桑中に、前項第二号、第三号、第四号及び第九号については、たばこ耕作組合と農業協同組合、農業協同組合連合会または農業協同組合中央会等の関係者においては相互に協議し、協調を保たなければならないというような事項を一項挿入すべきであるというような意見を持っております。  以上、簡単でありますが、小委員長の説明に対する補足説明を申し上げましてわれわれの意のあるところを明確にしておく次第であります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 以上をもちまして小委員長の報告並びに補足報告は終りました。  本案につきましては後日理事会におきましてその取扱い方を協議いたしたいと存じます。     —————————————

山本幸一日本社会党

○山本委員長 次に、税制に関する件及び金融に関する件につきまして調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。神田大作君。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 国税庁長官が参りましてから、国税庁長官にもこの見解をお聞きしたいと思うのでございますが、間税部長がおいででございますので、国税違反の取締り、あるいは酒税の違反の取締り等に対する処置によって、当事者に対して非常に迷惑のかかる問題も含んでおると思うのですが、この当事者の迷惑を最小限度にとどめるためにどのような配慮を払っておられるか、その点からお尋ね申し上げます。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 お話しのように、酒税法違反あるいは消費税の各税法違反の事件につきましてその違反の疑いのある者を取り締れることになるわけでございますが、その犯則調査のやり方いかんによっては、たとい法に違反することを行なった疑いのある者でありましても、不測の損害を及ぼすことがございますので、これについては、常々不当不法の行為がないように十分留意するように申しておるのでございます。そしてまた、そういうふうな通達を国税庁長官の名前でしばしば発しておる次第でございますが、そういう配慮を加えておるにもかかわらず、ときどき遺憾な事態が起ることがありますので、はなはだ遺憾に思っておる次第でございます。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 厳重な通達をしておっても、いろいろと当局に手落ちがあるというような御説明でございますが、この問題は、業者が違反事項によって国税庁から査察を受けるようなことがありますと、これは前にも問題がありましたように、その人の事業というものは非常な影響を受けて、場合によっては営業不能に陥るというような場合があるのであります。国税庁としては、相当厳重な配慮を払っておると思うのでございますけれども、あなたが言われるように、そういう厳重な通告をやっているにもかかわらず再三起るということでございますが、そういうことに対して、そういう御迷惑のかからないようにするためにはどのような方法でこれらを防止せられるか、私は、もっと当局においては考慮を払わなくてはならないと思うのでございますけれども、われわれが見るところによりますと、おざなり的な通知、通達のみでございましてこれらに対する新しい考えによる工夫がなされておらないように思うのでございますが、その点どうお考えになりますか

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 神田委員のお言葉でございますが、先ほど、通達を出しておるけれども、それにもかかわらず遺憾なことが再々起るというふうに私が申したかのごとく御発言でございましたが、間々あるということを申し上げたのでございまして、そうしょっちゅうあることではございませんので、そのように御了承いただきたいと思う次第でございます。  それから今お話しのように、通牒を出したくらいではなかなか直らぬから、もっと新しい構想で考えろというお言葉、まことにごもっともでございまして私どもといたしましては通牒を出すのみならず、そういう犯則事務を調査する者を一堂に集めて短期の講習を行ないまして、そのときに人権侵害にわたらないように、営業に不当な影響を及ぼさないように十分配慮をするようにということを申しておるのでございます。ただいまお話がございましたので、さらにそういった措置を一そう強化いたしたい、かように考えます。なおまたさらにいい知恵がありますれば、そういった知恵を拝借いたしたいと存じます。私どもにおきましても、いろいろもっと研究したいと考えます。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 間税部長は、そういう問題が起らないように万全の処置をしつつあると言われますが、私はこうに一つの例を申し上げて、このようだ事態が行われたということは今部員が言われたようた周到な注意を払っておらなかったということを証明する一つの大きな証拠になるだろうと思いますので、この点について、具体的な問題を提出して、これに対する御見解を承わりたいと思います。それは、足利市に昭和飲料工業株式会社というのがありまして、これはサイダーその他清涼飲料を作っておるのでございますけれども、この会社がたまたまトラヤ・ネオビールというものを昭和二十八年に足利税務署に申請をして、それとの緊密な連携のもとに、トラヤ・ネオビールを製造いたしました。ところが昭和二十九年の八月二十四日に、東京国税局より酒税法違反であるというので、係官が多数参りまして、この製品を多数差し押えて、営業不能に陥らしめたのであります。その後三十年六月二十六日に、酒税法違反であるというような通達書を送付されたので、本人は、これはアルコール分一%を含んでおらない、清涼飲料剤として作っておるのであるから、そのような通達は納得できないから、早く検察庁に告発して、裁判によってその黒白をきめたいということを、東京国税局に本人または代理等でもって六、七回にわたって申し入れをしておるにもかかわらず、その後ニカ年有余になるのでありますが、そのまま放置されておる。そのために、この昭和飲料工業株式会社においては、このトラヤ・ネオビールの製造はもちろんできないと同時に、営業に非常なる損害を来たし、この昭和飲料工業株式会社は、現在サイダー等の清涼飲料剤を作ってはおりますけれども、その後営業不振で、今日会社は破産状態に陥っております。二年間にわたって、本人のこれらの申し入れを再三受けたにもかかわらず、そのまま放任して、この会社を破産状態に追い込んだのは、当局の非常なる怠慢であると同時に、さっき間税部長が言われたような、そういうことのないようにという再三にわたる通知に対しまして、これは何ら誠意を持った措置ではないと思うのでございますけれども、この問題について、具体的なる御説明を願いたいと思います。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 ただいま神田委員から御指摘のございました、昭和飲料工業の酒税法違反事件につきましては、お話しのように、昭和二十九年の八月に犯則の疑いをもって調査いたしまして、昭和三十年の六月に、犯則の嫌疑から、国税犯則取締法によりまして通告書を送ったわけでございますが、本来の手続からいたしますと、通告書を出しましてから二十日間を経過いたしまして、その通告が履行されない場合におきましては、これを告発しなければならないことになっておるのでございますが、お話しのように、今日までその処理が延引いたしましたことにつきましては、まことに恐縮に存じております。ただ、この処理がなぜこのようにおくれたかということにつきましては、いろいろの事情があるわけでございますが、いかに事情がありましても、このように二年有余の間これを放置しておったということは、まことに恐縮なことでございまして、いかなる事情がありましても、この責任を免れるわけには参らないと存じます。  ただ、昭和飲料工業がそのために破産状態にあるかのごときお話でございましたが、昭和飲料工業におきましては、その後もラムネ、サイダー及び嗜好飲料を製造いたしております。その数量は、年々それほど差異がない状態でございまして、かたがた法人税の方におきましても、毎年約五十万程度の利益が出ておりますので、破産状態ということは事実と相違するのではないかと存じます。この点は御了解いただきたいと存じます。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 このトラヤ・ネオビールが、もし東京国税局からあのようなことを受けなければ、今日この昭和飲料工業株式会社は、非常に営業が盛大になっておったろうと思う。そういうところから見ると、現存五十万くらいの法人税の対象にしかならぬというようなことは、われわれから見れば、この会社が非常な衰微に陥っている。この責任者であるところの大沢君からも、このトラヤ・ネオビールがあのようなことになったことによって、事業が非常な打撃を受けてこれに対する精神的あるいは物質的な損害というものは、非常に重大であるとわれわれは聞いております。特に二年の間、再三にわたる本人の申し入れにもかかわらず、これを言を左右にして告発しなかったという理由は一体どこにあったか、その点をはっきりと説明していただきたいと思います。

泉美之松大蔵事務官(国税庁間税部長)

○泉説明員 御承知のように、足利市は関東信越国税局の管内なのでございますが、本件の調査をいたしましたのは東京国税局でございまして、この二年間なぜおくれたかという点につきましては、東京国税局の方の事情だけを申し上げますと、当時、三十年の七月でございますが、東京国税局の監視課の機構改革がございまして、その当時まで監視課に酒税監視係、消費税監視係、事後監査係という三つの係がありまして、その酒税監視係で犯則の調査と同時に、その後の処分をやっておったわけでございますが、それではなかなか事務の進行が困難であるということからいたしまして、三十年の七月に機構を改めまして、新しく総務係というのを作りまして、その総務係におきまして、犯則の嫌疑があるものの調査終了後の通告処分、あるいは訴訟処分を行うことにいたしたのでございます。その当時相当件数の事件が、そういうことで未決になっておりましたのを、未決一掃ということで着手いたしたわけでございますが、その当時、ちょうどこの昭和飲料の事件が起きまして、昭和飲料の事件は、たまたま機構改革の直前でございまして、それほどまだ時日が経過しておらなかったために、他の事務に追われておって、昭和飲料の方の事件の処理がおくれたということを申しておるのでございますが、いかなる理由がありましても、先ほど申し上げましたように、二年間も放置するということは、弁解の余地がございませんので、遺憾に存じております。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 官庁の機構改革の最中であったので、事務処理がおくれたと弁明されますが、そういうことは理由にならぬ。部長も言うように、このことについてはまことに申しわけないということであるが、それは一体申しわけないで済まされるか、業者は莫大な損害をこうむり、営業ができなくなり、トラヤ・ネオビールという長い間苦心をして自分で作ったところの製品というものを喪失してしまうということが、官庁の怠慢と不手ぎわのためになされるということを、このまま見過ごすわけには私はいかぬと思う。しかも最近に至るまで、再三これが処置を泣訴嘆願しておるにもかかわらず、これを取り上げ得なかったということは、これはどういうわけであるか。私がこの委員会に持ち出して初めていろいろとその処置について検討しておられるようでございますけれども、そのようなことは、この昭和飲料工業株式会社ばかりじゃなしに、全国の業者が一つの国税徴収権という権力をもって、そうしてその権力によって、いろいろとこういう不当な処置を受けておる業者がほかにもある、こういうことをわれわれは聞いておりますので、過般この国税違反取締りに対する態度等につきまして、われわれ委員は、大阪あるいは名古屋、東京等において、実地にこれらの実態を調査したのでございますけれども、それらの事例は数たくさんある。こういうことに対しまして、責任あるところの処置をしなければ、今後徴税に対する考え方というものは、非常に悪化すると同時に、これらの当事者は、それがために自分の営業を台なしにし、莫大なる損害を泣き寝入りする。そういうことになっては、われわれとしてもこれを黙視するわけにはいかないので、これらに対する国税庁としての責任ある処置、並びにこれに対する責任ある見解を、幸い長官もおいででございますから、長官の方から御言明願いたいと思います。

北島武雄国税庁長官

○北島説明員 本件につきまして、前国会におきまして、神田先生から渡邊前長官に御質問があったようでございます。調査いたしますと、先ほど間税部長が御説明申し上げた通りでございまして、まことに私は遺憾に存じます。ただ大沢さんの主宰されている昭和飲料工業株式会社は、御承知の通りに大麦、水あめ、ブドウ糖、ホップ、酒母、水、こういうものを原料といたしまして、アルコール分一度すれすれのところをねらって実はお作りになった。御承知の通りに、酒税法によりますれば、アルコール分一度以上は酒税法の規律するところでございまして、免許なくしてこれを製造することは、いわゆる密造になるわけでございますが、東京国税局におきまして、松戸管内において犯則の嫌疑をもちまして調査に着手したのでございますが、事実五十石程度のものを差し押え、または領置いたし、これの酒税分を検討いたしますと、確かにアルコール分一度以上のものが約半数程度ございました。五十石のうち、二十二石程度がアルコール分一度以上でありまして、これは免許なくして酒類の製造をするという酒税法違反になるわけでございます。ただ残りの二十八石程度のものにつきましては、酒税分が一度に満たないのでございまして、これにつきましては、酒税法違反を構成するわけには参らないわけであります。この酒税分一度未満の分については、至急にこれを還付しなければならないものでございますが、ただいま間税部長の説明いたしましたような状況で、当事者としましてはいろいろ事情もあったこととは思いますが、これは表に出して断じて筋の通るものではございません。何と申しましても、これはお役所仕事の典型的である、こう言われても、私ども何らの抗弁の余地のないものであります。  さらにもう一つは、犯則分につきまして、国税犯則取締法によりまして通告処分いたしましたところが、これを履行しなかった。国犯法によりますれば、二十日以内に履行しないときには、直ちにこれを告発することになっております。ただ実際問題といたしますと、二十日たったら直ちに告発するということではなく、できるだけ納付を慫慂いたしまして、その期間若干日時は経過するわけでありますが、二年もなおこんなふうに放置しておくということは、私どもまことに遺憾のことと存じます。本件につきましては、目下東京国税局を督励いたしておりますが、最近の報告によりますれば、ほぼすべての手続が完了する、こう申しております。ただし、これにつきまして、東京国税局におきましては、犯則分について告発したいという意向を持っておるようでありますが、何分にも、他面におきましてアルコール分一度未満の分を差し押え、領置いたして御損害もかけておりますので、この点は直ちに告発ということでなくて、もう少し昭和飲料工業と話し合いを進めたらよかろう、こういうふうに私ども考えております。いずれにいたしましても、たといいかなる理由があるにせよ、このように処理がおくれましたことはまことに遺憾でございまして、この点につきまして、私ども厳重に責任の筋を追究いたしたい、こう考えております。今後におきましては、このようなことの絶対に起らないようよく指導して参りたいと考えております。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 国税庁長官から、今後このような問題が絶対に起らないように善処する、並びにこの問題については、責任のある解決をするというように私聞いたのですが、これに間違いありませんか。

北島武雄国税庁長官

○北島説明員 このような事態の再び起らないよう、厳重に今後全管下を指導いたして参るとともに、本件につきましては、できるだけすみやかに適当なる解決を得たいと考えております。

神田大作日本社会党

○神田(大)委員 長官からのそのような言明でありますれば、私はこれ以上追及いたしません。ただ二年間にわたるところのこのような不手ぎわな酒税法違反に対する行政処置に対しましては、当足利市における業者等も非常な不満を持っておりますので、私はこの点につきまして、長官の言われるように、すみやかにこれが処置をぜひお願いします。と同時に、長官は、今、アルコール一度以上の分が約半数くらいあるというふうな御言明でございますが、私の調査によりますと、そうはなっておらない。また東京国税局からの監査等に対しまして、非常に疑義の点もあるように私の調査にはなっておりますし、その間足利税務署、あるいは東京国税局関係、あるいはその他の関係等において、いろいろの複雑な問題も含まれておるようにわれわれ見ております。私は、こういうことをここの席上で申し上げませんが、一つ厳重に部下のこの問題に対する処置に対しまして適切なる方法によってこれを明確にしてもらいたいということを申し上げまして、この問題に対する質問を打ち切ります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 午前の会議はこの程度にとどめまして、午後は一時から再開いたします。  その間休憩いたします。     午前十一時四十八分休憩     午後一時二十三分開議      ————◇—————

山本幸一日本社会党

○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  税制に関する件及び金融に関する件について質疑を続行いたします。  この際私からちょっと大臣に御要望申し上げておきたいのですが、これは、昨日及び本日の理事会で委員諸君から強い要望がございましたので、これらの委員諸君の御要望を私から大臣に申し上げたいと思うわけであります。と申し上げますのは、昨日の委員会で、ぜひ大臣の出席をという強い要求がございましたので、そこで政務次官の出席を求めて大臣の都合を伺ったわけです。しかるところ、大臣は旅の疲れやあるいはかぜ気等で出席がむずかしいというお話がございましたので、お互いになま身のからだでもありますので、その点を了承いたしましたわけです。ところが、皮肉にも昨日の六役会議は、本朝の新聞あるいはテレビ等によると、おからだの調子の悪いというようなことはどこ吹く風で御出席を願っておる。こういうことで、委員の諸君から大臣に対して非常な疑問を持つに至ったわけです。私は、もちろん仮病とは存じませんけれども、やはり通常国会が開かれますと、本委員会の運営上にも支障を来たすようなこともできないとも限りませんので、従って、ぜひ一つ大臣におかれましても、本委員会に対しましては熱意を持って対処せられることを、この際強く要望いたします。  続いて質疑に移ります。春日一幸君。

