P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
26回国会参議院1957/03/30

予算委員会第一分科会 第2号

発言数
368
登壇者
20
会派数
3
開催日
1957/03/30

会議録

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) ただいまより開会いたします。  まず冒頭に、昨日天田、青柳両委員要求の資料につきまして、最高裁判所の説明を求めます。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) 昨日天田先生からお尋ねいただきましたものでございますが、裁判所庁舎の営繕費につきましての詳細の額及び総額は幾らかということにつきまして、ただいまお手元に表を差し上げておりますこの通りでございます。これによりますと、本年度計上いたしておりますいわゆる継続分二十庁につきましては、今後三十三年度以降に予定されております金額は、その表の一番右の欄にございます五億三千七百六十三万七千円という数字でございます。それから新規工事の十八庁分につきましての三十三年度以降に予定されます額は二十一億千六百三十三万二千円、両方合せまして二十六億五千三百九十六万九千円と相なります。三十二年度及び三十一年度までの工事費を加えますと、結局この三十八カ所の総工費が出るのでございますが、それはまん中辺の欄の「総工事費」というところに書いてある金額でございまして、全部合せますと三十九億二百十七万、従って昭和三十一年度までの予算と、三十二年度に計上いたします予算とを差し引きましたものが、三十三年度以降の金額ということに相なります。ただここでちょっと御了解をお願いいたしておきたい点は、この三十二年度及び三十二年度以降の金額、具体的な庁の金額につきましては、ここに書いておりますのは私どもの方の要求額でございまして、これにつきましては、今後三十二年度につきましては近く大蔵省と実施計画の打ち合せをいたしました上で確定するのでございまして、多少この金額に異同があるかもわからないと存じております。三十三年度以降の金額は全然予算化されておりませんので、明年度以降においてあらためて折衝してきめる金額になりますので、確定した数字は多少異同があるかもわからないということに相なるわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 昨日の私及び他の委員の質疑でも、望ましいことは、裁判所の仕事から考えましてやはり相当なる建物が希望されておったわけですが、これはもうすでにきまってしまったことでどうにもならぬ。こういう分については今ざらとやこう言いません。ただこの二枚目のでございますが、「防火構造一部二階建」というのがありますが、これは特にほかのは鉄筋何階建とかとしてあって、ここの分だけ「防火構造一部二階建」というのは、何ですか木造でそういう防火構造にしたと、こういうのですか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) これはいずれも独立した簡易裁判所でございまして、お話のように木造の防火ということで入っておるわけでございます。従来もそうでございましたので三十二年度もそれでやったわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そこですがね、その下には「コンクリートブロック」云々というのがある。ところが、私は建築にはしろうとだけれども、しかし木造のその防火構造をするのと、コンクリートブロックでやるのとでは値段に変りがないと思うのですがね。それならば防火上からもコンクリートブロックの方がいいと思うのですが、そういう点はどうなんですか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) 木造の防火構造とブロックでは多少、大体二、三割方単価が違うように存じております。それで従来からそういうやり方であったもので、私どもの方といたしましては、建物の維持という点から見ますと、あるいは耐火という点から見ますと、ブロックの方が望ましいんでございますが、これは予算上そこまで三十二年度は参らなくて私ども木造でがまんしたという実情でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 出席されておる方が経理部長で建築のくろうとではないんですから、質問するのは無理かもしれませんが、一般の住宅の場合なんぞは防火建築にしなくても木造では四万円くらいだろう、ブロックでも四万五千円くらい、しかも近来木材はどんどん値上りしつつある。近ごろほとんどこれが同じ値段になりつつあるんです。ところが、役所等の建築は、木造の場合でありましても一般民家よりも材料が大きいわけです。そうなればますますもって値段は近づかなければならないんですがね。これは御研究下されば確かに同じ値段で私はブロックでできると信じておりますので、これは御研究になって、将来の分なんかは私は直されたらいいと思う。それは業者にとかく知識のないところからつけ入られているとしか考えられません。近ごろなんぞは役所のように大きな木材を使う建築でありますれば、原価計算すれば木材の方が高くなるはずですよ。逆にそういうことになっているんですから、今は木材の値上り等で。これは十分御研究になって、今年度のことで急に工事変更などはできないにいたしましても、将来やる分については十分専門家と打ち合せされて、なるべく国家の建物というものはもう防火建築、それも木材防火でなくてもっともっと特殊な工作をしなくても、それ自体が火事に焼けないという配慮をしなければならぬと思いますので、その点申し上げておきます。これで一応終ります。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) なおもう一点、青柳先生からのお尋ねでございました点は、これも刷りもので金額を出しておいてございますが、これは法務省の最高検察庁の方に入っております予算科目に大体当るという頭で、現在最高裁判所に入っておりますもののうちから一応試みに拾い出してみたものでございます。考え方は裁判官と裁判に直接関係しておる機関の職員を一応拾いまして、それに関係の人件費、物件費、旅費というようなものを計上いたしました金額でございます。従って非常に大ざっぱでございますが、その他の経費は大体本省的な経費ということに相なるかと存じます。ただ具体的な問題といたしましては、きのうのお話からさらに一応考えてみたのでございますが、最高裁判所は御承知のように十五名の裁判官が、裁判をすると同時に、全国の司法行政のピークになっているというような関係から、その職員のうちで純粋の裁判関係と本省的な行政関係との二役をやっておる者もございます。これを俄然と分けることは技術的に困難であります。それからまたその他の庁舎関係の費用等につきましても、同じようなことが考えられますので、本省と最高検察庁の建物を俄然と分けるということは技術的に困難かと思います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 きょうの資料の説明以外の問題にちょっと御答弁できれば願いたいと思います。今朝の新聞にも出ておりましたが、裁判官の給与が一般公務員に比較して低いというようなことについて、何か大阪だったかどこかでそういう要望書か抗議書か知らぬけれども提出したことを聞いたのですが、前にもそういうようなことを私ちょっと聞いたのですが、申すまでもなく裁判官は独立の地位を保って公平な裁判をすることになれば、少くとも一般公務員程度の地位の保障と同時に給与の保障をすべきものじゃないか。これは新聞に報道されたようなことが果して事実かどうか。そうであるとすれば三十二年度の予算はこうして計上してあるのですが、もしその事実があるとすればそれをどういうようにするのか、それに対して何か御意見があれば、抽象的でよろしゅうございますから承わりたい。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) この問題は、ただいま衆議院の方でも最高裁判所の方からの意見を申し上げておるような事情でございますが、問題はいろいろな見方がございますが、終戦後に、裁判官の給与というものは戦前に比べて戦前通りでは低過ぎるというようなことから、終戦後になりまして裁判官の給与が一般の行政官に比べて戦前に比べてよくなったというのは事実でございます。ところがその後いろいろな点から、一般行政官の方の給与が改善されたほど裁判官の方は改善されなかった。従って比較的に見ますと、その後逐次比較的に待遇は悪くなったというふうなことになっております。その一つの具体的なあれは一般職の方に管理職手当というものがつけられました際に、これは超過勤務手当の変形である。裁判官には従来超過勤務手当がなかったというふうなことから、裁判官については管理職手当というものはつかないままになった。ところが実際問題といたしまして、私どもの方の考え方では、その管理職手当というものは従来の超過勤務手当よりも実際は待遇的にいいものだ、従って管理職手当がついたあとと前を比べると、裁判官の方の待遇に比較的に行政官との比較において悪くなったというふうな点が一つの点でございます。そこで今後の給与改訂に際しまして、その点につきまして裁判官にもある意味の管理職手当をつけたいということで、これは大蔵省方面にも要求いたしました結果、ある程度、全部というわけには参らないようでありますが、ある程度のものは考えてもいいというふうな空気になっておるように聞いております。  それからなお、今申しましたのは高等裁判所以下の裁判官についての点でありますが、最高裁判所の裁判官については、一般の行政官庁の方のそういう管理職手当の問題、あるいはベースアップそういうふうなことから、一般行政官庁の官吏の方の最高の方の実際の手取りは、最高の裁判官を上回る場合も出てくるというふうなことから、最高の判事についても何とか考えなければならないのじゃないかということでございます。それにつきましてはこれもいろいろ考え方がございますが、俸給ベースそのものを上げるということが根本的な方法でございますが、ほかの国務大臣その他の認証官とのバランスという点もあるということで、その基本給そのものを改善するということが困難であれば、何か他の名目で、と申しますと研究費というふうなことで実質的に最高の裁判官の給与の改善をはかりたいということで、これも数年前から予算的に要求して参ったのでありますが、ただいまのところまだ残念ながら実現の運びに至っていないというふうな状況でございます。詳しいことは実は私も存じないのでありますが、大まかに申しましてそういうふうなことになっておるのじゃないかと思います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 最高裁判所の裁判官は別問題として、最高裁判所の裁判官より以下の職員、高等裁判所、地裁、簡易裁判所、家庭裁判所、これらについては全部来年度の予算に大体管理職の手当というものが出ているのですが、裁判官の基本給与が一般公務員等より低いということはないわけなんですか。問題は手当でそういう較差が出てくるんじゃないだろうかと思いますが、管理職じゃなくて、他にもこの予算項目を見ると、いろいろ諸手当が出ているのですが、他の一般公務員についておって、裁判官あるいは裁判所の職員に対してつかない手当というものがありますか。手当がないから較差ができるんじゃないかと思いますが、その点どうですか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) 別の行政官庁にない手当というものは今のところ全然ございません。私どもの方も待遇の改善という点でいろいろ下級の裁判所の裁判官についても、最高の判事についても、先ほど申しました研究費というものが考えられるべきじゃないかという意見もございましたが、実際やはりさしあたりの問題としては、下級裁判所の裁判官についての待遇改善の方法は、いわゆる管理職手当という方法でいくのが一番通りやすいんじゃないかということで、そういう方法で要求をいたして参り、今申し上げましたように、裁判官の一部についてそういうものを認めるということにつきまして、ある程度の了解を事務当局の方では得てきておるという状況でございます。予算的には三十二年度の既定予算の範囲内で多少の流用等をいたしますれば、その範囲の管理職手当は十分まかなえるというふうに考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは質問をするというのじゃなくして、資料を委員会開会中に一つ出してもらいたい。これは最高裁から末端の裁判所に至るまでいろいろな手続その他で手数料のようなものを徴収しますが、これが全国的に年間にどのくらいあるかということがわかりますか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) ちょっとただいま記憶いたしませんが、調べればすぐにわかります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは国庫へ当然収入印紙の形で入るだろうと思いますが、裁判所の収入というのじゃなくして、他の官庁にも私そういう質問をしておりますので、できるならば、今、明日にでもそういうのを知らして委員長の方へ届けていただきたい。これは質問じゃありません。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 次いで会計検査院所管に入ります。まず御説明を願います。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) 会計検査院所管昭和三十二年度一般会計歳出予算要求額は、五億六百四万四千円でありまして、これは会計検査院が憲法第九十条の規定により、国の収入支出の決算を確認するため、常時会計検査を行い、会計経理を監督し、かつ、是正をはかるなどのため必要な経費であります。  今要求額のおもなものについて申し上げますと、人件費として四億三百四十三万三千円を計上いたしましたが、これは職員一、一七八人分の給与・手当などでありまして、予算総額に対しまして八〇先となっております。  次に検査旅費として六千三百十二万円を計上いたしましたが、これは計算証明規則に基きまして、各省各庁から提出いたします書類の検査と並行して職員を現地に派遣して、実地について検査をするために必要な経費であります。  次に庁費として三千八百二十六万円を計上いたしましたが、これは事務上必要な備品、消耗品及び印刷などに必要な経費であります。  次に、三十二年度歳出予算要求額を前年度予算額四億五千三百八十二万一千円に比較いたしますと、五千二百二十二万三千円の増加となっております。増加のおもなものについて申し上げますと、職員の給与の改定等に要する経費が三千九百七十万六千円、検査旅費一千七十九万円、その他四百三十九万八千円、計五千四百八十九万四千円でありまして、減額となったものは庁舎補修費の二百六十七万一千円でありまして、これを減じますと前掲の五千二百二十二万三千円の増加となります。  以上はなはだ簡単ではありますが、会計検査院所管昭和三十二年度歳出予算要求額の大要の説朗を終ります。  なお、詳細につきましては御質問によりお答え申し上げますが、何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。

森八三一緑風会

○森八三一君 予算に直接関連をしておることではありませんが、検査院で非常に人手不足の中を御苦労いただきまして、各地で検査が行われ、その結果を国会に報告せられまして、国の予算の執行に適正を期する資料を与えておっていただいておるということにつきましては、感謝をいたしておりますが、その検査のやり方について一つ例をあげて申しますると、昭和二十八年に九州から本州にわたって非常な大災害があった。その災害の復旧のためにかなり高額の補助が行われ、その後におきましても年々水害、風水害、凍霜害、冷害といったような各種の災害が頻発するたびごとに、国としてはいろいろ救済の手を差し伸べておる。その一つに、農村で申しますれば営農資金の貸し出しということがあります。これに対しましては御案内のように、国費である程度の金利の補助をし、地方の公共団体におきましてもそういうような措置が講ぜられておる。その金の使途についていろいろ御検査が行われております。ところがその検査についてどういう方針でおやりになっておるのか。営農資金ですから貸し出しをして、それは回収されなければならないはずなんです。次の災害が重なれば別ですが、災害がなかりせば翌年には必ず回収される。回収したものはその次投資されるまで貯金というような形で留保されておる。その現実をとらえてこんな貯金があるのなら融資をしたことはおかしいじゃないか、利息を補給したこともいけないということで返還を命ぜられておるという事例を聞くのですが、どういう態度でお臨みになっているのかどうか。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) お答えいたします。ただいま御指摘の営農資金の利子補給の関係でございますが、検査院の検査が全国的に行われましたことは、今御指摘の通りであります。検査に際しましては、営農資金がたまたま中間の農業協同組合等に滞留いたしまして、個々の末端の農家に流れていないというようなことから、一時農業協同組合の経理とかあるいは出資等に使用しているとか、あるいはその他、目的外に使っておるということにつきましては、厳重に指摘いたしまして、努めて早く末端に貸し付けるように、また不用なものであれば、農林中金等から流れておると思いますが、そうした関係に返還するようにということ、そらしたものは利子補給の対象にすべきでないことは指摘いたしております。今御指摘のようなたまたま早く農業協同組合なら協同組合から末端に貸し出したものの返ってきたものが、これが一時滞留しているから、これはけしからんというようにきびしいことは言っていないように私は考えておりますけれども、もしそうしたことがありますれば、私どもといたしましてもこれは反省しなければいけないことと考えます。私はそのことにつきましては、まだ具体的には承知いたしておりません。

森八三一緑風会

○森八三一君 今前段に御説明なさったような、その金の使途の以外に流用せられておる場合であるとか、あるいは全然その金を目的に向って貸し出しをせずに留保しておる。そうしていたずらに利息の補給を受けておるというような事例は、これは不正不当の使用ですから、それは断然取り締るべきだと思うのです。けれど今申し上げたように営農資金として一ぺん貸し出しをする、そうしてそれが生産に使われて果実が上ってくれば、その果実の中から営農資金相当額のものは蓄積せられて、またその次の営農に使われていく、こういうふうに循環していって、五年なり七年なりの間には漸次元金が償還されていく、こういう姿をとるのが好ましいことは申すまでもない。そこで五カ年間なら五カ年間の貸し出し期間中には出ていっては返ってくる、出ていっては返ってくるというふうに、こういうふうに循環していく、その返ってきたとき、たまたま貸出額と同額のものが残っておったために、これは前段御指摘になったような貸し出しをしていなかったのじゃないか、用途に向って使っていなかったという判定のもとに返還だとか、利息の補給の取り消しとかいうことを命ぜられておるという事例があるように聞きますが、それは今の御説明の御趣旨で、そういうことはないはずだ、もしあるとすればそれは反省すべきことであるという御説明ですから、よく了解いたしましたが、それは間違いでございませんね。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) ただいまの御指摘の点でございます。一時農家なら農家に貸し付けられて、それが返ってきて、それがまたそこで次のほかの方の貸付を要する面に、蓄積されたやつが漸次運用されていくという細部の事項につきまして、私今実はこまかい手続等の規定を持ち合せておりません。会計検査院はあくまで主管官庁等の手続等をよく検討いたしまして、その規定ばかりでなく、精神の面から適正にこれが運用されているかどうかということを見ているわけでありますが、今御指摘の点、私ちょっと細部のことを確実にお答えする資料を持っておりませんので、もうちょっとその点につきましては、のちほど調べてから申し上げたいと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 会計検査院は他の役所と違いまして、国会におきまして最も激励鞭撻を受ける役所だと思います。特に本院におきましては力を注ぎ、法律改正等の処置もしばしばいたし、また決議等によって職務の完遂を大いに鞭撻しておる。わが社会党におきましては常に予算委員会、決算委員会の各委員は非常に関心をもって御協力申し上げておるつもりであります。何分国費の使途についての裁判官ともいうべき職責を行なっておるわけでありますから、そこで私はこの職責に携わる人たちのまず良心を涵養するということが、一番大前提でなければならないと存じます。そこで職員の任用等に当って、どの役所に勤めておる人でも良心がなくてもいいなどということを言うのではございませんけれども、しかしその中でもさらにりっぱな人格者を採用していかなければならない。こう存じますが、その任用に当ってのそうした配慮というものはされておりますか、されておりませんか。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) ただいま会計検査院の職責の重大なること、これに強い関心を国会におかれましてもお持ちいただきまして、しばしば機能発揮のことにつきまして御激励を受けております。特に昭和二十九年十二月には、参議院全会一致の会計検査院の機能発揮に関する決議をいただきまして、その関係で会計検査院も昭和三十年度におきましては一局をふやしまして、機能発揮に邁進しておる次第でございます。従事いたします職員の良心の関係が御期待のようなものでなければ、せっかく幾ら働きましても水泡に帰するので、私どもといたしましても、会計検査院の職員の良心の涵養、保持ということについては最も力を入れております。職員の採用のときにおきましても、良心の関係につきましては最も重点をおいて採用いたしておるような次第でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それから経理能力の問題でありますが、幸いに日本人は非常に勘がよろしいので、しばらく帳簿等を扱っておりますと、一ページぐらい一目見ると、その欠陥を発見できる特殊の才能が日本人全般としてあると思う。それから研修でありますが、研修は常々行なっておりますか。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) 研修のことにつきましては、会計検査院といたしまして最も重要視しておる事項の一つでございます。職員全般につきまして高度の研修をやりまして、各界の権威の方に毎年一回ないし二回来ていただきまして講習会等を役所におきまして開いております。これは全般的の高度の教養の研修ということで考えておりますが、そのほかにまず最初の採用いたしました一番新しい職員、この研修は採用と同時にすぐ、会計検査院の職員として必要な知識をたたき込むために、一カ月前後の期間にわたりまして毎年研修させております。それからやや三、四年たちましてある程度検査事務等にもなれました関係の者、これをまた大学の教授その他の各省の実際の事務に関しまする権威の方、こうした方に来ていただいて比較的実地検査等に出かけることの少いときを選びまして、これをやはりある程度の期間にわたりまして研修を行なっております。それからずっと上の課長補佐級に近くなって参ります職員に対しましても、これに相当する研修をやるようにいたしております。将来会計検査官の資質をうんと向上するためにもっともっと高度の、たとえば発見とか、そういう関係に当っての研修を行く行くは考えていきたい、こういうような構想でやっております。その点はまだ着手に至っておりません。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 検査旅費が今回の予算におきまして一千七十九万円でわずかでございますが、増額されたことはまことに喜ばしい次第でございます。そこで私ども聞くところによりますと、今まで検査は抜き取り検査のような形でおよそ全国家の会計のうち、十分の一ぐらいを検査されておる。その十分の一ぐらい検査したところであっても多いときは百何十億の不当不正を発見する。少い状態でもまあ七十億ぐらいの不当不正支出を発見する、それを十倍に引き延ばして考えると毎年々々一千億になんなんとする不当不正支出が行われる。全くこれは国民にとっては迷惑千万な話でありまして、さようであればこの部面から適正に使用されまするならば、全く文字通り一千億減税がこの面からも実現される、こういうふうにも考えられます。そこでこういう検査には私どもも費用を惜しんではならないと思っておるわけですが、このわずか一千七十九万円増額したことによって検査をどの程度増加して行うことができるのでございましょうか。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) 会計検査院は御承知の通り検査の方法といたしましては、まず書面検査を一応根幹として、各所から計算の証明をさせて証拠書類をまず見ておりますわけでございますが、それとあわせまして今御指摘の通りの実地検査に参りまして、相当の金額の検査量を見る、実地検査の実施をして完璧を期しておるわけでございます。この実地検査の執行の抜き取り検査と申しますか、私どもが検査をしなければならない個所に対するどの程度の検査をやったかということが、今御指摘の通りでございまして、約一割程度ということに全体ならして申しますとそうなります。今度旅費が少し増額になりましておるのでございますが、これによりましてどの程度の実地検査の施行率が向上するかという御質問でございます。大体昨年よりも多少は施行率は上ると思っております。しかしそう急激にこれが上るということには考えられません。ですからまあ大観して昨年よりもいくらかこれはそれだけのきき目があるのだということに御了承を願えることが一番いいのじゃないかと思います。ただここにちょっとお許し願えれば、私どもといたしましてその施行率の点についてちょっと申し上げておきたいのは、全体から申し上げますと、検査しなければならない実地検査の個所に一割くらいということになっておりますが、検査をしなければならない個所、役所その他の事務所等でございまするが、これは大小さまざまなものがございます。あるいはこのごろ皆さんに非常に関心をいただいております、防衛庁のような大きな経費を使っておる役所、あるいはそれの調達実施本部とかいう相当の部局、そうしたものから、小さいのは郵便局とかそうしたものになりまするので、全体から申しますれば一割ということになりますけれども、会計検査院は旅費を最も効率的に使うために、大きい重要なる実地検査を必要とします個所は、毎年一回は必ずやっております。場合によっては二回、三回行く場合もありまするので、そういうふうなことから申しますと、私どもはどうしても実地検査をしなければならないという点は、大体二割以上くらいやっておることになりはしないか、あるいは三割近くまでやっている。こういうふうに私どもは考えておりますので、その点御参考までに申し上げておきたいと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 まあわれわれ国会へ出てくるまでの人は、団体なり、役所なり、あるいは自分の事業なり、それぞれこういうことには若干の関係をしてきた人ばかりと言っていいと思います。でわれわれがこうした事業等の経験からしましても、まず二割を検査してみますと、大体全貌がわかる、こういうところなんです。で今のところは今度の予算は検査旅費を一千七十九万円ふやしまして前年度の予算と比べると、せいぜい一%か二%半くらいの状況ですけれども、それ以上にはならない。まあ二〇%の検査をわれわれはしてもらいたい、こう思って今の質問をいたしたのですけれども、しかし主要なところは二割ないし三割を検査されているということですから、その点は私了解いたします。  でこの問題は新しい役所、防衛庁といわず新しい機構のできたところは、符に綿密にやっていただきたい。これは希望をしておきます。今の防衛庁の話が出たから言うのではありませんけれども、防衛庁などでは国会に問題にされた部分を見ましても、実に箒の先まで汚職なんです。箒の購入などまことに微細なものまで汚職なんです。これは無理はないのです。日本の商品というものは大てい製造の段階から小売の段階までゆくと、もうあらかたのものが倍になる。皮製品では大体三倍くらいになっている。だから皮製品などは小売で売られている三分の一と考えて差しつかえない。他の物でも半分で手に入る。こういう腰だめをやっていると見て差しつかえない。それからいかに小売価格を頭に入れて行ってもまことにつじつまが合わない。にもかかわらず実際には汚職が諸所に発生しておる。こういうことでありまして、特にその長い間の旧軍といえば一般の者はもう不可侵のごとく考える伝統がございますから、だから、これは極端な話を言いますけれども、汚職々々と言っても政界の汚職だ、やれ財界の云々といったところでまあ一つの花街を占領するなんていうことはないけれども、戦時中日本国中の花街という花街は全部軍に占領されたべらぼうなこと、まあそういう話をすると長くなりますから、もうこの程度にしますけれども、一つ新しい役所ができたときは特別綿密に一つ検査を徹底していただきたい。そのことを要望いたしておきます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 天田君の質問に若干重複するかもしれませんが、この参議院の決算委員会で、たしか二十三国会だったと思いますが、この会計検査院を強化すべしと、検査の能率と範囲を拡大かつ上昇せしめなくちゃいかぬというので、若干人員をふやされてもう実地に検査できるくらいな能力を持つに至っておるのじゃないかと思うのですが、来年度の予算を見ると、検査旅費が昨年度よりも一千七十九万円ふえているわけですが、これはどうでしょう。その増員された検査官が今度検査に出るだけふえたのか、そうでなくて検査の対象をふやすというために旅費がふえたのかどっちでしょうか。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) 三十二年度予算におきまして、検査旅費が少し増額になりましたことは、人員の増加のためではございません。実地検査の施行率を少しでも向上させまして、会計検査院の機能を発揮いたさせたいと、まあこういう考え方でございます。今お話の通りの部局の増設は三十年度に行いましたので、その方の旅費の関係は三十年度ならびに三十一年度の予算におきまして、増員関係が出ておるということが考えられるわけでございまして、本年度のは能率発揮のための旅費強化ということになっております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これはまあ一番検査の事項、それから実地検査の場所の多いのは何といってもやはり農林省、建設省関係だと思うのです。二十九年、三十年、三十一年はまだ年度進行中ですから。たしか二十八年ごろは農林省のごときは検査すべき事項、場所のうち五〜六形であって一割以下であったと思うのですが、この検査する数は自来年々ふえているかどうか。ことに農林省、建設省関係でふえていれば、たとえば八年に比して九年、三十年はどのくらいふえているか。パーセンテージでよろしゅうございますからお教え願いたいと思います。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) 今御指摘の通り、農林省関係の公共事業関係の検査は最も重点を置かれたところでございまして、その施行率から申しますと、二十八年度は全工事現場につきまして実地検査をいたしました。施行率パーセンテージが、二十八年度が六%、二十九年度が七%、三十年度が八%ということになっておりまして、わずかながら率は上っております。工事現場の数を申しますと二十八年度は七万一千八百四十三カ所、二十九年度が五万九千六百七十五カ所、三十年度が五万二千百十三カ所というふうになっております。この工事現場個所が減少いたしました関係は、災害等の被害の度合いが二十七、八年は非常に大きかったが、その後幾らか減りました関係でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは年々会計検査院の方で検査の結果、批難事項あるいは不正支出等で、国費が浪費されておるという金額は莫大なものである。ですからそういう面から見ても、会計検査院としてはことに検査旅費を画期的にふやして、たとえば今お示しになったような職場に対して一割以下の検査しか及ばないというようなこと、これはさらに二割、三割ということになれば、やはりより以上の国費の節約ができるのじゃないか。で国費の節約額はもう検査旅費をまかなってもまだ十分というか、乱費されるのが防遏できることになる。そういう点から見ると来年度の予算あるいは現在の予算を見ましても、検査旅費というものが総体の経費に対して。パーセンテージがわずか一割三分、三十二年度におきましても五億六百万円余で検査旅費で六千三百十二万円で、このパーセントはもう少し上げなくちゃいかんじゃないかということは、もちろん要員を増員しなくちゃならぬということもありますが、いかに各政府管掌あるいは政府関係の諸機関の経理状況がよくなりつつあるとは言いながら、私は会計検査院として過去の少くとも十カ年間の検査の経験から見て、大体この会計検査院として検査要員を、国費を最大限度に浪費なからしめるためには、どの限度に置くべきかという目安は大体立っておるのではないかと思う。その数は決して三十二年度に計上しておられる六千三百十二万円というものでできるものじゃないと、こういうように私は考えるわけですけれども、これを裏から申しますと、会計検査院は国費の節約をするという面、綱紀粛正という点からすれば、むしろこういう非常にまあ謙遜しているというかティミドにならないで、もう少し積極性を持って予算を組むことがいいんじゃないかと思うのですが、こういう点について検査官等なりあるいは事務総長であるあなたたちは、そういうことを今日まで論議されたことがあるのかどうか、その点を承わりたい。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) 会計検査院の機能発揮に関しまする、何と申しますか理想的なプランといわないまでも、まあもう少しこの程度まであったらもっといいんじゃないか、人員なり経費の面、そうしたことにつきまして、会計検査院あげて非常に関心はもちろん持っております。特に国会におかれましては、絶えず御関心が深くて、御激励もいただいております関係もございまして、私どもといたしましても、絶えずいろいろな面から考慮はいたしておりますわけでありますし、検討も加えておりますが、何分どの程度の人員と、どの程度の経費があったらいいかという関係は、なかなかきめ手もございません。また政府一般の予算執行その他の経理の状況につきましても、国会初め、世論の御意見の強い点が反映いたしまして、徐々にではございまするけれども改善されつつある面もありゃせんか。一面いろいろ世上でうわさされている面ももちろんございますけれども、徐々に幾らかずつかは改善されていやしないか。そうした関係等もございまして、要するに政府部内において、そういう会計をよくしようという熾烈なる自覚と申しますか、これが先決要件でございまして、部内監査その他の面にどの程度に政府がこれに努力するか、実行するか、これとのかね合い等もございまして、いろいろまた私どもも検討は加えてはおりますけれども、今ここで御披露申し上げるような案は、まだ、ただいま持ち合せておりません。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは貨幣価値は違っても、年々国家予算が非常にふえてきています。それから一般会計以外の政府の特別会計の機関等の会計監査、これはもう金額においても、また職場にしても非常に増加している。ですから現在の会計検査院の千二百名じゃ、なかんずくその中での検査要員というものでは、そうして過去少くとも数カ年間の経過を見て、農林省とか建設省とかあるいは運輸省、また防衛庁、こういったようなものに対する検査の手が届いていない、これはもう事実なんです。会計検査院の指摘する批難事項あるいは不正支出というのは、全く氷山の一角ということにすぎない。ことに今のように一割以下の検査しかできないということを見ますると、これは綱紀が弛緩するとかということが、将来ますますひどくなるということを予想するのじゃなくて、大体こういう政府関係の一般会計、特別会計予算に対する国費の乱費があるないにかかわらず、検査事項というものは、おのずからやはり専門の会計検査院から見れば、大体ここは二割とか、ここは一割、ここは四割というふうに見るべきだということは、あなたの方の経験で私は一つのラインが出るだろうと思うのです。そうすれば、それに対してどれだけのスタッフを持たなくちゃいけない、従ってどれだけの経費が要るのだ。会計検査院もやはり国家予算というものを検査するということに対して一つの気魂を持って、少くとも三年間なら三年間で、大体完全とはいかないけれどもやや国民の期待するような厳正な経理ができるというようにするためには、僕は何と申しても、今の千二百名じゃこれはできない。一面この事業が機械化ができるものならよろしゅうございますけれども、しかしこれは計算事務のオートメーション化はできるかもしれないけれども、あるいは交通機関の機能を高めて能率化することができるということもありますが、これはやはり限度が私はあると思う。そうするとやはり人員というものを、これは国民全体としても決して好ましいことじゃないけれども、しかし国費の乱費を避けるためには、千五百名でもあるいは千八百名でも二千名でもやむを得ない。その数を出すのは会計検査院自体がそういう一つのめどをみつけなくちゃいけない。そうしてもっと積極性を持てば、国会に対してこの協力を求めるということは、もう当然なさなくちゃならぬ、あなたたちの義務だろうと思うんです。で、これは新しい憲法になりましたらば、前とは違って天皇の直属機関ではない。やはり国民の会計検査機関という立場に立てば、もう少し私は積極性を持っていくべきである、かように思うんですが、これは予算に関連して申し上げたのでありますが、予算に関係なくもっと高い見地から会計検査院自体が膨大なものになるということは、これは国民としても困りますが、現在より、より以上その職能を果すために、多少今後拡大していく、これは国会としても理由がはっきりすれば認めないわけはない。そういう点に私は平素一つ十分研究していただいて、でき得べくんばそういう三年計画なら三年計画というもののプランを一つ作っていただきたい。  それから先ほど天田君が、新しい役所とか職場ということを言っておりましたが、会計検査院では、もちろん検査官の中に技術関係の技官がおって、技術的方面の検査もできるようになっておるということは、これはもちろん知っておりますが、御承知のように、原子力関係の予算が、ことに三十二年度におきましては飛躍的な増額をしておるわけであります。しかも原子力は、燃料あるいは原子エネルギーの平和的利用、あるいは研究所、あるいは原子炉、こういうようなものに対しまして、莫大な金を来年度は支出するわけであります。そういうものに対しましては、やはり会計検査をするとすれば、ある程度の原子力に対する知識を持った者でなくてはわからぬわけです。それからもう一つ通信関係、これは法務省あるいは総理府関係、あるいは警察庁、防衛庁、電電公社、こういったようなものにつきましての通信関係に、原子エネルギーのこうした一つの革命と同じような意味において、いわゆる電子工学といいますかエレクトロニックスというものは、非常な革命を来たしておる。しかもこれを利用しなければ、たとえば国防上においては誘導爆弾というものも発達し得ない。昨日ですか、誘導弾の失敗は日本の電子工学のまだ幼稚なためであるというようなことを、今日のニッポン・タイムスは報道しておりますが、そういうような意味で、将来こういった方面で膨大な金を使う政府機関がふえるということになれば、会計検査院としても、この電子工学あるいは原子エネルギーに対する検査をし得る機関が必要だ。しかもこれは半年や一年ではそういうものはなかなかできないんですが、こういう新しいものに対して、適正なる検査をするためには、やはり検査院において技術的な方面の検査ができる人を養成する、こういうものについて何か具体的な方策を講じておられるかどうか、お伺いしたいと思います。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) 会計検査院の機能発揮のための人員なり、あるいは機構、予算等の問題につきましては、一そう私どもといたしましてもさらに検討を加えまして、少しでも御期待に沿えるように努力いたしたいと、こう考えております。なお新しいものができた場合に対する会計検査院の検査の関係は、いつも最初が大事でございまするので、まず最初のうちに厳正に、場合によってはすこしよその官庁に比べてきつ過ぎはしないか、という感じを持たれるほどの厳正さをもって検査をいたしております。まあ防衛庁なんかは、特に私どもの方といたしましても、当初が大事だということで、非常に施行率も向上させて優秀なる職員を多数動員してやったような次第でございますので、今後ともそういう関係で私どももやる方針でございます。今お示しいただきました、原子力研究所、あるいは原子燃料公社、こうしたものも、優秀なる職員を動員いたしておりまして、検査の万全を期したいという態勢でやっております。技術に関しましての検査は、御指摘の通り非常に困難でございます。戦後、幸い私どもといたしましても、技術の関係の要員を多数採用することにいたしまして、大体今非常に技術関係の学歴を持っておりまする者が六十名以上に上っておりまするのでございますが、まあ大学卒業生が相当の数でございます。毎年幸いにして六級職の試験をパスいたしました工学士が入っております。まああすも入ることになっておりますが、こうした技術の職員を大いに活用することに努力いたしておりまするが、もちろん、これが今御指摘のような御期待に沿うようなことにはなりませんので、これを動員いたしまして、できるだけいろいろな角度から検討させて、新しい原子力関係あるいは通信施設等の検査にも従事いたさせ、なお各界の権威をまあ顧問的な考え方で絶えず御意見等も聞くようにいたして、少しでも御期待に沿えるような検査をいたしたいと、こう考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは、先ほど裁判官の給与の問題について私質問したのでありますが、お聞きになったかもしれませんが、この来年度の予算で、給与法の改正を見込んで約四千万円の経費を、増額して計上しておられるのですが、会計検査院は本庁の東京だけであって、地方に出張所があるわけではなし、ただ手当の内容については、他の一般官庁とは多少違うだろうと思うのですが、一般公務員と比べたこの給与、これは手当を含んだ給与ですね、これは大した格差はないのですか。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) 会計検査院は、検査官五名、並びに秘書官一名、これは特別職でございまして、その他の職員は全部一般国家公務員でございまするので、他の官庁と全然待遇関係は変っておりません。まあしかし会計検査院といたしましても、今この席でもいろいろ御意見を拝聴いたしましたように、何か私どもといたしましても、研修等を他の行政官庁以上に心がけて、資質の向上をはかり、それに伴うやはり待遇等も必要ではなかろうかという考えは持っております。それが会計検査院の機能を十二分に発揮し、国民の期待にこたえ得るゆえんじゃなかろうか。まあこう考えておりまして、給与の面につきましても、待遇の面につきましても、何か私どもとしても、今すぐにはこれが実現できなくても、長い間には少しづつ向上させていって、所期の満足すべき資質の向上、それに伴う待一遇を受け得られるようにいたしたいものと、こういうふうに考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 私のお尋ねしたのは、現在一般公務員と会計検査院の職員とが、本給並びに手当を含めた総額において格差があるかどうかということです。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) 一般国家公務員でございまするので、他の各省の一般国家公務員に比べて、給与につきましてほとんど差はなかろうかと考えております。ただ会計検査院は、平均年令も比較的若いのでございまするが、学歴が非常に比較的高くなっていると私は考えております、一般国家公務員では。従いまして、そうした関係から、実績から申しますと、一人当りの給与の平均単価はそう低くはなっていない。まあ平均以上にはなっているのじゃないか、こういうふうに大体考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 さっき裁判所関係で経理局長が報告したように、最高裁判所の判事は百五万なんぼになっております。それからそこの事務総長、事務局長ですか、この特別職の方では手当がないわけです。ところが事務総長なら事務総長が、一般公務員としてもらっているものは、手当を加えると特別職である最高裁の判事に上回る収入がある。であるから最高裁判所の裁判官に対しても、何らか研究費というような名義でそれを給与しないと、事務総長の給与総額は上回るとこういうのですから、ですから研究費という名義で最高裁の裁判所の判事に、カバーするように与えたいことを再三大蔵省にも要求しておる。これはもうどうしても実現しなくちゃならぬと、こう言うのです。ということは、この一般職と特別職と比べると、一般公務員は諸手当が多い、扶養手当も全部のものを含めてです。これは驚くべきことですけれども、これは事実なんです。ですからそれにはいろいろな日本特有の手当がたくさんある。ところが会計検査院を見ますと、これは寒冷地手当があるわけじゃなし、特殊の手当があるわけじゃないのですから、そういう項目を拾ってみると、何か東京における裁判官あるいは判事と同じような条件にあるのじゃないかと想像したから、今の御質問を申し上げたのですが、今あなたのおっしゃることは、一般の公務員がもらっている基本給プラス・アルファとなるべき手当も、この会計検査院というものはこれと同じものであって、他の官庁の一般公務員と格差はないと、こうおっしゃるのですね。そういう意味ですか。

