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26回国会参議院1957/03/29

予算委員会第一分科会 第1号

発言数
257
登壇者
17
会派数
2
開催日
1957/03/29

会議録

石坂豊一自由民主党

○仮主査(石坂豊一君) ただいまより予算委員会第一分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条によりまして、私が年長のゆえをもちまして、正副主査の選挙を管理させていただきます。これより正副主査の互選を行いますが、互選は便宜投票によらず選挙管理者において指名したいと思います。御一任下さることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石坂豊一自由民主党

○仮主査(石坂豊一君) 御異議ないと認めます。よって主査に吉田萬次君、副主査に青柳秀夫君を指名いたします。(拍手)   ―――――――――――――    〔吉田萬次君主査席に着く〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 審査に入る前に議事の進め方につきましてお諮りいたします。  当分科会は、昭和三十二年度一般会計予算、同特別会計予算及び政府関係機関予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣(人事院を除く)、総理府(防衛庁及び経済企画庁を除く)、及び法務省所管並びに他分科会所管外事項について審査いたすわけでございますが、本日はこの中で、皇室費、国会、裁判所、会計検査院及び内閣(人事院を除く)所管につきまして審査をお願いいたし、明三十日は、総理府(防衛庁及び経済企画庁を除く)及び法務省所管並びに他分科会所管外事項につきまして御審議を願うといった方法で、議事を進めて参りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 御異議ないと認めまして、さよう決定をいたします。  これより審査に入ります。  まず皇室関係から御説明を願いたいと思います。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) 昭和三十二年度皇室費の歳出予算について、その概要を御説明いたします。  本歳出予算に計上いたしました金額は、三億三千七百七十五万四千円でありまして、その内訳は、内廷費三千八百万円、宮廷費二億九千百二十万四千円、皇族費八百五十五万円であります。  そのおもなるものについて、事項別に申し述べますと、内廷費は、天皇、皇后両陛下を初め、内廷にある皇族の日常の費用、その他内廷諸費に充てるための経費でありまして、皇室経済法施行法に規定する定額を計上し、前年度と同額になっております。  宮廷費は、内廷諸費以外の宮廷において必要な経費を計上したものであります。  その内容といたしましては、従来と同じく、皇室の公的御活動、すなわち、儀典関係費、行幸啓費等約二千九百万円、正倉院、図書、雅楽等の維持管理に必要な経費約一千二百万円、その他皇室用財産管理に必要な経費約二億五千万円等でありまして、特に新たな経費は計上されてありません。三十一年度予算額二億八千四百二十五万九千円に比較いたしますと、五千三百四十九万五千円の増加となっておりますが、これは前年度の仮宮殿冷房装置の経費等約二千四百万円が減少いたしましたのに対し、本年度は、外国元首、使節等接待に関連し、仮宮殿の改装並びに儀典に必要な経費約六千二百八十万円、京都御所小御所復旧に要する本年度経費約一千五百万円等が計上されたこと等によるものであります。  皇族費は、皇族としての品位保持の資に充てるための秩父、高松、三笠の三宮家に対する経費で、皇室経済法施行法に基く定額を計上し、前年度と同額となっております。  以上をもって、昭和三十二年度皇室費歳出予算の説明を終ります。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 御質疑のある方は順次御発言を願います。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 宇佐美長官はお見えになっておりますか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) まだ見えておりません。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 皇室費につきましては、いろいろと、この間、予算委員会でも少し問題が出ましたが、行幸啓その他皇室のあり方について、私もありますが、各委員から御質疑があると思うのですが、国の予算について総理以下出席をして、国の政策について答弁をしておりまするように、やはり皇室のあり方について御質疑をしたいと思いますので、宇佐美長官の御出席を願いたいと思います。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) きょう長官は要求はしておりまするが、外出して、おられぬようでございますによって、左藤委員から御希望があれば呼ぶことにいたしますが……。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 きのうまで、いじめられたので、きょう腹いせをするわけではございませんが、一年に一度のこの大事な皇室費の審議のためにわざわざ分科会があるわけでございますので、当然私は、御出席になって、この予算を提案せられました御趣旨なり、この予算を通じて皇室のあり方についてのお話があるものと期待しておりましたが、要求がなくても私はおいでになるものだと思います。きょう、この分科会が開かれることも御連絡があったことと思うのですが、外出しておられるというのですが、どういう御用件でございますか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) すぐ連絡をとりまして、午前中には必ず出れるようにいたしたいと思います。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 了承いたしました。長官の出席の上で若干の質疑をいたしたいと思いますので、保留いたします。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 次に国会関係につきまして御審議をわずらわすことにいたしたいと存じまするが、長官が来ましたときに左藤委員の御質問に答えることにいたしまして進めたいと思いますが、いかがでございましょうか。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 宮内庁から高尾さんが見えておられますから、簡単な質問ですけれどもいたしたいと思うのですが。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) それでは、先ほど国会関係につきまして御審議をわずらわすということを申しましたのを取り消しまして、高尾君がここへ来ておられまするによって、高尾君に答弁していただくことにいたします。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 私がお尋ねいたしたいのは、きわめて簡単なことなんでございますけれども、皇室に対する献上でございます。これが非常に不便といいますか、せっかく各方面で献上いたしたいと思いましても、なかなかお受けいただけないような状況に拝察しているのでございます。その点についてのお取扱いの方針ということをお話し願いたいと思います。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) お答え申し上げます。現在におきましては、皇室に対する献上、それから皇室からの賜与でございますが、これは御存じのように皇室経済法施行法に制限がきまっておりまして、念のために申し上げますと、制限は、年間の皇室の方からお出しになります制限額は三百七十万円、それから皇室の方へ献上いたします額は、物品を評価いたしまして、金額に直しまして百二十万円、こういう制限がございます。御存じのようにこれは憲法に基いた制限でございますので、現在この法律をわれわれとしては金科玉条に守っているわけでございまして、法律の制限内で年間の操作を見ながらいたして進めてやっておるわけでございます。大体におきまして現在賜与の方は、事故がありました場合の見舞金、それからいろいろの社会事業とか、共同募金とか、その他、日本赤十字社の事業奨励のための賜わり金とが、学校団体、芸術団体に対する賜わり金とか、そういうもので、賜与の方はこの三百七十万円の限度を見合いながらやっておりますが、何と申しましても災害等はいつ発生するかわかりませんので、手一杯に賜与の方をいたしますと、事故が発生しましたときに現実的に制限額に押えられまして賜与ができないということもありますので、そこいらのところを見合いまして、余裕を残しながら賜与の方を進めております。  献上の方は、無制限に受けるわけには、現在のような制限額もありまして、いきませんのでございますが、大体昨年の献上のあれを見ますと、年間四十一件、評価額にいたしまして二十八万三千円ということになっております。これは制限額に対して非常に低いのでございますが、これは、ある程度に基準を設けませんと非常に乱に流れますのと、乱に流れる結果は百二十万を突破いたしますので、私どもの方では大体府県から参りますものは府県知事の副申をつけた、そういうようなもので進めておるわけでございまして、別段不自由は感じておるわけではございませんが、国民の方からの熱心な献上のお申し出に対しては、そのまま受け入れるということが現在できませんような状況で、それを全部受け入れますと百二十万はたちまちに突破いたしますので、そのかね合いが大へんむずかしいので、実は苦慮をいたしておるようなわけでございます。実情だけちょっと申し上げました。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 ただいま私は献上の方を主としてお伺いしたいと思ったんでございますが、御下賜の方のことも承わりまして、非常に参考になりましたけれども、今の三百七十万円なり百二十万円というものは、いつからこういうふうになっているのでございますか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) これは法律の額は憲法施行のときからは変っておりますが、経過を申しますと、初めは大体において賜与も献上の方も同額の百二十万円でやっておりましたのでございます。ところが百二十万円では災害その他に対するお見舞金というようなことが十分にいきかねるのでございまして、法律の規定は百二十万円でございましたが、そのほかに、国会の直接議決によりまして二百五十万円、その百二十万円のほかに二百五十万円は災害見舞のためには出してよろしいという直接議決を求めまして、それで進めて参りましたのでございます。ところがこれが大体恒例になりまして、一々国会の議決を二百五十万円ずつ百二十万円に加えて議決を求めることがむしろ煩瑣になり、むしろ法制化した方がよかろうというので、数年前にその二百五十万円を百二十万円に加えまして三百七十万円といたしました。献上の方はその際もそういう事情がございましたので、二百五十万円というものは特別なものでございましたので、そのまま据置をいたしました。それで現在のような三百七十万円と百二十万円という額になっておるわけでございます。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 私はその間の事情をよく知らないものですから、いろいろ産業が発達したり、まあ文化も伸展して参りまして、民間でもこういうものを献上したいということを非常に希望する人も多いわけなんでございますけれども、手続が厄介なのと、いろいろのために献上ができない。で、一つには、今お答えになりました予算といいますか、金額の制限があって、せっかくの民意が受けられない。全国で言えば、百二十万というとごくわずかな、つまり府県に割り振れば三万円にもならぬというような金額では、たとえば愛知県の毛織物というようなものでは、献上したくてもお受け願えないような点がございます。もちろんこれは、乱に流れるといいますか、そういう点ではよくないと思いますけれども、一定のある程度のものまでは、その趣旨が国の文化なり産業の伸展に資する誠意をもって献上する場合は、できるだけお受け願った方がいいのじゃないかと思うわけなんです。そこで、まあ制限をいま少し増額させるようなふうにお考えを願えれば非常にいいと思うのでございますが、そういう御趣旨はございませんでしょうか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) お答えを申し上げます。ただいまのお話では、私の先ほどの説明が少しその制限額の方を強く申し上げましたので、制限だけによって非常に献上が押えられているような御印象をお与えしたかと思いますが、実を申しますと、その献上の方は現在制限額をはるかに下回っておりまして、昨年度のごときは大体金額に評価いたしまして三十万円程度の毛のになっておりますから、制限の方はそれほど今制限額を動かさなくちゃならぬというほど窮屈に考えてはおりませんのでございます。ただこれを、しからばと言いまして何でも受けることになりますと、たちまちのうちに百二十万円になってしまう。そこいらのかね合いが非常にむずかしい。まあわれわれの方としましては、できる限り誠意をもってお受けしたい、誠意はどこにも判定の材料が現在のところございませんので、大体府県知事その他の方から御推薦になっていただければお受けするというふうなことになっておりまして、現在希望が出ておりますような物品では、今この制限額を上げましてでないとお受けできないというようなことは現在ではございませんのでございます。あとは扱いの問題でございますが、少しゆるめますと、非常に飛躍して突破する。そこいらのところが大へんむずかしいということでございます。それから一件でも百二十万円をこえるというようなものはもちろんございますが、こういうものは、たとえば御乗馬とか、そういうようなものになりますと、たった一頭の馬で百二十万円をこえてしまうというようなことになりますので、そういう問題になりますと、あるいは制限額は窮屈なのかもしれません。しかしこれはごく特殊な例でございまして、ただ産業の発達をごらんいただくという誠意のあるもの、これはいろいろな点から考えまして、差しつかえないものをお受けするということになれば、制限額を上げなくちゃならぬというふうには現在のところ実情からは考えておりませんのでございます。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 いま一点だけ、この続きでございますけれども、現在差しつかえないというお話なら、それでけっこうなんですけれども、また皇室に献上したということを売名的にやるというような場合は、これは非常に弊害があると思いまして、そういうものは私は考えておりませんけれども、しかし地方に行幸になったような場合に、あるいは篤農家が非常にいい果物を作っていたのを献上いたしたとか、それぞれいろいろ誠意をもって献上したいという場合は、もちろん知事なり各方面の意見を参照されての話でございますけれども、やはりお受けを願った方がいい場合が相当あるのじゃないかと思いまして、現在の金額で差しつかえなくやっていければいいのでございますけれども、前に何か金額の制限があって非常にお断わりになるのだ、そうすると、もう取っつきようがないものですから、その点をお伺いしたわけでございますが、大体わかりましたから、私の質問を終ります。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私も二、三お伺いしますが、この正倉院、図書、雅楽等の維持管理に必要な経費一千二百万円、こういうことになっておりますが、この図書というのは、天皇御自身が自分の書斉を持っておられるというようなものをまさか指すのではなかろうと思いますが、特別、宮廷の中に図書館のようなものがあるのですか、これは。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) お答え申し上げます。これは御私有物の図書ではございませんで、ただいまお話ありましたように、広い意味で申しますと、国有財産として宮廷ゆかりの貴重文書を持っております。そういう図書を指します。図書、古文書その他宮廷資料、そういうようなものを指しますのでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 多分そうであろうと思ったのですが、そこで、その図書は非常にまあいわゆる文化財といっていいような古文書だと思います。これは日本の歴史上非常に参考になる文書ばかりだと思いますけれども、そういうものは、一般の歴史学者なり、その他それぞれの図書の内容によってでありますが、学者の用に供すといいますか、参考に観覧せしめる、こういうようなこともやられるわけですか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) お答え申し上げます。  ただいま答弁でちょっと落しましたが、管理をいたしておりますのは、宮内庁の書陵部――書物の書に、陵墓の陵の字を書きまして、書陵部、これは図書と御陵関係を所管しております部局でございますが、この書陵部の方の図書の関係は、実際の運用におきましては一般図書館と同じような運用をいたしておりまして、学者の閲覧希望、その他研究者の閲覧希望がございましたらば、いつでも提供できるように閲覧室も設け、それから実際問題としまして、学者も始終参りまして閲覧研究をいたしております。そのほかにやはり普通の図書館と同じように、書陵部で貴重図書の翻刻出版、それからマイクロフィルムの撮影、マイクロフィルムの貸与、そういう何と申しますか、図書館のリファレンス活動を普通の図書館と同じようにいたしております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それから正倉院ですがね、まあわれわれもこの点は知識がなかったので、正倉院は何がしかの宮廷費が下賜にでもなっているものと、こういうふうに想像いたしておりましたところが、全部これは皇室において管理保管されているということでありますが、正倉院などはこれは別段宮廷の用に供しているわけでもなく、保管上まあどこかしっかりしたところが保管しておることが、こうしたこの国宝物はしかるべき処置だと思いますけれども、むしろこれは皇室費としてここへ予算をとりながら何をすると、逆に迷惑ということじゃないのですか、これは。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) お答え申し上げます。  正倉院は御存じのように聖武天皇の御遺愛品を主として収蔵いたしておりますお蔵でございまして、聖武天皇以後歴代、勅封と申しまして、当代の天皇陛下の自分で御署名なさった紙の封でございますが、それを封をしまして、瀑凉、つまり虫干しのときだけ開けるというのが千二百年来のしきたりになっておりまして、そのために現在のように、完全な保管ができておりますので、そういう縁故で、宮内省時代から宮内庁に移りましても、私どもの方で専門家を置いて管理をし、かつ修理保存もいたしておるようなわけでございまして、まあ考え方によれば、文化財としてほかの所管の問題もございますと思いますが、勅封及び皇室との特殊な縁故の問題でございますので、従来の伝統に従いまして私どもの方で管理をいたしておるようなわけでございます。もちろん専門家を置きまして万全な注意を払いましていたしておるような次第でございます。研究その他閲覧につきましても、宝物の保管上差しつかえない限度においては、近年ごとに閲覧利用――利用と申しますか、研究の用に充てるように道を積極的に講じておりますようなわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 その伝統もわかりますし、当代の天皇の封印を付して虫干以外には出さない、こういう長いしきたりというものを、にわかに私はやめてしまえというような乱暴なことを申し上げているのではない。ただそういうやり方は他の機関でやってもそういうことはできることであって、これを皇室費に計上するというようなことは、あべこべに、まあ極端な言葉で言えば迷惑ではなかろうか、こう考えたから聞いてみたわけなのです。それはそれでよろしいのです。  次に皇室財産の管理に必要な経費二億五千万円、こういうことでありますが、これは多いと言えば多い、少いと言えば少いというものですが、この皇室財産の管理というものは、該当は大きなものではどういうものを指しているのですか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) お答えを申し上げます。この皇室用財産管理に必要な経費と申しますのは大へんばく然とした表現でございまして恐縮でございますが、大体皇室用財産のおもなるものは、現在の皇居、それから京都の御所、それから京都にあります柱、修学院の両離宮、その他に全国に約八百の陵墓がございます。そういうものを寄せ集めまして、この皇室用財産の管理という表現になっておりますのでございます。