春日一幸日本社会党

○春日委員 大臣にお伺いをいたしますが、それは、やはり明年度の予算編成に対する大臣の構想はいかなるも一であるか、これであります。この問題につきましては、先般の委員会にお」まして、われら社会党の委員からうもごもその核心をついてその構想の概要をお伺いをいたしたのでありますが、当時大臣の御答弁によりますと、それら予算編成の作業は、言うなば、まだ登山で言うそのふもとに到達したばかりであるから、ここで今頂上の天気を尋ねられても答えるわけには参らぬということでございました。かしながら、その後一ヵ月を経過いたしまして、これらの作業は逐次御進捗されたことと存ずるのでございます。わけて本朝の新聞紙の各紙の報道するところによりますと、明年度の予算編成方針については、政府与党で意見の合致を見たとのことであります。かて国民が真に聞かんと欲すること、すなわち頂上の天気が何であるかということは、もはや明確に御答弁が願い得る段階にあろうかと存ずるのであります。従いまして、前委員会に引き続いてお伺いをいたしたいことは、大臣の明年度の予算編成に関する具体的な構想について、まずもってお述べをいただきたいと思うのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 明年度の予算編成につきましての考え方は、先般やはり閣議にかけまして、政府として、三十三年度予算編成の基本構想というものを発表しておりますが、あの線以上に今ここでどうということを申し上げるわけには参りません。あの線に向って私は予算編成をやろうと考えておるわけです。  なお、昨日の党との話、これは何もここでものをきめるわけでも何でもありません。政府のおもな関係者と党との間に、やはりいろいろと話をして調整をなるべくしておこう、こういうのでありまして、これは単に政府と党との内部の話にすぎません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういたしますると、私はちょっと理解に苦しむのでありますが、現在の政治は政党政治である。従いまして、政府の政策は、すべからく政党が国民に約束したところに従って行なっていく、あるいはまた政党の責任においてその政策が政府によって実施されていく、こういう工合に理解をいたしておるのであります。昨日の政府と与党とのいわゆる七者会談、これは、政府側におかれましては一萬田大蔵大臣、愛知官房長官、政党側からは副総裁、副総理、川島さん、政策を担当いたしておる三木さん、河野企画庁長官あたり、とにかく政党の責任者と政府の責任的立場にあられる方とが、この問題を議題として慎重に検討されて、そこで意見の合致を見たといわれておるのであります。私は、こういうような場所において決定されたところに従って政府は予算を編成していくものと考えておりますが、これは、政党政治の全般的な立場についてお伺いをしなければならないのでありますが、政党はその政府を全然拘束しないのでありますが、あなたは政党の決定に対しては何ら顧慮されないというのでありますか、ただいまの御答弁に関連して、この点を一つ明らかにお述べを願いたいと思うのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 政党内閣制でありますから、政党の政策というものが、そのときの政府の施策に織り込まれていくということは当然のことである。従いましてそういう点について、いろいろと意見をかわし調整をする必要がある、かようになると思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 当然のことであろうと存じます。ただ、私が重ねてこのような素朴な質問をいたしましたことは、このような問題は、昨日のああいうような会談において何ら決定するものでないというお話でございましたので、異様なことに感じまして質問をいたしたわけであります。  ならば、この新聞報道を基準といたしまして、具体的にお伺いをいたしたいのであります。これによりますると、結局剰余金四百三十六億円なるものを景気変動のための調節資金として、たな上げをするという構想が定められたといわれているのであります。しかとそのようなものでありまするのか。いずれにいたしましても、国民はこの事柄を知りたいと考えておるわけであります。この機会に、新聞に報道されておりますこの具体的問題について、真相を明らかにいたされたいと思うのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今朝の新聞に予算編成についていろいろ出ておりますが、これは、先ほど申しましたように、昨日政府の者と党の者とが集まって与党と政府との間で内部的に話し合ったというものであります。従いまして、その一々について私がここで論議することは避けたいと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それではお伺いをいたしますが、結局この前われわれが質問をいたしましたときには、大体ただいまの御答弁と同工異曲の御答弁がございました。すなわち、それらの作業は今続けておるさ中である、なお、その作業は着手したばかりであるから、全体的な構想を具体的に述べることは不可能だという御答弁でございました。私たちは、不本意ではありましたけれども、そのような御答弁を固執されておりましたので、さらにこれが具体化される日を待期しておったことでございます。御承知の通り、国民は、とにかくあなたにわが国の財政、経済を御信託いたしてある、従いまして、来年度の予算編成の方針によって来年度の景気がどうなっていくのか、政策がどういう工合に変っていくのか、これは、経済現象の各般を通じて国民の重大な関心事であることについては、大臣も御理解が願えると存じます。結局あなたは、その責任の地位にあられるのですから、こつ然とあなたが個人の意思によってそのポストにおられるのではない。諸手続をもって、国民の代表としてその場所におられるのでありますから、実際の景気の基調となるべきところの予算編成の方針が具体的にどのようなものであるかを、この期において大臣が国民の前に明らかにお示しになるの義務があると思うし、また国民は、これを聞くの権利があると思う。私は、大体の基本構想については、七月に発表されたあの四項目によって了承はいたしておりますが、具体的な構想というものは全然わかっておりません。この際、具体的な構想が新聞で流布されておるというだけで、国会がこれについて何らわからない、質問しても大臣が答えない、こういうことであっては、われわれも職責が尽し得ないのでありますし、国民も、これではばかにされたような感じを持つでありましょう。御承知の通り、具体的な細目に触れて新聞は報道いたしております。従って、それの真相がどういうものであるか、国権の最高機関である国会の府を通じて、この新聞報道を中心といたしまする諸政策、諸取扱い、こういうものについて、大臣のお考えをこの際明らかに述べられたいと思うのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 具体的な予算編成の構想につきましては、大体本月の二十日くらいを目途といたしまして発表をいたしたい、かように考えて、今せっかく努力を払っておるのであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それでは、具体的にお伺いをいたします。本朝各新聞紙の報道するところによりますと、剰余金四百三十六億円を景気調節資金としてたな上げをする、こういうことについて、政府、与党の意見が合致したと報道されておりますが、これは事実でありますか、あるいは間違いでありますか、お伺いをいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 先ほどから申し上げましたように、昨年の会合は、全く政府と与党との間の内部的な話し合いであるのであります。今その一々について私は答弁をいたしかねる、かように考えております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 私は、ただ問題の真相に触れて虚心たんかいに事柄を処理いたしたいと思うのであります。少くとも予算編成は、政府と与党の責任者とが話し合いを行なって、そしてそれぞれの意見の合致を見て、これが予算に編成されていくものと理解をいたしておるのであります。従いまして、昨日の御会談こそは、予算を具体的に編成されることに対する一つの画期的な成果であろうと考えるのであります。このことは日本国民のために、日本国のために予算が編成されるのであります、ら、そういうような意見が合致したとか、あるいは具体的な問題に触れて論議が行われたということは、これは、質問がなければともかく、新聞に報里されているのでありますから、そういうような事柄が論議されたならば論議された、あるいは意見が食い違っておったならば違っておった、合致したならば合致した、これは新聞報道にあることでありますから——私がお伺いをしているのは、それは正しい報道弔あるのか、間違った報道であるのか、これをお伺いいたしておるのであり免す。昨日の会談が重要な意義を持っているということ、新聞に報道されたうとによって国民の受けた感動もまた胎いという、こういう立場において、血の質問に対して重ねて明確なる御答命をお願いいたしたいと存じます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 新聞にどういうこうに報道してあるか、私、一々読んでおりませんので、そのすべてを肯定したり、あるいはそうでないとも言えませんが、しかし、およそそういうふえなことについてわれわれが話し合った、いろいろ相談したということは、多く間違っていないのではなかろう九と考えております。  なお、今のお話の点は、先ほど申し上げたように、二十日を目途として国民にもはっきりお示しするのでありますから、それを今どうこうと言われろことも、私はないと思います。あともずかに五日か六日を残すだけでありヰす。今は、そういう発表をするためにいろいろと努力をしておる、こういうふうにお考え願いますと、その努力の過程を、一々ああもこうもというようなことがなかなかできないことはもう春日さんよく御存じの通りであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういたしますと、ここに朝日、毎日、読売、日経、産経ことごとくありますが、まず共通した報道の中身は、こういうことに相なっておるかと存ずるのであります。  すなわち政府、与党首脳会談を開き意見調整を行なった。この結果次の基本方針についてほぼ意見が一致した。一、三十一年度剰余金のうち一般財源に充て得る四百三十六億円はこれを保留する、実質的歳出規模は三十二年度一兆一千三百七十四億六千四百万円に比べ千二十五億円増以内にとどめる。もう一つは、減税は実施する方針だが、その具体的な検討は後日に残す。従いまして、結局四百二十六億円についてはこれを保留する。しかも大臣の具体的構想は、先般来しばしば新聞紙上で述べられておりまする通りに、それは、景気調節資金としてこれをたな上げしていくという、これであります。それから予算規模が一千二十五億円ふえるということ、減税を行おう、この三つの点がきまったと言っておられるのでありまするが、この三つの事柄について、一つ一つ、それはきまったのかきまらないのか、きまったとすればどういう工合にきまったのか、この新聞が間違っておるならば、どの点がどのように違っておるのか、これを一つお示し願いたいのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今その点に触れることは、先ほどから申しましたようにこれは、われわれの内部で今いろいろと話し合いをしておることで、今ここで公式にこうだというのじゃありません。これは今後もう少し、具体的には政府として二十日ごろを目途として、先ほど申しますように、方針を発表する。さらに、それに基いて今後いろいろとまた折衝を重ねまして、そうして国会が始まりまして、来年に入りまして国会提出になるかように考えます。そのときがいよいよ本ぎまりになる。その過程において、いろいろなことを、一々それはできた、きまった、これはきまらぬ、そういうふうに申し上げることは、私としては差し控えたいと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それは変ではありませんか。先般の御答弁は、作業を始めたばかりだから、ふもとで頂上の陽気を尋ねられてもわからぬと答えられた、やがてこれはもう頂上近いのですよ。あなたがわかっておるものを、少くとも財政、経済、予算の大先達、これに国民が頂上の陽気はどうですかと聞いて、わかっておるものを、それはわからぬ、登ってみなければわからぬ、二十日の日になってきまってしまわなければ言えぬ、こういうことであっていいのでありますか。少くともいろいろな新聞において、あなたがさまざまな意見を述べられておるし、また述べたということが報道されておる。だからこういうような機会に、大臣の真の腹はこうだ、私の具体的構想はこれだと、責任ある態度で問題を明らかにして、国民の進むべき道を明示するというのが、少くとも大蔵大臣たる者の任務ではありませんか。何もお述べになることができないのでありますか、重ねてお伺いをいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、ものがしつかり、しかも総合的にきまったときに、こういう予算というものについては国民にこれを知らすべきものであると思う。たとえば、先ほどから例にとりますが、やはり山に登るにしても、登ってまた下り、また登るというようなこともあるのでありますから、そうただ登る一方ばかりでもない。これは、やはり作業中にはそういうことがあります。ですから、そういう意味におきまして、私は申しております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それは、山へ散歩にでも行けば、登ったり下ったりすることもあるかもしれないけれども、予算編成をあなたはエンジョイしておるわけではない。少くとも予算を編成するという仕事を、土台から柱を建てて、壁をつけて、いろいろとそういう仕事を進めていく。そういうものは、登ったり下ったりというようなばかなことはないでしょう。登るのは、登山だからあくまでも登っていくのでしょう。だんだんと登ってきて、今もうこの七役会談までこぎつけてきた、実際の話が。七役会談にこぎつけて、少くともその三つの大きな柱が意見の合致を見たと報道されておるので、それで四百三十六億の、かつてないこういう景気変動のための調節資金、そういう制度がほんとうに設けられるのかしら、減税すると言っておるが、ほんとうにそうかしら、それから予算規模が一千二十五億ふえるというが、ほんとうにそうかしら、これがほんとうに国民として知りたいんじゃありませんか。知りたいというところを私たちは聞いておるのですよ。だから私たちは、今この新聞に報道されていなければこれはそれでもいい。けれども、ここに新聞に報道された以上この事柄こそは大蔵委員会が、先回聞かれた委員会において、あなたに質問をして答弁を得られなかった事柄なんです。答弁を得られなかった事柄が、本委員会に対して御答弁をなされることなく、すでに新聞に発表されたのだから、だとすれば、果してその通りのことであるかどうかということをあなたにお伺いをしておるのです。だから、登ったり下ったりというような、そんなちゃらんぽらんなことでなしに、少しまじめに、すなおに問題の真相を取り上げて国民にその問題のありどころを明らかに示していくという、こういうことで一つ御答弁を願わなければなりません。だから、私はお伺いいたしますが、この三点について話し合いが行われたということは、ただいまお話がありましたが、意見の合致を見たというのは、うそでありますか、それともほんとうでありますか、お伺いをいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私が言いたいことは、そういうことは、私としてはやはり政府として方針をきめて、そうして閣議にもかけて、政府の方針として、それはそのときになったら申し上げます。今はまだそこまでいっていないので、発表する時期でないということを御了承をお願いしておるのでありまして、今のところは、ただ政府と与党一緒になって一つりっぱな予算を組もうじゃないかという意味において、いろいろと話し合っておるということなのでありまして、それを取り上げて、一々こういう公けの席において、これはこう、それはそうそういうわけにはいかない。そこまでいくのには、やはり政府の方針がきまった上でないと言えない、かように存じます。

