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26回国会参議院1957/02/07

予算委員会 第2号

発言数
20
登壇者
8
会派数
2
開催日
1957/02/07

会議録

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) ただいまから委員会を開きます。  まず、委員の変更について御報告申し上げます。  二月五日、井上清一君、伊能芳雄君、松平勇雄君、及び荒木正三郎君が辞任されまして、その補欠として石坂豊一君、佐野廣君、高橋進太郎君及び岡田宗司君がそれぞれ指名されました。  以上御報告申し上げます。   —————————————

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) 次に、お諮りをいたします。  伊能芳雄君の辞任によりまして理事が一名欠けたことになりましたので、この際、理事の補欠互選を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) 御異議ないと認めます。  これより理事の補欠互選を行います。互選の方法は、成規の手続を省略し、その指名を委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) 御異議ないと認めます。  よって、委員長は、理事に安井謙君を指名いたします。   —————————————

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) これより昭和三十二年度一般会計予算  昭和三十二年度特別会計予算  昭和三十二年度政府関係機関予算  昭和三十一年度一般会計予算補正(第一号)  昭和三十一年度特別会計予算補正(特第一号)を議題といたします。  まず、提案理由の説明を求めます。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(池田勇人君) 昭和三十二年度予算編成の方針及びその骨子につきましては、先日本会議において御説明いたしたところでありますが、予算委員会において本日から御審議をお願いするに当りまして、あらためて、その概要を御説明申し上げたいと存じます。  まず、財政規模について申し上げます。  三十二年度一般会計予算の総願は、歳入歳出とも一兆一千三百七十四億円でありまして、昭和三十一年度の当初予算に比べ、一千二十五億円の増加となっております。また、財政投融資につきましては、三千二百四十六億円で六百七十三億円の増加となっておりますが、経済規模の拡大と考え合せますならば、この程度の規模が適当であると存じます。  次に、一般会計について申し上げます。  まず歳入のうち、主要なものは、申すまでもなく租税及び印紙収入でありまして、九千四百六十九億円を見込んでおり、歳入全体の約八三%に相当しております。税制改正につきましては、本会議において御説明いたしました通り、最重点事項として取り上げ、国民負担の軽減合理化をねらいとする大幅減税を行うこととしております。すなわち、所得税につきまして、低額所得者の負担の軽減に留意しつつ、税率の累進度の緩和に重点をおき、初年度一千九十億円、平年度一千二百五十億円の減税を実施することといたしております。同時に、特別減免措置の合理化による増徴、ガソリン税率の改訂を行う予定でございまして、これら税制改正案の詳細につきましては、別途政府委員をして説明いたさせます。  次に、専売納付金につきましては、たばこ売上数量の見込に基きまして、三十一年度に比べ五十五億円を増額し、一千百八十二億円と予定しております。  次に、歳出のうち、おもな経費につきまして、その概要を申し述べることといたします。  まず、社会保障関係費につきましては、特に重点をおき、三十一年度に比べ九十二億円を増額して一千二百二十六億円を計上し、医療施策、低所得者対策の両面にわたって、内容の充実に努めております。  生活保護費につきましては、予算額は、三百六十五億円で三十一年度に比べて二億円の増加にとどまりましたが、これは保護対象人員の最近の減少傾向を見込んだ上のことでありますので、内容を見ますと生活保護基準の引き上げ、母子加算の拡充など、一段と施策の前進を織り込んでおります。  社会保険費につきましては、まず、遠からず国民がみな医療保険に加入することを目標として、国民健康保険の普及促進をはかり、その被保険者数が三十一年度に比べて五百万人増加して、三千五百万人に達するものと見込んでおります。また、政府管掌健康保険の事業の健全な発達をはかるため、三十一年度と同様三十億円を厚生保険特別会計の健康勘定へ繰り入れることとしております。  失業対策といたしましては、最近における雇用状況の好転、三十二年度における経済の活況並びに公共投資の増大に伴う雇用の増加を考慮し、その吸収人員は若干減少するものと見込みましたが、他方一般失業対策事業の賃金単価を、現行の二百八十二円から三百二円に引き上げてその改善をはかり、事業内容の充実に努めることとしております。これに、失業保険費を合せました予算額は、三十一年度に比べ四億円減の三百四十八億円となっております。  結核対策といたしましては、死亡率は、幸い、目立って低下して参りましたが、新規発病者は依然跡を断ちませんので、その予防に重点をおいております。すなわち、健康診断及び予防接種を全額公費負担とするほか、医療内容においてもその充実をはかり、三十一年度に比べ十四億円増の百四十八億円を計上いたしております。  以上のほか、社会保障関係の経費としましては、母子福祉貸付金及び世帯更生資金貸付金を増額し、医療費貸付補助金を新設する等の措置をも講じております。  次に、文教関係費でありますが、重要経費について見ますと、三十一年度に比べ、百二十二億円増加し、一千三百四十七億円となっております。  これにより、義務教育職員について給与改訂等に必要な負担金を確保いたしますとともに、小中学校の統合、二部授業の解消等を促進するため公立文教施設費を増額し、また国立学校の施設を充実し、教育、研究の経費につきましても相当に増額いたしております。  以上のほか、恵まれない児童生徒のための給食及び教科書の給付の対象を拡大いたしますとともに、文化、スポーツの振興につきましても特に配意いたしました。  また、科学技術の振興につきましては、例年に比べて特に重点をおき、三十一年度に比べ六十三億円を増額し、百七十九億円を計上いたしております。  特に原子力の平和利用に関しましては、原子力研究所の整備等について飛躍的に予算の増額をはかり、予算において六十億円、国庫債務負担行為において三十億円を計上しております。  恩給関係費につきましては、旧軍人遺族等恩給の受給見込人員の増加、ベース改訂の平年度化等により約六十億円増加いたしました。また、文官等恩給につきましても、若干の増額をいたしました。これにより恩給関係費総体として、六十一億円増加して九百六十一億円に及ぶこととなります。  次に、防衛関係費につきましては、自衛力の質的増強に重点をおくことといたしております。防衛庁経費に関しましては、最近毎年相当の予算の繰越額を生じておりますことから、本年度は、予算計上額を切り詰め、三十一年度に比べ八億円増の千十億円を計上しております。従いまして、防衛分担金の減額と相待って、防衛関係費といたしましては、三十一年度とほぼ同程度の規模にとどめたのであります。  さらに、賠償等対外債務の処理につきましては、自立国家としての責務を果すため、百十五億円増額して、二百十五億円を計上しております。  公共事業関係費につきましては、産業基盤の整備、なかんずく輸送力の増強を最重点と考え、道路及び港湾整備の予算を大幅に増額いたしました。すなわち、急速に道路の整備を行うこととし、揮発油税を一キロリットル当り四千八百円引き上げて、道路整備事業の財源を充実することとし、一般財源の増額四十億円と合せて道路整備費の予算を三十一年度に比べ約二百億円増額して五百四十八億円といたしております。また、地方の道路整備費につきましても、地方道路税、軽油引取税の改訂によりその財源の充実に努めております。  道路整備に次いで、港湾整備の予算を五割増加し、工業用水道、都市計画等の予算についても増額いたしました。これにより、重要鉱工業地帯の産業立地条件の整備を促進できると存じます。  また、北海道、東北、離島等特定地域の開発につきましては、特に留意しております。以上のほか、治山治水対策事業費、食料増産対策事業費等につきましてもその充実に努めておりますが、新たに特定多目的ダム建設工事特別会計及び特定土地改良工事特別会計を設けまして、事業の促進、予算の執行並びに工事施行の合理化をはかることといたしております。  以上を通じ、三十二年度の公共事業関係費の計上額は、一千六百四十五億円となり、三十一年度に比べて二百二十五億円の増加となりました。これに失業対策をかねて行われる特別失業対策事業及び臨時就労対策事業の予算計上額をあわせますれば、公共事業関係費の総額は一千七百五十四億円に及ぶこととなります。  住宅対策につきましては、三十一年度におきましては、民間自力建設を含め、約四十三万戸の住宅建設を計画しておりましたが、三十二年度におきましては一段とこれを強化することといたしております。  すなわち、公営住宅、公庫住宅及び公団住宅等をあわせて、財政資金で約二十万戸の建設を予定し、その際、住宅規模の適正化及び不燃化、高層化の促進等、質的向上にも努めることといたしております。  これに要する資金といたしましては、公営住宅、住宅金融公庫及び日本住宅公団の総体につきまして七百三十七億円を予定し、三十一年度に比べて二百二十五億円を増額しております。  なお、三十二年度におきましては、上下水道等環境衛生施設の整備を促進することとしております。  以上の重要事項のほか、一々の事項についての説明は省略することといたしますが、さきに閣議決定いたしました予算編成方針にのっとり、特に中小企業の育成強化、貿易の振興、農林漁業の経営安定等につきまして、後に申し述べます財政投融資と相まって、所要の予算を重点的に計上することとしております。  特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、一般会計に準じ、経費の重点的、効率的使用をはかりまするとともに、事業の円滑な遂行を期することといたしまして、所要の予算を計上いたしております。ここでは、そのうち重要な二、三点につきまして申し添えます。  まず、食糧管理特別会計でありますが、価格体系、損失の処理等、この会計の基本問題を処理するため、政府に特別調査会を設置し、その結論をまって、この会計の健全化の具体策をたてることといたしております。従いまして、三十二年度におきましては、現行管理制度を存続し、米の消費者価格は据え置くこととして予算を編成いたしました。  次に、国有鉄道につきましては、最近における産業の隘路を打開いたしますとともに、今後における経済の発展に伴う輸送量の増大に対処するため、三十二年度以降五ケ年間に約六千億円、初年度一千六十九億円の工事を実施することといたしております。これによる建設工事の量は、三十一年度のほぼ二倍に達することになり、貨物の輸送の円滑化、旅客の混雑の緩和も、遠からず期待出来るものと存じます。その財源といたしましては、三十一年度とほぼ同じく、三百十五億円の外部資金を予定するほか、運輸収入の相当の増収を見込みますとともに、経費の面におきましても極力その節減に努めておりますが、なお、所要資金のすべてを満たすことができませんので、これを運賃値上げによる増収に待つこととし、貨客、平均一三%の値上げを予定いたしております。  このほか、特別会計といたしましては、先に申し述べました特定多目的ダム建設工事特別会計及び特定土地改良工事特別会計のほか、国有財産特殊整理資金特別会計を新設し、官庁建物の高層化、集約化を進めるとともに、都市における住宅敷地に充てる土地の効率的使用の一助といたすことにしております。  政府関係機関につきましては、北海道開発公庫において、東北地域の開発事業資金の融資をあわせ行うこととし、またかねて懸案となっておりました、公営企業金融公庫を新設して、公営企業のためにする公募債の消化を容易ならしめることといたしました。  地方財政につきましては、ここ一両年、地方財政の建て直しのため、相当思い切った諸施策を講じて参りました結果、地方団体側の自主的な努力と相待ち、地方財政の現状は相当改善されておりますが、三十二年におきましても、さらにその運営の健全合理化を推進することといたしております。  まず、地方交付税の算定基準である所得税、法人税、酒税に対する率を百分の二十五から百分の二十六に引き上げ、三十二年度予算としては一千八百六十八億円を計上いたしました。また地方税につきましても、国税に準じて、事業税等の減税を行うことといたしましたが、最近における地方税収の増加にかんがみ、交付税交付金の増額とあわせてみますと地方財源は相当豊かになり、各種地方単独事業を増加するなど行政内容を充実してゆく道が開けるものと思われます。なお、地方団体間の財源偏在の是正をはかるため、地方譲与税の配分方法を改訂いたしますほか、公債費の圧迫を緩和するため、できる限り普通債を削減する等、歳入構成の適正化をはかることに配意いたしております。  最後に、財政投融資につきましては、幸い経済の好況に伴って増加いたしました原資を活用して、経済拡大に積極的に寄与し得るよう、重点的にその使用をはかることといたしております。その総額は前に申述べました通り、三千二百四十六億円でありますが、通用面におきましては、電力等産業基盤の整備、住宅対策、中小企業対策の三つを重点事項として取り上げ、その他わが国経済において立ちおくれており、かつ、民間の力のみによっては十分な発展を期待し得ない分野に配分することといたしております。  終りに、昭和三十二年度予算と同時に提出いたしました昭和三十一年度補正予算につき一音申し添えます。  この補正は、産業投資特別会計への繰り入れ及び地方交付税の増額を内容とするものであります。産業投資特別会計への繰り入れ三百億円のうち百五十億円は、昭和三十二年度財政投融資の原費として使用することを予定しておりまして、三十二年度予算と密接に関連するものでございます。  以上、ごく概略を御説明申し上げましたが、なお、詳細にわたりましては、政府委員をして補足して説明させることといたします。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 議事進行について。  通常国会で予算案は、これは最重要な議案だと思うのであります。本会議における施政方針の演説、その中での三十二年度予算に関連します提案理由の説明等は、大蔵大臣から本会議で承わりました。委員会での提案理由の説明は、これは本来ならば、衆議院で説明をせられました直後、本委員会において説明させらるべきだと思うのであります。昨日、委員長から私どもの会派にお話がございましたから、本日の委員会の運営については、できるだけ委員長のお取り計らいに即応するように努力をいたしました。ところが三時に委員会を開会し、説明を聞くという公報の掲示を願いましたが、実は多少三時よりもおくれるだろう、こういうことは、そのとき了承をいたしておりましたが、委員長は三時半ということでありました、きのうの話では。三時過ぎに——三時半になっておりませんでしたが、私どもが参りましたときには、委員長を初め、だれもいらっしゃらない。そして衆議院の予算委員会に行ってみますというと、川崎君の質疑続行中で、大臣は答弁に立っておられる。そこで委員長のところに参りまして、衆議院の委員会の模様をお話をして、衆議院の委員会は五時近くなるだろう、それならば五時近くまで待って、それから二時間もかかる説明をするには、私どもそれまで待つということはなかなか困難だから、四時まで待ちますが、四時を待っても開かれなければ、あしたにしてもらいたい、こういうことを申し上げて参ったはずであります。四時十分まで衆議院で、予算委員会を傍聴いたしておりましたが、四時まで質疑が続いておりました。そこで参りまして、この時間まで待ちましたが、まだこちらに大臣は来られそうにないから、私どもは今まで待ったのだから、きょうは開かれないものと思って帰った、こういうことで、委員長に申し上げたのであります。今伺いますと、説明をして、なお、衆議院における予算委員会が続行されておるから、大臣は衆議院の予算委員会に帰りたい、いわば衆議院の都合であいた時間に参議院の予算委員会で説明をするという、こういう態度、しかもそれを委員長はそういう衆議院の都合で参議院の説明をその合間にする、こういうお取り計らいをしておるように私は感ずるのであります。それでは参議院に対する私は政府の態度あるいは大蔵大臣の態度としてはどうかと思うのであります。少くとも四時までに開かれそうにないというならば、私は、われわれについても御説明があってしかるべきと思うし、それから再開するなら再開するにしても、委員会を開くにしても、四時なら四時ということであったが、若干過ぎるけれども、四時を過ぎるならば来られるから御協力願うとあいさつがあってしかるべきだったろうと思うのであります。衆議院の合間の間に参議院でこの二十六回通常国会で一番大事な予算案の説明がちょこちょことなされるというような仕方については大きな不満を表明をいたします。委員長の釈明を求めます。

