建設委員会 第4号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/11/14
会議録
○薩摩委員長 これより会議を開きます。 一昨日付託になりました昭和三十二年六月及び七月の水害による公共土木施設の災等に関する公共土木施設災害復旧専業費国庫負担法の適用の特例に関する法律案を議題とし、審議を進めます。 まず提案者より提案理由の説明を聴取いたします。中島巖君。
○中島(巖)委員 ただいま議題となりました昭和三十二年六月及び七月の水害による公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の適用の特例に関する法律案について、提案の理由を御説明申し上げます。 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法は、御承知の通り、昭和二十六年三月法律第九十七月をもって公布せられたものでありますが、その趣旨とするところは、戦後特に頻発の傾向にある災害に当って、その復旧をすみやかならしめるため、河川、海岸、道路、港湾その他の公共土木施設について、地方公共団体の行う災害復旧事業に対し、地方公共団体の財政力を考慮して、国庫負担の率を定めたものであります。すなわち災害復旧事業費の当該地方公共団体の標準税収入に対する割合に応じて、所定の率により国が負担し、災害復旧の促進と地元負担の軽減に資せんとするものであります。ただし、第六条において、一カ所の工事費が都道府県及び指定市にあっては十五万円、その他の市町村にあっては十万円に満たぬいわゆる小規模災害についしは、その適用を除外されているのであります。しかしながら、最近の災害の実情を見まするに、その被害の及ぶところは広範かつ深刻であって、大規模災害とともに小規模災害が相当広範かっ集中して発生しているのでありまり。従って個々の小規模災害を機械的に除外することはかえって実情に即しないうらみがあります。ことに六月の長野、岐阜地方の五号台風による被害、七月初旬の山形及び西日本各地、下旬西九州を襲った豪雨による被害は、公共土木施設だけでも百数十億円に上る被害をもたらし、これが復旧のために地方公共団体は多くの財政負担を余儀なされつつあるのであります。従って最近地方財政が次第に窮迫しつつある実情にかんがみ、この際災害復旧に対する国の援助を徹底しかつ公正ならしめるために、国庫負担の対象をある程度拡大することはきわめて適切であると考えるのであります。すなわち通用除外の工事の規模の一カ所の工事の費用が、都道府県にあっては十五万円とあるのを十万円に、市町村にあっては十万円とあるのを七万円に、それぞれ引き下げ、これを本年六月及び七月に発生した災害地に適用してこれら災害地の地元負担の軽減と災害復旧の促進に資せんとするものであります。 以上がこの法律案の提案の理由及びての要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるよりお願いいたします。 —————————————
○薩摩委員長 次に松戸市及び江東区の視察報告を聴取いたします。前田榮之助君。
○前田(榮)委員 去る十一日理事会の決定に基きまして、松戸市金ケ作の土地区画整理事業並びに東京都江東地区における高潮対策事業を現地において調査して参りましたので、簡単に御報告申し上げます。 まず松戸市金ケ作地区の土地区画整理事業から申し上げます。 本事業は日本住宅公団が執行しているものでありますが、この計画は首都圏整備委員会の勧告に基き、松戸市の熱心なる希望により都市計画審議会の議を経て昭和三十年十一月より都市計画事業として執行しているものであります。すなわち首都圏構想の衛星都市の一つとして街路、公園、緑地、下水等の公共施設が十分に整備された新しい都市の形成を目途として、約五十一万坪の土地区画整理を行うとともに、地区内に公団用地として約十五万坪の土地を買収し、これに公団住宅三千戸を建設するほか宅地として分譲し、その他小学校二、中学校一、官衙用地等をも整備する計画であります。しかるに買収土地以外の区画整理施行地区内の土地関係者中三分の二のものは本事業の施行に同意しているのでありますが、約三分の一の関係者はこれに反対しております。反対者の主張するところは、地区内にあってあくまで農業経営を持続しようとするためには減歩は困るというのでありまして、結局土地区画整理の地上区から除外せられることを要望しているのであります。 千葉県並びに松戸市当局はこの間にあってあっせんをしておりますが、いまだ解決を見ないで今日に至っており、ために予定の工期が一年有余もおくれていますことはまことに遺憾とするものでありまして、公団当局は法による権力発動は許されてはいますが、農家経営者の見地に立ってでき得る限りの配慮をなすとともに、反対関係者におきましては、土地計画法、土地区画整理法等の立法精神を理解し、絶対反対というような態度でなく互譲の精神に基いてすみやかに解決の方途を求むるよう希望いたします。なお千葉県並びに松戸市当局は今後も引き続き調停の立場においてあっせんの労をとられ、一日も早く円満に解決を見、所期の成果を上げるよう希望いたす次第であります。 次に東京都江東地百区の海潮対策事業現地視察の結果につき御報告いたします。 東京都の江東地区は東京港に直結し、本邦屈指の重工業地帯として年生産額は二千億円に達し、その生産の動向は全国に影響するところ甚大なるものがあります。本地域は隅田川、東京湾、荒川放水路に囲われた三角地帯で、縦横に走る約三十の運河によって区画され、この水運の便が現在の繁栄を導いた一因ではありますが、元来地盤が低く、あまつさえ近来地盤沈下が漸増し、東京湾平均海面より低い地域がその四分の三を占め、最大干潮位以下の地区も散見されるようになったのであります。そのゆえにしばしば水害を受け、そのたびに大きな被害があったのでありますが、特に昭和二十四年のキティ台風による災害は大きく、ほとんど全域にわたって堤防護岸上を溢入し惨たんたる状態を呈したのであります。この復旧は土木災害復旧事業と災害関連事業との合併で十二億六千万円余をもって本三十二年度ほぼ完成したのでありますが、これらの堤防護岸等はキティ台風程度の高潮に耐え得ることを目標として各区画を囲っているにすぎないものであります。加うるにそれらの堤防護岸は再度の修築により継ぎ足したもので、その構造脆弱、地震等に対する耐力は不十分であると認められます。今後キティ台風を越える高潮が来襲した場合は一朝にして現在の堤防護岸は壊滅し、川と海とで囲まれた当地区六十一万の住民は逃げるに所なく救いようのない大惨害をこうむることは火を見るよりも明らかであります。また当地区の地盤沈下は年平均五センチ程度の進行を示しておりますので、数年ならずして小台風による大被害は必至の状態であり、人命並びに日本経済に及ぼす影響は甚大があります。 東京都においてはこの対策として、昭和二十六年から五カ年間国庫補助を得て斯界の権威からなる東京都地盤沈下対策協議会を設け、沈下原因の究明とこれが対策の樹立とをはかったのでありますが、沈下量については今後さらに一メートル程度の沈下が予想されるという一応の結論を出しています。対策についてはこれらの地区を全面的に囲む堅固なる外郭堤防を計画、江東地区恒久高潮対策事業として本年度かり一部国庫補助を得て工事に着手するとともに、建設省並びに運輸省と緊密な連絡を保って早期完成を期しているりでありますが、この総工費は約七十五億円を要するとせられております。再び災害が起きた後において措置を講ずるということの愚はここに言を待たないのでありますので、本件の根本的処置は喫緊の要務であると認めた次第であります。 なお地無沈下の、主原因が地下水の汲み上げによることが定説となっておる以上、地盤沈下防止のために地下水のみに依存しない工業用水の供給施設について急速に配慮する必要があると認めます。 以上御報告申し上げます。 —————————————
○薩摩委員長 次に河川、道路及び住宅に関する件につきまして調査を進めます。質疑の通告がありますからこれをお許しいたします。小川豊明君。
