予算委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 188 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1957/03/29
会議録
○仮主査(佐藤清一郎君) ただいまから第三分科会を開きます。 年長のゆえをもって、私が正副主査の互選を管理いたします。
○小林孝平君 正副主査の互選は、成規の手続を省略し、主査に内村清次君、副主査に佐藤清一郎君を推薦することの動議を提出いたします。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○仮主査(佐藤清一郎君) ただいまの動議の通り行うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仮主査(佐藤清一郎君) 御異議がないと認めます。よって、ただいまの動議の通り決定いたしました。 〔内村清次君主査席に着く〕
○主査(内村清次君) ただいま御推薦により、私が主査として本分科会の運営を行うこととなりました。何とぞ御協力のほどをお願いいたします。 第三分科会は昭和三十二年度総予算中、農林省、運輸省及び建設省関係予算について審査をいたすわけでございます。本分科会の審査日程につきましては、佐藤副主査と協議いたしまして、本日は午前中農林省関係予算について審査を行い、残余は明日行う、本日午後は運輸省関係予算について審査を行い、明日は建設省関係予算について審査を行う、以上のように協議いたしましたが、右のように運営することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(内村清次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ちょっと速記をとめて。 午前十時三十六分速記中止 —————・————— 午前十時五十六分速記開始
○主査(内村清次君) 速記をとって下さい。 それでは、昭和三十二年度の農林関係予算案の概要についての説明は、永野政府委員から聞くことにいたしましてよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤清一郎君 資料をちょっとお願いしたいのですが、食糧庁長官の方から、昭和三十一年度産米の一石当りの中間経費の資料ありましたら、お願いしたいんですが。
○政府委員(小倉武一君) 今印刷物は持っておらんですけれども、控えがございますから御説明はいたすことはできますが、いかがいたしますか。
○政府委員(永野正二君) 参議院予算委員会提出資料の中に入っております。
○佐藤清一郎君 入っておりますか、それじゃよろしゅうございます。
○政府委員(永野正二君) お許しを得まして昭和三十二年度の農林関係予算の概要について御説明申し上げます。 まず予算案編成の基本となりました農林水産行政に対する私どもの考え方を申し上げたいと存じます。 御承知のように、昨年は、北海道の冷害等一部地域におきまして災害をこうむりまして、また、他の地域におきましても、気象条件は、必ずしも良好な状態であったとはいえないのでございますが、全般的には、米麦を初めといたしまして主要農畜水産物の生産は、おおむね、高水準を維持し得たのでありまして、これは、農山漁村民諸君の努力のたまものであることはいうまでもないのでありますが、とくに、戦後における土地改良事業の推進、耕種技術の改善等の成果がようやく結実して参り、農林水産業の生産力の水準を高からしめたものと考えるのでありまして、まことに御同慶にたえないところであります。 しかし、翻って、わが国経済の基調を観察いたしまするに、すでに御承知の通り、最近における生産、貿易、雇用等各分野にわたる経済発展は、世界的にも類をみないほど目ざましいものがあるのでありますが、農林水産業が、成長を続ける国民経済の中で、その重要な一環として、今後におきましても、他産業部門と極力均衡した発展を遂げますためには、従来にまさる努力を積み重ねなければならないことを痛感するのでありましてこの際、農林水産行政につきましても再検討を加え、施策の効果的な浸透を期することが、ぜひとも必要であろうと考えておるのであります。 申すまでもなく、農林水産行政の基本的目標は、農林水産業の生産力を高めて、農山漁村民の福祉を増進することであります。と同時に、食糧の総合自給力を向上することによって、国民経済の安定と発展に寄与することであります。すなわち、食糧等農畜水産物の生産増強のための諸施策を展開するに当りましては、単に、量的増産をはかるばかりでなく、生産性の向上を重視しつつ、農業所得の増大、農山漁村民の生活水準の向上をはかるとともに、従来、どちらかといえば米及び麦に片寄りがちであった食糧増産のための努力を一そう拡大して、国民食糧消費構造の高度化に照応し、畜産物、野菜、果実、水産物等を含めた総合的食糧供給力の増強という見地に立って推進する必要があると思うのであります。また、このことは、世界的な農産物の過剰及びこれを反映した農産物価格の低落傾向に対し、わが国農業の国際競争力を強化するゆえんであろうと思うのであります。 かような観点から、明年度における農林予算案につきましては、農林水産行政の基本目標を一歩一歩、具体的に実現していくことを目途として編成いたした次第であります。 次に、一般会計における農林関係予算案の総体について申し上げます。 農林省所管合計といたしましては、八百十二億一千四百万円となっております。これに総理府所管の農林関係公共事業費七十九億四千九百万円及び原子力平和利用に要する経費九千三百万円、労働省所管の農林関係公共事業費一億六千百万円並びに建設省所管の農林関係営繕費六千七百万円を加えました農林関係予算合計は、八百九十四億八千三百万円となり、前年度に対し十七億二千百万円の増となっております。 以下、その主要経費について簡単な御説明を申し上げたいと存じます。 第一に生産基盤の拡充と生産性の向上でありますが、そのうち、第(一)は食糧増産対策経費についてであります。 まず、農地の拡張改良による食糧増産関係予算としましては、土地改良、開拓、耕地整備、外資関係事業等二百七十億八千三百万円を計上しております。このうち特に新規国営灌漑排水事業並びに国営及び代行の干拓事業につきましては、その国庫負担分を新設の特定土地改良工事特別会計に繰り入れ、地元負担分は同特別会計において別途財政資金の借り入れによることといたしました。 また、耕地整備事業につきましては、特に寒冷地対策として暗渠排水、客土等の工事の促進をはかることといたしております。 次に、災害関係事業費といたしましては、八十三億二千六、百万円を計上いたし、災害復旧事業、災害関連事業及び鉱害復旧事業を行うことといたしました。 次に、公共事業の行われがたい農山村後進地域を対象とする小団地開発整備事業につきましては、三億円を計上いたしております。 次に、耕種改善による各種農産物の生産の増強対策につきましては、六億七千百万円を計上し、主要農作物種子対策、低位生産地調査、特殊土壌調査、細作地帯の耕土改良、植物防疫事業及び特殊農作物の生産改善等を行うこととしております。 第(二)に、治山治水事業と林業振興に要する経費についてであります。 まず、山林公共事業費につきましては、九十八億八千八百万円を計上し、治山事業、造林事業、林道事業、災害復旧及び森林開発公団補助等を行うことといたしております。 次に、林業振興に要する経費につきましては、六億二千三百万円を計上し、保安林整備計画実施、森林病害虫等防除、有益鳥獣増殖、森林計画、毬果採取等優良種苗確保及び林木品種改良事業等を行うことといたしました。 第(三)に、水産振興に要する経費についてであります。 まず、新漁場の開発並びに水産生物資源の調査につきましては、一億二千五百万円を計上し、沖合未開発漁場の積極的開発、国際漁場の開発、中南米漁業調査、国際漁業生物調査等を行うことといたしております。 次に、沿岸及び内水面漁場の維持及び増殖つきましては、四億三千万円を計上し、水産増殖、漁業調整及び漁業取締指導等を行うことといたしました。 なお、国際漁業関係の取締り指導について三億三千七百万円を計上いたしております。 漁港施設の整備拡充につきましては、四十六億九千八百万と大幅に増額いたし漁港の整備及び災害復旧事業等を行うことと、いたしております 第(四)に、畜産振興に要する経費についてであります。 家畜の導入及び改良増殖につきましては、一億九千二百万円を計上いたし、都道府県に対する種畜購入補助、世界銀行資金によるジャージ種乳牛二千五百頭の導入及び有畜農家創設事業による家畜の導入を実施することとしております。 次に、自給飼料対策につきましては、二億二千五百万円を計上いたし、草地改良、牧野改良センター飼料自給経営施設及び飼料作物原採種圃等の事業を実施することといたしております。 第(五)に、蚕糸業の振興に要する経費についてであります。 まず、生糸の需要増進につきましては、九千万円を計上し、従前の海外宣伝事業を強化拡充するほか、ニューヨークにシルク・ファッション・センターを設けることを予定しております。 これと相待って、養蚕振興につきましては、三千四百万円を計上し、養蚕経営合理化促進及び凍霜害対策用の稚蚕共同桑園の設置を行うことといたしております。 次に、生糸設備の処理に要する経費として新たに五千百万円を計上いたしております。 第(六)に、農林水産関係調査研究並びに技術の向上に要する経費についてであります。 農林水産業発展の基盤となる試験研究につきましては、三十六億五千五百万円を計上し、国の試験研究機関の諸経費、都道府県の補助及び民間試験研究の助成を行うことといたしておりますが、このうち特に前年度に引き続き、農林水産技術会議に、新規研究費一億五千六百万円、施設費二億五千六百万円を一括計上いたしますとともに、原子力関係予算につきましては、九千三百万円を総理府所管に計上いたしております。 試験研究の成果を急速に浸透するためには、農業、畜産業、養蚕業、林業及び水産業における技術改良普及事業の強化を図ることが緊要でありますので、これがため二十七億三千三百万円を計上いたしております。 農林漁業関係の統計、調査に要する経費といたしましては、四十一億五千三百万円を計上いたしましたが、新たに緊急畜産センサス等を行うことといたしております。 第二の重点として、新農山漁村建設の推進と農林漁業経営の安定対策について御説明申し上げます。 第(一)に、新農山漁村建設総合対策に要する経費についてであります。新農山漁村建設総合対策につきましては、前年度に引き続き、その事業を計画的に拡充いたすこととし、計画樹立地域数を新規九百地域、事業実施地域を継続五百三十四地域、新規九百六十六地域、計一千五百地域とするため、特別助成費、二十七億六千八百万円を計上いたしております。 第(二)に、農山漁村青年総合対策に要する経費についてであります。農山漁村振興の中核となる青年を対象として、各種の実践活動及び研修への参加や内外先進農業地域への留学等を行わせるため八千七百万円を計上いたしております。 第(三)に、寒冷地農業振興対策についてであります。北海道、東北等寒冷地帯農業の安定とその振興を図ることが急務でありますので、土地条件の整備と並行いたしまして、有畜経営への転換を促進する目的で、展示農家群に対する乳牛及び役肉牛の国有貸付制度を創設するとともに、国有トラクターの貸付を行い、寒冷地道県に農業機械化センターを設置せしめる外、寒冷地特用作物の生産振興及び寒冷地試験研究の強化等の措置を講ずることとし、これに要する経費四億九千万円を計上いたしております。 第(四)に、農地制度の維持発展と中小農家の経営安定の経費であります。農地制度については新たに転用基準を設定し、農地潰廃防止の徹底を期するほかに、自作農創設維持に要する経費として、五億二千六百万円を計上いたしますとともに、農林漁業金融公庫の自作農維持資金を増額して、五十億円といたしております。 なお、新たに中小農家の振興対策といたしまして和牛、豚、綿羊等の家畜の導入を奨励するための経費として、二千八百万円を計上いたしました。 第(五)に、開拓営農の安定に要する経費であります。開拓地営農指導等に二億百万円を計上いたしておりますが、このうち開拓者営農特別振興対策として、旧債の借りかえを行うための利子補給の助成として一千五百万円を見込んでいるのであります。 第(五)に、農林水産物及び生産資材の流通改善と価格安定に要する経費についてであります。 まず化学肥料については、臨時肥料需給安定法に基く、需給調整のため七千五百万円を、農薬については、中央段階の保管に重点を置いて、所要経費六千七百万円をそれぞれ計上しておりますほか、購入飼料、テンサイ糖及び農産物価格安定法に定める各種農産物につきましては、食糧管理特別会計において価格の安定をはかることといたしております。 乳製品につきましては、国内産脱脂粉乳及びバターの学童給食等特定用途向けの利用を奨励することとし、これに必要な経費一千万円を計上いたしております。 農林水産物の輸出振興に要する経費としては、さきに生糸の需要増進で申しました九千万円のほか、前年度に引き続いて通産省に計上された予算をもって、マグロ、ミカン等農林水産物の市場開拓の事業を行うこととしております。 第(七)として、農林漁業経営のための所要資金の確保に要する経費についてであります。三十一年度に発足した農業改良資金制度につきましては、技術導入資金の貸付額を十二億八千四百万円、施設資金の融資額を二十二億七千八百万円といたしますため必要な資金の造成に努めますとともに、新たに施設資金についての利子補給に対する助成を行うことといたし、これらに必要な経費五億七千五百万円を計上いたしております。 農林漁業金融公庫につきましては、産業投資特別会計よりの出資七十億円、借入金百八十億円、回収金等百億円、合計三百五十億円の原資をもって融資を行う予定にいたしております。 農林水産業における組合系統資金の積極的活用に関する措置といたしましては、中小漁業融資保証保険特別会計において年間百億の保証を予定しておりますほか、農業改良資金制度により二十二億七千八百万円、開拓融資保証協会出資三千万円により従来の資金量に加えて一億八千万円、有畜農家創設特別措置により十二億八千三百万円、開拓営農振興特別措置により約四億円が予定さております。 なお、一般会計による利子補給金といたしましては、以上述べましたほか、過年度における各種災害のための営農資金に対する利子補給及び昭和三十一年度北海道冷害による概算金返納措置に伴う利子補給金等合せて十二億六百万円を計上いたしております。 第三の重点といたしまして、農林漁業団体関係の経費及び農業災害補償制度等について御説明申し上げます。 第eに、農業委員会関係に要する経費についてであります。農業委員会関係につきましては、十一億一千二百万円を計上いたしまして、全国農業会議所都道府県農業会議及び市町村農業委員会に対する事業活動促進に必要な助成等を行うことといたしておりますが、このうち特に市町村農業委員会費補助につきましては、新制度の発足が予定されます昭和三十二年八月以降は、新制度に基く農地関係事務処理等の実情を考慮いたしまして、従来は職員三分の二人に相当する分を負担していたのに対し、職員一人に相当する分を負担することといたし、他方町村合併による委員会数の減少等を考慮いたしております。 第(二)に、農業協同組合等農林漁業関係組合に要する経費についてであります。農業協同組合等農林漁業関係組合につきましては、九億四千九百万円を計上いたし、農業協同組合中央会の事業活動促進補助、農林漁業組合の検査指導、農林漁業組合連合会整備促進事業及び不振農協の整備強化対策を行うこととしております。 第(三)に、農業保険等に要する経費についてであります。 農業災害補償制度につきましては、かねてから制度改正につき鋭意検討を続けて参りまして、本国会に農業災害補償法の一部改正法律案を提出いたす予定でありますが、昭和三十二年度予算案におきましては、現行制度に基き、農業災害補償制度に必要な経費百七億二千六百万円を計上いたしております。 なお、漁業共済制度につきましては、自然的条件に左右されるところの多い漁業の実態にかんがみまして、なお慎重に検討すべき事項も残されておりますが、昭和三十二年度におきましては一部試験的に実施いたさせることとし、これに要する経費七百万円を新たに計上いたしております。 次に、昭和三十二年度の農林関係特別会計予算案について御説明申し上げます。 第(一)に、食糧管理特別会計でありますが、この会計の歳入、歳出は、ともに八千六百四十三億二千二百万円となっております。この会計の予算の編成に際しましては、種々論議のあったところでありますが、今後の運営方針、特にその合理化につきまして、新たに特別調査会を設け十分に有識者の御論議をいただいた上善処いたすことといたしました。 第(二)に、さきにも御説明いたしました特定土地改良工事特別会計の新設でありますが、この会計は、歳入、歳出四十二億四千四百万円をもって事業を行うことといたしておりますが、国庫負担分の一般会計からの繰り入れば三十一億五千九百万円、地元負担分の借入金は八億五千四百万円となっております。 その他の農業共済再保険、森林火災保険、漁船再保険、自作農創設特別措置、開拓者資金融通、国有林野事業、糸価安定及び中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましては、それぞれおおむね前年度同様の方針で所要の事業を確保して参ることといたしておる次第であります。 以上をもちまして農林関係一般会計予算案及び特別会計予算案の概要の御説明を終るのでございます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○主査(内村清次君) それではただいまの説明に従いまして質疑に入りたいと思います。
○小林孝平君 私は農業政策の基本の問題について、農林大臣にお尋ねいたします。まず、井出農政と河野農政はどう違うかということについてお尋ねいたしたい。河野氏は二カ年間農林大臣の地位におられまして、この間いわゆる河野農政というものが相当浸透していると私は思うのでありますが、井出農林大臣の農政は、一体この河野農政とどういうふうに具体的に違うかということをお尋ねしたいと思うのであります。こういう見地から、以下数点についてお尋ねをいたします。 まず第一は、大臣は農林政策の基本をどこに置かれようとしておられるのか。それは、河野農政は、流通過程の合理化、適地適作というような点に重点を置いた経済的色彩の強い、いわば商業的農政であったと思うのであります。そこで、この河野農政をあなたは踏襲されるのかどうか、特別な独自の井出農政というものを打ち出されるのかどうか、そういう点についてお尋ねをいたします。
○国務大臣(井出一太郎君) きょうは閣議が長引きました関係で、出席がおくれましたことをおわびを申し上げます。それから例の日ソ漁業交渉が、ちょうど大詰めに入って参っておりますので、あるいはきょうの午後あたり、あるいは明日にかけまして、ずっとこちらへおじやまができないかもしれませんが、その点もあらかじめ御了承おきをちょうだいいたしたいと思います。 ただいま小林さんからのお尋ねでございますが、この井出農政というものが具体的にいかなる性格、色彩を持つかというお尋ねでございまするが、知は農業のようなこのじみなテンポのおそい産業を考えまするときに、それほど従来と抜本的に変ったものを打ち出すということも、なかなか容易でないと思うのであります。まあ、自民党内閣ということでございまするので、当面の責任者は変りましたものの、やはり党の方針というものにも規制を受けるわけでございまして、河野前大臣のやられました施策の中で、それぞれ重要なものは、それを踏襲をしなければいけまいと考えておるのでございますが、一言申し上げさせていただきまするならば、やはり日本の農政の基調というものは、国内の食糧自給度をなるべく高めていかなければならない。こういうことからいたしまして、しかもこれを総合的な観点に立って、従来平麦本位といわれて参りましたものを、さらに畑作、畜産、水産等をも総合した自給度の向上ということに目標を置いておるつもりでございますが、同時に、新農村の建設というような、従来手をつけました仕事、これはこもなりに大きな意味を持っておるのでございまするから拡充をして参る、こういうふうな方針でございまして、まあ大ざっぱに申し上げますれば、先ほど官房長が代読をしてくれましたこの予算の説明の中にも申し上げておりまするような方向で当って参るつもりでございます。
