決算委員会 第4号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/11/13
会議録
○青野委員長 これより会議を開きます。 お謝りすることがあります。すなわち、ただいまの理事会で御承認願ったのでありますが、去る九日議長に対して閉会中審査について申出ておりました件を当委員会に付託されました場合には、調査のため現地に委員を派遣いたしたいと存じます。つきましては派遣地、期間、派遣委員の人選等に関しましては、理事と委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○青野委員長 昭和三十年度決算を議題とし、本日は大蔵省所管につきまして審査いたします。 それでは昭和三十年度決算検査報告、六四ページより九一ページに至る報告番号五八ないし七〇一につきまして、まず会計検査院当局より説明を聴取することといたします。大沢第一局長。
○大沢会計検査院説明員 大蔵省所管の検査報告について概要御説明申し上げます。 最初に六四ページから六八ページにわたりまして、租税関係及び国有財産関係の総括的な記述をしておりますが、その内容をかいつまんで申しますると、租税につきましては、収納割合は、二十九年度と三十年度と対比しますると、三十年度は九五・三%ということで、二十九年度の九四・五%に比べ、収納率は非常に進んでおり、徴税成績は上っておるということになっております。しかしながらまだ絶対的な収納未済額は三十年度分だけで二百六十五億、既往年度分を加えると、八百四十一億という数字になっておりまして、さらにこの収納に対しては努力が必要であろうと考える次第であります。なお少しそれるかもしれませんが、三十一年度の決算について見ますると、この収納割合は九七%程度までまた改善されていることが最近わかりました。 次に国有財産の管理及び処分について書いてありますことは、まずまっ先には、やはりこの収納割合が二十九年度の八八%から三十年度は九三%、これも相当収納率が上っております。なおこれも三十一年度はさらに上って、九六%程度になっておるというように承知しております。それから管理の点について書いてあります点は、国有財産のうち特に普通財産、この中でも特に旧軍用財産と旧雑種財産の分の管理がどうも十分でなく、国有財産台帳の整備も十分行われていないということを書いてある次第であります。 それから最後に「国有財産に関しとくに整理促進を要するものについて」というところで書いてありますことは、一つは、日本国有鉄道がまだ国の特別会計であったころに、終戦処理費でいろいろ鉄道施設をやった。これは当然大蔵省所管の一般会計の普通財産ということになるべきものが、いまだ財産整理が行われずに、現在も国有鉄道がそのまま使っておる。これはすみやかに財産関係を明らかにして、引き継ぎあるいは売り払いというような処置を講ずべき必要があろうという点が一点と、もう一点は、普通財産を自衛隊用として防衛庁が使用しているもので、依然として大蔵省関係の普通財産として処理されているものが非常に多い。これも自衛隊が使っているものはすみやかに防衛庁へ所管がえすべきではないか、この二つの点を述べているのでありますが、この防衛庁への所管がえはその後相当進んでおります。ほとんど大半終ったといって差しつかえないと思います。しかしながら国有鉄道に対する分の整理は、依然として今日も行われていない状況で、これはすみやかに整理する必要があろうかと思います。 以上で概括的な説明を終りまして、六八ページからあと個別的な事項に入りますが、五八号から七七号までは租税関係の不当事項を掲げてあります。 最初は、五八号に「入場税の徴収にあたり処置当を得ないもの」と書いてありますのは、横浜の中税務署でオデオン座という映画劇場が入場税を相当長期にわたって滞納しているにもかかわりませず、これに対して担保を徴収するとかなんとか適当な処置を講ぜずに、依然として入場券用紙を交付してその滞納が逐次累増いたしまして、三十一年一月には全部で九百六十万円、約一千万円ほど入場税の滞納が生じました。劇場の方はその後経営困難になってしまって、入場税が徴収困難になった、こういう事態であります。それは入場税法にもありますように、まず担保を徴収する、そして適当な担保を徴収し得ない場合は、入場券用紙の交付を停止すべきだ。これを早くしておったならば、こうした膨大な滞納は生じなかっただろうと考える次第であります。入場税はもちろん入場者からとっておるわけでありますから、それがこうしたたくさんの滞納を生じたことは、入場券用紙の交付を漫然と行なっていたのではないかと考える次第であります。同じような事態がやはり横浜の国際劇場というところにもあります。 次に五九号から七六号までに「滞納処分に関し処置当を得ないもの」と書いてありますのは、毎年のように掲げておるような事態でありますが、納税者が財産を持っているのに、差し押えがおくれたために、その財産が他に処分されて徴収困難になった、あるいはその差し押えの手続が粗漏であったために、完全な差し押えができずに、その間に財産が処分されてしまったというような、滞納処分の執行過程において処置がまずかったために、遂に徴収困難になった事例を掲げてある次第であります。 次に七一ページに七七号といたしまして「租税払もどしに関し処置当を得ないもの」というのが書いてあります。これは四国電力が自分の持っている株式に対しまして配当を受ける、その分の源泉徴収として所得税を控除されているわけであります。これを四国電力が法人税から差し引くことになっておるわけであります。この四国電力が欠損会社であったために、その総額を還付することになった。その場合に請求を受けて、長期間調査もせずに放置しておった。請求を受けた高松税務署では、国税局の方でやる仕事であろうというように考えて放置しておった。また国税局の方では、当然税務署がやるべきものだと思ってうっかりしておったというような点で処理がおくれましたために、還付の時期がおくれました。従いまして還付加算金を非常に多く払わなければならぬ。約八十万円の還付加算金は、すみやかに処理しておれば払わなくてよかったものであります。 七八号からは税金関係ではなくて、国有財産関係の事態でありまして、七八号に書いてあります「未収債権の徴収にあたり処置当を得ないもの」と書いてありますのは、千葉の財務部で貸付料の未収債権が相当額あった。その貸し付けておった土地を自衛隊の用途に供するために返還させた。ところがその自衛隊の方から今まで借りておった人間に対していろいろな意味の補償費が出ることになった。でありますから本来ならば自衛隊から払う補償費の中から貸付料の未納分を相殺して、その残額を借受人に支払う、こういう方法をとるべきであったのであります。また事実財務部の方でもそういう方針のもとに一応相殺をしたのでありますが、全部相殺してしまったのでは借受人が移転その他に困るであろうというので、百万円だけ貸付料の未納額を残して相殺した。ところがその後もう移転が終ってしまってから、さらに防衛庁の方から三百万円という補償費が出るごとになったのでありますから、このときに残っておった百万円は当然相殺すべきであったと思われるのに、その間の連絡が十分でなかったために、逐に百万円の相殺の時期を失してしまって、そのまま収納未済になって残ってしまった、こういう事態でありまして、債権の確保ということに対して十分注意が行われなかったと考える次第であります。 次に七三ページの七九号から八四号までに書いてあります事態は、用途を指定して売り渡した国有財産を、その後相手方が指定した用途に違反して処分してしまった財産に対して、当然そうした場合には契約を解除してそのものの返還を受けるなり、受け得ない場合には相当額の賠償金を請求すべきでありますものを、相手方が指定用途に違反して処分してしまったのに、何ら処置がとられていないという事態を掲げてある次第であります。 次に七五ページの八五号から九〇号までに書いてあります「普通財産の管理当を得ないもの」のうちの「機械器具」というのは、旧軍用財産の機械器具で各財務局財務部で管理しておるもの、それからほかの人間に一時使用あるいは保管させておるもの、こうした機械器具を他人が現在使用しておる、またはすでに管理を委託して保管させておったものがなくなっておるというようなものが、そのまま使用料もとらずに、またはなくなったものに対する求償措置もとらずに放置してあるという事案をまとめたものでありまして、これが八五号から九〇号までに掲げてあります。 それから七七ページの九一号と書いてありますのは、今度は旧軍用財産ではなくて、内務省等から引き継いだ旧雑種財産、これを地域を特定しまして、いわば総括的な調査をしてみたわけであります。その調査の結果を見ますると、旧雑種財産の管理がはなはだよろしくないという点を掲げてあるのであります。七七ページの表にありますように、調べた件数が土地で千四十二件、建物で百四十三件というものの現状を調べてみたわけであります。その中には(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)と四つに分類してありますように、成規の貸付手続をとらないで使用させ、あるいは所在が不明なものその他がありまして、これは土地で千四十二作のうち五百五十六件というものがいわば整理がよろしくない、建物百四十三件のうち百六件がよろしくないというように、きわめて高率のものが旧雑種財産における管理がよろしくないという状況がわかったわけであります。もっともこれを調べた個所が京阪神あるいは京浜というような財産が比較的多くて手の回りかねるところがおもになった関係もあろうかと思いまして、全国にこの比率でいくとは思いませんが、ともあれ旧雑種財産の管理ということに対してはさらに一段の努力が必要ではないかというように考える次第であります。七八ページにはその調べた結果のうちのおもなものを一、二、三、四として掲げてある次第であります。 次に七九ページの九二号と九三号に掲げてありますのは、やはり土地、建物の管理のよろしくない点を掲げてあるのでありますが、先ほど九一号で申しましたような特定区域を総括的に調査した結果ではありませんので、個別的に掲げた次第であります。