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27回国会衆議院1957/12/18

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第5号

発言数
67
登壇者
10
会派数
2
開催日
1957/12/18

会議録

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  さきに、本委員会から、山梨県、静岡県及び栃木県に委員を派遣して、調査をお願いいたしたのでありますが、この際派遣委員から御報告を聴取いたしたいと存じます。井堀繁雄君。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 はなはだ僭越ですが、派遣委員にかわりまして御報告をいたしたいと思います。  過日本委員会の派遣委員として調査いたしました山梨県、静岡県及び栃木県における公職選挙法改正に関する件、おもに最近の選挙の実情、選挙管理委員会の実態、常時啓発に関する活動状況などにつきまして、以下概略御報告を申し上げます。  まず、最近行われました各選挙の実情、選挙違反の問題などにつきましては、内容も多岐にわたり、時間の関係もありますので、その詳細は委員長まで提出してあります書類によって御了解を得たいと思います。ここでは山梨県秋山村及び栃木県の大平村の事件について申し述べることといたします。  秋山村村長選挙違反事件の概要を申しますと、任期満了による村長選挙のため、秋山村選挙管理委員会は、昭和三十二年四月十四日選挙期日を告示し、四月二十一日投票を行なったのであります。立候補者は安留徳朗君及び佐藤文次郎君の二人であり、有権者数千七百三十七名、投票者数は千五百八十四名、投票率は九一%余であり、その結果安留徳朗君が九百三十二票をもって当選したのでありますが、事件は選挙運動の面から発生したのでありまして、複雑な村内情勢において対立した両候補が争った結果、選挙運動は激化し、両候補は互いに買収を行い、安留候補が買収に要した総金額は約百六十八万余円の多額に上り、一方佐藤候補が買収に要した総額は約一万五千円余であることが判明いたしたのであります。警察の取調べが進展するに伴い、次第に逮捕者を出し、その間参考人として呼び出された者は七百名以上にも及び、この結果、事件関係者は、村会議員、選挙管理委員、消防団幹部などの公職関係者にまで波及し、村政は一時停滞するに至ったとさえいわれたのであります。両派の選挙違反による検挙件数は三百六十九件、検挙人員は三百九十一名の多きに達し、安留候補、同総括主宰者及び出納責任者三名は六月十八日起訴され、九月の十六日甲府地方裁判所においていずれも有罪の判決がありましたが、候補者及び総括主宰者は即日控訴した。その他の事件関係者についても、都留簡易裁判所から罰金の略式命令通知が出され、またこのうちには公民権停止を宣告された者もあり、また正式裁判を請求した者三十二名について現在公判中であります。  以上により、現段階において三百六十一名が罰金刑が確定し、うち、公民権停止が確定した者は六十七名となっております。  これらの事犯の特徴としては、まず個人ごとではなく、部落ごとに、集団の、しかも現金による買収事犯でありまして、いわゆる村ぐるみの買収と称されるものであり、また公職者が多数連座し、婦人層が被疑者に入っているのに反して、青年層、教員、役場の吏員などはこれに反発を感し、渦中の人となっていないことは注目に価する点であります。  なお、秋山村は、耕地にも恵まれず、全くの山間僻地で、東西約三里にわたる細長い山峡に人家が点在し、村民は山林の伐採と薪炭製造により乏しい生計をささえている貧しい村でありまして、この点同情すべき点も多々あると思われるのでありますが、この大胆というか、いささかも法律から逃げようとしないやり方を見ますと、村民は一般的に選挙違反というものに対する法律意識が単にきわめて低いというだけでなく、義理、人情、因襲といった古い束縛を振り切るだけの正義感、勇気というものに欠けているところがあって、本件を惹起したものと考えられるのでありまして、惜しむらくは、適切な時期に啓発運動が徹底したならば、おそらくかかる不祥事件は起らなかったのではないかと思われるのであります。また、かえって、このため、村民諸君が今後わずらわしい選挙から一切手を引くというような考え方を抱かれるとすれば、ゆゆしい問題でありまして、かかる考え方は断固一掃していただき、全国的に一大警鐘となったこの尊い経験を生かし、今後の選挙には真面目を発揮し、大飛躍を遂げ、県当局などの適切な指導援助を得て、村の発展に一そうの努力をいたされることを念願するものであります。  次に、栃木県大平村村会議員の選挙効力に関する争訟事件について概略を申し述べますと、本件は、村会議員の任期満了による一般選挙であり、去る九月十四日執行されたのでありますが、第三選挙区次点者尾花武一君及び落選人小森谷源弥君外三名より、選挙効力の無効の異議申し立てが村選挙管理委員会に提起されたものでありまして、村選挙管理委員会では、調査の結果に基いて、十月の二十九日異議の申し立てはいずれも棄却する旨を決定し、投票管理者の職務代理者の違法行為は認められ、当選の効力の範囲には抵触すると思われる点もあるが、これがため選挙の効力に影響を及ぼすようなことはない旨の決定書を同日申立人に交付したのでありますが、尾花武一君は、この決定を不服とし、十一月十八日県選挙管理委員会に訴願書を提出したので、目下県選挙管理委員会において調査中の事件であります。  訴願において主張されているおもな要点は、一、大平村第三地区第二投票所において、投票管理者が、事故もなく、また欠けない場合にかかわらず、投票管理者の代理者が約百名に対し投票用紙を交付したことは、選挙人または他の候補者、運動員などに対して心理的動揺を与えたものであり、その代理者が選挙参謀を勤めていた某候補の当選を有利に導くべく行なったものと考えられ、西野田部落の投票総数三百三十二票のうち、約百名に心理的威圧を加えたとすると、当落に影響がないと断定できる根拠がない。二、選挙当日選挙管理委員会に対し口頭にて抗議を申し込んだところ、投票管理者代理人が投票所に関係することは、管理者の事故なき限り違法であり、選挙管理委員会は事務従事者として依頼していない旨の確答を得ていること。三、亀田某が母親の投票用紙に記載し、投票管理代理者に有効と認められて投函したこと。四、投票立会人が某候補事務所より差し入れられた昼食の弁当を飲食した。五、従来と異なり、投票所の出入口を同一にし、混雑を惹起したのは、何らかの策謀を企てたと考えられることなどにより、不正な投票管理が行なわれ、某候補の選挙の結果に甚大なる影響を与えたものと認められるというのが、その主張とするところであります。  本件は県選挙管理委員会において目下調査中の事件でありますので、この際批判を慎しみ、これを避けるべきと考えますが、投票管理者の職務代理者の職権、服務要領などについて明確な規定がないこと、代理投票については具体的な規定通り実施されない傾向のあること、管理者、立会人は厳正中立な人を選挙するように、また末端の投票所の管理について適切な指導がなされることなどについてさらに一そうの検討を加えることが必要であると痛感いたしました。県選挙管理委員会としては、村の選挙管理委員会の決定のいかんにかかわらず、厳正公平な判断を下したいとのなみなみならぬ決意のほどを伺って参りましたので、慎重な調査に基き公正な判定を下されることを期待してやまないところであります。  その他、栃木県では、今市市長選挙の効力及び当選の効力に関する争訟事件、氏家町選挙の選挙効力及び当選の効力に関する争訟事件について報告を聴取したことを申し添えておきます。  なお、この際一言つけ加えますが、栃木県においても、昭和三十一年七月八日の参議院議員選挙におきましての創価学会の運動状況を伺ったのでありますが、戸別訪問による選挙違反が顕著で、選挙のルールを初めから無視した傾向が認められ、これらはすでに全国的な問題となっておりますので、個々の事犯をとらえるよりも、全体的に実態を把握して、抜本的な適宜な措置を講ずべきではないかと考えられるのであります。  次に、選挙管理委員会の実態について申し述べますと、県選挙管理委員会におきましては、静岡、栃木県は委員に県出納長が含まれており、三県ともいずれも県地方課が実際に事務を処理し、県地方課長が書記長を兼務しておりまして、市においては独立の事務局を設置しているものがかなりありますが、職員は兼任が多く、選挙管理委員長あるいは委員に助役が兼務されているものもあり、町村では独立の事務局を設けているものは皆無で、委員長あるいは委員に助役、収入役その他の役場の職員がかなり多く兼務している状態でありまして、事務の円滑のために選挙の公正がゆがめられるおそれのある兼職の問題は、選挙管理制度発足当時の状態から脱却して、法律をもって明示してもよい段階がきたのではないかと考えられるのであります。  なお、選挙管理委員会の要望として、一、市町村の選挙管理委員の定数を増加して四人とし、三名以上の出席をもって会議が開けるようにされたい。二、各種選挙及びリコールを厳正公平にかつ誤まりなく管理執行し、訴訟を公正に審査し、義務づけられた公明選挙啓発運動を強力に推進していくためには、選挙管理委員会の事務処理機能を整備充実することが緊急かつ必須要件であり、県市町村の選挙管理委員会には事務局を設置し、国の財政措置などにより必要なるところの専任書記を必置制とされたい。その他、予算の執行権の問題、再選挙、補欠選挙の経費について増額されたい等の要望がありました。  次に、常時啓発の活動状況について概略申し述べますと、各県とも、綿密な啓発運動実施計画に基いて、選挙管理委員会関係者のみならず、広く協力態勢をとって実施しており、おおむね話し合いの助言者、司会者、記録係等の指導者養成の段階から、漸次小集団の話し合いに進もうとしている状態でありまして、当局者が懸命に努力されており、着々その成果が上りつつあることは、まことに心強く感じられたのであります。  常時啓発費などの詳細な数字につきましては、この際これを省くことといたしまして、ここでは実際に見て参りました静岡県賀茂郡稲取町における婦人社会学級の話し合いの状況を簡単に御報告申し上げることといたします。  主として漁業関係の主婦と農業、商業関係の主婦が十二、三名ずつ二組のグループを構成し、本年は漁獲が例年になく不振であったため、この歳末を主婦としてどう過ごすかということ、また、これまで生活改善についていろいろと申し合せをしてきたのであるが、実践となるとなかなかうまくいかないがどうしたらよいかという、実行可能性のある身近な、しかも切実な問題をテーマにしてそれぞれ活発な話し合いが続けられておりました。婦人の集まりだからといって、別に気取ることもなく、また子をおんぶしたまま熱心にメモをとっておられる婦人もあり、各人が秩序正しく相互に発言を続け、司会者、助言者とうまく呼吸が合って、グループ活動は活気に満ち、いろいろの問題が手ぎわよく整理され、発表の段階に進んでいく光景に全く驚きの目をみはったのであります。話を聞く、書く、考える、発言するといった基本的なものがすっかり身についておられる点などは、全く感服いたしたのであります。ここまで到達するまでには、古い歴史、基盤がすでにあり、周囲のあたたかい指導援助などによって実を結んだことと考えられるのでありますが、話し合いに進んで協力された婦人の各位に深く敬意を表するとともに、なお一そうの努力により、りっぱなものにこれを育てて、多方面に広げていかれることを期待してやまなかったのであります。話し合いがここまでくれば、選挙の買収または供応などの忌まわしい不正事件は絶対に生ずる余地がなくなり、案外公明選挙も実現至難ではないという確信を強く持ったのであります。芽を吹き始めた常時啓発の活動は、地味ではありますが、きわめて重要な仕事であって、多少の時日を要しても効果が必ず現われるものであり、これらの運動が全国にわたって浸透普及徹底したときを予想いたしますと、まことに心豊かな楽しみを感ぜられるものがありました。これらについて財政面を初め、あらゆる面にわたってでき得るだけ援助することに努力をいたさねばならないことを強く感じた次第であります。  なお、各県市町村選挙管理委員会は、いずれも啓発運動を推進普及されるために多大の犠牲を払って努力を続けておりますが、広大な指導範囲に比べて、末端まで運動を展開するに当って諸経費があまりにも僅少なため、経費の面において苦慮し、せっかくの計画が机上のプランに終るおそれがあるというのが一般的な現状であります。また、明後三十四年には、中央、地方の各種の選挙が行われる見込みであるから、この機会に啓発事業を活発に行うことは一そう効果的であると思われるので、常時啓発事業委託費の増額を強く要望されましたことを、ここに申し述べておきます。  次に、公職選挙法に関する改正意見並びに要望のおもなるものについて概略申し述べます。  一、都道府県議会議員の選挙区については、最近の町村合併により、郡が小規模化し、市によって分断されたものあるいは飛び地を生ずるに至ったので、現行法による郡市の区域を選挙区にすることに不合理を生じているので、法第十五条の規定に検討を加え、実情に即するようにすみやかに改正すること。二、基本選挙人名簿に登録されたものが名簿調製期日後同一市町村内の他の投票区に住所を移した場合においても、補充選挙人名簿に登録申請ができるようにすること、また基本選挙人名簿及び補充選挙人名簿の調製は住民登録により調製ができるように立法化すること。三、法第十一条に該当する既決犯罪通知は、直ちに住所地の市町村長並びに選挙管理委員会に対してもなすよう、法的に規定をすること。四、法第四十九条の不在投票が許される区域として、「郡市の区域外」とあるのを、「市町村の区域外」に改めること。五、法第百四十七条第一項の違反文書図画の撤去については、警察が直ちに撤去できるようにし、選挙当日投票所を設けた場所の入口から一町以内のポスターの撤去は候補者になさしめるようにすること。六、異議の申し立てまたは訴願の審査をする場合において、選挙管理委員会の権限を強化し、選挙人、関係者の出頭陳述を求めることができることとするなど、強制力を付与してもらいたいこと。その他、立候補辞退は、選挙期日前二日とすること、個人演説会の会場施設としては、市町村の議事堂はこれを削除すること、開票立会人の数を五人程度に減少させること、町村における議会議員及び長の選挙においても自動車一台の使用を認めることなどの意見が述べられたのであります。  また、警察並びに検察当局の取締り面からの改正意見を以下要約して申しますと、一、選挙運動の制限をできる限り簡素化し、形式犯については過料の制裁とすること、二、運動実費または労務報酬の支払いを受けることのできる選挙運動者の数を限定し、これを届出制にするとともに、それ以外の運動実費または労務報酬の授受に対し刑罰規定を設けること、三、連座制の強化でありますが、選挙事務長を届出制とし、選挙事務長または出納責任者が買収罪などによって処罰されたときは、直ちに当選無効とすること、四、選挙犯罪による公民権停止は期間は短かくても必ず行うものとすること、その他、選挙ポスターの検印を、偽造押印不正使用防止のため、検印を統一し、その様式も簡単に偽造できないものとすること、また、選挙犯罪について、裁判所以外の特別な審査機関を設けてこれに当らせるといった方法は考えられないものかなどの意見が述べられました。  以上が、山梨、静岡、栃木県における調査概要でありますが、本調査に当って格段の御協力を願いました県当局初め選挙管理委員会、警察、検察当局並びに関係市町村に深く感謝の意を表しますとともに、御出席願った方々にはいずれも熱心に腹蔵なく貴重な御意見を述べていただき、また静岡県稲取町の婦人学級の皆さんにはお忙しい時間をさいてわざわざお集まりを願いました点などにつきまして、ここに厚く御礼を申し上げまして、報告を終る次第であります。

