予算委員会第一分科会 第3号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/03/31
会議録
○主査(吉田萬次君) ただいまより開会いたします。 前回に引き続き総理府関係の質疑を続けます。 なお、昨日、天田委員から御注意がありました通り、政府関係出席者は、あらかじめ委員長に御通知なく御退席にならぬようお願いいたします。なお、腰かけたまま御答弁になったり、あるいは委員長の許可なくして御答弁になった方もありまするが、かような点はすべて将来御注意になるように、特にきつく申し上げておきます。 それでは御質疑願います。
○山田節男君 この年度の科学技術庁の諸般の計上されておる予算を見て二、三質問したいと思うのですが、まず第一に、この科学技術庁を組織して以来、何といっても科学技術の非常なテンポをもって発達していることは、これは申すまでもないことであります。ことに終戦後、日本は約十年間、もっと過去にさかのぼれば、一九三五年、国際連盟を脱退して以来、日本が国際社会からシャット・アウトされたようなときがある。それをまあ今日最もおくれている科学技術を、一日も早く諸外国のレベルに到達しようというのが、この組織を作ったまあ第一の私はこれは目的だと思うのです。そこで、もとよりこの基本的な科学技術の研究、あるいはその研究をすることに助成するということは、これはもちろん大切ですが、しかしその研究だけじゃいけないので、これがいろんな方面の諸産業に、何と言いますか、応用されるというか、いわゆる科学技術の研究のアプリケーション、これは実用化の問題です。このことがやはり科学技術庁としては最も重要な面じゃないかと思う。で、創設以来今日に至るまで、私が伺いたいことは、そういう意味で科学技術庁の管下にある幾多の問題があります。原子力の問題もありますが、原子力問題は最近のものですから、それ以外において、科学技術庁の振興助成によって、日本の立ちおくれておった技術という面において寄与したと思われる最も顕著な例を、これは二、三でよろしうございますから、その点を一つお聞かせ願いたい。なおまた、それが何と言いますか、将来この国費をもって助成するに至る予算上において、大蔵省なり、あるいは国会なりがどうも制約して、こういう方面になかなか向けられないという点があれば、これは来年度の予算はきまっておりますけれども、まあ次長として、これは非常な重要なものであるという観点から、率直にあなたの御意見を伺いたい。
○説明員(篠原登君) ただいまの御質問は、まことに私ども十分に尊重しなければならない点でございまして、科学技術庁が発足いたしましたのは昨年の五月の十九日でございまして、それ以来、科学技術の振興に庁員一同非常な努力を払いましておったのでございますが、昨年は何にいたしましても五月発足以来七、八カ月でございますので、あらゆる施策がまだ十分に徹底するところまで参りませんでございましたけれども、三十二年度におきましては、予算の面におきましても、ある程度増額いたしまして、科学技術の振興を推進することにいたしまして、相当の予算を計上してございます。当庁の予算要求は、前年度として十八億一千七十四万円でございましたけれども、二十二年度は七十二億四千二百十三万四千円でございまして、この間五十四億三千百三十九万四千円の増額となっております。で、これは原子力におきまして相当の増額の要求をいたしましたとともに、一般科学技術におきましても、ある程度の増額を要求しておるわけでございます。ただいま御質問のございました、どういう方面に寄与したかということにつきましては、科学技術庁に付置いたしております航空技術研究所でございますが、これは一昨年初めてスタートいたしまして、明年度はさらに遷音速風洞その他の航空の技術の向上を目指しまして、八億六千七百万余りの予算を要求しておるわけでございまして、そのほかに国庫債務負担行為十四億八千万を計上してございます。今後の航空技術は早急に新しい技術分野を開拓しなければならないのでございまして、その点に十分の力をいたしたいと存じております。 その次に金属材料方面でございますが、これは航空技術に伴いまして当然いろいろな新しい金属材料が研究されなければなりませんし、また原子力等におきまして、これまた金属材料方面か非常に重大となって参ります。このために明年度の予算といたしまして二億一千三百万円余りを計上いたしまして、さらに各般の準備をいたしまして、金属材料方面の研究を促進して行きたいと存じております。