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) 吉田君のお話につきましては私から事情を申し上げますが、きのうの予定では、衆議院で十時から始める、それから参議院の方では一時間くらいずらして始めようかということを言ったのですが、それでは円滑に政府委員の方の出席がいかないような懸念があるというようなことから、話し合いをいたしまして、そうして三時過ぎにこちらの方で、参議院の方でまとめてやろうじゃないか、その際に、衆議院の予算委員長との打ち合せは、できるだけ早く参議院の方へ回ってもらうようにするが、どんなにおそくとも四時には向うの質問を切り上げても参議院の方へ回してくれる、こういうお話がありましたものですから、その事情をお伝え申し上げて、そうして期待をしておったわけです。きょうは四時正確にこちらの方へ出席を願うという約束で始めたのですが、質問の都合で五分間おくれるということを四時頃に連絡がありました。ですからややおくれることはおくれましたけれどもわずか五、六分の差で大蔵大臣がここに見えたのであります。特に参議院の方を軽視したということでなしに、両院の議事の進行を円滑にしたいという気持から、さようなことになったのですから、どうぞその点は御了解を願いたいと思います。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 これは結果からでありますけれども、衆議院の合間に参議院の予算委員会に三十二年度予算及び三十一年度補正予算の提案理由の説明をなされたという格好になったことは、これは事実であります。その点は大蔵大臣にも遺憾の意を表明して、今後の点でありますけれども、こういう参議院に対する三十二年度予算案の取扱いにならないように、一つ十分委員長それから政府において留意せられるように私から要望申し上げて、すでに説明に入ったのでありますから、説明は聞いて参りますけれども、強く要望申し上げておきたいと思います。