何分にも面積その他建物が非常に多い関係で、内容はばく然といたしておりますが、集めますと二億五千万円ということになっております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そうすると、御用邸であるとか、ああいうものは、昔はたくさんあったわけですが、戦後非常にそういう整理をされましたけれども、こういうもの、それから秩父宮様なら秩父宮様の御殿場の、何ですか、あれは御所とまで言わぬでしょうが、御殿ですね、そういうようなものを全部、皇族の、まあ皇族費というものもありますが、皇族の持っておられるものを全部ひっくるめて、すべて管理する、こういうわけですね。今現在そういうわけで使っているもの、現在使っている、毎日使っているということじゃないが、前々から持っているものを管理する、こういうわけですか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) ただいま皇族の御財産についてお尋ねがございましたが、その他のことについては仰せの通りでありますが、秩父宮様の御殿場の御殿とか、それから東京都内で申しますと高松宮様の御殿とか三笠宮様の御殿とか、これは各皇族の私有財産になっておりまして、この中には入っておりません。このうち特殊なもので、秩父宮様の、現在東京の青山にお住いでございますが、その御殿だけは、皇室用財産の中の建物を宮内庁がお貸ししているという形になっております。この方だけ、東京の御殿を戦災で焼失されましたのでございませんので、いわば借家というような形でございまして、秩父宮様の東京の御殿だけが例外として皇室用財産でやっておりますが、その他は私有財産でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 次に皇族費のことについて聞きますが、これもまあ三宮家あって八百五十五万円、多いと言えば多い、少いと言えば少いというようなことなんで、少いという見方からすれば、三百万円に足りない、そのぐらいのあれは、少々財閥系の人だったら大てい一年にはそれ以上使っていると思う。ところがまあ自動車一台や二台は大てい持っておられるだろうけれども、それを管理するといったって、これも百万円ぐらいかかってしまうんじゃないかという気がするのですが、これは何ですか、すべて、いる場所とか何とかが無税である。そういうようなことで、この金額で財産を管理しながら生活ができると、こういうことですか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) ただいまのお話でございますが、実を申しますと、三宮家の歳費と申しますか、定額は少いのでございまして、自動車その他も私有財産としてお持ちでございますし、それから諸税金、それは大体われわれと同様に納めておられますので、大へん窮屈なように伺っております。ただこういう建前でございまして、憲法の制定されますときに、皇室自体が、つまりこの言葉で申しますと内廷で持っておられる財産自体は、全部一物も残さず国に憲法の規定もしくは財産税によって移ってしまいましたのでございますが、皇族の方は、憲法の規定によって私有財産を全部移すというのではなくて、財産税で残ったものは財産として保有してよろしい。つまり私有財産の存続を皇族についてはある程度は認められておりましたわけであります。しかし私有財産と申しましてもそう大きなことはございませんが、そういう建前でございましたので、私有財産プラスこの皇族費定額ということで御生計を維持していただく。それから御内廷の方は全部財産を移譲いたしましたので、全部の諸経費――つまり内廷費としてありますものは生活費でございますが、それは全部予算に計上して、国庫から出してもらうというふうになっておりまして、そこの建前が違っております。実情はただいま御指摘がありましたように相当御窮屈のように存じております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それはまあ、税金というものがわれわれと一つも差異がないということにすれば、宮家は今だってずいぶん大きな場所を占めているわけですから、固定資産税その他の税金というものはこれは膨大になるのですね。それで今言ったように自動車を一台、二台持っていても、管理に百万円ぐらいかかる。それから数年に一ぺんはおまけに新調せにゃならぬ。これにまた百万円ぐらいかかる。これは何でやれるのか、不思議な気がするのだが、私有財産があるからというが、一体どういう私有財産ですか。たとえば貸家をまさか持っている宮様もないと思うがね。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) 私有財産の内容でございますが、われわれも実はあまり立ち入ったことでございますし、個人の秘密のことでございますので、申しかねるのでございますが、収益を生む財産というものはお話のようにあまりございませんので、まあ端的に申しますれば、御所有物をお売りになるとか、それから多少収益を得るとすれば有価証券、株式等を多少お持ちになっているものからの収益があるという程度のものでございまして、収益は非常に少い。御私有財産からの収益は非常に少いと申し上げてもいいかと存じております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 関連して……。宮内庁長官は見えておりますか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 来ておられます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 今の天田委員の質問に関連してですが、皇室、三宮家に対して八百五十五万円、天田委員も言われたように、これを三つで三分配してみてもきわめて額が多いとはいえない。今天田委員の質問に対する応答によってわかるように、非常に宮家としては苦しいのじゃないか。しかもこの宮様は、三宮家とも今日唯一の皇族だというので、外交あるいは社交関係で相当いろいろなところに引っ張り出される。今日皇族としてそういう方面にできるだけ出られるということは、これは非常にいいことだと私は思う。これは話はこまかくなりますけれども、たとえば妃殿下のごときは、やはり女なんだから、服装というものがいろいろ要る。ことに社交界に出られますれば、同じシーズンに同じ着物で、二、三着で済ますというわけにはいかない。これは私もしばしば、ことに皇族の方々はよく存じあげておりますし、社交界でよく一緒になりますが、実に気の毒なことがよくわかる。今も非常に苦しいということを言われたが、皇室の内情とか、いろいろ私にはよくわかります。今言われたように収入の道が少ない。たとえば、ある宮殿下がある地方に、何か国体の開会式とか、いろいろなところに出て行かれるということになれば、これは私も経験がありますが、やはりせっかく宮様に来てもらうのであるし、そうしてまあ忙しい間に来ていただくのであるし、それからまた宮家としてもあまり経済的に楽でないのだからというので、やはり地元で、金額はわかりませんが、何万、五万とか、十万とか、場合によっては十五万でも出してしなくちゃ気の毒だというのが実際通例なんです。これは私、現金の授受を見たわけではありませんけれども、今日来れば、出張費とかなんとかいうのではなくて、これはお礼という意味で差し上げている例があるのですが、私も知っております。皇族として出ていって、そういうことを欲されないかもしれませんが、あるいは受取っておられるかもしれません。そういうようなわけで、何も皇族として体面を堅持するかどうかということでなくて、やはり手が出ざるを得ない。このこと自体が宮廷のやはりロイヤル・ファミリーとしてのメンバー、プリンス、プリンセスとしてどうかと思う。その原因は、ごくわずか八百五十五万円を三宮家に分配しなければならぬというところにその原因があると思う。ですから、皇族の権威を保たしめるために、これは宮内庁長目、あなたはよくおわかりになるだろうと思う。ですから早い話が、たとえかりに倍にしてみたって大した金じゃないと思う。ですから、これは後ほどあなたに御質問しますが、もう少し全般的に大胆に皇室にプライドを持たすということを、これは国民のためにやる。宮家個人のためにではない、国民のシンボル、御兄弟である宮様がそういう社交界に出て、宮として出られる、これはプライベートなことじゃないのです。これは宮内庁長官としてはっきりしてもらわなければならない。これは国費でやっても何ら異論はない。そういう例を、今申し上げたような、宮家がちょっとどこかに臨御していただくと、地元が謝礼の意味で金を出しておるということを、あなたは今まで聞かれたか、あなたはそういう経験がおありなさるか、それをまずお聞きしたい。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 皇族費についてのお尋ねでございますが、これは新憲法制定と同時に、皇族費の計算が当時なされまして、自来、物価の変動及びまあベース・アップというような機会に、法律案の改正を提案いたしまして、国会の御協賛を経て今日に至ったわけでございます。そういう経過がございまして、今までの増額の面から申しますと、まあそういった物価の変動、あるいはベース改訂による値上げという機会以外に上げたことがないもので、そういう点から、法律案を出しますにつきましても、相当いろいろ問題があり得たわけでございます。ただお話のように、皇族の御生計が、各外国との交際というものが非常に多くなりまして、ことに現在では大公使が参っております国は五十カ国を超えておりまして、なかなか大へんなことは、われわれもよくわかっておるのでございます。そういうような公けの御交際がだんだん多くなりますので、実は三十二年度予算にも、皇族の方の交際費として二百数十万円を計上して、御審議をお願いいたしているわけでございます。ただ、お住いも、皇族として、皇室用の財産をお使いになるようにだんだん整備をいたしたいと考えますし、自動車等も皇族の方に差し上げるように努力をいたしたいと考えておりますが、まだ今日まで予算化いたしておりませんことは残念でございまして、そういうような各面から、皇族が、今、お述べになりましたような趣旨で、無理のない皇族としての御行動ができるように、なお一そう努力いたしたいと考えるわけであります。  ただいまお尋ねの、地方にお出かけの際は、大体、いろいろ各種団体からおいでを願うということで、それに要する経費、宿泊その他の経費は、お招きする方で負担するような場合が多いように聞いております。まあ本来申しますれば、そういう問題について全部国費で、当然の御活動として差し上げられる基礎が法制的にもありますとよろしゅうございますが、多少問題がございます。なお現在われわれといたしましても検討をいたしたいと思っている一つでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 まあ宮様に地方にきていただく旅費、宿泊費、これは当然私は地元で、御招待する方で負担するのは当然だと思う。これはもう私は全然問題にならぬと思う。今言ったように、殿下は非常に経済的にもお困りのようだからということは、一般の常識になっているものですから、お気の毒だからと言って、何万円か知りませんが、三万円か、五万円、場合によっては十万円でも、謝礼と言いますか、お礼として現金を出した例がある、こういうことを私は聞くのですが、それをまた受け取りになったというように聞くんですが、これでは私は宮様としての一つのプライドをもってしても、そういうことをせざるを得ないだろうと、お気の毒だということを思うわけです。経済的に不自由をさしているということは、これはどうかと思う。国民がどんなに心配しなくても、少くとも三宮家は大体いわゆる皇族としての、まあぜいたくじゃいかんけれども、今、言ったように社交界に出る、ことに妃殿下の方々がぜいたくきわまる何カラットもするダイヤモンドをつけるというようなぜいたくは許されませんけれども、少くとも、婦人として、妃殿下として、皇族としての権威を保てる金額というものは見積るべきですから、そういうことをしておけばいい。そういったように、われわれが見て、いかにも皇室の品位を下げるような心づかいを民間のものがする必要がなくなるのじゃないか。外国の例を見ても、少くとも独立国家の皇室でそういうような例は私はないだろうと思う。敗戦後の日本の、ことに窮迫した皇族が、国家の予算上においても非常に苦しい状態であるから、やむを得ずそうするんだと、このことは長官としてのお考えはよくわかりますけれども、前例としてそういうことがあるとすれば、これは皇族そのものの品位を傷つけるということになるのですが、その点を私は問題にしている。そういうものの実際に要るというものの一応の生活だけは保障しなければ、結局そういうことになる。そこを私はあなたとして非常にお考えにならなくてはならぬと思う。これは宮様としては何もあなたに対して団体交渉的な要求はできない。そこは一つあなたがお考えになってケアしてあげなくちゃいかぬ。これは天田君の質問が終ったら一つまた質疑いたしますが、これは今日の宮内庁に依然としてある非常にいいところであるけれども、消極性がそこに現われている。それがために犠牲になっておるのが宮家の生活ではないか、こう思うから、かように質問をした。これは私はどうも、あなたの、宮家の代弁者でも何でもないが、そういう意味から見て、できるだけこれは、そういうぜいたくはいけないが、品位を保つようなことは、何も国会で共産党以外の諸君はおそらく私は反対する人はないだろうと思う、どうですか。これで三十二年度八百五十五万円でおやりになることになれば、依然として、そういうようなことが私は起きる危険性があるんじゃないかと思います。この予算は、きまればこれだけということになりますけれども、これは一つ宮内庁長官もよく心にとめて、宮内庁は皇室の予算の編成上どうかもら少し大胆――大胆といってはおかしいけれども、うんと積極的に、あなたは責任者として予算の編成については御考慮になる必要があるんじゃないか。これは要望でもない、注意でもないのですが、私の意見を申し上げたのであります。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 あと二、三点伺いますが、私どもは本年度予算をどういじろうというほど知識はない。正直に言って。皇室の関係につきまして何か、だから、さっきから言うように、多いといえば多い、少いといえば少いというような感じがする。それで内容を聞いていったわけですが、どうも常識的にでも、八百五十五万を三つに割ってみたところで、これは自動車一台持つ生活、また十坪、十五坪の家に住まうというなら話は別だけれども、まあ常識的に見ても、私はどんな生活か知りませんけれども、百坪くらいの家だろうと思いますし、そうすると、それに似合わしい敷地と、こういうことになれば、税金を全部われわれと同じに負担するわけですけれども、固定資産税なんかの関係でも、とてもこれはもう百五十万円か二百万円は負えないということはこちらですぐ見当がつく。だから、どこかで、これはいわば何かで助けられている面があるのではなかろうかという感じがして聞いたわけなんです。そうすると、他に収入があるかといえば収益のあがる財産というものはない。だんだんまあタケノコ式に売り払っていく、こういうのは、ちょっとどうもおかしいので、そうすると、ほかから別途収入ではないが、実費弁償式に交際費が出る、こういうようなことでなければならないのですが、そこで、さっきあなたの御答弁にありました二百万円ばかりというのは、ここに出ておる交際費二百四十三万円、こういうものをさすのだろうと思うのですが、これは皇族の交際費ということですか。どの交際費なんです。これは何か含めての交際費ではないでしょうか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) そのらち二百十万円が皇族のあれでございます。あとが事務的なものであります。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 どうもわからぬから、これはこの程度にしておきましょう。それから今年度、前年度を比べての増減がだんだん説明してありますが、これはあの京都御所小御所の復旧の千五百万円というのは、これで継続的にやる費用ですか。今年のこの一千五百万円だけでこれは済む費用ですか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) これは三十三年度で終りますうちの本年度分経費でございます。三十三年度、つまり来会計年度で完成をいたしますが、そのうちの本年度分経費でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それからあの皇居内の西桔橋の辺を今さかんにさらっておりますね、どぶさらい式に。あの経費はこの予算のどの分に含まれておりますか。どの項目ですか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) 先ほど御質問がありました皇室用財産管理に必要な経費、その中の一部でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 一部だけれども、この各所修繕、この部分でございますか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) さようでございます。各所修繕でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 こまかいことから聞きますが、宮内庁費の宮廷費の中の庁費の中で飼料費というのが一千四十四万九千円ありますが、これはどういう飼料費ですか、宮中にいる馬の飼料費ですか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) お答え申し上げます。三里塚に牧場を持っております、その動物の飼料がおもなものでございますが、そのほかに、外人接待のために埼玉県と千葉県に「かも」場を二カ所持っております。そのおとりの飼いつけと申しますか、「かも」の飼いつけと申しますか、そういうものの飼料、その両者にまたがっております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これはまあ宮廷費約二億九千万円。それで飼料費の科目として一千百万円加わっておる。これはちょっと変に思われるのですが、その内容はわかりますが、「かも」猟の「かも」の飼料に対するものは、これはまあ別問題としまして、三里塚の馬にやる飼料なんというのは、これは半面に宮廷の方の収入にもなってくるのですか。収入の面はどうなっておりますか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) 収入は全部国庫に入りまして、皇室の私的な部分への収入は一銭もございません。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは宮内庁長官に一つ質問しますが、今の宮廷費の三十二年度皇室費予算説明を見ると、来年度において仮宮殿の改装並びに儀典に必要な経費として六千二百八十万円、これは一体、現在のあそこに建っているものを改装するのか、改装ですから改造だろうと思うのですが、そうするとこの六千二百八十万円という程度の改装で、今後まあ五年なり十年なり、いわゆる天皇の公式に使われる宮殿として使われるのかどうか、またそういう見通しで今後やはりこの仮宮殿の改装というものをおやりになって、改めて新築するということは全然頭にないのかどうか、その点承わりたいと思います。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 明年度の皇室費の予算説明で、今御指摘の六千余万円と申します中には、外賓接待用の自動車を買いますものが約千五百万円、宮殿の中の改装費といたしましては約二千八百万円程度という内容でございます。もとより、ただいま旧宮内庁の庁舎の三階を仮宮殿として使用いたしておるわけでございまして、これが永久のものとは考えておりません。適当のときに新らしい宮殿を建設しなければならないものと考えておるのでございますが、いずれにしましても、最近いろいろ国賓が見えますので、現状におきましても手入れをしなければならない所がございますので、明年度の予算で、約二千八百万円で、各所のカーテンとか、じゅうたんとか、壁のよごれました所とか、修理を加えるということでございまして、もちろん永久の問題ではございません。それでは将来の宮殿というのはどう考えるかという御質問でございますが、まあ終戦後十年以上たちまして、われわれといたしましても、やがて宮殿を新らしく建てる時期があろうと思いまして、そういうときに必要な基礎的な設計あるいはこれに伴う予算というものが、どのくらいかかるかということを本格的に調査いたしたいということで、明年度の予算のうちにその調査費を計上いたしておるわけであります。これが約二年ぐらいかかるだろうと思います。その調査の結果に基きまして、将来の宮殿の建設についての態度をきめて参りたいと考えております。ことしの予算は、まあそれまでの補修程度の問題でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 この仮宮殿の改装費並びに儀典としてあるので、儀典の方に、自動車としてこれだけの多額な金が含まれている。仮宮殿の改装費というのは、わずか二千八百万円しかない。これは大蔵省といろいろ折衝されたことと思うのですが、大蔵省は、これに対して、あなたの方の予算の請求並びに説明を了承して、何か今あなたのおっしゃったような将来のことについて、大蔵省当局と話し合いをされたのですか