春日一幸日本社会党

○春日委員 公けの席と言われるけれども、これは天下の大新聞で、これは報道の、天下の公器とも称すべきものだ。少くともこういう公けの報道機関がすでに報道しておることなのです。しかも本委員会は、このことを知りたいと思って、先大蔵委員会においてあなたに質問をしたのがだ、あなたは、ひょうたんなまずのようなことを言って御答弁をなさらなかった。われわれは本日の委員会を期してもはやこのこともお伺いをできると期待しておったのだが、その前日に——大体このことは、僕たちは昨日お伺いをいたしたかった。ところが、ただいま山本委員長から警告されたように、病気だと偽わって、テレビに出てにこにこと大笑いに笑いまくった、そうしてこういうような会議に出ておられる。少くともあなたは、政党あって国家あることを知らぬ人ではないかと私は疑いたくなる。少くともわれわれは、昨日の委員会に出席しようと思って、とにかく暮れでお互いが忙しい、そういうことを万事放郷してやってきておるのに、委員会は昨日お流れになったではないか。あなたはそれに対して、何の責任もお感じになっておらない。委員長はやさしい言葉で警告を発しておるけれども、われわれは憤激やる方ないものがある、全くの話。そうしておいて、しかもあなたが、こういうような重大な問題について、昨日政府と与党との間において会談が行われておるならば、これもまたやむを得ずとして、その結果の真相はどうであったかといってここで質問されて、何も答弁ができないということがありますか。それは、あまりに国会を軽視するというか、われわれ委員を侮辱するというか、はなはだしいではありませんか。私はもう少し謙虚な気持で、少くとも国会が国権の最高の機関であるならば、政党も大事ではあろうけれども、正規に開かれた委員会に出ない、そうしてそこで定められたことについて、真相に触れての答弁をしない、こういうようなことが許されるとあなたは思いますか。そして、そのようなことでわれわれ引き下れると思いますか。私は大臣に深い御反省を求めつつ、重ねてこの三項目について、その真相を明らかにされたい、重ねてお願いをいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、重ね重ね申しますように、発表する時期がくれば、もうきれいに発表します、かように申しておるのであります。ただ私は、予算編成の責任者でもありますし、その過程において、いろいろなことについて私がああであったこうであったと言うことは、いろいろと支障を生ずる、そういう意味において、私は時期がくるまでは申し上げにくい、かように存ずるのでございます。新聞に書いてあることにつきましては、私は新聞に書いてあることとして御了承を願えば、それでいいのじゃないかと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 ということは、新聞に書いてあることはほんとうでもあるし、またうそでもあるし、何が何だか、責任は持てぬ。もっとも新聞が報道することに責任を問うわけではありませんが、一体、じゃあどういう工合に理解したらいいのですか。これは何とか一つわれわれが理解できるように御答弁を願いたい。とにかく二十日になるまで述べられないどいうことは、私どもとしてああそうですがと言って引き下がるわけには参りません。この委員会というものは、本日を期して、この問題について政府の方針をただすという意図を持って開かれておる委員会でありますから、その委員会において大臣から明確な答弁が得られないということでは、われわれの職責は尽しがたい、これはいかがでありますか。この新聞の報道というものは真相であるのか、あるいは一部間違っておるのであるか、あるいはそのような意見の合致というものがされていないのであるか、この点をお伺いいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 その新聞の報道については、先ほどもすでに答弁をしておると思うのでありますが、私ほんとにどの新聞もずっと読んでおりません。しかし大体の大筋については、そういうことはわれわれの間において話があった、かように御了承願ってよろしい、かように私は答弁をいたしておるのであります。これは、あくまでわが党と政府の一部の人々の間において、いろいろと予算編成につきまして話し合ったという程度のものである。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それでは、この問題はこれ以上お伺いをいたしましても、われわれが期待する責任ある態度をお示しいただくことはできませんので、この程度にとどめまして、それではお伺いをいたしまするが、来年度の予算規模、これはだんだんとあなたの腹も固まって参りつつある様子でございまするし、新聞報道によりますると、一千二十五億のワクの増にとどめたいというような事柄について、政府並びに与党の意見がほぼ一致したということを言っております。そこで、私お伺いをいたしたいことは、この予算編成の重点をどこに置いておられるか、これを一つお伺いをいたしたいと思います。さらに具体的に言うならば、この際わが国としては、財政、金融、貿易各般にまたがって、それぞれ諸施策をこらさなければ相ならないことが山積いたしておりまするが、とにかく具体的には、その編成の重点をどこへしぼっておられるか、この点は、今大臣が編成の作業を現に行なっておられるのでありまするから、お述べいただけると思います。それは何でありましょうか、お伺いをいたしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 その点につきましては、先般政府として発表いたしました、三十三年度予算編成の基本構想中に、きわめて私は明確に述べてあるつもりであります。ここでそれを繰り返せば、要するに安定した経済を招来して、その安定した経済をもとにして経済の拡大をはかっていく、そういうことを可能ならしむる諸条件をここで整備をしよう、そういうことを中心にして予算の編成も考える、かように申し上げればよかろうかと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 この際、財政投融資の問題もあろうし、予算規模の問題もあろうし、またたな上げ、減税等のいろいろな諸問題も錯綜して参るでありましょうが、この予算編成に当って、われわれの理解するところによれば、今わが国経済が当面しておる多くの問題の中で一番大きな問題は、何といってもこの国際収支の逆調を克服することにありはしないか、この点にいろいろの思いをいたしておるのでありまするが、これに対する大臣の御見解はいかがでありますか。すなわちいろいろの施策を講じて今述べられたわが国の経済を安定しつつ、これを拡大さしていかなければならぬだろう、それらのあらゆる前提の処理としてなさねばならぬことがあるであろうが、われわれは、これを当面しておる国際収支の逆調の克服にあると考えるが、その点について大臣のお考えはいかがでありますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 大よそさようにお考えになって1私も大体そのように考えております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういたしますると、結局本年度の財政投融資なども、七月、あなたの手で六百億の実行が繰り延べられておるわけであります。すなわち政府支出をできるだけ圧縮しなければならぬ。そのことのためには、あらゆる犠牲等も忍んで顧みることなく、この大筋を進めて参らねばならぬ。そこでお伺いいたしたいことは、この報道するところによると、今年は予算規模を一千二十五億ふやそうとされておる。そのことは、結局その中の何%かは外貨の消耗に通ずるものと考えるが、今この国際収支の逆調を克服するということが至上命令であるとするならば、この至上命令に逆行するところの、それだけの消費を伴う予算規模の増大ということは、私はいかがなものであろうかと考えるが、この点に対する大臣の御批判は何でありますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 ただいまお示しの千二十五億ですか、それは何もきまった財政規模ではありません。またそれほど増加させるという意味でもありません。今申しました金額は、三十二年度の予算の、前年度に比べ歳出増であると思うのでありますが、その増以内においてこれを収束すべし、それがよかろうということであります。これは幅がある、さように御了承願います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 一千億以内とか二千億以内ということならば、以内というもののアロウアンスというものは相当幅が予測される。けれども一千二十五億以内ということならば、一千二十四億だって以内には相違ないのだけれども、そういう妙チキリンなことでなしに、どうですか、あなたも大臣を何年かやっておられるのだから、その点は率直にお述べいただいて、一千二十五億以内ということは、以内だから以内だというようなことでなしに、これだけのものがやはり歳出増を来たせば、そのことが国際収支の逆調にいかなる関連を持つか、こう私が質問をいたしておるのでありますから、もしかりに一千二十五億というものが決定されれば、そのことは国際収支の逆調を克服することのために何も影響がないとか、大臣の見解を伺っておるのでありまして、その見解をお述べいただかなければ御答弁にならぬではありませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それは、何べんも先ほどから申しますように、きまっていないのであるという理由において申し上げておるのであります。ただ千二十五億というのは、私が言うたのでも何でもない、これは春日さんが今言われた。春日さんの言われた千二十五億ということは、おそらく私が想像すれば、三十二年度の歳出増である、かように考えますから、それ以内というふうに今考えておるのだ、そういうふうに新聞におそらく書いてあるのだと思うのです。

春日一幸日本社会党

○春日委員 全く困ったものだと思う。しかし大臣、これは私が今唐突に捏造して、勝手に推算して申し上げておるわけではない。天下の大新聞ことごとく筆をそろえて具体的に千二十五億以内ということで書いておる、以内は以内。ところが私は、そのことを伺っておるのではない。一千二十五億以内のどれだけですかということを伺っておるのではない。かりに一千二十五億というような予算規模、すなわち政府支出が増加すれば、そのことは外貨の消耗に通ずると思うが、今わが国の財政の至上命令は、国際収支の逆調克服にある、この至上命令と逆行するようなきらいありと思うが、大臣の見解はいかに、こういうようにお伺いをしておる。だから、この以内ということがかりに仮定であったとしても、一つの財政理論として、こういうような予算規模をこのような経済背景の中において行なったときにおいては、どういう影響が対外収支において予測されるか、この点のお述べを願いたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今の数字をのけて申し上げますれば、国際収支の改善ということが予算編成の大きな重点でありますから、従いまして内外の諸情勢から考え、今日の日本の経済から考えて極力歳出というものを抑制をして、予算規模をできるだけ小さくする、こういうことに努力を払わなくてはならぬ、これが今日の考えであって、その結果がどういうふうな数字的な規模になるか、これは今後に待たなくてはならぬ、そこまではまだ結論が出ておりません。かように申し上げるほかはありません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 わかりました。それはそれとして伺っておきます。  そういたしますと、明年度の税収増加見込額、これはもう予算編成の作業がすでに大半終っておる、固まりつつあると述べておられるところでありますから、従いまして、大蔵省はこれをいかに押えておられるか、この点、お述べを願いたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 三十三年度の税収がどういうふうになるか、これは、今事務当局においてできるだけ精密に検討を加えておるのでありますが、しかし、今までのところわかっておると申しますか、私が報告を受けておるところによりますれば、三十三年度の予算編成当時の税収に比べて、およそ一千億円は増加を見積り得るであろうということであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 私は、過去数年間の税収予算額なるものをずっと見て参っておるのでありますが、大蔵省のその考え方というものは、これがことごとくはなはだしく過小に見積られておると思うのであります。この際お互いが特に重視せなければなりませんことは、こういうような大きな問題、すなわち歳出を立てる、その見合いとなるところの歳入、これに対するところの見通しというもの、推計というもの、これは正確でなければならぬと思う。過大であっても過小であってもならぬと思う。そのことは、歳出の立て方を狂わしてくる、そうして、そのために経済にいろいろな悪い影響を与えてきた。従いまして、過去数年間にまたがるその実績を見られてもよくわかりますように、自然増収というものは、毎年々々千億だ、千二百億だ、千五百億だとある、こういうような歳入の見方というものは、私は大蔵省自体として重大反省を要する事柄ではないかと思う。多過ぎてもいかない、少な過ぎるということも、これまた政治的な責任につながる問題だと思う。だから、そういう意味において、来年度の税収増加額、こういうものは、大蔵省自体が内輪に見積るというやり方を一働して、入るべきものは入るものだと、これはそろばんの中に入れていくのでなければ、毎年々々大きな見込み違いをしておって何ら責任を感じないという、こういうあり方は、国の財政をあやまたしめておる、国の政治をあやまたしめておる大きな原因の一つである。これは、私は大きな政治責任を問われなければならぬと思う。だから、そういう意味で私は申し上げるのでありますが、来年度の税収が本年度とどっこいどっこいということでありますけれども、しかしまあわれわれが調べたところによりますと、本年度の国民所得が八兆一千八百億でありますか、これに三十三年度においては三%増が見込まれる、そうすると、この三%の該当額が二千四百五十四億、これに対する税収の増は、これは限界租税函数というのでありますか、あの二五%をかけていくと、六百数十億というものが加わってくる。だから本年度の増が一千億あるとすると、そこへさらに国民所得の自然増、この自然増分に限界租税函数ですか、二五%を加えていけば一千六百億何がしの増というものが考えられるではありませんか。これを、ことさらにまたもや一千億に押えようというところに、過去のあやまちをもっと繰り返していこうという結局この見積り過小ということについては、何も反省が行われていないし、また何らの責任が問われてはいない。私は、こういうことは正当なことではないと思うが、いかがでありますか、この点について御答弁をお願いいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 税収の見積りが過大であっても過小であってもならぬではないかという御意見は、私全く同感であります。できるだけさようにいたしたいと考えております。従いまして、そういうふうな見地から、三十三年度の税収については、私自身検討を加えるつもりはいたしております。ただ私が先ほど千億と申しましたのは、今までのところ事務当局の報告はさようになっておる、今後なお異同がありましょう、事務当局からさらにあらためて報告してくるでありましょう、その際には今春日さんのおっしゃったような考えでもって私どもは十分検討を加えたい、かように考えております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういたしますと、これは徴税理論からいうても、また財政理論からいうても、来年度は、本年度のこの現行税制のもとにおいて一千億の増収と、それから国民所得が三%増大する、その際の増加分を含めるならば、かれこれ一千六百億円の税収の自然増というものが考えられる、こういうことで予算の組み方がいろいろ構想されてしかるべきだと思うが、しかしそれは内輪に見積っても、とにかく一千数百億という自然増がここにあるわけなんですね。従って、私はこの際どうしても伺っておきたいと思うのだが、この増加分を一体大臣はどうされるというのでありますか、やはりこれは減税に回すか、あるいはまた、これをかねてあなたの構想であるところのいわゆる景気調節のための資金としてたな上げするか、二者択一である、他に方法はないと思う。それとも、この一千億というものをあるいはその余つた分を全部予算に組むという形になるならば、これはただいま大臣もお述べになりました通りに、国際収支にえらい悪影響を与えてくるから許されない。これは、もうその面においてもおのずからなる制約がある。従いまして、これは減税に回すか、あるいはたな上げするか、二者択一である、予算の方にこれを組むことはできない、政府が支出としてこれを処分することは許されない。でありますから、結局はたな上げされるのか、減税に回されるのか、私は方針はここに分れてくると思う。またここで定められなければならぬと思う。大臣のお考え方はいかがでありますか、お伺いをいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 三十三年度の税収自体について、これをどういうふうに処分するかということは、今申し上げる時期ではありません。これは、お断わりをしておきます。ただしかし一般的に申し上げますれば——三十三年度とかいうことではなく、一般的に大蔵大臣として申し上ぐれぼ、税を一方でとって国費をまかなっておるのですから、常に頭にあるのは、税を取り過ぎはせぬだろうかということです。それで、できるだけ税を取り過ぎないように、もしも取り過ぎたと考えれば、むろんこれは返さなくてはならぬ。これは、もう大蔵大臣としては私はだれもそうだと思う。それがもう原則なんです。ただしかし、そういうことが可能なりやいなやは、そのときの情勢、またその税収の性質ですね、これは臨時的なものであるか、恒久的な財源となり得るものであるか、それらもしさいに検討してきめるのでありますから、考え方としては今申し上げた通りであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 ただ私がお伺いをいたしておるのは、前に御答弁された通り、結局至上命令は、国際収支の逆調の克服にある、だから、そのためには政府支出を極力押えなければならぬ。三十二年度の財政投融資に六百億の大なたをふるわれたのも、またその理由によるものである。でありまするから、昭和三十三年度においては、税に自然増収ありとはいえ、それはおのずから制約があって、予算にそれを組むことはできない。とすると、ここに今あなたがお述べになった通り、事務当局の報告だけでも一千億ある、さらに三十一年度にたな上げされておる一千二億、この中からさまざまな操作をされて四百三十何億というものが出てくる、合計一千五、六百億というようなものは何らかの措置をとらなければならぬ。すなわちそれを減税に回すか、たな上げにするか、あるいはその中で何らかの操作を行なって、一定の歩合において両者を行うか、これは何とかしなければならぬ形になって参ると思うのであります。この点に対する大臣の構想は、今いかがであるか、これをお伺いいたしておりまするから、御答弁を願います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今御質問の点は、今後これから十分考えてきめたい、さように考えておるのでありまするが、春日さんの御意見は心にとめておきます。