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) 御注意はよく承知いたしました。  それでは次に、政府委員から補足説明を願います。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) お手元に昭和三十二年度予算の説明という印刷物がお配りしてございます。詳細な補足説明はこの資料にゆだねることにいたしまして、この資料を拾い読みになる格好になると思いますが、要所々々につきまして、ごく簡単に補足を申し上げていきたいと存じます。  第一に、一ページ第1の総説でございますが、これにつきましては大蔵大臣の財政演説にすでに触れられておることでございますので、省略いたします。  ただ二ページ目の表をちょっとごらんいただきたいと思います。ここに今度の予算の財源計算が示してございますので、ちょっとこれを申し上げます。  現行制度による対三十一年度の自然増収の見込み額は、千九百七十七億円、内訳は、租税及び印紙収入千九百二十二億円、専売納付金五十五億円ということに相なっております。一方税外歳入におきましては、二百三十二億円の減少がございます。差引しますと千七百四十五億円の自然増収ということに相なります。  これをどういうふうに分けたかということでございますが、まず、減税財源に充当いたしました金額が八百四十八億、これは所得税千九十二億円、法人税十五億円の減税をいたしておりますが、地方租税特別措置の整理合理化によって増収二百五十九億円がございますので、差引八百四十八億円を自然増収に頼ったわけでございまして、これを差引ますと、残りは八百九十七億、これが歳出増加に充てられるわけでございます。  その他、増加につきましては、地方道路整備の充実をはかりますために、ガソリン税率の改訂を予定いたしております。それによる増収が百二十八億円ございます。合せますと、歳出増加充当財源が千二十五億円ということに相なりまして、予算規模は一兆一千三百七十四億円ということに相なるのでございます。  例年のごとくこの予算規模を国民所得と比較して見ますと、三十二年度の国民所得は八兆千八百億円と見込まれております。これに対しまする予算規模の割合は一三・九%ということに相なっております。三十一年度の同じような数字をとって見ますと、当初予算だけでは一三・六%、補正を含めますと一四・一%ということに相なっております。  五ページに参りまして、五ページ以下に一般会計、特別会計、政府関係機関、財政投融資の骨格的な計数、計画表が示してございます。  まず、一般会計でございますが、歳入で千二十五億円増加いたしました。内訳を整理して申し上げますと、上の表にございますように、租税及び印紙収入では千二百一億円の増加、専売納付金では五十五億円の増加、官業益金及び官業収入では八億九千八百万円の増加、政府資産整理収入では九億六千四百万円の増加、雑収入では六十一億四千万円の減少、前年度剰余金の受け入れでは百八十九億三千二百万円の減少ということに相なっております。  租税及び印紙収入につきましては、主税局長から詳細説明をいたしますので、省略いたしまして、専売納付金でございますが、たばこの数量の伸びがあまり顕著でございません。しかし最近また経済界の活況を反映いたしまして、上級品、中級品の売れ行きは増加いたしております。その関係から販売高は増加いたしまして、さらに一方専売公社の経費につきましては、極力切り詰めることといたしまして、前年度に対しまして五十五億五千三百万円の益金の増加を見ております。  官業益金及び官業収入の増加は病院収入の増加でございます。政府資産整理収入の増加は、政府のいろいろな回収金収入の増加でございます。雑収入の減少六十一億円、これは三十一年度予算に旧発券銀行特別納付金三十五億円、金融機関調整勘定利益分配金二十五億円、こういった三十一年度限りのものが計上してございました。来年度は期待されないわけでございます。主としてこれらの本年度限りの収入の消滅によりまする減少でございます。前年度剰余金は決算上確定いたしました数字でございます。  歳出の重要事項別の表でございますが、この表は千二十五億円の歳出増加が重要経費別にいかに割り振られたかということをお示しするためにのせてございます。ごく簡単に申し上げますと、社会保障関係費では、小計のところをごらんいただきたいと思いますが、前年対比九十一億八千百万円の増加、文教関係では、これも小計のところです、百二十一億六千四百万円の増加、科学技術振興費では六十三億二百万円の増加、国債費では二十三億六千八百万円の減少、恩給関係費は文官、旧軍人を通じまして、小計のところで六十一億三千五百万円の増加・地方交付税交付金では二百三十九億七千四百万円の増加、防衛関係では四億円の増加、賠償等特殊債務処理費では百十五億円の増加、公共事業関係費では二百二十五億三千七百万円の増加、ここにカッコ内の数字がございますが、カッコ内の数字は失業対策費中に含まれておりまする特別失業対策事業費並びに臨時就労対策事業費を含めた金額でございまして、公共事業の実態を把握していただきまするのにはむしろこのカッコ内の数字の方が適当であろうかと存じます。カッコ内をとりますと二百三十億三千七百万円の増加になっております。次は、住宅及び環境衛生対策費で、十一億四千二百万円の増加、農業保険費で四億三千八百万円のこれは減少でございます。外航船舶建造融資利子補給では三十一億二千二百万円の減少、全額削減をいたしております予備費は前年同様でございます。重要事項におきまして合計八百七十四億九百万円の増加、雑件では百五十一億三千二百万円の増加、こういった姿に相なっております。  次は、特別会計でございます。七ページに示してございます表は、これは歳入歳出の一覧表でございまして、この数字につきましては特別に申し上げることはございません。後ほど二、三の特別会計について申し上げます。ただ特別会計の数を申し上げますと三十九でございます。うち新設のものが三でございます。新設のものは国有財産特殊整理資金特別会計、特定土地改良工事特別会計、それから特定多目的ダム建設工事特別会計、この三つでございます。  政府関係機関収入支出予算、これも収支の一覧表でございまして、特別に申し上げることはございません。政府機関の数を申し上げますと十一でございます。その中には新たに設けられまする公営企業金融公庫が入っております。  次は、財政投融資資金計画でございますが、これにつきましては、後ほど理財局長より説明いたしますので一切省略をさしていただきたいと存じます。  次は、十一ページに参りまして、一般会計の歳出重要事項につきましてあらまし順を追うて申し上げることといたします。  まず、生活保護費でございますが、計上額は三百六十五億六百万円、前年対比二億二千七百万円の増加になっております。実は保護人員につきまして最近の経済界の活況を反映いたしましてだんだん減少の傾向にございます。こういう最近の傾向を織り込みまして年度末の数字を推定し、それに対しまして一%の増加を見たのでございますが、この関係から人員の関係で十五億四千百万円を減少いたしておるわけでございます。その数字を織り込んだ上での二億二千七百万円でございますので、実質的には十七億円の増加ということに相なっております。増加いたしました主な内容は、保護基準の改訂による増加十一億五千四百万円、保護基準は一般補助につきまして六・五%を引き上げております。さらに母子加算の拡充四億五千万円、たとえば東京都におきましては母子加算額現行六千円でございますが、これを一万二千円に引き上げることを予定いたしております。  次は、児童保護その他社会福祉費でございます。計上額九十三億一千百万円でございまして、前年対比十六億九千万円の増加になっております。増加をいたしました内訳は、児童保護費で五億八千七百万円、これは児童保護施設におきまする保護人員の増加並びに事務費、さらにはまた間食費その他収容児童の措置単価を引き上げることといたしております。その他の社会福祉費の増加十一億三百万円でございます。主なものといたしましては、低所得層対策といたしまして、母子福祉貸付及び世帯更生資金貸付補助を増額いたしております。さらにまた新たに医療費貸付補助の制度を設けることといたしました。この三者いずれも補助率は三分の二といたしております。そのほか婦人保護費を大幅に増額いたしております。さらに広島、長崎における原爆障害者に対する国費による健康管理、治療の実施を予定いたしております。また国立ろうあ者更正指導所、並びに国立精神薄弱児養護院等も、それぞれ新設を計画いたしておる次第でございます。  次は、遺族及び留守家族等援護費七十億八千四百万円でございます。前年対比二十一億二千六百万円増加いたしておりますが、うち十七億は従来旧軍人の内縁の妻等に対する遺族援護法上の遺族年金を便宜旧軍人恩給の方に計上いたしておりまして、そこから移しかえて支出いたしておりましたが、本来の建前に復しまして、遺族及び留守家族等援護費の方に移しました金額、それが十七億千八百万円ございます。  次は、社会保険費二百一億五千百万円でございます。