P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
26回国会参議院1957/04/22

文教委員会 第22号

発言数
90
登壇者
7
会派数
1
開催日
1957/04/22

会議録

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) これより文教委員会を開会いたします。  まず委員の異動について御報告いたします。四月十九日新谷寅三郎君、手島栄君、三木與吉郎君が辞任され、補欠として三浦義男君、近藤鶴代君、大野木秀次郎君が選任されました。先刻委員長及び理事打合会を開きましたので、その経過について報告いたします。かねて検討を加えて参りました委員会提出法律案のうち、学校給食に関する件については今週中に態度を決定することになりました。また実習助手及び養護助教諭、寮母の身分の確立に関する件についても社会党から提案がありましたので、本件も検討を行うことになりました。以上であります。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 大分県及び佐賀県における教職員の人事行政に関する件を議題といたします。  なおつけ加えておきますが、現在政府委員として自治庁の小林財政部長、人事院の松村事務総局任用局長、説明員として文部省初中局木田地方課長が出席しております。それでは質疑のある方は順次御発言を願います。  なおつけ加えますが、法制局第二部長の岸田君も見えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 教員定数問題につきましては、本委員会においては再三再四重要問題として取り上げた問題でありますが、本日なお解決するに至っておりませんので、当委員会としてきわめて重要な調査審議対象と考える次第でございます。  第二十四国会で成立いたしましたいわゆる新しい教育委員会法運用下におきまして、この教員定数の問題からいろいろと義務教育界の末端に事件が起っております。その具体的な問題として大分、佐賀の問題が起っておるわけでございますが、大分は自主再建団体であり、佐賀県は法に基く再建団体でございます。この再建計画と義務教育水準の維持との関連並びにいわゆる新しい教育委員会法運用下における人事行政の適否等の重要な問題を含んでいると考える次第でございます。現実問題として大分県におきましては、新学期の始業式が一週間おくれるという事態が起るとともに、地公法二十八条によるところの強制退職者発動が十三名になされまして、大分県教育界は現在相当混乱しておる現状でございます。また佐賀県におきましては、この再建計画に対しましての教職員の抗議集会が問題として取り上げられ、地公法二十九条にまって十一名の教職員が停職処分にされて、これまた佐賀県民のきわめて重大関心を呼んでいるところの問題に発展いたしておる次第でございまして、この際に私はこれら問題について、政府関係者に質疑を展開いたしたいと思う次第でございます。質問を始めるに当りまして、文部大臣並びに政務次官ともに国会開会中東京を留守にしておるということにつきましては遺憾の意を表しておきます。従って文部大臣に対する質疑並びに文部大臣の答弁は次回の文教委員会に保留させていただきたいと思います。  そこで具体的にお伺いいたしますが、まず地公法二十八条の一の四に「過員を生じた場合」とありますが、「過員を生じた場合」とはどういう場合で、いかように認定するのか、まず岸田法制局部長にお伺いをいたしたいと思います。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) お答えいたします。「過員を生じた場合」というのは、文字通りこの上にあります定数の改廃あるいは予算の減少によりまして、従前の人数を確保することが困難になり、若干のものを整理しなければならないような状態になったということを意味するものと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 「過員を生じた場合」というのは、過員というものを認定するためには定数条例というものが必要ではございませんか。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) 教員の場合でありますと、法律上は県におきまして定数を定めなければならないという建前になっております。定数を定める必要は法律上あるのだろうと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この「過員を生じた場合」の解釈につきまして人事院の松村局長に伺いたいと思います。

松村清之人事院事務総局任用局長

○政府委員(松村清之君) 人事院といたしましては地方公務員法の所管でございませんので、これにつきましてお答えすることは適当でないかと思いますが、国家公務員法にも七十八条に「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」と同じような規定があるわけでございますが、これはただいま法制局の方からお答えがございましたように、国には定員法がございまして各省庁の定員がきまっております。その定員をこえる部分につきましてこれをまあ過員というふうに解しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部省の所管課長に伺いますが、いわゆる新しい教育委員会法四十一条に基いて都道府県には教員の定数条例というものを置かなければならないということになっておりますが、定数条例がないということは、これは違法ではないか、どうです。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) 各都道府県におきまして、県費負担教職員についての定数条例を作るべきことは法の要請してあるところでございます。これは地方教育行政の組織及び運営に関する法律の制定以前、教育委員会法のとき以来そういうことで運営されているのでございますが、県費負担教職員につきまして一部の県にはいまだ制定されていない状態がございます。これは条例を制定すべき責任がある都道府県としては法の規定に沿ってないものだと、こういうふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 二十八条の一の四は、職制もしくは定数の改廃一本、予算の減少による廃職一本、または過員を生じた場合、この三つの並列と解釈されるわけです。先ほど法制局並びに人事院の答弁から申しましても、過員を生じた場合、過員があったということを認定するためには、まあ今教職員の場合に限定して伺いますが、法の四十一条によって定数条例を設けなければならぬことになっているわけですが、過員を生じた場合を認定するに当っては、その定数条例に照らして過員が生じたということを認定されるものと考えますが、岸田部長並びに自治庁の小林財政部長の御見解を承わりたい。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) 二十八条の第一項第四号には「職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」とございまして、職制または定数の改廃、または予算の減少によって廃職あるいは過員を生じた場合、こういうふうに読むべきものではないかと存じます。従いまして過員を生ずる原因は定数の改廃または予算の減少によって過員を生じた場合、こういうふうに書いてあると思います。

