農林水産委員会 第39号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/05/13
会議録
○委員長(堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開催いたします。 最初に、委員の変更について御報告いたします。本日、大川光三君及び島村軍次君が辞任されて、秋山俊一郎君及び前田久吉君が選任されました。 —————————————
○委員長(堀末治君) 酪農振興の件を議題とし、青森県三八集約酪農地区の問題を問題に供します。 ただいま政府からは、公正取引委員会委員蘆野弘君と、農林省畜産局長の谷垣專一君が参っております。
○清澤俊英君 私は、この三八地区の今問題になっております点について、二、三公取委員の方にお伺いしたいと思いますが、誤解があると悪いから、まず公取委員の盧野さんに申し上げておりますが、私の質問いたしますことは、決して公取委員のこのたび行われました審判が、不当だとかどうとかいうような点を申し上げるのではなく、あなたのとられた権限に対しては尊重しておるのでありまして、ただ私が質問申し上げたいことは、この取扱い方によりましては、将来に酪農振興上の非常な重要な問題が生ずると思いますので、その点について公取委員の方はどういうようなお考えを持っているかをお伺いしたいのです。お伺いすることが趣意になっておるのでありますから、たまたま議論ぽいようなことになりまして、あなたを攻撃するような、非難するような文句も出てくるかもしれませんが、なるべくそういう点は避けたいと思いますが、そういう点がありましても、決してあなたの権限を侵そうというような考えは持っておらぬのであります。これをあらかじめ申し上げておきます。 そこで、第一にお伺いしたいのは、先般いろいろの資料をちょうだいいたしまして、まず第一に、提訴いたしました提訴側の資料並びに審判開始決定の初頭の資料を拝見して見ますというと、そのいずれもが、県の職員や青森県における農業団体の上層部にいろいろ不都合があった、こういう点が強く列挙せられておるのでありまして、雪印乳業がこれに対して何をしたという点は、さらに出ておらぬのであります。ただ、問題として最後に取り上げられておりますのは、雪印乳業と県のこれらの職員、いわゆる県当局と農業団体の上層部が話し合いをして、そうして前から中心工場を作る謀議をやって、こういう事態を引き起した、だからこの問題は独占禁止法第二条五項並びに第三条に抵触すると、こういうような審判の開始の理由書だと見ておりますが、そこでいろいろこれらのものを調査してみますと、たまたま問題になりますのは、県と雪印乳業との間に、かつて県が持っておりました畜産振興ですか、乳業会社、並びに全販連が持っておりました会社等を、加工場等を買い上げる際に、県と取りかわされておったその覚書の中に、今申しましたようなことがあるやに御推測になっているのじゃないか、こう私は考えるのです。 そこで、念のために、ついでにお伺いしておきますが、これは別の方から入って参りました材料でありますが、それによりますと、青森県と雪印乳業が取りかわしました覚書なるものは、青森県は雪印乳業の性格及び過去の業績を理解し、雪印乳業が青森県における酪農業の発展の中心的事業体としてこの機能を発揮し得るように協力する、こういう覚書があるのです。決して中心工場にしてやりますとか、あるいは将来でき上ったら、それに全部、お前のところに乳をやるとか、こういうようなことは一つも書いてないのでありまして、結局たまたまこういう取りきめがあって、それが全部あなた方が指摘せられたような事実があるとしまするならば、たまたまこの覚書によって中心的な、中心的事業体としてその機能を発揮し得るように協力するということがそれに該当した、従ってこういう話し合いをしたのじゃないか、こういうような御推測だろうと思うのです。しかし、われわれが、私が常識的に考えるときに、いろいろ自分が整理しなければならぬ工場を売る場合、もちろんその工場を損失なしに話し合いで、まあかかった金くらいで買っていただくと、こうしまするならば、このぐらいの心がまえと話し合いぐらいはつけるのが当然じゃないか。大いに努力して、あなた方の方の工場が将来どんどん機能を発揮してできるように、乳もその方に行くようにまあ一つ骨を折りましょう、こういうくらいの約束をするのは、これは商売の常道じゃないかと思う。そういうことをやらないで、果して工場など買ってもらえるのだろうかどうだろうかということが、私は考えられる。従って、あなたにお伺いしたいのは覚書の内容が——まだ全文があるのでありましょうが、ただいま私の申し上げた範囲の覚書であるかどうか。 いま一つは、中心工場にするという話し合いをした、そうして将来はそれにどんどんと乳を必ずくる、こういう話し合いをしたと、この審判書の最後には書いてあるようでありますが、話し合いをした事実があるならば、その事実をはっきりと提示してもらいたい。推測であってはならない。まず、その二点をお伺いしたいと思います。
○説明員(蘆野弘君) 審判開始決定書に摘記してある事実が、主として県あるいはその他の農業団体の行為である。それに対して公取が雪印の責任を問うているのは、県と雪印との話し合いとして、雪印がそういうことをさせたという点にあるのかということが、御質問の第一点であったかと思いますが、開始決定書に書いてあります通り、私どもは今の段階ではそういうふうに見ているのでございます。しかしながら、雪印側としては、おそらくその点は最も争うところだろうと思うのでありますが、これは、ただいま清澤委員がおっしゃいました通り、単なる推測ではございませんので、審査の段階で相当調べた事実に基きまして、ただいま御指摘になりました覚書、雪印と県との覚書もその一つでございます。その他いろいろ話し合いがあったという一応の証拠がありますので、そういう判断をいたしたわけでありますが、この点は、これから審判手続を始めまして、雪印の方からもこれを否定するようなおそらく書証なりあるいは参考人なりを申請して参るでございましょう。審査側からも証人を指定して、これは今後行われます審判手続において十分に両方の申し立てと証拠を聞いて、委員会で、果して開始決定で被疑したような事実が正確であったかどうかということを確かめて、最終的にきめる段階になるのでございまして、これは御承知の通り、公開な手続でございまして、公けの席上でもって公明正大に、両方の証拠の取調べをいたしまして、今後決定する問題なのでございますから、今あらかじめ確定的にどうこうということは、まだ申し上げる段階ではないのでございます。 それからもう一つは、県側が雪印のために便宜をはかるというようなことを申し入れたことは、これはまあ商売の常道として当然だろうと、こういうお話でございますが、県は一面畜産振興という会社の株主ではございます。そういう意味において業者の立場に立っておりますが、一方においては県という行政権を持ったものでありまして、これが交換条件としては、その実際やった跡を見ましても、少し行き過ぎているのではないか。たとえば市町村長に今後県の指定する乳業者に乳を出荷するというような誓約書をとるといったようなことは、少し行き過ぎておるのではないかというふうに思っておりまして、そういう不当なことまでもしいてするように話し合って、そうして畜産振興を引き受けるということを雪印がしたことが、独禁法に違反しているのでないかという疑いもあるということが、ただいまの公取の見解でございます。
○清澤俊英君 あまり同じことを何べんも言いたくないのですけれども、あなたの方の審判書には「更に右県の措置を正当ならしめる基盤をつくるため県農協中央会、県経済連、県信連、三八協議会等の有力団体ないしはこれらの団体の役職員等とも話し合い、これらの協力を得て、酪農民の自由な意志決定を拘束し、」これは雪印がやったことになっておりますが、これだけの話し合いをしたと、こういうことになりますると、これはよほどのしっかりした証拠がなければ言い切れない。疑いがあると言うならいいです。だが、話し合いということをここにはっきり言われるからには、いつ、どういう所で、どういう話をしたのだと、こういうことが問題になると思うのです。問題の中心はそこにかかってくるのじゃないか。それを、今までのいろいろな行為があったとすると、それをどうも裏書きするような覚書がたまたまここにあった。この覚書が、中心的事業体としてその機能を発揮せしむるよう協力する、こういう覚書であった。それだから、こういうことをみんなしたんだろうという御推測じゃないかと、疑問を持ったものであって、これからお調べになるのじゃないですか、こういうことをお伺いするのです。だが、ここにこういうものがかちんとあるのだと。どうも、そうじゃないか——この次にお伺いしますが、そうじゃないかと、はっきりしたものも何か持っておられるような気がしますから、お伺いするのです。私は、まだ推測の範囲で、これから審判していってこれをただす新しい段階のものじゃないかと、こう考えておるが、話し合いをしたと、こうここに書かれる限りは、何かはっきりした証拠があるに違いないと思うから、それがあったら聞かしていただきたいと、こういうことです。
○説明員(蘆野弘君) 審判開始決定というものは、まず、何と申しましょうか、一応の疑いといってはまだ弱いのでありますが、相当根拠のある疑いがあって、それが果してほんとうであるかどうかという、これから審判手続で本格的に調べるその前段階なんでございまして、が、しかし、単なる一応の推測とか、こんなこともあるかもしれぬというような程度では、審判開始決定はいたしませんで、相当いろいろ供述調書なりその他で、まず疑いとしては十分あるという段階でいたすものでございます。その一つ一つをここにお示しいたしますことは、これが今度は審判の題目になるのでございますからして、それはこの段階ではお許しを願いたいと思います。 で、審判は、先ほども申し上げました通り、公開の席で、被審人の方も、その希望する通りの専門の法律の代理人を指名して、十分にその弁解をしたり、反証をあげたりする機会を与えてあるのでございますからして、その手続が始まるのを一つお待ち願いたいと思うのでございます。
