外務委員会 第1号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1957/11/05
会議録
○野田委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。本委員会といたしましては本国会におきましても前国会と同様に、国際情勢に関する事項、国交回復に関する事項、国際経済に関する事項及び賠償に関する事項の四項目につきまして調査をいたしたいと思いますので、この旨議長に承認を求めたいと存じますが御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野田委員長 御異議がなければさように決定いたします。 —————————————
○野田委員長 次に去る一日付託になりました通商に関する日本国とオーストラリア連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同日予備審査のために付託されました在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。政府側より提案理由の説明を求めます。松本外務政務次官。
○松本政府委員 ただいま議題となりました通商に関する日本国とオーストラリア連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 そもそもオストラリアは戦前からわが国に対し関税及び輸入制度上最恵国待遇を供与したことがなく、伝統的に日本品を差別的に取り扱ってきた国でありましたが、オーストラリア側の政策は戦後においても変るところなく、関税制度上日本品に対しては最高税率たる一般税率を適用し、また輸入制度上も綿、人絹織物、陶器、ミシン、玩具等多数の品目につき非ドル地域中日本のみに特別な輸入ワクを設けて差別的な輸入制限を実施してきたため、わが国の対象輸出はきわめて不利な状態にありました。わが国の対象輸出はそのため著しく伸び悩んで参りましたが、これに反してわが国はオーストラリアから羊毛、小麦、大麦、砂糖等の原材料及び食糧の大量買付を継続してきたため、両国間貿易は常にわが方の大幅入超となってきたものであります。数字をもって御説明申し上げれば、昭和三十年においては、わが国の輸出二千百万ポンド、輸入五千万ポンド、差引入超二千九百万ポンド、昭和三十一年においては、輸出千三百万ポンド、輸入七千四百万ポンド、差引入超六千百万ポンド、本年一—八月においては、輸出八百万ポンド、輸入八千四百万ポンド、差引入超七千六百万ポンドという状況でありまして、かかる巨額な貿易収支の赤字は常にわが国の全般的英ポンド収支の逆調原因となってきたものであります。このような傾向を是正するため、日豪間に通商協定を締結して関税及び輸入制度上の最恵国待遇を獲得し、対豪輸出増大の機会を確保することを目的として、昭和三十一年十一月キャンベラにおいてオーストラリア政府との間に交渉を開始し、自来折衝を重ねました結果、本年六月十八日に至り、ようやく実質的合意に到達し、去る七月六日岸外務大臣とオーストラリア連邦政府マッキュアン貿易大臣及びワット駐日オーストラリア大使との間で協定に署名を行なった次第であります。 この協定の骨子は、両国が相互に関税に関する最恵国待遇並びに為替及び貿易制限に関する無差別待遇を与えることにありますが、相手国からの輸入の急増の結果自国産業が危殆に頻する場合には緊急措置をとり得ることとなっております。なお、本協定は批准書交換の日から昭和三十五年七月五日まで効力を有することとなっており、その後も三カ月の予告をもって廃棄しない限り、効力を有することとなっておりますが、わが国産品に対する最恵国税率の適用及び差別的輸入ワクの廃棄は、一日も早くこれを実現することを有利と考えたので、本協定署名の日から行政上可能な限度において本協定を仮実施することとし今日に至っております。 この協定の成立によって、わが国の産品はオーストラリアにおいてガット税率を含む最恵国税率の適用を受け、さらに、輸入制度上も従来日本品のみに課されていた差別的輸入ワクによる制限が撤廃されることになりましたので、今後のわが対濠貿易は大幅に増大さることが期待されるわけであります。 よって、ここにこの協定の批准について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。 次に在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案の提案理由及び内容を説明いたします。 まず提案理由を説明いたします。 第一に、在外公館の新設及び昇格について申し上げます。 マラヤ連邦が、去る八月三十一日に独立した次第は、すでに御承知の通りでありますが、同国の独立後、直ちに大使館を開設して外交関係を結ぶことは、同国との善隣友好の実をあげ得るゆえんと考えられたのみならず、米、英、独、仏、オーストラリア、タイ、インドネシア等の各国も遅滞なく大使館を開設するとの情報もありましたので、去る九月六日政令第二百八十二号在外公館増置令をもって緊急に在マラヤ連邦日本国大使館を開設しましたが、このたび、これを法律化しようとするものであります。 