公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/11/08
会議録
○石坂委員長 これより会議を開きます。 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。 この際、前国会におきまして東北、近畿、中国地方に委員を派遣して調査をお願いいたしたのでありますが、これにつきまして御意見を伺うことにいたします。 山下榮二君。
○山下(榮)委員 私は、過日の視察班の第一班の東北班といたしまして、山形県及び福島県における選挙法改正に関する件、特に選挙管理委員会及び最近の選挙の実情等の問題について調査いたしましたことを、御報告申し上げます。 まず、両県を通じて申し上げますと、山形県の投票は、島根県に次いで全国中第二位で、八〇%以上であります。これは、漁業関係者が多いので、不在投票及び代理投票の周知宣伝に力を注いだので、その効果が上がったのではないかと思われるのであります。なお、福島県につきましては、選挙地域が全国中第二位の広さでありますが、投票率は全国中第十位を下ったことはなく、特に同県は郡市あわせて即日開票し、現在までに事故はないということであります。 まず、市町村の選挙管理委員会の定数及び事務局の必置制について申し上げます。委員の定数を、従前通りに戻して、四名に増員する必要があるということであります。これにつきましては、補充員の規定があるけれども、緊急の場合には間に合わないことが多いので、市町村の場合でも県と同様に四名の定数にすることが必要ではないかと思われるのであります。また、選管の事務局につきましては、特に常時啓発運動のためにも、必置制にする必要が認められるのであります。 次に、選挙管理委員会の組織及び運営について申し上げます。選挙管理委員会は、地方公共団体の機関でありますが、他の行政委員会と異なり、国の事務を処理する面が圧倒的に多く、またその機能は、公職選挙法に基き、各種選挙を公正に管理執行するとともに、選挙の公明化のために常時啓発運動を行う責任があるのであって、公職選挙法第一条の趣旨がそのまま選管委の指針であるので、当然基本法である公職選挙法中に規定するのが妥当ではないかと思われるのであります。 次に、公明選挙常時啓発費についてであります。本年度は、国において常時啓発委託費として一億円の財政処置を講じたのでありますが、該経費のほか、地方交付税交付金の中に包含されている一億円については、選管委員会はその経費獲得に困難を感じているようなので、これらを一括して委託費として県及び市町村に交付する必要があるのではないかと思われるのであります。なお、一億円の委託費では、市町村末端にいくと、きわめて僅少となって問題にならないので、最低少くも三億円程度に引き上げる必要があるのではないかと思われるのであります。 次に、選管委員長が市の助役等と兼務している問題であります。山形県の場合は、現在鶴岡市選管委員長を市の助役が兼務し、村山市、米沢市では市の収入役が選管委員長を兼務しておるのであります。これは人材が得られないというのもその理由でありますが、市長選挙の場合等に政治的な問題が生ずるおそれがあるのではないかと思われます。なお、福島県の場合は、県選管委員長には県の総務部長、県選管書記長には地方課長、市町村の助役が選管委員長と、それぞれ兼務しているのでありますが、現在までは何ら問題は生じていないということであります。しかし、これらの問題は、よほど考慮すべき問題ではないかと思われます。 次に、事務的な問題でありますが、投票、開票管理者及び立会人に対する費用弁償額であります。立会人のごときは現在二百八十円で、これは実情に反すると思われるので、勤務時間及び職責等を考慮しても、相当に増額する必要があるのではないかと思われます。 以上で両県を通じての問題を終りますが、その他、山形県の選管では、特に次のような意見が述べられたのであります。 一、選挙管理委員会に予算の執行権を与えられたいということであります。選挙管理委員会の自主性、独立性がいかに保障されても、その予算の裏づけがないのでは、その保障は全く形式的なものとなるのであります。現行法では、地方公共団体の予算の執行権は長に専属しているため、選管委がその所管事務を執行する場合には、委員会の独立性を侵されるおそれもあり、また事務の渋滞を来たすおそれも多くあります。かくては、選挙の公正たる執行と、迅速を要する選挙事務の円滑な処理を期し得られないこともあるから、選管委に予算の執行権を与えらるべきであるというのでございます。 次に、参議院全国区選出議員制度を再検討されたいということであります。この制度を廃止し、現行地方選出議員制度のみにするか、もしくはブロック別に数県を一選挙区にする選出方法を再検討する必要があるのではないかという意見でございました。 次に、最高裁判所裁判官国民審査投票制度を廃止されたいという意見であります。審査の投票制度は、審査する国民のほとんどが裁判官を知らないため、罷免の可否の判断が困難であり、本制度制定の目的は達せられない。また、罷免可否の判断のつかない者は、投票を拒否する状態が生じつつあり、これが広く一般に浸透した場合は、少数の国民による投票となり、その結果は国民全体の意思による審査の結果とはいえず、法の趣旨に沿わないのではないかと思われるので、国会で選出する方法をとったらよいのではないかという意見が出たのでございます。 次に、積雪寒冷地帯における冬季間の選挙に要する経費を、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律中に、格別に規定を定められたいということであります。現在では、北海道、青森には認められているが、山形県のごときは積雪はなはだしく、その必要があるということでございます。 次に、公職選挙法第百四十七条、すなわち「文書図画の撤去」についてであります。違反文書図画の撤去に関する規定は、警察において直ちに撤去できるように改正されたいということでございます。この種の規定違反と認められるポスターは、選挙ごとにその数を増し、しかも、撤去を命じても、撤去までに日時を要するとともに、撤去漏れ、あるいは選挙期日の前日、前々日に第百四十五条に違反する等の悪質と認められるものも出現している現状で、法の改正によるほか、この種の選挙運動の公正は期しがたいということでございます。 次に、福島県の選管委では、特に次に述べるような選挙法の改正意見が述べられたのであります。 一、市町村長が検察庁から既決犯罪通知書を受理した場合、公職選挙法第十一条該当者については、その住所地の市町村長に対し、その者の氏名及び通知書の内容を通知する義務を負うようにしてほしいというのであります。 二、不在投票の事由中、法第四十九条第一号及び第二号の「投票区のある郡市の区域外」とあるのを、「市町村の区域外」としてほしいというのであります。 三、参議院全国区選出議員選挙における氏名掲示の掲載順序のくじは、掲示開始の日の前七日までに通知のあった候補者と改めてほしいというのであります。 四、公職選挙法第百五十三条の人口基準を、四千人とあるのを一万人程度と改めてもらいたいというのであります。 五、選管委が異議の申し立てまたは訴願の審査をする場合において、選挙人、参考人等の出頭及び陳述を求めることができることとする等、選管委の準司法的機関としての権限を強化してほしいというのであります。 六、基本選挙人名簿調製期日を現在の九月十五日を十月一日、調製期限を現在の十月三十一日までを十一月三十日まで、確定期日を現在の十二月二十日を十二月三十日とし、一般選挙人のわかりやすいようにすること、かくすれば十二月三十一日まで出生の者を登録できることとなる。 七、基本選挙人名簿に登録せられた者が、調製期日後において、同一市町村内の他の投票区の域内に住所を移した場合においても、補充選挙人名簿に登録申請ができるようにしてもらいたいというのであります。 八、不在者投票封筒裏面記載事項中、立会人の署名とあるを、簡素化するための記名と改めてほしいというのであります。 九、公職の候補者を推薦届出する場合の推薦届出の数を制限してもらいたいというのであります。 十、町村の議会の議員及び長の選挙においても、自動車または船舶一、及び有料はがきの使用を認めるようにすること、これは市町村合併のため区域が広くなったからというのであります。 十一、公職選挙法第百四十四条第四項に上るポスターの掲示責任者は、その掲示する市町村に住所を有する者、なお、参議院全国区にあっては、その掲示する都道府県に住所を有する者に限るよう改正してほしいというのであります。 十二、法第百四十七条第二項後段の規定、すなわち一町以内のポスターの撤去であるが、距離の問題が選管委を困らすので、これを削除してもらいたいというのであります。 以上、山形、福島における選管の御意見でありますが、県を初め御出席の方々には、いずれも、選挙をいかにしてよりよくやれるようにしていくかということについて、熱心に、しかも忌憚のない御意見を述べていただきましたことに対しまして、ここに、一言感謝の意を表しまして報告にかえる次第でございます。
○石坂委員長 自治庁長官がお見えになりましたので、御報告はあとでお願いいたします。 —————————————
○石坂委員長 自治庁長官より発言を求められております。この際これを許可いたします。自治庁長官郡祐一君。
○郡国務大臣 私自治庁長官の郡でございます。本委員会が選挙制度並びにその運営のために非常な御熱意のあるお働きをしていて下さいますことを、かねがね承知をいたしておるのでありますが、本日までごあいさつを申し述べる機会を得ないでおりましたのであります。私自身、選挙制度が民主政治の基本であり、ことに全日は制度そのものについてもいろいろ考えるべき点もございまするし、同時に、その運営あるいは広い意味の常時の啓発ということがまことに大切な時期に相なっておりますので、そのような意味合いで、今後本委員会に御審議を煩わし、また委員会の御意見を拝聴いたしまして処置いたすべきことがきわめて多いのでございます。私どもも、本委員会の皆様とよく協力をいたし、また私どもの考えておりますることを率直に申し述べまして、皆様方の御協力をいただくことがきわめて多いと存ずるのであります。 この機会にごあいさつを申し述べまして今後本委員会と緊密な連絡をとって、いろいろなことに当って参りたいと存じます。よろしくお願いいたします。(拍手)
○石坂委員長 この際一言いたしますが、自治庁長官は地方行政委員会にも出席を求められておりますので、この点お含みを願います。 それでは、発言の通告がありますので、順次これを許します。 島上善五郎君。
