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26回国会参議院1957/04/25

予算委員会 第22号

発言数
204
登壇者
11
会派数
2
開催日
1957/04/25

会議録

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) ただいまから委員会を開きます。  昭和三十二年度特別会計予算補正(特第1号)を議題といたします。昨日に引き続き、これより質疑を続行いた  します。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 今回の駆逐艦建造に関する受託調達特別会計ができまして、これで特別会計の数は幾らになるのですか。それから日本の財政史上、特別会計が最高になったときは幾つになったかということを、事務当局でよろしうございますからお尋ねいたします。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 今年度におきまして、さきの御決定によりまして三つふえました。なおまた臨時受託調達特別会計を合せまして今年度四つふえまして、全体で四十に相なります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 過去における最大のときは幾つですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 昭和十七、八年ごろは五十くらいあったと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これは、私の記憶しておるところでは、三十幾つでなかったかと思うのですけれども、これは後ほどお調べをいただきたいと思いますが、ともかく過去の特別会計というのは、帝国大学の会計なども特別会計になっておったわけなんであります。そこで私の記憶するところでは、三十五、六くらいでなかったかと思うのでありますが、こういうふうにして、最近まただんだん特別会計が増加してくるわけです。それで今財政規模が一兆一千幾らというように一般会計の財政規模を押えましても、こういうふうに特別会計がどんどんできてくれば、国民は一体その中味とか内容というようなものは、だんだん財政の内容はわからなくなってくると思うのです。それで、こういうやり方でいいのかどうか、今後特別会計を整理される気持はないのか、そういう点をお尋ねいたします。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 理想といたしましては単一予算制度が理想であることは、これはもう定説でございます。しかし国の活動が多岐多様にわたって参ります場合におきましては、かえって特別会計を設けた方が、決算の面からいいましても、審査の面からいいましても、必要である場合があるのであります。われわれといたしましては、理想は保っていきたいと思いますが、やはり状況によりまして、ある程度ふえるのはやむを得ないと思います。今の三十幾つというお話でございますが、年々変っておりまして、昭和十七年には正確に申しまして五十一でございます。これは外地関係の分も特別会計としてこの中に入っております。大学の図書館は特別会計になっております、一番多いときは五十一、昭和十七年でございます。その後、戦後におきまして非常に少くなりましたが、最近の事情等によりまして、これがだんだんふえつつあるのでございます。しかし、われわれといたしましては、できるだけ必要最少限度にとどめたい、こういう気持で進んでおります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 ただいまのところ、現在の特別会計のうち、これを整理するというようなものを考えておられるかどうか、その点をお尋ねいたします。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) ただいまこれといって今考えておるものはございません。しかしその必要性がなくなって参りましたら、これを廃止するにやぶさかでないのであります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 次に防衛分担金の問題をお尋ねいたします。毎年防衛分担金の折衝にあたっては、非常に政府も御苦労されておるわけであります。それでまたその金額も非常に多いわけであります。そこで私は、こういうふうな多額の金額が支出されておるわけでありますから、この防衛分担金というものは一体何に使われておるのか、具体的にどういうものに使われておるのかという点をお尋ねしたいと思いますので、最近のおわかりになる数字でよろしゅうございますが、防衛分担金の支出の明細をお尋ねいたします。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 防衛分担金につきましては、日米間の協定によりまして、毎月米軍から使用実績をとっておるわけでございます。その使用実績に基く最近の使用内訳を申し上げますと、  三十年度は(前年度から繰り越した、これは米軍の内部で繰り越した金でございますが)二十七億ございまして、新たに交付いたしました金額が三百八十億ございます。結局四百七億の実行予算であったわけでございますが、それに対する支出済み額は三百八十三億でございます。その内訳を申し上げますと、まず輸送通信費が六十六億、用役及び作業費、つまりサービスの関係の金額が二十五億、物品費が一億、労務者の費用が二百九十億、合計三百八十三億でございまして、翌年度、つまり本年度へ繰り越した金額が二十四億ということになっております。   三十一年度は、十二月までの実績で申し上げますが、繰越金がただいま申し上げました二十四億でございまして、十二月までの交付金が二百二十五億、合計十二月までの実行予算額は二百四十九億でございます。それに対しまして十二月までの支出済み額百九十二億でございます。内訳は輸送通信費が二十四億、用役作業費五億、労務者の費用が百六十二億、十二月末におきましては五十七億を第四・四半期に繰り越しております。第四・四半期の支出実績につきましてはまだ整理をいたしておりませんので省略いたします。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 ただいま大ざっぱに、輸送通信費、用役費、労務費、こういうようなことでお話になりましたけれども、米軍から提出されておる費目はもっとこまがいものですか、どうですか。こういう大ざっぱなものですか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) もう少しこまかい報告をとっておりますが、それを集計したものがただいまのような姿でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これらの金は、日本政府としては正しく使われておるとお考えになっておるのかどうか。非常に多額の経費であり、日本の予算の中で非常にウエートを占めておるこれらの金が、正当に使われて、何らむだに使われておるとお考えにならないかどうか、お尋ねいたします。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 先方から報告をとりまして、それをいろいろ審査いたしまして、もし、不審のかどがございます場合には、これまた日米間の協定によりまして、日本政府当局の関係者と先方の関係者とで、共同で支出内容の監査ができることになっております。かつて、朝鮮事変のさなかでございましたが、どうもこの防衛支出金と朝鮮事変関係の支出とが混淆いたしておるのじゃないかというような疑いが持たれましたので、調査をいたしたこともございますが、調査の結果、その点はさような疑念がないことが判明いたしました、その後、別に監査をいたしたことはございませんが、報告書の内容の検討の結果からは、一応合理的に支出されておるものと推定をいたしております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 日本政府の予算も、会計検査院で調べただけでも相当不正に、不当に支出をされておるわけであります。そこで、これらは最近非常に問題になっておりますが、この防衛分担金については、日本の政府の使い方は非常にむだが多く、不正、不当に使われておるが、アメリカの使う場合はそういうことはないと、こういうふうにお考えになって監査をおやりにならないのですか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 防衛分担金は御承知の通り、行政協定で、いわばつかみ金で向うに渡すことになっておるわけでございまして、日本政府の支出といたしましては、米軍に交付いたしましたときに支出手続が終るわけでございます。しかし、私どもといたしましては、これが行政協定で書かれておりますような行政目的に使われておるかどうかということにつきましては、少くとも事後において報告をとる必要があるということで報告を徴しておるわけでございますが、しかし、日本政府の支出手続は交付のときに終る、これは法的な意味ではそうなるわけでございますので、会計検査院が行なっておりまするような意味の、予算の一々の支出目的に徴しての検査ということは、これは私どもとしては権限もございませんし、また、そこまでの調査は、これはむしろ米軍の内部における自粛と申しますか、あるいは検査もそうすべきものでございまして、そこまで立ち入った調査、検査はいたしておりません。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 法的には日本は監査権がないことは私も承知いたしておりますが先ほどもおっしゃったように、朝鮮動乱のときに、非常に不当あるいは混淆して使われておるということで、合同で調査をされたというお話があったわけです。それで、そういうふうに非常に不当あるいは不正に使われておると考えられた場合はやるけれども、まあ小さければこれは黙っていよう、こういう方針なんですか。私は、この日本の予算のワクは大体きまっておるから、この予算のワクはきまっておりますから、防衛分担金がきまらなければ、内政費の内訳がきまらないというのが今の現状なのでありまして、それで、日本の予算には自主性がないということで非常に非難をされておることは、御承知の通りであると思うのです。そういうふうに多額の経費であります。それが法的に根拠がないから仕方がない、こういう泣き寝入りをして、向うから帳簿を見せられて、はい、そうですかということで引っ込んでおるというやり方は、私はおかしいと思うのです。もっと、当然この帳簿を見て不審の点があったら追及するとか、あるいは追及という言葉は悪いかもしれませんが、ともかくもう少し日本の金の使い方からみても、もっとただしたらどうかと思うのです。また、現に米国の国会におきましても、アメリカの軍事費が不当に、また、むだに使われておるということが問題になっておるわけです。そういうことから、今回の駆逐艦の特別会計のできるようになったいきさつも、そういうところに根源を発しておると伝えられておるわけなんです。だから、もっとこれは、ただ法的にそうなっておるから仕方がないというようなことでなくて、今後どうするかということをお尋ねいたします。また同時に、これが分担金という名前があるように、日本が分担していますが、この日本の分担金に見合うアメリカが分担すべき経費は、アメリカが正当に分担しているかどうかという点はいかがですか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 先ほどの御答弁が少し不十分でございましたので、御疑念の点もごもっともでございますが、米軍の駐留費のうちローカル・エキスペンスと申しますか、これは米軍も相当自分で持ら出しておるわけでございまして、いわば米軍の予算からくる金と、日本の予算からくる金とが一体となってローカル・エキスペンスをまかなっておる。その場合に、日本の分担金で何をまかなうかということにつきましては、制度的にいろいろ変遷もございましたが、今日では、先ほど申し上げましたように、輸送通信費、用役作業費、物品費、労務費いわば比較的まぎれの少い費途に大部分充てております。ことに労務者の給与が二百九十億というような大きな金額でございまして、しかもこの労務者の給与は、特別調達資金を通じまして、日本政府が実は経理をやっておるというような格好にもなっておるわけでございます。米軍のローカル・エキスペンスといたしましては、このほかにいろいろ複雑な経理があるわけでございますが、分担金で支弁いたしておりますのは、ただいま申し上げましたような比較的まぎれの少い経費に充てておりますので、その点も、私どもが書類を見ただけで、比較的そういう不当支出等が行われる余地がないと思うと申し上げる一つの理由になっておるわけでございます。さような支出の内容のことをちょっと言い落しましたので、この際付け加えて申し上げておきたいと思います。  なお書類監査等の結果、かりそめにも不審の点がございますれば、これは私どもといたしましても、監査等を実行いたすことに決してやぶざかではございません。  なお第二点の、この分担金に見合う米軍の経費がどのくらいになっておるかということでございますが、これは結局日銀に売られるドルの金額等を通じて、間接的に推定をいたすより仕方がないわけでございます。それもいろいろな推計を用いなければならぬのでございますが、私どもが今日推計をいたしておりまする結果によりますると、日本側が交付いたしておりまする分担金あるいは施設提供費、その合計額よりも多いドルを円に交付いたしまして、国内における支出に充てておることは確実であると考えられます。どのくらいの金額がそれに充てられておるかということにつきましては、取り調べまして後刻申し上げます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 次に総理にお尋ねいたしますが、日本の防衛に関連いたしまして、世界の情勢をどういうふうにお考えになるのか、今後の見通しをどういうふうにお考えになるかということをお尋ねいたします。これにつきましては、重光外務大臣が前に国会で、いろいろ詳しくお話になったことがあり、その後、岸さんもお話になりましたけれども、私は、今の防衛問題に関連いたしまして、もう少し詳細に、一体どういうふうになるのか、その情勢判断をお尋ねいたします。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 国際情勢の分析判断及び将来の見通しということは、これは非常に大事なことであります。と同時に、非常に私は困難な事情も幾多あると思います。それらの正確なものをつかむには。ただ方向としてどういう方向に行きつつあるかという考え方につきまして、これは二つの見方があると思います。というのは、むしろやはり冷戦と称せられる冷たい戦争、両陣営の対立緊張は激化の方向に向っておるか、あるいは緊張は緩和の方向に向っておるかという見方につきましては、二つの対立した見方がございますが、私は総じて緊張が激化するというような情勢には見ておりません。と申しますのは、いろいろな事態が起っておりますけれども、決して、熱戦と申しますか、戦争の危険の方向が強化されて参っているようなことには私は見ておらないのでありまして、最近の東欧及び中近東に起った事態というものは、相当に国際的な関心を呼び、両陣営ともこれに対して相当な強い関心を持って、またその見方はいろいろありましたけれども、やはり国際連合を中心として平和的にこれを解決するという努力は、両陣営とも非常に熱心にその努力を続けておる。また今後いろんな問題を処理する上におきましても、国際連合を中心として平和的にいろんな起ってくる事件を解決し、これを大きな戦争に導くことのないように、あらゆる努力が払われておる。最近の軍縮小委員会に出ておるところの軍縮に関する意見、もしくはこの核兵器そのものの発達ということが、一方におきましては非常に緊張を強めているように見えますけれども、大きな面から見るというと、戦争というものが人類を破滅せしめるものであり、これを防止しなきゃいかぬという熱意は、両陣営にも強く私は起ってきておると見るのであります。従いまして、全体のこの傾向としては、私がいわゆる外交方針について述べましたやはり雪解けの方向をとっておる。しかしそれが非常に急テンポで雪解けが行われ、手放し、で楽観すべきような状態でないことは、言うを待たないのでありまして、この国際情勢の分析及び見通しにつきましては、さらにさらにあらゆる観点から常に十分な検討を加えつつ、そしてその方向を誤らず、一方から言うと、いたずらに警戒してかえって世界の向うべき方向を誤まることもいけませんし、また手放しに楽観して非常な禍根を招くこともいけないわけでありますから、その点につきましては十分ななにをしなきゃなりませんが、私自身の見方としては、いろんな事件が起っておって、その事件だけをとらえて非常に緊張が激化するという見方をする人もありますけれども、私は、その底流として動いている方向は、今言う平和への努力がだんだん強化されつつある、その意味において、私はやはり雪解けの方向をとっている、こういうふうに見ております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 今の問題に関連いたしまして、防衛庁長官にお尋ねいたしますが、日本が今後渦中に巻き込まれると考えられる紛争、さらに具体的に言えば、日本の自衛隊が直接出動することになる紛争は、一体どういうふうな様相、あるいは形、そういうことが考えられるか、具体的にはどういう規模でもってその紛争が展開するのか、どういう形でそういう紛争は始まるのか、さらに、長官はしばしば局地戦ということを言われますけれども、局地戦というものは具体的にどういうものであるか。この自衛隊が介入するような局地戦というのはどういうものであるかという、以上三点を具体的にお答えを願いたいと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私どもは、今総理が申されましたように、大規模な戦争が近いうちに起るというようなことを考えておるのではございません。が、しかし、それかといって手放しに楽観を許すことはできない。昨年あるいはその前、これまでの世界の実情を見ましても、簡単にそうした両陣営の戦いというものがない場合においても、部分的に地方的にいろいろ紛争の起ることもあり得るのでありまして、いろいろな場合を想定して防衛力の増強ということを考えておるわけであります。  まず第一点は、どういう規模で起るかということでございまするが、これにつきましては、もちろん専門的にいろいろ議論しておりまするが、一がいにそういうことを想定することは困難であると思います。ただ地域的に大きな形態で起らないときには、少くとも日本は自主的にこれを守っていくという力は持たなければならないと思いますので、そうした比較的小規模のものにできるだけ対処し得るように、少くともその第一次的な防衛は全うし得るようにということを考えておるのでございますが、もしそれが大きな規模になれば、結局これは日本の独力ではこれに対処し得ないのでありまするから、集団安全保障の機構に頼らざるを得ない。その考え方のもとに私どもの施策を進めておるわけであります。  またどういう形で起るかという点でありまするが、これはもちろん局地的な侵略があると同時に、間接的な侵略ということもあり得るかもしれませんが、そういうことのないように、それを未然に防止するのには、その意味においても最小限度の自衛力を持たなければならないという考え方で進んでおるのでございます。  なお、局地戦というものはどういうものかというお話でございまするが、これは私ども普通の意味に使っておるのでありまして、大規模の世界的な戦争でなくても、それぞれの地域において、いろいろな考え方の相違、政策の相違というようなものから、これまでもいわゆる局地的な戦争というものは現実に起っておりますので、そういう際に思いがけない侵略を受けるというようなことがないようにしようという考え方でありまして、私の申します局地戦というのは、普通に言われる、昨年あたりも起りましたような紛争を念頭に置いて申し上げた次第でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は、そのスエズやあるいはその他の所で起きた局地戦を言っておるのではない。お尋ねしたのは、日本の自衛隊がその紛争に介入しなければならない局地戦というのはどういうことをお考えになっておるのか。しばしばあなた局地戦ということを言われておりますから——局地戦に使うのだ、今回の駆逐艦二隻も局地戦に使うのだと言われますから、局地戦というのはどういうものだということをお尋ねしておるのです。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 最初に申し上げましたように、必ずどういう局地戦が起るということを考えておるのではなくして、いろいろな場合を想定いたしまして、そういう、ある日本の一地点が攻撃されるというような際にも、それを阻止し得る——規模にもよりまするが、それを最小限阻止し得る力を持っておるという意味でありまして、特にどこが仮想敵国であるとか、どういう形態のものが起りそうだというのではなくして、この防衛力は、ずっと日本の今後三年とか五年というのを考えてやっておるのではなくして、そうした自衛力の基盤を作るという意味でやっておる次第でありまして、特別なことを特に仮定して兵力を増強している次第ではございません。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 実に漠然として、ちっともわかりません。あなたは、衆議院で私は傍聴しておりましたが、この駆逐艦はこんなもの役に立たないと言われたら、いや、これは局地戦に使うのだと言われるから、局地戦というものはどういうものですかということを聞いているのです。