○清澤俊英君 私は、これはあまりしつこくお伺いするのは、実はもうあなたの方では、こういうことが既定事実的にあるのだと、こういう結論を出しておられるのじゃないかと思われる節がある。ということは、非常に信用すべき筋からの話でありますが、公取委員会が青森県知事に向って、一つ十和田地区は雪印にやったらいいじゃないか、三八は明治にやったらいいじゃないかと、そうすればこの審判はやめるかと、こういう御提案をなさった。そのことは、ひとり青森県知事だけではなく、青森県の東京事務所ですか、そこの所長にもそういう話が公取委の方からあった、こういうことを私は聞いておる。そうしますと、何かしらこの話し合い云々は、まだ疑いの中にあるにかかわらず、審判の過程においてすでにもう結論が出ておるのじゃないか、どうもおかしい、こういうのが私の考えなんですが、こういうお話があったのですか、どうか。
○説明員(蘆野弘君) 開始決定というものは、先ほども申し上げました通り、結論ではございません。ただ審査の段階においてはこうである、審査のあれとしては一応疑い十分であるというので、文句の書き方も、こういうことがあったというふうに書いてございますが、しかしながら、この開始決定書なるものの文書そのものの性質が、ただいま申し上げました通り、これから本格的の公けの手続での審判をしようという前段階的な性質のあるものでございまして、公正取引委員会があらかじめ予断を持って、結論も持っているということはございませんです。 青森県当局者等に向って、公取があたかも結論をすでに持っておるごとき、そうしてこういうふうにすれば審判をやめるといったような意思表示をしたことがあるかというお話、これは委員会としては全然ございません。そういうことを……。委員会としては審判開始を決定しただけでございまして、何といいますか、あくまでもこれから審判をやろうという態度でございまして、当局者に向ってそういったような申し入れをしたとか話をしたとか、そういうことは委員会としては全然ございませんです。
○清澤俊英君 これは私は非常に信用視される筋から聞いたのでありますから、直接でありませんから、お話なければけっこうで、あったとすれば重大問題だ。 そこで、これも他から聞いたのでありますが、これはここでも大体わかると思いますが、自民党の政調会の農林部会で、公取の方をお呼びしていろいろ事情を聞かれた中で、この問題に対する何か意見を問われたとき、実はあの地区はこれから独占が始まろうとしておるのであるから、まあそういうことなくして、十和田地区は雪印、三八地区は明治というのが一番いい考え方たと思うがと、こういうお話をどなたかなさったということですが、そういうことはあったんですか。これは自民党の政調会ですから、だいぶしっかりしたものじゃないかと思うのです。
○説明員(蘆野弘君) そういう意見を述べたということも、私は聞いておりませんです。
○清澤俊英君 前の東京の、青森県知事にお話しになったということと、同時に、自民党の農林部会でもってこういうことが、あなたでなくして他の方によって話されたとしたら、これは非常に重要な問題だと思いますね。 だが、これを掘り下げてやろうというのじゃありませんから、これはこのくらいにして、なお私なりに調査をしてみたいと思いますが、そこで今度は方向を変えましてお伺いすることは、あなた方は、公取の方がこういった事件を、現に現地でこれをこうお調べになった。そうして一体今の、しかも青森県の非常におくれた農民というものの考え方というものをどういうふうに見てこられましたか、どういうふうにごらんになりましたか、まずそれを一つお伺いしたいと思います。
○説明員(蘆野弘君) ちょっと、御質問の趣旨がわかりませんのですが……。
○清澤俊英君 それは、もう少し具体的に申し上げますが、まあいろいろこうやったのでありますが、いずれこういった事件は上の方だけでもやもやとこうやって、だが、農民というものは至ってぼうっとしておる、どっちでもいいんだ、あまり関心を持たない、こういうようなことをお感じになりませんでしょうか。これがこの問題を考えていく上に、非常な重要性を持つのであります。ことに、まあ青森と申しますと、山の中で、しかも、この地区は最もおくれた地方でありますが、そういうようなことをお考えになりませんでしたか。すべてがある階層以上で動き合っている、農協の上層部において動いている、あるいはこちらに明治と取り組んだ特約組合がある、この特約組合の幹部が動いている、農民はどっちでもいいのだ、こういう形が見えませんでしたか。一人々々の農民の底まで入ってお調べになったのですか。その点は非常に重要性がありますので、ちょっとお伺いしておきたい。
○説明員(蘆野弘君) 私が自分で行って審査したのではございません。審査のいろいろ報告を聞いておりますところによりますると、ただいまお話しのような、農協との問題が比較的上層部の幹部の間だけできめられるといったような傾向が、一面においてあることは、やはり疑いないと思うのでありますが、しかしながら、農民はどうでもいいというふうな態度であるかというと、それはむしろ私どもの印象は別でありまして、これはもう非常に関心を持っておるし、また相当はっきりした考えを持っている組合員も相当あると思うのでありまして、われわれも力に限界のあることでありますからして、その一番もとに行って、農民あるいは組合員一人々々にことごとく聞くというようなことはできませんが、一方協同組合等の幹部あるいは役員、そういう人たちの話も聞くが、努めてまた組合員自身がどういうふうな希望であるか、どういう考えを持っているかということは、できるだけは調べる方針にいたしておりまして、今度の場合もかなり広く各方面にわたって調査した結果であります。
○清澤俊英君 その次にお伺いしたいのは、ただいま、この乳業と酪農とでもいいましょうか、農民は牛を飼って乳をしぼる、こういう農民の段階、それからその乳を農民から買って加工をして、これを売りさばいている乳業者がある。この乳業者の団体と、いわゆる酪農——牛を飼って乳をしぼって、そうしてこれを売っていこうとするいわゆる農民段階の、二つの段階の中には非常な思想的な不統一ですか、考え方の大きな相違を持っておりますことは、あなた御承知になっておりますか。乳業者と、酪農をこれからやっていこうとする農民的な考え方の中に、大きな二つの点が出ている。これを御存じになっておりますか。
○説明員(蘆野弘君) 乳業者、まあ事実は会社でありますが、会社と、これに乳を供給する、牛をみずから飼うところの農民との間に、非常な考えの相違があるということをわれわれ認識しているかという御質問かと思うのでありますが、考えの違い方と申しますことは、どういう意味でございますか。一面において、片っ方は生乳を供給するもの、片っ方はこれを買い集める、まあ相対立した関係でありますからして、利害と申しますか、これはもうまさに相対立しているという面があることは事実でございます。しかしながら、また同時に、自分の作った乳を買って、これを利用してくれる人がなければ、乳を作ってもむだであり、また乳を供給してくれる人がなければ乳業会社が成り立たないのでありますからして、その面においては利害共通しているともいえるので、ございまして、それからして、まあ考えが違うかというと、どういうことでございまするか。これは乳業者の方も、農民の方も、いろいろな人があるだろうと思うのでございますが、また乳業者にしても立場々々によって、また甲の乳業者、乙の乳業者、必ずしも同じ考えでないのでございましょうが、特に乳業会社のねらっておることと酪農民のねらっておることと、これが非常な方向が違うとかそごしておるとか、いうことは特に感じておりません。
○清澤俊英君 その点が非常に、この審判をしていかれる上に、あるいはこれを取り扱っていかれる上に、非常に重要性を持つわけであります。と申しますことは、東京に乳業者を中心にした乳業の協同組合がある。これらは現に、現行の酪農振興法を改称して集約酪農法にして、内容を改廃し、生乳等の取引条文は全廃してもらいたい、酪農の振興が争闘の場と化したり、政治的道具に使われたり、正直者がばかを見るようなものであったら、善良な三十万酪農民は何にたよったらよいのか、こういう書きっぷりをして、酪農振興法は要らない、こういう考え方です。乳だけはおれたちにまかしなさい、そうたくさんの工場ができても何だから、大きな工場は小さな工場をつぶして合併すればいいのだ、こういうことをはっきり言っておる。農民が自分のものを自分で生産して売るようなことは要らない、こういう考え方が中心になっておる。ところが、このたび農林省で出されました酪農振興法の提案理由の説明を聞きましても、工場の小さな非能率的なものができて、それががやがややっておったのでは、中間経費が多くなってよくない。そしてこれからの日本の酪農業をほんとうに、農民が乳を作っただけのものが売れていくには、もっと安価に、外国品と競争のできるものを、これらを整備して作っていかなければならぬ、それが土台になっておる。それには中心工場を作って、飼料のことからすべてにわたって計画的にやっていって、これを推進しなければならない、こういう立場に立つ。 そこで、長い日本の酪農というものの歴史の上において、今農民が、明治や森永を考えてみますと、明治や森永があるならば、われわれは牛は飼わないという考え方が大部分の農民の考え方だと思う。ということは、なぜかと申しますれば、市乳——町で売ります乳を販売しておる限りは、顧客は手元におりますから、その範囲では、明治が買おうが、森永が買おうが、小さな工場でやりましても市乳だけはさばかれます。だが、しかし日本の農民の作りました原料乳の七〇%ぐらいは明治や森永が取っております。これはあとで主管局長に伺いたいと思います。資料によりますと、それだけの原料乳を取り扱っておる。従って、たまたま農民が、今までやっつけられたいろいろの不合理を是正するために、自分のものを作って売ろうとして東京に持ってくると、これははなはだしい例ですが、新潟県の堀内の農協の工場が、どうしても、余った乳を東京で売ろうとしてきても、なかなか自分の思うように売れない。二カ月も三カ月もかかって、売場を菓子屋に探し、そして菓子屋でミルクを作ってそこでようやく取引を始め、二、三回やりますと、すぐダンピングをする。売先に向ってダンピングをする。それで全部お流れになってしまって、また元通り同じことをしておる。これじゃ、農民の作る乳業は成り立たない。しからば、明治や森永にたよればいいじゃないかと、こういわれるが、こういうことをやっておりますると、これは理に数年前にあったことでありますが、埼玉県の寄居地区は森永の金城湯池であります。ここにおいて突如として一片の通知書を出して、そうしていついつから幾ら幾らしか買わない、幾ら幾らに値下げする。