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) ただいまの仮宮殿は、大体もう四年になりますが、四年前に約七千万円かけまして宮殿としたわけであります。その経過は三年半ぐらいたっておるかと思います。しかし実際やはり色があせて参りましたし、工合の悪い所も出て参りましたので、一部修理を加えていきたいというのが、ことしの問題であります。それから将来の問題につきましては、大蔵省ともお話をいたしまして、ただいま申し上げましたように、基本的な調査を約二年でやるということで予算をここに計上いたしたわけでございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 ちょっと関連いたしまして……。戦後十余年になりますのに、あの宮殿の跡が焼け跡のままになっているのを拝見いたしまして、非常に私どもも残念に思い、国の象徴としての御体面の上からも、国民の多くの人が、私は遺憾に思っていると思うのですが、まあこれに対しましては、ただいま調査費を計上して計画を立てたいということでございますので、これは一日も早くその見通しのつきますことを希望するものでございますが、先ほどからもお話がありますように、国際関係その他で、いろいろ外国との行き来も多くなってくる際でありますが、今一番戦災から逃れて残っておるものとして私ども考えつきますのは、赤坂離宮でございますが、これは占領時代でございますので、進駐軍の方から、あれを向うで使うか、あるいは国会で使うかということで、私、議運なんかやっておりました当時、折衝した記憶かございますが、まあ向うさんにキャバレーなんかにされるよりは、まあ国会で使うことが、許されるならば、その方がいいということで、ああして、きょうまできているのですが、ずいぶん人の出入りが多くて、調度その他がいたんで、ああして貴重な財産が荒廃していくことは、非常に私ども当時の事情から考えても、心配をいたすのでありまして、国会図書館の本拠地ができるまではやむを得ねと思うのでありますが、何とかしてすみやかに外国貴賓の接待と申しますか、そういうふうなものに早く帰してもらうというような御希望はないかどうか。それと、赤坂離宮が第一でございますが、それ以外の大宮御所とかその他、どんないい家でも、空家にしておけば傷んでしまうわけでありますし、ことに使い方が悪ければなおさらでありますが、何とかもう少しいい管理をして、将来にこの貴重なものを保存していく、あるいはまた現在貴賓の接待その他にもう少し活用する方法はお考えにならないかどうか。本式の宮殿の建築に対するお見通しと、その他の国有の財産を、国民統合の象徴である皇室で、もう少し御活用になるお見通しはないかどうか。そういう点もあわせてお伺いしたい。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 赤坂離宮はすでに御承知の通りでございまして、ただいま国会の方に所管がえになって、国会の管理になっております国会図書館でございます。そのときに、宮内庁には皇室経済会議がございまして、皇室経済会議は、総理を議長とし、両院の議長、副議長、大蔵大臣、会計検査院長等が入られておりますが、その席上で、将来図書館に使用せざるに至ったときには旧に復すべきであるという希望意見がついて議決になっておるのでございます。宮内庁といたしましては、そういうような会議の御希望がついておりますので、そういう場合には、一応尊重して考えるべきであろうと考えるのであります。だんだん各国の皇帝、国王その他貴賓が見えますのに、接待するのに非常に困っておるのは事実でございます。将来やはり貴賓を迎えまする迎賓館というようなものかあってしかるべきだと思います。ただ現在の赤坂離宮は相当荒れて参っておりますし、あれをそういった目的に使用いたします際には、相当の経費を要するんじゃないかと考えておりまするけれども、あの赤坂離宮と、その一連の庭園というものは、やはりそういった面に生かして使うのがいいのじゃないか。これはまあ宮内庁と申しますよりも、私はそう考えておるわけであります。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 大宮御所はどうですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 大宮御所は、御指摘になりました通りに、貞明皇后崩御のあとは空家になっております。非常に古い建物で、ことに焼けたあとに間に合せの建築的なものがございまして、あのままではなかなか将来使いにくいことだと思います。で、あそこは今どなたもお住いになっておりませんが、将来皇太子殿下のお住いとして必要になると思いますし、その他、先ほど御指摘がございましたように、皇族様の御殿も、非常に申しわけないような状況にございまして、ああいう所に漸次建設をして、皇族としてのお住まいをはっきりと建てていきたいというような希望を持っておりますわけで、そういう面についてただいまいろいろあの中を将来どうしていくかということについて研究もあわせていたしておるわけでございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 本宮殿の建設ということについても現在調査の程度ですが、いずれまあ私の希望としては、あまり遠くないうちにぜひお願いしたい。赤坂離宮も迎賓館等の目的で、国会図書館本建築でもできましたらすみやかに復旧したい。今お話ではこれには相当費用が要る。私ども見ておりましても日に日に荒廃していくことが涙がこぼれる気持でおるのでありますが、これを復旧するには非常に費用が要る。大宮御所は今あき家になっておるが、これも皇太子様のことなどをお考えになっておると、このままではいけない。やはりこれも建築しなくちゃいかぬ。それでいくと、非常に現在その日その日を糊塗して送っておられるために、ある時期に非常に大きな予算が一度に出ていくことになると思うんですが、そういうことに対してもう少し大蔵省とも折衝せられて、年次計画と申しますか、ことに本年などは相当国の財政が一千億施策と言っておるときでありますから、先ほどから社会党の同僚議員からも、もう少し積極的にと言いますか、勇敢にと申しますか、というお話がございましたが、計画的に立案をされるべきじゃないかと思うんです。まあその日その日をこうして糊塗していって、今度はまあ、ああして仮宮殿のほんの修理ぐらいですけれども、私が先ほど申しましたような迎賓館の問題、本宮殿、あるいは大宮御所が皇太子様のお住まいになればなおさらのことでございますが、私どもは将来各地に御用邸等がございましたが、こういうものも外国の元首等が来られたときに、国として御接待申し上げるためには、やはり私どもはそういうものが必要になってくるんじゃないかと思うんです。そういうことを考えますと、もうそろそろ積極的に年次計画を立てられて大蔵省とも折衝せられて、国会も十分な、国民を代表して、理解をもって、国民がぜひそうしたいという国民の理解協力の上に、そういうことが進められていかなくちゃならぬと思う。どうもその点が私は宮内庁が非常にティミッドで、その日暮しばかりやっていらっしゃるというふうに考えるのでありますが、その点、五カ年計画なり十年計画なり、見通しを立てて大蔵省とも一つ御協議になるという、こういうような御意図はないかどうか、あるいは今までもそういう計画はお持ちになっていても、どうも大蔵省が財布のひもばかり締めておって、どうも話がつかなかったということであったならば、私は大蔵大臣に来てもらってもいいと思うのでありますが、宮内庁としてもう少しそういうようなお見通しを、先のことを……まあ戦後のあの惨たんたる状態、あるいは占領下では萎縮せられたことはやむを得ませんけれども、まあ大へんこう失礼なことですが、社会党のこうして代表の方も非常に積極的な御熱意をお持ちになっている。私ども保守党の方もその点においては国民の大部分がやはりそういうことは熱情を持っておると思うのであります。その点もう少し見通しを立てて、年次計画その他そういうような御意図はないかどうか。これはまあ事務当局としては、いろいろそこまでおっしゃれないかもしれませんが、皇室経済会議等もあるのでありますから、ただもう偉い人たちを集めて、ただ諮問機関ということでなしに、こういう問題こそ真剣に取り組んでいただきたいと思うのであります。その点一つ長官としてはっきりと一つ御意見を伺っておきたいと思います。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) ただいま大へんな御激励をいただきまして、われわれはまことに感激にたえないところでございますが、とにかく敗戦後の日本の状態におきまして、国民生活の安定、その他国際関係におきましても、なすべきことが非常に多くて、これが陛下のおぼしめしにおいても常に先憂後楽ということを仰せになりまして、宮内庁の関係の者が率先して、そういう改善と申しますか、大きなことに乗り出すことについては、今御指摘の通りティミッドであったと思うのでございます。で、今後におきましても、まっ先に飛び出すというようなことは私自身は考えておりません。しかし国の象徴として、陛下の御活動、あるいは皇族方の御活動というものにつきまして、すでに戦後十数年たちました今日におきまして、今後御指摘の通りにいろいろ計画的にもって参りたいということで、まあ取りあえず宮殿の調査というものを本格的に来年度からいたしたい。それに伴いまする各皇族の殿邸あるいは迎賓的な施設というものにつきましても、漸次お話の通り、期間は長うございましょうが、計画的に持って参りたいというふうに私自身考えておるところでございます。いずれ具体化するときもあろうかと存じます。何分この上とも御鞭撻、御支援をいただきたいと思う次第でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 まあ今の私が最後に要望したいと思ったことは、左藤委員から言われたから申しませんが、これはまあ幸い、きょう長官が見えておるから率直に言うのですが、申すまでもなく、この新しい憲法のもとにおいて、天皇はやはり国民の総意に基くシンボルである、象徴の形においてこれは最上の人である、こういうようにわれわれは考えておるのであります。昔の行政大権、いわゆる大権というものはお持ちにならぬけれども、やはりこれは国民としては象徴的最上の人格であるということにおいては、これは何も変っていないのです。ところが、どうもそういうことと、それからすべての政治が民主主義を基盤とするということと、これも憲法で定められておる。ところが、どらも戦後のこの特に宮殿の宮内庁並びに皇室の行き方を見るというと、今、左藤君はティミッドと言われたけれども、ティミッドであるということはどこに原因があるかと言えば、やはりこの天皇一家、一つのプライベートな家族である、プライベート・ファミリーという、こういう私は観念が依然として残っているのじゃないか。そこにやはり非常にティミッドになる原因があるのじゃないか。これは申すまでもなく、われわれもしばしばそういうことは、イギリスにおいても、オランダにおきましても、あるいはノルウエーにおきましても、あるいはデンマークにおきましても、皇室というものは、もう護衛もみなそれは二、三人の護衛がついておりますが、ぎょうぎょうしい護衛というものは何もない。もう自由に町に買いものに行く。自由に行動をとっておる。それが何も皇室の尊厳を汚すものではない。ところがどうも特に昨今におきまして――これは皇室の儀式については、これは一つの尊厳を保つ意味においてのなんで、これは護衛じゃないのだ。一つのデコレーションだと、そういうことをはき違えているように、昔に返るのじゃないかというような非常に危惧の念を持つ者が多いわけです。これはむしろ憲法に逆行し、今の時代の風潮に逆行するものです。ですから、この点はまあ宮内庁長官としては、ぐっとやはりそこを調整していかないと、いわゆる皇室に対する国民のせっかくのそういう敬慕の念を、そこで歪曲するという危険が多分にあるのじゃないか。たとえばこの仮宮殿の問題にしてもそうなんですね。これは終戦後われわれも再三あそこへ、吹上御殿なんかに行って、もうまことにお気の毒だと、そこに行った議員諸君で涙を流した者もおるわけです。けれども、それは陛下がまだ戦後のこういう疲弊こんぱいのときだから、そういうようなことはまだ顧みてもらわなくてもいいと、こういうお言葉があった。この気持はよくわかるのです。しかしもうすでに終戦後十年であって、この来年度の予算において一千億の減税をして四千数百の財政の投融資をして経済の拡大をやろうと、こういう時期に今きておる。それからこれはやはり今日の何といいますか、通信交通が発達して、外交というものも一変しつつある、と同時に、やはり皇室そのものの国家的、社会的な一つのファンクションといいますか、これも変ってきておるのです。やはり街頭に出てくることを国民が求めれば、少くともこの街頭に出てくる……、これは周辺の者が阻止することがあっちゃいかぬと思う。ですから、その点はあなたは責任者として今度それこそ私は大胆にやるべきだと思うのです。そういうことは、一つは国民と皇室とを結びつける一つのPR運動になる。百の言葉を言うよりも、千の荘厳な言葉を使うよりも、その方が国民がいわゆる天皇並びに皇室に対する敬慕の念をふやすわけです。どうも私、総括的に申しますと、宮内庁政策として皇室の国民に対するPRが足りない、もう少し意識的にでもやらなければいかぬ問題である。そういう点から見ますというと、今あなたのおっしゃったような仮宮殿の改装が、わずか二千八百万円で改装される、そうして二カ年かけて根本的な調査をする、この気がまえも私は非常に慎重でいいと思うのですよ。しかしもうすでに戦後という言葉を使うまいというような今日の経済情勢であれば、これはあるいは国もとにかく相当な力を得てきたのでありますから、国民のシンボルであの宮殿ですか、われわれまあ年始等に呼ばれてわれわれ国会議員も参りますが、ここにおる国会議員諸君も外国に行ってそういうものを見てきているわけなんです。いかにもお気の毒だ、質素なのはいいけれども、質素を通り越してむしろ体面にかかわるのじゃないかというので、期せずして私は意見が一致していると思う。ですから、そういう一つの、まあ国会議員がそう思うことはこれは世論ですから、国民の世論を代表しているのですから、そうすれば、今左藤君がいわれたように、そら臆病になる必要はないのじゃないか。やはり大蔵省に対しても堂々と、これにマッチするようなものを一つわれわれもやろうと思うから、これは何とかしてくれということは、これはあなたが要求しなければならぬ。ことに非常に時代のテンポの激しい、変動のテンポの激しいときに、二カ年間もかかって根本調査をするという、そういうような私は慎重さを要するかどうかという問題、なるほどそういう何百戸の建物を作るのではないのでありますから、諸外国の例を見るにしても調べるにしても、今日飛行機で行けば二カ月もあればたくさんですから、そうしてやれば、何も二カ年間かけてやらなくてもできるのじゃないか、そこもまあ私は今もあなたの言いましたように、宮内庁の長官としてこういう行政にいろいろ心配していただかなければならぬ人が、あまりにどうも僕はインフェリオリティー・コンプレックスというか、そういうようなものがあるので、やはりティミッドになってくる、国民の要望よりはるかに下回ったものの計画でしかない。ここに私、何といいますか、ズレがあるのじゃないかということをおそれる。ですから、非常な慎重はいいのでありますけれども、ことに岸外交、岸内閣は、いわゆるようやく現在外国に向って経済外交をどんどんやろう、招待外交をやろう、これは私は非常にいいことだと思う。やはり何といっても来てもらって話をする方が一番了解しやすいのですから、それにはやはりそれにマッチするだけの少くとも国民の象徴としての天皇、皇后両陛下をいただいておる以上は、この天皇、皇后両陛下に一役買ってもらわなきゃならぬ、国民のシンボルである……、それにはそうできるような場所を提供しなくちゃならぬ、これは常識上当然なことなんです。ですから、私はむしろ今二カ年間かけてこういう根本調査をやってから先やるというような、その慎重さは私は了としますけれども、今日の時代の要求というものはそういう遷延を許さないということなんです。この点は一つ、二年間の調査は、私はもち半年もあればできるのじゃないか。だから今左藤君からも注意がありましたが、もう少し現在のテンポに合うようにしておやりになる。それから左藤君の言われたことと私も全く同意見でありますが、やはり今日その企画を持たなければ運営ができない。ことに今のように国費を使うのであるから、一ぺんに何ぼ出せということは、これはなかなかむずかしいことであります。少くとも三カ年あるいは五カ年計画によってどこまで持っていくんだという一つのあなた企画をお立てにならなければならぬ。国家予算でまかならのですから、この点は私特に強調しておく。  それからまあそれに関連しまして、この宮内庁費を見て、人件費等を見ましても、これはあなた初めあるいは次長、儀典長官、これはまあ一つの公務員としていうならば、給料は、それはもちろんそれに準ずるわけでありますけれども、これは決して個人的なことを申すのではありませんけれども、原田健君あたり、これは外交界の元老です。非常な優秀な者であるけれども、これが宮内庁に勤めるということになりますと、これは次官級以下くらいな給与しかもらえない。ここらあたりで、今あなたが、何も昔のように宮内庁は内裏であって、決して国民の近づくところじゃない、そういうような意味じゃなくて、国民のものだということになれば、おっしゃるようなふうに、やはり職員の給与というものは、これは相当僕は考えていかなければならぬ。一般の公務員としましても、あるいは公共企業体にしましても、いろいろな手を使っておるのですから、これはあなたとしたらば、やはりそういういい人材を入れて、新鮮な空気を入れてやるというには、どうしてもやはりこれは待遇ということから始まる。この点も私はむしろあなたが慎重過ぎるのじゃないか。ですから、こいねがわくは、来年度これだけの予算でおやりになるとしても、三十三年度ですかの予算には、一つ画期的なことをおやりになることを要望する。またそれが私は決してこれは国民の気持に反しているものと思わない。ですから、これは、まあきょう大蔵大臣も呼んできて、あなたと対決してやることが一番いいかもしれませんけれども、すでにこのきまっておる三十二年度予算の審議上でありますから、それはあえていたしませんけれども、どうもとかく今日まで、やはり今までのような一つの封建的な非常な、謙遜といえば謙遜かもしれない、あるいは東洋の美徳といえば美徳かもしれませんが、しかし時代の要求はもうそういうことを許さない。決してこれは一皇室、プライベートの家族でないのでありますから、これはもう公然と、堂々と、あなたこれは言わなくちゃならぬことなんです。ですから、その点を一つ、はなはだ失礼なことを言うようだけれども、これは私は国民の代表として言うのであります。もし天皇陛下にそういうお気持かあれば、むしろこれをあなたが蒙を開いて、一つその国民の気持というものをあなたがお伝えになるのが、あなたのこれは任務なんです。一つこいねがわくは、来年度の予算においてはこういう消極的なものでなくて、皇室費あるいは宮廷費を含めた宮内庁の予算というものを一つ根本的にやり直すくらいの気持で大胆にやって、そうして今度大蔵省と折衝されればいいのであります。これは私は決してあなたをけしかけるつもりじゃありませんが、どうもわれわれしばしば宮中へ招かれて行きまして、集まる者期せずしてそういういわば意見が一致しておるというわけです。これは国民の声であることを十分頭に入れられて、一そう一つ積極性を持っておやりになることを私は特に要望して質問を終ります。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 国会へ陛下のお出ましをいただくときに、いつも自動車で、お迎えして、型が非常に古いので、もう少し今の時代に合うものをということを考えていますが、ちょっとこの自動車購入費がここに計上されておりますが、どういうような内容でございますか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) 自動車は、大体現在予定をいたしておりますのは、ロールス・ロイスを一台、それからメルセデス・ベンツ、これは御存じのようにドイツの車でございますが、これを四台、都合五台を内容にいたしております。ただしこれは、ただいま御指摘がありましたような国会開会式のような正式のものにお使いになるというよりは、むしろ少しくだけたといいますか、儀式めかない、そういうものにお使い願いたい。それからあわせて、あわせてというよりは、むしろそれが本来の目的でございますが、外国の貴賓、元首とかそういうような貴賓及びその随行者の乗用車に充てたい、そういうように考えております。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 そうしますと、公式のには、やはり一番古いのをそのままお使いになるのですか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) 現在そういうふうに考えております。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 戦前のものですね、今お使いになっているのは。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) さようでございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 これはあれをそのままお使いになる御意思であればですが、あと四台、ロールス・ロイス以外に四台ドイツ製をお入れになる、これを国産車になさる御意思があるかどうか。各官庁が国産車を奨励をする、外国車を買わないということであったのに、ちょいちょい外国車のようなのがまたまぎれ込んでいるので、いかぬと、この委員会でもここで質疑があったわけですが、この点は特に外国の貴賓の接待用にお使いになるならば、国産車がここまで伸びてきたので、優秀なことを見ていただくいい機会でもありますから、これだけはぜひ国産車にしておきたいと思うのですが、そういう御意思はございませんですか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) まことにごもっともなことでございまして、私どももできるならば、この車五台とも国産車をもって充てたいということで、四、五年前から日本のメーカーの方ともいろいろ話し合い、研究をお願いして参りましたわけでございます。とろこが現在におきましては、現在のメーカーの能力におきましては、特にこういう用に充てる大型車と申しますか、それを特別に試作するということについても現在自信を持ってはできかねるということでございまして、大へん残念なんでございますが、われわれとしては希望は持っておりますものの、一方、外国の貴賓が参ります場合に、現在のように一九三二、三年型の古いものを充てておるという状況では、まことに行き届かないということになりますので、待っておられませんので、やむを得ず外国車ということになりました。その御趣旨はよくわかるのですが、実際問題としてメーカーの方でも作り得ないという状況で、これは将来に期待をいたしたいと、かように考えております。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 住んでいるところは粗末なニッパ・ハウスで、車だけ外車を持ちたいという、非常に文化生活の矛盾だとか、はき違いだとかいうことを言うのですが、先ほどお尋ねしますと、宮殿その他については非常に御遠慮になっておる、そうして車だけは今度五台お買いになる、私は一台くらい外国車ならこれもやむを得ないと思うのですが、外国の貴賓の随員等の分まで日本ではとてもできないような大型の外国車でなければならぬと、しかもこの予算を見ますると必ずしもそれが高級車でない予算なのです。その程度のものでありますれば、多少の御不自由はお忍びになっても国産を取るべきだと思うのです。かつて陛下が、戦争中ですが、国産の粗末な腕時計を持っているということに国民は非常に感激をして、国産がまた奨励されたことがあるのですが、私、自動車工業のことは知りませんけれども、この一、二年非常な進歩をいたしまして、東南アジアその他にどんどん輸出をしようとしている。これは新聞記事ですが、朝海フィリピン大使が国産車を乗り回しておるので、あのフィリピンのアメリカ車のはんらんする中で異彩を放っていると、非常に国産車の宣伝になっておるというような記事を見たのでありますが、この点だけは私はどうしても納得ができないのであります。もしメーカー等がどうしても御希望のものをよう作らぬというなら、私は一、二年お待ちになってでも、少くとも一台は別といたしましても、あとの四台は国民が皆われわれの象徴として見ている皇室において国産車をお求めになれないということは、私はどうしても納得できないのであります。それでもやはり日本の自動車工業の水準ではお気に入らない、どうしても外国車をこの通りお買いになるということでございましょうか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) この自動車購入につきましては、今経済主幹からお答えした通りでございますが、実はこの前エチオピアの皇帝が見えましたときの実情を聞きましても、古い車でございますが、ビュィックの車に随員が乗られても、非常に体の大きい方で窮屈そうに乗っておられます。今の日本の中型程度では、大きな外人は一台ずつというような格好になってしまう、実際使うのにも使いにくい問題がございます。それからもう一つは、もし地方に出る場合に、沿道に出ておられますので、非常にロースピードで走ります。その場合にエンジンが焼けないでいくという問題についても技術的に非常にいろいろむずかしい問題がございます。そういう問題や条件をもって、ただいま申し上げましたように、日本の自動車工業界の人にも数年前から研究を願っているわけでございます。われわれ決して外国車を欲しているわけではございませんが、現状においてはどうしてもわれわれが使います条件にどうもたえない点がありますので、そういうものができますのを一日も早く待っているわけでございますが、とりあえず、とにかくエチオピア皇帝が見えましたときからも、非常に一般からの批判もございまして、今回これをお願いするようにいたしたわけでございます。御趣旨はよくわかっておりますが、御了承を願いたいと思います。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 そうすると、四台は非常に体の大きい外賓の接待の場合だけお使いになるのであって、平素はお使いにならないのでございますか。また外国のそういう大きい人をお乗せするようなビュィックその他の古い車はそのままお残しになるのか。これは全部払ってしまって入れかえになるのですか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) これは主として外賓の接待に使いたいと考えております。その他、両陛下のお出ましになるときにお供いたします車は、従来のごらんになりました赤い車に合うものとしては、古いのをやはり使わなければならぬ、かように考えております。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 いろいろお話がありますが、これは鳩山内閣以来の方針として、官庁では車を新らしく購入するのは国産車にするという方針まできめて励行しているわけであります。その励行を怠っているというので、この間、予算委員会でも問題になったのであります。ところが今お話を聞きますと、とても皇室はわれわれ人民とは違って特別の車でないといけない、今までの日本の自動車工業では御希望のものができないというお説でございますが、それであれば、私は通産当局、通産大臣をお呼びいただきまして、果して自動車工業界とどういう御折衝がされたか知りませんけれども、宮内庁の御希望になるような車ができないようであれば、その点を一つ確かめるまでは私はこの予算は納得できませんです。小さいことのようでございますけれど、も、内閣の方針と違っておりますから。しかしそれは技術的に日本でできないというのでしたら、ほんとうにできないということを、私、納得するまで、通産大臣の説明を聞きたいと思います。この点は一つ保留をして、通産大臣をお呼びいただきまして、そこで一つお伺いしたいと思います。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) よろしゅうございます。――他に御発言はございませんか。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 質問ではございません、議事進行でございますが、今聞くところによりますと、租税三法の採決が零時半ごろ行われるそうでございます。私今傍聴席から見ましたところが、私の方の社会党の椿繁夫君が討論最中でございます。まだ実は反対討論でありますから賛成討論の時間があると、私はかなり余裕があるものと見ておったわけなんであります。ところが、今言うように零時半ごろになるというお話であります。そういたしますれば、あとお残りの質問をしていただいて、暫時休憩していただかなければならないと思います。それを申し上げておきます。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記をつけて。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 皇居の参観あるいは勤労奉仕その他について、まあ戦前とは非常に違ったお扱いになってきているのですが、これはあまり度を過ぎてもいかぬと思うのでありますが、しかし、できるだけ国民と皇室とが親しみ合うという意味で、この参観等についてはどういうようなお計らいになっておりますか。あるいはお願いをすれば満たされるものであるか、非常に希望者が多くて、半年も一年もしないというとなかなかその通りにならないというような状態でありますか。この参観並びに勤労奉仕等による皇居と国民との関係ですね、この点について。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 皇居の参観につきましては、現在におきましては資格の上におきまして何も制限いたしておりません。ただ御案内の都合がありまして、人数を一日午前千人、午後千人と限っておるだけでございます。ただ学校の生徒は非常に数が多くなりますので、ただいまは高等学校以上でないと受け付けておりません。それから勤労奉仕の方は、これも一日約百五十人前後というようなことで取り扱っておりますが、これは非常に御希望が多くて、ずっと先まで詰まっておりまして、急にお話がございましても御要求に応じかねるという状況でございます。拝観の方は、ただいまでは個人々々を扱いますと大へんでございますので、なるべく十人以上の団体で、一週間前ぐらいに言っていただければ大ていできると思います。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 非常にけっこうなことでございますが、その拝観をいたしますのに、非常に中が広い、まあ実際これは軍人の遺族とかお年寄りなどが、そういうところを命のあるうちに、こういう民主主義の時代になって、一ぺん拝観して死にたいと、ずいぶん長い距離であるために、とても歩き切れない。ところが拝観の場合には大体コースがきまっておって、それだけの距離は全部行かなければとても中途というわけにいかない。何かそういう点にもう少しゆとりをもって、まさか中へベスを入れるということも、私どもはそれはできぬと思いますが、老人や子供たちにも親しみを抱かせるというようなお取扱いをできぬものかと思いますが、こまかいことですが一つ。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 今見えるのは高等学校以上でございますが、相当老人の方も見えておりまして、ことに遺家族の方も非常に多いのであります。この取扱いには、われわれといたしましても非常にあたたかい気持でお迎えするように係の者には常に注意をいたしておるところでございます。とにかく毎日午前午後、人数が多うございまして、これを全部楽に自動車でというわけにも参りません。ことに雨でも降ったときには非常にお気の毒な状態でございまして、今そういった場合に休む所でありますとか、あるいはかさを貸してあげますとか、そういう問題について今研究をして、できるだけのことはしたいと思っておるところでございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 京都御所、あるいは特に京都には修学院とか桂離宮とか非常に名苑がございますが、奈良の正倉院、こういうところの拝観につきましてはどういう扱いをなさっておりますか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 正倉院、桂離宮、修学院、主として御所ということでございますが、それぞれその規模あるいは状況によりまして取扱いが少し変っておりますが、正倉院の方は常に封をせられまして、秋一度掃除等のためにあける。約一月の間あけまして、掃除をし、手入れをするわけでございます。そのときに三日間に限ってその方の歴史とかあるいは考古学とか、そういった研究家を主体といたしまして、全部で三、四百名くらい一年に拝観できますように計らっておるわけでございます。桂離宮もああいう繊細なものでございまして、多数の人が毎日押しかけるということは荒してしまいますので、ただいまのところ、たしか二百人に限って、これもそういった歴史とか建築とか美術とかいうような立場の人を優先的に扱いまして、それでも一日に二百名に達しない場合には一般の人でも許す、修学院の方はこれは人数で制限いたしまして、希望者に参観を許しておるわけでございます。おのおのやり方は違っておりますが、非常に貴重なものが多いわけでございまして、それを長く保存するという立場も十分考えなければなりませんので、いずれもその状況に従って計画を立てている次第でございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 人員の制限をすることはもっともでございますが、その制限をせられます資格等を審査といいますか、決定されるのはどなたの権限に、どういうような方法でしておいでになるのですか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 京都の方には宮内庁の京都事務所がございまして、京都の御所、離宮の方の扱いは、こちらと打ち合せた一定の方針に基いて所長がそれぞれ認定をいたしております。正倉院の方は、これは年一回三日間だけのことでございますので、こちらの宮内庁の関係部局が正倉院の方と打ち合せをいたしておるわけでございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 今、歴史とか考古学とか、そういう研究者というお話でございますが、大学の教授あたりになれば、その方の専門学者であればこれはお許しする。ところがそういう方面を専攻している学生、生徒、この専攻ということも、大学の一般教養学科がございまして、そこで文化史をやるわけですから、必ずしも大学の高学年になって国史専攻ということ、考古学専攻とならなくても、それに興味を持つ者がある。そういう点で希望者が多いにもかかわらず、実際はほとんど許されていない。これはうわさでありまするけれども、京都の出張所にどなたか知り合いがあれば行けるというような、かなり基準がはっきりしていないために、いろいろなうわさがあるように私聞いているのでありますが、非常に人数を制限されるのですから、どうしてもそういうことは、制限はやむを得ませんけれども、もう少しみんなに納得できるような客観的な基準を一つお持ちになる必要はないかどうか、ただ所長の計らいで公平にいけておるとお思いになっておるかどうか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 桂の離宮のような場合、たとえば美術とか歴史、それからそういった建築という面については、単に教授というような立場ばかりでなく、大学のその方の研究家であれば扱っておりますが、その意味は、それ以外の者は認めないというわけではなく、非常に少数に制限しておりますから、そういう専門家を優先するということで、そういう人たちの希望の少いときには、相当の識者であれば入れるということでございまして、非常に人数を制限されておりますところに希望者が多いので、その日によりましていろいろ申し込みの状況が違うことがあって、外から見ますと、何か非常に不均衡な扱いをしているようにお感じになるかもしれませんが、この点は非常に神経質に考えていたしておるつもりでございます。なお御指摘もございましたので、現地に参りましてなお研究いたすようにいたしたいと存じます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 今通産大臣が、非常にきょうは手がとれるようですから、では私、自動車のことですから、重工業局長でもいいのですが……。通産大臣にお聞きしたいと思うのですが、お差しつかえで、重工業局長が見えたようでありますが、自動車のことは重工業局の所管と存じておりますが、今、皇室費の予算の中に、自動車購入費がございまして、それが五台御新調になる、五台とも全部外車である。鳩山内閣以来官庁では新調する場合には必ず国産車にするという方針でございまして、それがときどき外車がまぎれ込んでいるじゃないかということで、この間予算委員会で問題になりまして、今後は絶対にさようなことはいたさないというようなお話があったのでありますが、ところが今度皇室で御新調になるのが全部国産車じゃない、今お話を伺いますと、スピードの関係とか、あるいは非常に外国の人はからだが大きいので、そういう人を、接伴員まで乗せるということは、国産車ではどうもだめだ。自動車工業会にいろいろ希望してみたのですけれども、こちらの希望するものがないのだ、こういうことでございますけれども、せっかく内閣がそういう方針をとっておるのに、国民の一番親しむべき皇室が、国産車では間に合わないということは、非常に私国民に与える影響も大きい。鳩山内閣以来の方針とも食い違ってくる。かように思うのですが、何とかしてこれは一つ通産省の方から自動車工業会を督励なさって、宮内庁に毛申し入れなされて、五台のうち一台はロールス・ロイスということでもいいが、あとの四台はぜひ国産車にしていただきたいと思うのでありますが、通産当局のこれに対する御意見を承わりたいと思います。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) 通産省で自動車工業を担当いたしております重工業局といたしましては、できるだけ国産車を大いに伸ばして役立てたい、かような考え方で、従来、五、六年前ですと、相当の輸入外車があったわけですが、順次輸入を締めて参りまして、現在では、昨年あたりですと七百台程度の輸入にとどめて、あとは全部国産でやる、かような方針をとっております。官庁にも必ず国産車を使っていただくというようなことで、お願いしているのであります。その気持は今後も進めていきたい、かように考えております。具体的に今御指摘の宮内庁の車について、私具体的によく存じておりませんので、申しかねるのでございますけれども、できるだけこれも国産車で間に合うものならば、国産車を使っていただくようにしていただきたい、かように考えております。ただ、過去におきましていろいろ構造上の問題とか、あるいはいろいろそういった目的の関係で、宮内庁関係でも一、二台高級車を入れた例もございます。現在輸入を認めております七百台程度の中に、やはり報道関係とかあるいは外人接待関係、そういうようなことで相当の高級車を入れざるを得ないようなものもありましょう。しかし私どもの根本的な考え方は、何といいましても、国産の技術、国産の、日本の自動車工業を盛り育てて、これをできるだけ使っていただくようにしたい、かような考え方であります。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 ただいまの御趣旨に対して、宮内庁長官は同じ政府の役所としてどうお考えになりますか。

