外務委員会 第2号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/11/07
会議録
○野田委員長 これより会議を開きます。 最初に、一昨日提案理由の説明を聴取いたしました在外公館の名称及び位置を定める法律の一部を改正する法律案を議題として、質疑に入ります。通告によりまして質疑を許します。戸叶里子君
○戸叶委員 日本が国際的に地位が上りまして、そしていろいろな国と正常な外交関係が結ばれてくることは、大へんに喜ばしいことだと思います。外交関係が結ばれてくるにつれて、大使館や公使館がだんだんにできてくるわけでございますけれども、ここで私ちょっと知っておきたいことは、わが国の在外公館の大使館と公使館の数は大体どのくらいあるかということを伺いたいと思います。それからもう一つ伺いたいことは、この日本の国にある外国の大公使館の数もついでに伺いたいと思います。
○田付政府委員 お答えいたします。ただいまお話のありました最初の御質問、つまり日本がどのくらい大使館、公使館を外国に出しておるか、これは法制上、つまり法律上置くことができるということになっておる大使館の数は四十一、公使館の数が三十七ございます。しかし実際上置いております大使館は三十八、公使館は三十二で、従ってまだ夫開設のものが、大使館が三、公使館が五つございます。ただしその間には兼館をしておるものがございまして、実際上大使なり公使が行っておりますのは大体大使が三十六、公使が十六ございます。 それからわが国に公館を設置しております国が六十三ヵ国ございます。ただしこの中には兼摂国、つまり日本には実際上公使がいなくて、ほかの国の公使が兼摂しているのがございます。
○戸叶委員 法律上きめてあるけれどもまだできていないという未開館の理由は、どういうわけですか。
○田付政府委員 未開設の大使館の方はインドネシアと大韓民国とポーランドでございまして、インドネシアは御承知の通りまだ全部外交関係が回復しておりませんので、総領事館が今やつておるわけであります。大韓民国は、よだ韓国と話し合いがつきませんので、政府代表部がまだ向うにできておつない。ポーランドは近く出すことにはっております。公使館の方は南アフリカとイエーメン、エクアドル、チュージア、モロッコでございまして、南アフリカは総領事館がございますが、まだ両方で公使を交換するに至っておツません。イエーメン、エクアドル、チュニジア、モロッコは、まだ実際上公館を出す必要がないというか、それほど重要でないというので、まだ出ししおりません。
○戸叶委員 それらの国で最近大使館はり公使館のできそうなところはどこですか。
○田付政府委員 ただいま申しましたように、最近できますのはポーランドの大使館、そのほかには今のところ考えておりません。
○戸叶委員 日本には一応向うの在外ム館があっても、日本で向うにないというようなところも、たとえば韓国というようなところがあるわけでございますけれども、そういうような点で非吊に一方的で不利な点などがあるのしゃないかと思うのです。こういうふりな点については外務省ではどういうふうなお考えでしょうか。
○松本政府委員 ただいまのところまた正式には正常化されておりませんか、一応韓国の場合が一つと、それかりノルウエーの場合が一つございます。ノルウエーは北欧三カ国——かつてこれを総括して一人の公使がやっておったのでありますが、これは早晩設置したいと思います。韓国の場合はまた日韓会談も十分軌道に乗っておりませんので、先のこともまだ見通しがっきませんので、一応保留してある次第でございます。
○戸叶委員 韓国との関係はだいぶここでも問題になって、私も了承しておりますけれども、やはり日本には韓国の大使館ですか公使館ですか、代表団かあって向うにないためにいろいろな問題がスムーズにいくようなのもいかないというようなこともあるのじゃないかということをおそれるものですから、なるべくそういうことがないように相互主義的な方法をとっていった万が、日本としてもやりよいのじゃないか、こういうふうに考えますけれと、その点はいかがでございますか。
○松本政府委員 御承知のごとく韓国との関係は非常に微妙な段階にも入っておりますし、今までの交渉経過からいたしましても、まだしっくりいってない点がございますがただいまのお祝を十分勘案いたしまして、できる限り相互的にやりたいという建前で進みたいと思います。