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 以上で派遣委員の報告を終了いたしました。  この際委員長より一言申し上げますが、ただいまの詳細なる御報告を伺いまして、調査に参られました委員各位の御労苦に対しまして、深く敬意を表し、感謝する次第でございます。  ちょっと速記をとめて下さい。     〔速記中止〕

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 それでは速記を始めて下さい。     —————————————

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 ただいまから公職選挙法改正に関する件につきまして審査を進めます。  ただいま御出席になっている政府当局は、自治庁選挙局長兼子秀夫君、大蔵町主計局主計官相澤英之君、文部省社会教育局長福田繁君、以上であります。  質疑の通告がありますから、順次これを許します。  加藤精三君。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 本委員は、過般、衆議院より派遣せられまして、福岡県知事のリコールの状況を調査に参ったのでありますが、この調査におきまして考えましたことの二、三につきまして御質疑をいたしたいと思います。ごく事務的なことでございますから、課長さんからでも、どなたからでも、御答弁はけっこうであります。  リコールの手続は署名取りまとめの代表者の承認から始まるということになっておるようでございますが、その代表者が承認せられましてから、署名収集人が届け出せられまして、そうして署名を始め、所定期間の間に署名が法定数に達しましたら、その署名の審査が始まるわけでございます。それで、町村区域のリコールの場合は、そこに大きな問題はないのでございますけれども、府県を一円とする知事の解職請求手続等におきましては、その署名を審査するところの事務につきまして、その経費負担をいかにするかということに問題があるようでございます。これは県を一円とした解職請求でございますから、この選挙の公正を保つことは、県自体の利益だろうと思いますが、現行法では、市町村選管が署名の審査をするにつきまして、事務の委託として、署名審査に要する経費が選管の負担になっておるのじゃないかと思います。これにつきましては、明文を設けて、その経費は府県の負担とすることに改正する必要があるんじゃないかというふうな考えを持っております。市町村選管がこれを支弁して、あとから県で補助するという手がございますけれども、そういうことが事後に処理されましても、その経費負担は市町村に迷惑をかけることになりますので、市町村がもしその負担を予算に計上しなければ、選挙の公正が害される程度の正確さの審査しかできない場合も、何十万という審査の場合は発生するかと思う。そういうことをかれこれ考えますと、選挙の公正を保つ上におきましても、負担の実質的な責任者をきめておく必要があるのじゃないかと思いますが、これに対する選挙課長の意見をお聞きしたいと思います。

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 選挙課長というお話でありましたが、まず選挙局長から御答弁を願います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 リコールの経費についてのお尋ねでございましたが、リコールの制度は、ただいまの御意見のごとく、市町村におきましては大体常識的に制度の運用がなされ得るのでありますが、県のような広域になりますと、非常に手続が煩瑣になりまして、いろいろむずかしい問題が起って参るのであります。そのうちで、お尋ねの費用の点でございますが、これは現在の規定の上では若干明確を欠く点がございますが、規定全般の立て方から参りまして、県のリコールにつきましては県で費用を負担するというふうに解せざるを得ないだろうと思うのであります。ただし、市町村の署名の審査の費用でございますが、市町村の署名の審査、それから異議申し立ての決定のために開催いたしました市町村選挙管理委員会の委員の報酬及び費用弁償につきましては、これは解釈上どうしても市町村と見ざるを得ない。これは自治法の規定からそう見ざるを得ないと思います。それ以外の署名審査に関係いたします経費は、県のリコールでございますれば県で負担するのが適当であろう、このように自治庁といたしましては解釈を一定いたしておるのでございます。

皆川迪夫総理府事務官(自治庁選挙局選挙課長)

○皆川説明員 ただいま局長から御答弁がありましたことに特につけ加えることもないと思いますが、御案内の通りに、自治法においてリコールの規定はすべて公職選挙法の規定を準用いたしておるわけであります。従いまして、費用の点につきましても、施行令において公職選挙法の関係規定を準用いたしておるわけであります。その考え方は、県のリコールは県の選挙に関する規定を準用する、従って、その費用は本来県が負担すべきものでありますので、リコールの費用も府県の負担になる、こういう工合に考えておるのであります。ただ、選挙の方には言うまでもなく署名の審査というような事務がございませんで、そういうようなものが、全部投票手続とひっくるめまして、共通的に準用されておる、こういう部分が実は費用のほかにあるわけであります。たとえば、公務員は公職の候補者になれないというような規定をリコールに準用する場合、これは請求代表者に関する規定であるというふうに準用いたしておるわけであります。そのような規定からいたしまして、若干明文は明瞭を欠く点がありますけれども、ただいま局長から御答弁がありましたように、府県のリコールに関する規定は、原則として費用を府県が負担すべきものであるというように考えております。なお、これは明文上明瞭にするということは考慮してよいものであろうと考えております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 私は、ただいまの御答弁で明らかになったのでありますが、政府御当局はリコール運動の実際をもう少し御認識になって、その運営が全からぬことを御心配になっていただきたいと思うのでございます。選挙の規定を単に簡単に準用すれば、法の上では簡単に済むわけでございますが、このリコールの署名審査を受け持ったところの、たとえばこのたびの福岡市でいえば約三十万と聞いておりますけれども、それの署名を一々選挙人名簿と照合したりあるいは内容証明の異議申し立て等につきまして審査いたしたりします手数というものは大へんなものだろうと思う。簡単に準用するといっても、現実には相当な事実上の実務を伴うものだろうと思う。しかも、そういう県の行政の利益のためにする費用を市町村自治体が引き受けるということは、回り回れば府県の利益は市町村の利益になりますけれども、観念上どうも無理があるのではないか。地方自治の費用分担、責任区分等から見まして、どうしても無理があると思う。これに対して特別な規定を設ける必要が立法論上あると思うのでございますが、その点につきましての御見解をお聞かせいただきたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 リコールの制度につきましては、先ほども申し上げましたように、制度そのものとしてまだ十分にわが国民に慣熟した制度とは申せない点があるのであります。特に、府県のような広域のリコールにつきましては、経費の負担の点ばかりでなく、経費の流れ工合と申しますか、適時に経費を配当するというような必要もありましょうし、それ以外の実質的な規定につきましても、相当研究を要する部分があるように感じておるのであります。今後機会を見てそういう点を立法的に解決する必要があるのではないかと考えております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 私の言うのは、そういう、ばく然たることではなしに、県一円の解職請求におけるその事務執行手続の中の署名審査の経費を市町村に実質的に持たせる方がいいか、あるいは府県に持たせる方がいいか、その負担区分を、選挙というものの本質から見ましてあるいは地方自治というものの本質から見て、どっちがいいか、そういうことについての御意見を聞いておるのです。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 先ほどその点については御答弁いたしました通り、県のリコールになりますれば県で賞用を負担する。ただ、市町村の選挙管理委員会委員の報酬につきましては、これは現在の規定上市町村の負担と解せざるを得ない。これは県のリコールであるならば県で負担すべきであるという御意見でありますれば、それはまた別途の問題でございますが、大部分の経費につきましては、これは県が負担をする、こういう建前になっております。