○小川(豊)委員 住宅公団による住宅の建設等が盛んに行われ、これは非常にいいことだと思うのですが、今御報告のあった松戸、あるいは東京都下の各地にいろいろな問題を起しているわけです。そこで都市計画法あるいは農地法の大もとの問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、建設省では都市計画の用途地域の決定に当っては、関係市町村の申請に基づいてこれを審査します。そして各府県の都市計画審議会の意見を聞いて妥当と認めた場合は、大臣がこれを決定、告示されることになっているわけです。そしてこういう場合には若干の国費の補助さえもその市町村に与えられている。こうしてできた都市計画は、各地治体の繁栄のために住宅地を造成し、あるいは工場を誘致する等、この計画に基いて施策を講じているわけであります。この過程において計画区域内の山林、田畑寺の転用が行われることになるわけです。一面、農地法では農地の転用を抑制されております。各市町村は、都市計画法と農地法との相反する行政上の問題で苦慮しつつある、こういう例がきわめて多いわけであります。こういう問題に対する調整について、まず建設省の方にお尋ねしたいと思いますが、建設省ではどういうふうな考えを持ち、どういう態度をとっておられるか、お尋ねしたい。
○小林説明員 ただいま都市計画法と農地法との関係の御質問がごさいましたが、都市計画と申しましても、一つに分けて考えることができるわけでございます。一つは十一地区整理に関係するものと、その他の公共施設の計画、それと建築基準法に基く各種の地域、地区の問題、大体二つないし三つに分けて考えられるわけであります。第一の土地区画整理でございますが、土地区画整理上は、御承知のように、土地を宅地として開発することを目的とする事業でございますし、これに対して農林関係でいたします土地改良法に基く土地改良と申しますのは、農地の改良を目的とする法律でございますので、この土地区画整理と土地改良ということは目的が相反するわけでございます。従ってこの二つの法律の間においては法律上一応の調整ができているわけでございまして、まず都市計画区域内において土地区画整理事業を施行する場合、その土地区画整理事業によって農地の廃止を伴うような場合は土地区画整理法の第百三十六条の規定によって知事が土地区画整理事業の決定をいたします際に、その農地を管轄する農業委員会に協議をいたすことになっております。また土地区画整理事業が土地改良事業に影響を及ぼすおそれがある場合にも、この事業計画の決定の際に土地改良区の意見を聞くということになっておりまして、土地区画整理事業と農地との関係の一応の調整が行われていることになっております。また逆に都市計画区域内に土地改良事業が施行される場合には、その土地改良事業によって道路その他公共施設の廃止、変更、その他都市計画または土地区画整理事業等に影響を及ぼすおそれのある場合には、土地改良事業の事業計画を決定する際に、その当該都道府県に置かれている都市計画審議会または区画整理に関係する場合には土地区画整理組合にそれぞれ協議することが、土地改良法の第百二十五条の二に規定してございますので、一般の場合、土地区間整理事業あるいは土地改良事業と農地または宅地との事前の調整は、一応とれている格好になっているわけであります。 ただし土地休止整理事業でございましても、日本住宅公団が施行する土地区画整理事業については、ただいまの同条の適用がございますが、そのほかに日本住宅公団法の中に、換地計画の決定をする際にさらに農地委員会の意見を聞くような規定も載っておりますので、一応事前の調整はできることになっておりますが、具体的な農地転用の処分というものは、それぞれ知事なり農林大臣なりの権限として残されておるわけでございます。事前にそういう協議等をしても、個々の土地を現実に転用する際には、それぞれの処分がさらに残っていることになっております。 それから、ただいまは土地区画整理事業と都市計画、農地との関係でございましたが、土地区画整理事業以外の問題、ただいま御指摘ございましたが、都市計画法、建築基準法に基く都市の土地利用計画、すなわち工業地域、住居地域、商業地域、準工業地域等の用途地域の指定でございますが、この際には事前に法律上の協議等の規定がございませんが、これはもともとが各市町村という公共団体の申し出がないと、そういう用途地域の指定ができないことになっておりますし、さらに用途地域を指定する際に、都市計画審議会に付議いたしますが、都市計画審議会は各都道府県に置かれており、その都市計画審議会の委員の中には農地関係の責任者、たとえば県の農地部長であるとか、農地事務局等が置かれてあるところでは、農地事務局の方が大ていの場合委員になっておられますので、一応市町村なり府県なりの段階においては、農地と宅地との調整が、そういう審議会の過程においてとれておるということを予想しておるわけでございます。しかし、そういうようにきめておりましても、ただいまは都市計画法あるいは建築基準法、農地法というのが、同じ法律の段階で並立をいたしておりますので、たとい都市計画法によって用途地域の指定がなされても、その用途地域、たとえば工業地域なら工業地域を指定しても、具体的にその工業地域と指定された土地の中にある農地を宅地に編入する際には、さらに別途の処分が農地法に基いて残されておるわけであります。その間の調整は現在法律的にはございませんので、行政運営の問題になっておりまして、従来から農林省と種々折衝いたしておりますが、われわれとしても、県なり市から用途地域の指定の申請がございました場合も、できるだけ優良な農地の壊廃を行わないように、その市町村の将来の人口なり、産業の伸びからいって必要最小限度の面積を算出いたしまして、なるべく生産力の高い農地の壊廃を伴わない——かりに万やむを得ずそういうようなことがございました場合には、なるべくこれを必要最小限度の面積に全いとめるような指定の方法をいたしておりますので、都道府県知事あるいは農林大臣におかれましても、これを尊重していただきまして、その用途、地域の指定のあります土地が当該指定されました用途に用いられるための転用につきましては、優先的に転用を認めていただくように、農林省の方にも従来からお願いしております。なお今後とも両省の間で十分事務的な調整によってこの問題は大部分解決できるのではないかと思っておりますが、これでも、どうしても外務的な調整が不可能な場合には、何らか制度的な調整もあるいは必要かもわかりませんので、これは両省の間で今後一つ研究いたしたいと思います。
○小川(豊)委員 今お聞きしていますと、この二つの法律は目的は相反するが、それは調整されるように努力しつつある、こういうわけですが、じゃそういう調整ができていますか。各地にいろいろな問題が起っているのは、調整ができていないから起っているのじゃないですか。従ってここには一つも——一つもとは言いませんが、大部分調整が困難になる、こう私は考えているわけです。そこで一度、せっかく都市計画に基いて理想的な用途、地域を定め、そうして住宅地として、あるいは工場を誘致するような場合に、農地の転用を許さない等の事態が発生する場合は、建設省の指導を初め、建設大臣が告示したというこの責任は非常に希薄になってくる。地方自治体に対しては都市計画法なり、建設大臣の告示なりというものは、むしろ逆に不信の念を買うような状態になるのじゃないか、こう思うわけです。 そこで私は先般、地方に調査に行ったので、具体的に一つ例をあげて、農林省の方もおられるし、建設省の方もおられるからお聞きしたいと思う。これは報告書にはありませんが、松戸へ行って地盤沈下を見た場合に、松戸市の省線の駅付近にこれと似たような問題があって、関連しているからお尋ねします。ここに九州製罐とかいう会社が、五万一千坪程度の敷地を、松戸市が都市計画法に基いて誘致し、あっせんもして、買収の契約が整った、しかも土地の所有者はだれ一人としてこれに反対する者がなくて、全員が賛成であった。しかもこの地帯は昭和二十九年に都市計画法の基礎調査地として何がしかの国庫補助まで出し、そうして首都建設委員会から、あるいは学識経験者の方、大学の教授等も参加して調査、検討して、この計画案を作成し、都市計画審議会の議を経て、昭和三十年十二月二十六日、建設省告示第千五百六十八号で建設大臣は告示している。この告示と計画に構いて工場地域として、この会社はここに誘致されたものだ、こう聞いたわけです。ところが農林省では農地局長の命により、昭和三十年九月二十七日に、この土地は土地改良施行地区で農業生産力高く、農地として保全するが適当と思われるから許可しないことになっているという通知を出しているわけです。ところがこの土地は、山口という農林省の技師であるか、県の技師であるか、ちょっとわかりませんが、山口という技師の土壌調査によれば、土壌構成は農地としてよくない、われわれが住民から聞くと反当五俵程度の収穫地だ、四等地である、こういっておるわけです。