なお、新しい放射線総合医学研究所、これは原子力によります放射線でございますが、これは非常な各方面に大きな影響を与えるものでございまして、特に医学方面におきましては二つの方面から考えられます。まず第一は、これを医療方面に使うという方面でありまして、将来、治療の方面に相当な効果がある。これを推進しなければならないと存じます。第二は、放射線による障害、いろいろからだに起きまする障害を防止するという方面で、これまた非常に大事な問題でございますので、一億四千三百万余りの予算を計上してございます。ほかに国庫債務負担といたしまして四億五千万を計上いたしまして、原子力の関係におけるラジオアイソトープの方面の医学を総合的に推進して行く予定でございます。 その次に、戦争前に御承知の通り理研というものがございましたが、戦後、株式会社になりまして、科学研究所ということになったのでありますが、これは民間におきまする唯一の総合研究所とも申すべきものでございますが、これに対して、政府出資といたしまして本年度は一億円の出資をいたしましたが、明年度におきましては一億五千万の政府出資をいたしまして、この研究の分野に大きな活躍を期待しておるわけでございます。その他各分野におきまして、たとえばクロレラ、最近、蛋白質のものといたしましてクロレラを非常に研究して、アメリカあたりでも相当な注目をもって見ておりますが、これは各省各庁におきまする総合的な助成をしなければならぬということで、科学技術庁で取り上げまして、二千五百万円の助成をいたすことになっております。 そのほか原子力平和利用は、これは非常に重大な問題でございまして、先進諸外国におきましては非常な予算をかけまして、たとえばアメリカのごときは七千億円程度の研究費を投じておりますが、日本では相当おくれておりますので、特殊法人の日本原子力研究所に対しまして四十億余りの金を投じまして、別に国庫負担行為といたしまして十五億、これを明年度計上いたしまして、原子力研究に相当な推進をいたしたいと、かように考えておるわけであります。先ほどお話のありました、ただ研究をしただけで、それが捨てられてしまってはまことにもったいないという点を仰せられましたが、まことにごもっともな点でございまして、日本ではとかく、たとえば国立の研究所におきましても相当な研究の効果が上っておりますにかかわらず、それが具体的な産業に浸透して行かないという点は非常に私ども残念で、ございまして、この点におきまして、あらゆる努力を払わなければならないと、かように考えております。そのためにはいろいろな手段がございますけれども、私どもといたしましては、科学技術審議会というようなものがありまして、各部会におきまして、それぞれテーマを研究をいたしますと同時に、民間におきまする発明等を奨励し、その実施化をはかるとか、あるいはまた情報活動を強化いたしまして、いろいろ新しいトップ・レベルの技術情報を入手いたしまして、これらを各方面に迅速的確に配りまして、そうしてその情報に基いて、産業上にいろいろ好ましい成果を適用していただく、こういうようなことを考えておる次第でございます。なお、来年度の予算には計上されてございませんですが、国立研究所等におきまして相当な成果をおさめた優秀な技術を実施をするような機関を創設しなければならないという、経団連、経済同友会等の御要望がございまして、本年度はその準備期間といたしまして二百五十万円、海外に参りましてそういう機関の調査をいたしまして、できますならば、来年度からそのような機関の設立を期待しておるわけでございます。 なお、私どもは科学技術庁ができますると、直ちに国会の付帯決議もございますので、国立の研究所を全部、四十数カ所でございましたが、私どもの調査官あるいは関係の向きが全部各国立研究所に参りまして、国立研究所の研究のあり方、どういう点が困っておるか、予算はどうであるか、人員はどうであるか、その成果にどういうりっぱなものがあるか等を調査いたしまして、その中の成果の相当なものは、これを産業に移すべく、いろいろ各方面と打ち合せをしているわけでございます。 大体、私ども科学技術庁ができまして以来、そのようなことをいたしまして現在に至っておりますが、来年度は、さらに私ども科学技術に対しまして熱意を傾倒いたしまして、御趣旨に沿うべく努力をいたしたいと存じております。
