本会議 第9号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/02/27
会議録
○議長(松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。 この際、お諮りいたします。井上知治君から、病気のため九日間、請暇の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって許可することに決しました。 —————・—————
○議長(松野鶴平君) 日程第一、国務大臣の演説に関する件。 内閣総理大臣から、所信について発言を求められております。これより発言を許します。岸内閣総理大臣。 〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕
○国務大臣(岸信介君) 私は、去る二月四日、内閣総理大臣臨時代理として、この壇上におきまして、石橋内閣の施政の方針を申し述べたのであります。当時、病気静養中でありました石橋前首相は、今回、その政治的信念に従われまして、辞意を表明されたのであります。その結果、はからずも不肖私が国会の指名により、内閣総理大臣の重責をになうことになりました。 私は、その責任の重かつ大なることを痛感するものであります。しかし、指名を受けました以上、私としては全力を尽してこの大任に当るかたい覚悟と決意を有するものであります。 新内閣におきましては、石橋内閣の施政の方針を継承するものであります。(拍手)ことに、昭和三十二年度予算案につき、ましては、政府はこれを引き継ぎ、責任をもってその実施に当りたいと考えております。(拍手)この予算案が、国民経済と国民生活に重大な影響を持つものであることに思いをいたされまして、引き続き審議を継続し、一日もすみやかに成立するよう御協力あらんことをお願いいたす次第であります。(拍手) 私はまた、石橋前首相と同じく、何よりもまず国会運営の正常化に寄与したいと存ずるのであります。各党間におきまして、できるだけ多く話し合いの場を作り、もって国会の運営を民主主義の原則に従って円滑に行うことは、国会に対する国民の信頼を高めるゆえんでありまして、また、国民がひとしく期待するところであります。(拍手) 今や、わが国は、経済自立の基盤を整え、また、国際連合に加入して、その国際的役割に重きを加え、ここに新日本を建設し、世界の平和に寄与する歴史的段階に立つに至ったのであります。今こそ国民は、民族的団結を固め、自信と希望をもって立ち上るべきであります。とりわけ私は、わが国の将来をになう青年諸君が、真に国家建設の理想に燃え、純真な情熱を傾けて、その使命を達成されるよう、切に奮起を望みたいのであります。また私は、国民の福祉と繁栄をはかるとともに、政治に清新はつらつとした機運を作り上げたいと思うものであります。(拍手) 私は、国民大衆の理解と納得の上に立つ政治こそ、民主政治の正しい姿であると信じますがゆえに、常に国民大衆と相携えて、民族の発展と世界平和への貢献を期したいと念願してやまないものであります。 ここに所信を申し述べて、各位の御支援をお願いする次第であります。(拍手)
○議長(松野鶴平君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございますが、この際、暫時休憩いたします。 午後一時四十二分休憩 —————・————— 午後三時二十二分開議
○議長(松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。 休憩前の国務大臣の演説に対し、これより質疑を許します。荒太正三郎君。 〔荒木正三郎君登壇、拍手〕
○荒木正三郎君 私は日本社会党を代表いたしまして、岸総理の所信表明に対し、若干の質問をいたしたいと存じます。 第一の問題は、政権移動に対する岸内閣の見解についてであります。社会党は、一昨日、党声明を発表いたしまして、われわれの見解を明らかにいたしておるのでありまするが、その眼目とするところは、岸内閣は選挙管理内閣である、すみやかに国会を解散して信を国民に問うべきである、このように申しておるのであります。政権の移動は、総選挙によって国民の総意に基いて決せられなければならない、このことは民主政治の原則であります。このきわめて明白な事柄が、保守党内閣によってじゅうりんされてきたことは、われわれの最も遺憾とするところであります。(拍手) 岸総理は、新聞記者会見において、同じ政党で首班が変るとか、あるいはこのたびのように首相が病気でやめられ、次の内閣が延長内閣としてやる場合は、解散することは適当でないと言っておられるのであります。われわれの納得しがたい手前勝手な議論と言わなければなりません。