農林水産委員会 閉会後第14号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1957/10/30
会議録
○委員長(堀末治君) これから委員会を開会いたします。 前回に引き続いて、中央卸売市場の件を議題にいたします。 この件については、前回の委員会において農林省及び東京都当局に対し、問題の収拾について善処方を申し入れておりましたので、本日は、まず両当局から、その後の両当局においてとられた処置及びその結果について、御説明を求めることにいたします。 なお、本日参考人として佐藤東京都副知事、飯田東京都卸売市場長、及び石井東京都中央卸売市場業務部長の御出席をわずらわしております。 各位におかれましては、御多忙のところ、お差し繰り御出席下さいまして、まことにありがとうございます。 なお、政府からは渡部経済局長が出ております。 それでは、まず東京都から一つ御説明願います。 なお、皆さんに御了解得ておきますが、副知事は、知事留守で、タコマの市長が十一時から見えるということでございますので、十一時にちょっとおひまをいただく、そしてそれが済みさえすればまたあらためて出ると、こういうことでございますから、そのおつもりで御審議をお願い申します。
○参考人(飯田逸次郎君) 去る十日の本委員会の終りに際しまして、委員長さんから、来たる二十九、三十日にまた委員会があるので、そのときまでに円満な解決をして、その結果を報告するようにという御指示をいただいておりますが、その後、われわれはこの御期待に沿うべく、去る十日以来すでに残存の会社代表とは前後六回にわたりまして協議、折衝を続けて参ったのでありまするが、遺憾ながら、本日皆さん方の御期待に沿い得るような最終的な結論を御報告する段階にまで至っていないことを、まことに残念に存じ、申しわけなく存じておるのであります。 去る十日以後におきまするその後の経過につきまして、かいつまんで御報告を申し上げたいと存じます。 委員会のありました十日の翌日、すなわち十一日さっそく残存会社の代表と会いまして、かねてこちらから示しておりました処理案について至急各社の意見の調整を行なって、具体的な方策の回答をいただくことを強くお願いをいたしたのでありまするが、それに対しまして、十四日に残存会社から次のような提案がされたのでございます。その一つは、丸東の債務の肩がわりはしない。が、農林省及び東京都の丸東債務処理に関する行政には十分協力をする。従って、われわれが協力しやすいような名目を考えてほしい。それから、丸東債務の処理には東京都が直接その衝に当るような方法で行なってほしい。こういう三つの提案がされたのであります。 第一の、丸東の債務の肩がわりはしないということは、この債務の肩がわりという言葉、表現そのものが、ややもすると残存会社が丸東の債務一切を引き、受けるというような誤解を生ずるおそれがあるので、こういう表現は十分慎んでもらいたい、取り消しをしてもらいたい、こういう提案であります。あくまでわれわれは、肩がわりではなくして協力である。その点をはっきりしておいてほしい、こういうような御提案であります。この点につきましては、まことにごもっともでありまして、従来ややもすると債務の肩がわりというような表現をいたしたこともあるようでありまするが、それはあくまで残存会社の協力によるものであるということを即座にそこで再確認をいたしまして、了承を得たのでございます。 次に、第二と第三の提案に対しましては、さっそく農林省の御当局の御指導を得まして、従来第一案にかわりまする第二の案といいますか、信用保全のための基金積立制度というようなものを考えたのであります。 その概要を申し上げますと、神田分場における市場信用の保全増強をはかるために、基金の積み立てを行う、そうしてその積立金の醵出者は分場における青果物を取り扱う卸売人、そうしてその積み立ての額は取扱高の一・五。この積立金の使途でございまするが、これは荷主債権の補償及びその補償のための資金借入金の返済に充てる。それからこの積立金の徴収管理及び支払いに当るために社団法人を設置いたしまして、それには東京都もできれば一枚加わって強力な東京都の指導監督のもとに、事実上は東京都がその衝に当るというような、まあ事実上そういう態勢にしていく、こういうような案を作りまして、そうして残存の会社の方方に提示をいたしまして、目下その線に沿いまして協議を重ねておるわけであります。この制度は、できますれば、将来は全市場にわたっての恒久的な制度にまで持っていくことができれば、非常によろしいのではないかというように考えておりますが、一応はまず暫定的な措置として、神田市場にまず自発的に施行していくと、そうしてこの制度によって今回の丸東の債務の処理を、債務といいますか、それの処理を行なっていくというような考え方でございます。 まあこれにつきまして、以前会社との論議の対象は、ややもすると、抽象的な方針論とか原則論というものに終始をいたしまして、なかなか具体的な条件の検討に入っていくまでに至らなかったうらみがあり、まあじんぜん日を過ごした傾きがございまするが、最近におきましては、残存会社におかれましてもこの案を非常に真剣に御検討をいただいておりまして、最近では議論の対象が具体的な二、三の問題にしぼられて参ったようなわけでございます。われわれとしても、以前から比べると、非常にその点が前進をしたというふうに考えておるのであります。従いまして、いましばらくの御猶予をいただきますれば、何とかまとまっていくのではないかというような大きな期待をもって、目下懸命の努力をいたしておるようなわけでございます。今後とも皆さん方の御鞭撻を得まして、一日も早く解決をして、皆さん方の御安心をいただきまするようにいたしたいと、かように存じておりまするので、御了承をいただきたいと存じます。
○説明員(渡部伍良君) ただいま飲田市場長の御説明の通りでありまして、先般の当委員会のお話を、受けまして、善後処理について努力をしてきましたけれども、まだここではっきりした結論を申し述べることができないのを非常に残念に思っております。もうしばらくの御猶予をいただきたい、こういうふうに考えております。
○清澤俊英君 先ほどの陳情書にありました。まず失業労働者の問題について、農林省並びに都の当局の御見解と御決心とを、いかなる方法を具体的に考えておられるか、この点についてお伺いしたい。 第二番目には、ただいまの御説明の中にいろいろありましたが、その中で、二、三の具体的な問題にしぼられてきておる。その二、三の具体的の問題というものが、聞かされればお伺いしたいと思う。それをお聞きしてから、次をお伺いしたいと思います。
○参考人(飯田逸次郎君) では、まず第一の丸東の従業員に対する問題でございますが、御案内のように、丸東には従業員百四十八名が従事しておられたのであります。その方々に対するその後の問題でございますが、一番問題は、まず第一に、その就職先というものが問題でございまするが、この点は、おかげさまで、関係業界の非常な御協力をいただきまして、現在百四十八名中百二十八名の方が就職先がきまりまして、きまっておりませんのが二十名ばかりあります、ということになっております。もっともその中には、残務整理等に従事しておられる方もありまするのでございます。その方々の給料が未払いになっておりますし、また退職金は、もちろん払えるという段階まで至っておりません。われわれもこのことにつきましては十分考慮をいたしておりまするが、まず何と申しましても、やはり丸東の残存会社、現在まだ請求の段階まで至っておりませんが、その方にまず請求をして、そして処理をしていただくように、それからその後の問題については、また一つ十分検討をしたいということで、その方策等についても検討はいたしておりまするが、そのいろいろの方策として、従業員の方々からも申し出等もありますが、さようなことにつきましては、いろいろな関係もありまするので、すぐ御回答を申し上げるまでに至っておりませんけれども、十分一つ検討をいたしまして、御期待に沿うようなふうに今後とも努力をしていきたい、かように考えておるわけであります。 それから第二の、最近における残存会社との折衝協議の結果、問題が、具体的な問題二、三にしぼられてきておるということでありますが、この内容については、ここでまだ十分発表いたします段階まで至っておりませんけれども、問題は、金額の総額の問題であります。残存会社が、しからばどの程度引き受けるかという金額の問題であります。これにつきましては、非公式にはすでに残存会社から一つの提案はありまするが、ここではその金額については発表することを一つ差し控えたいと存じます。それからそのほか問題になっておりまするのは、その金を、残存会社がどういうような勘定科目、支出科目といいますか、そういう支出科目、勘定科目で出したならば、いろいろな点において合理的にいくかというような勘定科目の問題、それからもう一つは、東京都にその金を渡して、東京都の予算を通じて支払うということについての可能性、こういうような問題に目下しぼられてきておるのでございます。まだ具体的な点についてここで発表申し上げる段階まで至っておりませんけれども、一応そんなことが問題になっておるのでございます。
○清澤俊英君 ただいまの職員の給料未払いについて、非常にあいまいな御答弁だと思う。私のお聞きしたいのは、今すぐ払う金のないことはわかっております。どんな決心か、やはり未払代金の払いと同じような線の中に入れて考えておられるのかどうか。もしこれより先、現に生活に困っておる者があるのだったら、それに対して何らかの一時の借入金の何でもして、目安がついたら東京都でみんなめんどうを見てやって、借り払いくらいやる、これくらいの御見解があるのかないのか、これをお聞きしている。物の代金より人間の代金の方が上じゃないか、こう考えるのです。こういうことが中心です。それに対してどんな心がまえでおられるか、これをお聞きしているのです。検討中、検討中と言われるが、これをやったってなかなか出て参りません。その心がまえをお聞きしているのです。いま一つ御答弁願います。
○参考人(飯田逸次郎君) 従業員の方方の未払いの問題につきましては、現在産地の仕切り金の未払いの問題とは、一応別途な方法において処理していくようにしたい、こういうふうに考えております。その方法については、関係の方面とも話はいたしておりまするが、まだ具体的な方策をここで申し上げるまでに至っていない。十分御期待に沿うように、今後とも努力をいたしていきたい。
○清澤俊英君 監督官庁の農林省は、どういうふうに思っておりますか。と同時に、今のお答えにしてみたところで、大体少しめんどうになれば研究中あるいは考究中、これは逃げ口弁としてきまったものですよ。そういうことじゃ事は済まないのですよ。労働賃金の問題は、それじゃ済まない。もっと具体的なものが、もう出ておらぬければならぬはずです。佐藤さん、どうお考えになっておりますか。
○参考人(佐藤基君) なかなかむずかしい問題でありまして、会社が不始末をして、その結果営業の免許を取り消された、その責任を都がどういうふうに負うかという問題のようにも考えられるのでありまして、考慮中、考慮中というのは、逃げ口上と言われますけれども、都の当局といたしましても、実は非常にむずかしい問題で、すぐこうするということは言い切れない。その点を御了承願いたいと思います。今市場長が申します通り、なるべく円満に片づけたいという希望はもちろん持っておりますけれども、しからばどういう方法でやるかということは、荷主債権の問題さえもまだ片づかないために、それともちろんあわせて考えるべきことと思いますが、こうするという具体的の方法について即答することは、実は非常にむずかしい問題で、逃げ口上と言われますけれども、誠意を持って研究している、そういうふうに御了解願いたいと思います。
○清澤俊英君 農林省は……。
○説明員(渡部伍良君) ただいま東京都の方からお話がありましたように、私どもの方も、退職金の問題あるいは俸給未払いの問題は、それ自体はまず会社の債務としては最優先的に考えるべきものであると、こういうふうに考えております。しかし、御指摘がありましたように、現在の会社の状態では、それだけを切り離して片づけるというところまでいかない。何と申しましても、市場の信用維持、卸売会社としての第三者、すなわち生産者に金を払うことを片づけるのと、やはり並行して考えなければいかぬのでして、片方だけを先というわけにいかないので、ただいま東京都からお話がありましたように、煮え切らないような返事しかできないのが現状であります。御了承願いたいと思います。
○清澤俊英君 佐藤さん、副知事さん、あなたに後ほどお伺いしようと思っておりましたが、話が出たので伺いますが、先般いわゆる都長は市場に対するいろいろな処分権を持っておるのじゃないか、こういう私は質問をいたしましたところ、大体そういう法規的な処分権は農林省が持っておるので、東京都にはあまりありません、こういう御答弁があったと思うのです。そこでいろいろ法律に不得手な私が、中央卸売市場法並びに業務規程等を見ますと、中央卸売市場法の十六条には、「開設者ハ業務規程ノ定ムル所ニ依リ第十条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者ニ対シ其ノ業務ヲ停止シ若ハ十万円以下ノ過怠金ヲ裸シ又ハ売買ニ参加スル者ノ入場ヲ停止スルコトヲ得」と、こうある。それからなおその業務規程中には第十二条、第十三条、二十三条等々と、まだほかにあると思うのですが、こういう場合にこういう措置をとるの権限があるという規定があるのでして、それは後ほどお伺いします。それを責めるのじゃないが、将来の卸売市場のあり方について必要性がありますから、お伺いしますが、こういうふうな規定をほんとうに順守しておられれば、今まで通りにこれをほんとうに法の精神に従って順守しておられて、そういう処分をぱちぱちやっておられるならば、こんな問題は出なかった。私は出なかったと思う。こういう要点々々にはちゃんとくぎが打ってある。 私は先般も言いましたけれども、ちょうど汽車が走る、シグナル、赤信号がある。赤信号は東京都が下すことになっている。ちゃんと赤信号を出す責任者がある。それを赤信号を出さないので、汽車が入ってきて転覆した。そのときに汽車の転覆に対して、信号を出すところに信号を出さなかったならば、その責任はだれが負うのです。これは赤信号が出ているにもかかわらず入ってきて転覆を起したときは、機関士が負うことになりましょう。そうしてみたならば、私は、東京都がそうあまり他人事のような考え方でおられることは、私はどうも、この間もそう思ったのですが、おかしいと思うのです。従って、この問題にしてみましても、この返済の問題にしてみましても、私はもっと真剣に責任感を痛感、すべきじゃないか、こう思っている。どうも今の御答弁では、私は全く悲観してしまいました。こんなこと言いたくないのですけれども、佐藤さんは新潟で御厄介になっておりますから言いたくないのですけれども、あなたは非常にまっすぐないい人であることは知っていますから、言いたくないのですが、言わざるを得なくなりました。どうなんです。この問題に対してどう感じておられるか。
○参考人(佐藤基君) 監督権を逃げるわけじゃないので、この間の法律の改正によりまして、業務の、取り消し等、そういう重大な権限は農林大臣に移ったのであります。しかしながら、東京都知事として、いわゆる開設者としての監督権と申しますか、責任があるということは、この前申し上げた通りであります。 そこで、次の問題は、開設者が十分その職責を果したかという問題になるわけです。それについて、今お話しのように、汽車が転覆してから知らぬ顔しておると言われるけれども、これは見方の相違で、あるいはわれわれの方も知らぬことは全然ないとは言いませんが、飯田市場長の前の市場長時代に経理検査をやりまして、しばしば警告を発しておるのです。君の方のこういうふうなやり方では非常に危ないから気をつけろ、経理改善の勧告を何べんも出しておるのであります。それが何と申しますか、十分行われなかった。それは取引の関係でやむを得なかったのかもしれませんが、少くとも結果的に見て、その改善命令が十分に行われなかった。その結果。こういうふうな非常に遺憾な結果を生じたのでありまして、東京都はその責任を行うことについで、眠っておったのじゃないので、結果的に見て多少足りなかったじゃないかという御批判はあると思いますが、決して市場当局が怠っておったとは私は考えておりません。そういう状態であります。御了承願いたいと思います。
○清澤俊英君 先般もその問題に触れておったと思うのです。ということは、警告を発したが聞かない。聞かなかったら、なぜ業務規程に従って適当な処分をしていかないのですか。業務停止なり、売買の資格を剥奪するなり、それをぴしぴしやっておられると、こういう問題は起きなかったと思うのです。ただ、この間も飯田さんが言われた通り、いろいろ長い間に情誼もあるものだから、その情誼にほだされて警告で済ましておったということが、ついにこういうことになった。その実情はよくわかります。この実情はわかりますが、それが重なって、結局情誼におぼれてこの重大問題を起しておる。しかも、それはただ一つの会社がつぶれたという問題ではないのです、この問題は。それを捨てておくことが、とりもなおさず、生産者、同時に消費者、この大多数の者にどれだけ迷惑をかけておるか。全く公共的な性質を持って、独占的な特権を与えられて、そして正当な市場形成価格を作り出す大事な機関が、それはもう機能を失っているのではないか。ここが大切なことです。人情は人情ですが、現実は現実です。論ずるときは、結果から言っておかなければならぬ。それで責任を感じないということは、われわれ全く納得できません。もう一度答弁を願います。
○参考人(佐藤基君) 同じことを繰り返すことになりますが、私ども、責任を感じないということは、一言も申しておらないつもりであります。前、前々市場長の時代に改善命令をし、しかもその命令が効果を十分達しなかったので、三回くらい発しておると聞いております、そういう事情であります。
○清澤俊英君 それでは、同じことをあまり繰り返すのは何ですから、別な方面に移りますが、まあいろいろ最近新聞や雑誌等で内情が暴露されております。その点についてまずお伺いしますが、この前の委員会において、この丸東の破産というものについては大体会社が乱立しておった、過度競争によっていろいろ不正不当な取引が行われた、そのためについにこういう重大事を引き起した、こういう御答弁であったと思うのです。それでは、その問題はやはり、いろいろ新聞雑誌に書いておりますが、荷受けに際しまして、産地に買出しに行くとか、あるいはこれに対する奨励金を出しているとかいうような問題に対しまして、まずお伺いしますが、こういう奨励金を出したり産地に物の買い出しに行きます場合に、これは業務規程の第十条並びに二十三条によりまして、知事の認可を受けなければできない。そういうものが非常な障害を起すとするならば、なぜに、知事の認可を受けないでやったのに対して、不正不当な行為は、これを適用して最も果敢な方法をとられなかったか。こういうものに対してどうお考えになっているのですか。 それが不当な競争を起させるもとになってきている。これがひいては、産地に行きましたならば、私どもは昨年か一昨年でしたか、この市場問題が、本委員会に問題が出まして、そしてその実情の調査に行ったときに、生産地では、ほんとうのまじめな生産者団体はこう言っている。あまりにそういうたくさんな競争が産地に入ってくると、産地の品種の統一、製品の向上、そういうようなことをしていくことが障害せられる。従って、まあ単である、一社にすることは困りますが、二社ぐらいにして、そういうものはあまり来ない方がよかろう、これがまじめな生産者団体の意見でありました。それほど産地においても不平が起るような問題が起る、そしてそれをやることによって自分が壊滅していく、こういうものがなぜとめられなかったか。とめられなかったならば、農林省でも何でも相談して、そして職権発動をしてでもやる方法があったと思う。直接の権限内にちゃんと、今申しました通り、これは大体法第十条ですか、業務規程の十条もしくは二十三条だと思うのですが、これらによって取り締ることができると思うのです、認可を受けているのだから。なぜやらなかったのですか。そういうものの責任を感じないのですか。 しかも、これは農林省の方へ一つお伺いしますが、その場合に奨励金等の、買付を急ぐためにいろいろ混乱を起して、そして手数料のうちの一割二分ですか、こういうようなものをリベートとして、奨励金として返されておる。あるいは何かの試験研究費ということで特別の金が出るとか、飲み代を要求せられて出すとか、こういうようなことが—それよりひどいことになると、冠婚葬祭まで行ってときどきごちそうしなければならない。こういうものが果して生産者の手元に入っているのだろうか。これは、農業関係における、おそらくは出荷団体におけるボスがみなふところへ入れているのだろうと思う。何らこれは会社のためには役に立つ道具じゃないです。農林省はそういうことを今まで知らなかったのかどうか。私は後ほど、ここではない別の機会に、せっかく作られた農業会、中央会、全販連だとかの責任者にその実情を聞いてみなければならない。農民の手元にどう返ってくるのか。私は、これは東京へでも出てきて、荷受け団体をおどかして、そこらへ行ってちょっと一ぱいやるとか何かするのが、関の山だと思う。こういうつまらぬものを、なぜだまって見ているのか。私は、八百万の東京都の台所を預かっている中央市場の状態とは言えないと思う。最近におきましては、八百万の東京の都民だけじゃありません。鮮魚だとかその他のものが、東京市場を通じてわれわれのいなかまで来ておりますが、日本全国に影響の大きいものです、生産、消費全体を通じて。日本の少くともこういう台所の製品を動かす基本的な場所であります。ただ、情誼でもってそんなことをして、何だとかかんだとか、いってなまぬるい返事では、私は全く納得できませんです。これはどうなんです。そういう権限がないのですか。