建設省も県も、しかも首都建設委員会までが決定したものを、農地局が一片の通告で不可能にして、この計画に大打撃を与えている結果になっておる。その理由はどういう点にあるのか。これは農林少しの方にお伺いしたい。またこういう計画が進められていることを知らないはずは、農林省としてもなかったろうと思う。買収が決定し代金の支払いまでもが済むようになってから、なぜこういう措置をとったのか。この点はあなたの方では了解をし、調整をしていると言うが、一つも了解させて調整をしていない、こういうことに対して私は非常に理解に苦しむ。同じ政府部内で、省が違うだけで、あまりにもこれは冷酷というか事務的というか、血の通わない行政である。こういうことに対して交渉があったのかないのか。あってもなくても、これは建設省は建設省であり、農林省は農林省だ、そういうことは関係はないのだ、こういうような態度とも見られる。しかも、この場合のこの計画に基いてだろうと思いますが、東京鉄道管理局の方でも三千三百万円かの予算を組んで、ここに、工場地域になるというので、北松戸駅という駅を新たに新設するということまで決定し、発表している、こういうことを聞いておるが、これは今のあなたの答弁で一つも調整されていない。この点についてわれわれは農林省の方から、どうしてこれは不許可になったのか、この点をお聞きしたいと思います。
○中島説明員 農林省といたしましては、本九州製罐株式会社の農地の転用の件につきまして、八月の初めごろから陳情がございまして事情を知ったわけでございます。そこで私どもの方といたしましては、その土地の状況について調査をいたしたわけでございますが、この地域は、政府の土地改良法による区画整理を実施いたしておりまして、それ以外に湿田単作地帯の土地改良事業の対象にもなっております。しかもその土地は、ちょうど江戸川に至るまでの五、六百町歩の水田のまん中にございまして、周辺一体は全部農業地帯というような状況になっております。しかも私ども聞きましたところでは、ただいま小川先生御指摘よりも生産力が高いというような事情がわかりましたので、これはなるべく早目に、許可がむずかしいならむずかしいということで通知をしておいた方がいいであろうという趣旨で、九月に農地局長名の通達をいたしたわけでございます。それで、なるほどこの土地の農民は全部賛成であるというような事情は承知いたしておりますけれども、農地の転用につきましては、そういう問題のみならず、土地の状況でありますとか、あるいは転用の目的でありますとか、そういうものを総合的に勘案して許可、不許可を決定するという建前をとっておりまして、この地域は、私どものものさしから見まして農地として保全することが望ましいというように考えまして、先ほど申し上げましたような文書を出した次第でございます。
○小川(豊)委員 農地法を見ますと、農地法は農民の農業経営に支障なからしめるために、農地を守るためにできているものだから大切なものだ、こう思うのであります。従って今の御答弁によりますと、地元の、要するに土地所有者である農民が反対であろうが賛成であろうが、これは農地として保全することが適当だと思った場合には、あなたの方は許可しないという建前をとっておる。これも私は一応法の精神からいって了解できるのです。そこでお尋ねしたいのは、あなたの方で、今の御答弁によりますと、なるべく早く通知した力がいい、紛争、支障等を来たさないために、早くこれは許可しないという意志を表明した、こうなっておるのですが、これは昭和二十九年からこの計画法というものが進められて、いろいろ審議し、検討されておったわけです。それを、そういうものはすでに計画ができ、実施に移ってから、そういう措置をとるというなら、その前に建設省と農林省の農地局とはもっと事前の打ち合せ、了解等がなされるべきではないか、なされることが親切じゃないか。ところがそういうことが何らなされずに、こういうような措置をとって、そうしてここの答弁では、調整は可能であり、絶えず連絡しつつある、こう言うけれども、一つもこれは連絡がとられていないからこういう結果になったのじゃないですか。そこでさらにもう一点お尋ねしますが、この会社は松戸に許可されないというので、今度は神奈川県の相模原というところに、やはり同様に五万坪程度の土地を契約したということを聞いたのです。ところがこの土地も大半は畑地です。しかも戦後に開拓したところだそうです。これも当然そういう点からいえば不許可になってしまうんじゃないか、農地法の建前からいえば不許可になってしまうんじゃないか、こう思うが、あなたの方のこれに対する態度はどういうふうにとっておられますか。
○中島説明員 九州製罐が相模原に土地を求めておるということは、私どもの方としては、話は多少聞いておりますけれども、具体的にどこの土地で、どういうものを選定しておるかということにつきまして、まだ申請書も出てきておりませんし、承知をいたしておらないわけであります。もちろんそれがどこでありましても、私どもの方といたしましては、同じようなものさしで事務的に審査をいたしまして、許可、不許可を決定すべきであるというように考えております。
○小川(豊)委員 今の御答弁だと、相模原のはまだ許可の申請が出てきていないから、そういう方針はまだこれから検討するのだ、こういうお話、これはわかります。ところが松戸に対して不許可の通知を出しているのは、あなたの方へは申請も何も出ていないでしょう。仄聞するところによれば、こういうことが計画されているそうだが、これは農地として保全するのが適当だからというので、従って許可しない方針だからということを通知している。そうすれば一体松戸に対してはあなたの方で、何の申請も出ていないのに先に手を打って、相模原の方は、まだ出てこないから、これはほうっておくということになるわけですが、これはどういうことです。さっきから事前の調整は可能だ、協議して調整できるといっているが、一つも調整していないことを僕は言いたいので、こういうことを開いているのです。松戸の場合は申請も何も出ていないのに、出るだろうということで許可しないで、相模原の方はまだ申請がないから、それに対して許可するかしないかわからない、出てきたら法律に基いて検討しようという、この二つの食い違いはどういうことになっているのですか。
○中島説明員 松戸の問題につきましては、実は申請書は出ていなかったわけでありますけれども、会社から陳情がございまして、その書類に応じて、こういうところにこう転用いたしたいということがはっきりしたわけです。相模原は、現在土地をそちらの方面に求めているということは聞いておりますけれども、まだどこにきまってどうというようなものは、私どもの方としては連絡を受けておらないわけであります。松戸の場合とは多少事情が違うわけであります。
○小川(豊)委員 私はこの問題はつい二、三日前、あっちへ行って聞いたばかりなんです。相模原は一反歩当り二十五万円とかで、すでに買収決定しているそうです。あなたの方で聞いてないというのは、どういうことですか。買収がきまっているからには、あなたの方でおそらく内示で、あそこは差しつかえないといったことから貰ったわけでしょう。松一の場合はそういうことがなかったから失敗したのでしょう。そういうことで、九州製缶の方であなたの方に聞かないで、そこを買うはずはない。おそらく話があったと思うが、あなたの方にはそういうことが何もなかったか。私は二十五万円で買ったと聞いているが、何も聞いていませんか。
○中島説明員 私どもの方では具体的に相模原の土地について、ただいま小川先生からお話のありましたような話し合いができたというようなことは聞いておりません。
○小川(豊)委員 そうすると、私が今ここでこういうことを申し上げた。私がどうだこうだというよりも、あなたの方で調査なさったら一番よくわかるはずです。またそういう松戸のような轍を踏まないように急速に御調査なさったらいい。これ以上、このことについてあなたが知っているだろうということは申し上げません。 そこでもう一点、松戸に競輪場ができていますね。そんなりっぱなものでないが競輪場ができているが、あれはやはり農地でなかったのですか。あれが農地であったら許可される場合にどういうことで許可されたのか。
○中島説明員 あそこは以前はやはり農地でございました。私、実は当時農地局におりませんで、詳しい事情は聞いておりませんが、一応農地法に基きまして許可したというように承知いたしております。