なぜならば、現在の国会は、昭和三十年二月第一次鳩山内閣のもとに行われた総選挙によって選ばれた議員で構成されているのであります。その当時は、社会党も左右両派に分れ、保守党も民主党と自由党に分れていたのであります。ところが、その年の十月に日本社会党がまず統一し、続いて十一月に保守党が合同して自由民主党ができたのであります。その結果、第二次鳩山内閣が組織されたのであります。ここに二大政党対立という政界の再編成が行われたのであります。かように政党の構成に大きな変化を起したのであります。そのために内閣が変ったのでありまするから、このときにすでに解散を断行しなければならないはずであったのであります。(拍手) しかるに、保守党は政権を維持するために、解散を回避して、鳩山内閣から石橋内閣へ、石橋内閣から岸内閣へと政権のたらい回しを行い、今日に至ったのであります。しかも政権のたらい回しの裏には、保守党の永久政権の野望が隠されているということは、二十四国会における小選挙区法案を見ても明らかなことであります。(拍手)この際、特に岸総理の注意を喚起したいのは、自由民主党は選挙の後にできた政党であるということであります。国民の審判を直接受けていない政党であるということであります。内閣が交代した今日、過去のあやまちを清算して国会を解散し、民意に問う最もよい機会であると思うのでありまするが、岸総理の所信を明らかにせられたいのであります。 第二点は、所信表明において、岸内閣は前内閣の施政方針を継承することを明らかにいたしております。特に、昭和三十二年度予算審議については、われわれに協力を要請しているのであります。社会党においても、予算案の審議を拒否するという態度をきめているわけではございません。われわれが国会の解散を要求をしているのは、政権のたらい回しに反対しているからであります。岸内閣が石橋内閣の延長であり、暫定的な内閣であるという自覚に立って、前内閣の跡始末が終れば、国会を解散して出直すのであるということが、はっきりと言明されれば、社会党としても、十分考慮することができるところであります。しかるに岸総理は、予算は通してもらいたい、あとは居すわりを続けるのだ、こういう態度をとっておるのであります。私は憲政の常道はいずこにありやと疑わざるを得ないのであります。(拍手) 日本社会党はこの国会に臨むに当って、特に予算審議に重点を置き、予算審議を通じて保守、革新の政策を対決せしめながら、しかも、実行可能な、保守党といえども道理の前には屈服せざるを得ない修正動議を提出して戦うという方針を決定しているのであります。われわれには、予算審議の態勢は十分できているのであります。しかるに岸内閣は、予算審議に名をかりて、憲政の常道をじゅうりんしようとしているところに問題があるのであります。(拍手)予算審議に協力を要請している岸内閣は、予算案成立後には国会解散の意思があるのかどうか、これは今後の国会の運営の上において重大な関係があると思いますので、岸総理の明確な答弁を求めたいのであります。 第三点は、国会運営の正常化の問題であります。国会の正常なる運営をはかることは、二大政党下、わが党においても、きわめて重要な問題として真剣に考慮しているところであります。鳩山内閣当時、この問題について両党首会談が行われたことは皆さんも御承知の通りであります。岸内閣が国会正常化の問題に熱意を示されていることは、われわれもまた感を同じくするところであります。しかし問題は、いかにして国会の正常化をはかるかという具体的な問題にあると私は信ずるのであります。そこで、この際国会正常化に関して、最も基本的な問題として二つの点について岸総理の所見を伺っておきたいと思うのであります。 国会の正常なる運営をはかるその根本は、何と申しても政権移動のルールを確立することが必要であると思うのであります。この政権移動のルールを無視して国会運営の正常化をはかろうとすることは、全くナンセンスであるということであります。(拍手)政権の移動は、民意によって決するということがお互いに確認され、実行されなければならないということであります。岸総理は、このことを認めるかどうか、まず明らかにせられたいのであります。 もう一つの問題は、共通の広場を持つということであります。岸総理は、各党間においてできるだけ多く話し合いの場を作りたいと言っておられるのでありますが、これもよいことには違いないが、さらに重要なことは、共通の広場をどこに求めるかという問題であります。われわれの見解では、国の大木を決定している憲法こそ、保守革新共通の広場でなければならないという考えを持っておるのであります。岸総理は、国連憲章を尊重するということはよく言われまするけれども、日本国憲法を尊重するということは、私はあまり聞かないのであります。(拍手)日本国憲法こそ、保守革新共通の広場であるというわれわれの見解に対して、総理は同意せられるかどうか、明らかにせられたいのであります。 