○参考人(飯田逸次郎君) ただいまの御質問は、今回の丸東がああいう不始末をしでかした一つの大きな原因として、いわゆる卸売間の過当競争による経費の乱費というもの、特にそのうち出荷奨励金というようなものが非常に乱費されておるというのが、原因のように話があったが、それについては東京都の許可を得てやっておるはずなんだが、それでも取り締れなかったのかというのが第一点と承わるのであります。これは、ただいま御指摘になりました業務規程の第十条に「卸売人は売買取引について奨励金を交付しようとするときは、その率及び方法について知事の承認を受けなければならない。」という条項を御引用になったのですが、実はこの第十条は産地に対する出荷奨励金に関する規定ではございませんので、これは卸売人が仲買人もしくは買出人との売買をした場合に、その際のいわゆる完納奨励金についての規定でございまして、実は出荷奨励金については一々知事の許可を得てやるというような関係にはなっておりません。われわれが監査をいたしました結果、そういうものが多く出ておるというようなことで、そのつど厳重な警告を発して参ったのでありますが、各卸売人間の出荷競争といいますか、そういうようなものから、かような出荷奨励金その他の経費がかなり多く出ておる、これは事実でございます。従いまして、われわれとしては、最近におきましてはこの六月、農林御当局からのいわゆる経営改善、取引改善に関する御通達によりましても、その点が特に取り上げられまして、それで出荷奨励金等については十分、乱費にわたらないように規制していくようにということを強く指示いたしておるのでございます。
○清澤俊英君 二十三条はどうです。
○参考人(飯田逸次郎君) それから、なお二十三条は、卸売人はせりによる委託販売が原則でありますが、それに対して委託販売が困難なような場合には、卸売人は特に知事の承認を受けて、いわゆる買付という方法をとることができるという規定でございまして、これにつきましては、そのつど東京都において承認を与えて実施さしておるようなわけであります。
○清澤俊英君 どうも三百代言的な解釈で、法の精神をちっとも活用しておいでにならないと思う。出荷奨励をするのに、出張して一ぱい飲まして出荷奨励をするのと、金を出してこれを買いましたという売買契約をするだけの違いがありますか。なるほどこれは商行為としては幾らか違うところもありましょう。出してくれということで奨励をするのと、金を出してそれはおれが取るのだという、何といいますか、仲買人といいますか、買付人といいますか、そういう行為とは、また違うだろうけれども、そういう行為とはまた違うでしょうけれども、だから将励金を出して自分のところに荷を出してくれと、こういったことをやっているので、遊興費を出してやっていることと、買付にどれだけの違いがあるのですか。それは三百代言的な法律の解釈だと思う。それは裁判所でやることであって、生きたあなたのところでやることではないと思う。そういうことをどうしても聞かないで1私はそういう規定がなぜに不備ながらも出ているかということになりますれば、これは結局すれば、そういうところに大きな穴が出る。そこからものがくずれてくる。どこまでも自由意思による出荷団体の委託行為により、それをせり売りをしていく。そういう正常なことが市場機関としての正当性を保つゆえんだというので、こういう赤信号を掲げたものであると思う。あなた方はそういうことを考えてやっておいでになるのではないですか。私は中学校も出ない人間であります。しかしながら、それくらいのことは考えつきますよ。あなた方みんな、大学を出ておるりっぱな方だ。それくらいのことをお考えになりませんか。もし規則になかったら、農林省に言うて、業務担当者に、なぜこれが危険だといって、法律の改正をなさろうとしないのか。ただ与えられたものだけやるならば、ばかでも何でもやりますよ。あなた方は、実際中央卸売市場というものの使命が一つの公共性を持って、独占的な体系において法律の擁護を受けて、そうしてやっておられるというこの重要な使命を、全く閑却しておられると私は思う。忘れておられると思う。そうお考えになりませんか。今どう思っておられますか。
○参考人(飯田逸次郎君) 産地から卸売人に対する委託販売につきましては、ただいまの御説の通りでございまして、そこに卸売人が産地に出向いて積極的にいわゆる集荷競争をやるというのは、必ずしも建前でないと思います。先生のおっしゃる通りでありまして、産地が自由意思をもって卸売人に対して委託販売をする、それを受けたのを無条件に公平に、いわゆるせり行為にかけて販売をする、こういうのが建前だと思いますが、遺憾ながら、現在各市場には卸売人が相当多数ありまして、そうして勢いそれが競争のために集荷競争をするというような弊害が現在出ておることは、事実であります。これはひいてはいろいろ卸売人の数の問題にも影響してくると思いまするが、根本的にその点はやはり考えなければならぬ大きな問題であります。お説のように明らかに現在の制度は、制度と申しますか実情は、卸売人があまりにも集荷競争に狂奔している、そこに大きな弊害があることは事実であります。これは中央卸売市場法の建前からいって、明らかに邪道だと私は考えます。従いまして、これについては何らかの方策がやはり考えられなければならぬものじゃないかということは痛切に感じておりまするが、現在の法制のもとにおいては、特に卸売人各位に対してそういうようなむだな集荷競争に狂奔することのないように、特に先般の農林御当局の通達もありますから、自粛を促しておるようなわけでございます。
○清澤俊英君 今度は少しこまかしいことになりますが、しかも、もうこれは言うべきことは言いましたから、あまりごちゃごちゃした御返答は要りませんが、三点ばかりお伺いしたいと思いますが、売買の過程において、一つの仲買人、いわゆるせり落し人とせり人との間に談合が行われて、そうして正当なるせり行為が阻害せられるのではないか、こういうことが言われているのですが、これは業務部長さんにお伺いしますが、こういう事実がありますか。これは朝日新聞に出ておりましたが、何か江戸川区の区会議員の方が、こういうものがあるのだ、そうしてそれに対して生産者の出荷団体の方でもそういうことをせられては困るというので、自分らも運動して少しくらいのことはやってみたが、それは強力なる今までの因襲とでもいいますか、業者側に圧倒せられて、効果がない、こういうことを言うておられるようですが、こういう事実があるのかないのか、これが一つ。 それからその次には、いわゆる減コツ、減仕切り、それから増仕切り、こういうものが行われている。これは聞くだけでよくおわかりだろうと思うのですが、おわかりですか。減仕切り、いわゆる減コツというのだそうです。それから増仕切りというものが行われておる。しかも、その減仕切りを行われる人たちは、零細な生産者団体であります。出荷団体であります。増仕切りを行なってサービスを受ける方は、大きな生産者団体である。これは将来における生産の問題に対して、農村との関係において重大な問題なんです。こういうものが現存してあるのですか、ないのですか。大体内容はわかっておりますから、あるかないか、こういうものがどれくらいの程度まで行われておるか。聞きますれば、丸東は過去数年間において減コツでもうけた金が数千万だと、こう言われている。これは膨大なものじゃないですか。そういうものがあるのかないのか。これは警視庁でそういう数字が出ているというのですけれども、その三つをお伺いしたい。
○参考人(石井孝義君) 第一の質問のせり人とせり参加者との不正の問題でございますが、一般にせりは多数が集まりまして同時に価格の評価をするわけでございまして、特に特定のせり参加者とせり人との間で、特定の方法によって物品の価格なり受け渡しが行われるということは、この制度の本質的な性格から見て、非常に実は困難なことでございますが、しかし、間々いろいろな個人間の関係その他によってなきにしもあらずと、かように考えるわけでございます。もとより、このせりが各所で多数行われまして、私どもの職員をもって直接これを摘発、監督するということは非常に困難でございますが、事後の問題として、いろいろその際他のせり参加者から苦情が出る。そこでいろいろ調べてみると、その間不正なこともあると、かようなことでせり人双方に対してやはり処分その他をやった事例もございます。従いまして、日常こういうことが常時行われている、さようなふうには私は考えておりませんですが、絶無とは言いがたい、かようなことでございます。 それから第二の問題は、仕切りを粉飾して操作をする、しかも弱小産地の犠牲において強大な産地に迎合する、こういうような御質問かと思います。実はなかなか仕切りの監査ということも非常に手数のかかることでございまして、一日に全市場を通じて、数万あるいは数千の、かなり多数のあれが出るわけでございますが、これを一々検査するのは非常に繁雑なことでございますが、私どもとしてもやはり開設者たる立場から、かような面まで調べてみなければならぬ。特に卸売人が複数であって、その間いろいろな勢力関係に引き回されながら、いろいろこういうことも行われやすい環境にあるという事実もいなめないので、実は四、五年前から抜取検査で、きわめて部分的なものでございますが調べたわけでございます。その結果といたしましては、必ずしも正鵠を得てないかもわかりませんですが、得た結果は非常に増仕切りが多い。百円で売れたものを百二十円と書いて、あとの荷を呼ぼうとする。その反面、それらの支出が非常に多くなりますると、とかく想像外に高く売れたものについて、これを安く売れたがごとく装う、かようなことが絶無ではないような状況を発見したわけでございます。数年前、特に一つの市場の一つの卸売人が、非常に計画的、悪質的にこういうことをやっておったということをもって、その会社の社長以下全部せり人を解任いたしまして、会社の建て直しをさせたという事例もございます。これらのよって来たる原因につきましては、非常にやはり市場間あるいは卸売人間の競争が激しい反面、必ずしも、産地の出荷のあり方その他というような関係においてこれをやらざるを得ないというような状況下にもある、かような次第でございますので、昨年来このことを非常に憂慮いたしまして、六大都市の場長が会議においてしばしば議題に乗せ、結局は流通全般に対する規制を行わなければいけない。いかに市場をため正しても、その正しきことを拒むような、押しつぶすようないろいろな勢力関係がそこに動く。こういうことで、産地の出荷の機構のあり方、市場に対する出荷の取引条件、その他すべてこれは出直して、農林省に畑を耕してもらわなければ困る、あえて市場だけの問題に限定されてはこの問題は処理しにくい、かようなことで、農林省としばしば話しまして、本年の六月でしたか、農林省から全国の生産地の県出荷団体、全国の中央市場の開設者、その所管の都道府県知事、あらゆる面に広範な取引規制、その取引規制の中核をなすものはやはりむだな競争をなくし、仕切りの粉飾などをなくするというような通牒が出まして、私どもそれに基いて厳重な、これらのことの絶無を期するような通達を行いまして、その通達の結果についても目下各会社を内々内察中でございます。 さらに、この減仕切り、増仕切り、というようなことをなくするために、監督能力の限界もございますので、これを未然に防止するような何らかの制度を考えなければならない。さようなことで、伝票類の整理その他、でき得べくんば機械化して、ボタン一つでせり値が出て、もう経理へ行ってもどこへ行っても、伝票が電気式につながって、もう操作する余地がない、こういうようなふうに直したいということで、東京のある会社につきましても、その機械化をここ数カ月過ぎにでも実施したいということでやっておる次第でございます。 第二の問題につきましても、遺憾ながら、従来はこういうことはなかったというわけには参りませんですが、あわせてこの状況と今後に対する規制の考え方を申し述べた次第でございます。
○清澤俊英君 それで、そのほかに、現在もあるでしょうが、それを一つお伺いしますが、過去もあったが、そういう習慣は現在もある、こういうふうに解釈していいですね。 それでは、その次に、値引きの習慣があるそうですね。いわゆる破損、損耗、腐敗、減量等を中心にして、せり売りの見本と違う、こういうので値引きというものが行われている、これが非常な卸売人に対しての強力な負担を加えるものだ、こういう記事が出ております。第一、自分らには、荷受人がそういうものを感知した場合には、検査を受けて証書をつけなければ、値引きをして支払うことができない。いわゆるそれをせっている片一方から値引きをさせられ、しかも代金の延納等を言うてこられれば、場合によっては数千万円のものが無理な金融をして、立替払いをして、数カ月それを我慢する。もしくは値引きによる損害を卸売人が全部食わなければならぬ、そういう問題がある。その値引きがどうも小売人団体に強すぎて、そういうものが無理に強制せられる懸念がある。こういうことを言われているのですが、これは非常に善意な零細業者である小売人を擁護して、非常な人格者であるそうですけれども、大沢天皇と言われるほどの実力者が小売人の団体の中にあって、その圧力を利用してそういうことがしばしば行われている。こういう事実があるのですか。 それをお伺いしておきたいと同時に、これは場長にお伺いいたしますが、こういうようないろいろな問題が過去にもあり、現在にもどうも幾らかあるのじゃないか。それは監督ができないからわからぬかもしれないが、過去にあったことは現在でもある。今も言われる通り、業務規程十二条、十三条、二十八条を適用しますれば、これらのものは全部処分もしていかれるし、押えもしていかれるのだ。だから、表向きは確かにやっていないけれども、現に新聞にも出て、世間一般の通念になっている。今回の問題は、そういうものが山積して、そして丸東のような問題が出たとしまするならば、競争者は丸東だけではないと思う。必ずその雰囲気の中にある対立会社もあると思う。そうしてみますると、われわれが常識的に考えるところでは、ひとり丸東だけではなく、こういうことが行われている。現在の市場の中には、競争によって非常に危ないという会社、よく調べてみれば赤字が出ているというような会社が、相当量あるのじゃないかと思います。そういうものがあるかないか。聞きますると、農林省では、東京都があまりにずさんであるので、職権をもってお調べになっているのが数社あるというお話でありますが、これはいろいろ個人の信用にも関することでありますから、名前はお伺いしませんが、あるかないか、それを伺ってから、その次に継続してお伺いします。
○参考人(石井孝義君) 簡単にお答えします。小売に限らず、買手側の値引きでございますが、一たんせり価格がきまった後において、その価格を減額するということは、本質的には禁止事項でございます。ただし、こういうことが従来非常に任意放従に行われておった。経理監査をしてみても会社の雑損失の相当部分というものは、やはり値引き事故というのになっているのが事実でございます。これはこのままでは放任できませんのでおのおの会社と産地との間には受託契約準則という契約が提結されて、この契約のもとに委託販売が行われているわけでございます。この受託契約準則の中に盛るべき事項その他がきめられて、開設者、農林省、双方の承認事項になっております。この受託契約準則の中に明らかに、一たん値が出ても、価格が訂正されても、非常にやむを得ざるそこに事故があり、そのことが開業者によって承認されたときには値引きいたしますと、こういう事項が入っております。ただ会社が複数であるために、産地にはとてもこれはかぶせられないといって、会社のふところで自弁している、こういうことが現状でございますので、これではいけないので、私ども百戦練磨の仲買い、売買参加の商売人をもってしても、これはやむを得ない値引きである。つまり等級が違って入っておる、商取引上予見できない重大な、ふたをあけてみたらそこに瑕疵が出た、こういうような事実認証を、現場において東京都の職員が一々検査をし、それに基いて所定の検査票を交付しない限りは値引きをしてはならない。だから、小売人からどんどん値引き交渉があったら、今後全部東京都へ持ってきてもらいたい、東京都はあらかじめ定められた数種の値引きケース以外にはこれを却下する。そういうことによってこの問題は解決していこうと、こういうふうに現在やっております。また実施状況も、私どもの方に各分場から報告をとってやっております。以前相当あった事実は認めますが、最近においては非常に粛正されておる、かように確信いたします。
○参考人(飯田逸次郎君) 委託販売がされたあとにおきます値引きの問題については、業務部長から御説明申し上げましたが、それが何らかの一つの勢力によって乱用されていやしないかというような御質問かと思いますが、われわれはさようには考えておりません。 次に、危ない会社がありはしないかという御質問でありますが、実は御案内のように、東京都の中央卸売市場の中には、魚類関係では現在九社ございます。それから青果物関係が、丸東が取り消しになりましたので、現在二十四社ということになっております。これにつきまして今まで監査をいたしました結果につきましては、全部が全部良好な財政状態にあると言い切ることは遺憾ながらできない。やはり若干のものにつきましては、かなりの赤字を現在背負っておるのが必ずしもないとは言えないわけであります。その点、われわれもそういう会社につきましては、従来からも十分の注意を与え、検討をし、警戒をいたしておるのでありますが、今回の丸束事件が起きました直後、そういうような会社につきましては、特に厳重な警告を発し、しかも、こちらから具体的ないろいろの指示をいたしまして、信用力の増加をはかるような具体的な指示をいたしまして、目下その計画を立案せしめて研究をいたしておるようなわけでございます。
○説明員(渡部伍良君) ただいまお話がありました東京都の卸の信用の問題でありますが、私の方で検査した結果もありますが、それよりも、会社自身が出しておる考課状で見ればすぐわかるのであります。考課状だけで見ましても、これは今青果物の卸売業者がありますが、その中で三分の一くらいははっきり、考課状から見て非常に苦しい経営をしておる、こういうような状態になっております。
○清澤俊英君 この問題につきましては、後刻農林大臣がお見えになるから、そのときに私は譲りたいと思います。この問題の結論は。なお、いろいろお伺いしたいことがありますが、青山君がさっきからだいぶ待っておられるようですから、どうぞ。