○小川(豊)委員 おかしいじゃないですか、今度の九州製罐と、この競輪場はくっついているのですよ。あなたは、この地帯一帯は農地として残して保全する方が適当だということで、許可しないのでしょう。しかるに競輪場を許可するのはどういうわけです。まことに解せない話です。私は当時知らなかったというけれども、あなたはここへ出て来ているからには、その当時の関係くらいは調べてきてくれたらいいでしょう。ここは許可する、ここは許可しない。くっついているところを、競輪場には許可をして、都市計画法に基いてここへ住宅地帯が造成されることについては、これは農地法で許可しないのだ、私はこの点がわからないのです。どういうことなんですか。
○中島説明員 今の九州製罐の転用の申請につきましては、私ども農地として保全すべき地域であるというように承知いたしておりますが、競輪場許可の経緯につきましては、ここで十分御説明できませんのは非常に申しわけございませんけれども、あの地帯の状況なり、土地の生産力等を見ますと、九州製罐の今回の転用の申請地は、農地として保全することが相当であるというように判断をいたしまして、農地局の態度をきめたわけでございます。
○小川(豊)委員 それはいいんですよ。あそこは農地として保全することが適当だと思うから、あなたの方で許可しないというのは、私はそれはよろしいと思う。しかしそれとくっついている競輪場は、なぜ農地として保全するような態度をとらなかったのかということを聞いているのです。またそれを不許可にするなら、これも当然不許可にさるべきだ。ところが一方は許可して、こっちは許可しないということは、まことに私どもは了解に苦しむ。不明朗なあなたの方の態度である。別にこれはきたないとか、そういうことじゃない。どうも首尾一貫していないんじゃないか、この点をお尋ねしているわけです。
○中島説明員 その点につきましては、事情を十分調査いたしまして、はなはだ申しわけございませんが、別途御説明いたしたいと思います。
○小川(豊)委員 これは初めからそう言ってくれればよかったのです。 それではもう一つお尋ねしますが、東京都の北多摩郡に小平町といところがある。ここでは十四万二千九百六十四坪という土地を、昭和三十年五月十八日付で申請されて、すでにこれは認可の内示があったということを聞いております。ここへ来るのはブリヂストンタイヤという大きな会社の工場敷地です。ところがこれは首都圏整備委員会は、整備法によってグリーン地帯であるということから反対の意見を出している。ところがあなたの方では、これを内示したのかどうか知りませんが、とにかくここに十四万二千九百何坪という膨大な土地を工場敷地としておる。これはおそらく農地です。そうすると、首都圏整備委員会がグリーン地帯であるから反対であるという意見を出しているにもかかわらず、あなたの方ではこの農地転用を認める方針らしい。こういう全く相反した態度をとっている。この点はどういうわけですか。
○中島説明員 小平町にブリヂストンタイヤ株式会社が相当大きな面積の土地の転用を計画いたしまして、ただいま東京都を通しまして、農地局までその申請書が出てきております。農林省といたしましては、許可の内示をしたとか、あるいは差しつかえないとかいうような意思表示はまだいたしておりません。それで小川先生の御指摘がありましたように、この地域はいわゆる首都圏整備法の緑地帯ということになっておりまして、従いまして農林省といたしましては、この緑地帯からこの地域がはずれるとか、あるいは穴が抜かれるとか、そういうことがありますれば、事務的に審査をいたしまして、その上で許可、不許可を決定いたしたい、こういう態度で従来貫いてきております。
○小川(豊)委員 そうすると、みんなこの土地を買収して工事にかかっているのに、あなたの方ではまだ認可するのしないのと言っておる。全く法律というものは、工場の設立の促進といったようなものを非常に大きく阻害することになる。 そこで今度は建設省の方にお尋ねいたしますが、ここは今言ったようにグリーン・ベルトであって、整備委員会では対の意見を出しておる。ところがブリヂストンタイヤでは、ここを敷地として予定して、着工したかどうか知らないが、そういう予定が進められている。その点について農林省の農地局と、この問題について御協議なさいましたか。
○小林説明員 小平町の話につきましては、ただいま初めて伺った問題で、全然聞いておりませんが、かりに小平町について工業地域なりあるいは重工業地域なりの指定がしてあるといたしますれば、これはぜひ農地転用を認めていただきたいと思っております。都市計画法は人民の各種の行為なり権利と離反する規定はいろいろございますけれども、国の各種の官庁の処分が、それに従ってなされなければならないということは、別に法律的には書いてございませんけれども、これは当然のことだから書いてないのだと思いますので、それがきまりましたら、各種の行政処分等も尊重してやっていただくのが当然ではないかと考えております。
○小川(豊)委員 あなたは冒頭に、農地法その他いろいろな関連法規等の点は相互に相反する性格を持っているけれども、これは十分に調整し得るし、調整するように絶えず努力している、こういうことです。そこで、この九州製罐の場合であるとか、あるいはブリヂストンタイヤの場合であるとか、こういうふうなことをあなたの方は、そういうふうに計画が行為に移されるようになって、その間に調整のための協議を農地局との間に何回か持たれたことがありますか。
○小林説明員 小平の問題につきましては、地元からも、あるいは会社の方からも、全然今まで聞いておりませんので、協議したことはありません。松戸の問題につきましては、約半月ほど前に地元の方からお話がございまして、実は先週私も現地を拝見して参ったのであります。それで農林省とは先週、どういう事情で申請前にそのような文書が出されたのか、電話連絡をいたしたわけでございますが、実はその後その土地の状況等について、さらに詳しい資料を地元の方から出していただきましたので、近日中に農林省の方と話し合いをいたす予定になっております。さらにこれと関連いたしまして、単に松戸の個々の問題だけでなく、首都圏整備法できめております近郷地帯の中の各都市の土地の農地転用の一般の問題につきましても、農林省と十分な了解を遂げるように努力をいたしたいと思っております。
○小川(豊)委員 松戸の九州製罐の場合にはあなたの方でも現地調査をなされた、それから農林省と折衝なさる、こういうことでございます。非常にけっこうだと思います。ところが農地局の方では、非常に御親切というか、敏速というか、事前にもう通知を出して、許可しない方針だということを出している。折衝、協議するといっても、許可しない方針だと出てしまったものが、見込があるわけですか。また農林省の方にも御相談なさる見込みがありますか。
○小林説明員 先週農林省とお話しましたときは、意思表示をしたので非常に困難であるという御返事がございましたが、実は正式の書類は千葉県知事の方から先月の二十八日に農林省の方へ申達したということを聞いておりますので、僅々十日前後しかたっておりませんし、正式の意思表示がまだ農林省からなされておりませんので、折衝の余地がまだ残されているという希望を持っております。
○小川(豊)委員 農林省の方にお伺いいたします。あなたの方では通知を出したが、建設省の方では、そういうふうなことで、まだ折衝の余地十分にあり、こういうお考えで今後あなたの方と折衝なさるそうですけれども、これに対してあなたの方は、話し合いができるならば、そういう通知を取り消して話し合いをし得る可能性はございますか、この点お尋ねいたします。
○中島説明員 ただいま建設省の方からお話がございまして、近く御相談に見えるということでありますので、建設省の御意見も十分承わりまして、その上で私どもの態度をきめたうに考えております。
○小川(豊)委員 あなたの方にそういう御用意があることは非常にいいことだと思う。しかしそうなると、あなたの方では一ぺんの討議もせず、自分の方からそういう通知を出してしまった、これは軽率であったということになるわけですね。そう言えると思う。しかしこれはもうこれでいいでしょう。さっそく御相談願うようにした方がいいと思う。 次に、今のは松戸市の駅の近辺ですが、そこから三つか四つ小さい駅を隔てたところに金ケ作という部落があるわけです。ここに住宅公団が五十万坪かの団地を作るように努力しておるわけですが、ここではさっきのとは違って、農民が農地を宅地に転用されることに猛烈な反対をしておるわけです。 そこでお尋ねしたいのは、この住宅公団の仕事に対しては、松戸でも都下の日野でも、各地で住民が反対して、公団も市町村の当局も困っておる。農民が農地として土地を残して、かつ農業を継続したいという希望が強い場合、農地法では宅地として農地転用を認めることができなくなると思うんですが、これはどうです。