○山田節男君 今、技術庁のきわめて概略的な説明があって御趣旨もわかるのですが、これは申すまでもなく、科学の技術振興ということは、一面においてはアカデミックな、理論的な、基本的なものを、これをきわめなくちゃならぬということは、これはもちろんですが、これと並行して、やはり産業にこれをいかに応用するかということが、すなわちプラクティスに移すということが産業、文化に寄与することである。これは私も戦後欧米を視察すること十回、方々を回っておりますが、アメリカは民間として、政府の努力もありますが、これはもっぱら民間でフリーにやっておるのであります。これはわれわれに直接いろいろな示唆を与えますけれども、しかしより多くわれわれに示唆を与えるものは、どうしてもヨーロッパ諸国です。ことにイギリスが一九四六年に労働党の政府になって以来、六年間の施設の間におきまして、いち早く取り上げたものは何であるかと言えば科学技術です。しかもその大目的はどこにあるかと言えば、要するに、産業の各分野に対して新しい技術を取り入れる。そうしなくては国際貿易上においてイギリスの産業はもう太刀打ちできない、せっぱ詰まった。これは目的は、相手はアメリカにあったわけです。ケミカルの方におきましては申すまでもなく西ドイツであった。それから化学繊維においてはイタリーが競争相手である。この競争相手を目標にして、これをいかにして活用するかということが労働党の非常な苦心であった。しかもこれに対しては莫大な金を使っておる。これは半面労働党は社会主義政党でありますから、いわゆる一面においては重要産業の国有化ということを前提としての、これは思い切った科学技術政策をとっておる。しかも、これはもう今日におきまして保守党の政権になっても、ますますこれを維持、拡張するという立場にある。このことは、これはようやく日本が科学技術に関する重要性を認識して、こういう科学技術庁を作った。これはもうおそきに失するものだ。しかしながら、できた以上は、この二つのアカデミックな研究と同時に、これを諸産業にいかに適用せしめるかという、この画面作戦というものを相当スピード・アップして行かないと、これは日本のように貿易によって生きて行かなくちゃならぬという国において、これはイギリスよりももっと日本の方が切実なものがある。であるからして、科学技術庁の使命なり、またそのやり方についてはわれわれは期待を持っておる。今まで御答弁はなかったけれども、大蔵省なり、あるいは国会が、こういうものに対する予算上の制約を行わすようなことがあったかどうかということを聞いたわけです。御答弁なかったけれども、大蔵省あたりはどうしたった予算を緊縮するという立場にあるのですから……。しかしながら、そういう重大使命を見れば、これはあなたたちは生命を賭しても重要性を認識せしめて、少しでも予算を獲得するということが、これはもう重要な任務でなければならぬわけです。そこで今お話になったところを見て、まだこれは短時間で、あなた意見を尽されなかっただろうと思うが、こり予算を見まして、後ほどまた触れますが、原子力の問題について、原子エネルギーの問題については今度は画期的な予算を計上しておる。過日、参議院の予算委員会の公聴会で、安川第五神君がこられて、これをもっては、まだ予算としてはむしろ足りないぐらいである、しかし、ある委員からは、これだけの膨大な金を使い切れるかと、こういうような御質問が出たわけです。しかし、これはもう原子エネルギーに対する重要な施策あるいは実際的な研究については、これは私は国費を犠牲にしても、できるだけの多くの金を有効に使用する限度におきましては、最大限度に国費を計上すべきものだと、私はそういう意見です。私、ちょっとこう見て感じましたことは、御承知のように、今日の新しい産業上の革命、ひいては兵器、こういう方面あるいは通信、諸般の方面において革命を起しつつある一つのものは、これは要するに電子工学、エレクトロニックの科学である。ですから、諸外国を見ましても、原子と言いますか、核に関する、ニュークリアスに関する科学に関しては、もちろん膨大な国費を実験と研究にやっておる。同時に、電子工学というものが、これはあなたに申し上げるまでもなく、誘導爆弾のごとき兵器においては、これはもうエレクトロニックス、その他航空、通信あるいはいろいろな計算機械、要するに人間頭脳というものは、これはエレクトロニック・サイエンスの進歩のたまものである。であるから、原子力の研究、平和的な利用に対して、今回日本としては膨大な予算を計上しておるのですが、これでも足らない。電子工業にもやらなくちゃならない。しかもこれは一番大事なことです。つい一昨日ですか、誘導弾の実験をやって失敗したのは、これは機材の質、その他いろいろな私は欠陥があったと思うけれども、もう一つの重大な原因は、まだ日本に電子工業の研究がないから、ああいうぶざまなことをして恥をかいておるのであるが、電子工学というものに対しては一番日本がおくれております。皆輸入をしておるわけです。