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27回国会衆議院1957/11/11

運輸委員会 第4号

発言数
89
登壇者
9
会派数
2
開催日
1957/11/11

会議録

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 これより会議を開きます。この際御報告いたします。去る六日に設置されました請願審査小委員会は、その数を七名とし、   生田 宏一君  畠山 鶴吉君   濱野 清吾君  松山 義雄君   山本 友一君  井岡 大治君   松尾トシ子君  以上の方々を小委員に、小委員長には山本友一君を指名いたします。     —————————————

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 次に道路運送事業に関し質疑の通告がありますからこれを許します。河野君。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 私簡単に自動車局長しお尋ねしたいと思います。それは今自家用車という名義で運輸関係においては相当係列というか実態を乱すということが、業者からひんぴんとしてわれわれの耳に入ってくるのですが、実態はどういうことになっておりますか、これを一つお尋ねしたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 自家用車の営業についての問題であろうと思いますが、この問題につきましては非常に多くの問題を含んでおるわけでございまして、特にその問題で非常に深刻になっておりますのは、トラックの関係におきましていろいろ問題が起っております。その第一はトラック事業そのものが非常に中小企業に属するものでございまして、これが経営を維持いたしますためには、現在法によって認められました確定運賃を守らなければならないということになっておりますが、自家用車が非常に運賃を下げて一般の客をとるために、勢い事業者自体も確定運賃がなかなか守り得ないという状態になっておりまして、事業者の経営そのものをも非常にゆさぶるような問題になっておったわけでございます。昨年の秋以来輸送が相当伸びて参りまして、その点ではトラックの経営の赤字というものも、いわゆる神武景気に乗りまして一応ある程度明るさを取り戻した時代もあったわけでございます。しかし昨今からは輸送の伸びが頭打ちになりまして困っておるという状態になっておるわけでございます。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 私もその専門家ではありませんから、実情をよく把握しておるとは申し上げかねるのですが、自家用車の許可をするのにいわゆるガレージとかいうものの許可とか調査とか、そういうものがルーズに行われている結果、自家用車というものの許可が割合に楽に許可になる、こういう問題があるやに承わっておるのですが、その点はどうなんでしょう。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 その点、営業いたしますためには、相当厳重な条件を与えて、厳重な条件を満たさないと免許にならないということでございますが、一般に今日本にあります自動車の多くが三輪トラックに属するものが非常に多いわけでございまして、これが日本では自動車の数が非常に多いといいますか、非常に大きな分野を占めております。輸送の歴史的に見ますと、従前の荷車あるいはリヤカーというものが、一般交通文化の発達に伴いまして、三輪トラックあるいはスクーターに置きかえられてきたという歴史的な事実もございますので、これをいたずらにあまりやかましく言いますことも、一般の商取引あるいは一般の国民の経済にとりましても、にわかに厳重になし得ないということもありまして、一応自家用車につきましてはそういう点、割合にゆるやかな取締りになっておるわけでございます。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 それで乗用車、それから今の貨物自動車、そういうもののガレージの取締りについては、現在のままずっと放置される考え方でありましょうか。それともこれに何かの規制をするという方向に行かれるつもりでありましょうか。そのこれからの方針はどうなんですか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 ただいま言いましたうち、貨物輸送に提供されるもの、いわゆるトラックにつきましては、運輸省令できめております事項について運輸大臣に届出をしなければならないということになっておるわけでございます。それでこの届出は免許あるいは許可ではございませんので、いわゆる届出だけでよろしいわけでございますが、この問題は道路、それに伴う道路上の運送というものに非常に大きな関係を持ってきておるわけございまして、現在御承知のように大都市におきます狭隘な道路面におきましては、その両側に三輪トラックあるいは自転車というものが非常にたくさん置いてございまして、自動車の通行ができないというような事態も生じておりますし、この点につきましては、現在警察当局とも緊密に連絡をいたしまして、いかなる規制をするかということにつきましては、目下連絡をいたして、道路交通の面からの解決をはかっていきたいというふうに考えておるわけでございます。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 道路交通の面もさることながら、その自家用車の許可というものについてのガレージについて、現在のままで放置されるのかどうでしょうか。取調べをされるのは大体私の承知しているところによると、警察官が調査をするということになっておるやに承わりますが、そういうふうになっておりますか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 この点につきましては、道路運送法に規定がございませんので、道路交通取締り面からの取締りをすることになるわけでございまして、おっしゃる通り警察官が取締りに当るということになっております。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 乗用車、自家用貨物自動車、そういうものの許可を出願する場合においては、ガレージを必ずこういうところに置くということの書類を添付しなければならないはずになっておるのでありますが、これは実情においてはどういうふうにお取り扱いになっておりますか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 一般の乗用自動車の場合に必ずガレージを設けなければならないという規定は、ちょっとなかったと思うのでございますが、一応はそういう車庫の所在場所、常置場所の位置というものは届出事項に入っておるわけでございます。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 その所在場所は届出事項になっておるが、これは許可をなさるときにどういう調査をなさるのでしょうか。これはそのまま届出の書類一つで許可になるのでございましょうか。実際において調査なさるのか、その調査なさる場合にはどこで調査をなさるのでしょうか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 その場合は、届出事項になっておりますが、届出を受けるだけでございまして、具体的な確認はいたしておりません。許可をするわけではないのでございまして、これは届出事項でございままして、届出をすればいいというように法律はなっておるわけでございます。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 それで非常によくわかりましたが、そうしますと乗用車の許可、自家用貨物自動車の許可というものは単なる届出事項であるから、路上に置いておこうと、実際に届け出た置き場所に置こうと、これは実際はその所有者の自由ということになるわけで、これへの取締りは何もない、こういうことになるわけですか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 道路運送法におきましてはおっしゃる通りでございまして、一応その届出の内容といたしまして、自動車の車庫または常置場所の位置を示して届出すれば、陸運事務所はこれを受理せざるを得ないというふうに、法律ではなっております。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 法律はそうなっておりますが、問題は、この法律をそのまでずっといかれるつもりでありましょうか、それともそれを届出事項でありますのを許可事項ということにして、調査とかそういうことをして、道路運送のいろいろな問題をなくするように進まれるお考えでありましょうか、そのままでずっといかれるつもりでありましょうか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 その点は従前からいろいろ問題の多いところでございまして、私どもといたしましては道路の発達がどうも自動車の発達に間に合わない、この状態でいけばそういう状態が非常に深刻になって参りまして、道路交通というものが円滑な発達をしないという意味から言いますと、ある程度自家用車の扱い方につきましても、従前より規制を強化することも考えなければいけないのじゃないかということも考えておりますが、事は国民の基本的な権利にも関することでございまして、それと公益上のそういう要請をどのようにして調和するかということが問題でございままして、大体の傾向といたしましては、現在のように非常に自家用車が野放しになっておるという状態が、交通政策的に見まして相当検討の余地があるのではないかという方向で考えておるわけでございます。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 御趣旨はよくわかりましたが、そうすると直接には、自家乗用車それから自家貨物自動車というものについての取締りについて、特別な立法措置とかそういうことを今すぐには考えておられない、現在のままで大体やっていく、こういうお考えなんでしょうか。それとも何かここで考える段階に到達しているという見通しなんでありましょうか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 従来自家用車関係で問題になっておりましたのは、最初に先生が御指摘になりました自家用の営業行為をどう取り締るか、現在でも営業行為をしてはいけないということになっておりますが、なかなか現行法ではその取締りが十全でないという問題があります。それでその問題をどうするかということにつきまして、いろいろ具体的な考えを持っておるわけでございますが、その問題等にいたしましても法律を改正したならばいいとか——現行法でもいけないということになっておりますが、取締り方法を強制的にさらに十全を期するような方法はないかという問題があるわけでございます。従来はそういう点で業界の方は法の改正を強く望んでおったわけでございますが、他面また自家用を使う方の側からは、そういうことをやるのはあまりきびし過ぎるという意見もありまして、その辺の調整に役所も苦慮いたしておったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、自動車の数が非常に多くなるという安全の面からも、そういう点につきまして何らかの検討をしなければならない段階になっておりますが、今直ちにそれでは具体的にどういうふうな法律を作るかというふうには、まだ研究は進めていない状態でございます。