○青山正一君 いろいろ市場の問題についてお聞きしたいことがたくさんあるわけなんですが、丸東問題に限って、しかも解決策をどうするかというような問題について、いろいろ御質問申し上げたいと思いますが、これは東京都なりあるいは経済局長あたりに御質問申し上げたいと思いますが、最近、この前の委員会から、東京都なり、あるいはその裏にあるところの農林省が、神田市場の丸東が簡単に、しかも何ら対策も講ぜずに業務停止を下した、かわって神田の残存会社、というふうに言っておりますが、事実は神田の三社、しかもその三社の中には全販連の直営になっておりますところの丸栄も含まれておる。こういう三社が俎上に上って、いや肩がわりだ、いや協力だといって攻め立てられておる今の現状なんですが、これはもう非常に世にも珍しい事件だと私は思っておりますが、ことに千田さんあたりからはっきりと、そういうふうなことは、これは困るじゃないかというようなことを最近言われておったわけでありますが、しかし、それでも東京都なり農林省は、三社に必ず肩がわりさせちゃって解決させよう、こういうふうにはっきりおっしゃっておったのだから、これは三社にはぜひとも何とか、せめて年内には考えてやりたい、あるいは従業員にもせめて日にちを切ってしまって、二月とか三月までには何とかその面も考えてやりたい、あとのいろいろな債務関係も、これは恒久的な観点から一つ考えてやった方がいいだろうということで、一応東京都なりあるいは農林省の裏づけるところを了としまして、当委員会は今日委員会を待って、そうしてその結論を待っておったわけなんでありますが、ただいまの市場長のお話のような結果になったわけなんですが、これは千田君もはっきり申し上げた通り、きょうの席上で私ははっきり申し上げますが、別に三社が、丸東にこういう結果になるように、何か責任を感じさせるような建前に追い込んでおるようなわけなんですが、これは何か取りつぶしてくれとかいって三社が応援したわけでも何でもないわけなんですが、やはり丸東の一つの問題の行きがかりでこれはつぶれたというわけなんですが、その点、東京都なりあるいは農林省が非常に甘い考えでおられるのじゃないかと思います。こういう例を全国に持っていくというようなことになるとすれば、全国の市場というものは立っていかない。僕はそういうふうに考えております。 少くともはっきり申し上げますと、この問題に関連するには、小売業者もいる、あるいは仲買い業者もいる、非常に損害を受けた生産業者もいる。そういった人たちの全部これは協力で、どういうふうなことでやっていくか。さしあたり十二月の末までには三社を何とかしてやらなければいかぬのじゃないか。この前は従業員の問題を申し述べましたが、これもそのあとに何とかしてやらなければならぬのじゃないか。あとの債務関係は一体どうすればいいかということで進むべきであって、これが、何にも関係がない、そういうような、ただ神田にある市場、ことに三社というような名前を持ち出しましたが、あとに二社なり三社なりあるわけなんでありますが、この二社なり三社なりに、たとえば神田三社を建前として進んでおるわけなんですが、そのあとの二社なり三社なり、お前ら、もうつぶれてなくなれということを示しておるわけじゃない。私はそういうように考えますが、私の今の話から皆さん一つ御了承願って、あくまでも三社を対象にして今後やっていかれるかどうか、その点を一つ承わりたいと思います。
○参考人(飯田逸次郎君) 丸東の債務の処理の方法につきまして、神田にあります残存の会社を対象にして、その御協力を願うという線について今までやって参りましたが、われわれも御期待に沿うべく最善の努力を毒して参ったつもりでおりますけれども、遺憾ながら。本日かような御報告をせざるを得なくなったのは、まことに申しわけありません。われわれといたしましては、やはり残存の会社の御協力を得ることによってこの問題を解決していきたい。もちろんその際に残存会社の御協力を得る限度というものは、もちろんおのずからあるわけであります。その残存会社の財政的な面を危殆に瀕せしめるような御協力というものは、もちろん願うべき筋合いのものではありません。われわれもそう考えております。そういうようにならない限度において御協力を願って解決をしていきたい、かように考えておるわけであります。 それから神田には残存会社が、三社以外に二社あるではないかというお言葉もございましたが、これは御案内と思いますが、非常にその取扱い方についても、僅少な会社でございますので、これはまた最後的にどういたしますかは別といたしまして、まあ今のところはいわゆる大手三社といいますか、そういう方を対象にしてお話を進めておるようなわけでございます。
○説明員(渡部伍良君) ただいま飯田場長がお話しになられた通りでありますが、ただ一言つけ加えさせていただきたいのでありますが、お話のように、市場制度が昨年改正になりましたけれども、やはり中央卸売市場法の趣旨が、戦前の単一卸売人制度で、複数の卸売人制度で非常な競争が行われた場合は、どういう結果になって、どういう心配ができてくるかというふうな点について、この前の委員会でも一部、私、感想を申し上げたのでありますが、十分の規定がないように私は感ずるのであります。従いまして、この今の整理の仕方につきましては、たとえば第三者的にいろいろな経済界の人に伺ってみますと、ちゃんと店舗をとってきておるのだから、その店舗を残った人に売りつけたら十分じゃないかと、こういうふうなことを割り切って言う人もあります。しかし、これは従来もそういう扱いにしておりません。従って、そこをすぐに法律も変えませんし、従来の慣行もすぐ変えてそういうことに乗るということもできません。しかし、実態はそういうふうに外の方が見るならば、そういうことも検討して処置しなければいかぬじゃないか。それからまた東京の足立分場の問題でありますとか、横浜等におきまして、規模は小さいけれども、似たようなケースがあって、やはり残存会社にめんどうを見てもらった例もあるわけであります。そういうことも考えまして、丸東の取り消しをする際には、つかぬことでございますが、私はもう少し業務停止を、継続して再建計画を検討したらどうかということも、しろうとでありますから相当強く主張したのであります。そうして東京市場長と相当激論をしまして、各方面からそういう先例とか法律の建前からいろいろなこと、それから第三者の意見等を伺いまして、御批評で非常に甘いやり方だと、こういうあれでありますが、踏み切りまして、急遽取り消しをやったのであります。それには神田丸東会社自身の内部事情、それから出してきておりました再建計画等を検討して、会社当事者に伺いましても、会社当事者自身の役員の意見がまちまちでありまして、一つもつかみどころがない、こういうふうな状況でありまして、私が結局議論に負けまして、取り消しを上司に願って裁断を願ったような次第であります。 従いまして、どうしても神田市場のことは神田市場の中で処理したらいいじゃないかという意見は、これは神田のほかの卸売人の方も非常に強い意見でありました。そうしますと、残った問題は、先例等もあるから、残った卸売人がこれを処理する。そうしますと、どうしても大手三社に相談する。大手三社にも取り消しの前に再度来ていただきまして、御協力を願って、とにかく神田のことは神田で処理する、具体的の細目、どういうふうな支払方法にするとか、どの範囲まで支払うか、こういう問題は後刻にしようということで、営業停止期間の最後の日に決断したようなわけであります。 その処理が、先ほど当初に飯田場長から経過の御説明がありましたように、いろいろな法律問題に触れまして、すっきり割り切った解釈ができない。たとえば税金の問題でありますとか、その経理の仕方でありますとか、品目の範囲とか、そういうものが残っておるのであります。まことに不手際でありますけれども、そういうことでございます。
○青山正一君 今、東京都の市場長なり局長の意見を聞きましたんですが、これは非常に甘いと思います。もう、ここに石井さんがおりますが、石井さんなんかは古ダヌキなんですが、どうもあなたのお考えも非常に甘いように思うのでございますが、これはあなたの局の、いろいろな意味合いで、たとえば再建整理費を受けておる、全販連の経営になっておる、そういうふうな再建整備を受けておる丸栄が、自分の資本額の何層倍というふうなものを注ぎ込んで、そこへ跡始末に、まあ自分は責任がないのにかかわらず出すというふうなことは、あり得ようか、あり得まいか。これを常識的に一つ考えていただきたい。 それから今残存会社にどうとか、こうとかいうことで、御両所がそういうふうなことでいろいろお話を進めておるんですが、それならば、最近第二の丸東事件も起きておる。これは僕ははっきり申し上げることができる。名前は申し上げられません。名前は申し上げられませんが、いやしくも東京都知事が推薦しまして、農林省が公認の荷受人として、公認の卸売人として指定したそのお方を、検察庁が全部、重役かなんか全部これを警視庁へ呼び出されまして、そうして帳簿も全部押収されておる。そうして全取締役が出社禁止処分を受けておる。そうして裁判所の任命するところの職務執行人が現在会社の運営に当っておる。こういうふうな例がある。こういうふうな例があるならば、もう一つあるその残存会社がこれを引き受けるということになるわけなんですが、そういうふうに解釈していいわけなんですか、どうですか。 後々に次々とこういう問題が出てくると、おそらく京都にもあるでしょう。名古屋にもあるでしょう。その他各地の中央市場がそういうことになっておるわけなんですが、そういうふうなことになるたびごとに、こういうふうな問題のためにこの貴重な委員会を開くということになると、委員会は毎日やっておってもこれは整理はできません。そういうことよりも、むしろ何か筋の通った行き方であると、東京都ができないならばできないで、私の方ではできませんと言うて、はっきり両手をあげていただけば、それでけっこうなんです。その跡始末は、これは農林省がはっきりやるべきで、ある場合には法の改正もする。あるいは法の改正はしなくても、政令でできる、あるいは業務規程でできるようなことを、一つ御研究願った方がいいんじゃないか。たとえば先ほど清澤さんからいろいろと意見があった。参議院の農林水産委員会でも、衆議院の農林水産委員会でも、あるいは全国の生産者といえども、少くともこの中央市場で生産者に迷惑をかけた場合は何かしら補償金でももらえるというふうに解釈なさっておるお方が、これは非常に多いわけです。私どもも、これはくろうとでありますけれども、そういうふうなしろうとの考えで、ちょいちょいそういうふうな錯覚を起すわけです。 そうならばそうで、売場使用料というものは千分の二・五というものを納めておる。保証金とか何とかいう形で、これは東京都へ献じておる。東京都はそれによって莫大な職員の給料を支払っておる、あるいは施設に使っておる。そのほかに、四厘以内ということで、これは業務規程になっておるんですから、〇・一五というものは浮いてくる。この〇・一五を東京都の青果なら青果、あるいは魚なら魚の荷受機関が、全部そいつを納めることにするんだ、そういう建前でなぜ業務規程を改めないか。あるいは法制の上においてはなかなかむずかしい。むずかしいならば、何かそのほかにこれに類した方法はないかしらということで検討する。そういうことをやることによって、その〇・一五はこれは、東京都が全部の青果関係の責任下において、神田の問題は神田の問題ということでこれは責任はあるわけなんですが、一応東京都の青果関係でこれを考えていくんだ。あとは神田の責任においてなしくずしで進んでいくんだ。そういうこの業務規程を今後はっきり作るという前提のもとに、東京都なりあるいは農林省が生産者にこうしてやるんだ、あるいは従業員にこうしてやるんだという方策があってしかるべきだと思います。そんな筋の通らぬことをいつまでやっても、これはだめだ、こういうふうに考えております。これはこの前千田さんのおっしゃった意見に私は賛成して、こういったことを御参考までに申し上げたいと思いますが、東京都なりあるいは農林省の御意向はどうですか、その点をお伺いしたいと思います。
○参考人(飯田逸次郎君) ただいまの御説明は、丸東の問題を神田だけの問題として処理しようとすることが甘きに失しはしないか、それからおそらく今後といえども第二の丸東、第三の丸東が出はしないか、そうした場合にまた同じようなことを繰り返すのか、というような御質問でありました。われわれといたしましては、今回の丸東の問題につきましては、先ほども申し上げましたような方策、いわゆるまあ信用保全の資金積み立てというような形でさしあたり一つやっていきたい。しかし、これもあくまでわれわれは暫定と考えておりまして、早急に、なるべく早い機会に、全市場にわたってこういうような制度を打ち立てまして、そうして今後の事態に対処していきたい、かように実は考えておりまするが、それには若干の日時も要りますし、まずわれわれといたしましてはその暫定の措置をしていきたい。あるいは自主的にまず第一に神田市場にそういう制度をしいて、そしてそれとほとんど相前後して全市場にそういうような制度を作り上げて、これに対処していきたい、かような考え方をしておるわけでございます。これにつきましては、いろいろとまた農林御当局の方の御指導等を得なければならないと思いますが、われわれとしては、実はさような考え方をいたしておるような次第でございます。
○説明員(渡部伍良君) ただいま東京都の方からお話ありました、そういう制度ももちろんでありますが、これは卸売業者だけの問題ではなくして、何といいますか、戦後十年間の経済界の変動にいろいろな基礎がついていっていないという、そういう根本的な問題がありますので、どうしても今の信認金の引き上げでありますとか、あるいは出資金の取扱高に対する比率とか、あるいは準資産額の保持——今のところではどんな赤字があり、どんな負債があっても、文句はつけられないことになっておりますが、そういうことをおけば、第二の丸束は出てくるという心配もありますものですから、準資産額の保持の規定を賢くとか、そういういろいろな根本的な問題につきまして、私の方では必要なれば法律改正もしていきたいと、こういうふうに考えております。 それから、ただいまの丸東の処理と恒久策との関係でありますが、そういう恒久策を先に頭に描いて丸東の処置をしたというよりも、丸東の処置をする過程において、どうしてもこういう、こうやくばり的な処置では困る、恒久的なものを考えなければ処置ないと、こういうふうにますます考えを固めてきておるのであります。
○青山正一君 もう一点、締めくくりする意味で最後に申し上げたいと思いますが、あなたらは、ただ神田だけの建前で進んでいっておるのだと。今現に江東なら江東にそういう問題が起きると、その次はどうなりますか。それは、石井さんは小笠原に行くということで簡単に解決できるかもしれませんけれども、そんなものは簡単に解決できるものじゃない。この次また呼出しを受けることになりますから、むしろ私ははっきりとして筋を立てておいて、そしてあとの責任は、これは東京都なり農林省があるのだからして、それだけくらいの金は東京都なり農林省が立てかえてやるのだという建前で、この分を清算していくのだと、こういう行き方で進んでいかない限りは、この問題は解決しません。その点を僕ははっきり申し上げておきます。おそらくだめだろうと思います。
○千田正君 私はさっきからお伺いしておるのですが、大体のことは清澤委員、それから青山委員から、一応相当の議論をなされております。私はこの前の委員会においてかくなることを非常に杞憂を持って考えたから、あえて東京都並びに農林省に質問したのですが、私の杞憂は当って、今日においてもなお整理ができない。まことに私は遺憾だと思うし、われわれ委員会としましても、こんなことで毎日日を費すことははなはだ残念だと思う。それで、私は切りつめて二点だけをお尋ねいたしたい。 いろいろなことをおっしゃるけれども、一体これは見通しがいつなのか、ことし中にできるのかどうなのか、この点ですね。先ほどからお伺いするというと、初めのいわゆる三者に対して借金の肩がわりをさせるというようなことは、僕は最初からはなはだおかしいじゃないかと。中立の立場からいっても、どの生産者の立場、消費者の立場、あるいは扱い者の立場からいっても、そういうことはおそらく成り立つまいと思うから、この前私はあえてお尋ねいたした。その通り、できない。先ほど飯田さんのお話だというと、あと残った二、三の問題について問題は縮められてきておると、これに向って誠意をもって当っていくと、暫時日をかしてもらいたいと。一体、暫時というのはいつまでだ。これはじんぜんとして生産者は待つわけにいかないし、この整理は早くやらないというと、青山委員が心配しておるような事故が、次から次と起きてくる。まず第一に、現在問題となっておるところの丸東の整理問題をどうするか。これはいつまでかかるのですか。これの見通しがつかない限りは、こういうことを何べん繰り返して話していても、どうにもならない。あなた方が東京都として誠意をもって尽される、その段階はいつまでか、この一点です。それに対して農林省の経済局長としましても、この問題を東京都にばかりまかしていないで、あなた方の考えからも、いつまでにこの問題は解決するのだというはっきりした態度でもって臨まない限りは、相変らず同じことを繰り返すにすぎない。私は、この段階において、委員会の一員として、はっきりこの場で誠意をもって、いつまでに解決するのだということをはっきりしてもらいたい。 もう一つは、従業員の問題これは先般は触れませんでしたが、今度私は特に考えたのは、外に向っては、生産者、一般消費者の問題として、誠意をもってあなた方は当っておるという。うちにおいては、解散されたその会社に対する今までの従業員の労働賃金、これはあくまで基本人権である。当然これは処置していかなければならない。その誠意は当然示されるものだと私は考えておった。ところが、一応就職が片づいたのだから、まあまああとでもいいやというような安易な気持でいては、これまた民主的に将来の市場を経営するという意味から、いっても、そんなことで片づく問題ではないと私は思う。これは必ずやるのだというこの決意も、はっきりここで表明していただきたい。 この二点について、あなた方の誠意のある御回答を願いたいと思う。くどい言葉は要りませんから、私はその二点をはっきりあなた方に明言していただきたい。
○参考人(飯田逸次郎君) この解決がおくれまして、本日皆さん方の御期待に沿い得るような段階にまで至っていなかったことは、まことに残念に存じ、申しわけなく思っておりまするが、先ほども経過の際に御報告を申し上げましたごとくに、現在の折衝過程の段階は、非常に具体的な問題にしぼられてきておるわけであります。先ほどまあ事項についてお話を申し上げたのでのりますが、かような状況で、われわれとしては前半から比べれば非常に明るい期待の持てる段階に入ったと、われわれは考えておるわけであります。われわれといたしましては、従って、もうしばらくの期間をお貸しいただければ、結論に到達するんじゃないかという期待を持って努力をいたしております。いずれにいたしましても、だんだん日時も経過をいたしますし、特に年末を控えるというようなことにもなって参りまするので、われわれとしても非常に、何とかしなければならぬというので努力をいたしております。従って、われわれの第一目標といたしましては、少くとも年末までには解決をしたいという決意で臨んでおるわけでございます。 それから従業員の処理の問題でございますが、これにつきましては、決して、これをないがしろにしているわけではございません。やはり何らかの形で処理をしていかなければならぬというふうに考えておりまするが、これは、今の産地の仕切り金等とはやはり一応別な考え方で処理をしなければ、なかなかこれが困難ではないかという見通しも持っておりまするので、そういう点について検討をいたしておるようなわけでありまして、これにつきましても十分われわれとしては責任を感じておりまするので、努力をいたしていきたい、かように考えております。
○千田正君 今、飯田さんは誠意をもって年末までに解決したいと。十二月という声も、あと一月を経ると聞えてくる。これは生産者も、消費者も取扱い業者も、一年の総締めくくりのときでありまして、それまでに解決つかなかったら、これはとても話にならない。あなた方は誠意をもって、それまでに解決できるという自信は持てますか。持ってやるのだが、できなかったという場合に対しては、どういう第二段の考えを持っておるのか。必ずやれるという自信を持ってあなた方は明言できますか。それならわれわれは了承できますけれども、できなくて年を越したという場合においては、どうするかという問題です。