○中島説明員 農地法の建前といたしましては、自作する者に対するいろいろな補償の措置が十分になされることを確認して許可をするという建前をとっておりますので、農民が反対である、地元の反対が強いという場合には、私どもの方としては許可は控えるべきである、かように考えております。
○小川(豊)委員 都市の区画整理というのは農地法の適用から除外されることは私も知っているのです。区画整理は農地法から除外されてできていくけれども、その区画整理のできた中に残った農地というものは、生産力が高い、農民がこれを農地として保有したい、こういう熾烈な希望がある場合には、あなたの方では許可しない方針だ、こういうことに今の御答弁は解釈できるわけですが、そう解釈してよろしいわけですか。
○中島説明員 ただいま区画整理法によりますと、道路、水路及び公園等を作る場合には許可は要らないということになっておりますが、その他は区画整理の済んだ土地でありましても、農地法の許可が要るということでございますから、それは個々の事案に即しまして審査をいたしまして許可、不許可を決する、こういう建前で考えております。
○小川(豊)委員 そうするとわからぬのですが、個々の事案というと、一体こういう場合に、農地を伝用していいという、あるいはすべきでないという基準というものは、あなたの方でもともときめておかなければならないと思うのです。それをきめておらないで、現実にぶつかってああでもない、こうでもないということでは、計画する方も住民も非常に難儀するわけです。こういう場合に、区画整理はできた、中は農地である、農地は農民が希望しているから転用できないのだ、こういう建前になるならば、区画整理は住宅を作るという建前からいえばむだになってくる。そういう点から、今あなたは個々の面で調査をするというが、一体こういうものを許可するとかしないとかいう基準はどういうところに置いてあるのですか、その主要な点を二、三点お尋ねしたいと思います。
○中島説明員 個々と申しましたのは、私御説明が足らなかったわけでございまして、私どもの方としては基準を持っておりまして、個々の事案が出てきた場合に、基準に照らして許可相当か不許可相当かを判断するという意味でございます。それでその基準といたしましては、土地の生産力を見まして、生産力の高い農地は維持をする。それから周囲の現地等を見まして、農地としてまとまった団地であるというような場合には農業上保全すべきものであるというふうに考えます。それからさらに農地の転用によりまして、ほかの農地に被害を及ぼさないかどうかということも考慮いたします。それから農民に対しての補償が十分になされるかどうかということも考慮いたします。それからさらにその土地に従来土地改良等の国家投資がなされておったかどうかということも審査をいたします。さらにそれらの事情と転用の目的をも相考慮いたしまして、その転用が目的から見まして国民生活の安定なり国民経済の伸展上やむを得ないものだという判断がつきますならば、許可相当であるという判断を下すわけでございます。なお農地がつぶれることは私どもの方としては好ましくないわけでありますから、農地使わないで、なるべく農地以外のところでそういう事業ができないかということをもあわせて調査をいたしまして、そういうものさしを個々の場合に当てはめまして、その上で許可なり不許可なりの判断をする、そういう方針で参っております。
○小川(豊)委員 今お尋ねしますと、生産力が高いか低いか、周囲の環境がどうか、その計画の実施によって他の農地に被害を与えないか、それから農民に対して十分な補償がなされるかどうか、転用の目的が公共的なものであるかどうか、こういう目的等によってこれは決定する、こういうお話で、これも私はうなずけるのですが、こういうふうな問題が起ってきているときに、また前にかえるわけですが、この公団の団地ができていくときに、すでにあそこでは道路も一部作られており、区画整理がどんどんなされているわけです。その中に農地が残るわけです。農民が売りたくないというのが残るわけです。そうすると、あなたの方では農地法によって、これをいろいろな事情を勘案して、転用を認めるか認めないかきめるのでしょうが、すでに計画というものは実施されてしまっているのです。その場合に、そのあとでこれを認めるとか認めないとか、今こういう事情に照らし合せてどうとかいうことは、いたずらに事態を紛糾させてしまうものではないか。だから僕がさっきから言っているのは、なぜそういうことを事前にもっと協議できないか。事前に協議して、ここは不適地だとあなたの方で言うならば、公団の方でも、公団が住宅地を五十万坪も造成しようというのだから、集団農地でいいところにきまっておる。畑地であるか、水田であるかは別として……。そういうところを事前に協議しないで、問題が起ってから、こういう事情に照らし合せてやるというから、紛糾の度合いが激しくなる。私が初めからお尋ねしたいと思っているのは、一体公団法というものができるときに、農地局とは十分な密接な関係がある。従ってあなたの方は、公団法というこの法律が作られるときに、農林省としては関係のある法律なんだが、この公団法ができるときに、この協議に参加したのかしないのか、そこからまずお尋ねしたい。公団法ができるときに、あなたの方はその協議に参加して、意見を述べているのですか。
○中島説明員 公団法ができますときは、農林省といたしましては、建設省から御相談を受けまして、協議に参画をいたしまして、それで公団法案を出されるに至ったというように私聞いております。
○小川(豊)委員 この法律ができるときに、あなたの方もこの法律の内容については一応参加して協議なすったとするならば、あとでこんな問題なんかできるはずがない。幾つも幾つもこういう問題が出てくるのは、おそらく私は、公団法ができても大した関係はないたろうというので、あなたの方では参加しなかったのではないかとさえ思うのです。それは想像ですからおきますが、こういう問題を今後なからしめるために、最後に建設省あるいは公団等、こういう関係したところと、あなたの方の農地を守るための、農地法を持っておられる農林省と、もっと十分に事前に密接な連絡をとって、認可さるべきところか、されないところか、されてはならないところかということは、検討し、意見を調整することか私はきわめて必要だ、こう思う。この問題についてはそういう希望を持つのでありますが、あなたの方ではどう考えられますか。
○中島説明員 農地法と都市計画なりあるいは区画整理の問題につきましては、かねてから連絡はいたしておりますけれども、小川先生御指摘のように、いろいろ調整不十分の点もあったかと思いますので、今後は十分に建設省の方とも協議いたしまして、極力調整をはかりたいというように考えております。
○小川(豊)委員 もうちょっと掘り下げてみたいと思いますけれども、時間も移りますので、その次に、やはり調査に行った江東地帯の地盤沈下の問題ですが、これはもう東京都内の、すぐひざ元のところですから、建設省の方々としても皆さん十分に御承知だと思うので、どうごうということを私は申し上げませんが、私どもが行ってみても、最大干潮面よりもすでに地盤が沈下している。このことは、あそこに密集した膨大な人口があり、そうしてこれまたきわめて膨大な生産施設があるわけですが、これらの人口と施設とが常住危険にさらされているということを痛感したわけです。一つふしぎに思ったのは、私どもは地方に住んでおりますが、地方では、あれよりはるかに小さい問題であっても、国会にどんどん持ち込まれてきて、その解決というものに対して痛切な訴えがなされているわけです。この問題も当然私は出されておったのであろうとは思いますけれども、この対策は非常に念がなけばならないということを痛感したわけです。都でも、対策委員会を設けて原因を究明しつつある、こういうことを聞きます。しかしながら行ってみて、原因の究明——もちろんこれは原因がわからなければ対策も立たないかもしれませんが、あの状態というものは、そう原因の究明に日を費すべきでなく、その計画を五年計画だ十年計画だと言ってはおられないような、非常に危険な状態にあるということを私は考えさせられたのであります。そこで建設省としても、これは省内で関連するところが出てくると思います。あるいは運輸省とも関連が出てくると思いますが、いずれにしても、どの省であろうとも、あのまま放置しておいたら、一朝出水等のことがあったときには、惨状実に目をおおわしむるものが出てくるだろう、こういうことを非常に考えさせられたのです。これに対しては急速にその対策というものは請じなければならないだろうと思います。そこで、これは計画局になりますか、あるいは河川局になりますか、建設省当局のこれに対する対策、さらにこれをもっと早く推進するにはどうしたらいいか、そういうお考えをお尋ねしたいと思います。
