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27回国会衆議院1957/11/13

国土総合開発特別委員会 第3号

発言数
78
登壇者
5
会派数
2
開催日
1957/11/13

会議録

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員長 これより会議を開きます。  国土総合開発に関する件を議題とし、議事を進めます。質疑の通告があります。順次これを許します。北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 きょうは経済企画庁の長官がおいでになっておりますので、この前若干質問を申し上げましたが、おもな点について二、三お伺いしたいと思います。  最初に、これは来年度の北海道あるいは東北の国土総合開発と関連があるのですが、政府の予算の編成方針、これはまだきまっておらぬということになっておるのですけれども、ただ大蔵大臣は、来年度財政は緊縮方針をとるということで、この点については、経済企画庁の長官も大体御同意になっておるというふうに聞いておるわけでありますが、そのように承知してよろしゅうございますか。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 緊縮という言葉が当るかどうか知りませんが、先般閣議で基本方針を決定いたした通りに、今さしあたりはそういうふうな方向にあるわけでおります。ただし、第二次といたしましては、おおむね今月末もしくは来月初めまでに、その後の経済情勢を具体的に数字的に調査をいたしまして、それを積み上げたものを基礎にして、より具体的なものを相談しよう、こういうことになっておるわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 問題は、公共事業費とか、あるいは開発関係の財政投融資、これが開発に関係があると思うのですが、それらの点については、大体どういうふうな御方針でお考えであるか、これを承わっておきたい。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 ただいま申し上げましたような次第でありますので、具体的に、公共事業費をどうとか、開発に関する予算をどうとかということは、まだ相談をいたしてありませんから、今私がここでお答えを申し上げますのは、少し早計だということになります。御了承願いたいと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 ただ、緊縮方針というか、そういう方向で予算を編成さるということは、本年度中も詰めるというのであるか、あるいは本年度を基準にして、本年度よりもふやさないというのか、大体そこら辺のことがめどにならなければ、緊縮とかそういうようなことは言えないと思うのですが、一応切り詰めるような御方針である以上は、本年というものを基準にして公共事業費なり、あるいは財政投融資というものを考えた場合に、大体どういうふうになっていくか、およその見当を伺わせていただきたいと思います。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 ただいま申し上げました通り、緊縮という言葉が当るか当らぬか、そこに私は疑問を持っておるわけであります。今年度の予算にいたしましても、相当に横柄的な拡大均衡の予算が作ってあるのでありますから、この予算は決して緊縮の予算とはどなたもお考えにならぬわけであります。ただし、この予算よりもさらに何割か切り詰めて、一兆一千三百億を一兆にするとか、一兆何百億にするとかいうような結論になろうとは考えておりません。ただ経済界の大勢から見まして、今の企画庁が中心になってやっておりまする緊急施策を実施いたしまして、卸売物価については、なるべくこれを引き下げるようにということを努力いたしておりますので、これをさらに予算の編成の面から見まして、国内に購買力を刺激して、物価がさらに上るというようなことは考えなければならぬじゃなかろうか、そこらの調節をどういうふうにしていくかということは、これからよく大蔵大臣その他政府におきましても検討を加えましてやっていきたい。ただ、いたずらに緊縮とか節約とかいうことを事としておるわけではないのでございまして、現に明年度の経済規模にいたしましても、大体三%程度の拡大を見越しておるわけでありますから、その点は諸般の情勢から御判断をいただきまして、一つ結論につきましては、まだ私の申し上げる段階でないということで、御了承いただきたいと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 こういうことをお伺いするのは、私は一つの考え方として、こういう考えもあるのじゃないかと思いますので、申し上げるわけなんですが、実は政府が出されました経済白書によりましても、昨年以来の日本経済の警戒信号を無視した暴走といいますか、そういうものによって、国際収支の危機を招いたこの大きな原動力というものは、どちらかといえば、財政面にあるのではなくて、むしろ民間の投資が行き過ぎなんだということにあるように、経済白書はなっておるわけであります。比率でいえば、民間設備投資が八とすれば、財政の力の投資が二であった、その間のバランスが民間投資の方が多過ぎたのだ、こういうようなことをいわれておるわけなんです。おそらく昭和三十二年度におきましても、民間の設備投資というものは、さらに昨年を上回るものがあるといわれておりますので、こういうような傾向は昭和三十二年度も同様ではないか、そういたしますならば、来年度の予算編成におきましては、この日本の経済を安定化するということがもちろん中心の問題でございましょうが、その際において、単に財政面を切り詰めるということだけでは、日本経済の今までの実績にかんがみて、それだけではブレーキをかける手段にはならない。むしろ民間投資と財政投資とのバランスを少し変えて、財政投資の方を多くして、民間投資の方を幾らか抑制するというふうなことが考えられないものか、こういう点については、どういうお考えを持っておりますか。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 御承知の通り、金融の統制は具体的にいたしておらないのでございまして、財政投融資につきましては、御承知の通り、これをある程度抑えるということは当然できますけれども、ただ金融の方につきましては、緊急施策その他において実施しましたように、金利の引き上げをいたしますとか、ないしは日本銀行からのある程度の貸し出しの制限をするとかいうようなことは、多少できますけれども、それにいたしましても、すべて細部にわたってやるということは困難でございますので、今お話もございましたが、予算の編成の上から参りましても、予算を決して極端に押えて、そして消極、節約の予算を作るというようなつもりはないのでございまして、おおむね国内の消費をあまり刺激しない――消費が非常に旺盛になりまして、そこに物価高を来たし、そして輸出に悪影響を来たすというようなことがあってはよろしくないという程度の配慮をいたして参りたい。一方、金融につきましては、現在やっておりますような程度の引き締め、この緊急施策はこれをこのまま継続して、そして経済が好ましい姿に安定いたしますときまでは、どうしてもこれを堅持していくということでいきたい、こう考えておるわけでございます。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 ただ、先ほど申し上げたように、経済企画庁としても、やはり最近までの状況というものは、民間投資の行き過ぎだというようなことを指摘されておりますので、そこで、かりに本年度からこれを規制するとすれば、昨年八対二であったものを、ことしは民間が六で財政の方が四になるというようなバランスにやっていく、あるいは来年度はそういうふうな方向をとっていくというような、大きな国全体の経済というものを、一つの計画的な方向へ持っていくということが、経済企画庁としての仕事ではないか、こういうふうに考えますので、ただ漫然と、緊縮というから、ただ切り詰めじゃないのだという、そういうような言葉では、何も言っておらない。もう少し経済企画庁長官としては、来年度予算編成に当っての国内の投資面全体としてどういう方向に持っていくのが正しいか、財政投資と民間投資とどういうふうなバランスに持っていく方が正しいか、こういう点についても、白書を出しておるのですから、白書の中から導かれる結論というものが当然あると思うので、この点についてのお考えを伺わしていただきたい。ないとなれば、これは仕方がありません。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 これは議論になりますから、差し控えたいと思うのでございますが、われわれの政府の立場といたしましては、統制経済、計画経済という線はとらないのでございます。これの長所、短所、善悪、いろいろ議論はございましょうが、われわれども政党といたしましては、計画経済や統制経済によるよりも、日本の国の置かれております実情、経済上の諸般の条件等からいたしまして、自由経済の中にわれわれは自由に企業の意欲を伸ばして、そこに経済の発展を期していきたいという立場をとっておるわけでございます。しかし、それもそうは申しましても、国際的ないろいろな影響、圧力もございますし、現にただいま直面しておりますような事情もございますので、その条件の中に、実はある程度の規制をいたし、ある程度の指導をいたしていくということをいたしておりまする関係から、ただいまお述べになりますように、ときにお前の言うていることは何だかわからぬじゃないか、もっとはっきりしたらどうだということになることは、これは計画経済であり、統制経済でありますれば、企画庁としてはっきりしたことも申し上げられますけれども、実はわれわれのいう企画庁は、企画と申しましても、一応のひな型、ものさし、もしくは方向を勉強いたしまして、それについて国民諸君の御協力を願い、国民諸君にそういうことで一つ国家の経済の発展に寄与していただきたい、ということを念願することでわれわれの立場をとっておりますので、御不満かもしれませんが、御質問に対するお答えといたしましては、私が今申し上げている程度に越えていくことは、実はわれわれはとらないということでございまして、その点はあしからず御了承願いたいと思うのであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 その問題は、これ以上議論する気はございませんが、しかし現在の資本主義経済、あるいは自由経済といいますか、自由主義の経済下におきましても、昨年から今年のようなああいうふうな大きな行き過ぎ、手元が起る、そのために経済危機が発生するということでは、やはり現在の経済の中でも、ある種の統制といいますか、方向づけというものの手段を持たなければ、やっていけないんじゃないか。計画経済ではもちろんでありますけれども、そうでなくても、現状でも、そういう方向が可能ではないかと私どもは考えているわけであります。  これはつけ足りの問題でございますが、昨年来の民間の設備投資なり、あるいは国際収支の悪化を招いた責任、その反省というものが、経済企画庁かり出されました経済白書に書いてあるわけでありますけれども、その責任はどこにあるか。この白書を書かれた担当官が、経済白書の中ではありませんけれども、よその雑誌の中で、はっきりと、それは政府と日銀が最も大きな責任がある、こういって後藤調査課長が書かれている。そのことについては長官はどのようにお考えですか。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 その文章をまだ拝見いたしませんから、文章を拝見いたしました上で意見を申し上げることにいたしたいと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 ここに持ってきておりませんが、明らかに経済企画庁の後藤調査課長が、いろいろ、反省問題点をあげた上で、いろいろ財界も責任がある、しかし最も責任があるのは、やはり政府と日銀、これが経済にブレーキをかけていかなければならぬ責任者である、これが責任があるということを、ある雑誌の中ではっきりと書いてあるのです。もしもこれを持ってきてお目にかけた場合、その通りであったならば、大臣はどのような処置をされますか、承わっておきたい。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 それは文章を拝見いたしました上で、その文章並びに前後の条件、または私自身の考え等も一つ明確に申し上げて、よく御了承を得たい、こう考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 その点については大臣はどのようにお考えですか。この経済危機を招いた責任の最も重大なものとして、政府と日銀にあるという点については、大臣はどうお考えですか。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 これは政府に責任があるとか、日銀に責任があるとか、民間に責任があるとか、それはそれぞれの場面において違うと私は思うのであります。たとえば設備投資の過大になっているということは、設備投資を過大にした人に責任がありますし、原材料を過大に入れ過ぎた場合には、原材料を過大に入れ過ぎた人に責任があります。またそういう事態が起ることについては、それでは全部その責任かといえば、これは日本の経済全体の力が弱い、これがもし強かったらば、こういう設備過大ということにはならず、この程度の設備をすることは当然であったかもしれないということになりますので、今これをにわかにだれに責任がある、だれに責任がないというわけにもいきかねる点があるのじゃないか。しかし何と申しましても、こういうふうにして一たん経済がすくすくと伸びようとするものが、一応ここに政府としても緊急施策を講じなければならぬようになったということについては、政府自身も深くこの点について反省をいたしまして、これに対する緊急施策を講じ、さらに再びこういう事態の起らないように、諸般の問題について十分勉強いたしまして、今せっかく明年度予算等を通じましても、こういうことのないように一つ努力をしていこうということにいたしておるわけでございますから、どうかそういうことで御了承を得たいと思うのであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 この問題は、応急対策を政府がとるということは当然の責任でありまして、当然の義務があるわけです。