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27回国会衆議院1957/11/14

大蔵委員会 第8号

発言数
136
登壇者
9
会派数
2
開催日
1957/11/14

会議録

山本幸一日本社会党

○山本委員長 これより会議を開きます。  税制に関する件及び金融に関する件について、調査を進めます。  この際一つ御了承を得たいのですが、金融に関する問題で、ただいま福岡銀行に問題がございますので、これが緊急質問を横錢君から要求せられております。この緊急質問の発言を認めます。横錢委員。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 大臣にお伺いしますが、今の福岡銀行ですが、約四十日にわたって争議が行われております。このことを御存じのことと思うのでありますが、この争議が、銀行として相当信用上にも関する大きな点があろうし、かつまた争議の指導解決の方法について当局が何ら手を打っていないのではないか、こういうふうにも見られるのです。この際見解を伺っておきたいと思うのです。しかも、この福岡銀行の場合は、賃金の引き上げとか、あるいは家族手当とか、あるいは集金手当の支給とか、こういうような純然たる経済問題についての争いであります。これに対して、銀行側の方からは回答が全然ゼロである。そして福岡銀行の九月における決算では、約四億円の収益を上げておる、従って今日の段階において、これらに全然応じられないという情勢ではないのであります。これがこういうふうにこじれて、しかもすでに六日間にわたって約六名の者がハンストを展開しておる。昨日からまた六十人の者が銀行の中にすわり込みを開始しておる。こういうような事態で、いよいよ切迫をした争議の形をとっておるのです。当局はこれに対して何ら手を打っている様子がない。こういう銀行のいろいろな問題に対しては、当局はすぐに指導に乗り出して、これの解決に対してあるいはまた権限を越えるかと思うような通牒までも発して、銀行に対する指導を行なっておるのかどうか。こういうふうに相当大きな争議に展開しておっても、今日何ら手を打っていないのはいかぬではないか。やはり早急に問題を解決できるように、あっせんあるいは指導に乗り出すべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、この際御見解を伺っておきたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私、なおよく事情を聞きまして、そして善処をいたすべきことがあれば善処いたしたい。今お話しの点、最近のところをつまびらかにいたしておりません。銀行側がどういうふうに対処しているか、よく調べました上でお答えいたしたいと思います。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 大臣はあまり御存じないと思うのですが、先ほど確かめた情報でも、まだハンストとか、あるいはすわり込みとかは展開されたままで、中止をされておらぬということです。従って銀行の争議としては、相当憂慮すべき点があろうと思う。従って単なる善処でなしに、もっと積極的に、この問題を早く解決をつけるという観点から指導に乗り出すべきであるし、また乗り出すのが適当である、こういうふうに考えるので、善処の中には、そういう強い意味を含めてお願いいたしたい。もし坊政務次官がこの点をよく御存じならば、政務次官からお答え願いたい。

坊秀男自由民主党大蔵政務次官

○坊政府委員 政務次官というお名ざしでございますので、お答え申し上げます。  この問題は、問題の性質上、当局といたしまして、これに対して積極的にどういうふうに指導するとか、どういうふうに処理するとかということは、差し担えるべき問題だと私は思います。しかしながら、公共性の非常に強い金融機関にさような事態が起っておるということば、当局といたしましてもまことに遺憾に存じております。従いまして、事態の実情をよく調査いたしまして、かかることが長いこと続かないように何とか考えていきたいと思っております。しかし積極的にどう指導するとか、どういうふうな手を打つとかいうようなことは、差し控えたいと思います。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 もうハンストが六日に及んでおる。従って肉体的に相当参っておるのです。このまま時間が経過すると、これは人命に及ぶ問題になると思うのです。従って、ここでそれを具体的にどうするというふうなことは別段なくともけっこうですが、タイムリーにものを考えて乗り出していただきたい。この点を特にお願いしておきます。     —————————————

山本幸一日本社会党

○山本委員長 それでは引き続いて税制、金融についての質疑をいたします。質疑の通告がございますので、これを許します。大平正芳君。

大平正芳自由民主党

○大平委員 予算編成期が差し迫って参りましたので、世間の一部では、減税という問題がちらほら論議の対象になっておるように存ぜられます。もとより税金を減らすということは、もう古くして新しい問題でございまして、財政掌理のお立場にあられる大蔵大臣としては、おそらく寝てもさめても熟慮の中に入っておる問題であろうと思います。それ自体としては、けっこうなことに違いないことは申すまでもないことでございますが、予算編成から見まして、この段階で減税をどのように考えたらいいかということにつきましては、いろいろ御苦心されておることと思います。従って、私は、本日この段階において減税を考えるについての問題点の二つ、三つを伺いまして、御所見を承わっておきたいと思います。  第一は、この前に政府から、明年度における経済運営の基本構想というものが出されたのでございますが、一体あの構想の中に、減税という問題についてはどのような思想が織り込まれておるのかという点を、まず最初に伺っておきたいと思います。と申しますは、あの文章の中には、直接減税の志向というのが表われておらないように記憶いたしております。しかし、文章に表われているいないにかかわりませず、先ほど申しましたように、経済をどう運営していくかということにつきましては、減税という問題を考慮に入れなければできないはずでございます。あの場合直截簡明に出ていないが、しかしその構想を練る前提といたしまして、減税問題をどのような感度で考えられたものであるかという点を、まず最初に伺っておきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 三十三年度の予算編成の基本構想の一番基本になっております点は、あの前文にもうたってありますが、今後安定した経済のもとに持続的な経済の発展をはかっていきい、その基礎的な諸条件を整備したい、従って大体三十三年度の景気に対してはなるべく据え目にしていきたい、こういうことであります。それを達成するために具体的な一つの措置として、余剰が生じました場合におきましては、主として経済との関係においてその保留の仕方も考える、こういうことになっておりまして、私は三十三年度の予算を編成するに当りまして、財源、歳出の関係、いろいろ考えまして、減税ということもむろん考えて参るつもりをいたしております。

大平正芳自由民主党

○大平委員 あの中に、余裕財源があれば景気調整的な機能を持たせて、たな上げしていきたいという志向が非常に表われておるわけでありますが、今大臣のお言葉では、もとより来年度の予算編成に当りまして、減税ということも頭には一応置いておるんだということを伺ったわけであります。  そこで問題は、本年度の税収入を拝見いたしましても、十月末現在では、すでに六〇・八%というものが収納済みになっておる、去年に比べて五%ほどのインプルーブメントを見ておるということを伺っておるのでございまして、世間一般では、本年度におきましても、千億程度の財政余剰といいますか、自然増収が期待されるんじゃないかということが一応常識になってきておりますし、もとより景気が頭打ちいたしまして、法人税その他に伸びを見るというようなことが非常に困難なようになりましても、現在の税収のペースにおきまして、来年度におきましても、本年度に劣らない自然増収が期待されるであろうということも、ほぼ常識化してきておるようであります。しかし、これはあくまでも常識の問題でございまして、大蔵当局としては、現在の税制のままで参りますと、一体本年度並びに来年度どのくらいの自然増収が確保されるものであるかという見積りというものをお持ちじゃないかと思うのでありますが、それを伺っておきたいと思います。もしそれがわからないと、減税論を展開するにはやや資料が乏しいわけでございますので、今の段階におきまして、見通し得る限りの正確なデータを使いまして、どのくらいの自然増収が本年度並びに明年度期待されるであろうかという点を、お知らせ願いたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今私の答弁のうちで、私ごく普通の常識的に、来年度予算の編成について、御意見も尊重して、減税等もあの基本構想のうちに考えるというふうに申しましたが、用語としては必ずしも適当でないと思います。これは十分検討をいたすということに訂正をいたしておきます。  それから、ただいま三十三年度においてどういうふうな自然増収があるかというお話でありますが、これは数字ですから、主税局長から答弁いたさせます。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 昨日まとまりました十月末の数字では、お話しの通り前年に比べまして八百四十二億よけい入っております。今後は、引き締めの影響がだいぶ法人税あたりに出てきておりますので、伸びはずっとゆるむと思いますが、本年度千億程度は増収になるだろうというふうに考えております。来年度につきましては、それがまずまず横ばいということで一応ただいまのところ考えております。これは、引き締め政策の影響がどう出てくるか、また今後来年度の財政金融関係の政策をどう持っていくかということも密接に表裏する問題でありますので、それらの今後の推移を十分にらみまして、予算編成の最終の段階までの状況も入れて予算を編成するということになると思いますが、ただいま大ざっぱに言えば横ばい、若干のズレがあるので、大事をとれば、若干内輪に見ておくというようなところであろうかと思います。

大平正芳自由民主党

○大平委員 そうすると今の段階では、大体千億内外というようにお考えになっておるようでございますが、なお予算編成態度そのものも来年度の国民所得にも影響しますから、今正確な見通しを言ってくれといっても無理だろうと思います。大体そういった感度にとっておきたいと思います。  そこで、いわばそういった自然増収を、できるだけ節約した歳出に充てて、余裕があれば余裕財源として景気調整財源としてとっておきたいという志向が今現われておるわけであります。ところが、先ほど大臣も申されましたように、もとより明年度の予算につきましては、減税という問題も検討してみたい、これは、大蔵大臣の職責といたしまして当然のことであろうと思うのでございますが、しかし私どもが税の問題を考える場合に、昭和二十四年をピークといたしまして、わが国では数次の減税がとられて参った、しかも、それは主として所得税を中心にやってきた、しかも、その所得税中心は、あくまでも去年の減税までは、基礎控除を中心にするのだというように、今までの減税の沿革が、いわばそういう方面に片寄っておったように思われるわけでございます。ところが税制全般を考えますと、一体今までのような行き方でいいのか悪いのか、またこういう経済情勢を前提にいたしまして、今の税制の構造ではたしてミートしておるかどうかという点につきましては、各方面にいろいろな意見があろうと思いますし、政府におきましても、調査会を作られていろいろな角度から御検討中のように拝見するわけでございます。まだ調査会の答申が出たのか出ないのか知りませんけれども、明年度の予算編成にからみまして、減税を一応検討しようという限りにおきましては、今までの沿革をとっくりお考えになられることも当然であろうと思うわけでございます。また同時に、当面の経済情勢から参りまして、物価を上げてはならぬ、輸出をふやさなければならぬ、国際収支の改善に役立たせなけれならぬということは、これまた常識であろうと思うわけでありまして、そういう方面に影響がない限りにおきましては、今までの減税の沿革から考えまして、漏れておった面、また税制全体の構造から均衡がとれるような点に今後の税制の方向を向けて参らなければいかぬのじゃないかと思いますが、財源の多寡によりまして、そのやり方、程度、方法はいろいろあろうと思いますけれども、方向を考える場合におきましては、今申しましたようなことを一つの目どころとしてお考ええいただかなければならぬと思うのでありまして、そういう点につきまして、おそらく減税問題について非常に苦脳されておるでありましょう大蔵大臣のお考え方を伺っておきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今後の税制につきまして、ただいまお話がありましたように、税制調査会で各方面にわたりまして御審議、調査を願っております。これも近いうちに答申もあると考えております。なおただいまのお考えも十分拝聴いたしておきます。それらのすべての考え方を見た上で、私としてもどういうふうにするかということを考えていきたい、かように存じます。