池田直会計検査院事務総長

○説明員(池田直君) 今おっしゃいましたように、会計検査院も一般国家公務員の給与法規に制約を受けております関係で、他の各省の一般国家公務員と、本給、手当、その他の関係全部同じであります。こういうふうなことでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 わかりました。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 他に御質問ありませんか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) それでは次いで法務省所管に入ります。まず御説明を願います。

竹内壽平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内壽平君) 昭和三十二年度法務省所管予算の内容につきまして、その大要を御説明申し上げます。  昭和三十二年度の予定経費要求額は二百三十一億八百十七万五千円でございまして、これを前年度の予算額二百十億二千七百三十七万一千円に比較いたしますと、二十億八千八十万四千円を増加いたしました。増減の詳細は別途の資料により御承知願いたいのでございますが、今おもな増額分の内訳を申し上げますと、三点に大別できるのでございまして、第一は、人件費関係の十五億四千二十三万一千円でございます。このうち、七億一千五百三十八万八千円は、昭和三十二年度において予定されております給与改訂に伴う財源でございまして、そのほかのものは昇給、昇格等に要する職員俸給等の自然増加分でございます。第二は施設費関係の二億五千百七十八万七千円でございますが、これは当省所管中若干の組織の庁舎並びに刑務所等収容施設の新営整備等を目的とするものでございます。第三は一般事務費関係の増加分でございまして、二億八千八百七十八万六千円でございますが、これは事務量の増加に対応いたしますもののほかに、若干新規事業を目的とする経費が増額されたのでございます。以上が増額の概況でございます。  他方におきまして、昭和三十一年中に行われました参議院議員選挙取締りのための経費四千五百七十四万五千円と、昨年の秋、外国人登録法第十一条に基いて行われました外国人登録証明書の切りかえのための経費六千八十四万一千円が、前年度限りの経費として減少となっておるのでございます。  次に、おもな経費について概略を御説明申し上げますと、第一に、外国人登録法に基き、在日外国人の登録及び指紋採取の通常事務を処理するために必要な経費といたしまして、一億百七十一万六千円を前年度に引き続き計上いたしました。第二に、法務局、地方法務局等におきまして、法令に基く登記、台帳、供託、戸籍等の事務を処理するために必要な経費といたしまして、三億四千七百二十一万三千円を前年度に引き続き計上いたしました。第三に、検察庁におきまして処理する一般刑事事件その他各種犯罪事件の直接捜査活動に要する経費といたしまして、四億八千四百九十万五千円を前年度に引き続き計上いたしました。第四に、拘置所、刑務所、少年刑務所、少年院及び少年鑑別所の昭和三十二年度の一日収容予定人員九万六千四百人に対する衣食、医療及び就労等に要する経費といたしまして、四十八億八千三百七十三万二千円を前年度に引き続き計上いたしました。第五に、犯罪者予防更生法、更生緊急保護法及び執行猶予者保護観察法に基き、刑余者並びに執行猶予者を補導監督し、これを更生せしめるための補導援護に要する経費といたしまして、二億六千八百七十三万二千円を前年度に引き続き計上いたしました。第六に、出入国管理令に基く不法入国者等の調査、並びに審査事務を処理し、被退去強制者に対しては護送、収容、送還する必要がございますので、これに要する衣食、医療及び送還のために必要な経費といたしまして、一億三千五百四十三万一千円を前年度に引き続き計上いたしました。第七に、公安調査庁におきまして処理する破壊活動防止のための調査活動等に要する経費といたしまして、三億九千八百六十四万一千円を前年度に引き続き計上いたしました。第八に、検察庁庁舎その他、及び刑務所、少年院等の収容施設の新営、整備等に要する経費といたしまして、八億三十三万二千円を前年度に引き続き計上いたしました。  なお、このほかに営繕費といたしまして、法務局等の庁舎その他新営に要する経費として、一億六千五百二十六万八千円が建設省所管予算中に計上されております。また昭和三十一年度より在外公館駐在員一名が新たに認められましたが、昭和三十二年度においてさらに一名の増加を見ることとなり、それに要する経費が外務省所管予算中に計上されておりますから、御参考までに申し上げます。  以上が法務省所管歳出予算予定経費要求の大要でございます。  終りに、当省主管歳入予算について一言御説明申し上げます。  昭和三十二年度法務省主管歳入予算額は、四十一億九千八百七十六万五千円でございまして、前年度予算額三十七億二千二百二十一万三千円に比較しますと、四億七千六百五十五万二千円の増額となっております。その増額のおもなものは罰金及び没収金におきまして三億九千三百二十三万七千円、刑務作業収入におきまして一億四百六十九万五千円でございますが、いずれも過去の実績等を基礎として算出されたものでございます。  以上法務省所管昭和三十二年度予算についてその概要を御説明申し上げました。よろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 続いて御質疑を願います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 この経費増額の第一に掲げられております人件費の関係でありますが、この十五億なにがしのうち七億なにがしは給与改訂に伴うものだ、こういうことでありますが、あとの半分はどういう内容でございますか。

竹内壽平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内壽平君) あとのはいわゆる自然増加分でございまして、増員を伴わない場合におきましても例年増加してくるわけでございますが、本年のここに組まれております残りの七億、約八億近いものは昇給、昇格に要する自然増加分と、なお若干の増員分の給与が含まれております。刑務所関係におきまして二百二十名の定員増がありましたし、なお入管関係におきまして三十名の増員がございます。そういうものの給与が含まれております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 入管関係で三十名の増員が行われたとしても、八億などという数字にはならないんであって、一方御説明の昇給、昇格、これは毎年あるんだというお話だけれども、しかし毎年八億ずつもこの法務省だけでも増額するということになれば、それは十年もたったらえらい数字になってしまう。私は、この昇給、昇格があっても、退職していく者があるし、新規に若くして就職する人もあって、そうこんなに違うのはどうも解せないのですが、まあ今年度は特殊といたしまして、一定の年限がくればこれはストップになる数字ではないのですか。

竹内壽平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内壽平君) これは理論といたしましては、お説のように、いずれは予算の範囲内で入れかえが行われるという建前になるわけでございますが、いわゆる定額定員制でだんだん賃金というものは固まってくる傾向にあります。しかしながら、従来は定員定額と現員現給との中間ぐらいなところで予算というのは一応査定されておりますので、自然増額分というのがある程度加算されてきたわけでございます。本年の場合は、特に金額が伸びておりますのは、給与改訂に伴って全体が高くなっておりますので、その何%ということになって金額がふえてくるわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 給与改訂に伴ってまた昇給、昇格もそれは何%とこうなるけれども、それはあくまで改訂された給与総額に対して何%ということであるから、この給与改訂と同じ数字には私はどう考えてもならぬと思うのです。あとの増額については三十人だという、これをプラスしてみたところで、これは腰だめ見当で議論するのですから間違いがあるかもしれないけれども、どうも一方給与改訂の方が七億だ、この七億というものと今まで給与していったものにプラスしたものが給与総額になる、その何者上るにしてもこの給与改訂分よりもよけいになってしまう、何となしに解せませんがね。これは不当ということを言ってるのじゃないのですよ、計算上どうもおかしいという気がするのです。けれども今年度は特殊に退職する人がないから従ってこうなるのだという説明ならいい、しかし来年度、再来年度においては、かりに給与改訂がないものとするならばこういう数字にはならない。時によっては、新規採用人員、退職の人員、これが同数だとしても、新規採用の人の方が当然にと言っていいぐらい低額俸給者なんですから、時にはこれが下ることもあり得るのだ、人件費総額においては下ることがあり得るのだといろ御説明なら、私はこの点はよろしいのです。

竹内壽平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内壽平君) 御疑念の点を解明いたしますために、詳細にその積み上げております数字をお示しいたしましてもよろしゅうございますが、今三十名のほかに二百二十名の増員も含まれておりまして、その給与の新たなる増が入っております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 次にお伺いしますが、拘置所、刑務所、少年刑務所、少年院、少年鑑別所、この関係でございますが、これは一日当りの費用というものは、戦争前でありますと軍隊の給与と当時一銭ぐらいしか違わなかったわけなんですね、今はどれほど違いになっておりますか、俸給というのではなくて、主として給食の関係でね。

竹内壽平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内壽平君) 矯正関係の収容費というのが予算になっておりますが、その中で収容者の食糧でございますが、刑務所の関係におきましても、刑事被告人の場合と、成人受刑者の場合、少年受刑者の場合はそれぞれ給与量も違っております。それから少年院、少年鑑別所も違っておりますが、まず食糧の方から申しますと、刑事被告人の場合におきましては、内地米、外米、内地麦、外地麦というような一定の混合率で給与するわけでございますが、一日に三十三円十四銭が主食の給与量でございます。それに対しましてお菜代が十六円五十銭、計四十九円六十四銭が三十一年度までの予算でございましたが、本三十二年度におきましては、金額におきまして四十八円十二銭ということになっておりますけれども、これは主食の分で若干の操作がありました結果、三十三円十四銭が三十円六十二銭に減りました。そのかわりお菜代の方が一円値上げになりまして十七円五十銭、こういうことで、四十八円十二銭が三十二年度予算における刑事被告人の一日の食糧でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 合せたものでいい。

竹内壽平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内壽平君) 四十八円十二銭。そういうふうにして計算をしていきまして、成人受刑者の場合には五十九円八十五銭になります。それから少年受刑者の場合には六十六円十六銭、少年院の収容者の場合は六十五円二十六銭、少年鑑別所の場合は六十四円四十六銭というのが予算額でございます。その食糧のほかに日用品その他があるわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 食糧問題だけについて、防衛庁関係の一般の昔でいえば兵というのですか、そういうところのを御存じありませんか。よく比較されておると思うのですがね。

竹内壽平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内壽平君) 調べてありません。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 なぜこういうこまかいことを私が質問したかといいますと、昭和の初めごろ当時の軍隊の一般兵の食糧というものは、下士官も含めて営内居住ならば十四銭五厘だった、刑務所の方が十三銭五厘、一銭しか違わないのにその内容たるやとほうもなく違うとともに、刑務所によっての格差というものはおそろしいものがある。ああいう拘束されておって、今日はまあ大へんああいう所へ入る人でもあまり悪びれないような姿になって、これは困ったことだと思いますが、当時はどういう罪名であろうと、入ったらもう世間の人は特別の人種のように思うし、自分の方でもどうもそういうひけ目を感じているから文句を言わない。これを奇貨として勝手なふるまいをやっている。私は、大きな汚職は刑務所にあると、まあそう実は見てきたわけです。それで比較を知りたいわけだったんですが、とにかく刑務所ごとの格差等はあなたの方は実地について調べておられますか、どうなんです。

竹内壽平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内壽平君) これは、矯正当局におきましては、私の方では、自衛隊との関係において比較をするということは、今責任をもってお答えできないのでございますが、法務省の所管の中にも入国管理関係で大村に収容所がございますが、この収容所の食糧関係とは絶えず比較いたしまして、この改善に努めてきているわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 まあ自衛隊との比較を御存じないとするならば、質問はしてもむだですが、これは私ども社会党に属する古い者は、まあ全部と言っていいくらい刑務所の経験を持っております。その経験から私は言っておるんで、私自身も何カ所も入った。そこで申し上げるんですが、私が当時昭和四年も五年も六年も七年も入ったからなにですが、たとえば東京のそばでも、小菅の刑務所と浦和の刑務所と、予算額そのものはちっとも変りはない。そのくせ食糧の内容に至ってはもう小菅と比べたら浦和は半分以下。まあこまかしいことですから一々例を申し上げませんけれども、問題にならんのですよ。そして人数を多く収容しておりますから、一般家庭でやるよりもずっと安くすべての物が手に入るということは事実です。だから予算額を見たんでは、これでは、と首をひねるけれども、案外やってみるとそれは十分できる。小菅あたり当時あれして百姓あたりやってきた連中は、刑務所の方が明瞭にいいと言っておったくらいです。しかし今度は浦和になると、それはもう半分以下です。私あたりはもっぱら小菅へもう一ぺん帰せというので強硬談判をやって、こっちはあまり悪びれない方だからその願いがかなえられたこともあるんです。それから少しなにすれば、当時佐野学さんなども私の前に入っておったけれでも、こういうたぐいの連中は司法大臣面会でも何でもやるんです。ですからまあ事実上給与をよくされました、これらはほんとうに。その刑務所中でも最もいい小菅刑務所だって、なお文句言えばよくできたんです、ただしこれはぼくらだけでありましたが。浦和なんかになると、それはもうさっぱり。千葉へ行くと、もっとひどい。ですから刑務所すら汚職が起きるというようなことでは、これはあんた、矯正どころのさたではございませんので、それで実地検査をされておるかと質問したんです。これはぜひ実地について調べてやってもらいたい。それからさらに大村の収容所と比較されておるそうで、それもけっこうであります。しかし、予算額の比較ではだめでございますから、それから自衛隊との比較もなにして、どういう献立をやっておるか、それはすべて実地で調べられて、単に一般国民よりも給与をよくしろなどということを言っておるのではありません。しかし、何としても今の刑務所は、ひとつ復讐してやるというような考え方でなくて、矯正するという考え方が強いのでございますから、それが刑務所ごとに同じ予算でとほうもない違いがあるといえば、それは刑を受けている者から見ればでたらめにやっておる。いいかげんにもうけ仕事をやっておるとすら考えておるのですから、現にそうなんですよ、ですからそういうことも強く希望しておきます。私はこれでよろしゅうございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 公安調査庁の今年度の予算十億五百八十六万余円ですが、この中で団体調査経費というのが前年度に比べて一億二千四百万円ふえて三億七千九百五十七万円。これを見ますと要求額は十億二百六十九万円で、削られましても昨年度に比べれば相当な増額を来たしておるのですが、これは公安調査庁としての何か特殊の理由でそういう膨大な経費を要すると見込まれたのか、その点をひとつ伺いたい。

高橋一郎公安調査庁次長

○政府委員(高橋一郎君) 公安調査庁の調査関係の費用が、従来私どもが仕事をやって参ります上で非常に不足しておりまして、いつも毎年増額を要求しておりましたのですけれども、それが従来認められなかったのであります。今回はその点が是正されまして、ここにありますようにお認めを願ったわけでありますが、従来から調査活動について不足しておったということと、もう一つはやはり日ソ国交回復というような事態になりまして、国外からの共産党に対するいろいろな指導援助というような関係も当然ひんぱんになって参りますし、これに応じまして国内のその種の活動も活発になって参ることが予想されます。また反面、そういうことに刺激もされて右翼の活動も活発になって参るというようなことも予想されますので、それでこのような増額をお認めいただいたものというふうに考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 この団体調査の経費ですが、これの内容の比率は、人件費が一番多いと思うのですが、主な費目はどういったような費目ですか。

高橋一郎公安調査庁次長

○政府委員(高橋一郎君) 調査に要する経費といたしましては、参考人等旅費と団体等調査旅費、庁費及び公安調査官調査活動費ということになっております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは申すまでもなく今日自由国家群と共産圏、共産国の対立が厳然としてある以上は、お互いに何といいますか宣伝といいますか、そういったようなものを盛んにやるわけです。これは国内だけのこういったような共産主義活動、右翼においてはそうでない、その程度はわかりませんが、少くとも共産主義の活動においてはこれはもう国際的に非常に緊密な関係にある。これはもう大体あなたの方でも調査ができているだろうと思います。たとえばアメリカのFBI情報活動、非米活動調査委員会、それからイギリスのこれに似たようなものもある。自由国家群の中においての共産主義活動の調査というものについては、非常な精密な調査をしておると同時に、国内だけでは調査は決して完了するものではない。これはあなたの方で毛当然そういうことはしておられるだろうと思いますけれども、こういう右翼、左翼の、ことに共産主義の国際活動に対して調査する方向をどういうふうにやっておられますか。というのは、たとえば外国自由国家群の主要なものと相互に連絡をとってやるほどの研究をやっておられるかどうか、その点一つお聞きしたい。

高橋一郎公安調査庁次長

○政府委員(高橋一郎君) 国際的な観点で調査をしていかなければならないという点については、全くごもっともに存じます。それで私どもの方としましては、国内で得られるたとえばラジオ放送とかあるいは新聞雑誌というようなものにつきましては、諸外国のものもこれはたんねんに調査いたしておりますほかに、ただいまおっしゃいましたように、諸外国の情報機関とはできる限り密接な連絡をいたしまして情報の交換をいたしております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 その情報の交換と、それから調査に要するいわゆる軌道を持った、ただ情報の交換だけではなくて、活動の相関的な関係を持っておるのかどうか。

高橋一郎公安調査庁次長

○政府委員(高橋一郎君) 諸外国との関係におきましては情報の交換をいたしておりまするが、調査活動につきましてはわが庁が自主的にこれをやっております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 それでこのソ連の共産主義、これはソ連ばかりじゃないのですが、共産主義活動、ヨーロッパ、ことにイギリス、私イギリスへ数回引き続いて行って、こういう方面を特に、ヨーロッパにおける、ことに戦後の西ドイツ、それからフランス、イタリア、イギリス、こういう諸国に対する共産主義活動というものは、もう非常な人と経費とを使ってやっておるわけです。たとえばイギリスを見ますと、普通ではとうてい想像し得ないような共産主義活動の団体というものを、これはわれわれ見て驚くほど精細な調査をやっておる。たとえば社会主義政党であるイギリスの労働党を見ましても、労働党の昨年の大会を見てもしかりですが、一昨昨年の大会に私行きましたが、イギリスの労働党員は他の団体に所属することはできない、もしそれに所属する者は除名するという労働党の規約を持っておる。その団体の名前をあげたら十七あるのです、私の知っておる範囲でも。それを見ますと、これは今日日本に存在しておる団体の名前とよく似ている。たとえばヨーロッパ連帯会議、英ソ友好協会、それからソ連文化協会、こういうような日本にある団体と同じようなものがイギリスに、しかも労働党が禁止団体として、会員に加入してはいけないということを大会できめている。日本と同じような名前がある。これは私は偶然の一致かもしれませんが、驚いているのですが、これは速記をやめてもいいのですが、あなたの方で日ソ国交以前からすでに存在しておるようなもので、そういったものがきわめて巧妙な形において共産活動というのですか、インフルエンスを持つという、きわめて計画的な団体があるということを調査しておられるだろうと思いますが、名前を言ってもらえればなおさらいいが、一体どのくらいあるのか、今の調査の結果がおわかりになればいいのですが。

高橋一郎公安調査庁次長

○政府委員(高橋一郎君) 共産党のいろいろ他にインフルエンスを及ぼすための道具というふうにも解せられますところの団体は、御承知の通りいろいろございます。私どもは破防法に基きまして、破壊団体の調査をいたしておりまするものですから、調査の対象といたしましては、やはり厳格な基準をもちまして、破壊活動防止法の要件を満たす団体を調査しております。これはつまり左翼の方で申しますと日本共産党であります。ただその共産党員がいろいろ他の大衆団体に入って活動をいたしております、その党活動というものは、当然私どもでも調査しなければならない問題でありまするので、そういう大衆団体内の党員の活動はやはりいろいろ注意しております。その種の大衆団体の共産党との親近の程度がいろいろとニュアンスがありますので、この幾つがそうだということは申し上げかねますけれども、ただいまお述べになりましたような、たとえば日ソ親善協会であるとかその他の団体は、これは共産党にもっとも近い団体であるというふうに承知しております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 そういう点で今イギリスの労働党があげておるような十七の団体は、これは明らかに共産主義の団体である、こういうふうにしておるわけです。実際はその数倍あるわけなんですね。なぜそういうふうになるのかということは、情報の交換によって私はあなたたちもおわかりになるのじゃないかと思いますが、そういう点を調査されたことがあるか。これは英国に限らず、ヨーロッパあるいはアメリカ諸国のそういう意味での情報交換をされておるのかどうか。

高橋一郎公安調査庁次長

○政府委員(高橋一郎君) いたしております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは破防法に適用されるものだけを調査するというんじゃ、あなた方の調査としては十分でないと思う。申すまでもなく、ことに第二次世界大戦後における自由国家群の破壊活動、共産主義国で言えばこれも破壊活動みたいなことをやっておるわけですが、昨年の十一月のハンガリーのブダペストの暴動も、共産主義諸国に言わせれば、あれは資本主義諸国の一つの陰謀である、これはある程度のあれはある。たとえばミュンヘンの自由ラジオその他パンフレットをまくとかいろいろなことを実際やっているのですから、お互いさまにやっている。ですから、ただ破壊活動をやる団体だということが著しく顕著になったときに、調査したり、その動向をウォッチしておるというのでは、これはツー・レートなんですね。しかも私英国に何べんも行って感じることは、日本人というものは、そういう共産主義の活動のいかに微妙なものであるかということに対して非常な無知です。たとえばアジア連帯会議、あるいは原水爆禁止、あるいは母親の会に、なぜアメリカは久保山夫人を断わったか、これは単なるアメリカとしての面子をどうのこうのという問題も一つのファクターかもしれない。それ以上に、母親の会というものはイギリスでは禁止団体、いわゆるイギリス共産主義団体と認めておる。ですからそういうようなことで非常に日本人は一般の常識が低い。というのは、共産主義の強烈な第五列製造活動なるものを西ドイツのようには受けておらない。非常にナイーブだ。それだけに、日本人は決しておっちょこちょいという意味ではなくて、ナイーブから、無知からくる、非常に知らず知らずの間に共産主義陣営のインフルエンスを受ける。第五列化する。それがさらに行動に参加する。これは私は十分警戒しなくちゃいかぬと思う。またあなたのところの主たる任務もそこまでこなくちゃ完了したものといえないと思うのです。ですから、こういう質問を申し上げておるのですが、そういたしますと、現在のところそういう団体の数が相当あるのじゃないかと思うのですが、あなたのところで幾つ団体があるということはわかりませんか。これは一応速記をとめていただいてもけっこうですが。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記をつけて下さい。