そういうばく然としたことで、さっぱり何をおっしゃっているのか、ちっともわかりません。あなたがこの駆逐艦は局地戦に使うのだ、だから、そういう局地戦はどういうものであるか、またこの駆逐艦ばかりでなくてその他のものについても、局地戦、局地戦としばしば言われているから、具体的にあなたよほど局地戦というものをはっきり考えておられると思いますから、お尋ねしているのです。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 全世界的な規模でなしに行われるこの戦争形態を申しておりますが、しかし、そうした世界的な規模の戦争の際におきましても、この地域が、極東地域が主戦場とならない限りは、そういう場合においてはこうした艦船は役立つということを申し上げた次第であります。日本は原料とか食糧を入れなければならないし、商船の護衛ということは必要であります。ちょうど、場合によっては、日本が攻撃の対象にならなくても、この近海における航行を安全にしなければならない。内航外航を護衛しなければならない。その目的のためにはこの駆逐艦が必要であるという趣旨を申し上げた次第であります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そういうことを私はお尋ねしているのじゃないのです。その駆逐艦を使う戦争の規模にはいろいろあるでしょう。そういうとき、それがこれを必要なときに使うということを言っているのではないのです。局地戦に使うということをおっしゃっているが、局地戦とは何だと聞いているのです。あなたの御答弁を聞いておりますと、局地戦というものは各地に起り得る、それに使うのだと言って、何だか聞いておりますと海外に派兵するのではないかと、こういう印象を強くわれわれは受けているのです。あなたはいろいろなことを知っておりながら答弁されないから、そういうことになるのです。知らないならいいのですけれども、なまじっか知っていられるから、答弁がさっぱり的はずれになっているのです。きょうは総理も十二時過ぎにはどこかにおいでになるのだから、もっと簡単に話していただかないと困ります。あなたも長官になられてから相当時間もたちますから、十分もう御研究になったと思いますからお尋ねしているのです。知っているけれども答えられないというなら、またこれはわかります。さっぱりわかりません。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) もちろん私の申し上げますことは、西ヨーロッパで局地的な紛争が起ったからその際という意味では決してございません。日本を対象とした、日本がそこに巻き込まれた地域的な攻撃の行為が加えられるというような場合が全然ないということは言えないのでありまして、今の世界の情勢からしてそういうことも想定してかからなければならない。日本を対象としたそういう行為というものは、ある一地点に陸ということは考えられるかもしれないが、それよりも先に、あるいは空からの力、あるいは海からの力によって封鎖的な措置がとられて、そのために日本の存立を危うくするというような場合も十分考え得るのでありまして、それに対処するための海上における自衛力としてその駆逐艦を使いたいという考え方であります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 だれも戦争が、私は立場は違いますけれども、あなた方の立場から考えて、戦争がないということを言っているのではないのです。それで先ほども総理に御答弁を願ったのです。それで、あなたもいろいろの形の大規模の戦争もあるだろう、また局地戦もあるだろう、こういうことを御答弁になったから、局地戦というものはどういうものかと、こういうことを聞いているのです。この駆逐艦は海から来たものをこれは防御するのだ、こういうことをおっしゃったけれども、それは当然ですよ。駆逐艦は陸上に上ってやるわけにいかんじゃないですか。あなた、そんなことをおっしゃっていたのじゃお話になりませんよ。同じ空からくるにも、大規模の戦争の場合と、局地戦とある、それで同じ防衛するといっても、大規模の場合に国土防衛する場合もあり、本当の小規模の場合に国土防衛する場合もある。いろいろの場合があるから、私が最初にあなたに、どういう規模で今後紛争が起るのだ、自衛隊が介入することになるのだ、そういう規模はどういうことを考えておられるのだということをお尋ねしたが、これは御答弁にならなかったので、なったけれどもわからないから、のちほどお尋ねしますが、あなたの就任以来、局地戦ということは、しばしば御答弁になっているのです。だからこれは、局地戦というものは、それだけ言われるなら、局地戦というものはどういうものを、たとえばディフクによって攻撃を受けるものは局地戦です。これはB47かなんかディフクを積んでくれば、一機で東京都の人間は三十分以内で全部死ぬことになっています。こういうディフクによる攻撃を受けた場合はあれですか、これは局地戦ですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) もちろん、不法入国とか、そういう特殊の形態のものもあるでしょうが、私どもが申し上げておりまするのは、局地的に組織的な侵略行為が行われる、こういう考え方でありまして、ただ一つがやって来たから、これをもって局地的な戦争というかというと、私はそういうようには解しておりません。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 ちょっと関連……。この局地戦に使うという言葉を使われたようですが、今説明を聞いておりますと、内航、外航について、局地戦に関連をして侵略が行われる場合に、自衛のために使う、こういうまあ答弁であります。内容はとにかくといたしまして、局地戦に関与をする、局地戦に使うという言葉でありましたが、局地戦に参加をするがごときこの表現は御訂正になるべきだと思う。明確に御訂正になるべきだと思っております。今説明がされておりますような事態は、これは外務大臣がきょうここにおられますけれども、局地戦であろうと何であろうと、戦争に、あるいは戦闘行為に参加をする、こういうことになるじゃありませんか。局地戦に関連をして、今は組織的な侵略行為と言われました。先ほどは内航、外航において輸送をするとき云々ということでありました、その場所を考えますと、外航ということを考えればこれは日本の領海外だとも考えられます。そこで敵の、今、敵と申しますか、一応日本にとっては侵略の危険がある云々ということで敵対関係に立つと考えられる国の、その軍艦なりあるいは飛行機に対して、今言われております駆逐艦あるいは飛行機その他が使われるということになれば、これは戦闘行為じゃありませんか。戦闘行為であります。限定されるとも戦闘行為です。こういうことが日本の憲法から許されているとお考えになりますか。もう少し具体的な姿を考えて、一つ岸総理に御答弁を願いたいと思います。なおここで付け加えますが、昨年ございましたドラゴン・フライというのは演習でと言われております。日本の自衛隊の戦闘機等も参加をいたしております。ところが実際には、それは共同演習だと言われておるけれども、戦備を整えて出発をしたと言われております。大東亜戦争が起ります時にも、途中で発見されたら演習ということで堂々と帰ってくるという予定であったと聞いております。局地戦が行われて、そしてその局地戦に関連いたしまして、日本のこれは領空領海だけじゃございませんよ。外航について、これに関連をしてわが方に侵略の危険があるならば、これに対して立ち向って自衛行為を発動する、あるいは駆逐艦も使うと、それは戦争じゃありませんか。そういうことは私は許さるべきじゃないと思う。日本の憲法から考えてどういう工合に考えられるか、これは岸総理に明確に御答弁を願いたいと思うんですが、小滝長官は局地戦争に使うと、問題の一つの駆逐艦を使う、こういうことは、これは今日許さるべきことじゃなかろうと思う。明確に取り消しの言明を願いたいと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私の言葉が足りなかったかもしれませんが、先ほどもすでに申しましたように、日本を対象とするところの局地戦というのは、侵略、先ほども申しました侵略行為を意味することがございまして、それに対してただいま自衛のための最少限度のものであるということは、これまでもしばしば申し述べておるところでありまして、さっき申しました例は悪かったかもしれませんが、ヨーロッパとか、あるいは韓国とかいうような所で事があったからやるというのではなしに、日本を対象としたこういう物的な侵略とか、あるいは封鎖的な行動が行われた際に、これに対して自衛力を持たなければならぬということを申し上げたわけでありまして、なおまた内航外航と申しましたが、御承知のように、かりに海上自衛隊の方が私どもの試案通りに十二万四千トンまで伸びましても、商船護衛には相当な駆逐艦も必要であり航空機も必要でありまして、きわめて限られた距離以上には、とうていこの日本の商船が守れないというような実情にもありまするし、私どもはそれを遠くに出して、外において駆逐艦と戦うというのではなくして、日本の商船が日本に近づくに当って、これを最少限度護衛をしなければならぬ。そのための艦船が必要であるという趣旨を申し上げた次第でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 この問題は後ほどもう一回、ほかの問題と関連してお尋ねいたしますが、今のこの駆逐艦二隻ですね。これの使用方法というか、任務といいますか、そういうものはどういうものか、お尋ねいたしたいんですけれども、これは先日来の御答弁では、対潜水艦用に主として使う、こういうように御答弁になっておるわけです。そこで今この二隻を今度作るわけですが、この二隻は一体どこに配置するんですか、具体的には日本海に置くんですか、太平洋に置くんですか、どこにこの二隻は配置するんですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) これの日本への供与を受けますのは昭和三十五年になりますので、今ちょっとどこに配置するという計画というものはございません。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これはできるのは三十五年かもしらぬけれども、できてから、これをどういうふうに使うか、あなた先ほどから、局地戦に使う、あるいは敵前上陸に備える、あるいは輸送船を護衛するということをおっしゃったじゃないですか。そうおっしゃっておりながら、この一隻はどこに配置するかわからないで、敵前上陸に備えるとか、あるいは輸送船を護衛すると言っても、それはおかしいじゃないですか。どこに配置して、どういう状態に備えるということがわかって、初めてこれを使うのでしょう。これは余った金でやるわけじゃないんです、これは向うからもらうことはもらうんだけれども、これはもらえば何でもいいというものじゃないと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 小林さんに対して少くとも言えることは、日本海方面で使うのではなくして、太平洋方面であることは、はっきりと申し上げることができるのであります。内航にいたしましても、瀬戸内海からずっと太平洋岸にわたるものでありまするし、日本の物資が参りまするのも、南方とか、あるいは向うから参りまするから、方面を申しまするならば何といっても日本海方面ではないということは、これは日本の貿易の通路とか、あるいは物資の輸送の現実に、御承知のように日本の商船がどこを主として動いておるかということによっても御想像願えることだと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そういたしますと、これはソ連の潜水艦が現在百隻極東に配置されておる、こういうことでありますが、こういうものは全部太平洋側に出てくる、こういうふうにお考えになって、それに対処して太平洋側にこれを配置すると、こういうことなんですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私どもは、どこの潜航艇がどうということを考えておりませんが、今申し上げました通り、日本海を通じての商船の動きというものは太平洋岸に比すれば非常に少い。これは十分小林さん御承知のはずであります。これは商船を護衛するということになれば、当然日本の通常の航路を護衛するということになりまするので、そちらの方に置くということになります。あるいはそういう潜航艇はいろいろなところへ移動するでありましょうが、少くともこの日本の商船の航路ということを考えれば当然そうなると思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 かりにソ連だけ考えても、極東に百ぱいの潜水艦が配置されておるということは、きのうもおっしゃったのですが、これだけ潜水艦がたくさんあっても、この二そうでいいのですか。大体かりにソ連を考えた場合、一体何そうあればいいのです。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私どもの考えとしては、内航、日本の沿岸を守るのは、ぜひ日本の力で守りたいということを考えておるのでありますが、しかし外国から物を持ってくる場合には、もう全部ほったらかしておくというのではありませんから、その日本近海に近づくものについては日本の方で護衛をしなければならないしかし現実に駆逐艦と申しまするか、われわれの申しておりまする警備艦というのは二十八隻でございます、優秀じゃございませんが。それが二十八隻が三十隻になっても三十五隻になっても、非常に大きな力を発揮するものでないことはもう御指摘の通りであります。一つの船団に対して何ばいかを配さなければならない。しかし同時に、今後そうした護衛の形態などということについては、さらに検討もしなければならない点がありまするし、商船のスピードがどのくらいということによって、それに配置すべき駆逐艦の数も変って参るのであります。でありますから、二隻でもって非常に大きな護衛の力になるというふうに考えておりません。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私はここでちょっと申し上げますが、この質問しておる際に、長官は、まあお間違いないだろうと思いますけれども、私はこれは二隻で足らないからもっとよけい作ったらどうだ、ソ連とすぐ戦争がある、そういうことを言っておるのじゃないですから、念のため……。これは社会党も今度軍備をするようになったのかとお考えになると悪いから、念のために申し上げておきます。そこで、この二隻の駆逐艦をアメリカから供与された、これにはアメリカ人が乗るのですか。これは指揮はアメリカ人がやるのですか、日本人だけでやるのですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) この建造につきましては、防衛庁の方で検査、監督、設計等することは、すでに申し上げた通りでございますが、アメリカから供与されました以上は、もちろん日本にこれはグラントとして、貸与じゃなしに提供されるものであり、貸与されたものは現に日本人だけでやっております。この船も同様に日本の海上自衛隊の方で活用することになる次第でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 原子兵器の持ち込みについてお尋ねしますが、原子兵器は、これはアメリカが持ち込もうとしても拒否するということは、強く総理大臣はしばしば御答弁になっておる。また持ち込みの際はアメリカが相談するであろう、必ず相談するであろう、だからその際はこれを拒否する、昨日も御答弁になっておりますが、一体その相談があった場合は拒否するということであれば、また相談がないかもわからない。ところが、岸さんや鳩山さんも、必ず相談があると、こうおっしゃっておりますけれども、私たちは、相談があるかないか、これは怪しいと、こう考えております。そこで相談があれば必ず拒否する、こういうことでありまするならば、あらかじめ、もうこれは拒否いたしますということをはっきりアメリカに通告し、また場合によれば女書でこれをはっきりさせておくという必要があるのじゃないかと思うのです。国会において総理大臣があれほど強くおっしゃっておるなら、これくらいのことをされたらどうかと思うのです。また近く渡米されますが、その際にはそういうふうなこの問題をアメリカ側に申し出られる御意思があるかどうか、お尋ねいたします。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 現在の安保条約の規定によりますというと、どういう兵器を持ち込むか、あるいはどういう軍隊を駐留せしむるかというようなことは、アメリカの一方的意思でできるというふうになっておることは御承知の通りであります。従って今小林委員の御指摘のあるように、私がしばしば答弁しておるその根拠は、アメリカ側との話し合いや、あるいはアメリカの国務省及び国防省等が、この原子力部隊の駐留の問題について、新聞等でいろんな論議が、行われたとき、に向う側が一方的にそういうことを声明をいたしておることから考えても、また今までの実例から考えても、私は相談があるものと考えておりますけれども、しかし今それはただ口頭だけの話じゃないか、向う側だけの声明じゃないか、何か根拠がきわめて明瞭でないので非常な不安がある、条約上はむしろ一方的にできるような権利をアメリカ側は持っているじゃないかという、私は御不審なり御疑念も、もっともだと思います。従って、私が今回いろんな機会に申し上げているように、安保条約、それから行政協定等の全面にわたって一つ再検討をすべき時期であるということを申しております。そういう考え方は、今安保条約がそういうふうなことが一方的にできるというような点が非常な疑惑の中心になり、また不安の根拠にもなるわけでありますから、そういう際には、私は当然それらのものを明確にすることを考えなければならぬと、こう考えております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 総理大臣の御決意は、私たちは非常に敵意を表しておるのでありまするけれども、この安保条約あるいは行政協定の改正ということは、そう簡単に行われるとは思わないのです。そこで、この問題だけでも早くはっきりさせて置いたらどうか、現に鳩山さんも岸さんも、必ず相談がある、そうして、しかも向うは相談する以上はこちらの意思を尊重するから相談するのだろうと思う、その場合は、こちらは必ず拒否すると、こういうことをしばしば言っておいでになるのですから、それならば、何か文書ではっきりと、これを事をきめておいたらどうか。条約の改正はあとにいたしまして、とりあえず今回の渡米を機会にこの問題だけを話し合ったらどうかと、こういうふうに考えます。これは今月の五日に西独のアデナウアー首相は、本格的に今後西独は原子兵器所有国になるということを言明されておるのです。こういうような問題が非常に各方面に衝撃を与えておることも御承知の通りです。私はこういう情勢を考えると、日本としてはどうしても、この問題をはっきりして置かなければ安心がならぬと思うのです。この意味において、首相が渡米される際に当りまして、とくと、この問題を話し合われる必要があるのではないかと思いますので、重ねてお尋ねいたします。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 趣旨は先ほど私がお答え申し上げましたように、私は安保条約そのものを全面的に検討するということが適当であると考えております。小林君の企図されている御趣旨につきましては、私はその意見に反対じゃありませんけれども、ただこの問題だけをとらえて、それの何か文書の交換をするというような考え方は今私は持っておりませんで、条約全体の問題として一つ検討をしてみたい、こう思っております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 この原爆の問題に関連いたしましてお尋ねいたしますが、昨日の内閣委員会におきましても、総理、防衛庁長官、それから法制局長官との間に、この原爆——原子兵器の意義について答弁の食い違いがあったように聞いております。これはしばしば防衛庁の長官は、たとえば誘導弾、オネスト・ジョンのごときは、原子弾頭をつけなければこれは原子兵器でない、あるいはこれは射程距離が短かいから防御用兵器だ、こういうことを言われております。そういうことを言われておりますから昨日のような食い違いができるわけです。これは私は、あなただけがそういうふうにお考えになっているのじゃないかと思うのであります。だれもオネスト・ジョンを原子兵器でないというようなことを考えている者は、常識のある人はないのじゃないかというふうに思うのです。現にこれは、世界的にも、オネスト・ジョンのごときは戦術原子兵器、それから原爆や水爆は戦略原子兵器、こういうふうな原子兵器として考えられているのが、世界的な通念だと思うのです。防衛庁の長官は、国会答弁用として、このオネスト・ジョンを、いつの間にか原子兵器でない、こういうようにされていると思うのですが、これはあなたにお尋ねいたしますが、あなたは攻撃用兵器あるいは防御用の兵器ということをしばしば言われますが、兵器を攻撃用の兵器あるいは防御用の兵器というような区別をつけているのは、これは一般の軍事上の常識ですかどうか。これは防衛庁の専門家にお尋ねしてもよろしゅうございます。こういう攻撃用兵器あるいは防御用の兵器ということを国会においてしばしば答弁せられておりますが、非常に重大な関心を持っているこの原子兵器に関して、そういう御答弁があるのですか。防衛庁の専門家は、一体こういう攻撃用の兵器あるいは防御用の兵器ということを、軍事的な常識としてそういうことが言われているのですかどうですか。