しかも膨大な金を払っておる。こういうものに対して、原子力の平和的利用に劣らざる予算を計上してしかるべきだと私は思うのだけれども、これを見たところが、こういうものに対する予算というものがほとんどないと思う。これは科学技術庁としては、通産省がやりますと言われるかもしれません。通産省にも電機通信機課というのがあります。私は読んでみたところが何にもしてない。こういうようなことでは、一体科学技術の今の革命の原動力とも言われる原子力の問題を電子工学と平等に扱わない、私はこれが理解できないのですが、これは何か事情があって……、こう私が申し上げるのは、非常に片手落ちのように見えるのですが、どういう御見解ですか。
○説明員(篠原登君) ただいまの御質問に対しまして、科学技術庁といたしましては、原子力の平和利用とそれから電子工業、それから最近特に進歩して参りました合成化学あるいは航空機、この四点くらいを重点に取り上げまして、研究の推進をいたして参りたいと存じております。ただいまお話の電子工学につきましては言うまでもございませんで、原子力のコントロールもほとんど半分以上は電子工学によるべきものである。飛行機の方も半分以上は必要でございますし、オートメーション等になりまするというと、エレクトロニックスの技術が非常に大事でございます。それで、科学技術庁といたしましては、調査官庁といたしまして、通産省の電気試験所あるいは郵政省の電波研究所、その他と十分に連絡をいたしまして、通産省あるいは郵政省、その他におきまする電子工業の振興に対しまして、私ども相携えまして、これが推進に努力をして参ったわけでございます。科学技術審議会の中に電子研究部会というものを設けまして、この部会で、関係各省の方々にお集まりいただきまして、しばしばこの方面の議題を取り上げて検討して参りましたが、まだ今のところは、仰せの通り、電子工業の進歩に対しまして打つ手が不十分と存じますので、この点に関しましては、来年度以降におきまして、仰せの通り、エレクトロニックスの推進に努力をして参りたいと思っております。
○山田節男君 これは少くとも原子エネルギーの問題と並行して、この電子工学というものをやはりやって行かないと、来年からやるというようなことでは私はもう少し、少しと言いますか、いわゆるほとんど不即不離の関係にあるような感じがしておるわけです。ですから来年やるなんというようなことじゃなくて、民間の産業においても、いろいろこの電子工業に関することを企画しておるやに私は聞きますけれども、これは全部アメリカの模倣である。従って。パテントというものを、どうしてもロイアリティを払わなければできない。これがあらゆる面において日本はおくれておりましたために、戦後新しいような産業というものを、相当多数の産業がかなり高いパテント、ロイアリティを払わなくてはならない。それがために非常にコストが高くなる。高くなるばかりでなく、さらにまた日本の悪いことには、そのパテント、ロイアリティをさらに新しくすれば、そうすればこれにまたこのパテントがとれるわけです。ところが日本の業者というものは、何というか、めんどうくさがると言いますか、とにかくそういうように、よそから、たとえばアメリカのRCAならRCAのパテントを借りて作って、さらにまたこれによって新しいパテントに値するものであれば、アメリカはこれでもうプラス、マイナス相殺してくれるのです。そういうライセンスを欧米諸国ともみなそうやっている。ところが日本を見ますと、無知からきておるのか、あるいは事務上の繁雑をきらってそういうことをやらないのか、せっかくそういうものを持っておっても全然そういうことをやってない。これは私は非常な、何と言いますか、損をしておると思うのですね。ですから科学技術の振興行政ということからすれば、やはりこういったようなパテントというものを、単なる通産省ばかりにまかせないで、もっと基本的な、科学技術庁あたりで、科学技術の情報センターというようなものの予算も計上されていますが、私は少くともそういうものでもって、これは推進していただきたい。戦前も工業技術院というようなものがありましたけれども、これはただ戦争のため、軍事的目的のためじゃなくて、今日は平和産業、軍需産業との区別はないんですから、特に原子エネルギー、電子工学というものは、これは軍需、平和産業の区別は全然つかないのですから、私はこれはやはり予算上で制約されたんだろうというんだろうというように想像しておりましたけれども、しかし今あなたがおっしゃったように、来年から一つ電子工学の方をやるんだというのでは少し私は不満です。もっと勇敢にやるべきだと思う。もっと責任をもってやっていただきたい。