そのうち九二号は水戸の海浜地が無断で相当な面積を使用されておる。それに対して何ら処置を講じていない。九三号は赤坂の歩兵百一連隊の土地の一部が、これも一度は一時使用を認可したのでありますが、その後契約も何もしていないのに無断で使用されておる。これに対して適宜の処置を講じていないという点を指摘しておる次第であります。 それから八〇ページの九四号から九八号までは、これも例年掲げておる事態でありますが、土地、建物等の使用料を徴収決定していないというもののうちのおもなものを掲げてある次第であります。 それから次に八一ページの不正行為といたしまして、九九号と一〇〇号と二件掲げてあります。一つは管財局関係の北九州財務局佐賀財務部、そこで旧公団等の債権の回収事務に従事しておった職員が出張集金した金の一部を国庫に払い込まないで領得した事態で、総額が百三十四万円の領得、そのうち五万七千円が補てんされておるという事態であります。 もう一つは須磨税務署で、これはやはり出張集金をした税務官吏がその受け取った金の一部を国庫に払い込んだだけで残額を領得した、これが総額九十万円ほどの領得額になっております。 次に八二ページの一〇一号から一一〇号、青色申告書の提出の承認を取り消させ、徴収不足を是正させたもの。これからあとは是正させた事項でありますが、青色申告法人としていろいろな特典を認めておる一方、これが張簿等を隠ぺいして、いわゆる脱税的な行為をやった場合には、この青申を取り消してその特典を奪うというように税法の建前はなっておるのでありますが、検査の結果重加算税をとられたりその他青申の適用がないのではないかと思われるものを指摘しまして、青申を取り消さしたものがここに出ておるわけであります。これに基きまして約一千万円の法人税を追徴するということになった次第であります。 次に八四ページの末行からたくさん掲げてあります一一一号から六七七号、これは租税の徴収過不足を是正させたものでありまして、いろいろな態様がありますが、結局いろいろな事実調査の不十分あるいは署内あるいは署間の連絡の不十分あるいは税法の検討不十分ということから出ました徴収過不足でありまして、これを是正させたものが全体で五百六十七件、徴収不足額で四億三千万円、徴収過千二百万円というものが検査額として掲げられておる次第でございます。 それから八九ページまでがそれをいろいろと態様別に区分して説明してあるのでありますが、八九ページの六七八から六九九号までに掲げてありますのは、一応徴収決定しました租税、それの今度は収納する段階においてのいろいろな過ちを是正させた事態でありまして、先ほどの徴収過不足を是正させたものと一緒に、詳しい表はこの検査報告の末尾の方の別表第二及び第三として掲げた次第であります。 最後に九〇ページの七〇〇と七〇一号は、これはまた管財局関係になりますが、共有船舶の持ち分に対する収入、これの計算、これは主として税務計算と同じような計算をとるわけでありますが、その計算上の過誤を直させまして追徴さしたという事態でありまして追徴させた総額が四百五十九万円ということになっております。はなはだかいつまんで御説明を申し上げましたので、不十分であったと思いますが、個々の内容につきましては、後刻また御質問に応じて御説明いたしたいと思います。
○青野委員長 次に大蔵省当局において補足説明があれば、この際これを求めます。
○坊政府委員 昭和三十年度の大蔵省所管の決算の御審議に当り、一言所見を述べさせていただきたいと思います。大蔵省所管の決算に対しまして、会計検査院より、不当事項といたしまして四十一件、是正事項といたしまして六百一件、その他で計六百四十四件の多数の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾と存ずるものでございます。これらの防止並びに改善に関しましては、従来からしばしば注意を喚起するとともに、職員の資質の向上、監査、監察制度の強化に留意して参ったのでありますが、今後とも教育施設の充実、内部牽制組織の活用等によりまして、批難事項の根絶に最善の努力を払うつもりでございます。なお会計検査院の批難事項につきまして、関係者より説明いたさせたいと存じます。何とぞよろしく御審議をお願い申し上げます。
○青野委員長 それでは質疑に入る前に、委員長から一言御注意を申し上げたいと思いますが、大蔵省関係の決算委員会が開かれた節は、多少の用件がありましても、大蔵大臣自身が当委員会に出席するように、委員長から希望しておきます。なお国税庁関係については、特に国税庁長官がこの委員会に出てきて、質疑に答弁をする、そういう習慣をかたくつけたいと思いますので、一つ多少の用件がありましても、ぜひ進んで決算委員会に御出席になるように、坊政務次官からもお伝えを願っておきます。 それでは質疑に入ります。発言の申し出がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 大体きょうは国税庁関係を中心に御審議を進めていただきたいことを希望申し上げておきたいと思うのであります。そこで一点伺っておきますが、報告番号の五八ページにしたら六八ページであります。これは要するに横浜の中税務所において、オデオン座という劇場の滞納が、ずいぶんとかさんでおるにかかわらず放任しておいたので、約千万円の徴収不能な状態に陥ったという案件であります。こういうことにつきまして、事情のいかんにかかわらず、相当詳細な報告がせられねばならぬにかかわらず、大蔵省から説明書として国会に提出したものによりますと、「入場税の徴収に当ってその処置当を得なかったことについては、まことに遺憾であるが、入場券不交付の措置については、行政上、慎重に処理すべき問題であるので、今後は入場税保全担保制度の実施について一層の改善を図り、このようなことのないように十分注意する。」こういうことになっております。こういうように、もし適期に適当な措置をとっておったならば、約千万円が徴収せられておったというものを、徴収ができないような状態になったということについては、相当重大な原因等についての追及がなければならぬと思う。結果及び経過はどういうふうになったのか、これは徴収部長から説明して下さい。
○飯田説明員 入場税の徴収の問題でございますが、御承知の通り国税移管当初におきましては、税法の普及宣伝指導に重点を置いて参ったために……。
○吉田(賢)委員 時間の関係もあるから、具体的にこれだけでよろしい。
○飯田説明員 はい。その株式会社オデオン座につきまして、納税の成績が割合芳ばしくない。そこで再三納税誓約をとりまして、納付させることを確保しようとかかっておったわけでございます。しかしながら国税の移管当初におきまして地方税が約二千万円ばかりの滞納がございました。経営自体がすでに赤字の状態を続けて参っておりました。その関係で一部納税はあったのでございますけれども、滞納額は累増するというふうな関係でございました。従って保全担保を徴する問題があるわけでございますが、これを徴しようといたしましても、それの対象となる財産がございません状態であります。そこで会計検査院の御指摘にもありますように、入場券の交付停止という措置も考えられるわけでございましたが、この措置は興行を停止させると同様の結果となるわけでございまして、税務行政上慎重に処理すべき問題であろうということでございます。そこでその後毎日日銭が入ります、その現金をもって納付させる方法をとったのでございますが、その後の経過状況からいたしまして、やはり困難で、滞納が非常に生じて参ったということでありまして、その点まことに遺憾に存ずる次第でございます。所定の納期限を経過しましても納税されない場合におきましては、入場税の保全上支障があると認められる場合に、不交付の措置がとれるということは先ほど申したのでございますが、どうもこの問題は実際の行政運営に当りましては、先ほど申し上げましたように興行が停止される、従いましてかえって保全上利益になるかどうかということを考えますと、なかなか問題はむずかしいのでございまして、従いまして不交付という措置をとらないで、なるべく逐次滞納が解消して参るという方法をとったのでございます。その点結果的には遺憾な事態が生じたのでございまして申しわけなく存じておるのでございます。今後は入場税保全担保制度の実施について一そうの改善をはかりまして、滞納の未然防止と早期処理に努めて参りたい、かように存じておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 あなたの御説明によると、入場券の交付を停止する措置をとれば興行を停止しなければならぬ、それをおもんぱかって入場券用紙の交付を継続した、こういうふうな御説明らしいのだが、その点に限っては検査院の指摘しておるのは、特別の事由がない、そこで漫然と長期にわたって入場券用紙の交付を継続しておった。これはちょうど正面から対立しておる。そこでこれは横浜中税務署の署員とオデオン座の経営者がなれ合ってこういうような便宜をはかっておったのではなかろうかという疑いすら受けるのであります。あなたの方は弁明書においては、検査院が指摘するごとくに特別の事由がないのに漫然と長期にわたって入場券用紙の交付を継続したというようなことに強く反駁することも何もしておらぬ。こういうところに何か原因があるのじゃないかと思う。税務署の署長、徴税の責任者等を呼び寄せて厳重に調査をしておるのですか、どうなんです。
○飯田説明員 その点に関しましては、その間の経緯と直接ではございませんが、国税局を通じまして調査もいたしたのでございますが、私が先ほど申し上げましたような経緯でございまして、将来の徴収の確保と申しますか、この場合におきましてはなるべく滞納額を減らすという方向で、どのような方法がいいかということを考えながら、申し上げたような措置をとって参ったのでございまして、結果的に言いますと、はなはだ緩慢であったというおしかりを受けることもまことにごもっともと思うのでございますが、特別になれ合いというふうなことがあったというふうには存じません。