○戸叶委員 そういうふうな問題を私が出しました理由は、抑留者の問題なんです。ただ抑留者の問題を早く解決してほしいというようなことから考えられるわけですけれども、抑留者の問題は大体どういうお見通しを持っていらっしゃいましょうか。
○松本政府委員 この問題はすでに数年にわたりましていろいろ折衝しておるわけであります。大村収容所に収容されております韓国の国民との交換条件、さらに治安の問題その他いろいろからみ合っておるわけでございますが、全力を注いで今日までいろいろ折衝してきておりますが、根本の問題が解決しないために、そこまで話が進まないことを非常に遺憾に思っております。
○戸叶委員 そうすると、当分の間抑留者の問題については解決がつかないということですか。
○松本政府委員 最善の努力は尽しておりますが、まだ見通しは今日のところではございません。
○戸叶委員 この問題はいずれまたほかの機会に伺いたいと思いますけれども、この提案理由の説明の中にもありましたように、最近は非常に公使館から大使館に昇格せしむるような傾向が強い。その理由は、先方からの申し出があるということと、それから外交上有利であるということと、世界的趨勢であるという三つの理由をあげていらっしゃるわけでございますが、この外交上有利であるというような点——公使館から大使館になったために非常に外交上有利であるという点があったら伺いたいと思います。
○松本政府委員 それは大使と公使の場合は一応格をつけておりますので、先方の出先の政府との交渉の場合におきまして大使に対する取扱いと公使に対するところの取扱い、すなわち資格の問題でございます。たとえば大使であったならば、もっと上の人と直談判ができるというような便法もございます。
○戸叶委員 大体、向うから大使の形で出ていれば日本の方も大使の形で出ているというふうな形をとっているわけですね。相互主義をとっているわけですね。今おっしゃるのによりますと、公使としての交渉よりも大使としての外交上の交渉の方が便利だということですか。
○松本政府委員 その通りでございます。
○戸叶委員 そうしますと、何かそこに実質的な権限の相違というようなものは別にないわけですか。
○松本政府委員 権限の相違というのはございませんが、取扱い上の問題でございます。
○戸叶委員 そうしますと、私らのしろうと考えですと、公使館なんてものはなくなってしまって、みんな大使館だけにしちゃった方がいいのじゃないかというふうに考えるのですけれども、それは間違った考えでしょうか。
○松本政府委員 世界の趨勢がだんだんと——仕事の内容の実質におきましては変りはないのでありますが、ただ格の問題で片方が少し程度が高い、低いというだけの相違だと思います。従ってそれに対する取扱いが変ってくるということでありますが、原則としましては趨勢に従って大使館に昇格する方がいいというような大体の建前でございます。
○戸叶委員 そうすると、日本の方から先方の国に対して、それじゃ大使館にした方がいいと言ってみんな大使館にさせるということもできるわけなんですか。
○松本政府委員 一応それもできるはずでございます。
○戸叶委員 そうすると、問題は非常に格の点で有利だということになれば、日本の方からでも申し入れて、そして公使を廃止してしまって大使館にということにしたらいいと思うのですが、そうなると予算上に非常に影響してくるということになるのでしょうか。
○松本政府委員 私、できるはずであるということを申したのでありますが、そのはずというのは予算措置等ももちろん承認を得なければできないことでございます。
○戸叶委員 そうしますと、日本のような財政の乏しい国ですと、先方の方から大使館にしようじゃないかというような話し合いにだけ応じていて、日本の方から大使館にしようじゃないかということを言えない立場なんですが、もう少し積極的にやってもいいんじゃないかと思うんですけれども、どうなんでしょうか。
○松本政府委員 いろいろ内容がございまして、俸給の問題等は、中には古い公使の方が新しい大使よりも俸給が上の場合もありますので、俸給の方はさほど問題はないのですが、設置法の問題等が起る問題であります。できることならつり合いもございますが、先ほど申しましたような建前で、趨勢に従って順応したいという気持でございます。