大平正芳自由民主党

○大平委員 まあ政治の実際といたしましては、減税問題というものは案外声が細いわけであります。歳出面を通じましていろいろな施策を施そうという面につきましては、積極的で、きわめて勇敢な見解が諸所方々に起りますけれども、ほんとうは国会の機能というのは、税金を減らすことだといっても過言でないわけでございまして、減税問題というものは、他の問題よりももっとウエートの重い問題だと考えられますので、世間で減税問題の声が高いか低いかというような問題にかかわりなく、財政掌理のお立場にあられる大蔵大臣といたしましては、この問題を終始頭に置かれまして、非常に勢力的に十分御検討を願いまして、われわれが申し上げますような方向にこの問題を御推進いただきますように切望いたしまして、私の質問を終ります。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 引き続いて春日一幸君。

春日一幸日本社会党

○春日委員 ただいまの大平君の質問に対する大臣の答弁、これは全く禅問答みたいなもので、われわれ専門家でもわからない。いわんや国民は、真相は何であるのかてんで皆目ヒョウタンナマズみたいなもので、要領を得なかったと思うのであります。従いまして、私はその問題について、重ねてお伺いをいたしまして、政府の方針をこの機会に明らかにしてみたいと存ずるのであります。  まず第一番にお伺いをいたしたいことは、政府がこの九月十日に発表いたしました明年度の予算編成の基本構想、これによりますと、既定経費を徹底的に節減するとか、あるいは新規経費を重点的に厳選するとか、財政投融資は昭和三十二年度の実行額の範囲内にとどめるということが明らかにされてはおりますが、ついでとの余裕財源については、これを景気調節用の資金としてリザーヴするのだ、こういうような構想が明らかにされております。この問題については、先般の委員会で私からお伺いしたのでありまするが、当時もなおその時期でないというので、明確な御答弁がありませんでした。その後相当時間も経過いたしておりまするし、国会の論議も、なお国民の関心も非常に高まって参っておるのでありますから、この機会に明年度の予算編成に対する基本構想と、それからこの減税の制度との関係について、特に明らかに願わなければならぬと思うのであります。  そこでお伺いをいたしますが、大臣は、来年度の予算編成に当りましての歳出規模、これを大体どの程度に置いておられますか、まずこの点からお伺いをいたしたいと存じます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 ただいま歳入がどういうふうになっているか、あるいは歳出はどうか、こういうふうなことに検討を加えておるのでありますが、来年度において、基本的ないわゆる新政策というものをどういうふうに取り上げていくか、こういうものは、なお検討中でございますので、予算規模がどうということはただいま申し上げかねます。