○委員長(堀末治君) 重要な点ですから、副知事、御答弁願えませんか。
○参考人(佐藤基君) ただいま飯田場長が申しました通り、都といたしましてはできるだけ骨折っておりまして、ことに農林省と協力しまして、農林省の御指導のもとにやっておるわけであります。やはり経済取引でありますからして、きりのつく年末までにはどうしてもやらなければならぬという覚悟でやっているわけであります。できなかったらどうかと言われても、ぜひそれまでにやりたいと思っておるのでありまして、(笑声)できないということは実は考えておらないわけでございます。
○千田正君 渡部局長に聞きたいのですが、できるということを今確言したようなものですね、副知事の言い方は。できないということは想像していないのだから、できると。しかし、われわれは今までの経過を伺っておるというと、どうもあなた方の——はなはだ失礼でございますけれども、十二月までに解決するだけの誠意をもってやれるかどうかということは、私どもは今までのあなた方の御名論を拝聴しておるというと、できそうにもないという点が三分くらい残っておる。その三分をどうするかということを、私どもは国民の代表ですから、市場の代表でもなければ東京都の代表でもない。生産者、消費者あるいは扱い業者、あらゆる立場の代表者として考えた場合にですね、できなかった場合は相当の打撃をこうむる人たちが出てくる。それをどう救わなくちゃならないかという第二段のかまえを、われわれは考えなければならない。でありますから、われわれはあえて追及して聞いておるのでありますが、今の佐藤副知事のお言葉だと、できないということは考えていない、必ずやると、こういうお考えですね。どうなんです。できないということは考えていないというお話ですから、できるのですね。
○参考人(佐藤基君) ただいま市場長が申しました通り、非常に問題点がしぼられてきておりまするので、今の見通しではできるものと考えております。
○説明員(渡部伍良君) ただいまの副知事のお話の通りで、私の方ではいろいろ御批評いただきますが、精一ぱいやっておるのでありまして、どうしてもでかしたいと……。場長は年末までと言いましたけれども、内輪ではそれどころじゃない。もう両方がしりを叩き合ってやっているわけであります。どうしてもやりたいと、こういうふうに考えております。
○清澤俊英君 まあ誠意の問題に対しては……。午後から、農林大臣、必ず出られるわけですか。その際に農林大臣を中心に、いま少し付帯して私は質問したいと思っていますが、それの前提として、少しばかりこまかい問題が残りましたので、それをお伺いしたいが、第一番は、青山君がちょっと発表しておりましたが、今業務停止を食っている会社というのは、江東分場の墨田青果、これは名前を出してもいいと思う。新聞に出ているのだから、これはさらに差しつかえないと思うのです。業務停止を食っている。それで代行として弁護士がこれを行なっている、こういう事実が一つあります。そこで、わしらはあまりよくわかりませんが、市場法の建前からいうと、市場の仕事としておりまする卸売の業務は、第十条によって許可を受けた卸売人でなければ、しかも限定せられた卸売人でなければその行為ができないものだと、こうなっておる。それが裁判の結果どうなっているか知らないけれども、その資格のない弁護士、しかも何ら関係のない者がこれを行なっておる。こういうものが今でき上っている。私はこれに対して二つお伺いをしたい。 法律的に弁護士が代行することが可能なりやいなや、これが第一点。 第二点としては、こういう危険状態にある—危険状態だと思う。何ら経験もないものが、しかも毎日来て業務に携わっているわけじゃない。職権によって名目を与えられている。聞くところによりますれば、残留職員によってこれが運行せられている。それに対して東京都が開設者として全責任を負ってやっておられるのかどうか、その監督の内容はどうか、これが第二点。 それから、これに引き続きまして、この会社の内容が非常に悪い。現に丸東なんかの債務が四百万円もある。そして全資本の約十倍くらいの債務を負っている。非常に赤字に悩んでいる。それが、聞くところによれば、刑事事件になって業務停止を食らうほどのいろいろ疑惑のある経営方針がとられている。こういう内容でありますので、従って、代金の支払い等がおくれる。こういうことから、かつて愛知県かなんかの生産課長が業務課長に、あの会社はどうもおかしいじゃないか、何とか処置したらよかろうという話をしたところが、業務課長は、あれは大丈夫であります、何ら心配がありません、こうお答えになっている。これは私は新聞でも見ておりますし、他からもそういう話は聞いている。これに対して大体どういう御処置をおとりになっておって、大丈夫だということを言われたのか。今青山君が第二の丸東になる、こう指摘しておる。これが通念らしいのです。私は何にもわからないが、そういうものを放置して置かれることはどういうわけだ、どういう処置をとられておるか、この点をお伺いして、またあと少しばかりありますから。
○参考人(飯田逸次郎君) この江東分場におきまする卸売会社の一つである墨田青果の現社長以下重役が、職務の執行停止の仮処分を受けておるのは事実でございます。これは墨田青果の株主の一部からの仮処分の申請に基いて、地方裁判所が発動したことでございます。それは、株主と社長との間に一つの内紛がある。それは株主の方の一部でございますが、その一部からは、現社長がいろいろ、まあ株主総会等の意見を無視するとか、あるいは株主総会を形式的な開き方をしてどうとか、いろいろそういうようなことを指摘いたしまして、そして職務執行停止の仮処分を申請をいたした結果、そういう仮処分が現在行われておるのであります。これは御案内のように、商法の二百七十条の規定に基いてなされたものであります。 それで、現在の運営はどうかといいますと、法定の弁護士が参りまして、社長の職務の代行をいたしておるのでありますが、実際は、従業員は全部従来の人がこれに当っておりますし、それから現在の経営状態は、われわれもその後非常に注視をいたして、毎日その営業成績の報告を求めて注視をいたしておるのでありますが、その結果から見ますれば、以前と何ら変りなく、やはり毎日百四、五十万の取引をし、しかもそれが未払金が増加するとかいうような傾向も全然ございません。全く従前と同じような取引状況でございます。それからこの会社は、御指摘のように、相当多額な赤字を持っておる会社ではございますが、これはかなり以前からのものでございまして、最近の経営状態は非常に好転をいたしておりまして、最近の決算によりますと、かなりの黒字を出しているようなふうにまで改善されてきた。ただ遺憾ながら、ずっと以前からの赤字というものがかなり多く背負い込んでいる、それをまだ持っているという現状にあるのであります。われわれといたしましても、かような状態が続くことは、たとえそれが会社内部の一つの内紛でありましても、非常に対外的に信用を失墜することでもありますので、すでに二回にわたってわれわれも何とか早くこれを解決するようにということを強く警告を発しているのでありまするが、最近になりまして、いわゆる社長側から職務執行停止仮処分に対する異議の申立がされておりまして、これによってどうなりまするか、われわれはそのあれを注視いたしているようなわけでありますが、いずれにいたしましても、現在の事務の執行状況は従前と何ら変りなく実施されていることとを御報告を申し上げます。
○清澤俊英君 経済局長、今の裁判の決定で弁護士が業務執行なりの命令を受けた場合には、中央卸売市場法の規定ですね、第十条との関係はどうなるのですか。これは抵触いたしませんか。それを一つお伺いしておきたいと思います。 と同時に、もう一つ業務部長なり場長にお伺いしたいことは、今好転していると言われているが、負債等は少しも整理されないで、たな上げになっていると思う。そういう状況では、従って毎日の取引だけが円滑にいっている、こういうことではないのだから……こう思いますが、その点はどうなっているか。資本金に対する十倍ぐらいのいわゆる負債を持っている、それはたな上げしておる、だから、今毎日やっておることはそういう混乱のうちですからうまくいっている、こういう意味合いなのですか、どうですか。
○説明員(渡部伍良君) ただいまの東京墨田の会社の内紛に伴い、裁判所が任命した弁護士が会社を管理している、このことを許可権者である農林大臣はどういうふうに考えるか、こういうふうな御質問だと思いますが、ただいま各般の状況を調べております。今の業務の執行状況は、東京都からお話のあった通りであります。これが問題が簡単に片づきまして、業務停止の仮処分が解かれるならば、それでようございます。そうでなく、特殊の問題があるとすれば、さらに検討を加えなければならない、こういうふうに考えております。
○清澤俊英君 そういう点を聞いてはいやしないのです。結局裁判所が、この会社が業務停止を食って、それに対する執行代理ですか何かを弁護士に命じたその場合、第十条の規定によって「農林大臣ノ許可ヲ受ケタル者ハ中央卸売市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為スコトヲ得」とある。それ以外の者はできないのです。これ以外の者は……。だから、その許可を受けていない者が業務を代行してやっていくことは、できるのかどうか。これはもちろん裁判所はそういう命令を出すかもしれないけれども、農林省や東京都として、その裁判所が決定してきたものを無条件に受け入れることができるのか、できないのか。これはあとで重大問題になります。わしはそういう民法のことはあまり知りませんが……。
○説明員(渡部伍良君) 第十条の「許可ヲ受ケタル者」というのは、法人である墨田青果であります。法人の機関にただいま故障ができておるわけでございますから、許可を受けた者がやっていない、こういうことにはすぐならないと思います。従いまして、許可を受けた者であるけれども、法人の内紛でごたごたして、その許可の条件、あるいは将来不安があるということならば、それぞれの条項に照らして営業停止なり、取り消しをしなければならない。まあ一番はっきりいたしますのは、資力信用が薄弱になったとき、こういう条項でないかと思います。そういう点を目下検討しておる、こういうわけでございます。すぐ、弁護士が業務停止の仮処分に基いて役員の仕事をしているということだけでは、この十条の違反ということにはならないと思います。
○清澤俊英君 もう一つ、こまかいことですが。何か聞きますと、この間から、丸東の負債のうちに、せり人から、市場に借財があった、こういうことを言われている。その借財は小売人等の、せり人ですか、売買人というか、せり人というか、せって落す、立会人というんですか、せりをやって落とす人間、買受人ですね、それらの人たちから個人に借りたのじゃなくて、大体卸売協同組合のようなものがあって、それは常に強大な組織を持って、積立金を持っているから、それが代払いして貸しているのだ。決して個人から借りているのじゃない。従って、そこにはすでに警視庁で調べたところでは、二億数千万円の利子が払われておるというほどのものを、ここで借りたのじゃなくて、そういう団体が浮き貸ししたのだ、こういうことを言われておりますが、その点はどうなんです。 いま一つは、これは重大な問題で、私は佐藤さんの御返答がなければ、いずれ安井知事がアメリカから帰ってこられてからお伺いしたいと思うが、これは東京神田青果株式会社出荷団体全国協議会というものがあってこの負債に対していろいろ陳情したものが出ております。その中に重大なことは、「東京都は、市場内の卸売人に対し厳重な業務規定を適用して常に指導、監督を実施し、公共性の強い市場運営の適正化と市場の健全な発展のために万遺憾のない努力を払うべき責任があり、その故にこそわれわれ生産者は中央卸売市場開設以来今日まで血と汗による生産物を出荷するに際し市場内の何れの卸売人に対しても、大東京都に対すると同様の絶対の信頼において取引きしていささかの不安も持たなかったのである。」、こういうことを言っております。これはおそらく、私どもが接する生産団体のうちその上前を取るような人たちは別としまして、真に畑に働く農民のこの信頼は間違いない信頼だと思います。これについて、この度の問題に対してどう——どうも法律的なことばかり言っておられるが、こういう道義的な問題に対してどのくらいに責任を感じておられるか。
○参考人(佐藤基君) ただいま清澤さんのお話ですが、そういう出荷団体等の御信頼があればこそ、われわれが今度の問題に苦慮しているわけです。われわれといたしましても、できるだけ今までやっておるつもりでありますが、結果的にこういう問題を惹起したことは非常に遺憾に存じますが、先ほど申します通り、出荷団体に対しまして非常に責任を感じ、非常に信頼していただいた関係があればこそ、この問題の処理について非常に苦しむ、こういうわけであります。結果から見まして、市場の開設者としての責任が十分行われたかということは、結果的に若干遺憾の点があることを、十分認めておる次第であります。
○参考人(飯田逸次郎君) 前の方の御質問でありますが、卸売人に対して仲買人及び小売人が金を貸している事実についての御質問だと思います。この今回の丸東の債務の中には、かねがねお話を申し上げましたように、その丸東からせりに参加をして青果を買い受ける立場にある仲買及び小売人が、逆に丸東に対して債権を持った、いわゆる金を貸しておる。現在それが約一億あるのでございます。これはいずれも、まあ仲買人及び小売人が個人の名において—あるいは一部組合のもあると思いますが—の名において丸東に貸し付けておるのがございます。 それから代払いのお話がありましたが、おそらくこういうことかと存じます。これは必ずしも丸東との関係ばかりでなくして、青果関係は全部そうでありますが、仲買人なり小売人がせりに参加をして、そうして品物を買うそのいわゆる代金でございますが、代金は現在はその仲買人なり小売人の作っております組合が代払いをいたしておるわけであります。そうして直接組合から、たとえば丸東なら丸東に支払いをする。そうして組合はそのあと、組合員からその代金を徴収する。一応組合が、仲買なり小売の組合が代払いで卸売人に支払う、こういう制度になっておるのでございます。
○清澤俊英君 これで終ります。私は代払いの問題は非常にいいやり方だと思うのです。だから、そのものを問題にしているわけではない。貸金がその組合で行われているのである。そうしてその組合が非常に高利な利子を取って、浮き貸しをやったのだ。個々の仲買人、小売人が丸東その他の卸売人に対して金を貸したのではない、こういうことなんです。そうして、しかもその結末が、非常に上手なものは、品物を先に引き取って、そうして品物で大体借財を整理したという話もある。これは確かに業務規程に違反な行為です。個人の貸借と、卸売の正当な手続によった代金の支払いとは別なものだと思いますが、そういうことがあったのかないのか。これは全然そういうことをやらなかったというのは、重大な業務違反なのです。個人の貸借をやりましたからというて、そうしてそれを支払代金で差っ引いてしまう。これは、それが尾を引いて生産者に迷惑がかかるということは、これは非常にあり得ることだと思いますが、重要性を持つものと思います。そういう点があったかないか。 それからいま一つ、これは後ほど農林大臣にお伺いするときの参考に重要でありますが、東京に中央卸売市場が初めて出ましたときに、いろいろの問題が生じまして、旧営業者が固まって一つの青果会社を作って業務を運転したという形をとられておったので、いろいろの古い伝統が生きていたと思う。ところが、最近になりますと、築地市場におきましても、丸東というような青果会社が築地青果にかわっておる。三井の強大な資本がこの中に入っておる。あるいは日本農産青果——農産株式会社が日冷青果とかわって、これは日冷の強大な資本が入っておる。ただ、今は中央青果は大根河岸の旧業者を中心にしたものが一つ残っておって、これは非常に気をきかしておる。しかも、この会社は前からの生産者との古いつながりもありますので、減仕切りでありますとか、あるいは増仕切りのような悪い方法をなくすれば、現に一割五分くらいの、まあ手数料ですか何かのうち、何らか負担をしなければならぬが、とにかく非常に健全化しているというようなことを言われておるのですが、そういう工合に、今の墨田青果にしましても、これは現に東京タイムスなどによりますれば、有名な蛯原の一の番頭で、東京の有名な商利貸しになっておる親分が、この新会社を乗っ取ったというか、作って、そして旧重役間に紛争を起して、先ほど申し上げるような問題を起しておる。そういうことが逐次行われているのかどうか、その点だけでいい。かわっているならかわっている、そういう傾向になりつつある、そうして昔の営業関係者である伝統を持った神田市場であるとか、あるいは大根河岸であるとかというような業者の団体が、逐次なくなりつつあるか、こういうような点をお伺いしたいと思う。
○参考人(飯田逸次郎君) まず最初に丸東の債権者の中に小売もしくは仲買があって、そうしてあることは先ほど申し上げたところでございまするが、それがいわゆる売掛金と自分の個人債権とを相殺をした事実がありはしないかと、こういう御指摘であります。これはわれわれとしては、今その資料を持っておりませんが、丸東に対してその買い手である仲買人、小売人が債権を持っておるということは、これは非常に危険なことであります。一たん自分の債権を確保するために、どんどん品物をとって、その売掛金と相殺をするというようなことがあっては、これはもう卸売人としてはたちまちにしてお手上げをせざるを得ないわけであります。その点は、われわれは非常に警戒をいたしておるのでありまするが、今回の丸東の事件の際に、さような事実があったかどうかと、まあ、われわれは一つのそういう風聞は聞いておりまするが、ここに正確な数字をもってお示しすることができないのであります。そしてその後、われわれはそういうような風聞をちょっと聞きましたので、さっそく通達をいたしまして、いわゆる売掛金と個人の債権とは相殺してはいけないという通達を、その後出して、厳重にそれを取り締る方針をとって参ったのであります。 これは法律的に言いますと、その点についてなかなか意見が出てこようかと思いますが、われわれとしては、売掛金と個人債権との相殺ということは、法律的にはいろいろ解釈、御意見があろうかと思いますけれども、少くとも中央卸売市場の業界における一つの仁義といいますか、情義といいますか、そういうものからいえば、当然区別すべきものであるという考え方をわれわれとしては持っておるのであります。従って、そういう意味においてまあ通達をしておるのでありますが、これ等から、将来制度的に何らかの方策が考えられるべきものではなかろうかというようなことも、その後になって考えておるのでございます。 それから墨田青果に対して、かつて非常に高利な借金があって、それに苦しんだことがあるはずだが、現在それがどうなっておるかというような……。
○清澤俊英君 そうじゃないのです。私の聞いておるのは、墨田青果の現在の営業停止を食っておる重役ですね、担当者は、これは前に何か旧重役にかわって出た人ですか。旧重役というのは内紛しておるのでしょう。これはあなたのさっき言った通りでしょう。墨田青果を乗っ取ったのか、会社がだめになって、自然に入ったのか知らないが、とにかくに経営陣がかわったということなんです。おそらく前の人たちは、古くからの業者等が集まったもので起こされた会社でしょうが、全然……。蛯原というような、東京でも有名な高利貸、その人の番頭で定評のある人が今度かわって入った。それはちょっと私の言い方が悪いところがありましたが、これは直してもいいが、とにかくにそういうことが言われておる。それと同じような業態の中で、昔の業態が、結局築地市場においても丸東というような強大な青果株式会社が、それが今は築地青果と名前が変っておる。それ自身は三井の会計になって、そういうものにかわった——肩がわりしたか、あるいは日本農産青果というものがそれが日冷青果と名前を変えて、そうして経営者がかわると同時に、その主には日冷がうしろについてきて、そうして経営陣がかわった。こういうふうな旧来のいろいろの問題を起した大正十年以来の伝統を持つた神田市場であるとか、あるいは大根河岸というようなところに寄った業者の団体から、だんだん内質が現在においてはかわっておるのじゃないか、こういうことを私はお伺いしておるのです。 それは、これから先、この市場の運営上、われわれが考える重要性を持つのです。申し上げてみれば、そういう昔の伝統のあるものが営業権を集約せられて株式会社を作ってそこに入ったとすれば、それは何らかの形で、あなたの言われる通り、昔のいろいろな取引上の伝統もあったろうし、これを抜くには非常に困難であったと思います。しかるに、そういうように片端から全然別の新しい人たちが入ってきて、これの経営に当るとするならば、われわれのこの市場に対する考え方がまた新たなる観点に立たなければならぬ、こういうふうに考えますので、そういう事実があるのかないのか、またそういう傾向があるのかないのか、これをお伺いしたいのです。 いま一つは、これは私は二度質問するのはいやですから、ついでに聞きますが、一昨年か、単複の問題が出ましたとき、あなた方にお伺いしたのですが、何らこういうものに対して一つの意見も吐いていただかなかった。あのとき、こういう内情もありますということをあなた方から少しでも聞いておったならば、われわれは結論を出すにどれくらい、あのとき、こういうようなものができないような、りっぱな中央市場法を作り得たと思う。何ら当局者としてお聞きすることができなかった。あの時分はこういうことはなかったのか。 この二つだけ。これで質問終ります。