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 加藤委員にちょっとお断わりいたします。なお質問が続くと思いますけれども、文部省の社会教育局長は三時からほかに会議があるそうでございまして、井堀君の質問もありますので、それをお含みでお願いいたします。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 すぐ終ります。  私は、現行法の説明をお聞きしておるのではなくて、立法論としてどういうように考えるのが妥当かということを、念のため、参考のためにお聞きしておるのでありまして、それは御回答しにくい何か理由があるならばけっこうでございますけれども、もしわかれば、今、選挙事務の政府の当局者としては、どっちが正しいか、府県が負担するのが正しいか、市町村が負担するのが正しいか、その感じを言うていただければけっこうです。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 県のリコールでありますれば、署名審査に要します経費は県で負担するのが至当であると存じます。また現行法の解釈で大部分は県で負担をすべきである、こういうふうに考えます。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 先ほど、選挙課長から、市町村の選管の委員の手当その他も今市町村の負担になっているというお話があった。それは現在県の負担になってないわけなんですけれども、その点についてはこれを県に負担させるのが至当だというふうにお考えになるかどうか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 市町村の選挙管理委員会の委員の報酬につきましては、これは、自治法の規定に従って、その会議に出席いたしました日の日当と申しますか、そういう報酬を支給しているところもございますし、あるいは月額で報酬をきめておるところもあるのであります。また、そういう実際の問題もございます上に、まあ金額から申しましても、委員の報酬につきましてはきまっていて、大体それほどの金額でもございませんので、市町村に負担をさせましても、事務の運行に支障はないのではなかろうか、このように考えられるのであります。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 市町村の選管の委員の手当は私は府県が負担するのが当然だと思うのです。しかしながら、なお事務職員が選挙人名簿等を照合したりする、そういう経費が一番多くなるだろうと思いますから、現行法では、それは厳密にいえば市町村の負担になっているのじゃないですか。その点県の負担になっておるのですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 市町村の職員の経費につきましては、これは通常の俸給は市町村の負担でございますが、その仕事に必要な超過勤務と申しますか、そういう臨時的な経費、並びにその仕事の遂行のために臨時に雇用した者の職員費というようなものは、これは当然県の負担、このように解釈しております。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 これでおしまいですが……。それで、この市町村の選管の委員も、二、三十万の署名審査が要るという場合には、ほとんど連日勤務だろうと思う、経費も多くなるだろうと思うのでありますが、そういうようなことからかんがみまして、これは府県の負担にするのが穏当のように思う。それらを予算に計上しておかなければ、こういう大きな解職請求事務の一体としての公正が十分保たれないのじゃないか、これを法律改正によりまして府県の負担にするか、それとも特別の話し合いによりまして府県が補助を与えられるか、そういうことによってあらかじめこの解職請求手続が公正にいきますための予算の計上が実現するようにお取り計らいを願っておいたらどうかと、老婆心ながら考えているのでございます。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 ただいまの御意見は十分に検討をいたしたいと思っております。

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 井堀君。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 先ほど国政調査の結果の御報告がありましたように、山梨県、静岡県、栃木県の選挙関係の国政調査の中で、最もわれわれの重視いたしておりました常時啓発の運動について、その他二、三の大きなものをあげてお尋ねをいたしたいのでございますが、文部省の社会教育局長の御都合がありますから、その方を先にお尋ねいたしたいと思います。  先ほど報告をお聞きいただいたと思いますが、最近常時啓発の運動が全国に非常に旺盛に展開されてきておりますことは、まことに慶賀にたえないことであります。これに関連いたしましてたとえば、憲法、教育基本法、それに社会教育法と選挙法の四つの法典が、この運動にいろいろと積極的な使命を命じておるわけです。ここで局長にお尋ねいたしたいのは、この関係の中で選挙法の第六条にありまする常時啓発の運動と有機的な関係をとってこなければ——われわれの調査した範囲はきわめて狭いのでありますけれども、われわれの知る範囲においては、この有機性を欠いておる。ことにこの内閣は三悪追放の中でも汚職追放の問題を強く主張しておる内閣でありますだけに、この問題は私はいずれの場合においても積極的に出てくるのではないかと考えられます。そこで、具体的な事例をあげてお尋ねすることが便利だと思いまするから、ここに一例をとりたいと思うのです。  それは、先ほどの報告の中にもありましたように、静岡県の稲取町の社会学級は非常によい成績を上げておるということを聞きまして、これを調査いたしたわけでありますが、われわれの想像以上の成績を上げておると申し上げることができると思うのです。その中で、文部省の指導しておられました三十一年度の婦人学級の学習の結果報告が文書で出ておる。この人々が、非常に熱心に、とうとい時間をさき、労働の余暇をさいて検討されました数々の中で、三十一年の事業の一つとして成果を上げたと思われまするものの中に、テングサの歴史、稲取町の収入源の一つとしてテングサの問題が取り上げられて検討され、その結果がすでに分厚な原稿となって文部省の方に回付されておる。こういう報告を現地で聞いて、その内容を私どもは知りたいと思いまして、わずかの時間でありましたがいろいろ調べてきたのでありますが、どうしてもその原稿をもう一度われわれは見る必要があるように感じたわけです。この原稿をもうすでに社会教育局長はお読みになっておると思う。なぜそういうことをお尋ねするかということを簡単に申し上げておいた方が、お答えをいただくのに便宜だと思いますが、聞きたいのは、せっかくこの種の集会が持たれましても、その結果があいまいなうちに終ってしまいますと、せっかくここで盛り上った意欲は中途半端なものになるということをおそれるからであります。ことに、わずかの金額でありますけれども、一億の国費をつぎ込んで、それに、乏しい地方財政の中から、また選挙管理委員の皆さんの犠牲的な運動によってせっかく啓蒙運動が展開され、その第一に取り上げられたのが話し合いの場であります。これは私どもはよほど心して育てていくべき大事なことだと思いますから、お尋ねするのであります。  そのためには、有機的な、最も直接な深い関係を持ちまする社会教育の面とこれをもっと結びつけなければいけないと思う。その一例としてここにあげられたテングサの問題は、さっきも報告がありましたように、たまたま私が参りましたときに、ちょうど二つのグループの話し合いの会が持たれていた。一つは漁夫の細君の集まりでした。漁夫の奥さん方のお話は、きわめて真摯な態度で、真剣な問題をテーマにしておられましたが、さっきの報告にもあったように、ことしの不漁を一体どうして切り抜けるか、この年の瀬を越せないというような真剣な問題をテーマにしてその報告がありましたが、なかなかりっぱな報告でございました。その後私はいろいろなことをお尋ねもし調べてもみたのでありますが、あそこのテングサの問題は典型的なものですから、一体収入がどういう工合に処分されているかということを知りたいので聞いたのです。そうしたら、あなたのところに書類が行っているというので、お調べになったと思うのです。たとえば、今のテングサの歴史にどう出てくるか知りませんが、その中で、私どもの飛び飛びに聞いたところですが、年間かなり大きな収益をテングサで上げておるのです。それがどういうふうに管理され、どのように利益が配分されておるかということを知りたかったのであります。詳しいことはわかりませんが、何でも昭和二十一年以前はそれが村の収入になっておった。その後、法律の改正などによって漁民の協同組合が作られて、その協同組合と町との間に共同管理が行われておる。従って、その利益は、その一つの団体、すなわち町と漁業組合との間で契約をして処理をしておるということを聞きましたので、内訳を聞いてみましたところが、契約はその後何回か改正はされておりますが、現在の例を見ますと、損益の配当の部分は稲取町が百分の五十五、漁業組合が百分の四十五をそれぞれ分けることになった。そういたしますと、漁業組合のテングサに関する収支関係がどうなっているかということを知りたくなって調べたわけです。昭和三十二年度の漁業協同組合の歳出歳入の予算書がございます。それを拝見いたしましたところが、一年の事業収入がテングサだけで二千三百三十五万三千円の予算をここに見越しておる。これはみなテングサです。そしてそのテングサの収穫のため必要な人件費とかそれに要する諸経費というものを全部見込んで、事業利益というものをこの予算書では九百万円見込んでいる。それでさっきの契約を見ますと、九百万円のうち四百九十五万円が稲取町に入っておる。漁業組合には四百五万、こういう計算になっておる。そうすると、その四百五万という金は、それはもちろん漁業組合として漁夫のところに還元してくる性質のものかもしれません。しかし四百九十五万というものは町の収入になってしまう。町は漁民だけで構成しておるのではなくて、いろいろな人々で構成されておるのであります。そういうところへこの純利益が入っていっても、この経費の中で見ていきますと、そこに従業しておる人の給料、賃金というものはかなり低いものであります。この婦人の座談会で出た結論というものは、この年の瀬をどうして暮らすということについては、収入の道を別に一つ求めよう、ある者はニコヨンに、あるものはミカン作業に日雇い労働として婦人が働いて、収入をそこから求めよう。支出の面では冠婚葬祭の点は切り詰めて今まできておる。そういう点ではどうにもならないが、もっと生活を合理的に切りかえるためのこれこれ、あれこれと、かなりいい案が出ております。そういうことでこの年の瀬を越そうという結果が出ておる。たまたま町の議長さんも町長さんも立ち会っておりましたが、議長、町長というものに対して、こういうものに対して一つ十分考えてくれという主張もつけ加えられて報告されておりましたところに、われわれ重大な注目を持っておった。もしわれわれに質問があったときに困ると思いましたが、幸いにして具体的な質問もなかったのでのがれたのでありますが、すぐわかりますように、こういうテングサによって大きな収益が一方に上って、それが村に入る。漁民が今年テングサの関係で不漁で生活に困って、ニコヨンでやらなければならぬ。この矛盾がある。私はきっとこういう問題はこういう常会で取り上げられるのじゃないかと実は思っておったのですが、そこまでは入っておらなかったが、われわれは短かい一つの例だけしか見ておりませんので、また取り上げられておるかもしれません。私は今後その調査を続けたいと思っております。こういう問題が一つ出てきておる。これは、今後この種の常会を持つときには、できるだけ事実をすべて知らせる、特に今言う生活の問題に関係のあるような事柄などについて、資料を提供したり、あるいはまたその資料を十分批判、検討するというところに、こういう常会の発展性が出てくることは、いうまでもないのであります。こういう点について一つの具体的な事実が出てきましたから、これは私ども考えたのですが、一つ参考にしておいてもらいたい。  こういうことを先に申し上げますのは、常時啓発運動というものを続けるときに、その会合がすべて生活の問題に直接結びついていかなければなりません。また、政治はもちろん生活、利害関係と不可分の関係にある、こういう問題は当然取り上げられて出てくると思う。ところが、そういうことについてはそれは行政的なことで、地方行政に関する、問題で、文部省の方では社会教育というものは要するにどういうものをお作りになって御指導になっておるか。こういう点は非常に重大な関係を今後持ってくると思いますので、非常に興味深く私はこの問題を取り上げて検討を続けておるわけです。こういうような事情がありますから、まず第一にあなたにお答えいただこうと思いますことは、稲取町のこの社会教育の報告はあなたのところにも来ておると思う。特にテングサの歴史、テングサから来る収益についてかなり具体的な調査をされた報告書が来ておるのではないかと思う。こういうものに対してどういう工合にお取り計らいをしておいでになるのか、また、今後こういうものに対して、どういう工合に、指導の場合にこの材料をお使いになるか、お聞かせを願いたい。