小林與三次自治庁財政部長

○政府委員(小林與三次君) ただいま法制局の方から御答弁がありました通りにわれわれも解釈いたしております。それでさっき矢嶋委員がおっしゃいましたのとちょっと感じが違いまして、定数または予算の減少がその理由であって、そのあとで、廃職または過員を生ずる。廃職または過員の減員か、職制もしくは定数の改廃か、または予算の減少か、この二つのうちいずれかだと、こういうふうに解釈しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それではかりに予算の減少による過員を生じたということになるならば、たとえば整理する場合、高給者が多い場合には予算から過員とくるわけですから、高給者が多い場合にはその人数が少くなりますね。低給者が多い場合には人数が多くなってきましょう。だから何名過員ということは確認しがたいのではありませんか、いかがですか、岸田部長。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) 定数を定めてあります場合と比較いたしますと、予算の減少に伴う過員を生じた場合ということの認定ははっきりいたさないと思います。しかし法律では予算の減少により過員を生じたという場合を規定しておるのでございまして、予算が減少したためにいかほどの過員が出るということの認定権は、一応その責任の衝にある者が判断するということを建前にしておるのだと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部省の木田課長に伺いますが、具体的に伺いますが、大分県の場合に、いわゆる新しい教育委員会法の四十一条によって定数条例を持たなければならないのに持っていなかったということは、これは法に反するものである、この点どうですか。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) 先ほどお答え申し上げました通り、法の要請を県として満たしておらないと考えます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に、これはまた具体的に伺いますが、大分県の場合は、御承知と思いますが、常に二百八十七という数字が出ておる。この二百八十七を整理できればいいという立場で話し合いがずっと進められていっておって、予算の減少によって俸給幾らの者が何名で、幾らの者が何名なければならぬという、そういう関連づけた立場からの二百八十七という数字を把握されていないところに、この予算の減少により過員を生じた場合というこの項の適用に若干私は不明確な点があるのではないか、かようにほとんど私は断定されると思いますが、あなたは今まで調査されたところではどういう見解を持っておられますか。答弁次第ではさらに追及いたします。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) ただいまの点でございますけれども、予算の減少による過員ということの判定は、岸田部長からもお答えがありましたように、その予算執行の責任者の方におきまして判断すべきところかと考えておるのでございます。大分県の場合には、この予算の積算基礎になっております人員数におきまして三十一年度の積算人員と三十二年度の予算の積算人員との差が今御指摘のありましたような二百八十七名という差になっておると聞いておるのでございます。一応予算の総額を算出いたします場合に、この積算基礎というものが尊重されなければならぬというところから、当局側といたしまして、この予算に示されました積算数というものを、この場合の判定の基にしたのだというふうに考えておる次

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 岸田部長に伺いますが、私は地公法の二十八条等の発動というものは人事行政をやる場合にはみだりに発動すべきものではなくて、話し合いで問題を進めていくべきものと考えますが、万やむを得ずこれを発動してやる場合には、法律的に寸分の疑点がないかを明確にして私はやらなくちゃならぬものだと思うのです。で、定数条例があれば過員というものがはっきり確認できると思いますね。ところが、その法に基く定数条例がなくては過員の数をつかむことは、どういう程度の俸給を受けている人か、安いかによって数というものが動く、この解釈はどうですか。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) おっしゃる点、確かにそういう点もあると思いますけれども、かりに定数を定める場合におきましても、普通の場合に、やはりその定数を定める基礎になるのは、予算が中心になるものだと思います。予算がもし減少になりましたならば、これに応じて定数の条例を変更して定数を減らすということになるのですが、その場合におきましては、やはり予算上の減少とにらみ合して定数を減らすということになるのでございまして、根本的にはやはり何名のものを減らすべきであるかということは、その予算なり、あるいは人事を扱っている責任の衝に当る者の認定権にまかせられているというのが法律の建前だろうと思うのでございます。従って、予算の減少のみによって過員が生じたとして二十八条を発動することは定数を定める場合よりはやや形式的にはっきりいたしませんから望ましくないことだろうと思います。従って、現実に法律では定数を定めるようになっているわけでございますが、しかし法律上では「定数の改廃又は予算の減少により」とありますのですから、予算の減少によって多少その認定が外部から見てはっきりはいたしませんけれども、それによってやるということは法律上の一つの、何といいますか、おかしな行為であるとは認められないと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 一応その点はそこにとどめておいて、次に進んで参ります。  人事院の松村局長に伺いますが、地公法十三条に「社会的身分」によって云云ということがあるわけです。これは国家公務員法の場合にもあることなんですが、「社会的身分」というものはどういうことを意味しますか。これではちょっと伺ってよくわからぬと思いますが、具体的に伺いますが、たとえば学校の校長、教員、小使というものは社会的身分の概念の中に入るか入らないか、その見解を承わりたいと思います。

松村清之人事院事務総局任用局長

○政府委員(松村清之君) この「社会的身分」という言葉は仰せのごとく公務員法の二十七条にあるわけでございますが、これはこのすぐ下に出てきます「門地」という言葉とも関連しますのですが、非常にこの観念が実は不明確なわけでございます。それで一部では昔のような華族とか士族とか平民、こういったものをさす、こういうふうにも言っておりますが、これはむしろ門地の方に入るだろうと解したいわけですが、また、ある解釈としましては、社会生活において生ずる身分、こういうふうに解釈しまして、労働者とか農民とか学生、こういうふうなものに解する向きもございます。それで非常に社会的身分の観念、実は不明確なんでございますが、仰せのような例の場合には、これを社会的身分に……、それはちょっと今の御質問が、そういった御質問に対します考え方といたしましては、社会的身分というものに入らないのではなかろうかと、こういうふうに考えるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 これは非常にデリケートですが、その点は私はあなたと見解が違います。法に基いて、校長、教員、小使というものはそれぞれ扱い方に相当の差がありますし、またこの責任の度合い等も違います。また、こちらは監督権があり、一方は監督されるというような立場にあります。私は常識で考えても、校長、教員、小使というものは社会的身分に差がある、社会的身分の概念に入る、教育人事を考える場合には、かように私は解釈すべきものと考えます。あなたみずから認められておるように、非常に微妙な解釈がありますが、その点私は意見が違う点を指摘して、次に質問を進めたいと思います。  次に、岸田法制局部長に伺いますが、地公法二十八条を発動して整理する場合の基準というものは、どういう心がけで設けなければならないかということですね。もう少し具体的に申しますれば、過員を整理するに当っては、何らか基準というものが、しかもそれは公正なるものでなければ地公法十三条に反してくると思うのですね。そういう場合に、その基準をこしらえるに当っては、基本的にどういう注意を払わなくちゃならぬかということですね。法律的立場からお答え願いたいと思います。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) ただいまの御質問は、法律的立場からとおっしゃいますが、主としてそういう場合の基準を立てます場合には、人事運営上の種々の要請を根拠にして基準を定めなくちゃならないものだと存じますが、法律上の要請といたしましては、もちろんただいまおっしゃいましたように、それが客観的に見て、公正であり、妥当であるものでなければならないと思います一