○参考人(飯田逸次郎君) 築地青果が三井からの資金に多く依存しておるということは、事実、御指摘の通りでございます。それから東京農産が最近日本冷蔵の方からの資金を得て、そうして日冷青果というふうに名称を変更してきたことも事実でございます。まあそういうふうなのが逐次新しい、いわゆる資本形態というものが入ってきておるということは事実でございますが、細部のこと、また過去からのことにつきましては、私あれでございますので、業務部長から一つ御答弁をさせることにいたしたいと思います。
○委員長(堀末治君) ちょっとお諮りいたしますが、本問題につていは速記をとめて、秘密懇談会で協議いたした方がいかがかと思いますが……。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀末治君) では、御異議ないと認め、さように決定いたします。 それでは、議員、参考人のお方、政府関係者、事務局職員及び委員秘書以外の方は、御退場を願います。 ちょっと速記をとめて。 午後零時五十一分懇談会に移る —————・————— 午後零時五十九分懇談会を終る
○委員長(堀末治君) 速記を起して。 それでは、懇談会を終って委員会を再開いたします。 青山委員から秘密会の間に申し入れがございましたが、この際あらためて青山さん、御発言を願います。
○青山正一君 この際農林大臣あてに当委員会の総意をもって中央卸売市場に関する申し入れをしたらどうかと思いますが、一応案について皆さんにお諮り申し上げたいと思います。 以上お諮りしたいと思います。
○委員長(堀末治君) いかがでございますか、当申し入れに対して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀末治君) では、さように決定いたしました。 なお、ただいまの申し入れに対しては、後刻農林大臣の御所見を伺うことにいたしたいと存じます。 午前は、これにて暫時休憩いたします。 午後一時二分休憩 —————・————— 午後二時二十八分開会
○委員長(堀末治君) 午前に引き続き、委員会を再開いたします。 まず、先刻の委員会において、中央卸売市場の件について農林大臣に申し入れがなされたのでありますが、最初に、この申し入れに対して農林大臣に御所見を伺うことにいたします。
○国務大臣(赤城宗徳君) 参議院の農林水産委員会から中央卸売市場に関する申し入れがありました。これにつきましては、その趣旨をよく体しまして、誠意をもって善処し、今後丸東のような事態をできるだけ可及的未然に防止いたしますとともに、至急卸売市場の業務運営につきまして適切なる措置を講じたいと存じます。また必要に応じまして、中央卸売市場法の根本的改正につきましても、至急十分検討を加えまして、すみやかに成果を得たいと存じます。
○清澤俊英君 ただいまの御答弁あまり抽象的でありますので、少しばかりその方向についてお伺いしていきたいと、こう思うのであります。 二回にわたりまして私どもは開設者の責任者にここに出席していただきまして、いろいろ丸東の破産状態に対しますることを中心にして、巷間伝えられている荷受けの関係あるいはせり売りの関係等々、諸般の点についてその説明を聞いたのでありますが、その結果として、こういうような状態が山積しておるために、現在この二十数社の卸売会社、それ自身の中に約三分の二くらいですか、三分の一ですか、これは経済局長よく知っておられますが、相当数の不良と見られる会社がある。こういう御指摘がありましたので、従って、今の法規を何らか改正して参りませんと、こういう不良会社がもしこのあと続いて出ますと、これはもう非常な重要な問題、重大な問題があとに残される、こう思いますので、従って、その後中央市場の改正という問題に対しましては、農林当局として、こういう会社を一つ積極的に合併なりあるいは合同なりさして、強力な会社を作らせる、こういうような御意思があるのかどうか。この問題は東京神田青物会社ですか、いわゆる丸東会社の善後処置とはこれは別だろうと思いますが、まずその点をお伺いいたします。 同時に、将来におきまするこの卸売市場の改正に対しましては、昨日われわれは同じこういった—こういう問題とは違いますが、朝鮮ノリの輸入問題について、いろいろその内情等をお伺いして参ったのであります。ところが、このノリの輸入に対しまして、一つの紛争の起きている原因が、需給調整をやって、業界の円滑なる運営をするという需給調整協議会、この中にあります輸出業者を中心にした輸出部会が、われわれから見ますると輸入会社です。輸入業者の約七十軒くらいがほとんどその実権を握って、それがもとで、まあいろいろ巷間伝えられるところによれば、某輸入業の思惑が政治的な働きをしたとかいうような奇怪きわまりない巷間に問題を投じておりますが、そういったようなことで、結局一つの取引状態が停頓して、そこに紛争を起している。しかも、国際的な紛争を起している。こういうような問題が出ておる。その調査の過程において、われわれは見のがしてはならないことは、ノリの値段は、市場価格はだんだん上ってきた。ところが、生産者のノリの価格はだんだん下ってきておる。これはやはり東京丸東の事件と並行して、一つ中央卸売市場における方向としてもそれと同じような方向が出ている。これはしばしば新聞等によって報道せさられておりますことですが、生産者は八円のトマトを出し、そうして小売値段はそれが八十円になっている、こういうようなことが伝えられている。本日も他から聞いたのでありますけれども、リンゴが非常に豊作で安くなっている。従って、神田市場においては、まあ中級品以上のものでも一箱四、五百円だ。しかし、これを生産者から見ますれば、くぎ代、荷造り、箱代、輸送、品質選別等を差し引きますと、実質手取りは百円くらいにさえならない。そうすると、結局豊作貧乏に見舞われて、市場はどうかと思ったら、おそらく去年の値段と大して違わないのじゃないか。われわれはあまり高いので買ってみないからわかりませんが、そういう値段じゃないかと思います。これが現実だと思います。こういう点を中心にして、いかなる方針を堅持せられるか。ただ丸東のような事件が起きないように、法の不備な点があるから、それだけを有すのだというお考えなのかどうか。 根本的に、結局すれば中央卸売市場これは地区的なもう私は市場機関じゃないと思う。と申しますことは、集まって参ります生産品は全国から集まってきている。これは生産者に対しては全国的なものと思う。また消費者は、東京都民だけの消費者じゃなくして、ここに集まったものはまた一応地方へも卸商として回ります。われわれの新潟あたりに参ります鮮魚等については、東京市場を通じて回っているものが相当ある。われわれの方から出荷されたものが一東京市場を通じて、仲買人、仲継人等を通じて、他の地方に回っているものもある。これは全国的に重要な役割を果す機関になっている。そういう点を考慮せられて根本的な—具体的に申しますと、そういう点にまで立ち至って検討して、次の通常国会ぐらいまでには間に合わして出す御意思があるのかないのか。これは恒久対策としてまずお伺いしたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 前段お話しのように、市場の業務等につきましては厳重なる検査をいたしたいと思いますが、それだけではもちろん足りないのであります。先ほどお話し申し上げましたように、市場法の改正をやっていきたい。そこで、その内容等につきましてどの程度のことを進めようとするのかということでありますが、目下検討中でありますけれども、市場の運営のガンの一つは、何と申しましても、卸売人が多数おりまして、過当競争が非常に多いということだろうかとも思います。これは中小企業等の問題につきましてもそういう問題があるのでありますが、非常に過当競争に陥っているということでありますので、今お話しのような卸売人の合併という問題は、現に問題になっておりまする丸東の問題とは離れましても、合併ということは進めたいと思うのであります。なお中央卸売市場法は、今もお話がありましたが、公共性が非常に薄い規定になっているといいますか、十分でないと思います。特にその中でも卸売人についての規定において公共性を考慮している点が非常に少いと思いますので、この点につきましても十分考慮していきたいと思います。 それから生産者と消費者との間の値段に非常に差があるという御指摘でありましたが、生産者の団体等におきましては、これは市場の問題とは別でありますが、できるだけ団体出荷というようなことにして、生産者の方でも方法を講じていきたい、こういうふうに考えます。
○清澤俊英君 大事なところにちょっとぼやけたところがありますがね。市場の機能が公正妥当にいって、そうして生産、消費というものの、この需給の道渡しをする健全なる公的機関として、それに相当なマージンはつけてこれを擁護する、こういう建前がとられませんと、まん中だけで多額の中間利益でけが中間業者に集まってしまう。これはもう一般のことで、きのうから経過過程のいろいろな説明の中に出ている。きのうはノリの問題で、水産庁長官の話にも出ている。ノリの値段はずっと上ってきているが、市場の価格が上ってきているが、ノリの生産者は下ってきている。こういうばかげたことをしておりますれば、しまいにこれはただでおさまらぬ問題になる。何らかの形で重大問題が出るだろう。この点はよほど気をつけて、一つ次の解決に当ってもらいたい。 と同時に、この解決について、ことに関心を深めていただかねばならぬことは、今までは伝来の業者が生産会社を作ってずっとやってきておったじゃないか。それがだんだん質が変ってきている。現に午前中のいろいろの質疑の中に出て参りました江東分場の墨田青果会社、もう日本で札つきの〇〇という高利貸しの番頭さんが肩がわりして経営している。あるいは築地市場におきましては、三井系統の資本が入ってきて、これを経営している。あるいは日東冷凍がこれを経営している。これは卸売業です。ただ、規定せられたる一割何分かの、一割の手数料だけをとって経営していく会社なんです。なぜ日東冷凍が日冷青果会社というものに肩がわりしたか。各地に散らばっている冷凍庫を利用して冷凍庫があかないように、その冷凍庫の利用が目的だと伝えられている。全く不純のものが出てきている。本来の卸売業と性格を別にしようという動きが大資本によって企てられていることも、われわれは考えなければならぬ。そこへもってきて、また、ああでもない、こうでもない、これは問題になりません。相当な動きをちゃんと見きわめて、少くとも中央卸売市場は全日本国民の消費と生産の中間に立つ完全な機関たらしめる。それがためには、私は、農林省も国民の機関を成立するのでありますから、あるいは丸東のような問題が出た場合に、将来こういうものを補償するために、国が一つの資金を投資するとか、あるいは東京都とか、六大都市とか、十五万人以上の指定を受けるような市場を持ったものが、これにやはり相当の投資をして、マージンの中からある程度のものを出す、いわゆる補償制度のようなものを確立して、そうしてきちんと押えて、マージン以外はもう絶対にとらぬ。しかも、いろいろの荷受けの競争、あるいはいろいろな不純不当な問題は、一割という大体マージンが強い、それがなければいいのだろう。神田市場におきましても、年に三百何十億だというのですが、それの一割とっておったから三十何億、それが二社くらいになったら、から手で十何億くらい入る。何も投資もやらないで静かにやっていれば、十何億入る、こういう実例のものになる。一割ということは、十重出せば一重ただでもうかる。こんなうまい商売がしゃばにありますか、何もしないで。そういう点を考えていただいて、ほんとうの日本の消費、生産をつなぐ根本的な規定に建て直しをしようという御決心で中央卸売市場法を御解決下さるかどうか、もう一度はっきり伺いたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 今農林省内にも、お話のような流通問題につきましては、省内だけでありますけれども、流通委員会を設けて検討しております。この丸東問題について、それに関連して、中央卸売市場の法律を改正する場合に、どういう考え方かということでありますが、先ほど申し上げましたように、根本的に改正をいたしたい、こう考えておりますので、御趣旨の点などは、十分に法において御趣旨に沿うようにしたい、こう考えております。
○清澤俊英君 大体わかりましたから、あとは恒久対策。 今度は丸東の直接の問題ですが、この何に出ておりますように、これには労働者の、従業員の賃金の未払いがある。これについて先ほどから、午前中いろいろ都の当局、経済局長等を通じて、これはあの丸東の出荷人に対する支払債務の履行の問題と同じ比重、もしくはそれ以上の比重をもって同時解決すべきだ、こういうわれわれは質問をいたしましたが、どうもこれは別に切り離して考えなければならないというのでありますけれども、これは非常にめんどうな問題であります。私は農林大臣としては、そういう考え方で一つぜひ善処していただきたい、こう思いますこと。 それからいま一つは、いろいろ残存会社を中心にして、売上金のうち一分五厘ですか等を、手数料の一分五厘だから一割五分ですか、等をもって補償ですか、補償なんとか制度のようなものを作って積立金をしておいて、それでだんだんと負債を整理していく。そのために一時それを引き当てにした融資をしているのだ、こういう御説明をした。いろいろの問題でまだ障害が残っているというので、これはこの年内までにぜひ片づけたいと思うというだけで、必ず片づけます。必ず片づけ得られなかったならば、何らか別な方法でこれを処理し得るのだという御明答を得ることができなかった、まことに残念です。 そこで、私が考えますのに、そういう売買の手数の上に出て参りますものを積み立ててやるということは、これはいずれも消費者と生産者のどこかにかぶさるわけであります。決して業務規程並びに中央卸売市場法等の忠実な監督、忠実な履行をやって生じた、これは丸東の事件じゃないのです、この度の事件は。私はそうだと思う。その一方、多くの生産団体の人たちは、午前中などもそのことを東京都の責任者にはっきり申しておったのでありますが、これはいずれも大東京都を背景として、それが持つ業務規程や、あるいは農林省が持つ監督規定等を確信して、そうして中央卸売市場へ出したのだ。卸売人のところへ出したのだと考えておりません。中央卸売市場に依託した、こう考えている。そういう結末になりまするならば、これは今言うた通り、わずかの、生産者と消費者だけの労力によって、その穴を埋めべきものではなくして、これはやはり国民全体の力によって埋めていくことがほんとうだと思う。だから、いろいろの事情で、それはすぐできぬかもしれません。経済局長に言わせれば、なかなかいろいろな障害ができますから、そうもいきませんというのですが、最後の腹くくりは、私は、何らかの形において、それに近いくらいのものを出して、そして一般国民の血税であるいは東京都民の、一番関係の深い東京都民の一般の血税で、間違ったものは仕方がないから洗ってやるが、そのかわり、決定的な次の段階の恒久対策はこう講じられているというものを出してもらわなければ、私はできないのじゃないか。最後の点に至りましたら、そのくらいのお考えを持っていただけるのかどうか。これはいろいろ関連するものもありましょうから、そう端的に言えませんが、非常に熟練な経済局長がおりますが、一つそれに対する明快な御回答を願いたい。わずかなものに責任を負わせて、それを片づけて、片づけましたというのでは、あまり虫がよすぎる。自分らの責任というなら、それくらいのことをやって、そこで市場に向って、このくらいのことをしなければいかぬじゃないか、こうしなければいかぬと思う。政府がそう言ったって、国民の税金でするのだから、国民の機関で成立するのだから、わずかの一握りの業者などは問題でないと私は思う。だが、それらの人の生活は見てやらなければならぬ。それに対する十分の考慮は要るでしょうし、今のような非難のあるものが長く続くものじゃない。そういうことを中心にして、この臨時的な丸東の処置に対しても考えられなければならない。これで農林大臣に対する私の質問は終ります。
○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほど事務当局からもお話し申し上げたと思うのでありますが、丸東のあとの処理につきましては丸栄とか、丸一とか、東印等が売場を引き受けますので、取扱上とは言えますが、一つの権利を取得するような格好になるだろうと思います。その取扱高というような基準を設けまして、千分の一五を出させる。それも六年間で約一億二千万ぐらいになりますので、今生産者の方の仕切り未払いが八千三百万円ぐらいありますし、従業員の方が五百万円になっておりますので、生産者の方も半分は即座に払える、こう考えておりますので、従業員の未払いも、前後しないで同時に解決したい、こういうふうにやっておるわけであります。 そこで、こういうものは公共性があるのだから、国の歳出か、あるいは東京都の税金で始末してしまうがいいじゃないかというのも、一つの御意見かと思いますが、ただいまのお話のように、これは関連することが非常に多いので、それをもってこの跡始末をするという考えを今持っていませんが、そうしなくても、千分の一五を取扱量からとるということは、残存する卸売人の取扱量が、丸東の業務取扱いに伴って増加すれば、増すことによってカバーできるのではないかということも考えられますので、でありますから、直ちに消費者に転嫁するということも今考えておりませんけれども、この解決につきましては、今申し上げましたようなことができるめどを持っておるので、御了承を願います。
○清澤俊英君 今あなたの答弁ですね、全然考えていないということはおかしいと思う。どうしてもだめなときには、それは利息の補助ぐらいしてくれてから、こうやりなさい。そうしてできたときに、資金の融資をするから、すぱっとみんな済ませなさい。すぱっと一気にできるような方法を考えてやりなさい。あなたの方にも責任がある。あなたの方の責任はやはりわれわれの責任でもあり、国民全体の責任である。東京都もそうですよ。それくらいのことは、呼び水としてやるくらいのことはやりなさいよ、すぱっと片づくように。もしだめならしようがないけれども、しかし、しょうがないとは投げませんよ。