前年対比四十億八千二百万円を増加いたしております。増加の主なものは、国民健康保険助成費でございまして、三十二億円を増加いたしております。国民皆保険の目標を達成する手段といたしまして、国民健康保険の早急な大幅な普及を期待いたしておる次第でございまして、そのために約五百万人の被保険者の増加を見込んでおります。この被保険者の増加による給付費の補助の増加、さらにはまた単価につきましても今後の上昇を見込みを織り込んで合理化をいたしております。また国民健康保険に対する事務費の補助につきましても、従来被保険者一人当り六十八円六十銭でございましたが、これを八十五円に引き上げまして、国民健康保険の普及の促進に資することといたしております。  政府管掌健康保険につきましては、前国会に医療給付費につきまして、被保険者の一部負担、標準報酬等級の改訂等の対策を織り込みました法律案を提案いたしておりますが、来年度の予算の積算に当りましては、この法律案を前提といたしておりまして、国庫からの繰入額も本年度と同様三十億円を計上いたしております。  なお、日雇い労働者健康保険につきましては、その経理状態にもかんがみまして、従来の国庫負担割合、給付費に対する国庫負担割合一割を一割五分に引き上げております。  次は、失業対策費でございます。三百四十七億九千二百万円でございまして、前年対比三億七千五百万円減少いたしております。この経費は大きく申しますと、失業対策事業と失業保険の国庫負担でございますが、いずれも最近の雇用失業情勢、あるいは失業保険の現実の支給人員等、減少をいたしております。また来年度は経済の拡大発展、公共投資の拡大等が見込まれますので、失業者吸収人員といたしましては二十二万五千人、本年度は二十四万八千人でございましたが、約一割を減少いたしまして計上いたしております。その半面、失業対策事業の賃金単価につきましては、現行二百八十二円を三百二円に引き上げまして事業内容の充実をはかっております。なお、失業者多発地帯に備えまして、二十二万五千人のうち三千人程度をプールいたしまして、自動的に使用する予定をいたしております。失業保険につきましては、先ほど申し上げました人員の減少を基礎といたしまして積算いたしました。また日雇失業保険につきましては、単価の改善をはかっております。  結核対策費百四十七億九千六百万円でございます。前年対比十四億二千九百万円の増加でございます。従来結核対策は病床の増設ということに重きをおいて参りました。その結果、三十二年度中には予定の計画である二十六万床をほぼ達成する見込みがついて参りました。他面幸いにして結核の死亡率はだんだん低下をいたして参っておりますので、これを転機といたしまして来年度は、本年度も同様でありましたが、来年度はさらに重点を患者の早期発見、早期治療、予防対策に置くことといたしました。すなわち健康診断及び予防接種につきましては全額公費負担、従来の実費徴収を廃止することといたしております。さらにまた医療費の面でも公費負担の範囲を拡大し、またパス、ストマイ、ヒドラジット等の三剤の併用を認める等内容の充実をはかっておる次第でございます。なお、病床につきましては大体所定の計画は達成せられますが、なお地域的には若干のアンバランスが残っておりますので、来年度なお千床を増設することといたしております。  次は、義務教育費国庫負担金八百四十七億円でございまして、本年対比七十七億五千万円の増加と相なっております。これは生徒児童数の増加に伴う職員数の増加もございますが、大部分は昇給原資並びに来年度予算で予定いたしておりまする給与改訂に伴う所用額と御承知いただきたいと存じます。  国立学校運営費は三百六十九億二千六百万円でございまして、三十五億七千三百万円の増加でございます。内訳は、給与改訂によるものが二十三億円でございますが、そのほか教官研究費の増加、学生経費の増加、病院医療費の増加、原子力研究経費の増加等々を織り込んでおります。  文教施設費は八十八億五千五百万円でございます。七億八千九百万円の増加となっております。そのうち国立文教施設の増加七億一千百万円、公立文教施設の増加二億二千九百万円と相なっております。公立文教施設の増加は二億二千九百万円にとどまっておりますが、内容を検討しますと、戦災復旧事業が大体完了いたしまして五億三千万円減少いたします。そのことをあわせて考慮しますと、実質的には七億五千九百万円の増加と相なっておる次第でございます。  育英事業費四十二億五千二百万円、五千万円の増加でございますが、貸付金の返還もございますので、一億円程度の貸付金の増加が可能と相なります。内容につきましてもそれぞれ改善を予定いたしております。  科学技術振興費は百七十八億八千二百万円、前年対比六十三億二百万円の増加でございます。これは各省の試験研究機関経費、原子力関係費、その他各省にわたる科学技術研究費等でございますが、大きく増加いたしましたのは原子力関係費でございまして、前年度十四億七千八百万円が六十億円に増加いたしております。原子力関係におきましてはこのほか国庫債務負担行為三十億円を計上いたしております。なお、文部省の国立学校の系統におきましても、このほかに原子力関係の経費五億六千六百万円を計上し、原子力関係の基礎研究、技術者の養成のために原子力関係の講座等の増設を予定いたしております。  国債費につきましては、国債費は三百六十一億六千百万円、前年対比二十三億六千八百万円の減少と相なっております。うち国債償還額百三十六億七千八百万円、国債利子二百二十三億二千九百万円と相なっております。  次は、文官等恩給費百七十四億七千五百万円でございまして、一億七千七百万円の増加でございますが、これは昨年措置されました二十三年六月三十日以前退職の文官に対する恩給の不均衡是正の平年度化に伴うものでございます。  次は、旧軍人遺族等恩給費七百八十五億八千七百万円でございまして、前年対比五十九億五千八百万円の増加でございます。この増加は最近公務扶助料見込み人員が増加いたしまして、この関係の修正増並びに一昨年行われました旧軍人等遺族恩給のいわゆるベース改訂の来年度が最後の平年度化の年でございますが、平年度化並びに前国会を通過いたしました内地における公務死の取扱いに関する特例、それらの増加がございまして、一面失権等による減少がございますが、差し引きまして五十九億五千八百万円の増加と相なっております。  地方交付税交付金千八百六十七億七千二百万円でございまして、前年対比二百三十九億七千四百万円の増加と相なっております。交付税の基礎となりました三税の収入見込額は、所得税二千三百億、法人税三千九十五億、酒税千八百十億、合計七千二百六億でございまして、これに対しまして交付税の税率は一%を引き上げまして百分の二十六といたしております。その結果出て参ります金額は千八百七十三億でございますが、過年度分に交付のし過ぎが六億円ございましたので、それを差し引きまして、千八百六十七億七千二百万円と相なります。この交付税の増加二百四十億円のほかに、来年度は地方税におきましても相当自然増収が予定せられておりまして、一方事業税等の減税を実施いたしましても、なお来年度は地方財政は相当健全化せられるものと期待をいたしております。  次は、防衛支出金でございます。四百一億六千五百万円でございまして、前年対比四億円の減少でございます。便宜次の防衛庁経費についても一緒に申し上げます。  防衛庁経費は千十億円でございまして、前年対比八億円の増加でございます。防衛庁経費につきましては、従来多額の繰越金がございまして、いろいろ問題がございましたが、今回の予算編成に当りましては、防衛庁経費の予算の消化能力に見合って適正な規模に圧縮するという建前から予算の編成に臨んだ次第でございまして、その結果、ほぼ前年度と同額の千十億円にとどめることができた次第でございます。千十億円の現態勢維持と増勢の両方に分って区分してながめますと、現態勢維持のためのものが八百九十四億円、増勢分が百十六億円ということに相なります。増勢分の内容は、陸につきましては増勢は一切行なっておりません。海につきましては鑑艇十一隻の建造をいたしておりまするほか、米国から艦艇四隻の供与及び航空機百四機の供与を受けることと予定いたしまして、これに伴いまして制服職員を千四百三十人、一般職員を五百七十一人増加することといたしております。室につきましては、米国からの航空機の供与九十四機、日本側の調達二百三十機を予定いたしておりまして、これに伴いまして人員は制服職員五千四百九十一人、一般職員八百五十六人を増加することといたしております。官房系統におきましても若干の増加がございます。なお、千十億円の予算のほか、予算外のいわゆる国庫債務負担行為として二百億六千百万円、継続費として三十六億七千万円を計上いたしております。その内訳は国庫債務負担行為として、航空機購入のため百二十五億千九百万、施設整備のため二十三億一千九百万、器材購入のため三十一億七千三百万円並びに艦船建造のため二十億五千万円という内訳になっております。また継続費は甲型警備艦建造のための三カ年間にまたがる継続費でございます。