○戸叶委員 今度の提案理由の説明を見ましたところが、ポーランドと、それからチェコとの在勤俸については、当分ソビエトと同額ということになっているようです。この説明書の中では今のところいろいろな生活状態、物価の状態などを調べた上できめたいけれども、今はっきりした数字がないから、大体ソ連とポーランドとチェコは同じような程度に考えて在勤俸をきめたというふうにしるされているわけでございますけれども、私よくわかりませんけれども、ポーランドの方の為替レートから見ますと、ポーランドの生活費というものは幾らか高いのじゃないかというようなことを、自分がほんのわずか訪問した経験を通して感じたのですけれども、この点はいかがでしょうか。というよりも、もう少し詳しく伺いたいのは、たとえばソ連の場合ですと、日本の九十円がソ連の一ルーブルですね。この機会ですから、ちょっと伺っておきたいのですが、チェコの場合には日本のお金の相場と比べてみて大体どのくらいになっているか、ポーランドと比べてどうなっているかをちょっと伺いたいと思います。
○松本政府委員 ただいま御質問の通りかなりでこぼこがあることは事実でございまして、これは正確なものではございませんので、暫定的措置をとったわけでありますが、こまかいレート等につきましては政府委員から答弁いたさせます。
○中川説明員 ただいま御指摘の点でございますが、ポーランドは一ドルが二十四ズロチー、チェコはコルナと申しますが、これはレートが二つございまして、そこに在住している人のレートは一ドルが七コルナでございます。それから旅行者レートというのがございますが、これは一ドルが二十一コルナになるのでございます。ただし在住している人でありましても、旅行した場合には、たとえばプラーグに在住している人かカールスバードという温泉場がございますが、カールスバードに行って泊った場合には二十一コルナに変るというような複雑な為替制度になっているのでございます。ただいまの物価の感じでございますが、これは確かに戸叶先生のおっしゃいますように若干ポーランドの方があるいは高いかとも思うのでございますか、しかし実際住んでみませんと、ショーウィンドウやいろいろな物価の値段だけで在勤俸を決定いたしましても、いろいろそこで買えないものがどうであるかとか、家賃やサーバントの費用がどうであるかとか、交通運搬なんかの費用がどうであるかとか、ちょっと行っただけではわかりかねるものもございますので、とりあえず鉄のカーテンの中にあるというのでモスクワ並みということにいたしまして、いろいろ資料を整えました結果、来年度あたりから新しいレートに基きました公正な在勤俸を決定したい、こう思っているわけであります。
○戸叶委員 大体これは一時的なものと了承しておきます。この案を見ますと、同じ東欧でも、ユーゴについてはこれらに比較すると大へん少いようなんですけれども、これはそれでかまわないわけなんでしょうか。
○中川説明員 ユーゴにつきましては、すでに開館五年くらいになりますが、現在のままで差しつかえないと存じます。
○戸叶委員 大体の標準というものを伺いたいのですけれども、たとえば日本から在外公館に出て大使館なり公使館に働いているわけなんですが、その出先機関で得る月給というものは、ほかの国の大体どの程度の国と同じくらいの月給をもらうわけですか。たとえばもう少し具体的に申し上げますと、アメリカならアメリカへ日本の大使館なら大使館として、公使館なら公使館として、あるいは領事館へ人が行くわけですが、その場合にそこの館員の標準というものは、アメリカへ行っているどの国の標準くらいの生活ができるものなんですか。たとえばインドとかビルマとかいうところを例にとってみますと、大体どの程度の生活水準を考えてきめられているものですか。
○中川説明員 ただいまの点でございますが、その点の資料を持って参りませんでしたので、ごく大体の感じだけ申し上げますと、若干間違いがあるかと思いますが、大体の標準はスイスとかベルギー、あの辺をちょっと下回る程度でございまして、ドイツ、アメリカなんというのは非常に多うございます。これは場合によっては日本の二倍くらいもらっておるはずでございます。イギリスなども大体日本の一・七、八倍見当じゃないかと存じます。ちょっと今正確にはあれでございますが、大体一・七、八倍見当の在勤俸をもらっておるのじゃないかと思いますが、詳しくはあとで数字を調べまして御返事申し上げます。