○山内説明員 東京の江東地区の地盤沈下に対する対策の問題でございますが、御承知のように、昭和二十四年にキティ台風によりまして大災害が起きまして、その直後、直ちに災害復旧と助成費と合せまして、助成卒業として一応スタートをしております。そのときの計画は、キティ台風のときの高潮の高さをもとにいたしまして、一応隅田川の沿岸では、APが四メートル、それから内河川といいますか支川の方、内川といいますか、内川の高さにつきましては三メートル六十で一応計画を作りまして、その計画に基いて昨年度一応完成いたしております。しかしその高さをは、沈下ということも考慮いたしまして、また大正六年の過去の大高潮といいますか、非常に高潮がございましたが、そういう事態に対しましては非常に不十分でございますので、昨年一応仕事は終っておりますが、本年度から再び大きな計画に基いて仕事を始めております。その計画の名前は、恒久高潮対策計画というような名前では呼んでおりますが、それに基きまして全体計画を作りまして、これは全区域を建設省の河川局で分担するのではございませんが、建設省の河川局、それから運輸省の港湾局によりまして、一応分担をきめて、本年度からやっております。全体計画の全額は非常に莫大でございまして、建設省の所管分で言いましても約四十億に相当するのでございますが、一応現在スタートして、大いに来年度あたりから事業促進をしてやりたい、こういうように建設省の河川川としては考えております。
○小川(豊)委員 河川局あるいは運輸省の港湾局等が協力して恒久対策を立てておられるということは今お聞きしたわけなんですけれども、私はあの密集した人口の中で、もし被害が起ったらどうにもならなくなってしまうのではないか、こういうことが痛感される。それをやっていくことに対して、五年計画だ、十年計画だというような考え方でいったら、今幸いにしてここ二、三年何もないからいいけれども、もし一朝事があったらこれは大へんな事態を引き起す。そうなってくると、予算に関係してくると思う。大蔵省の方がお見えになっておられるそうですから、こういうことはあなたの方でも、一つあの江東地区へ行って事情をよく調査なさって、これは予算の均衡とか、そういう問題でなくて、特にあの地帯に対しては、事が生じてから、こうすればよかった、ああすればよかったということではどうにもならない問題ですから、これに対しては特別に大蔵省でもこの点に対するお考えを打っていただかなければならぬ、こう思うわけですが、大蔵省の方の意見をお伺いしたいと思います。
○宮崎説明員 お答えいたします。今河川局の防災課長さんから御説明がなされましたように、今度の江東地区の恒久対策というものについては、三十年度から私の方に予算の御要求がございました。この事業は今御説明にもございましたように、二十四年のキティ台風後に、すぐに災害助成事業として始められたものでありまするが、大体完成のめどがついたときに、従来の計画では不十分である、こういうことで今度の恒久対策の計画の全貌が出て参ったわけであります。この計画は東京都の力で数年にわたって調査されたものと私ども拝聴いたしましたけれども、御承知のように、地盤沈下対策事業といいますか、こういった海岸堤防の事業というものは非常に技術的にもむずかしいものと開いております。私どもが経験したところによりますと、たとえば大阪の高潮対策、これはやはり海岸堤防を作る事業でございますが、この事業の実績を見て参りますと、当初の計画が、実際にやってみると、なかなか予定通りにいかなくて、非常に金額の増大を来たすわけであります。大体当初の計画の倍ぐらいかかっておる、こういうふうに思います。今回の恒久対策の事業も非常な大事業でございますので、これはやはり十分な調査をする必要があるだろうということで、三十一年度と三十二年度の二カ年にわたりまして、この金額は今手元に持っておりませんが、三、四千万の調査費を建設省と運輸省につけております。一方この事業は、今お話がございましたように、従来の海岸堤防の高さでは不十分であって、その外郭に、より高い堤防を作る、こういうことでございますが、その場合に、その高さをどういうふうにきめるか、それからさらに、この堤防の計画は隅田川の堤防に沿って作られるようになっおります。その場合に、河川の方の洪水計画との関係もあるように聞ております。そういうことがございますので、運輸省、建設省それぞれの調査の結果によりまして、計画をはっきりきめてやっていただきたい、こういうことに私どもは考えておったわけでございます。しかしながら事業の重大性を見まして、着工するまで待つということもなかなか問題であるということでありますので、今の計画の骨子になるところに直接関連しない面をまずやるということで、三十二年度に予算措置をいたしております。予算は事業費にいたしまして、建設省で一億五千万、それから運輸省で三千万と覚えておりますが、その程度のことが今行われております。もちろん今年度、もうすぐにそういった調査の結果はまとまるというふうに伺っておりますので、それが具体的にきまりましたならば、予算的な措置としては十分考慮いたしたい、こういうふうに考えております。
○小川(豊)委員 最後にお尋ねいたしますが、今お伺いした三十二年度の建設省一億五千万、運輸省で三千万、これは事業費ですか。
○宮崎説明員 事業費です。
○小川(豊)委員 そうすると、合せて一億八千万ばかりなんですね。これは繰り返して申すようですが、これだけでも、ついていることは仕合せでありますけれども、こういう金で進めていたのでは、あのおそるべき被害が想像される点の解決は困難だと思う。従って大蔵省では、この点については六十万の人命、膨大な生産施設が壊滅するかしないかということです。水が出たら救いようがない。そういう点を十分考慮されて、この点については特段の考慮を払われんことを特に御希望申し上げるわけです。 なお地下水の問題がありますが、これは足鹿委員の方で関連して御質問なさるそうですから、私はこれで終ります。
○足鹿委員 通産当局がおいでになっているそうですが、私はその点二、三お尋ねしたい。今小川委員からいろいろとお尋ねがありましたが、その地盤沈下の原因はいろいろあると思う。われわれが先般見て参りました江東地区の場合においては、工業用水が非常に多くとられる、毎秒四トンないし五トンという大きな工業用水も、大きな地盤沈下の原因であろう、こういうふうに、私どもはしろうとでありますけれども、一応観察もし、技術者の意見も聴取し、そう判断しております。御存じのように、宇宙の方面の研究は最近とみに進んできておりますが、下の地下の方に対しては、あれだけ江東地区の問題が起きておっても、行って見ると、きわめて原始的な調査方法しかとられておらぬ。私どもは全く意外千万に思った。開くところによると、この工業用水の問題その他の点については、通産当局ではいろいろ対策を検討しておられるそうですけれども、予算もきわめて僅少な額で、われわれ聞いてちょっと意外に思っているんですが、宇宙に対する研究というものはわれわれの想像を絶する段階に達しているのに、八十万、九十万の人命その他莫大な生産施設、いろいろなわれわれの日常生活に密接な関係を持っておる東京のひざもとで、ただ単に上へ継ぎ足して高潮に備える、水の侵入に備えるというような対策に問題が彷皇しているということは、私は非常に遺憾に思いました。地元としては、なるほど調査もよかろう、研究もよかろう、しかしあすにでも大きな台風が来たり豪雨が襲ったり、何か変化があって堤防が決壊したりというようなことがあっては大へんだから、早く応急策をやってくれという気持は私うなづけるのでありますが、少くとも行政を担当し、われわれがこの問題を論議する場合には深く検討して、その原因を突きとめ、それに対するところの必要な経費等はすみやかに来年度の予算に計上して、そして応急の点についても地元民に満足を与えると同時に、将来への対策もまた進めていかなければ万全とはいえないと思うのです。現在あまりにもこの応急策にのみ終始しておる感があります。特にこの原因が工業用水に関連があるといたしますと、通産当局の責任は私はきわめて重大ではないかと思うのです。この点について、現在通産省が考えておる対策、今後とらんとする措置、そういうことについてこの際承わっておきたいのです。