河野密日本社会党

○河野(密)委員 問題はそういうものを取り締るについて、車庫というもので規制をするのが非常にいいのじゃないかと考えられるので、車庫というもので自家用車の規制をするという面でお考えがあるかどうか、この点を伺いたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 先生の御意見私どもよくわかるわけでございます。ただ今そういう状態は都会地に多いわけでございまして。全国的にまだそういう段階になっておるかということは一つの問題であろうと思いますので、今後もそういう点につきまして十分各主管の官庁とも連絡いたしまして、研究をいたしたいと思います。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 畠山君。

畠山鶴吉自由民主党

○畠山委員 今自動車のお話が出たので一、二お伺いしてみたいと思うのですが、観光バスが今日本全体で一体どのくらい許可になっておるか、その数量を伺いたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 事業者の数は昭和三十年度の数字でございますが、四百二十七社ということになっております。

畠山鶴吉自由民主党

○畠山委員 数から言うと非常に多いようには思われませんが、昨日私ははからずも箱根の十国峠から熱海まで観光バスが全部道一ぱいにつながってしまって、あまりひどいので状態を調べに行ったのですが、それらの点から考えますと、あそこに来ている自動車だけでも何百台というように見受けたのですが、交通面の道路問題については所管が違いますが、そこで例のクラクションが上から下まで山に鳴り響いて、まるで話もできないような状態であるが、この多い、大きなクラクション等の取締りについてどういうお考えをお持ちですか、お伺いしたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 運輸省で担当いたしておりますのは車両の安全という面からでございまして、そういう一般交通的な問題につきましては、現在の官庁組織のもとにおきましては、交通取締りの面から取り締ることになっておりまして、警察庁がこれを取り締ることになっておるわけでございます。

畠山鶴吉自由民主党

○畠山委員 外国の例を出すわけではありませんが、外国は日本の数十倍自動車が多いのですが、クラクション等を一つも鳴らしておりませんので、日本はこれを何らかの措置をとらないと、会議をして話をするのにも、ところによってはクラクションの音でできないような状態になっているし、ことにいたずらにプウプウ、クラクションの音の大きいのを鳴らしておるような傾向もたくさんあるのです。これは今後道路を改装したり、自動車の数がふえたりするということになれば、まず第一番に必要な条件ではないかと思うのですが、これらに対する取締り方法を、もっと各省と連絡をして即時実施する方法のお考えはありませんか、お伺いしておきたいのであります。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 私も最近実は役所から命ぜられてアメリカへ出かけましたので、その間の法制的なものも調べてみたわけでありますが、御指摘の通りアメリカにおきましてはクラクションを鳴らすということはほとんどないわけであります。それで交通法規などの点から規制がやかましいのかと思いまして、いろいろ法規を調べてみたわけでありますが、アメリカにおきましても、病院あるいは学校という厚生的な見地からの取締りの法規はあるようでありますが、道路運送面におきます取締りはやられていないようであります。それは各市の警察の取締りがおもになっておるようでございます。この点道路運送、道路交通の取締りの面に期待しなければいかぬと思いますので、御指摘の通りわれわれの方といたしましても、現在の日本の状態がよろしいということは絶対に考えていないわけでありまして、それぞれ関係官庁等に連絡いたしまして、御質問の御趣旨を達成するように努力いたしたいと思います。

畠山鶴吉自由民主党

○畠山委員 はなはだ手ぬるい御回答ですが、この取締りということは現下の急務だと思うので、そういうお考えでなく、積極的に考えていただきたい。それと同時に今観光バス等は一体何人乗りまでを許すのか。大きさについてもずいぶん大きい観光バスがあります。この間日比谷の陳列会で拝見したのですが、百人から乗るようなバスができておりますが、今後ああいうものを逐次許可する見込みなのですか、今後ああいうのが実現するお見込みかお伺いしたい。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 バスあるいはトラックにつきましては、それぞれ保安基準を作ってあるわけでありますが、こまかい数字になりますので、今ちょっと調べておりますから、少しお時間をちょうだいいたしたいと思います。

畠山鶴吉自由民主党

○畠山委員 ああいう百人も乗るようなバスを許されることになりますと、現在の道路を倍にしても交通整理がつかない。一方道路はなかなか広がらないのに、バスだけは大きいバスを許すということも、交通問題から社会問題に大きな問題があるように考えますが、これらの今後の見通しについてどうお考えですか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 バス路線の免許をいたします際、あるいは事業計画の変更を認可いたします際には、バスの大きさというものも見まして考えております。それで一体現在のバスが大型になり、道路とのアンバランスを生じてきたという点につきましては、免許の際には特にそういう点に留意いたしまして、特に道路関係あるいは道路交通取締り上の官庁の意見も聞いた上で処理いたしておる状態であります。

畠山鶴吉自由民主党

○畠山委員 今私がお尋ねするのは、百人も乗るバスができておる。これらはむろん許可される見通しで作っていると思うのですが、これらに対して許可を与える見通しですかとお伺いしているのです。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 それにつきましては、保安基準に適合すれば許可をしなければならないわけでございます。幅と長さというものについての基準がございまして、それに適合すればいいことになるわけでございます。