○島上委員 十一日にもありますから、全部しないでもいいわけでありますが、この機会に、大臣に二、三の問題についてお伺いいたしたいと存じます。 最初にお伺いいたしたいのは、選挙制度調査会に政府は参議院の全国区制問題を中心とする検討を諮問したようであります。ところで、この諮問をする前に、新聞の報道するところによりますれば、岸総理大臣が、十月三日、自民党で開かれました選挙対策委員会に出席をいたしまして、参議院の全国区制を廃止したい、それを次の参議院の通常選挙に間に合わせるために、本年の通常国会にそれを提案して、ぜひ実現を期したい、このような意向を表明しておるのであります。そうして自民党の選挙対策委員会においては、この方針をきめたもののようであります。そういうふうな岸総理大臣の意向がおありなのか、自民党がそれを決定的におきめになって諮問したことであるのかどうかという、その間の事実についてまずお伺いいたしたいと思います。
○郡国務大臣 参議院議員及び地方議会の議員の選挙の選挙区その他選挙制度について、選挙制度調査会に諮問をいたしております。総理大臣が選挙制度につきまして深い関心を持っていることは、私も承知をいたしております。これをいつどのような形で行いまするかということにつきましては、国会におきましても選挙制度調査会の答申を待って善処いたしたいというような意味合いのことを申しておる。従いまして、その扱い方についてどのようにいたすかということを、現在はっきりきめておる状況ではございません。
○島上委員 そうしますと、全国区制の廃止を次期国会に提案してぜひ実現したいということは、はっきりまだきまっているわけではない、こういうことでございますか。
○郡国務大臣 いろいろな問題が所在をいたしておる事柄でありまするから、選挙制度調査会に諮問をいたしております。とにかく選挙制度調査会に大いに御検討を願って、そうして答申を得まして考えたいと思っております。
○島上委員 私がこのことを伺いますのは、参議院の全国区制をどうするかということは、単に全国区制の問題のみを引き出して検討すべき問題ではなくて、当然、全国区制を廃止するということになりますれば、そのかわりどういう制度にするか、地方区一本にするか、ブロックにするか、職能制を徹底したものを採用するか、あるいは推薦制、間接選挙といったようなもの、 これは憲法との関係もありますが、そういったような問題から、さらに二院制の問題、二院制のあり方といったような問題にまで深く検討を加えなければ、そう早々に結論を出すことは至難な問題であろうと思う。それなのに、そそくさと結論を調査会に要求して、次の通常国会に出してぜひこれを実現して次の参議院選挙からこれを実行するといったようなことをされるということは、私は、軽率のきらいを免れないし、党利党略のにおいがするという非難を免れないということになろうと思うのです。これは、私が言うだけではなくて、当時の新聞の社説がそういっております。念のためその部分だけ引き出して読んでみますが、十月五日の朝日の社説、「政府や与党が、全国区廃止を急ごうとするのは、むしろ労組を背景とする社会党系議員の、参院への大量進出を恐れるからではないかと疑われるフシがある。もし党略から出発した廃止案ならば、その動機の不純さは厳に警めねばならない。」「選挙区の問題は、党に有利か不利かの面だけから考えてはならない。参院全国区廃止の問題も、関連するところは、両院の制度や使命、場合によっては憲法問題、さらに一般的にいって国民の幸福や利害その他、広く深く、かつ永いのである。」それから、六日の日経の社説、「現在の全国区制は労働組合など組織のある革新政党候補者が強くて、政府や自民党には都合が悪いから廃止するのではないかといわれても、必ずしも抗弁の余地がないのではないか。しかしこの問題はそのような党利党略あるいはご都合主義によって取扱われる性質のものでなく、二院制の真のあり方または衆議院のあり方や衆議院選挙法の改正などと不可分、一体の関係において検討することが必要である。」これは大新聞の社説であります。私はまさにこの通りだと思います。前国会において小選挙区制問題が論議されました際に、当時、世論は、こういう問題は党利党略で行うべきでない。いわゆる党利党略、ゲリマンダーということできびしい非難が浴びせられて、政府も相当こりたろうと思う。その轍を踏まないためにも、今度の問題を扱う際には慎重を要すると思う。私どもは、もし政府が次の国会へぜひ出したいという御意向があるならばあるように、それを伺っておいて、国会の選挙法特別委員会において今からでも十分審議をする必要がある。今言ったように、関連するあらゆる観点から、深く広く審議をする必要があろうと思うのです。そこでまあ伺ったわけですが、それでは、次の通常国会へ出して実現したい、それほど強い、総理の確定した意思があるのではない、こう承知してもよろしいわけですか。
○郡国務大臣 お話のように、これは二院制度を健全に運用して参ります基本の問題でございます。従いまして非常に重要な問題であります。この重要な問題がしばしば論ぜられながら今日に至っておりますので、選挙制度調査会において急速に適切な検討をし、適切な答申をいたされまして、そうしてなるべくすみやかにこういう問題を最も正しい形で解決をいたしたいというのが、現在希望しているところであります。
○島上委員 その急速にというのは、次の国会へ出したいという意向があるから、そういうことになるのではないかと思うのです。これは一つ、正直に、次の国会へ出したいなら出したい、出すなら出すと、こう御答弁願っていいと思うのです。出されるなら出されてもけっこうです。これは私はそう思うのです。選挙制度調査会に諮問して急速に結論を出してほしいという、その急速という条件なり希望なりをつけられると、選挙制度調査会は大へん迷惑すると思うのです。選挙制度調査会は二回か三回やっておりますが、すでに、選挙制度調査会においても、これは憲法との関連の問題を検討しなければならぬ、そこで憲法四十三条並びに十五条についての研究をしよう、こういうような議論からも入っておるようです。そうなりますと、これは、早急にと申しましても、なかなか早出に結論の出るものではないと思うのです。そこで、この選挙制度調査会に、次の国会へ出したいと思うから、それに間に合うように結論を出してほしい、こういうことになれば、次の国会は御承知のように十二月から始まりますから、選挙制度調査会はおそくとも一月中か二月初めには結論を出さなければなるまいと思うのです。そうなると、これは選挙制度調査会としては大へんな仕事だと思う。どうしても、そこでは十分な検討を尽せないまま、政府の御要望に沿うような粗製乱造的な諮問を出すということになりはしないかということを私はおそれます。このような大問題に対してそういう諮問をされることは、選挙制度調査会の権威にもかかわることだし、そういう粗製乱造的な諮問に基いて党略的な法案を出すということになれば、またこの前の党利党略、ゲリマンダーと同じような世論のきびしい非難を浴びることは必至でありますし、国会における当委員会の論議もまた必然的に相当激しい場面を展開するということが予想される。私どもは、この前の選挙法の際にも、十分に論議を尽そうという見地に立っておりましたが、それというのは、策議院の選挙区制の問題にしましても、参議院の選挙区制の問題にしましても、日本の議会制度をよくするために、党制党略を越えて十分に時間をかけて、あらゆる角度から検討すべき問題である、こう考えておるからであって、その検討をした結果正しい結論が出ますならば、私どもとしても場合によっては賛成するにやぶさかではないわけです。どうも、この新聞から受ける私の印象は、次の国会へ出して実現したい、こういう総理大臣の意思があって、それを選挙制度調査会に諮問をして——選挙制度調査会は、それまでは開店休業で、何もしなかった。今選挙制度調査会の質問をしますが、委員の任期が過ぎて、しばらくブランクがある。開店休業で何もしなかった。それを、大急ぎで、大あわてにあわてて委員を任命して、それで次の国会に間に合うように答申してほしい、こういったような政府のやり方は、私どもはどうも納得ができぬ。それですからこれを聞いておるのですが、早急に結論を出してほしいという意味の中には、次の国会へ提案されるという御意思があるかどうか。そういう御意思が前提となって早急にということを注文して、選挙制度調査会に諮問をしておるのであるか。このことを一つ正直に御答弁を願いたい。
○郡国務大臣 ごらんの通り正直に申し上げておるのであります。選挙制度調査会が適切な案を得、政府がまた最も妥当な案だという結論が出ましたならば、なるべくすみやかに実施をいたさしむる態勢に持っていくべきものだと考えております。しかしながら、選挙制度調査会にその答申の期限をつけるような言い方、あるいは選挙制度調査会にそのような注文をいたすというようなことはいたしておりません。 〔「そう心配しなくても大丈夫だよ」と呼ぶ者あり〕
○島上委員 いや、心配はせぬですよ。準備をし、心構えをしなければならぬ。大問題ですから、もう当委員会においても、今から準備をし、審議を始めなければならぬと思うのです。それでなければ、まるで国会の選挙法の調査特別委員会はそれにノー・タッチであるといったようなことになったら、これは国会の選挙法特別委員会の権威にも関することですから、それでは、次の国会へ出す出さぬは全く未決定である、考えがきまってない、選挙制度調査会が十分審議をして、いつ答申をされるか知りませんが、その答申があって、その答申が妥当であるかどうかということを十分検討した上で、政府が考えをきめるということであって、今のところは次の国会へ出すか出さぬか未確定であるし、多分出さぬであろうと、こう私は想像しております。その想像が誤まりで、次の国会に出すことになるのか。どちらかはっきり確定はしていないが、おそらくは次の国会へ出すであろうと、こういうことになるのか。おそらくは次の国会には間に合わないであろうと、こういうことになるのか。その点の見通しを一つ聞かして下さい。
○郡国務大臣 先ほども申しあげたことでありまするけれども、選挙制度調査会もきわめて熱心に審議をしてくれております。また非常に今後もしばしば会合を開いて進めていこうじゃないかという意向のように承知いたしております。早くいい答申を得、そうして政府においても自信のある案に早く到達をいたしたい。それが最も正直なところであります。さよう御了承願います。