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 かような基準というものは条例とする必要があるかないか、その点はいかがですか。この点については自治庁の行政部長に伺いたいのですが、行政部長、一つ急いで呼んで下さい。一応岸田部長の見解を承わります。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) 現在の、現行法上は条例でそれを定めなくちゃならないという規定はございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いますが、地公法二十八条を発動する場合の適用者をピック・アップする基準に、かりに共かせぎ公務員で、二人合せて四万五千円以上の月収があれば、退職しない場合は地公法二十八条で整理すると、かように公務員に臨んでいくことは地公法十三条に背反すると考えますか、背反しないと考えますか。要素は共かせぎかということ、二人合せて四万五千円というような条件がついて、そうして働きかけていくわけですか。それに対して応じない場合には地公法二十八条を発動すると、こういうことは地公法十三条の公平の原則にもとるのではないか、これはかなり明確ではないかと思うのですが、それは法的にどういう解釈を下されますか。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) 地公法の十三条は一社会的身分その他あらゆる問題につきまして平等に扱わなくちゃならぬということが書いてありますが、その本旨とするところは、全然機械的に平等でなくちゃならぬという趣旨ではもちろんないのでありまして、それが社会的に一般通念から見て合理的な差別であれば、これはもちろんこの平等の原則に反するものではないのでございます。ただいま具体的におっしゃいました事例につきまして、実は今すぐ私の意見を述べろと言われますけれども、ちょっとまとまらないのでございますけれども、人員整理を行います場合には、いろいろの要素を人事行政の責任者としては考えなくちゃならないでありましょうし、現在の社会の実情から言いますならば、教員になっておられる方々の一般の生活問題というものも相当にまだ底が浅い状態にもあるでございましょうから、そういう点を考えまして、多少でもゆとりのある人にこの際勇退をしてもらい、それは全体の先生の生活問題等を考慮に入れて、そうすることが今日の場合妥当ではないかという判断でやられたのであれば、これは直ちに十三条違反の、平等の原則違反のものであると断定はいたしかねると思うのでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その岸田部長の見解は法律家としては僕はおかしいと思う。公務員なりあるいは国民の生活がどうだこうだということと、性別差をつけるつけないというようなことは、これは私は別問題だと思うんですよ。少し行政官的な、法律学者じゃなくして、行政官的な要素をもってあなたはお答えされておると思う。少しその点おかしいと思うのですが、もう少し私具体的に伺いましょう。たとえば男子の公務員は五十二才以上ですね、それが一つ項目があって、次に今度は四十七才以上の男女と、こういうような基準があったとする、かりに。そこに性別というものが出てきておると認定されますね。こういう場合があったら地公法十三条の違反でしょう。もう一回申しますと、五十二才以上の男子という一つの基準がある、それから四十七才以上の男女という基準がもう一つある。ともかく男という字と女という活字がある。これはそこに明らかに性別差というものが出てきておる。考え方の中に性別差というものが入っておる。そういうことがあれば、これは地公法十三条に、性別差をつけてはならないという十三条に明らかに背反する。これはどうです。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) ただいま私の答弁が非常に行政官的な答弁をしたというお言葉ですけれども、元来この平等の原則に反しておるかどうかという判断は、これは法律的にぴしゃっと割り切って一線を画することができるような性質のものではないと思うのでございます。これはやはりその当時の社会の一般通念に照らして、それが妥当であるかどうであるかということによって判断するのでありまして、かりにこれを裁判所で判断いたします場合にも、やはりそういう観点から具体的な問題について具体的に判断をしていくよりしようがない問題であろうと思うのでございます。  次におっしゃいました五十二才以上の男子と、それから四十七才ですか、以上の男女という基準を書いてあるという点は、その表面外形的に見ますと、五十二才以上の男子というところに女子が入っていないのですから、むしろ男子の方に不利益なような基準かもわかりませんが、確かに男女の扱いを若干何か考慮しておるような要素があるように思われますけれども、そういう基準があったから直ちにそれは十三条違反になるかどうかということは、やはりこれは機械的に判断できない問題でございまして、その基準自体の内容が一般通念に照らして合理的であるかどうかという実体論に入ってそれを判断するほかはないのだろうと思います。私は実際の問題は知りませんから、今それだけで十三条違反になるのじゃないかというお尋ねでありましたならば、これはちょっとその実際がわかりませんから、どうともお答えできないというよりほかに仕方がないと思うのであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そういうあなたの見解は、性別差がつけられているかどうかということの認定は、その実態をよく把握されての行政官が認定することであり、もしそれが不当だとしてある機関に提訴されたならば、その機関において実態を調査されて最終的には認定されるべきもので、法律論として一律にノ一だ、イエスだという認定は下しがたい、こういう解釈でございます。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) そうでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 法制局並びに人事院、自治庁がおいでになっておりますので、それに関する質問をもう少し続けさせていただいて、文部省関係の質疑はあとにいたしたいと思います。  次に伺いたい点は、退職した人が退職者として発効するのはいつですか。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) それはその退職の辞令の出たときだと思います。すなわち退職する人にその発令が了知され得る状態に置かれたときだと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 繰り返して伺いますが、退職通知書が届いて了知されたその日か、あるいは退職許可書ですか、その辞令面に書いてある日付ですか、どちらですか。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) 依願免官の場合ですか。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そういう依願免官の場合です。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) 通常の場合は、その辞令面に書くべき日付というものは、その本人にその辞令が渡る、本人に了知され得る状態になる時期と一致すべき場合が普通だろうと思います。しかし依願免官退職の場合でありましたならば、本人の都合もいろいろあるでしょうしいたしますので、本人と、それから人事当局の側で意思が合致しておりましたならば、その日付がかりにさかのぼっておっても、もちろん、それはさかのぼった日付で有効に扱われるということもあり得ると思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 自治庁の行政部長来ていないんですが、一般基本論ですから私は人事院の任用局長に伺いたいと思うんですが、依願免の人の退職者としての事態が発生するのは、私は法律的にはその辞令の面に書いてある日付、それが退職の事態が発生するときだ、これは明確だと思うんですが、いかがですか。