春日一幸日本社会党

○春日委員 あなたの方が発表されました、明年度予算編成に対する基本構想の中では、大体四つの柱が組み立てられておるわけであります。たとえば、既定の経費については、これを重点的に厳選する、それから財政投融資は、本年度の実行額三千二百億でありましたか、その程度にこれも圧縮していく。そうであるといたしますと、昭和三十三年度の歳出規模が一兆一千三百億でありまするから、大体においてこの三つの柱から推察されるところの歳出規模というものは、おのずから私は出て参ると思うのであります。私はその点をお伺いしております。どの程度の歳出規模を考えておられるか。基本構想があり、昭和三十二年度の実績があるのでありますから、来年度の歳出規模はおのずからこの三つの制約の中において、結論は出て参るものと思うのであります。歳出規模をいかに見ておられますか、お伺いをいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 あの基本構想に書いてある通りでありまするが、既定経費について再検討を加えて節減をはかるという点も、今検討中でありまして、どういうふうに既定経費を削減できるか、まだ明らかでありません。さらにまた新規経費は、厳選はむろんいたすのでありますが、どういうものが新規経費としてあげられるかというものもなお不明であります。従いまして、これも今のところはわかりません。従いまして、ただ三十二年度の予算規模が一兆一千三百七十億ということがはっきりしておる。それ以上のことは、今なおはっきりいたしておりません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それは、責任のない御答弁だと申さなければなりません。あなたは、予算編成の責任と、またその権限を持っておる所管大臣である。三十二年度歳出規模というものは、実績でありまするからはっきりいたしておる、これを基準として来年度の予算編成の基本構想をお立てになっておるではありませんか。たとえばその一項目である、今までの既定の経費もこれを圧縮しようとするのだ、新しいものが出てくるかもしれないが、そいつは厳選していこうと考えておるのだ、こういうようなことで、特に財政投融資のことにも触れて、これは本年度の当初計画の六百億円でありましたか、これを削減いたしましたが、その実行額の限度内にこれをとどめていこう、そうして余るものがあるかもしれない、余るものがあることを予想しているのですよ。明らかにその基本構想の中では、余るものがあるとするならば、これは景気調節のためにリザーヴする、これは明らかにうたっておられる。だとすれば、大体本年度の歳出規模と、それから三つの要綱によって、いろいろと編成をして出てくる実際額がこれこれだ、だからこの程度のものが余るから、この処分をこうしようというように、あなたの方に具体的な見当があって、こういう基本構想というものはおのずから明らかになってきておる問題だと思います。そこで、私はお伺いをいたしますが、大体において百億や、あるいは三百億の上下はあるでありましょうが、すでに今予算編成期に入っておりますので、各省から予算要求があなたのもとにどんどん提出されつつあるわけでありますので、こういうときに、あなたの腹がまえは、大体どの程度に歳出規模を押えようか、そのことは、わが国の経済の現状から考えて、さらに国際収支の前途等いろいろ勘案して、当然その腹がまえというものがなければならぬ。この際、それはどの程度のものであるか、これは多少のアローアンスがあるでありましょうが、この際あなたの考えておられる歳出規模が何であるかということを明らかにされたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 考え方は、春日さんとそう変りありません。ただその腹がまえ中なんでありまして、まだ結論が出ておりません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 だといたしまするならば、質問を変えまするが、このままの状態で、たとえば現行制度のもとに予算が組まれて、税制においてしかり、あるいは予算の組み方において、昭和三十一年度の剰余金が明年度の予算の中に組まれていけるという面が生じてくる、三十一年度の剰余金はたしか一千二億円でありましたが、そこで食管会計の赤字が百六十億でありましたか、それを引くとしても八百何十億出て参る。ただいま原主税局長の答弁によりますと、景気が横ばいするとしても、本年度の実績、すなわち一千億の増収というものはあり得るであろう。こういうこと等から考え合せまして、すなわち現行諸制度のもとにおいて明年度の昭和三十三年度の歳入規模というものが一体どの程度のものになってくるか、この点をいかに推算されておるか、お伺いいたしたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 歳入規模がどのくらいになるか、これは数字で申し上げなければいかぬと思いますので、主税局長から大体のところをお話し願います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 歳入規模は、税収入については、私は主税局長でもわかると思います。しかしながら三十一年度の剰余金は、一年度置いて三十三年度予算に組み込んでいくことができるわけであります。そういうような昭和三十三年度の歳入財源として予算に立て得るところの額の総量というものは、大臣が十分御検討に相なっておると思いまするし、税収以外のことは原君ではわからぬと思います。すなわち現行諸制度のもとにおいて、昭和三十三年度の歳入規模をいかに推算されておるか、この点大臣からお述べを願います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私がただいままで主税局長から報告を受けたところでは、主税局長がここで皆様方に答弁したと同じでありまして、大体三十三年度も、三十二年度の予算に比べまして千億程度の自然増といいますか、増収を見てもよかろうという報告を受けております。そういう程度であります。それから昭和三十一年度の剰余金、これは決算が済みましたから、千一億何がしという剰余がある。しかし、これは法律によって当然充当がきまっておりますから、三十三年度の予算に持ってこられるのはおそらく四百三十六億ですか、そういうことになるだろうと思います。今のところそういうことがはっきりしておる程度であります。これを合計いたしてどうといえば、それだけですが、まだ推算の域を脱しません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういたしますと、本年度の歳入は、これは歳入歳出が均衡いたしております立場から、一兆一千三百七十四億でありますから、そこで大臣の言われた自然増収一千億、それと三十三年度の予算に立て得る四百億、これを加えますと、かれこれ一兆二千五百億ないし一兆三千億の歳入があり得る、こういう工合にわれわれは考えてよろしゅうございますか、この点、お伺いいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それは、今申しました数字を盛り重ねたのですから、よろしいと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それではお伺いをいたしますが、歳入が一兆二千五百億ないし一兆三千億ありとする。そうすると、そういう情勢下において、大臣は大体それだけのものを全部歳出に組んでいかれるか、あるいはそういうような積極予算を組めば、本年度の前例に徴しても、いろいろと弊害が予想されるので、これに対しては、この予算編成の基本方針に述べられておるような、すなわち税額を景気調節のためのリザーヴとしてたな上げされる方針であるか。だとするならば、その額はどの程度のものを考えておられるか。リザーヴの額は一体どの程度のものであるか、この際お述べを願います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 三十三年度の予算は、私がしばしば申し上げますように、歳入があるから歳出を立てるというふうに、簡単にいかないのでありまして、それがゆえに特に基本構想を明らかにいたしておるのでありまして、日本の経済を今日安定させる、不均衡が出ておるのを均衡させて、均衡を回復した上で日本の経済の今後の発展をはかっていく、これを妨げるようなことは、財政面からできるだけ避けなくてはならない、こういうふうな構想でございます。その点をよく見きわめなくちゃならぬ。従いまして、予算編成までにおいても、なお私は今後企画庁と十分相談をして、最近のデータで日本の経済がどういう段階に今あるか、さらに日本の経済は今後どういう発展をとるであろうかということも十分今後見きわめた上で、新しいデータの上で日本の経済を十分見まして、その上で、さらに今言った基本方針を通じて予算編成をしていこう、こういうことでありますから、どのくらい余るというようなことは、今何も申し上げる段階ではありません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 しかしながら基本構想の中に、余裕財源を生ずるから、従ってこれを景気調節のためにたな上げする、リザーヴするということが明らかに述べられております。従いましてどの程度たな上げし得るかということは、この基本構想をお立てになる場合は、いろいろ数字上のそういう条件の上に立ってこういう基本構想が立てられたものと考えざるを得ないのであります。従いまして、大体どの程度にそういうリザーヴに該当する金額を考えられておるか、このことは当然御答弁が願える事柄であると考えますので、重ねてこの点を明らかにいたされたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 余剰でありますから、申すまでもなく、いろいろなことが明らかになった後でないと、余剰が出ません。だから、前もって余剰が幾らあるというようなことは考えられないのであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 そういたしますと、新聞情報その他あなたの言明せられたところから報道されたところによりますと、来年度予算は一兆一千五百億程度の歳出規模にとどめ担い、こういうような蔵相の見解が述べられて報道として伝えられております。これはどの程度の信憑性を持っておりますか、この点、お伺いいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 そういう具体的数字については、私今ここでかれこれ批判する材料を何も持っておりません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それではお伺いいたしますが、ただいま大平委員に対する御答弁の中で、減税のことは基本方針には入っていないけれども、そのことも考えておる、こう述べられておりますが、それは、一体どの程度にお考えになっておるのか、この点明らかにいたされたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 考えておるという言葉は、私はごく常識的に考えておるという言葉を使ったのですけれども、国会では、考えておるということはいろいろ意味があると申しますから、その意味は、先ほど訂正いたしましたように、検討を加える、こういうことであります。むろん減税を考えます場合は、大蔵大臣としては、そういうことは、私は常に税金を一方においてとっておりますから、毎日でも考えなくちゃならぬ事柄だと思っております。そういう意味で申し上げるのでありますが、これにつきましては、一体減税をするようなそういう恒久的な財源があるのかないのかということ、それには同時に、歳出というものが一体どうなるかとか、あるいはまた今日の国際諸情勢から、日本という国は今後どういうことをしなければならぬのか、そういう見きわめが果して立つのか、いろいろと今日は問題が多いので、そういうものを一切を頭に入れつつ、どういうふうにするかということを検討を加えていきたい、かように考えております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 大臣は、今日本は何をなさねばならぬかというような見きわめも全然立ってはいないのでありますか、お伺いいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは、私は今こういうふうに思っておるのです。たとえていえば、人工衛星というようなものがあるが、そうすると、一体日本の科学振興というものはどうなのか、あるいはまた道というものは、どこの国へ行ってみても、日本を振り返ってみて何も負けたものはないと思うが、道だけはどう考えても国際的に悪い。一体こういうものはほっておいていいかとか、いろいろ新しい事態がやはり出ておると思います。こういうものは、やはり広い目で国家として今後これらのことにどういうふうに対処すべきかということも考えていかなくちゃならぬ、そういう意味で申しておるわけであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 大臣はでたらめを言ったり詭弁を使ってもらったら困りますよ。あなたは、一体道路を直さなければならぬと言っておるが、本昭和三十二年度の財政投融資計画を見ると、道路公団百億、こういう投融資計画を立てておいて、六十億の繰り延べをやっておるではありませんか。こういうような財政投融資の積極施策をやっていけば、結局資金と資材を食いつぶし、そのことがよってもって対外収支を非常に悪化しておるその原因になっておるのだからというので、今あなたの一例にあげられたところの道路公団に対するそういうような財政投融資も、現に本年度において六十億削っておるではないですか。従って、あなたがやらなければならぬといって、いろいろ仮想しておるところの中に人工衛星と道路のことがあるそうだけれども、人工衛星にどういう金が使えるのか、大体の見当も何もわかっていやしないじゃありませんか。そしてまた本年度において、道路をどれだけ直さなければならぬといって百億の予算をとっておいて、六十億削減しておるではありませんか。そういう無責任な、でたらめを言わないで、もっとまじめに真剣にやって下さい。私だってまじめにやっておる。そういうばかなことがありますか。わが国が来年度においていかなることをなさねばならぬかということは、今日のわが国の大蔵大臣がわからぬはずはないではないですか。もっとまじめに答弁してもらいたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 非常に御不満のようでありますが、私の言葉が足らなければ、いかようにも申し上げますが、私は何もそういうふうな意味で申すのではありません。減税という問題は、私は減税せぬとかするとかいうのではありません。しかし、検討を加えるときにどういうふうにするかという御質問でございますから、それをするのに、やはり長期にわたってものを考えないと、減税をやる、すぐ増税をやるということもなかなかやれるものではありませんから、慎重に考えるという意味におきまして、そういう長期にわたる計画も考えていきたい、こういう意味であるのでありまして、私何もふまじめで申しておることは少しもございません。それだけ、もしもふまじめといえば、私いかようにもあやまりますが、ふまじめな考えは少しも持っておりません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 問題は、来年度一千億ないし一千五百億をこえるところの歳入が予想されるということなのです。現実の問題といたしまして、これを一体どうするかということをわれわれが今真剣に論議しておるのですよ。問題は、そういう金が残ったならば減税するか、これを景気調節のための調節資金としてリザーヴするか、二つに一つしかございません。そこで私はその問題に触れて、あなたから率直な答弁が得られないというために、私はいろいろな情勢からだんだんと質問を進めておるわけでありますけれども、来年度の予算がどういう予算か、新規財源が要求されるかわからぬと言っておるが、来年わが国がどういうことをやらなければならぬがということは、わからぬはずはない。それなのに、人工衛星あるいは道路公団とか、何ですか。現実の問題として、一千億ないし一千五百億という財源がある、人工衛星を打ち上げるために一千億ないし一千五百億の予算を組むというような、そういう可能性、必然性がありますか、何もありゃしないじゃありませんか。道路を直すこと、異存がございません。だとするならば、本年度百億の財政投融資を組んでおいて、なぜ六十億削減したか。あなたの設例は、ことごとくものの真髄に触れていない。私はこういう具体的な、何人も聞いて腹に納得できる御答弁をいただかなければ、わからないではありませんか。私のあなたに申し上げたいことは、たとえばあなたが来年度の歳出をどの程度に押えるかということは、すなわち新規要求の財源が何だかわからぬと言っておる。一体そういうようなものがあるとするならば、これをお示しなさいと言っておる。あるならば大いに考慮しなければならぬ。そのことがインフレにもならない、対外収支も悪化せしめない形において予算を立て得るような政策対象があるならば、お述べ願いたい。そのときにあなたが述べられたのが、人工衛星と道路なんです。そういうことがありますか。おっしゃって下さい。現実に大蔵大臣が、わが国が今どういうような仕事をしなければならぬか皆目めくらめつぽうということはありますまい。過去の実績において、将来の展望において、その程度のことは、あなたはわからないはずはない、おっしゃって下さい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは、わが国が来年度において何をせなくてはならぬかということは、今十分検討を加えておるということを、先ごろから繰り返して申しておるのでありまして、それは、今後だんだんとはっきりしていくわけであります。ただ、今幾らということが、あるいはどういうものかということを、明確に申す段階にまだなっていないということ、これは予算編成のときには常にそうなのであります。  それから私が人工衛星ということを言うたとか、道のことを言うたので大へんに御不満のようでございますから、これは場合によっては取り消してもけっこうです。ただ私が申し上げたかったことは、減税ということについてかれこれの御質問でありますから、そういう場合においては、減税をすれば、むろん財源がそれだけ長期にわたってなくなるのでありますから、そういうようなことをする場合には、もちろん減税ができるところは減税すべきでありますが、やはり国の長期にわたるいろいろな仕事があるから、そういうものを考えなくてはならぬ。特に国際的にいろいろと進歩した新しいことが出る。その一例として、人工衛星ということを私は言ったのでありますが、そうしてみると、日本の科学の振興ということについてはあるいは格段のことも考えなくてはならないだろう。そういういろいろなことが起るから、それらのことを考えていきましょう。こういう意味で申したのでありまして、どうぞ誤解のないように御了承を得たいと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 財政の原則は、その年度年度において少くとも歳入と歳出の均衡をはからしめるということが、これが予算編成の大前提、大鉄則なんです。将来あるいはこのような経費を必要とする施策を講じなければならないような事態が発生するかもしれないということを予測して、そうして歳入を当該年度においてはかるということは、これは現状においては許されておりませんし、今まででもその前例がございません。そういう意味で私は申し上げておるわけであります。なるほど私たちは、常識的にわが国としてもいろいろな政策を行わなければならぬ、そのためには、政策を行うためのいろいろな財源が要るが、本年度の財政投融資の繰り延べの実績を見てみますと、およそ重要とおぼしき政策の対象になるもの、開発銀行にしても、電源開発にしても、石油資源の開発にしても、北海道、東北の開発、その他愛知用水公団、森林開発、住宅金融——あなたの方が大ぼらを吹いたようなこの住宅の二百六十五億を六十億削減したことによって、みんな国民を瞞着したうそっぱちになっておるのだ。道路公団、それから住宅公団、勤労者厚生、国際航空、海外移住会社、これは、ブラジルなんかではえらい怨嗟の声を放っておる。それから国有鉄道、電電公社等、こういうようなとにかく重要施策は、とにもかくにも全部大なたをふるってきておる。これ以上やらなければならぬことすらもこうやってふるってきておる。道路から住宅までふるってきておる。ですから、一千億から一千五百億あらためて増加せしめなければならないような重要な政策があるとするならば、これをおっしゃって下さいと私は申し上げておる。それを、あなたが今おっしゃったのは、道路だとか人工衛星だとか、これでは話が全然わからぬといっておる。幾ら設例としても、ある程度妥当性のある例をあげなければめちゃくちゃですよ。人工衛星だなんて何事ですか、御答弁を願いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは日本の経済が、ああいうふうな状況といいますか、緊急施策でもって対応して参らなければならない日本の経済の状況になりましたからやったのであります。いわゆる私がいつもいう急性的な病気については、やはり急性的な療法をとっていくという意味で、今御指摘のような点があったと思います。しかし、他面国としては、やはり財政としても長期にわたる見通しを持って考えなくちゃならぬ点もあることは、これは私が申し上げるまでもないのであります。先ほどから私が申し上げるのは、長期にわたって減税ということになりますと、やはりその年だけではいかないので、これは財源がなくなる。ですから、相当長期にわたった見通しを持って事に処さなければならぬだろうか、かように考えて申しておるのでありまして、決して私は、矛盾はしておるつもりはありません。