佐多忠隆日本社会党

○佐多忠隆君 その数字はどこに出ているのですか。

森永貞一郎大蔵省主計局長

○政府委員(森永貞一郎君) 十九ページの右の欄の中ほどに出ております。  このようにして防衛庁経費が千十億円と相なり、八億円の増加となったのでございますが、これに伴いまして防衛支出金中の合衆国軍交付金につきましては、いわゆる一般方式にのっとりまして、防衛庁経費の増加額八億の半額四億を減少することといたしまして、二百九十六億円を計上いたしました。施設提供等諸費、軍事顧問団経費等につきましては、前年度と同額といたしまして、防衛支出金は合計四百一億六千五百万円と相なりました。  次は、賠償等特殊債務処理費でございます。計上額は二百十五億円でございます。前年度対比百十五億円を増加いたしております。本年度は前年度からの繰り越しも相当ございましたし、また本年度になりまして、フィリピンとの間の賠償協定が締結せられる等、賠償がいよいよ本格的にとり行われることと相なりましたに伴いまして、百十五億円を増加計上いたしました。  次は公共事業関係費でございます。計上額は千六百四十四億八千万円、カッコ内の数字、先ほど申し上げましたように労働省所管の特別失業対策事業費並びに建設省所管の臨時就労対策事業費を含めたカッコ内の数字は千七百五十三億八千万円、前年に対する増加額は、カッコ内の数字で二百三十億三千七百万円、カッコのない数字で二百二十五億三千七百万円ということに相なっております。  公共事業関係費につきましては、二十ページから二十七ページにわたりまして詳細な説明がしてございますので、ここでは詳細を省略いたしまして、大体のことを申し上げますと、まず本年度の公共事業関係費の予算の特色といたしましては、産業基盤の整備、なかんずく輸送隘路の打開のために道路、港湾、工業用水、空港等の予算を大幅に増額いたしましたことでございます。  第二は、特定多目的ダム建設工事特別会計並びに特定土地改良工事特別会計、この二つの特別会計を設けることといたしまして、それぞれの事業につきまして事業の促進をはかったことでございます。  第三は、本年度から実施されました地方財政再建促進特別措置法に基きまして、財政再建団体が三十一年度に実施した事業の補助率の引き上げ差額二十三億ございますが、この分を計上いたしておることでございます。特別会計につきましては後ほど申し上げます。  道路について申し上げますと、わが国道路の現状にかんがみまして、これを飛躍的に整備することといたし、その財源として揮発油税、現行一万一千円を四千八百円引き上げまして道路財源の充実をはかっております。なおこの際、一般財源からも約四十億円を増額充当することといたしまして、その結果、道路整備費の予算は、三十一年度に比較して約二百億円増額いたしております。なお、国の道路事業費の裏といたしまして地方の道路財源につきましても揮発油税の引き上げに伴いまして、地方道路税、現行二千円を千七百円引き上げることを予定いたしております。また、軽油引取税につきましても現行六千円を三千円程度引き上げることを予定いたしております。これらの道路財源の充実に伴いまして、現行の道路整備五カ年計画を再検討いたしまして、新たな長期計画を検討いたしたい、さような考え方をいたしておる次第でございます、この道路のほか、産業基盤の整備のために港湾、工業用水道、都市計画等を通じまして重点的に予算の増額をはかりまして、重要鉱工業地帯の立地条件の整備をはかっております。  さらにまた総合開発の一環といたしまして、北海道、東北あるいは離島、あるいは首都圏、これらの特殊特定地域の総合開発事業につきましては特に促進をはかっております。その経費は、二十一ページの右側の上段にございますが、たとえば、北海道について申し上げますと、前年度百六十四億が二百五億、東北のこの数字は、重点事業だけでございまして、公共事業全般をとりますともっと多いのでございますが、重点事業だけで申し上げますと、前年二十億が五十六億八千万、また離島につきましては八億六千六百万円の前年度が十一億三千七百万、首都圏につきましては十二億六千九百万円が二十二億七千七百万といった工合に相当充実を見ております。  災害復旧事業につきましては四十四億円減少いたしております。この減少いたしておりますのは、二十九年度以降三十一年度まで、幸いにして災害の発生が比較的少なかったことによるものでございます。年災別復旧予定は二十七ページにございますが、特に災害が大きかった二十八年災につきましても、来年度末には八五%程度の復旧を見る予定と相なっております。  二十一ページに公共事業の各種事業別の詳細な表が提示してございますが、時間の関係もございますので、あとでごらんをいただくこととお願い申し上げまして、ここでは説明を省略さしていただきます。  従いまして、二十七ページに飛んでいただきまして、住宅及び環境衛生対策費でございます。計上額は百二十三億七千九百万でございまして、前年度対比十一億四千二百万の増加と相なっております。この経費の中には住宅対策と環境衛生対策と両方ございますが、住宅対策費は百六億五千百万円で、前年度対比三億円の増加でございます。一般会計に計上しておりますこの住宅対策費は、いわゆる公営住宅でございまして、公営住宅の建設戸数は前年度通り四万六千戸を予定いたしておりますが、その中の区分といたしましては、第二種の低家賃住宅の方を増加いたすことといたしております。その結果、補助率が高い第二種が増加いたしますので、この額も増加いたします。さらに内容といたしましてはブロック建築等をできるだけふやす努力をいたしております。  なお、住宅計画の全貌につきましては、さかのぼって恐縮でございますが、四ページの左の欄の下にお示ししてございます。公営住宅、住宅金融公庫、日本住宅公団等の総資金計画七百三十七億円、また政府が建設いたします住宅の総戸数十九万九千戸、公営住宅四万六千戸、住宅金融公庫八万八千戸、日本住宅公団三万五千戸、その他三万戸、かような内訳になっております。戻りまして、環境衛生対策費でございます。十七億二千八百万円でございます。この内訳は、下水道終末処理施設及びし尿消化槽施設費六億九千五百万、前年度は五千万円でございます。十倍以上に増加いたしております。ここにカッコ内の数字がございますが、これは特別失業対策事業ないしは公共事業に含まれておりまする下水道も含めた数字でございまして、十二億四千五百万、この数字をとりましても、前年度に対しまして二倍以上と相なっております。簡易水道は十億円でございまして、前年度より一億六千万円増加いたしております。さらに蚊とはえ撲滅対策費三十三億円、新たに計上いたしました。  次は農業保険費でございます。計上額は百七億二千三百万円でございまして、四億三千八百万円の減少と相なっておりますが、その減少の中には、過年度の一般会計からの繰入高が二億七千百万円、この分を落したことも含まれております。なお、農業共済事業事務費負担金につきましても、若干減額を見ております。  次は、外航船舶建造融資利子補給はゼロでございます。最近の海運界の活況、また、金利の低下等の事態を考慮いたしまして、全額辞退を期待いたしまして、計上いたしておりません。  予備費は、前年同額でございます。  雑件でございますが、雑件の中にも、たとえば、新市町村建設促進費、農山漁村建設総合対策費、寒冷地農業振興対策費あるいは貿易振興費、中小企業対策費等、いろいろ重要な経費が含まれておりますが、時間の関係もございますので、説明を省略させていただきます。  一般会計の最後に、三十一ページに参りまして、給与改訂に要する経費につきまして一言いたします。昨年七月、人事院から勧告が行われました。その内容は、三公社五現業の職員あるいは地方公務員に比べて、一般職の職員の給与はいまだ低位にある、また、公務員の現行給与制度にはいろいろ不合理な点があるので、全面的に給与制度の合理化をなすべし、そういう勧告でございます。この勧告の趣旨を尊重いたしまして、来年度を期して給与改訂を実施することとし、その財源といたしまして、三十二ページにございますが、合計百五十六億の財源を計上いたしております。一般職の職員分九十六億円、義務教育職員分五十三億円、補助職員分七億円、かような内訳に相なっております。この予算の積算の基礎にいたしまました改訂案は、一応の改訂案でございまして、ここに掲げてございますが、この具体化につきましては、目、下政府部内においてせっかく検討中でございますので、いずれ具体案を得ました上、法律案として御審議をいただくことといたします。  歳入につきましては、歳入の大宗である租税収入につきましては、主税局長から説明がございますので、省略いたします。雑収入につきましては、先ほど一言触れましたので、これまた省略させていたださます。  三十八ページ、特別会計のほうに参ります。特別会計につきましても、二、三の重要な点だけを述べることといたしまして、まず交付税及び譲与税配付金特別会計でございますが、この会計から配付いたしまする地方交付税交付金につきましては、先ほど申し上げました通り、千八百六十七億七千二百万円と相なっております。入場税譲与税は百七十七億でございまして、前年対比十五億増加いたしております。なお、地方道路税につきましては、先ほど申し上げましたように、現行二千円を千七百円引き上げることとし、三十九億円の増加を計上いたしております。また、新たに国税として特別とん税を設けまして、その収入をこの会計に受け入れ、これを特別とん譲与税譲与金として、徴収地港の所在する市町村に譲与することといたしております。  資金運用部、産業投資特別会計等につきましては、財政投融資の説明にゆだねまして、省略をいたします。  四十ページに参りまして、国有財産特殊整理資金特別会計、これは新設の特別会計でございます。この会計の目的は、一面におきまして官庁庁舎の高層化、集約化を進めるとともに、他面、これに伴って不用となる官庁敷地等を適切に処分することといたしまして、一般会計の財政負担を避けながら、営繕資金を調達し、あわせて都市における住宅整地等、土地の効率的利用をはかろうというねらいに出るものでございます。来年度は収入のみでございまして、八億六千百万円を予定いたしております。これを資金として積み立てておきまして、三十三年度以降一般会計に繰り入れて営繕費に充てる、さような仕組に相なっております。  次は、四十一ページの食糧管理特別会計でございます。前提といたしました制度は、ほぼ現行通りでございます。数量といたしましては、米につきましては約二千七百万石の集荷、これを事前売り渡し申込制度によりまして集めることといたしております。配給につきましては、三十二米穀年度は二十日、三十三米穀年度は十五日と予定いたしております。麦につきましては、ほぼ本年の実績通り、テンサイ糖その他につきましても、ほぼ本年通りと考えております。価格につきましては、買い入れ価格でございますが、米につきましては一万円、麦につきましては農業パリティ指数の変化を織り込んだ価格で計上いたしております。消費者価格につきましては、米につきましては基本配給価格が一応現行通りといたしまして予算を組みました。麦につきましては、価格体系を調整するために、若干の引き下げを予定いたしております。その結果、三十二年度中に損失が起るわけでございますが、それにつきましては極力管理費、事務費の合理化をはかり、また、国庫余裕金の利用率を高めることによりまして、金利負担の軽減をはかり、赤字を減らす努力をいたしておりますが、それでもなお百四十二億円の損失を生ずる予定でございます。なお、三十一年度末の損失の累計は、百九十五億円と相なっております。これらの損失の処理、また、価格体系の合理化等、食糧管理特別会計の基本問題を処理いたしますために、政府に特別調査会を設けましてこれらの基本問題を検討をしていただきまして、その結果に従ってこれらの基本問題を処理いたす、さような予定といたしております。  次は、四十四ページに参りまして、特定土地改良工事特別会計、これは新設の会計でございます。この設置の目的は、土地改良事業につきまして、その効率的施行と資金調達の円滑化をはかる、そうして事業の経済性を確保するということでございます。対象といたします事業は、国営灌漑排水事業——ただし三十二年度以降の新規着工分のみでございます。それと国営の干拓事業並びにこれらの災害復旧事業、これらのものをこの特別会計で工事をいたす予定でございます。従来、これらの事業につきましては、全額国費をもって施行いたしまして、都道府県及び地元の負担になりますものは、完成後これを徴収いたしておったのでございますが、今回の仕組は、国費分は国費分としてそのまま特別会計に繰り入れまして、そのワク外にこれらの都道府県及び地元の負担になりまするものを資金運用部から借入金で調達いたしまして、つまりこれだけ事業量の拡張が行われるわけでございます。それによりまして事業の経済的な進行に資しようという目的でございます。予算といたしましては、一般会計から受け入れる金額が三十一億五千九百万円、借入金が八億五千四百万円、大体こういった事業規模と相なっております。  次は、特定多目的ダム建設工事特別会計でございます。これも土地改良とほぼ同じような構想に出るものでございますが、そのほかに新たな付け加わった点といたしましては、従来電気事業者と共同でダムを建設いたします場合に、電気事業者の負担部分につきましては、受託工事といたしまして歳入歳出外で経理いたしておりました。これを今回は、電気事業者から負担金をこの特別会計に受け入れまして、予算外でなくて、予算上経理をいたすことといたしまして、予算の経理、事業施行の円滑化をはかっておる次第でございます。金額といたしましては、一般会計から受け入れまするものが四十六億三千万円、借入金が九億七千八百万円、諸収入——これが電気事業者等からの受け入れでございますが、十一億一千万円というような事業規模に相なっております。  次は、政府関係機関でございます。専売公社につきましては先ほど申し上げましたので省略いたします。  国有鉄道につきましては、先ほど大臣の説明にございましたように一三%の値上げを予定いたしておりますが、それを織り込みました損益勘定の収支規模は、前年度に対しまして約六百五十億円程度増加いたしております。損益勘定から資本勘定への繰入額も八百二十八億円と増額いたしております。工事勘定の総額は千六十九億円でございまして、その内訳は四十九ページの右欄の下の方に新線建設七十億、通勤輸送百十億等々と内訳がお示ししてございます。  電電公社でございますが、電電公社も最近収入の成績がよろしいのでございまして、来年度の損益勘定の収支の規模は百八十億円増加いたしております。建設勘定の規模は六百三十二億七千百万円でございまして、約七十八億円増加いたしております。電信電話公社におきましては五カ年計画を持っておりまして、来年度がその最終年次になっておりますが、この六百三十三億の建設勘定をもっていたしますれば、五カ年計画は完了いたす予定と相なっております。  公庫、銀行等につきましては、財政投融資の説明の際にふれることでございますので、省略をいたします。  最後の七十一ページに、本年度の補正の大綱がお示ししてございます。この補正の結果、一般会計の予算規模は一兆七百四十九億円と相なります。補正の財源は、所得税二百億、法人税二百億、計四百億ということに相なっております。なおこの補正を受けまして、特別会計におきましても交付税及び譲与税配付金特別会計におきまして所要の補正を必要といたしますので、提案いたしてございます。  以上、きわめて粗雑でございましたが、一応の説明を終ります。