松村清之人事院事務総局任用局長

○政府委員(松村清之君) 人事院といたしましては、先ほどの問題は二つに分けて考えなければならぬと思いますが、今御質問のありました本人の同意によって退職する場合—依願免の場合と思いますが、この場合におきましては、退職発令しました日の午前零時から退職の効果が出る、こういうふうに解しております。ただ先ほど法制局からもお話がありましたが、普通は退職しますときの日をもって日付を出しますが、場合によっては日付をさかのぼって出す、こういうようなまれな例もあるかと存じますが、普通の場合を考えますと、仰せのごとく、退職の日付のその日の零時から効力が出る、こういうふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 念のために具体例をもって伺いますが、かりに今矢嶋は公務員だとします。私はきょう四月一日付で退職願を出します。そうしますと、私の任命権者は四月一日付で退職発令をいたしました。そうしますと、私の退職の事態が発生し、私が定数から除かれるのは四月一日午前零時、かようになりますね。

松村清之人事院事務総局任用局長

○政府委員(松村清之君) 人事院ではそのように解釈いたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 岸田部長の見解はどうですか。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) さようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いますが、地公法の二十八条を発動して強制整理をする場合に、その整理された人が身分を失うのはいつですか。

松村清之人事院事務総局任用局長

○政府委員(松村清之君) この場合は本人の意に反して退職させる場合でございますので、人事院の解釈といたしましては、本人に不利益になる処分でございますので、先ほどこの点は法制局から御答弁のありました通り、本人にその通知が達したとき、あるいは達し得る状態になったとき、こういうふうに解釈いたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では具体的に四月十日に矢嶋を地公法二十八条で整理するということを任命権者が決定いたします。そうして書面を発送いたします。矢嶋が四月十五日にこれの書留郵便を受け取った、そうすれば、私の身分を喪失するのは、私が公務員としての権利を喪失するのは四月十五日、それを受け取ったとき、こういうことですか。私の任命権者が決定した四月十日、発送したそのときということでしょうか、どちらでしょうか。

松村清之人事院事務総局任用局長

○政府委員(松村清之君) その具体的な例の場合におきましては、その書留を受け取って、本人が退職させられるという事態を知り得る状態に達したとき、こういうふうに解釈しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 岸田部長、その見解と同じですか。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) さようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いますが、かりに私が意に反して免職される場合、過去にさかのぼってそういう処分ができるかどうか。もう少し具体的に申し上げますと、ここに甲なる公務員がおります。その甲なる公務員は公務員の義務と責任をずっと果してやっているわけですね。そうしてある期間きた場合に、その間に公務員は国民に対するサービスもしているわけですね。責任と義務を果しているわけです。その公務員に対して意に反して一カ月なり、あるいはニカ月なり前にさかのぼってこの公務員を免職する、すなわち公務員としての資格、持てる権限、そういうものを剥奪するということはできますかどうか、これは岸田法制局第二部長さん。

岸田實参事(第二部長)

○法制局参事(岸田實君) できないことです。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に承わりたい点は、午後財政部長再びおいでになるのは大へんでしょうから、この際簡単に伺います。財政部長に伺いたいのは、小学校、中学校の一学級の収容生徒の員数は法律で幾らになっているか、御存じでございましょうか。どういうふうに把握されておりますか、お答え願いたい。

小林與三次自治庁財政部長

○政府委員(小林與三次君) 法律で、つまり定数がきちっときまって動きのつかぬようなものとは私考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 行政官としては施行規則というものは守る義務があるでしょうか、ないでしょうか。

小林與三次自治庁財政部長

○政府委員(小林與三次君) 施行規則であれ何であれ、それは法令でございますから、それは守らなければならない。書いてある中身の趣旨に従って守るべきであろうと存じます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 最近教育界では教職員定数というものが教育水準の維持向上と密接な関係があり、最も重大な問題になっているわけです。再建整備法発足以来、再建団体における再建計画と、この教育予算との関係は、自治庁の所管部長であるあなたが御存じのように、最も重大な問題になっているわけなんです。これらが原因で、私はあえて本日質問をしなければならぬような事態が末端教育界に生じてきているわけです。そこで根本的なことを聞いたわけなんですが、学校教育法の施行規則の十八条並びに五十五条では、一学級の収容人員は五十人以下ということを標準とするということは明確に書かれているわけなんですね。これは当然私は守らなければならないことだと思うのです。また学校教育法の二十八条には、養護教諭は各学校に必ず置かなければならない、必置しなければならぬと学校教育法の二十八条に明記されております。この法律並びに施行規則は守られているか、守られていないか、文部省の木田課長、お答え願いたいと思います。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) 学校教育法の施行規則に御指摘のような条文がございまして、五十人以下を標準とするということになっておるのでございまするが、現在の実情といたしましては、五十人を上回わる学級がかなりあるということを承知いたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 養護教諭は各学校必置になっておりますか、なっておりませんか。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) 養護教諭は各学校必置ということには必ずしもなっておりません。経過規定で、あとに当分の間、置かないことができるという暫定上の措置が講ぜられておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 教職員の定員の問題は一学級に何人収容するかということに尽きるわけですね。都道府県によると、六十人以上のすし詰めにしておるところもある。これらの教育的立場からの論議は本日はしませんが、しかし少くとも文部省自体が認めておるように、あなた方が守らなければならぬ施行規則に反して学級編成が行われておるのです。この点、再建計画を審査し、そしてこれに承認を与え、それから自治体に指導と助言を与えておる自治庁当局としては、私はこれは守るべきことだと思うのですが、私の見解をもってあえて言うことを許していただくならば、これを守らないように自治庁は強い力をもって指導しておるとしか見えないふしぶしがあるわけでございます。この点、非常に遺憾に思いますが、小林財政部長の見解いかがでございますか。