春日一幸日本社会党

○春日委員 歳出が必要であるならば、そのことは、その歳出を通じて国民の受ける福祉の量が増大してくる。そのことが確約されるならば、また国民としてその見通しが納得できるならば、その見通しについての政策について納得ができるならば、それは増税されることも、あるいはそれだけの額を税の負担にたよることもこれはやむを得ない。けれども、今何も皆目その見通しというものはないじゃありませんか、現実にここに一千億なり一千五百億なりの余裕財源があるという客観的なこういう事実の上に立って、その金をどういうふうにするか。積極施策に、すなわち予算規模を一兆三千億とするならば、なるほどこれは納得ができる。一兆三百億という予算を組んでそれによって国民が福祉を受ける。福祉が増大するから、その分だけ負担にも耐え得るというすなわち国民が税金を納めることによって受けるその犠牲の量とその施策を行うことによって受ける福祉の量、量と量とが合致する、こういうことならば、ある一面において納得ができると思う。ところが私の今申し上げていることは、あなたの方は新規財源を厳選すると言っている、今までの財源もこれを抑制すると言っている。だとするならば、一兆一千三百億をそんなに多く上回るような歳出というものは考えられない、考えられなければ余裕がある、一体この余裕は減税に回すのか、あるいはまたたな上げするのか、こういう形になってくる。そういう立場で私が質問したら、新規財源というものは何が考えられるかわからぬということでございましょう。それで私は、常識的に、われわれもいろいろな重要施策のために、新規財源があるならば、それは大いに考えてもいいのじゃないかと言っている、国民の福祉がそれだけふえるんだから。けれども今申し上げたように、道路から住宅から公社、公団、こういうような財源をみんな本年度切っているのだ。あなたの基本構想によれば、こういうようなものに財源は本年度以上にふやされることはない。財政投融資を通じて、一般予算を通じてあり得ない、そうでございましょう。あるなら言って下さい。ないならば、やはり減税するか、あるいは調節用としてリザーヴするかどうかしなければならぬ、そういう額がおのずからここに浮んでくる。私はその点についてお伺いしているのです。だから、一つこの辺を明らかにしていただきたい。政府といたしましては、大体余裕財源がどの程度と考えられているのか、そしてまた出てくる余裕財源を、基本構想で発表された通りにたな上げする方針であるのか、あるいはただいま大平君に述べられたように、基本構想の中には明確にうたっておらぬけれども、減税の問題も考えているのだ、こういうことであるのか、一体どちらなのか、この点を一つ御答弁を願いたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 考え方に何も異論はない。ただときの問題で、あなたは今言えばとおっしゃるんだけれども、私は今はまだ言える段階になっていないということを申している。これから今あなたがおっしゃるような点を十分検討を加えまして、予算となって通常国会に出して御審議を仰ぐ、こういうふうに申しておるのであります。

春日一幸日本社会党

○春日委員 今井上委員から関連があるそうだから、あとでやっていただきますが、今大蔵大臣は、われわれは毎日のごとくに減税のことを考えているとおっしゃった。全くそうだとすれば敬意を表します。けれども、今現実の問題として、ここに一千億ないし一千五百億の余裕財源が来年は出てくる、あらゆる角度から推算してどうしてもそういうような見通しが立ち得るのです。こんなときに減税を考えているならば、その考えに基いて実行せずしていつそれを実行するときがありますか。だから私は聞いているのです。今あなたは毎日考えていると言うが、考えっぱなしでは何にもなりません。考えて得た結論に基いてこれを実行に移していくということでなければ、これは何も意味をなさないじゃありませんか。何も判じものやクロス・ワード・パズルみたいに考えて、考えっぱなしということではないでしょう。考えて結論が得られたならば、これを施策に移していかなければならぬ。来年度には歳出を本年度程度にとどめれば、一千五百億近く歳入がふえるのです。ふえるならば、それをすなわち減税に移す絶好のチャンスでしょう。毎日お考えになっていることを本日明らかにされる絶好のチャンスではありませんか。来年度においてこの余裕財源を減税に回される御方針はありませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 ただいま御意見のような点は、今後予算案としてごらんに入れることになると思います。

井上良二日本社会党

○井上委員 ちょっと関連して大蔵大臣に伺うのですが、明年度予算編成に当りまして、特に自然増が大幅に予想される、そういう前提に立って、この自然増加がどう使われるかということは、国民が非常に注目しておるところであります。大臣は、今まだその使い方については、ここで明確に言えない、予算編成をやってみないとわからない、こういうのでありますが、本日でもって国会は終るのです。それで、今度通常国会は十二月の中ごろか先でなければ召集されません。そうなってきますと、あなたの方は、すでに予算編成にかかってしまうわけです。そこでわれわれは、予算編成されて、それでどうこう議論してみたところで、結論がきまってしまいますから、きまらぬ先に私どもとしては、十分国民の声を政府に取り入れさせたいという立場から、ここでいろいろ聞こうとしておりますから、その立場は御了承願わなければなりません。  それからいま一つ大事な問題は、大臣が繰り返し御答弁をされておりますことを伺いますと、なるほど明年は自然増が相当予想されるが、それかといって、それを経常的な減税に充てた場合に、将来の歳出その他を予想するときに、どうもそこらはもう少し検討しないと、今ここで軽率に経常的収入に影響してくる減税を直ちに取り上げるわけにはいかないという、そのお気持は私にもよく了解ができます。できますが、われわれいま一つ角度を変えて伺わなければなりませんのは、すでに本委員会でも予算委員会でも明らかにされております通り、大体本年度の自然増、それから明年度の景気の見通しによる輸出貿易の上昇というものについて、政府の構想が発表されております。それによりますと、本年度よりもさらに明年度の輸出は約四億ドル伸びる、こういうことが言われております。同時に国際収支自身も、それに伴って黒字になってくる、こういうことです。そういう一つの見通しを立てております以上は、当然国民の所得もそれに伴って上昇するというここに一定の見通しが打ち出されることは当然であります。そうなりますと、その結果からきます税の自然増は、当然予想されることであります。そうなりますと、ここで二百億や三百億の減税を具体的に打ち出しましたところで、それが明年以後のわが国の経常予算の上に大きな支障を来たし、また非常に大きな何かやらなければならぬ大事業でもありすまれば別でありますけれども、今の日本の経済の度合いによりまして、わが国の経済の実情から考えまして、そう大幅なとてつもない大きな臨時支出を要求します、また経常支出を要求します歳出要求というものは、予想されないのであります。そうなりますると、さきにも春日君の質問しておりますように、大体明年度の政府の予算編成の基本構想から割り出しますならば、大体そう無理のない予算が組まれるのではないかと思うのです。そうなら、ここで二百億や三百億の減税の財源を見ましても、それによってわが国の財政にそう大きな打撃を与え、将来大きな禍根を残すような結果は生まれぬのじゃないか。こういう常識論的な見通しに立っての質問をしておりますから、これには大臣がもう少しやはり国民を納得させ——特に予算編成前に、国民がこの自然増に関連する減税問題について、非常に注目を集めておりますから、これは一つ大蔵大臣にぜひお願いしたい。  それから特に大蔵大臣に申し上げますが、あなたはどっちかと申しますと、はなはだ失礼でありますけれども、長い間銀行の仕事をされておりまして、その経営についてはきわめて有能な手腕を発揮されておる。その名声はかくかくたるものがあったのであります。ところが今度大蔵大臣という国の大きな財政を受け持ちます場合には、一方において非常に大きな負担にしていられて生活を圧迫され、かつ重税のために仕事も営業も商売も非常に困難な国民が多数おることは御存じの通りであります。この際そういう余裕財源があるときに、これは一萬田大蔵大臣が減税してくれたんだ、一萬田税制改革によって減税が断行されたんだ、大蔵大臣の在職中にこれだけの政治的な効果を上げた。大蔵大臣のやる仕事というものは、一つは収支のつじつまを合せること、減税をすること、あるいはまた合理的な増税をする、あるいはまた一方金融を正常化すること、それがあなたの仕事ではありませんか。その三大柱の一つであるその減税をあなたの時代にやったら、国民から喜ばれるのです。それを何でもやれというわけではないのですから、そこは一つ国民をして安心さすのが一番だという答弁をして下さい。それを期待します。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今御意見のような点は、何も私は無視しておるわけではないのでありまして、先ほどからしばしば申し上げたように、十分検討を加えます。ただそういうことは、今結論は出す時期でないということを申し上げておるのでありまして、十分検討を加えたいと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 それでは、何べん言うても何ともかんともわけがわからないので、一つだけわけをわからしておいてもらいたいと思います。この臨時国会の召集された最初に開かれた委員会、十一月四日に、私はこの問題にも触れて大臣に御質問をいたしました。それは、この問題ではこういう工合に質問いたしました。歳入と歳出との均衡を保たしめるということは、最小の犠牲をもって最大の効果を得るといういわゆる経済上の原則、予算編成上の大鉄則ということになっておる。従いまして、これを景気調節のための余裕財源としてリザーヴすることは、財政学の定説をじゅうりんし、今までの前例をほとんど無視したやり方であるから、これはよろしくない、すべからく検討すべし、こういう質問をいたしておる。それに対する大臣の御答弁は、率直に申し上げますと、たとえば景気調節の資金としてたな上げすることが財政法上適当、不適当という御議論は、りっぱな御意見であるかもしれません、私はそのところは今後十分研究しなければならぬと思います、こういう工合に御答弁になっておるわけです。本日この事柄は、あなたが明昭和三十三年度の予算を編成されるに当って、たな上げするか、減税するか、この最後の決断を下されるに必要なる大前提となる事柄であろうと思うのであります。これは、重大問題だから研究しなければならぬと述べられておりますが、御研究の結果いかがな結論を得られましたか、この点お伺いいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 どちらにしても、法律に違反するようなことはできないのですから、私はこの違反はないと思います。また違反がないように処理するのでありますから、その点については、特に問題にされることもなかろうと思っております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 これは、財政学者やその他それぞれの権威者についてわが党が調査いたしたところによりますと、財政学上の定説はそこにある、予算編成の原則は、この一点を最も重視しなければならぬ、こういう意見のもとに、われわれはこういうような論議を立てておるわけであります。従いまして、こういうふうにこの権威者たちは述べておるが、大臣のこれに反する考え方、すなわち景気調節のためにたな上げするというやり方は、こういうような原則や定説に全然逆行すると思うがどうかと言ったら、これは重要な意見だから、大いに研究しなければならぬ、こう言われておる。ただいま井上委員からも話のありましたように、あなたは金融問題については一家の見識をお持ちでありますが、財政学あるいは税法は、全くずぶのしろうとではないかと思う。従いまして、当然御研究があったと思うが、御研究の結果はどうでありましたか、これを伺っております。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、法律に違反することはないと確信しております。すでにそういうふうなやり方は、国会も御承認になっておることで、たとえば産投特別会計に入れておいて、これはその年度に使わないという行き方は、すでに前の例もあるわけでありますから、これは前国会でもおそらく御承認になっておると思います。これは、全く余裕財源を景気調節のための資金に充てるというように確信しております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 産業投資特別会計は、これこれの産業を国家経済の発展のために育成するのに必要な資金として、政策目的が明確になっておるのですよ。産業投資特別会計は、大体大きなワクはありますけれども、ワクははまっておる。何に使うか全然わからないということで、たな上げすることでは全然ありませんよ。そういうような詭弁を弄しては困る。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 何もわけがわからないでたな上げするようなことは、だれも申しておらない。景気調節資金としていかに処理するかは、今後その姿を検討していくというふうになっております。