○小林孝平君 農業政策のごときは、そう急に政策の転換をするというようなことは困難でもあり、また適当でないというようなお話しであったのです。ごもっともだと思うのですけれども、このいわゆる河野農政というものは、従来の農政から相当変り、先ほど申し上げたように、流通過程の合理化、適地適作に重点を置くというような、非常に経済的色彩の強い商業的農政であって、相当従来の方針を転換したものと言わなければならぬと思います。そこで、井出さんは、前任者に敬意を表して、そういうことをおっしゃったんだろうけれども、私はあなたとしてはまたお考えがあるべきだと弔うのです。それで今のような御答弁だと、一体今後あなたはどういうところに重点を置かれるのかということが、はっきりしないと思うのです。官房長が代読されたこれにあると言われますけれども、これは通り一ぺんの毒にも薬にもならぬことが書いてあるわけですから、この通りですなんというたら、何も大臣は必要でないんですよ。私またお忙がしいのにあなたに聞こうと思わないのです。私が聞こう聞こうと思っておることは、この間からあなたは衆議院と参議院を通じて食糧管理特別会計の問題を中心にして、あなたとしては、まあ農林大臣となって大いに抱負経論を行おうと考えておられたにもかかわらず、いわばそういう派生的な問題に非常に心労されて、あなたは井出農政の抱負経輪を述べる機会州なかったわけです。むしろあなたは非常に残念だと思っておられたんじゃないか。私はほんとうはきのうの委員会でお尋ねをして、あなたから大いに述べていただきたいと思ったけれども、きのうは都合でできませんので、むしろあなたのために一つお聞きしておるつもりなんです。それだというのに、そういうふうに何だかわけのわからないことをおっしゃっては、以下あまりお聞きする意味がない。ですから一つそのつもりでお願いいたします。 そこで、今あなたは河野農政を大体踏襲しておる、こう言われましたけれども、たとえば食糧増産一つについていいましても、河野農政というものは、食糧増産を重視しなかったと考えられる。また、そういうふうに一般にも思われておる。あなたは食糧増産に力を入れると言われましたけれども、この食糧増産一つについても河野農政としては、総合的な農政の立場からこれに力を入れなかったというのは、また当然でもあろうかと思うのです。そこで、そういうような点が具体的に違うはすなんです。そこであなたは遠慮されてそういうふうな御発言をされたかもしれませんが、かりに、今あなたが食糧増産を重視すると言われましたけれども、今麦については、内地産の麦は外麦より割高になっておると思うのです。だからこの際ただ戦時中の、あるいは戦後のものを作ればよいという考え方の食糧増産ではだめだと思うのです。生産費の引き下げと、生産性の向上に重点を置いた増産政策に切りかえる必要があると思うのです。この点についてはあなたは今官房長が読んだ通りだとおっしゃいましたように、この中にも確かに書いてあります。三ページに、「単に、量的増産をはかるばかりでなく、生産性の向上を重視しつつ、農業所得の増大、」云々と書いてありまして、書いてはありますけれども、その点の考慮が私は具体的には文章には書いてあるけれども、具体的の考慮が予算に私は見られないと思うのです。そういうことでは私はむしろまだ河野農政の方がいいということになるのじゃないか、それでは困るのであって、一体農林大臣はどういうふうにおやりになるのか、もう少し具体的に抱負をお述べになっていただきたい、こういうふうに思うのです。
○国務大臣(井出一太郎君) 小林さんはまあ河野農政というものが、流通面に力を注いだ、適地適作という観点のもとに商業的な色彩を打ち出したという御指摘でございます。私は従来の日本の農業というものが俗に重農主義といわれる言葉もございますように、ただひたすらの増産政策、そのために経済条件というものに考慮を払われず、採算も何も無視してひたむきな増産だというふうなことに対しては、やはり考え直さなければならぬと思うのでありまして、さような面から前農相が一つの刺激を与えたと申しましょうか、こういう点に対しましては、これはやはり意味が十分にあったとかように思うのでございまして、農村といえどもやはり常にそういった経済ベースというものに関心を持ちつつ、営農をやっていかなければならん、こういう意味で前農相のやられた部分に対しても、やはりとってもって用いなければならぬ面が多々あるであろうというふうに考えておるのであります。同時に、やはり冒頭に申し上げましたように、国内の食糧自給政策というものを合理的に考えて参らなければなりません。さような観点から、たとえば畑作なら畑作の問題、特に東北、北海道というふうな一つの寒冷地帯というふうなところに、まだ大きな可能性が包蔵せられるというふうな観点から、寒冷地対策というふうなものにも意を用いて予算措置もいたした、こういうふうなところをごらんをいただきまするならば、まあ私の考えている方向の一端というものは御了解がいただけるだろうと思うのであります。
○小林孝平君 私は河野農政が意味がないということを申し上げているわけじゃないのです。そこで、あなたがそれを全面的に踏襲されるということであれば別ですけれども、それと別の立場をとられる、今申し上げたように、食糧増産の点一つ考えましても、河野農政というものは何といっても、その河野さんが農林大臣に就任されたときの最初の発表でも、従来の食糧増産主義を一擲して、流通過程の合理化に重点を置くということで出発された。そこで、あなたは食糧増産には、この資料にも書いてありますが、重点を置くと言われておりますけれども、今申し上げたように、くどいようですけれども、食糧増産というものはもっと、物をただよけい作ればよいというやり方ではだめだ、生産費の引き下げ、生産性の向上ということに重点を置いて今後やらなければならん。そこで具体的にあなたはどういうことをおやりになろうとしているのかということをお尋ねしているのです。これにこだわらなくてもいいんです。この中にはないけれども、今後こうやろうというのでいいんですから……。
○国務大臣(井出一太郎君) その点につきましては、予算を御審議いただきます過程において、しばしば申し上げたと思いますが、たとえば土地条件の整備、こういう問題につきましては、従来よりも土地改良関係の経費というものは増額をせられておりまするし、また、耕種改善というふうな技術的な面につきましては、これまた、それぞれ農林水産技術会議というふうなものを通じても、予算の増額が見られておるわけでございまして、おのおのの立場から、一は土地条件を整備するという方向に、一は技術の改善普及という面において、やはり増産に対する意図を打ち出しておる、こういうふうに御了解が得られるかと思うのであります。
○小林孝平君 今、私申し上げたように、今回の予算に必ずしも私はこだわって御発言をいただかなくてもいいと思うのです。それは就任早々でもありますし、また、非常に食管特別会計の問題で、非常にこの方に労力をさかれましたので、今までのこの予算の上、あるいは今までのあなたが御発表になつたのには不十分のものあるかもしれないけれども、今後こうやるという強い線はやはり打ち出していただかないと困るのではないか。井出さんが青年農相として非常に期待されて大臣に就任された。青年といっても、あなたが年で青年といっているわけじゃないと思うのです。あなたの清新な考え方、あるいは清潔な政治家としての行動、あるいは農政に対する非常に進歩的な考え方、そういうものを総合して青年農林大臣として井出さんが期待されて農林大臣になられたと思うのです。ところが、そういうことで、私の考え方はこの予算書の報告の通りでございますとか、河野農林大臣の考え方と大して違いがありませんというようなことでは、私はこの全国の関係者があなたに期待した、この期待に非常にそむくものがあると思うのです。私はこれ以上申し上げませんけれども、一つそういう意味で今後予算案の通過いたしましたあとは、ほんとうの意味の井出農政というものを打ち出して、強力に進めていただきたいということを、希望いたす次第でございます。 それから次には、やはりそれと関連いたしまして私は河野農政、河野氏は農業団体の再編成を重要政策として取り上げたわけです。しかし、その精神は農業の指導団体を組織して、これを育成することをねらったのだと考えられます。しかし、その方向というものは、私はあなたが今言われました農業技術の問題に関連して、農業改良普及事業と非常に矛盾するものがあったと思うのです。そこで、この農業の技術指導はあなたが今農業の試験研究、あるいは普及事業というようなものに重点を置くというような意味の発言をされましたが、農業の技術指導は普及事業の拡充でやるのが本筋であろうと、こう思うのですが、農林大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(井出一太郎君) 小林さんの前段の御発言は、私に対する非常な御鞭撻と了解をいたしまして、今後じみではございまするけれども、徐々に一つ味を出して参りたいというように御了解をいただきたいと思います。そこで団体問題、あわせて普及事業にお触れになられました。まあ、私もお説のように、この改良普及事業というものが、戦後の施策として着々成果を上げておりますることは、大方の認めるところでございまして、これがやはり技術をになう中軸になって参ることが至当であろうと、こう考えているわけであります。
○小林孝平君 農林大臣がそういうふうにお考えになれば、この農業改良普及事業というものを、さらに積極的に拡充をするためには、いろいろのことをやらなければならぬと思うのです。まず一つの例でありますけれども、大臣は専門家でいらっしゃいますから、よくおわかりでありましょうけれども、昭和二十七年に議員立法によって農業改良普及事業の一部を改正しまして、都道府県の農業試験場に、普及事業に必要な試験研究を推進するために、国庫の補助によって農業改良研究員というものを置いたわけであります。これは井出さんもおそらく関係され、積極的に推進されて、これを置かれたことだろうと思うから、御記憶になっていると思うのです。ところが、これは当時はですね、当時は各都道府県に一人だけ置く。漸次これを普及しまして、拡充いたしまして、五名とか七名置く。農機具とか、種芸とか、農薬とか、そういう専門の部面を担当する人間をふやして、初めは一人だけれども、五名とか七名にするということで、これは置かれたわけであります。これは井出さんも御記憶になっていると思う。ところが、その後ですね、このまま農林省はですね、そのまま大蔵省に要求されないまま、当初は五名ないし七名置くということで、そういう構想のもとにやったのが、一人でずっと三十一年まできているわけです。ところが、今度は三十二年度になったら、大蔵省は、こんなものは要らないじゃないかと言って削ろうとしたのだけれども、今度はたまたま……、削ろうとしましたけれども、それが農業改良普及の専門技術員と一緒になって、まあ置くということに三十二年度はなっているわけです。具体的には、専門技術員というものは六百四十三名三十一年度にいたのです。農業改良普及員というものは四十六名。ところが三十二年度はこれを一緒にして六百四十三名と、名前はこの両一方になっていますけれども、内容は一本になっている、こういうことがあるわけです。これではですね、この当初せっかく議員立法でやった意味がなくなってしまっているわけです。具体的にはもう人を削ったということになります。こういう一つのまあ事例ですが、こういうことになっている。これはあなたがせっかく衆議院でおやりになつたのが意味がなくなっているわけです。あなたはもし改良普及事業に重点を置くとか、試験研究に重点を置くというのならば、ともかくこういうことから改めていかなければならぬと思うのです。これは農林省が大蔵省に増員を要求されなかったから、こういうことになっていると思います。そこで農林大臣はこういうことはすみやかに、今の御言明からいい、また地味にやるとおっしゃるなら、地味とは、こういうことが地味なのだと思いますから、こういうことをさっそくおやりになって、増員を要求し、元に戻すだけではなく、さらに積極的に今後増員を要求されることに努力されますかどうか、お伺いいたします。
○国務大臣(井出一太郎君) 農業改良の研究員につきましては、都道府県の農業試験場専門技術員、あるいは普及員、それぞれを、この農業改良普及制度のもとに、有機的に、統一的に位置づける、そして事務分担等についても、これを総合的に明確化いたしまして、一方農林水産技術会議との結びつきなどを考えるということから、一本化したということでございますが、まあ、量的な拡充というのもさることながら、やはり質的にこれを向上せしめるということによっても、効果が期待されるのでございまして、今回これを統合したのでありまするけれども、所期の成果というものは、これは決して減殺されるものではない、こういうふうに考えておるわけであります。
○小林孝平君 農林大臣はそうおっしゃいますけれども、それは大蔵省に査定されてやむを得ずこういうことになったのだろう。あなたは初めからこういうことをいいと思っておやりになったのではないと思うのです。だから私先ほど申し上げたように、今のことにこだわらないで、将来一つ、今はこうなっているけれども、将来はこうするというお考えを承わりたいと、こう思うのです。だから今のこれなども、むしろやると、こういうことでおっしゃったらどうですか。これは簡単じゃないか、そういう答弁をされるのは。
○国務大臣(井出一太郎君) それはもう……。
○小林孝平君 ことしはこうだけれども、来年はやるつもりだ、それは当然じゃないですか。こんなのにあなたは、これは非常にこだわっていられますけれどもね、就任後間もなくですね、あたなのほんとうの考えは、この中に盛り込まれていないのです。それをそんなに義理を立てて、これを金科玉条のように考えてやっていらっしゃる必要はないと思うのです。どうです、今のはやるとお返事になったら……。
○国務大臣(井出一太郎君) 決してこだわっておるわけではございませんが、まあ、御指摘の方向に一そうの拡充を期したい、かように考えております。
○小林孝平君 次に、農業共済制度についてお尋ねをいたしますが、この改正法律案を一体いつ出すのだというので、十四日の予算委員会で御質問いたしましたら、農林大臣は一週間以内に出しますと、こうおつしゃいましたが、すでに二週間を経過しているわけです。一体これはどうなんです。
○国務大臣(井出一太郎君) だんだんおくれて参りまして、この点は、十四日でございましたか、その日の答弁から見ますると手間取りましたけれども、ようやく固まりまして、おそらく来週には提出をする、こういう運びに相なろうかと思っております。
○小林孝平君 その改正の法案のおもなる改正点はどうなんですか。これはあまり詳しくなくてもいいのです。おもなる改正点を……。
○国務大臣(井出一太郎君) そのおもなる改正点は、この引き受けを合理化するという点、つまり一筆石建制を採用する、あるいは料率の設定について改善を加える、あるいは監督規定を強化する、それから小規模なる経営農家については、任意制の道をも開く、ないしはこの市町村が、場所によっては組合にかわって運営をすることが下さるという点であろうかと存じます。
○小林孝平君 もう今の農業共済制度というものは、将来は国家補償的な色彩をだんだん強めていかれるのかどうか、この点について……。
○国務大臣(井出一太郎君) まあ、国家補償というお言葉の内容が何を意味しますか、ちょっと明確ではございませんが、私はこの制度がいろいろ世の批判を呼んで参っておることにも十分気がついておりまするし、これを改善しなければならぬという考え方も強く持っておるわけであります。従いまして、この制度がやはり制度として存在をしなければならぬ、こういう観点に立ちまして、内部の合理化、健全化を今回の改正法律ではかって共済制度の真価を発揮いたしたい、こう考えておるわけであります。
○小林孝平君 今回の改正に当って、重点の一つに、一筆石建にやられる、こういうお話しでありましたけれども、私はこれは非常にいろいろの議論がありますけれども、一筆石建ということには非常に問題があるだろうと思うのです。しかし、まあ本日はここでこれを論じようとは思いませんが、非常に慎重に考慮する必要があると思います。それからこの市町村に一部経営をさせる、こういうことに改正されるようでありますけれども、こういう性格、特に今回の改正によって政府が意図されておる方針から考えれば、むしろこういう事業は、市町村などの公共団体に経営させるのを原則とした方がいいように思うのですが、農林大臣はどうですか。
○国務大臣(井出一太郎君) なるほど、そういうお考え方もあろうかと思うのでございますが、しかし、従来の経緯にかんがみまして、組合の自主性と申しましょうか、こういう立場というものをやはり尊重して参ることが至当ではなかろうか、従って市町村にこれを担当し得る機会を開くということは、むしろ特別の場合というようにただいまは考えておるわけであります。
○小林孝平君 従来の組合の自主性を尊重するという意味は、従来そうなっておるのだから、従来の行きがかりからそれにやらせる、そういう意味なんですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 行きがかりというのではございませんで、やはり農民が農民自身の問題として解決をする、こういうふうな形が、従来もそうでございましたし、また、当面といえども、それが本来の姿であろうという観点でございます。
○小林孝平君 これはいずれ改正法律案が近く提案されるそうでありますから、その際に大臣の御意見を承わることにいたしまして、もう一つ、一部には農産物の価格は高過ぎるという意見が相当あるわけであります。また、河野農林大臣は価格抑制の方針であったように私は思うのです。井出さんは一体どういうふうにお考えになりますか、井出農政は、今後どういうふうにこの価格問題についてお考えになりますか。
○国務大臣(井出一太郎君) 国内の農産物価格が高過ぎるという場合、何を標準にして判断をするかという問題になりますが、なるほど国際価格というふうなものに比べまする場合に、農産物によりましては、高い水準に置かれておることは事実でございましょう。従いまして一部にはこういう高い国内農産物、ないし食糧、この基礎の上に、日本の工業生産が存在をするということになると、どうしてもこれは国際輸出競争力というふうなものにも影響するという考え方が、一部に強く存することは承知をしております。しかしながら、果してその議論だけで日本の農村の問題と取り組んでいいかどうかということになりますると、私はやはり日本には日本の特別な事情というものが考慮されなければならないと考えておるわけであります。で、ことに農村の非常に零細な、人口の四割にも近い農民というものを考えてみまするときに、これはやはりある程度の生活保障的な農産物価格というものが必要ではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○小林孝平君 非常に抽象的なお話しだったんですが、もう少し具体的に、河野農政というものは、何といってもやはり価格抑制の方針が強かったと思うんです。それであなたは具体的にそういう方針を、最初に申し上げたように踏襲されるのかどうか。私は最初に申し上げたように、この御質問をして井出農政というものを一つクローズ・アップしたい、こう思っております。私はあなたのお手伝いをしたいと思って御質問しているのに、こういうふうにぼやけた御答弁だけでは、このせっかくの時間がむだじゃなかろうかと思うんですが、どうです。
○国務大臣(井出一太郎君) まあ物事をすぐ白か黒かという割り切り方をすることは、これは非常に問題をはっきりさせる上にはなるでございましょうが、しかし、この複雑な日本の農業というもの、あるいはこの国内経済とのもろもろの関連というふうなもの、これらを考えますると、これはそれぞれ個々の事情というふうなものも横たわっておりまするし、そうはっきり割り切ることはいいかどうか、ここに私は問題があろうかというふうに思うのであります。
○小林孝平君 あなたはそういうふうに割り切ることがいいかどうかわからぬ、こういうふうにおっしゃる。今井出さんに対してのいろいろの批判の最も強いものは、その点なんです。一体どうなんです、何を一体あなたは考えておられるかということをはっきりしないということが、井出さんに対しての批判なんです。先ほど申し上げたように、あなたの清潔なる人格や、りっぱな態度には、だれも文句をつける者はない。ところが国会で答弁されていることはどうもはっきりしない、もう少しはっきりしたらどうかというのがあなたに対する批判なんです。それをやはりそういう態度を続けられるということは、私はあなたに対して期待している多くの人の期待にそむくと思う。あなたは今あいまいなことを言われましたけれども、具体的に、あなたのやっていることは、価格抑制の方針をとっていられるんです。たとえばきのうの委員会で申し上げたように、生産者米価において去年までついておった予約申込金という、百円というものをなくされておる。この結果、かりに百円とすれば、二千七百万石を買えば、二十七億円という金は今度農村に流れないんです。あなたはそう割り切れないと言っているけれども、やっておられることは、きわめて割り切って二十七億円を削減して米価を低くきめることに、あなたは割り切っておられるんです。それはどうなんです。言うことと実行していることは違いますよ。
○国務大臣(井出一太郎君) 私は、さっきから申し上げておることは、色彩を明確にするということは、まあ小林委員の御期待には直ちに沿うことになるかもしれませんが、そこが複雑な現実の経済問題というものを考えますと、必ずしもそうばかりも参らない。従いまして、今御指摘のような部分もあるいはあるかもしれません。しかし、全体的にながめていただきまする場合は、しからざる部分もあるのであって、その総合的な御判断をいただけば仕合せかと、こう考えております。
○小林孝平君 それはだめですよ。総合的といったって価格政策の一番最大のものは米じゃないですか。麦もあなたは下げられるんです。最大のものは米です。この米の生産者米価が……、現実にこれは実にはっきりしている。こんなにはっきりしたことはないんです。あなたの御答弁は、この間から実にあいまいもことしたものが多かったけれども、この奨励金百円を削るということは、実にはっきりしておるわけなんです。珍しくはっきりしている。これほどはっきりしているのに、総合的に、ほかに何をあなたは上げて、これに均衡を保とうとしておられるんです。二十七億円現実に減るんです、これだけでも。このほか米価の決定はどうなるか知りませんが、現実に二十七億円というものは削られるのに、あなたはそういうことを言ったってそれはだめだと思うんです。私は、農林大臣がいかにおっしゃっても、今の御答弁はどうも承服することができないんです。
○国務大臣(井出一太郎君) 米価の問題でございますが、きのうも御答弁申し上げましたように、いわゆる一万円米価と申しましょうか、こういうのがまあ今日は常識であろうかと思うのであります。そういう線には、まずまずことしの予算米価はこたえておる。こういう観点からとらえていただきまするならば、特に低米価というような御非難はなかろうかというふうに考えておるのであります。