○島上委員 あんまり率直じゃないのですが、まあしかしそれ以上聞くことはどうも無理のようです。しかし、私はここでこれは申しておきますが、最もよい案を最も早くということは矛盾します。最もよい案を最も早くということは両立しません。最もよい案を作ろうとするならば、時期については注文をつけずに、慎重にあらゆる角度から御検討願いたいと、こういうことでなければならぬと思うのです。 そこで、今度は私どもの方に関係する問題を一つ聞いておきますが、小選挙区制は次の通常国会には出さないということを、岸総理大臣がどこかの機会で言ったように私記憶しております。次の通常国会には小選挙区制は出さない。このことは、要するに次の選単一現行選挙区でいくということを別の言葉で言ったにすぎない。こう解釈できるのです。要するに、次のこの十二月から始まる国会には、小選挙区制を出さない。これを聞きますのは、いずれ次の通常国会とその次の通常国会の間に衆議の解散、総選挙がありますことは必至なんで、これはぜひ私ども伺っておきたい。その先のことは——これはあんまり先のことを聞きますと鬼が笑うから聞きませんが、次の通常国会に小選挙区制をお出しになる考えがあるかないか、それだけです。
○郡国務大臣 衆議院の選挙区の改正案につきましては、国会に提案いたしましたときの御審議の経過等を十分承知をいたしておることであります。最も公平な最も実情に合った考え方で進んで参りたいと思っております。
○島上委員 大臣はきょう初めてこの委員会においでになったのですが、この委員会はこの通りきわめてなごやかに進んでおりますから、そうしかめっつらしないで答弁して下さい。いずれは小選挙区制論者のようでございますから、郡長官も岸総理大臣も出すことを私どもは予期しております。かつ期待しております。やはり選挙法の委員会もそういう大きな問題がある方が、存在の意義がはっきりしますから、いいのです。しかし、次の国会に出るということになれば、これはまた党としても私どもとしても十分審議の用意もしなければなりませんし、また、これは、この委員会で言うことかどうか知りませんが、現在すでに、地方においては、現行選挙区で行われるものとしての相当の動きがあるわけです。そういったようなこととも関連するのですが、岸総理大臣は次の国会には出さない、こういうふうにどこかで言った——今その新聞記事は持っておりませんが、私そういう記憶があるものですから、その点はもう少しはっきり御答弁された方がいいのではないか、こう思うのです。
○郡国務大臣 議員の大多数の方の御意向と合った態度をおそらくとって参ることを御了承願います。
○島上委員 まあそれ以上聞きません。ただ議員の大多数の意向と合ったと、こうおっしゃいますことは、議員の大多数は、今ごろになって小選挙区をやられたのじゃかなわぬ、この次は現行選挙区でいこう、こういう意思である、自民党の諸君も大多数はそういう意思であると承知しておりますから、私なりにそういうふうに解釈しておきます。 そこで、次の問題を伺いたいのですが、選挙制度調査会を発足というか、選挙制度調査会はもともとあったのですけれども、この前の国会でも私質問した記憶がありますが、委員の任期が満了して半年か一年近くもブランクになっておった。選挙制度調査会というようなものは、国会とは違って、別に招集の会期があるわけでもなし、重要問題の調査をするのですから、フランクにしないで、年じゅう活動しておるという状態が一番望ましいと思うのです。それをブランクにしておいて、つい最近になってから委員の委嘱をして、新しい発足みたいなことをしたわけですが、この間にどうも不明朗なものを感じてならない。ほんとうに政府の御都合によって動かすといったような感じが強いのです。どういうわけでしばらくの間ブランクにしておいたのか、これをまず伺いたい。
○郡国務大臣 島上さんのお話のように、こうした調査会はなるべく引き続き開き得る状態に置きまして、そして、何と申しましても根本的な事柄を御審議願うのでありますから、その用意をいたすということは、私も島上さんと同じように考えております。従いまして、私自治庁長官に就任いたしまして、選挙制度調査会の方が委員の任期が切れておりますことを承知いたし、その準備をさっそくいたしたのであります。ざっくばらんに申しますと、一方当時地方制度調査会をかなり一生懸命進めておりましたときでありまして、最初地方制度調査会の方に私どもの手なり考えなりがとられておったという状態でございまして、その間私が七月に就任いたしましてから、しばらくブランクの状態が続きましたが、これは、御説のように、こうした大事な調査会は早く開こう、明朗にやっていこうという考え方を終始持ち続けまして、なるべく早くというのがあの時期になりましたので、全く他意のないことでございますから、御了承願います。
○島上委員 他意のないことだとの御答弁ですが、私は大いに他意があると思う。この種の委員会は、地方制度調査会にしましても、他にもございますが、委員の任期は大ていきまっております。任期のない調査会というものはないと思いますが、任期が切れてから委員の委嘱をしないで、ブランクにして開店休業状態にしておいた委員会が他にあるということを、私は寡聞にして存じません。この委員会をブランクにしておいたのは、実はこういうことなんです。私はよく知っている。長官は正直な答弁をされませんが、この委員の委嘱について頭を悩ましたのです。そうして、今度ははっきりしておりますが、政党の委員を除外したのです。大体、この種の調査会あるいは委員会では、政党の委員は、地方制度調査会にしましても、その他にしましても、全部入っておる。法律には入れなければならぬという規定はありませんけれども、全部入っておるのが今までの慣例なんです。そうして運営しておって、入っておることによって不都合だということは何もない。入っておることによって政党の意見も反映され、正しく運営されておる。ところが、この選挙制度調査会は、小選挙区問題を少し荒れたのです。小選挙区の結論を政府の要求通りに出すために、ずいぶん無理をして、そのために少しばかり混乱した。そうして、私は太田長官にも質問しておりますが、正常な運営でない総会で答申をしておる。小選挙区案というような大事な答申を、論議を十分に尽さずに、採決をしたのかしないのかわからぬような状態で答申しておる。これは、私は、当時、太田長官にも、こういう状態は一体正常な状態かと聞きましたら、それは正常な状態ではありません——私は生き証人ですから何よりもよく知っている。しかし、これはその当時のことを言っても始まりませんが、私が一番遺憾であったのは、女子大の校長先生であります蝋山政道教授が実に傾聴に値する新しい意見を出したのです。その新しい意見に耳を傾けようとしない。一言も聞こうとしない。新しい提案をしたのに、それを聞こうとしないで、うわっと、採決したと称して答申した。そういうようなことではだめです。これは選挙制度調査会に限らず何でもそうですが、大事な問題は、大事な問題だけに、十分論議を尽し、審議を尽すという運営をすべきものなんです。そういう運営でなくて——そうしてもうその当時からすでに政党の委員を除外しようという腹があったのです。そういう不十分な運用をしますれば、そこで議論が出るのは当然です。採決に対して本異論が出るのは当然です。その当時から、すでに、一部には、政府か自治庁官僚かもしれませんが、政党の本員が入っておったのではうるさい、これを何とか除外する方法はないかという腹がすでにあった。新聞にはそういう記事がちらほら出ました。それで、私は、前の国会で、太田長官に対して、あるいは岸総理大臣に対しても、予算委員会で聞きました。そういうことをちらほら灰関するけれども、選挙制度の調査のような大事な委員会から政党の委員を除外するということは、政党軽視であり、あるいは政党否認である。みずから政党を否認するというような思想から、そういう考えが出るのではないか。私は、選挙制度調査会のごときは、他の調査会には入っておらなくとも、特に政党の赤貝を従来通り入れておくべきものと考えるがどうかと質問しましたら、速記録もありますが、太田長官のごときは、私は断じてそのようなことはいたしません、政党を除外するというようなことは、あなたのおっしゃるように政党無視であり政党否認であるから、そんなことは絶対にいたしませんと、はっきりと大みえを切って答弁しておる。しかるに、今言ったように、政党の委員を除外したいという考えから、委員の任期が切れても、即刻委嘱をしないで、活動を開始させないで、期間はよくわかりませんが、半年以上一年近くもブランクにしておる。それで、国会閉会中のうるさくないときに、そっと新しい委員を政府は政党を除外して委嘱した。こういうやり方は、二大政党による国会運営の正常化とか、いろいろきれいな言葉を使っておりますが、どうも政府のやり方はあまりに勝手過ぎると思います。なぜ選挙制度調査会から政党の委員を除外したのか、その理由をお伺いしたい。
○郡国務大臣 これは、島上さんよく御存じのように、選挙制度調査会というものは、多分、今度の新しい委員の任命が五回目になって、それまで四回任期が切れてかわっておると思います。そのうち一度だけ国会議員の方を学識経験者としてお願いいたしましたけれども、残りの三回は、すべて政令通り学識経験者だけでやっております。一度だけお入りを願ったのでありますが、国会議員の方は、選挙制度は事柄が非常に重要でありますから、こういう特別委員会も国会にお設けになっておりましてその方で十分に御意見を承わり御審議を願う方法がありますので、島上さんが今おっしゃいましたように、憲法調査会にいたしましても、地方制度調査会にいたしましても、はっきりと国会議員、学識経験者云々をもって組織するという工合に根拠法ができておるのでありますが、この選挙制度調査会につきましては、御承知のように学識経験者と関係官庁の者だけでこしらえるようになっております。これは考え方のいろいろある点でありますが、現在国会議員の方については国会法ではっきりした規定のあることでありまして、なるべく学識経験者というときには学識経験者で組織することが、むしろ根拠法令の精神とするところではないだろうか。それ以上に、実際この問題を今まで選挙制度調査会で扱いましたとき一度だけお入りを臓いましたときには、島上さん終始非常に御熱心に御審議を願い、私も委員の一人として調査会におったのであります。その一回だけで、残りは全部、ことに参議院の制度についてずっと御審議を願っておりましたときには、いずれも学識経験者だけをもって組織しておりました。そういう経過から見ましても、これはほんとうの学識経験者で組織することが適当であろう、こういうすなおな判断をもっていたした次第でございます。