山田節男日本社会党

○山田節男君 真の民主主義、民主政治を立てようといわれるいわゆる独裁主義でなくて、民主国家でいこうという国では実に巧妙に、共産主義の麻痺といいますか、そういうものを予防すべくあらゆる機構を通じて周知宣伝しておる。これは政府もそれをやっておる。労働組合もやっておる。ところが不幸にして日本の労働組合あたりはそれほどまでにまだ意識がないというか、きわめて私から言うと、レベルが低くて、そういうものに対してはまことにおそるべき無知といいますかを持っておるわけです。ですから、これはやはり認識を持たせないところに、一般人も知らず知らずにそれに、たとえばアジア連帯会議とかに入ってもいいんじゃないかというので入る。しかしアメリカ、イギリスではこれは明らかに共産主義団体として、労働党ですから加入を禁止しておる団体です。ですから今後も発展するということになれば、大体外国の情報を見ておれば、日本にどういうものができてくる、どういう人がそこに入るかわかる。必ずしもこれは共産党員がそれを組織してやるのではなくて、非共産党員の自主的な団体のようにカムフラージュしてやるのが一つの手なんです。ですからそういうようなことは外国においても、こういうようなものだとマークされておるものが日本にできれば、まずその動きを見ることは当然のことなんです。ですからそういうようなことはあなたのところでいろいろ調査されて、政党なら政党が、たとえば自民党あるいは社会党がそういうものを一つやはり率直に、客観的に、またこれらの外国の情報と照らして、こういうようなにおいのするようなものは、要求があればただちにそれに応じるという、私はそういうことを一つやるべきじゃないかと思う。外国ではそれをやっているわけです。ですから単に反共産主義の宣伝をするというよりも、そういったような情報を、しかもこれは捏造じゃない、厳然たる事実の情報だというきわめて客観的な、公正な建前で情報をおろすということは、これは原則としてもっとも必要なんですけれども、そういう建前さえ守られれば、一つなるべく多数の者に周知し得るような方法をとるということが必要じゃないか、これは私はそう思うのです。これは右翼にしてもしかり。そういうきわめて公正な、客観的な事実を述べることは、左右を問わずこのことは一つ厳重にやるべきでありますが、しかしその情報を単に公安調査庁であたためておかないで、外部にこれをいかに出すか、提供するかということを、私はもう少し努力される必要があるんじゃないかと思う。  それからもう一つの点に関しまして、私はこれは何も専門的な勉強をしているわけじゃないのですけれども、日ソの国交が回復し、中共とは国交が回復しておりませんけれども、自由国家群もそうであるがごとく、共産群におきましては、もっとも科学的な方法により、金と人をもってやっているのですから、ですからこのことについては、たとえば日ソ国交回復すれば、日本の東京におけるソ連の大使館には、それ相当の専門家の情報関係者が来るのは当り前のことなんです。アメリカに亡命したラストボロフにしましてもそうで、有数な情報家をこっちによこしております。あるいはアメリカとしても、大使としてはマーフィのように、もっとも情報をとり、しかも反共産的な活動をするようなあの大使級の者もおるわけで、ですからこれは単にソ連ばかりではありませんけれども、イギリス、アメリカに対してもそうあるがごとく、やはりモスクワに大使館が開設されれば、少くともこれのもっとも優秀な人を、そういったような大使などとして送るということは、私は十分考えておられるだろうと思うけれども、これは私は当然とるべき措潰じゃないかと思うんですね。ですから繰り返して言いますが、今日の共産活動というのは、国内だけの情勢を見ておったのでは、非常に見落しがありまた理解が足りないと思う。どうしてもやはりアメリカでどうやっている、イギリスではどうやっているか、共産党としてはいかにやっているかということを数カ国ぐらいピックアップして、そうして詳細なる情報を得てそれを分析し、それで日本に照らしてみるということが経費の関係から見て私は日本にできるのではないか。わずかこれだけの、まあ相当な予算の増加といいますけれども、しかし十億あまりのうちで三億なんぼの金しか組まれていないわけですから、こういう点は民主主義、少くとも独裁主義でない民主主義を守っていくとなれば、これは民主社会主義を守る社会党とか、自民党しかないわけですから、この政党に対しては、少くともそういう厳正な情報をみずから進んでこれを提供するというぐらいな心がまえは、欧米諸国におけるごとく実施すべきじゃないか、これは私は希望として述べておくのですけれども。そういたしますとこの十億も要求されたものがその三分の一ぐらいの経費しか今度三十二年度はもらえないということになりますと、そういう国際的な情報、あるいは軌道において、活動上においての連繋を保つためには十分でないということを意味するのかどうか、ということをお聞きしておきます。

高橋一郎公安調査庁次長

○政府委員(高橋一郎君) 先ほどからお話の点は私どもまことに傾聴いたしておるのであります。共産党を調べておるのでありまして、破防法上の権限行使につきましては、どこまでも厳格な建前で参りたいと思いますけれども、しかし共産党の動向を見る場合には、それの主体的な条件だけでなくて、客観的な条件というものやまたは影響というものにつきまして、精密にこれを見なければならないことは仰せり通りでありまして、そういう意味で私どもは単に共通党のみならず、広範にこれに関連する動向について注視いたしております。それからその種の調査によって得た材料については、差しりかえない限り他に提供すべきではないかという点につきましても、情報でありますからいろいろ角度の問題だとか、取り上げ方の問題もございますが、客観的な真実を明らかにするという建前で、できるだけ今後ともそういう点についても努力して参りたいというふうに考えております。  それから予算が要求通り認められないために、国際的な情報交換というようなことについて、差しつかえがあるのではないかというお尋ねでありますが、もちろん要求通り認められた場合と比較すればはなはだ不十分ではありますけれども、しかし共産党その他の非民主的な活動をする者につきまして、その動向というものを治安というような観点、あるいはその他の民主主義を守るという観点から的確に把握するということについては、まあ不十分ながらできるだけのことをやって参りたいというふうに考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは私が今意見を申し上げたのですが、ただ私の懸念するのは、昔あった特高的なああいう人権をじゅうりんするような方法は、これはきわめて原始的な方法であって、またそういったようなことをすれば、真実の情報がなかなか得にくいということは、過去の経験からよくわかると思う。FBIのごときは相当特高的なことがあるというけれども、しかしこれはさらに非アメリカ活動委員会というようなことですね、きわめて民主的な方法でそういう調査をやり、判定をやるということをやっているわけです。ですからこれは一つ新しい憲法のもとにおいて、昔の特高のようなことになってきたら民主主義に反する、それ自体が民主主義の破壊だ。きわめてデリケートな問題でありますから、この点は十分に注意していただきたい。しかしながら情報の収集とか分析ということは、科学的にしかも諸外国の事実というものを参照して分析して、私は一昨年ソ連へ行って外務省に聞きましたが、外務省の極東部の日本課の方へ行ってみると、六十人名という所員が全部日本語が話せる、のみならず新聞程度のものは読める。そういうスタッフを得て、日本のわれわれの一切ここでしゃべっておるような記録まで全部向うへ取り寄せて、それを分析して総合して、日本の外交なり貿易なりあらゆる分野にわたって、きわめて精細な政府の対策を立てるデータを作っておる。アメリカの国防省、国務省あたりへ行ってみても、日本部があってその中に日本労働組合課、日本一般情報課があって、そこに課長連中がいて、ことごとく日本語がわかる。しかも官報程度は読める、新聞以上のものが読める。こういうような工合に、今日地球が小さくなってきて活動が巧妙になってきて、戦前のよう基礎活動のような幼稚なものではない。破壊活動が顕著になる以前に、その団体のスタッフにどういう者がいるかということを見きわめないで、ただ現象的なものを見ているというような幼稚なものではない。金の問題ではなくて、これはあなたの主管される任務というものは、これはほんとうにやるということになればこうした数億の金ででき得べきものではない。しかしながらやはり一つの礎石を作るという意味において、予算の許す範囲内ではやはりこういう心がまえでいかないと、欧米諸国におけるような独裁的な左右翼の活動を防止する一つの手段としての新たな活動というものは、十分でないということを御注意、御注意といってははなはだ僭越ですけれども、まずまず私の所見を述べて御参考に供したいと思います。  次に、これは検察庁と公安調査庁との関係もありますが、検察庁プロパーの問題として犯罪の捜査、そういうものを主体としての通信はどういうような手段でどういう方針でやっておるか。これは具体的に言えば電話もあるでしょう、無線があるでしょう。それから他の機関との連絡、たとえばマイクロウエーブ、警察庁は特にマイクロウエーブを持っておりますが、検察庁はそういうものを持っておるのかどうか。私全然知らないので。この検察庁の職能発揮のための通信というものはどういう方針でやっているか、施設の現状ですね。これを簡単に御説明願いたい。

石原一彦法務省刑事局総務課付検事

○説明員(石原一彦君) 検察庁の通信を大別いたしますと、公衆電話によるものが一つであろうかと思います。それからもう一つは、警察電話によるものが一点でございます。ほかに法務専用電信が一点入っております。それからもう一つは、いわゆる無電は超短波無電と中波の無電がございます。  そこで普通の公衆電話でございますが、これは各庁とも備えております。もちろん数は少いのでございますが、いろいろな点で近距離における電話通信等においては、公衆電話を利用しております。ところが御承知の通り公衆電話ですと度数制でございまして、相当金もかかるというようなこともございまして、非常に困っている状況でございますが、電話が広く利用されております。次に警察電話でございますが、これは警察庁の方の御協力を得まして、大てい検察庁に警察電話が入っておりまして、それでもって警察との連絡もいたしております。そのほかある地検から別の管内の地検に連絡するというような場合に、そこの警察本部の了解を得なければなりませんが、警察電話を借りまして連絡をいたしております。それから法務専用電信でございますが、これはまあ全部の支部には渡っておりませんが、全地検には行き渡っております。これは普通のトンツー・トンツーでやるわけでございますが、簡単なもの、あるいは長文のものにわたりましても急を要する場合には法務専用電信を使って相当の効果をあげております。それから最後の無電でございますが、現在のところ地方検察庁は全国で四十九ございますが、大蔵省の御好意もございまして、十六地検に無電が設置されました。超短波無電でございます。これは主として本庁でございますが、支部にも無電が設置されまして、支部に五局でございますので合計二十一庁に無電が設置されておる、こういう状況でございます。そのほか鹿児島と名瀬との間に中波無電が設置されております。  この利用状況でございますが、先ほど申し上げました警察電話は、大きな事件が起きましたときには警察でも使うし、検察庁でも使うというような場合になりますと、その施設の管理者が警察であるために、検察官が指揮をしている途中において切られてしまうというようなこともございまして、現地では不便を感じていたわけでございます。この無電ができましていわゆる移動局と称しますが、ジープに無電機械を据えつけまして移動して本庁と連絡をとるというようなことで、犯罪の捜査、あるいは裁判の執行等に相当の効果をあげているという状況でございます。なおこの無電につきましては各庁からも相当の要望があるわけでございますが、とにかく相当の予算がかかることでございますので、一応年度計画によりまして徐々に整備していきたい、かように考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これはことにこの無線通信関係で私ちょっとお聞きしたいからお呼びしたのですが、今御承知のようにテレビのチャンネルの割当について全国的にてんやわんや騒いでおる。これは鳩山内閣の村上郵政大臣が、テレビに六チャンネル、その中にはアメリカの駐留軍が使用している二チャンネルも含めての六チャンネルをテレビジョンに割り当てた。ところが今度岸内閣の平井郵政大臣の時になって、さらに五チャンネルふやして十一チャンネルをテレビの放送に割り当てると言う。その基本方針の説明によりますと、現在使っているのは公衆通信ですから、日本電電公社並びに公益の通信業務、これはおそらく警察あるいはあなたのあたりで使われているいわゆる超短波ですね、VHF帯も犠牲にして十一のチャンネルを民間放送のテレビに主として使おう、こういう案を今出しているわけです。これが今大問題になっているわけです。その割当が、国家のそういう公益的な義務を果している、超短波の周波数帯までも削って、民間放送にやろうということは重大問題である、そういうふうにとって議論しているわけです。あなたの方の将来は、検察庁としては犯罪捜査は主として警察電話によるにしても、無線通信の方法に依存することが能率的になる。領土狭しといえども非常に山の多い国であり、地勢は通信施設には不便が多いのだから、無線通信を一層利用すべきである。また将来は通信は無線でいくべきである。有線ということは時代錯誤だということになれば、検察庁としても通信というものは無線に切りかえる、無線に切りかえれば今やっている中波、あるいは超短波、これをさらに極超短波にすべきか、中波に集中すべきか、超短波にいくべきか、これは重要なことなんです。ですからこういう方面のことは、一方において民間の要求で、今あなたの使っているようなこういう超短波の周波数をも犠牲にして、民間放送のテレビに回そうということを政府はやっているわけです。ですからここに一つ、ことに犯罪、治安維持の点からみても重要なこういう通信政策に対しては、国家としてはどうしても優先権を与えるべきではないかと私は思うのでありますが、今日の情勢が遺憾ながら与党の多数をもってすれば、これが今のような公益通信のための無線通信の最もいい周波数、波というものを犠牲にしてまでその方に使おうという情勢に際して、あなたたちはそういう事態をいかように認識して、その対策を考えておいでかどうかということを実は私は知りたいがためにお呼びしたのです。そういうことについてあなた何ら関知しませんか。

竹内壽平法務大臣官房経理部長

○政府委員(竹内壽平君) 私からお答え申し上げます。今お尋ねのようなテレビのために、うちの無線の回路が犠牲になるであろうというようなことは承知いたしておりません。私はさようなことはないと信じておりますが、なおらちの施設につきまして先ほど石原から御説明申しましたように、専用電信があるわけでございますが、この専用電信施設がほとんど百二十何カ所にまで網の目ができております。整備されてきておるのでございますが、この無線関係の技術が非常な進歩で、マイクロウェーブの時代になってきておりますので、これらの警察電話の予算、専用電信の予算、その他ひっくるめましてこれをマイクロウェーブに切りかえるとか、あるいは中波で整備していくか、そういったようなことも絶えず研究をいたしておりますし、電波監理局の濱田局長などとも連絡をいたしまして、いろいろお教えを受けつつ研究しておる段階でございますから。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは私予算だけの項目をずっと見て、警察庁の方では相当重要視して、予算に計上した数字から見てもわかるのですが、検察庁はこの公衆電話とか、あるいは警察電話を使う比重が多いせいか、そういったような根本的なことに、今後当然進むべき無線通信というものに対して、あまり用意がないように思える。しかもその職務は非常に重大であるにかかわらず、通信の革命に対して適合するだけの対策が全然ここに現われておらぬから申し上げた。これは私エンジニアじゃありませんけれども、諸外国の例を見ても通信が無線化する、しかし無線化するためには、悲しいかな周波数の幅というものがあるのです。これを切らなければならぬ。もしそれを自由にやれば混信して用をなさない。しかもこれは国民の財産であるから、なるべく公益的の方面にこれを切って与えるという建前でなくちゃならぬのです。ところがラジオにしましてもテレビジョンにしても国民のすきに乗じて、どんどん利権のごときそういったものを与えてしまうという情勢ですから、少くとも公安に関係のある、あるいは国民全体に、ことに公衆通信に関係のあるようなものは、これは何が何でも確保しなければならぬ。たとえば警察あるいはその他の国家用務のために将来必要ということになれば、今民間の放送業者が実によだれを流してほしがっている、アメリカ軍が使っている第一チャンネル、これは超短波です、これを目がけて東京、大阪では二十数社が押しかけて取ろう取ろうとしている。それほどいいものをこの民間の商業主義のために私は与えるべきではない。これは御承知かもしらんけれども、一番いいのはその周波数で気候、天候、地形においても距離が非常に広い波がある、そういうものはむしろ公益のために私は優先して割り当てていくべきものだということを主張しているのです。こういうようなことをやはり専門の技術家あたりと十分相談されて、通信の政策というものを一つ切りかえるだけの準備をしておかなければならない。それが必要になったときにはすでにその波がないということになってはいけない。ですからこの点は一つ、今年度の予算に入っていないようだけれども、当然進むべき道については機動性を持たせ迅速確実にやるために、やはりそういったようなものを利用しなければ不経済であり能率が上らないと思う。これも一つ希望を付して再来年度の予算においては、そういったようなものを研究した予算を計上すべきではないか。私はそういうように考えますので希望を述べて打ち切ります

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 今経理部長が政府答弁みたいに山田委員の質問にそういうことはないと信じておりますという。これは他の一般問題ならさような答弁でもいいのだけれども、技術の問題ですから今お聞きの通りチャンネルには限りがあるし、それは今なくなりつつあるというのが現実なんだから、信じますといっても、あなたの方には専属の通信があり電信がある、こういうことだけれども有線のことはもはやだめなんだ、想像するに大犯罪が起きるというような場合、集団的に犯罪が起きるという場合には、だんだん知識が発達しておりますから、もう今だってたまたま起きておりますけれども、通信などを破壊するのですよ、破壊しておいて起すのですからそういう場合には何としても無線ということが大きい役割を果してくるのであって、さような差しつかえが起きるようなことはないと信じます、信ずるのではだめですから、そういう答弁でなしに、今も山田委員が言われたように、現実に今年の予算には要求してない、一日も早く要求するということでないと、それはもうあすではおそいという結果になるのであって、しかし現実にはあすになってしまった、だから必ずこれは首を出しておいて財政当局の関心を高めるという措置をとらなければ、私はだめだと思っております。これも注意までに申し上げておきます。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) それでは暫時休憩いたします。    午後一時十五分休憩    —————・—————    午後二時二十分開会

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  ついで、内閣(人事院を除く)及び総理府(防衛庁及び経済企画庁を除く)所管に入ります。まず、御説明を願います。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 昭和三十二年度における内閣及び総理府の歳出予算について、その概要を御説明いたします。  まず、内閣所管の歳出予算につきましては、昭和三十二年度歳出予算額は、五億五千六百七十二万一千円でありまして、これを前年度歳出予算額五億三千七百十三万六千円と比較いたしますと、一千九百五十八万五千円増加いたしております。  内閣所管の歳出予算に計上いたしましたものは、内閣官房、法制局、人事院及び憲法調査会等の事務執行に必要な経費であります。以上のうち、人事院に関する予算三億二千九百二十八万三千円は、他の分科会において御審議願っております。  次に、総理府所管の歳出予算につきましては、昭和三十二年度歳出予算額は四千三百九十二億二千三百五十二万円でありまして、これをすでに成立した昭和三十一年度予算額と今国会で成立した昭和三十一年度予算補正追加額との合計額四千百六十四億八千六百五十八万五千円と比較いたしますと、二百二十七億三千六百九十三万五千円増加いたしております。総理府所管歳出予算は、総理本府のほか公正取引委員会、国家公安委員会、首都圏整備委員会、土地調整委員会の四つの委員会及び宮内庁、調達庁、行政管理庁、北海道開発庁、自治庁、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁の八つの外局に関するものでありまして、そのおもなる経費を事項別に申し述べますと、文官等に対する恩給支給に必要な経費百七十四億三千四百二十五万八千円、旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費七百八十五億八千七百八十万一千円、警察行政に必要な経費百二十一億四千九百二十三万一千円、北海道の開発事業に必要な経費二百十七億九千八百八十六万八千円、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費一千八百六十七億七千二百六十八万六千円、防衛庁に必要な経費一千十億円、科学技術行政に必要な経費七十二億四千二百十三万四千円等であります。  その概要を申し述べますと、文官等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基いて、退職した文官等に対して年金及び恩給を支給するために必要な経費でありまして、前年度に比べて一億七千三百七万五千円の増加となっております。旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法に基いて、旧軍人、軍属又は遺族に対して恩給を支給するために必要な経費でありまして、本経費中には、昨年十二月法律第一七七号による、旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律により、本邦等において負傷したり、疾病にかかり、これにより死亡した旧軍人または旧準軍人の遺族に対し支払われるものを加えてありまして、これをすでに成立した昭和三十一年度予算額と今国会において成立をみました昭和三十一年度予算補正追加額との合計額に比べて、三十三億六千六百四十七万二千円の増加となっております。警察行政に必要な経費は、警察庁及びその付属機関並びに地方支分部局の経費及び都道府県警察費補助等に必要な経費であります。北海道の開発事業に必要な経費は、北海道における住宅施設、治山治水、土地改良及び開拓、漁港、港湾及び道路等の事業に必要な経費でありまして、事業の執行に当っては、関係各省の所管予算に移しかえて使用されるものであり、前年度に比べて四十二億三千二百八十九万七千円の増加となっております。地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費は、地方交付税法及び交付税及び譲与税配付金特別会計法の規定に基いて、昭和三十二年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の二十六に相当する金額から昭和三十年度の地方交付税の超過交付額に相当する金額を減額した額を各地方公共団体に交付すべき地方交付税交付金の財源として交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れのため必要な経費であり、これをすでに成立した昭和三十一年度予算額と今国会にて成立した昭和三十一年度予算補正追加額との合計額に比べて、百十一億三千九百三十三万八千円の増加となっております。科学技術行政に必要な経費は、原子力研究所に必要な経費四十億七千八百二十三万九千円、原子燃料公社に必要な経費六億五千八十七万二千円、航空技術研究所に必要な経費八億六千七百十一万五千円等でありまして、前年度に比べて五十四億三千百三十九万四千円の増加となっております。なお、総理府所管につきましては、他に、総理本府におきまして、外国人恩給三十一万六千二百八十四円、北海道開発庁におきまして、北海道篠津地域泥炭地開発事業で輸入機械及び器具の購入六億七千三百八万五千円、ただし借入の場合には三億四千五百一万八千円でありまして、購入借入とも為替相場に変動があったときには、その率に従った金額、科学技術庁におきまして、原子力平和利用三十億円、航空研究施設整備十四億八千万円、防衛庁関係において二百億六千百九十四万円、合計二百五十二億一千五百二十四万一千二百八十四円の国庫債務負担行為要求書を提出いたしております。  以上申し述べました予算のうちには、経済企画庁に関する予算九億四千二百八十三万二千円、防衛庁に関する予算一千十億円、同じく防衛庁に関する国庫債務負担行為二百億六千百九十四万円が含まれておりますが、これにつきましては、他の分科会において御審議願っております。  次に、総理府及び大蔵省所管交付税及び譲与税配付金特別会計において、歳入においては二千百六十五億一千六十八万六千円、歳出においては二千百六十四億六千四百六十八万六千円になっておりまして、歳入の主なるものは、一般会計より受け入れる収入と、入場税法及び地方道路法の規定に基き徴収する租税収入と、今国会に提出されております特別とん税法の規定に基く租税収入その他であります。歳出の主なるものは、次の四つの事項にわけることができます。  第一に、地方交付税法の規定に基き地方公共団体の基準財政需要額及び基準財政収入額を測定して基準財政収入額が基準財政需要額に不足する地方公共団体に対し、その不足額に応じて必要な経費及び災害復旧費など補足しがたい特別な財政需要に対し必要な財源を各地方公共団体に交付するため必要な経費。  第二に、入場譲与税法の規定に基き地方財源の偏在を調整するため本会計の歳入となる入場税収入額に相当する金額を原則として人口に按分して各道府県に譲与するため必要な経費。  第三に、地方道路譲与税法の規定に基き、本会計の歳入となる地方道路税収入額に相当する金額を都道府県の道路整備費の財源として当該都道府県等に譲与するため必要な経費。  第四に、今国会に提出されております特別とん譲与税法の規定に基き、本会計の歳入となる特別とん税収入額に相当する金額を徴収した港の所在市町村に譲与するため必要な経費等であります。  以上をもちまして、昭和三十二年度一般会計内閣及び総理府の歳出予算及び昭和三十二年度交付税及び譲与税配付金特別会計歳入歳出予算の御説明を終ります。詳細につきましては、御質問に応じまして、関係政府委員からお答えいたすことにいたします。よろしく御審議あらんことをお願いいたします。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 続いて御質疑を願います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 質問の前に、この順序でございますが、今一括して説明されたわけでありますが、順序は、ずっとこの予算書に掲出されております内閣官房以下、この予算書の順序に応じて  一つ一つ審議を進めて参った方が便利であろうと思いますが、さように取り計らえますか、どうですか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) ちょっと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記を初めて。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 この内閣官房の費目の中に、新生活運動助成に必要な経費というのがございまして、昨年度一億円が今年度は六千万円、こういうことになっておりますが、これは、すでに昨年度まででかなりの成績をおさめたがゆえに、三十二年度においては減額してよろしいという結論で、かようになったのでありますか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 新生活運動助成金は、御指摘の通り、昨年、三十一年度におきましては一億、今年度におきましては六千万の助成金となっております。この減少いたしましたゆえんは、実は昨年度、この一億円は出しましたのでありますが、初めての新生活運動の実施期間でありまして、これを全国一律に、まあ各協議会の地方支部にばらまいたようなことになりまして、必ずしもその効果が完全に発揮できなかったということがわかったわけでございます。従いまして、今年はもう実は第三年度でございますが、この予算を集中的に、重点的に、有効なところへ持っていこうという意味がございまして、一つまた、地方に一億の助成金を出しますとき、地方団体に若干の負担を要求いたしますので、そうした地方財政を圧迫するようなこともしたくないという考えをもちまして、六千万に減少したわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 これは、額は決して多額ではございませんけれども、にもかかわらず、なかなか今後の国民生活のバツク・ボーンにもなる費目でございまして、私は、この際、この政府の大所においては、それは大づかみの、この方面にという基準はきめられるでありましょうけれども、実際にあなた方が扱って、どういうことをやっているところへ助成金が渡っておりますか。ばくたる質問のようで、困るかと思いますが、たとえば、環境衛生などにはよけい使う、精神面にはあまり使わない、こういうふうならこういうふうでいいのですが、どういうところを当てにして、多くこの助成金が渡されておるか。これをまず伺います。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) この新生活運動というのは、決してカテゴリーも五つとか六つにまたがったものではございません。ある地方におきましては、精神運動を非常に強調いたします。ある地方におきましては、食生活改善あるいは生活改善、たとえば、生活の電化ということに重点を置くところもございます。それで、中央の協議会の考え方といたしましては、また、政府の考え方としては、特定に、国民にこういう項目をしいるということではなくて、その地方におけるそれぞれの習慣あるいはその特色を生かしまして、それぞれ地方の食生活改善あるいは個々の個性のある新生活運動をやってほしいという気持でございますので、今御指摘のような、いろいろな課題がございます。たとえば、青年の集会所を作りますとか、あるいは食生活の改善をしまするとか、あるいは迷信の打破、ある特定の地域には、非常に迷信などもあるらしいのでございますが、それを打破するとか、あるいはそうした地方の習慣のいいところと悪いところを調査するとか、こうしたものを中央の協議会において指導いたしまして、その地方に最も適切なものをやるというようなやり方をしております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私は、なぜ、額の多い費目でもないのに、これにこだわるかといいますと、行く先々は、それは物質面全体にも改善しなければならないところもあると思いますけれども、その出発点はやはり心がまえ、精神の問題に実はあると思うのです。私は常々考えているのは、地方の青年団等でも、寄付もらい青年団といってもいい、盆踊り青年団といってもいい、こういうものを、青年団体協議会かなんか、全国団体がありますが、そういうところで直してくれるならば、これはもう新生活運動の大成功だと私は常々考えているのです。これは、戦後になりまして、いろいろうまい理屈はそこへつけるのであるけれども、何か自分たちが主催する場合には、もう直ちに寄付を仰ぐ、敬老の趣旨などといううまい文句をつけて盆踊りをやる。年とった人はだれ本見にもいかなければ、聞きにもいかない。こういうものは、昔なら青年の娯楽でやるのだということははっきりしておる。それを他人のためにやる理屈をうまく覚えまして、ますますその傾向は激しい。そういうものの考え方は、内灘のような気違い部落といわれる精神につながるし、一方は基地撤廃なんて相馬ケ原で言ったって、一方では危険を冒して、生命を冒してたま拾いをやる。一括して言えば、こじき根性が激しいのです。こじき根性を直すところに重点を置いてもらわなければ、ちっとやそっとハエがいなくなったからといって、新生活運動にならぬと思う。これは私の意見でありますけれども、結局政府、内閣の方針と言ったっても、あなた方扱っておる人たちの方が、この方へ今日補助金を使った方がよろしいのでございますと、こういうふうなことを言うと、よきにはからえということになりがちだと思う。私は、今のような答弁で、必要と思われるところにやっていますという話じゃまことにたよりない、そこで、現実に、今地方の関係もありましょうが、じゃあ、あなたたちの方へ地方から申請してくる。その申請内容から見れば、何件くらいあって、そうしてどういう面が精神面で、どういう面が環境衛生面で、どういう面が冠婚葬祭の簡素化というデータがありますか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) ございます。昭和三十一年度事業概要というものがございますが、これを差し上げて、これをあとで見ていただけば……。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 あとでいいですが、ちょっと言って下さい。大まかでいいです。パーセンテージでもいいです。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) これは、地域別に全部書いてございまして、その中に、特に精神的あるいは合理的とかというような分類はしておりません。今、私の手元にそういう資料はございません。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それじゃ、次の質問をいたしますが、私は、一応この世界を回って見て、つくづく感ずるのは、派手なことは、日本の銀座ほど派手な所は世界中どこにもないと思う、帰ってきて……。要するに、日本は社会的な消費が多過ぎる。防空ごうからはい出すようなありさまでも、その姿を見れば、お姫さまのような姿をしている。ところが、ドイツ人なんかしっかりしている。というのは、家ならば、三代がかりで、おじいさんが土台を築いて、親が家を建て、孫の代で家具を入れると、まことに生活に対する考え方自体がしっかりしているといわざるを得ない。見てくれのところだけは皆同じようにしたがるが、基礎の方はまるで天国と地獄のように違う。そういうところの考え方から変えていかなければ、私は新生活運動にならぬと思うのですけれども、あなた方の方でこういうことを考慮されておりますか、おりませんか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) この新生活運動というのは、今御指摘の通りでございまして、私もその通り考えておりまして、補助金なんかを各村の青年団に、ただ漫然とまいていったりするよりも、基本的な新しい国民の合理的な、しかも、最も健全な精神運動の基本がなければだめだと思います。その意味において、非常に高度の指導者が、非常に客観的には広い見識をもちまして、また、その人徳をもって、いわば精神的に中核となって、新生活を指導する人がなければ、これはだめではないかと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そこで、それじゃお聞きしますが、さっき私がちょっと例をあげましたが、結局このごろの青年でやっているのは、戦前と違って、これは名目的にはよく見えるが、たとえば、主催の討論会、こういうようなものは、盆踊りなんかよりもはるかによく見える。ところが、内容的には、主催なんかなくて、それをもって寄付集めの何にする。実際は、そうなれば、主催でも何でもない。結局こじき根性でやっていると称してもいいと思います。そういうものの矯正というものは、一体どこでやっているのですか。それは、文部省がそういうものをちっともやっていない、政府の方じゃどこでやっておりますか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) これは、昭和二十九年度では文部省の、青少年問題と申しましょうか、そういう項目の予算であったわけであります。しかしながら、それは一文部省が、そうした青少年問題をすべて所管する、あるいは新生活問題をすべてやるということは、各省間に非常にかたまった一つの教育の精神運動が行われるわけで、内閣は、各省の総合調整をいたすものでございますので、そこにおいて、その他厚生省あるいはほかの各省等の御協力を得て、それを総合調整するという意味で、内閣の方にこの新生活運動が所管となってついたわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 青少年の教化の問題は、文部省の社会教育局でもやっていると思いますので、ですから、私がこれをさっきからしつこく言うのは、何といったって、もう次代の国の基本一は、実にこの辺にあると思っている。ここに予算をつぎ込むことによって、非常によくなるというふうに考えて、かようなところへ惜しんではならぬと、基本的に考えているわけです。そこで、他の分科会に文部省も来ているわけですから、ちょっと中座してもらって、ほかの委員の諸君の質問を続けてもらって、来てもらいたいと思います。一つ、委員長の方で計らってもらいたい。  なお、これにつきましてはまだ質問がある。文部省でやっていて、今度内閣の方でやるのだといいましたが、事実そういった大切なところは、どこも何もやっていないのです。だから私は、今、文部省に聞きたいと思っているのだが、かりに生活の簡素化、さっき社会的消費のことを言いましたけれども、実際冠婚葬祭なんというのは、ことに婚の方が激しい。一生涯にたった一度しか着ない着物を、一年に一度虫干しでもしなければ日の目を見ない着物を、どこもかしこも作っているのです。こういうことに対して指導するなんというところはありませんよ。地域で婦人会などが、これじゃ激し過ぎるというので取り上げれば、そういう自然発生的には取り上げる。しかし、組織的に国が指導をしているというのは、私の見たところでは、どこもないと見ておりますけれども、その点はどうなんですか。やっておるのですか、おらんのですか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 非常に多くの実例が出ておりまして、二、三そういう結婚様式の簡素化という運動も数県でやっております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 県でやっているのじゃない、政府の方針として、組織的に指導するということをやっておりますかやっておりませんかというのです。自然発生的にはやっておりますよ。それに対して補助金をくれるというのは、これはきっとこの項目の中に入るのでしょう。しかし、補助金をくれる前に、そういう基本的な、かくかくやるべしという、組織的な方針で臨みませんと、一地域くらいで取り上げても、今度は、嫁をくれる側ということになると、まあ嫁側は弱いというのが、これは日本の社会の通例でして、そうすると、くれる先がこういう習慣だからと言われれば、どうしてもそれに左右されて、とてもこれはもう生活改善はできないのです。だから、そういう長い社会の因習があるから、せっかくこれを政府で取り上げるならば、政府で指導基準といいますか、そういうものを設けて、全国一般に、これは文書費だけでいいんだ、実際には。そういうものを組織的にやはり指導するということがなければ、私は結局さいの川原だと、こう思っていますから、そういうことをやっているかいないかということを聞いているのです。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) この新生活協議会の本部におきましては、今こちらへ持ち合しておりませんが、数十種類のパンフレットを印刷しております。その中には、婚姻の問題あるいは台所改善の問題あるいは生活電化の問題、農村の電力エネルギーの開発の問題、いろいろ出ておりまして、そのパンフレットを各地方に送りまして、それぞれの地域に即したものをとってくれ。それともう一つは、これは天下り的な国家の運動じゃなくて、あくまで盛り上る国民のみずからの創意と良識によって推し広めるということが、この新生活運動の根本であったのだと考えております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 あなたと議論を私はするつもりはないのだが、天下り的に押しつけるという言葉を使うと、これは大へんファッショ的なことになるのですけれども、しかし、もう風俗というものは、あざなえる縄のごとくなってしまって、Aの村で改善しても、すぐ隣のBの村でこれが改善されなければ、これはもう、冠婚葬祭それぞれつき合いですから、片一方でよすということはとてもできないのですよ。それが大切なんです。だからやって、ある地域では大へん成功している。私のすぐ近くでも、年じゅう新聞や週間誌に出る部落があるのですけれども、生活改善の。これはもう全国的に有名なんです。しかし、それが実際は、近所に行って見ていると、くずれてくるのですよ。くずれてくるのは、どこでくすれてくるかといえば、隣接の町村なんかからどうしてもくずれてくる。そっちにも、親戚もあれば知り合いもある。そういうことからくずれてくるのです。ですから、どうしても押しつけてこうやれというならば、法律でやればいいのであるけれども、そうでないところにむずかしさはあるのだが、しかし、政府として取り上げる以上は、私は、基準というものを示して、そうしてやらなければ、これはちょっと進歩したように新聞や何かに出ているうちに、ちょうど人がほめる時分にはもと通りになってしまう。こういうことで、もうあなた、この生活改善の問題を私らの少年のころから年じゅう叫ばれて、年じゅうだめなんだ。そこに強制でないけれども、やはり基準というものをしっかりしてやる必要があると私は思うのです。まあしかし、それは言いっぱなしでいいです。とてもあなたに質問しても無理ですから。  そこで、文部省が来るまで、ほかの質問をいたします。この各種政策資料の調査審議に必要な経費、これは昨年よりも半分以下に減っております。額はきわめてわずかでありますが、減らしてもいいという理由はどういうことでございますか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 各種政策委員会、現在ございますのが、特需等対策連絡会議、それから交通事故防止対策審議会、三番目にスポーツ振興審議会、これが現在内閣に出ております各種審議会の対象となるものでございます。三十一年度におきましては、税制審議会がございまして、それが非常に全国から学識経験者にお集まり願ったりしまして、その意味で、いろいろ旅費あるいはその他の庁費も要ったわけでございます。三十二年度におきましては、割合にこの審議会が少くなったということでございます。税制がなくなったということでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 本分科会は、この人事院の関係は、他の分科会で審議願うことでありまして、ここで深く追及すべきものではありませんが、一つ主査のお許しをいただきまして、たった一つだけ伺いたい、よろしゅうございますか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) よろしゅうございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それでは、一回だけ伺いますから、きちっと一つ答えていただきたいと思います。  それは、人事院の費目の中で、政府職員の給与制度の運営に必要な経費、こういうのがあるのですね。額のことを私は言いません。ほかの分科会で審議しますから……。これは、人事院は基準をきめるのであって、その運営については、それぞれの各省各庁で私はやるのだと、こら思っている。それでまた、各省各庁これだけ公務員がいるのに、その運営までもこの人事院がやるとすれば、この費目の七百万円程度のことでは、とても常識的にもやれるはずではないのです。私は、各省各庁でそれぞれ運営についてはやる、基準は人事院で作る、こう思っていますが、こういう項目が掲げられているのは、どういうわけでございますか。これは、人事院の人でなくてもわかると思うから聞く。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 今の天田君の質問に対して、答弁をこちらでできるらしいですから。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 ここでできると思うから質問している。それはもちろん、人事院は来ていないけれども、あなたで答弁できる項目だと思うので、だから、精細なところは、私質問していない。不思議なんだ。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 御指摘になったのは、この百四十二ページの第三段、政府職員の職与制度の運営に必要な経費でございますね。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そうそう。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) もとより、給与制度の運営ということは、各省庁が行うわけでありますが、その「職階格付を再査審するとともに、政府職員の給与、民間賃金、地域差等の調査研究を行い、政府職員の適切な給与額を策定し、かつ政府職員の給与管理の実態監査を実施する」ということでありまして、つまり各部局、あるいは各省がばらばらにやっていることを、人事院で統一する意味における実態調査をやっているということでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 このことは、たった一回で僕はやめようと思ったのですが、今の説明は、この説明に書いてある通りなんで、それは読んでいるのだが、読んでいるけれども、それはとても、何十万人もある国家公務員を、給与制度の運営に必要な経費なんといって、七百万くらいでできっこないですよ。たからそれは、みな運営はそれぞれのあれでやっているのであって、今あなたの説明は、基準をこういう基準で、同じようにやりなさいと、基準を示すのです。運営の方は、それぞれの各省各庁でやるものだ。ところがここで、運営をやるのだと書いてあるから、それはいかがしたのかと、こういうことなのです。運営なんてできやしない。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) おそらくこの場所は、運営の基準を調査するというようにした方がいいと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そうだろうね。多分そうだろうと思うから、これはあまり突っ込まないことにいたします。  次は、憲法調査会の項でございますが、これは、昨年度より若干ふえております。で、憲法調査会制度に私ども社会党は反対しておりますが、法律ができた以上は、それをストップせいというやはなことは申しません。ただ、この委員には、社会党側からも加わってくれといううねがね要求がございましたけれども、われわれの方は拒否している。そういう中で、この委員等の旅費などがあべこべにふえているのは、これはどういうわけですかね。どうしてふえるのですか。これは減るべきものだと思うのだが。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) これは、運賃の値上げでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 ああそう。  それから、各所修繕なんていうのも、これは、わずかではありますが、これは必要のない経費でしょう。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) これは減っております。これは、昨年新しくできまして、これは、赤坂離宮の中にできまして、相当修繕いたしました。今年はそれが少くなったわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それはそれでよろしい。