○吉田(賢)委員 私が何もおしかりするとか何とかいうのじゃないのです。会計検査院の指摘が非常にきつい指摘になっておる。この文章はおわかりだと思う。特別の事由がないと言っておるのですよ。そういう判断に立っておる。そこで漫然と長期にわたって入場券用紙の交付を継続したということを断定しておる。そういうことであれば興行を継続さすということが利益かどうかという判断に立っておるのだが、これは相当厳重に調査をして回答をしなければならぬ。この点について検査院の指摘は間違っておるのかどうか、検査院の指摘が間違っておるならば、堂々と回答しなければいかぬと思うのです。しかしながら検査院の指摘通りであったとするならば、これはとんでもないことであります。これはやはり税務署長として徴税の能力を欠いておるのじゃないだろうか、こういうふうにも考えられるのであります。そういうことについての精査をあなたの方はしておるのかどうか、今の答弁ではそれは答弁にならぬ。興行を停止するというようなことをしては、かえって利益になるまいと考えたので、というような漫然としたことではいけません。これは税務署の関係におきましても、ずいぶんたくさんにあるのです。毎年々々何百件と出てくるのです。長官が来たらまだ聞こうと思うのだけれども、実は千万円以上の滞納者、五千万円以上の滞納者、何億円の滞納者の当委員会に対する報告すら毎国会でろくにできないのです。だから徴税ということは、相手によってきつくして、相手によっては寛大にして、そこで適当になれ合っていくというようなことがあるのではないだろうか、こういう疑惑を持つのです。だからこういうような重大な指摘を受けた以上は、徹底的に厳密に調査をして、あなたの方は即、時明快な回答をして、もし悪かったら悪いとして、これは処置しなければいけません。今の答弁は答弁になっておらぬと思うのです。この指摘に対する適切な答弁にはなっておりません。その点について資料も十分に手元にないのがほんとうじゃないのですか。
○飯田説明員 先ほど申し上げたことが相手とのなれ合いと申しますか、そういうふうな意味で多額のものに対しては割合に緩漫であり、零細なものと申しますか、そういうものに対してのつり合いがとれないじゃないかというふうなお話と思うのであります。この場合、たまたま額が多額でございますけれども、多額であるだけに、相手方に対して利益を与えるという意味で利益と申したのではないのでありまして、私どもの方といたしましては、徴収上有利かどうか、つまり滞納額を減少せしめる方法といたしましてどういうような行き方がいいかという意味におきまして、判断の上で、興行停止という形で全部執行停止という形になるよりも、収納のできる可能性のあるものにつきましては、現金が入るごとに分割して、滞納を極力減少せしめるという方向への指導をやったわけであります。
○吉田(賢)委員 もっと国会の御答弁はぴしゃっぴしゃっと適切に述べてもらわなければ困ります。あなた方が説明書をお出しになっておるけれども、もっと詳細適切な説明書が出ておったらこういう問いをする必要もなかったかと思うのだけれども、まことに形式的なことにすぎないのでお問いしたわけです。従って事の真相はわれわれにはわからぬ。でありますから、あなたが漫然とお述べになったことが、それが具体的な事実として相当適切な措置が継続されておったかもしれぬ。しかしあるいはそうでないかもしれぬのです。これはよく御注意願いたいのですが、徴税のいかんによって、首をつって死んだ人もあるのですよ。だから寛厳適切を期するということも実に必要なことであります。そこでこの問題については、われわれが受ける感じは、何か税務署との間にあるのじゃないかという印象が浮ぶのであります。この点につきましてはやむを得ませんから、あなたの方で直掛横浜中税務署の署長からもっと詳細に経過を書かして、もしくは国税局において調査したものを、会計検査院の指摘したことに対応する詳細なものを至急に出して下さい。もしそれが明らかにならなければ、署長にここに来ていただいて説明をしてもらわなければいかぬ。あなたの今の御説明は十分納得できるような説明になっておらぬ。
○青野委員長 今渡邊国税庁長官がおいでになりましたから、国税庁長官の御答弁を……。
○渡邊政府委員 入場税の徴収に当りまして措置当を得なかったものとしまして指摘になりましたオデオン座の問題でございます。結局会計検査院の御意見としましては、そういう滞納があるならば、入場券の交付をもっと早く停止すべきじゃないか、こういう御指摘でございます。結果として見ますと、われわれの方も確かにもう少し早く措置をとるべきものではなかったかというふうには思います。しかし御承知のように、入場券の交付を停止いたしますという場合におきましては、結局そのオデオン座ならオデオン座はそれによって商売がストップしてしまう、こういうような段階になるものですから、滞納の発生を防ぐと同時に、それによって、そういうような意味からしますと、そのためにこそ入場券の交付を停止する措置があるわけでございますが、しかし結局その段階になれば、オデオン座の商売をそこでストップしてしまう、こういったようなことになるものでございますから、おそらく税務署といたしましても、最後の手段ということに考えざるを得ない。従って結果的に見ますれば、もっと早く措置した方がよかったということになるわけでございますが、おそらく署の気持といたしましては、もう少し様子を見て、古い滞納税金もございますから、もう少し商売を続けていく段階においてこの滞納の整理ができないか、こういう考え方になったのではないかと思います。ただ入場券を交付しておりますために、漸次古い滞納が多少片づきましても、さらに新しい滞納が出てくるというような段階になるものですから、結果的には確かにこうしたような問題になると思いますが、具体的な問題にぶつかりますと、この段階でオデオン座からオデオン座の仕事をストップさせてしまうかしまわないかという羽目ぎわになるものですから、いささか措置が緩漫になったという御指摘を受けるような結果になったのじゃないかと思いますし、結果的に見ますれば、われわれとしても遺憾に思っております。
○吉田(賢)委員 今の長官の御答弁は、大体徴収部長の答弁がそうであったのです。私どもは検査院の指摘文章は、短い文章でありますが、実は重視している。そこで検査院の指摘は、特別の事由がないという前提に立っております。ところが、漫然と長期にわたって入場券用紙の交付を継続しておったという判断になるのです。そうするとあなたの方としては、もし今の御説明ならば当然の措置なんです。相手の立場も考えて、徴税の利害から考えてもっともな、適切な措置をとっておった、こういうような御判断らしい。それなら検査院の指摘が間違っておる、こういうときは、検査院の指摘が間違っておるなら間違っておるとして、やはり抗争してもらいたい。しかしそうでないとするならば、もっと厳密にあなたの方の事態の究明に当ってもらいたい。あるいは税務署員がオデオン座と慣れ合っておったかもしれぬ、そういう反面がありやいなや、これは非常に重大なんです。あなたの方といたしましては、金額は約一千万、金額においても重要でありましょうし、またこの種の事態を指摘せられた以上は、やはり署長以下担当者について厳密な調査を行なって、明快に当委員会で具体的に直接答弁しなくちゃいかぬと思う。今あなたの御答弁によりますと、当局はよく事実の経過を御承知でないらしい。どうもそうらしい。そういう印象を受けます。だから、文書で報告を受けたと言いますが、そういう程度のことでは案件はあまりに重大だと思うのです。でありますから、こういう場合には、税務署とオデオン座との関係はどうなっておったかということくらいは、やはり精密に直接調査をさせなければいかぬと思う。あなたの方の国会に対する説明書によっても三行で、一そう改善をはかるとかなんとかということで濁してあるのです。それで私は特にお尋ねしたわけです。こんな問答を繰り返しておってもしようがないから、横浜の中税務署においてどのような経過をとって、また国税局としてこれに対してどういう調査をしたのか、詳細に当委員会に文書で報告してもらいたい。そしてこれは検査院の指摘が間違っているのかどうかということにも触れておいてもらいたい。今の御説明によれば、検査院がこういう指摘をしたことは不当な批難だというふうにも聞えるのです。そうじゃないですか。この文章は、検査院の報告書として今私が読み聞けましたような趣旨に書いてあるのですから、もし検査院の指摘が不当であるならば、堂々と不当だということをやはり態度を明らかにしておいてもらいたい。そうでないならばあなたの方の行政上の失態であるから、その原因はどこにあるか、判断を誤まったのか、人間的な原因があるのか、どこに理由があるのか、署長に徴税の能力を欠いているのかどうか、そういうこともやはり検討してもらわなければいかぬと思う。
○渡邊政府委員 吉田委員の御指摘は、私はしごくごもっともだと思います。私の方としては、一応調べましたが、署員の方とオデオン座と云々といった問題は、これはないと思っております。漫然と長期ということは、一応検査院の方として、結果に現われた数字としてそういう見方をなさるのは、私は一つの見方と思いますが、ただ先ほども申しましたように、入場券の交付を停止するということは、結局その劇場の商売をとめてしまうということで、行政機関としましてどの段階においてそこまでいくべきかという点において非常に苦労があるんじゃないかというふうに、私は思っております。ただお話のように、この機会にこの問題をもっと掘り下げて、調べたその結果を書面で報告するということにつきましては、私どもとしましてはその通りにいたします。
○細田委員 関連して、ちょっと前提に伺っておくのですが、劇場において一定の金額を入場料の中から国にかわって観客から取るようにできておるかどうか、そういうふうに大蔵省としては考えておられるかどうかを伺いたい。