○島上委員 一回だけというのはほんとうですか。私は今ここに名簿を持ってきていませんが、一回だけじゃありませんよ。兼子君がそこで一回だけだというメモを出したんでしょう。これは一回だけじゃありませんよ。あなたは、一回だけだということをここではっきり言い切る自信がおありでしょうか。
○郡国務大臣 私もこの問題はたびたび扱っておりますので、一回だけということを言い切りまして間違いでないと考えております。
○島上委員 それじゃ、この次の機会に、資料を持ってきて相まみえましょう。あなたが委員になったのは一回だけでしょう。僕も委員になったのは一回だけです。しかし、僕の委員の前に、党から出ておった委員があることを知っております。(「大したことじゃないよ」と呼ぶ者あり)こんなことは大した問題じゃないかもしらぬけれども、大臣が言い切るには、ちゃんとした資料をもって、自信を持って言われないと、この次に取り消されては、大したことじゃないけれども、あなたのあれになりますから……。とにかく、私は、この次にちゃんとした名簿を持ってきてそれであなたにもう一ぺんこのことを伺いますが、一回だけでないことは事実です。 それから、学識経験者という言葉をすなおにとおっしゃいますが、政党で何回も何回も選挙をやった者は、学識という点はどうか知りませんが、経験者である点においては、今あなた方が学識経験者として委嘱している諸君よりは、よい意味においても悪い意味においても、豊富なる経験を持っておることは事実なんです。その経験を持っておるということは、やはり学識経験者の中に入ると私は思う。学識のある人もいるのです。もしすなおな解釈をするならば、こういうような調査会には1今まで全然入れなかったものを今度新規に入れるというのじゃありません。今まで入って運営しておったのですから、入れるのが当然ではないかと思うのです。しかし、政府がそういうふうにされたわけですが、私は、政府の今回の措置については、どうも納得いかぬ、あまりにも得手勝手過ぎる、こういうふうに解釈せざるを得ません。しかし、これは、これ以上答弁を求めても仕方がないと思いますから、この程度でやめておきまして、この新しい委員による選挙制度調査会の賢明なる結論を期待しておく程度にしておきます。 もう一つの問題をちょっと御質問しておきますが、御承知のように、岸総理大臣は三悪追放を大いに強調しておられる。その三悪追放、そのうちのいわゆる汚職追放ということについては、いろいろの点から検討しなければならぬと私は思います。特に政界から汚職を追放して、政界をきれいにするということのためには、選挙民の啓蒙活動も必要でありましょう。それから、また、政党や候補者の自粛自戒ということも必要でありましょうが、現在の選挙法及び政治資金規正法が、あまりにもゆるやかな、抜け穴の多い法律である現状にかんがみて、選挙をもっときれいにするためには、選挙法の改正、政治資金規正法の改正というような法的措置をとる必要があるのじゃないか。汚職追放ということは、選挙をきれいにすることと重大な関連があると思うのですが、政府は、選挙法の改正、政治資金規正法の改正の必要をお感じになっておられるかどうか、この点を伺います。
○郡国務大臣 選挙法におきましても、政治資金規正法におきましても、選挙政治全体の公明な運営上、考慮しなければならない点が非常にあると思います。従いまして、選挙法なり政治資金規正法なりで、いろいろな点について検討しなければならないところは残っておるように考えております。
○島上委員 いろいろな点というように、ずいぶんばく然としたことをおっしゃいますが、いろいろな点があることは事実です。しかし、私は、特に汚職追放に関連して、政界をきれいにするために必要な措置、これは、次の通常国会からもう一ぺん通常国会を経ない間に選挙が予想される今日、その必要があれば、次の通常国会で改正しなければならぬと思うのです。ですから、いろいろの改正といったようなばく然としたことじゃなしに、政界をきれいにするために、選挙をきれいにするために、どういう点とどういう点の改正を感じておる、それを政府としては次の国会で出したいと思っておるというような、具体的なお考えはないかどうか、これを伺っているわけです。
○郡国務大臣 直ちに法律の改正によりますことが適当か、あるいは運営でもっと改めていくべき点がないであろうか、考え方は二つあると思います。また、たとえばよくいわれます寄付の問題にいたしましても、国と特に密接な関係のある法人の寄付の問題、あるいは、労働組合からの寄付の問題、いろいろな点で、この寄付の問題についても検討をいたす点がございます。これらのもの、また一般の民間の寄付につきましても、何らかの規正が必要だろうかどうかというような点もございます。また、選挙法の罰則につきましても、法律をさらに改正する必要があろうか、あるいはその運営が十分でない点があるんではなかろうか。取締りの点でも、選挙法としては考えられる点があると思います。これらについては、現に十分研究を続けておるところでございますから、適切な考え方に到達いたしましたときに、また申し上げることにいたします。
○島上委員 現に研究を続けておるということは、逃げ口上としては最もよい。いつでも通用できる御答弁です。しかし、これは、私は、三悪追放、汚職追放と、言っておる岸総理大臣の言葉が、から宣伝の言葉だけであって、実際にやろうとする熱意のない証拠の一つの現われだと思うのです。この前の国会で、岸総理大臣は、私の質問に対して、こういうことを答弁しています。私が、国と特別の関係のある請負その他特別の利益を伴う契約の当事者から政治資金を仰ぐことはよくないではないか、そういうことが汚職の原因にもなり、政界腐敗の原因にもなるんではないか、そのためには、現在の政治資金規正法及び選挙法の一部を改正する必要があるのではないか、こういう質問をしたのに対して、これは約一年前の予算委員会で、こういう答弁をしております。「国と特別の関係があり、国からいろいろな恩恵やあるいは租税によるところの援助を受けるというようなものが、一つの政党なりあるいはある個人に政治資金を出すということは、私は、望ましくないことである、かように思っております。法制上どういうふうに整理されるものかは、もう少し研究して結論を出したいと思います。」この、今申ました国と特別の関係がある団体から、政党なり個人なりが政治資金の援助を受けるということは望ましくない、こういう前提に立って法制上どうするかということを研究したい、こう言っておる。法制上の研究は多岐にわたって、深く研究すればいろいろありましょうけれども、しかし、このような前提に立って研究するとすれば、選挙法の百九十九条をどうするかという問題、それから政治資金規正法のこれに関連する条項をどうするかという問題に、さしあたってしぼられるはずです。それを、一年前に、国と特別の関係のある団体から政治資金をもらうことは好ましくない、法制上どういうふうになるか研究します、こう言っておきながら、一年たった今日、まだいろいろと研究しますなどというような政府の方針では、汚職追放、政界を浄化するということに対する熱意のほどがうかがわれるのです。初めから熱意がない、こう言われても仕方がないと思うのです。運用の面で改正する点もありましょう。行政措置でよくするという点もありましょう。しかし、今日の政治資金規定法及び選挙法の寄付の問題に対しては、だれが考えても、自民党の皆さんが考えても、第三者が考えましても、これでは不十分である。国と請負の関係のある——たとえば鉄道工事を請け負っておる土建会社が、政党なり個人なりに幾ら献金しても、選挙に関してということさえなければかまわぬのですよ。私どもは、せめてこの選挙に関してという六文字だけでもとるべきであるということを年来主張しておりますが、現在なおこれはついている。選挙に関してでさえなければ、国の事業を請け負っておる土建会社なり、そういう特別の利益を伴う投融資を受けておる団体はもちろんのことですが、どんなに無制限に献金してもかまわぬのですよ。こういう、だれが考えてもあまりにもひどいざる法であるという点だけでも改正されるというふうに熱意を示されなければ、汚職の追放とか政界浄化とかということはから念仏であると思うのですが、いかがでしょう。
○郡国務大臣 三悪追放には、政府全体が非常に熱意を持っておりますので、それに実際合うように、法律の改正も、決して便宜な言葉として検討と申しておるのではございませんで、本気に取っ組んでおります。ただ、お話の通り、これは島上さんよく御存じの通りでありますが、ただいまの寄付の制限にいたしましても、お示しのような点が一つございます。国または地方団体と特に密接な関係にあるものの問題もございます。それから、国または地方団体に働いております者の寄付の問題がございます。それから、一般の民間の労働組合の問題がございます。また、労働組合の組合費として徴収いたしましたものが、すぐ政治資金に流れずに、これは、イギリスでやっておりますように、政治資金に使いますときには、別の形で組合員からとったものでなければ使えないようにいたすとか、いろいろの問題がございます。一連の問題を、私どもは、何とか合理的に解決いたしたい、そのような気持で、ある程度抜本的な考え方をいたしたい。これは事実国会でも各党の間で御検討いただいておることでありまするが、そうした点を最もフェアにものをきめて参りたいと思います。そういたしますることが、ごく一部分だけを直しますよりも、体系として正しいものになるのであります。そうして、政界の浄化をはかって参るということが、ほんとうに目的を達するようにいたしたいと思っておる次第でございます。
○島上委員 そういうあいまいな答弁を聞いてもしようがありませんから、私は、これを最後にして、もう御答弁は要りません。だんだん間口を広げておいて、実際には改正を引き延ばしている。間口を広げて、こういう関連もある、こういう問題もある、こういう問題もあるということになれば、だんだん延びていくわけですから、政府がそういう程度の熱意を持っているというふうに私は理解します。なぜかというと、これは御存じで、ありましょうが、実は、昭和二十八年六月三日の国会が混乱した後に、当時の五党が国民に約束したのです。自粛立法を作ります、国会法の改正、選挙法の改正、政治資金規正法の改正をやりますと約束したのです。そうして、小委員をあげて半年に余る論議をして、この政治資金規正法の改正だけが、ついに、当時の自由党、改進党、日本自由党さん等の熱意欠除のために——私はあえて言いますが、熱意の欠除のために、私どもは熱心にやろうとしまして具体案を出しましたが、その国民への公約を果さずにきている。それ以来もう四年ですが、いまだに検討々々と言っている。政界浄化のために不浄なあるいは不正な資金源を絶つということに対する熱意がいかに自民党にないかということを、天下に公表しているようなものです。私は、ここで、岸内閣の三悪追放がいかに言葉だけであり、から念仏であるかということを、この点からもはっきりと再確認したわけです。これは御答弁は要りませんが、そうでないとおっしゃるなら、もっとはっきりと具体的な熱意を今後示してもらいたい。四年も五年も検討々々で、このままでいけば今後何年検討するかわからぬ、見当がつかぬということです。(笑声)私はそれだけを申し上げて質問を終ります。しかし、次の十一日にまた新たなる質問を留保しておきます。