○小林孝平君 一万円米価というのが常識とおっしゃいますけれども、しかし、現実にあなたは、価格抑制の方針をとられるかどうかという私の質問に対して、そういう方針はとらぬとおっしゃっているけれども、現実に百円安いんですよ。一万円米価などというこれは、もう実にあいまいなものですよ。一万五百円も一万円米価だし、一万四百円も一万円米価です。現実に百円去年より少くともそれは、今後米価はどうきまるか知らぬけれども、この分だけは安くなるんじゃないですか。これは私はおかしいと思うんです。しかも、そういうあなたの今のような御答弁だと、きのうもあれしました。パリティが上った場合にも、これは上らないことになりますな。一万円米価の今の予算米価で大体こたえているからということならば、やはり。パリティが上って、きのうのあなたの御答弁では、一つのパリティを使っても六十円上る。さらに今後パリティは上る見込みだと、こうおっしゃっている。そうすれば、今後百円上るかもしれない。それでも、今の一万円米価というのは世論だから、その世論にこたえたというようなことで、お上げにならないということになる。だんだんあなたは価格問題については抑制の方針を堅持するということを言われているような気がするのです。
○国務大臣(井出一太郎君) きのうもお答えを申し上げましたように、パリティの問題は、これはいろいろな可変要素というものも含んでおりますので、おそらく米審に諮問を申し上げる時期というふうな場合を、今にわかに予測することも困難であろうと、かように存じておりまするので、いずれそういう場合はその際考えて参ろうと、こう存じております。
○小林孝平君 くどいようですけれども、パリティがどうなるかということを言っているのじゃないのです。低くなったら低くなったでもいいが、そのパリティの方式でやるというならば、それでやるということでいいわけです。それでおそらくそれは高くなる、こういうわけです。そのときそれを使われるかどうかというのはきのうの問題だった。どうもだんだんそれも要するに計算の方式を変える場合はあり得る。パリティが高くなっても、それを使わないということがあり得るということをあなたはおっしゃっているわけです。きのうはあまりはっきりしなかったけれども、きょうはかなりはっきりしている。これはまあここで水かけ論をしても仕方がありませんが、井出さんはいろいろ非常に含みをもって言われ、複雑だから簡単には割り切れない、こう言われたけれども、結論においてはあなたは農産物価格は抑制の方式をとる、具体的には米価は抑制をする、むしろ、これを引き下げる方針であるということがはっきりしているわけなんです。これ以上論じてもむだですから、そういうことでやめます。 それからもう一つ、以上井出農政の抱負をお聞きしようと思ってお尋ねしたのですけれども、それはそれで終りまして、この機会にちょっと今度の調査会のおもなる研究項目に、中間経費の節減ということを言われているわけです。それで、中間経費の節減をやるのは、倉庫業者、日通、製粉業者、精麦業者、卸売小売業者、輸入商社、関係団体、農業協同組合、全販連、こういうもののマージン、諸経費を合理化しなければならんことは、明かです。そこで大臣にお尋ねいたしますが、自民党としてはこれらの関係者の圧力に抗してそれを断行される気が一体あるは言うけれども、実際はこれをやるなら相当な圧力があることは当然。しかも、これらのうちの多くは、自民党を支持する層です。そういうものの圧力に抗してやられる気があるのかないのか。ちょっと言うだけで終ってしまうのではないか。それからまた、農業協同組合などほんとうにやれば、集荷手数料や農業倉庫の保管料等の削減でつぶれるおそれがあります。そういうことを考えておやりになっているのかどうか。最大の項目にあげられて総理以下繰り返し、中間経費の節減、これでみんな赤字が解消するような宣伝をされている。宣伝というのはあれかもしれませんが、ともかく言っていられるが、やる意思があるのかないのか。
○国務大臣(井出一太郎君) 今列挙せられました中間経費というものは、これは十分に検討をしてもしそこにむだがあるならば、これは当然節約をしなければならぬものだというふうに考えております。その際、圧力とか何かというふうな表現をなされましたが、われわれとしてはもうその点はきわめて虚心たんかいで、ある一部に偏したというふうな考え方ではなくして事に当って参りたいと思っております。
○佐藤清一郎君 先ほど僕はこの中間経費の問題で資料をお願いしたのだが、官房長から、この資料説明のときに、書いてあるからというわけだったから、そのままにしたのですが、どこにありますか。
○主査(内村清次君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(内村清次君) 速記をとって。
○小林孝平君 もう一点お尋ねいたします。この点は先般梶原委員が委員会で御質問をなさったようの気もするのですが、もし、重複しているようでありましたら、時間の都合上やめてもいいんです。私は、米の需給は全国一本で今考えられていますが、そういう考え方は実態と違うと思うのです。都会と生産地では、今やみ米の価格に相当の差があるわけです。それでもし、需給が全国一本になっておれば、都会と生産地の価格は当然一本になるはずだと思うのです。ある程度の差はできますけれども、もし需給が一本であれば価格も一本になっておる、だからこういうような状態になっておるのを見ると、この米の需給を全国一木で考えるということは不適当である、それで統制が完全に行われておれば、価格は一本になる、あるいは完全に自由であれば価格は一本になると、こういうふうに一本になっておらないというのは統制が不完全だからである。要するに統制が中途半端であるということを示しておると思うのですが、それで農林大臣は今の統制を続けると、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、一体こういう不完全な統制を続けていくという意味なのですか、お尋ねいたします。
○国務大臣(井出一太郎君) 御指摘のように、現在地域によってやみ価格といいますか、自由価格に近いものとしては、これは差があるということは実情でございましょう。完全に統制が実施せられておるならば、そのようなことはないはずだと、あるいは自由経済ならば、一物一価の原則が支配をするのだと、これはまあさようでございましょうが、現状われわれが苦心をしておりますところも、実はそういう点にあるのでありまして、現在食管のあり方というものが、先般も委員会で幾たびか問題になりましたように、決して完全な姿ではございますまい。しかし、そうかと申しまして、それではこれにかわるべきやり方が、今にわかに完璧な制度というものがございますればともかく、当面としてはこの形にできるだけの改善を加えながらやって参るという方針でございます。
○小林孝平君 これはたとえばやみ米を厳重に取り締り、統制をやっているんだから、それをちゃんとはっきり厳重に取り締る、そういうことをかりに厳重に取り締ればこれは一本になります。それから、そういうことはない、あるいは余剰米として相当のものがあるわけです。これを何らかの方法でもって取り扱う、こういう余剰米対策というものを考えられるならば、そういうことも解消するんじゃないか、そういう点を具体的に、この余剰米対策というものについて、具体的に何かお考えになっておるのか。
○国務大臣(井出一太郎君) まあ、現在は二月の初めからやっております例の代表者供出制度、あるいは代表者売り渡し制度、あるいは臨時匿名集荷制度というものに力を注いでおるわけでございまするし、一方系統集荷団体を督励をいたしまして、従来とも努力を重ねて参ったわけでございます。今おっしゃるような、何か別個な余剰米対策、一種の民間ルートでそういったものを設定をするというようなお考えであるとするならば、まだ、われわれとしてはそこまで踏み切ってはおらないわけでございます。しかし、事実相当に大量の余剰米というものがあることは間違いないのでございまして、これらに対しまする研究は、食糧庁を督励して何か一つ名案を案出するような努力はいたしておるさなかでございます。
○小林孝平君 今のその問題に関連いたしまして、もう一点お尋ねいたしたいことは、この前の閣議決定で、消費者米価を値上げするという決定がきまりましたとき、ちょっと具体的にわかりませんが、基本配給の価格を希望配給と同じにするという方針に大体なっておったんだと思うのです。そこで今基本配給が、やはり今後どうなるかわからぬけれども、そういう消費者価格の値上げという場合に、そういうことがまた考えられる。そうすると、現在基本配給は七百九十円、それから希望配給の方は数段階あって、数字は違っておるかもしれませんが、八百七十円、八百四十五円、八百二十五円、八百十円というように四段階になっておるわけです。それでいろいろ基本配給を今度希望配給にみんなくっつけるということになれば、生産地と消費地は非常に不均衡になると思うのです。こういうことに対して農林大臣は、そういう不均衡はやむを得ないと考えておられるのですか。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいまの段階では、一応その問題を白紙に還元をしたわけでありますが、当時の私どもの考えとしましては、そういう較差が生産、消費の条件とにらみ合せて起って参りますることもやむを得なかろうというふうに考えた次第でございます。
○小林孝平君 最後に、日ソ漁業交渉の問題についてちょっとお尋ねいたします。きょうの新聞によりますと、昨日井出・クータレフ会談で、日本側がソ連側の提案に対して新たに提案をされた。それは「十二万トンの漁獲量につけられた「今年は豊漁年」というソ連側の条件は、科学技術小委員会の結論に基いて一応は認める。」こういうことが書いてあるのですが、これはそういうことは間違いありませんでじょうか。
○国務大臣(井出一太郎君) 新聞の報道は、これは若干の推測が入るという場合がございますから、その意味でごらんをいただいておることと存じますけれども、今の今年が豊漁年であるかいなかという問題についての論争が、長いこと行われて参りました。日本側とソ連側との結論の出し方には、若干の相違がございまするけれども、ともかく一応その科学技術小委員会が本委員会に報告をした結論というものを、尊重していこうという考え方になっておることは事実あった次第でございます。
○小林孝平君 新聞の報道が、必ずしも日本側の提案をそのまま正確に伝えているものでないかもしれませんが、大体きょうの朝刊に出ておりますような提案は、そういうような線で提案をされたのかどうか、お伺いいたします。今の問題も含めましてですね。
○国務大臣(井出一太郎君) 新聞の内容にもよることでございますが、ただいま総漁獲量をめぐりまして、両者の間に意見が一致しておらないことは事実であります。そこで、私どもとしましては、やはり科学的に検討せられた小委員会の結論、これの上に立って、ほぼ今言われましたような線で折衝を続けておるさなかでございます。
○千田正君 関連して。今の小林委員の質問に関連するのですが、今年は豊漁年であるかということは、これは科学的なあれだけでは決定できないのじゃなかろうか、実際とってみなければ話にならない。要するに推定として今年は豊漁年であるというような推定のことしか、そういう話はできないのでありまして、もちろん、そういう余裕は残しておるとは思いますけれども、豊漁年であるかどうかという問題は、将来に残される問題ではありませんか。その点はどうなんですか。
○国務大臣(井出一太郎君) これは両国で共同調査という問題も議題になっておるわけでございまして、厳密に申し上げますと、やはりその結果に待たなければなるまい。こういうふうに存じております。従いまして、今千田委員のおっしゃいますようなお考えが科学的、技術的に申しまして正しかろう、こういうふうに思うわけです。
○小林孝平君 この新聞はきわめて簡単でありますから、わかりませんが、今の大臣の御答弁により、この新聞を見ますと、これは朝日新聞ですが、「十二万トンの漁獲量につけられた「今年は豊漁年」というソ連側の条件は、科学技術小委員会の結論に基いて一応は認める。」こういうことが書いてあるのですが、これはすでに認めたことなのでしょう。これから調査してどうということでなくして、科学技術小委員会の結論の豊漁年であるという結論を認めて十二万トンを認める、こういうことですね。これはそうでなければ話し合いはつかぬわけですから、これからの問題ではないのですね。
○国務大臣(井出一太郎君) 科学技術小委員会の出しております結論は、先ほど申しましたように、両国の間に若干の差異がございますが、大体それを基礎として話し合いをいたしておるのでございまして、その出した結論に基いて先方と折衝しておる。こういう段階でございます。
○小林孝平君 そこが非常に問題だと思いますけれども、それはそれといたしまして、今交渉中でありますから、そういうことをおっしゃられるかどうかわかりませんが、またそういうことが工合が悪ければお答えにならなくてもいいのですが、きのうの夕刊やきょうの朝刊等によりまして受ける感じでは、このように本年は豊漁年であるという条件で十二万トンを認めてもらえば、あとの八万トン、十万トンの問題並びにオホーツク海の問題は将来に持ち越して、交渉を妥結させるというように受け取れるのですが、そういうふうに解釈していいのですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 折衝もだいぶん日数を重ね、かなり煮つまった段階になっておると思うのでありますが、先方も日ソ国交の正常化いたしましたこの際、何とか取りまとめたいという努力は、十分に見えるわけでございまして、今の段階で私もしんぼう強く努力しておるのでありまして、具体的なお答えは、もう少し差し控えさせていただきたい、かように存じます。
○主査(内村清次君) ほかに御質疑ございませんか。
○梶原茂嘉君 今の日ソの漁業の問題で、豊漁の年、不漁の年を科学的に検討しても、おそらく現在の水産に関する科学技術の現状から見れば、あらかじめそういう見通し、結論をつけることはちょっと考えられない。従ってたとえば豊漁の年にはたくさん取るということは当然あり得ることである。漁期の相当前に一応の基準をきめて、それによって操業を開始しておる。その時分になると、科学的な問題でなしに、現実の問題として作がいいか悪いかの見当がついてくる。そのときに若干の一万や二万の数量は別として、初めきめておったアローアンスにプラスしていく、弾力的に増していくということが、非常に常識的のように思われる。あるいは非常に悪ければ若干減らす、何かそういう豊漁とか不漁というようなことを一つの目安にする以上は弾力的な条項といいますか、こういうものがあっていいんじゃないか、そうでなければ、いたずらに科学的という名のもとに、それは政治的な考慮、折衝によってきめられる。どうもその点が実は去年から割り切れない問題の一つである。それから今後の日ソの問題については、漁業問題についてはしょっちゅう科学性というものが振り回されることになる。で、河野さんはモスクワから帰られて、何といいますか、しばしばソビエトでは相当科学的な調査検討が整備をし進んでおる。わが方はこれに比べて不十分であるというふうな趣旨のことを言われたと記憶しておるのでありますが、わが方の北洋漁業に関する科学的な一つの調査なりデータが、これはおよそどの程度あるのか非常に疑問なのです。従来の実績とかというものは、これは整備しているに違いないのですけれども、しかし、その科学的のデータにものを言わすというふうないわゆる観点からの資料といいますかね、立場というのはこれはまことに脆弱じゃないかと思うのです。ということは向うさんの方も果してどの程度信用し得るものかどうか私疑問でありますけれども、よくわからない。そういう点について大臣はどういうふうに考えておられるか。この問題は今後ずっと毎年起ってくる基礎的な問題だと思うのですが。
○国務大臣(井出一太郎君) まあ、この日本側のデータというものは、やはり過去四十年間くらいにわたる沖どり漁業を中心としての漁獲量の統計というものが、整備されておるわけであります。それで、これから判断をいたしますると、大体鮭鱒の漁獲というものが、隔年に増減をしておるということがまあほぼ明らかでございます。これはまあそれじゃ乱獲をした年には非常にたくさん取れるはずではないかということにもなりましょうが、これは網にかかる尾数であるとかというようなものから判断をいたしまして、そういう資料が整備されておるわけでございます。ところがまあソ同盟の側は、これは主として河川に遡行して参る魚の数量というふうなものを中心に論じておるわけでございますので、まあ向うの資料からも隔年ごとに豊凶の差が出てくるということは言えるわけでありまするけれども、ほんとうにこの漁撈の性格が違うものですから、ぴったりこれがマッチしておるというものではございません。従いましてこれはやはりその共同調査ということで、まあこちらも向うの川の状況を見る、向うもこちらの船に乗り組むくらいのことをして調査をするというふうなことによって、初めてほんとうに明確なものになるであろうと思うのでございますが、まあ現在はそういうふうな両方違う基礎の上に出ておる資料であるというふうに思われるような次第でございます。
○梶原茂嘉君 それからこれは一つ大臣の感想でもいいですが、外務大臣に適当な機会に聞きたいと思うのですが、日ソ漁業委員会の性格ですね、私は去年あの取りきめのできるときにも、あの漁業委員会の性格に多少実は疑問を持ったのであります。ということは、あの委員会自体が最終的な非常に大きな権限を持っているのですね。総漁獲量の決定の権能は、漁獲量はあの委員会自体が持っておる。ところが、たとえばカナダとアメリカ、日本の場合ですというと、やっぱり委員会はありますけれども、これはその政府にリコメンドする役割なんですね。結局はそれは同じくなるといえば同じくなるんですけれども、おそらく今後も委員会自体ではなかなか問題を処理しきれな、やはりほかの面の、たとえば総理、外相が働きかけをするとか、農林大臣も必ずしも委員会でなくて別の面で働きかけをするとかというふうなことが起ってきはしないか。それからまた、あの委員会は必ず日本で開くというわけではないですね。交互ですね。そうするとちょうど今度はたまたま日本で開いておるので、われわれも非常に関心もあるし、国会でも毎日のように注目してやっているわけです。これはモスクワあたりで委員会を開かれまして、向うの政治形態がああいうふうなことで相当プレッシャーがかかってくる。こういうことになると非常に僕は懸念されるのですよ。どうもなかなか委員会の性格といいますか、権能というのに、実は当初から疑問を持っている。これは初めてですからしばらくやってみないと、やってみた結果を待つということにはなるでしょうけれども、おやりになってどういうふうなお考え方を持たれるか、この点であります。
○国務大臣(井出一太郎君) この点は私も今回の問題にタッチしてみまして、あるいは御指摘のような面も感ぜられるのであります。まあ、この条約の作り方というものが、日米加のそれなどに比較して異なった部分のあることも事実でございますが、まあ、なんせこれが発効したのが昨年の暮れのことでございまして、まあ、今回の経験というものは、最初の事例でありまするので、いずれこれに参画をしたものでそういうふうな問題を再検討するような機会もあろうかと、このように考えております。
○千田正君 ソ連側のこれはいやがらせかもしれないけれども、日本側はどうもわれわれの方にばかり問題を持ってくるが、アメリカやカナダの方にはちっとも話を向けないじゃないかと、いわゆるサケのりょうにしても、われわれのところにばかり問題を持ってきて、アメリカやカナダの方にはその話は持っていかないじゃないか、そういうことも出ておりますが、その総漁獲量をきめることが、この北洋漁業の最高の段階であるかどうかということは、非常に疑問があると私は思うのです。ということは、ソ連にしても、アメリカにしても、カナダにしても、自分らの河川で育ったから、われわれの魚だというような観点を持っているのですね。底の中には、表現は別としまして。 ところが、それは育つのは大洋で育っておるのですから、これはむしろ漁獲量を制限する前に、魚体の制限とかあるいは目網の大きさの制限とかというふうな問題が、ある程度相当大きなファクターにならなければならないと思う。それがあれば、それを一つの目安にすれば、アメリカに対しても、カナダに対したって、われわれは魚を取るのを要求したってかまわないじゃないか。すでに満限に近いものになっているほどじゃないかと想像するのですが、アメリカ、カナダの問題はどうなっておりますか。
○国務大臣(井出一太郎君) 今の網の目の規制でございますとか、あるいは幼齢魚を規制をするというふうな問題は、やっぱり今回の漁業委員会でも一つの話題には相なっております。ただ米、加との問題は、御承知のようにまあ相当遠距離というふうなこともありましょうし、あるいはまあ従来あの方面に実績がなかったというふうなことから、こちらとして百七十五度の線でシャット・アウトされている形ですが、これはおっしゃるように、やはり今後の問題としましては、千田委員の御指摘になった点なども、これは十分に検討しなければならぬ点ではなかろうかと、こう考えております。
○梶原茂嘉君 先日新聞で見たのですが、まあシベリア開発の一環としまして、相当大規模のニシン工船を、日立ですか、日本の造船会社に注文する、それを引き受けるとか、引き受けないという趣旨の記事があったと思うのですが、ソビエトが相当大規模のニシン工船を作りまして、そうしてあの海域に進出してくるということになってくると、これは相当日本といたしましても、実際どういうふうな関連を持ってきますかわかりませんけれども、必ず影響があると思うのです。そういう意味でちょっとあれは注目しておったのですが、もっと何かそういう面についての情報といいますか、お持ちでしょうか。
○国務大臣(井出一太郎君) まあ、私が今回接触をした範囲では、そういう問題は出ておりませんけれども、もし何ならば、次長から……。