○松尾説明員 ただいま御指摘の江東地区の地盤沈下と工業用水の関係は、今お話のございましたように、その関係が必ずしも明確に突きとめられておるとは私どもも考えませんけれども、やはり関係があるだろうということは、一般的に私どももそう考えざるを得ないと思います。私どもの方で現在までにわかっておる資料で一応申し上げますと、江東地上区で現在工業用水として使用しております水の量は、百十二万トン・パ一・デーということになっております。これはもっと小さな工場で若干あるかもしれませんが、一応の調査はその程度になっております。その中でいわゆる今お話のございました工業用水を地下水をくみ上げてまかなっておるというものが大体その二割くらい、二十三万トンぐらいではないか、こういうふうな一応の私どもの調査があるのであります。現状までのところで判断いたしますならば、全体の工業用水の中の二割程度を地下水でくみ上げておるということで、これだけでそう決定的に全部の原因がこれだというふうには即断しかねるような事情もあるかと思いますが、むしろ問題は今後の問題として、今後江東地区にどれだけ工場が建設され、工業用水の需要量がふえるかという推定もむずかしいのでありますけれども、私どもの一応の推測からいたしましても、今後さらに工業用水の需要はふえるだろうということを考えますと、やはりこの江東地区には、地下水のくみ上げをこれ以上今後ふやしていくということには相当危険がある。やはりまず第一には、今いろいろ計画されております上水道の計画を早く完了して、とりあえずは上水道による工業用水の補給をし、さらにその後には、今いろいろ研究されておるわけでありますが下水処理からくる水の量をある程度この方に差し向ける、これによって地下水のくみ上げを今後これ以上ふやさないように方向、つける必要がやはりあると思います。それで、そういう上水をふやす計画は現在進んでおるのでありますが、また下水処理の片面も進んでおるのでありますけれども、さらに根本的には、やはり本来の工業用水の水源を探して、これによって将来の工業用水の確保をはかって、地下水のくみ上げをふやさないように川制をしていく必要がある。現状では先ほど申しましたように、一応上水道の拡充と下水の処理の結果の水をこの方に振り向けるように現在進められておる、こういう状況でございます。
○足鹿委員 工業用水法によりますと、地域を指定することにもなっておりますし、また法の運用に当っては工業用水の審議会を持っていろいろと調査審議して、そして重要問題に対処するということになっておるわけであります。私どもはほかに原因がわかりませんが、少くとも現地を見た者の印象として、尼崎地帯にしてみましても、あるいは四日市地区の実情を開いてみましても、工場が非常に古くからたくさん設けられた地区において特にこの著しい地盤沈下がある。ほかにそれ以外の原因とおぼしきものによって著しい地盤沈下が起きておるというようなことについては、最近新潟県から当委員会に切実な御陳情がありまして私ども聞いておりますが、これは天然ガスの問題とも、まだ何とも見当がつかないのです。しかし一応常識的に考えられておるのは、やはり今までの事実から推定して、工業用水を長く、そして多量にとったところにこういう地殻の変貌、それに塞ぐところの地盤の沈下というような事態が起っておるように思います。といたしますと、工業用水の審議会の運用というものは一体どういうふうになっておるのか、また工業用水法に基く指定地域というものは、現在どこどこになっておるのか、江東地区は一体どういう事情になっておりますか。私どもいろいろ資料によりますと、この地盤沈下の、直接今被害を受けておる地帯では、この工業用水の用水量がそう著しくない。むしろそれよりも上流地域の足立区とか葛飾区とかあるいは墨田区であるとかいう地区において、著しい工業用水の用水が行われておる。それがこの江東地区にどういうふうに影響を及ぼしておるかということは、私ども全然見当はつきませんが、何か関係がないということは言えないと思います。あなた方はその専門の立場におられるわけでありますので、尼崎その他指定地域はどういうふうになっており、その指定地域に対しては現在どういう措置がとられており、また審議会の運用において、それのどのような点に今まで重点を置いてやっておられますか。これは切実な問題でありますから、その間もう少し納得のいくように御説明を願いたい。
○松尾説明員 御承知のように、今全国的に見渡しまして、工業用水関係の地盤沈下が非常に著しいということが問題になっておりますのは、川崎それから尼崎、四日市、そのほかに大阪等があるのでありますが、こういう地区につきましては、すでに三十一、二年度に、また今後も引き続き、これらの地区につきましては工業用水道の設置につきまして計画が進められ、また大体その方の実施のめどがついたわけであります。片一方にこういう工業用水道の供給実施計画のめどがつきまして、それと並行してそれらの地区につきましては、地下水のくみ上げを現在以上にすることについて規制措置をとるという意味で、現在川崎、四日市、尼崎の二地区について、地域の指定をいたしております。こういう点は、もちろん今お話のございました審議会に諮ってこれらの点を実施をいたすわけであります。なおこれ以外の地区につきましても、あるいは大阪でありますとか、横浜地、区等につきましては、やはり同じような問題に当面しておるのでありますが、これらもやはり工業用水の確保の見込みと並行いたしまして、同じような規制措置をとっていかなければならぬであろう、これも近くそういう措置をとるような運びになると思います。 なお先ほど江東地、区について申し上げましたことを、もう一つ補足させていただきたいと思いますが、先ほど申しましたように、この地区で一応私どもの調査の計数に入っておりますのは、百十二万トンの工業用水の消費に対して二十三万トン程度が地下水くみ上げになっておる。その対策として上水道の現在あります計画が完了いたしますと、大部分の給水がこれに依存し得るという見込みが一応あるのでありますが、さらに先ほど申しました、下水処理からくる工業用水の確保で、現在の計画で申し上げますと、約十二万トン程度はこの下水処理からくる水の確保ができるであろう。そういたしますと、先ほど申しました二十三万トンの地下水くみ上げが、この下水処理で大体半分くらいはまかなえるということになる計算になるのであります。こういう対策を片方に確保しながら、やはり現状でこれ以上に地下水のくみ上げということは、なるべく早い機会に規制をする必要があるであろうと思いますが、現状では、先ほど申しましたように工業用水のわずか二割程度のくみ上げでありますから、もう少し原因の究明その他も並行的に調査を進める必要があろうかというふうに考えております。
○足鹿委員 いろいろ御心配になっていることはわかりますが、要するに地下水の使用制限の問題が、消極的な対策でありますが、現在考えられることは一応主としてその程度であろうと思います。ただ問題は、その使用制限をした場合に、既存の工場設備が操業に支障を来たさないように、急速かつ豊富に、かわるべきいかような措置をとるかということが、一方において行われないと、現実の必要に迫られて、やはり地下水の使用に頼らざるを得ない、こういうことになろうかと思うのです。下水の処理といい、また上水道をもって一部を補給するということは、適当な措置だろうと思いますが、われわれが聞いているところによりますと、下水処理といっても、現在どういう施設があるか聞いてみますと、砂町で今いろいろな施設が行われておるということを聞いておりますが、そのほかに一方においては使用制限にかわるべき水の補給を、具体的にどうやるかということについて、来年度の予算に適当な対策が講じられる用意がありますか、あるならばその内容は一体どの程度のものか、その点もお伺いしたいと思います。