宇佐美毅宮内庁長官

○説明員(宇佐美毅君) 今述べられましたことは、先ほど私も申し上げました通り、できれば国産車でやりたいということで、実はもう二、三年前から工業会の方へ連絡していることでございます。それから、これ以外の宮内庁で使いまする車につきましては、もとより政府の方針で国産車を使いますし、皇太子殿下御自身も現に国産車にお乗りになっておるわけであります。その方針に対しまして、われわれは何も異議はございませんが、ただ外人の大きなからだの方が見えて、その扱いを現実の体験からいたしまして、中型あるいは小型では非常に工合の悪いことが多いので、お願いをいたしておるわけであります。  なお、今後の問題につきましては、通産省の方にも御協力をいただき、御指導もいただいて、十分研究はいたして参りたい、かように考えております。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 くどいようですが、今度の予算では五台も外車をお入れになる。今までは国産車、昨年も一昨年も国産車をお入れになっている。本年だけ五台どうしても接待用であるために国産車だと間に合わない、こういうことでございますか。現在どれくらい国産車を宮内庁でお使いになっておりますか。

高尾亮一皇室経済主管

○政府委員(高尾亮一君) 現在宮廷費で持っております四十一台のらち、六台が国産車でございますが、実はこれは戦前の遺産を使っておりますので、戦後は特殊なもの以外、ただいま長官も申し上げましたように、皇太子様自身も国産車にお乗りになっておるような状況で、戦後は原則として国産車だけでやっておりまして、今回のは例外とお考え下さってけっこうだと思います。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 今の御答弁をお聞きになって重工業局長どうお考えになりますか。これでいいですか、あなた方の自動車に対する、国産車に対する御方針として。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) お答え申し上げます。先ほどより申し上げておりました通り、国産車の使用に対する考え方、それから日本の自動車工業に対する考え方は申し上げた通り、できるだけ日本の自動車工業を伸ばして、できるだけたくさん作って、これをたくさん使っていただくようにしたい、かような考え方でございます。  ただいまの具体的な問題、宮内庁の問題につきましては、われわれとしてもよく宮内庁にお話をいたしまして、国産車で間に合うものは間に合せていただきたい。またどうしても用途その他の関係でぜひこういった特殊な構造のものが要るという場合には、よくお話し合いを持った上できめていきたい、かように考えております。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 結局、これは技術的な問題というか、そういう大型車はできない、大型車ができなければ中型車でもごしんぼう願いたい。少々窮屈でも国産車に乗ってもらって、日本の国産車の優秀性を世界に見せていただきたいと思うのでありますけれども、今も局長見える前に長官にも申し上げておったのですが、フィリピンの朝海大使が国産車を乗り回して、非常な国産車というものがアメリカ車の中でまあ意気を吐いているというか、ところが国民の一番お親しみを申し上げておる、一番国民の象徴である皇室で、わずか一割も国産車をお用いになっておらない、戦前からのものだとおっしゃいますが、戦後お買いになったものは、おそらく外車の中古とかいろいろ入っておると思いますが、その比率から見ましても、実に私は国産奨励の趣旨に沿うていられない、おそらく私は陛下のおぼしめしでないと思うのでありますが、さらに今度またこの予算で五台も全部外車だということは、私はどうしても残念だと思うのでありまして、今日ここで結論が出なければ、なお一つ、局長あまりこの問題を御承知ないようですから、自動車工業界の方とも一つ協議をせられまして、さらに政府の方針でございますので、現内閣の方針でございますので、その点一つ各省にそのことを督励いたし、官房長官等とも御相談になって、よく一つ通産省善処せられたい。こういうことを国民がもし知りますれば、非常な私は国産車というものに対するせっかくここまで燃え上ってきている、ここ一、二年特に輸出振興の上において大きな役割を果そうとしている自動車工業界としては、残念だと思いますので、もし宮内庁のおっしゃるようなことで、どうもしようがないと頭をかいて引き下るよりほかない現状なら、これは私は通産省の方面で、あるいは宮内庁が、どらもからだが大きくて、大型車でないと接待ができないということだけなら、こういう不便を忍んでもらっても、こういうふうにしたらこれだけ優秀性があるのだということを、もう少し国民や外国に輸出の宣伝をする前に、一番中心である宮内庁にもう少しこの点は御了解を求められる必要があると思いますので、よく御善処願いたいと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 せっかく重工業局長が見えましたので伺いますが、問題は、今、五台の自動車のことでかなりの時間で質疑が行われている。このことは何と言っても日本の自動車工業の性能の問題になっている。性能さえよければですね、かような議論なんかあるはずがないのですよ。そこで確かに国産車を使うというのは、鳩山内閣以来現内閣まで引き継いだ方針でありますけれども、しかし一方じゃ国会が、政府がきめたからそのままその方針にするかというとさようじゃない。国会は国会で、この問題では実は議運の理事会でさんざん議論しました。あきれるほど全くこれはやったのであります。私は長く理事をやっておって、もうその当時は商工委員会に自動車関係の小委員会がございまして、その委員の人たちに特に出席をしてもらったりなどをしてずいぶん聞きました。ずいぶんその商工委員の各位は熱心でありますから説き立てるのでありますけれども、結論とすれば、決してこれはそのとき安いように見えて、長く使う場合安いという結論にはどうしてもならない、残念ながら、残念だけれどもそうなんです。それにもかかわらず、やっぱり国会が使うということが、精神的にも一つの励みになるだろうということで、国産車をより多く使うことに予算を変更したのです。これは去年のことです。しかしやっぱり内輪話だけれども、結局そういう無理なようなことをして、性能もないものを無理に理屈をつけてりっぱなようなことをした。とにかく日本の業者というのはまことに悪い癖があって、国会で八台、たしか八台だと思いましたが、参議院だけですから、衆議院も入れるとどういうふうになりますか、その程度買ったからといって自動車工業それ自体には何の影響もない。ただ悪いことには、それを昔宮内庁御用達というのを大いに使ったと同じように、このごろ国会さえも使っているのだ、こういうようなことで連鎖反能を無理に起している。このときにたぶんそう起るだろうというので、議運の理事会では問題にいたしまして、自動車課長とも内々相談してみたら、やはり業者を呼んでそれはたしなめてもらった方がよいという結論だったのですが、ついにこれは国会末期などで忙しくてついついやらずにしまいましたけれども、あまり庇護することがかえってあぐらをかいてしまって、励みを失わせるという、今の左藤委員の何からするとまるで私は逆のことを実は考えておるわけですね。端的に言いますれば、あれでしょう、今大へん国産車もよくなったことは何人も認める、新しいうちだけは……。そこらを走っている円タクだって、僕はよく、これをおろしてから何カ月使う、何年使うということをすぐ聞くのです。三月たってガラスのゴムのパッキングがはずれているのはたくさん見られますよ。それから塗装の悪いことおびただしい。どんなにいいやつでも六カ月たったら下の方はみなはげてくる。これが事実なんです。事実に目をおおって、それで国産を擁護しても、それでは物事の解決にならないですよ。ことに今の朝海大使か公使かの話も今聞いたけれども、僕はまた別のことを聞いているのです。向うへ行って、これはフィリピンじゃありませんけれども、よくこういうもので乗っているという、逆なんです。それで非常に感心しているというのかもしらぬ、感心しているわけがないですよ。向うへ行ったら二百十ドルも出せばぴかぴかしたものが買える。日本の十万円ですよ。こっちで税金なんか全部ゼロにして持っていっても、それより何倍も高い。それで現実に僕なども選挙のときに三十七、八年のをちょっと手直しして使いますが、これはけっこう乗れる。ところが残念ながら日本の国産車で四十六、七年、それよりも十五年もあとのに今乗ってごらんなさい、いやはや楽隊を背中にしょったようにがったんずっとん、とてもそれだけだって頭が痛くなっちゃう。これは事実なんですね。  だから長物語をいたしましたが、決してこれは単に国産愛用という言葉だけで解決いたしません。よっぽどもうあなた方力を入れてもらって、かような議論なんかはもうないようにしてもらわなければだめだと思うんです。そこでその長物語の結果、あなた方は今それに対してどういう処置をとっておられるのか、改良に対してですね、性能です、主として、この点を一つお伺いいたしたいと思います。

鈴木義雄通商産業省重工業局長

○政府委員(鈴木義雄君) ただいまの御意見、お話は、非常にまあ日本の国産自動車を大いに鞭撻してやろうという親心からのお話だと存じますが、御存じの通り、日本の自動車工業の技術は最近非常によくなってきております。外国から技術を導入したり、日本独自の技術も相当よくなってきておりますしまた価格等も相当合理的なものになりつつある状況でございますが、御指摘の通りまた、まだ不十分な点もございます。そこでわれわれとしましては、さらに業界の技術的勉強も十分要請いたしますし、それから特に問題のそれぞれのパーツ等についても十分手を打たなければならないと、かような点で設備の合理化等も行いたいと思っておりまして、実は昨年国会を通りました機械工業振興臨時措置法にも自動車の部品等は指定いたしまして、特別の入手を行なって、部品等の設備の合理化も行い、あるいは規格の統一も行うと、分野をきめて、もっと優秀な部品部門、材料部門を育てて、それと提携しながら、親会社は従来の技術をますます切磋琢磨して、要望にこたえるような車ができるように、さらにさらに足らないところを十分業界と一体となって政府も努力したいと、かように考えております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 まあこれが主たる問題じゃありませんから、やめておきます、私は。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 暫時休憩し、午 後二時再開いたします。    午後零時五十二分休憩    ―――――・―――――    午後二時二十二分開会

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 休憩前に引き続 いて会議を開きます。  国会所管につきまして審査をお願いするわけでございまするが、まず衆議院から説明を願います。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 昭和三十二年度国会所管衆議院関係予算の要求額は、十九億七千二百五十一万一千円でございまして、これを前年度予算額十八億五千六百六十五万三千円に比較いたしますと、一億一千五百八十五万一八千円の増加となっております。  次に、主要な事項について一応御説明申し上げます。  まず、国会の運営に必要な経費として、十八億二百七万一千円を計上しております。そのうちおもなものを申し上げますと、   議員歳費、通信手当、旅費、議員秘書給料及び立法事務費等議員に関する経費九億三千三百十五万一千円。   事務局、法制局及び常任委員会における職員の人件費、旅費その他の事務費、国政調査に要する旅費、審査雑費及び証人等の旅費、議案類印刷費、光熱及び水料、通信費、議員会館等の維持管理に必要な経費八億四千四十三万七千円。   列国議会同盟日本議員団の分担金及び列国議会同盟会議等海外派遣に必要な経費として、二千八百四十八万三千円が積算されてあります。  第二は、営繕施設に必要な経費として一億六千二百四十四万円を計上いたしてあります。これは、衆議院庁舎の増築に一億三千四十四万円、衆議院議場の空気調和装置の改修に二千三百万円、衆議院各所新営及び改修に一千万円が積算されてあります。  第三は、予備金に必要な経費として前年度と同額の七百万円を計上いたしてあります。  以上簡単ながら概略の御説明を申し上げます。  次に訴追委員会関係について便宜私から御説明いたします。  昭和三十二年度国会所管裁判官訴追委員会関係予算の要求額は、九百三十三万円でございまして、これを前年度予算額八百八十二万四千円に比較いたしますと、五十万六千円の増加となっております。これは、裁判官訴追委員会の運営に必要な経費でありまして、委員の旅費及び職務雑費並びに事務局職員に対する人件費、事務費等に必要な経費が積算されてあります。  以上簡単ながら概略の御説明を申し上げます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 簡単にお聞きいたします。衆議院庁舎の増築という項がございますが、これは今建築中の、あの通称議面と今まで言ってきた、今度は議面ばかりじゃなくして使うわけでありますが、あれでありますか。訴追委員会の五十万六千円、少額でありますが、これがふえたのはべース・アップによるものでありますか、その他の使途がございますか。以上伺います。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 庁舎の増築は、先ほどお尋ねがありましたように、議面を中心にいたしまして、両院の両翼に対照的に立っております庁舎でございます。それから訴追委員会の方は、これは結局ベース・アップ、給与調整に伴う人件費関係だけでございます。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) ほかに御質疑はありませんか。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは非常なばく然とした質問になりますけれども、国会の衆議院の予算と参議院の予算というものは、こういう款項目を見ても当然これは一致するのは当り前のことだと思いますが、大体この予算のめどというものは、いずれにしても、そういうものは大体議員の数を基準としてやっておりますか。この査定といいますか、参議院に対して衆議院の予算を査定する場合には議員の数だけを基準にするのかどうか。ほかにまだファクターがあるかどうか、その点どうですか。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 各項目について違うかと思いますけれども、必ずしも議員の比率ではないと思っております。これは人件費、職員の人件費なんかでございますと、これが、職員の数が基準になりますが、それから庁費等で頭割りの問題があります場合には、職員の数が基本になるかと思いますが、ほかのいろいろな経費では、議員数の比率でいきますと、参議院の方が多いわけになっておりまして、必ずしも議員の数ではないと思っております。科目によっては若干違うかと思いますけれども、一般的に議員数というふうになっていないように思っております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 この維持管理の問題ですが、衆議院と参議院と同じ館に居をかまえていて、大体維持管理は衆議院、参議院と違うわけではないと私は思うのですが、申すまでもなく、ことに国会はこういう最高の立法府であって、相当維持管理のことをこまかく言えば、ガラス等を拭くにしても、これはもう他の建物とは違って、相当気をつけてもらわなければならないと思うのですが、一つそういう維持管理の問題と、それからこの構内にある建物ですね、私は今日、衆参両院の両翼にできた建物、これは必要があって生まれた建物に違いない。しかし国会議事堂を中心として全体的に見て、美観といいますか、いわゆる立法府の議事堂の周囲の環境ですね、環境というものに対しては、相当これは単なる国会議員ではなく、国民全体として、世界各国ごてごて建物を建てるというところはない。いろいろな必要で両院にできたのでしょうが、さらにまたやはり両端にできていますね、これは私は実に何というか、国会議事堂としての美観を損じている。議事堂というものの周辺はなるべくスペースを豊かにして、できるだけスペースを広くするということが通念なんです。しかし近ごろの日本では、そういうことが無視されているのじゃないか、これは非常に遺憾な状態だと思う。今度新しい新館ができれば、少くとも両端にできているものは僕は整理し得るんじゃないかと思うんです。その点どうですか。衆議院だけの御意見を承わりたい。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) ただいまの点は衆参共通の点だろうと思うのですが、まあ本館の維持なんかに対しましては普通の官庁の修繕なんかと違いまして、これは非常にいい建物だものですから、その点はよけい経費がかかるわけでありまして、そういう維持管理につきましては特別にこれからも努力を払っていかなければならぬと存じております。  それから議事堂周辺の問題につきましては、おっしゃられた通りでございまして、戦後、会館でございますとか、委員会庁舎でございますとか、議事堂周辺にはあまり議事堂にふさわしくないような建物も建っておるのでございますが、これはいずれ議員会館の本建築の問題なんかが起るだろうと存じまして、その場合には美観からいきましても均衡のとれたものをいずれ御相談をしてきめていただきたいと存じております。  それから各庁舎ができましたあとの付属的なものの取り払いの問題でございますが、これは一つは将来の議員会館の改築問題なんかと関連いたすかと思いまして、参議院の方とも相談しまして、どういうふうにしますか、これから検討したいと思っております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 もう一つ、これは私は前に参議院では事務総長に注意を喚起したことがあると思うんですがね、まあ多数の衛視といいますか、ガードですね。先ほど申し上げたような趣旨で、やはり議事堂の尊厳を保つことについては、やはりこの衛視ですね、ことにフロントにおる衛視、あるいは裏門でも、門に、ゲートにいる衛視、これは僕はやはり各国の例を見ましても、何も私はこの金ぴかのものを作れとは言わぬけれども、少くともこの本玄関におる衛視はユニフォーム、服装においても僕はやはり特殊のものを考えるべきじゃないか、これは何も民主主義に反するのじゃないんだ。前は開襟シャツでもって上着も着てないやつがおったので、僕は参議院の事務総長にやかましく言って、本会議においても開襟シャツで書記をやっている。衛視も開襟シャツで……それはなるほど警官も開襟シャツじゃないかということを言うかもしらぬけれども、国会議事堂というのはやはり国民の一つの注目の的であり、国民のシンボルなんですから、そういう服装という点について、ことに衛視の服装ですね、僕は考える必要があると思う。単なる形式主義じゃなくて、一番わかりやすく言えば、やはりこの立法府の尊厳というものを表わすのには僕は金ぴかをつけてもいいと思うんです。決して保守的な観念じゃないんです。こういう点は私は前にも参議院では注意しているんですが、衆議院でも一つ事務当局でも各国の例をよく見て、今のようなだらしない衛視の格好というのはこれは世界各国にありません、実際。ですからこういうまず服装は人を作るということは、これは真理だと私は思うのです。ことにこういうような議事堂においては、衛視の服装というものはもう少し私は注意しなくちゃいかぬと思う。これは予算をふやすことになるかもしらぬけれども、少くとも主要な部門における衛視の服装は再検討すべきじゃないか。これは参議院も一つこの問題については事務当局として一応の案を作って議運の小委員会にでも出すだけの準備をせられんことを、この際希望をしておきます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 ちょっと今のに関連して。私もこの議運の理事を長くやって、しばしば今の山田委員の御発言のようなことを注意したことがありますが、外国を回ってみまして、議員は背広の平服という場合が多いわけですけれども、しかし衛視の服装はまあ非常にりっぱのみならず、まあこれは予算外のことかもしれませんけれども、品位を保つという総体の意味でしょう、体格までも実にそろえておるといいますかね、りっぱな体格ばかりで、ところがまあそういう配慮というものは、一体ここは全くないか、ことによると特に貧弱な体格を探しているんじゃないかという工合にすら見受けられるんですね。これは僕は衆議院の庶務部長にお聞きするのは妥当とは思いませんけれども、管轄がそうだと思いますから。こういう採用基準などはどういうふうにやっておるのか、この際衆参ともに聞いておきたいと思うのです。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 今お尋ねの衛視の服制のまず問題でございますが、私どもは一ぺん制服を定めました以上、あまりだらしない格好をされるというのが困る点はまあその通りでございますのと、内閣から派遣されております警察官の服装ともやはり均衡がございまして、まあ今まで赤いくつをはいたり黒いくつをはいたり、白い手袋をしたり黒い手袋をしたりしているようなことがございますから、そういう点は漸次改善しつつございます。それから服装の問題につきましては、制服の問題は別としましても、まあ質なんかは非常に悪かったものですから、これはぼつぼつ改善いたしておるわけでございます。  それから今の衛視の採用の基準でございますが、年令的には一応あまり年をとった者はできないものですから、三十才未満という原則をきめておりますが、背丈につきまして何尺というふうなほど厳格な基準をやっておらないのが実情でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは天田君の言われたことは、これは私は非常に重要なことだと思うのです。これはたとえば通俗な例でいけば、帝国ホテルがだいぶ最近変ってきた。これはホテルにしても、これは一つの単なるホテルという商売の場所というけれども、一流のホテルになれば、これはまあ民主的なアメリカに行っても金ぴか、いかめしい服を着て六尺豊かな者が立っている。これは何もおどかしじゃなくて、そこのホテルの品位というもの、お客の歓迎というなにが非常に含まれておるのですね。ましてや国会というものは、そういうホテルどころじゃない。最もこれは荘厳なところであるのに、今言ったような身長が五尺そこそこで貧弱なよれよれの開襟シャツを着てうろうろしていると、クーリーと変らぬように思う。見かねて、私は今困っておる、そんなことで金を惜しんではいかぬ。少くとも折目正しくきちんとしたものをフロントに置くということは、私は参議院の事務総長にはやかましく言ったのです。これはやはりすべて服装は人間を作るということは私は真理だと思うのです。ことにガードとして国民の最高立法府の前に立たす以上は、これは金の問題じゃないのだ。やはりきちんとした服装をさせるということが、おのずからこれは議員そのものにも私は間接にも反映することだと思う。だから今みたような人を選ぶような場合には、何を苦しんで五尺前後の貧弱なものを選ぶか、これは私は大きな欠点だと思うのですね。やはり堂々たる者を選ぶ、相撲取りぐらいなものをフロントに置くぐらいなようなつもりでやらなければいかぬと思うのだね。  それからもう一つちょっと言いますが、これは衆議院を何もくさすわけじゃないが、玄関に入った感じが衆議院と参議院と比べると、やはり僕は参議院の方がいいと思う。どういう点がいいかというと、まずあそこの衛視がおる場所ということもこれは関係があるのです。玄関に入った感じというものはこれはことに外国に行って玄関が一番大切なんです。その点にくるとどうも衆議院の衛視諸君はわれわれが通ったって立ちもしない。ものぐさのような顔をして腰かけたままでおる。少くとも議員の入る通路を議員が入るのですから、そうすれば少くともあそこにおる衛視はこれは任務なんです。少くとも緊張した態度をとるべきなんです。われ関せずえんというような顔をしている。これは私は衆議院には特にその感じを強くしたのですがね。ですから服装をよくすると同時に、そういった特殊なやはり衛視としての訓練を一つする必要があると思う。これは小言を言うようだけれども、これは私は外国に行って特に痛感したところが多いのですね。これは事務総長にやかましく言って、漸次改善するようにしてもらいたい。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 ここでついでに参議院も来ていますからお聞きしますが、今衆議院の予算のことですが、参議院が……。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) ちょっと速記とめて。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記を始めて。  参議院の方面にまで影響してそれでは御質問をお願いいたします。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 ちょっと共通の問題で、説明を伺わなくてもわかる範囲のことを質問します。  今の服装問題ですが、山田委員から、こういうものにそう金をけちけちするなというお話がありましたけれども、私らの知る限りでは、予算そのものは、服装については、そう特にえらい見劣りがしている予算ではないはずなんです。特別、同じ金を使って、悪い物を国会だけが買っていると、こういうことになると思うのです。それは警官でいえば、なにか、棒やら何やらというものが服装の方に入るかどうか知りませんよ、ああいう物を除いた上下服そのものについては、特別切り詰めた単価のあれを着ているはずじゃないはずです。私ども議運に長くおりましたから、庶務小もやりましたし、承知しているわけですが、それで、なおいつもここだけがどうも服装がみすぼらしい。特別よれよれな物をわざわざ行って買ってきたという感じさえしないではない。このごろはだんだん物資が豊かになりまして、警官の服装などはすばらしくよくなってきました。で、列国と比べたらまだ落ちるけれども、どうしてそうなっているか、参議院の方から私は聞きたい。