山田節男日本社会党

○山田節男君 今の憲法調査会の、天田君の質問に関連してですが、この昭和三十一年度ですね。一体これ、どういう活動をしているのか。何か調査の報告とか何とか、印刷とか何か、これだけの予算に対して、業績がなくちゃならないと思うのですが、業績としては、どういうのがありますか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 御承知の通り、憲法調査会の委員の任命につきまして、いまだ御承知の通り最終的な決定を見ておりません。それで、事務局だけ一応できたのでありますが、事務局とし七は、いかなる委員会が発足いたしましょうと、世界各国のたとえば憲法の原本を集める、あるいはその翻訳をするというような事業をただいまやっております。従いまして、今まだ目に見えるような、それが印刷を完全に終っているというようなものはございません。

山田節男日本社会党

○山田節男君 そうすると、私、どこで発行したか知らぬけれども、各国の憲法なんか、あなたのところであれは調査して発表したものですか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 現在、国会の国立図書館でのファレンスというやつの中に、全世界、何カ国か私忘れましたが、相当多数国家の、ことに新興国の憲法もすでに翻訳されてきております。そうしたものは、さらにその問題となるところ、あるいは翻訳の関係で手を触れるところもございますので、そういう問題につきましては、あらためて全部翻訳はいたしませんけれども、その翻訳のわかりにくいところは、さらに原文を見ましてそれを確かめる、そういうようなことで、憲法の収集をやっております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 それはまあ、委員の任命が完了しないので、政府の憲法調査会の意図した活動はできない、これはわかるのですね。しかし、それはそれとして、大体そういう事務局ができて、こういう予算も組んである以上は、これは一年間の開店休業で、ただぶらぶらしているだけのものじゃ私はないだろうと思う。ですから、何か書記局の諸君がやった成果というものを、まだ完成はしないが、こういうものをやっておるとか、今あなたの言われるように国立国会図書館の専門部の方で、各国の憲法も翻訳してしまったのだから、一体どういうことをするのか、これは書記局としての仕事があると思うのですが、そういう方面で、具体的にどういうことをしているのか、あるいはその成果が印刷物として一般に頒布されたかですね。あるいは自民党の憲法調査会、あるいは行政庁の委託によって、こういう事項を調査しましたという、少くとも効果的な活動を何かしたかということを今聞いているのであって、具体的なものがあるかどうか、その点を一つ、はっきりさせていただきたい。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 今まだ印刷物として出ておるものはございませんけれども、中に優秀な参事官などおりまして、比較憲法的な立場から、各国の憲法の分類をいたしましたり、あるいは日本に取り入れ得るかいなか、これは、純理的あるいは学理的にもある程度わかるわけでありまして、むろん、最終的の決定は委員の方にやっていただきますが、その資料を今作っております。また印刷はできておりません。

山田節男日本社会党

○山田節男君 こらして、わずかとはいいながら、一千余万の予算が組まれておる以上は、この年度が進行すれば、これは委員がたとえ任命されなくとも、憲法調査会というものがあって、書記局もあるのだから、やはり国会とか政府の各省に対して参考になるものでも、あるいは印刷物にでもして配るようにしなければこれは、開店休業だけでは済まされない。現に三十一年度の予算は使っているのですから、どうもそういう点がえてして、委員がいないからということになると、もう目標とかじのない船のようなことで、ぶらぶらしておるということではいけないと思うのですね。ですから、何かの成果をあげるという私は義務があると思うのですね。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 天田君の御要求になりました、文部省の社会教育局長が来られましたから、質疑をお続け願います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 これは、社会教育局長も他の分科会に出ておられて、忙しいだろうと思いますから、簡単に質問いたします。実は私は、ここで先ほど来発言いたしておりましたのは、内閣所管に新生活運動の助成費があるわけであります。この助成費に関連して、おいで願ったのでありますが、なるほど助成費は出しておりますし、各地に衛生の問題等なかなか、生活環境全般といいますか、そういうことで成功されておるところがあって、しばしば新聞等には出る。しかし、現実われわれがいなかにおって見ておりますと、一時は成功しながら、これがじきに逆戻りしてしまう。なぜこの冠婚葬祭等の改善が必要で、叫れながらも、すぐ逆戻りするかといいますと、これは、AならAの村で改善しても、すぐB、Cという隣接の市町村では別個の昔通りの習慣が存在しておる。そういうために、すぐその面からくずれてくる。雑誌等ではほめられて、世間が知ってくる時分には元通りだ。この反復をやっておる。そこへ、この青年団等が近ごろ盆踊り青年団などと言われ、そういうのでも、まだ自分たちの娯楽であると言うならばさることながら、なかなかだんだん理屈がうまくなってきて、盆踊りなんかも、みな敬老の趣旨などと言って、実はみな寄付集めだ。そういう精神面のところを直していかなければ、新生活運動なんというのは成功しないというのが私の見方なんですね。そして、これを先ほど来質問しているわけで、社会教育局関係において、かような一般青年の教化というものを扱っておると思いますから、今どういうことをやっておるのだろう。こういうことを質問する。要するに、実績としては、見るところは一つも上ってないというところですが、その点、どう扱っておられるのですか。

福田繁文部省社会教育局長

○政府委員(福田繁君) ただいまお述べになりました点、まことに私どもといたしましても同感に存ずるのでありまして、なかなかこの新生活運動と申しましても、実効が上らないのが現状のように考えております。これは、要は、何と申しますか、根本は、その教育的なまあ環境を作るとか、あるいはまた、教育によって漸次そういった面を改善していくという以外にはなかろうと私どもは存じております。従って、文部省でやっておりますことを一、二申し上げますと、文部省といたしましては、もちろん新生活運動の趣旨なり、その運動のやり方につきましては、できるだけ協力するという立場でやっているのでございまして、文部省でやっておりますところの青年学級というものを——これは全国に約一万七千学級ございますが、各市町村におきまして、青年学級を開設いたしまして、そこで一般教養なり、あるいは職業技術というようなものの修得というような観点からも、いろいろな教養を身につけるような学級を開くわけなんであります。それに対しまして、文部省としては、三十二年度の予算におきましては、六千万円の補助金を計上いたしまして、これを交付するというふうな態度をとっております。従来、この青年学級の学級開設によりまして、各市町村の青年の教養あるいは職業技術といったような点につきまして、相当の成果をあげていると考えております。その中で、今おっしゃいましたような点も根本的な問題として、生活改善の、あるいはまた、新生活運動に即応するような問題もそこで取り上げながら、各地域の、あるいは職域におきまするところの青年の生活改善あるいは教養の向上という面に役立つような方式を実際にやっているのであります。それから、そのほかに、文部省といたしましては、婦人学級というものを開いております。これも、国から委嘱をいたしまして、各市町村で開設いたしておりますが、その婦人学級の中でも、今申しましたような、これは婦人を対象とします教育施設なんでございますが、その中でも、そういった一般教養その他いろいろやっておりますが、今おっしゃいました生活改善あるいはこの新生活運動というようなものにマッチするような問題を取り上げながら、そこで教育をしていく、お互いに研さんを行うというようなことをやっているのでございます。で、私どもといたしましては、各地域あるいは職域におきますところのそれぞれの青年なり婦人がその教育を通じて、お互いのグループの中でそういった問題を検討しながら、お互いに教養を高めていくというようなやり方の中に、おっしゃったような点も漸次改善していくように、あるいは向上していくようにやっていきたいという趣旨で、現在行なっているわけであります。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 局長は、私のさっきの言葉を聞いておられませんからあれですが、私は、次代をになう青年の考え方が、今のようでなしに、この新生活運動を目途とする面にずっといきますならばですね、これは六千万円どころのさたでなくて、それは、こういうところに費用を惜しむべきでないという考え方を持っているわけなんであります。ところが現実は、これは、なるほどあなたが言うように、一般教養を青年学級等でやっているということは私は知っております。しかし、そのことは、一つも新生活運動に結びついていないということです。まあ古いことを言えば、私どもの少年時には、青年の遊びと言えばですね。夜墓石を担いでみたり、実に幼稚きわまることをやっておったのです。しかし、それは、人のためにやるようなことは言いませんでしたよ。このごろは、だんだん学問が発達してきて、盆踊り一つやるにしても、敬老のためとかなんとか言って、七十、八十の年寄りが立って盆うたを聞くなんて、敬老にも何にもなりやせぬ、そんなことは。それで招待状をよこす、少し知名の者に。われわれにも年中来ます。行ってみれば、招待席なんてものはどこにもないのだな。結局敬老とか人のためとかという文句をつけることが上手になったというだけで、中身はますます悪くなっているのですね。前ならば、自分のために、一年一ぺんだからくれというようなふうなことで、村の有志のところを回るというのが精一ぱいなんだ。あくまでも正直に、自分の娯楽にやるのだ。このごろは何でも、娯楽だって、自分のためにやるのに、人に恩着せがましい理屈をそこへくっつけるというだけですね。それからまあ名目的には、少しはいいのは、討論会だとか、演説会を開く。ところがこれはまあ寄付集めのために開催する状態で、主催でも何でもない。主催だと称するだけで、出演者から金を取ってみたり、寄付を集めたり、青年の教養も何もあるものじゃないのです。だからこれに、日本青年団連合会ですか、ああいうところでこじき根性青年団、盆踊り青年団をやめただけでも、私は大した成功だということをさっきから言っているわけなんです。それで、とにかく一般教養を高めても、そのことが新生活運動に現実にはちっとも結びついておりませんから、それを一つすぐ……、こういう青年問題は、あすではおそ過ぎるのでありますので、今までの方針だけでやっていくのか、さらにまた検討して、この実効のあがるような道を求めていくのか、その方針を一つお聞かせいただきたい。

福田繁文部省社会教育局長

○政府委員(福田繁君) ただいまおっしゃいましたような事柄につきまして、青年が今までのいろいろな行事なり日常のいろいろな問題につきまして、おっしゃるように、改善すべき点は多々あるように私どもももちろん同感に考えます。しかしながら、これを相当改善していきますには、やはり何と申しましても、相当の時日をかけなければならないと考えておりますが、私どもといたしましては、今申し上げました、そういった青年学級だとか、婦人学級だとかいったような教養施設を作るばかりでなしに、そういった青年団あるいは青年の行事といったようなものにつきましても、相当これは、今おっしゃいましたような意味からも、これを置きかえていくというようなことも考えなければなりません。従って、この青年に対する読書指導だとか、あるいは音楽、演劇の指導とか、あるいはまたキャンプ、レクリェーションの奨励だとかというような点、特に最近は、一般の青年のだれでもできるようなスポーツの奨励といったような点までも、文部省としては考えておりまして、そういったことは、急速に運びませんけれども、だんだんに青年の、何と言いますか、言葉は悪いのですけれども、古いしきたり、あるいは旧弊といったようなものをだんだん改めて、新しい、健全な青年として育成するという方向に持っていきたいという考え方から、予算としては、特別助成費として約七千万円を計上しておりまして、そういった青年の、特に健全な活動を育成するような面にこれを使っていきたい、こういうように考えております。で、今申し上げましたような方向で、一般の青年学級等の拡充とあわせまして、そういった青年の野外活動なり、音楽、演劇等の指導なり、あるいはまた体育、レクリエーションの奨励といったような面を併用しながら、私どもとしてはやっていきたい、こう考えております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 まあ、生活の問題ですから、私はごく端的な例をあげるのですがね。今スポーツの奨励の話もございましたが、しかし、そのスポーツ一つやるにしても、単に自分が楽しむということでなしに、それを通じて、やはり人に迷惑をかけないというような気持を養っていかなければならないと思うのですね。ところがお互い——まあ列車を見ると、ことしなんかは特にスキーばやりで、昔はだれもそんな記事なぞやかましく言った人は一人もないけれども、このストックというのですか、つえをつくやつ、あれは皆スキーの両方の板の間に持っていて、倒れたって人に大けがなんかさせないように、まあ配慮しておる。このごろは皆飛び出しておるんです。学があるようになったらますます悪くなるというのは、端的にそうなんですね。僕らこうやっておるけれども、私なんか、まだまだ日本の国民では、学のない連中の方が多いと思うから、その学のない連中を代表した一人が私なんです。私みたいな学のない者でもすぐ気づくようなことが、この節は中学を出た、私らの方の県でいえば、六〇%ぐらいまでは上級学校へ進む。そんなに学があればあるほど、おためごかしな理屈をつけることだけは覚えるけれども、ちっとも実効があがっていないということは、何とも否めない事実です。ですから、あなたが青年学級、婦人学級等で一般教養を高めると言うんだから、それならその面に必ず、新生活運動を結び付ける講座をこの中へ入れろという指導をしたって、私はあまり押しつけがましいことにはならぬと思う。そのこと自体が青年学級の目的だもの。そういうことをやっていないということなんです、結局はね。それから、他の一般の学校の課外講座などでも、やっぱり新生活運動の講座は必ず設ける、こういうふうに文部省が、他の局と連絡をとってやれば、それは実効があがってくるだろう。そういうことをおやりになるつもりはありませんか。例を私が皆あげちゃったけれども。

福田繁文部省社会教育局長

○政府委員(福田繁君) ただいまおっしゃいました点は、私どもとしても十分注意いたしたい点でございまして、この青年学級の中で新生活運動の面を全然取り上げていないようなお話がございましたが、これは、私どもとしては、普段からそういった内容の面につきましては、各府県を通じまして、指導いたしておる点でございます。従って、足りない面は、今後なおそういった面をさらに拡充したり、あるいは充実させて、指導して参りたいと思うのであります。また、青年の問題は、単に私どもの社会教育の面だけでなしに、学校教育とあわせて考えなければならぬ点がございますので、そういった青年の公徳心と申しますか、あるいは公徳心の向上とか、あるいはまた、一般の青年の秩序規律といったような面につきましては、特に団体行動等につきまして、団体的な訓練の場合にも、十分私どもはそういった点を第一に考えてやっていきたいと考えております。

木村篤太郎自由民主党

○木村篤太郎君 私、今の天田君の意見に全く同感なんです。そこで、新生活運動に、文部省の方から事務局にいって、意見でも申し込まれたりしてやっておりますか。

福田繁文部省社会教育局長

○政府委員(福田繁君) 新生活運動につきましては、これは、御承知のように、民間から盛り上る力を結集してやるというような建前になっておりますので、文部省で指導するとか指図をするとかいうことは、これは控えておりますけれども、事務局とは常に密接な連絡をとって、常時いろいろな計画につきましても、打ち合せをしながらやっておるわけでございます。

木村篤太郎自由民主党

○木村篤太郎君 それは、ただいま天田君も言われましたように、民間から盛り上る力もけっこうだけれども、何らの指導方針もなく、雑多なことをやられて国費を使われるなら、私はまことに遺憾だと思う。実は、私も評議員にされてしまっているんだけれども、どらもやり方が私は満足しないんですよ。それで、文部省あたりが、社会教育局が幸いあるんだから、これはどうもあなたの方の指導力もといっては語弊がありますけれども、言うべきことはどんどん言って、そうして青年の生活向上なり、これは十分に考慮して、あなたの方が一つ意見も具申してやってもらわなければいかぬのじゃないかと思う。私は天田君の今の御意見に非常に賛成するものでありまして、これは、文部省の方からも、少しは新生活運動の事務局の方を駆使してやっていただきたいと思う。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 最後に、要望だけ言っておきますけれども、とにかく単に補助金を与える事務的な処理だけでは、とてもこれは、新生活運動の実効なんというものをあげるわけには参らないのですから。新生活運動の中は幾つにも分れます。環境衛生の問題もあるだろうし、今言ったレクリエーションの問題もある、体育の問題もある、幾らもあるけれども、どれ一つとらえたって、うまいわけにはいかない。それで、次代の国民をよくするということですからね、実効さえあげたら、やはりこんな費用を惜しんでは相ならぬという考えを私は持っておる。ところが現実は、学があればあるほど悪くなっているという事実の方を私はより余計見る、これが困る。学があればあるほどよくなるというんではないんですからね。そこで私は、押しつけてはならぬと、それは確かに押しつけも限度があるから、過ぎればこれはファッショ化すにきまっておるが、しかし、やはり新生活運動を指導するにしても、確固たるやっぱり基準というものはなければ、一カ所ぐらいが、ちょっと新生活運動のどの項目で成功さしたって、すぐさま逆戻りする。地方の村なんか大かたそうなんです。そういう状態ですから、一つこれには、去年よりも予算が減ったわけですけれども、来年度ぐらいはもっとふやしてもいいのであって、しかしその裏付けとしては、やっぱり実効あるように、社会教育局及び内閣のこれを取扱っておる関係者と十分研究し、努力をしていただきたい。これだけ申し上げておきます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 今の天田君の質問に関連してですが、これは大連文相ですか、それから松村文相、清瀬文相、この文部省の新生活運動については、相当熱意を込めてやられたわけなんですが、その評議員である同僚の木村委員が今おっしゃったように、開店休業じゃないかしらぬけれども、非常な効果が上っておらんじゃないかという、これはやはり、何といいますか、たとえば、蒋介石がかつて新生活運動をやった。あの歴史なんか見ても、一面、政治的な理念に立ってやる、イデオロギーに立ってやる方向と、そうでなくて、イデオロギーには立たんけれども、やはり国家社会生活上における封建性があるとか、非合理性のあるようなものを、教育によってこれを改善していくと、こういうような方法も私はあるだろうと思う。新しい憲法下においては、そういう政治のイデオロギーによって生活を改善するということでなくて、やはり民主的な方法によって、社会教育の方法によって直接、間接国民を、何といいますか、いろんな面で教育をしていく目標がないから、こういうことになるといいますけれども、たとえば、これは小学校時代、中学校時代から、どうもわれわれ国民としては、一番の欠陥は、社会生活における、何といいますか、各自が他人の権利を尊重し、また、各自が自分の義務を果す、これが社会公徳心であり、公共精神、そういうようなものの土台になってくるわけなんです。民主社会になろうとすれば、民主教育を最も有効ならしめるということは、やはり社会生活をしておる個人々々の気持にやはりそういったものを植えつけるということなんです。今日、小学校、中学校の教科書を見ても、これはまあ、倫理学とか修身がないからといえばそれまでだけれども、それはなくても、私は、教科書の書き方によれば、いろんな意識的に公徳心の助長とか、あるいはいわゆる社会生活をする社会人としての守るべきエチケットとか、こういうようなものは、私、卑近な例からいってもたくさんあると思う。ですから、新生活運動ということの目標は、たとえば、町にごみをまけばいかんとか、紙きれを落してはいかんとか、こまかいことで、幾らでもあるわけなんです。何も高級な議論だけでなく、教訓でなくても、そういうようなことをやらせるというようなことが、私はむしろ社会にとっては効果的じゃないかと思うのです。ですから、こうやって見ると、相当巨額な金を、また、七千万円というものを社会教育助成金というようにして、文部省、あなたのところにもこういうものがある。それがためにこういった金を使っておられるのですが、青年学級の運営助成費等も多額な金を使っておるが、それもいいかもしらぬが、それより、ことに文部省として、新生活運動の諸条件の素地を作るということは、これは地味かもしらぬけれども、地味だけれども、根本的な問題なんですね。ですから、こういうものに携わる者は、派手でないと、目立たないと仕事をやったような気がしない。そういう弊害がどうも日本の公務員には多いと思う、あらゆる分野で。それがいけない。やはり縁の下の力持ち、目に見えないところに力を入れる。そこに助成費を与える。これは民間人でも、そういう意図をもって、ささやかでもやっている人があれば、それを助成するというような、ごく卑近な例からやっていかなくちゃ、社会教育という大きなことを言ってみても実績があがりっこない。要求するのは文書じゃなくて、そういう方向に変ることを要求しているのですね。ですから、そういう方面に指向されれば、これは、非常に今日のような道義頽廃している日本ですから、まず小学生から教育していくという、根本的な問題にこれは多くの金を使っても、なお私は決して高しとしないと思うのです。やり方の中心目標というものがはっきりしないから、手伝おうにも手伝えない。ことに、公平に見ますと、文部行政というものは、そういう点においておくれておると思う。なんにも遠慮する必要はない。だから、修身を復活するということも、昔のああいうような勅語を前に据えたような修身教科書じゃなくて、新しい修身教科書もできるわけです。なんにも遠慮する必要はない。だから、そういうあたりをもう少し、事なかれ主義じゃない、こういう仕事をやっておるのだという項目じゃなくて、実績をあげていくということに一つあなた、責任者としてそういう方面に指向していくということになれば、これは、われわれ国会議員としても、喜んで増額要求を通すだろうと思う。ですから、これだけの予算のあなたの所管の金を、これは相当な金になっていますが、願わくはそういった方面に使う。この項目は、幾らでも拡張解釈ができるのですから、そういう方面に一つ格段の努力をしていただきたい。これは希望になりますけれども、せっかくいいあなたはスタッフをかかえておられるのだから、これは、もっと有効に使わなくちゃいけないと思います。特にお願いしておきます。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 私も一言、簡単に意見を述べておきたいんですが、今、各委員から新生活運動についての御意見、まことに同感なんでございます。僕は、ごく卑近なことを申し上げますが、よくバスなんかに乗る場合に、ずっと一列の順序をなして、だんだんに乗る場合は気持がいい。ところが、いろいろな事情もあるんでしょうけれども、早く行った人が結局待たされて、あとから来た人が先に乗って、いい席を占めるというようなことは、非常に見ていても感じが悪い。自分は、吉祥寺の駅から省線に乗って来るのですけれども、二等車に乗りますときに、割合すいているんですけれども、いつも列がございません。そのために、二等車に乗る人ですから、割合にまあ紳士というか、そういう人があとから来ても、もう目の色変えて先に乗る。こういう風景を見ますと、これでは日本もよくならぬだろう、それだけで判断しちゃ相済まないですけれども、自分は、もっと秩序正しく、だんだん先に来た人がよくバスなんかのところに並んでいるような一種の風習ができれば気持がいいなということを思いながら、きょうも国会へ来ているわけなんですけれども、これは一例にすぎませんけれども、世の中にいい習慣を、新生活運動というような運動の中にあらゆる方面で取り入れていけば、世の中が非常によくなる。こら思いますので、ぜひ一つ、皆さんの要望も強いわけでありますから、力を入れてやっていただきたい。これだけ申し上げておきます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 今の文部省の社会局長がおられるときに、これは私、内閣の方へ聞きますが、内閣の方で、新生活運動の助成金として六千万円組んでおられるのですが、これはどうですか、文部省の所管外の新生活運動に助成金を出すというんですが、具体的にはどういうものがあるのですか。だれか内閣の人。これは、やはり何といったって、所管の主務省である文部省と連絡をとっているのかどうか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 大体、私が覚えている程度のことを申し上げます。約六千万円の来年度の予定でございますが、約五割が本部、東京にございます財団法人新生活協議会のでございます。あとの半分が地方及び中央のほかの諸団体に取られております。さらに、六千万の内訳を申し上げますと、その新生活協議会本部の事務所の費用は千五百万円、それから事業費が残りの四千四百七十万円でございまして、そのらち印刷費が二千六百万円、それ一から広報その他本部で使う金が千八百七十万円、合せて約六千万円というような内訳になっております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 今の内閣の方で説明のあった、新生活運動協議会に対して助成金を出している。文部省も、この団体に対して幾分かの助成金を出しておられるのですか。