○説明員(篠原登君) まことにごもっともでございまして、原子力の平和利用とエレクトロニックスすなわち電子工業とは、これは車の両輪のごとく、両方とも手を携えて推進して行くべきものと私は存じております。それで今までも電子工業につきましては、関係各省と打ち合せまして、十分に努力をして参りましたが、今後も最善の努力をいたしまして、予算措置その他推進に努力をして参りたいと思っております。
○主査(吉田萬次君) 以上をもって本分科会担当事項の審査は全部終了いたしました。 なお、委員長より……。
○山田節男君 ちょっと待って。まだ質問をおえていない。時間が、今、安井君から注意がありましたが、そんな無礼なこと知りませんよ。一応打ち切ってから……、私もう二十分や三十分やるんじゃないんですから、一応私の質問があるかないかお聞きになって……。そうまるで昔の軍人みたいなことをしちやいけません。私は時間を見てやっているんですから。
○主査(吉田萬次君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(吉田萬次君) 速記を始めて。ただいまの委員長の発言を取り消します。
○山田節男君 これは片手落ちだと思いますので、今年度の予算においては、相当そういう制約された範囲しかできないかもしれませんが、しかしこれは基礎的な準備をしなければいかぬ。ですからこれを見ると、明年度科学技術情報センターを出して、それに出資金を出し、かつまた補助金を出すということになっている。これはおそらくそのアイデアは、さっきお願い申し上げた一般の周知、宣伝、それからこれをもっと実用化する、それから一つの研究の総合的なプールにする、こういう意味で私はお使いになるのだろうと思います。これは非常にいいアイデアだと思います。これが単なる官僚行政に陥って、民間の密接な連絡を失うということ、これは私は危険なことと思います。政府としては、今日はもう官僚としてもそう大したものではないのだし、要は民間の産業の発達に期待するよりない。しかもそれはあなたたちのこれに対するいろいろな助言なり、あるいは指導というものがある。外国のパテントの高いものを競争して買わなくてもいい。またそれをあなたたちの方で中へ入るべきである。これは通産省でやるべきじゃないかと私は思います。どうしても私学技術の専門の官庁であるあたなのところが、そこへ入って、媒介体となって行かれるところに、非常に何と申しますか、能率も上る、この点については格段の御努力を願いたい。これは時間がありませんから、これ以上私お尋ねいたしませんが、最後に、原子力の平和的利用に関する予算でありますが、これは先ほど申し上げたように、安川第五郎君は、これでも足りないではないかと言われた、私もそう思う。しかし日本は今ゼロから出発している、何もない。技術もなければ、知識も私はほとんどないと申し上げてもいい。ですから全く変に行くことになりますと、砂上の楼閣になってしまう、あるいは画餅に帰してしまう危険がある。これはもう原子炉という問題についても、アメリカ式にやるか、英国式にやるか、これはもちろん私しろうとであり、しかもそういう方面に知識はありません。新聞雑誌で見る程度の知識しか持っておりません。英国式のコルダーホール式でいいか、あるいはアメリカ式でいいかどうか、これはエクスペリメンタルの段階にあると思います。どっちがいいか悪いかということは、これはやって行く人もよくわからぬと思います。要は日本の経済の底の浅い国においてやるのには、どれがいいかということになる。これはイギリスはやはり日本と似ているから、イギリスのコルダーホール式がいいだろうというような意味の意見も私はあるやに聞いております。しかしこれはいずれにしても、最後的にどっちがいいかという決定的なものがないとするならば、どちらかに選ばなければならぬ。そうしますと、しかも日本は一日も早く入れて、それに対する技術者の養成をかねて、そういうものを作らせるためには、とにかくいち早くこれを実現しなければならない。ですから、私よくわかりませんが、これだけの金を今度使うわけですけれども、それによって大体この三十二年度というものは、これは今原子力燃料公社、こういうものは別といたしまして、動き得るような、そういうふうな原子力平和利用というものは、三十二年度中において、来年の三月三十一日までに大体どのくらいの今お見込みで、これだけの予算を計上しておるか。