○渡邊政府委員 お話の点は、たとえば給与の所得税でありますと、源泉徴収の制度になっております。従って給与の支払者が国にかわって徴収して国に納める、入場税もたしかかってはそういう形態をとっていた場合もあったと思いますが、現在においては、ちょうど酒の税金と同じように、間接税の形態をとっております。従いまして、一応こういう事態があったらば納税者としてその劇場なり、経営者が納める、こういったような形態になっております。同時にそれは入場料金に込めて入場者に転嫁する、ちょうどそれは、酒屋さんが酒の税金を納めますが、同時にその酒の税金に相当する分を酒の値段に込めて、卸から小売を経て消費者に転嫁する、考え方としましてはそういったような関係になっております。従いまして、転嫁を予想した税金ではございますが、しかし酒の税金と同じような税金、その意味におきましては、ちょうど給与の所得税を源泉徴収義務者として給与の支払者が徴収し、国に納める、こういう姿とは別な形になっております。
○細田委員 これは吉田委員も御指摘になってあなたに伺ったのですが、会計検査院の国会に対する報告は、御承知のように、極端にいうと、漫然としておるというので、ついに深みというか、この金額に上るようになったということになった、あなたの方としては、営業上やむを得ないような事情もあったらしいので、めんどう見る間にこう深くなった。こういう説明ですが、それではわれわれのような委員はさっぱりわからない。わからないのに納得しろといっても無理です。会計検査院は現実に調べて、漫然こういう金額になってきたのだ。あなたの方で適当に早く措置すれば、こういう大きい国損はなかったろうということを指摘してる。そうすると何かあなたの方で、この劇場のめんどう見てやるんだ、見て立っていくようにしてやるんだという特別な一つの計らいがあったということになると、その裏に何か贈収賄でもあったのじゃないかと想像するのは当りまえです。われわれは想像する。ほかの委員諸君はどうか知らぬが、私はそう想像する。従ってあなたの方でこれは万全の策であったということなら、具体的な資料を提出していただかなければ納得いかない。あなたの資料いかんによっては、横浜の税務署長においで願って、その間の消息を直接聞くということでなければ決算の責任は果せません。
○渡邊政府委員 私の申し上げ万があるいは十分でなかったために、多少誤解といいますか、十分私の方の気持が御了解願っていないかもしれませんので、もう一ぺん申し上げたいと思いますが、私はこの問題は会計検査院が御指摘になったことがあるのですから、それだけの欠陥が税務署のやり方にあったのではないだろうかということは、私の方も調べましたときに感じております。従って今後こういうことを繰り返さないように、われわれの方としては措置したい、この気持は私の方としてはございます。ただその場合におきまして、そういう欠陥があったにしても、それはどういう原因から出てきただろうかというふうなお尋ねのように思いましたですから、おそらく税務署の気持としても、もっと早く手を打てば私はもっとよかったんじゃないかと思います。確かに会計検査院の目から見れば、漫然長期にわたって手を打たなかったのはけしからぬと言われるだけの、われわれの方で手落ちはあったのじゃないかと思います。しかし当事者の気持を一応われわれの方でそんたくいたしますれば、先ほど申しましたように、入場券の交付をやめてしまうということは、劇場の命をとめてしまうわけでごいますから、それで本来なら早期に手を打つべきものが、つい延び延びになったのじゃないだろうか、こういうようなことがうかがい得るように思いますが、それをさらにもっと具体的に、どういうようなことになってどうなってるんだということが、先ほどの吉田委員の御質問でございますから、私どもとしましては、もう少しその辺の経緯を御説明申し上げるような書類をお出しすることにつきましては、御要望もございますから、お出ししてけっこうと思っております。
○田中(彰)委員 僕はちょっと坊政務次官に伺いたい。あなたは先ほど税務署の中の改革をしたい、人事の改革をしたいと言われております。それはあなた実際心から言われておるのですか、これをまずお聞きいたします。
○坊政府委員 ただいまの御質問でございますが、心からでございます。
○田中(彰)委員 そういうことになりますと申し上げなければならぬが、私は税金の公正化というものに非常に関心を持ってる。一方ではわずか十万円か二十万円の税金を払わぬために差し押えを食い、妻や子の着てるものまで競売にされて、そこで子供が母親にそれを求めてくれと言っているような情景をわれわれも承知しておる。一方では、大きいものはこういうようなものがある。あなたも大蔵省に行かれてから、国税庁に行かれたでしょう。今の国税庁は昔の特高警察です。そこにあなたは政府を代表して行かれた。ところが国税庁の中には一本の線が通ってる。だれの線ということはわが党の人もおるから申し上げられないが、一本の線が通ってる。政務次官なんかばかにしてるんですよ。そのうちにかわっていくんだと言う。いかないやつはいきなり首切ってしまう。どこかに出してしまう。あなたがほんとうに人事をやらぬなら国税庁なんか絶対改革できません。泥沼も泥沼、底抜けの泥沼です。手づるを持っていけばどんなことでもしてくれる。それを認識されて——今度のこういうような書類が出るまで私は呼び出しますよ。月一回ずつは国税庁の監督をするように、これは委員長、どんどん呼んでもらいたい。国税庁の監督をやるのは決算委員会です。そうしてとても普通の決議ではいけない。本会議の問題にして、いかぬやつは首にすることです。こういうようなやっぱり強硬な策をとらなければ——私の方もこれからとりますからね。あんたそこで言われたんだから、私にやられる前にあんたが悪いやつを首になさった方がいいですよ。それをもしあんた二人でできなかったら、あんたやめたらいいじゃないですか。 それかもう一つ申し上げますれば、今問題になっていますこのオデオン座の九百万以上の滞納は、これはいいですよ。もう一つここの税務署であるじゃないですか。桑島某の横浜国際劇場、同じ年限に一つは六百万円以上、一つは九百万円以上、同じ税務署の中にこういうものがあるということは、これはどうも納得できないですがね。署長ももちろん同じだろうと思う。係員も同じだろう。二つ横浜に並べて、同じ税務署でこういう大きなものが滞納されておるということは、私はちょっとおかしいと思うですね。大がい、われわれの知った中でも劇場なんかやっておるのがありますが、千万くらいの滞納までは何だかんだ言いわけが立つが、それ以上になると大ていは、かなり顔のきくやつでも競売に付されて、もうにっちもさっちもいかないことになっておる。ここは二つが大きな問題になっておる。これについては徴収部長は一体どうお考えになるのですか。六百万と九百万二つがこうなっているんですね。同じ税務署で年限も大がい同じ、時期も同じ、同じ係なんです。これが二つこうなっておることは非常におかしいと思うのですが、この点についてどうお考えになるかということと、何か差し押えがしてありますか。どんなに財産がなくても、これだけの劇場を経営しておるとすれば何かあるんだが、差し押えをして競売処分に付するまでの手続だけはとってあるはずだが、何かしてありますか。この二点を御回答願います。
○飯田説明員 横浜国際劇場、これは桑島という人の個人経営でございます。入場税の保全担保を取りました以後の収納状況は割合に順調でございまして、ただ桑島某という人は昭和三十一年の六月に法人組織に変更いたしております。従って滞納となっている分は過去個人分ということになります。その関係で個人所有の山林がございますので、近くそれを売却させるというようなことによりまして滞納を消して参りたいというふうな運びになっております。
○田中(彰)委員 個人組織になっていて、これだけの、六百万ちょっと、七百万近くのものが滞納になっておった、それを法人組織にしたということは、これは脱税というか、税金をのがれる、競売をのがれる関係上と見て差しつかえないでしょう。あなた方は、そういうの法律については相当考えておられるだろうが、そういう場合に、今の山林を差し押えされたのですか。納得ずくの契約で入っているんですか、どうなんですか。
○飯田説明員 そこははっきりわかりませんが、山林を売却してその滞納の税金に充てるということになっております。おそらく差し押えは、いたしておると思います。
○田中(彰)委員 あなたが、こういうような重大な問題になっているものを、その差し押えをしてあるのか、山林がどのくらいの価格があるのか、それを売却されれば六百なんぼ埋まるのか、そこに不足を生ずるのか、あるいはまた余るのかということをお取調べになっておらぬということは、非常にに決算委員会を軽視されたあれなんですが、私はどうもこの点がおかしいと思うのです。もう一つ、前の方の九百万に対してどんなものを差し押えしてありますか。
○飯田説明員 オデオン座の方につきましては、対象となる財産がございませんので、おそらくこれは保全的な意味の差し押えというものは、財産はないものと思います。
○田中(彰)委員 これは不思議ですね。中小企業なんかの小さい合資会社あたりのようなものとか、小さい株式会社あたりの税金に対して、滞納した場合は個人の財産でもみな押えてあるはずですが、これだけの劇場をやって、そして九百万からの、約一千万円からの滞納をやるようなものであれば、会社の財産で相当なものがあるはずだ。たとえば金庫もありましょうし、机もあるでしょうし、電話もあるだろうし、そういうものがいろいろあるだろうと思いますが、そういうものはどうして押えていないのですか。
○飯田説明員 当初、吉田委員の御質問のときにちょっと申し上げましたのですが、国税移管当初、地方税時代の滞納が二千万ございましたが、そういうものの滞納処分のために、いわば提供されておりますわけで、国税の場合といたしましては、すでに、新たに担保的にあるいは差し押えというふうな保全処分をやるような余地が財産上なかった、こういうことでございます。