○政府委員(奥原日出男君) ソ連のニシン船の問題につきましては、新聞紙上でごらんのごとく、ソ連がニシン船を東洋に回航する、こういう計画を持っておるということを、新聞でわれわれも承知をいたしております。しかし、その事実については私十分確めておりません。 それから日本の国内に対しまして、ソ連の方で、漁船の建造を、今の段階でまだ発注しておるというようなことも、われわれは承知をいたしておりません。ただ、ニシンに関しましては、ソ連にいたしましても同様であろうと思いまするが、わが国におきましても、北海道の岸で、定置網、あるいは刺し網をもって、ニシンの回遊を待つという状態を、これは脱却をしなければならないと思います。沖刺し網をもちまして、沖合いにおきましてニシンの回遊の途中においてこれを取るというふうな漁法に進んでいかなければならない。従いまして将来そういう面におきまして、ソ連との間の将来の漁業経営の上においての一つの検討を、今から十分しておくべき問題であろう、かように考えております。
○佐藤清一郎君 私はこの食糧増産というような問題の面から、水産庁にお尋ねしたいのですが、日ソ漁業問題で非常に今われわれは関心を持っているものでありますが、それと関連いたしまして、この水産の増殖をはかるような施策が、あまりにも貧困ではないかと考えるのです。それはどういうことかというと、私ら小さいころは、たとえば栃木県の中間を流れておる鬼怒川、いわゆる利根川の上流ですが、九月、十月ころになりますと、サケが産卵のために相当数上ってきたわけです。ところが、最近はもうほとんど姿を見せない。それはどこに原因があるかというと、茨城県の下流において、網を張って、産卵のために上るやつをことごとく取ってしまう。卵をなしてから取るのならまだ問題じゃないのですが、卵をなさぬうちにもう取ってしまうというようなことは、日本人の性格というものが、ある程度法律によってこういったようなことを、十分やっちゃいけないというようなことになっておっても、隠れてやってしまう。それが、そんなことばかりではなく、私はときどき茨城海岸や、あるいは千葉海岸に夏になると行くわけですよ。あの地びき網で、まだイワシが、ほんとうに目高のような小さいのを取ってしまう。それが網に引っかかってくるイワシというものが、まだほんとうに大きくならない子供をみな乱獲をしてしまう。一網打尽という言葉がありますが、私はあまりにも増殖についての施策というものが、貧困であると考えるのです。また、最近におきましては、いわゆる製紙工場が非常な薬品を使って川に流し、汚濁をしておりますから、製紙工場のある下流においては、魚はほとんどおりません。こういったような一貫した水産増殖についての施策というものが行われておらないのじゃないか。北海道あたりにおいては、昔は熊がサケを、川ぶちにおって、石狩川の上流には、上ってくるサケが群をなして、もう、ところ狭きまでに上ってきたという話も聞いておるのですが、最近はさようなこともないのじゃないか。そういうところに結局私は魚族が逐次もう減少して、将来は動物園に行ってみなければ、魚の標本が見られないような憂うべき状態に陥るのじゃないかとも考えるのです。これは今のうちから抜本的な対策を講ずる。地びき網は引くのなら引くように時期をもって引かせるとか、あるいは地びき網を引かせないのには、ある程度の補償をしてやるとか、あるいは魚のその巣というようなものを、各所にコンクリートで作って、そして地びき網を引いても効果がないようにするとか、少くとも今のような、だんだん魚を取る道具だけはますます発達をして、そうして遠く遠洋にまで行ってしまう、そこに日本人が私はきらわれる原因があるのではないかとも考えるのです。こういうことについて、根本的の施策を大量的にもっと打ち出すべきではないか。 工業用の用水についても、農林大臣としてはもっと通産大臣に一つ厳重な考え方を入れて、農村においては淡水魚が、すなわち食糧の動物蛋白質の何%かの骨子になっているわけです。最近はほとんど淡水魚がいなくなってしまっている、こういうことも食糧増産という一貫した大きな考え方から、一つ単に主食の米麦増産ばかりではなく、こういうことに大きな予算を取り、そうしてまた施策をしてほしいと思うのですが、これは農林大臣でも水産庁からでもどちらでもいいから承わっておきたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 私から簡潔にお答をして、もし必要があれば水産庁次長から申し上げることにいたします。御指摘の点、ごもっともでございまして、沿岸漁業がそのために最近非常に不振になってきておることは、言うまでもございません。これについてことしは浅海増殖と申しますか、今おっしゃるような、その魚のアパートとでもいうふうなものを相当にふやすというような予算は、去年に比べまするとだいぶ増大しております。あるいはこの内水面漁業についても、関心を払っておるわけでございまして、こういうふうな点はもちろん決してこれが十分とは思いませんけれども、佐藤委員のおっしゃるような方向にますます進めたいと存じておるわけでございます。それからその汚濁による魚族資源の衰滅という問題も、これは無関心でおられないのでありまして、これにつきましては関係省それぞれございますので、これらとも十分に連絡をとりまして、できるだけ早目に汚水防止法とでも申しましょうか、何かそういった法的措置を取り急がなければならんのではないか、こう考えております。
○千田正君 議事進行……。きょうの分科会ですね、農林関係の審査ですね、これは午前中で終るという予定だったけれども、なかなか、私自身おくれて来て申し訳ありませんが、まだ聞きたいことがたくさんあります。どういうふうになさいますか。
○主査(内村清次君) これは、明日の午後にも農林省の関係はやろうということに、先ほど委員会の冒頭に相談いたしまして決定いたしておりますから、それできょうの午後は運輸省関係をやる、そうしてあしたの午前中は建設省関係をやり、午後農林省関係をやる、こういうことになっております。
○千田正君 もう十二時を過ぎたから午後になっておりますので、一体午後というのは、何時から始まるのですか。
○主査(内村清次君) ちょっと速記をやめて。 [速記中止〕
○主査(内村清次君) 速記を始めて。
○林田正治君 私は大臣に伺いたいことは、今日までみそ、しょうゆの原料に使われておりますところの大豆、あるいは油の原料であるところの菜種、これの輸入の方式が、このごろ変るというようなことを世間でいわれまして、いわゆる今日まで業者に別に外貨の割当があったのが、どうやら消費者別というようないろいろな世間に風説がありまして、業者の仲間においては非常に動揺いたしておりまするが、しかし、一般の農家におきましても、菜種の採集業者間については、相当な影響があるようでございまするが、これに対して農林省としてはどういうお考えを持っておるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) この問題につきましては、近く外貨予算の問題を閣僚審議会で取り上げたいと、こういうことに相なっております。従来農林省といたしましては、国内の生産者保護という立場に立って、今日やって参りました。一方今日これをAA制に切りかえてもいいのではないか、こういう議論もございますので、閣僚審議会において十分議論もいたしまして決定をするつもりでございます。
○林田正治君 今大臣の御答弁で、まだ閣僚審議会で決定するというお話しでありましたが、少くとも、農林省としましては、私はやはり今日までの業者の保護、あるいは生産者の保護ということに重点を置かれていくのが当然じゃないかと思いますが、これ以上は議論をいたしません。農林当局といたしましては、あくまでやはり業者あるいは生産者の立場によって、一つこの問題を善処していただきたいことを希望いたして私の質問を終ります。
○仲原善一君 時間があまりないようでございますから、一点だけ大臣にお伺いいたしたいと思いますが、それは男腹において小林委員から問題になりました井出農政の、まあ抽象的な問題になって恐縮ではございますが、ちょっとお伺いしてみたいと思います。それは先ほど大臣のお答えの中にも、総合的に食糧増産をやるとか、あるいは融通面なり価格の問題なり、非常に政策を強化されるようで、非常に敬意を表するわけでございますが、この政策の対象になっているのが、私はそういうものを通じてではありましょうけれども、結局農民であろうと思うのですね。ところが一律に農民と申しましても、いわゆる専業農家というのはわずか三割ぐらいで、あとは第一種、第二種の兼業農家が大部分で、非常に重要な政策をおやりになっても、その受ける階層によって、百パーセントの影響を受けて能率を上げるところと、ほとんど無関心で流してしまう階層と、いろいろあるわけなんです。やはりその農業政策の一番対象にお考えになるのは、専業農家だろうと思うのです。これには十分な資金なり融通されても、十分ペイをして経営的にも成り立つ、いわゆる農家として十分経営の成り立つ階層であろうと思います。ところが、第二種兼業なんかということになりますと、ほとんど無関心で、食糧増産をやっても、飯米農家だけを作って非常に幾ら努力されても、そういう点はあまり能率が上らぬと、先ほど大臣がお話しの通りに、十ぱ一からげに一律にはなかなかいかぬのだ、非常に複雑な農政だというお話しで、全く同感なのでありますが、その辺を予算を編成される場合に、心組みとして、この政策はやはり本来の農業政策で百パーセントの能率を上げるところだということや、自余の、これはほんとうのロスになる政策だというふうな心組みを持ちながら、予算編成をおやりになるべきじゃなかろうかと思います。たとえば新農村建設にいたしましても、各層の農家に均霑するというような立場から、放送が非常に、二割も使うというようなのは、結局政府は、あまり生産過程には入ってこないけれども、各農家に均霑する政策だというので、そういうものがまつ先に取り上げられると思うのです。そういう意味で、ほんとうの食糧増産に全面的に寄与するかという点は、非常に疑わしい点が出てくるわけでございますが、一番重点は、やはり経営というものを中心に、ぺイする経営を中心にという点で十分お考え願いたい。それで自余のものについては、やはり農政が社会政策だと言われるように、これは補助金でもたっぷりやって、どっちかというと社会政策、完全雇用と申しますか、あるいはそういう面も加味した政策と総合的におやりになるべきじゃないかという、先ほど、一番最初の小林委員の井出農政に関するお話しに関連して、そういうことをちょっと感じたものですから、その点大臣の心がまえなりを一応お伺いいたしまして、将来の御方針なりを了解していきたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 日本の農家を分析してみますると、三割でもございますまいが、専業農家は四割近い数字だろうと思うのであります。これかやはり農政の主たる対象にならなければいかぬという御指摘は、その通りであろうと思うのでございます。この階層というものが、やはり農業生産をささえておるという点は、十分に尊重してやって参るつもりでございまして、有線放送などの御指摘もございましたが、これらは一つ行政指導の面で注意を十分いたしまして、この新農村の費用というものが、単に濫費されるというふうなことを厳に戒めながら施策をいたして参りたいと、こう考えております。
○柴田栄君 ただいまの問題にも関連いたしますがね、従来の農林水産施策というものは、重点的にということには相なると思うのですが、その結果日陰に残されて参るという地域も相当あると思うんです。こういうところに対しては、たとえば新農村建設等の問題は、自主的に立ち上れるところを対象としてお取り上げをいただくということにはなっておりますが、自主的に総合して複雑な零細なものを加味して立ち上るというように御指導いただいておるわけですが、その基礎を作るまでの、それぞれの単独の施策というものが及ばないような奥地等に対しては、自主的にということだけでおまかせをいただくということになると、これは自主的な態勢をなかなか作り得ないままに済んでしまうというようなところが、相当残されておると思うのです。こういう問題に関しては、現在の施策、法制ではできないとすれば、あるいは別途にお考えをいただくか、特に、たとえば特定地域の多目的ダムを今度は農林省も御相談いただいてできるという法制の審議が行われておるわけでありますが、その場合、いろいろ審議の過程において、承わるところによりますれば、ダム建設によって利益をこうむる地域の相談ばかりが主体となっておる。ダム建設によって犠牲になる地域というものが、この多目的ダムを建設するという計画にほとんど考慮されていないというような感じがしてならぬのですが、こういうことになりますと、犠牲になる地域に対してほとんど考えないで、ダム建設による目的だけを下流において享受する、これはきわめて不公平な制度になるのではないか。私ども多目的ダム建設に当ります計画について、農林省は当然総合的に上流地域のこともお考えをいただかなければならぬ。また、新農村建設の指定等に至りまするまでの施策をもっと集中していただく。現行においてはできないとすれば、何か特別にお考えをいただく。こういうようなお考えがあるかないかを一つ承わっておきたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 確かにおっしゃるようなアンバランスがあろうかと思うのであります。いわゆる日の当らない地帯というものが、特に山村などにおいて多いのではないかというようなことは承知をいたしております。一時離島などでそういう声が非常に高かったのでありますが、これは離島振興法などでだいぶ前進はしておりますので、今柴田委員のおっしゃいますような地帯に対して、特にダム建設などともにらみ合せて、今後ともいろいろ御示唆をちょうだいいたしまして、何らかの手を打つべく一つ検討をしたいと、こう考えております。
○柴田栄君 ぜひこの問題は御検討いただいて、公正な政治が行われるようにお願い申したいと思いますが、特に多目的ダムあるいは電源開発ダム等をめぐりまして、現在ダムが建設されている上流地域の現状を見ますと、せっかくダムができましても、上流が荒れておる、他の地域よりももっと荒れておる。たとえば山全体に対しまする平均の蓄積などというものはきわめて低いというところがだいぶん多いから、せっかくできましたダムが、もう五年もたちますると、四五%も埋まったなどという例が散見できるわけで、これは国家的に非常に不経済だと思うのですが、そういうことが建設当初における計画において、きわめて考慮が払われてなかったのだということが考えられるわけでございます。この点は農林省としてもダム建設計画に、もっと積極的に御参加をいただいて、計画自体から御検討をお願いいたしたいとこう思っております。これはお願いでございますが、さらにもう一つ、これは買収をせられております地域で、当初におきましてはやや急いだ関係等もありまして、不適格地が買収対象になったという事実もあると思うし、またやむを得なかった事情もあると思うのでございますが、その後の開拓計画も進まないで放置されて、しかも、主力が農地ということのために、ほとんど利用もされないで放置されているという地域が、まだ相当残っておるような気がいたしまするから、三十二年度予算におきまして不適地の売り払いという計画が、これはどういう計画をお進めいただいているか知らぬが、非常に少いですね。全国で千町歩なんていうような、予算ではお見込みを立てておられまするが、これは実はもっと精査して不適格地は、すみやかに処理されるというお考えであればけっこうだと思うのですが、それには予算の問題もある、こういうふうにして非常に過小にそういうものを予定しておられますと、せっかくの処置が非常に末端において感じが鈍くなる。このことは新しく開拓を進めていかなければならぬというための適地調査に、非常に支障を来たすという問題になりはしないかと思うのですが、それに対しましては何か的確な具体的な御措置を、現実的にしていただくというお見込みはあるかどうか。
○国務大臣(井出一太郎君) この問題は最近北海道あたりにおいても、だいぶんやかましいことにもなっておりますので、やはり土地の利用区分と申しますか、開拓不適地はもうどしどし提供しなければなりますまいが、やはりその土地の持っておる立地条件からしまして、土地の生産力を高めるという観点から考えまするときに、これを放置しておくということは、国家経済上非常なロスでございます。予算の面においては、あるいは御指摘のような非常に消極的なものでございますけれども、これは私も十分に勘案をいたしまして、本来の土地生産力が発揮できるような方向に善処いたしたいと考えております。
○松浦清一君 おとといの予算委員会の総会で、日ソ交渉の問題に関連して、あなたのおっしゃられた日米加漁業条約の第十条の第三項ですね、僕の理解が違うかもしらぬが、「締約国は、この条約の実施の五年後から一年の間に、本条の取締規定の実効性を検討するため、また、望ましいときは、それを一層実効的に実施する方法を審議するため、会合することに同意する。」こうありますが、そうすると五年たってその後の一年の間に、もしこの条約に改訂する必要ありと日本が考えたときに、これを申し入れをしてそうして会合する、こういうふうに理解をしていいのですかね。
○政府委員(永野正二君) ただいま御指摘になりました北太平洋の漁業条約の条文は、今お読み上げになりました条文の個所は、たしか取締規定についての実効性を検討するということになっておると思います。つまり条約を実地するために、各国が国内法規で取締りをいたします。この取締法規が適当であるか、また、その法規が確実に実竹されておるかという点を検討するという意味の条文でございます。今御指摘のような実際のサケ、マス漁業についてはどうとか、オヒヨウの漁業についてはどうとかいう各漁業についての実際の規制措置、つまり付属書に書いてあります事項の修正につきましては、たしか四条の一項であるかと思いますが、その条文で漁業委員会の決定によりまして規制措置が変更されるわけでございます。その個所にも五カ年の間は条約発効当初からの規制については変更しない、こうございますので、それを裏から読みますと、条約発効後五年たちますと、つまり来年の六月になりますと、この付属書にも書いてございます規制を変更することが可能になってくるわけでございます。そのための準備といたしまと、日本則としてはこの条約発効後ことにこのサケ、マスの抑制措置を重点といたしまして、毎年科学的な調査をいたします。その調査を来年以降の科学小委員会なり、あるいはその漁業委員会に持ち込みまして討議をして、その規制措置を変更するということを要求することができるわけでございます。そのための準備として毎年調査をいたしておるのでございます。ただ、この点につきましては米加側もそれぞれ必要な調査をしていろいろな考え方を持っておりますので、その結果どうなるかという見通しは、現在では非常に立ちにくいのでございますが、わが方の立場として科学的調査の結果要求すべき結論が出れば、これは当然漁業委員会において要求いたさなければならぬ、こういうことになっておる次第でございます。
○松浦清一君 この間新聞でちょっと見たのですが、何か生物科学分科会ですか、あれをずっとやっていて、結論が出たということが出ておったのですが、そういうことがあったのですか。
○政府委員(奥原日出男君) 日米加条約に基きます小委員会が今月東京で開かれたのでありますが、これは目下科学的に検討をいたしております。それぞれの研究内容を報告をし合って今後さらに足らざる点を、どういうふうにしていくかという話し合いをいたしました程度でございます。また、御承知のような適用魚種につきまして、アメリカ及びカナダにおきましてやっております保存措置というものについての報告がございました。これに対して意見を交換した、こういう程度でございまして、これによってあの条約の内容を、修正等の方角を今見通し得るような結論はまだ出しておりません。
○松浦清一君 全く与党の議員が言うようなことですが、この日ソ交渉の問題については、この間私予算総会で発言をしたように、与野党の関係なしにやはり協力をして、できるだけ有利に交渉ができるようにということを心から私は念願しております。一昨日のモスクワ放送、これも新聞で見たのですか、あれが事実であるとすれば、オホーツク海の漁獲量の制限等については、あるいは禁止等については、日本側が非常にやかましく言っておるけれども、日米加条約の中身を見ますと、北の方でこういうサケ、マスの制限をしておるじゃないか、こういうことを反対の駁論といいますか、そういうことを言っておる。私ちょっと存えついたのですけれども、おそらくは漁業委員会等でも出たと思いますけれども、交渉の過程で、この日米加漁業条約についても、今までのいわゆる生物科学分科会等の検討の結果、改訂を要請する意思があるということを表明をすると、もうそんなことを言ったってだめな段階にきておるのかもしれないけれども、交渉の割合に有利な資料になるのじゃないかということが感じりれたものだから、予算総会で外務六日としての岸さんにああいうことを尋ねた。そういう話は出ませんでしたか、もし速記をつけておいていけないなら、速記をとめてもけっこうです。