何ら価格に対する協議をするところなく、これでどんどんはたかれておるのが今までの通念であります。だから、農民から見れば、明治、森永というものは、なるほど過去においては非常にこれに感謝の意を表しておりましたし、また農林省は明治、森永を育てることによって、日本の乳業が発達するのだと、こう考えられておったのでありますが、最近の、少くとも農民を中心にして酪農業を興していこうという考え方になりますと、これに対して何とかしていかなかったならば、とうてい日本の酪農民が安心してやっていけないという感情は一ぱいになっておる。あらゆる弊害は方々にあります。この基本的に分れた二つの考え方、これをほんとうに把握しないで、こういう問題を、ただ青森県の一角、日本の国のほんの端ったまで起きた一つの事件として、法律的な考え方で解決していかれたら、非常な問題が出てくる。将来におけるところの酪農業を発展させるための農協運動なんというものは、全く手も足も出ない状態に置かれると思うのであります。 もし、それがほんとうだとしますならば、私はあなたにお伺いしたいのは、そういう事情がほんとうにおわかりであるとしたならば、この取扱いは、少くとも県がいろいろなことをして、県の出過ぎがありましたこと、これはこの間も河野先生が言われた通り、行政措置でお話し合いになればいい。農協が無理したならば、農協法でそんなことはとめられるのであります。現に三八地区におきましても、こういうことをやられた。あなたが言われるように、独占が成立したと言われておりますが、今ではやはり明治牛乳は十石か十五石品物がふえて集まってきております。だから、自由な立場で農民は幾らでもできるのです。現在中央会の中心の人たちが、何と言うてみたところが、こんなものは絶対的な権限を持っていない。こういうものは幾ら契約したって、これは何といったって無効の契約であります。農協法でちゃんとそれは農民に与えられた権限なんです。あなたもちゃんとそのことを言うておられる。蘆野声明の一番しまいに、農協法の取扱いも間違っておることをやっておられるということを言っておられる。あなたもご存じの通りだ。そうしますと、審判にかけて、それがために方々に、これと同じようなケースの争いを方々に起して、方々に似よったものを起して、あるいは負けて取り消したものもあれば、あるいは進んで戦っている所もある。こういう混乱に陥れるということは、私は、どうもほんとうの乳業関係というものはご存じないのじゃないか、こういうことが、私はどうしてもあなたにお伺いして、そうしてでき得べくんば、この問題を、おそらく私ばかりではないと思う、全同僚諸君全部の御意見がそうだろうと思うが、こういうような問題は関係大臣がよく集まって、そうしてあなた方も集まって、そうしてこういうものを一つの政治的解決でやっていかれることが、私は正当じゃないか、こう考えるのです。その点、お伺いしたいと思います。
○説明員(蘆野弘君) 公正取引委員会が乳業の性質をどこまで理解しているかということに疑いをお持ちになるということでございますが、公取は乳業ばかり専門にやっておるわけでは、ございませんから、非常な専門の詳しい方から、ごらんになりましたら、われわれの認識にまだまだ不足の点があり、あるいは甘いというような点があるかもしれないということは考えられます。現在起っております青森県の事件に関しましては、雪印が青森県の当局と共同して青森全県の集乳を独占しようと企てて、そうして着々それを実現しつつあるという次第でありまして、そのこと自体は、先ほども寄居の例をひいておっしゃいましたが、寄居のようなことも、結局その狭い地域でありますか知りませんが、森永が独占的にやっておった結果、そういうことが起るのでありまして、これが自由競争があるということによって、森永がそう勝手なことをするということはできないはずでありまして、やはり青森県全体という広い地域に、一つの会社だけがあって、ほかの会社はそこに活動していないということになると、結局牛乳を生産する農民にとっては、不利になるのではないかという、こういうおそれが多大であるというのが公取の認識でありまして、これを是正するように動きましたのが、今度の審判開始決定なんでありまして、御趣意を伺っておりますと、どうもこの事件を取り上げたということは、間違っておらなくて、むしろ正しいということを御説明下さったような感じさえするのでありますが、あるいは私が理解が不十分なのかもしれませんが、そういうふうに認識しております。
○清澤俊英君 私は、初めからお断わりしたように、あなた方の調査せられたことを自分は調査しておりません。調査せられたことを書かれたことを否定はしておりません。こういう立場をとっているのであります。自分で調査もしないものを否定はできないから、ただ書かれたものを前提としてお話し申し上げた。しかも、あなたが権限でやられた、その権限には触れたくない、こういう建前でお話し申し上げたのはそれでありますから、私はこれを全部是認しているというふうには、ちっとも思っておりません。まだ未知数のものであり、調べてみたらいろいろな問題も残っている、こう考えておりますが、聞き及ぶところによりますならば、この取り調べに当っていろいろ公取委員会と森永、明治乳業との間に、私の交わりといいますか、利便を払われたということも聞いておったり、いろいろなことを聞いておりますが、そんなことはいずれもうわさですから、私はあえて問いません。いずれ必要があれば農水委員会の方で私たちが出かけて、一応の調査はしなければならぬ。 その前提に立ってお伺いしているのでありますが、私のお伺いしたいのは、現在の酪農業を、これを日本の国の国民衛生の上から見て、そうして将来の食糧等の解決からも、発達せしめていくには、どうしても私は農協を中心にした、農民を中心にした酪農業が発達していかなければ、問題にならない段階である。少くとも明治、森永と三本建、四本建でいかれる線まで成長していかなければ、これは成り立たない。それはちょうど、あなたはただ競争々々と言われるけれども、競争というものも、ある限度をこしますと大へんなことになる。ということは、資本家の行いまする乳業者というものは、もうけのあるときだけは何でもやる。また先が見えて、この工場をつぶしてしまえば、そのあとは自分がいつかは埋められる、こういう考えがありますれば、不当に高価でも買い上げていきます。いろいろな手を打っていきます。今まで、私は戦前における日本の酪農業などがあまり進まなかった例は、あまり都市に小さい牧場といわれる乳業者が多過ぎたのじゃないか、これがあまり過ぎたのじゃないかと思う。われわれの狭い見解で申し上げることはまことにおこがましいですけれども、これらのものが、たまたま乳牛を飼ってみようという者があっても、自分でしぼることもめんどうだから、乳牛を預ける。預けたら必ずかたわにして返してくる。せっかく高い金を出して、そうして買いました乳牛を、牛乳屋さんに預けて、その結果、乳をこわして返してしまう。乳牛などは二度と飼うもんじゃない、こういう観念が一時びまんするのであります。戦後食糧難から、非常に牛乳の需要というものがふえて参りまして、そうしてこれは農民自身で生産加工を一つやっていこうというような空気が大きく出てきて、ようやくここまでたどりついた。その一つの流れが、たまたま青森県あたりで行われている。これは青森県が行わないでも、将来においてはおそらく昔の産組、商組が必死の争いをしたところくらいまでは、あなた方がどんどんと押えてみても、行くに間違いがない。将来における紛糾を持つこれは一つの事態なんです。必ずそこまで行きます。それを取り扱う上において、そういうことまでよく御存じかどうかわかりませんが、そういうことをよく吟味しておかかりになりまするならば、ここでただ法律一片な解決をして紛糾の度を増し、感情を高ぶらせていくだけではなく、もっと国家機関として、あなた方として考えようがあるんじゃないか。あなた方だって何でしょう、必要がある場合には、独占禁止の法律を変えて、そうしてカルテルを許したりいろいろなことを現にやっておられるでしょう。そういう方向へも進むんだ。一つの産業が発達するためには、いろいろなことが考えられると思う。私がそんなことを申し上げるまでもない。あなたの方がお師匠さんだと思う。そうしてみましたならば、その取扱いはもっと慎重を期して、県庁等が出過ぎたことがあると、かりに言われた通りだとしたならば、それを行政的な措置で一つ片づくように考えていく。農協等を見ますと、農協法にちゃんときめてある。私は厳格な意味でいえば、上の方の役員、各農業団体の役員が、いろいろこれに書いてあるように、無理したように書いてある。無理しても、何ら効力のない無理である。そんなものが、果して法律的に効果があるだろうか。効果のないことをしいたところで、私は法律的には何らないと思うんです。そんなものに服従するのはばかなことじゃないかと思う。ばかが服従したからといって、それを全部責任を問われたら、これはへんなものができ上るんじゃないか。まあ御答弁は要りませんが、十分な一つお考えを願いたい。
○東隆君 今の清澤さんの質問に対してお答えになった中で、独占を排除することによって会社が二つになった方が酪農民の利益になる、こういうふうにお考えになっておるようですが、この点はそういうお考えですか。
○説明員(蘆野弘君) 必ずしも二つということではございませんが、ある一つだけの会社が独占して、そうしてほかの企業者が起る余地がないという状態は、独占禁止法の趣意にも反すれば、またこの場合、農民の利益にも反するのではないか、こういうふうに考えております。