春日一幸日本社会党

○春日委員 心にとめておくというのでなしに、あなたが今やっておるのですよ。あなたが個人企業か何か、自分のところだけの単独の権利でそのことをやっておるのではないのですよ。やはりこれは、あらゆる法律に基いてあなたが国民にかわってその事務を行なっておるのですよ。私は、それを今どういう工合におやりになるのかと伺っておる。だからこうするならこうする、ああするならああすると御答弁願えばいいじゃありませんか。それを今あなたがおやりになっておって、結論は二十日に出るとおっしゃっておる、本日もうすでに何日ですか。余目は幾ばくもない。このときに、あなたが現におやりになっておること、お考えになっておること、あなたの御方針は何であるかと聞いておるのですよ。だから、方針くらいは御答弁になったらどうですか。方針も何も述べられぬというようなことじゃないんでございましょう。あなたが自分だけで何か碁や将棋を練習しておるのと違うのです。国民にかわって国民の信託を受けてその作業をやっておるのだから、やられておる国民がどういうふうにやるのですかと聞くのは、当りまえなことじゃありませんか。実はいろいろ御心配だが、こういうことをやっておりますからとお述べになる義務があるじゃありませんか、このことを御答弁願いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それは、やはり私が申し上げる時期があるのであります。いつでも幕なしに大蔵大臣が、おれはこう考えるというわけにいきません。時期が来れば、ちゃんと申し上げます。ただ私の言葉が悪かったかもしれませんが、春日さんがいろいろとそういう点について非常に国家のために御心配になっておるようだから、その御意見は、十分私心にとめておく、かように申し上げたわけであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 国家のために御心配になっておるというのじゃなしに、大臣、私はあなたに述べたい。現行の税制というものは、完全無欠なもの、ではない。これは、税を簡素化しなければならぬとか、あるいは負担の均衡をはからなければならぬとか、あるいは生活費に食い込んでおるところのその分をもう少し負けろとか、実に痛切なる要望があるのです。たまたま本年度においては、余裕財源というものが予測される、国民は何人もこのことを知っておる、だから、ほんとに来年度は減税がされるのか、されないのか、大臣は一体どういう考え方でこの予算を組もうとしておるのか、これを聞きたがっておる、知りたいのです。だから僕は伺っておる。それを、あなたの方針というものが、今全然やみくもというわけじゃないでしょう。いろいろと七者会談にもあなたは出られ、そして徴税行政の主管責任者として、予算編成の当事者としてかくかくの意見を述べておられてそのことは新聞に報道されておる。われわれは国民にかわる国権の最高の機関として、ここであなたに聞いておる。この前に質問をして、あなたが御答弁されておれば、それによって推測もつくのだが、この前もちゃらんぽらん、今はヒョータンナマズ。われわれは、これじゃ職責が果せないじゃありませんか。(「まずいな」と呼ぶ者あり)こういうふうに、黒金あたりがちゃらんぽらんなことを言うので困る、これは、委員長、退場を命ずべきだ。半畳を入れるにしても、おのずから限界がある。実際知りたいと思っていることを知らせなければ、これは問題にならぬじゃありませんか。減税をやるならやるとおっしゃればいいじゃありませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 春日さんは、よくおわかり下さっておってお話しになっておると思うのですけれども、そういうことにつきましては、やはり党ともよく相談をして先ほど、政党内閣は党の考え方というものを十分入れなければならぬということを、春日さんも声を大きくして言われておりましたが、かように党とも相談しなければならぬ。また政府として、やはり方針をきめなければならぬ。その前に私がいろいろ言うということは、不可能であることは、春日さんおわかり下さるだろうと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それでは、私はお伺いをいたしますが、あなたは景気調節資金というものについて、しばしばあなたの具体的な構想の中でも、また基本的構想の中でも述べておられるのだから、これは、やはり一家の見識をお持ちになっておられると思うのだが、こういうものは財政法上、あるいはまた財政の実際の運営上においてこれは私は前例がないと思う。前例がないから、いろいろな法律の中においても、規則の中においても、そういうような制度を受けて立つところの諸規定は何もない。しかし私たちが一番心配しておるのは、そういうような法律にも規則にもないようなことを、今度あなたがあえてなさろうとしておるのだが、ところがかりにそのことをやられるとするならば、これは財政法上も、あるいは財政の運営の上においても、あるいはそれに基いていろいろの資金を運用していく上においても、何ら危険はないとお考えになるか、何ら疑義はないとお考えになるか、この点について、もう一度御答弁を願います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 法律上の点につきましては、十分検討させまして、もしも現行法でそれができないとなれば、これはまた御相談を申し上げて、法律でそういうことができるようにしてもいい、私はかように考えております。運営の方におきましては、今日あるいは将来、特に国際貿易に日本の経済は大きく依存をしておる、そしてその日本経済に財政も大きく依存するのでありますから、そういう財政のうちに、景気調節的な機構といいますか、制度を設けることは、私は適当と思っております。現に西ドイツが、あれほどの経済の安定の上に発展を遂げつつあるのも、それはいろいろあります、何もそういうことだけというのではありませんが、ドイツの財政に大きくゆとりをずっと持ってきておってこのゆとりが適時適切にドイツの国の経済にいい作用をさせておる、運営の上において、経済に非常にいい効果を与えておる、こういうこともあわせ考えております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 ドイツの財政が相当の余裕金を持っておるということは、やはりドイツ自体の経済がどういう実力を持っておるか、しかもまたNATOをめぐる中において、再軍備に対するいろいろな準備資金、その他為替関係等において、さまざまな情勢のもとにああいうものがプールされておるということは、われわれもよくわかっております。けれども、それと日本におきまする現状とは全然問題が違うんですね。よくあなたにも御理解を願っておかなければならぬことは、どういう工合に使うのだということもわからないような金を、今国民が重税であえいでおるこういうようなときに国民から収奪するというような、そういう制度がいいか悪いかということは、非常に根本的な問題なんです。私は、ドイツの例などこの際ここに引用されるということは、当を得たものではないと考える。しかしこの問題は、いろいろとお話をしても、結局二十日にならなければわからぬ、二十日になれば明らかにする、こういうことでありまするから、いずれその日を待ちまして、ただ一つこの際最後に明らかに願っておきたいことは、大臣は御承知であるかあられないか存じませんが、当然閣議で御理解を願っておると思うのでありますが、過ぐる第二十六国会においては衆議院、第二十七国会では参議院におきまして、あの中小企業団体法というのが成立をいたしました。この法律とうらはらの関係をなしております中小企業等協同組合法が改正された。そこの二十三条の三項に、零細業者に対して政府は税制上、金融上特別の措置を講じなければならぬと、いわゆる政府に義務づけた宣言規定を行なっておる。従いまして、政府はすべからく最もすみやかな期間に、零細業者に対して税法上、すなわち減税を行い、金融をつけることのための具体的な政策を講じなければならぬことが、この法律によって定められたわけであります。この法律は、満場一致をもって成立をいたしました。自民党の諸君は、とかくの難くせをつけましたけれども、社会党の正論に屈して、結局この法律は通ったわけであります。従いまして、これは大臣が今度必要なる立法を行わなければなりません。すなわち零細事業者、勤労事業者に対する減税、零細業者に対する金融上の特別措置、これはもう明らかに国家の意思でありますから政府はそれを受けて実行しなければなりません。当然これは予算編成の上において影響力を持つ問題でありますから、それぞれの御検討を進められておると思うのでありまするが、この問題に対する政府の措置は、今いかが進められておりますか、御答弁を伺いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 ただいま御指摘の条文につきましては、これは法律はいろいろと解釈もあろうかと存ずるのでありまするが、そういうことはしばらくおきまして、わが党も今の政府も、中小企業につきましては、各般の点につきまして、育成ではありません中小企業が日本経済に占める地位にふさわしい扱いといいますか、いわゆるそういうふうにやっていこう、こういうふうに考えております。それが実現するように、いろいろとまた金融の点においても税の上においてもできることであり、必要とすることであれば、私は考えていく上において決してやぶさかではありません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 一般中小企業政策として、やはりわが国経済の中に占めるところの中小企業の地位にふさわしいような政策が行われるべきことは、当然のことでございましょう。そこでただ問題は、新しい事態が発生した、新しい義務が政府に課せられた、それは何であるかといいますと、すなわちこれは法律の中に特に一カ条が設けられて、政府はこの零細業者に対して税法上、金融上特別の措置を講じなければならぬと、これを義務づけたわけであります。国家は政府に対して、このことを宣告したわけなんです。従って、やはりその法律に基いての法律案なりあるいは施策なり政策なりが講ぜられなければならぬ段階であると思うのです。今予算編成期であり、従って、この法律を受けて政府でいろいろな事務が進められておると思うが、この法律に対応するところの施策はいかに講ぜられつつありますか、この点をお伺いいたしておきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 この法律の条文の真に団員的とし、真に意味するところには、私としても十分検討を加えて参らねばならぬと考えております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 今や中小企業が、いろいろな政府の施策のしわを受けてはなはだしく困窮いたしておることは、だれでも十分お認めが願えると思うのであります。従いまして、中小企業の中でも、なかんずく特に零細事業者、働いて事業を成り立たしておるところの勤労事業者に対して、何となく施策が手落ちになっておる、金融についても盲点に置き忘れられておる、従いまして、国会がこのことを指摘いたしまして、特別の措置を講ぜよ、こういうことを言っておるのでありますから、大臣はこれを正当に御理解を願いまして、この法律の精神と目的にかなったところの必要なる施策を急速に講ぜられんことを強く要望いたしまして、本日の私の質問はきわめて不満足でありますが、しかしながら、来たるべき二十日の日に、大臣からそれぞれの問題についてさらに具体的なる御答弁のあることを期待いたしまして、私の質問を終ります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 ちょっと付言しておきますが、二十日に何でもかんでも発表するかのような印象を受けましたが、さようでないのでありまして、二十日は、予算編成について、この前基本構想というものが出ておりますが、あれに基いてもう少し具体的な考え方といいますか、方針を二十日に発表する運びになるように努力をいたすということであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それでは、いろいろなこれらの問題について大臣がこの衆議院大蔵委員会に御答弁願えるという日は、いつでありますか、今から見通しを伺っておきます。正確にはいつなんですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは、今後の予算編成の進行に関係することでありますから、今いつということは申し上げかねます。

春日一幸日本社会党

○春日委員 きわめて遺憾であります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 次いで加藤精三君。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 大臣に御質問をいたしたいのでございますが、大臣は、現在のわが国の地方団体の財政が非常に困難しておる、特に団体によりましては赤字を持っており、なお再建債を借りて、そして赤字の肩がわりをしてもらっておる、また歳入の方では、相当財源調達に無理をしておる、非常に無理な税金を取ったり、それから標準税率超過の課税をやったり、相当無理をしておる、それからなおそれでも調達ができない場合には、あるいは教育費とか衛生費とか消防費とか、当然公費で負担すべき経費を、協力費等の名目によって民間に相当負担させておる、そうしたような、いろんな地方財政の非常に苦しい実情を十分御理解でございましょうか。どうも大蔵省筋から放送されるような新聞記事とか、いろいろなものを見ますと、いかにも地方財政がすっかりよくなってしまっておるようなふうに理解しているのじゃないかと思われる節がございますので、その点につきまして、質問の前提といたしまして大蔵大臣の現状認識をお尋ねしたいのでございます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 地方財政が何もかももう解決してよくなってしまっておる、さようにはむろん考えておりません。なおいろいろと再建団体もありますし、なおまた赤字の団体も残っておると思います。それはよく承知いたしておりますが、しかし、幸いに地方財務当局その他の御努力で、地方財政も漸次よくなってきておる、だんだんと黒字の団体もふえてきておる、特に最近では、あるいはまた今後の見通しとしては、歳入も相当ふえていく、こういう状況にある、かように私は認識いたしております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 大へんけっこうなことでありますが、なお具体的にはどの程度御存じだか、大体地方財政再建債の四百二十二十億のほかに、現在三十一年度の決算でどのくらい赤字があるかという点でございますが、それは、大臣直接御存じなければ、大体大蔵省としてはどれくらいに見ておるか。とにかく前提に食い違いがあっては質問になりませんので……。

相澤英之大蔵事務官(主計官)

○相澤説明員 では私からかわって答弁いたします。二十一年度末における地方財政の実質収支の差額は、これは最近自治庁において発表されたかと存じますが、府県、市町村を通じまして二百二十七億の黒字になっております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 途中で申しわけありませんが、私に与えられた時間は十分しかないので、そういう私が質問していることと違ったことを答弁されては困るんで、当該地方団体で赤字を出したその赤字の合計なんですよ。自然増で、いいところはずいぶんあるけれども、赤字の累計の方から言うと幾らになるかということです。あまり時間がないのに、あなたから長々と質問にないことの答弁をされると困るんです。その赤字が幾らになっておるかということをお聞きしているのです。

相澤英之大蔵事務官(主計官)