福田繁文部事務官(社会教育局長)

○福田説明員 ただいま大へん詳しい御調査の結果を聞かしていただいたのでありますが、私どもが扱っております社会教育の面と、いわゆる公職選挙法におきます公明選挙運動と申しますか、常時啓発の問題とは、非常に密接な関係を持っておりますので、今有機的な連携を持っていないのじゃないかというようなおしかりを受けて恐縮に承わったのでありますが、私どもは、常に自治庁とも連結をとりながら、選挙を間近に控えてそのときだけ啓発するというような考え方でなく、われわれの社会教育の面におきましても、あらゆる機会をとらえましていろいろな問題と同時にそういう啓発的なことをやって参りたい、それが私どもの扱っております婦人教育であり、あるいはまた成人教育であり、青少年の教育の問題でもあり得るのだ、そういう意味でやっておりますことを、御了承いただきたいと思います。  今静岡県の稲取町のお話が出たのでありますが、この稲取町は、実は、私ども、二十九年に全国二、三カ所を選びまして、婦人学級の実験的な学級を開設したのです。これは文部省が経費を持ちまして、これによってその町に委嘱してその学級を開設する、こういうようなことを最初にやったのであります。従って、この稲取町の婦人学級の学習計画なり、あるいはいろいろその運営につきましては、文部省と県とその町の関係者、こういった三者によって計画を立てまして、実際にやったことは、御調査の結果によって御了承をいただいておると思いますが、この中で、今お話しの点は、二十九、三十、三十一年と連続三カ年やりました、その三十一年のものでございますから、テングサの歴史というようなものも確かに話題の一つになっておったと思います。しかしながら、私、実は、その詳しい報告書と申しますか、その原稿は読んでおりませんが、しかし大体のことは伺っております。ところで、このテングサの問題だけでなく、いろいろその町あるいは町民の卑近な身の回りの問題から取り上げて学習するという方法を用いておりますので、従っていろいろな問題が出てくるわけであります。そこで、いろいろな問題が出てきましても、その問題についていろいろ討論し話し合いを行いまして、その結果を指導者によってこういう用い方をした方がいいんだというような結論に持っていくのでありますが、しかしながら、このテングサの問題につきましては、私は今おっしゃったような結論が出たというようには聞いていないのです。これは学習の中の一つのテーマにすぎないのでありまして、従って、その利益の配分なりそういった問題について実際にいろいろ考えた結果を実施するということは、これは町なりあるいは組合の問題かもしれません。それ以後この学習の学級を開いておりませんから、私どもとしてはそういった問題については何も触れるわけには参りませんが、一般的に申しまして、この学級を開設いたしまして、それによって解決された問題もなきにしもあらずでありまして、場合によりましては卑近な問題がうまく解決したという場合もありますけれども、そういった経済的な問題につきましては、これはいろいろな問題がありますので、これを学級自体によって解決するということは無理じゃないかと考えております。しかしながら、先ほどの御報告にもありましたように、その点はとにかくといたしましてこの稲取町の婦人学級はいろいろな面から最初にやった実験学級としては割合によく成績を上げたんじゃないか、こういうように私どもは報告を受けております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 私のお尋ねの仕方が適切でなかったかもしれません。私の伺おうとすることは、こういう具体的な事実からお尋ねした方がいいと思って申し上げたのです。というのは、さっきも言ったように、日本の行政全体の有機性というものは非常に私は大切だ。最も少い金を効率的に運営するという点では特に注意しなければならぬ、特に、日本のように、地方の財政も非常に苦しいし、国の財政も苦しいときに、そういう金を有効に適切に使ういうことに留意しなければいかぬと思うものですから、聞いたのです。せっかくあなたの方のモデル地区に指定されて、しかも二十九年から今日まで連続して御指導なさっておる点に対しましては、私は無条件に敬意を表します。しかしながら、それがモデル地区である限りにおいては、やはり全国的にそういうことが右へならえという可能性が見出せる。またそれは事実ときどきあります。しかし、肝心なところで、今あなたの答弁に現われておりますように、そういう金の問題はここでは扱わぬとか言われますが、私の言い方が少し露骨かもしれませんけれども、このグループの人たちの一番大きく期待しておるのは、あなたの言われたように身の回りの問題です。しかもニコヨンに行こうかと言っているのです。ミカンの人夫に出ようかと言っているのです。このことはいいのです。しかし一方にはこういう一つの道も開けてくるわけです。それに気づかないはずはないと思う。私は気づいてくると思う。またそういう正しい方向に指導者は導いていくべきではないか。ここは大事なところだと思う。文部省はそういうことについてはノータッチだというような考え方だと、社会教育を練り直す必要があると思う。今までの古い教育なら私は別だと思う。新しい教育基本法の精神から受けて立って、また、新しい憲法の命ずるところによって社会教育法をわれわれが見ていくときにおいては、そういう問題こそ、たとえば啓蒙活動の上にどう生かしていくかというような点が、そこから出てきてもいいのじゃないか。そうすれば、今後、常時啓発運動などについては、社会教育の関係と密接な関係を結びつけていく強さが出てくるのじゃないかと思う。  私の考えをもっと言って質問すればわかると思うのですが、この調査の一つでありますが、栃木県の場合を申し上げましょう。栃木県は、常時啓蒙啓発のための指導員を養成する足がかりとして、あなたの所管になっております公民館の主事をそれに充てておる。これに働きかけておる事実がある。いいか悪いかの問題を私どもにわかに判定しがたかったのは、あなたの考え方を聞いてみる必要があると思った。それで、あなたが一番よく知っておる、しかもモデル地区としてあげられ、世間から注目されておる事実について、あなたがどのくらい関心を持っておるか、またそういうものに無関心であるとするならば、また関心を持っておるか掘り下げ方が足りないとすれば、私は公民館の主事など使うというのは問題だと思う。また使い方もある。こういう問題が次々に出てくると思う。でありまするから、一番序の口の一番明確な問題を取り上げて伺ったわけです。あなたの御答弁によりますと、そういうものは社会教育の畑でないかのような御答弁ですが、これはもっとそういう点ははっきり御答弁できぬものですか。

福田繁文部事務官(社会教育局長)