○石坂委員長 井堀繁雄君。
○井堀委員 お急ぎのようでありますから、ごく要点だけ伺って、十一日の日に準備をしてお答えいただきたいと思います。 御案内のように、公職選挙法の改正の問題は、もちろん政府だけの責めに帰すべきものではなくて、むしろ国会自身、政党自身がこのことのために熱意を示すべきものであると私は考えるのでありますが、ただ、今日のあらゆる制度の上からいって、何といってもイニシアはやはり政府がとっているわけであります。その政府のかじのとり方が悪いと、こういう機構というものはみな眠ってしまうことになるわけであります。現実にそうなっていると私は判断いたしているのであります。先ほど同僚の島上君からお話がありましたように、うそでもほんとうでも、一応この内閣としては三悪追放ということを言っておるが、この言葉は非常に適切ないい言葉だと私は思うのであります。また、それだけに、実効が上らないということになりますと、政治的責任は一段と増大することになると思うのであります。国民のすべてにわかりいいスローガンでありますだけに、またその結果についても直ちに国民は判断をなし得るであろうと思うのであります。このことは、もちろん政府の責任に帰することではありますが、われわれ国会議員も、国民の側から言いますと、同様の責任を追及されると思うのであります。与党は共同の責任をとるでありましょうし、われわれは、人民の側において、政府の公約の実施を監視しなければならぬのであります。汚職の追放については、総理もたびたび言明しておられまするし、また長官もあいさつの冒頭にこのことを強調されました。この内閣で貧乏や暴力の追放ができるということについては、私は多くの期待はかけられないと思うのです。これは別の問題でありますが、せめて汚職の追放くらいはやらないと、何もやれぬことになってしまうと思うのです。汚職の追放はこの内閣でも可能であるし、またわれわれも協力していいことだと思うのです。あなたもおっしゃられたように、汚職は、これはもう民主主義のおくれた国に非常に多く、民主主義の進んだ国にはほとんど見られない。これはあまりにも顕著な事実であります。そこで、あなたも、民主制度の基本的な改善は、選挙の制度に期待するという意味のあいさつをなさいました。適切な発言だと思います。ただ、そこで一体選挙制度をどうするかについては、政府が発議をなされることが、国会の意思をきめていく上にも一番効果的であることは、いまさら言うまでもありません。議員立法の形もありますが、われわれ野党が出しましても、なかなか今日与党の諸君が同意してくれるような状態にはない。成立するかしないかの点については、さきの政治資金規正法の成立の問題についてすら熱意を示さぬ。ましてや、選挙法のごときものについては、特にそういう感が強かろうと思うのです。 そこで、お尋ねをいたしたいと思いますことは、選挙制度調査会に政府の諮問された要領を今事務局から書面でもらいました。それによりますと、参議院議員及び地方公共団体の議会の議員の選挙区、その他選挙制度について改正を加える必要があるか、もしあるとするならばその要領を示されたい、こういう文書になっておるようであります。この中で、参議院議員の選挙については、先ほども島上議員からお尋ねがあり、またこの点については十一日に時間をちょうだいして少しく聞きたいと思っているのです。それから、地方公共団体の議員の選挙区については、町村合併などによって、当然これはすみやかに解決をしなければならぬ事柄でありますから、これもあえて問うまでもないと思うのです。このことについては、どういう方法が望ましいかということは、答申を待って検討することも、もちろん扱い方としては妥当な扱いであり、そうしなければならぬのでありましょう。それ以前に、政府としては政府の用意がなければならぬのでありまして、われわれも用意がなければいけない。出されてから検討するというような事柄ではないと思うのでありますが、しかし、事前に討議をすることについて、それぞれ責任にこだわって開放的な議論ができないというのであれば、これは先に送るより仕方がないが、これはこの次に討議をすべき事柄であると思うのです。この点について一つ十分お考えを練っていただいてその点についてお答えができるようにしていただけば、私どもの議論も進むと思うのであります。 それから、きょうお尋ねいたしたいのは、そのあとにある「その他の選挙制度について」、これが重要だと思うのであります。「その他」という言葉は簡単でありまするが、選挙制度全体をさすものと思うのです。選挙制度全体について選挙制度調査会がその必要を認めた場合というのでありますが、こういう出し方は、親切なようであり、また一面無責任だということにもなる性質の文言であります。そこで、長官にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、従来の長官と違いまして、今回の場合は岸内閣の三枚看板のうちの汚職追放の問題にえらい熱意をかけておいでになることは、疑う余地がないと思います。この問題を抜本的に解決していくためのお仕事は、あなたの所管になっておる。それは何といっても議会なり行政の衝にありまする政府自身が範をたれなければならぬことであるだけに、まず第一に、私は、この選挙制度の問題になると思うのでありますが、そのことをあらかじめ用意しないで、汚職追放などとよも言えたものではないと思う。こういうことを大胆に発表するからには、岸総理の胸三寸の中には、こういう方法で選挙制度も改めてそうして金のかからない公明でかつ民意を十分正しく反映するような選挙制度をやろうというお考えはあったに違いない。その構想を具体化する仕事は、今の役所でいえば、あなたのところにある。そのことを承知されて大臣の地位はおつきになったものと私も判断いたします。この点については、きょう、こういういい機会でありますから、具体的な意見をお述べになることが大切だと思って、私はあなたのあいさつを期待しておったわけであります。しかし、要領のいい抽象論で簡単にお片づけになりましたが、それはけっこうであります。しかし、そのあとを一つお聞かせいただいて正直に言って、この「その他」とはこれこれのことを考えておるのだということがおありだと思いますが、御用意がなければ十一日でもけっこうであります。
○郡国務大臣 その他の選挙制度としまして、ことに、参議院の場合には、従来も選挙制度調査会で御議論になっておりました点で、これは賛否それぞれ分れておりまするが、問題点となって残っておりますことは、現在の参議院議員の定数、また現在の全国区、地方区の割り振り、これが果して合理的なものであろうかどうか、また、参議院と衆議院というものの異質性を出して参りますために、参議院議員の被選挙資格が現行法の通りでよろしいかどうか、また非常に広い選挙区で選挙運動をいたします場合に、選挙運動について現行法の規定がそのままでよろしいかどうか。これらの点は、いずれも、従来の選挙制度調査会でも、半分論じながら結論の出ていない点であります。選挙区が非常に大きい選挙区であり、しかもお話のように金のかからないという要請を満たしていかなければならない。それらの場合に、選挙運動について何か特別な規定というものがあるんじゃないだろうか、また、選挙の公営というのが、選挙区が広くなると非常にやりにくい。これらの点についてどう考えたらばよろしいのであろうか。問題は非常に多いのであります。もちろんその全部を考えることも困難かと思いまするけれども、それらの点について何か適切な考え方がないだろうか。そういう点をよく検討してもらいたいと考えております。
○井堀委員 そうすると、参議院の選挙区並びに参議院の特殊な選挙区を持つ地域でやる運動に限られて、政府は諮問されるという御意思でございますか。「その他」というのは、私が伺っておりますのは、参議院議員の選挙については、ここで具体的に言われております。この中には、大選挙区を改めたいというようなことを言っておられることも入っておるのだろうと思いますが、これはこの次に伺うということを冒頭に申し上げて、それに付随して起ってくる問題は、もちろんそれに関連してお伺いします。それから、地方の公共団体の議員の選挙も、これは当然なことだと思うのであります。これは、この次に伺う時間が必要だと思いますから、保留したのであります。しかし、ここにある「その他の選挙制度」というのは、この二つ以外に政府は改正の必要があるというのか、あるいは改正の必要を痛感されて諮問されておるのか。本来ならば、これこれのことについてというのが、諮問の仕方としては私は妥当だと思うのでありますけれども、しかし、こういうやり方は、ある意味においては、相手の意見を広く尊重するという意味では、なるべく幅の広い諮問の仕方がいいわけなので、そういう見方もできるわけなのです。「その他」というのは、しかしそうではなくて、限られたこの二つに付随した問題とか、あるいはそれと関係のあるものに限ってといったような場合にも、こういう言葉は使えば使えぬことはないのですが、私のとっている意味は、どうももっと広いものがあるんじゃないかというふうにとったものですから、お尋ねした。というのは、先ほど来言っておるように、汚職追放を言うからには、選挙制度に言及されるだろうと思うから、何も参議院と地方選挙だけが汚職追放に関係があるものじゃありません。これは別な意味がある。むしろ、汚職を追放しようとすれば、選挙法制度全体について、もっと抜本的な改正を——現に先ほど来報告があり、またこれからも報告があるわけでありますが、選挙法の改正への希望というもの、あるいは要望、あるいは警告などの意向が、もう方々に出ております。議員の間にもあるわけであります。もちろん政府にもなければならぬ。そのことがおありだろうと思うから、「その他」というのは、そういう意味ではないかということを聞いたわけです。