春日一幸日本社会党

○春日委員 どういう工合に構想されておるか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今後これは予算編成につれて検討していく。何度も今、今という御請求ですが、山に登りかけて、山のふもとにおるときに、頂上から見た景色はどうかと言われてもわかりません。(笑声)

春日一幸日本社会党

○春日委員 またむちゃくちゃなことを言う。私は今ごろ山に登りかけてふもとの二合目、三合目なら、そんなことは言わない、六月、七月ならこんなことは言わない、十一月の半ばではないか。各省から予算要求があなたのところにいっている。各省から予算要求があなたのところにいっておって、言うならば、九合五勺で山のてっぺんはすぐではないか。こんなことがわからないはずはない。今国会はきょうで終る。この問題を中心としてしばしば論議を行なっておる。山の頂上はまのあたりだ。ふもとではありません。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 それでは、引き続いて横山利秋君に発言を許します。

横山利秋日本社会党

○横山委員 引き続いて質問をいたしたいのでありますが、きょう大蔵大臣は、よろいを着てここに来ておられるような気がします。一体今日のこの委員会並びにその質問をどういうふうにあなたは見ておられるのであるか、先ほどからあなたの話を聞いて不可解に思っております。あなたは大蔵大臣になって、今白紙の立場で答弁をされておるのではないかと思います。私はその意味で、井上委員もおっしゃったが、あなたもまた一合目からずっと上っていくのだという話でありますけれども、あなたの一合目で言われたことや二合目で言われたことを基準にして質問申し上げたいと思います。  一番最初に、そうあなたと私どもの間に意見の相違がないのは、来年度の収入の問題です。国民は今収入が相当あると見ている。ここで国会の議論を通じて明らかにされたことは、まず第一に、来年度の自然増収の見込みである。これは、ことし千億あるから、来年度も千億あるだろうとおっしゃっている。しかし考えまするに、この間予算委員会でおっしゃったように、鉱工業生産を四%、国民所得の増加を三%見込んでおる。そういう立場で、税については、来年度もことしの自然増収と一諸であるという言い方が、少し問題が残っておるわけであります。ことしと来年度が変りがないであろうということを、この鉱工業生産と国民所得の増加とにらみ合してどういうふうに説明をされるか、それをまずお伺いいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、数字的には鉱工業生産が四%、国民所得が三%増、こう言っておるが、大ざっぱに言って、景気はまあまあ横ばいという状況じゃないかと大観をいたしております。そういたしますと、それは、税との関係におきましては、主税局長がおられますから、もう少し御納得のいくような答弁があるかもしれません。むろん税になると、所得関係によって、階層によって、三十三年度の税収が三十二年度の税収と違うようなことになることもありましょうと思いますから、すぐに景気から税がどうということも申し上げかねるのですけれども、あるいは幾らか、たとえば法人税なんかからすれば、若干三十三年度の方が少いと見る方がいいかもしれません。しかし大ざっぱに見て、似たようなところと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなた自身もその矛盾に気がついておられるのではないか。大ざっぱに景気が横ばいだといっても、経済企画庁並びに政府の国会における正式な答弁というものは、三%、四%の増加なんです。国民所得が増加して税収がそのままであるならば、これが増加しないということはない。私はその点についても、片一方ではその増加がありながら、片一方では税が千億の自然増収、ことしも来年もそうだというところに一つの問題がある、これが第一。  第二番目に、去年の予算で補正予算を組みました。その補正予算は、本年度国の支払うべき問題を含めて補正予算を組んだのであります。問題は、ことし千億の自然増収が出るのだが、これを一体補正予算をお組みになる気持があるかどうか。去年のように、来年の歳出をも補てんするような補正予算をもし組むとしたならば、これも実質的に来年の歳入増加という結果になるのでありますから、ことしの千億をどういうふうにお使いになるか伺っておきたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 なお今後検討を要しまするが、今のところ補正を組む考えを持っておりません。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 先ほど国民経済、鉱工業生産、そういうものが三%なり四%伸びる、それなのに全然横ばいというのはおかしいじゃないかというお話がありましたので、その点について御説明をしておきたいと思います。  おっしゃる通りのことが、総税収の半分以上については大体当てはまるといってよろしいと思います。それは、法人税と申告所得税は、ちょっと別な事情があるのです。それ以外の源泉所得税、それから各種間接税、そういうものはおっしゃる通り、大体国民所得がふえますれば、それに応じて若干の伸びの上下はありますけれども、伸びるということは確かであります。しかし法人税、申告所得税というものは、事業所得に対する課税であります。事業の所得は、御案内の通り景気がよくて、物価もだんだん上ってくるというような状況のもとでは、仕入れた原料品の値段が、売るときには高くなっているから、高い値で売れるというそういう一時的な利益が入るわけです。最近の引き締めまでの実情においては、そういう一時的な利益が入ってきている。それがやっぱり本年度の非常に大きな増収になってきているわけであります。それが物価の増がない、経済の伸びも小さくなるという場合には、そういう一時的な利益がとれちゃうわけですから、総体的に景気のよかった前の年度に比べて減ってくるということがあるわけです。その減り方は、景気の波動の程度によるわけでありますが、従来の例からいって、一割くらいの減ということがあり得ないことではない、かなりあった時期があります。法人税、申告所得税では、大体四千億円、総収入の四割ですから、四割について一割減るということは、総体について四%減るということです。それでほかのもので三%、四%ふえていても、とんとんであったり、場合によってはマイナスが出たりすることもあるということで申しておるのでありまして、御了解願いたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それは理屈というものです。私はここ数年来の当初予算と、それから決算の数字を見ると、毎年々々莫大な自然増収があり、それによって補正予算が組まれ、それによって明年度の財政の仕組みが行われているわけであります。それにもかかわらず、来年は自然増収がことしの決算に比べてプラスがないということは、いかに今日のような引き締めが継続されたとしても、先ほどからの大蔵大臣のお話を聞いておると、そういうことはなさそうでありますが、総体としても、ことしの決算と来年の決算が一緒だという理屈は断じて承服し得ない。  第三番目は、ことし租税特別措置法を改正いたしました。それが平年度になりますと、ことしの増収と、それから来年度の平年度における増収とどのくらい違いがありますか。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 特別措置の整理によります三十三年度における増収は、約百五十億円というふうに見当をつけております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 すると、ここにまた新しく租税特別措置法の改正による増収が、来年度百五十億円くらいふえてくることになるわけであります。それから大蔵大臣が予算委員会でも答弁をされたのでありますが、予算の節約をしたいということを言っておられる。これはどのくらいの規模になるか知りませんが、少くとも以上通観してみまして、第一に、来年度の自然増収が、あなた方をもってみても千億以上である。それから第二番目に、ことしの決算自然増収が千億ある。これをかりに補正予算を組んで、昨年やったように、明年度に支払うべきものをここで繰り下げて払うとしたならば、これも実質的な増収ということになる。租税特別措置法で百五十億、そういうことになるでありましょう。先ほど話がありました三十一年度の剰余金一千一億、これが国債に償還をされて、いろいろ地方に配付されて、その残りが四百三十六億、これがある。そういうふうにいろいろ考えてみますと、先ほど春日委員が質問をいたしました中にさらに加えていきまして、まことに明年度は豊富な自然増収があると見なければならぬ。この豊富な自然増収を、多少の食い違いがあなたと私にあっても、最低線をもってしても、豊富な自然増収をどういうふうに使うかということであります。  今度は、第二段に入って、税についてあなたが今まで言われ、そうして判こを押されてきた。そういう立場から質問をいたします。それは閣議の決定事項であります。閣議の決定事項は、第一に歳出の実質的増加を厳に抑制する。第二番目に、既定経費を徹底的に再検討して、その節減をはかり、新規経費については、最重点事項を厳選する。その次に、その節減によって生ずる財源余裕は、将来の景気調整の財源とする。財政投融資の規模は、三十二年度の実行額の範囲内に押える。地方財政も国の財政と同一の基調によってその規模を抑制する。この閣議決定による来年度の予算編成の方針は、大臣は今もその方針に変りはありませんか。これをまずお伺いいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 変りありません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これはまさに基本構想でありますから、この中に税についての言葉が何ら入っていないということは、私は、少くとも基本構想については減税をしないという建前に立っておるのではなかったか、こういう判断をいたしますが、いかがでしょう。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 税について検討を加えることは言うまでもありません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 語尾が少しはっきりいたしませんでしたが、基本構想におけるが、基本構想における立場というものは、税はなぶらない、こういう立場ではなかったかと聞いておるのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 必ずしも否定はしておりません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それでは逆の立場からお伺いいたします。景気調整基金制度は、あなたは責任を持って断行しますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 断行する決意でおります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これについては大きに議論がございますが、しかしあなたの包蔵しておられる、判こを押され、かつ言ってこられた点について順を追うて質問するのですから、お忘れないようにお願いしたいと思います。  次に、先ほど先般の大蔵委員会で聞きました減税預金制度であります。減税預金制度について、あなたは本大蔵委員会において、その構想を明らかにされ、そうして細目は別としても、これを実施したい、こうおっしゃいましたが、今変りありませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは、案のでき次第にもよります。しかし私はやりたいと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたは、そのときに、税をなぶるとしたならば、法人税、事業税をまっ先に手をつけるべきであると発言をされましたが、これも変りはありませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 まっ先に手をつけると言うたか、私記憶にはっきりいたしませんが、そういうものがまず考えられるのではなかろうかと、こういう意味で言うたつもりであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 このことは、本委員会ばかりではありません。あなたは、ほかの委員会でもおっしゃっておられるのであります。ここで、私は速記録を出して、あなたの言われた言葉をそのまま正確に伝えてもよろしいのでありますが、そういう水かけ論をしたくはありませんので、あなたが言ってきたことからいうと結論的にどうなるかということを、順を追って質問をいたしておるのであります。法人税、事業税が今日の税制の中で優先的に考えられてしかるべきであるという議論は、いかなる理由から出てくるのでありましょうか、それをお伺いいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、大体税制調査会の答申によっておるのであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 税制調査会における答申において、本年度の税制改正で実施がまだできなかった点がございます。それはどういう点とどういう点であるか、原主税局長にお伺いいたします。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 一般的な面について言いますれば、法人税の税率四〇%を二%下げることを、これはできなかったというよりも、昨年の答申において、三十三年度からやるべきだろうということでありますから、時期はこれからの問題であります。それからただいま話の出ました事業税の関係では、調査会の答申は、一律に二%を下げるということが、個人、法人ともそういう方針であったと思います。それが個人の場合は五十万円以下、法人の場合も百万円以下でありましたか、についてだけやったということになっております。その他特別措置の面で、米穀の供出に伴う所得、それから社会保険診療所得についての課税の特例というようなものは、まだ調査会の答申通りになっておらない。逆に貯蓄の面におきまして、利子所得の扱いにおきましては、答申よりも若干優遇措置を存続するという形にいたしております。