○東隆君 その農民の利益に反するという、そこの問題なんですが、これは過去において非常にいろいろな問題があった。その点は清澤氏も先ほど言われたんですが、これは北海道において、過去において、明治、森永、それから酪連、これの争いですね、これの歴史を見れば、火を見るよりも明らかになってくるわけであります。というのは、利益になるときには、営利会社は牛乳を獲得するために、無利息の資金を融通をするし、あるいはその他の施設も貸与をする、こういうようなことでどんどん進むんです。しかし、一たび不況になりますと、一片の通牒でもってそれをやめてしまう。それで北海道では、牛乳でもって風呂を沸かして、そうしてやったなんという悲惨事がある。牛乳をみんな腐らしてしまって、どぶに流した例もある。そういうようなことが過去に展開されておる。しかも、それが北海道というあの地帯で牛乳を生産する場合に、明治、森永によってそういうようなことが過去においてやられた。そこで、どうしてもそういうようなことがあってはならぬというので、原料乳の統制を始めた。協同組合によって原料乳の統制を始めて、そうして会社を、明治も森永も中に入れて、そうして原料乳の統制をして、協同組合関係はバターの製造を始めた。そういうような過去の歴史がある。 そのような過去におけるところの業績その他を非常に重視して、青森県は雪印と明治とを向うに回したときに、会社を譲渡する場合に、過去におけるところの業績を十分に重視してやっておる。これは、少くとも県が県の農民の幸福を考えたときに、当然これはそういうことを考えなければならぬ。そういう過去における問題がなければ、これは一つも考える必要はない。そういう過去における歴史がありますから、そこで、できるだけ資本は農民に関係のある資本でもって構成されたものがよろしい、こういう考え方になるのは、これは当然な話である。そこで競争する場合に、一片の法律上から考えて、雪も会社だから、明治も会社だから、同じ会社なんです。そこで、これに自由に競争をさせるのは当然であって、その場合に、県が過去の業績から考えて、そちらの方に工場を譲り、そうしてそれを盛り立てようとしたそのことが、非常に悪いことになりますか。公取委員会でもって非常に問題になるような、そういうことを構成いたしますか、そういう行動は……。どうですか。
○説明員(蘆野弘君) 青森県の当局が、雪印の過去の功績とか性格とか、いろいろお考えになって、雪印に畜産振興を譲渡する、あるいは雪印を青森県に誘致するということは、これはもう全く県の当局者自身の御判断によって、どうともなすって、少しも差しつかえないことであります。これがために、今まである業者を排斥までして、今まですでに事業をやっておる他の業者の事業が伸びることを押えてしまって、雪印乳業だけに県で乳業を行わせということは、これは別問題でありまして……。
○東隆君 ちょっと、そし別問題という、そこを一つお話し下さい。
○説明員(蘆野弘君) そういう行為を県にするように雪印が働きかけてすれば、これは独占禁止法の違反であるということでございます。
○東隆君 雪印が働きかけたのでなくて、県がそういう考え方を持ったことが、これが悪いのですか、どうなんですか。県がそういう考え方を持った。そうして雪印は、あまりいい取引でないけれども、工場その他を引き受けたような形になった。これはどうなんですか。
○説明員(蘆野弘君) 県のなされることは、よいにしても悪いにしても、公正取引委員会は何らこれを批判するとかこれを是正するとかいう権限を持っておりませんので、これはわれわれの方の問題にならぬのでありまして、たとえどっちが先へしかけたとしても、とにかくそういう条件で、まあわれわれの解釈によれば、青森県全県における集乳を雪印の独占にするように話し合いをしてやったということは、雪印に関する限り、そこに独占禁止法上の適用要件がある、こういうことでございます。
○東隆君 そうすると、もう一歩離れて、これはこの前のときにお伺いをいたしたのですが、東北乳業を考えてみましたときに、東北乳業は株主の性格が変っております。最初は東北乳業は、八戸の工場ですけれども、これは三段階変って、そうして明治乳業になってきた。次第に資本を導入することによって、明治がそれを独占する形になってきた、あの工場を。そうすると、その過程はどうですか。青森県でもって中心的な工場になるために、自分の拠点を伸ばしたところを次第に拡充していって、そうして明治乳業そのものになったわけです。その行動はどういうことになりますか。
○説明員(蘆野弘君) これは別に独占禁止法上禁止されたような行為は、今までのところ発見されておらないのであります。
○東隆君 そうすると、全販連の工場を雪印が引き受けたということも問題になりません、これは。この前のときにお答えになった。そうすると、青森の工場の取引だけが問題になってくる。そうじゃないですか。青森の工場が疑いの一番根本である。青森の工場の受け渡しその他について、どういう点でもって非難される点があるのですか。
○説明員(蘆野弘君) さらに全販連の施設を引き受け、続いて畜産振興の施設を譲り受ける、単にこれだけの問題でありまするというと、これは実際上それでどのくらい青森県における集乳を支配するかという数字上のいわば問題になって、これは直ちに全販連の施設を買い、畜産の施設を買ったから、すぐに当然独占ということにはなりません。あるいは数字上そういうことになるかもしれませんが、直ちになるとは言えない問題でありますが、しかしながら、畜産振興を引き受けるについて県といろいろ話し合いまして、事実上他の乳業者の県内における活動の余地がなくなって、雪印だけが集乳し得るというふうな話し合いをつけて、そういう仕組みを作って畜産振興を引き受けることにした、そこに問題点があるのでございます。
○東隆君 そうすると、何が問題になるかというと、覚書の一点ですね。覚書を取りかわしたというそのことが問題なんですか。取引をすることは問題でないと……。そうすると、覚書だけが問題なんですか。
○説明員(蘆野弘君) それは、先ほど清澤委員にもお答え申し上げましたが、ああいう覚書を取りかわしたということも、いわば一つの証拠と申しますか、一つの現われでありまして、この字句の、さっき清澤委員が一部お読みになりましたが、まだほかにも証拠がございますが、これ全体、これをどう解釈するか、これは別問題でして、これは先ほど申し上げました通り、審判でもっと掘り下げて確定することでありますが、これも一つの現われでありますが、これを中心として、かりに県当局との間にいろいろ話し合いがあって、雪印が全県の集乳を独占するような体制が作られることが話し合われたということが問題でございまして、覚書だけと申しますと、ちょっと言い過ぎではないかと思います。
○東隆君 いろいろ話し合いをされたと、こういうのですが、それは取引上のことを話し合いされたのじゃないのですか。それ以外に何か重大な、公正取引違反をするようなそういう話し合いをしておりますか。取引上の問題で話をされておることは、これは私はかえって雪と、それから県と県策会社、それとの授受についての話し合いなんというものは、非常に公正に行われてきておるように考えますが、その取引以外に、何かいろいろお話し合いがあった点、何か具体的なものはございますか。
○説明員(蘆野弘君) もちろん畜産振興の設備を受け渡しについて、いろいろ価格であるとか、条件であるとか話し合われたことは、これは当然であります。これは何ら問題にするには当りませんが、それ以外に、覚書を中心として雪印に独占させるといった趣意の話があったというわれわれの見込みであります。
○東隆君 いろいろな見込みをされてやっておるのですが、県策会社の株の構成というものばどういうものでできておるか、御承知でしょう。県がお出しになっているものと、それから町村が出しておるものと、それから農業協同組合が出しておるものと、これででき上っておる乳業会社、この乳業会社が明治にかりに売ったとして、そうしてその後におけるところの仕事が円滑にいきますか。町村が出しておるもの、それから農業協同組合が出しておるもの、それから県が出しておるもの、こういうようなものが営利会社の明治乳業に譲り渡して、そうして果してその部内におけるところの牛乳の共同販売体制を作ってやっていくのに、最もいい条件を備えますか。競争をさして、明治にかりにそれが渡ったとして、そうしてそれはうまくいきますか。これが一点。 それからもう一つ、青森における工場は、もうすでに大きな赤字を出しておる。そうしてこれはいい経営者に譲らなければならぬ、こういう希望を持っておった。それから全販連は決議をもって、譲り渡すという決定をしている、というような状態に置かれたときに、全販連の工場が雪印乳業の方に行く方がスムーズか、それとも明治乳業の方に流れていくのがスムーズか、これは全販連の資金の構成、あるいは借入金の関係、そういうようなものを考えたときに、これがなだらかに同じような立場でもって、位置でもって譲り渡しが、明治にも雪印にも公平に、天びんにかけて同じまうにいくとお考えになりますか。その点はどうですか。
○説明員(蘆野弘君) 青森県の全販連や畜産振興の施設を、明治や——その場合明治でありますが、譲り渡して、円滑にいくかどうかというこについては、意見は別に、いくともいかないとも、この場合申し上げることは差し控えます。また、先ほども申し上げました通りに、雪印乳業を誘致する、雪印乳業にこれらの施設を譲り渡すということ自体は、別に問題ではないということを申し上げたのでありまして、その点について県当局のとった措置をかれこれ非難しようとかいう趣意では別にないのです。
○東隆君 そうすると、県の方の要望があって雪印が譲り受けた、こういうことはお認めになりますか。
○説明員(蘆野弘君) たびたび繰り返して申し上げました通り、県の要望があったか、雪印が乗り込んでいったか、その点も公取としては格別問題にしておりません。これはおそらく審判の途上、果してどっちが主導権をとったかということも自然に明らかにされてくることと思いますが、どっちが先に言い出したか、どっちの希望が強かったかというようなことは、法律上の判断をする上に別断重みは少しもないのです。
○小笠原二三男君 この前からいろいろ藤野委員にお伺いして、公正取引委員会のお考えというものはよほど明確になってきて、それでこの際、あるいは前に局長に聞いておるかもしれませんけれども、資料として審判開始決定書が配付されておりますが、従来の盧野委員が公正取引委員会を代表して御答弁になっている内容並びに審判開始決定書で文書として出ているものを、酪農振興の方で行政上責任を持っておられる農林省の方でこれをごらんになって、あなたの力でも調査をしておられるでしょうが、その事実関係で問題点として上っておるものについて所見があったら、伺わしていただきたい。