○郡国務大臣 諮問に「その他」と申しておりまするのは、諮問でごらん下さいますように、参議院議員選挙と地方議会選挙、この二つにしぼりましたその内訳で言うておるのであります。従いまして、私がただいま御説明したようなことに相なります。しかし、問題の所在としては、井堀さんのおっしゃったような大きい問題が別にあることも、これは承知をいたしております。しかし、この選挙制度調査会には、一応衆議院の選挙についてはさきに諮問をし、答申をもろうておりまするので、このたびは参議院と地方議会、これに大筋をしぼりまして、そしてそれに対応する問題を並べたつもりで、「その他」と申しております。
○井堀委員 よくわかりました。そういたしますと、「その他の選挙制度」という意味は、まあこの二つに関係して起ってくる事柄を指しておる。そういたしますと、選挙制度調査会としては、それにしぼって答申をなされるということが、これは当りまえの考え方なんです。そうすると、選挙制度調査会に諮問しないで、いきなり政府が選挙法の改正案を出すはずはない。出せぬことはないかもしれませんが、今までの慣行や、また民主的な手続をとる制度がある以上は、それをくぐらないで出すはずはない。そうすると、会期は長いけれども、次の通常国会が来月から始まるわけです。これはどうなんですか。そういうことをここでは全然考えないということにとってよろしゅうございますか。
○郡国務大臣 おそらく、衆議院、参議院を通じまして、おっしゃる点は取締り運動のところに多く出て参るのじゃないかと思います。そうした点につきましては、主として衆議院の選挙区の御審議をさきには願ったのでありまするけれども、ある程度そうした問題に触れてきております。従いまして、政府が今後いかように——先ほども島上さんに申し上げましたように、検討をいたしておりまする事柄のいかんによりましては、さらに諮問をいたす場合もございましょうし、あるいは、諮問をいたさずに、むしろ直接国会の御審議を願うというようなこともあり得るかと思っております。
○井堀委員 そうしますと、この前答申された範囲内においてというふうにもとれますが、答申されたこと以外についても、何か政府は独自で提案なされるような御意見のようにもとれるのですが、今後この問題は重要な関係を生ずると思いますから、あなたの言質をとるというのではありませんから、明確にしておいていただきたいと思います。
○郡国務大臣 選挙区の御答申を得ましたときに、公正を確保いたしますため方策についての御答申をいただいておったかと思います。この点、また、私の正確に記憶しておらぬところは選挙局長から申してもよろしゅうございますが、従いまして、御答申の範囲あるいは御答申の範囲を越えましても、御趣旨に大体合っております場合と、それから新しい相当大きい問題を提起いたすかどうか、その状況によりまして選挙制度調査会に諮問をいたすかどうかは、今後考えたいと思います。
○井堀委員 わかったようなわからないようなところもありますが、大体一つの私どもの疑点は了解いたしました。かように私考えてよろしゅうございましょうか。一ぺんはっきりしておきたい。選挙制度調査会の諮問を経ないで、政府はいきなり選挙法の改正などについてはやらない。もちろん、前回答申された、あるいは前々回それぞれ答申を受けた事柄については、これは当然答申をしたものと私は解していいと思いますが、全然選挙制度調査会の諮問にも付せないし、答申にもないような選挙制度の改正などに関する法律というものは、いきなり提案しないというふうに理解すべきものと私は思うのです。しかし、まあ火急な提案もあり得るかもしれませんが、今のところ考えられない。それから、先ほど私のお尋ねいたしました問題は、あなたのお答えによりますと、くどいようでありますが、参議院議員及び地方公共団体の議員の選挙、またこれに関係するその他の事項というふうな説明がありました。そうとっておりますが、そうすると、一応この場合においては、公職選挙その他の新しい改正などについては政府は何も考えていない、こういうふうにとってよろしゅうございましょうか。
○郡国務大臣 ただいま調査会に諮問しておりますのは、井堀さんのおっしゃいましたように、参議院議員と地方議会にしぼっております。もし必要があれば、さらに別の諮問を発することに相なろうと思います。
○井堀委員 それではあらためて伺いますが、別に諮問をする必要を今政府は認めていないのであるかどうかということをお尋ねしたのです。というのは、何も根拠のないことを言っておるのではない。それは、先ほど来繰り返し言っておるように、汚職追放ということについては、私はかかって政治の浄化にあると思うのです。もっと日本の政治というものが澄み切ったようなものになりますならば、実は汚職は大半解消することができると思うのです。それだけ私は政界の浄化については責任がお互いにあると思うのです。その解決の方法としては、やはり選挙制度に言及せざるを得ない。もっと公明選挙を徹底するということ以外に、私は道は考えられない。だから、このことを政府が考えていないとするなら、汚職追放などというのも場当りで、これは、要するに、政府としては人気取りだというふうに、みずから語るに落ちたと思うのです。それで、親切を尽しておるつもりでお尋ねをしたのです。だから、それはこれから追って諮問するのだというなら、それは、次の国会ですから、一応あらためて緊急なものと、もっと基本的なものと分けて諮問することも、私は諮問の仕方としてはよい方法の一つだと思うのです。それで、そういう私の考えがあったものですから、実はお尋ねをしておるのです。
○郡国務大臣 このたび諮問しております参議院議員選挙と地方議会の選挙につきましては、諮問をごらん下さいましても、かなり広いと申しますか、漠とした諮問をいたしております。先ほど島上さんのお尋ねにもお答えいたしましたような各種の問題につきまして検討いたしております結果、非常に具体的な形で、何か新しく、しかも選挙の基本に触れますような成案を政府が得ようといたします際には、おそらく、選挙制度調査会が現に構成されておるのでございますから、これに諮問をいたして、そして万全を期することに相なろうと思います。
○井堀委員 それはわかったのです。だから、それを今回なされるとする計画があるかないかをお尋ねしたのです。それがなければ、ないでいいのです。ないということなら、三悪追放はにせものだと私たちは理解すればいいので、あるとすれば、次の国会もわずかでありまして、そう簡単に答申もできぬ事柄の一つだと想像できますから、きょうはその内容については発表できぬ、追って相談するというなら、それでけっこうです。ないのかあるのか、どっちかをわれわれは知りたい。
○郡国務大臣 政府といたしましては、また、私の役所といたしましても、選挙法とか政治資金規正法とか申しまして、政治なり選挙を公明にいたすということが根本であり、それについては非常な熱意を傾けております。先ほど二、三お答え申しましたところでも、いろいろな問題がありますために、事柄が重要な問題であると同時に、非常に慎重に考えなければならぬ点がありますので、今日このような形で進んでいくのだ、こうしたらどうであろうというような考え方は幾つかごございます。しかし、それでは、このようにきめてしまうというような考え方にどうして到達していったらいいだろうかということで、大いに努力をいたしておる。そのような意味合いで検討と申し上げておる次第でございます。
○井堀委員 よくわかりました。政府としては選挙制度の問題については今勉強なさっておる最中だというふうにお答えのようでありますから、いかがかと思うのでありますけれども、それはまた別な問題として争うべきだと思います。 そこで、もう一つだけちょっと伺って、この次の質問の用意にいたしたいと思います。現行法の中でいろいろと操作することによって、ある程度改善ができる問題がかなりあると思う。特に、休会中に、われわれが、国政調査の形で、選挙関係者あるいは取締りの衝にある者などの意見を徴しました結果をこの国会に報告をし、あるいはこれから報告することになっております。すでに今までの中にも幾つかあるわけなんです。こういう問題について次会でお尋ねをいたしたいと思いますので、政府といたしましては、委員会で今までで報告されたもの、これから報告されるものについて、資料として、また委員長の手元に届いておる資料が莫大になっているので、それを御検討いただきまして、この次はそれに対するそれぞれの見解を正確にお述べいただけるように御準備いただきたい。 ただ、このことは選挙にも関係がありますが、一つだけ具体的なものについて、せっかくの機会でありますから、御意見を伺って、私の質問を終りたいと思います。 それは、選挙制度の中で、既存の選挙法のままでもある程度運営上の工夫で相当効果を上げ得るものとして、第一にあげられるのは、私は選挙管理制度の改善だと思う。機構それ自身は法律をいじらなければいけないのでしょうが、運営については行政的ないろんな措置で改善ができる。この点について各方一面から非常な意見が出ております。われわれも何回か述べてきておる。しかし、満足すべき政府の答弁をまだ聞くことができません。しかし、いきなり聞いてすぐ答弁をしてもらうということもいかがかと思いますから、この点については、この次に十一日にこの委員会を予定しておりますので、その節は、一つ、現行法の中においでこうすることができる、ああすることができるということについて、最大限の工夫をこらした御意見を聞かしていただきたい。また参考資料をおとりになっていただきたいと思います。 もう一つは、何といいましても、一つには選挙の取締りや管理の方法に工夫をこらすということと別個に、やはり原則的なものとしては、民主主義は、選挙に関係する者と、これを選ぶ方の側である有権者の政治常識の向上に待つことが、私は必要だと思います。どうも、そのことについては、公職選挙法の第六条にせっかく明文化されておりますが、から回りをしておりましたことは、この委員会で与野党とも全く一致の見解で主張し続けておる。しぶしぶと昨年一億ばかり特別に委託費として予算を組まれました。今回国政調査をいたしまして、あの一億の金がえらい働きをしておるということに対して、われわれは強い関心を持っております。これは、この際、やはり緊褌一番、貧乏な財布をふるっても、ここには惜し気もなく金をつぎ込んでいいものではないか。この点では、政府が一億予算を組んだことは大いに賞賛に値して、またわれわれも心から敬意を表したいと思うのであります。しかし、せっかくまいた種が芽が出始めたところでありますから、これは郡長官の一番大きな手柄になるお仕事じゃないかと私は思いますが、この機会に、もう予算の話の合いがそれぞれ大蔵省と各省ともあるいは済んでおるかもしれぬので、長官としてのこれに対する心組みをわれわれに聞かしていただければ、またわれわれの御協力の余地もあろうかと思います。