増原恵吉自由民主党

○政府委員(増原恵吉君) 兵器を、攻撃的な兵器、防御的な兵器というふうな言い方をしますのは、何と言いますか、常識的な使い方として申すのでありまして、厳格な意味の軍事用語としてそういう分類がされているとは必ずしも考えません。一般に、攻撃用と言うよりは攻撃的という言葉を大体今まで使われていると思いますが、普通のやはり鉄砲一丁、機関銃一丁とってみましても、戦闘が行われます場合には、いわゆる攻撃に使い防御に使う、こういった場合において、これは攻撃的兵器とか防御的兵器とか、厳格には区別がつかぬと思いますが、常識的には、そうした普通の鉄砲であるとか、機関銃であるとか、大砲だとか、というようなものは、わが自衛隊において自衛のために用いるという場合に、この遠く敵をいわゆる攻撃するというふうなものでない、こういう意味において、常識的な用語例として、攻撃的な兵器とか防御的兵器という言葉を使っているにすぎません。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そういうことを言っているから自衛隊は役に立たない。あるいはアメリカの傭兵だと言われるのです。常識的といったって、だれの常識ですか。私はこれは小滝長官の発明だと思う。大体今の答弁がしどろもどろじゃないですか。これだけ国民が心配していることを、ただこれは攻撃用の兵器でございます、防御用の兵器でございますといって、言いのがれをされようとしている。そのために小瀧さんはこういう言葉を考えられた。たとえば鉄砲だって防御にも使い、攻撃用にも使う。鉄砲は最近は小さいから……。今のオネスト・ジョンだって、これは船に積んで、射程距離は短かいけれども、たとえば潜水艦に誘導兵器を積んで、接岸してこれを使えば攻撃用の兵器になるのじゃないかと思う。最近は非常に潜水艦が発達して、そういうものを積んで接近して攻撃する場合もあり得るわけです。これは防御用、攻撃用といったって、そういう区別はできないのじゃないか。あなたはどうしてそういうことを固執されるのですか。これは国会答弁用としてそういうことを考えられたので、心からあなたはそういうことを考えられたのじゃないと思うのですけれども、念のためお伺いいたします。そういうような答弁をされるから食い違ってくるのです。常識上というけれども、軍事常識からいえば原子兵器です。これは世界中通用します。戦術的原子兵器、戦略的原子兵器、こういうふうになっておって、はっきりしておる。攻撃用とか、防御用というものはないのです。あなたはどうしてこういうことを使うのですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私は小林さんのおっしゃるお気持はわからないわけではないのでして、同じナイフにしても、殺傷に使う場合もあるし、身を守るために使われる場合もある。しかし、少くとも自衛隊に関する限りは、今の装備あるいは兵器というものは、これは防御的な目的に厳に制限して使われるものであるという意味において申し上げた次第でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 自衛隊は他を攻撃することはできない。防御用にだけ使うのだ、こういうことになっているから、持っておるものはみんな防御用のものである、それは実はロジックがあいません。自衛隊は憲法によって戦力を持つことはできない。他を攻撃することはできない。だから自衛隊は原爆を持ってもこれは防御用のものである、あなたの理論はそうです。そういう三百代言的な御答弁はおかしいと思う。ちょっと言葉が過ぎたかもしれませんけれども、それはおかしいじゃないですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私ども自衛隊に対しましては、そうした目的を認識いたしまして、防御のために必要な最小限度のものを装備するという考え方を持っておるわけでございます。でありますから、いつも申しまするように、非常に遠いところを攻撃するとか、非常に大きな殺傷力を持ったような基地をつくというようなものは、絶対に持たせない。こういう考え方であります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 現にこういういろいろのオネスト・ジョンを初め、誘導兵器をあなたの方はアメリカに持ち込んでもらいたいということをお頼みになっておるわけです。それでそういうものは攻撃用に使わないと言われておりますけれども、それは世界の軍事常識からいえば戦術的原子兵器なんです。日本がそういうものを持てば、これは対抗して、かりに局地戦でも相手方はそういうものをもってこれは攻撃してくるかもわからない。これは非常に危険だと思う。そんなものを持つ必要はどこにあるか。そういう危険なものを持つ必要がどこにあるかお尋ねしたい。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 核兵器を持たないということは、再三総理からも申されましたし、私も申しておるところでございます。ただ小林さんの議論をせんじ詰めていけば、全然何にもない方が攻撃の対象にならんから、全然無防備にしておいた方がいいというところへたどりつくだろうと思いまするが、私どもはそうでなしに、日本をみずから守る上に必要な最少限度のものは持たなければならないという見地において、自衛隊の仕事を指揮いたしておる次第でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は何も持たなければいいということを今言っているのじゃないのです。われわれはほんとうはそうなんです。しかし先ほども申し上げておるように、現実にそういうものがあるから、われわれはここであなた方に、みんなもう持たない方がいい、われわれが政権をとったときはこうするのだという話をしても仕方がないから、具体的な話をしているんです。あなたはだんだんと話をとんでもないところに持っていって、言いのがれをしようとされる。それが私は困ると思うのです。何もそんなことを言っているのじゃないのです。何も持たない方がいいなどということを言っているのじゃないのです。そういうものを持てば、これは原子兵器を保有するということで、相手からの原子兵器の攻撃を受けるおそれがあるのじゃないか、非常に危険じゃないかということで言っているんです。あなたはそういうことをおっしゃるなら、いろいろ最小限度の防備をしなければならないとおっしゃるなら、先ほど申し上げたように、その戦争はどういう規模で起るのか、そうしてどういうふうにして展開されるのか、また局地戦というものはどういうものであるかということをもう一度お尋ねいたします。あなたはそれだけ言われるなら、先ほどのところに戻って、それを説明しなければならんと思うのです。それほど自信があるなら、はっきりと、どういうことを考えておるのかということをお答え願いたいと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 先ほどから申し上げておる通りでありまして、日本の今後というものを考え、また世界の現実の情勢から考えまして、全然日本の方が手放しでやっていけるということは期待できない。少くも責任をもって、国民が安心して今後の生業を営んでいくためには、最小限度の防衛をしなければならん、こういう立場でありまして、そうなりまするというと、今の兵器の進んだ時代、いろいろ戦術の変ってきた時代において、いつまでも戦前からあったようなものだけでもって——もちろんそういう在来のものも必要でありまするが、しかしそうした新しいものにも対処し得る力を持たなかったならば、せっかく自衛隊を持っていても、それがほんとうに役に立たない。こういう意味において誘導弾も今すぐ持つ力もないし、持とうとしているのじゃございませんが、それを大いに研究していかなければならない、こういう考え方でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 古いものはだめだ、だんだん新しいものを持っていかなければならん、そういう欲望はこれは兵隊として、軍隊として、当然なんです。軍隊を持てば必ずそういうことになってくる。今度あなたの次の長官は、戦術的原子兵器は、どうもあれはだめだ、やはり戦略的原子兵器を持たなければならんと、こういうことになります。それは欲望はきりがないのです。戦争は勝つためにやるのです。最終的に勝たなければ、戦争の目的にならぬ。だから優れた兵器を持ちたいということは、これは軍人の本能ですよ。あなたのその思想が一番危険なんです。だから申し上げているのだけれども、その前に、あなたは私のお尋ねにお答えにならぬじゃないですか。そういうふうな兵器がほしいなら、どういう戦争が起るからそういう兵器が要るのだということを言わなければならぬ。防衛庁には統合幕僚会議ですか、そういうものがあって、そういうことを研究されているはずじゃないですか。あなたがお答えできなければ事務当局でいいですが、どういうことを考えていられるのか、事務当局はこの幕僚会議においてはどういうことを想定していられるのかということをお尋ねいたします。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 前から申しますように、われわれとしては、いろいろな場合を想定して防衛計画を立てなければならないわけでございまして、ただ断定的にこういう形態、こういう規模というような考え方ではなしに、今申しましたように、それが変化して、相当大きな規模にならば、集団安全保障によらなければならないが、今の日本の国情、国力を考えてのこの自衛力では、どういう程度のものに対処できるかというような点を検討しておるのでございまして、今おっしゃったようなこと、それに直接的に答弁することはしかたがないと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そういうことでちっとも答弁になってないんです。具体的にいろいろの場合を想定しなければ、どういう兵器が要るのか、どういう軍隊が要るのか、これだけになったら今度アメリカに帰ってもらうとか、いろいろのことが出てくると思うんです。それをいろいろのことを考えてます、いろいろのことって、頭が混乱して何もわからぬじゃないですか。もっとはっきりと具体的にお答えにならなければ、これは困ると思うんです。この駆逐艦二隻を新たに建造する場合でもいろいろのことを考えてこれをやったんだ、というようなことでは困ると思う。あなたが御答弁できなければ、専門家がおいでになるんだろうから、専門家から御答弁願ってもいいです。ないはずはないんです、防衛庁に。そんなことがなければ、防衛庁なんか多額の金を使って置く必要ない。どうですか。——いや、あなたでなくていいんです。専門家に……。

増原恵吉自由民主党

○政府委員(増原恵吉君) 日本の防衛を考えまする場合に、どういう形態のものがあるかという御質問でございまするが、これは長官から申し上げましたように、もちろんいろいろの事態を考えて防衛の規模その他を、防衛庁としての考え方をまとめつつあるわけでありますが、これは海上につきましては、先ほど長官から申し上げましたように、一応現状における状態から判断をしまして、港湾、海峡等の防衛なり、あるいは内航外航等の船舶の護衛なりというふうなものを想定をいたしまして、一応十二万四千トンという、これはいわゆる駆逐艦に当る警備艦、掃海艇その他のものを用意しようということであります。陸の十八万というふうなものを一応防衛庁としては目標に想定をいたしておりまするが、これは日本の本土に対して外部からの侵略が万一ありました際に、これに対処するというための基本的な勢力。空につきまして千三百機というふうなものを一応目標として想定をしておりまするが、これはいわゆる戦闘機を主体といたしたものでありまして、万一空からの攻撃がありました場合に、これを迎えて防御するという体制を考えた計画の数でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そういうことでは不満足なんです。あなたの防衛庁には統合幕僚会議というものがあって、情勢見積りという詳細なそういうものがあるはずなんです。それを一つ概要でいいですからお聞かせ願いたい。(「資料で取ったらいい」と呼ぶ者あり)きょうは概要を述べられて、その取りまとめを資料として御提出願いたいと思います。それがなければ、この駆逐艦二隻を作って、これがいいとか悪いかを、そういうことがわからぬと思うんです。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) これは担当している者としましては、平素からそういう問題は検討いたしておりまするが、近く国防会議も開かれまするので、その際にさらにそうした点も検討することになっております。ただこれら考えておりまするものは、単なるいろいろな想定と申しまするか、見積りという程度のものでございまして、正式なものとなっておるわけではございませんので、その点を御了承願います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 今申し上げておるように、資料として一つ御提出願いたと思います。  それからもう一つお尋ねいたしますが、国防会議を近く開催されると、こういうふうにおっしゃっておりますが、いつごろ開催の見込みでございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) できるだけ関係者を督促してあらゆる準備をしておりますが、今、いつということをはっきり日にちを確定的に申し上げることはできませんが、近く開く……。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 防衛庁の長官にお尋ねいたしますが、国防会議には幹事会というものがあって、議案をこれにかけられるはずなんです。それで国防会議の開催は日がさまらないと思いますが、総理大臣の渡米に関連いたしまして、これは早急に取りまとめなければならぬわけですが、幹事会は一体いつ開かれるんですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 総理の渡米とは関係なく、私どもはこの検討はすでに続けておるものでございまして、御指摘の幹事会はこれまでも何回か開いております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 おかしいじゃないですか。今総理大臣は、渡米の関係もあって督促をしておるとおっしゃっているが、あなたの方は無関係にやっておるという答弁ですが、総理大臣の命令は徹底しないんですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私が申し上げましたのは、そういうことと関係なくすでにそういう点はわれわれの方で常に検討している。しかし今御指摘の幹事会はすでに何回か総理の督促もあって開かれているということを申し上げております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は国防会議にかける議案をきめる最終的な幹事会をいつ開かれるか。総理から督促を受けたんですから、できるだけ早くおやりにならなければならぬ。それでいつお開きになられるか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) これは国防会議の事務当局がやっておるのでありまして、私の方から次長が幹事として出ておりまするが、その予定は私詳細に存じません。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 次長おりませんか。