畠山鶴吉自由民主党

○畠山委員 私はこの問題は当委員会にも専門の方がたくさんおりますから、あまりこまかい点に触れたくないのですが、結局これにお客を乗せるという関係からいたしますと、先般来道路で非常に事故が多いのです。見通しをつけて許すと言いますが、見通しということはどれを指して言うのかわからない。要するに幅員とか長さという問題もありましたけれども、それは今の観光バスは道路より五倍も長いのですから、そういうものに対して、もうすでに許してしまっているのですから、今後それ以上だんだんふえるということはけっこうなことでありますが、今の交通上から見て、よほどお考えを願わなければならない。箱根、伊豆あたりのことを言っては恐縮でございますが、とにかく土曜、日曜あたりは歩くことはできない。道路なども一年じゅう重い大きいバスが通るためにこわれてしまって、満足な道路はほとんどない。私どもよく熱海の方面へ行きたいのだけれども、道路が悪くて、あのざまはどうだとしかられますけれども、ざまにも何にも作るよりこわれる方が多いので、まことに回答に苦しむような場合が多いのですが、まず運輸省の自動車局としては、この根本問題はやはり関係省とよく打ち合せを願って、方策を立てていただきたい。これは重大問題だと思う。特にきょうは大臣が見えておりますが、大臣のお考えを一言お伺いしておきたい。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 今局長から申しました基準はございます。しかし交通政策ばかりか、やはり社会保安政策ということも考えなければなりませんから、私は日本の現在の道路の設備の状態において、あまり大きなものが通るということは、政策として好ましいものではないと私は考えております。それはよく調整してもらわなければならない、こういうふうに私は考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 関連して一、二質問しますが、バスの大型化、あるいはトラックの大別化、これはただ採算点ということだけを考えて、無制限に大きくしていくということは、やはり考えなければならぬ問題で、運輸省だけではなく、通産省とも関係があると思いますが、型式の制限、規制について、現在の道路状況とにらみ合わせて、どういうふうに考えておられるのか、その点が一点。それから第二点は、競願の点であります。戦後バスにおきましても、あるいはトラックにおきましても、原則として複数制をとるというようなことがいわれたわけでありますけれども、しかしそれは要するに目的は乗客の便益、サービスということが主たる目標で、複数制の方式をとるようになったと思います。ところがその後は若干それに修正を加えて、必ずしも複数制を原則にはしない。しかし実情においては複数制をとっていくというように変ったと聞いております。ところが輸送秩序を守るという点からいきますとみだりにこの複数制を許可していくということは非常な弊害があると考えます。現に私の聞いているところでは、社名は申しませんけれども、前大臣がやめられる直前にも、相当数の会社が新設の会社として許可になったようでありますが、とにもかくにもこの輸送秩序という面から言いますと、なるほど便宜ではあっても、たとえばある地方におきましては、駅前に二つの会社のバスが駐車しておる。ところが乗客の争奪戦がものすごく行われて、乗客の争奪戦のために大へんな迷惑をこうむっておる。片方のバスに乗り込もうといたしますと、片一方のバスは人がきを作って自動車に乗せないというようなことが報道されております。またせっかく自分が選択をして乗ったバスの乗客を引きずりおろして、はなはだしきに至っては自分の方へ持っていくというような暴力を加える、このように競争が熾烈化して参りますと、これは全く常軌を逸した交通機関であるといわなければなりません。あまりにもそれは利益を追求して公益を無視したものといわなければならない。こういう競争を激化させるようなことをして、果して交通機関の持つ正常なる公益性を維持することができるかというと、私は決してできないと思う。この点に関して一体どういうふうに行政指導をされるつもりであるか。あるいはまた今後の免許についてはどういうふうにお考えになっておるか。私はこの二点は運輸行政上、重大な問題であろうと思いますから、一つここではっきり所信をお示しいただきたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 ただいまの前段のバスの大きさでございますが、先ほどちょっと言い落したのでございますが、自動車の長さ、幅及び高さにつきましては、道路運送車両の保安基準といたしまして、昭和三十年九月十七日、運輸省令第四十八号で、きめておるものでございます。それによりますと長さが十二メートル、幅が二・五メートル、高さが三・五メートルをこえてはならないということになっております。これが現在自動車の一番大きなものの基準になっております。またトラックにつきましては、自動車の車両総重量は二十トンをこえてはならないということになっております。また軸重及び輪荷重につきましては、自動車の軸重は十トンをこえてはならない、自動車の輪荷重は五トンをこえてはならないというふうに規定しておりまして、これに基きまして、車両がこの範囲内であれば許可になるということになるわけであります。そのほかまた自動車の通る道路は、道路法上の制限が別にあることはもちろんでございます。  次に免許の問題でございますが、この問題は私どもの方はしばしば小委員会でも御説明申し上げましたように、道路運送法第一条及び第六条の問題でございます。原則として複数制をとるということのお話もございましたが、これらは主として第一条の公正な競争という解釈をどう解釈するかという問題になるわけでございます。複数制になりまして、ただいま御指摘のように駅前で客を争奪するというようなことは、どう考えましても公正な競争が行われているとは考えられないわけでございます。それらの点につきましては、運行の計画及び経営のやり方につきまして、各現地機関におきまして指導しているわけでありますが、要は公正に競争が行われ、そして一般需要者に十分なサービスが提供できるようにという趣旨で、われわれはこの法律を運用しているわけであります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 なるほど当面の答弁を伺っていれば、法律はその通りになっているわけであります。ところが実質的にはある地方においては、今申し上げたように限度を越した旅客の争奪戦が行われる。それは旅客の方としてもはなはだ迷惑です。それは決して旅客のサービスにならない。どのバスに乗ろうとそれは旅客の自由意思によって選択せられるものであって、決して強制的に自動車に乗せられるものではないと思います。同じ目的地へ参るにいたしましても、旅客はそれぞれ自分の意思の動くままに交通機関を利用するというところに、旅客の取捨選択の自由がある。しかるにスクラムを組んで旅客の取捨選択の自由を妨害したり、はなはだしきに至っては引きずりおろして自分のバスに乗せていく、そんな暴力がもし行われているとすれば、これは競争以上の行為であると私は思う。そういうことに対してはやはり相当厳重な監督をする責任がある。なぜならば、そういうようなことが行われていることもよく勘案した上でなければ、いたずらに免許をすべきものではない。ところが免許をされた以上は、そういうような過当な競争に対しても、やはり公正妥当な競争をなし得るように指導することが私は必要であると思う。必ずしも道路運送法は既存業者のために存在するものでないといように私は承知してしおります。でありますから、正当な競争を行うということについては、何ら私はそれをとやかく申すものではありません。けれども、このような過当な競争が起り得るような条件にあるにもかかわらず、そういう免許を与えて、そして輸送秩序を監督官庁から乱すような行政処置をとられることは、私ははなはだ遺憾だと思う。でありますから、こういう点についてはよほど慎重に免許等も私はなさるべきだと思う。現在ではそういうことが各所に行われつつある。特に私は最近の免許の事情から見ますと、そういうことが憂えられてならぬ。これは一体行政指導をどういうふうにされようとされるか。ただ一地方の陸運局の所管であるからというので、それにまかしておくというのでは私はならぬと思う。そういうことに対しては、それ相当なやはり行政処分もあるいは気の毒であっても考えなければならぬ。この点について一体どういうふうにお考えになるか、ただしておきたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 ただいま御指摘のような不当競争の実態を生じた場合には、もちろん現場機関といたしましてはそういう不当競争の状態を放置することは許されないことでありまして、まず行政指導といたしましてそういう不当競争をやめさせなければならないわけでありますが、それでもやめない場合にどうするかという御質問であると思うわけでございます。それにつきましては道路運送法の第三十二条及び第三十三条によりまして、やめさせる行政命令を出し得ることになっております。ただその実態がどういう段階であるかということが常に問題になるわけでございまして、従前ではそういう実態、これはどちらがいいとか悪いとかというわけにもいかないわけでございます。御指摘のように第三者に迷惑をかけているという状態でありまして、これはやはり両者を戒告しなければならないわけであります。