○戸叶委員 私これを伺いました理由は、在外公館の費用をきめるのに当って大蔵省の方では大へん多いと言うし、また外務省の方では大へん少いというようなことで、いきさつがあるというようなことも聞いていますし、また人によっては非常に少いということを言う人もあるし、また潤沢だというようなことをいろいろ言う人があるわけなんです。私どもがいろいろ回ってみました範囲内におきましては、上の方は何とかかんとかやっていらっしゃるにしても、下級館員の方は相当窮屈な生活をしていらっしゃいますね。それでそういう方たちはもちろんりっぱな人に行ってもらわなければ、向うでだれにでも信頼されるような人に行ってもらわなければ困ると思いますけれども、そういう人が行ったと仮定してみましても、そういう方々に対してもう少し何とか考えてあげなければ気の毒だと思うのです。ことに非常に不便な地域なんかべ行きまして、気候の悪いところなんかへ行って病気になっても思うような養生もできない。あるいは自動車の便も非常に悪い、家もないといったような困った様子を見た場合が私あるものですから……。それで日本もこれからだんだん国際的な仲間入りをしていった場合に、海外に出てあまりみじめな生活をするというのもどうかと思うものですから、これを参考までに伺ったわけなんでございます。
○松本政府委員 ただいまあげられました質問の内容に関しましては、われわれもひとしく頭を悩ましておるところでありまして、御承知の通りわが外務省の予算というのは実に少いのであります。これを外国の例と比較してみましても、アメリカ合衆国のパーセンテージは日本よりも少うございますが、絶対の額というものはもちろん多いのでございます。それを除く他の国と比較してみましても、日本の予算がパーセンテージからしては一番低いのであります。そういうような意味からいたしまして、出先の下級公務員等あたりの手当等に対しては、非常に苦心している点でございますが、でき得べくんば何とかして一つ予算を少しふやしまして、こういう問題を解決していきたい、こう考えます。
○戸叶委員 先ほど中川さんがおっしゃいましたあの資料は、参考までにあとで何かの機会に見せていただきたいと思います。 マラヤ連邦のことが出ていますけれども、マラヤ連邦との経済関係はどうなっているかということを少し伺いたいと思います。たとえば貿易の現状はどうなっているかということと、それから将来どの程度の発展性があるかということを伺いたいと思います。
○田付政府委員 ただいまおっしゃいましたマラヤ連邦との直接の貿易関係は今のところはっきりした統計がございません。実はシンガポールと一緒になって出ておるものですからはっきりしておりませんが、しかし今までマラヤ連邦からゴム、すず、鉄鉱石等の原料を買っておりまして、日本側からは繊維品、雑貨類を輸出しておるわけでありますし、マラヤが独立いたしまして今後マレー人及び中国人、インド人等の国家として日本と非常に親密感を持っておりますので、これらの意味からも日本とマラヤ連邦との間の経済的関係は、もちろん非常に緊密になっていくと思っております。
○戸叶委員 そうすると、今後の貿易の見通しというものも、非常に多くなり得るということでございますか。
○田付政府委員 その通りでございます。
○戸叶委員 もう一点伺いたいのでございますが、日本とソ連との関係が正常化いたしまして、そして向うに大使館が設置されたわけですけれども、大体何人ぐらい向うに詰めていられるのでしょうか。それは、私あとの機会に大臣にでも伺いたいと思っていることは、行方不明者の問題の調査のことなんかもあるものですから、大体幾人ぐらい詰めていらっしゃるのか。それから現地雇の人がいるかどうかということを伺いたいのです。それからついでに伺いたいのは、ソ連の方の駐日大使館には大体幾人ぐらい詰めているか、お伺いしたい。
○田付政府委員 日本のモスクワにおります予算定員は二十名でございますが、ただいまおりますのは十七名であります。現地雇は、向うの人の数はまだはっきり報告を受けておりませんが、日本人が六名おります。それから向うからこちらの東京におります在日大使館の人数は五十五名でございます。
○戸叶委員 日本のソ連にある大使館に五十五名いるというワクはないのですか、あるのだろうと思うのですけれども……。
○田付政府委員 双方に交換する限度として五十五名というワクはございますが、予算定員としては二十名、そのうち十七名が今おります。
○野田委員長 山本利壽君。