○東隆君 先ほどですね、市場法の改正についても考える、こういうお話ですが、きょうのいろいろな論議をたたかわした中からも、開設者はこれはもちろん問題でないのですが、会社その他の関係のものは、やはり営利を目的にしておるものですから、従って、こういう公共性を多分に持たなければならぬものが、営利を追求するものによって構成をされておる、こういうことから過度の競争なり、いろいろな問題が起きて参るわけであります。従って、市場法の改正ということを前提に置いたときに、私は、少くとも構成しているところのものは利潤を追求しないと、こういう性格を持たすべきだと思う。そのためには、今のような情勢で進んで参りますると、非常に大きな資本を持っているものが、そうして変質したものになりつつある、こういうようなことも防がなければなりませんし、防ぐというよりも、そういうものが入り得ないところの公共的な一つの性格を持ったものに作り上げていっていい時期に、もう到達しているのじゃないかと思う。国家が大きな私的独占を排して、そうして公的な独占という形にもっていってもいいじゃないか。少くとも市場を左右するものは……。私的形態というものは自由主義経済の花形であるけれども、私はもうすでにここまで大きくなってきたときに、もちろんこの形式をとってもいいけれども、それを扱うところのものは営利を追求しないようにする、こういう考え方が至当だと思うのですが、その点についてはどうですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 市場が公共性を持つものでありますので、市場法の改正につきましては、公共性を持たせ、今までのゆがみといいますか、そういうものを直していきたいと、こう考えております。しかし、せっかくのお話でありますが、公共性は必要でありますが、利潤といいますか、そういうものを全然やめて、官営的な、国営的なものへもっていくということも、市場という一つの何といいますか、性格といいますか、そういう点からいうと、能率とか、いろいろな面で十分検討する余地がまだ残っているのじゃないか、こういうふうに考えております。しかし、公共性を持たせるということにつきましては御趣旨の通りに進みたいと、こう考えております。
○東隆君 その場合に、中に入ってくるところのものによって、非常に災いをされてくると思う。今の制度のもとに隠密に入ってきて、そうして市場を独占する、そういうような形態が行われると思う。そういうものに対しては、あらゆる方途を講じて、そうしてそれをチェックする、こういうようなお考えはお持ちですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) そういうものが市場を独占する形態で入ってくるかということにつきましては、なかなかめんどうなことがあろうかと思います。事実上は。しかし、御趣旨のような線に沿ってゆきたいと、こう考えております。
○千田正君 関連して。今、東議員からのお尋ねと私は同じようなことを聞くんですが、それは今、大臣のお答えの中に、市場というものは公共性を持たなければならないということを、東君からも主張しておりますが、私もそのことを主張します。それでやはり利潤を追求しなければならないとしても、それには限界があるはずです。限界があるはずであるから、その限界のきめ手を改正案の中に盛り込まないときには、相変らず同じようなことが繰り返えされる。ですから、利潤の追求の限界性というものに一つのはっきりしためどを農林省としては考えるべきじゃないかと思うのです。私はそう思うのですが、どうですか。公共性を基礎とした利潤追求の限界をきめるべきである。現在もある程度パーセンテージはきめられております。パーセントはきめられておるが、にもかかわらず、今日においてなおかような醜態を演ずるということは、そこに何らかの欠陥があるということを指摘せざるを得ないのでありまして、その点はどうお考えですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) そういうことを申し上げて失礼かと思いますが、市場には公共性と同時に、やはり価格調整、自由主義経済下においては価格調整のオペレーションも持っていると思います。さりとて、公共性というものに重きを置かなくちゃならぬというのが一つの立場であります。そこで利潤等につきまして、その他につきまして、ある程度の制限を設けるかどうか、限度があるのじゃないか。制限を設けるべきじゃないかというような御趣旨かと承わりましたが、私どももそういう限界が必要かと思います。ただ、今まで戦時中にいろいろそういう制限を設けて、必ずしもうまくいかなかった問題もありまするし、ほかとの均衡等もありますし、またしかし利息の制限法などというものもありまして、あるものについては制限の法律もあるわけでありますから、御趣旨のようなことはよく研究さしてもらいたい、こういうふうに考えます。
○千田正君 そこで、大臣の御心配もさることながら、公共性を持つということは、いわゆる一つの国の政策に準拠させるということです。国民の生活の安定に一つの方向を向けていくという対策なんですから、そういう一つのあれを設ける以上は、国はあくまで腰を抱くという一つの考え方を持たなければいけない。公共性を持たして、そうして利潤の追求の一応の限界を置くとして規定する場合においては、やはりある程度国の政策の上において、そのものに対する代償として、国としての腰を抱く一つの助成でなければならない。助成とまで言わないが、十分に良心的に運営できるという方策もまたあわせて考えなければ、戦時中の統制と同じような結果になってしまう。私はそう考えるのですが、大臣はどう思いますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 御趣旨の点につきましては同感であります。実際問題の点につきましては、先ほど申し上げましたように、なお検討をさしていただきたい、こう考えております。
○清澤俊英君 最後に御決心をお伺いしたいのは、次の通常国会に卸売市場法を出せるか出せないか。ちょっとめんどうかと思いますが、出すつもりで腹をきめておられるのかどうか、この点を伺います。
○青山正一君 ちょっと、関連して。今清澤さんからの意見もよく農林省の方で考えていただきたいと思います。先般の市場法の改正法案が出た際におきまして、普通の法案ならば全部衆議院の先議であるわけですが、この市場法だけは参議院が先議でありまして、そのときの付帯決議におきまして、非常にこれはずさんなものである、何とかこれは全面的に改正する必要があるのじゃなかろうかというふうな付帯決議をつけまして、遠からずこれが改正されるものだという仮定のもとに、一応農林省の立案の法案を認めた、こういうふうな格好になっておりますからして、今度の問題は少くとも、前農林大臣の河野さんあるいは安田局長あたりが残していった、たとえば類似市場法の問題あるいはバナナの問題とか、相当改正すべき筋合いのものがあろうし、それから生産者に対するいわゆる保証金の問題も一応は考えの中に入れて、その前提のもとにやっていくというようなことにならなければ、たとえばきょう東京都あたりが考えておるああいうやり方では、これはなかなかうまく成立するものじゃない。おそらく両手をあげて農林省にまかすという筋合いになろうかと思いますから、その点あわせて一つ、私の方から清澤さんの意見に同感の意を開陳いたします。
○国務大臣(赤城宗徳君) 今のお話のように、先ほどの前回の市場法改正のときの付帯決議もありまするし、また清澤さんの強い御意見もありますので、通常国会中にはこれを出したいと考えております。
○委員長(堀末治君) 本件については、本日はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(堀末治君) 次に、農林水産基本政策の件を議題にいたします。 本件について、米国余剰農産物の件並びに日ソ間、日韓間の漁業問題の件について千田委員から、農地問題の件について清澤委員から、また草地の件について仲原委員から農林大臣に質問の要求がありますので、この際順次御発言を願うことにいたします。
○千田正君 ただいま委員長から述べられました通り、私のお尋ねいたしたいと思いますのは、目下交渉中の懸案になっておりますところの米国余剰農産物の受け入れ態勢、この問題の解決いかんは、通常国会に提案さるべき政府の予算にも関連することでもあり、国内政策的には、食糧政策その他の内地におけるかつての余剰農産物の受け入れによって生じているところの幾多の事業にも関連している問題でありますので、まず第一には、私のお尋ねいたしたいのは、現在までの経過を差しつかえない程度に御説明願いたい。なおかつ、今後の施策等に対してあるいは発表をはばかる点がありましたら、速記をとめていただいてもよろしゅうございますから。 余剰農産物の受け入れは、新聞の伝えるところによると、目下のところ暗礁に乗り上げている。もう受け入れなくてもいいという対策が立てられる立場であるならば、それは何らちゅうちょするところなく、堂々と御意見を発表していただきたい。いずれにしましても、われわれとしましては、余剰農産物の受け入れということは、国内における生産面と、なおかつ従来の行きがかり等がありますので、相当の関心を持っておりますので、この際、経過を一つ御発表願いたいと思います。
○島村軍次君 余剰農産物の受け入れの問題は、ただいま千田さんの御意見は主として、経過ということが、主体になっておったようですが、私は、それにつけ加えて、余剰農産物受け入れに関する政府の基本的な考え方というものを、この際国民によく徹底させる必要がある。そしてその基本線に向ってこういう経過であるということを、この際、御開陳をあわせてお願いいたしたい。
○千田正君 今の島村さんのおっしゃる通り、私言葉が足りませんでした。まず第一に経過を伺って、しかして後に、今島村さんの御質問の通り、政府の所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 余剰農産物を受け入れようという考えを持っておりました理由を先に申し上げて、経過を次に申し上げたいと考えます。 実は私ども農林省を預かっておりますが、御承知の通り、食糧の自給態勢はまだ確立しておりません。そういう関係で、食糧の需給関係を調整いたしますというと、国内だけでは間に合わないのは御承知の通りであります。相当量の輸入によらなければならないことになっているのであります。輸入の方法は、一般外貨を使って輸入するのが普通の筋でありますけれども、幸いに余剰農産物という制度がアメリカにも設けられ、また日本といたしましても、第一次、第二次の受け入ればいたしたわけであります。第三次は、これは受け入れをしなかったのであります。余剰農産物ということでありますから、これはアメリカにとっては、余剰農産物を世界各国にさばいて、アメリカにおける農、産物の価格安定に資する。その他ほかの意味も含まれておりますが、そういうような制度でありますので、アメリカにとっては、一口で言えば余剰農産物でありましょうけれども、私の方から見れば、必要限度内における農産物という意味を持っておりまして、外貨をもって買う、そういう予定の、需給の範囲内において余剰農産物を日本で受け入れるということでありまするならば、その範囲内におけるものならば、これは受け入れてもよろしい。というのは、国内の食糧自給態勢を進めていく上におきましても、土地改良とか、あるいは漁港の問題とか、あるいは電源開発の問題とか、あるいは森林公団の農道というような問題につきまして、私どもはこれを強く進めて自給食糧態勢を作っていきたいというのが大きな目標でありますので、そういう意味におきまして、余剰農産物を日本における不足している食糧、当然輸入しなければ需給状況が円滑にいかないという範囲内におきましては、余剰農産物を入れても差しつかえない。また入れて、その金が円資金として国内の、先ほど申し上げましたように、土地改良費用とか、漁港の費用だとか、あるいは森林公団、電源開発というようなことに使える、しかもその使う額の支払いが非常に長期にわたる、あるいは利率も安いということでありますならば、これは受け入れてもいいのじゃないか、こういうような考え方から、実は余剰農産物の今度は第四次になるのでありますが、第四次の受け入れを交渉してみようじゃないかということで、八月ごろからその問題を研究しておったのであります。 そこで、各省とも話し合いがつきまして、事務的にもいろいろこっちの申し入れ条件が整いまして、それが金額にいたしましては四千七百三十万ドル、小麦が三十八万トン、大麦が八万トン、綿花が十万俵、こういうものを受け入れて、そうしてその円資金の使用率等につきましては、従来七五%が円資金として日本で使用できたのでありますが、それを八〇%程度日本で使えるように交渉しようじゃないか。利率の点等につきましては、従来円資金で返す場合には四分ということになっていますので、そういう点も従来通りの条件で受け入れようじゃないかということになりまして、外務省を通じて、九月の一日にアメリカの方へ申し入れたのであります。 その後、出先の農林省から出ておりまして外務省に席を置いております参事官を通じたり、あるいは日本に駐在のアメリカ大使館を通じたりして、いろいろ交渉を話し合いを続けておったのでありますが、なかなか話がうまくゆきそうにもなかったのであります。それで、企画庁の河野長官がジュネーブにおけるガットの会議に出席することになりましたので、それではアメリカを回って行くのならば、余剰農産物の問題についてもアメリカ当局と話し合っていってもらいたい、こういうことで、河野企画庁長官が向うへ行く途中におきましてアメリカ当局と話し合いをいたしました。ところが、アメリカのベンソン農務長官及びガーネットという海外農業局長ですが、余剰農産物を専門的に扱っておる局長であります。これがローマにおけるFAO会議に出ておりますし、農務長官も会えませんので、農務次官補ですかモース、という人がこちらの事務当局と会って、いろいろ折衝を続けたわけであります。結論的に申しますと、農務長官もおらぬし、ガーネットもおらぬので、モース次官だけで取り計らうということは困難だという結論であったのです。しかし、河野企画庁長官といたしまするならば、私が申し上げましたような日本の国内の事情、それから第三次余剰農産物の受け入れをしなかったのでありますが、第四次も受け入れをしないということだと非常にまずいので、何とかアメリカの方へ余剰農産物として日本の申し入れに応ずる意思はないかということを申し入れたわけであります。ところが、アメリカにおきましては、国会におきまして十億ドルの余剰農産物の予算が計上されておるわけであります。この十億の範囲内においては非常に困難だ。というのは、新興国家といいますか、世界の各方面からの申し込みが非常に多い。こういうことで、非常に困難だというようなことでありましたし、長くアメリカに滞在している期間もないし、農務長官及びガーネット局長もおらぬということで、話はローマでなお進めるということで、河野企画庁長官はアメリカを立ったわけであります。 ところが、たまたまベンソン農務長官が、余剰農産物の問題につきまして、日本を初めとして東南アジアの諸国、それから北欧、アフリカ、そういう国国を回ってローマの方に行くということで、二十七日に日本を訪れまして、そして農林大臣にぜひ会いたい、こういう申し入れの連絡が向うからあったわけであります。そこで、私はベンソン農務長官及び、余剰農産物関係者を向うで帯同してきましたので、そういう人々と会いまして、先ほど申し上げましたように、日本といたしましては必要な農産物なんだけれども、向うでは余剰かもしれないが、しいて欲しいというわけではないけれども、こういう余剰農産物が日本に入ってその円資金が日本で使えるということになるならば、この日本の農業開発その他につきましても非常に有効なものと考える。それについては、一体日本に入れる意思があるのかどうか、十億ドルの中に日本に余剰農産物を持ってくると、入れるということになっておるのか、あるいは十億ドルの中には日本に対する余剰農産物を入れるという額は入っておらないのか、どっちなのだという話をいたしましたが、それにつきましては、的確な返事をしないのであります。そこで、来年の一月にアメリカ国会において、余剰農産物につきましては国会が乗り気なので、追加予算といいますか、補正予算を出して予算の増額をしたい。そのときに最も優先的といいますか、日本の考え方はよくわかったから入れたいと、その予算の中には日本への割当も含めたい、こういう話でありました。しかし、私どもは、向うの会計年度と私どもの会計年度が違っておりまするし、予算の編成上の問題からいっても、十億ドルの範囲内で余剰農産物を今年中に入れるか入れないかということをきめたいのだ、そういう大きな筋の話をいたしたのであります。 ところで、一方話は事務的になりますが、農林省からも河野長官に随行して、食糧第二部長の松岡君が今アメリカへ行っておるわけであります。そこで千億ドルの範囲等につきまして、なお未決定のままでありますが、事務的に様子をさぐっておるところを見ますると、小麦等につきましても、ソフトでなくてハードの方、硬質小麦の方を向うでは主張しておる様子であります。あるいはまたトウモロコシやタバコ守を余剰として売りたい、こういうような話も向うから出ておるわけであります。さような話も私どもは耳にしておりますので、ベンソン農務長官との話し合いにおきましても、私は事務的な話はいたしませんけれども、そういう情勢は頭に入れてありますので、ともかく十億ドルの範囲内でできるかできないかということが前提である、そういうことで日本の事情を話しましたところが、二十七日でしょうか、非常によくわかった、事務的に一つ打ち合せをしようじゃないか、相談しようじゃないかということで、向うからもフレーザーといいますか、帯同して来た者と、私どもの方の食糧庁長官、官房長を出しまして、事務的にどういうふうに持っていくかということを折衝いたしたわけであります。そこで、アメリカ当局といたしまして、十億ドルの範囲内に極力入れたい、ワシントンへ帰って話をしたいというような意向を漏らしておったのでありますが、折衝の過程を見ておりますというと、私どもの要求した四千七百三十万ドルというこの額は、とうてい十億ドルの範囲内にも入れてもらえないような情勢であります。それから具体的に小麦をどうするかということにつきましても、そこまでの話に立ちいれないといいますか、立ち入るだけの段階に至らないようであります。向うといたしましては、来年の一月に追加補正予算を計上するならば、なるべく日本の趣旨に沿いたい、こういうことが主で、十億ドルの、現在予算に計上されている範囲内においては、私どもの要求といいますか、申し入れにはいろいろの点でほど遠いものがあるのであります。 そういう情勢でありますので、私どもといたしましても、しいて余剰農産物を今、そういう条件のもとに、無理して入れなくてはならぬというようなことにも考えられませんので、大体見通しとしては、これは解決の見通しといいますか、私どもの要求のようなことには相手方が応じられない、応じようという気持もあるのでありますが、応じられないような情勢にあるのであります。しかしながら、ともかく河野企画庁長官が、ローマで話し合いをすることになっておりますので、これを打ち切るということには申し渡しといいますか、話になっておりませんけれども、私の交渉した経過におきましては、私どもの条件に応じられるような向うの情勢ではない。ワシントンの方にも連絡は向うでとっておりますけれども、情勢はそういう情勢であります。 なおベンソン農務長官はローマへ着くのが来月の六日になります。河野企画庁長官が帰ってくるのは来月の二日ということになりますから、農務長官とは行き違いになると思います。そういう関係のものですから、私どもとしては、大体の見通しをこちらでつけたいということで交渉いたしたのでありますが、その交渉の結果はただいま申し上げたような情勢であります。でありますが、河野企画庁長官が帰って来まして、なおワシントンにおいて、あるいはローマにおいて、あるいはガーネット局長とも会って来るのだと思いますから、そういう情勢を聞いて、その上でこの処置をきめていきたい。 以上が大体の経過であります。