しかし、こういう事態に至らしめた責任というものは別個の問題だと思うのでありまして、その点については当委員会のおもな議題でありませんので、いずれ先ほどの企画庁の担当官の意見等もあわせて、私は別の機会に大臣にお伺いをしたいと思います。  そこで問題は、このような経済危機あるいは政府の来年度予算編成方針とからんで、北海道なり東北というような開発がスタートをしておる地区においては、来年度の公共事業費あるいは開発関係の財政投融資が減らされるのではないか、こういう心配を地元ではいたしております。この点についてはどのように考えられますか。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 それらの点につきましては、すでに石井北海道長官からお話があったと考えますが、長期経済計画等の立案等を見つつ、また先ほど来申し上げましたように、明年度予算の編成の方針ともにらみ合せて、なるべく北海道、東北の実情に沿いますように一つ善処いたしたいと考えておるわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 次に、最近政府は東南アジア等の開発基金の問題等で、外国の開発の方に熱意を持っておるようであります。当初の東南アジア開発基金の構想が困難になったというわけで、その跡始末の締めくくりをしなければならぬと、面子を考えたのかもしれませんが、インド等と単独な借款を結ぶのだ。外務省ではインドに開発借款を与えるというふうな見解を漏らされておるようであります。どうも私どもから考えると、日本の国内の狭い地域でありますが、土地資源にしても、まだ十分な調査もできておらない。十分な利用ができておらない。そういう方にほんのわずかの予算しか出されておらないのに、海外の開発の方にまで手を伸ばすような余裕は、日本の経済にはないのじゃないか、日本の外貨事情から見ても、そういうふうに考えるのですが、この海外の開発と国内開発とのにらみ合せということについては、企画庁長官はどのようにお考えになりますか。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 東北、北海道の開発の問題は開発の問題として緊急であり、しかも、ぜひこれをすみやかに実行しなければならぬ問題でございますし、また東南アジアその他の地方の、開発という言葉が当るかどうか、わが国の貿易振興の上において必要な施策、これらはこれらとして、また十分重点を置いて考えていかなければならぬ、いずれも重要な問題だと考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 河野長官は、この東南アジアの開発について独自の構想を持ってアメリカと折衝されたようでありますが、この機会に、あわせてその構想を承わっておきたいと思います。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 これは実は私アメリカに参りまして一部の者と話し合い、また、それはアメリカの大使を通じて目下アメリカ政府と話し合い中のことでございますので、この外交交渉中にこれを申し上げることの適否等につきまして、実はよく打ち合せした上で、あらためてお答えをすることにいたしますから、きょうここで突然に――実は私の所轄外のことでございまして、私自身判断しかねますので、しばらく御猶予をちょうだいいたしたいと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 この海外開発の出題を今お伺いしたのは、どうも戦争前から日本の資本主義というものは、国内開発をさておいて、そうして満州大陸の方へ資金をつぎ込んだというようなことで、日本の農山漁村というものが疲弊してしまう、その土地資源もまだ開発の余地があるのに、十分開発ができないで、その住民が非常な貧困な状態に置かれておるという体験をいたしておるわけであります。どうも最近における日本の経済というものは、相当な発展をいたしておりますけれども、それは主として中央の大企業、大資本が大きくなった、そうして地方の産業なりあるいは農業、林業というようなものは、どんどんおくれていくような戦前の傾向がまた強く現われておるのではないか、こういうふうに考えますので、海外開発ももちろん必要でございましょうが、しかしその前に、国内における後進地域の開発について十分な理解と熱意を担当大臣としては持っていただきたい、こういうふうに要望申し上げておきます。  それからもう一点、九州の開発の問題がありますが、最近、与党野党の間で、九州の地方における開発、これを東北と同じように進めていこうというような運動があるようであります。このようにいたしますと、東北、北海道、九州、次には中国、四国、近畿というように、日本全国みなそれぞれの地域に開発の特別法ができて、そうしてそれぞれの金融機関ができるというようなことで、ばらばらな開発になるのではないか。国土全体の開発というものを考えなければならぬ企画庁としては、これを統括して、ばらばらにならないようにやっていくのが至当でないか。こういう点について、九州と、その次に来たるものは中国とか、そういうような各地域の開発をばらばらに持っていくのであるか、あるいはこれについて将来何とか方向づけをしようとするのであるか、これらの点については長官は何かお考えでございますか。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 九州に東北、北海道のような特別地区を設定して、開発計画を進めていこうというお話し合いがあることは承わっております。承わっおりますが、今お話のように、九州と申しましても、隣に石井長官がおられますが、福岡と宮崎、態本では非常に事情が違うだろう。これを同じにして開発計画を作るということは、どんなものだろうか。九州は東北のように、一体的に、立地的に同一条件にあるということは、ちょっと考えにくいのではなかろうかというようなことも――実はこれは私見を申し上げてまことに恐縮でございますが、これを一本にして考えることは、ちょっと無理ではなかろうかというような気持もありますので、よくお話し合いの結果を承わって考えたい、こう思っておるわけであります。これを要するに、今御指摘のように、国土を総合的に開発していく案を中心にしていくべきであって、東北であるとか北海道であるとかいう特殊の地域につきましては、これは全く特殊の地域として考えるのであって、これを全国みな一律にそういうふうに特殊地域の立法をし、特殊地域として扱っていくことには無理があり、あまり妥当なことではないのじゃないかというふうに私実は考えておるわけでありますが、これはよく皆さんの御意見を、承わった上で、最終的に決定していくべきものであろう、かように考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 私も東北で、東北の開発には重大な関心を持つのでありますが、しかし北海道とか東北とか九州とか、そういうふうな地域開発の運動が出て、地元にも強い要望が出てくる。こういう原因がどこにあるかといいますと、今まで国土開発に対する政府の熱意あるいはその事業の進捗というものが、さっぱり進まない、開発関係の予算も少いし、国土総合開発法ができても、計画だけ作って、事業はさっぱり進まない、こういうところに問題があると思うのです。それが順調に進んでおれば、わざわざ東北、北海道というような特殊な、その地域だけの、地元の利益の立場からだけ開発を主張するというような運動は出てこないのじゃないかと思う。そこで、将来そういうばらばらな地域の開発にさせないためには、やはり現在の国土総合開発法という基本法というものを、もっと実の入ったものにして、そうして政府自体が国内全体の開発に相当な熱意と、それから予算もつけて、どんどん事業を進めるようにしてもらわないと、この狭い地域のいろいろな運動が起ってくるのじゃないか、こういう点で、十分国土総合開発全体の立場から一つお考えを願っておきたいと思うのです。  それから最後に、この前もちょっとお伺いしましたが、東北開発会社は、御承知のように肥料と、それからセメントと亜炭と、三つの事業を今直営しておるわけであります。そのうちセメント、それから福島の石炭窒素の工場、これを分離するという話が、ことしの七月ごろに政府部内の、特に首脳部の中にあったようでございますが、そういう話があったのかどうか。また将来開発会社としてセメント事業、あるいは肥料の事業、あるいはまた亜炭の事業、こういうものをあくまで直営で続けてやっていく、こういう御方針であるかどうか。その分離問題が起きたとするならば、それはどういう理由によるものであるか、この点を一つ伺いたいと思います。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 そういう分離問題が起ったということは、私は聞いておりませんし、また今私はそういうことを考えておりません。問題は、どうすることが東北開発に便利であるか、どうすることが東北開発のためにいいかということに立脚して考えられることであろうと思うのでありまして、これをいたずらにこまかく分けることは、必ずしもとるべき道ではなかろうと考えております。今さしあたり、お話のありましたようなことは考えてもおりませんし、また私聞いたこともありませんので、そういうことはなかろうと思います。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 そうすると、将来とも分離という考え方は持っておらぬ、こういうふうに了承いたしますが、特に岩手県のセメントの工場であります。この前、開発会社の総裁のお話では、当初計画を変更して――あれはシャフト・キルンでやっていくというような特殊なセメント会社でありますが、その計画を変更して、ロータリー・キルンを作らなければならぬ、そしてロータリー・キルンのセメントとシャフト・キルンのセメントとをまぜてやる、いわゆる宇部興産のようなやり方をとる、そういうことが販売上必要であるというようなことで、ロータリー・キルンを一基増設をするという計画をお持ちのようであります。これは実は、このセメント工場を始める当時の政府の説明なり計画とは、まるきり変ってきておるのであります。その点は問題になると思うのですが、しかし、今後このセメント会社というものを一つの開発会社の工場として建てていくというために、もし検討の結果必要であるという結論が出たならば、ロータリー・キルンを増設して、そうしてこのセメント工場を完全なものに仕上げるというお考えをお持ちであるかどうか、この一点を承わっておきたい。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 その点につきましては、最初、前総裁の時代に、今建設進行しておりまする計画でりっぱにやっていける、新しい試みとして、相当の権威ある技術者もこれでよろしいということで、企画、立案、実施に移っておるものと私は承知をいたしております。従いまして、これをこのまま進めまして、しかし、どうもやってみたところが、その予定通りいかない、やはりロータリー・キルンの機械を据えて、そうして適当にまぜてやらなければいかぬということになりますれば、それはそういうことになるかもしれません。また必要があれば、やらなければいかぬことと考えます。今会社からそういうことの意見もあるようでございますけれども、私は、やるだけやってみて、そうして前の技術者も、相当の技術者が企画、立案せられたことでありますから、やってみたらどうだろうかという考えを持っておりますが、しかし、それとても、われわれしろうとがとやかく申すべきことではないのでありまして、権威ある技術者が、実情に即して最善の道を選ぶべきである、こう考えておりますので、この将来の問題につきましては、十分注意たしまして、あやまちのないようにして参りたいと考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山委員 これで終りますが、東北開発に関しては、特にこの東北開発株式会社については、実は今のセメント工場にいたしましても、あるいは肥料工場にしても、一昨年あたりから国会の中でも相当議論された点であります。ことにセメント工場などは、当時建設省が計画をして、そうして企画庁に引き継がれた。ところが、前の宇田企画庁長官は、開発会社のような特殊法人がこういう事業を直営するのは好ましくないのだ、というようなお考えもこの席で申されたし、また企画庁としても、めんどうなものを引き受けたというような顔をその当時はしておったようであります。その後の経過を見て参りますと、開発会社の人事やその他についても、地元ではいろいろ論蔵があるわけであります。非難もあるわけであります。ただいま大臣は、分離案は全然聞いておらぬと言われますけれども、地元では、そういう話が伝わっておるのです。そういうことにつけても、どうも政府の東北開発会社に対する一貫した方針、この会社を育てて、東北の開発に役立てるというような、ほんとうの一貫した熱意というものが欠けておるのではないか、こういう疑いを地元に相当持たせておるので、この点は十分お考えを願って、そうして東北開発全体に対して大きな熱意を持っていただきたいと思います。この前、池田大蔵大臣にセメント工場のお話をしたところが、そんなものは開いておらぬというようなことで、少くとも政府から十何億の財政投融資をやるような、国内においても非常に特殊な開発公社について、さっぱり知らぬというようなお話でありまして、まことに心細い。経済企画庁長官はそういうことではなくして、東北の開発については、やはり海外開発と同じように、あるいはそれ以上に、熱意を持って進んでいただくことを要望いたしまして、私の質問はこれで終ります。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 だんだんの御注意でございますが、私微力ではございますけれども、ここで申し上げましたこと、また私の責任に属することにつきましては、十分注意をいたしまして、御期待に沿えぬかもしれませんけれども、最善を尽して努力するつもりでありますから、せっかく御協力を賜わりたいと、お願いを申し上げる次第でございます。