○田中(彰)委員 それは地方税でやった場合は別として、民間なんかの場合は、差し押えしてあっても税務署は一年にさかのぼってやれるのだから、私はこの一年間の税金の関係を見ると、あなたの方で差し押えすればできたものは相当あると思います。もしあなたの方でそうでなければ、税務署長を呼んでこっちから調査してもいいが、それは確かにありますよ。この税金の滞納になった期間等、こういうものから比べられて、民間にたとい入れておったとしても、あなたの方で押えられれば、前にさかのぼって効果を有してくるし、銀行の担保に対してもそうだし——地方税の場合は別です。何か押えるものがないということはないんですがね。われわれも会社をやっていますが、押えられて税金で苦労しているのですが、それはふろおけまでもやられていることがある。押えられたために死ぬんだ。方法がなくなって一家自害するのだから、何か押えるべきものがあるものを押えていないのじゃないか。今の山林の方についても、これは押えてあるのか。こんな山林なんというものは、値打があってないものですからね。あるものなら、ほんとうのものはうんとあるだろうし、ないものなら、ただ登記面だけなのだから……。税務署がやめるのに、民間で言ってますよ。森脇の不渡り手形を納めるか、どこかの泥地か何か担保になったのを税務署に押しつけるか、これが税務署の税金を断わるのに一番いいということになっているのです。これ以上申し上げませんが、こういう点を一つお取調べになって、こっちに報告して下さい。私は別にあなたをいじめるのではないですが、あなた方は、世間からおそれられている。国税庁はだれも取り締る者がないんですよ。決算委員会ぐらいがほんとうに協力して、これは超派的に協力して、税務署の悪いところがあれば徹底的に取り調べて、いいところがあれば賞讃してやるということをやらなければいけない。坊政務次官なんかも少しお考えを変えられて、一つ大人事を断行されたらいい。もしえんま帳がなければ私お貸ししますから……。
○神近委員 私はどちらかというと、こういうような問題は、議案がいろいろ出てきておりますから、あとでは調査の御相談をしたいと思うのですけれども、徴収部長さんに伺います。長官でもけっこうでございますがタクシー業というものは、あれは全国的に国税庁所管の徴税をやっていらっしゃるのですか。
○渡邊政府委員 お答えいたします。タクシー業も同じでございますが、一般に会社の場合は、私の方では税務署でもって所管するものと、それから全国の各国税局に調査課というものがございますが、この調査課で調査を行うものと、二つに分けております。国税庁自身は面接は自分でもって調査をするとかなんとかいうことはやっておりません。ただ税務署あるいは国税局で事案によって国税庁に伺いがくるものにつきまして、国税庁で適当に指示するとか、そういう方法で監督のことをやっております。従いましてタクシー業の場合におきましても、個人の場合でありますと、原則としては税務署でやっております。個人の場合は所得が一千万円以上のような大きなものだけは国税局の調査課で調査しております。会社の場合でありますと、資本金が一千万円以上のものは国税局の調査課が調査しております。それ未満のものは各税務署で調査する、それが原則でございます。ただ資本金が一千万円未満でございましても、事案によってこれはやはり調査課で調査した方がいいという、これはきわめてまれな場合でございますが、この場合は国税局の調査課が調査を受け持つ場合がございます。
○神近委員 今主として徴税のことを伺ったのですけれども、その調査課というのは徴税のための調査ですね。
○渡邊政府委員 調査課の仕事は、申告が出て参りますと、その申告が正しいか正しくないかということを会社とか個人について調査しまして、正しければ正しいなりに、それからこれが間違っていれば、たとえば申告が五百万円でありましても、これは七百万円しかるべしという場合におきましては、これは七百万円に更正すべきではないかということを調査課は税務署の方に通知してやります。税務署から納税者の方に通知が参ります。そこで一応更正決定の関係は税額がきまるわけであります。それで徴収自体は税務署がやっております。
○神近委員 オデオン座のことに関して、役人とのなれ合いでとかいうようなことが今話題に出ましたが、私が今持っておる事案はありそうな想像が濃厚だというお話でございますので、一つ御調査をやっていただきたいと思うのです。それはタクシー業者で三十一年の六月に一ぺんよそに譲渡いたしまして、そして契約が履行されなかったので、また買い戻したという形なんですけれども、これが黒字の営業で、非常にもうかっているという話ですのに、譲渡税を一銭も払っていないということ。そしてそれには、国税庁のタクシー係というのがあるそうでして、その方が相談に応じてこの書類を一切調製して下さったというような——私これは証拠はなく、うわさでございますので、これからこちらでも調査をしてみますけれども、国税庁の方にもそういう調査係がおいでになるならば、これをはっきりしていただきたいのでございます。これは前から話を聞いていたのですけれども、私どももちょっと手が伸びなかったものですから、私どもに御調査の結果を御報告願いたいと思います。場所を申し上げます。最初は大東観光株式会社が全部で四十二台持って営業していた。これを日進興業に売りました。取引は土地、車、営業権、そういうもので一億近い金になっている。それからその取引の途中で何かいざこざが起ったとみえまして、その中の十七台が前の大東観光、今日の東京タクシーというのに変えてきている。その手続上のことでともかく一銭も払っていないということがひどく第三者から言い立てられて、私どももそういう問題にはちょっとタッチするのがいやで、今までほうってあったのですけれども、どうも国税庁がお手伝いになったという印象が深いものですから、ちょうどそういう話題が出ましたので、御調査を願っておいたらよいかと思いますので、一つ御報告願いたいと思います。
○渡邊政府委員 国税庁には別にタクシー係というものはございませんが、国税局の調査課にいろいろな係が分れておりまして、あるいは国税局の調査課の何係といった点が今のお話のものに該当するのではないかと思います。御要求の点はあとでもう少し住所その他詳細に伺わせていただきますれば、私の方で調査して結果を報告させていただきます。
○山田委員 関連して、調査の衝に当る人に二点ばかりお願いしたいのです。それは実際仕事をやっている場所というのは東京ではありませんで実際に収益はそこで上げているのです。ところが本社は東京にあるという関係で、税の対象は東京の方を中心としているようです。その一つは吉沢石灰という会社です。一つは磐城セメントですが、一体国税庁では所得額についてはどこを対象にして税金をとっているのか。聞くところによりますと、東武電車に積み込んだ数量だけを税の対象にしているという話でありますが、最近は大型のトラックで持ち出す製品が多くて、税の対象になっているところとは全然目安が違っているようですが、この二つの会社について詳細な調査を願いたいと思うのです。
○渡邊政府委員 調査いたします。ただ一言だけ御参考に申し上げておきますが、われわれの方といたしましては、こういう調査のやり方をとっております。納税の場所は本来は本社の所在地、従って本社の所在地を管轄する国税局が受け持っております。ただ会社によりましては、本社はいわば名目的なもので、事業場、支店なら支店、あるいは工場で実質的な仕事がなされているという場合におきましては、納税地指定という制度ができておりまして、たとえば栃木県の足利なら足利に支店があって、本社は東京にあるけれども、それはほんとうに名目だけだという場合には、足利なら足利を納税地に指定するという制度ができております。ただ御指摘の場合が一体それに、当っているかどうかという点は、具体的に調査いたしました上で申し上げます。 それから本社が東京にあり、工場がたとえば群馬県にある場合、本社の方でやはり売り上げとか、販売とか、金融を全部やっているということになりますと、工場が群馬県にありましても、東京の本社の方を納税地にしております。そのときにおきましては、やはり工場の方へは東京からときには調査官が出張するなり、あるいは関東信越の調査官に調査を嘱託するなり、こういうことで仕事をやっております。これは御参考までに申し上げます。
○吉田(賢)委員 渡邊長官にちょっと伺いたいのでありますが、ただいま国会におきましても非常に重大な国政上の問題として取り上げられておりますいわゆる売春汚職の問題であります。これは法務省当局の国会における御説明によりましても、全国の売春業組合から多額の金が中央の団体に集められておるようであります。中央の団体は具体的に申し上げますと、全国性病予防自治会、本部は虎ノ門の十八番地です。ここへ集められまして、理事長などが目下この金を中心にして犯罪の嫌疑を受けて、あるいは拘留せられ、あるいは起訴せられておる者がある。内容はすでに法務省当局の御説明によっても、非常対策費あるいは、転業対策費、国会対策費のために相当額が流されておる、こういうことであって、目下その金額はわれわれのところでは明らかになっておりませんけれども、第一次非常対策費、第二次非常対策費だけでも千万円をこえております。第三次非常対策費その他転業対策費あるいは国会対策費になると七千万円ということも伝えられているようであります。あるいはそれ以上になるかもわからない。そこでこれを税行政の見地から見まして、この種の東京の団体に全国の売春業者の組合及び売春婦自体の醵出も相当まじっておる様子なんであります。こういうものが数千万円東京に集められまして、そしてこれがどこへ使われたのわからない、あるいは国会にまかれたかもわからない、こういうことが今疑いの焦点になっております。そこでこのような集められた金につきましては、私は徴税行政の面から見まして相当検討すべき問題があるのではないだろうか、こういうふうにも考えるのであります。まあこういう程度の私の説明では、あるいは正確な専門的な御答弁は困難かもわかりませんけれども、いま一点補足しますると、いわゆる組合というのは中小企業協同組合法によってするサービス業でありまして、これらは大ていの場合、たとえば例を東京にとれば、東京都庁に向って同法に基きましての協同組合として毎年適当な決算の報告も出ておる様子であります。こういう種類の組合であります。これが政界の買収費が多額に含まれて全国的に金が集められるというようなことは、一体放任しておいていいものだろうかどうか、われわれが汗水をかいて働いたその所得も税の対象にせられるのに、不法な買収費というようなものが転々集められ交付せられて、何らそこに課税の対象にもなり得ない、こういうことで一体いいのであろうかどうか、こういうことに多大の疑問を持っておるのでありますが、長官はいかようにお考えになるか。