○千田正君 よくわかりましたが、向うが向うの会計年度の予算の中に、余剰農産物を他国に出すという十億ドルの中に、日本の分を考えておらなかった。それは日本側が第三次余剰農産物に対しては申し入れをしておらないということも一つあるのですが、もう一つは、今大臣がおっしゃったように、七五%は日本の国内における農業の開発、あるいはその他に使われる円資金であるわけですね。と同時に、またアメリカ駐留軍の駐在しているところの軍人、軍属、その他の家族の費用にも充てる。これは第一次、第二次の余剰農産物の受け入れのときの一つの話合いだったわけであります。駐留軍そのものが撤退して、それだけの費用を必要としないという面も、あるいは今のお話の中に含まれているのじゃないかと思われるのですが、その点はどうなんですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) お話のように、七五%は円資金で使っております。二五%は向うの駐留軍の宿舎その他で使っております。そこまで具体的に今度の話は入らないのであります。向うでは六〇%ぐらい円資金の使用、こういうようなことは内内アメリカにおいての話などがあったようでございます。これは私どもの交渉には、正式にこれは出しませんでしたが、そういうことは推測できたわけで、あります。十億ドルの予算に対して、ことしは非常に各国から申し入れが多過ぎて、二十五億ドルくらいの申し入れがあった。それをいろいろしぼってみて二十億ドルにしぼって、それをまた十億ドルにしぼろうということで苦労している。日本のも、十億ドルに入っていないとは言わないのであります。はっきり入っていないとは言わないのであります。まだ余裕もありそうなんでありますが、しかし、その余裕のめどというものが、私の方から推察するに、はなはだ少い。こういうようなことなのですから、今のお話のように、駐留軍の費用に使う金がどういうふうなことにしようかというような具体的な話までに立ち入らなかった、こういう事情であります。
○千田正君 そうしますと、この問題は、当初から政府といたしましては、昭和三十三年度の政府の対策の中には、余剰農産物という面は特に考えておらなかった。むしろ河野経済企画庁長官がたまたまアメリカに行っていろいろな問題の折衝の過程において、この余剰農産物を受け入れた方がいいじゃないかという気持から生じたのが、一連の一つの国内の問題として同時に起きてきたというふうに考えていいのか。初めから、昭和三十三年度には予算の内容の中に、やはり余剰農産物を受け入れることを考えて、そうして昭和三十三年度の政策の一つに盛り込もう、こういうお考えがあったのか。その辺はどうなんですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) ただいまのお話のうちの、後者であります。あとの方であります。予算編成のうちに入っておりませんでしたが、第三次の余剰農産物受け入ればなかったし、食糧の需給上、これは第四次は需給の範囲内において、これは入れた方がいいのじゃないか、こういうことで話し合いを各省とも進めておったわけであります。ところが、事務的に綿花なども問題がありまして、綿花については入れないでもいいじゃないか、申し込まぬでもいいじゃないかというような意見もあったのであります。しかし、十万俵ならばまあ入れてもよかろうというような話し合いがありました。そういう事情で、数量等においてこっちでまとめると、少しひまをとります。しかし、結論といたしましては、閣議の了承を得まして、余剰農産物受け入れの申し込みをしようということで、先ほど申し上げましたように、九月一日に外務大臣を通じて申し入れたわけであります。でありまするから、これを受け入れようという予定をずっと持ってきたわけであります。しかし、これは予算の編成前から話があったのでありますが、そういう順序で進んできましたので、途中で、河野企画庁長官が寄った場合に一つこれを交渉してみよう、申し入れをしてみようということではなく、ガットに行くので、アメリカを通過する際には申し入れて、余剰農産物についての交渉もしてもらう、こういうことで進んできたわけであります。
○千田正君 もう一点だけ。この余剰農産物の受け入れに対しては、第一次、第二次ともにわれわれ委員会でも相当問題になったんでありますが、御承知の通り、向うでは余ったもの、こっちではもう欲しいことは欲しいけれども、国内の農業とか、その他の産業を圧迫しない程度において入れなければならない。そういう意味からいって、たとえばさっきお話のありました小麦のうちのハードとソフトの問題、あるいはタバコなどは、日本は要らないようなものでも押しつけられる。綿花の面においても、国際価格の面からいって、必ずしも安いものといえない問題がある。そういう技術的な問題が起きてくるのですが、かりに今度の十億ドルのアメリカ側の予算の中には入れられていないとしも、次の段階で追加予算の計上のときに日本側の要求を入れて、向うは劈頭に掲げて、日本側の要求を入れて日本側に出そうじゃないかというような場合におきまして、従来のように、やはり問題になったこうした小麦の問題であるとか、あるいは綿花の問題、あるいはタバコの問題というものを、どうも私には押しつけられるような愚があるのです。そういう商品そのものに、そういう点に対してはやはり押しつけられたらやむを得ない、まあ申し込んだんだから引き受けなくちゃならないというお考えを持っておられますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほどもお話し申し上げましたが、十億ドルの範囲ならば、そうして私どもの条件に近いものならば、それを受け入れようということであったのですが、来年の一月に追加予算を計上して、そうして日本に余剰農産物を売ろうというようなことになった場合には、新たな出発として私どもは考えてみたいと思うのであります。しかし、その場合にも、今申し上げましたような日本の条件に相当近いといいますか、近いならば買うべきでありますが、あまりどうもタバコだとか、いろいろこっちの条件とは離れているようなことでありまするならば、私どもはこれは遠慮するというか、断りたいと思っております。これは新たに交渉しようと思いますので、今その点について詳しく申し上げる段階ではないと思います。
○千田正君 最後に。そうしますと、今のいわゆる、向う側の言う十億ドルの余剰農産物の予算の中に、日本側の要求も入れられた場合は幸いだけれども、そうじゃなかったならば、日本の国内のいわゆる予算の計上の関係等もありますので、時期的なズレがあった場合には、しいて要望しない、現在の段階はそういう段階なんですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 時期的なズレがあるといたしましても、こちらの条件に沿うようでありますならば、これはまた申し入れというか、考えてみたいと思いますが、その点が非常に違うような場合場合といいますか、そういう情勢判断から見て非常に違うようであるならば、これは今度第五次になりますか、今やめてしまえば、五次については申し入れというか、交渉をしない。もしこっちの条件に近いようならば、折衝してみたいと思っております。しかし、まだこれを打ち切ったという段階まで行っておりません。河野長官も戻っておりませんから、帰って来てからいろいろ相談しなければきめられない。まだきまっていない問題であります。
○千田正君 最後にもう一点だけ。そうすると、閣議の決定に基いてやったのでしょうが、かりにこれが、こっちの要望通りに向うも受け入れができない、また内容においても違うという場合には、申し入れをやめるかもしれない、そうした場合においても、もちろんそれだけの覚悟でありましょうから、大臣としても、内閣としましても、余剰農産物を受け入れなくても、今後の政策の方針においては大した大差ない行き方で進められていく、食糧政策なり何にしても、それだけの御自信はおありでしょうね。
○国務大臣(赤城宗徳君) 閣議においてこの申し入れが妥結できなかったということで申し入れを撤回するといいますか、これをやめるということになりますれば、当然食糧の不足分は外貨で買わなければなりませんし、あるいはまた国内における財政投融資等の問題もありますが、閣議でそういうことにきまるといたしますならば、当然それにかわって措置をとらなければならぬ、こう考えております。
○東隆君 私は関連してお伺いしますが、この余剰農産物の受け入れに私は反対なんですが、先ほどお話しになったところによりますと、小麦はハードを出したい、それからトウモロコシが欲しい、トウモロコシを出したい、こういうようなお話でありますが、私は、もし受け入れるとするならば、小麦のハード、それからトウモロコシ、これは受けた方がいいんじゃないか。それは、国内における一つの広義の食糧の自給態勢の確立ということから考えたときに、私は食糧というよりも飼料の面を考えなければ日本の農業の円滑な発展はないと、そういうような点から考えて、できるだけ金を使うなら安い飼料で、食糧よりも安い飼料を入れて、そうして食糧を生産する、こういう態勢を作っていくことが、これが正しい農政でないかと。そういうような意味で、ソフトの小麦を入れることによって国内の小麦の生産を阻むようなそういうやり方をしないで、あくまで——先方がかえってそういうことを持ち出しているというお話ですから、それを受けて立つ方が私は次善の意味においていいと思う。そういう点はいかがなものですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 私どもも、お話のように、小麦ならばハードを入れたいと、こう思っております。余剰農産物としての穀物としては、アメリカは現在ソフトが大部分という形でありますので、私どももハード、硬質小麦が欲しいという、入れるならば硬質小麦——逆です、間違いました。向うで硬質を入れたいということで、さっき間違いました。私の方ではソフト、軟質を入れたいと要求したわけであります。
○東隆君 いやいや、そうじゃないんですよ。
○国務大臣(赤城宗徳君) そうなんです。さっきのは私、ちょっと逆に申しましたので……。
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀末治君) 速記を起して。
○国務大臣(赤城宗徳君) 私の方では軟質を受け入れる、向うの方では硬質小麦にしたいと、それからトウモロコシを奨励したい、こういうことであったわけであります。でありますので、私の方の申し入れと違うと。私の方では軟質、ソフトというような申し入れ、向うでは軟質小麦は余剰農産物としては非常に今少い、もう入れる量が少い、硬質の方が多くなっている、こういうことに言ってきておるわけであります。今のお話から、東さんのお話だと、硬質を入れたらいいんじゃないか、及びトウモロコシを入れたいと、その方がいいんじゃないかと、こういうお話であります。私の方では、やはり日本のまだ食慣習からいいまして、軟質の方を希望しております。アメリカに対しては軟質を希望しております。お話のようなことも考えられるかと思いますけれども、今の私の方の希望としては軟質。それからトウモロコシにつきましては、これはまあ一般に通常輸入方法としてAA制で入れていくわけであります。 でありますので、御承知の通り、余剰農産物となりますと、私の方から見れば必要量の範囲内でありますけれども、向うで、余剰農産物を入れる前に、通常の輸入量というものは約束することになっております。その範囲が区別がなくなっちゃうわけです。今トウモロコシについては一般の通常輸入量ということで、AA制で、御承知の通り入れております。しいて余剰農産物としてトウモロコシ等を特に入れるということを考えないでもいいんじゃないか、こういうふうにまあ考えております。
○東隆君 私は今のお話を聞きますと、非常に重要な点が、農政上の問題があると思うのです。というのは、国内における麦の生産というものをですね、今の農林大臣の考えておるような考え方からいったら、これはもう猛烈な圧迫ですよ。先日何か新聞に、これはよく農林省はアドバルーンを揚げて、そして国民の意見を聞くようですけれども、たとえば国内生産の麦の生産者価格を下げよう、そしてそれによって食管会計の赤字をなくして、その分だけ一つ畑作振興に注ぐのだと、こういうようなことが新聞に出ておりました。それで、そういうようなことと関連をいたしますと、先日私が農林大臣に、輸入をするのならばハードをしてほしい、それに対して農林大臣は、ハードの小麦を輸入するつもりだと、こういうふうに言い切られておる。ところが、きょうはそうじゃなくて、軟質小麦を申し込んだのだ、こういうお話なのですから、これは少くとも国内に生産をする、しかも麦のまき付をしようという農家の矢先にですね、来年の小麦は現在のものよりももっと安くなるんだぞ、それでも作るかと、こういうふうに言うような姿が出ておるわけです。私は、できるだけ国内で生産をされるものは助長をして、そしてできるだけ海外から入れないようにする、そういう考え方こそ農林大臣としてとるべき方針だと思う。それとはもう全然逆なやり方をやっておるのですから、農林水産委員会の諸君は大てい私と同感でないかと思うのですが、はなはだもってけしからない考え方だ私は思いますが、その点、解明を願いたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 日本で輸入する小麦の量は二百二十万トンになっておるのでありますが、そのうち約半分はハード、硬質であります。半分は。輸入予定量ですね、これはアメリカからも約二十万トン、それからカナダから約九十万トン、これは硬質小麦であります。その半分、残り百十万トンくらいが、これは軟質のアメリカから入れる予定の小麦であります。アメリカ及び豪州ですか……。そういうような事情になっていますので、全部日本と同じような軟質小麦を入れるというわけではないのであります。そこで、やはり申し上げますように、食糧の需給関係からいいまして、やはり軟質もその程度は必要かと、こういうことで、需給関係上から輸入計画を立てているわけでございます。 これによって、今お話のように、内地と同じような小麦を入れて、内地の農業を圧迫するというような考え方を持っているのじゃないかというお話でありますが、そういう考え方は持っておりません。これはやはり食糧の需給関係から、硬質及び軟質小麦を需給上約半々ずつ入れる、こういうことになっているわけであります。 それから、この間新聞にも出ておった麦の価格の問題につきまして、これはいろいろ検討中で、まだどういうことにしようかという考えはまとまっておりません。これは委員会やその他各方面の資料等、考え方等も検討してから、きめていきたいと思うのであります。いずれにいたしましても、内地農業を圧迫するというような考え方で農政を進めようとはいたしておりませんので、その点御了承願います。
○東隆君 麦の価格をいじることは、これはまだ検討中のものだ、こういうお話ですが、これは大へん日本の農家には大きな影響を及ぼしておると思うのですが、ことにまき付を前にこういうことをいたして、そしてそれが単に食管会計の赤字を埋めるというだけのものにしか考えられない。それで、あくまで農林大臣が、麦を国内でもって自給態勢を確立するための方途を考えるのだ、こういう考え方でもって研究を進めておる、こういうふうに言い切られますか、その点をお伺いいたします。
○国務大臣(赤城宗徳君) もちろん、麦につきましても、米につきましても、食糧全体として、国内自給態勢を確立していく方向を進めていきたいということは、はっきり申し上げます。
○千田正君 関連して、今の、かりに麦を入れる場合に、この前の余剰農産物を入れるときも、マーケット・プライスの問題が非常な問題になっておる。日本とアメリカの約束かどうかしらぬが、あのときのいわゆる国際マーケット・プライスより、はるかに安い値段で各国が売り出しているにもかかわらず、アメリカと日本との余剰農産物の契約が、当時のまあ標準だと称して買い付けた結果、どうもその後に落ちついてきたオーバー・プロダクションのインターナショナル・マーケットとの間には、多少の差が出てきたという問題が起きてきたのですが、今度かりに農林省が受け入れるという場合のプライスの条件はどうですか、価格の条件は。
○国務大臣(赤城宗徳君) これは別に高い安いでなく、普通の商業価格できめるわけになります。
○千田正君 それでは、普通のエクスポート、インポートの、貿易の商社がやっている行き方のプライスに準じてやるという、かようなお考えですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 今のお話の通りであります。ただ、船の条項で、米船を使うかどうかという条項も、取りきめる場合にあります。それで米船を使うということになれば、それだけ高くなります。
○千田正君 それが問題なんですよ。向うはアメリカの船で運ばなければならない、保険もアメリカのあれでかける、こういうことになると、そこに相当の隔てが出てくるのです。それも向うの条件をうのみにするということは、今度は考えていかなくちゃならぬ、もし入れるとするならば。
○国務大臣(赤城宗徳君) その点は十分考えておりますので、こちらで船の条項等については、今のお話のように、こちらで有利のような話をしておるわけであります。実際問題になってくると、やっぱりその点は私の方としても問題になって、受け入れようとするような場合には主張するつもりであります。
○東隆君 先ほどのトウモロコシですが、これは私はやはり国内における畜産の方の関係、これはやはり大きく助長をされておるものですから、そんな関係で、トウモロコシを入れるということはこれは非常にいいし、こっちも一つお考えを願いたい。 それから綿花の問題ですが、これは例のアメリカでもって日本の綿紡績受け入れの何かトラブルがありましたが、そんなものを緩和するような意味ですか。私は、もしそういうことでないとするならば、アメリカから品物を入れるよりも、かえって別な方から綿花を入れることによって、その反対に日本の国内の工業生産物を送り込む、こういう態勢を確立すべきじゃないかと思うのですが、アメリカと日本とにおけるところの関係の場合に、農産物をアメリカからとって、そうして日本の工業生産物を送り込むというような、そういう貿易の仕方よりも、やはりできるだけ農産物をアメリカからとらないで、そうしてこちらの方の貿易とバランスがとれるような貿易をやるべきじゃないか。逆に綿花あるいは羊毛、そういうようなものを輸出して、そのほかには物がないというような所からそれをとって、そして国内のものをそちらの方に送り込む、こういうのが、私は貿易の面からいってもそれが順当なやり方だと、こういうふうに考えるのですが、その点はどうですか、綿花に関連をして……。
○国務大臣(赤城宗徳君) 綿花といたしまするならば、やはりメキシコその他でありましょうけれども、今の御趣旨のような点は相当考えるべき問題だと思いますが、メキシコあたりについては買い過ぎになっておりまして、なかなか向うに機械類や何か出ないようであります。そういう関係で、アメリカの綿も日本の紡績関係から必要だというようなことを実は申し入れるわけでございまして、御趣旨のようなことは非常にけっこうなことだと思います。しかし、食糧を入れないで済むというような状況では、御承知の通り、ないので、やはりある程度の必要量だけは入れざるを得ない。これは余剰農産物でなくても入れざるを得ないのが現状であるというふうに、御了承願いたいと思います。
○委員長(堀末治君) 次に、日ソ間及び日韓間の漁業問題について、千田君の発言を求めます。
○千田正君 日ソ間の問題は、御承知の通り、昨年漁業条約が結ばれ、本年も、すでに日ソ間の外交が軌道に乗ってから一周年を迎えて、さらに今度は長い間懸案になっておった抑留漁夫の送還というような問題が起きております。それにもかかわらず、いまだもってわれわれの主張が通せないという問題から、北海道、それから東北、その他の地区から行っている零細漁民の漁業安全操業の問題、あるいはピョートル大帝湾におけるところの日本側の主張、こういうものがまだなかなか軌道に乗っておらないように見ますが、この問題を、交渉は現在も継続しておるのか、あるいは多少とも見通しがついておるのか、その点はどういうふうになっておりますか、大臣としてのお見通しを承わっておきたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 国後、択捉あの方面の安全操業の問題につきましては、外務省を通じ、また出先の公館を通じて、交渉を続けておるわけであります。それにつきまして、ソ連側でもなかなか返事をしてきませんので、たびたび私の方からも、外務省を通じて、真剣にこの問題を解決する意思があるのかどうか、意思があるとすれば、どういう方法で解決しようとするのかという督促をいたしておるわけであります。しかし、なかなかどうも、そのうちに回答する、そのうちに回答するというようなことで、実はまだ回答に接していないわけであります。 それから。ピョートル湾の問題につきましては、これはもう何といいますか、向うが領海というよりも、国内だというような考え方を相当持っておりまして、こちらの考え方と非常に違った意見を持っておりまして、なかなかこちらからのあの封鎖を解除できないかという申し入れに対しましては、非常に渋いといいますか、こちらに応じそうもない情勢であります。しかし捨てておくわけではありませんので、始終農林省といたしましては、外務省を通じ、あるいは出先を通じて、向うの出方を督促しております。そういうような状況であります。