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員長 渡辺惣蔵君。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 今度の臨時国会になりまして、両大臣おそろいで委員会に初めて出席していただきまして、会期末で非常に忙しいときですが、ぜひこの際お尋ねしておきたいと思います。なるべく政治的答弁ではなくて、率直に、ざっくばらんなところをお答え願いたいと考えます。河野さんは、どうも答弁が上手過ぎていけませんから、もう少しざっくばらんなところをお願い申し上げます。(笑声)  実は、この委員会に河野さんが出てこられましたのは初めてなんですが、前二十六国会には、前後一週間近く、岸総理、石井副総理、宇田経企長官、池田大蔵大臣、その他の関係大臣においで願いまして、北海道、東北を含めた国土開発問題につきまして、いろいろ基本的な問題につきまして意見を伺ったわけであります。従って、閣僚のポストは変りましたけれども、前内閣と同一政党が組織しておりますので、河野さんの前の宇田さんの答弁は、特別訂正されない限り、やはり政治的には同一の責任である、こう考えますから、そういう前提に立って質問を申し上げるわけであります。  私が実は特にここで石井長官と御一緒にお聞きを願いたいのは、石井さんにはしょっちゅうの質問で、まことに恐縮するのですが、問題は、北海道開発第二次五カ年計画の策定に関する問題であります。これは河野さん御存じと思いますが、昨年のたしか八月十三日に、政府から北海道開発審議会に諮問をいたしまして、八月二十五日政府に答申いたしておるものであります。ところが、それがついに三十二年度、第二次五カ年計画に入ります段階にきましても、なおかつ第二次五カ年計画が閣議決定にならない、正式に国策として取り上げられない、こういう事態にぶつかって参りまして、このことが実は二十六国会における主要な論議の問題になったわけであります。当時宇田さんの答弁では、それは経済企画庁でやっておる経済自立五カ年計画の策定がおくれておるので、それとの関連において、全国開発計画を樹立し、その関連において、北海道開発第二次五カ年計画というものを閣議決定いたす、大体経済自立五カ年計画というものの作業が完了できる時期というものは九月である、こういう言明をなさっておるわけであります。従いまして、これに関連いたしまして、同時に九月には北海道開発第二次五カ年計画というものをも閣議決定をなし得るように努力するということは、これとつながって、石井さんも答弁をなさっておられるところであります。また今般の自民党としての遊説に当りましても、この点については岸総理みずから、あるいは石井長官等も、それぞれ現地においてそういう言明をなすっておるわけであります。ところが閉会中に委員会を開いてみますと、その九月説というものは全く消えてしまって、十二月説というのが浮び上ってきているわけであります。十二月説というのは、主として北海道開発庁側の責任ではなくて、経済企画庁の経済自立五カ年計画の作業がおくれておるということの理由によって、その策定が終らなければできない。それにつながってそれの具体的施策としての第二次五カ年計画及び全国開発計画の策定がおくれておる、こういうことになって、十二月説というものがちらほら浮んできておる。従って、十月上旬中に北海道遊説で言われたのは、これまた食言となって、何ら具体化を見ない。  ところが、さらに最近伝えられるところによりますと、一番問題の経済自立五カ年計画の策定自体、実は全然方針を変えようとしておる。それは三十二年度から発足をして、三十六年度に終るべき自立経済計画というものが、経済事情の変転、混乱から、ついにこの三十二年度において、その策定を具体的に完了することができないはめに陥っているかどうかわかりませんが、問題は、このごろ伝えられるところによると、三十二年度をここで一つ切って、三十三年度から三十七年度にわたる五カ年計画の策定に切り変えようとしているという説が伝えられておるのでありますけれども、一体国の基本計画であります経済自立五カ年計画というものが、三十二年度を空白にして、それを乗り越えて、切り捨てて、三十三年度から新たに計画の立て直しをやる、うまくいけば切り捨ててしまう、こういうお考えになって、今作業を進められておるのかどうか、この点を一つ明らかにいたしていただきたいと思います。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 ちょっと誤解があるようでございますが、御承知の通りに、第一次産業五カ年計画を立てましたときに、その途中において――これはどこの国でも私はそうじゃないかと思いますが、ソ連のように計画経済をやっております国は別でございますけれども、あるところまで進んでいったときに、その後の経済情勢の変化、国際情勢の変化等からいたしまして、大体二年、三年やったときに、これの修正、是正をし、もしくはそれを次の五カ年計画に変えておるのが、大体の行き方じゃないかと思うのであります。わが国におきましても、第一次に立てました案が、その後非常に国の経済の伸展も順調に参りますし、計画が少し辛過ぎて、堅実一本にいっておった。そういうような関係から、これを是正いたしまして、ここに民間の協力を得て、せっかく勉強をしておりますのが、第二次産業五カ年計画であります。この計画が三十二年にスタートするということは、初めからその予定であります。決して空白があるわけでもありません。今は第一次の分が非常にずれてはおりますけれども、それを今度は第二次で修正をして、三十三年をスタートにして、途中から次の計画に持っていくというように考えておるわけでございます。ただそこに、九月ごろにできる予定だと、前宇田長官時代に勉強して進んでこられたのでございますけれども、何さま非常に広範にわたりますし、民間の諸君の御協力を願っております数だけでも何百人になるのであるし、しかも、これが非常に広範にわたりますし、また第一次計画等についていろいろ反省をし、是正すべき点もありますので、これの資金の裏づけ等につきましても、第一次よりも、さらに今度はこういう点についてこう直そう、こういう点はこういうふうに一つしっかりいこうというような点等もありまして、だんだんやっておりますうちに、勉強すればするほど、いろいろな問題にも、ぶつかりますし、総合計画等につき、もしくは金融の裏づけ等から考え、さらに国際経済の変遷等もにらみ合せまして、ようやく大体この十五日くらいに、総合的なものを一応取りまとめていただくということになっておるわけでありまして、さらに政府の方は、この答申をちょうだいした上で、おおむね十二月の初旬に一つ案の取りまとめをいたしたい、こう考えておるわけでございます。その点一つあしからず御了承願いたいと思います。います。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 今のお話でありますが、前段の、経済計画というものは、当初五カ年計画を樹立しても、一つの経済情勢の変遷その他によって、また国力の伸展その他によって、それを途中で改訂をする場合があり得る、これは私は異議ないと思うのです。しかし第二の前提の、今計画されておるものが、初めから三十三年度からだったという議論は、実は初耳なんで、従来こういうような意見は宇田前長官からも伺っておりませんので、三十二年度を起点とする第二次五カ年計画であるという点が、もっぱら今日までの論議であった。それがいつそういうようにすりかわったのか。初めからそうだったとすれば、前の大臣以来の話は全くでたらめだったということになりますし、いつからそういう国の基本政策が変更されたのか、その点を一つ明確にお願いいたしたいと思います。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 これは、私も途中から長官になりましたけれども、事務当局の説明によりましても、三十二年度は途中からになるから、三十三年度を基準にしてやることにしよう、初めからそういうことになっておると説明しております。なお、これは担当事務当局をあらためて出席させまして、経過については、よく詳細に御説明申し上げることにいたしたいと思います。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 事務当局がそういう意見だということは、全くこれを初耳に属することで、従来そういうような意思表示は全然どこにもなされておらない。公けにもされておらないで、やむを得ず窮余のためにそうしたのか、事務能率がおくれたり、献策が足りないために、そういうことに追い込まれていって、そういうようなことで、やむを得ず一年間切り捨てにしたのか、その点は私非常に重大問題だと思うのです。おそらくこの委員会だけで処理のつかない重大問題になると思いますが、私は、しかし、ここは大臣の直轄の委員会でございませんので、別の機会に他の場所で、その基本的な問題は究明さるべきだと思うのです。  そこで、私がこのことを今大臣にお尋ねしておりますのは、関連いたしまして、そういうことになって参りますと、次に問題になるのは、経済計画の場合においては、三十二年度というものは、完全に、事実において、どうあろうと、そういう一つの空白がある。あるいは策定が非常に困難になってきたので、手おくれしたのか、いかなる事情においても、行政上の能率あるいは政治力その他の関係で、事実上これだけの一年間の空白が出たということは、残念ながら認めざるを得ない。とすると、それに関連をいたしまして、全国開発計画の策定というものは一体どうなるのか。問題は、全国開発計画が当然、自立経済五カ年計画を基礎にして、その国土開発計画の具体策としての全国開発計画がこれにつながって策定されるわけですが、全国総合開発計画というものも、経済自立五カ年計画がなければ、この裏づけとして、政策面として出てくるわけですから、これがぐらついておったのでは、全国の開発事計画ができ上らないわけですね。そこで全国開発計画というものが、そのためにおくれて、来年の三月ころになるという話がちらほら出ておるのでありますが、一体そういう事態にあるのかどうか、その点を一つお伺いいたしたい。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 今の点は、もう一ぺん明白にいたしておきますが、実は私長官に就任いたしましたときには、三十三年からということで了承しておりましたけれども、その間の事情をよく御承知の方から、そういう御意見でございますから、なおよく省内において、いつからそういうふうになったか、初めからそうなのか、一つ取り調べまして、詳細にお答えすることにいたします。  それから次に、それじゃその空白はどうだというお話でございますが、これは今年度の予算を編成いたしますときに、つまり、昨年の暮れには、前の五カ年計画を基準にしてこの予算を組みましたことは間違いないと思います。従いまして、空白があったじゃないかということにはなりません。私は、これはそう申し上げることができると思います。ただ、それが第二次五カ年計画が九月にできるはずだったじゃないか、八月にできるはずだったのがおくれたのか――おくれましたのは、確かにおくれております。これは先ほど申し上げました通りに、非常にたくさんの人が関係しておられまして、部会も非常に多く、ほとんど毎日二つか三つの部会を開いて各方面の意見を伺って、そうしてその答申を待ってやろうということになっておりますので、せっかくわれわれといたしましても、事務的に御協力を申し上げ、遅滞ないようにやっておりますけれども、何さま広範なことでございますので、おくれたわけでございます。しかし今申し上げるように、十二月の初めまでには答申を得、それに対する政府としての成案を得まして、それと、先般来前の長官からお答え申し上げておりますように、こちらの方との案の見合いは、これをなるべく早く、たとえば要綱なりとも作りまして、そうして明年度予算の編成その他の案の作成に支障のないように努力をしていきたい、こういうふうに考えております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 どうも前大臣との事務引き継ぎが非常に不明確であるような気がいたすわけでありますが、大臣あまり閣内の実力者で、経済企画庁のことをそっちのけにして、全体の指導育成に力が入り過ぎて、実際は所管の経済企画庁の仕事をあまり御存じなくて、そういう状態になっているのか、事務上のことについては全部吏僚にまかせて、もっぱら閣内実力をふるうという段階ではないかと私は思うのですが、もう一応経済企画庁の長官として、経済企画庁の業務実態を一つ御掌握願いたいことを希望するわけであります。  そこで私がお尋ねしました後段の第二次経済計画の策定が、かりに十二月上旬ということでありますれば、そこを土台にいたしましての質問にかわるわけですが、全国総合開発計画というものの策定が、それと関連してどうなるかという問題であります。その点についてお答えを願います。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 ただいまお答え申し上げましたように、その第二次五カ年計画を策定いたしまして、それと見合いつつ、なるべく急いで、今の十カ年計画につきましては、具体的にこれを取りまとめることに努力いたすということにいたしているわけであります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 その時期です。