福田繁文部省社会教育局長

○政府委員(福田繁君) 文部省は、その団体に対して一文も出しておりません。

山田節男日本社会党

○山田節男君 そうすると、今、文部省で、社会教育の特別助成に必要な経費として七千万円計上してある。これを見ると、「健全な青少年の社会活動を促進するとともに、奉仕、協力、友愛の精神を体得させる等社会教育を特に助成するため必要な経費である。」たとえば、こういう経費はどういうところへ出されるのですか。

福田繁文部省社会教育局長

○政府委員(福田繁君) この七千万円の社会教育特別助成費の使途でございますが、これはそこに、お読みになりましたように、主として青少年の社会教育活動を活発ならしめるという観点から助成するものでございます。これは、市町村、府県の事業を助成するという建前でございます。それで、その中身を申し上げますと、大体府県単位に、青少年の指導者を養成する場合に使います経費だとか、あるいはまた、映画、演劇、音楽等によりますところの青少年の対策等につきまして、たとえば、映画で申しますと、文部省で選定した映画を各府県に無償で配付したり、また、府県で、これを各地区の市町村に巡回で映画を見せるとか、あるいはまた、中央の劇団等を地方に巡回させるとか、あるいは地方の劇団、楽団等を育てる意味におきまして、その県内で公演をさせるとか、そして青少年に対しまして、演劇、音楽等に対する情操を養なっていくというような次第でございます。それから、そのほかに、体育、レクリエーション活動の助成といたしまして、たとえば、青少年のキャンプ事業を補助するとか、そういった経費に主としてこれは使われるわけでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは、内閣へ聞きますがね、なるほど今六千万円の経費の内訳を言われましたが、内閣が新生活運動に対して助成を与えるということは、ちょっと私、この性質上変なものじゃないかと思う。要するにこれは、機密費のような工合ですね、本来からいえば。どこへ持っていくか。厚生省か、あるいは厚生省より、私は文部省の所管になるべきものじゃないか。この発足のいろん事情があるには違いないのですが、内閣に新生活運動費を六千万円計上するのは、ちょっと異様な感じがするわけですね。ですから、内閣としては、ほんとうにこの新生活運動を効果的に助成しようと思うなら、むしろこれは、厚生省か文部省へ移管すべきものである。これをやるということは、これは、悪く解すれば、一つの機密費的なものになるんじゃないかという感じがするんですね。ですから、これは、この予算の審議の過程ですけれども、内閣のキャビネット・ビューローというものに新生活運動というものを置くことは、これは世界にこんなものはないと思うんです。ですから、むしろ異例的なこういう経費を内閣の経費の中に挿入するということは、ぼくはどうも当を得ないと思うんです。これは、あなたに言ってもしょうがないが、もう少し総合的な、内閣もそういったものをやっている、厚生省もやっている、文部省もやっているというまちまちの割拠主義のやり方では——対象は国民全般なんですからね。この点は一つ、社会局長あたり、もう少し総合性を持った、できればこれは、厚生省とタイアップしたものを、セクショナリズムでなくて、一つ、来たるべき年には、何か効果的な案をあなたの所で中心になってお立てになることを、特に私要望しておきます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 なにしろ、時間がだんだんたってしまって、実際検討していけば果てもないんですが、まあ飛び飛びに質問いたします。この軍人恩給費ですね。これについては、改正されるときに、私ども社会党も賛成をいたしたわけでございまして、従って、こういう処置をとるという基本的な考え方には、今さらとやこう言うわけではございません。ただ、戦時中、旧職業軍人などは、われわれを見ることちりあくたのごとくだった。およそ世の中で国を思う者はわれ一人といったような態度、これは、例をあげれば果てもありません。私ども汽車へ乗って、あとから乗ってきた軍人の家族のために、ついつい強制的に立たされたような悪い経験を持っている。しかし、文字通り尽忠報国はわれ一人というのなら、それはそれでいいんですが、そのくらいの人なら、私は、国家がかように恩給をそういう罪のあることを言わずして与えるということになった場合でも、これは遠慮するという人が相当出てくるだろうと私どもは期待しておりました。そういう人が幾人かでもおりますか、どうです。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 恩給局長の八巻政府委員が答えます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 問題がほかへ移ってしまって済まなかった。それじゃ、私の質問は保留しましょう。

山田節男日本社会党

○山田節男君 内閣官房の情報蒐集謝金十八万円ですが、金額はきわめてわずかなものですが、情報蒐集のお礼金というと、具体的に言うと、どういうものですか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 内閣の予算に、情報蒐集謝金というのが十八万円計上してございます。これは、総理大臣あるいは官房長官などが何か特殊なちょっとした、これは非常にささいなものでございますが、ことを知りたいとおっしゃるときに、特定の専門家などに依頼しまして、二万円とか五万円とか、その調査についてお礼を出す、その謝金でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 それは、たとえば、内閣につめておる記者とか、そういったものを利用する場合に謝礼金を出すのですか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 特別に記者ということはございません。ただし、記者に対してそういうことをする場合もあるかもしれませんが、いろいろの各層の方に、たとえば、文化関係の問題で、大学の先生にお尋ねしたりするような場合でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 過日、総理大臣は、今後定期的にか、あるいは随時、公共放送あるいは民間の商業放送を通じて、炉辺談話式な、内閣の政策を国民に訴えるような放送をするということでしたが、こういう予算はどこへ入っておりますか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) それは、総理府の広報予算に入っております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 それから、内閣官房の交際費が二千四百六十二万五千円。これは、総理大臣の交際費だけが入っておるのか、あるいは内閣官房だけの交際費か、機密費というものは別にあるわけですか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) この二千四百六十二万五千円というのは、一応内閣総理大臣自身の交際費でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 内閣官房には、予備金というものはないのですね。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 予備金は、大蔵省にお願いいたしましてやっております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 いや、この予算の明細書には入っていないですか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) これは、大蔵省の予算に、予備費が八十億でございますか、入っております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 いや、内閣の。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 内閣の予備金はございません。

山田節男日本社会党

○山田節男君 内閣総理大臣あるいは他の閣僚もですがことに内閣総理大臣になれば、内外の新聞記者に対して、いろいろ随時、情報あるいは政府の政策を述べるということは必要なことなんで、どうも、今までの総理大臣の新聞記者会見というものを見ますと、総理官邸で行われておるのですが、これは、もう少し整然としたやり方をしなきゃいかんのじゃないか。私も、岸さんが総理になられてから、数回そういうことを目撃して、痛感したのですが、総理大臣は、もちろん会期中以外においても忙しい。それから、総理大臣の健康を考えるということから見ても、それから、記者自体の便宜のためにも、新聞記者会見は、大体定例日というものがある。ですから、この定例日をいかに有効にやるか。私は、テレビでテレニュースを見ておると、しばしばアイゼンハワー大統領の新聞記者会見の様子を見るのです。これは、われわれ非常に参考とすべきものがあると思うのです。あんな狭苦しい所でキャメラ班、ニュースキャメラ班、それに普通の取材記者が実に雑然としておる。テレニュースで、ホワイトハウスのアイゼンハワーの新聞記者会見を見ると、やっぱり新聞記者会見する日はきめておいて、ちゃんと質問する者も当番できめておいて、そうして写真班は写真班のセクションがあって、ちゃんと待っておる。そうして、大統領が入って来れば、新聞記者は一斉に起立する。それから用語を聞いてみますと、少くとも大統領であるから、きわめて丁寧な言葉を使っておる。ところが、日本の新聞記者の総理大臣に対する質問なんかを聞いていると、実に無礼きわまる、これが民主的だと言うかもしれませんけれども、これは反民主的なものだ。実に教養のあるべき新聞記者のあの総理への質問ぶりを見ておると、下品な、また礼儀に反することをやっておる。これは、一総理大臣という意味でなくして、総理大臣の権威にかけても、やはりこれは、相当なエチケットを持っていなければならない。この点においても、日本の新聞記者は私は全くゼロです。こういう意味から、新聞記者の便宜のためにも、能率を上げるためにも、誤解のないようにするためにも、従来の新聞記者の会見のやり方の演出を少し考えるべきじゃないか、これは旧態依然として、まるで雑然とした、もう混雑そのものを形容するのが総理大臣の新聞記者会見、ここらあたりは、どうして気がつかぬだろうかという問題です。それであるから、誤まったことを伝えられたりする。あんな混雑の中で、こうごうとして、聞えるわけはないのですから。これは、金の問題でなくて、施設の問題です。同時に、内閣の官房におる諸君は、そういう方面の少し、テレビもすでに放送されておるからには、演出を考えなければいかぬ。総理の健康、それから新聞記者の、取材記者の便宜のためにも、ああいうところはいけないと思うのです。ですから、これは、そのために別にたくさんの金が要るというのでなくて、交際費の一部をさいて、もうニュース・カメラ、テレビ、こういうような光の施設を要するものは、コンセントにしても何にしても、蛇のようにあっちこっち敷くものだから、それにつまずいたりする。こういうものは、もう少しきれいにやるように、あなたたちに考えてもらいたいと思うのです。この点、ぜひ来年度の予算に、そうは要らないと思うのですから、ぜひ実行してもらいたい。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) お説の通りでございまして、テレビを見ましても、ちょうどアメリカの新聞記者の席は、小学校の生徒がすわっているようでありまして、そして一人ずつ挙手いたしまして、自分の質問を申します。非常に丁寧な言葉であることは、今御指摘の通りでありまして、私たち官房に勤めておる者も、常にそれを申しておるわけであります。それで、やはり来年度と申しまして、まず放送室を内閣において作っております。それは、総理府の広報の予算の中にも入っておりますし、現に今年、既定予算によりまして、三月に放送室の施設に着工する。もうできるわけでございます。そして、放送の場合におきましては、今まではよく、新聞記者を前にしまして、雑然とした中におきましてやっておりましたが、今度は、NHKと同様の設備を持ちまして、放送室を二百万円の既定予算をいただきまして設立いたしました。  それから、ただいまの記者会見のことでございますが、それは、記者会見の方は、いろいろ案をわれわれ練っておりますが、現在あります記者会館の上に、もう一階作りまして、それに、先ほど申しましたような、席をきれいに並べまして、各社の新聞記者の名前を全部明記しまして、総理が入ってくる。あるいは官房長官が入ってくる。そこで、両方あいさつしまして、非常に礼儀正しく、しかも、効果的な質問をするように進めていきたいというような構想は持っております。たぶん三十二年度において実行するつもりでおります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 そういうことに多少でも関心を持っておるということは、一つの進歩だと思うのですが、なおさらに、だれが総理大臣になっても、内閣官房の諸君たちが考えなければならないことは、昨晩、NHKの放送記者と岸総理大臣の対談がありました。たまたま見ておったのだが、岸さんは、ああいうやせている、中肉の人だが、肩幅が非常に狭い。で、見ていて感じたことは、その日のテレビに総理が出る場合には、これはやはり内閣の官房におるものが相当演出を考えなければいかぬと思うのです。きのうのは、上の方でやるから、肩幅の狭い、そうして出歯が非常によく目立つように、横から写したり、これはアメリカの大統領ならば、選挙のときには、ハリウッドからわざわざ演出の専門家がやってくる。平素においても、アイゼンハワーがあの服装で、アイゼンハワーはアメリカで一番ウェル・ブレット・マン、ぜいたくではなくて、きちんとした服を着ているので有名になっている。総理大臣ということになれば、ともかく国民の注意をそれでなくても集めるものですから、一岸じゃなく、日本の総理大臣がテレビに出るというようなことになれば、これは一つ革命的な工夫をしなければならぬと思う。昨晩の岸総理の談話の内容はいいが、ゼスチュアなり、あのキャメラに写す演出ということが全然無視されて、むしろ若い放送記者におわびかなんか言っているような工合だ。一国の総理としての態度でない。これは、御本人はそういうことを意識されないから、むしろまわりにいる者が総理大臣というものを、一国の総理大臣としての敬意を表しているのだから、そういうものを演出するのが必要だと思う。ですから、これだけの人件費を使うなら、新聞記者上りのいい者があれば、それを引っ張ってきて新聞係にする、あるいはアメリカのハガーティーのようなものを抜擢して置くとか、あるいは演出のようなものを専門に、これは十級、十一級ぐらいの人でも、若い人であるだろうと思う。しろうとがやるよりも専門的に、テレビに写るということになれば、これはしろうとではわからぬ。やはり岸総理が放送に出られるときには、あの出歯が目立たぬような、いろいろな方法があると思う。そういうことも、今日の時代だったら、あなたたちが相当計画的に考えなければいかぬと思う。どうも私は、諸君の総理大臣というものに対する、まあフットライトを浴びさしてやるという親切心がないと思う。新聞記者会見に、それほどまでの関心を持つに至ったならば、もう一歩進めて、そういうことまで関心を持つべきだと思うが、どうです。これは、総理に相談するまでもなく、あなたたちが義務として気を配るべきだ、この点留意してもらいたい。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) ただいまの山田先生の御意見、実は官房長官がそっくりそのような考えをしておられるであります。現に、藤井という広報参与というのがこのたび三月に任命されまして、そうして、これはテレビの専門家でございまして、官房長官と上海時代の新聞関係の友人で、最もテレビあるいはラジオの権威者でございます。その方が先ほどおっしゃいましたように、一つのセンスというものでもって、政府の世論、広報宣伝というものを最も斬新なものにしよう、私自身も、会計課長でございますが、そうしたことに非常に興味を持っておりまして、予算にも相当、約六千万円ほど昭和三十二年度において取っております。そうして、大体山田先生のおっしゃった方法の、雰囲気と申しますか、リファインされた政府広報というものを目ざしてやるつもりでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは、ついでだから、もう一つ小言を言いますが、内閣総理官邸は、たしか関東大震災の直後建ったと私記憶しておりますが、もう何しろこれは、建物がゴシック式のきわめてじみな建物であります。帝国ホテルができたあとにできた。これは、私は趣味としてはいいと思う。しかしこれは、玄関に入って、これも一つの感じで、私は昨日も、宮内庁にもずいぶん文句を言いましたが、総理官邸は、総理府は忙しいから、外国の使臣等もあそこへしばしば面会に来るわけです。そういう点から見ると、やはり感じが非常にまずいと思う。これは、部屋が昔のものだから、部屋の構造を変えるということは大へんな金だ。しかし、少くとも照明、それから装飾によってカバーできると思う。ことに、入って右側の方に大きな広間があります。ここあたりは、まだまだ改造すれば、何といいますか、インポージングな、非常に総理官邸にふさわしいものになり得ると思う。私は、何も建築や装飾の専門家じゃないが、やはり外国に行って、ことに私、昨年モスクワに行って、われわれのモスクワ・ホテルの前の、ソ連の総理官房に行ってみたところが、実にりっぱなものだ。われわれは、とてもそんなことはできないけれども、共産主義国ですらそういうことをやっておる。ですから、総理官邸というものは、これは改造して、今言ったような趣旨で、一国の総理大臣がおるならば、それにふさわしいような部屋の配置もあろうし、装飾もあろうし、こういうようなことも、これは金の要ることだけれども、これこそ、一年でできなければ二カ年間でやるとか、そういう一つ計画性を持ってほしい。ああいう、どこを見ても薄暗いだけでなく、きたないよらな感じのすることがないように、これは工夫もできるのじゃないか、こう思うのですが、この点も一つ、ぜひ衆知をしぼって改善されるように、この際お願いしておきます。  もう一つ、お小言を言っておくが、今の総理官邸の玄関ですね。これもやはり僕は、国会、宮内庁についてもやかましいことを言ったのだけれども、どらもあそこにいるすべての人間、人間と言っちゃ失礼だけれども、衛視かなんか知らぬけれども、あれなんかも体の貧弱なこと、もうなんというか、裁判所の小使みたいなものがあそこに立っておることは困る。これは、何も首を切れというのではなくて、よそへ配置がえをして、総理官邸玄関に立っているものは、服装も金ピカをつけてもいい。裁判所の小使みたいなものがありそこにうろうろされるというと、われわれはいいが、外国のものが来ると、これが総理官邸かという気持が向うにはしない。ですから、これは国会、宮内庁でも私は指摘したのだけれども、総理官邸だけはその点やはり相当考慮して、外国の使臣が来れば、外国の使臣をいかに迎えるかということを宮内庁あたりと相談して、いろいろ習っておかないといけない。われわれが見たってひやひやするような総理官邸の玄関、しかも、エチケットをわきまえないようなものがあそこにおるということが、僕らは恥かしくてしょうがない。これは、外国の堂々たる国際的エチケットを心得たものを玄関に置かないと、とんでもない恥をかくということを知っておいていただきたい。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) ふだん、総理官邸の玄関はきたのうございますが、外国使官などを呼びましてやる場合において、玄関の今コンクリートを敷いてあるところには全部赤いじゅうたんを敷く。現在、新聞記者あるいは外からの外客、ことに見物人がたくさん参りますので、ふだんは一番美しい、まっかなじゅうたんの上にシートを敷きまして、カバーをして、きれいにしておるわけであります。ところが、ふだん見るときたないのでありますが、外国の使臣なんかが、ことにエチオピア皇帝がおいでになった際にも、非常に美しいシャンデリアをつけましたし、それからシートをとりますと、非常に美しい、これを一度ぜひ見ていただきたいと思いますが、そういうことをやっております。  それから、守衛の制服でございますが、そうしたときには、特別の礼装が用意してございまして、その日などは、必ずそういう制服を着せます。ただ、ふだんからやりたいと思いますが、どうしても経費が足りませんので、ふだんは悪い、質素な格好をしておりますので、大へんお目ざわりであると思いますが、御了承願います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 どうも日本人の悪い癖で、そういう、あるときには身分不相応のぜいたくな服装を着せることがある。平素木綿を着ておっても、あるときには錦紗を女房に着せるような、それがいけないと私は思う。そうではない。外国の使臣というものは、そう毎日来るのではない。私の言うのは、総理大臣としての一つのディグニティを持たせるというのです。日本人ならばどうでもいい。外国人だけによく見せるようにしている。  その礼装も、第一礼装は一年に一ぺんしか使わぬようにしている。あとは裁判所の小使いみたいなのにあのへんをうろうろさしている。そういう気持がいけないと思う。それが日本人の悪い癖です。だから、もう少しあそこの雰囲気を変えるようにする。まず形から変えなくちゃいかん。玄関を三角にするとか、四角にすることは必要じゃない。問題はあすこの配置で、衛視などというものは、ああいう官公舎の場合、日本人だって立派な体つきの、六尺ぐらいの人間で、失業しているのがおるだろうと思う。そういうものを選んで、担任させてあすこに置く。それがまた、あんたらの品位を高めることになるのです。そういうようなことで、それができてこそ、こまかいことだけれども、中に入ってくる新聞記者ももう少し行儀がよくなってくると思う。野放図もないほど日本人はいんぎん無礼なんです。エチケットを知らないのです。これは、新聞記者よりも、むしろ中にいる諸君らの管理が悪いから、そういうことになると思う。それは、ぜひ一つ近代化するように……。  まだ小言は一ぱいあるが、私を顧問にしてくれれば幾らでも言うてやるが、まあ気のつく個所からぜひやってもらいたい。小言ばかり言うようだけれども、ぜひお願いしたい。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記をつけて。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 さっき質問したのを繰り返すわけになりますが、旧職業軍人が尽忠報国の精神を持っているのはわれ一人といったような態度できたことは間違いない。われわれいわゆる庶民は、ちりあくたのごとく彼らに扱かわれてきた。しかし、それはあやまりであったにしても、純粋な気持からきたんだというところに、今日恩給費を多額に計上する趣旨があるのです。これは、意識的にさような行為をとったのだから、恩給なんかびた一文だって国民の税金から払うのは、私どもはまつぴらごめんです。しかし、彼らが言うごとく、尽忠報国、ほんとうにあの宣伝通りやっているならば、私は、かなり多くの部分、すなわち、今日生活に困っておらない人たち、こういう人たちがひきもきらず恩給辞退が生じてこなければならぬと期待している。これは余り聞きませんが、実際そういう辞退などありますか、ありませんか。