○山本(利)委員 まずマラヤ連邦のことから聞きたいのですが、今度これが独立して大使館を置かれようというのに、私は今の戸叶さんへの御答弁はまことにずさんであったように思うのです。これは与党の方からこういうことを言うのは責めるようですけれども、もう少しいろいろな資料は詳しくお調べになっておく方が、今後もいいのではないかと思うのです。それでシンガポールと一緒になっておるからということでしたが、今シンガポールには総領事館があって、今まではシンガポールの方の総領事がマレー半島の方の何をやっていたように思うのですけれども、今後シンガポールとマラヤとの関係は一体どういう工合になるものであろうと外務省は見通しをつけておられるか、その点から承わりたい。
○田付政府委員 お話の通り、実は今ここに貿易統計表を持って参りませんものですから、はなはだずさんな答弁を申し上げて申しわけございませんですが、今お話のマラヤとシンガポールとの関係でございます。実は目下のところマラヤの方だけは独立いたしまして、そこに今度大使館を設けるということになったのでありまして、シンガポールの方は依然として前の総領事がシンガポール地区だけを管轄して、残るマラヤの方は独立国家として大使館を設ける、こういう格好でございます。今後イギリスの方といたしましてマラヤと一緒に、シンガポールをマラヤの独立の方に加えるものか、あるいはシンガポールをさらにこのままに置いておくのか、あるいはまたシンガポールだけ独立させるのか、それによってまたわれわれの公館設置の方法も考えなければいけない、こう思っておりますが、まだイギリス側の方のはっきりした政策が出ておりませんので、向うの方針次第によってこちらの方も考えて参る、こういうことでございます。
○山本(利)委員 今の御答弁では、英国側がどうするかということによってきまるようなお話でありましたが、実際はまたマラヤ側とシンガポール側とにおいて非常に私はいろいろな意見が違うと思うのです。しかし一つの国をなすのに、シンガポールを離しては意味がないように考える。ほとんどすべての貿易がシンガポールを通じて入っておりますし、一緒になれない一つの根本的な原因は、シンガポールの人口の八割くらいは中国人である。そして半島だけだと辛うじて約半数、四十八%ばかりがマラヤ人であるから、マラヤ人が一つの国をなす場合、最初からシンガポールと一緒になったのでは中国人に牛耳られるというような懸念もあるように私は聞き及んでおるのであります。そこらのデリケートな関係を外務省の方ではどう思っておられるかということを一つは知りたかった。 それからこれに大使館を設置する場合に、人選の問題ですが、ほんとうを言えば、シンガポールというものとマラヤ半島というものが一緒になって初めて一つの国になり得る程度のものであるし、今までシンガポールの総領事というものがマラヤに関するところの事務も一緒にやっておったのであるから、ほんとうはここに別個な大使を置くよりも、これは一つの案ですけれども、マラヤ連邦に対する日本の大使がシンガポールの総領事を兼ねるとか、あるいは総領事がマラヤの大使を兼ねるといいますか、何かそういった一人の人で今後運営していく方がやはりいいように思う。これはだれしも別個な大使、公使を別々に置くことになると、なわ張り争いが起って融和した運営ということがなかなかむずかしいようにも考えられる。そういうように一人の大使でシンガポールとマラヤを兼ね得るようなことは、これは法制上というかいろいろな法律上に差しつかえないものかどうか、それらの点については外務省はどういう工合に考えておるか。
○田付政府委員 実は大使は認証官でございますので、認証官が同時に外務事務官である総領事を兼ねるということは法制上不可能だと思います。それでマラヤにはやはり大使館を置いて、シンガポールは総領事館を置かざるを得ないのじゃないか。それからもう一つは、ほかの国におきましては、シンガポールに公使を置いてこれがマラヤを兼轄しておる国もございます。しかし、やはりマラヤは独立しました以上、シンガポールにおってマラヤの方まで兼轄するというのは、マラヤ連邦に対しても礼儀を失するのではないかと思いますので、一方には大使館を置き、シンガポールには総領事館をそのままというふうにいたした次第であります。
○山本(利)委員 今のようないろいろな事情であればいたし方のないことだと思うのですけれども、私は実際マラヤにおったこともあるし、それから最近シンガポールもちょっと見てきましたから、特に関心が深いのですが、この方面に対して日本の外務省は相当力を入れていただくことが、私は国家のために非常にいいことだと思う。大体先ほど経済関係についての御質問が戸叶さんからあったわけですが、今までのようなゴムとか、すず、そういったもの以外に何かマラヤに向って期待されるところはないのか、そういったようなことについては何ら御研究になっていないのか、承わりたいと思います。