○政府委員(谷垣專一君) 私、この委員会で問題が起きました一番当初にあるいは申し上げたかと思います。この三八の問題に関しましては、県当局は成規の手続をもちまして、それぞれ所定の手続を了して、そして農林省の方に三八地域の指定の申請をして参っておるのでありまして、特に今問題になっております中心工場云々の問題につきましては、これは当初申請の出ました場合に、具体的な中心工場の担当いたしまするものの名前が書いてございませんでした。それで、一体そのところをどういうふうに県はお考えになっているかということを、私たちの方から県の方に注意を促したわけであります。その経過におきまして、県御当局の方からは、中心工場というものを二つ置くわけにいかないからというような御意見が出て参っておりました。そしていろいろと私たちの方で、従来酪振に対して考えております考え方、あるいは酪振法の御説明をしまして、その中心工場を一つにしぼるための手続といたしまして、関係の市町村長、協同組合長あるいは乳業者の意見を聞いておられる。それから県の条例で定めてございます畜産に関しまする審議会、これには県会議員の方や学識経験のある方がお入りのようでありますが、その審議会にも同様の諮問をいたしておるようでございます。で、それぞれの市町村長、協同組合長あるいは乳業者の各位に対しまして、文書をもちまして、その点に関しまする意見を尋ねております。そういうような経過を通りまして、最後の文書によりまする場合は、二つないし三つ程度の反対意見があったようでありますが、そのほか全部、雪印を中心工場にすることに賛成の意思表示があったようでありますが、そういう経過を経まして、知事の方からは、中心工場として雪印乳業を担当させることが至当であるという見地から、従来出しておりました申請書のうちのその部分につきましての修正をいたしまして——従来そのところは何も名前が書いてなかったわけであります。修正をいたしまして、申請をされたのであります。 で、私の方といたしましては、そういうような事情がいろいろございまして、その他の全国におきまする地域の指定は、一応そういう事情を待てませんので、早目に九月に指定いたしたわけでありますが、そのほかまだ事情の残っておりました五、六カ所の地域がそれぞれ落ちつくのを待ちまして、また三八地域におきましてもそのような経緯で意思が決定されるのを待ちまして、そうしてその計画を認めた、こういう経過に相なっております。 で、その間におきまして、公取委員会の方が、申告と申しますか、一部の方からの意見書が出まして、いろいろと御調査をなすっておる事実も存じ上げております。その間公取委員会の方とも連絡をとりまして、どういう点が問題になっておるかというようなことをお聞きいたし、私たちも、公取委員会が調べられましたようなもの、その書類等、また関係者等につきまして、事情を調べたわけでありますが、その間二、三の点に問題があるように考えました。しかし、それらのものは現地の農民の意思というもの全体を見まして、それならば中心工場に関してこれを雪印とした方がいい、あるいは明治とした方がいいというような点に関して、県当局が持って参りました結論的なものを否定するほどの重要なものではないという判断をいたしたわけであります。さようにいたしまして、当時の三八地域の農民の諸君は、雪印を支持する人たちもまたこの明治の方に乳を出しておられる、支持しておられる方々も、随時私たちの方に見えましたけれども、両方ともに、とにかくこれを延期しないで早く指定してもらいたい、こういう御意見が非常に強かったのであります。私たちも、そのような事情あるいは青森の三八地域の酪農振興の重要性等を考えまして、これを指定するためには今のような中心工場の決定を急がなければならぬ、そういうことで、上述いたしましたような経過を経て、また私たちが公取委員会の調べられましたような事実に対して、行政庁としての判定を下しまして、これを指定いたした。かような経緯に相なっておるのでございます。
○小笠原二三男君 それで、蘆野委員が指摘しておられるように、県と雪印との間に独禁法疑いの覚書を取りかわした。あるいは全販連、農協系統のそれが農林中金等とまあ関係して、牛を買う金を誓約される、こういうような問題等については、県に対して何らかその後指導される措置をおとりになっておられるのですか。
○政府委員(谷垣專一君) 全販を買収いたしますようなこと、あるいは青森畜産振興を買収いたしまするようなこと、これはそれぞれ成規の手続を経てやっておるものと私たちは考えております。当然に私的独占禁止法に基きまする公取委員会の方にも届が出ておることと考えておりますが、そういうことで、このことがそれほど私たちは問題になることは実は考えておらなかったのであります。その地域が、全県といたしまして一つの会社が中心工場にすべて数地域がなっておるというような例は、ほかにもございます。もちろんこの場合、十和田を雪印にして、そうして三八を明治にしたらどういうことになるかというようなことも、私たちはもちろん一応考えたことはあるのでございますが、しかし、どうしてもそこらの事情が、地方の農民の意思から申しまして、また県の判定いたしましたことから見まして、雪印を中心工場に三八地域についていたしますることが最も自然な形であると考えるわけでございます。また、県が指導いたしておりますようなやり方等につきまして、個々の事例において、あるいはこれが行き過ぎではないかというふうに思われる点も二、三ございました。それらの点に関しましては担当課長等を呼びまして、それぞれ注意をいたしております。しかし、またそれらのことは具体的にはおそらく審判を進めていかれまするうちに明らかになって参ることと思いまするが、そういうような、たとえば一例を申しますると、先ほどお話がございましたが、県が貸付いたしました貸付牛に関して、県の指定する所に乳を出荷しておる、こういうようなことの誓約書を入れさしたというような事実がございます。これは十和田地域においてもそういうことがあったようでございますが、あるいは三八地域においてもそういうことがあったようであります。しかし、これは調べてみますと、県がどこの会社に出せというような指定はもちろんいたしておりません。県は、これをあの地帯の共販体制というものが十分に行われないために、その一つの刺激を与えるためにやったと、こういうようなことを申しておりましたが、これらのやり方に関してのいろいろの議論は、これは行政指導の上から見ての議論はあろうかと思います。しかし、そういうような事実を考えてみましても、大勢におきまして、三八の地域の計画というものを雪印にいたすことに別に支障はない、こういう私たちは判定を持つたのであります。
○小笠原二三男君 蘆野委員にお伺いしますが、繰り返し繰り返しお尋ねすると、繰り返し繰り返し御答弁になられる。結局、審判の結果を待たなければならぬということですが、ただ、あなたのおっしゃっていることを中傷してみますと、一つの県内に数個の特定地域がある、その数個の特定地域の一特定地域が一工場で独占の結果を得る、また他の特定地域が一工場で独占を得る、しかし、全県的には独占にはなっておらない、そういうようなものはかまわないのですというお話である。また一方、自由な競争ということが農民の利益のためになるんだから、一個の工場であるよりは、複数の工場があって、それぞれ競争せしむることが農民のためにも利益だ、こういうお話がある。しかもまた、実例として、全県的に一乳業者が工場を持っておる結果になっておる地域もある。しかし、それはやはり独占ではない。そうしますと、独占というのは地域の大きい小さいにどうも関係しない。全国的に数個の乳業会社が競争しておる状態にあればいいようにも思われる。ところが、青森県ではそれはどうもだめだということになる。それで特に三八地域においてはそれはだめなんだということは、非常に何と申しますか、三八地域の酪農の発展という内容にまで立ち入って、この方がいいあの方が悪いという、そういう公取だけの使命で判断する以外の要素も入っておるようにも思われる。ところが、またお伺いしますと、いや、自由競争の結果が、片方が敗れ去って一つの工場だけが残る、そういうような民主的な結果になっておればいいのだ、この際は覚書その他で計画的に独占の意思をもって事を運んだ点がけしからぬ、こういうふうにもおっしゃっておる。そこで、しぼったところは、どういうところが一番この三八地域で問題になるんだということなんですか。二つ工場があった方がいい、一つ工場があった方がいい、そんなことは生産農家にとって最も都合のいい点を選べばいいことなんで、県なり農林省なりがそれぞれ判断をし、指導して選んでおるんですから、しぼったところは何なんですか。もう繰り返し繰り返しはいやですけれども、端的におっしゃっていただきたい。
○説明員(蘆野弘君) 何かいろいろお答えするうちに前後矛盾したような、あるときはこう言ってみて、あるときはまた違ったことを言っておるというふうな感じかもしれませんが、事実が実はそういうむずかしいものなんです。で、今の三八がなぜいけないか、あるいは青森全県が雪印だけになるとなぜ違反かということは、これはおそらく審判において最も争われる題目になると思うのであります。この前畜産局長がお答えになりました通り、福島県でありますか、まあ今までのところは、全県同じ酪農地域が三つかあって、全部同じ乳業者が中心工場になっておる、それは問題にしない。青森県はなぜいけないか。これはどうして一つの地区内では独占でもいいが、それが幾つにもなって全県になるといけないか、この点はやはり審判で最も争われるところになるだろうと思うのであります。さっきの申し上げました雪印と県の話し合いの点と、それからしてこの点がおそらく審判でも争われるだろうと思っております。もちろん、全県が雪印一本になっても、独占禁止法上いわゆる独占にはならないという議論もあるだろうと思うのです。これは雪印の方から十分りっぱな代理人を立てて、あるいは有力なる参考人を申請して十分論ぜられると思いますが、われわれが今一応考えておりますのは、県と県の境と行政上の区画というようなこととは必ずしも関係にとらわれずに、とにかく地理的に経済的に、この乳業上地勢なり、距離なり、その他考えまして、およそ一つの集乳地区と他の競争が入らない独立したそこだけ一かたまり別になった地域というものを考えまして、そういう地域内において独占するということは、これは法律のいわゆる一定の取引分野における私的独占である、競争の制限であるこういうふうに見ておるのでございまして、果してこの場合、十和田と三八地区を合せた青森県の東部の酪農地帯というものが、そういったような意味における孤立したと申しますか、独立した一つの集乳圏であるかどうかは、これは有力な参考人とか鑑定人とかの意見も聞いて確定的には決定することなんであります。今は一応、これが独立の地域をなしていると考える理由があるので、その範囲内において他の業者を排除して雪印だけがそこで集乳事業を行うということが法律に触れると、まあいろいろなことを申しましたが、まあ一言に申せば、事件の中心はそこにあると申し上げていいのじゃないかと思います。