○郡国務大臣 選挙の管理制度の改善につきましては、次会にまたお尋ねをいただきまして申し上げることにいたしますが、事務機構を整えましたり、また管理をいたします構成を適切にいたすというような点で、十分工夫をこらしてみたいと思います。有権者の政治常識を向上いたしますために、ことに青年婦人層に対する常時啓発がかなりできて参りましたこと、それから、私ども見ておりましても、比較的小さいところ、たとえば、町村などで、町村長の選挙等のために割にスポイルされておりましたのが、皆さん方の非常な御後援によりまして、現年度から得られました委託費によって、予想外の効果が上っておるというようなことを聞きまして、これは、ぜひ、委託費としても十分活動できるような、せめて現在モデル地区でやれておりますくらいのことが一般にできましたら、どのくらいよくなろうかと思いますこと、またこれが委託費をさらに増して交付することができますならば、自主的に加えます金もふえて参りまして、従来の社会教育的な考え方だけで、ばくといたしましたのに比べては、非常な成果を上げ得ることと思って、特に熱を入れておる点でありますが、どうか当委員会におきまする御鞭撻を切にお願いする次第であります。
○井堀委員 時間もありませんし、本会議も間もなくだと思いますので、一応次の機会に留保いたしまして、私の質問を終ります。
○石坂委員長 本会議の関係もありますので、長官に対する質疑は本日は一応この程度にいたしまして、次会御出席を願い、質疑を続行いたすことにいたします。 —————————————
○石坂委員長 それでは、先ほどの調査に関する御意見を伺いたいと思います。古川丈吉君。
○古川委員 山口県、島根県における調査に参りました所見を申し述べます。 時間の関係もあり簡単にいたしますが、なお、詳細は、委員長まで提出してあります報告書及び資料等によってごらんを願いたいと存じます。 まず、選挙管理委員会の実情について申しますと、山口県、島根県いずれも、県選挙管理委員会の事務局長は地方課長の兼任であり、職員は、山口県では専任職員五名となっており、島根県では次長、係長は県職員が兼務しており、山口県下十二市選挙管理委員会においては、独立した事務局を持つものが八、その他は市議会事務局また市総務課と併置されている現状であり、松江市においては、独立した事務局を設置し、専任職員を配置しているとのことでありました。 山口市選挙管理委員会より特に次のことがあげられたのであります。山口市選挙管理委員会は、設立当初事務局職員は局長以下五名でありましたが、その後の事務量の増大に伴い、一時は八名を数えるに至ったのでありますが、昭和二十八、九年以来、地方財政の窮迫により、職員は減員を重ね、現在専任三名兼務一名の職員により事務を遂行している実情であります。しかしながら、選挙管理委員会における事務量は、過去に比して何ら軽減するどころか、逐年複雑多岐をきわめる傾向にあり、選挙管理委員会の性格と重要さを認識する当事者としては、まことに憂慮にたえないところであり、この点多年にわたり事務局の拡充強化を関係方面に訴え続けてきたのでありますが、昨年地方自治法の一部改正を見るに至り、これは、選挙管理委員会の中立性を否定し、組織の弱体化を意味するもので、軽視し得ないところであります。幸いに本年度より常時啓発が国の委託事業として認められるに至り、多年の要望の一端がかなえられ、運営の使命達成に大きな裏づけとなったのでありますが、反面、前述のごとき限られた職員による事務量の増大は、ますます事務局の強化拡充を痛感させるものがあるとのことでありました。なお、山口市選挙管理委員長より、人口八万五千二百九十三人、有権者五万二千百三十一人の山口市においても、最低選挙管理委員会事務局職員五名は必要である旨を強調されたのであります。 次に、選挙関係諸法令の改正に関する点について申しますと、いずれも昨年十月開催の全国選挙管理委員中央会議で要請した事項等の実現を切望しておられるのでありますが、山口県選挙管理委員会より次のような改正意見が述べられたのであります。すなわち、一、選挙管理委員の定数を増加するとともに、事務局を設置して組織の強化をはかること。二、選挙法規の改正は、選挙の直前にこれを行わず、法の制定から施行までの間に十分に日時を置いて、国民一般に対して周知させるに必要な期間を置くこと。三、選挙人名簿は永久制名簿にすること。四、町村合併により町村の区域が拡大された現在では、町村長及び町村議会の議員の選挙についても、自動車一台または船舶一隻の使用を認めること。五、記号式投票を採用すること。六、時間を制限して連呼行為を認めること。参議院地方選出議員、都道府県知事選挙のように、都道府県の区域において選挙される者については、区域が広大である関係上、ある程度の連呼をさせることが実情に即する。七、現在の用紙事情から見て、選挙運動川ポスター用紙の公給制度を廃止すること。八、政党等の政治活動と個人の政治活動の限界が不明確であるために、解釈上問題となることが多いので、政党等の選挙時における政治活動の規制についての規定を整備すること。九、市町村の合併によって市町村の区域が著しく拡大されたに伴い、同一市町村における住所移転についても補充名簿へ登録申請を認めること。なお、不在者投票事由に「投票区のある郡市の区域外」とあるのを「市町村の区域外」とすること。十、法第百四十七条、候補者の氏名等の掲示に関する規定及び法第百六十四条の二の規定を廃止すること。違反文書、図画の撤去、候補者の氏名等の掲示は、選挙時管理委員会の事務量からいって過重な負担であり、選挙本来の事務遂行に支障少からず、実効も薄く、また選挙争訟等の原因ともなり、また、個人演説会は、多い人でも六十四回の制限までを開催した例はほとんどないので、実益がないということであります。その他潜在有効投票について成文化すること。選挙管理委員会が異議申し立てまたは訴願の審査をする場合の権限を強化すること等の改正意見が述べられたのであります。 島根県選挙管理委員会からは、島根県の特殊性から見て、特に、一、町村長選挙に選挙運動用自動車一台の使用を認めること。一、衆議院議員及び参議院地方選出議員の選挙について、現行の街頭流説用標旗のほかに、離島その他交通不便の地域においてのみ使用できる標旗及び腕章を交付することの改正意見が述べられたのであります。 さらに、山口県市町村選挙管理委員会より、主として、選挙管理委員の定数を増加するとともに、独立の事務局(公職選挙法中に規定するか、または地方自治法中に事務局必置の規定を設けること)を設置して、組織の強化をはかられたい。なお、これには、委員数を増加して、全員が出席しなくても会議が開かれるようにし、事務局に専従の書記を必置すること。さらに予算執行権を委員会に与え、委員会の権限を拡充強化されたいとの要望がありました。 なおまた、島根県松江市選挙管理委員会より、おもに、選挙管理委員会についてはその組織権限を次のように改め、委員会の性格上、これが組織運営については、公職選挙法中に規定すること。一、市区町村の委員定数三人を四人とし、出席委員三人で成立するよう改めること。二、事務局を、都道府県及び市区は必置制、町村は任意制とすること。三、書記その他の職員は必置制とすること。四、予算の編成執行権は、旧教育委員会法第五十六条ないし第六十条程度はこれを認めること。さらに、公職選挙法については、すでに触れた事項以外に、一、開票立会人は選挙管理委員の選任に改めること。二、普通市及び町村の選挙期日の告示は、改正前の通り、普通市は少くとも十五日前、町村は十月前に復元すること。もし現行のままなりとせば、立候補受付期間を選挙期日の告示の日から二日までに改めること。三、公職選挙法第百四十四条第四項によるポスターの掲示責任者は、その掲示する市町村に住所を有する者に改めること。四、衆議院全県一区または参議院地方区及び知事選挙の場合において、地域広大な選挙区における選挙運動の規制について特例を設けること。これらの意見が強く述べられたのであります。その他、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律を実情に即するように改め、再選挙及び補欠選挙等の交付額を普通の選挙と同額に改めること、また超過勤務手当の単価及び投票立会人等の手当を増額すること、また、常時啓発委託費の一億円では公明選挙推進運動の完璧を期しがたいので、明年度においては少くとも最低三億計上を要望する等のことが述べられたことを申し添えます。 次に、警察、検察庁の取締りについて申し上げますと、山口県では、昭和三十年以後施行されたおもな選挙の選挙違反として検挙された状況は、昭和三十年衆議院総選挙三百一件、昭和三十一年参議院通常選挙百一件、昭和三十二年知事選挙三十八件で、違反の内容は、大部分が買収事犯で総体の八〇%を占め、戸別訪問、文書違反等がこれに次ぐ状況でありました。また、島根県においては、参議院議員選挙の違反検挙状況について申しますと、昭和二十八年、二百七件、四百二十八名、昭和三十一年、四十一件、五十二名で、その内容は、買収、利害誘導、戸別訪問、文書図画の制限違反その他であります。山口県の選挙運動の状況で特に目立って変った点としては、最近選挙に際し政党その他の政治団体の政治活動がきわめて活発に行われるようになってきたが、その目的が選挙運動と同じように候補者の当選を目的として行われるので、政治活動と選挙運動との区分が困難になり、また個人の行う政治活動については禁止されていないので取締り上困る場合が多く、また、連呼行為は簡単な方法で割合効果があるので、連呼行為を行うものが漸次多くなり、特に大きい選挙ほどその気分が強いように見受けられたとの報告がありました。 なお、この際、山口県の知事選挙に際し特異な違反として、公印偽造並びに公職選挙法違反事件があり、すでに山口地方検察庁より起訴されておるのでありますが、その概略を述べますと、立候補者の選挙運動者、候補者の選挙事務所において労務に従事した者及び金銀細工並びに印章業を営む者計四名が、共謀の上、選挙運動用ポスターに表示する山口県選挙管理委員会の検印を偽造せんと企て、点字検印打抜器を偽造して偽造検印のポスターを作り、公職選挙法所定の制限枚数である一万一千枚をこえてみずからまたは他の人を介し、約二百四十枚を、真正な検印ある選挙運動用ポスターのごとく装い、各地に掲示したものであるという事件であります。