配当所得においては、答申よりもよりきつい線を出しておるということになっております。生命保険料の控除は、答申は別段ございませんでしたが、限度を引き上げております。ただいま宙で申しておりますので、若干漏れておる点があるかもしれませんけれども、おもな点はそういうようなところであったと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そのように調査会の答申において実行ができなかったこと、また将来に関すること、多くあるのにかかわらず、大蔵大臣はしばしば優先的に法人税、事業税を採用すべきであるというあなたの見解はどこにあるかという点であります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、税制調査会で答申されておるのを詳しく一々列挙して考えて、そうしてこれよりもこれがという意味で申したのではありません。第一減税をするか、それは今のところわかりません。かりにするとすればどういうものをするか、こういう程度の御質問でありましたから、それならば、私の当時の記憶からしまして、また従来の考えからして、まあ法人税とか事業税をやろうか、こういう意味で申したのであります。いよいよかりに実行するとなれば、検討を加えなければならぬこともありましょう。そういう意味で一つ御了承願います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大臣胸に問い、腹に答えて、あなたの今の答弁は、ほんとうに誠実であるかどうか考えてもらわなければならぬ。あのときはただ思いつきに言ったのだということでは、これは街頭で何かおしゃべりになってもそうだけれども、ちょっとそれは問屋がおろさぬといわなければならぬ。先般おなたが法人税、事業税に手をつけるべきだと言われたことは、全国の納税者が知っておる。それによっていろいろな運動が起っておる。それによって自民党が動いておる。それによってまた大蔵省では作業をいろいろしておるではありませんか。それを追及すれば、いやそうではないのだ、よく見てないのだ、答申はわしは知らぬのだ、何となく思い出したのだ、そういうような答弁では、大臣あまりに無責任過ぎはしませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は前段におきまして、そういうふうに納税者の利害からいろいろ運動するということが起らないように、むしろ前には、私は減税については今考えておりませんということをはっきり申しておる。しかしかりにお前はどうすると言われれば——そういうかりのことについては、むしろ答弁せぬ方がいいかもしれません。しかし私は、御質問がありましたから、かりにするとすればということであったのであります。それをいろいろ言われると、一切かりのことはもう答弁ができぬということになっても私は不自由じゃないかと思って、御答弁したのであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大いに議論のあるところでありますけれども、これは聞いておられる人にはよくわかる話でありますから、先へ進みましょう。あなたは税制調査会に大蔵大臣として諮問をなされておる。その諮問は、今日一番最初に行われたのは相続税である。相続税の改正を明年度なさるつもりがあるのかどうかお伺いいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは今税制調査会にお願いをして、御審議を願っておりますので、答申をよく見た上のことにいたしたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 ところが相続税を税制調査会にまっ先に諮問をせられ、それを中心にして審議会が審議をしておるという事実を御存じないのですか。それは一体来年度の予算の中に組まれるものですか。税制改正を行われる立場においてあなたは諮問されているのですか、一体いつごろまでに答申を出せと言っているのですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 相続税につきましては、私の前任者が諮問いたしております。それについて調査会が御審議しておるわけであります。その答申を一つ私も見たい、かように考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 きわめて奇怪な答弁であります。私の前任者がやったことで私の知らぬことだ、けれども答申が出たら、一ぺん見てみようというような言葉に受け取られるのであります。一体前任者であろうとも、相続税について税制調査会に諮問を発するに際しては、大蔵大臣たる資格をもって諮問をされておるはずであります。その答申が出たときに、おれは知らぬのだけれども、答申が出たら一ぺん見てみようか、こういうお気持でありましょうか。私が聞いているのは、作業が進行しておるのであるが、相続税の改正をするつもりがあるのかないのかということを聞いている。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 いや、私は何も、前任者が諮問したから、自分は前任者のしたことは知らぬのだ、そんなことを言うているのではありません。こういうことを何も時間をとってかれこれ申すことはありませんが、そういうことでないことを御了承願います。お前がしたのじゃないか、お前どういうつもりでやったかと言うから、その辺を明らかにするために、一応これは前任者がやった、もちろん私もその必要があって諮問を続けさせておるのですから、今日において私がやっていると申しても差しつかえない。諮問をして審議を願っている以上は、相続税について改善したいという考えがあることは申すまでもありません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 次にお伺いしますが、八月の当委員会で間接税についてあなたに質問をいたしました。当大蔵委員会は、通常国会において満場一致、間接税について次期国会で改正すべきである、こういう決定をいたしたのであります。八月にあなたに聞いたら、あなたは、わしはそんなことは知らぬというような顔をされた。それでじゅんじゅんといろいろ経緯をお話ししたら、その次の税制調査会へ間接税について諮問をされ、人員を増加され、その審議が進んでおるのであります。この間接税はいつごろ答申され、その結論については、大蔵大臣はどうされようとしておるのか、お伺いします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 間接税については、御趣旨のようなこともありますし、私はできるだけ早い機会にと思って、もっと前に税制調査会に諮問をしておるわけであります。ただいまこれは審議中でありまして、近いうちに答申があると思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 近いうちにというのは、間接税部会の答申はいつごろ出そうで、しかも政府としては、それを明年度の税制の中で検討する用意があるのかないのか、それをお伺いいたします。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 間接税に関する調査会の審議は、非常に慎重にかつ客観的な実証的な研究をしようという線で動いておりますので、通常国会に、御要望の間接税体系全部の改正をするという案は、間に合わないと私は考えます。ただし当面どうしても必要な問題については、その部分について御答申があるだろう、それを拝見して、政府としてはどうするか考えたいという気持でおります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 まことに怠慢であると同時に、無責任だと私は思う。間接税部会を設置し、その人員を増加し、体裁だけをつくろって、しかもまだあれ以来積極的な努力もせず、時間もあるのに、来年度の税制改正については間に合わないときめてかかっている態度は、全く無責任だと思う。私は、これは世論の批判に十分にまかせたいと思う。  次に地方交付税であります。二六%を一・五%ふやすということについては、先般の大蔵委員会においても大臣から答弁がありました。その後さらにいろいろな方面からの陳情も行われ、自民党も決定し、それと同時に、委員会においてもあなたは答弁をされているのであります。地方交付税を改正して一・五%ふやす決意があるのかどうか、これを重ねて質問をいたしておきます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 明年度の予算編成の具体的事項については、ただいま申し上げる段階にありません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたは、私のこの間の質問に答えて、国会及びそれぞれの党が行なった一・五%を増加すべきであるという決定については、尊重するとお答えになりました。その気持に間違いありませんか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、交付税の従来の経緯、それについて政府として従来とってきた態度、みなよく承知いたしております。従いまして、そういう事態については十分尊重いたすことに変りはありません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 尊重するという言葉が、一・五%実施しない、こういう意味ではないと思いますが、いかがでございますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 具体的にどうするかは、三十三年度の予算編成のときに全体の関係において考えるつもりにいたしております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私は、今突き詰めて質問しようとは思いませんが、しかし先般及び今回地方交付税については、院議の決定その他を尊重するというあなたの立場をもって、一応次へ進みたいと思います。  本大蔵委員会は、通常国会において入場税に関する議決をいたしました。これは、参議院へ回って継続審査となりまして、参議院でさらに検討をいたしているのでありますが、純演劇に対す軽減について、あなたの方は税制調査会にこれを諮問されたそうであります。いかなる立場をもってそれをなさいましたか。衆議院の議決についてさらに再検討をしてくれということでありましょうか。まことに衆議院を軽視するもはなはだしいと思います。何の理由をもって入場税を税制調査会に諮問をしたか、一体入場税についての衆議院の議決について批判をする権限と責任があなたの方にあるでありましょうか。映画その他もすべて含んで、入場税を全般的に検討するというならいざ知らず、衆議院の議決を資料として提供し、これをいいですか、悪いですかというがごとき態度は、まことにけしからぬと思う。いかなる理由であるか。同時に、一体入場税について政府はどういうふうに考えているか、それをお伺いします。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 大へん意外なことを承わるものであります。国会で御審議の議案でありますから、国会からお話がなければ、その議案について私どもがかれこれいたすことはいたすべきでない、またいたすつもりはございません。しかしながら、先般二十六国会の終りにおいて、参議院で継続審査に付するということを決定せられました。夜中の大蔵委員会で私に対して、本件については、気持はみな非常に同感だけれども、法案の作り方についていろいろ問題の点が多い。それらについて十分政府において検討して、何か政府が満足な、というとなんでありますが、それらの点を改めた案を出す意思があるかどうか、出してくれぬかという意味のお話がありました。私それに対して、努力いたしましょうと答えたわけであります。国会からの御負託によって私どもは勉強しておるということでございますから、おとがめいただく筋はないというふうに思います。従いまして、間接税体系における入場税を全体としてどういうふうに考えるかという問題は、非常に大きな問題になりますので、先ほど申しました間接税体系全般の検討の一環として考えるということで、これは先ほど怠慢だというふうにお話がありましたけれども、私はこれは必要だというので、春から、この仕事は抽象論ではいけないぞ、やはりデータをしっかりつかんだ、どういう物資にどういう所得が裏づけされ、またどういう担税力が裏づけされているかということをはっきりつかんだ上でなければ、こういう問題は結論を出してはいかぬという考えで、春から政府部内の統計の方面に連絡をつけまして、非常にじみではありまするが、着実に仕事をやってきております。それがある程度できたところで、調査会も増員して検討を始めているということでありますので、そのおとがめも、そういうことをお聞きの上御了承いただきたいと思います。従いまして、ただいまは、先般こちらでお作りになりました国会からの御注文について私ども今検討しているということでございます。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 私からその点にちょっと念を押しておきますが、参議院から委任せられた事項は、あの法案の修正に必要な参考というのか、それとももっと合理的に考えて、政府からあらためて出す意思があるかどうかということを意図されたのか、その点はどうなんですか。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 その点については、私の印象では、あとの方に考えております。つまり合理的にして政府から提案してくれないかというふうなお話であったように思いますが、確実には、なお速記録を見て申し上げたいし、またそういう時期のことでありますから、それぞれの向きにおいて御意思がどうであるというようなことが別にありますれば、それはそれでなお伺って善処いたしたいと考えます。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 これは調べてみなければわかりませんが、現に法案を継続審議しておるのですから、それを新たに政府から出す意思があるかどうかということについて努力しましょうというやり方は、私は政府の行き過ぎだと思うのです。もっと突っ込んで言えば、一事不再議の原則の違反にもなるのじゃないかとも思われるのです。そういうことは、私は軽率に答弁されるべきではないと思う。私から厳重に注意したいと思いますと。