第四点は、政党政治のもとでは、内閣の首班と政党の党首とは一体であるということは、われわれの常識であります。しかるに岸総理は、内閣の首班に推されたけれども、自民党の総裁には指名されておらないのであります。これでは政党の責任態勢ができておらないことを示すものであって、政局不安をみずから招くものと言わなければなりません。自民党は、現に政権を取っている政党であります。総理を指名する前に、党首を決定する用意があってしかるべきものと私は考えるのであります。現在は、自民党総裁は石橋湛山君であります。石橋総裁が病気回復した場合でも、次期総裁は、岸総理に約束されているのかどうか、岸総裁の保証はどこにあるのか、政党の責任態勢の上から、きわめて重要な問題であると考えますので、この点を明らかにせられたいのであります。 最後にお尋ねいたしたい点は、岸総理は、東条内閣の当時、閣僚として宣戦の詔勅に署名し、戦争の遂行と指導に大きな役割を果した人であります。保守党の歴代内閣の首班で、戦争に積極的な協力をした人は、岸総理が初めてではないかと私は思うのであります。(拍手)私は、岸総理は十分なる反省があってしかるべきものであると考える次第であります。特に岸総理は、自民党内にあって積極的な平和憲法改正論者であるということは周知の事実であります。もし、総理にして憲法を軽視するという気持があるならば、きわめて重大なことであります。私はこの際、過去の反省の上に立って、この際総理の所信を表明されることを強く要請する次第であります。 以上、所信表明に対する岸総理に対する質問をいたしまして、一応終ることにいたします。(拍手) 〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕
○国務大臣(岸信介君) 荒木君の質問に対しましてお答え申し上げます。 第一は、解散に関する私の考えでありますが、私は、政権が移動すると申しましても、そのときどきの実情を十分考えなきゃならんと思います。今回、石橋前総理が辞表を出され、石橋内閣が総辞職したことは、一に前首相の健康上の理由でありまして、何ら政策的に行き詰まった問題でもありませんし、私はこういう場合において、形式的に、いつでも内閣が変れば、解散して民意を問うべしという議論はとらないものであります。(拍手)私が所信のうちにもはっきり申し上げましたように、岸内閣の施政の方針は、石橋内閣の方針を継承して行くということを明確に申し上げております。 予算につきましても、予算が成立すればやめるかという、解散するかというようなお話もありましたが、私は所信の中で、予算というものは、これを実施するところの責任が政府にあると思っております。従って、その意味におきまして、予算が成立すればすぐ解散するというようなことは、今考えておりません。 国会運営の正常化の問題につきましては、いろいろ御議論がございましたが、政権移動の問題につきましては、今御答弁申し上げた通りであります。 次の、共通の広場の点でございますが、憲法を尊重するということは、これは当然の日本国民の義務であり、私もその点においては、あえて人後に落つるものではございません。しかし私は、自主憲法を作るという考えを持っております。それはちょうど憲法擁護論者と同じように、これは、私は憲法に対して改正論があるのは、これは各人の自由であって、しかし、国民の大多数の意思でなければ、憲法は、いかに個人が改正論を持っておりましても、実現はできないのであります。私はそういう意味において、私が、従来憲法につきまして、自主憲法制定論者であるということは御指摘の通りでありますが、それは、ちっとも日本憲法に対する尊重の念を私は傷けるものではないと思っております。(拍手) 首相と総裁の問題につきましては、総裁の公選につきましては、これは、自由民主党の党則の問題でございまして、手続上、首相と総裁とが一時的に離れておるというだけでありまして、石橋前首相は、首相を辞任せられると同時に総裁も辞任せられておるのであります。次の総裁が選任されるまで私は総裁の事務を代行しているわけであります。 最後の、私の戦時中における責任及びこれに対する政治家としての私の考えを御質問でございましたが、私は当時のことに対しましては、厳粛な反省をいたしまして、今日は、民主主義に徹したる政治家として日本の再建に努力いたしたいと考えております。(拍手)
○議長(松野鶴平君) これにて質疑の通告者の発言は、終了いたしました。質疑は、終了したものと認めます。 本日の議事日程は、これにて終了いたしました。 次会の議事日程は、決定次第公報をもって御通知いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十五分散会 —————・————— ○本日の会議に付した案件 一、請暇の件 一、日程第一 国務大臣の演説に関する件