増原恵吉自由民主党

○政府委員(増原恵吉君) 防衛力の整備計画を審議するための幹事会はまだ開かれておりませんが、近く開かれる予定になっておりまして、まだいつ開かれるかは承知をいたしておりません。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これは総理の渡米に関連して急速にやらなければならぬ。また総理もこの防衛長期計画ができたら、これをアメリカに持っていくとおっしゃって、しばしば督促されていることは今おっしゃっておる通りなんです。しかし事務当局はさっぱりその意をくまないで、いつ開くかわからんというようなことで、これは士気が弛緩しておるんじゃないか、防衛庁、(笑声)どうです、そんなことで防衛の任務が達成できますか。ちっとも重大な上の人の命令が下に徹底しないということではだめじゃないですか。そうして下の方の青竹をもってしりをひっぱたいて、上の方はのほほんとしてわけのわからない答弁をしている。そういうことでいいですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) ちょっと関連して。小林君は私が渡米するので、その前に作ってそれを持っていかなければならないということをしばしば答弁しているというお話でありましたが、私絶対にそういうことを申したことはございませんで、誤解のないように申し上げておきたいと思いますが、私は国防会議を早くやって国防の、この防衛の基本方針ないし長期計画というものをきめないというと、日本の防衛というものは、どういう方向にどういうふうにするかという根本がきまらないわけでございまして、年々の予算を編成する場合におきましても、ただ単に防衛庁の試案というものを基礎にいつまでやっておるということは、これはこの大事な防衛問題を扱う上からいけない。しかし国防会議がせっかくできたのにかかわらず、そういう問題が付議されてきまらないということは非常にもう遺憾でございまして、私は急いでやらせておる、もちろん私がアメリカに参るにつきまして、日本の防衛をどういう方向にどういうふうにするかという腹がまえと申しますか、総理として一つの考えを持たなければならないことは言うを待ちません。しかし私は国防会議でそういう案ができましても、先日も羽生さんの御質問でありましたか、お答え申し上げましたように、まずアメリカに示して、アメリカの云々というような考えはないのでありまして、そういうものができればもちろん国会に示して、国会の御協力をいただくようなことにしなければならぬ、こう思っておりますが、日本として防衛問題という非常に大事な問題を先ほど来いろいろと御質問になっており、それがそれほど大事な問題についての防衛の基本方針は、一体どこにあるのか。あるいは長期防衛計画というものはどういうものだというものを、まだ国としてはっきり持っておらないということは、私は非常に遺憾でありまして、そういう意味において国防会議を督促いたしておるわけでありますから、誤解のないようにお願いしたいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 防衛庁の長官や事務当局はただいまの総理大臣の御答弁をお聞きになっておれば、あなた方が先ほどから御答弁になっておることは、いかにその任務にそむいているかということがおわかりになるだろうと思う。そんなことでは——、総理大臣はやっぱり一番よくものがわかります。(笑声)この閣僚では、今の内閣では、岸さんその他数名以外はどうも(「でくの坊か」と呼ぶ者あり)……という御意見があるのです。小瀧さんの、本日の先ほどからの御答弁を聞きますと、とかく言いのがれよう、逃げよう逃げよう……、私は防衛庁の長官としても不適任ではないかとひそかに思っておりますが、(笑声)よく今の総理大臣の御趣旨をくまれまして、もっとはっきりとそういうものがあるならあるように、ちゃんと国民の税金がむだにならぬようにやられたらどうかと思います。われわれは立場は違いますけれども、一言申し上げます。  さらに総理大臣に、確かめる必要はございませんけれども、昨日羽生氏の質問に対して、国会が開かれておれば、国防会議の結論をかけると、こうおつしゃいましたけれども、おそらく国会は、もう五月の十八日に終りますから、休会になると思うのです。その場合でも少くとも予算委員会を召集して御報告されますかどうか。当然御報告はあると思いますけれども、念のためにお尋ねいたします。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 今特に予算委員会を開いて御報告するとか、あるいは御審議を願うというような考えは持っておりませんが、それにつきましては、各党の国会対策やあるいは議運等とも話しをいたしまして、適当な方法をとっていきたいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 昨日総理は、これはきわめて重大な問題であるから、当然国会に報告し、御協力を求めますと、本日もおっしゃった。  従いまして委員長は、ただいまの総理の御答弁とも関連いたしまして、これができました際は、至急委員会を召集して御報告を受けるように取り計らっていただきたいと思います。よろしゅうございますか。承知されますか。

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) お話は承わりました。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 最後に一言申し上げたいのは、われわれは世界の情勢から、日本の平和と安全を確保するためには、アメリカの戦略態勢の中に入って軍備を持つことではないと考える。われわれはあなた方の考え方とは根本的に違うことは、ここであらためて申し上げるまでもないのであります。あなた方は万一に備えて、それが局地戦であろうと全面的大規模な戦争であろうと、今の防衛態勢で一応満足しておられる、こういうふうに御答弁になっておられるわけでありますが、私はそれで国の防衛というものが達成できるかどうかということを非常に疑問に思っておるのです。  太平洋戦争の勃発の直前、日本が対米宣戦布告をするかどうかという際に、閣議においてこの問題がしばしば論議されました際に、この対米宣戦の布告をした際に、日本の国内の食糧に不安がないかという問題が取り上げられまして、重大な論議になったわけであります。そうしてこれが開戦、宣戦を布告をする一つの重大なる決定をする重要な因子になったことは岸さんは当時閣僚であられたからよく御存じであろうと思うのであります。もっともこれは非常に古いことでございますので、あるいはお忘れになったかもしれませんが、あるいはそういうことは忘れたいと考えておられるかもしれませんが、これが重大な開戦の、一つの決定する因子になったことは明らかであります。あの無謀といわれた太平洋戦争の当時でも、そのくらいのことは考えたのです。当時は台湾朝鮮はわが領土でありましたしそうして完全に国内において食糧が自給をしておったその当時でも、開戦によって国内の食糧の自給に心配はないかということが重大な論議になったわけです、ところがあなた方は今駆逐艦二隻を作る、海上兵力十二万五千トンにするとか、あるいはオネスト・ジョンを持ってくるとか、こういうことを言われ、そうして世界の情務はいろいろなことをやるから、それに対応しなければならぬと言っておられますけれども、この無謀なる太平洋戦争の際にも考えられた食糧の問題について、一体どういうふうに防衛庁長官は考えておられるか。あの当時は完全に自給しておったのです。ところが今は米麦だけでも年間約四百万トン、大豆が七十万トン、砂糖百万トン、合計五百五十万トンから六百万トンの輸入をしています。一ぱいの船が九千トンを積むとすれば、年間約六百隻の輸送船が必要なんです。毎日毎日日本の港に二隻ずつ現在九千トン前後の船が食糧を積んで入ってきているのです。こういう港に入っているのが二隻、ましてこの近海におる船は数十隻であります。こういう状態である際に、この防衛のあるいはオネスト・ジョンであるとか、駆逐艦であるとか、いろいろ言われますけれども、一体かりにそういう紛争が起きた際に、そういう点は不安がないのかどうか。いや陸上兵力で二カ月持ちこたえるのだ、あるいは三カ月持ちこたえるのだというようなことを御答弁されておりますけれども、そういう事態になって、国内の食糧が窮迫して、非常に混乱状態に陥る、そういうおそれはないのですか。戦争どころではないという状態になるのではないかと思うのです。あなたはこの点をどういうふうに考えられるか。私が特にこの点を申し上げましたのは、先般の国鉄の実力行使に関連いたしまして、今度処分があったら、さらにこれに実力行使を行うという国鉄の労働組合の発表に対して、政府はそれに備えて、これは非常に混乱をするから、実力行使をやられては混乱をするから、国内に食糧の貯蔵をしなければならないというようなことを言われた。実力行使によって国鉄がとまるのは一日か半日でしょう。それでも政府は食糧の貯蔵をしなければならぬ、こういう宣伝をされているのです。ところが一たんこういう紛争が起きたら、全面的に海上輸送は杜絶するわけです。私は先ほどからお聞きしたのは、この点をお尋ねしたいためにお聞きしたのです。先ほどの日本の海上兵力十二万五千トン、これは港湾とか海峡とか、あるいは沿岸の輸送を確保するために使うのだ、こういうことを言われておるのです。この六百隻の船をどういうようにして安全に確保できるのでしょうか。そういう点を防衛庁は考えておられるのですか。その点をお尋ねいたします。またこの点はあわせて総理大臣にも、この前の、十数年前の事件ともあわせまして、どういうふうにお考えになっておるかという点をお尋ねいたしたい。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 戦争の形態についてはいろいろ申し上げましたが、かりに全面的な戦争になれば、非常に電撃的にやられて、そう長くは続かないという想定もございます。しかしそうでなくて、最終的な段階にいくまでは相当時間もかかると思います。またある地域に侵略が行われるということも全然ないとはいえない、そういう際におきまして、私どもは自衛隊を持って、まず第一に侵略されないようにする、その前提には平和外交がありますが、しかしやはりこうした備えをいたしまして、ただ何もないという際には、側面的にでも入り込まれることがある、それがないようにせしめるというので、自衛隊を持っておるわけでありますから、今の食糧の点については、なるほど日本は私もさっき申しましたように原料とか食糧については相当トン数を輸入しなければならないのでありまするから、そういう際に対するこの護衛として、われわれの力は限られておりまするので、十分ではない、かりに海峡、港湾とかあるいは近海の掃海とか、内航防衛という程度しかできないかもしれない、また外交的にきわめて限られたことしかできないのでありまして、そういう大規模になりまして長引くという際には、どうしても日本の実力だけではやっていけない、そういうことのないように国際連合を中心とした努力もなさねばならないが、そうした機構が十分整っていない際には、結局共同防衛の考え方で日本だけではできないから、それを友好国に援助してもらうということにならなければならないので、今御指摘の食糧問題もあるからこそ、やはり海上の輸送というものについてできるだけのことをいたしたい、こういう考えで、海上自衛隊の充実を考えておる次第でございます。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) すでに防衛庁長官からお答えを申し上げましたけれども、言うまでもなく、私はいかなる場合があっても、戦争を防止するという念願と努力はあらゆる面において私どもが努力していかなければならぬ、従ってわれわれが自衛隊を持ち、防衛体制を強化するということも、日本をしていわゆる安全を保障し、安全な状態に置くという、他から侵略を受けない、侵略させないようにするという点が、主眼でありますから、今防衛庁長官も言ったように、一番大事なことは、外交面において平和外交を推進し、国連を中心として世界平和を何する、そうしていかなる場合においても、いかなる規模の、いかなる形態の侵略も受けないように、戦争が起らないように努力すべきことは言うを待たないのでありますが、しかし日本自身を安全に、責任を持って民族の安全を守るという意味からいうと、少くとも国力に応じ、国情に照してみてわれわれが安全感を持ち得る自衛体制を強化するということは、当然考えなければならぬとこう考えておるわけであります。特に今御指摘になりましたそういう場合において、いかなる紛争が起りましてもあるいは侵略が行われましても、私は一番心配になることは、直接に日本の主要部分が破壊されるというようなことももちろん重大な問題でありますけれども、日本自身が今おあげになりましたような食糧、特に食糧を非常に多量海外から輸入しなければやっていけないという場合における輸送を、果してわれわれはいかなる侵略に対しても確保して、そうして国民の安全を保障し得るかという問題は、この前の戦争の当時のお話もございましたが、また戦争の進行に伴ってのこの海上輸送の確保という問題が非常な当時の重大問題であり、それが破壊されたということは日本の戦力を著しく低下せしめた現実にも照しまして、あれはどうしても考えなければならない、侵略を防止し、十分防衛するという一環として非常に重大な問題だと思います。もちろん駆逐艦二隻でその大使命が達せられるとはもちろん申されませんが、こういう海上の自衛隊を増強するとか、あるいは航空自衛隊を増強して、そうしてこれのできるだけの安全を確保するということは、日本の防衛の上からきわめて重要なことであると考えております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 以上申し上げたような点からいたしますれば、結局私はここで申し上げませんけれども、わが党の外交政策というものをもっと、二大政党の対立の立場から、自由党の方においてもよく研究していただき、また理解をしていただく必要があるのではないかと思うのであります。この点についてはここに申し上げません。  最後に、防衛庁の長官に申し上げますが、私は先ほども申し上げましたように、少くとも総理の先ほどからの御答弁にあったような点を十分理解され、あるいはそしゃくされて仕事をやっていただきたいと思うのです。私はそういうことではほんとうに頼りないと思うのです。再軍備を是認しておる国民でも、それではあまり日本の防衛庁長官、防衛庁というものは頼りなくて、ほんとうに泣いても泣ききれないような思いがするのじゃないかと思うのです。もう少ししっかりやっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終ります。