○田付政府委員 おっしゃる通りにただいままではゴムとかすずというものをやっておりましたが、今後は鉄鉱石その他についても日本側で調査団を出して、あの辺のいかなるものがこちらに輸出できるか、さらにまたこっちから向うへどういうものを出していけるか、プラント輸出のようなものも考えてみる必要があると思いまして、そういう点は目下経済局で各関係省との間で研究をしております。
○山本(利)委員 ほんとうを言えば、大使館を設置する前にそういうことは調べてあるはずだと思うのです。一つの国を承認したり、一つの国に大使館とか公使館を置く場合には、これこれの現状であるとか、先でこうなるとかいうようなことは、調査研究がすでに十分できておるはずだとわれわれは思うのですけれども、まだできておらなければその点についても至急御研究を要望いたします。 もう一つお尋ねしたいことは、公使館を大使館に昇格する場合ですが、その場合に給料の点は、公使の現給を持つ大使でもいいのですからその点はいいのですが、人員という点で、大使館というものと公使館というものには名前が変ることによって公使館は何名以上、大使館は何名以上というような違いがあるものかどうか、その点一つ。
○松本政府委員 前段の質問に関しましては相当膨大な調査資料はございますけれども、こちらへきょう持ってきておりませんので、後日また提出させていただきたいと思います。 第二の質問の定員の問題でございますが、大使館には何名あるいは何名以下なら公使館という規定は別にございません。
○山本(利)委員 今度マラヤ連邦に大使を派遣されるわけでありますが、その大使館の建物というものを日本はすでに購入しておられるのか、借用されるのか、その点について。さらに今まで在外公館の建物というものが一体日本の所有になっているものが幾つ、それからよそから借りているものが幾つ、その点を一つ承わりたい。
○田付政府委員 お答えいたします。ただいま前段のお話でございますが、おそこはまだ国有財産ではございませんので、今度うちを借りることになっております。ただいま人が行ってその契約を作成中でございますので、これは借家になるわけでございます。それから日本の方で国有財産として各公館が持っておりますのは、大体九つか十くらいなものでございます。あとはほとんど借家でございます。
○山本(利)委員 私はいろいろな国を歩いてみて、借家というものはまことに不便でもあるし、肩身の狭いことだと思うのです。その割にしては家賃というものが相当高い。高いけれども、都合が悪いからといってどんどん改造するわけにもいくまいと思うのですが、その借家料を利子にして相当の金を日本政府で、日本銀行かどこかで借り入れて入手してしまう、そしてその月々の家賃をもって払えば、何年が後には日本の国有財産になり得るものが非常にたくさんあるように思うのです。その点について今まではどうもそういう家賃として払うなら大蔵省としては出すけれども、それを利子で金を借りて物を建てた場合には国有財産に直ちにならない。場合によってはそれは銀行の所有になるとかいうようないきさつから、私は今まで高い家賃を払って年々損をしておることが多いと思う。これはわずかな規則の適用によってそういうばかなことをしないで、かりに一時は日本の銀行なら銀行の所有になっても、それに日本が家賃を払うということはまた便法がある、安くするということもあり得るから、私は一日も早く日本の所有にしておくということが、いろいろな意味からいってよろしいことだと考えますけれども、こういう点について松本政務次官の御意見なり、外務省としての御意向を承わりたい。
○松本政府委員 ただいまのお説ごもっともでございまして限られた予算内で最大限のやはり操作をしなければなりませんが、十分ただいまの御意見を参酌いたしまして研究さしていただきたいと思います。