渡辺猛参議院事務局参事(庶務部長)

○参事(渡辺猛君) お答えいたします。衛視の服装のことでございますが、予算の点につきましては、衆参同様、同じ単価で入っているわけでございまして、ただ従来被服の事情が悪かったというようなことで、今までは相当その貸与――使用させる期間等が長かったので不体裁なこともございましたが、これは逐次一つ改めていきたいと思っております。最近はまた被服も漸次改善されて参りまして、いい物が入るようになって参りました。今後なお一そう注意をいたしまして、被服の改善に努力をいたしたいと、こういうふうに考えております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私が聞いておるのは、衆参両院の比較ではないのです。他の、警官とか、たとえば刑務所職員とか、類似といいますか、そういう人の予算単価と国会の予算単価が低いはずがないのですよ。ないのに、ことさらとでも言えるくらいに悪い物を買い込んでいるという気がするんですけれども、それは一体どうなのか。それは、耐用年数とか、長く使われるとかいう問題もありますけれども、そうでなく、あの物自体が悪いですよ、きのう新調したって、生地そのものが悪い物ですよ、どう見ても。それはどういう関係ですかとお聞きしているのです。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 庶務部会計課長の溝端君かあるいは参議院の庶務部会計課長浅井君、どちらかの答弁を願います。

浅井亀次郎参議院事務局参事参事(庶務部会計課長)

○参事(浅井亀次郎君) お答え申し上げます。予算の単価につきましては、国警さんのことはわかりませんが、衆参両院は同じでございまして、国警さんの品物と衆参両院の品物と比較いたしまして、悪いというお話でございますが、これは大量に買うのと少数買うのとで相当値段の開きがあるのじゃないか、そう考えております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 仕方がないからそれ以上答えられないですから、ただ注意しておきます。そんなに違うものじゃないのですよ。大量といったって、一人で買う場合と何百人という場合とは違うけれども、やはりこっちも何百人、国警だって何千人の単位である。一巻から先はそう違うもんじゃないですよ、実際。ですからやはりそういうところへもっと、こまかいようでありますけれども、目を光らしていただきますならば、決して予算を引き上げるという、国民の税金を損をするという形でなしに、同じ金でもやはり私はもっとりっぱなものが買える、これはかつて国警の単価と比較して議論したことが私はあるのです。それですから、そう申し上げておるので、あとは注意の問題だと思うから、そういうことに十分注意してもらうように申し上げておいてやめます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 もう一つ私これは衆参両議院の事務当局に考えてもらいたいのですが、この予算を見ると、衆参両議院とも本会議場の冷房装置をする予算を計上しておるわけですね。これは非常にけっこうなことだと思う。もう一つ化粧室ですがね、便所、衆議院も同じだと思うが、参議院では御婦人の化粧室というものが、いわゆる議員の行く化粧室が全部男性用になっている。女性のは一つもないわけです。たとえば参議院の例でも、衆議院もそうだけれども、もうあそこへ各会派の事務局の婦人なり、食堂の女の子なり、また婦人議員まで男女同じ化粧室に入り込むということは、これは世界で最も奇怪な風習なんですね。外国人の婦人なんかあそこへ案内しても入れません。婦人が入るということはあり得ないことなんです。これは日本の風習だから仕方がないじゃないかということを言うかもしれませんが、しかしこれはもう世界中で日本だけです。男女とも一緒の入口から入るなんて、これは国際的なエチケットから考えてこれほどばかなことはない。今日デパートへ行ってもどこへ行っても、男女の便所は別になっておる。しかし国会だけは依然として男だけの便所がある。これは何としてもおかしな話です。両議院とも婦人議員がおるわけです。だからたとえ少数たりといえども、婦人議員は婦人議員のトイレットを設けることは、これは常識です。冷房装置をやるくらいなら、それよりもっと金がかからない、化粧室を男女別にする、これはもう急いでやらなければならない。これに対して全然私は関心を持ってないと思う。これは冷房装置よりも、四季、春夏秋冬要るんだから、もっと重要性があると思うけれども、そういうことに全然あなたたちは関心を持っていないのか。

渡辺猛参議院事務局参事(庶務部長)

○参事(渡辺猛君) 婦人議員の化粧室のことでございますが、参議院の方は一昨年ですか、そういう御要望がございまして、今議運の委員長の部屋の前に一カ所あります。その他女子職員専用の化粧室というお話もありますが、これは逐次一つ研究していくようにいたしたいと、こう考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 衆議院の方はどうですか。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) まことにごもっともな御意見でございますが、私の方では、便所の中に婦人用というのを作ってありますだけで、特に婦人用の便所を別に分けておりません点は確かにその通りなんでございます。まあ婦人のおられなかった時代に設計された建物だったものですから、そういう点につきましては、私どもの庶務小委員会に申しまして研究をして参ることにしていきたいと思います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは研究の余地はないのであって、ただ作るか作らぬかの問題です。ですから今日、一歩国会を出て新しい大きないわゆるビルディングへ行けば、男女の化粧室が別ということは、これは常識になっておる。国会が何と申しましょうか、むしろ例外的に、男女共用の化粧室を持っておることは、先ほど申しましたように、国会の現状から見ても、いかにしても私はたえ得ないところである。ことにああいう会派の使用人や、食堂の使用人という者までが、議員の化粧室に堂々と入ってくるようじゃ、私はいけないと思うのです。ぜいたくな意味でそんなことを申し上げているのではなくて、国際エチケットに反しないこと、これはすでに国会では金の問題ではないと思うのです。それからこれは参議院も一カ所設けたというけれども、あんな端っこの方では、いざというとき間に合いはせん。これはほんの申しわけに過ぎないので、まだ私の言う国際エチケットに反しないという本心がないから、ああいうごまかしをやっておるのだと思う。これは本格的にまじめに言っておるのです。私は外人がくるたびにひやひやしておるのです。入りませんよ、自動車で帰って用たしに行ってしまう、いかにしても不体裁です。研究じゃなくて、いかにしてこれを実施するかということを、緊急に国会の衆参両院も本式なものを作るように一つ努力していただきたい。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 衆参両院の超過勤務手当ですね、時間外の分として計上されてありますが、他の役所、他の政府公社、現業――三公社五現業のような、こういうものと比べて非常に国会は窮屈でないだろうか、特に国会がこのごろは正常化をしたのですが、夜遅くなるとか、いろいろあるのですが、果して均衡がとれて、十分その労に報いるだけの計上がされておるかどうか。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院と参議院につきましては、大体三百十五時間ということで、超過勤務手当の予算が計上されております。私どもの場合は一般の方と比較してどらかという問題でございますが、私ども政府の方のこまかいところまでは知りませんが、一般的にいえば、国会の特殊性にかんがみまして、一般の方よりはこちらの方が高くなっておるかと存じます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 自動車の運転手等の話を聞きましても、必ずしもその労に報いられるだけのことをしていない。他の役所よりも非常に国会が割が悪いように聞くのですが、さようなことはございませんか。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院の方におきましては、自動車の運転手は非常に遅いのでございますけれども、大体私どもの方では、昨年の春のような、特別な事態がない限り、実績を大体まかなっておったわけでありますが、今年の小選挙区のように、非常に遅くなった場合は、若干むずかしくなりますが、そういうような場合には、自動車の運転手も実績に応じまして出しておるのが現状でございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 さようなむずかしい事態が起ったときには、何か特別にみるようなことができますか。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) この間のような特別な例が起りますと既定の予定ではちょっとまかなえませんので、予算をずっとみまして、流用の手続きなどを大蔵省に申請しましてみていただきます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 退官退職手当ですが、ほかの役所よりも割合に新陳代謝というものがスムースにいっていない。従ってつい能率の悪い人でもそのままになっておるというようなことがありはしないか。退官退職手当が十分でないために、そういう人事の刷新というか、各職場で信賞必罰というか、大いに能率をあげて、どんどん若い人が伸びていけるような、そういうことがうまくいっていない空気が、だいぶよどんでいるというようなことはございませんかどうか。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院について申し上げますと、大体私の方は相当勤務年数の長い職員が多いものですから、現在の退官退職手当の予算では、とうてい賄えないのでございます。現在までのところは、やはり流用等によりましてみておりますが、これからの法律で、二十五年以上の永年在職職員、そういう職員に対しまして、退職手当が倍額といいますか、行政整理が緊急に出されるようなことになりますと、今のままでは、なかなか簡単に退職ができないような情勢になるだろうということは予想しております。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 そういう点で、この予算では非常に不十分で、従って人事の刷新交流等が不十分だということをお認めのようでございますが、その点は将来一つ、善処してほしいと思います。もし大蔵省がきかなければ、われわれ応援をして、やはり人事が沈滞しないようにしたいと思うので。先ほど流用のお話がございましたが、たとえば二十九年度あるいは三十年度の決算の結果、どれくらい流用しておられますか、また、たとえば三十二年度予算で、もしそういう必要があるならば、どれくらい、大体この予算で流用し得るワクが、ワクというかワク外というか、そういうものがあるかどうか。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院の方は、実は私の方で行政監察特別委員会という特殊の委員会の職員がございまして、この人たちが役所をやめましたために、退官退職手当が多かったのでございますが、これは特殊な例としまして、大体三百万ぐらいは、余った経費の方から流用しているようでございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 参議院はどうですか。

渡辺猛参議院事務局参事(庶務部長)

○参事(渡辺猛君) 参議院の方は、三十一年度は既定予算の中で、十分退官退職手当は賄い得たのでございます。ただ三十年度には専門員等の退職がございまして、その際には、退職手当に当てるために予等の流用を求めました。それは大蔵省から承認を得て、退職手当を支払ったということでございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 非常勤職員というのは、これはあれでございますか、お医者さんと技術員でございますか、どういう内容でございますか。衆参両院とも。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院の方は医者と看護婦でございます。

渡辺猛参議院事務局参事(庶務部長)

○参事(渡辺猛君) 参議院の方も衆議院と同様に医者と看護婦だけでございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 これが非常に少いようですが、十分これで報いられているのですか。お医者さんなんかどういうふうな制度になっておりますか。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院の方は、衆議院専属の医者というものがございませんで、現在慈恵大の附属の東京病院というのがございまして、そこのお医者さんが、かわるがわるといいますか、医務室の方に勤めておるような状況なものですから、従って一人当り俸給はそう多額になっておりません。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 議員はもちろん、職員もそのお世話になると思うのですが、もう少し非常勤でなしに、議員の健康保持の点から、この方に力を入れる余地はないものであるか、予算等の面から非常に貧弱なように思うのですが、議運等で要望せられても大蔵省が承知しないのか、あるいはお話がそこまでいっていないのか、どういう状況でございましょう。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院の方は議員さん専用の医務室がございまして、そのほかに眼医者、それから耳鼻咽喉科、それから歯医者等ありまして、大体議員さんの要望に今こたえられているようでございます。それで特殊な場合には東京病院の方と緊密な連絡をとってやっておりますものですから、その点はいいんですが、御家族の方につきましては共済の適用がございませんので、非常にその点では不便をおかけしていると思います。

渡辺猛参議院事務局参事(庶務部長)

○参事(渡辺猛君) 参議院の方は議員専用の医務室と、それから職員診療所がございまして、議員専用の医務室の方には、いわゆるパートタイムの医師の方が一週間に何時間、一週間に一回とか、一週間に三日とかいうお方がみえておるわけであります。あるいは一週間フルにみえる人もございますが、そういう状況でございますので、それと勘案いたしましてそれに相当するような俸給を支給しておるわけでございます。そしてその他期末手当であるとか、そういう面につきましては、なるべく一般職員と同じような基準でその他の財源から支給するように努力しております。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 われわれの大事な命、健康をあずかっていただくのでありますので、非常勤あるいはパートタイムというようなことでなしに、将来責任をもってお世話になれるように、もう少し、これは議運等の問題でございましょうが、善処され、来年度の予算等においては十分検討されるように両院ともに要望しておきます。  それからこれは私別に自動車会社の手先ではないのですけれども、鳩山内閣以来の方針として、国産者の奨励ということを非常に役所でやかましく言っておりますが、両院とも自動車の予算が若干あるようであります。これはもちろん国産車を購入されると思いますが、さよう了解して間違いございませんか。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 国産車の点につきましては、衆議院では三十年度以降購入いたしましたものは全部国産車でございまして、これからも、そういう方法で処理したいと考えております。

渡辺猛参議院事務局参事(庶務部長)

○参事(渡辺猛君) 参議院も衆議院と大体同様でございますが、本年度は六台新たに自動車を更新もしくは交換いたしたのでございますが、そのうち二台は外車、それからあとの四台は国産車と、こういうふうに庶務小委員会にお諮りいたしまして、庶務小委員会の御承認を得て購入いたしたわけであります。来年度以降におきましては、なるべく購入費として入っている分につきましては外車を購入いたしまして、交換のものにつきましては国産車を購入いたしたい、こういうふうに考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 今の左藤委員の自動車の点、これも一つ形式的な問題になりますが、自動車の運転手が背広を着ているわけですが、運転手こそやはり一つの制服と言いますか、背広を着ているからあちらこちらちょっと一ぱい酒をひっかけてもわからぬという、そういう者はあまりたくさんないだろうと思うのですけれども、しかしこれは運転手は先ほど申し上げた衛視に対するわれわれの気持から言えば、衆参両議院には相当多数の運転手がいるのですから、こういう運転手に対する制服ですね、これは私は考えるべきじゃないかと思うのですが、衆参両議院とも自動車運転手の制服ということを考えたことがあるかどうか、これを一つお伺いしたい。

知野虎雄衆議院事務局参事(庶務部長)

○衆議院参事(知野虎雄君) 衆議院では自動車の運転手には制服を与えております。一応制服ということで与えておるのですけれども、あまり着ないのもいるようで、強制的に衛視の制服みたいのがありませんので、被服としては与えておりますけれども、みな必ずしも着ていないような実状であります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 ですから国費で制服を支給してあるなら、それを強制しないというのは何の意味かわからないのですが、これは先ほど申し上げた趣旨で、すでに制服を給与してあるのなら、これを着させるというのが当りまえで、何のために国費を使って制服を与えているのか、これは私は制服を与えるのならば強制的に着せなくちゃならぬ、参議院はどうですか。

渡辺猛参議院事務局参事(庶務部長)

○参事(渡辺猛君) 参議院も衆議院と同様に、夏服と冬服を三着支給してあるわけです。中には制服を与えましても着用しない者もございますが、なるべく制服を着用するようにということで、厳重に制服を着用するように努めておる次第であります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 衆参両議院とも制服を支給しながら、実際一人も着ておりません。ですからこれは国費の浪費というか、やはり僕は国会の先ほど申し上げたように、一つの何といいますか、国会としての権威といいますか、尊厳というか、これは僕はどうしても強制して実現しなくちゃいかぬ、それは詰めえりか、背広か知りませんけれども、そういう画一に制定してある制服があるなら、これはぜひ一つ実施を強制して、ぜひこれは実行してもらいたい。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) ほかに御質問ありませんか。  それでは次に国立国会図書館の説明を願います。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) 昭和三十二年度国立国会図書館の予定経費要求について御説明申し上げます。  昭和三十二年度国立国会図書館の予定経費要求額は七億七千四百二十四万一千円であります。これを前年度予算額五億七千八百六十二万円に比較いたしますと、一億九千五百六十二万一千円の増加となります。  次にその内容を事項ごとに申し上げますと、まず国立国会図書館の管理運営に必要な経費は三億七千四百二十四万一千円であります。これを前年度予算額三億四千六十二万円に比較いたしますと、三千三百六十二万一千円の増加となります。この経費は国立国会図書館の管理運営に要する人件費二億九千二百九十五万九千円、事務費四千六百八十七万九千円及び図書その他の資料購入費等三千四百四十万三千円であります。又増加のおもなものは職員の給与改善のための人件費二千七百八十四万四千円、東南アジア関係資料収集のための図書購入費三百万円、事務費等の二百七十七万七千円であります。  次に国立国会図書館営繕工事に必要な経費は、四億円であります。これを前年度予算額二億三千八百万円に比較いたしますと、一億六千二百万円の増加となります。この経費は国立国会図書館庁舎新営に要する工事費三億九千六百万円、事務費四百万円であります。  なお庁舎の新営工事計画については工事実施を担当する建設省と協議し工事計画案を作り予算成立の上はさっそく着工する予定であります。  何とぞよろしく御審査をお願いいたします。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 もともと国会図書館はわれわれがぜいたくにこれを設けているという趣旨よりか、第一回国会の審議で、とにかく国の中央図書館を作らなければならない、ところが日本人は文化々々と言うが、言葉としては好きなんだけれども、さてじみな文化の基礎をなす図書館などというのは諸外国と比べて、これはまま子扱いになって、大蔵省も一向予算的な措置はいたさない。こういうような配慮から、たまたまアメリカに国会図書館という制度もあるし、そういうことから当時占領下でまあ都合がよかったという面もありまして、そこで国会がこれをしばらくお預かりをして整備をしようと、まあこういう経過があったわけなんです。私は当初からこれに若干の関係を持っておりましたから、成り立ちからよく知っておるわけなんです。ところが実際はなかなか予算の面じゃあまま子扱いにされてきた。で、ごく最近も政府の方では科学文献センターといいますか、そういうものを経済界からの盛んなる圧力で今度は作ろうと、まあこういう方針のようですが、一方において国会図書館はえらい苦労をしてPBレポートを何して集め、これをまた頒布し、さらに原子力関係の文献も、まあ日本では一番きっと集まっているでしょう。そういう状態になってますが、これはもう予算が惜しいですから、一カ所国会図書館なら国会図書館にあればいい文献を、また別個にこの原子力ブームの波に乗って、科学技術庁ですか、ここでまた同じことをやろうとしている。この面は全く日本人のよく好きな二重投資なんです。ばかげた話だと思うんですが、しかしそれについてはやはり図書館側もそういうことを科学技術庁やなんかによくのみ込ませる努力が必要だと思うのですが、それらの折衝を保っておるかどうか、本来からだにすきがあれば、われわれもこれには一役買わなければいけないのが筋なんですけれども、しかし事務的にいつも扱っておる図書館がまず率先してこれはやるべきじゃないかと思いますが、その点を伺います。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) お答えいたします。科学技術資料PBレポートその他について図書館もいろいろ収集して、サービスいたしておるのでございますが、その後科学技術庁も日本科学技術情報センターというものを作るということで、今予算も法案も提出されておるわけであります。これにつきましては、前々から科学技術庁あたりとも相談しておったわけでございます。そしてまた図書館といたしましては、図書館でそれに対する予算を出したのでございますが、大蔵省といたしましても、どこか国に一カ所必要であると、どちらへ予算を出すかはっきりわからないというようなことであったのでございますが、結局そういう情報センターをというか、何か国の予算、国の経費を充てるものを作るというお話がございまして、いろいろ相談いたしまして、お互いに妨げない――業務の点では妨げないというようなことで話し合ってきたようでございますが、結局図書館といたしましては従来集めていたものを集めるという程度で、それ以上に伸びることにはなっておりませんので、今後ともまあ図書館は図書館としてやはりそうした科学技術資料の収集、それからそれに対してのリファレンスその他サービスをいたしたいと思っております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 これは管理部長を責めることで聞いておるのじゃないので、まあお互いに妨げないと、日本の役所のそういうのが困るのですね。妨げないで、事実は二重投資になる。今まで図書館は図書館で集めておったものを継続しておる、しかし科学情報センターの方はその分も集めて全部を揃えなければ、これまた使い道にならぬ、こういうようなことですね。今まで図書館で集めておる分だけは今後ずっと二重になってくるのです。科学情報センターと二重になってきます。これはやはりもっと努力して、それじゃそっちで、その分だけはもう図書館に置かないなら置かないで、そうして仕方がない、科学情報センターなら情報センターの方に置いて、そこに行けば何事も間に合う、科学技術の問題についてはすべてが間に合う、こういうふうにした方が私はいいと思う。実際は私としては国会図書館でも集めて――実績もあるのだし、複写してはこれを地方の図書館までもずっと流して、東京における学者だけが利用できるというのじゃなくて、仙台だって名古屋だって大阪だってまた九州だって、それぞれりっぱな大学のあるような地域ではちゃんと世界の文献が利用できるようにやっておるのですから、だからその方がいいと思います。それが図書館の方の力が足りなかったり、また国会のわれわれが忙しくてそれも連絡をとる機会がなくて、遂には二重投資になるということになれば、国費のむだですから、まあ情報センターの方でやっても仕方がない。このことは原子力委員会ができたときに膨大な、なんですよ、図書の購入費を計上したのです。それでこれは国家としても文献の二重投資だからというので、これは与野党、私ども参りました。劔木君等にも行ってもらって、一緒に原子力委員の学者諸君と話した。話したけれども、結論はやはり日本の悪いセクショナリズムでだめだったのです。結局それで原子力委員会も同じような書物を買う、図書館も同じような書物を買う。けれども原子力委員会では幾ら書物を買ったって、そこで見るだけで、他の学者は利用できやしないのです。今度科学情報センターなるものを作れば、これはよその学者も利用できるかもしらぬ。けれどもどっちにしても二重投資になるので、これは図書館の管理部長を責めてみたって始まらぬことでありますけれども、そういう話が出たら、私はいち早くやはり両院の議運に報告をして、国家の二重投資にならぬように配慮してもらいたいと思うのですが、この点はいかがですか。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) 最初の点でございますが、まあ二重投資になると思うのですが、今までの日本科学情報センター法案の中に、情報センターでは国立国会図書館その他の機関の資料を利用するということになっておりまして、極力国立国会図書館にあるものについては利用していただくということになっておりますので、費用の面ではそれほどだぶらないかとも思っております。それからこの話が出ましてからは、やはり議運の方にもお諮りして、極力国立国会図書館の方に一本でというような考えはしてあったのでございますが、事実はそうなりませんで、残念に思っております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 その次に、今年度予算で、普通の通常予算のほかに、建設予算として四億円計上されておるわけです。この四億円で工事はどの程度まで進みますか。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) 最初予算の要求をいたしますときには、書庫棟と事務棟全部の鉄骨を組み、それからコンクリートを巻くという経費を認めていただこうと思ったのでございますが、国全体の予算の関係上、そこまで参りませんで、四億円ということになりましたわけでございますが、今これを建設省で実施計画をいたしておりますので、どこまでどういうふうにということははっきり申し上げられないのでございますが、大体書庫棟の鉄骨工事をし、それから事務棟も基礎盤を作り、できるだけ鉄骨工事をその上にし、大体二階くらいまではいくのでないかという見通しでございます。まだ実施設計ができておりませんので、その点はっきりいたしませんのでございますが、大体において書庫棟の全体の鉄骨工事と、それから事務棟の二階くらいまではいくんじゃないかと思っております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 工事の方は、これは予算で、だんだん年度を経過しながらやっていくより仕方がないかもしれませんが、ところがその工事をするのに、あそこはもう工事をしている現在だっても、民間の土地に食い入って工事をしなければならぬようになっておるのですが、それは今度の四億で、すぐ近くの、今私が指しましたような土地の問題は解決いたしますか。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) 現在、来年度の予算として上っております四億円のうちには、これは工事費でございまして、土地買収費は含んでおりません。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 現在だって、自治労の好意的な――工事上あそこを使っているわけですね。これを使えないとすれば、建物自体の完成された姿からすれば、そこへすれすれではあるけれども、そこを使わなくても一応いいということになる。ところが工事をするときというのは、大工事でありますから、建物を建てる、穴を掘る、それがすっかり直角にいけばといっても、そうはいかない。家もある。そういうようなこと、現在だって民間の方に食い入って実際使っているのですよ。好意で向うが見ていてくれるというだけのことなんです。それで、そっちが、じゃ使わせるのはごめんだ、こう言われたらもはや工事はきっぱりストップ、こうなんですがね。そういうのはどうやるんですか。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) 実は今天田先生のおっしゃるように、これは事実を申し上げますと、あそこに自治労会館の敷地がございます……。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 ほかの民家もある。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) ございます。現在そのすれすれにいっておりまして、これは八千坪の工事のときですらもすでにすれすれでございまして、そこに臨時の土どめをするとか、あるいは業者は実際に借用して使っておるということにしておる現状でございますし、さらにこれを七千坪を建てますということになりますと、実際にそこの敷地にかかることになりますものでございますので、実は今年度におきましても土地買収費というものをお願いしたのでございますが、これがどうしてもお認めいただけなかったので、実は自治労会館の方から自分の方でも永久的な建物を建てたい、もし国立国会図書館の方で買収してもらえないならば、あそこにそういう建造物を作る。もし買っていただけるようならばほかへ作るが、買うか買わぬかをはっきりしてほしい、こういう要求を実は受けましてございまして、それで実は予算はございませんのですけれども、現在それを買うんでないと、永久的な建物が建ってしまって、これを買収することになると、なお困難になるという見通しもございますので、両院の議運の方にもお諮りしまして、どうしたものであろうかとお諮りいたしましたところが、適正価格であるならば何とか話し合いをつけて、大蔵省へもお願いして流用でもしてもらって、買うような措置をしたらどうだろう、こういうお話でございましたので、実は今自治労会館の方と値段の折衝をしております。もしこれで値段の折衝ができますれば、来年度予算を流用していただくとか、あるいはまた再来年度要求して認めていただくか、まだ年度のこともはっきりしておりませんが、もし、来年度三十二年度の今の工事費四億円の中からその金額だけを流用してもらうということになるかもしれませんのですが、そのときはまた大蔵省の方の御承認を得ないとこれもできません。今のところでは値段の交渉をしておるという程度でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 図書館では、古文書等の複製、これはまやかしものでなくて、偽造というのじゃなくて、はっきりした複製、それは全国でもその技術者というものは十人に足らないほどの、貴重な技術を身につけておる人がやる以外に道はないわけですが、しかしそれを図書館で扱っておるということはまことに私は意義のある仕事だと思っております。ところが今度の予算でああいう仕事をおやめになったのか、何か、どこにもそれらしきものが項目として載っておりませんが、これはどういうわけですか。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) 実際に図書館では複写業務もいたしておりまして、料金を定めて要求に応じて複写させております。この経費が項目として載っておりませんが、庁費の中に載っているわけでございます。事実はやっておるわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 私は注文しておきますが、とにかく徒然草の複製にいたしましても、日本で最初のポルトガル語の辞典であるとか、大へん歴史の文献として貴重なものがあるわけですけれども、世間一般にはこれは知られていないわけです。偽造というものだったら世の中にはたくさんあるけれども、偽造でなくしてはっきり複製なんです。全くもとのあるがままの姿でこれが複製されておる。しかも一番古い本の複製でありますから、私どもが学校で習ったものとは若干の違いがあります。そういうようなものはいろいろ手に入らないもので、これを世間に公開したならば、図書館の仕事として有意義だと思いますが、庁費のすみの中に入れるということでなくて、これははっきりそういう古文書複製なら複製の費用も掲げてやれば、実費を徴収しても世間は非常に喜ぶと思うので、そういう仕事は推進してもらいたいと思います。  私一人であまりいろいろ聞きますから、この程度でやめます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 管理部長でもいいですが、もう少し上の館長とかお呼びになったのですか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) すぐ参るそうです。