○政府委員(永野正二君) 単に外形だけを見ますと、確かに米加との条約におけるサケの規制と、今回の日ソ関係のサケの規制について、批判が起り得ような格好になっておりますけれども、この根拠につきまして明白に御説明をしておいた方がかえって適当ではなかろうか、こう思いますので、御説明を申し上げたいと思うのでございますが、日米加漁業条約におきまして、サケ、マスについて御承知の通りな西経百七十五度を境といたしまして向うの方における日本の漁獲は抑止をするということに相なっております。これには一つの大きな前提条件があるのでございます。その前提条件というのは、つまりアメリカ、カナダの川に上りますサケについてアメリカ、カナダが非常な努力をして保存措置を講じておる。そうしてアメリカ、カナダその他の各国の漁獲が現在以上にふえますならば、それらの保存措置にもかかわらず、サケの資源は減少して、つまり将来の漁獲が持続できない、こういう資源に対して現在の漁獲がもう満限まで来ておるというのが一つの条件。もう一つの条件は、それらの地域におきまして、日本が過去において商業的漁獲をした実績がない。従って満限のところに新しく日本が入っていくならば、当然それは資源のもとを食いつぶす状態になるのだということが、科学的に論議をされましたので、それを前提にして当分の間、日本に自発的に漁獲を抑止いたしておるのでありまして、それらの前提条件につきまして今後科学的な検討の結果、別な事情が発生いたしましたならば、日本といたしましては、当然その水域においてのサケ、マスの漁獲を主張し得る条約上の建前になっているのでございます。一方ソ連近海のいわゆる西太平洋におきまして、サケ、マスの漁業につきましては、御承知の通り日本は古い時代から漁獲をいたしました実績を持っております。いわゆる英国政府の言葉を借りますならば、日本漁夫の伝統的漁場であるのであります。しこうして、これらの水域におきまして、サケの保存措置、あるいはその資源に対して漁獲がどの程度に達しているかということにつきましては、今後日ソ両国の科学的検討を待たなければ、必ずしも明確なデータが出ておらないような状態にあるのでございます。従いまして日本政府といたしましては、今後のこれらの水域におきましての、サケ、マスの資源に悪影響を与えないための漁業の規制ということは、これは両国の共通の資源であるサケ、マス資源を守るために必要なことでございますけれども、特定の水域の漁獲を全然とめるというようなことは、とうてい容認しがたいのでございまして、その点が明瞭に米加の間の漁業条約の前提となりました条件と、日ソの漁業条約の前提となっております条件が異っております。
○主査(内村清次君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(内村清次君) 速記をつけて。
○松浦清一君 日米加条約が締結されたときに、当時の日本側の代表の人たちは、非常に努力されたのですが、こういうふうな公海上の漁業の制限についての条約を承認するということは、将来外国との漁業条約を締結することに非常に大きな障害となるであろうというようなことで、国会の中で多数承認することに反対をした。そこで心配したことは、やはり日ソ交渉の上に、日米加三国の条約の中にだって広域なこのような海域が制限されることに同意しているのじゃないかというようなことが、向うの方から相当強く言われたのではないかというふうなことを心配したのですが、それでなくても、モスクワからああいう放送をされるということになると、ソ連側の立場としては、オホーツク海のことを日本はやかましく言っているけれども、向うは向うでよろしくやっているじゃないかというようなことを考えていることは、間違いないんですね。そういう意味で、一番最初にソ連から来た回答よりは、昨日の新聞で伝えられたあれによると、オホーツク海の問題は、幾らか緩和したようだけれども、それはもう全力をあげて私は抵抗を、交渉をやっててほしいと思うのですよ。そうしませんと、まだ将来に残されている問題がある。李承晩ラインの問題があるし、東海黄海等の漁業も、あんな民間協定でやっているけれども、あれだって私は将来安泰でいると思わぬのです。もう少しやはり日本の伝統的な東海黄海における漁場というものが広められるべきことを期待をしております。そういう点から言っても、どんどん外国と結ばれる条約の中で制限が強化されるということは、李承晩ラインの問題に影響を及ぼしてくる。東海黄海も、もう少し将来範囲を広げなければならんという主張をするときに、ソ連との関係はどうだ、あるいは米加との問題はどうだということが、必ず問題になってくる。非常に御苦労であるけれども、長官が出ておられるわけですから、一つよく話をして抵抗してほしいということをお願いしておきます。 それからもう一つ簡単でよろしゅうございますから、今度の予算に出ておる水産増殖に必要な経費として二億一千五百万円、去年より二千四百万円ふえておるのですね。その具体的な内容、私は頭から水産増殖の費用として少いと思うのですよ。今の日本の沿岸漁業というのは、非常に資源の枯渇を来たしている。遠洋漁業もさることながら、沿岸漁業も大へんな状態になっておる。しかし、これを今ふやしてもらうというわけにいかないだろうが、これは項目別に浅海増殖に幾らとか、具体的な資料をあとからでいいですから、詳しい説明を一つ書面でいただけませんか。
○政府委員(奥原日出男君) ただいま御要求のありました資料は、詳細また後ほどお届けいたします。二言申し上げておきますと、昨年約一億九千万円ばかりの水産増殖の費用の中で、当該年度限りの経費が約四千八百万円でございました。従いまして水産増殖自身の経費を対比いたします際には、一億四千万円と、それから明年度の二億一千五百万円、これだけ対比いたしますれば、約五割見当の増額に相なるのでありまして、その増額いたしました主要なるものは、浅海増殖でございまして、一つの例を申し上げますれば、投石によりますつきいその面積、前年度三十万坪でありましたのを四十万坪にふやすとか、あるいは先ほど佐藤さんのお話しになりました魚礁、これの設置個所を前年度三百個所でありましたものを五百二十個所にふやしますとか、こういうふうな面におきまして相当程度の拡充をみたのであります。いずれ詳細は、資料によってお知らせいたします。
○梶原茂嘉君 孵化放流につきましては、どのくらいになりますか。
○政府委員(奥原日出男君) 孵化放流につきましては、水産増殖の予算の中と別に北海道の孵化場及び十和田、日光の孵化場が別のものになっております。全体といたしまして大きく経費は変っておらない、かように存じますが、北海道の孵化場につきまして、前年度一億五百万円ばかりでありましたのが、三十二年度におきましては一億一千四百万円、それから日光、十和田につきまして前年度五百三十万円ばかりでありましたのが、明年度におきましては五百二十万円、水産増殖費自体の中におきまして、放流事業に関しましては四千三百九十八万円、これは大体前年度と変りはない、かように考えております、
○主査(内村清次君) 午後二時半まで休憩いたします。 午後一時三十五分休憩 —————・————— 午後二時四十四分開会
○主査(内村清次君) ただいまから第三分科会を再開いたします。 引き続いて農林省関係予算の質疑を続行いたします。
○林田正治君 簡単に、今回の予算に計上されました農村振興の問題の第二に、農山漁村青年総合対策、これについてちょっと質問いたしたいと思います。これは実践活動、研修への参加や、内外先進農業地域への留学に八千七百万円計上したと書いてありますが、これの大体の具体的の計画と申しますか、持ち合せがありますならば、一応説明を承わりたいと思います。
○政府委員(大坪藤市君) 農村青年対策でございまするが、御質問の第一点は、内地留学につきましては、各府県十名ずつほど、総計いたしまして四百六十人ほど予定いたしております。これは内地各県から先進県の優秀な農家に青年を留学と申しますか、約一年近く出しまして、先進農業地において研修させる予算でございます。 次に第二点は、約二百の町村に、青年建設隊を創設する経費でございまして、全然これは新規の予算でございます。約五十人ぐらいを二班に分けまして、三ヵ月くらいずつ研修いたすのでございまするが、これは土地調査でありますとか、農業経営の調査、そういうようないろんな今後主として新農村を建設させるに必要な、いろんな技術的な基礎の研修をやる予定であるのでございます。 それからもう一つは、これは全国一万人ほどを、これも大体二百ぐらいの町村になりますが、これは建設青年隊といたしまして新農村建設の総合的ないろいろ土地の測量でありますとか、あるいは土地改良、そういうような建設を現実に実行しつつ研修も同時に行う。こういうようなことで、大体大きな項目としては三つになっております。
○林田正治君 大体御趣旨はわかりましたが、今の御説明の第二点の青年建設隊、これは主体はあくまでも町村に限るべきものでありますか。また、町村以外の特別なる、これに適当なる団体、あるいは塾というようなものがありました場合に、そういうものが町村にかわって差しつかえないのですか、どうですか。
○政府委員(大坪藤市君) 大体二百ぐらいの町村に設置する予定でございまして、主としてこれは特別助成町村として指定されました町村を対象としております。こういうふうに一応考えるのであります。
○林田正治君 もう一つ掘り下げてお伺いしたいことは、かりに、指定町村に町村が指定されました場合に、その町村の既設のいわゆる建物、あるいは農場とか、そういうようなものがありました場合には、それが町村の経営でなくても、それをかわって用いることは差しつかえありませんか。
○政府委員(大坪藤市君) これは建設工事をやりつついろいろな農業に必要な技術を習得する、こういうことでございまするので、いろいろな施設を利用するということは、むろんこれは研修の場合に必要だと思うのでございます。現在、府県を単位といたしまして二十五の建設隊がございまするが、これの小規模なものでございますが、従って、いろいろな役場の施設、たとえば何と申しますか、移動しまする移動的な組み立て小屋、そういうものがございます場合に、そういうようなものを利用させていただくということは一番適当じゃないか、かように考えます。
○林田正治君 先ほど局長の御説明によりますと、青年建設隊及び建設青年隊と二つあるような御説明で、私はその建設青年隊というのはあるいは移動すべきものであると思いますけれども、青年建設隊というのが移動することなく一定の場所に固定して、そうして新農村建設に必要なる、あるいは耕作、あるいは土木、いろいろな面から指導すべきものである、こういうふうに考えられるのでありまするが、そうでないのですか。
○政府委員(大坪藤市君) 御意見の通り、原則として移動しない、町村に固定いたしましたいわゆる研修は、まあ長期的な三カ月ぐらい予定しておりますので、そこでの研修になるわけでございます。
○林田正治君 それでは、私もう少し具体的にこの問題を掘り下げてお聞きしたいと思います。ただ、局長もすでに御承知だと思いまするが、熊本県の菊池郡の西合志村にありますところの、いわゆる合志義塾というのがございます。御承知と思いまするが、あの塾が今日まで農村の経営のために非常に努力をいたし、いわゆる農村のバツク・ボーンとして相当の功績を残しましたことはすでに御承知のことと思いまするが、ああいうようなものを町村と共同して、あるいは町村が指定されました場合に、ああいうものを町村のものとしてこれを働かせていただくというようなことはできないかということを、具体的な問題ですが、そういうことをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(大坪藤市君) 合志義塾の点は私も多少知っておるのでございます。ただいまお話しのありましたように、熊本の菊池郡におきましては相当有名な塾でございまして、これは今後どういうように運営していくかということにつきましても、いろいろ内部で研究いたしておるのでございまして、ただあれがそのまま農村建設隊というふうに肩がわりしていいかどうかということにつきましては、いろいろ研究しなければならないと思いますが、ああいうふうな義塾というものを何らかの形で、一つこの際利用できないかということにつきましては、今後も研究して参りたい、かように考えております。
○林田正治君 大体局長の御答弁で了解いたしましたが、重ねて申し上げますが、今局長も御承知の通り、あの義塾というものは、これは熊本のみならず、全国的においても私は相当有名なものである、現に昭和六年の大演習の際には、侍従があそこに差遣されたような歴史的の存在であることも御承知の通りでありまして、今日まで決してあそこの塾生が何十人というほどもおりませんけれども、現在は十人ぐらいだと思いまするが、もう少しくこういう機会を利用しまして、国家の手によってこれが育成されますならば、私は日本の農村建設には大きな役割をするものである、こう考えまするので、どうか一つ特別な便宜でお考えになりまして、この予算の中に適用を受けますように、あるいはまた、町村と共同してできまするように特別な心配をお願いいたしたいと思います。
○政府委員(大坪藤市君) その点は、今後十分研究いたしたいと思います。
○梶原茂嘉君 午前中、水産関係のことが論議されたのでありますが、そのときも出ましたように、水産資源の保護という観点からの施策が一面において非常に少いように思いますが、大臣は水質の汚濁の防止について何か考えなければなるまいというお話もあったのですが、何か事務的にそういう面の件研究が行われているのか、たな上げになっているのか。その点を一つ。
○政府委員(奥原日出男君) ただいまお話のありました水質汚濁に関しまする研究につきましては、水産庁の試験場におきましていろいろ研究をいたしております。水質汚濁の問題につきまして、たびたび先生方からも御質問が出ている際でございますので、ちょうど今具体的に対処していこうとしております点も若干触れてお話し申し上げたいと思います。 水質汚濁の法的な規制につきましては、水産資源保護法の中に、水産動植物に有害なものの漏せつの規制についての規定があります。また河川法の中に、一文句水質に触れました規制の規定もあるようでございます。しかし、問題は、それぞれの所管の官庁がそれぞれ別々な立場においてこれについての問題を取り上げるということではこれはとうてい解決しないのです。加害の側から申しますれば通産省の問題である、あるいは被害という観点から申しますれば農林省の問題であり、あるいは厚生省の問題であり、あるいはまた、河川管理というふうな意味において、そういうことを最近建設省の方で水質汚濁の問題も自分たちが関係があるのだということを主張いたしておる。こういう状況でございますので、ぜひとも関係各省を包摂いたしました水質問題についてのもっぱら取り扱いまする組織を、政府の部内において作ることを考えなければならないのじゃないか。その機関に対しまして、どういう権限を持たせるか、すなわち、水貝汚濁の防止について行政的な権限を持たせるか、あるいはいろいろな紛糾についての調停あっせんの権限を持たせるか。それらについてはなおいろいろ議論をしていかなければなりませんか、少くともそういうふうな機関を政府の部内に新しく作って、総合的に水貝問題を取り上げてゆくということにする必要があるのではないか。かように考えるのであります。そういう意味におきまして、ただいま申しました各省が経済企画庁の仲介のもとに、それぞれ案を持ち寄りまして協議をいたしておる、こういう状況でございます。
○梶原茂嘉君 いろいろお話のように、所管の関係もあると思います。御承知のように、最近日本経済基盤の確立と申しましょうか、特に化学工業あたりの進歩というようなものはきわめて急激である。そこで一度そういう資源がスポイルされると、これはちょっと手がつかないと私は思う。これまでの経過を見ても大体そういうことである。原始産業というものは常にそういう目に見えない大きなダメイジをする。これは原始産業だけでなくて、日本の産業自体の減耗なんです。従って、その若干拙速的な考え方であっても、とにかく制度的には一つ手をつけていくということをやらないと、おそらく私は河川における漁業はもちろんのこと、それから沿岸漁業の将来というものは、先ほど佐藤先生からお話があったのだけれども、ほんとうにこれは憂慮にたえないことになる。ぜひとも一つ拙速でもいいから邁進し、大きな会社とか、大きな企業家は当然その責任として、その最善の防除施設をすることを当然のこととするような制度にしなければならないというふうに思います。 それから今度の予算を見ますると、沖合未開発漁場の開発、国際漁場の開発というようなことで一億数千万円の予算が計上されておりますが、この沖合い未開発漁場というのは、大体どの辺か。それから国際漁場の開発とありますけれども、漁場の開発ですが、一体どういう辺を想定しての計画か、これを一つお話を願いたいと思います。
○政府委員(奥原日出男君) 沖合い未開発漁場の開発と申し上げますのは、底びきにつきまして、すでに二カ年間未開発漁場を探索するという仕事をいたして参ったのでございます。その中では非常に見るべき成果をあげた漁場もあるのでございまして、昭和三十年度におきまして、千島沖、中部千島の沖、あるいは多来加湾、金華山の沖合い、また、日本海の最上堆、あるいは兵庫県の沖合い、日向の沖等、また、昭和三十一年度におきましては樺太の西の沖合い、あるいは三宅島、屋久、種子島等の漁場の探索をいたしまして、その多くにおいて相当な成果をおさめまして、三十年度に実行いたしました中部千島の漁場開発によりまして、約三百五十隻くらいの底びき船を、一時その漁区に吸収するというようなことにも成功をいたしたのであります。で三十二年度におきましては、五カ所、北樺太の東の沖合い、あるいは南部沿海州の沖合い、また、日本海におきましての二つばかりの瀬、あるいは九州の南の宇治群島、そのあたりに調査をして、底びき漁船をこれに誘導をいたしたい、かように考えているのであります。 国際漁場の開発ということに関しましては、今水産庁で予算化いたしておりますものについて、二つばかりの内容を申し上げたいと思うのであります。その一つは、大西洋におきまするマグロ漁場の開発でございまして、これは東光丸という船を昨年の暮れから、この初夏まで大西洋方面に派遣をいたしまして、その地方の漁場の調査をいたさせております。また、照洋丸と申しまする水産庁の持っておりまする調査船を、南太平洋及びインド洋に派遣をいたしまして、その方面の漁場の調査をする、こういうふうなことを心組んでおるのでございます。
○梶原茂嘉君 大西洋の方の、大体の成績をいいますかね、状況はどうですか、今までのところ。
○政府委員(奥原日出男君) 今日まで中間的に報告をしてよこしましたところによりますると、処女漁場としての比較的厚いマグロの資源が、ブラジル沖合い等に十分認め得る、こういうふうな報告をいたして参っております。
○梶原茂嘉君 それから国際漁場関係の取締り指導ということで、三億万円からの金がありますが、南方地帯ですね、このフィリピン、それからインドネシア、あの方面にかけては、かつてのこれは沿岸漁業、近海漁業ですけれども、戦前でも相当トラブルがあったように思うが、ことに現在においては、民族的な意識が非常に高揚されてきつつあるわけで、おそかれ早かれ、この日本の漁業と、先方のそういう政治的な動きとの間にフリクションが起ることが予想されるのですけれども、そういう点についての何かお考え方がありましようかしら。
○政府委員(奥原日出男君) 従来インドネシア及び比島との間において持ち上りました漁業上の問題は、日本漁船の領海侵犯の問題でございます。その中には、インドネシアにつきまして、日本のマグロ船がインドネシアの漁夫の遭難いたしました者を救助いたしまして、そしてこれをインドネシアの港に届けたところが、それを領海侵犯だということで拿捕されたというふうな問題もあり、これは国際法上も看過し得ざるところでありますが、目下賠償の要求をしておる、こういうふうなことで折衝を重ねておるような問題もあるのでございます。しかし、ただいま御指摘のありましたような、これらの国との周に、たとえば日米加の間に存する協約、あるいは日ソの間で現在話し合っておる話し合いのような趣旨をもちまして資源の保存というふうな意味においての協約を結んでいこうというふうな動きは、今の段階ではまだ出ておらないのでございます。しかしながら、われわれといたしましても、そういうことも将来あることを予測いたしまして、いろいろな検討はいたしておるところでございます。
○梶原茂嘉君 畜産のことでちょっとお伺いしたいのですがね。今度の寒冷地帯の内容を拝見しますると、牛、乳牛、役牛を——まあ貸付けの施策が中心になっている。それからその他の畜産関係でも、乳牛等の、何といいますか、導入についての施策があるわけですけれども、政府の直接、間接、ひものついた牛が、本年度といいますか、三十二年度は何頭ほどになりましょうか。各面にこの牛の数字が出ていますけれども、一般民間で動くのは別ですよ、政府が直接やるとかあるいは助成金を出して導入するとかいう牛の数が一体何頭ぐらいになりますか、少し多過ぎやせんかという気がするんですが。
○政府委員(永野正二君) ただいまのお尋ねがございましたように、家畜導入関係では、有畜農家創設事業その他今回の寒冷地対策の家畜の導入制度であるとかあるいは世銀の借款を利用したジャージー種の乳牛の導入の状況であるとか、いろいろの対策がございます。それらを総計いたしますと、三十二年度におきましては、乳牛が三万一千五百頭、それから役牛が二万五千頭というふうに相なっております。これを円滑にそう値段をつり上げないで供給をするということについても、これは十分工夫をして参らなければならぬ、こう考えております。
○梶原茂嘉君 どうでしょうかね、実際問題、これを合せますと、乳役で違いますけれども、五万六千頭、ちょっと六万頭、それが今政府のひもがついているんですね、ひもがついているということは、それについての金の心配がないわけです。それだけのものがこのわずかの一年間の間に動くということは、これはいろいろ御心配で——そういう心配はないと言われればそれまでだけれども、牛の価格を上げる役割をすることはこれは疑いを入れない。どの程度かは別として、それは過去においても、そういうにがい経験を畜産の面においてもなめてきたことだろうと思う。それで実際上、そういう数がうまくこなせるかどうかですがね、予算の計画としてはこれはけっこう。しかし、現実の問題としてそれをうまくこなし得て、個々の農家のためになるかどうか、高い牛をつかんで、あとまた下ってしまうというと、農家としては非常に迷惑なことになるので、そこら辺はどうでしょうか。数をどうこうというわけじゃありませんけれども、それ自体としては非常にけっこうだと思うんですけれども、うまくいくのかどうかという懸念があるんですがね、大丈夫ですかね。