○福田説明員 社会学級なり婦人学級なりで金の問題を扱わないという意味合いで申したのではないのであります。金の問題だからノータッチという意味ではございません。もちろん、婦人学級その他におきましても、日常の生活改善から各般の問題について触れますので、経済問題にも当然わたることと思います。私が申し上げましたのは、稲取町のことをそれほど深く存じませんので、失礼でございますが、今おっしゃいましたような、そういう協同組合あるいは村とのいろいろな利益配分の問題、こういった経済問題については、社会学級なり婦人学級のみで解決し得ないようないろいろ問題がありはしないか、こういう意味に申し上げたのであります。一般的に申しあげますと、経済的な問題であり、あるいは村作りの問題である、そういう各般の問題の中で、あるいはその婦人たちが話し合った結果解決していく、あるいはまた生活の改善に足しになったというような事例はたくさんございます。しかし、今おっしゃったようなテングサの問題、利益配分の問題は、あるいは婦人学級で解決され得なかった問題かもしれません。ほかの要素がいろいろあるかも存じませんが、そういう意味で申し上げたのであります。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 私はあなたの言質をとろうとは思いません。ただ社会教育法の第五条の九号によりますと、「生活の科学化の指導のための集会の開催」という非常に広い含蓄のある文事を使っておるわけです。非常にいいことだと思う。私は、生活科学を指導するというには広過ぎるけれども、今のようななまなましい事実が出たら、この第九号というのはそこに触れてきておると思う。そのことは公明選挙運動を展開する上にも非常に大きな役割を果してくる。ここに有機的な具体的事実を見ることができる。そういう萌芽が実際に現われてきておる。それをキャッチして、たとえば、自治庁は自治庁で勝手なことをやる、文部省は文部省で勝手なことをやるというのではなしに、そういう点に私は役所との連絡もあっていいのじゃないか。たとえば選挙局長を呼んで聞けばその問題はすぐわかるようになっておるし——あなたをわさわざわずらわしてお気の毒だと思うのですけれども、どうも選挙局長にお尋ねするのも私は多少どうかと思ったので、私はあなたに伺った。その程度なら選挙局長はなおわからないと思う。私は、こういう点で、はなはだ失敬な言い方をしておりますが、時間の関係で言葉を飾らないで申し上げておるのであります。今、あなたがお考えになりましたように、私は何も解決をここでせいと言うのではない。何でもそう簡単に解決のつくものはありはしません。何をやっても一つところで解決をすることが困難なことは言うまでもない。そこに、やはり総合的な有機的な関係の中に問題の処理がなされて、それが政治に結びつけられて出てきてこそ、私は業界の収穫だと思う。教育というもの、特にわれわれが社会教育をうたったのは、一般教育と分類したのは、そういうところに特徴があるのではないかと、私はしろうとですけれども、しろうと考えにそう思う。このことは今後常時啓発の運動についてぜひ役に立ててもらいたいという考え方からお尋ねをしておるのであって、こういう点に対してもう少し角度を変えてお尋ねしますが、こういう事実について、もう一度検討をいただいて、ぜひこの九号にあるように、生活科学としての進め方というものが、もし文字通りに理解できるなら、稲取町の問題はきっとここで取り上げられたに違いない。もちろん、この問題は、今私が例をあげましたように、具体的に数字が出ておりますから、三十三年度の予算はどうしてきめられたかということは、漁業組合ですから、この人たちは漁業組合にだんなさんを出しておるので、奥さんもメンバーでしょうけれども、それはちゃんと発言ができるのですから、それに対する配分の問題は問題がない。町役場に行く問題についてはあると思う。だから、こういう点は、きょうはあなただけでなくて、自治庁の財政局長に来ていただいて、それと一緒に並んで答弁してもらうとよくわかると思ってお呼びしたのですけれども、御都合が悪いそうで、あなただけにお気の毒をかけますが、そういう関係を一つ解決していけば、モデル地区なんというものは全体にいいものなら右へならえでいけると思う。そういうことで少し掘り下げてお答えをいただこうと思ったのです。きょうは何でしょうが、その原稿についてぜひ私の方に資料として提供してもらいたい。原稿のままで貸していただいてもけっこうだし、もし予算があるならプリントでもしていただいて、われわれ全部に配付していただけばなおいいと思う。生活科学に関する一つの貴重な資料だと思いますから、その点私からも要求しておきます。  その次にお答えをいただこうと思うのは、モデル地区ですから、これを今後ずっと全体に普及されるお考えがあるだろうと思うのです。それと公職選挙法の第六条の常時啓発の関係ですが、これについて何かお考えのお持ちがありましょうか。これはあなたの御答弁の後にまた選挙局長の意見も聞こうと思います。

福田繁文部事務官(社会教育局長)

○福田説明員 ただいまモデル地区として指定しているというような御質問のようでございますが、これはちょっと誤解かとも存じますので、モデル地区として稲取町を指定しているわけではございません。これは、私どもの社会教育局のやり方としては、県あるいは市町村の当局に委嘱して学習計画を立て、そして婦人学級なり成人学級をやるということでございますから、その地区全体を指定しておるわけではございません。その点を誤解のないようにお願い申したいと思います。私どもといたしましては、二十九年に初めてそういった実験学級を全国に二、三カ所開いたのですが、その結果地方からいろいろ要望がございますので、これをさらに押し進めていきたいというようなことを考えまして、昭和三十年から若干ずつふやしまして、現在では全国で婦人学級のみで約三百五十学級ぐらい委嘱いたしております、それは、大体御調査になりました稲取町の婦人学級あるいはその他の成人学級と同様に、そういった学習によりまして婦人の教養なり知識なりあるいは啓発を広めていこう、こういうのが趣旨でございます。そのほかに、婦人のみを対象にしない一般の成人学級というものを開設いたしております。それからまた、全国の青年を対象にしました——これは勤労青少年が対象でございますが、青年学級というものも約一万学級以上も開設いたしております。そういったことによって、一般の社会人としての教養を高める、あるいは社会人としての知識を高める、あるいはまた生活上必要な技能を向上させるというようないろいろな目的をもちまして、これらの各種の社会教育関係の学級なり講座というものをいろいろやっておりますが、これらのものの中でも、さっき申し上げましたように、公職選挙法の六条にありますような常時啓発というような面は絶えず私どもの念頭にございまして、そうして自治庁からもいろいろ御要望がありますので、それに応じまして私どもは一般の啓発あるいは指導に当っております。具体的なことは、あるいはまた自治庁からお話し申し上げた方が適切かと思いますので、そういったように、この選挙関係の啓発運動と申しますか、そういったことを常時私どもは基本的な問題として取り扱っておるわけでございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 選挙局長にお尋ねいたします。今連絡があなたの方からあったというようなお話でしたが、具体的にどういうふうに常時啓発について社会教育局長に連絡しておるのですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 社会教育と選挙の常時啓発の関係でございますが、私の理解しております角度から簡単に申しますと、社会教育は、りっぱな社会人を作ると申しますか、そちらに中心があると思うのでございます。りっぱな成人あるいは婦人あるいは青年を作るということが、社会教育の目的であろうかと思うのでありますが、私どもの方は、選挙をりっぱにする、りっぱな選挙の実現をはかるということに本質があると思うのでありまして、それを実施に移します場合には、社会教育的な方法なり知識等が必要になって参るのでございます。それで、常時啓発が公職選挙法に規定されまして選挙管理委員会の仕事となりましてから、いかにこれを効果的に実現するかということになりますと、平素の選挙の管理事務と相当仕事の質が違って参りますので、どうしても これを効果的に遂行いたしますためには、社会教育機関の御協力を得なければならないという角度から、府県、従って末端の市町村まででございますが、社会教育機関の方々の御協力を得るように、具体的に申しますと、文部省の社会教育局長と連名で府県に通達を出す。それで、社会教育局長の方は、教育委員会の方にそういう方針と申しますかを流します。私どもの方は選挙管理委員会の方に考え方を示しまして末端で協力を願う。現在、昨年通達を出しまして仕事をやっておりますのは、府県に、常時啓発の推進協議会と申しますか、最小限度は選挙管理委員会、それから広報宣伝車等を持っております広報課というのが、大体各府県に設置されております。それから教育委員会の社会教育関係の方々、それから民間の新聞社とかあるいは放送局、そういう方面の方々に集まっていただいて計画を立てていただく、そういう組織を一つ設けておりますことのほかに、各社会教育の関係者を、府県によりましては、それぞれ、地区の、そういう助言者の養成の職員と申しますか、そういう方にお願いいたしまして、相当成績を上げておるように承知いたしております。事柄は選挙でございますが、その常時啓発の教育方法と申しますか、啓発の方法そのものにつきましては、話し合いというような点は、社会教育の方々が専門家でありますので、そういう方々にお願いをして選挙管理委員会の方は、選挙の角度から、いわば注文をすると申しますか、選挙をよくするということにねらいを置いて全体の統一をはかる、このように考えて指導しておるわけでございます。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 何か両局長の連名で通牒を出されておるそうでございますが、その通牒をあとでいただきたいと思います。  そこで伺いますが、もちろん選挙と社会教育をごっちゃにしちゃいけません。秩序はきぜんとして保たにゃならぬけれども、しかし、仕事の内容が、共通するものが非常に多いということはわかっておる。それで、私は、抽象的ではいかぬからと思って、具体的なものから先に出してきた。これで聞けばすぐわかる。あなたの自治庁の所管でもありますが、片っ方は生活に困るから……。そういう金は実際にあるのです。それでやれば出てくるわけです。それを知らなかったというようなことでは、これは指導員の選考にもあるでしょう。だから、そういった今後の問題、常時啓発の問題に対して、どういう通牒を出されておるか知りませんが、少なくとも局長が都道府県知事に通牒を出すからには、実施面に対する相当立ち至った具体的なものがあるだろう。そういうふうでなければ、通牒にはなるまいと思う。それを見ればすぐわかると思うのですが、私まだ拝見しておりませんので、この次でもけっこうだと思いますから、拝見して御説明を聞きたいと思う。今私どもは地方に出てさっき申し上げたように、公民館とこの問題の結びつけ方は、私は非常にむずかしい点があると思う。あなたが言うように、選挙と社会教育との関係をどこでけじめをつけるかということについてはいろいろ問題があると思う。最も重要な点は、今日の国会の選挙は言うまでもなく政党によって争う。政党が公民館とどういう関係があるか。要するに地方の政治勢力はどうなっておるかというようなことに無関心で協力を求められまいと私は思う。この問題は、私は、常時啓発、啓蒙のために、選挙管理委員会の考え方というものをお聞きになることが必要だと思う。というのは、選挙管理委員会というものは、あらゆる勢力から超然として独立した形をとっておる、しかし、あなた方は——政党政治ですから、内閣はやはり政党の掲げております政策を実行実践する役目がある。ですから、公務員の二つの面をあなた方は持っておると思う。一つは政党内閣の性格によって相当それぞれ幅のある動き方をしなければいかぬ。しかし、公務員という立場からすれば、これは一部の人に奉仕するわけではなくてすべての国民に奉仕するということは、共通した面がある。だから、そういう意味で、私は、教育行政をやるのも選挙行政をやるのも、公務員としての共通したものは、これは言うまでもないと思う。しかし、政策を実施する面における変った考え方というものがいずれ出てくる。その関係にけじめをつけるとするならば、選挙というものがあらゆる勢力に超然としておらなければならぬわけです。こういう関係といったようなものを、私は少くとも話し合いの上で通牒を出されておるものと思う。一体選挙局長と社会局長の間に常時そういうものについてどういう会合をお持ちになっておるか。また、そういう関係というものは、われわれのところへ結果をある程度知らしてもらえるような形で行われるのか、あるいは、もう、あなたの言う緊密な連絡をとっておる。今の通牒のようなものはわかります、書いたものが出てきますから。今地方で聞いてきた事実を聞きますが、これは、たしか、宇都宮の市の選管では、公明選挙の推進運動と、公民館の運動と、それからさらに今度の常時啓発等の運動とを結びつけて進めようとしておる考え方を聞いてきました。もうしかも行動に移っております。指導員として公民館の主事、館長を予定しております。これについてお話し合いしたことがありますか。それが適切と思うか、あるいはどうせねばならぬか、そういう点に対する措置をお話し合いになったことがあるか。ないとするならば、そういう点をどうなされるか。両方の見解を一つ伺いたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 私の方と文部省の社会教育局との連結でございますが、これは中央の協議会で年二回くらい御連絡をしております。それからいろいろと常時啓発のスライド等を作ります場合に、これは私どもの方の能力ではできませんので、文部省の担当の方にお出かけを願いまして、いろいろと御協力を願っております。主として技術的な点につきましては、話し合い運動につきまして、文部省の全面的な御協力を得ておるのでございます。  それから、具体的に、宇都宮市の選挙管理委員会で、公民館長を使って常時啓発をしておるということを知っておるかというお尋ねでございますが、これは報告はございません。私どもの方は、常時啓発の仕事の仕方を、原則を通達で流しまして、あとは府県の選挙管理委員会でその方針に従って計画を立てていただく、こういう建前にいたしておるのでございます。ただ、どういう事業、話し合いの運動をやったとか、あるいは講演会をやったとか、あるいは成人学級と申しますか、公民講座を設けたとか、そういうような計画につきましては、報告を私ども建前上得ることになっておりますが、宇都宮の具体的問題は報告はありませんし、また、公民館長である以上、社会教育の専門家であり、また公明選挙ということにつきましても識見を当然持っておられるものと思うわけでございまして、そういう方がその仕事を担当されるということはけっこうではないかと思うのでございます。ただ、その場合に、そういう専門家の方に万事お願いをして、選挙管理委員会が手を引くと申しますか、そういう形になりますと、これは完全なる仕事の遂行とは言えないのでございまして、あくまで選挙の公明化ということにねらいを置いて、選挙管理委員会が、仕事のたずなを締めていくと申しますか、仕事の方向の中心を常に見失わないようにしていくという注意は肝要であると存じております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 技術的な面で全面的的な協力を期待しておる点は非常にけっこうだと思います。そこで、社会教育局長に伺いますが、あなたの方の社会教育関係のお仕事は、かなり広範にわたっていろいろやっておられることについてよく承知しております。今言う常時啓発の仕事については御協力を願うと、全面的にあなたの方の協力を求めておられるのですが、それにあなたの方は全面的に協力をしておる、御承諾なさっておるのですが、その場合に、今局長が述べられましたように、選挙管理委員会ないし選挙管理事務を担当しておる人々の企画あるいは運動に対して全面的に協力する。言い方が悪いかもしれませんが、どちらが指導権、イニシアチブを握るかということについて、私は選挙管理委員会がイニシアチブを握るということが正しいのではないかと思うのです。こういう点に対して社会教育局長の考え方を一つ聞いておきたい。