小林與三次自治庁財政部長

○政府委員(小林與三次君) 施行規則に学級編成の基準が書いてあることは私も承知しております。これは標準でございますから、その通りでなくちゃいかぬ、こういう問題でも法律的にはないと思います。地方団体は先ほどお話の通り定数を条例できめる。標準はありますが、定数は具体的にそれぞれの県の条例できめたり、あるいは条例が事実上ないときはしようがないから、予算で定数基準をきめておるだろうと思います。そういう場合には、当然これは団体の財政力、その他によって事実上制約を受けるということはやむを得ないだろうと存ずるのでございます。そうした事実上の制約のない範囲においては、できるだけそうした標準に近づけるように努力することは、これまた当然の次第だろうと存じております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 法律あるいは規則に反した望ましくない行政に右にならいをするような指導は一つ御遠慮願って、法並びに施行規則を百パーセント守るような中央行政をやっていただきたい。また地方に対してはかような角度から助言と指導をすべきであるし、また私はしていただきたいと思う。そういうことをしないから、あるいは大分県とか、佐賀県とか、山形県とか、数県に非常に深刻な問題が起ってくるのです。かように違反しておるのをそのまま文部大臣が見送っておるという点については、相当これは問題がありますが、警告を発したかどうか、あるいは新しい教育委員会法によって措置要求をやったかどうか、この点はいずれ文部大臣の出席を仰いで質問することにいたします。そこで時間が延びましたから、内容面にわたった質疑はあとに回しまして、ここで一応文部省に伺いたい点は、大分の具体的な問題に限って、さっきの質問に関連して伺うのですが、私は大分教育界において、一週間始業式がおくれた、ずいぶん混乱状態にある、聞いてみますと、地公法二十八条の発動というものは、いまだわが国の教育界にないことだから、そういうことは発動しない、そうして再建計画にきめられた整理だけは教育委員会も努力するし、教組もそれには反対しないでいこうというような申し合せがあったのにもかかわらず、内容は詳しく申し上げませんが、おる時期に発動があった、背信行為、いや背信行為でない、こういうふうに事件が起っておるというのを聞いて、実は調査に行ったわけです。そうして私は教育委員会並びに知事は不在でありましたけれども、県側、あるいは教組側と話し、とにかく大分県の教育を平静にし、子供に悪影響がないように、一日も早く円満に県内的に処理してもらいたい。こういう立場で私は折衝しましたが、相当、そのときに各関係者動いておられた、ところが文部省は大分県の足立教職員課長を招致した一応これを聞いておきます。招致したのは事実ですね。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) 文部省の方でお呼びしたわけではございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは大分県の教職員課長が自発的に報告に来たということになるのですが、それはそれでよろしい、その結果、文部省は非常に激励をした、もし違法だとか、合法だとかいろいろ論議があって、人事委員会に提訴するようになるとか、法廷で争うようになったら、文部省は法廷費用まで考慮するという、かように言われたということが大分の合同新聞にそういう記事が出ておる、円満解決に努力しておったPTAとか、あるいは県側は非常に硬化して、そうして解決の目途が立たない事態になっておる。大分県教育委員会がとったのは合法である、あなたしっかりやりなさい、法廷費用まで場合によっては考慮しましょうと大分の合同新聞に載ったけれども、そういう助言と指導を文部省はやられたのですかどうですか、もしやられたとしたならば、これはきわめて重大な問題だと思うのですが、一応どの程度のあなたは意見を述べ、指導と助言をされたのか、責任ある答弁を私はここで求めたいと思います。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) 大分から、ちょっと日にちを正確に記憶いたしておりませんけれども、四月に入ってからだと思いますが、電報が参りまして、係員の派遣をお願いするという趣旨の電報が参りました。それから現在どういう状況になっておるかということにつきまして、いろいろと私どもからも電話で御連絡いたして、様子を聞き、私どもの方からも係員を派遣しようということになっておった際、足立課長が向うから飛行機でやってこられました。そこで初めて年度末から四月の初めにかけましての、県内の動きというものの内容を伺ったわけでございます。私どもといたしましては、予算の減少による過員ということの県の判断につきましては、先ほど岸田部長その他の方からもお話がありましたような線で、私自身の考えておりますことを、こういうふうに考えるというふうに、足立課長にお話を申し上げました。それ以外の点につきましては、今回の県のそういった措置等について、一応法律の規定の上からは、そういうふうに考えていくことができるであろうということを申し上げましたけれども、それ以外の点につきまして、ただいま御指摘がありましたような、提訴された場合の経費がどうのこうのということは、全然お話を申し上げておりません。実は私もその新聞を見ておりまして、非常に心外に思っているのでございます。先般、同じ名前でございますが、人が違った学校教育課長の足立課長さんが見えまして、これはこの問題で来られたのではございませんですが、その後の経過を伺いました際に、向うからあの新聞のやり方については、私どももそういうふうに伺ってきていないことでもあるし、県のわれわれとしても、了知しないという意味のお話が、向うから積極的にございました。ですからそういった点等につきましては、法廷闘争けっこうだから大いにやれとか、あるいはそれについて文部省が、経費をどうこうということは、全くお話をしておりません。私自身といたしましては、法律の運用誤まりなきを期したいということを考えておりまして、そういった法上の疑義についてお答えしたつもりでおります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この大分県に限らず、主として再建団体、さらには全国の教育界にプラスになるように、建設的な立場からの質疑は、後刻やりたいと思うのですが、松永委員も関連質問があるようでございますので、ここでもう言質疑をして、一応ここで打ち切りたいと思うのですが、それは、あなたは法の運用上差しつかえがなかった、かような意見を述べた、それを大分県教育委員会としては、非常に激励された、支持されたととって、そうして大分における地元の人の対立というものは激化して来ているわけです。それで、いかにこれを円満に解決するかという立場からの御意見を承わるのは、あなたにするのは無理だと思います。いずれ大臣にいたしますが、あなたはここで先ほどからの質疑を聞いておられたわけですが、承わりたい点は、ともかく大分の定数条例がなかった、そうして地公法二十八条を発動したということは、地方教育行政の組織並びに運営に関する法律の四十一条による条例がなかったという点は、この際不用意であった、これはあなたがさっき認められ、不用意であった。それから四月八日に発令したかもしれないが、依願免官の退職願いの日付は三月三十一日になっており、またそれの辞令の面は三月三十一日になっているわけですよ、退職者のは。希望退職した人が定数から外されたのは三月三十一日ですよ、先ほど明快に答弁があったように、もうそこで予算上からも条例はないのだから、過員というものは存在しない、過員ということはない事態になっているのですね、それを四月六日の午後六時になって、地公法二十八条の一の四を発動しているわけです。だから三月三十一日で過員がなくなっているのに四月六日に発動した、これは法的に成り立つでしょう。しかもさらに先ほどこの質疑応答で明快なように、その六日に発動した地公法二十八条の免職辞令の日付は一週間さかのぼって三月三十一日になっている。これは全部あなた運用上合法じゃないじゃないですか。それは先ほど人事院や法制局の部長の質疑で明瞭じゃないですか。