○説明員(丸山幸一君) 私から御説明しますが、今懸念いたしますのは乳牛でございまして、ほかの家畜につきましては、和牛あるいは中家畜その他については、これは生産が、種付け等盛んに行われますので、比較的心配ないのでございますが、乳牛が大体の計画では空胎防止等やりまして、フルに活用いたしまして五万頭程度、そこで内三万頭余りは系統融資というか、政府のひもつきにいたしておるわけでございます。そこで問題が若干出て参ると思うのですが、これは供給量がそれだけでございますので、あとは行政上の措置としまして、主要産地、北海道、東北等でございますが、県その他と打ち合せをして、行政指導措置といたしまして、この時期あるいは数量等について指導いたして参るというふうに考えております。
○梶原茂嘉君 家畜を導入するという施策というものはぜひ必要で、やらなければならぬ仕事だ、こういうのはやはり相当長きにわたって一つ計画的に実験をしてやっていくことが必要で、短かい間に——来年、再来年はどうなるか知りませんが、急激に、大規模に政府のバツクでやるということになってくると、そこに非常に不自然な状況が一時起って、あとまた、何かの調子でちょっと政府が手を抜くというと、そこに一つの何といいますか、空隙ができまして、そういうことを繰り返していくと、結局日本のほんとうの意味での有畜農業というようなものは、政府の施策によってかえって育たないというふうなことになりやしないかということが懸念されると申し上げたわけです。一つ十分実施の上においては御注意を願いたいと考えます。 それから蚕糸関係ですが、最近の蚕糸事情を私よく知らないのですけれども、とにもかくにも何といいますか、数年といいますか、戦後は繊維が確かに変ってきたんですね、いわゆる純綿物というのはおそらく——純綿はありましょうけれども、その他のものになってくると、化学繊維を中心にして混紡式にそれをまぜ合わすというような趨勢に急激に変りつつあるように思う。そういう繊維全体の趨勢の中で、日本の生糸というものがどういうような立場になっておるか。とにかくもやはり純粋のものだけは若干ふえつつあるという趨勢にあるのか、そういう趨勢に押されていわゆる純綿物がだんだん窮屈な立場に追いやられつつあるのか。相当の金を出して宣伝をする、これもやらなければいかぬと思いますが、達観した趨勢を一つお話を願いたいと思う。簡単でけっこうです。大丈夫なのか、やっぱり額はふえていくんだということか、何か、容易にいかぬぞという見通しなのか、それだけでけっこうです。
○説明員(保坂信男君) ただいま御質問のありました蚕糸関係の情勢でございますが、お話のございましたように、終戦後——戦争中の作物転換で蚕糸の生産関係は非常に変化をして参ったわけであります。戦前におきましては七十万俵以上も生産された状態でありましたが、終戦後若干桑園面積等につきましても回復をいたして参りましたけれども、今日におきましての生産は、昨年度におきましては、おおむね生糸にいたしまして三十万俵程度でございます。このうち需給関係を申しますと、おおむねそのうちの九万俵程度が生糸で輸出されておるわけでございまして、そのほか絹織物になって輸出されるものが生糸の俵数にいたしまして三万俵程度が大体の現状でございます。そのほか内需に大体回っておりまして、現在の趨勢といたしましては、外国方面におきましても、アメリカ、ヨーロッパ等におきましては、若干ずつではございますけれども、生糸の需要としては伸びを示しておる状態でございます。ただ輸出関係につきましては、最近中共生糸等の進出も、特にヨーロッパ方面におきましては若干ございまして、欧州方面における輸出が若干減退をしておる。アメリカに対する生糸の輸出については、大体同様な傾向で維持をされていると考えております。一面桑園の面積等につきましては、最近の傾向といたしましては、集約生産地について若干桑園の面積も増加の傾向にございます。政府の方といたしましても、産繭の五カ年計画等の目標におきましては、三十五年度におきまして現在の産繭額約三千万貫が三千四百五十万貫程度になるように、特に反当収量の増収により生産の増強というふうに考えておる次第でございます。その程度の規模の消費需要と申しますか、それは大体輸出と内需と見合いましてやっていけるものではないかというふうに考えておるのでございます。
○梶原茂嘉君 とにかく内需は別としてアメリカに対しては若干ずつやはり伸びていく、こういうわけですね。それから次に、特定土地の特別会計ですね、あれについてちょっと伺いたいのですが、これまでの予算委員会あたりの説明でも、それによって資金がふえている、工事量が増大をし、また、工期を短縮できるというふうに説明されておるのですが、どうも実際特別会計にしても、何というか、工事量がふえるとはちょっと思えないのですが、実際ふえるのですか、どうですか、その点を御説明願いたい。ということは、従来一般会計においてある地区の工事量というものはきまるわけです。そのきまった工事量の中に地元負担分が入っておる、それを一般会計が一時肩がわりして持っていったのですね、あとで返してもらうというわけです。ところが、今度は一般会計で肩がわりして、一時いった資金の分が、今度は融資の関係で資金部の金がそこに入ってくるということになる、一般会計の負担分は、これはまさしく一時軽くなるのだけれども、工事量がそれによってふえるわけじゃない、肩がわりした分が別にこれは農地の改良分だとして余分に大蔵省がくれれば、これはふえるということはあるかもしれないけれども、しかし、そうでない限りはふえないのじゃないか、むしろまごまごすれば減る可能性の方があって、特別会計にしたからふえるというのは一体どこから出てくるかという疑問ですが、どうなんですか。
○政府委員(安田善一郎君) 特定土地改良工事特別会計を設けまして、あわせて土地改良法改正をしまして、工事の促進をして参ろうと思っておりますものは、国営灌排事業の新規分、三十二年度から新規着工する分とその災害復旧と、新旧の、と申しますのは、従来継続して参りましてまだでき上りませんものと、新規の干拓事業でございますが、特別計の出発に当りまして初年度の予算、すなわち三十二年度の予算におきましては、灌排事業の事業資金としましては初年度の実施着工のための設計の費用というようなもので、初年度としては例年の例にならいまして、また、工事着工の従来の手順に従いまして、ありま大きい予算を組んでありません。一億一千万円余でございますが、干拓事業としましては一般会計で昨年二十四億の予算でございまして、三十二年度は三十億の予算を計上してあります。その分だけ三十二年度一般会計負担分の予算としては増加いたしております。なお、特別会計の性質からいたしますものは、従来灌排事業でも干拓事業でも国営で行なっておりましたものは、一般会計の予算のによりまして、当該年度の事業費に充てておるわけでございまして、今回は地元負担率をある程度調整いたしますとともに、法文ではございませんし、特別会計の自然の性質からばかりではございませんが、運用の約束としまして、事業の早期完成、事業量の拡大をねらうということにしたのであります。そのうちの特別会計の性格から見て事業の促進が行われるという意味を申し上げますと、根本は御指摘のように、一般会計から特別会計へ繰り入れる予算額に大きく支配されますので、その額のいかんによるので、特別にはっきりと何年、基準としては七年を予定しておりますが、その分を繰り入れる必要はないじゃないかという御意見だと思いますが、地元負担の徴収を予定しまして、その負担分は一般会計の予算で事業をしましたものを、従来でき上ったあとで回収しておった、国庫納入しておったものを先にその引当分として借入金を特別会計が借りて事業をしてもよろしい、事業をすることができるという方式にしたい。借入金を借り入れて事業費に充てるために、会計の経理区分を分けた方がいいのじゃないか。その意味で特別会計を作りたいと思っておるので、特別会計は借入金をした分だけは、少くとも三十二年度において事業量が増大いたします。今後の点に至りますれば、特別会計制度によりまして何年間でやるということを別途きめることによって、それだけ促進することになりますから、特別会計を設置して運営すること自身からどれだけ工事の、促進、事業量の拡大ができるかの点は、最低限度借入金による増額がある程度ある、負担率全部あるかどうかわかりませんが、ある程度ある——あとは政府のやり方でございますが、別途特別会計の参考書にも総事業費をとらえまして、その償還計画もいたしておりますように、その計一画によってやろうと思っておりますから、負担率の調整と同時に、負担率の新設及び若干の調整を加えまして七年でやるという政府の方針によることの方が多いと思います。
○梶原茂嘉君 結局やり方と一般会計からの繰り入れに対する政府の方針によることになりましょう。ただこれによって事業量が増大するということはどうしてもちょっと考えられない。言いかえれば、今お話の通りであって、今度は特別会計において、一般会計から繰り入れた分とそれから借入金と合せて事業をやる、何年間かやるわけです。ところが、その借入金というものは従来はどうであったかといえば、それは一般会計からきたもの、いずれ将来は地元から返ってくるであろうけれども、地元から出るまでの間は一般会計でそれをまかなっていく。従って、投下される資金量というものは変らない。ただ財政の関係で、一般会計の負担が借入金に変って一般会計の負担は楽になっているということは、これははっきり言える。はっきり言えるけれども、特別会計にしたから大いに土地改良の事業量が増加するということはは、私にはどうしても言えないような感じがする。まあそれはそれでいいですが、しきりにこれに対して事業量が増大すると言われておるけれども、そうじゃないではないか。なお、それでは今度は逆に総量が制約される心配もないわけでもないということを申し上げたわけです。けっこうです。 それからもう一つ、これは午前中も出たのですけれども、例の農村漁村の総合何とか計画ですか、あれで今年は何ヵ村ですか、何地区になるのでしたか。
○政府委員(大坪藤市君) 新農村の総合対策の関係でございますが、昨年は計画地域といたしまして九百町村を指定いたしたのでございます。そのうち五百三十四地域を特別助成地域といたしまして指定いたしました。本年は新たに九百の地域を計画地域として指定いたしました。従いまして、計画地域といたしましては千八百ということに相なるわけでございます。特別助成地域の方は九百六十六地域を今年は予定いたしておりますので、特別助成地域は千五百、こういうことに相なるわけでございます。
○梶原茂嘉君 これは五ヵ年計画でしたか。
○政府委員(大坪藤市君) その通りでございます。
○梶原茂嘉君 五カ年計画で何個所ということに……。
○政府委員(大坪藤市君) 大体四千五百ということを農林漁業地域の予定数にいたしておりますので、大体一千地域ずつ毎年今後四カ年間にわたりまして指定して参るつもりでございます。今年は九百六十六にいたしましたのは、昨年五百三十四指定いたしましたので、ちょうど千五百にいたしますと、三十三年度以降は毎年千カ村ずつ特別助成地域にいたしますと四千五百、こういう数字になるわけでございます。
○梶原茂嘉君 そうしますと、大体五カ年間にほとんど日本の農村のまず大部分をカバーしてしまうということになると考えていいのですか。
○政府委員(大坪藤市君) 全部を網羅する予定で計画をいたしております。
○梶原茂嘉君 私どもこの内容を実はよく理解しないのですけれども、前農林大臣の河野さんが、まあ相当熱心といいますか、午前中、小林君からも言われたように、ある一つの考え方を持ってこの計画を立てられたように思うのです。河野前農林大臣のお考え方には、考え方としての何と申しますか、批判はいろいろあるようですけれども、含みがあったと思うのです。ところで、その現実の状況ですね、これを話を聞いたりしますと、必ずしもそのねらいが的確ではなくて、むしろ何と申しますか、言葉は適当でないけれども、粗雑といいますか、というようなことになっておりました。これで五年間の一応の計画だからというので毎年やっていきまして、一つの何といいますか、型にはまったようなやり方でやっていくというと、五年間やってもさて五年目になってふり返ってみて、果して何をやったかというようなことになっても、これははなはだ農政上どういうものになるだろうかという気が実はするので、大臣もおかわりになったことでもあるし、いたずらに数をふやすということじゃなしに、五年間にともかく全農村にわたってやってしまうのだということでなしに、相当これはまとまった金ですから、かりに数は少くてもあるいは年限がもう少しかかっても、ほんとうに農業上、地につくような政策を内容とすることが必要じゃないか。私の言うことは、はなはだ抽象的で申しわけないのですけれども、そういう感じが非常にするのだけれども、これは御意見を伺わなくても、一つ何といいますか、御検討をお願いしたい。初めの構想はまあ一応の構想としてスタートして、それはそれでいい。ところが二年、三年の間に同じような形をぐっと拡充していくだけでは、これの意味合いがだんだん薄くなって形だけということになるおそれが多分にあるのだということを申し上げておきます。 最後に、私は農林水産関係の技術面で、経費が本年相当増額しているのですが、これは非常にけっこうなことで、現在の情勢からいいましても、近い将来を考えても、日本の農業の生産性を増す上においての施策はいろいろあるにしても、そこへ逃げ込むわけではないけれども、私はやはり科学技術の向上といいますか、普及といいますか、それ以外に道はないように思われるのです。今度増額された技術面への財政支出、その内容を、大体大きな項目と、それから大体の、おもな考え方でもけっこうですから、お示しを願いたい。
○政府委員(塩見友之助君) 技術会議の方にあります予算のうちの施設費は、これは各試験場の方から従来ありましたところのいろいろな施設の整備の、従来大蔵省との間で折衝していたものの中で重要なものを、私の方で大蔵省と折衝しまして一億円余は大体内定しております。なお、実際執行の場合には、いろいろ単価その他をはじきました上で決定される、幾らかの調整はできるわけですけれども、そのほかに一億五千万円くらいのものがあるということでございまして、このうちで相当大きいものを申しますと、農事試験場の中でもってこれは三年前から整備計画というのを立てて進めておりまするが、本年度は、大体中国の農業試験場の方が広島の方へ、従来手狭まで非常に都合が悪かったわけで、ことに小麦の試験をするのには非常にいいのですけれども、稲その他の幅の広い畑作物等をやるためには非常に不便なために、広島に移設するということを地元の方でも非常に熱望がありましたので、移設することになっておりますが、その経費約七千万円くらいのもので、それから関東東山の農業試験場の鴻巣の共同実験室がまだできておりません。それを作りますということ、それから東北農業試験場の共同実験室を作りますということ、それがおもなもので、それだけで一億余ということになっております。そのほかこまかい問題がいろいろございます。 それから研究費の方は、私の方では各試験場の方から約二十数項目くらいのものが大蔵省に対して、従来新規研究として要求されておりましたのですけれども、それのうちの過半のものを私の方でもって取り上げまして、それの内容について十分検討した上で、それぞれ新規研究の方を生かしていくという、これはこまかい項目が多いわけでありますが、そのほかに、技術会議として、昨年設立当初に大きい問題を七つ取り上げまして、それで、それをずっと一項目について数ヵ月ずつかけながら検討しておりますわけですが、そのあれを申しますと、一つは稲作における土壌と水に関する研究、それから畑土壌の生産力に関する研究、草地造成に関する研究、家畜の飼養標準に関する研究、家畜育種に関する研究、水産資源に関する研究、水質汚濁に関する研究、こういうふうな、従来なかなか手がつきにくかったというふうな部分を重点的に取り上げておるわけでございます。 稲作における土壌と水に関する研究というのは、これは戦後特に力を入れて、土地改良、水利改善というふうなものに力が入っておるわけですけれども、それの増産効果をフルにあげるということになりますと、どうしてもその水の関係と、それから、それが泥にどういう影響を及ぼしてくるかというふうなことと、稲の根にそれがどういう影響を及ぼしてくるかということ、ですから作物の人と、それから土壌の人と、それから農業土木の関係と、それから病理等も加わりまして、稲の根を中心としまして、一番生産力をあげるのには、どういうふうな水のかけ引き、あるいは土壌に対するどういうふうな処理をやればいいか。また一部は、稲作の作付の様式をどういうふうに動かせば一番収量があがるかというようなこと、各試験場でもばらばらにはやっておりましたが、そこを結集して、分担をきちっときめて、そうしてそれに必要ならば、どの試験場はどういうふうな圃場の整備をやる。こういうふうに試験ができるように整備をするとか、そういうふうな検討が加えられてなかったわけですけれども、そういうところをきちっといたしまして、それで進めて参りたいというのが第一の項目でございます。 それから畑土壌の生産力に関する研究というのは、これは畑作改善というのがかなり言われておりますけれどもそのうちで、やはり一つの中心的な問題としては、やはりローテーションあるいは土壌の改良等を通じまして、それで畑の生産力をあげていくというふうなことでございまするけれども、水田と比べまして、畑土壌の調査あるいは生産力をあげるための各種の基準になるような土壌の分類等が非常におくれております。水田についてはかなり進んだところまでいっておりますが、これをやはりはっきりさせて、いろいろな各種類の土壌に応じまして、それの取扱い、土壌の管理方式によって生産力をあげることと、それから作物を適当に選ぶことというふうな、あるいは施肥の合理化というのを、土壌の種別によりまして、合理的に施肥をやるというふうな目的をもちまして、畑土壌の生産力に関するところの調査と研究を進めて参る。まあ畑作の問題は、そこからまず手をつけて——一番はっきりした問題でありまして手がついておらなかった問題、これを一部は桑園であるとかあるいは草地であるとかという方面へも広げて参るという考え方でいっております。 それから草地造成に関する研究は、これは放牧地として天然牧野といわれているような非常に粗放なものと、それから過度集約牧野といわれているような人工の草地、泥をひっくり返して耕していくというふうな方法とは、調査の面、研究の面等において、相当分けて考えていかなければならない。これの試験地は必ずしも政府で持っておりませんので、農民の持っておりまするところのそういうふうな土地を利用しまして、それで、それをどういうふうに管理していけば生産力があがるかというふうな点を、基礎的にそのやらせ方を今検討させつつあるわけであります。 それから家畜の飼養標準に関する研究というもの、これはやはり家畜の飼料面についての品種の方は幾分できておりますけれども、飼料面についての研究が十分できておりません。で、ことに日本の場合には、乳牛が一番問題でございまするが、地方々々によりまして、飼料の慣行が相当異なる。で、ことにわらを食わせるとか、購入飼料が非常に多いとか、まあそういうふうな意味からいって、西欧諸国の畜産を中心にやっておる所のように、牧草類が相当な比重をもって食われているというような形での飼養標準では、非常に実情に離れた結果を生じやすいので、そういうふうな意味でもって、日本において農家に適応し得るような飼養の標準というものを、どういうふうに作っていったらいいか。これも長年問題ではあったわけですけれども、それは大家畜でもあるのと、それから研究方法にいろいろむずかしい問題等もありまするので、手がつかなかったわけですけれども、これは昨年から検討しまして、本年から着手するという方法で、特に県の関係者等の意見を徴しますると、わらをどれだけ入れていくか。今食わせ過ぎておる場合が多いだろう、どの程度入れたらいいだろうかというふうな問題が緊急に解決を要するというふうな点になっております。これは御存じの通りに、牛は胃を四つの胃を持っております。一胃、ルーメンという所では、その飼料の配合次第で、ルーメンの中にありまするところの各種の細菌類の集団の層、菌層と申しますけれども、それに相当な変化があるというふうな形で、普通の第四胃から腹に入って、その後の消化器官の関係は、ほかの生物とあまり変りはないのでございますが、第一胃の関係は全然違うわけです。ほかの生物のモルモットとかその他の試験では全然類推できないというような部分等もございますので、試験がおくれておりますが、そういうようなところにも、相当わらという問題は重点を置いて検討していかなければならぬ問題があるわけであります。そういう点の研究を進めて参りたい。 それから家畜育種に関する研究というのは、牛の人工授精とか、超低温でもって精子を冷凍しまして、それで死んだ牛でも先た使えるような形まで持っていきたい。今までの種畜場というようなものは、かなり種牛を置いておくというよりも、そういうふうな優良な牛の精液を保存して置く、それを分配するというふうな機関に順次変りつつあるような状態でございます。そうなりますると、どうしても育種の関係も、一つは、できるだけ数多くのものを集結して、いい精液を作って、その精液を分配するというようなことを検討しなければならないと同時に、そこまで参りますると、農家の方は牛の顔を見なくちゃ1種つけをやるわけですから、責任は相当重く考えなければならない。それの乳牛の泌乳の量とか、その他、質であるとかという問題以外に、それが次の代の子供、女牛等がいい乳牛であるかどうかというふうな見当でやりませんと、農家の要望にこたえ得ない。そういう方向が、デンマークであるとかイギリスであるとかいう所では逐次とられつつあって、牛がたくさん泌乳するからということでなくて、その子供、女牛が泌乳がいいからということで、農家の方へは、いい品種だということで普及しておる、こういう関係にあります。そこらを相当進めなければならぬ、こういうふうな問題でございます。 それから水産資源は、先ほどから御指摘がございましたように、特に沿岸の資源に重点を置き、それから水質汚濁の問題は、これは幅の広い面で、関係範囲も相当広いわけです。いろいろ各方面の技術者とも打ち合せまして、今検討しておる。そういうところへかなり重点的に進めよう、こういうふうに考えております。 なお、林業につきましては、造林時代に入っておりまして、集約林業を進めなければならない、こういう状態もあると思いますので、これに入っておりません。林業単独のものとしましては、造林の問題で、やはり品種の改良の問題と、それから森林の育地の問題及び造林用樹種についての病虫害の防除の問題等、現地試験を相当必要とする部分が相当行われておらないので、そこへ大重点を置いて参りたい。 それから養蚕の関係としましては、軟化病を中心としまして、これが数十億円、夏秋蚕について違蚕があると大体統計的に出ておりますが、これをやはり減らすために、土壌の方と蚕の桑の葉質の関係、それから蚕の病理の面と、そういうものが連携を保ちまして研究をする、そういうところへ重点を置いていきたい、こう考えております。