これらの感想として山口地検検事正田辺光夫君は、啓蒙運動の強化が何をおいても必要であり、要は人の問題であり、選挙運動関係者の自粛が強く望まれ、その防止対策としては、印刷所を特定し、たとえば刑務所などで印刷をまかせること、選挙ポスターの検印の個所を指定する、たとえばまるの白紙欄を設けること、ポスターに一連番号を付すること等の意見を発表されたことを申し述べておきます。 最後に、党側の意見を申し上げますと、自民党、社会党ともに、候補者をよく知らせ、雰囲気を高めるために、演説会の回数を多くし、連呼行為はこれを緩和して、区域あるいは時間等の一定の制限を付してこれを認めることが望ましいとの意見が強く述べられたのであります。山口県の自民党からは、公明選挙は選挙民の自覚が根底であり、これがためには啓蒙運動が必要であり、特に選挙費用は物価等の実情をにらみ合せてよく考慮し、個人演説会の回数を増加し、さらにはがきの枚数を増すことが必要であり、室内用ポスターを廃止して検印あるポスターを増すことが望ましいとの意見が述べられたのであります。社会党からは、山口県では、選挙管理委員会において、自動車の買い上げ、ポスターの掲示等を含めて、選挙公営の強化が望ましく、事前運動の制限特に現職候補者が有利に過ぎる傾向が多く認められ、選挙の公正がいかがわしく思われる点もある等の意見が開陳され、島根県においては、公職選挙の改正について根本的改正問題として、将来なるべく早い機会に比例代表制への移行及び公営の拡大徹底が主張され、制限を緩和すべき点として、乗車人員の増加、車上の運動等、立会演説会の拡大等が指摘され、罰則の強化と地位を利用する運動の禁止として、連座制の強化、公務員等の違反に対する罰則の強化、公共団体の機関及び強制加入の法人等の役職員に対する制限が必要であるとの意見が述べられたのであります。さらに、特に強く主張された点は、最近の地方選挙の趨勢にかんがみ、首長選挙に対しては特別措置を規定すべきであるとして、公務員の違反に対する罰則の強化、消防団等の公共団体の機関及び農協等の強制加入の法人の役職員に対する制限は一般選挙より厳格にし、公共団体の諸行事の悪用に対する取締り、選挙期間中に行われる工事の着手援助、落成等の儀式または特に酒宴等の諸行事に対する取締り、選挙期間中の部落会、町内会、婦人会、衛生組合等の諸行事の悪用に対する取締り、いわゆる張り番の悪習に対する取締り、さらに、地方選挙の違反に対する警察の取締りは大きな選挙に比して十分でなく、見のがしているのではないのかとさえ思われる点等の意見が述べられました。 以上、山口、島根における選管、検察、警察及び党支部の意見の概要でありますが、御出席の方々には、いずれも、選挙をいかにしてよくやれるようにしていくかについて熱心に忌憚のない御意見を述べていただいたのでありまして、また本調査に格段の御協力を賜わった関係県の各位に対して、この際ここに厚く御礼を申し上げる次第であります。
○石坂委員長 井堀繁雄君。
○井堀委員 私は、この際、公職選挙法改正に関する件につき、前国会閉会中に大阪府及び兵庫県の現地において調査いたしましたことを、簡単に御説明申し上げたいと存じます。 このたび調査いたしました問題点は、次の三つに大別できると考えます。その一は選挙管理及び選挙管理委員会に関する問題、その一は、選挙運動並びにその違反に対する取締りの問題、その三は、選挙区及び定員に関する問題などでありまして、以下順次簡単にその概要を申し述べます。 まず、選挙管理及び選挙管委員会に関する問題でありますが、そのうち、第一は、選挙管理委員増員の要請でありまして、昭和二十七年の改正によって委員が減員され、現在、都道府県と指定都市のみが四名で、その他の市町村は三名となっておる上に、出席の定員数が三名でありますために、委員会の活動に支障を来たしているので、少くとも一名は増員されるべきであるとの、要請でありました。 その二は、選挙管理委員会の自主性を確立されたいというのであります。まず、選挙管理委員会に予算の執行権を持たせるべきだとの意見、これには一部から時期尚早という声もありましたが、強い、要望があったのであります。次に、現在地方自治法に規定されております選挙管理委員会の規定は、公職選挙法に規定すべきものであるという意見、また選挙公報掲載分の規制の権限を選挙管理委員会に付与すべきであるという意見などでありました。 第三は、選挙管理委員会の事務局の必置制についての意見でありますが、これには一部時期尚早ではないかという発言もありましたが、現状のように、地方庁の職員が兼務の形式で事務を処理するというのであっては、これが任免権を握る上司たる首長の選挙等につきましては、日常その指揮下で働いておる者が当該選挙の管理事務をとるというのはいかがなものであろうか。これを選挙関係者の側から見ると、どういたしましても疑惑の目で見られるのであります。 その他、公明選挙完遂のための常時啓発運動については、本年はかなり効果を上げたし、今後もこの種の運動に積極的に努力をいたしたい旨が述べられ、その裏づけとなります予算確保などについて充実せられたいとの意見でありました。 続いて、選挙人名簿は申告制にした方がよいとか、法第百四十七条の違反ビラ撤去の規定並びに一町以内の掲示禁止規定は削除すべきであるとか、法第百七十三条の市内の氏名掲示は廃止してはいかがであるとか、投票用紙に選挙期日を記入すべきであるとか、市長、市議会の締め切り期日は短縮すべきであるとか、選挙当日の棄権防止運動は選挙管理委員会の所管とするよう明確にすべきではないか等の意見がありました。 これらについての説明はこの際省略をいたし、委員長のもとに提出いたしてあります資料によって十分了解していただきたいと存じます。 その二は、選挙運動並びにその違反に対する取締りの問題であります。私どもが調査いたしました大阪府並びに兵庫県におきましては、創価学会の選挙運動が重要な問題となっておりました。特に、大阪におきましては、前回行われた選挙において公明でない行為が多々あったようでありますが、選挙法その他現行の取締りではなかなか取締りに困難な問題が多く、その対策に苦慮されていると申されておりました。しかし、いかにも、取締りばかりを強化するということは、選挙を暗いものにいたしますので、以下主として取締りの面に当っておられる方々からお聞きいたしましたこれが対策と申しますか、それぞれ意見が順次述べられましたので、簡単に列挙して申し上げます。 まず第一点は、選挙運動者の無制限にふえることの防止並びに使用する費用の額を明確にするため、その数を制限し、届出制をとるべきであるとの意見であります。第二点は、いわゆるささやき戦術防止のため、戸別訪問の禁止規定だけではなく、個々面接の規定をも設けてはいかがとの意見であります。第三は、法定費用額を厳守すべく、その方法として、選挙関係の費用については金券のごときものを発行してはどうかという変った具体的意見もありました。第四点は、百円札をたばこに差し込んで不特定多数の人にまき散らした、いわゆるたばこまき戦術などの防止のために、不特定多数人に対し金銭、物品を供与した場合にも、買収罪として取締りができるよう規定を新設するなど、金品頒布の取締りを厳格にすべしという点などでありました。なお、第五点は、政策論議ではなくて、宗教的行事のようなものだけで選挙運動をすることの防止のため、候補者の立会演説会参加を義務制とすべきであるとの強い意見がありました。第六は、組織的な違反行為の防止のために、違反に対する連座制を強化すべしという意見などでありまして、詳しくは資料によって御了承いただきたいのでありますが、これらはいずれも早急に解決を迫られた問題でありますことを考慮しなければなりません。 その他、一般的な選挙運動規制の問題として、一、末成年者の選挙運動の禁止は、現行の二十才未満から十八才未満に改めてよいのではないか、またその違反行為に対しては使用者のみを罰する。二、政治活動のための立札、看板については、法第百四十三条にポスター程度の制限規定を設ける。三、事前運動事犯の防止のために、脱法文書の頒布、掲示の禁止規定の制限を削除するとか、時効を投票日に改めるなどの方法で取締りの徹底をはかる。四、選挙用のはがき譲渡禁止規定の実をあげるため、たとえばお年玉はがきのごとき選挙はがきを作るなどの対策を講じて、禁止規定を有効にする。五、政談演説会は、個人演説会とまぎらわしいものでない限り、その回数制限は撤廃する。六、選挙犯罪に対する公民権の停止規定は拡充し、厳格にする。七、現行六カ月の選挙犯罪の時効期間は現実に適せないので、少くとも一カ年に延長する。八、選挙犯罪に関する恩赦制度は、公明選挙並びに国民思想に重大な悪影響を及ぼすことにかんがみ、何らかの対策を講ずべきである。九、地方公務員法第三十六条の政治活動の制限規定の違反に対しては、罰則を設ける必要があるというような意見が述べられました。 その三については、選挙区定員その他の問題でありまして、以下簡単に説明を申します。一、町村合併の促進に伴う都道府県の議員の選挙区については、飛び地を有する郡または地勢上、交通上、飛び地と同様の性格を有する郡は、単純に郡単位とせず、実情に即したものとすべきである。二、地方議会の選挙区については、その特殊性を尊重し、法定事項は幅を持たせること。三、地方議会の議員の欠員補充については、そのつど選挙を行い得るように改めること。四、地方自治体の首長及び議会議員の選挙については、公職選挙法から再分離すべく考慮されたい。五、投票上何人を記載したか確認しがたいものの解釈困難の実情解決のため、記号投票制の実現をはかるべきである。六、都道府県議会の定員の最低は規定されているが、最高も規定してよいのではないか。七、補欠選挙の費用を三分の二としていることは実情に即さないから、引き上げるよう改めるべきである。八、地方自治法第二百五十二条の十九による大都市とその他の区域との執行経費の基準は、不合理な場合もあるから、改められたい。九、参議院全国区制はこれを廃止するとか、最高裁判所裁判官の信任投票の制度も再検討されてはどうかというような意見が述べられたのであります。 以上ごく簡単に要点のみを概略申し述べました。 時間の都合もありますので、一々説明を加えることは省略いたしますが、来たるべき公職選挙法改正の際には、私ども立法府にある者といたしましても、十分考慮しなければならない諸問題が多々あることを申し添えておきます。 以上、私の発言を終りたいと思います。
○石坂委員長 本日はこの程度にいたし、次会は来たる十一月十一日月曜日午後一時より開会いたします。 午後零時五十二分散会