○相澤説明員 今のは、全府県、市町村の合計で申しますと、二百二十七億の黒字になっておりますが、赤字団体の計で申しますと、府県で二十八億、市町村で九十四億、合せて百二十二億の赤字になっております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 それは、われわれの考えております赤字よりも非常に少く見ておられるようでございますが、それは別といたしまして、そういうふうな認識をしておられるということは、私たちの一つの材料になります。それで、とにかく地方財政の特殊性について、大臣はどういうふうに御認識になっておられるか、それをまずお聞きしたいのでございます。とにかく税の自然増収というのは、国税の場合と地方税の場合と比べると、どちらが増収の速度が早いか、率が高いか、そういう問題でございますが、これにつきまして大臣はどういうふうに御了解になっておられますか、承わりたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは、私税の性格から来ると思いますが、地方税よりもやはり国税の方が、そういう意味において弾力性が大きいのじゃないかと考えております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 大体国税が一〇〇の自然増収があった場合には、地方税は四〇ぐらいしかないということをまず御了解をいただいていると思いますが、御答弁で大体満足いたします。  次に、人件費の増加の度合いが、国の財政と地方の財政とどういうふうに違いがあるか、どっちが人件費の自然増が大きいかという問題につきまして、大臣の御認識を聞きたい。大へん失礼ですけれども、前提になっていることが食い違っておると、最後の最も大事な質問の際に意見が違うことになって困りますから。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは、私そう一がいに言えないのじゃないかと考えております。地方団体でも、ごく富裕といいますか、そういうふうなところでは、人件費も割合に高く、国よりも高い。しかしそれ以外のところは、国よりも低いところもある。こういうように考えて、これをでこぼこのないようにできるだけ調整をするというのが今の段階じゃないか、かように考えております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 一応の御回答を承わりましたが、その点は、ちょっと大臣のお考え違いじゃないかと思います。大体国の財政では、人件費というのは二割見当、地方財政では四割見当のものでございます。それで大体待遇が国の職員に準ずるわけでございますので、人件費の自然増というものは地方団体が大きくなる、そういうように一つお考えを御訂正願えれば大へんありがたいと思います。  次に、国の施策がある場合に、地方財政の継ぎ足しが相当あるということにつきましては、大臣は十分御認識だろうと思いますが、その点はどうでございまし、一うか、大体国の施策がありましたら、それにつきまして、国庫補助とか起債等があれば、それで国の政策の諸施設が十分やっていけている、そういうふうにお考えでありましようか、その点大蔵大臣の御認識をお尋ねしたいのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私としましては大体やっていけておる、こういうように考えております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 ただいまの御答弁は、最も不満なのでございまして、そういう点につきましては、特にもう少し御研究をいただきたいと考えております。  それから、時間がないので先に行きますが、地方団体、特に市町村等におきましては、単独事業費というものの意味が相当重大であって、そして住民の生命、財産等を最終に確保するためには、どうしても単独事業費というようなもの、あるいは単独事業費に準ずる地方財政の経費というものが相当重要性があるということにつきまして、御認識をしていただけておりましょうか。その点は、非常に重要な国の政務というか、行政は国で行なっておるから、そういう単独事業費なんかぜいたくだと言わんばかりの態度がときどき大蔵省の方の言葉の端にあるように思いますので、その点につきましての大蔵大臣の御認識を承わりたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは、むろん考え方、方向としては私御意見のようだと思います。しかし、力に応じなくてあまりに単独事業がふえても、これも将来財政の負担を大きくすることにもなり、その点は程度の問題もあるが、考え方としては、やはり地方も、財政が許す限りにおいて行政水準等が上ることは望ましいことである、かように考えます。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 不当に大きな事業を計画するなという訓辞的な御意見、それは別でございますが、第一線の住民の生活、生命等を確保するための単独事業費というものの持つ意味、単独事業費に準ずるような経費の持つ意味は、重大であるということについての御認識をお尋ねしたのでございまして、これもなかなか時間がかかりそうでございますから、先に進みます。  それから地方財政の支出が、いわゆるインフレを起したりするところの経済を刺激する、その刺激性が国の経費よりも少いということにつきましては、大蔵大臣は御認識でございましょうか。大企業に財政投融資なんかやる場合と地方でいろいろ学校の建築、修繕——非常に不完全なものが多いから、それに対して修繕をやるというような経費、そういうものと比較いたしまして刺激性が少いというところに特徴がある、財政学的というか、経済学的というか、そういう点について御調識があられるかどうかという点にっ六て承わりたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは、しいて区別すれば、私の今の考えなんですが、経済的意味において刺激を与えるという意味では、中央の方が私は大きいと思いますが、消費的な意味から言うと、経済を刺激するという意味は、地方も決して中央に比べて小さいとは暑いがたい、かように考えております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 その点になりますと、ちょっと私議論があるのですけれども、大体大蔵大臣は、しからば教育とか衛生とか、そういうものは生産性がなくて好ましくない、消費、そういうふうに経費の性格を考えておられるわけですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 教育とか衛生、こういうことを別にしても、むしろ基本的な点ですから、私はやはり可及的にやらなくてはならぬ、こういうふうに考えております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 非常にむずかしい、微妙な点でございますから、もう少し時間のあるときにお伺いすることにいたしまして、次に移ります。  現在地方団体におきまして、行政の水準が非常に低下しておるということについての問題、特に地方団体の財礼の多様性といいますか、黒字のどんどん出るような団体もございますけれども、大多数を占めるものは、財政困難な町村でございまして、あるいは府県でございまして、その行政の質が近来相当低下しておる、それは災害の経費とか、あるいは災害の際の仕越しの事業費とか、それからその公債費の圧迫とか、そういうもので行政の質が相当低下している実体、それについての御認識をどういうふうに持っておられますか、承わりたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 むろん赤字団体もありますから、満足すべき状態にあるとは私は申しませんが、しかし赤字団体も逐次減少をしつつあります。従いまして、行政水準もやはり逐次向上の道をたどっておる、かように考えております。特に最近地方財政も急速に収入状況もよくなりましたから、一そうそのテンポが早まっておるだろうと一応認識をいたしております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 その点につきましては、私たちと認識を異にいたしております。たとえば学校の不正常授業とか、あるいは下水とか、それから道路橋梁の荒廃とか、そういうものにつきまして、終戦直後からのある程度の復旧はございましてもこの維持に相当困難を来たしておる、しかもこれらの施設の一部、ことに教育施設等におきましては、相当の民間の負担をもって処理しているために、相当実質的な苦痛を住民に与えておるというような各種の状況について、もう少し掘り下げて御認識をいただけることができれば幸いだと考えております。  以上、お尋ねした点を総合いたしまして、大体現状におきまして、国の財政と地方財政とを比較してみますと、国の財政は、大体毎年歳入の一割にも近い自然の繰越金を出しておる、そして全然国債も発行してないで、そういうふうに順調な状態にある、それに比して地方財政は、相当の額の起債を財源といたしまして、そしてやりくりをして、もうそのうちの相当の部分には、再建債のほかになお赤字を出しておるという状態のあることの御認識は、十分あられるだろうと思いますが、こういう状態をこのまま放置しておくことは、わが国の政治、行政、産業の発達の上に非常にでこぼこを生じまして、そして国力の発展に害があるという点は御認識になるかどうか、この点につきましてお尋ねいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 国の財政がよくなるということと、地方の財政がよくなるということは、これは何も相反していないので、どちらも同じ方向によくなりつつあると私は認識いたしております。なぜかといえば、やはり国の財政がよくなるのは、税収入がよくなるのですが、そうすると、税の中心をなすのはやはり三税であります。従いまして、主税に対する一定の率で地方に差し上げる、いわゆる交付金になっております。それからまたそういう国の状況下におきましては——国と申しても、これは日本の経済と言うてもよいのでありますから、地方を除外して申せるものではありません。やはり地方の税におきましても、自然増というものが当然出てくるわけであります。そういう意味におきまして、これは地方も国に準じてよくなる。そのことは、同時にこれがすぐに行政水準の向上というふうにいけば、これまた財政負担が多くなりますが、そうでないなら、起債なんかも逐次減少をたどり、地方財政も堅実な姿をだんだんと取り戻しつつあるだろう、かように私考えておるわけであります。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 どうも驚きましたのですが、ただいまの御答弁は、初めのうちは、質問者が財政のことも行政のことも知らないから、まあ簡単に答弁してやろうくらいにお考えになっておられるのかと思ったのですけれども、どうもそうでもないようでございますしね。ただいまの御回答は、実に私は意外なんでございますが、われわれが地方財政の危機とか、地方財政の質の低下とか、地方財政による国の施策の不振等とかいうことを問題としておりますときに、ただいまのような御観念をもって御対処しておられるなら、これは致命的ですね。それではもう一回押し返してお尋ねしますが、たとえば国なら国の財政の一つの経営、村なら村の財政の一つの経営というものがあるわけですね。財政の経営、その健全性のことについてわれわれは考えているのですが、そうしますと、ただいまのお話で、極端にいえば市町村の財政、府県の財政というものが、全部国税のレッテルで取ったものの中から何割を払い戻して、それで地方財政が全部マネージしていけるものなら、今の御議論でけっこうなんですよ。しかしながら、そういうわけじゃないのですから、そこに一つの問題があるのです。第二の問題は、地方財政は国の財政と違いまして、多様性があるのですから、みな質の同じものでございましたら一斉に処理できる、マネージできるのですけれども、三千数百の地方団体の財政の中には、非常な個性がありまして、地理歴史的な、社会的な、経済的なすべての条件が違ったものの総合が地方財政である、単に自治庁や大蔵省で騒いでいる地方財政計画面のような、そういう単純化され抽象化されたものだけが地方財政じゃないのだ、そういう御認識をもう一回あらためて持っていただきたい。これはきわめて重要なことなんです。それにつきまして、国庫財政と地方財政というものは、  一つは非募債主義を通して、非募債主義というのは、われわれ長くこの地方財政をやっておりますが、今日のごとく非募債主義が徹底していることはないわけです。そういうふうな主義をとりながら、なお予算の一割近い剰余繰越金を生ずるというような状態の国の財政と、それから地方財政とが、その健全性で相当違いやしないか、こういうことをお尋ねしているわけです。その点、まず一つ御認識を承わりたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 地方財政のといいますか、今お話しのように、三千幾つもある地方団体の間において、いろいろと差異もある、こういうことは私も十分認識いたしておるのであります。総じて国の財政と地方財政とがどういうふうな関係にあるかという御質問に対しましては、やはりこれは並行的に今日ではよくなった、これは交付税もふえ、地方の税収もふえておる、従って赤字団体も現実に減少をしつつある、かように私今考えておるわけであります。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 私のお尋ねしておりますのは、団体財政の健全性という面を中心にいたしまして、国の財政と地方財政とを比較するとどう見えるかということのお尋ねをしている、その点、率直に答えていただきたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは、国の財政と地方財政の健全性という御質問です。私、その御質問の意図を必ずしも十分把握していないかもしれませんが、今日国の財政と地方の財政がどちらがより健全にあるのかといえば、これは私は国の財政の方が健全であると思います。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 その次に、三十二年度の予算編成に当りまして、地方財政を圧迫する最も大きな因子としての公債費の負担の緩和が問題になったことは、御承知の通りでございまして、暫定便法として八十六億の特殊の予算を組んだことも、御承知でございましょう。その際に、われわれは公債費の処理という問題を国の財政上の措置といたしまして重視しまして、これは、一年限りでこの方針をやめるべきものじゃないという話を私たちは一部の政府当局よりは承わっておるのでございます。この公債費の処理と、それから行政の質の低下ということの問題に対処するため、交付税率及び交付税の一部の繰り上げ使用というような事情があったことも御承知の通りでございます。そして、そういうふうな事情が現在でも——ことに再建債もまた新しくふえたのでございますし、公債費の累増が年々地方財政を圧迫している実情、これらの実情が、三十二年度の予算編成当時と三十三年度の予算編成の今の時期とにおいて急に変化したというふうな徴候を、大蔵当局はごらんになっておられるかどうか、その点についての大臣の認識をまず簡単にお答えいただきたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 公債費の処理の問題でございますが、これは、三十二年度で約八十六億円程度の要請であったかと思うのでありまするが、三十三年度におきましては、いろいろの形か円それに相当するような金が地方に相当入ってくる、たとえば三十一年度の剰余金が千一億ありまするが、このうちから交付税に、今の三税の増加の関係から百十八億は入ってくる、さらにまた、自然増がかりに千億増収があるとすれば、そのうちの主税が約八百億とすると、かりに二六%としても、二百億以上がさらに追加される、そうすると、総計しても約三百二十億近いものが三十三年度に特に入ってくる、こういうふうなことはある。そういう程度に私は認識をいたしておるのでございます。三十二年度の当時においては、それが八十六億程度でありますか、私数字があるいは間違ったら訂正いたしますが、それに対応し得るものとして、そういうふうなものが今度は入るということは、私、事実であろうかと思います。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 それで、大蔵大臣の御意図が大体わかったのでございますが、三十二年度予算編成当時、交付税率と公債費対策とをあわせて考えておりまして、政府の方であの措置をされたのでございまするけれども、われわれは一千億減税に対して、この状況の変化、制度の変化によって交付税率の引き上げを三・〇五%引き上げることを要望しましたのに対して、その交付税率の引き上げは一%におさめまして、そうして暫定的な公債費措置、及び行政の質の低下のために八十六億というものを予算を組んでもらったわけなんです。それらの事情から、いろいろ御混同になったように思うのでございますが、この交付税率というものは、国の財政と地方の財政との財源の配分の問題であって、政策経費をいかに配分するかという問題よりも、より先に内在した問題でありまして、そろして、それはまず予算編成の前提条件であるということにわれわれは考えるのでございまして、地方税法もそうなっておるのです。その点については、大蔵大臣といたされましては、交付税率の問題、あるいは交付税法によって獲得せられる財源の配分の問題は、これは他の一般の歳出の問題と同様なレベルで考えておられるものかどうか、こういうことに疑問が出てきたわけなんです。非常におわかりにくいかもしれませんが、交付税というものの持つ意味、これは、交付税率が上ればほかの歳入がなくてもいいのだ、そして、交付税率が上れば、どんなに歳出がふえましても、それによってまかなえばいいという点は御認識だろうと思うのでありますが、それにはそれのように、制度にマッチするように交付税率を確保しなければならぬわけなんです。当時一・〇%の交付税率の引き上げの際には、この交付税率の引き上げが近く三十三年度から実行されるものであるということの衆議院、参議院の決議があり、なお与党の方におきましても、党議決定している問題でございます。そうした事情がございますから、今度の予算編成につきましては、国の財政と地方の財政との財源の分配の問題として交付税率の問題を考えるのが至当だと考えておるのでございますが、いろいろに質問応答を重ねて参りますと、どうも大蔵大臣は、そういうふうに理解しておらないように思いますので、その点につきまして、もう一回御認識をお尋ねしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私、どうも御質疑の要点を十分把握しかねているのですが、問題は交付税……。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 税率の問題です。私の話し方がまずいのですかね、発音が。(笑声)大へん失礼しました。交付税率の決定は、国の財政と地方の財政との間の財源配分の問題でして……。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは、私こういうふうに考えております。交付税率は、やはり国と地方の財政を総合的に考えて、そしてこういうふうにきめるというふうに考えておりますが、そういうことではいけませんですか。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 年々そういうふうにきめていくというわけですね。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 年々きめるというわけではありませんが、たとえば交付税率を、特に税率をふやすという、これは特に地方の適正な財政需要があって、そして地方における独立の税では負担がで「きない、こういうふうなときに国の財政とも勘案して考えていく、こういうふうに私は思っておるのですが……。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 そうしますと、三十三年度は従来の地方交付税率で相当税収があるから、それでその税収を使って、たとえば三十一年度の当初に行なったような公債費に対する対処の措置を講ずれば、それでいいのだということですね。それから、たとえば教育費に自然増があったら、それでもって対処すればいいから、その面に対しての予算措置は要らない、そういうふうに考えていく、そういうふうな地方交付税の収入をめぐって、予算編成上のその年度々々の措置を考えていけばいいということを、どうも大蔵大臣は考えていられる。そこが地方交付税法の精神とちょっと違うところでして、そこはもう少し御研究を願っていただきたいと思うのです。まあそれは別として、とにかく新聞の伝えるところによれば、昨日大蔵省では、地方交付税の一・五%の率の引き上げは必要じゃないという省議を決定したといわれることでございますが、これに対してお尋ねしたいのは、その省議決定の席に大蔵大臣も御一緒におられ、またそういうことが果して決定になり、そしてそれが大蔵省の手によって新聞発表されたのかどうか、この点につきましてお尋ねしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 この一・五の交付税の問題は、私もきょうちょっと朝新聞で見た程度でありましてこれは大蔵省事務当局からもまだ報告も受けておりません。一・五の交付税率につきましては、すでに衆参両院における決議の趣旨もありましてそれから当時の大蔵大臣の御答弁もありまして、それらの経緯は私十分承知いたしております。三十三年度の予算編成については、それらのものを十分頭に入れて考えて参りたい、かように存じておるわけであります。大蔵省で、いろいろ数字的な見地からどういうふうなことをしたか、私存じませんが、私自身は、そのことについてまだ報告を受けておりません。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 ただいまは、大蔵省と大蔵大臣は違うような御答弁でありますが、そういうことは、どうも憲法上どうかと思うのでございますが、換言して言えば、省議としてきまったのかきまらないのか、それからそれを大蔵省が発表されたのかどうか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 大蔵大臣がまだ決を下さぬうちに大蔵省の意見がきまることは、絶対にありません。ただ事務当局が、私が判断することについての数字的の資料をいろいろ整えつつあるが、どういうことをやっておるか、それは私存じませんが、大蔵・省として不要であるとか、たとえば一・五の交付税率はどうするというようなことを最後的にきめたことはありません。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 すると、大蔵大臣は、まだ一・五%税率を引き上げることは「きめておらないのですか。これは党議でもきまっておるし、われわれは、もう大蔵大臣はすっかり御了解だと思っておったのです。それに対して大蔵省が、大臣が入っていないから省議でもないでしょうが、えらいレジスタンスをするものだと思ったんですが、大蔵大臣自身は、一・五%の引き上げということは、そのお考えがないのでございますか、それを承わります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 先ほどから申し上げますように、これは衆参両院の御決議もあります。それから大蔵大臣も、その趣旨に沿ってやりたい、こういうふうな御答弁もあったように思います。それらの経緯を十分頭に入れて、そうして、これはまた三十三年度の予算編成の一つの問題でございますが、今三十三年度予算については、どのことについてもまだ手をつけてありません。三十三年度の予算編成に、それらの経緯を十分頭に入れて大蔵大臣は考えていこう、かように思っております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 どうもその語尾がはっきりしないのですが、一・五%引き上げにつきましては、参議院と衆議院の決議があって、——何かそれから非常に小声になりまして、どうも明瞭を欠くのでございます。どうも一番大事なところが小声で、はっきりおっしゃっていただけないようでございますが。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 大蔵大臣、今のところ、声が小さかったそうですから、もう一回明瞭に答えて下さい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 一・五%の交付税率の引き上げ、このことについては、衆議院でも参議院でも決議があったと思います。それで、それ対して大蔵大臣がその趣旨に沿ってやりたい。言葉の字句は私覚えておりませんが、そういう趣旨の答弁をしておるように思うのでございます。これは速記録を見て、その速記録に書いてある通りに私は考えている。そのことを頭に入れて三十三年度の予算編成に臨む、こういうことを私は申し上げておる。これは、三十三年度予算編成の一つの項目なんです。ところが三十三年度の予算のどの項目についても、大蔵大臣としては今触れておりませんから、それでさように申し上げておるのであります。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 きわめて重大なことなんで、重ねてお尋ねするのでございますが、大蔵大臣は、そういうふうに参議院、衆議院の決議の趣旨を尊重する、党議を尊重したいと思っておるのに、大蔵大臣以外の大蔵省は、一・五%の引き上げなんか問題じゃない、何をぜいたく言うのだ、地方財政はこんなによくなって、こんなに金が余っているじゃないか、冗談言うなということを省議として決定したということを新聞に発表されるとするならば、大蔵大臣のお考えと、大蔵大臣を含まざる大蔵省の省議というやつの意見の食い違いがあまり極端にひどいじゃないか。これは、どうも大蔵大臣の御趣旨が徹底していないのだと思うのでございますが、その点はどうなんでございましょう。あまりに極端な違いなんです。  ちょっとお尋ねしますが、いわゆる省議としてそういうことがきまったということが、大新聞に書いてあるのです。これが、各新聞同じように書いてあるのです。一・五%の引き上げの必要を認めずと、各新聞同じように書いてあるのだから、その記事の出所は大蔵省に違いないのです。これが事実とするならば、ただいまのような地方財政のことをほんとうに心配して、また参議院、衆議院が熱情をもって決議をしておることにぜひこたえよう、欣喜雀躍してこたえようという大蔵大臣のあたたかいお心持と、地方はどんなに苦しんでもかまわないというように見、える大蔵大臣を含まざる大蔵省との間に、非常なギャップがあると思うのですが、その点はどう理解したらいいのか承わりたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私も、実はけさ新聞でちょっとそれを見まして、大蔵省に行って聞いてみるつもりをしておったのですが、かぜで寝ておりまして、すぐこちらに来ましたので、まだそれから会いませんが、これは私帰りまして調べてみますが、そういうことはないと思います。だれがそういうように発表したのか知りませんが、私はああいうふうな、そんなものは問題にならぬとかなんとかという、そういう乱暴なことを省議でするというようなことは、あまりにも常識でないように思います。これは私はないと思います。私も帰って調べてみますが、しかし、事柄は今私がここで責任をもって御答弁申し上げた通りと御了承願いたいと田口います。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 先ほどの大蔵大臣のお言葉の中に、税率の引き上げの問題は、三十三年度予算編成の前提となる事柄であるということがあったので、私はお言葉のささいの点にも一喜一憂するほど、地方財政の窮境を何とかして打開したいと思っておるところの熱意から御質問しているのですが、これは国の財政と地方の財政との間における財源分配の問題としてその建前で地方交付税制度というものが地方交付金制度から脱却して、そういう新しい制度ができたのでございますから、交付税の自然増収があると、すぐそれを目当てに何もかも国で支出すべき歳出を控えるというようなことにならないように、そこのところは、大蔵大臣、よほど御研究をいただきたい。ただいままで承わったところによりますと、地方交付税制度というものをどうも十分御理解になっておられないように思いますので、その点特にお願いしたいと思うのでございます。  それから……。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 加藤さん、三十分超過しておりますから、なるべく結論を急いで下さい。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 では最後に、大蔵大臣は口で言わないけれども、一・五%の引き上げは大体認めておるということで、公式的にはまだ発表はできないわけだろうというふうに私は了解しておるのでございますが、次に、税制調査会というものが、どうも勝手に地方税の部分までにつきまして、どんどんいろいろなことを決定して発表しておられるようでありますが、これは、大蔵省関係の調査会だろうと思うのですが、税制調査会の理事機関というか、事務局の機関に大蔵省の当局も入っておるのでしょうし、こういうことを勝手にやられては、地方税の所管省が大蔵省か自治庁かちっともわからぬことになってしまう、これも官紀紊乱のはなはだしいものです。果して地方税に関する審議も、大蔵省にくっついている税制調査会がやる職分を持っておるのかどうか、これは重大な問題ですから、一つ明確な答弁をいただきたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 御答弁申し上げます。税制調査会で地方税制についてやっているということは、別に諮問も何も、そんなことはむろんやっておらない、ただ国税に関連をしてやっている程度じゃないかと私は考えております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 どうもそれはあまりにおかしいじゃございませんか。税制調査会の方で、法人税と事業税との減税を主張したり、いろいろなことをして活動しているのじゃございませんか。どうも今の御答弁は、あまりに世間の人の納得している常識に反するような御答弁じゃないかと思うのでございますが、税制調査会というものは、政治的な意味におきましては、厳然たる、かなり重要性のある一つの機関です。世論指導機関でもありましようし、それから政治的な、財政を組み立てていく上の一つの役割をしているほどの機関でしてそれがほとんど問題にならぬような、そうして、事業税のことについては一言もしゃべったことのないような、そういういろいろなことをおっしゃるということは、どうもあまりに常識に反するような御答弁ですが、御答弁を修正していただいた二どうでございましょうか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 税制調査会で地方税自体を問題にして審議しているとは、私は考えておりません。これは税のことでありますから、むろん中央、地方関連をいたしますから、その範囲はおそらくやっておりましょうが、別に地方税あるいは地方のことについて、何かくちばしをいれるということは考えられない。どういう程度地方税について論及に及んでいるか、お言葉もありますから、私は十分検討を加えまするが、調査会のやっている精神は、地方税というものを議題にして特に調査をいたすわけではありません。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 私も与党でございますので、幾らどんな答弁をされても、何ともあまり十分な意見は述べられませんで、非常に残念でございますが、おっしゃるのは、今度の三十三年度予算編成に関して、減税をやるということを取り上げたことは、税制調査会にあるかもしれないけれども、その減税という中には、いろいろな税金がたくさんあるだろう、その中に国税が幾つ入って地方税が幾つ入っておるか知らない、また、地方税の中の事業税など、入っておるかどうか知らない、そんなことは要点じゃないので、国民の税負担の軽減のための減税ということが直接の議題である、地方税のことは、非常に先にいって響いてくるところの一つの事情であるにすぎない、こういうふうな御答弁なんだろうと思うのでございますが、そうじゃなしに、率直に、事業税の減税をした方がいいじゃないかということを、税制調査会は言っているのではありませんか。たくさんの税であろうが、単独であろうが、そんなことは問題じゃない。大蔵省の税制調査会というと、一つの権威があるのでして、ニュース・バリューもあるし、政治的勢力もあるのですよ。だから、率直に言って、事業税の減税のことを問題にしているのでしょうが、どうでしょうか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 ただいま申し上げた答弁について、なお、調査会について事務的にも携わっている者がおりますが、それから答弁させてもよろしいと思いますけれども……。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 その関係者でよろしゅうございますから、どうぞ。