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 その時期は、今お話しした通りなんですが、来年三月ごろまでにぜひ一つやろうということにいたしております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 どうも経済企画庁にとって一番重大な仕事は、何と申しましても、経済計画を樹立するということと、それから今の国土の総合開発計画を樹立するということが、二つの柱であると考えているのですが、どうもその二つの柱が全くぐらついて進行していないということになりますと、経済企画庁の仕事それ自体が何にも進んでいないということになるわけです。そこで、従来私どものこの全国開発計画その他の論議の中で、いつでもずるずると引きずられて見通しが狂っていっているのが、全く経済企画庁の歴史過程なわけです。今また来年三月ごろにできるであろうということでは、これは全然論議にならない、対策にならない。そこはもっと一つ大臣の持ち前の決断と政治力で、いつまでにやれる、いつまでに作る、責任を持ってやる、こういう線を出していただかなければ、明年の予算を中心にして――明年の国会が終るころに出たのでは、もう論議が終って予算も全部通ってしまっては修正ができない。予算が通過してしまった後に、計画が出てきても、全然計画にならない。一体三十三年度にずらしたなら、ずらしたで、そこから論点を発展さしても、三十三年度予算が、第二次五カ年計画の初年度の予算が、またそこで、そういう経済計画の一つの展望の裏づけのない中で、こま切れ予算をつけていかなければならない、便宜主義的な施策になってくるということになりますので、この点のけじめをここで明らかにしていただきたいと思います。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 だんだんお小言をちょうだいしたのですが、実は御承知の通り、従来産業五カ年計画といい、この国土開発の総合計画といい、予算のしっかりした裏づけが、財政計画との関係において、多少私はルーズな点があったように、責任の地位に立つ前から、考えておったわけであります。従いまして、計画は計画、予算は予算ということになっておりましたことが、えてして、どうも議論がしっくりいかない。そのために、財政当局との間にも十分なる関連を持っていかなければ、単なる計画倒れになるというような点を非常に遺憾に考えておりましたので、特に今回の第二次五カ年計画の策定につきましても、財政上の関連はどうなるかということに、非常に強く私は意を用いているわけでございます。従って、大蔵当局との間に大体の財政計画の裏づけがつくだろうか、どうだろうかというような点に、一番私は重点を置いて考えているわけであります。従いまして、ただ単に企画庁の計画だけでしたら、自分で十分勉強してできますが、今申し上げますように、何さま各省との関係もございますし、また各省からの要求も非常に大きなものが出ておりますから、それをあんばい調整しつつ、大蔵当局との間にも結論を得ていかなければなりませんので、ついおくれがちになっておるわけでございます。これも理想的に申せば、予算上、将来の財政計画の裏づけのしっかりしたものを出すべきでございますけれども、これについても、従来のものよりも相当そこには根拠を持ち、大蔵当局としても一応了承のできるものを組んでいきたいというので、せっかく今努力いたしておりますので、それを何とかして十二月の初めまでにまとめ上げたい。  そこで今御要望のように、国土開発計画にいたしましても、十年の長きにわたってこれを計画いたすのでございますから、単なる計画に終るとか、もしくは、年次は進んでいくけれども、事業の方はさっぱり進まぬ、というのが従来往々にしてよく見た例でございます。それらにつきましても、産業計画の力において、今申し上げましたような事情で策定いたしておりますので、それを根拠にいたしまして、一方は十年の長きにわたりますから、これはそのまま財政計画をこれに裏づけするということは困難だと私は考えますけれども、年次々々においては、一方において財政計画もしくは産業計画の方が相当に固めたものを持っておりますから、それを基礎にして、そうしてこれと見合いつつ、国土計画の方を進めていくということにしていきたいというふうに考えております。先ほど申し上げましたように、一応明年度予算を編成し、初年度をそこからスタートさせつつ、将来の案も十分各省との間において構想を練りつつ、また政府といたしましても、道路開設もしくは完備に一番重点を置いていこうという総理の御方針でありますので、それらも全体のワクと見合いつつ、していかなければならぬと思いますから、せっかくそれらすべてを総合し、勉強して、御期待に沿うことは困難かもしれませんが、来年三月一ぱいくらいまでに作り上げたい、こう考えておるわけであります。まあ御不満でございましょうけれども、一応御了承いただきたいと思います。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 そうなりますと、新しく問題が出て参りますのは、宇田さんが従来経企長官としてお答えになっておりましたおもな論拠は、北海道開発第二次五カ年計画というものは、経済自立五カ年計画を基礎とする全国総合開発計画との見合いで、この全国開発計画の一環として、北海道開発計画はつながるのだから、従って、北海道開発第二次五カ年計画の取扱いの方は、その時期まで閣議決定が延びてきているのだということでしたが、そうすると、全国開発計画が来年の三月までにできるということになりますと、十二月の末にできます経済計画が策定された時期に、全国開発計画と切り離して、北海道開発五カ年計画だけを閣議決定に持ち込めますか。それとも、全国開発計画の一環だから、やはり三月まで延ばすということになりますか、この点を明らかにしていただきたい。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 その点は、全体の中に、北海道関係のことは、北海道開発庁長官において、すでに案もお持ちのようでありますし、だんだんその準備も進んでおるようでありますから、それをあとから調節いたすにいたしましても、一応それはそれとして、今の産業五カ年計画の中において、これができ上りましたときに、一応北海道開発庁長官の御意見を十分調整いたしまして、決定することに運ぶことは、できないことはない、そういうふうな長官も意向のようでありますから、われわれとしては、それに御協力申し上げる、こういう考え方であります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 これは、そういたしますと、従来の自民党政府のとってきました基本的なものの考え方の重大な修正であると、私どもは理解しなければならないわけです。これは従来岸総理以下のこの春の論争を全部一つにまとめたもので、この中には、岸さんの答弁から、石井さんの答弁から、皆さんの答弁が全部ある。全部そのままの記録をここに持っておるわけでありますが、そうしますと、とにかく第二次五カ年計画の北海道の計画が、八月二十五日に策定を終って、政府に答申しておるのに、おくれておる理由は、もっぱらその論拠だけで逃げ抜いて、この春の国会では答弁したわけですけれども、そうしますと、今河野経企長官の新解釈によれば、そういうものは便宜主義だ、そういうことは表面に立てている看板だけで、それは全く便宜主義で、実際は現実の問題でくっつけてやっていけばいいのだ、こういうことになりますか。前のはあれはもう答弁の逃げ口上で、実際はどうでもいいのだ、やるときやればいいのだ、こういうことになって二つの柱というものがないのだ、それは架空の柱なんだ、こう考えてよろしゅうございますか。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 いいえ、決してそういうふうに解釈いたしておりません。これは北海道なり、東北なりの特異性を認めて、北海道開発計画があり、東北振興の諸般の施設があるわけでございますから、これは国全体の総合計画の中から、これらの特異性は尊重しておるわけでございます。従いまして、国土開発総合計画は、来年三月までに、十年の長きにわたってこれをやりますけれども、その中に、北海道の特異性を認めて、東北振興その他のことにつきましては、明年度予算編成に当って支障のないように、閣議の了解になりますか、決定になりますか、知りませんけれども、北海道開発長官の御提案、御要望によりまして、それについて閣議としては決定して参る。それを全体の国の計画の中から、優先的に、特異性を尊重して、全体をながめて、日本の経済財政の全体の中に取り入れていけば、それでよろしいのじゃなかろうか。決して私は便宜主義だとかなんとかいうつもりはないのでありまして、今お話の通り、すでに答申も済んでおる北海道開発については、その特異性は政治全体がこれを認めておることでございますから、その特異性を生かしつつ、予算の編成もしくはその計画の中に取り入れていくということは一向差しつかえないことだ、こう解釈するわけであります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 私は河野さんが便宜主義だというのではなくて、前国会における総理その他の関連して答弁された人が、そのときの答弁の逃げ口上にそう言ったのかという問題になってくるわけで、明らかにこの問題は、昨年八月以来、北海道開発審議会を通して今日まで論議した問題の一環として、これにからまって一年半近くもずるずると引きずられてきましたので、このことは非常に重要な関心を実は持たれておるわけでありますから……。そうすると、解釈が相違してくるということになってきますと、以前に行われたあなた方の答弁というものは、全く逃げ口上で答弁をしておった。今お話のような答弁は初めて出てきたわけであります。そうすると、岸総理以下の答弁というものは、どういうことになるのだということを、私どもはあらためて課題にしなければならぬことになって参るわけです。その点がどうしても――実際上の担当している気持はわかるのですが、唯一の理論的な根拠として、ここまで一年半論議されてきたものが、たわいもなく消えてしまうということになって参りますので、そういうふうに了解していいのかどうかという点なんです。そこが問題なんですがね。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 まあ御了解願えるかどうか知りませんが、決してその当時においては、便宜主義でもなければ、ごまかしでもないのであって、その当時に答弁されました岸総理その他の閣僚の諸君は、その当時の情勢からして、そういうふうに持っていくように考えておられたことと私は考えます。ところが、それが八月に第二次計画が完了し、そうしてこれが十月までの間に、もしくは十二月までの間に十年計画も完了し、その間に北海道開発計画等の決定ができるということに、時間的にすべてが順調にいけば、私が今申し上げたようなことなしに、お小言を受けずに、また岸総理その他の者の答弁通りにいったと思うのでございますけれども、たまたま事務の進捗いたしております過程におきまして、そういう――私は怠慢とは思っておらぬ、自分では一生懸命やっておるつもりですが、うまく計画が進みません。そうして時間的にそういう事態が起ってきましたので、今私からお答えいたしたように、実際問題の取扱いとしては、そうせざるを得ぬようなことになっている点を御了承いただきたい、こう申し上げておるわけです。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 その四月の論議というものは、第二次五カ年計画は三十二年の四月一日から発足すべきものだけれども、それが諸般の事情から、この三月末までの作業がおくれて、そうして九月の半ばにまでいくのだというもっぱらの説明だったのです。そうすると、三十二年度というものはないのだという説明では全然ないし、途中で三十三年度に切りかわったというのは、経済企画庁の諸君が、やむを得ざる便宜上、それの作業上、そこで修正したということになるので、われわれの国会の論争というものでは、大臣からそういう論議は一つもないのです。三十一年度の三月末までに三十二年度の策定が出るべきはずなのに、おくれた、しかし、そのことは、三十二年度の予算、あるいは第二次五カ年計画の考えをもってやっているのだから、発表がおくれるのはそこだ、こういう形とわれわれは当時了解したわけです。この点がまるきり変ってきたので、ものの考え方をみな変えなければならぬ、こういうことになってくるわけです。  そこで、これは非常に形式的な議論になるのですが、そうすると、経済開発計画のようなもの、これは極端に言えば、絵にかいたもちのようなものだ。先の展望等については、始終修正しなければならぬ。三年のものをまた五年に延ばすということになるかもしれませんけれども、実際施策していく地域社会における開発計画というものは、率直に言いますと、改訂できないのです。経済計画はペーパー・プランですから、行き詰まったら、書きかえられますけれども、現実の政策というものは、途中で方向を変えようと思うと、重大な問題になってくるのです。  そこで、私は、今のようなお考え方になってきますと、経済計画の方はいいが、実施計画というものは一体どうなるのか、こういうことになってきます。ことに三十二年度の今日、現実に進行しておりますわれわれ北海道、あるいは全国でも、この論議の場でも、北海道第二次五カ年計画の初年度という、こういう基底でわれわれは出発しておりますし、だれでもそう信じておるのです。そうすると、これはすでに社会的通念になっておる。しかも、行政的にもそういった措置を全部講じてきておりますのに、この三十三年度と見合うために落す。北海道開発計画も、第二次五カ年計画をここで落してしまって、三十三年度からそれに見合ってスタートする、そうしなければ何と言ってもロジックが合わぬのです。