八巻淳之輔総理府恩給局長

○政府委員(八巻淳之輔君) ただいまのお尋ねでございますが、辞退をするという問題は、実は恩給というものは、請求を待って裁定をいたしておりますから、あるいはまだ請求をなさらない方という中には、その人のお気持から、請求をしないでおこう、こういった方があるかもしれません。ただしかし、一ぺん裁定を受けた後に、これを放棄しますと、こういうふうに申し入れてきた方は、私ども承知いたしておりません。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 これはもちろん、権利として保留されるのは私の質問外で、権利として保留されるのはけっこうだと思う。しかし、国家に寄付するということは、これは税金も何もかかりませんから、そこで、これらの人々の中で高級の——まあ高級というのは、人間的に高級かどうか知りませんが、階級的に上位にあった人たちは、ほとんど会社の顧問やら何やらで、決して生活に困る人ではない。そういう人は、彼らがかつて言うたことが事実ならば、これは、こっちがやろうと言ったって、お断わりするということにならなければならぬと思いますし、申請しない人もあるかもしれないけれども、そういうような辞退したものはないと、こういえば、まあ私どもは彼らの本心がここでわかった、それだけの話で、私としてはよろしゅうございます。  次は、この統計調査費をずっと項目別に書いてありますが、その中で研究機関基本統計調査に必要な経費というのがあります。わずか三十万六千円であります。私は、実にこういうところに、わが国の研究機関やら科学技術関係に対する無関心というものが現われておると思って、この質問をするわけで、説明を見ますというと、全国の研究機関の実態を明らかにし、科学技術行政の改善に資する云々なんて、大へんめざましい説明がついている。全国の研究機関の基本統計調査をするのに、たった三十万円ぐらいのことで一体できますかどうなんですか。不思議な気がするのです。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) ただいま御質問の研究機関基本統計調査に必要な経費、三十万六千円のことについてお尋ねでございますが、これは、全国におきます研究機関の実態を明らかにしまして、科学技術行政の改善に資する基礎資料を得ることを目的といたしまして、結局内容は、研究機関に従事する人の数、それから研究費、設備費、それから研究題目等について調査するものでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 その説明は、あなたが言った通りなんだ。ここに書いてあるから、私は時間がもったいないから全部言わないだけの話なんです。あなたに全部これを読んでもらうのなら、質問をいたさない。それで、とにかくこの全国に数々ある研究機関の実態を明らかにするというのに、三十万六千円でできるというのは、私は実に不思議に考える。これは、単に向うへ手紙を出して、紙一枚の報告書をもらって、それを集めるぐらいしか今日できない金ですよ。こういうところに、わが国の、学校教育は尊重するけれども、学問それ自体は尊重しないという欠陥が出てくるわけなんですね。ことに科学技術の関係は、もう長足に進歩をさせなければならない。だから、他のそれぞれの項目は何千万とか何百万とか、相当調査に金をかけております。しかし、それと比べれば数が少いのですから、それはそれほどにかけなくてもいいにいたしても、この生計費の調査などというのは、これは、だれにでもできるが、研究所を調査をするといえば、単に金だけで研究費というものを計算したって何の価値もありませんよ。それで、研究費といっても、それがいいかどうかということは、きのうきょう事務官になった人が行って見ても、とても説明などつくものではない。やはり相当の技官くらいが行かなければ話はできない。さっき、山田委員が通信関係のことをずいぶん詳しく述べられましたが、それと同じことがここに言えるわけであります。これで一体、ここに言うように、「研究機関の実態を明らかにし、科学技術行政の改善に資する基礎資料を得る」と、ご大そうな説明だが、こういうことができるのかということを聞いているのです。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) これは、三十万六千円は、大体文具費が八万円要ると、それから印刷製本が七万円余、それから印刷の送料が十五万円くらいありまして、三十万六千円を構成しているわけであります。それで、結局先ほど御指摘の通り、印刷物で聞いているわけであります、往復封緘も入れまして。そして紙でもって聞いて紙でもって報告する、その意味で、非常に精密ではない調査だと御理解願います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それで、どういうものでありましても、科学技術関係は、すべての場合に精密を要します。基礎調査であっても精密を要します。  そこで、やはりのちほどここで審議いたしますが、かようなものは、すべて科学技術庁に移管してしまって、そこで大きいワクの中でやった方が、予算の効率的な使用になると思います。これだけぽつんと総理本府に持ってきたというのは、こういうのは、統計調査全般としてやっておるので、ここに持ってきたにすぎないと、ところが、法文系の人は、ここで調査しても、さしたることはできはしません。ですから、この分だけは要するに科学技術庁の方へ移管して、科学技術庁の方でやってもらったものを総理府統計局が拝見する、こういう方がまことにしかるべき処置だと思いますが、こういう考え方についてどうお考えですか。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 御指摘の通り、もっと強力な、もっと精細な、ほんとうに科学的な費用をとるべきだと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それはそれでよろしい。  それから次は、日本学術会議でございますが、これは、言うまでもなく、学術会議法でやっておられる。一方これは、文部省の関係でございましょうが、日本学士院がある。学術会議の活動というものは、大まかながらわれわれも承知いたしておりますが、学界の長老が集まっておる学士院の方は、現在どういうことをやっておりますか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記を始めて。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それから、ほかの各委員がよろしければ、私は北海道開発庁のところへ移りたいのですが、ほかの委員各位に一つ聞いてみて下さい。(「どうぞ」と呼ぶ者あり)  実は、過日一般質問の際も、北海道開発庁の問題を伺おうと思いましたところが、持ち時間がなくなりまして、ついに伺えなかったわけであります。  問題は、この北海道開発庁の関係には、国庫債務負担行為があるわけです。国庫債務負担行為は、何しろ次年度以降に予算の額をきちんと縛る性質のものでありますから、もうこれは、一ぺんきまれば、翌年度も、これは審議するしないにかかわらずきまってしまう、こういう数字です。このことについて一つ、ぜひこまかく御説明をまず願いたいのです。篠津地区です。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 篠津地域の泥炭地の開発につきましては、昭和二十六年以来この地域の開発を進めておるのでございますが、その事業の概要を申し上げますと、石狩川の西南部の地域の約一万二千町歩の泥炭地の地域につきまして、高性能の機械を用いまして、国営の土地改良事業を行うものであります。まず、排水工事を行いまして、地下の有機質分の分解を促進しまして、ついで客土等を行なって、土地の状態をよくいたしまして、さらに開田とか用水の補助を行うものでございますが、この事業の総予算は約八十六億でございますが、一般会計の予算だけでは、遅々として事業が進捗いたしませんので、世界銀行から融資を受けまして、この地域の開発をできるだけ早く促進いたしたい、そういう趣旨から、世界銀行からの融資ということに相なったのでございます。世界銀行から融資を受けます場合、一昨年でございますか、できました農地開発機械公団というものが世銀からまず融資を受けまして、その融資によりまして外国機械を輸入いたしまして、この篠津地域の開発事業に必要な機械をその機械公団から借り受けまして、国営事業でございますので、北海道開発庁の支分部局でございます北海道開発局が主体となりまして、この地域の事業を営むわけでございます。それで、その輸入機械の賃借料というものを国から開発機械公団に毎年支払うことになりますが、世界銀行からの融資の契約の中に、この篠津地域に関する部分については、開発機械公団と国との賃貸借契約が成立した以後において効力を発生するという条項がございます。前後いたしましたが、世銀と開発機械公団との融資契約は、昨年の十二月の十九日だったと思いますが、一応成立はいたしておりますが、その局と開発機械公団との機械の賃貸借契約の成立を見るまでは効力は発生しないということになっておるのでございます。それで、国と開発機械公団との契約のうちに、期間は一応一年ということになっておりまして、これを期限の終了前にさらに更新する必要がございまして、もしこの契約が更新されないというような場合には、開発局はこの機械を機械公団から買い取るという規定がございます。こういった特殊の規定を含んだ機械賃貸借契約を成立させるためには、国庫債務負担行為の要求を必要とするというふうになったのでございます。なお公団は、機械の賃賃借料あるいは買収代金の一部によって、それぞれ世界銀行に対して借入金の年賦償還、または繰り上げ償還をやるのでございますが、その償還は、外貨をもって行うということになっておりますので、これが可能となりまするように、債務負担行為対象額の一部は、為替レートの変動に応じて増減するということにいたしております。そこで、この契約のために必要な債務負担行為は、昭和三十一年度の一般会計予算補正第二号によりまして、三月二十二日に成立いたしておりますが、さらに、昭和三十二年度の賃借料及び契約を更新しない場合の買い上げに要する費用としての買い入れ代金、さらに、昭和三十三年度において必要となります買い入れ代金を確保いたしますために、昭和三十二年度において国庫債務負担行為を行う必要があるということに相なりまして、御審議を願っておるような次第でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 あなた、この三十二年度の一般会計予算書の五十五ページを一つ見ていただきたいのです。この説明がまことにもって私から見ると舌足らず、これは、今御説明の機械を借りる場合と、買う場合と、二つに分れて書いておりますが、借りる場合は、借料年額三億二千四百三十万二千円と二千七十一万六千円、そのあと「借料を支払う日における」云々という、為替の関係のことを書かれておる。それから、片方の購入の方は、一億五千七百三十一万三千円と五億一千五百七十七万二千円、これにまた、購入代金を支払ら日における為替関係のことがそれについている。この二つでありますが、それぞれ幾ばく何々という書き方、これはどういうのですか。「と」の次の数字、その前の数字、これはどういうことなんですか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) お答えいたします。前段の、二千七十一万六千円でございますが、これは支払い利子と借料手数料でございまして、外貨でもってやるやつでございます。それから、借料年額の三億二千四百三十万二千円というのは、これは円貨支払いでいい分でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それならそう書いてなければ……。後段も同様に、購入代金云々という方も、一億五千七百三十一万三千円だけは円貨だけで購入資金に充てることができる、あとの五億一千五百七十七万二千円というものは、これは外貨で支払わなければならぬ、そこに、その次にずっと出てくる外国為替の変動によってこれは伸縮がある、こういうことですね。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 今お話の通りでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そういたしますと、為替相場の変動は別といたしまして、現在の為替相場とすれば、借りる場合は、国庫債務負担行為が三億四千五百一万八千円、そういうことですね。それから、購入する場合は、六億七千三百八万五千円、こういうことに承知していいですね、今の為替相場とすれば。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) さようでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そういたしますと、一方、今年度の予算は八億五千万円であります。昨年度は四億六千八百万円、今年度ふえたわけでありますが、このほかに、今の国庫債務負担行為がある。さらに、来年度以降この一般会計の予算というものは継続するものだと思いますが、一体この篠津地域泥炭地開発は、総額何十億円で終りますか。これを始めたときから順にさかのぼって……。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 総事業費八十六億五千万円でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そうしますと、これは何年度において終りますか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 今の計画では、三十六年度完成の見込みです。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そこで、これは若干一部でも、完成した状態に一部をやって、そうして必ずここへは入植できるというような、きちんとした試験は完了したのでございますか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 本計画につきましては、十分そういった点の調査はいたしておりまして、計画通りに完成するという十分の確信をもって事業を遂行いたしております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 同時に、これと似かよったことで根釧地区、これももうすでに、昨年度あたり、本委員会等でずいぶん取り上げられ、かつ農林水産委員会等でも取り上げました。この総事業費は幾らになりますか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 総事業費十五億でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 突如として別のことを伺いますが、文芸春秋四月号でありましたかに載っておりました、中谷教授の書かれた「北海道開発に消えた八百億円」というのが出ておった。学者の言うことでありますから、はったりもなく、全くその通り書かれたんだと思いますが、過去においては、実績が上ってなかったというのが結論でありますが、あのことはあの通りお認めになりますか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 考え方の中には、われわれの北海道の開発に携わっておる者といたしまして、十分耳を傾けなくてはならないという点もございますが、しかし、中には、北海道の開発の基本的な態度について、われわれと多少意見を異にしている点もございます。たとえば、御承知と思いますが、中谷教授の論文の根拠をなすものは、さきに発表いたされました、松永氏の主催しておられます産業計画会議というものがございますが、この会議の勧告がございます。この勧告文をもとにして、文春にああいった発表をされたものと考えるのでございます。それで、産業計画会議と文春上の中谷教授のあのお考えというものは、同じものと考えますが、たとえば、人口の問題にいたしましても、ほとんど北海道においては人口の収容がなかったのだというような意味のことも書いてございます。御承知のように、北海道におきましては、内地の府県と比べまして、自然増加率が非常に高いのでございますが、この自然増加だけであって、社会増がなかったというようなことも言っておられます。しかし、社会増加も若干ございまして、なおかつ、この北海道における自然増加というものをとどめ置いて、内地府県にそれが出ていかなかったということは、やはり開発の効果として認むべきものではないかというようにわれわれは考えておるのでございます。さらにまた、農業の点につきまして、北海道を一体的に畑地農業で農業経営を確立すべきであるというような御意見もございますが、北海道は、何分地域的にも広うございますし、やはりおのおのの地域に従っての農業の形態というものを考えていく必要があるのじゃないかというふうにもわれわれとしては考えておるのでございます。そういった点においては、中谷教授の論説には、今直ちに賛成を表し得ないというふうに考えております。その他いろいろ、あの論文に対する御意見を申し上げたいのでございますが、時間の都合もありますので、一応一、二の例を申し上げる次第でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私がさようなことを申したのは、何といたしましても、日本の現在は、人口の圧迫から少しでも解放されなければならない。その悩みがお互い政治に携わる者には、これは与、野党などということでなく、共通に、もう真剣に考えなければならないことだと思うのです。そこに実は国土縦貫鉄道なども、まあ予算上はなかなか無理であっても、これをやって、そうしてこの山地農業でも何でもやらなければならぬ、まあ私どもが賛成している理由は、さようなところにあるのであります。問題は、やっぱり実に都会の産業の発展というものが、かつて明治初年から今日に至るまでのように、年々郡部の人口を都市が二十何万人ずつも吸収していって、都会が膨張していく、そういうような工合には参らなくなっちゃった。それというのも、電力一つに例をとっても、一万五千キロも発電所があれば、大体昔ならば三十人くらい、このごろは、昔のような労働時間をするならば、その十倍の発電量であったって四人か五人で済むというようなことになってしまったわけなのです。いわゆる産業の発展が雇用の増大にならない。こういうところに一つの大きい問題が実はあるわけですね。それで、まあそういう話をしていると長くなりますから、端的にお聞きするのですが、北海道にすでに八百億費しまして、それによって農家戸数は一体ふえたのですか、ふえないのですか、どうなんですか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) これは調べは少し古うございますが、二十七年の農家戸数を申し上げますと、二十三万七千七百戸でございます。それが三十一年の七月になりまして、二十三万四千六百戸でございますから、約三千戸減少しております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そこが問題なんですよ。私がどうして人口で聞かずして、戸数で聞いたかと言いますと、農家の人口などでそこへ職業として吸収したということは、まことにあいまいでございまして、人口によってはそういうことはきめられない。なぜかというと、都会で半失業の状態になると農村に帰って、これがまあ半失業——潜在失業みたような形で、ただ農家にいるということになる。だからその際、今まで北海道なら北海道につぎ込んだ金によって戸数がふえたか、減ったか、ここが一つの目安になる。で、今お聞きした通り現実に盛んにつぎ込むようになってから、あべこべに減っちゃった。これは大きな問題なんですね。だからこの問題は、この問題だけできよう一日暮らしてもいいようなことですが、しかし、まあそうも参りません。そこでこの篠津と根釧、両方をあれして、ここに農家戸数はどのくらい戸数にして入れられますか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 根釧地区が六十九戸でございます。それから篠津……。間違えました。今のは初年度でございます。総数で二百八戸でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 総数で言って下さい。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 篠津地域は、主として増反でございまして、それからすでに入っております農家の畑を水田化するという事業内容でございますので、新規の入植というものは期待しておりません。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そこが問題なんですね。まあ各位もお聞きの通り、篠津地区では八十億以上の金をつぎ込む。そこで事実は人口吸収は少しもない。片方の根釧の方は十二億つぎ込んで、たった二百八戸だ、これはまあえらい数字なんですよ。簡単にわれわれが、まあ国費でつい忘れがちですけれども、こういうところに、全部中谷教授の言っておることがすべてそのまま正しいということは、私どももきめつけはいたしませんが、しかし大部分が正しいということは、ここからでも出てくるのだな。それならば工業に何とかして吸収した方がよほど実効が上りゃせぬか。そこであなたにお聞きしますが、農家については少くともこれは開拓地である。開拓地といえば、農家を入れるに大体概念的にきまっているようなものだが、ここを何か総合開発でも、工業でも設置して、そこで吸収する……。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) この地域でございますか。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 という計画でもございますか。この地域、二つの地域で……。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) ただいまのところ、そういった計画は持っておりません。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 いやいや、それは困るな、実際。これはあなた一人を責めるわけじゃないけれども、まことにまあこれは困った数字であります。両方で百億もつぎ込んで、ここに人口吸収は二百八戸に過ぎない。他の工業を導入して、そこへ吸収するという計画もちっともない。これは二百八戸くらいのところは、このごろはあれですよ、毎年々々逆に北海道の農家戸数は減っておりますから、ほかの地域では……。金をつぎ込んだ所は一時的にはふえる。しかし一方においては離植するものがおる。差し引きすれば、さっきお聞きしたように、三年間もたっておるうちには、逆に三千戸も減ってしまう。これもここで二百戸くらいあれしているうちにはまた三千戸くらい減って、差し引き二千何百戸というものが減るということになってしまう。そこに百億の金をつぎ込む。そこに私が先般本委員会におきまして、この問題を、時間がなくて質疑ができませんでしたけれども、北海道開発長官をお呼びしたのは、実にここにあるのです。結局国民のためにも、北海道地域の農民のためにも、何にもならない。それでまたその開拓に二百八戸の人が——入る人は別としても、それ以外の国民は、百億の——これは来年度以降であろうと、何でございましょうとも、結果においては国民の税金が使われる、こういう次第であります。それで、まあ不平ばかり言っていても審議が進みませんから、お聞きいたしますが、どだい北海道開発庁の予算は、全部ひっくるめまして、結局それぞれの項目に従って、各省各庁に移しかえをして施行すると、すべてのことを。こういうことでございましょう。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) お話の通りでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そうすると、一体それならば初めからこれは経済企画庁あたりで大まかな計画をやって、あとは各省各庁の所管に初めから予算を組んだ方が、はるかに私は経済的でもあるし効率もよろしいし、その本庁を東京に置くというむだも省けるし、すべて便宜だと、こう思いますが、そういうふうにお考えになりませんか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 御承知だと思いますが、北海道開発庁が設立されましたのが二十五年であります。北海道の開発を総合的に推進していくということのためにできた役所でございます。しからば今お話の通り、予算を一応開発庁の予算として計上して、それを各事業の所管官庁へ移しかえるということであれば、むだではないかというようなお話でございますけれども、総合開発をいたします上におきまして、北海道開発庁が中心となりまして各省の関係の事業を調整していくという必要のためには、やはり開発庁というものがございまして、各省の事業をにらみ合せてその間の調整をとって、それに見合う予算を開発庁で一本で計上していくということの方が、予算の使用の効率上からも、また総合開発を推進していく上から申しましても利点が多いというふうに考えております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 いや、それはそういう説明は見解の相違だが、そういう調節するという程度だったら、何も企画庁でやってもよろしいのであって、別段それは決定的な理由には私はならないと、こう思います。ただ、時間を取って、ほかの委員諸君にも迷惑ですから、それはそれだけにいたしまして、ところでこの開発という、その実績を上げるためには、何としても出先、現場、こういうところへ多く人を配置しなければ、机上プランに終ってしまって、開発それ自体というものは私はスムーズには進まないと、こう思いますが、北海道開発庁で直接この開発に携わる出先の人員、これはえらい人だって大いに出ていってもらわなくてはならぬと思うけれども、直接行って開発に携わる人員というのは何人おられるんですか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 概数でございますが、約七千名は仕事に従事しております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そういう話じゃないんです。それは東京で机へ向つたり何かしている人ではない。直接現場で、監督するにしても何でもよろしゅうございます。そういう直接開発の仕事、まあ電気の関係であちらと何であろうと、その人が何人おるかというんです。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 今申し上げましたのは、開発庁の開発局の定員を申し上げておるんでございますが、定員とそれから……。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 定員のことはここに書いてありますから、私も承知しているんですよ。その定員の配置が一体どこに重点が置かれておるか、開発という、ここに初めて国富を増大するということなんですね、それには直接仕事に携わらなければ開発できやしませんよ、幾らプランを作ったり、あるいはまた設計図を引いてみたって、それ自体では開発にならない。だから道路工事なら道路工事でもいい。それがくわを振るえとは言わない、役人ですから。しかし直接監督に当ってもよろしいが、そういう直接開発に当るという人は、この七千名のうちに何人いるかということは実に重要なことなんですよ。こういうことの答弁は用意して来てもらわないと実に困ると思う。これはおわかりでなかったらなかったでいいです、先へ進みますから、しょうがない。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 詳細な数字はすぐ調べまして御返事申し上げます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 この北海道開発庁のそれぞれの費目を見ますと、たとえば開発計画費あるいは河川等の事業費、砂防事業費、開拓事業費、今の篠津、根釧、あるいは土地改良事業費、まあずっと並べたら大した数が並んでいるんですが、北海道の耕地整備事業費、こういうようなところまで。これが一番直接関係の深いのは何といっても農業なんですよ、この項目をずっと見ていって、何といっても農業、で、これはなるほど耕地整備をやれば農業だけでなく、水利なんかよくなって多少工業の方へも影響するかしらぬ、道もきちんとしてこれも通る人もいいかもしらぬ、交通政策にもなるかもしらぬが、直接は、農業なんです。そうすると、この農業での吸収入口が、ほかのこういう土地改良なんかも含めまして、農業で幾ばくの人間が吸収できるのか、これがまず一つ。幾ばくの人間も、さっきの答えのように、吸収できないとすれば、個々の農家の経営が総体として豊かになる、こういうことがなければ、経済効果というものはないということになる、問題は。そこでそのいずれかで、今まで北海道の農家、何戸数かあるけれども、これが今日まで平均幾らぐらいの所得であったものが幾らに伸びる、こういうようなことがあれば、人口がふえなくても、そこでまあ国家的に見れば豊かになるのでありますから、うなずきますが、その点はどうなんです。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) ただいま詳細な資料を持ち合せておりませんので、はっきりしたことは申し上げかねますが、実は三十二年度以降に第二次五カ年計画に入るわけでございますが、第二次五カ年計画におきましては——この第二次五カ年計画はまだ確立はいたしておりませんが、近く確立するために、今せっかく最後の仕上げをしておる段階でございます。今の御質問に対する答えにならないかとも思いますが、農業生産額で申し上げますと、昭和二十九年を基準にいたしまして、昭和三十六年度におきまして約四割見当の生産額の増加を見込んでおります。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 四割といえばこれは大へん喜ばしい数字でありますが、しかしその四割がこの開発計画だけによって生ずる四割なのか、農業生産は、全般でどんどん伸びつつありますよ。いわゆる種子の選別の励行であるとか、あるいは内地におきましても電気温床であるとか、折衷温床であるとか、いろんな農業改良が行われまして、そうしてどんどん生産は、耕地はつぶれておるにもかかわらず、ふえておる。いわゆる単位生産量はふえております。そういうことは全国一般のことで、まるで別なんであって、この開発計画だけで、そういう他のものにわずらわされずして、幾ら伸びがあるか、ここが大切なんです。それが四割だと、こういうのですか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 開発計画のみではございませんで、その他農業技術の発展でのものを入れてでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そういうことをやっぱり本委員会等では、われわれ参議院においては実質審議ということをもう初めから目標にしておるのですから、そういうことを答えられるように用意してもらわなければ困りますよ。  そこで、今第二次計画とか云々ということを言われましたが、今作られておるプランと、それに第二次計画をプラスするというと、今後何年間で一応の北海道開発は終了することになりますか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 開発の、何と申しますか、目標の取り方によって毛違いまするが、農業、工業、これは第二次計画が終りましたあとも、さらに第三次の五カ年計画を作りまして、ますます開発を進めていかなくてはならないというふうに考えておりまして、北海道のみの開発だけではございませんで、将来北海道以外の産業というものもますます進んでいくはずでございますので、いつまでにこの開発を終るんだということについては、今から申し上げるのは適当ではないと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 困るね。北海道以外の開発もなんと言われたんじゃ、これはもう弱つちまう。とにかく北海道開発庁の予算が二百三十二億円でしょう、まあ大よそ。それで、これが三十六年まで続いたって年々この予算は若干の増減があればといったって、これはずっと続いていく。今日まで八百億を費した。そして三十六年までということになれば、概算これまた一千億と、こうなると思う。二千億近い金を、三十六年までを区切ってみたところで、つぎ込むんですね。もう質疑で明らかなように、とても農家なんぞは食える気づかいはない。幾らかそれぞれの農家が経営内容がよくなるという程度で、それでこの計画を推進していくからには、工業の方でも吸収はこれまたどこにも見るところはございませんよ。都市計画の事業に必要な経費などというのもありますけれども、これは生活環境がよくなるというだけなんで、生産の増強には直接は無関係、こういうことになってくると、何をとって、われわれはこれはまことに妥当なる予算だというので認めていっていいのか、納税者の立場に立った場合には、まことに疑問ばかしが残る。こういうことで——私ばかし時間を費しますから、いいかげんでやめたいと思いますけれども、どうなんですか。これはこういう効果があるということを、私の方の質問でなく、あなたの方からかくかくだと、私の今受け取っておるのを反駁するようなお答えをお聞きしたいんですが。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 相当膨大な予算を毎年つぎ込んでも、将来の工業の発展もそう期待できないというお話でございますが、すでに御承知かとも思いますが、二十七年以来、第一次五カ年計画に基いて開発を進めて参ったのでございます。この第一次五カ年計画は、産業の振興のための基礎になります各種の施設を整備するということに重点を置いて進んで参ったのでございます。しかし、第一次計画において予定いたしました目標には、遺憾ながら達しませんで、第一次計画を終ることになるわけでございますが、それで、第二次計画におきましては、産業の振興ということに力を注ぎまして、さらに第一次計画でやり終えなかった基礎施設の整備、道路とか港湾の修築、その他の公共事業の面におきましてもさらに推進していくということによって、産業が振興いたします基盤を漸次作っていくということでございます。さらに第二次計画におきましては、鉱工業の十分な発達を期待するために、実は昨年北海道開発公庫という投融資の政府関係の金融機関も作りまして、北海道の産業が必要といたしまする長期で低利の資金の供給をやらせるということにもいたしておるのでございます。それで、今後五カ年間における第二次計画におきましては、基礎施設の整備が充実いたしますと同時に、そういった金融的側面によりまする発達によりまして産業を大いに発展させるという目標を立てておるのでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 北海道開発公庫のことは私も大蔵委員でございますからよく承知しております。これをさらに東北までも事業を拡大するというので、本年度この国会にまた審議がかけられておる、こういう事情であります。しかし、これは民間の個人なり法人なりが自分の計画に基いて金を借りて利子を払うんでありますから、それは必ず産業の幾分かでも発展を見込まなければやれっこない。こういう金融措置の方があべこべに効果が上がる。それとは別個なんですよ。関連だといったってこれは一般会計で出していくんですから、それで今の質疑応答などを私は北海道民に聞かせれば、そんなことは、おれの方だってそんな……、何だ二千億もつぎ込んでもらって一向百姓が吸収されないというようなことだったら、要らないというだろうと思う。内容を知らないから、やはり自分の方へよけい予算がくるのはだれだって喜ぶけれども、中身に立ち至って検討した場合、別に効果がないというのならば、われわれの方はさような予算は要らない、国家でそういう金を計上するならば、その半分でも、十分の一でもいい、われわれの方へ大まかに補助金をくれた方がよっぽどいいという結果に、私はきっとなると思う。だから、私はどうもこの問題はなかなか納得できません。しかし、納得できないといったっていいかげんでやめなければならない。  それで、次に質問しますが、この中にはたとえば漁港施設の整備に必要な経費、こういうのもあるわけです。さらにまた、離島の漁港施設整備に必要な経費、こういうのもあるわけです。これは、便利になりますけれども、問題は、漁獲高をぐんとふやすという効果が一体あるのかどうか。今も日ソ漁業交渉妥結に立ち至ろうという形勢でありますけれども、しかし、これも相手がソ連のことですから、毎年毎年これは難航しながらやっていくよりほか仕方がない。北海道漁業の大きなものは、やっぱり北洋漁業なんだな。そっちの方が制限されておって、ちょっと漁港ぐらいを修築してみたところで、漁業それ自体の発展といいますか、漁獲高をふやすという効果というものは、私はないと思いますが、この面で経済効果は非常にあるという見積りですか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 漁港の修築につきましては、いろいろと各方面からも御意見が出ておるのでございます。実は、北海道の漁港は、小型船を収容する漁港が非常に多いのでございまして、ところが沿岸の漁族が漸次減りつつありますので、自然、漁師といたしましては、沖合の漁業へ移っていかなければならないようになります。そのためには、漁船も漸次型を大きくしていかなければならない。また、それに見合うところの漁港の施設も従ってやっていかなければならないということで、漁港の修築に今までかなりの予算をかけてやってきておるのでございます。北洋漁業の問題は、これはただいま先生のおっしゃった通りでございますが、しかし、北海道の沿岸の漁業を中心にして進んで参りました漁家におきましては、沿岸の漁族の減少に伴って、すぐにそれにかわるべき仕事としましては、少しでも沖合に出て魚をとるということで生業を立てていかざるを得ないのでございまして、その要請にこたえるためにも、現在の漁港の修築ということは、多少重点的な修築はしていかなくてはならないと思いますが、これを全然なくするということは適当ではないと思っております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 まことに消極的であって、私は不満足です。それで聞きますが、漁業関係に投資するのは、これも農家の場合と同じでありますが、漁民の世帯数をふやすことができるというのか、世帯数はふえないが経営内容はよくなるというんですか。また、その両方であるというんですか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 漁家をふやすということよりも、漁家の一人当りの漁獲高をふやしていくということにウエートを置くのが適当ではないかと考えます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それで、総体としてはどのくらいその面の経済の伸びはありますか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) ただいま考えておりますのは、二十九年度を基準にいたしまして、三十六年度におきまして、漁獲高で申しますと、約一割六分見当の生産の増を見込んでおります。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 もう一点だけでやめます、仕方がないから。幾春別川総合開発、これは、さっきの二つの私のあげました開拓事業と違って、これをやることによって、総合開発という名が付してある以上は、他の発電とかあるいは工業発展とか、こういう経済効果をねらっておると思いますが、その経済効果等をお示し願いたい。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 実は、この幾春別の事業は、三十一年度で終っておりますので、三十二年度には予算を計上してないのでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それなら、その実績。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 今手元に資料を持っておりませんので、すぐ取り寄せて、後刻御説明いたします。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 質問はもらいたしません。まことに、私から言えば不満足きわまりなしでございます。それで、これは実に大きな問題でございますから、先般も石井長官の出席を求めたわけでありますけれども、議事に協力する意味で、私は持ち時間を厳守して、それには言及いたさなかった。そこで私は申し上げておきますが、私どもの意見がかくかくあったということは、十分石井長官等にもお伝えいただいて、そうしてこれは効果のないものなら、この予算で通過いたすにいたしましても、明年度にたくさん剰余金を出しても一向差しつかえない。(「その通り」と呼ぶ者あり)われわれは納税者の立場に立って考えなければなりませんから、どう考えたってさしたる効果は過去にもないし、将来にも望みはない、こういうことでありますから、それならば、むしろ個人片々で融資を受けてやる——自家経営の向上、こういうことを目ざした方がいいので、そうすれば、資金を出したって、返ってくる資金ですから、北海道開発公庫をずっと充実するなり、あるいはこの十分の一のものを大まかなる補助金で特に北海道地区には与えるという法律でも作って、そういう方法をやった方がいいというのが私の考え方であります。私の所説に特段反撥する他の委員諸君があれば別ですけれども、質疑応答を通ずれば、どうしてもこの結論になると思いますので、このことは十分長官にお伝え置き願います。これだけ希望して、北海道問題は一応やめます。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) ちょっと速記をやめて。    〔速記中止]

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記を始めて。  天田委員の御質問のらち、北海道の機構と運営に関する直接の事業に携わる職員に対する回答は文書をもって天田委員のところに届けるということにいたしまして、答弁にかえることにいたします。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 時間がございませんから、一点だけ伺っておきたいのです。簡単にお尋ねいたしますが、今の天田委員の質疑において尽きているのですけれども、私がお伺いしたいのは、北海道は日本の人口問題の解決の土地として多額の国費を費やして、その重点は日本の過剰人口を何とか向うへ持っていって処理したいというのが一番の眼目だと思っているのです。そこでお伺いしたいのは、今内地から北海道の方にいわゆる移民を募集されることをやっていられるかどうか、その点だけでよろしゅうございます。またその点をどのくらい重視していられるか。また簡単にそれはごく名目上そういう気持でいられるのか、その点だけお答え願いたいと思います。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) いわゆる農業入植の人員でございますが、三十二年度の予算といたしましては約千四百戸の農家の入植を考慮しております。二十年以降三十年まで約四万戸の農家を入植さしております。

木村篤太郎自由民主党

○木村篤太郎君 四万戸を入植したといろのですか。

柏原益太郎北海道開発庁企画室主幹

○政府委員(柏原益太郎君) 二十年から三十年まで戸数として四万戸でございます。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 他に御発言はございませんか。——速記をとめて。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記を始めて。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私は時間をにらみ合せながら飛び飛びにやっているのですが、今度私は土地調整委員会の件を一つ質問いたしたいと思います。  この土地調整委員会というのは、名前からくる印象からして、案外なおざりに皆考えていると思います。失礼だけれども。私どもはこの委員の選任等で本院の議決を要する人事でございますために、実はこれを検討したことがございます。これは実に大へんな権限を持っている委員会でございまして、ここには簡単に書いてありますが、実に温泉でも何でもこの委員会によって指定が自由自在にできる。それから鉱業、採石業も同様でございます。鉱区禁止区域の指定一解除、こういう大へんな裁定を行いまして、この事柄に関する限り実に裁判の効果さえも持っているという筋であります。それで私はお聞きしますが、この三十一年度においてこの委員会がどことどこの問題をとり上げ、何を決定されたか、まずそれを伺いたいと存じます。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) まだ実は土地調整委員会関係のものは来ておりません。ことしの予算が大体昨年度の予算をほとんど踏襲しておりまして、従いましてことしで予定しております件数でもって昨年の仕事もわかるのじゃないかと思います。指定件数十二件、裁定件数二件、裁決三件というような予算が出ております。これは昨年の実績を踏襲しております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それは私のお聞きした答えにはなっておりません。昨年度どういうことをやられたかということを聞いておるのであって、それでこの委員会についても、私はその性格を自分の方から言うたんです。これは実に、鉱業、採石業またその場所によっては農業、林業、鉱区の禁止、地域の指定解除、こういうようなことでは裁判所の判決のような効果がある性質のものなんです。しかも事柄が事柄だけに、全部利権につながるといえばつながるものなんです。それは温泉などに参りましても、この委員会から来たということになれば、大へんな歓待なんですよ、事実。ここを通らなければ温泉だって何だって掘れやしませんよ。ここは禁止区域だといえば……。だからこの際私が聞いておきたいのは、昨年度どういうことをやられたか、実際に承わりたいのであります。来ておられなければ一つ呼んでいただきたい。それで、呼んでいただく間休むのでなく先に進みます。

土屋昇内閣総理大臣官房会計課長

○政府委員(土屋昇君) 直ちに呼びます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 次に、首都圏整備委員会の方に移ります。首都圏整備委員会は昨年度から見ますれば若干の予算の増加がございますが、その増加する原因はどういうところにございますか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) 三十二年度も同様新規増加はないんです。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 新規増加はないというが、この首都圏整備委員会なるものは、二十四国会においてこれはかつて首都建設委員会が改組いたしてかようになった。ですから、三十一年度に入ってからこうなった。それから予算額においてもさっぱりふえていない。ふえた分はおそらく給与の改訂だろうと私は推定いたします。そうすると、昨年度中は地域の指定やら何やら、そういうことはございましたが、目ぼしい事業というものをやっておらないのですよ、首都圏はこれは東京を中心といたしまして、千葉、茨城、群馬、栃木、埼玉、それから山梨から静岡の方まで包括しての大計画を立てるわけです。それが人員も同じなら、給与改訂はあるとしても、予算も別にふえていない、そうすると、昨年度の実績ぐらいしかやれない、こういうことになるのですが、さようですか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) 計画としましては、三十一年度におきましては整備計画の一部分をやっているので、三十二年度には整備計画の全貌が現われてくるように、今のところはなっております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 予算がふえないんだから、ふえた分は給与改訂くらいのものなんだから、まあ三十一年度で大したことをやれない。そうすると三十二年度も大したことはやれない、こういう結果になると思うのですが、そうではないんですか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) それは、三十一年度にはいろいろの準備がございまして、その整備計画の方も、一部分しか計画ができておりません。審議会におきましても、現在のところ五回しか開いておりません。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 これは私はまことに時宜に適した委員会を法律で制定しましたものと、そう思っております。ですから相沢事務官をしかるようなつもりではない。日本みたいに都市といえば全部無計画であって、ただ平らに伸びて行くにまかせる、こんなべらぼうはないんです。世界中どこへ行きましても、先進国であれば、もうみんなニュー・タウンは計画的な都市でございます。整然たる都市計画で、大都市に人口が集中するのを、これの分散をはかっている。まあロンドンあたりでも、周辺には十一のニュー・タウンを作っている。これは道路も何もかもみんな庭園、もしくは公園のごときでありまして、こういう生活環境の中だから、実際落ちついた仕事ができるし、文化的な生活が成り立って行くと、こう思っているので、私は大いにこの事業は推進しなければならぬと思う。そこで質問をしているのだけれども、計画が少し進むぐらいなことでは、さっぱりこれはやれやしませんよ。大いに私は激励の意味で言っているので、こんなことで一体いいんですか、どうなんですか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) 定員二十三名で、現在そのほか併任者を十七名、賃金支弁者を十三名、計五十二名で今、事務局を運営しているのでありますが、この定員の増加も、三十二年度においては要求いたしましたのでございますが、大蔵省においてこれを査定せられたような次第であります。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私はそれでは端的に聞きますが、いわゆる市街地、それから周辺地区であるとか、大まかな指定はもら終えたと思いますが、そのうちたとえ一カ所でもよろしい、新都市をここに作る、かくかくの計画であるというようなところの計画はできているのですか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) 市街地開発のなには、三十二年度においては、五カ所を大体予定しましたのでございますが、今のところは三カ所くらいを指定したい所存でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私のお聞きするのは、既存の都市をどうするというのではなくて、いわゆる計画的な都市、ニュー・タウンをここにこういう規模で作るという計画が出ておるかどうか聞いておるのです。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) それはまだはっきりしておりませんようでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そういうことでは質問を続けても仕方がありませんが、一方におきましては住宅公団等で柏団地なんというので、かなり大きな新都市がこつ然として現われておるわけですね。ああいうことは、やはり首都圏整備委員会の中の計画の一環として、これが横の連絡もとりつつやられるべきで、住宅公団の方は公団で好き勝手にやる、公営住宅の方はそれぞれの地方団体でこれまた好きな勝手なことをやる、首都圏の方は何か立ちおくれでもって、あとを追っかけるようにしてあとでやる。そういうことだから、日本の工業地帯、住宅地帯、商業地帯、こういうものは一部市の中であっても雑然とするし、それからそれを取り巻く衛星都市も同様のごちゃごちゃだ、大きなデパートと小さなデパートが、そこら中に散らばっておるような格好になつちゃって、せっかく首都圏整備委員会の意義がまるきり失われるということになるので、もっと私は、せめてここにはこういうものを作るぐらいの大まかな計画ぐらいは説明してもらいたい。これは質問してもしようがありませんから、希望だけしておきます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 今の首都圏の整備委員会の件ですね、これは創設して以来今日まで、具体的にはどういう仕事をしたか、おもなものを説明してもらいたいのですが……。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) ちょっと私全貌的なことをよく存じませんので、書類をもってあとでお答えいたしたいと思います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 現在この委員はどなたですか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) 常勤委員は次田大三郎先生と、西畑正倫先生でございます。非常勤委員としては島田孝一先生と工藤昭四郎先生——都民銀行の頭取でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 今羅列された委員の名前、常勤、非常勤とも技術家がいないじゃないですか、技術家はどなたですか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) 技術家は西畑正倫先生でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 西畑正倫先生だけ……。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) はあ。