○小笠原二三男君 そう聞くと、また新しい要素が何か加わったように、私の聞き方が悪いのかもしれませんが、何か青森県の特殊な地理的な諸条件からいって、十和田、三八を同じに支配することはよくない、この点が問題だというふうに聞き取れる。そうしますと、結果ですね、かりに十和田はA乳業、三八はB乳業というふうに、地域内では形は独占になっているが、二つの地域において相分れれば、今の諸条件は解消されるのでございますか。そういう扱いにでもなれば解消される一つの方法ででもあるわけですか。
○説明員(蘆野弘君) この審決の内容を予測するようなことは一つ……。
○小笠原二三男君 審判の関係とは関係ないのです、私の聞いているのは。
○説明員(蘆野弘君) この際差し控えたいと思うのでありますが、中心工場というものの性質、これは私の考えはあるいは間違っておるかもしれませんけれども、必ずしも中心工場に指定されたからといって、その地域ではその工場だけが乳業をやれる、こういう独占的の性質のものではないと思いますが、しかしその半面、いろいろな意味におきまして中心工場に指定されたものは、その県内では指定されないものに比して乳業がやりやすい、集乳がやりやすいという実際上の面はあると思うのでありまして、そういう独占ではありませんけれども、どうかすれば独占になるような傾向はないとは言えないと思うのであります。ただいまお話のような十和田の方は雪印、あるいは三八の方は……。
○小笠原二三男君 いや、私はわざわざ具体的に名をあげないのですよ、あなたの答弁が困ると思って……。
○説明員(蘆野弘君) それならば当然この問題は解消するかと、つまり独占は、われわれの言葉で申せば違法行為が排除されることになるかどうかということは、これはいろいろほかの要素もあることでありまして、審判でもう少し具体的ないろいろな要件がはっきりいたすまでちょっと申し上げかねる次第でございます。
○小笠原二三男君 それでは、そのお答えがないなら、地理的にうまくないのだということで公取でお取り上げになっておる根拠はどういうものなんですか。あの地域は特殊なものと、福島県その他ではあるにしても、それと青森県の場合は別個である、地域的に両方が独占的になって、それは青森の全県支配という結果を生む要素にもなる、そういうこともお話になっていますので、それは一つとして聞きますが、集乳上都合が悪いというような地理的な条件もあるわけですか。どういう条件なんですか、特殊な事情というのは。
○説明員(蘆野弘君) 何も青森県に特殊な事情があるということではございませんで、牛乳というものは、今は交通がずいぶん発達して相当遠くまで運べるようでございますけれども、しかしながら、今までのところ、実際に岩手県あるいは福島県の牛乳を青森県の乳業者が集めてやっておるというようなことはございませんで、これは地理的、それから取引の慣習上と申しますか、あるいは地勢というようなことも関係いたしましましょう、そんないろいろな要素を考えまして、一応あすこが他と区別されて、ほかとごく部分的にはあるようでありますけれども、入りまじった集乳が行われるということがなく、一つの離れた独立の取引分野になっておる、こういうことでございます。
○小笠原二三男君 そうすると、公取の審判の範囲には、地理的に集乳の状況がいいとか悪いとか、そういうような何と申しますか、運営上の問題に立ち入ってまで御考慮になって審判を下されるものなのですか、公取委員会というものは。
○説明員(蘆野弘君) ただいまの御質問の点は、われわれの方の言葉で申しますならば、独占の定義に、一定の取引分野における競争を実質的に制限する、こういうことになっておる、その解釈でございまして、それがいいとか惑いとかいうことではございませんで、事実取引分野と申しますが、必ずしも地理的な意味では、ございませんけれども、独占と申しましても何も日本全国独占だけが独占なんではありません。ある特定の範囲内において競争がなくなる状態、競争が行えないようにする状態、こういうものがわれわれのいう私的独占でありまして、これが違反になるのでありますが、そういう意味においては、取引がどの範囲で行われるかということは問題ではないのであります。
○小笠原二三男君 そういうふうに言われると、雪印乳業が県当局と覚書を取りかわす、あるいは工場買収等をやる、そうして意図的に独占の方に向っていったのはけしからぬとも言われ、そのことがあるなしにかかわらず、雪印自身が結果として、三八も、あるいは十和田の方も握る、こういうのは、あの地域の特殊な取引の現況からいえば独禁になる、こういう理由も言われると、どうも判断に苦しむのですね。それで覚書その他の方はこの際抜きにしまして、雪そのものが、あの地域において他の競争ができないような状態に、まあ中心工場に指定されて進んでいくというのは、あの特殊な地域における取引の工合からいって独禁なんだ、こういう根拠をお示し願いたい。
○説明員(蘆野弘君) ただいま申し上げましたわれわれの方で申します私的独占、つまり違法な私的独占のもう一つの要件が、これはつまり他の事業者の事業活動を排除するということがもう一つの条件でございます。さっき申し上げましたのは、一定の取引分野における競争を実質的に制限するということでありますが、これはまあ結果と申しますか、そういう状態を目途としてやることでありますが、そのために自然に他の事業者が別に入ってこないからそこで一人しかない、これはちっともかまわないのでありますが、他の事業者の事業活動を排除して、そして自分だけでやる、ほかの言葉で言うならば、他の事業者の事業活動ができないようにしておいて、そうして自分だけがやるということが私的独占になるのでありまして、この場合、具体的に申せば雪印が県当局その他の経済団体と話し合って東北乳業が今までやっておったのをやれないようにする、あるいは今後やれぬようにする、こういう一方で工作をしておいて、そして自分がそこでやる、これが独占禁止法に違反する、こういうことでございます。
○小笠原二三男君 最後に一つ。もうそんなら中心工場に雪印がなった、それ自身は何ら独禁法に触れるものではない、これだけははっきりしていますね。
○説明員(蘆野弘君) 中心工場指定、そのことは別に独禁法上の問題ではないと申し上げていいと思います。
○小笠原二三男君 指定によって雪印が一生懸命集乳について努力する、このことも何ら心配のないことですね。
○説明員(蘆野弘君) しかし、その指定されるに至る経路、これが問題であります。農林当局が指定されるということ自体はこれは問題ではありません。その結果、先ほど申し上げました通り、多少独占的な傾向になったとしても、これはむしろ法律の予想しているところでありますが、これに至るまでにいろいろな不公正取引とか、その他不当なことがあれば、これは単なる指定とは申せないのでありまして、そこをわれわれは問題にしておるのであります。
○小笠原二三男君 やめるつもりだったがね。明治乳業だって中心工場になりたいと競争したと思うのですね。雪印だって競争したと思うのです。競争して一つ向うが中心工場になった、それも農林省が認め、県知事がこれを認可した、その限りにおいて雪印が今後盛んに中心工場にふさわしい集乳のために努力する、これは私いいと思う。過去においてそういうやり方で中心工場になった雪印がけしからぬというのなら、させた県知事や農林省がけしからぬ。公正取引委員会だって、政府機関として一つの機関である。農林省自身だって、知事だって、これは国の事務あるいは国の事務を委任されている、そしてやったことなんだ。それがいかぬというのなら、何か私たちは行政措置の方は問わないんだというあなたのお考えはどうもおかしいと思うので、あなたたちとしては、青森県知事なり、農林省なり、全販連なり、農林中金なり、このことを採用した皆が共犯関係にあると私は考えねばならないように思うのですがね。そんなことはかまわないのか。過去のどういういきさつがあったにせよ、その明治乳業だって私は競争したと思う。競争しないで指をくわえて見ておったのですか。中心工場になる希望を初めから持っておらなかったのですか、事実関係は。そういう点を少しくはっきりさしていただきたいと思います。あとはどんな答弁があっても質問しません。
○説明員(蘆野弘君) 簡単に答えさしていただきます。明治乳業も三八地区の中心工場になることは希望しておったようであります。明治自身運動しましたか、あるいは明治に関係の人が運動したか、実は記憶しておりませんけれども、これは確かに明治も三八の中心工場になりたいという希望を持ち、運動もしたろうと思います。違う点は、明治は三八の中心工場になることを希望し、運動したかもしれませんが、十和田については全然やっておりません。つまり、十和田も三八も両方自分がやるということを主張したということはございません。それともう一つ、明治の運動——実際にどういうことをしたか存じませんが、少くとも特に県当局と話して独占的にやるということを運動はいたしておりません。その二点が雪印の場合と違っております。
○清澤俊英君 ちょっと聞き漏らしましたがね、それでちょっとお伺いしますが、畜産局長、大体中心工場というのは酪農振興法に基く農協等を中心にしたる一つの計画の中心工場と、こういうことじゃないですか。
○政府委員(谷垣專一君) 中心工場と申しますのは、これは計画の中に出て参りますが、その地帯にうんと乳をふやすわけでございますので、その工場の施設をかなり近代的なものにする、そこで計画の中にその中心工場というものは何にするのだということが要求されておるわけでございます。これはもちろん、農協と関係があるとかないとかいう問題は一応ございません。それは片面で、その場合に農民、もちろん組合も入ると思いますが、そういう諸君がどういうものが中心の工場になることを考えておるか、それに対して協力関係が成り立つかということは必要でございますので、法律で市町村長、協同組合長あるいは乳業者等の意見を聞いて、その結果知事がそれを参考にしまして計画を申請して参る、こういうことに相なっております。
○清澤俊英君 だからね、今あなたの言われることを考えれば、これは青森県なら青森県、あるいは三八地区なら三八地区の乳業者全部を、中心工場へむろん集めるという考え方でなく、酪農の振興をはかるために、振興法によって一つの計画が行われる、その計画の中に識り込まれた中心工場、そういうことでしょう、簡単にいえば。逆にいえば、そう解釈していいんじゃないですか。