話がその計画に基いて延ばすと言ってきたのですから、それが延びて、三十三年度からスタートすると、北海道開発計画は全部やり直して、三十二年度は一年間落してしまって、三十三年度から再出発ということになるのですが、その説明はどうですか、その点についてお尋ねいたします。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 今の産業五カ年計画は、三十七年度まで最初からそういう方針であった。事務的にそれは間違いありません。今事務的に調査させましたところが、そういうことでございます。これは一つなおよく役所へ帰って、従来の記録を調査しますが、一応そういうふうに御了承いただきたいと思います。  それから北海道の五カ年計画は、三十一年で第一次が終りましたので、三十二年からスタートをすることになっておる。ところが、今申しましたような事情で、三十二年度はわれわれの方の五カ年計画の進行がおくれましたので、そのために三十二年度については、今この取扱いをどうするかということをせっかく相談中でございます。一般と合せて、三十三年度を基準にして五カ年計画を一つ急いでやるかどうするかということを目下協議中でございます。  ただ、ここで一言つけ加えておきたいと思いますことは、経済計画を途中で変えることはよかろう、しかし実施しておるものはどうするのだ、困るじゃないか、こういう御意見でございますが、これは非常に困らないのであって、けっこうなことになる場合が多い。と申しますのは、計画はいつも確実に内輪に見て立てております。たとえば経済の伸びにしましても、六・五%程度の伸びをもって一応計画しておりますが、これは従来からの経緯からいいましても、将来の見通しからいいましても、もっと拡大していくように努力していかなければならぬものでございますし、さらに、そういうふうに各種の施策をいたさなければならぬのだと考えます。そういたしまして、これが両三年にしてさらに計画を変更する場合には、必ず従来立案、計画いたしておりましたよりも前進する場合が想定されるのであって、これが後退する場合は絶無であろうと私は考えます。よほど世界的な大きな変化があるとかなんとかいう場合は別でありますけれども、われわれの常識的に想像し得るものは、いずれも両三年にしてこの経済計画を変更する場合には、前進して計画を変更する場合のみであります。そういたしますれば、財政上の裏づけ、国内の経済の発達等からいたしまして、この計画の実施は、さらにより拡大する場合はあっても、これを節約する、緊縮する場合はないだろうと思う。たまたま今年のように、昨年末一応想定いたしました財政投融資等を年度中間において多少削減いたしましたが、これは今回のような特別な経済上の変化のため、政府としては便宜とりました処置でありまして、将来こういうことのないように、また予算の裏づけ等についても、十分注意をして参るようにいたして参るつもりでございますから、今後将来におきましては、そういうことはないと思われるのであります。今申しますように、経済計画を変える場合には、今お話の総合開発計画でありますとか、北海道開発計画でありますとかいうものは、年次を早める場合はあっても、計画を変えることによって、これをおそめたり、これを切ったりするというようなことは、まずまずないとお考えいただいて差しつかえないのじゃなかろうかと私は考えるわけであります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 ここでもう一つ関連してお答え願っておきますが、従来第二次経済自立五カ年計画と見合って、その計画と、三十二年度に出発する北海道開発計画というものは、同時にスタートするために、閣議の決定がおくれているのだということであった。閣議決定をおくらせた最大の理由は、全部そこに集中されて参ったわけなんですね。そうしますと、北海道開発計画と第二次五カ年計画は切り離してやるのか、北海道開発五カ年計画自体というものを改訂して、ここで一年間切るのか。経済自立五カ年計画を一年だけここで切ったことになるのですからね。それは当初からそういう計画だったとおっしゃっていますけれども、宇田さんはそういうことは言っていないのですからね。宇田さんは、三十三年度をスタートとする経済自立五カ年計画の終りは三十六年だということを、はっきり言っている。それは今さらそういうことを言われても、はっきり国会の記録の中に残っている。三十二年から始めて三十六年を終りとする計画だということを言っているのですから、それが一年ずれたら、同時に北海道開発計画も一年間ずれるのか、どうか。そうすると、今までそれをたった一つのたよりにして閣議決定を引き延ばしてきた根拠は、全く崩壊したことになる。そこで、それにつながって、ここまで延ばしたという論拠を一体どこに求めるか、一つ関連しまして、これは石井副総理の御答弁をお願いいたします。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 ちょっと今の点で私から御答弁申し上げます。先ほど申し上げましたように、北海道開発五カ年計画は、第一次が三十一年で終っておりますから、確かに三十二年度から三十六年度までになっております。ところが、その三十二年度からスタートする分については、第二次産業五カ年計画のでき上りを待って、これと見合ってやるようにしたい、こういうことでできたことは、間違いないと私は思うのであります。ところが、この間にあって、産業五カ年計画の方がおくれましたので、つい北海道開発計画については大へん御迷惑をかけておりますことは、その通りだと私は思います。  そこで、先ほどお答え申し上げました通りに、今日この時期に参りますれば、北海道の開発計画を、三十二年度を第一年度にしてやっていくか、そういうことにすれば、予算その他について、今度作る計画をもって、追認をするような形にしてつじつまを合せるようにしてやっていくか、それとも、三十三年度を第一年度にしてやっていくかということにつきましては、せっかく今案ができました上で、十分審議してこれをやりたいということに、今、部内で相談をいたしております。こういうことでございますので、はなはだ不手ぎわでございますが、御了承いただきたいと思います。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 大臣が不手ぎわとおっしゃるのですから、これはやむを得なくなってくるのですが、しかし、それは不手ぎわという言葉だけでは了解ができない。一番重大な問題は、すでに法に基いて作られております北海道開発審議会に諮問し、答申を得、そうして政府があげております、三十二年四月一日をスタートとするという規定になっておりますもの、それを事実上引き延ばしている根拠として、先ほどから申し上げたような、経済計画と見合っていると言って、逃げておったのが、その経済計画が三十二年度はなくなってしまうと、三十二年度北海道開発五カ年計画のすがりどころがなくなってくる。それは理論的にそうなるのですよ。今までは全く全部違っていたということになると思う。そうすると、北海道開発計画は一年間空白を作って、三十三年度に全部ずり上げてしまうのか、それは一体どういうようになるのですか。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 今申し上げましたようなことでございますけれども、北海道として開発計画が一年間ブランクになるんじゃないかということは、それはその通りに私は非常に遺憾なことでございますので、計画といたしましては、三十二年度から三十六年度に及ぶ五カ年計画ということで事業の施行がされることでも、日本の経済全体の計画からいって、決して支障のあることではないのでありますから、われわれといたしましては、よく相談をいたしまして、北海道庁側の意見も十分尊重いたしまして善処いたしたい、こう考えております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 大臣はもとより、われわれも実際政治の中に身を入れているのですから、現実の困難は現実の中で処理をしていかなければならぬということは、十分理解できる。しかし、これまで唯一の理論的根拠として、政治上の課題として取り上げられてきたわけなんです。経済計画とくっついているということで、引っぱっておったのが、経済計画が三十二年になくなってしまっているということになりますと、岸総理以下、今日まで延ばしてきた論拠というものは全く消滅した。この消滅したという国会の論議、及び天下のこうした論議に対する政治的責任はどこに持っていくのか。そんな簡単なものじゃないのです。あなたのおっしゃる通り、予算はついている。事実は何ぼでもふえて進行するのですから、実際の事態については変更はない。これは気持はわかるのです。また実際いろいろ心配されて、骨を折っておられるのですから、実態は、予算を投下したものや、支出したものが、消えてなくなるわけではないのです。しかし、およそ国会の論議の中において、それを唯一の基盤として経済計画と結びつけて、その計画ができないために、北海道開発五カ年計画の閣議決定ができないのだ、そのできる時期が決定する時期だ、こうおっしゃると、実際上の問題と、今日までの理論的な根拠が全く違ってくる。その政治的責任は明確にしていただかなければならない。これは幾ら河野さんのうまい答弁でも、逃げられないと思うのです。これは一つはっきり答えていただきたい。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 ちょっと私も理解しかねる点があるのですが、産業五カ年計画につきましては、産業五カ年計画は第一次の計画があるのであります。それを根拠にして三十二年度の予算は組んだのでございます、われわれが今事業をしておりますものは……。いずれにいたしましても、今年の八月にいたしましても、十二月にいたしましても、前のものを切りかえて、そういたすのでありますから、そこで、われわれといたしましては、三十三年を基準にして、三十三年から三十七年の五カ年計画をするということにいたしておるわけであります。ところが、北海道の開発計画の方は三十一年で終っておりますから、そこで、三十二年を基準にした五カ年計画でいかなければならぬ。これはないのでございますから、そこで、今お話のようになくなっておるのじゃないか、その間ないじゃないかということは、北海道の一画につきましてはお話の通りと思います。しかし、これにつきましては、今すでに昨年末の予算編成のときに、この経済計画に基いて、今年度の予算は、北海道の予算につきましても、一応の予算が組んであったと思うのであります。これを、長期の計画としては、新しい五カ年計画ができた上で、それと表裏相見合って、三十二年ないし六年の北海道の計画を立てようということに、政府としてはやって参ったと思うのでございます。それはその通りでございます。  しかし、それがたまたま今申し上げますように、経済計画の方が非常に遅延をいたしまして、これが十二月の初めになった。従って、これを三十二年をスタートにするところの五カ年計画にするということは、時期的にも、時間的にも、相当おくれておるし、三十二年の事業自体は、相当に予算としての裏づけもありしておるのでありますから、そこで、出発点を三十三年にするか、三十二年にするかということは、その当時答弁をいたしました政府の責任者といたしましては、想定していなかった第二次五カ年計画のずれがここに起ってきましたために、今おしかりを受けるような事態に相なっておるのでございます。ただし、それが三十二年を基準にしていくべきだということでございますれば、われわれとしては、三十二年を基準にした五カ年計画を、第二次五カ年計画とうらはらのものを作って、今施行されております三十二年の予算を第一年度の計画として、これに対して三十三年度以降において、第二年度以降において、いろいろ取捨する、あんばいをするということによって、新しい五カ年計画を完遂していくということにしてやっていくことで、御了承を得ることにしたいものだ。もし、そうでなしに、ここでいろいろ相談をいたしました結果、三十二年は一応三十二年ということで、新しい御答申をいただいておるものを基礎にして、政府部内においてよく相談をいたしまして、三十三年を初年度にした五カ年計画に切りかえてやることが、いいか悪いかということについては、十分相談をして、閣議においても相談をしていきたい。これが、今お話のように、八月に五カ年計画ができ上る、でき上ったら、それに基いて閣議決定をして、北海道開発第二次五カ年計画を作っていくのだという、その当時の予想を狂わして非常におしかりを受けますことは、第二次の産業五カ年計画がおくれましたために、こういう事態になりました。これは企画庁長官として、はなはだ遺憾にたえませんけれども、事情はそういうわけでございますから、御了承を得たい。こうお願い申し上げておるわけであります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 大臣としてのそういう御意見がありましたので、この問題につきましては、時間の関係もありますから、これ以上話を進めるのを避けたいと思います。しかし、これはこの委員会の問題でなく、今残念ながら会期が終るときになって、こういう大きなミスが出てきてしまった。これは非常に政治上の責任問題として重大な問題で、論議の種をまきますので、練達堪能な大臣も、来国会には一つ腹をきめて、思想統一と閣内統一をして、臨んでいただかなければならない。これはあとへ尾を引きます重大問題ですから、そう一つ御了承おきを願いたいと思います。  それで、そういう食い違いの混乱の中で、北海道開発第二次五カ年計画というものが、今第二年度へ入っておるわけですが、石井長官にお伺いいたしたいのは、今の河野経企長官の御意見と北海道開発長官の御意見も同じであるのかどうかという点について、一つ所見を伺いたいと思います。