福田繁文部事務官(社会教育局長)

○福田説明員 私どもは、選挙の問題につきましては、これは自治庁でおやりいただいてけっこうだと思いますが、しかし、末端に参りますと、いろいろ区別のしにくいような問題も常時あると思います。従って、そういった場合につきましては、地方の選挙管理委員会なりあるいはそういった選挙の関係を指導されるところと、私どもの関係の社会教育課と密接な連絡をとって仕事に当っていくというようなことを、いつも念頭に置いております。そういった意味で、地方の社会教育課長あるいは社会教育担当者に対しましては、常時そういった問題については地方で連絡をとってほしい、こういうように要望しております。私どもといたしましても、できるだけ自治庁と、こういうことは相談しながら、連絡をとってやって参りたいと考えております。ただ一がいにいろいろ末端の問題をとらえてどちらが正しいかというようなことも言えない場合があり得ると思います。ただ、先ほどお話がございましたように、公民館等でいろいろな問題を扱います際に、御承知のように公民館は各種の講座や学級というものを開設してやっておりますので、そういったいろいろな問題を扱います際に非常にむずかしい問題がたくさんありますから、そういった場合は、やはりもち屋はもち屋に相談をしてやることが一番よかろうと考えております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 社会教育局長、お忙しいところをどうも御苦労さまでございました。まだいろいろお尋ねしたいこともありますが、次の機会も与えられると思いますので、どうか、常時啓発運動については社会教育と不可分の問題がたくさんあると思いますので、そういう点について積極的な協力をして、選挙法第六条の精神が生きるように、一つお骨折りいただきたいことを要望しておきます。

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 横銭君。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 自治庁の選挙局長にお伺いいたしますが、都道府県会議員の選挙は明後年の五月に迫っております。大体選挙のことでいろいろきめていく場合に、少くも一年くらい前にいろいろな点がきまらないと困る。特に、今度の場合においては、町村合併が全国的に進められて、その結果、今までの自治法の中にある郡市をもって府県会議員の単位とする、こういう構想では現実に選挙をやり得ないような情勢になっておる。無理をしてやればやれないことはないが、選挙の持つ公平な選出、あるいはまた選挙運動をする上についての選挙区域の問題とかいろいろな点で、町村合併のもたらした影響は大きいわけであります。これに対して自治庁としては、今度の国会にこの改正案を出す用意をされておるかどうか。この点をお伺いしたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 都道府県議会議員の選挙区の問題につきましては、ただいま御指摘のごとく、町村合併の結果、郡市の区域によるという原則が、非常に困難と申しますか、飛び地等を生じましたために検討を要するという事態に立ち至っておりますので、現在選挙制度調査会に諮問いたしまして、近く結論が出る見込みでございます。次の通常国会にはこれに関します改正案を提出いたすつもりで、現在作業を進めて参っておるものでございます。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 その選挙区について選挙制度調査会が審議をし、それで次の通常国会に出されるというのでありますから、ここに審議の機会を持つわけですが、その際に議員の定数という問題についての諮問を出されておるかどうか。出されたとしたならば、これを減らすとかふやすとかいったふうな意向について何らか持って諮問されているか。この点について伺いたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 議員の定数につきましては——これは選挙の制度についてでございますが、定数につきましては御承知のごとく地方自治法で規定をいたしておるのでございます。でございますから、定数は、選挙の制度であると同時に、地方制度とも言えるわけでございます。簡単に申しますと、定数につきましては私どもといたしましては考えておらないのでございます。ただ、選挙制度でもございますので、選挙制度調査会でそのような意見が出ますれば別でございますが、そのような意見は今のところ地方議会の議員につきましては出ておらないのでございます。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 選挙区を再編する場合に、自治庁として、どういうふうにしたならばいいという原案なんかはお持ちになって諮問されておるかどうか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 都道府県議会の議員の選挙区につきましては、府県議長会で本年の一、二月ごろ相当熱心に論議がございまして、三月ごろでございますか、一応の結論が出ております。その後七、八月ごろ私どもの方にも陳情書が提出されておるのでございますが、そのような意見に従いましてその意見を基礎にいたしました案と、それをまた少し変えました二つの考え方、と申しますのは、郡市の区域によるという原則は一つ出しまして、それから、飛び地を処理いたします場合に、これの独立的性格を強く見るかあるいは弱く見るかという二つの見方があると思うのでございますが、そのような二つの考え方を基礎といたしまして、目下選挙制度調査会で論議していただいておるのでございます。

横錢重吉日本社会党

○横錢委員 その郡市に飛び地の問題をつけるかつけないかという論議と、そのほかに、人口を単位として、たとえば人口十万なら十万を単位として二名か三名か、そういったものを作るというふうな案については審議されておりますか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 そういう点につきましても若干の議論は出ておりますが、まだどのような方向と申し上げる段階には至っておらないのでございます。

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 この際島上委員の通告がありますけれども、主計官の関係がございますので、井堀委員に御発言を願います。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 主計官に先ほど報告を聞いておいでになったと思いますから、質問の要旨だけ申し上げてお答えをいただこうと思います。常時啓発の運動が、昨年、一億の国庫支出によって、委託費によって予想外の成果を上げているということを、われわれ、わずかの府県でありますけれども、実際に見てきておりますし、また選管のそれぞれの報告を聞いてみますと、こういう言い方はどうかと思うのですけれども、一億の金にしては非常に大きな効果を上げて、最近にない金の上手な使い方をしたものだと言えるのじゃないかと思う。しかし、先ほど来のあれでわかりますように、その一億の金をかなり効率的に、というよりは苦心惨たんのあとがよく出てきておると思う。ことに、この内閣は汚職追放を大きな看板にして、臨時国会における私の予算委員会の質問に対する総理の答弁もきわめて明確なようであります。汚職追放は、政界、官界ともに選挙の浄化から始まってくることは、民主政治の当然な帰結であります。でありますから、これに対して相当の予算をつぎ込んでこそ、初めて汚職追放の看板も実を結ぶことになるだろうという質問に対して、その通りだ、そうするということを総理は言っておりました。とかく親の心予知らずということで、悪口をよく言われる気の毒な立場にあなたはおいでになる。この場合だけはそういうことはないように願っておるわけでありますが、まだ作業中のことですから、そういう数字の点を聞こうとは思いません。しかし、そういう精神を盛り込んだ考え方で、昨年も一億出されたわけであります。この委託費については大蔵省としてのお考え方もあろうと思いますが、今までなかなか渋って委託することにいい返事をしなかった。昨年初めて踏み切ったわけですが、この点に対する考え方をちょっと聞いておいて、次に、われわれ、やはり政府に対する予算の出し方、また予算を審議する腹がまえになりますから、一つざっくばらんなところを聞かしてもらいたい。

相澤英之大蔵事務官(主計官)

○相澤説明員 公明選挙の常時啓発委託費は、三十二年に初めて一億計上されたものであります。既定の財政計画に盛り込んでおります一億と合せて使っております。聞くところによりますと、相当な成果を上げておるそうでございまして、その点からまた来年度以降も委託するかどうするかという問題を考えるわけであります。一つは、こういう経費が各市町村全般に渡ります点から、総額は一億でございますが、末端に至りますと、一市町村当り千円とか二千円とかいう非常なこまかい金額になりますものですから、その点について、普通の補助金の場合におきますと、いわゆる零細補助金ということで問題になる性格を一つ持っております。それからまた、選挙の常時啓発に関しましては、国、地方とも同じ目的に向ってやっているわけでありまして、これはやはり地方の財源の問題とも関連があるわけでございます。来年度の地方財政の問題も目下検討中でございますが、私どもの見るところによりますと、相当財源がふえると思われる点が多いわけでございます。こういったようないろいろな条件もあり、かつまた、他方では、選挙の公明運動の推進ということで、委託費の増額の要求があるわけであります。三十二年度から初めてつけました経費だけに、その取扱いが問題になりますが、この委員会としてのかねての御要望の線を十分にくみまして、この委託費の取扱いを検討したいというふうに考えております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 院議を尊重されるということで、けっこうだと思うのであります。それから、これは地方を回ってわかるのでありますが、もちろん委託費と並行してそれぞれ地方の特徴を出していく性格もやはり一面ありますが、そういう点に対して、地方財源の中でこれと見合うような金について考えておいでになるのでありますか。その割合はどういうふうにお考えになることが合理的なものと思われますか。一つ聞かせていただきたい。