塩崎潤大蔵事務官(主税局税制第一課長)

○塩崎説明員 加藤委員の御説のように、現在税制特別調査会では、相続税と間接税を今までやって参りまして一般の減税問題につきましては、ほとんど議論いたしておりません。今後議論することになっておりますが、その議題といたしましては、国税をあげております。その国税に関連いたしまして、ときどき地方税の議論が出ることはございましたが、それも、取り上げて今まで出たこともそんなにはございませんし、新聞紙上にもそう出ておりません。ほかの方の面では出ておりますが、事業税問題につきましては、昨年内閣に設置されました、自治庁も御参加の臨時税制調査会におきまして、二%引き下げろ、こういう意見が出ました。今年度の改正においては、それが一部実現されましたが、まだそれは十分ではないといったような意見がある程度ございます。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 加藤さん、どうですか、もう結論をおっしゃって下さい

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 正式の名前は税制特別調査会というものですか。それが、どうもある程度の政治的響きを持つものでございましてそうしてまた新聞発表に、そのうちにどうもある特殊の税のことなんかが出やすいようで、出たものもあると私は考えております。そうしたことが、言ってみれば大蔵省所属の一つの調査会のようなものでございますので、内閣であっても、主として大蔵省が世話しておられますから、そういうところで地方税等についての減税等を審議されるということは、私は当を得てないと思う。もしそうなれば、そういうふうな地方財政の十分わかる委員の方も十分入れてやられるのがフェアじゃないかと思っている。この点、私は非常に実質的に重要なことでございますので、そういうことにお願いしたいのでございまして、また予算委員会において、大蔵大臣は、江戸のかたきを長崎で討つようなことは絶対私はいたしませんということでございましたので、たとえば地方交付税の税率を一・五%上げるというような、これは、仮定のもとに立っては答弁できないとおっしゃるかもしれませんが、その仮定も相当濃厚な仮定で、公けに正式に言えないだけの話で、実質的には大体了解のついているようなものでございますから、法人税とか所得税、事業税とかの減税ということがもしあるといたしまして、それによって、片方で交付税率を引き上げて、片方で減税でもって地方財政の歳入がぐんと減る。そうして、それはそのままほったらかすというようなことをすれば、これは江戸のかたきを長崎で討つことになるのであります。そういうようなことは、大蔵大臣はよもやなさるまいと思うのですが、どうもこの点については、いわゆる省議決定とかの発表というふうな、どうも少しフェア・プレー的なやり方でないようなやり方があるようでございますので、この点について、大蔵大臣の御回答を得ておきたいと考えます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 交付税をかりに引き上げるから、それなら事業税を減税する、そういうことは、私ほんとうに考えておりません。ただしかし、事業税は事業税として減税をすべき理由と、しかもそれを可能ならしめる事情、条件があれば、これは、やはり税負担の上から私は減税をするのがいいと思います。それはそれ。ただ、それは交付税においてもそういう独立の見地から考える。私大いに勉強しなければなりませんが、交付税と事業税というのは違うでしょうから、一方をするから一方を、そういうことはいたしません。交付税は交付税として私は考える、こういう考え方であります。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 どうも非常に長時間を要しましたが、大臣も最後には、地方税と交付税はちょっと違う。性格が違うだろう。交付税は一つの財源分配のワクの問題で、予算編成の前提要件だというふうな御解釈に到達せられたようでございますから、私の質問の目的はもう達したわけでございます。しかしながら、ただいまの問題は非常に重要でございまして、わが国の三千数百の地方団体は、非常に心配しておるところでございますので、なお十分大蔵大臣におかれては慎重な取扱いをしていただきたいのでございます。  最後に、法人税が百億減税になれば、それに対して地方の減収は、それの大体四割二分だけが地方財源の減収になるのでございまして、それから事業税の場合も、大体それに近い程度のものが減収になる。所得税はなおひどい、五割五分が減収になるのでございます。事業税は、府県の全部の財源の、歳入の五二%近くじゃなかったのですかね、五二・三%です。そうしたような影響が大きいものでございますので、これはもう大事件なのでございます。今大蔵大臣の言われたように、事業税が他との振り合い上減税した方がよいものなら減税すると簡単におっしゃられても、その響くところが非常に大きいのでございます。事業税は、ことに大都市、六大都市、六大府県などに多い収入だから、それを財源として削ってしまうのは、地方団体全体の平均化調整の上によいのだということをきょう新聞で発表しておられます。これは、大蔵省の事務当局が発表したのかどうだか、例の一・五%引き上げ、これは、はっきり言いますと毎日新聞に書いてあります。ああいう専門的なことは、ほんとうに発表したものでないと、どうも書けないものなのでございますがね。実際は、大蔵省当局が発表しておられるのではないかと思いますが、これは第二段の質問として、ともかく非常に大きな影響を及ぼすものなのです。今途中で議論がそれましたけれども、結局税財源の少い府県は、事業税が非常に意味を持っておる。これは、しろうとが二%減税とかなんとか簡単に言える種類のものではないのでございます。そういう問題でございますから、他の税との比較上、それを減税する場合には、制度上の大きな問題でございますから、地方税法の規定に従って、その際は交付税率の引き上げをする、こういうことに大蔵大臣はお考えになっておられると思いますが、それは間違いないのでございましょうね。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 何も私は、そういうふうなことをどうするということを、今のところ考えておりません。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 加藤さん、十分という要求をして一時間五分もたっております。野党の諸君もそれ以上待てぬのです。運営上困るので、一つ早くやって下さい。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 今交付税率の引き上げをした場合、それと交換条件に事業税を減税するということはないけれども、事業税本来の性質に基いて、状況上事業税を減税することがあるかもしれぬというお話なんです。そういう場合には、府県の五一%以上のウエートを持っている税でもございますし、それは制度の改革として、交付税率で、一・五%の上になおプラスすることを考えるかどうかという問題なんです。これは、地方団体としては重大な問題なんです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それは、私そういうふうに考えません。そうやると、それはまた江戸のかたきを長崎でということのさかさまですが、事業税を負ければ交付税をやる、これは私は研究してみますが、そういうふうに考えずに、たとえば、今事業税の収入も非常にふえた、税率は高過ぎる、そうして地方財政計画から見て、地方の財政自体が減税するゆとりもある、それなら、その事業税は減税したらいいじゃないか、こういう考え方でおるのですが、御理解願えませんか。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 非常に簡単に言いますが、そうしますと、今の事業税というようなもの、固定資産税とか、住民税なら住民税の法人割とか、そういうものの税の伸びというものは、大蔵省では計算に入れられてないのですね。自然増というものは、例年ふえてくる地方団体の歳出にマッチして考えられているものであり、その自然増収があるからこそ地方財政がやっていけるということを考えないで、ある税金が自然増がうんと多ければ、それを、自然増収が多いのに従って税率を下げる、こういうお考えなんですか、それはどうも重大なことなんです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 自然増収が多いから減税をする、そういうのじゃないのです。自然増収も多いだろうが、同時に税自体が税率も高い。そうして財政支出から見れば、従来いろいろなことをしなくちゃならぬことも、一応はやはりある段階にきた。言いかえれば、地方の財政の需要と供給といいますか、それを見て、需要よりも供給の方が少し多くなってきた、そういう意味において、何を減税するかは、そのとき考えなくちゃなりませんが、かりに事業税がほかの税に比べて地方税で税率が高過ぎるというなら、それは事業税を減税することもいいんじゃないか、こういう考え方なんです。事業税を減税するなら、他の税をすぐもらわなくちゃならぬというなら、それは減税の条件がまだ熟してないように思うのです。あるいは税制自体が悪くて入れかえる、それは考えられますよ。しかし、今言うのは、減税ということを中心に考えれば、その税自体で、減税する条件がある場合に減税をしたらいいんじゃないか、こういうふうな考え方をしておるのであります。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 そういうことなんですよ。そういう税制の改訂ということが、地方税法にいうような、制度の改正のときには交付税率を考慮するという、その規定と全然無関係かということなんです。どうもこれは御研究になっておらないんですね。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 加藤さん、どうですか。この問題は、与党の財政部会なり地方行政部会へ大臣を呼んでもらって、御懇談願ったらいかがでしょう。これは、やはり一対一であなたとゆっくり御懇談願わぬと……。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 非常に重大なんです。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 私は、重大だからあなたの御発言を一時間十分認めておるのですから……。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 今の大蔵大臣の答弁でしたら、どのくらい地方団体が心配されるかと思って申しておるのであります。大体地方税法で、その制度の改正その他重要な事情の変化のあるときには、交付税率を改訂するということに、今の税制の改正は含まぬかどうかという問題です。それについて、一つ御相談の上御回答を願います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 大へん私、問題を取り違えておったのですが、たとえば、国の法人税を減税する、そうすると、それだけ交付税が減ってくる、それを国税で増額して埋めるか、こういう御質問ですか。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 お答えをしますが、(笑声)法人税が減税になりますと、地方財政に二重に響いてくる、一つは、交付税で二六%響いてくる、法人税の所得割で住民税に響いてくる、そうして法人事業税にも響いてくる、実質的には三重に響いてくる、非常に重要な関係があるのです。それだから、そういうことは制度の変更と脅える、改正と言えるというわれわれは地方交付税法の解釈を持っておるのであります。その解釈について、そんなものは必要ないんだということでございましたが、これは非常に重大な問題になるのです。それの御答弁をお聞きしたいということです。何も法人税に限ったことはないのであります。事業税でも自動車税でも何でもいい。たとえば、例の軽油引取税ですか、ああいう問題もありますけれども、そういう場合に、一体地方財源が思い切って減るということになりますと、地方交付税の方で引き上げましても、大蔵大臣が実に的確なよき言葉でおっしゃった、江戸のかたきを長崎で討つ結果になるのです。そういうことは一向かまわないような新聞での一これは大蔵省側から流れたかどうかわからないけれども、そういうふうな気魂を持ったような新聞放送が盛んに宣伝されておるのです。ですから、心配だから申し上げるので、そういうふうなことは、一体地方交付税法上の制度の改正その他に入らないかどうかということを、事務的な御解釈としてお尋ねしておるのでありますから、場合によっては、事務官の政府委員からの御答弁でもけっこうです。

村上一大蔵事務官(主計局次長)