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) 次に、原主税局長から御説明を願います。

原純夫大蔵省主税局長

○政府委員(原純夫君) 税の関係の御説明を補足して申し上げます。  お話を三つに分けまして、第一にどういう税制改正をやるか、第二段に、その改正が計数的に全般にごらんになってどういうことになるか、第三段に、それらの計数の見積りの基礎をどういうふうにいたしてあるかという三段に分けて申し上げます。  お手元に三十二年度の「租税及び印紙収入予算の説明」という文書があがっていると思いますが、それの三十一ページをお開きいただきますと、税制改正の要綱というのがございます。すでにいろいろな機会に報道されておりますので、ごく簡単に申し上げさしていただきます。一番の中心は、第一の所得税でございます。そこに、税率の累進度の緩和に重点を置いておる、しかし低額所得者についても負担の軽減に留意して、基礎控除、扶養控除を増額し、また税率についても今までない一〇%の低い税率を最初に設けるということにいたしております。なお税率については非常に幅を広げましたほか、最高税率七〇%というのを五千万円をこえる課税所得に対してかけるようにいたしております。初めの年、昭和三十二年分につきましては四月から実施することになります。従いまして、三十二年分の所得税については減税の影響が四分の三になる。ただ源泉徴収を受けます勤労者の場合は、一月、二月、三月を今までの重い負担でとられておりますから、四月以降はいわばフルに減税の影響が出たもので源泉徴収を受けるということになります。四月から月給袋の中身が相当重くなるということであります。どの程度軽減になるかということにつきましては、次の三十五ページ以下にいろいろな場合について出ておりますから、後刻お読みいただきたいと思います。課税最低限も若干上り、税の負担は給与所得者、事業所得者とも相当軽減され、大体給与所得者で四、五割——初年度と平年度で違いますが、四、五割、事業所得者で三、四割という軽減割合になっております。もちろん所得の額が大きくなりますと軽減の割合はだんだん減って参りまして、この表では千万円までしか書いてございませんが、五千万円になりますと軽減割合は一割になる、一億になると一%になるというような程度になっております。なおこの表は、概算所得控除が廃止になるという前提で、かつ勤労者の方はその場合社会保険料控除を受けるという計算、事業所得者の方は社会保険料控除が少いのでそれをやっておりません。社会保険料を払う人は、それよりもなお事業所得者でも軽減になるというふうにお含み願いたいと思います。備考に書いてございます。  もとへ戻りまして、三十二ページから書いてございますのは、2のところに貯蓄の奨励、それから概算所得控除、それから資産所得の合算、配当控除、それから法人税のところに参りまして、1のところは、一般減税でありまして、中小法人のために軽減税率三五%を適用します幅を五十万円までのを百万円に広げる、2の方は、特別措置の整理合理化であります。貸し倒れ準備金、価格変動準備金、渇水準備金、その他特別償却、輸出所得、重要物産免税、交際費その他いずれもたびたび報道されたところでありますし、そこにそれぞれ要領を書いてございます。ごらんおきを願います。後ほど表によってどの程度歳入に増減がくるかというのをごらんいただくことにいたします。  第3以下は印紙税、揮発油税及び地方道路税、骨ぱい税、とん税及び特別とん税、通行税というような工合に、主として間接税系統の改正が載っております。間接税系統につきましては、税制調査会の答申ではそちらにウェートを移して、直接税の非常に重い負担をこの際軽減するということでありましたが、自然増収が、後ほど申しますように相当額に上ったということで、この程度で措置が済むということでございます。揮発油税、地方道路税については道路整備の必要と照応するものであるということはもちろんであります。とん税、特別とん税は、日本のとん税が非常に低い、そのために外国の船は利益を受けておるが、日本の船は国内の固定資産税が相当重い、そこでとん税を上げて、一部を特別とん税として地方に渡す、地方はそれによって固定資産税を半減するというアイデアでございます。三十四ページの第8のところに「中小企業の固定資産の再評価」というのが定めてございます。二十八年、九年に三度目の再評価をやって、大法人についてはもう強制までしまして、全部片がついておるわけでありますが、中小法人はなかなかそこまで経理能力がいってないというようなわけで、この際、中小法人に第三次再評価ベースで再評価をやらせようということでございます。その他はこまかいから省略いたします。  以上のようなわけで、税制改正を行います関係の計数的な動きを示してありますのが三ページ及び五ページの表でございます。  そこで、第二段のこの計数的な御検討をお願いしたいというわけでございます。三ページの表は、各税につきましての見積りを総体ごらんになるため、五ページの表は増減収の細目を掲げてごらん願うというためのものであります。そこで三ページの表から申し上げます。  一番左の数字の欄が、これが三十一年度の予算額であります。一般会計の合計というのが、下から五、六行目のところにございます。ここをずっと右に見ていただいて、必要に応じて上を見ていただく。その下は、地方に回ります入場税、地方道路税、特別とん税で、ごらんおき願えればけっこうだと思います。そこで三十一年度予算額は、ごらんのように合計八千二百六十七億でございます。これが本年も相当自然増収が出てきておるわけでありますが、三十二年度におきましてどうなるか、まず最初の欄は、現行法による収入見込額、これがつまり自然増収千九百二十二億を加えました額であります。それで一兆百八十九億になる。法人税、所得税等で大きな増が出ております。そこでこの千九百二十二億の自然増収、それによって減税もでき、積極政策もできるわけでありますが、税の関係で、それが減税にどう充てられるか、先ほど来申しております特別措置の整理などでどれだけ増収になるかというのが次の第三欄に掲げてございます。まず所得税及び法人税の一般的減税と申しますのが、合計で一千百七億円と出ております上を見ていただきます。所得税の分が一千九十一億円・法人税の分が十五億円、これはよくいわれます初年度千九十一億、平年度千二百五十三億、これは五ページのところの表に出ておりますが、その数字でございます。それから法人税のは、先ほど申した軽減税率の適用範囲を広げるためのものであります。こういうふうにして一般的な減税が千百七億行います。そのかたわらに、その他の改正で増減差引三百八十七億増収に相なります。それを総体差し引きしますと、右にいって、七百二十億円の減ということに相なります。それを(B)の、先ほどの自然増収を見込んだ後の税収見込から引きますと、その右にいって九千四百六十九億円、これが昭和三十二年度の予算額として御審議願う数字であります。対前年度増千二百二億円ばかりに相なります。そこでこの増減の関係をもう少し詳しくごらんいただくのが五ページの表であります。  数字を二つに分けまして、左側の方の一組が初年度の分、右側は平年度の分であります。そうして最初に所得税の一般的減税、一番右をごらんいただくと千二百五十三億六千五百万、これが平年度の総減税額、初年度は千九十一億、それを基礎控除、扶養控除、それから給与所得控除、税率の引き下げに充てる額がこの程度あるというのがそこに出ております。平年度で申しまして、基礎控除に一六%、それから扶養控除に一〇%、それから給与所得控除に五、六%、それから税率に六八%強というような区分になっております。次は、法人税の軽減税率適用範囲の拡張、次が特別措置の整理合理化、先ほど申しました各事項についての初年度、平年度の増減額が、各税目別に出ております。大きいのは概算所得控除、それから価格変動準備金あるいは貸し倒れ準備金というようなものであります。次に間接税の増徴分が出ております。手形に対する印紙税、それから揮発油税、その他の増収のところで、先ほどちょっと出ました配当控除あるいは資産所得の合算というようなのが出ておりまして、その総トータル、初年度の計のところをずっと見ていただいて、増収額総計三プラス四プラス五というもの、干から五つ目の数字、三百八十七億二百万円、これが先ほど申し上げました三ページの表の(D)欄の計三百八十七億円でございますから、中身をごらんになるときは、この五ページの表をごらんいただきたいと思います。このようなわけで、一般的な減税が千百億ある、特殊の優遇を与えておったものを、この際いろいろな理由から整理して、その優遇の度合を縮めることによる増収が一方で二百億ある。また資産所得の課税を適正にするための増収がまた三、四十億ある。間接税の増が百五十億くらいある、こういうわけで、よくネットで七百五十億しか減税にならないというふうにおっしゃいますが、実際的に一般的減税千九十億は、一方で一般的な増税で相殺されるのではなくて、特殊な優遇措置の整理で相殺される。ただ一つ概算所得控除の廃止だけは一般的でございますから、そういう見地からは、それだけ引いてお考えになるというふうにしていただきたいと思います。  第三に、この見積りの基礎を申し上げます。それのごくエッセンス、やはりどういう指数、どういう伸ばし方をしておるのかというのが一番問題でございますが、それを一ページの下から五、六行目から二ページにわたって書いてございます。その見積りの前提となった経済の諸要素の大要を説明するとこうなるといって、源泉所得税では、賃金水準は三十一年度に比して約六%、雇用量は約二%としたためてございます。次のページへ参りまして、申告所得税では、営業所得は三十一年度に比して八%程度増加する、農業所得は平年作、それから法人税に参りましては、昭和三十二年の上期の申告所得額は、三十一年下期に比して八%程度増加する。三十二年度の下期はそのレベルでいくというふうに書いてございます。これらはいずれも御案内の企画庁を中心に作業してできております生産、物価の伸びの予想を前提といたしまして、個々の税目に当てはめる場合に、それらの指数のうち、それぞれ妥当なものを当てはめるということにいたしております。そういうふうに積算いたしました結果が、ただいま申したような数字であります。  その次に書いてありますのは、相続税、酒税その他でありますが、これらは要するに最近までの課税実績を基礎といたします。そうして今後の伸びを、今までの実績の伸びから、また計画的な作用の加わるものにつきましては、関係各省各庁の計画数字によりまして見積ったということになっております。詳細は七ページ以下に、各税にわたって出ております。一々は詳しく申し上げる時間がないのは残念でございますが、最初に所得税、法人税というあたりを御説明申し上げたいと思います。  七ページに所得税というのが出ております。源泉所得税、これは給与の分と、給与以外の分、Aに給与所得に対する分が出ております。これは三十年の実績がまずございます。これがわれわれの持つ一番新しい実際のデータであります。その実績をもととしてそれから三十二年、二年間の伸びを、人員で四%、一人当りの給与額で一五・七%見まして、それによって下から四行目にありますように、納税人員は九百十五万七千人——申し落しましたが、これは現行法というのが頭についております。つまり自然増収を見積るところです。現行法のままでいったら幾ら、そういうことで、九百十五万七千人に対し、納税者がこれだけの給与を得て、それから各種控除税率を適用しますと、次のページに参りまして下から三分の一くらいのところに、税法を適用した結果が、本年度収入見込額二千二百六十七億ということに相なっております。Bの給与以外の分を最近の課税実績から推計して三百四十三億、それから還付税額を引きまして、右に参って、現行法による昭和三十二年度収入見込額二千五百六十一億というふうに出しております。つまりこの自然増収の見方、これは三十年の実績をもとにし、その後の伸びを計算して出したということでございます。  次の改正法に参りますと、やはり同様にそういうふうにして出ました所得の額、それに改正後の控除を適用し、改正後の税率を適用してずっとやって参るという計算が、そのページから十ページにわたって出ているわけであります。そうして十ページには給与所得以外の所得の分での税制改正の影響も加えて、最後には三十二年度予算額千七百二十八億円、これが先ほどの表に出ている三十二年分の数字でございます。詳細にしたためてございますから、後ほどお読みおきを願いたいと思います。  それから申告所得税につきましても同様、現行法による自然増収の見積りは、昭和三十年の課税実績をもとにし、その十一ページの下の方のBの生産、物価の伸びによって、それを伸ばし、そうして最後にありますように、法人成りと言いまして、法人に盛んになっております。その分は個人の申告所得税から抜けていく。それの減を見まして、十二ページにありますように、人員、所得全額、控除税率の適用、税額控除というようなことで計算をいたし、そうしてその十三ページの方にありますのは、前年からの課税が繰り越しになりましたり、本年分の課税が翌年度に回るというようなことがありましたり、また滞納分が入ってくるというようなことが、年度の入りくりがいろいろございます。そういう関係を一切ここに見込みまして、十三ページの改正法のすぐ前のところ、現行法による昭和三十二年度収入見込額六百八十九億九千四百万円ということになっております。それが改正法では、先ほど申しましたような新しい控除税率を適用して、十四ページにありますような計算をずっとやって参って、そうして十五ページにありますような年度間の調整をやりまして、そうして最終数字が昭和三十二年度予算額五百七十一億円、この先ほどの申告所得税、源泉関係と申告分と合せたものがちょうど二千三百億になるというのが先ほどの表に出ているわけでございます。  法人税につきましても同様で、現行法というところに最近のデータ、一年間の実績データが、三十年十二月から昨年十一月までの申告税額、これが一番新しいデータでございます。そのデータをもとにして、その後三十二年度の申告期までにどれだけ生産が伸び、物価が伸びるかということを、先ほど申しました企画庁の系数の系列の中から該当数字を拾いまして当てはめて、そこにありますような伸び数字一二七・九%の伸びを見込んだ。そうして申告見込税額を出して得た見込みを下から五、六行目の二千六百七十億とみて、その上に更正決定による増産の分を二百四十八億と見込み、次のページに参りまして、法人成りで、個人から法人になります分で四十七億二千万ふえる。それで繰越滞納を加えて合計いたしまして、現行法による収入見込みが三千二十五億。次に改正法によって、減税もありまするが、特別措置の整理等でふえて参るという分があります。総体差し引き計算七十億五千五百万の増というのを加えて三千九十五億七千九百万というのが、三十二年度の予算額に相なるわけであります。  相続税以下は、先ほど申しましたように、最近までの課税実績に基きまして、そして今後の伸びを、実績から、あるいは各省の計画数字から予測いたしまして見込んだもので、それぞれその見込みました場合の基本になる量等もここにしたためてございます。一括してそういうことで御説明とさせていただきます。  それで申し上げました三点の御説が終るわけですが、最後に所得税、国民所得に対してどういう負担率になるか、それから直接税、間接税の比率が、どうなるかというのが四十二ページ、四十三ページに出ております。ちょっとそれを申し上げて、御説明を終りたいと思います。  まず直接税、間接税の比率は、ごらんの通り三十一年度は直接税が五一%、間接税その他が四九%でございました。三十二年度は、現行法のままでいきますと、五四・九と四五・一ということになるわけでありますが、税制改正の結果、五〇・二と四九・八ということに相なります。  国民所得に対する負担率は、ごらんの通り三十一年度は右から二つの数字であります。国税のみで一三・八%、地方税を入れまして一九・六%であったものが、三十二年度は二二・四%と一九・一%になります。三十一年度実績は、国民所得もふえ、税収もふえております。大体並行してふえておりますので、この三十一年度の率は大体動かないというふうにお考えいただいてけっこうでございます。  以上大へん簡単でございますが、御説明を終ります。