○渡邊政府委員 立法府として議論すればいろいろな議論があると私は思っておりますが、現在の法律の解釈としてどう考えるか、国税庁としての立場からしましてその点でお答えしていいのじゃないかと思いますが、私、今お話になりましたその多額の金を集めた団体というのがどういう性格になっておるかよく存じません。しかしおそらく性病何とかということになりますれば、財団法人とか社団法人というものではなく、いわゆる人格なき社団というものに該当するものではないかというふうに想像いたします。これは一つのある目的を持つ人が集まった団体というふうな、その意味において人格なき社団というものに該当するものではないだろうかというふうに想像をいたします。これは間違っていたら別のことになりますけれども、人格なき社団の場合におきましては、従来は特別な規定がありませんでしたが、本年の改正で人格なき社団は法人税に関する関係におきましては法人とみなす規定が入りました。ただその場合におきましても、これは財団法人、社団法人の場合も同じでございますが、課税になりますのは収益事業を営んでいた場合にその収益について課税する、こういう範囲になっております。従いまして、これはよくいろいろな業界などでもずいぶんあるのですが、所属の組合から会費を集める、あるいは会員から会費を集める、それをもってたとえば調査するとかなんとかかんとかに充てる、これは別に収益事業に入りません。収益事業という限りにおきましてはやはり政令で一応こまかい列挙がございますが、物品販売業であるとか、あるいはその他いろいろな業種があげてございますが、そういったような事業を営んだ場合に限って一応その収益について課税する、こういうことになっておりますので、ある人格なき社団がその所属の団体あるいは会員から金を集め、それをどういう人かいろいろありましょうが、それをそれに使った、これでは別に収益事業の問題になりませんので、現行法下におきましてはその場合に課税の問題というものは起きないと思っております。
○神近委員 ちょっと関連して。人格なき社団の問題はPTAだの任意の文化団体などで大へん問題になっております。たとえば結核病者のために、あるいは精薄児童のために金を集めるため映画をかける、芝居をかけるとかいうようなときに課税されることに非常に非難があったのです。それは現に切符の値段や何かの限界で一部免除されることになったように思うのですけれども、その点はここで取り上げないこことして、今非常対策費あるいは国会対策費というものには課税の根拠がないとおっしゃった、団体でも収益をおさめている業種にだけ課税の事由がある。その課税ですけれど、とてもでたらめな課税がされて、たとえば芸者さんの花代は年間十五、六億納められている、ところが赤線業者の年間の納税は七千万円というようなことを聞くのです。こういうことについてはあなたの方では何も御説明いただくような材料はないのですか。
○渡邊政府委員 今神近委員の御質問になりました芸者あるいは赤線といったような税のお話はおそらく遊興飲食税の問題ではないかと思います。遊興飲食税の問題でございますれば、これは御承知だと思いますが、地方税でございまして、府県が課税することになっております。同時に国の機関としては自治庁の方で一応総括してやっておりますので、私の方では直接それを御答弁申し上げる材料を持っておりませんので、要すれば自治庁に御質問願ったらけっこうじゃないかと思います。
○神近委員 あれが地方移管になったのは本年度からでしょう。特殊飲食税を地方に委譲することについて大へん問題がやかましかったのですよ。あれは前々からそうだったんじゃないですか。
○渡邊政府委員 遊興飲食税は一番古くは地方税で発達しまして、たしか昭和十四年だと思いますが、国税として遊興飲食税を課税する制度をとったことはございます。戦争中はずっと国税として遊興飲食税を課税して参りましたが、終戦後地方に移管されまして、現在では府県税になっております。ときどき国税としてこれを徴収したらどうかというような意見の出たこともございますが、結局実現はされませんで、終戦直後からずっと地方税として課税されております。
○田中(彰)委員 先ほどの売春法の件ですが、相当金を集めた人がみんな商売しておるのです。たとえば鈴木明さんという人も商売しておるし、山口富三郎さんも商売しておるし、長谷川康さんも商売しておる。今津一雄さんしかり、石田さんのごときは、別府一という花柳界の商売をしているし、福岡にはいろはという大きなお女郎屋さんを経営している。そのほか石炭鉱業会におけるいろいろな仕事もやっているし、一部金融的なこともやっておるわけです。こういう人たちが売春法実施について国会とかいろいろのところに反対運動をするからといって、たくさんの人から金を集めた。その集めた金は、今吉田委員が言われたように、われわれの聞いているだけでも数千万円だ。数千万円の金を集めてそれをどこにやったか。ここに刑事局長もおいでになりますが、国会議員その他にまいたと言う。ところがもらったはずの国会議員がほとんどもらっておらないということになりますと、一体この金というものはどうなるのか。私はこれは所得だと思う。彼らがこれは集めて国会で使いました、あれはどうしました、こうしましたということの明細を明らかにしないで、それがそのままに済んで、彼らはそれをふところに入れるということになってしまうかもしれない。先ほどの長官の弁明では、それは税法の対象にならぬとおっしゃいますが、これが土地ならどうなりますか。土地の仲介業として幾らの金をもらうという場合には、仲介業によって幾らもらうという規則がありますが、こういう場合もある。たとえばかねてあの土地を買いたいと思っていた、君、これだけの金をやるからあの土地を買うのに骨を折ってくれ、と頼まれることがある。その場合骨を折らないで金を取ってしまうことがあるでしょう。たとえば一万円しかかからないのに、骨を折ったからといって百万円取って九十九万円をふところに入れるかもしれぬ。この場合でも先ほどの長官のお話だとみな税法の対象にならぬということになりますが、これは矛盾した問題ではないか。長官が脱税の一番いい抜け道をお示しになったと思うんだが、これは問題じゃないでしょうかね。
○渡邊政府委員 今の問題について、具体的にどういうふうに金が集まって、それをどなたが受け取って、どういうふうに出したか、この点については私の方はまだ調査ができておりませんし、知りません。私が先ほど申し上げましたのは、吉田委員のお話として性病予防協会というのですか何か知りませんが、そういう団体が金を集めて、こういうふうな使い方をした。そういう一つの個人でなくて人格なき社団に私は該当すると思いますが、その団体が金を集めて、そしてこういう使い方をした場合に税金がどうなるかという御質問のように伺いましたものですから、その団体が金を集めまして使うのと、比較に出すのは恐縮なんですが、たとえばPTAならPTAが金を集めて学校の何かに使うというようなこと、性格は違いましょうが、一応税の性格から見れば似たような一つの性格を持っているもの、そういうようなものでございますれば、課税の問題は起らないと申し上げたのであります。それが今あなたのおっしゃるように、それは団体でなくて、甲なら甲という人が、個人として、あることをしてやると言って金を集めて、実際使った金はこれだけで、残った金はこれだけある、こういった問題になれば、ちょっとまた違った問題として考えてみなければならないのじゃないかと思います。吉田委員のお話は、繰り返して申し上げるようでございますが、そういう団体が金を集めて団体として使ったというお話のものでございますから、その場合におきましては結局収益事業課税ということはございますが、そういう以外の課税の問題はございません、こういうお答えを申し上げたわけでございます。
○田中(彰)委員 そういうような協会の名前を利用して金を集めたのですが、使った金は協会そのものが使っているのではない。個人があそこの代議士に幾らやるとか、ここのところには幾らとか、旅費に幾らかかったということをやって、協会の名前で集めたけれども、使った金は協会そのものの法人がやっているのではなく、団体がやっているのではなく、個人がやっているのです。もし今長官の言われるように、これが税の対象とならぬとすれば、協会はこれだけの金を何百人から集めたものだから明細がなければならない。その明細で、集めた金を、どこへ幾ら使った、どこへ幾ら使ったと公けのところへ使ったものであれば、今長官が言われるように税金は要らぬかもしれない。けれども税金の要らない対象とするには一体幾ら集めたのか、協会の名前で集めたものならばちゃんとわかっているはずなんです。それからそれをどこへ使途したのかということで税を免れるのであって、結局はやはり使った金は学校でもちゃんと明細にして報告しているはずなんです。ここに刑事局長がおられますが、専門の方に申し上げておかしいが、私は売春法の捜査は手ぬるいやり方だと思う。第一に金を集めたことがわかっている。集めた人はどこから集めたのか、そしてそれをどこへ使ったのかということがわかっているはずです。もしわからないとすればそれは横領になる。ところがまだ横領の告訴はされていない。使わないものを便ったとうそを言ったら詐欺というものが上ってきて、それの処分を受けるのがいやなら、どこへ金をやったということを明らかにせよ、こういう行き方をすべきではないかと思う。また脱税をやれば——国税庁でも若い役人なんかにいろいろなことを言われるとすぐお取り上げになって、お取り上げになった事件の六割、七割くらいまでが無罪になっております。そういうものでもお取り上げになるくらいだし、国税庁とも密接な関係もあるので、たとえば石田さんが向うで商売をしているについて、集めた金の使途を言わなかったら、すぐに国税庁をして命令を出させて、調査でも家宅捜索もできるのですから、脱税じゃなくてもいいのです。