相澤英之大蔵事務官(主計官)

○相澤説明員 御質問の趣旨はおそらく地方交付税の単位費用の見方の点ではないかと思いますが、単位費用につきましては、御案内の通り自治庁の財政課の方がこの法律の立案に当るわけでありますが、私どもとしましては、できるだけ基準財政需要の算定は現実の財政需要に合わすように、また経費によってはすべて伸ばすべきものは伸ばすという趣旨を織り込んで、単位費用を改訂するという考え方をとっております。御要望の点につきましては、また自治庁内部の選挙局及び財政局の問題になると思いますが、私どもの方としてもそういう考え方でやりたいと思います。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 大体要領を得ました。あと問題は自治庁と大蔵省の折衝でかなり幅を見せてくるのであります。こういうようないわば基本的なものを貫く場合に、どうもいつも事務当局との間で割負けをするような——大体選挙法のようなものを自治庁が扱うことが適当かどうかと私は思うのでありますが、しかし、それは現行はそうなっておりますから、そういう関係から弱さもやむを得ぬと思います。しかし、これは、自治庁としては、特に選挙局としては、従来国会の意思もたびたび表明されておりまして、それから実態もこうなっております。この際、ほかの予算のように、事務当局の間であまり工作をしないで、必要なものは大いに大胆率直に堂々とやるべきではないかと思うのであります。また、そういうやり方でやったら、今御答弁にあったように、大蔵省はその趣旨に基いて大いに民主政治の基礎を固めるためにお骨折りを願いたいと思っております。大蔵省はお忙しいようでありますから、希望だけ申し上げておきます。

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 島上君。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 簡単に一、二だけ伺いますが、これは自治庁の選挙局長に伺います。  先ほどの委員派遣の報告をお聞きになったと思いますが、その中での栃木県の大平村の件です。これは私がこの次に少し伺うことに関連しておるわけでありますが、現在のような状況で、選挙管理委員会の選挙管理、あるいはリコールの管理、訴訟の審査というものが果して公正に誤まりなく行われるかどうかという点に、私ども大きな疑問を抱くわけです。そういう疑問をわれわれに抱かしむるような事例は幾つもあると思うのですが、きょうはおそくなったから、そのうちの一つだけを伺いますが、先ほど御報告がありましたように、問題の起った大平村の第二投票所においては、投票総数が三百三十二票です。その三百三十二票の中で約百票が違法に交付されております。このことは選挙管理委員会も認めておる。なぜ違法であるかと申しますと、記録に残るからはっきり申しておきますが、投票管理者が事故もなく、また欠けていないのに、代理者が約百票投票用紙を交付しておる。これは明らかに違法であることは選挙管理委員会でも認めておる。しかも、その投票を違法に交付した品名は、選挙管理委員会ではそれを否定しておりますけれども、その人は立候補して相当高点で当選した人の事実上の選挙参謀であり、選挙事務所へも始終出入りして、選挙運動員を指揮監督あるいは統制しておるということをやっておる人間なんです。選挙管理委員会はそれを故意に否定しておりますけれども、それは周知の事実なんです。その人が三百三十二票中百票の投票を違法に交付しておる。これで一体選挙の効力に影響を及ぼすことがないということが言えるでしょうか。選挙の効力に影響を及ぼすようなことがない、こういう決定を出した。私はまずこの点に対する解釈について選挙局長の御見解を承わりたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 栃木県の大平村の議会議員の選挙につきましてただいまお話のありましたごとく事件がございまして、現在県に訴願中の段階でございますので、その点についての見解は表明を避けたいと思うのでございますが、なお事実を調査いたしまして、適当な機会に申し上げたいと思います。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 まあそんな御答弁だろうとは思っておりましたが、これは私はひどいと思うのです。三百三十二票のうち百票——候補者の事実上の選挙参謀をして、選挙事務所に出入りして、運動員を指揮監督して当選しておるのは事実なんです。こういうようなでたらめが行われておる。いずれその上の選管において公正な決定をすると思いますが、今審理中ですから、私はこのことはきょうはこれ以上申しません。次の機会にまた聞きますが、こういうように選挙管理がゆがめられておる、公正を失しておるというのは、ほかにもたくさんある。きのう新聞に出ました仙台市長の当選無効、これは、かつて私が委員長当時に取り上げまして委員会でもずいぶん調査をし、現地調査もした事件ですが、これなどは、県の選管で当選無効の決定を下し、裁判になって昨日最高裁で当選無効が最終的にきまったわけですが、この間に、当選した市長にあらざる市長が三年間も市の行政をとっておるのです。これはやはり市の選管が選挙管理を誤まったというところに根本の原因がある。そういうことは、きょうの報告の一節をお聞き願ったと思いますが、栃木県、静岡県においては、選挙管理委員に県の出納長が含まれておる。三県とも地方課が実際に事務を処理している。その地方課の課長が事務局長を兼務しておる。市においては独立の事務句を設置しておるところもかなりあるか、職員は兼任が多く、選挙管理委員長あるいは委員に助役が兼務しておるところもある。また、町村においては、独立の事務局を設けておるものはほとんどなく、委員長あるいは委員は別役、収入役その他役場の職員がかなり兼務しておるという状態でありまし義務の円滑化のために選挙の公正がゆがめられるおそれのある兼職の問題は、選挙管理委員会制度発足当時の状態から脱却して、法律をもって明示してもよい段階まできたのじゃないかと考えられるのであります。これが報告の一節になっております。また、同報告の中に、なお選挙管理委員会の要望として、市町村の選挙管理委員の定数を増加して四人とし、五名以上出席で会議が開けるようにしてもらいたい。現在は、御承知のように三名定員で、三名出席しなければ会議が開けない。また、その要望の二として、各選挙及びリコールを厳正公平かつ誤まりなく管理執行し、訴訟を公正に審査し、義務づけられた公明選挙啓発運動を強力に推進していくためには、選挙管理委員会の事務処理機能を整備充実することが緊急必須の要件であり、各市町村の選挙管理委員会には事務局を設置し、国の財政措置等により必要な専任書紀を必置制にされたい。その他予算執行権の問題、再選挙、補欠選挙の経費等について増額されたいとの要望がありました。これも報告の一節です。このようなことでございますが、私は今ほんの一、二の例をあげたにすぎませんが、現在の状態は何としても改正しなければならない。行政措置や指導だけでは追っつかないところにきておるのじゃないかと思います。来年、再来年と次から次へと選挙が行われる。この選挙で何党のいかなる候補者が勝つか負けるかということより、まずこの選挙の管理執行が公正に行われるということが重要な条件だと思います。もちろん、こういう不十分な中にあって、全国の選挙管理委員の諸君は非常に骨を折って公正にやっております。やっておりますが、制度の欠陥からいたしまして今申しましたようなはなはだしくゆがめられた管理執行が行われておるところもときどきあるわけであります。それは全体から見ますればほんのわずかの事例であっても、そういう一例があるということは非常に遺憾なことです。山梨県の秋山村においては、選挙管理委員が買収に加わっておるのです。こういうような弊害を是正するために、今の選挙管理委員制度あるいは事務局の制度等について改正の必要を私ども痛感しておりますが、これに対する選挙局長のお考えを承わっておきたいと思います。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 ただいま選挙管理委員会事務局の強化の問題につきましていろいろな御意見を拝聴したのでありますが、現在の都道府県の財政あるいは市町村等の財政からいいましていわゆる再建整備に指定されておる団体も相当ございますので、今直ちにということはむずかしいと思いますが、私どもとしては、選挙の事務管理に支障のないような態勢を作りたい、このように考えております。また、明年は選挙が行われることが予想されておりますので、そういう点につきましても十分考慮を払ってもらうように指導いたしたいと考えておるのでございます。  なお、選挙管理委員会の委員の定数の問題でありますが、これは御指摘のごとく現在の三名では無理ではないかという結論に到達しておりますので、機会を見て改正いたしたい、このように考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 町村合併によって非常に町村が大きくなりましたので、この三名の点はぜひ増員するということと、それから全員出席しなければ会議が開けないなどというような窮屈な運営ではどうにもならないので、この点は、ぜひ、ただいまの御答弁を、通り一ぺんの御答弁ではなしに、ちゃんとやってもらいたい。これは要望しておきます。  それから、もう一つ最後に承わっておきますが、御承知のように今日の地方自治法の百八十二条の第四項には、選挙管理委員の「委員又は補充員は、それぞれその中の二人が同時に同一の政党その他の団体に属する者となることとなってはならない。」少しややこしいが、これは要するに、五名ないし四名の委員ですから、そのうちで二人が同一の政党に属するということであれば弊害が起る、こういう趣旨であることは当然わかっておる。しかし、この条文からいうと、「同時に同一の政党その他の団体に属する者となることとなってはならない。」とあって、同時にというのは、なるその時間のことをさしておる。無理に解釈しなくてもそういうことになる。しかし、これは、十二月十八日、きょう委員に選挙される人は、十八日に属していなければいいというふうに解釈すべきものではなくてやはりもう少し広く解釈すべきものだと思う。なぜ私がこういうことを言うのかというと、こういう例があるのです。私は今調べておりますが、たくさんあるのです。同時に同一の政党その他の団体に属してはならぬというこの解釈を勝手にこじつけて解釈して、きのうまで自民党の党員であった者が、その選挙される日に脱党して、きょうは自民党の党員ではありません——社会党にも場合によったらあるかもしれません。自民党と言った方が便利がいいから自民党と言ったのですが、そういう例が現にたくさんあるのです。それが三名のうち五名がそうだ。一人だけが自民党の——失礼ですが、便宜上言うのですが、党籍を持って、二人が数日前に離党して、三名やっておる、こういう例があるのです。私は知っているのは幾つかありますが、今調査しておるのであります。これはやはり法の精神に沿わないと私は思う。この点どのようにお考えですか。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 地方自治法百八十二条の第四項の解釈の問題でございますが、選挙管理委員の政党所属の制限の規定でございます。これは「同時に同一の政党その他の団体に属する者となることとなってはならない。」という規定でございまして、これは、初め選任するときだけでなく、そういう事態が現出してはならない、このように解釈をいたしておるのでございます。それから、第二点と申しますか、数日前に離党して現在党籍がない、所属してないというものが、前の党籍を計算するとこの規定違反になる、この規定をもぐるという場合があり得るではないか、この規定の精神に反するという御論旨でございまして、その前に離党をしたという時間の押え方の問題でございますが、二日前ならけしからぬか、一週間前ならいいのか、あるいは一月前ならいいのかということになりますと、それは非常にむずかしいと思うのでございます。やはりそれは道義の問題にゆだねらるべきでありまして、法律上の問題としてはやはり選任のときというふうに規定せざるを得ないのではないか、このように考えております。