山田節男日本社会党

○山田節男君 おそらくこの委員は国会で承認する大臣と同じような重大な人事でしょう。そういう人が委員になっておって、今日まで何ら、今あなたが即答ができないほど、何も仕事をしていないかということになる。何か報告書か何か……、あるいは東京都なり政府に対して、首都建設について、何かのアドヴァイスを与えるとか、そういうふうでなくちゃならぬと思う。天田委員が言われたように、全く郊外は無政府状態です。交通政策から見ても、あるいは住宅地にしても、あるいは中央のあれほど混雑している所これは池袋、新宿以外に、いわゆる新らしいタウンを持って、交通の緩和をはかる、これは根本的な問題であります。そういうことについて、どうも新聞で見ても、われわれ国会議員としても、何ら首都圏整備委員会の報告も聞いておらない、何かこう、一つや二つあるでしょう、何もしていないということですか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) それは交通問題、住宅問題、駐車場問題、いろいろやっておりますですが、その方の担当じゃないものでございますから、即答はできかねます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 委員会の年次報告書のようなものはあるのですね。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) それは首都圏整備法によりまして国会に報告するようになっております。なっておりますが、三十一年度はいろいろの関係でできないとのお話でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 少くとも国家の予算を計上して、その本来の仕事に対する成果を国会に報告できないというのはおかしいのだが、どういう事情ですか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) 整備計画がそれまでまだはっきりしておらないのじゃないかと私思うのでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 はっきりさせるための整備委員会ですからね、ですから、基本的に整備するプランを、最高権威の人がきめるので、政府あるいは東京都に対して、あるいは大蔵省も含めた政府当局に対して、勧告しなくちゃならぬわけでしょう、これだけの予算で……。そうすれば年次報告を法律に義務づけられているのですから、それができないということは、いろいろな事情でプランができないからということはおかしい。内閣のやはり委員会として、委員会独自の意見がなくちゃならぬ。実行する、しないは政府、地方自治団体の都合によるでしょう。けれども、委員会としたらば、これだけのスタッフをもってやるのですから、何かのものがなくちゃならぬ。どういう理由ですか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) それは報告することになっておりますから、報告はするような段取りにはしておりますですが、年度内にはできないので、あるいは四月になってからでも報告ができると思います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 だから何にも勧告するプランがないというのじゃなくて、ただ時期の問題だ、こういうことですか。

相沢汾首都圏整備委員会事務局(総理府事務官)

○説明員(相沢汾君) さようでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 これもお聞きの通り、もう少し答弁ができるようにして来てもらわないと困ります。  しかしまあその先に移ります。それで、今度は警察庁の関係をお聞きします。警察庁の人員は、一般職の職員が七千八百五十四人ということになっておりますが、この人数は三十一年度よりふえたのですか、減ったのですか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 一般職員は増員しておりません。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 次には、さっきも実は別のことで山田委員からも言われたわけでありますが、とにかくこの節は機構の充実ということは必ずしも人員をふやすということではもはやなくなってきた。ことに警察の方に機動力がなければ、このごろの社会にはとてもマッチはできない、こういうことになってきたと思うのです。たとえばまあ一般の農村でも自動二輪車くらいは乗り回す。ことに大都市近郊では、私の方の埼玉県などでは、ある部落では一戸一台の割合で今度はもう軽自動車を持つというようなことになっているわけです。犯罪捜査に当る警察の方は、まあ若干無線のついた自動車を持つ所もたまにはあるし、交通取締りの白バイくらいは持つようになりましたけれども、一般の場合は依然として自転車で間に合わしている。これは数は減らしたってそういう方を充実しなければ、私は今日の犯罪をなくするという道にはほど遠いと思うのですが、その方面の予算はどういうことになっておるのですか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 御質問の点、まことにごもっともでありまして、警察庁といたしましても機動力の強化ということを重点にいたしまして予算もいただくような案になっておるわけでありますが、大体車両の関係が四億数千万円ほどありますので、これはまあ大体は減耗補充用でございますが、減耗補充のほかにも、さらにただいまお話になりましたラジオ・カーとか、あるいは捜査用のジープであるとか、そういうようなものを充実さしていきたいと思っております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 次はこの警察官の教養、このことはしばしば問題になるのでございますが、今回の予算にこれが計上されております。今、主としてどういう教養科目を教授しているのですか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 警察官教養の重要なことは御指摘の通りでございまして、われわれといたしましてもこの点きわめて大事なこととしてやっておるわけでありますが、一般教養と学校教養に分けてやっております。一般教養といいますのは、各警察の本部であるとか、各警察署であるとか、そういう所で毎月教養目標を定めまして教養をやっておるわけでありますが、さらに学校におきましては、御承知かとも思いますが、各府県には警察学校があり、ブロック別には管区警察学校がある。さらに中央には警察大学というものがありまして、巡査の程度にありましては大体各府県の警察学校と管区警察学校を使ってやっておる。それから順次階級を追うに従いまして、管区警察学校あるいは警察大学というようなもので一般の再訓練をいたすと同時に、それぞれの専科の教養をやっておるわけであります。たとえば捜査の専科であるとか、鑑識専科であるとか、そういうふうに分けて、相当専門的な再教養をやっておる次第でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 教養に関連してですが、占領軍政下において、警官のパトロールを非常に重要視するというようなことで、パトロール警官用の、まあ東京都内ですが、電話施設をしたり、いろいろ設備はされたわけですが、近来どうもパトロールしている警官を見ることが少いのですが、これは警察庁としてはパトロール警官ということに対してはやはり重点を置いて訓練し、また人員等においてもそういう意図のもとに配置されておるのかどうか、この点お伺いしたい。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) パトロールは自動車を用いる。パトロールと、それから徒歩による。パトロールと二つあるわけでございます。自動車による。パトロールでございますが、この方はおかげざまをもちまして漸次充実いたしまして、全国で大体七百台余りになっておるかと思います。警視庁管下で申しますと、九十台ばかりになっておると思いますが、しかし、なおこの量というのは諸外国に比べますときわめて少いわけでありまして、ニューヨーク等では数千台を持っておるというのに比較いたしますというと、警視庁管下の九十台というのはきわめて微々たるものであると申さなければならぬわけであります。これも毎年若干ずつはふやしておるわけでありますが、予算等の関係上、なかなか増加が困難な状況になっておりますが、極力今後も充実して参りたいと思っております。徒歩の警察官は、あるいは先生方がごらんになりまして多少少くなつたというようなこともお感じになっておるかと思いますが、これは警察制度が再編成になりまして、警視庁におきましても数千名、全国的に申しますと二万人近い警察官が整理されましたので、多少そういう面が少くなったかとも思うのでありますが、しかしながら、なおこの点は防犯警察の第一線でありますので、ぜひともこの面を充実させて、ほかの面から削りましてもパトロール警察官は維持していきたい。このように考えておる次第でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これはパトロール警官は維持するという、そういう消極的なものではなくて、これは大いに拡張しなければならぬものだろうと思う。これは御承知だろうと思うのですけれども、これはもう今日に始まったことではない。欧米における警官制度、ポリス制度というものは、日本では昔から官僚主義、捜査主義あるいは情報を聞き取るというようなそういうものに使う伝統があったのですが、向うの警官は、特に都市においては、パトロール制に重点を置く。今あなたはそういうことを言っておられるが、たとえば東京の都内を見ても、人道を自転車へ乗って走るというのは、これはほとんど至る所で見るような状況である。中にはモーターサイクルでも走らせているというのを私は二、三度見たことがある。そういうようなこと。それからああいう人道上に店舗の商品といったようなものを、もう明らかに公道である街頭に出してあるわけです。それも実にむちゃくちゃです、東京都内において。他の都市は推して知るべし。それから商品以外のその店舗の付属の物も通行人にじゃまになるようにしてあっても、これはほったらかしてある。これは世界各国を歩いて見て、実に東京は雑然としていて、道路整備といちようなことも、環境衛生ということも全然考えてない都市のような感じがするわけです。それはどこに原因があるかといえば、やはりこの警官の任務というものは、単なる狭い意味の治安というのじゃなくて、いわゆる今日では一般公衆の公益と申しますか、公共の福祉といいますか、公共の利害というか、そういったようなものをいかに守り、いかに秩序づけるかということが今日の公安であり、秩序である。そういうものに対して、今日の警察庁は、やはり依然として明治、大正時代の警察の伝統といいますか、そういう残渣がいまだに残っておって、もうパトロール制の警官の活用ということが実に不十分なことにある。従って、たとえば交通規則の問題にしても、これは私自身が自動車運転の経験を長いこと持っておりますが、まあ日本の交通規則、ことに東京都の交通規則くらい、これは自分でドライブしておれば一番よくわかるんだけれども、実に不親切、ということは、規則を作る者が自動車を運転したことのない者が多い。これはもうだれしも自分で自動車を運転し、ことに外国の交通規則になれた者は、東京都ぐらい無政府的な、実に乱雑といいますか、そうして交通エチケットのない都市はない。これはやはり警察庁としても、そういうものに対する関心が薄いのじゃないかと、こう思うのですが、これは何としてもパトロール制というものが、パトロール警官の活動というものが……。たとえばわれわれ以前町内において防犯協会というものがあって、これは相当の会費を強制的に取られていた。そういう金は、むしろパトロールが発達し、普及しておれば、そういうものに出した方が効果的なんであります。何も民間人が防犯ということをやっても、やることのたかは知れたもので、だからパトロール制の警官を善用するということに対して、どうも警視庁は関心が薄いということは、これはむしろいかに有用に使うかということに対して認識がないからじゃないかと思う。これは私聞くところによると、日本の今日の警察の制度では、やはり犯罪捜査を主体にして、それでまあ成果をあげたものが昇進が早い。パトロール制の方になっておった人は出世が非常におそい。だから。パトロールの方に回る警官は、あまりいいのはいない。粒よりがいないというようなことを聞いたこともあるのですが、これは警察庁としては、そういう待遇上において、パトロール警官と犯罪捜査の方に回る警察官とは、そこに差別が実際行われておるのかどうか。この点をお伺いしたい。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 東京を例にとりまして、きわめて拝聴すべき御意見を伺ったわけでありますが、パトロールの点につきましては、戦後、特にアメリカの指導等もありまして、この点については、確かにまあ日本の警察の欠点であったと思うのでありますが、アメリカの指導等もございまして、相当に充実をして参ったつもりでございます。各府県、もちろん警視庁もそうでありますが、警邏課という、パトロール専門の所管の課も設けられまして、いろいろやっておるわけでありますが、何分にも限られた警察官でありまして、なかなか思うように参らない点はあるのであります。特に労働基準法に警察官も制約されまして、勤務時間等がきめられておりますので、なかなかこの要員というものを正確に計算して参りますと、莫大な警察官を必要とするということになりまして、思うように参らない点は残念なのでありますが、お説の点を十分考慮いたしまして、今後も充実していきたいと存じております。もちろん警らに当る警察官と、捜査その他に当る警察官と、差別待遇というようなことはやっておりませんので、優秀な警察官が警らの第一線に当るように、第一線におきましてはそれぞれ配慮をいたしておる次第でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 どうも警察庁として、たとえ労働基準法があるにしても、勤務時間中における警官の配置、それから警察官の活動というようなものに、実際において根本的な規格があるかもしれないけれども、非常に機動性を欠いて、むだな配置をしているのじゃないか。これは、たとえば皇太子殿下がある所へ出られるということになると、街上にほとんど五十メートル以内に一名ないし二名の警官を配置している。これは場合によっては私は必ずしもいけないというわけじゃない。それからちょうど私の住宅の裏に極東軍司令官の住宅があります。前の前田侯爵。これらなんかは、たとえばただいまでいえばレムニッツアー司令官が帰ってくる。その前後においては、警官をずっと配置している。これはやはり日米行政協定か何かで義務づけられているのかもしれませんけれども、やはりこういったようなことは、ある程度合理化してやれば、占領軍政下とは違うのですから、相当配置の仕方があるのじゃないか。  パトロール制のことに戻りますが、これは私このごろ街上をあまり歩きませんが、平素国会の休会中なんかに歩いてみて感ずることは、ほとんどパトロール制の警官が街上を見回っているというのを見たことがない。いわゆる外国における、ことに英国のパトロール巡査というものは、もう徒歩のパトロールが多い。そうして各戸ごとに夜でも回って、もしかぎがしてなかった場合には、ベルを押して注意するという親切がある。私も経験がありますが、たとえば街上の人道の所を歩きながらつばをした者を見たら、すぐそれを摘発するという、実にこまかい。やはり国民に、安全にして、しかも秩序のある生活をさせようということについて、非常にこまかい。いわゆる民主警察の建前でやっておりますからそういうことになる。今日、たとえば東京都内のどの町を見ても、ことに商店街へ行きますと、必ず人道の一割ないし二割くらいのものはもう使われておる。これなんかも、放っておくということは、これはもうパトロール警官がそういうことについての知識がないんじゃないか、だから心がまえの問題さえちゃんとしておれば、それは警官の教養として、そういうことにやはり気をつけるのが警官である。ただ歩いておりさえすればいいんだ、どなりつけさえすればいいんだというような、こういう警官は、今日は全く用をなさない。ですから警察庁全体から見て、どうもそういう方面に対する気がまえというものは薄弱といいますか、もうないような気がする。民主警察というものはそんなものじゃない。ことにこれは人間が利口になり、いろいろなものが工夫されれば、どろぼうが侵入するというようなことは、これは各自防御してやれば、そういうようなことの手数がはぶける。結局そういう意味においての取締り、あるいは都市においては今言ったようにいかに市民をして安全に、愉快に、安心して都市生活を楽しませるか、またいかにして利便を増すか、こういう方面に、いわゆる民衆に対するサービスという立場に立って、パトロールというものは、これはもう非常に活用すべき余地がある。しかしアメリカの占領軍政下のときは、アメリカ人に言われて相当やっておったけれども、独立してしまうというと昔の警察制度に帰ってしまって、最も国民生活、市民生活に重要な役割を持っておる。パトロールというものが、ないがしろにされる傾向があるというように私どもは見ざるを得ない。これは非常に遺憾なことであります。ですからパトロール制の警官を、今あなたは、決して昇給したり昇格したりするのにハンディキャップはないということをいわれますが、そういう差別はもちろんあってはならないのであります。むしろパトロールで、そういう陰で見えざる点に尽した者を昇給昇格せしめるようにすれば、勢いそういう担任の警官に対して奨励をするということになると思うんです。ですからパトロール制に対しては、もっとこう新しい民主警察を作るという意味で、ことに都市警察においてはもう少し関心を持って、有効に一つこの制度を運用してもらうように、強く私は要求します。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) お話の点は、今後の重要な参考資料として考えたいと思っております。ただ、この東京はほかの府県に比較いたしますと、警察官の数も非常に多いようでありますが、外国の大都市の人口に対する警察官の数と、たとえば東京における東京の人口と警察官の数、あるいは大阪における大阪市の人口と警察官の数、そういうものの比率は、非常に日本は低くなっておりまして、これはもうとても比較にならぬくらい少い次第でございます。こういう点もぜひ改善していきたいと思っておりますが、今後せいぜい努力いたしたいと思っております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 先ほど一般教養のことを伺いましたが、今度は警察官も今日の社会の進歩からして、科学技術の知識を身につけなければ、なかなか警官の職務を十分に遂行することは不可能だと思いますが、その方の教養はいかようにおやりになっておりますか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 警察官に対する科学的な教育、特に鑑識活動であるとか、あるいは捜査について必要ないろいろの科学的な知識、あるいは通信関係の知識、こういうものは特に重要視しまして、それぞれ各管区の警察学校に専科というものを設けまして、各府県からそこに再教養の警察官を入れまして、教養をいたしておる次第でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私はここで聞きたかったわけですが、私も通信であるとか、それから鑑識であるとか、こういう面は何にもまして大切であり、さらに科学捜査研究所というのもございますが、こういう機関を通じて知識を吸収することも大切だと思います。それで警察官を採用する場合に、そうしたことも考慮して適格者を採用するというのがしかるべき措置ではないかと思いますけれども、今のところは、どうも今のお答えのように、ただ普通警察官を採用するという手順を経て、結局その方に向ける警察官は再教育という形だけでやる、こういうことではどうも今の社会全体の進歩からすれば、私はどうも手おくれの気がしますが、その点いかがでございますか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 最近警察官の志望者、これが非常に多いのでございまして、最近の統計によりますと、五十人から百人くらいに一人の率で警察官の合格者がきまるわけでございます。高等学校卒業程度の知識を有する者の中からそれを選ぶわけでありまして、私は大体そういう程度で入ってくる警察官は、科学的な知識につきましても、相当高等学校その他で身につけてきておるのではないかと思うのでありますが、なお御趣旨の点は今後十分気をつけて参りたいと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私がなぜにかようなことを言うかというと、単に高等学校を出たから相当優秀だということは、今日は通用しなくなったのです。私どもが少年時では農村でいえば、中学へ行くのは一年に一人か二人、これはもう大かた優等生でなければ合格なんかいたしません。それで今みたいに定員外入学なんということも制度的にない。私立ならばいずれにせよ、官公立ならばこれは実に厳然たるものがあったのです。裏口入学なんというものはありっこない。いわゆる中学へ入ったこと自体でも秀才でどだい通ったのです。この節は、ある村へ行けば、たった二人を残して全部進学するという状態です。二人なんというのが残るというのは、幾らやったって入れっこないのです。決して高等学校などは秀才でもなければ、大学だって秀才でも何でもない。だから素質的にすぐれておったり、素質的に科学知識に向くということは、もはや今日では通用いたしません。だから試験の際に、やはり別途の考慮を払い、数学であるとか物理化学というようなものにかなりウエートを置く部面と、そうでない部面と分けてでも採用しなければ、なかなか私は今日の社会の進運に沿わないのじゃないか、こう思いますが、それで、お聞きしますが、試験のときには数学やら物理化学やらというものを課したり、それを課すにしても重く見るということをやっておるのですか、どうなんですか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 大体人事院の試験の例にならいまして、各府県に設けられておりまする各府県の人事委員会と私の方と共同で、いろいろ試験科目なり、あるいは試験問題なりを作ってやっておるわけでありますが、もちろん数学等は入っております。ただ理化学に特にウエートを置いて、比重を多くして採っておるかどうかということになりますと、私も今お答えできませんが、よくこの点は御趣旨を尊重いたしまして、検討してみたいと思っております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 警察関係は、私はそれでよろしゅうございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 それでは私は連続して警察関係をちょっと質問したいと思いますが、通信関係のだれか専任者来ておりますか。官房長でわかりますか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 技術者ですか。——通信部の総務課長、事務官ですが、技術者でありませんが、参っております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 それはわかる程度でいいです。警察庁の通信ですが、この職能からいって、通信は最も重要視しなければならぬところでありまして、明年度の予算を見ても、警察電話の専用料を入れますと十八億ばかり金を使っておるようになっておりますが、そこで警察電話、有線の方はこれは私は今とやかく質問いたしませんが、通信の無線関係です。ここに無線の超短波関係維持費として二億八千二百余万円が計上してあるわけですが、これは国家警察、国警としてマイクロウェーブ、極超短波の中継所を持っておられますが、どうでしょうね、現在この点、予算から見ると、警察電話専用料が九億何ぼになっておりますが、この警察で連絡、犯罪の捜査その他等によって発信し受信する通信ですね、無線と有線とでどのくらいの比重があるか、パーセンテージを、もし言えれば、お聞きしたい。

今竹義一警察庁通信部通信総務課長

○説明員(今竹義一君) ただいまの御質問でございますが、無線の系統と申しましても、警察でございますのは短波電信と超短波無線電話、この二つがございます。短波電信及び超短波無線電話は、これは周波数の数によって制限され、周波数が一つしかございませんと一回線、電話の一回線というふうな計算になるのであります。従って、電話で申しますと、針金を通っていくものですから、針金の数だけ回線数が多い。ところが、超短波無線電信だと、周波数が必ずしも潤沢でありませんので、通話を、同時疎通量の問題で申しますと圧倒的に有線電話でございます。全通話量の八〇%とか九〇%までは電話によるものであると、こういうふうにわれわれ考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは今日の通信科学といいますか、技術といいますか、進歩によって、むしろ有線より無線の方が迅速であり安全であるとし、秘密の保護ができる。有線はなかなかむずかしいけれども、無線ならば全然他にわからぬというような方法があるわけだ。ですから、全般的に見ると、将来通信は、ことに警察機能を発揮するためには、有線はむしろ補助的なものである。無線をむしろ今後補強すべきである。これは申すまでもなく、ここに超短波といっておりますが、これは技術的な言葉になりますが、VHF、極超短波すなわちUHF、あるいは中波と、こういう区別があるわけです。それで、現在この警察がどの周波数を超短波に使っているか知りませんが、少くとも全土にわたって超短波の無線通信施設をするということになれば、やはり今日のテレビジョンで使う超短波の周波数帯というものを使わなければならない、現に使っているだろうと思う。けれども、これは御承知のように、テレビジョンのチャンネルの問題で、現政府は非常にこのテレビジョン放送に割り当てるチャンネルを充実していくということにしている。昨年の一月の末に村上郵政大臣、すなわち鳩山内閣で作ったところのテレビ・チャンネルというものは、六つの波しか与えない。ところが今回ざらに五つを増して、現駐留軍が使っている非常にいい波、並びに国家公益の通信業務に使っている周波数を規制してまでテレビジョンに割り当てようということになっているわけです。これは申すまでもなく、周波数帯のバンドというものは有限のものであって、無限のものではない。しかもいいところはそういう商業放送、これは生産的でないとはいえませんけれども、しかし、他に重要な使う面があるとすれば、僕はその方を優先的に考慮すべきじゃないか、かように考えているわけです。そこで、こういうもうすでに短波のいろいろ種類がありますが、超短波においてはいよいよ住宅難に陥らんとしている。警察としては最も重要な職能を果さなければならぬ立場として、一番有利な周波数を獲得するということが……、むしろあなたは先見の明があると思う。ところが、逆に超短波は商業放送のテレビに使うということを、政府がそういうことを考えている。ところが、それがなくなれば、その上に極超短波、マイクロウェーブということになる。これは超短波に比べますと到達距離というのが非常に近距離、距離が短いわけですね。しかしながら、これはまた使いようによればもっと、こまかいことになりますが、いわゆるスキャッターといって、非常に波を細くして強くやれば、五百キロないし千キロも行く、ですから、日本のように非常に山があって、電話の施設——有線であれば金も相当かかる。ところがいわゆる無人中継というものが今日では完全にできるのでありますから、そういうようなものを使用すれば——将来の警察の通信は無線ということに対してまず重点を置くというような一つの画期的なこれは考えを、計画を、警察で持たなければならぬと思います。そこで、今ここに出ている明年度の超短波関係維持費の二億八千万円というこの維持費というものは、どういう方面に使っているんですか。

今竹義一警察庁通信部通信総務課長

○説明員(今竹義一君) お答え申し上げます。警察におきましてのこの無線の関係を大体概略御説明申し上げますと、短波電信の関係が各府県警察本部にまで相互に連絡できることになっております。それから今お話のありました超短波無線の関係でありますが、これはFMの方式のものがいわゆるパトロール・カーでございまして、この点は大都市では百五十メガ帯それから普通の府県では三十メガ帯の周波数の割当を受けまして、必ずしも三十メガ帯といいましても全部同一ではないのでありまして、各府県ごとに違うわけです。相互混信を避けまして、各府県の警察ごとに超短波移動局としてFMの名前でやっているのがパトロール・カーでございます。それからただいまお話のありました超短波多重あるいは極超短波多重の関係でありますが、これは有線回線にかわるものとして、現在警察でございますのが東京から大阪、広島、福岡まで極超短波多重の電話回線が延びておりまして、これは電々公社から借りております専用線と共用して電話として使用しており、ここに計上してありますいわゆる超短波の維持費でございますが、これは全国にありますFM百五十メガ及び三十メガの固定局及び移動局の維持費でございます。それから東京、大阪、広島、福岡と延びております超短波多重回線の維持費、この両方が計上してあるわけでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 今私がまあ希望を述べたような、この警察の通信の将来の重点をどういう方面に置くかということについて、これは私はもう無線でいくべし、ことに御承知のように、もう有線のテレックスよりも無線のテレックスというものがむしろ非常に効果的であるということは、西ドイツで電話のわかりにテレックスを使う、それが留守の間でもちゃんとレコードに残るというようなことで、ことに警察関係では正確を期するということになれば、やはりこの無線のテレックス、テレファックス、こういったものを、これは現に西ドイツではこれが非常に——あそこの国情もありますが、終戦後有線が全部破壊されたものですから、そういう点からもやむなく無線化してきた、ことに、私は警察の電話を専門に見たわけではありませんが、民間の電話も全部無線化している、従って、警察の電話におきましても、これはもうほとんど何かとてもお話にならぬほど向らでは無線が今電話に利用されているわけであります。ですから、今後の予算の計上においても、私はこれを見ると、今説明されたように、警察電話の専用料は約十億円というものを使っている、これは今日の通信科学からいっては逆なんであります、逆になっている、これを見ますと。建設勘定として計上されたような無線関係の施設費というものはどのくらいあるんですか、どこに含まっているか、この項目で説明できれば御説明願いたいと思います。

今竹義一警察庁通信部通信総務課長

○説明員(今竹義一君) ちょっとその項目が……。

山田節男日本社会党

○山田節男君 警察通信新設費というのがありますね。

今竹義一警察庁通信部通信総務課長

○説明員(今竹義一君) 百六十四ページの所に二億六千五百十七万九千円ございます。ただいま先生からお話のありました点、警察についても全く同感でございまして、できるかぎりそういう線で進みたいと、こう念願しておる次第でございます。ただ、警察の電話線は御承知の通り、警察庁から各府県警察へ行く、あるいは各府県警察相互を結ぶという回線はかなり、十回線とか二十回線とかいうふうに、束になるわけでございますが、各府県警察から警察署へ行く、あるいは警察署から派出署、駐在所へ行くという回線は束にならないわけです。まあ警察署でも重要な警察署には五回線とか六回線とかいうふうに束になりますが、大多数の警察署は一回線とか二回線というふうに、ちょうど放射線状に出るものですから、どうしても県本部から警察署へ行く関係においては電々公社の専用線のお世話になる。警察庁から各府県警察へ、あるいは各府県警察相互を結ぶというようなものについては、ただいま先生のお話のありましたように今後できる限り努力して超短波あるいは極超短波多重で補強していくと申しますか、またそれを主にしていきたいというふうに考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 この極超短波のいわゆるマイクロウェーブの中継は、これは私箱根の二子山でも特定のマイクロウェーブの中継所を見たことがあるように思うのですが、やはり日本電々公社のマイクロウェーブを使うが、同時に警察庁の、昔の国警のマイクロウエーブ施設があるでしょう、どことどこにあるのか。

今竹義一警察庁通信部通信総務課長

○説明員(今竹義一君) これはもともと実はマイクロウェーブあるいは超短波多重の中継所という考えでなくて、最初は各府県ごとにFMの超短波の固定局及び移動局があるわけです。固定局は県本部と警察署にある、移動局は御承知の通りの車でございます。FMの超短波の行動半径を広くするためには、県内のやはり高い所に中継所を作る、こういう形で昭和二十四年から発足したのでございますが、その後、ただいま先生のお話もありましたように、とにかく有線回線というのは脆弱でまさかのときに困る、超短波多重を通すことを計画しなければならない、そうするとちょうどFMの中継所を結んでいけば、簡単に機械を置くだけで回線が張れるという結論に達した。ですから警察庁の超短波多重の中継所というのは、同時に各県ごとの超短波FM、三十メガ、あるいは百五十メガの中継所と兼ねて、両方一緒にやっておるわけであります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 無線通信の周波数ですが、今の警察庁が、全国的に見て、使っておるものを総括的にいいまして、この中波とそれからVHF、UHF、この周波数の比率はどのくらいになっておりますか。

今竹義一警察庁通信部通信総務課長

○説明員(今竹義一君) UHFはまだございません。VHFで、比率と申しますとむずかしいのですが、警視庁とか大阪、横浜というような六大都市には百五十メガを使いまして、それ以外の全国各府県は全部三十メガです。それから超短波多重は、現在九州まで行っておりますのは八十メガです。そのほかに短波と申しますか、短波電信があるわけでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 その傾向とすれば通信は、ことにこの声ということを中心にすれば、FMがいいのはわかっております。ですから傾向としたらばFMに行くのがこれは私は当然だろうと思う。現在このFMとAMと、AMも使っておりますか。

今竹義一警察庁通信部通信総務課長

○説明員(今竹義一君) FMだけです。

山田節男日本社会党

○山田節男君 電信関係だけはAMですね。これは警察庁として郵政省の電波監理局に対して、この国の治安をつかさどる所として、やっぱり最も有利な波、有利な周波数帯をこれは請求するのが当りまえだと思うのですがね。従来電波監理局が警察の無線通信に対して、相当、何と申しますか、便宜をはかっておるかどうか、便宜ということは、要するに、警察の通信の重要性からかんがみて、努めて優先していい波を与えるというようなことをしてくれておるかどうか。もう一つは、テレビジョンのチャンネルの割当が非常にふえている、これに対して猛烈な競争が今行われておるのですが、それがために警察に関するこの超短波無線設備のために使っておる周波数帯を犠牲にされるというような憂いはないか、一応警察庁としての経過なりを承わりたいと思います。

今竹義一警察庁通信部通信総務課長

○説明員(今竹義一君) 電波監理局と警察庁との間は非常に円満にいっておりまして、また国際的に貴重な価値を持つ電波でございますが、警察についてはできるだけのことはしていただいておるというふうにわれわれ考えております。それからテレビのチャンネル・プランに関連して、警察の波がどうなるかという御質問でございますが、この点についてもそういうことはございません。