○仲原善一君 簡単にお伺いします。最初の問題は、農業協同組合の問題でございますが、予算を見ますと、補助金として九億五千万円程度組んであるようでございますが、施行の能率を上げる意味で若干お尋ねしたいと思うのですが、その一つは、県の段階で同じ業種をやる連合会があります。経済連というのが一つの県に二つあったり、そういうのが数県あろうと思いますが、こういう点から考えてみまして、実態をよく調べてみますと、ほんとうの農民の意思でなしに、幹部の何といいますか、対立的な意識というようなものでなかなか一本にならない、しかも分派をやっておるのは非常に経済的条件がいいところで、経理が非常に簡単にいくというようなところが、いわばあんこの分だけが分離して有利な経営をやる、残された立地的条件なり、経済的条件の悪いのが、また別に作っておるというようなことで、補助金なんかを流す場合にも、再建整備をやる場合にも、非常に支障になろうかと思いますが、現行法では、これは全体の県地域をそういうふうに分けてやる場合は知事の認可ということになりますけれども、この点をですから、特に金融方面を担当している農業信用協同組合は、法律ではっきり一つの県に一つしかできないというふうになっておりますが、経済連なりあるいは果実連なりたくさん事業をやっている各連がございますが、こういう事業連を法律の改正によって、一つの県に一つしかできないというような措置を講じてもらうわけにはいかないかどうか、その点を第一にお伺いしたいと思います。
○政府委員(永野正二君) 今、仲原委員の御指摘がございましたように、現行の協同組合法の建前というものが、組合を作ります組成員の意思というものを前提にして作るようなことに相なっておるのでございまして、この組合の作り方につきまして行政官庁の方針でもって指導し、作っていくという考え方にはなっておらないわけでございます。ただ例外的に、信用事業等、非常に公共の利益に直接重大な関係があるというような場合に監督が強化されているにすぎないと思うのでございます。現実の問題といたしましては、こういう自由な組合の作り方というもののレールを相当現実には踏みはずしたと申しますか、その土地々々の経済事情にマッチしない形でこういう組合が動いている場合も間々実はあるかと思うのでございますが、私どもといたしましては、協同組合の発達という意味からいたしまして、今すぐこの現在の協同組合法の建前を変えていくということには非常に大きな問題が別にあるように考えるのでございます。御指摘のような具体的な問題といたしましては、現地の県当局その他関係の農民の方々にもいろいろ十分に御意見を徴し、実情を調べました上で処置をするしか方法はないと思うのでございまして、現在法律の建前を変えるということは考えておらないのでございます。
○仲原善一君 ただいまの問題は、戦時立法でございまして、ほんとうにまだ日本に民主主義の基礎ができていないときに、戦後に作られた法律でありまして、ほんとうに実態に合わぬ点がたくさんあろうと思います。現状からいいますれば、やはり戦時立法をだんだん是正していくべき段階だと思いますので、現実の農村の実態から申しまして、やはり相当そういう法律的に改正すべきが妥当ではなかろうかという意見でございますが、これは十分御考究を願って、将来の対策をお願いしたいと思います。 それから次に、やはりそういう農業団体の事業の競合の問題でありますが、建物の共済の問題があります。これはよく御承知の通り、農業共済の法律でやっておるものと、協同組合法でやっておるものがありまして、同じ農民でありながら、属する団体によって非常なせり合いをやって、何と申しますか、紛争なり混乱を巻き起しておる状態がございますが、これを農林当局といたされましては、何か適当に是正なり調整なり、そういうことをやる御意思があるかどうか。その点をお伺いいたしたいと思います。
○説明員(富谷彰介君) ただいまの共済組合と農協との、建物共済の事業組合につきましては、これは農林省の方でそれぞれ分けて行うように指導いたしております。従って、現在におきましては両者が同じものを取り合って競合するというような格好が防げる、かように考えております。
○仲原善一君 ただいまのお答えは実態に合わぬと思いまして、ほんとうの現実は、両方の団体で非常な紛争をかもしております。これも希望条件として簡単に申し上げておきますけれども、近い将来に調整の方法を一つ御考究を願いたいと思います。 それからその次に、米価の問題でございますが、これは広範な問題がたくさんありますけれども、私はただ一つだけお伺いいたしたいと思いますが、ことしの予算米価の中に歩どまり加算が予想されて織り込んであるかどうかということをお伺いいたします。
○政府委員(小倉武一君) 歩どまり加算の問題につきましては、これは考え方によっていろいろ変って参りまするけれども、ただいま予算の積算についてのお尋ねでございますので、その点でお答えをいたしますが、本来品質差でございまするので、全体としての米価、平均米価がたとえば一万円ということで出ますれば、その一万円を前提といたしまして、品質等による格差をつける必要がございますればその範囲でつける、こういう建前でできておるのでございます。
○仲原善一君 伺いますと、去年は石当り二十五円歩どまり加算があったというふうに聞き及んでおりますけれども、特にこの問題に関係のある西日本と申しますか、非常に硬質米を出す地域の農民の要望がございますので、いろいろ調べた結果を、農林省の資料によって調べた結果を申し上げますと、去年は九三・六%の基準歩どまりを標準にいたしましてこの加算ができているようでございますが、しかし、実際にこれを調べてみますと、標準の九三・六%以上の県が相当ございます。〇・一%多い県が、これは茨城ほか十一県ございまするし、基準に比して〇・二%以上の歩どまりのある県が静岡ほか十六県ございます。〇・三%以上の県が愛知ほか四県ございまするし、さらに〇・四%以上の歩どまりのある県は香川県のようにそういうのがございまして、去年の基本米価九千五百七十円に対比しましてそれぞれの県の歩どまり加算を是正した金額を出してみますと、先ほど申しました段階別によって〇・一%だけ多い県は五十七円四十二銭になりまするし、さらに〇・二%多いのは六十六円七十七銭、〇・三%の該当県は七十六円五十六銭、それから〇・四%以上の県は八十六円十三銭ということになりまして、平均いたしますと、六十五円四十四銭を当然加算すべきだという、これは農林省の資料から私計算したものでございまして、全体といたしましては、八億七千万円ばかりの予算を要求されることになりますが、こういう歩どまり加算ということが従来非常に閑却されておりまして、東北、北陸の方は、御存じの通りに、早場米の奨励金というのがずいぶん出ておりまするけれども、何かこの品質の歩どまりの点については、しわ寄せが西日本の農民にきているんではないかという危惧を相当持っておりますので、この点、そのほかの、何と申しますか、食味の良否であるとか、あるいは保管の難易であるとか、輸送の適否というようないろいろな問題もありますので、先ほど申しました六十五円四十四銭にプラス・アルファをいたしまして、若干の歩どまりをしてほしいという要望がございますが、この要望について、どういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(小倉武一君) お話のように、最近の状況を調べますると、需給の事情が毎年緩和されて参りますので、消費者の品質に対する嗜好といったようなことも当然強くなって参りまするので、できますならば、そういうことを生産者米価にまで反映をするということは、将来の方向としてそうあるべきことだというふうに考えております。ただいまお話しのように、昨年から、歩どまりにつきましては、二十五円でございますが、格差がついておるわけでございます。そういう歩どまりについての格差、これはおっしゃるようないろいろの資料に基きまして、漸次是正をする方向で考えたい、かように思っております。ただ、食味という事柄からくる格差につきましては、これは自由経済でございますれば、おのずから格差がつくわけでございましょうが、ただいまのところ、そういうものを反映させるという客観的な資料がございませんので、とりあえずのところは、歩どまりにつきまして格差を適切につけるということを三十二年産米については考える、かように考えております。
○佐藤清一郎君 関連して。米価の問題で、私は包装についてちょっとお尋ねするんですが、これは栃木県だけかどうかわかりませんが、最近包装を非常にやかましく言っている。それで、外装の問題でありますから、そうやかましく言う必要もなかろうと思うのに、最近になってから野州米の成果をあげるとか何とか言うて、なわなども、製縄機の毛取機がありますな、あの毛を取る製縄機を使ったなわでなければすべすべになりませんから、毛取機を使ったなわでなけりゃだめだとか、いろいろやかましいことを言うわけですが、これは非常に農家にセンセーションを起して、そうしてわざわざ機械を買ってやっておるわけなんですが、これは全国的にもそういう指令を出してあるんですか。 それからもう一つは、大体が外装というものを一貫五百匁ぐらいに計算をされておるんだが、外装一貫五百匁というものは実際にないんです。たとえば俵九百匁にして——最高九百匁です。九百匁以上のやつはもう未検査でだめですから。ところが、俵と、それからなわと、それからふちを両方につける。それらを合せたところで、どんなところにしたって一貫二百匁にしかなりませんよ。そうすると、あと三百匁は、米でもって埋め合せして農家はやっているんです。だから、実際には、歩どまりの問題も出ましたから特に私は言うのですが、四斗精白にして九四%のつき上げでやらしておいて、実際は九五%くらいしかつき上げませんから、そこでまたもうけが出、そうしてさっき言った三百匁くらいの、のりが入っておりますから、それでまたもうける。だから、中間の配給では相当にもうかっておるというような現状でもあるわけであります。まあやかましいことは私は申し上げませんが、いずれにしても、外装について栃木県だけがそうだったかどうかわかりませんが、自由販売ではない現状において外装にやかましく言われることは、農家としてはなはだ迷惑千万でありまするから、どういうふうになっておりますか、ちょっと御返事願いたいと思います。
○政府委員(小倉武一君) 私も今お尋ねの点について実は詳細承知しておりませんのですが、二つの事情があるのじゃないかと思います。一つは、一昨年の豊作、いわゆる取り入れ時期の気候等の関係からいたしまして、これは水分の点でございますが、なかなか規格に合わないようなものが出たというふうに一部からは実は指摘されておったような事情もございまして、品質規格については、特にやかましく言うわけではございませんが、規格相当のものが出るということはおのずからまた当然のことでございまするので、そういう意味で昨年から乾燥その他についていろいろ普及宣伝的な指導を実はいたしております。そういう意味で検査もできるだけ公正にやるように努めておりますが、いたずらに行き過ぎのようなことになることは、これはお説のように、ためなきやなりませんので、行き過ぎの点があれば是正もいたしますが、もう一つの点は、先ほどお話が出ましたように、最近品質というようなことがだんだんやかましくこれは民間の方からございまして、一方将来あるいは統制が一部緩和されるというようなことがございますれば、それぞれ産地の銘柄の成果を今から上げておく必要があるというようなことで、地元におきまして、産米改良のためのいろいろの措置をやっておられるような向きもございまして、あるいはそういう方面から今おっしゃったようななわのようなことが出たのではないかと思いますが、お役所の方からそういう特別の指示は、おそらくいたしていないというふうに存じます。行き過ぎの点がございましたら、御指摘によりまして是正をいたします。
○梶原茂嘉君 関連して。米価の問題で一点だけ御意見を伺っておきたい。このところ二十九年から消費者価格は据え置き。三十年、三十一年が御承知のように、非常な農作。従って、消費者価格を据え置きましたから、さしたる問題はなかったと思うのでありますが、今度調査会で検討の結果、あるいは消費者価格が上るというようなことがこれはあり得るわけです。そのとき、私一つの問題があると思います。それは、消費者の気持であります。といいますことは、御承知のように、今の米価をきめるについて、豊凶の関係が加味されるということで、凶作の場合には、凶作だからというので、ある一定の率による加算が行われるわけです。それはそれとして当然のことであって、合理性があるわけなんです。ところが、そうであれば、豊作になれば若干下げていいじゃないかという、これは数字を離れた消費者の気持が相当あるのであります。これまではともかく消費者価格据え置きだったから、この問題は起らなかった。今度は消費者価格がかりに上るとなってきて、ことしの作況はわかりませんけれども、また相当作がいいぞとなってくると、消費者は、凶作のときに加算をして上げるのであれば、豊作であれば若干下げていいじゃないかという、何といいますか、素朴な気持というのは、これは必ず私は出てくると思う。また、これは理屈を言えば、一応の理屈もないわけじゃもちろんないわけであります。今度消費者価格引き上げに関連して、豊凶の扱い方ですね、これに何らか考えられるようなことがあるか。やはり凶作の場合だけだという従来のやり方をとられるか、これはすぐ御返事いただくことは困難な問題かもしれませんけれども、消費者にはそういう気持が非常に強くあるということを一つお含みおき願いたいと思います。それだけでございます。
○政府委員(小倉武一君) お説のように、私どももよく消費者関係の方からそういうお話を承わっております。これは私よりもよく御承知だと思いますが、豊凶によりまして価格を加減するということの存在理由でございますが、今お話のように、凶作のときに加算をするということを、実際問題としてこれまでやって去りましたが、やって参りました理由の一つは、おそらく、別に根拠があるわけではございませんが、推察するところ、生産者米価はこれまでどちらかといえば抑制米価であったというやっぱり頭が一つ全体としてありまして、そういう前提でものを考えられたのと、もう一つは、米麦による収入と申しますか、所得の農家全体と申しますか、農民経済全体にとってある水準を維持すると、こういうこともおそらくねらって減収加算が行われてきたのだと思いますが、従って、逆に言えば、そういう意味でございまするので、特に豊作の場合には価格を引き下げないということもある程度の妥当性を持っておったのではないかと思うのであります。今後しかし、価格政策の目標をどこに置くかと、たとえばよく言われますように、私どももある程度そういう考え方にいきたいと思っておりますが、需給均衡価格に近づいていくというようなことがもし認められまするならば、お話のような点は、今後の研究問題として検討しなければならぬ問題だと、かように存じております。
○仲原善一君 次は農業移民の問題でございますが、最近、河野農相以来、井出農相も引き続いて、先ほどもお話のありました通りに、新農村の建設事業を強力に推し進めていかれるわけでございますが、農村から考えますと、やはり土地と人口の問題は、これは宿命的な重大な難関でございまして、いろいろの新農村の計画はありましても、あるいは集約化で人口包容力をふやすとか、あるいは他産業の振興をはかって、そちらに転職していくとか、いろいろな施策はございましょうけれども、やはり二、三男坊が全面的に安心して農業ができるということにはなかなかならないと思います。今度の新農村建設の裏づけと申しますか、ささえとして農業移民というものをお考えになったらどうかという意見なんでございますが、これは量の問題から申しますと、これは取るに足らぬ問題でございますけれども、ただ行き詰った農村の二、三男がほんとうに困った場合には、政府のほんとうに強力な支持のもとに、海外にでも行けるのだという精神的な安定感と申しますか、見通しと申しますか、そういうものを持つことによって非常に朗らかになるのじゃないかという気持もいたしまするし、そういう意味で、農業移民の予算を検討してみますと、農林大臣は大いにやるのだということを委員会で言明しておられまするけれども、予算的には非常に微々たるものでございますが、この点については将来どういうようにお考えになっておるのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(大坪藤市君) 農業移民の問題でございますが、農業移民は、御承知の通り、戦後は昭和二十七年から始まっておりますが、大体三十一年末までに約六千名の者を南米、中米等に送っております。来年度は九千名を送る計画に相なっておるのでございます。御承知のように、農業移民の問題は、わが国人口の問題の解決の一環でありますし、特に農家二、三男対策でありますので、今後大いにこれを助長して参りたいと、かように考えておるのでございます。現在農林省が所管しておりまするのは、募集、選考、訓練でありまして、対外との関係は外務省が所管をすることに相なっておるのでございます。で、順次外務省の方で受入国と話し合いをつけまして、そのために来年度は今までの計画では一応九千名、こういうことに相なっておるのでございます。これに必要な予算といたしましては、三十一年度は千六百万円でございましたが、本年は、三十二年度は約三百万円ほど増額いたしまして、一千九百万円で、内地の募集、選考、訓練、これに必要な所要の金額を計上いたしておる、かように相なっておるのでございまするが、今後、農業移民の問題につきましては、外務省その他とも緊密に連絡いたしまして、少しでも多い移民をお願いいたしたい、こういうふうに考えております。
○千田正君 今の大坪さんのあれですが、私はことしの予算を見ましても、昨年に比較してわずかに三百万しかふえてない。しかも移民する者がどれだけですか、昨年よりも三千名もふえているのでしょう。この前も農林委員会で申しました通り、将来やはり農林省関係の方が現地にとどまって適正地を十分調査する、そういうふうな行き方をしなければ、外務省だけにまかせておったのでは、農業移民の場合にはほんとうの移民ができないのじゃないか、私はこう思うのですがね。今の、今度の予算くらいだったら、一回りあなたの方の部下を回したならば、行って来ただけでさよならじゃないですか。これではとても農業移民の、あなたの言う理想には到達できないと思うので、もっと予算をとるということを考えませんか。かけ足で歩いて見ただけでは、将来の農業移民なんて話にならない、アフター・ケアのことまで考えなければ。
○政府委員(大坪藤市君) 農業移民に対しまして、千田先生に非常に御激励いただきましてありがたく思いますが、現在までのところ、まあ閣議できまりました線が、外地関係は外務省、こういうことに相なっておりますので、予算を大蔵省等に要求いたします場合に、そこにいろいろ問題があるのでございまして、十分な予算が計上できないでおるのでございますが、一応内地問題だけの募集、選考、訓練ということにつきましては、一応所要の金額を計上いたしておりますが、ただいま御意見の点は、私どもといたしましても先生同様、今後の問題としていろいろ検討して参りたい、かように考えております。
○千田正君 外地の土地の選定、適地選定に対しては、農林省としては十分に僕は見る必要があると思うのですが、外務省のお役人さんでは、土地の選定ができると思うのですか、どうですか。僕はできないと思うのだが……。
○政府委員(大坪藤市君) 移住地の現地調査ということにつきましては、農林省も一応協力することになっております。そのために、年々一、二名の人間を派遣いたしまするが、これも実は御承知のように、非常に金額にいたしまして少いのでございまして、今後現地調査ということにつきましては、その予算を計上するように努力して参りたい、かように考えております。
○仲原善一君 移民の問題では、外務省と農林省と協力しておやりになっておるというお話でございますが、内地の方の態勢の方で、海外移住協会というのがあります。これが各府県に支部を持っておりまするけれども、これはやはり外務省の出先のような色彩が非常に濃厚でありまして、これで募集だとか、選考だとか、訓練だとか、とてもできる問題ではありませんので、最近農林省の方でも多少手をつけておられると思いまするけれども、農業協同組合組織で拓植農業協同組合というのを設立して、先ほどお話申し上げましたその新農村の建設の一環として事情のほんとうによくわかった次三男を訓練したり、募集したり、そういうことを一つ計画するというような動きもあるようでございますが、この点について、農林省の補助金というものが現在のところちっともないわけでございますが、そういうものについて将来どういうお考えを持っておられるかということと、もう一つは、この断片的な移民政策でなしに、イタリアなどでも非常に強力な組織で非常な実績をあげているそうですが、内地でも、日本でも移民法というような一つの基本になる、バック・ボーンになる法制を考えて、それにすべて包含して強力な移民政策を打ち出すというようなお考えはあるかどうか、そういう点をお伺いいたします。