石井光次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○石井国務大臣 北海道の第二次五カ年計画は、三十二年から始まる五カ年間ということで、案をこしらえておるわけでございます。これは国の五カ年計画と調子を合せてきめたいということを、この前の国会で、私が代理で北海道を預かっておるときだと思いますが、宇田長官と一緒に、九月ころには国の方もできるのだから、国の五カ年計画に合せてということを申し上げたことを覚えております。いろいろな事情でだんだん延びて、非常に心急いでおりますが、なかなか思うにまかせぬ状態であります。いずれにいたしましても、年を越したくない、少くとも今月中にはおよその案が出て、来月の初めに岸総理大臣が旅行から帰ってくることになると思いますが、帰って来次第に、閣議に出せるように努力したい、こういうふうに思っております。その年度の行き違いというものがどうなりましょうとも、私どもの方の三十二年の案は、国の三十二年の案と合い、われわれの三十三年のは、国の三十三年度と合わなければ、それをちょっとつなぎ合せて、ちぐはぐにしておくわけにはいかない、こういうふうに思っております。  それで、それを実際上にどうしたらいいかということになりますと、ことしは済んだけれども、それを含めて五カ年計画として出すか、あるいはことしの分は除いて、あと四年なら四年の分を出すか、あるいはもう一つ先まで準備ができるかというと、国の方がまだよくできてないようでありますから、われわれの方をことし一年済まして、三十三年からさらに、五カ年という案をするには少し無理かとも思うのでございますが、そういう場合であったならば、あとは初め通り三十二年から始まる五カ年間ということで、われわれの方は立てて、国の方を処置していくというような方針でやっていき、ちぐはぐな数字にならぬようにいたしたいと考えております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 ちぐはぐにならぬといったって、初めからちぐはぐになってきておるのです。あなたも国会で答弁されて、宇田さんとも一緒に歩かれたときには、三十二年度というものが自立経済五カ年計画の中に入っていないということは、あなたも初めから御承知だったのですし、大臣もはっきりしていたのですから、言い出しておった方は、三十二年度は自立経済五カ年計画というものはないのだということを承知の上で、その経済計画ができなければ、国家の開発計画が閣議決定できないのだということを言い出しておったのか。今、河野さんがここに出られてはっきりしたので、初めてそういう意見がはっきりされたのか。そういう心境の変化や政策の変化がいいから発生したのか、明らかにしていただきたい。