○村上説明員 お答え申し上げます。国が減税をやりました場合に、それがはね返りまして地方の収入が減る、これが二段三段に関連しますことは、おっしゃる通りでございます。そこで、その減収分を、国として交付税の税率を上げるというような方法で補てんするかというような御質問だと思いますが、その点は、地方財政法の交付税法の規定もございますが、地方財政計画全体を考えまして、地方財政の中でそれだけの減税をする余裕があるのかないのかということで、まず減税をするしないを考える問題だと思います。またその減税の税度にもよりますから、従いまして、それだけを切り離しまして、減税をした場合には、いやしくもその部分は、国が交付税その他の方法で補てんするかという御質問に対しましては、やはり私どもとしては、全体を見ないと何とも申し上げられません。しかし、私どもが今地方財政の来年の一応の見通しを検討いたしましたところでは、今いろいろな方面でいわれています程度の減税であれば、自然増収その他でのみ込めるのじゃなかろうか、かような感じを持っておりますが、最後に申し上げました点は、財政計画全体をこれから歳出予算の検討と同時に詰めていくわけでございますから、最後の段階にいかないと結論は出ないと思います。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 これはあまり重大ですから、どうもそういう答弁をされますと、地方交付税制度をあれだけわれわれが国会でがんばって研究して改正した理由が一つもなくなるのです。あなたがおっしゃる通りですと、毎年々々財政計画を立て、そうして調べて、そうして程度を認定する、その認定権は大蔵省にあるというのなら、財政計画は一つもない、そんなばかなことはないですよ。こういう考えを持ってもられるから、わが国の行政は伸びたい。これは、もう常にそういう地方財政に対する無理解が大蔵事務当局に去るから、わが国の地方財政は四苦八手の状態を続けておる、国の施策が何一つ浸透しない。これならば、江戸の九たきを長崎で討つのと同じことだ。簡単です、一・五%上げようが、一・八%上げようが、ほかの税金で減税した鳩合に、それを補てんしないでおけば同じことだ。その点は、江戸のかたきを長崎で討つということを絶対にしないとおっし争った大蔵大臣の御言明とは違うのです。これ以上は申し上げまけんけれども、あまり驚きいった御答弁なので、これにつきましては、なお後日に質問を留保しまして、私の質問左終ります。大へん御迷惑をおかけいたしました。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 横錢重吉君。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 先ほど春日委員が、来年度の予算の編成に対して大臣の所信をただした、それに対して大臣の方からは、ほとんど答弁になるような答弁はなされていない、発表するまで待てというような態度であったわけです。これは、今までの政治のあり方が、知らしむべからず寄らしむべしというような、こういう古い政治のあり方、これを今大蔵大臣は踏襲しようとしておるのかどうか、これは民主政治に対する逆行である。当然この国の大きな予算を編成するということは、大蔵大臣一人が勝手にやるものでもなければ、あるいはまた、大蔵省の役人がこれを自分たちだけの考え方で作り上げるというようなものでもなかろうと思う。これは、当然いろいろな方面に材料を提供し、あるいはまた判断に迷うようなものはいろいろな機関にかけて、そういうふうな中から一つ一つ国民の目の前で予算編成の作業をしていくというのが、民主政治のあり方ではないか、こういうふうに考えるのです。そこで、大蔵大臣の立場もあるからして、話せる問題もあろうし話せない問題もあるだろうと思う。この二十日ごろに大体予算ができ上る、こういうふうな御答弁のようでした。しかし、二十日になって一夜でこつ然とできるものではない、従って、そこに到達するまでに、もう予算編成の作業は相当に進んでおるだろう、そこで、どの程度まできまったか、そういうような大筋のものについて、大蔵大臣の所信をただしてみたい、こういうふうに考える。  まず第一点としては、来年度の予算の編成に当って、来年度は相当好況と見るのか、あるいは不況と見るのか、そういうふうな予算の組み方の考え方についてはどう考えるか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 経済の見通しが好況であるか不況であるかという御質疑かと思いますが、それにつきましては、政府としては、経済企画庁から三十三年度の経済の見通しについて発表をすでにしてあると思います。内外の情勢は、当面問題になっておりますように、国際収支改善についても必ずしも日本に有利ではない。非常な努力をしないと、三十三年度において経済の伸びを期待することは容易でない、こういうふうに考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 必ずしも日本によくないという点は、相当の不況を予想するという考え方があるのかどうか。必ずしもという表現はあいまいであるけれども、しかし予算を組む上には具体的に、来年度は相当の不景気がくるからして、不景気に対処するところの予算を組まなければならない。この不景気は一体だれが作ったかというと、これは今までの内閣を担当しておる人たちが、不景気を作ったことになるわけです。従ってそういうような問題から見たときに、必ずしも日本によくないというような表現の仕方は、これは大臣の答弁だからそういう表現なんで、客観的に見れば、相当の不景気がくるというようなことになるだろうと思うのですが、この点を、もう少しずばりとお願いしたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、不況とか不景気とか、そういうふうには考えていません。経済の伸びが従来よりも伸びなくなる、その意味では、経済の伸びが非常にスローになるのですから、従来のはなやかさに比べれば、これは経済の不況ではありませんけれども、いわゆる活動が落ちる。生産もある程度落ちなくてはいけませんから、経済が従来のような活動をしない。不況とか不景気という言葉は、言葉としていろいろととりょうがありますから、いわゆる経済の不況とは私は考えていない。なぜかといえば、三十三年度においても、私どもは、三十年、三十一年、三十二年と経済が伸びてきておる、この伸びに対して、たとえば鉱工業生産が四%、国民所得については約三%の伸びを見、そうして貿易においては、三十二年度において輸出が二十八億ドル、若干増加する情勢にありますが、三十三年度においては三十一億五千万ドル、約三億五千万ドルの増加を目標にしておる、こういうことですから、そんなに不況というわけではなく、ただ伸び方が前年度より落ちてくる、こういうことです。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 そうすると、経済は来年度において大体停滞をする、こういうことでしょうか。そうして今までは非常に伸びがよかったが、来年度はだいぶ停滞をする、再来年になるとさらに不況がひどくなってくる。こういうふうな不況のくる前の前提としての足踏みが来年度にくるのだ、こういうふうな経済の見通しを立てておられるのでしょうか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それは、私見解を異にします。来年が再来年の不況のまず第一歩だ、そんなことは考えていません。私どもは、ただ経済の伸びが大き過ぎたところに問題があるのだから、三十二年の五月からかかっておるのでありますが、三十二年度からその伸びを押えていこう、これだけであります。その伸びが適正になりましてそうして、それが結果的には国際収支の改善という形になり、輸出が経営的に伸びる状況になれば、これはまたその安定の上に経済が拡大されていくのでありますから、三十三年がまず不況の最初で、三十四年はさらにそれが悪くなる、そういうことは考えていません。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 大体来年度においては足踏み予算を組む、こういうふうなことになるだろうと思うわけです。そうしますと、この予算の中に、今出されておるもので、予算上特にこういうふうなものが新しいもの、あるいはまた今までなかったものだが、画期的なもの、そういうふうなものを要求されているところはございますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 予算の上において各省からこういうもの概算要求ですが、これは、いろいろ各省とも大体においてオンパレードですね、みんなからそれぞれ要求があります、きわめてはなやかなものである。こういうことはいいか悪いかは別ですけれども、それはあります。しかし、こういうもののうちから、それならどういうものを具体的に予算で取り上げるか、これは今後のいわゆる政策に関する問題でありまして、こういう点が、先ほど申しました二十日ごろの予算の具体的な編成方針のうちに盛られて明らかになるだろう、私はかように考えております。今のところ、まあそういう点において言い得ることは、たとえば道ですね。これは一つ年次計画をもってやろう、これは私もやるつもりで運動をしております。それから科学の振興、これはもうやる。それから先ほど言った、私自身としては——これはほかの方はどうか知りませんが、私としては、中小企業というものについては一つ考えていこう、これも従来のように——従来のようにというと、これは必ずしも適当ではありませんが、単に金融とかなんとかいう一時的な対策でなくて、中小企業はこうあるべきだ、それならそれに対してはこういうふうにしてあげなくちゃならぬとか、こうしなければならぬとか、そういうふうなことを、一つ来年あたりから予算面においても私は具現をしていく、これはまだ私だけの一種の野心なんですけれども、しかし、政府の方針としてどうなりますか、かように考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 そうしますと、来年度予算を組む中にいろいろ出てきておが、今取り上げたものとしては道路、それから科学振興、それから中小企業振興、この各省の予算の中の三つの一は、大臣もすでに決意しておる、こいうふうに了承していいわけですね。  さらに伺います。そうしますと、道路をやるというが、道路をどの程度心られるお考えなんですか。今までのような予算の組み方に対して、特に取り上げるというならば、何か新しい、重点的にどこをどうするといったようなことがなければならないと思うのす。あるいは予算を二倍にするとか三倍にするとか、何か具体的なものをお持ちだろうと思いますので、そういう点にも少し触れて御答弁願いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 その点がまだきまっておりませんので、ここで申し上げかねるのでありますが、しかし私の考えとしては、年次計画で日本の道をずっとよくする。これは、舗装もしなくちゃなりません、あるいは道も広くしなくちゃなりませんが、なにさま日本の道路は、世界中でだれが考えてもおくれておることは間違いありません。だから、これは今後一挙にはできませんが、諸般の情勢を考慮しつつ漸次よくやっていこう、こういうふうに考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 今大臣は、道路を積極的に取り上げると言っておられるが、内容を聞くと、ほとんど御存じない。年次計画でやるという。建設省では、前から道路整備の五カ年計画あるいは十年計画、十年計画をさらにまた五年計画に短縮しようとしている。毎年々々年次計画は立てておるのです。めくらめっぽうにやっておるわけではない。従来やってきた国道整備 あるいは府県道の整備、そういったようなものが今までの速度ではだめだから、大蔵大臣が決意をし、政府与党が決意をして、もう少し道路に重点を置くということを打ち出したならば、今日の段階においては、もう相当なものが出されてよいわけです。たとえば一級国道においては、これを全部舗装にするとか、二級国道においてはどうするとか、そういうものが具体的に作業として進んでいなければならないはずである。もう少し大臣は、その辺のところは口をすべらしても一向差しつかえないだろうと思う。もしこれもまた少しも御答弁がないということでは、世間的には、来年は道路予算をうんととるのだということを言っておるのだけれども、実際にふたをあけてみたら、中はからっぽで何にも入っていなかった こういうふうなことにもなろうと思うので、その辺のところも一つ御説明願った方がよかろうと思いますから、御答弁をいただきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 道につきましては、年次計画をして、予算の裏づけもはっきりしまして、なるほどこれなら日本の道はこういうふうになるのだということが——青写真というわけにはいかぬかもしれませんが、十分国民も考え得る、そういう形にしたいと私は考えております。ただ、今まだ関係各省とも私自身が出て折衝をして交渉するわけにもいかぬ、まだその段階には至っておりませんが、そういう考えで予算を組みまして来たるべき国会にはむろん提案をして皆様の御審議を仰ぐ、かように考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 科学振興については、具体的にどういうふうなものをお持ちになっているか。ソ連が人工衛星を打ち上げたのに驚いて、ソ連は人工衛星を打ち上げたが、日本では、何もないからせめて花火ぐらいを打ち上げるというのが、今日の日本の科学である。そういうふうなことでは仕方がないから、科学振興には、来年度は相当力を入れよう、こういうふうに承わっておる。そこで、どの程度力を入れるのか。たとえば、新聞等で伝えられるところでは、大学の理工系をふやすという。そうすると、それに対して文部省が三分の二補助を出す。その三分の二の補助では、各学校みな足を出してやりきれないから、そこで授業料の値上げが出てくる。従って、政府の科学振興をするということが、実際には政府が若干の支出をしたことが、その他のものに大へんな迷惑をかける。まして大学はこれをやることができないので、授業料の大幅な値上りを学生がかぶってしまう。現在アルバイトをしておってもなかなかやっていかれないのが、授業料が値上げになると、継続することもできない。こういうふうな状況までも伝えられておるのであります。そういうふうなあり方では、少しも科学振興とは言えないのであります。そういうふうな点についての御検討はどうなっておりますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 科学振興につきましては、私はやはり基本の点をまず固めることが、一番遠いようであって早い、こういうように考えております。従って科学の基本といいますか、研究ということにやはり重点を置くべきだ。ただ物を作るとかなんとかいうのは、これは金があればできる。そういう意味で、学理とか技術とかいうものの研究に重点を置く、べきものである。またそういうようなことを習得するといいますか、言いかえれば、教育にしても理科系、これをふやしていく、これは私はよいと思う。そういうふうな考え方で行きたいと思います。科学振興はどうしてもやらなければいかぬ。これはやはり国の成長の基本的な問題である、かように考えておる。それで、各方面の御意見もただいま聞きまして——私もしろうとでありますので、従いまして、学者等の意見もただいまいろいろと聞きまして、どういうところをどうすればよいかというふうにしております。これらのものを総合しまして、関係の方々と相談しまして、こういうふうにすべきだという、そういう振興策を打ち出していきたい、かように考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 どうも大臣の答弁は、何も答弁の中に実がない、ただ月夜のシャコみたようなもので、全然実が入っておらぬ。科学振興にしても、行うとしたならば相当の金がかかるんだ。どこにどう金を回すかというようなことを、この段階に来たならばもう発表になっても差しつかえないものがたくさんあると思うのですよ。それを、ただ学者の意見を聞くとかなんとかいっても、じゃ学者が言う通りにやるのかと突っ込めば、そうでもないとかいうことで逃げることはわかっておる。そういうふうなことでは、科学振興に力を入れたといっても何にもならないのじゃないか。特に来年度の予算では、防衛庁の陸上自衛隊一万名増員という案が出て、それに対して、兵隊をふやすよりも科学装備をすべきであるという説が出て、両論が分れて、まだ意見がきまらぬというふうにも聞いておりますが、果してこの辺のところは、大臣としてはどっちの方に判断を下されたか、あわせてこういうふうな問題とともに承わりたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 そういう点につきましては、おそらく、これはあるいは私の想像かもしれませんが、私はそうあるべきと思うので申し上げますが、国防会議を開いてきめる、あるいは人工衛星等のいろいろな客観的な情勢の変化もあったから再検討というようなところまでいきますか、いずれにしても国防会議を開いてきめる、そのときに、私としての見解もありますが、今ここで大蔵大臣はこう思うとか言うことは、防衛庁長官もおられるし、私が単に財政的見地からのみ議論をすることは適当でない、かように考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 それでは、力を入れられているもう一つの中小企業の振興、これは先ほどいろいろ大臣が言われておったが、しかし、それもまだ、中小企業の振興に対してはどういうような具体的なことをして振興策を講ずるというようなことは、触れられておらない。来年度予算の中で道路と科学技術とそれから中小企業、この三つが来年度の予算の重点なんだと言われるからには、中小企業についても何かあるだろう。何もなしで、から手でもって中小企業振興策だということはあり得ないと思うのですが、この点は、大臣どうです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 中小企業については、前の国会で中小企業団体法も成立し、この運営のよろしきを得なくちゃならぬと思う。その他通産省においても、中小企業に関する行政その他いろいろありましょう。私として財政といいますか、あるいは資金的といいますか、こういうふうな点で今考えておる一つの点は、これは、私そうしたいと思っておりますから申し上げてもいいと思いますが、いわゆる中小企業に対する保証制度、ここが今まで一番ウィークじゃないか。単に政府中小企業金融機関等の資金をふやすとか、あるいは比較的安い金利、これだけではどうしても不円滑だ。民間の資金が中小企業に流れていくといいますか、中小企業に融資が円滑にできるように、それには安全性というものが必要ですから、保証協会といいますか、保証制度を強化します。それで、再保険的にそういう形でやったらどうか。これを具体的にどうするかは、もう少し検討を加えないと案自体はまだ完成しておりません。しかし保証関係を強化する、これだけは申し上げてもいいと思います。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 保証関係を強化するというのは、従来あるところの信用保証協会、ああいうようなやり方を強化するという程度ですか。その程度だというと、これは大したものではないと思う。少くも道路と科学振興と中小企業、これが来年度予算の三種の神器だ、こういうふうにあなたの方で予算で組むだけの、それだけの力の入れ方とはならないと思うのですが、今私が承知しているような内容でなしに、もっと画期的な金も流すんだというふうな計画をお持ちなのかどうか、この点、さらに承わりたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私の考えでは、中小企業の金融が円滑にいくということは、そこに資金が多く流れていく。