○山本(利)委員 これはわが委員会においても皆さんほとんど同意見だろうと思いますし、大いに応援といえば変ですけれども、実現をわれわれも期したいと思いますから、外務省においても本腰を入れて、大蔵省なりその他へ向って交渉もし、御研究も願いたいと考えます。 もう一つの点は、在外公館と一口に言っても、非常に地の利を得た、つまり勤務して快適なところもあれば、炎熱に苦しんでおるようなところもあるし、いろいろ差があると思うのですが、一体それぞれの特別なところへ対して、特別手当というものが出ておるものかどうか。出ておれば、どの国に対してはどのくらい程度を出しておるかということを承わりたい。
○松本政府委員 はなはだ残念でございますが、そういう場合の特別手当の制度がございませんので、今日のところ出ておりません。外国の例を見ますと、たとえば休暇を長い間与えるとかいうようなことがございますが、今日のところでは、ことに熱帯地方に長く勤務しております場合には、何年か勤めますとできる限り他に、もっと気候のいいところに移すというような工合に、いろいろ操作しておりますが、これもやはり理想といたしましては、何か特別勤務手当みたいなものを支給できるような予算措置ができれば、非常にけっこうだと考えております。
○山本(利)委員 今の点を御質問申し上げたのは、そうでなければ、非常に勤務の苦しい場所に赴任しておる人一は、一日も早くよそへ転任したがると思う。ほんとにその土地に落ちついて——外交というものは私は、ただ普通の社交ということならば別でありますけれども、真に国家の重責を負うて日本のために活動しようというのには、相当の年数が要ると思う。その土地に十分な知己を得るとか、あるいは社会人とも接してその土地の国情を知り、また有力なる知己を得ることが私は非常に必要だと考える。それを特別な手当も出さないというとこになると、何とか早く楽なところへかわりたい、これは私は人情だと考えるのです。それではせっかく日本が、ことに東南アジアとかいろいろなところと特別にわが国の友好関係を深めていこうという立場にあるのに、その点はまことに遺憾であります。ことに外交官というものは語学が相当できなければならぬが、その国の語学に相当自由になるのには、相当な年月そこにおるという、のでなければ私はだめだと考えるわけです。だから特に語学などは、その国の語学に通じておる人は、そこに相当年数おってもらうように、それも喜んでおってもらうように、十分な手当をすることが私は国のためだと思う。その人の個人のためでなしに、私は国のためだと思いますから、そういう方面に関するところの特別な手当であるとか、あるいは特別な奨励方法ということを特に考えていただきたいと思うのであります。
○松本政府委員 お説ごもっともでございまして、先ほど申しましたごとく、できる限りの努力を払ってみたいと思います。ただ逆に、早くもっと環境のいいところに栄転したいという気持から、一生懸命に努力しておる大公使のいることも事実でございます。ただ語学の点等に関しましては、これは一朝にしてマスターできるものではございませんので、そういう点に関しましては他の二、三の国と比較いたしますと、日本の大公使の在勤期間というものは、短かいきらいがないでもないと思います。先ほどの御説、これも十分参酌いたしまして、真剣に検討さしていただきたいと考えます。
○山本(利)委員 ただいま語学の問題が出ましたからついでに申し上げますが、現在東南アジアあるいはヨーロッパ方面で、日本の公館の中には、年若くして相当語学にたんのうな方がおられるわけです。そういう人たちは、単に普通の日常の会話がうまいというだけでなしに、その国のことについて専門的な勉強をさす方がいいと思うのですが、香港あたりではたしか香港の大学に入っておる者もおったと思うのです。その他のところでは別にそうでないようなんですが、その点日本では官補といいますか、何か資格をとって、とこかに派遣した場合には、その土地の大学か特別な学校にでも相当期間は入れるということになっているわけですか、なっていませんか。なっていなければ私は入れる方が、つまり語学の修練及び友人を作るという意味において非常にいい、そしてその人に対する給料なり学費というものは、普通の公館の費用とは別個に、特殊な項目を設けてもそういう工合に便宜をはかってやった方がいい、かように考えます。
○松本政府委員 規則の上で、現地に参りましたならば官補あたり二カ年間その土地の大学で勉強して、十分語学並びにその雰囲気になじむということになっております。この制度はございます。
○野田委員長 ほかに御質疑の方はございませんか。——質疑はないようでございます。 次会は明日午前十時開会いたすことにいたしまして、本日はこれをもって散会いたします。 午後二時七分散会