それで従前ともそういう事態が生じました場合には、陸運局あるいは事務所におきまして、しかるべき戒告をいたしましてやめさせておるという実態であります。それが免許の結果そういう状態になるということかどうかは、やはりよく調べてみなければならないわけでありますが、免許自体に関しましては、そういう不当競争の起るような免許は十分慎重に行わるべきでありまして、その点は道路送法第運一条を文字通り考え、第六条の基準によって判断をいたしておるというつもりでございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 これは自動車局長を責めるということは非常に心苦しいのです。こういう結果を招いたのは、一つの政治的な配慮にあるとも言い得るのです。だから私は事務当局のみを責めようとは考えておりません。しかし少くともこういう事態にあれば、その背景のいかんにかかわらず、公正妥当、厳正に厳然たる処置をとらるべきだと思うのです。競争のあまりあるいは規定の運賃料金を守らない。族客を争奪のあまり旅客に十分選択の自由を与えないというようなことは、良識ある経営者のやるべきごとじゃないと思う。少くとも交通機関という公共性をわきまえないもののやり方であると思う。たといその交通機関が私企業であったといたしましても、それが今日交通運輸機関に関する限り、あるいはまた医療等の公共性を持つものに限っては、ただ単にその企業の利益云々ということだけを考えて不当なることをなさしめないために、道路運送法というものは存在すると思う。それでなければこれを規制する必要はないと思う。しかるにそういうようなことを無視してやるようなものについては、だれがどうあってもこれは厳重に厳正に処分せらるべきものである。これは免許せられる場合においても、あるいは免許せられれば、少くとも免許されたらある一定の期間は、常にそういうような運賃料金あるいは公正妥当な競争等について十分なる監視をして、もし一定期間内にそういうことが守られないとすれば、免許を取り消すというくらいなことを当然なさっていいと思う。それで文句をつけるような人はないと思う。あるとすれば、それは良識を喪失した人だと私は思う。このくらい激しくいってもいいと思う。そういう点においては公正妥当な行政措置をとられるよう、再検討をいただくようにお願いしたいと思うのです。これはいかがですか。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 私もあなたと同じようにそれを非常に痛切に感じておるのでございます。でございますから、こういう問題について、所管大臣が責任を持ってやり得るように、何でも相談してくれというふうにこの間うちからやっております。従ってそういうものの出発点の許可免許から一つ公正妥当にやっていく、そうして従来のものでもし今仰せられたようなことがあった場合、これは業務改善命令を出すということは、私は交通秩序維持の上において当然であると思います。現にこれは自動車関係ではありませんが、ある私鉄に対しましては最近検査官を出しまして、これは検査官という役職はございませんが、検査の意味におきまして職員を派遣いたしまして、その結果によりまして、私は業務改善命令を出すつもりでございます。そういう点私も今努めておるということを御了承願いたいと思います。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 松原君。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 この際特に運輸大臣にお願いしておきたいのですが、従来運輸委員会でいろいろの論議がなされまして、そうして大体委員会の意向も、あるいはそれに対応するところの省側の意向も一致したことでありながら、それがじんぜん日を過してちっとも実現しない、こういうふうなことが非常に多いと思うのであります。この際山口君に対する大臣の御答弁のように一つてきぱきと問題を処理して、そして運輸行政のために尽していただくように大臣に希望を申し上げておきたいと思うのであります。また事務当局におかれましても、答弁は答弁、話は話、実行することは別だというような態度は厳に慎しんでもらいたいと思うのであります。これから私が質問する点は、きょう一々結論を得るということは非常にむずかしい問題ばかりであると思いますので、それで一応こういう問題があるということを御承知おき願って、そうしておいおい通常国会も開かれることでありますから、一つすみやかに解決をつけてもらう、あるいは議論すべきものは重ねて何べんか議論をして、そして意思の一致するところでこれを実現してもらうというように取り運んでもらいたいということを、前提に申し上げておきたいと思います。  先ほど河野委員から質問のありましたガレージの問題でありますが、これは関連質問とも受け取ってもらっていいのですが、車庫あるいは車の所在について届出をするということに法規上なっておる。ところが届出だけであって、届出さえすれば許さなければならぬ。そんなら届出の事項が正当なものであるかどうかということ、及び届け出られた事実が実際実行されておるかどうかということについては、これはやはり法規の上から検討しなければならないものではないかと思うのですが、その点はどうでしょう。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 その点につきましては、先ほど御説明申し上げましたように「車庫」とは書いてないわけでございます。「車庫又は常置場所」と書いてあるわけでございますから、これはいわゆる車庫でなくても、常置の場所があればいいというような法律になっておるわけであります。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 そうすると、その常置場所が適当なものであるかどうかという検討はする余地があると思う。さらに常置場所に果して置かれておるかどうかという問題については、これはやはり許可後といえども監督をする必要があるのではないかと思います。と申しますことは、現に私どもが東京都内で自動車でもって参りますというと、朝少し早いというと、自動車一台しか通れないような場所に、もう乗用車が置いてある、三輪トラックが置いてある。通れない。こういう実情があるので、実は私が申し上げておるわけでありまして、こういうことが許されるべきはずはない。それは交通取締りの方だから、警察にまかせておいたらいいのだでは、運輸省として私はちょっと責任感がなさ過ぎるのではないか。これにどう対処すべきかということを考えてこそ、運輸行政の本来の使命が全うされるのではないかと思いますから、この点に対するお考えを一つ承わりたいのであります。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 これは先ほどから御説明申し上げておりますように、届出でございまして、おっしゃいますようなことをやるためには、やはり許可ということでないとそこまで踏み込めないのじゃないか。届出事項でございますので、届出の目的といたしますものは、その実態を把握するために届出の受理をするわけでございます。届出でございますので、様式行為が充足いたしておれば、届出を受理せざるを得ない状態になるわけでございます。許可事項でありますと、その一々につきましてその実態を調査した上で、許可の許否を決することができるわけでございますが、届出は受理すると同時にその効果を生ずるというふうになっておるわけでございまして、先生の御意見を文字通り実行いたしますためには、五十九条を許可事項としないと、法律上本質的には疑問があると今まで考えておりました。実際問題といたしましては、いろいろ問題がありますので、行政的に聞いたり、一体どこに車庫があるのか、あるいはどこに置くのかということを聞くこともございますが、これは法律そのままではないわけでございまして、その点、現場の取扱いも法律的にだいぶ疑問があるわけでございます。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 届出は届け出でた通りにしなくてもいいのですか。届出は届け出っぱなし、あとはどういう届出とは違うことをやっても、向差しつかえない、こういう意味なんですか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 この場合は道路運送法全体の解釈の問題になるわけでございますが、その場合に、たとえば届出違反についてどうするかということは書いてないわけでございます。ほかの規定としては、使用の制限及び禁止という百二条の規定が自家用車の唯一の規定になっておるわけでございますが、これによりますと、各条項で制限を列挙いたしております。そのほかに自家用車の使用の制限及び禁止の条文が出ていない。それらの点から勘案いたしまして、もちろん常置場所もないということでありますと届出事項の違反になりますが、一応届出事項に常置場所を書いてあれば、その届出の性格によりまして、法律的には充足をしておるのではないかという気がしておるのでございます。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 法律の解釈を承わったのでありますけれども、常識的に申しまして、法律の文言はどうでも、どこからでも引つぱってくることができるのは皆さんの技術で、官庁というものは大体なかなかうまいものであります。