山田節男日本社会党

○山田節男君 見える前に、国立国会図書館に勤務しておる専門員の数と、それからこれは来年度でよろしいですから専門員の給与総額が幾らで、これは手当を含めてどれくらいになるか。それから平均年令が何才か、最低、最高年令が何才か、こういうものがおわかりでしたら、知らせてもらいたい。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) 専門調査員は現在二十三人おります。それから現在十五級の三、二、一でございまして、全部で来年度の予算として千八百二十九万八千八百円になっております。これは俸給だけでございます。これに期末手当と勤勉手当がついております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 千八百二十九万円の俸給に手当など加えると、概算幾らぐらいになりますか。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) 恐れ入りますが、調べて申し上げます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 年令はどうなっておりますか。

山下平一参事(管理部長)

○国立国会図書館参事(山下平一君) それも恐れ入りますが、あとで調べて申し上げます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 専門調査員には超過勤務手当はついておるのですか。

清水芳一国立国会図書館参事(調査及び立法考査局長)

○国立国会図書館参事(清水芳一君) 専門調査員の最高の年令は牧野専門調査員で七十八才です。それから最低は今手元に資料を持っておりませんので、はっきりしたことは申し上げかねますが、大体四十七、八才の方が一番若いかと思います。なお、超過勤務手当につきましてはついておりません。

山田節男日本社会党

○山田節男君 館長か副館長はまだ見えませんか。私は国立国会図書館の運営について質問や多少要望意見があるのですが、見えてなければ、見えたときに申し上げます。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) それでは山田君の御質問の残ったのは留保いたしまして、次に進むことにいたします。  次に、裁判官弾劾裁判所の説明をお願いいたします。

隈井亨裁判官弾劾裁判所事務局参事(事務局長)

○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 昭和三十二年度国会所管、裁判官弾劾裁判所の歳出予算要求額は、七百二十八万三千円でありまして、これを前年度予算額六百七十三万五千円に比較いたしますと五十四万八千円の増加となっております。  次に、この要求額を事項別に御説明申し上げます。  まず、裁判官弾劾裁判所の運営に必要な経費といたしまして、六百六十九万九千円を計上しております。  これは、当所の運営に必要な裁判員の職務雑費、調査旅費、並びに事務局の人件費、事務費等であります。  第二に、裁判に必要な経費といたしまして、五十八万四千円を計上いたしております。  これは、裁判官弾劾法に基く裁判官の弾劾裁判に必要な旅費、庁費、職務雑費等であります。  以上簡単でありますが、概略の説明を終ります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 この弾劾裁判所は現在赤坂の国会図書館の一部を借りておるのですけれども、行く行くは国立国会図書館の本建築が完成すれば、そちらに移るとか、弾劾裁判所という制度がある以上、ああいった法廷らしい場所を持たなければならぬと思いますが、何か御計画はありますか。

隈井亨裁判官弾劾裁判所事務局参事(事務局長)

○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 御説明いたします。実はその点につきましては、部内では時折話には出ておるのでございますけれども、まだこれという具体的なものはありません。

山田節男日本社会党

○山田節男君 よく聞えなかったのですが、独立の弾劾裁判所の建物を建るということについての具体的な計画はないのですか。

隈井亨裁判官弾劾裁判所事務局参事(事務局長)

○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 結論を申し上げますと別に具体化いたしておりません。これは弾劾裁判所が発足いたしました当初からやがてはそうなる、建物が必要になるであろうということはわかっておりましたので、当時の裁判長もその後もそういう点をお考えになりまして予算の要求をいたします場合には概算要求といたしましては二、三年前までは毎年庁舎の新営ということにつきまして訴追委員会と合同の話し合いで共同の庁舎を作るということで要求をいたしたのでございますが、しかしそれは大蔵省との折衝においてお認め願えなかったということになっております。本年度はその概算要求をいたしませんでしたが、やはり裁判長はその点につきまして何とか適当な時期にしなければならぬということを申しておる次第でございます。   ―――――――――――――

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 次に裁判所所管に入ります。  まず説明を願います。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) 昭和三十二年度裁判所所管予定経費要求額について御説明申し上げます。昭和三十二年度裁判所所管予定経費要求額は、百六億七千七十九万六千円でありまして、これを前年度予算額九十五億三百六十一万九千円に比較いたしますと十一億六千七百十七万七千円の増加になっております。  この増加額の内訳は(一)職員の特別手当〇・一五の増加額、職員の昇給昇格に要する俸給手当の自然増加及び給与改訂に伴う人件費の増加等七億二千百八十七万七千円、(二)裁判所庁舎の新営工事費及び補修費等の増加額二億三千四百四十二万四千円、(三)裁判に直接必要な経費(裁判費)の事件増による増加額一億四千八百六十六万九千円、(四)その他一般司法行政事務を行うために必要な旅費、庁費等の増加額六千二百二十万七千円であります。  次に右の要求額のうち、主な事項について御説明申し上げます。第一に営繕費(一)裁判所庁舎の継続工事二十庁、新規工事十八庁の新営工事費として七億二千九百七十一万四千円、(二)裁判所庁舎の補修費及び法廷調停室等の増築工事費として五千七百二十万円、(三)第一審の強化をはかるための法廷増築費二千九百十九万五千円、(四)不動産購入費として四百七十二万円、(五)営繕事務費として千八百七十九万八千円、合計八億三千九百六十二万七千円を計上いたしました。  第二に第一審の充実強化に必要な経費として第一審の裁判を強化し裁判の事務能率の向上をはかるため前記営繕費中の第一審強化のための法廷増築費二千九百十九万五千円のほか(一)第一審強化方策協議会出席旅費として三百六十四万八千円、(二)書記官等の超過勤務手当として七百八十九万二千円、(三)自動車購入費として三百万円、合計千四百五十四万円を計上いたしました。  第三に家庭裁判所調査官研修所の経費として家庭裁判所調査官研修所の運営に必要な研修生五〇人の一年間の滞在旅費、講師謝金、教材費及び器具類購入費等として千六百六十六万四千円を計上いたしました。  第四は裁判費ですが裁判に必要な経費でありまして、国選弁護人の報酬、証人鑑定人、調停委員等の旅費、日当その他裁判に直接必要な旅費、庁費等として十四億三千八百三十六万七千円を計上いたしました。  第五は予備経費ですが裁判所法の規定に基く予備金として八百万円を計上いたしました。  以上が昭和三十二年度の裁判所所管予定経費要求額の大要でございます。  なお、お手元に差し出しました書類に、その次に別紙1、2を加えておりますが、別紙1は経費別に見ました三十二年度の予算額の数字でございます。  2の方は先ほども申しました継続工事、新規工事の営繕費の実施個所として予定されておりまする庁の表であります。以上簡単でございますが。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 ちょっとお聞きしますがこの営繕費というところの説明に裁判所庁舎の継続工事二十庁、新規工事十八庁の新営工事費として七億何がしの数字があるわけですが、これは継続工事というのですから、もちろん総額が別にあると思いまするが、この総額は幾らですか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) これは二十カ所は三十一年度あるいは三十一年度からの継続工事の分でございます。新規工事と申しますのは三十二年度から開始する工事の意味でございますが、いずれもそれらの三十二年度分の工事費として計上されておりますものの合計が七億二千九百七十一万円という趣旨でございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それはわかっておるというんだ。だから継続費というからには、まだ総額というものはあるはずだから、その総額というものは幾らかということを聞いておるのですよ。継続費の定義なんということはこっちはよく知っておりますよ。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) ちょっと今計算いたしますから、合計の数字は。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 この二十九年もしくは三十一年あたりからの継続になっておるとすれば、今後残っておる総額は幾らになりますか。その新規と継続の分と合せて、つまり三十二年度以降、三十二年度も含めてそれは幾らになりますか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) まことに恐縮でございますが、今すぐ計算いたしますから。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 なぜこういうことを聞くかといいますと、このここに揚げられておる合計三十八庁ですね、これで今年度は七億何がしになる。そうだとするならば、まあ前のやりかけの分もある、さらに新規というようなところもある。こういうように多岐でなくて、わずかな七億ぐらいですから数はぐんとしぼっても、その年度内にたとえ五つなら五つでよろしい、これを完成し、次の年度でまた五つ完成するという形の方がはるかいいと思うんです。あっちもこっちも、悪い表現ですが、食い散らかしておるというようなことは、これは望ましい姿じゃない。そういうことがとかく無計画に走るあれがあると思うから、それで残っておる継続費、新規の工事費を含めたものは幾らか、こう聞いておるわけです。これはどうして、裁判所あたり大して大きな私は工事じゃないと思うんですが、継続費にしなければならない理由はどういうところでしょう。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) 大体申し上げますと、地方裁判所の本庁程度で、中等程度の本庁でございますと、大体坪数にいたしまして二千坪前後でございます。それが従来は三年計画ぐらいのことで予算的に組まれております。それからそれ以下の支部でございますが、支部の中で比較的大きい甲号支部、これは大体千坪前後、こういうものは大体二年ぐらい、それから乙号支部及び簡易裁判所というのは、これは二、三百坪以下でございます。これは大体一年間で仕上げる、こういうことになっておりますのですが、設計の準備、敷地の整理というふうな関係から一年間で本庁といたしましてもやり上げるということは、やや実際上無理じゃないかというふうに考えておりますが、見方によりましては、確かにお説の通りもっと早くした方が経済的だという考え方は十分成り立つと私どもも考えておりますのでございますが、まあ大体従来そういうふうな傾向できておりまして、三十二年度も大体同じような考え方で予算を計上いたしておるわけでございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 こういうこまぎれ予算のところに予算というものの非常にむだがあるのでありまして、しかしあなたの方からすると、財布元を大蔵省が締め上げるものだから、どうも口火を切っていこうというようなことで、ついついこういうことに私はなると思います。これは昔ならば、この国会を建てるんだって十年以上もかかった。それは何しろこれはこの通り、すべてのものに彫刻してあるというようなありさまですから、そこに手間がかかるのが一つ、当時の技術水準がそこまで高くなかったということも一つ。ところがこのごろは技術水準がぐっと上っちゃったから一度にできるんですね。一度にできれば一度にできるほど単価は安くて済むんですよ。現にここへ国会図書館を作っておりますけれども、これだってもうちょっと年度予算をよけい組めば非常に経済の効率が高いわけです。さればといって、では一年にこれだけの工事をやってしまえというと、今度はまた経済効率は下る、こういうことなんです。その限度は非常にむずかしいのですけれども、事実的には昔三年でやったというようなものは、今は大てい一年でできる、その方が、まあ腰だめ見当ですが、大体二割ぐらい安くつくはずなんです。それで私が言いたいのは、その二千坪もあるところならば、十月ごろ入札さしたならば、いやがおうだってこれは継続費にせざるを得ないことになりますけれども、支部程度のものは、よほど大きい支部でも、何しろ予算をとって、ことしの四月から来年の三月まであるわけですから、これはもう年度にやってしまう、現実には四月から十一月です。そこでやってしまうのが、これは必ずそれは効率がいいはずですがね、予算がないというなら。だから私は、こんな三十八も並べないで、たとえ五でも六でもいい、こう言っているんですが、その点はどうなんですかね。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) その点は私どもといたしましても、先ほど申しましたように、経済的な速度で進むようにした方が経済的だということは承知いたしておるのでございます。まあこういうふうになりましたのは、実際問題としていろいろの理由もございますが、たとえば敷地の確保というふうな点から、どうしてもその時期にしないとまずいというふうなところもあって、まず敷地の整備だけ第一年度に、その次に工事費という、そういうふうなところもございます。それからまた、今申しましたように、支部は大体、小さい方の支部は一年度でやっていくのが過半数でございますが、寒いところでございますと、設計等が若干おくれたりいたしますと、一年間だけでは無理だというところなんかにつきましては、やはり二年間にせざるを得ないところもございます。まあしかし全般的に申しまして、もう少し集中的にやった方が経済的じゃないかというふうに私どもは考えておるのでございますが、漸次その点はお説のようにしていきたいと考えております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 各役所とも予備費をそれぞれ計上するわけですが、しかし政府予算なんかの場合は、まあ災害復旧費などもこういう費用から支出するという措置を講じなければならないので多額を要しますが、裁判所のような場合、これは決して八百万円という額は私は多過ぎるということを言っているんではございません。過去に、裁判所のように、何か固い役所といいますか、そういうところで予備費はどういう方面に使われた例が多いんですか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) いろいろございますですが、まず最近の例によりますと、旅費の不足、旅費と申しましても、たとえば船――旅費が少し足りない、あるいは検察審査員旅費というのがございます、検察審査会の。こういうのが少し足りなくなってくるというのに使っておるかと思います。あるいは外国旅費の少し不足分に使ったというものがございます。それから庁舎の補修費等で、まあ普通年度予算で十分まかない切れないやつを、この予備経費の一部で早急にやらなければならないというところを、これも全部はできませんでございますが、一部を予備経費をもって充てるというふうな方向に使っております。大体旅費、それから補修費系統でございます。で、非常に大きなたとえば風水害等がございまして、とても金額的にこれでは足りないというやつは、別に内閣の予備金の方から出していただいておる場合もございます。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 それから私しょっちゅうそう思うんですがね、この建物というものは、それぞれの建物によってそこへ入った瞬間で人間の心理がやっぱり違うと思うんですね。さっき山田さんから、衣服は人を作るというお話もありましたけれども、確かにわれわれはバーのような建物に入ったときには若干それに影響されるであろうし、荘厳なところに入ったときには、それはそれなりのやはり気持が私は生ずると思う。現に国会でずいぶん酒を飲む議員さんもいると思いますが、ここで酔っぱらって寝そべったという人は一人もまだいない。それでこういう話をするというのは、裁判所でも検察庁でも何でもアメリカナイズになつちゃっておかしいと思うのです。裁判所なんというものは威圧しなくてもいいにしても、やはり厳粛さはあってしかるべきだと思うのです。これはよその話ですけれども、私がドイツに行ったときも、まあアメリカ式の建物の薄っペらの家ばかり建てて、古いこわれない町を見ると、非常に調和がとれてりっぱなんです。お前らなぜそういうことをやるかといって盛んに抗議してやったのですけれどもね。そういう余談をしておると長くなりますが、裁判所の営繕なんかに当っては、私はこういう配慮というものが非常に必要だと思いますけれども、実際アメリカナイズに薄っペらの建物にどんどん直しながら、実はさしたる電灯なんかの経費節約になんかなりゃせぬのですよ。少し夕方になれば、やはり広いところのために電気を使わなければならないという、これは実際だと思うのです。だから私は新しい建物になったから、それぞれの役所がえらく光熱費が下ったという予算が出てきたのをかつて見ない。たとえば今、合同庁舎といわれておるあの農林省の庁舎だって、あれだって光熱費あたりでもびた一文だって下りますか。われわれが帰るとき見たって電気があかあかとついておる。部屋が広いのだから幾らガラスを使ったって、窓近くの者はいいけれども、書類なんか見えないからこうなってしまう。まあそういう状態から今の営繕なんかは、ただ古い……、何といいますか、荘重な建物に一体しているのですか、そうでなしに、今はやりのアロハ式の建物でやっておるのですか、どうなんですか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) ただいまのお話は、私どもといたしましては、最近の庁舎はもちろん鉄筋コンクリート建てがほとんど全部でございます。従って一般の外形はお話のような、何と申しますか、荘重さというのは、私たちから見ましてもあるいはないのじゃないかという点はいたしております。ただし、何と申しましても裁判所の庁舎の中心と申しますか、生命は法廷でございますので、この法廷と、それから法廷に準じます審判室とかあるいは調停室というふうなものは、一般の事務室とは相当趣向を変えまして、今お話のいわゆる荘重さというものも失わないように心がけていたしております。結果的に見ましても、まあ普通の事務室とはかなり違えた空気が出るような、雰囲気になるような形でやっております。予算的にも、法廷等につきましては、多少普通の事務室よりも増額されて認められております。ただ御承知のように、古い明治時代に建ちました木造の庁舎は、荘重という点はもちろん非常に考えておりますのですが、その半面、若干通風採光等の設備がよくない、暗いという点がありまして、そういう点はやはり近代的な設備に、明るくするという方向にいっておるのであります。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 今、裁判所が検察庁と同居しておられる建物がどれくらい残っておりますか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) 正確な数字はちょっと今記憶がございませんが、本庁につきましては、半分以上は、何と申しますか、分れております。ところが支部は、これはまだおそらく半数以上、相当数同居いたしております。それから簡易裁判所、これは終戦後の制度でございますが、終戦後新営しました簡易裁判所は別居しておりますが、新営ができなくて建物を借りておる、借り入れ庁舎でやっているところが全国でなお八十カ所ございます。簡易裁判所だけ……。それはいずれもほとんど全部同居でございます。大体そういう状況でございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 これが何年ほどいたしましたら全部、まあ特に本庁において全部それが別の建物になり得るお見通しでございますか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) これは実は裁判所と法務省と、まあ話し合いと申しますか、ということで、裁判所の方は原則として旧来の建物に残る。で、検察庁の方で新しく庁舎をお建てになって、そこにお移りになるということでございますので、法務省の方でございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 それから本庁支部は、簡易裁判所別に、いわゆる本建築になっているところと、戦後のバラック、あるいは戦前の木造で、だいぶんひどい状態になっているというようなものの割合は、どれくらいになっておりますか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) これも正確な数字はちょっとわかりかねますが、大体を申し上げますと、終戦後、二十四、五年からでございますが、鉄筋庁舎に改めましたのは、全部で、坪数で申し上げまして大体二万坪くらいだと記憶いたしております。大体戦災後のバラック庁舎でなお残っておる部分が、二十二、三年ごろまでにできた分でございますが、これがなお一万五千坪くらいに上っております。それからまあその他は、結局戦前の古い木造庁舎ということになりまして、大体全部では、裁判所の庁舎関係は約二十万坪でございます。ですからそのうち約一割見当が鉄筋になっておるというふうに御了解願っていいと思います。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 非常に本格的な建築が少い。ところによってはずいぶんひどいバラックでおしのぎになっているのでありますが、まあ今の国の財政上ごしんぼうもやむを得ぬと思うのですが、先ほど天田委員のお話のように、やはり国民の信頼、納得する厳正な裁判をしていただく国の大事な機関として、まあそれにふさわしい威容を整えられることは、国民の希望するところでありますが、本年の営繕費としては、継続工事二十庁、新規工事十八庁として七億二千幾らですが、これで何といいますか、御満足になっている。これは年次計画でこのくらいの程度で進んでいけば、遠からずそういう問題が解消するという意味で御満足しておられるのであるかどうか。あるいは最初大蔵省に対しては、原案としてはもう少し要求をせられたのがこの程度になったのか、その間の事情を伺いたい。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) ただいまの点でございますが、私どもの庁舎は御承知のように、今申しました戦災後のバラック庁舎が約一万五千坪ございます。その他戦前の木造で、建築後四十年以上経過しておる木造だけを拾いましても大体五万坪くらいございます。私どもといたしましては、戦災後のバラックと、それからこういう少くとも四十年以上のうちで、まあ補修のできるのは補修して寿命を延ばしていくという方針でありますが、補修に値しないというのはこれは新しく改築しなければならぬ、そういうようなもののバラック庁舎、老朽庁舎の改築に迫られている。なお、終戦後新しい制度としてできました家庭裁判所、それから簡易裁判所というものは、庁舎の手当はなしでやってきておりますので、その後今までにある程度の手当はできておりますが、まだそういうものはございません。そういうものを全部考えまして、必要最小限度で考えましても、大体非常に大ざっぱな推測でございますが、営繕費として現在の単価で計算いたしまして、約百二十億ないし百三十億くらいせめてやるためにはかかるという計算をいたしております。で、本年度、三十二年度の私は営繕費といたしまして三十億程度の要求をいたしたのでございますが、将来は、ただいま申し上げた通りのことに一応しまして、しかし一度にやるということはいろいろな関係から少し無理だろうということで、まあ従来の大体の営繕費の比較を見ましても、今年は昨年に比べて若干ふえておるという点もございますので、三十二年度はこの程度でがまんしようということに考えておるわけであります。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 一応の解決に百二、三十億、本年は三十億御要求になったのが七億幾らになった、非常な削減を受けておるわけですが、財政法の建前から、裁判所の予算だけは、もし大蔵省とどうしても意見が合わないときには、大蔵省と裁判所と両方の案を国会にお出しになることができるようになっているのでありますが、もう少し積極的に、先ほど来のお話の裁判所の形を整えるために、この財政法の当然の権利を行使というか、国会に一つ予算の御要望をお出しになる御意思はないのであるかどうか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) お話の点につきましては、毎年と申してもよろしいのであります。その点の、特に営繕費につきましては、そういう財政法の方法に出るかどうか、内部でも意見が出るのでございますが、そういう制度はあるといたしましても、あまりにそれをひんぱんに、乱用と申しても言葉はあまりよくありませんが、ならないように、できるだけはそれを使わないで、政府の方と話し合いをして進めるというのが、実際の運営としていいんじゃないかということで、結局営繕費の総額の問題でございますが、これは過去の実績等から見まして、もちろん多いほど裁判所といたしましては望ましいのではございますが、実際問題として、三十二年度はこの程度でがまんして、そういう処置には出ないということに内部的にきめておる次第でございます。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 財政法のせっかくの規定があるのでございますので、これを見ますと、三十億が七億に値切られた、夜店の植木屋を値切るよりも数字の隔たりが多い。三十億に掛値があったのか、七億が非常に値切られ過ぎておるのか、こういうことは大蔵官僚におまかせにならないで、国民の代表である国会の一つ判断をお待ちになる方が、私はむしろ財政法に忠実なゆえんだと思うのでありますが、まあしかし、事を好まない、話し合いでやっていくということも、決して私は悪いことだとは思いませんけれども、御要求の金額、この差額を見ましても、法の番人である裁判所として、一ぺんくらい財政法の精神をもって、規定してあるのですから、国民の代表、国の最高機関の判断をお求めになることが私はふさわしいことだと思うのでありますが、これは長官にお尋ねすることかもしれませんが、いかがでございましょう。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) まあその点はよく御説を伺い、帰りまして相談いたしまして、将来の問題としてよく検討させていただきたいと思います。