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) 先ほどの小林君の質疑に対して、主計局長からこの際答弁をいたしたいということでございます。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 先ほどお尋ねの米軍の国内のドル支出でございますが、昭和三十年度は合計四億七千五百万ドルでございまして、このうち公的な支出に属しまするものが二億一百万ドル、三十一年度はこれは十二月まで、第三・四半期までございますが、三億五千五百万ドルでございまして、そのうち公的支出に属しまするものが一億四千百万ドル、かような計数になっております。  なお先ほど防衛分担金の支出実績、三十一年度は四月—十二月と申しましたが、四月—十月までの間違いでございましたので、この際訂正さしていただきたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 総理の時間がおありにならないそうですから、総理に質問をまとめていたしたいと思います。  総理が今回渡米されることについては、先般来安保条約の改訂の問題、それから原子兵器の持ち込みの問題、あるいは原水爆禁止の問題、こういういろいろ大きな使命をお持ちになっておるわけでございます。さらに今回の予算に関連して、駆逐艦を持つという将来の防衛計画との関連においても、私は総理の今回の渡米の使命その他から考えまして、この際これらと憲法との関係、これを明確にする必要があるのじゃないか。総理が昨日申されたように、先般重光外務大臣等と行かれたときにも双務的な安保条約にしたいということについては、むしろ、ダレス長官の方から憲法の問題はどうかという指摘を受けた、こういうことでございますから、これらの点について簡単にお尋ねいたしたいと思います。  まず先ほど来の質疑応答によって、日本はもうすでに駆逐艦を二十八隻も持っておる、こういうことでございますが、一体この駆逐艦というのはもう当然どこの国でも戦力として数えられております。従来憲法第九条の説明の場合には、自衛力は持つことができるが戦力は持てない、戦力に至らない自衛力は持つことができる、こういったような非常にわかりにくい説明がされておったわけですけれども、この際明確に一体この戦力が持てるのか持てないのか、これらの駆逐艦二十八隻とその他艦艇合せて四百四十数隻、こういうものは戦力でないと言えるかどうか、これらの点について岸総理の御所見を伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 憲法九条の解釈につきましては、従来もしばしば国会において論議のされたことでありますが、憲法九条が国としこの自衛権を否定しておるものでないということは、私は今憲法の通説であり、また政府が一貫してとってきておる解釈であると思うのであります。しこうして、その自衛権というものは、要するに国が他から急迫不正の侵害を受けた場合に、これを阻止するところのことはこの自衛権の内容でありまして、それを達成するための自衛隊その他の防衛体制というものは、これは憲法に禁止しておる戦力の範囲に入らない。しこうして、その持つ防衛力が、どの程度までが戦力にならぬで、どの程度になれば戦力になるかということは、これは非常に実際問題として、十分良識を持って判断をしなければならないことでありまして、たとえば、そういう海上自衛隊が何万トンまではいい、何万トンからどうだということは、これは機械的にきまらぬと思います。しかし政府の考えは、今申しましたように、今の持っておるわれわれの自衛隊というものは、今申しました自衛権の内容をなす最小限度の一つの力である、それは憲法で禁止しておるところの戦力ではない、かように解釈しております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 自衛権の行使に必要な力というものは、これは戦力でない。そうだとすれば、この、たとえば駆逐艦というようなものは、どこでも戦力と数えております。しかも駆逐艦という言葉が出たのは、今国会が初めてだと思いますが、駆逐艦であっても、あるいは、もっと端的に言えば戦術的な原子兵器であっても、自衛のためであれば、これは戦力でない、こういうふうに総理は解釈しておられますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) いわゆる、ただ単に戦力という言葉だけをあげてきまして、その戦力がどうであるかということについては、いろいろなまた解釈なり議論があろうと思いますが、要するに、ここで問題になりますのは、憲法で禁止している戦力に入るか入らないかという解釈問題であろうと思います。私は、これはやはり一つの国が持つところの、急迫不正の侵略に対してわれわれが自衛的にこれを防衛するという力というものは、やはりこれは相対的なものだと思います。先ほど来、いろいろ議論がありまして、一体日本に対する急迫不正の侵略がどういう形で出てくるか、どういうことを予想しているのかということで、いろいろな御質問がございましたが、これは、あらゆる観点から十分国際情勢や、また日本を取り巻くところのいろいろな事情を十分検討して、われわれの安全を保障し、われわれみずからが他から今言ったような侵略を受けない、受けた場合においてこれを阻止するという力として考えるわけでありまして、私は、現在われわれが企図しておる防衛力の増強の程度においては、憲法の禁止しているいわゆる戦力には当らない、こういうふうに解釈しております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 原子兵器の……。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 原子兵器という問題も、先ほど来、いろいろオネスト・ジョンが原子兵器であるかどうかというようなお話もありましたが、私は、とにかく原水爆を中心としている核兵器というものは、日本に持ち込みをさせないということを強く繰り返して申し上げておりますが、従ってそういう意味におけるこの原子兵器というものは、私は今の状況において、いわゆる自衛の意味において、日本は持つ必要のないことであり、また持つのは適当でない、かように考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 重ねて今の点についてお尋ねしたいのは、核兵器というものが憲法で許されていない兵器だと、こう御判断になるかどうかであります。アメリカの方に行って、原子兵器の持ち込みを断わると言われますけれども、日本では、憲法でも原子兵器は持てないことになっておる、こういうことが足場になるかならないかということは、これは非常に訴える力の強弱に影響もあると思います。ただ単に国民感情からということでなくて、そういう点から核兵器というものは、憲法上持てないというように判断しておられるかどうか伺いたいと思うわけです。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 私、専門的の言葉として正確であるかどうかということは、なお検討する必要があると思いますが、いわゆる、私は核兵器と称せられるところのものは、これは、今申しましたように、日本が日本を自衛する、憲法の自衛権の範囲でもってわれわれがこの国を自衛するという立場から、現在の状態においてこれを持つ、あるいはこれを持ち込むということは、これは許せない問題であるという考えに立っております。ただ、いわゆる誘導兵器がことごとくいわゆるこれに当るかどうかというような点におきましては、私は、これは十分一つ検討してみなければ——もちろん、この兵器の科学的発達とともに、私どもが量よりも質に重きを置いて自衛力を増強しなければいかぬ、それでなければほんとうの日本の防衛なり、安全を期するわけにいかないという点から、そういう科学的の進歩を全然無視した兵器でもって防衛されると、装備でもって防衛されということは、これは私考えられないと思いますけれども、原水爆であるとか、あるいはこれを中心としたような核兵器と今日言われておるところのものは、私はこれは日本の自衛の何に入らないと、こう思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ただいまの点は、核兵器と言われておるものは——私は誘導弾の問題には触れておりませんから、核兵器と呼ばれておるものは、これは明かに憲法第九条の上から工合が悪いという、総理がお考えを持っておるということを確認したいと思うのでございますが、よろしゅうございましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 今現在の、この言われておる核兵器というものは、私は、今日の憲法の解釈において、自衛権の立場からいって、これは憲法上適当でない、こういうように思っております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 次に、安保条約を双務的な、これは合理的なという表現をお使いになりましたが、そういうものに変えていこうということになれば、当然憲法の問題がやはりかかってくると思います。で、特にその中で重要なのは、総理が以前に行かれたときに共同声明された、あの西太平洋の安全保障に寄与するという問題だと思うのでございますが、双務的になればなるほど、海外出兵の問題が出てくると思います。海外出兵については、これは、兵隊を出す出さない、陸軍を出す出さないじゃなくて、できた駆逐艦が日本の領土、領海から外へ出る場合もあると思いますので、海外へ出動することは憲法に照らしてどういうふうにお考えになっておられるか承りたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 駆逐艦の、この性格から申しまして、ただ日本の領海だけでもって行動することによって日本の自衛が達せられるとは私考えておりません。従って公海の問題は、当然日本の、先ほど来問題になっております輸送路を確保する、あるいは輸送船を攻撃されるような場合において、これを防衛するというようなことは、当然これは駆逐艦等の任務であると思います。しかし、外国の領土へ行って、外国の何かいろいろな戦争等の行動に巻き込まれてこれが活動するということは、これは日本の持つところのすべての自衛力の範囲を逸脱するものである、かように考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 この点、もう少しお尋ねしたいのですけれども、時間がありませんから、端的にお尋ねいたしますが、たとえば先般のイギリス、フランスのスエズ出兵、こういうところで日本の商船が拿捕される、あるいは正常な通商活動を阻害されるというような場合に、外航防衛の立場からこの駆逐艦が出ていって、これを護衛するというような場合はどういうことになりますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) そういうことは一切考えておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それでは外航護衛の範囲というものは、総理としてはどの程度をお考えになっておられるのでしょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 大体日本の、これは近海という——常識的に申していいと思いますが、近海におけるところの日本の輸送路を確保する任務というのが限度であろうと私は思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 最後に、こういう問題を通じて、総理は先般天皇の元首の問題については当委員会で御意見の表明がありましたが、第九条についてはどういうふうな御見解をお持ちになっておられますか。と申しますのは、たとえば第九条を改正して軍備が持てるというようなことにすれば、原水爆も持てる態勢が日本にできてくると思います。もし総理が言われるように、原水爆の実験禁止、使用禁止を訴えるとする場合に、総理が第九条を改正して軍備が持てるようにしようというようなお考えであるとすれば、それを日本も持てるようにするという背景のもとに、それらの国にそういう訴えをする、こういうことではこれはやはり力も弱いし、信義にもとるものではないかというように私は考えますので、憲法第九条について総理のお考えを最後に伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 私はいわゆる憲法改正論者の一人でございますが、言うまでもなく、憲法の大精神である平和主義という大きな理想、また精神はこれを守らなければならない、それを変更するような考えは私は持っておりません。ただ憲法第九条の何につきましては、これが制定されてから今日までいろいろな解釈上の疑問、疑義があります。また今問題になっている、祖国が他から不正急迫な侵害を受けてはならない、それを防衛するための自衛隊自身の性格についても、それは憲法違反であるというような議論すら行われております。私は国が自衛権でもってその国を防衛する、そうして安全保障をするということは、これは独立国としては当然のことであり、今の国際情勢から申しますというと、そういう体制を持たずして、全然無防備でもって、そうして実際上の安全保障はできないという国際情勢を前提としますというと、そういうことは当然われわれがやり得ることであり、それは憲法違反であるとか、あるいはそれに対して国民が冷たい目でみるというような状態では、私はほんとうの自衛はできない、ほんとうの平和というものは確保できないと、こう考えておりますから、少くともそういう点についで疑義を生ぜないような、十分に検討して規定を持つべきである、こう思っております。(拍手)

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それでは総理のは、誤解を解き、疑義を解明する限度において改正を考えている、こういうことでございますか、最後に……。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) かつて明治憲法にありましたような意味の軍備を持ち、一つの統帥権その他の考えにおいてのいわゆる再軍備をするような規定を私は前提としては考えておりません。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 議事進行。今のような現憲法の解釈で、実際的に憲法を改正したような御解釈をなさいますと、大へん論議が紛糾をして参ります。ですが、時間がないそうでありますから、その点については、岸総理の今の解釈が憲法をまげて解釈するものだ、こういうことを申し上げ、なお先ほども私が質問いたしましたが、これに対してお答えがございませんでした。局地戦争にこの二隻の駆逐艦隊を直接使うかどうかという問題は、これは大へんな問題でありますが、今のようにまげて解釈をされる立場に立つならば、先ほどの防衛庁長官のように、あるいは局地戦争にも使う、こういうことになるかもしらぬと思うのですが、その点について明確に、落ちておった答弁を一つ承わっておきたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 憲法を私はまげて解釈しておるとは思いません。しかし学説上この第九条についての解釈について議論のあることは事実であります。私は私の解釈が正しいと思っております。しかしそれは全然違憲であり、自衛隊が違憲であるという説をなす人、またそれを信じてそういう主張をしておられる人は、その見解が正しいと、こう思っておられるだろうと思います。私はそれをまげて解釈しておるというわけではございません。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 局地戦争は……。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) それから局地戦云々というお言葉がございましたが、私もよくわかりません。局地戦争とか局地戦とかいう言葉はどういうことを意味しておるかよくわかりませんけれども、少くとも日本を侵略してくるいろんな場合を防衛当局としては研究し、考えなければならぬ、また日本を取り巻いておるところの諸外国の、何といいますか、いろんな軍事的情勢というものも十分検討して、いろんな場合を考えるだろうと思います。その一つとして、日本に対して、いわゆる戦争が始まれば、どこかに侵略が始まればずぐ世界戦争であり、原子力が用いられ、原爆が投ぜられるような戦争だけが、今後の戦争なり侵略の唯一の形式である、形であるということは私は申されないと思うのです。そういう場合において、ただ日本だけにおいて、何か局地的に侵略が行われたという場合においても、われわれはもちろん、祖国を防衛し、自衛することをやっていかなければならぬ、その侵略を排撃しなければならぬ、そういう場合にこういうものは用いられる、こういうことでありまして、何か局地戦とかいうようなものが、たとえば極東であるとか、あるいは大きく言えば全世界ですが、そういう全世界は別として、極東のどこかにいわゆる局地戦というものが起った場合、これが出ていって、それに参加するというような意味で先ほど防衛庁長官が言うたわけでもございませんし、私はこれがそういう任務を持っておるとか、あるいはそういうことを発動すべきものではない、そう思っております。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 ちょっと重ねて簡単に。局地戦争に使うという表現は、これは誤解を生みますよ。だから局地戦争に使うというのは、今言われているような意味に使う言葉ではない、従来言われておったような防衛のためにのみ使うと、こういう言明はちゃんとしておいてもらわなければだめですよ、この解釈は……。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○国務大臣(岸信介君) 先ほど私申し上げましたように、局地戦争とか局地戦とかいう言葉の定義は私はっきりしないのですが、私の申し上げておるのは、あくまでも、日本の持つところの自衛隊というもの、自衛力というものは、日本に対して急迫は不正の侵略があった場合に用いるものだ、その侵略の形式は、いろんな形式なり形態があるだろう、その一つの形態として局地戦争とかあるいは局地戦とかいうことがいわれているのであって、決してあなたが想像されているような局地戦争とか局地戦とかいうものに、あるいは韓国を中心にして局地戦が行われるとか、あるいはヴェトナムに局地戦があるとかいうようなものに、これが出動するものでないということは、きわめてこれは明瞭であると思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 議事進行。今総理の言われましたように、局地戦争というものは自分にもわからぬと、こうおっしゃっているのです。それほど総理もしばしば防衛庁長官の御答弁を聞かれてわからないのです。それで私はさっきから質問したのです。吉田君はあなたの局地戦争というものを非常にまた広く解釈されて、そうして今その点を、そういう質問をされたのです。私はあなたの説明を善意に解釈しても、局地戦争というものはもう少し……、どういうものであるか、局地戦争にいろいろ駆逐艦を使うとか使わぬとかいうだけじゃないので、あなたの御答弁を聞いていると非常に問題だから、どういうときにおいて局地戦争というものは起きるのだということをお尋ねしているんです。あなたはそれに対してちっともお答えにならんから、こういうふうにだんだんわからなくなってくる、わからんことをおっしゃっている、はっきりお答えになったらどうです。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 局地戦というのは全面戦に対する意味で私は使っておるのであります。全面戦の余波において一端として侵略の行われることがあるけれども、またそうでなしにたとえば朝鮮事件のように限られた地域において核兵器などを使うことなしに、在来の兵器を使って地域的にこういう侵略が行われるという形態もあり得るので、そういう場合における日本に対する侵略というものも念頭に置いて防衛を考えなければならない、こういう趣旨でございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 総理がしりが浮いておったので十分できませんでしたので、局地戦争、それを朝鮮あるいはヴェトナムということが総理の口から出てきた。あるいは台湾ということも考えられる。そういうことも考えられますが、それはあなたの言うようにあるいは局地戦に関連して、日本に不正の侵略が行われる危険性が生じた場合云云、これは関連があります。防衛というときに満州出兵あるいは北支出兵にしても、これは防衛の名で出た。だからアジアのどこかで問題があったときに、これが日本に関連があるかないかということは、そのとき一方的に判断される。あるいは防衛庁なり、あるいは出動する場合には国防会議にもがけようし、あるいは国会にかけられるということになっておりますが、しかし第一義的にはこれは防衛庁自身が判断する。しかもその判断が一方的になされる。その場合も、しかしあなたは出てもよろしい。航行の安全保障のために出てもよろしいと言われるが、しかし局地戦に使う。あるいは局地戦に出て駆逐艦なり、あるいは海上自衛隊が急迫不正の侵害に対して云々ということですが、そのときの敵対的な関係に立ちますある国の軍隊に対し、飛行機でありますとか、あるいは軍隊に対して行動する。それが局地戦に使う。しかし局地戦に使うという表現は今の憲法のもとにおいてはどんなにしたって使えはしません。その点を質問したのだけれども、あなたの考えられるような、局地戦に使うつもりはない。日本に対する侵略に対して防衛的な措置として使われるだけだ、こういう話でありますが、しかし使うときは何といっても戦闘行為が行われる。あるいはあなたの言われる局地戦に使う、こういう事態が起って参ると思いますが、そういう事態は、これは法制局長そこにおられますが、局地戦に使うというようなことは、これは日本の憲法として当然禁止せざるを得ない、こう考えますがどうですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私が申し上げましたのは、戦争の形態は全面戦争あるいは局地戦争、革命戦というのがあるので、そういう場合を想定して、日本に対する直接侵略に対して一時的な守りをするという意味で使うということは、これまで再三再四申し上げておる通りでありまして、どっかで局地戦があったから出ていくというようなことを申し上げたことは絶対にないはすでございます。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 先ほどから総理あるいは小瀧防衛庁長官からお答えがあった通りだと思いますが、要するに日本に対し、直接または間接の侵略があった。そういう場合に、これを防衛する行動、いわゆる防衛する行動の中には、もちろん武力行動も相当入ると思います。武力の行動をすることは自衛行動の範囲内における限りは憲法で認められているところだと思います。かように考えるわけでございます。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 林法制局長官は、従来の直接間接の侵略に対して守る云々ということで今までの答弁を出られませんでした。出られませんでしたが、先ほどから小瀧防衛庁長官が言っておりますのは、従来の説明の範囲を出ているのじゃないか。出ていないと言うのですか。出ていないなら出ていないではっきりしてもらいたい。その点たとえば領海の範囲内に限るかどうか。こういう湯山君の質問に関連をして参るのでありますけれども、領海に限る、こういうことなら問題はございません。しかしながら公海に出ていってやることもあり得る。その公海に出ていって、あり得る場合に、あなたは、小滝長官は局地戦に関連して云々というお話です。そうすると、そのときの実態は日本に対する、日本の航行に対する侵害というふうに判断するかもしれないが、しかし相手は日本の国でない、日本の自衛力でない戦力なり、船であるから、明らかに相手方のあるものです。その場合、公海上なら公海上についても、これについて武力の行使が行われるならば、それは戦闘行為じゃないか。局地戦と言おうと何と言おうと、戦闘行為であり、戦争である。あるいは紛争と言われるような事態かもしれません。しかしそのほかに局地戦争が起っておるということをあなたは認められた。局地戦争があって、その一端の行動として日本の輸送なり何なりについての日本に対する侵略があったその場合、そこに接触するなら、その局地戦に参加していくことになる。その点について従来の説明の範囲を出ないのだ。あるいは戦闘行為はしないのだ。武力の行使はないというなら、それはそれでいい。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) それはこの前の衆議院での速記録を一つ見ていただきたいと思うのすが、少くとも私の趣旨は、小山さんが原爆が来たらだめではないか、こうおっしゃるから、原爆、水爆を使う戦争だけが戦争のすべてではない。形態としては局地戦争においては、そういうものを使わない形態の戦争もあるので、そこで日本に侵略が起った場合には、その際駆逐艦も船団を護衛するために役立つという趣旨を申し上げたので、少くとも私の趣旨はそうでありますか、違っておったら訂正いたしますが、これはぜひ速記録を調べていただきたいと思います。私はほかのどこかで何かあったからそこへ飛び込んでいって日本の駆逐艦がそれで使用されるというような趣旨で申し上げたものでは絶対にございません。しかしもしそういうふうにとれたらはなはだ遺憾でありますから、それはあくまで日本に対する直接間接の侵略に対処するという防衛庁設置法、あるいは自衛隊法の趣旨を十分体して行動しておりますから御了承願います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 今の問題で私も小滝長官にお尋ねいたしたいのですが、外航護衛というのはスエズの方まではいかないということはわかりましたけれども、しかしさてそれでは駆逐艦で護衛する範囲というものは、具体的には大体どの範囲をお考えになっておられるのでしょうか。すでに二十何隻の駆逐艦があるわけですから、これは大体どの範囲ということを御説明になってもいい段階だと思いますから伺いたいと思う。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私どもが内航外航と申しますのは、内航とは日本の一地点から他の地点へ行くものを言っております。外航というのは外の方から入ってくるものを日本の近辺において守るということでございます。ところで二十何隻あるなら、すいぶん遠くへ行くのじゃないかとおっしゃいますけれども、たとえば私も作戦家ではございませんけれども、たとえば三十杯の商船が一船団を組んでおるとすると、実際その周囲を取り巻いて八隻要るという議論もある、六隻要るという議論もある、あるいは船団の組み方にもよります。船団の船足が倍に早くなればそれだけ護衛の数も減りますが、かりに三十杯の船に対して六杯近く見ても、二十数隻というものは先ほどどなたかも御指摘になりましたように、食糧だけでも四百万トンも積まなければならないところで、そう大きな数はないということをおわかり下さるだろうと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そこで長官は非常に大事なところを抜かしておるのです。今のような点を考えるときに船団の数、これは大きい要素です。船足、これも大きい要素です。しかし距離がわからなければ、これはやはり要素になりません。そこで船団は今おっしゃいました。数のこともおっしゃいました。船足のこともおっしゃいました。私尋ねておることは、その場合に基底となる距離はどれくらいを考えておるかということですから、これについても御説明あってしかるべきだと思う。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私の気持は、今申し上げれば、距離がきわめて限られておるということを湯山さんは当然御想像下さるだろうと思っての答弁でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 大体どのくらいですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) これだけの数字で、今申しましたように何の組み方にもよりまするし、どれだけの数になるかはっきりしませんが、あるいは五十海里とか七十海里程度までは行けるかもしれない。それはとにかく非常に遠くへ出て行く——ハワイなどへ絶対に出て行けないのであります。(笑声)でありまするから、先刻も申しましたように、そういう非常な危険がある際には遺憾ながら共同防衛体制によらなければならない。結局自分の——日本の自力だけでは護衛を全うすることができない。外航に対してはきわめて限られたる限度だけしか防衛することができないということであります。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 非常に不明確でございますけれども、それ以上の御説明はないようですから、残念ながらこれでこの問題を一応やめまして、次にやはりこれと関係があるわけですけれども、新しい自衛隊の教範でですね、米軍の目的は主として外地防衛にある。日本の防衛と国内防衛、その両者の使命を一本化するというようなことを考えておられるということが伝えられておりますが、そういうことでございますか。