そこでそういう届出をしておいて、届出と違ったことをやっておる者に対しては非常に困るから、これは警察の交通取締りでやってもらえばそれでいいのだというような投げやりの考えでなしに、これを現にある弊害をどう解決していくかということに考えを向けてもらって、そうしてこれに対する適切な方法を講ずる。すでにこういう弊害があるのでございますから、これを矯正するためにそれだけの意思を一つ持ってもらって、何とか解決をつけることにしてもらわないと、これは単に自家用車だけでありません。営業車についてもやはりそういう弊害が、現に都会では——先ほど局長がおっしゃったように、いなかではそれから生ずるところの弊害は起ってきませんけれども、都会では現に起っておるのでありますから、これに対して何か一つ考えてもらわなければならない、かように感ずるのでありますが、どうでしょう。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 どうも法律の解釈ばかりいたして恐縮でございますが私どもそれでは届出事項に違反した場合に、強制手段があるかという問題になるわけでございます。その場合に、その法律に強制手段がもしもあるとすればそれを実行して、またその違反的な状態が続く場合には、罰則の規定がないと行政上は目的を達し得ない。それでその強制的な罰則の事項は、御承知の通り法規によらなければならないことになっておるわけでございます。この法律にはその罰則規定がないために、われわれは強行法規としてそれを解釈できないというふうに、先ほどから法律の解釈をいたしておるわけでございます。その場合に強行法規として罰則の適用のできますのは百二条の関係だけということになっておりますので、そのほかの部面につきましては、行政上の注意を与えるという程度の行政措置しか許されていないということになります。それでは現在の状態がいいか悪いかという問題になるわけでございますが、この点については先ほどから申し上げましたように、道路の状態がこういうふうになってくると、われわれも放置することができない。また前国会で問題になりました駐車場法というようなものも作らなければならない状態になって参りましたので、関係各省とも十分協議の末、将来この点については何らかの解決策をほどこさなければならない状態になっておることは、先ほど申し上げた通りでございます。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 今お聞きの通りのことのようでございます。そこで先ほど畠山委員からも問題にしましたバスの車体の大きさ、あるいはトラックの車体の大きさに関する規制問題、あるいは山口君から問題にされました不当競争の問題、こういう問題がまだたくさんあると思うのでありますが、これに対してはすみやかに適切な措置をとってもらうように、ぜひ大臣に御研究をお願いしたいと存じますので、一つ大臣の御所感を承わりたいと思います。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 さっきの保安基準は厳重にやらなければいかぬということで、この間閣議でも問題になったのです。もっともこれは道路とも関係がございますから、そういう方針になっておるのです。それから今の法律の解釈ですが、事務当局としてはこの法律の解釈によってお答えをしておるのは無理からぬことだと思います。しかし世の中には自動車がうんとふえてきており、そこへ向って道路の設備が進歩していかないという非常な矛盾撞着を断ち切るということ、道路の問題、それから交通の問題があると思いますが、御注意の点は私も今後努力をして参りたいと思っておりますので、この委員会におかれましてもよく御指摘下さいますならば、私の方としても非常にけっこうだと思うわけであります。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 そういう懸案の問題がたくさんあるのです。小さな問題も大きな問題もあります。そこでまず第一番に自動車局長にお伺いしますが、広島タクシーの問題は一体もう解決がついたのですか、つかぬのですか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 広島タクシーの問題につきましては、一応両当事者間に協定ができて解決がついたようであります。ところがその後その協定の履行をめぐって、いろいろいざこざが起りました。私たちもわざわざ組合の方が四、五十両の車を連ねて役所へ参りましたので会ったわけでございます。そのときに運輸省といたしましては、協定ができて、しかもそれには立会人の方々も十分関係しておられますので、その協定の履行が大切ではないかということで、立会人会議を開くごあっせんをいたしました。現地でそれが行われまして十月二十五日に一応新しい了解点に達したという報告を受けておるわけでございます。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 これは単に広島タクシーの運転者と企業主との間の問題の解決がついたとかつかぬとかいうことが、中心の問題だと考えることはできないのでありまして、中心はやはり名義貸し営業が行われ、あるいは行われなければならないような広島のタクシー、ハイヤー業の状況、こういうものにありますので、全国的に申せば名義貸しの問題を徹底的に法規の示すところに従って解決づけてもらうということ、第二には、広島は需要に対して供給が多過ぎるという状態であるので、こういうことに対しても相当な考慮を払って問題を解決しないと、名義貸し問題自体も解決がつかないと思うので、これらの点についてのお考え及び措置等についてお答えを願いたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 名義貸しは法の認めないことであることはもちろんでございまして、今般陸運局がとりました措置も、そういう悪い状態を改善するということで手をつけたのでございます。広島はただいま御指摘のありましたように、需給のバランスから見れば供給が多いとわれわれも自動車の数に徴しまして考えているのであります。広島タクシーの問題を一つの契機にいたしまして、広島のタクシー界を根本的に正しい方向に持って行こうというふうに陸運局長も努力いたしております。これはもちろん広島だけのことではないわけでありまして、名義貸しということは全国的に許せないことでございますので、そういうことが起らないような情勢にしなければいけないということはわれわれももちろん考えているわけであります。需給のバランスを失しておるということはもちろんであります。その点各陸運局とも、どちらかといえば少し厳重過ぎるという御非難も受けているわけでありまして、陸運局としましては、厳重とか厳重でないとかいうのではなく、そういう需給のバランスを道路運送審議会に諮問し、あるいは諮問しない地区におきましては十分そういう点を勘案して、新しい免許あるいは増車を認めなければならないということで、運輸省といたしましても各陸運局長を機会あるごとに指導いたしているわけであります。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 広島の問題にしても全国的な問題にしても、需給の調整を適切にやらなければならないということは当然でありますけれども、従来は供給を押える側が唯一の手段であったように考えられて、過剰供給に対する改善のことはほとんど考慮されていなかったようであります。少くとも広島は一般他の陸運局管内の状況とは違って、供給過多という状況からこういう問題が起ったことに考えを及ぼして、根本的な解決をはかってもらうことが肝心だと思うのであります。局長としてもそういう考えがあるという答弁でありますが、これまた実行してもらわねば何にもなりませんので、一つ大臣にも御記憶願って、そういう点について適切な措置がすみやかにとられるようお願いいたしたいのであります。なお山口君が関連質問をするそうですから……。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 関連して質問をいたします。今局長の述べられた広島タクシーに関してであります。十月二十五日ごろ双方了解点に達した、こう言われますけれども、根本的にはこれは広島陸運局の行政の失敗だと思います。なぜかというと、広島タクシーが当初はほとんど独占的な車両数を持って運行しておった。それを周囲から独占させることは不当だからというので競願者がたくさん出た。そこでこれを細分しようというのでそれを細分した。そうして幾つかの会社を作った。ところが幾つかの会社を作って広島タクシーの持ち車両が少くなった。そこで今度は広島タクシーの方から、その少くなった車両分だけ増車せよというようなことでまた増車した。そこで現在ではあれだけたくさんの車両を有する、不当競争を惹起する原因を作った。これは明らかに私は陸運局の行政の失敗だと思う。そこに原因をしておる。そこで私は現地に行って、大体二百五十車両くらい多過ぎる、これを何とか処理しなければ、広島タクシー業界は正常な業態を維持することはできない、こういうふうに言うておった。その後広島タクシーの争議がだんだん深刻になってきたが、一応の了解点に達上た。ところが聞くところによると、なお名義貸しの実態が解消されていないではないかというふうに思うのです。その了解点に達したというのは、どういう内容をもって了解点に達したのか、一応その了解点に達した内容を承わりたいと思うのですがいかがでしょうか