左藤義詮自由民主党

○左藤義詮君 御相談はいいとして、ことしはこれに納得してもらうことにわれわれはむろん賛成いたしますが、一つせっかく今後、財政法の規定があるのでございますから、先ほどから御質問のようなバラックばかりの非常に形の整わない裁判所では、中身は非常にりっぱでも、国民として裁判に対する信頼という上からも、整備に御努力を願いたいと思います。私はかつて法務委員をやっておった関係からそういうことを特に申し上げるのですが、それでありまするから、国民の前にそれを投げ出して、大蔵省といいかげんなところで値切られ倒されないで、財政法で堂々と私はお出しになることを将来一ぺんおやりになっていいのじゃないか。われわれ与党ですけれども、そういう点は財政法のせっかくの手続の法の精神をお生かしになることがふさわしいのじゃないか、一つ十分御研究を願いたいと思います。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 国立国会図書館副館長中根秀雄君が来られましたので、山田君の御質疑をお続け願います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 ちょっとその前に裁判所にお尋ねをいたします。今、左藤委員の言われた裁判所の庁舎の問題ですが、これは私も全く同感でして、おそらくことし継続工事二十、新規工事十八、これは金額によって、まあ予算が減らされてりっぱなものはできないが、これには大体裁判所としての規格をもってやっておられるのですか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) 一応基準は持っております。たとえば職員の数に応じまして、裁判官の数によりまして、法廷の数は幾ら、大きさは一部屋何坪、審判廷は何坪という基準は持っております。それに基いて要求をいたして積算をした金額になっておるのでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 そういう基準もありますが、たとえば簡易裁判所、家庭裁判所、こういったようないわゆる建築の様式といいますかね、家庭裁判所は家庭裁判所としてのこういう設計、こういう外貌を持たしたもの、そういう意味の規格があるのですか。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) 裁判所種類別と申しますか、家庭裁判所と地方裁判所、簡易裁判所とどう違うかという点になりますると、それは今のところそれほど截然とした区別は考えておりません。ただ気分的に、もちろんこの裁判所の種類によりまして、必要な部屋の種類というものは若干変って参りますので、その点は変っていますが、全体の規模として、特に家庭裁判所、地方裁判所、簡易裁判所の間にはっきりした区別ということは考えておりません。

山田節男日本社会党

○山田節男君 裁判所の営繕、ことに裁判所の建物について、天田、左藤両委員からもるる要望も述べられて、これはもっともだと思うのです。ことに民主国家になればなるほど、やはり国会と、一方においては裁判、これは分離をしておるのが建前であります。裁判は裁判所としての特別なやはり一つの権威を持たなければいけない。それにはやはり建物というものも、それに相当する必要な権威と申しますか、それを持たなければならぬと思う。そういう点から見ると、今日の最高裁判所なんか、外観から見れば、まことに貧弱きわまるというよりか、むしろだれだってあれが最高裁判所だということは、建物では識別できない。これは何としても民主国家、民主国家ならこういうものにたくさん金を使うからということは、決してこれはそれに及ぼす何と申しますか、ただ裁判をするというのではなくて、一つの正義、不正義をここにおいて定めるのだというようなことから、これはぜいたくであってもいいと思う。ことに最高裁判所のあの庁舎が、赤れんがで何ら威厳を持たない、いわゆる堂々とした建物でないということは、だれが見てもそう感ずるのである。地方にあっては高等裁判所あるいは地方裁判所にいたるまで、そういったような一つの使命と申しますか、裁判所の建物を見て、何と申しますか、やはり峻厳というか、そういうものは建物で示すべきである。最高裁判所では、中に入ればアメリカのまねをして、アメリカの最高裁判所の内部をまねて装飾なんかもやっておるようであります。しかしむしろ外に向って、裁判所はこういうことをするのだ、いわゆる正義を裁くところの、これは民主国家になれば、やはりそういう意味で裁判所がやはり無言の国民に脅威といってはおかしいが、示すことが、これは裁判所の一つのPR運動である。これはむしろ私は従来等閑視されておるということを痛感するわけです。  次に裁判所は、いわゆる書記的な仕事が非常に多いわけであります。記録が非常に多いわけであります。こういう人件費が非常に多いということから見て、裁判関係の記録の仕事が非常に多いからこういうことになる。なぜ多いかといえば、これはやはり何といいますか、手で書く、それからこれをいかに能率的に、記録を明瞭に、しかも簡単にやるか、いわゆる書記的な仕事のオートメーションと申しますかに向うような、簡素にして迅速に能率を上げるということに対して、そういう事務的な能率を上げるということに対して、何か研究をしたことがあるのか、そういう簡素化について、やっていればどういうことをやっているか、その点をお伺いしたい。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) ただいまの記録の作成の能率化という点につきましては、最高裁判所のみならず、各裁判所ともそういうことに戦後非常な関心を持ちまして研究いたしております。まあいろいろの方法がございますが、一つ申し上げますと、たとえば記録の作成ということに、ただいまお説のように相当労力が要る。それからまた普通の書記官が耳で聞いて、その要旨を録取しているというのでは、そこに不正確さということもどうしても免かれないわけで、正確性の完補と、それから時間的の何と申しますか、能率化のために、速記タイプと申しますか、いわゆるタイプによって速記をやるということを考えまして、毎年一定の人数を研修所に入れまして、そこで二年間速記タイプの練習をさせまして、卒業しました者を各所に配属して、そうして法廷にそれが立ち会って、それによって法廷の供述を録取する、そのことによって正確性と能率化をはかっている。これはまだ養成が緒についた程度でございますので、全国の裁判所にこれを配置するには至っておりません。ごく一部の大裁判所に一部配置しまして、特に複雑な事件あるいは大きな事件等にそれをつけまして、現に実施しているという状況でございます。その他判決原本等の作成等にタイプライターを使う。それから検証等の記録作成に写真機を使用して、図面等を手で書く手間を省くというようなことも、これも大した問題ではないと思いますが、少しずつ予算的措置も得られまして、現に実施しているというような状況でございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 現在でも最高裁判所から高等裁判所、地方裁判所あるいは簡易裁判所で毛筆を使っていると思うのですが、コッピーとか、あるいはペン、毛筆で書いているのはどのくらいな。パーセンテージで、依然として毛筆を使わなくちゃならぬものとしてお使いになっているか、わかればちょっと。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) 正確な記憶はございませんが、ただいま記録に毛筆を使っているというのは非常に少いと思います。ほとんどないのじゃないかと思います。ほとんど全部いわゆるペン書きでございます。用紙もそれに合うような用紙を使っているのが現状でございます。ことに家庭裁判所関係などは、これはもう最初から横書きのペン書きというような態勢でやっておりますし、地方裁判所簡易裁判所の記録も、私最近はやっておりませんが、私の記憶では毛筆を使っているものはないというふうに考えております。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 私は一点だけ伺いたいのですけれども、それはこの予算の形式なんですけれども、法務省の方は最高検察庁の費用が幾ら、高等検察庁の費用が幾ら、地方検察庁の費用が幾ら、こうなりまして、そのほかに法務本省の費用が幾ら、こういうふうになっている。ところが裁判所の方は、最高裁判所と地方裁判所と高等裁判所と、ほかに家庭がございますけれども、その三段階になって、最高裁判所の中に、いわゆる法務本省で言えば一般行政費というようなものが含まれている。このために私どもが予算を見ましても、非常に不明確なんです。よく調べればそれはわかるんだろうと思いますけれども、検察庁の方では、最高検察庁の方は、その関係の人が百二十人で六千万円、高等検察庁は六百八十一人で三億八百万円、地方検察庁は九千六百七十人で三十四億幾ら、こうなっておりますのに、裁判所の方を拝見しますと、最高裁判所が十億八千七百万円で、高等裁判所の方が六億三千万円、地方裁判所は四十七億三千万円と、こうなっておりまして、最高裁判所が、人員でいいますと、いわゆる裁判する者だけ見れば、長官のほかに判事が十四名となっております。それから検察庁の方は、最高検察庁の方で、検事総長が一人と、次長の検事が一人と、検事が十六名と、こうなっていまして、大体匹敵しておるのですけれども、その方の費用は今申し上げましたように六千万円ばかりなんです。ところが最高裁判所の方は、行政雑費というものが入っているために十億幾ら、高等裁判所が全国で幾つかあるでしょう。東京と大阪と名古屋と広島とどこというふうに数があって、人数も多いのに、その方は六億幾らで、最高裁判所の方は、裁判官が十五名であるのに十億幾らと、非常にまあ多い。そこで見ますると、それは多いのは当りまえなんで、一般司法行政事務を処理する経費というものがその中に入っている。ですから、これはもう専門家がごらんになればわかると思いますけれども、やはり検察庁の方と同じように、一般行政事務の方は幾ら、それから最高裁判所が幾ら、これは最高検察庁の方と対等になるわけです。それから高等裁判所と高等検察庁、それから地方裁判所と地方検察庁と、こうなりますと非常にわかりがいい。私がなぜそういうことを申し上げるかというと、最近裁判というものは非常に時間を取るのですが、最高裁判所までいくと非常にこれは時間も長くなる、なかなかお手数だというので、拝見すると、今みたいな問題に触れてきて、一体裁判そのものの事務と、それからいわゆる行政事務の雑費が分れればはっきりしてくるのです。最高裁判所でこれだけの費用だから足りないのだとか、人数がこれだけだから足りないのだということがわかるけれども、これだけでは一般行政費というのとこんがらかっていまして、そこは至って形式的なことで、第二義的なことかもしれませんけれども、やはり最高裁判所というのを二つに分けて、純粋の裁判に要する費用はこれだけ、それから裁判に関する行政事務ですね、これはどれだけの方がかかって幾ら要るというふうに分けた方が、非常にこういいんじゃないかという気がいたしますので、この機会にお尋ねするわけなんです。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) お説の点は、確かにこれではそういう区分はわかりかねまするのでございます。もとより、最高裁判所の方には、お説の通り、全国の司法行政に関する経費の一部が、最高裁判所という項に入っております。従って最高裁判所の裁判部門だけの経費と、それに最高裁判所及び全国の裁判所の司法行政に関する費用というものがプラスされておりますので、その点はわかりにくいと思いまするが、さらにその点まあ大蔵当局の方ともお話いたしまして、今後の問題として研究さしていただきたいと思います。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 ごく簡単なことなんですけれども、今のお話で、裁判そのものを最高裁判所の十五人の判事の方がおやりになる。裁判そのものに要する費用は、十億二千四百万円のうち幾らくらいになっておるのでございましょうか。あとがいわゆる司法行政事務費で、その裁判そのものに要する費用は幾らくらいか、参考のために伺っておきたい。

岸上康夫最高裁判所長官代理者(事務総局経理局長)

○説明員(岸上康夫君) ただいまの点は、ちょっと今すぐに数字を分けにくいので、お許しを得ますれば、あとで御連絡さしていただきたいと思いますが、大ざっぱに申し上げますと、最高裁判所の裁判部門関係の費用と申しますのは、十億円の中で相当少い費用でございます。裁判官が十五名と必要な書記官と、それの人件費と、それからそれの旅費及びそれの裁判費でございますので、大多数は行政費系統の経費が入っておるというふうに考えますが、具体的な数字は、ちょっと今申し上げかねますので、後ほどでよろしければ御説明さしていただきます。

青柳秀夫自由民主党

○青柳秀夫君 私は、最高裁判所の機構が今きまっておりますから、そう権威のある裁判を早くやるということは無理だと思いますけれども、今の費用あたりが足りないなら、いま少し増額して、一般行政事務の方は、これはもう普通にお取りになればいいけれども、裁判そのものに要する費用が足りないというなら、これをいま少しお取りになるなり、まあ機構の問題にもよることでしょう。これはまあ根本的なことで、裁判の構成の問題ですから、むずかしいかと思いますけれども、何か能率的に裁判をやっていただくことが、今の国家として必要なんじゃないか、こう思って、その意味をもってお尋ねをしたわけですから、御研究を願いたいと思います。   ―――――――――――――

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 国立国会図書館副館長の中根秀雄君が来られましたについて、山田君の質疑をお続け願います。

山田節男日本社会党

○山田節男君 国立国会図書館の三十二年度の予算の審議に当って、極力金森館長なり中根副館長の両君が出席されていろいろ御説明を願い、私たちの意見なり希望を述べたいと思ったんですが、先ほど来、この国立国会図書館の予算の細目にわたっての質疑応答が行われたわけですが、私はもっと高い見地から、国立の国会図書館がどうあるべきかということについて所信をただし、また私の要望も申し上げたいと思うんです。  御承知のように、戦後、国会図書館という国立の図書館を作って、本館はもとより、各官省の所蔵の書物もすべてこれは国会図書館の管理下に置くという、膨大な組織になったわけです。というのは、反面においては、国会図書館に対するわれわれの期待というものも、従来の分散しておった図書館というものを総合化して、でき得べくんばアメリカのコングレス・ライブラリー、こういったようなきわめて広範な、単なる図書館という以上の一つの任務を果したいという希望があった。私自身も第一国会以来おりまするが、国会図書館に対しましてはわれわれは多大の期待をいたしておった。自来もうすでに十年を経過をしております、われわれから見まして、館長、副館長ともにこれは有能な人であるということは、これは申すまでもない。が、しかし運営を見まするというと、ことに私アメリカ初めヨーロッパ諸国の、これは国会図書館じゃありませんけれども、図書館というものが国民の生活、ことに文化生活にとっては非常にこれは重大なものである。従ってその図書館を中心としての文化的活動といいますか、そういうものが行われておるわけです。で、もちろん国会図書館としての活動し得る分野は、おのずから予算上あるいは国会図書館としての性質上制約されることは、これは私は無理からぬことだろうと思います。しかし許されたる今日の範囲内においては、最大限度に国会図書館の運営において創立の趣旨に向って私はやるべきものじゃないかと思うのです。まあその点について、これはやや酷に失するかもしれませんけれども、今日の国会図書館は、必ずしもわれわれが初めに期待した積極性が失われてきた。これはもちろん、現在の国会図書館の所在り場所が旧赤坂離宮であり、図書館のためにできた建物でないがために、いろいろな不便もあるということは、これはわかるわけです。これはまあ数年後において国会の付近に新しい図書館のための建物ができるのですから、それからいよいよ本腰の活動が私は始められると思うのです。と思うが、しかし、たとえそのやかたは不便であっても、国立図書館としてどうあるべきかということについては、これは十分私は検討をしておられるだろうと思う。また、いろいろな施そうとする策もあるだろうと思うのですが、予算上の制約においてこれが行われないのかどうか、その第一点を一つお伺いしたい。

中根秀雄副館長

○国立国会図書館副館長(中根秀雄君) ただいま、まことに国会図書館につきまして御同情ありまする御激励をいただきまして、まことにありがとう存じました。国立国会図書館の使命あるいはその理想等につきましては、ただいまの御意見のございました通りでありまして、われわれ日夜その方向に向って努力いたしておりますが、いまだ御期待に沿える実績をあげ得ないことを残念に思っております。国立国会図書館といたしまして、いろいろなさらねばならない事業も数多くございますが、ただいまの御意見にもございましたように、まず新館を作る、と申しますのは、たとえば他の官庁の庁舎のごとく、ただ職員を入れ、あるいは図書を入れ、あるいはその他の業務を行うというための入れ物というような意味でなしに、図書館の場合におきましては、図書館の建物そのものが図書館の機能、運営と直接関連があるのでございまして、いろいろわれわれの考えておりまする広範な事業の中で、まず第一に新館の設置をはからなければならぬ。そういう意味におきまして、国家財政等の都合もあり、われわれの意図する事業のその全部が、予算その他の点におきまして実現し得ないというのは事実でございまして、この点はまことに残念に思っております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これはまあ図書館の何といいますか、利便提供に一番大切なことは、まず第一にそういう出版物、図書をたくわえて、そうしてこれを一般の利便に、親切に、しかも迅速に与えるというのが、私は第一の任務だと思うのです。これはもう御承知のように、図書館の運営については、少くとも図書の管理あるいは貸し出し、こういうことにつきましては、ある一種の、特殊のこれは技術が要るのであって、何と申しますか、外国語で言えばライブラリアンと申しますか、ライブラリアンというものは、これはやはり特殊の技能といいますか、これが要るわけですが、国会図書館としてはライブラリアンというものに特殊の訓練を与えて、日々そういったような者の図書館員としての、特にその図書の管理に当る者に対して特殊の訓練をしておられるかどうか。