これはあなたお認めになりますか、なりませんか。認めないということになれば、人事院とかあるいは法制局の部長の法解釈をあなたは否定するということになるわけです。まあ文部省においてあなたは所管課長で法の運用には責任を持っておられると思うのですが、この法の運用は全きを期していないという私は結論は先ほどの質疑応答から出ると思う。この質疑応答はあなたはよく聞かれておったわけですからその点お答え願いたいと思います。私はまあここで野党だが、建設的な質疑をやっていくのですが、一応事態を明確にするために、ここでそれだけのことを聞いておきたい。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) 大分県に現在まだ定数条例が作られていないということについては、私どもも当局側が法の規定を実行していないという意味におきまして非常に遺憾に思っておるのでございます。それで、まあこの点につきましては、定数条例をぜひ作らなければいけないという意味のことを担当の係の方に、これは二、三カ月も前になりますが、相当強く私自身申した記憶があるのでございます。実は新聞で今回の強制退職のことを知りましたときには定数条例が作られておるものとすら私自身は考えておったのでございます。その点は県の当局者側が法に定められた一応の措置をとっていないという意味で私自身も遺憾に思っております。  それから依願免の日付が三月三十一日であるということにつきましては、私も説明を聞きました。また足立教職員課長が見えました際に、四月六日の現在においてこの退職願、三月三十一日付の退職願が予定数に達しないから十三名について地公法の規定を運用するということになったという説明を聞きました。それで、その辞令の内容につきましては、三月三十一日付だという点について私は聞いておりません。むしろその通知を出す時まで、六日まで在職した予定で金券を同封した、こういう話を聞いたのでございます。金券を同封したと申しますのは、御承知だと思いまするけれども、県の当事者側は労働基準法の規定によりまして一カ月前の解雇予告をしない場合にはそれに一カ月の給料相当額というものを支払わなければならないという規定によりまして発令の日までの解雇予告手当で金券を同封したという説明を聞いておったものでございますから、辞令の方の日付につきましては三月三十一日であるということを実は今初めて伺った次第でございます。  そして先ほどのお話で、四月六日以降にもなお退職願が出て参りまして、その結果二百八十七名の予定数よりも退職者の総数は現在において上回っておるという話も足立課長が上京された際に聞きましたのでございますが、足立課長の説明によりますと、四月六日現在におきましては、そういうことで退職者の数が予算の定数に不足しておる、こういうことで処置をしたものであるということを聞いたのでございます。従いまして四月六日現在におきましてはなお予算上の過員があった、こういうふうに私も考えております。その後の退職願によりまして先ほど御説明がございましたように、その効果が遡及をして三月三十一日現在から発生するということになるといたしましても、処分を行いました当時におきましてはなお過員であったという事実があったものとその説明から了承しておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 大事なことをぼかしては困るのですよ。私はそれはあとの質疑に回したいと思っているのですが、ここで突っ込んでやりませんが、あなたが今言う四月六日の何時現在どうであった、こうであったというのは、これはあとほど伺いましょう。それは今の問題でないわけなんです。私は法的な立場からあなたに伺っているわけなんです。それはそのときあったかないか、それはさらに質問してみればわかるのですが、少くとも四月六日発動して強制整理された人が受け取ったのは早くて七日、あるいはおそければ八日でしょう。金券が入ったのを受け取ったのは。ところがその人の身分の衷失したのは三月三十一日付の日付になっている。それはそういうことはできないということは明確に答弁したでしょう、これは明快だと思う。それは法の運用上誤まっているじゃありませんか。それをあなたお認めになるかならないかということなんです。それから法律上三月三十一日で依願退職をやっておれば、発令したのだから、その依願退職の人はそのとき定員からはずされているんでしょう。大分の定員の教員数の中からはずされているんでしょう、身分衷失しているのだから。従ってそのときは予算から定員は超過はないわけなんです。それを六日になって機関で決定して、地公法二十八条を発動したということは予算上過員がないのに発動したということになるじゃありませんか、これは明快でしょう。明快じゃないですか。これはどうですか。念のために伺いますが、私が今述べている日付がいつ発動し、免職通知書と依願免職の退職願がいつになっているか、この矢嶋の言う三月三十一日というのが事実だとすれば、先ほどの質疑から私があなたに伺っているのは明快でしょう。その立場からお答え願いたい。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) 地方公務員法の二十八条によりまして、本人の意に反して処分をした効果は先ほど政府委員の方々から御答弁のありました通りと私も考えております。従いまして今御指摘のように、この文面の日付が三月三十一日になっておりましても、その効果は本人に了知し得べき状態に達したときというふうに私も考えます。しかし私が先ほど申し上げましたのは、県の当事者からの話によりまして、処分の通知をいたす日までとにかく在職したものとしての金券を同封したと、こういう説明を聞いておりました関係上、少くとも処分の発送日付でもってこの辞令が出ているものと私は了解をしておったのでございます。先ほどそのような意味で御答弁を申し上げました。それからこの依願免によります退職の効果が当事者の書面の日付によって、場合によってさかのぼって効果が発生するということは私も同様に存ずるものでございまするけれども、この処分をいたしました四月の六日現在におきましては現に在職している実数が予算の定数よりもこえておるという状態であったのでございまして、地方公務員法の二十八条を引用いたします場合には、その現在の現実によって処置をするほかはなかろう。かりにその後に至りまして、さかのぼって何らかの処分がある、退職発令があるといたしましても、処分当日現在におきまして、そういう方の条件を満たす状態にあったかないかということが御指摘の場合の問題点ではなかろうか、こういうふうに私は考えておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 自治庁の政府委員として、元行政部長もやられておったのですから、小林さんに伺いたいと思うのですが、さらに国家公務員を対象として主として取り扱われている人事院ではありますが、都道府県人事委員会に指導と助言をされるのでありますから、人事院の任用局長にも伺いたいと思うのですが、それは人事行政というのはむずかしいけれども、地公法の二十八条みたいな、ああいう強権を発動して、整理するという事態はできるだけこの人事行政は避けるべきじゃないか、できるだけ話し合いでやって、万々やむを得ない場合に、十分の検討、態勢を整えてやらなければ人事行政は混乱に陥るのではないか。こういう、私は基本的な考え方を伺いたいのです。大分の場合この整理に入った当初から、やめなかったならば地公法二十八条を発動するということを前から盛んに言いふらしておったわけですね。それから文部省の地方課も非常に強腰でやれやれとは言わなかったかもしれないが、そういう暗示みたいなものを、どうも最近の文部省の地方課というのは強硬方針を暗示し、また指導する傾向があると思う。それを大分県の教育委員会は受けて、当初から二十八条を発動する発動すると言って、威嚇してやっていったわけですが、その結果こういうことになったのであって、私は人事行政をやる場合の基本的な心がけというものを、若干反省しなければならぬ点があるのじゃないか。そういう点についてこの中央官庁においても適切なる指導と助言が必要なのではないか、かように考えるのですが、これに対するあなた方の御見解を伺っておきたいと思います。