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) 次に河野理財局長から御説明を願います。

河野通一大蔵省理財局長

○政府委員(河野通一君) 私から三十二年度の財政投融資計画と、国庫収支の見込みにつきまして御説明申し上げます。お手元にございます予算の説明書の九ページ、ここに財政投融資計画の表がございます。これをごらんいただきながらお聞き取り願います。  一々の説明は時間を要しますので、要点だけ申し上げますが、詳細は同じ説明書の五十三ページ以下にございますから、お読みいただければおわかり願えるかと思います。  財政投融資計画を組みますに当りまして、大きい要点だけをかいつまんで申し上げますと、まず第一は原資であります。原資は、その九ページの表の上に原資見込というのが出ておりますから、それをごらんいただきますとおわかり願えるわけでありますが、その合計で、三十一年度が二千五百七十二億でありましたものが、三十二年度におきましては三千二百四十六億、差し引き六百七十三億の大幅の増加ということに相なっております。これは資金運用部資金あるいは簡保資金等、すべて経済の好況を反映いたしまして、いずれも大幅な原資の増加を期待しておる、期待できるという状態に基いたのであります。  原資のうちで特に御注意申し上げたい点だけを一、二申し上げますと、第一は、産業投資特別会計であります。これが三十一年度に化して大幅に増加いたしております。三百七十七億という大きな数字になっておりますが、このうちの百五十億は、現在今年度予算の補正として提出されておりまする、一般会計から産業特別会計に繰り入れる三百億円のうち、百五十億円を三十二年度の財政投融資の財源として充てる、この百五十億円がこのうちに入っておるわけであります。  それから第二点は消極的意味でありますが、三十一年度におきましては、お手元にありますように、第二次余剰農産物といっておりますが、余剰農産物の受け入れをいたしまして、これによって出て参りました円資金のうち百七十七億を財政投融資の原資として組み入れたのでありますが、三十二年度におきましては余剰農産物の受け入れを予定しないことにいたしております。従いましてこの関係からくる原資は見込んでおりません。  以上が原資の状況でありますが、この原資をどういうふうな方針で配分いたして参りましたかという点について、簡単に要点だけ申し上げたいと思います。  この原資の運用に当りまして重点をおきました点が幾つかあるわけでありますが、その第一は、経済の発展のためのいわゆる隘路を打開するために財政投融資の重点をおいた点が第一であります。これは具体的に申し上げますと、お手元の表の第一の一番上にあがっております開発銀行、このうちの電力関係の資金、及びその下にあります電源開発会社の資金、この二つがいわゆる電力資源の開発のための資金の増強ということに該当するわけであります。開発銀行は御案内のように電力以外の特殊の重点産業に融資をいたしておりますので、このうちから電力関係を引き抜くということは、新規の投資のうちから引き抜くということはなかなか困難でありますが、便宜、開発銀行の三十二年度における融資計画のうちから電力に充てられる分を申し上げますと、二百五十億を予定いたしております。これは三十一年度の当初の計画百二十億に対して相当大幅な、倍額以上の増加ということに相なっております。それから電源開発会社につきましては、その総資金量におきまして、お手元の表の一番右側の欄をごらん願えればわかるわけでありますが、三十一年度と比較して大十三億の増加、こういうことに相なるわけであります。この両者を合せまして、電力関係に財政投融資資金の出て参りますものが、三十一年度に比較して百九十三億の増加と、こういうことに相なるわけであります。  第二は、輸送隘路として輸送力の増強ということがいわれておりますが、その点に財政投融資の重点をおいたことであります。これは具体的に申し上げますと、表の十ページの三つ目のところに出ております国有鉄道、それから九ページの下から三つ目にあります帝都高速度交通営団、それから輸送と申しますか、広い意味の輸送に関連いたしまして、道路という観点から、その二つ三つ上にあります道路公団に対する投融資、これらの点に財政投融資の重点をおいたことであります。数字はこまかくなりますので、ここでは一々申し上げませんが、たとえば国鉄について申し上げますと、新しい政府の資金の投入は、三十一年度五十五億に対して、三十二年度八十億、二十五億の増でありますが、運賃料金の引き上げによりまして相当三十二年度におきましては国鉄の自己資金が充実されることになりますので、これとあわせて考えますならば、工事量といたしましては今年度の約倍額近くの工事が三十二年度において施行されることになっております。  それから次は住宅建設の増強促進という点に重点をおいたことであります。これを表で申し上げますと、具体的には、干から七つ八つ目のところに住宅金融公庫、その下に住宅公団というのがございますが、これが具体的に今申し上げた点に該当するわけであります。  なお、そのほかに、その二つ下に、勤労者厚生と書いたものがございますが、これは勤労者厚生年金の還元融資の関係であります。このうちにも相当三十一年度に比較いたしまして大幅の住宅関係の資金が入っているということだけ申し上げておきます。住宅金融公庫と住宅公団は、合せまして新規の政府資金の投入は、三十一年度に比較いたしまして百七十五億円の増加ということに相なります。これによりまして、この公庫、公団両者の住宅建設戸数予定は、三十一年度に比較いたしまして二万三千戸の増加、すなわち十二万三千戸の建設を予定いたしておるわけであります。  それから第三の重点といたしました点は、中小企業の金融の充実であります。これは、表で申し上げますと、ちょうど九ページのまん中あたりにあります。国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中央金庫、それからその下の不動産銀行もその一環ということに相なるわけでありますが、これらの機関に対する財政投融資の増額をはかっております。国民金融公庫につきましては、三十一年度に対して七十五億の増加、中小企業金融公庫に対しましては六十五億の増加、商工中央金庫に対しては二十五億の増加、それぞれ三十一年度に対して増額をいたしております。これによりまして、試みに国民金融公庫と中小金融公庫だけについて申し上げますと、これらの資金と、すでに持っておりまする自己資本とを合せまして、三十二年度中に運用できる総資金量といたしましては、三十一年度に比較して両者合計で二百六十五億の増加、こういうことに相なるわけであります。  その次に、このたびの財政投融資の運用計画において重点として考えました点は、資金コストの引き下げということの必要な点に重点的に出資を増加していく。これによってその事業の資金のコストを下げるということに強く配慮いたした次第であります。たとえば電源開発会社に対しましては、三十二年度におきまして百億の出資をいたすことにいたしました。これは前年に比較いたしまして七十億の増加であります。  次に農林漁業金融公庫に対しましては、七十億の出資をいたすことにしました。これは前年に比較いたしまして六十億の増加であります。それから商工中金に対しましては、新たに十五億の出資をいたすことにいたしました。これによって商工中金の資金コストを下げて、貸出金利をできるだけ引き下げるように配慮いたしたつもりでございます。次に住宅公団につきましては、九十五億の出資、これは前年度に比較いたしまして八十億円の増加であります。以上のように出資を増加いたすことによって、資金コストの引き下げにできるだけ寄与できるように配慮いたしたつもりであります。  次に若干御説明いたしておきたい点は、三十二年度において新しく財政投融資の対象に組み入れたものが二、三ございますので、その点を御説明申し上げます。  第一は九ページの表の下から四つ目でありますが、反称で公営企業金融公庫というのがございます。これは先ほど主計局長からも説明があったかと思いますが、公営企業債——地方債のうちの公営企業債を引き受ける政府機関としての公庫であります。これには新しく産業投資特別会計から五億の出資をいたしますほか、政府保証の付いた債券を大体七十億円程度発行いたしまして、これをもって公営企業債のうち安い金利でその企業債を引き受けるということによって、公営企業の能率を上げるということに資するようにいたしたいと考えておるものであります。  次は十ページにございますが、特定土地改良工事特別会計、特定多目的ダム建設工事特別会計、この二つの特別会計が新設されるわけでありますが、これに対してそれぞれ所要の財政投融資をいたすことにいたしております。  それから、これは新設ではありませんが、その組織、機構を改組、拡充いたしましたものが一、二ございますから、これを申し上げておきます。第一は表の上から五つ目、北海道東北開発公庫と書いてあるものでございますが、これは現在ありまする北海道開発公庫に東北の開発の仕事もやらせるということにいたしまして、これを改組拡充するという配慮のもとに、これは仮称でありますが、北海道東北開発公庫というものを新しく作ることになっております。これがための必要な資金を投入いたしたわけであります。その次は、その下にあります東北開発会社であります。これは現在ありまする東北興業株式会社を改組いたしまして東北開発会社ということにいたすわけであります。この新しい機関に対しても産業投資特別会計から出資をいたしますほか、必要なる資金の調達の方法として政府保証の債券を発行することを予定いたしております。  以上が政府資金による財政投融資の要点を簡単に申し上げたところでありますが、次にお手元の表のちょうどまん中から若干右側に公募債、借入金という欄があるわけであります。この点について一言だけ付け加えておきたいと思います。  これは、三十一年度におきましてはいわゆる民間資金の活用という形におきまして、相当大幅に公募債、借入金をいたしたのでありますが、これは、政府のいろいろな事業に対する資金を民間から調達するという方法にいろいろあると思いますが、その一つの方法として民間から公募債の引き受けをしてもらう、あるいは借入金を民間からする、こういう形によって調達するものであります。三十二年度におきましては、先ほど来申し上げましたように政府資金が相当豊富にございます点が一点と、なおあわせて今後の金融情勢の推移等も考え合せました結果、この公募債、借入金の総額におきましては、十ページの一番下の計のところにあります通り、三十一年度の当初が八百九十九億ということを予定いたしましたが、これが三十二年度においては八百四十五億と、約五十四億の減ということになっております。しかしながらその中でも、たとえば住宅公団でありますとか、道路公団でありますとか、先ほど申し上げました北海道東北開発公庫でありますとか、そういった必要な部面には、公募債、借入金の額を前年度に比較して相当大幅に増加するという配慮をいたしております。  以上非常に簡単でございましたが、財政投融資の要点だけ御説明を申し上げた次第であります。  次に三十二年度の国庫収支の見通し、見込みについて一言だけ申し上げておきます。資料はお手元に参考資料で理財局関係というのがございますが、それの第三表、一番あとの表でございますが、ごらん願いたいと思います。  一番下の総計におきまして、三十一年度の見込みは千三百億の揚超であります。これが三十二年度の見込みといたしましては、三百五十億の払い超、こういうことになる見込みであります。  これを少し分析して申し上げますと、まず一般会計におきましては歳出歳入ともに一兆一千三百七十四億で、これは収支が均衡いたしておるわけであります。ただ歳入の中には、三十年度中に生じました剰余金百九十一億円が財源として見込まれておる。従いましてこれは三十二年度の関する限りにおきましては、その当該年度の収入ではありませんから、これが撒布要因となる、こういうわけであります。  次に特別会計のうち、食管会計におきましては、予算の上で食糧証券の残高が年度内に四十七億円増加するということになっております。これだけが撒布の要因になる、こういうわけであります。  次に産業投資特別会計におきましては、先ほど申し上げました百五十億円、一般会計から産業投資特別会計に繰り入れられた三百億円のうち百五十億円が三十二年度において原資として使用されることになります。これに加えて三十一年度の収入増加三十四億円、この合計の百八十四億円が三十二年度の関する限りにおきましては撒布超過ということに相成るわけであります。他の特別会計その他におきましてはほぼ収支が均衡いたすものと考えられますので、この特別会計だけで二百三十一億円の撒布超過ということに見込まれるわけであります。  以上、外為資金を除きました財政資金の収支は四百二十二億円の撒布超過ということになるわけでありますが、このうち国庫から日本銀行に支払うものの超過、支払い超過額五十七億円を含んでおります。これは御案内のように、対民間には影響しないわけでありますから、対民間の国庫収支といたしましては、これを差し引くことが必要であります。従いまして、これを差し引きますと三百六十五億円の対民間撒布超過ということに相成ります。  次に外為資金でありますが、これは国際収支とんとんと見ております。ただ別口外貨貸付返済の十五億が引き揚げ超過の要因として出て参りますので、結局、外為資金を含めた財政資金の全体の対民間収支におきましては三百五十億の撒布超過、こういうことに相成るわけであります。ただ今申し上げました数字は、予算が予算通り実行され、かつ国際収支等の状況がただいま申し上げましたようなことで推移することを前提にいたしておりますので、国際収支あるいは米作の状況等によりましては、相当異同があることを免れないかと考えておりますが、ただいまのところ見通せる範囲の数字と御了承いただきたいと思います。  簡単でございますが、説明を終ります。