次に在スウェーデン、在オーストリア及び在ユーゴースラヴィアの各日本国公使館を大使館に昇格せしめることでありますが、彼我の公使館を大使館に昇格せしめることにつきましては、いずれも、先方からも申し出があり、わが方といたしましても、公使館よりも大使館の方が外交上有利であるのみならず、公使館が減少し大使館が増加するのが世界的趨勢であるのにかんがみ、右の三公使館を大使館に昇格せしめたいのであります。 第二に、在勤俸の改正及び設定について申し上げます。 まず、在ソ連邦日本国大使館に勤務する外務公務員の在勤俸の減額でありますが、ソ連邦は、本年四月一日以降在ソ連外交官等の外貨交換を含む非商業的な外貨の買い上げに適用する交換レートを、従来の一米ドル対四ルーブルから一米ドル対十ルーブルに変更しました。その結果、在ソ連邦日本国大使館の在勤俸の額に再検討を加える必要が生じましたので、以来、現地の物価、生活水準等に関する資料を再び収集して種々検討を加えた結果、在アメリカ日本国大使館に勤務する外務公務員の在勤俸の額の一・三倍ないし一・四五倍に当る額が適当との結論に達しました。これは、従来の額に比べ、平均して約二〇%の減額になります。よって去る十月八日政令第三百三号在ソヴィエト連邦日本国大使館に勤務する外務公務員に対して支給する在勤俸の支給額を改める政令をもって減額を行いましたので、このたび、これを法律化しようとするものであります。 次に、在マラヤ連邦日本国大使館に勤務する外務公務員の在勤俸の額でありますが、これは、さきに申し述べました九月六日の政令第二百八十二号在外公館増置令で、在マラヤ連邦日本国大使館の名称及び位置とともに定めてありますので、今般、これを法律化せんとするものであります。 次に、在スウェーデン、在オーストリア及び在ユーゴースラヴィアの各日本国公使館の大使館昇格に伴い、大使及び公使の在勤俸の額を新たに設定する必要があるのでありますが、これにつきましては、従来の公使の在勤俸の額をそのまま大使の在勤俸の額とし、公使の在勤俸の額は、大使のそれと一号俸との中間に定めました。一号俸以下は、従来通りで変更はありません。 次に、在ポーランド及び在チェッコスロヴァキアの各日本国大使館に勤務する外務公務員の在勤俸でありますが、両国の物価、為替及び生活水準等につきましては、一応の資料はありますものの、これに基き最終的に確信の持てる在勤俸の額を算出することは困難と考えられ、かたがた両国はソ連圏に属する関係もあり、とりあえず在ソ連日本国大使館に勤務する外務公務員の在勤俸の額と同一に定めておき、至急開館の措置をとることが適当と考えまして、去る十月八日政令第三百四号在ポーランド及び在チェッコスロヴァキアの各日本国大使館に勤務する外務公務員に対して支給する在勤俸の支給額を定める政令をもって在勤俸の額を定めた次第でありまして、これまた今般法律化しようとするものであります。なお開館後はできるだけすみやかに現地から物価、生活水準等についての調査報告を求め、慎重検討の上、改正すべき場合は、なるべく次の国会において改正の措置をとりたいと考えております。 以上が個別的説明でありますが、これらについて法律上の措置をとるためには、昭和二十七年法律第八十五号在外公館の名称及び位置を定める法律及び昭和二十七年法律第九十三号在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する必要がありますので、今般右の二法律の一部改正をうたった本法律案を今次の第二十七回国会に提出する次第であります。以上が提案理由の説明であります。 次に、本法律案の内容につき説明いたします。 本法律案の第一条におきまして、在外公館の名称及び位置を定める法律の一部改正を行い、在マラヤ連邦、在スウェーデン、在オーストリア及び在ユーゴースラヴィアの各日本国大使館の名称及び位置を定めることといたしました。 また、第二条におきまして、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部改正を行い、在ソヴィエト連邦日本国大使館に勤務する外務公務員の在勤俸の額の減額を行い、在マラや連邦日本国大使館に勤務する外務公務員の在勤俸の額を定め、在スウェーデン、在オーストリア及び在ユーゴースラヴイアの各日本国大使館の大使及び公使の在勤俸の額を定め、あわせて在ポーランド及び在チェッコスロヴァキアの各日本国大使館に勤務する外務公務員の在勤俸の額を、当分の間在ソヴィエト連邦日本国大使館に勤務する外務公務員の在勤俸の額と同額として定めました。 最後に、附則におきまして、本法律は成立後直ちに公布施行できるよう措置しました。 以上をもちまして本法律案の提案理由及び内容の説明を終ります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あられんことをお願いいたします。
○野田委員長 これにて提案理由の説明は終りました。 ただいまの二件に関する質疑は次会に譲ることといたします。 次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれをもって散会いたします。 午前十時三十四分散会