財政資金等から何らか資金をまとめて出せば、いかにもそれがいいかのようでありますが、それでは中小企業の資金量は確保されない。財政からの資金量というものは制約される。どうしても民間資金自体が、中小企業をいとわずにそちらに流れていくといいますか、いわば中小企業金融を大いにやろう、そういうふうにやっても別に心配はない、そういう状況に持っていくのが大切だと思います。それで、保証制度というものを強化していく。どういうふうにするのが一番いいか、今検討中です。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 財政から流すのは限度があるから、民間から集めて流す、民間から集めるのは、どういう方法でやりますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 集めて流すのではないんです。民間の金融、政府で中小金融をそれぞれ見ていますが、ある限界にくると、なかなか中小企業金融というものはうまくいかない。これは、従来は金融ベースに乗るものは問題ない、こういうふうに言う。金融ベースに乗りにくいものがある。そういうものはなかなか円滑にいかない。保証制度にすれば、もちろん金融ベース自体を無視するのではないが、いたずらに萎縮するのではなくいける。何でもかでも保証があるから、回収ができょうができまいが、その融資の経済的効果も考えずにやるということは毛頭ありません、むろん金融ベース、経済的な効果をねらっておる、回収も可能であろう、こういうことは言うまでもないのでありますが、それにもかかわらず中小企業金融は円滑を欠く。そういう点を強化して、まあまあ安心して資金を貸し付ける、こういうような形にしてやりたいと考えます。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 財政的にも金を貸すことはしない、民間からも特別の方法で金を集めない、民間のいろいろな金融機関が集めた金をできるだけ利用させるというのでは、これは現在やっていることと同じことです。しかも、その上に再保険をやれば、保険金だけ中小企業者はよけいとられることになる。安くて済むのが、保険をかけられるためによけい金利を払わなければならぬことになる。これは、少しも中小企業の振興にも何にもならぬ。むしろ中小企業の足かせになる。これは驚き入った三つの中の一つである。こんなべらぼうなことが来年度予算の中の中核をなす中小企業振興なんということは、これは私だからいいが、国民に聞えたら笑われますよ。もう少し何か大臣として、これが中小企業の振興なんだ、これさえ見せれば国民は納得する、そういうふうなものをきっと大臣は持っておると思う。それを出してもらわなければならぬ。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私はすなおにとってほしいんです。何もそんなに曲ってお考えにならなくともいい。私は何も財政資金から金を出さぬといっておるのではない、財政資金も出す、出すが、しかしそれにはおのずから限界もある。従って、今一番うまくいかないのは民間の中小企業金融で、そこは何をおいてもまず強化するのはいいじゃないか、これについて私は何も異存はないと思う。国民が聞いたら喜ぶに間違いありませんよ。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 財政からも出すと言われますが、財政から出すのはどの程度ですか、まさかけちな金じゃないと思いますが、どの程度ですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 この点は次の国会に出しますから、御審議をいただきます。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 そうしますと、今までの中で三つのものが旗じるしだと言うけれども、その内容としては大したものはない。来年度予算は、まあありきたりの、特に一萬田蔵相が長い間蔵相をやって、多くの経験の中から出てきたところのすばらしい予算だというようなものではなくて、これはもう何回も大蔵大臣をやって、すっかり飽きちゃって、とほけたような予算を出す、こういうふうに国民にとられはせぬかと思うのです。これは、もう少しわれわれが見て、なるほど一萬田蔵相が組んだだけの予算だということがわかるようなものを出してほしいと思う。財政から出す場合にも相当のものを出す、民間から出すのも、今言ったような方法ではとても問題にならぬから、もう少し考えていただきたい。  そこで、それでは来年度予算を組む上において、物価値下げに対してはどういう配慮をされているか。これは今の内閣のもとにおいて、一々言わなくてもおわかりのごとく、あらゆる物価が値上りを続けている。しかもその一値上りというものは、来年度相当の不況を予想されるにもかかわらずやんでいない。こういうときにおいて来年度の予算を組むからには、相当程度、物価の値上りに対してはこういう対策をもっていく、これでもって物価の値上りを食いとめる、そういう点の配慮がどこかになされなければならないと思う。そういう点についてはどうお考えになりますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今日貯蓄の増強を非常に必要としております。これは、単に産業資金を確保するという意味ばかりでないのでありまして、その反面におきまして消費の節減、いわゆる購買力というものの蓄積になる。その意意におきまして、できるだけ物価を押え、そして輸出の伸張。輸出が伸張してくると自然輸入もふやすことができる、こう考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 バスの料金値上りについては、中村運輸大臣が非常に関心を払われて、値上げを押えている。事務当局においては、やむを得ないものとしてこれを認めようというところに来たものまでも押えて、これは庶民大衆の足を確保する、そういう努力をされているというふうに報道を通じてわれわれは聞いております。これは非常にいいことだと思うのですが、これ一つだけでなしに、やはりそういった精神というものは、幾つものところに通じていなければならないはずだと思う。これは、またいろんなものが値上りしてくる。今の大臣の説明の程度では、とうてい押えられないと思うのです。もう少し何らか値上げを押える方法、あるいはまた今後政府の機関、あるいは政府が決定するようなものにおいては、もう来年度は値上げはさせない、それだけの決心、そういった取り上げ方、それをしているのかどうか、それはしておらずにこの予算を組もうとしておるのか、そういう点についてはいかがですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 いろいろな面において値上げがないように措置をとる、それは私も全く同じように考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 どうも大臣は、物価の値上げについてはさっぱり関心を持っておらないようですな。  それではやむを得ないから、しからば、先ほど大臣も言われた輸出振興に関しては、どういう考慮をこの予算について払われたのか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 輸出の振興につきましては、何をおいてもまず物価を安定するということが先決であります。従って、そういうふうな状況を招来するように予算も編成していかなければならぬ、これが一番基本になります。そのほかについては、税法上の措置もすでに若干やっております。さらに輸出に関係する行政事務等の簡素化とか、金融の面とかいろいろあると思いますが、あらゆる面について、ほんとうにこうやれば輸出が振興できるというものについては取り上げていきたい。かように考えまして、今事務当局にそれぞれ案を練らしている次第であります。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 税法上のことは従来も多少やっているわけです。そこで来年を見渡した場合に、輸出振興の障害は、今まで日本の商品を買っておったアメリカの中において相当日本の商品にけちをつける、あるいはまた日本の商品に対して関税障壁を設ける、そういうふうな点が具体的に報道されてきております。これはほうっておくと、来年はさらにまた相当激しくなると思うのです。これは、単に大臣が予算を組んでいっても、こういうふうな障害の面に対する何らかの手を打っていかなかったならば、輸出振興をするんだということを言っても、実際には輸出振興の実はあがらないのであります。そういうふうな対米関係の中における障壁、あるいはまた毛ぎらい、そんな点については何らかの考慮を払われましたのですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 その点につきましては、私が本年の九月末と十月初めに国際通貨基金と世界銀行の総会に出ましたときに強く主張もし、論議いたしたのでありますが、そのときに西ドイツ並びにアメリカが、もしも国際収支において黒字を累積していくという政策を持続するとすれば、自余の自由国家の経済は非常な困難に逢着するだろう、それでは世界平和というものが破られるのではないか、こういう見地から主張したのに対しまして、西ドイツもアメリカの代表も、まさにその通りだ、それで、自分たちとしては今後輸入をふやすのだ、輸入をふやすについては、国内金利もできるだけ引き下げなければなるまい、そしてホット・マネーの流入も防がなければならないし、国内の景気をよくするようにして、需要をふやし、輸入をふやす、こういう政策をとる。そして西ドイツのごときは、さらに従来借款もしているし借入金もしているから、これを繰り上げて償還しよう。さらにまた、それでも貿易上受け取りになるようであったら、自分たちは再投資してもよい、そういう方法をとる。これは、ああいうふうな国際会議であったからというふうにも考えられるのでありますが、その後の情勢を見ると、西ドイツは着々としてその線でやっております。それからアメリカにおいても、当時タイト・マネーで金利も上っている。しかしその後において、これは半年ぐらい続くだろうというのが当時のアメリカの考えでありましたが、その後三ヵ月くらいで金利を引き下げてきております。これは何を意味するかというと、私は、そういうふうな国際的な関係においてこれをながめておるのであります。  そこで、当時私はダレス国務長官にも、それから商務長官にも会ったときに、その点について話したのでありますが、その場合に、日本が貿易に依存することはよく承知しているから、日本の国際収支については十分注意を払ってアメリカも考えているのだ、こう言うておりました。それからまた商務長官も、具体的に日本の商品に対して輸入制限的な動きがあることはあるが、しかしそういうことが実現しないように、自分たちとしてもできるだけ努力を払う、こういうふうに言うておりましたっそうは言っても相手のあることでありますから、今後を待たなければなりません。私がいかに言っても、あるいは日本としていかんともできませんが、しかし、世界の大勢を今日見ました場合に、十分に日本側において輸出がふえる条件を整えていけば、今言うたような国際的な状況から見て、やはり輸出は伸びる。問題は、相手の国のこともあるが、何といっても、まず自分自身で輸出増大の態勢を整える、こういうふうに考えておる次第であります。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 アメリカに対して手を打一たれつつあるということは非常によいことだと思うのですが、この間岸総理が東南アジアの方をさらにまた回られて、開発資金等についても何らか約束をされるとか、そういうふうな点を報道を通じて見ておるわけです。これはどの程度おやりになるわけですか。どの程度来年度予算の中にも準備しておるのですか。その辺の点についてお伺いいたしたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 その点につきましては、ただいまいろいろと検討をいたしておるときでありまして今申し上げられません。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 アメリカに対して非常によく手を打たれたのですが、貿易振興の方法として中共に対してはどういうふうな手を打たれますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私の考えとしては、できるだけ中共とは貿易を伸張せしむるがいい、かように考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 中共との関係は、私どもが聞くところでは、指紋問題の解決がつかなくて貿易協定もできない、そこでまだお先まつ暗である、こういうふうに聞いておるわけであります。これは根本的な問題で、たとえば値段が合わないとか、あるいは買うものがないとか、売るものがないとか、そういうような点について話がつかないのならばともかくとして、たった指紋問題一つだけで中共貿易ができないでおる、しかもこの指紋の問題は、すでにアメリカではこれを撤廃してしまった。日本の場合には、アメリカヘの気がねだけでもってこの指紋の問題の解決がつかなかった。そこで日本の来年度は、たとえば不況ではなくても、少くも足踏み予算を組まなくちゃならぬ。日本の来年度の予算というものは、社会情勢に対して相当苦しい状況を見なくちゃならない。そういうふうな中においては、政府としたならば相当ふんばって、輸出振興に対するところの対策は、予算を通じてやらなければならない。その中において、今承われば、アメリカに対しては、大臣みずからが相当手を打たれて隘路を打開されておる、これは非常にいいことだ。しかしアメリカだけが日本の輸出先ではないのであって、従って隣であるところの中共、これは障害を打開したならば相当な輸出振興になるわけです。それに対して降路となっているのは、たったその指紋問題一つなんです。これくらいを打開しなかったならば、来年度の予算というものが輸出振興に対するところの熱意を持った予算の組み方そういうふうな考え方を持っているというふうには言い得ないと思うのですが、こういうふうな点については、大臣はどういうふうに考えられますか、どういうふうに対策をとっておられるか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、私の立場として貿易を増大せしめるのがいいと思っておりますが、今御指摘の点は、事外交にも関することでありまして、外務大臣のお考えがあることだろうと思います。なおそれらの点については、政府部内でも十分相談をし調整を加えていきたい、かように考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 新聞のきょうの報道では、余裕財源のうちから二百五十億程度のものを減税に回すというふうに出ておる。これは過般の当委員会における大臣の答弁でも、かりにという前提はついておったが、幾つかの税について減税を考慮する点のことが言われておる。この段階に来たならば、何といっても減税に対しては相当の考慮を払わなければならないだろうと思う。少くも大蔵大臣として税金の取り過ぎがあって、来年の税金というものはあまり取り過ぎて困っちゃって、使い道のない金が一千億以上も出るから、この出た金を神だなに上げておこうというふうな、たな上げ論では済まない段階に来ているのです。国民が楽々払っている税金ではなくてこれは少くも血税なんだ。従ってこの血税に対して、これを取る立場からしたならば、まだ足らぬという気もするだろうが、納める立場からしたならば、このくらい高い税金はないと考えておるのだから、少くも減税ということは、この段階に来たならば真剣になって考えられて、対策をお持ちにならなければならないと思うのです。すでに持っておられると思うのですが、減税についてはどうお考えになっておるか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 先ほど、その点についてもすでに御答弁申し上げたのでありますが、三十三年度の予算に関連して私ここでいろいろと申し上げることは、先ほど申し上げた通り差し控えますが、しかし減税ということは、先ほど申しましたように、大蔵大臣が常に考えておることである。特に日本の税というものは、私は決して軽くないと思う。すべてを通じて、これは敗戦の結果でありますが、軽くないのですから、大蔵大臣は、常に何よりも先に減税というものを考えるべきだというのが私の考え方です。ただその減税を可能ならしむるかどうか、また減税をしていいような財源が恒久的にあるのかどうか、これらのものが問題なのであります。そういうふうな気持を持って私は今後財政に臨んでいきたい、かように考えております。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 今の税金は所得税、法人税、酒税、物品税、あらゆる税金が非常に高いのみならず、所得税においては、明らかにまだ生活費の中に食い込んでいる。だから税金としたならば、これは所得税としても生活費には課税をしない、少くもこの程度の理想というものは税金の中に実現しなければならぬ、生活費の中から税金を取られているのだから。今の大衆は、くつもはかなければならない、服も着なければならない、その中で何を減らすかといったならば、減らすものがないから、みな帽子をかぶらなくなった。このごろ帽子をかぶらないのは、日本の所得税が高くて、国民の生活費に食い込んでいる証拠である、減らして差しつかえないところはどこかといえば、帽子だけである、だから、このごろのものはほとんど帽子をかぶらない。あれは、少くも帽子をかぶらせるような政策、所得税をもっと大幅に減らしていくという政策をとることが大事なんです。しかも、法人税もなお重いといわれておる、酒税もなお重いがために酒が飲めない、こういうふうな段階において、来年度は少くも一千億以上余る。大蔵省が一番しわい見方をしても一千億、われわれの見方をもってすれば、来年度は大体一千八百億から二千億ぐらいの金は余る。これは決算をしてみなければわからない論議であるけれども、われわれの見たところでは、大体来年度は一千八百億は楽に金が余る。その金をとっておいて、これを神だなに上げようなどという大臣の考え方は、国民の税金を納めるものの立場を考えていないからである。従ってこの段階に来たならば、減税ということに対しては、二百五十億だのなんというそんな小さなものでなく、もっと大幅な減税をすべき段階だと思う。今大臣は、具体的なことを言われなかったが、一つ具体的な点を御答弁願いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 帽子をかぶらぬ話が出ましたが、私の聞くところでは、これは頭がはげぬために帽子をかぶらぬ、(笑声)こういうふうに聞いておるのですが、まあそういうことはさておきまして、具体的に幾ら減税をするか、このことは、先ほど申しましたように、三十三年度の全体の予算を考えてみないと、かりに減税するということにしても申し上げかねる。一般論としては、減税というようなものは、やはりまとまってすべきだということは私も心得ておる次第であります。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 最後にもう一点だけ。それでは、減税に回すべき分については考慮をされておりますか。何を減らすかということはまだきめないが、この程度のものは減税の方に回してやりたい、そういうふうな考え方をお持ちになっていますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 政府としての予算編成の基本方針を二十日にきめるわけであります。その上で何を幾らということは、今考えておりません。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 本日はこれをもって散会いたします。     午後四時三十一分散会

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