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 十月二十五日に達しました了解点につきましては、まず初めにこのたびの紛争の解決のために新しい会社の管理態勢を作って、十一月六日を目途として発足するということであります。次に組合員全員を新しい管理態勢に引き継ぐ。三、十月二十六日からは平常通りの態勢で就労する、これが新しい了解点の骨子でございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 その新しい管理態勢というのはどういうことを意味するのかわかりませんが、私の聞くところによると、その後、この了解点に達したが、なお実行に移されなくて、現在では第一組合、第二組合の二つがおのおの営業を別々にやっておる。そこで第一組合の方が駅前の営業権を持っているので、その営業権を奪還するために事奪戦が行われるというようなことで、紛争がまた続いておるというようなことを聞いております。私が思うのに、そうなりますと、会社は表面上は広島タクシーとして一つでありますけれども、実質的には名義貸しと同じ形態を持ったもの、あるいはまた表面上は一つの広島タクシーでありますけれども、内容はそういうふうに分れて営業しておるということは、片方は実質的には無許可で営業しているのと同一になる。こういうことになりますと、さっぱり輸送秩序というか、業界秩序というものはなっていないということになると私は思うのです。こういう点をどういうふうにお考えになっているか。これは地方の問題でありますから、中央においてもなかなか思うようにはいかないのが実態であろうとは思いますけれども、事実上そういうように主体のないものが営業するということになれば、しかもそれを表面上は広島タクシーとして営業するということになれば、これは名義貸しを公然と認めているということになる。こういうことでは私はいかぬのではないかと思うのですけれども、これについてどういう見解をお持ちになるか、伺っておきたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 ただいまお話のように新しい形式の名義貸しというものは、この争議の問題から考えてもわれわれは考えていないわけでございます。それで問題は、労働争議であるから、いわゆる名義貸しというような管理組織の問題にも関係しておるわけでございます。われわれの方といたしましては根本的に名義貸しの状態を解消させなければならないというのが、陸運行政の一番重要な点でございます。その点についてはこの了解を基礎にして、これを尊重して、行政上はそういう名義貸しという状態が全然なくなった状態の方へ持っていくように解決しなければならないわけでございます。この点は問題が本省にまで持ち込まれておりますので、一地方の問題でありますが本省にも関係しておりまして、解決をはかっておりますが、今のところわれわれの方といたしましては、広島の地元の有力な方々が仲に入ってこういう了解に達し、またその実現に力をいただいておりますので、この具体的な問題の解決については、そういう立会人の方々の御努力を待ち、もちろんその立会人の中には陸運局長も入っておるわけでありますが、それとはまた別個に当局の行政上の問題についても、名義貸しが整理されて、広島においてはすっきりした格好になるということに、この事件を契機として指導するように考えて持っていきたいと思います。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 一地方の問題ですけれども、相当複雑な問題でございます。これについては山口委員から指摘されたように、中村新運輸大臣は御承知でないかもしれませんが、過去においてこれは陸運行政の非常な失敗というか悪弊というか、そういうものから生じておるのであります。こういう問題についてはまたあらためて詳しく御質問を申し上げる機会があろうかと思いますのでこの程度にとどめます。  次に道路運送協議会、これはタクシー、ハイヤーの需給問題で、今日相当緊急重要な使命を持っておる協議会でありますが、この道路運送協議会のメンバーが欠けておってそのままに捨て置かれておって、それがために必要な時期にこれを開くことができないという膠着状態になっておるようなところもあると聞いておるのですが、それはどういう事情でしょうか。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 御指摘のような状態にございます。業界のメンバーをどういうふうにして選任するかという問題で、延び延びになっておる状態でございますが、最近それらの問題につきまして全部任命するというふうに現在やっております。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 それは一つすみやかに進めていただきたいと思いますが、一体陸運局ないし本省の自動車業界に対する行政指導は、非常な混乱がきておるのではないかと思う。たとえば地方の陸運局できめるべき問題に、本省のタッチすべからざる人が変な行政指導みたいなものをやって、そうして地方陸運局がはなはだ当惑をしておるというような問題も私は聞いておるわけでございます。ちょうどその問題は山内局長が外遊中に起った問題でありまするが、東京におけるハイヤー、タクシーの料金の問題でございます。これは地方陸運局できめるべき問題であるにもかかわらず、本省の業務部長とかあるいは整備部長とかいうような人たちが相当問題に関与されて、あるいはいい言葉で言えば指導されて、それがかえってその問題の解決を混乱せしめておるというような状況がある。しかもこれは根本を探ってみると、やはり広島タクシーの問題と同じようで、在来の自動車行政の非常な弊害から起っておる。たとえば自動車界一般にいわれておることは、どうもある自動車のメーカーとある運輸省の官吏とが特別の関係にある、あるいは先輩がそのメーカーにたくさん行っておるために、非常な圧力が現当局者にかかってきて、それがために言うに忍びないような混乱ないし不当な処置がとられつつあるというようなことがいわれておるわけでございまするから、一つこの問題についてはもうすでに本省がタッチした問題でありまするから、本省の方でなお一そうよく御研究になって、すみやかに適切な処置をとられるように希望を申し上げておきます。  それから外車の輸入の問題でありまするが、外車の輸入問題につきましても、われわれの常識からすれば何も日本に観光客を誘致せねばならぬから、それでアメリカの高級車をよけい輸入しなければならないというような理屈は、理解することができないのであります。しかしながら日本における外車輸入のディーラーの勢力というものが相当にあるために、いろいろの方面の勢力を動かして、外車輸入をあたかも運輸省に奨励してもらわなければならないかのような論議が行われて、そうしてこの貴重な外貨をそういう不要の面に費消されるというようなことになりかねないということを聞いておるのでございまするが、この問題の成り行きについて一つ簡単に御答弁願いたいと思うのであります。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 外車を入れるべきか入れざるべきかという問題が基本の問題でございますが、もちろん運輸省といたしましてもそれらの点におきまして、日本の車が観光用に十分使えるということであれば、外車を入れるという必要はないと思っております。ただこの点につきましては内閣で決定されました観光事業振興基本要綱、これは観光事業振興五カ年計画に基いて作られたものでございますが、この五カ年間に大体一万両くらい日本の国に外車を入れなければならないという決定になっておるわけでございます。その理由といたしましては、御承知のように日本で今作られております車は全部小型車でございまして、大型車は全然作られておりません。それで観光用としてどうして大型車が必要かということになるわけでございますが、外人のからだが日本人に比べて一・一二倍、座高一・一五倍というふうに出ておりますが、これは大体標準だろうと思うのであります。端的に言いますと、すわりましても足がつかえるという状態であります。これがたとえば十キロとか十五キロの短かい時間て走るのならばいいわけでありますが、観光客は一日に三時間以上くらい一つの車に乗って走るということになりますと、在来の日本の車では非常に疲労度が大きい。それと御承知のように日本の道路が比較的悪いというので、クッションにおいても外車の方がいいので、そういう点の旅行を安楽にするという意味から、観光事業面におきましてそういう必要が出てくるわけでございます。その点は日本におきましてさらに観光客を誘致しなければならないときに、そういう外人の不満があればやはりそれを満足させるということも、観光事業を伸ばす上に必要にもなりますし、また観光事業へ落ちる金が、外貨を使いましても相当余りがくるくらいに落ちるのでありまして、そういう点で一般の人に使う車ではなく、外人専用、観光専用に使う専用車という点でわれわれは考えておるのであります。これが今まで二千両入ったことは御承知の通りないわけでありますが、二千両といいますのは現在あります日本の車の代替程度でありまして、これが新しい日本の車を食うというような、一般の小型車の需要までを食べてしまうというふうな数字にはなっていない。現在の自動車の数からいいますと、ほとんど代替程度の数字になっておりますので、一般のメーカーもこれによって影響を受けることはないというふうに考えられたのが、年間二千両という数字の基礎になっておるわけであります。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 これは根本的に議論をすれば相当に問題のある点もあると私は思うのでありますが、きょうはそれはたな上げをいたします。たとえば外人用の車を日本の自動車工業でできぬことはないのですから、それをやらせるという手もありましょうし、あるいは向うはからだが大きいから大きい車でなければならぬ、クッションがどうだというようなことは、理屈をつければ一つの理屈にはなります。なりますけれども、実際としては私どもは六百キロくらいの旅行を国産車で幾度かやっておりますけれども、私はからだが小さいからといえば、そういう理屈も成り立たぬことはありませんが、しかしそんな長い旅行を一体実際外人がやるのかどうか、おそらく日本の状態では長い旅行は汽車で、そうして自動車の旅行は短かい距離しかやらないのが実情ではないか。ただいま自動車局長から言われたような理由が一通り立っておるようであって、実態とは相当離れたものではないかというような点を、いま少しく研究する必要が私はあると思うのであります。その結果運輸省としてはやはり全体の国策上の立場から、国産車に対してできるだけの保護、育成の方向に、自動車行政を持っていくように努力されることが、本来の立場ではないかと思うのであります。従いましてそういう理屈はなるほど一遡り立ちます。一通り立ちますが、それは実態と果してぴたっと一致しておる理屈であるかどうかということを、いま少し御研究をお願いいたしたいと思うのであります。それからもう一つ、バスの認可ですか、路線の許可ですか、それが非常に解決がおそい実情を私は存じておるのであります。どうせ反対者があり、あるいは賛成者があるというような事項が幾らもあるのであります。時間をかせいでおりさえすれば、その解決がつくような問題ではありません。従ってこれはやはりすみやかに結論を出す方が、かえって事を混乱させないことになるのでありますから、バスその他の認許可については、一つすみやかに事務を処理して、結論を早めてもらいたいと思うのでありますが、こういう点について自動車局長はどういうようなお考えなり、また実践なりをしておるか、承わりたいのであります。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 もちろん事業を急速に解決するということは、われわれの念願といたしておるところでありまして、事務的にはその点いろいろ問題はございますが、なるべく早く解決に持っていくように努力をいたしております。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 それ以外の答弁はないと思うのでありまするけれども、しかし実例をあげてみますると、これは地方問題になってはなはだどうも恐縮でありますが、大阪の吹田から八尾へ行くあのバスです。これは国鉄バスがおそらく一年半か二年前に許可申請をしたと思うのであります。それから後、市バスが許可申請をやって、それで混乱して長い間引っぱっておかれた。ところがもう半年も前に、これは運輸審議会の公聴会とか、いろいろ手続は済んでおるけれども、半年ほどまだ沓として結論を聞いておりません。こういうふうな事例がほかにもあると思うのであります。従って局長がおっしゃったようなことは、ちっとも実行されていないということになるのでありますか、どうでしょう。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 御指摘のことは、最近競願事案になることが非常に多いわけであります。競願事案になりますと、両者それぞれ言い分がありまして。それらの解決は非常にむずかしい状態になることは御承知の通りでございますが、ただいま例示されましたものを含めまして、できるだけ早く解決いたしたいということで努力いたしておるわけであります。個々の事例につきましては、いろいろ複雑な事情がございますので、個々に御説明ができにくいので、私たちがじんぜん日を送っているというようなお考えもごもっともだと思っておりますが、私どもとしましてはできるだけ円満に事を運びたい。どうしてもそれができないときに、百パーセントどちらかということをきめるべきであるというふうに考えております。と申しますことは、今行政的に割り切ってみますと、十とゼロになる場合が非常に多いわけでありまして、申請者の御意見は非常にきわどいところになりますと、五十一対四十九になるという場合もございまして、行政としましては、できるだけその実態に即したものをやることが一番よいと私ども考えておりますので、苦慮しておるわけであります。行政面におきまして判断してしまえば、これは訴訟上の裁判所の判断と同じようなものでありまして、十とゼロになっては行政的にやはりかんばしくないという結論にもなりますので、できるだけその実態に即した正しい結論にいたしたいというわけで、苦慮いたしておるわけでありまして、そういう事務当局の立場を御了解が得られれば辛いだと思っております。