○千田正君 ソ連側がこの間発表をして、まあ日本の新聞、ラジオ等にも発表しておりますが、抑留漁夫、これを全部返すんだと、こう言っていますが、あの数は全部なのですか。そうして、それは抑留漁夫、いわゆる人間だけは釈放して、拿捕した船舶その他は、そのまま向うに抑留しておるの世か、その点の事情はどういうふうになっておりますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 向うからの通知ですと、今のお話のように、外務省に対しての通知によりまするというと、今服役中及び審理中のすべての船員、乗組員を帰すということでありますが、その乗組員数は二十九名ということになっております。これをナホトカで釈放する、こういうことに言ってきておるのであります。この二十九名という数字でありますが、私の方の調査では、現在拿捕、抑留、未帰還の漁船乗組員数は三十名というふうに、一応調査ができております。その差異等につきまして今調査中でありますが、その差異についてまだはっきりいたしておりません。なお、引き取りについて申し添えまするというと、「つがる」を手配しております。
○千田正君 その船舶はそのままですか。
○説明員(奧原日出男君) 先方は、ソ連側としては何らの意思表示もいたしておりません。これはおそらく先方としては、没収するつもりであろうかと、かように考えます。
○千田正君 それでは、この日ソ漁業問題について、日ソ間の漁業委員会その他、来年、いわゆる年を越して両者間で開かれるんですか。あるいは年内に何らかの、今の歯舞、色丹の問題その他についての準備的な会談でもやるという予定がついておるのですか、どうなんですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 来年の一月十三日から期限が切れますので、日ソ漁業交渉に入る予定にしております。今年中には準備会談等はする予定は持っておりません。ただ、カムチャッカ方面の調査等をすることが、この前の日ソ交渉の条項にありますので、私の方でカムチャッカ方面の調査に出たいという申し入れをしたのでありますが、向うで、樺太及びサガレン方面ならばいい、こういうことで、カムチャッカに調査に行くことを拒否するといいますか、応諾いたしませんので、それならばこちらから調査員を調査に出す必要はないということで、調査には出しておらないようであります。
○千田正君 次に、これはもう時間もありませんから、日韓問題と、対中共との問題がありますが、日韓問題は、御承知の通り、会談が、どうも途中にしてまた暗礁に乗り上げて、しかも抑留の漁夫は相変らず抑留されている。一方においては、韓国のノリのような問題が現われてくる。まことに複雑怪奇な状況において、なおかつ、日本の抑留されている漁民が帰って来れない。この問題の解決は、やはり人道上、どうしても許すことのできない問題である。この問題の解決方法としては、先般日赤その他において、相当の国際的な運動をやっておるようでありますが、この見通しについての問題と、もう一つは、南支那海あるいは東支那海における漁業の将来の見通し、こういう韓国に対する問題、中共との間の問題、この二つについての所信を承わっておきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 韓国に抑留されておりまする漁船乗組員の釈放に関しましては、私どもも非常に心痛いたして、外交折衝を続け、また実現に努力してきたのでありますが、まことに残念ながら、日韓交渉そのものもうまくいかないと同時に、この漁船乗組員の釈放に対しましても、従来の外交折衝の経過から見ますると、すみやかな釈放ということを期待することは困難なような実情であります。で、私どもといたしましては、そういう実情でありますので、なお外交折衝を強く続けていくつもりでありますけれども、遺家族といいますか、留守家族等につきましては、従来とっておりまする方針は、さらに強化して対策を講ずる方針をとっております。 それから中共方面との漁業につきましては、政府としていろいろ交渉はしておりませんが、民間で、団体として折衝いたしまして、御承知の通り、非常に順調といいますか、都合よくいっておりますが、韓国方面につきましては、先ほどお話ししましたように、抑留者同様、漁業の問題につきましても、非常に私どもの思うようにいかぬ、こういう情勢であります。
○千田正君 最後に一点。それは先般来われわれが何回もお尋ねしているんですが、またまたイギリスが、クリスマス島周辺において原爆の実験をやるということを公表しております。先般の実験に関する損害賠償の問題、そのかたがどういうふうについているのか、あるいは進行中なのか、それのまだ結果がわからないやさきに、再びクリスマス島において実験するということを公表しているのに対して、日本側ではどういう処置をとっているのか、この点について伺っておきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) クリスマス島の原爆実験における被害につきましては、被害者等から損害等を目下調査中でありますので、その損害を請求するという方針において変りはありませんが、ただいま調査中で、資料が十二分にまとまっておらない、こういう状態であります。
○千田正君 それは今までの問題ですが、今度再びクリスマス島において実験するということをイギリス側は公表しておるのであります。これに対してはどういう処置をとるおつもりですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 原爆の実験禁止につきましては、国連において外務大臣もこの決議案に持っていきたいということで進めておるのは、御承知の通りであります。クリスマス島についての実験について、まだ正式の話もわが国、わが方へ言ってきておらぬようであります。従って、正式に抗議をしておるということもありませんが、従来通りこれにつきましては、実験をしないように申し入れる、そういう態度はとりたいと思っております。これは私の方だけの管轄でもありませんので、よくその点は閣議等におきましても協議して善処したい、こう考えております。
○千田正君 今の大臣のお話では、公式な通知が来ておらないから、来てから考えようというお話のようでありますが、日本からは、御承知の通り、各国に対して外務省の公館が設置されてあるのでありますから、少くともああいう公表を各国の新聞が発表しておる以上は、正式な通知がなくても、イギリスはあくまでもクリスマス島において実験するということを公表しておるのですから、その真偽を確かめて、事前にそれに対するところの準備は当然なされてしかるべきものだと思いますが、この点の真偽を明らかにつかんでいただくよう特に要望して、私の質問を終ります。 —————・—————
○委員長(堀末治君) 次に農地問題……。
○清澤俊英君 時間がないから簡単にお伺いしますが、最近新聞に報道せられたのですが、例の農地解放の補償問題、これは何か自由党の総務部の首席ですか、何かそういうくらいの人の、重要幹部の方が中心になって、山崎さんの団体、小柳、小暮さんの団体、下条さんの団体、この三つを統合して、何か補償の目的を達することが進行しておる、こういう記事が出ておりましたのですが、これは非常な農民の中へ一つのショックを与えて、問題化されております。 それで、お伺いしたいことは、こういう一つの動きを察知せられておるのかどうかという点と、前の農林大臣、総理大臣等々、大体自由党の意向としては、大審院の判決の結果もありますから、これは補償しない、こういう筋は確定しておると思いますが、その中からまた次々と出てき、あるいはまた巷間伝えられるところによると、これから先解放農地士売りました場合の差額金の何割かを蓄積しておいてこれで補償するのだとか何だとか、いろいろな問題がまことしやかに伝わっておる。これに対して非常に一般農民の関心が高まっておりますので、補償はしないのかするのか、あるいは何かの別な方法でやっていくのか、あるいはそれをやるために現実においてこういう運動が行われておる、これに対して農林大臣はどういうふうな処置を、考えを持っておられるか、一つはっきりお伺いしたい、こう思うのです。 と申しますことは、時間の関係上、あとでも申しますが、今農地の問題は非常に大問題になっておると思うのですが、ことにちょうど畜産局長もここに見えておいでになりますが、最近の酪農の問題なども、私は根本的な解決をしていくためには、やはり山間部において労力等とにらみ合わせて、放牧を中心にした酪農をやって乳価を下げる、こういう点が出てきて、従って、一番日本のガンである、零細農家の集まっている山間地におきまして、幾ら開墾して何しても、労力の点で一ぱいになっておる。それに牛を飼わすといっても絶対できないのだから、農繁期においては放牧でもって自然にこれを飼育していく、そうして農閑期になりましたならば幾らかこれに対してその労力を加えていくという方法が、これかもう山間地のいわゆる零細農家のたくさんな日本の農政として、特に酪農として見ますれば、こういうやり方によって非常に安い牛乳を提供できると思います。こういうことから考えてみますと、やらしてみよう、われわれはこの山は適当な、ここはいい山じゃないかというので、放牧地としようとしても、一番問題になるのは、この間もわが党の戸叶君が指摘していた通り、これは土地の所有権の関係上絶対に放牧地とすることができない。おそらく絶対といっていいほど、できない。税金払えないという寒村で、放牧によって息をつくためのどんな適当な場所があっても、それがやれない。それをすれば、放牧をやっていけは——税金も払えないような貧乏な村、ブラジルまで逃げていくというような部落でも、それがために復活できない。そこへこういう一つの農地問題に対するショックが与えられる、だんだんそれが強化していく、こういうことになって、これは非常に重要な問題になると思いますので、はっきりした御見解をあっさりと一つお伺いしたいと思います。時間がありませんから、あまりくどくど申しません。
○国務大臣(赤城宗徳君) 自由民主党の方で解放農地対策問題の調査会が設けられていることは、お話の通りであります。設けたときのいきさつが、補償を前提とするものではない、そういうふうに言われておるようでございます。その後の経過等につきましていろいろお話がありましたが、個人的にいろいろの意見はあると思いますが、どういう結論が出ているか、結論は私聞いておりません。農林大臣といたしましては、農地改革の効果は認めておるわけでありますし、補償ということをするという考えは持っておりません。
○清澤俊英君 ところが、初めのうちは、補償はやらない、こう言うておられて、あとから何かの機会に、社会的の補償をしてやらなければならぬということをちょっと言われたと思う。それでまた、がっと火の手が上ってきた。そういう効きはないですか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 党の方にはいろいろの考えを持っている者もあると思うのでありますが、結論的なことも聞いておりませんし……。個人的な意見はいろいろ私は聞いております。社会保障制度であるとか何とかというようなことにもなっておらぬと、私は考えております。
○東隆君 今のに関連して、一つ。実は澱粉の買い上げの問題なんですが、九月三十日発表されておりますが、ちょうど出来秋でありまするので、北海道においてはもうすでに支持価格を割っておるくらいで、百円以上も割っておるような状態でありますので、年内に買い上げを政府がされる、こういうような意図を明瞭にお示しになれば、私はこの状態を救えるんじゃないかと、こういうふうに考えますので、政府において年内に買い上げをされると、こういうことを御表明を願いたいと、こう思うのであります。その点について。
○国務大臣(赤城宗徳君) 澱粉の問題につきましては、結晶ブドウ糖の工業化なり、価格の問題、いろいろあるものですから、実は農林省内にも澱粉問題の委員会を、今省内で設けて研究中であります。でありますので、その研究もそう長くかかるものではありません。その結果を見てから、申し上げたいと思います。
○東隆君 それでは、もう何にもきき目も何もないのです。画龍点睛にならぬと思う。それで、せっかく農産物価格維持のために法律ができ、そうして価格の支持をされて、そうしてしかも国が非常に法律によってそういうことをやりながら、ことしは澱粉の生産が少いと、こういうような情勢でありながら、価格を割っておるのでありますから、そこで政府は年内に買い上げをする、こういうことを表明をされれば、私は急場をしのぐことができると思います。従って、それに対応した措置も講ずることができると思います。例年問題になっておったのは、一月から以降に買い上げをされておる、こういうような点が、これがもう非常に何とか改正をしてもらいたい。そうして十二月までの間に買い上げてほしいという、これは非常に強い要望があるのです。それにこたえてやることが画龍点睛になると、こういうわけなんです。その点で、もう少し強くお答えを願いたいと思います。農林大臣があの法律によって支持をされたのですから、安くなったときには買い上げると、こういうことは当然な話ですから、何もそんなに遠慮をされる必要はない。
○国務大臣(赤城宗徳君) 御承知のように、澱粉の買い上げは二月から六月ということになって、自主的に調整するという形になっていると思うのです。というのは、実はカンショ、バレイショに対して強く私どもは生産者価格を支持しているということでありますが、これは非常にむずかしいので、澱粉について価格支持という形になっております。でありますから、自主的に調整ができないような場合には、今お話しのような措置をとりたいと思います。
○委員長(堀末治君) 二つの点について、仲原君。
○仲原善一君 時間もあまりないようでありますので、簡単に要点だけをお願い申し上げたいと思います。 問題は、この草地の問題と、畜産振興に関係の問題でございまして、先般御発表になりました農林白書によりましても、畜産物の生産物が非常に伸びております。戦前に比べて二倍半以上にも伸びておるのは、この畜産物だけでございますが、これはまた戦後の食生活等がだいぶ変ってきた、そういう事情もございましょうが、特に農林当局の畜産行政がよかったということも考えられます。今後もこの畜産物の増産なり、あるいは畜産行政の進展ということは、だんだん耳にしておりまして、まことにけっこうなことであると感じておりますが、特に流通過程の問題とか、価格の問題、価格安定政策等の問題についても、たとえば学校給食の問題であるとか、あるいは基金制度というようなものをお考えになっているそうでありまして、非常に共鳴しているわけでございますが、もう一つ重要な問題は、えさの問題でございまして、いわゆる自給飼料を増産する問題であります。 これには、やはり従来の耕地を非常に集約的にやりまして、牧草を作るやり方もありましょうし、私がこれから述べようと思いますのは、この山林やあるいは原野の非常に粗放的に経営されておる、あるいは搾取されておる、略奪されておる草地の問題でございます。これが大体、調査によりますと、二、三百万町歩もあるというのでございまして、現状ではその草を肥料に使ったり、あるいは家畜のまぐさ、あるいは敷料に使ったりして、非常に荒れている。そのために、国土保全の問題から申しましても、非常に問題になっておるようでございますが、この荒れております山林原野の草地を何とか改良して、自給飼料の増産に資するということが、非常に重要なことであろうと考えております。 ところが、ここに非常に隘路がありまして、いろいろ予算を計上化されたり、いろいろな施策をやられましても、一つ重要な隘路になっておる問題があります。それは技術者が足りないということでございまして、話を開いてみますと、全国で四人ぐらしかこの草のわかる人はいないというようなことを聞いております。これは日本の農業が従来穀菽中心でございまして、稲やら麦やら、そういうものについては非常にたくさんの優秀な学者も技術者もありますが、草の学者ということになると、これはほんとうにりょうりょうたるものでございまして、いやしくも畜産の振興をはかられる上におきましては、この飼料の問題と関連いたしまして、技術者の養成ということが一番、これはどろなわ式ではありますが、とにかく今にして手をつけねば、将来とてもこれは追っつかない問題になるのではなかろうかと考えるわけでございます。まあそういう意味におきまして、農林省のいろいろ試験場等もございます。あるいは研究機関もございます。そういう所で十分にこの学識経験者あるいは技術者を養成されることはもちろん必要でございますが、もっと根本的に、国立の大学に草地農学の講座を設けて、将来のこの一つの基盤にすると。そういう基礎的な学問を持っている人でないと、やはりほんとうの指導はできぬということを伺っておるわけでございまして、現在あるほんの一部分では、この優秀な技術者がおって草地の改良も十分やって、農民にも喜ばれておる、畜産の振興にも非常に役立って力があるという地域はございますが、これを全国的に推し進めるためには、やはりこの基礎知識を十分に持った学生を、あるいは卒業生を出して、将来に備える必要がある、かように考えるわけでございます。ところが、この大学の予算ということになりますと、やはり文部省でございまして、この農林委員会ではどうにもなりませんので、その点、農林大臣が総合的にお考えになって、文部大臣と御相談になってですね、大学に、特に最も地域的にいいという国立大学を御選定になって、講座を一つ設けられるような意思がありますかどうかですね、その点を特にお伺いしてみたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 畑地農業あるいは畜産奨励という点から考えましても、草地の造成ということは、お説の通り、非常に重要であると、こう考えまして、一つは土地利用調査というものをやって、草地として適当な所、林野として適当な所、耕地として適当な所、こういうものについて調査を進めていきたい、こういうことを一つ考えております。 それからもう一つは、農林省といたしましても、現在この草地の造成、改良、技術の確立普及のために、国立の牧場に牧野改良センター、これを中心として技術の改善と普及をはかっておるのであります。なお、地方庁の技術者を養成するために、草地の造成、改良に関する研修機関を国立牧場に設置しようといたしまして、明年度の予算にもこれを要求しております。お話の通りのことをやりたいと、こう思っております。 なお、技術者が非常に不足しておるので、大学等に講座を設けたらどうか。今東京大学の農学部及び東北大学の農学部におきましては、牧野について畜産学科があります。そこにおいて講義を実施しておるのでありますが、これは臨時講義の程度で、畜産の重要性を草地開発の将来性にかんがみまして、草地農学といいますか、草地農学を講座として独立させて、基礎学として充実をはかることが緊要であるということは、お話の通りであります。これはまたお話のように文部省の所管でありますが、私どもといたしまして、畑地農業とか畜産の振興、こういう点から非常に必要なものだと思いますので、独立した講座を設置することにつきましては、文部省とも交渉いたしまして、強く押してみたい、こう思っております。 —————・—————
○委員長(堀末治君) 次に、農林水産政策に関する調査報告についてお諮りいたします。 本件につきましては、いまだ調査を完了するに至っておりませんので、本院規則第七十二条の三によりまして、閉会中調査未了の旨の報告書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀末治君) 御異議はないと認め、さように決定いたします。 なお、報告書の内容及びその手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 それでは、本日はこれをもって散会いたします。 午後四時三十二分散会