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) 次に経済企画庁調整部長小出政府委員から御説明願います。

小出榮一経済企画庁調整部長

○政府委員(小出榮一君) 昭和三十二年度経済計画の大綱につきまして簡単に御説明を申し上げます。  御承知のように、年度別の経済計画の大綱は、昭和三十年度から毎年策定いたしておるのでございますけれども、この年度別の経済計画の意味は、御承知のように、予算編成の前提となりまする基礎的なデータ、生産なり貿易なりあるいは物価なり雇用に関しまする各種の指標を経済企画庁におきまして策定いたしまして、これを基礎にいたしまして税収を見積り、その他予算編成の基礎になるデータを作成する、こういう意味を持っておるのでございます。また同時に、予算において盛られておりまする各種の施策を具体的に実施いたしました場合におきまして、その予算の実施に伴いまする経済の変動の結果、来年度の経済がどういう姿になるかという点を指標として表わしておるのでございまして、従いまして、年度別経済計画は、予算の前提でもあり、かつ結果でもある、こういうふうな意味で御了解をいただきたいと思うのであります。また御承知のように、経済企画庁におきましては、長期の経済計画を策定いたしておりまして、すでに現在三十一年度を初年度といたしまする経済自立五カ年計画があるわけでございますが、これは御承知のように、年々の経済の成長率を五%という程度に押えておりまして、これがその後の経済の異常な伸展に伴いまして多少実情に合わなくなってきておるということにかんがみまして、現在この長期計画の改訂作業にとりかかっております。これはおそらく、三十二年度に入りまして夏ごろになりませんというと総合的な指標がまとまらないと思いまするので、この改訂されます予定の長期計画の目標も、完全雇用の達成と国民生活水準の向上という二点であることは当然でございまするので、これを頭に描きまして、とりあえず三十二年度の経済計画を、時間的に先行いたしまするけれども策定したのでございます。  以下簡単に主要経済指標につきまして計数的に御説明申し上げますが、印刷物の十ページに主要経済指標の一覧表が出ております。  まずいわゆる経済の成長率でございまするが、これは結局、分配国民所得の前年度に対する伸び率、これをもっていわゆる経済の成長率と称するわけでございまするが、ここにありますように、分配国民所得は三十二年度におきまして八兆一千八百億というふうに策定しております。三十一年度の実績の見込みが七兆六千百億というふうに考えられまするので、これに比較いたしまして七・五%の伸び、成長率と、こういうふうに考えられるのでございます。これに対しまして今年度は御承知のように非常な経済の好況によりまして、三十年度に比べますと一二%の伸びになるものと見込まれまするので、その成長の度合いにおきましてはやや鈍化すると、こういうふうに考えられるのでございます。この成長率の策定に関しましては、第一次産業、第二次産業、第三次産業、それぞれの各産業の成長率を、生産、物価あるいは所得率というようなものの変化によりまして計算いたしまして、これを産業所得の構成比によって、加重平均によって算出したと、こういうことになっておるのであります。  以下この成長率に見合いまする総需要と総供給とのバランスの問題でございまするが、  まず需要面から申し上げますれば、第一の海外、外部からの需要でございますが、それは申すまでもなくまず輸出でございまして、輸出に関しましては、国際収支の欄にございまするように、来年度二十八億ドルの輸出を考えております。これは為替ベースでございまして、三十一年度の二十四億八千万ドルに対しまして約二二%の増加ということになるのであります。これを通関ベースに改めまするというと、来年度は二十九億五千万ドル、大体月平均二億四千五百万ドルくらいの輸出になるものと考えられます。御承知のように日本の貿易は、過去二カ年、相当世界全体の貿易の拡大率に比較いたしまして、これを上回る伸張を示して参ったのでありまするが、三十二年度におきましては、国際競争の激化その他諸般の情勢を考えますると、二十八億ドルの輸出を達成いたしまするためには相当の努力を要するものと考えられます。なお商品別あるいは地域別には大体従来の傾向と同様の傾向をたどるものと考えられまして、商品別には機械製品あるいは繊維製品、化学工業製品等を中心とし、また地域的にはアメリカ、カナダ等の北米市場を中心にいたしまして、船舶その他のリベリア等に対する輸出が相当増大するものと考えられます。  次に特需でございまするが、特需は来年度六億ドル、今年度は六億一千万ドルでございまして、大体横ばいでございます。これは従来から減少するものと考えられておりましたけれども、実際は狭い意味の特需、いわゆる円セールの分は相当に減少いたしまするけれども、これに反しまして1・C・Aの買付が相当大幅に増加するものと考えられまするので、全体としては大体横ばいというふうに見込んだのでございます。  次は内需でございますが、国内需要といたしましては、まず第一に投資でございます。投資につきましては、設備投資、これは来年度は約一五%増というふうに考えます。今年度は非常に設備投資が伸張いたしまして、昨年度に対しまして四割近い三八・五%という異常な伸びを示しておりますので、これに対しまして伸び率は落ちまするけれども、なお設備投資の水準はかなり高いというふうに考えます。次に在庫投資は、本年度は輸入原材料の在庫、あるいは仕掛品、製品在庫、いずれも非常に伸びまして、四九・四%という伸びを示したのでありまするが、来年度はこれがやや減少するというふうに考えております。(「それはどこにあるのですか」と呼ぶ者あり)これは指標のバック・データで、こまかい数字になりまするので、補足資料でいずれ説明いたしたいと思います。  それから個人建設住宅の方は、来年度はやはり一五%伸びるというふうに考えております。従いまして、全体といたしまして、結局、分配国民所得の次の欄の民間資本形成という欄がございますが、ここにまあ総合的な推移と指標といたしまして、来年度は八・三%の伸びというふうに考えます。これに対しまして、本年度はここにありますように三九・三%でありまするので、相当民間資本形成も鈍化するというふうに策定しておるのであります。  次は個人消費支出でございますが、これは来年度におきましては七・五%の伸び、今年度はこれに対しまして九・四%というふうになっております。で、個人所得の伸びは今年度は一〇・六%というふうに考えられますが、来年は六・六%というふうに鈍化するものと考えられまして、一千億減税にもかかわりませず、可処分所得の伸びは少し下るというふうに考えられます。従いまして、全国の一人当りの消費水準は大体六%の上昇という程度にとどまるというふうに考えられます。これに人口なり物価というようなものを勘案いたしまして、個人消費支出の伸びを七・五%というふうに一応策定いたしました。なお平均の消費性向は、今年度は八二・二というふうに考えております。これに対しまして、来年度はやや低下いたしまして八二くらいになるというふうに考えております。  以上が内外の需要面の問題でございます。これに見合いまする供給面でございまするが、供給面につきましては、まず鉱工業生産の水準の問題でございます。これは昭和九年ないし十一年をベースといたしまして、三十一年度は二二七・一という生産水準でありました。これに対しまして来年度は二五五。五というふうに約一二・五%の伸びというふうに考えております。しかしながら、今年度は御承知のように二一%というふうな大幅な伸びを示しておりますので、この鉱工業生産性の伸びもやや鈍化するというふうに考えます。で、おもな商品といたしまして、たとえば石炭につきましては来年度五千二百万トンの生産、普通鋼鋼材九百十五万トン、セメントは千五百万トン、造船は竣工ベースで二百二十万トンというふうな増産を見込んでおります。電力は発電端の供給におきまして七百一億二千七百万キロワット・アワーというふうに一応考えております。  次に農林水産生産水準でございますが、これはまず農業におきましては平年作ということを一応前提として考えざるを得ませんので、二十五年ないし七年を基準といたしまして一一九・三という指数になります。林産は一一〇・二、水産は一三五・四、全体を総合いたしまして、ここにありまするように結局一一九・三、これは昭和二十五年ないし二十七年をベースとしてそういう格好になるのであります。従いまして大体三十一年度に対しましてはほとんど横ばいというふうに考えておるのであります。「今の数字はどこですか」と呼ぶ者あり)今の数字は、鉱工業生産の次の農林水産水準につきまして申し上げたのでありますが、その内訳につきましてはこの一覧表には出ておりません。いずれ詳細な資料を必要に応じまして御説明いたしたいと思います。  それから次に輸入でございますが、輸入は、国際収支の欄にございまするように、為替ベースにおきまして三十二億ドル、通関ベースにおきましては三十八億三千万ドル、月平均で約三億一千九百万ドルということになりまして、やはりこれも輸出と同様に、今年度に対しまして一四%増加するというふうに考えております。で、この輸入の見方につきましては、大体策定の根拠といたしまして、三十一年度中の鉱工業の原材料の輸入、これを約二十四億四千万ドルというふうに押えまして、これに対しまして三十二年度の生産の上昇に見合いまする輸入の増加率、これを大体一三%と押えまして、これに輸入単価の値上りの平均約五%というふうな関係を織り込みました計算と、それに加えまして、鉱工業原材料以外の食料品その他の完成品、あるいは資本財というふうなものの輸入を含めまして、必要な輸入量を策定したのでございます。これらに貿易外収支等を計算いたしまして、結局国際収支のバランスといたしましては、形式収支におきましては、ユーザンスその他、来年度は余剰農産物を一応考えておりませんので、ユーザンスその他の調整項目を差し引きまして、形式収支にあきましてはトントン、今年度は形式収支におきましては六千万ドルの黒字ということでございます。実質収支におきましては今年度は約八千万ドルの赤字、来年度は約五千万ドルの赤字というふうに考えたのでございます。  最後に雇用の面でございます。総人口は約〇・九%の増加ということで、九千百万人というふうに考えております。資料は経済指標の一番上の欄に総人口と出ております。それから労働力人口は、十四才以上の生産年令人口が約六千四百二十三万人、約百三十万人増加するものと考えます。これに対しまして、その中の労働力人口というものは四千三百九十四万人と、大体三十一年度に対しまして八十九万人ばかり労働力人口が増加するものと予想しております。しかし一方、就業者数におきましても四千三百三十四万人というふうな数字になりまして、この八十九万人の労働力人口の増加が大体就業者数字において吸収可能である、こういうふうに一応考えておるのであります。  なお物価につきましては、まん中辺に卸売物価とCPIとございますが、卸売物価は今年度はこれは年度平均でございまして、年度平均におきまして、昨年度に対しまして約六%の上昇、来年度は年度平均の比較におきまして二・六%、やや上昇する。それからCPIの方におきましては、ほとんど安定しておりまして、今年度はわずかに一・二%の上昇、来年度は年度平均で〇・四%というふうに、大体横ばい、こういうふうに一応予想いたしたのであります。  以上大へん簡単でございまするが、経済計画の概略につきまして御報告申し上げました。

苫米地義三自由民主党

○委員長(苫米地義三君) これをもちまして、大蔵大臣の提案理由の説明並びに関連各政府委員の説明は終りました。  本日はこれをもちまして閉会といたします。    午後六時三十六分散会

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