家宅捜索をしてその帳面を調べれば、商売の金がどこから集まって、どこにいったかがわかり、相当な効果を上げることはできたと思う。ところが、ふだんは小さい会社なんかをおいじめになるのはなかなか検察庁はうまいのですが、大きな事件になるとずいぶん手抜かりがある。私は、国税庁あたりも、今後そういうような問題について、税金というものを対象にお考えにならぬと、そういうようなものが、単なる協会というような名前を使って、協会でうんと金を集めて、それでもってただあそこに金を使ったということになれば、全部税金が抹殺さることになる。それは確かですよ。協会だとか、PTAとか、そういうものの税金は、確かに取らぬでいいと思う。とらないでしょう。とらないかわりに、どこから集めた、集めた金はどこに使途されておるか、これが明らかにならなければならぬ。公けの、税金の対象にならぬところに使われておって初めて税金なんというものはとらぬでもいいと思う。そういう集めた金を、全部自分で財産を作ったり、あっちにビルを作ったり、こっちに借家を作ったり、別荘を建てたということになると、これに対する税金というものをお考えにならなければならぬと思う。これが使途が明らかであって、初めて免税されるのであって、協会の名前を使って集めたけれども、どこから集めたか、集めたものの名前を一切言わない、使ったものも言わない、集めたことは事実だということになると、ここにやはり査察とか、調査というような、国税庁の面からその活用をなさるのが当然であり、また検察当局も、そういう者は、横領であるとか、詐欺であるとか言わなくても、集めた者がわかっておるのですから、そういうこともお調べになって、国会議員でとっているのは社会党がとっていようが、自由党がとっていようが、おやりになったらいい。もう一つ私は非常に今度のあれで遺憾に思うのは、あなたの方で眞鍋儀十君の延長を何もおそれぬで申し出られればいいと思う。わが党は延長を申し出られれば、どうぞおやり下さいと必ず簡単に許可したと思う。しないときには社会の問題なんです。非常にそれを重視せられたのか、そういうことをおやめになったので、第二の指揮権を発動したように、何らかその売春法の金をもらっているのは自由党のみであるような感じを与える。自由党がいいかげんにやったような感じを与える。調べてみれば、全購連のように社会党もあるかもしれない、自由党もあるかもしれない。社会党の議運の人々がおって、国会議員の身分を保障する上においてはけっこうだと思うが、一応延長も届けをしなさい。届けをしたらすぐ何も言わず許可してやろうということが、議運の社会党の諸君も自由党の諸君もできなければならぬ。非常に重視されてあなたの方がなさらない。議運もそれをけっておるということで、非常な社会の誤解を得ておる。国会議員の身分の信用上に大きな影響だと思う。そういうようなものも税金の方からもう少しお考えになられないと、今度はこういうことが非常な脱税の一番いい逃げ道になる。協会の名前で集めた金を、どこへ使って、だれが使ってもいいのだ、もしこれが刑事事件が起きてから、黙否権があるからといって言わないで、渡した人間が出てこなければ、税金の対象にならない、集めたものは、一割かそこら使って、あとは私腹を肥やして自分の財産を作っても税金の対象にならぬということは問題じゃないかと思う。長官、今後こういう問題はたくさんあろうと思いますから、よく御研究して下さい。これは確かに税金の対象にならなきゃならぬという考えを持っております。徴収部長もお若いから、そういうこともよくお知りにならないかもしれぬが、よく研究されないと大へんな問題になりはしないか。これをこの際放任されること自体がおかしい。決算委員会の方も、社会党の研究された方もおられるから研究してみますが、どうか一つこういうものを対象に研究して下さい。僕の聞くところによると、金がたくさん入って調べられておる人が、今長官の言われるように協会を利用した。それで一部分の金を便って、あとは商売に入れてやっておるというような報告が来ておる。決算委員会はそういうところと違いますから申しませんが、刑事局長から一応そういうものに対してどんな御見解を持っておられるかお聞きしたい。
○竹内説明員 お答え申し上げます。全性連、全国性病予防自治会連合会が非常対策費ということで、三十年と三十一年の両年度にわたりまして金を集めております。また転業資金という名目で三十一年、三十二年にかけまして多額の金を集めておるということは、すでに捜査の結果明白になっておるわけでございますが、この金は、その中の若干の部分が政界方面の工作費というような趣旨で使われておるんではなかろうかという推測も、これまた出ておるのでございますが、もちろん工作費のみにそれらの金が使われておるのではないと思うのでございます。そこで、ただいま東京地検が捜査しております中心点は、これらの使い道を解明するというところにあるのであります。ただいま税法との関係につきましていろいろ御疑問があるわけでございますが、もちろん税法関係の違反を無視しておるのではないのでございますけれども、ただいま東京地検におきましては、もっぱら使途の解明に努めておる段階でございます。この全性連がどういう性格の団体であるかという点も、捜査の対象でございます。税法との関係におきましては、全性連が団体としてどういう性格のものであるかということと、その使い道がどういうふうに使われておるかというようなことが明らかになりませんと、国税庁におかれましても、この集められた金が果して正当の課税対象となる所得となるかどうかという点につきまして、はっきりした見解をとり得ないのではなかろうかと私どもも存じております。従いまして、これらの関係が明らかになって参るにつれまして、国税当局にも御連絡を申し上げることと相なろうか、かように考えております。捜査につきましては、もっぱらただいまのところは使途の解明というところに重きをおいて進めておる次第でございます。 〔委員長退席、坂本委員長代理着席〕
○田中(彰)委員 刑事局長さんに申し上げますが、私は、いろいろな体験から見て、検察官は堪能な方がおられると思うが、ただ日本の裁判所、検察官に欠けたものが一つある。それは、いかに経済に対して暗いかということです。経済問題になると、みな最後にいって逃げられてしまう。大きな経済の問題で帳面を調べるようなものでは、最後に逃げられる。今国税庁長官からちょっと説明を聞いても、長官のような専門家でも、これは税の対象になるのかならぬのかわからぬというような一つの団体を彼らは使ってやっておる。そのような数字的なものが出てきますと、そう申し上げると非常に失礼ですが、現在のわれわれが考えておる検察庁は、だめだ、だから、やはり国税庁あたりと御相談なさってそういう専門家によって中をお調べになると、案外あなた方がお考えになっておらないことが出てくると思う。非常に経済面に対してはあれなんです。そういう関係上、非常に国税庁も得しておることも損しておることもある。経済問題に暗いから、脱税なんか起訴する場合に、こんなにたくさん帳面を持って行って、ちょっと一言二言言って検事に起訴さしてしまう。引き受けた検事でも、小学校の生徒が幾何学をやるようなことで、何がなんだかわからなくなって、しまいにはおっぱなしてしまう。国税庁も、長くなるとわからなくなるというようなことである。これは、もしこの捜査を徹底的にやられるならば、経済の専門家に、彼らの元とする巣くつのその帳面を引き揚げさせて、それと伝票を全部お調べ下さって原稿をお調べ下さったら大ていおわかりになるはずだと思います。とてもあなたの方だけでやられたのではだめですよ。実に暗い。今の河合良成君が若いときに何かで引っぱられて無罪になりましたが、そのときに彼は新聞でもって四十日間たたいた。いかに検察陣が経済に暗いかということをたたいた。私はあのころの新聞の切り抜きを持っておりますが、今はそうではありませんよ。今は非常に明るい人もおりますが、あの当時の検察陣というものは全く暗かった。それは法律家に経済をやれということは無理なんですけれども、これをお調べになるには一つ国税庁の知恵をお借りになって——これはからむのですから、何も国税庁の方が税金を取れというのではないですから、そういう不安なものに対しては集めた金と使途というものを明快にして、これは税の対象にならぬ、これは税の対象になるということをお調べになっても、これは別に大した違法にも何にもならぬ。そういう点でお調べになればあがりますが、さもなければちょっと工合が悪いんじゃないかと私たちは考えております。
○神近委員 さっきの公定領収書の徴税の問題ですけれども、芸者が十五億といわれる額をとられていて、特飲街が七千万円というのはあまりアンバランスが大きいと思うのです。それできょうは自治庁がお祝いでここへ御列席になりませんので、書面でこれを要求してそういうような解明をしていただくようにお取り計らい願いたいと思います。
○坂本委員長代理 今の点はあとで委員長から……。
○吉田(賢)委員 引き続いて長官に伺いたいのですが、長官はさきにPTAの例をお引きになっておったようでありますが、今の売春汚職の問題は、そうして金を集め散布した問題は、PTAに比較しますと、少しく印象はぼけ過ぎるのであります。出した組合ないしは個人におきましても、やはり国会なり政界のいわゆる買収費というようなものを組んでおるとするならば、これは全く公序良俗に反することでもあります。そういうような場合に、まず出した側におきまして、これは適当な経費として出したのであろうかということは、これは明らかにすることが必要ではないだろうか。金額も莫大なことになっておるし、また金額のみならず、やはりこれは国政の一環としまして、検察庁が犯罪捜査に当る。しかしあなたの方はやはり税の行政に当っておられるのですから、従って公序良俗に反する疑いあるそういうような経費が全国から数千万円集められて、そうしてどこへいってしまったかわからないというような事態が今日現実に起っておるわけですから、これはあなたの方としましては、まず出した方の面に対してどういうような事情であったか、あるいはどのくらいの金額であったか、どういう趣旨であったか、どういう目的であったかということを明らかにせられることが至当でないかと思うのですが、それはいかがなものでしょう。