増原恵吉自由民主党

○政府委員(増原恵吉君) 教範につきましては、自衛隊が始まりましてからは、実は米軍の教範を参考といたしまして、これにだんだんと研究を加えて独自のものを作ろうという形で今進んでおるわけでございます。そういう意味で研究を今まだいたしておる段階でございまするが、今おっしゃいましたように、何といいまするか、外地の行動と国内の行動を統一すると、そういうふうな別に形においてやっておるのではなくて、日本の国内において行動することが自衛隊の任務でありまするので、その任務、目的にかなうように研究を進めておると、こういうことでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それから今回出されておる自衛隊法の改正の中に「隷属する指揮官以外の指揮官の」指揮下に自衛隊を置く、こういうことがあります。これは「隷属する指揮官以外の指揮官」というのは一体どういうことになりますか。文章通りいえば、「隷属する指揮官以外の指揮官」といえば必ずしも日本人だけでなくて、共同防衛の立場に立っておる米軍の指揮官、これもやはりこの範疇に入ると思います。論理的にはですね。そこでこれを伺いたいと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 「隷属する指揮官以外の指揮官」と申しまするのは、海上自衛隊においてその隷属する指揮官がある。その際に共同で作戦する必要があって、特に陸の方の部隊が相当出ている場合には、その直属の指揮官じゃないけれども、陸の方の指揮官につける。その際は防衛庁長官がそれを命ずるということになっているのでありまして、これはもちろん自衛隊法に掲げたものにアメリカ人があろうはずはないし、そういうことを想像したものでもないし、そういうことを考慮に入れたものでは絶対にございません。(吉田法晴君「それじゃ書く必要ない」と述ぶ)

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それだと、今吉田委員も言われたように、わかり切ったことじゃありませんか。防衛庁長官の命令によって配置がえをする、指揮の所属がえをする、こういうことは従来もできておったはずです。それをあらためて……しかも非常に不明確です。「隷属する指揮官以外の指揮官」という概念の中には、アメリカだけじゃなくて、極端に言えばソ連の指揮官もあるでしょうし、どこの指揮官も皆入ります、論理的にはですね。しかしまあそういうことは考えられないから、差し当り共同防衛の立場に立つアメリカの指揮官ということがまず考えられるわけですが、じゃ防衛庁長官の言われるのは、隷属する指揮官以外の日本人の指揮官と、こういうことになるわけでございますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 自衛隊法に出ておりまする以上、もちろん仰せの通りであります。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 では次にお伺いいたしたいのは、この今回の駆逐艦二隻の供与ですが、これとの関連において、三十二年度にはどれだけの供与、あるいは供与期待がなされますか。現在の駆逐艦は三十一年度の供与ですね、アメリカの。そこでこの三十二年度の供与、あるいは供与期待額、そういうものは何ほどになっておるか、一つ伺いたいと思います。

増原恵吉自由民主党

○政府委員(増原恵吉君) 艦船の供与は、三十二年度におきまして予算でお願いをしてありまするが、駆逐艦二隻——これは今度の今御審議を願っておるこの国内調達とは別でございます。別の駆逐艦二隻と、それから掃海艇三隻、その他若干の雑船がございます。それを期待をいたしております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 これはアメリカでは三十一年度における供与ということになっておるわけでございましょう。

増原恵吉自由民主党

○政府委員(増原恵吉君) アメリカ側として年度が……。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 違いますから……。

増原恵吉自由民主党

○政府委員(増原恵君) 三十一年度というふうに必ずしも明確でございません、向うの方の軍事費の使用の状況は、繰り越しが相当大幅に行われておりまするので、現在の米国の今年度であるか前年度であるか、あるいは前々年度であるかというふうな場合もございまして、必ずしも現在の年度とは限らないわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そういうことを直接お尋ねしておるのではなくてですね。私がお尋ねしておるのは、とにかく三十一年度にきまったものと、米会計年度においては三十一年度にきめられたもの、そういうことになると思うわけです。そこで、このアメリカの三十二年度においての贈与の決定というものは、いまだなされていないと、こういうふうに私は判断しておるのですけれども、間違いございませんですか。長官から伺います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) アメリカの会計年度は御承知のように七月に始まるわけでございまして、そうしてそういうことの検討も予算ができましただいぶあとになってせられて、場合によっては年末になるということもございますので、まだ何も決定いたしておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そこで先般の資料によりますと、三十一年度の贈与は、つまり供与は、大体額にして五百七億と、こういう御説明があったようでございます。で、そうすると、まあ大体単年度に分けてみると、それに近い額の供与があるのじゃないかということが考えられるわけですけれども、今新しい防衛計画を立てようと、長期防衛計画を立てようという段階で、数百億にわたる供与の内容がわからないで、果して日本の防衛計画が立つものかどうか。ことに長期——今後二年、三年、あるいは五年も先の防衛計画を立てるという段階において、今のようにこれだけアメリカに依存しておる、こういう状態では、アメリカの方の供与の計画、援助の計画が明瞭にならなければ、結局——なるほど国防会議を開いて防衛計画を立てる、立てるということはずいぶん言っておられますけれども実際問題としてはできないというのが実態ではないかと思うのですが、この点について一つ明確な御答弁をいただきたいと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 防衛計画はまだはっきり立っておるわけじゃございませんが、私どもの方で検討いたしておることは、これまでも申し上げた通りでございます。この計画の立て方には、全然アメリカの供与なんということは度外視して、日本だけでできるものを率先してやるやり方もございますし、大体平素から連絡もございまするので、大体この程度は可能である、日本の方で生産をするなら、この程度は米国側から援助しようというような話し合いも内々と申しますか、当局間には行われておりまするので、そういう想定をもまじえて計画を立てることも可能でございます。しかし確実に、それではこの次は日本の円にして五百億円程度でこれこれのものということはさまっておる次第ではございません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それがわからなければ防衛計画が立たないのではないかということをお尋ねしておるわけです。と申しますのは、十二万五千トンという艦船については、もうすでに十一万トンをこえております。この駆逐艦二隻の供与その他を含めて計算しますと、トン数においてはあと余裕は一万トン足らずしかないわけです。そこでもうそれだけをどうするかというようなことになれば、おのずから限定されるわけです。で、もうこの一万トンの範囲内においての選択の余地というものはきわめて少い。航空母艦を作るわけにはいかないし、これでほんとうの一万トン級巡洋艦を持つことも不可能である。そうなれば雑船を作るか、せいぜい駆逐艦の大きいものを作る、こういうふうに限定されてしまうわけです。で、防衛計画はないないと言いながら、当初計画にもずいぶん近づいてきておる。この段階で新しい防衛計画を立てるということになれば、長官が言われたように質の問題が問題になってくるわけで、今までのようにばく然と十八万、十二万五千トン、一千三百機、こういうことではもう計画にならない、こういうことになるわけです。そうなってくると、それでは日本だけの、長官がもしここで御答弁になるのが、アメリカの供与はもう度外視して、日本だけの防衛計画、独自の防衛計画を立てる、これ以外に供与があるのはそれ以外のものだ、こう言われるならば、私は一応御説明を了解いたします。しかし、供与の分も含めて計画をするということになれば、アメリカの各会計年度においてこれだけのものを供与する、こういうことが明確にならなければ、ばく然と質的な向上も含めた防衛計画というものは立たない、こう思うのですが、この点いかがですか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 御指摘のように、それは、向うから供与せられるものをはっきりと入れるということでなければ、確定的な計画はそれは立たないということは言えるだろうと思うのであります。しかし、私どもは、たとえば艦船につきましても、あるいはさらにもう一、二はいの駆逐艦の提供を受けるかもしれませんが、しかし、そういうことを別個にいたしまして、日本としては最小限度どの程度必要か、そうして、それについて国民所得あるいは日本の財政規模とかいうようなものも考え合せまして、この程度は一つ計画の上において認めようということを、ただ単に防衛庁限りの考えではなく、各省と連絡してそれをきめなければならぬわけであります。しかし予算ではっきりきまらなければ計画が立たないのじゃないかということをいえば、防衛三カ年計画も五カ年計画も立たない。結局予算は年々決定せられるわけでありますから、その指針を与えるという意味におきまして、できるだけ自力において装備するということを基本的な考え方にいたしております。ただ、すでに申しましたように、特別の研究を要するものとか、あるいは日本では事実上工業水準を上げるため、あるいはまた日本の生産としてやるのに、防衛庁限りの注文では商業ベースに合わないというので、日本の会社をして作らせ得ないというものについては、外国からの購入あるいは供与ということも考えなければなりませんが、原則としては、できるだけ日本の力でやり得るものを考えていきたい、こう考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そこで、長期防衛計画の中には、今のように援助も考慮に入れてやられるのか、そういう基本的な考えをお持ちなのか、日本だけでこれだけは持とうというお考でえやられるのか、これを一つ明瞭に伺いたいと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 決定はいずれ国防会議によってなされるものでありまするが、われわれはいろんな場合も想定して考えておるのでございまして、まあ両方の考え方がありまするが、私どもの考え方としては、今後アメリカのこうした援助も漸減の傾向にあるし、初度の装備というものにつきましては、アメリカからの援助を受けましたけれども、できるだけ自力によってやるという方針で進んでおる次第でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 非常に御答弁がやはりあいまいで、私は了解できない点がたくさんあるわけです。しかしそれは、私は考え方はもっともなことだと思いますので、大体当初MSA協定が結ばれるときに、結局、こういう協定での軍備というものは、自主的なものではなくて、日本の国独自で防衛について考えることもできないじゃないかということをたびたび指摘した、そのことが今日明瞭になっているということにしかすぎないのであって、そういう観点から言えば、防衛長官非常に正直にお答えになったということも言えると思うのですけれども、これではやはり自主的な防衛計画は立たないと思います。従って、ほんとうの防衛計画、長期防衛計画というものは立たない情勢に日本が置かれているということを私は指摘しておきたいと思います。  次に、これを間接調達にした理由ですけれども、駆逐艦二隻を直接調達から間接調達にした理由、これは昨日、防衛庁長官は、いろいろアメリカの人が来る手数が省ける、あるいは日本で設計、検査ができるから今後の役に立つ、あるいは将来防衛庁で使うものだから、その方が便利だ、予算的に早くきめないときまらないというようないろんな理由をおあげになりましたが、私はこれについても若干疑義がございます。そこでこの点をもう少し伺いたいと思うんですが、アメリカの利益ですね、これを間接調達にすることによって、アメリカ側がどういう利益を受けるか、こういう点についての分析をどうしておられるか、伺いたいと思います。ただ単に人が行かなくて済むということだけかどうか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) アメリカ側と申しますれば、今のように向うの、しかも長く日本につないでおく必要がなくなるということも一つございます。また、御承知のように、各国とも造船業の方は非常に多忙でありますので、その意味で、日本で作ればより早く完成できるという点もあろうと思います。また率直に申しまして、船価は御承知のようにアメリカの方が二、三割高でございまするから、日本で作ればそれだけドル支出が少くして同一のものが調達できるというような利益というものも、率直に認めなければならないだろうと考えます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 アメリカの上院の対外援助特別委員会で、三月の二十日から約三週間の予定で、対外援助の公聴会を開いたときに、こういうことが指摘されておりますが、これは長官、御存じでしょうか。北大西洋条約機構の諸国を除けば、日本だけが武器、軍需品の更新、修理の能力を持っている、その中で特に日本で調達する場合は米国にとっても安くつく、これは今長官が指摘された通りです。それからさらに、アメリカの補給線の方も短縮することができる、第三は軍事目標を分散することができる、これは軍艦そのものという意味もあるだろうと思いますが、その生産施設という意味もあると思います。とにかく軍事目標の分散、それからその次には国外資源の活用、つまりアメリカの資源を使わないで、日本の資源による軍艦の建造、こういった利益がある。こういうことが指摘されておりますが、ただ単に経済的な理由だけでなくて、これには戦術、戦略的な理由が伴っておるのではないかということを私は考えるわけですけれども、長官はどう考えられますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 最初おあげになりました四つの私の申し述べました理由は、間接調達の方式についてでございまして、今おっしゃいますのは、間接、直接を問わず、域外調達の利点を今述べられました。アメリカとしてはアメリカの考え方があるのでありましょう。域外調達はできるだけ行おうというやり方については、アメリカはアメリカの立場に立って考えるのでしょうし、日本は日本の立場で考えるわけでありまして、御指摘のような利益をアメリカは考えておることと存じます。私どもとしては、日本の防衛生産というものがこれによって進歩し、ことにそれのみならず、他の一般の造船につきましても技術を向上せしめて、日本の産業界をも裨益し、外貨の獲得にもなるという意味において、両者の利益が一致するというところにおいてそうした取り計らいが行なわれる次第であります。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 アメリカの上院での公聴会では、特に日本を指摘してこういう意見が述べられておるわけですから、そういう点からいえば、この駆逐艦二隻をこういう域外調達の形でやる。その他の調達も含めて、アメリカの戦術、戦略に日本は協力しておる。こういうことになると思いますので、これは御答弁はいただかなくてけっこうだ思います。  それから、それよりももっと私は重要なわれわれ身近かなのは、今回のような調達方式をとるということによって日本の業者にはどういう利益がございますか。防衛庁の利益はよくわかりました。それからアメリカの利益もわかりました。今度はこれの生産に従事する業者の利益、これについてはまだお触れになっていないので、これをどうお考えになるか伺いたいと思います。(「大事なところだ、資金が出るところだから」と呼ぶ者あり)