中根秀雄副館長

○国立国会図書館副館長(中根秀雄君) ただいま図書館の奉仕を遂行するために、特にライブラリアンの養成に留意をしておるかという御質問でございますが、まことにお説の通りでございまして、国立国会図書館におきましては、新規に採用いたしましたる職員につきまして、特に図書館人として必要な技術並びに方法等につきまして十分の研修を行なっております。ただ新規に職員を採用する場合には、狭義のいわゆる図書館員の資格というようなことに拘泥しないで、高く広い視野を持った新人を吸収するように努めまして、その上でそれらの新人の職員に対しまして、ただいま申し上げましたような研修を十分に行なっております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 先ほど申し上げたように、ライブラリアンというものを養成するには、そう一カ月や二カ月でできるものじゃないのです。やはり少くとも国会図書館の本部、あるいは在東京の国会図書館分館となって相当な本を、図書を蓄積しているところへは、おのおのライブラリアンというものが配置されておるべきなんです。ですからこの予算を見ると、何も特殊の国会図書館としてライブラリアンの研修費というものが出ておらないようです。一文も私は出ておらないように思うのですが、一番危険なことは、やはりこのライブラリアンは経験によってやればいいじゃないかということは、最も危険なんです。最も科学的に、合理的にやるということが、これはもう今日じゃ常識になっているわけですから、少くとも今日、この本館なり、それから各官省の国会図書館分館の所在地には必ず共通な、またある程度のライブラリアンとしての経験、技能を持っている者を配置しないと、本館とも横の連絡が非常にむずかしいと思う。たとえば記録を作ることにおいてもむずかしいと思うのです。そういうところが、悪く言えばこれはしろうとの寄り集りみたいになってしまう。外国で見るような実に整然としたものがない。これは私非常に遺憾なことだと思う。特にあらゆる歴史的なものあるいは貴重なものを、これもやはり国会図書館におさめれば、これは一番安全だ、永久に残るのだ、こういうようなことからすれば、どうしても私は研修所くらいは設けてやるべきが当然だと思う。なぜそういうことをおやりにならないか。

中根秀雄副館長

○国立国会図書館副館長(中根秀雄君) ただいまの図書館員の養成につきまして、特に研修所を設けておるということはございません。そのことはお説の通りでございます。ただ国立国会図書館におきましては、先ほど申し上げましたような研修を例年やっております。この場合には、たとえば東京学芸大学というようなところと提携をいたしまして、正規の司書を養成すると同等の内容を持った課程を与えまして、従って法律に定めました司書の仕事もあり、その講習の結果習得せしめておりまして、それからなお、各支部図書館の職員につきましても、毎年ある時期に相当期間集めまして、そうしてやはり同様の図書館員としての技術、方法等につきましての講習をいたしております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 次に、これは年々激増してくる図書、出版物の保存ということですが、これは私そうたびたびは行きませんが、ときどき赤坂離宮の本館の方に行って、いろいろ図書を借りて痛感するのですが、中には貴重な本もあるわけですから、それの補修については特に私は意を用いなければならぬと思うのです。私英国のオックスフォード大学に長くおりまして、あそこのボーデレン図書館をしばしば利用しておりました。たとえば三百年たった書物も数分を経ずして私の手元に持ってきてくれる。そういうような貴重なものでもちゃんと私のところに持ってきてくれる。それを見ますと、実に綿密な、用意周到な補修がしてある。たとえば書籍に虫が食うとか、あまり乾いちゃいけないというようなことで、表紙だとかあるいは破損しやすい場所にニスをもってあらかじめ補工をしております。そういうような至れり尽せりのことをしておる。これは国会図書館にも、たとえば国際文化協会から委託されておるような本、その他相当貴重な文書がある。これをただガラス越しに見せるだけで、普通の者には見せない。なるほどそれは閲覧者に制限することは必要だろうと思います。少くともわれわれ国会議員がまじめにこれを見せてもらいたいと言えば、やっぱり半日でもそこで見せてもらわなくちゃいけない。そういうようなことも、やはり痛むということをおそれる。しかしこれは図書館のサービスからいえば、大いに見さして、破損する物は厳密に補工しておって、ちょっと破損してもすぐ補修するというだけの用意は、今後膨大な蓄積になってくる図書の補修は、少くとも専門の者を置き、そうしてやはり科学的な研究をして実施しなければならぬ、そういうものがない。  それが一つと、それから従って製本ということもそうですが、こういったようなものもおそらく膨大な場合には、今日のあなたの方の状態では、よそに下請に出す、こういうようなことも国会図書館であるからには、少くともやはり製本補修は自前でやる――自分のところでやるというようなことは、責任上これは当然やるべきことじゃないか。そういうことはこの予算上にも計上してないし、いまだそういうようなことをやっておられることも私は聞かないのですが、こういうようなことは、これはもちろんあなた、副館長として、責任上当然予算の方も獲得してやるということの関心を持っていただかなければならぬと思うのですが、そういう製本、補修についてはどういうようなことでおやりになっておるか、程度をお伺いしたい。

中根秀雄副館長

○国立国会図書館副館長(中根秀雄君) ただいまだんだんの御意見でございましたが、貴重書、その他につきましては、ガラスのケース、その他に入れて保存をいたしております。ただガラスのケース等に入れました図書館資料につきましては、閲覧に供しないということはないのでございまして、これを希望する者があれば、どなたにも閲覧をさせるということにいたしております。従って、図書館資料が閲覧の結果破損をするというような場合が多く起るのでございまして、その修理は、ただいまの御意見通り、非常な大きな問題になっております。そこでわれわれといたしましては、その現場の各職員が簡易な製本等につきましては、仕事の余暇を割きまして、逐次補修をするというようなことをやっておりますが、おおむねは大体予算に計上いたされました製本費によりまして、それらの補修もやっております。ただここにも、予算書にもございます通り、製本費が非常に少いのでございまして、御承知のように、この製本費によりましてまかなわれます製本は、そういう破損をいたしました図書の修繕と同時に、新規に入りました新聞、雑誌の類、これらは一年間たまりますと、これを合綴いたしまして、製本いたして、初めて図書の形体にして再び閲覧に供するわけでありますが、それらの新規に入りました新しい図書館資料の合綴のための製本費すらもこの経費では不如意がちでございます。従って、あまたあります破損本につきましての修繕が行き届きませんことは、ただいまの御意見にございました通りでございます。ただこの製本につきましては、先ほどの御意見にございましたように、特に製本所というものを図書館自身が経営はいたしておりません。しかしながら、図書館の館内の一部分に、図書館の経費をもちまして、たとえば裁断機でございますとか、あるいは何と申しますか、本を圧縮してのりをつける機械、そういう機械類につきましては、図書館自身が備品として持ちまして、それによって製本職を入れまして、予算の範囲内で製本を請け負わしておる。そういう方法によりまして、それらの新しい製本並びに破損した図書館資料の修繕のための製本を現在やらしております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 ちょっと議事進行について。  委員長、きょうは何時ごろまで、あるいはまたどの項目までおやりになる予定でございましょうか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) きょうは会計検査院までやりたいと思っております。今までに皇室費、国会、裁判所が済みましたので、もう一つ会計検査院をやっておきまして、あすは内閣総理府と法務省の所管等をやりたいと思います。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 そうすると時間にいたしましておよそ七時ごろになりますか。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) これは都合によっては適当な場所で中断することがないとも言えませんが、あすの日程に対して、やれるという自信が持てれば、この程度で今日おいてもいいかと思っております。

天田勝正日本社会党

○天田勝正君 今、現在でやめてくれという要求をするんじゃございませんで、私用のようでありますけれども、参議院予算審議の問題につきまして、私自身も今間もなく放送に実は参る予定になっております。私用と言えば私用でありますが、機会があれば国民に知らせる機会を持つということは、政治家として今日必要な事柄でありますから、純粋の私用とも言いがたいと思います。そういうあれもありますので、実は伺ったわけなんです。  なお発言のお許しをいただいたついででありますから申し上げますが、今、裁判所関係は終ったというお話でありますけれども、私は終っていないと思っているんです。というのは、継続費のことを質問いたしても、これは後ほどというようなことなんです。それから青柳委員の質問のときも十分答えられておりません。われわれが分科会を持つゆえんのものは、本委員会よりもさらに掘り下げて、こまかく質疑をいたしたいということが本旨でございます。ところがさっぱりそういうこまかいことになると、どの質問もわからないというようなことではそれは困ると思います。ですから、われわれも勉強いたさないというのではなくて、やはり裁判所なら裁判所で後ほどと言う部分はそろえていただいて、それから議了するということにしないと困ると思いますので、申し上げておきます。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) よく了承いたしました。お説のように運営したいと存じます。  ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 速記を始めて。

山田節男日本社会党

○山田節男君 先ほどもいろいろ質問申し上げましたが、これは現在の国会図書館の本部のあるところでは、設備をする点においても、いずれは引っ越さなくちゃなりませんから、できないということも了承できるのですが、新しくできる今度の国会図書館ができれば、これは非常に僕は永久的な設備をしなくちゃならぬ。同時に今申し上げておるような数々のほんとうに国会図書館として設備しなくちゃならぬ基本的なものだけは、当然予算を要求して備えておかなくちゃいかぬ。今申し上げた以外に、たとえば印刷機械も国会図書館が当然私はある規模のものは持たなくちゃいかぬ。それから複写、これは申すまでもなくマイクロフィルムであるとか、その他フォトスタットというような設備もこれはちゃんと持っておらなくちゃいかぬ、これはぜいたくじゃない、必ずそういうものを設備しなくちゃならぬ。そういう設備の点においてはしかるべく、新館に移る前に、過去の経験にかんがみて最低限度どれだけのものが要るかということは、これはもう今から十分研究してかかる必要があるのだ、この点は特に要望しておきます。  それから次には、図書館を運営するスタッフの問題、要員の問題でありますが、例の専門員というものの制度を置いておるわけです。先ほど聞くというと、専門員となるものが二十三名おる。もちろん、これは衆参両議院の常任委員会を整理した結果、専門員が余って国会図書館の専門員に転出せしめたものもあるわけです。今この二十三名の専門員というと、最高の年令者が七十八才、これはまあ刑法学で有名な牧野博士であるということも私は知っておりますが、おそらく牧野先生はあの高令をもってして毎日専門員としての任務を尽さるべく御出勤にはならぬだろうと思います。これはやむを得ないことだと思いますが、せっかくの専門員という、かなり高給なものを、しかも人材としても相当専門的な人をそろえておるのですから、これをいかに活用するかということが重大な国会図書館としての任務であることは、私は間違いないと思います。この専門員の存在の価値を発揮するのには、今、唯一の「レファレンス」というものを出しております。なかなかいい資料とわれわれは拝見するのでありますが、二十三人のこれだけの専門家を置いておって、月刊とはいえ、あの「レファレンス」の冊子の内容を見ますというと、必ずしも専門員というものがフルに動いておるかどうか、もちろん、研究ですから、何月何日から何日間というような、そういう期間を切ってやる仕事でないということはよくわかっております。しかし、少くとも次官級の待遇を与えるような者を二十三名も持っておるところとしては、これは私は専門員並びに調査員というようなそういうスタッフを考えて、私は全く無用の長物とは言いませんけれども、それほど酷評はしませんけれども、あたかも何か姥捨山のようなことになってしまう。ここに私は国会図書館の活動の、機能の非常な停滞する温床があるということを申しても過言ではないと思います。この専門員制度というものを私はそういうようにとるのですが、あなた副館長として、この専門員制度というものをフルに動かしておると思われるか、どこに原因があって、そういう人材を集めているのに能率的にこれが動かし得ないのか、何かそこに原因があるのか、この点一つ率直にあなたの御意見を承わりたいと思います。

中根秀雄副館長

○国立国会図書館副館長(中根秀雄君) 先ほど新館整備までに製本に関する機械、印刷機、複写等の用意をせよとの御意見でございましたが、まことに御同感でございまして、案は新館の設計といたしましては、それぞれ製本に必要な製本室の場所、あるいは印刷に必要な場所、それから複写につきましては、現在すでにロックフェラー財団から最も優秀なる機械並びに設備の寄贈を受けまして、現在旧赤坂離宮内の本館内に整備されておりますが、これをもちろん新館の方に移すことになると思います。印刷機械等につきましても、ただいまの御意見のように実際必要なんでありまして、実はわれわれといたしましては、年々歳々そういうような機械の購入費等につきましても願わくば予算化されんことを希望しつつ毎年実現することができておらないので、残念に存じております。  次には、国立国会図書館の専門調査員につきましてだんだんの御意見でございましたのでございますが、この専門調査員の活用につきましては、ただいま特に定期刊行物でございます「レファレンス」を通じての御意見などもございましたのですが、もちろん専門調査員は、この「レファレンス」なる専門雑誌の中にも寄稿をしております。しかし、これに寄稿するだけが専門調査員の任務でないのでありまして、専門調査員は、先ほど御意見がございましたように二十三名の定員で、特に昨年の夏以来、国会の専門員の調整というような関係から急激に増加いたしたものでございます。で、専門調査員は、国立国会図書館法にもございますように、国会活動の関連分野についてこれをそれぞれ補佐していくということが任務でございまするが、現在この二十三名の専門調査員につきましては、それぞれの専門調査員の専攻されております学問あるいは御経験というものを基礎にいたしまして、国会の各委員会とも関連さして、それぞれの分担を決定いたしております。そして国会活動に必要な調査につきましては、その性質、内容等を勘案いたしまして、あるものは調査員に割り当てる、あるものは専門調査員自身がそれを担当する。これはたとえば原子力法その他の立法の際に、これは専門調査員全部ではございませんが、その担当の専門調査員の参与その他をごらんいただくと、御了解いただけるかと思うのでございますが、そのようにいたしまして、国会活動に必要な事項につきまして専門調査員はそれぞれの学識と経験の分担に応じまして、あるいは口頭で、あるいは文書で、あるいは「レファレンス」等への寄稿、その他いろいろ活躍をいたしております。ことに昨年の八月に国会の方から専門員が専門調査員として移りかわりました後におきましては、かえって活気を増しまして、ますますその能率を上げておるように思います。もちろん、おやりになっておる仕事が、普通の調査員のやっておる仕事と違いまして、かなり高度の、それらの調査員に対しまして指導をするとか、あるいはそれから出されました報告の修正をするとか、そういうような仕事が多分にあって、必ずしも外見には現われておりませんが、私といたしましては、現在専門調査員の活動は少くとも従来にも増しておるというふうに考えております。

山田節男日本社会党

○山田節男君 専門調査員制度に対する副館長としての御報告は、副館長としての報告としては一応そのように受け取りたいのであります。実際われわれが部分的に見ておると、ただ来てうろうろしておればいいのだ、こういったような気分の人も若干あるということは事実なんであります。そういうことが全般的にいえば国会図書館館員の士気を非常に阻喪せしむる。それから、これはどの仕事もそうですが、十年もたつと一つのマンネリズムに陥ってしまうのです、どうしても。ここに何か悪循環が起きないように、この悪循環を切断するようなことをやはり館長、副館長も……。十年もたてば必ずある意味でそういう自家撞着というか、沈滞といいますか、マンネリズムに陥るのは、これはもうどの事業でも同じなんです。そのことが国会図書館においても今現象として現われつつあるのじゃないかということを私はおそれるから、今のような御質問を申し上げたのであります。なるほど、おのおの専門的にりっぱなことをしていただいて、それをフルに動かす、もちろん、これは目立って外的に仕事の量というものがわからぬということは、これはわかります。わからぬが、誠心誠意、これをやるということが大切なので、何も朝何時から夕方五時まで机にきちんとすわっておれということを言うのではない。要はその専門員、調査員たる者がいかにそれをサービスするかということの心がまえにこれは帰する問題だろうと思います。その心がまえをいかに起さしむるかということが、館長、副館長の責任なんです。その点において私は、今副館長の御報告でありますが、それをまた打ち消すような部面もあるということは、これは否定し得ない事実であると思います。ことにこれは刑法学の大先輩である牧野先生のごとき、これはまことにりっぱな人である。しかし年齢からいっても、もう生理的にこういう人に専門調査員という立法考査的な役割を演じていただくということは、これはむしろ酷じゃないか。またそういうような人を、何も名前を置いて専門調査員の権威を高めるというようなことには私はならぬと思う。こういう点が私は率直にいって、専門調査員制度というものをもう少し有意義に、やはりアメリカの国会図書館にもありますけれども、コンサルタントならコンサルタント式の、やはり生き生きとしたフレッシュな気持で、あらゆる議員からの注文にこたえるというのを置かなければならない、国会図書館の運営全体が沈滞してしまう、こういうことをおそれるから私は今のような質問を申し上げたんです。今あなたの御報告は、これは副館長としての御報告ですから、私は一応信用したいのですけれども、しかし、それに反するような事項もあるということは、一つ十分注意されて、いかに気持よく積極的にやり得るかということにお進みになることを強く要望しておきます。  これに付随して、立法考査局の問題ですが、これは私過日、立法調査局の次長ですか、ちょっと呼んで意見を申し上げたんですが、立法レファレンスという、すでに七十数回にわたって、これはわれわれ国会議員として非常に貴重な、あらゆる分野にわたった、そう深く掘り下げたもんじゃないですけれども、しかし、普通の新聞、雑誌等に比べればある程度まで掘り下げたもんであって、しかも多岐多方面にわたったレファレンスが記載してあるので、非常にわれわれとして高く評価しているわけなんです。それはまあ私はいいと思う。充実は今後のあなたたちの努力いかんによってますますこれは充実するだろうと思うのですが、しかし、こまかいような話ですけれども、あの「レファレンス」がことしになりまして表紙に色がついてきた。そして横書きの目次がついている。私は「レファレンス」は必ず読むという建前をとっておるもんであるけれども、そのことしの正月から出たのを見て、表紙を見た場合、色をつけてあるし、横書きをしてある。これは私は横書きに反対するのじゃない。全部横書きにするということをむしろ主張したいのですが、どうもあんまり安っぽいので、私は少くとも国会図書館から出版するものは色ものじゃない、あくまで白と黒でやる。申すまでもなく外国もそうでありますけれども、公文書、ことに国会図書館から物を出すということになれば、しかも「レファレンス」というようなかなり高級な参考資料ということになれば、やはり国会というものの権威からいえば、ああいう色刷りをしたり、製本、表装の図察等があまり安っぽいのじゃないか、こういう私は注意をしたわけです。しかし、もうすでに何年分か刷ってあります。これは経費の問題じゃない。はなはだ失敬だけれども、これは国会の諸君が自分の任務がどういうもんであるかということを十分認識してないから、これは普通の本屋の店頭に並べた、「レファレンス」という実に内容のいいものであるということをみんなが気がつかぬようなことをやっている。これは私は金の問題じゃなくて、やはり威厳のある白黒でもって、国会から出す最高の権威のあるものとしては、ああいう趣味を持つことはこれはいけない。事は非常にこまかいけれども、そこに今の国会図書館の諸君の自己の高さというものを認識しないからああいうことになる。私はそれをおそれているということを注意したのですが、こういう点も、こまかいようですけれども、しかし、今日の国会図書館の持っておる権威というものに対して、もう少し私はみずから反省して認識すべきじゃないか、こういうことを私は強く申し上げたい。金森さんのようなりっぱな館長をいただいて、あなたも副館長しておられるのですから、そういうことがわからぬことはないと思う。こういうことは将来の国会図書館の正常な発達をしてもらいたいことに、一つの小さい例ですけれども、一つの邪道だと、こういうことを私は申し上げたのです。  もう一つ、私は、これは希望になりますが、立法考査局というものがあって、三宅坂に分館があり、国会の四階の国会図書館にちゃんと職員もおりますが、まああすこにおる要員の諸君は別問題といたしまして、衆議院、参議院の両側に私はしばしば行くと、参議院の方においては外国の月利雑誌、衆議院の方へ行けば新聞、たとえばマンチェスター・ガーデアンとかあるいはロンドン・タイムスとか、そういうものが置いてありますが、私は気をつけて見ているのだけれども、実に整備がずさんきわまる。たとえば参議院の図書室に行ってみても、ロンドンのイラステッド・ロンドンニュース。ライフ。タイムス。エコノミスト。ニューステーツマン・アンド・ネーション。ニューヨーク・タイムス。オブザーバー、こういうものが置いてありますが、実に二月も三月も同じようなものがある。そして、実に最近のものを読もうと思ってもタイムスのほかは見られぬ、こういうようなことが末端においてそういうことがきちんきちんとしていない。これは一体どういうことでああいうことになるのか。少くとも国会議員のために置くのならば、読もうが読むまいが、すべてのものをあすこにちゃんとそろえておかなければならない。職員が勝手に横取りして読んでおるのじゃないかと思う。あくまで国会議員を中心にして考えていれば、国会議員に対するサービスは、ちゃんと職員がいるのですから、そういう点はきちんと、そうしてしかも順序よく最近出てきたものを置いておかなければならないと思う。十年間私は国会議員をしております。国会議員がああいう場所を利用する人が少いといえばそうかもしれない。しかし、ああいう建前になっておりながらまことにずさんである。しかもわれわれが見ようと思っても見られない。しかも、これは明らかに買って、どこかにあるらしいのです。こういうような維持管理というものが末端において非常にルーズになっておる。こういう点から見ても、私は今日の国会図書館が果してこういうような行き方でいいのかということを考えざるを得ない。うんとこれはこまかい例でありますけれども、そういうのからわれわれ外部におって、そうして国会図書館を愛すればこそ、それではいかぬのじゃないかという気がするわけです。ですから、幸い今度三十二年度の予算を組まれて、これは経費として約八億足らずのものでありますが、十分、今後あすこを、新しく国会図書館を建設した後において、今のような大福帳式な図書館経営では私はだめだと思う。私は国際連盟におりましたし、また戦後何回も諸外国に行って、図書館専門には見ておりませんけれども、われわれ国会議員としてアメリカ本国に行っても、イギリスのウェストミンスターに行きましても、われわれの要求するものは実に整然として、しかもある特別の題目を示せば、それに対して実に整然としたファイルを外国人であるわれわれにもそれを出して提供してくれる。それだけの用意を持っている。アメリカの国会図書館においてもそうです。われわれはしばしば手紙で向うへ交渉する。実に至れり尽せりで外国の議員に対してもサービスしてくれる。これだけのサービス精神に徹しなくては権威というものが持てない。そういう意味で私は、はなはだ苦いことを言うようですけれども、国会図書館を愛すればこそ、また国会図書館の権威を高めたいからこういうこともあえて私は申し上げるのです。一つ金森館長に十分相談されて、もう少し積極性を持ってP・Rを行なって、そうすれば私はこの予算が倍になっても三倍になっても国民は満足するだろうと思う。これは一つ、はなはだ苦言を呈するようだけれども、私の意のあるところをくんでいただいて、一つ館長、副館長、全員あげて、十年もたった今日、このマンネリズムをいかに打開するかということにおいて、私はむしろ革新的な気持を持って、新館ができる際でありますから、信念を期して一つやり直すという気持で、私は国会図書館の運営をやってもらいたい。こういうことを私は強く要望しまして質問を打ち切ります。

吉田萬次自由民主党

○主査(吉田萬次君) 本日の審査はこの程度にいたしまして、明日開会劈頭に裁判所から、青柳、天田両委員からの御要求の資料を提出いたさせて後、会計検査院関係の審査に入りたいと存じます。あすは午前十時に開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十一分散会

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