石井光次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○石井国務大臣 これは事実の場合と思います。心境の問題ではないと思いますが、私どもは初めから三十二年度からの五カ年計画、こういうことで国の方の調子と合せる、というのは、三十二年は三十二年、三十三年は三十三年とにらみ合せてやっていくつもりでおるが、私どもの国に調子を合せる部面は、どういう名前であるかは別といたしまして、三十二年から始まる国の五カ年問の計画に、われわれも調子を合せてわれわれの方の案を立てる、国の方にわれわれが調子を合せていくということにしておったわけでございます。ちぐはぐになっておるとは私は思っておりません。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 忙しいところ、大へんしつこいようで、申しわけないのですが、重大な問題ですから、大臣もがまんをして聞いてもらいたいのですけれども、これは、しかし総理にしても、石井さんにしても、宇田さんにしても、とにかく連続一週間もおいで願って国会で答弁をしてもらった中では、経済自立五カ年計画が三十二年にスタートするのだ、同時スタートをするのだという前提の上に立って、しかも、そのことについては、質問する方も答弁する方も、そのことに関する限りは、もちろん矛盾なしで話を進めていたのです。その根底がくずれたら、だめなんです。そのことについて全部矛盾なしに、そこを土台にして話をしておったのですから、閣議をやり直してもらわなければいかぬ。