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) これは普通の直接調達の場合も大体同様でございますが、しかし特に今度は日本の方で設計いたししまするけれども、従来の、戦前の駆逐艦を基本として日本だけで考えた設計よりも、向うからいろいろ資料など取れまするし、進んだ装備もすることになりまするので、そういう意味で造船界の技術の向上という点に利益があると思います。またそれだけ仕事の量もふえまして、外貨の獲得にも業者として貢献することができるというような、いろいろな利益を想定することができます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 今度は防衛庁長官の方が直接調達、間接調達、一緒にしたような御答弁になったので、私は今度間接調達の方をお聞きしているわけです。これは採算がとれるか、とれないか、ほんとうに直接調達よりも間接調達の方が造船出業者にとって利益になるかならないか、ならなくてもやるのだというのか、ずいぶん競争が激しいようでんから、採算がとれなくてもやるのだというのか、利益になるからやるのか、これは日本の経済全般に及ぼす影響は非常に大きいと思います。そこでその問題を端的にお聞きしておるわけですが、直接調達に比べて間接調達の方が業者にとって有利か不利か、これを伺いたいと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私どもの方はまだ契約もしておりませんし、今後のことでございますので、業者がどういうふうに考えるかしれませんが、概念的に申しまするならば、直接調達でやりまするというと、アメリカ側の規則全部をそのままに当てはめるというような欠点もありまするし、また時期的に非常に日本側の経済からいえば不適当な調達を要求するというようなこともございますので、そうした意味においては間接調達の方が有利であろうかと考えます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 非常に抽象的な御説明なので、これは通産大臣にももし御答弁があればあわせて伺いたいと思います。  従来の直接調達の形式では生産原価の中には金利は見ないというようなことがなされておった。それから生産コストを再検討して、もし利益が一割以上であればそれを取り上げて引き上げるというような方法がとられておったと聞いております。ところが間接調達の場合には、これは日本の政府と造船業者との間で結ばれる契約ですから、そういうことが行われないので、造船業者、これを請け負う者にとっては非常に有利であるというような見方がなされておりますが、そういう事実がございますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私から答弁させていただきます。  御指摘のようにアメリカからの注文の際には、金利とかあるいは事業税とか、再評価の減価償却とかいうようなものは認めない。これは今までの慣例でございますが、同時に値段を確定して契約いたしましたものについても、利益が一〇%以上、もっともその際においては一〇%の中には今申しましたような項目も含んでおりますが、それをこした場合には返さなければならぬということがあります。今度は防衛庁の方で設計、監督、検査をいたすのでありますが、基本的には向うと受託調達契約をいたしますので、そういう面につきましては、アメリカの意向もございますから、利益が一〇%をこす場合はそれを返還しなければならないということにいたしたいと考えております。その意味におきましては、直接調達の場合も、今度の間接調達の場合も全然相違はないということがいえると考えます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そうすると今の御答弁によれば、減価償却とかその他のものが若干緩和できるかもしれないが、利益については従来の方式でいきたい、こういうことですが、ちょっとここで疑問になりますのは、六十七億円で二隻というこの見積りですね。従来日本で作られた例もあるわけですから、それから見て一体高いのか安いのか。それから六十七億という額が出るためには、それぞれの基準が明瞭でなくちゃならないと思います。そういうものは明確になっておるかどうか、伺いたいと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) この六十七億というのにはまあ搭載される武器等も含んでございますから、船体の価格だけではございません。この計算というものは、もうはっきりわかった部品とかあるいは計器というようなもので、数量も確定しておるものについては、それの原価というものを計算いたしまして、大体の原価を見積る。また船体については、御指摘のように従来これと同じような形のものを作っておりますので、従来の実績と現在の物価水準というものをあわせて考えまして積算をいたしたものでございます。しかし、この六十七億というものは、あくまで最高限をきめたものであって、これはアメリカの予算の関係もありますために最高限をきめたものでありまして、その点は日本の予算と同様でございます。従いまして、その方が特に前よりよくなるという趣旨のものではなくして、これを最高限として今後下請業者との契約をするということになるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そうすると、六十七億で足が出た場合にはどうなりますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 絶対に足の出ないようなやり方をいたそうとしておるのであります。この確定契約は結局来年の二月ごろになろうかと思いますが、それまでに設計もしなければなりません。いろいろやりまして、その確定契約によって今申しました金額内に納めるようにいたしており、下請業者との契約においては、その確定した価格内においてやらせるようになっております。なおかつ、この支払いにつきましても出来高払いであって、こちらの方で証明しました請求額に応じて向うからドル払いをする。そしてそのドルの額に応じて円貨を払うということになっておるのでありまして、為替がかりに変動した際にも、それは決して政府の負担にはならないような仕組みになっておることは、お手元に配布しました予算書にも、国旗債務負担行為要求書でもごらんの通りでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ドルの最高がきまっておりますから、ですから相場の変動には対応できるけれども、日本の生産コストがうんと上ってくるといったような場合には、今のようなことではだめじゃないかと思います。その一つの例として、防衛庁と富士重工との間で何か中間ジェット練習機でございますか、これを契約してやったところがずいぶんそれが足らないというので、まあ数億これに対してあとから補給するというような話も聞いておりますがそういう事実もまあなければけっこうですけれども、防衛庁と富士重工との中間ジェット練習機の単価をめぐる交渉が難航しておったので、防衛庁の方で幾らか出すことにしたというようなことを聞いております。防衛庁自体にもそういう事例があるとすれば、この駆逐艦だって、ドルの為替相場の変動に対応しただけでは追っつかないという事態も起るのではないかと考えるのでありますが、そういうことも考えておかなければならないと思うのでありますが、どういうことになりますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 私、冨士重工の関係は存じませんけれども、少くとも今問題になっておりまする契約に関しましては、できるだけ早く概算契約をいたしまして、この契約に基いて資材も入手させるという方法をとろうと考えておるものでございます。従いまして、結局今後かりに値上りがあるとすれば労銀の問題以外はないじゃないか、ところがすでに大蔵大臣、また通産大臣、それからあるいは経審長官も言っておりますように、私どもはそういう物価の値上りというものは否定しておりませんが、しかし、かりにそういうことがありましても、労銀に関する程度のものであって、これは当然契約条項によって業者の方で負担し得るものと考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ジェット機の問題ありませんか。

増原恵吉自由民主党

○政府委員(増原恵吉君) ただいま仰せになりました富士重工との中間ジェット練習機の契約で、足りなくなってあとから付け足したというような事実はございません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 通産大臣にお尋ねいたします。今のような形で契約が結ばれて駆逐艦が建造される、そうすると先ほどの防衛長官の御答弁では、日本に仕事もふえることになっていいというような御答弁もありましたが、今日、輸送力の増強ということは日本経済の重要な命題だと思います。こういう中でこういうふうな格好で割り込んでくるということは、平和産業を圧迫するということになるのではないか、特に日本の造船能力に対してある程度障害になるのじゃないかということを懸念いたしますが、通産大臣の御所見を伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 駆逐艦の建造能力の問題ですが、大体日本にはこれができる施設が数カ所あり、また今まで小型警備艦を作っておった実績もあって、今後なお毎年何隻かずつ作るということになっておりますので、ここで二隻作る能力の点においては、別に一般産業を圧迫するようなことはない、また搭載する機械についても、内容とか種類、数量を見ましても、別に特別に他の産業政策と衝突することにはならない、結局私どもの方から見ますと、やはり輸出の一種でございますので、これが差しつかえないというふうに考えて、閣議でも私どもの方としては、賛成した次第であります。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 今の通産大臣の御答弁を聞いておりますと、何かこういう戦時用の船——軍艦のようなものを作ることがちゃんとあるから、そういうところで作ることは能力的にも差しつかえないという御答弁なので、それらの御答弁を承わって感じられることは、防衛産業にやはり一つの、系列を作っていこう、そういうものを作って、これはもう主として通産行政と別個に、防衛庁の方へつながりをつけていこう。また今回の契約の仕方にしても、通産省が契約の相手にならないで、防衛庁がそれになるというようなことから、ある程度防衛庁の産業支配というような形が出てくるのじゃないかということを懸念いたしますが、そういう点については通産大臣はどうお考えになりますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) まだそういうところまで防衛生産の生産体制というものが現在整備されておりません。ですから今申しました能力のあるところが数カ所あると申しましても、これが現にあいているわけではございませんので、みな造船に従事しておりますが、それくらいのやり繰りの能力はあるということでございまして、別に防衛庁のために一定の生産設備をあかして、リザーブしてあるというような体制になっておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 さらに通産大臣にお尋ねいたしますが、通産大臣としては、防衛産業維持育成というのでいろいろお考えを持っておるし、それから本年も七千七百万円ですか、防衛産業関係の経費が組まれておるようでございます。こういうふうな格好でいけば、私はやはり将来は防衛産業の維持育成というようなことから平和産業が圧迫を受ける、こういうことになる懸念があると思いますが、一体防衛産業を今後どうしていこうと考えておられるか、御所見を伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 防衛産業を興すということは、国防目的の上に最も必要な問題でございますので、この産業の育成を私どもはかりたいと思っております。日本の防衛生産とでも言うべきようなものは、戦後駐留軍がこられてから、その兵器の製造とかあるいは航空機修理とかというものから始まって、自乗それを中心にして徐徐に体制を整えてきましたが、航空機の方は修理という段階を通って、ようやく生産ができるところへ体制が整備されておりますが、この一般の兵器の方は、もっぱら銃砲弾を中心に整備して参っているだけでございまして、そのほかは、まだほとんど防衛生産の体制は整っておりません。一般はまだ試作段階程度になっていますが、これをどういうふうに整備し、育成をするかと申しましても、結局は日本における防衛計画がきまらなければ、この生産の体制の計画は立たないということになりますので、防衛計画がきまれば、それに即応した計画的な育成を私どもは行なっていきたいと思っています。ところがまだそういう段階のときに、大量に今まで受けておった銃砲弾の注文が非常に減りましたので、それでは従来の施設をどうするかという問題が出てきましたが、どうせ将来防衛計画ができて、それに即応して防衛産業の育成をするという将来の見通しがついております以上は、現在の設備をただそのまま廃棄してしまうということはできませんので、ほんとうの計画ができるまでこれを一時維持しておくことがいい、こういうことから、今度維持費を予算に計上したということでございますので、ほんとうの計画がないまま、応急的な措置をとっておるという面もありまするが、今後至急この防衛計画をきめることによって、計画的な育成方針を私どもはやっていきたいと考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そういうことについて、将来法律を出す御用意がありますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 現在航空機製造事業法と武器等製造法という法律がありますので、この法律の運用によって、いろいろ調整がとっていけると思っています、で、将来必要があれば立法の問題も出てきょうと思いますが、当分はこの二つの法の運用によってやっていけるのではないかと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 通産大臣のお考えを聞いて非常に心配になることは、ただいまの防衛産業の維持管理の費用は、これは結局仕事もしない、何にもしない、生産活動をしていないところへ維持管理のために経費を出すと、こういうことになっておるので、全く非生産的な支出になります。で、将来、今言われたような防衛産業がずっと育成されて、それぞれ航空機、艦船、そういうものを作る段階がくる、そういう場合においても、それぞれの防衛産業が国に対して責任を持つと同時に、国も義務を持たなければならないし、防衛産業を維持していくためには、こういう格好の非生産的な、ただ、とにかく遊び金といいますか、そういうものを出して、これを維持するか、そうでなければ結局仕事を与えるしかないわけです。そこで防衛産業を育成したことが、逆にはね返って、日本の軍備をさらに進めていくと、こういう堂々めぐりが起って、いつの間にか日本が軍事体制にもっと深く突っ込んでしまう。(「軍国主義だ」と呼ぶ者あり)軍国主義になってしまい、平和産業がますます圧迫され、かつてのような体制になるおそれがあると思うのですが、すでに今回の七千七百万は、きわめて小さいけれども、その芽ばえであるということもいえるわけですが、どうお考えになりますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 自分の国を守るための防衛力が必要とする物資を、自分の国で製造するということは、もうこれは基本的な問題でありまして、どうしてもそういう形をわれわれは実現したいと思っています。そうしますというと、現在の施策で、これをそのまま皆機械をさびさせてしまったりなんかしてしまったら、あとから防衛計画ができたときに、また、それらの施設を使わなければならぬという日がさたときには、もう追いつけない。その方が国の経済から見て非常に大きい損になりますので、最小限度の維持費というものをここで出して、この機械類を温存して置くということが必要だと考えてとった措置でございまして、これが将来の軍国主義の云々というようなところへ発展するものだとは考えておりません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 長くなりますから通産大臣に最後に……。兵器というものは刻刻と改良されてゆくということは、大臣も御存じの通りです。だから兵器産業の施設というものは、まずほとんど永続性がないので、アメリカにおいても、現在日本で使っているような飛行機は、もう部品もできないというふうな状態になっている、ですからこの平和産業へ投融資するのと、こういう軍需産業へ投融資するのとは、その効果はずいぶんと違ってくる。こういうことを考えて参りますと、通産大臣は今簡単に言われますけれども、最小限度の防衛計画に従ってその防衛生産を自分の国でする、そのあとをどうするか、そうなってくるというと、結局そのあとまた兵器を作って、アジアの諸国に売るということを考えてゆく。それらがよく売れるためには戦争をこいねがう、戦争を望む、こういうことにだんだんなってくることは、これはもう今までの歴史が示した通りです。で、こういう問題は、私はただ単に自分の国のものを自分で作るという、ほかの平和物資を作るのと同じように考えておったのでは大へんだと思いますが、最後に通産大臣からお聞きします。通産大臣からお聞きする最後です。防衛長官にはまだありますから、一つ御承知願いたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) それは、もうお説の通りでございまして、この航空機を作るにしましても、これが毎年継続して一定の数量が見込まれるというふうな場合に、それを満たす最低限度の設備をするのでなかったら、これはもう事業をしても引き合いませんので、そういう意味で今のように米国からそういうものの援助を受ける、今までそれでやってきたと、今後それがどうなるかという見通しがつかない。つまり国防計画をどういうふうに今後日本でやってゆくかと、その見通しがつかない問は、平和産業と違いまして、防衛産業を育成するということは事実上むずかしい。むずかしい限りにおいては、これは体制を整えることが今までやはりできませんで、援助を仰いでおく方がいいのだというような考えできたいろいろな部門がたくさんございますので、私どもとしましては、この計画ができたら、それ以後に本格的に、常時これが維持できて、ちゃんと産業として成立するような規模というような最小限度のものを考えて、それを育成するというような方針をとっていきたいと思います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 通産大臣には、もう少し大きい視野で一つものを判断していただきたいと思います。  次に、防衛庁長官にお尋ねいたします。さっきの質問に関係いたしまして、こういう契約でやられた場合には、作っている過程の駆逐艦というのは、当然日本の政府の予算から出された金で作られてゆくわけですから、日本政府のものというように考えていいと思うのですが、たとえば船の所有権はどこにあることになりますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 御指摘のような所有権の移転ということを考えるのが普通の場合かもしれませんが、直接調達におきましても、米国の方は従来の慣例もありまして、専有はこちらがいたしておりますけれども、その意味での所有権は向うにあるという解釈をとっておりますので、こういう契約に基いてこの調達をすることになる予定でございます。なるほど予算には出ておりまするが、これは先方が支払って、そうして日本の方はこれを調達して引き渡すということになっておるので、下請業者から直接米国側へ引き渡す、こういうようになり、所有権の点は今申しましたような次第でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 どうもよくわからないんですが、真接調達の場合ならば今長官の言われた通りだと思います。が、間接調達で、しかも防衛庁が責任を持ってやられる、その費用はちゃんと歳入として日本の国が受け入れております、だから歳入として受け入れた以上、これは日本の金です。その日本の金で調達する、で、できたものをアメリカに返す、渡すときには、それは渡せばアメリカのものになりますけれども、それまで日本の予算で作られているものがアメリカのものだというのは、私には了解できかねるのですけれども、どういうことになるわけでしょうか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) ただいま申しましたように、アメリカとの契約によってそうする、今申したようなやり方にしようとするものであり、ほかの国の例においてもそういうふうになっておりまするので、そういう方法をとりたいと考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それじゃ今まで全然例のなかったことを今度に限ってそういうふうにやろう、そういう常識的には考えられないようなことだけれども、こういうことでやっていこう、こういうことでございますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 防衛庁の方がこういう調達をやるというのは初めてでございますが、契約条項によることでございまして、受け入れ契約にはそういう場合もあるようでございます。従いまして、この条項によってやるという予定であります。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そうすると金を出すのは日本の政府が出す、作られているものはアメリカのもの、所有権はアメリカにある、すると会計検査はどういうことになりますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) この資金は通り過ぎていく、この会計は整理会計のようなものでございますが、日本の方で一応形式的には歳入となるものでありまして、その取扱いを官庁がいたします限り、会計検査院の検査というものは、これは日本側の検査院でやることは当然でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ところがアメリカの品物に対して、従来会計検査院がやっておるように実地検査、時によれば部品をはずしたり、時には鉄板に穴をあけたり、そういう検査を会計検査院はしなければならない、そういうことをしてもいいわけでございますか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 物理的にどの程度の検査が行われることが必要であるか、これは検査院の判断によることでございますが、この特別会計は日本の特別会計でございまするし、その歳入……主として歳出でございます。歳出の実行状況につきましては、当然検査院としては、特別会計としての検査の権限はあるわけでございます。物理的にどういう検査が行われるか、これは検査院の判断によるわけでございまして、その点につきましては私からお答えする限りではないかと思ます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 私がお尋ねしておるのは、どういう検査をするしないというよりも、そういう検査ができるかできないかという問題をお尋ねしておるわけです。で、防衛庁長官の言われるところでは、一カ月仕切って出来高払いで払っていく、で、払った限りはもうアメリカの所有になるんだ、その分についてはだんだん……こういうような御説明ですが、この出来高払いのときにはアメリカもこれは検査する、もちろん日本も検査される、あるいは日本だけで検査する、しかし会計検査院は日本の検査……防衛庁の検査はあまり信用しないと思うのです、従来の例から。そうすると使ってある鉄なら鉄が、言われた通りの品質のものかどうか、外から見たんじゃわかりません。会計検査法にもちゃんと実地検査をするということが書かれてありますし、提防なんかはひどいときには爆破してまでやっております。そこでできたものがけしからぬ、あやしいのじゃないかということをもし考えた場合には、場合によればその分を切り取るとか、鉄板に穴をあけるとか、取りつけてあったものをはずして調べていく、しかしはずしておるところはすでにアメリカから金を払われたアメリカの所有になっておる部分である、こういう場合は当然考えておかなければなりません、もしそういうことができないというのであれば、憲法九十条の規定を拒むことになるわけですから、そういうことができるという観点に立っておられるのか、どういうことになりますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) ただいま政府委員の方から申しましたように、実際、会計検査院がどういう検査をいたしますか、これは検査院の判断でございますけれども、もちろん、理論的にはできるはずでございます。今おっしゃいましたアメリカも検査するのではないかということでございましたけれども、アメリカの方で検査するのではなく、それを防衛庁に委任してやっておるのでございまして、アメリカはただ支払いの際に書面を見まして、正しいかどうかを契約担当官が見る、それを支出官の方に回すというのでございますから、そうした検査の面は日本がやるということでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そこで今の問題と関係を持ってくるのは、MSA供与の兵器になるのはいつからでございますか、