横山利秋日本社会党

○横山委員 委員長からの御注意もあるようでありますが、われわれとしては、衆議院で議決いたしました入場税がいつまでたっても——あなたのお話をもってすれば、慎重にやっているのだとおっしゃるけれども、 いつまでたっても日の目を見ないことについて、限りないふんまんを持っているわけであります。調査なら調査でよろしい、しかし委員長の意見も十分に考えてもらわなければ困る。すみやかにこの入場税が国会を通過できるように、あなたの気持も整えてもらわなければいかぬ。通常国会ということになると思うのでありますが、入場税の改正に対して、今大蔵省としてはどうした立場に立っておるのかどうか、これを伺っておきます。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 ただいまの委員長のお話でありますと、どうしたらいい法案に修正できるかということについての政府の考えを出せということのように伺います。その点は、参議院の委員会のことでもありますので、十分確かめていたしますが、ただいま私どもが勉強いたしておりますのは、そのとき問題になりまして、御存じのところでありますが、純演劇ということで区分がどうであるかという問題が第一、もう一つは純演劇、純音楽、純舞踊というようなものとの間のバランスをどうするかというような問題が第二点、それが大きな問題であります。そのほかいろいろこまかい問題はあったと思いますが、そういう点についていろいろ勉強いたしております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 次に、先般の大蔵委員会において減税の議論が行われ、大臣からいろいろと減税についての答弁がありました。その直後、税制調査会に、来年の減税はいかにあるべきかという諮問をなさいました。いかなる理由でいかなる点を諮問されたか、お伺いをいたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 税制調査会に私が出まして、そのとき私が申し上げましたことについての御質問と思いますが、私は皆さんに対しまして、税のことについては、常に大蔵省として、また大蔵大臣として考えなくちゃならぬから、その意味におきまして、税制について御注意を受けるとかいろいろ御審議を願いたい、そのように私はごあいさつをした、その程度であります。  それからもう一つ、私がお願いいたしましたのは、これは御質問以外になるかもしれませんが、私は貯蓄増強について税の特別措置もしたいが、私の考え方は、大衆の預金について特に税法の措置をとるという考えなんだから、そういうことが税のテクニックの上などにおいて可能であるかどうか、そういうことも考えてほしい、これだけ私、ごあいさつ申し上げたわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたは税制調査会に諮問をして、税制調査会が明年度の税制改正について答申をすることを求めておられるのですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 特に具体的にどういうふうにということは、一般的な税については、何も私諮問をしておりません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そういたしますと、税制調査会がこれから作業をすることは何か、何の作業をすることになっておりますか。原局長でもよろしいから、正確にお答えを願います。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 ただいま一つは相続税の問題であります。これは相続税法全般にわたる大きな範囲の広い御論争が行われております。  それから間接税関係は、体系論は非常に広くかつ奥行きの深い問題で、先ほど申し上げたような腰がまえで鋭意やっておりますが、これは相当時間がかかりそうであります。  その他、当面措置を要する事項について答申をして下さいというのが第三番にございます。その一つに、ただいまの入場税の持っていき方をどうするかという問題も入るかと思いますし、その他今後事情に応じて若干の事項が加わるかもしれないと考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 明年度の税制改正について、調査会が意見を述べ、結論を出し、それを答申することは許されておりませんか。

原純夫大蔵事務官(主税局長)

○原政府委員 その他当面改正を要する事項というものは、いろいろ項目があるわけでありますから、その他当面改正を要する事項の一つとしてこういうものがあるということであるならば、調査会として御答申なさることに何の妨げもないわけであります。

横山利秋日本社会党

○横山委員 一応あなたの方で問題となっております点をあげましたが、大臣の言葉をもってすれば、一合目から今九合五勺目までの過程を考えますと、当初においてあなたは、予算の基本構想、これに含まれる中で、税制改正については取り上げない立場でありました。現に九月十日でありますが、大蔵省はいろいろな角度で、来年度は減税をしないという立場を発表いたしているのであります。ところがその後急遽間税部会を設置して人員を増加し、間接税の諮問をいたし、十月二十三日には大臣が記者会見をされて、減税をしないような、するようなという方向になってきました。十月二十一日には自民党からあなたの方に申し入れがあった。それから本委員会は、十一月四日にこれを取り上げて、減税の問題を論議した。それからあなたの方は急遽審議会に、いろいろな言い方はあるけれども、来年の減税はいかにあるべきかという雰囲気を投げかけているわけです。かたがた当大蔵委員会は決議をいたし、その決議については、前大蔵大臣池田勇人氏が車中の記者会見をもって、これを尊重する旨の発表をいたしました。こういう過程をずっと続けて参りますと、大臣は今白紙の立場ではないはずであります。あなたが今まで言われ、答弁し、そして決定をしてきた過程というものは、明らかに国民諸君、納税者は、大臣が減税をする、こういう気持になったと判断をいたしておるのであります。今まで御答弁をなさったいろいろな諸税についても、あなたのいろんなお話を聞いてみますと、減税をされるというふうに判断をするのは、おそらく三歳の子供でもできることではないか。かてて加えて、来年度の自然増収というものは、先ほど私が推算をしてみても相当大きな額であります。  そこで大臣に、今度は第三番に根本的な考え方としてお伺いをしたい。それは、あなたは、国の活動というものを十分考えて、なおかつ恒久的な税収入が多いなら、これはなるべく納税者に返すということを各所で言われておる。ここでも言れておるのであります。この気持というものは、あなたの税を貫く根本原則でありますか、それをお伺いします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は、原則的に申しまして、減税をする財源があり、かつ減税することが適当とすれば、これは減税をするのがよろしいと思う。それは、私は何も異論はない。ただ三十三年度になってくると、日本の経済を立て直すという特殊事情があって、これが第一の項目になるから、これを阻害するかせぬかということが非常に重大な問題である。第一予算についても、いろいろなことを考える場合に、なるべく最近のデータで日本の経済の現状を把握をして、同時にそういう把握に基いて、今後どういうふうな政策をとればどういうふうな推移をするだろうということを見まして、それでそれに照応するように来年度の予算は組まなくてはならぬ。こういう見地にあるので、原則的に申しましての御質問とすれば、その通りと私は御答弁します。

横山利秋日本社会党

○横山委員 そのことを平たく言って、あるいは理論的に言えば、先般もあなたおっしゃったが、税というものは公平の原則に立たなければならぬ。同時に、応能の原則に立たなければならぬ、こういうことになるわけです。あなたは先般も、なるべく公平に、なるべく高い税金を安くして、そうして能力に応じた税制を作りたい、こうおっしゃったのでありますが、今まであなたに質問をしてきた過程からいっても、一番今税によって苦しんでおるのは、生活費に税が食い込んでおる人々であります。零細企業であります。勤労所得者であります。農民であります。そういう生活費に税が食い込んでおるという人々に対して、あなたは今日まで減税をしていないのであります。あなたのやられた減税というものは、そのほとんどが——これはあなたも偶然その場におられたかもしれません。しかし責任はやはりあなたにあるのでありますが、あなたの減税というのは、すべてといっていいほど政策的減税であります。輸出免税であり、預貯金のための減税である。私はそれ全部が全部悪いとは言いません。言いませんが、口を開けばあなたは公平の原則であり、応能の原則であると言いながら、その原則に沿った減税が行われていないということをどうお考えでありましょうか。私どもは、税というものが公平でなければならぬということなら、あなたと意見が一致しておるはずであります。税が生活費に食い込んではいかぬという点についても、異存のあろうはずがないのであります。それにもかかわらず、一萬田税制というものは、今日そこへまだ一歩も入っていないのであります。来年度の自然増収は、先ほど私が推算をしてみましても一千億以上、三十一年度の剰余金は四百三十六億、租税特別措置法による増収は百五十億、本年度の剰余金をもしあなたの方が去年やられたようなやり方をするならば、これまた数百億の増収となり、さらに基本構想にあります節約をここへ績み重ねていったならば、まきに二千億になんなんとする増収があるわけであります。かりに万一あなたが、景気調節金が絶対必要で、私の政治生命をかけてもやると言うても、私どもには異論があるのでありますが、かりにそれをやりても、なおかつ相当の大幅減税ができるわけであります。できないことは断じてないのであります。あなたの言う来年度は、特殊事情がある、百歩譲ってこれを許して、なおかつ大幅な減税ができないという理由はどこにありますか、それをお伺いします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 御意見は尊重いたしまして、今後予算編成のときにとくと検討いたします。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あなたの答弁は、私どものというよりも、国民のすべての階層の切実なる要望に対しての答弁としては、まことに私はお粗末だと思わざるを得ないのであります。こいねがわくは、きょうは臨時国会の最終日、しかも新聞は、大蔵省の今日のあり方、大臣の答弁、私どもの質問を通じて、自分たちの気持が十分に大臣の耳に届き、政府の耳に届き、政府がいかにこれに対して反応するかということをかたずを飲んで見ているわけであります。あなたは責任をもって答弁をされるべきはずであります。現に先ほどからるる私が諸税について聞いてみました過程で、あなたはそれなりに答弁をいたしておるはずであります。しかし最後に、それではどうかと言うと、あなたは全く元へ返って、もうきわめて平板な答弁であるということは、きょうのあなたは、口にどういうふたをはめてこられたかは知りませんけれども、まことに私は遺憾と存じます。しかし時間もおそくなりましたから、私は委員長にお願いをいたしまして、以上の質問を集約いたしまして、一つの動議を出したいと思います。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 横山君、ちょっとお尋ねしますが、動議はどういう性質のものか、ごらんのように与党が一人もおりませんから、動議の性質によっては諮り方が違うと思うのですが……。