○説明員(蘆野弘君) そういうことであります。そうしてそれは中心工場をきめましたからといって……。
○清澤俊英君 それだけでいいのです。それで蘆野さんにお伺いするが、さっきから聞いておると、ここのところがどうもわしらわからないのだ。一つの自分の農協というものが中心になって、これから飼われる人も飼わせるようにし、今まである人もだんだん頭数をふやすようにし、こういう計画の中の中心工場として考えておるので、ほかのまだ飼わぬ人はたくさんおります。今参考でお聞きしてもいいですけれども、めんどうくさいからやめますけれども、七%、まあ八%、一割になっていないと思うのだ。大部分の人はまだ飼わないでおるのだ。これは明治は明治なりで特約組合的な自分の関係酪農団体を持っているのだ。そういう二本建の形になっておる。この計画したものが中心工場になったからといって、これを圧迫するというのはどうも私はわからないのだ。実際問題としてちゃんとそういうものがずんずん発展しているのだから、量でいけば、現にこれほど争っている中で十石もふえたというのです。十石もふえている。二十石のものが三十石になり、三十石のものが三十五石になっている。それはそれなりの明治のやり方であり、これはこれなりの農協のやり方なのです。それが問題になるというと、どうも私には合点が参らぬが、そこの中心工場なるものの考え方を一つ、きめられたこの問題になっている中心工場というものの考え方が、ちょっとごっちゃになっているのじゃないかと思う。何もほかの、この計画外の農民を対象にしているわけでもなんでもないのです。これはどうなんですか、どういうふうにお考えになっているのですか。
○説明員(蘆野弘君) 先ほども申し上げました通り、中心工場そのものは必ずしも独占でもないし、またわれわれはそれを非難しては少しもおらないので、これはもうたびたび申し上げておりますから、繰り返しませんが……。それから明治の集乳がふえているということ、これは実はまだ、最近審判開始決定以後、あすこらの集乳状況がどうなっているかということは調べておりませんのでわかりません。あるいはまたその半面、雪印側もふえるのではないかと思うのであります。まあかりにそうでないとすれば、やはり公取がこの問題を取り上げたということも、一つの原因になっているのじゃないか。もしこれがそのまま放置されるのであるならば、雪印の方だけがふえて、明治がふえるということはおそらく妨げられて、起らなかったのじゃないかと思います。
○河野謙三君 私は一昨日休みましたから、ちょっと質問が重複するかもしれませんが、蘆野さんも、こういう問題を取り上げる以上は、直接監督の衝にある農林省ほど専門家ではないでしょうけれども、多少酪農についての予備知識はあると思う。わが国の酪農振興上一番重要な問題は、共同集荷の問題であります。共同集荷の問題については、何ら制約は、ございませんね、——ございませんか。いかに広い地域にわたって、たとえば、極端にいえば、全国を一本にした酪農団体ができて、これが全国の、極端にいえばですよ、牛乳を農民の意思によって一手に集荷するというものかできても、これは別に何でもありませんね。
○説明員(蘆野弘君) 共同集荷自体については何にも問題ございませんで、われわれも反対はしておりません。ただ、今御引例になったような極端な例になりますと、そのこと自体は、観念上と申しますか、これは差しつかえないのでありますが、しかしながら、これは協同組合という形でもちろんやられる場合をお考えになっていると思いますが、たとい協同組合でも、協同組合の適用除外にただし書きがございまして、競争を制限することによって、実質的に物を高くすることになる場合はいかぬ、こういうことがございますが、そんなような、つまり全国を一本にして、そのために自由に価格を操作して不当に引き上げる、こういうようなことをしない限り、正常に運営される限りは、たとい全国一本でもかまわない理屈であると思います。
○河野謙三君 この際、あなたの方の関係の法律とか農林省の酪振法とか、そういう理屈は別にして、法律は別にして、私は事実問題で一つお聞きしたいと思うのです。よく聞いてもらいたい。今あなたは、共同集荷は妨げない、共同集荷はわが国の酪農振興のために絶対必要だ、こういうことだが、共同集荷の運動を進めるためには、これに共販というものがつかなければ共同集荷の運動にならないのです。私の言う共同販売というのは、一元販売という意味じゃない。共同集荷、多元販売です。ただ、農民の自主的意思によって、どこの会社へどう売ろうということは団体がきめればいいのであって、そのきめた結果、どこの会社にどう売ろうというのは、地域のいかんを問わず、これを制限することは共同集荷を妨げるものですよ。この事実は事実問題としてある。たとえば、私はここで参考に申し上げます。私は神奈川県ですが、神奈川県は、北海道を除いては、現在県別にすれば、日本全国で一番牛乳の生産量が多いのです。現在一日千石をこえております。ところが、神奈川県のそれだけの牛乳を生産している農民の一番問題点は、共同集荷ができないのですね。共同集荷ができないということは何かというと、全国の牛乳が森永の組合だ、やれ明治の組合だ、やれ何の組合だといって、十からの牛乳の会社が来て、それがみんなそれぞれの組合を作って集荷をやっておる。集荷されたものは、東海道を牛乳が、中途半端に荷物を積んで、東へ行ったり西へ行ったり、北へ行ったり南へ行ったりするのです。この運賃は全部生産農民が持っているわけです。牛乳の運賃というものは、一応森永なら森永が負担しているような格好になっていますが、実質的に生産農民が負担しておる。牛乳の生産費は、この運賃を合理化するということが農民の経済的な地位を確保することである。従って、共同集荷したものは、たとえば横浜なら横浜に協同組合の本部があって、箱根の方の地区は小田原の工場に、私のおります平塚地区は森永平塚工場にといった格好で実質的に集荷したものは、運賃の合理化をはかるところに酪農の発展がある。農民の地位の向上がある。地域を、広いとか狭いとかいうことを言って、神奈川県全体の牛乳がどっかに集まって、どっかに売っちゃいかぬということになっては酪農振興にならないのですよ。この事実はこれはもう間違いないのです。あなたは、この事実の前提に立ってやはりものを判断する私と共通な立場におられますか。それははなはだ開き直るようでありますが、それをまず伺いたい。
○政府委員(谷垣專一君) 共同集荷が差しつかえないということは、むろん共同販売ということが是認されるということでございまして、これはまさに一つことであります。それからただいまお話しになりましたような、神奈川県のような事情というのは、おそらく日本の酪農というものの、何といいますか、後進性と申しますか、非常におくれて、農民の方からまだ盛り上ってこないのに、乳業者の方が先に進んで、そうして今お話しのような形成を作り上げてしまったのじゃないかと思って、これはあまり望ましいことじゃないので、むしろ農民の方から自発的に作ったところの有力な協同組合というものができ上って、そうしてこれが適当な乳業者相手に一元的に販売するということが望ましいのじゃないかと思っております。私どもそういうことに対しては、全面的に反対する考えは持っておりませんのです。
○河野謙三君 そうしますと、かりに神奈川県でわれわれが意図しておるように、全県下の日産千石の牛乳を一手に集荷することができたとする。そうして集荷したものを農民団体が、たとえば森永なら森永の工場に売ろう。場合によってはもう一つ、千石じゃ多過ぎるから、明治なら明治にやろう、雪印へやろうということについては、区域といい、一工場に割り当てる量といい、これは何も制限はないでしょう、ございませんね。なければですよ、そこで私は伺いたいのですが、今度の青森県の問題は、私はこの間も資料を要求して、県の当事者と雪印との間の覚書があるだろう、それを見せてもらいたい……。見ました。これによりますと、私が想像したように、知事は権力者である。酪農振興法の一つの役割を持っておる知事は権力者です。その権力者が、字句は今ここに持っておりませんが、意味は、今度お前これと取引をしてくれ、取引した以上は、お前の、雪印の工場に牛乳を出すことに協力する、こういうのです。私なら協力ということは当てはまるけれども、知事は権力を持っておる人間であるから、協力とは平たくとれない、そこに私は問題があると思う。それから今度あなたの方の取引だ。この問題は知事がこれに介在していなければ、何ら公取が取り上げる理由は一切ないと思うのですよ。ただ、この問題だけが問題であって……。そうでなく、青森県の酪農組合なり、農業組合がこれを自分で共同集荷してどこに売るという約束をしても、少しも問題ないと思うのですが、先ほどのところは、清澤さんと東さんが質問しますと、知事の覚書も一つの問題であるけれども、そのほかにも取り上げた問題があると、こう言うが、私の見解は、それ以外に取り上げた問題は一切ない、あってはならないと思うのですが、そのほかの問題とは何です。 私は、知事が介在した問題については、ほかの方と多少意見が違うかもしれないが、多少問題だと思う。こういうことをやったならば、畜産局長が覚書を交換して判を押してちっともおかしくない。権力者ですから、これは問題ないと思う。これを除いた以外で——青森の農民団体はどういうところにどういう覚書を交換しようと、そんなことは問題じゃないと思うんですね。この知事の覚書以外の問題点というのは何です。それを一つはっきり言って下さい。
○説明員(蘆野弘君) 全く仰せの通りでありますが、覚書を私は中心にしていろいろ話し合いがあったと申したことは、覚書を、まあ河野委員が今おっしゃったように御解釈になりますが、しかし、まあ必ずしもそんな意味じゃないんだと、これはただ協力すると言っただけだという、中心にすると言っただけだと、それ以上の独占的にやらせるのだと言った意味じゃないのだという弁解や抗弁が当然あると思うんですが、しかし、そうでないということを、われわれは証明する義務を持っておるのでありまして、それには単なるこの覚書があればもう当然いかぬじゃないかと、あるいは言い得るかもしれません。しかし、それではまだ十分ではないかもしれません。その覚書の意味を解釈をする上において、まだほかの証拠を必要とするんじゃないかと、こういう考えでありまして、あと覚書を離れて別に要素があるということではございません。