小林與三次自治庁財政部長

○政府委員(小林與三次君) あまり責任は、ちょっと私も商売がわかっておりますので持ちかねるのですが、二十八条の具体的に起った事件に対する解釈問題が一つと、それから二十八条の運用の心組みの問題と両方私は現在のところあるのだと思います。具体的な問題につきましては、具体的な事実を基礎にして判断をするより仕方がありませんので、私はまあ差し控えたいと思います。  それからまたこれにつきましては、それぞれ公務員法上判定するそれぞれの組織機構が仕組まれておりますから、そこで責任ある判断を具体的の問題において下すものとわれわれは存じておるのでございます。  それから一般的に二十八条の規定を適用する心組みといたしましては、これはそもそもその意に反して解任をしたり、免職をしたりする事例でございまして、分限上、法律上許されているとは言いながら、公務員法の問題としては一番重大な問題であることは私は当然だろうと思います。公務員の身分自体を否定する規定でございますから、この規定の運用につきましてはもちろん十分慎重を期すべきものだろうと存じております。

松村清之人事院事務総局任用局長

○政府委員(松村清之君) 私も具体的事情は十分了知しておりませんですが、抽象的に申し上げますれば、ただいま矢嶋委員のお考えと全く同感でございまして、職員をその意に反してやめさせるということは重大なる事件でございまして、やはりでき得れば職員をやめさせる場合にもできるだけの協議をして、本人の同意を得てやめさせるようにすべきであり、最後の手段としてどうしても不可能な場合に、この条文を引用して免職処分に付すべきであろうという考えでございます。ただ地方のことに関しましては、人事院としましては指導、助言の権限もございませんので、特にどうという処置はとるわけには参りませんが、考え方としては全く同様に考えております。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) ただいまお二人の政府委員の方から御説明がございましたように、私どもといたしましても、一方的な整理というものを好んで用うべきものではないと考えております。そういう関係から、従来も教育委員会の当局といたしまして、こういった措置をとられることがほとんどなかったように私も考えておるのでございます。で、大分県におきましては、ことしになりましてかなり早くから今度の整理のことについていろいろと御心配のようでございまして、私どもも法律上の運用問題につきましては、私または私の部屋の係の者がいろいろと相談は、個別に話を伺っておったことは事実でございます。しかし、私の部屋全体といたしまして、過員があったときに二十八条で積極的に処置をとれ、こういう指示をいたしたことはございません。現に他の府県におきましても、人員の整理ということはかなり各方面で行われたわけでございます。大分におきましてこういうことになりましたのは、やむを得なかった特殊の事情であったと思うのでございまするし、また県の当事者の御説明によりましても、できるだけこれは避けたいということで相当時期を、始業の、新学期の開始を延ばしてまでも、できるだけ円満に努力をしたいという措置をとったという御説明を伺っておるような次第でございまして、県の当局といたしましても、これを進んで積極的に振りかざした、こういうふうには考えておらないのでございます。今後とも私ども、そういう心がまえでやはり法の運用は運用として指導しなければならぬと思いまするけれども、またそれを積極的に最初から振りかざすということでなく進むべきじゃないかというふうに考えておる次第でございます。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) ちょっと木田さんに聞くがね、十三名を四月六日にやったということですね、それであとで聞くところによれば、退職者がふえて過員どころではなくして余った。そうするというと、十三名という者が大分の県財政に絶大なる影響があると私は見ないし、少くとも教育行政をやっていく者がどのくらいあと退職者が出るかというくらいのことは見当もつくことで、われわれが全然その問題にタッチしなくて、これを今聞いただけでもどうも十三名を無理に切ったというふうにとれるわけですね。これは、こういう事態というものは謙虚に考えればこれは無理だった、よけい出てきたのだが、面子にとらわれることなくこういうことはあまりやるべきじゃないということで、あとで退職者が出てきているし、こういうものの指導についてはちょっと事情もわかるが、ちょっと無理だったなという点で、これは指導していけば、あまりけんかにはならぬけれども、文部省の方で何かやれやれというふうな印象的な新聞が出れば、必要以上の摩擦が出るというふうに考えられる。文部省がそういうふうにやっておるとは思われないが、そういう点、十三名無理に切ったという印象はあなたは持ちませんか、どうです。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) 県の当事者の御説明によりますと、なかなか退職願が出てこなくて、一日延ばし待ち、一日延ばしに待っていろいろと関係方面と折衝の上新学期の授業開始期との関係から、これ以上延ばせないということで措置をとったというふうに聞いたのであります。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 聞いておるのだが、結果論として……。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) これは県の当事者の見通しの問題が一つあったんじゃないかと思うのでございますけれども、この新学期を控えての一日延ばしの状況におきまして、まあ県の当事者が、六日の現在で十三名考えなければいかぬということを意識いたしましたのは、やはり新年度の予算として議決になりましたこの予算定数というものを念頭に置いて処置をしたことじゃないかというふうに考えるのでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは見通しという言葉が出たので、この点どういうふうに報告がきていますか、この際答えておいていただきたい。ということは、六日の日に、事務職員一名、校長、教職員十二名に対して、地方公務員法二十八条を発動したというふうに県教育委員会が発表した。そうして十七日になって、事務職員一名は、六日発のときに、大体見通しとしては、希望退職が出そうだというふうに思えたので、そういう見通しがあったのであれは発送してなかったと、こういうふうに発表しておる。新聞で見たんだが、その報告はあなたのところにきていますか。どうもこれは直接呼んで聞かなければわからないが、実におかしいことだと思うんだが、私は新聞を通じて見ただけなんですが、おそらくあなたのところへ報告がきていると思うんだが、どういうふうに報告がきていますか。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) 私ども、当初新聞で、矢嶋委員の御指摘のような事情を聞きました。さらに足立教職員課長が上京された際にもそういう説明を聞きました。ところが、その後になりまして、ただいまお話がありましたように、事務職員についての処分はしてなかった、こういう連絡を受けております。これは退職願がすでに出ておったので、係で押えて、上の方の発表者の教育委員会と事務当局の間に意思の疎通を欠いておったからだ、こういう御説明がございました。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) 速記を始めて。以上で、佐賀、大分に関する一通りの説明を聞き、これに対する質疑を行なったわけですが、本日は文部大臣、政務次官も不在でありまするので、この質疑は次回に回して、以上でとどめたいと思います。   —————————————