松原喜之次日本社会党

○松原委員 もう一点だけですが、今私が例示した問題のごときは、沿線約七十万の住民が一致して、国鉄バスをやってもらいたいと、こういうふうに言うておるのです。しかも私鉄バスでなければならないという理由は、ほかには別段ないと私どもは判断いたしておるわけであります。そういうふうな際に、住民の意向と利用者の意向というものを尊重することは、私は大きなファクターであろうかと思うのであります。従って国鉄からいえば、これは国鉄が歓迎を受けているのですから、これはまことに好ましいことで、いいことなんです。でありまするから、一つその際において、この沿線の住民の意向というものを一体どれくらい考えておられるかということを、一つ承わっておきたいと思います。

山内公猷運輸事務官(自動車局長)

○山内説明員 住民の方の御意見は公聴会でも常に述べられているところでございまして、事案の解決の際には、公聴会の議事録というものを相当重視しておりますので、そういう点でわれわれとしましては、事案の取扱いについて考えておるわけであります。     —————————————

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 次に国鉄の労使紛争に対し、提示されました藤林公共企業体等労働委員会会長のあっせん案のその後の経過について説明を求めます。吾孫子常務理事。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 それではただいまお話のございました藤林会長からごあっせんをいただきました問題の経過につきまして、簡単に御報告を申し上げたいと思います。  藤林会長があっせんの態度をおとりになりました一番最初は、十月の十日であったわけでございますが、自来ほとんど連日二十五日まで労使双方とも呼ばれまして、間に入ってあっせんの労をおとり下さったわけでありますが、二十五日にあっせん者としての意見というものを双方にお示しになりまして、それに対してすみやかに双方とも回答をするように、こういうことでございました。それに対して当局側の方では三十一日の朝理事会に諮りまして、当局としての態度をきめました結果、三十一日の朝午前中に、藤林会長に対してあっせん案をお受けする、ただしお受けするまでの間にいろいろと会長との間に話の出たことがございますので、それらの点を確認するというような意味を込めまして、ただ簡単な受諾いたしますということでなく、条件付のような形で——内容は受諾であったわけでございますが、御返事を申し上げたわけでございます。  このあっせんをお受けすることについて、国鉄当局側といたしましては、労使関係の正常化ということは、違法状態の解消ということが基本であるということを申し上げておりました。その主張があっせん案でもって確立せられたというふうに考えておりますこと、並びにさしあたりあっせん案の通り、臨時代表者を相手方に交渉を再開いたしますが、協約その他この間における申し合せ等はすべてあっせん案の趣旨通り、大会において正常化が実現されるまでの暫定的な処置として取り扱うものであるという意味で、お受けいたしますというようなお答えをいたしたわけでございます。それでとにかく交渉を始めるということが、このあっせん案の御趣旨でもございますので、さっそくその後一両日置きまして、組合側と交渉に入りまして、今日まで引き続いて当面のいろいろな問題につきまして交渉を重ねておる次第でございます。  ただ実はこのあっせんの話が出ました際に、国鉄の当局といたしましては、現在国鉄労働組合も機関車労働組合も、いずれも法的には同じような形になっておりますので、同じ部内の職員との間の労使関係でございますから、できれば何とかして同じようにおまとめを願いたいということを申しておったのでございますけれども、機関車労組にはまた機関車労組のいろいろな内部事情があったためであると思いますが、その方は十一月二日の地方裁判所の判決を待つということで、その判決は当局側の勝訴ということになったわけでございますが、七日に、機関車労組の方はさらに控訴の手続をとっております。従いまして、国鉄労組の方はこのあっせん案を趣旨に乗って交渉するということで、一応労使関係の正常化の端緒が開かれたのでございますが、機関車労働組合の方は、ただいまのところではあくまでも訴訟でもって争うのだ、こういう形になっておりますので、遺憾ながら交渉に入るという形にはなっておりません。その後の状況はおおむねそういうようなことになっております。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 山口君。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私はただいまの国鉄当局の報告に対しまして、一、二簡単に御質問を申し上げたいと思います。  まず私どもは国鉄の労使双方が一日も早く正常な状態においてすべての問題を解決せられて、今日のような不安状態を解消していただきたい。これはひとり私どもだけが申すのではなくて、国民全体の声としてかく申しておるものと思われるのであります。国鉄の労使双方が、問題が起きるごとに、その意思に基いて解決をするということはなかなか困難な状態にある。これは国鉄が公社として、政府の監督のもとにある、そういうことのために、非常にむずかしい過程をたどらなければ労使問題が解決しない。私はむしろ労使双方に同情を寄せておるのです。けれども、その困難な中におきましても、私はこの国鉄労使の問題解決のための正常な労使のあり方につきましては、いろいろとまた批判を加える点もあろうと思います。時間がありませんから、私はそれを今ここで根本に触れて申し上げようとは考えておりません。けれども、一番言えますことは、まず機関車労組が控訴をやって、なお裁判を係属している。その間におきましては、今御報告にありましたように、労使間における正常な場というものがそれによって失われる。こういうことになりますと、また問題は一つではなくて、次から次と常に労使間における問題が生起してくるわけであります。それは問題を起そうとしなくても、労使間において協議決定すべき事項は毎日継続しているといっても差しつかえないわけです。それがだんだんと累積されて参りますと、結果においては幾ら正常な状態を保とうといたしましても保てないという結果を、実質上招来することになると思うのです。当局としての態度は、今まで再三明確にされておりますところは承知はいたしておりますけれども、ただ法規等にこだわってこの問題を正常な状態に乗せないというこの事態は、しいて言えど形式にとらわれているのであって、迷惑するのは国民である、こういうことになってはなはだ私は事態を憂慮するわけでありますけれども、どういうふうにこれを解決されますか、一つお話し願いたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 私どもといたしましてはただいま御指摘もございました通り、国鉄がいろいろ労使関係で紛争を生じまして、そのために国民の皆様に御迷惑をおかけするということは全く申しわけないことでございますのでそういうことは何とかして最小限度に食いとめたいという気持で常にいるのでございます。組合の方もそういう気持もあるかと思いますけれども、しかしそれには何と申しましても、とにかく現在法律で定められていることだけは守っていただくということでございませんと、それがもとになりまして非常にむずかしい状態にいろいろなものがこじれて参ります。とにかく今の公共企業体等労働関係法で定められております線には、お互いに乗るようにしようじゃないかということを絶えず組合の方にもお願いしているようなわけでございます。実は機関車労働組合に対しましても、そういう意味の話を私の方としてはしたこともございます。と申しますのは国鉄当局といたしましては、国鉄労組にいたしましても機関車労組にいたしまして、それからまた別の、いわゆる第二組合と呼ばれているような新組合にいたしましても、すべて公平に臨みたい。違った態度で接するということはできるだけしたくないと思っておりますので、そういう意味からも、組合側もぜひ同じ線に乗ってほしいというふうに考えておりますので、この機会に、これはいわゆる交渉ということとは違いますけれども、事実上接触を保ちながら、組合側の諸君にも私どもの気持を十分伝えているつもりでいるのでございます。不幸にしてその努力が足りませんで、なかなか全部足並みがそろうというふうに参っておりませんが、いろいろ話を聞くところによりますれば、機関車労組の方も内部でもいろいろな意見があるようなことを聞いております。何か本日は全国の委員長を集めて会議をしているというようなことも聞いておりますので、早く機関車労組との間の現在の状態が、正常化に一歩でも近づくようになってもらいたいものだと考え、また私どもの許されております範囲内でいろいろ組合側の諸君にも話は今後も続けていきたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は今の御答弁で当局側としての心境もよく承知をいたしますけれども、国鉄当局側としては今申されているように、法規に示されている。その法規に従って組合内部のいわゆる正常なあり方をまずきめてこいと言われることもよくわかります。その通りで私は法律外のことは決して申しません。けれどもそもそもこういう紛争の起ります原因というものは、私が最初に申し上げましたように、たとい国鉄の労使の意思によってこうしたいと思っても、いわゆる政府当局等の意思というものが大きく左右するために、いえば国鉄労使の紛争というものは悲劇だと私は思っております。少くとも交通機関の労使というものは、表面は、外部から見たら非常に闘争をやっているように見えますけれども、その本質は決して他の産業の労使間に見られるようなものでありません。少くとも職場に対する愛情と申しますか、あるいはまた労使相互間におきます連係というものは、他の産業に見られない密接なものです。私は特に国鉄の交通従業でありましたから、身をもって今日まで体験してきているところであります。ですから間違いがないと思うのでありますけれども、そのようにしてとにかく労使間のあり方を正常化しようとしても、それは国鉄の労使双方の意思をもってしては解決ができない。うこに悲劇の原因がある。しかしながら法規に反しているものについては、やはり管理者当局としては当然法規に従って出直しておいでなさい、こういうふうに言われるのも当然だと思います。しかし一歩顧みますと、そういう悲劇を生んだ原因をなす政府が、果して公労法上示された法規をそのまま守っておるかと申しますと、これは守っておらぬ。これは政府みずから言明されたように、今までは守っていなかった、これから守るのだ、これから守るから国鉄の労使双方は今直ちに法規の示すところに従って正常に復すべきだ、こういう意見を発表しておるわけです。そしてやたらに強い態度で石田労政というものが行われておると私は思うのです。ここに私は国鉄の労使双方に同情を寄せざるを得ません。従って今後こういう欠陥を是正することは当然の責務として、もっと政府もあたたかい目で考えてやるべきであるし、所管省である運輸省も十分この点については考えて、労使間のこの問題がそれこそ正常に、当事者の意思によって解決でき得るように援助を与えてやるというところに基点を置かれた運輸行政が行わなければならぬと思うので、その点についても一つ運輸大臣に見解をお伺いいたしたいと思います。  