横山利秋日本社会党

○横山委員 それでは動議の説明をいたします。

春日一幸日本社会党

○春日委員 議事進行について。動議は、提出されて賛成者があれば成立すると思うのであります。私はこの機会に明らかにいたしたいことは、本日の新聞にもあまねく報道されておりまする通り、本日の委員会こそは、すなわち減税を出すべきかどうであるか、この国民の重大関心事に触れて重大な論議が行われることが予定されておったのでございます。しかるにごらんの通り、与党委員はかくのごとくゼネストというか、ボイコットというか、この重要なる審議の場所に参られておりません。私は、この機会に坊政務次官にお伺いをいたしたいのでありまするが、政務次官は、政府と国会との連絡係として、また特別の任務を負われるのでありますが、一体かかる事態はいかなる理由によるものでありますのか、まずこの点を一つお伺いをいたしたいと思うのであります。これは、作意的にボイコット的な欠席をされておるものであるのか、一体これはいかなる事態であるのか、この点について、国会に対する連絡の任務を負われる坊政務次官から、この事態に対する御説明を承わりたいと存じます。

坊秀男自由民主党大蔵政務次官

○坊政府委員 春日委員の御質問、まことにごもっともと思います。私は大蔵政務次官といたしまして、党との連絡につきましてかくのごとき事態が起ったということは、私としてはまことに遺憾と思いますけれども、かかる事態が生じましたことにつきましては、つまびらかにしておりませんので、この点御了承願います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 私たちはまことに遺憾に存ずるものであります。本日の委員会の論議の中心が何であるかは、今朝の新聞によって明らかな通りでありまして、さらにはその後持たれました理事会等におきましても、本日の論議の中心、さらに一歩進んで、今横山君から述べられんとする決議に関する事柄等についての話し合いも行われておるわけであります。しかるに、それに対する何らの態度を表明されないのみならず、かかる貴重なる論議に参画をせず、故意にボイコットしようというがごときは、国会の審議の責任、義務を放棄したものでありまして、私は、事態はまことに重大であると存じます。本件に関する政治責任は、後日われわれがこれを明らかにすることにいたしたいと存じます。  さて、委員長に申し上げたいのでありますが、ただいまそのような経緯を経て、横山君が動議を提出されんといたしておりますが、動議を提出されましたなら、賛成者があれば動議はお諮りを願わなければなりません。従いまして、それは衆議院規則に基いて、横山君の動議をお諮り願いたいと存じます。この動議の内容が何であるかは、動議の提案者が事前に明らかにする必要はありません。これは今朝来の理事会、その他両党間の話し合いにおいて、その内容については大よそ明らかになっておるのでありますから、われらも賛成をいたしておりますので、議事をそのままお進めあらんことをお願いいたします。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 ちょっと私から申し上げますが、今横山君の発言はしていただきます。いただきますが、春日君の御発言はごもっともだと思います。その通りです。もし今春日君の御発言のような決議案を提出する動議でありますなら、これは、御存じのように、社会党側から数日前からそういう要望を与党側に示しておったわけです。ところが、昨日あるいは本日にかけまして、与党側は回答を二日ほど待ってくれということで本日になったわけです。その結果、与党側としては、どうしても同調しかねる、こういうことになっておるわけです。そういうことの経過等を考えますと、委員長がここで、同調しかねるというものを、いきなりその扱い方について独断をするということになりますと、あとに問題を残しますから、運営上好ましくないと思います。従って、横山君から、もし春日君のおっしゃったような動議でありますなら、動議の題目をここでお聞かせいただいて、題目を伺えば、私の方から、それについてさらに与党側と折衝したいと思いますので、題目を伺った後にしばらく休憩をし、扱い方を研究したいと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 われらが日ごろ敬愛する委員長のお言葉ではありますけれども、それは了解いたしかねるのであります。と申しますのは、動議に反対であるならば、本日ここに御出席あって、堂々とその反論を明らかにされるのが至当だと存じております。賛成であるならば、その賛成の意思を明らかにされるべきであろうと存じます。本日の委員会は、成規の手続を経て開かれた委員会でありますし、さらにまた、その動議提出の内容に触れております。これは、明らかに与党の諸君にも、その原文を示して御判断を願っておる事柄であります。従いまして、賛成であるか反対であるかは、与党の諸君の決するところでありまして、われらのあずかり知らないところであります。けれども、少くとも委員が国会法並びに衆議院規則に基いてその審議権を行使し、ここにその動議を提出せんとするのでありますから、彼らが反対ならば、出て反対すればよろしい。賛成なら、賛成するがよろしい。内容が明らかであるにもかかわらず、ここに御出席になっていないというこの事態において、委員長の御配慮は当然ではありますけれども、しかしながら、ここに休憩をいたしまして、そしてこの動議の取り扱いについてお計らいをなさるということであるならば、今までの経緯にかんがみまして、その必要は断じてないものと確信いたします。従いまして、規則に基きまして、当然この動議をお取り扱いを願いたいと思います。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 今申し上げたように、動議についての発言を許さぬわけじゃございません。これからやっていただきます。ただし、ざっくばらんに申しますと、決議案等々の問題については、従来の慣例上からいって、与野党間の理事会で大体話し合いをなさるわけです。その話し合いの決定によって決議案を出す、あるいは出した場合には、おれの方はこういう態度だという態度のことは、それぞれ違うと思いますが、出す出さんという話し合いをされておる慣例がございます。国会法等の規則をそのままたてにとって出せば、春日君お説の通りでありますが、今までの慣例等もございますから、従って慣例を無視することは、委員長としては、けんか物別れになったわけじゃありませんので、穏当を欠く、こういうことを実は心配をいたしておりますので、その点ぜひ御了承いただいて、これから横山君から——今春日君御発言の動議の内容は大体わかりました。いわゆる決議案ですから、決議案の題目だけをここで一つ御発言いただいて、そこで暫時休憩することをお許しいただきたいと思います。

春日一幸日本社会党

○春日委員 私は、これは前例等もあるので、慎重を期したいという委員長の配慮はよくわかります。けれども、少くとも今までの前例をもっていたしますれば、私もいささかその経験を持つのではありますが、前例をもって徴しますれば、国会に意思表示を行おうといたしまする場合、その動議を提出せんとするときに、賛成ならば賛成である、反対ならば反対である、あるいはまたそれを両党の話し合いによって妥結点を発見することのために努力を重ねる、こういうような前例は幾多もございます。けれども、与党の全員がことごとく退席をして一人もいなくなってしまって、どうぞ諸君はお好きのようにして下さいというような前例はかつてございません。従いまして、私は、円満にお取り運びをしたいという委員長のこの御配慮に対しては、与党の諸君も、これをもって十分了とするでございましょう。従いまして、前例なきこの場合においては、私は、問題が重大であり、しかも国民はかたずを飲んでこの問題の成り行きを凝視いたしております。この期に及んで、かりに休憩いたしまして話し合いをいたしましたところで、この論議の帰趨はおのずから明らかであります。従いまして、私はこの機会に、いたずらにと言っては語弊がありまするから、せっかくの委員長の配慮ではありまするけれども、前例にかつてなき事態でありまするから、委員長の決断においてその処理をなされましても、それは何らとがめを受くべき筋合いの事柄とは考えません。従いまして、私は重ねて恐縮でありますが、横山君が今動議を提出されんといたしておりまするのは、先般来すでに両党間において、その内容については、もう御判断願っておる事柄でありまするから、当然これは衆議院規則に基いて議事の進行をせられるよう、重ねて要求いたします。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕

山本幸一日本社会党

○山本委員長 速記を始めて。それじゃ横山君の発言を許します。題目だけにして下さい。

横山利秋日本社会党

○横山委員 委員長のせっかくのお話でありますから、私はまことに残念ではありますが、決議案の全部を読むことを省略をいたします。しかしこのことは、春日委員からも述べられましたけれども、きわめて残念なことであります。私は先ほどから、大臣あるいは原主税局長に質問をして参りました。その質問の要旨とするところは、基本方針で景気調節資金を設定すると言ったけれども、税制財政については触れずに、結局は若干の改正にとどまるらしい、その内容は何だ、こういう質問をいたしました。またわれわれの委員会は、すでに間接税の決定もあり、政府も善処すると言ったはずであります。千億の減税も、いろいろな状況からいって減税の効果はもうなくなっている。そういう点についても、いささか論及をいたしました。大臣はまた、日本の税制が高く、できればこれを安くしたいという点も認めておられるのでありますから、あらゆる機会において減税をすべきであるという点については、政府としてもうなずかれておったところであります。だから、私は質疑の最後に、来年度の税金というものが非常にたくさんあり、二千億になんなんとするのであるから、この際国民生活の安定と納税者の負担を緩和するために、いろいろの角度で検討を加え、低額所得者のためにあらゆる方面において減税を断行すべきである、こう言って大臣に要求をいたしました。私が動議を提出せんとする内容も、ほぼその点でありますが、与党の諸君のきわめて不誠意な態度もございまして、委員会の今後の運営上、委員長の御配慮もやむを得ないことと思いますから、以上の質疑を通じて私の気持も十分におわかりのことと思いますので、この際税制改正に関する決議として、委員長の十分な御配慮をお願いいたしたい、こう考えて、私の動議の説明を終ることにいたします。

山本幸一日本社会党

○山本委員長 先ほどから申し上げておるように、はなはだ御不満でありましょうけれども、扱い方について一応協議したいと思いますから、このままの状態で、暫時休憩いたします。    午後四時二分休憩      ————◇—————    〔休憩後は開会に至らなかった〕

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