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員長 ちょっと速記をやめて……。     〔速記中止〕

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員長 速記を始めて……。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 それでは、同僚の切なる勧告がありますから、この問題については一応保留いたしまして、問題をあとに残します。  それで、関連いたしまして、石井長官は、こういう混乱の中で、これは河野さんは抜きにいたしまして、独立した北海道開発計画の第二次計画というものは、もしそういうことになると、一体三十二年度を削る気なのか、削らないのか、見合うために第二次計画の初年度を削ってしまうのか、あなたはそれと並行してやるのだ、それが策定されないから、こっちもやれないのだ、開発計画というものは、経済自立五カ年計画、全国開発計画と一体の計画だということが、従来宇田さんからあなたに引き継がれてた唯一の論拠だと思います。その経済計画が空になった。それが御調査の結果、後日そうだということになった場合、今まであなた方がおっしゃったことが、また全部架空なところに根拠を求めて、いたずらに引き延ばしをやってきたのだということになってくると思う。そうすると、ここでは、従来そういう主張をしたことを全部放棄して、何でもいいから、北海道だけは第一次から第二次につながらないとうまくないから、ここでやっちゃうんだということで、単独で閣議決定をするか、それとも、三十二年度を空にして、三十三年度からこの基本計画と見合った計画として切りかえるか、ということの態度がどうなっておるのかということと、もう一つ、もしか切り離して閣議決定をすれば、その時期はいつなのか、この点について一つ御答弁を願いたいと思います。

石井光次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○石井国務大臣 三十二年には国の計画が出てこないという場合に、われわれの方はどうなるかということに対しては、私らの力は、大体さきの北海道開発の審議会で五カ年計画の案を持っているので、これを国の計画に合せて、いろいろ是正するものは是正しようということで、きたわけでございまして、三十二年もその方針に従って予算を組み、予算は十分ではありませんでしたが、その方向に向って成立しておるわけでございます。三十二年度を捨てる意思はございません。北海道の五カ年計画は、三十二年からの五カ年でございますから、これはそのままといたしまして、国の計画とにらみ合せる問題は、さっきから申しますように、三十三年は三十三年、三十四年は三十四年とにらみ合せる。だから、われわれの方の計画も、今後の四カ年間の分の国の計画とにらみ合せまして、そして実際により近い計画にするというつもりでございます。  それから、閣議決定をどういうふうにするかという問題は、今、国の方の経済計画がだんだん進んでおりますので、それと打ち合せて、内々やっております。今月中には話し合いを大体つけまして、おそくも年内、岸総理が十二月の初めに帰って参りますので、その帰った直後には、閣議決定で北海道の原則はきめたい、こういう考えでおります。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 国の計画と切り離した計画になったのですから、国の計画と見合わないことになってきたのです。ですから、私はともかくこれだけを分離してやるということになると、従来政府のとってきた経済計画と見合ってきめるんだということを、ここで全部訂正をする、従来やってきたことは間違っていた、今のがほんとうだということがはっきり確認されないと、次の北海道総合開発の大問題が動きがつかないのです。何といっても、これはかつてない北海道開発の途上に出た最大の考え方の転向ですからね。

石井光次郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○石井国務大臣 国の計画を無視して、われわれの方だけでやるという考えはないのでありまして、今も申しましたように、今月中にはその話し合いをだんだんつけて参りたい。と申しますのは、経済計画はほとんど経企の方で出かかっておるわけでございますが、これとにらみ合せて今いろいろ研究しております。決して国の計画と離れて、勝手に北海道だけが独行するのではなくして、国の計画をちゃんと頭に入れて、これと同じ歩みをするようにやっていくつもりでおります。その通りできると思っております。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 どうもはっきりしない答弁でございますが、しかし、この問題はこの程度で一応保留しておきたいと思います。  それから、ここで河野長官も石井長官もいらっしゃいますので、開発の発展に伴うところの所見について伺っておきたいと思います。先ほど実は九州開発に関する問題について、同僚北山委員から質問がありました。また河野長官からも所見を伺ったわけですが、開発を要する特別地域に対しまして、従来若干の重点的な予算措置その他を行なってきたことは、われわれも認めるのでありますけれども、特に開発の焦点である特定地域に対して、特別行政区を設置して、免税措置あるいは特別な経済に対する支援の措置を行うということが、開発を促進する上に有効であるというお考えを持ち、そういう方策を講ずるような意見を用意されておりますかどうか、承わりたいと思います。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 税制につきましては非常に重大な問題でございまして、特定の地域として別に考えるというようなことは、私はどうもお答えすることはなかなか困難でございますので、一つしかるべき機会に、しかるべき適当な人から答弁をしていただくことに願いたいと思います。

渡辺惣蔵日本社会党

○渡辺(惣)委員 適当な機会に、適当な人という政治的答弁で、意味不明なんですが、そういうことは、今特に北海道等の後進地域に対して、税率を引き下げるとか、経済開発に必要な電力料金の引き下げを行わしめるとか、鉄道運賃の特別措置を講ずるとかいうようなことを、法的措置を講じて、これを特別に推進をするというような内容を盛ったものを、政策としてお考えになっておるかどうかという点については、やはり経済開発計画に関連いたしますので、適当な人と申しましても、経済企画庁長官からまずお伺いする以外にないのですがね。一つその点につきましてお考えがあれば伺いたいし、なければないで、けっこうなんであります。

河野一郎自由民主党経済企画庁長官

○河野国務大臣 私は今考えておりませんが、予算委員会等で総理大臣にお尋ねになることを、適当な機会に適当な人と申したのであります。こういう重大な問題でございますから、私が考えがあるとか、ないとか申しましても、御満足がいくとは思いませんので、そういう答えをしたわけであります。私は、そういうふうに国全体の立場で、特定な地域を定めて、特定な税率を云々ということは、これはなかなか困難なことだろうと思います。ただし電力料金等につきましては、東北、北海道等の特殊の地域の工場の分布、産業構造の再編成等から考えまして、なるべく一つ産業開発に有利な条件になるように、国家としてはあらゆる施策を講ずる必要があるだろう、また、そういう意味から申しまして、北九州地方の石炭の開発の関係が、北九州の工業地帯としての条件を整えておると同様に、北海道の石炭の開発については、特別の配慮をして参る必要があるだろうというようなことにつきましては、産業振興について、大きく国策の線を打ち出して参る必要があるだろうということは考えますけれども、これを逆に、現地住民諸君の負担の軽減というような意味で、国全体の税の上で、その問題を特定な地域について特定に考えるとか、鉄道その他の料金を特定に考えるというようなことにつきましては、企画庁長官としては別に考えを持っておりませんので、一つ御了承をいただきたいと思います。

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員長 これにて質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員長 次に請願の審査に入ります。本日の請願日程全部を一括して議題といたします。  この際、お諮りいたします。先ほど理事と協議の結果、本日の請願日程につき、その趣旨は適切妥当なものと認め、議院の会議に付することを必要とし、採択の上、内閣に送付すべきものと決しましたが、この決定通り委員会としても決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  なお本請願に関する報告書の作成等につきましては、前例により委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員長 御異議なしと認め、さよう決します。     ―――――――――――――

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員長 なおこの際、御報告申し上げます。本委員会に参考送付されました陳情書は、ただいまお手元に配付いたしてあります通り三件でありますので、御了承を願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時四十二分散会

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