山田節男日本社会党

○山田節男君 今問題になっているVHF超短波の周波数に対して、現在たとえば高周波通信として使っておるようなものもこれを犠牲にして、商業放送であるテレビに使おうというような危険性があるわけです。だから警察としたらば、そういう割当方針の根本的な基本方針を実行するということになれば、警察としたらばやはりこの周波数帯に対して関心を持たなくてはならない、そこに今の警察通信の有線より無線へ、これはまだ無限に発達するものと見なければいかぬ、VHFが使えなければUHFに開拓して行く、これは当然の勢いです。ですから、今この超短波の周波数帯がなくなってしまえば、UHFに今後移行して行くが、あまり混雑して行かないうちに警察でいい帯をとって行くという遠大な計画を作っておかなければいかぬ。ことに今日、日本の——不幸にしてこういうものに対して非常な営利主義というか、一種の利権扱いにされる傾向が非常に強い、——必要に迫られる警察としてては、将来そういう方面に早くプランを立てて、国家の要求という意味において、優先的な割当を受けるというだけのことをしなければならぬわけです。一ぺん割当てられてしまうと、免許でありますから、これはなかなか剥奪することができない。ですからそういう点につきましては、警察庁が、ことに通信関係の主管者として、この技術の日々進歩してやまないこういう方面について、警察の機能を発揮する上においてもまあ必要だと思う、ほんとうの根幹になってくると思う。それにしてはどうもこの電話料が約十億に対して、無線関係が、ことに新設関係を見ても、一億数千万円しか出てないという状態です。これはどうもこの数字だけを見たのでは、少し警察のこういう方面に対する関心が足りないのじゃなくて、大蔵省なら大蔵省が、そういうことを押えているのかどうか。押えているとすれば、非常に危険なことだと思って、当事者に質問したわけです。ですから、とにかく重ねて要望しますが、警察通信は、無線通信の新しい分野に向って、極力進歩した技術をこれに取り入れるという建前において、警察の機動力の敏速と確実さを、これを補強できるように、特にこれは私希望しておきます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私さっき警察関係は一応伺いましたが、ただ、一点だけこの際お尋ねしておきますが、戦後衛生関係は保健所の所轄に移りまして、主として警察は犯罪関係と道路交通の関係、これが大きな仕事になってきたと思います。それで、道路をこの露店やら何やらに使用させるということは、今でも警察の認可ですか。それとも黙認ということなんですか。どちらなのですか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 道路の不法占有という問題は、各地で実際問題としてあるようでございますが、これは戦後のどさくさまぎれに相当事実行為としてやっておるものが多いようでありまして、警察といたしましては、それぞれの府県庁と協力いたしまして、漸次これが是正に努めておる次第でございます。なかなか実際問題といたしますとむずかしい問題でございますが、極力道路の確保という点に意を用いている次第でございますが、道路の占有といいますか、道路の使用というようなものは、都知事、あるいは府県知事の権限事項でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そうすると、なんですか、ある道路に対して、その道路は府県知事の権限だ、府県知事がその道路をだれだれに占有させるなり、使用させるなりということを許可すると、それはそれだけ狭まった範囲の道路の交通しか警察は干渉はできない。タッチできない。こういうことですか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 私の説明が足りませんでしたけれども、一時使用の点につきましては、警察が許可しておる。それから長期にわたるものは両方の許可を得るということになっております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 戦前承私はこの関係ぐらい不思議なものはないと思っておりますが、昔もよく京橋の署長などは、銀座の露店の問題で、人情署長なんという大へん美談のごとく新聞等でも取り上げられたことは数々ある。ところが、ああいう零細な商売をしなければ生きられないという人に対する同情というものと、まるっきり天下の公道を一警察署長が自由にこれを使用せしめるということなんということは、まるで別の問題でなければならない。そういう零細な商業者を助けるということは別途考えるべきであって、警察の署長がせっかく国民の税金で道路は広げたわ、広げた部分は全部一部の人に使われる。広げた意義なんというのはざらにない。こういうようなことで、戦前はお涙ちょうだい式に、安易な同情に訴えるので、まことこれは不当な行為をやっておるにかかわらず、美談のように扱われている。ところがあなたの立場からすれば、戦後のどさくさなんていうことで、天から雨が降るごとく、自然にできちゃってどうにもならぬというような答えしかできないと思いますけれども、戦後みんなそうです、私の知る限りでは道路を広げた所が多い。道路を広げるというのは、今の交通量が多くって、しかも自動車の時代になって、今までの昔の中仙道だとか、東海道、それぞれ昔の道路というのは荷駄をつけたのがすれかわりができれば道路だった。それが、そんなことでは間に合わなくなって、おそろしく広げる。広げておいて一部の占有に帰する、一時占有という言葉をあなたおっしゃいましたが、一時使用だから警察が許す。だから、一時使用だからずっと占有するのではないということで、車がくっついている。この車たるや動かない車なんだ。一体何のために警察があるのかわからなくなってしまう。あなたが地方に行ってでも、少し見なければならぬけれども、それを知らないというのじゃ、これはお話にならぬのですがね。どうなんですか。地方の警察はこれをやっておるとすれば、警察本部でその点は指導すべきであろうと思いますが、いかがですか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) 確かに自動車交通の頻繁になるに従いまして、道路の面が狭くなっておりますし、警察の方で一時使用を許可する場合には、交通上支障がないと認める限度においてやるように、極力抑制の方針でやっておる次第でありまして、なお土地によりましては、不十分な点もあろうかと思いますが、その点は是正して参りたいと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 つまりこれは交通に支障がないと言ったって、占有があれば仕方がないから、それだけよけて通るほかない、自動車だって。だから支障がないといえばない、しかし、はっきりしておる問題は、道路を拡張したということは、もとでは足らないから広げた、そこに何ぴとといえども占有を許さない理由があると思う、でなければ広げる必要がありませんから。だから、私は少くとも新しい道路については断じてさような一時使用とか何とか許すべからず、こらやって然るべきじゃと私は思う、この点いかがですか。

坂井時忠警察庁長官官房長

○政府委員(坂井時忠君) たとえば一時使用と申しますのは、夜お祭りがあって夜店を出したい、こういうときに、土地の人情風俗等もありまして、許すということもあると思うのであります。御指摘のような一時的といいながら相当の長期間車の輪のない屋台を置くということは、これはいかぬと思いますので、今後も注意したいと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私はいわゆる通称テキ屋がタカマチと称するお祭などの点までやかましく言うのでございません、これは一日か二日のあれですから。しかし、さっきからしつこく言っておるのは、道路を国民の税金をもって広げるというのは、それだけ必要があって広げるのですね、それを一部の人が占有するなら、それは初めから広げない方がいい、こう言うのです。ところがそれを、道路でありますから一時使用という名目でこれを許可する、一時という名目なるがゆえに車をつける。この車が動かぬ、地方の土地へ行ってごらんなさい、車なんか土の中へ埋まって全然動かない、これは警察とテキ屋の親方となれ合いと言われても仕方ないのですよ。新道路、道路を新しく広げたということは、広げるだけの交通量があるという認定から広げるんですからね。それが相手がどういう立場の人であっても、国民全般の税金でできたものを、一部の占有に許すということは、何としても私は許しがたい行為そういうことが逆に美談だなんというものの考え方というものは、日本人の頭の中から消さなければならぬという考えで、あなた方の方から、さような道路についてはもうどういう理由があっても許可すべからず、こういう指導をしてもらいたい、こういうことをまあ申し上げるわけです。以上要望しておきます。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記を始めて。

山田節男日本社会党

○山田節男君 この公正取引委員会ですが、この経常予算を見ると、来年度は一億百八十四万五千円になっておるのですが、私まあ公正取引委員会の活動の仕事をよく知らないから、多少的はずれの費問になるかもしらんけれども、これは一つ御容赦を願いたいと思います。まあ大体建前から言えば、公正取引委員会は一つの司法的な機能を持ったものだ、これは私そう思うのですね、これはまあ予算を見てすぐ気の付くことは、これはほとんど人件費である、これは当然なことなんです。しかしこの公正取引、いわゆる独占禁止ということについては相当な調査あるいは出張をして実地を調べるとか、こういうことが多いことは当然だと思うのですが、この予算を見ると、それらしく見えるものは一般会計歳出予算各項明細書、これの二十二ページにあるやつですが、右の方のページの8の職員旅費ですね、これが三百三十七万一千円、これだけが今公正取引委員会の活動の部面のように見えるのですが、それにしてはあまりに全体に見て、一億円余の中では少な過ぎるじゃないか、これは私は何か事情があると思うが、公正取引委員の独占禁止ということに対する査察というか、監査というか、調査というか、そういうものを一体どういう工合にしてやっておられるか、この点をまずお聞きしたいと思います。

坂根哲夫公正取引委員会事務局長

○政府委員(坂根哲夫君) ただいまの御指摘の点でございますが、なるほど先生のおっしゃいますように、職員旅費三百三十七万一千円というのは少いようでございますが、しかし私どもの過去、大体職員旅費は標準予算によってやっておりまして、私どもとしては、先生のおっしゃいましたように、なるべく多く出ましてやった方がいいのでありますが、ただ私どもの仕事といたしましては、出張だけでなくて、局内におりまして十分調査し得る余地も残されておりますから、あるいは先生は仕事の内容を御存じかと思いますが、申し上げますと、私どもの仕事の、法律におきまして届出及び認可を要する事項がございますが、こういう件数がかなりございます。たとえば株式所有報告、これは会社から株式の所有報告をとりまして、会社の株式持ち合いその他の点から法律上の調査を試みるわけでありますが、こういうものが三十一年度にも約三千件という届出があります。こまかく申し上げますと、まだありますが、まあ大きい届出の件数はそうです。それから御承知のように、独占禁止法に、ほかの法律から適用除外法規を行なっておる法律がたくさんございます。中小企業安定法の問題であるとか、輸出入取引法の問題であるとか、あるいは酒税保全の問題であるとか、あるいは昨年の国会で出ておりました繊維工業設備臨時措置法の問題であるとか、こういうような問題で各省が認可されます場合に、私どもの公正取引委員会の同意もしくは協議を要するわけでありますが、そういう際には、やはり書面審査あるいはそれに伴う同意をしますためには、かなりいろいろな人に来ていただきまして十分調査をいたします。たとえば輸出入取引法関係の協議事項は、三十一年度に約百十件、それから安定法の調整規定の同意、協議は百五件というように、かなりの数に上りまして、これはいずれも書面で各省からわれわれに照会があって、同時に私どもは独禁法の観点から、この申請されている行為が独禁法から許されるかどうかということを詳細に検討するわけでありますが、もちろんその際にも出張は望ましいのでありますが、まあ今までのところこれで十分やって行っておるわけであります。その他かなり、たとえば法律で規定をしております公正取引法の調査というようなものも、大体まあ私どもの方の役所でかなりまかなえる部面があるわけでありまして、まあそのまかなえない部面を職員旅費でやっておると、こういう工合に御了解願いたいと思います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは私は独禁法の詳細な資料を持っているわけじゃないのですから、あれですが、この独禁法というきわめて概念的な法律解釈から、まあ常識で言えば、たとえば取引の方から言えば、これはまあ大資本家、大産業資本家、こういうものには非常に目がつけやすいし、また一般の世論もそういうものには非難攻撃をして、所在が割合にわかりやすい。しかし日本のような中小工業のところでは、やはりあなたのところで監査と言いますか、監督すべきものが相当多いのじゃないかという、これはきわめて常識的な推察ですけれども、しかし一、二そういうようなことを私自身も経験しているわけです。これは片一方じゃ独禁法というものを知らない。知らないからやらないのがある。知っていても、やればめんどくさいだろうというようなことで、ほっておくというようなことになって、事実あなたのところでは目の届かない、またこの法の解釈で言えば、当然取り上げなくちゃならぬような問題が相当潜在するのじゃないかという気がするのですね。ですから、ただ書面検査であるとか、あるいは事務局におって認可を届けてきた、要求してきたものだけを審査をするというのでは少し足りないのじゃないか。公正取引委員会の機能をフルに発揮するには、やはり街上に出るということが必要なんじゃないか、やはり公正取引委員会の査察的な機能というものを発揮されるべきじゃないかと、かように私は考えるわけです。ですから、そういうような見地からして、この公正取引委員会が届出を待たないで、みずからの手でそういうものを摘発と言いますか、そういう乗り出して解決をしたかというような例があるかどうか、この点一つお聞きしたい。

坂根哲夫公正取引委員会事務局長

○政府委員(坂根哲夫君) それは、私たちの仕事は今申し上げたように、出張調査その他でありますが、出張調査の動機となるというのは、何も申告とか、申し出ではなくして、やはり平素私どものところにいろいろ入っておりまする新聞その他雑誌で見まして、そこに一つ独占禁止法上問題になる点があれば、こちらは積極的に人を派遣して研究さしておる、こういう実情でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 この公正取引委員会が創設されて以来、この独禁法の違反として認められたもの、またそれによって是正した件数が幾らくらいありますか。

坂根哲夫公正取引委員会事務局長

○政府委員(坂根哲夫君) その件数は私今ちょっと覚えておりませんが、昭和二十二年、公取の創設以来、毎年独禁法四十四条に基きまして国会に年次報告を出しておりますから、それの違反件数をごらんになると、件数のトータルは出ますし、それから同時に公正取引委員会の審決と申しまして、違反の件数を、判決みたいなものですが、行政処分になりますが、そういう審決をした審決例も出ております。これはかなりの件数に上っておりまして、今ちょっと件数を覚えておりませんが、先生御必要でしたら、またあとでお知らせいたします。

山田節男日本社会党

○山田節男君 この違反件数と言いますか、それを見られて、件数は年々増加しておるということは、公正取引委員会としての機能がますます発揮されているということになるのですが、その反面考えると、やはりこの法律ができてすでに十年もたつ、一種の脱法行為と言いますか、独禁法にかからないような、きわめて巧妙な独禁法違反をやっているという事例が私はあるのではないかと思うのです。こういう点については、それを是正したというような例が、今日までもしあれば何件ぐらいあるか、御説明願いたい。

坂根哲夫公正取引委員会事務局長

○政府委員(坂根哲夫君) ちょっと私どもにとっては非常にむずかしい御質問なので、ということは、御質問の趣旨は、たとえば今独禁法は二十八年の大改正で、カルテル行為を、不況の場合と合理化の場合は認めているわけでありますが、そういうすれすれの、たとえばカルテル行為がある。これはよく世間で潜在的な地下カルテルと称しておりますが、それではこういうものを摘発したかと言われますと、それはなかなか、私今ここで覚えている限りは、その潜在カルテルであるから摘発したということではなくして、私どもから見て、やはり疑問であるから問題にしたというケースはありますけれども、ちょっと先生の御質問に答えかねるかもしれませんが、そういう工合に私了解しております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 この独禁法を私逐条に研究したわけではないのですが、たとえば今問題になっていることの一つに、今日の民間ラジオ放送は新聞社がほとんど……、テレビを入れますと三十九局ありますが、これは全部新聞社が経営しておる。そうしまして、それはいずれも、中央紙はもちろん地方紙にしても、みな一流の新聞紙です。この新聞社がラジオを持っている。そうしてさらに今回テレビジョンのチャンネルを割り当てるということになると、それに出願してくるものが、これは全部とは言いませんけれども、大半はこれまた新聞社です。しかも、もし出願が免許されることになれば、新聞紙とラジオとテレビを持つわけです。そうすると、これは明らかに今日のマス・コミュニケーションです。マス・メディアによって報道する機関です。この限りにおいては一つの独占ということになる。しかしこれは決して単数ではない。たとえば東京のごときは、民間放送にしても、テレビ、ラジオ放送にしても、ここに短波を入れると四つあります。テレビジョンは今日公共放送、民間がさらに二つあります。これがさらに二つふえるということになります。このいずれも、もし新聞社がこれを免許されるということになると、なるほど報道機関としてのこういうものは複数であって、並立しておるのであって、これは決して独占ではない。これは言い得るのです。しかしそういう見方でなくて、私はこの法の精神、解釈がどうなるかということはよく知りませんけれども、事実として、数百万の販売部数を持っている新聞社がラジオを持ち、さらにテレビジョンを持つということ、これは縦割りに考えますと……横に並立しているではないか、自由競争しているではないか、そこに独占禁止がないという一応の理屈は立つだろう。しかしこれは縦割りに考えたら、しかも東京ばかりでなくて、東京にそういったような報道機関のラジオ、テレビジョンを握るものは、これは全国的に言えば枢要な個所はほとんど握っている。重役を持ち、株を持ち、それが今後ますますこの趨勢が強くなって参るということは、小資本ではやっていけない。ことにテレビジョンになると、小資本ではやっていけないから、勢い新聞社の背景あるいはラジオ、テレビの兼営という方面から、勢い地方のものもそれにのまれてくるということは、ラジオにおいてそういう趨勢がある。テレビジョンにおいてもその趨勢がもっと強化されるだろうということは火を見るよりも明らかである。そういうことになると、これは普通の場合と違って、こういうマス・コミュニケーション、一つの企業者が三つの報道機関というものを持つということは、これは私は明らかに言論報道機関の独占とみなすべきだと思う。もしそういう解釈ができなければ、今日の非常に弊害が多くならんとしておる自由競争、並立であって自由競争しているという、こういう表面的な美名のもとに、実際としては大衆はそういう独占の弊害の結果を受けているということが非常に多いのです。これが現実なんです。こういう点を現行の独禁法でどうもできないだろうかということなんですが、この点についてあなたの方の、今すぐここで申し上げて、その他のファクターを申し上げないで、これどうだということは無理かしらんけれども、しかし大体そういうようなアイデアで、私から申せば脱法的な一つの言論報道の独占機関がここに醸成されつつある、この実態をどう見るかということについての見解を私は聞くのですが、研究しなくちゃ答弁ができぬというのであれば、それはそれでよろしゅうございますけれども、幸いにきょうこの予算委員会での機会があったものですから、わざわざあなたの方に出ていただいたのですから、一つ知恵を借していただきたいという意味で質問申し上げる。

坂根哲夫公正取引委員会事務局長

○政府委員(坂根哲夫君) ただいまの問題は、先生のおっしゃいましたように、他のファクターがほんとうにはっきりしないと、法の適用を、すぐ独禁法上論議すべき事態であるかどうか、ちょっと問題であるかと思います。ただ独禁法の問題は、これはちょっと説明がはずれますが、抽象的にお答えいたしますと、独占禁止法の独占とか、あるいはカルテル行為の制限ということは、法律的に概念規定がしてございまして、あるいは経済実態的に、あるいは社会的に見たカルテルの場合はそうでもございませんが、独占の場合は社会的に見た独占と多少のズレがございますから、先生のおっしゃいましたようなケースはどこに持って行ったらいいか、これは私自身も研究さしていただきたいし、一応私どもの方でも、帰って、先生の問題を出してみて、どういうことになるか研究してみたいと思います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これはもちろん研究してもらわないと、おわかりにならぬと思いますが、どうでしょうかね、大体今申し上げたくらいな程度で、独禁法の総則第一条、第二条、ちょっと私きのうから読んでみて、どうもこれにひっかかるところがないような気がする。この問題はただ報道言論の機関の独占という以外に、たとえば広告部面、それから番組の企画という、これはまだ日本はそうなっておりません。たとえばアメリカの例を言うと、アメリカは六大全国放送網に統轄されています。これもしばしば独禁法でもってアメリカで問題になっている。ということは、それに付随する仕事がたくさんある。広告もあれば機器の製造販売その他テレビの番組編成もある、まあその他いろいろなものがございます。そうなって、大きくなってきて、タコの足のごとく全国に手を伸ばし、しかもこれは非常に有機的な結合体を持ち、強大なマンモス化してしまう。ですからたとえばRCAとNBCというのがあります。RCAという電気通信会社、電気通信機製造会社、それとNBCというラジオ、テレビジョン全国放送を持っている会社、これがもう今まで数度独禁法に引っかかるという疑いで提訴されているということがある。ですから、これは日本には今後こういう事態が起きてくる公算があるのですから、だから独禁法を現行法でどうもできぬと言えば、これはもう今日において改正を、そういう事態に対して準備するということは必要なんじゃないかと思うのです。私ヨーロッパの事情は知りませんが、すなわちアメリカのように商業放送の発達している、しかもこれはアメリカにおきましては新聞社はあまり関係していない。テレビジョンとラジオだけで独禁法違反という問題が起っているわけです。日本においては、新聞社がもうほとんどこれに関与しているという点から見て、今のような独禁法の違反という疑いがますます濃くなってくるのではないか。しかし今日の法律ではいかんともできぬということ、これは私は公正取引委員会設立の趣旨から言っても、拡張解釈の余地もなければ、法の改正までいかなくちゃならない。ですから、これはここで私も具体的のことを長く申し上げられませんが、大体そのくらいのヒントで、一応公正取引委員会は、これは全国の資本等から見ても、莫大な今事業化してきている、投下資本も莫大なものですから、当然、公正取引委員会としてはメスを入れて、公正取引委員会の立場で、アメリカの例を参照して、その弊害が著しくならぬ前に、公正取引委員会としては法の改正によって、そういう独占禁止を徹底せしめるということについて、一つ格段の努力をしていただきたい。こういう意味で実は来ていただいたようなわけであります。長時間待っていただいて、はなはだお気の毒でしたけれども、しかしこれは私は来たるべき問題として、必ずやもう近い将来の問題になると思いますから、もう十年の経験を持っておられる取引委員会として、外国の事例もよく御存じだろうと思う。今日の独占禁止法で、これでならぬとすれば、一応改正をすみやかになるように、具体的の研究を進めていただきたい、これは私希望になりますが、かように申し上げておきます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それじゃ先ほど土地調整委員会に関する質問をいたしたわけでございますが、今出席されたそうでありますから、あらめて質問いたします。  土地調整委員会の権限は、まことに広範かつ重大でありまして、鉱業、採石業、あるいはここに書いてございませんが、温泉地等については、非常に大きな権限を持つと共に、この委員会の決定というものは、一種の裁判の結果のごとく相なるわけであります。よって私はこれを重大視して、おいでいただいたわけでありますが、昨三十一年度中に、土地調整委員会におきまして、どのような仕事をいたされましたか、大まかに一つ御説明をいただきたいと存じます。

中谷大吉土地調整委員会事務局調査官

○説明員(中谷大吉君) 御質問の点につきましてお答えいたします。  まず、土地調整委員会でやる仕事と申しましては、鉱区禁止区域の指定の請求があった場合に指定すること、それから法律で定められております訴願の裁決及び土地収用法に基く建設大臣が訴願裁決をされる場合における意見を求められた場合に意見を出すこと、この三つの仕事になると思います。  まず、鉱区禁止区域の指定請求件数が三十一年度におきまして八件、これに対しまして指定を行なったもの、すなわち指定件数が六件でございます。次に、訴願の裁決の問題としましては、裁決申請が一件ございますが、まだ現在までのところこれは保留でございまして、三十一年度中には裁決は決定しないと、こう思っております。その他、土地収用法に基く意見聴取としては一件ございますが、これは現在保留中でございます。  以上でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 この鉱区の指定は、許可されたところは、どこと、どこでございますか。

中谷大吉土地調整委員会事務局調査官

○説明員(中谷大吉君) まず、六件の内訳で、岡山県につきまして、天体観測用地としまして、浅口郡金光町に請求がありました件につきまして指定いたしました。あとの五件は、みな福島県のものでございまして、温泉との関係でございまして、飯坂、土湯、鷹湯、岩代熱海、東山、湯野上の各温泉でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 岡山県のは別といたしまして、福島県の分は、私どもも土地調整委員会委員の任命についてのときに検討いたしたことがございます。およそ知っているつもりでありますが、その認可の内容は、それぞれいかがなものでございますか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記を始めて。

中谷大吉土地調整委員会事務局調査官

○説明員(中谷大吉君) 請求に対する許可の内容ということでございますが、まず、飯坂温泉に関しましては、あの地域が古くからの温泉として、その公益性が大であるということに関連しまして、その付近において鉱物の掘採を全面的に禁止してほしいというのでございまして、指定の要求区域を一部削りましたのですが、理由としましては、結局、利用度はきわめて高い温泉である。附近の地帯には鉱物量も大した内容のものも考えられず、それも温泉源にも影響を与えるということで、結局、鉱物掘採の指定請求地域を、少し該当しない分は削りまして、これをよろしいということで許可したわけであります。土湯温泉につきましては、内容としまして、土湯温泉と野地の温泉と、こう二つに分れるわけでございますが、いわゆる土湯温泉につきましては、最近の福島市の観光という問題と関連して、非常に温泉の利用度が高まってきておる。付近一帯の鉱物は、大した鉱物の量及び賦存は考えられないということで請求されたのでございますが、これの内容を検討した結果、やや要求面積が広過ぎるということで、まだ探鉱の余地のある分は禁止する必要はないという結論に基きまして、今後の土湯温泉の将来性というものを加味しまして、これを指定したわけでございます。野地温泉につきましては、これは湯治温泉として現在まで利用されてきておりますが、なお付近一体の国立公園としての観光という意味の価値から、将来性を加味しまして、請求通りにこれを指定したわけでございます。それから鷹湯温泉につきましては、これは従来から通産局で鉱物の掘採を通産局長の権限に基いて禁止しておった地域でございまして、これを正式に鉱業法の諸法規に照らして、土地調整委員会に申請して、指定してほしいという知事の要求でございまして、通産局の従来の鉱区設定禁止の線に沿いまして、また温泉にも害があるということで、これは指定請求通りに指定をいたしました。岩代熱海の温泉地域につきましても、これは請求通りに指定いたしました。それから湯野上温泉につきましては、請求の地域のらち、理由が認められないという点で割愛した分を除きまして、理由としまして、大した鉱物の賦存も考えられない。そうして付近が文化財で指定されております関係上、天然記念物としての地域も含めまして、湯野上温泉地域を指定したわけでございます。東山温泉地域につきましては、これは従来から通産局長の方で禁止をしておりましたのを、その請求の地域のうち、鉱物の賦存も少し考えられる、そうして温泉にも害を与えないという地域を割愛しまして、東山温泉地域を指定しました。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 その土地調整委員会の指定の前に、通産局長ですか、これ限りでその禁止も何もできるというのは、それはどういうわけですか。

中谷大吉土地調整委員会事務局調査官

○説明員(中谷大吉君) 通産局長は、鉱業法の三十五条に基いて、公益に害があると考えられる場合は、その出願を許可してはならないという法律がございまして、それに基いて、府県知事との協議に基いてやっておるわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 これはお聞きの通り、もうなかなか土地調整委員会の権限はものものしいのでございますが、しかし、やることは大かた温泉と結びついておる。そうしてその知事の申請もあり、業者の申請もございますので、結局、温泉を確保する、こういうことなんです。それで私はその点をかって議運でも重大視いたしたわけでありまして、私はせっかくこの土地調整委員会というものが存在し、この委員長の地位というものはきわめて高いわけです。こうした高い地位を有する役所を作って、実際は利権にでも何でも、どうにでも結びつける、結局ある限りは、私から言えばこの国民温泉的なものをますます保護して行くというならば、大いに国民のためにも裨益するところ大でございますけれども、遊蕩温泉みたいなものをなぜ守るのか私わからない、それがここに来ていただいた大きな理由であります。今あげられた件数については、かつて私も他の委員会において申請だけは承知しておった、このことからして、端的に言わせますならば、もう遊蕩温泉で名の通っておる飯坂とか、東山なんかは、そういう禁止区域などにして保護することは要らぬことだ、こう思うのですが、これはどうですか。

中谷大吉土地調整委員会事務局調査官

○説明員(中谷大吉君) 温泉につきましては、国民湯治温泉という立場の温泉と、御指摘の、要するに一部いろいろと非難される温泉もあることは事実でございますが、土地調整委員会の指定しました温泉につきまして、鉱業法その他の温泉法の関係からみまして、この当該温泉につきましては、やはり利用されておるという現実と、そうしてそれの公益性というものはやはり念頭において考えなくちゃならないのじゃないかという意味において指定したわけでございまして、その温泉につきまして、いたずらに温泉業者の保護のみを考えた結果ではないとわれわれは考えます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私の主張は、ないと考えますといったところで、その程度の部分は、多少の削った分はあっても、結果においては温泉業者が保護されるというような認可をするのでありますから、それですから、国民温泉的な格安で湯治ができるということならば、これは若干保護していい、そうでないものを、ただ土地調整委員会でやってやる必要はない、私はそう思っておる。それなら他の厚生省でも何でも、ついでのようにやらせれば、それで用が済む、こういう主張を持っておるわけなんです。それで私は逆に聞きますが、今度は、鉱業なり、採石業なりで、いわゆる日本の全体の生産に裨益する産業が、この土地調整委員会で守られたという例が、昨年度中でもいい、その前年度でもいいが、その辺でありましたか。

中谷大吉土地調整委員会事務局調査官

○説明員(中谷大吉君) 結果において守られたという形にはなってはいないと思います。ということは、土地調整委員会としては、この指定の場合において、この付近において鉱物が考えられるという、しかも対比しての温泉の価値がないという点は結局指定しておりませんので、その意味においては、鉱物の権利において守られておるということは言えるのじゃないかと思いますが、件数としてのそういう事実はないと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 結局そういうわけで、その裏返しをすれば、結局、温泉は守られるところがあっても、日本の生産を高めるという方は、この調整委員会では守られないという結論でございます。  そこで、もう私は質問はこれで、この調整委員会に関する限りやめますが、委員長に申し上げておきますが、私ども委員会では、それぞれの伝統がありますけれども、本来われわれの発言は、本委員会においては必ず発言台に立ってやります。便宜、委員同士がすわって質問する場合、討論する場合も……、討論の場合はこれはございませんが、質問の場合には申し合せ等でやることがあります。政府委員がすわったままで答弁することはございません。さようなことは不謹慎です。委員長は、今後の発言者に対しては、ちゃんと注意をしてもらいたい、委員会の権威は守られませんよ、そういうことでは。どうですか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) お答えいたします。私もさよう考えまして、ただいまの中谷君の行動については注意をしようと思っておったところです。談たまま途中でありましたから注意をいたしませんでしたが、この点は十分委員長からも将来考慮することにいたしまして御寛容を願います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 議事進行について。第三、第四分科会は明日十時から開始するということにして、もう散会しておるのです。第一分科と第二分科会が今やっているのです。私も科学技術庁に質問があるわけなんですが、始めますと、もう八時まで二十分そこらでは終りませんから、やはり第三、第四のように、明日、時間厳守して十時からやるということにいたしまして、もうすでに七時三十七分ですから、中途半端になってもいけませんし……。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) お答えいたします。皇室経済主管の高尾君も無断退場いたしまして、そうして御質問に対して迷惑をかけておるような次第であります。従ってこれは当人がおりませんから、明日やるより仕方がないというようなことも考えております。従ってこの点は考慮することにいたします。ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記を始めて。  本日はこの程度で、残りの御質疑につきましては、これをあすに持ち越したいと思います。明日は午前十時に開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時四十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