○渡邊政府委員 出した方の関係は、結局これは個人の場合でございますと、そういう業者の一つの事業費と見ているわけでございます。従って所得の計算の場合は収入金額から必要経費を差し引く。それで今のような経費が必要経費に当るか当らないかは、これはもう私は当らぬという色彩が強いと申しますか、当るという点については疑問である。必要経費としてこれを控除していいか悪いかということになれば、これはむしろ消極的に解したい、こういうふうに考えます。ただこれが納税者の方としましても、果してこれを商売の方の必要経費として出しているか、あるいは個人の普通の所得の中からのポケットから出しているか、個人的な寄付のような意味で出しているか。あとの方でありますればこれはもう納税者、出した方に対する関係においては税の問題は出てこないわけです。必要経費として引いてくれといって向うが主張してきた場合に初めてわれわれの方に、一応引くか引かないかの問題は別として、問題が提起される。初めから向うから経費として引いてくれという主張をしておりませんければ、われわれの方には出した方の側としては問題は出てこない、こういうことになります。
○吉田(賢)委員 これは例をあげますと少し長くなるのですが、私の方も若干都下の出した方の組合の醵出の趣旨、金額などを取り調べたのです。これはやはり非常対策費というような名目になっているものもあるわけなんであります。従ってそれは当然経費として計上しているわけでありますので、隠微のうちに出されているポケットマネー式のそういうものではない面もあるわけなんです。しかしまた同時に別の名前の費目の計算もしいられている組合もあるわけです。そこでそれは実情としましてはかなり雑多なんですけれども、概していえば、やはり非常対策費というものあるいは転業対策費ないしは転業資金とか国会対策費というようなものではないといたしましても、いろいろに分れているわけなんですが、結局これは一番最初に申しましたごとくに政界の工作費なんです。一品に申せば政界の工作費として醵出を全国的にしいられているわけであります。そこでもしそういうようなものでありとするならば、これはそれが表向きに出ているものもあるし、あるいは出ておらぬものもあるが、実質は出ていると判断し得る、推測し得るような根拠があるような場合には、あなたの方としましては、これは各組合が全国にありまするが、一応全国的にこの点をお確かめになるということはなさいませんでしょうか。その点いかがでございましょう。
○渡邊政府委員 いろいろ問題になっている点でございますから、私の方としましても一応調べてみたいと思っております。しかし非常に全国に数多く広がっておりますから、全国一ぺんに手をつけるか、まずとりあえず一部から手をつけるか、調査のやり方等につきましては私の方としましては研究してみたいと思いますし、御意見があれば伺ってみたいと思っております。
○吉田(賢)委員 たとえば東京都におきましても都庁の経済局に届け出ているものも相当ございます。その中にはやはり今私が指摘し申し上げましたような趣旨に記載されているものもあるわけです。そういうような記載がないけれども、また別の問題について出ておるものもあるわけなんです。また全国的にこれを見ますと、たとえば第一次非常対策費にいたしましても、連合会及び連合会の組合四十七から出ております。これはあなたの方からするならば、たとえば名古屋なり大阪なりそれぞれの国税局管内では、一挙手一投足でつかみ得ると思うのであります。同時にこの問題は、もしそのようにしてお確めになるということであるならば、これは私の方の持っておる資料も適当にお見せいたします。これによって、お調べになることの端緒、というよりも参考にもなるのではないかと思うのであります。それはぜひ一つ早急に御実行願いたいと思います。この種の問題につきましては、やはり日がたてばなかなか困難になります。こういう世相にかんがみまして、いろいろと手数をよけいにかけるような事態になってしまわないうちに、一つ確認をするような方向へ進めていただきたいと思います。これは出した方の問題もあろうが、同時に使った方の問題との関連もあります。さらに進んでは、それを散布、受けた側の問題もありますけれども、これはあなたの方としてはちょっと至難であろうと思いますし、その点につきましては、また一部刑事事件などが起っておりますので、その方から一部分は明瞭になる分があろうと思いますけれども、これは私の方としては、しいてあなたの方に御要請し、もしくはお尋ねすることは差し控えておきたいと思います。いずれにしましても、最初に申し上げました出した方の側におきましては、協同組合を対象にしてお調べになれば何でもないことであります。これは申すまでもないことですけれども、協同組合法によりましてそれぞれ届け出をやっております。協同組合を作っておらないところは、それはできておりません。しかし有力な府県におきましては、協同組合を作っております。何でもないことなんであります。それは一つ早急にやっていただいて、そしていろんな一般国税徴収並びに国政調査の全体の参考にしたいと思いますから、当委員会に対しましても早急にその結果の御報告を願いたいと思います。が、これはいかがでございましょうか。
○渡邊政府委員 私、実はその全体の構成をよく存じておりませんので、非常にうかつなものの言い方になるかもわかりませんが、協同組合ができておれば、これは比較的調査はしやすいのではないかと思います。それから、各業者について一々全部直接調べてみなければならぬということになりますと、これは相当数になりますから、そう簡単な仕事じゃない。しかしお話のように協同組合を中心にして調査をすれば、大体輪郭でもあれ調べられるのだということならば、それほど大きな手数じゃなしに調べられるのではないか、かように思っています。
○吉田(賢)委員 たとえば東京都におきまして、大体今組合は十六になっております。届け出を事実上怠っておるものもありますけれども、これはほとんど全部届け出をいたしております。従っていなかの、そういう観念のあまり進んでおらぬ地方を除きましては、全国的に協同組合を組織しまして、そして今申しましたようないろいろな財務諸表を全部届け出をいたしておりますから、早急に一つお調べを願いたい、そして提出していただきたいと思います。それはよろしゅうございますでしょうか。
○渡邊政府委員 けっこうでございます。
○吉田(賢)委員 それから刑事局長に伺いますが、たとえば今の非常対策費でありますが、非常対策費として拠出されておるその内容におきまして——これは検察庁においてもすでに明らかになっているものと思いますけれども、たとえば第一次非常対策費、四百二十万円ばかりになっておりますが、この中には、顧問料が六十五万円、選挙関係費が十六万八千余円、理事長等への非常手当が百七十万余円、その他、法律問題研究費三十万円というようなものが上っておるのでありますが、売春業者の協同組合の非常対策費で選挙関係の費用が使われるというようなことは、普通の常識から考えまして、目的に沿わないこと明瞭だというふうにも考えるのであります。こういうことは、すでにあなたの方としましては——あなたというよりも検察庁におきましては、証拠も特に入手されておることであろうと思うので、この辺については明確になっておると思いますが、いかがでございますか。これは業者の普通の経費としましては、明らかに見当はずれの経費のようにも考えられる。これは決算書でありますから間違いないと思いますが、いかがでしょうか。
○竹内説明員 ただいま吉田委員から、拠出された金の内訳につきまして、顧問料、非常手当その他項目別にお話がございましたが、検察庁におきましても、決算書に出ております費目が果してその通りであるかどうかというような観点から、内容を検討しておるようでございます。これはいずれ明らかになることでございますが、そのような段階になりましたならば、もちろん国税庁の御当局にも御連絡いたしていくことになると思います。ただいまのところは、この内訳をここで申し上げますことは、捜査の内容に触れます問題もございますので、差し控えさしていただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 私があなたに御所見を求めたのは、今国税庁の方で幸いにも、あちらこちらの組合関係のそういう数字を確認してくるということになりましたので、これが参考に一つ事例をあげて、かくかくの性質のものが公けに支出されておる。選挙費用に使われるという名目で公けに支出さえされておる。また非常手当が百七十万円も、理事長などに出されておる。そういうようなことになっておりますので、国税庁におきましても、国税行政の見地から見まして、一つの手がかりと申しますか、そういったことの一端にもなろうかと思って、まああなたに確認というと語弊がありますけれども、すでにもう客観性があるものと思いまして、お尋ねした次第なんでありますが、これを検察庁の調査の段階において、そうであるかどうであるかを明確に御答弁なさることがお差しつかえであるというなら、それはいいと思いますけれども、いずれにしましても、これは公けにされた決算書であります。決算書であるから、一種の疑いをもって見るということは、ひとり検察庁のみならず納税事務を扱う当局におきましても当然だろうと思います。それで伺った次第なのであります。 それで長官にちょっと申し上げますが、便宜こちらの方で持っておる資料もありますから、それはお見せしますから、御参考に願いたいと思いますが、よろしゅうございますね。
○渡邊政府委員 あとで一応係の者にお伺いさせますから、そこでいろいろ御要求の点につきまして、もう少しポイントを明確にして御要求を願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 それでは至急に一つ作業をやっていただいて、当委員会に報告してもらいたい。
○坂本委員長代理 ほかに御発言もありましょうが、本会議の関係もありますので、大蔵省所管につきましての質疑は、本日はこの程度としまして、散会いたします。 午後一時三十二分散会