○政府委員(大坪藤市君) 拓植農業協同組合の問題でございまするが、これは昨年末に各町村を母体といたしまして、一応全国の拓植農業協同組合連合会として発足いたしたのでございます。ただいま海協連というものの地方組織は外務省の出先機関のようであるというお話でございますが、一応募集、選考、訓練ということに関しまする限りは農林省の監督を受けておる、こういうような格好になっておるわけでございます。ただ現在までの海協連の支部の活動の状態を見ますというと、移民について手の届くような世話ができなかった、そういう点にいささか欠けるところがあったというので、農民の自主的団体といたしましての協同組合連合会が発足いたしておる、かような格好になっておるのでありまして、本年、三十二年度予算には、大体正面から拓植農業協同組合連合会の予算は計上いたしておりませんが、海外移住の関係の予算の中からいろいろな仕事をしてもらうという意味合いにおきまして、ある程度の金額を助成いたして参りたい、かように考えておるのでございまして、なお、今後とも拓植農業協同組合連合会のいろいろな事業を実施して参りますために必要な予算につきましては、関係方面に予算を要求いたしたいと、かように考えております。 法制の問題につきましては、目下外務省が主となりまして立案いたしておるのでございまして、私どもの方にもいろいろ相談がかかっておるのでございますが、まだ研究段階でございまして、最終の立案に至っておりませんが、いろいろ検討中でございますから、御了承願いたいと思います。
○仲原善一君 最後に、もう一点だけお伺いしたいと思いますが、それは食糧増産、井出農政で畜産も含めての食糧増産をやるというお考えで、いろいろ畜産の振興をはかっておられますが、その一環として集約酪農地帯の指定がございます。この問題の中で中心工場というのがありまして、これはよく御存じでございましょうが、大資本系統の、商業資本系統の明治だとか、森永だとか、こういうものがおおむね中心工場になっておるわけでございますが、所によっては、協同組合組織で有力な集乳場を設けたり、あるいは畜産加工をやったり、あるいはドライ・ミルクを作ったり、いろいろ酪農の工場を持っておるわけでございますが、こういうものについて大体の情勢を達観してみますると、どうやら農林省の方の指定の場合には、大資本の明治、森永といったところが中心工場になって本来助長すべき農業協同組合経営のそういう工場がないということでございますが、その点、農業協同組合を一方においては大いに助長しておきながら、重大なそういう指定の問題になるとそれが除外されるということもございますので、そういう点、どういうふうにお考えになっておるのか、お伺いいたしたい。
○説明員(丸山幸一君) 集約酪農地域の中心工場の問題につきましては、御承知のように、大体俸五カ年計画、あるいは六カ年計画で百五十石以上を集乳し得る地域、工場ということにいたしておるわけでございますが、そこで、工場のきめ方でございますが、これは酪農振興法によりますと、農民の自由意思によりまして選定をする、こういうことになっておるわけでございます。大体農民の八割なり、総意によって実は決定しておるわけでございまして農林省といたしまして、これをここはどこがやれというような指導はいたしておらないのでございます。そこで、農民の自由意思によって決定する結果が、おのずから従来実績を持っているところとか、あるいは会社の能力のあるところとか、そういうようなところへいくのは、あるいは自然の勢いかと存じますけれども、しかしながら、私どもといたしましては、農協の指導育成を扱っているものといたしまして、なるべくこれは農協系統でいくことも好ましいわけでございます。これに対しましては積極的に農協でなければならぬというような指導はできませんので、農協の組合員諸君がそういう意思になりますと、これに対してあるいは系統融資をしてやるとか、あるいは公庫の金を回してやるとかいうようなことによって援助をして参りたいと存じておるのでございます。
○仲原善一君 ただいまの御説明ではっきりいたしましたので、そういう場合、農民の意思によって協同組合組織で中心工場を選定した場合には、それを認可と申しますか、了承してもらえるということに間違いはございませんか。
○説明員(丸山幸一君) 資格要件、その他政令基準に合致いたしておりますと、承認をいたしております。
○千田正君 大へん御疲労、御睡眠中まことに恐縮ですが、農地局長にお伺いいたします。 この間から、農林省として、土地改良の一部改正の法律案を審査に回しておりますが、同時にまた、建設省からは多目的ダムの問題、さらにただいまは東北振興三法案というものが出ている。多目的ダムにしろ、土地改良にしろ、あるいは総合開発法案にしろずっと考えてみまして、現実に皆さんが企図しておったところの計画の進行状況が思うようにいっていないのではないか。私は昨日の農林委員会で申しましたが、土地改良、あるいは多目的ダムだといっても、今まで多目的ダムとしての効果を果していないんじゃないか。たとえば例を言いますというと、電力の方はもうすでに十分にできてしまって、完成してどんどん電力を起している。ところが、それに伴うところのもう一つの目的であるところの農地の灌漑排水、あるいは改良という方面はそれに追いついてこない。しかも当初計画した年度をすでに過ぎているにもかかわらず、それがついてきておらないという現状が方々に見られる、これはどういうふうにして解決していくかということが一つ。そういう非常におそくなったやつを片づけていかなければ、多目的ダムや何か案を出しても無理だというのです。今までのものを犠牲にしない限りは、農民やなんかは未墾地は買収され、そうして自分らが予想しておったところの水もこない、こういう現状であっては、幾ら法案を作っても実質的な裏づけはない、これをどう解決していくか。それからいま一つの例は、干拓の問題につきましても、琵琶湖の干拓などは相も変らずまだ進行しない。農民は早くやってもらいたい、漁民は補償してもらいたい、知事が右顧左眄して動かない、県会は直ちに干拓しろという決議をする、そういう実態にありながら少しも進んでおらないというような、こうした問題をどう解決するか、来年度の予算においてはどう解決するおつもりですか、その点を承わりたいと思います。
○政府委員(安田善一郎君) 多目的ダムのお話が出ましたが、農業にも至大の関係がございますが、一応あれは法案を作りまして、特別会計を設けてやろうといたしておりますのは、建設大臣が所管をされますもので、洪水調節を主としております。しかし、農林省が灌排事業を行なっておりまするもの、特に国営事業にも同時に多目的なものを相当加えまして、また、本来農業用水専用の土地改良事業もたくさんあるわけでございます。御指摘の点に対しまして国営工事が基幹的な役目を果しておりますし、府県営工事でも、団体工事でも、国費の補助が決定的な要因となっております。これらの事業につきましては、公庫融資等の資金調達の問題がございますが、また、特別会計の地元負担を引き合いに資金を、借入金を投入して事業量を増したり、完成を促進しようといたしておるのでございまして従いましてやはり国家支出、一般会計の予算及び財政融資の確保が決定的でございます。 本年度に即して申し上げますと、土地改良事業特別会計法を設けまして工事促進の仕組みのことでございますが、あわせまして予算を計上しまして、昨年度よりは相当予算を増しております。三十二年度が十分ではございませんが、特に土地改良特別会計においては七年で完成することを目途にして政府部内はやろうと思っております。現状を申し上げますと、直接海排事業は、終戦後開拓したある事業について申しますと、五年を経過しまして、その中には補償問題その他で、開拓しましたが、着工できずにおるもの、中止しておるものも五年の中に入っておりますが、最近の一般会計に計上されました進捗度によりますというと、なお約十年を要するのでございますが、干拓事業は同様の意味で五年経過して、十二年を要する傾向にあるわけでございます。開墾関係におきましても、これは残事業量でありますが、残事業はそれよりは少いのでありますが、これは何としても短縮しなくちゃならぬ、そこで特別会計にあるものはもう先生御承知の通り、それによりまして事業促進をしたい。一般会計の繰り入れも昨年度の予算よりは二割以上増してこれに資金を投入しますと、全体では五割増になっておるのであります。しからば、従来の方式で当面やって参りまする一般会計による事業費で促進するものにつきましては、お話にありました他の事業と関連のあるものを重点に置きまして、従来の予算計上の形でありますが、重点的に予算を付しましてある意味ではその他の事業を若干犠牲にいたしまして、重点地区の工事には三十二年度予算の増高をはかっておるのであります。なお、今までの段階で、地区ごとに重点的に予算をつけておりますもの以外の事業におきましても、同様に完成まぎわのものは早く完成するように予算配分をしたい、また、他事業との間でおくれ過ぎているのを促進する意味で予算をつけたい、こう思うのでありますが、建設省、あるいは発電事業等他の目的の事業と関係を持っていたしておりますものは、総合開発としての計画を頭に入れまして、経済企画庁とよく調整いたしまして、経済企画庁に計上されておる調整費をできるだけ確保して、おくれを取り戻していきたいと思います。まあ、そういう仕組みでおります。農業は何としてもダムの工事が伴うもので、申し上げますと、下流の利水事業でございまして、おくれがちなことは性質上もありましょうが、事実はなはだおくれておるのでございますので、今後特段の努力をしていきたいと思っております。全面的に三十二年度の予算の計上に当りましては、解決を見ませんでしたが、三地区の灌排事業につきましては、昨年までの予算の組み方でいいますと、まだ二、三年かかりますものを、三ヵ所の国営工事は完成するようにしております。 また、篠津地区等も、石狩川総合開発の一環として特に重要な地区には今まであまり例を見ませんでした程度でございますが、一年度八億五千万予算を計上しておるのでございます。まだ十分ではございませんが、今後特別会計による事業を推進いたしまするとともに、特に特別会計では完成に至りますまでの間の建設期間を相当固く守っていきますとともに、その他のすでに着工しました継続事業につきまして特に重点を置きまして、予算の重点的配分、他の事業と関係のあるものは総合して効果が同時に、あるいは接続して発揮するのが最も資金効果、資金効率としてもいいのでございまするから、そういうふうに努力いたしたいと思います。
○千田正君 他目的ダムの場合にですね、水没農家の補償並びに移転に対する補償は、他目的ダムの場合は建設省がその予算に盛るのですか、それとも農林省が盛りますか。
○政府委員(安田善一郎君) 御審議願っております他目的ダムは、特別会計法で取り上げる事業についての質問かと思いますが……。
○千田正君 そうです。
○政府委員(安田善一郎君) それは建設大臣が国営でやるものの事業は、特に特定しておりますので、これに関連する補償問題が起きました場合は、また必ず起きるわけでありますが、起業者である建設大臣が行うことになっております。そのもとの費用と申しますれば、事業費から補償費を出すのでありますから、多目的であることからいたしまして、電力関係、水道関係が費用負担を持ちます。従来国と都道府県が引き受ける負担、この中から出るわけでございます、しかし、私どもは農家とか、いろいろこういう関係のお方については、農林省はその場合でも必要な措置をとるべきでございますので、基本計画の策定に当りましては、補償金に適切な、私どもの方の工事でも同様なことがございますので、適切なる補償金の確保には努力いたしますとともに、なるべく農家は農家、漁業者は漁業者、漁業者はちょっとむずかしい問題が多いのですが、漁業者は漁業者として生業が営めるようにかえ地のあっせん、開拓地における補充入植あるいは新規開拓地等にごあっせん申し上げるようにいたしたいと思っておるわけでございます。琵琶湖の大仲の湖の干拓地のことにつきましては、これは先般も知事の御上京を願いまして私御折衝申し上げた。まだ最終妥結に至りませんが、問題は漁業権の補償、業者の直接補償は一応終りましたが、琵琶湖の周辺に非常に大ぜいのお方が業者としておられますので、その魚類の棲息、稚魚の発生するところの施設は、水産庁の御意見も伺いまして、それをもとにしまして間接補償と申しますか、そのものについては干拓事業費の中から補償しようと思いまして、相当歩み寄りを見ております。知事さんばかりでなしに、御協力を願っておりますので、遠からず解決をしまして本年度は着工するつもりでございます。
○千田正君 琵琶湖のあれは大体今度の予算には一千万ですか、盛ってないじゃないですか。あなたのおっしゃるように、今年度は着手するとすれば、ある程度の予算を盛らなければできないじゃないですか。
○説明員(清野保君) 琵琶湖の大仲の湖の干拓の着工云々のお話でございますが、先ほど農地局長から御説明申し上げましたように、一応漁業権の補償は片がついておりますが、県の方から琵琶湖の沿岸に発生しますところの魚族の補植補償の問題につきまして抗議がございましたので、水産庁の方と協議の結果、一応の案を府県の方へ提出して、目下その案を中心にいたしまして検討を加えつつあります。予算の点につきましては、一応この工事を進めるかいなかにつきましては、県の協力を得た補植補償の問題が解決するかしないかということが根本問題でありますので、その点を考慮の上、考えたいと思っております。ただ本年度から特別会計となりましたので、各地区別に予算を配賦しなければならないのでありますので、できるだけ早期に予算的のそういう問題が解決しませんというと配賦がおくれますので、その点が問題とはなりますが、予算の配賦につきましては、補償の解決の有無ということを見きわめた上で十分やりたいと思っております。
○千田正君 水産庁にお願いいたしますがこれはちょうど塩見さんもいらしていますから、日ソ問題ですね。きのう、きょうの新聞見ますと、紅ザケが相当制限を食っているようですね。およそ北洋の漁業は、漁獲量の問題は常に量ばかりとっても、実質的な問題としますと、紅ザケをたくさんとらなければ経営が成り立たないので、あの新聞で見ますように、ソ連側の制限を受けたら漁獲経営ができないのではないかと思う。そこで、この問題については今どう考えているのですか。大体きのう、きょうの発表のようなままでいったならば、昨年の漁獲と比較して漁獲計画から見るというと、トン当り二万円ぐらいの不足を来たしておる、そのままでいったならば、とても本年の漁獲経営は成り立たないから減船必至というところまで追い込まれている、私はそう思うのですが、どうなんですか。
○政府委員(奥原日出男君) 日ソ漁業交渉におきまして、今年度十二万トンのサケ、マスの漁獲量を認めるかわりに、オホーツクにおきます漁業の制限及び本年度は豊漁年を認めると、こういう二つの条件をソ連側が持ち出して、目下いろいろ折衝いたしておるということはただいまお話しになった通りでありますが、その話とさらに並行いたしまして、ソ連側は魚種別に漁獲量の規制をしたい、こういうことを申し出ておるのでございます。これに対しまして日本側といたしましては、確かに紅ザケにつきましては、最近漁獲資源が相当減っておるということは、これは認めざるを得ないと思われるので、日本側の漁業経営に支障を来たさない範囲において、何らか紅ザケの漁獲を合理的に規律していくという線を出して話し合いを進めたいということで、いろいろ折衝を重ねておるところでございます。
○千田正君 今ソ連側の申し出ておるような紅ザケの量であったらとうていやっていけない。おそらくこれはもう紅じゃなくて白とマスだけで大部分を占める漁獲量だったら減船必至ですよ。減船必至というような場合に私は一番心配するのは、塩見さんの水産庁長官時代か、あるいはその前からだったかもしれませんが、もうあなた方も知っていると思うが、底びきを整理して、そして漁業転換させようということで七十トン平均のところのあれを整理して、そして一応の船団に組ませたのがそもそも北洋漁業の戦後におけるところの操業の始まりだったと思う。当時、整理された船がまたここで減船されるようなことになる、整理の対象になるわけですね。これは農林省、水産庁としては、国内措置として大きな問題としてクローズ・アップしてくるその一つの問題の中身として、今の紅ザケのソ連側からの要求がくるというと、さらに制限されるということなんですが、これはどうしたって紅ザケの制限は突破しなければだめです。自信ありますか。それでなかったならば、減船措置に対する覚悟をしなければならないということに追い込まれていると思う。
○政府委員(奥原日出男君) われわれは、一方においてこの交渉をできる限りわが国の現在の漁業の経営というものに支障を来たすことのない線においてまとめたい、かようなことでその限界の範囲におきまする対案をもって折衝いたしておる次第でございますので、もうしばらくこの折衝の経過について御説明までに時をかしていただきたいと、かように存じます。
○千田正君 大分自信のある、余裕のある外交ぶりのようでありますが、しばらく静観してからさらに論じます。
○迫水久常君 私これは質問ということにもならないと思うのですけれども、農林省の予算というものをしみじみ拝見するというと、何といいますか、建て増し、建て増しして、あっちにすき間があるからこっちに一つ部屋を作っていこう、ところが、ここに穴があるからこれを埋めなければならないというので、しかもその建て増しするについて、議員提出の法律案について議員的な感じから来ておるものもあるし、政府的な感じから来ておるものもあるし、すこぶる家相の悪いうちのように私実は感じがするのです。せっかく九百億近くのお金を使うのだから、これを一ぺん九百億は農林省に使わせるから、ほんとうに統一した考え方でもってこの予算の項目を一ぺん徹底的に洗い直して系統的にやり直されたら、どれほど能率が上るのではなかろうかという感じがします。おそらく農林省の役人諸君というのは使いにくくてしょうがないのじゃないかという感じがする。たとえば私の関係していた特殊土壌の法律というものがある。それに予算はもらったのだけれども、大蔵省はすこぶる利口でもって、ほかの予算であるのをイヤマークして、これは特殊土壌の予算だといってくれるだけで、そういうようなことで非常に建て増し、建て増しで家相の悪いうちに農林省は住んでおられるような気がするのですけれども、農林省の官僚諸君の頭のいいところで、将来の調査会か何か作って、九百億の予算というものはそのままもらえるという前提で、一つ統一した考え方で、近代的な考え方で、これを何といいますか、再配分をするというような研究をされる御意思はありませんか。
○政府委員(永野正二君) 私からちょっと僭越でございますが、確かに現状の農林省予算をこまかく見ていけばいくほど、ただいま御指摘のような問題があるように、実は私ども自身もそういう点を考えなければならないと考えておるのでございます。問題は、現在の各省の予算の要求並びにそれの査定、この過程に私どもは実は長年いろいろ問題があるのではないかというふうな感じを持っておるのでございます。ただいまお話のように、全体の予算の規模、それから農林省関係の施策の予算の規模というものが大体きまりまして、これを相当重点的にと申しますか、あるいは新規の事項につきましても相当力を入れて予算を作るということになりますれば、現状のような、こういう状態は一変する可能性は私はもう十分あると思うのでございます。現在まで大蔵省と予算の折衝いたします際の問題でございますが、まず既定の経費につきましても、積算の基礎についていろいろもう削れるだけ削れると申しますか、何とか理屈をつけて削ろうとする建前と、何とか全体の施策を後退させないで予算を作っていきたいという農林省の考え方とが、非常に大きな労力と時間を費しておるようなわけでございまして、今御指摘のあったような予算の編成の仕方になるということに相なりますれば、これは私どもとしても相当根本的に考えなければならない、こういうふうに考えます。
○迫水久常君 私はできることなら、大蔵省の方との関係はもちろんおるわけですけれども、大体農林省のお役人、これは各省の予算は多かれ少なかれそういう状況はありますけれども、農林省に至ってはきわまれりという感じが実は私にはするわけです。そこで、農林省の官僚諸君は勇猛心をふるい起してそういう研究をされて、三十三年度の予算はこういう柱で、予算総額は大体前年通りくらいで押えられることを前提としての要求だから、うんと出してもいいが、そのような建前をとられるならば、少くとも国会はこれを支持するのではないかというような感じで、一面各省の予算編成当時、各省の、各省というよりも農林省の予算編成の際、そういうような格好で大蔵省にぶつかるという態勢を示したら、大蔵省も今まで通りのやり方では、ちょっと受け答えができないのではないか、僕の希望だけれども、一ぺん勇猛心をふるい起して、多士斉々たる農林省官僚諸君はがんばってくれたらどうかという感じがします。これは質問ではありません。
○主査(内村清次君) 他に御質疑はございませんか。別に御発言もなければ、農林省関係の予算の質疑は終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(内村清次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 明日は、午前は建設省関係予算、午後は運輸省関係予算について審議をいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十五分散会