○説明員(篠原登君) ただいまの御質問に対しましてお答えを申し上げますが、最初の日本の実験研究炉のウォーター・ボイラー型は大体六月ごろ運転を開始いたしますが、それに基きまして各種の研究を開始いたしますとともに、技術者の養成をかねましてやつて行くわけでございます。それからCP5という第二の研究炉が来年三、四年ごろ完成をして、運転を開始するようになっておりますが、あわせて国産炉を作るべく、ただいま材料その他の研究につきまして、十分な計画を立てまして、その方面に向って努力をしております。それからイギリス型とアメリカ型の点でございますが、これは原子力委員会で、当然いずれか御決定になるべきものと存じておりますので、私から申し上げるのは差し控えますけれども、イギリスのコルダーホール・タイプは、石川ミッションの御報告によりますと、これを採用するに好ましきものの一つであるというような御回答になっているやに聞いております。
○山田節男君 委員長のこの質疑終終了の時間を非常にあせっていらっしゃることもよくわかりますので、これ以上しませんが、最後に、私これは意見にもなりますが、先ほど申し上げたように、まああなたは専門家だから失礼な言葉になるかもしらぬが、原子力の平和利用に今度相当な金を大蔵省が出しておる。これに対するわれわれの期待はもちろん大なるものがあります。しつこいようでありますけれども、いわゆる電子光学、エレクトロニック・サイエンスの基礎的な非常に実用的な研究というものに対する予算が、私から言えば、原子力に対して五十億とすれば、二十億や二十五億の金は計上されるべきものだと思う。ところが今回それがなかった。しかし今あなたのお話を聞くと、一つ明年度から本腰を入れてやろうとおっしゃっておる。これは専門家のあなたにそんなことを言うと失礼だけれども、これはおそい。現在ごらんの通りに、日本の防衛産業を自前でやろうといたしましても隘路がそこにある。航空機を作るにしても、これまた電子工業の基礎的なある程度発達がないと、すべて輸入しなくちゃならぬ。私過日、アメリカのジェット機の最も新しい戦闘機をジョン飛行場で見ましたが、その戦闘機のほとんど製造費の三分の二は電波関係費で占めておるというくらいになっておる。国産ということになると、そういうものが日本には間に合わない。すべてパテントに依存しなければならぬ。あるいは部分品を直輸入しなければならぬ。これはとても一年や二年で日本はアメリカ式のものができないのでありまして、一日も早くやはりそういう方面の指導等をしませんと……。私はもう実に日本として、日本人は技術の素養があるのです。ですからそういったような指導あるいは教育をするものでありさえすれば、これは私は日本は他の東南アジア諸国と違ってもっと早く追いつけるのじゃないかと思う。ですから、しつこいようですけれども、これは来年度の予算の進行中においても、補正予算においても、これを請求するというくらいな、あなたは一つ信念をもってやっていただきたいということを私は強く申し上げておきます。 実はまだ他にもありますけれども、しかしこれはまた他の機会におきまして、十分またあなたたちの立場から、これは国会議員に大いに非常にPRをやって知らしめなければいけないと私は思う。ですからその点の努力を私は切にお願いしておきまして、これは予算に対する質疑をしては非常に変則になるかもしれませんが、時間がありませんから、これで一応打ち切ります。
○説明員(篠原登君) 御趣意に従いまして今後十分努力をいたします。
○森八三一君 この分科会に審査を付託せられておりまする案件につきましては、昨日から各位の熱心な質疑がかわされたわけでありますが、まだ質疑も相当残っておるかと思いますが、しかし理事会でかねて協議が整っておりますように、本日の午前中に主査の報告を完了するという申し合せ等の関係からいたしまして、時間も切迫していることでありますので、分科会の審査はこの程度で打ち切ることにお取り計らいを願いたいと思います。
○主査(吉田萬次君) 先ほど主査の発言につきまして、速記について修正したい個所もありまするので、さようその点を考慮いたしまして、ただいま森さんの動議に対して御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(吉田萬次君) 御異議ないものと認めます。 それでは以上をもって本分科会担当事項の審査は全部終了いたしました。 なお、委員長の報告書並びに委員会における口頭報告の内容は、慣例により、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(吉田萬次君) 御異議ないものと認めます。それではさように取り計らわせていただきます。 本日はこれをもって散会いたします。 午前十一時十四分散会