○松尾説明員 ただいま委員からお話しの通りでございまして、この問題はやはり工業用水の確保と並行して問題の解決をはからなければならないと思うのでありますが、先ほど御説明いたしましたような現在の上水道の計画の完成、下水処理からくる水の期待、そのほかにやはり根本的には、本来の工業用水道の水源を確保しなければならないことに当然なって参ると思います。ところが現状では、御承知のように工業用水道の水源を見つけることが非常にむずかしい状態でございまして、各河川の状況で申し上げますと、その上流の方につきましては、それぞれ水量の調査もある程度ありますが、しかし同時に各種の水利権がたくさんございまして、それをだんだん下流の方に求めて参りますと、一体下流でどれくらいの水量を工業用水にもらえるのか、その辺の調査は、現状までで必ずしも十分でないのでございます。工業用水の問題が、最近のようにこう大きく取り上げられて参りましたのは、比較的近年のことでもございますので、工業用水を確保する地点、主とてて下流でございますが、その下流でどれくらいの水量を分けてもらえるかという調査すら、現状では必ずしも十分ではない状況であります。そういう関係も、ございまして、来年度の予算要求といたしましては、そういう意味の工業用水道の水源の調査の予算要求を一緒にいたしております。同時に、先ほど申しました意味の、下水処理によって得られます工業用水が、果してどの程度工業用水として適確なものであるかどうか、これもまだ若干問題があるようでありますので、この点もやはり調査費用を要求いたしまして、現実に東京都にそういう意味の調査委託をいたしたいというので、来年度予算要求をいたしております。金額で申しますと、これは事業費でなくて調査費でありますから、絶対金額はあまり大きくございませんが、先ほど申しました意味の調査費喪が、来年度約一千四百万ほど予算要求をいたすつもりでございます。現状では、そういう点から問題の解決をはからなければならないのではないかと思っております。
○足鹿委員 時間もないようでありますから最後に、私もまだ足りませんし、この問題にぶつかったのは初めてのことでありますから、迫ってまたの機会に、よく専門家の意見等を、やはり当委員会としても聞く必要がある。これは政府にまかせるということではなしに、その筋の権威者等を網羅した参考意見等を聴取し、そして国会としても、これに対するところの基本的な方針を検討する必要があろうと私は思うのです。国会はもうきょうで会期が切れるからいたし方ありませんが、次の通常国会にはこの問題を大きく取り上げて、ただ単に——われわれは江東地区の問題を見て非常に感ずるところが深かった。しかし現実には、新潟に足元に火のついた重大事件が起っている。尼崎地帯でも工場が陥没している。また全国にはこれに類似した地帯がたくさんあるのであります。それらの点につきましては、もっと基本的に掘り下げて、そして専門家の意見も徴し、そして政府の一千万や一千三百万程度の、調査費程度のことをもってしては、この問題に対する対処は私は足らないと思います。少くとも基本的に掘り下げ、それに必要な措置を今後とるべきものだと思いますので、そのような機会を、なるべくすみやかな機会に一つお考えを願いたいと思います。委員長において、その点は一つ御善処願いたいと思いますが、どうも先ほどから通産省のお話を聞いておりますと、川崎、尼崎、大阪、四日市、こういうところは指定されているということでありますが、用水量の点については、地下水の用水量は二十三万トンだ、こう言っておられますが、四日市、川崎、大阪、尼崎地区と比べてどうですか。今後地区に指定されて、そして特に重点施策を講ぜられるのでありますか。そうしますと、地区を指定して一体何をしておられるのか。またこの江東地区に対する今後の対策というものは、地域に指定をし、さらにまた今言われたようないろいろな必要な調査費等を盛り、関係方面と連絡を密にして万全を期する、こういうように私は開いたのでありますが、この地域指定というものは、一体どういう意味を持つのか。どうも法の運用が完全でないように思われるのです。地下水の使用制限をしようと思えば、まず地域の指定ということが前提になるのですか。そうすると江東地区は今後地域の指定をおやりになるお考えですか。地域を指定した場合は、国はこれに対するところの対策等をどういうふうに講ずるのでありますか。もう少しその辺の関係を明らかにして、調査もけっこうでありますけれども、現在ある法の十分な活用という点に、もう少し力こぶを入れられる必要がありはしないか、私はそういうふうに今お話を聞いて感じました。これ以上はまた後日に譲りますが、その点について御意見を承わりたいと思います。
○松尾説明員 先ほど申し述べました指定地域三カ地点、その他大阪、横浜等につきましては、すでに三十一年度において一億八千万、三十二年度において三億円の工業用水道事業に対する助成金を国から出しまして、その助成等も手伝いまして工業用水道の確保の措置の見込みが大体ついた、そういうところを見計らいましてその地域の指定をやり、その指定されました地域につきましては、工業用水を井戸でくみ上げることの規制措置が許可制になってとられるわけでございます。これを東京の江東地区の例に引き直しますと、先ほど申しました上水道なり下水のほかに、やはり大きな工業用水道の拡充の見込みをつけて、同時に地域の指定をやり、井戸の指定をやるというようなことになるべきであろうと思いますが、現状では、たとえば利根川から大きな工業用水をとろうと思いますと、その方の計画なり見込みがまだ十分ついていない、とりあえず上水道、下水処理でこれを補うという状態、それで果して十分であるかどうか、まだ問題が十分見きわめがついていないという状況にあるわけでございます。
○足鹿委員 私は最後に希望を一つ申し上げますが、最近よく着工されようとしておる例は愛知用水です。これは百三十六億で——もっと多かったと思いますが、あの大事業をいよいよ着工になる。これは世銀の融資も受け、余剰農産物の資金もそれに投入するというごとになっておるわけですが、私ども現地を数次にわたって見ておりまして、ああいう大規模なものを、少くとも世銀融資を受けてやるということは日本では初めてです。その内容は、もちろん畑地潅漑だとかあるいは開田だとかいろいろありますが、工業用水と上水道と、それに発電、これには相当のウエートがかかっておる。あの地帯にあれだけの、しかも長野県の西筑摩郡から知多半商へ向ってえんえんたる水路を開さくしていくような大きな企画が現在行われ、着工されようとしておる。一方はすでに地面が沈下して人命や施設が危機にさらされておる現状に対して、これから調査費をくっつけて、一つ防潮堤の突き出しをしようというようなことでは、少し今までの対策というものが緩慢ではなかったかと思う。大問題と言えば少し言い過ぎかもしれませんが、少くとも私は、これだけの重大問題をこのような状態において今までほったらかしておいたということは、私どもは意外千万に思う。なかなかこれは重大な問題だと思う。従ってこの点については、もっと私どもも大きく検討してみたいと思っておりますが、少くとも中京地区におけるあの規模をもって、私どもはあれが完璧だと思っておりません。融資のやり方につきましても、不安定な融資源をもとにしておるという点、それが長期にわたって国土の開発、いろいろな点で外資に依存しておるという点で、非常に私どもは不満を持っておったけれども、やること自体はけっこうなことだというので、私ども野党の立場からもこの推進には協力した経験を持って おる。ですからもっとあなた方は上水道の供給ということに対しては、小河内ダムの問題であるとか、その他いろ いろずいぶんおやりになっております。東京都も努力しておられますが、こういった面に対する措置が非常に私は手おくれていると思う。もっと大きい構想のもとに立ち、そうしてこの上水道を考える以上は、より以上に下水のことも考え、また生活の根源である工業その他の施設に必要な資源の確保、あるいはそれからくるいろいろな災厄の防止対策というようなものをあわせ行わないと、地方住民に非常な不安を与えるのみならず、いざというときには一挙にして大へんな事態が起きる。私はこの間も、調査も不十分でありましたけれどもそれを見ましてつくづくこの考え方を深くいたしました。私どもしろうとが申し上げるまでもなく、十分におやりになるとは思いますが、少し今日までのやり方が手ぬるい。もっと本格的にこれと取り組んで、現在ある法律はフルに動かし、足らざるところは抜本的な対策を立てて、国会の協力も求められ、あなた方も関係者と連絡をして、必死の対策を講ぜらるべき責任があると思います。私はそういう点を強調しまして、またの機会によくまた研究さしてもらいたいと思います。この程度で終ります。
○薩摩委員長 では本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十六分散会