それから当局につきましては、今申まししたような状態で、とにかく労使の自由意思によっては解決し得ないいろいろの障害がある。これに対しまして今後正常な労使間の慣行を打ち立てるためには、一体どういう方策で臨まれるか、四角四面の法規対策だけをもっていたしましては、労使のこの問題は解決し得ない深刻なものがあろうと思うのでありますけれども、どうでしょうか、一つ御意見を伺いたいと思います。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 国鉄の労使の紛争につきましては、われわれは監督官庁としてこれに介入するという考えは持ちません。しかしながら監督官庁でありますから、ことに運輸行政の立場から常にこれに注意をし、また国鉄当局の情勢も私は聞いております。今回のあっせん案を受諾し、ただいま国鉄当局からお答えいたしましたように三カ条の意見をもって、今団交に入っております。そうしてこの国鉄の態度に対しましては、私はこれを了承いたしておるのであります。しかし私といたしましては、国鉄四十五万の従業員はみな輸送に努力しておられる人たちであると信じまして、その点私は感謝をいたしております。ことに鉄道に関する労働は特異性があるのでございまして、私どもの知っている範囲の統計を見ますと、夜間労働、ことに野外労働、これはほとんど八、九割占めておる。こういう点におきまして同じ三公社でありましても、専売公社などとは違うと思います。この点私はよく認識をいたしております。はなはだ理屈めいたようでありますが、この労使の関係は人と人との関係である、ともに生きていかなければならぬ、こういう私の考えで、国鉄の労使問題について常に注意を怠らず、国鉄と緊密な連絡をとっておる次第であります。根本的にはこの国鉄の労使の間の労働契約とかその他の問題につきまして、私はいたずらに介入するという態度は避けておる次第でございます。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 国鉄の労使関係で一番問題だと思いますことは、組合側はその要求を実力行使でもって解決しようというようなことで、違法な争議行為をやる。それに対して当局側は法律違反の行動があったからということで処罰をする。処分をいたしますと、またその処分反対のための実力行使というようなことで、いわゆる泥沼に入った状態になっておるのではないか。そういうことが労使関係だけではなしに、直ちに結果としては国民の皆様に御迷惑をおかけすることになる。そこが一番問題のあるところだと考えます。それでそういう状態を回避いたします道といたしましては、やはりどこまでも実力行使というようなことではなく、団体交渉で話し合いで、お互いに納得ずくで結論を見出していくということ以外に方法はないと思います。そのことで今後もあくまでももろもろの問題をお互い同士の話し合いでもって、答えを見出していくということに努力いたしたいと思いますし、また話し合いの上で答えが出ない場合もありますが、そういう場合には、公労法に定められました調停、仲裁という機関の手を経ることになるのであります。政府当局の方も、仲裁裁定の実施につきましては、しばしば仲裁裁定は完全に実施して下さるのだという御言明をいただいておりますし、この点は国鉄労使として双方とも非常に大きな希望をつないでおる点でございまして、今後は団体交渉を中心にそれでもって何とか答えを発見していく、もしどうしても答えが得られない場合には公労委のお世話になる、そういうことで今までのような実力行使、それに対する処分、そういうことを繰り返しやることを何とかして避けたいものであるというふうに考えておる次第でございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 もちろん実力行使がないようにしたい、これはだれもが思うことです。ところが今申しましたように仲裁裁定がいまだかつて実施されたことがありません。今度も政府は実施すると言いますまれども、一体実施していますか。実施していないのです。私が労使双方に対してまことに同情するというのはそこなのです。あなたがおっしゃるように団体交渉なりあるいは正常な交渉によって問題が解決すればよろしい、あなたもそういう意思を持っておられる。ところがそのあなたの意思をもっては解決できない部面がある。なぜかといえば、大蔵省に対し仲裁裁定を実行する上に必要な予算をこれだけくれとあなた方が要求されても、これを政府が承認しない。政府が承認しなければ、大臣は国鉄の労使双方の意思とは違った行動をやむを得ずとらざるを得ない。それで組合の方もやむを得ず行動をとると首になる。首になるとそれに対してまた闘争を開始するという泥沼の状態が現出される、こういうことになっている。でありますからその欠陥を除去しさえすば、あなたがおっしゃるように問題は簡単に片ずくと思う。ところがその欠陥を是正しなければ、私はこの解決の方法はないと思います。そう見てくると、ただ実力を使行したという表面の違法行為だけを責める前に、私はもっと深い原因を探求して、それに障害があることは明らかなのですから、その障害を除去するように努力をすることが、国民の声にこたえる最大の道ではないか、こういうふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか、所見を承わりたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 過去の仲裁裁定が内容においていろいろ国会の議決を受けた結果、裁定の文言通りに必ずしも行っていなかったということは、何回かあったと思うのでございますが、ただ先ほども申し上げましたように最近では政府御当局もしばしば、仲裁裁定は必ず実施するのだということを御言明になっておられます。その点に私どもとしては大きな希望をつないで、あくまで平和的に労使間の問題を解決する道を開いていく、そういう気持で今後とも努力をいたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 時間がないようですから希望だけ申し上げておきますが、とにかく今申しますように本年の仲裁裁定も、政府は実行するといってもから手形で、実際はその仲裁裁定を百パーセント実行しておらぬのです。そこに問題がある。あなた方は百パーセント実行してやりたい、これは労使という建前に立てば、それだけあたたかい気持をお持ちになることは当然であるし、もしそれを持っていられないとするならば、そんな労使関係というものはない。ですからあなた方はそういう気持を持っておられても、実際にはそれは実行されない。それに対して抗告する手段が何らあなた方にない。ですから片方は労働組合から責められる、片方は政府から責められる、それではあなた方、どうにもこうにも立ち行くところがない、こういうことになる。組合の方から言えば、あなた方が幾ら労使の問題としてこれを要求しても、今言うようにそれより一段高いところにじゃまものがあって、そいつが言うことを聞かぬ、だからどうにもならぬ、こういう欠陥があるゆえに、国民に対して迷惑をかけ、国鉄が同時に批判を受ける、こういうことになっていると私は思うので、これについてはやはり根本的に公労法の問題に触れて考えるべきだと思うのです。これについて十分に御検討願いたいということ。もう一つ当面の問題としては、年末を控えまして御承知のように仲裁裁定の実施とからんで、年末資金の問題が表面に出て参ります。この問題がさらに累積をいたしますと、また例年恒例のように繰り返される年末騒動というものが起きてくる。そうなりますとまたまた国民は、批判をするといたしましても、批判だけに終って無気力なものになります。そして批判は実害を取り戻すことができません。でありますから実害を与えないように、一つ十分に御勘案を願って、当局としても解決を促進していただきたいと思います。  それから運輸大臣に望みますことは、いわゆる誤解を招くような労使問題の介入はしない、こういうことでありますが、もちろんそういう方式における介入は避けられなければ、なおさら紛争に火を注ぐ結果になって好ましくないと思います。けれども今申しますように監督官署として、政府部内においても予算その他の措置において障害が生じてくるとすれば、政府部内の問題として、運輸大臣が運輸省なり関係省に働きかけて、そうしてこの問題を円満に解決するために援護してやるということは、当然私はなさるべきだと思う。ただ監督官署だからというので、権限をもって監督をするという建前ではなく、今申し上げるような困難な労使問題でありますから、従ってこの労使の問題をなるたけ円満に解決し得るようにあたたかい目で援護してやるということが、私は主務大臣としてとられる当然の措置だと思うのです。そういう意味で、この今後に処する問題は、権力的に介入するというのではなくて、この問題を円満に解決するように援護してやるのだというあたたかい態度をもって、どうか一つ政府部内において御活躍を願いますように希望を申し上げて、私の質問を終りたいと思います。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 井岡委員。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 委員長は次の委員会のことで御心配なさっておいでですから、簡単に吾孫子理事と大臣にお願い申し上げたいと思うのです。御承知のようにこの間本会議で国家公務員に対しての年末手当の〇・一五の増額が通過をしました。御承知のように国家公務員は従来夏期手当が〇・七五、年末手当が一・八、こういうようになっておったのに対して、さらに〇・一五ふえたわけですが、国鉄は本年の予算では夏期手当は〇・五、年末手当は一。五であります。この間においてかなり開きがある。この問題を当局はどういうように解決しようとしておいでになるか、この点を吾孫子理事にお伺いしたい。  同時に大臣は、こういう問題でせっかく労使が藤林あっせん委員長の御努力によって正常化しつつあることでございますから、国鉄当局に十分御協力をいただき、御支援をいただく、こういうことをお願いして御答弁をわずらわしたいと思います。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○中村国務大臣 年末手当の問題につきましては今努力中でございます。これは私は等閑に付しません。それから山口君の御希望でございますが、これにも私の誠意のあるところをお答えをいたしておきます。私は温情的に労働問題を見ません。正当に見て解決をしていく。ことにこの期末手当の問題につきましては正当なる処置をいたしたい。温情的な、パターナリズムの考えは私は持っておらぬということをどうぞ一つ御了承願いたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 期末手当の予算につきましては、今井岡先生のお言葉通り私どもの方は二カ月分しかございません。結局〇・五五カ月分公務員よりも予算が少くなっております。今その点につきまして幸い大臣もいろいろ御努力下さっておられますし、私どもとしても財源の捻出その他について今努力中でございます。何とかして公務員の線までにはいけるようにいたしたいと思って努力いたしておる次第であります。

淵上房太郎自由民主党

○淵上委員長 本日はこれにて散会いたします。  次回は明日午前十一時より開会いたします。     午後一時十二分散会

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