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 船が完成いたしまして、それが——瞬間的な問題でありますが、とにかく法律的にいえば、アメリカに引き渡されて、そしてその際に今度は日本の方へ供与するということになるわけであります。ただ一つ、あるいはほかの部品をお考えになっているのかもしれませんから申しますが、この契約におきましては、全部の装備を日本側でやるのではなく、さっき申しましたように、日本でできないものもあります。そこで搭載の兵器の中には向うから提供されるものもございます。それが建造の進行中に提供されました際は、それはその場合におきましては、日本側に貸与というような形においてなされて、そしてそれが日本側に引き渡しの際において日本に供与されるということになるわけでございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そうすると、日本に供与になるまでの過程において、秘密保護の対象になるのはどの部分になりますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 船は私どもの方で設計いたすものであり、そういう秘密につきましては、もちろん船体については秘密保護法の適用はございません。しかし今申しましたように、進行の途中において貸与を受けたアメリカ側のものであって、アメリカ側の指定する秘密の部類に属しております際は、それがMSA協定に基く秘密保護法の適用を受けるという関係になるわけであります。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そこで、先ほどの会計検査院の検査と関連を持ってくるわけでございますが、軍艦に搭載する兵器、これはそう簡単に動くものではありません。会計検査院がその船体の検査をするときに、どうしてもそういうものをどうかしなければ調べられない、ずいぶん大砲その他あると思いますから、そういう場合には、結局搭載兵器が秘密だということから、検査が拒否されるというような事態も考えられると思います。特に甲板部等においてはこれはどういうことになりますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 会計検査院の方で必要と認めて検査するという場合は、これは検査はできるはずであります。ただそれを秘密保護法に規定してあるようなあの制約に反して外へ漏らすというような場合には、それはその秘密保護法の適用があるでありましょうが、調べるということは、この秘密保護法の適用外でございます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 それから非常に奇妙なのは、船体についてはでき上るまでには秘密はありません。それから秘密対象になりません。それから瞬間的ということを言われましたが、瞬間的に向うへ渡して、こっちへ供与を受けたとたんにこの兵器は秘密保護法の対象の兵器になる、こういうことになりますが、非常にこれは奇妙なことだと思いますけれども、どうお考えになりますか。そういうことになりますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 供与を受けましてからもその秘密を要するという向うの指定するクラシファイされたものはこの対象になり得るけれども、船舶そのものがなるわけではございません。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 向うが指定すれば今のようになり得るわけなので、性格ががらりと変ってくるわけです。供与を受けたとたんに、瞬間的に、こういうことも私は非常に疑問に思っています。  それから最後にお尋ねしたいのは、小滝長官も防衛計画との関連において、やはり質的な自衛力の向上をはかっていこうということを言っておられますが、今度のこの問題にしても、その他の問題にしても、やはりこういうふうになってくれば、だんだん秘密保護法を作るということを考えられるのじゃないか、そういう意図をだんだん持つようになってくるのじゃないか。アメリカ側もまた秘密保護が完全でなければ高度の兵器は供与しない、できないというようなことを言っておるようですが、秘密保護法について長官はどう考えておられるか、承わりたいと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 質的な増強と申しますか、できるだけ実際の事態に即応し得るようなものにしたいという希望を持っておるのでありまして、この駆逐艦にいたしましても、見方によっては大して進んだものではないというお考えかもしれませんが、とにかく今までよりはすぐれた対潜兵器を持つわけでありまして、これも私どもの計画の一環として見るべきものと御承知願いたいと思います。  秘密保護法につきましては、これは今問題になっておりまするような点については、現在の秘密保護法で十分カバーすることができます。が、たとえば誘導弾のようなものをそのままもらって日本で使うということになれば、従来の法律がそれに適用できるかもしれませんけれども、それを見本にして日本で研究して、日本で、アイデアとしてはそれをもとにしておるけれども、新しいものを作るというような場合において、そのもとになるものはアメリカとかあるいはよその国のものであっても、できたものは日本品であるという場合に、新しい法律がなかったならば、もとにそういうアイデアが含まれておるからというので、日本で作ったものを保護するということは、現在の秘密保護法の立場としては困難だろうと思います。その意味におまして、今後新兵器を研究するというような場合においては、秘密保護法が必要だろうというように考えられまするので、防衛庁といたしましては、こうした研究開発を可能ならしめるような限度の秘密保護措置が必要であるというように考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 そこで私は非常に大きい問題があると思います。結局自衛隊の質的な改造をしていこうということになれば秘密保護法を作らなくちゃならない。しかし秘密保護法を作るということがどんなにおそろしいことかということは、秘密保護法がどんなにこわい法律かということは、これは長官もよく御存じの通りです。ことにこれは憲法の問題とも関連を持って参ります。そこで、そういうことを考えれば、なかなか秘密保護法は作るべきでないと思う。秘密保護法を作らないでそれじゃ改善をしていこうということになれば、国内で作ったものはほとんど役に立たない、すぐれたものはみな供与を受けなくちゃならない、それ以外には、秘密は保てない。そうすると、結局日本の軍備の最も重要な部分はアメリカに依存する以外にはないのだ、こういう結論になって参ります。この考え方は長官はお認めになりますか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) 御指摘のような困難は私も想像し得るのであります。ただ戦前におもしろくない法律があったからといって、そういう装備品などの秘密を保護するというような法律を作ることが、果して今湯山さんが御指摘になったほどのおそろしいものを含むかどうか、それはその作り方にもよるでありましょう。これはよほど研究しなければならないと思っております、

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 自衛隊自体が憲法違反だと言われておるし、その自衛隊が率先して憲法違反の秘密保護法を提唱するというようなことであれば、これは許しがたいことになると思います。小滝長官はそういう非常識なことはなさらないと私どもは信じておりますから、一つ十分御検討願いたいと思います。  それから今のように、結局アメリカ依存の防衛しかできないというところに、日本の防衛、防衛と言うけれども、それはとうていほんとうのことはできないという問題がありますし、それから、また、今のような防衛生産が平和産業を圧迫するというようなことなども考え、また世界の大勢を考えていただけば、賢明なる長官におかれては、小滝長官の時代において一つこういう妙なものはなくするという御努力を十分していただきたいと思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 ちょっと関連して。昨日、この二隻の駆逐艦にどれだけの装備をするかという点について御質問があり、御答弁があったのであります。原子兵器を積むことはない、これははっきりしたようであります。ただ今の質疑を聞いておりますと、秘密保護を要する、秘密保護法で秘密を保護しなければならぬ兵器は積まれぬだろうという、こういう御答弁であったようであります。それらの点について対潜装備を要するために云々と言っておりますが、その二つを結びつけますと、誘導弾は装備せられるかのように想像がつくのでありますが、そういう点についてはどういう工合に考えておられるのか、あるいは予想せられておるのか。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小滝彬君) アメリカとも話しまして、大体基本的な案というものは話はついておりますが、誘導弾などは全然つける予定ではございません。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 ついでに、これは最後にお願いをしたいことでありますが、先ほど小林委員から、この二隻を含みます今後の防衛について、その基礎になっております情勢見積りを提出をせられたい、こういう要望がございました。これは情勢見積りがあることはお認めになりましょうが、それをあすまでに出されることを強く要望をいたします。  それからもう一つ、小林君なり質疑の間に、防衛分担金が年々繰り越されておる。去年もそうでありますが、今年についてもおそらくそういう見通しのようでありましたが、これについて、長官しか残っておられませんから、長官と、それから主計局長でありますが、これは防衛分担金の分担の方法が鳩山内閣時代から変って参って、最初ローカル・エクスペンスというような話がございましたが、駐留費の一部でありますけれども、半分ずつ双方で持つというのが、日本の防衛努力とあわせて、その増加額の半分ということになりましたために、一番大きな労務費の負担にいたしましても、撤退とともにだんだんと減って参る、しかも分担金の計算方法は違ってきたそこに私は原因があるのだと思いますが、今の防衛分担金の日本側の負担の方法は、この両三年の実績からいっても、それから費目の大きなものからいうても、大きなものが労務費であるということからいっても、実情に合わなくなってきている、こういうことをお認めになりますかどうか、この点をお伺いいたします。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 防衛分担金の繰り越しの問題でございますが、これはアメリカの会計年度と日本の会計年度が食い違っておる関係もございます。日本の会計年度として予算で所定額を向うに交付するわけでありますが、向うは必ずしもそれを三月三十一日までに使い切れない、これは会計年度が食い違っておることからもあり得ることでありまして、毎年二、三十億の程度でございますから、別にそれがだんだんしり上りにふくれてきておるということでもございませんので、その点は御承知願いたいと思います。  なお分担金の削減につきまして、一般方式がきまりましたのは昨年でございますが、その以前におきましてもローカル・エクスペンスを半分ずつ毎年度分け合うということではなかったわけであります。行政協定が初めきまりましたときの大体半々ということを目安にして当初の金額がきまりまして、自後それを日本の防衛努力に応じて年々検討の上減らしていく、その減らしていく行き方を、昨年の一般方式ができる前は、そのときどきの話合いにゆだねておりましたが、昨年から一般的な方式を確立した、さように御了承をいただきたいと思います。  なお三十一年、三十二年あたりの分担金が約三百億円ございまして、そのほかに防衛支出金の中に施設提供費というのが約百億がございます。結局四百億でございまして、一億一千万ドル見当を日本が分担をいたしておることになるわけでございますが、これに見合う米側の負担は、先ほど公約支出ということで申し上げましたように三十年度は二億ドル、三十一年度は四月から十二月までに一億四千万ドル、三十一年度全体を推計いたしますと一億八千五百万ドルくらいになります。もちろん、この中には特需等の分も若干入っておりますが、それを除いた分はどの程度ローカル・エクスペンスを含んでおるかということを試算いたしますと、大体一億五千万ドルのものをローカル・エクスペンスとして負担いたしておるということになるわけでございまして、半々という観点からの検討ももちろん他面において必要でございますが、まだ米軍の負担の方が若干多目になっておる、そういう実情であることを御了承いただきたいと思います。

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) 以上をもって質疑通告者の発言は、全部終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。  明日は、午前十時、委員会を開いて、本案の討論、採決を行います。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十六分散会

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