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) なお、湯山君の方から、奈良県に発生した問題について、質疑が二、三ありまするので、それを許します。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ただいま委員長から概略御説明がありました件について、文部省にお尋ねいたしたいと思います。  昨年の八月の十四日に、奈良県の榛原中学校で花火大会がありまして、その際、上田という教諭が、おそくなりましたので、別に無理に生徒を引きとめるとか、あるいは泊るように勧めたということではなくて、おそくなって、地理的な関係等もあって、家庭の方の了解を得て、五名の女生徒を宿直室に宿泊せしめた。この件について、去る二月九日の奈良日新聞に、榛原中学で師弟のエロ遊戯、その他ずいぶん何と申しますか、ひどい表現をもってこの上田教諭の行動を報道いたしております。で、中にはこの女生徒を妊娠せしめ、堕胎するに至らしめた、そういう印象を与えるような記事を掲げておりまして、これは父兄の間でも大へん問題になり、PTAも新聞社に対しては抗議をし、その他名誉棄損で告発の問題等も起っておるわけでございますが、これについては文部省の方でも十分御調査されたことと思いますので、一体そういう事実があったのかどうか、たとえばこの奈良日新聞に書かれてあるような、師弟のエロ遊戯とか、妊娠とか、堕胎とか、まあそういったことがあったのかどうなのか、これについて御調査になった結果を御報告願いたいと思います。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) ただいま御指摘の件につきましては、県の教育委員会を通じ、榛原町でございますか、教育委員会にその当時の実情を確かめてもらったのでございます。  事件の概要はこういうことのようでございます。上田という先生は、バレー・ボールの部の担任を、主任をしておる先生でありまして、同部の生徒の間に感情的な対立がありました。そこで昨年の八月、花火大会のあった日の夜のようでございますが、八月の四日でございましたか、宿直に本人が当っておりました関係もありまして、同部員の女生徒三人を集めて、部内の対立感情を解消するために、いろいろと指導懇談をしたのだそうでございます。その指導懇談が長引きまして、夜九時過ぎに及んだので、生徒の方から学校に泊ることを希望いたしまして、そこで担任の当の上田教諭は、それぞれの自宅に、学校に泊るということを連絡させました上で、この三人を宿直室に泊め、またその際みずからもその宿直室に就寝したということは事実のようでございます。で、この上田教諭が教育指導上の動機から出たこととは考えられるのでございまするけれども、結果的に同じ宿直室に寝たということは、まあ誤解を招きやすいことであった、こういう観点から、町の教育委員会といたしましては、校長と上田教諭の二人に対しまして、この点についての注意を与え、両名とも十分反省いたしまして、当の上田教諭からは始末書が提出された。で、この間の経緯、あるいはとられました措置等につきましては、父兄側も十分了としておりまして、現在地元において、そのことについての格段の問題はないというふうに報告を聞いております。  なおそのほか、堕胎であるとか、その他特別のエロ遊戯があったように書かれておる向きがありますけれども、これは事実に反しておるということでございまして、県の当事者も、市町村教育委員会榛原町の教育委員会の当事者も、それは事実でないというふうに認定をいたしております。そういう事情でございまして、御報告申し上げます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 文部省へお願いしたのは、おそらく委員長がお願いしたのは、どういう事情か聞くということもありますけれども、文部省としてそういう地元の委員会、県教委その他の申し分、あるいは報告を総合して、そういう事実はなかったと判断、断定されるのかどうかということが、私は承わりたいと思うのです。

木田宏文部省初等中等教育局地方課長

○説明員(木田宏君) ただいま概要を申し上げました県の当局からの報告、及び問題になりました奈良日新聞以外の新聞にはほとんどこういうことも報道されておりません地元の状況等から総合的に判断をいたしまして、私どもといたしましても、当日宿泊したという事実以外には格別の事実はなかったものじゃないか、こういうふうに考えております。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 いや、けっこうです。

岡三郎日本社会党

○委員長(岡三郎君) それでは本日はこれをもって文教委員会を閉じますが、次回は木曜日でありまするので、御了承いただきたいと思います。  それではこれをもって散会いたします。    午後一時三十六分散会    

国会会議録検索システムで原文を見る ↗