○河野謙三君 私はこの問題は非常に大事だと思うのは、今度あなたの方がこれを取り上げた理由は、青森県の知事がこれに介在したと、私が言うところの権力者がこれに介在したところに問題があるのであって、それ以外は何にも問題はないのだという点をはっきりしておきませんと、ほかの全国の地区においてこれは非常に誤解されるんですよ。農民団体が自由の意思で、だれと契約し、だれと覚書を交換しようと、地域が広いとか、そこの経済事情によって一々独禁法にかかるんだということになると、萎縮しちゃって、酪農振興上非常に支障を来たすんです。ですから、あなたが青森県の場合は特別のケースであって、特別のケースとはこういう知事が介在して、これだけが問題になるんだということがはっきりしていれば、ほかの地区に波及しない。知事が協力することは、私が先ほど申し上げたように、これは権力者なんです。権力があるんですから……。たとえばあなたがあなたの所管事務において何か陳情を受けて、いや協力しますと言ったら、受けた方は協力とは受けませんよ。これは大いに支持を受けたと、こうなるんです。これは私は問題だと思うんです。だから、それが入っていなければ、これは何も問題じゃないのだということを——私の希望ですよ、はっきりしていただければ、ほかの地区において酪農振興法において今後のいろいろな運営上において、農業団体が少しも戸迷いしない。農民も少しも戸迷いしない。これが全国においていろいろ疑心暗鬼を生んでいるのは、知事の介在を混同して、農民団体が何か自由の意思でやることがいけないという誤解があるんです。その点が問題だと思う。その点をはっきりしていただければ、非常にすっきりしてくると思うんです。その点は私の言う通りですか。
○説明員(蘆野弘君) 御趣意よくわかりました。全く仰せの通りであります。一般的に農民が自由意思で一元集乳もし、一元販売するということを、否定する意味は少しもございません。青森県の今度の事件の特殊性は、まさに雪印が権力を持っているところの県当局と話し合って、その協力を得て独占を企てたという点にあるのであります。
○河野謙三君 じゃ、重ねて申し上げておく。私、実は神奈川県の農政部長と共同集荷の今運動をやっているのですよ。全県下一手にまとめて、そうして私が先ほど申しますように、多元販売ですね、農民が一番有利な所に売っていこうじゃないか。ところが、それもかりに一元集荷ができ上ったときに、神奈川県下全部をまとめてそういうことをやるのはけしからぬということで、さっそく蘆野さんに被告として呼ばれると困るから、(笑声)で、私は蘆野さんのそういう見解がはっきりすれば、私は今後猛烈に神奈川県の運動を進めますから、そのときはまたよろしくお願いします。(笑声)
○田中啓一君 私は皆さんのおっしゃるところとあまり趣旨において違わぬのでありますけれども、角度はだいぶ違ったところから御所見を伺いたいと思うのであります。それは、まず第一に、御見解を伺いたいのは、そもそも酪農振興法なるものは、一体いかなるこの今日の農業あるいは牛乳の消費地の事情に基き、どういうことを目的としてこの法律はできたのかという点に対する御見解を伺いたいのでありますが、私は、この法律の目的は、今日牛乳というのは、御承知の通り、農民が一合について五円前後で売っておりますものを、消費者は十四円、十五円、この議会の食堂のごときはわれわれが飲むときに二十円、そういう実は価格で生産と消費の間を埋めておるわけです。およそ、どうも農民が売った価格よりも、大してむずかしい処理工程あるいは製造工程も経ない農産物が、二倍半、あるいは三倍で消費者の口に入るというようなことは、ほかの農産物にはないことなんです。また、どこの国にもそういうことはないのです。で、まことにこれはわが国の特殊事情であって、何とかこれを合理的にできないかというところに着目を一つはしまして、そうして、それは結局集乳区域というものの密度が非常にばらばらで、集乳に金がかかるということが第一いかぬのだと。そこで、わが国のようにばらばらに全国五十万頭の乳牛が散らばっておっちゃいけない。そのまま、ただ年々一割とか一割五分とかいうことではいけないので、これは一つ地域を限定して、そうしてそこだけに密度を高めようということで、——やる手段は間接的であります。乳牛をふやすのにも、御承知のように、直接統制はやらないで、その地域には優先的に金融をしてやるぞ、こういう行き方なんです。そうしてもう一つは、その一つは区域には勝手次第に乳業者が入り込んで競争をするということでは、これまた、いつまでたっても集乳量はふえないのです。わずかばかり牛乳の生産量がふえると、また新しいやつが入ってくるというようなことで自由競争ということからいえば、これは若干そこに実際においては統制が加わって、そうしてしかも、できるだけそいつは民主的な形でそれを行なって、そうして一つ適正規模の牛乳処理場をそこに一つ作って、そうして大体規模にかなうだけのそこに集乳をして、そうして中間経費を下げよう、こういうことだと私は思う。 そうしてみますると、今まあ適正規模というのは、今日大体一日百五十石の牛乳を処理するのが適正規模と言われているわけなんです。百六十石に達するまでは、その工場へなるべく多くの牛乳を持っていくように配慮が行われなければ、資本は寝てしまうわけです。相当今日何億という金がかかる設備をフルには使わぬことに相なる。長く寝かすことになる。それでは、やはり中間経費が高くなる。それで、まあずいぶん私は思い切った計画だと思いますけれども、五年間に五千頭には持っていこうという——どこの指定地域も、現在千頭にも足らぬような区域が多いのですけれども、これを急に持っていこうと、こういう——この三八地上区のごときは、わざわざ外国から乳牛を入れて増加に努めておるというわけですが、それはけっこうです。 そういう次第で、そういう思想に基いて一つの中心工場というのが選ばれてくるのでありますから、中心工場を作るということが、そもそも全く処理業者の自由競争ではだめなんだという見地からやっておることなのでありますから、それは私は、他の乳業者の、多かれ少かれ、排除になるのは当然だと思う。それを、こればかりの排除をしてもいけない、こういう御見地でおやりになれば、これは私は本酪農振興法の制定の目的にはかなわぬことだと思う。しかし、まことにあれは遠慮がちな法律でありまして、全部間接的に持って回ってありますから、私の申すようなやり方ははっきり現われておらない。私は本来いえばそこまで取引委員会には十分申し上げて、この必要でやるのでありますから、独禁法の方はその程度でとどまっていただきたいという、はっきりした両法律の調整をしておかなければいけないん、だろうと思うのです。ところが、それは遠慮がちでありまして、まあまあどっちもこの程度でやろうということであって、今日の問題になったのではないか。先ほど河野さんは、知事の権力が介在したのが問題だと、こう言われるけれども、私は知事が酪農振興をやろうとするならば、あれぐらいの、協力をするくらいのことを言うのは当りまえであろう、またそうするのが当然のことではないか、知事としての職責じゃないかと、私は思う。ただ、それを酪農法等に書いてあるような手段以上に出ることはいかぬでしょう。しかし、協力することは決して私は行き過ぎとも何とも思っていない。そういう次第であると、私は実は酪農振興法と独禁法との関係を考えておるのでございますが、蘆野委員の御見解を伺いたいと思います。
○説明員(蘆野弘君) 酪農振興法に基く中心工場に指定されると、これは必ずしも独占を認めたものではないが、非常に便宜を得て独占的傾向になる、またそれがねらいであるということは、さっきも申し上げました通り、その通りでありまして、今度われわれが問題にしておりますのも、雪印が十和田なら十和田の中心工場にされた、あるいはされるように運動した、あるいは三八なら三八だけの中心工場になるように運動したということを問題にしておるのじゃございませんで、一つの集約酪農地域においては多少そういう傾向があるのもこれもやむを得ない、また利益の点もあるということは認めるのでありまして、そのことだけを問題にしておるのじゃありませんので、その両方——この際たまたま二つあるわけでありますが、つまり青森全県の集乳を独占する、こういうことを雪印がしたということを問題にしておるのでありまして、酪農工場そのもの、あるいは中心工場そのものを問題にしておるのじゃありません。
○委員長(堀末治君) それじゃ、本件は質疑はこの程度にいたしまして、直ちに結論に入りたいと思いますが、いかがでございましょうか。 それでは、一昨日の委員会で大体お話し合いをいたしておりました政府に対する申し入れ、今お手元に配ってありますが、こんなことで政府に申し入れることにいたしたいと存じますが、いかがでございましょうか。ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀末治君) 速記起して。 ちょっと申し入れを読んで下さい。 〔専門員朗読〕 酪農振興に関する申入 わが国農業の重大な転換期に当面して、その活路はまさに酪農に期待しなければならないのであって、酪農の発展を図ることは焦眉の要務である。 しかして、酪農発展の要諦は農業協同組合の系統組織による牛乳の共販体制を育成確立することに在る。 この時、たまたま青森県三八集約酪農地区において、牛乳の集荷をめぐつて私的独占被疑事件が惹き起され、又公正取引委員会委員蘆野弘君の談話中農業協同組合の共販体制に関する発言は、発展途上に在るわが国酪農のためまことに遺憾とするところである。 ここにかんがみ、速かに政府においては、関係各当局緊密に連絡協調して事態の収拾に努め、農業協同組合の系統組織による牛乳の共販体制を育成確立するため、遺憾なき措置を講ぜられたい。 なお、右に関して政府において講ぜられた措置及びその結果を当委員会に報告せられたい。 右当委員会の総意を以って申入れする。 昭和三十二年五月十三日 参議院農林水産委員長 堀 末治 内閣官房長官 石田 博英殿 農 林 大 臣 井出一太郎殿 公正取引委員会委員長 横田 正俊殿
○委員長(堀末治君) いかがでございましょうか。 〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀末治君) 御異議がなければ、これを申し入れることに決定いたします。 では、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十七分散会