島上善五郎日本社会党

○島上委員 法律をこじつけて解釈すればそういうことになるのです。そのくらいのことは僕も知っておる。しかし、この道義の問題だが、例をあげるならば、ある政党所属の区会議員をしておって、選挙で落選したらそういうのに同情してよく選ぶのです。三人ともその党の所属の区会議員だったけれども、この規定があるから二人は離党して一人だけになる。そういうことは、どういう政党がやりそうかということは大体わかることですが、ずいぶん法律を曲げた、道義的に非難さるべき行為だと思うのです。私は、こういうことに対しては、法律上「同時に」となっているから、法律違反だときめつけるわけには参りませんけれども、行政指導でそういう道義に違反することをしてはならぬ——というのは、そういうことをすることは、選挙の管理執行の公正がゆがめられるのです。現実にもう二大政党ができ上っているのですから、少くともそういうときには二大政党の片方から一人入れるといったようにすることが、運営に公正を期するゆえんだと思うのです。議会で選ぶんですから、議会で二十対十九でも、二十の方が三人選ぶことができますよ。できますけれども、法の精神を尊重して選挙の管理執行を公正に行おうとするならば、そういう点は十分に配慮すべきものではなかろうかと思う。私はこれは法の改正も問題にしたいと思いますが、それまでの間、行政指導においてそういう不公平あるいは道義的に考えて非難さるべきことのないように、十分自治庁においては行政指導に力を入れてほしいと思う。これはこの程度にいたします。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 先ほど御報告の中にありました山梨県の秋山村の村長選挙の実態を調べましたら、予想外に深刻な事態に当面しているようです。ことにわれわれの調査に協力されました検事正の御意見の中にもありましたし、また警察本部長の意見にもありましたが、事実上、この選挙違反を摘発したために、村の行政機能というものがとまっちゃった。それでもうすでに有罪判決を受けているわけでありますから、すぐ選挙をやり直せばどうかと思うが、それにしても、その実態は、先ほど報告の中でも明らかなように、村ぐるみの違反です。常識では律せられないような大量の選挙違反を出しているわけですが、ここで特徴としてわれわれの見ることのできるのは、もう良心が全く麻痺している。だから選挙法の存在は全くここの場合では意味をなさないという実態になっているわけであります。これは取締りを厳重にするもしないもない。出てきたものだからどうにもならぬといった——こういう事実は非常にまれな事実だといえばそれだけですけれども、一方にはこういう選挙違反を峻厳に処理していかなければ、法の権威を保てぬわけです。しかし法律は一つじゃない。目的は、村の自治をよりよいものにするために、村長の選挙を民主的に行おうというのが当然の道行きである。だから、目的は、村政を村民のために最も合理的に推進させようというのである。ところが、そこから違反が出たというので、結局その村はむちゃくちゃになったという事実がここに出てきておるわけです。取締り当局も非常に良心的に悩まれたという報告が、ここに出てきているわけであります。そこで、取締り当局としての考え方は、現地でも聞いておりますし、その報告を受けたことも間違いないと思う。こういう場合に、取締りは技術的に非常に簡単だ。何も包み隠しもしていないわけですから、証拠も歴然たるものですから、取締りは簡単であるが、それからくる枝をためて幹を殺してしまう、角をためて牛を殺すという事態が出たときには、取締り当局としては、中央において、自治の助成のために、また選挙法の運営を合理的にやろうとするために、役所との間に折衝を続けられたと思うのでありますが、またこういう場合はどういう方法でお話し合いをするものか、この機会に聞いておきたいと思います。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川説明員 ただいまの井堀委員の御指摘の通りわれわれも考えておりまして、山梨県の場合は、全く特異の事例だと思いますが、考え方によれば、大へんけしからぬということになりますが、まことにばかな犯罪だということになると思います。こういった事柄は、今後とも、選挙の公正確保というのが根本目標でございますので、選挙の公正を確保するためには、関係の方々が非常に公民としての立場に立つことが根本だろうと思います。最後の保障として刑罰権というものがある、こういうふうに私どもは理解いたしておりますので、公明選挙運動がうまくいかなかったら警察は取締りせぬという趣旨ではございませんけれども、やはり啓蒙宣伝が先行してよくしたいという念願を持っておりますので、常にそういう角度から自治庁とも連絡を密にいたしまして、この事件は大へん困った、今後はこういうことについて啓蒙をしていきたいと自治庁当局も言っておられるので、啓蒙宣伝がうまくいかないから刑罰権を発動せぬということになると、また反作用もあろうかと思いますけれども、なるべく啓蒙宣伝、関係者の自覚によって選挙の公正が確保されるということを究極の目標にして、対処しておるのであります。また、山梨県の事例は私どもも知っておりますが、大へん特異な事例で、村じゅうの人が犯罪をやっておる。大げさにいえばそういうことになるわけであります。そういう点はまことに残念だと思いますが、刑罰権の関係もございますので、刑罰権としては処置するけれども、目的とするところは、関係者の自覚によってだんだんよくなっていただくというふうに、今後こういう問題は扱っていく。この問題は、起りましたときは自治庁とも連絡いたしまして、今後啓蒙宣伝についてさらに一そう徹底したいと自治庁でも御心配があったのでありますが、何といっても僻陬のところでございまして、そこまで徹底したかったような事情もあろうと思いますけれども、今後、啓蒙宣伝の力によって、こういう事態がなくなるように御努力を願いたい。こういう点は中央でも相談しております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 全くこの事実は遺憾な事実でありますが、しかし、遺憾な事実だからといって、検察庁並びに警察当局も、まことに残念だということを漏らしながら、法の尊厳を守ろうとしておるわけです。この点について今自治庁と御相談なさったそうでありますが、自治庁はそういう御相談を受けて、一体こういう場合にはどうしたらいいかというお考え、また、そういうものに対しては、もちろん言うまでもなく選挙違反ですから、峻厳に法の存在を生かしてやろうとすれば、ここでも検挙しておるようですが、しかし、これも完全に村の指導者というものが、わずかに役場の吏員と学校の教職員だけが関係から免れた。あとは全部だといっていいわけなんです。こういうような場合に、一体どういう御相談、またどういう御回答、どういう結果を期待されたか、参考に一つ聞いておきたい。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 具体的に山梨県の秋山村の問題のことでありまして、取調べが進展いたしまして私ども実は非常に驚いた次第でございます。それで、あとの自治体の運営につきましては、関係のない者でできるだけ公務の運営に支障のないように配慮していただくということは、お願いをしておる次第でございますが、現在証拠その他によって明白であるものについては、いかんともなし得ないのでございまして、これはやはり法の命ずるところによって峻厳に取締りをしていただいて、それによって以後こういう事態の発生しないように、他山の石と申しますか、こういう事件を契機といたしまして啓発に十分力を尽す、むしろ今後の啓発に力を尽すということに重点を置いておるのであります。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 私の聞きたいところは、こういう事態の発生した原因は、今度の不幸な選挙違反の検挙によって、取調べの過程において明らかなのです。私はそこが非常に重要だったと思う。取締り当局者としては、個人に対しては情において忍びない。他の選挙違反の事例に見ない、いわば、言葉は慎しんでおりましたけれども、これは結局選挙法の精神を軽んじた自治庁選挙局長の責任を追及するような問題だというふうに私は印象を受けた。この村では啓蒙活動は一つもやっていない。というのは、予算をくれぬからやらぬということもあるでしょう。こういうことは、私は、あなたの今の答弁によると、関係者以外で何とか村はやっていくというような、そういう答弁は慎しむべきだと思う。率直に、選挙の啓蒙、事前の常時啓発の運動に手落ちがあった、こうやはり認めて、そのための対策をいたすべきじゃないか。こういう点では、もちろん大蔵省と話し合いをして——こういう山間僻地のところでは啓蒙活動に金がかかる。そうして効果が上りにくいところでしょう。そういうところに対する特別な措置などがとられてこそ、私は対策になるんじゃないかと思う。これは、実際あなたが言うように、関係者以外の者で村政はやれないんだ。だから判決を受けた村長が、やはり事務を執行し、助役が事務を執行しておる。関係者以外はいない。青年が関係してないだけだ。その青年は実際こういう仕事はやりたくても至難な事情にあるから、自治は停頓しておる。それで、判決も受けた。当然法律的に見ても手続は控訴していますが、してはいるけれども、控訴してみたところでしようがないが、控訴しておかぬと村の行政機構が停滞してしまう、機能が停止してしまうから、それで、おかしな話だが、控訴して、その間息をして何とかしようという実態を見せつけられている。選挙局長、重大な責任です。選挙法第六条は、ここの場合は非常に大きな役割をする条文だということも言えます。決意を新たに、この点では一つあなたの良心ある答弁をこの際聞いておくことは、われわれの任務だと思いますから、お伺いいたします。

兼子秀夫総理府事務官(自治庁選挙局長)

○兼子説明員 秋山村の事件は、四月二十一日の選挙でございまして本年度から常時啓発の委託費が予算についたわけでございますが、それの実施から見ますと、これは確かにまだ仕事が手についておらなかったと思うのでございます。実際は府県の教育の段階でございまして、町村になりますと、ずっとずれておりますから、これは本年の常時啓発の対象の効果が上らなかったということにはならぬと思うのでございますが、なお、いずれにいたしましても、この選挙違反の実態は驚くべき問題でありまして、その点につきましては十分責任を痛感いたしておるのでございます。はなはだ不幸な事件でございますが、これを契機にいたしまして二度とこういう間違いのないように町村を指導いたしたい、このように考えております。

井堀繁雄日本社会党

○井堀委員 時間も大へんおそくなりましたので、本日の私の質問はこれで終ります。

石坂繁自由民主党

○石坂委員長 他に発言もないようでありますから、本日はこれで散会いたしますが、明後日に通常国会も開かれることになっておりまして、おそらく私の任期の最終だと思います。皆さん方の大へん熱烈な御協力に対しまして深甚な感謝をいたし、なお政府当局にもありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。     午後四時一分散会

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